2014年3月4日 (火)

基本的にハムバッカーが好きな私はアンプのセッティングをそれらのギターに合わせているため、シングルコイルのギターに持ち替えた時のパワー不足に不満があり、それを解消するためのクリーンブースターが欲しいと思っていました。

回路図

取りあえずネットで検索したところ、Z.VEX EFFECTS の Super Hard On というブースターの評判がよく、しかも公式かどうかは不明ですが、回路図が公開されていて、そのシンプルさから自作可能で安上がりと判断したため、作ってみる事にしました。

錦糸町の客先への出張の帰りに秋葉原の千石電商に立ち寄って必要なパーツを購入したところ、約¥2,000で済みました。本物はケースが手描きペイントのためか¥40,000を超えるので、とんでもないボッタくりだと思います。

元々これはブースターが本来の役割で、エフェクトオフ時はトゥルーバイパスとなるのですが、ネット上の記事に「ゲインを最小にするとエフェクトオフと同じ状態になる」とあったので、ならばオン時にはポットにてゲイン調節可能とし、オフ時には固定抵抗を通して強制的にゲイン最小時の状態を作り出してバッファとして使用した方がいいだろうと思い、そのような回路に変更するための4.7kΩの抵抗と、オンオフを視覚的に確認するためのLEDと電圧調整用の2.2kΩの抵抗も追加購入しました。が、ゲインのノブは買い忘れました。わはは。

Super Hard On

過去に私は電子機器製造の仕事に就いていた事があり、半田ゴテを使用しての電子回路製作は文字通り「プロ」だったため、この程度なら昔取った云々で朝飯前だぜ!!と思っていたのですが、約10年のブランクと、家にある半田ゴテのチップがボロボロだった事が相まって、とても他人に見せられるような綺麗な仕上がりになりませんでした。なので、表側から見てもレイアウトがメタクソな辺りで想像が付くと思いますが、半田付け部分は非公開とします。で、面倒臭くなったので、電池スナップは付けないでアダプター専用としました。

何より大変だったのはアルミ製のケースの加工です。インとアウトのジャックは9mφで、フットスイッチは12mφで、そんな太い金属用のドリルビットはウチにはありません。しかもDCジャックに至っては9mφのU字型です。なのでホームセンターの工作室を利用したのですが、ここにも12mφはありませんでした。仕方が無いので10mφで穴を開けた後にダイヤモンドヤスリで手作業で穴を広げ、DCジャックも同じく手作業で成型しました。

Super Hard On

音ですが、ノーマル時とエフェクト時の音がほとんど変わりません。この「ほとんど」は、本当に若干わずかに微妙に中低域が持ち上がる感じがする程度で、オンとオフ、私の作った物の場合はオフでもバッファとして機能するので、ギターとアンプの間に組み込みと取り外しを繰り返して聞き比べて、どうにか何とか判別できるレベルです。が、その若干わずかに微妙な変化が悪い方向ではなく、むしろ音の輪郭を明瞭にして艶やかに、そして太く豊かになったように感じられるから不思議です。しかもゲインを上げていくと、本当に何の変化も加えずに素直にブーストされ、世間で言われてる「ピックアップをそのままブーストしたような」との表現に心底うなずきました。ハムバッカーはもちろん、特にシングルコイルのギターで弾くと艶やかさと太さが顕著に感じられるのはプラシーボかもしれませんが。また、ゲインを最大にすると単体で歪んでファズのようになるのも面白いです。

さすがにアルミむき出しでは味気ないので、そのうちに塗装でもしようかと思ってます。あとノブも買いましょう。

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