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●小川町 高谷の里山●


秩父からの山並みと関東平野が接する場所、小川町。
官の倉山をはじめとするハイキングコースとともに、小川町が誇る自然として
各所に残る里山が挙げられます。
この里山も近年吹き荒れたゴルフ場建設の嵐、そして住宅建設ラッシュによって、
かなり面積を減らしてしまいました。

しかしそれでも、里山の風景は多く残っています。
今回訪れた小川町高谷(こうや)の里山は、開発をまぬがれている里山の一つです。

(写真は 四津山(標高200m))


小川町駅から「みどりが丘循環」のバスに乗ります。
バスは、山を切り開いてできた住宅団地を走ります。
そして、団地の北のはしにある「すえひろ公園前」バス停で降ります。
近くには、ハンノキのなかまである オオバヤシャブシの黄色い花が
あたり一面に咲いていました。

団地の周囲には、雑木林が広がっていて、
「小学校前」バス停の裏からは団地をぐるっと回る山道があります。
その山道に入り込むと、ニュータウンがすぐそこにあるとは思えない、
奥山に迷い込んだような気分になれます。

その山道を触覚をたよりに北へ進み(やぶ道を突進します)、
山を下りると舗装した道に出くわします。
この道ぞいにはヤマネコヤナギの花が咲いていました。

その道を少し行き、丘の谷間を歩いてみます。
雑木林に抱かれた田んぼが見えてきました。
このような田んぼは、乾燥することが多い丘陵地の生態系に
湿地の環境を提供して、多様性を深める役割も持っています。




田んぼのわきの冬枯れの雑木林では、
早春の花々が風景を飾っていました。

ピンク色の花はウグイスカズラ、
地面に咲いた黄色い花はミツバツチグリです。

今はまだ見られる花は少ないのですが、
春の本格的な訪れとともに、
雑木林の花々はにぎやかになります。

それではちょっと道を外れて、山のなかを探検してみましょう。
あまり手の入っていない山の中をさまようのは、ちょっとスリルがあって面白いです。

ただし、やぶとお友達になることが必要です。
ちょっとくらいのかすり傷は、気にしてはいけません。

本当は、このような山も手入れがされていれば やぶをこがなくてもいいのですが。。。
でも、人間の手を離れて、自由気ままに生えてくるいろいろな木を見ていると、
自然がいきているんだな・・・という実感がわいてきます。
紅葉のころ美しいニシキギの木や、樹皮がねじれているネジキという木が自生していました。


やぶの中のうすい踏み跡をふみわけて、
杉やかしの木が生えている森を抜けると、
静かなため池が見えてきました。

このようなため池は、もともと農業用の水源としてつくられたのですが、
現在では里山にアクセントを添える存在ともなっています。

小川町には、このようなため池が多くあります。
静かなため池でのんびりすれば、野鳥も多く見られるでしょう。

●交通案内●
すえひろ公園・小学校前バス停へは、東武東上線・JR八高線 小川町駅から
川越観光バスみどりが丘循環で行きます。→小川町駅時刻
わたしはそこからやぶをこいで北側に行きましたが、普通に行くには、小川町駅からみどりが丘団地の西側を歩いていくか、
小川町駅からJR高崎線・秩父鉄道の熊谷駅行の国際バスで
上横田バス停から、西の方向へ徒歩30分ほどで行きます。
小川町駅時刻 →熊谷駅時刻
ため池や四津山方面へは、上横田バス停利用が便利です。
いずれにしても、けっこう歩くので、歩きなれた靴で行くことをおすすめします。



・のどかな風景・

このページは
1999年3月12日に取材しました。