2011年ニュース

3月22日水曜日

・韓国と南米ペルーは21日、FTA=自由貿易協定に正式に署名しました。
外交通商部は、金宗壎(キム・ジョンフン)通商交渉本部長とペルーのペレイロス通商観光長官が21日、ソウルの外交通商部庁舎で両国間のFTA協定文に署名したと発表しました。
韓国とペルーとのFTAは、去年8月末に交渉が妥結、11月にペルーのガルシア大統領の韓国訪問の際に仮署名しており、残っている手続きは韓国国会での批准だけとなりました。
韓国はペルー向けに主に自動車、無線電話機、重化学工業製品を輸出し、鉱物資源と水産物、繊維原料など天然資源を輸入しています。
韓国側の手続きが終われば、60日後に発効することになっており、両国間のFTAが発効すれば、商用自動車の場合、現在9%の関税が即時撤廃され、3000CC未満の乗用車も5年後に関税がなくなります。
これで韓国が外国と締結したFTAは8つに増えましたが、このうち韓国経済に最も大きな影響を及ぼすとされるEUとのFTAは翻訳ミスが相次いで見つかり国会での批准に時間がかかっており、アメリカとのFTAは、アメリカ内での反発で再交渉したものの、アメリカ議会での政治的な葛藤が絡まって見通しが見えない状態です。

・東北関東大震災で4人目の韓国人の死亡が確認されました。
仙台で韓国人の安否を確認している外交通商部の迅速対応チームは、21日、宮城県名取市に在住の62歳の韓国人の死亡を、地元警察が仙台駐在韓国総領事館に伝えてきたと明らかにしました。
死亡が確認された男性は、日本の永住権を持っている韓国人で、この男性の息子が死亡を確認したということです。
これで今回の大震災で死亡が確認された韓国人は、朝鮮籍の在日韓国人を含めて4人となりました。

・政府は日本での巨大地震による原発災害を踏まえて、民間の専門家とともに韓国国内の原子力発電所を総合的に点検することを決めました。
教育科学技術部は21日、諮問機関の原子力安全委員会を開き、韓国で稼働中の21の原子力発電所と研究用の原子炉などすべての原子力施設に対して、民間専門家も加わって安全点検を行うことになりました。
中でも稼動して20年以上経っている9つの原発はさらに詳しく安全点検を行うとしています。
点検する内容は、大地震や津波、大型台風によって原発が停電し、炉心溶融につながる事故が起きた際の対策をはじめ、研究用原子炉の浸水、火災の防護体系、放射線の医薬品の備蓄現状などについてです。
政府と民間の専門家による点検チームは、今週23日からおよそ1か月間、施設の安全をチェックし、来月中にその結果を公開することにしています。

・日本の東北関東大震災による復旧と被災者への救護活動を支援するために韓国人から寄せられた義援金は募金1週間で187億ウォンを上回っています。
保健福祉部は21日午後6時現在、大韓赤十字社と社会福祉共同募金会を通じた義援金は総額187億7700万ウォン、日本円にしておよそ14億円に集計されたと発表しました。
大韓赤十字社と社会福祉共同募金会は先週14日から日本の大震災の復旧に向けた義援金を募っています。

・北韓と中国との国境地帯にある白頭(ペクトゥ)山の火山活動についての共同研究を提案してきた北韓に対して、政府は民間の専門家による協議を韓国で開催するよう修正提案しました。
北韓は先週17日、休火山とされている白頭山の共同研究や学術討論などの交流を行うよう韓国側に提案してきました。
これについて統一部は22日、韓国の気象庁長の名義で板門店の連絡官を通じて北韓の地震局長宛に通知文を送りました。
それによりますと、韓国は白頭山の火山活動と関連し、南北間で協力する必要性に共感を示したうえで、この問題は専門性と科学的な知識が求められていることから、南北の民間の専門家による協議を来週29日に韓国側の京畿道(キョンギド)汶山(ムサン)で開くよう提案しました。
統一部の当局者は「民間の専門家による協議のあと、当局間の協議が必要であったり、承認や支援が必要である場合は、当局間の接触を行う可能性がある」と述べており、今後の北韓の出方が注目されます。

・今週末の26日で、韓国海軍の哨戒艦「チョナン艦」が北韓の魚雷攻撃を受けて沈没した事件から1年になることから、脱北者団体が北韓にビラを散布するほか、ソウル市内では追悼祭が行われるなど、関連行事が相次いで開かれます。
北韓を脱出した人や北韓の人権保護のための団体など20あまりの市民団体は、今週25日と26日に西海の島、白翎(ペクリョン)島で北韓に向けて北韓体制を批判するビラなどを散布する計画です。
この行事をリードしている自由北韓運動連合のパク・サンハク代表は、北韓に近い西海の島・白翎島で、25日と26日に韓国海軍の哨戒艦を攻撃した北韓と、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長親子の贅沢な生活を批判する内容のビラ20万枚と動画像を入れたUSBなどを大型の風船につけて北韓に向けて飛ばすことにしています。 
一方、大規模な追悼祭が哨戒艦沈没事件1周忌となる26日にソウル市庁前広場で行われ、市民1万人あまりが参加する予定です。
また海外では北韓の人権保護関連の市民団体が22日から27日までに、アメリカのワシントンDCやニューヨークなどで哨戒艦沈没事件を起こした北韓を糾弾するパフォーマンスを行うとともに、25日には国連本部を訪れて、潘基文(パン・ギムン)事務総長に哨戒艦沈没事件を国際刑事裁判所に告発した資料と嘆願書を渡すことにしています。

・三星エンジニアリングは、中東のサウジアラビアでおよそ28億ドル規模の複合プラント団地の建設を設計から引き渡しまで一括して行うターンキー方式で受注しました。
三星エンジニアリングは現地時間で21日、サウジアラビアの国営石油会社アラムコ(Aramco)との間で27億6000万ドル、日本円にしておよそ2200億円規模のガス・オイル複合団地プロジェクトを受注し、契約を結んだと22日、発表しました。 
このガス・オイル複合団地の建設計画は、1日に75万バーレルの原油を生産し、24億立方フィートのガスを処理、20万バーレルの天然ガス液(NGL)を供給する大規模のプラント団地を2014年6月までに完成させるプロジェクトで、サウジアラビアの石油化学産業の安定的な原料確保に向けた事業としてサウジアラビア南東のシャイバー地域に建設するものです。
三星エンジニアリングはこの建設事業に設計から調達、施工、試運転にいたるすべての過程を一括して背負うという、サウジアラビアでは初のターンキー方式で受注しました。

・アメリカの世界的な投資家で投資持ち株会社のバークシャー・ハサウェイの会長をつとめるウォーレン・バフェット氏は、韓国を訪問し、南北が緊張している中でも韓国への投資を続ける考えを示しました。
バフェット氏は、投資している大邱(テグ)の工作機械メーカー・テグテックの第2工場の着工式に出席するために韓国を訪れたもので、2007年以来、2度目の訪韓です。
バフェット氏は21日、着工式でのあいさつで「自らが所有している海外の企業を2度も訪れたのはテグテックが唯一だ。工場の着工式はスタートに過ぎない」と述べて、今後、さらに投資を行う考えを示唆しました。
またその後の記者会見では、「ポスコなど韓国の数社に投資を続けている。韓国は平和が感じられ、事業や投資を減らすと判断されるようなものはない」と強調し、今後も投資を続ける考えを示しました。
バフェット氏はその後、大統領府・青瓦台を訪れ、李明博(イ・ミョンバク)大統領と会い、世界経済の動向や寄付文化などについて意見を交換しました。
李大統領はこの席で「バフェット氏の活発な寄付活動は韓国の企業に模範になっており、企業の社会的な責任についても考えさせられるきっかけになった」と述べました。
これについてバフェット氏は、「次の株主総会の際に韓国での成功ケースを紹介する予定で、韓国は有望な製造業の国家であると同時に、有望な市場である」と評価しました。

3月21日月曜日

・李明博(イ・ミョンバク)大統領は、「あらゆる国政で国民の安全を最優先にする原則を今後とも徹底していく」という考えを明らかにしました。
李明博大統領は21日、定例のラジオ演説を行い、日本の東北関東大震災や福島第一原発の事故を踏まえて、「本来、人間生活の便利と安全をはかるための科学技術が、逆に人間の安全を脅かしている、現在の危険な社会状況を克服し、国民の安全を守ることこそが国がやるべき基本であることを痛感している」と語りました。
そのうえで李明博大統領は、今回の福島第一原発事故が韓国に悪影響を及ぼすのではないかと懸念する声が一部で持ち上がっていることについては「根拠のないうわさに惑わされてはならない」と述べ、韓国の原子力発電所の安全管理をさらに徹底していく考えを示しました。
また李明博大統領は、今回の災害に対処する日本国民の市民意識やメディアの報道ぶりは、われわれに示唆を与える点が大きいと述べました。

・東北関東大震災で死亡が確認された韓国人は、朝鮮籍の在日韓国人を含めて3人となりました。
外交通商部は20日、宮城県に住む30代の韓国人女性の死亡を確認しました。この女性は日本人男性と結婚し、宮城県石巻市に居住していましたが、20日、宮城県国際交流協会から石巻総合体育館に遺体を安置してあることを知らせる連絡があったということです。
これで東北関東大震災による韓国人犠牲者は、14日に茨城県の工事現場で墜落死した韓国人男性1人と、朝鮮籍の在日の男性1人を含め、合わせて3人となりました。
一方、仙台総領事館や韓国から応援派遣された外交通商部職員ら10人あまりで構成される政府迅速対応チームによりますと、20日午後5時までに総領事館に届出があった行方不明者1019人のうち、978人の安否が確認されたということです。
しかし津波の被害がとくに大きかった海岸沿いに住む20世帯70人あまりの韓国人の安否はまだ確認できていません。

・福島第一原子力発電所からの放射性物質による汚染を懸念する韓国の消費者の声を受けて、韓国の流通業界では日本産スケトウダラの輸入を見合わせる会社が相次いでいます。
大手スーパーのロッテマートは、ほぼ全量を日本から輸入しているスケトウダラを22日から販売しない方針を明らかにしました。
ロッテマートの関係者は、「通関の際に安全は確認されているが、不安を抱く消費者の心理があるため、22日から当分の間は輸入を見合わせる」と話しています。
また新世界百貨店は、すでに地震直後から日本の水産物の輸入を中断しており、「韓国政府の放射性物質精密検査態勢が整った後で、輸入再開を検討する」としています。
しかし大手スーパーのホームプラスは、「日本から輸入するスケトウダラは、福島第一原発事故の現場から遠く離れた北海道近海で獲れたものであり、放射性物質による汚染はあり得ない」として、今後も販売を続ける方針です。

・東北関東大震災から11日目を迎えた21日、中断していた日本の東北地方と北海道への郵便物の受け付けが、韓国の全国の郵便局でほぼ一週間ぶりに再開されました。
知識経済部の郵政事業本部は、日本の郵政省から郵便物の配達が可能になったという電文が送られてきたことから、先週14日から中断していたこの地域への郵便物の受け付けを、21日、一週間ぶりに全国の郵便局で再開しました。
受け付けが再開されたのは、北海道、青森県、秋田県、岩手県、宮城県、山形県、福島県、茨城県などで、航空便と船便のいずれも可能になりました。

・日本の東北地方の巨大地震が、韓国の地震活動に影響を及ぼす可能性は今のところ極めて低いと、気象庁が21日、明らかにしました。
アメリカ地質調査所のまとめによりますと、11日の東北関東大震災の後、21日午前8時までの間に、日本ではマグニチュード7から8の大きな地震が3回、それに次ぐマグニチュード6から7の地震が36回、そしてマグニチュード5から6の地震が298回、合わせて337回もの余震が起きています。
韓国の気象庁は、これらの余震による韓国への影響はなかったとして、今後も韓国の地震活動に影響を与える可能性は極めて低いと分析しています。

・気象庁は、今回の日本の地震を機会に、地震の早期警報システムを2020年までに構築するとともに、中国と北韓の国境に位置する白頭山の噴火に備えたマニュアルを作るなど、地震業務の先進化を急ぐことになりました。
気象庁が21日、発表したところによりますと、現在の態勢では、地震が発生してから速報の発表まで2分程度かかりますが、2020年までにこれを10秒以内に短縮し、地震発生後、直ちに地震についての情報を速報で出せるように態勢を整えることにしています。
気象庁はまた、最近、中国の火山学者が数年以内に噴火する可能性を提起した中国と北韓の国境に位置する標高2750メートルの白頭山の火山活動についての危機管理マニュアルを設け、遠距離からの監視能力を強化することになりました。

・リビアのカダフィ政権に対して軍事行動の即時停止を義務づけた国連安全保障理事会の決議を受けて、多国籍軍によるカダフィ政権への空爆が続いていることから、韓国政府はリビア滞在の韓国人の現地残留をとりあえず許可することになりました。
外交通商部のミン・ドンソク第2次官は21日、与党ハンナラ党との政府与党連絡会議で、リビアには、現在、韓国人労働者118人が残留しており、いまのところ被害は受けていないとして、安全対策がしっかりしている企業と労働者に限って、現地残留を許可する方針を明らかにしました。
しかし安全に問題があるとみられる労働者については、隣国のエジプトやチュニジアの大使館と協力して即刻、国外に退避させるとしています。
政府は、現在、リビアを旅行禁止国に指定しており、今後一か月間はリビアへの行き来ができなくなっています。

・国防部は兵役義務の中で、当初、来年2012年に廃止する予定だった、産業技能要員や義務警察官などの代替服務制度を、2016年以降に先送りする方針を決めました。
韓国では満18歳以上の男性に義務化されている兵役で、軍の兵士以外にも兵役の代替として警察官や消防士として一定期間勤務する制度があります。この兵役義務の期間を2014年まで段階的に6カ月短くして18カ月にする案が去年の国会に提出され、その方向で調整が進められていましたが、このほど、現状の21カ月に凍結することが最終的に決まりました。このため国防部は、当面は兵力不足の心配がなくなったとして、代替服務制度の廃止時期を先送りすることになったもので、2016年以降については、兵士の需給見通しを見ながら2014年末までに決めることになりました。
これによって来年から2015年までの4年間は、義務警察官、海洋警察官、義務消防士、産業技能要員の、合わせて2万人あまりの代替服務ができることになりました。
しかし、現役で陸軍に入隊した後、強制的に警察庁所属の警察官になるデモ鎮圧の戦闘警察官については、不祥事の多発など問題が起きていることから、計画どおり来年から廃止することになりました。

・漁船のエンジンの故障で延期になっている、韓国に入ってきた北韓住民27人の送還が、再び先送りされることになりました。
統一部のチョン・ヘソン報道官は21日、北韓住民が乗ってきた漁船のエンジンの修理がまだ終わらないため、21日中の送還は困難だと明らかにしました。チョン・ヘソン報道官は、「北韓住民27人が安全に帰れるよう完全に修理したうえで、気象状況を考慮してできるだけ早く送還日程を決める」と話しています。
先月5日、漁船で韓国西海岸に南下してきた北韓住民31人について、韓国政府は当初、亡命を希望した4人を除く27人を先週17日に西海岸の海の軍事境界線にあたる北方限界線で北韓側に引き渡す計画でしたが、壊れている漁船のエンジンの修理に時間がかかり、送還を21日に延期していました。

・今年に入って事故や故障が相次いでいる高速鉄道KTXで、今度は釜山駅を発車してまもなくの列車が、トンネルの中で立ち往生する故障がありました。
20日正午に釜山(プサン)駅を出発したソウル行きのKTX130号は、13分後に釜山金井(クムジョン)トンネルの中で、スピードが出なくなって時速が160キロ以下に落ち、結局は停車してしまいました。
このトンネルは韓国で最も長い20.3キロに及ぶトンネルで、本来は、出発後10分以内に営業運転速度の時速300キロになるはずでした。しかしKTX130号は時速160キロ以上にスピードを上げることができませんでした。このため乗客500人は暗いトンネルの中で不安な数分間を過ごしたあと、列車は釜山駅に逆戻りし、乗客500人は別の列車に乗り換えてソウル駅に向かいましたが、ソウルには1時間ほど遅れて到着しました。
韓国鉄道公社は、「スピードを時速300キロに上げようとした瞬間に出力が急に下がった」と説明して詳しい原因を調べています。
同じようなKTXの走行中の出力低下は、2月26日に韓国製の新しいKTXの山川号でもありました。

3月19日土曜日

・日本の巨大地震からきょう19日で9日目を迎えましたが、被災地に住む韓国人233人の安否は依然として確認できていません。
先週11日の地震発生後、仙台の韓国総領事館に届出があった韓国人の行方不明者は960人あまりにのぼりました。
このうち730人については安全が確認されましたが、いまだ連絡が途絶えたままの韓国人は233人にのぼっています。
14日に死亡が確認された朝鮮籍の在日韓国人を含む2人以外に死亡者の確認もできていません。
所在の分からない233人の中には、津波の影響が出た東北部の海外沿いに住む22世帯、70人あまりが含まれており安否が心配されています。
外交通商部は現在、10人あまりの職員らで構成した迅速対応チームを中心に地域ごとの避難所に韓国人がいるかどうかについて確認を行っています。
また日本政府と協力して犠牲者の中に韓国人が含まれていないかどうかについても把握を急いでいます。

・日本の巨大地震の被災地で救助活動を行っていた韓国のレスキュー隊全員が19日、仙台から新潟に移動しました。
外交通商部の関係者は19日、「仙台で救助を続けていたレスキュー隊員107人のうち31人が、19日午前、バスに乗って仙台を出発し、午後には新潟にいる本隊と合流する予定だ」と明らかにしました。
レスキュー隊員76人はすでに18日午後、新潟に移動しています。
政府関係者は、レスキュー隊員が仙台を離れ新潟に移動したのは、日本政府から要請を受けた仙台での任務が事実上終了したからだとしており、救助任務をさらに継続するかどうかについては、日本政府と協議して決めるとしています。

・韓国の法務部は、福島原発事故で本国に帰国する日本居住の外国人が韓国を経由または臨時滞在できるよう出入国の支援に乗り出しています。
法務部によりますと、今週16日から、駐日カナダ大使館が発行した緊急旅行証を持った外国人の韓国への一時入国を許可しているということです。
またビザ無し入国が認められていない中部アフリカ・ガボン共和国国籍の在日本ガボン大使館職員とその家族について、入国手続きを簡素化し仁川(インチョン)空港を経由できるよう便宜を図りました。
法務部は、今回の東北関東大震災直後、地震や原発事故による被害復旧が完了するまで、日本国民が東京の韓国大使館や地方の総領事館で韓国訪問ビザをもらう場合、必要な書類を省略するとともに、韓国在住の日本人長期滞在者が出国後、韓国に再入国する際、ビザの有効期間が過ぎていても新たにビザを取らず、前の滞在資格で再入国できるよう便宜をはかる方針を決めていました。

・日本の福島第一原発事故を受けて、韓国国民の間でも国内の原子力発電所の安全に対する不安が高まっていることから、政府は、20年以上経過した原子炉9基についてまず重点的に点検する方針です。教育科学技術部のホン・ナンピョ原子力安全局長は18日、国民の不安を解消するためできるだけ早い時期に韓国にある4つの原子力発電所21基の原子炉すべてについて安全点検を実施すると明らかにしました。
このうち9基については使用年数が20年以上経過しており、最悪の災害の中でも異常を起こす可能性がないかどうかを来月末までに重点的に点検する方針です。点検の結果、精密診断が必要と判断されれば、原発の稼動そのものを中止することも検討するとしています。
今回の点検に当たっては、従来の安全規制機関である原子力安全技術院と、原発事業者の韓国水力原子力株式会社のほかに、民間の複数の専門家を含めて総合点検団を構成する予定です。
詳しいことは、週明けの21日午後に、原子力安全委員会を開いて正式に決めることにしています。

・当初、きょう19日午後、韓国人130人を乗せて福島空港を出発し、仁川(インチョン)空港に到着する予定だったアシアナ航空便が急遽取り消しになりました。
アシアナ航空は、福島第一原発事故で乗務員の安全が憂慮されることからこの航空便を急遽、羽田発に変更したと明らにしました。
このため福島空港で搭乗する予定だった韓国人乗客はバスで羽田まで移動し、今夜11時半に羽田空港を出発、明日20日午前1時半に仁川空港に到着する予定です。
一方、大韓航空も、日本在住の韓国人の帰国のため羽田空港と成田空港に臨時便5便を出して1300人の韓国人乗客を運ぶことにしています。
大韓航空によりますと、きょう日本を出発し韓国に到着する定期便10便も座席がほぼ満席になっているということです。

・李明博(イ・ミョンバク)大統領は18日午後、ソウルの駐韓日本大使館に設けられた弔問所を訪れ、東北関東大震災で犠牲になられた方々の冥福を祈るとともに、日本国民にお見舞いのことばを伝えました。
李明博大統領はこの日、日本大使館1階の弔問所を訪れ、故人の冥福を祈った後、芳名録に「日本はきっと早く復興すると確信しており、最も近い隣国、韓国が力になります」と書き込みました。
これに先立って金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官も18日午前、駐韓日本大使館を訪れて弔問しました。

・韓日中3か国の外相会談が予定通りきょう19日、日本の京都で開催されます。
会談には、韓国の金星煥(キム・ソンファン)外交通商部長官、日本の松本剛明(まつもと たけあき)外相、中国の楊潔チ外相が参加し、東北関東大震災の被災地への物資の供給を迅速に行う態勢づくりや、福島第一原発事故を受け「核の安全」に向けた共同対応について協議するものとみられます。
また今年5月に予定されている第4回韓日中3か国首脳会談の議題を調整するとともに、北韓のウラン濃縮計画についての対応や6か国協議の再開についても意見を交わすものとみられ、結果が注目されます。

・日本の松本外相が韓国政府と国民の支援に重ねて感謝の意を表明しました。
松本外相は18日午後、就任を祝うため訪れた韓国の権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日大使に対して、「韓国政府のみならず多くの韓国国民が日本に対する支援の意思を伝えてきていることに心から感謝している」と述べました。
松本外相はまた、「韓国の支援は日本国民に大きな勇気を与えており、韓国と日本は強い絆で結ばれた近くて近い国であることを痛感している」と述べました。

・アメリカは、福島第一原発事故をめぐる日本政府の情報を信用せず独自で情報収集に乗り出したと、アメリカのウォールストリートジャーナルが18日報道しました。
それによりますと、アメリカ政府は福島第一原発事故の初期段階での日本政府の未熟な対応や、事故をめぐる正確な情報を公開しないことに苛立ちをみせ、日本の上空に偵察機を送り直接情報収集に乗り出しているということです。
現在、福島上空には、アメリカの無人偵察機とスパイ偵察機U2が偵察飛行を続け、被害状況を観察しています。

・政府は、国連安全保障理事会がリビア上空への飛行禁止区域設定を承認したことを受けて、リビアに残留している韓国人を緊急退避させることを検討しています。
国連安全保障理事会は17日、リビア上空への飛行禁止区域設定を承認し、市民を守るために「あらゆる必要な措置」を講じると表明しました。
これを受けて韓国政府は18日夜、緊急関係長官会議を開き、国連による軍事作戦がすぐに展開されることはないにしてももしもの場合に備えて、リビアにいる韓国人を緊急退避させられる計画を点検するとともに、交戦予想地域に在住する韓国人に対しては安全な地域に移動するよう勧告することにしました。
現在、リビアに残留している韓国人は、トリポリに68人、ベンガジに26人など合わせて116人に上っています。

・ソウルをはじめ中部地方に19日正午、今年初めての黄砂注意報が出されました。
気象庁によりますと、19日、モンゴル東部の北満州地域で発生した黄砂が、上空の強い北西の風に乗って南下してきたため、19日正午に、ソウル首都圏や、忠清南道(チュンチョンナムド)に黄砂注意報を出しました。
現在、ソウルや、京畿道(キョンギド)水原(スウォン)市、忠清南道(チュンチョンナムド)天安(チュンアン)市などの微細チリの濃度は、普段の4倍から最大で10倍となっています。
気象庁は、この黄砂は明日20日まで続くものとみており、また明日日曜日は全国の広い範囲で午前中、雨が予想されることから、黄砂雨となるところもあるとして、注意を呼びかけています。

3月18日金曜日

・韓国政府は、日本の福島原子力発電所の事態が悪化した場合、軍用機などを利用して韓国人の撤収を図ることにしました。
外交通商部のミン・ドンソク次官は18日、国会の日本地震対策特別委員会に出席し、福島原子力発電所で緊急な事態が発生した場合、軍用機や海洋警察庁の警備艇などを使って韓国人を撤収させる計画だと語りました。
また、それとは別に、韓国へ帰国する人たちのために、国土海洋部及び航空会社と協議を進め、増便も検討していると説明しました。
さらに、原子力発電所周辺の半径80キロ以内にいる韓国人に対して退避を勧告しており、半径30キロ以内の韓国人はすでに退避済みで、半径80キロ以内にいる韓国人10人についてはいつでも退避できる準備を整えておくよう勧告したと説明しました。
韓国政府は、17日から半径80キロ以内の韓国人に対して退避を勧告していますが、18日からは80キロより外の地域にいる韓国人についてもできるだけ安全な地域へ退避するよう勧告しています。
韓国政府が迅速対応チームを派遣している仙台総領事館には韓国人963人の安全を確認する要請がありましたが、18日朝まで730人の安全が確認され、231人は連絡がつかず、1人は死亡が確認されたということです。
一方、韓国政府は、日本の被災者のために19日にチャーター機で毛布2000枚、飲み水100トンを送ることにしています。

・日本から帰国する韓国人のための臨時の航空便の運航が増えています。
大韓航空は17日、成田と仁川国際空港の間で予定していた臨時便3便を5便に増やして運航しましたし、18日から20日までは毎日3便ずつ臨時便を運航することにしています。
より多くの乗客を乗せるために、臨時便はすべて335席以上の大型機を運航するということです。
また、羽田と仁川、秋田と仁川の間で運航されている便については、187席の機種を280席以上の機種に替えて運航することにしました。
アシアナ航空も17日に成田と仁川の路線で臨時便1便を運航し、18日には羽田と仁川の路線で2便、成田と仁川の路線で1便、合わせて3便の臨時便を運航することにしています。
アシアナ航空も通常の便については座席が多い機種に替えて運航しています。

・韓国政府は日本で救助活動に加わっている韓国の救助隊のために放射線専門家を派遣することにしました。
教育科学技術部によりますと、韓国原子力安全技術院の関係者が18日午後に日本に向けて出発するということです。
放射線専門家の派遣は、日本で救助活動に加わっている韓国の救助隊の安全を確保するために消防防災庁が要請したもので、救助隊の放射線汚染などをチェックすることにしています。
韓国の救助隊は、107人が福島原子力発電所から120キロほど離れた仙台市付近で救助活動に加わっています。

・救援物資を載せたフェリーが18日、釜山港から日本に向かって出発しました。
このフェリーは釜山と大阪を行き交うサンスタードリーム号で、釜山市と釜山商工会議所、釜山キリスト教連合が準備した毛布など合わせて3億ウォン相当と、サンスタードリーム号の船社のパンスターラインが準備したラーメン500万ウォン相当を積んでいます。
物資の船積みを見守った釜山市などの関係者は、「私たちの真心が日本の人たちに伝わり、少しでも助けになればいい」と語っていました。
この他、全国災害救護協会とキリスト教の救世軍が、救急救護セットをはじめ、衣類や飲み水、毛布などを、19日に釜山港から船で日本に送る計画です。
この救援物資は東京にある日本の救世軍を通じて被災者に伝えられる予定です。

・大韓赤十字社は18日、在韓日本大使館から日本に対する民間部門の支援を総括してくれるよう要請を受けたと発表しました。
大韓赤十字社によりますと、在韓日本大使館の水越英明公使が大韓赤十字社を訪れ、キム・ヨンヒョン事務総長に会い、市民団体や企業など、民間部門の日本に対する義捐金や支援物資を大韓赤十字社が総括して、日本の赤十字社に伝えて欲しいと要請したということです。
これに対してキム・ヨンヒョン事務総長は、日本に対する支援がより効率的に進められるよう積極的に協力したいと答えたということです。

・日本の植民地時代に従軍慰安婦にされた韓国人女性の集まりである挺身隊問題対策協議会は、日本の被災者を助けるための募金運動をすることにしました。
挺身隊問題対策協議会によりますと、募金運動は元従軍慰安婦だった女性たちの提案で決まったもので、来月末まで募金運動を続けるということです。
また、挺身隊問題対策協議会は、毎週水曜日にソウルの日本大使館の前で元従軍慰安婦だった女性たちが中心になって開いている、日本政府の公式謝罪と賠償を求める集会を、当分は地震の犠牲者を追悼する集会として開くことにしました。
水曜集会は1992年1月から始まり、これまで1回も欠かさず毎週水曜日に開かれましたが、追悼集会に変更されたのは1995年の阪神大震災以来のことです。

・国会の文化体育観光放送通信委員会は17日、大統領が次期委員長に指名した放送通信委員会の崔時仲(チェ・シジュン)委員長の人事聴聞会を行いました。
崔時仲委員長は2008年3月に委員長に就任、今年で3年の任期を終えますが、李明博大統領が再び委員長に指名しました。
人事聴聞会では、日本の地震と関連して、災害時の放送についての質問や注文が相次ぎました。
文化体育観光放送通信委員会は18日に全体会議を開き、崔時仲委員長に対する人事聴聞会の経過報告書を採択する予定ですが、野党民主党は、不動産投機や長男に対する財産の違法な贈与などの疑惑が解消されていないなど道徳性に問題があるとして、報告書の採択に反対しており、与野党の対立が予想されます。

・北韓が、中国との国境地帯にある白頭山について、韓国との共同研究を提案してきました。
統一部が明らかにしたところによりますと、北韓は17日、地震局長の名義で、休火山とされている白頭山の共同研究や学術討論会の開催など、協力を進めることを提案する通知文を、韓国の気象庁長宛に送ってきたということです。
白頭山は946年に大規模な噴火を起こし、1688年、1702年、1903年に小規模の噴火を起こした後、現在は休火山とされていますが、最近、2014~15年にかけて再び噴火する可能性が高いという指摘が出ており、韓国の気象庁は今月初め、白頭山の火山活動と関連して、万一の噴火に備えた総合対策を発表しています。
韓国政府は北韓のこうした提案について、南北の協力が必要な部分だという認識の下に前向きに検討したいとしており、近くこの問題と関連して南北当局間の協議が行われる可能性が高いと見られています。

3月17日木曜日

・李明博(イ・ミョンバク)大統領は17日、日本の東北関東大震災と関連し、「日本が必要とするものを優先的に支援したい」と述べました。
これは、この日開かれた、ハンナラ党の安商守(アン・サンス)院内代表との月例会合で述べたもので、李明博大統領はまた、「ハンナラ党や議会でも、インターネットなどを利用して個人的に日本の議員と連絡を取って支援し、慰めの言葉をかけたらいいと思う」と述べました。
李明博大統領はさらに、このほど日本の菅直人首相と電話で話した内容を紹介しました。
それによりますと、李明博大統領が「韓国は最も近い隣国だ。韓国が厳しい状況にあれば、おそらく日本が一番先に飛んでくるはずで、同じく日本が苦しいときに韓国が助けるのは当たり前のことだ」と述べ、これに対し、菅首相は厚く感謝の言葉を述べたということです。

・日本で巨大地震が起きてから連絡が途絶していた石巻市に住む韓国人5人が救助されました。
日本の被災地に派遣されている韓国政府の迅速対応チームは16日、宮城県石巻市で孤立していた50代の女性のほか、この女性の親戚など韓国人5人を救助したと明らかにしました。
5人は、11日に地震が発生するとすぐに近くの日本人の家に避難し、そこで日本人8人と一緒に過ごしていたということです。
石巻市のこの地区では、津波でまち全体が破壊され、道路が寸断されて孤立状態となり、地震発生後6日間連絡が途絶えていました。
韓国政府の派遣した迅速対応チームが自国民を救助したのは今回が初めてです。

・福島第一原発の放射能拡散への不安から、一部の国では自国民に対し東京や該当地域からの退避勧告を出す動きが出ているなか、韓国政府は、韓国人への退去勧告についてきわめて慎重な姿勢を示しています。
これは、現地在住の韓国人の安全を最優先させるという原則に変わりはないものの、放射能の被害に関する科学的・客観的根拠が不十分な状況で、軽率に自国民の退去を勧告した場合、外交的に大きなマイナスになる懸念があるためです。
このため、放射能の被害に関する日本政府の公式発表や主要国の動向を総合的に考慮し、韓国人の退去勧告を検討する方針です。
外交通商部の当局者は17日、「いまのところ、政府としては韓国人の退去や待避を勧告することは検討していない。状況をさらに見守る必要がある」と述べました。
一方、これに先立ち、イギリス外務省は16日、東京に住む自国民に東京を離れるよう勧告しており、スイス政府も同じような内容の退去勧告を出しました。
また、ロシア外務省は、18日から大使館の職員の家族や領事館、企業、政府機関の職員が東京を退去すると発表しています。
アメリカやドイツ、フランスなども自国民に対して旅行自粛や退去勧告を出しており、中国も大使館職員とその家族に対する退去勧告を検討しているもようです。

・政府は17日、福島第1原子力発電所からの放射性物質の漏れが韓国に与える影響は全くないと明らかにしました。
教育科学技術部の金昌経(キム・チャンギョン)第2次官はこの日、民主党幹部の政策会議に出席し、福島第1原子力発電所から最も近い蔚珍(ウルジン)と鬱陵(ウルルン)島では環境放射線量に異常な兆候はなく、平常の水準を維持している」と報告しました。
金昌経次官は、日本からの韓国入国者による放射性物質汚染の可能性に備え、17日から金浦(キンポ)空港と仁川(インチョン)空港に放射線探知器を2台ずつ設置し、検査を行っていると明らかにしました。
また、釜山(プサン)港などにも放射線探知器を設置したほか、携帯用放射線測定器7-80台を全国の空港と港湾に配置して安全を図るということです。
会議に出席したチョ・ソクジュン気象庁長は、「日本で漏れた放射性物質が韓国まで到達するためにはジェット気流に乗らなければならないが、ジェット気流は偏西風によって常に太平洋に向かって流れており、この方向が変わる確率は昼と夜が入れ変わる確率よりも低い」と強調しました。

・今月末に予定されている日本の教科書検定と関連し、金滉植(キム・ファンシク)国務総理は日本と韓国の「成熟した対応」を強調しました。
金滉植国務総理は16日、証券会社で行われた文化経済フォーラムに出席し、「3月末に日本で教科書検定が行われるが、独島(ドクト)を日本の領土と主張する内容が含まれる可能性が高い。日本が危機状況のなかで穏便にことを運んでほしいというのが私たちの希望だが、そうならなかった場合でも我々は成熟した姿勢で対応できればと思う」と述べました。
金滉植国務総理のこうした発言は、巨大地震で大きな被害を受けた日本を支援しようとする動きが韓国で広がっているなか、独島の領有権を主張する歴史教科書が日本政府の検定を通った場合、両国関係が急激に冷え込む可能性があることを懸念してのものとみられます。
日本が予定通り3月末に教科書検定を行うかどうかはまだわかりませんが、日本は毎年3月末を前後して検定が終わる中学校の歴史教科書に「竹島は日本の領土」という主張を載せてきました。

・日本の東北部を襲った巨大地震と津波の被害を取材するため、韓国のメディアは記者を急きょ派遣するなど報道に総力をあげています。
放送局と新聞社は、地震のニュースが伝えられた11日から、日本語のできる記者を中心に特別取材チームを構成し、現地に派遣しています。
KBSは、28人の取材陣を派遣し、岩手県や宮城県、東京など5つの地域を中心に取材を行っており、SBSは特派員2人のほか、カメラマンと記者20人を仙台など被災地に派遣しています。
朝鮮日報は、地震発生直後、6人の記者で構成された特別取材チームを立ち上げ、日本に派遣し、中央日報も記者5人、カメラマン1人で特派員団を構成し、現地に派遣しています。
中央日報のある関係者は、「日本で特派員を務めたことがある人や研修を受け、現地での取材が可能な人を中心に特派員団を構成した。このように大規模な海外特派員団が構成されたのは初めて」と話しています。
韓国日報のある編集局長は、「2008年の中国四川省地震のときは、新聞の紙面を3面ほど割愛したが、日本は韓国と色々な面で緊密な関係にあり、10面、11面ほどを割いて地震関連情報を報道している」と話しています。
地震発生後すぐは、安否を気遣う大量の電話が錯綜し、一時電話が不通になったり、インターネットも不安定になるなど、記事の送稿にも困難がありましたが、15日からはほぼ正常化しているということです。
また、放射性物質漏れで健康への影響も心配されるなか、取材陣は現地で応急薬や安全装備を手に入れ、福島第1原発と第2原発の制限区域の外側で取材に当たっているということです。

・北韓住民27人の送還が、漁船の故障で延期になりました。
政府は17日、この日午前9時10分ごろ、板門店(パンムンジョム)連絡官を通じて「北韓船舶の故障で17日の送還は難しく、送還の日程をまた通知する」と北韓に伝えたと明らかにしました。
北韓住民が乗っていた船舶は、エンジンが破損した状態で見つかり、エンジンを取り替えていますが、この日の運航は無理だと最終的に判断したということです。
政府当局者は、「何より安全な送還が重要だ。船舶の修理が終われば、気象状況を考慮して送還日程を決め直し、北韓に通知する」と話しています。
政府は、住民と漁船を同時に送還するため、北韓住民27人を彼らが乗っていた船舶に乗せて、この日午後1時ごろに西海延坪(ヨンピョン)島付近の北方限界線で北側に引き渡す予定でした。

3月16日水曜日

・日本では、東北関東大震災の影響で被害を受けた福島の原子力発電所で、放射能漏れの懸念が高まっていますが、韓国は、日本に対し、原子炉の冷却に欠かせないホウ素の緊急支援を行うことにしました。
知識経済部が16日明らかにしたところによりますと、日本政府が、15日、ホウ素数十万トンを緊急に支援することを要請したということです。
ホウ素は中性子を吸収し、核分裂を抑制するため、原子炉の冷却に欠かせない物質です。
日本では、福島にある原発の爆発や破損が連鎖的に発生していますが、新たな爆発を防ぐためには、大量のホウ素が必要だとされています。
これについて知識経済部の崔重卿(チェ・ジュンギョン)長官は、日本への支援策を話し合うために15日開かれた官民合同対策会議で、「韓国の在庫が足りない状況になるとしても、まずは日本にホウ素を緊急支援しなければならない」と述べたということです。
韓国の原発事業に当たっている韓国水力原子力は、これを受け、一日でも早く日本にホウ素を支援する方針だということです。
一方、日本では、今回の巨大地震で原発や製油施設が破壊されたため、発電用の燃料や石油製品が不足しており、韓国の製油会社にガソリンや灯油などの支援要請が届いているということです。
各製油会社は、これを受け、最大限の支援のために対策を検討しています。

・東北関東大震災で被害を受けた福島県には、韓国人およそ1800人が滞在していることが確認されました。
日本で被害にあった韓国人のサポートに当たっている外交通商部のイ・スジョン迅速対応チーム長は、15日、仙台の韓国総領事館で記者会見し、「福島県には、朝鮮籍も含めた在日韓国人1700人や、留学生、企業関係者100人など合わせて1800人の韓国人が滞在していることが確認されている」と述べました。
日本政府は、放射能漏れを懸念して福島第一原子力発電所の半径20キロ以内の住民には避難するよう求めているほか、半径20~30キロ以内の住民には外出を控えるよう求めています。
これについてイ・スジョンチーム長は、「避難勧告が出されている地域にどれほどの韓国人がいるかはまだはっきりしていないが、ほとんどの韓国人がすでに避難しているものとみられる。現在は、在日本大韓民国民団などの協力を得て韓国人の安否を確認しているが、まだこの地域での被害は報告されていない」と説明しています。
迅速対応チームは、また、仙台市に滞在する韓国人について、韓国総領事館の車両で146人を近所の新潟県と秋田県に避難させたと、16日発表しました。
これによって、仙台市に滞在していた韓国人のうち合わせて214人がこれまでに仙台市から避難しました。
迅速対応チームは、今後も帰国か他の地域への避難を求める韓国人に車両を提供する方針です。
また、大韓航空も、韓国人の避難を助けるため、航空便を増やす計画を15日発表しました。
一方、韓国のレスキュー隊は、16日午前、宮城県塩釜市で救助活動を始めました。

・韓国ではこのところ物価の高止まりが続いていますが、日本の東北関東大震災によって物価がさらに上昇する可能性が高いという懸念が高まっています。
去年の韓国の貿易額のうち、日本からの輸入が占める割合はおよそ15%で、643億ドルで、中でも部品・素材部門の輸入額は全体の25.2%と高くなっているため、専門家らは今回の日本の大地震が韓国の物価上昇にも大きな影響を与える可能性が高いという懸念を示しています。
三星経済研究所のチョン・ホソン首席研究員は、16日、「不安定な中東情勢による原油高や口蹄疫の拡大などによって、このところ韓国国内の物価は高止まりしているが、今回の日本の大地震の影響で、復旧作業や電力供給のために原油の需要が増え、原油高につながる可能性が高いとみられる。そうなれば、物価がさらに上昇する可能性が高い」という見方を示しました。
また、現代経済研究院のキム・ドンヨル首席研究委員は、「自動車、造船、鉄鋼などの製造業界は、日本製の部品に頼る依存度が高いため、需給に問題が生じれば、全体的な物価上昇につながる可能性が高い」と説明しています。

・消防防災庁は、16日、日本の東北関東大震災と関連して、耐震性の高い公共施設の割合を増やしていく計画を示しました。
消防防災庁のパク・ヨンス庁長は、16日国会で開かれた行政安全委員会の全体会議で、「耐震能力を持っている公共施設の割合を、2015年までに43%、2030年までには80%まで拡大していく」と述べました。
消防防災庁によりますと、現在、高い耐震性が必要とされている公共施設はおよそ5万棟ですが、このうち、耐震能力を持っている施設は全体の16.3%の8400棟あまりに止まっているということです。
パク・ヨンス庁長は、また、「現在は1~2階建ての施設は、耐震設計の対象に含まれていないが、今後、国土海洋部と協力して、新しく建てられる全ての公共施設に対して耐震設計を義務付ける方針だ。また、民間会社が建てた建物に対しても、税制優遇などを通じて耐震能力を備えるよう誘導していく方針だ。さらに、10月まで小規模の建物のための耐震基準を設定するほか、原子力発電所周辺の地震発生の危険度を表す地図を作成する方針だ」と述べました。
消防防災庁は、これを受け、3月から6月まで、学校、病院、原発など31種の公共施設を対象に耐震能力の検査を行う計画です。
パク・ヨンス庁長は、さらに、韓国の原発に対し、「マグニチュード6.5の地震が原発のすぐ下の地面で発生したとしても安全が保たれるような耐震能力を持っている。また、韓国に建設されているほとんどの原発は、海水面10メートル以上の高いところに建てられているので、大規模の津波が発生しても浸水される可能性は低い。さらに、電源が遮断されたときでも爆発しないように設計されている」と説明しました。

・東北関東大震災で被害を受けた日本の人々を助けるため、韓国人スポーツ選手やサッカー協会などの支援が相次いでいます。
アメリカのメジャーリーガー時代、ロサンゼルス・ドジャースで日本人投手の野茂英雄選手と一緒に活躍した経験を持ち、今は日本のオリックスで活躍している朴賛浩(パク・チャンホ)選手は、15日、日本の復旧のために1000万円を寄付しました。
韓国人スポーツ選手としては初めて寄付を行った朴賛浩選手は、「多くの大切な命が犠牲となり、行方が分からない方々も多いと聞きました。極めて悲しいことです。被害にあった方々に少しでも役立てればと思います」と話しました。
韓国の代表的なサッカー選手で、日本のJリーグでも活躍し、今はイギリスのマンチェスター・ユナイテッドに所属している朴智星(パク・チソン)選手も、韓国のKBSに1億ウォンを寄託する考えを示しました。
また、大韓サッカー協会も、15日、趙重衍(チョ・ジュンヨン)会長が日本サッカー協会の小倉純二会長にお見舞いのメッセージを送ったほか、25日に開かれるホンジュラスとのサッカー試合で日本の被害者のために追悼の黙祷を行い、収益の一部を日本サッカー協会に日本の復旧資金として渡すことにしています。

・韓国と北韓は、先月、漁船で南下してきた北韓住民31人のうち、亡命希望の4人を除く27人を海路で北韓に送還することで合意しました。
統一部によりますと、15日午前11時頃、北韓の朝鮮赤十字会が板門店の赤十字チャンネルを通じて「送還を待っている家族の心情に配慮し、ひとまず27人を海路で戻してほしい」という内容の通知文を大韓赤十字社に送ってきたということです。
これに対して政府が、「人道主義の立場から、海路で北韓住民27人を北韓に送還させる。現在海が荒れており、望むならば16日午前中に板門店を通じて陸路の送還も可能だ」という通知文を北韓側に送ったところ、北韓側は、「西海上の天気がよくなってから、海路で住民と漁船を送還させてほしい」と答えてきたということです。
これによって、北韓住民27人は、海上の状態に応じて、海路で16日にも北韓に戻ることになりました。
しかし、北韓はこれまで亡命希望の4人を含めた31人全員の送還を強く求めていたことから、今回ひとまず27人の送還に合意したものの、亡命希望の4人の意思を直接確認したいと改めて主張する可能性も消えていません。

・韓国の2月の貿易収支は、輸出の好調さから13か月連続の黒字となりました。
関税庁が16日明らかにしたところによりますと、2月の輸出額は、前年同月に比べて16.9%増加し、386億1000万ドルを記録したほか、輸入額は16.4%増加して361億5000万ドルとなり、24億6000万ドルの黒字になったということです。
これで韓国の貿易収支は、去年2月以来13か月連続の黒字となりました。

・個人や企業が所有している金融資産を全て合わせた総額が、初めて1京ウォンを超えました。
韓国銀行が16日明らかにしたところによりますと、2010年末現在、韓国国内の個人や企業が所有している金融資産を全て合わせた金額は、前の年の2009年より8.5%増加した1京297兆7000億ウォンとなり、初めて1京ウォンを超えたということです。
金融資産を分野別にみますと、株式や出資持ち分が1884兆ウォンで最も多く、続いて預金額、貸出金などの順でした。
このうち、家計や個人事業家など個人部門の負債は、937兆3000億ウォンとなり、2010年より8.9%、2006年より40%も増加しており、個人の借金が急増しているということです。

3月15日火曜日

・日本で起きた巨大地震と大津波による被害について、韓国政府は総理室を中心に政府レベルの日本に対する支援体制を設けて、支援に当たることを決めました。
国務総理室の林采民(イム・チェミン)室長は15日、記者団に対して、日本に対する支援は総理室を中心にして外交通商部を窓口にし、総合的な支援体制を設け、支援していくと述べました。
そして民間レベルの支援は大韓赤十字社を、経済・社会各界からの支援は知識経済部と保健福祉部を、地方自治体からの支援は行政安全部をそれぞれ窓口にするとしています。
政府はまた日本がレスキュー隊の追加派遣を要請してくることに備えて、1回目と同じ規模のレスキュー隊を待機させておくことにしました。
一方、政府は、韓国内で稼動中の21基に上る原子力発電所と石油備蓄基地9か所に対して緊急に安全点検を行った結果、問題がないことが確認されたと発表しました。
政府は来月8日までにダムなど全国のすべてのエネルギー関連施設に対して総合的な安全点検を行う方針です。

・日本の東北関東大震災を受けて日本に派遣された韓国のレスキュー隊は14日、仙台に入り、15日から本格的な救助活動を始めました。
韓国のレスキュー隊90人は日本の警察とともに、内視鏡カメラや探知機、救助犬を利用して仙台市泉区加茂地区で行方不明者の救助と捜索に当たっています。
加茂地区は仙台市で地震と津波の被害が最も大きかった場所で、これまで日本警察も捜索作業ができなかった場所だということです。
レスキュー隊のチェ・ジョンチュン広報担当チーフは、「放射能漏れや余震などで救助活動を行うにいろいろ困難はあるが、生存者がいれば必ず助けたい」と述べました。
レスキュー隊はこれから2週間、宮城県に滞在しながら生存者の捜索に当たることにしています。

・李明博(イ・ミョンバク)大統領は訪問先のアラブ首長国連邦で日本で起きた巨大地震と関連し、「世界は災害を受けた日本に関心を持って支援しなければならない」と述べました。
李明博大統領は帰国に先立って行われた韓国人同胞との懇談会で「韓国は最も近い隣国としてさらに多くの関心を持つべきで、日本が韓国民の温かい心を受け入れる機会にもなってもらいたい。また隣人が大変な時に、情を分かち合うのは韓国の古くからの良き伝統である。世界各国は耐えがたい災害をこうむった日本に関心を持って支援しなければならない」と述べました。

・今月11日発生した東北関東大震災と受けて、政府は14日、国会の企画財政委員会で「日本の大地震の経済的な影響と対応」をまとめ、報告書を発表しました。
それによりますと、まず、今週、韓国内の原子力発電所と石油備蓄基地に対して緊急の安全点検を行い、必要であれば補完策を講じていくことにしています。
これについて財政企画部の任鐘龍(イム・ジョンリョン)第1次官は、「日本の原発で放射能漏れが広がる場合に備えて、韓国周辺の気流と気象情報の分析を強化する予定だ。道路と鉄道、病院、学校など主な建物の耐震度など安全点検と改善策を講じる」と述べました。
また報告書では穀物と液化天然ガスなど原材料の需給に支障が生じる可能性にも対応する方針を決めました。
そして日本人観光客の減少で韓国の観光業界が厳しくなる場合、観光振興開発基金を通じて特別融資を検討することになりました。
さらに産業部門で対日部品素材の需給の実態調査を行い、必要な場合は物量確保に乗り出す方針です。

・日本で起きた東北関東大震災を受けて、韓国では各地で募金活動と寄付が行われています。
まず大韓赤十字社は日本の被災者への支援として日本赤十字社に100万ドルを緊急支援しました。
また韓国の救世軍はソウル市内の20か所に社会鍋を出して、募金活動を行うとともに、ホームページを利用しても募金活動を行っています。
韓国の救世軍の社会鍋が年末ではない時期に登場したのは初めてのことです。
さらに歳末の義捐金を募金する社会福祉共同募金会は日本の復旧に向けて50万ドルを緊急支援、韓国のカトリック教でも5万ドルを支援し、20日のミサの際には特別献金を行うことにしています。
韓流スターのヨン様ことペ・ヨンジュンさんは、日本にお見舞いのメッセージとともに10億ウォンを寄付し、日本で歌手として活動しているリュ・シウォンさんは2億ウォンをだし、近く仙台を訪れボランティア活動するとしています。
俳優のソン・スンホンさんは2億ウォンを救世軍に、「冬のソナタ」のチェ・ジウさんも大韓赤十字社にそれぞれ2億ウォンを寄託しました。
企業としては韓国最大手の三星(サムソン)グループが1億円を寄付するとともに、毛布や下着、洗面道具などの生活用品2000セットを支援し、日本政府と協議した上でグループ内の人命救助団の10人と医療奉仕団11人を被災地に派遣することにしています。

・3月15日、韓国では北韓の襲撃に備える定例の民防衛訓練が行われましたが、東海岸地域では地震と津波に対する避難訓練も合わせて行われました。
15日の民防衛訓練は北韓からの空襲を想定して、午後2時にサイレンの音がなりますと、国民は最寄の地下鉄の駅や地下待避所などに避難する訓練が行われました。
学校の児童・生徒は校内の退避施設や待避所に移動し、走行中の車両は一時停車を指示されました。
これとは別に東海岸地域では、2秒ずつ断続的に地震と津波の警報が鳴り響き、住民たちが指定された高台に避難する訓練が行われました。

・今月初めに北韓が衛星を利用して位置を測定するGPSのシステムをかく乱させる妨害電波を韓国に向けて発信したことに対して、韓国の放送通信委員会は15日、北韓に抗議の書簡を発送しました。
この書簡は放送通信委員会の崔時仲(チェ・シジュン)委員長名義で北韓のユ・ヨンソプ逓信相宛てに送ったもので、GPSの電波かく乱の発信地が北韓の開城(ケソン)と金剛山(クムガンサン)近くであるという明確な証拠があり、再発を防止するレベルで抗議の書簡を送ったとしています。
政府はまた北韓の電波かく乱の行為が国際社会の慣行に違反するものだけに、今後、国連傘下の国際電気通信連合(ITU)にも問題を提起することを検討しているとしています。
GPSの電波かく乱と関連して韓国が北韓に抗議の書簡を送ったのはこれが初めてです。

・北韓の外務相は15日、北韓の核問題を協議する6か国協議でウラン濃縮問題が取り上げられることに反対しない方針を示しました。
これは北韓の朝鮮中央通信が外務省のスポークスマンの話として先のロシアのボロダブキン外務次官の北韓訪問の内容を伝えたものです。
6か国協議をめぐっては、ロシアのボロダブキン外務次官が今月11日から14日まで北韓を訪問し、北韓のパク・ウィチュン外相と会談を行いました。
それによりますと、北韓は前提条件をつけずに6か国協議に出席し、協議ではウラン濃縮問題を取り上げることに反対しないとしています。
また北韓外務省の報道官は「ロシアは北韓が▼核実験や弾道ミサイルの発射を中止すること、
▼寧辺(ヨンビョン)のウラン濃縮施設に対するIAEA=国際原子力機関の専門家の立会いを受け入れること、
▼6か国協議でウラン濃縮問題の協議など前向きな措置を取ることが重要だと述べた。
これについて北韓は協議が再開されれば、ロシア側が提案した幾多の問題も同時行動の原則に基づいて、話し合うことができるという立場を示した」としています。
北韓のこのような発表は、6か国協議が再開され、協議の進み具合によっては北韓がミサイルと核実験の中止を宣言し、IAEA査察団の復帰を受け入れるといった措置を肯定的に検討することを示唆したものとしてみることができます。

・李明博大統領はペルシャ湾のUAE=アラブ首長国連邦の公式訪問を終えて、15日午後、帰国しました。
李明博大統領は今回の訪問で、ナヒヤーン大統領と首脳会談を行い、韓国はアラブ首長国連邦で合計15億バーレル規模の油田開発と生産に参加することで合意しました。

3月12日土曜日

・日本の太平洋岸で11日、観測史上最大の巨大地震と津波が発生しましたが、李明博(イ・ミョンバク)大統領は、隣国として救助と復興の支援に最善を尽くすよう内閣に指示しました。
李明博大統領は11日、緊急の対策会議を開き、「今回の日本の災害は非常に不幸なことである。隣国として被害が最小限にとどまることを望んでいる」と述べ、救援を指示しました。
李明博大統領はまた日本の菅直人首相にお見舞いの電報を送り、「多くの尊い人命が失われ、大きな被害が発生したことに非常に心を痛めています。被害に遭われた日本の国民の皆様にお見舞い申し上げます。菅首相のリーダーシップのもと、日本政府と国民が一丸となって、一日も早く復旧されますよう祈ります。韓国も最大限の協力をします」と述べました。
李大統領はまた、今回の巨大地震が今後、韓国経済と世界経済に相当な影響を及ぼす可能性が高いと指摘し、各部署は状況をチェックし対策作りに取り組むよう指示しました。

・仙台の韓国総領事館は、現地に住む韓国人およそ130人と連絡がとれないことを明らかにしました。
仙台駐在韓国総領事館の関係者は、12日午前、連合ニュースの取材に対して、連絡がとれない人は当初、200人ほどいたが、12日午前10時までに70人ほどと連絡がつき、結局130人あまりと連絡ができないと述べました。
東北の6つの県には1万2000人あまりの韓国人が住んでいますが、このうち宮城県には4500人ほどがいるということです。
総領事館の関係者は「停電しているので被害状況の把握に時間がかかっている」と話しており、実際に連絡がとれない韓国人の数はさらに多くなる可能性があるとみられています。
東京の韓国大使館は、11日午後から非常勤務体制に入っており、ツイッターなども利用して、在日韓国人や観光客の被害の把握に努めており、大使館1階のホールを臨時の避難所として開放し食事も提供しています。
権哲賢(クォン・チョルヒョン)韓国大使は、「韓国民団とともに在住韓国人の被害の把握に当たっているが、通信や交通の途絶で思うように進まない」と話しています。

・韓国政府は在日韓国人の安全をはかるため、外交通商部の迅速対応チームを派遣することになりました。
外交通商部の迅速対応チームはイ・スジョン在外同胞領事局審議官を中心に5人で構成され、12日午後、仁川空港から民間機で新潟空港に向かい、新潟から車両で仙台に入って、総領事館を中心に在日韓国人の安全と被害状況を把握し、衛星電話でソウルの外交通商部に報告する予定です。
外交通商部の関係者は「現在、東京の韓国大使館や仙台の韓国総領事館、韓国民団などを通じて韓国人の被害状況の把握に努めているが、まだ死者や行方不明者は報告されていない」と話しています。
そして東北大学に留学中の学生と、その家族11人は仙台の総領事館に避難していることがわかりました。
しかし岩手県の三陸沿岸に住んでいる韓国人30人あまりについては、まだ安否の確認ができていないということです。
また今回の地震で、仙台の総領事館の建物の一部が被害を受けたもようです。

・韓国政府は、緊急レスキュー隊120人を韓国軍の輸送機で日本に派遣することになり、すでに出動準備を終了して日本政府からの要請を待っています。
派遣する緊急レスキュー隊は、救助隊員76人、医療陣37人、KOICA=韓国国際協力団の職員4人、外交通商部の職員2人の合わせて120人で構成されています。
そしてソウル郊外城南(ソンナム)市のソウル空港から空軍のC-130輸送機3機に分乗して日本に向かう予定です。
これについて韓国政府の当局者は「日本政府は被災地の現状が把握できないため、待ってほしいとしているため、いつでも出発できるように準備をしている」と話しています。

・韓国政府は、日本政府の要請を受け韓国の救助隊員5人と救助犬2頭を現地に派遣しました。
外交通商部によりますと、日本政府は12日未明、救助犬の緊急派遣を要請してきました。このため韓国政府は、2日午後、救助犬2頭と、これを扱う救助隊員5人を金浦空港からの旅客機で日本に出発させました。
救助隊員は羽田空港に着いた後、日本の外務省と防衛省と協調して被災地で救助活動を始めることになっています。

・日本で起きた巨大地震で一時急増した韓国と日本との間の電話通話量は、12日午前、正常な水準にまで戻りましたが、通話がつながる確率は普段の半分ほどに止まっています。
韓国の通信会社KTによりますと、現在、韓日間の電話通話量は、韓国の通信会社が対応できる水準に戻りましたが、巨大地震の被害を受けた日本現地の通信事情によって、つながらない場合があるとしています。
日本で地震があった11日は、韓国から日本にいる家族らの安否を案じるとみられる電話が急増し、午後5時から6時の間には、有線電話からが21万件あまりで普段の41倍、携帯電話からが6万9300件あまりで91倍に増えていました。

・関税庁は日本で起きた巨大地震と津波による韓国企業の被害を最小限にとどめるため、関税行政特別支援対策を実施すると12日、発表しました。
関税庁は日本の主な空港が閉鎖されて航空機の運航に支障が生じ、日本向けの輸出を申告した後になって実際には輸送できなかった商品について、空港の貨物ターミナルに留め置ける期間を、これまでの30日から60日に延長しました。
また通関体制を24時間体制にして、深夜や未明にも輸出入の申告ができるようにしました。
日本は韓国の貿易のおよそ10%を占める貿易相手国で、去年、韓国の日本向け輸出は半導体や携帯電話など282億ドル、輸入は643億ドルにのぼっており、輸出品の4分の1ほどは航空機による輸送でした。

・李明博(イ・ミョンバク)大統領と夫人の金潤玉(キム・ユンオク)女史は、12日午前、韓国が海外で初めて原子力発電所を建設することになった中東のUAE=アラブ首長国連邦に向かいました。
李明博大統領は、おととし暮れにアラブ首長国連邦が発注した原子力発電所の建設を韓国企業が受注するのを支援するため、アラブ首長国連邦を訪れて首脳会談を行っており、今回の訪問は2度目となります。
李明博大統領は12日、ソウル空港を専用機で出発してアラブ首長国連邦のアブダビに向かい、現地では軍の特殊戦学校で訓練の支援に当たっている韓国派遣部隊「アーク部隊」を訪れて、隊員を激励する予定です。
そして13日には、アラブ首長国連邦のナヒヤーン大統領と会談し、両国間の戦略的なパートナー関係の発展と経済協力について意見を交わす予定です。
そして14日にはアブダビから西へおよそ300キロ離れたペルシャ湾沿岸に建設される韓国型原子力発電所の起工式に出席することになっています。

・北韓が、先月、漁船で韓国西海岸に南下してきた北韓住民31人全員の送還を要求し、韓国への亡命を希望している4人の家族からの手紙を韓国政府に送ってきたことについて、韓国政府は今後、北韓が南北間で手紙の往来を慣例化することに同意するならば、韓国への亡命を希望している4人に対して北韓の家族からの手紙を渡す方針を示しました。
北韓は9日、亡命意思を明らかにした4人を含む北韓住民31人の北韓の家族からの手紙を、板門店連絡事務所を通じて、玄仁沢(ヒョン・インテク) 統一部長官と大韓赤十字社の柳宗夏(ユ・ジョンハ)総裁宛てに送ってきました。
これについて韓国政府は11日、大韓赤十字社から北韓の朝鮮赤十字会に宛てた電話通知文によって、南北はこれまで家族同士の手紙交換を行った例がなく、手紙交換についての韓国政府の要請を北韓がこれまで拒否してきたことから、これを機会に南北間で新しい慣例を作ることに北韓が同意するならば、手紙を亡命希望者たちに渡すと北側に伝えました。
統一部の当局者は、「2009年に開城工業団地で韓国人男性が北韓に抑留された際、北韓は韓国人男性の家族からの手紙を本人に渡すことを拒否した」と指摘するとともに、北韓は亡命希望者4人の家族の手紙の内容をマスコミに公開しているが、このような行為は人道主義なのか政治的攻勢なのか疑問に思っている」と話しています。

3月11日金曜日

・北韓が海上からの奇襲攻撃訓練を再開するための準備を始めたことが分かりました。
金寛鎮国防長官は11日、国会の南北関係発展特別委員会に出席して北韓の軍事動向などについて説明し、「北韓は最近、海上からの奇襲攻撃訓練を再開する準備を進めている。また、一方では、韓国軍や市民団体が軍事境界線に近い臨津閣で北韓政権の不当性や住民の悲惨な人権状況を指摘したビラなどを飛ばす心理戦を続けていることについて、ビラを飛ばしている場所を照準射撃すると威嚇するなど、敏感に対応している」と述べました。
さらに、「北韓はGPS、衛星利用測位システムを妨害する装置を多数保有しているものと見られ、韓米合同軍事演習のキーリゾルブを妨害することを試みたが、韓国軍はレーダーや慣性航法装置などを併用して対処している」と述べました。
北韓は最近、韓半島西部だけでなく、東海岸の金剛山からもGPS妨害電波を発射しており、漁船が正確な位置を把握できず、間違って北側の海域にまで北上する事故が心配されています。

・アメリカ国防情報局のバージェス局長は10日、北韓が長距離ミサイルの発射実験を続けるだろうという見方を示しました。
バージェス局長は上院軍事委員会の公聴会で、「北韓はテポドン2号などのミサイルの発射実験を続けるだろう」とした上で、「北韓がテポドン2号の発射実験に成功すれば、アメリカ本土まで届く大陸間弾道ミサイルを開発できることを意味する」と指摘しました。
一方、同じく上院軍事委員会の公聴会に出席したクラッパー国家情報長官は、「北韓は核開発を通じてアメリカの関心を寄せ付け、核保有国としての地位を認められるために力を入れている」と指摘しました。
ただ、核兵器による韓国への攻撃については、「北韓が通常兵器で韓国を攻撃する可能性は低く、核兵器で攻撃する可能性はさらに低い」と述べました。

・北韓が国際機関などに食糧の支援を要請していることと関連して、北韓の食糧事情を調査するためにアメリカ政府が調査団を派遣する可能性が持ち上がっています。
北韓は先月、国際機関などに食糧の支援を要請し、現在、国連食糧計画の調査団が北韓に入り、食糧事情を調査しています。
調査団は15日までに現地での調査を終え、その後、分析作業などを経て、北韓への食糧支援の必要性を最終的に決定します。
今のところアメリカ政府はこの問題について公式の立場は明らかにしていませんが、関係筋によると、国際機関の調査結果次第ではアメリカと北韓が接触する可能性もあるということです。アメリカ国務省のボズワース対北韓政策特別代表は今月初め、上院の公聴会に出席し、北韓に対する食糧支援について、「食糧分配過程をモニターでき、子どもたちに必要な食糧が届けられることを確認できるなら、人道的な見地から食糧を支援するのが正しい」と述べたこともあり、今後、アメリカと北韓が食糧支援と関係して何らかの形で接触する可能性が高まっています。・外交通商部の金星煥(キム・ソンファン)長官は10日、新しく就任した松本剛明外相と電話で会談しました。
金星煥長官は、松本外相の就任に祝賀の意を示した他、両国関係について意見を交わし、協力関係を発展させていくことで一致しました。
また、今月19日に京都で開かれる予定の韓国と日本、中国の3か国外相会議と関連して、6か国協議再開などについても意見を交わしたということです。
外交通商部の報道官は電話会談と関連して、「松本外相は両国関係について前向きな考えを持っており、両国関係の発展に貢献するものと期待する」と述べました。

・大企業と中小企業が同時に成長することを目指して導入が検討されている「利益共有制」について、三星電子の李健煕(イ・ゴンヒ)会長は強く批判しました。
同伴成長委員会の鄭雲燦(チョン・ウンチャン)委員長は先月23日、大企業が予想を上回る利益を得た場合、利益の一部で技術開発基金を作り、協力会社である中小企業の技術開発を支援するなど、大中小の企業が利益を共有するという「利益共有制」を提案しました。
これについて李健煕会長は10日、ソウル市内のホテルで開かれた全国経済人連合会の会長団会議に出席した際、記者の質問に対して、「利益共有制という言葉は聞いたことがない。経済学の本にも出てこないし、資本主義国家で使う言葉なのか、社会主義、あるいは共産主義国家で使う言葉なのか分からない」と述べ、利益共有制を批判しました。
財界を代表する李健煕会長が政府が進めている政策を強く批判したことで、今後、波紋が広がることが予想されます。

・北韓は最近、労働党の幹部を除く党員の多くを20代から30代の青年層に入れ替えていることが分かりました。
北韓の事情に詳しい消息筋によりますと、北韓は去年9月に30年ぶりに労働党規約を改正して名誉党員制度を取り入れ、60歳以上の党員は名誉党員に転換し、その代わり、青年層を新たに党員として迎え入れる方針を決めたということです。

・自由北韓運動連合や北韓脱出住民団体などは、12日に軍事境界線に近い京畿道坡州市の臨津閣で北韓に向けて体制を批判する内容のビラを風船につけて飛ばす予定でしたが、この活動を急きょ中止しました。
北韓に向けて風船でビラを飛ばす活動は自由北韓運動連合や北韓脱出住民団体などの民間団体が主導していますが、金正日国防委員長の誕生日だった先月16日以降は20あまりの団体が参加しており、北韓は先月27日、軍と民間団体が心理戦を続ける場合、ビラを飛ばしている場所を照準射撃すると威嚇するなど、過激に反応しています。
行事が急きょ中止された理由は明らかにされていませんが、ビラを飛ばす行事が続いているため臨津閣への観光客が激減し、周辺の商人の不満が高まっていたことも理由の一つと見られています。

・元大統領をはじめとする著名人の直筆の手紙がオークションで販売されます。
主に美術品を扱うアイオークションは15日、美術品とともに、尹潽善元大統領や金泳三、金大中元大統領などの直筆の手紙を販売するということです。
これらの手紙は2006年に亡くなった人権運動家のホン・ナムスン弁護士宛に書かれたものです。
ホン・ナムスン弁護士は1963年に弁護士として開業、朴正煕政権下では投獄されたこともある人権運動家です。
尹潽善元大統領の手紙は国民党総裁だった1971年に朴正煕軍事政権の問題点を指摘する内容で、金大中元大統領の手紙は1985年にホン・ナムスン弁護士が民主化推進協議会に出席したことに対する謝意を表明したものです。
アイオークションはこれらの手紙の予想落札価格を600万から900万ウォン程度としています。

3月10日木曜日

・中央銀行にあたる韓国銀行は10日、金融通貨委員会を開き、政策金利を0.25ポイント引き上げ、年3.00%とすることを決めました。
政策金利が引き上げられたのは、今年の1月以来2か月ぶりで、政策金利が3%台になったのは2008年12月以来2年3か月ぶりです。
政策金利を引き上げた背景には、1月と2月の消費者物価指数が韓国銀行の物価安定目標の中間ラインを大きく上回っているうえ、物価の上昇が個人サービス料金など各分野に広がっていることがあるものとみられます。
これに先立って、韓国銀行の金仲秀(キム・ジュンス)総裁は9日、国会企画財政委員会の業務報告で、「物価安定より重要なものはない」として物価上昇に対する懸念を示しています。
2008年の世界的な金融危機の前は5.25%だった政策金利は、金融危機後、数回にわたる利下げで2%まで落ちていましたが、去年11月と今年1月に3回にわたって0.25ポイントずつ引き上げられました。

・上海駐在の韓国外交官が現地で中国人女性と不適切な関係を持ち、機密情報を流出させた疑いが持ち上がっている、いわゆる「上海スキャンダル」が問題となっているなか、脱北者と韓国軍捕虜の韓国送還がこの中国人女性を介して実現したことが公になり、外交的に波紋を広げています。
これは、当時上海の公館長を務めていた金正基(キム・ジョンギ)元上海総領事がメディアなどに話したことからわかったものです。
金正基元上海総領事とある元領事は、メディアとの最近のインタビューなどで、2008年11月に上海総領事館に留まっていた脱北者と韓国軍捕虜を同時に韓国に送還する手続きもこの中国人女性をとおして行ったと述べたということです。
これは、2008年11月に脱北者10人と韓国軍捕虜1人がフィリピンを経由して韓国入りした事件のことで、中国人女性が中国公安当局の協力を得るうえで重要な役割を果たしたことを意味するものとみられます。
これまで脱北者と韓国軍捕虜の送還は中国政府の非公式の協力の下で密かに行われてきました。
このため、2人の発言は、脱北の経路や過程を公にするもので、今後の送還作業に否定的な影響を与えるだけでなく、脱北者の送還に対して慎重な立場を取ってきた中国当局の動きを狭めて、今後中国側の協力を得るのが難しくなる可能性があるという指摘が出ています。
外交部はこうした元総領事による事実の公開は外交的に非常に不適切で、両国関係に否定的な影響を与えかねないとみており、外交問題に発展しないよう力を注ぐ方針です。

・国務総理室は、はじめに疑惑が持ち上がっていた3人のほかにも中国人女性と不適切な関係を持った状況を把握しており、近く国務総理室を中心とする合同調査団を構成し、上海で現地調査を行うことにしています。

・先月28日に始まった韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」が10日終了しました。
キー・リゾルブ演習は、韓半島有事の際のアメリカ軍戦力の円滑な展開に向け定期的に実施される演習で、ことしは海外増援軍500人あまりを含むアメリカ軍2300人あまりと、韓国軍の師団級以上の部隊兵力が参加しました。
今月3日には、アメリカ本土から補充された機甲連隊の兵力が、慶尚北道(キョンサンブクド)大邱(テグ)から京畿道(キョンギド)東豆川(トンドゥチョン)のキャンプまで備蓄装備を輸送する訓練を行い、7日にはアメリカ軍の装甲車「ストライカー」部隊が京畿道抱川(ポチョン)で射撃訓練を行いました。
一方、「キー・リゾルブ」と同じ日に始まった韓米合同野外機動演習「フォール・イーグル」は、来月30日まで続けられます。
アメリカ軍1万5000人あまりと韓国軍20万人あまりが参加することしの「フォール・イーグル」には、米軍の最新鋭原子力空母「ロナルド・レーガン」も参加します。
一方、北韓は先月27日に板門店代表部声明を発表して演習を非難し、打撃戦で対抗すると警告しましたが、実際に軍事的行動には移していません。合同参謀本部関係者は、「現在、北韓軍に特異な動向は見られない」と伝えました。

・北韓が先月5日漁船で韓国西海岸に南下してきた北韓住民31人の全員送還を求める手紙を北韓にいる家族の名義で送ってきました。
統一部は9日、北韓がこの日夕方、亡命意思を明らかにした4人の家族の名義で亡命希望者4人宛てに、また北韓住民31人の家族の名義で統一部の玄仁沢(ヒョン・インテク)長官と大韓赤十字社の柳宗夏(ユ・ジョンハ)総裁宛てに、板門店連絡事務所を通じて手紙を送ってきたと明らかにしました。
統一部は、「北韓側は亡命の意思を明らかにした4人宛てに家族が書いた手紙を本人たちに伝えるよう要請した」と説明しました。
朝鮮中央通信がこの日伝えた手紙の内容は、「‘亡命'と言っているが絶対に信じない。 家族と親戚、国全体が心配して待っている。いかなる誘惑や懐柔欺瞞、恐喝にも負けずに共和国に戻ってきてほしい」と家族が呼びかけるものだということです。
統一部は、亡命希望者4人宛てに送られてきた手紙を4人に伝えるかどうかについて、「今のところ方針は決まっていない」としています。
また、北韓側が玄仁沢長官と大韓赤十字社の柳宗夏総裁宛てに送ってきた手紙では、「31人全員が1日も早く帰ってこられるようにしてほしい」と要求するとともに、「亡命希望の4人と家族との直接対面を邪魔せずに、本人たちが出てこられるようにしてほしい」と求めているということです。
北韓のこうした手紙の発送は、全員送還を狙った全方位の攻勢とみられます。
一方、政府は、北韓住民27人の板門店による送還を北韓が拒否していることから、27人を船に乗せて海路で帰す案を検討しているということです。

・大統領府青瓦台は、北韓が衛星を利用して位置を測定するGPS=全地球測位システムをかく乱させる妨害電波を発信しても、仁川(インチョン)国際空港に離着陸する航空機の運航の安全に大きな影響はないと明らかにしました。
青瓦台の関係者は10日、連合ニュースとの電話インタビューで、「飛行機の運航でGPSはあくまでもひとつのオプションで、不可欠な安全装置ではない。妨害信号が感知されるとGPSの作動が止まり、別の航法装置で運航することになる」と述べ、北韓の電波妨害が飛行機の運航安全に影響を与えないことを明らかにしました。
今月4日、北韓の電波妨害で仁川空港地域でGPSの受信障害が発生したことから、民間航空機の離着陸など運航の安全に影響があるのではないかという懸念が出ていました。

・国家競争力強化委員会の姜万洙(カン・マンス)委員長が、新しい産銀金融持株会社の会長兼産業銀行の総裁に内定しました。
金融委員会は10日、大統領府青瓦台に姜万洙委員長を任命するよう求めました。
産業銀行の総裁は、金融委員会が推薦すると、大統領が決定し、任命することになっており、金融委員会と大統領府青瓦台は意見をすり合わせたうえで候補を決めていることから、事実上姜万洙委員長が次期産業銀行総裁に内定したといえます。
姜万洙委員長は、前任者と同じように会長と銀行総裁を兼職することになります。
産業銀行の民営化を金融改革の象徴として掲げている李明博(イ・ミョンバク)大統領と足並みをそろえられる姜万洙委員長が産業銀行の総裁に内定したことで、なかなか進まない産業銀行の民営化に今後弾みがつくものとみられます。

・この10年間、国民年金に加入した女性が男性より3倍以上多いことがわかりました。
国民年金公団は8日、現在の国民年金制度が施行された当時の1999年12月末は271万人だった女性加入者が、今年1月末現在は534万1000人と、ほぼ2倍に増えたと明らかにしました。
一方、男性加入者は、同じ期間、787万1000人から870万7000人へと10.6%の増加にとどまりました。
女性加入者が大きく増えたのは、女性の就労が活発になり、この10年間で職場女性加入者が172.2%も増えたためです。
また、専業主婦のように決まった仕事がない女性の老後の備えに対する関心が高まり、任意加入が同じ期間のうちに203.6%増えました。

3月9日水曜日

・中国の上海にある韓国総領事館に勤務していた元領事2人が、中国人の女性と不適切な関係を持ち、機密情報まで流出させていたことが分かり、波紋が広がっています。
国務総理室によりますと、先ごろ、上海の韓国総領事館に勤務していた元領事2人が30代の中国人女性に機密資料を漏らした疑いで調査を受けましたが、その過程で領事らがそれぞれこの女性と一緒にとった写真や手書きの誓約書、コンピューターファイルなどの証拠が見つかったということです。
また、この女性が持っていたファイルには、上海駐在韓国総領事館の非常連絡網やビザ発給の記録、政治関係者200人あまりの携帯電話番号などが含まれていました。
国務総理室は、これを受け、この領事らに対する人事措置を所属部署に要請したということです。
一方、これに先立って、今年の初めにも、法務部出身で上海駐在韓国総領事館で勤務した元領事1人が同じ女性に観光ビザを違法に発給したことが発覚し、辞表を出しているということです。
この中国人女性の正体はまだ不明ですが、現在33歳で、20代に韓国に留学し、韓国人男性と結婚して韓国語も流暢だということです。
また現地では、この女性は中国の高級官吏と深い関係を持っているため、韓国人外交官らに接近することができたという説も出回っています。
一方、この事件と関連しては、外交通商部が事件が発覚した当時に情報流出の可能性を調査せず、問題の領事らを上海から元の部署に呼び戻すに止まっているほか、法務部も辞表を受け取ったことで事件の処理を済ませており、関連部署が事件の真相を隠そうとしていたのではないかという疑惑も出ています。
これについて検察は、「直ちに対応を取ることは難しいが、状況は常に注目する方針だ」としており、事件として本格的に捜査を始める可能性があることを示しました。

・先月5日、漁船で韓国西海岸に南下してきた北韓住民31人の送還をめぐって、9日板門店(パンムンジョム)で行われる予定だった「南北赤十字実務接触」は、南北間に意見の隔たりがあり、結局、開催できませんでした。
北韓住民の送還をめぐっては、韓国側が亡命を希望した4人を除いた27人の北韓住民を北韓に送還する方針を決めているのに対し、北韓側は亡命希望の4人を含めた31人全員の送還を求めており、「南北赤十字実務接触」での解決が期待されていました。
このため、韓国政府は、8日、「まず、板門店で南北赤十字の実務者による実務接触を開き、亡命を希望した4人の意思を確認する方法について双方で合意したあと、次の段階として、韓国国内で4人の意思を確認して北韓に伝えることも可能だ」という内容の通知文を北韓に伝えていました。
これに対し、北韓は、8日夜、「南北赤十字実務接触には、韓国への亡命を希望した北韓住民4人も必ず出席しなければならない」という内容の通知文を韓国側に送りつけ、これまでの立場を崩しませんでした。
こうしたことから、北韓側の要請で9日午前10時に板門店で行われる予定だった「南北赤十字実務接触」は、結局、開催できませんでした。

・韓国の食品物価の上昇率が、OECD=経済協力開発機構加盟国のうち最も高いことが分かりました。
OECDの1月の消費者物価統計によりますと、韓国の食品物価は、前の年の同じ期間に比べて11.6%上昇し、加盟国34か国のうち最も高い上昇率でした。
また、韓国に次いで上昇率が高かったのはエストニア、ギリシャ、トルコ、イギリス、イスラエルの順でしたが、このうち、食品物価の上昇率が二桁だったのは、韓国とエストニアだけでした。
OECD加盟国の食品物価の平均上昇率は、2.6%で、アメリカ、日本など主要7か国の平均は2.1%と、韓国を大きく下回りました。
また消費者物価全体の上昇率も、韓国はOECD加盟国の平均の2.1%のほぼ2倍の4.1%を記録し、エストニア、ギリシャ、トルコに続いて4番目に高くなっているということです。

・北韓が衛星を利用して位置を測定するGPSのシステムをかく乱させる妨害電波を韓国に流していたことについて、発信地に北韓の景勝地の金剛山(クムガンサン)も含まれていることが分かりました。
金寛鎮(キム・グァンジン)国防部長官は9日午前、国会で開かれた非公開の会議で「北韓からの妨害電波の発信地は、開城(ケソン)以外に、金剛山も含まれているとみられる」と述べたと、会議に出席した関係者が伝えました。
韓国では先週4日からソウルや仁川(インチョン)など首都圏の北西部の基地局で、断続的にGPSの電波受信に不具合が生じており、放送通信委員会が調査を行いました。
その結果、妨害電波の発信地は軍事境界線に近い北韓の海州(ヘジュ)と開城の北韓軍部隊であることが特定され、7日公式に発表されましたが、政府当局者が妨害電波の発信地として金剛山をあげたのは今回が初めてです。

・北韓は、最近の南北首脳会談の開催に向けた秘密接触で、韓国政府にコメの支援を要請したものとみられます。
韓国のメディアの「連合ニュース」によりますと、複数の北韓消息筋が、9日、「韓国政府は、韓半島の平和を構築し、非核化への意思を確認するために、いつでも南北首脳会談を行うことが可能だという立場だ。
しかし、北韓は誠意ある姿勢を示しておらず、韓国側に対して繰り返し、コメの支援を要求している。北韓が誠意ある姿勢を示さない限りでは、現政権の任期中に南北首脳会談を行わなくてもかまわないという考えも持っている」と述べたということです。
これは、北韓が南北首脳会談の条件として韓国側にコメの支援を要求していることを現しており、哨戒艦沈没や延坪(ヨンピョン)島砲撃事件に対する北韓の誠意ある措置を求めている韓国政府の立場とは隔たりがあります。
2009年10月にも、当時のイム・テヒ労働部長官と北韓のキム・ヤンゴン統一戦線部長がシンガポールで秘密会談を行い、首脳会談の開催について話し合いましたが、北韓がコメ10万トンの支援を要求したため、合意に至りませんでした。

・日本、中国、タイの市民を対象に行われたアンケート調査で、ソウル市が「今後1年以内に最も行ってみたい都市」に3年連続選ばれました。
ソウル市が9日明らかにしたところによりますと、ソウル市が去年11月と今年2月にインターネットを通じて日本人、中国人、タイ人など、現地の市民3200人を対象に行ったアンケート調査の結果、ソウル市が「今後1年以内に最も行ってみたい都市」に選ばれたということです。
ソウル市はこの背景について、「ソウルを訪問してみたくなった理由」を聞く質問に中国人回答者の31.8%とタイ人回答者の40.6%が「メディアによる広告、テレビCMなど」を挙げたことから、広告による効果が大きいと分析しています。
これについてソウル市のシン・ミョンホ経済振興本部長は、「地道に繰り広げてきた外国人向けマーケティングが成果を挙げ始めたものとみられる」と説明しています。
一方、ソウル市は、ソウル市の代表的なお祭りの「ハイ・ソウル・フェスティバル2011」を、5月5日から10日までの6日間、汝矣島(ヨイド)漢江公園やソウル市庁前広場などで行うと9日発表しました。

3月8日火曜日

・北韓が軍事境界線近くで、衛星を利用して位置を測定するGPS=全地球測位システムをかく乱させる妨害電波を発したものとみられることについて、政府は国際社会による制裁を加えることが可能かどうか、検討を進めています。
韓国では先週4日から、ソウルや仁川(インチョン)など首都圏の北西部の基地局で断続的にGPSの電波受信に不具合が生じており、放送通信委員会の調べで、妨害電波の発信地は軍事境界線に近い北韓の海州(ヘジュ)と開城(ケソン)の北韓軍部隊であることが特定できたということです。
これについて大統領府・青瓦台の関係者は8日、「北韓の電波かく乱行為に対して、国際法上、問題があるかどうか、検討中である。これは国際社会が北韓に対して制裁を加えることが可能かどうかを判断するためだ」と述べました。
これを受けて外交通商部は国連傘下の国際電気通信連合(ITU)に公文を送り、北韓の電波かく乱行為が国際電気通信連合の憲章に明記されている「他国に対する有害な混信を禁じる」という規定違反にあたるかどうかを問い合わせるなど、北韓の行為が違法かどうかに対する法律的な検討に乗り出したもようです。

・先週、主な政府機関や金融機関、ポータルサイトに対する大規模なハッカー攻撃は沈静局面に入りましたが、攻撃に利用されたパソコンのハードディスクが損傷されたという申告は400件を超えています。
このハッカー攻撃は「分散サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)」というもので、あらかじめ国内の不特定多数のパソコンに密かにウイルスを侵入させておき、これらのパソコンが特定の時間になると、一斉に主要機関に大量のデータを送って、機能を麻ひさせるもので、その後はパソコンのハードディスクが破壊されるように仕組まれているということです。
放送通信委員会は、ハッカー攻撃に利用されたパソコンは7万7000台あまりとみており、このうち400台のハードディスクが被害を受けたという報告があったとしています。
しかしおととしのハッカー攻撃の場合は、攻撃から4日後にハードディスクが破壊されるように仕組まれたウィルスに感染されていたことから、今回、4日目となる8日にハードディスクの損傷が多くなる可能性もあるとみており、パソコンの利用者に無料ワクチンを措置するなどの安全対策をとるよう呼びかけています。

・ハイテク製品の生産に欠かせない希少な資源「レアアース」をめぐって、一番の供給国の中国が輸出を制限する動きを強めていることなどから、政府はレアアースの備蓄分を大幅に増やす方向で検討を進めています。
知識経済部の関係者は7日、「レアアースの確保目標をこのほど修正して2014年までに100日分を備蓄することにし、予算を検討している」と述べました。
知識経済部は、レアアースを含む56種類の希少な金属を2016年までに60日分確保するという方針を決めていました。
レアアースは、携帯電話やハイブリッドカーなどハイテク製品に広く使われるもので、世界で一番の供給国の中国が輸出を制限する動きを見せていることから、韓国や日本、アメリカなどはレアアースの確保に向けて一段と激しい競争をしています。
現在、政府と韓国鉱物資源公社が備蓄しているのは4日分に過ぎず、政府はレアアースの確保を目指して、これまでの中国の他に、モンゴルやオーストラリア、カナダなど海外鉱山への投資を積極的に検討しています。

・アメリカのキャンベル東アジア太平洋担当国務次官補とグレッグソン国防次官補が今週末の12日、韓国を訪れる予定で、韓国政府の当局者と北韓問題について協議するものとみられます。
アメリカ国務省のクローリー次官補は7日、「キャンベル国務次官補が今週、韓国、日本、モンゴルを訪問する。キャンベル次官補は同盟国との協議の一つとしてソウルで高官級の当局者と協議する予定だ」と発表しました。
この訪問には国防総省のグレッグソンアジア太平洋担当次官補も同行する予定です。
グレッグソン国防次官補の訪問目的はまだ分かっていませんが、北韓のウラン濃縮問題の対応や北韓の軍事挑発の可能性に対する韓米共同対応とともに、北韓がこのほど要請した食料支援について協議するものと予想されます。
キャンベル次官補は今月13日にワシントンに帰国する予定ですが、グレッグソン国防次官補は特に来週初めまで韓国に滞在する予定で、韓国の国防関係者と協議する可能性があるとみられます。

・政府は7日、政情が不安な地域に対する対応について非常対策会議を開き、中東のイエメンと西アフリカのコートジボワールの現状を点検し、この地域に滞在している韓国人の安全対策を検討しました。
会議では、イエメンの場合、反政府デモが激しくなって流血衝突が連続していることを踏まえて、イエメン滞在の韓国人およそ130人に撤収するよう強く呼びかけることを決め、まず、イエメン在住の企業家や大使館職員の家族ら60人あまりの出国を支援する方針です。
また大統領選挙の結果をめぐって内戦状態となっているコートジボワールの場合は、大使代理を早期赴任させて、140人あまりの韓国人の撤収を積極的に勧告することにしました。
イエメンとコートジボワールは現在、旅行制限地域に指定されています。

・女子大生を対象にした予備役将校訓練課程(ROTC)制度が今年から予備役将校訓練課程が設けられているすべての大学に拡大して実施されることになりました。
陸軍はこのほど、予備役将校訓練課程が設けられているすべての4年制大学に、女性も募集できるという内容の公文を送ったことを明らかにしました。
これによって、予備役将校訓練課程が設けられている大学で女子大生の選抜を希望する場合は、2年生の女子大生を対象に今月中に行われる選考で募集できるようになりました。
陸軍関係者は今後、女性の軍幹部の採用も増やして、計画より4年早い2016年までに、女性の軍幹部割合を現在の3.5%から5.6%に拡大するとしています。
こうした女子大生を対象とした訓練課程は去年初めて一部の大学で試験的に導入されたものです。

・統計庁は7日、去年2010年の韓国の社会指標という報告書をまとめました。
それによりますと、去年、韓国の人口は4821万9000人で、5年前より2%増えており、世帯数は1733万4000世帯と、5年前より9.1%増えました。
また世帯数のうち一人暮らしの世帯の割合は23.3%と、5年前の20%より3.3ポイント高くなりました。
さらに韓国で少子化・高齢化の現象が一段と進み、2009年の健康保険の医療費のうち、高齢者の占める割合が30.5%と、初めて30%を超えました。
また全人口に65歳以上の高齢者が占める割合は1980年には3.8%でしたが、2050年には38.2%にまで高まり、15歳から64歳までの生産可能人口でみますと、高齢者1人を1.4人で扶養することになると予想されています。

・韓国でコーヒー専門店が広がっている影響で、去年1年間、コーヒー豆の輸入がこれまでで最も多くなりました。
関税庁が7日まとめたところによりますと、去年1年間、韓国に輸入されたコーヒー豆は11万7000トン、金額にして4億2000万ドルにのぼりました。
これは去年1年間、成人1人が312コップのコーヒーを飲んだ勘定になります。
コーヒー豆の輸入先を国別にみますと、インスタントコーヒー用で価格が割安なベトナム産は前の年に比べておよそ9%減ったのに対し、コロンビア産は47%も増え、輸入先は2005年の28か国から去年は58か国に増えました。

3月7日月曜日

・北韓の朝鮮赤十字会が、漁船で韓国西海岸に南下してきた北韓住民の送還について協議する南北赤十字協議の開催を提案してきました。
統一部によりますと、北韓の朝鮮赤十字会は7日午前、大韓赤十字社宛に電話通知文を送り、北韓住民31人全員の送還について協議する赤十字協議を9日午前10時に、板門店の中立国監督委員会で開くよう提案してきました。
通知文によりますと、北韓は、朝鮮赤十字会のパク・ヨンイル中央委員ら3人が韓国への亡命を希望した4人の北韓にいる家族を連れて協議に出席するとしており、韓国側も亡命希望者4人を率いて協議に出席するよう要請しています。
これを受けて大韓赤十字社は、北韓に電話通知文を送り返し、韓国への亡命を希望した4人を除く27人をきょう7日午後4時に板門店から陸路で北韓に送還する計画を伝えました。
また亡命を希望した4人の自由意志を確認する問題について協議できるとして、南北赤十字協議を北韓が提案した9日午前10時に応じる意向を伝えました。
ただ場所は、「中立国監督委員会」ではなく「平和の家」とすることを修正提案しました。

・首都圏の北西部で、先週4日、GPS=人工衛星からの電波を利用して地球上の位置を特定できるシステムの電波受信に不具合が生じ、一部の携帯電話機能に障害が出ましたが、政府が調査したところ、北韓の妨害電波によるものであることが分かりました。
放送通信委員会は、先週4日、ソウルや仁川(インチョン)など首都圏の北西部の基地局でGPSの電波受信に不具合が生じたという届出があり、調べたところ、妨害電波の発信地は軍事境界線に近い北韓のヘジュと、開城の北韓軍部隊であることが特定できたということです。
妨害電波は、その後も3日連続で断続的に発射されているということですが、今のところ、この妨害電波による大きな被害は出ていません。
韓国軍は、妨害電波が今週10日まで続けられる韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」を狙ったものとみて、GPSを使って行う7日のアメリカ部隊の射撃訓練に警戒を強めています。
北韓は、去年8月に実施したコンピューター・シミュレーションを活用した韓米合同軍事演習「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」の期間中にも3日間にわたって妨害電波を発射していました。

・中国が、韓国国防部のコンピューターシステムをハッキングし、韓国が進めているアメリカの無人偵察機グローバルホークの購入に関する機密を入手していたことが明らかになりました。
国会情報委員会所属のシン・ハッヨン民主党議員によりますと、「中国が去年6月に韓国国防部のコンピューターシステムをハッキングし、アメリカ空軍の最新鋭無人偵察機グローバルホークの導入に関する秘密情報を入手したことを、去年末に開かれた国会の情報委員会で、国家情報院の関係者から報告を受けた」ということです。
グローバルホークの購入については、前の盧武鉉政権が2005年にアメリカに販売を要請し、アメリカ国防総省は2009年に韓国への販売方針を決めていました。しかし李明博政権に入って国防予算が削減され、いったんは見送られていましたが、去年3月の哨戒艦沈没事件を受けて、政府は2011年度予算に452億ウォンを計上し、再びグローバルホークの導入を進めています。
また日本の防衛庁も最近グローバルホークの購入に乗り出しています。
グローバルホークは、高度18キロの上空で夜間や天候に拘らず200キロ以上先の地域を偵察できるうえ作戦半径も3000キロを上回ることから、北韓全域だけでなく有事の際は中国も偵察できるとされています。
こうしたことから中国は、韓国・日本・アメリカの3か国による中国監視網が拡張することを恐れて、ハッキングによる情報収集に総力をあげているものとみられています。

・大統領府・青瓦台は、国会の行政安全委員会が先週4日に国会議員に対する企業や団体の献金を事実上可能にする政治資金法改正案を急遽上程して議決したことについて、これが本会議で可決された場合、大統領の拒否権を行使することを慎重に検討していることが分かりました。
大統領府・青瓦台の関係者は7日、連合ニュースに対して、「政治資金法改正案は、国民の反発が強いため、適用の時点を次の第19代国会以降に先送りすることが望ましいとする意見が青瓦台内部にあり、政府からも大統領が拒否権を行使すべきだとする意見が出ている」と述べました。
国会の行政安全委員会は4日、当初予定になかった政治資金法の改正案を奇襲的に上程し、与野党一致でわずか10分で議決しました。
いまの政治資金法では、国会議員は「団体と関連した献金」を受け取ってはならず、受け取った場合、処罰の対象となっていますが、改正案では「団体の献金」に限定して処罰の対象としています。
このため、団体そのものの資金でなければ組合や企業など団体に所属している人による集団小額献金は可能になり、事実上、法人の寄付を許可するものだとして市民団体から反発が出ています。
またこの改正案が国会本会議で可決された場合、請願警察の定年延長などを柱とした請願警察法改正案を成立させる見返りとして、さきに全国請願警察親睦協議会から不当な政治献金を受け取ったことで検察の捜査を受けている与野党議員6人に対する処罰の根拠もなくなることになります。

・海に潜ってアワビなどを取る「海女」をユネスコの無形文化遺産に登録するための事業が進められることになりました。
済州道は、年々減少している「海女」をユネスコの無形文化遺産に登録し、海女の文化を継承していく計画を7日、発表しました。
それによりますと、済州道は、今年11月までに海女を地方文化財に指定した後、2012年に国家指定の文化財にし、2013年にユネスコの無形文化遺産に登録する計画です。
済州の海女は、2005年は5545人でしたが、その後、年々減って、去年末は4995人と5000人を割り込んでいます。
また年代別には、30代が2人、40代が123人、50代が954人で、60代1752人、70代2164人と、60代以上が70%を占めています。

・パク・チャンウク監督の韓国映画「JSA」でおなじみの非武装地帯の共同警備区域JSAで、1990年代に韓国軍と北韓軍将兵同士の交流が実際にあったことが確認されました。
これは、京畿道(キョンギド)水原中部警察署が、1993年にJSAで服務していた記念に機関銃の実弾64発を隠し持って除隊した容疑で水原市に住む40代の男性を取り調べていたところ、分かったものです。
水原中部警察署によりますと、この男性の部屋からは、北韓軍兵士が送ったとみられる手紙や金日成バッチなどが見つかったということです。
手紙には「進級おめでとう」という内容が書かれていたということで、当時、非武装地帯の共同警備区域に勤務していた南北将兵の間で密かに交流が行われていたことが明らかになりました。
警察の関係者は、「軍用物窃盗罪の起訴時効は最長で15年であり、この男性の場合、犯行からすでに18年が過ぎ時効になっている」としています。

3月5日土曜日

・先月5日、漁船で韓国西海岸にやってきた北韓住民31人のうち、韓国への亡命を希望した4人を除く27人について、政府は4日、陸路、北韓に送還することにしていましたが、北韓は全員の送還を要求して受け入れに応じなかったことから、政府は週明けの7日、再び、北韓に対して27人の送還を連絡することになりました。
政府消息筋によりますと、板門店(パンムンジョム)にある南北連絡官事務所は週末と休日は閉鎖していることから、週明けの7日、月曜日に再び北韓側に連絡して、 27人の受け入れを求めるということです。
北韓住民31人は、先月5日、漁船に乗って海の休戦ラインにあたる西海の北方限界線を越えて韓国側に入ってきましたが、韓国政府で調べた結果、船長を含む男性2人と女性2人の、合わせて4人が韓国への亡命を希望したことから、4人を除く残り27人を4日午前11時に板門店から陸路送還すると伝えましたが、北韓は全員送還を要求して受け入れに応じませんでした。

・大統領府青瓦台や国会など主な政府機関や金融機関などのインターネット・サイトに対する大規模なハッカー攻撃は4日に続いて5日午前にもありましたが、実質的な被害はありませんでした。
このハッカー攻撃は「分散サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)」という種類のもので、2009年7月のハッカー攻撃と同じように、あらかじめ国内の不特定多数のパソコンに密かにウイルスを侵入させておき、これらのパソコンが特定の時間になると、一斉に主要機関に大量のデータを送って、機能を麻ひさせるものです。
放送通信委員会と韓国インターネット振興院(KISA)などによりますと、5日午前10時45分に、韓国の29のインターネット・サイトに対する今年3回目の攻撃がありました。
しかし5日午前11時現在、攻撃を受けた青瓦台や国会、外交通商部、国防部などの政府機関と、韓国の主なポータルサイト、国民銀行などの金融機関のサイトは正常に運営されています。
放送通信委員会の関係者は「予想どおりに5日もハッカー攻撃があり、国会など一部のサイトで一時的なトラブルがあったものの、すぐ正常に戻った。これは韓国のネットユーザーが、4日、自分のパソコンがハッカー攻撃に利用されるのを防ぐための無料ワクチンを研究機関などからダウンロードしたこと、5日は土曜日でパソコンの電源を入れない場合が多いためとみられる」と分析しています。
放送通信委員会は、4日にハッカーの攻撃を受けたサイトは40だったが、5日に攻撃を受けたのは29だった。被害がなかったサイトは攻撃が弱かったり、保安能力を高めていたためとみられるとしています。

国家情報院は、北韓の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の後継者に決まった金正恩(キム・ジョンウン)氏を中国が公式に招待したことを、4日、明らかにしました。
国家情報院のキム・スク第1次長は4日、国会情報委員会でこのように述べるとともに、「中国の正式招待があったので、正恩氏の中国訪問は実現すると思われるが、その時期はまだ把握されていない」と述べました。
キム・スク第1次長はまた「北韓は後継体勢の構築という問題があり、中国は北東アジアでアメリカの影響力を低下させるとともに中国の影響力を高めようとしており、正恩氏の中国訪問はこのような両国の利害関係にマッチしている」という見解を示しました。

・ニュージーランドのクライストチャーチで起きた大地震で行方が分からなくなっていた韓国人男性の死亡が確認されました。
ニュージーランド駐在の魯光鎰(ノ・グァンイル)韓国大使は4日、「行方不明になっていた江原道出身の韓国人の兄妹2人のうち、兄のユ・ギルファンさん(24)が倒壊した建物の下で遺体となって発見されたと地元警察から連絡を受けた」と述べました。
亡くなったユ・ギルファンさんは妹のナオンさん(21)とともに、6階建てのCTVビルのキングズ・エデュケーションで英語の学習中に地震に遭い、建物が倒壊したことから、地元の警察は妹のナオンさんもこの建物の下敷きになっている可能性が高いとみて捜索を続けています。

・リビア情勢が厳しさを増していることから、韓国政府はリビアで事業を進めていた建設会社の経営悪化を防ぐための対応策に乗り出しました。
国土海洋部は、リビアで住宅建設などを行っている中小の建設会社が資金難に陥らないように対応策を検討しており、まず金融機関に対してこれらの会社への貸出金の回収を先送りするよう要請しました。
また今回の反政府デモや内戦で、韓国の建設会社のリビアでの工事が遅れたり、設備が運び出されたり、破壊されたりなどの損害が心配されることから、事態が収まったあとに、リビア政府に対して損害補償を要求するとともに、法的手段をとることなど、具体策をまとめることになりました。
現在、リビアには、現代(ヒョンデ)建設や大宇(デウ)建設など大手建設会社とともに、中小の建設会社など合わせて21社が進出しています。

・韓国の高校生の大学進学率が2年連続下がりました。
韓国教育開発院がまとめたところによりますと、去年2010年の大学進学率は79%で、おととしの81.95%より2.9ポイント下がり、2年連続の下落傾向となりました。
韓国教育開発院は、大学進学率が下がっている背景について、大学卒業者の就職難が著しい中で、大学以外で専門的な教育を受けられる機関が増えており、大学に対する価値観が変わりつつあると分析しています。

・韓国のプロサッカー、Kリーグが5日、開幕しました。
今年のKリーグは新生の光州(クァンジュ)FCが加わって16球団となり、5日は浦項(ポハン)スチラーズと城南(ソンナム)一和との試合など4試合が行われました。
各チームは9カ月間に30試合、Kリーグ全体では240試合が行われます。
そして上位6チームによるプレーオフを経て、12月にチャンピオン決定戦を行います。
また今シーズンは16チームの監督全員が10年ぶりに韓国人に変わったことをはじめ、全北(チョンブク)現代のイ・ドングク選手が個人通算で99ゴール、済州(チェジュ)ユナイテッドのキム・ウンジュン選手が97ゴールに達していることから、通算100を超える記録をどちらが先に決めるかにも関心が寄せられています。
専門家は今年、2連覇に挑むソウルFCと、3年ぶりのトップ奪還を目指す水原(スウォン)三星が首位争いをするものと分析しています。

3月4日金曜日

・韓国政府は先月5日に北方限界線を越えて南下してきた北韓の漁船の乗員31人のうち韓国への亡命を希望した4人を除く27人を北韓に送還することにしましたが、北韓はこれに強く反発しています。
韓国政府は漁船が南下した経緯などについて1か月近く調査してきましたが、調査の過程で4人が韓国への亡命を希望したということです。
亡命を希望した4人は、船長を含む男性2人、看護士と統計調査員の女性2人です。
韓国政府は3日、この4人を除く27人を送還する方針を決め、大韓赤十字社を通じて、4日午前中に板門店から27人を送還することを北韓の朝鮮赤十字会に伝えましたが、北韓の朝鮮赤十字会はこの日夜遅く談話を発表し、乗員が不当に抑留されているとして、即刻全員を送還するよう求めました。
韓国政府は27人を送還するため4日午前中にも北韓当局との連絡を図りましたが、今のところ北韓側は連絡に応じていません。
韓国政府は、人道主義と国際慣例に基づいて亡命を希望する者を本人の意思に反して送還することはできないという立場をとっており、この問題と関連して南北関係がさらに冷却するのではないかという見方も出ています。

・アフガニスタンの再建事業に参加している韓国の地域復興支援チームの基地に、携帯用ロケット砲によるものと見られる攻撃がありました。
外交通商部によりますと、韓国時間で4日午前1時過ぎ、基地に隣接した道路に砲弾2発が着弾したということです。
幸い復興支援に携わっている韓国の民間人や警護のために駐留している韓国軍兵士に死傷者はなかったということです。
この基地は先月8日にもロケット砲攻撃を受けたことがありましたが、まだどの勢力による攻撃かは確認されていません。
韓国の地域復興支援チームの基地がロケット砲による攻撃を受けたのはこれが4回目です。

・韓国政府は、大統領府青瓦台をはじめとする政府機関や公共機関のウェブサイトに対する「分散サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)」が4日あったことを受けて、サイバー危機注意報を発令しました。
ウイルス対策ソフト大手のアン・チョルス研究所が明らかにしたところによりますと、4日午前10時から政府機関や公共機関など40あまりの機関のウェブサイトに対する攻撃が始まり、午後6時半には追加攻撃が予想されるということです。
攻撃の対象となっているのは、青瓦台、外交通商部、国家情報院、統一部、国会など政府機関や、銀行や証券会社、タウムやネイバーなどポータルサイトも含まれています。
一部のサイトでは一時的に接続時間がかかるなどの障害が出ましたが、今のところ大きな被害は出ていません。
攻撃の主体はまだ確認されていませんが、アン・チョルス研究所はウイルスの侵入経路は確認しており、ウイルス対策ソフトを無料で配布しています。

・韓国株式市場では4日、総合株価指数が前日より34.02ポイント上昇、2004.68で取り引きを終え、2000ポイントを回復しました。
この日は外国人投資家が3935億ウォンあまりを買い越し、株価の上昇を主導しました。
総合株価指数は1月19日に2115.69と過去最高値をつけた後、北アフリカや中東の政情不安を受けて2月16日に2000ポイントを割り、一時は1900台前半まで落ち込んでいました。
外国人投資家は先月22日から6営業日連続で合わせて1兆2000億ウォンを売り越していましたが、3日から買い越しに転じ、4日にも買い越しました。
外国人投資家が買い越しに転じたこと、株価が短期間に大きく下落したこと、北アフリカや中東の政情不安、原油価格の急騰などの不安要素に対して、市場ではある程度耐性ができていることなどが株価の上昇につながったと分析されています。
しかし、市場の不安が完全に解消されたわけではなく、外国人投資家の買い越しが一時的なものである可能性もあり、株価が本格的に上昇に転じたと断定するのはまだ早いという指摘も出ています。

・民間で構成された北韓の経済代表団10人あまりが来月、アメリカを訪問する予定だと、アメリカの政府系放送、ボイス・オブ・アメリカが4日、報じました。
それによりますと、この代表団はアメリカのカリフォルニア州立大学傘下の世界紛争協力研究所のシャーク所長の招きで、来月20日から2週間あまり、サンディエゴやニューヨークを訪問するということです。
代表団は、カリフォルニア州立大学サンディエゴやニューヨークのアジア・ソサエティーが主管するセミナーなどに出席する予定です。
ボイス・オブ・アメリカはまた、早ければ今年6月に北韓産のビールがアメリカに輸入される見通しだと報じました。
それによりますと、ニューヨークにある朝鮮平壌貿易会社が、去年9月にアメリカ政府から北韓産の大同江ビールの輸入許可を取得したということで、現在ビールのラベルを英文に替える作業が進められており、6月から8月の間にアメリカの市場に出回る予定だということです、。

・食品医薬品安全庁は、韓国国内で開発されるバイオシミラーの海外輸出を円満にするため、「官民実務協議体」を運営する方針を4日、明らかにしました。
バイオシミラーは、バイオ医薬品のジェネリック製品で、高価なバイオ薬品の代案として注目されており、三星電子が2016年から本格的に生産する計画を打ち出していますが、臨床試験でパスするのが容易ではないとされています。
こうしたことから、食品医薬品安全庁は、三星電子など関連会社10社が参加する実務協議体をつくり、開発の初期段階から許可にいたるまでの臨床、製造・品質管理のあらゆる過程を支援する方針です。

・アメリカの経済専門誌フォーチュンが毎年選定している世界で最も賞賛される企業にアップルが選ばれました。
アップルはこれで4年連続で世界で最も賞賛される企業に選ばれました。
2位はグーグル、3位はバークシャー・ハサウェイでした。
韓国の企業では三星電子が38位と日本のホンダ42位、ソニー46位より上位を占めました。
また、日本のトヨタは33位で50位以内に入りました。
フォーチュンによると、金融危機の影響で世界的に景気が落ち込んだこともあって、2010年はこれまでになく順位の入れ替わりが激しかったということです。

・今年は桜の開花時期が平年より3日ほど早くなる見通しです。
気象庁によりますと、桜は今月24日に済州島から咲き始め、南部地方では今月27日から来月5日の間に、中部地方では来月6日から11日の間に、京畿道や江原道北部の山間地方では来月12日以降に咲き始めるということです。
ソウルは来月9日から咲き始め、代表的な桜の名所なっているヨイドは来月15日頃に満開になる見通しです。
気象庁によりますと、最近10年間、桜の開花時期は少しずつ早くなる傾向が続いているということです。

・海外で暮らす700万人の韓国人同胞のうち、現地での韓国人の地位向上に貢献した同胞に贈る「第16回KBS海外同胞賞」の授賞式が4日、ソウルのKBSテレビ公開ホールで行われました。
授賞式では、モスクワで唯一の韓国民族学校を運営し、現地の公立学校3500校のうち名門大学への入学成績トップクラスを維持しているエムネリ校長が「人文社会」部門の受賞者に選ばれました。
また「科学技術」部門では、新型インフルエンザの治療薬タミフルの開発をリードしたウィルス治療剤研究の権威者として、アメリカ化学学会の名誉の殿堂入りを果たしたアメリカのバイオテク企業ギリアド・サイエンスのキム・ジョンウン副社長が選ばれました。
さらに今年の「特別賞」は、1970年代から日本で、国公立大学での外国人教授採用差別撤廃運動を展開し、1982年の「外国人教員任用法」の制定に力を尽くした桃山学院大学の徐龍達(ソ・ヨンダル、78歳)名誉教授に贈られました。

3月3日木曜日

・緊張が高まるリビアの韓国人を救出するため現地に向かった韓国海軍の駆逐艦「崔瑩(チェ・ヨン)艦」が韓国時間で2日午後10時に、リビアのトリポリ港に到着しました。
外交通商部によりますと、崔瑩艦は、トリポリで現地滞在の韓国人40人あまりを乗せて4日午前3時頃、地中海のマルタに到着する予定だということです。
崔瑩艦は、当初、トリポリを経て、シルテ港、ミスラタ港に立ち寄る計画でしたが、トリポリ港以外は入港許可を得ることができなかったということです。
このためトリポリ以外に住む韓国人は「自主的に避難計画を立てるしか方法がない」と、外交通商部は話しています。

・李明博(イ・ミョンバク)大統領が、UAE=アラブ首長国連邦に建設する韓国型原子力発電所の起工式に出席するため12日から3日間、アラブ首長国連邦を公式訪問します。
アラブ首長国連邦での原子力発電所建設工事は、韓国が2009年12月に受注し、韓国の企業連合が総額400億ドル(47兆ウォン)で1400メガワット級の原子力発電所4基を設計、建設するものです。
発電所は、サウジアラビア国境から75キロの政府用地ブラカに建設されることになり、第1号基は2017年に完成し、残りの3基は2020年までに完成することになっています。
李明博大統領はまた、ハリファUAE大統領と13日、首脳会談を行い、両国の経済協力促進について協議する予定です。
李明博大統領のアラブ首長国連邦訪問は、大統領就任後2度目です。

・韓国の外貨準備高が2か月連続で史上最高を更新し、3000億ドルに迫る勢いをみせています。
韓国銀行によりますと、先月末現在、韓国の外貨準備高は2976億ドルで、前の月より17億1000万ドル増え、2か月連続で史上最高を更新しました。
これは、ドル安によってユーロやイギリスのポンド建ての保有資産をドル換算した時価評価額が増えたのと、保有外貨の運用収益が増えたためと韓国銀行は説明しています。
韓国の外貨準備高は、今年1月末までは、中国、日本、ロシア、台湾、インドに次いで世界6位でしたが、2月末現在では7位に下がりました。

・国会は3日、外交通商統一委員会、環境労働委員会など11の常任委員会の全体会議を開きました。
このうち、環境労働委員会は、李萬儀(イ・マンイ)環境部長官を出席させ、口蹄疫に感染した疑いがある牛や豚の処分がきちんと行われなかったため土壌や水質の汚染が深刻になっている問題について正確な実態を追及しました。
一方、外交通商統一委員会は、韓国とEU=ヨーロッパ連合とのFTA=自由貿易協定の批准同意案の上程をめぐって与野党間で激しい攻防が繰り広げられました。
ハンナラ党はEUとのFTA批准同意案を、7日と8日に法案審査小委員会を経て9日の全体会議で処理したいとしていますが、民主党は、さらに綿密な検討が必要だとして3月臨時国会での処理に反対する姿勢を崩していません。

・2014年3月に期限切れとなる韓米原子力協定の改正のための第2次交渉が3日からソウルで始まりました。
外交通商部のチョ・ヒョン多国外交調整官と、アメリカ国務省のロバート・アインホーン不拡散軍縮担当特別顧問は、3日と4日の2日間、ソウルの外交通商部で韓米原子力協定の改正のための2回目の交渉に入り、韓米間で研究開発や技術協力、産業協力を可能にする上級協定の締結に向けた対策などについて意見を交しています。
ただ、今回の交渉では、核燃料の再処理や第3国への移転など韓米間で微妙に意見が対立している議題については議論しないということです。

・空軍は、韓半島上空と海上を監視できる空中早期警報機「ピース・アイ」1号機を、7月初めにも韓半島に配備することになりました。
韓国の防衛事業庁とアメリカのボーイング社が2日、明らかにしたところによりますと、韓国は、ボーイング社から全部で4機の空中早期警報機(AEW&C)ピース・アイを導入する計画で、このうち1号機は、アメリカ・シアトルで任務飛行のテストを終えた後、5月頃韓国に到着し、6月末から7月初めに空軍に引き渡される予定だということです。続く、2号機、3号機、4号機はすでに去年2月から次々とボーイング社から「737商用機」の形態で引き渡されており、南部の慶尚南道泗川にある韓国航空宇宙産業でピース・アイへの改造作業が進められています。
現在、737機級の最新の空中早期警報機を運営しているのはアメリカとオーストラリアの2カ国だけです。

・この新学期から全国の小中高校で、「独島」、日本で言う竹島についての授業が実施されることになりました。
教育科学技術部は、小中高校で取り上げる「独島教育課程」の指針をまとめ先月28日、全国の市や道の教育庁に送りました。
その内容をみますと、小学校では、子どもたちに独島の重要性を認識してもらうため独島の自然環境をはじめ、地理的特徴、歴史、政治・軍事・経済的価値などを教えるというものです。
中学校では、独島が歴史的、地理的、国際法的に韓国の領土であるという根拠を体系的に理解できるよう独島の歴史関連文献を詳しく教えることにしてます。
また高校では、現在展開されている独島を守る活動について伝え、こうした活動に自ら参加できるよう指導する授業を行うというものです。

・中国と北韓の国境に位置する標高2750メートルの白頭山が、数年以内に噴火する可能性が提起されたことに関連し、気象庁は2日、白頭山の噴火を監視するため音波観測所を設置する計画を明らかにしました。
気象庁のイ・ヒョン地震管理官は、「白頭山の噴火の可能性については、学者によって見解が異なっているが、緊急時に備えて総合対策を設けることにした」として、「まず年内に10億ウォンをかけて多目的用の空中音波観測所一カ所を京畿道(キョンギド)または江原道北部に設置するなど、最終的に全部で3カ所の観測所を設置する計画だ」と述べました。
白頭山は少なくとも2840万年前から火山活動があったとされ、その後もほぼ100年に1度のペースで噴火が繰り返されてきた記これは最近、中国の火山学者が、2014年から2015年に白頭山が噴火する可能性を提起したことから、韓国の気象庁が対策に乗り出したものです。

3月2日水曜日

・原油価格の高騰で、2月の消費者物価の伸び率は前の年の同じ月に比べて4.5%となり、2か月連続で4%台を記録しました。
統計庁が2日発表した「2月の消費者物価動向」によりますと、2月の消費者物価は前年同月に比べて4.5%上昇し、1月の4.1%に続いて2か月連続で4%台の上昇率となり、同じく4.5%だった2008年11月以来2年3か月ぶりの高い上昇率となりました。
部門別では、農産物21.8%、畜産物12.3%、水産物11.4%、工業製品5%の上昇になり、農畜水産物を品目別にみますと、ネギがほぼ2倍に近い89.7%、にんにく78.1%、白菜49.6%、さば44.6%、豚肉35.1%の高い上昇率となりました。
統計庁は、消費者物価の上昇の背景について、反政府デモが激しくなっているリビアなど北アフリカと中東情勢の不安によって原油価格が前年同月に比べて12.8%上昇したほか、魚や野菜などの新鮮食品の価格も25.2%上昇し、去年6月以来9か月連続で二桁の上昇となったことなどをあげています。

・政府は、物価上昇が続いていることを受け2日、物価安定に向けた長官会議を開き、緊急の対策をとることにしました。
会議を主宰した企画財政部の尹増鉉(ユン・ズンヒョン)長官は、まず「最近の物価上昇の背景には、原油価格の上昇や、家畜の伝染病、口蹄疫などがある」と指摘しました。
そして、会議では、農畜水産物の価格を安定させるため、輸入などを通じて野菜の供給を拡大するとともに、豚肉と粉ミルクの関税撤廃を前倒しして実施するほか、価格上昇の兆しがみられている加工食品や工業製品については、企業間の談合など不公正な取り引きが行われないよう監視を強化することを決めました。
さらに、石油加工製品の価格を安定させるため、価格情報の公開を拡大するとともに、流通構造の改善を進めていくことにしました。
このほか、原油価格の上昇は当面の間、続くものとみられることから、省エネ対策に国民の積極的な協力を呼びかけました。
政府は今後の物価について、これから気温の上昇とともに暖房などにかかるエネルギー需要が減ることや、口蹄疫が沈静化に向っているとみられることから、第2四半期の始まる4月からは物価も徐々に安定するのではないかとみています。

・反政府勢力と治安部隊との間で激しい衝突が続いているリビアから、韓国人を避難させるため、清海(チョンヘ)部隊の駆逐艦「崔瑩(チェ・ヨン)艦」が2日午後、リビアのトリポリ港に到着します。
国防部の関係者によりますと、「崔瑩艦」は当初、リビアのベンガジ港に入る予定でしたが、現地の状況や滞在中の韓国人の数などを考慮して、トリポリ港に入ることに変更されたということです。
また、「崔瑩艦」は、2日未明にベンガジ外港を通過しており、リビア政府からはトリポリ港への入港許可も得ているということです。
「崔瑩艦」は、トリポリで韓国人数十人を乗せて、地中海のマルタに向かう予定です。
これについて外交通商部の関係者は「現在、100人あまりの韓国人がリビアに残ることを望んでいるが、現地の状況次第でその数は変わると思う」と説明しています。

・また、リビアでビジネスを展開していた大宇(デウ)建設と現代(ヒョンデ)建設の社員およそ200人は、ギリシャ船籍の船舶を借りてリビアを離れる予定で、陸路で隣国のエジプトやチュニジアに避難する韓国人も増えているということです。
さらに、リビアに滞在している韓国人の避難が終わるまで、リビア駐在韓国大使館の職員はリビアに残るということです。

・アメリカは、1日、北韓が食糧支援を求めてきたことについて、配分の透明性などを前提に原則的に応じる方針を示唆しました。
アメリカ国務省のボズワース北韓担当特別代表は、1日開かれたアメリカ上院の外交委員会の聴聞会に出席し、北韓に対するアメリカの食糧支援について、「われわれは、人道支援と政治的な問題を切り離して捉えている」とし、「アメリカが食糧の配分状況をモニタリングして、子供たちや必要な施設にきちんと配給されることが把握できれば、食糧支援はやるべき正しいことだ」と述べました。
ボズワース特別代表は、また、アメリカの人道支援の前提条件について、「必要度、緊急度、支援食糧の住民への公正な配分という3つの条件が確認できることが大前提となる。これはどの国に対しても同じだ」と強調しました。
さらに、「現在、北韓に対する食糧支援の必要性について検討中だ。また、食糧支援に向け、食糧配分のモニタリングのあり方について北韓と対話する予定だ」と述べ、食糧支援と関連してアメリカと北韓が接触する可能性を示唆しました。
これと関連し、同席していたアメリカ国務省のキャンベル次官補は、「検討段階にあり、まだ何も決まっていないが、アメリカ政府はこの問題について極めて慎重な姿勢であり、韓国政府とも緊密に意見を調整している」と述べました。
また食糧を支援する場合は、アメリカからの支援であることが分かるように支援物に表示することも重要な条件の一つであることを示唆しました。

・韓米連合司令官を兼ねた韓国駐留アメリカ軍の次期司令官に、アメリカ陸軍司令官のジェームス・D・サーマン氏が推薦されました。
アメリカのゲーツ国防長官は、1日、「韓国駐留アメリカ軍のシャープ司令官の後任としてアメリカ陸軍司令官のジェームス・D・サーマン氏を推薦した」と発表しました。
サーマン司令官は、オクラホマ州出身で、1975年に任官し、合同参謀本部副議長、ドイツ駐在アメリカ軍の第5軍団長などを歴任して、イラク戦争の際には「イラクの自由作戦」の指揮に当たりました。
サーマン司令官は、オバマ大統領の最終指名や上院の人事聴聞会などを経てから、韓米連合司令官兼韓国駐留アメリカ軍司令官として韓国に赴任することになります。

・韓国の自動車メーカー各社は、ヨーロッパ市場での売り上げ拡大を視野に入れ、スイスで1日開幕したジュネーブモーターショーで様々な新車を発表しています。
このうち、最大手の現代(ヒョンデ)自動車は、1350平方メートルに上る広いパビリオンで、中型ワゴン「i40」を初めて公開したほか、今年アメリカで開かれたデトロイトモーターショーで公開した3ドアクーペの「Veloster」、そして電気自動車の「BuleOn」などを展示しました。
起亜(キア)自動車は、小型新車の「UB」、中型車の「K5」、それに環境にやさしいハイブリッド技術を適用した「K5ハイブリッド」などを展示しました。
双龍(サンヨン)自動車は、SUVとピックアップトラックのメリットを合わせたコンセプトカーで、2012年から発売する予定の「SUT1」を初めて公開しました。

3月1日火曜日

・きょう3月1日は日本の植民地時代だった1919年3月1日に、国民が韓国の独立を熱望して全国各地で独立万歳を叫びながら街頭行進を行った独立運動記念日の「三一節」で、国民の祝日です。
政府は1日午前、ソウルの世宗(セゾン)文化会館で92回目の三一節記念式を行ったのをはじめ、全国各地で記念行事が行われました。
李明博(イ・ミョンッバク)大統領は、世宗文化会館で行われた記念式に出席し、記念の演説の中で、北韓に対して北東アジアの平和と共同繫栄に参加するよう呼びかけました。
李明博大統領はこの中で「世界の多くの国々を支援している韓国が同じ民族である北韓への支援を渋る理由がない」として、北韓は核やミサイルの代わりに対話と協力、さらに武力挑発に対する責任ある行動を通じて、和解と協力の道を歩むべきだと強調し、統一に対する国際的な世論を広げていくとともに、統一に備えた力量を高めていく考えを示しました。
さらに日本に対しては、去年、菅直人首相の談話をとりあげて、「誠意のある行動と実践に乗り出すことこそ、韓日両国が過去にこだわらず未来に向っていくことができる。東アジアが世界秩序の中心として浮上している昨今、東アジアの平和は人類の未来にも非常に重要である。数千年間の歴史の中で韓国と日本は長い隣国だった」と述べて、日本が過去の歴史を清算し、東アジアの発展に向けた実質的な措置に自ら取り組んでいくよう求めました。

・先月2月の貿易収支は28億4600万ドルの黒字になりました。
知識経済部がまとめた2月の輸出入の統計によりますと、輸出は389億5900万ドルで去年2月に比べて17.9%増えました。
これに対して輸入は361億1300万ドルで去年同期より16.3%増加し、貿易収支は差し引き28億4600万ドルの黒字となりました。
輸出は石油製品が61%増加したのをはじめ、主に自動車部品(41.1%)、一般機械(38.2%)、
鉄鋼(36.4%)が増え、地域別の伸び率はアメリカ向けが41.5%増えて最も高く、次いでASEAN=東南アジア諸国連合向け(30%)、日本(27.3%)の順でした。
知識経済部では「リビア事態などによる原油価格の上昇が貿易に及ぼす影響は今月中旬に現れてくるとみられる。しかし輸出の上昇が続いており、3月も貿易黒字が続く可能性が高い」と見込んでいます。

・アメリカのホワイトハウスは28日、韓国に戦術核兵器を再配備する計画はないことを改めて確認しました。
これはホワイトハウスの国家安保会議のゼンセン副報道官が韓国の連合ニュースの取材に答えたものです。
ゼンセン副報道官はこの中で「オバマ政権の政策は韓半島での非核化を支持するもので、そのような政策を変更する計画はない」と述べました。
これに先立った韓国の一部のマスコミでは、アメリカのホワイトハウスで大量破壊兵器の政策を担当しているセイモア調整官が個人的な意見であると前提して「韓国が戦術核兵器の配備を公式に求めてくれば応じる考えを示した」と報道していました。

・北韓の金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の後継者に決まった正恩(ジョンウン)氏が今月14日に中国を訪問する予定だということです。
KBSの東京特派員が日本の市民団体のRENK=救え北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワークから入手した文書によりますと、金正恩氏は中国で全人代=全国人民代表者会議が閉幕した直後の今月14日に中国を訪問することになっているということです。
金正恩氏は中国訪問の期間中、中国の次期指導者たちと会って情勢認識を共有し、北韓と中国との持続的な協力関係を確認するとともに、北韓への経済支援を要請する予定とみられます。
これについてRENKの関係者は「中国政府が金正恩氏を北韓の後継者として認めると同時に招待するものとみられる」としています。
実際に中国の指導部は去年、北韓の朝鮮労働党の代表者会の後、金正恩氏の中国訪問を公式に要請しています。

・きょう3月1日から韓国の自動車メーカーの一つ、GM大宇(デウ)の社名が「韓国GM」に、生産している乗用車のブランドは「シボレー」に変わり、「大宇」のブランドは設立から28年で歴史の中に消えました。
韓国GMのもととなる「大宇自動車」は1983年に設立され、1986年に中型セダンの「ルマン」や1990年の「エスペロ」、翌1991年に韓国初の軽自動車「ティコ」で大きな人気を呼びました。
その後、母体となる大宇グループの解体によって経営が破たんし、2002年10月にアメリカのゼネラルモーターズに売却されましたが、社名は「GM大宇」として自動車生産を続け、一時は、最大手の現代(ヒョンデ)自動車に続く業績をあげました。
今回、社名を「韓国GM」に改めたことで、「大宇」の名前は歴史の中に消えました。
「韓国GM」は、年内だけで「シボレー」のブランドで8種類の新車を販売し、韓国でのシェアを大きく伸ばす計画です。

・ソマリア海賊からの救出作戦の際に銃撃戦でけがをしたケミカルタンカーの船長のソク・ヘギュン(58)さんは、帰国して1か月ぶりの28日、意識を完全に取り戻しました。
ソマリア海賊に乗っ取られたケミカルタンカー「三湖ジュエリー」のソク・ヘギュン船長は、ことし1月に韓国海軍の救出作戦の際の銃撃戦で重傷を追い、帰国後、病院で手術を受けており、一時的には意識を回復しましたが、一進一退の状態が続いていました。
ソク・ヘギュン船長は28日、入院している病院でマスコミとインタビューし、はっきりした声で銃撃戦の当時を振り返りました。
ソク船長は銃撃戦の際、夜で暗くマットをかぶせられている状態だったため、詳しい状況を覚えていないとしています。
また海賊がタンカーを乗っ取った後、数回に渡って脅迫をしたものの、暴力はなかったとしています。
病院の医療関係者は、ソク船長は意識を回復し自発呼吸もできるまでになったものの、家族のことを違った形で記憶しているなど混沌の症状がみられるとしており、銃によってけがをした両足などの追加手術は今後の容態を見極めながらその時期を判断すると説明しました。

・世界の穀物価格が上昇して小麦やトウモロコシ、大豆などの需給が難しくなっているのとは対照的に、韓国でコメの在庫は増え続けて去年は150万トンをうわまわっていることが分かりました。
農林水産食品部によりますと、2010年の穀物年度である2009年11月から2010年10月の間のコメの在庫は150万9000トンに上っているということです。
これは1994年以来、最も多い量で、政府の公共備蓄用の基準72万トンの2倍以上にあたります。
韓国で国民のコメ離れは毎年進んでおり、国民1人あたりの年間消費量は2002年の87キロから去年はおよそ73キロと、この8年間で14キロも減りました。
それに韓国が外国から義務的に輸入しなければならないコメの量は増えている上、北韓へのコメ支援は李明博(イ・ミョンバク)政権に入ってから中断されたままとなっており、コメの消費促進に向けた根本的な対策作りが求められています。

・ソウル市は、小学生の安全な学校生活を支援するため、新たに学校保安官制度を設け、新学期を控えた28日、市内にある547の国公立の小学校にそれぞれ2人の学校保安官を配置しました。
学校保安官は学校内で起きる暴力や誘拐などの犯罪から児童を保護するとともに、外部の人の出入りをチェックする役割を受け持つことになります。
学校保安官は新学期が始まる今月2日からベージュ色のユニフォームを着用して、午前7時半から夜9時半まで、1日2交代で校内の巡察や交通安全の指導にあたり、夏休みと冬休み、土曜日も勤務します。
ソウル市が学校保安官を設けたのは、学校への出入りが自由な校内で子どもが誘拐されたり、性的な暴力を受けたりする事件が起きているうえ、子どもによる暴力の度合いが社会問題になっているためです。
ソウル市はこの制度の導入によって学校内での事件や暴力を大幅に防ぐことができると期待しています。

・慶尚南道(キョンサンナムド)昌原(チャンウォン)市に韓国では初めて自転車専用の信号灯が登場しました。
韓国では省エネと環境にやさしい政策として自転車の使用を政府レベルで進めており、昌原市は割安の料金で自転車をレンタルで利用できる公共自転車制度を設けています。
昌原市は、自転車の安全をはかり、交通体系を効率的にするため、1時間あたり100台以上の自転車が通行しているものの横断歩道がない昌原総合運動場近くの交差点に、このほど韓国初の自転車専用の信号灯を取り付けました。
この信号灯は、ヨーロッパの自転車専用信号システムを検討して、昌原市内に合わせて設置したもので、緑のランプは自動車用の信号灯より1~2秒遅く、黄色と赤のランプは自動車より2~3秒早く表示されます。
この信号灯は2日から1か月間、運営して問題点があるかどうかをチェックした後、設置する交差点を増やす計画です。