2020年3月14日 (土)

マスキング

いよいよ塗装に入ります。

今回は3トーンのバーストにするためにエアブラシを使うので、飛び散った塗料が意図しない部分に付着するのを防ぐため、ボディトップ・ボディバック・ボディサイドとネックをそれぞれ別々に塗っていきます。

で、何が面倒臭いかというとマスキングです。

バインディングの境からズレないように正確に丁寧にマスキングテープを貼るのは老眼には大仕事です。

塗装

しかも当たり前ですが、ギターのボディなどは曲線を描いているので、伸縮性の無いマスキングテープをボディエッジの角に合わせて曲げながら貼るのは無理難題です。

それでも過去の経験を活かしてどうにかマスキングを行いました。

今回のカラーは前に魔改造した HONDO Formula1 と同じく、センターから外周にかけてグリーン→ブルー→パープルにしますが、まったく同じ色ではなく、パープルを明るくするためにホルベインの透明水彩絵の具のオペラという色を使用し、それに同じくホルベインの、今は製造販売していないドローイングインクのパープルを混ぜてオリジナルのカラーを作りました。

ブルーとグリーンは前と同じ和信のポアーステインです。

レインボーカラー

久しぶりにエアブラシを使ったためにコツをスッカリ忘れてしまい、失敗も多々ありましたが、ブラシを吹いてはマスキング剥がして貼ってを数回繰り返しつつ、4日間かけて着色を終えました。

ところが、どうにも想像していた鮮やかでさわやかな南の島の浜辺から見た海のような印象とは大きく違ってしまい、全体的に色が濃くて暗くて日本の都会のよどんだ溜め池のような色合いになってしまいました。

下地のアルダーの色がよくなかったのか、私がブラシで吹き過ぎて濃くしてしまったのか、その両方なのかは分かりませんが、数日間の手間隙をかけたマスキングとの戦いを思うと、今さら修正する気にはなれません。

まぁ、色なんて個人の好みの問題なので、きっとどこかにはこの色が好きって人もいるでしょうって事で、このまま作業を進めます。

唯一それなりに上手くできて気に入ってるのは、前々からやってみたかったレインボーカラーを施したネックですね。

人によってはキモいって言われそうですが。

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  • 2020年4月11日 (土)

    マスキング

    ネックを塗装した後で何気に「レインボーカラー」をググってみたのですが、どうやらLGBT(セクシャルマイノリティとは異なるらしい)の尊厳と社会運動を象徴する旗の色だという事を知りました。

    私にはその意図は完全にまったく無かったのですが、そういう意味が含まれている事は念頭に置いておきます。

    で、相変わらずのシェルシートでロゴを切り抜き、相変わらず不器用なのでグダグダなロゴになってますが、それを厚さ0.01mmの両面テープでヘッドに貼ります。

    その後は玄々化学のサンディングシーラーを吹きましたが、うっかりしていて写真を撮り忘れたために画像はありません。

    塗装

    いきなりサンディングまで内容が飛びますが、大失敗をやらかしました。

    シーラーを通り越して木地着色したステインまでサンディングしてしまったのです。

    これも相変わらずな失敗ですね。何回繰り返せば気が済むというか、失敗しなくなるんでしょうかね??

    やっちゃった事は嘆いても仕方が無いので修正方法を考えます。さて、どうしてくれましょうかね。

    レインボーカラー

    本来ならばエアブラシで着色し直した後で、改めてウッドシーラーやサンディングシーラーを吹いてサンディングし直すのが正解だと思いますが、ぶっちゃけ面倒臭いので、筆で色を修正した後はそのままクリアに行こうと思います。

    後々で何か不具合が起こったとしても、そもそも気に入ってないカラーリングなのでリフィニッシュの切欠になるかもしれません。

    などと自分自身で言い訳してみたり。

    と言う訳で筆で慎重に修正してみたのですが、自分でも感心する程に違和感無く綺麗にできました。いやマジでビックリです。

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  • 2020年4月25日 (土)

    クリア吹き

    クリアを吹きます。

    これも前のギターと同じく玄々化学のラッカーです。

    野外で吹いてるので天候に大きく左右されて順調に進められない事も多々あります。

    雨天は当然として、その直前や雨上がりの直後などで湿度が高いと白濁するし、風速が2mmを超えるとスプレーが流されて吹けなくなります。

    何度も書いてますが、やはり天候を気にしないで済む塗装ブースが欲しいですね。

    ラッカー塗装

    サンディングで色が落ちて筆で修正した部分は上からサンディングシーラーを塗らなかったので、角度を変えたりしながら注視すると本当に微妙に色合いが異なって見えますが、言われないと分からないくらいに極微な違いなので気にしません。

    それにしても不思議なのは、あれだけ気に入らなかったカラーリングなのに、繰り返し何回も見ているうちに何とも思わなくなった事です。

    例えるならば、とにかくカッコ悪い車が発売されても、しばらく経つと慣れてしまって普通に見えてしまう現象と同じでしょう。

    マスキング失敗

    あとは研磨していないとはいえ、クリアを吹いた事で多少の艶が出たために綺麗に見えるベクトルが加わっているのかもしれません。

    後で気付いたのですが、色が落ちて修正した部分のバインディングのサイド側に思いっ切り塗料が付いてました。

    すでに数回クリアを吹いた後なので修正するのが面倒臭いし、弾いてる時は下側になって目立たないために放置します。

    ちゃんとマスキングしてたのに何で付いちゃったのかは謎ですが。

    約2週間かけて7回くらい重ねて吹いたので、乾燥のために1ヶ月ほど放置します。

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  • 2020年6月18日 (木)

    水研ぎ

    1ヶ月以上も野外の物置の中にぶら下げて放置して十分に乾燥させたので、水研ぎを開始しました。

    この作業は力を込めてペーパーを擦るので指が痛くなるし、水を使うので指がふやけるしなので、始める前から気が重いです。

    取りあえず指がふやける事だけでも防止しようと、キッチン用の薄いビニールの使い捨て手袋を使用してみたのですが、通気性が皆無なので自分の手汗で指がふやけるという本末転倒な結果に終わりました。

    余談ですが、我が家にはギター製作に関する作業を行うための台や机などは室内外ともにありません。

    塗り残し

    室外では高さ1mほどの小型の物置の上や木製のベンチを作業台の代わりに利用し、室内では床のカーペットの上に不要になったバスタオルなどを敷いて作業を行っています。

    水研ぎは室内で行っているのですが、実は大きな問題があって、しゃがみ込んだ体勢や姿勢の関係から、とにかく肩が凝るのです。

    肩だけに止まらず首筋まで痛くなって一晩寝ても治らず、頭痛や発熱まで引き起こす始末です。

    水研ぎ

    だからといって狭い室内に大きな作業台を置く訳にもいかず、作業をやめる訳にもいかないので、頑張って耐えながら研磨を続けます。

    で、研磨してたらネックジョイントの横の部分に塗り残しを見つけてしまいました。なんてこったい!!

    今さら嘆いても仕方が無いので気にしない事にします。

    週末はもちろん、平日の夜も肩凝りが辛い時は無理をせずに休みながらちまちまと作業を続けて、何だかんだで約2週間もかかって最初の800番での研磨が終わりました。

    以降の水研ぎは面倒臭いだけで大変ではないので気が楽です。肩凝りを除けば。

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  • 2020年6月27日 (土)

    水研ぎ

    さらに耐水ペーパーの番手を上げて水研ぎを進めます。

    前の番手に対して垂直方向に研磨してヘアラインを書き換えていく感じで作業するのですが、一度に大きく広範囲に行うと乱暴になって傷を付けたり、摩擦による熱でラッカー塗料が溶ける懸念もあるので、おおよそ5〜10cm四方の広さを目処に少しづつ進めます。

    最終的に2000番まで進めようかと思ったら、手持ちのペーパーが1500番までしかなかったので、そこまで終えてギター全体が完全なマット状態となりました。

    続いてコンパウンドによる研磨です。

    コンパウンド

    いつもは車用のSOFT99のコンパウンドの細目から始めるのですが、これが半練り状ですぐに乾いて滑らなくて使いづらくて臭いもキツイので、今回は同じSOFT99の液体コンパウンドの3000番で開始してみました。

    細目と3000番のどっちが荒いのかは分かりませんが、取りあえず3000番の方が磨きやすいし臭いも無いので、これで結果が出れば儲けものと思っていたのですが、残念ながら期待していたような艶が全然出ませんでした。

    やはり半練り状の方が荒いんでしょうね。そっちで研磨したら結構な艶が出ました。

    コンパウンド

    全体を細目で研磨した後は、液体コンパウンドで3000番→7500番→9000番と進めて、番目が上がる度に艶の深みがどんどんと増していって、最終的にはピカピカになりました。

    バフ掛けは相変わらず道具が無いし、掛けない方がラッカーらしい柔らかい艶だと思っていて、個人的にそっちの方が好きなので行いません。

    次はパーツやアッセンブリーの取り付けや配線、そして弦を張って調整して完成となる予定です。

    あ、ロッドカバー作ってないや。

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  • 2020年6月28日 (日)

    導電塗料

    アッセンブリーの組み込みの前に、キャビティ内に導電塗料を塗りました。

    塗装前に仮組したアッセンブリーをそのまま保存しておいたので、PUを載せて配線すれば簡単に完成する予定だったのですが、今回のギターのPUはノイズに弱いシングルコイルなので、シールドにちょっと神経質になってみようかと思ったら、それがとんでもない手間がかかってしまい、滅茶苦茶に時間を要してしまいました。

    配線

    具体的に言うと、キャビティ内は導電塗料でシールドされるので問題ないのですが、キャビティ間の配線が通る穴の内面にまでは導電塗料を塗れないので、そこは筒状の網線シールドを入れて、その内部にPUの配線を通そうと思った訳です。

    ところが網線シールドがとにかく厄介で、まずは穴の中に素直に入らなくてグチャグチャになるし、配線を通そうと思っても網に引っ掛かって先に送れないし、網がバラけてPUやポットの端子と接触してホットとコールドがショートするし、床に座って作業してるので肩は凝るし腰は痛くなるしで、とにかく大変でした。

    これがギブソン系のPUなら最初からシールド線だから苦労しなくて済んだんですけどね。

    完成

    最終的には当初の予定通りに配線穴内に網線シールドを這わせたのですが、作業に夢中になり過ぎて写真を撮り忘れたため画像が1枚もありません。

    こんな面倒臭い事は二度とやりたくないので、コイルが断線でもしない限り、このギターでPU交換はしたくありません。

    この時点でいったんアンプに繋いで様々なスイッチングで各PUから音が出る事とボリュームとトーンの効きを確認した後、ナットの高さ調整をしてローラーナットをネジ止めし、ペグやブリッジなどを取り付けて弦を張ってチューニングしながらアームユニットのスプリングのテンションの調整を行いました。

    ここで改めてアンプに繋いで各PUから音がちゃんと出る事を確認してから、ネックの反りやサドルの高さやオクターブチューニングなどを調整したら完成です。

    同じヘッドとボディ形状の自作1本目のギターと並べてみましたが、確かに同じ形なのは分かりますが、完全に違うギターに見えてしまいます。

    あー、ロッドカバー作ってないや。

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  • 2020年7月16日 (木)

    ロッドカバー

    全国的に雨天が長く続いて野外での作業ができなかったため、今日ようやくボディと同じアルダー材でロッドカバーを作って取り付けたので、これで正真正銘の完成です。

    前のギターと同様に名前を付けたのですが、統一感を持たせるために漢字1文字で読み音数が3文字の植物名という縛りでカラーに合う名前を探して「葵」としました。

    声優の悠木碧や古賀葵が好きっていうのと決して無関係ではありません。

    葵

    実はストラトを始めとするシングルコイルのギターを弾いた経験が多くないので、その辺と比較して語る事はできません。

    PUはビンテージ系の「Fender Original '57/62」なのでパワーは全然ありませんが、レンジが広くて倍音を多く含んだ太い音です。

    余談ですが、この「太い音」という表現が非常に厄介で、世間では低域が出てる(高域が出てない)音を指す人が多いのですが、私は周波数特性の広い(上から下まで多くの要素が詰まってる)音という認識です。

    バックパネル

    それが正しいかどうかは分かりませんが。

    このギターはボディの角が丸く落とされていない事とザグりが少ない事から、アルダーでありながら結構な重量があります。

    その影響かもしれませんが、しっかりとローが出て全体的にガッチリとした印象の音です。

    クリアで鳴らすと「チャリーン」と鳴るのですが、それが一般的に呼ばれている「ストラトの鈴鳴り」なのかどうかは経験不足のために分かりません。

    歪ませるとパワーが無いのでサスティンが短いのは仕方がありませんが、アルダー材ならではの自然なミッドのおかげか、ピーキーで耳に痛いハイは相対的に抑えられて「ガチャーン」という、シングルコイル特有の抜けのいい音が気持ちいいです。

    リアとセンターのシリーズ配線は期待していたほどのパワーは得られず、当然ながらハイの抜けは劣って丸い印象を受けますが、それでもやっぱりシングルだなって音です。

    いろんな組み合わせによるフェイズアウトの音は、クリーンでも歪ませてもトリッキーでバラエティ豊かで楽しめます。

    歪ませてても低域がカットされてさらに出力が抑えられるので、コード弾きしても分離の良い使いやすい音となります。

    再び予断ですが、Ibanez POWEROCKER は表側から弦を挿し込んでボールエンドをフックに引っ掛ける方式なので、バックには弦を通す穴はありません。

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  • 2022年3月27日 (日)

    塗装落とし

    作った当初から気に入らなかったボディカラーを、今更ながらリフィニッシュしようと思って、とりあえず粗目の空研ぎペーパーで塗装を削って落としました。

    目指すのは、以前持っていた「HONDO Formula 1」に施したカラーですが、全体のリフィニッシュは面倒臭いので、ボディトップとヘッドの表面だけ塗り直します。

    と言うか、このギターを作る時にもそれを目指していたはずで、何故こんなに気に入らない、具体的には全体的に暗い色合いになったかと言うと、ボディ材のアルダーが薄い黄土色のためにステインの発色が良くなくなるのと、それでも何とか綺麗な発色にしようとして濃く塗りすぎたのが原因です。

    木地漂白

    後でネットで調べたところ、アルダーに色を付ける場合は漂白が必要というか、それが当たり前くらいに書かれている記事を目にしました。

    そこでまずは漂白にチャレンジしてみたのですが、いろいろ調べたところ、本格的な漂白は個人では無理そうなので、食器用漂白剤のハイターを端材に塗って試してみたのですが、あまり効果はなく、しかも脱色がムラになったので断念しました。

    次に、疑似的に漂白したようにするため、カラーインクのホワイトを薄く吹き付けてみました(画像のボディの右半分)。

    これは見た目としては本当に漂白したように綺麗になったのですが、その上から着色したら、結局は漂白する前とあまり変わらなかったので、これも諦めました。

    木地が白くなったのに、なぜ上手く発色しないのか疑問に思い、改めて目指すカラー「鮮やかでさわやかな南の島の浜辺から見た海のような印象」を分析してみたのですが、重要な要素はキルトメイプルによる色の濃淡で、そのためには薄めに着色する必要があるという事に気づきました。

    突板貼り

    それを実現するためにはキルトメイプルの突板を貼らなければなりません。

    過去に何度か経験があるとはいえ、突板の貼り付けは失敗する可能性が決して低くはないために気が進みませんが、目標を達成するためには避けて通れません。

    キッチリと貼り付けるには焦らず落ち着いて丁寧に作業する事が不可欠で、ボディサイドやキャビティなどのマスキングはもちろん、水で少し薄めたタイトボンドを多すぎず少なすぎず均一に塗り、突板に波やシワができないようにアイロンでシッカリと押さえて密着させながら熱を加えてボンドを乾燥させるのは、なかなかの緊張感が必要でした。

    着色

    突板を貼り終えたら周囲をボディやヘッドに合わせて仕上げ、バインディング部分をマスキングしてから着色します。

    私は元々どうしても「発色をよくする=濃い目に吹く」イメージが抜けずに過度に吹きすぎてしまう悪い癖があるのですが、ボディの周囲は少し濃い目でいいとして、中央に向けてブルーとグリーンをとにかく意識に意識を重ねて薄く吹いたところ、どうにか目指した「鮮やかでさわやかな南の島の浜辺から見た海のような印象」に近い結果を得られました。

    引いて全体を見ると問題ありませんが、近づいて細かく見ると結構大き目な粒のステインが飛んでしまっていて、ポツポツと目立つ斑点が数ヶ所に点在します。

    安いエアブラシに安いコンプレッサーと下手クソな技術の組み合わせなので仕方がありませんが、目立たないので気にしません。

    言うまでもありませんが、今回のリフィニッシュの対象とならないボディサイドとバックとネックからヘッド裏は、ちゃんとマスキングしてあります。

    この後はヘッドに付ける「雅龍」ロゴをシェルシートから切り出して貼り付けてから、サンディングシーラーとクリアで仕上げていきます。

    シェルシートの加工が何気に大変なんですよね、すぐに割れちゃうから。

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  • 2022年4月30日 (土)

    サンディングシーラー研磨

    と言う訳で、いつもの手順に従って作業を進めます。

    まずは木部プライマーを吹きます。これは木地を目止めして上塗り塗料の吸い込みを抑えると共に、木地と上塗り塗料の接着を良くする役割があります。

    次に厚さ0.1mmのシェルシートから「雅龍」ロゴを切り出し、厚さ0.01mm(10μ)の両面テープでヘッドに貼り付けます。この厚みならギリギリ何とかサンディングシーラーで凹凸を誤魔化せます。

    ラッカークリア

    そのサンディングシーラーは玄々化学のギター用ラッカーサンジング「LS-10」をラッカーシンナー「TL-11」で希釈してスプレー缶に詰めた渡辺商店の商品を使用します。

    希釈されたサンディングシーラーをスプレーすると厚みがあまり出ないため、木地の仕上げが悪いと6回くらい吹いても凸凹が埋まりません。

    ヘッドに貼った厚さ0.1mm強のロゴはスプレーで平面を出すのはどうやっても太刀打ちできないので、和信のラッカーサンディングシーラーを筆で塗って厚みを稼ぎ、研磨後の仕上げに玄々化学のスプレーを吹いて対処します。

    ヘッドロゴ

    サンディングシーラー塗布後、1週間ほど乾燥させてから400番の空研ぎペーパーで研磨するのですが、シッカリと研磨しないと凹みが残ってしまうし、かと言って削り過ぎると木地が出て塗装を落としてしまうので、その加減が難しいです。

    この辺は経験を積んだ感覚によるところが大きいし、いまだに失敗する事もあるので、コツを文字で表現する事はできません。

    サンディングシーラーの研磨が終わったらクリアーを吹きます。

    こちらはサンディングシーラーと同じく渡辺商店が販売している、玄々化学のニトロセルロースラッカー「LC-22」をラッカーシンナー「TL-11」で希釈してスプレー缶に詰めた商品を使用します。

    スプレーなので広範囲に広がらず、また粒子が荒いために均一に吹くのが難しいのと、乾燥後はサメ肌状になって水研ぎが大変なのですが、ホームセンター等で売ってる偽物ラッカーとは比較にならないくらいに上質で、経年による縮みも劣化もありません。

    6回くらい吹いた後、野外の物置の中に吊るして1か月ほど乾燥させてから研磨作業に入ります。

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  • 2022年6月19日 (日)

    実はこのギター、リフィニッシュするついでにリフレットも行ってました。

    フレット交換

    元々はヴィンテージ系の方向を狙っていたので、フレットも細くて低いヴィンテージ系にして、確かにそれは間違っていなかったのですが、今は少しでも太い音が欲しいと思っているため、他のギターと同じミディアムジャンボに打ち替えたという訳です。

    打ち替えや擦り合わせでは大きな失敗は無かったのですが、いまいち気に入らない部分もあるので、そのうち気が向いたら再度のリフレットを行おうと思ってます。

    その時はフレット溝の補修が必要になると思うので、その面倒臭さを考えると、果たして本当にリフレットをするのかどうか怪しいですが。

    水研ぎ

    塗装はクリアを吹いてから1ヶ月以上乾燥させたので研磨作業に入ります。

    こちらもいつもと同じ手順で、水研ぎペーパー800番から始めて、1000番、1200番、1500番と進めるのですが、800番と1200番は横方向に、1000番と1500番は縦方向にペーパーを動かして研磨します。

    横方向と縦方向を交互に研磨する事で、前の研磨の擦り傷を消すのがコツなのですが、もう何回も経験している作業にも関わらず、未だに綺麗に擦り傷を消す事ができません。

    コンパウンド研磨

    これが最後の最後まで影響して、コンパウンドで仕上げた後に凝視すると微妙に擦り傷が見えてしまうのですが、どうせ弾いてるうちに塗装が擦り傷だらけになるので気にしない事にしてます。

    水研ぎが終わったらコンパウンドで研磨して艶を出します。

    こちらもいつもと同じ作業で、詳細は「エレキギター塗装」のページにまとめてあるので、そちらを参照してください。

    今回はギターが完成した後に突板を貼ったため、ボディ全体を見た場合は気にならないのですが、細部を見ると艶の光の反射が乱れていて、どうしても「後から手を加えました」感が拭いきれません。

    パーツ取り付け

    それでもリフィニッシュ前までの暗くくすんだヘドロのような色合いとは月とスッポン並みに段違いに奇麗なので、細かい部分には目をつぶろうと思います。

    研磨が終わったらパーツの取り付けです。

    3つのPUのリード線とアース線の合計7本をボディ内の細い穴に通すのは少し苦労しましたが、それ以外は順調に進められました。

    ローラーナットを取り付ける部分はヘッドの塗装を落とす時に不用意に削ってしまったため、改めて台座を作り直したのでナットを固定するネジ穴が開いてないのですが、取りあえずは固定しないまま弦を張りました。

    約半年ぶりのシングルコイルサウンドですが、ハイもミッドもローも全部が前に出てくる素直で図太い音は、私の下手さも素直で図太く露呈してくれるので、弾くのにちょっと神経質になってしまいます。

    ひどいノイズも相変わらずなので、できるだけノイズが出ない向きを探して弾くのもシングルコイルならではです。

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