2009年ニュース

2月28日土曜日

・北韓は咸鏡北道・舞水端(ムスダン)里にあるミサイル基地で、ミサイルを発射するためのロケットの組み立て作業を始めたものとみられます。韓国政府の消息筋は27日、北韓が先日、実験用通信衛星の「光明星2号」の運搬ロケット「銀河(ウンハ)2号」を発射する準備作業をしているという談話を発表したことについて、 「ロケットの組み立て作業が始まったものとみられる」と見解を述べました。この消息筋は「ロケットの組み立て作業が始まったことから考えると、準備作業は今後1−2週間で完了し、実際の発射時期は3月末から4月初めになるものと考えられる」と述べました。韓国とアメリカは、3月9日から20日にかけて、韓半島有事の際の防御体制を築く合同軍事演習を行う予定のほか、4月初めにはロンドンでG20金融サミットが開かれる際に韓米首脳会談の開催も予定しており、北韓はこの時期を狙ってミサイルを発射する可能性があるのではないかとみられています。

・ロシアのラブロフ外相とアメリカのクリントン国務長官は、韓国時間で28日、電話で会談し、北韓のミサイル発射の動きについて協議しました。この電話会談はクリントン国務長官がラブロフ外相に就任のあいさつを兼ねて行われたもので、この中でクリントン国務長官は北韓のミサイル発射の動きは北東アジア情勢と6カ国協議の進展によくない影響を与えかねないと、憂慮の念を示したものとみられています。

・6カ国協議の韓国首席代表を務めていた外交通商部の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長が国家情報院の第1次長になり、このため韓国側首席代表が空席となりました。これについて外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は27日、首席代表を早期に任命する方向で検討していると述べました。一方、アメリカ側の首席代表は、これまでのヒル氏から、国務省で北韓の核問題にあたってきたソン・キム特使がつとめることになりました。これについてクリントン国務長官は26日、国務省で記者会見し、「これからはソン・キム特使がアメリカの6カ国協議の代表団をリードすることになった。今後はボスワース特使と協力して、6カ国協議の各国と持続的な接触にあたる」と述べました。ソン・キム特使は2006年夏から2年間、アメリカ国務省で韓国課長をつとめ、北韓が寧辺にある冷却塔を爆破した際にはアメリカを代表して北韓入りするなど、数回にわたって寧辺入りして、北韓の核計画の不能化作業の陣頭指揮を取っており、去年9月に北韓の核問題を担当する特使になっています。

・韓国とASEAN=東南アジア諸国連合が締結したFTA=自由貿易協定に、ASEAN10カ国の中で唯一参加していなかったタイが合流し、これで韓国はASEAN10カ国全部とFTAを結んだことになりました。外交通商部の金宗フン(キム・ジョンフン)通商交渉本部長と、ASEAN10カ国の通商担当相は27日、タイでタイが加わる韓国・ASEAN自由貿易協定の議定書に署名しました。これによって、韓国はタイに対して来年末までに90%以上の品目で関税の撤廃が義務付けられます。一方、タイは韓国に対して、2017年までに最大94.5%の品目で段階別に関税を撤廃しなければなりません。議定書が発効するには両国の議会での批准が必要ですが、タイはすでに議会で事前同意を得ています。議定書が発行しますと、韓国はタイ向けに化学製品、機械、鉄鋼、タイヤの輸出が増え、タイからは生ゴムや、えびなどの輸入が増える見通しです。またサービス部門でも、コンピューターのシステム統合関連事業や経営コンサルタント、ホテル、食堂などのスタッフがタイに多く進出するものと期待されます。

・自動車メーカーのGM大宇が、大株主である産業銀行に対して1兆ウォンの資金支援を要請してきたと、産業銀行が28日明らかにしました。これについてGM大宇の関係者は「産業銀行に資金支援を求めたのは、経営状況が悪化したためではなく、開発費に当てるためだ」と説明していますが、市場では日本の会社更生法にあたる法定管理を申請した双龍の二の舞を踏むのではないかという声も出ています。産業銀行は「GM大宇が提出した経営関連資料をもとに経営状況を点検するとともに、アメリカ政府が親会社のゼネラル・モーターズへの支援を継続するかどうかを見極める必要がある」と述べました。

・国会はメディア関連法など焦点の法案をめぐって与野党間の対立が激化し、27日は常任委員会の会議室で与野党議員がもみ合いました。今の臨時国会では、放送法、新聞法、デジタル転換特別法など7つのメディア関連法案が与野党間の最大の争点になっており、3月3日までの会期中に成立するかどうか注目されています。こうした中で、国会の文化体育観光放送通信委員会は、法案の成立に反対する野党民主党の議員が25日から委員会室を占拠しており、与党ハンナラ党の議員がこの部屋に入れなくなっています。また政務委員会では、財閥による金融業の兼業禁止を緩和するための銀行法と金融持ち株会社法などの改正案をめぐって、反対している野党議員が委員長席を占拠し会議が開かれませんでした。さらに国土海洋委員会では、韓国土地公社と韓国住宅公社の統合を推し進めようとする与党に、野党が強く反発して委員長席を占拠し、与野党議員や議員補佐官同士がもみ合う一幕もありました。このような争点の法案について、与党は金炯オ(キム・ヒョンオ)国会議長に対して本会議への職権による上程を要請していますが、議長が職権による上程をした場合、民主党がさらに反発して国会の混迷が深まることが避けられないため、与野党は週末に院内代表などによる非公式接触などを行って接点を模索することにしています。

・出産が可能が女性の人口が6年連続で減少しており、少子化問題はさらに深刻になるものとみられています。統計庁が28日まとめたところによりますと、去年末の時点で、妊娠と出産が可能な15歳から49歳までの女性は1353万2000人で、前の年に比べて0.4%減少しました。妊娠可能な女性の人口は、2002年に1378万5000人でピークに達したあと、この6年間は連続して減少しています。中でも結婚と出産に直接関係のある20歳から39歳までの女性人口の減少は、統計を取り始めた1998年以降、減っています。さらに20歳から24歳までの女性の人口は5.2%も減っており、今後は人口の減少が心配されています。

・ソウル市庁前広場に冬の間設けられていたアイススケート場が28日で閉められました。ソウル市庁前広場のアイススケート場は、去年12月中旬にオープンし、これまでに延べ27万5000人が利用しました。一方、都心に復元された川、清渓川では、3月1日から9カ所の噴水のスイッチが入れられ春の訪れを告げます。

2月27日金曜日

・北韓がミサイルの発射に踏み切る動きを見せていることを受けて、韓国の柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官と、アメリカのクリントン国務長官は26日、電話で会談し、対応などについて協議しました。外交通商部の当局者が27日、明らかにしたところによりますと、両外相は、韓国時間で26日午前、電話で10分間会談し、北韓のミサイル発射に踏み切る動きは、北東アジア情勢や北韓の核開発問題をめぐる6か国協議の進展に悪影響を与える恐れがあるとして、その対応方法などについて話し合ったということです。

・アメリカのクリントン国務長官は26日、国務省で記者会見し、北韓問題を担当する特別代表に任命されたボスワース元駐韓大使が、来週から6か国協議の関係国である韓国、日本、中国、ロシアを訪問すると発表しました。ボスワース特別代表は、オバマ政権が発足してから任命され、6か国協議の関係国を訪問するのはこれが初めてです。ボスワース特別代表は6か国協議の進展に向けて各国の関係者と意見を交換する見通しですが、北韓がミサイルの発射準備を進めていることから、この問題の対応策についても協議するものと見られています。北韓はミサイルの発射について、近く人工衛星を打ち上げる予定だと発表しており、北韓の金明吉(キム・ミョンギル)国連公使は26日朝、アメリカのアトランタで記者団に対し、「われわれには人工衛星を打ち上げる権利がある。打ち上げは予定通り行う。問題は打ち上げる時期だ」と述べ、ミサイルの発射ではないことを強調しました。

・韓国の企業銀行は外貨流動性を改善するため、日本の銀行と相互融資契約を締結することにしました。企業銀行が27日発表したところによりますと、日本の三井住友銀行との間で相互融資契約を締結し、企業銀行は3000億ウォン、三井住友銀行は200億円の範囲内で、双方が必要なときに優先して融資するということです。企業銀行の関係者は、「こうした銀行間の融資契約は国と国との通貨スワップ協定と同じ効果が期待でき、4月初めに正式に契約した後、三井住友銀行から円を借りて、資金難に陥っている中小企業に融資する計画だ」と述べました。こうした銀行間の相互融資契約は、今後、他の銀行にも広がっていく見通しです。

・先月の経常収支が4か月ぶりに赤字に転じました。韓国銀行が27日発表した1月の経常収支は13億6000万ドルの赤字となりました。経常収支は去年9月に13億5000万ドルの赤字から、10月には47億5000万ドルの黒字に転じ、11月は19億ドル、12月は8億6000万ドルの黒字で、3か月連続で黒字が続きました。1月の経常収支が赤字に転じたのは、輸出が34%も減少して、輸入に比べて大きく減少し、商品収支が赤字になたっためです。韓国銀行は2009年の経常収支について、2008年の64億1000万ドルの赤字から、220億ドルの黒字に転じると見込んでいます。

・景気悪化の影響で、去年の世帯別実質所得と消費支出が5年ぶりに減少しました。統計庁が27日発表した「家計動向」によりますと、去年の世帯別平均所得は月額337万ウォンで前の年に比べて4.5%増えましたが、物価上昇率を差し引いた実質所得では0.2%減りました。世帯別の平均所得が減少に転じたのは、2003年に統計を取り始めて以来初めてです。特に急速に景気が悪化した去年10月から12月までの第4四半期の平均所得は334万ウォンで、物価上昇率を差し引くと2.1%も減少しました。一方、支出も統計を取り始めて以来、もっとも大幅に減少しました。去年の世帯別平均支出は月額229万ウォンで、物価上昇率を差し引くと1.1%減少し、第4四半期では3%も減りました。

・憲法裁判所は26日、交通事故を起こした運転者が総合保険に加入していて、重大な過失がない場合、刑事処罰を免じている交通事故処理特例法の条項は無効だとする判断を下しました。韓国では、交通事故を起こした運転者が総合保険に加入していて、轢き逃げやセンターラインオーバー、飲酒運転、スピード違反など、重大な過失がなければ、被害者が重傷を負った場合でも刑事処罰を免じてきました。憲法裁判所は、被害者に重傷を負わせたのに、総合保険に加入しているという理由だけで刑事処罰を免じるのは、憲法に定められた平等権に反するとしました。また、韓国はOECD加盟国の中でも交通事故の発生率が高く、総合保険に加入したからといって刑事処罰を免じると、運転者が安全運転義務を疎かにする恐れがあると、問題点を指摘しました。

・景気が悪化しているにもかかわらず、学校以外の学習塾などに支出する私教育費は増えていることが分かりました。統計庁が調査したところによりますと、去年、私教育費として月40万ウォン以上を使った児童生徒は18.5%で、前の年に比べて2.3%増えました。一方で、私教育費を全く使わなかった児童生徒は24.9%で、前の年に比べて1.9%増えました。これは景気の悪化で学習塾などに通えない児童生徒が増えているのに対して、景気の悪化には関係なく私教育費を増やしている児童生徒もいて、私教育をめぐって格差が広がっていると受け止められています。

・警察は独立運動記念日の3月1日に暴走族を集中的に取り締まることにしました。韓国ではここ数年間、独立運動記念日の3月1日と独立記念日に当たる光復節の8月15日に、10代を中心とする暴走族がオートバイなどで全国の幹線道路に繰り出して暴走行為を続け、交通を妨害しています。このため、警察庁は26日、全国の7つの都市の地方警察庁に、今月28日午後8時から3月1日にかけて、暴走族の取り締まりを強化するよう指示しました。警察は暴走族を現場で取り締まるほか、暴走行為をビデオカメラで撮影して主謀者を逮捕する計画です。また、全国の暴走族のリーダ級の400人に対して文字メールを送り、暴走を控えるよう呼びかける一方、全国の飲食店に対して、出前などに使っているオートバイを28日夜は若い従業員に使用させないよう要請しました。

2月26日木曜日

・与党ハンナラ党は国会で25日に開かれた文化体育観光放送通信委員会に、野党が反対しているメディア関連法の改正案を単独で上程し、第1野党の民主党の議員や秘書ら20人あまりが委員会室を占拠しました。ハンナラ党が進めているメディア関連法の改正案は、放送事業に大企業が進出できない上、新聞社が放送局を所有できないようにしている今の規制をなくす一方、インターネット上での規制を強化する「サイバー侮辱罪」の新設などが盛り込まれています。野党側はこうした改正案に対して、大企業や新聞社が放送局を所有するようになれば言論の独占につながり、公正な報道が期待できなくなるとしており、また、「サイバー侮辱罪」の新設は言論の自由を侵害する恐れがあるとして反対しています。一方、全国言論労働組合はハンナラ党がメディア関連法の改正案を委員会に上程したことを受けて、26日午前6時からストライキに入りました。このうち地上波テレビ3社の一つMBCの労働組合は26日朝からストライキに入り、ニュースなどの番組に非組合員が出演しています。

・国内にある30の大手企業グループが、経済危機に対応するため、大学を卒業した新入社員の初任給を最大で28%減額することにしたことを受けて、労働界が反発しています。30の企業グループは25日、全国経済人連合会が開いた協議会で、賃金を減らして雇用を増やす「ワークシェアリング」の一環として、大卒新入社員の初任給を最大で28%減額することで合意しました。これを受けて、韓国労総=韓国労働組合総連盟は、「労使間の相互尊重や苦痛の分担という合意の精神に反する」とする立場を示しました。韓国労総のカン・チュンホ報道官は26日、KBSラジオの時事番組に出演し、全国経済人連合会は苦痛を分担して経済危機を克服しようという労使と民間・政府の合意文に署名したにもかかわらず、賃金を一方的に大幅に減額することを決めたのは、あってはならない挑発行為だ」と述べました。一方、2大労働組合連合の一つである民主労総=全国民主労働組合総連盟は、経済危機のためすでに多くの労働者の賃金が減額されているにもかかわらず、大手企業グループが一方的に賃金の減額を決めたことで、労働者全体の賃金がさらに減少する結果を招く恐れがあるとして批判しました。

・元世勳(ウォン・セフン)国家情報院長は、北韓で3代に渡って権力が世襲される可能性があるという見方を示しました。元世勳国家情報院長は25日、国会の情報委員会に出席し、北韓の金正日国防委員長の後継者問題について、3代に渡って権力が世襲される可能性はあるが、もしそうなった場合は権力の掌握力は以前に比べて弱くなるだろうと述べました。また、金正日国防委員長の健康状態については、まだ完全に回復していないものの、業務を遂行するのに大きな支障はないと述べました。さらに、北韓が最近発射の準備を進めていると見られるミサイルについては、前回発射した長距離ミサイルのテポドンと同じ形をしており、北韓が主張している人工衛星の打ち上げというよりはミサイルの発射と見るべきだと述べました。

・アメリカが北韓の長距離ミサイルによる攻撃に備えて、ミサイルの迎撃実験を行ったことが分かりました。アメリカ国防総省ミサイル防衛庁のオライリー長官は26日、議会下院軍事委員会の公聴会に出席し、北韓が長距離ミサイルでアメリカ本土を攻撃する場合に備えて、アラスカで迎撃する実験を3回に渡って実施し、北韓のミサイル攻撃を防御できる自信を得たと述べました。また、ミサイルの迎撃は、一つの敵のミサイルに対して少なくとも五つのミサイルを発射して迎撃するシステムだとした上で、アメリカは北韓に比べて多くのミサイルを保有しており、北韓のミサイル攻撃を迎撃できる能力があると述べました。これに先立って、ゲーツ国防長官は今月10日、北韓がアメリカ本土をターゲットにして長距離ミサイル発射する場合、これを迎撃する準備を進めると述べました。

・アメリカ国務省は25日、2008年の人権報告書を発表し、この中で、北韓の人権状況は非常に悪化したと評価しました。オバマ政権発足後初めて発表されたこの人権報告書は、北韓政権がすべての住民の生活を統制し、恣意的で不法に身柄を拘束したり、生命を奪うことまでしていると指摘しました。しかし、今回の報告書では、前回のように北韓を最悪の人権侵害国10か国の中に含めなかった上、抑圧的な政権という言葉も使わず、北韓を刺激しないための配慮が伺えました。

・ウォンに対して円高が大幅に進み、韓国を訪れる日本人観光客が急激に増えていることを受けて、日本の航空会社が韓国路線を相次いで増便しています。このうち全日空は来月5日から関西空港と金浦空港を結ぶ路線で週7往復を増便します。また、日本航空は来月29日から成田と仁川を結ぶ路線で週3往復増便することにしています。日本政府観光局によると、最近のウォン安円高で、韓国を訪れる日本人観光客は先月は、去年の同じ時期に比べて55%以上増えたということです。

・子どもの出生数が3年ぶりに減少に転じ、結婚も8年ぶりに大きな幅で減りました。統計庁が25日発表した「月間人口動向」によりますと、2008年の出生数は46万6000人で前の年に比べて2万7000人が減りました。出生数は2年連続で増えていましたが、3年ぶりに減少に転じました。出産した女性の平均年齢は30.82歳で、10年前に比べて2.34歳高くなりました。また、1人の女性が生涯に産む子どもの数の予測値である合計出生率は1.19人で、前の年の1.25人よりやや減少しました。一方、結婚は32万9600件で、前の年に比べて1万6000件、4.6%減り、2000年に7.9%減少して以来、もっとも大きな幅で減少しました。結婚は2001年から続けて増えていましたが、去年、大きく減ったのは景気の悪化にも関係があるものと見られています。

・ソウル市は今年、車体の床が低い低床バスを新たに411台導入するなどして、2012年までに市内バスのおよそ半数に当たる3200台に増やす方針です。ソウル市はこのほど、「交通弱者の移動の便宜性を高めるための計画」を発表し、この中で、低床バスを身体障害者が多く住んでいる地域や、病院や社会福祉施設が集まっている地域の路線から優先して導入し、まずは運行するバスの3台に1台は低床バスにする計画です。2003年に初めて導入された低床バスは、乗り降りが便利で、特に身体障害者や高齢者に好評ですが、今のところ7200台あまりある市内バスの10%程度に止まっています。

2月25日水曜日

・李明博大統領が就任してから2月25日で1年を迎えました。しかし、このところ経済危機の影響が広がっていることや、国会で争点となっている法案の審議をめぐって与野党の対立が予想されるなど、国内の状況が厳しいため、就任1年目を祝う行事は行われませんでした。与党ハンナラ党の朱豪英(チュ・ホヨン)院内首席副代表はこの日、連合ニュースの電話インタビューに応じ、「この1年はアメリカ産牛肉の輸入再開に反対するキャンドル集会や金融危機など多くの問題があった。李明博大統領は国政運営の経験を蓄積し、システムも定着してきたので、今後はこれまでよりうまく危機に対応できると思う」と述べました。一方、第一野党民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、25日に開かれた最高委員会議で、「李明博大統領は国民の統合によって危機を乗り越えるべきであり、このためには不偏不党の人事と議会を尊重する統合のリーダーシップを発揮すべきだ」と指摘しました。

・中国を訪れている外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は24日、北京で楊潔チ外相と韓中外相会談を行い、北韓のミサイル発射準備への対応などについて話し合いました。会談の中で柳明桓長官は、北韓が人工衛星を打ち上げると発表するなどミサイル発射の準備と見られる動きを見せていることについて、「弾道ミサイルであれ、人工衛星であれ、国連安全保障理事会の決議に違反する。北韓は自制すべきだ」と述べ、強い懸念を示しました。これに対し、楊潔チ外相は、「北韓が人工衛星を打ち上げると発表したという報道に注意深く接した。各国が韓半島と北東アジアの安定に貢献することを期待する」と述べるにとどまりました。また、柳明桓長官は、去年12月に北京で開かれた6か国協議の首席代表会合で、核施設でのサンプル採取の文書化で合意が得られなかったことに遺憾の意を表し、「北韓の核計画の検証で合意を導き出し、6か国協議の進展に向けて積極的に努力すべきだ」と述べました。これに対し、楊潔チ外相は「6か国協議の進展に向けて努力すべきだ」とした上で、北韓を意識したかのように「各国が冷静な姿勢を保つ必要がある」と述べました。さらに両首脳は、金融危機を乗り越えるために経済分野での協力を強化することで合意し、柳明桓長官は今年入って両国間の貿易が急激に減っているため、去年の貿易水準を維持するため両国が努力することを呼びかけました。このほか、両首脳は去年戦略的パートナー関係に格上げされた両国関係を具体的に発展させるため、政府高官の相互訪問を引き続き行い、国際社会での協力強化や、青少年の交流拡大などで合意しました。

・北韓が人工衛星を打ち上げると発表するなどミサイルの発射準備と見られる動きを見せていることに対して、日本とアメリカの首脳は懸念を示し、北韓の核やミサイルの問題に共同で対応することで合意しました。麻生首相とオバマ大統領は24日午後ワシントンで首脳会談を行い、日米同盟や景気対策、それに北韓の核問題などについて話し合いました。この中で両首脳は、最近北韓がミサイルの発射準備と見られる動きを見せていることについて、「北韓は衛星の打ち上げだと言って弾道ミサイルを発射する動きを見せている」という認識で一致し、「北韓は緊張を高めるような行動をしてはならない」と警告しました。そして、両首脳は、北韓の核やミサイルの問題に共同で対応することで合意しました。一方、アメリカ国務省は24日、北韓のミサイル発射準備の動きについて、国連安全保障理事会の決議に違反するものだとする見解を改めて示しました。

・北韓の官僚4人が、アメリカの北韓支援団体の招請で今月26日から10日間の日程でアメリカを訪問するとアメリカの自由アジア放送が25日報じました。北韓の官僚がアメリカを訪問するのはオバマ大統領が就任してから初めてです。北韓の官僚は、アメリカの北韓支援団体と連絡する窓口として2006年に作られ、事実上北韓の政府機関としてアメリカとの非公式対話の窓口となっている「朝米民間交流協会」代表の資格でアメリカを訪れます。北韓の官僚がアメリカを訪問する目的について、アメリカ国務省の関係者は「アメリカ政府が北韓に提供する食糧支援について話し合うため」と説明しています。

・国内にある30の大手企業グループは、経済危機に対応するため、大学を卒業した新入社員の初任給を最大で28%削減することを決めました。30企業グループの採用担当者は25日、全国経済人連合会が開いた「雇用安定に向けた経済界の対策会議」で、労働時間を短縮して仕事を多くの人が分かち合う「ワークシェアリング」の一環としてこのように合意したことを明らかにしました。それによりますと、各企業は大卒者の初任給が年俸で2600万ウォン以上3100万ウォン未満なら最大で7%を削減し、3100万ウォン以上3700万ウォン未満なら最大で14%、3700万ウォン以上の場合は最大で28%削減するということです。また、新入社員以外の従業員に対しては一定期間給与を据え置くことにしています。このように給与の削減によって得られた財源を各企業は雇用安定や新規採用、職場で実習するインターン社員の採用などに当てる方針です。

・大韓サッカー協会は24日、日本サッカー協会から韓日親善試合の開催を提案する文書が送られてきたことを明らかにしました。それによりますと、日本サッカー協会は、まず10月に日本で親善試合を行い、来年に韓国で試合を行うことを提案してきたということです。これを受けて大韓サッカー協会は、代表チームの日程に大きな問題はないと見て、韓日親善試合を開催する方向で意見をまとめているということです。これに先立ち、去年9月には大韓サッカー協会の当時の鄭夢準(チョン・モンジュン)会長が日本サッカー協会の犬飼基昭会長に韓日定期戦の復活を提案し、前向きな反応を得ていました。今回の提案により、アジアのサッカーで最高のライバルと言える両国の定期戦が復活する可能性があるものと見られます。

・韓国銀行は25日、6月に新しく発行される高額紙幣の5万ウォン札のデザインを公開しました。公開された5万ウォン札のデザインは2007年12月に金融通貨委員会で確定し、貨幣図案諮問委員会や専門家の諮問などを経て完成しました。メインカラーは黄色で、大きさは横154ミリ、縦68ミリと、今の1万ウォン札より横の長さが6ミリ長くなっています。表には朝鮮王朝時代の女流文学者で画家だった申師任堂(シン・サイムダン)の肖像画と彼女の作品「墨葡萄図」が、裏には、朝鮮王朝時代の画家、魚夢龍(オ・モンリョン)の水墨画「月梅図」が描かれています。また、偽造や変造を防ぐため、見る角度によって韓国の地図や太極文様、数字の50000などが交互に現れるホログラムが入っているほか、特殊インクや角度を変えて見ると文字が現れるなどの最先端技術が使われています。韓国銀行の関係者は「5万ウォン札が発行されれば小切手の発行や保管などに伴う費用を削減することができるだろう」と話しています。

・レンギョウやツツジなど春の花の咲く時期が去年より1週間くらい早くなる見通しです。気象庁は24日、韓国の春の花の代表といわれているレンギョウと朝鮮ツツジの開花予報を発表しました。それによりますと、レンギョウは済州島で来月10日頃咲き始め、南部地方は10日から17日に、中部地方では18日から25日にかけて咲き始める見通しです。ツツジはレンギョウより3〜4日遅く、済州島で11日頃咲き始め、南部地方は来月12日から29日頃、中部地方は18日から25日頃に咲き始めると予想されています。今年のレンギョウとツツジの開花時期は例年に比べると9日から10日早く、去年よりは1週間くらい早いということです。

2月24日火曜日

・北韓の朝鮮宇宙空間技術委員会は24日、実験通信衛星である「光明星(クァンミョンソン)2号」を運搬ロケット「銀河(ウンハ)2号」で打ち上げる準備作業を北東部の咸鏡北道(ハムギョンプクド)花台郡(ファデグン)で本格化させているという談話を発表しました。これは朝鮮中央通信が伝えたもので、打ち上げの時期など具体的な内容については明らかにしていませんが、談話は、「この衛星の打ち上げに成功すれば、北韓の宇宙科学技術は経済強国に向かって新たな一歩を踏み出すことになるだろう」としています。また、「宇宙は人類共通の財産であり、宇宙の平和利用は世界的な流れだ」と強調し、「国の宇宙開発計画にもとづいて、まずは第1段階として、いくつかの海岸の上空に国の経済発展に不可欠な通信、資源探査、気象予報などのための実用衛星を打ち上げる」と述べ、今後引き続き衛星の打ち上げを行っていく考えを示しました。北韓は最近、長距離弾道ミサイル・テポドン2号の発射準備とみられる動きを見せており、これを「人工衛星」の打ち上げだとしてきました。北韓は1998年に長距離弾道ミサイル「テポドン1号」を発射した時も、人工衛星「光明星1号」を打ち上げたと発表しており、今回も国際社会の批判をかわすため、発射準備を進めているとされる「テポドン2号」の発射について、事前に「宇宙の平和利用」を強調する狙いがあるものと見られます。

・北韓が通信衛星である「光明星(クァンミョンソン)2号」を打ち上げる準備を進めていると発表したことに関連し、韓国の情報当局は24日、「ミサイルはまだ発射台に取りつけられていない」という見方を示しました。一方、政府関係者は「北韓が衛星を実際に打ち上げれば、6か国協議をはじめ、南北関係や米朝関係によくない影響を与えるだろう」と懸念を表明しました。この関係者はまた、「国連安全保障理事会の決議は弾道ミサイルと関連するすべての行動を禁止しており、人工衛星の打ち上げもそれに含まれるというのが政府の見解だ。北韓がミサイルを発射すれば、どのような措置を取るべきかについて対策を講じているところだ」と述べました。これに先立ってアメリカ国務省は23日、北韓がミサイル発射準備と見られる動きを見せていることについて、「北韓のミサイル発射は明らかな国連安保理決議違反だ」と述べ、これまでの立場にまったく変化がないことを改めて強調しました。

・アメリカで株価が急落して金融不安が高まったことからウォン安が急激に進み、24日のドルに対するウォンの相場は1ドル=1516ウォン30銭と、およそ11年ぶりのウォン安となりました。24日のソウル外国為替市場は、前日より14ウォン50銭ウォン安の1ドル=1503ウォン50銭で取引を始めました。その後、しばらく1ドル=1505ウォンから1510ウォンの間でもみ合う展開が続きましたが、午後になってドルを買う動きが強まり、結局前日より27ウォン30銭ウォン安の1ドル=1516ウォン30銭で取引を終えました。これは通貨危機直後の1998年3月の1ドル=1521ウォン以来、10年11か月ぶりのウォン安です。こうした急激なウォン安について、専門家は国内外の株価の急落が原因だと指摘しています。一方、24日韓国株式市場の総合株価指数は、アメリカの株価が急落したことなどを受けて、前日より35.67ポイント下がった、1063.88で取引を終えました。

・李明博大統領が就任してから25日で1年になるのに合わせてKBSが行った世論調査で、李明博大統領の支持率は36.3%でした。この調査は今月15日と16日の2日間、全国の成人男女2300人を対象に電話で行われ、1061人から回答を得ました。この中で、李明博大統領の国政運営について尋ねたところ、「よくやっていると思う」と答えた人は36.3%で、「よくやっていると思わない」と答えた人は61.9%でした。また、李明博大統領が進めた政策のうち最も高く評価できるものを二つ上げてもらったところ、「特に高く評価できるものがない」という答えが31.7%で最も多く、次いで「規制緩和」、「緑の成長と将来に向けた準備」、「法律と原則の強調」の順でした。逆に政策の中で最も評価が低かったのは「社会の二極化」で、続いて「南北関係」、「人事政策」、「雇用問題」の順でした。一方、「今後、大統領の国政運営はよくなると思うか」という質問に対しては、「よくなると思う」という答えが58.7%で、「よくならないと思う」の38.4%を上回りました。さらに、今後政府が取り組むべき課題を上げてもらったところ、「経済の活性化」という答えが最も多く、次いで「国民の統合」、「教育改革」、「二極化の解消」などの順でした。政党支持率は、与党「ハンナラ党」が43.8%で最も高く、野党の「民主党」18.4%、「民主労働党」6.8%、「親朴連帯」5.2%、「自由先進党」4.5%、そして無回答が15.6%でした。

・李明博大統領は24日、国賓として韓国を訪れているイラクのタラバニ大統領と大統領府青瓦台で首脳会談を行い、イラク南部の油田開発事業に協力していくことで合意しました。会談の中で李明博大統領は、「国際社会でともに協力していきたい。韓国はイラクの経済発展に積極的に協力していく」と述べ、「イラクは韓国と様々な分野で協力するアラブ諸国のうち最も近い国だ」と強調しました。これに対し、タラバニ大統領は、「2004年から去年までアルビル地域に駐留した韓国軍部隊はイラクの復興に重要な役割を果たした」と評価しました。そして両首脳はこの会談で、韓国がイラクに発電所など社会インフラの建設を支援する代わりにイラク南部のバスラ地域の油田開発権を取得する35億ドル規模の連携事業に合意し、了解覚書(MOU)に署名しました。韓国とイラクの首脳会談が行われたのは1989年7月に国交が結ばれて以来、初めてです。

・外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は24日から2日間の日程で中国を訪れ、楊潔チ外相と会談します。柳明桓長官は出発する前に記者団に対し、「会談では北韓の核問題やミサイル、6か国協議などについて幅広く意見を交わす予定だ」と述べました。また、柳明桓長官は、「韓国の貿易の24%を占める中国との貿易が経済危機によって保護貿易主義に陥らないようすることも重要な議題の一つだ」と述べました。柳明桓長官はこの日午後に北京入りし、温家宝首相を表敬訪問した後、楊潔チ外相と会談する予定です。会談では核やミサイルなど北韓をめぐる問題のほか、韓中戦略的協力パートナー関係を充実させるための協力案やアメリカのクリントン国務長官のアジア歴訪の結果などについても話し合う見通しです。

・去年11月にソマリア沖で海賊に拉致され、今月13日に解放された貨物船の韓国人乗組員5人が23日、無事に帰国しました。韓国人5人とフィリピン人18人の合わせて23人が乗り組んだ日本の貨物船「ケムスター・ビーナス」号は去年の11月15日、ソマリアのアデン湾沖で海賊に乗っ取られ、90日後の今月13日にようやく解放されました。中東のドバイから飛行機で仁川国際空港に着いた5人は長期間の監禁生活と長距離の飛行で疲れた様子でしたが、無事に帰国できたため明るい表情を見せていました。このうち、国内便を乗り継いで自宅がある釜山の金海空港に着いた船長のソ・ビョンス(58)さんは記者団に対し、5人の解放に努力した政府に感謝するとした上で、「海賊が出没する海域で韓国の軍艦が護送してくれたら、安心できると思う」と述べ、韓国海軍艦艇のソマリア海域への派遣に前向きな意見を示しました。

2月23日月曜日

・今の経済危機を克服するために、労使に政府と民間団体も加わった非常対策会議が23日開かれ、労働時間を短縮することで仕事を多くの人が分かち合う「ワークシェアリング」を通じて雇用不安を解消していくことなどで合意しました。この会議は韓国の労使を代表する韓国労総=韓国労働組合総連盟と韓国経営者総協会の提案で今月3日にスタートしたもので、韓国労総と、全経連=全国経済人連合会など経済5団体の会長など労使の代表、労働部長官、企画財政部長官、知識経済部長官など政府代表、それに市民団体の代表と宗教界の代表も参加して、これまで8回の会議を重ねてきました。そして23日の会議では「経済危機を克服するために、労働界は企業が置かれた環境を見計らって違法なストライキを止めるとともに、企業の人事権や経営権を尊重して、行き過ぎた要求をしないことや賃金の凍結やカットに応じること、一方、会社側は従業員のリストラを自粛して雇用を維持するよう努めること」などで合意しました。そのために生産現場では、労働時間の短縮や休職制度の拡大、在宅勤務などによってワークシェアリングを拡大するとしています。このような労使の努力を支援するため、政府はワークシェアリングに参加する企業を対象に税制面で優遇し、民間団体は非正規職や失業者などが経済危機を克服できるように、寄付やボランティア活動をさらに活発に行っていくことになりました。

・李明博大統領は就任してから1周年を記念して、大統領の直属機関=未来企画委員会が23日に開いた国際会議「グローバルコリア2009」に出席し、基調演説で「世界各国が実態経済の萎縮と大量の失業問題を解決するには、同時多発的に財政拡大政策を推し進める必要がある」という考えを示しました。李明博大統領はこの中で、韓国は補正予算を含めるとGDP=国内総生産の4%にあたる予算を景気浮揚策に投入している」と紹介し、4月にロンドンで開かれるG20金融サミットで、各国が具体的な財政投資計画を出し合って、実践可能な合意が行われることを期待すると述べました。李大統領はさらに「どんな理由であれ、保護貿易主義が台頭するのは望ましくない」と強調し、各国がWTO=世界貿易機関の貿易ルール・ドーハ・アジェンダの年内妥結に向けて、早期に交渉を再開するよう提案しました。

・韓国・日本・中国とASEAN=東南アジア諸国連合の財務相会議が22日、タイのプーケットで開かれ、アジアの主要国が金融危機に共同で対応するために設けた外貨を融通しあう協定「チェンマイ・イニシアチブ」の資金枠を今の800億ドルから1200億ドルに拡大することで合意し、「経済成長と金融安定回復に向けた行動計画」を採択しました。「チェンマイ・イニシアチブ」は、1997年に通貨危機を経験したアジア各国が2000年5月にタイのチェンマイで開かれたASEAN+3財務相会議で通貨危機に陥ったアジアの国に外貨を融通しあうことで合意した枠組みです。今回の会議では、増額分となった400億ドルについて、韓国・中国・日本が80%を、ASEAN10カ国が残りの20%を分担することを決めましたが、韓中日3カ国間の分担比率をめぐって中国と日本の意見が対立したため、具体的な金額を決めることはできませんでした。また、これまでの「チェンマイ・イニシアチブ」は2国間の通貨スワップ形式で行われていたため、協定を結んでいない国からの支援は望めませんでしたが、今回の会議で多国間の協議方式に切り替えたことから、2国間の協定を結んでなくても緊急の際には支援を受けることができるようになりました。会議ではまた、一部の国々が自国の企業の倒産を防ぐために、保護貿易主義の傾向を強めていることに憂慮を表明しました。

・国防部は23日、2008年版の国防白書を発行し、北韓は射程距離3000キロの中距離弾道ミサイル(IRBM)を実戦配備したと明記しました。それによりますと、北韓はオーストラリア、インド、ロシアの一部が射程距離に入る新型の中距離弾道ミサイルを去年実戦配備し、去年4月に行われた朝鮮人民軍創設75周年の記念閲兵式でこのミサイルを公開しました。また北韓は、3回にわたって再処理を行った末に40キロのプルトニウムを確保し、2006年10月に核実験を行ったとしています。さらに北韓は、韓国との軍事境界線近くの前線に特殊戦闘部隊を6万人増やして、合わせて18万人にするなど、地上部隊を改編して戦争の初期に効果を挙げることができるように奇襲攻撃の訓練を強化しているとしています。一方、海軍は1個戦隊と潜水艦10隻を補強したのに続いて、地対艦・艦対艦誘導弾と新型の魚雷を開発しているということです。さらに予備戦力を強化して、動員令が出されてから24時間以内に戦闘準備が完了するように、年2回、2カ月以上の軍事演習を行っているとしており、国防白書は、「北韓は通常兵器の軍事力、核兵器、ミサイルなど大量破壊兵器の開発と増強、軍事力の前線配置などからみて、韓国にとって直接的で深刻な脅威である」と位置づけています。国防白書はまた日本が領有権を主張している島、独島についても「韓国の領土をしっかり守るために万全の体制を整っている」と強調しました。

・東海(日本海)に浮かぶ韓国の島、独島(日本でいう竹島)に関連して、島根県が22日を「竹島の日」に定めて記念行事を行ったことに対して、韓国政府は遺憾の意と、抗議する意思を表明しました。政府は22日、外交通商部のスポークスマンの論評を出し、「島根県が韓国政府の度重なる要請にもかかわらず、独島(竹島)に関連する行事を開いたことに深い遺憾の意を示すとともに、強く抗議する。独島(竹島)に関する条例を直ちに撤廃し、間違った領有権の主張をやめるべきだ」と強調しました。

・ウォン安円高の傾向がますます強まって、100円あたりの為替相場が1600ウォンに迫っていることから、韓国を訪れる日本人観光客がさらに増えて、ホテルやデパートでは、日本人観光客が主な客となっています。ホテル業界によりますと、最近、ショッピングなどで韓国を訪れる日本人が大幅に増えて、今年に入ってから今月17日までに、全体の宿泊客のうち日本人が占める割合はいずれも最高級のヒルトン・ホテルで36%、ウェスティン朝鮮ホテルは40%と、去年の2倍以上になりました。このような現象は日本人観光客が多く訪れるソウル都心の明洞から離れたホテルでもみられ、ほとんどはビジネス客ではなく、2泊3日の観光客だということです。また明洞にあるロッテ・デパートの場合、先月、日本人による購入金額は91億ウォンと、売り上げ全体の7%を占め、去年同期に比べて12倍にもなっています。このため、明洞周辺のロッテ・デパートや新世界デパートなどでは日本人通訳を各フロアに配置するなど、日本人をターゲットにしたマーケッティングとサービスを強化しているということです。

・韓国民の精神的な指導者として尊敬を受けていた金寿煥(キム・スファン)枢機卿が死後、眼の角膜を提供したことがきっかけとなって臓器の提供を申し出る国民が急増しているのを受けて、政府は臓器提供の手続きを簡素化する方針です。保健福祉家族部は23日、臓器などの移植に関する法律が制定されてからこの10年間、改正されなかった臓器提供の手続きを緩和する方針を示しました。これまでは脳死状態に陥っている患者が脳死の前に臓器提供の意思を示していても、遺族が拒否すれば、臓器は提供されませんでしたが、今後は最も近い直系の家族1人が同意すれば、臓器の提供ができるように見直す方針です。また脳死かどうかの判定に当たっては専門医のほかに宗教関係者、法律関係者の判断が義務付けられていましたが、この制度も今後は大幅に簡素化するか廃止するとしています。保健福祉家族部は今後、専門家や宗教団体も加わる懇談会を開いて、意見を聞いたうえで、今年5月に最終案をまとめることにしています。

・来月開かれる野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックに出場する韓国代表チームの最終メンバー28人が決まりました。アメリカのハワイで強化合宿を行っている代表チームのキム・インシク監督は23日、去年暮れに発表したWBCの第2次予備メンバー31人のうち、去年の北京オリンピックに出場した選手を中心に最終メンバー28人を確定しました。しかし注目を集めていた巨人の李承Y(イ・スンヨプ)選手と、アメリカ大リーグの金炳賢(キム・ビョンヒョン)選手、それに最高のショートと評価されているものの肩を痛めているパク・ジンマン選手が最終メンバーから外されたため、今回のWBCでは攻撃と守備の両面で有力な選手が見当たらないという見方も出ています。

2月21日土曜日

・アメリカのドルに対するウォンの価値が大きく下落し、世界の主な通貨単位のうち、下落率がもっとも大きい16%になりました。韓国銀行によりますと、ウォンとドルの為替レートは、去年の末は、1ドルが1259ウォン50銭でしたが、今月20日には、1506ウォンまで、ウォン安が進み、2か月あまりでおよそ246ウォン50銭も急落し、ドルに対するウォンの価値は16.37%も下落しました。これは、ユーロなど世界の主な通貨の中でドルに対する下落率がもっとも大きいということです。このようにウォンの下落が著しいのは、外国人投資家の株売りや経常収支の赤字、南北関係の緊張などの悪条件が重なったためと分析されています。

・アメリカ国務省は、20日、北韓政策を担当する政府特使にボスワース元韓国駐在大使を任命すると発表しました。国務省のドゥギード副報道官は、21日の定例記者会見で、「今後は北韓の核問題への日常的な対応には、ソン・キム6か国協議担当特使が引き続き当たり、ボスワース特使はアメリカ政府の北韓政策全般を束ねることになる」と説明しました。ボスワース特使は、核問題だけでなく大量破壊兵器の拡散や人権問題にも取り組んで、米朝間の包括的な対話を進める可能性があるとみられており、オバマ大統領にも報告できる立場となるため、これまでのヒル国務次官補以上の裁量が与えられる見通しです。これによって、アメリカ政府は北韓に対して、米朝接触の窓口をこれまでの金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官より上の高官にするよう求めるとみられ、ボスワース特使の任命をきっかけに米朝間の高官協議が実現するかどうか注目されています。

・北韓の国防委員会は、金正日国防委員長の側近で、朝鮮労働党作戦部長の呉克烈(オ・グンリョル)大将(78)を、国防委員会副委員長に任命しました。これは朝鮮中央通信が20日伝えたもので、金正日国防委員長が国防委員長と労働党中央軍事委員長の二つの名義で、呉克烈大将を国防委員会副委員長に任命したということです。北韓の国防委員会は、軍の最高指導機関で、現在、趙明?(チョ・ミョンロク)第1副委員長、李用茂(リ・ヨンム)副委員長がいますが、2人とも高齢のため、実質的な活動を行っておらず、今後は、新しく任命された呉克烈副委員長が事実上、軍部全般を掌握するものと分析されています。北韓軍部が金正日国防委員長の後継者に三男の正雲(キム・ジョンウン)氏を選んでいると伝えられている中、北韓は11日、国防長官に当たる人民武力部長に、朝鮮人民軍の金永春(キム・ヨンチュン)国防副委員長を任命しており、 今回の人事も軍部内の体制を整えるためではないかという見方も出ています。

・16日に亡くなった韓国のカトリック教会を代表する金寿煥(キム・スファン)枢機卿が、両目の角膜を寄贈したことが明らかになったのを受けて、自分の臓器を死後に提供すると申し出る人が急増しています。死後の臓器提供キャンペーンを繰り広げている「愛の臓器寄贈運動本部」が20日明らかにしたところによりますと、金寿煥枢機卿が亡くなった今月16日から3日間に、インターネットで、死後の臓器提供を申し出た人はおよそ740人に上り、普段の30倍以上に増えているということです。愛の臓器寄贈運動本部は、「金寿煥枢機卿を見習って臓器提供を申し出る人が増えている。今後、積極的にキャンペーンを繰り広げていきたい」としています。

・景気の悪化を受けて、若い失業者が急増しているため、先月は20代の経済活動への参加率がここ20年間でもっとも低い水準にとどまりました。統計庁が21日発表した1月の雇用動向によりますと、20歳から29歳までの20代の経済活動への参加率は61.8%で、2か月間で1ポイントも下がりました。これは1988年2月の61.3%以来、もっとも低くなっています。このように20代の経済活動への参加率が下がっているのは、景気の悪化を受けて、働き口が減り、就職が厳しくなっているためとみられています。

・死刑制度の存続と死刑の執行について、韓国人の64%が賛成していることがわかりました。ソウル市郊外で2006年以降、女性7人を次々と殺害した疑いで男が逮捕された事件をきっかけに、国民の間で死刑の執行を求める声が高まっていることを受けて、法務部は、全国の満20歳以上の男女3000人を対象に、死刑について世論調査を行いました。その結果、死刑の執行に賛成している人は64.1%に上り、反対している人は18.5%、わからないと答えた人は17.3%でした。また死刑制度の存続についても、およそ64%の人が賛成すると答えました。韓国は1997年から12年間、死刑を一度も執行しておらず、事実上、死刑を廃止した国とされています。

2月20日金曜日

・柳明桓外交通商部長官は20日、韓国を訪問したアメリカのクリントン国務長官と会談し、北韓の核兵器保有を容認せず、6か国協議を通じて北韓の核放棄を目指すことを確認しました。また、世界的な経済危機の克服や韓米FTA=自由貿易協定の議会での批准に向けてともに努力していくことで合意しました。柳明桓長官とクリントン長官は会談が終わった後、記者会見し、この席でクリントン国務長官は、「北韓は弾道ミサイルに関連したすべての活動を直ちに中止すべきだ」と述べ、北韓が最近、韓国に対して挑発的な行動を続けていることについて、「北韓は6か国協議に支障をきたす挑発的行動を止めるべきだ」と強調しました。一方、柳明桓長官は、「北韓は長距離ミサイルの発射を人工衛星の打ち上げだと主張しているが、国連安全保障理事会の決議に違反している事実に変わりはない」と指摘した上で、「北韓は核兵器を開発して北東アジアの平和を脅かしており、この問題を解決するために韓米両国は関係国と緊密に協力していく」と述べました。クリントン国務長官はこの後、李明博大統領を表敬訪問しました。クリントン長官はこの席で、「オバマ大統領がロンドンで開かれるG20首脳会議で、李明博大統領に会うことを希望している」と伝えたのに対して、李明博大統領は、韓米同盟関係の重要性を強調し、「北韓の核問題をはじめ、多様な問題でアメリカと協力していきたい」と述べました。

・韓国などアジア4か国を歴訪しているアメリカのクリントン国務長官は、北韓の体制は不透明な状況にあり、金正日国防委員長の後継者を選ぶ過程で危機に陥る可能性もあると述べました。クリントン国務長官は19日、インドネシア訪問を終えて韓国へ向かう飛行機の中で、「北韓で権力が継承される場合、それが平和的に進められるとしても不確実性を完全に排除することはできず、体制の危機に陥る可能性があり、北韓の指導部が内部の結束を固めるために、さらに挑発的な行動に出る可能性がある」と指摘し、「韓国政府とこの問題についても十分協議したい」と述べました。アメリカ国務省の関係者はクリントン国務長官のこうした発言について、国務省の公式見解と一致すると述べ、北韓で権力継承の問題が緊迫した状況になっているという見方を示しました。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の「北東アジアの安全保障」に関する作業部会が19日、モスクワで始まりました。会議は非公開ですが、作業部会の議長国であるロシアが去年12月に関係国に配布した「北東アジアの平和と安全に関する基本原則」という草案について、意見が交わされたということです。この草案は、海難救助やテロ対策など、関係国が共感できる内容が盛り込まれ、各国は北東アジアの平和と安全のための対策が必要だという原則に同意を示し、細部の内容について意見を交換したということです。

・ウォン安が続き、総合株価指数が1100ポイントを割るなど、為替市場と株式市場が不安定な様相を呈しています。20日のソウル外国為替市場は、円に対するウォンの相場が一時100円が1600ウォンを上回り、ソウル外国為替市場が1991年にウォン相場の告示を始めて以来、もっともウォン安となりました。円に対するウォン相場は午後3時現在、100円が1599ウォン41銭で、1600ウォンを下回りましたが、依然として史上もっともウォン安となっています。また、アメリカドル1ドルは1500ウォンを上回りました。午後3時現在のドルに対するウォン相場は、1ドルが1506ウォン95銭で、去年の11月25日以来、3カ月ぶりでもっともウォン安となりました。ソウル外国為替市場では9営業日連続でウォン安となっていますが、これは東ヨーロッパの金融不安の影響によるものと見られています。ウォン安が続いている中で、株価は下落し、総合株価指数は20日、前の日に比べて41.15ポイント下落して、1065.95で取り引きを終えました。この日の株式市場は、取り引き開始から1100を割った1095.25で取り引きが始まり、機関投資家と個人が買い越したものの、外国人は売り越して、結局、1100を回復できないまま取り引きを終えました。

・16日に亡くなった韓国カトリック教会を代表する金寿煥(キム・スファン)枢機卿の葬礼ミサが20日午前、ソウルの明洞聖堂でしめやかに行われました。葬礼ミサは、ソウル大教区長の鄭鎭ソク(チョン・ジンソク)枢機卿が、ローマ法王に代わって執り行いました。鄭鎭ソク枢機卿はミサの中で、「金寿煥枢機卿は韓国社会の光と希望だった。カトリック教会の信者だけでなく、すべての韓国人の愛と平和の使徒になり、愛と分かち合いの精神という重要な遺産を残した」と述べて追悼しました。金寿煥枢機卿が亡くなってから19日までに38万7000人あまりが弔問に訪れた明洞聖堂には、葬礼ミサが行われたこの日も大勢の人が集まり、聖堂の中に入れきれなった人たちは別館の建物や庭でミサを見守りました。金寿煥枢機卿の葬礼ミサは、ローマ法王ベネディクト16世がソウル大教区長の鄭鎭ソク(チョン・ジンソク)枢機卿を法王に代わる特使に任命して、法王葬として行われました。

・中国大陸から運ばれた砂ぼこりが上空を覆う黄砂現象が全国に拡がり、各地に黄砂警報や注意報が出されました。気象庁は20日、ソウルと京畿道、江原道西部に黄砂警報を、忠清道と全羅道、慶尚北道に黄砂注意報を出しました。気象庁は1時間平均の大気中のほこりの濃度が1立方メートル当たり400〜800マイクログラムになると黄砂注意報を、800マイクログラムを超えると黄砂警報を出していますが、黄砂警報が出されたソウルと京畿道、江原道西部では、ほこりの濃度が1立方メートル当たり700マイクログラムから1000マイクログラムで、普段の20倍以上になっています。今回の黄砂現象は20日夜遅くから弱まり、21日の午前中には解消される見通しです。

・特定の新聞に広告を載せいないように求めるキャンペーンを繰り広げた24人に対して、ソウル中央地方裁判所は20日、いずれも有罪の判決を言い渡しました。この事件はインターネットの利用者らが、去年アメリカ産牛肉の輸入が再開された時期に、大手日刊紙の朝鮮日報や中央日報、東亜日報がこの問題で公正さに欠ける報道をしているとして、これらの新聞に広告を載せないよう求めるキャンペーンをインターネット上で繰り広げたり、企業に働きかけたりしたもので、検察はキャンペーンに参加した人24人を業務妨害などの罪で起訴していました。ソウル中央地方裁判所は判決の中で、「特定の新聞社に広告を載せた企業に集団で抗議の電話をしたり、集中的にホームページにアクセスして機能を麻痺させたりした行為は、社会通念上容認できないもので、業務妨害に当たる」として、インターネット上にサイトを設けてキャンペーンを主導した被告1人に懲役10か月、執行猶予2年、キャンペーンに積極的に参加した23人についても、それぞれ執行猶予がついた刑や罰金刑を言い渡しました。

・ガソリン価格が再び上昇を続けています。韓国石油公社とガソリンスタンド価格情報システムのオピネットが調査したところによりますと、19日の全国のガソリン1リットルの平均価格は1505.63ウォンでした。ガソリン価格が1500ウォン台になったのは去年の11月16日以来です。ガソリン価格は去年の11月17日から1400ウォン台に下がり、その後も下がり続けて12月20日には1200ウォン台にまで下がりましたが、今年1月3日には再び1300ウォン台に上がり、1月23日には1400ウォン台になっています。

2月19日木曜日

・政府は構造改革基金を作って、企業の不良債権を買い取る一方、構造改革を進める企業が資産を売却する際は、法人税などを軽減することにしました。これは19日に開かれた李明博大統領主催の非常経済対策会議で決まったもので、政府は資産管理公社に構造改革基金を作り、金融機関が保有している企業の不良債権を買い取り、金融機関と企業の負担を軽減させていくことにしました。また、国策銀行の産業銀行と民家資本が参加する構造改革ファンドを作り、企業の不良債権だけでなく、金融機関が抱えている個人の不良債権も買い取ることにしました。さらに企業が構造改革を進める過程で不動産などの資産を売却する場合、売却に伴う各種の税金を分割して課税するなど、軽減措置を取ることにしました。

・政府は中小企業の雇用を促進するため、公共企業の大卒新入社員の初任給を減額することにしました。企画財政部は、公共企業の大卒新入社員の初任給が比較的高く、求職者が多いのに対して、初任給が低い中小企業は求人難に陥いっているとして、中小企業の求人難を解消し、雇用市場の不均衡を是正するために、公共企業の初任給を低くすることにしたとしています。企画財政部は、116ある公共企業のうち、初任給が年俸で3500万ウォン以上の企業では20〜30%、2500万ウォン以下の企業では10%、初任給を減額することにしています。公共企業の大卒新入社員の初任給は平均2936万ウォンで、民間企業全体の平均2441万ウォンの1.2倍になっています。

・アメリカのクリントン国務長官が19日、韓国を訪問します。クリントン国務長官はインドネシア訪問を終えて19日夜遅く韓国に到着し、20日に柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官と会談するほか、李明博大統領を表敬訪問し、在韓アメリカ軍基地も訪問する予定です。韓米外相会談では、北韓の核や長距離ミサイルの問題、韓米FTA=自由貿易協定の議会での批准、世界的な経済危機への対策、アフガニスタンへの支援などについて話し合う見通しです。これより先の18日、クリントン国務長官はインドネシアで記者会見し、柳明桓外交通商部長官との会談では6か国協議の再開について重点的に話し合いたいと述べ、韓国と中国訪問では北韓を6か国協議に復帰させるための方法が重要な議題になることを示唆しました。

・北韓が韓国に対して強硬な姿勢を強めている中で、韓国政府は南北基本合意書の発効から17年を迎えて、南北間のこれまでの合意を尊重するという立場を表明しました。南北問題を担当している統一部の金虎年(キム・ホニョン)報道官は、南北基本合意書の発効から17年になる19日、記者会見し、「韓国政府は南北間のこれまでの合意を尊重し、南北間の協議を通じて合意内容を実践していく」と述べました。また、「北韓は韓国の北韓に対する政策を非難し、韓半島で緊張感を高めているが、こうした行動を中断し、速やかに対話に応じるべきだ」と強調しました。しかし、この日の記者会見では、北韓が要求している2000年の南北共同宣言や2007年の南北首脳宣言の合意事項の履行については具体的に触れられず、韓国政府の北韓に対する政策に大きな変化はないものと分析されています。一方、北韓人民軍総参謀部の報道官は18日、「韓国政府は北韓に対する敵対視政策を強めている。こうした状態が続けば、北韓の軍と人民は無慈悲で強力な対応を選択するだろう。韓国政府は北韓軍が全面対決体制に入っていることを忘れてはならない」という論評を発表しました。

・韓国人の精神的指導者として尊敬され、16日に亡くなったカトリック教会の金寿煥(キム・スファン)枢機卿の遺体が安置されているソウルの明洞聖堂では、19日も弔問に訪れる人が後を断ちませんでした。明洞聖堂に続く道路には弔問に訪れた人の長い列ができ、中に入るまでに3〜4時間かかりました。カトリック教会のソウル大教区によりますと、18日までに弔問した人は24万人を上回り、19日も20万人以上が訪れたということです。ソウル大教区は、19日午後に遺体をひつぎに納める入棺式を行いますが、弔問を受け付ける時間を20日午前1時まで延長しました。金寿煥枢機卿の葬礼ミサは20日午前10時から明洞聖堂で行われ、遺体は京畿道にあるカトリック公園墓地に埋葬されることになっています。葬礼ミサは故人の意向に沿って、できるだけ簡素に行われるということです。

・三星グループの李健熙(イ・ゴンヒ)前会長の長男で後継者とされている、三星電子の李在鎔(イ・ジェヨン)専務が、巨額の財産分与などを求めていた妻との離婚訴訟が起きてからおよそ1週間で合意しました。ソウル家庭裁判所は19日、双方の弁護士が出席した中で、離婚の調停案を示し、双方がこれを受け入れたということです。2人の子どもの親権は李在鎔氏に属し、養育権については具体的には明らかにされていませんが、子どもたちが成長するまでは妻が養育し、子どもたちが成長して三星グループの後継者になる準備をする時期になれば、李在鎔氏が養育権を行使することになるという見方が出ています。関心が寄せられていた慰謝料や財産分与については公開されませんでした。

・政府はロボット産業の発展を目指して、関連分野の修士や博士などの専門家を養成していくことにしました。知識経済部はこのほど、「未来産業青年リーダー10万人養成計画」の一環として、「産学連携ロボット研究センター」や「ロボット特性化大学院」を通じて、今後5年間で3000人あまりの専門家を養成することにしました。そして、そのための予算として今年の35億ウォンを手始めに、2013年までに合わせて300億ウォンを投じて、民間の研究センターや大学院を支援することにしました。

・北京オリンピックでサッカーの韓国代表チームのコーチを務めた洪明甫(ホン・ミョンボ)氏が20歳以下代表チームの監督に選ばれました。大韓サッカー協会は19日、ソウル近郊にある国家代表チームトレーニングセンターで技術委員会を開き、20歳以下代表チームの新しい監督に洪明甫氏を選任したと発表しました。洪明甫氏は1990年代初めから国家代表選手として活躍し、4回連続でワールドカップ大会に出場したほか、KリーグやJリーグでも活躍し、2004年にアメリカのプロサッカーリーグのロサンゼルスギャラクシーで選手生活を終えました。その後、2006年のドイツワールドカップ、2007年のアジアカップ、2008年の北京オリンピックで、代表チームのコーチを務めました。

2月18日水曜日

・李明博大統領は来月2日から、ニュージーランド・オーストラリア・インドネシアの3カ国を国賓として訪問します。大統領府・青瓦台が18日に発表したところによりますと、李明博大統領は2日にソウルを出発して、3日ニュージーランドに到着し、ジョン・キー首相と首脳会談を行います。両国の首脳はこの席で、韓国とニュージーランドとのFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を開始することで合意するとともに、ニュージーランドのインターネット・ブロードバンド建設事業や原油と天然ガスの探査に韓国企業が参入することについても話し合う予定です。続いて李明博大統領は4日にオーストラリアを訪問し、ケビン・ラッド首相との首脳会談で、韓国とオーストラリアのFTAを締結するための交渉を始めることで合意するとともに、オーストラリアとのエネルギー協力や気候変動への対応についても意見を交わすことにしています。李明博大統領は6日には最後の訪問国、インドネシアを訪れ、ユドヨノ大統領と会談して、インドネシアの資源開発プロジェクトに韓国企業が参入することについて協議するなど、資源外交を繰り広げることにしています。

・株価が連日下落している中、企画財政部の尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)長官は18日、危機管理対策委員会で発言し、「金融市場を安定させることが最大の緊急課題だ。実体経済の不確実性を解消するには金融市場の安定化が不可欠だ」と述べました。ところで、18日のソウル為替市場は、東ヨーロッパの経済危機や北韓のミサイル発射に対する懸念の高まりなど、国内外の悪材料が重なってウォン安がさらに進み、ドルに対するウォンの相場は1ドル=1468ウォンで、前日より12ウォン50銭のウォン安でした。また、円に対するウォンの相場も下落し、前日より14ウォン89銭ウォン安の1588ウォン74銭でした。国内外の金融市場の不安による投資心理の冷え込みは、株安にもつながっています。18日の韓国株式市場は、景気回復に対する不安の高まりでアメリカとヨーロッパの株式市場で株価が下落したことから、外国人投資家や機関投資家の売り注文が広がり、一時1100ポイントを割り込みました。その後、やや持ち直し、結局、前日より14ポイント下がって1,113.19で取り引きを終えました。このようにウォン安と株安が急激に進んでいるため、金融市場では不安心理が広がり、一部では外国人が保有する債権の満期が集中している来月に金融危機が起きるのではないかという懸念の声が高まっています。しかし、専門家は国内外の様々な悪材料によって金融市場が動揺する可能性はあるものの、去年の金融危機と同じような状況が繰り返されるという、いわゆる「3月危機説」は、行き過ぎた悲観論だと指摘しています。

・北韓の国営メディアが長距離弾道ミサイルの発射準備を否定し、人工衛星の打ち上げを示唆したことについて、外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は18日、北韓がミサイル発射ではなく人工衛星の打ち上げだと主張しても、 国連安全保障理事会の決議に反するという見解を示しました。柳明桓長官はこの日、ソウルのホテルで講演し、「北韓がミサイルであれ、人工衛星であれ発射すれば、弾道ミサイルに関連する全ての行動を中止するよう求めている国連安保理決議に違反することになり、制裁は避けられない」と述べました。そのうえで柳明桓長官は、「北韓は1998年にもミサイルを発射しておきながら人工衛星だと主張したが、偽りだった」と指摘しました。柳明桓長官はまた、「北韓が6か国協議で核計画の検証に関する原則に合意しないのは非核化を進める意志がないことを意味する」として、北韓に対して態度を改めるよう促しました。

・外交通商部は17日、韓米両首脳の相互訪問を年内に実施する方針をを明らかにしました。外交通商部の当局者はこの日、記者団に対し、「政府は韓米両首脳の相互訪問を年内に実施する考えだ。首脳会談はオバマ政権の陣容が整い、政策の検討がある程度進んだ後に行うことが望ましいので、急ぐつもりはない」と述べました。さらに、外交通商部の当局者は、今月20日に行われる外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官とアメリカのクリントン国務長官の会談については、「クリントン長官が就任後初めて韓国を訪れ、オバマ政権が発足して初めて行われる韓米外相会談なので、両国の関心事について幅広く話し合えるよう、前もって議題は決めなかった」と述べました。

・統一部は18日、民間団体が北韓の紙幣を無断で国内に持ち込み、北韓に向けてビラといっしょに撒いたことについて、南北交流協力法違反の疑いで検察に捜査を依頼しました。統一部の金浩年(キム・ホニョン)報道官は、「拉致被害者の家族の会の崔成竜(チェ・ソンヨン)代表と自由北韓運動連合の朴相学(パク・サンハク)代表が北韓の紙幣を大量に保有していることを2日の記者会見と16日のビラ撒きで確認した。承認なしに北韓の紙幣を国内に持ち込んだため、法律違反の疑いで検察に捜査を依頼した」と説明しました。南北交流協力法や関連の告示によりますと、承認が必要な物品を承認なしに国内に持ち込んだ者は3年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金に処せられます。2つの団体の会員10人余りは、政府が自粛を求めたにもかかわらず、16日に京畿道坡州にある臨津閣の「自由の橋」から、北韓の紙幣5000ウォン札30枚とビラ2万枚を2つの大型風船に付けて北韓に向けて飛ばしています。

・韓半島有事に備える韓米連合軍の合同軍事演習「キー・リゾルブ」が来月9日から20日まで韓国の全域で行われます。韓米連合司令部が18日に明らかにしたところによりますと、今回の演習の規模は例年並みで、韓国駐留アメリカ軍1万2000人と韓国以外に駐留しているアメリカ軍1万4000人など、合わせて2万6000人が参加するほか、原子力航空母艦も参加します。韓米連合司令部の関係者は、演習に参加する航空母艦の名前は明らかにしていませんが、横須賀を母港とする原子力空母「ジョージ・ワシントン」の可能性が高いものと見られています。この演習期間中には韓米連合野外機動演習の「フォール・イーグル(Foal Eagle)」も同時に行われ、韓国軍からは2万人以上が参加します。韓米連合司令部の関係者は、「キー・リゾルブとフォール・イーグルは、防御に重点を置いた演習で、外部の侵略から韓国を防御する能力を向上させるためのものだ」と説明しています。国連軍司令部はこの日、軍事停戦委員会を通じて北韓軍に軍事演習の日程を伝えました。

・16日亡くなった韓国カトリック界を代表する金寿煥(キム・スファン)枢機卿の遺体が安置されているソウルの明洞聖堂では、故人に別れを告げるため弔問に訪れる人の長い列が続いています。このうち、李明博大統領は18日、明洞聖堂を訪れ、金寿煥枢機卿の死を悼みました。そして、「金寿煥枢機卿は、最後の瞬間まで真の犠牲の精神とは何かを身をもって示した。我々はそれを見習うべきだ。」と述べました。また、金大中元大統領や金泳三元大統領なども明洞聖堂を訪れ、故人を追悼しました。このほか、数多くのカトリック教の信者や市民が明洞聖堂を訪れたため、明洞聖堂前には明け方から弔問者の列ができて、その長さは1キロから2キロに及んでおり、弔問者は17日と18日の2日間で20万人を超える見通しです。

2月17日火曜日

・韓国人の精神的な指導者として国民の尊敬を集め、16日に亡くなったカトリック教会の金壽煥(キム・スファン)枢機卿を悼む声が、17日も国の内外から広く寄せられています。このうちローマ法王庁は17日、ローマ法王ベネディクト16世が金壽煥(キム・スファン)枢機卿の死去に哀悼の意を表したと明らかにしました。また、ベネディクト16世は、ソウル大教区長の鄭鎭ソク(チョン・ジンソク)枢機卿に送った弔電で、「金壽煥枢機卿の死去に深い悲しみを覚えている」と、哀悼の意を表しました。李明博大統領は16日、「韓国が産業化と民主化を経て今日に至るまでの節目節目で国家的指導者として大きな役割を果たして来られた金壽煥枢機卿を失ったのは国家的に大きな損失だ」と述べました。一方、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長はソウル大教区長に弔電を送り、「国民の皆さんとともに哀悼の意を表する。金壽煥枢機卿は、宗教界の指導者としての役割を果たしただけでなく、韓国の政治や社会の発展にも大きく貢献された」として、故人の業績を称えました。金壽煥枢機卿は、1989年に死後、臓器を提供する意思を示していたため、死去した直後に眼球が摘出され、2人に贈られました。金壽煥枢機卿の遺体は、枢機卿が所属していたソウルにある韓国のカトリックの総本山明洞聖堂の大聖殿に法王が死去した場合と同じように、ガラスの棺に納められて安置されており、弔問者は最後の姿に接することができます。葬儀はソウル大教区葬として16日から5日間行われ、20日には出棺を前に葬儀ミサが行われることになっており、KBSはこのミサの様子をテレビで生中継することにしています。

・国防部は、李明博政権になって初めて発行する国防白書の中で、北韓を「直接的で深刻な脅威」とこれまでより厳しく表記していることが分かりました。1年おきに発行される国防白書では、これまで論争になっていた「北韓は主な敵」という表現は、2004年の国防白書から削除され、代わりに「直接的な軍事脅威」という表現が使われていました。その後、2006年の国防白書では「現存する軍事的脅威」と表記し、2004年に比べてトーンダウンした表現が使われました。しかし、李明博政権が発足して初めて今月20日に発行される2008年国防白書では、「深刻な」という言葉が加わり、これまでより厳しい表現になりました。国防部の関係者は「北韓が2006年にミサイルを発射して核実験を行うなど安全保障をめぐる環境が急激に変化したほか、北韓の従来型の戦力が依然として脅威になっている状況を考慮して、直接的で深刻な脅威と表記した」と説明しています。

・19日と20日にモスクワで開かれる6か国協議の「北東アジアの安全保障作業部会」に出席する韓国政府の代表団が17日出発しました。代表団は首席代表を務める外交通商部の許鉄(ホ・チョル)平和外交企画団長をはじめ、6人で、北京を経由してこの日の夜モスクワ入りする予定です。許鉄団長は、出発する前に連合ニュースの電話インタビューに応じ、「今回の会議が北韓の核施設でのサンプル採取の文書化に合意できず、堂々巡りを繰り返している6か国協議を進展させるきっかけになるものと期待している。可能な限り、多くの合意を導き出せるよう努力したい」と述べました。今回の作業部会は、アメリカでオバマ政権が発足してから初めて北韓とアメリカの当局者が対話をする場となるだけに、北韓の核問題や北東アジアについてアメリカと北韓の意見を確認することができる見通しです。

・韓国の株価はウォン安など国内外の悪材料が重なり、連日下落しています。韓国株式市場の総合株価指数は、久々に1200を上回った6日以降、13日を除いて連日下落を続け、17日には1127.19まで落ち込み、投資家が不安を募らせています。急激なウォン安のほか、ロシアや東ヨーロッパなど一部の国の債務不履行や株式型ファンドの資金流出などに対する懸念が株安の原因になっているものと分析されます。特に、去年末には1ドル=1250ウォン台だったドルに対するウォンの相場がわずか2か月足らずで1ドル=1450ウォン台と200ウォンもウォン安になるなど、ウォン安が急激に進んでいることが株安の最も大きな原因となっています。外国人の株売りが続いている上、安全な資産への投資を好む傾向が強まり、ドル買いが進んだためウォン安が進み、17日のアメリカドルに対する終値は前日より28ウォンウォン安の1455ウォン50銭でした。このように国内外の悪材料が続けば、当分株安は避けられないというのが大方の専門家の見方ですが、一部の専門家は、今が株を安く買えるチャンスだとの見方をしています。

・韓国高速鉄道(KTX)の第2期工事区間の大邱-釜山間でレールの敷設工事に使うコンクリート製の枕木のうち332本に亀裂が入っていることが分かりました。KTXの第2期工事区間は総延長が254.2キロで、レールの敷設工事は2002年に始まり、これまでに96.9キロの区間にコンクリート製の枕木15万5000本が敷かれています。韓国鉄道施設公団は先月5日、一部の枕木で亀裂が見つかったため、先月19日から今月12日まで3回にわたって全ての枕木を調査し、332本に亀裂が入っていることを確認しました。時速300キロで走る高速列車とレールを支える枕木に亀裂が入れば、レールが曲がって列車が脱線するなど、大規模な事故につながる恐れがあり、枕木の取替え作業が行われることになりました。鉄道施設公団は、レールに枕木を固定する部品に欠陥があったのが原因と見ており、亀裂が見つかった枕木を全て取り替え、亀裂が見つかっていない枕木についても改めて検査をして、亀裂が見つかれば取り替える方針です。

・去年の貿易環境が国際原材料価格の上昇などの影響で、これまでで最悪だったことが分かりました。韓国銀行が17日に発表した「2008年の貿易指数及び交易条件の動向」によりますと、商品100単位を輸出して稼いだお金で輸入できる量を示す純商品交易条件指数が去年は78.5で、前の年より13.7%も下落しました。これは、韓国銀行が統計を取り始めた1998年以降、最悪の数値です。純商品交易条件指数は、1995年に175.3とピークに達してから下落に転じ、2006年には100を下回り、その後も減少を続けていました。去年の貿易環境がこのように悪化したのは、輸出単価指数が前の年より4%増加したのに対し、輸入単価指数は原油や原材料などの値上がりで去年より21%も上昇したためです。また、全体の輸出代金で輸入できる量を意味する所得交易条件が去年は104.4で、前の年より8%下落しました。韓国銀行の関係者は「純商品交易条件指数は月ベースでは去年10月に底を打ってから次第に改善している。国際原材料価格が比較的安定しているので当分の間は改善基調が続くだろう」と話しています。

・韓国のLG電子はマイクロソフトと提携し、多機能携帯電話のスマートフォン市場で本格的なビジネスを展開することになりました。LG電子とマイクロソフトは16日、スペインのバルセロナで開かれた「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)2009」展示会で、スマートフォンを含むモバイル・コンバージェンス分野で包括的な事業提携を結んだことを明らかにしました。両社は今後、マイクロソフトの携帯電話向け基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・モバイル」をLG電子のスマートフォンに搭載し、2012年までに50種以上のスマートフォンを発売することにしています。このため、両社は専門で開発に当たる人材を大幅に増やす一方で、「ウィンドウズ・モバイル」が搭載されたスマートフォンの市場支配力を強化するために、共同でマーケティングを展開する計画です。

2月16日月曜日

・韓国人の精神的な指導者として尊ばれているカトリック教会の金壽煥(キム・スファン)枢機卿が16日亡くなりました。87歳でした。金壽煥枢機卿は去年7月から入院しており、10月には危篤状態となりましたが、その後意識を取り戻し、7カ月あまりの入院生活を続けていました。関係者によりますと、金壽煥枢機卿は16日午後、呼吸混乱に陥り、血圧が下がって意識を失い、医療スタッフが応急手当をほどこしましたが、意識を取り戻すことはできませんでした。金壽煥枢機卿は1922年、大邱で生まれ、日本植民地時代の1933年、故郷で神学校に進み、1941年には東京の上智大学の文学部哲学科に入学しました。韓国が植民地から解放された後の1946年に韓国に戻り、1951年からカトリック教会の神父としての道を歩み始め、1969年、47歳で韓国初の枢機卿になりました。金壽煥枢機卿はその後、カトリックの布教に力を入れるとともに、1970年代と80年代の軍部独裁政権を非難するなど民主化運動にも参加し、その頃から枢機卿が所属していた韓国のカトリックの総本山、ソウルにある明洞聖堂は民主化運動の学生を保護する拠点となっていました。こうした業績によって金壽煥枢機卿は韓国人の精神的な指導者として尊ばれ、高齢で隠居生活をしている時も宗教や宗派を超えて国民の深い尊敬を集めていました。金壽煥枢機卿の死去で悲しみに包まれている明洞聖堂では、今後、金壽煥枢機卿の葬儀を準備することにしています。

・北韓の金正日国防委員長の67歳の誕生日を祝う報告大会が誕生日前日の15日に、平壌で開かれ、最高人民会議の金永南(キム・ヨンナム)常任委員長は韓国を厳しく非難しましたが、アメリカに対してはオバマ政権の出方を見極める態度を示しました。金正日国防委員長は今日2月16日に67歳の誕生日を迎え、平壌で15日に開かれた祝いの報告大会に金正日国防委員長は姿を見せませんでしたが、最高人民会議の金永南常任委員長が演説し、韓国に対して「南北関係に破局をもたらし、核戦争の災難を及ぼそうとしている好戦的な勢力だ」と厳しく非難しました。北韓は去年は韓国政府に対して非難せず、2回行われた南北首脳会談の合意内容を実行すべきだと強調していましたが、今年は北韓の名目上の国家元首で、金正日国防委員長に次ぐナンバー2の金永南常任委員長が韓国政府を非難したのは異例のことと受け止められています。  一方、金永南常任委員長はアメリカに対しては非難を控え、「われわれに対して友好的な態度を示す国々との関係を発展していく」と述べて、オバマ政権の今後の政策を見極める姿勢を示しました。

・李相熹(イ・サンヒ)国防部長官は、北韓の挑発行為にただちに対応できるように、陸海空軍の一線部隊の指揮官に作戦権を大幅にゆだねたと述べました。これは李相熹国防部長官が16日、国会で行われた外交・統一・安全保障分野での対政府質問で答弁として述べたもので、この中で「西海で起きた北韓との2度にわたる戦闘は、それぞれ14分間と18分間行われた。短い交戦だったため、現場を仕切っている指揮官に必要な権限をゆだねた」と答えました。李相熹国防部長官はまた「北韓が西海で艦艇による攻撃と艦対艦ミサイルを発射する可能性があると判断している」として、「韓国軍は発生する可能性があるあらゆる状況を想定して、検討しており、最短時間で勝利をおさめることができると確信している」と強調しました。

・北韓の朝鮮中央通信は16日、北韓が長距離弾道ミサイルを発射する動きを見せているとしている韓国や日本、アメリカの見方に対して「平和的な科学研究活動までも封じ込もうとする策略だ」と非難するとともに、「宇宙開発はわれわれの自主的な権利だ」と述べて、“人工衛星”の発射準備を進めていることを示唆しました。北韓は1998年8月に「テポドン1号」を発射した際にも、北韓で最初の人工衛星「光明星1号」だと主張しただけに、今回もミサイルを人工衛星と主張しているのではないかと分析されています。

・韓国にある拉致被害者の家族で作っている市民団体などが金正日国防委員長の誕生日の16日、北韓の最高額紙幣とビラを北韓に向けて撒きました。拉致家族の集いと自由北韓運動連合などのメンバー10人は、16日、軍事境界線付近の京畿道(キョンギド)坡州(パジュ)市の臨津閣で、北韓の最高額紙幣5000ウォン札30枚とビラ2万枚を大型の風船に乗せて北韓に向けて飛ばしました。これらの団体は当初、北韓の5000ウォン札420枚とビラ10万枚を飛ばす予定でしたが、風向きなど気象状態がよくなかったため、一部だけの撒布にとどめました。市民団体によるビラの撒布について、統一部は15日に出した論評で遺憾の意を表明するとともに、紙幣とビラの撒布をやめるよう求めていました。しかし2つの団体が金正日国防委員長の誕生日の16日にビラを撒布したことから、警察は近く関係者を取り調べる構えです。これについて拉致家族者の集いのチェ・ソンヨン代表は「われわれは南北交流ではなく、北韓にいる家族に金を送っただけなので、法的には問題にならない」と述べて、警察の取調べには応じるとしています。

・金融当局と都市銀行は、今年満期を迎える中小企業への貸付金およそ160兆ウォンに対して、満期を1年間延長することで合意しました。金融委員会によりますと、金融当局と都市銀行の頭取は15日、会合し、今年満期を迎える信用保証機関の貸し出しや、保証のない中小企業の一般担保と貸付金を対象に、廃業や不渡りなど特別な理由がない限り、全額について満期を1年間、延長することになりました。都市銀行の中小企業に対する貸付金は424兆ウォンで、このうち160兆ウォンが今年満期を迎えます。

・政府は環境を改善することによって経済成長を目指すグリーン成長を進めるため、関連法案を今月末、国会に提出するとともに、サマータイム制度の導入を前向きに検討することになりました。李明博大統領は16日、大統領府・青瓦台で1回目のグリーン成長委員会を開き、低炭素グリーン成長を進めるための関連法の制定を進めることを決めました。法律の主な内容をみますと、政府はグリーン産業投資会社とグリーン産業ファンドの設立を認めるとともに、温暖化対策の取り組みとして温室効果ガスの削減目標と排出権の取引制度を導入するとしています。一方、政府は温室効果ガスの削減に向けて、サマータイム制度の導入も前向きに検討していく方針です。政府はサマータイム制度を導入すれば、教育やヘルスケア・レジャー・観光産業で雇用が創出され、電力の消費量も0.3%、金額にして年間9120万ドルを省エネできるとみており、こうした分野について総合的に分析した上で、政府レベルで国民に向けた広報活動を行っていく方針です。

・6カ国協議でアメリカの首席代表を務めてきたヒル国務次官補は、北韓の核問題について「アメリカは北韓を核保有国として認めない立場に変わりはない」と述べました。ヒル次官補はクリントン国務長官が16日からアジア4カ国を歴訪するのに先立って、北韓の核問題で関係者と意見調整をはかるため、北京に続いて15日にソウルを訪れ、韓国首席代表の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長と会談しました。ヒル次官補はその後、記者団に対して、北韓の核問題は6カ国協議を通じて引き続き解決していく方針を確認するとともに、「アメリカは北韓を核保有国として認めない立場に変わりはない。クリントン国務長官のアジアの歴訪でも、6カ国協議は重要な焦点になるだろう」と述べました。

・ソウル市は市内にあるすべての地下鉄の駅に線路とホームを隔てるスクリーンドアを設置することになりました。ソウル市は、地下鉄の駅で頻繁に起きている様々な事故を防ぐとともに、ホームの換気をよくするため、スクリーンドアを予定より1年繰り上げて、年末までに1号線のC凉里(チョンリャンリ)駅を除くすべての駅に設置することにしたと、15日発表しました。そしてソウル市はそのための予算1991億ウォンを計上しました。スクリーンドアは、現在、ソウルの地下鉄1号線から8号線まで265ある駅のうち、89の駅に設置されており、151の駅で工事が進められています。

2月14日土曜日

・アメリカのヒラリー・クリントン国務長官は、韓国などアジア諸国を歴訪するのに先立って、13日、北韓が核開発計画を完全に放棄すれば、米朝間の関係正常化だけでなく、エネルギーや経済支援も行う用意があることを明らかにしました。クリントン国務長官は、就任後初めての外国訪問として、来週から韓国をはじめ、日本、中国、インドネシアを歴訪します。これに先立って、クリントン国務長官は13日、ニューヨークで記者会見し、北韓の核問題について「北韓が核を検証可能な形で放棄すれば、米朝間の関係を正常化し、今の休戦協定を平和協定に変えるとともに、北韓が必要としているエネルギーや経済面の支援を行う用意がある」と述べました。クリントン国務長官は、そのために6カ国協議を継続させる考えを示し、その中で日本人の拉致問題についても取り上げるべきだと強調しました。クリントン国務長官はまた、前のブッシュ政権では北韓が高濃縮ウランを製造していた疑いについて慎重なアプローチが行われなかったと憂慮の念を示しました。クリントン国務長官は、中国と北韓の人権問題、そして日本人の拉致問題についても触れ、来週、東京で拉致被害者の家族と面会することを明らかにしました。

・先月、北韓入りしたアメリカ国際政策センターのハリソン・アジア計画部長は今週12日、アメリカ下院外交委員会の公聴会に提出した資料で、北韓入りした際に出会った北韓軍の幹部から、弾道ミサイルに搭載する核弾頭の製造に乗り出したことを示唆する話を聞いたと述べたと、共同通信が13日報じました。ハリソン部長は先月13日に平壌に入り、北韓の朴宜春(パク・ウィチュン)外相や、李根(リ・グン)アメリカ局長らと会談しており、北韓訪問を終えた後、記者団に対して「北韓の高官が、6カ国協議の合意にもとづいて去年申告したプルトニウム約30キロについて、“すべて兵器化しており検証できない”と述べた」ことを明らかにしていました。ハリソン部長はアメリカ下院の公聴会に提出した資料で、「兵器化の具体的な定義は明確ではない」とするとともに、北韓国防委員会の報道官から「プルトニウムを使用したミサイル弾頭を製造中または製造実験を行っていることを示唆する発言を聞いた」としていますが、具体的な内容は明らかにされていません。

・アメリカとの通信衛星とロシアの通信衛星同士が宇宙で衝突する事故がありましたが、韓国の衛星も、去年9月、アメリカの軍事衛星とあやうく衝突しそうになる距離に接近していたことが明らかになりました。国立の理工系大学のKAIST=韓国科学技術院の人工衛星センターが13日明らかにしたところによりますと、去年9月25日、上空650キロで地球を回っている韓国の「科学技術衛星1号」と、アメリカの軍事衛星が431メートルの近距離で交差したということです。宇宙での431メートルという距離は、地上で時速100キロで走行する自動車2台が10センチの隙間ですれ違ったような近距離接近だということです。この時、アメリカの情報当局は教育科学技術部を通じて、韓国の科学技術衛星1号の起動修正を求めてきましたが、科学技術衛星1号には軌道修正のための装置がなく、アメリカ側も軌道の修正作業をできないでいるうちに、2つの衛星はすれすれに交差したということです。これについて人工衛星センターでは、今回のような近接飛行や人工衛星同士の衝突は確率的には非常に珍しいことだが、今後も可能性はあると話しています。

・アフリカ東部のソマリア沖で去年11月、海賊とみられる武装グループに拉致された日本の海運会社所有の貨物船に乗り組んでいた韓国人5人が13日、解放されました。この事件は、去年11月15日、韓国人5人とフィリピン人18人の合わせて23人が乗り組んでいた日本の海運会社所有のパナマ船籍の貨物船、ケムスター・ビーナス号(2万トン)が、ソマリアのアデン港の東96マイルの海上で、武装グループに拉致され、その後ソマリアの港に抑留されていたものです。外交通商部は13日、「韓国時間で13日午後9時半頃、韓国人5人を含む貨物船の乗組員全員が解放された。現在、安全な公海上に移動中で、健康に別状はないとみられる」と発表しました。解放にあたって、解決金をはらったかどうかは明らかにされていません。ケムスター・ビーナス号は、中東のアラブ首長国連邦の港に移動する予定で、韓国人乗組員5人はドバイで健康診断を受けたあと、韓国に帰ってくることになっています。政府は国民の安全と海賊の活動を封じ込もうとする国際社会に協力するため、国会の同意を経て、来月、韓国海軍の駆逐艦をソマリア沖に派遣する方針です。

・三星電子とLG電子などIT関連企業は、今年の輸出が10%以上減少する見込みだとして、政府に支援を要請しました。知識経済部は13日ソウルで、半導体や家電など、IT・電子業界の関係者と懇談会を行いました。この席で、IT・電子業界の関係者は、今年の輸出展望について、需要が減り、単価も下落する二重苦が予想されるうえに、世界的な経済危機で輸出も10%以上減少することが見込まれると述べました。このうち三星電子は携帯電話の輸出は7%増える見込みだが、そのほかのIT製品を含む輸出は、去年より10%減少するという見通しを示しました。LG電子も、先月のアメリカでの売り上げが目標金額の70%にとどまるなど、全体的に10%減少していると述べました。このため、IT関連の大手各社は政府に対して、規制の緩和や輸出保険の限度の引き上げ、研究開発費の支援などの対策を要請しました。これに対して政府はLG電子が要請した輸出保険の限度額引き上げについて、来週、5億5000万ドルを承認することなどを決めました。政府は来週にも自動車、石油精製、造船の各業界との懇談会を行い、輸出減少の打開策を模索することにしています。

・地上波DMB放送を行っている6社による地上波DMB特別委員会は、景気低迷によって広告費が大きく減少し財源確保が厳しくなったことから、地下鉄車内での地上波DMBサービスを中止することなどの対策を検討していることが分かりました。地上波DMB特別委員会は13日、緊急対策会議を開き、経営が悪化している地上波DMB事業の対策として、現在、地下鉄に対して収益全体の半分以上を支払っている現状を改め、地下鉄車内でのDMB放送を中止すること、編成を縮小して制作費を減らすことなどの対応策を話し合いました。2005年暮れから始まった地上波DMB放送は、サッカーファンが多いことから、翌年、ドイツで開かれたサッカー・ワールドカップ大会から地下鉄の車内でも視聴できる中継網を設けてサービスを行ってきました。そして端末機が1600万台を超えて普及するなど、普及には成功しましたが、肝心の収益となる広告料が景気低迷で急減し、放送局の経営を直撃しています。

・景気が低迷している中、バレンタインデーを祝う若者たちのプレゼントの配達は、逆に増えていることが分かりました。郵政事業本部が14日まとめたところによりますと、バレンタインデーの特別輸送期間としている12日から14日までの3日間の小包は、1日平均58万通にのぼり、去年同期より12%増えています。中でも兵役に就いている若者への小包が急増し、そのほとんどがガールフレンドからのチョコレートなどのバレンタインデーの贈り物セットとみられています。郵政事業本部では14日中に配達を終えるよう人手や車両を増やして対応しています。

2月13日金曜日

・景気後退などの影響でこの2か月間でおよそ42万人の自営業者が倒産したり廃業したりしたことが分かりました。企画財政部と統計庁がまとめた資料によりますと、先月の自営業者は、558万7000人で、2か月前より41万6000人も減り、9年ぶりに少なくなりました。自営業者は去年9月に606万人に達していましたが、去年12月には587万人に大きく減り、先月も20万人あまりが減りました。中でも従業員のない零細な自営業者は412万人と、ここ10年間でもっとも少なくなり、従業員がいる自営業者も8年ぶりに150万人を下回りました。企画財政部の関係者は、今年の経済成長率はマイナス2%に落ち込み、雇用も20万人あまり減る見通しなので、当分は自営業者の減少が続くだろうと予想しました。

・アメリカのCIA=中央情報局などの情報機関を統括するブレア国家情報長官は12日、議会上院の情報特別委員会に提出した資料で、北韓は体制の脅威を感じないかぎり核兵器を使用しないだろうという見解を示しました。ブレア長官は資料の中で、北韓は核兵器を戦争に使用するためではなく、戦争を抑止するための手段と考えていると指摘し、金正日政権が回復不能な状態になるほどの脅威を感じないかぎり、アメリカに対して核兵器を使用することはないだろうとしました。またブレア長官は、金正日国防委員長は去年8月に脳卒中で倒れ、数週間は統治不能な状態が続いたものの、今は重要な決定を下せるほどに健康が回復したとしました。一方、アメリカのシンクタンク「国際政策センター」のアジア研究部長を務めるハリソン氏は12日、下院の外交委員会に出席し、北韓との間で長距離ミサイルに関する交渉を再開する必要があると述べました。ハリソン氏は、6か国協議であれ、米朝間の2国間協議であれ、核問題と並行して長距離ミサイルを制限するための交渉も同時に進めていく必要があると指摘しました。長距離ミサイルを制限する交渉は、クリントン政権のときに妥結直前まで進みましたが、ブッシュ政権になってから米朝関係が悪化し、中断しています。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議のアメリカ首席代表にクリントン政権で韓国駐在大使を務めたスティーブン・ボスワース氏が指名されました。これはクリントン国務長官が韓国などアジア4か国の歴訪に出発する前に指名したものです。ボスワース氏はクリントン政権のとき、北韓へ軽水炉を提供するために設立されたKEDO=韓半島エネルギー開発機構の事務局長を経て、2000年まで韓国駐在大使を務めました。また、今月初めにはアメリカの元政府高官や研究者らとともに平壌を訪れており、北韓の核問題に精通していると評価されています。

・国会は13日、本会議で、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理をはじめ閣僚に対する質問を行い、野党はソウル市龍山区の再開発に反対してビルに立てこもった住民らが死傷した事件について追求しました。最初に質問に立ったハンナラ党の張光根(チャン・クァングン)議員は、暴力を伴う不法な集会は根絶しなければならないと指摘し、法案に反対だからといって国会の会議場を占拠するような事態の再発を防ぐために、国会暴力防止法を必ず成立させる必要があると強調しました。これに対して、野党民主党の朴相千(パク・サンチョン)議員は、国会暴力防止法は多数決の論理を歪曲して、与党が法案を一方的に可決させるための法律だと批判しました。さらに、先月、ソウル市龍山区で起きた再開発地区のビルに立てこもっていた住民を警察が強制排除する過程で死傷者が出た事件について、警察は火災の危険性をわかっていながら強制排除を行ったとして、業務上過失致死の責任を免れることはできないと主張し、この事件を捜査するための特別検事の任命を要求しました。また、自由先進党の朴商敦(パク・サンドン)議員は、李明博政権が発足してからの1年は、国民統合に失敗し、独裁時代の統治が復活した1年だったとして、政府に反省を促しました。

・全国に強い風を伴った雨が降り続いており、旅客船や航空機が相次いで欠航するなどの影響が出ています。これまでの雨量はソウルで18.7ミリ、京畿道ムンサン28.5ミリ、光州22.5ミリ、全州26.5ミリなどとなっており、気象庁によりますと、地域によってはさらに40ミリ以上の雨が降る見込みですが、夜にはあがるということです。一方、海岸地域を中心に20メートルを超える強風が吹いており、波浪警報が出された西海岸では、4メートルから6メートルと波が高くなって、仁川港を出港する12の航路の旅客船がすべて欠航しました。また、全国のほとんどの地域に強風注意報が出されて、朝から航空機の欠航も相次ぎ、午前6時50分に金浦から済州島に向かう予定だったアシアナ航空の8901便と、午後4時20分に金浦から釜山に向かう予定だった大韓航空の1129便など、合わせて100便あまりが欠航しました。一方、ひさしぶりの雨で水不足の解消が期待されましたが、降水量はさほど多くなく、水不足が深刻な南西部地方の水不足は解消されない見込みです。

・ソウルと釜山を結ぶ高速鉄道、KTX京釜線の釜山市金井(クムジョン)区で工事が進められている、韓国でもっとも長い金井トンネルが、13日、貫通しました。このトンネルは2002年7月に着工し、三つの区間に分けて工事が進められていましたが、三つの区間がすべて貫通しました。トンネルの全長は、20.3キロあり、韓国では道路を含めてもっとも長いトンネルです。金井トンネルはこの後、内部の工事が進められ、来年12月に完成する予定です。このトンネルが完成すれば、KTXでソウルから釜山までかかる時間がこれまでより30分短縮され、2時間10分になります。

・三星グループの李健熙(イ・ゴンヒ)前会長の長男で後継者とされている、三星電子の李在鎔(イ・ジェヨン)専務(40)の妻が、李専務を相手取って、ソウル家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、巨額の財産分与などを請求ていたことが分かりました。李在鎔(イ・ジェヨン)専務は1998年に大象(テサン)グループの林昌郁(イム・チャンウク)名誉会長の長女と結婚し、2人の子どもがいます。李在鎔専務夫妻についてはこれまで表面化した問題は起きてなく、なぜ妻が離婚訴訟を起こしたのかは明らかになっていませんが、李在鎔常務の妻は、慰謝料10億ウォンと、李在鎔専務の資産に半分に当たる5000億ウォン相当の財産分与、そして養育権を請求していると伝えられています。ソウル家庭裁判所では、この件について12日から本格的な審理が始まり、妻の請求額がかつてないほど巨額なだけに大きな関心を集めています。

2月12日木曜日

・韓国銀行は12日、金融通貨委員会を開き、政策金利をこれまでの2.50%から0.50ポイント引き下げて2.00%にすることを決めました。韓国銀行は、去年10月に政策金利を5.25%から5.00%に引き下げて以来、4か月間で合わせて3.25ポイントも金利を引き下げました。今回の金利引下げは、景気が予想をはるかに上回るスピードで後退していることを反映したものと受け取られています。韓国銀行は金融通貨委員会が終わった後、「通貨政策方向の決定文」を発表し、「消費と投資が落ち込んでいる中で、輸出も急速に減少し、景気後退のスピードが速まっている」とした上で、「世界的に景気後退がさらに進み、金融不安が継続する可能性もある」という見方を示し、経済の状況次第では、さらに金利を引き下げる可能性があることを示唆しました。

・韓国の去年の物価上昇率はOECD=経済開発協力機構加盟国のうち6番目に高かったことが分かりました。企画財政部とOECDがこのほど発表したところによりますと、韓国の去年の物価上昇率は4.7%で、OECD加盟30か国のうち6番目と高い水準でした。企画財政部は、去年物価が急上昇したのは、エネルギーや食糧価格が大幅に値上がりし、外国から輸入する製品の依存度が高いだけに物価上昇率が他の国に比べて高くなったと説明しました。

・中小企業の資金難を解消するため、信用保証機関の中小企業に対する保証の限度が拡大され、今年満期がくる中小企業に対する保証は、保証額の全額について年末まで満期が延長されます。政府は12日開かれた非常経済対策会議で、中小企業に対するこうした支援策を決定し、年末まで期限付きで施行することにしました。それによりますと、政府が出資している信用保証基金と技術保証基金は、中小企業に対する保証額を現行の融資額の95%から100%に拡大しました。政府系の保証機関が融資額の100%を保証することになったため、銀行が中小企業に対して融資する際のリスクは事実上ゼロになり、中小企業が銀行から資金を借り入れることが容易になります。また、今年満期がくる保証については、倒産や廃業など、特別な場合を除いて原則的に保証期間の満期を年末までに延長することにしました。

・北韓は11日、朝鮮中央放送などを通じて、金正日国防委員長による軍部の人事を発表し、国防長官に当たる人民武力部長に、朝鮮人民軍の金永春(キム・ヨンチュン)国防副委員長を任命しました。また、軍総参謀長には李英浩(リ・ヨンホ)大将を任命しました。新しく任命された金永春人民武力部長は、金日成軍事総合大学を卒業した後、軍部の要職を経て、1995年に軍総参謀長に就き、2007年4月に国防委員会副委員長に任命されました。また、去年9月に北韓が迎えた政権樹立60周年の記念式典の閲兵式で演説するなど、金正日国防委員長にもっとも近い側近として知られています。北韓は最近、韓国に対して韓半島西側の西海での軍事衝突も辞さないと宣言し、一方では長距離ミサイルの発射準備を進めるなど、強硬な姿勢を打ち出していますが、こうした中で軍部のトップを2人揃って交代させる人事を行ったことから、今後の北韓軍部の動向に関心が寄せられています。

・KBSが12日、北韓の金正日国防委員長の後継者の1人とされている三男の金正雲(キム・ジョンウン)氏の顔写真を公開しました。金正雲氏については公開された情報が少なく、顔写真が公開されたのは初めてです。この顔写真は金正雲氏が11歳のときのもので、1989年から13年間、金正日国防委員長の専属調理師を務めた日本人の藤本健二さんからKBSが入手しました。藤本さんはKBSとのインタビューで、金正雲氏について、まだ若いが洞察力と実践力を兼ね備えており、指導者として遜色がない人物だと評価しました。また、金正雲氏が後継者になる可能性については、まだ若いので、後継者になるにしても、金正日国防委員長の義理の兄弟で側近である張成沢(チャン・ソンテク)氏が後見人になる可能性が高いと述べました。

・韓国は1970年代末に旧ソビエト連邦との関係改善を図っていたことが分かりました。非公開保存期間の30年が過ぎて、政府がこのほど公開した外交文書によりますと、韓国政府は冷戦時代の1978年、旧ソ連が大韓航空機を強制着陸させて死傷者が出た事件を解決するために、旧ソ連と直接交渉を試みたということです。韓国政府は当時、旧ソ連との間で通商代表部を設置することも検討していたということですが、韓国とアメリカとの関係が悪化し、アメリカが北韓との関係を改善する可能性もあることなどが指摘され、ブレーキがかかったということです。こうした動きは、韓国が旧ソ連との関係を改善することで、外交面で北韓に対して優位に立とうとした狙いがあったと分析されています。

・政府と与党ハンナラ党は12日、凶悪犯の遺伝子情報を採取して遺伝子バンクに保管し、同じような犯罪の捜査に活用する「遺伝子鑑識情報の収集及び管理法」を制定することで合意しました。また、これまで容疑者の名前と顔写真は人権に配慮して公表していませんでしたが、凶悪犯罪の処罰に関する特例法を改正し、殺人、強盗、強姦、拉致、誘拐などの罪を犯した凶悪犯については、名前と顔写真を公表することにしました。こうした内容は、ハンナラ党と法務部、行政安全部、警察庁の関係者による協議会で決まったものです。ハンナラ党の第1政策調整委員会の張倫碩(チャン・ユンソク)委員長は、「最近、連続殺人事件などが起きて国民の不安が高まっており、凶悪犯罪から国民を守るために特段の決断が必要だと判断した」と述べて、こうした決定に至った背景を説明しました。

・サッカーのワールドカップアジア最終予選B組の韓国対イランの試合が11日、テヘランで行われ、1−1で引き分けました。この試合、韓国は後半12分にイランのフリーキックで先制点を許し、1−0とリードされましたが、後半35分、韓国のフリーキックをイランのゴールキーパーが跳ね返し、こぼれ球をパク・チソン選手がシュートしてゴールを決め、同点に追いつきました。結局、試合は1−1の同点で終わり、韓国は勝ち点1を加えて、2勝1敗1引き分けの勝ち点8でB組の1位を守り、7回連続でワールドカップに出場する可能性が高くなりました。

2月11日水曜日

・外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は11日、韓国を訪れた中曽根外相とソウルの外交通商部で会談し、世界的な経済危機に共同で対応するため、両国間の経済協力を強化していくことで合意しました。この席で両外相はまず、4月にロンドンで開かれるG20金融サミットで、実体経済の回復と保護貿易主義の防止に向けた具体的な措置を講じるために緊密に協力し合うことで合意し、中曽根外相は、韓国の金融安定化フォーラム(FSF)への加盟を支持すると表明しました。両外相はまた、北韓の核問題と関連し、最近北韓が取っている強硬な発言など韓半島の緊張を高めるような行動は望ましくないという認識で一致し、北韓の非核化の早期実現に向けて6か国協議の枠組みの中で努力していくことで合意しました。さらに、アフガニスタンの復興支援について両外相は、先月行われた韓日首脳会談で合意した協力事業と関連し、職業訓練と共同研修、それに豆の品種改良の3つの事業を進めていくことで合意しました。このほか、両国間の文化的、人的交流を拡大するための2期目の理工系留学生派遣事業や3期目の文化交流会をスタートさせることに合意しました。会談の中で中曽根外相は、1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚と、拉致被害者で金賢姫元死刑囚の日本語教師だった田口八重子さんの家族との面会が実現するよう、韓国側に協力を求め、これに対して柳明桓長官は「具体的なことについては調整中だが、近く面会が実現するだろう」と述べました。

・アメリカのクリントン国務長官は10日、最近北韓が長距離ミサイル「テポドン2号」の発射準備とみられる動きなど威嚇する行動を見せていることについて、「東アジアの各国は、北韓の行動は受け入れられないと考えている」と述べました。就任後初めて来週に韓国などアジア4か国を訪問するクリントン長官はこの日、国務省でチェコのシュバルツェンベルグ外相と会談した後、記者会見し、「最近の北韓の行動が北東アジア地域の平和と安定を脅かす行動の前兆ではないことを望む」と述べ、北韓に対して挑発行為を慎むよう求めました。その上で、クリントン長官は、「東アジアのすべての国がこうした行動は容認できないと明確にしていることを北韓は理解すべきだ」と、北韓の動きをけん制しました。また、オバマ政権の北韓に対する政策について、「北韓の非核化と核拡散活動の停止は6か国協議を通じて進めていく」と述べた上で、「北韓が6か国協議やその他の2国間または多国間交渉を再開すれば、北韓当局や住民は新たな機会を得ることになるだろう。今後数週間、数か月以内にそうしたことがあることを願っている」と述べ、6か国協議の早期再開に意欲を示しました。

・アメリカのゲーツ国防長官は10日、北韓がアメリカ本土を狙う長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射準備を続ければ、アメリカはこれを迎撃する態勢に入る方針であることを明らかにしました。

・ソウルと首都圏の広域自治体の首長は11日、ソウルを東西に流れる川・漢江とソウルの西にある仁川の港を結ぶ京仁運河の建設を積極的に進めることで合意しました。ソウル市の呉世勳(オ・セフン)市長、仁川広域市の安相洙(アン・サンス)市長、それに京畿道の金文洙(キム・ムンス)知事は11日、ソウルで会合し、政府が進めている京仁運河の建設と開発事業に積極的に協力し、運河周辺の道路を広げるなど陸上の交通網の拡充に努めることなどを骨子とした共同協約を結びました。それによりますと、ソウル市は京仁運河の建設計画にソウル市が進めている「漢江ルネッサンス・プロジェクト計画」を連携させ、漢江の遊覧船の船着場などを見直して、ソウルから漢江を下って西海に出て、中国までをつなぐ交通ネットワークを開設し、ソウルを港湾都市に発展させたいとしています。また仁川市は工場が多かったことから定着した公害都市のイメージを運河の建設によって改め、環境にやさしい都市としてのイメージを高めるとともに、2014年に開催するアジア競技大会の競技場を設けることにしています。そして政府が進める京仁運河建設事業の中心となる京畿道は、金浦などに旅客ターミナルを設けて、国内や国際物流網の拠点地域に成長させたいとしています。京仁運河の建設計画をめぐっては賛否両論が続いていましたが、低迷している経済の回復に向けて、ソウル市など主な自治体の首長が協力することになっただけに、今後、京仁運河の建設事業に弾みがつくのではないかとみられています。

・景気低迷によって、債務を返済できない個人や中小企業が増え、金融機関が融資した資金の延滞額が30兆ウォンを上回っていることが分かりました。金融監督院が11日に明らかにしたところによりますと、金融機関全体の融資額は去年末現在およそ1257兆ウォンで、このうち延滞額は32兆9200億ウォンに上るということです。特に、中小企業や個人による延滞が目立っており、銀行の場合は、中小企業の延滞額が前の年の2倍に、個人の延滞額は60%増えています。このように延滞額が急激に増えたのは、去年の第4四半期から景気後退が本格化し、債務を返済できない中小企業と自営業者が増えたためと分析されます。

・冬のスポーツの祭典、第90回全国冬季体育大会の開会式が11日、江原道(カンウォンド)平昌(ピョンチャン)で行われました。10日から13日までの4日間行われるこの大会では、済州島を除く15の市と道から選手と関係者3400人余りが参加し、スケート、アイスホッケー、スキー、バイアスロン、カーリングの5つの種目で合わせて238の金メダルを争います。

2月10日火曜日

・韓国の南東部、慶尚南道昌寧郡にある山、火旺山(標高756メートル)の山頂付近で9日夕方行われた十五夜の山焼き行事で、火が風にあおられて枯れ草に燃え移り、見物していた登山客4人が死亡し、60人あまりがけがをしました。死亡した4人のうち、3人は身元がわかっていないため、警察が確認を急いでいます。また、やけどを負うなどしてけがをした60人あまりは昌寧や釜山地域の病院に運ばれ、手当てを受けています。火は消防の消火活動によって午後9時10分ごろに消し止められましたが、山頂からがけ下に転落した人がいるため、警察が捜索を続けています。 この行事は昌寧郡が主催したもので、警察は安全対策に手落ちがあったのではないかと見て、捜査しています。火旺山では、3年ごとに旧正月が明けてから初めての満月の日に国の安泰と国民の安寧、それに豊作を祈ってススキを焼く行事を行っていますが、今年は特にススキが乾燥していて、火災につながったものと見られています。

・植物状態になった患者の延命治療をやめるよう家族が求めた裁判の控訴審で、ソウル高等法院は、一審に続いて尊厳死を認め、延命治療を中止するよう命じる判決を言い渡しました。この裁判は、植物状態になった母親の人工呼吸器を外してほしいと子どもたちがセブランス病院を相手取って起こしたもので、一審のソウル西部地方裁判所は去年11月、韓国で初めて尊厳死を認め、病院側に人工呼吸器を取り外すよう命じる判決を下しましたが、病院はこれを不服として、控訴していました。10日の控訴審判決で、ソウル高等法院は「延命治療の中断を望む患者の意思を尊重することは、憲法が保障している自己決定権に含まれ、治療中断の条件を定めた法律がなくても厳しい条件を満たせば認められる」とした上で、延命治療の中断が認められる条件として、病状が回復する可能性がないこと、治療の中断を望む患者の意思が明確に確認されていること、現在の状態を維持するための治療のみが中断の対象であること、必ず医師によって医療行為が中断されることの4つを示しました。さらに、裁判所は「植物状態の患者であっても事前に残した文書などによって治療を中断したいという意思を推定することができる」と強調しました。セブランス病院は、この判決を不服として上告する方針を明らかにしており、この裁判は最高裁判所に当たる大法院の判断に委ねられることになりました。

・企画財政部の尹増鉉(ユン・ズンヒョン)長官が10日正式に就任し、就任式の後に行われた記者会見で、韓国の今年の経済成長率の見通しをこれまでのプラス3%からマイナス2%に下方修正すると述べました。尹増鉉長官は、「内需と輸出がともに減少するなど、国内外の経済環境が悪化しているため、経済成長率の下方修正は避けられない」と説明しました。また、尹増鉉長官は雇用の見通しについて、「今年は20万人前後まで減少すると予想される」と述べ、経常収支については「輸出は減るものの、輸入も減り、旅行収支が改善して130億ドル前後の黒字になるだろう」との見通しを示しました。尹増鉉長官は、今後進めていく経済政策について、現在直面している経済危機を乗り越えるため、来月末までに補正予算を編成し、内需の更なる冷え込みを防ぐ方針を明らかにしました。

・先月、ソウル市龍山区の再開発地域で立ち退きに反対する住民と警察が衝突して6人が死亡した事件が起きて以来、責任をとるべきだという声が高まっていた、警察庁長に内定している金碩基(キム・ソクキ)ソウル地方警察庁長が10日、辞意を表明しました。金碩基ソウル地方警察庁長は10日、記者会見し、「火災事故で亡くなられた方々のご冥福をお祈りしたい。事故の道義的な責任をとって内定している警察庁長とソウル地方警察庁長の職を辞する決心をした」と述べました。金碩基ソウル地方警察庁長は、龍山区の再開発地域で立ち退きに反対して立てこもっていた住民に対して警察が強制排除することを最終的に承認しており、事件の責任をとって警察庁長を辞退すべきだという世論が高まっていました。

・食品医薬品安全庁は、深刻化している食品や医薬品による事故を防ぎ、ますます多様で知能的になっている食品や医薬品に関する犯罪に厳しく対処するため、検事や捜査専門要員などからなる「危害事犯中央捜査団」を発足させました。捜査団は、最も非道徳的な犯罪でありながら、根絶できなかった有害食品や違法な医薬品、医療機器を取り締まるほか、よくない原料を使って食品や医薬品を製造する行為や、有害物質を故意に添加して利益を得る行為などを厳しく取り締まることになります。これまで、食品や医薬品に関する犯罪は食品医薬品安全庁の取り締まり班が調査してきましたが、権限が十分でないため、被疑者が証拠を隠したり、外国に逃走したりして、対応できない場合がありました。しかし、捜査団が発足したことで、検事の指揮のもと、権限を持って特別取締りを行うことができるようになります。これによって、より効率的な取締りが可能になり、食品や医薬品による事故が大幅に減り、国民の食品、医薬品に対する安心につながるものと期待されます。

・韓国の国宝第1号、ソウルの崇禮門(南大門)が放火によって焼け落ちてからちょうど1年を迎えた10日、文化財庁は国民に文化財の大切さを知ってもらうため、復元工事が行われている現場をこの日に限って一般に公開しました。崇禮門の復元工事は、城壁を含めて原形どおりにするという方針に沿って去年の暮れから発掘作業を中心に行われ、これまでに2階建ての楼閣のうち1階の一部が修復されましたが、現場は工事用の鉄骨や布に覆われています。10日の朝には市民団体の「民族魂を根付かせるための市民連合」が現場近くの歩道で、復元工事の成功を祈って朝鮮王朝時代の儀式を再現する祈願祭を行いました。また、国立故宮博物館では、崇禮門の火災の教訓を噛みしめるための特別展示会が開かれています。この展示会では、かつての崇禮門の写真や遺物などが展示されており、中でも1926年に崇禮門の南側にあった池の中から出土した龍の頭をした青銅の亀、「青銅龍頭の亀」が初めて公開され、関心を集めています。一方、消防防災庁や文化財庁、中部消防署、南大門警察署などは10日午後、合同でソウルの王宮の一つ、コ壽宮の中にある「中和殿」で木造文化財の消化訓練を行いました。崇禮門の本格的な復元工事は早ければ今年の末から始まり、徹底した考証を加えて3年後の2012年末ごろ元の姿によみがえることになっています。

・ソウル市では小学校に入学する対象になっている児童のうち、去年は6人に1人が早生まれで発育が心配されるなどの理由で入学しなかったことが分かりました。ソウル市教育庁が10日に明らかにしたところによりますと、去年、小学校に入学する対象になっていた児童およそ11万5000人のうち、1万8000人が入学せず、未就学率は16%に上っています。ソウル市の小学校の未就学率は1998年には4.8%でしたが、その後増え続け、2007年は15%でした。このように入学しない児童が増えているのは、早生まれで発育が心配されるほか、家計が苦しいことなどの理由に加えて、外国語を学ぶため早期に留学するケースが多いからです。

・社会福祉共同募金会が実施した年末年始の募金キャンペーンが1月31日で締め切られ、寄せられた義捐金は経済危機の中で目標額より多い2096億ウォンと、史上最高になりました。1998年から始まったこのキャンペーンで、寄せられた義捐金が目標額を超えたのは1999年以来10年連続です。社会福祉共同募金会は、「厳しい経済危機にもかかわらず、義捐金が目標額を超えたのは、個人による寄付や少額の寄付などが増えたため」と説明しています。

2月9日月曜日

・先月20日、ソウル市龍山区の再開発地域のビルで立ち退きに反対して立てこもった住民を警察が排除する過程で火災が起き、6人が死亡した事件についてソウル中央地方検察庁は9日、捜査結果を発表し、火災を起こした住民5人など合わせて27人を起訴しました。検察の発表によりますと、火災の原因は、立てこもっていた住民が多量のシンナーを振りまいた後、住民が投げた火炎瓶がビルの階段に落ちて燃え広がり惨事に至ったとしており、関連の映像を公開しました。このため、火災を起こした疑いで拘束された住民5人を起訴するとともに、警察に暴力を振るった住民15人を在宅起訴しました。また火災がおきる前日に、ビルに立てこもっていた住民を解散させようと、水圧が強いホースで住民に放水したり、故意に放火をはかったりした建設会社の関係者ら7人も在宅起訴しました。一方、今回の事件で住民を排除するなどした警察の行動が行過ぎていたかどうかについて、検察は、「当時は市民の安全が脅かされる状況だったので、警察の行動は客観的に見て、正当性にかけているとはいえないが、結果的には事前準備などで残念なところがあった」と、遺憾の意を表明しました。

・李明博大統領は、9日、ラジオで演説し、先月、ソウル市龍山区の再開発地域で立ち退きに反対する住民と警察が衝突して6人が死亡した事件について、再発防止に向けた対策作りが何より重要だと述べました。この事件は先月20日、ソウル市龍山区のビルで立ち退きに反対して立てこもった住民を警察が排除する過程で火災が起き、6人が死亡したものです。李明博大統領は9日午前、KBS第1ラジオで放送された国民に向けた演説で、この事件の責任を追及して警察庁長の辞任を求める声が高まっていることについて、「原因がはっきりしない段階で責任者を辞めさせることは適切ではない。過去には似たような事件が起きると、まず責任者を辞めさせていたが、問題の解決にはなっていない。徹底した原因究明によって悪循環を断ち切ることが先決だ」と述べ、今は警察庁長を辞任させる考えがないことを明らかにし、「再発防止に向けた対策作りが何よりも重要だ」と述べました。

・国会の外交通商統一委員会は9日、統一部長官に内定した玄仁澤(ヒョン・インテク)氏に対する人事聴聞会を開きました。玄仁澤氏は聴聞会の冒頭発言で、南北の統一に向けた政策は原則と一貫性が重要だという認識を示し、国民の合意を得て政策を進めるとともに、南北対話の再開に向けて努力していく考えを示しました。質疑応答で民主党など野党議員は、大学教授である玄仁澤氏の論文が重複して発表されているとして、国から研究費の支援を受けるためではないかと問いただし、さらに父親が所有している土地を不当に安い価格で買い入れたのは変則的な贈与に当たると、不動産をめぐる疑惑を追及しました。これに対して玄仁澤氏は論文の重複発表は事実と異なると述べ、土地の買い入れは高齢の父親が経営していた会社を整理する過程で行った合法的なものだと釈明しました。統一部長官に内定した玄仁澤氏は李明博大統領の北韓政策の立案者の一人で、李明博大統領は聴聞会の結果に関係なく、任命することができますが、北韓が早くも玄仁澤氏を非難する声明を発表していることもあって、野党が統一部長官にはふさわしくないとしているうえに、一部の与党議員もこれに同調していることから、統一部長官に決まっても、就任早々から厳しい舵取りを迫られることになりそうです。

・このほど、北韓を訪れたアメリカの北韓専門家の民間訪問団が8日、ソウル入りし、「北韓はアメリカの新政権の北韓に対する政策を見極めたうえで、対話を再開しようとしているという印象を受けた」と述べました。アメリカの北韓専門家らで構成された民間訪問団は、今月3日から7日までの5日間、オバマ政権が発足して初めて北韓を訪れ、北韓人民軍板門店代表部のリ・チャンボク代表など北韓の軍部や当局者と合わせて12時間にわたって会談を行いました。訪問団は8日、北京経由でソウル入りし、このうちアブラモウィッツ元アメリカ国務次官補は、記者団に対して「オバマ政権は山積している課題が多いので、北韓をめぐる問題が優先課題になっていないことを北韓も認識しているようだった。北韓は急がずにアメリカの政策が決まるのを見極めながらも、対話が早期に再開されることを期待しているようだった」と述べました。アブラモウィッツ元次官補はまた「北韓は核問題の解決には長い時間が必要だとみており、6か国協議の参加国による北韓へのエネルギー支援が終わってから解決に向けて動き出すと強調した」と述べました。そして訪問団が北韓に滞在中に明らかになった北韓の長距離ミサイル「デポドン2号」の発射実験に向けた動きについて、アブラモウィッツ元次官補は「北韓当局者は少し待ってほしいとして、具体的な返事は避けたが、北韓滞在中に武力を使用するといった脅威的な表現は使っていない」と述べました。

・韓国の2大労働組合総連盟の一つ、民主労総=全国民主労働組合総連盟の指導部は9日、幹部が性的な暴力をしようとした事件のもみ消しをはかった責任をとって全員が辞任すると発表しました。この事件は、去年12月に警察の手配から逃げていた民主労総の幹部が、自分をかくまってくれた民主労総の女性組合員に性的な暴力をはかったうえに、事実を知った民主労総の指導部がこの女性組合員に数回電話をかけて、「事件が漏れると組織が大きなダメージを受ける」として、揉み消しをはかったものです。これについて、現在、警察に拘束されている民主労総のイ・ソクヘン委員長は、声明文を発表し、被害者と組合員、そして国民に謝罪するとともに、指導部の9人全員が辞任して、今後、組織内で再発防止に向けて努力すると述べました。民主労総の指導部が全員辞任したのは1995年の発足以来、4度目です。

・景気低迷が長引いて雇用がさらに悪化したため、先月は失業手当の新規申請者がこれまででもっとも多くなりました。労働部がまとめたところによりますと、先月の失業手当の新規申請者は12万8000人と、前の月に比べて38%も増えました。これは失業手当の新規申請者数がこれまでで最も多かった去年1月の9万4000人より3万4000人も増え、失業手当の支給が始まった1996年以後、もっとも多くなりました。これによって、先月、失業手当を受けた人は合わせて35万4000人と、前の月より5万4000人増え、失業手当の支給額も2700億ウォンと、11%増えました。

・韓国の半導体メーカーの三星電子とハイニックス半導体が相次いで40ナノ級のDラム半導体の開発に成功しました。ハイニックス半導体は8日、44ナノ工程技術を取り入れた1ギガビットのDラム半導体を開発したと発表しました。ナノは10億分の1メートルという単位で、小さければ小さいほど、半導体を製造する際の薄く丸いシリコン板の上に組み込む回路の幅を縮め、さらに性能をアップさせることができます。ハイニックスが開発に成功した44ナノ工程技術を用いたDラムは、アメリカのインテル社の規格との互換性も満たしていることから、半導体市場が再び回復すれば、ハイニックスの主力製品になるとみられます。ハイニックス半導体は、今年の第3四半期から量産体制に入り、来年からこのDラムを使った多様な製品を生産する計画です。これに先立って三星電子は4日、世界で初めて40ナノ級工程技術を取り入れたDラム製品を開発したことを明らかにしています。三星電子は2005年に60ナノ級のDラムを開発したのに続いて、2006年には50ナノ級Dラム、今年は40ナノ級Dラムを相次いで世界で初めて開発したことになります。三星電子はこの技術を取り入れた製品を年内に生産するとしています。

2月7日土曜日

・カナダのバンクーバーで開かれたフィギュアスケートの四大陸選手権大会で、韓国の 金妍児(キム・ヨナ)選手が初めて優勝しました。5日のショートプログラムで、72.24点と自分が持っている世界最高得点を塗り替えて首位に立った金妍児選手は、7日のフリーでは、前半のジャンプで一度転倒しましたが、そのほかの演技を完璧にこなし、116.83点を上げて、合計189.07点を獲得し優勝しました。2位はカナダのジョアニ・ロシェット選手、3位は日本の浅田真央選手でした。金妍児選手が四大陸選手権大会で優勝したのは初めてです。

・韓国に亡命しようと北韓を脱出した19人がミャンマーで逮捕され、タイに追放されていましたが、その後、全員が韓国に入国したと、アメリカの自由アジア放送(RFA)が7日伝えました。自由アジア放送がタイの人権団体の関係者の話を引用して明らかにしたところによりますと、脱北者19人のうち、2週間前に3人が先に韓国に向かい、今週になって残りの16人も韓国に入国したということです。19人の中には女性15人のほか、10歳未満の男の子もいて、 去年の12月初め、中国からボートでメコン川を下り、タイに向かう途中にミャンマーの移民局によって逮捕され、その後タイに追放されて、1か月あまりタイの移民局に収容されていました。一方、タイのガシット外相は先月、北韓の大使を呼び、脱北者が中国やラオス、ミャンマーを経てタイに入ってきていると指摘し、タイ政府は脱北者がタイに入国するのを望まないので、北韓が中国と協力して対策を講じるよう求めています。

・北韓の政府関係者がアメリカの北韓を支援する団体の招待を受けて今月末、アメリカを訪問する予定です。自由アジア放送が、関連消息筋の話として7日伝えたところによりますと、北韓政府の関係者4人が今月末から8日間、アメリカの北韓を支援するNGO5団体の招待を受けて、これらの団体の本部があるオレゴン州のポートランドやニューヨークなどを訪れます。北韓政府の関係者はアメリカ訪問中に、北韓への食糧援助について団体の関係者らと話し合い、支援期間が切れる今年6月以降も援助を続けるよう要請するものとみられます。

・東アジア地域の深刻な環境問題となっている海のゴミについて対策を話し合う、韓国と日本の政府レベルの初めての会議が、6日、釜山で開かれました。外交通商部が7日明らかにしたところによりますと、海のゴミ問題をめぐる、両国政府レベルの会議は、日本側の要請で開かれたもので、釜山市庁が会場となり、韓国からは外交通商部をはじめ、国土海洋部、農林水産食品部、海洋警察庁など関連部署の担当者が出席しました。そして会議では、韓国や日本、中国やロシアの海岸に流れ着いて汚染する、いわゆる漂着ゴミについて話し合いが行われ、問題の解決に向けて今後、両国が協力して具体的な対策を見出していくことになりました。

・韓国のインターネットの普及率が世界で初めて80%を超えました。統計庁によりますと、去年末現在、各世帯でのインターネットの普及率は前の年より0.8ポイント上昇して、80.6%となり、10世帯のうち8世帯までにインターネットが普及していることになります。韓国のインターネット普及率は、2000年に49.8%を記録してから、着実に伸び続け、2007年にOECD=経済協力開発機構がまとめた国別の普及率で1位となり、80%を超えたのも韓国が初めてです。このように韓国でインターネットの普及率が高いのは、マンションに住む世帯が多いため、超高速インターネット網を備えるのが容易なうえ、利用料金が割安で、さらに教育熱心で、新技術を受け入れることに積極的な国民性などが理由だと、統計庁は分析しています。

・この冬の干ばつで、飲み水不足が深刻になっている地域で、給水活動を強化するため、政府は関連予算のうち503億ウォンを予定を早めて今月中に支出することにしました。環境部が6日明らかにしたところによりますと、去年9月から始まった干ばつのため、飲み水不足に苦しんでいる人は全国のおよそ807か所に住んでいる10万人あまりに上っています。このうち、消防車と給水車による給水を受けているのは、京畿道平澤市や、江原道 三陟(サムチョク)市など275か所の村に住む2万1594人にとどまっています。これを受けて、環境部は6日、緊急の会議を開き、対策を協議した結果、関連予算のうち、水道施設改良の事業費から、503億ウォンを今月中に支出して給水活動を強化することにしました。

・現在、中学校までとなっている義務教育を、高校までに拡げる法案が国会に提出されます。この法案は、野党民主党が提出することにしているもので、韓国で高校進学率が99.6%に達している中、公教育を強化し、教育の機会均等を図るため、現在、中学校までとなっている義務教育を高校までに拡げる一方、高校の入学金と授業料を段階的に無償にすることを盛り込んだ教育基本法の改正案です。民主党は無償の高校教育を2010年に地方の僻地から始め、5年後に全国的に拡大する案を検討しているということです。

・ドキュメンタリー映画「ウォナンソリ(ウォナンの音)」、英語名「オールドパートナー」が、観客動員10万人を超え、韓国の独立映画としては異例のヒットを続けています。「ウォナンソリ」は、80歳の農夫が40歳になる牛と30年以上の歳月をともに過ごした日常を描いたドキュメンタリー映画で、先月15日に公開され、今月3日に、観客動員10万人を超えました。韓国の独立映画で10万人を超える観客を動員したのはこの映画が初めてです。「ウォナンソリ」を上映する映画館は、当初は7カ所でしたが、異例のヒットによって全国の45カ所に増え、今週末には観客動員が20万人を突破するものと見られています。

2月6日金曜日

・CIA=アメリカ中央情報局の次期長官に指名されたレオン・パネッタ氏は5日、議会上院の情報特別委員会公聴会に提出した資料の中で、北韓が2006年10月に核兵器を爆発させる実験を行ったことを認めました。アメリカ政府はこれまで、北韓が2006年10月に行った核実験は核兵器の水準に及ばない核爆発装置の爆破実験だったと規定し、北韓を核兵器保有国としては認めない立場を貫いてきましたが、アメリカ国防省の統合軍司令部は最近、北韓を核兵器保有国に含める内容の報告書を出し、ゲーツ国防長官も、北韓が複数の核兵器を開発したと述べるなど、北韓の核兵器保有を事実上認める指摘や発言が相次いでいます。

・北韓が予想より早い時期に長距離ミサイルを発射する可能性があるという指摘が出ました。北韓の事情に詳しい消息筋によりますと、北韓が今週初めに東海岸の舞水端里の基地に移動させた円筒形の物体は、長距離弾道ミサイルのテポドン2号で、2006年に発射実験を行ったテポドン2号より性能が良くなっていると推測されるということです。この消息筋は、2006年のテポドン2号は実際に発射するまで2か月程度の準備期間が必要だったが、その後、ミサイル発射に関連した施設や技術が向上したので、今回は発射までに必要な準備期間が大幅に短縮される可能性があると指摘しました。ただ、実際に発射する時期は、北韓がミサイル発射による効果が最大になると判断した時になるだろうと指摘しました。

・アメリカ国務省は5日、クリントン国務長官が16日からアジア4カ国を日本、インドネシア、韓国、中国の順で訪問すると発表しました。アメリカ国務省のウッド報道官代理は、「クリントントン国務長官が就任後初めての外遊先としてアジアを選んだのは、アメリカの外交におけるアジアの重要さをアピールするものだ」と述べました。ウッド報道官代理によりますと、クリントン国務長官は各国の首脳や外相らと会談し、金融危機、人道問題、安全保障、気候変動などについて話し合うということです。このうち韓国には19日と20日の2日間訪れて、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官と会談する予定で、この席では金融危機対策や韓米同盟関係の強化、それに北韓の核問題が重要な議題になるものと見られます。

・韓国政府は海賊による被害が相次いでいるソマリア海域に、韓国型駆逐艦の文武大王艦を派遣することにしました。韓国軍の合同参謀本部によりますと、文武大王艦は、長さ150メートル、幅17.4メートルの4500トン級の駆逐艦で、300人あまりが乗り組み、ヘリコプターも搭載しています。合同参謀本部によりますと、文武大王艦はソマリア海域で民間船舶の護送などの任務を遂行する予定だということです。派遣の具体的な時期はまだ決まっていませんが、早ければ今月中にも派遣される見通しです。

・中小企業中央会は6日、金基文会長が今月5日に東京で、二階俊博経済産業大臣と長谷川榮一中小企業庁長官に会った際、日本の中小企業庁の中に韓日中小企業技術交流センターを設置することで合意したことを明らかにしました。韓日中小企業技術交流センターは、長谷川長官の直属の部署として、両国の中小企業間の技術交流を支援することになります。

・韓国と日本はアフガニスタンの復興を支援するため、早ければ上半期中にアフガニスタンで職業訓練を共同で実施することにしたと、韓国の外交通商部が6日、明らかにしました。それによりますと、韓国と日本は共同でアフガニスタンに専門家を派遣して、現地の住民を対象に職業訓練を行うことにしたということです。職業訓練の内容は、自動車の整備や美容、農業などと関連した技術になる見通しです。

・ソウル中央地方裁判所は6日、双龍自動車の法定管理の申請を受け入れることを決定しました。双龍自動車は世界的な経済危機で去年から自動車の販売が急減して、経営が悪化し、大株主の中国の自動車大手、上海自動車が先月9日、日本の会社更生法に相当する法定管理をソウル中央地方裁判所に申請していました。ソウル中央地方裁判所は、双竜自動車は先月満期になった920億ウォン相当の手形を決済できなかった上に、今年4月に満期がくる社債1500億ウォンも返済できる見通しが立たないなど、債務を返済する能力がないとして、法定管理手続きを開始することにしたと説明しました。ソウル中央地方裁判所は、双龍自動車の法定管理人に現代自動車の李裕一(イ・ユイル)前社長と双龍自動車のパク・ヨンテ常務を任命しました。

・韓国のロッテグループと日本のアサヒビールが、韓国のビール市場で2位のOBビールを共同で買収することを検討していると、日本経済新聞が6日付で報じました。買収額は1000億〜1500億円と見られるということです。OBビールは、ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブの子会社で、韓国のビール市場では4割のシェアで2位を占めています。アンハイザー・ブッシュ・インベブは今月中にOBビールを売却するための入札を行う予定ですが、まずはロッテが単独で入札に応じてOBを買収し、その後でアサヒがロッテに出資する形で共同買収が進められると伝えられています。

・去年献血をした人はこの5年間でもっとも多いおよそ235万人に達し、このうち20代以下の若い人が80%を占めました。大韓赤十字社が6日発表したところによりますと、2008年に献血に応じた人は前の年より12.4%多い234万7180人でした。献血に応じる人は年々減っていましたが、去年になって増えた理由について、大韓赤十字社は繁華街などの献血センターを増やす一方、軍の部隊に出向いて将兵を対象に行う献血に力を入れた結果だと説明しています。献血に応じた人は男女別では、男性が74.2%で、女性は25.8%でした。職業別では、学生が51%でもっとも多く、次いで会社員、軍人、公務員の順で、年齢別では、20代以下が80.7%で大部分を占めました。

2月5日木曜日

・韓国政府は4日、北韓の寧辺の核施設に保管されている未使用の核燃料棒の写真を公開しました。この写真は、韓国政府の調査団が先月、寧辺の核施設を訪れた際に撮影したものです。未使用の核燃料棒は、5万キロワットの原子炉用と5000キロワットの原子炉用の合わせて1万4800本で、ウラン101.9トン分に相当し、適切な加工を施せば、韓国の原子力発電所でも使用できるということです。これらの核燃料棒は北韓が核兵器製造に必要なプルトニウムを抽出するために保有していたものと見られており、北韓の核施設を無能力化する一環として、韓国政府が買い取ることが検討されていますが、韓国政府はこの問題については慎重な姿勢を示しています。

・不動産景気が停滞した影響で、去年の住宅建設は10年ぶりの低い水準となりました。国土海洋部が5日、発表したところによりますと、去年の新規住宅建設は37万1000戸で、通貨危機直後の1998年以降、もっとも低い水準となりました。このうち首都圏は19万7000戸、地方は17万3000戸で、首都圏でも20万戸を下回り、政府が当初に目標としていた全国で50万1000戸、首都圏で30万戸には大きく及ばない結果となりました。部門別では公共部門の住宅建設が10.1%、民間部門の住宅建設が42.3%減りました。

・信用カード会社の滞納率、つまり使用者が代金を滞納する割合が増えました。金融監督院が5日、発表したところによりますと、5大信用カード会社である新韓、三星、現代、BC、ロッテを合わせた去年末現在の滞納率は3.43%で、去年9月より0.15ポイント増えました。カード会社の滞納率は、カード会社の過当競争で破たんする会社が出た2003年に28.3%まで上昇しましたが、その後、カード会社が不良債権を整理し、リスク管理に力を入れるなどして減る傾向が続き、2006年には5.53%、2007年には3.79%に減っていました。2008年に入ってからも、3月に3.52%、6月に3.43%、9月に3.28%と減り続けていましたが、年末になって再び増加に転じました。滞納率はアメリカなど先進国に比べるとまだ低い水準ですが、景気後退で消費が減り、カードを使用した代金の決済が減っている中で、滞納率が増加に転じたことから、今年も滞納率が増え、カード会社の経営に悪影響を及ぼすのではないかと憂慮されています。

・李明博大統領は5日、保健福祉部が運営している保健福祉電話相談センターを訪れ、このセンターで非常経済対策会議を主催しました。李明博大統領はこの席で、景気後退によって支援や保護を必要としている世帯が増えているとして、貧困層に対する配慮に万全を期すよう促しました。李明博大統領は、大統領府青瓦台に手紙を送ってきた仁川市のある母子家庭の例を挙げ、これといった収入がないのに古い乗用車1台を所有しているという理由で、生活保護法や母子保護法の適用を受けられない人たちがいると指摘し、規定を形式的に適用することによって、実際に必要としている人が支援や保護を受けられないことがないようにする改善策を指示しました。

・カナダのバンクーバーで4日開幕したフィギュアスケートの四大陸選手権大会で、韓国の金妍児選手は韓国時間の5日午後、女子ショートプログラムに34番目に出場し、72.24点を獲得、自分が持っている世界新記録を塗り替えました。金妍児選手は連続回転ジャンプなどをきれいに決めました。一方、金妍児選手に先立って33番目に出場した日本の浅田真央選手は57.86点にとどまりました。フリースタイルは韓国時間の7日に行われる予定です。

・庶民の酒として親しまれている焼酎の市場に、ロッテが参入することになりました。ロッテグループのロッテ酒類は先月、「チョウムチョロム」というブランドで有名な焼酎メーカーの斗山酒類を買収し、今月から系列会社の大型スーパーマーケットのロッテマートなどで販売を始めました。焼酎の市場は真露が半分以上のシェアを占め、ロッテが買収した斗山は11%程度ですが、ロッテは系列会社のロッテマートのほか、ロッテ製菓やロッテ飲料などの全国的な流通網を利用して、焼酎の販売促進に力を入れ、シェアを伸ばしていくことにしており、焼酎市場のシェアをめぐって両社の競争が激しくなる見通しです。

・小中学校や高校で行われている体力検査が、これまでの運動能力を中心とした検査から、健康状態を測定することに重点を置く検査に変わります。また、体力検査の対象となる学年も、これまでの小学校5年生以上が、1年生からに拡大されます。体力評価の項目を見ますと、持久力を検査するランニングや筋力を検査する腕立て伏せや腹筋運動に、姿勢の異常や肥満度の検査など5項目を新たに加えて、合わせて12項目とし、検査の結果によってどんな運動をすればよいかという処方も出すことにしています。教育科学技術部は、運動不足で体力が低下したり、肥満になったりする児童生徒が増えているので、こうした変化に対応するために体力検査の方式を変えることにしたと説明しています。

・韓国野球委員会が5日、発表したところによりますと、外国人選手と新人選手を除くプロ野球選手の今シーズンの平均年俸は8417万ウォンで、去年より6%増えました。また、年俸が1億ウォンを超える選手は今のところ99人ですが、これから契約する選手もいるため、今シーズンはプロ野球史上初めて年俸が1億ウォン以上の選手が100人を超える見通しです。球団別の平均年俸は三星ライオンズが1億930万ウォンで、5年連続トップでした。年俸がもっとも多い選手は、斗山のキム・トンジュ選手、ロッテのソン・ミンファン選手、三星のヤン・ジュンヒョク選手の3人で、7億ウォンでした。

・水不足が続いている中で、気象庁は人工的に雪を降らす人工降雪実験を韓半島東部の江原道で行うことにしました。気象庁は去年3月、江原道の山間地帯の上空で飛行機から雲の元となるヨード化銀を撒いて雪を降らせることに成功しましたが、今年はさらに3回に渡って同じような実験を行う計画です。江原道東部は海から吹いてくる風が高い山にぶつかって上昇し、雲を作りやすい環境が整っており、気象庁はこの地域で実験を重ねて、人口降雪を実用化したい考えです。気象庁が人口降雪実験に積極的なのは、去年秋から韓半島東部で降雨量が少なく、水不足が続いているためです。

2月4日水曜日

・金融の業務が証券や資産運用、先物、総合金融、信託などに分けられている制限をなくして、各種の金融規制を緩和し、投資家を保護する仕組みを強化した資本市場統合法が4日から施行されました。これによって、大規模な投資銀行を目指す金融会社は、銀行と保険を除く、資本市場の全ての業種を兼業できるようになりました。そして、今では銀行でしかできない現金引き出しや自動振込みなどの支払い決済サービスを証券会社でも早ければ6月から取り扱うことができるようになります。また、各種の金融規制が緩和されたことで、これまでは株式、債券、原油、農産物など実物の価格変動によって利益または損失が出るように設計されていた金融派生商品の対象が、天気や災害、失業率などにも拡大され、新しい金融商品が相次いで登場するものと見られます。資本市場統合法が施行されたことで金融市場で業務の壁が低くなり、新たな事業者の市場参入が容易になるため、金融会社の間で競争が本格化する見通しです。

・世界的な経済危機の中で、全体の就業者のうち、働き盛りである50歳未満の就業者の割合が減り、中でも20代と30代の青年層の就業者は初めて1000万人を割りました。韓国銀行と統計庁が4日に明らかにしたところによりますと、主な生産年齢である20歳から49歳までの就業者は去年1年間の平均では1645万2000人で、前の年より0.4%減りました。この年齢層の就業者が全体に占める割合は前の年の70.5%より0.7%減少して69.8%となり、初めて70%を下回りました。特に、20代と30代の青年層の就業者は990万4000人で、前の年より1.2%減り、初めて1000万人を割りました。韓国銀行はこのような現象について、「経済危機によって消費が冷え込み、輸出が伸び悩む中、企業が新規採用を控えるなど人材の運用で保守的な姿勢を続けているため」と説明しています。

・4月30日に期限切れを迎える韓国とアメリカの通貨スワップ協定が10月末まで6か月間延長されました。韓国の中央銀行である韓国銀行は4日、アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会と結んでいる、緊急時に外貨を融通し合う通貨スワップ協定の期限を10月30日まで6か月間延長することで合意したと発表しました。韓国銀行は、「世界的にアメリカのドル不足が続いているため、アメリカとの通貨スワップ協定の期限を延長することにした。今回の措置は国内の外貨資金市場の改善と金融市場の安定化に役立つことになる」と説明しています。韓国銀行は去年10月にアメリカのFRBと総額300億ドル規模の通貨スワップ協定を締結し、これまで5回にわたって163億5000万ドルを国内の金融機関に供給してきました。

・アメリカの国務省と国防総省は3日、北韓が最近、長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の発射実験を準備している動きを確認したことに関し、国連安全保障理事会の決議に違反する行為だとして懸念を示しました。国務省のウッド副報道官はこの日の定例会見で、ミサイル関連の情報については論評しないと前置きした上で、「北韓のミサイル活動とミサイル計画は北東アジア地域にとって懸念となっている。弾道ミサイルの発射は無益であり、挑発的な行為だ」と述べました。そして、国連安保理の決議第1718号により、北韓のミサイル関連活動は禁止されていると強調しました。国防総省も記者会見し、「北韓によるミサイル実験は明らかに国連安保理決議に違反する行為だ」と指摘し、国務省と同じ認識を示しました。

・北韓の金剛山と開城の観光事業を手がけている韓国の企業、現代峨山は4日、中断している北韓の景勝地、金剛山の観光を遅くとも4月までには再開できるよう全力を尽くすと発表しました。現代峨山はこの日、創立10周年を迎え、ソウルで役員や従業員が参加してワークショップを開き、経済危機の克服と観光事業の正常化に向けた対応策を話し合いました。この中で、趙建植(チョ・ゴンシク)社長は、「中断している金剛山観光は4月までには必ず再開されなければならない。そのために、会社は全力を尽くす」と述べました。景勝地の金剛山を巡る金剛山観光は1998年11月に始まり、これまでおよそ195万6000人の観光客が訪れています。また、2007年12月に始まった同じく北韓の開城観光ではおよそ11万人の観光客が訪れています。しかし、去年7月に金剛山で韓国人の観光客が北韓軍兵士に銃撃されて死亡する事件が起きたため、金剛山観光事業が中断されたのに続き、開城観光も中断され、現代峨山が被った売り上げの損失はおよそ1000億ウォンに上っています。現代峨山はその後、経営難を乗り切るために非常経営体制に入り、1084人いた従業員を605人に削減する一方、従業員の給与とボーナスを減額するなど経営努力を続けています。

・6か国協議のアメリカ首席代表を務めたヒル国務次官補は、イラク駐在アメリカ大使に任命される見通しだと伝えられる中、北韓の核問題について初めて公の場で講演しました。ヒル次官補は3日、ニューヨークのアジア・ソサエティーで「6か国協議から持続的平和まで〜北東アジアの次の段階」というテーマで講演し、この中で北韓の核問題をめぐる交渉について、「容易ではなく、挫折しそうな状況も多かったが、我々は確かに機能するメカニズムをつくった」と述べて、これまでを振り返りました。さらに、ヒル次官補は、4年間にわたって6か国協議のアメリカ首席代表を務めた経験から、「北韓に核を放棄させて経済的な困難を解決できるように支援し、最終的には6か国協議の枠内で米朝関係の正常化などを話し合い、北東アジアの持続的な平和を実現することが、アメリカの利益のためにも重要だ」と述べました。特に、オバマ新政権について、「6か国協議を続け、北韓と積極的な対話をするものと確信している。再び過去に後戻りしてはならない」と強調しました。ヒル次官補がこれまで公に講演をしたことはほとんどなく、アジア・ソサエティーの関係者は「事実上、北韓の核問題に別れを告げる講演だ」と説明しています。

・民法を改正するための「民法改正委員会」が4日発足し、成年年齢を20歳から19歳に引き下げるなど、民法の改正に向けた動きが本格化しました。1958年に制定された民法は、50年以上にわたってほとんどの条項がそのままのため、今年から4年をかけて、時代に合うように全面的に改正する作業が行われます。法務部は国民生活と密接な関係がある規定から順次改正し、国民の生活を支援する民法の機能を強化する方針です。その一環としてまず、成年年齢が今の20歳から19歳に引き下げられます。現在、140余りの法律条項が民法で定められた成年年齢の規定に沿っているため、成年年齢の引き下げは社会に大きな影響を与えることが予想されます。

・韓国の音楽市場を活性化させるため、アメリカのビルボードや日本のオリコンのような信頼度の高いポピュラー音楽のヒットチャートが新設され、韓国版グラミー賞も制定されます。文化体育観光部の柳仁村(ユ・インチョン)長官は4日、「音楽産業振興中期計画」を発表し、今後5年間で1275億ウォンを投入して韓国の音楽産業市場を今の2倍に拡大させていく方針を明らかにしました。そのために、音楽産業の基本的なデータを算出する根拠となり、海外でも放送して韓国音楽のグローバル化を図れるような音楽ヒットチャート(仮称)「K-POPチャート」を新設します。また、音楽業界で優れた作品を創り上げた人に与える韓国版グラミー賞を制定することにしています。さらに、公演市場を活性化させるため、98億4000万ウォンを投入して、オリンピック公園にある3900席のオリンピックホールと上岩洞文化コンテンツセンターにある360席のコンテンツホールを改築し、ポピュラー音楽専用の公演場として今年12月に開館する計画です。

2月3日火曜日

・李明博大統領は3日、アメリカのオバマ大統領と電話で会談し、北韓の核問題を解決していくためには6か国協議での共同の努力が重要だという認識で一致しました。大統領府青瓦台の報道官によりますと、オバマ大統領はこの日の朝、李明博大統領に電話をかけ、「最近の状況を見て、6か国協議の参加国の間で協力を強化することによって韓半島の非核化が早期に実現できることが分かった」と述べ、北韓の核問題で韓米両国の協力が重要であることを強調したということです。オバマ大統領はその上で、「これまで韓国政府が見せてくれた洞察力から教訓を得ることができた。大切な韓米同盟を発展させるために努力したい」と述べました。これに対し、李明博大統領は、「アメリカの新政府が、北韓の核問題の解決に向けた強い意志を示していることに感謝する」と応えました。オバマ大統領はまた、今の経済危機について、「各国が保護貿易主義の誘惑を振り払うべきだ」と述べ、李明博大統領は「保護貿易主義が強化されれば経済回復は遅くなる。世界経済の回復にはアメリカ経済の回復が不可欠なので、アメリカの指導力によって世界経済が回復することを期待する」と応えました。さらに、オバマ大統領は「4月にロンドンで開かれるG20金融サミットで李明博大統領に会えるのを楽しみにしている」と述べたほか、「ヒラリー国務長官が2月半ばに韓国を訪れることになっているが、そのときに様々な懸案について掘り下げた話し合いができればと思う」と述べたということです。両国の首脳が電話で会談するのは、11月7日に李明博大統領がオバマ大統領の当選を祝うために電話をかけて以来、3か月ぶりです。

・韓国とアメリカの情報当局は、北韓が平安北道のミサイル基地で、長距離弾道ミサイルの「テポドン2号」を発射しようとする動きを確認し、監視していることが分かりました。政府筋は3日、「情報当局が最近、平安北道にある軍需工場からテポドン2号と推定される円筒状の物体を載せた列車が東倉里(トンチャンリ)の基地に向かっていることをアメリカの偵察衛星で確認した」と明らかにしました。この物体がテポドン2号であれば、1、2か月以内に発射準備を終える可能性があるということです。政府は北韓のこうした動きが先月30日に北韓が韓国との和解に向けた合意を全て破棄すると発表したことと関係があるものと見て、分析を行っていると伝えられています。北韓は2006年7月5日にテポドン2号のミサイル発射実験を行っていますが、このミサイルは空中分解し、実験は失敗しています。

・IMF=国際通貨基金は2日、韓国の今年の経済成長率は世界の主な20か国のうち最も低いマイナス4%になるとする見通しを示しました。しかし、韓国経済は今年の下半期から徐々に持ち直し、来年は世界で最も速いスピードで回復して4.2%になると予測しました。IMFは2日、ワシントンで韓国を含む世界の主な20か国の経済成長の見通しを修正して発表しました。IMFはこの中で、韓国の今年の国内総生産(GDP)の成長率を去年の11月末に示した見通しの2%から6%も低い、マイナス4%に下方修正しました。これは世界の主な20か国のうち最も低い数値で、韓国経済がこのように大幅なマイナス成長になると見られる理由は、今年は世界経済の成長率が第2次世界大戦以降で最も低い0.5%にとどまり、輸出が急減し、内需が冷え込むと見られるためです。経済に占める輸出の割合が高い韓国など、アジアの新興経済国の成長率見通しはおおむね大幅に低下しました。IMFはしかし、韓国経済が今年第2四半期から持ち直して下半期には本格的に回復し、来年は世界で最も大幅な回復を遂げ、プラス4.2%の成長率を達成すると予測しました。IMFはまた韓国経済について、「今年は世界経済の後退によって苦しい局面を強いられるが、中長期的な展望は楽観的だ」と説明しています。これについて、企画財政部の許京旭(ホ・ギョンウク)第1次官は、「マイナス4%は確かに衝撃的な数値だが、来年の韓国の成長見通しは世界で最も高いということに注目すべきだ。政府は財政や金融上の手段を総動員し、内需を拡大する政策を取っていく」と述べました。

・日本の中曽根弘文外相が今月10日韓国を訪れ、11日に外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官と韓日外相会談を行います。外交通商部が2日に明らかにしたところによりますと、中曽根外相は10日から2日間の日程で韓国を訪れ、柳明桓長官と外相会談を行うほか、李明博大統領を表敬訪問するということです。両外相は会談で、先月12日に行われた韓日首脳会談を受けて、国際舞台での協力について意見を交わすほか、アフガニスタンの復興支援に向けて具体的な共同協力事業を進めることで合意するものと見られます。またアメリカでオバマ政権が発足したことから、北韓の核問題をめぐる6か国協議の枠内での韓日間の協力と韓日米3か国の協力についても話し合う予定です。さらに、中曽根外相は、1987年に起きた大韓航空機爆破事件の実行犯である金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚と、北韓による拉致被害者で金賢姫元死刑囚の日本語教師だった田口八重子さんの家族との面会が実現するよう、韓国側に協力を求める予定で、柳明桓長官は、日本人拉致問題をはじめとする各種懸案で可能な限りの支援を約束するものと見られます。

・拉致被害者の会の代表らは2日、政府が自粛を求めているにもかかわらず、金正日国防委員長の誕生日である今月16日前後に北韓の紙幣をビラと一緒に北韓に撒くことにしていると発表しました。拉致被害者の会のチェ・ソンヨン代表と、自由北韓運動連合のパク・サンハク代表はこの日、統一部の庁舎で記者会見し、このような計画を明らかにした上で、北韓の最高額貨幣である5000ウォン札100枚を公開しました。政府はこれを受けて遺憾の意を表明し、統一部の金浩年報道官は3日、「政府の見解にもかかわらず、一部の民間団体が北韓の貨幣を許可なく国内に持ち込んでいることを非常に遺憾に思う。どのように対応するかについて関係省庁と話し合っているところだ」と述べました。政府関係者によりますと、政府はこれらの団体に対し、南北交流協力法違反の疑いで警察に捜査を依頼する方向で検討しているということです。

・現在は禁止されている胎児の性別を診断して妊婦に知らせる医師など医療関係者の行為が来年から、妊娠して28週を過ぎた胎児については認められるようになります。保健福祉家族部の関係者は2日、「来年1月1日から、28週を過ぎた胎児の性別診断と告知を全面的に認めるよう、年末までに医療法を改正する計画である」と明らかにしました。韓国ではこれまで、男の子を好んで出産する風潮があり、胎児が女の子と分かった場合は出産を避ける傾向があったため、今の医療法では、出産する前に胎児の性別を診断して妊婦に知らせることが禁じられています。医療法が改正されれば、胎児の性別を診断して妊婦に知らせた医師や看護師が資格停止の処罰を受けるのは胎児が28週以下の場合で、それ以外は規制が大幅に緩和されます。

・アメリカに留学している韓国人留学生が去年の末現在で11万人を超え、出身国別では3年連続で1位となりました。アメリカ入国税関取締局(ICE)が2日に明らかにしたところによりますと、留学生・交換学生情報システムに登録された韓国人留学生は11万83人と、はじめて11万人を超えました。これは、アメリカにいる外国人留学生(72万2272人)のおよそ15%に当たり、出身国別で韓国は3年連続で1位となっています。2位はインドで、次いで中国、日本、カナダ、台湾、メキシコなどが続いています。アメリカ国内の韓国人留学生の増加率は、2005年に12.6%、2006年に10.5%、2007年に10.3%と大幅に伸び、2007年末には10万人を突破しましたが、去年の増加率は6.5%でやや鈍りました。

2月2日月曜日

・第281臨時国会が2日、開会しました。臨時国会では、各党が代表演説を行った後、6日と9日、そして10日に長官や国家情報院長の内定者に対する人事聴聞会が開かれ、11日の本会議ではソウル市龍山区の再開発をめぐりビルに建てこもった住民ら6人が火災で死亡した事件について政府に対する質問が行われます。この後、13日から4日間、各分野にわたって対政府質問が行われ、来月3日に閉会することになっています。与党・ハンナラ党は今度の臨時国会を経済国会と位置づけて、先の通常国会で野党と激しいもみ合いとなった放送関連法をはじめ金融改革法、公職選挙関連法など15の法案を必ず成立させるとしています。これに対して野党・民主党はソウルの再開発地域で起きた火災で6人が死亡した事件の責任追及を最大の焦点と位置づけ、政府に対する質問と人事聴聞会などで、事件の責任者とされている警察庁長と国家情報院長に内定したウォン・セフン前行政案全部長官の辞任を求めるとともに、国政調査と特別検事による捜査を実現させるとしています。今度の臨時国会は、去年暮れの国会で野党議員が本会議場を占拠するなどの事態をもたらした与野党の争点となっている法案の審議が行われるうえに、ソウルの再開発地域のビルで起きた火災によって6人が死亡した事件をめぐって与野党の対立が激しさを増すものとみられます。

・李明博大統領は2日、与党ハンナラ党の最高委員など重鎮ら23人を大統領府・青瓦台に招き、新年の挨拶をかねて2月の臨時国会について対策を協議しました。この席にはハンナラ党の大統領候を選ぶ党内選挙で李明博大統領に僅差で敗れた朴槿恵(パク・グネ)元代表も出席しました。朴槿恵元代表は李明博大統領との会合の後、記者団に対し「経済の建て直しと国会で争点となっている法案について意見を交わした。争点になっている法案だけに、速やかに成立させるより、国民の理解を求めて、世論をまとめることが重要だという意見を出した」と述べました。朴槿恵元代表は新年早々に党内で開かれた会議で、放送関連法など与野党の争点となっている法案について強行処理することに否定的な立場を示したのに続いて、李明博大統領との会合でも国民の共感を得ない状態での法案成立に反対する考えを鮮明にしたことから、ハンナラ党内で意見の調整が行われるきっかけになるかどうか、注目されます。

・1月の輸出が月別で輸出入の統計を取り始めて以来、最大の減少幅を記録し、貿易収支も30億ドル近い赤字になるなど、韓国の輸出が世界的な景気低迷の影響を大きく受けていることが分かりました。知識経済部が2日まとめた1月の輸出入動向によりますと、輸出は去年の1月に比べて32.8%も少ない216億9000万ドルに止まりました。1月の輸出の減少幅は月別で輸出入統計を取り始めた1980年以来、もっとも大きく、世界経済が急激に低迷して各国の輸入が減ったことと、それに伴う韓国企業の減産と操業中止、さらに旧正月の連休などが影響したものとみられています。これに対して輸入も246億6000万ドルと、32.1%も減少し、通貨危機直後に当たる1998年7月の44%以来の大幅な減少率となりました。これによって1月の貿易収支は29億7000万ドルの赤字となり、政府が今年目標としている貿易収支100億ドル黒字の実現に向けて厳しいスタートを切る形となりました。

・北韓の祖国平和統一委員会が先に、西海の海の軍事境界線・北方限界線の廃棄など、韓国との政治・軍事面での合意を無効にすると一方的に宣言したことと関連し、北韓の労働新聞は1日、韓国政府が北韓の警告を無視すれば、今の韓半島が停戦状態であることを考えると、軍事的な衝突と戦争につながりかねないと主張しました。労働新聞はこの中で、祖国平和統一委員会の声明は、南北関係に希望がなくなった事態に対する措置だとして、その責任は李明博政権にあると非難しました。労働新聞はさらに、北韓の警告に対して韓国政府が無視する態度を続ければ破滅に至ると警告しました。

・北韓の労働新聞や祖国平和統一委員会、それに北韓軍が韓国政府に対して警告する声明を相次いで出していますが、韓国軍当局は1日、韓国を脅かすような軍事的な動きは見られないとしています。

・統一部が、韓国と北韓との間でこれまで政治的・軍事的な対決を解消するために合意した内容について、どれだけ実行されたかを分析した結果、10%にも満たないことが分かりました。統一部は1992年の南北基本合意書から2007年の南北首脳会談での宣言内容、2000年と2007年の南北国防長官会談の合意内容など政治と軍事に関する38の合意内容について分析しました。その結果、実行されたのは、3つに過ぎず内部の問題に干渉しないことや、相互に相手を誹謗中傷しないこと、武力を使わないこと、軍事境界線を守ることなど35項目は北韓が違反したり、南北間の具体的な協議が進まなかったりして、実行できなかったということです。

・アメリカの北韓問題の専門家らによる民間の訪問団が3日から北韓入りするため、1日、経由地の北京入りしました。訪問団の一員であるアブラモウィッツ元アメリカ国務次官補は、北韓には3日から7日まで滞在する予定だと述べました。訪問団の中にはボスワス元韓国駐在アメリカ大使も含まれており、北韓当局の関係者と会談する可能性があるとみられています。今回のアメリカの訪問団は民間レベルとはいえ、アメリカでオバマ政権が誕生して初めて北韓入りするだけに、民間交流を超える役割を果たすのではないかという観測も出ています。

・インターネットの速度が2012年までに今の光ランより10倍ほど速くなる見通しです。放送通信委員会は1日、全体会議を開き、いわゆる「情報高速道路」と呼ばれている超広帯域双方向の放送通信網を築くことを決めました。これが実現しますと、有線によるインターネットの場合、速度が今より10倍速い1Gbps(ギガ・ビーピーエス)、無線インターネットの場合は平均10Mbps(メガ・ビーピーエス)に達するとしています。放送通信委員会はまた有線電話網の60%を2012年までにインターネット網に切り替えて、インターネット電話にする計画です。また通信網に放送を合わせて、テレビの地上波放送を見ながら、電子商取引などができるようにするとともに、テレビ画面も高画質のHDTVより16倍も鮮明な画質を誇るUDTVを実現し、移動しながらインターネットでテレビが視聴できる移動型IPテレビサービスも開始する計画です。政府はこのような放送通信網を設けるために2013年までの5年間、合わせて34兆ウォンの財源を投入するとしています。

・韓国、中国、日本が共同で宇宙を観測する世界最大規模の電波望遠鏡のネットワーク作りを進めていると、中国の新華社通信が1日報道しました。電波望遠鏡は惑星などの天体が出す電波を受信して宇宙のさまざまな現象を観測する装置で、計画では3カ国に建てられている19の電波望遠鏡をネットワークで結んで運営することになっており、直径6000キロに及ぶ電波望遠鏡で宇宙を観測できるようになります。ネットワークの範囲は、日本の北海道から韓国を経て中国の雲南省の昆明に至る世界最大規模となり、本格的な観測は来年から行われる見通しだということです。