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●加須志多見の砂丘林●

どこまでも続く田園風景が広がる加須低地。
人の手によって作られた屋敷森を除けば、残念ながら森や林に乏しい地域です。

そんな加須低地に、こんもり盛り上がっている場所があれば、
そこは暴れ川、利根川が作り出した自然堤防です。
自然堤防は、アカマツ林や雑木林として利用されている(いた?)場所が多く、
鳥や動物たちの貴重なオアシスとなっています。

大規模な自然堤防は、加須市(旧大利根町)佐波・道目地区、
久喜市(旧鷲宮町)東大輪地区、白岡市西地区などで見られますが、
その中でも特筆すべきなのが加須市志多見にある砂丘林です。


志多見の砂丘林は、自然堤防の上に
赤城おろしが運んできた砂が積もってできあがりました。
内陸部にある このような砂丘は全国的に見てもめずらしいそうです。
かつては、民家の屋根よりも高く砂が積もっていたそうですが、
現在でもかなりの高さまで砂の盛り上がりが見られます。

地面を見ると、砂のつぶつぶがよくわかります。


現在では、昔に比べて砂があまり飛んでこないこと、
そして林にあまり人が入らないことから、
下草が生えてきて、ジャングル化した雑木林になっている場所も見受けられます。

志多見の砂丘林は東西約1kmに渡って連なっており、
ちょっぴり野生のにおいがする林、さわやかなアカマツの美林と、
それぞれの林の豊かな個性を楽しむことができます。

ひっきりなしに車が通る現在の国道125号の横に平行する旧道を歩くと、
江戸時代の旅人になったような気分にひたれます。

砂丘林は、2本の国道によって分断されています。
国道122号の東側に見られる美しいアカマツの林に対して、
西側の林はエゴノキを主体とした雑木林になっています。

「文明の発達」によって燃料や肥料が採集されなくなり、
役目を失ったかに思われた雑木林。

でも、足元に植えられた水仙の花を楽しんでいると、
今でも砂丘林は地元の人たちの大切な憩いの場として役立っているんだなと感じました。



●交通案内● (2020年5月現在)

※加須市内循環バス(西循環)は廃止されました。

加須駅からは加須車庫行バス(1時間に1本くらい)も利用できます。終点下車、西へ徒歩約30分。
このバスはJR高崎線 鴻巣駅始発ですので高崎線沿線の方は便利です。
加須駅時刻  →鴻巣駅時刻
加須車庫バス停近くの不動岡不動尊を参拝して、加須名物のうどんを食べるのもおつなものです。

時間がある方は砂丘林の中にある遊園地、「むさしの村」で遊ぶのもいいでしょう。
むさしの村の中には、ミニ蒸気機関車もあります。入場料は大人1100円です。

また、平日のみとなりますが、東武伊勢崎線・秩父鉄道 羽生駅から羽生市循環バス(あいあいバス)もご利用いただけます。
須影岩瀬ルートで下川崎新田バス停下車、南東方向約800mです。
羽生市バス時刻

また、羽生駅からはイオンモール羽生行路線バスもあります。
イオンモール羽生下車、南東約1.1kmです。
バス時刻



・むらさきはなな(しょかっさい)・

このページは1999年3月14日に取材しました。