2009年ニュース

3月21日土曜日

・韓米合同軍事演習に反発して南北間の軍の通信を中止していた北韓は、韓米合同軍事演習が20日で終了したことを受けて、21日、通信を再開して、韓国と北韓の開城工業団地との陸路通行も認めました。韓国政府当局者によりますと、21日8時前に軍の通信テスト通話が行われた後、8時過ぎに20日に韓国が送った陸路通行者のリストについて軍の通信を使って同意書が送られてきたということです。政府は21日に開城工業団地入りする350人あまりと、韓国に戻ってくる460人のリストを、前日の20日に北韓側に送っていました。北韓は、韓米合同軍事演習が始まった今月9日に軍の通信を中止し、陸路による開城工業団地への通行を3度にわたって遮断していました。北韓が陸路通行を制限したことから、開城工業団地に滞在している韓国人の身辺の安全も脅かしかねない状況になり、開城工業団地で操業する韓国企業の活動にも支障をきたしました。韓国政府は今後もこのような事態が再発する可能性があるとみて、北韓が来月4日から8日の間と予告している長距離ロケットの発射によって、南北関係がさらに悪化した場合、北韓が再び陸路による通行を遮断するのではないかと懸念しています。

・北韓の金正日国防委員長の写真が20日、公開されましたが、冬のコートを脱いだ姿は腰の周りが一段と細くなっており、やせた原因に注目が集まっています。北韓の朝鮮中央通信と朝鮮中央テレビが20日公開した金正日国防委員長の写真は、金日成総合大学のプールを訪れた際のもので、この写真で金正日国防委員長は着ている上着がだぶだぶに見えるほど、やせすぎていました。20日の写真での金正日国防委員長の顔と体は、7カ月前の去年8月、健康を害したと伝えられた直前に公開された写真と比べて、非常にやつれて見え、2カ月前に平壌を訪れた中国の高官と会った際の写真と比べてもやせて見えます。このように金正日国防委員長がやせた理由が、健康が悪化したためか、健康増進をはかってのダイエットによるものか、それとも自然な老化現象かは確認されていません。これに関連してインターネットで北韓ニュースを伝えているデイリーNKは、19日、「金正日国防委員長と会った人たちの話によると、金正日国防委員長は平らな所を歩く時は正常な歩き方をするが、階段を上るときは、そばから手助けしなければならない」と、北韓消息筋の話を伝えています。

・カナダは韓国に対してカナダ産牛肉の輸入を強く求め、輸入を再開しないと、WTO=世界貿易機関に提訴することを検討する方針を示しました。韓国を訪れているカナダのリッツ農林相は、20日、韓国のマスコミとのインタビューで「カナダ産牛肉は国際獣疫事務局(OIE)で安全だと認められた」として、韓国政府に対してカナダ産牛肉の輸入再開を求めました。そしてリッツ農林相は「カナダ産牛肉の輸入再開は6年かかっても解決できずにいる。このため次のステップに移る時期を迎えていると思う。WTOに提訴することも考慮できる」と述べました。さらにリッツ農林相は、20日に張太平(チャン・テピョン)農林水産食品部長官、外交通商部の金宗フン(キム・ジョンフン)通商交渉本部長と会い、カナダ産牛肉の輸入再開を求めたとして、「カナダ産牛肉もアメリカ産牛肉と同じように市場開放が行われるべきだ。まずは生後30カ月以下の牛肉から段階的に輸入再開が行われる方法も良いと思う」と述べました。これについて韓国の農林水産食品部は、BSE=牛海綿状脳症に対する国民の不安が大きいので、カナダ産牛肉の安全性について検証が終わった後に、輸入を再開するかどうかを決めるとしています。カナダ産牛肉は2003年5月にカナダでBSEが発生して以来、輸入が禁止されており、カナダは2007年5月に国際獣疫事務局からBSEについて安全な国だと認められてから、韓国に対して牛肉市場の開放を求めています。このため韓国とカナダは去年11月に交渉を始めましたが、同じ月にカナダ国内で再びBSEが発生したことから、現地での疫学調査が行われ、現在、その結果を検討しています。

・中東のイエメンで、今月、自爆テロで韓国人観光客4人が死亡した事件に関連して、政府は韓国に滞在している外国人のうち、テロとのかかわりがある可能性がある105人を監視していることが21日、明らかになりました。国家情報院が21日、国会情報委員会に提出した資料によりますと、この105人は、中東出身者が87人でほとんどを占め、次いでアフリカ10人、アジア・太平洋諸国7人などとなっています。国家情報院は外国の情報当局との協調を強化して、外国人の犯罪経歴などの情報を収集し、テロ発生に備えて監視体制を強めているということです。中でもイエメンでのテロ事件を起こした、アルカイダと関連があるとみられる外国人の動向に注意しながら、韓国への出入国を厳しくチェックしています。

・景気の低迷で求職活動をあきらめた人が増えている中、就職する意思がなく、ただばくぜんと休んでいる20代が先月、30万人を超え、最悪の数字となりました。統計庁が21日まとめたところによりますと、求職の意思がなく、学業にもついていないことから失業者には分類されない若者が増え、育児や家事、体の不自由な人などと合わせた、「ただ休んでいる」20代の非経済活動人口が、2月に30万9000人となり、この項目で統計を取り始めた1999年以来、もっとも多くなりました。「ただ休んだ」20代の人口を月別にみますと、去年10月には20万3000人でしたが、今年1月には28万8000人と増え続け、この4カ月間で10万人以上も増えたことになります。

・アメリカで行われている野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで前回大会に続いて準決勝に進んだ韓国代表チームの金寅植(キム・インシク)監督は、準決勝戦を前に優勝に向けた抱負を語りました。金寅植監督は韓国時間で21日午前、ロサンゼルスで行われた記者会見で、22日の準決勝で対決する南米ベネズエラのチームについて、攻守ともに安定した戦力を持っているチームと評価し、「野球は実力のあるチームが勝つスポーツであり、われわれは偉大な挑戦を始めた」と述べました。そして金寅植監督は韓国代表チームについて「前回大会ではベテラン選手の活躍が多かったが、今回は去年の北京オリンピックに出場した若手選手たちがほとんどで、熱心にプレーしており、4年後にはさらに優れたチームに仕上がるだろう。準決勝からは確実な投手2人がいれば、試合を有利に運ぶことができる」と述べ、優勝に向けた抱負を示しました。韓国では、22日に行われる韓国対ベネズエラの準決勝戦の応援ムードが高まり、ソウルのチャムシル競技場と仁川の文鶴競技場で、テレビ画面を見ての団体応援が行われることになっています。

3月20日金曜日

・韓国政府は北韓が人工衛星の打ち上げを名目に長距離ミサイルを発射する場合、大量破壊兵器やミサイルの拡散防止を図るPSI拡散防止構想への全面的な参加を検討していることが分かりました。外交通商部の関係者は20日、「北韓が長距離ミサイルを発射した場合の対応策の一つとして、拡散防止構想への全面的な参加も検討されるだろう」と述べました。この構想は大量破壊兵器や弾道ミサイルの拡散を阻止するために、各国が連携して、関連物質の移送や関連技術の移転を防ごうというもので、2003年にアメリカの提唱で始まりました。韓国は2005年から訓練に参観団を派遣するなど、部分的に参加しており、2006年にはアメリカが全面的な参加を要請してきましたが、当時の盧武鉉政権は北韓との関係に配慮して、保留していました。

・北韓のミサイル発射準備が最終段階に入っていることが分かりました。アメリカの情報衛星が撮影した映像によりますと、北韓の咸鏡北道舞水端里にあるミサイル基地では、燃料の運搬が頻繁に進められており、2006年に長距離ミサイルを発射したときから見て、ミサイル発射はこれからおよそ20日後になると推定されます。北韓は来月4日から8日の間に人工衛星を打ち上げるとしていますが、燃料の運搬が頻繁になっていることなどの兆候から見て、ミサイル発射の準備は最終段階に入っているもの見られます。

・中国と北韓の国境地帯で取材活動をしていたアメリカ人記者2人が北韓軍に拘束されたことを受けて、アメリカ政府は平壌にあるスウェーデン大使館を通じて北韓と接触を図っています。アメリカ国務省のウッド報道官代行は19日の記者会見で、「アメリカ人2人が北韓に拘束されたことは把握しており、平壌にあるスウェーデン大使館を通じて北韓と接触を図るとともに、中国政府にも協力を求めている」と述べました。ウッド報道官代行は、2人の所在や安否について、情報を収集中だとして、具体的な内容については言及を避けました。

・北韓の朝鮮中央放送は20日、国会に当たる最高人民会議の第12期の会議が来月9日から平壌で始まると報じました。今回の会議では、金正日国防委員長を再び国防委員長に推挙し、3期目の金正日体制をスタートさせるとともに、国防委員会や内閣の人事、予算と決算の審議などを行う見通しです。北韓は最近、ICAO=国際民間航空機関とIMO=国際海事機関に対して来月4日から8日までの間に人工衛星「光明星2号」を打ち上げると通報しており、人工衛星を名目に長距離ミサイルを発射して、内外に軍事力を誇示し、その直後に最高人民会議を開くことでミサイル発射の効果を高め、会議を盛り上げる狙いがあるものと見られています。

・野球のWBC=ワールドベースボールクラッシックで韓国代表は20日、第2ラウンド1組の1位決定戦で日本に敗れ、準決勝でベネズエラと対戦することになりました。この大会で4回目となった日本との試合はアメリカ・サンディエゴで行われ、韓国は1回裏、ランナー2塁で3番金賢洙(キム・ヒョンス)が2塁打を決めて1点を先制しました。これに対して日本は2回、5番内川のホームランとヒット3本で2点をあげて逆転しましたが、韓国は7回6番李机浩(イ・ボムホ)がバックスクリーンに入るホームランを放って同点に追いつきました。しかし日本が8回に3点、9回に1点を追加し結局、韓国は2対6で敗れ、この大会で日本との対戦成績は2勝2敗の五分となりました。

・格安航空会社の済州航空は20日、仁川国際空港と日本の関西空港、そして、北九州空港を結ぶ路線の定期運航を開始しました。1番機となった済州航空の1501便はこの日午前9時30分に乗客137人を乗せて仁川国際空港を飛び立ち、午前10時55分に北九州空港に到着しました。済州航空によりますと、仁川と関空の路線は毎日1往復、仁川と北九州の路線は週3往復運航し、運賃は仁川−関空路線がおよそ26万ウォン、仁川−北九州路線がおよそ24万ウォンで、既存の航空会社の70%程度に押さえているということです。

・韓国人歌手レインと所属会社がアメリカのハワイで開かれることになっていたコンサートを一方的に取り消したとして、プロモーターのクリックエンターテイメントが損害賠償を求めた訴訟で、ハワイ地方裁判所は19日、レインと所属会社に総額808万6000ドルを支払うよう命じる判決を言い渡しました。レインと所属会社は2007年のワールドツアーの際、ハワイで予定されていたコンサートで、プロモーターが舞台装置など契約した公演のための準備を整えていなかったとして公演を取り消し、これに対してプロモーターはそのために莫大な損失を被ったとして、訴訟を起していました。今回の判決について、レインの当時の所属会社だったJYPと弁護人団は、「レインは契約上のすべての義務を果たしたにもかかわらず、契約上の義務を疎かにしたプロモーター側の方に手を上げた判決に大変失望した」として、控訴を検討する考えを明らかにしました。

・政府は20日に開いた外国人労働力政策委員会で、来年2月まで新しく受け入れる外国人労働者を去年の3分の1程度の3万4000人にすることを決めました。政府が受け入れる外国人労働者を大幅に減らしたのは、景気後退で雇用が減っている中で、国内の失業者やすでに韓国に来ている外国人労働者を保護することが目的です。製造業、建設業、サービス業、農業、漁業などに従事していますが、製造業や建設業では賃金が比較的安い外国人労働者を優先して雇用する傾向があり、韓国人の仕事が減っています。政府はそのため外国労働者を新たに受け入れないことも検討したということとですが、韓国人が避けたがる業種もあることから、外国人労働者の受け入れを最小限にしたということです。

・焼酎を中心とした酒類の製造、販売を手がけている眞露は19日、人気の焼酎「J」のアルコール度数を19.5度から18.5度に低くし、名前を「眞露J」に変えて販売することにしたと発表しました。眞露はアルコール度数が20.1度の「チャミスル・オリジナル」と19.5度の「チャミスル・フレッシュ」はそのまま度数を維持し、度数を低くした「眞露J」を新たに販売することで、消費者の多様なニーズに応えていきたいとしています。眞露の関係者によりますと、最近斗山酒類を買収して焼酎市場に加わったロッテが、上半期中にアルコール度数が低い焼酎を新たに発売する予定であるため、先がけてアルコール度数が低い焼酎を発売し、市場で優位に立つことが目的だということです。

3月19日木曜日

・15日にイエメン東部の観光地シバームで韓国人4人が死亡した自爆テロの後、現地を訪れていた韓国政府の関係者と遺族らが乗った車が18日、再び自爆テロと見られる攻撃を受けたことについて、イエメン政府はこの自爆テロは韓国人を標的にしたものだと発表しました。AP通信がイエメン政府の関係者の言葉を引用して報じたところによりますと、今回の自爆テロは韓国人を標的にして綿密に計画されたものだということです。韓国外交通商部の報道官は18日、イエメンで再び韓国人が自爆テロに巻き込まれたことについて遺憾の意を表明するとともに、車の列をパトカーが先導していたので、イエメン政府の高官が車に乗っていると間違って攻撃した可能性もあり、韓国人を標的にしたと断定できる証拠はないと述べました。一方、アメリカ国務省のウッド報道官は18日、記者会見し、イエメンの自爆テロで韓国人が犠牲になったことについて深刻な遺憾の意を表明し、イエメン駐在のアメリカ大使館はホームページを通じて、イエメンへの旅行を自粛するよう促しました。

・韓国のウォンのドルに対する相場が5週間ぶりの高値をつけました。19日のソウル外国為替市場では、ドルに対するウォン相場は前の日に比べて40ウォン以上ウォン高の1380ウォン台で取り引きが始まりました。午後になってからは1390ウォン台で取り引きが続き、午後3時現在、前の日に比べて25ウォン50銭ウォン高の1ドル=1396ウォンとなりました。1ドルが1300ウォン台になったのは、先月11日以来、およそ5週間ぶりです。この日、ウォン高が進んだのは、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会が国債買い入れなどの対策を発表して金融市場のリスクが緩和されたことが作用したものと見られます。一方、この日の株式市場は、FRBの国債買い入れなどのニュースで流動性拡大に対する期待が高まり、前の日より10.44ポイント高い1180.39で取り引きが始まりましたが、その後、利食い売りが増えて上げ幅を縮小し、結局は前の日より8.14ポイント低い1161.81で取り引きを終えました。

・政府は李明博大統領が主催して19日に開いた非常経済対策会議で、補正予算案4兆9000億ウォンを編成して、55万人の雇用を創出することにしました。その内容を見ますと、社員を削減する代わりに職業訓練などを行って雇用を維持する企業に支給する雇用維持支援金を今の583億ウォンから3653億ウォンに増やすことにしました。また、企業が経営難に陥って休業し、賃金が支払われなくなった労働者6万人あまりに、平均賃金の40%を3か月間支給するために992億ウォンを当て、中小企業が職場などで実習するインターン社員を雇用する場合に最大で賃金の70%まで支援する財源として3052億ウォンを配分します。李明博大統領は会議で、「補正予算案のもっとも大きな目的は雇用の創出だ」と強調し、「それぞれの世帯で生計を担っている人に優先して雇用の機会が与えられるよう配慮して欲しい」と指示しました。

・政府の放送通信委員会は18日、有線通信事業最大手のKTと移動通信事業2位のKTFの合併を承認しました。KTは合併によって、有線通信と移動通信、インターネット電話やIPテレビなど、すべての通信事業を取り扱う総合的な企業に変化するだろうとしています。両社が合併すれば、従業員3万8000人、年間売上高およそ20兆ウォンの巨大企業が誕生することになるため、市場で独占的な地位を占め、業界の健全な競争を妨げるという指摘もありましたが、放送通信委員会は、「合併によって競争が制限されるなどの反作用も予想されるが、有線通信と移動通信の統合によるプラスの効果の方が大きいと判断した」と合併を承認した理由を説明しました。放送通信委員会は、健全な競争を維持する対策として、KTが電柱や通信用の配管などを競争会社が使用できるようにすることや、利用者が他の通信会社を利用するためにKTとの契約を解約する際の手続きを簡素にすることなどの条件を付けました。

・アメリカ人記者2人が北韓に抑留されていることが分かりました。韓国政府の関係者が明らかにしたところによりますと、中国と北韓の国境地帯で取材中だったアメリカ人の女性記者2人が17日、北韓軍に拘束され、抑留されているということです。2人はロサンゼルスにあるあるインターネットテレビの記者で、当初拘束されたのは男性記者1人を含めて3人でしたが、男性記者は脱出したということです。2人の記者が現在どこに抑留されているのか具体的な場所などは明らかになっていません。韓国政府の関係者は、この問題はアメリカと北韓の2国間の問題なので、韓国政府としては具体的な言及を避けてきたが、2人の記者が抑留されている事実は確認していたと述べました。一方、アメリカと北韓当局はこの問題について、今のところ公式には言及していません。

・北韓は最近、アメリカの食糧支援を拒否しましたが、韓国統一部によりますと、北韓では今年、不足する食料が117万トンに上る見通しです。統一部が18日明らかにしたところによりますと、北韓が今年必要な食糧は548万トンですが、前の年の生産量は431万トンで、117万トンが不足することが予想されるということです。しかし、去年6月からアメリカの食糧支援が始まり、北韓がアメリカの支援を拒否するまでに16万9000トンの食糧が北韓に引き渡されているので、その分を差し引くと実際の不足分は83万トン程度だということです。

・野球のWBC=ワールドベースボールクラシックで韓国代表が準決勝進出を決めたことを受けて、韓国野球委員会は政府に代表選手の兵役免除を要請することにしました。韓国野球委員会の河日成(ハ・イルソン)委員長は19日、アメリカのサンディエゴで記者会見し、「韓国代表が強豪を相手に善戦して準決勝進出を決めたので、政府に対して代表選手の兵役免除を要請することにした」と述べました。政府は2006年の第1回大会直後に兵役法施行令を改正し、韓国代表が準決勝に進出した場合、選手の兵役を免除していましたが、2007年に兵役法施行令が再び改正され、兵役免除の恩恵はなくなりました。代表選手のうち兵役を終えていない選手は、アメリカのメジャーリーグで活躍しているチュ・シンス選手など4人です。代表選手の兵役免除については、世界的な強豪を相手に準決勝進出を決めたので兵役を免除すべきだという意見がある一方で、スポーツでよい成績を上げたという理由だけで兵役を免除するのは不当だという意見も出ており、政府の対応が注目されています。

・気温が異常に高い日が続き、19日は朝の最低気温が各地で3月としては、気象観測を始めて以来、もっとも高くなりました。気象庁によりますと、19日の朝の最低気温は、東部の江原道束草市が19.9度、慶尚北道蔚珍郡が18.1度、西部の忠清南道保寧市が17.6度、ソウルは16.3度で、いずれも3月としては気象庁が49年前に気象観測を始めて以来、もっとも高くなりました。気象庁は、気温が高くなっている理由について、韓半島の南から温かい高気圧が北上している上に、東シナ海からも温かく湿った空気が韓半島に押し寄せているためだと説明しました。気象庁は、19日の夜から気温が徐々に下がり、週末に雨が降った後、平年の気温に戻るだろうと予報しいています。

3月18日水曜日

・韓国政府の当局者によりますと、中東のイエメン共和国で起きた自爆テロとみられる爆発で、韓国人観光客4人が死亡した事件に関連し、現地に派遣された政府の関係者と遺族が乗った車両が18日、爆弾テロとみられる攻撃を受けましたが、全員無事だということです。

・外交通商部は、 中東のイエメン共和国の観光地で起きた爆弾テロとみられる爆発で、韓国人観光客4人が死亡した事件を受けて、在外公館に対し、韓国関連施設などの警戒を強めるよう指示しました。外交通商部は18日、申ガク秀(シン・ガクス)第2次官が主宰する「国外テロ事件対策会議」を開き、こうした内容を盛り込んだ再発防止策をまとめました。それによりますと、テロ関連情報を収集して事前に警告するシステムを強化するほか、テロの危険性を国民に知らせる活動を強めていくとしています。また、友好国と情報を交換するなどの協力を進め、テロの防止に向けた国際的な努力の中で役割を果たしていく方針です。これに先立って17日、政府は、「イエメンで起きた爆発事件は爆弾テロであることが明らかになり、怒りと驚愕を禁じえない。韓国政府はこれを厳重に糾弾する」と表明しました。一方、爆発事件を捜査しているイエメン内務省の次官は、この爆発事件は、テロの根絶を推し進めているイエメン政府に対抗する国際テロ組織アルカイダによる無差別テロで、韓国人を狙ったものではないという見方を示しました。

・北韓は、韓国から北韓にある開城工業団地に通じる道路の通行を再開して2日目の18日も、引き続き通行を全面的に許可しました。統一部の当局者によりますと、北韓は18日午前8時半ごろ、この日予定されていた京義線の道路の通行計画に対する同意を韓国側に通知してきたということです。これによって、この日開城工業団地に行くことになっていた関係者739人が午前9時から11時にかけて北韓入りし、韓国に戻ることにしていた485人が夕方帰国しました。

・統一部の玄仁沢(ヒョン・インテク)長官は18日、「今のところ開城工業団地を閉鎖することは検討していない」と述べました。、「ただし、北韓が韓米合同軍事演習が終わった後も道路の通行禁止を繰り返すようなら、政府はこれを極めて重大な事態と受け止め、適切な措置を講じる」と警告しました。また、北韓が開城工業団地への出入りを度々禁止したことについて、「非常に近視眼的な考え方から出たもので、北韓が開城工業団地を閉鎖するとしたら莫大な損失を被るおろかなことだ」と強調しました。

・北韓の弾道ミサイル発射問題をめぐって緊張が高まっている中で、北韓がアメリカに対して、今後の食糧支援を拒否する意思を伝えていたことが17日に明らかにされました。 アメリカ国務省のウッド副報道官はこの日の定例会見で、「北韓が今後アメリカから食糧支援を受けることを望んでいないと通告してきた」と明らかにし、「アメリカは北韓が人道的な支援を拒否したことに大きく失望している」と述べました。ウッド副報道官はまた、「食糧支援計画は食糧を必要とする北韓の住民を助けるためのもので、支援の拒否は、2008年にアメリカと北韓が締結した協定の履行にも役立つものではない」と指摘しました。両国は去年5月、アメリカが1年以内に食糧50万トンを北韓に援助することで合意しており、これまでにおよそ17万トンがすでに供給されて、5月末までに残る33万トンを提供することになっていました。北韓が食糧支援を拒否した背景について、外交筋は、ミサイル発射を準備している北韓が、アメリカによる制裁をかわす目論見があるのではないかと見ています。

・2月の就業者数が前の年の同じ期間に比べ14万人以上も減少し、5年5か月ぶりの減少幅を記録しました。 統計庁が18日に発表した2月の雇用動向によりますと、2月の就業者数は2274万2000人で、前の年の同じ期間に比べ14万2000人減少しました。就業者数がこのように大幅に減ったのは、18万9000人の減少を記録した2003年9月以来、5年5か月ぶりです。 政府はこうした状況を踏まえ、今年の新規就業者数の増減目標をこれまでのプラス10万人からマイナス20万人に下方修正しましたが、民間の経済研究所は、就業者数の減少はこれをさらに上回るものと見ています。

・政府が外貨の流動性をさらに確保するため進めていた韓国とEU=ヨーロッパ連合の通貨スワップ協定をめぐる交渉が事実上中断しました。企画財政部が18日に明らかにしたところによりますと、政府はアメリカ、日本、中国に続いて、EUとの間で緊急時に外貨を融通し合う通貨スワップ協定の締結交渉を進めていましたが、東ヨーロッパの金融危機が深刻化するなど、ヨーロッパの状況が悪化したため、交渉は進展していないということです。企画財政部の関係者は、「EUとしては東ヨーロッパの金融危機を押さえ込むのが何よりも重要なため、外貨準備高を十分保有している韓国と通貨スワップ協定を締結する必要性を感じない状況だ」と説明しました。この関係者はさらに、「われわれもEUとの通貨スワップ協定は現実的に難しいと判断しており、アメリカや日本と結んでいる通貨スワップ協定を延長するか拡大する方向で検討している」と述べました。韓国の外貨準備高は2月末現在で世界6位の2015億ドルで、アメリカ、中国、日本の中央銀行とそれぞれ300億ドル規模の通貨スワップ協定を締結しています。

・野球のWBC=ワールドベースボールクラッシックの韓国代表は、18日、アメリカ・サンディエゴで日本と対戦し、4対1で快勝して準決勝に進みました。この大会で3回目となった日本との試合で、韓国は1回裏、日本の先発ダルビッシュを攻めてヒット3本とフォアボールを集め、相手の送球ミスもあって一挙3点を先制しました。これに対して日本は5回、連続ヒットなどで1点を返しましたが、韓国は8回、ツーアウト満塁から押し出しのフォアボールで1点を加え、先発の奉重根(ボン・ジュングン)など投手陣の好投もあって結局、韓国が4対1で日本に快勝し、前回の大会に続いて準決勝進出を決めました。

・中国共産党で序列5位の李長春共産党中央政治局常務委員が来月4日から4日間の日程で韓国を訪問します。中国共産党中央対外連絡部の李軍報道官は17日、李長春常務委員がオーストラリアとミャンマー、日本、韓国政府の招請で、今月下旬からこれら4か国を歴訪することを明らかにしました。北京の外交筋によりますと、李長春常務委員は来月4日に日本から済州島に入り、蔚山(ウルサン)にある現代造船所などを視察して、6日に李明博(イ・ミョンバク)大統領や韓昇洙(ハン・スンス)国務総理などと会談した後、7日に帰国するということです。李長春常務委員の今回の韓国訪問は、北韓が打ち上げるとしている「人工衛星光明星(クァンミョンソン)2号」の発射期間と重なります。

・三星電子が発光ダイオード(LED)を光源とするLEDテレビの量産に入りました。三星電子は17日、40インチと46インチ、それに55インチ型のLEDテレビをまず国内市場で発売し、今後海外市場でも発売すると明らかにしました。LEDテレビは、「光を放つ半導体」と呼ばれるLEDを液晶テレビの光源として使い、従来の液晶テレビより電力消費が少なく、画質が鮮明で、厚さを大幅に薄くしたテレビです。テレビの厚さはおよそ29ミリと超薄型で、重さもこれまでのLCDテレビより大幅に軽くなり、額縁のように簡単に壁にかけることができます。三星電子の尹富根(ユン・ブグン)映像ディスプレー事業部長は、「高画質、超スリム、環境への配慮をすべて備えたLEDテレビは、冷え込んでいるテレビ市場に新風を吹き込むだろう」と話しています。

3月17日火曜日

・韓国から北韓にある開城工業団地に通じる道路の通行を再び中断していた北韓は17日、5日ぶりに通行を再開しました。韓国統一部の李種珠(イ・ジョンジュ)副報道官はこの日、「午前10時ごろ、北韓の西海地区の軍事実務責任者の名前で17日付けの出入計画に関する通知文が届き、この中で北韓が京義線地域での通行を全面的に認めた」と明らかにしました。これによって、この日、開城工業団地に行くことになっていた関係者のうち、書類が不備だった1人を除く546人が午前11時に北韓に入りました。一方、韓国に戻ることにしていた307人は全員が午後3時から5時の間に帰国します。北韓はまた、北韓の景勝地、金剛山地区に通じる道路、東海線の通行についても午前10時ごろに認めたということです。しかし、北韓が送ってきた通知文は17日の出入計画に関するもので、18日以降も通行が全面的に認められるかどうかは分からないと統一部は説明しています。北韓が道路の通行を再開したことで、韓国側にある南北出入事務所で不安な表情で待っていた開城工業団地の関係者や労働者500人余りは、一転して明るい表情になり、北韓に入る手続きを取っていました。また、南北出入事務所の駐車場で待機していたLPガスのタンクローリーや、食材や原材料などを積んだトラックも列をつくって開城工業団地に向かいました。

・中東のイエメン共和国の観光地で起きた爆弾テロとみられる爆発で、韓国人観光客4人が死亡したことを受けて、外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は16日、イエメンのキルビ外相と電話で会談し、徹底した捜査を求めました。会談の中で柳明桓長官はこのように求めて、イエメン政府が事件の原因を迅速に究明するよう要請しました。これに対してキルビ外相は、テロとの関連性を含めて徹底して捜査すると約束しました。一方、ドイツのDPA通信は16日、イエメン消息筋の話として、この爆発事件は、国際テロ組織アルカイダによる自爆テロだったと伝えました。また、イエメンの治安当局者は「事件はアルカイダの一員による犯行だ」と明らかにしたと報じました。こうした報道について、韓国政府は、まだ公式に確認されていないという立場を示しました。外交通商部の当局者は、現在イエメンの現地で捜査が進められているところで、一部報道されたような内容の公式な連絡は受けていないと述べました。一方、無事だった韓国人観光客の一行は16日に経由先のドバイに着き、17日の夕方仁川国際空港に到着する予定です。

・韓国の1月の物価上昇率がG7=先進7か国の平均の7倍以上になっていることが分かりました。OECD=経済協力開発機構と企画財政部、統計庁が17日に明らかにしたところによりますと、OECDに加盟している30か国の1月の消費者物価上昇率は1.3%で、韓国の上昇率3.7%の3分の1でした。OECD加盟国の物価上昇率は、国際原油価格など原材料価格が高止まりしていた去年7月に4.9%とピークに達したあと下がり続け、12月には1.5%にまで下落しました。一方、韓国の物価上昇率は、去年7月に5.9%と最大幅を記録したあと下落に転じたものの、そのスピードは遅く、去年12月は4.1%、今年1月は3.7%と鈍化した程度にとどまりました。特に、この1月の物価上昇率3.7%はOECD加盟国の中で4番目に高く、アメリカやイギリス、フランス、日本などのG7=先進7か国の平均0.5%に比べると7倍以上と高くなっています。2月は物価上昇率が4.1%と再び上昇に転じているうえ、3月もウォン安ドル高の影響で物価上昇率がさらに高くなると予想されています。企画財政部の関係者は、「第1四半期には国際石油製品の値上がりやウォン安によって物価高が続いたが、第2四半期には次第に落ち着くだろう。国際原材料価格の下落が国内の製品価格に反映するように対策を進める方針だ」と述べました。

・政府は17日、国のイメージを示す韓国の国家ブランドの順位を5年で世界の15位に引き上げることを目標に、政策を進めていく方針を打ち出しました。国家ブランド評価機関の「アンホルトGMI」によりますと、韓国の国家ブランドの順位は現在世界の33位にとどまっています。このため、政府の国家ブランド委員会はこの日、李明博(イ・ミョンバク)大統領も出席して第1回の報告会を開き、韓国が先進国に飛躍するためには、国家ブランドの向上が必要だと判断して、5年後の2013年を目指して、OECD=経済協力開発機構に加盟している国の平均である15位まで引き上げることにしました。そして、目標を達成するため、政府はまず、外国の学生向けの奨学制度、「グローバルコリア・スカラシップ」を導入して韓国に友好的な人材を増やしてネットワークをつくる一方、アジアの大学生が交流するプログラムを開発することにしています。また、韓国人による国際社会への貢献度を高めるため、年間3000人に上っている政府派遣の海外ボランティア事業を「コリアンサポーターズ」として一本化するほか、700万人の海外在住韓国人を結ぶ「韓民族ネットワーク」を組織する計画です。さらに、外国人の韓国語に対する関心が高まっていることから、韓国語教育機関を「世宗学堂」というブランドに統一し、韓国語のインターネット教育システムも開発します。

・北韓の金英逸(キム・ヨンイル)首相は、中朝国交樹立60周年を迎えて開かれる「中朝友好年」の行事の開幕式に出席するため、17日北京入りします。外交筋によりますと、金英逸首相は18日に行われる「中朝友好年」の行事の開幕式に出席するほか、開幕式に先立って人民大会堂で温家宝首相と会談し、北韓が人工衛星を打ち上げるとしている問題や6か国協議の再開、北韓に対する経済支援などについて話し合うとともに、両国の貿易拡大や投資の促進、観光の活性化などに関する合意文に署名する予定だということです。また、金英逸首相は19日に胡錦濤国家主席を表敬訪問し、20日には呉邦国全国人民代表大会常務委員長と面会する予定で、さらに北京近郊の工業団地や農業施設を視察するということです。一方、温家宝首相も10月以降平壤で開かれる「中朝友好年」の行事の閉幕式に出席するため、北韓を訪れる予定です。

・拉致被害者の家族の会や自由北韓運動連合など6つの民間団体は17日、南北軍事境界線に接した京畿道坡州(パジュ)市の臨津閣で、今年に入って3度目の北韓に向けたビラ撒きを行いました。これら6つの団体の会員20人あまりは、この日正午からおよそ1時間かけて、「愛する北の同胞に」というタイトルのビラを北韓の5000ウォン札432枚といっしょに大型の風船に乗せて北韓に向けて飛ばしました。自由北韓運動連合のパク・サンハク代表は、「ビラ撒きは北韓の住民に真実を伝えるためのもので、政治目的ではなく人道的な目的で行うものだ。北韓の人権状況が改善しない限りビラまきを続ける」と述べました。

・これまで一つも残っていないとされていた、朝鮮王朝の王が実務に使っていた印鑑、国璽が初めて見つかりました。国立故宮博物館が17日に明らかにしたところによりますと、国立故宮博物館は去年12月、朝鮮王朝第26代の王、高宗皇帝が親書に使っていた国璽を購入したということです。この国璽は、高さ4.8センチ、重さ794グラムで、取っ手は亀の形をし、絹の糸で編んだ紐がついています。また、正方形の印章面には「皇帝御璽」という文字が浮き彫り(陽刻)で彫られています。国璽を納めている内箱は黄銅でできた3段の構造で、下の段に朱肉を、上の段に国璽を入れるようになっています。およそ500年続いた朝鮮王朝には合わせて27人の王がいて、王はそれぞれ国璽という実務用の印鑑を持って、公文書や親書などに使っていましたが、不思議なことに本物の国璽はこれまで一つも見つかりませんでした。博物館は国璽をどこから購入したかについて、海外にある韓国の文化財を買い戻す作業の一環だと述べるに止まり、詳しい事情は公表していませんが、去年12月にアメリカ在住の韓国人から購入したものと見られています。

3月16日月曜日

・韓国と北韓を東西に結ぶ道路の通行が北韓によって中断されている中で、北韓は16日、北韓にある開城工業団地から韓国に帰る企業関係者の通行に限って認めると通報してきました。統一部が16日、発表したところによりますと、北韓はこの日午前、西海地区の軍事実務責任者の名義で、開城工業団地の韓国人関係者と車両が陸路で帰るための通行を認める内容の同意書を送ってきたということです。これを受けて、16日午後には、開城工業団地に入ったまま、先週の13日から帰れなくなっていた韓国人の企業関係者ら291人が韓国に戻ってくることになりました。北韓はしかし16日に開城工業団地入りを予定していた韓国の企業関係者ら272人と原材料などを積んだ車両については通行を認めず、開城工業団地にある工場などの操業に支障をきたすことが憂慮されています。北韓は韓米合同軍事演習に反発して、演習初日の今月9日に開城工業団地への通行を中断させた後、翌日にはいったん通行できるようにしましたが、先週13日から再び、通行を中断させています。

・北韓が陸路による南北の通行を中断させる措置を取っているため、北韓にある開城工業団地に入居している韓国企業のうち、操業停止に追い込まれたところが出ており、この状態がさらに1週間続くと、ほとんどの企業が生産ラインをストップせざるを得ない危機を迎えていることが分かりました。これは、開城工業団地に入居している韓国企業が現地で開いた会議で明らかになったもので、入居している72社を対象に調べたところ、南北の通行が中断されて、ガスや原材料の搬入ができなくなったため、今月15日までに10社が工場などの操業をストップさせました。また工場の操業にもっとも必要なガスと食材の在庫を6日分以上確保している企業は全くありませんでした。このため、南北の通行が中断された状態がさらに1週間続くと、90%を超える68社が操業を停止せざるを得なくなるとして、入居している企業はこの日、「南北和解のシンボルである開城工業団地は、内外のバイヤーの信頼を失い、瀕死の状態となっている」という声明を出し、南北両政府に原状回復と再発防止を求めました。しかし北韓が韓国と開城工業団地を結ぶ道路の通行を中断させたのは、開城工業団地に入居している韓国企業が操業停止になる状況を作り、韓国政府を圧迫しようとするねらいがあるものとみられ、韓国政府は苦しい選択を強いられることになりそうです。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議で韓国側の首席代表を新たにつとめる外交通商部の魏聖洛(ウィ・ソンラク)韓半島平和交渉本部長は16日、日本の中曽根外相と会談し、北韓が人工衛星と主張して長距離弾道ミサイルを発射しようとしている動きを阻止するため、韓日両国が連携を深めていくことで意見をともにしました。北韓は先週、国際機関に対し、来月4日から8日の間に、人工衛星を打ち上げると通報しています。会談ではまた北韓が打ち上げるのが人工衛星であってもミサイルであっても、打ち上げれば、国連安全保障理事会の決議に違反するという認識で一致し、北韓が強行した場合は安保理の場で議論することで合意しました。魏聖洛韓半島平和交渉本部長はこれに先立って日本の外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長と会談し、中断したままとなっている6カ国協議の再開に向けた打開策についても協議しました。

・中東のイエメン共和国の観光地で、15日、爆弾テロとみられる爆発があり、韓国人観光客4人が死亡しました。イエメン駐在の韓国大使館によりますと、現地時間で15日午後5時50分頃、イエメン南東部にある、ユネスコの世界文化遺産に登録されているシバームという古代遺跡で、何者かが爆発物を爆発させたとみられる事件が起き、居合わせた韓国人観光客4人とイエメン人1人の合わせて5人が死亡したほか、韓国人4人が軽いけがをしました。韓国人観光客は18人のグループで、今月10日にイエメン入りしていました。今回の旅行を企画してグループに付き添っていた旅行代理店の関係者は「観光客のほとんどが車から降りて、日没する中で遺跡を見下ろしていたところ、突然、後ろの方で爆発が起きた。誰かが爆弾を近くで爆発させたようだった」と、当時の状況を説明しました。事件の原因についてはイエメン当局が調べていますが、AP通信が車に爆弾を積んだ自爆テロの疑いがあると伝えたのに対して、AFP通信は現地関係者の話を引用して、爆弾テロの可能性を示唆したものの、埋設されていたダイナマイトが爆発した事故の可能性もあるとしています。またアラビア語による衛星テレビ・アルジャジーラは、今年1月にテロ組織アルカイダのイエメン支部とサウジアラビア支部が統合された事実を伝え、事件がアルカイダと関係がある可能性を伝えました。この事件を受けて、韓国政府は16日、在外同胞領事局に状況室を設けて対策の協議に入るとともに、イエメン駐在の韓国大使を事故現場に派遣して、情報の収集を急いでいます。またイエメンのサダなど一部に出していた旅行を制限する地域の指定をイエメン全域に拡げました。一方、政府は事件にあった韓国人観光客をイエメン政府が手配する飛行機でイエメンの首都サヌアに移動させることにしています。

・FTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を進めている韓国とEU=ヨーロッパ連合は、工業製品に対する関税を5年以内に完全撤廃することで事実上、合意した模様です。外交通商部の関係者は韓国とEUのFTA交渉が来週23日からソウルで再開されるのを前に、双方の意見がかなりの分野で接近してきたと説明しました。外交通商部の関係者はまた、交渉で焦点の1つとなっている、北韓にある開城工業団地で韓国企業が生産した製品を韓国産として認めるかどうかについては、韓米FTAの前例にならって協定が発効した後に、別の委員会を設けて協議することで合意したと伝えました。しかし最大の争点である関税の払い戻しについては最終的な合意にはいたっておらず、来週の交渉でさらに詰めて、暫定的に妥結できれば、来月2日にロンドンで開かれるG20・首脳会議の際に通商長官会談を行って、最終的な妥結を宣言し、詳しい内容を公開することにしています。これについて政府関係者は「G20首脳会議が開かれるロンドンで韓国とEUのFTA交渉が妥結したことを発表して、保護貿易主義の動きを見せている国々に、保護貿易主義では今の経済危機を打開できないことをアピールする予定だ」と述べました。

・アメリカのサンディエゴで行われている野球のWBC=ワールドベースボールクラッシクの第2ラウンド初戦で、韓国はメキシコに8対2で快勝しました。この試合、2回に2点を先制された韓国は、その裏、李机浩(イ・ギホ)がレフトスタンドにソロ・ホームランを放って1点を返し、さらにヒットと盗塁、相手のエラーで同点に追いつきました。このあと4回に金泰均(キム・テギュン)がホームランを打って、韓国は3対2と勝ち越し、5回にも高永民(コ・ヨンミン)がホームランを決めて4対2とリードしました。さらに韓国は7回、5本のヒットや盗塁など多彩な攻撃で一挙に4点をあげ、結局、韓国が8対2でメキシコに快勝しました。韓国は、キューバを破った日本と18日に3たび対戦し、勝てば準決勝への進出が決まります。

・韓国の独立映画「金ばえ」がフランスで15日まで開かれていたドビル・アジア映画祭でグランプリと国際評論家賞を同時に受賞しました。今回、グランプリに輝いた「金ばえ」は、ヤン・イクジュン監督が自ら主演して演出した独立映画で、子供の頃に父親の暴力を受けて成長した男性が偶然出会った女子高校生によって暖かい家族愛を感じていくという内容で、今年1月にオランダのロッテルダムで開かれた国際映画祭でもグランプリを受賞していました。

・中国大陸から運ばれた大規模な黄砂で、韓国は16日、西海岸を中心に全国的に黄砂に覆われました。気象庁によりますと、このうち黄砂注意報が出された西海岸の島々では1時間あたりの微細ちりの濃度が1立方メートルで平均400マイクログラムを超えました。今年に入って3度目となる黄砂は、14日午後、モンゴルのゴビ砂漠と中国北部のバダインジャラン砂漠で発生して、15日夜に韓国まで移動しており、17日から次第に弱まってくるとみられています。最近の黄砂にはカドミウム、鉛、アルミニウムなどに加えてダイオキシンも含まれているということで、気象庁では外出を控えるとともに、手や足を洗うなどして清潔にするよう呼びかけています。

3月14日土曜日

・韓国と北韓を結ぶ道路、京義線と東海線の通行が13日、北韓によって再び中断されました。これによって、北韓にある開城工業団地に韓国の関係者が行くことができなくなり、工業団地に滞在している関係者730人あまりのうち、427人が韓国に戻ることができずにいます。北韓は14日、北韓に滞在していた、中国人3人とオーストラリア人1人の外国人4人と、韓国人で、本人と子どもの結婚式をを控えている開城工業団地の関係者2人の合わせて6人については、韓国への通行を認め、これらの人たちは14日、韓国に入りました。北韓は韓国で行われている韓米合同軍事演習に反発して、9日に南北を結ぶ道路、京義線と東海線の通行を禁止する措置をとりましたが、翌10日には解除していました。

・北韓が開城工業団地に通じる道路の通行を再び中断したことをうけて、韓国政府は強い遺憾の意を表明するとともに直ちに元に戻すよう求めました。統一部のキム・ホニョン報道官は13日、声明を発表し、「北韓のこのような措置は、南北間の合意に背くもので、南北間の信頼を損なううえ、開城工業団地の発展にも支障をきたす行為だ」と遺憾の意を表明するとともに、直ちに通行を中断した措置を解除するよう求めました。9日に始まった韓米合同軍事演習に反発している北韓が再び開城工業団地への通行を中断したのは、12日に国会でヒョン・インテク統一部長官が、北韓が来月人工衛星を打ち上げると発表したことについて、「ミサイル発射と見なす」と発言したことなど、韓国政府に対するけん制とみられています。

・G20・主要20か国の財務相・中央銀行総裁会議が韓国時間で14日、ロンドンで始まりました。G20は、来月開催される金融サミットの準備会合として、韓国、アメリカ、日本、中国などが参加して、韓国時間の14日朝から2日間の日程で始まり、韓国からは尹増鉉(ユン・ズンヒョン)企画財政部長官と、韓国銀行の李成太(イ・ソンテ)総裁が出席しています。今回の会議は、深刻な世界経済の悪化を食い止めるため、財政出動を伴う景気対策や、金融システムの改革、保護主義的な動きへの対応などについて、参加各国がどこまで協調体制を示せるかが焦点となっています。一方、会議に先立って、尹増鉉(ユン・ズンヒョン)企画財政部長官は13日、ロンドンで、イギリスの投資家を対象に投資説明会を開き、韓国企業の活躍ぶりや韓国経済の潜在力を強くアピールして韓国への投資を呼びかけました。

・大韓サッカー協会は14日、2018年か2022年に開かれるサッカー・ワールドカップ(W杯)を招致すると明記した「招致登録書」をFIFA=国際サッカー連盟に提出し、初の単独開催に向けて本格的な活動を始めました。「招致登録書」は、ワールドカップの開催を事実上招致するもので、来週16日までにFIFAに提出することになっています。韓国に先立って、すでにロシアが「招致登録書」を提出しており、期限までに日本、オーストラリア、アメリカ、メキシコなどが提出するものとみられます。「誘致登録書」の提出に続いて、今年12月11日までに「誘致契約書」を提出することになっており、この時点で正式に立候補することになります。2018年と2022年の大会の開催地は、来年2010年12月に決まります。

・運転免許証の所有者が人口の半数を超える2500万人を突破しました。統計庁によりますと、運転免許証の所有者は、去年の12月末現在で、2,526万8000人となり、前の年より58万人増えたということです。これは韓国の人口のおよそ52%にあたり、満20歳以上の成人のおよそ68.5%を占めています。ここ数年は女性ドライバーの増加が続き、10年前の1999年に女性ドライバーは全体の30.4%でしたが、去年は38.4%と、10年間で8%も伸びています。

・姉妹都市の提携を結んでいる韓国の釜山市と日本の福岡市の子どもたちが力を合わせて作った庭園が、福岡市の海の中道海浜公園にお目見えました。釜山市が14日明らかにしたところによりますと、これは、釜山市と福岡市が姉妹都市になってから今年で20周年になるのを記念して、両市の子どもたちが交流し、互いの文化を理解して友好を深めようと行われたものです。庭園は、釜山のヨンポ小学校の児童20人が描いたスケッチをもとに、日本の専門家たちがデザインを完成して、福岡市の海の中道海浜公園の中に造成され、14日に地元の千早小学校の児童20人が、花を植える行事をしました。釜山市と福岡市は来月には、福岡市の子どもたちがデザインした庭園を釜山市の公園に造成する計画です。

3月13日金曜日

・外交通商部は13日、北韓がこのほど人工衛星の打ち上げを国際機関に通報したことを受けて、打ち上げを中止するよう求める声明を出しました。声明は、「人工衛星であれ、ミサイルであれ、打ち上げは国連安全保障理事会の決議に反することで、打ち上げを強行すれば国連安全保障理事会が相応の対応をすることになるだろう」としています。一方、韓国政府はこの問題について、アメリカや日本など、関係国と緊密に協議しています。さらに、外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は12日、ロシアの6か国協議首席代表を務めるボロダフキン次官に会い、この問題について協議しました。この席でボロダフキン次官は、北韓が打ち上げるのが人工衛星かミサイルかを見極めた上で対応を考えるとして、韓国やアメリカ、日本に比べるとやや消極的な考えを示しました。ところで、国際海事機関(IMO)と国際民間航空機関(ICAO)は、北韓が人工衛星の打ち上げに関する情報を通報してきたことから、その内容を加盟国に伝えました。それによりますと、北韓は来月4日から8日の間に人工衛星を打ち上げるとしており、韓国政府は期間中の航空機と船舶の運航航路を点検して調整することにしました。

・アメリカのオバマ大統領は、北韓のミサイル発射計画に対して危険性を指摘しました。これは、オバマ大統領が12日、アメリカを訪れている中国の楊潔チ外相と会談した席で述べたもので、北韓が人工衛星の打ち上げだと主張して長距離弾道ミサイルの発射実験を強行する動きを見せていることに対して、強く自制を求めたということです。オバマ大統領が北韓のミサイル発射の動きに直接言及したのは初めてです。また、北韓の核問題をめぐる6カ国協議の議長国を務めている中国の役割に謝意を表明し、北韓の核廃棄へ向けて今後とも中国と協力する考えを示したということです。アメリカ国務省は、北韓がミサイルの発射を強行すれば、関係国と対応を検討すると警告しています。一方、国連の潘基文事務総長は12日、国連本部で記者会見し、北韓の人工衛星打ち上げ計画について、北東アジアの平和と安定を脅かす行為だとして中止を促しました。

・労働部は13日、非正規職労働者の雇用期間を今の2年から4年に延長する労働関連法の改正案と、非正規職労働者を正社員に採用する企業に対して社会保険料を減免する特別措置法制定案の立法を予告しました。労働部は、非正規職法が施行されてちょうど2年になる今年7月には非正規職労働者の大量解雇が予想されているため、非正規職労働者の雇用期間を4年に延長するとともに、2年以上雇用した非正規職労働者を正社員として採用する企業に対して、企業が負担している社会保険料の50%を政府が支援して、非正規職労働者の雇用維持と正社員への転換を促していくことにしたと説明しています。これについて労働界は、非正規職労働者の雇用期間を4年に延長すれば、非正規職労働者が正社員に採用される機会が減り、非正規職労働者が増えるだけだとして、強く反発しています。

・アフリカのソマリア沖で海賊対策に当たる韓国海軍の駆逐艦が13日、ソマリア海域に向けて出航しました。この駆逐艦は文武大王艦、4500トン級で、ヘリコプターと高速艇を搭載し、検問や検索の任務を担う特殊部隊の30人を含めて300人あまりが乗り組んでいます。李明博大統領は、慶尚南道鎮海の軍港で行われた出航式に出席し、世界の平和を維持するため韓国軍の役割はますます大きくなっているとした上で、国民の生命と安全を守り、各国と協力してソマリア沖を航行する船舶の安全を確保して、世界平和に寄与してほしいと激励しました。

・アメリカ通商代表部の次期代表に指名されたカーク元ダラス市長は12日、議会上院の財政委員会に提出した答弁書で、「韓国とのFTAは解決を必要とする問題がないわけではないが、全般的な内容は支持している」という考えを明らかにしました。カーク氏はこの中で、「自動車に関する条項について憂慮する意見があることを十分認識しており、問題を解決するために議会と協力していく考えだ」とした上で、「韓国とのFTAはアメリカの労働者、農民、企業に新しい機会を作り出すことになるだろう。議会の批准が遅れたことでアメリカはその大きなチャンスを失った」と指摘しました。そして、カーク氏は、「解決を必要とする問題がないわけではないが、韓国とのFTAの内容を全般的に支持している」としました。

・世界的な格付け会社フィッチは12日、韓国の銀行の損失額は来年末までに42兆ウォンに達する可能性があるという調査結果を発表しました。それによりますと、韓国の銀行では今年6月から来年末まで、債権の回収不能や投資資産の価格下落などによって、損失額が合わせて42兆ウォンあまりに達するだろうとしています。その結果、韓国の銀行が株を発行して調達した単純自己資本比率は、去年6月の6.4%から来年末には4%台に落ち込むとしています。フィッチのこうした調査結果について、韓国の金融委員会と金融監督院は、フィッチは債権の回収不能や投資資産の価値下落を極端に悲観的に見積もっており、信頼性に欠けると指摘しました。また、フィッチが指摘した損失が現実になったとしても、韓国の銀行の自己資本比率は先進国の主だった銀行より高い水準を維持しており、問題はないと指摘しています。

・韓国の公務員の平均年齢は41.1歳で、結婚している公務員は平均1.8人の子どもがいることが分かりました。行政安全部が13日発表した「2008年公務員総調査」によりますと、公務員の平均年齢は41.4歳で、世代別では40代が34.9%でもっとも多く、30代32.8%、50代以上20.4%、20代以下11.9%の順でした。5年前の調査では30代がもっと多く、平均年齢は徐々に高くなっていますが、日本の場合は、50代が23.7%ともっとも多く、韓国より公務員の高齢化が速いということです。一方、公務員の80.8%は既婚者で、未婚または独身は19.2%でした。既婚者の場合、子どもは平均1.8人で、5年前の2.1人より減りました。また、共働きの公務員は47.7%で、5年前の調査より6%増えました。共働きをしている公務員は20代以下が81.3%でもっとも多く、30代66.4%、40代55.3%、50代以上は32.7%で、若い世代ほど共働きをする公務員が多いことが分かりました。

・野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックに出場している韓国代表チームは13日、第2ラウンドに向けてアメリカのアリゾナ州のグレンデールボールパークでロサンゼルスドジャーズと練習試合を行いました。この試合、韓国代表チームは、6回まで2対1でリードしていましたが、7回に同点に追いつかれた後、8回に逆転されて、結局2対4で敗れました。韓国チームは前の日に行われたサンディエゴパドレスとの練習試合では4対10で大敗しました。韓国チームの選手たちはアメリカで時間が経つにつれて時差にも適応しているということで、16日から行われる第2ラウンドの試合で善戦が期待されています。    韓国代表チームは16日にサンディエゴで、メキシコと対戦します。

3月12日木曜日

・北韓は来月4日から8日の間に人工衛星「光明星2号」を打ち上げる計画であることを明らかにしました。北韓の朝鮮中央通信が12日報じたところによりますと、北韓は国際民間航空機関(ICAO)と国際海事機関(IMO)に対して、人工衛星の打ち上げと関連した各種の情報を通報したということです。通報したのは、航空機と船舶の航行の安全に関連した情報で、それによりますと、北韓は来月4日から8日の間に人工衛星を打ち上げる予定だとしています。北韓は1998年に人工衛星の光明星1号だと主張して弾道ミサイル「テポドン2号」を発射した際は、国際機関に対して各種の情報を正式に通報しませんでした。朝鮮中央通信はまた、「北韓が最近、宇宙探査及び利用の国家活動原則に関する条約と、宇宙空間に打ち上げた物体の登録に関する協約に加盟した」と報じました。このように北韓が国際条約に加盟し、国際機関に各種の情報を正式に提供したのは、国際社会が長距離ミサイルの発射を自制するよう求めている中で、ミサイルではなく人工衛星の打ち上げであることを強調する狙いがあるものと見られます。

・アメリカのクリントン国務長官は11日、北韓が長距離ミサイルの発射準備をしていることについて、発射に踏み切った場合、選択できる様々な対応策があると述べました。クリントン長官は中国の楊潔チ外相とワシントンで会談した後に行った記者会見で、「北韓が非常に挑発的な行動をしないよう説得することができなかった場合の対応について協議した」と述べた上で、「アメリカは北韓がミサイルの発射に踏み切った場合は選択できる様々な対応策を持っている」と強調しました。また、「北韓がミサイルを発射するかどうかとは関係なく、6か国協議を再開するための努力を続ける」と述べ、ミサイルの発射と6か国協議は別の問題であることを強調しました。

・韓国銀行は12日、金融通貨委員会を開き、政策金利を現行の2.00%に据え置くことを決めました。韓国銀行は、去年10月に政策金利を5.25%から5.00%に引き下げて以来、今年2月まで金利を継続して引き下げ、政策金利は2.00%まで下がっていました。政策金利が据え置かれたのは去年9月以来6か月ぶりです。民間シンクタンクなどは、1月から3月までの第1四半期の経済成長率はマイナス5〜マイナス8%まで落ち込み、景気が回復する時期も今年の下半期ではなく、来年になるという予測を出しています。景気が後退している中で、韓国銀行が政策金利を据え置いたのは、景気がさらに悪化した場合の対応策として金利引下げというカードを残しておくためだと見られます。また、ウォン安の傾向が続いている中で、金利を引き下げれば、ウォン安をあおる可能性もあることを考慮したものと見られます。

・政府は生活が困難な低所得層の生活安定資金として6兆ウォンあまりを支援することにしました。政府は12日、大統領府青瓦台で非常経済対策会議を開き、低所得層に対して、生計費、食料費、教育費、住居費、医療費など、合わせて6兆303億ウォンを支援することを決めました。政府はまず、生活保護の対象となる世帯の指定を増やす一方、生活保護世帯でなくても、世帯主が失業するなどの理由で生活が困難になった世帯に対しても、生計費などを支援する計画です。そして、具体的な支援としては、老人や身体障害者など労働力がない世帯に対しては、6か月間の期限付きで毎月20万ウォンを現金で支給し、世帯主が失業した世帯には6か月間、毎月83万ウォンを現金と食料品などを買える商品券を半々の割合で支給することにしています。こうした支援を受けられる対象は合わせて120万世帯になる見通しです。

・韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官と日本の中曽根弘文外相は12日、電話で会談し、北韓による拉致被害者の問題を解決するために協力を強めていくことで合意しました。この会談で中曽根外相は、拉致被害者の田口八重子さんの家族と、北韓の工作員だった金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚との面会を実現するために韓国政府が積極的に協力したことに謝意を表明し、今後とも拉致問題を解決するために緊密に協力していくことを提案しました。これに対して柳明桓長官は、「引き続き拉致問題を解決するために両国の協力を強めていきたい」と答えました。また、両外相は北韓が長距離ミサイルの発射を準備している問題について、韓国と日本、アメリカの3か国が共同で対応していくことでも合意しました。

・日本に駐在している権哲賢(クォン・チョルヒョン)韓国大使は、韓国と日本による共同の放送局を設立するよう提案しました。権哲賢大使は11日、東京で韓国と日本の専門家を招いて開かれた「今後100年の韓日関係のために」というシンポジウムに出席し、基調演説で、「フランスとドイツは芸術文化放送局のARTE(アルテ)を運営し、多様な番組を共同で制作している」と指摘し、「韓国と日本も共同の放送局を作り、芸術や文化に関する番組を共同で制作すれば、その過程で相互の理解と信頼を強化することできるだろう」と述べました。また、権哲賢大使は、「韓国と日本は民主主義と経済成長を実現した経験があるので、両国がA2(アジアの2か国)としてアジアの他の国に対して案内役を果たすことができる」とし、「アフガニスタンへの支援や黄砂対策、ソマリア沖の海賊問題など、多様な国際問題に共同で対処していくべきだ」と主張しました。

・ソウルで建物を新築する際は、周辺の景観と調和するよう、建物のデザインだけでなく、外壁の素材や色、夜間の照明まで配慮しなければならなくなりました。ソウル市は12日、高層ビルが周辺の景観と調和せず、町の全体的な景観を損ねているという指摘を踏まえて、伝統と自然が調和した景観を作っていくための計画を発表しました。それによりますと、ソウル市を景観基本管理区域と重点管理区域に分け、重点管理区域では原則的に高層ビルの新築を抑制し、ソウル市を取り囲んでいる北漢山や冠岳山など八つの山を市内のどこからでも見ることができるようにする計画です。また、ビルを新築する際は、ビルとビルの間隔、高さなどを考慮し、外壁の素材は光の反射が多いものや、色が周辺の景観と調和しないものは使えなくなります。

・サッカーのアジア最強のクラブチームを決める「アジアチャンピオンズリーグ」が10日開幕し、韓国は1次リーグの初戦で2チームは勝ち、1チームは敗れて、1チームは引き分けました。この大会には韓国からは昨シーズンKリーグの1位の水原三星と2位のFCソウル、そして、蔚山現代、浦項スティーラースの4チームが参加しています。このうち水原三星は11日の1次リーグ初戦で、鹿島アントラーズに4対1で完勝し、浦項スティーラースはオーストラリアで行われたアウェー試合で引き分けました。一方、蔚山現代は10日にホームで行われた試合で名古屋グランパスに3対1で逆転負けし、FCソウルはアウェーでインドネシアのスリウィジャヤに4対2で勝ちました。韓国の4チームは16日と17日に1次リーグ2回戦を行ないますが、このうちFCソウルは去年のアジアチャンピオンズリーグの優勝チームであるガンバ大阪と対戦します。

3月11日水曜日

・1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚は11日、日本の拉致被害者の家族と会った後、記者会見で「爆破事件は北韓によるテロである」と、実行犯の立場で事件の真相を明らかにしました。金賢姫元死刑囚はこの日、釜山市内の国際会議場で、北韓による拉致被害者で、北韓で日本語を教わった田口八重子さんの長男、飯塚耕一郎さん(32)と、田口さんの兄で拉致被害者家族会代表の飯塚繁雄さん(70)と面会しました。金賢姫元死刑囚は短い髪に黒いスーツ姿で午前11時に面会場に姿を見せ、先に到着していた飯塚さんらに丁寧におじぎをしてあいさつした後、涙ぐみながら耕一郎さんと抱き合い、両手を握ったまま流暢な日本語で話を交わしました。金賢姫元死刑囚はおよそ90分の面会を非公開で行った後、飯塚さんらと共同で記者会見しました。この席で金賢姫元死刑囚は、「大韓航空機爆破事件は北韓によるテロで、私は偽者ではない」と述べ、大韓航空機爆破事件は北韓によるものだという証拠はないとする、一部の犠牲者の遺族の主張を一蹴しました。そのうえで、金賢姫元死刑囚は、「事件の犠牲者の遺族が、こうした事実を認めるなら、遺族との面談に応じることもできる」と述べました。金賢姫元死刑囚はまた、盧武鉉政権当時、事件の真相をねじ曲げようとする試みがあったのかと聞かれると、「そのようなことがあった」としながらも具体的な言及は避け、「今の政府の調査結果を待っている」と答えるに止まりました。金賢姫元死刑囚はさらに、拉致被害者の問題を解決する方法についての質問に対し、「北韓のプライドを傷つけずに、心を動かす方法を考えるべきだ」と答えました。共同で記者会見した飯塚繁雄さんは「今回の面会をきっかけに、韓日間の拉致問題解決に向けた対策が具体化することを期待している」と話しました。金賢姫元死刑囚は、大韓航空機爆破事件の実行犯で、1989年4月に死刑判決を受けましたが、1990年4月に特別赦免されました。その後、著書の執筆や講演などの活動をしていましたが、1997年12月に元安全企画部(現在の国家情報院)の職員と結婚し、公の活動を控えてきました。金賢姫元死刑囚が公の場に姿を現したのは12年ぶりで、北韓の拉致問題が日本と北韓の間で懸案になっていることもあって、この日、会場には国内や日本から大勢の取材陣が詰めかけていました。

・今週に入ってから急激なウォン高が続き、11日のソウル外国為替市場は、1か月ぶりに1ドル=1470ウォン台になりました。この日ソウル外国為替市場は、外国人によるウォンを買う動きが広がり、結局1ドルが前日より40ウォン50銭もウォン高の1471ウォンで取引を終えました。これは先月18日の1ドル=1468ウォン以来のウォン高で、先週5日の終値に比べますと、およそ100ウォンのウォン高ドル安となります。このようにウォン高が続いているのは、金融当局によるウォンの買い支えと、株価の上昇によるためと見られています。一方、韓国株式市場の総合株価指数は、アメリカのシティグループの最高責任者が第一四半期の実績に自信を示したことを受けてニューヨーク株式市場で株価が急騰したうえ、ウォン高が進んだことから、投資心理が改善し、前日より35.31ポイント上がって1127.51で取引を終えました。

・アメリカ情報当局の最高責任者であるブレア国家情報長官は、北韓が発射準備を進めているのはミサイルではなく、人工衛星と判断されるという認識を示し、波紋を呼んでいます。ブレア国家情報長官は10日、議会上院軍事委員会の公聴会に出席し、北韓が準備を進めている発射体の実態は何かという質問に対し、「北韓は人工衛星を打ち上げると発表しており、私の判断もそうだ」と答えました。北韓が発射準備を進めているのはミサイルではなく人工衛星だとするアメリカ情報当局の判断が示されたのはこれが初めてです。また、ブレア国家情報長官は、「人工衛星も技術的には大陸間弾道ミサイルと大差はなく、射程距離はアメリカ本土まで到達する恐れがある」と述べました。その上でブレア国家情報長官は、人工衛星の打ち上げであれば、現実的に迎撃は容易ではないとの認識を示しました。一方、同じく公聴会に出席したアメリカ国防情報局(DIA)のメープルズ局長は、北韓が弾道ミサイルに核弾頭を搭載することに成功した可能性があるとの見方を示しました。メープルズ局長はまた、6か国協議が失敗に終われば、北韓がミサイルをさらに発射するか核実験に乗り出す可能性があると指摘しました。

・北韓が韓米合同軍事演習に反発して実施していた韓国と北韓を結ぶ道路、京義線と東海線の通行禁止措置を解除して2日目の11日も、10日に続いて、北韓にある開城工業団地への通行は正常に行われています。しかし、開城工業団地への通行を管理するために使われてきた南北間の軍の通信は中止されたままで、工業団地へ出入りする許可を取るには韓国軍から韓国側にある都羅山(トラサン)出入事務所を経由して開城工業団地管理委員会に連絡し、さらに北韓中央特区開発指導総局と北韓軍当局の5段階を通す複雑な手続きが必要になっています。一方、南北の海事当局間の通信は正常に稼動しており、韓国側は10日、前の日に全羅南道麗水(ヨス)で起きた南北の漁船同士の衝突事故の被害状況を海事当局間の通信線を利用して北韓側に伝えました。さらに、2005年12月に開通した、開城工業団地で操業している韓国企業と韓国の本社をつなぐ700の電話線とファックスの回線も正常に機能しているということです。

・アメリカのオバマ大統領は10日、「韓国では生徒が授業を受ける日数がアメリカより1年間で1か月くらい多い」と指摘し、「ますます競争が厳しくなっている世界経済の中で競争力を備えるにはアメリカの学校でも授業日数を増やすべきだ」と提案しました。オバマ大統領はこの日、ワシントンの商工会議所で教育政策について演説してこのように述べ、さらに、21世紀は児童や生徒に学校でより長い時間勉強することが求められているとした上で、「韓国でできるならアメリカでもできるはずだ」と強調しました。またオバマ大統領は、「教育環境の改革も重要だが教育時間の改革も重要だ」として、「アメリカの現在の教育課程は21世紀にはまったく合わず、アメリカの競争力低下を招いている」と指摘しました。

・韓国最大手の三星グループは今年、大卒新入社員を5500人採用することを決めました。三星グループが11日に発表した採用計画によりますと、今年は大卒新入社員を上半期に2100人、下半期に3400人の合わせて5500人を採用することにしています。また、これとは別に、現在仕事に就いていない人を対象にした青年インターンシップ制度を新たに設けて、職場で実習するインターン社員を2000人採用します。今年採用する大卒新入社員の5500人は、去年より2000人少なくなっていますが、当初計画していた4000人を1500人上わ回っています。三星グループは、役員の年俸削減や成果給の返上に加えて、従業員の給与据え置きや新入社員の給与減額などによって財源が確保されたため、採用規模を当初の計画より増やすことができたと説明しています。

・江原道春川市では10日、韓国を訪れている日本人観光客がキムチを漬けて恵まれない人たちの施設に贈るイベントが行われました。広島市農業婦人会に所属している日本人観光客およそ30人はこの日、春川マックッス博物館を訪れ、春川市槿花洞(クンファドン)のセマウル婦女会の会員に教わりながら、キムチを漬ける体験をしました。そして、 漬けたキムチを味見したり、記念写真を撮ったりしながら楽しいひと時を過ごしました。この後、日本人観光客は、槿花洞にある、恵まれない人たちに無料で食事を提供している無料給食所を訪れ、この日漬けたキムチを贈りました。参加した山田さんという80歳の観光客は、「韓国を訪問したのは初めてですが、キムチを漬けて贈るなど、とてもよい体験ができて、意義深い観光になりました」と笑顔で話していました。

3月10日火曜日

・北韓は、韓米合同軍事演習に反発して9日から実施したばかりの、韓国と北韓を結ぶ道路、京義線と東海線の通行禁止措置を10日に解除しました。韓国統一部の当局者は、「北韓が東海・西海地区の軍事実務責任者の名前で、南北間の陸路による通行を許可するという内容の2つの文書を韓国側に送ってきた」と明らかにしました。これについて北韓にある開城工業団地に詳しい消息筋は、「北韓が南北の軍の通信を中止した措置は依然有効だ」と述べたうえで、「道路の通行は開城工業団地管理委員会を通じて南北が出入りする人の名簿を前もって交わす形で通行を正常化することになった」と説明しています。これによって10日の午前10時から前日に開城工業団地管理委員会を通じて北韓側に名前のリストを提出していた開城工業団地の関係者の工業団地への通行が認められ、工業団地に滞在している関係者も韓国に戻ることができました。北韓の軍部は9日、韓米合同軍事演習の期間中は南北間の軍の通信を中止し、東海と西海の南北管理区域の安全のためにさらに厳しい軍事統制を行うという声明を発表し、開城工業団地への往来を全面的に遮断していました。

・株価が上昇した影響などで、ウォン高が急に進みました。10日のソウル外国為替市場は、前日より50銭ウォン安の1ドル=1554ウォンで取引が始まり、一時は1ドル=1561ウォンまでウォン安が進みましたが、株価が上昇に転じたほか、利益を得るためのドル売りが広がり、ウォン高に転じました。午後になって、ウォンを買う動きはさらに強まり、結局前日の終値より37ウォン50銭ウォン高の1ドル=1511ウォン50銭で取引を終えました。また、円に対するウォンの相場は、前日より43ウォン29銭ウォン高の1532ウォン50銭でした。為替市場の関係者は、「株価が上昇した上、韓国銀行が韓国の外貨準備高に流動性の問題はないと発表し、また北韓が開城工業団地への通行禁止の措置を解除したため地政学的なリスクが大きく減ったことが投資心理の安定化につながった」と説明しています。

・雇用創出や国民生活の安定に向けた政策に使われる補正予算は30兆ウォンを超える、過去最大の規模で編成される見通しです。政府はこれまで最大規模だった1998年の補正予算の2.5倍に当たる30兆ウォンを超える補正予算案を編成し、来週から与党との協議に入る方針です。補正予算は、主に雇用の創出や公共事業、それに4大河川や森林の整備など、経済危機の克服につながる事業に投入されます。また、低所得層や中小企業に対する支援にも使われる予定です。しかし、補正予算の財源をつくるためには国債の発行は避けられず、30兆ウォンの補正予算を組めば国の借金は383兆ウォンに膨れ上がるため、反対する声が上がっています。

・アメリカの通商代表部(USTR)の次期代表に指名されたロン・カーク元ダラス市長は9日、議会上院財政委員会の指名承認公聴会で、韓米FTA=自由貿易協定について「今の状態では受け入れられない」と述べ、韓米FTAの再交渉が必要だとする見方を示唆しました。カーク氏はまた、韓米FTAを進展させるための基準は何かという質問に対し、「まだそのような基準は決めていない」と答え、韓米FTAの再交渉を求めるのか、または付属文書での合意を目指すのかについては具体的な考えを示しませんでした。韓米FTAについては、先にオバマ大統領やクリントン国務長官も否定的な見方を示しており、韓米FTAのアメリカ議会での批准に向けた見通しはますます不透明になっています。

・10日未明、伊豆大島沖で貨物船同士が衝突して韓国船籍の貨物船が沈没し、韓国人乗組員7人など、合わせて16人が行方不明になっています。海洋警察庁によりますと、10日午前2時15分ごろ、伊豆大島の東13キロの沖合で、韓国船籍の貨物船「オーキッドピア」号とパナマ船籍の貨物船「シグナスエース」号が衝突して「オーキッドピア」号が沈没し、乗組員16人が行方不明になっています。「オーキッドピア」号には韓国人7人とインドネシア人9人の合わせて16人が乗り組んでいたものと見られています。この衝突で「シグナスエース」号は一部浸水しましたが、乗組員にけが人などはいないということです。日本の海上保安庁が現場に巡視船や航空機などを出して、行方不明者の捜索に当たっています。事故当時、現場の海域は雨が降って、視界が悪かったということで、海洋保安庁が詳しい状況を調べています。

・拉致被害者で、 1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚の日本語教師だった田口八重子さんの家族が10日、金賢姫元死刑囚と釜山で面会するため、韓国入りしました。韓国を訪れたのは田口八重子さんの長男の飯塚耕一郎さん(32)と、兄で、日本の拉致被害者家族の会の代表を務める飯塚繁雄さん(70)です。2人は11日、釜山のホテルで金賢姫元死刑囚と面会し、田口八重子さんの北韓での生活などについて話を聞いた後、金賢姫元死刑囚と共同で記者会見する予定です。金賢姫元死刑囚は今年1月にNHKなど日本のメディアを通じて田口八重子さんの家族に面会したいという意向を表明しており、飯塚さんらも面会を希望したため、韓日両政府が実現に向け調整を進めていました。

・統計庁は10日、今後有望なビジネスとして10の分野を発表しました。それによりますと、まず、世界的な経済危機の影響で若者の失業が深刻になっている中、インターネットの就職支援サイトや、外国語スクール、面接に備えるスピーチスクールなどの就職支援ビジネスが有望だとしています。また、ウォン安が進んで、海外旅行より国内旅行をする人が増えているため、国内旅行関連のビジネスも先行きが明るいということです。さらに、環境に対する意識や不況による倹約志向が高まっている中、節水型の便器や省エネランプなどのエコ製品や省エネ製品のビジネスも先行きが明るい分野に選ばれました。そして、最近は男性の間で関心が高まっている男性用の化粧品や衣料品、アクセサリーのビジネスも有望だとしています。統計庁はこのほか、合理的な生活を手助けするレンタルビジネスや、独り暮らしのための商品ビジネス、インターネット・ショッピングモールの仕事を支援するビジネス、有機栽培など健康志向の食べ物ビジネス、不妊防止商品やサービス、アトピーを防止・治療する商品のビジネスも今後人気を集めるだろうと分析しています。

3月9日月曜日

・韓半島有事の際に、アメリカ軍が韓国を防衛するため韓国軍と速やかに作戦を展開する能力を高める定例の韓米合同軍事演習「キー・リゾルブ」が9日から始まりました。韓米合同軍事演習は20日まで韓国全域で行われ、アメリカからは韓国駐留アメリカ軍1万2000人と海外に駐留しているアメリカ軍1万4000人など2万6000人が参加し、アメリカ第3艦隊の航空母艦や原子力潜水艦、イージース駆逐艦など10隻の艦艇が投入されます。また韓国軍からは初のイージース駆逐艦である「世宗大王艦」も加わり、アメリカ軍のイージース艦と通信訓練を行う予定です。今回の合同軍事演習では2012年に戦時の作戦指揮権がアメリカ軍から韓国軍に戻ってくるため、韓国軍の作戦指揮の力量を高めることに重点を置いて行われる見通しです。一方、北韓はこの韓米合同軍事演習について、北韓を侵略する戦争演習だと決めつけ、先週、2回行われた国連軍司令部と北韓軍との将官級会談で演習の中止を強く求めました。これについて韓国軍は「韓米合同軍事演習は韓半島の有事に備える定例的な防衛演習だ」としており、軍事演習中に北韓がミサイルの発射や戦闘機による威嚇行為など挑発してくる可能性に備えて、監視体制を強化しています。

・北韓は韓米合同軍事演習が始まったことに強く反発し、軍事演習の期間中は南北の軍を結ぶ通信を中止しました。北韓人民軍総参謀部のスポークスマンは8日声明を出し、韓米合同軍事演習が行われる期間中は南北間で唯一つながっている軍の通信を3月9日から中止する」と明らかにしました。声明はまた「韓米合同軍事演習の期間中は東海と西海の南北管理区域の安全のために、さらに厳しい軍事統制を行う」としており、このため9日午前、北韓にある開城工業団地に向かう予定だった韓国の企業関係者ら726人は北韓入りすることができませんでした。北韓はまた人工衛星だと主張している「光明星2号」を発射した場合、アメリカや日本が迎撃する方針を示していることに対して「われわれの平和的な衛星に対する迎撃は戦争を意味する。日米と韓国の本拠地に対する報復戦を開始する」と主張しました。またこれとは別に北韓軍最高司令部も9日、 「北韓人民軍は万全の戦闘準備をして北韓の領土や領海、領空を敵が侵犯してくれば容赦なく懲罰するよう命令を下した」という声明を出しました。

・韓国政府は北韓軍が韓米合同軍事演習の期間中に南北の軍の通信を中止したことについて9日、遺憾の意を示すとともに、通信を回復させるよう求めました。政府は9日、統一部スポークスマンが声明を出し、「南北の合意書に基づいて開城工業団地や金剛山への出入りと通信が正常化するよう求める」と述べました。さらに今回の韓米合同軍事演習については「この演習は韓国政府が数回にわたって示したように防衛に重点をおいた定例演習だ。政府は忍耐強く対応しているが、北韓が取った措置は非常に遺憾である。韓国政府は南北が合意した通りに相互尊重の精神をもとに相手に対する誹謗や緊張を高めるような行為を中断するよう改めて求める」と述べました。

・韓国を訪れているアメリカのボスワース北韓特別代表は9日午前、外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官と会談し、「北韓の核問題などは非常に厳しい任務で、韓米間の協力を通じて進展させることができると信じている」という考えを示しました。ボスワース特別代表はまた「私がやるべき仕事についてはいかなる幻想も持っていない」と述べて、北韓の核問題などについて冷静に対応していく考えを強調しました。ボスワース特別代表は柳明桓長官との会談で、北韓のミサイル発射を止めさせるための対策や、ミサイル発射を強行した場合の対応について意見を交わし、北韓の核問題をめぐる6カ国協議をはじめとする北韓に対する政策についても協議したもようです。

・北韓で8日、最高人民会議の代議員選挙が行われ、金正日国防委員長も投票し、健康不安説を払拭して第3期金正日体制を誇示する印象を内外に示しました。今回の代議員選挙は2003年以来、およそ5年半ぶりに行われ、700あまりの投票所では住民がチマ・チョゴリなど正装で参加して、投票が終わるまで歌や踊りで祝うなど、お祭りムードの中で行われました。投票は各選挙区でそれぞれ1人の候補者を信任投票する形で行われ、北韓の朝鮮中央テレビによりますと、すべての投票者が賛成票を投じたということで、2003年に続いて今回も投票率が99%で賛成票が100%を記録するものとみられます。今回の代議員選挙は金正日国防委員長の健康不安説が伝えられたうえ、ミサイル発射の準備などの緊張が高まる中で行われたことから、北韓は金正日国防委員長が順調に回復に向かっていることを印象付けるとともに、内部の結束を固めて後継者選びを進めているのではないかという観測が支配的です。

・李明博大統領は8日、これまでアメリカや日本、中国などに偏っていた外交をアジアの国々に広げる「新アジア外交構想」を明らかにしました。李明博大統領は国賓として訪問していたインドネシアでアジア地域に駐在している韓国大使らとの懇談会を開き、「世界経済の中心がアジアに移ってきている昨今、韓国のアジア向け外交は消極的に行われていた」と述べて、今年はアジアの国々との関係改善に重点を置く「新アジア外交構想」を示しました。それによりますと、李明博大統領は来月にタイで開かれるASEAN=東南アジア諸国連合+3カ国首脳会談や東アジア首脳会議に出席する一方、5月には中央アジアの3カ国を歴訪し、さらに6月には済州島で韓国・ASEAN首脳会議を開くなどして、アジア諸国との首脳外交を本格化する方針です。またアジア圏のすべての国々とFTA=自由貿易協定を締結して経済交流を拡大し、経済危機や気候変動など世界的な懸案の解決にも主導的に参加して、アジアにおける韓国の役割を高め、寄与していく方針です。

・旧釜山市役所の敷地に建てられる高さが510メートルの超高層ビル、「釜山ロッテ・ワールド」の起工式が9日行われました。起工式には許南植(ホ・ナムシク)釜山市長をはじめ関係者が出席して行われ、さっそく、海に隣接した敷地で土砂崩れを防ぐ工事が始まりました。釜山ロッテ・ワールドは、これから1年間をかけて地下32メートルまで掘り進む基礎工事を行い、2010年から本格的な建設工事に取り掛かり、2014年の完成を目指しています。釜山ロッテ・ワールドは、釜山市が1997年に交通への影響を評価する調査をして以来、11年ぶりに本格的な工事に入ることになったため、当初の計画が修正されて、ビルの高さなど具体的な設計は4月に最終的に決まる見通しですが、最高120階建てで高さは510メートル前後と、釜山でもっとも高いビルになるものとみられています。

・アメリカの男子プロゴルフツアーのホンダ・クラシックで、韓国のヤン・ヨンウン選手(37) が優勝しました。ヤン・ヨンウン選手は8日、アメリカ・フロリダ州パームビーチガーデンズのPGAナショナルで行われた最終ラウンドで68で回り、通算9アンダー271となって、2位のジョン・ロリンズ選手を1打差で抑えて優勝しました。ヤン・ヨンウン選手がPGAツアーで優勝したのは初めてです。

・アメリカの女子プロゴルフのHSBC女子選手権で、韓国のシン・ジエ(21)選手が見事な集中力で逆転優勝しました。シンガポールのタナメラCCで行われたこの試合、首位に6打差をつけられていたシン・ジエ選手は、8日の最終ラウンドで6バーディーで追い上げて、通算11アンダーの277となり、オーストラリアのキャサリン・ハル選手を2打差で逆転し、今シーズンの初優勝を手にしました。

・野球のWBC、ワールドベースボールクラシックの1次ラウンドA組の韓国は、8日、中国にコールドゲームで勝ち、2大会連続で2次ラウンドへの進出を決めました。

3月7日土曜日

・北韓が北韓の領空やその周辺を通過する韓国の民間航空機の安全は保障できないとしたことから、韓国は航空機に続いて、釜山とロシア極東とを結ぶコンテナ船の航路も変更しました。国家情報院釜山支部と、韓国海軍作戦司令部、釜山海洋警察署、それに船舶関連業界などは6日、釜山港で対策会議を開き、東海(日本海)の北韓領海を通過する民間のコンテナ船への北韓によるテロ攻撃に備えて、航路を変更することになりました。会議に参加した業界関係者によりますと、船舶の安全を確保するため、釜山とロシア極東を定期的に運航する9社13隻のコンテナ船の航路を北韓による脅威が解消されるまでの間、北韓近海を通過する今の航路から、日本の領海近くを通る航路に迂回するということです。また有事の際に迅速に対応するために、釜山港の総合状況室と空軍飛行団、海軍作戦司令部を結ぶホットラインを開設することを決めました。

・北韓が北韓の飛行情報区を通過する韓国の民間航空機の安全が保障できないと脅していることについて、アメリカ国務省のデュグイッド副報道官代行は、6日、民間運航機の運航と商業活動に脅しをかける行為は容認できないと批判しました。デュグイッド副報道官代行は、定例ブリーフィングで「北韓の好戦的な発言は非生産的だ」とも非難しました。またアメリカ政府がアメリカの民間航空機に対して北韓の飛行情報区を通る際に注意するよう求めたかどうかについては「私が知っている限り、そのようなことはしていない」と述べました。

・北韓がミサイルの発射を強行する動きを見せている中で、アメリカのボスワース北韓担当特別代表が7日、韓国入りし、来週明けに韓国政府の外交当局者と北韓のミサイル問題について意見を交わす予定です。中国と日本の訪問を終えてソウル入りしたボスワース特別代表は、7日午後に6カ国協議のロシア側首席代表のボロダブキン外務次官とソウルのロシア大使館で会談することになっており、8日は個人的な日程を過ごした後、9日、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官、李相熹(イ・サンヒ)国防部長官、玄仁澤(ヒョン・インテク)統一部長官、魏聖洛(ウィ・ソンラク)外交通商部韓半島平和交渉本部長ら韓国政府当局者と相次いで会合し、北韓のミサイル発射の動きと6カ国協議の進展に向けた対応策などについて協議する予定です。これについて外交当局者は「ボスワース特別代表との会合では主に北韓のミサイル問題が焦点になる見通しで、北韓のミサイル発射を抑止するための対策と、北韓がミサイル発射を強行した際の対応を同時に話し合う」と述べました。

・アメリカのボスワース特別代表がアジア3カ国を訪れた後に、北韓を訪れるのではないかという一部の見方について、ボスワース特別代表は6日、北韓を訪問する日程はないと述べました。ボスワース特別代表は東京で行った記者会見で電撃的な北韓訪問が行われる可能性について、特別代表に任命される直前だった先月、民間人として専門家たちと北韓入りしたことを述べたうえで、「今回のアジア訪問では北韓入りする計画はない。しかし、ある時点になると北韓を訪問すると思う」という考えを示しました。これまで韓国と日本の外交当局などでは、ボスワース特別代表が最後の訪問国となった韓国での日程を終えた後に北韓を電撃訪問するのではないかという見方が出ていました。

・日本の最高裁判所に当たる大法院の申暎K(シン・ヨンチョル)大法官が、ソウル中央地方裁判所の所長をつとめていた去年、アメリカ産牛肉の輸入再開を決めた政府の方針に反対するキャンドル集会で逮捕された関係者の裁判を担当していた判事に対して、判決に圧力をかけるとも受け取れる内容の電子メールを数回にわたって送ったことが明らかになり、裁判に介入したのではないかという疑惑が広がっています。KBSが取材したところによりますと、申暎K大法官は、ソウル中央地方裁判所長をつとめていた去年7月から11月の間に、合わせて5回にわたってキャンドル集会関連の裁判を担当している判事に対して、「現行法にしたがって処理し、のちに負担になる可能性のある事件に対しては積極的に解決してほしい」という内容の電子メールを送っていたことが確認されました。このうち、2度目のメールを送った当時は、キャンドル集会を違法な集会とする関連法の夜間集会の禁止条項は憲法違反だとして、憲法裁判所に提訴があったため、キャンドル集会関連のかなりの裁判が中断されていたときでした。大法院では真相を調査するチームを設けて、申暎K大法官が去年、キャンドル集会関連の裁判を受け持った判事らに送った電子メールの内容を確保して、裁判に介入したのかどうかの判断に着手し、史上初めて李容勳(イ・ヨンフン)大法院長も調査を受ける見通しです。

・ソウル大学国際大学院の白珍鉉(ペク・ジンヒョン)教授(51)が、国際海洋法裁判所の裁判官に選出されました。白珍鉉教授は、去年11月に亡くなった国際海洋法裁判所の故パク・チュンホ裁判官の後任を選ぶために国連本部で開かれた国連海洋法条約の総会で、有効票の3分の2を超える113票を獲得し、42票にとどまったインドネシアのビスヌムルティ元国連大使を抑えて、裁判官に選ばれました。白珍鉉教授は故パク・チュンホ裁判官の残りの任期である2014年9月まで裁判官を務めます。白珍鉉教授は、韓国のマスコミに対して「他の裁判官に比べて若い方なので、裁判という消極的な役割にとどまらず、より積極的に活動していきたい」と抱負を語りました。

・世界的な景気低迷の中、韓国最大の自動車展示会、ソウル・モーターショーが来月2日から開かれますが、規模が縮小されることになりました。2年に1度開かれるソウル・モーターショーは、来月2日から12日までの11日間、京畿道高陽市一山(イルサン)にある総合展示場、キンテクスで開かれ、国内外の自動車関連会社150社あまりが参加します。7回目となる今回のソウル・モーターショーのテーマは「美しい技術とすばらしいデザイン」で、環境にやさしい技術開発や緑の成長に関心が高まっていることから、効率の高い省エネ型自動車が関心を集める見通しです。ソウル・モーターショーの組織委員会は期間中に100万人が訪れ、12億ドルの輸出商談が行われるものと期待しています。しかしアメリカのゼネラル・モーターズが経営危機に陥っていることや、韓国の双龍自動車が法定管理に置かれるようになったことなど自動車産業の不況で一部の輸入車メーカーが参加を見合わせたため、規模は縮小されることになりました。

・ウォン安と景気低迷の影響で、牛肉と豚肉など肉類の輸入が今年に入って大幅に減っています。関税庁がまとめたところによりますと、今年1月に輸入された牛肉は合わせて1万6600トン、金額にして6250万ドルでした。これは去年1月に比べて、量としては15%、金額で10%減少しています。また今年1月に輸入された豚肉は2万1400トン、5290万ドルで、去年1月に比べて量・金額ともに30%あまりの減少となりました。韓国輸入肉協会の関係者は輸入肉の減少の原因について、「ウォン安ドル高で輸入価格が上昇したうえに景気低迷が続き、肉類の消費が大幅に減ったためだ」と話しています。

3月6日金曜日

・北韓の祖国平和統一委員会は5日、「われわれの領空とその周辺、特に東海(日本海)の上空周辺を通過する韓国の民間航空機の安全は保証できない」とする声明を発表しました。北韓はこの声明の中で、韓米合同軍事演習である「キー・リゾルブ」について、韓国とアメリカが北韓を攻撃するための軍事演習だと非難し、原子力空母や原子力潜水艦などの核兵器を韓半島周辺に呼び込む行為は、韓半島の非核化を妨げる張本人が韓国とアメリカであることを裏付けていると主張しました。その上で、韓米合同軍事演習の期間中は、ささいなことが戦争に拡大する可能性を排除できないとし、民間航空機の安全も保証できないと警告しました。北韓のこうした声明は、長距離ミサイルの発射準備と併せて、軍事的な緊張を高めることによって韓国政府に圧力をかけるとともに、アメリカとの交渉を有利に進める狙いがあるものと見られます。韓国政府は北韓のこうした声明を受けて、統一部報道官が論評を発表し、「民間航空機の正常な運航を軍事的に脅かすのは国際法に背くだけでなく、非人道的行為で、いかなる場合も正当化できない」と指摘し、即刻声明を撤回するよう求めました。

・北韓が、北韓の領空とその周辺を通過する韓国の民間航空機の安全は保証できないとする声明を出したことを受けて、韓国の航空会社は航路を変更して運航することを決めました。大韓航空とアシアナ航空は6日から、北韓の飛行情報区域を通過するカムチャッカ航路を避けて、日本の飛行情報区域を通過する北太平洋航路で運航しています。航路を変更すると、飛行距離が1200キロ程度、飛行時間も40分から1時間が増え、燃料費も多くかかります。北韓の飛行情報区域は1998年に西側諸国の民間航空機にも開放され、大韓航空とアシアナ航空は北米とヨーロッパ路線で毎週合わせて70〜80便が利用していました。

・在韓国連軍司令部と北韓の朝鮮人民軍の将官級会談が6日、軍事境界線にある板門店で開かれましたが、これといった成果がないまま終わりました。今回の会談は、北韓の長距離ミサイルの発射準備や韓国とアメリカによる合同軍事演習が議題になる予定でしたが、北韓が5日、北韓の領空を通過する韓国の民間航空機の安全を保証できないと発表したこともあって、この問題についても関心が寄せられていました。会談では、国連軍側は、北韓が民間航空機の安全を保証できないと発表したことに強く抗議し、撤回を要求したのに対し、北韓側は、韓米合同軍事演習で韓半島の緊張が最高潮に達しているとして、演習の中止を求めたということです。国連軍側は、演習は防衛的な性格の訓練であるという点を説明しましたが、北韓側は聞き入れず、民間航空機の安全は保証できないとした発表の撤回にも応じなかったということです。

・韓国政府は、アメリカが主導するPSI=大量破壊兵器の拡散防止構想への参加について、慎重な姿勢を示しました。外交通商部の文太暎(ムン・テヨン)報道官は5日、「韓国政府はPSIの基本的な趣旨には共感しているが、今の時点で正式に参加することは考えていない」とした上で、「今後、韓半島情勢を見極めながら、正式に参加するかどうかを検討していく」と述べました。この問題は、李明博大統領がオーストラリアのラッド首相と会談した際に、「国連と国際核拡散防止軍縮委員会などを通じて、軍縮と大量破壊兵器及び運搬手段の拡散防止に協力する」という声明を発表し、これに先立って先月、李相喜国防相が国会で、北韓が長距離ミサイルの発射を準備しているだけにPSIに参加するかどうかを積極的に検討する必要があると述べたことから、韓国がPSIに正式に参加するのではないかという観測が出ているものです。

・ニュージーランド、オーストラリア、インドネシアの3カ国を歴訪している李明博大統領は、6日、最後の訪問国インドネシアで、ユドヨノ大統領と首脳会談を行い、韓国とインドネシアとの経済協力を一層強めることで合意しました。会談で、両首脳は▼森林資源を利用したバイオ産業を育成するほか、▼インドネシアが濃くないにある20万ヘクタールの造林地を韓国が使用できるようにする▼地下資源の開発プロジェクトに韓国が参加するなど、両国がエネルギーと資源分野で協力を強めることで合意しました。首脳会談ではこのほか、▼環境に配慮する低炭素グリーン成長に向けた協力、▼教育機関や学生同士の交流の拡大、▼テロ防止のための協力についても合意しました。さらに4月にロンドンで開かれる主要20カ国首脳会議、G20金融サミットで緊密に協力することにしました。一方、李明博大統領は、8日、アジア地域に駐在している韓国大使らと朝食を兼ねた懇談会を開き、これまで日本や中国など東北アジアに重点をおいていたアジアに対する外交政策を、アジア全域に拡大する「新アジア構想」を発表して、帰国の途に就きます。

・韓国の柳仁村(ユ・インチョン)文化体育観光部長官は5日、日本の金子一義国土交通相と東京で会談しました。会談では、両国の観光分野の交流を一層拡大していくことで合意し、交流促進のための声明を発表しました。声明は、「両国は2005年の訪問の年と2008年の観光交流の年など、観光分野の交流を拡大するための事業を持続的に実施してきた」とした上で、「こうした経験を土台に両国間の観光分野の交流を一層拡大することにした」としています。さらに、「青少年の交流を拡大するために、留学生の観光行政体験研修など、各種の研修プログラムを進めていく」ことにしました。

・景気後退で就職が難しくなっている中で、都市銀行の新入社員の採用試験で競争率が最高154倍に達しました。韓国外換銀行が今月4日まで、新入社員100人を募集したところ、1万5424人が願書を出し、競争率は154倍に達しました。銀行は最近、新入社員の初任給を20%減額しているにもかかわらず、このように競争率が高くなったのは、上半期に正規社員を募集する銀行は韓国外換銀行と企業銀行の二つだけで、採用人数も減らしているためと見られます。

・1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯人として逮捕された金賢姫元死刑囚が最近、日本の産経新聞に手紙を送り、日本人拉致被害者の田口八重子さんの家族との面会を控えて心境を伝えたことが分かりました。金賢姫元死刑囚は北韓の工作員時代に、北韓で田口さんから日本語をはじめ日本について教育を受けたということです。産経新聞が報じた手紙の中で金賢姫元死刑囚は、「私は盧武鉉政権の下で長い避難生活をしてきたが、このたび韓日両国政府の勧めで田口八重子さんの家族と面会することになった」とした上で、「今回の面会が個人的な喜びに終わるのではなく、韓国と日本が互いに理解し合い、協力することにつながるよう期待する」としています。また、「北韓には今も多くの日本人拉致被害者がいるが、日本への送還は進んでいない。日本政府が北韓の閉ざされた心の門を開き、田口八重子さんが家族に再会したという記事が報道されることを祈っています」としました。

・プロサッカーのKリーグが7日からスタートします。7日は全国の7つの競技場で試合が行われ、開幕戦として昨シーズンの優勝チーム水原三星と浦項スティーラーズの試合が、水原ワールドカップ競技場で午後3時に始まります。今シーズンは新生チームの江原FCが加わり、15チームがそれぞれ28試合を行って、上位6チームによるプレーオフへの進出を競います。一方、今シーズンは外国人選手3人の枠とは別に、アジアサッカー連盟に所属している国の選手1人をさらに迎え入れることができるアジアクォーター制が取り入れられ、各チームの戦力に変化が予想されています。アジアクォーター制によって、国内で活躍していた各チームの主力選手の多くが日本のJリーグに移籍し、一方で、Jリーグの川崎フロンターレで活躍していた大橋正博選手が江原FCに入団するなど、Kリーグのチームはアジアの新しい選手を迎え入れるだけに、今シーズンはこれまでにない展開が予想されます。

3月5日木曜日

・李明博大統領は5日、オーストラリアのキャンベラでケビン・ラッド首相と首脳会談を行い、安全保障分野の協力を盛り込んだ共同声明を発表しました。安全保障に関する共同声明には、軍事機密保護に関する協定の締結、両国の防衛産業の協力拡大、サイバーテロを含む国際テロ対策での協力などが盛り込まれました。両首脳はまた、政治、経済、文化など、多様な分野での協力を強化する行動計画を採択しました。このうち経済分野では、FTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉をスタートさせること、エネルギーと資源をめぐる協力、環境に配慮した経済成長を実現するための協力、保護貿易主義への対応で協力を強化することで合意しました。さらに、韓国とオーストラリアの外交関係樹立50年に当たる2011年を「友情の年」に定め、文化や人的交流など、多様な分野で交流を活発に進めることでも合意しました。大統領府青瓦台は、今回の首脳会談は、経済分野が中心だった韓国とオーストラリアの関係が、安全保障分野を含めて多様な分野に拡大する重要な契機になったと評価しました。

・労使の合意による賃金の引き上げ率が10年ぶりの低い水準に止まっていることが分かりました。労働部が2月末までに従業員100人以上の企業6700社を対象に調査した結果、労使が合意した賃金の引き上げ率は平均2.22%でした。賃金の平均引き上げ率は通貨危機に見舞われた後の1999年にマイナス1.3%まで落ち込みましたが、その後はずっと4%から6%の水準を保っていました。労働部は、賃金の引き上げ率が10年ぶりに落ち込んでいるのは、世界的な経済危機の影響で企業の採算性が低迷しているためで、今年1年間は賃金の引き上げ率が落ち込むものと予想しています。こうした中で、賃金を凍結したり、減額する企業も増えています。

・在韓国連軍司令部は5日、北韓の朝鮮人民軍と実務レベルの協議を行い、6日に開かれる予定の将官級会談の進め方を調整した結果、これまで非公開で行われてきた会談の一部を初めてマスコミに公開することで合意しました。しかし、議題などについては明らかにしませんでした。将官級会談には、国連軍司令部からワイダー副参謀長が、北韓人民軍からクァク・チョルヒ少将らが出席します。双方は今月2日にも軍事境界線にある板門店で将官級会談を開き、この中で北韓は韓米合同軍事演習の中止などを要求しました。今回の将官級会談でも、来週から始まる韓米合同軍事演習が議題に上がるものと見られている中で、韓半島の緊張緩和に向けた具体策が出されるかどうかに関心が寄せられています。

・韓半島の有事に備える韓米連合軍の合同軍事演習「キー・リゾルブ」が9日から始まりますが、この演習に韓国では最初のイージス艦「世宗大王艦」も参加することになりました。世宗大王艦は去年12月に就役したばかりの韓国では最初のイージス艦で、1000個以上のターゲットを同時に追跡し、20個のターゲットを同時に攻撃できる上、敵のレーダーを最大限かわすことができるステルス機能も備えています。この合同軍事演習にはアメリカ海軍のイージス艦2隻も参加することになっており、世宗大王艦はこれらアメリカのイージス艦と通信訓練などを行う予定です。キー・リゾルブは、20日まで韓国全域で行われ、アメリカ軍2万6000人あまりが韓国軍と合同で軍事演習を行います。

・北韓がこれまで中東地域の国にスカッドミサイルを輸出し、1年に15億ドル以上の外貨を稼いだという報告書が出されました。アメリカの民間シンクタンク「クレアモント研究所」は、今年1月に発行した「2009年のミサイル防御、宇宙関係と21世紀」という報告書で、北韓の大量破壊兵器と関連して、北韓はこれまで中東地域の国に、スカッドミサイル1000基以上と関連部品を輸出して、1年に15億ドルに達する外貨を稼いだと主張しています。また、北韓はミサイルの輸出を増やす一方、最近はイランやシリアなど、複数の国に、弾道ミサイルのテポドン2号と関連した技術を提供したと推測されると指摘しました。

・第2回WBC=ワールド・ベースボール・クラシックのアジア予選が5日から東京で始まりますが、韓国のテレビは試合の模様を放送できなくなりました。韓国の地上波テレビ3社を代表してKBSは5日、「ワールド・ベースボール・クラシックの中継権を持っているIBスポーツと4日夜まで交渉を続けたが、放送権料をめぐる隔たりを埋めることができなかった」と発表しました。IBスポーツは当初、野球中継の放送権料として300万ドルを要求し、最終的には250万ドルに引き下げましたが、KBSは130万ドルを譲らず、結局交渉は決裂したということです。KBSの関係者は、「130万ドルは地上波テレビ3社による最終的な決定で、ウォン安や景気後退の影響で、これ以上の金額では採算性がとれないと判断した」としています。この結果、韓国ではワールド・ベースボール・クラシックのアジア予選の試合の模様をリアルタイムで見るためには、有料のインターネットサイトや携帯電話を利用するか、3時間後に試合を録画で放送するケーブルテレビを見なければなりません。

・アメリカ国内のアジア系の人口が1520万人に達し、そのうち韓国系は5番目に多いことが分かりました。アメリカ連邦センサス局が3日発表したところによりますと、2007年7月の時点で、アジア系アメリカ人の人口は1520万人に達し、そのうち中国系が354万人でもっとも多く、次いでフィリピン系305万人、インド系277万人、ベトナム系164万人、そして5番目は韓国系で156万人でした。アジア系の人口はアメリカの人口の5%を占めていますが、アメリカ連邦センサス局は2050年には4000万人を超え、全体の9%を占めるものと予想しています。アジア系の人が最も多いのはカリフォルニア州で、およそ500万人が住んでおり、州の人口の14%を占めています。次いで多く住んでいるのはニューヨークで140万人、テキサスが91万5000人でした。一方、アジア系では、25歳以上で、大学卒業以上の学歴の人が50%以上、修士号以上の学歴の人も20%と、一般的なアメリカ人の学歴を大きく上回っており、教育熱が高いことを裏付けています。

・ソウル市は5日、ソウルの中心部にある小高い山、南山の生態系を復元するとともに、市民が容易に登れるように再生する「南山ルネッサンス計画」を発表しました。それによりますと、今年中に元中央情報部が入っていた建物や交通放送の建物を撤去するなど、南山の中腹にある建物を順を追って撤去することにしました。また、南山に自生している樹木のうち外来種を昔ながらの松の木に植え替え、二つの小川と3か所の小渓谷を再現することにしました。さらに、南山のふもとからケーブルカーの乗り場までに、傾斜が25度で透明な材料でできたエレベーターを設置して、市民が容易に南山に登って、自然を楽しむことができるようにします。ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は、「この計画が実現すれば、南山は人と自然、文化と歴史が共存する空間に生まれ変わるだろう」と述べました。

3月4日水曜日

・オーストラリアを訪れている李明博大統領は4日、北韓がミサイル発射の準備とみられる動きをみせていることについて、「ミサイルの発射は北韓にとって短期的には有利に交渉を進められるかもしれないが、長期的には有益ではないだろう」との認識を示しました。李明博大統領は、オーストラリアの有力紙である「ジ・オーストラリアン」のインタビューに応じてこのように述べ、「北韓は過去にもタイミングを選んでミサイルを発射するなどの対応をしてきた。今回もアメリカで新政権が発足し、新しい6か国協議が開かれることをにらんで強硬な態度を示しているものとみられる」という認識を示しました。また、金正日国防委員長の健康不安説について聞かれると、李明博大統領は「北韓の体制の安定化はむしろ南北が互いに対話し、協力していく上で役に立つと思う」という考えを示しました。

・韓国政府は3日、北韓の深刻な人権状況に懸念を示し、北韓に対して国際人権条約上の義務を完全に履行し、人権を改善する措置を取るよう求めました。これは、スイスのジュネーブにある国連ヨーロッパ本部で開かれている国連人権理事会の高官級会合で、韓国政府の首席代表を務める外交通商部の申ガク秀(シン・ガクス)第2次官が基調演説をして述べたものです。この中で、申ガク秀第2次官は、「韓国政府は北韓の非常に深刻な人権状況に対する国際社会の深い懸念に共感を覚える」とした上で、「北韓が国際人権法と国際人権規約上の義務を完全に履行し、人権の改善に必要な措置を取るよう促す」と述べました。北韓は現在、市民的及び政治的権利に関する国際規約と経済的・社会的及び文化的権利に関する国際規約、女子差別撤廃条約、児童の権利に関する条約などの国際条約に加盟しています。韓国政府のこうした発言に対し、北韓は強く反発しています。北韓のジュネーブ駐在代表部の崔明男(チェ・ミョンナム)参事官は理事会で答弁権を行使し、「北韓の人権問題に関する韓国首席代表の不適切な発言は対決と憎悪を煽るものだ」と非難しました。

・今年第1四半期の経済成長率が10年前の通貨危機当時の水準にまで落ち込むだろうという見通しが相次いで出ています。韓国経済研究院や韓国開発研究院(KDI)など国内の経済研究所は、今年1月から3月までの第1四半期のGDP=国内総生産の成長率が去年の同じ期間に比べ4%から8%減少するとの見通しを示しました。これは、通貨危機の最中だった1998年とほぼ同じ水準です。このため、韓国経済研究院はこれまでプラス2.4%としてきた今年1年間のGDP成長率の見通しをマイナス2%からマイナス4%に修正する作業を行っており、特に第1四半期はマイナス7%からマイナス8%まで落ち込む可能性があるという見方を示しました。また、韓国開発研究院は、景気がいつ本格的に持ち直すか分からないため第1四半期の成長率はマイナス4%からマイナス5%程度になるものとみられるが、状況によってはもっと悪化する可能性もあるという見方を明らかにしました。さらに、LG経済研究院は、実体経済の後退が本格化しているため、第1四半期の成長率はマイナス5%からマイナス6%になるだろうと予測しました。一方、韓国銀行は、「成長率がマイナスになるのはほぼ確実だ」としながらも、第1四半期の経済成長率の見通しについては具体的な言及を避けています。景気が回復する時期については、専門家らはこれまで下半期に景気回復が始まるとの見通しを示していましたが、アメリカの金融市場がいつ安定化するか分からない上、実体経済の後退も本格化しているため、回復は来年になるというのが大方の見方です。

・臨時国会は3日、与野党の間で争点となっていた法案のほとんどを成立できないまま閉会しました。国会はこの日夕方、本会議を開き、財閥企業が系列会社に出資できる総額を制限している制度の廃止を柱とする独占規制及び公正取引法の改正案や産業銀行の民営化に向けた韓国政策金融公社法など、主な経済関連の法案を成立させました。しかし、この日与野党の合意のもとで成立させることになっていた、大手企業が銀行など金融機関の持ち株を保有できる限度を緩和するための銀行法改正案やデジタル放送転換法、著作権法の改正案など、争点となっていた法案は、野党が強く反対したため結局成立されませんでした。この結果、最終的に審議・採決する予定になっていた77件の法律案と決議案のうち、可決成立したのは63件でした。

・FTA=自由貿易協定について、このところアメリカ政府の当局者らによる発言が目立ち、韓米FTAの再交渉を求める動きになるかどうか注目されています。ガイトナー財務長官は議会下院歳入委員会の公聴会に出席し、「オバマ大統領は韓米FTAをはじめ、パナマ、コロンビアとのFTAを進展させるため、議会と協力していく」と述べました。これに先立ち、アメリカ通商代表部(USTR)は2日、オバマ政権の「貿易アジェンダと2008年報告書」を発表しました。この中で、アメリカ通商代表部は、「韓国、コロンビア、パナマなどと締結したFTA問題に迅速かつ責任感をもって対処する」としています。これについて、一部ではオバマ政権がFTAの批准を積極的に進める意志を示したという見方をしていますが、一方で、アメリカ政府はFTAの再交渉に重きを置いているという見方も出ています。

・海賊対策でソマリア海域に派遣される韓国海軍の「清海(チョンヘ)部隊」は4日、釜山沖で海上総合訓練を行いました。訓練には韓国型駆逐艦(KDX−II)の文武(ムンム)大王艦(4500トン)や対潜ヘリコプターのリンクス(LYNX)1機、高速短艇(RIB)2隻、そして海軍特殊戦闘要員(UDT/SEAL)など300人が参加しました。訓練は貨物船を護送していた韓国型駆逐艦の文武大王艦のレーダーが高速で近づいてくる正体不明の船舶をとらえたため、その船舶を呼び出したものの応答がなく、戦闘配置に入ったという想定でおよそ30分にわたって釜山の南40キロの海上で行われました。文武大王艦艦長のチャン・ソンウ大佐は、「今回の訓練は清海部隊が任務を遂行する過程で発生し得る海賊の威嚇を事前に防ぎ、チームワークを強化することに重点を置いて行った」と説明しています。清海部隊は、今月半ばにソマリアのアデン湾に向けて出航し、4月半ばに到着する予定です。

・今年の桜の開花時期は、去年より4日、平年よりは9日ほど早くなる見込みです。気象庁が4日に発表したところによりますと、今年2月の全国の平均気温はマイナス1度2分からプラス10度8分と平年を上回り、一部の地域では平年より4度以上も高くなったため、桜の開花が平年より9日ほど早くなる見込みだということです。地域別に見ますと、済州島の西帰浦市で今月18日頃に桜が咲き始め、南部地方は21日から27日にかけて、またソウルなど中部地方は28日から4月8日頃に開花するということです。桜の名所として有名な慶尚南道鎮海市は今月22日から、ソウルのヨイドは4月1日から桜が咲き始めるものとみられます。

3月3日火曜日

・ニュージーランド、オーストラリア、インドネシアの3カ国を歴訪している李明博大統領は、3日、最初の訪問国ニュージーランドで、ジョン・キー首相と首脳会談を行い、韓国とニュージーランドとのFTA=自由貿易協定の交渉を正式に宣言しました。首脳会談は韓国時間で3日午前行われ、両国のFTA協定を締結するための交渉を正式に宣言するとともに環境に配慮した経済成長・グリーン成長に向けた協力、金融危機への対応や、保護貿易措置の凍結、WTO=世界貿易機関などでの両国の協調について意見を交わしました。また会談で、李明博大統領は、ニュージーランドのブロードバンド建設事業やオークランドの交通カードシステム事業に韓国企業が参入できるよう要請しました。そしてロボット、ITを活用した健康管理サービス分野などでの共同研究や、去年締結した映画共同制作協定による映画産業での協力、そしてワーキングホリデープログラムの拡大に向けて協力していくことで合意しました。さらにジョン・キー首相は北韓の非核化に向けた6か国協議への支持を表明し、国際社会で両国が協力していくことを約束しました。

・東ヨーロッパに加えてアメリカで再び金融不安が高まっている中、海外の大手投資銀行は、輸出への依存度が高い韓国の今年の経済成長率の見通しを平均でマイナス2.9%に下方修正しています。国際金融センターが3日発表したところによりますと、ゴールドマンサックスやJPモルガンなど海外にある10の投資銀行は韓国の今年の経済成長率をマイナス2.9%に下方修正しました。これは1か月前のマイナス2.3%より0.6ポイント下げたもので、韓国政府の見通しのマイナス2%よりおよそ1ポイント低くなっています。このように海外の投資銀行が韓国の今年の経済成長率をさらに下方修正したのは、東ヨーロッパに加えて、アメリカで再び金融不安が高まっていることから、韓国の輸出が当分は厳しい状況を避けられないと見られているためです。

・3月3日は、韓国では、数字の3の語呂合わせで、豚の三枚肉のサムギョブサルデーとなっており、農協などによる豚肉の消費を促進するためのイベントが大手スーパーなどで繰り広げられました。サムギョブサルデーは、2003年に伝染病の一つ豚の口蹄疫が発生して豚肉の消費が大きく落ち込んだことを受けて、農協が豚肉の消費を促進すために3月3日を「豚肉の三枚肉のサムギョブサルデー」としたものです。この日は、ソウルの中心街ミョンドンでは、特設のイベント会場が設けられ、農協と養豚協会が主催する豚肉を使った料理31点が紹介されたほか、デパートや大手スーパーマーケットなどでは、サムギョブサルが通常の40%から50%値引きして販売されました。韓国では、豚肉には人体の中のほこりや重金属を外に出す効果があるとして、黄砂が飛んでくる時期になると豚肉の売り上げが普段より増えていますが、今年の春は黄砂に覆われる日が多いと見られることから、関連業界では、サムギョブサルの売り上げも例年より50%以上増えるものとみています。

・アフリカのソマリア海域に海賊対策のため派遣される韓国海軍の艦艇「清海(チョンヘ)部隊」の創設式が3日、釜山の海軍作戦司令部で行われました。これは2日、国会の本会議で、「韓国軍のソマリア海域への派兵同意案」が可決されたことを受けて行われたもので、創設式にはチョン・オッグン海軍参謀総長ら関係者が多数出席しました。今度派遣される海軍艦艇「清海(チョンヘ)部隊」は、4500トン級駆逐艦の文武(ムンム)大王艦に、特殊部隊の隊員30人を含む海軍と海兵隊の将兵300人が乗り組んでおり、ヘリコプターも搭載して、 ソマリア海域で、海賊を撃退するための国際連合海軍と協調し、民間船舶の護送などの任務に当たることになります。清海(チョンヘ)部隊は、4日、釜山港の海域で実戦訓練などを行った後、今月中旬にもソマリアのアデン湾に向かう予定です。

・日本の防衛省は、北韓が今月中旬にも長距離弾道ミサイル「デポドン2号」の改良型を発射する可能性があるとみて、警戒を強めていると、産経新聞が3日伝えました。それによりますと、これは発射台周辺での準備状況などを分析したことによるもので、その時期、韓米合同軍事演習が行われることにも注目しているということです。また気象条件から発射は4月以降になるとの指摘もありますが、当面は、3月中旬が最初の山場とみて、自衛隊と米軍は警戒態勢を強化すると見られると説明しています。今回の発射準備は1月末ごろに始まっていますが、北韓が2006年7月5日にデポドン2号を発射した時は、準備がその年の5月上旬ごろに始まり、およそ2か月後に発射されたことが、3月中旬の発射説を裏付ける根拠の一つになっていると、産経新聞は分析しています。

・アメリカ北東部にある名門私立大学のアイビーリーグでは初めて、ダートマス大学の総長に韓国人でハーバード医科大学のキム・ヨン教授(49)が選ばれました。

・大学生がもっとも就職したい会社の1位に三星電子が6年連続で選ばれました。求職ウェブサイト「ジョブコリア」が、 大学生1500人あまりを対象に、売り上げが上位100社のうち、もっとも就職したい会社を選んでもらった結果、全体の20.4%が三星電子を挙げました。2位はポスコで7.9%でしたが、1位との差が12.5ポイントも開いています。3位はSKテレコム5.2%、大韓航空4.9%、国民銀行4.1%の順となっています。

・暦の上で「啓蟄」を2日後に控えた3日、韓国南部の全羅南道一帯は大雪に見舞われました。光州地方気象庁によりますと、雪は3日未明から降り出し、午前8時現在の積雪は、全羅南道 霊光(ヨングァン)郡で14センチを記録したほか、木浦が8.3センチ、珍島5センチ、光州4.7センチで、大雪注意報が出されました。このうち、木浦市では、3月に降った1日中の積雪量としてはこれまででもっとも多かった1977年の7.2センチを上回りました。このため、各地の道路は朝の通勤ラッシュに加えて、のろのろ運転が続き、ひどい交通渋滞となりました。

・アメリカからの金融不安などを受けて、ウォンの為替レートは1ドルが1600ウォン近くまでウォン安が進んでいましたが、3日は政府の介入などによって持ち直し、株価も上昇しました。3日のドルに対するウォンの為替レートは、2日より19ウォン70銭ウォン安の1590ウォンで取り引きが始まり、ニューヨーク株式市場で株価が急落したことを受けて、1ドル1594ウォンまでウォン安が進みました。しかし、政府当局が2日に続いて市場介入に乗り出したためウォンは持ち直し、結局1ドル1552ウォン40銭で取り引きを終えました。また総合株価指数は、2日のニューヨーク株式市場がおよそ12年ぶりの最安値を記録したことを受けて、2日より24.96ポイント下落して1000台の大台を割り込み、993.85で取り引きを始めましたが、結局、1025.57まで持ち直して取り引きを終えました。

3月2日月曜日

・李明博大統領はニュージーランド、オーストラリア、インドネシアの3カ国をいずれも国賓として歴訪するため、2日、最初の訪問国、ニュージーランドに向けて出発します。大統領府・青瓦台は李明博大統領の3カ国歴訪について、「李明博大統領は3カ国の首脳とそれぞれ首脳会談を行い、世界的な経済危機の克服に向けた協調と、両国間のFTA=自由貿易協定の締結、資源とエネルギー、環境に配慮した経済成長・グリーン成長に向けた協力などについて話し合う予定だ」と述べました。李明博大統領は3日にニュージーランドのオークランドでジョン・キー首相と首脳会談を行い、韓国とニュージーランドとのFTA交渉を正式に宣言するとともに、金融危機への対応について意見を交わし、バイオ・エネルギー、情報通信、教育、文化面での協力拡大をはかるほか、ニュージーランドのブロードバンド建設事業に韓国企業が参入できるよう要請する方針です。続いて李明博大統領は5日にはオーストラリアのキャンバラでキャビン・ラッド首相と会談し、韓国とオーストラリアとのFTA交渉を開始すると発表し、気候変動への対応を含むグリーン成長をはかるうえでの協力や、オーストラリアの大学などで韓国学を盛んにすることなど文化や人の交流拡大について協議する予定です。李明博大統領は6日に最後の訪問国、インドネシアに向かい、ユドヨノ大統領と会談して、インドネシアの油田などの地下資源の開発プロジェクトへの韓国企業の参入や科学技術面での協力について話し合うことにしています。

・李明博大統領はオーストラリアなど3カ国を歴訪する間にアジア外交の範囲を広げる「新アジア構想」を明らかにする方針です。大統領府・青瓦台の李東官スポークスマンは2日の会見で「新アジア構想はこれまで北東アジアに重点を置いていた韓国のアジア外交を東南アジアや西南アジア、南太平洋までに広げ、さらに経済中心のネットワークに安全保障や文化も含めることになる」と述べました。

・アメリカからの金融不安と韓国の企業実績が悪化した影響を受けて、株価が下落し、ドルに対するウォンの足腰がさらに弱まってウォン安の傾向が一段と強まり、1ドル当たりのウォン相場が1570ウォンを超えたうえに、日本の円100円に対するウォン相場は史上初めて1600ウォンを超えました。先週末、経営不振に陥っているアメリカの大手銀行「シティグループ」が事実上、アメリカ政府の管理下に置かれることになり、ニューヨーク株式市場が12年ぶりの最安値を記録したことから、週明け2日の韓国株式市場の株価は、三星電子やポスコなど優良銘柄も含めて軒並み下がりました。その結果、2日の総合株価指数は先週末に比べて4.16ポイントも下がって1018.81と、大幅な下落となりました。またソウル外国為替市場は、株価の下落の影響とともに、韓国の企業実績が悪化したこと、1月の産業生産が前の月より25%も減少したこと、それに政府の景気浮揚策に対する期待感が下がったことなどからドル買いが強まり、2日の終値は1ドル1570ウォン30銭と先週末に比べて36ウォン30銭のウォン安で、1998年3月以来11年ぶりに1570ウォン台となりました。またドル円に対してはドルよりさらにウォン安が進み、100円に対するウォン相場は1615ウォン72銭と、為替の集計を取り始めた1991年以来のウォン安となりました。

・2月の貿易収支は、輸出が去年の同じ期間に比べて17%減少したものの、船舶の輸出が大幅に増えたことや、輸入が30%も減ったため、33億ドルの黒字となりました。知識経済部が2日まとめたところによりますと、2月は輸出が258億4800万ドル、輸入が225億5300万ドルで、貿易収支は2007年6月以来もっとも多い32億9500万ドルの黒字として暫定集計されました。2月の輸出は去年2月に比べて17%減りましたが、輸入が31%と大幅に減ったため、貿易収支は黒字になりました。また船舶の輸出が42億3000万ドルにのぼり、去年同期に比べて47%も増えたことも黒字を支える大きな原因となりました。しかしそのほかの品目の輸出は軒並み振るいませんでした。

・新聞法、放送法などメディア関連法案をめぐって先週から与野党が激しく対立していた国会は2日、メディア関連法をめぐる論議を市民団体や専門家も加えて100日間重ねた後、採決することで妥結しました。国会は最大の争点となっているメディア関連法をめぐって先週末、与野党議員がもみ合い、与党ハンナラ党議員が本会議場前で座り込みをする中、金炯?(キム・ヒョンオ)国会議長の仲裁で与野党の院内代表が非公開の協議を行い、1日、暫定の合意案をまとめました。しかし与野党とも党内の会議でこの合意案を拒否したため、混迷が深まる中で、メディア関連法の成立を目指す与党ハンナラ党は金炯?議長に対して職権による上程を要求していました。こうした中で与野党は2日午後、党の代表同士が会談した結果、メディア関連法をめぐって、与野党のほかに市民団体や専門家も加えて協議する場を設け、さらに100日間論議を深めた後、採決することで劇的に合意し、これで国会は閉会前日にしてやっと正常化することになりました。

・国連軍司令部と北韓軍は2日午前、軍事境界線にある板門店で将官級会談を行いました。国連軍司令部によりますと、この会談は北韓が先月28日に提案し、国連軍司令部が受け入れたもので、国連軍司令部と北韓軍が会談したのは2002年9月以来、6年6カ月ぶりです。会談に先立って国連軍司令部は、「今回の会談で双方の考えを率直に示し合って誤解を払拭すれば、信頼の構築に役立つと思う」と述べました。国連軍司令部と北韓軍との将官級会談は、1991年に軍事停戦委員会の首席代表に韓国軍の将官が任命されたことに北韓が反発して委員会がストップした後、1999年に西の海=西海で南北の海軍による銃撃戦が起きたことを受けて将官級会談が初めて開かれ、アメリカ軍と北韓軍のほかに韓国軍とイギリス軍の将官も出席しています。

・韓国の航空安全をめぐる管理体制が世界の最高であるという評価を受けました。国土海洋部によりますと、航空安全分野のオリンピックといわれている国連傘下のICAO=国際民間航空機関が行った航空安全についての総合評価で、韓国は航空安全をめぐる国際基準を実行した比率が98.89%と、これまでに評価を受けた119カ国のうちで最高となりました。韓国は2000年の評価では国際基準の実行率が80%で、調査対象162カ国のうち53位にとどまていました。しかしその後、韓国では、濃い霧の中でも空港に安全に着陸できる精密な着陸システムを導入する一方、パイロットに対しては多様な機種の航空機で操縦訓練を行うなどして、これまで9年間、航空機の運航で無事故の記録を作りました。