2013年2月10日 (日)

ヤフオクで見つけた詳細不明のギターに一目惚れしてしまいました。ストラトっぽいけど独特な形状、内側に少し尖ったカッタウェイ、緩やかなアーチドトップ、そしてボディバインディングと、思いっ切りド壺にハマりました。

Formula1

オークションの説明書きには「HONDO Formula 1」と機種名がありましたが、あれこれと検索しても「HONDA Formula 1 ではありませんか」と表示されたり、また日本語のページは全然ヒットせず、辛うじて海外のギターコミュニティらしきページに行き着いても違う機種が出てきたりと、とにかく情報が少なくて困りました。で、拙い英語の知識を駆使して得られたのは、どうやらアメリカを中心とした安ギターのブランドらしいという事や、「Fromula 1」というのは機種名ではなくシリーズ名のようで、いろいろな機種がそう呼ばれているらしい事、元々は韓国のサミックが製造していたが、ほんの一時期は日本製も存在していたらしい事などです。が、どれも事実かどうかは確証がなく、なのでこのギターがいつどこで作られたなどの情報は、当然ながら一切得る事ができませんでした。何れにしろ、改造目的で可能な限り安く手に入れたい物なので高いスペックは望みません。無事に¥5,000程度で落札しました。

このギターの最大の特徴とも言えるのは、シャーラーの 455-C というテールピース一体型のブリッジです。なぜかペグはゴールドなのにブリッジはクロームというチグハグさが意味不明で、ブリッジ自体は非常に良い物だと思いますが、弦高調整でスタッドボルトを中途半端な位置に浮かせるのが個人的に好きじゃない私はどうしても気に入らず、なのでチューン-O-マチックとストップテールピースに交換するという計画はあっさりと決定しました。が、元々このギターはブリッジの位置がボディエンド側に寄っていてバランスが良くなく、これをストップに変えたら位置がさらにエンド側に寄ってアンバランスどころではなく不格好になります。それを避けるための知恵を絞ったところ、家に転がってた同じスケールの24フレットのネックと換装すればブリッジ位置がネック側に寄ってバランスが改善されるとの結論に達しました。果たして知識も技術も道具も無い私に、ここまで大掛かりな改造が可能なのかどうかは大いに不安の残るところではありますが、取りあえずこの方向での改造が開始されたのでした。

画像は写真を撮り忘れたため、ネット上から勝手に拝借しました。

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  • 2013年2月11日 (月)

    完全に正体不明なので、とにかくバラして自分の目で確認してみましたが、全体的に言えるのは、とにかくチグハグだと言う事です。

    ボディはホワイトアッシュかセンかの区別はできないけど完全な1Pという贅沢さで、前回も書いたけど、アーチドトップにバインディングという手間暇かけてるし、ペグは安物だけどグローバーだし、ネックは21フレットでメイプルにローズ指板だと思うけど、今どき珍しいグロスフィニッシュだし、でもPUとアッセンブリーはどこの子供のオモチャだよってくらいにチャっちくて、これ本当に音が出るの??って疑いたくなるレベルの物が搭載されていました。もしかしたら元々は結構高額なギターで、でも誰かがアッセンだけ交換しちゃったとか有り得るのかもなどと推測してしまいました。

    何れにしろ不思議なギターです。

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  • 2013年3月23日 (土)

    実は、このギターの改造はサイトで紹介する予定は無かったので、途中の画像が全然ありません。なので、いきなりここまで進んでる画像となります。

    Formula1

    ここまで行った作業内容は以下の通りです。

    1.元のブリッジのアンカーを外して穴埋め。

    2.ブリッジの位置がリアPUのザグりにかかってたので、ハードメイプルのブロックを埋め込み。

    3.ストップテールピースの位置決めとアンカー埋め込み。

    4.リアPUをネック側にズラすためのザグりと配線を通す穴開け。

    5.24フレットのネックを取り付けた際のポケットの隙間埋め。

    こうやって箇条書きすると簡単そうに見えますが、実際は結構な苦労をしています。その甲斐あって、仮組みしたところビシッ!!っと決まりました。ちなみにPUはディマジオの DP151 PAF Pro です。ボディマテリアルとPUの条件からポール・ギルバートの音に似てるように聞こえますが、完全に完璧に気の所為でしょうね。

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  • 2013年6月1日 (土)

    ボディの塗装を落として、トップに突き板を貼りました。実はボリュームとトーンの位置を変えてあるのが分かると思います。

    Formula1

    相変わらずのキルトですが、前回の失敗を教訓に、ボディのセンターと左右と3回に分けて、アイロンでホットプレスしながらの貼り付けです。というのも、ボディトップがアーチドなので単純な貼り付けができないからです。

    タイトボンドによるしわを防ぐために予め全体を湿らせて、ゆえに突き板が丸まってしまうのをアイロンで熱しながら伸ばしつつ慎重に作業を行いました。事前にネットで知識は得ていたものの、当然これも初めての経験なので、しかし「失敗は成功の云々」とはよく言ったもので、失敗を恐れて何もしないのでは進歩すら得られないと自分に言い聞かせ、ある種の開き直り的な精神状態で、その場での試行錯誤と学習を繰り返しながらの挑戦でした。

    結果、アーチドトップに綺麗に突き板を貼り付ける事ができたのは自慢してもいいだろうと思ってます。

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  • 2013年6月2日 (日)

    Formula1

    ヘッドにもキルトの突き板を貼りました。コンコルドヘッドの先端を逆の角度にカットしたので、若干ですが尖がったイメージを和らげられたと思います。

    本当に偶然ですが、このネックはバインディングが入ってるのでボディとのマッチングがいいんですよね。ただ、ヘッドにはバインディングが無いので、塗装でそれらしく見せようと企ててます。

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  • 2013年7月14日 (日)

    塗装しました。世間では見ない珍しいカラーリングとなってます。

    Formula1

    本当は一番外側のパープルは明るくて深い蛍光っぽいピンクにしたかったのですが、そういう塗料がなかなか見つけられず、あったとしても耐光性がまったくダメで、せっかく苦労して着色しても経年で色が抜けてしまっては元も子もないので、妥協しての色となりました。が、これはこれでなかなかいいと思ってます。ちなみに、ボディトップはまだ塗ってません。どんな色合いになるか試したかったのでバックを先に塗ったという訳です。

    ネックの3色も塗りパターンも独特でいいと自負してます。まぁ、この辺は完全に好みの問題なのですが。

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  • 2013年8月3日 (土)

    ボディトップを塗装したのですが、バックとネックを塗装してから数週間が経過した理由は、一番外周のパープルの色の調合を試行錯誤してたからです。

    Formula1

    このパープルはホルベインのドローイングインクのスペシャルバイオレットを基本に、同じホルベインのスペシャルホワイトや、ワシンの水性ポアステインのワインレッドを微妙に適当に調合して作ってます。なので、同じ色を作れと言われても二度と作れません。バックやネックのパープルはかなり濃かったので、それを踏まえて少し明るめにして、塗装でも薄めに吹くように心掛けたため、他のブルーやグリーンとも相まって、かなり明るいイメージとなったのは成功と言えるでしょう。

    ちなみに、バインディングは上からキルトの突き板を貼ってるので、トップ部分は突き板をマスキングして塗装しないで目立たせてる「ナチュラルバインディング」状態となってます。なのでよく見ると、微妙に幅が違ってたり、突き板の木地に沿って塗料が微妙にはみ出てたりします。が、所詮は素人作業なので気にしません。

    キルトの模様とカラーリングが、まるで海の砂浜の波打ち際で太陽の光によって作られた波の影のように見えるので、このギターは「漣(さざなみ)」って名前にしようかな、などと思ってたりします。

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  • 2013年9月16日 (月)

    ヘッドを塗装してロゴを書き込みました。普通にはしたくなかったので、通常の中心から周囲に向かってのバーストではなくしてます。さらにロゴも普通を避けるため、英文字ではなく漢字としました。

    Formula1

    実はロゴ入れで3回ほど失敗してます。木彫りの印を作って押印してみたら、ベチャっと文字が潰れてしまったのでサンディングして落とし、次に筆で手書きして綺麗になったのですが、サンディングシーラーを分厚く塗ったところ、思い切りにじんで文字が潰れてしまったのでサンディングして落とし、次に改めて筆で手書きして綺麗になったのですが、サンディングシーラー塗布後の研磨で文字まで削り落してしまったためにサンディングして落とし、画像は4回目のロゴ入れという具合です。なので前回から1ヶ月以上も時間が空いたという訳です。文字をサンディングして落とす時に、バーストの塗装も少なからず落ちてしまった部分もあったので、筆でタッチアップして目立たなくしてあります。また6月2日に書いたように、ヘッドの周囲は着色せずにナチュラルバインディングとしましたが、なかなか良くできたと思ってます。

    「雅龍」という文字は、以前から自作した物に文字通り「我流」とロゴ入れしようと思っていたのですが、何のひねりも工夫も無いのでは面白くないので、私の本名に使われている「龍」の文字を使い、そこに美しいという意味も含ませて、しかも「我流」と読みを同じにしようとした結果です。センスがいいか悪いか、カッコいいか悪いかは個人の好みの問題という事で。

    「雅」の文字が「飛」に見えなくもないのは何とかならんもんかな。

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  • 2013年9月18日 (水)

    ボディのサンディングシーラーの研磨を終えました。ですので艶が無くなった状態となってます。

    Formula1

    ネックに何回もロゴを入れてる間に、ボディにはサンディングシーラーを塗布し、それを研磨する作業を行ってました。サンディングシーラーは1日1回の塗布で5日間かけて5回ほど重ね塗りをし、それを400番のペーパーで目詰まりに辟易しながら丹念に磨きました。

    実は、LST-Xのリペイントで突き板のしわを隠すためにサンディングシーラーを厚塗りして音がダメダメになった経験があるので、今回は可能な限りの薄塗りにしようと意識して研磨したのですが、ぶっちゃけ、今現在どれくらいの厚みなのかを調べる手段はありません。完全に勘の世界です。その結果、数か所で削り過ぎて木地の着色まで落としてしまった部分ができてしまいました。仕方が無いので、その部分は筆で目立たないようにタッチアップしてあります。

    また、サンディングシーラーは刷毛塗りなので、至る所にに小さな気泡ができてしまい、それが研磨と共に多数の極微な穴を開けてしまいました。その上から刷毛塗りをしては同じように気泡ができると考え、極細の筆で穴の上に「ちょんちょん」とサンディングシーラーを塗り、再度の研磨で気泡を消しました。やはりスプレーガンが欲しいところですが、シンナーを使うとなると塗装ブースも必須なので、一般家庭では無くても仕方が無いでしょう。

    これらの面倒臭い作業の積み重ねによって、かなり薄くサンディングシーラーの研磨ができたと思います。本当に薄いかどうかは確認のしようがありませんが。

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  • 2013年9月25日 (水)

    Formula1

    クリアを吹き付け塗装しています。画像は野外の物置き内で吊るして乾燥させているところです。野外なのでシンナー系のイヤな臭いも大丈夫ですが、吊るしておいて心配なのは地震です。実際、先日も震度3の地震がありましたし、もし大きな揺れで落下して派手な傷ができたら、気持ちが超ヘコみますから。

    1日に1回吹いては物置き内に吊るして乾燥させ、を1週間続けて、計7回重ね塗りしました。それで420mlのクリアのスプレー缶が空になりました。幸いにもこの1週間は天気が穏やかで、ほとんど無風だったために難無く作業ができました。

    が、ヘッドの部分はサンディングシーラーの小さな気泡をちゃんと潰さなかったので、7回もクリアを塗ったにも関わらず、いくつかの本当に小さな穴が開いてる状態となってしまいました。これだけ塗り重ねても針の先ほどの穴すら潰れないとは、恐るべしラッカーの極薄塗り。まぁ、目を凝らして見ないと分からないレベルなので妥協しましょう。

    余談ですが、私はドイトのPBのラッカースプレーを使用してますが、これがなかなかいいんですね。実はアサヒペンのOEM商品で、もちろん市販のスプレーなので粒子が粗いのは否めませんが、主成分がニトロセルロースですし、乾燥も非常に速いので作業がやりやすく、きっと音にもいいと思います。であって欲しいです

    さらに1本ラッカー缶を買ってきて数回は吹き付ける予定です。

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