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2025年6月30日月曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は検察改革を進めるため、法務部長官と行政安全部長官に与党の重鎮を起用する人事を発表しました。
・アメリカのトランプ大統領は、来月9日まで一時的に停止している相互関税の措置について、停止期間を延長しない考えを明らかにしました。
・アメリカ女子プロゴルフツアー「ダウ選手権」で、韓国のイム・ジンヒ選手とイ・ソミ選手のペアが優勝を果たしました。
2025年6月27日金曜日
・韓国初の原子力発電所である、古里(コリ)原子力発電所1号機が、解体されることになりました。韓国で商業用原発が解体されるのは初めてとなります。韓国原子力安全委員会は26日、廃炉が決まっている釜山の古里原子力発電所1号機の解体を承認したと発表しました。古里原子力発電所1号機は、1978年に運転を開始した韓国で最も古い商業用原子炉で、老朽化のため2017年に運転停止が決まりました。原子力安全委員会によりますと、2037年までに12年かけて解体を進める方針で、解体費用はおよそ1兆700億ウォン(およそ1140億円)を見込んでいるということです。解体作業のプロセスとしては、使用済み核燃料を化学的に処理し、蒸気タービンなど、放射性物質に汚染されていない区域から撤去を始めます。使用済み核燃料の取り出し作業には、作業員の安全を確保するため、ロボットを利用する計画で、ここまで6年かかり、放射性物質に汚染された設備を水中で切断して運搬する作業には、最も高いレベルの技術力を必要とし、4年がかかる見通しです。取り出した縦横20センチメートル、高さ4メートルの円柱状の核燃料1391体を永久に保管するための貯蔵施設を確保することが、最大の難関とされます。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領が、最初の不動産政策として、首都圏の住宅担保ローンの貸出を6億ウォンに制限することになりました。今回、規制の対象となるのは、不動産価格の高騰をけん引している首都圏や「投機加熱地区」などの「規制地域」です。首都圏と「規制地域」における住宅担保ローンの上限を住宅価格に関わらず、最大6億ウォンに制限する内容が盛り込まれました。今回発表された政策は、今月28日から実施されます。現在、ソウルの住宅平均価格が11億7719万ウォンで推移していることを踏まえると、不動産市場にとって大きな打撃になるとみられます。また、住宅担保ローンの借入期間を最長30年に短縮し、住宅担保ローンを利用した場合、6か月以内に居住することが義務づけられます。
・アメリカの雑誌「タイム」は、ことしの「世界で最も影響力のある100社」を発表し、韓国からは現代(ヒョンデ)自動車グループが選ばれました。タイム誌は、現代自動車グループについて、「自動車分野のダークホース」と評価し、「世界3位の現代自動車グループは、ハイブリッド車やEV=電気自動車など新車が数々の賞を総なめし、販売台数を大きく伸ばしているなど『ビッグ3』への進出が偶然ではなかったことを証明し続けている」と選定の理由を説明しました。また、「現代自動車グループは、2028年までに、アメリカに210億ドルを投資して主な生産拠点を建設するなど、事業を拡大している。これは、過去40年間アメリカで行った投資の2倍以上に当たる規模だ」としたうえで、「現代自動車グループは、アメリカで着実に根を下ろしている」と評価しました。一方、自動車分野では、中国のBYDが「イノベーター部門」に選ばれました。
2025年6月26日木曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は26日、就任から22日目にして初の国会施政演説に臨み、総額30兆5千億ウォン規模の補正予算の成立に向けた国会の協力を求めました。李大統領は演説で、「輸出の回復が鈍い中で、内需も冷え込んでおり、ことし1月から3月までの第1四半期にはマイナス成長となった」と述べ、「『経済はタイミング』という古い格言があるが、まさに今がそのタイミングだ」として、補正予算の早期成立を訴えました。李大統領は、国民経済の回復を目的とした13兆ウォン規模の消費クーポンの支給をはじめ、補正予算案の各項目の必要性について説明しました。また、低迷している建設関係の景気を立て直すための予算編成や、韓国の成長エンジンを回復するためのAIおよび再生エネルギー関連の投資の拡大も含まれていると説明しました。さらに、返済能力の低い債務者113万人に対する長期延滞債権の償却や、誠実に返済している小規模事業者への利子の減免措置も行うことを説明しました。
・新政権の国務総理候補に指名された金民錫(キム・ミンソク)国会議員に対する人事聴聞会は、与野党の激しい対立の末、決裂しました。2日間にわたって開かれた聴聞会では、金候補の財産形成の過程や子どもに対する優遇疑惑をめぐって、与野党で激しい攻防が繰り広げられました。野党「国民の力」は、金候補が約束した資料を提出しなかったとして、25日午後から聴聞会への出席を拒否し、その後、夜遅くなっても聴聞会は再開されることなく決裂しました。結局、本会議での採決を通じて承認手続きが完了する可能性が高まっています。国務総理任命同意案は、国会の在籍議員の過半数が出席し、その出席議員の過半数が賛成すれば可決されるため、「国民の力」が同意しなくても国会を通過することができます。
・ソウル中央地裁は、内乱首謀の罪に問われている尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領に対する逮捕状請求を却下しました。これは、尹前大統領側が、「正当な手続きによる召喚には積極的に応じる」と表明したことを踏まえた決定だということです。逮捕状が却下された直後、特別検察チームは尹前大統領に対し、今月28日午前9時に特別検察チームの事務所へ出頭するよう通知しました。これに対して、尹前大統領側は、「特別検察の出頭要請には堂々と応じる」としながらも非公開で行われることを求めました。一方、12月3日の非常戒厳の宣言を主導した容疑で裁判を受けている金容鉉(キム・ヨンヒョン)前国防部長官は、第1審の拘束期間が満了する直前に再拘束されました。ソウル中央地方裁判所は、証拠隠滅教唆などの容疑で追起訴された金前長官に対し、新たに逮捕状を発付し、再拘束を決定しました。
2025年6月25日水曜日
・ジョセフ・ユン駐韓アメリカ大使代理が、韓米同盟の「近代化」として韓国駐留アメリカ軍の態勢の変更や、韓国の国防費と防衛費分担金の増額の必要性などに言及し、今後、韓国側と本格的に議論していくことを示唆しました。ユン大使代理は、セミナーで、アメリカは中国問題を最優先と位置づけているとしたうえで、「域内のアメリカ軍の資産や韓国駐留アメリカ軍の態勢をどうするかという問題がある」と語りました。さらに、韓国駐留アメリカ軍の防衛費分担金についても触れ、「防衛費分担協定には、韓国が負担する軍事施設の建設費、人件費、軍需支援費が盛り込まれているが、これ以外の費用についても、今後どのように分担するか、韓米間で協議するというものだ」と述べました。また、ユン大使代理は、「アメリカは北韓を合法的な核保有国として認めることはない」とした上で、「北韓の非核化は、唯一で、もっとも大きな目標になるだろう。非常に難しい目標でもある。すでに核兵器を保有している国に対して核を放棄させることは大きな挑戦だ」と述べました。
・ことし4月の出生数が去年の同じ月に比べて8.7%増え、34年ぶりの高い伸びとなりました。韓国統計庁によりますと、4月の出生数は、去年の同じ月に比べて8.7%増加して2万717人で、10か月連続の増加となりました。4月の伸び率としては、8.71%だった1991年4月以来、34年ぶりの高いものです。出生数が回復基調を示している背景には、出産の中心世代である30代の人口が増えたことがあるとみられています。また、1人の女性が一生のうちに産む子どもの数の指標となる合計特殊出生率は、4月に0.79で、去年の同じ月に比べて0.06上昇しました。この傾向が続けば、ことしの合計特殊出生率は当初の見通しの0.65を大きく上回る可能性があります。4月の死亡数は2万8785人で、出生数を上回り、8068人の自然減となりました。
・韓国と日本の国民の3人に2人が、歴史認識に違いがあっても両国の友好関係は深めるべきだと考えていることが、世論調査でわかりました。韓国日報と読売新聞の世論調査の結果、「歴史認識で違いがあっても、友好関係を深めたほうがよい」と答えた人は、韓国では66%、日本では61%に上りました。いまの韓日関係を「良い」と評価した割合は、韓国で去年より13ポイント上昇して55%、日本で2ポイント上昇して52%でした。読売新聞によりますと、この調査が始まった1995年以降、韓国で韓日関係を前向きに評価した人が50%を超えたのは初めてだということです。ただ、日本の報道で過去の発言が取り上げられた李在明(イ・ジェミョン)政権の発足後、韓日関係が「良くなる」と答えた人の割合は、韓国で36%、日本ではわずか6%にとどまり、認識の差が大きくなっていました。
2025年6月24日火曜日
・イスラエルとイランによる戦争の早期終結への期待が高まったことを受け、KOSPI=韓国総合株価指数の終値は、3%近く急騰し、3年9か月ぶりに3100台を超えました。KOSPIは、前の日に比べて1.55%高い3061.14で取引を開始しました。23日に売り越した外国人投資家と機関投資家がともに買い越しに転じ、KOSPIは取り引き開始から上昇幅を広げ、3103.64で取引を終えました。
KOSPIの終値が3100台を超えたのは、2021年9月27日以来、3年9か月ぶりです。この日、ソウル外国為替市場でのドルに対するウォン相場は、前の営業日の終値と比べて、1ドルあたり24.1ウォン上がって1360.2ウォンで取り引きを終えました。さらに、アメリカのトランプ大統領が「イスラエルとイランが完全かつ全面的に停戦することで合意した」と発表したことを受けて、中東情勢への警戒感が和らぎ、韓国の株式市場も大幅に反発しています。専門家によりますと、前日、大幅なドル高・ウォン安が進んだウォン相場が落ち着きを取り戻し、大きく下落した半導体や二次電池、自動車などの時価総額上位の銘柄を中心に上昇傾向が続いたということです。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、韓国戦争勃発から75周年の6月25日を前に、韓半島の平和と韓国経済は密接な関係にあることを強調しました。李大統領は、「安全保障は戦って勝ち取るものと考える傾向が強いが、実際は戦わずに勝つことの方が重要だ」と強調しました。また、「日常に深くかかわっていて、普段はなかなか実感できないかもしれないが、安全保障はいくら強調してもしすぎることはない。安全保障は経済に直結する問題だ」と述べました。また、「よく耳にしていた『平和こそが経済』または『平和は腹いっぱいのご飯』といった話は、今や我々が直面している現実だ」としたうえで、「韓半島における平和の構築と強固な安全保障を確立することが何より重要だ」と力説しました。さらに、李大統領は、「明日は韓国戦争勃発から75年を迎える。韓国を守るために犠牲になった方々への十分な報償と礼を尽くして厚くもてなすことがなされているのかを見直し、さらなる充実化に向けた方法を模索していくべきだ」と主張しました。
・朝鮮王朝の宮殿から日本・鎌倉市の鎌倉大仏で知られる高徳院に移築されたお堂の「観月堂(クァノルダン)」が、100年の時を経て韓国に返還されました。国家遺産庁と高徳院は、最近「観月堂」の建物を解体し、瓦や石材、木材などの建築資材を韓国に運んで、京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)市の伝統建築修理技術振興財団に保管しているということです。海外にあった韓国の建物が丸ごと返還されたのは、今回が初めてとなります。「観月堂」は、朝鮮王室が借金の担保として朝鮮殖産銀行に譲渡し、その後、朝鮮殖産銀行が財政難で日本の山一証券の前身である会社から融資を受けた際に、当時社長に寄贈されたとみられています。国家遺産庁は、「光復80周年と韓日国交正常化60周年を迎えた、ことしに行われた今回の返還が、両国の文化における交流と未来志向の協力に向けた象徴となることを期待する」と述べました。国家遺産庁は、今後、理作業を行い、元の名称と位置などに関する研究を進める方針です。
2025年6月23日月曜日
・アメリカによるイランの核施設への攻撃で中東情勢が一段と緊迫する中、韓国政府は金融市場の安定に向けた対応を強化しています。韓国の金融委員会は、緊急会議を開き、株式市場の動向や対応策について協議しました。韓国では、アメリカのイランへの攻撃を受けて、韓国総合株価指数=KOSPIは一時46ポイント以上下落する場面もありました。また、為替市場ではウォンがドルに対して下落し、1ドル=1382.5ウォンと、前日よりおよそ17ウォンのウォン安となっています。一方、国際的な原油価格も上昇しています。ニューヨーク原油市場では、原油価格の国際的な指標となるWTIの先物価格が一時、前週末に比べて4%以上上昇し、1バレル=78ドル台半ばを付けました。このような状況を受け、韓国銀行は、リスク回避の動きが強まる可能性もあるとして、必要に応じて安定化措置を講じる方針です。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領が、オランダのハーグで開かれるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議への出席を見送ることになりました。韓国大統領室の姜由楨(カン・ユジョン)報道官は、「複数の国内問題や中東情勢などによる不確実性を総合的に考慮し、今回は出席できないと判断した」と明らかにしました。李大統領自身も、「就任初期の海外訪問は時間的に厳しいため、最も必要性が高く、重要な国際行事に限定すべきだ」と述べていました。ただ、李大統領がトランプ大統領と直接会談するには、NATO首脳会議が有力な機会になるとの見方が出ていました。しかし、その後、アメリカがイランの核施設に対して奇襲攻撃に踏み切ったことで、再び情勢が変化し、韓国の大統領室は最終的に、NATO首脳会議に出席しないことを発表しました。
・韓国の音楽業界、Kポップの分野で、脱北者がメンバーに含まれるアイドルグループのデビューが相次いでいます。今月18日には、北韓出身のハクソンさんが、6人組の新人ボーイズグループ「BE
BOYS(ビーボーイズ)」のメンバーとしてデビューしました。ハクソンさんは、去年、KBSが放送したオーディション番組に出演し、自ら「2017年に北韓から韓国に来た」と明かして、審査員や視聴者の注目を集めました。また、来月18日には、脱北者のヒョクさんとソクさんが所属する多国籍ボーイズグループ「1VERSE(ユニバース)」も、デビューする予定です。「1VERSE」は、脱北者の2人に加え、ラオス系とタイ系のアメリカ人であるネイサンさん、中国系アメリカ人のケニーさん、日本人のアイトさんを含む5人組で、国籍や文化の枠を越えた多様性が特徴となっています。
2025年6月20日金曜日
・韓国政府は、2回目の補正予算が閣議決定されたことを受け、国民生活の回復のための「消費クーポン」をすべての国民に対して支給すること決めました。李在明(イ・ジェミョン)政権は、およそ20兆ウォン規模の2回目の補正予算を閣議決定しました。今回の補正予算で大きな割合を占めるのは、国民生活回復のための「消費クーポン」で、10兆3千億ウォンを投じる方針です。「消費クーポン」は現金の代わりとして、所得や保有資産、居住地などを基準に1人当たり最低15万ウォンから最大52万ウォン分が支給されます。また、李大統領の看板公約だった、地域経済の活性化に向けた「地域通貨」の発行には、過去最大規模の29兆ウォンを投じる計画です。李大統領は、「民間消費が過度に落ち込んだときはテコ入れが必要だが、今は政府によるテコ入れが必要な時だ」と強調しました。最大野党「国民の力」は、「厳しい経済状況のなか、財政支出の拡大には同意する」としながらも、物価の上昇などにつながらないよう、警戒すべきだと強調しました。
・中東情勢が悪化している中でも、KOSPI=韓国総合株価指数は5営業日連続で上昇し、3000台を突破しました。KOSPIは、前の営業日の終値と比べて8.78ポイント上がって2986.52で取り引きを開始したものの、中東情勢に対する警戒感から上昇幅が縮小しました。しかし、その後、外国人投資家と機関投資家とともに買い越しに動き、午前10時45分ごろには3000.46まで上昇幅を広げ、3000台を突破しました。終値でも44.10ポイント高い3021.84でした。韓国取引所によりますと、KOSPIが3000台を超えたのは、2021年12月28日以降、およそ3年6か月ぶりです。KOSPIが3000台を超えた背景としては、新政権の政策への期待感や、外国人投資家が株式市場に戻ったこと、そして、アメリカの関税措置をめぐる懸念が和らいだことが挙げられます。
・イスラエルとイランの軍事衝突が激しさを増すなか、両国に滞在していた韓国国民が政府の支援を受け、陸路で国外へ退避しました。韓国外交部は、イランに滞在していた韓国人4人が、イラン北部のトルクメニスタンに追加で退避したことを明らかにしました。これより前、今月18日にはイランから出国した韓国人18人とイラン国籍の家族2人が、19日には韓国人とその家族10人がトルクメニスタンに退避しています。これまで、合わせて34人の韓国人と家族がイランからトルクメニスタンに入国しました。また19日午前には、イスラエルに滞在していた韓国人25人とイスラエル国籍の家族1人が陸路でヨルダンに到着し、首都アンマンに向けて移動しているということです。これで、現在イスラエルに残っている韓国人はおよそ460人となります。
2025年6月19日木曜日
・G7サミット=主要7か国首脳会議の日程を終えて帰国した李在明(イ・ジェミョン)大統領が、内閣人事に本格的に着手するもようです。李大統領は就任直後、国務総理に金候補を指名したあと、追加の閣僚人事には慎重な姿勢を取り、実務責任者の補強にとどめました。李在明政権の閣僚のうち、唯一任命手続きが進められている金候補に対する人事聴聞会は、24日から25日にかけて行われます。最大野党「国民の力」は、金候補が違法な政治資金の提供者と金銭取引を行った疑惑や財産形成の過程などを問題視し、候補者指名の撤回を求めています。また、金候補の息子が高校時代のクラブ活動で作成した法案が与党「共に民主党」の議員によって実際に発議され、これを大学入試に活用して父親の関係を使ったという疑惑も浮上しています。これに対し金候補は、自身に対する疑惑は「検察の特定の人間を狙った捜査と不正な協議によるもの」だと反論し、息子に関する疑惑については「法案の発議を入試に活用していない」と説明しました。李大統領は、候補に関する疑惑について「聴聞会の過程で十分に説明できると考えている」と述べており、任命を強行するとの見方が出ています。
・韓国企業の過半数が、韓国と日本の経済協力が韓国経済の発展に貢献したと評価し、今後も両国間の経済協力を継続する必要があると答えました。今月22日に韓日国交正常化60周年を迎えるなか、日本の経団連に相当する韓国経済人協会は、アンケート調査を実施しました。それによりますと、韓国企業の56.4%が、60年にわたる韓日間の経済協力が韓国経済の発展を「促進した」と評価しました。経済発展に貢献した協力分野として、技術移転、日本市場への進出による市場拡大、観光・文化産業の発展、素材・部品などのサプライチェーンの安定化を挙げました。また、韓国企業の62.4%が、韓国経済の成長のために今後も日本との経済協力が必要だと答えました。経済協力に必要なものについては、88.1%が安定した韓日関係だと答えました。両国が作用し合って効果を生み出す分野については、特にバイオ・ヘルスケアについては、両国が共通で直面している少子高齢化への対応が期待できるとしています。
・韓国気象庁によりますと首都圏を含む中部地域と南部地域では、19日午後から梅雨に入ったと見られると発表しました。中部地域は平年よりも6日早い梅雨入りとなります。気象庁によりますと、韓半島南東部まで拡大した北太平洋高気圧の縁に沿って流れ込む暖かく湿った空気の影響で、19日午後から西海岸を中心に一時的に雨が降ったあと、夜には本格的に梅雨前線による大雨となります。中部地域では平年より6日、南部地域では4日早く梅雨入りすることになります。梅雨前線が停滞する20日からは全国的に梅雨入りする見通しです。一方、暑さが続く中韓国東部の江原道(カンウォンド)江陵(カンヌン)で夜間の最低気温が26.5度となり今年初めての熱帯夜が観測されました。去年よ8日遅い観測となりました。
2025年6月18日水曜日
・G7サミット=主要7か国首脳会議に出席するため、カナダを訪問している李在明(イ・ジェミョン)大統領は、日本の石破総理大臣と初の首脳会談を行いました。会談の冒頭、李大統領は「韓国では日本を『近くて遠い国』と呼ぶ。意見の違いもあるが、それを乗り越えて協力し合える関係に発展させたい」と述べました。また、「国際的な通商環境や国際情勢が厳しさを増している今、互いに補完できる分野で協力すれば大きな力になる。今回の会談を契機に、未来志向でより良い韓日関係へと進むことを期待している」と述べました。これに対し石破総理大臣は、「今年は国交正常化60周年という記念すべき年で、日本を訪れる外国人の中で韓国からの訪問客が最も多く、日本人が最も多く訪れる国も韓国だ」として、「政府間・企業間だけでなく、国民同士の交流もこの機会に活発化し、両国の協力と連携が地域と世界の安定に貢献する関係になることを心から期待する」と応じました。両首脳はまた、北韓問題をはじめ地政学的課題に対応するため、韓日米3か国の連携を継続し、韓日の協力も深めていくことで一致しました。さらに、両首脳は「シャトル外交」の再開に向けた意思も再確認し、その実現に向けた実務レベルでの協議を進めていく方針です。
・政府は、ウクライナ侵攻を続けるロシアへの支援の一環として北韓が、工兵や復興作業員など合わせて6000人を追加で派遣することに対し、「ただちに中止するよう求める」と明らかにしました。韓国外交部は、「北韓が海外に派遣した労働者の受け入れや雇用は、国連安全保障理事会の決議に明確に違反するものだ」としたうえで、「北韓とロシアが不法な協力を続けていることに深い懸念を表明し、ただちに中止するよう求める」と批判しました。国連安保理決議は、海外で収入を得ているすべての北韓住民を本国に送還するよう定めています。これまで、ロシアのショイグ安全保障会議書記は前日の17日、平壌で金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会談したあと、ロシアメディアに対し、「北韓が、ロシア領内に埋設された地雷の除去やウクライナの攻撃で破壊されたインフラの再建のために追加の派遣を決定した」と明らかにしています。
・韓国最大規模の書籍展示会「ソウル国際ブックフェア」が18日、開幕しました。今回のブックフェアは、世界17か国・地域から534の出版社と関連団体が参加し、22日までソウル・COEXで開催されます。今年のテーマは「ザ・ラスト・リゾート(The
Last Resort)」 で、それぞれが本から自分の「よりどころ」を見出してほしいという意味が込められています。韓国を代表する作家たちに加え、退任後に書店を運営している文在寅(ムン・ジェイン)元大統領、映画監督のパク・チャヌクさん、人工知能「AlphaGo」と対局した元プロ囲碁棋士のイ・セドルさんなど、さまざまな分野の著名人も参加します。ことしもチケットが早々に売り切れていて、去年の来場者数を上回ることが期待されています。
2025年6月17日火曜日
・カナダで開かれているG7=主要7か国首脳会議に合わせて予定されていた韓米首脳会談が、トランプ大統領の急な帰国により中止されました。韓国大統領室の魏聖洛(ウィ・ソンラク)国家安保室長は、記者会見を行い、「トランプ大統領が、急きょ帰国することになったため、明日予定されていた韓米首脳会談の開催は難しくなった」と明らかにしました。トランプ大統領の帰国は、イスラエルとイランの軍事的衝突に関連しているとみられ、アメリカ側から理解を求める連絡があったと説明しました。また、24日から25日にかけてオランダ・ハーグで開かれるNATO=北大西洋条約機構の首脳会議に李在明(イ・ジェミョン)大統領が出席する場合、これに合わせて韓米首脳会談を行う可能性があるかという問いに対し、大統領室の関係者は「出席すればそのような可能性もある」と答えました。一方、翌日に予定されている韓日首脳会談については予定どおり開催されると韓国大統領室は説明しています。大統領室の関係者は「新政権と李大統領の外交は、強固な韓米同盟、発展的な韓日協力、そして韓日米による安全保障協力などを軸としている」としたうえで、「韓日関係には歴史問題などのデリケートな問題もあるが、未来に向けて協力すべき課題もある」と語りました。
・G7サミット=主要7か国首脳会議に出席するため、カナダを訪問している李大統領は、オーストラリアや南アフリカ共和国の首脳と相次いで会談を行い、本格的な首脳外交デビューを果たしました。李大統領は現地時間の16日午後、カナダのカルガリー国際空港に到着するとすぐに、G7サミットに招かれた各国の首脳らとの2国間会談に臨みました。李大統領はまず、南アフリカのラマポーザ大統領と会談し、南アフリカがアフリカ諸国として初めてG20の議長国を務めていることを高く評価し、11月にヨハネスブルクで開かれるG20サミットの成功を祈念しました。これに対してラマポーザ大統領は、「南アフリカに対する韓国企業の投資と進出が今後さらに拡大することを期待している」と応じました。また、オーストラリアのアルバニージー首相との会談で李大統領は、「韓国戦争当時、オーストラリアは多くの兵を派遣してくれた。その貢献によって韓国という国が生き残り、いまここに共にある」と述べました。アルバニージー首相は、「両国は、防衛産業にとどまらず、両国の国民に利益をもたらす協力を進めてきた」と応じました。
・韓国の公正取引委員会は、最近の卵の価格上昇について、業界団体が主導していた疑いがあるとして、調査に乗り出しました。公正取引委員会は、大韓産卵鶏協会に対し、公正取引法違反の疑いで立ち入り調査を行っています。協会が定期的に公表している「告示価格」を加盟業者に事実上強制し、卵の価格を主導的につり上げていたのではないかという点を中心に行われています。協会が告示する卵の産地価格は、ことし3月に1個あたり146ウォンだったものが、最近では190ウォンまで上昇し、およそ30%の値上がりとなっていて、前の年の同じ時期に比べて6.0%、平年と比べても4.2%高い水準です。仮に、協会が加盟業者に対し、告示価格の順守を強要していた場合、公正取引法における「事業者団体による禁止行為」に該当する可能性があります。ただ、大韓産卵鶏協会側は、価格の上昇は政府による規制や小売店が過剰な利益を上げていることが原因だと主張しています。世論調査会社は、「KOSPI=総合株価指数の2900ポイント超えや、日本・中国の首脳との電話会談、経済界との懇談、補正予算の推進などが肯定的に受け止められた」と分析しています。
2025年6月16日月曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、カナダで開かれるG7サミット=主要7か国首脳会議に出席するため、3日間の日程で出発します。李大統領にとっては就任後、初めての海外訪問となります。国家安保室の魏聖洛(ウィ・ソンラク)室長は、記者会見で、「『韓国が戻ってきた(Democratic Korea is back)』というメッセージを国際社会に発信する最初の舞台になる」と述べ、6か月間停滞していた首脳外交を本格的に再開する契機になると強調しました。李大統領は16日午後にカナダ西部のカルガリーに到着し、アメリカのトランプ大統領や日本の石破総理大臣など、主要国の首脳との2国間会談の調整を進めています。また、韓日米3か国による首脳会談が行われる可能性もあります。大統領室の高官は、「首脳どうしの会談を通じて、関税などの実務的な交渉を進展させるきっかけにもなる」と述べ、成果に期待を示しました。一方、今回のサミットでは、中国をけん制するようなメッセージが出される可能性もあり、李大統領が掲げる「国益を最優先する実利外交」の姿勢が問われる場面となる可能性もあります。このほか、李大統領は今月末に予定されているNATO=北大西洋条約機構の首脳会議にも出席する方向で調整が進められています。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領の国政運営に関して、就任後初めて行われた調査で、肯定的に評価した人は58.6%と、否定的な評価を上回りました。世論調査会社が、今月9日から13日にかけて、調査を行ったところ、李大統領の国政運営について、「うまくやっている」と答えた人は58.6%、「うまくやっていない」と答えた人は34.2%でした。「わからない」と答えた人は7.2%でした。
・韓国で働く高齢者の割合が増加し、60歳以上の経済活動参加率が若年層とほぼ同じ水準に達したことが分かりました。韓国統計庁によりますと、15歳以上で生産活動に参加できる人のうち、実際に働いている人と仕事を探している人の割合を示す経済活動参加率は、先月の60歳以上で49.4%となり、60歳以上の人口のおよそ半数が就業しているか、職を探している状況となっていて、この数字は、去年の同じ時期に比べて0.8ポイント上昇し、1999年に統計を取り始めて以来、最も高い水準となりました。高齢化の進展に伴い、60歳以上の経済活動参加率は2011年以降、着実に上昇しており、特にこの5年間では4.6ポイント上昇しています。一方、15歳から29歳の若年層の経済活動参加率は49.5%で、高齢層との差はわずか0.1ポイントにまで縮まりました。若年層の経済活動参加率は、去年5月以降、13か月連続で低下しています。
2025年6月13日金曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は12日、2000年6月15日の南北初の首脳会談と南北共同宣言から25年となるのに合わせて、「南北が争う必要のない確固たる平和を築いていく」と述べ、南北の対話ルートを早急に復元する方針を示しました。李大統領は12日に開かれた「6.15南北首脳会談25周年記念式」に寄せた祝辞のなかで、「残念ながらこの3年間、韓半島の時計の針は南北首脳会談前の冷え込んだ時代へと急速に逆戻りした。南北関係は断絶し、冷戦時代を思わせるほどに軍事境界線付近の地域で緊張が高まっている」と指摘しました。これは、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前政権下で再開された北韓向けの拡声器による宣伝放送などにより南北間の緊張が高まった状況を念頭に置いた発言とみられています。李大統領は、「偶発的な衝突を防ぎ、緊張を高めない危機管理体制を一刻も早く回復する」として、南北の対話ルートの早急な復元に向けて取り組む方針を示しました。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、来週カナダで開かれるG7=(主要7か国の首脳会議の前に、経済団体や主要企業のトップらと会談し、「国の経済に役立つことであれば最善を尽くす」と述べ、不要な規制を見直し、合理化していく考えを示しました。李大統領は13日、6つの経済団体の代表のほか、サムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン)会長など大企業5社のトップらを招いて経済人懇談会を開催しました。この席で、李大統領は、「政府が企業のために何ができるかという点に関心が高いと思うが、経営者側から見たら規制の『撤廃』または『緩和』といえる、規制の『合理化』に力を入れていきたい」と述べました。また、非公開で行われた懇談会では、来週カナダで開かれるG7=主要7か国の首脳会議への出席を前にして、外交・通商に関する意見交換も行われたということです。財界トップとの会談は、これまでの革新系の大統領と比べても異例の早さです。文在寅(ムン・ジェイン)元大統領は就任から2か月後に、故・盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領は就任3か月後に財界トップと会談しています。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は12日、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の内乱罪容疑や、夫人の金建希(キム・ゴニ)氏をめぐるさまざまな疑惑などを捜査する特別検察官を任命しました。来月から尹前大統領夫妻に対する本格的な捜査が始まる見通しです。特別検察官を任命するための法案は、李大統領の就任2日目の今月5日、国会は本会議で与党「共に民主党」主導で可決され10日の閣議で李政権初の法案として議決されました。特別検察官の候補者の推薦は、大統領が国会に依頼し「尹前大統領が所属した「国民の力」を除く「共に民主党」と「祖国革新党」が12日候補者を推薦し、これに基づき李大統領が同じ12日夜任命しました。特検法ごとに、捜査チームの編成など最大20日間の準備期間を経て、来月初めから捜査が本格化する見通しです。
2025年6月12日木曜日
・韓国軍は11日、南北軍事境界線付近で行ってきた北韓向けの拡声器による宣伝放送を停止しました。去年6月に再開して以来、1年ぶりのことです。大統領室は「南北間の信頼回復と韓半島の平和定着に向けた措置だ」と説明しています。また、北韓側の騒音放送によって被害を受けてきた韓国側の住民の苦痛を和らげるための実質的な対応でもあると強調しています。李在明(イ・ジェミョン)大統領は、大統領選挙の期間中、韓半島の緊張緩和のため拡声器放送の中断を公約として掲げていて、就任から1週間でこれを実現させた形です。これに先立ち、韓国の統一部は9日、民間団体に対しても北韓向けのビラ散布の中断を求めており、軍による今回の措置とあわせて南北間の緊張緩和に向けた動きが進んでいます。北韓との対話の雰囲気づくりを図る狙いもあるとみられます。韓国側が北韓向けの拡声器放送を停止したことを受け、北韓側も韓国側に向けた騒音放送を停止したもようです。韓国軍の合同参謀本部は12日、「きょう、北韓の騒音放送が確認された地域はなかった」と明らかにしたうえで、「北韓側の今後の動向を引き続き注視している」としています。
・アメリカのトランプ大統領が北韓の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に親書を送ろうとしたものの、北韓側が受け取りを拒否したとする内容をアメリカのメディアが報じました。これについてホワイトハウスは、いかなる反応も示していません。アメリカの北韓専門のニュースサイト「NKニュース」は、匿名の高官の話として、トランプ大統領が米朝対話の再開に向けた親書を作成し、北韓側に複数回にわたって伝達しようとしたものの、ニューヨークにいる北韓の外交官らが受け取りを拒否したと伝えています。トランプ大統領と金委員長は、トランプ第1期政権時代、実務レベルの交渉が行き詰まるたびに親書を交わしてきました。ホワイトハウスは、こうした報道について「親書のやり取りに前向きな姿勢を持っている」とした一方、報道の内容については明言を避けました。今回の報道が事実であれば、北韓側は第1期政権時代のトランプ大統領との交渉に不満や失望を抱いていたとみられ、納得できる条件が整うまでは、対話の再開を慎重に見極める可能性があります。
・韓国では、済州(チェジュ)島南方の海上から停滞前線が北上した影響で、12日未明、済州島が梅雨入りしました。平年よりおよそ1週間早い梅雨入りとなっています。一方、12日は済州島を除く地域で内陸部を中心に厳しい暑さが続きました。停滞前線は今月19日以降に北上するとみられ、南部地方と中部地方の梅雨入りは19日以降になる可能性が高まっています。
2025年6月11日水曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、11日で就任から1週間を迎え、安定と実用主義を重視しながら、国民の生活に直結する経済対策や暮らしの安定に力を注いでいます。非常戒厳や大統領の罷免による混乱が長引くなか、急激な変化よりは、国民の不安を和らげ、暮らしを守ることを優先する方針とみられます。こうした方針は、人事においても明確に表れています。李大統領は、就任初日に金民錫(キム・ミンソク)国務総理候補だけを指名し、当面の間は、前の政権の閣僚と共に国政の安定を図るとしています。また、大統領の補佐役となる大統領室の秘書官をはじめ、迅速な対応が求められる経済・外交分野の次官級人事を行い、実務中心となるスタッフの選任を早期に終えました。さらに、李大統領は公式日程を最小限に抑える一方で、非常経済会議を一週間の間に2回も開き、物価対策などの国民生活に直結する課題に優先して取り組んでいます。一方、李大統領は就任早々、アメリカ、日本、中国の首脳と相次いで電話会談を行い、主要国との首脳外交をはじめています。
・韓国の株式市場では、新政権への期待が広がったことなどから、KOSPI=総合株価指数は、前の日に比べて1.23%上がって2907.04で取り引きを終えました。KOSPIが2900台を超えたのは、およそ3年5か月ぶりです。政治的な不確実性が解消したのに加えて、新政権の発足に伴う政策への期待の高まりや、長らく韓国市場から離れていた海外投資家の資金が急速に戻ってきたことによって、指数が押し上げられたとみられています。KOSPIは、大統領選挙前日の今月2日に0.05%上昇して以降、6営業日連続で上昇しています。
・韓国の人気グループ、BTS=防弾少年団のメンバーのRMとVに続き、ジョングクとジミンも兵役を終えて除隊しました。ジョングクとジミンは11日午前、除隊手続きを終え、京畿道(キョンギド)漣川(ヨンチョン)郡の部隊近くにある施設で国内外のファン500人あまりが集まったなかで除隊のあいさつとともに心境を語りました。ジミンは、「軍隊は、そんなに容易な場所ではなかった。コロナ禍から軍隊の除隊まで長い時間を待ってくださり心から感謝している」と語りました。ジョングクとジミンの除隊により、BTSのメンバー7人のうち社会服務要員として服務中のシュガを除いた6人が兵役を終えました。6人のメンバーは、は今月13日から、BTSデビュー12周年を記念した大規模なイベントを開催し、本格的な活動再開のスタートを切る予定です。
2025年6月10日火曜日
・尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領による「非常戒厳」の宣言をはじめ、金建希(キム・ゴニ)前大統領夫人をめぐる疑惑、そして海兵隊員が殉職した事故について、通常の検察から独立した特別検察官による捜査を可能にするための法案、いわゆる「3大特検法」が10日、閣議決定されました。これに先立って「3大特検法」は5日、与党「共に民主党」の主導で国会本会議で可決されました。今後、大統領の承認と官報への掲載を経て公布されたあと、特別検察官の推薦や捜査チームの構成が行われる見通しです。これらの特検法は、これまでにも複数回、国会本会議を通過しましたが、そのたびに尹前大統領が拒否権を行使して再議を要求し、廃案となりました。3本の特検法を合わせると、最大で120人に達し、ソウル中央地検に所属する検察官の半数に迫る規模となります。これら3本の特検法はいずれも、現在、検察や高位公職者犯罪捜査処によって捜査が進められている案件を骨子としていますが、既存の捜査記録がすべて引き継がれ、全面的な再捜査が行われる見通しです。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は10日、中国の習近平国家主席と初めて電話会談を行い、両国関係の発展と地域の安定に向けて協力を深めていく方針を確認しました。習主席はこの会談で、李大統領の大統領当選について祝意を伝えたうえで、中国と韓国は引っ越すことができない近い隣国だと述べ、両国の協力強化は、「時代の流れと両国国民の根本的利益に合致するだけでなく、地域および世界の平和と安定、発展と繁栄にも寄与するものだ」と述べたと伝えました。これに対して、李大統領は共感を示したうえで、「私は韓中関係を非常に重視しており、中国とともに両国の善隣友好関係をさらに深め、国民感情を改善し、韓中協力がより多くの成果を上げられるよう努力する」と述べました。李大統領が就任後、外国の首脳と電話で会談するのは、6日のアメリカのトランプ大統領、9日の日本の石破総理大臣に続き、3人目です。
・韓国の人気グループ、BTS=防弾少年団のメンバー、RMさんとVさんが兵役の義務を終え、除隊しました。RMさんとVさんは10日、それぞれの部隊を退所し、韓国東部の江原道(カンウォンド)春川(チュンチョン)市にあるサッカー場で、集まったファンたちと顔を合わせました。2人は花束を手にカメラの前に登場し、「今、一番やりたいことは何か」と問われると「ライブ」だと答えました。リーダーのRMさんは、「私たちがアイドルとして活動している間、多くの人が国を守ってくれていたからこそ活動が可能だったことに改めて気が付いた」と、除隊の感想を語りました。
2025年6月9日月曜日
・李在明大統領は、アメリカのトランプ大統領と日本の石破総理大臣とそれぞれ就任後電話会談を行いました。まず、6日に行われたアメリカとの電話会談では、トランプ大統領が李大統領に対し、大統領選挙の勝利について祝意を伝え、李大統領は謝意を表したうえで、韓米同盟の重要性を強調したということです。特に、関税交渉について、両国がともに満足できる合意を早急に導き出すため、実務レベルでの目に見える成果を促していくことを確認しました。また、トランプ大統領が李大統領をアメリカに招待したのに対し、李大統領は「特別な同盟にふさわしく、頻繁に会って協議を重ねよう」と応じました。 続いて、李大統領は9日、石破総理大臣とも初めての電話会談を行いました。両首脳は、成熟した韓日関係の構築に取り組んでいくことで一致しました。加えて、韓日米3か国協力の枠組みのもとで緊密に連携していく方針でも一致しました。こうした電話外交に続いて、李大統領は今月、初の多国間外交の舞台にも立つ予定です 大統領室は8日、李大統領が、今月15日からカナダで開かれるG7=主要7か国首脳会議に出席することを明らかにしました。
・韓国の世論調査で、国民の10人に6人が、李在明(イ・ジェミョン)大統領が今後、国政運営をうまく進めると見ていることがわかりました。世論調査会社のリアルメーターによりますと、李大統領の今後の国政運営について、「うまくやるだろう」と答えた人は58.2%に上りました。これは歴代大統領の当選直後にリアルメーターが行った過去の同様の調査と比べると、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領の52.7%を上回るもので、国民の高い期待が伺える結果となりました。また、李大統領が最優先で取り組むべき政策課題としては、「経済回復と国民生活の安定」が41.5%で最も多く挙げられました。
・アメリカの演劇・ミュージカル界の最高の栄誉とされるトニー賞は、現地時間の8日、ニューヨークで韓国の創作ミュージカル、『メイビー、ハッピーエンディング』が作品賞、主演男優賞、演出賞など6部門を受賞しました。韓国のミュージカルがトニー賞を受賞するのは、去年の『グレート・ギャツビー』に続き2作目となります。 『メイビー、ハッピーエンディング』は今回ノミネートされた5作品のうち、唯一の完全なオリジナル作品で、すでにブロードウェイでも高く評価されていました。この作品は、未来の世界を舞台に、人間を助けるために作られたヘルパーロボットのオリバーとクレアが、恋に落ちることで繰り広げられる物語です。
2025年6月6日金曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、国のために命を捧げた殉国者を称える国民の祝日「顕忠日」の記念式典に出席し、「国家有功者」への「手厚い報償」を強調しました。ことしで70周年を迎える「顕忠日」の記念式典が6日、ソウルの国立墓地・顕忠院で行われ、李大統領は金恵景(キム・ヘギョン)夫人とともに出席しました。李大統領は式典で、「我々が享受している自由と繁栄は特別な犠牲の上に成り立っている」としたうえで、国家有功者への報償は国の責任であり、「特別な犠牲には特別な報償が伴われるべきだ」と述べました。そして、独立運動に参加したら一家が破綻し、日本の植民地支配に協力する親日行為をすれば一家が繁栄するという話はなくなるべきだと指摘し、国家有功者とその遺族への礼遇と手厚い支援を行う意向を明らかにしました。更に、軍人や警察官、消防隊員など、国のために活躍している人材に対する服務環境の改善に取り組むことも強調しました。一方、北韓についての直接的な言及はありませんでした。過去の式典では、北韓に対して強硬路線を取った尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領は、北韓の核・ミサイル開発を「脅威」と批判し、融和路線だった文在寅(ムン・ジェイン)元大統領は北韓への批判を避ける姿勢が目立ちました。
・科学技術情報通信部は6日、ソウル大学と延世(ヨンセ)大学の研究チームが、固体物質における電子の「量子距離」を測定することに世界で初めて成功したと発表しました。「量子距離」とは、量子状態にある二つの電子が持つ類似性を数値化したもので、量子技術の精密度を左右する重要な指標とされ、今後、量子コンピュータやセンサーを開発するうえで中核的な役割を果たすものと期待されています。特に、今回の測定は、計算上の推定値ではなく、実験によって量子距離を正確に測定した初めての事例として注目されています。
・サッカーの2026年ワールドカップアジア最終予選で韓国代表は、イラクを2対0で破って、11回連続のワールドカップ出場を決めました。サッカー韓国代表は、6日敵地で、イラクと対戦し、後半18分にキム・ジンギュ選手、37分にオ・ヒョンギュ選手がゴールを決め、2対0で勝利しました。5勝4引き分け勝ち点19となった韓国は、グループ2位以内が確定し、本大会出場が決まりました。これで、韓国は通算12回目、1986年のメキシコ大会から11大会連続で出場という金字塔を打ち立てました。
2025年6月5日木曜日
・李在明(イ・ジェミョン)大統領の就任から2日目を迎えた5日、KOSPI=韓国総合株価指数が10か月ぶりに2800台を突破しました。5日のKOSPIは、前の営業日の終値と比べて0.7%上がって2790.33で取り引きを開始し、その後も上昇幅を広げ、午前10時ごろには2800台を突破しました。KOSPIが2800台を超えたのは、およそ10か月ぶりです。4日に1兆ウォン以上を買い越した外国人投資家は、5日も機関投資家とともに買い越しに動き、指数を押し上げました。なかでも、SKハイニックスやサムスン電子など大型株が上昇を主導しました。この日の終値は、前の営業日の終値と比べて1.49%上がって2812.05で取り引きを終えました。ソウル外国為替市場でのドルに対するウォン相場は、前の営業日の終値と比べて6ウォン上がって1ドルあたり1363.5ウォンで取り引きを始め、一時1ドルあたり1350ウォン台まで値上がりしました。この日の終値は、前の営業日の終値と比べて11.1ウォン上がって、1ドルあたり1358.4ウォンで取り引きを終えました。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は韓日関係について、「国家間の関係においては一貫性、特に政策の一貫性が重要だ」と述べ、「現実だという点を考慮すべきだ」と、韓日関係にも実用的な視点が必要だと強調しました。李大統領は、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領執務室で今後の韓日外交政策に関する質問に対し、「実用的な観点から、互いに役立つことは進め、害となることは避け、利害関係を調整しながら、適切な線で妥協できると考えている」と述べました。さらに「残念ながら歴史問題や独島の領土問題で対立しているが、それでも日本と韓国はさまざまな面で共通の利害関係を持っている」としたうえで、「経済、安保、技術、文化、教育の分野で双方にとって役に立つものを見つけられるはずだ」と述べました。徴用問題については、「慰安婦問題などもこれに含まれる可能性があるが、国家間の関係においては一貫性、特に政策の一貫性が重要だ」としたうえで、「国家政策を個人的な信念で一方的に強要したり貫徹したりするのは容易ではない。それが現実だという点を考慮すべきだ」と指摘しました。
・日本の最高裁にあたる大法院の裁判官を増員する内容を盛り込んだ裁判所組織法改正案が、4日、与党主導で国会の法制司法委員会の小委員会で可決されました。大法院の裁判官の数は現在14人ですが、今後4年間にわたって毎年4人ずつ増やし、最終的に30人にするという内容です。これは李在明(イ・ジェミョン)大統領が大統領選挙の公約として掲げた政策で、任期初日に与党が法案で後押しした形です。一方、尹大統領による非常戒厳の宣言をはじめ、金建希(キム・ゴニ)前大統領夫人をめぐる疑惑、そして海兵隊員が殉職した事故について、通常の検察から独立した特別検察官による捜査を可能にするための法案が可決しました。これらは尹前大統領が拒否権を行使したことで成立できなかった法案で、「共に民主党」は政権初期にこうした法案を早期に処理する方針です。また、李大統領の刑事裁判の手続きを停止する内容を盛り込んだ刑事訴訟法改正案など、大統領の法的リスクを低減する法案については、世論の動向を見ながら進める方針です。
2025年6月4日水曜日
・第21代大統領に就任した李在明(イ・ジェミョン)大統領は就任演説で、「『国民のための大統領』となり、分裂の政治に終止符を打つ」と述べました。李大統領は4日午前11時、ソウル市内の国会議事堂で大統領就任の宣誓をしたあと、「国民へのメッセージ」と題した就任演説を行いました。この中で、李大統領は「すべての国民に、寄り添い仕える『国民のための大統領』となり、分裂の政治に終止符を打つ」と述べました。また、李大統領は「崖っぷちに追い込まれた国民経済を立て直し、成長を回復して、みんなが幸せな明日を築く」と述べ、先端技術産業への投資や文化産業の支援などを約束しました。これに先立ち、李大統領は、金明洙(キム・ミョンス)合同参謀本部議長から軍の最高指揮権の移譲を受け、就任初日の公式業務を開始しました。続いて、国立墓地の国立ソウル顕忠院を参拝し、芳名録に「国民が主人の国、国民が幸せな国を、国民と共に築いていきます」と記しました。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、国務総理の候補者と大統領府秘書室長などを指名する人事を発表しました。新政権の初代国務総理に金民錫(キム・ミンソク)議員が指名されました。その理由について、李大統領は、「危機の克服と国民経済の再建を主導する適任者だ」と述べました。国家情報院長の候補に指名された李鐘奭(イ・ジョンソク)元統一部長官は、金大中(キム・デジュン)政権と盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権で統一部長官や国家安全保障会議の常任委員長などを歴任しており、冷え込んだ南北関係の打開策を模索できる人物とされています。大統領府秘書室長に任命された姜薫植(カン・フンシク)議員は、1970年代生まれとしては初の大統領府秘書室長です。若い秘書室長の起用により、山積する国政課題を迅速に解決していく構えです。国家安保室長に任命された魏聖洛(ウィ・ソンラク)議員は、外交官出身で、アメリカの韓国大使館の政務公使や外交部の韓半島平和交渉本部長、駐ロシア大使などを歴任しました。李大統領は「平和と繁栄の韓半島という国政目標の達成に向けて重要な役割を果たすことを期待する」と述べました。
・李在明(イ・ジェミョン)大統領は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)前大統領がソウル龍山(ヨンサン)に移転させた大統領の執務室について、従来の青瓦台に復帰させる方針です。これまで李大統領は、現在の大統領執務室が盗聴などセキュリティ上の懸念があるとして、青瓦台に再び移転する意向を示してきました。ただ、青瓦台は長期間一般に公開されていたため、すぐに移転するのは難しいとされていて、セキュリティ施設の整備や補修に、長ければ2か月から3か月ほどかかる見通しです。そのため、補修作業が完了するまでは当面、龍山の大統領室に出勤する予定です。また、李大統領が大統領執務室の行政都市、世宗(セジョン)市への移転を公約として掲げていたことから、最終的には世宗市に執務室が設けられる見通しです。
2025年6月4日朝のニュース
・第21代大統領選挙で、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)氏が当選しました。
今回の選挙は、1987年の民主化以降、初めての非常戒厳令と、それに伴う大統領の罷免という未曾有の事態の中で行われたもので、史上2回目となる早期大統領選挙でもありましたが、国民は3年ぶりの政権交代を選びました。李候補は、4日午前2時30分ごろ、得票率48.8%、およそ1,601万票を獲得し、218万票あまりの差をつけ、当選となりました。国民の力、金文洙(キム・ムンス)氏は42.1%の得票にとどまりました。李在明氏は、当選が確実となった4日午前、国会のあるソウル・汝矣島で演説し、「皆さんが私に託した最初の使命は、内乱の克服です」として、事実上の勝利宣言をしました。一方、金文洙氏も4日午前1時30分に記者会見を開き、「国民の選択を謙虚に受け入れる」と述べ、敗北を認めました。今回の政権交代の背景には、有権者の間に広がった「前の政権への審判」の声がありました。去年4月の総選挙で、当時野党だった「共に民主党」が圧勝。政権の支持基盤が揺らぐ中で起きた、尹前大統領による非常戒厳の発令は、中道層の支持離れを加速させました。「国民の力」は李在明氏のいわゆる司法リスクを追及しましたが、政権批判の流れを覆すには至りませんでした。混乱が続く中、国民が求めたのは「速やかな国政の安定」、「準備された大統領」としての姿勢を打ち出した李氏への期待が、民意を動かしたとみられます。城南市長、京畿道知事としての行政経験、2022年の大統領選挙への挑戦、そして民主党代表として臨んだ昨年の総選挙などの政治経験が、今回の勝利を後押ししたとみられます。
・第21代大統領選挙の投票率は暫定で79.4%となりました。中央選挙管理委員会によりますと、3日に投票が行われた大統領選挙の最終投票率は暫定値で79.4%で、4439万1871人の有権者のうち3524万416人が投票を済ませたということです。投票率は80.7%だった1997年の大統領選以来、28年ぶりの高水準となりました。地域別では光州市が83.9%で最も高く、済州道が74.6%でもっとも低いということです。ソウル市は80.1%でした。
・北韓が、ロシアとの軍事協力は国連憲章などに基づく「合法的な権利の行使だ」と主張していることについて、外交部は、「北韓との武器の取り引きは、国連安全保障理事会の対北韓制裁決議に反するものだ」と非難しました。韓日米など11か国が設立した北韓の制裁逃れを監視するチーム=MSMTは、先月29日に発表した報告書で、北韓が去年、ロシアに対し、国連の制裁決議に違反して弾道ミサイルなどを供給し、その見返りとしてロシアから、防空システムや電波妨害機器を含む高度な電子戦システムなどを受け取ったとみられるとし、北韓とロシアによる軍事協力を明らかにしました。これに対し、北韓外務省は2日、ロシアとの軍事協力は、個別的または集団的自衛を規定する国連憲章第51条に基づくものであり、同時に、有事の際の軍事的な支援などを明記した包括的戦略パートナーシップ条約に基づく「合法的な権利の行使だ」と主張しました。これに対し、韓国外交部は2日、「国連安保理の対北韓制裁決議は、すべての国連加盟国に拘束力を持つ国際法上の義務であり、MSMTによる制裁の履行と監視活動は合法かつ正当だ」と強調しました。MSMTは、ロシアの反対により国連安保理の対北韓制裁委員会傘下の専門家パネルが、去年4月に活動を終了したことを受け、制裁監視の空白を埋めるため、去年10月に発足しました。
2025年6月2日月曜日
・3日の大統領選挙を翌日に控え、革新系の最大野党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補と保守系与党「国民の力」の金文洙(キム・ムンス)候補は、ソウルなどで街頭演説を行っています。李在明候補は、自身が市長を務めた京畿道では「初心を忘れない姿勢」を、汝矣島公園では、「『非常戒厳』宣言の克服」をアピールする狙いです。最大野党「共に民主党」の選挙対策委員会関係者は、「城南市は、李在明候補が政治活動を始めた地域として、汝矣島公園は『非常戒厳』による内乱を国民の力で阻止し、韓国の民主主義を守ったという意味合いを持っている」と説明しました。一方、金候補は、済州島(チェジュド)の4.3平和公園で犠牲者を追悼し、釜山(プサン)などを経てソウル市庁の広場で最後の遊説活動を行っています。「国民の力」の選挙対策委員会関係者は、「ソウル市庁は、市民が集まり、弱者が権利を訴える空間という意味を持っていて、光化門は多く会社員が集まるソウルの中心地として、未来を担う若者の現実に寄り添うという意味合いを持っている」と説明しました。
・韓国と中国のEEZ=排他的経済水域が重なる、韓半島西の海、西海(ソヘ)上の暫定水域(PMZ)付近に、中国が観測用の大型ブイ3つを追加で設置していたことがわかりました。韓国軍によりますと、韓国海軍は2023年5月、済州島(チェジュド)南西にある離於島(イオド)付近の、韓国と中国のEEZ=排他的経済水域が重なる西海の韓中暫定水域に中国が設置したブイ3基を発見したということです。西海にある韓国と中国の暫定水域は、両国の排他的経済水域(EEZ)が重なるところで、韓国と中国が漁業紛争を調整するために締結した韓中漁業協定に基づき、2000年に設定されました。中国は、2018年から西海上の暫定水域にブイ10基を設置していますが、今回3基が新たに発見されたことで、ブイの数は合わせて13基となりました。13基のうち1基は、両国の暫定水域内に設置されていたということです。これまで中国はブイについて、気象観測を目的としたものだと説明してきましたが、南シナ海や東シナ海でも同様のブイを設置して領有権を主張しているだけに、西海での海洋権益の拡大を狙った行為との懸念も出ています。
・ソウルの地下鉄5号線で放火事件が発生しましたが、運転士と市民らの迅速な対応により、大規模な人命被害は防ぎました。先月31日午前8時43分、地下鉄5号線の汝矣ナル(ヨイナル)駅と麻浦(マポ)駅の間を走行中の列車内で、60代の男性が用意していたガソリンをまき、着火用ライターで火をつけました。乗客は別の車両に逃げ、非常用の通話装置で運転士に「シンナーをまいている」と通報し、座席下にある非常開閉装置を使ってドアを開けました。列車が停止すると、一部乗客と運転士が壁面に備え付けられた消火器で火を消し止めました。乗客およそ400人は地下の線路沿いに1.5キロを歩いて避難しました。放火犯の男性を含む23人が煙を吸って病院に搬送され、129人は現場で手当てを受けました。男性は警察の調べに対し「離婚訴訟の結果に腹を立てて犯行に及んだ」と供述しています。