2009年ニュース

6月27日土曜日

・李明博大統領は28日、日本を訪問し、麻生首相との首脳会談を行います。今回の日本訪問は日帰りの日程で行われ、李明博大統領は東京で麻生首相と会談して、最近の北韓による核実験やミサイル発射の問題をはじめ、世界的な経済危機の対策や韓日関係の発展策について意見交換することにしています。両首脳は、北韓による核実験やミサイル発射を受けて、両国間の協調体制を高めるほか、部品や素材産業などでの協力や、韓国と日本のFTA=自由貿易協定、気候変動対策の両国の協調などについても話し合うものとみられます。両首脳は会談の後、共同記者会見をして、会談内容を発表することにしています。李明博大統領はこのほか、民団=在日本大韓民国民団の幹部との会合や日本の経済関係者との懇談会にも出席した後、28日夜帰国することにしています。李明博大統領の日本訪問は、去年4月の韓日首脳会談で合意した両国間の「シャトル外交」の一環として行われるもので、李明博大統領と麻生首相との首脳会談は今回が5度目となります。

・北韓の核実験やミサイル発射を受けて、国防部は軍の基本計画を見直して、北韓への対応能力を強化することになりました。李相熹(イ・サンヒ)国防部長官が26日、記者会見して明らかにしたところによりますと、北韓のミサイル基地などの動きをとらえるため、2015年までに無人偵察機の「グローバルホーク」をアメリカから新たに導入して北韓全域を24時間体制で監視するほか、イージス艦に迎撃ミサイルを搭載するなど、北韓からのミサイル攻撃に備えるとしています。また、北韓が電磁波を使って韓国のコンピューターや通信設備を破壊し、政府機関などの機能をまひさせる攻撃に備えて、来年から防御システムを導入することにしています。国防基本計画に北韓の核やミサイルによる攻撃から防衛することが明記されたのは今回が初めてで、北韓の核実験やミサイル発射で高まる危機感を反映したものとみられています。

・アメリカ国務省は、国連安全保障理事会の北韓に対する制裁決議の具体策を詰めるため、関係国に代表団を派遣することになりました。アメリカ国務省のクローリー次官補は26日、記者会見し、国連安全保障理事会の北韓に対する制裁決議の具体策を詰めるため、ゴールドバーグ元ボリビア大使を代表とする、財務省や国防総省のメンバーらによる代表団を近く関係国に派遣すると語りました。AFP通信によりますと、この代表団はまず中国を訪問するものとみられています。

・大統領府青瓦台は、南海岸の全羅南道高興(コフン)郡ウェナロ島に羅老(ナロ)宇宙センターが完成したのを機会に、宇宙開発事業に民間企業を積極的に参加させることになりました。青瓦台が27日、明らかにしたところによりますと、政府は今後、宇宙開発に民間企業を積極的に参加させ、21世紀の新しい成長産業として育てていきたいとしています。このうち、すでに高い技術レベルを持つ衛星の部門では、政府傘下の航空宇宙研究院が持っている技術を民間企業に移転するか、子会社を設立するなどして、早期に商業化を進めます。しかし国内の技術がまだ十分ではない発射体開発の部門については、最初から民間企業の参加を積極的に進めることにしています。

・先月、5月の銀行の預金と貸し出しの金利の差が2.58%となり、この10年間でもっとも大きくなったことがわかりました、これは都市銀行がそろって、預金金利を引き下げる一方、貸し出し金利を引き上げたことによるものです。5月の都市銀行の貯蓄性預金の平均金利は2.8%で、4月より0.04%下がって史上最低になった一方、新規貸し出しの平均金利は4月より0.02%高い年5.42%となり、去年10月以降7か月ぶりの上昇となりました。これで 預金金利と貸し出し金利の差は、去年の平均より2倍以上大きく、この10年間でもっとも大きくなりました。

・経済活動ができる対象となる15歳以上の韓国の人口が4000万人を超えました。統計庁が27日発表したところによりますと、15歳以上の人口は、今年5月15日現在、4002万7000人で、去年の同じ時期より1.2%、48万7000人あまり増えました。15歳以上の人口は、1989年3月に3000万人を超えて以来、20年2か月間で1000万人増えたことになります。

・ソウル周辺にある朝鮮王朝時代の歴代の王の墓、王陵群がユネスコの世界遺産に指定されました。ユネスコ=国連教育科学文化機関は、27日、スペインのセビーリヤで第33回世界文化遺産委員会を開き、韓国が登録を申請した「朝鮮王陵群」を世界遺産に指定しました。今回世界遺産に指定されたのは、朝鮮王朝時代の初代から27代までの王と王妃42人のうち、北韓の開城にある2つを除いた、合わせて40基の王陵で、ソウルとその周辺に散在しています。ユネスコの世界文化遺産委員会は、一つの王朝の王陵が破壊を受けることなく保存されている世界唯一の王陵群であること、現在も伝統的な祭祀が行われていること、王陵の作り方が、ほかの儒教文化圏と比べて自然環境に配慮した独特なものであることなどを高く評価しています。これで韓国は、朝鮮王朝の宮殿「昌徳宮」や慶州の「仏国寺」など8つの世界文化遺産を持つことになりました。

・ポップスの帝王とまでいわれたアメリカのマイケル・ジャクソンさんが亡くなりましたが、韓国でもマイケル・ジャクソンさんのアルバムの売れ行きが急増するなど、突然の死を悼む動きが広がっています。韓国のネット販売大手のサイト「オークション」によりますと、死亡が伝えられた26日、マイケル・ジャクソンさんのCDの売り上げは通常の5倍以上に増えました。また大手ネットショッピングサイト「インターパーク」でも、マイケル・ジャクソンさんのCDとともに、Tシャツなどいろいろなグッズの売り上げも急増するなど、大勢のファンがジャクソンさんの突然の死を悼んでいます。

6月26日金曜日

・6月の臨時国会が26日に始まりましたが、与党ハンナラ党が単独で召集の手続きを進めたことに野党民主党が強く反発しており、法案の審議をめぐって厳しい対立が予想されます。国会の召集は在籍議員の4分の1が同意すれば可能で、今度の臨時国会は過半数を占めているハンナラ党が単独で召集を要求しました。しかし、午後2時に開かれる予定の開会式は、ハンナラ党単独の召集に反発した民主党が応じていないため、まだ開かれていません。ハンナラ党は今月中に非正規職法の改正案を成立させ、会期が終わる来月までにメディア関連法の改正案を成立させるとしています。これに対して民主党は、与野党と労働組合連合の2大組織である韓国労総と民主労総による会議で妥結案が出されれば、非正規職法の改正案については採決に応じることは出来るが、メディア関連法の改正案については譲歩できないという立場を取っています。

・国防部はPKO=国連の平和維持活動への参加を迅速に進めるため、海外に派遣する常設部隊を創設する方針を決めました。国防部の関係者によりますと、常設部隊は特殊戦司令部所属の将兵1000人と、陸海空軍の将兵2000人の合わせて3000人程度の規模になるということです。特殊戦司令部所属の将兵はテロに対する作戦を遂行する訓練を受けており、国防部は平和維持活動への参加が決まれば、最初にこれらの将兵を派遣し、派遣部隊が1000人を超える場合は陸海空軍の将兵も派遣するということです。韓国はこれまで、海外に派遣する特別の部隊がなく、国連の要請で海外に兵力を派遣する場合は、その度に国会の承認を得て、新たに部隊を編成し、改めて訓練するなどの手順が必要なため、実際に派遣するまでに3か月以上かかっていました。常設部隊が創設されれば、部隊の編成や訓練のための時間を節約できるので、兵力を迅速に海外へ派遣することが出来るようになります。政府は、常設部隊の創設を契機に、2012年までに国連の平和維持活動への貢献度を世界で10位以内に引き上げることにしています。

・韓国とアメリカは緊急時に通貨を融通しあう通貨スワップ協定の契約期間を3か月間延長することに合意しました。通貨スワップ協定は、外貨不足を解消するために、自国の通貨と相手国の通貨を一定期間交換する協定で、期間が終われば再び相手国の通貨と交換することになります。韓国銀行は26日、アメリカ連邦準備制度理事会との間で締結されている300億ドルの通貨スワップ協定の満了期限をこれまでの今年10月末から来年2月1日までに3か月間延長することにしたと発表しました。韓国銀行は去年10月にアメリカ連邦準備制度理事会との間で、300億ドルの通貨スワップ協定を今年4月までの期限で締結し、その後、契約期間を半年間延長していました。

・経常収支が4か月連続で黒字となりました。韓国銀行がまとめた資料によりますと、5月の経常収支は36億3000万ドルの黒字でした。経常収支は2月から4か月連続で黒字が続いており、今年に入ってからの累積黒字は164億6000万ドルになりました。部門別に見ますと、商品収支は、輸出が減っているものの輸入はさらに大きく減っていることから50億2000万ドルの黒字となり、所得収支は、外国人投資家による配当金の海外への送金が大幅に減ったため43億6000万ドルの黒字に転じました。また、資本収支は、国内への資本の流入が大きく増えたことから、黒字幅は前の月の21億6000万ドルから67億2000万ドルと3倍以上増えました。これに対して、サービス収支は、旅行収支の赤字が拡大したことなどによって14億7000万ドルの赤字になりました。

・教育科学技術部は、李明博政権の政策を批判する時局宣言の発表を主導した全国教職員労働組合の教師を検察に告発することにしました。全国教職員労働組合は18日、国政の刷新、言論・集会・良心の自由の保障などを求める時局宣言を発表しました。この時局宣言には全国教職員労働組合に所属する教師ら1万7000人あまりが署名しました。教育科学技術部は時局宣言に署名した教師のうち、時局宣言の発表を主導したか、積極的に加担した教師88人を解任または停職の処分にする一方、検察に告発することにしました。また、この他の教師についても、時局宣言に署名した経緯などを調査して、懲戒処分にすることにしました。教育科学技術部は、時局宣言に署名した教師は、国家公務員法第56条の誠実の義務、57条の服従の義務、63条の品位維持の義務、66条の集団行動の禁止の条項に違反したと説明しています。

・李明博大統領は26日、独立運動家だった金九氏の60周忌追悼式にあいさつを寄せ、「金九氏の業績にならって、理念の対立と葛藤を克服しよう」と訴えました。李明博大統領は、青瓦台の首席秘書官が代読したあいさつでこのように述べ、さらに、金九氏は政治的には自由を、経済的には平等を実現し、理念の対立を克服して統一国家を建設するために努力したとした上で、そんな金九氏の愛国精神は私たちみんなの尊敬を受けていると述べました。また、金九氏が亡くなって60年が経った今、韓国は政治や経済面で大きく発展したが、国内では政治社会的な対立が続き、南北関係はこう着状態に陥っているなど、解決すべき課題が少なくないとしました。李明博大統領はその上で、金九氏の愛国精神を受け継いで、国民の統合と民族の統一に向けて努力していきたいと述べました。

・来年度の最低賃金をめぐる労使代表による交渉は、使用者側が経済危機を理由に引き下げを求めているため難航しています。最低賃金委員会は25日、2010年度の最低賃金をめぐって7回目の協議を行いましたが、最終的な妥結には至りませんでした。労働者側は来年度の最低賃金を今年の時給4000ウォンから4600ウォンに15%引き上げるよう要求していますが、使用者側は2%引き下げて3920ウォンにするよう求めています。使用者側が最低賃金の引き下げを求めたのは、1988年に最低賃金制度が導入されてから初めてです。使用者側は、最近の経済危機で大部分の企業が賃金を凍結または削減している中で、最低賃金を引き上げるのは雇用の機会を減らすことにつながるとして引き下げを求めているのに対して、労働者側は最低限の生活を保障するためにも最低賃金の引き下げはあり得ないと反発しています。

・DMB=デジタルマルチメディア放送の利用者が2200万人を超えました。DMBは地上波放送と衛星放送があり、このうち有料の衛星DMB事業を営んでいるTUメディアによりますと、加入者が今月25日に200万人を超えました。これは2005年5月に放送が始まってからほぼ4年で達成したことになります。TUメディアの関係者は、有料とはいえ、加入者の200万人は人口の4%に当たり、収益を安定させる土台が出来たとしています。一方、無料の地上波DMBは、端末機の普及が5月までに2000万台と、2005年12月に放送が始まってから3年6か月ぶりで大台を超えました。この結果、衛星DMBと地上波DMBを合せた利用者は2200万人になり、人口の45%が専用の端末機や携帯電話などを利用してDMBを楽しんでいることになります。

6月25日木曜日

・政府は今年の経済成長率の見通しを−1.5%に上方修正しました。企画財政部が25日、李明博大統領に報告した「下半期及び来年度の経済展望」によりますと、今年の経済成長率は、4月に発表した−2.0%から0.5ポイント改善された−1.5%になるだろうと予想しました。また、今年の経常収支は250億ドルの黒字になり、新規雇用は政府の財政支出などの経済政策によって10万〜15万人の減少にとどまるだろうと予想しました。一方、来年の経済の見通しについては、経済成長率はプラスに転じて4%前後になり、経常収支は80億ドルの黒字、新規雇用は15万人が増加すると予想しました。経常収支の黒字幅が今年の250億ドルから来年は80億ドルに大きく減るのは、原油など原材料価格が上昇して輸入が増えるためとしています。企画財政部は、来年は世界的に景気が回復に向けて動き出すことが予想され、韓国経済も顕著に回復すると予想されるものの、国際金融市場の不安定や原油価格の上昇、北韓の核問題など、不確実な要素も多いため楽観するのはまだ早いと指摘しました。

・OECD=経済協力開発機構は24日、各国の最新の経済見通しを発表し、その中で韓国の今年の経済成長率は−2.2%で、来年は3.5%になるだろうとしました。それによりますと、韓国では第1四半期の民間消費と建設投資、産業生産が去年の第4四半期に比べて改善するなど、景気回復が軌道に乗り始めたと指摘し、今年の経済成長率は年間で−2.2%になるだろうとしました。これはIMF=国際通貨基金や世界銀行が最近示した見通しより1〜2%ほど高くなっています。また、来年は世界的に貿易が回復し、韓国は輸出が増えるなどして、経済成長率は年間で3.5%まで回復するだろうとしました。しかし、雇用の悪化や金融部門の不安は依然として残っているとした上で、韓国経済は輸出に依存するところが大きいので、主要国の景気回復が遅れれば、韓国の景気回復も遅れる可能性があるとしました。

・アメリカのオバマ大統領は24日、北韓の核計画がアメリカの国家安全保障にリスクをもたらしているとして、北韓に対する経済制裁を1年間延長する方針を明らかにしました。オバマ大統領は議会に送った通告書で、北韓の核計画とミサイル問題はアメリカの国家安全保障にとってリスクになっており、北東アジアの平和と安定を脅かしているので、25日で期限が切れる北韓に対する資産凍結などの経済制裁を1年間延長するとしました。ブッシュ前大統領は去年6月、北韓が核計画を申告したことを受けて、北韓に対する敵国通商法の適用を終了させましたが、資産凍結など一部の制裁措置は継続しています。

・アメリカ軍はミサイルや核関連の物資を積んだ疑いがあるとされる北韓の船舶「カンナム」の他にも、複数の北韓船舶の動きを注意深く見守っているということです。これはアメリカ国務省のモレル報道官が24日の記者会見で明らかにしたもので、それによりますと、アメリカ海軍は現在、今月17日に北韓の港を出港したカンナム号を追跡しているが、北韓の他の複数の船舶についても相当な期間に渡ってその動きを注意深く見守っているということです。モレル報道官は、アメリカだけでなく、該当する地域の海軍も複数の北韓船舶の動きを見守っていると述べ、韓国や日本、中国の海軍も北韓船舶の動きを見守っていることを示唆しました。また、カンナム号については、停船させて捜索するなどの措置は、アメリカ海軍単独ではなく同盟国や関係国と協議して決める問題だとしましたが、まだそのような決定を下す時期が迫っているわけではないと述べました。

・女優のチャン・ジャヨンさんが遺書を残して自殺した事件で、自殺の背景などを捜査していた盆唐警察署は25日、チャン・ジャヨンさんが所属していた事務所の前の代表が日本で逮捕されたと発表しました。チャン・ジャヨンさんは今年3月、「酒の接待や性的な接待を強要された」という内容の遺書を残して自殺し、盆唐警察署はこのような接待を受けたと見られる放送局のプロデューサーやマスコミの幹部などについて調査しましたが、決定的な手がかりを持っているチャン・ジャヨンさんが所属していた事務所の前の代表が日本に逃げたため、事実上捜査を中断していました。前の代表は早ければ来週初めにも日本から強制送還される見通しで、警察は、チャン・ジャヨンさんに暴力を振るい、酒の接待や性的な接待を強要した疑いなどについて取り調べることにしています。また、取り調べによって新たな供述が出てくれば、放送局のプロデューサーやマスコミの幹部などに対する調査が再開される可能性もあり、関心が寄せられています。

・韓国戦争がぼっ発してから59年になる記念式が25日、ソウルの奨忠体育館で行われました。在郷軍人会と報勲処が主催した記念式には、政府と政党の幹部や在郷軍人会の会員、内外から戦争に参加した人など、5000人あまりが出席しました。このうち海外からはアメリカやコロンビア、ベルギーなど、韓国戦争に国連軍として参戦した国の人たち69人と、アメリカやオーストラリア、カナダに住んでいる遺族ら32人が参加しました。韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は報勲処長が代読した式辞の中で、「国が危機に直面したときに国家と国民のために犠牲になった方々を最後まで礼遇する」とした上で、「韓国戦争の参戦者に対する医療サービスや住宅支援を大幅に強化する」と述べました。

・ITC=アメリカ国際貿易委員会は24日、韓国の三星電子が日本のシャープを相手取って特許権を侵害されたとして起こした訴えで、三星電子の言い分を認め、シャープの液晶テレビなどの輸入や販売を一部差し止める命令を出しました。三星電子は今年1月に、シャープが液晶テレビに関連した三星電子が保有している特許を侵害したとして、ITCに提訴していました。ITCは、三星電子が提起した4件の特許権侵害について、1件が特許権を侵害したと認め、他は認定を見送りました。一方、ITCは今月16日には、三星電子がシャープの特許権4件を侵害したと認める予備判定を出しています。ワシントンの通商専門家は、三星電子とシャープの特許権をめぐる紛争は長期化する様相なので、双方が円満に妥結しなければ、ともにアメリカへの輸出に支障が出る可能性があるとしています。

・韓国の南部地方に2日続けて猛暑注意報が出されている中で、東部地方は今年に入って初めての熱帯夜となりました。25日朝の最低気温を見ますと、東海市が26度2分、束草市が25度4分など、東部地方は軒並み25度を上回り、熱帯夜となりました。気象庁によりますと、南西から吹く高温多湿の風が東部地方の太白山脈にぶつかってフェーン現象が起きたため、東部地方では明け方も気温が下がらなかったということです。25日は、最高気温が大邱市で35度、ソウル31度、江陵市34度まで上がるなど、全国的に平年を上回る見通しです。気象庁は、こうした高温現象は週末まで続き、来週初めに雨が降った後、平年の気温に戻る見通しだとしています。

6月24日水曜日

・李明博大統領は23日、「北韓が国際社会の舞台に出てくれば、韓国と世界がともに支援し、自力で生きられる国の基盤を築くことができる」と述べました。これは、23日にソウルで開かれた、世界各国に在住している韓国人の代表が集まった第10回世界韓国人会長大会で述べたもので、この中で李明博大統領は、「世界が北韓への支援に関心を示しているが、北韓を自立して競争の中で生き残れる国にすることに関心があるのは韓国しかない」と強調しました。李明博大統領はさらに、「北韓に工場を建て、人材を訓練すれば、北韓は短期間で中国に追いつけると前向きに考えている」と自信を示しました。李明博大統領のこうした発言は、北韓が核を放棄し、自ら開放に進めば、経済発展を手助けできるとする、大統領選挙で掲げた公約の「非核・開放・3000」構想を改めて確認したもので、北韓に対して変化を促したものと受け取られています。

・与党ハンナラ党が23日に単独で臨時国会の召集を求める要求書を国会に提出したことに反発し、野党民主党の一部の議員が国会本会議場前で座り込みに入り、与野党間の緊張が高まっています。この日座り込みに入った民主党の議員は18人で、これらの議員は、声明を発表し、「与党単独での国会の開会は新たな独裁時代の始まりを意味する独裁宣言だ。国民の意思を代表し、民主主義を守り、単独国会を阻止するために無期限の座り込みに入る」と述べました。また、これらの議員は、ハンナラ党に対し、財閥や新聞社が放送局を所有することを認めることを主な内容とするメディア関連法の改正など、争点となっている法案の強行採決をやめるよう求めました。今回の座り込みは強硬派議員のグループが中心となっていますが、臨時国会が始まる26日を前後して党全体に広がる可能性もあるとみられます。これに対し、与党ハンナラ党の尹相現(ユン・サンヒョン)報道官は、「国民の意思を代表するとした座り込みは、国民を政略的に利用するものだ」と非難したうえで、「仕事をして評価を待つのが与党の進むべき方向である」と述べ、単独でも国会審議を強行する考えを明確に示しました。

・景気回復の兆しは見えるものの、各種の経済指標は、依然として去年9月にアメリカの証券大手リーマン・ブラザーズが経営破綻した直前の水準に大きく及ばないことが分かりました。韓国銀行と統計庁が24日に明らかにしたところによりますと、今年第1四半期のGDP=国内総生産は、季節調整後の実質ベースで235兆8536億ウォンで、去年の第2四半期(247兆5523億ウォン)の95.3%にとどまりました。今年第2四半期のGDPが前期より2.0%増加して240兆5706億ウォンに達しても、2007年の第3四半期の水準に後退したことになります。また、今年4月の統計庁の設備投資推計指数は101.3で、去年8月(123.5)の82.0%にとどまり、9年前の水準に戻ったことが分かりました。 さらに、5月の輸出額は281億4767万ドルで、去年8月(366億1060万ドル)の76.9%、去年5月(399億8316万ドル)の70.4%に止まり、これは、3年前の2006年5月(279億3451万ドル)まで後退した数値となっています。このほか、就業者数や国家信用度、外貨準備高などの経済指標のいずれも去年9月にリーマン・ブラザーズが破綻する以前の水準には回復していません。経済専門家は、経済指標がそれ以前の水準を取り戻すには少なくともあと1年から2年はかかるという見方を示しています。

・韓国で初めての尊厳死を認める裁判所の判決を受けて、ソウル市内の病院で延命治療を中断する尊厳死の措置が23日に実施されましたが、人工呼吸器を外されたこの患者は、25日午前現在、自力で呼吸を続けています。ソウルの延世大学付属セブランス病院が24日に明らかにしたところによりますと、尊厳死の措置がとられた77歳の女性患者は、現在、人工呼吸器を外す前と変わらない状態を維持しているということです。病院側は、裁判所の判決が人工呼吸器を取りはずすよう命じているため、栄養の供給は続けるとしており、患者の状態は血圧や1分当たりの呼吸数、心拍数のいずれも正常で、免疫力が低下している意識不明の患者によくみられる肺炎や、床ずれなどの合併症も現れていないということです。患者は呼吸器を外してから3時間以内に死亡する可能性が高いとみられていましたが、病院関係者は「医療陣は当初から死期が迫った段階ではないという判断を示していた」と話しています。しかし患者の容態が好転する可能性については「今の状態が長く続く可能性があるだけで、容態が改善するとは考えられない。これから1か月間が山場になると思う」と説明しています。

・国防部の張秀万(チャン・スマン)次官は23日、日本の防衛省の増田好平事務次官とソウルで会談し、海上での捜索救助訓練を共同で実施するなど、双方の交流と協力を拡大することで合意しました。また両次官はこの会談で、今年4月に合意した「国防交流意向書」を誠実に履行することが重要だという認識で一致し、協力を一層強化することにしました。国防交流意向書は、今後両国が進めていく国防分野の交流として、国防長官・国防次官・合同参謀会議議長などの人的交流や、教育・研究機関の交流、捜索や救助活動に関する共同訓練の定例化、部隊間の交流と訓練への参観、国際平和維持活動と海外緊急救護活動に関する協力などが盛り込まれています。両次官はさらに、北韓による長距離ロケット発射と核実験は国連安全保障理事会の決議に違反し、北東アジアの安全を脅かすもので、絶対に認められないという認識で一致し、北韓の核問題を解決するために韓日米の協力を強化していくことを確認しました。

・韓国の南東部、慶尚北道に24日、今年初めて猛暑注意報が出されました。猛暑注意報が出されたのは大邱(テグ)をはじめ、浦項(ポハン)、亀尾(クミ)、高霊(コリョン)、星州(ソンジュ)など慶尚北道の15の市と郡です。猛暑注意報は日中の最高気温が2日連続で33度を超え、湿度も高く多くの人がストレスを感じると予想される場合に出される注意報です。24日午前11時の気温は、大邱が30度1分、浦項が30度2分、星州が29度7分などとなっています。大邱気象台は、「西海岸に広がる高気圧の影響で、大邱など慶尚北道地方はおおむね晴れて、日中の最高気温が30度を超え、蒸し暑い1日となるので、猛暑注意報が出された地域の住民は健康管理に注意してほしい」と呼びかけています。

6月23日火曜日

・韓国で最高額の紙幣となる5万ウォン札の流通が23日から始まりました。韓国銀行は23日午前、5万ウォン札の発行を記念する行事を行い、銀行などの金融機関に5万ウォン札の供給を開始しました。韓国銀行の李成太(イ・ソンテ)総裁はこの席で「1973年に1万ウォン札が発行されてからこれまでに1人当たりの国民所得が110倍になるなど経済が発展して、1万ウォン札以上の高額紙幣が求められるようになった。これまでは10万ウォンの小切手が高額紙幣の役割を果たしてきたが、経費がかかっていたので、36年ぶりに発行された高額紙幣が広く便利に使われるよう期待する」とあいさつしました。新しい5万ウォン札は、黄色がメインカラーで、大きさは横154ミリ、縦68ミリと、今の1万ウォン札より横が6ミリ長くなっています。表には朝鮮王朝時代の女流文学者で画家だった申師任堂(シン・サイムダン)の肖像画と彼女の絵が、裏には朝鮮王朝時代の別の画家の水墨画などが描かれています。また偽造や変造を防ぐために特殊なインクやホログラムなどの技術が使われ、目の不自由な人のための配慮も1万ウォン札より充実しています。5万ウォン札が発行された23日、銀行には新券を求める人が多く訪れ、各銀行は窓口業務だけでなく、5万ウォン札が使えるATMを1支店あたり1台ずつ設置して対応しました。韓国銀行は初日の5万ウォンの需要は1兆3530億ウォンに上ると見込んでいます。

・植物状態になって延命治療を受けている患者から人工呼吸器を取りはずす、韓国で初めての尊厳死が23日、ソウルの延世大学付属セブランス病院で行われました。初めて尊厳死を認められたのは、去年2月に病院で検査の途中、大量の出血によって脳に損傷を受けて、1年4か月の間、植物状態となっていた77歳の女性です。患者の家族は患者が意識を失う前に無意味な延命措置はしないよう求めていたとして、尊厳死を認めない病院を相手取って裁判を起こし、今年5月に最高裁判所にあたる大法院が初めて尊厳死を認める判決を言い渡しました。尊厳死が行われた23日午前、患者は重患者室から一般病室に移され、家族が見守る中で、呼吸器内科の医師によって患者の人工呼吸器が取りはずされました。すべての過程は非公開で行われ、医師は患者自ら呼吸をしなくなったときに死亡判断をだすことになっています。

・6月初めから開かれる予定だった臨時国会が、与野党の対立で開かれていないため、与党ハンナラ党は23日、臨時国会の召集を求める要求書を国会に提出しました。6月の臨時国会は先月、盧武鉉前大統領が逝去した後、与野党の対立が深まっているのに加えて、与党ハンナラ党が財閥や新聞社が放送局を所有することを認めることを主な内容とするメディア関連法の改正を進めていることに野党が反発して、まだ開かれていません。これについてハンナラ党は、6月末で期限を迎える非正規職関連法案を処理しなければ、7月には非正規労働者の大量解雇という重大な社会問題を引き起こす恐れがあるとして、23日、所属議員と無所属の議員など合わせて177人の名義で臨時国会の召集要求書を国会に提出しました。国会は召集要求書が提出されますと、3日間の公告を経て開かれることになっており、臨時国会は26日から来月25日までの30日の会期で開かれることになりました。ハンナラ党は臨時国会の会期中にメディア関連法や非正規職関連法の改正案などを本会議に上程するため、29日にすべての常任委員会を開くとしています。これに対して野党民主党は、今度の臨時国会はハンナラ党がメディア関連法を改正して、財閥による放送局の所有を認めるのがねらいで開くものだとして、与党が李明博大統領の言いなりになってしまうと、立法府の独立は望めなくなると強く反発しており、与野党の対立は国会が始まる26日に山場を迎えることになりそうです。

・世界的な景気低迷でどの国も失業率が高くなっていますが、韓国の失業率は、OECD=経済協力開発機構の加盟国のうち最も低い水準であることが分かりました。企画財政部が23日発表したところによりますと、OECDがまとめた各国の4月の失業率で、韓国は3.8%と加盟30か国うち、オランダ(3.0%)に次いで低くなりました。韓国の失業率は、今年1月に3.3%になった後4月まで上がっていますが、4%以下で、OECDの平均失業率7.8%に比べますと、半分程度となっています。失業率が最も高い国はスペインで18.1%に上り、次いでスロバキアとアイルランドが11.1%、日本は5%でした。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の韓国の首席代表を務める魏聖洛(ウィ・ソンナク)韓半島平和交渉本部長は、6か国協議の参加国のうち北韓を除く5か国による協議の開催を支持したロシアと話し合うため、23日、ロシアに向かいました。北韓を除く5か国協議の開催は、李明博大統領が提案したもので、ロシアが支持を表明しており、魏聖洛韓半島平和交渉本部長は、24日にロシアの首席代表を務めるバラダブキン外務次官と会って、北韓が2度目の核実験を強行した後の情勢などについて協議するとともに、5か国協議の開催に向けて意見を交わす予定です。ロシアは22日、外務省の声明を通じて「北韓の核問題をめぐる今の危機に対応する追加措置を決めるために5か国協議の開催を支持する」と表明しました。これまでロシアは北韓を除く対話の枠組みについては、北韓を刺激する可能性があるとして、慎重な態度をみせてきました。このため、魏聖洛韓半島平和交渉本部長は、5か国協議は北韓を圧迫する手段ではなく、北韓を説得する目的で開き、6か国協議の延長線上で進めるという韓国側の方針をロシアが理解したとみて、さらに突っ込んだ話し合いをすることにしています。

・1997年に韓国に亡命してきた北韓の朝鮮労働党の黄長Y(ファン・ジャンヨプ)元書記の家族3人がこのほど北韓を脱出して、第3国に滞在していると、韓国の宗教放送のインターネット・ポータルサイトが23日報じました。キリスト教放送のCBSが行っているニュース専門のポータルサイト「ノーカット・ニュース」が北韓消息筋の話として報道したところによりますと、「黄長Y元書記の家族3人は1か月ほど前に北韓を脱出し、現在第3国で韓国行きを待っている」ということです。しかし家族と黄長Y元書記との関係や家族が滞在している場所などについては一切触れませんでした。黄長Y元書記の家族は1997年に黄長Y元書記が韓国に亡命した後、平安南道に強制移住させられ、その後、夫人は死亡したと伝えられています。
これに先立って北韓に関するインターネットの情報サイト「開かれた北韓通信」は、「6月10日頃、黄長Y元書記の家族3人が居住地から行方不明になった。北韓当局は脱出をはかったものとみて、捜査している」と報道していました。

・世界各国に在住している韓国人の代表が一堂に会する第10回 世界韓国人会長大会が23日から4日間の日程でソウルで始まりました。この大会は海外に在住している韓国人が母国とのつながりを強めていっそう能力を発揮するとともに、世界に住む韓国人同士が交流してネットワークを作るために毎年、韓国で開かれるもので、今年の大会は世界66か国からおよそ450人が出席してこれまでで最大の規模となりました。特に今年は、2月に法律が改正されて海外に住む韓国人に投票権が与えられるようになったことから、大会の中で中央選挙管理委員会が選挙について説明会を開くほか、各政党が票を取り込もうと在外同胞に関する政策をめぐって会合やフォーラムを開くなど、政界から高い関心が寄せられています。

6月22日月曜日

・李明博大統領は今月28日に日本を訪れ、麻生首相と首脳会談を行うと、大統領府・青瓦台が22日、公式に発表しました。李明博大統領の日本訪問は去年4月の韓日首脳会談で合意した両国間のいわゆる「シャトル外交」の一環として行われるもので、両首脳は最近の北韓による核実験やミサイル発射の問題をはじめ、世界的な経済危機の克服や韓日関係の発展について意見交換することにしています。李明博大統領と麻生首相との首脳会談は今回が5度目で、両首脳は会談後に共同記者会見をして、会談の内容を発表することにしています。28日に日帰りで日本を訪問する李明博大統領はあわただしい日程の中で、民団=在日本大韓民国民団の幹部との会合や日本の経済関係者との懇談会にも出席する予定です。

・李明博大統領は21日、空席となっている検察総長に千成ェ(チョン・ソングァン)ソウル地方検察長を、国税庁長に白容鎬(ペク・ヨンホ)公正取引委員長をそれぞれ内定しました。検察総長に内定した千成ェ氏は忠清南道論山(ノンサン)出身の52歳、ソウル大学法学部を卒業して蔚山地方検察長、水原地方検察長を経て今年初めにソウル地方検察長に任命されていました。大統領府・青瓦台の李東官(イ・ドングァン)スポークスマンはこの人事について「検察組織を改めることを最も重視した人選で、千成ェ氏は法律と秩序の確立に対する所信がはっきりしているので、 検察内部の世代交代が期待できる」と説明しており、盧武鉉前大統領の逝去以来、論議の的となっている検察組織を思い切って一新させたいとする李明博大統領の意志が反映されたものと分析されています。一方、国税庁長に内定した白容鎬氏は忠清南道保寧(ボリョン)出身で53歳、中央大学経済学部を卒業して、ソウル市政開発研究院長を経て、先の大統領選挙の期間中に李明博大統領の諮問機関のひとつである正しい政策研究院の院長を務めた側近です。国税庁はこれまで前任の庁長3人がいずれも収賄の罪で任期途中に不名誉な退陣を強いられたことから、李明博大統領は国税庁出身ではない人物を庁長に当てて、国税庁の刷新を図ろうとしたものとみられています。千成ェ氏と白容鎬氏は今後、国会での聴聞会を経て、任命される予定です。

・李明博大統領は22日、大統領府・青瓦台で行われた首席秘書官会議で、21日に行った検察総長と国税庁長の人事について「組織を変化させるのに必要な人事だった」と述べました。この中で李明博大統領は「検察は法秩序をしっかり守っていくとともに、これまで進めてきた捜査の慣行で何が問題だったかを、この際振り返ってみる必要がある。国税庁の場合は時間がかかっても国税行政の刷新について十分に議論して、改革する必要がある」という考えを示しました。

・世界銀行は今後の韓国の経済について世界の主な国々の中で最も早く回復するという見通しを示しました。世界銀行のジャスティーン・リーン副総裁は22日、韓国のメディアとのインタビューで、今年の韓国経済の成長率はマイナス3%からマイナス3.5%程度になるとみられるが、その後大幅に回復して、来年はプラス2%になり、再来年の2011年にはプラス4%から5%まで成長を遂げるという見通しを示しました。リーン副総裁はこの中で「韓国は世界的な経済危機に陥る前からしっかりしたマクロ経済を持っているうえに、成長が著しい中国とも密接な関係を維持しているため、OECD=経済協力開発機構の加盟国の中で最も早く経済が回復するだろう」と述べました。リーン副総裁はまた「韓国経済は今年下半期から本格的に回復に向かうが、いろいろと不確実な要因もあるため、持続可能な成長を続けることができるかどうかは、世界経済がどこまで回復するかにかかっている」と分析しました。

・韓国で新型インフルエンザの感染者がさらに増えて100人を超え、21日午後までに合わせて115人となりました。保健福祉家族部の中央インフルエンザ対策本部によりますと、新型インフルエンザの感染者はアメリカから帰国した留学生を中心に増えているのに加えて、海外出張から帰ってきた会社員と接触した同僚など5人の2次感染が確認されるなどして115人に増え、このうち41人が隔離治療を受けています。韓国では初めて新型インフルエンザの感染が確認された先月2日から23日までの20日間は感染者が10人に過ぎませんでしたが、その後は感染者が大幅に増えており、韓国でも本格的に新型インフルエンザが拡大するのではないかと憂慮する声が出ています。しかし保健当局は、感染者との接触ではなく空気中のウィルスによる2次感染がみられないことから、警報のレベルを今まで通りの「注意(Yellow)」に維持して、ワクチンの生産と確保に取り組んでいます。

・先月23日に逝去した盧武鉉前大統領を追悼する公演が先週末の21日夜、ソウルの聖公会大学で行われ、故人を偲びました。追悼公演には、盧武鉉前大統領の側近の李海チャン(イ・ヘチャン)元国務総理や柳時敏(ユ・シミン)元保健福祉部長官を初め、支持者や市民などおよそ6000人が集まり、会場は盧前大統領の支持者を象徴する色の黄色と黒の服装で埋め尽くされました。午後7時半からおよそ4時間半にわたって行われた公演では、歌手のアン・チファンさん、ユン・ドヒョンバンドなどが盧武鉉前大統領にささげる歌を歌いました。

・半導体メーカーの大手、三星電子と日本の東芝は、両社が保有している特許を共有する期間をさらに延長することで合意したと22日、発表しました。ナンド・フラッシュ・メモリで世界シェアが1位の三星電子と2位の東芝は、競争力の強化をはかるため、2002年9月から今年3月まで、半導体分野で特許技術を共有してきました。今回の合意はその特許の共有期間を延長したもので、両社は詳細については明らかにしませんでしたが、三星電子の関係者は「特許をめぐる不必要な競争を避けるとともに、今後も両社が市場占有率を確保していくため、引き続き特許技術を共有することになった」と述べました。情報の集積が高密度にできて大容量化に適しているとされるナンド・フラッシュ・メモリの世界市場で、三星電子は去年、42%のシェアを占めてトップ、東芝は29%で2位となっており、2社合わせた占有率は70%を上回っています。

・南北縦断鉄道の京義線を最後に走り、韓国戦争で破壊されたままになっていた蒸気機関車が復元されて、今週25日から一般に公開されます。この蒸気機関車は日本のメーカーが1943年から1945年の間に製作したもので、韓国戦争が勃発したあとの1950年12月31日夜、最後の機関士となったハン・ジュンギさんが運転して、今は北韓の黄海道を出発して京畿道の長湍(チャンダン)駅に到着した直後に爆撃を受けて走れなくなり、そのまま線路が途切れた長湍駅に50年以上も放置され、錆びた状態になっていました。この蒸気機関車を保存するため、文化財庁と企業が支援して2006年2月から錆を落として復元する作業が進められ、このほど完成しました。文化財庁はこの蒸気機関車を軍事境界線近くの臨津閣にある野外展示場に移して、韓国戦争が勃発した日の6月25日から一般に公開することにしています。

6月17日水曜日

・アメリカを訪問している李明博大統領は韓国時間で17日未明、ホワイト・ハウスでオバマ大統領と首脳会談を行い、北韓の核や弾道ミサイルの完全廃棄に向けて協力するとともに、アメリカの核の傘による韓国の防衛を強化することなどを盛り込んだ「韓米同盟の強化に向けた未来ビジョン」を発表しました。李明博大統領とオバマ大統領はおよそ50分間、首脳会談を行った後、共同で記者会見しました。この席で李大統領は「両首脳は北韓の核を容認できないという認識を確認し、韓米間の緊密な協調のもとで6カ国協議の参加国のうち、北韓を除く5か国が協力して北韓の核を確実に廃棄させるために、より効果的な方法を模索していくことになった」と述べ、今後、5か国による会合を目指す考えを示しました。李明博大統領はまた韓国企業が操業している北韓の開城工業団地について、北韓がこれまでの契約を一方的に破棄し土地の使用料や従業員の賃金などの大幅引き上げを求めていることについて「北韓は無理な要求をしており受け入れることはできない。開城工業団地についてどのような結論を出すことになるか、今のところコメントできない」と厳しい見方を表明しました。一方、オバマ大統領は会見で「これまで隣国に脅しをかけつづけている北韓の行動をみると、北韓を核保有国と認めることは不安な状況をもたらすことになる」として、北韓を核保有国として認めることはできないと強調しました。両首脳はまた韓米同盟の未来志向的な発展を盛り込んだ「韓米同盟の強化に向けた未来ビジョン」を発表し、アメリカの核抑止力を強化する拡大抑止によって韓国を防衛すると明記しました。両首脳は、経済協力の分野では、両国の政府間で妥結した韓米FTA=自由貿易協定が両国の国会で批准を受けられるように緊密に協力していくことでも意見をともにしましたが、オバマ大統領は「韓国ではアメリカ産牛肉の輸入をめぐる問題が、アメリカではFTAの合意の中で自動車分野に疑問が残っている」と指摘し、韓米間の争点が解消されないうちは議会での批准同意を進めない考えを明らかにしました。両首脳はこのほか、アフガニスタンとパキスタンの安定と再建が世界の平和に重要だという認識のもとで協力していくことにし、李明博大統領はオバマ大統領に韓国を訪問するよう招請しました。

・与野党の指導部は、韓米首脳会談で北韓の核保有を認めないことや、アメリカの核の傘による韓国の防衛を強化することなどで合意したことについて17日、相反する評価を示しました。与党ハンナラ党の朴熹太(パク・ヒテ)代表は、この日開かれた最高委員などによる会議で、「たったの1日という短い会談で万里の長城を築き上げたことを高く評価する。非常に実用的で具体的な首脳会談だった」と評価しました。そして、 ハンナラ党の尹相現(ユン・サンヒョン)報道官は論評を出し、「韓米首脳会談では60年にわたる友情の力と価値を確認できた。会談で採択された韓米同盟の未来ビジョンは、世界の平和に向けた約束で、その実現に向け、両国政府が強固に協力することを望んでいる」と述べました。さらに論評では、「韓米FTA=自由貿易協定は、未来に向かう扉で、韓米両国の共生への扉は今後開け放たれるものと確信している。今後両国の議会もこうした首脳同士の努力に歩調を合わせていくことを望んでいる」として、FTAの批准に向けて期待感を示しました。これに対して民主党は、今度の首脳会談を、中身のない会談だと批判しました。民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、この日開かれた最高委員などによる会議で、「国民が期待していた北韓の核問題についての実質的な成果はまったくなく、包括的な合意に止まった」と述べました。民主党の盧英敏(ノ・ヨンミン)報道官は、「北韓の核問題に対する根本的な解決策が提示されなかった」と指摘したうえで、韓米FTAについては「批准に関する言及はまったくなく、記者会見で原案通りの批准は難しいというアメリカの立場が確認されただけだ」と批判しました。

・北韓にある開城工業団地で操業している企業の中で、生産拠点を中国や東南アジアに移転するか、生産施設を撤収することを検討している企業が増えていることが分かりました。これは、開城工業団地に進出した韓国企業でつくっている開城工業団地企業協会が16日、団地に入居している企業の経営実態を調査した後、声明を発表して明らかにしたもので、協会が開城工業団地に入居している企業の生産拠点の海外移転や撤収について公けに言及したのは初めてです。協会はまた、「北韓が去年12月から実施した開城工業団地への通行制限に加えて、核実験や賃金と土地の使用料の引き上げ要求などで、バイヤーや顧客の信頼を失い、注文が取り消されるなどして正常な生産活動ができなくなった企業が増えている」と説明しています。

・アメリカ国務省は、北韓を人身売買への対処が最悪だとして、引き続き人身売買監視対象国に指定しました。アメリカ国務省は16日、2009年の人身売買に関する年次報告書を発表し、北韓について、人身売買の被害を認めず、実態の確認もしていないうえ、加害者を処罰する努力すらしていないとして、北韓を引き続き人身売買被害防止法の最低限の基準も満たしていない第3ランクに分類しました。報告書ではまた、北韓は政治的な抑圧手段の一つとして強制労働をさせており、中国の男性に北韓の女性を売るなどの人身売買に対処しようとする努力をしていないと指摘しました。アメリカが、人身売買や強制労働を放置し、制裁対象とする可能性がある最低ランクに分類した国は、北韓をはじめ、イラン、サウジアラビア、シリア、マレーシアなどの17か国で、去年より3か国増えました。一方、韓国は今年の報告書で、引き続き、人身売買を防止する努力が最も顕著な第1ランクに分類されました。

・中東のイエメンで拉致された韓国人の女性教師が遺体で見つかった事件を受けて、政府はイエメンに滞在している韓国人に対し、緊急の用件がなければ帰国するよう勧告しています。政府はこのうちイエメンで最も治安が悪く、武装勢力による今回の拉致事件が起きた北部のサダ州にいる韓国人7人に対し、帰国するよう強く勧告しました。しかし、この地域に滞在している韓国人のほとんどは数年前からボランティア活動をしてきているため、帰国をためらっているということです。政府は、ほかの地域に滞在している韓国人に対しても、緊急な用件がなければ帰国するよう呼びかけています。イエメンでは3月に爆弾テロが起きて韓国人4人が死亡した後、滞在していた50人あまりの韓国人が帰国したため、現在韓国人は170人あまりが残っています。

・韓国で初めて医療関係者が新型インフルエンザに感染したことが確認されるなど、感染者はさらに増えて70人になりました。保健福祉家族部は17日、最近アメリカで開かれた消化器関連の学会に出席して帰国したソウル大学病院消化器内科の専門医の女性が精密検査で新型インフルエンザに感染したことが確認されたと発表しました。この女性は15日に採取した検体による1次検査では陰性の反応が出ていましたが、12日に採取した検体を使った2次検査で、新型インフルエンザに感染していることが分かり、症状は12日から15日の間に自然に治ったものとみられます。保健福祉家族部はまた、12日にアメリカから帰国した12歳の男の子と、15日にアメリカ留学から帰国した15歳の男性も感染が確認されたと発表しました。これに先立って13日に2人、15日に6人の感染が確認されており、これで韓国で新型インフルエンザの感染が確認された人は70人になりました。

・泰安(テアン)海洋警察署は17日、このところ気温が平年を上回り、西海岸と南海岸に人食い鮫が出没する可能性が高いとして、海上レジャー事業者などを対象に、被害を予防するための広報活動を始めました。海洋警察によると、毎年5月から9月までは、水温が上昇し、南の海から暖かい海流に乗って人食い鮫が西海岸や南海岸に出没することが多いということです。韓国では1981年5月に忠清南道安眠島(アンミョンド)沖で海女1人が人食い鮫に襲われ死亡して以来、これまでに6回、人食い鮫によって人の命が失われる被害が起きています。泰安海洋警察署は「本格的なレジャーシーズンを迎え、スキンスキューダイビングなど海のレジャー活動を楽しむ人が増えているので、人食い鮫に対応するための安全規則などを説明する資料を配っている。体に傷があるときは水に入らないようにして、人食い鮫をみつけたらすぐに海洋警察に通報してほしい」と呼びかけています。

6月6日土曜日

・6月6日は今年で54回目の顕忠日、韓国戦争などで国を守るために命をささげた戦士たちを讃える日で、国民の祝日です。ソウル市銅雀(トンジャク)洞にある国立墓地では、午前10時から記念式典が行われ、李明博大統領や政府関係者、遺族ら5500人が出席しました。李明博大統領はこの席で「政府は国民と領土を守り、韓国の安全保障を脅かす勢力には毅然として対応する」と述べました。李明博大統領は、最近、北韓が強硬な武力行動を見せていることに触れ、「北韓は核実験を強行しミサイルを発射して、韓国国民だけでなく世界の平和と安全を脅かしている。これまで「同じ民族同士」を主張してきた北韓が、同じ民族の韓国にとって最も脅威の存在になっている」と厳しく批判しました。李大統領はそのうえで「北韓は韓半島非核化の約束を守り、南北対話と6カ国協議に応じるべきだ。北韓が核開発計画を断念し、対話の意思を示せば、韓国は国際社会とともに北韓を支援する」と強調しました。李明博大統領はさらに開城工業団地について、北韓が抑留している韓国人社員を直ちに解放し、最初の約束どおりに開城工業団地での自由な企業活動を保障するよう改めて求めました。

・ワシントンを訪れている柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は、5日、クリントン国務長官と会談し、北韓の核やミサイルに対して韓米同盟によって強く対応することで合意しました。両国の外相はまた今月16日にワシントンで行われる韓米首脳会談で、韓半島有事の際にアメリカが韓国に提供する、核の傘と通常兵器などの核拡散抑止力の概念を明文化することでも合意しました。核拡散抑止力は、アメリカの同盟国が敵の攻撃を受けた場合、その脅威を除去するために、核の傘だけでなく通常兵器も含めた、アメリカと同じレベルのあらゆる手段を使い総合的な安全保障をすることを意味します。柳明桓外交通商部長官は韓米外相会談の後、ワシントンの韓国大使館で記者会見してこのような会談内容を発表するとともに、北韓の核実験の強行とミサイル発射についての国連安全保障理事会での制裁について、「制裁の内容だけでなく、タイミングも重要なので、来週初めまでにはまとまるようアメリカとともに外交努力を傾けていくことにした」と述べました。柳明桓外交通商部長官はさらに、アメリカが独自に検討している北韓への金融制裁などについては「北韓のミサイルや核開発を抑える手段として、北韓に入る外貨を効率良く抑える必要があることで、クリントン国務長官と意見をともにした」と述べました。また北韓の金正日国防委員長の三男が後継者に決まったという報道についてアメリカと情報を交換したとして、北韓では権力を世襲するための一連の行為が進められているのではないかという考えを示しました。韓米両国の外相はまた、北韓当局によって抑留されている韓国人社員と、アメリカ人の女性記者2人がなるべく早く解放されるよう両国が共同で努力していくことを確認しました。

・アフリカのソマリア沖では、タンカーや貨物船だけでなく、大型漁船への海賊による襲撃が増えていることから、韓国と日本はこうした大型漁船に対しても海賊情報を提供することで合意したと日本の東京新聞が6日報じました。それによりますと、これは李明博大統領と日本の麻生首相が今年1月に合意した海賊対策の協力強化の一環で、ソマリアの海賊対策を話し合うため、IMO=国際海事機関やアメリカ、日本など世界40カ国と機関の代表が参加して来週9日からソウルで開かれる高官級会議で、韓日両政府はこのような提案をするとともに、アメリカや中国などソマリア沖に軍艦を派遣している各国にも参加を呼びかける方針です。具体的には、この海域に軍艦を派遣している各国が保有している海賊についての情報をIMOで集めて、船舶無線やファックスなどで漁船に提供するとともに、漁船からも海賊の目撃情報などをIMOに通報してもらうことにしています。

・ソウル都心の土の中から国の宝物級とみられる、朝鮮白磁のつぼと、青銅の祭器が発掘されました。文化財庁が5日発表したところによりますと、慶福宮近くのソウル市中区チョンジン洞で、古い民家を取り壊して小型のビルに立て替える工事現場の土の中から、このほど朝鮮白磁の白いつぼ3点が発掘されました。この朝鮮白磁は、高さが28センチ、35.5センチ、36センチのつぼで、朝鮮王朝時代前期にあたる15世紀から16世紀に作られたものとみられ、京畿道広州にあった窯で焼かれた最上級の白磁だということです。また白磁が見つかった場所から30メートルの所からは、祭祀に使うための青銅で作られた器、38点が発掘されました。文化財庁はこの青銅の祭器についても、年代や文化的な価値の鑑定を急いでいます。

・クレジットカードによる支払いが、さらに増えていることがわかりました。与信金融協会がまとめたところによりますと、今年1月から3月までの第1四半期の民間消費支出は138兆4800億ウォンで、このうちクレジットカードによる決済は全体の51%にあたる70兆5600億ウォンでした。カードによる決済は、1990年にはわずか6%でしたが、10年後の2000年には25%となり、2002年には政府のクレジットカード活性化政策によって、一挙に46%に跳ね上がりました。そして去年は50.1%と、初めて半分を超えたのに続いて、今年第1四半期も51%と増加傾向を裏付けました。このようにクレジットカードの使用が増えているのは、カード決済ができる範囲が広がっているうえに、不況で1万ウォン未満の小額もカード決済する傾向になっているためと関係者は分析しています。

・韓国と日本の特産品をパッケージにした商品が、4日に開港した日本の静岡空港の売店に登場しました。農林水産食品部と農水産物流通公社によりますと、静岡空港に登場した韓日パッケージの特産品は、韓国の梨を使った地酒の「ベスル」と日本酒をひとつのパックにしたもの、韓国のゆず茶と日本の緑茶のパック、そして韓国の辛い味噌の「コチュジャン」と日本のわさびのパックの3種類です。農水産物流通公社の関係者は「静岡空港には、大韓航空とアシアナ航空がソウルとの間に毎日1便ずつ飛ばしている。静岡は富士山など観光名所を多くかかえ、世界の観光客が多く訪れる所なので、韓国の伝統食品をアピールできる格好の場だ」と説明しています。

6月5日金曜日(KBSのWebから転載)

・韓国と北韓の当局は、今月11日に北韓の開城工業団地で、開城工業団地の運営をめぐって実務者による協議を開くことで合意しました。韓国政府の関係者が5日明らかにしたところによりますと、開城工業団地の運営を担当している北韓の中央特区開発指導総局が、11日に開城工業団地の中にある南北経済協力協議委員会の事務所で、開城工業団地の運営をめぐって実務者による協議を開くことを提案する電話通知文を送ってきて、韓国政府も同意したということです。開城工業団地の運営をめぐっては、4月21日に1回目の実務協議が行われましたが、北韓は開城工業団地で働く北韓労働者の賃上げや土地の賃貸料の優遇措置を廃止することを一方的に通告し、先月15日に開かれた2回目の協議では、開城工業団地に関するこれまでの契約はすべて無効にすると宣言し、北韓が示す条件を受け入れないなら開城工業団地から撤収しても構わないと一方的に通告していました。政府の関係者は、今回の協議では、北韓側が開城工業団地で働く北韓労働者の賃金や土地の賃貸料について具体的な金額を示す可能性があるとしています。

・今年初めに1バレル=30ドル近くまで下落した原油価格が、最近65ドルを超えていることを受けて、政府は省エネ促進の一環として電気料金を値上げすることにしました。李明博大統領は4日、非常経済対策会議に出席し、省エネこそ最も簡単で効率的なエネルギー源だと指摘し、関係閣僚に省エネ対策を強力に進めるよう求めました。政府は省エネ対策の一環として、原油価格の変動と電気料金を連動させることにし、原油価格が上がれば電気料金も上がる、新しい料金体系を取り入れることにしました。また、消費電力が多い家電製品に対しては消費税をかけることにする一方、公共のビルについては冷暖房の温度を法律で規制してエネルギーの無駄をなくすとともに、自動車の燃費の基準も先進国並みに引き上げることにしました。

・日本の民主党の鳩山由紀夫代表が5日、韓国を訪問しました。鳩山代表は午前中に国会でキム・ヒョンオ国会議長と会談し、午後には李明博大統領を表敬訪問して会談しました。鳩山代表はキム・ヒョンオ国会議長と会談した席で、「政権交代が実現すれば、冷静に過去を振り返り、未来志向を進め、両国の新しい関係を築いていきたい」と述べました。また、李明博大統領を表敬訪問した際には、北韓の長距離ミサイル発射や核実験などについて意見を交わし、この問題で両国が今後とも緊密に協力していかなければならないとする考えを伝えたということです。鳩山代表の韓国訪問は就任後初めての外国訪問で、アジアを重視する多面的な外交を展開していく方針を反映したものと見られています。

・北韓が2回目の核実験を強行したことを受けて、国連安全保障理事会が調整を進めている北韓に対する制裁を盛り込んだ決議案は、近く最終合意して採択されるものと見られています。安保理の常任理事国に韓国と日本を加えた7か国の大使級による会合が4日開かれ、アメリカや日本が北韓の船舶に対する臨検などの強化を求めたのに対して、中国やロシアは制裁を強化することに反対して、最終的な合意には至りませんでしたが、意見調整は最終段階に入っていると伝えられています。この問題について韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は、「制裁の対象となる北韓の企業がこれまでの3社からさらに増える見通しだ」と述べ、関係国の協議が具体化していることを明らかにしました。また、日本の高須国連大使は、「議論は確実に進展している」と強調し、意見調整が最終段階に入っていることを示唆しました。各国の代表は会合の内容を本国に報告した後、現地時間の5日にも再び会合を開いて最終的な合意を目指すことにしており、決議案は早ければ今週末か来週初めにも採択される可能性が出てきました。

・李明博大統領は5日、逝去した盧武鉉前大統領などに対する不正資金疑惑の捜査を指揮してきた林采珍(イム・チェジン)検察総長が提出していた辞表を受理しました。林采珍検察総長は、盧武鉉前大統領が逝去した先月23日に辞表を提出していましたが、大統領府青瓦台は、捜査の継続性を維持する必要があり、辞表を受理すれば狙い撃ち捜査という批判を認めることになるとして、受理しませんでした。しかし、林采珍検察総長は今月3日に再び辞表を提出し、李明博大統領は結局これを受理することにしたものです。林采珍検察総長は2007年に当時の盧武鉉大統領に任命され、任期を6か月あまり残しています。林采珍検察総長は、「政治的な報復のための捜査だとする声もあるが、決してそうではなく、捜査は正当だった」と強調した上で、「盧武鉉前大統領が自殺したことで人間的な苦悩を感じて平常心を保てなくなり、このまま捜査を指揮するのは無理だと判断した」と辞表を提出した理由を説明しました。後任の検察総長にはソウル高等検察庁の検事長や司法研修院長などの名前があがっていますが、李明博大統領は今月半ばに予定されているアメリカ訪問を終えた後に任命するものと見られています。

・大企業の定年になる年齢が7年連続で上昇していることが分かりました。労働部が5日発表したところによりますと、従業員300人以上の企業2318社を対象に2008年の雇用状況を調査した結果、定年になる年齢は平均57.14歳で、前の年に比べて0.02歳上がりました。定年になる年齢は2001年の56.7歳から2002年には一たん56.62歳に下がりましたが、2003年以降は7年連続で上がっています。また、企業のおよそ95%に当たる2197社が定年制を採用しており、このうち70%に当たる1644社は、職種や職位に関係なく同じ定年制を適用しています。定年になる年齢別では、55歳が定年の企業が39.8%、58歳が21.8%の順で、60歳を超える企業も13.1%ありました。業種別では不動産関連業の定年が59.36歳で一番高く、運輸業58.91歳、鉱工業58.33歳の順でした。一方、従業員に占める55歳以上の割合は平均で7.19%にとどまっていることから、定年を迎える前に何らかの事情で退職するケースも少なくないものと見られます。従業員が多く規模が大きい企業ほど高齢者の割合が少なくなっています。

・与党ハンナラ党が実施した世論調査の政党支持率で、第1野党の民主党がハンナラ党を逆転してトップに立ちました。ハンナラ党の刷新委員会は、調査会社の韓国リサーチに依頼して全国の成人男女1000人を対象に世論調査を行い、4日、その結果を発表しました。それによりますと、政党支持率は、民主党23%、ハンナラ党21.2%、民主労働党6.9%、親朴連帯5.5%、自由先進党3%の順となり、民主党がハンナラ党を逆転しました。最近の一部の世論調査でも民主党の支持率がハンナラ党を上回る結果が出ていましたが、ハンナラ党が実施した世論調査で民主党の支持率がハンナラ党を上回ったのは4年ぶりです。次に今の政権の国政運営について聞いたところ、64.3%が否定的に評価し、肯定的な評価は31.5%にとどまりました。否定的に評価する理由としては、ブルドーザー式の国政運営、富裕層を重視する政策、大統領府青瓦台の偏った人事などが多く挙げられました。一方、逝去した盧武鉉前大統領に対する検察の捜査については、行き過ぎだとする意見が39.5%、政治的な報復だとする意見が37.7%で、正当な捜査だったとする意見は17.8%にとどまりました。また、盧武鉉前大統領の逝去と関連して李明博大統領が道義的に謝罪すべきだとする意見は39.8%で、謝罪する必要はないとする意見の24%を上回りました。

・北韓の警備艇が4日、西の海=西海の軍事境界線である北方限界線を越えて南下しましたが、挑発行為はせず、韓国海軍との武力衝突もありませんでした。韓国軍の合同参謀本部によりますと、4日午後2時47分に北韓の警備艇1隻が北方限界線を越えて、1.6キロの海上まで南下したということです。韓国海軍は北韓の警備艇に対して、即刻北上するよう警告しましたが、北韓の警備艇は51分間に渡って韓国側の海域を侵犯して、午後3時38分に引き返したということです。北韓の警備艇はその間に挑発行為などはせず、韓国海軍の艦艇との武力衝突もありませんでした。合同参謀本部は、当時、北方限界線の南側の海域には中国の漁船3隻が操業中だったため、北韓の警備艇がこれらの漁船が北韓の漁船かどうかを確認するために南下した可能性もあるとしていますが、北韓は最近、西海での軍事行動を警告していることから、韓国軍の対応を確かめるために南下した可能性もあると見ています。今年に入ってから北韓の警備艇が北方限界線を侵犯したのはこれが3回目です。

・フィリピンから帰国した韓国人女性が初めて新型インフルエンザに感染していることが確認されるなど、新型インフルエンザの感染経路が多様になり、韓国国内の感染者は46人に増えました。保健福祉部の疾病管理本部は5日、今月1日にフィリピンから帰国した20代の韓国人女性1人とアメリカから入国した50代の在米韓国人女性1人など、合わせて3人が新たに新型インフルエンザに感染していることが確認され、指定病院で治療を受けていると発表しました。フィリピンから帰国した女性は、帰国の翌日から高熱などの症状が現れ、4日に新型インフルエンザに感染していることが確認されましたが、一緒に住んでいる母親は今のところこれといった症状は出ていないということです。アジアの国から入国した人で感染が確定されたのはこれが初めてです。これに先立って、4日には、ヨーロッパからの入国では初めて、チェコから入国した30代の女性の感染が確認されています。疾病管理本部は感染経路が多様化していることを受けて、WHO=世界保健機関との協力を強化し、対策に一層力を入れていくことにしています。これで韓国国内の新型インフルエンザの確定者は46人に増え、このうち現在治療を受けているのは7人です。

6月4日木曜日

・・韓国を訪問しているアメリカのスタインバーグ国務副長官は4日、李明博大統領を表敬訪問して北韓の核問題について意見を交わし、玄仁澤統一部長官や金星煥外交安保担当首席秘書官など韓国政府の要人にも会って、北韓の核問題で今後とも緊密に連携していくことを確認しました。スタインバーグ副長官は韓国政府の要人と会った席で、国連安保理の決議案に北韓に対する金融制裁を盛り込むため、中国の協力を引き出す方策について意見を交わしたと伝えられています。この問題については、オバマ大統領が3日、中国の胡錦濤国家主席に電話をかけ、北韓に対する金融制裁に協力するよう説得するなど、アメリカは金融制裁に積極的ですが、中国がどこまで協力するかはまだ分からない状況です。スタインバーグ副長官は5日に次の訪問国である中国に向けて出発する予定です。

北韓の朝鮮中央通信は4日、「朝鮮民主主義人民共和国中央裁判所が、起訴された2人のアメリカ人記者に対する裁判を午後3時に始める」と短く報じました。北韓が裁判の日程を前もって発表しただけでなく、裁判が始まる時間まで公表したのは異例のことです。2人のアメリカ人記者は今年3月に中国東北部の吉林省と北韓との国境付近で取材中に、国境を越えたとして北韓軍に拘束されました。北韓は3月末に、2人に対する調査の結果、不法入国と敵対行為が立証されたと発表し、4月24日には、朝鮮中央通信の報道を通じて、2人の記者を裁判にかけることが決定したと報じ、先月14日には裁判の日程を発表するなど、2人の記者に関する情報を次々と発表していました。北韓の裁判は即日判決が出されるのが通常ですが、この裁判の判決が即日出るかどうかはまだ分かりません。

・北韓の開城工業団地に進出している韓国企業の現代峨山の社員1人が、北韓の体制を批判したなどの理由で拘束されてから67日が経ちましたが、北韓当局はこの社員との面談すら許可していないため、身辺の安全は確認できずにいます。統一部の報道官は4日、記者会見し、拘束されている社員の所在を確認するために努力しているが、これまで確認できずにいると発表しました。この報道官は、これまでこの社員の安全を間接的に確認してきたが、最近になって安全の確認が事実上難しくなっていることを認めました。統一部の関係者によりますと、現代峨山の関係者が拘束されている社員に日常生活に必要なものを渡す際に、北韓の関係者を通じて、この社員が開城の旅館にとどまっていることを確認することができたが、北韓の関係者は最近、日常生活に必要なものの受け取りを拒否するとともに、この社員については口を閉ざしているということです。北韓は先に拘束したアメリカ人記者2人については4日に裁判を行うとしているのに対して、韓国人の社員についてはこれといった動きはなく、南北関係が冷却している中で、この問題は長期化する可能性が高いと見られています。

・韓国の経済回復がOECD=経済協力開発機構の加盟国の中で最も速いという報告書が出ました。OECDは最近発表した報告書で、韓国の3月の景気先行指数は96.8で、前の月より2.2ポイント上昇したとして、これはOECD加盟国の中で最も大幅の上昇だと指摘しました。同じ期間のOECD加盟国の景気先行指数は平均で0.2ポイント下落しました。韓国の景気先行指数は、アメリカの証券大手リーマン・ブラザーズが破たんした去年9月に90.8まで落ち込みましたが、今年に入ってからは急速に回復しています。

・警察は大規模な集会が開かれないようにするため、ソウル中心部にあるソウル広場に人が入れないようにしていた封鎖を、4日、ようやく解除しました。ソウル広場は市民の憩いの場で、時には大規模な集会が開かれています。しかし、警察は盧武鉉前大統領が逝去した先月23日から、盧武鉉前大統領の逝去に関連して違法で大規模な集会が開かれる恐れがあるとして、ソウル広場の周りを警察官を輸送するバス数十台で取り囲み、市民の立ち入りができないようにしていましたが、4日早朝、バスをすべて撤収して封鎖を解除し、ソウル広場は12日ぶりに開放されました。警察がソウル広場を封鎖した措置については、公権力の乱用だと非難する声が高まっていました。市民団体などはソウル広場の封鎖には法的な根拠がないと非難し、3日にはソウル大学と中央大学の教授らが民主主義の後退につながるとする声明を発表、さらに国家人権委員会の安京煥委員長は、「違法性を予断して集会を開けないように広場を封鎖することは憲法に反する」と指摘していました。

・日本の静岡空港が4日、開港し、韓国の大韓航空とアシアナ航空が就航しました。静岡空港は、ソウルと上海を結ぶ国際線と国内線に合わせて8つの航空会社が就航しますが、韓国の大韓航空とアシアナ航空は毎日1往復することになりました。大韓航空は午前8時50分に仁川国際空港を出発して午前10時45分に静岡空港に到着、午前11時45分に静岡空港を出発して午後1時55分に仁川国際空港に到着します。また、アシアナ航空は午前9時50分に仁川国際空港を出発して午前11時45分に静岡空港に到着し、午後12時45分に静岡空港を出発して午後2時50分に仁川国際空港に到着します。静岡空港は富士山や箱根など日本の有名な観光地に近く、韓国人観光客の利用が見込まれています。

・癌が社会全体に及ぼす経済的な負担は年間14兆ウォンを超えるという調査結果が出ました。国立癌センターによりますと、2005年に癌で治療を受けた人は47万人で、社会全体に及ぼす経済的な負担は14兆1000億ウォンに達したということです。このうち癌を治療するための直接の費用である医療費は2兆2000億ウォンで、2002年に比べて44%増えました。また、間接的な費用とされる患者の療養費や早く亡くなったことによる損失などは12兆ウォン近くに上りました。一方、癌にかかった人の年齢を見ますと、60代が全体の27%を占めて最も多く、次いで50代、70代の順でした。癌の種類では、胃癌が全体の19%で最も多く、次いで大腸癌、乳癌、甲状腺癌の順でした。

・全国の自治体の中で出産率がもっと低いソウル市の江南区は3日、出産奨励策を積極的に進めていくことにしたと発表しました。それによりますと、これまでは3番目の子どもから支給していた乳幼児に対する保育支援金を、所得水準が全体の50%以下の世帯には2番目の子どもにも保育支援金または養育手当を支給することにしました。また、出産奨励金は、これまで2番目の子どもには50万ウォン、3番目には100万ウォン、4番目には300万ウォンを支給していましたが、今後は2番目の子どもは100万ウォン、3番目は500万ウォン、4番目は1000万ウォン、5番目は2000万万ウォンと、大幅に引き上げることにし、3番目の子どもがいる世帯には、区立の各種の施設を利用する際に利用料の80%を減免することにしました。

6月3日水曜日

・北韓の核実験などへの対応策を話し合うため、アメリカ政府の代表団が2日夜、韓国入りし、3日から北韓の相次ぐ挑発に国際社会が協力して対応する方法などを韓国側と協議することにしています。アメリカ政府の代表団はスタインバーグ国務副長官を団長に、国防次官や軍の関係者などで構成され、韓国、日本、中国を回って各国の政府関係者と北韓が強行した地下核実験やミサイル発射などへの対応策を協議しています。3日午前、外交通商部庁舎を訪れたスタインバーグ国務副長官は、「北韓の核問題などをめぐる国連安全保障理事会の協議が効率良く進められていると聞いている。北韓の制裁に向けた安保理協議と6か国協議の参加国による協調は、北韓に対して非核化のプロセスへの復帰を促すメッセージになると思う」と述べました。一方、韓国の權鐘洛(クォン・ジョンラク)外務次官は「アメリカ政府の代表団の顔ぶれからも国際社会だけでなく北韓に重要なシグナルを送ったことになる」と応じました。アメリカ政府の代表団に加わっているレビー財務次官は北韓に対する金融制裁をめぐって韓国政府に協力を要請するものとみられています。これについて政府関係者は、韓国は核兵器やミサイル開発のための資金源や物資を厳しく統制することを支持していると述べました。スタインバーグ副長官は滞在中に李明博大統領を表敬訪問するほか、4日には玄仁澤(ヒョン・インテク)統一部長官や李相熹(イ・サンヒ)国防部長官とも会談することにしています。一方、柳明桓外交通商部長官は3日、スタインバーグ副長官と会談した後、アメリカに向い、クリントン国務長官と会談し、来週に予定されている韓米首脳会談などについて調整を行うことにしています。

・林采珍(イム・チェジン)検察総長が3日午前、法務部に辞任を表明しました。林采珍検察総長の辞任表明は、不正資金疑惑をめぐって検察の捜査を受けていた盧武鉉前大統領が先月23日に自ら命を絶ったことの責任を取ったものです。林采珍検察総長はメディアに発表した辞任の弁で「最善を尽くしたにもかかわらず、想像できないできごとによって多くの国民を悲しませる結果を招いてしまった。今回の捜査を指揮した検察総長として心から国民に謝罪する」と述べました。そして「原則と品格を備えた正しい捜査、政治的に偏らない公正な捜査によって、国民の信頼を高めるよう努力したが、力不足だった。今回の事態による苦悩で平常心を維持することができなくなった私が引き続き検察を指揮することは不適切だと判断した」と付け加えました。林采珍検察総長は盧武鉉前大統領が逝去した先月23日にも辞任を表明しましたが、法務部長官が「事態の収拾と捜査の終結を優先させるべきだ」として認めませんでした。

・ソウル大学の大勢の教授が3日、李明博政権が逝去した盧武鉉前大統領に対する検察の捜査に問題があったことを認め、謝罪するよう求めました。ソウル大学の教授11人は校内で記者会見し、ソウル大学の教授124人の名義で李明博政権を批判する報道文を発表しました。それによりますと、不正資金をめぐる検察の盧武鉉前大統領に対する捜査は前の政権に対する政治報復とみられるとして、「検察は盧武鉉前大統領を事情聴取までしたのに、3週間が経っても結果を出していないうえ、もっと疑惑があるような情報を流して盧武鉉前大統領の人格を侮辱したことは常識を逸しており、李明博政権は謝罪すべきだ。さらに政治的なライバルや社会的な弱者に厳しい検察の捜査は根本的に改めなければならない」と主張しました。さらにソウル大学の教授たちは、李明博政権になってから、アメリカ産牛肉の輸入に反対するろうそく集会に参加した市民に召喚状を乱発するなど、民主主義が後退しているとして懸念を示すとともに、大法院の裁判官がろうそく集会の関係者に対する裁判に介入するなどして、司法に対する国民の信頼が堕ち、これまで10年間続いてきた北韓に対する包容政策も危機を迎えているとして、解決策を求めました。そしてソウル大学の教授たちは「政治路線の違いや理念の対立ではなく、基本的人権の尊重と民主主義の実践が重要で、李明博大統領と政府は国民の融合と連帯をはかって、今の厳しい状況を乗り越えて、民主主義をさらに発展させる転換点にするよう期待する」としています。

・韓国が初めて自力で人工衛星を搭載して打ち上げるロケット「ナロ号(KSLV−1)」に対して政府が発射許可を出し、今後は国際的な手続きを踏むことになりました。教育科学技術部は2日午後、国家宇宙委員会を開いて、人工衛星の開発と打ち上げを担当している韓国航空宇宙研究院が提出していた「ナロ号」の発射許可申請書について最終審議を行い、使用目的や安全管理体制などを検討した結果、原案通りに確定し、発射許可を出しました。これを受けて韓国航空宇宙研究院は今後、国際海事機関(IMO)とICAO=国際民間航空機関など国際機関に対して発射許可の手続きを踏む一方、ロシアで製作したロケットの第1段部分を引き取るなどの準備も進めることになりました。韓国航空宇宙研究院は全羅南道 高興(コフン)郡のウェナロ島に建設している宇宙センターが今月中旬に完成すれば、7月30日に人工衛星を搭載したロケットを自力で打ち上げる計画です。

・先の国会議員再選挙で与党・ハンナラ党が惨敗したため、党内で指導部の責任を追及する声が出ている中で党の実力者の1人で李明博大統領の実の兄の李相得(イ・サンドゥク)議員が3日、党の業務から離れる考えを示しました。ハンナラ党は4月末に行われた国会議員の再選挙で1議席もとれずに惨敗したことから、党内に刷新特別委員会を設けて対策を協議した結果、指導部が世論を読み損ねた責任を取るべきだとする意見をまとめていました。このうち、李明博大統領の実の兄で党内で大きな影響力を行使してきた李相得議員に対しては党内の若手議員などから党の刷新と団結のために勇退を求める声が上っていました。これを受けて李相得議員は3日、党内会議に出席して、「今後は政治的な懸案や党の業務には一切関与せず、選挙区での活動と韓日議員連盟の会長としての業務に全力を尽くす」と述べ、党の業務から離れる考えを示しました。

・国際ボートショーと世界ヨット大会が3日、京畿道華城(ファソン)市の前谷(チョンゴク)港と安山(アンサン)市のタンド港一帯で4日間の日程で始まりました。国際ボートショーは値段が200万ウォンの1人乗りのボートから60億ウォンを超える豪華なヨットまで様々なボートやヨット、それに海洋レジャーで使用する装備などが展示されており、韓国国内から117社、海外から163社が参加して投資や輸出の商談も行われています。また国際ボートショーに合わせてあわせて国際ヨット連盟のワールドマッチ・レーシング・ツアーが行う「世界ヨット大会」が3日から始まりました。世界ヨット大会は毎年およそ10か国を回りながら行われている「ワールドマッチ・レーシング・ツアー」の一つで、今回の大会には世界のトップ10入りをしている7人の選手を含めて、韓国など8か国から12チームが出場します。

6月2日火曜日

・韓国とASEAN=東南アジア諸国連合の対話関係が樹立して20周年になるのを記念して済州島で開かれた特別首脳会議は2日、北韓の地下核実験などを非難する共同声明を発表して閉幕しました。特別首脳会議は韓国の李明博大統領とASEANの議長国であるタイのアピシット首相ら10か国の首脳が出席して、1日と2日の2日間、済州島で開かれ、韓国とASEANの経済協力や交流の促進などについて意見を交わしました。李明博大統領は2日午前、開かれた第2セッションで基調演説し、気候変動に対応するために東アジア気候パートナーシップを通じてASEAN諸国に2億ドルを支援する意向を示すとともに、アジアの森林を保護するアジア森林協力機構を設けるよう提案しました。李明博大統領はまた世界的な金融危機に対応するために設けられたアジア共同基金が早期にスタートすることを期待するとして、アジアの資本が域内に再投資されてさらに収益を作り出すという良いサイクルを定着させていく必要性を強調しました。李明博大統領とASEANの首脳は第2セッションに続いて、韓国とASEANの投資FTA=自由貿易協定に署名し、その後、李明博大統領とタイのアピシット首相は共同記者会見を行い、2日間の特別首脳会議の成果について説明しました。

・済州島で開かれた韓国とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議に出席した各国の首脳は2日、北韓の核実験などを非難する共同声明を採択しました。韓国の李明博大統領とASEAN10か国の首脳は、この中で北韓の地下核実験と長距離ロケットや短距離ミサイルの発射などを非難し、一連の動きは北韓の核問題をめぐる6か国協議での合意と国連安全保障理事会の決議や決定に明白に違反していることを改めて確認しました。そして「北韓の核問題を平和的に解決して韓半島の非核化を実現することがアジア太平洋地域の平和と安定を維持する上で重要である」として6か国協議の再開に全面的な支持を表明するとともに、ASEAN地域安全保障フォーラム(ARF)が韓半島での持続的な平和と安定に寄与することを期待するとして、関係各国にいっそうの努力を求めています。

・経営危機に陥っているアメリカ最大手の自動車メーカーGM=ゼネラル・モーターズが経営破たんしたことで、今後、GMの事業は、存続させる「新しいGM」と「清算する旧GM」に分けられることになりましたが、韓国のGM大宇は優良企業に認められて「新しいGM」として今後も正常な経営活動を続けていくことが決まりました。
GM大宇は1日、「GM大宇の韓国にあるすべての事業場をはじめ、GM大宇の子会社であるベトナムの生産法人やシボレーのヨーロッパ販売法人、GMの韓国販売法人のGMコリアなどは“新しいGM”に入った」と発表しました。これによってGM大宇とGMコリアの顧客はこれまで通りに車両の購買や修理など各種のサービスを受けることができ、GM大宇の従業員も正常に勤務することになりました。GM大宇は去年1年間の販売台数が韓国の国内で11万7000台、輸出用は76万5000台に上るなど、GMが世界で販売する車両のおよそ25%を占めています。しかし今後、GMの世界的な販売網が縮小されるため、GM大宇の輸出量は減少することが予想されます。またGM大宇は去年からの不況などの影響を受けて資金繰りに行き詰まり、今年2月にGM大宇の株28%を保有している産業銀行に1兆ウォンの支援を要請しましたが、産業銀行はGMに対するアメリカ政府の決定を見極めたうえで判断するとしてきたことから、今後のGM大宇と産業銀行との交渉が注目されます。

・北韓は東海に面した江原道で中距離ミサイルの発射準備を進めているもようです。韓国軍当局は2日、合同参謀本部を訪れた国会の国防委員に対して「北韓が江原道の旗対嶺(キッテリョン)にある基地で中距離ミサイルの発射準備をしている」と伝えたと、同席者が述べました。北韓が発射準備をしている中距離ミサイルは射程距離1300キロのノドン・ミサイルとみられますが、おととし2007年に実戦配備した射程距離が3000キロ以上の新型中距離ミサイルの可能性もあるということです。この同席者は「北韓が平安北道 東倉里(ドンチャンリ)で発射準備をしている大陸間弾道ミサイルと中距離ミサイルを同時に発射する可能性もあるとみて、軍当局は北韓の動向を注視している」と説明しました。

・北韓は先月25日に行った2回目の地下核実験の直後、金正日国防委員長の後継者に三男の正雲(ジョンウン)氏を決めたと韓国の国家情報院が1日、公式に確認しました。国家情報院は1日、国会の情報委員会で「北韓当局が金正日国防委員長の後継者に三男の正雲氏が決まったとする内容の外交電文を海外の公館に伝えた」と報告したと、情報委員会の複数の委員が述べました。金正日国防委員長の後継者についてはこれまで正雲氏になる可能性があるとうわさされてきましたが、国家情報院が公式に確認したのはこれが初めてです。

・韓国で初めて妊婦が新型インフルエンザに感染したことが確認されるなど、感染者はさらに増えて41人になりました。保健福祉家族部の中央インフルエンザ対策本部は、1日、新型インフルエンザに感染した可能性が高いとされていた妊娠3か月の妊婦は精密検査の結果、感染していることが確認されたと発表しました。また先月31日にニューヨークから成田経由で韓国入りしたアメリカ系韓国人の女性は仁川国際空港で発熱の症状がみられて検査した結果、感染が確認され、これまでに韓国で新型インフルエンザに感染した人は合わせて41人になりました。疾病管理本部の関係者は韓国で初めて妊婦が感染したことについて、「過去に流行したスペイン風邪などでの研究では、妊婦が胎児への影響を恐れてインフルエンザの治療を受けなかった場合には、流産する可能性が高くなっている」と述べました。感染が確認された妊婦は最初は症状が軽いとして治療を拒んでいましたが、抗ウィルス剤の投与を認めたということです。

・為替相場が安定していることなどから、先月の韓国の外貨準備高は史上最大の増加となりました。韓国銀行が2日まとめたところによりますと、外貨準備高は5月末現在で、世界で6番目に多いおよそ2268億ドルで、前の月より143億ドル増えました。外貨準備高の1か月間の増加幅は、外貨準備高を今の基準で集計し始めた1998年以来、最大となりました。外貨準備高が大幅に増えたのは、外貨準備高の運用による収益が増えたことと、都市銀行などに供給していた外貨が満期を迎えて回収されたこと、それに為替差益などによるものだと韓国銀行は説明しており、今後も為替相場が安定を続ければ、外貨準備高はさらに増えると予想しています。

・今日6月2日は1909年6月2日に発行された「大韓民報」創刊号に韓国で初めて時事漫画が登場してからちょうど100年となる日です。韓国の漫画関連団体で作られた韓国漫画100周年委員会は、 2日午後、国立現代美術館で韓国漫画100周年の記念式を行うとともに、3日から8月23日まで韓国の漫画家250人の作品1500点を展示する企画展示会が始まります。この展示会では日本植民地時代から韓国戦争前後までに登場した漫画本をはじめ、70年代から90年代に流行った漫画と、その後、紙ではなくインターネット上の画面に登場したいわゆるウェブトゥーンなど多様な漫画を一目で見ることができます。また郵政事業本部は2日、韓国漫画100周年を記念する記念切手1種160万枚の販売を始めました。

6月1日月曜日

・韓国とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議が1日、済州島西帰浦市の済州国際コンベンションセンター(ICC)で開幕しました。李明博大統領は1日の第1セッションで基調演説を行い、ASEANの国々と交流を強化するため、2015年までに政府開発援助(ODA)を現在の2倍に当たる4億ドルに増やす方針を明らかにしました。李明博大統領はまた、ASEANの研修生7000人を2015年までに韓国に招くほか、IT分野などを中心に海外にボランティア1万人を派遣すると述べました。李明博大統領はさらに、韓国・ASEAN協力基金の規模を来年から500万ドルに拡大し、奨学金を支給する留学生を今年の109人から2012年までに200人以上に増やす考えを示しました。李明博大統領はこのほか、今回の特別首脳会議で最終合意が見込まれている韓国とASEANの投資FTAについて、「ASEANは韓国の3大貿易相手国の一つであると同時に、2大投資対象となった。投資FTAの締結をきっかけに経済協力がさらに進むことになる」と強調しました。2日には、特別首脳会議の第2セッションが開かれ、世界的な経済危機の克服や、気候変動への対応など、世界的な懸案に対する共同の対応について協議した後、共同声明の署名式と共同記者会見が行われ、2日間の日程を終えます。

・李明博大統領は1日、インドネシアのユドヨノ大統領、ラオスのブアソーン首相、ブルネイのハサナル・ボルキア国王と相次いで首脳会談を行い、両国間の関係発展について意見を交わしました。李明博大統領は、6月1日に開幕する韓国とASEAN=東南アジア諸国連合の特別首脳会議を前に5月31日に済州島で開かれた企業経営者による「韓国・ASEAN CEOサミット」で基調講演を行い、貿易・投資、文化・観光など3つの分野で双方が協力していくよう提案しました。韓国で初めて開かれた韓国・ASEAN CEOサミットには各国の首脳や企業経営者など700人あまりが出席しました。李明博大統領は、講演の中で、「現在直面している世界的な危機に対応するためには共同の努力が一層求められているので、韓国とASEANが、貿易・投資の拡大、文化・観光交流の拡大、そして環境に配慮した成長を目指すグリーン成長分野での協力を強めるよう提案したい」と述べました。

・北韓が発射準備を進めている大陸間弾道ミサイル(ICBM)が、北西部の平安北道東倉里(トンチヤンリ)に新たに建設されたミサイル発射基地に到着したことが確認されました。政府当局者は1日、北韓が大陸間弾道ミサイルを東倉里のミサイル基地に運んだことが確認されており、すでに発射基地にミサイル発射台を設置しているものとみられると述べました。それによりますと、弾道ミサイルを載せた北韓の列車は当初予想されていた東海側の咸鏡北道舞水端里(ムスダンリ)の基地ではなく、5月30日に平壌周辺から東倉里に向かったということです。東倉里基地は、最近施設が完成した基地で、舞水端里の基地より平壤付近の軍需工場である山陰洞(サンウムドン)兵器研究所から近い上、寧辺の核施設からもおよそ70キロと近いため、核弾頭の装着作業が舞水端里の基地より容易に行えると専門家は説明しています。政府当局者は、大陸間弾道ミサイルの発射時期は今月16日に開かれる韓米首脳会談の前後になる可能性が最も高く、7月4日のアメリカ独立記念日もあり得るとの見方を示しました。

・北韓軍は西の海=西海に配備している警備艇や海岸砲部隊に平時の2倍を超える弾薬を備蓄するよう指示して、海上での射撃演習を強化しており、韓国軍当局は北韓軍が武力挑発をする可能性があるとみて、警戒態勢を強化しています。政府消息筋は1日、「北韓軍が西海艦隊司令部に所属している警備艇をはじめ、主な海岸砲部隊に対して平時の2倍以上の弾薬を備蓄するよう指示したという情報を入手した」と述べました。これに関連して北韓は来月末までに西海の一部海上を航行禁止区域に指定したと伝えられており、韓国軍と情報当局は北韓が西海で武力挑発をする前触れかどうかを分析しています。

・野党民主党の代表が盧武鉉前大統領の逝去に関連して、李明博大統領の謝罪と政治の刷新、法務長官と検察総長などの罷免を求めたのに対して、与党ハンナラ党は国会での話し合いによる解決を強調し、与野党間の葛藤が本格化する見通しです。民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は31日の記者会見で、「盧武鉉前大統領の逝去は政治的報復によるものだ」と指摘した上で、「李明博大統領は前大統領を厚く遇するという約束を守らず報復したことや、ソウル中心部のソウル広場を封鎖して、国民の盧武鉉前大統領への追悼を抑圧しようとしたことについて、故人と国民に謝罪すべきだ」と主張しました。これに対し、大統領府青瓦台は、公式な反応を示しませんでしたが、与党ハンナラ党は、すべての問題は国会での話し合いを通じて解決していくべきだと強調しました。ハンナラ党の安商守(アン・サンス)院内代表は先月31日の記者会見で、「民主党の要求については6月8日から始まる国会で話し合って、大統領に提案すべきことは提案し、制度を変えるべきものは変えていけると思う」と述べ、国会での話し合いで解決していく考えを示しました。

・国内で初めて、新型インフルエンザの感染が疑われる妊婦の推定患者が確認されました。保健福祉家族部は1日、先月31日に新型インフルエンザへの感染が確認された18か月の幼児の母親を、感染した疑いが高い「推定患者」に分類したことを明らかにしました。この女性は現在妊娠3か月で、国内では初めて妊婦の推定患者となります。これで1日午前現在、新型インフルエンザの感染者は39人、推定患者は1人となりました。

・去年6月に南北出身の親の間に生まれた3兄妹を含む韓国のトラ52頭がシベリアトラとして国際血統登録されました。ソウル動物園は1日、ドイツのライプチヒ動物園が管理するトラの国際血統登録に、韓国のトラ52頭がシベリアトラとして登録され、血統が認められたと明らかにしました。血統登録されるとそれぞれのトラに固有番号が与えられ、国際的な交配が可能となります。