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●2003年今年もバスが面白い?● 2003.1.1

2002年はバスの規制緩和が行われるなど、激動の年でした。
今年もさまざまな動きがあるものと思われます。
2003年の埼玉のバス事情?を勝手に占ってみました。
1)県東部では新規バス路線がまだできる?
 2002年は、吉川市、三郷市などでバス規制緩和による
 新しいバス事業者の参入が相次ぎました。
 三郷市では、一挙にバス会社が4社参入しました。
 
 さて、県東部、とりわけ東武伊勢崎線の沿線である
 春日部市、越谷市などを見てみると、まだまだ交通空白地域があります。
 具体的には、春日部市八丁目地区、春日部市藤塚地区、
 越谷市大間野町地区、越谷市南町地区などです。
 これらの地域は住宅が立ち並んでいる割に、駅までの距離が離れています。
 例えば、せんげん台駅〜コスモス〜越谷北高〜薬師沼〜藤塚線や、
 春日部駅〜卸売市場〜小渕団地線あたりの路線が有望?です。
 群馬県などのように、タクシー会社も路線バスにどんどん参入して、
 郊外部の交通空白地域にこまめにバス路線を開業していただければ
 ありがたいのですが。。。。 

2)免許維持路線の廃止 
 去年11月、越谷駅西口発着の路線バスが廃止されました。
 1日1本しかない、いわば「マニアック路線」である免許維持路線の廃止でした。
 去年の夏に同路線に乗ったときも、ほとんど誰も乗っていない状態でした。
 これにより、越谷市の県民健康福祉村などは「足無し」状態になりました。

 今後も、県内各地にちらばる免許維持路線の廃止は続くものと思われます。
 逆に、これにより新しいバス事業者の参入や自治体によるバス運行があれば
 と願いたいものですが、なかなかそうはいかなそうです。
  
3)高速バスはどうなる?
 2002年は、青森行や伊勢志摩、南紀方面行など県内の高速バスの充実が図られた1年でした。
 伊勢志摩・南紀行高速バスは、従来池袋始発だったものが大宮始発になったものです。
 同じパターンでの高速バスの延長開業はあまり見こめませんが、
 現在県内を通過している池袋〜新潟線・長野線・金沢線などの県内停車に期待したいです。
 その中でも注目株は上里サービスエリアです。
 関越道を通過する高速バスはたいてい上里サービスエリアで休憩を取ります。
 上里町周辺はマイカー普及率も高く、広大な土地が広がっていることから
 パークアンドライド形式の高速バス利用が行いやすい条件にあります。
 また、上里町では地区整備事業「ハイウェイオアシス構想」があり、
 サービスエリアを地域活性化の起爆剤にしようという具体的な動きもあるので、
 高速バスのバス停と地元の人用の駐車場を整備すれば、
 広域交通の一大拠点になる可能性大です。
 実際、山梨県の中央道双葉サービスエリアでは、高速バス停と駐車場がセットになって
 整備されています。
 同じようなパターンで、羽生サービスエリアも注目です。

 また、目が離せないのが空港行高速バス。
 2002年は、所沢や越谷地区、熊谷地区から空港行の高速バスが開業しました。
 2003年も、空港行のバス路線が拡大される可能性があります。
 首都高速の王子線(中央環状線)が去年12月に開業したこともあり、
 川口〜羽田空港線・成田空港線、川越〜成田空港線などが現実的なものになるかもしれません。

 その他、中長期的にはさいたま新都心〜外かん〜常磐道〜つくば線のような
 高速バスがあれば便利だと思いますが、実現性は低そうです。

4)市町村バスが変わる!
 2002年は川口市や蕨市、鴻巣市・川里町、吉見町などで新たに市町村バスが走り出したほか、
 上尾市や桶川市でバスロケーションシステム(バス運行情報を提供)の導入、
 上尾市ではデマンドバス(リクエストに応じてバスの経路を変更するバス)が導入されるなど、
 ハイテク化が進みました。
 市町村バス以外でも、段差のないノンステップバスや発光ダイオード(LED)式字幕バスが増えるなど
 バスのハイテク化は徐々に進んでいます。

 ただ、市町村運行バスは得てして運行コストが高く、費用対効果的な面から
 税金の無駄づかいとの批判もあちこちであがっているのも現実です。
 2003年は、市町村バス路線が新規に開業する一方(例えば伊奈町)で、
 既存の路線や時刻の見なおし、再編の動きが加速するものと思われます。
 例えば、久喜市などのように抜本的に運行本数や路線を増強するパターンや
 鶴ヶ島市のように既存のバス台数で路線を単純化するパターンがあります。
 ひょっとすると、乗客がほとんど乗らない市町村バスは
 運行を中止する場所も出てくるかもしれません。
 1日に2本しかないような使い勝手の悪いバスなら、
 電話やインターネットで予約するバスのほうが便利かもしれません。

 また、市町村バスは今後単なる移動手段だけではなく、
 交流の場、地域情報発信の場になっていくべきと私は思います。
 地元の人ならばお友だちとおしゃべりするためにバスに乗る、
 観光客なら目的地を決めずにバスに乗り、運転手さんがおすすめの場所で
 降りてみる、あるいは市町村のPRをするため、
 バス車内に観光案内やイベント情報のチラシを置いたり、
 町内のグルメ情報や美術館の車内広告を出したり、
 ラッピングバス(?)になる、といった楽しみ方のできるバスになってほしいと思います。
 市町村のバスに乗ったら、市立博物館の入館料が100円引きになるのもいいかも。

5)PTPSはバスを変えるか
 全国各地で導入が進むPTPS(公共交通優先信号)がいよいよ埼玉で導入されます。
 PTPSは、バスが信号に近づくと信号を青に変え、信号待ちのロスをなくすというもの。
 慢性的な渋滞が発生している北浦和駅〜埼玉大学(国道463号:埼大通り)が対象です。
 全国の他の例では所要時間短縮などの効果が現れているようなので、
 さいたま市三橋3丁目交差点など、県内の他の地域でも整備されることを期待します。

6)ちょっとした工夫で、快適バスへ!
 バスを利用する上で、いちばんいやなのがバスの遅延。
 ひどいときには30分近くも遅れるときもあります。
 最近では、GPS(衛星による位置情報システム)により
 バスの運行情報や位置情報を携帯電話などで提供するバスロケーションもあります。
 ただ、バスロケーションシステムは導入費用が高いので、
 もっと簡単なものであってもいいと思います。
 いちばん簡単なのが、バス車内やバス停にこれまでの遅れ情報を出すこと。
 時間帯別に、1週間分の実績?をだせばわかりやすいと思います。
 空港行きの高速バスであれば、事故でなければ普段渋滞するところと
 これまでの所要時間はわかっているのだから、バス車内やバス停などに掲示してほしいと思います。
 また、首都高速などの渋滞情報や所要時間情報はインターネットで無料で公開されているので
 Air-H''のようなものでバス車内やバス停に表示するといいと思います。
 さいたま新都心駅のバス乗場に20インチくらいの液晶テレビをつけて、
 首都高の渋滞情報を出すのもいいかもしれません。
 これならば、朝の空港行のバスはいつつくのかわからない不安も少しは解決すると思います。

 あとは、沿道商店などとの連携も行って欲しいものです。
 屋根の無いふきっさらしのバス停で立って待つより、
 イスにゆったり座ってバスを待つほうがよっぽどいいものです。
 沿道の商店にちょっと場所を提供してもらい、
 バス停のベンチや屋根を整備して、そのかわり
 バス停でサンドイッチや紅茶などを販売するサービスがあるといいと思うのですが。。。
■最後に
 「バス事情を占う」というより、バスに対する期待になってしまいましたが、
 今年も埼玉のさまざまなバスの情報を発信していきたいと思います。
 今年もよろしくお願いいたします。

    〜おしまい〜


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