ディバイデッドピックアップ出力ケーブル位置変更
GK-3のディバイデッドPUの出力ケーブルの位置を横から裏側に変更する改造を施します。

通常は画像のように6弦側からPUと一直線になるように出ています。
これはGK-3をギターに後付けする際に、演奏の邪魔にならず無理なく簡単に取り付けられるように考えられたレイアウトです。
しかしGK-3をギターに内蔵するとなると、この配線の出方は見た目にもレイアウト的にも良くありません。
まぁ、内蔵するなら専用のGK-KIT-GT3を使えという事になるのですが、これがGK-3の倍以上の価格で、販売数も極端に少ないために中古も期待できません。
ならばGK-3の出力線をGK-KIT-GT3と同じように裏側から出せば解決するだろうというのが今回の改造です。

まずはPU部分を分解するため、カバーを固定している裏側の10ヶ所の爪を伸ばして外します。

次に基板を固定している2ヶ所の爪を開いて外します。
この爪が軟らかくて簡単に折れてしまいそうなので、できるだけ小さく動かすように気を付けた方がいいでしょう。
また、基板が非常に薄くてペラペラで、少し強い力を加えたら簡単に折れてしまいそうなので、とにかく慎重に作業します。

基板がベースプレートから外れたら、基板の6弦側から出ている7本の配線を外します。
この時、配線をニッパー等でカットしてもいいのですが、後で同じ場所に半田付けするので、できれば半田ゴテで熱して芯線を抜いた方がいいでしょう。

7本の線を外したら、線が半田付けされていたスルーホールの中に半田が残って穴が塞がっていないか確認します。
もし穴が塞がっていた場合は、半田吸い取り機や半田吸い取り線などで残った半田を取り除いて穴を開通させます。

外した7本の線を基板にプリントされた色の指示に従ってバックプレートの裏側から配線用の穴を通し、先ほど線を外した基板のスルーホールに芯線を通して半田付けします。
プリントされたアルファベットに対する色の指示は以下になります。
O : オレンジ
Y : 黄色
G : 緑
B : 青
R : 赤
BN : 茶
BK : 黒

この時点でGK-3をギターに仮止めして、各PUが正常に動作するか確認した方がいいでしょう。
カバーを付けてから不具合が見つかったら、またカバーを外さなければならず、単純に面倒臭いですし、固定する爪を何度も曲げたら折れてしまうかもしれません。

ちゃんと動作する事が確認できたらカバーをはめるのですが、この時PUのアールを調整するネジが基板の中央のネジ穴にちゃんと入るように気を付けます。
カバーをはめたら爪を曲げて固定します。
ここで再度ギターに取り付けて動作確認を行って、正常なら完了です。
ディバイデッドピックアップ取り付けネジ穴位置変更

GK-3のディバイデッドPUのギターへの取り付けネジ穴の位置を変更します。
本来の6弦側の取り付けネジ穴は、出力ケーブルに干渉しないように、本体から少し距離を取った場所に配置されていますが、出力ケーブルを裏出しに変更した事により、ここに不自然なスペースが生まれてしまいました。
この不自然さを解消する事と、可能な限り本体に近い位置の方が、本当に微々たる誤差レベルであったとしても、強度的にもよいのではなかろうかとの考えから、このネジ穴の位置を変更します。

まずはベースプレートの元々のネジ穴の部分をカットします。

次にカットした部分の角を落とすなどの成形をヤスリで行い、ちょうどいい位置を決めて、元のネジ穴と同じ直径3mmの穴を開けたら完成です。
作業する際には、元々の出力ケーブルを固定していた小さいカバーを外した方がやりやすいでしょう。
ディバイデッドピックアップ補強

GK-3のディバイデッドPUは細くて華奢なのにベースプレートがプラスティック製のため、少し力を込めたら簡単に折れてしまいそうで、取り扱うのに非常に気を使います。
なのでベースプレートの下にアルミ板を貼り付けて補強を行います。
まずはPUの大きさに合わせて1mm厚のアルミ板を切り出します。
ネット情報ではプラスティックカッターでカット可能とあったのですが、全然まったく切れないので、金鋸でカットしました。

ネジ穴と出力ケーブルを通す穴を開けます。
ネジ穴は3mmのネジを余裕を持って通せるように3.2mm径のドリルで、ケーブルを通す穴は3.5mm径のドリルと細い棒ヤスリを使って、3.5mm X 12mmの楕円形に開けました。
重要なのは、穴を開けた際にできたバリをヤスリでシッカリと落とす事です。

出力ケーブルをアルミ板の楕円穴に通すため、GK-3の本体を分解します。
まずはボリュームノブを外します
これは引っ張れば簡単に外れます。

次に、裏面の4つのネジを外して表側と裏側のカバーを少し動かせば、簡単に裏蓋が外せます。

裏蓋を外すと基板が見えます。
できれば基板には直接触れないように、薄い布製の手袋をした方が無難でしょう。

本体から基板を取り出したら、PUから繋がっているケーブルのコネクターを抜きます。
少し固いですが、ロックが無いので、細いマイナスドライバーなどを隙間にネジ込んでこじれば外れます。
間違ってもケーブルを引っ張って抜こうとはしない方がいいです。

コネクターが外れたら、アルミ板のケーブルを通す穴にコネクターを通します。
ケーブルとPUの繋ぎ目には養生するためにテープなどを巻いておいた方がいいでしょう。
私はハムバッカーのコイルを保護するために巻くアセテートテープを巻きました。

ケーブルを通したら、PUのベースプレートとアルミ板を強力な両面テープで貼り合わせるのですが、PUが艶消しブラックなのに対してアルミ板は光沢のあるシルバーなので、そのまま貼り付けたら補強が目立ってしまいます。
なので私はアルミ板のサイド部分を黒い油性マジックで塗ってからPUに貼り付けました。
これでPUの補強ができました。
あとは分解した本体を元に戻して動作確認をすれば完了です。
ディバイデッドピックアップ反転搭載

GK-3のディバイデッドピックアップの出力ケーブルは6弦側に配線されているため、ギターに搭載した時に6弦側に大きくはみ出します。
なので見た目を重視して、これを1弦側に持っていきたいと考える人が一定数いるようですが、単純にPUを180度回転させても正常に動作しません。
なぜなら、ディバイデッドピックアップは1〜6弦の出力が別々に行われており、GR本体の音源が各弦の音域に対応しているため、例えば1弦の出力で6弦の音源を鳴らそうとしても、音域が範囲外のために動作せずに音が鳴らないのです。
これを解消する方法を記します。

GK-3の本体を分解して、基板からPUへ繋がっているコネクターを抜きます。
本体の分解とコネクター抜きは、前章のディバイデッドピックアップ補強を参照してください。

コネクターの後ろ側から針のような細いピンを差し込み、コネクターに刺さっているコネクターピンのロックを押さえます。
この状態でコネクターピンに繋がっている線を引っ張ると、ロックを押さえるために差し込んだ細いピンとコネクターピンがスルっと抜けるので、黒以外の色の線のコネクターピン6本を抜きます。
この時、無理やり強く線を引っ張ると、コネクターピンにかしめてある線が抜けてしまうので、十分な注意が必要です。

黒以外の線が、各弦の出力となっているため、今度は先ほどと逆の並びでコネクターピンをコネクターに差し込みます。
並び順を間違えると正常に動作しなくなるので要注意です。
各線の色と弦の対応表です。
1弦 : 茶
2弦 : 赤
3弦 : オレンジ
4弦 : 黄色
5弦 : 緑
6弦 : 青
ちなみに黒い線はグランド(マイナス)とシールド用です。

シッカリと差し込んだ後、線を軽く引っ張ってコネクターピンが抜けなければ大丈夫です。
抜いた6本のコネクターピンを全部コネクターに差し込んだら、コネクターをGK-3の基板に差し込んで動作確認を行い、正常に動作すれば完了です。
もちろん、動作確認する時はディバイデッドピックアップを逆向きに取り付けます。