2015年8月6日 (木)

今から37年前、私が中学3年生だった1978年に初めて見た時からずーっと憧れ続け、しかしその間ギター以外への興味の移り変わりなどもあって本気で入手しようとはしなかったため、気が付いた時には高値で入手困難となってしまった、個人的に世界で最も美しいスタイルだと思っている「GRECO MIRAGE」をついに手に入れました。

グレコ ミラージュ

とは言っても、78年当時のオリジナルではなく95年ごろのリイシューなので、ボディ材がバスウッドとなっており、つまり見た目は似ているけど音は全然別物というギターです。しかも今回私が入手した物は「FR」という型番からも分かるように、オリジナルフロイドローズを搭載したモデルなので、ボディトップとバックに大きなザグりがあります。

もしかしたらメーカーもオリジナルのフジゲンではないかもしれませんが、そこまで確認できる情報は見つけられませんでした。

今回の入手も相変わらずのヤフオクで落札したのですが、画像からも分かるようにリアPUとFRTが無かったため、競り合う相手もあまり強気にならず、送料込みで2万円で釣りがくるという安価だったのはラッキーでした。

一方で私はミラージュにFRTなど邪道だと思ってるので、入札中からボディの穴を埋めてチューン-O-マチックブリッジにストップテールピースへの改造を考えていたので、FRTユニットが無い事はまったく眼中になく、ちょっと強気に攻めて落札に至ったという訳です。

今まで単なる思い付きや行き当たりバッタリの工作でしかなかった魔改造ですが、その経験の積み重ねがあったからこそ今回の入札と落札に繋がったと思うと、やはり何でも経験は大事なんだなと改めて実感したものです。

残念ながら弦が張れない状態なので音の確認まではできてませんが、78年のオリジナルがメイプルトップにマホガニーバックのボディでクソ重かったのに対し、このモデルはバスウッドボディなので非常に軽いです。しかしネックが太目のメイプル3Pなのでバランスが物凄く悪いです。ついでに残念なのは、フロントPUが純正でマウントされているはずのDRYではなかった事です。まぁ、期待はしていませんでしたけど。

さらに残念なのは、ポジションマークのアバロンがザラザラになってる事ですね。研磨で何とかなるのでしょうか??

と言う訳で、いつになるか分かりませんが、その時々の気分と妥協の中で、可能な限りPS10に近づけるための魔改造を行っていきます。あ、クラッシュドミラーにはしませんからね。

余談ですが、「グレコ」ってメーカーの「ミラージュ」ってベビーカーがあるらしく、検索するとヒットするのが何となく微笑ましいです。

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  • 2015年9月19日 (土)

    M-110FR

    このギターの修復作業の取っ掛かりは塗装を落とす事からです。

    なぜかと言うと、FTRをチューン-O-マチックブリッジとストップテールピースに変更するためにザグリを埋めるので、その継ぎ接ぎを隠すのが最大の目的ですが、入手時からあった多数の傷や打痕を修復するためでもあります。

    このギターは直線や平面な部分が多いため、今までリフィニッシュしてきたギターと比較すると多少は楽な気もしますが、それでもネックのジョイント部分やホーンの返し部分などは狭すぎて当て木を使えないため、指でペーパーを押し付けての作業だったので、その辺は他のギターには無い苦労ではありました。

    ミラージュやアイスマンは過去に片手で余る程度ですが弾いた事があるのですが、このギターを手にして初めて、実はトップが完全なフラットではないという事に気付きました。

    M-110FR

    とは言っても曲線的なラウンドではなく、ピックアップやブリッジが載る部分はフラットで、その両脇で直線的に微妙に折れ曲がり、ボディサイドにかけて平面で下る感じです。なので塗装を落とすのも比較的に楽だった訳ですが、バスウッドは非常に柔らかいので削り過ぎないように気を使いましたけど。

    ネックはヘッド部分で両端に耳が貼り付けられてますが、先端まで継ぎ目のないメイプル3Pでスカーフジョイントではない辺り、一応は上位機種の証明といったところでしょうか。ちなみに、ヘッドの表面にはメイプルの突き板が貼られています。

    M-110FR

    困ったのは、FRTのスタッドアンカーがガッチリと埋め込まれていて、通常の抜き方(10mmくらいの板で浮かせた大き目なワッシャーの穴からボルトを差し込み、アンカーに捻じ込んで引き抜く方法)ではビクともしなかった事です。オリジナルFRTなのでミリサイズではないため、ホームセンターとかで売ってるボルトは使用できないし、スタッドに使える六角レンチは細い物だったので、力任せにやると舐めてしまいそうで怖いし。

    そこで、どうせ穴を埋める際にザグるんだからと、アンカーの周囲をドリルや彫刻刀で掘り込んでチャレンジしてみたところ、どうにか無事に抜く事ができました。

    次はロックナットを外した部分の修正を行う予定です。

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  • 2015年9月23日 (水)

    M-110FR

    ロックナットを固定するためのネジ穴を埋めるのですが、フロイドローズがオリジナルという事がここでも影響してくれました。要するにミリ規格ではないので、その辺で売ってる材では微妙に穴の大きさが合わないのです。

    仕方が無いので、ひと回り太いラミン材を手作業で削って現物合わせしつつ綺麗に埋めました、ちなみにナット側は約4.5mmで、裏側は約8.5mmです。

    ネック裏側のラミン材をネックの握りのRに合わせて削るのは神経を使いましたが、ネックがハードメイプルで堅いのが幸いし、あまり力を入れずに比較的柔らかめなラミン材だけを上手く曲線に削る事ができて上機嫌な私です。

    M-110FR

    ロックナットを外すという事は、当たり前ですが通常のナットを使用する訳で、両者の幅は10mm以上も違うため、その余ったスペースも埋めなければなりません。

    ここでふと気が付いたのですが、もしかしてこのギターはロックナットを取り付ける分、ヘッドの根本(?)部分がノーマルよりも長いっぽいのではなかろうか、と言う事です。

    このギターが販売されていた95年頃には、FRTを載せていないノーマル(?)なミラージュ「M-90」もラインナップされていましたが、まさかそれぞれでネック形状を変えるというのもコスト的にどうなんだろうという疑念もあり、ネット上で見つけた当時のカタログの一部を拝借して、写真の撮り方にもよるのは百も承知の上で比較してみたところ、やはりロックナットの分だけヘッドが長い事が分かりました(左が110FR、右が90)。

    M-110FR

    これ、もしかしたら首が異様に長いように見えてバランスが悪くなるかもしれないですね。ロッドカバーが付いたら誤魔化せるかもしれませんが。

    で、通常のナットを取り付ける用に余分なスペースを埋めました。

    当初はヘッドの表面に貼られたメイプルの突き板に合わせてハードメイプルからパーツを削り出そうなどと無謀な事を考えてましたが、この部分は音に大きな影響を与えないのと、塗り潰してしまえば材が分からなくなるので、加工が楽なMDFにしました。

    次はいよいよボディのFRTのザグリを埋めるための加工を行います。

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  • 2015年10月3日 (土)

    仕事やら何やらで結構それなりに多忙で更新が滞ってました。

    M-110FR

    元々付いていたオリジナルフロイドローズからチューン-O-マチックブリッジとストップテールピースに変更するため、アームのザグりを埋める処理を行うのですが、そのためには元のザグりを綺麗にザグり直す必要があります。

    ザグるには電動トリマーを使用しなければならないのですが、相変わらず近所のホームセンターの工作室の設備を利用させてもらってる私は、そこまでギターを持っていかなければなりません。

    ところがミラージュは大柄なので通常のサイズのケースには入らないため、仕方なく適当なケースに裏返して入れて、飛び出たホーンとヘッド部分にボロタオルを巻いて養生しているのが左上の画像です。

    M-110FR

    右の画像がアームのキャビティをザグったところです。アームアップキャビティの部分は5mm程度の深さしかなかったので、ただ単に穴を埋めるだけなら浅くザグればいいのですが、柔らかい材であるバスウッドでストップテールピースを受け止めるのは非常に不安があったので、ハードメイプルを深く埋め込もうと思い、約14mmの深さでザグった訳です。

    ボディ裏まで貫通しているブロック部分のザグりは約19mmの深さなので段差が付いた形状になってます。そこを埋めるハードメイプル材の写真を撮り忘れてしまったのですが、もちろん段差を付けて厚さを変えてあります。

    ちなみに、このハードメイプル材はアイモクに注文して取り寄せました。送料込みで¥1000くらいだったのですが、品物よりも送料の方が高いってのはどうなのよさって気がします。

    M-110FR

    ザグった穴にキッチリと入るようにハードメイプルのブロックを整形して、たっぷりのタイトボンドを塗ってはめ込んだのが左下の画像です。

    できるだけ隙間が空かないように丁寧に丹念に整形したつもりなのですが、やはり素人の行き当たりバッタリで適当な手作業なので多少の隙間ができてしまうのは当然と言えば当然なので、そこは仕方がないと妥協するしかありません。まぁ、このギターは塗りつぶしだから後での補修に気を使わなくていいので気が楽です。

    さて次は、はみ出た部分を削って平坦にするか、それともボディ裏のスプリングキャビティを埋めるか、どっちをやりましょうかね。

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  • 2015年10月12日 (月)

    M-110FR

    結局ボディ裏のスプリングキャビティの穴埋めを行う事にしました。ボディ裏から見るとトップから埋め込んだハードメイプルが見えてますが、その深さまでザグります。

    これだけの広い面積で約20mmの深さをザグるとなると一筋縄ではいきません。特に困ったのが、ホームセンターの工作室に用意されているトリマービットは20mmの長さしかないため、約5mm厚のガイドを敷くと20mmの深さまでザグれないのです。

    なのでアレやコレやと試行錯誤しながら創意工夫して、どうにかこうにか目的を達成するに至りましたが、左の画像を見ての通り、全然まったく綺麗ではない惨憺たる状況のザグりになってます。

    M-110FR

    まぁどうせ上から埋めてしまえば分からなくなるので細かい事は気にしませんよ。

    さらによく見ると分かりますが、思いっ切りリアPUの足が入るキャビティが貫通してます。と言うか、元々このギターのボディ厚は約40mmしかないので、トップとバックからそれぞれ20mmづつザグったらキャビティじゃなくても貫通してしまうんですね。

    実際にリアPUキャビティの底面は文字通り「皮1枚」状態まで薄くなって、表側の黒い塗装が裏から透けて見えてしまってるレベルです。そこまで薄くなってしまったら残しておくのも意味が無い気がしたので、あっさりとキャビティ全体を貫通させてしまいました。どうせ塗りつぶしry。

    M-110FR

    ボディトップと同じようにハードメイプルのブロックを削り出して埋めるのですが、実はバックを埋める材を何にするかはちょっと悩んだんですね。と言うのも、トップがメイプルならバックはマホガニーっていう先入観というか擦り込みがあるからです。

    ただ、ボディ全体に対してこんなに狭い面積でセオリーに則って何か意味があるのかと自問自答した結果、ボディの重量を増してネックとのバランスを取るためにも、バックもトップと同じハードメイプルで埋める事にしました。まぁ、焼け石に水かもしれませんが。

    これでトップとバックを平坦にすれば、ほぼほぼボディが出来上がる事になるので、取りあえず弦を張って音を出せる日も近いかもしれません。

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  • 2015年10月17日 (土)

    M-110FR

    と言う訳で、FRTのザグりを埋めたハードメイプルの飛び出た部分を削って平面にする作業を行いました。

    ボディトップ側は1mmくらいの出っ張りだったので、そのまま120番の空研ぎペーパーで削ったのですが、いつも塗装を落とす時などに使ってるスポンジの研磨ブロックでは伸縮があって凹んでしまい真っ平らにはならないので、平面を出した角材にペーパーを巻き付けて力づくで削ったため、握力を加え続けてた右手と、力を込めて前後左右に動かし続けた右腕が死んだのは言うまでもありません。

    その甲斐あって、画像では分かりませんが、ボディエンドに向かって本当に微妙に緩やかな曲線を描いてスラントしてる部分も含めて、非常に綺麗な平面が出たのは自画自賛です。

    M-110FR

    ボディバックは5mm以上も飛び出ており、ボディトップの約1mmですら腕が死んだ事からも、これを全部ペーパーで削るのは到底無理との当たり前な判断から、ホームセンターの工作室に持ち込んで、電動トリマーで約0.5mmの出っ張りになるまで荒削りしました。

    さすがにここまで削ると平面を出すのも本当に楽になって、ボディトップよりも面積が広いにも関わらず、かけた時間は半分くらいで済みました。

    あとは画像から分かるかは微妙ですが、所々に見える隙間を埋めるために、今回の研磨で大量に出たハードメイプルの屑粉をタイトボンドで練ってパテを作り、それを塗り込みます。

    ちなみに、前回の話題に出たボディの重量増ですが、ぶっちゃけ、手で持っただけでは違いが分かりません。ちゃんとメーターで計っておけばよかったですね。

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  • 2015年11月1日 (日)

    M-110FR

    ボディの穴を埋めたハードメイプルのブロックとボディの間の隙間に、前回のハードメイプルを削った時に出た屑粉をタイトボンドで練ったパテのようなものを塗り込んで硬化させ、はみ出たパテを研磨して平面を出しました。

    見た目は継ぎ接ぎですが、さらにサンディングシーラーで平面を出して塗り潰せば、綺麗なフラットボディとなる事は疑いないでしょう。そのために大きくてフラットな当て木まで用意したのですから。

    ちなみに、穴埋めブロックの隙間だけではなく、バインディングが剥がれかけてる隙間や打痕の凹みなどにもパテを塗り込んで処理してますが、今日は120番までで時間が無くなってしまったので、後日400番まで研磨を進めます。

    M-110FR

    次に、ブリッジとテールピースを取り付けるためにセンターを出して位置をマーキングしました。

    本音を言うと、本物のPS10と同じジブラルタルブリッジとクイックチェンジテールピースを用意したかったのですが、もっと言ってしまうと、サスティンブロックも欲しかったのですが、中古では全然流通してないために楽器店を通して新品をメーカーから取り寄せなければならず、するとそれなりな値段となってしまうので、一般的な物で妥協しました。

    用意したのはGOTOHの製品なのですが、ブリッジとテールピース両方のアンカーの径が約11.3mmとなっており、つまりインチサイズの7/16なので、そのビットをいくつかのホームセンター等で探したのですが、そもそもインチサイズのビットがどこにも置いてなくて困りました。

    M-110FR

    最悪は11mmのビットで穴を開けて無理やり打ち込んでも大丈夫だろうと思ってますが、取りあえずもうちょっとビットを探してみます。なので今日は位置決めだけです。

    何となくボディ上にブリッジとテールピースと家に転がってたPUを置いてみたのですが、どうもリアPUとブリッジの間隔がレスポールに比べると大きいように思えます。

    もしかしてこいつはFRT仕様だったので、アームが付かない物とはリアPUの位置が違うのかもしれないと勘繰り、なのでIbanezのサイトのPS10の画像と見比べてみたのですが、やはり微妙にリアPUはネック側に寄っているため、この位置で正常だと思われます。

    何だかんだとボディの処理がたくさんあって、なかなか先に進みません。この調子だと年内の完成は無理ゲーですね。来年の2月辺りかなー。

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  • 2015年11月3日 (火)

    このギターはポール・スタンレイのシグネチャーである「Ibanez PS10」に似せるべく改造をしているのですが、だからと言って、ヘッドからボディエンドの隅々まで寸分も違わず瓜二つな域までは目指していません。

    そもそも私はシグネチャーに興味はなく、ギターそのものの音やスタイリングに魅せられて欲しいと思う訳で、このギターも例外ではなく、要するに自分で追及したい部分だけ似せるという中途半端な、換言すれば自分好みなPS10を狙っているのです。なので前回に書いたブリッジみたく妥協する部分は潔く妥協するし、拘りたい部分は徹底的に拘って手を入れてます。

    M-110FR

    で、拘ったひとつがネックジョイントのスムースヒールです。

    元々は左側の画像のように段差があり、これでもハイポジションの演奏性はまったく問題ないし、ここを変えたからと言って表側からは見えないので、自分でも拘る理由が分からないのですが、何れにしろ段差は綺麗じゃないしイヤだったので、相変わらず大活躍の「ハードメイプルの屑粉をタイトボンドで練ったパテ」を塗り込んでペーパーで整形しました。

    これは本当に私個人の憶測にすぎないのですが、ここがスムースヒールなのはフジゲン製で、その他のメーカーは段差があるように思えます。あくまでも勝手な推測なのですが。

    M-110FR

    いよいよブリッジとテールピースを取り付けるためのアンカーを埋め込む穴を開ける作業に入るのですが、やはりインチサイズのドリルビットが見つからなかったので、11mmで行います。

    家の電動ドリルの調子が悪くて使い物にならないので実家からちょっと強力な物を借りてきたのですが、事前に余ってるハードメイプルで試したところ、やはりトルクが足りなくて途中で止まってしまいました。なので画像のように予備の小さな穴をいくつか開けて試したところ、なかなか上手くいったので本番に臨みました。

    テールピースのアンカーの長さは約25mmですが、この部分のハードメイプルは約15mm厚なので、無造作に力を込めてると柔らかいバスウッドに達した時に一気に突き進んでしまうので、慎重に気を付けながらの作業です。

    予想していた以上にスムーズに綺麗な穴を掘れたのですが、テールピースをあてがってみて愕然としました。

    M-110FR

    画像の右側の穴が思いっ切りズレてます。それも左右だけじゃなくて前後にも約3mmづつズレてます。事前の位置決めが間違ってないのは実際にテールピースを置いた時に確認してるので、なんで、どうして、こうなってしまったのか、まったく理解できません。

    気を取り直して、続けてブリッジのアンカーの穴開けを行ったのですが、そこでズレた原因が分かりました。事前に開けた予備の小さな穴にビットが誘導されてズレていたのです。この原因が分かったって事は、言うまでも無く、要するに、つまりはまたズレちゃったって事です。

    取りあえず次はズレて開いた穴を埋めるための丸棒を作ります。何をやってんだか、まったくもう。

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  • 2015年11月8日 (日)

    ハードメイプルの端材から削り出す丸棒は過去に何回か作ってますが、今までは全部をヤスリで削るという完全な手作業で行っていたのに対し、今回は家具職人の友人に教えてもらった「電動トリマーの丸面ビットで大雑把に削ってから仕上げる」という方法でやってみました。

    M-110FR

    万力に固定した12mm四方の角材状のハードメイプルの角を落とすため、ほとんどフリーハンド状態での電動トリマーの使用はちょっと怖かったのですが、予想以上に上手く削れたので、過去の作業に比べると物凄く楽に作れました。

    ペーパーで仕上げてミスった穴の長さに合わせてカットしたのが上の画像で、それにタイトボンドを塗って穴に差し込んで埋めました。

    問題なのは自分が穴を開ける事にスッカリ自信を無くしちゃった事です。とは言いつつも自分でやるしかないので挑戦しましたが、前回の失敗を踏まえて、最初にドリルビットが正しい位置に真っ直ぐ刺さるように誘導用の2mmの穴をセンターに開け、その穴に干渉しないように周囲に予備の穴を6個ほど開けてから11mmのビットで掘りました。

    結果は画像の通りに上手くいったのでホッとしました。ちなみに弦アースはコントロールキャビティとの位置や距離の関係からブリッジのアンカーの方に開けました。

    M-110FR

    早速ブリッジとテールピースを取り付けて状態を確認しようと思い、それぞれのアンカーを埋め込もうと思ったのですが、そもそも約11.3mmのアンカーに対して11mmのビットで穴を開けたので、結構な力で叩き込まないと入りません。

    しかしこれだけ窮屈なら完全に固定されるので、むしろこれくらいが丁度いいかもと思いながら打ち込んでみましたが、弦アースを通すのをスッカリ忘れてしまったので、いずれ抜かなければなりません。果たしてコレちゃんと抜けるんだろうか不安ですが。

    ついでに、やはりちょっとだけ穴の位置がズレてしまったようで、テールピースはギターを立てても落ちないくらいにきつくなってしまいました。が、これもむしろフィクサーのように固定されていい結果となると思います。弦交換の時に落ちないって便利だしね。

    でもセンターはキッチリと出てます。

    M-110FR

    ローラーナットに交換した際に外したRLC-70に付いていたナットを削って仮付けして、取りあえず1弦と6弦を張ってみたのですが、一番の予想外だったのはネックの仕込み角です。

    画像のようにブリッジをベタ付けにした状態で、1弦12フレットの弦高は約1.8mmです。前述した仮付けのナットの高さが適当だったので、それをちゃんと調整してやれば0.1mmくらいは低くなると思いますが、本当にビックリするほど論外に予想外でした。

    取りあえず弦高は低めにセッティングできるし、それでも1弦はどのポジションも全然ビビらないし、わざわざボディをザグってブリッジを落とし込む必要もないので何の問題も無いのですが、FRTではないモデルが同じ仕込み角とは思えず、ネックの長さの件といい別工程で製造されていたと推測すると、割高になってまでよくこんなモデルを作ったなーと感心しました。

    今日は時間が無くてここまででしたが、とっととPUを仮載せして音を出したい欲求でいっぱいなので、今週は仕事が手に付かないかもしれません。

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  • 2015年11月9日 (月)

    結局どうしても我慢できなくて、残業を放り投げて帰宅して、リアのみですがPUとアッセンを組み込んでしまいました。

    昨日の時点では単なる確認だったので1弦と6弦しか張らなかったのですが、全部の弦を張ったらネックが順方向に動くのは当たり前で、なので弦高は1弦12フレットで約2.2mmまで上がってしまい、私にとっては非常に弾きづらい状態となってしまいました。

    M-110FR

    ここまで高いと、例えば1弦をベンドした時に2弦の下に指が潜り込んだりしてしまい、まるで山本恭司さんのようになってしまいますが、これは私は好きじゃないんですよね。

    これ以上ブリッジを下げるためには、アンカーの根本をザグってボディに埋め込む状態にするか、ブリッジのエレベーターを受ける部分を削るかのどちらかですが、アンカーを埋め込んでも1mmも低くならず、ブリッジを削るのもRLC-70で経験してて、これがメチャクチャに硬くてなかなか削れない事を知っているので、どうしたものかと思案中です。

    また更に、ブリッジだけを下げた場合、テールピースとの高低差が無くなって弦のテンション感が低くなるのはもちろん、音も変わってしまう懸念もあります。まぁ、音に関しては基準が無いので結果的に出た音が正解になるのですが。

    今回は取りあえず購入時にフロントに搭載されていたPUをマウントしてみました。入手時には「DRYではない」と記載してますが、それはベースプレートにスタンプ等が無かったという単純な理由からで、その後の調査で無印のDRYが存在する事が分かり、リード線が網線シールドの単芯である事や、半田がヴァージンだった事などから推測して、純正マウントのDRYだろうと結論付けました。

    肝心の音を言葉で表現するなら「クヮラリ〜ン」という感じでしょうか。パワーは控えめで中低域は押さえられて高域が気持ちよく響き、DRYの名の通りに乾いた印象で、フェンダーのチューブアンプで歪ませると本当に心地よくてたまらなくいい音です。

    もちろんPUの特性だけの結果ではなく、ボディやネックなどマテリアルも大きく関係してるのは十分に承知しており、なので今さながらバスウッドという材を見直してしまったのは事実です。立ち上がりが素早くてエッジが立ってるのはブリッジを受ける部分のハードメイプルのおかげだと思いますが。

    これはこれとして非常に私好みの音なので、このまま使いたい気もしますが、やはりPS10を目指すからにはハイパワーのディマジオを搭載してみない事には始まりませんよね。という訳で、それはまた後日にでも。

    ってか、いい加減にセンター目印のマスキングを剥がせよって。

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  • 2015年11月14日 (土)

    M-110FR

    取りあえず1弦側のブリッジのアンカーを埋め込むために画像のように加工してみました。

    ただし前回にも書いたように、アンカーだけ埋め込んでも1mmも下がらないので、エレベーター部分も含めて埋め込めるように、ナットの大きさに合わせて少し深めに掘り下げました。

    ちなみに、この作業は子供たちが小学校の図画工作で使用した彫刻刀を使ったのですが、硬いハードメイプルに四苦八苦はしたものの、このような小さな細工には便利な道具だという事を改めて認識しました。

    細工そのものよりも老眼で細かい部分が見えない方が難儀しましたけど。

    M-110FR

    1弦側のブリッジをベタ付けで弦を張ってみたのですが、画像のようにエレベーターのナットもボディトップより低い位置まで落ちるので、1弦12フレットの弦高が1.3mmまで低くなる事が確認できました。

    前々回の画像と見比べれば、その低さが十分に分かると思いますが、ここまで低いとベンドとかで弦が指に引っかからず、かえって弾きづらい高さです。まぁ、あとは調整すればいいので、これで弦高の問題は解決です。

    今回はアンカーを埋める際にちゃんと弦アースを繋げたのですが、塗装する時にはアンカーを抜いてしまうので、あまり意味は無いんですけどね。

    M-110FR

    作業を行うに当たって弦を張りかえたので、と言っても貧乏性な私なので新品の弦ではなく、作業前に張ってあった弦を切らずに外して再度張った訳なのですが、その際にPUを交換しない手は当然ありません。

    ディマジオのDP100、いわゆる「スーパーディストーション」を載せてみました。昔はリード線の違いで「デュアルサウンド」と区別していたのですが、今ではDP100も4コンダクターなんですよね。

    このPUの音については今さら改めて語る必要はないと思いますが、DRYと比較すると中低域が太くなって、しかし高域が引っ込む訳でもなく、より「ロックな音」となり、やはりこのギターにはこっちのPUの方が似合います。

    ただ、どちらのPUにも共通して言えるのは、決して悪い訳ではないのですが、音に芯が無いというかパンチが無いというか、どうにも軽い感じがするんですよね。それがボディ材によるのか、40mmを下回る薄いボディによるのか、ブリッジとテールピースの高低差によるテンション感の無さによるのかは分かりませんが。

    何れにしろ、これはこれで非常に満足のいく音なので、リアはこのままDP100を載せようと思います。さて、フロントはどうしましょうかね。

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