2009年ニュース

8月1日土曜日

・アメリカ軍がハワイの沖合いで短距離ミサイルを迎撃する実験が成功した映像を公開し、先月初めに東海に向けて相次いで短距離ミサイルを発射した北韓をけん制するねらいがあるものとみられています。アメリカ海軍とミサイル防衛局(MDA)によりますと、この迎撃実験はハワイのカウアイ島にあるアメリカ軍の発射台から敵からの攻撃として想定された短距離弾道ミサイル1発が発射されました。これを真珠湾に停泊していたイージス駆逐艦「ホッバー」が2分後に探知して迎撃用ミサイルを発射し、2分後に高さ160キロの太平洋上空でこの短距離弾道ミサイルを打ち落としました。今回の迎撃実験は、アメリカ独立記念日に合わせた7月4日、北韓が東海に向けて相次いで発射した短距離ミサイルの速度などと似たようなミサイルを使って行ったということで、これまで迎撃実験を23回行って19回成功したと発表しました。アメリカが韓国や日本のミサイル防衛に緊密な関係がある短距離ミサイルの迎撃実験の映像を今回、公開したことは、北韓の短距離ミサイルをけん制するねらいがあるものとみられています。

・東海で北韓軍にだ捕された韓国のイカ釣り漁船「ヨンアン号」をめぐって、南北の軍事実務者による接触が始まりました。統一部によりますと、北韓は31日午後、東海地区の軍事実務責任者からの通知文を軍の通信線で韓国側に送り、「ヨンアン号の乗組員に対する取調べが進められており、その結果にもとづいてこの問題を処理する」と伝えてきたということです。これを受けて韓国政府は北韓に対して返信の通知文を送り、ヨンアン号が海の軍事境界線である北方限界線を越えたのは、位置を見誤ったことによるもので、人道主義にたって乗組員を早期に送還するよう求めました。イカ釣り漁船の「ヨンアン号」は4人が乗って、東海で操業していましたが、衛星で位置を測定するGPS=全地球測位システムが故障したことから、北方限界線を越えて北韓の海域に入ったものとみられ、7月30日の午前5時過ぎ、北韓の警備艇にだ捕され、現在、長箭(チャンジョン)港に停泊しています。

・全教組=全国教職員労働組合が政府を批判して、教育政策の転換を求める2度目の宣言を発表したことに対して、教育科学技術部は31日、全教組の委員長を罷免するなど幹部89人に対する重い懲戒処分を決めました。教師2万8000人で組織する全教組は7月19日、政府を批判し教育政策の転換を求める2度目の宣言を発表しました。これについて教育科学技術部は教師が政府の政策を批判する宣言に参加する行為は、国家公務員法の集団行為の禁止と誠実・服従の義務、それに教員労組法の政治活動の禁止に違反するものだとする厳しい見解を示し、31日、全国の教育長に対して、宣言を主導した委員長を罷免するとともに、21人を解任、67人を停職の処分にするよう要請しました。これに対して全教組は法律と常識をはずれる暴挙だと強く反発していますが、教育当局による懲戒処分は避けられない見通しで、8月下旬に始まる2学期に混乱が起きる可能性も出てきました。

・不況で輸出より輸入の減り方が大きい、いわゆる「不況型の黒字」の状態が続いているため、7月の貿易黒字は51億ドルあまりとなりました。知識経済部によりますと、7月の輸出は327億3000万ドルで、去年7月に比べて20%減少したのに対して、輸入は275億9000万ドルと、去年7月より36%も減りました。これによって7月の貿易収支は、差し引き51億4000万ドルの黒字となり、今年2月から6カ月連続の黒字で、今年の黒字額の合計は、262億3000万ドルとなりました。輸出を品目別にみますと、造船は去年7月に比べてプラス成長でしたが、石油製品は57%も急減したのをはじめ、鉄鋼(マイナス41%)、一般機械(マイナス23%)、自動車(マイナス18%)、半導体(マイナス15%)はいずれも去年に比べて二ケタ台の減少率となりました。地域別には大幅な景気浮揚策が進められている中国向けの輸出は、上半期より減少率が改善されて去年より16%の減少にとどまりましたが、EU=ヨーロッパ連合(マイナス36%)、日本(マイナス33%)、アメリカ(マイナス27%)向けは減少幅がさらに大きくなりました。

・ストレスを訴える10代の青少年が大幅に増え、去年、病院を訪れた10代のストレス患者が初めて1万人を超えました。国民健康保険公団が去年1年間に、ストレスを訴えて病院を訪れた人を分析したところ10代の青少年は1万3000人あまりで、3年前の2005年の7400人に比べて85%も増えました。10代の患者が大幅に増えたのは、日増しに競争が激しくなっていく教育環境の中で、青少年が受験によるストレスに過度にさらされているためと分析されています。一方、ストレス患者全体をみますと、最も多いのは50代の女性で人口10万人あたり355人、次いで40代の女性(339人)、60代女性(299人)の順で、更年期以降の女性のストレスが深刻であることが浮き彫りになっています。

・ソウル市中心部の世宗路の中央分離帯に整備を進めていた「光化門(クァンファムン)広場」が完成し、1日、オープンしました。光化門広場は往復16車線あった世宗路の車線を10車線に減らし、1年3カ月かけて中央分離帯の幅を広げて作ったもので、幅34メートル、長さが557メートルあります。ここには豊臣秀吉の韓国侵略の際、韓国を救った名将、李舜臣(イ・スンシン)将軍の銅像などがありましたが、新たに韓国の歴史を石畳に刻み込んだ「歴史広場」や噴水、22万本あまりの花で彩られた「フラワー・カーペット」などが設けられました。この広場は地下鉄5号線の光化門駅から地下道でつながっており、地下道にはソウル市のシンボルに指定された伝説の動物「ヘチ」のオブジェや、工事中に発掘された朝鮮王朝時代の市場のユクチョ通りの遺跡などが展示され、体の不自由な人のために段差や階段をなくしています。ソウル市はさらに10月9日の「ハングルの日」に、ハングルを制定するなど数多くの業績を残した朝鮮王朝4代目の国王、世宗(セゾン)大王の銅像も完成させることにしています。