2009年ニュース

4月30日木曜日

・盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領は、親族が後援者から多額の不正資金を受け取っていた疑惑で、午後1時20分頃、ソウルの大検察庁に出頭し、事情聴取を受けています。盧武鉉前大統領はこの日朝、韓国南部の金海市烽下村にある自宅を出発する際、自宅の前には盧武鉉政権のときの閣僚や青瓦台の秘書官、民主党の最高委員をはじめとする支持者や村の人たちが集まり、盧武鉉前大統領を見送りました。盧武鉉前大統領は出発に先立って、「国民の皆さまを失望させて大変申し訳ない」と簡単にあいさつしました。盧武鉉前大統領はソウルの大検察庁に到着した後、中央捜査本部長室で李仁圭(イ・インギュ)捜査本部長とあいさつを交わし、この席で李仁圭捜査本部長は「時間が多くないので事情聴取に協力して欲しい」と述べ、盧武鉉前大統領は「分かった」と答えたということです。この後、盧武鉉前大統領は調査室で事情聴取を受けています。検察は、盧武鉉前大統領の後援者で脱税などの罪で起訴された朴淵次(パク・ヨンチャ)被告から、青瓦台の元秘書官が100万ドルを、盧武鉉前大統領の姪の婿が500万ドルを受け取り、これらの資金がそれぞれ盧武鉉前大統領の夫人や息子に渡っていたとして、盧武鉉前大統領に対して「包括的な収賄罪」を適用することを検討しており、盧武鉉前大統領が在任中にこうした事実を知っていたかどうかなどを集中的に追及することにしています。事情聴取は30日夜遅くか翌日未明まで続くものと予想されています。一方、大統領府青瓦台は、盧武鉉前大統領が検察の事情聴取を受けることになったことについて、これといった論評は出しませんでしたが、与党ハンナラ党は、「前職の大統領が検察の事情聴取を受ける事態が再発したのは残念だ」とした上で、「盧武鉉前大統領は、国民による調査を受ける気持ちで調査に協力すべきだ」とする論評を発表し、検察に対しては聖域のない捜査を促しました。野党民主党は、盧武鉉前大統領が検察の事情聴取を受けることになったことについて遺憾の意を表明するとともに、検察は現政権の側近などについても徹底的に捜査すべきだと主張しました。

・李明博政府が発足して初めて行われた国会議員の再選挙で与党ハンナラ党は5つの選挙区で1議席も取れず惨敗し、今後の政局運営に少なくない影響を及ぼすことが予想されます。国会議員の再選挙の投票は29日全国の5つの選挙区で行われた結果、野党民主党と進歩新党がそれぞれ1議席、無所属の候補が3議席を獲得し、与党ハンナラ党は1議席も取れずに惨敗しました。このうちハンナラ党で李明博大統領に近い候補が公認候補になったため、朴槿恵(パク・グネ)元代表に近い候補が離党して無所属で出馬した慶尚北道慶州(キョンジュ)の選挙区では、朴槿恵元代表に近い鄭寿星(チョン・スソン)候補が当選しました。また民主党を離党して全羅北道 全州(チョンジュ)市完山(ワンサン)区甲から出馬した鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補は70%を超える圧倒的な支持を得て当選しました。一方、ハンナラ党の地盤とされている蔚山(ウルサン)北区では進歩新党の趙承洙(チョ・スンス)候補が当選し、進歩新党は初めて国会に議席を得ることになりました。さらに、与党ハンナラ党は最大の勝負どころとされていた首都圏の仁川広域市 富平(ブピョン)区乙で民主党候補に破れ、結局、選挙が行われた5つの選挙区で1議席も取ることができずに惨敗し、今後の政局運営で打撃を受けることはさけられない見通しで、党内の力関係にも少なくない影響が出るものとみられます。

・韓国政府は、WHO=世界保健機関が豚インフルエンザの世界的大流行が「差し迫っている」として、警戒レベルを上から2番目の「フェーズ5」に引き上げたことを受けて、政府の対策本部を30日から24時間体制にすることにしました。「フェーズ5」は、2か国以上で人から人への感染が確認され、世界的な大流行が「差し迫っている」ことを意味します。全在姫(チョン・ジェヒ)保健福祉部長官はこの日、「政府が慎重かつ確実に対応しているので、必要以上に心配することなく、政府の指示に従って欲しい」と述べました。一方、政府は、豚インフルエンザが急速に拡大して、抗ウィルス製剤の供給が追いつかない場合には、抗ウィルス製剤の特許権にかかわらず、国内の製薬会社が直接生産できるようにする方針を決めました。一方、韓国では30日午前8時まで、豚インフルエンザに感染した疑いがあるとする申告が23件ありましたが、このうち推定患者1人は精密検査を進めており、4人は調査中で、18人は陰性の反応が出て豚インフルエンザとは関係がないことがわかりました。

・国会の予算特別委員会は29日、雇用創出などに当てられる28兆4000億ウォンの補正際予算案を与野党の合意で可決しました。政府は当初28兆9000億ウォンの予算案を国会に提出していましたが、野党が削減を要求し、5000億ウォンが削減されました。予算の大部分は雇用創出などに当てられ、仕事のない人に清掃などの仕事を世話する政府の公共勤労プロジェクトに1兆3000億ウォン、中小企業が職場で実習するインターン社員を雇用する際の支援金として34億ウォンが割り当てられました。また、非正規職社員を正規職として採用する企業に対する支援金として1100億ウォンあまりが割り当てられました。さらに、大学生の授業料を支援するための奨学金に950億ウォン、地方自治体の財政を支援するために政府が地方債を買い取ることにし、その費用として8000億ウォンあまりが計上されました。一方、豚インフルエンザが拡大していることを受けて、抗インフルエンザ製剤を買うための費用などに800億ウォンを緊急に割り当てました。

・韓国政府は、北韓が29日、国連の安全保障理事会が謝罪しなければ、核実験と大陸間弾道ミサイルの発射実験を行うという声明を発表したことを受けて、北韓にこれ以上事態を悪化させる措置を取らないよう促しました。外交通商部は30日、論評を発表し、「北韓の声明は国連安保理の決議や議長声明を通じて明らかになった国際社会の一致した認識に正面から挑戦するものだ」として、「もし北韓が韓半島の非核化に向けた国際社会の努力を無視して、状況を悪化させるようなことがあれば、その責任はすべて北韓にある」と指摘し、「北韓は世界の平和を脅かす行為を直ちに中止し、国連安保理の決議や議長声明を履行するとともに、6か国協議に復帰すべきだ」と促しました。一方、アメリカ政府は北韓の声明を受けて、アメリカは韓半島の非核化を希望しており、北韓の一連の行動は無責任極まりないことだと非難するとともに、韓半島の非核化が実現するまで、アメリカは韓国や日本などの同盟国に対する「核の傘」の公約を維持していくとしました。

・政府は経営が悪化している財閥グループに対する構造改革を金融機関を通じて本格的に進めていくことにしました。政府は30日、李明博大統領が主催する非常経済対策会議を開き、45ある財閥グループのうち、債務が並外れて多く、信用評価で不合格の判定を受けた11の財閥グループに対して、来月から本格的に構造改革を進めることにしました。これら11の財閥グループは、債権銀行と構造改革に関する契約を結び、来月から系列会社の売却を進めるなど、構造改革をしなければなりません。また、45の財閥グループ以外で、金融機関に500億ウォン以上の債務がある大企業1500社に対する信用評価を6月末までに終え、問題がある企業には構造改革を要求することにしました。

・来年の国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)の第65回総会が、韓国の仁川市で開かれることになりました。仁川市が明らかにしたところによりますと、タイのバンコクで開かれた第64回総会の閉会式で、来年の総会の開催地を仁川市にすることが全会一致で決まったということです。

・ソウル市は不足していると指摘されている女性用の公衆トイレを増やすなど、女性に配慮した政策を進めることにしました。ソウル市が30日発表したところによりますと、地下鉄の駅などにある女性用の公衆トイレを利用する人は、混みあう時間帯には列に並んで待たなければならないなど、男性用に比べて不便だという指摘が出ていました。実際にソウル市にある公衆トイレの女性用の便器は3万5000個あまりで、男性用の60%程度に過ぎず、女性は利用時間が男性より長いこともあって一層不便でした。このため、ソウル市は来年までに女性用便器を6900個あまり増やして、男性用とほぼ同じ数にすることにしました。

4月29日水曜日

・韓国でも豚インフルエンザに感染した疑いが強い推定患者1人が発生したのに続いて、新たに5人が感染した疑いがあることが分かり、精密検査を受けています。疾病管理本部が29日に明らかにしたところによりますと、最近メキシコやアメリカを訪れて帰国した人のうち9人が、咳や鼻水、発熱などの症状があると保健所に自己申告しました。このうち5人は病状からみて豚インフルエンザにかかった疑いがあるため、疾病管理本部が精密検査を行っています。この5人のうち、52歳の男性と29歳の女性はメキシコから帰っており、16歳の男性はアメリカ・カリフォルニアから、27歳の女性はロサンゼルスから、そして生後15か月の幼児はニューヨーク帰りだということです。最近メキシコやアメリカを訪れて帰国した人はおよそ7000人に上るものと推定されており、症状を訴えて自己申告する人はさらに増える可能性があります。一方、28日に豚インフルエンザ感染の疑いが強い推定患者とされたメキシコ旅行から帰った51歳の女性は、国軍首都病院で隔離された状態で治療を受けていますが、健康状態は良好だということです。保健当局はこの女性と同じ飛行機に乗っていた乗客315人と、一緒に生活した40人についても症状がないかどうか追跡調査を行っていますが、今のところ、2次感染は確認されていないということです。

・外交通商部は28日、メキシコで発生した豚インフルエンザが世界に広がっていることを受けて、国民の安全を守るため、メキシコ全域を「旅行制限地域」に指定しました。外交通商部が出す旅行警報は現地の危険度に応じて旅行注意、旅行自制、旅行制限、旅行禁止の4段階に分類され、旅行制限は勧告する措置としてはもっとも厳しい段階に当たります。外交通商部はまた、国民に対し、メキシコへの旅行の中止や延期を呼びかけるとともに、メキシコに滞在している国民に緊急な用件がある場合を除いて早期に帰国するよう勧告しました。一方、農林水産食品部は28日、 北米地域で豚インフルエンザの感染が拡大していることを受けて、アメリカ、カナダ、メキシコからの生きている豚の輸入を29日から暫定的に中止することを決めたと明らかにしました。また、北米以外の地域から輸入される豚は、すべてについてウィルスの検査を行うことにしています。韓国は去年、アメリカとカナダからおよそ1600匹の豚を種豚として輸入しています。

・月の経常収支が過去最大の黒字となりました。韓国銀行が29日に発表した3月の国際収支動向によりますと、経常収支の黒字は66億5000万ドルに上り、これまで最高だった去年10月の47億5000万ドルを大幅に上回りました。また、今年1月から3月までの第1四半期の経常収支の黒字は85億8000万ドルとなりました。このように経常収支の黒字幅が大きくなったのは商品収支の黒字幅が大きかったためです。3月は輸入と輸出がいずれも去年の同じ期間に比べて減少しましたが、輸出の減少率が2月の19.4%から17.8%へと低くなったのに対し、輸入の減少率は30.6%から35.8%へと高くなり、結局、商品収支は69億8000万ドルの黒字と、過去最大を記録しました。輸出では特に船舶が増え、輸入では原油やガスなどエネルギーの減少が目立ちました。

・今後の政局に大きな影響を与えるとされる、国会議員や地方自治体の首長と議員などを選ぶ再選挙と補欠選挙の投票が29日、全国16の選挙区で行われ、その結果に注目が集まっています。投票は29日午前6時から午後8時まで行われて即日開票され、午後11時頃には各選挙区で当選が確定する見通しです。このうち5つの選挙区で行われた今回の国会議員の再選挙は去年4月に行われた第18代総選挙以来初めての国会議員選挙となっただけに、与野党ともに今後の政局で主導権を握るための勝負どころとみて、選挙運動に全力を上げてきました。特に、与党ハンナラ党と第1野党の民主党がいくつの選挙区で勝利するかによって政局への影響とともに、両党の指導体制にも変化を及ぼすものとみられています。

・韓国で禁止されていたES細胞、胚性幹細胞の研究が29日、事実上承認されました。国家生命倫理審議委員会は29日、全体会議を開き、ソウルの産婦人科専門病院、チャ病院が提出していた胚性幹細胞の研究計画書について、研究への過度な期待を招く一部文言の修正やヒトの卵子の使用を最小限にするなどの条件つきで認めました。生命倫理委員会はこうした意見を保健福祉家族部に伝えることにしており、チャ病院が条件をすべて満たし、保健福祉部が研究計画を最終的に承認しますと、チャ病院は国内で2番目にES細胞を使った研究を行うことになり、これによって2005年から3年間韓国で研究が禁じられていた胚性幹細胞の研究に弾みがつくものとみられます。韓国ではソウル大学校の黄禹錫(ファン・ウソク)元教授が世界で初めて胚性幹細胞の研究を行ってクローン牛を誕生させるなどの研究成果をおさめて、世界的な注目を集めるようになりましたが、2005年に研究成果のうち捏造していた部分があることが明らかになり、その後胚性幹細胞治療剤の開発は政府によって禁止されていました。

・政府は28日、外交安全保障政策調整会議を開き、北韓が開城工業団地をめぐって、土地の使用料の免除や韓国企業で働く北韓労働者の賃金を見直すため、再交渉を求めていることについて対応を話し合いました。政府はこの会議で、土地使用料や賃金についてだけでなく開城工業団地の事業や経済協力問題を包括的に話し合う当局者による会談を来月6日ごろ行うよう北韓に提案することにした模様です。政府は特に、北韓が求めている土地使用料の支払猶予期間の短縮は、開城工業団地の生産性や競争力を向上させるための総合対策と連係させて柔軟に検討する方針であると伝えられています。一方、政府は、北韓の政治体制を非難したとして先月末、開城工業団地で北韓当局に拘束された韓国人会社員の釈放を北韓との協議で最優先させる方針を決めており、北韓に会談を提案する際にこの会社員への面会と即刻釈放を求めるとしており、この問題は今後の南北関係に大きな影響を与えるものとみられます。

・政府の国家競争力強化委員会が29日に開かれ、国土海洋部は歩行者の通行の原則を現在の左側通行から右側通行に改めるという内容の歩行文化改善案を発表しました。この中で、国土海洋部は、右利きの人が88%と圧倒的に多い韓国では、荷物を持って歩く際に道路の右側を通行すると歩行者同士がぶつかる確率が左側通行よりはるかに低いほか、横断歩道を渡るときも車を現在の右側通行のままにしておくと走ってくる車との距離が長くなるため、交通事故をおよそ20%減らす効果があるという調査結果が出たことを明らかにしました。これによって国土海洋部は、交通安全などを考慮して道路交通法を人も車も右側通行に改正し、エスカレーターや地下鉄の改札口なども右側通行に改めるよう求める計画です。韓国では1905年の大韓帝国の規定で歩行者の右側通行が明示されましたが、日本の植民地時代の1921年に朝鮮総督府によって当時の日本と同じ左側通行に改められました。そして日本から独立した翌年の1946年にアメリカ軍政は車の通行だけを右側通行に変更し、現在は歩行者は左側通行、車は右側通行となっています。

4月28日火曜日

・メキシコを旅行して帰国した韓国人の女性1人が豚インフルエンザに感染した疑いが強くなり、政府の疾病管理本部は最終確認に向けてアメリカ保健当局に精密検査を依頼することを決めました。疾病管理本部によりますと、今月26日にメキシコ旅行から帰国した韓国人の男女3人に軽い風邪の症状が出たことから、疾病管理本部が豚インフルエンザに感染したかどうかを調べました。その結果、男性2人は豚インフルエンザにかかっていないことが分かりましたが、京畿道に住む51歳の女性から発見されたウィルスはヒトのウィルスではないことが確認され豚インフルエンザに感染した疑いが強いことが分かり、疾病管理本部は今後、アメリカの保健当局にメキシコで流行している豚インフルエンザのウィルスかどうかの精密検査を依頼することになりました。アメリカの保健当局からの最終的な診断が出るまでは1週間ほどかかるということです。

・韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は28日の閣議で、「豚インフルエンザから国民の安全と健康を守るために防疫体制に万全を期していく」と述べました。また政府は韓国でもメキシコ旅行から帰国した女性が豚インフルエンザに感染した疑いが出ていることを受けて、アメリカ大陸だけでなく国際線のすべての飛行便を利用する入国者に対する検疫を来月10日まで強化することになりました。政府は、北米・南米から先週帰国した人たちの潜伏期間が過ぎる今週が国内で豚インフルエンザが広がるかどうかの分かれ目になるとみており、豚インフルエンザが発生した地域を訪れた人のうち、鼻水や喉の痛み、咳、発熱のうち2つ以上の病状がみられれば、擬似患者に分類して精密検査をする方針です。さらに保健福祉家族部では、WHO=世界保健機関がメキシコやアメリカで発生している豚インフルエンザの警戒レベルをこれまでより1段高い「フェーズ4」に引き上げたことを受けて、豚インフルエンザのワクチンの製造を進めていく方針です。そしてこれと並行してタミフルなど治療薬の備蓄を現在の250万人分から2倍の500万人分に増やす計画です。

・農林水産食品部は27日、専門家会議を開いてメキシコで発生した高病原性豚インフルエンザを法廷伝染病に新たに指定しました。法制伝染病に指定されますと、保健当局は人やものの移動を制限するなど、強力な防疫措置をとることができるようになります。これについて農林水産食品部の関係者は「豚インフルエンザのうち、今回、メキシコで発生したウィルスに限って法廷伝染病に指定し、他のウィルスについては、今後の事態を見極めたうえで指定するかどうかを決めていく」と述べました。

・今月の消費心理指数は4年ぶりに大幅に上昇し、項目別では二桁台の伸びとなって、いずれも改善されています。韓国銀行が全国のおよそ2200世帯を対象に行った4月の消費者動向調査によりますと、経済生活に対する消費者の心理を総合的に示す消費心理指数は98と、前の月に比べて14ポイント上昇し、2005年第1四半期に19ポイント上昇して以来、4年ぶりの大幅な上昇となりました。消費心理指数は今の生活状況や消費支出の見通し、今の景気判断と今後の景気判断、職につく機会の見込みなど6項目にわたって指数を出し、その指数が100を下回ると、今後の景気がよくないと判断する人がそうでないと判断する人より多いことを意味します。4月の消費心理指数は100をわずかに下回っていますが、項目別にみますと、12ポイントから最高36ポイントも上昇しており、今後の景気についてよくなると思う人が大幅に増えていることを示しています。これについて韓国銀行の関係者は「株価と不動産価格が上昇し、為替も安定していることから消費心理は改善されているが、この流れがずっと続くかどうか見極める必要がある」と話しています。

・韓国の主な4つの川を整備する4大河川事業に、政府は今年9月から本格的に取り組むことになりました。政府は27日、大統領府、青瓦台で李明博大統領も出席して4大河川事業に関する政府部署の合同報告を行いました。4大河川はソウルの漢江、慶尚道を流れる洛東川、全羅道と忠清道を流れる錦川、全羅南道の栄山川の4つの河川で、報告によりますと、政府は水不足を解消するために4大河川事業を通じて2012年までに12億5000万トンの用水を確保するとともに、水質をBOD=生物化学的酸素要求量の基準でレベル2にあたる3ppmまでに改善するとしています。政府は今後、十分な水の確保や水質と生態系の改善計画、流域地域の発展などを盛り込んだマスタープランを今年5月までにまとめて、政府告示と住民への補償や環境への影響調査などを経て、9月から可能な地域で同時多発的に工事を進めていくとしています。

・国会議員と地方自治体の長などを選ぶ再選挙と補欠選挙の投票を29日に控えて、各候補者は28日、最後の選挙遊説に全力をあげました。このうち、国会議員選挙は仁川広域市 富平(ブピョン)区乙、蔚山(ウルサン)広域市北区、全羅北道 全州(チョンジュ)市完山(ワンサン)区甲、全州市徳津(トクジン)区、それに慶尚南道慶州(キョンジュ)市の5つの選挙区で行われるため、ミニ総選挙の性格を帯びています。最大の激戦地は首都圏の仁川広域市 富平区乙で、各候補者は遊説最終日の28日、与野党の指導部とともにGM大宇の生産工場がある選挙区をくまなくまわって有権者に支持を訴えていました。今回の選挙では、盧武鉉前大統領の有力な後援者である企業経営者が政界に広く不正な資金を提供した事件に盧前大統領がかかわっていた疑惑が持ち上がったことや、与野党とも公認候補選びが難航し、有力候補が離党して無所属で出馬したことなどに有権者の関心が集まり、与野党の政策論争は事実上なかったという指摘が出ています。投票は29日の午前6時から午後8時まで行われ、即日開票されます。

・ソウル大学獣医学部のイ・ビョンチョン教授の研究チームが、体じゅうに赤い蛍光色を発するクローン犬(Transgenic cloned dogs)の誕生に成功したと、27日、ソウル大学が発表しました。それによりますと、イ・ビョンチョン教授の研究チームは、研究用の犬から細胞を取り出して細胞の中に赤い蛍光色を放つ遺伝子を組み込んだ後、この細胞を核を取り除いた卵子に注入して受精させ、代理母の犬に着床させてクローンの子犬を誕生させました。このクローン犬は誕生したときから体じゅうで赤い蛍光色を発していることから「ルピー(Ruppy)」と名づけられ、DNAの検査を通じて、クローン犬の検証も終えたということです。イ・ビョンチョン教授は、「今回の成功は多様な遺伝的性質の犬を誕生させることが可能なことを証明したもので、今後、ヒトの病気の研究やバイオ医学の研究発展にも役立つと思う」と述べました。

4月27日月曜日

・メキシコとアメリカで広がりを見せている豚インフルエンザが世界的な流行を引き起こす緊急事態になる恐れがあることから、韓国政府も非常防疫体制を敷いて対策に乗り出しました。政府は26日、緊急の関係閣僚会議を開いて、豚インフルエンザによる死者が増えているメキシコと感染者が出ているアメリカ、その隣接した国から輸入する豚と豚肉に対する消毒や検疫を強化することを決めました。またメキシコとアメリカから帰国する韓国人旅行客を対象に簡単な診察を行う一方、全国の病院に対して豚インフルエンザと疑われる患者が発見された場合は、保健当局に届け出るよう指示しました。政府はさらに豚インフルエンザが拡がっているメキシコの一部を旅行自粛地域にレベルを引き上げました。豚インフルエンザは、豚がA型インフルエンザのウィルスに感染した場合に生じる呼吸器疾患ですが、今回の豚インフルエンザは感染した豚に直接接触した人に移り、人から人への感染も確認されたため、変種のウィルスが発生したのではないかとみられています。韓国は豚インフルエンザの治療薬、タミフルを240万人分、備蓄しています。

・盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の有力な後援者が政界に広く不正な資金を渡していた事件で、大検察庁は30日に盧武鉉前大統領から直接事情聴取することになりました。この事件は脱税などの罪で起訴された靴の製造会社の会長で、盧武鉉前大統領の有力な後援者が政界に広く不正な資金を渡していたもので、このうち盧前大統領夫人の権良淑(クォン・ヤンスク)氏が100万ドル、姪の夫が500万ドルの合わせて600万ドルを受け取っており、検察はこの600万ドルは賄賂の可能性が高いとみて、盧武鉉前大統領に対して「包括的な収賄罪」にあたるかどうかを検討しています。これまで後援者から現金を受け取った姪の夫などを調べてきた検察は、先週22日、盧武鉉前大統領に各種の疑惑をめぐる質問書を送り、盧前大統領は3日後の25日に16ページにわたる答弁書を検察に提出していました。大統領経験者が検察の事情聴取を受けるのは、14年前に秘密資金疑惑があった全斗煥(チョン・ドゥファン)・ 盧泰愚(ノ・テウ)の元大統領以来、3人目となります。

・盧武鉉前大統領は不正資金疑惑をめぐる大検察庁の質問書に対する答弁書の中で、夫人の権良淑(クォン・ヤンスク)氏が盧前大統領の有力な後援者から受け取った100万ドルの使い道について確認を拒否したことが27日、明らかになりました。この中で盧武鉉前大統領は「被疑者としての権利を行使する。隠す部分は隠し、自分に有利な部分だけ陳述するという趣旨から、100万ドルの使い道については明らかにできない」と明記したということです。この100万ドルについて、検察は、盧武鉉前大統領の有力な後援者である靴の製造会社の会長から「盧武鉉前大統領が直接電話をかけてきて現金100万ドルを要請した」という供述を得ており、盧武鉉前大統領は100万ドルを受け取った翌日の2007年6月30日にアメリカに向かったことなどから、シアトルに滞在していた長男に手渡した可能性があるのではないかとみていますが、現金だけに流れを追跡するのは事実上、不可能とされています。

・海外の金融機関が韓国の経済成長率の見通しを相次いで上方修正しています。アメリカの投資銀行、ゴールドマンサックスは27日にまとめた資料で、韓国の今年の経済成長率の見通しをこれまでのマイナス4.5%からマイナス3%に上方修正しました。また来年の経済成長率の見通しも2.7%から2.9%に上方修正しました。ゴールドマンサックスはその理由として韓国政府の効率的な景気浮揚策と輸出回復の展望が明るいことなどをあげています。一方、ドイツのドイチェ・バンクも韓国の今年の経済成長率の見通しをマイナス5%からマイナス2.9%に引き上げました。これに先立ってスイスの金融機関「UBS」はこれまでマイナス5%としてきた韓国の経済成長率をマイナス3.4%に上方修正していました。またアメリカの金融持ち株会社、モルガンスタンレーとシティグループは韓国の今年第1四半期のGDP=国内総生産が、去年第4四半期に比べてプラスの成長をしたことから、第2四半期もかなりの成長が見込まれるとする前向きな展望を出しました。

・北韓の長距離ロケットの発射などで中断していた韓国の民間団体による北韓への人道支援が今週から再開される見通しです。北韓で豚の農場を支援している韓国の民間団体「わが民族一つになる運動本部」は27日、北韓から1週間前に招待状を受けたとして、「近く北韓入りし、農場で飼育した豚の肉を長く保存できる加工工場を平壌に作る計画を北韓側と協議する予定だ」と述べました。また「暖かい韓半島愛の練炭分かち合い運動」という団体はすでに先週23日に練炭5万枚を北韓の開城(ケソン)に贈ったのに続いて、今週28日には北韓の金剛山に近い高城(コソン)に練炭5万枚を贈る計画です。このほかにも温室事業の技術陣や医療保健、農業、害虫駆除などを支援する団体の関係者が相次いで北韓を訪問する予定で、韓国の民間団体による北韓支援が再び本格化する見通しです。

・北韓の金正日国防委員長の後継者に決まったのではないかといわれている三男の正雲(ジョンウン)氏が、このほど、国防委員会の指導員に任命され、後継者としての修業を始めたのではないかとみられています。北韓に詳しい消息筋は26日、「最高人民会議が開かれる数日前に正雲氏に国防委員会指導員のポストが与えられた。しかし具体的な業務内容は確認されていない」と述べました。国防委員会の指導員は国防委員会ではいちばん下のポストですが、金正日国防委員長が1964年に労働党のもっとも下の職である指導員から党の幹部を経て国防委員長になった前例があるだけに、正雲氏も指導員から参事、局長などの要職を昇進するルートをたどるのではないかと予想されます。また正雲氏が労働党ではなく、国防委員会の指導員になったのは、先の最高人民会議で国防委員会の組織を拡大し役割を強化したことと関係があるのではないかという観測も出ています。

・去年の離婚件数は11万6500件あまりと、5年連続減少し、離婚率は11年ぶりに最も低くなりました。統計庁が27日まとめた去年の離婚統計によりますと、去年の離婚件数は11万6500件あまりで、おととしの12万4100件に比べて7500件、6%減少しました。離婚件数は2003年に16万6600件でピークに達した後、5年連続で減少しており、人口1000人あたりの離婚率は2.4件と1997年の2件以来、11年ぶりに最も低くなりました。これは衝動的な離婚を防ぐために、協議離婚をする前に一定期間、離婚するかどうかを考える「離婚熟慮制度」が去年6月から施行されたためとみられます。

・去年1年間にインターネット上で行われた銀行の取り引き金額が史上初めて1兆の1万倍の1京(けい)を超えたことが分かりました。金融監督院が27日まとめたところによりますと、市中銀行のホームページを通じた電子金融取引に加入している利用者数は去年末現在で、延べ8770万人になって前の年より13%増え、年間の取り引き金額は1京1665兆ウォンと、前の年より19%増えました。1京は1兆の1万倍の数字で、韓国で1998年9月にインターネットによる銀行業務が始まってからおよそ10年あまりで取り引き金額が1京を超えたことになります。

4月25日土曜日

・北韓は、使用済み核燃料棒を再処理して核兵器に使えるプルトニウムの抽出作業を始めたことを明らかにしました。北韓外務省の報道官は、25日、朝鮮中央通信を通じて、「寧辺の核施設にある使用済み核燃料棒を再処理する作業が始まった」と明らかにし、「これは敵対勢力による軍事的脅威が増していることに備えて、自衛的な核抑止力の強化につながる」と述べました。北韓は今月14日、国連の安全保障理事会で、ロケット発射を非難する議長声明が採択されたことに強く反発し、6か国協議に参加しないことを明らかにするとともに凍結していたプルトニウムの抽出を再開する方針を表明していました。北韓が今回再び核開発に乗り出す姿勢を鮮明にした背景には、国連の安全保障理事会の制裁委員会が24日、北韓の企業3社を資産凍結の対象として指定したことに、即座に反応したものとみられます。

・国連の安全保障理事会の制裁委員会は、北韓のロケット発射を非難する議長声明に基づいて、資産凍結の対象として、北韓の企業3社を初めて指定しました。国連安全保障理事会の制裁委員会が24日、発表したところによりますと、指定されたのは、弾道ミサイル関連装置を輸出している「朝鮮鉱業開発貿易会社」、武器を輸出している「朝鮮リョンボン総合会社」、そして弾道ミサイルや通常兵器の資金を管理する「端川(タンチョン)商業銀行」の3社です。安保理の制裁委員会は、北韓のロケット発射を受け、3年前に北韓が核実験をした後に採択した安保理決議の履行を徹底するよう求めた議長声明に基づいて、より多い企業を制裁対象に指定すべきだとしたアメリカや日本の主張に対して、中国とロシアが難色を示し、結局、資産凍結の対象は3社に絞り込まれました。今回の指定で、国連加盟国は3社の国外資産の凍結や、3社への資金提供の禁止などの義務を負うことになります。

・最高裁判所に当たる大法院の量刑委員会は、収賄罪や殺人罪など8つの犯罪に対して量刑、刑罰の程度の基準を初めて設け、24日、議決しました。新しく設けられた量刑の基準は、収賄罪など、いわゆるホワイトカラーによる犯罪や、殺人罪、性的な暴力など凶悪犯罪の刑を、これまでより重くしています。このうち、収賄罪は、金額が3000万ウォン以上、横領罪と背任罪は50億ウォン以上の場合は、執行猶予が付かなくなるほか、収賄罪の場合、金額が5億ウォン以上であれば、基本となる量刑は懲役9年から12年で、殺人罪の懲役8年から11年より重くなります。さらに執行猶予になる条件を項目別に示して、執行猶予に対する裁判官の裁量を制限しています。このような量刑基準は5月中に官報に掲載され、7月から施行されます。韓国でこのように量刑の基準が設けられたのは初めてで、大法院は、今後、ほかの犯罪にも基準を設けていく方針です。

・子どものいる家庭が家計で、学校での教育以外に学習塾などに支出する、いわゆる私教育費が年々増えていることを受けて、政府は、学習塾での勉強時間を夜10時までに制限するなど、私教育を抑制するための関連法を制定して、厳しく取り締まる方針です。韓国の家庭の私教育費は、2007年は20兆ウォンを超えており、景気悪化にもかかわらず、年々増え続けています。こうした中で、政府はこのような私教育費を抑制するなど、教育改革を進めるため、担当部署を設置して検討を進めています。教育改革を担当している未来企画委員会が24日明らかにしたところによりますと、私教育費を抑制する方法の一つである、学習塾の勉強時間の制限は現在、各自治体の条例があるものの、事実上、取締りは不可能なため、今後は、教育科学部の施行令として関連法を設け、警察力を動員するなどして厳しく取り締まる方針です。政府は、これら教育全般の改革に向けた総合対策をまとめて、与党との連絡会議を経て、近く発表する計画です。

・韓国の長者番付の上位100位のうち、学習教材会社のオーナーが大きく躍進していることがわかりました。経済紙のフォーブス・コリアが、今年の長者番付で上位100位に入った人の預金額と不動産を除く財産を調べた結果、総額は50兆1,628億ウォンで、去年より、12兆ウォン減っています。お金持ちのトップは5兆1,628億ウォンを所有している、三星グループの李健熙(イ・ゴンヒ)前会長で、次いで、現代・起亜自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長、3位は与党ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)議員でした。一方、今年は、学習教材などを作る教育関連企業のオーナーの躍進が目だち、キョウォングループのチャン・ピョンスン会長が1兆1384億ウォンで8位に入るなど、100位までに5人が含まれています。

4月24日金曜日

・韓国政府は北韓に対して、開城工業団地の運営をめぐって話し合うための会談を提案することを検討しています。政府関係者が24日明らかにしたところによりますと、政府は北韓に対して、開城工業団地で北韓に抑留されている韓国企業の社員の問題を含めて、開城工業団地の運営全般をめぐって話し合うための会談を提案することにし、そのため来週にも北韓当局と事前の接触を行う計画だということです。政府は、今月21日に行われた南北間の接触で、北韓が開城工業団地の韓国企業で働いている北韓労働者の賃上げや土地の使用料の支払いなどを要求したことを受けて、これらの問題だけなく、開城工業団地の韓国人の身辺の安全や、通行、通信、通関などの問題を含めて、包括的に話し合う会談を提案することにしたということです。そのため、玄仁澤(ヒョン・インテク)統一部長官は24日午後、開城工業団地で操業している韓国企業の関係者から、北韓労働者の賃上げや土地の使用料の支払いなどについて意見を聞きましたが、この席で企業の関係者からは、賃上げや土地使用料の支払いを一方的に受け入れることはできず、それなりの見返りが必要だという意見が出ました。

・北韓が拘束しているアメリカ人記者2人を起訴しました。北韓の朝鮮中央通信は24日、「関係機関がアメリカ人記者2人についての調査を終え、裁判にかけることを決定した」と報じました。しかし、2人の記者の罪状などについては具体的に触れませんでした。北韓に拘束されているアメリカ人記者は、先月17日に北韓と中国の国境付近で脱北者に関する取材をしていたところ、北韓軍兵士に拘束されました。北韓がミサイルを発射した後、アメリカは国連安保理で北韓に対する非難を盛り込んだ議長声明の採択を主導し、北韓は6か国協議からの離脱や核施設の再稼働を宣言するなど、米朝関係が悪化している中で、北韓がアメリカ人記者2人を予想以上に早く起訴したのは、アメリカに圧力をかける狙いがあるものと見られています。北韓は裁判でアメリカ人記者に実刑判決を言い渡した後、アメリカとの協議の進展を見極めた上で、これらの記者を釈放するか、あるいは拘束し続けるかを決定するものと予想されます。一方、アメリカはこの問題を解決するために平壌に特使を派遣する可能性もあるという観測が出ており、関心が寄せられています。

・1月から3月までの第1四半期の経済成長率は0.1%でした。韓国銀行が24日発表したところによりますと、第1四半期の経済成長率は0.1%で、プラスに転じました。経済成長率は2008年の第3四半期までプラスを維持していましたが、第4四半期にはマイナスに転じていました。韓国銀行は、経済成長率が前の四半期に比べてプラスに転じたのは、政府の景気対策などによる建設投資が増えたためだと説明しました。しかし、去年の同じ期間と比べた実質成長率はマイナス4.3%で、通貨危機に見舞われた翌年の1998年の第4四半期以来、もっとも低い水準で、韓国銀行は、製造業や企業の設備投資は依然として不振な状況が続いているとして、景気回復については慎重な見方を示しました。

・半導体大手の三星電子は第1四半期に予想を超える黒字を達成しました。三星電子が発表した第1四半期の決算によりますと、営業利益は4700億ウォンで、前の四半期の7000億ウォンを超える赤字から黒字に転じました。しかし、売り上げは前の四半期に比べて13%増えた28兆6000億ウォンにとどまりました。営業利益や売り上げはともに前の年に比べると減っていますが、いずれも市場の予想を上回りました。部門別では、携帯電話で1兆1000億ウォンの利益を上げましたが、半導体では6700億ウォンの損失となりました。世界的な景気悪化や季節的な要因も重なって売り上げは減ったものの、営業利益が黒字に転じたのは、競争会社の減産やウォン安など、市場の環境が三星電子に有利に作用し、一方で三星電子が各種の費用を節減するなどの努力を続けたためと分析されています。

・日本を訪問している李相喜(イ・サンヒ)国防長官は23日、浜田靖一防衛相と会談しました。両国の国防担当の閣僚が会談するのは2007年以来のことです。李相喜国防長官と浜田防衛相は会談で、北韓の挑発的な行為が北東アジアの安全を深刻に脅かしているとした上で、核やミサイル問題で韓日米の3か国が連携して対応していくことで合意しました。また、ソマリア沖で両国の艦艇が海賊対策に当たっていることを踏まえて、海賊に関する情報交換などで協力することを確認しました。さらに、両国が国防分野で包括的な交流を進める共同文書「国防交流に関する意向書」に署名しました。共同文書には、韓国軍と自衛隊の幕僚による協議を定期的に開くこと、海難事故での捜索や救助のための共同演習の実施、両国の艦艇と軍用機の相互訪問、国際平和維持活動での協力などが盛り込まれました。

・今年の夏は例年より暑く、梅雨入りは早くなる見通しです。気象庁が発表した長期予報によりますと、今年の夏は亜熱帯高気圧が例年より強く発達し、蒸し暑い日が多くなるということです。特に6月と7月には気温が30度を超える日が多く、7月には平年よりかなり気温が高い日があるということです。また、例年は6月下旬に始まる梅雨は、亜熱帯高気圧が発達する影響で梅雨前線の北上が早くなるため、今年は6月半ばに済州島と南部地方から梅雨入りするということです。6月と7月の降水量は、地域によって260ミリから610ミリと、例年よりやや多くなるということです。

4月23日木曜日

・世界的な景気後退で取り扱う貨物の量が減って、海運会社の経営が悪化していることを受けて、政府は経営が悪化している会社の船舶を買い取る4兆ウォン相当のファンドを作るなど、構造改革に合わせて8兆7000億ウォンを投じることにしました。これは李明博大統領が主催して23日に開かれた非常経済対策会議で決まったもので、政府は現在進めている海運会社に対する信用調査を今月末まで終え、再建の可能性がない会社については破産手続きを取るなどの方法で整理し、再建の可能性がある会社について各種の支援策を取っていくことにしました。具体的には、まず、海運会社に対する出資制限をなくし、大企業や金融機関が自由に海運会社に出資することができるようにして、海運会社の資金調達を容易にすることにしました。また、政府系と民間の金融機関が共同で4兆ウォン相当のファンドを作り、経営が悪化している会社の不必要な船舶を買い取り、資金難の解消を支援することにしました。さらに3兆7000億ウォン相当の予算を確保して、船舶を担保に造船会社や海運会社へ資金を融資することにしました。

・アメリカのクリントン国務長官は22日、議会下院の外交委員会の聴聞会に出席し、「北韓の予想のつかない行動には屈しない」と述べました。クリントン国務長官は北韓が6か国協議から離脱したことについて、「アメリカは6か国協議が再開されることを希望するが、北韓の予想のつかない行動に振り回されるようなことはなく、強力かつ一貫した対応を取っていく」と強調しました。こうした発言は、北韓が引き続き瀬戸際外交を進めれば、北韓に対する制裁措置を具体化する用意があることを示唆したものと受け止められています。この聴聞会は4時間あまりに渡り進められましたが、クリントン国務長官は北韓については1回しか言及せず、北韓の動きに過度に反応することを避けたためだと見られます。一方、クリントン国務長官は、韓国や日本などアジアの同盟国との連携を重視するとした上で、核拡散防止だけでなく、気候変動問題や経済危機でもこれらの国と連携して取り組んでいく方針を示しました。

・ロシアのラブロフ外相が23日から北韓と韓国を相次いで訪問します。23日午前中に平壌に到着したラブロフ外相は、北韓のパク・ウイチュン外相と会談し、6か国協議への復帰や核施設の再稼働をしないよう働きかける見通しです。これまで平壌を訪れたロシアの外相は1回を除いて北韓の最高指導者に会っており、ラブロフ外相も金正日国防委員長に会う可能性が高く、関心が寄せられています。ラブロフ外相は24日にはソウルを訪問し、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官らと会談して、北韓の核問題を中心に協議し、北韓での協議の結果についても説明する見通しです。

・江原道の平昌郡が2018年の冬季オリンピック招致に名乗りを上げました。大韓オリンピック委員会は23日、総会を開き、平昌郡に2018年の冬季オリンピックを招致することについて投票を行い、賛成多数で可決しました。平昌郡は政府の承認が得られ次第、本格的に招致活動を始めることにしています。平昌郡が冬季オリンピックの招致に名乗りを上げたのは今回が3回目です。平昌郡は2010年と2014年の冬季オリンピックの候補都市の一つでしたが、2010年の大会はカナダのバンクーバーに、2014年の大会はロシアのソチに、いずれも最終投票でわずかの差で敗れていました。平昌郡は今年10月15日までにIOC=国際オリンピック委員会に招致の意向書を提出することにしています。

・IMF=国際通貨基金は、来年の韓国の経済成長率の見通しを1.5%に下方修正しました。IMFは22日、世界経済の見通しについて発表し、この中で韓国の来年の経済成長率は1.5%にとどまるだろうとしました。IMFは今年1月の発表では、韓国の来年の経済成長率が4.2%に達するだろうとしていましたが、3か月ぶりに大幅に下方修正しました。IMFは韓国の経済成長率の見通しを大幅に下方修正した理由について、世界経済が今年に続いて来年も厳しい状況が続き、輸出への依存が大きい韓国経済の成長率も鈍化することが予想されるためだと説明しました。IMFは来年の世界経済の成長率について1月には3%と予想しましたが、今回は1.9%に下方修正しました。

・韓国では学習塾など、公教育以外の支出が大きく増える一方で、健康に対する関心が高まっていることから、民間消費支出のうち教育費と医療費が占める割合が日本の2倍に達していることが分かりました。韓国銀行がまとめた資料によりますと、2007年の民間消費支出のうち教育費と医療費が占める割合は合わせて14%で、サービス部門の支出の中では最も大きくなっています。日本の場合、民間消費支出の中で教育費と医療費の支出が占める割合は7%程度で、韓国は日本の2倍に達しています。このうち教育費の割合だけを見ますと、2005年の5.1%から2007年には8%と急速に増えており、これは公教育以外の学習塾や家庭教師、それに海外留学などへの支出が増えているためと見られています。

・韓国の研究チームが22日、人間への臓器移植に適しているクローン豚の作製に成功したと発表しました。政府の資金提供を受けて研究を進めているバイオ新薬臓器事業団のイム・キョビン教授によりますと、豚の臓器をヒトへ移植する場合には拒絶反応が大きな障害となっていましたが、この豚は遺伝子操作を通じて拒絶反応を引き起こすアルファガラクトースという遺伝子を除去して、拒絶反応を起こさないということです。豚の臓器を人に移植すると、拒絶反応によって数時間で臓器が機能を果たさなくなりますが、この豚の臓器は数十日間は機能を果たすということです。実際に臓器移植に使えるようになるまではまだ解決しなければならない問題が多くありますが、国内には臓器移植を必要としている患者が2万人あまりに達しており、研究チームはさらに研究を続けるとしています。

・環境にやさしい自転車の利用を促進するための「第1回大韓民国自転車フェスティバル」が今月25日から全国各地で開かれます。行政安全部と文化体育観光部、それに国民体育振興公団が共同で開催するこのフェスティバルは、今月25日から来月3日まで9日間の日程で開かれます。初日にはソウルのオリンピック公園で開会式を行い、オリンピック公園からソウル中心部の市庁前広場までの15キロの区間で、普段自転車を楽しんでいる5000人あまりが愛用の自転車に乗ってパレードする予定です。また、京畿道水原市の水原華城や仁川市の文鶴競技場など、全国各地でそれぞれの自治体による開会式が行われ、自転車のパレードや、自転車の曲乗り、のろのろレースなど、多様なイベントが催されます。さらにフェスティバルの期間中には、ソウルと地方都市を結ぶコースで、自転車競技のプロやアマチュア選手によるリレー形式のレースも行われます。

4月22日水曜日

・北韓にある開城工業団地で21日に行われた南北の政府当局者による接触は、 北韓が韓国企業で働いている北韓労働者の賃金や土地の使用料など、これまでの優遇措置を全面的に見直すと通告し、物別れに終わりました。この日の接触は、南北の政府当局者が事前に行った会場や議題をめぐる調整が難航し、夜になってようやく始まりましたが、踏み込んだ議論にはならず、わずか20分あまりで終了しました。この席で韓国は、北韓に対して緊張をあおる行為をやめるよう求めるとともに、北韓の政治体制を批判したとして北韓に拘束されている韓国企業の社員の引き渡しを求めましたが、北韓はこれを拒否しました。その上で北韓は、開城工業団地の土地の使用料の免除や、韓国に比べて安い北韓労働者の賃金など、韓国企業に与えている優遇措置を全面的に見直すと通告しました。北韓は開城工業団地を閉鎖するとはしていないものの、これによって韓国の企業にとって投資メリットが大幅に減ることになり、南北経済協力事業の象徴とされてきた、開城工業団地の事業存続が厳しくなったとする見方が出ています。

・北韓が21日に行われた南北の政府当局者による接触で、開城工業団地の事業で韓国企業に与えている優遇措置を全面的に見直すと通告したことを受けて、韓国政府は、開城工業団地を安定的に発展させるため南北間の協議を行うことを検討している模様です。韓国統一部は、近く関係省庁による会議を開き、北韓が通告してきた開城工業団地での韓国企業に対する優遇措置の見直しへの対応を協議し、それを踏まえて適切な時期に北韓に対して南北当局間の協議を提案することを積極的に検討している模様です。政府はまた、近く、開城工業団地で操業している韓国企業の代表と会合し、北韓の要求が企業活動に与える影響について分析するとともに、政府の対応について意見を聞く方針です。これに関連して、政府関係者は22日、「北韓は南北接触で開城工業団地に関する従来の契約を見直すための交渉を求め、われわれも開城工業団地への出入りや滞在の問題など、南北の懸案について話し合うため当局間のさらなる接触を提案した。開城工業団地の問題は南北がともに努力しなければならないので、当局間の対話が必要だ」と述べ、南北当局間の協議の必要性を強調しました。また、大統領府青瓦台は、「21日の接触で対話の糸口ができた。北韓との対話を続けるという意志に変わりはない」と述べ、今回の接触をきっかけに南北間の対話を続けるための対応をとる方針を明らかにしました。

・李明博大統領は21日、PSI=大量破壊兵器の拡散防止構想に参加するとした原則に変わりはないという立場を示しました。李明博大統領は北韓が開城工業団地の事業で韓国企業に与えている優遇措置を見直すと通告してきたことを受けて、大統領府青瓦台で緊急の安全保障関連閣僚会議を開いてこのように述べたと、会議の出席者が伝えました。ただ、李明博大統領はPSIに参加する時期については具体的に言及しなかったということです。これによって政府は近くPSIへの参加を発表し、開城工業団地で北韓に拘束されている韓国人会社員の引き渡しについては別途対応していくものとみられます。

・国会の外交通商統一委員会は22日、韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案を可決して本会議に送りました。韓国とアメリカは2年前の2007年4月にFTA交渉を妥結させ、国会での批准を残していますが、韓国では農産品分野への被害が予想されることからFTAに反対する意見が根強く、政府は今年1月にようやく批准同意案を国会に上程しました。論争の末に外交通商統一委員会に上程されていた批准同意案は、4か月経って政府の原案通り可決されました。この日、外交通商統一委員会ではFTAに反対する野党議員らが朴振(パク・チン)委員長を取り囲み、採決を阻止しようとしましたが、朴委員長は可決を宣言しました。これによって批准同意案は6月に行われる李明博大統領とアメリカのオバマ大統領との首脳会談が終わった後、本会議で可決・成立する見通しです。一方、アメリカでは韓米FTAをめぐって、自動車など特定の分野について不公平な部分があるとして見直しを求める声が上がっており、まだ議会への上程もされていない状況です。

・盧武鉉前大統領の有力後援者による政官界への不正資金事件で、大検察庁中央捜査部は21日、およそ12億5000万ウォンの大統領特殊活動費を横領した疑いなどで大統領府青瓦台の元秘書官を逮捕しました。検察の調べによりますと、大統領府の元秘書官、鄭相文(チョン・サンムン)容疑者は盧武鉉前大統領の在任中に盧武鉉前大統領の有力後援者で靴の製造会社の会長から4億ウォンの賄賂を受け取ったほか、国家予算の大統領特殊活動費から12億5000万ウォンを横領して不正資金をつくった疑いがもたれています。鄭相文容疑者は盧武鉉前大統領の側近で、不正資金の受け渡し役だったとされ、検察はこれらの資金が実質的に前大統領への賄賂に当たるとみています。検察の取り調べに対して鄭相文元秘書官は容疑を認めつつも「盧武鉉前大統領に退任後に渡そうと思ってつくった資金で、盧武鉉前大統領はまったく知らなかった」と供述しています。検察は来月初めにも盧武鉉前大統領への事情聴取を行う方針を示しました。

・仁川国際空港が4年連続で世界最高の空港に選ばれました。仁川国際空港を運営する仁川国際空港公社は21日、ポルトガルで開かれた国際航空協議会(ACI)の空港サービス評価授賞式で、「世界最優秀空港賞」を受賞しました。仁川国際空港はまた、「アジア太平洋の最高空港」、「中大型の最高空港」、「利用客が選んだ最高空港」の分野でも受賞しました。これは、国際航空協議会が去年世界126の主な空港の利用客25万人を対象にサービスや施設、運営など34の分野についてアンケート調査を行い、その結果をもとに選定したものです。国際航空協議会は航空分野で最高の権威を持つ機関で、1993年から毎年空港サービスに関する評価を行っており、仁川空港は2005年度に初めて世界最優秀空港賞を受賞して以来、4年連続で受賞する快挙をあげました。

・世界中の花が展示される5回目の高陽花の博覧会が22日開幕し、23日から一般市民に公開されます。22日に行われた開幕式には、張太平(チャン・テピョン)農林水産食品部長官や京畿道の金文洙(キム・ムンス)知事など2000人あまりが出席し、高陽オーケストラの公演など文化イベントが行われました。「世界中の花の祭典」をテーマに5月10日まで開かれる高陽花の博覧会は、京畿道(キョンギド)の一山(イルサン)湖公園を会場に、国内から154の企業と、海外24か国から110の企業の合わせて264の企業が参加し、80万本の花が展示されます。会場では3000匹の蛍と銀河に見立てた光を鑑賞できる「洞窟滝の庭園」や1万本のバラで愛を表現した「愛の庭園」、チューリップ、アマリリス、ヒヤシンスなどで飾られた華やかな道を散策できる「球根園」などが設けられ、観覧客を魅了するものとみられます。

4月21日火曜日

・輸出の減少幅より輸入の減少幅が大きいため起きる、いわゆる「不況型黒字」がさらに進み、今年4月から6月までの第2四半期の貿易黒字はおよそ150億ドルに上るという見通しが出されました。貿易協会によりますと、今年4月から6月までの第2四半期の輸出は863億ドルで去年の同じ期間に比べて25%減るものの、今年の第1四半期よりは15%増えると予想されています。この期間中の輸入は716億ドルと去年同期より38%減少することが見込まれ、これによって第2四半期の貿易黒字は今年第1四半期の35億ドルより4倍以上多い147億ドルに上るものとみられるということです。輸出を品目別にみますと、船舶をはじめ、自動車、無線通信機器などは好調が予想される反面、石油製品や石油化学、コンピューター関連は第2四半期も輸出の減少幅が改善されないことが見込まれるとしています。

・IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、20日、北韓を核保有国とみなすべきだという考えを示し、注目を集めています。中国を訪れたエルバラダイ事務局長は、北京で記者会見し、「北韓が核兵器を保有しているのは事実だ。私は特定の国を核保有国として受け入れることを願ってはいないが、現実を直視しなければならない」と述べて、北韓を含む9か国が核保有国であるという考えを示しました。現在、NPT=核拡散防止条約に基づく核保有国はアメリカをはじめ、中国、ロシア、フランス、イギリスで、そのほかインド、パキスタン、イスラエルは事実上の核保有国と認められています。エルバラダイ事務局長のこのような発言は北韓を核保有国として認めていないアメリカの見解とは異なるもので、今後、どのような影響を及ぼすか、関心が寄せられています。

・李明博大統領は21日、「第42回科学の日」の記念式に出席し、研究開発分野への投資を毎年10%ずつ増やして、3年後の2012年にはGDP=国内総生産の5%まで拡大していく考えを示しました。李大統領はこの中で、グリーン成長をはかる上で最も重要なのは環境にやさしい科学技術を確保することだとして、世界をリードできる技術を多く開発して、外国から技術の使用料を受け取る時代を開いていかなければならないと強調しました。李大統領はさらに「21世紀は優れた1人の科学者が石油が出る油田より価値のある時代だ」と述べて、個人による科学技術の研究に対する支援を拡大するとともに、理工系の人材育成に力を入れていく考えを示しました。

・経営危機に陥っているアメリカ自動車最大手のGM=ゼネラル・モーターズのニック・ライリーアジア・太平洋地域本部社長は20日、上海で開かれているモーターショーに出席して、「GMが韓国のGM大宇を売却する計画はない」と述べたと、アメリカのブルームバーグ通信が20日、報道しました。ライリー社長はまた21日には「GM大宇は輸出の減少と資金不足などで、今年の生産量が20%から25%ほど減ることが予想される」と述べました。GM大宇は今年180万台の乗用車を生産する計画でした。ライリー社長はさらにGM大宇が韓国産業銀行からの資金支援を要請したことについて「先週、銀行の関係者と会合したが、短期融資に前向きだった」と、楽観的な見方を示しました。

・政府は最近、ネット上で起きているさまざまな犯罪や個人情報の流出などを防ぐため、個人情報保護法を改正するなど強力に対応していく方針です。行政安全部は21日、知識経済部、放送通信委員会、国家情報院とともに、他人のコンピューターに不正に侵入して情報を盗み取ったり、データーを破壊したりするハッキング行為や個人情報の流出などを防ぐための対応策をまとめました。それによりますと、まず住民登録番号が流出しないようにするため、ポータルサイトや金融機関などにログインする際には住民登録番号に代わる手段を講じるようにする一方、個人情報の流出を自動的に探知するシステムも作る計画です。また振り込め詐欺などに迅速に対応するため、銀行や警察など関係機関が共同で対応する体制を整え、脅迫されるなどして指定された口座に現金の振込みを強要された場合は、その口座から現金を引き出すことができないようにする制度も作っていくことになりました。 さらにホームページを攻撃してダメージを与えるサイバー攻撃の70%は、中国など海外から行われているだけに、国際的な協調体制を強化することにしています。 去年、中国からのハッキングは9000万件とおととしより倍増しており、個人情報の流出は、大手の製油会社からの大量流出などでおよそ4万件に上って、53%増加しています。

・外国人のために英語と日本語の通訳ができる「インターナショナル・タクシー」が来月からソウルにお目見えすることになりました。「インターナショナル・タクシー」は、専用のコールセンター(1644−2255)に英語と日本語ができるスタッフが待機して、電話を通じて通訳する一方、外国語の会話がある程度できるドライバーが担当します。タクシーの車体はソウル市が制定したソウルの色10色のうち「コッタム黄土色」でデザインされ、一般タクシーと模範タクシー、それに大型タクシーの3種類で合わせて119台がモデル運行することになっています。インターナショナル・タクシーの予約は年中無休で、電話のほかインターネットでも受け付けます。料金はソウルを3つの区域に分けて定額料金を支払う区間料金制度のほか、長距離を走る場合にあらかじめ決まった料金を支払う貸付料金制度、そしてメーター料金制度の3つに分けられる予定です。これによって仁川国際空港からソウル都心の光化門までの料金は、一般のインターナショナル・タクシーは6万5000ウォン、模範タクシーは9万5000ウォンほどと、普通のタクシーに比べて20%ほど割高になるということです

4月20日月曜日

・政府は21日に北韓にある開城工業団地で行われる南北当局間の接触に韓国側から出席する7人のリストなどを北韓に送りました。政府消息筋は20日、「南北接触に出席する韓国側の当局者は陸路で北韓入りする予定で、政府は20日、北韓側の同意を求める文書を送った。北韓が21日朝までに同意を伝えてくると思う」としています。韓国側の出席者は統一部のキム・ヨンタク開城工業団地事業支援団長をはじめとする7人で、21日午前9時に車で北韓入りする予定で、正式な南北会談ではないため、韓国側のメディアによる取材は認めていません。政府はまた南北接触に出席する北韓側当局者のリストも要請しました。開城工業団地に関連して南北接触が行われるのは、李明博政権になって初めてのことで、政府は先月末に開城工業団地で北韓政治を批判したとして北韓側に抑留されている韓国企業の社員1人の解放や、開城工業団地に滞在している韓国人の身辺の安全確保などについて協議する考えです。しかし北韓は、北韓が長距離ロケットを発射したことを受けて、韓国政府がアメリカの主導で北韓やイラン、シリアなどを対象にして2003年に始まったPSI=大量破壊兵器の拡散防止構想に全面参加する方針を固めたことに強く反発しており、この問題をめぐって激しい議論が交わされることも予想されます。

・韓国の景気回復の速度はOECD=経済協力開発機構の加盟国のうち、最も早いという見通しが出されました。企画財政部などによりますと、OECDはこのほどOECD加盟国の景気先行指数について報告書をまとめました。その中で韓国の2月の景気先行指数は94.5と、1月の92.9に比べて1.6ポイント高くなって、加盟30か国のうち最も早い速度で景気が回復するとされています。景気先行指数は、産業活動の動向や住宅動向、金融・通貨の現状、国内総生産の流れなどを総合して出すもので、その時点から6か月後の景気を予測する主な指標として使われています。この報告書によりますと、2月の景気先行指数が前の月に比べて伸びた国は韓国をはじめ、メキシコ、イタリア、トルコなど8カ国に過ぎず、韓国を含む中国、日本、インド、インドネシアのアジア5カ国の平均は逆に0.9ポイント減少しています。これについて企画財政部の関係者は、「韓国の景気先行指数が一番伸びたとはいえ、他の国々に比べてややよくなるという意味で、相変わらず100を下回っているので、急激な景気回復にはならないと思う」と説明しています。

・李明博大統領は20日、13回目のラジオ演説を行い、自転車は環境保護と省エネに役立つうえに、グリーン成長のパートナーであると強調し、国民に向けて自転車に感心を持つよう呼びかけました。李明博大統領はこの中で「自転車は二酸化炭素を排出しない環境にやさしい乗り物で、自転車が主な交通手段として返り咲くようにすることはわれわれの役目だ」と強調しました。そのうえで、李大統領は、自転車の利用を盛んにするために、政府が進める4大河川の整備事業では、川沿いに2000キロに及ぶ自転車道路を作って、全国を自転車道路でつなぎたいと述べました。

・ロシアのラブロフ外相が今月24日、北韓を訪れる予定だと外交消息筋が伝えました。ラブロフ外相の北韓訪問は去年10月に北韓の朴義春(パク・ウィチュン)外相のモスクワ訪問に答える形で行われるもので、ロシアは北韓の長距離ロケット発射と関連して、6か国協議の持続的な開催を主張してきただけに、ラブロフ外相は今回の北韓訪問で、北韓に対して6か国協議の枠組みで話し合いを続けるよう強調するものとみられます。ラブロフ外相はまた北韓が核施設のある寧辺(ヨンビョン)に滞在していたIAEA=国際原子力機関の査察官などを退去させ、核施設を再稼動すると宣言したことは問題解決にプラスにならないという考えを伝えるものとみられます。ロシアは北韓が2006年にマカオにある銀行を利用してマネーローンダリングをした疑惑や6か国協議がこう着状態に陥ったときなどには、中国とともに仲裁の役割を果たしています。

・きょう4月20日は韓国政府が定めた29回目の障害者の日で、全国の自治体で様々な記念行事が行われました。このうち、ソウルではヨイドの63ビルで記念式が行われ、耳の不自由なカトリック教会の神父など5人に今年の障害者賞が贈られました。李明博大統領は記念式典に映像によるメッセージを送り「障害を持っている人を差別しない成熟した社会が先進一流国家だ」としたうえで、「障害を持っている人も幸せに暮らせる社会を作るために力を合わせていこう」と呼びかけるとともに、障害者に対する政策をさらに充実させていく考えを示しました。

・韓国が輸入するアメリカ産牛肉の作業場を点検するためアメリカに派遣された韓国の検疫官は、これまで独自の検疫や検査を1度も行っておらず、有名無実だという指摘が出されました。政府は去年10月からアメリカ ワシントンの韓国大使館とヒューストンの総領事館に、そして今年2月からシカゴとサンフランシスコの総領事館にそれぞれ検疫官を派遣しています。これについて野党、民主党の金宇南(キム・ウナム)議員は、「農林水産食品部から提出を受けた資料を検討した結果、アメリカに派遣された4人の検疫官は、派遣されてから今年3月末までの間に韓国が輸入しているアメリカ産牛肉の作業場を1度も独自で点検していないことが確認された」と述べました。また金宇南議員は、「検疫官のこれまでの活動はアメリカの畜産政策や衛生などについての単純な情報収集に過ぎず、現場の点検は4月初めにアメリカを訪れた政府の点検チームが牛肉作業場を調査した時に同行しただけだ」として、こうした検疫官の活動は、アメリカの作業場が牛肉の年齢を区分して作業しているかどうか、BSE=牛海綿状脳症の危険のある部位を取り除いているかどうかなどを直接確認して国民の不安を解消するとした当初の目的とかけ離れていると指摘しました。

・今月下旬から来月初めまで続く日本のゴールデンウィークの期間中に、海外旅行先として最も人気があるのは韓国であることが分かりました。日本の最大手の旅行代理店JTBが、15歳から79歳までの日本国民を対象に行った旅行動向についての調査によりますと、今月26日から最長で来月10日まで15日間続くゴールデンウィークの期間中に、韓国旅行を計画している人は合わせて9万8000人に上りました。これは去年のゴールデンウィークより32%増えており、マレーシア(14%)や中国(13%)、ハワイ(9%)を抜いて最高の伸び率となっています。今年のゴールデンウィークの期間中に、海外旅行に出かける日本人はおよそ50万人と見込まれています。

4月18日土曜日(from KBS web)

・北韓の核施設がある寧辺(ヨンビョン)で無能力化作業の監視活動に当たっていたアメリカの専門家4人が北韓を離れたのに続いて、平壌に滞在して米朝間の連絡や核の無能力化の支援業務に当たってきたアメリカ国務省の職員一人も18日、北韓から離れたことを韓国政府が明らかにしました。これでアメリカが2007年11月に北韓の核施設の無能力化を監視するために、平壌に設けていた連絡事務所は、1年5か月で閉鎖されることになりました。北韓は今月14日に国連安保理で北韓の長距離ロケット発射を非難する議長声明が採択されたことに強く反発して、6か国協議に参加しないことと、核施設の無能力化作業を中止して元に戻すと宣言しています。

・外交通商部はPSI=大量破壊兵器の拡散防止構想に全面的に参加することを19日に発表する方針でしたが、その発表を来週21日の南北当局間の接触以降に先延ばしすることになりました。外交通商部の関係者は18日、「PSIへの全面的な参加を発表する時点について、南北対話の進み具合などを考慮する必要があると判断し、発表は21日の南北当局間の接触後に見合わせた」と述べました。政府はしかし「PSIに参加する方針に変わりはない」とし、「PSIは国際社会の大量破壊兵器の拡散を防止する努力であって、特定の国を狙ったものではないため、南北関係とは別の問題だ」と強調しました。

・カナダが韓国の牛肉市場の開放を要求してWTO=世界貿易機関を通じて韓国に要請してきた協議に韓国政府は応じる方針を伝えました。カナダは今月9日、韓国の牛肉市場の開放を求めて韓国をWTOに提訴しています。外交通商部と農林水産食品部によりますと、政府は現地時間で17日、ジュネーブ駐在代表を通じて、カナダ政府との協議に応じる方針を示しました。場所や日程などは今後、両国が協議して決めることにしています。韓国とカナダは提訴から30日目となる来月8日までに協議を開かなければならず、その後、60日間に2国間協議で合意を目指します。そしてこの期間中に合意できなければ、紛争解決の小委員会での紛争手続きに入ることになります。

・政府はテロの温床にもなっているパキスタンの経済危機を緩和させるため、今年から4年間に合わせて2億ドルを支援することになりました。柳明桓外交通商部長官は17日、東京で行われたパキスタンの支援国会合に出席し、パキスタンの人材育成と、道路など社会間接資本の拡充などのために今後4年間に2億ドルの支援を行う方針を示しました。

・日本で開かれたパキスタン支援国会合に出席した柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は17日、麻生首相を表敬訪問し、北韓の核問題をめぐる6か国協議の再開に向けて韓米日の3カ国が緊密に連携していく必要があるという認識で一致しました。柳明桓長官はまた韓日首脳同士のいわゆる「シャトル外交」を進めるために、李明博大統領が適切な時期に日本を訪問することを検討していると伝えたと共同通信が報じました。この席で麻生首相は、今回の北韓の長距離ロケット発射について「韓国と日本が協力した結果、国連安全保障理事会で強いトーンの議長声明を導き出すことができた」と感謝の意を示しました。柳明桓外交通商部長官は続いて河村官房長官と会談し、北韓による日本人拉致問題について「日本の立場を理解している」と述べ、拉致問題の解決にできる限り協力する意向を伝えたということです。

・江原道で、このところ3,4人の男女が一緒に自殺するケースが相次ぎ、10日間で11人が死亡しました。警察ではインターネットの自殺サイトで出会った可能性があるとみて、調べています。17日午前、江原道インジェ郡の国道沿いの休憩所の駐車場に停まっていたレンタカーの中で、男女3人が練炭ガスで窒息死していました。これに先立って15日には、江原道横城(フェンソン)郡のペンションで、宿泊していた男女5人が練炭ガスを使って自殺をはかり、このうち4人が死亡しました。また8日朝、江原道旌善(チョンソン)郡の民宿で、男女4人が練炭ガスで自殺しているのが発見されました。

・海賊対策のためアフリカのソマリア沖に派遣されている韓国海軍の駆逐艦が、海賊の襲撃を受けるところだったデンマークの貨物船を守る成果を収めました。合同参謀本部が17日、発表したところによりますと、ソマリア沖のアデン湾で海賊を警戒中の韓国海軍の駆逐艦、文武大王艦、5500トンは、韓国時間で17日午後2時25分、付近を航行中のデンマークの貨物船、「ピューマ」(2120トン)から、「海賊船に追われている」という緊急の救助要請を受け、5分後に連合国海軍司令部に出動を知らせたうえ、搭載しているヘリコプターに狙撃兵を乗せて現場に向かわせました。そして17分後に現場上空に到着し、まさにデンマークの貨物船に乗り込もうとしていた海賊の小型船を空から威かくしました。このため海賊は、乗り込みをあきらめて逃走しはじめましたが、韓国海軍のヘリコプターは、さらに海賊の小型船と近くにいた母船を追い払いました。デンマークの貨物船の船長は、その後、無線で感謝の意を韓国側に伝えてきたということです。韓国海軍の駆逐艦2隻は16日から現地で海賊対策にあたっており、2日目に今度の成果となりました。

・日本のプロ野球、読売ジャイアンツで活躍している李承Y(イ・スンヨプ)選手が17日、2打席連続のホームランを放ち、ホームラン記録が通算450本を超えました。李承Y選手は17日、名古屋ドームで行われた中日ドラゴンズとの試合で6番打者として出場し、0対3でリードされていた2回に右側のフェンスを越えるソロホームランを放ちました。李承Y選手にとって、このホームランは韓国と日本で通算450本目となりました。李承Y選手はこのあと4回にも逆転ソロホームランを追加し、通算451本目のホームランを記録しました。

・韓国と日本の経済関係者が一堂に集まる韓日経済人会議が16、17の2日間、ソウルで開かれ、世界的な金融危機と景気低迷の克服に向けて両国経済界が協力して対応していくことになりました。今年で41回目となった韓日経済人会議には韓国側から188人、日本側から124人が出席し、会議の後の共同声明で、保護貿易主義の世界的拡散を阻止するため国際社会で協力するとともに、韓日両政府に対して、FTA=自由貿易協定の締結を求めていくことを明らかにしました。また両国間の貿易と投資の活性化に向けて、韓国は労使紛争、知的財産権、金融、人材交流の分野で改善と協力を進め、日本は部品産業・素材産業、非関税措置、相互認定などで改善をはかっていくことになりました。

・北韓が来週21日に南北当局者間の接触を求めてきたことが分かりました。政府消息筋は18日、「開城工業団地の北韓側の管理機関である中央特区開発指導総局が16日、韓国側の開城工業団地管理委員会に対して『重大なことを通知するので、南の管理委員長は責任ある政府当局者とともに、21日、開城に来るように』と求めてきた。北韓側がいう重大なことが何を意味するのか、具体的な内容は分からない」と述べました。政府は北韓の求めに応じて、来週21日に統一部の担当者を開城に派遣する予定です。韓国は、アメリカが主導して2003年から進めている、北韓、イラン、シリアを狙ったPSI=大量破壊兵器の拡散防止構想に全面的に参加することを、近く正式に発表する方針を示していることから、こうしたこととの関連が考えられます。なお、北韓の開城工業団地では、金剛山観光を手がけている現代峨山(アサン)の社員1人が北韓当局に抑留されています。

4月17日金曜日

・アメリカは北韓のロケット発射に対する国連安保理の制裁とは別に、北韓が寧辺の核施設からIAEA=国際原子力機関の査察官を退去させたことに関連して何らかの措置を取ることを検討していることが分かりました。アメリカ国務省のウッド報道官代行は17日、北韓がIAEAの査察官を退去させたことについて相応の措置が取られることを確信すると述べ、北韓に対して何らかの措置が取られる可能性があることを強く示唆しました。また、すでに北韓に対してアメリカのこうした立場を伝えたと述べ、北韓がロケットを発射した後も、米朝間の接触が続いていることを確認しました。さらにウッド報道官代行は、北韓のロケット発射に関連して開かれている国連安保理の制裁委員会については、今後数回に渡って協議を続け、禁輸品目や制裁の対象となる北韓企業のリストを確定し、発表することになるだろうと述べました。国連安保理が議長声明を採択したことに対して北韓が反発を強めている中で、アメリカ国務省が北韓と接触を続けていることを認めたことから、米朝間の冷却期間は予想より短かいのではないかという見方も出ています。

・日本を訪問している柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は16日、中曽根弘文外相と会談し、6か国協議をできるだけ早く再開するために連携を強化していくことで合意しました。両外相は会談で、北韓が国連安保理で議長声明が採択されたことに強く反発していることについて、北韓の反発は予想されていたことで、落ち着いて対応していくのが重要だという認識で一致しました。また、6か国協議の再開に向けては議長国である中国の役割が重要だとした上で、何よりも韓国と日本、アメリカの3か国が緊密に連携する必要があるという認識を確認しました。一方、中曽根外相は、李明博大統領が早い時期に日本を訪問するよう要請し、柳明桓長官は前向きに検討したいと答えました。

・政府は公共企業305社の職員を2012年までに合わせて3万5000人あまり削減する方針を決めました。これは公共企業の職員25万9000人の13.5%に当たり、このうち2万3000人は退職を誘導し、1万2000人は民営化などによって削減することになります。政府は現在進めている公共企業先進化対策の一環として、職員を大幅に削減することにしたもので、大統領府青瓦台の関係者は、「経済危機を克服した後に中長期的な経済成長を実現するには、仕事を分かち合うワークシェアリングや賃金の削減だけでなく、根本的な構造改革が必要で、公共企業も例外ではない」と述べました。政府のこうした方針を受けて、各公共企業は職員を10〜15%程度削減して、組織をスリム化する一方、公共企業同士の統廃合や新入社員の初任給の減額なども検討していますが、労働組合の反発が予想されています。

・IMF=国際通貨基金のストロスカーン専務理事は16日、ワシントンで行った講演で、「世界の経済成長率は大幅なマイナスになり、2009年はひどい年になるのは確実」だと述べました。また、「世界経済の落ち込みは緩やかになり始めた兆しがあり、来年の上半期からは景気回復が始まるだろう」とした上で、「そのためには国際社会が協力して対応しなければならない」と強調しました。ストロスカーン専務理事は韓国経済についても触れ、「韓国とインドネシアは効果的な経済政策で今回の危機に対応しており、その基調はしっかりして、回復力も強い」と指摘しました。一方、IMFは同じ日、2009年春の世界経済の見通しについての分析を発表し、その中で、「アメリカ発の金融危機と世界的な同時不況が重なったため、各国の景気後退は予想以上に長期に渡って深刻になる可能性がある」とし、「国によって解決策が異なるのは仕方ないが、国際社会が協力しなければ、景気回復はさらに遅れる可能性がある」と指摘しました。

・経済危機の影響で、排気量が1600cc未満の小型車の新車登録が増えています。
国土海洋部によりますと、去年新車として登録された自動車は94万8000台あまりで、このうち1600cc未満の自動車は36%を占め、前の年の2007年に比べて8%も増えました。これに対して、排気量が1600ccから2000ccまでの自動車は、全体の25%で、前の年の27%を下回り、2000cc以上の自動車は前の年とほぼ同じ水準でした。一方、ディーゼル燃料のSUVは、軽油とガソリンの価格の差が縮まったことを反映して、2007年の22.4%から、去年は18.6%と減りました。国土海洋部は、燃料費の上昇と経済危機の影響で、燃費が優れている小型車が人気を得ていると説明しました。

・政府は2013年までにロボット関連技術で世界3位になることを目指して、この分野の研究開発への支援を増やすことにしました。大統領が主催する国家科学技術委員会の会議が17日開かれ、李明博大統領は「1997年末の通貨危機の際は、研究開発分野の予算を削減したが、今回の危機では将来の成長を視野に入れて、研究開発分野の予算を増やし、海外の優秀な人材を迎え入れるなど、積極的に対応すべきだ」と述べました。政府はそのために、特にロボット関連技術の研究開発に力を入れて、2013年までにロボット関連技術で現在の世界5〜6位から3位になることを目指すことにして、まずは来年度の研究開発関連予算を10%増額することにしました。

・国税庁や検察、郵便局など、公共機関の職員と偽って国際電話をかけてくる振り込め詐欺の被害が相次いでいること受けて、警察庁は海外からかかってくる電話には発信番号の前に特定の識別番号が出る機能を持たせることにしました。韓国で起きている振り込め詐欺は、中国など海外に根拠地を置き、犯人が海外から電話をかけてくるケースが多くなっていますが、ほとんどは発信番号を操作して国内からかけているように装っています。このため、警察庁は海外から電話がかかってくる場合、発信番号の前に001や002など特定の識別番号をつけることによって、国内の公共機関からの電話ではないことが分かるとして、国内の通信会社5社とこうしたサービスを提供する契約を締結しました。国際電話に識別番号をつけるサービスが始まれば、国内の公共機関が海外から電話をかけてくるはずはないので、不審な電話であることをある程度は判断できますが、犯人が他の通信会社を利用して電話をかければ識別が不可能なので、依然として注意が必要です。

・ソウルの中心部、光化門広場に建てられる朝鮮王朝の国王、世宗大王の銅像の当選作が決まりました。世宗大王は朝鮮王朝の第4代の国王で、数多くの業績をあげた名君として知られています。ソウル市は16日、銅像の設計に応募があった中から、彫刻家キム・ヨンウォン氏の作品「根が深い木、世宗大王」を選定したと発表しました。この作品は、土台である基壇まで含めると高さが9.5メートルで、韓国固有の文字であるハングルを作り、民衆との意思の疎通を重視した世宗大王の温和なイメージを表現するため、座って片手に本を持ち、もう一方の手を民衆に差し伸べた姿をしています。ソウル市が整備を進めている光化門広場は7月に完成する予定ですが、この銅像の除幕式は10月9日のハングルの日に合わせて行われることになっています。

4月16日木曜日

・先月の貿易収支が史上最大の黒字となりました。関税庁がまとめた資料によりますと、3月の輸出は280億7000万ドル、輸入は237億8000万ドルで、貿易収支は42億9000万ドルの黒字でした。これまでの最大の黒字は1998年4月の38億5000万ドルでしたが、11年ぶりにこの記録を塗り替えました。関税庁は、貿易収支が大幅な黒字になった理由について、船舶の輸出が好調だった上、ウォン安も重なって、輸出が増えたのに対して、原材料価格の下落などで輸入が減ったためだと説明しました。一方、財政経済部は16日、今年の年間の輸出は前の年より16%程度増えるという見通しを発表しました。それによりますと、今年の輸出は3545億ドルで前の年より16%増え、輸入は3430億ドルで前の年より21%減るとしています。その結果、経常収支は160億ドルの黒字になるとしています。

・韓国と日本の部品素材分野の調達供給展示会が16日、ソウル近郊の高陽市の総合展示場KINTEXで始まりました。この展示会は、去年4月の韓日首脳会談で、部品素材分野の交流拡大に合意したのを受けて、韓国の知識経済部とKOTRA=大韓貿易投資振興公社、日本の経済産業省とJETRO=日本貿易振興機構が共同で2日間の日程で開催したものです。展示会には日本の企業59社が参加して、必要としている部品を展示し、韓国の部品素材関連の企業270社あまりと商談を行って、オーダーに応じられる韓国の企業を探しており、このうち、三菱電機の場合、日本国内の7つの工場の部品調達担当者が参加し、冷蔵庫やエアコン、電車の車両、エレベーターなどの部品について商談を進めています。知識経済部は2日間の展示会で4億ドルあまりの契約が締結されるだろうとしており、この展示会を通じて韓日間の部品素材産業の技術交流が促進され、対日貿易赤字の改善にもつながると期待しています。

・アフリカのソマリア沖で海賊対策に当たっている韓国海軍の駆逐艦「文武大王艦」が本格的な任務に就きました。文武大王艦は16日、海賊がしばしば出没しているアデン湾で韓国の海運会社が運航する貨物船、パインギャラクシーと合流して、護送する任務を開始しました。パインギャラクシーはサウジアラビアからベルギーに向かう途中で、文武大王艦はこのうち危険な海域とされる1034キロに渡って護送します。韓国海軍によりますと、文武大王艦とパインギャラクシーは時速13ノットで航行しており、52時間後の18日明け方には安全な海域に到着するということです。護送を必要とする船舶は国土海洋部に申請し、文武大王艦と合流する場所と日時を決めることになっています。

・4月29日に投票が行われる国会議員などの再選挙の選挙運動が16日スタートしました。再選挙が行われるのは、国会議員5か所、地方自治体の長と議員など9か所の合わせて16か所です。このうち国会議員選挙が行われる5か所の選挙区は、いずれも当落を予測できない混戦となっています。ハンナラ党は支持基盤が厚い慶尚北道慶州で李明博大統領に近い候補を推薦しましたが、朴槿惠(パク・クネ)前代表に近い候補が無所属で立候補し、与党系同士の対決になる見通しです。第1野党の民主党は、支持基盤が厚い全羅北道全州で党の推薦を受けられなかった鄭東泳元統一部長官が無所属で立候補して、党が推薦した候補との激しい争いになりそうです。このようにそれぞれの政党の支持基盤で結果が不透明になっている中で、ハンナラ党と民主党は首都圏の仁川市富川の選挙区に力を入れています。比較的ハンナラ党の支持率が高い富川でも仁川市副市長出身者が立候補して、ハンナラ党の候補を脅かしており、民主党は、検察が盧武鉉前大統領の家族や親戚に対する不法政治資金疑惑の捜査を拡大しているため、選挙への悪影響を憂慮しています。

・7月に人工衛星を搭載して打ち上げる予定のロケット「KSLV-1」の最終段階の試験が15日、全羅南道高興にある羅老宇宙センターで始まりました。この日の試験は、KSLV-1を発射台に移動させて取り付けた後、ほぼ垂直の姿勢を保つことから始まりました。KSLV-1は2段式のロケットで、1段目は韓国とロシアが共同で製作し、2段目は韓国が独自に製作しました。最終段階の試験のために発射台に取り付けられたロケットは、エンジンを除いてはすべての装置がKSLV-1と同じもので、6月末まで実際の打ち上げに備えて数百項目に渡る点検を行うことになります。KSLV-1は7月末に科学技術衛星2号を搭載して打ち上げられる予定で、打ち上げに成功すれば、韓国は世界で10番目に自力で人工衛星を打ち上げた国になります。

・北韓の寧辺の核施設で活動していたIAEA=国際原子力機関の査察官4人が北韓からの退去通告を受けて16日、中国に出国するため平壌の空港に向かったと、共同通信が報じました。IAEAは、北韓が寧辺の核施設の稼働を停止した一昨年から査察官を常駐させていましたが、北韓は、国連安全保障理事会が北韓のミサイル発射を非難する議長声明を採択したことを受けて、IAEAに対して、査察官を退去させるよう通告していました。IAEAの査察官4人は15日に寧辺を出発して平壌に到着し、平壌市内のホテルに1泊して、16日中に出国する予定でした。

・アメリカの電子商取引大手のイーベイが韓国のオンラインショッピングモールのGマーケットを買収しました。イーベイは16日、Gマーケットの株の32.21%を4億1300万ドルで買収し、経営権を取得することでGマーケットと合意したと発表しました。Gマーケットは、個人もしくは事業者など、誰でもインターネット上で商品を販売できるオープンマーケットといわれるオンラインショッピングモールで、オープンマーケットでは韓国最大手です。イーベイは2001年に韓国のオープンマーケット2位のオークションを買収しており、Gマーケットとオークションを合わせると、オープンマーケット市場の90%、オンラインショッピングモール市場の40%のシェアを占めることになります。イーベイは、Gマーケットとオークションをベースにしてアジア太平洋地域への進出を積極的に進めていく方針だということです。

・韓国のテレビドラマの制作費のうち俳優の出演料が占める割合は日本に比べて大幅に高いことが分かりました。韓国放送映像産業振興院がまとめた報告書によりますと、韓国ではテレビドラマの制作費のうち俳優の出演料が占める割合は60%を占め、20〜30%にとどまっている日本に比べてはるかに高くなっています。この報告書は、高額な出演料がドラマの制作費を引き上げ、収益性を悪化させているとして、より合理的な出演料を算定できるシステムを導入する必要があると指摘しました。また、韓国と日本のドラマの編成を比較した結果、1本のドラマについて、韓国は週2回の放送で1回当たりの放送時間は70分、16回または24回で完結するのが主流なのに対して、日本は週1回の放送で1回当たりの放送時間は46分、10〜12回で完結するのが主流で、放送時間は韓国の方が大幅に長くなっています。報告書は、週2回の放送は視聴率を高めるには有利だが、制作スケジュールがハードになって、ドラマの完成度を落とす可能性もあるとして、日本のように週1回の放送にするか、1回当たりの放送時間を短縮する必要があり、放送が始まる前にある程度の制作を終えておく事前制作システムの導入も検討する必要があると指摘しました。

4月15日水曜日

・北韓は、寧辺にある核施設で無能力化作業を監視していたIAEA=国際原子力機関の査察官とアメリカの作業チームに対し、国外退去を通告してきたとIAEAが14日明らかにしました。これによって、IAEAの査察官とアメリカの作業チームは今週にも北韓を離れる見通しです。これは、国連安全保障理事会が13日、北韓によるロケット発射を非難する議長声明を採択したのに北韓が反発して行った措置で、北韓は、寧辺の核施設で監視活動を行っているIAEAとの協力を即座に停止すると通告し、IAEAの査察官とアメリカの無能力化作業チームのメンバーに対して、早期に国外に退去するよう求めているということです。また、北韓は、すべての核施設を再び稼働させて、使用済み核燃料棒の再処理を進めることも通告しました。これに先立ち、北韓外務省は14日、核問題をめぐる6か国協議を離脱するほか、寧辺の核施設で使用済み核燃料棒の再処理を再開し、軽水炉型原子炉の建設を進める方針を示していました。寧辺の核施設では6か国協議での合意によって無能力化作業を監視するため、2007年11月からIAEAなどの要員が滞在していました。

・アメリカのクリントン国務長官は14日、北韓が寧辺の核施設で監視活動を行っているIAEA=国際原子力機関の査察官に国外退去を通告したことに対して、「無益な対応」だと述べました。クリントン長官はこの日、記者団に対し、「北韓の措置は国連安保理による正当な声明に対する無益な対応だ」と指摘する一方、「この問題を6か国協議の参加国や同盟国だけでなく、いずれは北韓とも話し合う機会があることを望む」と述べ、北韓に対して会談のテーブルに復帰するよう促しました。これに先立って、ホワイトハウスのギブズ報道官はこの日の記者会見で、北韓が14日、6か国協議から離脱し、核開発を再開すると表明したことについて、「挑発的な威嚇をやめ、国際社会の求めを尊重すべきだ」と強調しました。一方、アメリカ国務省も北韓に6か国協議への復帰を重ねて促し、アメリカと国際社会は6か国協議が非核化を進展させるための最上の枠組みとみていると伝えました。

・北韓のロケット発射を非難し、国連安全保障理事会の制裁措置の履行を求める議長声明が採択されたことを受けて、アメリカが近く、資産凍結の対象となる北韓企業のリストを国連安保理の制裁委員会に提出すると読売新聞が15日報じました。それによりますと、アメリカ政府が資産凍結の対象としてあげている北韓の企業は11社で、この中には弾道ミサイル関連の物資や設備の輸出の中心になっている「朝鮮鉱業開発貿易会社」や、軍需物資の獲得や軍事関連物資の売却支援を専門に行っている「朝鮮リョンボン総合会社」、それに弾道ミサイルや通常兵器の取引決済を担当している「端川(タンチョン)商業銀行」などが含まれているということです。2006年の北韓の核実験を受けて採択された安保理決議は、核やミサイルの開発に関連する企業の資産凍結を定めていますが、具体的な対象企業は指定していませんでした。13日に採択された議長声明は、今月中に制裁対象リストを作成する方針を示しており、アメリカが提出するリストをもとに、国連安全保障理事会の制裁委員会が24日までに対象企業を指定するということです。

・李明博大統領は15日、「最近一部の主な経済指標が前向きなシグナルを発している」と述べました。李明博大統領はこの日、ソウルのホテルで開かれたソウル国際金融フォーラムに寄せた祝辞の中でこのように述べ、「これまで韓国政府が進めてきた 大胆な政策の効果が現われ始めたもので、世界経済の回復にも良い影響を与えるだろう」と強調しました。李明博大統領のこうした発言の背景には、最近鉱工業生産やサービス業生産など一部の経済指標が好転しているうえ、経常収支の黒字が続いていることから、一部では経済が回復に向かっているという見方が出ていることがあります。実際に企画財政部は、今月初めに発表した経済動向の報告書で、「去年の暮れ以降、景気低迷が続いているが、今年に入って一部の指標を中心に景気が小幅に改善している」と指摘していました。

・アメリカ財務省がアメリカの自動車最大手、GM=ゼネラル・モーターズに対し、破産法適用の申請に向けた準備を進めるよう指示したというアメリカのメディアの報道がある中、韓国にあるGMの子会社、GM大宇(デウ)の今後の行方に関心が集まっています。GM大宇は、2002年に経営破綻した韓国の自動車メーカー大宇自動車をアメリカのGMが買収して新しく設立した会社です。GM大宇が去年生産した自動車はおよそ88万台で、そのほとんどが高い競争力を備えた小型車と軽自動車で、このうち90%はアメリカGMの商標で全世界に輸出されています。GMが破産法の適用を申請すれば、GMは引き続き存続するいわゆる「グッドGM」と、整理される「バッドGM」に分けられるとみられており、GM大宇は小型車の生産基地として生き残る可能性が高いため「グッドGM」に分類され、優良企業として生き残る可能性が高いものとみられます。しかし、GMデウは第3者に売却される可能性も排除できないため、長期的に生き残るためには、中国やインドなどにあるGMのほかの生産基地より高い競争力を維持する必要があります。

・ソウルに隣接した京畿道に地下を走る広域急行鉄道を建設する京畿道の計画案が14日発表され、2016年までに3つの路線の開通を目指すことになりました。この計画は京畿道などが進めているもので、この日水原市にある京畿道庁で金文洙(キム・ムンス)知事や地元住民など150人あまりが出席して「首都圏交通革命の宣布式」が行われ、金文洙知事はソウルと首都圏を結ぶ3つの路線の急行鉄道を建設する京畿道の最終計画案を発表しました。計画案によりますと、路線は、京畿道の北西部にある高陽(コヤン)市国際展示場キンテックス(KINTEX)から京畿道南部の東灘(トンタン)新都市までの74.8キロと、京畿道北部の議政府(イジョンブ)市から〜京畿道南部の軍浦(クンポ)市の衿井(クムジョン)までの49.3キロ、それにソウル清凉里(チョンリャンリ)と西海岸にある仁川(インチョン)市の松島(ソンド)を結ぶ49.9キロの3つの路線を計画しています。この鉄道は2016年の完成をめどに地下40〜50メートルの深さに建設されることになっており、総事業費は13兆9000億ウォンが見込まれ、完成すれば東灘新都市からソウルの江南まで18分で行けるようになり、1日に76万人が利用すれば、事業性は十分あると分析されています。

・韓国の脱北者団体は15日、南北軍事境界線に接した京畿道坡州(パジュ)市の臨津閣で北韓に向けてビラをまきました。脱北者団体の「自由北韓運動連合」の会員8人は、北韓の故金日成主席の誕生日であるこの日、11時から1時間にわたって大型風船10個に10万枚のビラと北韓の紙幣5千ウォン札415枚をつけて北韓に向けて飛ばしました。ビラは「朝鮮労働党の幹部たちへ」というタイトルで、「北韓は食糧難に苦しむ人民をあざむき、ロケットを発射した」、「金正日に反対することが労働党の幹部が生き残れる道」などという内容になっています。自由北韓連合のパク・サンハク代表は、「北韓の住民に真実を知らせるために、今後もビラをまく計画だ」と話しています。

・ソウル市は15日、観覧席のおよそ4分の1を屋根で覆うハーフドームの形式で建設することにしていた九老区高尺洞の野球場を完全ドーム球場に変更すると発表しました。今回の変更は野球界などからの提案を受け入れたもので、ソウル市は、観覧席を当初の計画の2万200席よりやや増やして、大規模なコンサートやミュージカルの公演ができるような舞台と最先端の音響設備を設けるほか、プールもつくり、ドーム球場を文化と体育の複合施設にするとしています。完全ドーム球場に変更したことで事業費が当初予想された529億ウォンより300〜400億ウォン多くかかり、球場の完成も2011年9月と1年ほど遅れる見通しですが完全ドーム球場にすることによって騒音や夜間照明などによる周辺住民への被害を防ぐことができるとみられます。

4月14日火曜日

・国連安全保障理事会は13日、北韓によるロケット発射を非難する「議長声明」を全会一致で採択しました。議長声明は、今月11日に安全保障理事会の常任理事国に日本が加わった主要6か国の会議と全体会議で採択された議長声明の草案についてすべての理事国から同意が得られたとして、全会一致で採択されました。議長声明では、北韓によるロケット発射が3年前の安保理決議に違反するとして非難し、3年前の決議に定められた制裁措置の完全な履行を国連制裁委員会に求める一方、北韓に対してはさらなる発射を行わないよう要求しています。特に声明では北韓への制裁の対象となる物品や団体の名前を今月末までにリストアップするとしており、事実上制裁を強化できる内容となっています。これについて、韓国外交通商部の当局者は、「制裁の対象となる北韓の団体は10あまりになるとみられる」と説明しています。議長声明ではまた、北韓の核問題をめぐる6か国協議の早期再開を求めています。

・韓国政府は、国連安全保障理事会で北韓のロケット発射を非難する議長声明が採択されたことを歓迎し、支持する立場を示しました。韓国政府は14日、外交通商部報道官の声明を通じてこうした立場を明らかにし、特に議長声明が、北韓のロケット発射を安保理決議に違反すると非難し、北韓への制裁を強化するとした内容は適切であると評価しました。政府はまた、「北韓はこれ以上、韓半島や北東アジアの平和と安定を妨げる挑発的な行為を慎み、安保理決議を全面的に順守すべきだ」と強調しました。さらに、安保理が制裁委員会の活動を通じて制裁の履行を具体化していくとしたことに注目し、今後、関係国と緊密に協力していく方針を示しました。一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、議長声明が採択された直後に声明を発表し、「安全保障理事会が北韓のロケット発射に対する国際社会の一致したメッセージを発信した。今回の議長声明の採択を歓迎する」と述べました。

・国連安全保障理事会が北韓のロケット発射を非難する議長声明を採択したことを受けて、北韓外務省は14日、北韓の核問題をめぐる6か国協議に「二度と絶対に参加しない」とする声明を発表しました。北韓外務省はまた、「協議のいかなる合意にもこれ以上拘束されないだろう」とした上で、「無能力化した核施設を復旧し、正常に稼働させる措置の一環として、核施設から抽出した使用済み燃料棒を完全に再処理する」と表明し、「われわれの自衛的な核抑止力をさまざまな方法で強化していく」と強調しました。声明はさらに、「独自に軽水炉型原子炉を建設することを積極的に検討し、国際法にもとづいた宇宙利用の権利を引き続き行使していく」と述べ、長距離ロケットの発射実験を今後も続けていく考えを示唆しました。そして声明は、「6か国協議はわれわれの自主権を侵害し、われわれの武装解除と制度の転覆だけを狙っているため、必要がなくなった」と主張しました。

・国連安全保障理事会が北韓のロケット発射を非難し、北韓に対する制裁を強化する議長声明を採択しましたが、北韓が6か国協議に復帰すれば制裁措置を見合わせる可能性が高いことが分かりました。韓国の国連代表部の関係者は14日、連合ニュースの電話インタビューに応じ、「北韓に対する非難と制裁を盛り込んだ安保理の議長声明は北韓を6か国協議に復帰させるためのもので、北韓が会談のテーブルにつく意思を示せば、制裁の見合わせもあり得る」と述べました。この関係者はまた、「北韓は2006年にも強硬な内容の決議が採択されると対話に前向きに乗り出した前例があり、安保理は6か国協議を進めるため、当時の決議による制裁措置の執行を見合わせている」と強調しました。また別の関係者は、「制裁そのものが目的ではなく、6か国協議を通じて韓半島を非核化し、北東アジアの平和と安定を図ることが目的なので、柔軟な対応は当たり前だ」と述べました。

・従業員が100人以上いる事業所の5つに1つが労働時間の短縮などによって仕事を分け合うワークシェアリングを実施していることが分かりました。これは、労働部が100人以上の従業員を抱えている全国の6700あまりの事業所を対象に調査した結果を14日に発表したものです。それによりますと、1200あまりの事業所が賃金の据え置きや削減、労働時間の短縮、休業などによって雇用を維持しているほか、300の事業所がこうした方法で新しく雇用を創出しており、全体の23%の事業所がワークシェアリングを実施していました。ワークシェアリングの手法としては賃金を据え置くか削減した事業所が1234と最も多く、労働時間の短縮など勤務形態を調整したところは553事業所、賃金と勤務形態の両方を調整したところは235事業所でした。

・政府は1998年の通貨危機以来初めて国内産業の代表的な業種に対する構造調整案をまとめていることが14日、明らかになりました。これは知識経済部が今年1月にまとめた、主な業種別の構造調整に関する報告書で、自動車や造船、鉄鋼など韓国の産業を代表する10の業種に対する構造調整案を盛り込んでいます。政府が業種別に総合的な構造調整案をまとめたのは1998年の通貨危機以来初めてで、世界的な金融危機の影響が実体経済に広がることを事前に防ぐ目的があるとみられています。報告書によりますと、政府は国内の自動車メーカー5社のうち、3〜4社を集中的に育成する計画で、いずれも外国のメーカーに売却されたGM大宇、ルノーサムソン、双竜自動車のうち1〜2社を育成の対象から外すことによって自然に構造調整を促すものとみられます。しかし、この報告書について知識経済部は、「実務レベルで作成した報告書の段階で、政府の方針として決まったものではない」と説明しています。

・法務部は14日、今年第1四半期の外国人入国者数はおよそ201万人で、四半期では初めて200万人を超えたと明らかにしました。これは去年の同じ期間より25.6%増え、増加率は1980年以来最大になりました。入国者の増加率を国別に見ますと、日本人が去年の第1四半期より61%(53万1407人→85万5448人)も急増して最も高く、次いで香港からが38%、ベトナム人25.3%、中国人が16.6%の増加率となりました。法務部はこのように外国人入国者が大幅に増えたのはウォン安で日本を中心に周辺国からの観光客が38.9%も増加したためと分析しています。

・老後は子どもに養ってもらえると期待している国民は10人に1人に過ぎないことが分かりました。韓国保健社会研究院は、全国の成人男女1015人を対象に扶養についての調査を行い、その分析結果を14日発表しました。それによりますと、将来、自分の老後の生活について聞いたところ、「自分で生活する」と答えた人が77.2%と最も多く、次いで「国と社会が扶養してくれると期待している」が11.9%、「子どもが扶養してくれると期待している」という答えは10.9%で最も少なくなっています。こうした結果は子どもが年老いた親を扶養することは当たり前としてきた伝統が、近い将来崩壊する可能性があることをうかがわせています。一方、現在の年老いた親の扶養については「子どもが扶養すべきだ」と答えた人が58.4%と最も多く、「自分で生活すべき」は30%、「国と社会が扶養すべき」は11.5%でした。

4月13日月曜日

・きょう4月13日は、日本植民地時代の1919年に国の独立を目指して独立運動家たちが中国上海に臨時政府を樹立してから90周年の節目にあたり、ソウルをはじめ、臨時政府があった上海やアメリカで同時に記念式典が行われました。ソウルでは南山の白凡広場で記念式典が行われ、李明博大統領をはじめ政府関係者や独立運動家の遺族、市民らおよそ3000人が出席しました。この中で李明博大統領は「臨時政府は大韓民国という国号を作っただけでなく、民主共和制の枠組みをまとめた大韓民国の根幹であり、精神的な土台となった」と述べました。李大統領はそのうえで、「政府は国のために命をささげた独立運動家をたたえるために、位牌を安置する施設を新たに作り、2万人に上る独立運動家の位牌を祭る予定だ」と述べました。政府はこの日の記念式典で、日本植民地時代に日本戸籍への登載を拒否して無国籍のまま亡くなった独立運動家62人の国籍を復活させました。臨時政府90周年の記念式典は臨時政府が設けられた中国上海でも独立運動家の遺族など500人が出席して行われ、そのほかアメリカのロサンゼルスでも執り行われました。

・韓国株式市場の店頭市場のコスダック指数が5営業日連続で上昇し、13日には8カ月ぶりに500を突破しました。13日のコスダック指数は先週金曜日より8.27ポイント上がった501.53でスタートし、午前と午後の取り引きがともに500を上回って、結局、先週金曜日に比べて13.97ポイント上昇した507.23で取り引きを終えました。コスダック指数が500を超えたのは去年8月20日以来、およそ8カ月ぶりのことです。コスダック指数が短期間で大幅に上昇したことについて、市場関係者は「発光ダイオードや風力発電など政府の政策によって今後、収益が見込まれる銘柄が多いことや、コスダックの銘柄が実績でKOSPIの銘柄をうわまわるという期待感があるためだ」と分析しています。また景気が徐々に回復を見せていることも一役買っているということで、短期間の上昇ぶりは過熱気味の感はぬぐえないものの、年末に向けてコスダック指数は右肩上がりになるという見通しが出ています。

・日本政府は2006年から韓国のハイニックス社が製造したDラム半導体に課していた相殺関税を完全撤廃する方針を示しました。外交通商部が13日、発表したところによりますと、日本政府はハイニックスDラム半導体に課していた相殺関税についての手続きをまとめており、今月23日から完全撤廃することになったということです。相殺関税とは輸出国の補助金を受けた輸入製品に対して、国内産業を保護するために、補助金の範囲内で関税を割増しする制度で、日本は2006年1月27日から、韓国のハイニックス半導体が製造したDラム半導体に対して27.2%の相殺関税を課していました。この後、おととしにWTO=世界貿易機関で起きた韓日間の紛争で韓国が勝訴したため、日本は去年9月から9.1%の相殺関税を課していましたが、今回の措置で残りの相殺関税もなくなります。ハイニックス半導体の場合、日本市場の需要に応じて、多品種少量生産の方式をとっており、政府は今回の日本政府の相殺関税撤廃によって、韓国製ハイニックス半導体の日本向け輸出が増加するものと期待しています。

・ASEAN=東南アジア諸国連合の一連の首脳会議が反政府デモ隊の会場乱入によって取りやめになったタイでは、反政府デモが首都バンコクにも広がって、非常事態宣言が出されるなど、混迷しているため、韓国政府は非常事態宣言が出されている地域への旅行を自粛するよう呼びかけています。外交通商部は、今月10日、首都バンコクとASEANの会議が開かれることになっていたパタヤについて、旅行警報を1段階から2段階に引き上げていましたが、反政府デモが激しくなったノンタブリー県など中部地域にある5つの県にも非常事態宣言が出されたため、これらの地域にも2段階の旅行警報を出しました。外交通商部の関係者は、「タイでは反政府団体によるデモが激しくなって、治安情勢が不安定となっている」として、これらの地域に旅行を計画している国民に自粛するよう呼びかけています。

・北韓が長距離ロケットを発射したことを受けて、北韓にある開城工業団地に滞在する韓国人の人員を安全上の理由から大幅に制限していた政府は13日、その措置を解除しました。政府当局者は12日、「開城工業団地を訪問して滞在する韓国人の人員を制限する措置を13日から解除し、開城工業団地に入居している企業の判断に任せることにした」と述べました。しかし開城工業団地では韓国の企業、現代峨山(アサン)の職員が先月30日から北韓当局によって抑留されているため、南北関係が急に変わる可能性もあるとして今後、状況に応じて滞在する人員を調整することもあると、この当局者は伝えました。統一部は北韓が長距離ロケットの発射を強行した後、韓国人の身辺の安全を守るために、開城工業団地に滞在する韓国人を通常のおよそ1100人から700人に制限していました。

・外交通商部は、李明博大統領とアメリカのオバマ大統領が今年6月16日にワシントンで首脳会談を行うのに先立って、韓米FTA=自由貿易協定をめぐる実務協議を行う方向で検討を進める方針を13日明らかにしました。外交通商部はこの日、国会の外交通商統一委員会に送った「韓米FTA批准の見通し」についての資料で、「アメリカのオバマ政権の高官の就任が一段落した直後に韓米FTAが両国にとってともにプラスになり、現在、署名された文案通りに批准される必要性を積極的にアピールする方針だ」と述べました。そのうえで、外交通商部は、韓米FTAの批准に向けて、アメリカの連邦議会の議員を中心に韓米FTAについての認識を改めるため、マスコミや学会、主な関連研究所の支持を取り付けるために努力すると説明しました。

・盧武鉉前大統領の夫人が前大統領の後援者の企業経営者から多額の不正資金を受け取っていた疑惑について、大検察庁が先週末、夫人と長男を事情聴取し、今週中にも盧武鉉前大統領が召喚される可能性が出てきました。この疑惑は、靴の製造会社、泰光実業の会長で、別の事件で脱税などの罪で起訴された朴淵次(パク・ヨンチャ)被告から盧武鉉前大統領の夫人、権良淑(クォン・ヤンスク)女史が前大統領が在任中のおととし、2回にわたって100万ドルと3億ウォンを不正に受け取ったとされるものです。大検察庁中央捜査部は11日、盧武鉉前大統領の自宅に近い釜山地方検察庁に検事2人を派遣して、権良淑女史に出頭を求め事情聴取を行いました。事情聴取に応じた権良淑女史は、朴淵次被告から100万ドルと3億ウォンを受け取って債務の返済に当てたと供述し、ドルで受け取った理由なども説明したとされています。また検察は、事情聴取を受けるためにアメリカから帰国した盧武鉉前大統領の長男のコンホ氏を12日に続いて13日もソウルの大検察庁に呼んで、朴淵次被告が盧武鉉前大統領の姪の夫に500万ドルを送金した過程にコンホ氏がかかわったか、その資金の一部を使ったか、また盧武鉉前大統領夫妻が受け取ったとされる100万ドルの受け渡しなどにも関与していたかどうかについて事情を聞きました。大検察庁は、盧武鉉前大統領の親戚などを対象にさらに調べた上で、今週末にも盧武鉉前大統領本人を召喚するかどうかを決める方針です。

・韓国最大のモーターショーである「ソウル・モーターショー」が12日に終了し、入場者は景気低迷の中で95万人を超えて上々の成績でした。ソウル・モーターショーは今月3日から12日までの10日間、ソウル近郊の京畿道高陽(コヤン)市にあるキンテックス(国際展示場)で開かれ、韓国の現代・起亜自動車をはじめ、ドイツ、アメリカ、日本、中国など9カ国から自動車メーカーや部品メーカーなど158社が参加しました。組織委員会によりますと、期間中、海外のバイヤー1万人をはじめ、合わせて95万6600人が訪れて、11億2000万ドルの輸出商談が行われました。またソウル・モーターショーには世界で初めて公開された新車9台と、コンセプトカー14台、ハイブリッドカーなど低公害車31台も出品され、自動車産業の最新の傾向と先端技術が把握できる機会になったと評価されました。しかし景気低迷で自動車市場が萎縮している状況で開かれただけに、BMWや日産、ボルボなど海外の主な自動車メーカー12社が参加を見合わせ、世界の主なブランドすべての車両に接するという面では物足りなさを残しました。

4月11日土曜日

・韓国、中国、日本の首脳は、11日、ASEAN+3首脳会議の会場となっていたタイのパタヤで3か国首脳会談を行い、北韓の長距離ロケット発射への対応策などを話し合いました。李明博大統領が就任してから2度目となる韓中日首脳会談では、北韓のロケット発射への対応策を協議している国連安全保障理事会の措置をめぐって、意見の調整が行われたもようです。これに先だって、李明博大統領は11日午後、中国の温家宝首相と会談し、両国間の貿易規模を去年並みに維持するなど、世界的な経済危機の克服に向けて努力することで合意しました。韓中首脳会談は当初、予定されていませんでしたが、ASEANと韓国・中国・日本の首脳による会議がタイの反政府デモによって延期されたため、急きょ開かれました。大統領府青瓦台の金恩彗(キム・ウネ)副報道官によりますと、この席で、李明博大統領は、最近、中国が財政支出を通じて経済危機を乗り越えようとしている努力を高く評価したうえで、「中国の経済回復は韓国だけでなく、世界経済に良い影響を及ぼすことになる。去年、日本で開かれた韓中日首脳会談で経済が厳しくなっても韓国と中国との貿易取引を2008年並みに維持したいとした温家宝首相の提案に期待している」と述べました。これに対して温家宝首相は「厳しい時こそ、韓国とさらに協力していきたい。特に金融面での協力を強めるとともに、両国間の貿易規模を維持するために、関係閣僚同士の接触が活発に行われるようにしていきたい」と述べて、韓中間の貿易規模を維持していく考えを示しました。さらに、李明博大統領は北韓の長距離ロケット発射への対応では、国連などの場で中国と緊密な協力を進めていくことになったと、青瓦台の金恩彗(キム・ウネ)副報道官は伝えました。李明博大統領は日本の麻生首相とも会談し、北韓のロケット発射は国連安保理の決議に違反するとして、国連のレベルで具体的な対応を決める必要があるということで認識をともにしました。

・ASEAN=東南アジア諸国連合+3首脳会議に出席するためにタイを訪れていた李明博大統領は、激しい反政府デモによって非常事態宣言が出され会議が取り止めになったことから、日程を繰り上げて11日夜帰国することになりました。タイ中部の都市パタヤでは11日、 ASEAN+3首脳会議をはじめ韓日首脳会談などが開かれる予定でした。しかしタイのアピシット首相の辞任を求めるデモ隊およそ1000人が会場のホテルに乱入したため、11日午後に予定されていたASEAN+3首脳会議をはじめ、12日午前に行われる予定だったインド、オーストラリア、ニュージーランドの首脳も加わる会議も延期されました。こうした事態にタイ政府は、ASEAN+3首脳会議に出席した各国首脳の身辺の安全のために、パタヤ一帯に非常事態宣言を出し、李明博大統領をはじめ各国首脳全員ができるだけ早く帰国することになり、李明博大統領は11日夜に帰国しました。多国間の首脳会議が開催国で起きたデモによって開かれないまま、各国首脳が帰国するのは極めて異例のことです。

・ASEAN=東南アジア諸国連合+3首脳会議に出席するためにタイを訪れていた李明博大統領は、激しい反政府デモによって非常事態宣言が出され会議が取り止めになったことから、日程を繰り上げて11日夜帰国することになりました。タイ中部の都市パタヤでは11日、 ASEAN+3首脳会議をはじめ韓日首脳会談などが開かれる予定でした。しかしタイのアピシット首相の辞任を求めるデモ隊およそ1000人が会場のホテルに乱入したため、11日午後に予定されていたASEAN+3首脳会議をはじめ、12日午前に行われる予定だったインド、オーストラリア、ニュージーランドの首脳も加わる会議も延期されました。こうした事態にタイ政府は、ASEAN+3首脳会議に出席した各国首脳の身辺の安全のために、パタヤ一帯に非常事態宣言を出し、李明博大統領をはじめ各国首脳全員ができるだけ早く帰国することになり、李明博大統領は11日夜に帰国します。多国間の首脳会議が開催国で起きたデモによって開かれないまま、各国首脳が帰国するのは極めて異例のことです。

韓国の大規模な労働組合の中で、政治闘争よりは組合員の生活向上を重視する立場から全国組織の労働団体を離れる傾向が目立っています。韓国では、全国組織の労働団体としては、民主労総=全国民主労働組合総連盟と、韓国労総=韓国労働組合総連盟が2大労働団体とされていますが、10日、仁川地下鉄労働組合が、民主労総を脱退して、今後、全国にある5つの地下鉄労働組合とともに新たな連合組織を作ると発表しました。仁川地下鉄労働組合のイ・ソンヒ委員長は、「今後は、政治的目的でストライキを行うよりは、組合員の雇用安定や勤務条件の改善などのために動く労働組合として生まれ変わりたい」と述べました。またソウル都市鉄道公社の労組も9日、代議員の投票で、民主労総から離れることを決めるなど、最近、組合員の生活向上を重視する立場から、韓国最大の労働団体で、政治闘争を強力に進めてきた民主労総を離れる労働組合が相次いでいます。

・韓国人の平均退職年齢は56.3歳で、本人の希望よりは6年から7年早く退職していることがわかりました。これは、ミレアセット退職年金研究所がソウルと京畿道の首都圏に住む55歳以上の退職者500人を対象に、退職の準備と退職後の生活について調べてわかったものです。それによりますと、これらの人が希望している退職年齢は平均で63歳ですが、実際にはそれより6年から7年早い平均56.3歳で退職していました。また全体のおよそ74%の人が、「退職後の準備をまったくしないまま退職を迎えた」と答え、その結果、不安定な生活を強いられているという人が半数を超えていました。

・ソウル首都圏では、路線バスを乗り換える際に、料金を割り引く地域がひろがったことから利用者が大幅に増えました。国土海洋部によりますと、バスの利用者は去年は、路線バスや市外バス、高速バスなどを合わせると、延べ53億5,100万人あまりに上り、前の年よりおよそ6%増え、それまで3年間の平均増加率4.5%を上回りました。とくにソウル首都圏では、路線バスを乗り換える際に料金を割り引く制度が近郊の地域まで段階的に広がった影響で、路線バスの利用者が前の年より8.6%の伸びとなり、割引制度が大きく功を奏したことを裏付けました。

・かつて朝鮮国王が江戸幕府に派遣して韓日文化の交流に大きな役割を果たした「朝鮮通信使」の行列が、今年は日本人観光客が大勢訪れているソウルの中心街、明洞で再現されました。これは、17世紀初めからおよそ200年にわたって、韓国から日本に文化を伝えた朝鮮通信使の活躍と業績をたたえようと8年前から毎年行われている「朝鮮通信使 韓日文化交流祝典」の一環で、今年は、釜山市でのメインの祭りに先立って、11日、ソウル市で行われました。まず、王宮の一つ、昌慶宮で、朝鮮通信使の任命式が再現された後、観光客や買い物客でにぎわう中心街の明洞を朝鮮通信使の行列が練り歩き、居合わせた人たちを楽しませました。主催した朝鮮通信使文化事業会によりますと、 朝鮮通信使の行列の再現は、これまではソウルでは観光名所の一つ、仁寺洞で行っていましたが、今年は両国の友好をさらに深めるため、日本人観光客がもっとも多く集まる明洞で行ったということです。今年の「朝鮮通信使 韓日文化交流祝典」は、ソウルでのイベントを皮切りに、来月から9月まで、釜山市や日本の対馬市などで行われます。

4月10日金曜日

・韓国銀行は10日、今年の経済成長率の見通しをマイナス2.4%に下方修正して発表しました。韓国銀行によりますと、今年の経済成長率、GDPの伸び率は、上半期はマイナス4.2%まで落ち込み、下半期はマイナス0.6%とある程度回復して、1年ではマイナス2.4%になる見通しです。韓国銀行は去年12月に今年の経済成長率をプラス2%と予測しましたが、今回の見通しではこれに比べて4%以上下げて修正しました。しかし、来年になると景気はある程度回復し、経済成長率は3.5%とプラスに転じるとしています。

・李明博大統領は10日、ASEAN+3首脳会議に出席するため、タイに向かいました。タイ中部のバタヤで開かれる今回の会議には、韓中日3か国を含む合わせて16か国の首脳が参加します。今回の会議では、世界的な経済危機への対応、食糧やエネルギー問題、域内の自由貿易の推進などが議題になる見通しですが、北韓のミサイル発射後にアジアの首脳が集まるのは初めてとあって、この問題についても意見が交わされるものと見られています。李明博大統領は11日の首脳会議で、世界的な経済危機を克服するための協力や保護主義の排除などを強調することにしています。また、ASEAN+3首脳会議とは別に、日本の麻生太郎首相と首脳会議を行い、中国の温家宝首相を加えた3か国首脳会議も行う予定です。

・盧武鉉前大統領が、後援者である靴の製造会社の会長から妻が多額の資金を受け取ったことを認めた問題で、大検察庁の中央捜査部は近く、盧武鉉前大統領夫妻を召還する方針を明らかにしました。中央捜査部の調べによりますと、靴の製造会社の会長で、脱税などの罪で起訴された朴淵次(パク・ヨンチャ)被告は、2006年に盧武鉉前大統領側の要請を受けて、10億ウォン相当のドルとウォンをかばんに入れて、大統領府青瓦台で当時の鄭相文(チョン・サンムン)秘書官に渡したと供述しているということです。これについて盧武鉉前大統領は先に、自身のホームページで、借金を返済するためにお金を借りることにし、妻が資金を受け取ったとしており、検察の関係者は、10億ウォンについては借用書があったわけではなく、正常な金銭の貸し借りとは見られないと指摘し、賄賂の性格がある金銭の取引だった可能性があるとしています。中央捜査部は、事実を明らかにするためには盧武鉉前大統領夫妻に対する調べは避けられないとして、来週初めにも夫妻を召喚する方針を明らかにしました。

・カナダ政府は、韓国がカナダ産牛肉の輸入を禁止していることに対して、WTO=世界貿易機関に提訴するための手続きを始めました。WTOの紛争解決に関する規定では、問題を解決するために相手国と30日間に渡って協議を行い、問題が解決しない場合に、WTOが調整することになっています。カナダ政府は10日、声明を発表し、韓国が不当な理由でカナダ産牛肉の輸入を禁止しているため、問題を解決するためWTOに韓国との2国間協議を要請したとしました。カナダ政府は、カナダがアメリカと同様に国際獣疫事務局からBSE危険統制国に指定されているにもかかわらず、韓国政府がアメリカ産牛肉の輸入を再開しながらカナダ産牛肉の輸入を禁止しているのは不当だと主張しています。韓国政府は、カナダではこれまで15回に渡ってBSEの発生が確認されており、BSE危険統制国に指定された後も3回BSEの発生が確認されているという理由で、カナダ産牛肉の輸入を禁止しています。

・国連の安全保障理事会は10日、常任理事国5か国と日本による非公式会合を開き、北韓のロケット発射への対応を協議しました。関係筋によりますと、日本が拘束力のある決議の採択を求めたのに対して、中国は「報道機関向けの声明」にとどめるよう求めたということです。また、アメリカは、日本と中国の隔たりを埋めるために、議長声明の採択を提案したということです。アメリカは、安保理で効果的な対応策が出ることが望ましいが、必ずしも北韓に対する制裁に執着するわけではなく、形式にはこだわらないという立場を示していました。そのため、日本が決議の採択を強く求めているものの、事実上、議長声明が採択される可能性が高くなりました。

・北韓は9日、国会に当たる最高人民会議の第12期第1回会議を開き、金正日国防委員長を再選して、憲法を改正しました。朝鮮中央通信が報じたところによりますと、最高人民会議はこの日、出席した代議員660人あまりの全会一致で金正日国防委員長を再選しました。また、体制の中核となっている国防委員会の委員に、趙明禄国防委員会副委員長など、12人を任命しました。この中には金正日国防委員長の義弟の張成沢氏をはじめとする側近が多く含まれており、金正日体制をより強化する狙いがあるものと見られます。張成沢氏は、金正日国防委員長が息子に権力を継承する場合、後見人の役割を果たすことになると見られており、国防委員の人事は後継者問題とも関係があると分析されています。

・韓国の食品産業が毎年売上を伸ばし、インスタントラーメンが1位になっていることが分かりました。韓国保健産業振興院が10日発表した「食品産業分析報告書」によりますと、国内の食品メーカーの売り上げは毎年増え続け、2007年には37兆3659億ウォンに達しました。2007年の品目別ではインスタントラーメンの売り上げが9855億ウォンで1位となり、2位は炭酸飲料、3位一般加工食品、4位果汁飲料の順でした。一方、健康食品の売上も急速に増えて、2007年にもっとも多く売れた健康食品は高麗人参を加工した紅参類で、健康食品全体の45.2%を占めました。

4月9日木曜日

・韓国銀行は9日、金融通貨委員会を開いて、政策金利を現行の2.00%に据え置くことを決めました。韓国銀行は、去年10月に政策金利を5.25%から5.00%に引き下げて以来、今年2月まで6回に渡って引き下げ、政策金利は2.00%まで下がっていました。韓国銀行が政策金利を据え置いたのは先月に続いて2か月連続です。韓国銀行が政策金利を据え置いたのは、景気先行指数が1年3か月ぶりに上昇した他、金融機関の中小企業に対する融資も増え、さらにウォン相場が安定するなど、各種の経済指標が好転して、景気後退にある程度ブレーキがかかったと判断したためと見られています。

・9日の韓国株式市場の総合株価指数は1310台を超え、今年の最高値を更新しました。韓国株式市場の9日の終値は、前日より54.28ポイント高い1316.35で取り引きを終え、去年10月14日以来およそ半年ぶりの最高値となりました。これは、中央銀行の韓国銀行が政策金利を据え置いたことから、先行きへの期待感が膨らんだことによると見られます。一方、ソウル外国為替市場では、国内外の株高の影響でドルに対するウォンの相場も上昇し、1ドルが1322ウォン50銭と前日より32ウォン、ウォン高で取引を終えました。

・北韓は9日、国会に当たる最高人民会議の第12期第1回会議を開き、金正日国防委員長を再選しました。朝鮮中央通信は9日、「全人民の意思と念願を反映して、金正日国防委員長を再び国防委員長に推戴した」と報じました。金正日国防委員長は、金日成国家主席が生存していた1993年4月に初めて国防委員長に就任し、その後、1998年に国防委員長が国家の最高ポストに位置づけられてからは3回目の選任となりました。国防委員会は北韓の最高軍事指導部署で、国防委員長は国防に関連したすべてを統括する国家の最高ポストと位置づけられています。金正日国防委員長の再選が決まったことで、今後、後継者をめぐって指導部の大幅な再編が進められる可能性があり、関心が寄せられています。

・韓国政府は、北韓のロケット発射への対応について国連安全保障理事会が今週中に協議を一段落させ、何らかの措置を取る方向で各国と調整を進めていることが分かりました。柳明桓外交通商部長官は8日、中国の楊潔チ外相や日本の中曽根弘文外相と電話で会談し、「ロケットを発射した北韓に対してどんな措置を取るのかも重要だが、国際社会が迅速に一致したメッセージを北韓に送ることが重要だ」という認識で一致しました。韓国政府の関係者はこの問題について、国連安保理の決議1718号は北韓に対して武力を除くすべての措置を取ることができるようにしているので、新たな決議を採択するのか、議長声明を採択するのか、その形式は重要ではなく、国際社会が迅速に一致したメッセージを送ることが必要だという認識を示しました。一方、韓国政府は、北韓のロケット発射を受けて、大量破壊兵器やミサイルの拡散防止を図るPSI=拡散防止構想へ正式に参加すること検討していますが、国連安保理の協議が終わり次第、来週初めにもPSIへの正式参加を発表する見通しです。

・景気が悪化している中で、失業手当の支給額が過去最大となりました。労働部がまとめた資料によりますと、失業手当は、先月は44万5000人に3732億ウォンが支給され、月別の支給額では過去最大となりました。このうち失業手当の新規申請者は10万9000人あまりで、ここ3か月間ほぼ同じ水準を維持していますが、去年12月以降、失業者が増え続け、全体の支給額は増えています。一方、労働者を解雇する代わりに休業または休職などの方法で雇用を維持している企業に支給する雇用維持支援金の支給額は、先月は5200件、359億ウォンに達し、1年前より1.3倍増えて、過去最大となりました。労働部は景気の悪化で失業手当や雇用維持支援金の申請が当分増えるものと見て、補正予算で300億ウォンあまりを計上しています。

・ソウル市は9日、タクシー料金を6月から値上げすると発表しました。それによりますと、基本料金は1900ウォンから2400ウォンに値上がりします。ただ、144メートルごとに100ウォンずつ上がる距離の加算料金と、35秒に100ウォンずつ上がる時間の加算料金は現行のままで維持することにしました。ソウル市は、基本料金だけの計算では26.3%の値上げになるが、乗客の平均乗車距離5キロで計算すると、12.64%の値上げになるとしています。ソウル市は、現行のタクシー料金は2005年6月に決まったもので、その後、燃料費や諸物価が上昇しているのでさらに値上げする必要があるが、昨今の経済状況を考慮して、値上げ率を抑えたとしています。一方、ソウル市は、タクシーがソウルに隣接した市まで走る場合、料金を20%割増しにする制度をなくすことにし、深夜12時から午前4時までの深夜割り増し料金の制度は続けることにしました。

・政府は9日、ベビーパウダーや化粧品などから発がん物質のアスベストが検出されたことを受けて、製品に使うタルクにアスベストが含まれているかどうかを確認するなど、積極的な対応策を取っていくことにしました。政府はこの日、国務総理室国務次長が主催する関係部署会議を開き、タルクを輸入する際、関税庁がアスベストが含まれているかどうかを確認し、含まれている場合は国内への搬入を許可しないことにしました。また、タルクが広範な分野で使われているため、知識経済部がタルクを使用したゴム製品や紙類などの工業製品について、アスベストが含まれているかどうかを検査することにし、食品医薬品安全庁が医薬品や化粧品などについて検査を徹底することにするなど、タルクを原料に使用している多様な製品を検査することにしました。政府は今のところタルクに関する具体的な規制がないため、各部署が協力して問題点を把握し、6月末までに法制度を整備するための準備を終えることにし、国務総理室にこの問題を担当するチームを作ることにしました。

・外交通商部は9日、日本の文部科学省が来年度から新たに使われる教科書についての検定結果を発表し、このうち「新しい歴史教科書をつくる会」が主導した自由社の教科書「中学歴史」が検定に合格したことを受けて、抗議声明を出しました。外交通商部はこの日、「日本政府が歴史を歪曲した歴史教科書を検定に合格させたのはきわめて遺憾だ」とする声明を発表し、この措置を即刻是正するよう促しました。「新しい歴史教科書をつくる会」は日本の右翼勢力が主導する団体で、過去には扶桑社から教科書を出版していましたが、最近、扶桑社と決裂して、自由社から新しい教科書を出版しました。この教科書は、日本の韓半島植民地政策は韓民族を近代化させることに目的があったとして、日本による強制的な合併や侵略を隠ぺいしています。

・韓国では初めて運転手がいない無人で走る新交通システムの軽電鉄が釜山市で公開されました。釜山地下鉄公社は9日、幅2.4メートル、長さ9.14メートルと、普通の観光バスより小さい軽電鉄の車両の試運転を行いました。この軽電鉄は鉄のレールの上を走るのではなく、車両の下と両方の側面にゴム製の車輪があり、コンクリートでできた軌道の上を制御装置によって無人で走ります。レールがないので脱線の恐れがなく、車輪がゴム製なので騒音が少ないのが特徴です。その上、車両の小型化によってエネルギーを地下鉄の電車などより30%以上節約できます。韓国はこれまでこうした軽電鉄を外国からの輸入に頼っていましたが、今回公開された軽電鉄は韓国のメーカーが政府の支援を受けて5年間の研究を経て開発したもので、部品の90%以上が韓国独自の技術で製作されました。釜山地下鉄公社は来年4月までに、この軽電鉄の車両102両を導入し、試運転を経て、来年末に開通予定の地下鉄3号線の一部、12.7キロで運行することにしています。

4月8日水曜日

・北韓のロケット発射に対する決議について国連安全保障理事会で協議が行われていますが、韓国政府はこの問題を6か国協議の枠内で協議する案を支持する方針であることが分かりました。韓国政府の当局者は8日、「北韓のミサイル問題を6か国協議の議題にするとしたアメリカのクリントン国務長官の提案は依然として有効で、政府は北韓のロケット発射問題についてアメリカと北韓が6か国協議の枠内で協議する案を支持する方針を決めた」と述べました。また別の政府当局者は、「北韓のロケット発射問題は、韓半島や北東アジアの平和と安定に直接関わるだけに、6か国協議のすべての参加国の問題でもある」として、この問題を6か国協議の枠内で解決する必要があるという考えを強調しました。韓国政府が6か国協議の枠内で北韓のロケット発射をめぐる米朝間の協議を支持する方針を決めたのは、北韓のロケット発射に対して国際社会が制裁措置をとることで北韓が6か国協議の再開を拒否することを事前に防ぎ、去年12月以降こう着状態に陥っている6か国協議を早期に再開させたいためとみられます。

・北韓のロケット発射への対応を協議する国連安全保障理事会は、拘束力のある決議の採択を求めるアメリカや日本と、これに反対する中国やロシアが対立して4日目の会合が延期されるなど調整が難航しています。韓国の国連代表部の朴仁国(パク・イングク)大使は7日、連合ニュースの記者に対し、「今日午後に予定されていた主要国による会合は開かれないことになった。関係国による調整がさらに必要とみられる」と述べました。国連の外交官らは、安保理の常任理事国であるアメリカ、中国、ロシア、イギリス、フランスに日本を加えた「主要6か国」の協議で、拘束力を持つ決議を採択するよう求めるアメリカや日本と、拘束力のない議長声明を採択すべきだとする中国やロシアの間で溝が埋まっていないと伝えました。こうした中、北韓の国連代表部のパク・ドクフン次席大使は7日、ロケット発射に関連し記者団に、国連安全保障理事会が対応に乗り出せば、「必要かつ強力な措置をとる」と述べ、さらに、「安保理のいかなる対応であれ、われわれはこれを主権の侵害とみなす」と警告しました。

・盧武鉉前大統領が夫人を通じて靴の製造会社の会長で、別の事件で脱税などの罪で起訴されている朴淵次(パク・ヨンチャ)被告から数億ウォンの資金を受け取った事実を認めたことから、盧武鉉前大統領夫妻に対する検察の捜査は避けられない見通しです。大検察庁の中央捜査部によりますと、盧武鉉前大統領の夫人、権良淑(クォン・ヤンスク)女史が盧武鉉前大統領が任期中の2005年から2006年にかけて、当時大統領府青瓦台の総務担当秘書官で、7日に身柄を拘束された鄭相文(チョン・サンムン)氏を通じて朴淵次被告から2回に分けて受け取った資金は10億ウォンに上るということです。盧武鉉前大統領は自身のホームページで、残っている借金を返済するためにお金を借りたとしていますが、検察は大統領の在任中に資金の受け渡しが行われていただけに、見返りを求める賄賂の疑いがあるとみています。このため、盧武鉉前大統領と権良淑女史に対する捜査は避けられない見通しで、盧武鉉前大統領が刑事処罰を受けるかどうかに関心が集まっています。

・日本の会社更生法に当たる法廷管理に入っている双竜自動車は8日、従業員の37%に当たる2650人を解雇することを柱とする経営正常化策を発表しました。それによりますと、まずリストラ策として、全従業員のおよそ37%に当たる2650人を解雇し、数百人の従業員に対して持ち回りの休職制度を実施するなどして、人件費や福利厚生費を大幅に減らす方針です。また、双竜自動車は忠清南道にある浦升(ポスン)工業団地や嶺東(ヨンドン)物流センターなど、操業していない資産を売却し、これによって得られる資金を早期の経営正常化のために当てるとしています。さらに、中長期的には、売り上げを増大させて収益性を改善し、競争力を強化するための製品開発やマーケティングなどの部門についての改善策も示されました。双竜自動車は、こうした内容の経営正常化策が順調に実施されれば、競争相手の他社に比べて低かった従業員1人当たりの売り上げ額や製品の生産性など主な指標が2年後の2011年には先進メーカー並みに改善され、対外信用度や財務の健全性も向上して飛躍の土台を築くことができるとしています。

・北韓の朝鮮中央テレビは、5日に行われたロケット発射の様子を撮影した映像を7日初めて公開しました。朝鮮中央テレビは7日の午後7時30分ごろ、予告していた番組「金正日、光明星2号発射過程観察」の時間にこの映像を放送しました。ロケットは3段式で、白い胴体にハングルの「朝鮮」という文字と北韓の国旗が描かれています。また、映像には、発射前に準備を進める地上管制所の内部の様子も映っています。これに先立ち、朝鮮中央テレビはこの日の午後6時すぎ、2008年8月から12月にかけて撮影した金正日国防委員長の映像を公開しました。 金正日国防委員長の影像が公開されたのは、健康悪化説が取りざたされて以来、初めてです。公開されたのは、去年8月に行った地方農場の視察や11月の化粧品工場の視察を含む記録映画で、去年8月中旬から11月中旬までおよそ3か月間の映像はありませんでした。朝鮮中央テレビがロケットの発射と金正日国防委員長の映像を公開したのは、国会に当たる最高人民会議が9日に開かれるのを前に、金正日国防委員長の健在ぶりをアピールし、国内体制の引き締めを図ったものとみられます。

・韓国人初の宇宙飛行士、イ・ソヨンさんが国連を訪問し、潘基文(パン・ギムン)事務総長と面会しました。国連代表部によりますと、4日からニューヨークを訪問し、講演などを行ったイ・ソヨンさんは、7日、帰国に先立って国連本部に潘基文事務総長を訪ねました。2人は去年7月にもソウルで面会しているため、潘基文事務総長は2度目の対面を喜び、「去年4月8日にロシアを訪問したが、ちょうどその日がイ・ソヨンさんが搭乗した宇宙船『ソユーズ』の打ち上げ日だった」と振り返りました。イ・ソヨンさんはちょうど1年前の去年4月8日に宇宙船が打ち上げられた際に国連旗を国際宇宙ステーション(ISS)に持ち込み、韓国と国連の友好を象徴するパフォーマンスを行った後、地球に持ち帰り、去年7月3日にソウルで開かれた国連旗返還行事で国連旗を潘総長に手渡していました。

・雨不足などで空気が乾燥した状態が続いている中で、山火事が全国各地で相次いでいます。このうち、忠清北道沃川(オクチョン)郡と森林当局によりますと、6日午前6時ごろ、忠清北道沃川郡食藏(シクジャン)山の中腹で起きた山火事はこの日の午後には収まるかに見えましたが、その後再び火が燃え広がり、火事発生から3日目の8日午前になってようやく鎮火したということです。また、全羅北道任実(イムシル)郡三溪(サムゲ)面の小高い山で起きた山火事は20ヘクタールを焼き尽くし、発生から18時間経った8日午前9時30分ごろに鎮火しました。このほか、大邱(テグ)や亀尾(クミ)でも6日に山火事が起きて1日近く燃え続け、一部の住民が避難するなどの措置がとられましたが、7日には鎮火したということです。このように全国で山火事が相次いでいるため、山林庁は今月3日から6日までの予定で全国に出していた「山火事特別非常警戒令」を12日まで延長し、非常勤務体制に入ったほか、登山客などに対して注意を呼びかけています。

4月7日火曜日

・李明博大統領は7日の閣議で、北韓にある開城工業団地で操業している韓国企業の人員を削減することについて、「企業ごとに事情が違うので、企業活動に支障がないよう、柔軟に判断すべきだ」という考えを示しました。政府は6日、北韓がロケットを発射したことから南北関係の緊張が高まる恐れがあるとして、開城工業団地に滞在する韓国企業の人員を通常の1100人前後から600人程度に減らす方針を示していました。李明博大統領はまた、韓国企業の社員1人が北韓に拘束されたままになっていることについて、「企業が北韓に対してもっと積極的に社員の釈放を求めるべきで、必要なら政府が国際社会と協力して早急に解決する」と述べました。さらに李明博大統領は、北韓のロケット発射について、「国民は成熟した態度で対応しており、これは最近の韓国の経済指標にも反映されている」と評価しました。このほか、李明博大統領は、6日にイタリアで起きた地震に関連し、責任ある国際社会の一員として救護のための人材や装備、救援物資などを支援するよう指示しました。

・韓国政府は北韓の長距離ロケット発射を受けて6日、PSI=大量破壊兵器の拡散防止構想に参加する一方、ミサイルの開発についてアメリカと取り決めた「韓米ミサイル協定」を見直す方向で検討する方針です。韓昇洙(ハン・スンス)国務総理はこの日、国会で行われた対政府質問で、「PSIへの積極的な参加を検討しており、時期について調整しているところだ」と答えました。北韓が2006年に核実験を行った際に採択された国連安全保障理事会の決議には、「北韓の大量破壊兵器の拡散を防ぐための貨物の検索」と明記されているため、安保理でこの内容を再確認する決議が行われれば、韓国政府としては構想に参加する正当性が認められるとして、決議が採択された後にPSIへの参加を公式に発表する方針です。PSIは2003年にアメリカが提唱して発足した構想で、核兵器をはじめとする大量破壊兵器が搭載された疑いがある船舶を自国の領海で臨検できるようにしたものですが、韓国はこれまで北韓に配慮して正式な参加はせず、合同訓練に参観団を派遣するなどしていました。韓昇洙国務総理はまた、アメリカと取り決めた「韓米ミサイル協定」の改正についても「韓米国防相会談で真剣に検討する時期が来た」と強調しました。韓米ミサイル協定では、韓国が開発できるミサイルの射程距離を300キロ以内に、弾頭の重量を500キロ以下に制限しており、射程距離が300キロのミサイルでは北韓の全域をカバーすることができないため、ミサイルをめぐる南北の戦力にかなりの開きが出ています。

・国会は7日、統一外交安全保障に関する対政府質問を行い、与野党が北韓のロケット発射によって高まった南北間の緊張に対する責任の所在や解決策をめぐって攻防を繰り広げました。このうち、与党ハンナラ党は、北韓のロケット発射に関連して、政府の危機管理システムがきちんと機能したかどうかを点検すべきだと強調する一方、北韓のロケット発射によって韓米間の協調体制に亀裂ができる兆候が現われていると指摘して、政府の対策を求めました。さらにハンナラ党は、北韓のロケット発射に対する国連安全保障理事会の制裁やPSI=大量破壊兵器の拡散防止構想への参加、MD=ミサイル防御体制の構築などの対応を促しました。これに対して、野党民主党は、政府が北韓との対話を断絶させて韓半島を危機に追い込み、北韓のロケット発射も食い止められなかったと非難し、これをきっかけに外交や安全保障を担当する政府の体制を整備し直す必要があり、特に南北間の正面衝突が起きれば国家の危機と信用格付けの低下につながる可能性があると指摘しました。そして民主党は、PSIへの参加は慎重に決めるべきだと強調し、北韓との対話を通じて問題の解決を図るべきだと主張しました。

・北韓のロケット発射で韓半島で緊張が続いていますが、今後の南北関係の進め方について、北韓との対話に乗り出すべきだと考えている人が、交流を慎重にすべきだという人を上回っていることが分かりました。統一部は5日、北韓がロケットを発射した直後に全国の成人男女1000人を対象にアンケート調査を行いました。それによりますと、北韓の長距離ロケットの発射が韓国の安全保障に与える影響について尋ねたところ、およそ63%の人が「きわめて深刻だ」または「多少深刻だ」と答え、北韓のロケット発射を韓国の安全保障を脅かす要素として認識していることが分かりました。また、今後の南北関係をどのように進めるべきかについては、45.4%の人が「北韓との対話に積極的に乗り出すなど改善の努力をすべきだ」と答え、「南北間の交流協力を制限し、慎重に対処すべきだ」と答えた人の割合の42.8%をやや上回りました。

・2015年の夏季ユニバーシアード大会の招致を目指している光州市を国際大学スポーツ連盟(FISU)の調査団が訪れ、現地調査を行っています。光州市は2015年の夏季ユニバーシアード大会の招致に名乗りを上げ、準備を進めています。こうした中で、国際大学スポーツ連盟の調査団6人が、6日から4日間の日程で光州を訪れ、現地調査を行っています。6日には競技施設や受け入れ体制などを紹介する最初のプレゼンテーションが行われ、この中で光州市は、大会をめぐる環境やビジョンをはじめ、財政状況やインフラなど国際大学スポーツ連盟が大会開催の条件として示している主な項目について説明しました。これに対し、調査団は、「招致申請書の内容が充実していて、プレゼンテーションの内容もすばらしかった」と述べて満足感を示し、特に、去年行った現地調査の当時よりスポーツ施設が2倍近く増えたことを高く評価していたということです。2015年のユニバーシアード大会には、光州のほかに台湾の台北、カナダのエドモントンの3つの都市が招致に名乗りを上げています。

・ソウル市の高校生が学校で英語の次に多く習っている外国語は日本語であることが分かりました。ソウル市教育庁が7日に発表した「2009年の高校教育課程編成現況」によりますと、ソウル市にある高校308校のうち90%に当たる278校が第2外国語の選択科目の一つとして日本語の科目を開設していました。日本語を教える学校が多いのは、語順が韓国語と似ているので、高校生にとって学びやすい上、教員の確保も容易なためとみられます。日本語の次に多かったのは中国語で、189校が第2外国語の選択科目にしていました。

・韓国の独立映画「金ばえ」がブエノスアイレス国際独立映画祭で非公式部門の世界カトリックメディア協会(SIGNIS)賞を受賞し、これで8回目の国際賞受賞となりました。「金ばえ」は、ヤン・イクジュン監督の作品で、子供の頃に父親の暴力を受けて成長した男性が偶然出会った女子高校生によって暖かい家族愛を感じていくという内容で、これまで17の海外映画祭から招請され、ロッテルダム国際映画祭でグランプリを受賞し、ドビル・アジア映画祭でグランプリと国際評論家賞を同時受賞するなど、6つの国際映画祭で8つの賞を獲得する好成績を上げています。「金ばえ」を制作した映画制作会社「チンジン」によりますと、まだ10あまりの映画祭にノミネートされており、この中から「金ばえ」を招請したいという連絡が入ってきているため、「金ばえ」の受賞はまだ続く可能性が高いということです。「金ばえ」は韓国で16日から全国50以上の映画館で公開されますが、独立映画が最初から50以上の映画館で公開されるのはきわめてまれなことです。

4月6日月曜日

・北韓が5日打ち上げたロケットについて、北韓は人工衛星が軌道に乗ったと報道しましたが、韓国とアメリカは軌道に乗らず打ち上げは失敗したものと判断されると発表しました。北韓は打ち上げ当日の5日、異例の早さで朝鮮中央通信が「われわれの科学者・技術者が国の宇宙開発計画にそって打ち上げたロケットで、人工衛星“光明星(クァンミョンソン)2号”を軌道に乗せることに成功した」と報道しました。これに対して韓国とアメリカはロケットの発射体を軌道に乗せることに失敗したとみています。李相熹(イ・サンヒ)国防部長官は5日午後、国会の国防委員会に出席して「北韓はどんな物体も軌道に乗せることができなかったと判断している」と述べて、北韓がロケットの打ち上げに失敗したことを強く示唆しました。またアメリカの北米航空宇宙防衛司令部は声明で「北韓が打ち上げたロケットの1段目は東海に落下したが、残りの先端部分を含む2段目以降の部分は太平洋に着水した」と述べ、軌道には何も乗らなかったとしました。

・李明博大統領は6日、大統領府・青瓦台で与野党3党の代表と会合し、PSI=大量破壊兵器の拡散防止構想への参加について、「北韓のロケット発射と関係なく、大量破壊兵器の拡散とテロ防止などの国際協力を進めるうえで、全面的な参加を積極的に検討している」と述べました。この会合には与党・ハンナラ党の朴熹太(パク・ヒテ)代表、野党・民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表、そして自由先進党の李会昌(イ・フェチャン)代表が出席し、李明博大統領は「PSIへの全面的な参加は北韓がロケットを発射したからではく、韓国政府自らの判断で進めている」と述べました。これについて自由先進党の李会昌代表は、PSIへの積極的な参加を強調したのに対して、民主党の丁世均代表は慎重に対応するよう求めたということです。

・李明博大統領は6日午前、定例のラジオ演説を行い、北韓の長距離ロケット発射について「世界の安全保障を脅かす北韓の無謀な行動は名分のないものだ」と批判しました。李明博大統領はこの中で「植樹の日の4月5日、私たちが植樹をしていた時、北韓はロケットを発射した。誠に失望と残念な気持ちを禁じえない」と感想を述べました。そして「全世界が経済危機の克服に余念がないこの時期、国際社会が引き止めたにもかかわらず、北韓はロケットの発射を強行した。そのため、世界各国は国連安保理を緊急に開くなどして対応に当たっている。このような時、政府を信じて落ち着いた態度で対応してくれた国民のみなさまに感謝する」と述べました。

・北韓が長距離ロケットを発射したことを受けて、国連安全保障理事会は5日、緊急の会合を開いて対応を協議しましたが、西側諸国と中国やロシアとの立場の違いを確認するのにとどまり、結論を出すことはできませんでした。安保理は現地時間で5日午後3時からおよそ3時間かけて非公開で開かれ、15の理事国が方針を出し合い、北韓への制裁などをめぐっては激論が交わされたとみられています。このうち、アメリカ、日本、イギリス、それにフランスなどは、北韓のロケット発射は2006年に北韓が核実験を強行した際の安保理決議1718号に規定されている「弾道ミサイルの開発禁止」に違反するものだとして、強力な追加制裁が必要だと強調しました。これに対して中国とロシアは、北韓は人工衛星を発射したとしており、これは主権国の宇宙探査とみなすべきだとして、追加の制裁決議に難色を表明したもようです。安保理は今後も非公開で協議を続けていくことにしていますが、双方の見解の違いは大きく、意見の調整は難航するものとみられます。

・国会は6日、北韓が長距離ロケットの発射を強行したことを糾弾する決議案を採択しました。国会は6日の本会議で、外交通商統一委員会が提出した北韓のロケット発射を糾弾する決議案を採決した結果、在籍議員175人のうち賛成167の圧倒的な賛成多数で採択しました。決議は、北韓が長距離ロケットの発射を強行したことに対して、韓半島の平和と国際社会の安全保障に深刻な脅威となる挑発行為で、国連安保理決議1718号に違反するとしています。また国会は北韓の長距離ロケットの発射行為を容認できず、発射の強行によってもたらされるすべての結果は北韓の責任であると強調し、北韓は安保理決議によって決められた制裁に応じるべきだとしています。

・北韓の金正日国防委員長が5日、衛星管制総合指揮所で長距離ロケットの発射に立ち会ったと、北韓の朝鮮中央通信をはじめとする北韓のマスコミが6日未明に報じました。北韓は1998年と2006年にもミサイルを発射しましたが、金正日国防委員長が衛星管制所で発射の過程に立ち会ったと報道したのは、今回がはじめてです。それによりますと、金正日国防委員長は5日、人工衛星の発射を成功させたことに満足感を示し、発射の成功を土台にして宇宙空間の征服と平和的な利用に向けて努力すべきだと述べ、ロケット発射に携わった科学技術者と記念写真を撮ったということです。北韓は金正日国防委員長が衛星管制所で人工衛星の発射過程に立ち会ったと内外に伝えて、ロケット発射が科学技術の革命と金正日国防委員長の指導力の成果だと強調して、今週9日に平壌で開かれる最高人民会議で3期目の金正日体制をスタートさせる名分にするものとみられます。

・6日の金融市場は、北韓が長距離ロケットを発射した影響を受けず、むしろ景気回復への期待感が強まって、日本の円100円に対するウォン相場がおよそ5カ月ぶりに1300ウォンを下回りました。6日のソウル外国為替市場は、韓国の鉱工業指数などいくつかの景気指標が底を打って上向きに転じる兆しを見せていることなどから、ウォン高が進み、日本の円100円に対するウォンの為替レートは1299ウォン36銭と、先週金曜日に比べて、46ウォン12銭のウォン高となり、去年11月5日以来、およそ5カ月ぶりに1300ウォン台を下回りました。またアメリカドルに対するウォンの為替レートは、1ドル=1309ウォン50銭と、先週金曜日に比べて31ウォンのウォン高ドル安となりました。一方、6日の総合株価指数(KOSPI)も、先週のニューヨーク株式市場が上昇した影響を受けて、先週金曜日より8.67ポイント上がった1292.42で取り引きを開始しました。その後、外国人と機関投資家の買い注文が続いて、一時は1300ポイントの大台を上回りましたが、結局、6日の終値は1297.85と、1300ポイントの大台にはいたらなかったものの、今年最高値で取り引きを終えました。専門家は「北韓のロケット発射はすでに予告されていたもので、これまでも北韓の核問題が何度も持ち上がったが、株価に大きな影響を与えたことはほとんどなかった」と述べて、北韓のロケット発射が金融市場に与える影響はあまりないという見方を示しました。

・韓国人のうち、美術展やコンサートなど、文化的な欲求を満たしてくれる楽しみに投資する人が増えていることが分かりました。文化体育観光部と韓国文化観光研究院が全国の10歳以上の男女3000人を対象に調査してまとめた2008年度の「余暇白書」によりますと、文化・芸術活動のうち、美術展を鑑賞した経験がある人は2006年と2007年の9%から去年は29%と、大幅に増えました。また演劇やミュージカルを観覧した人も2007年の12%から去年は21%に、さらに博物館の観覧も2006年の5%、2007年の17%から去年は28%に増え、コンサートなど芸能に関連した公演の観覧も2007年の10%から去年は26%に増えています。このような現象について韓国文化観光研究院のユン・ソヨン博士は「国民の関心が、なくてはならない衣食住への欲求から文化的で感性的な欲求を満たしたいという方向に変化してきた」と話しています。

・機械が人の顔の表情を通じて心を読み取る技術が韓国の大学の研究チームによって開発されました。浦項(ポハン)工科大学のキム・デジン教授の研究チームは、人のごくわずかな表情の変化を、誇張した表情に増幅させる技術を利用して、機械が人のわずかな表情を認識する技術の開発に成功し、このほど、イギリスの大衆科学専門誌「ニュー・サイアンティスト」に紹介されました。キム・デジン教授のチームは、一般の人20人を対象に、顔の表情が現れる際に変化する27のポイントを顔の表面に設定して、喜びや怒り、驚きなど表情の変化を読み取る実験をした結果、88%の成功率を上げたということです。キム・デジン教授のチームは、今後、この技術を一人暮らしのお年寄りや体の不自由な人々の表情を分析して心の中を理解するロボットの開発などに応用する方針で、三星電子は近く、この技術を取り入れた携帯電話やデジタルカメラを販売するとしています。

4月4日土曜日

・北韓は4日から8日の間に人工衛星を発射すると予告していましたが、初日の4日にはロケットの発射はありませんでした。北韓の朝鮮中央通信は4日午前10時、「東海の発射基地から試験通信衛星「光明星(クァンミョンソン)2号」を運搬ロケットの銀河(ウンハ)2号に乗せて打ち上げる準備が終了した。衛星はまもなく発射される」と報道しました。しかし初日の4日は、北韓が予告した韓国時間の午前11時から午後4時までの間にはロケットは発射されませんでした。4日に発射されなかったのは、発射基地周辺で風がやや強く吹き、気象状態が良くなかったためと、韓国政府は分析しています。北韓は先月12日、人工衛星を4月4日から8日の間、午前11時から午後4時の間に打ち上げると国際民間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)に事前通報しています。北韓が予告した初日にはロケットの発射が行われなかったことから、韓国をはじめ、日本やアメリカなどは、ロケットを発射しなかった背景や今後の日程になどついて、情報を収集分析しています。

・大統領府青瓦台、外交通商部、国防部、統一部の外交安保関連の部署は、4日午前、緊急会議を開いて、北韓の動向を把握する非常体制に入りました。李明博大統領はG20金融サミットに出席するため訪れていたロンドンから4日午前、ソウルに帰国し、直ちに青瓦台で安保関連の長官会議を緊急招集しました。会議には柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官、李相熹(イ・サンヒ)国防部長官、玄仁澤(ヒョン・インテク)統一部長官、鄭正佶(チョン・ジョンギル)大統領室長らが出席し、北韓のロケット発射が国連安保理の決議案1718号に違反するとして、北韓に対する安保理での制裁案などについて話し合ったもようです。政府関係者は「北韓がロケットを発射したことが確認されれば、NSC=国家安全保障会議を開くとともに、国民にも情報を速やかに伝える。国家安全保障会議では政府の方針をどのような形で発表するかなどを論議することになるだろう」と述べました。これに先立って、外交通商部では緊急対策会議が開かれ、6カ国協議の韓国首席代表の魏聖洛(ウィ・ソンナク)韓半島平和交渉本部長らが出席して、北韓のロケット発射と関連した最近の国連安保理の動向やロケットを発射した直後の韓国政府の対応などについて協議しました。一方、韓米連合軍は北韓のロケットの発射基地がある咸鏡北道花台(ファデ)郡舞水端里(ムスダンリ)に信号の探知と偵察機などによる情報体系を集中させて、リアルタイムで関連情報を収集分析しています。また北韓がロケットを発射した場合、ロケットの軌跡を追跡するため、韓国とアメリカのイージース艦を東海(日本海)に非常待機させています。               

・アメリカのオバマ大統領は3日、北韓のミサイル発射は挑発的な行動だと批判し、発射を取りやめるよう求めました。NATO=北大西洋条約機構の首脳会議に出席するためフランスを訪れているオバマ大統領はフランスのサルコジ大統領と会談した後の共同記者会見で、「われわれは北韓に対して、ミサイル発射が挑発的な行動だと伝えてきた。北韓のミサイル発射は6カ国協議にも深刻な緊張をもたらす恐れがある」と述べました。オバマ大統領はさらに「北韓は自ら孤立を招く言動をしており、他の国々の安全を脅かしている。われわれは国際社会の利害当事国と力を合わせて適切な措置をとっていく」と強調しました。

・G20金融サミットに出席するためイギリスを訪問していた李明博大統領は、中国の胡錦涛国家主席と3日首脳会談を行い、北韓がロケットの発射を強行しても6カ国協議の枠組みを維持して韓半島の非核化に向けた努力を続けていくことで認識をともにしました。この席で李明博大統領は北韓のロケット発射の動きについて、「北韓がロケットを発射しても6カ国協議の枠組みは引き続き維持していかなければならない」と述べて、中国が6カ国協議の議長国として韓半島の非核化に向けて主導的に努力するよう要請しました。李明博大統領はまた「南北関係ではいろいろな状況があるが、韓国政府は開かれた心で北韓と対話する準備ができている」と、北韓と対話を通じた問題解決をはかっていく方針に変わりはないことを強調しました。これについて胡錦涛国家主席は「ロケットの発射をやめるよう、最後まで説得してみる」と述べました。

・北韓のロケット発射が間近に迫っている中で、平壌に滞在している韓国人は事実上、全員が韓国に帰ってくる予定です。統一部の関係者が4日明らかにしたところによりますと、ロケット発射の前後は、北韓に滞在している韓国人の安全を確保するために、訪問や滞在を最小限にするという方針を決め、南北交流事業のために平壌にいた韓国人82人のうち1人を除く81人が3日までに航空便を利用して平壌を出た。4日までに中国の北京や瀋陽に到着する予定だということです。政府はまた開城工業団地と金剛山に滞在するスタッフも最小限にする方針で、3日夜の時点で合わせて906人いた開城工業団地の韓国人は、4日には600人から700人に減る予定です。一方、政府は4日午前、開城工業団地と金剛山に滞在している韓国人に安全指針を伝えました。この安全指針には、北韓現地での移動を最小化するとともに、夜間の移動を禁止する。モノの持ち込みと持ち出しに関する規定を守ること、現地のスタッフ同士で連絡網を維持すること、北韓住民との不必要な接触を自制すること、やむなく北韓住民と接触した際には言動に注意することなどが含まれています。

・北韓の政治体制を非難したとして先月末、開城工業団地で北韓当局に拘束された韓国人の会社員について、北韓は取り調べが終了するまでは韓国側の関係者との面会は認めないと伝えてきました。北韓に拘束されている会社員と面会するために、日帰りで北韓入りした現代峨山の趙建植(チョ・ゴンシク)社長は3日、韓国に帰ってきて記者団に対し「北韓は南北合意書の中に、北韓が取り調べている韓国人が外部の人と会う権利を明記した規定はないと述べている」として、北韓の取り調べが終了するまでは趙建植社長など韓国側関係者と面会することはできないと拒否したということです。そして北韓は、拘束している会社員の安全と食事などは十分に行っているとしましたが、いつまで取り調べが続くかについては答えなかったということです。2004年に締結された開城工業地区の出入・滞在に関する合意書には、「韓国人が北韓の取調べを受ける際に基本的な権利を保障する」とされていますが、細かい内容は明記されていません。趙建植社長は「開城工業団地の業務を担当する北韓の関係者や平壌との連絡を担当する参事官らと会って、この事件が南北関係の負担にならないように、早期に円満に解決する必要性を強調した」と述べました。

・国民のおよそ80%は埋葬より火葬を好んでいるという調査結果が出ました。保健福祉家族部が全国の30歳以上の男女1200人を対象にアンケート調査したところ、自分が死亡した場合、「火葬にしてもらいたい」という答えは80%で、「埋葬にしてもらいたい」は19%にとどまりました。また火葬にした場合、遺骨を安置する場所としては、森林の木の下に埋めるなどの自然葬が49%で、ほぼ半分を占めてもっとも多く、次いで納骨堂などの施設(27%)、山や川などに灰をまく散骨(23%)の順でした。韓国での火葬の割合は1997年に23%でしたが、去年は58%と次第に増えています。

・韓国のプロ野球が4日開幕しました。今年のプロ野球は、8球団が合わせて532試合を行い、平日は夕方6時半から、週末と祝日は夕方5時から試合を始めます。そして去年初めて行われた勝負がつくまで制限なく延長戦を行う規定は改められ、延長戦は12回までとすることになりました。今年のプロ野球は、先のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで準優勝に導いた、ホームラン1位のキム・テギュンや日本戦で好投したボン・ジュングンら主な選手が韓国のプロ野球に所属していることから、プロ野球への関心はいつもより高まり、観客数で記録を更新するのではないかと、早くも期待がかかっています。

4月3日金曜日

・北韓が予告したロケットの発射が迫っていることを受けて、対応に当たる韓国政府の特別チームが3日から24時間の非常体制に入りました。政府は3日、安保関係閣僚会議を開き、ロケット発射に向けた北韓の動きを24時間体制で注視するとともに、ロケットが発射された場合は大統領が主催する国家安全保障会議を開き、対策を講じることにしました。また、ロケットが発射されれば、直ちにアメリカや日本と意見を調整して声明を発表し、韓国の立場を表明することにしました。さらに、韓国軍と在韓アメリカ軍は、ウォッチコン=北韓情報監視態勢を第2段階に引き上げ、航空機と情報衛星による監視を強化しました。ウォッチコンは平常時は第3段階が維持されていますが、状況に応じて第2段階、第1段階へと引き上げれます。

・北韓が4日にもロケットを打ち上げる可能性があると外海外のメディアが2日、一斉に報じました。このうち、AP通信はアメリカ国防総省の関係者の言葉を引用し、北韓の咸鏡北道舞水端里にあるミサイル発射基地では、発射台の周辺でトレーラーや車両の動きが頻繁になっており、こうした状況を分析すると、4日にロケットを打ち上げる方向で準備が進められていると伝えました。北韓のロケット打ち上げ準備が最終段階に入っている中で、北韓に対する制裁を検討する動きも活発になっています。アメリカのオバマ大統領は訪問先のロンドンで、韓国の李明博大統領や中国の胡錦濤国家主席と会談した席で、「北韓のミサイル発射は国連安全保障理事会の決議に違反するもので、発射された場合は安保理で断固とした対応を取る」という考えを示し、安保理で新たな決議を採択する準備を進めていることを示唆しました。

・ロンドンで開かれていた20の国と地域によるG20金融サミットが2日、首脳宣言を採択して閉幕しました。首脳宣言では、各国が連携して財政支出に取り組み、2010年までに世界経済の成長率を4%押し上げる目標を盛り込みました。また、金融規制や監督の失敗が今回の危機の根本的な原因だとして、規制や監督を強化する枠組みの構築を進めることにしました。さらに、今回の危機が新興国や途上国にも大きな打撃を与えているとして、これらの国に対する支援を増やすことにしました。首脳宣言は、こうした取り組みによって2010年までに世界経済の成長率を4%押し上げ、何百万人もの雇用を確保できるとしています。

・ロンドンで行われた韓国とEU(ヨーロッパ連合)のFTA=自由貿易協定締結に向けた閣僚級の交渉は、最終妥結に至りませんでした。韓国とEUは先月末、ソウルで行った8回目の交渉で、関税を払い戻す制度など、一部の争点を除いて暫定合意し、残りの争点は閣僚級の交渉に格上げして政治決着を図ることにしていました。このため韓国の金宗?(キム・ジョンフン)通商交渉本部長とEUのアシュトン通商担当委員は2日、ロンドン市内のホテルで交渉を続けましたが、最大の争点となっている関税を払い戻す制度について意見の隔たりを縮めることができず、最終妥結には至りませんでした。関税を払い戻す制度は、完成品を輸出入する際に部品にかかった関税を払い戻す制度で、原材料や部品を輸入して完成品を輸出している韓国としては重要です。

・韓米FTA=自由貿易協定の批准がアメリカ議会で進展する兆しが見え始めました。韓米FTAは、アメリカでオバマ政権発足後、自動車分野などに不公平な部分があり、再交渉の必要があるという指摘が出て、このままでは議会で批准するのは難しいのではないかという見方が出ていました。しかし、このほどロンドンで行われた韓米首脳会談で、オバマ大統領が韓米FTAの議会での批准について前向きな姿勢を示したため、雰囲気は一転しました。オバマ大統領は会談で、「両国間のFTAは経済的観点からだけでなく、韓米同盟関係という観点から見ても重要だ」と述べ、両首脳は6月にワシントンで行われる予定の韓米首脳会談で議会での批准に向けた具体的な対策について協議することにしました。金宗?(キム・ジョンフン)通商交渉本部長は2日、韓米首脳会談について、「両首脳が6月に批准に向けて努力することを約束したので、6月の首脳会談が重要な峠に成るだろう」とした上で、「議会での批准は時間の問題だ」と楽観的な見方を示しました。

・法務部は来年下半期から韓国に入国する外国人の指紋を採取することにしました。法務部が3日、明らかにしたところによりますと、来年下半期から韓国に入国するすべての外国人の指紋を採取する制度を実施することにし、そのために今年上半期中に出入国管理法の改正案を国会に提出するとしています。入国する外国人の指紋や顔写真などの情報採取を義務付けているのは、今のところアメリカと日本だけです。

・南北経済協力事業を進めている韓国の企業、現代峨山の趙建植(チョ・ゴンシク)社長は3日、開城工業団地で北韓に拘束されている韓国人社員の釈放について協議するため、北韓入りしました。統一部の関係者によりますと、趙建植社長は拘束されている自社の社員の釈放について協議するために北韓入りしたが、北韓側の誰といつ協議するかなど、具体的なことは決まっていないということです。一方、統一部は3日、国会に提出した資料で、北韓に対してこの問題で迅速な調査の終結と身柄の引渡しを要求し、拘束されている社員に対して罰金や追放以上の重い措置が取られる場合、厳重に対応する方針だとしました。

・サッカーの韓国代表のFW李根鎬(イ・グノ)選手(23)が、Jリーグのジュビロ磐田に入団することになりました。李根鎬選手は昨シーズンまでKリーグの大邱FCで活躍し、韓国代表としてワールドカップのアジア予選などに出場しました。そして、自由契約選手となり、ヨーロッパのリーグへの進出を希望していましたが、このほどジュビロ磐田への入団を決めたということです。李根鎬選手のエージェントによりますと、契約期間は来年1月までで、今月5日に日本に渡り、8日に正式に契約して、19日の清水エスパルス戦でデビューする予定だということです。

4月2日木曜日

・G20金融サミットに出席するためロンドンを訪れている李明博大統領は2日、アメリカのオバマ大統領と初めての首脳会談を行い、北韓が予告通りロケットを発射すれば、国連安全保障理事会の決議に違反することになるという認識で一致しました。両首脳は、北韓が予告通りロケットを発射した場合、人工衛星であれ、ミサイルであれ、国連安全保障理事会の決議に違反することになり、実際に発射した場合は国連安全保障理事会で新たな対応を協議する必要があるという認識で一致しました。

・韓国とアメリカ、日本の3か国は、北韓がロケットを発射する場合、国連安全保障理事会で北韓に対する新たな決議の採択を検討していることが分かりました。政府関係者が2日明らかにしたところによりますと、日本が国連安全保障理事会で北韓に対する新たな制裁決議を採択する方針を明らかにしていることについて、韓国政府とアメリカ政府は日本のこうした方針に共感していると述べました。この関係者は、決議を採択する場合、どのような制裁を盛り込むかについては、安全保障理事会の理事国の間で協議が進められているが、予断することは出来ないとしました。また、韓国政府は北韓がロケットを発射した場合の対応策の一つとして、PSI=大量破壊兵器の拡散防止構想への全面的な参加を前向きに検討していると述べました。

・北韓が発射準備を進めているロケットに燃料の注入を始めたと、アメリカのCNNが1日、報じました。北韓は今月4日から8日の間に人工衛星を打ち上げると予告し、ロケットの準備を進めていますが、CNNは軍当局者の言葉を引用し、北韓東部の舞水端里(ムスダンリ)のミサイル基地で燃料の注入作業が始まり、発射準備が最終段階に入ったと伝えました。この軍当局者は、発射体のロケットの先端は覆いをかぶせているので、人工衛星が搭載されているのか、弾頭が搭載されているのかは確認できないが、覆いが丸く膨らんでいる形になっていることから、人工衛星を搭載している可能性があるとしています。

・アメリカ下院の共和党議員らが、北韓がロケットを発射する場合、これを迎撃する権限を軍の司令官に与えるよう促す書簡を、先月末にオバマ大統領に送ったことが分かりました。書簡を送ったのは下院の軍事委員会に所属している共和党議員16人で、「北韓のロケット発射を阻止するためのオバマ大統領の努力を支持する」として上で、「アメリカと同盟国が危機に直面する場合、ミサイル防御システムで迎撃する権限を軍の司令官に与えるよう促す」としています。一方、日本政府は、北韓がロケットを発射する場合、今月13日までとなっている北韓に対する制裁期限を1年間延長することを検討しているということです。日本政府は北韓が核実験を行った2006年から、北韓の船舶の入港禁止や北韓の製品の輸入禁止などの制裁措置を取り、6か月ごとに期限を延長してきましたが、今回は6か月ではなく1年間延長することを検討しているということです。

・中国上海にある北韓の貿易代表部の代表の夫人が亡命して、今月初めに韓国入りしたことが分かりました。関係筋によりますと、この女性は、夫が在外公館長会議に出席するため平壌に一時帰国した今年1月に、子どもたちと一緒にシンガポールの韓国大使館に身辺の保護を要請し、これまでシンガポールにとどまっていたということです。上海にある北韓の貿易代表部は、金正日国防委員長が2001年に中国を訪問した後に設置され、上海に駐在している北韓の企業をサポートしています。北韓の高官やその家族が韓国に亡命したのは、2000年10月にタイの北韓大使館の参事官一家が亡命して以来、9年ぶりのことです。

・経常収支の黒字が続いているため、韓国の外貨準備高が大幅に増えました。韓国銀行がまとめた資料によりますと、3月末の外貨準備高は2063億4000万ドルでした。これは前の月より48億ドルが増えたことになり、2006年11月以来、もっとも大きな幅で増加しました。韓国銀行は外貨準備高がこのように大幅に増えた理由について、今年に入ってから経常収支の黒字が続いている上に、金融機関が海外で外貨を調達して国内に持ち込む金額も増えるなど、金融市場が安定しているとともに、円やユーロの相場が上昇して、政府が円やユーロで保有している資産の価値が上がったことも作用したと説明しています。

・2日の韓国株式市場は、アメリカの経済統計に改善がみられたことを好感した買い注文が広がり、総合株価指数は今年の最高値を更新しました。 韓国株式市場の2日の終値は、前日より43.61ポイント高い1276.97で取り引きを終え、 去年10月中旬以来およそ5か月ぶりに最高値となりました。これは、先月の貿易収支が史上最大の黒字になると予想されるなど、景気が底を打ったとみられる経済指標が出されている中、アメリカの経済指標が市場の予想を上回り、景気悪化に歯止めがかかってきたという期待感が強まって、前日のニューヨーク株式市場が大きく上昇したことによるものとみられます。

・2010年に南アフリカ共和国で開かれるサッカー・ワールドカップのアジア最終予選B組の韓国は1日、ソウルでB組1位の北韓と対戦し、1対0で破ってB組の首位に立ちました。

・韓国の有名メーカーが製造したベビーパウダーから発癌物質の石綿が検出され、リコール指示が出されました。食品医薬品安全庁は1日、市販されている14のメーカーのベビーパウダー30種類を検査したところ、8社の12の製品から石綿が検出されたと発表しました。KBSが独自に調査したところによりますと、一部の製品は石綿の含有量が1%を超えていました。石綿は世界保健機関傘下の国際癌研究所が第1級の発癌物質に指定しており、肺がんなどを誘発する可能性が高いとされています。食品医薬品安全庁は、ベビーパウダーを製造する際は原料に滑石(タルク)を使用するが、品質が劣る滑石は石綿を含んでいることがあるとしています。食品医薬品安全庁は、石綿が検出された製品のリコールを指示するとともに、今のところ滑石に関する具体的な安全基準がないため、2日にも中央薬事審議委員会を開き、食品医薬品安全庁長官の職権で滑石に関する安全基準を決めることにしています。

・ソウルモーターショーが2日のマスコミへの公開を皮切りに、ソウル近郊の高陽市にあるコンベンションセンター、キンテックスで始まりました。7回目を迎えた今年のソウルモーターショーには、韓国、日本、ドイツ、アメリカの4か国の自動車メーカー17社をはじめ、部品メーカーまで合わせると9カ国から158社が参加しました。今回のモーターショーは環境に優しいハイブリッドカーやコンセプトカーが多く展示されています。韓国のメーカーでは、現代自動車が人気モデルの「アバンテ」のハイブリッドカーとコンセプトカーの「HND−4」を世界で初めて公開しました。また、起亜自動車は、「フォルテ」と「ソウル」、「シード」のハイブリッドカーを展示し、GM大宇は次世代の電気自動車「シボレーボルト」を韓国では初めて公開しました。日本のメーカーでは、トヨタは「RX450h」など、レクサスのハイブリッドカーや、「プリウス」3世代モデルを展示し、ホンダは「インサイト」と「CR−Z」を展示しています。

4月1日水曜日

・G20金融サミットに出席するためロンドンを訪れている李明博大統領は4月1日、日本の麻生首相と首脳会談を行い、北韓のロケット発射問題や経済危機の克服に向けて協力していくことで一致しました。会談の中で、麻生首相は、北韓がロケットを発射すればロケットや関連部品が日本の領海や領土に落ちる可能性があるので、海上や地上で迎撃する体制を整えるなど、緊急体制に入っていることを説明し、これに対して李明博大統領は、「自国民の安全のための措置で、理解する」との認識を示し、協力して対応していくことを確認しました。両首脳はまた、今回のG20金融サミットでより進展した合意を導き出すことが重要だという認識で一致し、両国が経済危機の克服に向けて協力していくことで合意しました。具体的には、景気を浮揚するため具体的な対策づくりを含むマクロ経済政策で協力し、最近一部の国で台頭しつつある保護貿易主義を阻止することや、金融機関の不良債権処理などで両国が協力体制を築くことにしました。このほか、両首脳は、韓日関係を持続的に発展させていくために緊密に協力し、その一環として開かれる「韓日経済人会議」と「韓日部品素材調達供給展示会」の成功に向けて支援するなど、両国の貿易で懸案となっている部品素材分野での協力をさらに拡大していくことで合意しました。

・G20金融サミットに出席するためロンドンを訪れている李明博大統領は31日、イギリスのブラウン首相と初めての首脳会談を行い、両国関係の発展や金融危機の克服に向けた協力などについて話し合いました。両首脳は、会談で、両国が国交樹立して以来、政治や経済、通商、文化などの分野で緊密な友好協力関係を維持していることを高く評価し、今後も実質的な協力を拡大していくことで合意しました。特に、世界経済が後退している中で開かれる今回のG20金融サミットでは、具体的な合意を導き出すことが何よりも重要だという認識で一致し、両国が経済危機の克服に向けて協力を強めていくことにしました。また両首脳は、韓国とEUのFTA=自由貿易協定の締結をきっかけに両国の関係をさらに緊密にするとともに、気候変動問題や環境に配慮した経済成長などの分野でも協力をさらに強化していくことで合意しました。李明博大統領さらに、両国の青少年の交流を拡大するため、青少年が働きながら相手国を旅行するワーキング・ホリデー制度の一つであるイギリスの「ユース・モビリティー・スキーム」に韓国も参加したい考えを示し、ブラウン首相は韓国が参加できるよう努力することを約束しました。両首脳は首脳会談の後、韓国企業と世界的なエネルギー開発会社であるイギリスのアメック社との間で合弁投資会社を設立する内容の了解覚書(MOU)の締結式に出席し、両社のビジネスが円滑に進むことを期待すると述べました。

・アメリカ国務省は31日、北韓がロケットを発射すれば国連の安全保障理事会だけでなく、対北韓制裁委員会も招集されると警告しました。国務省のデュグイッド副報道官は、この日の定例会見で、「国連安全保障理事会の決議では、安保理と対北韓制裁委員会をいつでも招集し、対応を決められるようになっている」と述べ、北韓がロケットを発射すれば制裁を強化する考えを示唆しました。対北韓制裁委員会は、2006年に北韓がミサイルを発射した際に設けられた、北韓に対する具体的な制裁を履行するための組織です。一方、クリントン国務長官は31日、北韓がロケットの発射を強行すれば、相応の「結果」があると警告しました。オランダを訪れているクリントン長官は、ハーグで記者会見し、「北韓が進めているロケット発射の準備は、北韓が続けている遺憾な挑発行為のひとつだ」としたうえで、ロケットが発射されれば「国連安全保障理事会の決議違反で安保理から相応の対応があるはずだ」と述べて、北韓をけん制しました。

・北韓の政治体制を非難したとして30日に開城工業団地で北韓当局に拘束された韓国人の会社員は、韓国側関係者との接見がまだ認められない状態で取り調べを受けています。統一部の李種珠(イ・ジョンジュ)副報道官は先月31日、「拘束された会社員の調り調べは依然開城工業団地にある北韓出入国事業部で行われている模様で、関係者との接見はまだ行われていない」と述べました。李種珠副報道官はまた、「政府は開城工業団地管理委員会などを通じて現地の情況を把握し、状況を見守っている。北韓が南北合意書にもとづいて取り調べを行い、韓国人会社員の人権や健康、安全などを保証するとしているため、ひとまず接見権と弁護権の保障を求め、北韓の出方を待つ方針だ」と説明しました。北韓は31日、開城工業団地で韓国企業の会社員が北韓の政治体制を非難し、北韓の女性の従業員に脱北をそそのかした疑いがあるとして、この会社員を拘束したことを韓国側に伝えてきました。

・3月の貿易収支は、実体経済の後退によって輸入が10年ぶりで最も減少したため、黒字が46億ドルを超え、1か月としては過去最大となりました。知識経済部が1日に明らかにした「3月の輸出入動向」によりますと、3月の輸出は283億7000万ドルで前の年の同じ期間に比べ21.2%減りましたが、輸入が237億6000万ドルと36.0%も減ったため、貿易収支は46億1000万ドルの黒字となりました。この黒字幅は、これまで最大だった1998年4月の38億5000万ドルを大きく上回り、1か月では過去最大となっています。このように貿易黒字が急増したのは、輸入が1998年10月以来の10年ぶりで最大の減少となったためです。中でも原油の輸入額が国際価格の下落や需要の減少などで前の年の同じ期間より60%減ったほか、石油製品やガス、鉄鋼などの原材料の輸入額も大幅に減りました。

・景気の浮揚に向けた補正予算案をはじめ懸案となっている法案を審議する4月の臨時国会が1日から30日間の会期で始まりました。4月の臨時国会で与党ハンナラ党は、補正予算案の早期成立のほか、争点となっている経済関連法のほとんどを可決・成立させる方針ですが、民主党など野党はこれに強く反発しているため、与野党の激しい対立は避けられない見通しです。さらに、脱税などの罪で起訴された靴の製造会社の会長による政官界に対するいわゆるロビー事件をめぐって、特別検事と国政監査の導入を主張している民主党と、検察の捜査を見守るべきだとするハンナラ党が対立しており、国会は波乱含みの展開になりそうです。

・韓国の高速鉄道KTXが4月1日で、開通から5年になり、利用客は今年中に2億人を突破する見込みです。KTXは韓国鉄道公社がフランスの高速鉄道TGVの技術を導入して建設した最高時速が300キロの高速鉄道で、2004年4月1日に商業運転を始めました。これまでの走行距離は1億キロと、地球を2500周したことになり、利用客は1億9300万人で、1日平均では10万5000人に上り、今年12月には累積の利用客が2億人を突破するものとみられています。KTXは、商業運転を開始した当初は故障が相次ぎ、定時に到着しないことがしばしばありましたが、今では定時に到着する率は97%以上と世界的なレベルになり、1日の運行回数は180回以上と、5年前より20%近く増えました。さらに、ほかの交通手段を含めた利用率の調査で、去年下半期にソウルと釜山の間でKTXを利用した人の割合は63%で最も多く、KTXが中長距離の公共交通機関として定着していることが分かりました。今年下半期には韓国独自の技術で開発したKTX−IIがソウルと木浦の間の湖南(ホナム)線に投入されることになっており、KTXは速くて安全な交通手段としてさらに発展するものと期待されます。

・春の花の開花時期がここ31年間で1週間くらい早まったことが分かりました。気象庁は4月1日、1978年から去年までの31年間、全国の14か所で観測してきたレンギョウとツツジ、それにサクラの開花日を分析した結果を発表しました。これによりますと、レンギョウの全国平均の開花日は、1980年代には3月28日でしたが、2000年代には3月22日と、6日早くなり、ツツジは3月30日から3月25日と、5日、サクラは4月8日から4月1日と、7日早まったということです。このように春の花の開花日が早まった原因について、気象庁は2月と3月の平均気温が上昇しているなど、地球温暖化による気候変動の影響だと説明しています