2017年3月20日 (月)

今まで何本かのギターを改造してきましたが、そこで培った知識や技術に慢心した結果、いよいよついに禁断のオリジナルギターの製作に手を出してしまいました。

Violetta

そもそも何でオリジナルを作ろうと思ったかと言うと、元の材が何だか分からない激安ギターのボディをホームセンターで買ってきたラワン材で切った貼ったしたダメダメつぎはぎボディと、ちゃんとした材で作ったボディとではどれくらい音が違うのだろうかという素朴な疑問と淡い期待を抱き、どうせ作るならオリジナルシェイプにしようという安直な考えからです。

何と言ってもまずはボディのデザインなのですが、いくらオリジナルとはいえ、あまりにも突拍子も無い奇抜なシェイプでは短期間で飽きてしまうし、何よりも周囲から奇異の目で見られるのは絶対に避けたいところです。

Violetta

無難な形状と言うならレスポールタイプもしくはストラトタイプで、個人的にはレスポールタイプの形状が好きなのですが、そうするとボディトップは絶対にアーチ状を譲れず、かと言ってそこまで手間を掛けるのも面倒臭いので選択したくないのもまた本音です。となるとストラトタイプを微妙にアレンジするのが最良で安心で簡単と思われるので、その路線で行く事に決定しました。

そこでデザインの元にしたのが、前述した「激安ギターのボディを云々」の具体的対象である Mavis MST-600です。これをバラしてMDFに形状を写し取り、そこからアレンジしてデザインを練った後、MST-600のボディをMDFに貼り付けてガイドとし、コロ付きビットを使用して電動トリマーでオリジナルシェイプを削り出しました。

さらにその後、数日をかけて何度も見直し、気に入らない部分にMDFをツギハギして修正を加えて今現在の形状に落ち着きました。とは言いつつも、実際にアフリカンマホガニーからボディを削り出すまでは、いつでも何度でも変更する可能性はゼロではありませんが。

  • ページトップへ
  • 2017年5月28日 (日)

    Violetta

    ネックですが、オリジナルとは言っても、残念ながらネックをゼロから作る自信は無いので、そこは既存のネックを加工して使用します。

    私はミディアムスケールに10-46の弦を張った音が好きなのと、ヘッドに角度が付いていてスカーフジョイントではないメイプルネックが好きなので、それを探して入手しました。最初に手にしたネックはフェルナンデスの22フレットでバインディングが無い物だったので、わざわざフレットを抜いてバインディングを入れようと画策していたのですが、そのためのフレットを買った直後にグレコの24フレットでバインディング入りのネックが手に入ったので、今回は後者を使う事にしました。もちろん前者もそのうち別のギターで使用するつもりです。

    Violetta

    ただし、捻くれ者である私がそのまま素直に使うはずがありません。まずはネックエンドに6mm幅の2本の溝を切り、アイモクから取り寄せたハードメイプルのブロックを溝に合うように削り出し(簡単に書いてますが、コレが想像以上に大変で、ソレを作るだけで裕に2ヶ月は費やしてます)、ネックエンドからボディに繋がる立体的な美しい曲線(自画自賛)も削り出し、それらをドッキングさせます。そう、つまりこれは禁断の(?)ボルトオンネックのセットネック化なのです。

    今回このボルトオンネックのセットネック化を行なうに当たって、事前に情報を得ようとネットをアレコレ検索したのですが、ヒットしたのは僅かに1件のみで、それはつまりこんな手間ばかりかかる割には効果の知れない馬鹿げた事を実行する人が皆無だという証拠です。そりゃそうだろうな。

    Violetta

    前述したネックエンドの加工やハードメイプルのブロックの削り出しに大活躍したのが、今年の頭に中古で購入した日立製の電動トリマーです。いろんなメーカーの評判などをネットで調べて価格との兼ね合いでチョイスしたのですが、今まで使用していた近所のホームセンターの工作室に置いてあったリョービ製の物と比べると、センターがキッチリと正確に出ているようで、驚くほど振動が少なくて非常に使いやすいです。

    さて、一応はディープジョイントだのロングテノンだのと言われているレベルまでネックエンドを延長したのですが、問題はネック側とボディ側それぞれの加工な訳で、果たして今まで例の無いセットネック化が上手くいくのかどうかは私自身にも分かりません。

    はてさてどうなる事やら、乞うご期待!!

  • ページトップへ
  • 2017年6月17日 (土)

    ポジションマーク交換

    先日、大掛かりな加工を施した24フレットのネックは、ほぼストレートなのはいいのですが、フレットの減りが結構目立ちます。このネックをギターに取り付けて弾いた訳ではないので、実際にどの程度の不具合が出るかは不明なのですが、見た感じで判断すると、少なくとも擦り合わせが必要なレベルです。なので元々は22フレットのネックのために購入した新品のフレットに交換する事にしました。

    ぶっちゃけ、前に実践した時に「フレット交換はもう二度とやりたくない」と思っていた作業なのですが、折角オリジナルのギターを作るなら妥協は極力したくありません。それに「やらないで後悔するよりも、やって後悔した方がいい」という座右の銘というかポリシーもあるので、ここは一発ちょいと奮起して自分に厳しく心を鬼にして(笑)頑張ってみたいと思います。

    ポジションマーク交換

    さらに欲張りにも、どうせフレットを外すならと勢い付いてと言うか調子に乗って、ポジションマークもダサくて無機質なプラスティックから綺麗な物に交換してしまえと言う訳で、アバロンに入れ替えます。ローズにアバロンの組み合わせはパールと比較すると目立たなくなって地味な印象となるのですが、実はこのチョイスには意味があって、それは後で触れる事になるであろうボディの加工の時に言及したいと思います。

    このネックのポジションマークは5mm径なので、4.5mmのドリルで穴を開けると簡単にポロッと取れました。その下には白くて弾力のある接着剤のような物が残っていたので、それもドリルで削り取ったのですが、すると指板を通り抜けてメイプル材が現れました。

    ポジションマーク交換

    穴の深さは約5mmですが、今回使用するメキシコ貝のポジションマークは厚さ2mmなので、下駄を履かせなければなりません。なのでラミン材を埋め込んで高さを確保しました。中央の画像の左側が下駄を履かせた後、右側が深いままの穴です。

    その後、元々の目的だったフレットを抜いて、エポキシ系の接着剤でアバロンのポジションマークを穴の中に貼り付け、乾燥後にアバロンの出っ張った部分を削って指板と面いちに整えました。

    と簡単に書きましたが、予想外にメキシコ貝が硬くて思うように削れず、かと言ってムキになって適当に作業して指板に傷を付ける訳にもいかず、なかなか苦戦を強いられました。

    でもまぁ、初めてのポジションマーク交換にしては結構それなりに綺麗にできたのではなかろうかと自己満足しています。

  • ページトップへ
  • 2017年6月25日 (日)

    リバースヘッド改造

    実はコンコルドヘッドはいまいち好きではないのですが、特に嫌いという訳ではないし、バインディングも入っているので、当初は手を加えないつもりでした。

    打ち明けてしまうと、このギターはアームを搭載する予定なので、ナットには前に使った経験のあるローラーナットを採用しようと思っており、それならばコンコルドヘッドで大きな角度が付いてしまう1弦でも大丈夫だろうと思ったのですが、アームを動かした時の稼動弦長が短い方が音程変化の幅が広いのは言うまでも無く、加えて低音弦の方が微妙なペグの操作で大きく音程が変わる事は、自分でチューニングした経験のある人なら周知の事実な訳で、つまりコンコルドヘッドというか、ナットからペグポストまでの距離が1弦側の方が長い通常のフェンダータイプのヘッドは、ロックナットを使わない限り、アーム使用時の各弦のベンド幅のバランスが非常に異常に無常に悪い事と言う事になるのです。

    リバースヘッド改造

    それも含めてストラトキャスターだと言う論理は否定はしませんが、自作のギターに既存の概念を押し付ける必要は微塵もありません。なのでヘッドの形状を変更する事にしました。

    前述した点を考慮するとリバースヘッドに改造するしか選択肢はありませんが、まるっきり逆を向いてしまう形状となるために元のヘッドは半分程度しか残らず、いかに弦の大きなテンションに耐えうる強度を稼ぐかが大きな問題となります。

    新しく追加される部分はもちろん、補強材を埋め込み(ステンレス製のステーを埋め込む事も考えたけど、ヘッドが不必要に重くなるので却下)、見た目も考慮して突き板を貼って、などと思案していたのですが、だったらそれ全部1枚の板から削り出したらどうよ??って結論に至り、結果として画像のような物ができあがりました。

    リバースヘッド改造

    素朴な疑問ですが、前述した3点(追加部分・補強材・突き板)をワンピースで作るのと別々に作って貼り合せるのとでは、どっちが強いんでしょうかね。例えばネックでもワンピースよりも3Pの方が頑強なイメージがあるんですけど、単なる私の勘違いでしょうか。

    閑話休題、バインディング部分を削ろうとして電動トリマーで加工していたらヘッド先端が割れました。後でカットする部分なので問題ないのですが、電動トリマーのパワーとんでもないです。

    今回ヘッド材としてチョイスしたのは、十分な強度を持っているであろう山桜です。本当はネック材と同じハードメイプルが良かったのですが、ぶっちゃけ、いちいちアイモクに注文するのが面倒臭かったんですねー。送料高いし。で、ホームセンターで軽めで柾目で叩いた時の音が甲高く響く1枚を選んで、それを加工しました。

    加工そのものは上手くできたものの、実際にヘッドに当てはめてみると、なかなかピッタリきっちりと組み合いません。アレやコレやと試行錯誤しているうちに無造作に力を込めたら割れて大惨事になったりしましたが、どうにかこうにか取りあえずそれなりな形状になりました。と、文字で結果だけ伝えるとアッサリしてますが、実際には本当にビックリするほど論外に大変でした。山桜とんでもなく硬いし。

    改めて見ると、フェンダーに類似した形状でありながら角度が付いてるので少し違和感を覚えます。

  • ページトップへ
  • 2017年7月2日 (日)

    フレット交換

    ヘッドの加工やら何やらで作業すると指板にダメージが付く可能性が高く、先にフレットを打ってしまうと指板の修正が面倒臭いし綺麗に仕上がらないので、フレット打ち込みは最後にしようと思ったのが仇となり、気が付いたらフレット溝の部分のアチコチからチップが飛んで指板がボロボロになっていました。ガガ〜ン!!

    なのでフレット打ち込みの前にチップした部分の修正を行なわなければなりません。これはもう完全にフレットを抜く順番を間違えましたね。ってか、ちゃんとマスキングテープを貼って養生しておけばよかったんですね。でも当初はヘッドを加工する予定じゃなかったし、と言い訳しても修正するのは自分なので無意味なんですけど。

    フレット交換

    で、水性ステインの「チェスナット」で着色したハードメイプルの屑粉をタイトボンドで練ったパテでチップした部分を埋めました。乾燥後にサンディングして指板全体を同じステインで着色したので、パッと見はほとんど分かりませんが、よ〜く見ると修正痕がバレバレです。まぁ、フレットを打ち込んだら目立たなくなる事を期待しましょう。

    と言う事でフレットを打ち込んだのですが、思惑通りにピカピカなフレットが目を引くために暗い色の修正部分は目立たなくなりました。よかったよかった。

    フレット交換

    今回チョイスしたフレットは三晃のミディアムジャンボで、予めナット幅43mmのネックに合わせて長さがカットされており(1フレットが一番短く、ハイフレットになるにつれて長くなる)、しかも曲げ加工と、バインディングに対応して両端のタングのカット処理まで施されている25本セットの物です。なので、例えばネックからはみ出た部分のカットなど、いくつかの厄介な作業が省けて非常に楽をする事ができました。

    とは言うものの、さすがにサイドの仕上げや擦り合わせが超弩級に面倒臭い事に変わりはありません。手間隙がかかる面倒臭さではなく、ミクロン単位での調整が必要なので物凄く神経を使わなければならない面倒臭さなんですけど。

    という訳で、今回はサイドをバインディングに合わせて揃えた時点で集中力が失われたので、擦り合わせは後日に行ないます。

  • ページトップへ
  • 2017年7月15日 (土)

    Violetta

    ヘッドの加工は終わったはずなのですが、横から見るとツギハギだらけで気に入りません。また、ヘッド表面にもツギハギを隠すために突き板を貼る予定で、それによって厚くなる事を考慮してペグを取り付ける部分に段差を設けるのですが、そこもツギハギが見えないように工夫が必要です。

    なので、山桜の材からL型のパーツを削り出して貼り付け、タイトボンドが乾燥後に整形して綺麗に仕上げました。と、文字にすると相変わらずアッサリと簡単に済んでるような印象ですが、何だかんだでトータル8時間はかかってます。

    Violetta

    余談ですが、前にも少し触れた電動トリマーは綺麗な加工が楽にできるので物凄く重宝してますが、そのためにはいかにガイドをちゃんと作るかが非常に大事で、なので木材加工の作業時間の9割はガイド作成とセッティングに費やしてると言っても過言ではありません。

    さらに余談ですが、ガイドを作成するのに便利なのが、それなりの強度があって加工が簡単なMDF(Medium Density Fiberboard)=中密度繊維板なのですが、こいつは元々が大鋸屑(おがくず)を固めた物なので、電動トリマーなどで削ると目の細かい粉状の屑が大量に出るため、マスク着用は必須です。

    閑話休題、見た目を綺麗にする目的だったはずの突き板ですが、ヘッド裏側は突き板そのものがツギハギだらけとなってしまい、完全に本末転倒でみっともなくなってます。

    Violetta

    まぁ、ペグを取り付ければ多少は誤魔化せるでしょうし、そもそも裏側なので気にしない事にしましょう。気が向いたら塗装で誤魔化すって手もあるしね。

    で、今回も擦り合わせは面倒臭くなって先延ばしです。ってか、やっぱり弦を張って実際に弾いて確認できる状態でないと、経験が皆無な私が感覚だけで行うのは無鉄砲な気がします。なので刷り合わせはギターの形になって弦を張れるようになってからですね。

    フレットエッジを丸める処理は先んじて行っても大丈夫だと思うので、そのうち気が向いたらやりましょう。← 擦り合わせの時までやらない予感が濃厚。

  • ページトップへ
  • 2017年7月18日 (火)

    実は以前からスポルテッドメイプルの杢というか柄に憧れていて、もちろんそれなりの金を出せば入手は可能なのですが、ボディトップを飾るだけの厚さ数ミリの突き板で数万円を浪費する気には到底なりません。それでも諦めきれずにヤフオクなどをチェックする日々が続いていたのですが、ある時スポルテッドメイプルではないのですが、ちょっと見た目のインパクトが凄い材が出品されているのを発見しました。

    栃の木

    それは「栃」という日本の木材で、厚さ約5mmのブックマッチ2枚組ドロップトップ用なのですが、画像でも栃の木特有の青い模様に加えてスポルテッドも入ってるのが確認でき、それに完全にひと目惚れした私は速攻で入札して、最終的に5000円弱で落札しました。なので今回のギターはトップに栃を貼ったアフリカンマホガニーのボディとなります。

    ぶっちゃけ、栃という材がギターに適しているかどうかは全然知らず、取りあえずネットで検索してみると、数は少ないですが一応は栃を使用したギターやベースがヒットするし、一時期ESPが「ジャスパーウッド」と呼んで使用していたなどの情報を見かけたので、完全にダメという訳ではないと思われます。絶対数が極端に少ないのは、栃の木が入手困難だからなのか、単純に音や見た目がダメで人気が無いからなのかは知りませんけど。

    チェスナット

    余談ですが、栃の材に入る「青」は青変菌(Blue Stain Fungi)によるもので、以前は青変すると価値が極端に下落していたらしいのですが、最近は「ブルーステイン」などと呼んで付加価値的に扱って価格を高騰させるという商法も流行っているようです。

    さて、実際に物を手に取って思った事は、そこそこ硬いけど比較的軽くてバスウッドに似てる印象なのですが、叩くと微妙にミュートされたような「パフン」という感じで響きがいまいち気に入らず、もちろん叩いた時の響きとギターのボディとなった時の音は必ずしもイコールではないのですが、ちょっと残念と言うか、一抹の不安が湧き上がりました。それとは裏腹に、オークションの画像では分からなかった結構派手なトラ杢に気付いてビックリしました。青にスポルテッドにトラの3重奏ですよ!! 見事としか言いようがありません、見た目だけは。

    ちなみに、ネックのポジションマーク変更でアバロンを選んだのは、この栃の柄に合わせるためだったんですね。

    で、ブックマッチの2枚を1枚に貼り合わせるのに物凄く苦労しました。と言うのも、2枚とも思いっ切り反っていたからです。それらを強制的に真っ直ぐに伸ばしつつ、断面が完璧に密着するように完全な垂直でストレートに加工して貼り合わせるのは、何の設備も持たない素人には超弩級に困難な作業でした。

    栃の木

    中央の画像は、板の上下から真っ直ぐを出したガイドで挟み込んで強制的に平面にして、貼り合わせ面にタイトボンドを塗った後、パンツのウエストなどに使用する平ゴムを思いっ切り伸ばしながらグルグル巻きにして左右から圧力をかけ、さらにクランプで固定して乾燥させているところです。はみ出たタイトボンドでガイドが貼り付かないよう、ガイドの中央部分にはマスキングテープを貼って養生してあります。

    苦労した甲斐あって、取りあえず何とか1枚の板にする事ができたので、今度は貼り合わせ部分の微妙な段差の解消も含めて平面を出す作業となります。前述したように、音響的には微妙な材かもしれないので、出来るだけ影響を小さくするために、最終的には3mm程度の厚さまで削ろうと思ってます。

    言うまでも無く、ヘッド表面の突き板にもこれを使ってマッチングにする予定です。大きさが結構ギリギリなので、切り出しに注意しないとなんですけどね。

  • ページトップへ
  • 2017年8月5日 (土)

    Violetta

    と言う訳で、栃のトップ板を薄くするために1mmほどの深さで削っていきます。小さな面積ならペーパーで研磨しても良かったのですが、如何せんこの大きさをペーパーで削るのは重労働だし、何より厚さを均一にできないので、電動トリマーで削りました。

    一応は均一な厚みになるようにガイドを当てて作業したのですが、力の入れ加減で微妙な凸凹がどうしても出てしまいます。なので5cmくらいの幅で削ってはペーパーで軽く均してを繰り返したので、そこそこ予想外に面倒臭かったです。

    今回の研磨は平面を出す事も兼ねてるので、電動トリマーでの作業が終わった後にペーパーで全体を研磨して、一応ではあるのですが、それなりの平面を出しました。これをボディ材のマホガニーに貼り付けて、その後さらにトップ板を1mm程度削って完全な平面を出す予定です。

    Violetta

    が、その前にトップ板を平面に削るためのガイドの作成とか、トップ板のエルボーコンター部のドロップトップ加工とか、その部分のバインディングの溝を掘るためのトリマースタンドの作成とか、いろいろと面倒な作業を行なわなければなりません。

    てな訳で、エルボーコンター部分のバインディングの溝を掘るために必要なトリマースタンドを作りました。そりゃー買った方が早いし楽なのは十分に承知してますが、これが予想外に高額で、ちょっといい物だと万単位の価格だったりするのですよ。

    なので元々はガイドのために購入した15mm厚のパイン集成材を利用して作ったのですが、まぁとにかくいろいろと面倒臭かったですね。9枚もの板を切り出すだけでも重労働だったし(近所のホームセンターの工作室に置かれてた新しいノコギリの切れ味が良かったのは幸いでしたけど)、それらを組み立てるためのネジ穴28ヶ所の位置を決めてドリルで穴を開けるなんて究極に超絶に面倒臭かったし、しかも実際に組み立てたら微妙なズレで組めない部分が出てきて、それを修正しなきゃならないとか、マジで発狂しそうなレベルでイヤになりましたよ。

    でもまぁ、何とか使えそうな物ができたので一応は満足なのですが、これだけ苦労して作ったのに1ヶ所しか使わないんですよね。

  • ページトップへ
  • 2017年8月14日 (月)

    いよいよボディの作成です。

    Violetta

    今回ボディに使用するのはアカセから購入した厚さ47mmのアフリカンマホガニー2ピースで、持った感じはズッシリしていて非常に重い部類ではないかと思われますが、ぶっちゃけ、ちゃんとシーズニングされているのかどうか一抹の不安がよぎります。

    一応は「エレキギターボディ用」として販売されている物なので、それなりのシーズニングは行なわれているハズなんですけどね。まぁ、私は重めの方が好きなので問題ないんですけど。

    Violetta

    で、切り出す方法ですが、電動トリマーにダブテールガイド(テンプレートガイド)を取り付け、それと同じ径(10mm)で浅いビットを使用して、MDFで作成したガイドに沿って数ミリづつ溝を掘っていく手法で切り出します。

    これだと電動トリマーで何回も溝を堀らなければならない手間はかかりますが、バンドソーを持っていないために延々と手で糸ノコギリを動かすような重労働が必要なくて楽なのと、何より断面が垂直になるメリットが大きいのです(ノコギリだと垂直にカットするのが意外と難しいんですよね)。

    まぁ、たまに超強力に超高速回転しているビットと木材が擦れた摩擦で高温になって焦げてしまう場合もありますけど。

    Violetta

    最終的なボディデザインは1枚目の画像の通りで、当初のデザインのカッタウェイ部やボディエンド部に修正を加え、ストラトを元に微妙にオフセットさせた形状になりました。

    まず最初はマホガニーの表側にガイドを固定して溝を削り、深さが10mmくらいになったらガイドを外して、掘った溝にダブテールガイドをはめて深さを増していきます。

    しかしビットの長さがボディ厚に全然足りずに貫通できないため、可能な限り深くまで掘ったら(計ったら36mmくらいの深さでした)、今度はマホガニーを裏返してガイドを裏向きに貼り付け、ガイドがズレていて表側からの溝との誤差が出る事を考慮して内側に削り過ぎないように6mmのビットを使って溝を貫通させ、取りあえず直方体の木材からボディの形状で切り出しました。

    Violetta

    次に、裏側から6mmビットで溝を掘って段差が付いた部分を先端にコロが付いたビットを使って綺麗に均していきますが、3枚目の画像のようにコロの痕が付かないようにマスキングテープで養生しています。こうするとマスキングテープの厚みだけ浅くなるので、削り過ぎないメリットもあります。

    しかし電動トリマーの扱いに慣れたとはいえ、やはり素人の域を出ないため、あちこちで凸凹が生じてしまってます(しかも焦げてます)。さて、どうやって修正しましょうかねぇ。

    Violetta

    面白いのは、触れると段差も無く平坦なのですが、見た目は5枚目の上の画像の通りに帯のような痕が鮮明に見える事です。これは電動トリマーで削る方向が表側からと裏側からとで逆だったので、断面の繊維が違う方向を向いているためでしょう。なのでペーパーで研磨すれば直ります(5枚目下の画像)。

    ミスった凸凹と焦げ痕は直りませんでしたけど。

    ギターの形状になっても思いの外ズッシリとした重みがあり、この状態で我が家のデジタル体重計で計測してみたら、予想に反して3.2kgしかありませんでした。これなら完成時には4kg前後になるだろうと推測され、つまり特別に重いって訳ではなく、如何に人間の感覚が当てにならないかってのが改めて分かったって事ですね。

  • ページトップへ