2019年12月14日 (土)

ブリッジ処理

弦高調整のために前のギターと同様にブリッジアンカー(?)の下を削って落とし込みします。

前のギターは1mm弱の落とし込みで済んだのですが、このギターの現状の弦高を計測したところ、2mm以上の落とし込みが必要な事が分かりました。

ネックの仕込み角は2本共ほぼほぼ同じはずなのに、なぜこのギターだけ弦高が異様に高いのかというと、細くて低いヴィンテージ系のフレットを採用したため、相対的に高くなってしまったという訳です。

前のギターで使用したガイドを元に新たにガイドを作成して電動トリマーでサクっと削って落とし込み完了です。

弦を張る前にPUを仮設置してみました。

シングルコイル

ここでシングルコイルのギターをバラした事のある人ならば、頭の中に疑問符が思い浮かんだ事でしょう。

なぜなら、シングルコイルのPUはコイルのエナメル線と出力のリード線を繋ぐ部分が出っ張っているので、搭載するためのザグりもそれに合わせた形状となるはずなのですが、このギターのザグりは完全な楕円形だからです。

どうなっているのかというと答えは単純で、電動トリマーの底面クリーニング用ビットを使用して、ザグりの内部にPUの出っ張りが収まるような空洞を掘ってあるのです。

仮でも何でもPUを載せて弦を張ったならアンプから音を出したいと思うのはギタリストとして万人共通の欲求でしょう。

シングルコイルの音

通常のアウトプットジャックの位置まで配線を通す穴を開けていないので、フロントPUのキャビティからリード線を出して、それをジャックの端子に絡ませて宙ぶらりんのままシールドを差し込むという荒業で鳴らしてみました。

フレットの擦り合わせをしてないので音詰まりやビビりが多発してる状態ですし、弦アースもシールド処理も施してないので、シングルコイルならではのハムノイズがとんでもなく大きいのですが、素足でエフェクターのスイッチに触れて弦アースの代わりにするという無茶な環境です。

リアは「美しい」という形容詞がピッタリな「チャリーン」という音です。

ボディ材がアルダーなので未塗装でもマホガニーのように暴れる事もなく、未塗装ゆえに不自然に押さえ付けられる事もなく、かと言って高域が耳に痛い訳でもなく、フェンダーのチューブアンプのコンプレッション感と相まって、とにかくクリアーでレンジが広くて本当に心地よい音です。

センターはリアの(いい意味で)尖った部分を若干丸くして、微妙に鼻詰まり感を加えつつも抜群に抜けが良い、独特な魅力のある音です。

フロントはまだですが、音を聴いた事で余計に完成が楽しみになりました。

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  • 2019年12月22日 (日)

    修正

    問題なのはPUキャビティからコントロールキャビティへの配線の穴を開ける方法です。

    前のギターはリアPUキャビティからアクセスしましたが、このギターはPUキャビティが細いので同じ方法では不可能です。

    ならばアウトプットジャックを取り付ける位置からリアPUキャビティまでを貫通させるしかありません。

    そうすれば、残念ながら最短距離で効率のいい配線とはなりませんが、途中でコントロールキャビティも通過するからです。

    修正

    という訳で8mm径で220mm長のロングビットを使ってアウトプットジャックの位置からリアPUキャビティまで貫通させました。

    実はここで大きな失敗をしたのですが、ぶっちゃけるとリアPUのキャビティの加工でも大失敗してるので、それと合わせて修正を加えてます。

    幸いにもアルダーの木目が上手い具合にマッチして、と言うかマッチするような部位を端材からわざわざ切り出してパーツを作ったので、直接よく見れば直したのがバレますが(微妙にセンターズレしてるし)、知らなければ気付かないレベルなので、ブリッジとリアPUの周辺ではありますが、具体的にどこにどう手を加えたかは公開しないでおきます。

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  • 2019年12月28日 (土)

    コントロールキャビティを掘ります。

    コントロールキャビティ

    前のギターを踏襲してストレートレイアウトとなりますが、このギターは各PU毎にミニスイッチが付くので、微妙にキャビティの形状が異なります。なので新たにガイドを作りました。

    またキャビティの深さも、前はロングシャフトを採用したので30mmくらい掘れば良かったのですが、今回はミニスイッチがあるのと、250kのポットのロングシャフトはマイナーなのか予想外に割高なので(あと、前に作ったギターから取り外したポットを再利用するため)、40mmくらい掘る必要があります。

    まぁ、作業の回数は多くなりますが、ガイドに合わせてザグればいいだけなので楽ではあるのですけどね。

    コントロールレイアウト

    と油断していたら一部で微妙に失敗してしまった部分がありますが、上から蓋をしてしまえば分からないので問題ありません。

    前述した通りに、このギターにはミニスイッチが3つ付くのですが、そのレイアウトに少し悩みました。そもそもそういうギターを弾いた経験は高校生の時に友人のYAMAHA SC-700をちょっと弾いたくらいしか無いので、位置・並び・向きと全部についてベストが分かりません。

    一応は実際にギターを持って多少のシミュレーション的な事もやってみたのですが、著しくスペックの低い私の頭では正解が導き出せないままでした。

    なので見た目を優先してスマートな感じに並べてみました。

    ミニスイッチの役割については完成時に解説しようと思います。

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  • 2019年12月29日 (日)

    トリマーベース

    スプリングキャビティは幅が広いために電動トリマーの通常のベースでは幅が足りないので、近所のホームセンターで投げ売りしてた端材を買ってきて、それを拡張するパーツを作りました。

    ちなみに、前のギターでは半分の幅のガイドを作って左右半分づつ加工しました。

    さらに前のギターではボディ厚47mmに合わせてキャビティをスラントさせたのですが、今回はボディ厚が45mmで通常なのと、ブリッジが2mm余計に落とし込んであるので、普通にフラットに加工しました。

    スプリングキャビティ

    一部で割れてしまった部分がありますが、上から蓋を以下略。

    前のギターの時に購入した4mm径のロングビットを使ってスプリングハンガーのビスのネジ穴を可能な限り水平になるように電動ドリルを寝かして開けます。

    で、ハンガーを通したネジを取り付けて、ブリッジを設置してスプリングをセットして状態を確認しました。

    アルダー材はマホガニーやメイプルと比較すると非常に柔らかい手応えなので、ネジ穴が簡単に馬鹿になって抜けないだろうかと若干心配になりますが、世の中に大量のアルダーボディのストラトが出回っていて、でもそういうトラブルは聞いた事が無いので大丈夫でしょう。

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  • 2020年1月4日 (土)

    シングルコイル用マウントリング

    オリジナル形状のシングルコイル用マウントリングを作成します。

    これはストラトのピックガードのピックアップの穴の周囲をカットして切り出してからペーパーで形を整えました。

    市販されている物はリード線を出す部分が出っ張ていて、つまりは野球のホームベースを上下に潰したような形状なので気に入らないための自作です。

    リアとセンターは問題なく切り出せたのですが、フロントはストラトのピックガードの横の部分が狭くて利用できなかったため、新たにPUが入る穴も含めて加工しました。

    シングルコイル用マウントリング

    と簡単に書いてますが、3プライのピックガードをプラスティックカッターで地道に綺麗にカットする作業はさすがにちょっと大変でした。

    画像はマウントリングを使ってPUを仮置きしてみたところです。

    当初のイメージとしては先日も名前が出たYAMAHAの初代SCシリーズだったのですが、出来上がってみたら完全にレッド・スペシャルをリスペクトしてますね。

    続いてアウトプットジャック部分のザグりを行います。

    アウトプットジャックキャビティ

    一般的にはフォスナービットで一発で加工するので、私も工具売り場に行く度に展示されてるビットの前で買う方向に心を動かされたのですが、電動ドリルをフリーハンドで使ってるため、どうにもちゃんと真っ直ぐに穴を開けられる自信が無く、結局は前のギターと同様に電動トリマーでザグりました。

    前のギターの時に作成したガイドを利用したので準備に時間がかからず、以前の失敗を経験値に変えて慎重に作業したので、今回は粉砕もせず落としもせずに綺麗に加工できました。

    また、これも前のギターと同じように、ジャックプレートがボディに沿って曲がる負荷を無くすために取り付け部分を平坦に加工しました。

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  • 2020年1月11日 (土)

    フレット擦り合わせ

    いよいよ残る木工部分も少なくなってきたので、1月中には加工が完了して2月には塗装に入れるかと予想していたのですが、1月に家の外壁塗装を行う事になっていて、家の周囲に足場が組まれて作業スペースの確保がしづらくなった事と、木材加工によって出たくず粉が洗浄した外壁に付いてしまっては塗装業者の作業を邪魔する事になりかねないため、外壁塗装が終わるまでは外での作業を中止して、その間に取りあえずいったん普通に弾けるようにしてチェックする事にしました。

    となると、まずは苦手なフレット擦り合わせですが、素人が神経質になればなるほど、どんどんとフレットを削ってしまって、元々低いヴィンテージ系フレットがさらにどんどん低くなっていきます。

    アッセンブリー

    擦り合わせては弦を張ってバズるポイントをチェックして、弦を外して再度擦り合わて弦を張ってチェックしてを数回繰り返し、どうにか1弦12フレットの弦高を1.5mm以下まで追い込みました。

    もちろんベンドしても音詰まりしません。

    次にアッセンブリーですが、ポットの背中などへの太いコテ先の物と、細かい端子への細いコテ先の物と2本のコテを使い分けて、老眼に鞭打ってフェイズ機能を持たせるためのミニスイッチの×配線に難儀しながら、どうにか上手く組み込みました。

    取りあえず音がちゃんと出たのでひと安心です。

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  • 2020年1月12日 (日)

    アッセンブリー

    前に完成時にと言ったのですが、アッセンを組み立てたこの機会に回路を公開する事にします。

    2V1T3SWで、フロントとリアの共通ボリュームとセンターボリュームにマスタートーンに加えて、フロントとセンターのON(正相)-OFF-ON(逆相)までは一般的(?)なパターンですが、リアのミニスイッチは少し特殊で、ON(正相)-OFF-ON(センターとシリーズ)となってます。

    リアと他のPUを組み合わせてフェイズアウトさせる場合は他のPUを逆相にすればいいので、リアに逆相ONはありません。

    センターとシリーズで繋がる場合、センターの正相ONと逆祖ONで正相と逆相の直列となります。

    またセンターには独立したボリュームがあるので、完全に絞り込めばリアの単体となり、上げていくにつれてセンターが徐々にシリーズで追加されるようになってます。

    特殊スイッチ

    これは80年頃に発売されたグレコのBG-600(Boogie)に搭載されていたコイルタップバランサーと同じ機能ですが(回路が同じかどうかは不明)、私のギターはセンターPUがRWRPではないのでハムバッキングの効果はありませんし(むしろノイズが倍増する)、ポットのカーブの問題なのか回路が悪いのか分かりませんが、実際には徐々にではなく3段階くらいで変化する感じです。

    最初に回路を考えた時に「こういうスイッチがあれば実現可能だけど、果たしてこんな特殊なスイッチ実在するんだろうか??」って疑問に思ったのですが、探してみたら「ギターワークス」で普通に取り扱っていたので速攻で注文しました。

    スイッチパターン

    って事は、それなりに需要があるんでしょうかね??

    どのように特殊かというと、画像のようにセンターポジションの時に繋がる接点が互い違いになるというスイッチで、内部の構造は分かりませんが、一般的ではないためか結構な高額で足元見られてる感とボッたくられてる感が満載です。

    試しにスイッチングの組み合わせを一覧表にしてみたら、実に19パターンもありました(ON-Rは逆相、ON-Sは直列)。

    問題なのは、これだけ多彩なサウンドバリエーションを私の拙い技術で使いこなせるかどうかですね。

    今のところのお気に入りは、センターとリアを正相でシリーズにしてフロントを逆相でパラ接続する音で(一覧表の18番)、低域がカットされてポジションによって抜け出る中域が変化する不思議なトーンは完全にブライアン・メイの気分です。

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  • 2020年2月1日 (土)

    サウンド

    当初は音がちゃんと出て、多くのスイッチングパターンで多彩な音のバリエーションを楽しんでいたのですが、ふと我に返って音そのものを聞き直してみると、どうにもシングル特有のピーキーな高域が出ていない事に気が付きました。

    12月14日にPUからダイレクトに出力した時には紛れもないシングルコイルの音だったので、間違いなくアッセンブリーを組んだ事に起因しているのですが、では回路のどの部分が原因なのかを考えてみたところ、アウトプット側から見た時に2個の250Kのボリュームポットが並列に繋がっている事ではなかろうかと推測しました。

    つまり両方をフルテンにしてもホットとコールド間の抵抗値が125Kしかないという事で、それでは音が丸くなるのは当たり前です。

    どうにか改善できないものかと無い頭を捻ってみたのですが、特殊なパターンを実現するためにはどうにも変更する事ができず、仕方が無いのでポットを500Kに交換してみるという安易な方法で対処してみました。

    ポット交換

    本当は交換する必要は無いのですが、ついでにトーンポットも500Kにしてしまいました。

    予断ですが、キャビティから伸びてる青い線はスプリングハンバーに繋げて簡易弦アースにしてます。

    結果は当たり前ですが、今までコールドに落ちていたであろう高域がちゃんと出てくるようになりましたが、一方でボリュームの利き方が不自然になってしまいました。

    まぁ、それは覚悟していた事ですし、変化の具合に慣れれば問題ないだろうと思います。

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  • 2020年2月15日 (土)

    バックパネル

    家の外壁塗装が終わったのでギター作成の再開です。

    まずはスプリングキャビティとコントロールキャビティのパネルを落とし込むザグり加工です。

    外で作業できなかった間にホームセンターで2.5mm厚のベニヤ板を購入して、バックパネル落とし込みザグり加工のための電動トリマー用ガイドを作成しておいたので、それを両面テープでボディバックに貼り付けてチャッチャとザグった後にペーパーで軽く整えたら終了です。

    次にネックジョイント部分をペーパーで研磨してスムーズに仕上げる加工ですが、両方のホーンに挟まれたせまい部分で道具が使えないために全部を手作業で行わなければならず、しかも硬いメイプルと柔らかいアルダーが混在しているために力の加減に気を使う必要もあり、立体的にスムーズで綺麗な曲線を出すのは思いの外に至難の業でした。

    ネックジョイント

    まぁ、自作のオリジナルなので必ずこうしなければならないという制限が無いため、要するに自分が気に入るようにすればいいので、その辺は自由度があって気楽なのですが。

    取りあえずクソみたいに寒い中で足の指の霜焼けの痛みと、強い風で舞い散る削り粉が目に入る痛みの両者に耐えつつ、無限に出てくる鼻水をすすりながらながら気合と根性で作業を終えました。

    続いてボディバックのバインディングチャンネルの加工です。

    自作トリマースタンド

    もはや手慣れたもんで、加工前の電動トリマーのセッティングさえ時間をかけてキッチリやっておけば特に難しい作業ではありません。

    ウエストコンター部分の上下左右に立体的な曲線も自作のトリマースタンドが役に立ってくれて問題なく終了です。

    遅れた分どんどん先に進めましょう。

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  • 2020年2月29日 (土)

    バインディング貼り

    チャンネルは簡単に加工できたのですが、相変わらずABS製のバインディングは硬くて全然曲がってくれず、瞬間接着剤を使用しての貼り付けは前回のギターと同様に苦労しました。

    それでも経験があるから一応はコツを掴んでるので順調に進めましたけど。

    バインディングを貼った後は、はみ出たバインディングを削ってボディと平面にします。

    同時に塗装に備えるためにギターの全体をくまなく研磨して木地を仕上げる下準備を行いました。

    バックパネル

    バックパネルは前回のギターと同様にボディと同じ材で作ろうと思ったのですが、これがちょっとてこずりました。

    ボディを切り出した際に出たアルダーの端材を7mm厚くらいにスライスして、それを貼り合わせて表裏を電動トリマーで削って平面を出す方法で板を作成しようとしたのですが、ジグソーでスライスする時に厚さが均等ではなくなるという大失敗をやらかし、薄い箇所では4mmにも満たない部分ができてしまいました。

    かと言ってアルダーの端材は多くないのでやり直しもできず、仕方が無いのでそのまま板を作成し、コントロールキャビティのパネルは2mm厚、スプリングキャビティのパネルは3mm厚と、それぞれ予定よりも2mmも薄くなってしまったのです。

    なので家にあった2mm厚の黒い塩ビ版を貼り付けてどうにか誤魔化しました。

    自作トリマースタンド

    自作したシングルコイル用のマウントリングをボディに固定するため、これも家にあった2mmのステンレス皿ネジを利用する事にして穴を開けました。

    ボディにもネジ穴を開けて仮止めしてみたのですが、想像以上にステンレスのネジが目立ってしまい、ネジだらけな印象が拭えません。

    全部がブラックなら目立たなかったかもしれませんが、予定しているボディカラーの関係からアイボリーパーツは譲れません。

    となるとネジを塗装する事も視野に入れる必要があるかもしれません。

    まぁ、その辺はギターが完成してから考えましょう。

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