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●中国の交通事情●

98年9月11日から26日まで、中国(四川省方面)へ旅行しました。
たった2週間あまりの滞在なので、あまり大きな顔して言えませんが、私が気づいたことを
お話しします。

→鉄道 →上海の地下鉄 →長江の船 →高速バス →観光バス&長距離バス →市内バス →番外編


●旅行の行程●
成田→(飛行機)→上海→(鉄道)→成都→(観光バス)→九秦溝・黄龍
→(観光バス)→成都→(高速バス)→重慶→(長江の船)→宜昌→(鉄道)
→無錫→(鉄道)→上海→(飛行機)→成田

●鉄道●
中国の鉄道は、現地では「鉄路(ちえるー)」とか「火車(ほおちゃー)」といいます。
列車は、「軟臥(一等寝台)」「硬臥(2等寝台)」「硬座(普通指定席)」の等級に分かれています。
運賃は上海→成都(約2300キロ、2泊3日)で軟臥が約700元(=12000円)、
硬臥が約450元(=7200円)、硬座が約250元(=4000円)です。
日本の感覚ではかなり安いのですが、現地の人にはけっこう高いようです
(中国の鉄道は国営で、まるで日本の国鉄の末期のように最近運賃をばんばん上げているらしい、
その結果、軟臥にいたっては飛行機の中国人用運賃よりも高くなってしまった)。
そのため、以前よく言われた「中国の鉄道の切符の入手が非常に困難」という事態は、かなり解消されています
(参考までに、私は上海駅のそばの外国人用切符売り場で翌日の切符、宜昌駅では当日の切符を買えました)。
それでも、駅の切符売り場には数十メートルの列ができることは珍しくありません。
上海駅の切符売り場(一般人用)では、各列車の空席状況を表す電光掲示板がありました。

ちなみに、(全国)時刻表は約8元(=130円)です。
時刻表には2種類あって、ローカルの鉄道を中心に掲載している時刻表と中国全国の長距離列車を中心に掲載している時刻表があります。
店で「給我時刻表(時刻表ください)」というと、地元時刻表がでてくることが多いので、注意しましょう。

乗車時には、荷物検査があったり、巨大な待合い室(列車別)があったりして、結構とまどいます。
しかも、各車両には乗務員が立っていて、ちょっと緊張します。
そして、列車が発車すると、車掌が切符を交換しにきます(寝台列車のみ)。
列車の中には、お湯のポットがあるので、これでお茶やカップラーメンを作ったりします。
ちなみに、車内販売、食堂車もありますが、町中より割高です。
(ぶっかけ弁当が約15元(=230円)、町中では約6元)

中国の鉄道は現在ほとんど電化されていません。
電化されているのは、山越え区間のようなところです。
そのため、ディーゼル機関車ががんばっています。
1両の機関車が、20両編成の客車を引っ張ったりします。
貨物列車は、60両くらいだったりします。
以前中国は「蒸気機関車の王国」でしたが、私が見る限り蒸気機関車を見ることはできませんでした。

●上海の地下鉄●
1998年現在、上海には地下鉄が1本あります。運賃は2元(=約30円)です。
切符売り場、改札とも人がやっていた(日本ではほとんど機械ですよね)のは驚きでした。
駅構内や車内は、最近できたばっかなので、日本の地下鉄に比べても遜色はありません。
ただし、ドアの窓に付けてある広告はちょっと透けていて、しかも中国カラーなので面白いです。
上海では、現在空港から市内にのびる路線を建設中で、これができれば市内の交通の便も良くなるでしょう。

●長江の船●
中国には大きな川が2つあります。黄河と長江(揚子江)です。その中でも長江は水深が深いこともあり、水運が盛んです。
長江は、上海−(2泊3日)−武漢−(1泊2日)−宜昌−(2泊3日)−重慶と遡れます
(いずれも観光なしの「下り」の船、観光つき、上りの船はもっと時間がかかる)。
特に、宜昌−重慶間は「三峡」といわる風光明媚なところで、巨大ダムが2003年にできると水没してしまうことから、人気があります。
ただし、私が乗った船は普通の路線船(?)だったので、いちばんのみどころ(宜昌のちょっと上流)を夜に通過してしまいました。
でも、船のサーチライトが両脇の岩壁を照らし、「峡谷だー!」ということは分かりました。
船は、特等(個室)から5等(汚いデッキにごろ寝)まであり、
運賃も約1000元?(特等、重慶から宜昌)から約50元?(5等)までと非常にバラエティーに富んでいます。ちなみに、私は3等で220元でした。
6人部屋で、いちおう窓、テレビ、洗面台がありました。

●高速バス●
成都から重慶まで(約350キロ)は、高速道路が最近出来たため、高速バスを利用しました。(約4時間、97元=1600円)
バスの会社もいくつかあって、サービス・車両ともグッドです。私が利用したバスは、途中ミネラルウォーターのサービスがありました。
成都−重慶間は鉄道(夜行)もありますが、サービスのよさと所要時間の短さから高速バスが好まれているようです。
高速道路は、日本と同様に有料でした。基本的には日本の高速道路と同じですが、
高速道路に普通の人が入り込んで歩いているのにはびっくりしました。

●観光バス&長距離バス●
九秦溝・黄龍は、5000メートル級の山、エメラルドグリーンやブルーな湖、鍾乳洞のような滝がいっぱいあるきれいなところです。
ここは成都から約400キロ離れています。初め私は路線バスで行くべく成都の西門バスターミナルに行ったのですが、
外人料金は取られそうになるわ(約2倍)、1日1本でしかも遅いわ(24時間はかかるそうだ)ので、あっさり
交通飯店というところの旅行会社でツアーを申し込みました(5日間、ご飯、宿、入場料込みで830元=13000円)。
このツアーでは、マイクロバスに約30人がつめこまれました。でも、早い早い、成都から12時間で九秦溝に到着しました。
途中、寝台バスなるものが走っていました。これは、バスの中に蚕棚のようなものがいっぱい並んでいて、
寝れるというわけです(狭くて快適ではなさそうだけど)。運賃も普通のバスに比べて割高です
(もちろん日本のバスにくらべれば死ぬほど安い)。

●市内バス●
中国の街では、バス(「公共汽車(こんごんちーちゃー)」)が大活躍!
(というより、日本でいうところの郊外鉄道のようなものが発達していないので、必然的に公共交通=バスとなる)。
上海の場合、市内バスは一回乗車で約0.5元(=8円、死ぬほどぼろいバス)から
2元(=32円、車両レベルは日本のバスと同じくらい)と格安で、ばんばん乗りました。
私が乗ったのは上海、無錫、重慶、成都のバスです。
現地の人にとってもバスは格安なようで、(中国の物価は日本の約3分の1、1元=50円くらいの感覚)
車内は込んでいました。 ただし、日本の感覚では信じられないようなこともいくつかあります。
1)夜は、車内の電灯をつけずに走る。(ちょっとこわい!!)
2)たまに、エンストする。 
(私が乗ったバスもエンストしました。30分くらい待っても動かないので、みんな後続のバスに振り替え輸送!)
3)バス停間隔が、異常に長い(町中なのに、1kmくらいあったりすることがよくある)
4)あのトロリーバスに乗れる!
5)じゃばらの2両編成のバスが走っている!上海、成都では2階建てバスもあり。
6)多くのバスで車掌さんがいる。しかも、2両編成のバスでは車掌さんが2人乗っているのです。
7)市内「バス時刻表」に相当するものがない、つまり、バスはばんばん来るので不要ということです。
「市内交通図」を買えば、バスの系統がわかります。(3元くらい)
そんなわけで、中国の街を安く散策したい向きには欠かせない市内バス、是非乗ってみてください。

●番外編●
重慶は、川に挟まれた坂の多い街。そんなわけで、変ちくりんな交通機関(?)がいくつか存在します。
私が乗った(?)のは、重慶の駅のそばのエスカレーター。これが結構すごくて、100メートルくらいあります。
しかも有料(1元)。でもお金を払うことによって標高差60メートルを稼げるのです(歩くと大変だよ!)。
ここの上の出口からは、長江がよく見えます。
このほか、有料エレベーターも存在するらしいです。さらに、長江をまたぐロープウェイもあります。
このロープウェイは観光用というより庶民の足なので、とてもリーズナブルな料金らしいです。