2019年9月1日 (日)

Althaea

と言う訳で、新しいギターの製造を開始しました。

まずはネックですが、これをゼロから作るのは超弩級に面倒臭いので、前回と同様に既製品を利用します。

チョイスしたのは1本目と同じで信用できるグレコのJJ-1Rのネックです。同じモデルなので大丈夫だとは思いますが、製造年やロットによって仕様が変わる場合があるため、念のために塗装を落としてスカーフジョイントではない事を確認したのですが、その部分に思いっ切り節がありました。

おいおい勘弁してくれよー。さすが安物の塗り潰しである事は否めませんが、小さな節なので大きな不具合とは言えませんからこのまま使います。

リバースヘッド化

前回と同様にリバースヘッドにするために保存しておいたガイドを使って、これも前のギターで使った山桜材の残りからヘッドを切り出して同じ形状に加工します。

ネックのヘッドの方も現物合わせで削ってガッチリと接着します。さすがに前回の経験があるために試行錯誤する手間隙が必要ないので、予想以上に速く進んでいるように感じます。

その後も前回の作業を思い出しながら、切って削って貼ってを繰り返して、どうにかヘッドらしい形状になりましたが、どうにも以前の手順を思い出せなくて悩んだのが、ペグを取り付ける部分の落し込みと、そこに貼り付けるL型の材の加工です。

リバースヘッド化

仕方が無いので新たにガイドを作製して落とし込みを削ったのですが、今いち上手くいかなくて気に入らず、結局はやり直すと同時にL型の材を貼り付ける事はやめて、単純にサイドとバックに別々の材を貼りました。

それ以外は前回とほぼほぼ同じなので詳細は割愛します。継ぎ接ぎだらけの表面には後でボディ材の余りから突き板を削り出して貼ってマッチングにしようと思ってます。ペグ穴を開けるのはその後ですね。

余談ですが、ヘッドの背景に写ってるのが今回のギターに搭載予定の「Fender Original '57/'62」です。

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  • 2019年9月28日 (土)

    セットネック化

    次にネックエンドの処理です。

    相変わらずのセットネックにするので、ボディとの接合部分を大きくするためにハードメイプルのブロックを貼り付けるのですが、これも前と同じように2本の深い溝を切って、そこにキッチリとはまるように高いレールを削り出したメイプルをはめ込んで接着します。

    この辺の作業も前の時に作ったガイドをそのまま使えたので、作業時間が大幅に短縮できました。

    セットネック化

    余談ですが、真夏ならばエアコン使用で家の窓を閉めているために問題ないのですが、この時期は涼しくなってきて窓を開けているので、庭で電動トリマーを使用して甲高く大きな騒音を発生させてると、家族から「うるさくてテレビの音が聞こえない」とクレームが入ります。

    さらに余談ですが、作業している自分がうるさくて敵わないので、断線して聞こえなくなったオーディオテクニカのカナルイヤホンのケーブルを切った物を耳栓代わりに使用してます。

    そして安っぽいプラスティックのポジションマークを相変わらずのアバロンに交換します。

    Althaea

    この時ふと突然、本当に突如として、マジに突発的に思い立って、7フレットと12フレットと19フレットのポジションマークの穴を5mm径の円柱形に削りだしたローズウッドで埋めて、7フレットと19フレットは2つ、12フレットは3つの穴を開け、さらには24フレットの中央に1つの穴を開けて、ローズウッドを削った粉を混ぜたエポキシ系接着剤を使ってアバロンを埋め込みました。

    そう、つまりこれは、私が一番好きで尊敬して止まないギタリストであるブライアン・メイのレッドスペシャルへのリスペクトなのです。

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  • 2019年10月13日 (日)

    ポジションマーク交換

    ポジションマーク固定の接着剤が固まったら、ダイヤモンドヤスリではみ出たアバロンを削って指板と面一にした後に、フレットを抜いてから指板全体を400番のペーパーで研磨しました。

    さらに水性ステインのオークとブラックで着色してからレモンオイルで拭き上げて指板を仕上げました。

    よーく見るとポジションマークを埋めてるのが分かりますが、パッと見は全然分からないので満足です。

    前にも書きましたが、このギターはヴィンテージ系のシングルコイルを3発搭載する予定なので、三晃のヴィンテージタイプのフレットをチョイスしました。

    フレット打込み

    バインディングがあるのでエッジのタングを切り落とす処理をしてから打ち込みます。その後エッジがバインディングと面一になるようにダイヤモンドヤスリで荒削りし、600番のペーパーで研磨してから、指に引っ掛からないようにエッジに丸みを付けるように削ります。

    エッジを削る際に使用したのは、指板を傷付けないように側面を平坦にした平ヤスリです。

    これでネックの加工は一旦は終了です。いよいよ次からボディの製造に取り掛かります。

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  • 2019年10月27日 (日)

    今回のギターのボディは前回のと同じガイドを使用して同じデザインにします。

    ボディ切り出し

    ボディを材から切り出すにはバンドソーが便利なのですが、個人が持つには経済的にも置き場所的にも困難です。なので代わりにと思ってジグソーを購入しました。

    取りあえずは練習を兼ねて9mm厚のMDFからボディの形状のガイドを切り出してみたのですが、罫書き線の通りに綺麗にカットするのは無理だと最初から諦めて、少し外周をラフカットして後で仕上げる方が無難だし、変な風に神経を磨り減らす必要も無いだろうと考えて作業してみたところ、とにかく大変に非常に楽で簡単で言う事がありません。

    早速、実際にボディを切り出してみたのですが、さすがに47mm厚のアルダー材は簡単にはカットされてくれません。それでも前回やったように電動トリマーで2mmくらいづつ削っていく方法よりかは数倍も楽です。

    ボディ切り出し

    ところがカットが終わった後で重大な事実が判明したのです。それは、私の扱い方が下手糞なのか、ジグソーという工具が必ずそうなのかは分かりませんが、ジグソーは必ずしも垂直にカットできる訳ではないということです。

    直線のカットでは問題ないのですが、曲線のカットになると刃に横方向の力が加わって斜めになってしまうようです。練習の時と同じように罫書き線の外側だいたい2mmを目安にカットしたのですが、場所によってはそれ以上内側に食い込んでカットされている部分もあります。

    うわーマジかよー、どーしよー、とアレコレ思案した結果、仕方が無いので1mmほどセンターをズラして見た目の形状だけでもガイドと同じにするようにしました。

    で、その後はガイドを元に電動トリマーで外周をカットして成形したのですが、アルダーをいう材は木目によってはトリマービットに逆らってささくれ立ってしまうのです。

    それをペーパーで研磨して均すのは予想外に大変でしたが、取りあえずボディの切り出しが終わりました。

    次回からはジグソーの癖を考慮して作業しようと思います。

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  • 2019年11月4日 (月)

    ボディ加工

    47mm厚のアルダー材から切り出したボディの厚みを45mm厚にするため、電動トリマーでトップ側を荒削りした後、ペーパーでサンディングして平面を出しました。

    本当は表裏ともに削った方が綺麗になるのかもしれませんが、面倒臭いのでトップのみ削って、バックはペーパーで研磨して一皮剥きました。

    コンターの加工なのですが、実家から借りていたディスクグラインダーを使えば簡単に削れるかもと期待してみたのですが、確かに多少は削れるのですが、焦げるばかりで期待通りには行きませんでした。

    コンター加工

    多分ディスクが金属用の砥石ディスクだったのが原因だと思います。これがサンディング用だったら期待通りだったかもしれません。

    仕方が無いので、エルボーコンターはハンドパワーでペーパーでサンディング、ウエストコンターは糸ノコでラフカットしてからペーパーで仕上げました。

    余談ですが、アルダーという材は想像以上に柔らかくて、ほんのちょっとぶつけただけですぐに凹んでしまうため、扱いに神経質にならざるを得ません。まぁ、少しの凹みなら水で濡らせば元に戻るんですけどね。

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  • 2019年11月9日 (土)

    バインディング

    トップ側にバインディングを入れるためのチャンネルを加工します。上下に立体的になるコンター部分も自作のトリマースタンドの活躍で簡単に綺麗にできました。

    焦げてるのはバインディングを貼ってしまえば見えないので気にしません。

    で、バインディングをギターの形状に曲げて癖を付けるため、バインディングチャンネルに沿ってマスキングテープで仮固定して数日間放置します。

    バインディング

    ある程度の癖が付いたら、相変わらずの瞬間接着剤を使用してネックジョイント部分から順番に貼り付けていきます。

    貼り付け後、バインディングとボディの間の隙間を埋めるために、ボディをマスキングテープで養生してから接着剤を流し込みます。

    これで乾燥すればバンディングは完全にボディに密着します。

    その後ははみ出たバインディングを削ってボディと面一にすれば完了です。

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  • 2019年11月17日 (日)

    ナット加工

    ボディを切り出した後の端材を5mm厚くらいにカットして、ヘッドトップに貼る突き板を作ります。

    そうすれば見た目はボディと同じ材になって、同じ色を塗れば完全なマッチングヘッドになるという寸法ですが、ノコギリで人力でカットするのは非常に骨が折れます。

    ってか、よく考えたらジグソーあったじゃん。無駄な労力を費やしてしまいました。とほほ。

    結局は完全に手動で2枚のアルダー板を切り出し、それらをブックマッチ接着してから両面を電動トリマーで荒削りして厚みを整えたらヘッド用の突き板の完成です。

    ヘッド加工

    それを貼る前に、ローラーナットを取り付けるための加工を行ないます。

    まずは指板を約2.4mmカットして、そこにハードメイプルで作った下駄を接着します。その後アルダーの突き板をヘッドに貼って、周囲のはみ出た部分を電動トリマーで落した後に厚さを調整するために表面を電動トリマーで削ります。

    続けてバインディングチャンネルを掘ります。

    ヘッドバインディング

    突き板にトラスロッド調整用の穴を開けたらトップをペーパーで簡易的に均してバインディングを貼ります。

    余談ですが、使用しているバインディングは高さが約7mmあるので、予めカッターで半分に割ってから貼ってます。そうすればはみ出た部分を削るのも楽になるし、余ったバインディングは別の機会に使用する事もできて経済的だからです。

    接着剤が乾燥したらペーパーでバインディングを整えて一旦は完了です。

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  • 2019年12月1日 (日)

    ペグ

    今度は完成したヘッドにペグ穴を開けます。

    ローラーナットを仮止めして弦の代わりに糸を手で持って張ってペグの位置を決めたのですが、予想通りに電動ドリルによるフリーハンドでの穴開けでは、後で修正が必要かもしれない程にズレが生じてしまいました。

    個人でボール盤を所有するのは置き場所などの問題で困難なのですが、せめてドリルスタンドを用意すれば良かったと後悔しています。

    ネックジョイント加工

    続いて最重要箇所であるセットネックのジョイント部分の加工です。

    まずはネックエンドを電動トリマーで削ってテノン部分を作り、次に現物合わせでテノンがピッタリとはまるようにボディ側を削り込むのですが、やはり素人の工作なのでコンマ数ミリの誤差が出てしまいます。

    たったコンマ数ミリでも、例えばジョイント部で0.5mmの誤差が出たらナット部分では1cm以上のズレとなってしまうので大問題となります。

    何とかキッチリとセンターが出るように、0.5mm厚の塩ビ版をカットした物やコピー用紙を折り曲げた物をジョイント部分に挟み込んで隙間を確認して、それを埋めるための極薄な材をアルダーの端材から削り出して、それをジョイント部に貼り付けては削ってを繰り返し、どうにかボディとネックのセンター出しができました。

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  • 2019年12月7日 (土)

    ネックを接着する前にフロントPUのキャビティをザグり、そこから配線を通す穴をセンターとリアのPUのザグりを繋ぐように6mm径のロングドリルで開けました。

    ネックジョイント

    実は穴あけの際に相変わらずのフリーハンドで行ったために失敗してるのですが、後で何とか工夫して挽回しようと思ってます。

    改めてネックジョイントのセンター出しを微調整しながら確認した後、ボンドがはみ出てもボディなどに付かないようにマスキングテープで養生して、隙間を完全に無くすようにハードメイプルの削り粉をタイトボンドで練ってパテのようにした物をジョイント部分にタップリと塗り、ボディとネックを接合してクランプでガッチリと固定しました。

    もちろん、固定後にもセンターが出てるかどうかの確認を行ってます。

    このまま1昼夜放置して乾燥させます。

    作業に夢中になって途中の写真を撮り忘れたのは勘弁です。

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  • 2019年12月8日 (日)

    ブリッジ処理

    ネックが接合できたなら、とにかくは弦を張ってギターとして成り立つかどうかを確認したいので、ブリッジを取り付けるためにイナーシャブロックが入る穴をザグりました。

    この時、少しでも電動トリマーでの作業が楽になるように予め12mm径のドリルでザックリと穴を開けたのですが、これが完全に裏目に出ました。

    ドリル穴の隙間に残った部分がトリマーで削る際にチップしてしまい、それがザグらない場所まで巻き込んで割れてしまったのです。

    Althaea

    まぁ、見えない部分なので気にしませんが、補修は必要なので面倒臭いです。

    ついでにリアPUのキャビティもザグりました。見て分かる通りに弦に対して直角にレイアウトしています。

    世間の一般的なストラトタイプの大多数はリアPUがスラントしてますが、私は個人的に音量や音質のバランスが崩れてしまう気がするので、あえてスラントさせませんでした。

    もちろんそれも含めてストラトですから、決してストラトを否定している訳ではありません。

    で、ナットとペグを取り付けて弦を張ってみましたが、弦高が異様に高いです。これは前のギターもそうでしたが、ネックの仕込み角が浅いためです。

    なので前のギターと同様にブリッジの下をザグって低くします。

    並べて見ると、同じデザインなのにアッセンブリーが異なる辺りが洒落ててなかなかいいですね。と自画自賛してみたり。

    でもリアPUがスラントしてないと、ちょっとビザールな雰囲気を醸し出してるのは否めなくて残念ですが、レッド・スペシャルと同じだからいいんです。

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