2014年7月12日 (土)

梅雨時期なので当たり前なのですが、週末もずっと雨続きだったので、屋外での作業が全然できませんでした。その欲求不満の影響なのか、手を付け始めたLST-Xと並行して、RLCのリペイントを開始してしまった無謀で馬鹿な私です。

RLC-70

リペイントにおいて最大で最高で最悪に大変なのは、言うまでもなく元の塗装を落とす作業なのですが、いろいろ考えた結果、大きな労力を必要とするけど一番無難なサンドペーパーでの研磨による方法を選択しました。その理由は、やはり経験があるため、ボディへのダメージを最小限で抑えられるからです。温めてスクレイパーで剥がす方法は、過去に失敗してボディを大きく削り取った経験があるから避けました。

ホームセンターに空研ぎ80番のペーパーを買いに行ったら品切れで、仕方がないので普通の紙やすりの80番を購入したのですが、これが大失敗でした。すぐに目詰まりして全然まったく削れません。いや、厳密に言うと、ほんの少しづつ削れているのですが、このままボディからネックから全体の塗装を落とすとしたら、いったい何日かかるのか、考えただけで恐ろしくなります。まぁ、視点を変えれば、ボディを余計に削ってしまう事がほとんど無いから安心とも言えるのですが。

で、約1時間の作業の結果が画像です。たった1時間ぽっちと思われるかもしれませんが、力を込めてボディを押さえる左腕と、力を込めてペーパーを擦る右腕と、さらにはペーパーを巻いた研磨用スポンジを力を込めてボディに押さえ付ける右手の人差し指と中指は完全に限界に達しました。しかもこれ、ただ単に色が落ちただけで、まだサンディングシーラーは残ってて木地が出てないんですよね。

その後、別のホームセンターに空研ぎ80番を買いに行きましたよ。

  • ページトップへ
  • 2014年7月17日 (木)

    私用で仕事を休んだので、空き時間を利用して塗装落としの続きです。今回は先日購入した空研ぎ用80番を使用したので、多少は楽に削れます。まぁ、あくまでも普通の紙やすりと比較しての「楽」ですが、実際に前回の塗装を落とした面積では紙やすりを2枚使ったのに対し、今回の研磨では空研ぎ1枚しか使ってない事を比較すれば、その削れ方の違いは一目瞭然でしょう。

    RLC-70

    塗りつぶしなので期待はしていなかったのですが、案の定、トップはPUキャビティのすぐ上という変なところで接いでます。それでも2Pなのはマシな方でしょうけど。私は決してワンピース信者ではないのですが、やはりトップは見た目の問題があるので、せめてセンターで接いでいて欲しかったと思います。そしたらナチュラルってのも選択肢のひとつだったんですけどね。

    困ったというか、どうやったらいいのか悩んでるのが、ボディとネックの接合部分です。画像では分かりづらいのですが、指板のバインディングとボディが繋がっているL型90度の部分はペーパーが奥まで届きにくいため、まだ塗装が残ったままになっています。かと言って下手に無理やり押し付けて作業を行っては、意図しない部分が削れてしまう懸念もあります。最悪は熱しながらスクレイパーで時間をかけて少しづつ剥がすという手もありますが、はてさて、どうしたものでしょうかね。

    相変わらず色は落ちたもののサンディングシーラーは残ったままです。それは全体の色を落とした後に、なるべく木地を傷付けないよう、慎重に作業しようと思ってます。それまでは無造作に力を込めてガシガシと行きますよ。

  • ページトップへ
  • 2014年7月19日 (土)

    梅雨の合間の、今にも降り出しそうな曇り空の下で作業です。さすがに大量の削り粉が出る研磨による塗装落としを室内で行う訳にはいきませんから。

    RLC-70

    ボディバック部分を空研ぎ80番でガシガシと削りました。トップと違って平坦なのと、ザグリが隅っこで少ないのが相まって、一気に広い面積にペーパー掛けできるのは楽でいいです。が、結局は硬くて厚いポリ塗装なので、むしろ動作が大きくなって筋トレかと錯覚しそうな作業でもありました。

    トップはセンターから大きくズレた変な部分で接いであった2Pでしたが、バックはワンピースかよ!!と一瞬驚きましたが、よく見ると、やはり変なとこ(コントロールキャビティの反対側の数センチ)で接いであった2Pでした。綺麗なマホガニーではありますが。

    作業中に気付いたのですが、表面のクリア層を削ってできた大量の粉が山のようになると、どうしても少し黄色っぽく見えるんですね。こんな安物のポリ塗装にオールドを意識して黄ばんだクリアを吹くという手の込んだ仕様が施されたとは考えづらく、つまりポリエステル(ポリウレタンじゃないよな??)の塗料でも日焼けするんだなーって事には、当たり前と言えば当然ですが、ちょっとだけ感心した私です。

    実際に塗装をする際にはオールド感を出すために黄ばんだクリアを吹きたいと思ってるのですが、クリアは基本的にスプレー缶で吹くために色の調合ができません。なのでバインディングも含めて黄ばみを着色する方法は無いものかと日々思案している私です。

    作業途中のLST-Xは完全に放置しちゃってます。どうしよう。

  • ページトップへ
  • 2014年7月26日 (土)

    完全に週一更新ペースですね。実際に週末しか作業できないので仕方がないのですが。

    RLC-70

    ボディサイドの塗装落とし作業です。トップやバックに比べたら幅が狭いから楽にできるかなーと思ってたら大間違いでした。ギターを作業台に置くと、必然的に横に向かって力を加えなければならず、これが普段は行わない運動なので、とにかく遅々として作業が進みませんでした。

    で、カッタウェイ部分を除いて色を落としたら、実はバックのマホガニーが3Pだった事が判明しました。いやしかし、塗りつぶしなのに上手く接いでるよなーって感心しました。で、そのマホガニー部分は微妙に色が付いているようで、これが意図的な着色なのかシーラー塗布による結果なのかは分かりませんが、元は比較的明るい色のようです。

    本当はカッタウェイを先に手を付けるべきなのでしょうけど、取りあえず面倒臭いとこは後回しにして、先にネックの研磨を行ったのですが、やはり直線で下向きに力を加えられ、しかも丸くなってるので力が一点に集中するため、面白いように色が落ちていきます。

    が、どうやら関東地方でも梅雨が明けたようで、想像を絶するような蒸し暑さの中で、しかも防塵のためのマスクを付けての激しい作業に身体が悲鳴をあげてしまい、中途半端な状態で作業を中断しました。

    ネックの仕込み部とかカッタウェイとかヘッド先端とかの面倒臭い部分ばっかりが残ってて、思いっ切りモチベーションが低下してる私です。

  • ページトップへ
  • 2014年8月4日 (月)

    私の勤務する会社の夏季休暇は、7〜9月の間に5日を適当に消化するのですが、そのうちの1日が今日でした。平日に休めるって気分いいですね。

    RLC-70

    カッタウェイ部分の塗装を落としました。ムキになっても仕方がないので、あまり力まずに地道に作業したのですが、予想していたよりかは多少は楽だったような気がします。気のせいかも。

    他の部分は色を落としただけなのですが、どうせやるならと思い立ち、カッタウェイ部分はシーラーも研磨して削りました。また同時に、ネックの仕込み部分の直角になっている箇所も、角材にペーパーを巻いてシーラーまで落としました。画像の色が若干濃くなってる部分は、まだシーラーが残っているところです。

    これでギター全体の着色はほぼ落とせたので、続けてネックやボディなどの一部でシーラーを研磨したのですが、途中でペーパーが無くなってしまったので、その時点で今日の作業を終了しました。が、あまりの暑さに、服を着たまま風呂に入ったのかって思えるくらいに全身が汗でビショ濡れになって、物凄く気持ち悪いです。

    ちなみに、キャビティ内の塗装は未着手で残ったままなのですが、手作業によるペーパーの研磨で削るのは非常に困難なのと、どうせパーツを付けたら見えなくなる部分なので、そこは完全に手を抜いてブルーのままとなります。

    この後、全体のシーラーを落としてから240番くらいまで木地を仕上げるので、あと2〜3回の作業で塗装落としは終わると思います。が、このペースだと9月中の完成は難しいかもしれませんね。

  • ページトップへ
  • 2014年8月16日 (土)

    RLC-70

    このところ台風とか前線やらの影響で週末になると雨が降って、なかなか作業が思うように進められません。先日も外で作業を始めた途端に雨が降り出して、玄関の軒下に移動して作業を続けたのですが、雨足が強くなって吹き込んできたので断念したりもしました。

    それでも何とか頑張って、ボディ全体のサンディングシーラーを完全に落としました。特に大変だったのはボディトップで、言うまでもなくアーチドなので、平面を研磨するためのサンディングブロックのスポンジが使えないため、手に直接ペーパーを持ってアーチドの曲面に合うように指で押しつけて研磨したので、一気に広い面積が処理できないわ、指に無茶な力を加えてたから痛くなるわ、研磨の熱で指先が火傷っぽくなるわで、途中で泣きそうになりました。いやマジで。しかし、その甲斐あって、美しいアーチドはそのまま、非常に綺麗に木地を出す事ができました。

    もちろんヘッドも完全に塗装を落としたので、インレイやロゴが綺麗に無くなってメイプルの突き板の木地が出たため、まるでメーカー不明の激安ギターのように見えます。ってか、実際に安いギターじゃんって突っ込みは無しの方向で。

    RLC-70

    参考として、サンディングシーラーが残っている状態の画像を掲載します。なぜかと言うと、私が初めてリフィニッシュに挑戦した時に、どこまで削ればいいのか、どうなったら元の塗装が完全に落ちたのか、その辺の判断ができずに困った経験があるからです。

    上の画像の右側がシーラーが残っている部分で、左側が木地が出ている部分です。触れてみると、木地は少しザラつく感じで、シーラー部分はスルッとした感じです。実際に研磨すると下の画像のように、シーラーが残っている部分からは白い粉が出るのですが、これはプラスティックを削ったような、明らかに木とは異なる物だと簡単に分かります。

    画像は目視でも分かりやすいように、木地の色の濃いボディバックのマホガニー部分を写したのですが、ボディトップのメイプル部分は元々が白っぽいのでなかなか見分けがつきません。そういう時は斜めから光を反射するように覗くと、シーラーが残っている部分は明るく見えるので、指で触れるのと併せれば分かりやすくなります。

    次回は240〜320番くらいで研磨して木地を仕上げます。できれば砥の粉の処理まで終わらせたいですね。あー、その前に指板のマスキングが必要かー。

  • ページトップへ
  • 2014年8月23日 (土)

    RLC-70

    木地の仕上げを行う前に、必要ないネジ穴を埋める作業を行いました。つまりはピックガードを留めていた2つのネジ穴です。いつもはラミン材を使うのですが、今回はネジ穴が小さいので爪楊枝を使用してみました。太さと深さに合わせて爪楊枝を加工して、タイトボンドを塗布して埋め込みました。

    で、やっちゃいましたー。画像を見て分かるでしょうか??

    間違えてエスカッションを固定するネジ穴を埋めちゃったんですね。気付いた時にはタイトボンドが固まりかけていたために抜けませんでした。あははー。まぁ、後でネジ穴を開ければ問題無いからいいんだけどね。

    240番で全体をサンディングして木地を仕上げたのですが、その際には斜めに覗き込んで光の反射を利用して、サンディングシーラーを落とす際に付いた細かい線状の傷を見つけては消すという事を繰り返し、そこそこサラサラな状態になりました。あまり細かいペーパーでサラサラにし過ぎたら塗料の乗りが悪くなるかもと思って、ここで木地の仕上げは終了です。

    RLC-70

    続けて砥の粉の処理を行いました。本当は指板をマスキングした方がいいのですが、気を付けて塗れば大丈夫だろうという面倒臭がりな性格が露呈して、そのまま作業開始です。失敗したら余計に手間がかかって面倒臭くなるって事を何回も経験してるにも関わらず、一向に学ばない馬鹿な私です。

    全部の作業に共通して言える事なのですが、セットネックのギターのリフィニッシュは初めてなので、とにかく全体として大きくて、表面積も当然広い訳で、なのでやたらと時間がかかる印象があります。また、取り回しや移動の際にヘッドやネックをどこかにぶつけないように細心の注意が必要なので、それも併せて面倒臭いです。ってか、面倒臭いなら、そもそもリフィニッシュなんかするなって話ですけどね。

    後日にもう一度、念のために砥の粉の処理を行う予定です。

  • ページトップへ
  • 2014年9月6日 (土)

    RLC-70

    2回目の砥の粉処理を終えた後にバインディングをマスキングしたのですが、全体的に曲線ばかりなのは言うに及ばず、しかもボディとバインディングの境界にキッチリと合わせてマスキングテープを貼らなきゃならず、おまけに老眼で細かい部分が見えないしで、とにかく予想外に大変な作業で、3時間もかかってしまいました。

    なぜかボディバックは砥の粉がムラになってますが、キッチリしっかりと木地を研磨して仕上げたはずなので、何が原因かは経験の浅い私には分かりません。この状態で着色して果たして大丈夫なのか不安ですが、どうせバックだから多少汚くてもいいやって開き直って、このまま続けてしまいました。

    木目を見せるため、相変わらずの水性ステインを使用して木地に着色するのですが、今日のところはベースカラーになるマホガニーブラウンで、広い面積を塗るために刷毛で着色します。

    ムラが出にくいように約2倍に薄めて、気を付けながら手早く塗るのですが、1回の塗布では色が薄いので、目標の色の濃さになるまで、乾いては塗りという作業を繰り返します。

    RLC-70

    画像は私が思い描いていた色なのですが、この濃さになるまで5回ほど塗り重ねました。ボディバックの砥の粉のムラも見えなくなって、なかなか綺麗に塗れたと思ってます。

    ところが、ヘッド裏という予想外の部分で大きなムラが出ました。木地仕上げでも砥の粉処理でも何も無かったので、本当に意外だし、これも原因は分かりません。まぁ、ここはもっと濃い色で着色する予定なので、最終的には目立たなくなるだろうと思いますが。

    この後バースト塗装をするので、まだマスキングを剥がせないのですが、白いバインディングが鮮やかに浮かび上がる情景を想像すると、その脳内で補正された美しさにワクワクが止まりません。

    ちなみに、レスポールタイプでは珍しいマッチングヘッドにする予定です。この辺の自由度の高さも自家塗装の魅力のひとつですね。

  • ページトップへ
  • 2014年9月15日 (火)

    RLC-70

    エアブラシでバーストの着色を行いました。着色に使用したのは、濃淡両方ともに相変わらずの和信ペイントの水性ポアーステインで、先に塗ったのはマホガニーブラウン、バーストの濃い方はチェスナットです。ちなみに、ボディサイドだけ先に刷毛塗りで着色した後でバースト処理してます。

    チェスナットはそれなりに濃い色なのですが、やはり水性なので重ね塗りが必要で、この濃さにするためには刷毛でもブラシでも結構な回数を塗らないとなりません。かと言って作業を焦ると垂れるので注意が必要です。とか偉そうに言いつつも、実際に思いっ切りボディバックとかに垂らしちゃったんですよね。でも水性なのが幸いして、すぐに拭き取ったら大丈夫だったんですけど。

    RLC-70

    またまたちなみに、本物のギブソンレスポールカスタムのバーストとは塗り方が微妙に違ってます。と言うのも、元々このリペイントの目的がネック折れの補修部分を目立たなくするためなので、補強材を埋め込んだネックの先端からヘッド裏全体を濃い色にしました。塗りつぶしではないので、よく見ると補修痕が見えますが、パッと見は全然分からなくなったので、目的は果たせたと思います。

    エアブラシによるシースルーカラーの着色は、もちろん下書きもできませんし、言ってみれば「ぶっつけ本番」のようなものなので、上手く塗るには豊富な経験が必要になります。なので私のような極微な経験値しか持たないド素人が思い描く通りに塗れるのは宝くじに当選するよりも低い確率だと思われ、実際にボディバックは、ネックの付け根付近にチェスナットを塗りすぎた感、つまり、その付近の濃い色の面積が広くなりすぎちゃった感が否めない結果となりました。

    もう少し明るい色の先端をネック付近まで尖らせたかったのですが、まぁ、こういった「試し塗り」的な役割を兼ねてバックを先に塗ったので、この失敗をボディトップの着色に活かしたいと思います。

    それでもバースト処理そのものは上手くいったと思うので、自画自賛したい私です。って言うか、薄い色の部分が前回の画像と違う色に見えるのは、果たして目の錯覚か画像のせいか、どっちなんだろう??

    マスキングを剥がしてないためにバインディングが無いように見えるので、スタンダードかスタジオっぽく見えますね。でもスタンダードとかのバックはバーストじゃないんですけど。

  • ページトップへ
  • 2014年9月20日 (土)

    RLC-70

    ヘッドとボディトップのバースト処理を行いました。一応はボディバックのバースト塗装の経験を生かしたつもりで、焦らず慎重に丁寧に作業を進めたので、なかなかいい塩梅に着色できたと思います。

    ちなみに、一般的な一戸建ての民家である我が家には塗装ブースなんてものはありません。かといって極微の粒子を吹き付けるブラシ塗装を野外で行う訳にはいきません。幸いにも水性ステインは揮発性も匂いも無いので屋内で使用できるため、微弱ではあっても2つの換気扇で人工的に一方方向の空気の流れを作れる洗面所にて、周囲を新聞紙で養生をして作業しています。

    RLC-70

    んな事はどうでもいいか。

    前にも書きましたが、ブラシで吹き付けるとバインディングのマスキングも一緒に塗れてしまうので、この状態ではまるでレスポールスタジオのように見えます。

    一連の塗装作業の中で比較的大きな喜びと感動を味わえるのが、マスキングを剥がす時です。それまで全体が一様に塗装されて平面的で野暮ったく見えていた物が、マスキングを剥がした瞬間に立体的で優雅で美しく見えるようになるからです。

    なので、逆にマスキングが失敗してた時は本当に大きいショックを受けるため、楽しみであると同時に非常に緊張する瞬間でもあります。

    果たして、ペーパーで軽く磨けば落ちる程度の薄い漏れはあったものの、全体としては大成功と言っても過言ではない出来となり、その美しい姿に見とれてしまった私です。やっぱりレスポールの形って本当に綺麗だなーって思います。いやマジで。

    PUキャビティ内に残ってるブルーが妙な違和感を醸し出してますが、どうせ見えなくなるんだから気にしません。

    さて、ヘッドのロゴと修飾には何を入れてやろうかと、それをいろいろ想像というか妄想するのもまた楽しみのひとつです。

  • ページトップへ
  • 2014年9月23日 (火)

    RLC-70

    木地への着色が終わったので、次は木部プライマー処理となります。事前に指板やPUキャビティなどをマスキングし、ネジ穴に爪楊枝の先っぽを短く切った物を差し込んで養生してから吹きました。プライマーは目止めやヤニ止めと同時に、上に重ねる塗料の付着性をよくするための物で、シンナー系で揮発性が高く、また匂いも強いので、野外での作業です。

    左上の画像はプライマーを吹いた直後ですが、濡れて艶が出ているためにボディトップのアーチがよく分かり、リフィニッシュの完成時には、こんな感じになるのだろうという状態を連想させてくれます。やはりレスポールシェイプは本当に美しいと思います。

    RLC-70

    右の画像は、野外の物置内で吊るして乾燥させているところです。

    セットネックなので全体をいっぺんに塗装するために持つところが無く、以前ギターマガジンで見たギブソンの工場内での吊るし方法を真似して、エンドピンのネジ穴を利用してフックを取り付け、それで吊るしています。

    本当は吊るしたまま塗装ができれば一番いいのですが、前回も書いたように、平凡な一戸建ての我が家には塗装ブースなどは無いため、野外で塗っては物置内でぶら下げるを繰り返さなければなりません。そしてそれが、この後に起こる悲劇を生む事になったのです。

    2回目のプライマー吹きを終えて、しばらく寝かせたまま乾燥させた後、物置内に吊るそうとしていたところ、うっかりと手を滑べらせてヘッドから真っ逆さまに落っことしてしまったのです。ヘッドから落下ですよ、ヘッドから。

    ドンガラガッシャーン!!と轟音が物置内に響き渡り、昨年の12月から長い時間と手間暇をかけて作り上げてきたRLCは悲惨な姿となってしまいました。このギター2回目のヘッド折れですから、悲惨を通り越して哀れにすら思えます。

    RLC-70

    その瞬間の事を後で振り返って「茫然自失ってのはこういう事なんだろうな」と思いましたが、丁寧に丹念に手をかけてきた作業が走馬灯ように駆け巡る事はありませんでした。ショックが大き過ぎて。

    しかし不幸中の幸いか、物置は湿気を防ぐためにブロックで浮かせて設置してあり、また床は弾力のあるスチール製のために落下の衝撃はかなり吸収されたらしく、ヘッドの先端は塗料が剥げただけで潰れる事は無く、またボディやネックなども大きな傷や打痕はできませんでした。

    どうやって直してやろうかとアレコレ思索中ですが、年内の完成は完全に無理っぽいです。

  • ページトップへ