2012年ニュース

5月4日金曜日

・国連安全保障理事会の常任理事国であるアメリカ、イギリス、フランス、中国、ロシアの5ヶ国は3日、オーストリアのウィーンで開かれている核拡散防止条約再検討会議の準備委員会で、北韓に核実験の自粛を促す声明を発表しました。
声明は、「核実験など北東アジアの安全保障に重大な憂慮をもたらす行動を自粛するよう求める」としています。
また、北韓の長距離ミサイル発射について深刻な懸念を示し、適切な時期に6か国協議が再開されるよう関係各国の努力を促しました。

・国際司法裁判所はこのほど、北韓が韓国の政府機関と報道機関に対するテロを警告したことや民間航空機に対するGPSかく乱行為について、犯罪に該当するかどうかを判断するための作業に入ったことが分かりました。
韓国政府の関係者は4日、国際司法裁判所がこの問題と関連して自発的に作業を始めており、明白な犯罪行為だという判断が出れば、北韓は国際社会で犯罪国家の汚名を着せられることになるだろうと語りました。
国連安全保障理事会の常任理事国が北韓に対して核実験の自粛を求める声明を発表したのに次いで、国際司法裁判所が北韓のテロ警告について法的判断のための作業を始めるなど、北韓の挑発行為に対する国際社会の圧迫が強まっています。

・アメリカ政府は北韓による3回目の核実験の可能性について、具体的な言及を避けました。
アメリカ国務省のトナー副報道官は3日の定例記者会見で、北韓による核実験の兆候と関連して、「メディアなどが報じているうわさ以外には北韓が核実験を行うという具体的な根拠はない」として、慎重な姿勢を示しました。

・北韓の核問題などを話し合う6か国協議で韓国の首席代表を務める外交通商部の林聖男(イム・ソンナム)韓半島平和交渉本部長は、中国の首席代表を務める武大偉特別代表と北京で3日、会談しました。
会談で中国側は「中国政府は、北韓による核実験など軍事挑発を防ぐために努力している。北韓が近く3回目となる核実験を強行する可能性があるという懸念の声が出ているが、この問題について具体的な証拠は確認されていない」と述べました。

・最大野党民主統合党の院内代表を選ぶ選挙が4日行われ、朴智元(パク・ジウォン、70)議員が院内代表兼非常対策委員長に選出されました。
朴智元議員は院内代表だけでなく非常対策委員長も兼ねることになっており、来月9日に予定されている党代表を選ぶ臨時党大会の準備や、与党セヌリ党との間で国会の開会に向けた交渉を進めるなど、重要な役割を果たすことになります。
朴智元議員は金大中元大統領の最側近とされた人で、1992年に比例代表として国会入りし、金大中政権で大統領秘書室長や文化観光部長官など要職を経て、現在は民主統合党の最高委員を務めています。

・4月の総選挙の際に、比例代表を選ぶ党内選挙の過程で不正があったとして問題になっている野党統合進歩党は3日、真相調査報告書を発表しましたが、それによりますと、比例代表を選ぶ党内選挙では、代理投票や幽霊投票があったということです。
真相調査委員会が投票者65人を任意に選んで調査したところ、7人は党員ではなく、12人は投票した事実がないことが分かりました。
統合進歩党はこれまで真相調査を進めてきたにもかかわらず疑惑が増幅していることを受けて、調査委員会を特別委員会に格上げして2回目の調査を進めることにしています。
統合進歩党は去年12月に、民主労働党が中心となり、国民参与党、進歩統合連帯が合同して結成されましたが、国民参与党と進歩新党出身の議員らは、民主労働党系列の比例代表当選者3人を含む、比例代表候補全員の辞退を求めており、一部からは李正姫(イ・ジョンヒ)、沈相奵(シム・サンジョン)、柳時敏(ユ・シミン)の3人の共同代表の即時辞退を求める声も出ています。
李正姫共同代表は4日、記者会見し、「共同代表総辞退は正しくない」として辞退の要求に応じる考えはないことを明らかにした上で、「12日に予定されている中央委員会が終わった後に辞退する。6月3日に予定されている党代表を選ぶ選挙にも立候補しない」と語りました。

・4月11日の総選挙で、野党の統合進歩党の比例代表を選ぶ党内手続きで不正があったとして、保守系市民団体が統合進歩党の関係者らを告発した事件で、ソウル中央地方検察庁は3日、捜査を始めることを発表しました。

・南北協力基金を管理する韓国輸出入銀行は4日、北韓の朝鮮貿易銀行総裁宛てに、食糧借款の1回目の償還期日が来月7日に到来するという内容の通知文を送りました。
韓国政府は2000年に北韓との間で「南北間食糧借款に関する合意書」を締結、この合意に基づいて2007年まで6回に渡って合わせて7億2000万ドル相当のコメとトウモロコシを借款の形で北韓に提供しました。
この借款は、10年後から20年間に渡って元金と利子を分割して償還することになっています。
統一部によりますと、韓国輸出入銀行が今回北韓に通知したのは、2000年に提供した食糧借款8800万ドルに対する1回目の償還分だということです。

・北韓の兵士が武器を所持したまま国境を越えて中国に入り、翌日になって戻ってきたことが分かりました。
北韓関連専門メディアの「開かれた北韓放送」は2日、中国と接している北韓の両江道国境警備隊所属の北韓兵士2人が先月23日夜、武器を所持したまま国境を越えて中国に入り、翌日の朝になって戻ってきたと報じました。
北韓当局は、2人の兵士が脱北者を捕らえるために国境を越えたものの、結局は捕らえることはできず、翌朝になって戻ってきたと発表しましたが、現役の兵士が武器を所持したまま脱北したことが明るみに出る場合、軍部だけでなく住民の動揺を呼び起こす恐れがあることから、事件を縮小隠蔽したのではないかという指摘が出ています。

・盧武鉱前大統領が巨額の借名口座を保有していたとする発言で遺族から告発された趙顯五(チョ・ヒョンオ)前警察庁長が、検察に出頭することになりました。
検察は、死者に対する名誉毀損の疑いで告発された趙顯五前警察庁長に対して9日に出頭するよう通告、趙顯五前警察庁長も出頭する考えを示したと発表しました。
趙顯五前庁長は2010年3月に警察官を対象に行った講演で、「盧武鉱前大統領が自殺する前の日に巨額の借名口座が発見された」と発言し、同じ年の8月に遺族が死者に対する名誉毀損だとして告発、これまで電子メールと書面による調べを受けました。
韓国には死者に対する名誉毀損があり、名誉棄損が認められれば損害賠償の責任も問われます。

・中国は韓民族の代表的な民謡である「アリラン」について、韓国と共同でユネスコの無形文化遺産への登録を進めることを検討している模様です。
中国共産党の機関紙、人民日報のインターネット版は2日、中国政府の文化遺産関連部署の関係者が「中国はユネスコ無形遺産保護条約の加盟国で、その規定に基づいて中国の文化遺産の登録を申請する。起源が同じで、共有している無形文化財については、周辺国と共同で申請することもできる」と語ったと報じました。
中国は、北東部の吉林省に定住している朝鮮族に伝わっているアリランを、自国の国家無形遺産に指定し、ユネスコの無形文化遺産への登録を進めています。
韓国ではこうした動きについて、アリランは韓民族固有の民謡であり、これを中国の文化遺産だと主張するのは文化の略奪行為に他ならないとする批判的な世論が拡大しています。

・韓国の釜山が来年のアジア卓球選手権大会の開催地に決まりました。
釜山市と釜山卓球協会は4日、大韓卓球協会がこのほど、韓国での開催が決まっている来年のアジア選手権大会の開催地に釜山を決定したと発表しました。
ところで、大韓卓球協会のヒョン・ジョンファ専務は最近、「2月末にマカオで北韓の関係者に会い、南北単一チームを構成して出場したいという考えを伝えた」と語り、関心が寄せられています。
韓国と北韓は1991年に千葉で開かれた世界選手権大会に単一チームを構成して出場したことがあります。

・日本でも活動している韓国の6人組み男性アイドルグループ「2PM」は、6月に日本で新しいシングルの「Beautiful(ビューティフル)」を発売する予定です。
2PMは6月6日に日本で新しいシングルの「Beautiful」を発売して日本で活動する予定で、発売に先立って5月末には東京の日本武道館でコンサートを開くということです。

5月3日木曜日

・北韓が事実上のミサイルを発射したことを受けて、国連安全保障理事会は2日、資産凍結などの経済制裁を科す対象として北韓の企業3社を追加しました。
国連当局者は2日、安保理傘下の北韓制裁委員会が北韓の銀行1行と貿易会社2社を制裁リストに追加し、取り引きを禁止する品目も拡大することにしたと明らかにしました。
これで、制裁対象となった北韓企業は8社から11社に増えました。
これらの企業の資産は凍結され、国連加盟国との取引が全面禁止となります。 拒否権を持つ中国は、当初、2社の追加だけに賛成しましたが、アメリカの圧力で1社を譲歩したと伝えられています。
北韓のミサイル発射を受けて、国連安保理は、北韓への制裁を強化するため、15日以内に制裁対象となる企業を追加で指定する議長声明を採択し、北韓のミサイルや核兵器の開発に関わっているとされる40社を対象に、追加制裁を検討しましたが、結局3社の追加に止まりました。

・与野党議員が議場内で激しくもみ合う事態を防ぐための国会先進化法が2日の国会本会議で可決、成立しました。
国会は2日、第18代国会最後の本会議を開き、国会先進化法を賛成127、反対48、棄権17の賛成多数で可決しました。
可決された国会先進化法は、議員数の多い第一党が一方的に法案を成立させようとして与野党が激しく対立し、議場内で議員同士が身体をぶつけあって激しく衝突することを防ぐためのものです。
この法案では、国会議長が職権によって法案を本会議に上程することが与野党の対立の最大の原因となっていることから、議長の職権を厳しく制限し、全国規模の自然災害などが発生した場合以外は、職権上程をできなくしています。
その代わりに、提出された法案を迅速に成立させるために、「ファスト・トラック制度」を導入し、在籍議員の6割以上が賛成すれば、本会議での採決に持ち込むことができるようにしています。
また、在籍議員の3分の1以上が賛成すれば、議事進行を合法的に妨げることができる「フィリバスター」制度を導入することが盛り込まれています。
2日の国会では、このほか、風邪薬など常備薬のスーパーでの販売を認める薬事法の改正案、112通報センターにかかってきた携帯電話の位置追跡ができるようにする位置情報保護法など国民生活関連の60あまりの法案を可決・成立させました。
しかし、農林水産食品委員会が採択した、アメリカ産牛肉の検疫中断を求める決議案は、政府と与野党の間に隔たりが大きく、結局本会議に上程されず、廃棄されました。

・アメリカのカリフォルニア州でBSE=牛海綿状脳症に感染した牛が確認されたことを受けて、アメリカ産牛肉の輸入停止を訴える市民団体のろうそく集会が、2日夜、ソウルの都心で開かれました。
集会は、参加した市民が自由に舞台に上り、意見を述べる形で行われました。
参加者らは、政府が、アメリカでBSEが発生すると輸入を中断するとした4年前の約束を破ったと訴え、政府に対して、アメリカ産牛肉の検疫を今すぐ中断するよう求めました。
狂牛病対策委員会は、3日の夜もソウル都心で2日目のろうそく集会を開き、4日は汝矣島(ヨイド)広場で3日目の集会を開く予定です。

・アメリカでBSE=牛海綿状脳症に感染した牛が確認されたことを受けて、韓国国内でアメリカ産牛肉の輸入停止を求める声が高まっていることについて、アメリカの業界関係者は、韓国のメディアが世論を煽っているとの見方を示しました。
これは、アメリカの肉類輸出連合会のフィリップ・セン会長が現地のラジオ番組に出演して述べたものです。
フィリップ・セン会長は、「韓国市場で、一部小売業者がアメリカ産牛肉の販売を中断するなど、アメリカ産牛肉の需要が減っている」と指摘したうえで、「アメリカ側の最終的な疫学調査の報告書が発表されていないなかで、メディアが独自の調査をしているのが問題だ。韓国政府がこれから発表されるこの報告書を公開すれば、メディアは消費者の感情的な反応を煽る力を失うだろう」と主張しました。
フィリップ・セン会長は、また、「日本は輸入規制強化措置を取っておらず、小売り業者の反発や牛肉販売の急激な減少などもない」と強調しました。

・北韓の3回目の核実験が間近に迫ったことを示す兆候が伝えられているなか、韓国の核実験探知能力に関心が集まっています。
北韓が地下核実験を行った場合、高性能の地震計26台が設置されている江原(カンウォン)道原州(ウォンジュ)観測所など、韓国の35の地震観測所で最も先に兆候を捕らえることができると、情報当局者は説明しています。
なかでも原州にある韓国地震観測所は、CTBTO(包括的核実験禁止条約機関)によって指定された観測所で、世界で2番目の規模です。
また核爆発の際に発生する音波を探知する空中音波探知方法は、核爆発から1時間以内に探知され、地震波による探知を補完します。
韓国には、江原道と京畿(キョンギ)道に7つの音波観測所があります。
さらに最も決定的な証拠を提供する放射性物質探知設備は固定式設備2台と移動式設備1台があります。
韓国の核専門家は、「韓国国内の観測所や設備によって探知する可能性が高い」と話しています。

・3月に続いて、4月の外貨準備高が過去最大を更新しました。
韓国銀行が3日、発表したところによりますと、外貨準備高は、先月末の時点で前の月より8億9000万ドル多い3168億4000万ドルで、過去最大になりました。
韓国銀行は、外貨準備高が増えたことについて、為替レートの変動でユーロとポンド、円建て資産のドル換算額が増えたほか、外貨資産の運用利回りが増えたためだと説明しました。

・アメリカの携帯端末市場で、韓国の三星(サムソン)電子が1位、LG電子が2位になりました。
アメリカのマーケットリサーチ会社のコムスコアは、このほど、アメリカの移動通信加入者3万人を対象に携帯電話の利用調査を行い、その結果を1日に発表しました。
それによりますと、ことし1月から3月までの第1四半期にアメリカの携帯端末市場で三星電子が26.0%のシェアを獲得し、前の四半期に続いて1位でした。
またLG電子は、市場シェア19.3%で、2位でした。
この2社を合わせると、シェアは45.3%となり、韓国勢が半分に近づく勢いです。
3位はアメリカのアップル、4位は同じくアメリカのモトローラでした。

・国際的な業務地区の造成が進められているソウル市龍山(ヨンサン)区に世界で2番目に高いビルが建てられます。
龍山国際業務地区の造成事業を担当している龍山駅勢圏開発は、2日、国内外の専門家が8か月間にわたって完成させた地区内の23のビルのデザインを公開しました。
設計には、レンゾ・ピアノやドミニク・ペローなど、世界的な建築家が参加しました。
まず、ソウルの新しいランドマークとなる「トリプル・ワン」は、韓国で最も高く、世界で2番目に高い、高さ620メートル。また、業務施設の中心的な建物となる47階建てのハーモニータワーと56階建てのブレードタワー、それに64階建てのダイアゴナルタワーが、龍山駅から500メートル以内の位置に並んで建てられます。事業予算は3兆ウォンで、これらの建物は、9月までに基本設計を終え、2016年末の完成を目途に、来年上半期に着工する予定だということです。

・韓国ではここ数日、全国的に昼の最高気温が29度にまで上がるなど、真夏並みの暑さとなりましたが、この異例の暑さでエアコンなど冷房機器の使用が増え、電力消費量が大きく増加しました。
電力取引所によりますと、2日は冷房のための電力需要が大きく増え、予備電力は500万キロワットを下回りました。
予備電力が500万キロワットを下回ったのを受けて、韓国電力は電力の需要管理態勢に入りました。

・アジアのナンバー1クラブを決めるアジアサッカー連盟チャンピオンズリーグ(ACL)2012のグループリーグ第5戦が2日に各地で行われ、E組の浦項(ポハン)スティーラーズは、日本のガンバ大阪と対戦し、キム・ジンヨンとアサモアが相次いでゴールを決め、2対0で勝ちました。
グループ3位だった浦項スティーラーズは、、勝点を9に伸ばしてグループ2位にのし上がり、決勝トーナメント進出への可能性を高めました。

・日本の人気ロックバンド、ラルクアンシエルは、5日に3度目の来韓コンサートを行う予定ですが、ライブ広報インタビューの映像で少女時代の名前を口にし、注目を集めています。
ラルクアンシエルは、今回の来韓コンサートで期待していることは何かと聞かれると、「韓国アーティストのうち、誰かが見に来てくれるのではないかと思ってる。たとえば少女時代とか」と述べました。
韓国ライブは2005年と2008年に続いて3度目で、5日夕方7時にソウルの蚕室(チャムシル)室内体育館で開かれます。

5月2日水曜日

・韓国と中国は、FTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を開始することを公式に宣言しました。
外交通商部の朴泰鎬(パク・テホ)通商交渉本部長と中国の陳徳銘商務部長は、2日午前、北京で共同で記者会見し、韓中FTAの交渉を開始することで合意したと発表しました。
それによりますと、交渉は商品、サービス、投資など分野別の交渉指針をもとに段階別に進められ、全体の品目をセンシティブ品目と一般品目に分けて協議するということです。韓国は、農水産分野を、中国は自動車、機械などの製造業をそれぞれ重要品目としてセンシティブ分野に分類しています。
両国は、まず、交渉の第1段階で、センシティブ分野をどのように扱うのかや、FTAの範囲などを集中的に話し合ったうえで、第2段階交渉に入ることで合意しました。 韓中両国は去年1月の首脳会談でFTA交渉を早期に開始することで合意しています。
しかし、韓国では12月に大統領選挙を控えているうえ、中国との間には競合する農水産物分野や中国国有企業の問題など、敏感な問題が多いことから、交渉が早期に妥結する可能性は低いとの見方が出ています。

・国会の農林水産食品委員会は1日、全体会議を開き、アメリカ産牛肉の検疫中断を求める決議案を採択しました。
決議案は、「国会は政府に対し、アメリカでBSE=牛海綿状脳症がさらに発生する可能性がないことが確認されるなど、アメリカ産牛肉の安全性が確保されるまで、検疫を中断することを促す」としています。
また、決議案は、国民の安全と健康上の危険に速かに対応できるよう、BSEが発生した場合に韓国政府が取れる措置が明確に示されているカナダ産牛肉の輸入衛生条件の水準を目指して再交渉することを求めています。

・韓国政府の調査団が2日、アメリカでの現地調査を開始しましたが、問題の農場への訪問はまだ実現していません。
調査団は、2日午前、アメリカ農務省の傘下にある動物検疫センターを訪問し、ジョン・クリフォード検疫局長などアメリカの検疫当局者や専門家らと会い、アメリカ政府のBSE判定の過程や輸出牛肉の安全性などについて意見を交わしました。アメリカ農務省はまた、調査団に対し、BSE関連機関だけでなく、カリフォルニア州の加工処理施設や飼料工場などを公開するなど、最大限調査に協力すると述べました。
しかし、今回の調査で最も重要とされる、BSEに感染した牛が確認された農場については、牧場主が調査団の訪問を望まないとして公開を拒否しました。

・野党・統合進歩党の、4月11日に投開票が行われた総選挙に立候補する比例代表を選ぶ党内選挙で、不正があったことが確認されました。
統合進歩党は、去年12月に進歩系野党の民主労働党と国民参与党、新進歩統合連帯の3党が合併してできたもので、4月11日に投開票が行われた国会議員を選ぶ総選挙で小選挙区で7議席、比例代表で6議席を獲得し、第3党に躍進しています。
しかし、比例代表を選ぶ党内選挙で、民主労働党系の派閥が現場投票とオンライン投票両方で代理投票や投票データの改ざんなどをし、疑惑が持ち上がっていました。
そのため、統合進歩党は真相調査委員会を立ち上げて真相究明のための調査を行い、その結果を2日に発表しました。
調査の結果によりますと、現場投票が行われた7つの投票所で、投票人の数と投票用紙の数が一致せず、また、投票人名簿の名前と実際に投票した人の名前が異なる場合もあったということです。
また、オンライン投票では、投票の途中に投票データが修正されていることが確認されたということです。
選挙不正疑惑が事実であることが確認されたことで、統合進歩党は、道徳性の面で信頼を失うことは避けられず、指導部の責任や比例代表当選者の今後の去就などをめぐって波紋が広がりそうです。

・李明博(イ・ミョンバク)大統領の最側近である李在五(イ・ジェオ)前特任長官が大統領選挙に立候補するとされていることに加えて、任太煕(イム・テヒ)前大統領室長が出馬の意向を示したことで、李明博大統領の側近がセヌリ党の有力な大統領候補の朴槿恵(パク・グンヘ)非常対策委員長に対抗する構図になっています。
任太煕前大統領室長は先月30日、「5月中旬までにセヌリ党の大統領候補者を選ぶ党内選挙に出馬することを表明する」と述べました。

・北韓の長距離弾道ミサイル発射に対する制裁強化と関連し、国連安全保障理事会は、北韓制裁委員会による制裁対象の提出期限を延長する方針とみられます。国連関係者は1日、「北韓制裁委員会は、北韓に対する国連安全保障理事会の制裁強化を求めた議長声明が採択された日から15日以内に制裁リストを安保理に提出しなければならないが、まだ中国が提出していない。中国に時間を与えるため、提出期限を延長することを検討しているようだ」と伝えました。
北韓制裁委員会は、安保理の15理事国で構成されており、満場一致を原則としているため、北韓に対する制裁強化は、まだ制裁対象リストを提出していない中国が鍵を握っていることになります。

・韓国の民間航空機がこのほど、妨害電波によるかく乱被害を受けていたことがわかりました。
韓国の国土海洋部は2日、先月28日から3日間、ソウル郊外の仁川(インチョン)空港などを利用した航空機200機以上が妨害電波によるかく乱被害を受けたことを明らかにしました。
運行には特別な影響は出ていないということです。
政府関係者によりますと、先月の韓国とアメリカによる合同軍事演習「キーリゾルブ演習」の訓練中にも一部の民間航空機に対するGPS電波かく乱があったということです。
国土海洋部は、先月29日に、すべての航空会社が閲覧できるよう、航空告示報に詳しい内容を掲載し、電波が北韓から発信された可能性も念頭において調査を行っています。

・貿易収支が3か月連続の黒字となりました。
知識経済部が1日、発表したところによりますと、4月の輸出額は去年4月に比べて4.7%少ない463億ドルで、輸入額は0.2%少ない441億ドルでした。輸出額から輸入額を引いた貿易収支は22億ドルで、2月から3か月連続の黒字となりました。
知識経済部の関係者は、「ヨーロッパの財政危機の解決に時間がかかっているのと、国際原油価格の高騰が続いているため、貿易収支の黒字は今後、縮小していく見通しだ」と話しています。

・ことし2月、釜山(プサン)市にある古里(コリ)原子力発電所1号機で、すべての電源が失われた事故について、大統領直属の原子力安全委員会は1号機の安全性を点検するために、民間の専門家が参加する特別委員会を設置し、1日に初会合を開いて点検方法などについて話し合いました。
原子力安全委員会は、政府の韓国原子力安全技術院と民間の特別委員会の双方がまとめた点検結果にもとづいて、古里原子力発電所1号機の安全性を評価することにしています。

・故盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死去からこの5月で3年になることから、ソウル市の世宗(セジョン)文化会館では先月28日から追悼展示会が開かれ、1日に開幕式が行われました。
開幕式には、展示会を主催した盧武鉉財団の文在寅(ムン・ジェイン)理事長や民主統合党の韓明淑(ハン・ミョンスク)前代表、李海瓚(イ・ヘチャン)元首相をはじめ、野党議員30人あまりが出席しました。
追悼展示会は、「盧武鉉が夢見た国」をテーマに、盧武鉉前大統領の著書や未公開写真、自転車や帽子、筆記用具などの遺品などを展示しています。
ソウルの展示会は14日まで開かれ、18日から31日までは釜山(プサン)で展示を行います。

・プロ野球の新球団、NCダイノスの2013年からの1軍リーグ入りと、さらに10番目の球団を新設することについて、ほかの球団の反対の声が強く、難航しています。
KBO=韓国野球委員会では1日、実行委員会が開かれ、NCダイノスは、2013年からの1軍リーグ参加に向けた計画を発表しましたが、ほかの8つの球団のうち3つの球団が反対を表明したということです。
また、10番目の球団の新設に対しては、4つの球団が難色を示しました。
このため、実行委員会は、2つの案件について、今月8日に開かれる予定のKBO理事会に結論を先送りしたということです。

・文化体育観光部は2日、歌手兼プロデューサーのパク・ジンヨンさんの母親、ユン・イムジャさん(68)など7人を、今年の「芸術家の立派な母親賞」の受賞者に選定したと発表しました。
今年の「芸術家の立派な母親賞」には、ビデオアーティストのキム・チャンギョムさんの母親、オム・ユンジュさん(87)や、バイオリニストのペク・ジュヨンさんとチェリストのペク・ナヨンさんの母親のキム・ミリョンさん(60)、など7人が選ばれました。
この賞は、厳しい環境の中で、子どもを立派な芸術家に育て上げた母親の崇高な精神を賛え、こどもの芸術教育の手本にするために1991年に国が制定したものです。

5月1日火曜日

・李明博(イ・ミョンバク)大統領の最側近の一人、崔時仲前放送通信委員長(75)が、あっせん収賄の容疑で、30日、検察に逮捕されました。
検察によりますと、逮捕された崔時仲容疑者は、ソウル市内のトラックターミナルを再開発し大型ショッピングモールを作る流通団地施工会社の元代表から許認可の見返りとして、2006年7月から2008年2月まで13回にわたって合わせて8億ウォンを受け取っていたということです。
大検察庁中央捜査部は、30日、逮捕状を取り、特定犯罪加重処罰法上のあっせん収賄罪などの容疑で崔時仲容疑者を逮捕し、30日深夜、ソウル拘置所に収監しました。
崔時仲容疑者に適用された特定犯罪加重処罰法上のあっせん収賄罪は、懲役5年以下、または1000万ウォン以下の罰金刑に処すると規定されています。
検察は今後、金の使い道などについて具体的に捜査を進めることにしています。一方、崔時仲容疑者は、今月中旬に心臓血管手術を予定しており、拘束執行停止を申請する可能性が高いものとみられています。

・北韓が近く3回目の核実験を行うのではないかとする見方が広がっている中で、国連傘下の包括的核実験禁止条約機関が、北韓に対する24時間監視体制を取っていることを明らかにしました。
包括的核実験禁止条約機関は、1996年に国連で採択されたCTBT=包括的核実験禁止条約に基づき核実験の監視を行う国際機関です。
ただ、北韓は包括的核実験禁止条約に署名していません。
ムジェルブルク副スポークスマンは、1日、アメリカの自由アジア放送に対して、「核実験の兆候が見られる場合は、1時間以内に国連安全保障理事会と加盟各国に知らせる計画だ」と述べました。

・日米首脳会談が1日、ワシントンで行われ、両首脳は、北韓のさらなる挑発に対応するため両国が緊密に協力することで一致しました。
会談後の記者会見で、オバマ大統領は、「北韓がさらなる挑発を行った場合、政治的、経済的に孤立を深めることになる」として、「北韓が挑発行為で関心を引けば、国際社会が見返りをするといった古いパターンはもはや通用しないことを北韓は認識すべきだ」と述べ、北韓に対して自制を求めていく考えを強調しました。
ただ、北韓による3回目の核実験が迫っているとされる問題について、オバマ大統領は、「予測は困難だ」として慎重な姿勢を示しましたが、野田首相は、「北韓は過去にもミサイル発射後に核実験を強行しており、国際社会が声を合わせて北韓により一層の自制を促すべきだ」と強調しました。
こうした中で、2日と3日に中国北京で開かれる米中戦略対話で、北韓に影響力をもつ中国がどういった姿勢を示すかに関心が寄せられています。

・アメリカ太平洋軍司令部のサミュエル・J・ロックリア司令官は、ハワイ州で30日、会見し、北韓による3回目の核実験が迫っているとみられることについて、「北韓は、韓半島や北東アジアの安定に役立たないさらなる敵対・挑発行為を中止すべきだ」と述べ、北韓の新たな挑発に備えた警戒態勢に万全を期していることを明らかにしました。

・韓国と中国とのFTA=自由貿易協定の交渉に向けた準備が着々と進められ、両国は早ければ2日にも、交渉開始宣言を行うものとみられています。
韓国の政府高官は、1日、「先のソウル核サミットに合わせて行われた韓中首脳会談で両国の首脳が約束したとおり、韓国と中国は、今月初めにFTA交渉開始宣言を行う計画であり、早ければ2日にも、公式宣言を行うことになる」とする見解を示しました。
このため、外交通商部のパク・テホ通商交渉本部長が、1日に北京を訪れ、中国商務部次官と詰めの協議を行い、2日にも交渉開始宣言を行うことになる見込みです。この場合、上半期中にFTA締結に向けた韓国と中国の間の初めての交渉が行われる可能性が高いものとみられます。
中国との交渉がまとまれば、韓国は、アメリカ、EU、中国の世界三大市場とFTAを結ぶことになります。

・韓国、日本、中国の3か国とASEAN=東南アジア諸国連合の加盟10か国は、外貨が不足した場合に多国間で融通し合う協定「チェンマイ・イニシアチブ」の基金を2倍に増やすことで合意した模様です。
「チェンマイ・イニシアチブ」は、1997年に通貨危機を経験したアジア各国が2000年5月にタイのチェンマイで開かれたASEAN+3財務相会議で通貨危機に陥ったアジアの国に外貨を融通しあうことで合意した枠組みです。
日本経済新聞によりますと、韓日中3か国とASEAN10か国は、3日にフィリピンのマニラで開かれるASEANプラス3の財務相と中央銀行総裁会議で、チェンマイ・イニシアチブの融資枠を現在の1200億ドルから2倍の2400億ドルに増やす計画だということです。
そして、この融資枠のうち、IMF=国際通貨基金に依存せずに、13か国が独自の判断で利用できる基金枠を現在の240億ドルから再来年には最大960億ドルにまで拡大することにしています。

・アメリカのカリフォルニア州でBSE=牛海綿状脳症に感染した牛が確認されたことを受けて、アメリカ産牛肉の輸入停止を訴える市民団体のろうそく集会が、2日夜、ソウルの都心で開かれます。
「狂牛病危険監視国民行動」などアメリカ産牛肉の輸入に反対する市民団体は、30日、ソウル市庁前の清渓(チョンゲ)広場で記者会見し、大規模なろうそく集会を2日午後7時から清渓広場で開く計画を明らかにしました。
国民行動は、会見の中で、2008年に政府がアメリカ産牛肉の輸入を再開した際、国民に対して、アメリカでBSEが発生した場合、直ちに輸入を停止すると約束したにも関わらず、輸入停止はおろか、検疫停止でもなく、実効性のない検疫強化という手段で、国民を欺瞞しているとして政府を強く批判しました。

・5月1日のメーデーを迎え、ソウル都心では韓国の2大労働団体、民主労総=全国民主労働組合総連盟と、韓国労総=韓国労働組合総連盟などが行う記念行事や集会が相次ぎました。
民主労総=全国民主労働組合総連盟は、1万人が参加する記念集会を開き、政府に対して非正規職の撤廃と、公務員や大学教授、教師にも労働3権を保障することなどを求めました。
また、韓国労総=韓国労働組合総連盟は1日午前、ソウルの蚕室(チャムシル)総合運動場で、組合員1万2000人が参加してマラソン大会を開き、雇用の安定と創出を求めました。

・5月1日、メーデーは、韓国では「勤労者の日」と呼んでいます。
韓国では、1958年に韓国労総=韓国労働組合総連盟の前身の大韓労働組合総連盟の創立記念日である3月10日を「労働節」と決め、関連行事を行っていましたが、1963年に労働法の改正で名称を「勤労者の日」に改め、1994年からは記念日をメーデーと同じ5月1日に変更しました。
ただ、「勤労者の日」は、労働基準法上の休日であり、官公署の公休日に関する規定上の法廷休日ではないため、公務員をはじめ、教師は、正常勤務します。

・先月7日に開幕した韓国プロ野球のペナントレース、スポーツ記者団の投票による4月のMVPは、LGの内野手で4番打者のチョン・ソンフン選手(31)に贈られました。
チョン・ソンフン選手は、4月一か月間に、16試合に出場し、ホームラン7本、打率3割1分を記録していました。
ところで開幕から1か月が過ぎた現在、8球団の順位は、ロッテジャイアンツと斗山ベアーズが10勝5敗1分けで1位タイと並んでいます。
3位は、9勝7敗でSKが続いています。

・13人で構成された韓国の男性アイドルグループ「スーパージュニア」の曲が、台湾のKPOPチャートで100週連続トップの記録を作りました。
スーパージュニアの5枚目のアルバムタイトル曲「Mr.Simple」が、台湾のオンライン音楽サイト「KKBOX」4月第4週のKPOP週間チャートで1位を守り、去年8月第3週以来、37週連続のトップにつきました。
直前の8月第2週までは、4枚目のアルバムタイトル曲「美人」が、63週連続1位を占めていたことから、スーパージュニアの曲が「KKBOX」チャート史上最も長い100週連続トップを記録したことになります。
スーパージュニアは、今月12と13日には日本の東京ドームで、単独コンサートを開く予定です。