2008年ニュース

12月30日火曜日

・韓国証券取引所は30日、今年最後の取引日となり、有価証券市場のコスピ指数は、去年最後の取引日より772.12ポイント低い1124.47で終え、店頭株市場のコスダック指数は、去年最後の取引日より372.18ポイント低い332.05で引けました。これで今年のコスピ指数は去年より41%下落し、店頭株市場のコスダック指数も53%下落しました。証券先物取引所が30日まとめた「2008年証券市場決算報告書」によりますと、今年は有価証券市場での外国人投資家の売り越しと、機関投資家の買い越しが、統計を取り始めた1998年以来、いずれも史上最高を記録しました。今年は世界的な金融不安や景気悪化に対する警戒感、また外国為替市場で急速に進んだウォン安で企業業績への影響懸念が株売りにつながり、これによって10位以内の財閥グループの時価総額は、去年末は433兆7474億ウォンでしたが、今年は268兆9569億ウォンと38%減少しました。韓国は元日だけが法定休日で、新年の取り引きは1月2日午前10時に始まります。

・先月の経常収支は10月に続いて2か月連続で黒字になりましたが、世界的な金融危機による景気低迷で輸出が大幅に減少し、黒字の幅は先月に比べ大きく減りました。韓国銀行が30日に発表した「11月の国際収支動向」によりますと、先月の経常収支は20億6000万ドルの黒字で、47億5000万ドルで過去最大の黒字を記録した10月に続いて2か月連続で黒字となりました。しかし、世界的な景気低迷の影響で、輸出の減少が著しくなっています。特に、ヨーロッパや日本、アメリカ向けの輸出が減少に転じ、中国への輸出は33%も急減しました。

・与党ハンナラ党が進めている放送や言論に関する各種法律の改正案に反発して、MBCに続き、ラジオ局のCBS(キリスト教放送)と地上波テレビのEBS(教育放送)の労働組合も30日から2日間のストライキに入りました。26日から部分的なストライキに入っていたCBSとEBSの労働組合は、30日朝6時から2日間の日程で、全ての番組制作を拒否する、全面的なストライキに入りました。また、ストライキ開始から6日目を迎えた全国言論労働組合も30日からの2日間、闘争を強化して、30日午後には、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会議事堂前で地方から泊りがけで上京した組合員3000人が集まって集会を開き、夜はキャンドル集会も開くことにしています。一方、マスコミ学界の教授が参加するメディア公共性フォーラムは、30日ソウルのプレスセンターで記者会見し、「ハンナラ党は言論労働組合の要求を受け入れてメディア関連法案を撤回すべきだ」と訴えました。教授らはまた、「新聞と放送の経営を兼ねることを規制するのが世界的な流れなのに、ハンナラ党は政府・与党に有利な世論を形成するために、法律を改正しようとしている」と非難しました。

・韓国電力や韓国道路公社などの公営企業は、景気を活性化するために来年の投資規模を今年より9兆ウォン増やし、予算の60%以上を上半期に執行することにしました。これは34の主な公営企業が30日に李明博大統領に報告した「2009年業務計画」の中で明らかにしたものです。それによりますと、9つの金融機関を除く25の公営企業は、来年の投資規模を今年より9兆ウォン多い57兆ウォンに増やすことにしています。投資先を分野別に見ますと、高速道路や鉄道など社会インフラに40兆4000億ウォン、原子力発電所の建設などエネルギー分野に14兆7000億ウォン、農業や文化の分野に1兆7000億ウォンなどとなっています。報告を受けた李明博大統領は、「公営企業のトップがリストラを決断しなければならない。自信のない人はポストを離れるべきだ」と述べ、公営企業に対して徹底したリストラを求めました。その上で李明博大統領は「公営企業は新しい政府のもとで新しいスタートを切らなければならない。公営企業のトップは責任をもって効率的な組織作りに取り組むべきだ」と強調しました。公営企業が大統領に来年度の業務報告をしたのは今回が初めてです。

・すべての公務員の来年の給与を据え置くことなどを盛り込んだ「公務員報酬規定」と「公務員の手当てなどに関する規定」の改正案が30日の閣議で議決されました。政府は、世界的な金融危機による不況を乗り越えるためには、公務員が先頭に立つ必要があるとして、来年の公務員の給与を基本給だけでなく、手当てまで含めて据え置くことを決めました。すべての公務員の給与が据え置かれるのは、通貨危機に見舞われた10年前の1998年と1999年に2年連続で行われて以来、10年ぶりです。

・行く年を送り、来る年を祝う「除夜の鐘」のイベントが大みそかの深夜からソウルの鐘つき堂、普信閣で行われます。ソウルの中心部、鍾路にある普信閣は、朝鮮王朝時代の伝統を受け継ぐ鐘つき堂で、毎年大みそかに除夜の鐘が鳴り響きます。ソウル市が29日に明らかにしたところによりますと、今年も大みそかの深夜から、 除夜の鐘を鳴らす儀式が行われ、ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長と金碩基(キム・ソッキ)ソウル警察庁長、それにインターネットによる市民の推薦で選ばれた11人が、鐘楼の鐘を33回つくことになっています。また、深夜の11時半から元日の午前1時にかけて、普信閣の前に設置された特設舞台で芸能人などによる祝賀公演が行われます。祝賀公演は、ソウルの若者の街、大学路でも行われます。こうしたイベントに合わせて、ソウル市内のすべての地下鉄は元日の午前2時まで時間を延長して運行されます。除夜の鐘のイベントにはおよそ15万人の市民が集まるものと見られ、中でも普信閣周辺では大混雑が予想されるため、消防防災庁は、消防署員と救急車を配置して、特別警戒態勢を敷くことにしています。

・大晦日の「除夜の鐘」のイベントに参加する市民の代表11人の中には、韓国の男性と結婚し、韓国で暮らしている日本人女性、ななうみゆうこさん(38)が含まれており、ななうみさんは多文化家庭の女性を代表して除夜の鐘をつくことになっています。ななうみゆうこさんは、日本で銀行に勤務していた10年前に韓国人の男性と知り合って国際結婚し、今は夫と3人のこども、それに姑の6人家族で生活しているということです。韓国の男性と国際結婚し韓国で暮らしている外国人女性は2006年末現在で9.1%にのぼっており、男性10人のうち1人は外国人が妻ということになります。

・元日の朝、ソウルにある小高い山の上で、恒例の新年を祝う多彩なイベントが繰り広げられます。このうち鐘路区の標高300メートルあまりの山、仁王(インワン)山と東望(トンマン)山では同時に新年祝賀イベントが行われます。まず、仁王山では午前6時半から、新年を迎えて人々の健康を願う仁王山祭りや、新年の願いを込めた風船を飛ばすイベントなどが行われ、一方、東望山では4つの打楽器で演奏するサムルノリの公演や、朝の体操、国歌の合唱が行われます。

・韓国国民の3人のうち2人は、新年の希望として「景気の回復」をあげていることがわかりました。韓国ギャラップが11月7日から25日までの間、全国の成人男女1500人あまりを対象に「新年の社会的希望」についてアンケート調査した結果、トップは「景気の回復」で66.7%と、3人のうち2人を占めました。次いで、「失業者の減少」5.7%、「政治の安定」5.2%の順でした。

・ソウル市を中心に隣接する京畿道や仁川地域に限って使用できる交通カードが、来年からは全国ほとんどの地域で使えるようになります。ソウル市が29日に明らかにしたところによりますと、全国各地の市内バスと地下鉄に交通カードの互換システムが取り付けられるため、来年1月10日から「ティーマネー(T-money)」というソウル交通カードがほかの地域でも順次使えるようになります。まず、来年1月10日からは釜山(プサン)や忠清南道天安(チョンアン)、峨山(アサン)、江原道原州(ウォンジュ)など10の地域でソウルの交通カードが使えるようになり、来年中に段階的に済州道、慶尚北道浦項(ポハン)などにサービス対象が拡がるということです。ただ、大邱(テグ)、大田(テジョン)、光州(クァンジュ)、春川(チュンチョン)の4つの地域については、交通カード事業者との調整のため、2010年からサービスが始まります。このサービスを利用できるのは、プリペイド式の交通カード、ティーマネー(T-money)だけで、クレジットカードなど後払い式の交通カードは対象から外れます。一方、ソウル以外の地域で発行された交通カードをソウルで使うこともできます。

12月29日月曜日

・政府が景気浮揚に向けて、漢江、錦江、栄山江、洛東江の4つの河川を整備する「4大河川の整備事業」が年の瀬も押し詰まった29日に着工されました。このうち、洛東江上流の慶尚北道安東地区で生態系を保護する造成工事の着工式が29日午前行われ、続いて午後には南西部にある栄山江の水質を改善し、生態湿地を造成するための「栄山江生態河川造成工事」の着工式が全羅南道羅州で行われました。2か所の着工式には政府高官をはじめ、地域住民も多数出席し、洛東江安東地区の着工式では、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理が、「4大河川の整備事業は、今すぐ行わなければならない事業で、国の均衡ある発展を促進し、環境を修復する韓国型のみどりのニューディール政策」だと強調しました。そのうえで韓昇洙国務総理は、「4大河川の整備事業は地域経済の活性化にも大きく貢献し、19万人の雇用創出とおよそ23兆ウォンの経済波及効果が見込まれる」と述べました。

・韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案に反対して第1野党の民主党の議員50人あまりが国会の本会議場を占拠して29日で4日目を迎えました。28日の夜からはさらに野党民主労働党の議員も占拠に加わり、与野党間の対立が一層激しくなっています。これに対し、与党ハンナラ党は、85の法案を年内に処理するとして、国会議長に職権による法案の上程を要請しました。これらの法案には、韓米FTAの批准同意案をはじめ、大企業や新聞社が放送事業に進出できるようにするための放送法改正案、財閥グループの関係企業に対する出資総額制限の廃止を主な内容とする持株会社法改正案、大企業が金融産業に進出することを許可するための銀行法と金融持株会社法の改正案など、与野党の論争になっている法案が全て含まれています。ハンナラ党は、野党が審議に応じれば年内に処理せず、合意した上で処理することも可能な法案として集会及び示威に関する法律の改正案など5つから6つの法案を示しましたが、韓米FTAの批准同意案だけでなく、メディア関連法など大きな争点となっている法案のほとんどは協議の対象から外れています。このため、民主党は、メディア関連法案は悪法なので撤回すべきであると主張し、ハンナラ党の提案は野党を交渉テーブルに引っ張り出すための浅知恵に過ぎないと非難しました。こうした事態の中で、金炯オ(キム・ヒョンオ)国会議長は29日に釜山のホテルで記者会見し、与野党の間で合意された国民生活に関する法案を31日に国会本会議を開いて処理することを明らかにしました。また、野党が30日の午前0時までに本会議場をはじめ国会議事堂内のすべての占拠を解除し、施設物を原状回復しなければ、可能な全ての秩序回復措置を取ると述べて、秩序維持権と警護権を発動する可能性を仄めかしました。

・日本の外務省が独島(日本でいう竹島)の領有権を主張する内容の広報資料を新たに7か国語で作成するとともに、その内容を外務省のホームページに掲載したことについて、韓国政府は日本側に厳重に抗議し、この資料をホームページから削除するよう求めました。日本の外務省は、独島について、独島は日本固有の領土であり、韓国は実効支配の根拠さえも提示できていないという内容のパンフレットを韓国語と日本語、英語の3か国語で作成していましたが、今月初めに新たにフランス語、ロシア語、アラビア語など7か国語版が追加作成されました。日本のマスコミによりますと、日本政府はこれら10か国語の資料をそれぞれ1000部印刷し、在外公館を通じて配布するということです。政府はこれを受けて28日、韓国駐在の日本大使館を通じて日本政府に厳重に抗議したことを明らかにし、この中で広報資料の翻訳言語を増やしたことに抗議するとともに、資料をホームページから削除するよう求めたということです。これに先立って韓国政府は、日本の外務省の広報資料に対抗するため、今年8月から「独島の真実(The Truth of Dokdo)」という資料をはじめ、各種の広報資料を在外公館を通じて海外に配布し、外交通商部のホームページに独島は韓国の領土であることをアピールする資料を10か国語で掲載してきました。

・今年は南北関係が悪化したため、政府による北韓に対する食糧支援が9年ぶりに中断されました。政府は16日からの4日間、南北協力基金の使用を議決する南北交流協力推進協議会の今年最後の会議を書面を通じて行った結果、北韓に対する食糧支援は議題に上りませんでした。これにより今年度分の北韓に対するコメ支援の予算として見込まれていた1974億ウォンはまったく使われず、これまでWFP=世界食糧計画など国際機関を通じて間接的に行ってきた食糧支援も今年は行われませんでした。政府は、人道的な支援は北韓の核問題など政治的な問題と切り離して行う一方、それ以上の支援については北韓からの要請があるときに行い、食糧状況が極めて深刻なときや災害が発生したときは、北韓からの要請がなくても支援を行うという原則を掲げています。これに対して、北韓はコメや肥料の支援は求めておらず、韓国政府が5月と6月に2回にわたって提案したトウモロコシ5万トンの支援も拒否しました。政府は、北韓に対する支援について、一定規模以上の支援は拉致被害者や韓国軍捕虜の送還問題を進展させることや、南北離散家族の再会事業をこれまでより大規模に行うことなどを条件に行うとしていますが、南北関係が画期的に改善されない限り、北韓がこのような条件を受け入れる可能性は低く、来年になって食糧支援が再開されるかどうかは不透明です。

・韓国の防衛産業の年間輸出額が、輸出開始から33年目で初めて10億ドルを突破しました。防衛事業庁が29日に明らかにしたところによりますと、今年の防衛産業の輸出額は10億3144万ドルで、去年より22%増加し、1975年の輸出開始以来最高となりました。今年の輸出実績を分析したところ、これまでの中東やアメリカに加えて、去年からエジプトとペルーに防衛産業協力官を派遣するなど、マーケティングを積極的に進めた結果、輸出相手国は去年の46か国から今年は58か国に拡大し、主な輸出品目も弾薬類や主要装備の部品類から、自走砲、航空機、艦艇など先端製品が中心になっていることが分かりました。

・所得の減少と雇用不安により、消費者心理が10年前の通貨危機のときと同じ水準にまで冷え込んでいることが分かりました。韓国銀行が29日に明らかにした、全国2200世帯を対象にした「12月の消費者動向調査」の結果によりますと、景気に対する消費者の心理を総合的に示す消費者心理指数は81で、先月より3ポイント下落し、通貨危機のさなかだった1998年第4四半期の80以来、最も低い数値を記録したということです。消費者心理指数は現在の暮らし向きをはじめ、暮らし向きの見通しや消費支出見通しなど6つの指数を合わせて算出するもので、指数が100を下回ると、今後は消費支出を減らすという消費者がそうでない消費者より多いことを意味します。韓国銀行の関係者は「国内の景気後退による所得の減少や雇用不安などの影響で、消費者心理の下落が続いている」と説明しています。

・日本人がアジアの中で最も旅行したい国は韓国であることが分かりました。日本系リサーチ会社のマクロミル・コリアが29日明らかにしたところによりますと、日本人1000人を対象に「アジアで最も旅行したい国」についてアンケート調査したところ、最も多い34%あまりの342人が韓国を上げたということです。次いで、シンガポールと香港が30%台、以下台湾、タイ、中国の順となっています。このように日本人に韓国旅行の人気が高いのは円に対するウォンの相場が急落したためと分析されます。韓国旅行を希望する理由については、「韓国のグルメを楽しみたいから」という答えが全体の3分の1を占めて最も多く、次いで「日本から近いから」(24.9%)、「買い物が便利だから」(15.2%)、「国内旅行より安いから」(13.5%)の順となっています。マイクロミル・コリアのチュ・ヨンウク代表取締役は、「今回の調査で、日本人にとって韓国は予想していたより魅力のある観光地であることが分かった。一時的な為替レートの変動に依存するのではなく、韓国の食べ物に対する日本人の関心を戦略的に活用してより多くの日本人観光客を持続的に誘致すれば、対日観光収支を改善できる」と話しています。

12月27日土曜日

・李明博大統領は、来月、ソウルで日本の麻生首相と首脳会談を行う方向で調整に入ったことが27日明らかになりました。政府当局者によりますと、麻生首相は来月10日から12日までの間に、2日間の日程で韓国を訪問する予定になっており、詳しい日程を現在協議中だということです。李明博大統領と麻生首相との首脳会談は、10月に北京で、今月13日に福岡で行っており、今度で3回目となります。今回の会談では、両国の懸案だけでなく北韓問題をはじめ、北東アジアや国際社会での協力についても論議するものとみられています。これについて外交消息筋は、「李明博大統領と麻生首相は、10月に北京で行った首脳会談で、両国首脳のシャトル外交を復活させることで合意しており、これを受けて李明博大統領が今月初めに福岡を訪問したため、来月、麻生首相が韓国を訪問すれば、韓日首脳のシャトル外交は完全に復活することになる」と話しています。

・アメリカのオバマ次期大統領は、現在、国務省の東アジア太平洋担当次官補が受け持っている北韓の核問題をめぐる6か国協議の首席代表に、特使を新たに置いて当てる方針であることがわかりました。現在は東アジア太平洋担当のヒル次官補が6か国協議の首席代表を兼任していますが、これを「特使」という肩書きで分離するというものです。日刊紙、ハンギョレ新聞がオバマ次期政権に詳しい消息筋の情報として26日、伝えたところによりますと、次の東アジア太平洋次官補には、クリントン政権で国防総省の東アジア太平洋副次官補を務め、現在はCNAS=新しいアメリカの安全保障のためのセンターの所長をしているキャンベル氏が有力です。そして6か国協議のアメリカ首席代表となる特使には、ヒル次官補が有力視されているということです。

・世界的な金融危機によって景気後退が深刻になっていますが、政府は、来年の輸出目標を今年より多い4500億ドルとする一方、内需の拡大に向けて、いわゆるIT=情報技術ニューディール政策を進めることにしました。韓国貿易協会は、韓国の来年第1四半期の輸出展望指数が過去最低になるものと見込んでいますが、政府は韓国経済の突破口は依然として輸出にあるという判断から、今後も輸出の増大に全力を上げる方針を固めました。知識経済部は、来年の輸出目標を今年より200億ドル多い4500億ドル、貿易収支は100億ドルの黒字とすることで、新年の大統領への業務報告を行いました。これとともに知識経済部は、販売不振に陥っている自動車メーカーに対して運用資金を融資するとともに、新車の開発資金も支援する計画です。さらに政府は情報通信設備の更新に19兆5000億ウォンを投資して需要を創出するなど、いわゆるIT=情報技術のニューディール政策を進めることにしています。

・李明博大統領は、「来年、韓国は年平均としてはプラス成長になる可能性もあるが、第1四半期と第2四半期はマイナス成長になるかも知れない」と述べました。これは李明博大統領が27日、教育科学技術部と文化体育観光部から業務報告を受けた席で述べたもので、韓国経済が来年上半期に日本のようにマイナス成長になる可能性が高いという見解を示した点で注目されています。この席で李明博大統領は、「経済がどれほど悪化しているかは世界旅行をすれば分かる。東京は週末になると道路が閑散とし、アメリカも経済危機を肌で感じられるほどだ。しかし韓国は、ガソリンの値段が1リットル140ドルを超えた際に車の通行が5%減っただけで、石油価格が再び下がった現在は道路の渋滞が続いている」と述べ、韓国の国民は実際には経済危機をあまり身近なものとしては実感していないようだと述べました。そして李明博大統領は、国の未来は教育と文化にかかっているとして、数年以内に教育を軌道に乗せなければ国の未来はないと強調しました。

・韓国の一人当たりGDP=名目国内総生産は、去年2007年は、およそ2万ドルで、OECD=経済協力開発機構加盟30か国の中で24位であることがわかりました。日本の内閣府が25日発表した「2007年国民経済計算」によりますと、韓国の一人当たりGDPは、去年は2万14ドルで、1万176ドルだった2001年の2倍近くに増えました。去年は輸出も好調で、ウォン高だったことがドル建てGDPの増加に寄与したものとみられています。

・韓国人の大衆的な酒、焼酎の価格が28日出庫分から5.9%値上げされます。焼酎メーカートップの真露は、28日の出庫分から「チャミスル」の価格を、360ミリリットル入り1びん839ウォンだったのを888ウォンに、5.9%値上げすることになりました。これによって消費者価格は、1びん950ウォンから1200ウォンに、値上げされます。これを受けて真露に次ぐ焼酎メーカー2位の斗山も、近く「チォウムチョロム」の価格の値上げに踏み切るものと予想されます。

・一方、流通と食品に基盤を置くロッテグループが、焼酎メーカー2位の斗山の買収を進めており、関心を集めています。現在、韓国の焼酎市場のシェアは、「チャミスル」の真露が52%、「チォウムチョロム」の斗山が11%を占めています。こうした中で、飲料水メーカーのロッテ七星が最近、斗山酒類の買収優先交渉対象者に選定され、話題を集めています。買収代金はおよそ5000億ウォンで、来年2月末頃には買収合併が完了する見通しです。ロッテは斗山を買収して、焼酎でのシェアを15%まで引き上げる計画です。

・来年春に入学する大学入試の願書受け付けの結果、教育大学の志願率が3年ぶりに上昇したことがわかりました。全国に11ある教育大学の平均競争率は、願書受付の結果、3.02倍と、去年よりおよそ30%高くなっています。教育大学の平均志願率は、2005年は2.78倍、2006年は2.54倍と下落し続けていました。これについて専門家は、景気の悪化で就職難がさらに厳しくなっていることから安定した職業を好む傾向が強くなっていることが反映された結果ではないかとみています。

・兵役を逃れたいために、体重を無理やり増やしたり、逆に減らしたりしても、兵役を免除される可能性は低くなる見通しです。韓国の若者には兵役の義務が課せられており、男性は満18歳になると、徴兵検査を受けることが義務付けられています。現行の徴兵検査では、身長と体重の割合を示すBMI=体質量指数が17を超えると軍隊に、これより下は鉄道などの公益勤務に振り分けられています。しかし、こうした規定を悪用して兵役逃れを試みる若者が増えていることから、国防部は徴兵検査の基準をより厳しくすることで体重を利用した兵役逃れをできないようにすることになりました。このため徴兵検査を行う兵務庁では、身長175センチでも体重が49キロ未満と、いちじるしくやせている場合以外は、軍隊行きの対象になるよう体質量指数の基準を大幅に強化することになりました。

・来年春入社するKBSの新入社員の合格者が26日発表されましたが、経営状況を反映して合格者は今年のおよそ半数の48人となりました。今回の試験には全国から5500人が応募し、採用はわずか4人という難関となったアナウンサーは、過去最高の363倍の競争率となりました。KBSは、このところの経済危機で非常経営体制をとっており、来年の新入社員の採用規模を通貨危機直後の1998年の41人に次ぐ過去2番目に少ない人数に縮小しました。このうち女性は46%にあたる22人でした。

12月26日金曜日

・憲法裁判所は26日、アメリカ産牛肉の輸入を再開した政府の措置は憲法に違反しないという判断を下しました。民主党など野党3党と、民主社会のための弁護士の会などの市民団体、そして、9万6000人あまりの市民は、政府がアメリカ産牛肉の輸入再開を決定し、官報に検疫条件を緩和する内容を掲載したのは、国民の健康を守るための最小限の規制をなくしたもので、憲法に違反するとして、憲法裁判所に違憲の審判をするよう訴えていました。訴えを起こした野党や市民団体は、政府の検疫条件は、アメリカでBSE=牛海綿状脳症が発生した場合に輸入を中断する権利を事実上放棄し、輸入される牛肉の月齢や履歴などを追跡して確認するなど、最小限の歯止めもなく、国民の生命権や幸福追求権などを侵害したと主張していました。憲法裁判所はこうした主張に対して、政府が告示した検疫条件の内容は、完璧ではないが、国民の身体の安全を保護する国家の憲法上の義務に明確に違反したといえるほど不適切と断定することはできないとして、訴えを退きました。

・第1野党民主党の議員が法案の採決を阻止するため国会の本会議場を占拠しました。民主党は、先に与党ハンナラ党が単独で韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案の上程を強行したことを受けて、ハンナラ党が争点となっている他の法案についても単独で上程を強行する可能性があるとして、所属議員がこれまで9日間に渡って国会議長室と文化放送委員会、行政安全委員会、政務委員会の会議室を占拠してきました。そして、26日朝には54人の議員が国会の本会議場に入り、議長席を取り囲むなどして占拠しました。ハンナラ党は、大企業が金融産業に進出することを許可するための銀行法と金融持株会社法の改正案、財閥グループの関係企業に対する出資総額を制限している出資総額制限制度を廃止するための持株会社法改正案、さらに大企業や新聞社が放送事業に進出できるようにするための放送法改正案など、30の法案を「優先重点処理法案」として、年内に処理する方針です。民主党は、金融持株会社法や放送法の改正案などは、絶対に阻止しなければならない悪法だとして、ハンナラ党と対立しています。

・与党ハンナラ党が進めている放送や言論に関する各種法案の改正に反発して、全国言論労働組合が26日朝6時からストライキに入りました。新聞社や放送局などの労働組合で作っている全国言論労働組合は、放送事業に大企業と新聞社の進出を認める放送法の改正案やサイバー冒とく罪を新設した情報通信網法の改正案などが、言論の自由と中立性を損なう恐れがあるとして反発しています。今回のストライキには、地上波放送のMBCとSBS、そして、一部の新聞社と地方の放送局の労働組合が参加しました。このうちMBCは、ニュースなどの番組に組合に所属していない幹部クラスの記者やアナウンサーが出演しました。また、SBSは一部の記者やアナウンサーなどが言論労働組合の趣旨に賛成の意思を表明するため、黒い服を着て番組に出演しましたが、放送に大きな支障が出るほどの行動は取っていません。KBSの労働組合は今年8月に全国言論労働組合を脱退しているため、今回のストライキには加わりませんでした。

・李明博大統領は26日、経済危機の克服に向けて、「政府は企業を積極的に支援する方針だが、その前に大企業は自ら果敢に構造改革を進めるべきだ」と述べました。李明博大統領はこの日、大統領府青瓦台で、知識経済部と中小企業庁の業務報告を受けた席で、「最近の経済危機によって企業は経営が難しくなることが予想されるが、これを機会に、大企業は自発的かつ果敢に構造改革を進め、世界的な企業としての競争力を養うべきだ」と述べました。李明博大統領のこうした発言は、最近進められている公共企業の構造改革にとどまらず、民間企業に対しても高いレベルの構造改革を求めていく方針を明らかにしたもので、関心が寄せられています。

・北韓の高官が来月20日に予定されているオバマ次期大統領の就任式に合わせて、ワシントンを訪問する可能性があることが分かりました。
ワシントンの外交消息筋によりますと、北韓の核問題をめぐる6か国協議の北韓首席代表を務めている金桂冠外務次官が、来月20日のオバマ次期大統領の就任式の前後にワシントンを訪問することが検討されているということです。オバマ次期大統領の政権引継ぎ準備チームは先に、北韓と直接対話を進める必要があると指摘していました。アメリカと北韓の高官による接触はこれまで、国連本部があるニューヨークで行われてきましたが、金桂冠外務次官がワシントンを訪れることになれば、核計画の検証方法をめぐって決裂した6か国協議が進展に向けて動き出す可能性もあるとして、その行動に関心が寄せられています。

・オバマ次期大統領の就任式を控えて、世界各国のアメリカ大使館に白い粉が入った封筒が届いていますが、韓国のアメリカ大使館にも同じような白い粉入りの封筒が郵便で届けられ、当局が捜査を始めました。警察によりますと、白い粉が入った封筒が届けられたのは24日の午前11時頃で、封筒にはアメリカ、テキサス州の消印が押されていたということです。ソウル市保健環境研究院は、問題の白い粉を分析した結果、 猛毒物質のリシンの陽性反応が出たとしていましたが、その後、疾病管理本部がさらに分析した結果、毒性物質は含まれていないことが分かりました。問題の白い粉が入った封筒は、ドイツやベルギーなど、18カ国のアメリカ大使館にも届けられましたが、今のところ差出人は分かっていません。

・アメリカ発の金融危機が世界各国の実体経済に波及している中で、韓国を訪れる外国人観光客はウォン安の影響でやや増えました。これに対して海外旅行をする韓国人は減り、観光収支の赤字が大幅に縮小する見通しです。韓国観光公社によりますと、11月に海外に出かけた韓国人は70万7000人あまりで、去年に比べて34%も減りました。一方、韓国を訪れた日本をはじめとする外国人観光客はウォン安の影響で例年よりやや増えました。韓国観光公社は、今年韓国を訪れる外国人観光客は去年より45万人程度多い690万人になるものと予想しています。このため、去年は100億ドルを超えていた観光収支の赤字が、今年はその半分程度に減る見通しです。

・日本で勉強している外国人留学生はおよそ12万4000人で、史上もっとも多くなっています。政府機関の日本学生支援機構が25日発表したところによりますと、日本で勉強している外国人留学生は12万3800人あまりで、前の年に比べて5300人あまりが増えました。外国人留学生のうちもっとも多いのは中国人で7万2700人あまり、次いで、韓国、台湾、ベトナムの順でした。外国人留学生が専攻しているのは、日本語や専門技術に関連した分野が多く、大学院で3万2600人あまりが勉強しているほか、4年制大学と2年制の短期大学、高等職業訓練学校で合わせて6万3100人あまり、一般の専門学校で2万5700人あまりが勉強しています。

12月25日木曜日

・今日、12月25日はクリスマスで、韓国では祝日です。全国的に晴れのよい天気ですが、寒い一日となり、ソウルの気温は日中でも0度前後でした。このためソウルの中心街は、不況の影響もあってクリスマスにしては閑散としていました。このした中で、全国のカトリック教会とプロテスタント教会では24日からキリストの誕生を祝うミサや礼拝が続きました。カトリックの総本山、ソウル市の明洞聖堂では25日の0時と正午に鄭鎭?(チョン・ジンソク)枢機卿がキリストの誕生を祝うミサを執り行い、「真のクリスマスの意味は、貧しくて疎外された人々の中でイエス様の姿を見出すことです」と強調しました。また一つの教会としては最大規模の75万人の信者を抱えているソウル市ヨイドの純福音教会では、25日午前7時から7回にわたって、聖誕礼拝を行いました。一方、今週の初めに大雪が降った江原道では、クリスマスをスキー場で過ごす人々でにぎわいましたが、道内にある7つのスキー場は、景気悪化などの影響を受けて、クリスマスに訪れた人は例年よりおよそ30%減ったということです。

・政府は深刻になっている雇用問題の対策を進めるため、5兆4000億ウォンを投入することになりました。労働部をはじめ、保健福祉家族部、女性部などの政府の関連部署は24日、李明博大統領に新年に向けた業務報告を行いました。それによりますと、来年の経済成長率が1%前後に落ち込んだ場合、失業者が100万人超えることが憂慮されるとして、雇用の安定に力を入れることになり、雇用の創出と失業者に対する支援のため、合わせて5兆4000億ウォンを投入することにしています。このうち、雇用の創出では、妊産婦を介護する仕事など35の部門で12万5000人あまりの働き口を作ることしています。また中小企業などに対しては、従業員の雇用を維持させるための支援金を増やして、解雇を減らす計画です。そして失業者が再就職するための支援金として1兆ウォンを割り当てることにしています。政府はこのような雇用の安定に向けた予算のうち70%を来年上半期中に集中して執行することにしています。

・金融危機による景気低迷の影響を受けている建設会社や造船会社に対して、債権銀行が来年1月から本格的な構造調整に乗り出す予定で、このうち40社あまりが対象になる見通しです。金融監督院によりますと、銀行や会計法人、信用評価会社で構成する、建設と造船業の信用リスク評価チームが、年内に銀行によって異なる信用評価基準を単一化する作業にとりかかるということです。そして債権銀行はこれをもとに来年1月から2月までに、対象の会社について現金の流れや負債の比率、営業利益、成長性などの信用リスクを評価して、ランク別に4つのグループに分けて構造調整を進め、下から3番目のグループは経営改善の作業を、最下位のグループは市場から撤退する手続きを踏むことになります。構造調整の対象になる建設会社と造船会社はおよそ40社にのぼる見通しです。

・最高裁判所に当たる大法院は、24日、今年4月に行われた国会議員選挙で選挙区から立候補して当選した民主党の金世雄(キム・セウン)議員と、無所属の金一潤(キム・イルユン)議員に対して、公職選挙法違反などの罪で当選無効に相当する判決を言い渡し、2人は議員職を失いました。このうち、民主党の金世雄(キム・セウン)議員は選挙運動中に、選挙区の有権者たちを100万ウォン相当の飲食でもてなした饗応の罪で起訴されて、2審で罰金500万ウォンの判決を受け、大法院がこの判決を確定しました。一方、 無所属の金一潤(キム・イルユン)議員は、選挙運動員に活動費の名目で4000万ウォンを与えたほか、対立候補に関する虚偽の事実を公表したとして公職選挙法違反の罪で起訴され2審で懲役1年6カ月の刑を言い渡され、大法院がこの判決を確定しました。公職選挙法では、当選者が懲役または100万ウォン以上の罰金を課せられた場合は当選が無効になります。第18代国会議員のうち、今月11日にすでに2人が公職選挙法違反で議員職を失っているほか、さらに1審や2審の裁判で当選無効に相当する刑を言い渡された議員は11人に上っているため、今後、議員職を失う議員はさらに増える見通しです。

・世界的な景気の悪化と急激な円高を受けて、日本を訪問する韓国人観光客が去年のおよそ半数に減っていることがわかりました。日本の国際観光振興機構が24日に発表した資料によりますと、先月11月に日本を訪問した外国人観光客のうち、韓国人は11万7600人あまりで、去年の同じ期間に比べて、46.2%も減りました。一方、台湾からの観光客は去年より13.4%減って、9万3,600人、アメリカ人は12.5%減って、5万6100人でした。日本を訪問する韓国人観光客は今後も減る見込みで、日本に入国する外国人のランキングで、首位を台湾に譲ることも予想されています。

・新年2009年に韓国で日の出がもっとも早いところは、東海(日本海)の島、独島であることがわかりました。韓国天文研究院が発表したところによりますと、2009年の元日に日の出がもっとも早いところは、東海(日本海)にある島、独島で、午前7時26分となっています。陸地では、東海岸沿いの蔚山市の岬、カンジョルゴッで、午前7時31分です。ところで、気象庁が発表した元日の天気予報は、全国的に概ね晴れで、忠清南道や全羅道、済州島の一部では曇が広がりますが、ほとんどの地域で雲間からも日の出を見ることができる見込みです。とくに日の出の名所、東海岸沿いの浦港、蔚山、釜山ではすっきりと晴れ渡って、初日の出を満喫することができるものとみられます。

12月24日水曜日

・在韓アメリカ軍の駐留に伴って韓国政府が負担している防衛費分担金が、来年は7600億ウォン程度になることが分かりました。外交通商部が23日発表したところによりますと、韓国とアメリカは今月17日に来年以降適用される防衛費分担に関する特別協定に仮署名しました。この協定は国務会議の審査を経て、大統領が裁可し、国会が批准した後、来月中旬に正式に署名される見通しです。協定によりますと、分担金は前の年の物価上昇率を反映させて毎年増額することにしていますが、4%以上は増額できないようになっています。この協定に基づくと、来年の防衛費分担金は、2008年の7415億ウォンに2007年の物価上昇率2.5%を上乗せして、7600億クォン程度になります。また、分担金は原則として現金で支給しますが、軍事施設の建築などの費用は段階的に現物で支給するよう転換していくことにしています。

・アメリカは北韓への食糧支援を続ける見通しです。アメリカ国務省の関係者が23日、明らかにしたところによりますと、今月末に2万1000トンあまりの穀物を積んだ船舶が北韓に到着する予定です。アメリカは今年5月に、北韓に対して1年間に渡って合わせて50万トンの食糧を支援することを約束し、その後、世界食糧計画やNGO=非政府組織を通じて、これまで5回に渡って、合わせて14万3000トンあまりの穀物を送っています。アメリカが北韓への食糧支援を継続しているのは、オバマ次期政権での核問題をめぐる交渉を念頭に、北韓との対話のパイプを維持する狙いがあるものとみられます。

・李明博大統領は、世界的な金融危機の影響で来年は韓国の失業率がさらに高くなることが予想されるとして、関係部署に対して新たな貧困層を支援する対策をたてるよう指示するとともに、来年はプラス成長を達成できるよう緊密に協力して危機の克服に努めるよう求めました。李明博大統領は、24日、大統領府青瓦台で保健福祉部など4部署の長官から業務報告を受けた席で、金融危機によってもたらされた新たな貧困層家庭の子供の教育費を政府が肩代わりするなど緊迫した状況に対応できる対策を早急にたてるよう指示しました。また来年は雇用情勢がさらに悪化することが予想されるため政府が計画している大学卒業生を職場で実習するインターンとして雇用する枠を出来るだけ拡大するよう要請しました。そのうえで李明博大統領は、「世界経済の見通しがあまりにも不確実なので、来年の韓国の経済成長率を正確に予測することは困難だが、韓国はプラス成長を達成できるのではないか。そのために予算を効果的に執行する必要がある」と、述べました。

・大手半導体メーカー、ハイニックス半導体の債権銀行団は、ハイニックスに最大で8000億ウォンの融資をすることにしました。韓国外換銀行や韓国産業銀行など、大株主協議会に所属する九つの金融機関は23日、ハイニックスに対して新たに5000億ウォンを融資し、さらに3000億ウォンを増資の形で支援することを決めました。ハイニックスは、世界的な景気低迷によって半導体の需要が減っている中で、世界の大手半導体メーカーの中は最も大幅な売上げ減少に見舞われて、資金難に陥っていました。

・韓国と日本が、中国から流れてくる黄砂や黒いすすなどの大気汚染を調査するため来年春に飛行機を使って大気を共同で観測する予定だと、日本の朝日新聞が23日伝えました。それによりますと、調査には、韓国から光州科学技術院と国立環境研究所が、日本からは東京大学と国立環境研究所などが参加するということです。

・法務部は、クリスマスイブの24日、模範囚など1373人を仮釈放しました。仮釈放されたのは、生計を立てる上で犯罪を犯した受刑者270人、60歳以上の高齢者185人、模範的な長期受刑者など一般刑事犯918人です。法務部は、性暴力の再犯者や麻薬犯罪者などは仮釈放の対象から外しました。

・著作権者の許可を得ず、インターネット上に音楽ファイルをアップロードしてきたユーザーが起訴されました。検察は23日、インターネット上に音楽ファイルなどをアップロードして、著作権を侵害したとして、ブログの運営者など、インターネットユーザー40人あまりを起訴しました。検察は、インターネット上にアップロードされた音楽ファイル1300万件のうち、著作権を侵害した不法ファイルは60%を超えるものと推測しています。検察はまた、不法な音楽ファイルを削除するよう著作権者から要請を受けたにもかかわらず、要請に応じなかったNHNやダウムなどのポータルサイトについても、著作権侵害を黙認した責任があるとして、会社と幹部4人を略式起訴しました。

・Kリーグの全北現代で活躍しだ宰榛(チョ・ジェジン)選手(27)が、日本のプロサッカーJリーグのガンバ大阪に移籍することが決まりました。全北現代は24日、ガンバ大阪との間で゙宰榛選手の移籍に合意したと発表しました。全北現代によりますと、゙宰榛選手と球団がともに移籍に同意しており、移籍料の配分などの細部の調整が残っているだけだということです。契約期間は2年で、年俸は30億ウォン、移籍料は15億ウォン程度と推定されています。

12月23日火曜日

・金融監督院の金鍾昶(キム・ジョンチャン)院長は、23日記者会見し、金融不安と景気低迷の影響で資金繰りが悪化している建設会社と中小の造船会社を対象に、優先的に構造調整を進める方針を明らかにしました。これは、構造調整によって企業経営の不健全化を事前に防ぎ、市場の不安と不確実性を解消することが狙いです。そのため、まず、23日に7人の専門家からなる業種別の信用リスク評価チームを設置し、信用リスクの評価を行うための基準や細部の手続きを年内にまとめます。そしてこの基準に沿って、来年初めから主な債権銀行が流動性の危機に直面したり、経営の悪化が予想されると判断した企業を対象に信用リスク評価を実施します。評価の結果健全化の見込みのない企業は、資金の支援が中断され、事実上、市場からの撤退を余儀なくされます。金鍾昶院長は、景気低迷の衝撃が一気に広がった10年前の通貨危機とは違い、今の危機は徐々に拡大しているため、目標期限は定めず、主な債権銀行を中心に常時構造調整を進めていくと強調しました。

・韓国海軍初のイージス艦「世宗大王艦」(KDX−V)が1年半にわたる試運転とテストを終え、22日から実戦配備されました。「世宗大王艦」には韓国で初めてイージス戦闘システムが搭載され、1000あまりの標的を同時に探知・追跡して20の標的を同時に迎撃することができるうえ、敵のレーダーに探知されないステルス機能も備えています。世宗大王艦は、長さ166メートル、幅21メートル、7600トンで、300人が乗り組んで最大で30ノット(55.5キロ)の速度を出すことができます。イージス戦闘システムの最大の特徴は、最先端のセンサーを使って500キロ先にある航空機や艦艇などを完璧に探知できることです。海軍は、世宗大王艦を含め、先月進水した韓国で2隻目のイージス艦「栗谷(ユルゴク)・李珥(イイ)艦」など3隻のイージス駆逐艦を導入することになっています。

・中学1・2年生を対象にした学力テストが23日、全国一斉に行われました。このテストは全国の中学校374校の1・2年生およそ135万人を対象に、国語、数学、社会、科学、英語の5科目で行われました。問題を製作したソウル市教育庁は今回のテストについて、生徒には自主的に学習して進路の参考にする機会を与え、学校側には教育計画を立てたり、教える方法を改善したりする基礎資料を提供するためのものだとしています。また、今回の学力テストの成績をどこまで公開するかは各市と道の教育庁がそれぞれ判断して決めるということです。しかし、今回のテストに対しては、一部の市民団体が学校や地域、子ども同士の競争をあおり、序列化をもたらすとして反発し、生徒たちにテストを拒否して体験学習に参加するよう呼びかけました。教育当局は今年10月、学習達成度テストの拒否をあおったとして、全国教職員労働組合に所属している教師7人を罷免・解任しています。

・急増している自殺を防ぐための政府の総合対策が決まり、来年から実施されます。保健福祉家族部は、去年10万人当たり24.8人に上っている自殺を5年後の2013年までに20%減らして、10万人当たり20人以下にすることを目標にした自殺予防総合対策を23日の閣議に報告しました。対策の柱となっているのは、低所得層や高齢者、精神疾患者などに対する社会セーフティーネットを強化することで、2013年までに合わせて5632億ウォンの予算が投入されます。このうち、現在245の小・中・高校を対象に実施している精神健康検査を2010年までに全ての小・中・高校に拡げて青少年の自殺を防ぎ、高齢者については専門相談員による自殺予防教育を強化することにしています。自殺の予防対策は以前にも保険福祉部によって出されたことがありますが、民間が参加する総合対策がまとまったのは今回が初めてです。韓国の自殺率は、OECD=経済協力開発機構加盟国の平均自殺率の2倍を超えているうえ、自殺率が急激に上昇しているため今回の総合対策がまとめられました。

・韓国の成人のうち、文字がわからない人の比率、非識字率が30年前に比べて大幅に減少し、先進国並みになっていることが分かりました。国立国語院は23日、9月から11月にかけて全国16の市と道で、19歳以上79歳未満の成人1万2137人を対象に行った非識字率と文章理解力の調査の結果を発表しました。それによりますと、韓国の成人の非識字率は1.7%で、38年前の7%から5.3ポイント減りました。これは、ユネスコが統計にまとめた2007年の先進国の平均非識字率2.3%を下回っています。しかし、文字は読めるものの日常生活に必要な十分な読み書きの能力を備えていない「文章理解困難者」が5.3%に上っており、成人の7%が読み書きに問題を抱えていることが分かりました。

・大学教授が選んだ今年の世相を反映する四字熟語に「護疾忌医」が選ばれました。教育専門紙の「教授新聞」が全国の大学教授180人を対象にアンケート調査した結果、回答者の30%が今年の韓国の世相を映し出す四字熟語に「護疾忌医」を選びました。「護疾忌医」とは「病気にかかっているにもかかわらず、医師に診てもらわない」という意味です。これは中国北宋時代の儒学者周敦頤(しゅうとんい)が書いた『通書』という本に出てくる言葉で、他人の忠告に耳を傾けないことをたとえています。大学教授らはこの四字熟語を選んだ理由として、アメリカ産牛肉の輸入や金融危機などの問題で政府が進めた対応には、国民の意見に耳を傾ける姿勢が見られなかったためだと説明しています。

・結婚してからマイホームを持つまでにかかる期間は平均9年で、去年に比べておよそ4か月短くなったことが分かりました。国民銀行研究所が全国19の都市に住む20歳以上の世帯主2000人あまりを対象に調査したところ、結婚からマイホームを持つまでにかかった期間は平均9年で、去年の9年4か月よりおよそ4か月短縮したことが分かりました。地域別では、ソウルが9年2か月で最も長く、次いで釜山(プサン)や仁川(インチョン)など6つの広域都市9年1か月、一山(イルサン)や盆堂(プンダン)など5つの新都市7年5か月の順となっています。

・今年のクリスマスは暖かく、穏やかな天気で、ホワイトクリスマスにはならない見通しです。気象庁の予報によりますと、「クリスマスの25日は全国的におおむね晴れで、気温も平年を上回り、穏やかな1日になる」ということです。

12月22日月曜日

・政府は、この3か月間にわたって韓国の経済を揺るがしたドル不足による外貨危機が終わったとする暫定的な結論を出しました。世界的な金融危機から波及した実体経済の低迷は、国の内外を問わず深刻化していますが、政府は韓国でドル不足から始まった流動性の危機は過ぎ去り、9月アメリカの証券大手リーマン・ブラザーズが経営破たんしたような突発的な事態がない限り、再発する可能性もほとんどないと評価しました。企画財政部の関係者は22日、「少なくとも外貨流動性の問題は乗り越えた。国内外の各指標や評価、市場の状況などを分析すると、危機は過ぎ去ったと判断され、来年まで再発するような要素はみられない」と述べました。実際に最近の市場にはドルが十分に供給され、緊急なドル需要も消えています。政府と韓国銀行は今年それぞれ240億ドルと100億ドル、合わせて340億ドルの外貨流動性を供給することを決め、これまでにおよそ300億ドルを供給しました。その結果、11月21日に一時1ドル=1525.00ウォンまで落ち込んだウォン相場は、およそ1か月後には15.4%も急騰しています。また、経常収支が黒字に転じて、今後持続的なドルの流入が見込まれるのも好材料となっていますす。こうした政府の見方に対し、国内の民間経済研究所もおおむね同意しており、外資系の投資会社の韓国に対する見方も肯定的に変わってきているということです。

・政府は69の公営企業で向こう3〜4年間に1万9000人の人員削減を行うことを決めました。 企画財政部は21日、韓国鉄道公社や韓国電力、韓国観光公社など69の公営企業を対象に定員の13%に当たる1万9000人の人員削減を行う内容を盛り込んだ第4次公営企業先進化推進計画を発表しました。それによりますと、韓国鉄道公社(コレイル)が定員の16%に当たる5100人、韓国電力が11%に当たる2400人を削減し、さらに韓国水力原子力が1000人、企業銀行が740人を削減するなど、ほかの公営企業も人員を10〜30%削減することにしています。人員の削減は向こう3〜4年間に定年退職などの自然退職や希望退職、それに新規採用を控えるなどの方法で段階的に行われます。しかし、まだ労働組合の同意を得ていない公営企業が多く、今後人員削減を進めていく上で労使の対立が予想されます。

・政府は金融危機による景気低迷で危機に陥った自動車産業を支援するための政策づくりに乗り出しました。金融委員会と知識経済部が22日に明らかにしたところによりますと、政府は自動車業界を経済危機から守る必要がある成長産業と見て、部品メーカーに対する流動性の支援とともに販売増進に向けた自動車ローン市場の活性化を進めることにしました。金融委員会の関係者は、知識経済部と金融支援に向けた協議会を年内に設置することを決め、自動車をはじめとする成長産業の競争力を守る対策について話し合うと説明しました。それによりますと、アメリカなど世界各国が自動車産業に対して流動性の支援に乗り出していますが、政府が直接支援すればWTO=世界貿易機関の規定違反になり、相殺関税を課される恐れがあるため、金融機関を通じて間接的に支援するということです。今年下半期に入って消費者心理が急速に冷え込んだことから、11月の国内の新車販売量は去年の同じ期間に比べ27.7%少ない7万4753台と、通貨危機直後の1998年の水準(7万2000台)にまで落ち込みました。これにより、一部の完成車メーカーと部品メーカーの資金繰りはますます悪化し、サンヨン自動車は売り上げの落ち込みによって従業員に今月分の給料を支払えない状況に陥っています。このため、政府は自動車メーカーに対する支援策を実施する一方で、自動車部品メーカーの競争力を強化するための構造調整も進める方針です。

・北韓が冷え切っている南北関係を改善する突破口の一つとして、韓国戦争後に北韓に抑留された韓国軍捕虜と拉致被害者の一部を韓国に送還する意向があると韓国側に伝えてきたもようです。北韓は南北関係の改善に向けて様々なチャンネルを通じて韓国と行った非公式の接触でこのような意向を伝え、その見返りとして南北経済協力の迅速な再開を求めたと北韓の事情にくわしい消息筋が22日明らかにしました。それによりますと、北韓は韓国軍捕虜と拉致被害者の一部を板門店を通じて韓国側に送還するか、中国など第3国を経由して送還するかの方法を検討しているということです。韓国政府はこうした北韓の提案を前向きに評価し、具体的な内容の把握を進めています。北韓に抑留された韓国軍捕虜のうち1994年に故チョ・チャンホ中尉が北韓を脱出して以来、これまでに韓国軍捕虜76人とその家族159人が韓国に帰還しています。国防部は現在およそ560人の韓国軍捕虜が北韓に生存していると見ており、帰還した韓国軍捕虜からそのリストを確保したとされています。これについて、統一部は22日、「南北間で非公式の接触は現在行われていない」と述べました。

・統一部の金夏中(キム・ハジュン)長官は21日、中国の政府高官と北韓関連の懸案を話し合うため中国を訪問しました。金夏中長官は4日間の中国滞在中、戴秉国(たい・へいこく)国務委員、楊潔チ(ようけつち)外相、中国共産党の王家瑞(おうかずい)対外連絡部長、6カ国協議首席代表の武大偉外務次官らと会談し、韓国政府の北韓に対する政策について説明するとともに、南北関係や北韓の核問題などの懸案について意見を交わすものとみられます。政府や中国の韓国大使館は、金夏中長官の今回の中国訪問は、急遽長官に任命されたため知人らに挨拶するためだとしています。しかし、北京の外交筋は、中国に幅広い人脈を持っている金夏中長官が南北関係の改善に向けた突破口を見出す重要な任務を帯びて訪中した可能性が高いと見ています。

・大検察庁の中央捜査部は22日、世宗証券の買収をめぐる不正事件で、盧武鉉前大統領の実の兄、盧健平(ノ・ゴンピョン)氏と実業家の朴淵次(パク・ヨンチャ)氏、盧武鉉大統領の高校の同期生である鄭化三(チョン・ファサム)氏の兄弟など12人を特定経済犯罪加重処罰法のあっせん収賄罪などで起訴しました。先月19日から捜査を始めた中央捜査部が22日発表した中間の捜査結果によりますと、盧武鉉前大統領の兄の盧健平氏は、2005年から2006年にかけて農協中央会の当時の会長に、売却話が持ち上がっていた世宗証券を買収するよう働きかけました。そして、世宗証券が農協中央会に買収された後、盧健平氏を世宗証券の大株主に紹介した盧武鉉前大統領の高校の同期生、鄭化三氏らとともに世宗証券の大株主から謝礼として29億ウォンあまりを受け取ったのをはじめ、脱税などをしたということです。朴淵次被告は2005年に世宗証券と農協子会社のヒューケムス株を借名取引して得た数十億ウォンの利益と、香港の法人から借名で受け取った配当利益の所得税200億ウォン余り、合わせておよそ290億ウォンの税金を逃れた罪で起訴されました。

・飲食店に義務付けられる原産地表示が、牛肉とコメに続き、22日から豚肉、鶏肉、白菜キムチにも拡大されました。新たに原産地の表示が義務付けられたのは、一般の飲食店とファーストフード店、粉食店と呼ばれる麺類の食堂、それに会社の社員食堂などです。すでに原産地表示が行われている牛肉はスープやチゲの材料として使われている場合も表示しなければなりませんが、豚肉と鶏肉はメニューに料理の品目として記載される場合に限って原産地の表示が必要です。一方、キムチは100平方メートル以上の大規模な飲食店が対象で、漬け込まずに薬味とあえただけのキムチや、キャベツなど白菜以外を漬けたキムチは原産地表示の対象になりません。農林水産食品部は、この制度が定着するまでには時間がかかるとみており、豚肉・鶏肉については飲食店の規模によって3〜6か月の指導期間を置くことにしました。

・江原道の山間部と東海岸の嶺東(ヨンドン)地域では21日から雪が降り始め、多いところで1メートルを超える大雪となって、国道の一部が通行止めになり、多くの学校が休校になりました。江原地方気象庁によりますと、降り始めからの積雪量は、22日午前10時半現在、ミシ嶺で105センチなど山間部で1メートルを超えたほか、都市では束草(ソクチョ)61.5センチ、高城(コソン)50センチ、江陵(カンヌン)49センチなどとなっています。このため国道56号線のミシ嶺や国道44号線のハンゲ嶺などの道路が通行止めになっているほか、嶺東地域の6つの市や郡の小中高校160校は大雪のため臨時休校となりました。江原地方気象庁によりますと、21日に出された大雪警報と大雪注意報は22日の午前10時にすべて解除されましたが、22日は最高気温も氷点下を下回る冷え込みとなったため、雪が凍った道路では車のスリップなどに注意するよう呼びかけています。

12月20日土曜日

・北韓が開城工業団地への韓国人の出入りを大幅に制限したことから韓国政府は来年初めから関係者の輸送のためにバスを運行することになりました。開城工業団地の管理委員会が19日に明らかにしたところによりますと、韓国政府は北韓に一番近い都羅山と開城工業団地との間に午前と午後にそれぞれ2−3回、バスを有料で運行し、出入りの多い朝の9時と午後3時には乗用車の利用を禁止することになりました。また進出企業の関係者の出入り時間と、韓国土地公社や韓国電力、KTなど団地のインフラを支える関係者の出入りの時間を分け、開城工業団地の進出企業関係者を優先させてスムーズに操業できるようにはかることにしています。このような措置は北韓が今月1日から始めた南北の通行制限で、通行できる回数を大幅に減らし、1度に通行できる人数を500人から250人に、車両を200台から150台に縮小させたためです。

・韓国に亡命してきた脱北者による団体が19日、西の海=西海の、北韓に近い白リョン(ベクリョン)島で、北韓に向けて150万枚のビラを大型の風船につけて飛ばしました。この団体の関係者は20日、「大型風船1個ずつにビラ6万枚ほどをつけて北韓に向けて飛ばした。また靴下やストッキング、歯磨き粉、解熱剤、ボールペンなど生活必需品をビニール袋に入れて北韓の方向に流れる潮流に乗せた」と述べました。最近、南北関係が冷え込んで、北韓が韓国からの風船ビラに神経質になっていることから、他の脱北者団体は風船ビラを自粛していますが、この団体は今月に入っても4回、大型の風船を使って数百万枚にのぼるビラを北韓に向けて飛ばしたと話しており、今後も風船ビラを続けるとしています。

・韓国に亡命しようとした北韓からの脱北者19人がミャンマーで逮捕され、来週中に不法入国の罪で裁判にかけられると、アメリカの自由アジア放送が20日報道しました。それによりますと、脱北者19人は、今月2日、中国からボートでメコン川を下り、タイに向かう途中にミャンマーの移民局によって逮捕されたということです。脱北者19人の中には65歳前後の老人や10歳未満の子どももいるということで、移民局の収容所から地方都市の刑務所に移送されたことが確認され、来週中に裁判を受ける見通しだとしています。これについてミャンマー駐在韓国大使館は事実の把握に乗り出すとともに、ミャンマー当局に人道的立場からの協力を要請しているということです。

・ハワイにあるアメリカ太平洋軍司令部は、キーティング司令官が先日、北韓はアメリカ本土に到達できる大陸間弾道ミサイルを保有していると述べたという一部の報道について、事実とは異なると述べました。アメリカ太平洋軍のブレスロー広報担当官は、19日、韓国のマスコミの電話インタビューに対して、「キーティング司令官の発言は北韓が弾道ミサイルを製造する能力を保有していると述べたもので、ミサイルそのものを保有しているという意味ではない」と訂正しました。キーティング司令官は、18日、ワシントンで記者会見し、「北韓はアメリカに到達できる大陸間弾道ミサイルを保有している」という見解を示すとともに、金正日国防委員長については、病状は分からないものの、今も北韓の権力を掌握しているという見方を示していました。

・政府高官が相次いで辞表を出す中で、こんどは国務総理室の幹部が辞表を提出し、これによって政府の人事刷新が本格化する見通しです。国務総理室の次官級、局長級の1級公務員8人は、19日、経済危機の中で職場の働く雰囲気を高めるためとして自ら辞表を提出したと、国務総理室のイ・ビョンヨン室長が発表しました。政府部内では、これまでに教育人的資源部、国税庁、農林水産食品部の1級公務員が相次いで辞表を提出していますが、各部署を総括調整する機能を持つ国務総理室の1級公務員がそろって辞表を出したことから、他の政府部署の幹部も辞表を出すものとみられ、これによって年明けには大幅な人事異動が行われる見通しです。韓国では去年、10年ぶりに政権交替が行われましたが、政府部署の幹部は前政権時代に任命された人たちが居座っているといわれています。このため李明博大統領は任期2年目の来年、政府各部署の幹部を入れ替え、改革を進めていくねらいがあるものとみられています。

・日本通で知られる今年82歳の金鐘泌元国務総理が、老人性疾患で入院し治療を受けています。金鐘泌元国務総理は2003年4月の総選挙で落選して政界を引退していますが、側近によりますと、金鐘泌元総理は14日、頭痛とともに手足が冷たくなったため検査を受けたところ、脳卒中の初期症状という診断を受け、入院しました。金鐘泌元総理は最近まで知人とゴルフを楽しむほど健康だったということです。

・経済危機による自動車の販売不振で、自動車メーカーのGM大宇は、主力の富平第1工場が20日から1月4日まで事実上の操業停止に入り、GM大宇は2002年の設立以来初めて、すべての生産ラインが止まることになりました。GM大宇は今月1日にSUV車を製造する京畿道富平市の富平第2工場が、給料の70%を受け取る有給休暇に入ったのに続いて、22日からは乗用車を製造する第1工場も有給休暇に入ることになりました。しかし20日から週末となるため、生産ラインや研究所などの社員1万1400人あまりは新年の1月4日までの16日間休むことになります。このため、GM大宇に納品する部品会社などを中心に操業を停める企業が相次ぎ、仁川・富平の地域経済に大きな打撃を与えるものとみられます。来週22日からは、軽自動車を製造する慶尚南道昌原市の昌原工場も全面操業停止する予定で、GM大宇のすべての生産ラインが止まることになります。

・原油価格の高騰で一時1リットル1800ウォンを超えていた軽油の価格がこの10週間下がり続け、1リットル1200ウォン台に落ち着いています。韓国石油公社が19日にまとめた全国のガソリンスタンドの販売価格によりますと、今月15日から19日までの軽油の平均販売価格は1リットル1297ウォン30銭で、前の週に比べて32ウォンあまり下落しました。軽油の価格が1200ウォン台になったのは去年9月第2週以来、1年3カ月ぶりです。またガソリンの平均販売価格も1312ウォン34銭と、前の週に比べて50ウォン近く値下がりしています。韓国石油公社は、世界的な経済危機で原油価格が下落しているので、ガソリンや軽油の販売価格はさらに値下がりするものとみています。

12月19日金曜日

・李明博大統領が大統領選挙で当選してから19日でちょうど1年になりました。李明博大統領は経済の回復を最大の公約として掲げましたが、就任後はアメリカ産牛肉の輸入再開問題で世論が悪化し、さらに、アメリカ発の金融危機に見舞われたため、これといった経済政策を進めることができず、支持率は低迷しています。李明博大統領は、大統領選挙での得票率が48.7%とこれまでで最も高く、国民の圧倒的な支持を得て就任しましたが、最近の支持率はおおむね20%台に下がり、一時は10%台に落ちたこともあります。ところで、李明博大統領は19日、仁川港とGM大宇自動車の富平工場を相次いで訪問し、「企業であれ、国であれ、バブルを取り除くべきだ」として、構造改革の必要性を強調するとともに、「雇用を新たに創出することは重要だが、現在の雇用を守っていくことも重要だ」と指摘し、「労働組合と経営陣が協力して危機を克服してほしい」と述べました。

・李明博大統領が当選して1年になる19日、野党民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、李明博政権は無能で欲張りな守旧政権だと述べました。丁世均代表は国会で記者会見してこのように述べ、さらに「李明博政権は経済問題と南北問題、そして、民主主義の発展をめぐって複合的な危機を招いた」と指摘しました。また、「国会で多数議席を占めている与党ハンナラ党は李明博大統領の操り人形に転落し、野党議員を締め出したまま議案を上程するなど、一方的な国政運営をしている。民主党はこれ以上民主主義が後退しないようにする責任がある」と述べました。一方、自由先進党はこの日、論評を発表し、「李明博政権の過去1年間は過ちの連続で、政策は失敗の連続だった」と評価しました。

・韓国はOECD=経済協力開発機構の閣僚理事会で来年、2009年に議長国を務めることになりました。政府が18日発表したところによりますと、OECD理事会が18日、韓国政府に対して来年の閣僚理事会の議長国を務めるよう要請し、韓国政府はこの提案を受け入れたということです。韓国は1996年にOECDに加盟しましたが、閣僚理事会の議長国を務めるのは初めてです。議長国は、閣僚理事会の議題を決めたり、副議長国を選んだりして、閣僚理事会の全般的な業務を主導します。韓国が議長国になったことから、来年6月24日と25日に予定されている閣僚理事会は、韓昇洙国務総理が主催することになります。

・国会は一部の委員会で与野党が厳しく対立して、審議がストップし、空転が続いています。国会の外交通商委員会は18日、与党ハンナラ党が野党の議員を締め出したまま韓米FTA批准同意案を上程したため、民主党をはじめとする野党が強く反発し、19日には行政安全委員会や政務委員会などでも与野党が対立して、法案の審議は進んでいません。集会及び示威に関する法律の改正案を上程する予定だった行政安全委員会では、朝から民主党の議員など50人あまりが会議場を占拠し、審議をストップさせました。また、金融産業構造改革法の改正案を上程する予定だった政務委員会も、民主党の議員らが18日夜から徹夜で会議場を占拠して、ハンナラ党に抗議しており、法案の審議は進められていません。民主党の議員らは18日夜から国会議長室も占拠しています。一方、民主党の外交通商委員会所属の議員7人は、外交通商委員会で18日、ハンナラ党の朴振(パク・ジン)委員長が秩序維持権を発動し、会議場から野党議員を締め出したのは明白な職権濫用だとして、刑法上の職権濫用と特殊公務執行妨害の疑いでソウル地方検察庁に告訴しました。

・イラク北部のクルド族自治区エルビルで復興支援活動に当たっていた韓国軍部隊が撤収し、19日朝、無事帰国しました。帰国したのは、イラクに駐留していた陸軍のザイトゥン部隊519人と、クウェートでザイトゥン部隊を後方支援していた空軍のダイマン部隊102人の合わせて621人です。韓国は2004年からイラクに工兵部隊や医療部隊を派遣していました。

・経営が厳しいタクシー業界の構造改革を進める対策がまとまり、来年の上半期から軽自動車のタクシーが導入されることになりました。国土海洋部は19日、景気後退で採算性が落ちているタクシー業界を支援するための「タクシー業界活性化対策」を発表しました。それによりますと、来年の上半期から排気量1000cc未満の軽自動車もタクシーとして運行できるようになります。また、租税特例制限法の改正案が国会で可決されたこと受けて、タクシー運転手の待遇を改善するため、タクシー料金に課せられている付加価値税を軽減する制度をさらに3年間延長し、軽減率も今の50%から90%に拡大することにしました。

・鉄鋼最大手のポスコが、ソウル中心部の光化門と江南地区を結ぶ地下鉄路線の建設をソウル市に提案したことが分かりました。ソウル市によりますと、ポスコは先月、ソウル中心部の光化門と江南を結ぶ11.74キロの区間で新たな地下鉄路線を建設することを提案し、公共投資管理センターに建設の妥当性を検討するよう依頼することにしたということです。ソウル市は、妥当性を綿密に検討した上で、建設を進めるかどうかを決定する方針です。

・毎年ソウル市が主催している「Hiソウルフェスティバル」の冬祭りが19日、始まりました。今回の冬祭りのテーマは「純白の冬、純粋なソウル」で、19日から1カ月間、ソウル市庁前広場や清渓川などで多様な催しが展開されます。

12月18日木曜日

・国会の外交通商委員会は18日、韓米FTAの批准同意案を野党が強い反対行動を取る中で、法案審議小委員会に上程しました。批准同意案については民主党をはじめとする野党が強く反発し、上程を実力で阻止するとして、朝から議員や補佐官などが押しかけ、会議場を占拠しようとしました。これに対してハンナラ党の朴振(パク・ジン)委員長が秩序維持権を発動し、会議場に野党議員らが入れないようにしたまま、批准同意案を上程しました。韓米FTAの批准同意案は法案審議小委員会に上程されたため、野党の同意がなくても、国会議長の職権で本会議での採決が可能になりましたが、ハンナラ党内では、アメリカのオバマ次期大統領が韓米FTAに批判的な立場を表明しているので、批准案を急いで採決すべきではないという議員も少なくなく、野党民主党は、アメリカ政府が議会に批准同意案を要請してから30日以内に、韓国の国会で同意案を批准することを党として決めており、本会議での採決はまだ不透明な状況です。

・鉄鋼最大手のポスコが創立以来40年目で初めて減産に入ることになりました。ポスコは18日、全般的な景気の萎縮と、自動車や家電などの産業で稼働率が下がり、鉄鋼の需要が落ち込んでいることから、1968年の創業以来40年目で初めて、今月から減産に入ることを決めました。減産の規模は、今月に20万トン、来年1月には37万トンにする計画です。すでに世界の主だった鉄鋼会社は、鉄鋼需要の減少と価格の下落に対応して11月から減産に入っていて、年末年始には稼働を全面的に中断することを計画しているメーカーもあります。一方、GM大宇自動車の群山工場が18日から稼働を中断しました。世界的な消費の萎縮で、国内の消費が落ち込んでいるだけでなく、輸出も停滞し、在庫が増えているためで、GM大宇自動車は群山工場の稼働を2週間中断することにしています。

・政府は雇用事情が悪化していることを受けて、建設現場で働いている外国人労働者の数を制限することを検討していくことにしました。建設現場では、日本の植民地支配の時期に中国に移住して中国籍となった、いわゆる朝鮮族が多く働いているため、韓国人労働者の就業が難しくなっています。労働部は、景気後退の影響で建設現場での雇用事情が悪化している中で、建設会社が中国籍の朝鮮族を安い賃金で優先して雇っているため、韓国人労働者の就業が難しくなっているとして、同胞である朝鮮族の就業を制限する「同胞割当制度」を導入して、外国人労働者の就業を部分的に減らすことを検討していくことにしました。

・政府は金融危機の対策として、消費を促進するため、乗用車に課せられている消費税の税率を引き下げる一方、20兆ウォンの基金を作って銀行を支援することにしました。企画財政部と金融委員会、公正取引委員会は18日、来年の業務計画を李明博大統領に報告しました。それによりますと、企画財政部は、国内消費を促進するために、乗用車の消費税の税率を今月19日から来年6月末までの期限をつけて引き下げることにしました。また、必要ではないと見られる国有財産を売却して、地方の中小企業や低所得者の生活費の支援などに当てることにしました。一方、金融委員会は、韓国銀行が10兆ウォンを出資し、一般の投資家から8兆ウォン、産業銀行から2兆ウォンを募って、合わせて20兆ウォンの基金を作り、銀行の資本増加を支援することにしました、さらに、公正取引委員会は、一般の持株会社が金融部門の子会社を所有できるようにするなど、規制を緩和して、投資を活性化していくことにしました。

・企画財政部は、来年行うことになっている101の公共企業に対する経営評価で、人員の削減を含む経営の効率化と、若年層の雇用増大という政府の政策をどれだけ進めているかを中心に点検していくことにしました。このような政府の公共企業に対する経営効率化と若年層の雇用を増やす政策に基づいて、農業振興庁は最近、これまでより人員を5%削減し、若年層を対象にした短期契約社員2700人あまりを雇用しました。また、韓国水力原子力は、2012年までに人員の13%にあたる1000人あまりを削減し、来年は正規職111人とインターン社員300人を雇用する予定です。公共企業が人員を削減し、非正規のインターン社員などの雇用を増やしているのは、これまでの人員を1人削減すれば、2〜3人のインター社員を採用することができ、政府の経営効率化と若年層の雇用を増やす政策をともに満たすことができるためです。

・全国にインフルエンザ注意報が出されました。保健福祉部の疾病管理本部は、全国の病院や医院でインフルエンザの疑いが持たれる患者が、11月中旬から増え始め、先週の12月7日から14日までの一週間に1000人のうち3.6人と、流行とする基準の2.6人を上回ったことから、18日、全国にインフルエンザ流行注意報を出しました。地域別では、ソウル、京畿、仁川などの首都圏や、江原、大邱、光州などでインフルエンザの疑いがもたれる患者が大きく増えています。

・教育科学技術部は18日、英語教育の進め方を盛り込んだ「英語教育政策推進方向」を発表しました。それによりますと、英語能力を高めるため、2012年から文章を解釈する読解力とヒアリングに加えて、会話と作文も評価する国家英語能力評価試験が始まります。また、2010年からは、日本の小学校にあたる初等学校の英語の授業が1週間に1時間ずつ増え、3年生と4年生は週1時間から2時間に、5年生と6年生は週2時間から3時間になります。さらに初等学校と中学校の英語の授業は、児童や生徒の習熟度に応じてクラス分けして授業を進める「習熟度別学習」が実施されます。

・韓国のFIFAランキングが大きくアップしました。FIFA=国際サッカー連盟の12月のランキングによりますと、韓国は前の月の53位から42位に、一挙に11段階もアップしました。韓国のランキングが大きく上がったのは、2010年のワールドカップのアジア地区最終予選で、アラブ首長国連邦に4−1で勝ち、サウジアラビアとの対戦でも2−0で勝つなど、相次いで勝利したことによるものです。

・地球温暖化の影響で、韓国の来年の1年間の平均気温は平年より0度5分高くなる見通しです。気象庁が18日発表した長期予報によりますと、地球温暖化によって世界的に気温が上昇しており、韓国でも来年の平均気温は平年より0度5分高い14度5分になるということです。1月から10月までの過去の平均気温を見ますと、1998年が15度2分で最も高く、2007年15度ちょうど、1994年14度8分、2004年14度7分の順でした。

12月17日水曜日

・教育科学技術部は17日、教科書フォーラムなどの市民団体が問題を提起した6種類の近現代史教科書の内容のうち、206か所を修正、または補うことを決めました。このうち出版社に対して強制的に修正するよう指示したのは、金星出版社の近現代史など53か所です。修正が指示された内容を見ますと、1945年に日本が敗戦して韓民族が独立を迎えたことや連合軍の勝利について否定的に記述した部分、北韓の社会を過度に肯定的に表現した部分、南北分断の責任が韓国側にあると記述した部分などです。一方、金星出版社の近現代史教科書の著者など5人は、著者の同意を得ないで内容を修正できないように求める仮処分の申請を裁判所に提出しており、今後、教科書の修正をめぐって論議を呼びそうです。

・政府は最近の景気後退によって貧困層に転落する、いわゆる「新貧困層」に対する支援を増やすことにしました。新貧困層は、生活保護の対象ではないものの、景気後退で職を失った人や廃業した自営業者などを指します。政府は、このように職を失ったり、廃業したりして急に所得がなくなった人たちのために、料金が安い賃貸住宅を優先的に提供し、子どもの給食費を全額支援するなどの方法を検討しています。また、廃業した自営業者にも失業手当を支給し、雇用保険の加入も期限付きで認める方針です。

・政府の「4大河川整備事業」が今月中に慶尚北道安東地区で着工し、順を追って他の地区でも着工する予定です。4大河川整備事業は、7つの地区を選んで優先的に着工することにしていますが、このうち洛東江上流の慶尚北道安東地区では、480億ウォンを投じて、今月中に野生植物の保護区域や川の水を利用したプールなどの建設が始まります。また、洛東江下流の釜山・梁山地区では、2800億ウォンを投じて、堤防の補強など洪水予防事業と河川敷を利用したレジャー施設の建設が来年2月から始まります。

・政府は高額紙幣10万ウォン札の発行を無期限保留する方針を固めました。韓国銀行は来年上半期中に10万ウォン札と5万ウォン札を発行することを決め、準備を進めてきましたが、財政経済部の関係者が16日明らかにしたところによりますと、10万ウォン札の発行を無期限で保留し、5万ウォン札だけを予定通り発行することにしたということです。政府が10万ウォン札の発行を保留することにしたのは、信用カードが普及しているため、5万ウォン札だけで高額の取り引きでも十分まかなえる上に、高額紙幣を発行すれば、物価の上昇を招く恐れもあり、さらに小切手と違って現金の高額紙幣は所有者が特定されないので、不正に使用される可能性があるという指摘が絶えなかったためと見られています。

・ソウル地方裁判所が先月、女性の入院患者の尊厳死を認め、人工呼吸器を取り外すよう命じる判決を出したことを受けて、この女性が入院しているソウルの大学病院は17日、この判決を不服として、最高裁判所にあたる大法院に上訴する方針を発表しました。この事件は、ソウルの延世大学付属セブランス病院に入院している意識不明の76歳の女性の家族が、患者は植物人間の状態で、病状が回復する見込みがない上、患者が日ごろから延命治療を望んでいなかったとして、病院を相手取って人工呼吸器を取り外すことを求める訴訟を起こしていたものです。ソウル地方裁判所は先月、患者の家族の要求を受け入れ、病院にこの女性の人工呼吸器を取り外すよう命じる判決を出しました。これに対してセブランス病院は発表の中で、生命に関する重大な問題なので、大法院の判断を仰ぐことにしたとした上で、患者の寿命は3〜4カ月しか残っていないので、時間を節約するために高等裁判所を経ずに直接大法院に上訴することにしたとしています。

・北韓が核計画の検証方法などの文書化に合意しない限り、6か国協議の参加国が重油の支援を中断するとしたアメリカの主張について、中国が「そのような合意はしていない」と否定しました。中国外務省の劉建超報道局長は16日、「6か国協議の関係国が北韓に対する重油の支援を中断することで合意したことはなく、行動対行動の原則に基づいて寧辺の核施設の無能力化と北韓に対する重油の支援を同時に進めていくことが、関係国の正式な合意である」という見解を明らかにしました。

・今年、韓国で最も成功した人はフィギュアスケートの金妍兒(キム・ヨナ)選手だというアンケート調査の結果が出ました。KBSラジオが世論調査機関のワールドリサーチと共同で、全国7つの広域市で成人男女515人を対象に行ったアンケート調査で、「今年、韓国で最も成功した人物」を聞いたところ、金妍兒選手と答えた人が25.4%で最も多く、次いで李明博大統領22.5%、三星グループの李健煕(イ・コンヒ)前会長7.2%、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長5.6%、歌手のレイン2.8%の順でした。

・Jリーグのガンバ大阪が、Kリーグの全北現代に対して、゙宰榛(チョ・ジェジン)選手を獲得するため、2億円の年俸を提示したことが分かりました。全北現代が17日発表したところによりますと、ガンバ大阪は先週末、゙宰榛選手の移籍交渉で、契約期間2年、年俸2億円程度を提示してきたということです。

12月16日火曜日

・政府は、来年の経済成長率の見通しをこれまで示していた見通しよりおよそ1ポイント低い3%前後に下方修正しました。これは15日の時点で政府が出すと予想されていた見通しの2%台よりおよそ1ポイント高くなりました。企画財政部は16日、「2009年経済運用方向」を発表し、来年は経済成長が今年より鈍くなるものの、減税や財政支出の拡大などの政策が効果をあげれば、経済成長率は3%前後になるという見通しを示しました。また、新規雇用は10万人前後になると見ています。これは、韓国銀行が今月12日に発表した来年の経済成長率の見通し2%よりおよそ1ポイント高く、新規雇用も韓国銀行の見通しの4万人より6万人多くなっています。しかし、これは景気浮揚策が効果を上げることを前提にした目標値であるため、政府の経済成長率の見通しは、実質的には2%前後に止まっていると言えます。

・政府は、景気後退に歯止めをかけるため、来年の予算の70%を上半期に割り当てることを決めました。政府は16日の閣議で、来年の歳出予算の70%に当たる173兆6000億ウォンを来年の上半期に割り当てることを柱とする「2009年予算割当て計画」を議決しました。これは、金融危機による景気後退を克服するために、上半期に予算の60%を執行するとした目標を実現するための措置です。予算が今年より多く割り当てられたのは、低所得層や中小企業に対する支援など国民生活の安定化、雇用支援や失業対策、金融市場の安定化、社会インフラの整備などの分野です。一方、李明博大統領は、16日に行われた経済運用方向点検会議で、「来年が一番厳しい年になると見られ、特に上半期が厳しいだろう」と述べたうえで、政府の課題は、現在置かれている環境の中で、迅速かつ効果的に対処することだという考えを示しました。

・国会は来年の予算案の採決が野党民主党の議員がボイコットした中で行われたことに民主党が反発し、15日に続いて16日も開かれませんでした。国会では16日、教育科学技術委員会など一部の常任委員会が開かれる予定でしたが、民主党議員がボイコットを続けたため開かれませんでした。民主党はこの日午前、議員総会を開き、国会審議を全面的に拒否し、与党ハンナラ党が常任委員会の開催を強行すれば、実力で阻止する方針を再確認しました。また、議員総会の後、民主党議員らは国会議長室に金炯オ(キム・ヒョンオ)議長を訪れて抗議しました。一方、与党ハンナラ党の朴熹太(パク・ヒテ)代表は、「ハンナラ党は国民から議席の過半数を与えられている意味を考えながら突破することも考えられる」として、強硬な姿勢を示しました。このように、韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案が常任委員会に上程される時期が近づいている中で、与野党間の緊張が高まっています。ハンナラ党は韓米FTAで被害を受ける産業への補完対策を今週中に発表して批准案の上程を進めるとしており、これに対して民主党は特別委員会を設置して議論し直すべきだとする立場を崩さず、実力阻止も辞さない構えです。

・先週、北韓の核計画の検証方法の文書化をめぐって6か国協議の首席代表会合が決裂した後、韓国政府は、北韓に対する重油の船積みを行うかどうかはまだ決まっていないと明らかにしました。これは、「北韓が核計画検証の文書化に同意しなければ、韓国、日本、アメリカ、中国、ロシアは北韓に対するエネルギー支援を中断することで合意した」というアメリカの主張に反するものです。また、ロシアの6か国協議首席代表のボロダフキン外務次官は13日、「北韓が核計画検証の文書化に同意するまで、北韓に対するエネルギー支援を中断するというアメリカ政府の発表に驚いた。ロシア代表団はこれに同意したことはない」とし、アメリカの主張を強く否定していました。これに対してアメリカのライス国務長官は、15日、AP通信とのインタビューで「6か国協議の参加国は、北韓が核計画の検証について文書化に同意しなければ北韓に対する重油の支援をしないことで完全に合意している」と述べました。ところで、国務省のロバート・ウッド副報道官は15日の定例記者会見で「重油支援の中断は文書によって合意したものではないが、検証方法を文書化しないで重油支援を行うことはありえないという共通の認識があった」として、合意文書の作成はなかったことを認めました。

・8月に行われた韓米首脳会談で合意した韓国の大学生をアメリカに派遣する研修就業制度が来年3月から実施されます。外交通商部は17日、アメリカでの研修就業制度に参加を希望する大学生の募集を開始し、来年1月に第1次の合格者300人を選抜して3月からアメリカに派遣することにしています。この制度は、韓国の大学生が18か月間アメリカに滞在しながら英語の学習や職場で就業体験をするインターンシップ、それに観光などができるもので、アメリカがこの制度を実施するのは韓国が初めてです。

・エネルギー効率の低い白熱電球が、2013年までに市場からなくなる見通しです。政府は15日、エネルギー効率を改善するための国家エネルギー節約推進委員会を開き、2012年までに国のエネルギー効率を11.3%改善する内容を盛り込んだ「第4次エネルギー利用合理化基本計画」を確定しました。それによりますと、照明器具の消費効率基準を高める方法で白熱電球の生産を段階的に禁止し、2013年までに市場から完全になくすことにしています。廃止の対象となる白熱電球は家庭などで使用する一般照明用で、産業用や原子力用、写真用、飾り用などは除かれます。また、家電メーカー別にエネルギー効率の目標を定め、5年後にメーカーが販売するモデル全体の平均効率が目標以上になるよう管理する、「エネルギー効率目標管理制度」が、2010年からエアコンを対象に試験的に実施され、このあと冷蔵庫や洗濯機などにも拡大されます。政府は、この計画が順調に進めば、2012年までの4年間でおよそ9兆5000億ウォンに相当するエネルギーを節約できると見込んでいます。

・姦通罪がないカナダ国籍の女性にも夫が韓国で姦通すれば、告訴する権利があるという日本の最高裁判所に当たる大法院の判決が出されました。大法院1部は16日、姦通と暴力行為など処罰に関する法律違反の罪で起訴されていた60歳の被告に対する上告審で、姦通罪を認める一方、凶器携帯脅迫の罪については改めて判断する必要があるとして、審理をソウル北部地方裁判所に差し戻しました。被告の男は韓国国籍で、2006年6月に姦通した罪と2004年3月に自宅で妻に凶器を振り回し脅迫した罪などで起訴されました。この被告の妻はカナダの市民権を取得して韓国国籍を放棄した外国人です。大法院は判決で「韓国の刑法は、韓国で罪を犯した韓国人と外国人の両方に適用される属地主義を採択しているため、国内で姦通をすれば、国籍に関係なく姦通罪が成立する」と判断し、被告の男に懲役8か月、執行猶予1年を言い渡しました。この判決によって姦通罪がない国の国籍を持つ外国人夫婦が韓国で暮らしながら姦通した場合、配偶者に告訴する権利があることが明確になりました。

・韓国人初のメジャーリーガーで、自由契約選手として移籍チームを探していた朴賛浩(パク・チャンホ)投手がフィラデルフィア・フィリーズに入ることが決まりました。ロサンゼルス・ドジャーズから自由契約投手となった朴賛浩投手は、15日ソウルのホテルで記者会見し、フィラデルフィア・フィリーズと1年契約を結んだことを明らかにしました。契約の条件は、年俸250万ドルに加えて、先発投手として27試合、170イニングを投げれば最大で250万ドルが加算されるということです。また、朴賛浩投手は、来年3月に開かれるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への出場について、「本選の出場は難しいが、アジア予選についてはチームと相談して決める」と述べました。朴賛浩投手は来月初めにアメリカ入りし、来シーズンに備えたチームの合宿に参加して4〜5人の投手と先発投手の座を競い合います。

12月15日月曜日

・政府は韓国の主な4つの河川を整備する事業を進めると発表し、中断していた大運河建設計画の準備作業ではないかという批判の声が上がっています。国土海洋部は15日、大統領府青瓦台で開かれた第3回国家均衡発展委員会で、漢江(ハンガン)、洛東江(ナクドンガン)、榮山江(ヨンサンガン)、錦江(グムガン)の4大河川を2012年までに整備する「4大川整備プロジェクト」の推進を議決したと発表しました。総事業費は14兆ウォンで、このうち、老朽化した堤防の補強や生態系の復元など河川の整備におよそ8兆ウォン、残りの6兆ウォンは中小のダムや農業用貯水池の開発など河川関連事業に使われます。国土海洋部は、来年の上半期に具体的な計画を策定し、最終的な事業費を確定するとしており、このプロジェクトの実施によって被害額が年2兆7000億ウォンに達していた洪水を減らし、年4兆2000億ウォンの修復費用も削減できるとしています。また、建設業で19万人の雇用を生み出すことができ、23兆ウォンの生産誘発効果を上げ、地域経済の活性化につながると見ています。しかし、この計画に対しては、国民の反対が強く、政府が中断すると発表していた大運河建設計画に向けた準備作業ではないかという批判の声も上がっています。

・李明博大統領は14日、国会で来年の予算案が成立したことを受け、今年前倒しして着手できる事業は、年度始めの来年1月まで待たず直ちに取りかかるよう指示しました。李明博大統領はこの日、大統領府青瓦台で、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理をはじめ、青瓦台の鄭正佶(チョン・ジョンギル)大統領室長、企画財政部の姜萬洙(カン・マンス)長官など関係閣僚と、大統領府の首席秘書官が出席した拡大経済対策会議を開き、予算が早期に執行され、国民が政策の効果を少しでも早く実感できるようにするため、このように指示したと青瓦台の李東官(イ・ドングァン)報道官が伝えました。また、李明博大統領は、特に急がれる懸案として貧困層への対策を上げ、「絶対的な貧困層に対しては政府が責任を持つという姿勢で衣食住や教育支援などの非常対策づくりに取り組むべきだ」と述べました。

・政府は16日に発表する報告書で来年の経済成長率の見通しをこれまでの4%から2%台前半に大幅に下方修正します。企画財政部が14日に明らかにしたところによりますと、政府は16日に発表する予定の「2009年経済運用方向」で、来年の経済成長率の見通しを2%台前半に下方修正するということです。これは政府が先月国会に提出した修正予算案に盛り込んでいた経済成長率の見通しの4%を大幅に下げたものです。しかし、この数値は、減税や財政支出拡大などの政策が効果をあげたときに達成できるため、事実上、政府は1%台の成長率を見通していると言えます。また、雇用の増加については5万人にとどまるとの見通しを示していますが、これも景気浮揚策や一定の仕事を多くの人に分け合うワークシェアリングなどが効果をあげることを前提にしています。一方、経常収支については、輸入の減少が輸出の減少を上回り、サービス収支の赤字も減少するため、200億ドルの黒字を記録するものと見ており、物価は原油価格の安定によって3%前後に落ち着くものと見ています。

・15日の韓国株式市場は、ニューヨーク株式市場が値上がりしたことなどから買い注文が広がり、総合株価指数は5%近く上昇して1158.19になりました。韓国株式市場では景気低迷に対する懸念は依然あるものの、先週末ニューヨーク株式市場が値上がりしたことや、アメリカ政府が自動車大手3社の支援策の検討に入ったこと、それに韓国政府が社会間接資本に対する投資の増大など景気浮揚策の実施を発表したことから、株価が30ポイント近く上昇して取引が始まり、外国人投資家や個人投資家などによる買いが広がりました。また、この日は先物価格が急騰したため、取り引きを5分間停止するサイドカーが発動されました。

・アメリカが、韓国に対してアフガニスタンでの治安活動とソマリア海域での海賊掃討を支援する意向があるかどうかを打診してきました。韓国時間の14日、ワシントンで開かれた韓米安保政策構想会議(SPI)で、韓国がアフガニスタンで治安を確保するため、様々な分野で支援する可能性について話し合ったとアメリカ国防総省の関係者が明らかにしました。この関係者によりますと、特に急務となっている治安の確保に向けて、軍隊や警察を訓練する支援が求められており、このほか、復興や開発、資金の支援などについても韓国と話し合ったということです。この関係者は、具体的な要求はまだしていないとしながらも、「韓国がアフガニスタンで行った貢献には感謝するが、まだやることが残っている」と強調しました。また、アメリカは最近力を入れているソマリア海域での海賊掃討に対する韓国の支援、特に軍艦を派遣できるかどうかについても打診してきたということです。アメリカ国防総省の関係者は、「韓国が政治的な決断を下せば、そのために必要な最大限の外交的支援をする」と述べました。

・李明博大統領は15日、去年の大統領選挙の際に自分の全財産を寄付すると国民に約束したことと関連し、近くよい方法が見つかる見通しだと述べました。李明博大統領はこの日行われたラジオでの演説で、「私はソウル市長を務めていた4年間と大統領になってからも、恵まれない人たちのために給料の一部を寄付してきた。約束した財産の寄付も同じ気持ちで準備しており、近くよい方法が見つかると思う」と述べました。また、李明博大統領は、「今私たちに必要なのは関心と勇気だ。どんなに苦しくても決してあきらめたり勇気を失ったりしてはいけない」と述べ、「本当に生活が苦しくて食事にも事欠く人たちを国は責任を持って支援する」と約束しました。さらに李明博大統領は、「今こそ家族の暖かい励ましが必要な時期だ。今の危機が家族の価値を改めて実感できるきっかけになればと思う」と述べました。

・下痢や嘔吐などの症状が出る細菌性赤痢に感染して2人が死亡したことから疾病管理本部は冬でも細菌性赤痢が発生するとして注意を呼びかけています。疾病管理本部によりますと、最近京畿(キョンギ)道坡州(パジュ)市のある老人ホームで高齢者2人が細菌性赤痢にかかって死亡したため、先月下旬、この老人ホームで調査を行ったところ、入居者と職員合わせて9人から細菌性赤痢菌が検出されたということです。また、先月29日には全羅南道霊光(ヨングァン)郡の塩辛を生産する作業場で従業員10人が下痢や嘔吐、腹痛の症状を訴え、保健当局が調査したところ、ノロウィルスと細菌性赤痢菌が検出されました。疾病管理本部は「細菌性赤痢は夏にだけ発生すると思われがちだが、実際には秋と冬にも多く発生している」と説明しています。赤痢の月別の発生比率を見ますと、11月が33.3%、12月14%、4月11.6%、8月10.4%で、発生件数の半数近くは11月と12月に発生していることがわかります。疾病管理本部は「冬も手洗いなどをするとともに飲み水の衛生管理を徹底させる必要がある」と注意を呼びかけています。

・3年前に忠清南道天安(チョンアン)まで延長されていた首都圏電鉄がさらに忠清南道峨山(アサン)まで延長され、15日から、延長区間での運転が始まりました。新たに開通した区間は、これまで単線だった鉄道の長項(チャンハン)線に電化と複線化の増設工事をした、天安市の鳳鳴(ボンミョン)駅から峨山市の新昌(シンチャン)駅までの21.65キロで、総事業費4416億ウォンが投入されました。延長運転の開始により、ソウル駅から温陽温泉駅まで2時間12分、料金は3100ウォンで行くことができるため、温陽や峨山の温泉など観光地へのアクセスが容易になり、忠清南道地域の観光産業の活性化が期待されます。

12月13日土曜日

・韓国の李明博大統領、日本の麻生首相、中国の温家宝首相が一堂に集まった3カ国首脳会談が、13日、福岡県太宰府市の九州国立博物館で開かれ、金融危機がアジア経済に深刻な影響を与えている事態を受けて、大きな経済規模を占める3か国が危機の克服に向けて結束し、相互信頼の原則のもとで関係強化をはかることで一致しました。韓日中3か国の首脳がほかの国際会議の際にではなく、独立した会議を開いたのは、これが初めてです。会談の後、3か国の首脳は共同で記者会見し、3国間の協力が世界経済と金融市場の深刻な課題に立ち向かうために不可欠だという点で認識をともにし、3国がパートナー関係を構築して国際金融危機を含むあらゆる分野で包括的な協力関係を築いていくことで合意したことを明らかにしました。それによりますと、会談で首脳らは、経済、社会、文化面での相互関係をベースに平和と繁栄のための目標と責任を共有することで合意しました。また北京で5か月ぶりに再開された北韓の核問題をめぐる6か国協議で北韓が核申告の検証方法を文書化することを拒否し、協議が決裂したことについて深い遺憾の意を表明するとともに、北韓の非核化の実現に向けて3か国がより緊密に協力することを約束したということです。そして韓日中3か国の首脳会談を年に1回、3か国が持ち回りで開くことにし、来年は中国、再来年は韓国で開催することで合意しました。これに先立って李明博大統領は、日本の麻生首相と福岡のホテルで会談し、韓国と日本の金融当局の間で結んでいる通貨スワップの規模をこれまでの130億ドルから300億ドルに拡大したことを評価するとともに、世界的な金融危機と北韓の核問題の事態打開に向けて、両国がよりいっそう協力を強化することで一致しました。李明博大統領は続いて中国の温家宝首相と会談し、北京で5か月ぶりに再開された6か国協議で、北韓の核施設の検証に進展がなかったことに遺憾の意を表明し、北韓の非核化実現のため緊密な協力関係を維持することで一致しました。李明博大統領は福岡での日程を終えて13日夜ソウルに戻ってきます。

・アメリカ政府は、北韓が核の検証をめぐる米朝合意を守るまでは北韓への重油の支援をしない方針を決めました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は13日の定例会見で、「北韓の核計画申告の検証方法が決まらなければ、今後、北韓へのエネルギー支援は、これ以上の進展はないだろう」と述べ、北韓を除く6カ国協議の関係国も北韓への重油の供給中断を了承したことを明らかにしました。マコーマック報道官はまた、ロシアが提供した重油を積んだタンカーが現在、北韓に向かっているが、これが北韓に送られる最後の重油となるだろうと強調しました。アメリカは、ヒル国務次官補が10月に平壌を訪問した際、核関連物質のサンプル採取について北韓と口頭で合意し、この直後に北韓をテロ支援国家の指定から解除しましたが、北韓は11月になって、「そんな合意はしていない」としてアメリカが要求するサンプル採取を拒否し、検証措置としては現場訪問、文書確認、技術者への面会の3項目に限って容認するという姿勢を崩していません。

・一方、6か国協議の北韓首席代表、金桂冠(キム・ケグァン)外務次官は、13日、北京空港で「重油供給を中断するならば、われわれは核施設の無能力化作業のスピードを調節せざるを得ないと述べました。金桂冠外務次官は、北京で開かれた6か国協議首席代表会合を終えて平壌に帰国するため13日、北京空港に着きました。そして記者団に対して、「われわれは、重油の支援が中断するかしないかには関心がない。しかし中断すれば、われわれは核施設の無能力化作業のスピードを調節することになる」と述べました。

・北京で開かれていた今回の6カ国協議が、サンプル採取などをめぐって意見が合わず決裂したことを受けて、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、13日、声明を出し、「6カ国協議の関係当事国が近い将来、北韓の核施設の無能力化と見返りのエネルギー支援を行う「第2段階の措置」を完璧に履行することを希望する」と述べました。

・韓国人の86%は世界の核兵器をすべてなくすべきだと考えていることが国際的な世論調査会社が行った調査で分かりました。

・与野党の対立で成立が遅れていた2009年度予算案が、13日の国会本会議でようやく可決され、成立しました。国会は、13日、野党民主党議員がボイコットした中で本会議を開き、一般会計と特別会計、合わせて284兆5000億ウォンにのぼる2009年度予算を可決しました。これは政府原案より7000億ウォン増額されています。成立した2009年度予算のうち、国防予算は、今年より7.1%多い28兆5326億ウォンとなりました。しかし民主党が原案維持を要求した南北協力基金は6005億ウォンだったのが、半分の3005億ウォンに削減されました。さらに李明博大統領の選挙公約として進めようとしている大運河建設を見計らった予算ではないかとして民主党が反対した4大河川の整備事業の予算は原案通りに計上されました。また李明博大統領の実の兄の李相得議員の選挙区である浦項市への関連予算は一部削減されたものの去年より95%も増額されました。本会議に先立って行われた予算決算特別委員会は、13日午前6時から最終調整を行いましたが、野党の民主党議員らが雇用の安定と低所得者のための対策をあいまいにしたままで与党ハンナラ党が無理に可決しようとしていると抗議する議事発言をした後、退場しました。このため本会議での表決は、定員299人のうち188人の出席で行われ賛成多数で可決されました。韓国の2009年度予算は新年の1月1日から施行されます。

・盧武鉉前大統領の実の兄が逮捕された農協の証券会社買収疑惑事件で、大検察庁中央捜査部は、12日、盧武鉉前大統領の後援者の実業家を脱税などの容疑で逮捕しました。逮捕されたのは、盧武鉉前大統領の後援者で実業家の朴淵次(パク・ヨンチャ)容疑者(63歳)です。朴淵次容疑者は香港の海外法人を利用して総合所得税を脱税した他、他人名義の口座を使って株を売買して脱税するなど、合わせて290億ウォンを脱税した疑い、さらに農協の子会社だった証券会社を安く買収するため当時の農協中央会会長に賄ろ20億ウォンを渡した疑いが持たれています。検察はさらに朴容疑者がインサイダー取引で不当な利益を得ていた疑いをはじめ、数百億ウォンにのぼる秘密資金を作り、これをどこかに渡していた疑いなどについて詳しく調べることにしています。この事件では、今月5日、盧武鉉前大統領の実兄、盧健平(ノ・ゴンピョン)容疑者があっせん収賄の疑いで逮捕されています。

・ソウル近郊で、地下の線路に転落した60代の女性を男子高校生が飛び降りて救助し話題となっています。12日午後6時頃、京畿道城南市のコレイル盆唐線の地下になっているソヒョン駅で、60代の女性が近づいてきた電車に乗ろうとしてベンチから立ち上がった瞬間にめまいを起こしてホームから線路に落ちました。これを目撃した高校2年生のパク・ジョンイン君が、ホームの赤い非常ベルを押した後、線路に飛び下りました。そして、この女性を線路横の排水路にひきずって避難させ、電車が急停車したのを確認してから、ホームにいた乗客たちの助けを借りて2人ともホームに上がりました。60代の女性は転落した際、右腕と足を骨折し、病院で治療を受けています。駅の関係者は、「電車が入りますという案内放送が流れた後に起きた事故だっただけに、パク君の冷静な判断で大きな事故を防ぐことができた」と感謝していました。コレイル=韓国鉄道公社は、パク君に感謝状を贈ることにしています。

・フィギュアスケート・グランプリシリーズの上位選手6人によるファイナルで、韓国の金妍兒(キム・ヨナ)選手(18)は3連覇を達成できず、2位に止まりました。 金妍兒選手は、13日、ソウル近郊の京畿道高陽市で行われた女子シングルフリーで、ライバルの日本の浅田真央選手に2.76点満たない120.41点を獲得しました。金妍兒選手はこれに先立って行われたショートプログラムでは、65.94点を獲得し、浅田選手に0.56点差で1位につけていました。しかしショートとフリーを合わせた合計点数は186.35と、188.55の浅田選手に2.2点差で敗れ、去年とおととしに続く金メダル獲得には至りませんでした。

12月12日金曜日

・アメリカ上院で大手自動車メーカーの支援法案をめぐる共和党と民主党の協議が決裂したことを受けて、韓国の株価は12日、大きく下落しました。12日の韓国株式市場の総合株価指数は、アメリカで失業保険の申請件数が市場の予想を上回って、雇用情勢の悪化が改めて示され、ダウ指数が下落したこともあって、前の日に比べて25.77ポイント下落した1128.66で取り引きが始まり、その後も下げ幅が拡がりました。この日は個人投資家が買いに回りましたが、機関投資家と外国人投資家はそれぞれ2000億ウォン以上を売り越しました。午後になってアメリカの大手自動車メーカーの支援法案をめぐる上院の共和党と民主党の協議が決裂したニュースが伝わると、下げ幅がさらに拡がって1100を割り、取り引きを5分間停止するサイドカーが発動されました。結局、総合株価指数は前の日に比べて50.61ポイント下落した1103.82で取り引きを終えました。

・韓国の12月の株価上昇率が世界で最も高くなっていることが分かりました。証券大手の三星証券がこのほどまとめた資料によりますと、12月に入って韓国の株価は15.7%上昇し、各国に比べて最も高い上昇率となりました。2位はインドで12%、3位は中国で10%、そして、シンガポール、日本、ブラジルの順でした。これは各国の通貨価値をドルに換算して計算したもので、三星証券によりますと、韓国の場合、総合株価指数が6.5%上昇したのに加えて、12月に入ってからドルに対するウォンの相場が上昇し、株価の上昇率も高くなったということです。

・韓国銀行は12日、日本銀行との間で、緊急時に外貨を融通し合う通貨スワップ協定の上減額を現在の130億ドルから2倍以上に引き上げ、300億ドルにすることで正式に合意しました。韓国銀行の関係者によりますと、300億ドルのうち200億ドルは韓国が必要なときにいつでも借りることができるので、金融不安を解消するのに大きく役立つとしています。さらに、韓国銀行は中国人民銀行との間で1800億元、およそ38兆ウォンの通貨スワップ協定を締結しました。1800億元はドルに換算しますとおよそ260億ドルです。韓国銀行と中国人民銀行は、すでに40億ドルを限度とする通貨スワップ協定を締結しており、全体としては300億ドルを融通し合うことができるようになりました。

・韓国の来年の経済成長率は2%に落ち込むという見通しが出されました。韓国銀行は12日、来年の経済成長率の見通しを発表し、上半期は0.6%、下半期は3.3%で、年間では2%になるだろうとしました。経済成長率が2%台以下に落ち込んだのは、第2次オイルショックに見舞われた1980年の−1.5%、通貨危機に見舞われた翌年の1998年の−6.9%の2回だけです。また、韓国銀行は、来年の新規雇用は今年の14万人の3分の1に過ぎない4万人程度に減り、失業率は今年の3.2%から3.4%に高くなると予想しました。来年の経済成長率については、民間シンクタンクは2〜3%と予想しており、中にはマイナス成長になるだろうという予想も出ています。

・北京で開かれていた6か国協議で北韓が核施設でのサンプル採取を文書化することを拒否したため、アメリカが北韓に対するエネルギー支援などの政策を見直す可能性が出ています。6か国協議が進展しないまま閉会したことを受けて、アメリカのペリノ大統領報道官は11日、記者会見し、北韓に行動対行動の原則に基づいて見返りを提供することについて、「北韓は他の参加国が合意した核計画の検証方法を文書化する案を拒否し、事態を後退させた。北韓に対するエネルギー支援などを見直す必要がある」と述べ、重油の提供を中止する可能性を示唆しました。一方、国務省のマコーマック報道官もこの日、記者会見し、「北韓を除く他の参加国が義務を果たすことはないだろう」と述べ、核施設を無能力化する見返りとして北韓に提供することになっている経済・エネルギー支援が中止される可能性を示唆しました。

・北韓の金正日国防委員長を治療したと伝えられているパリのサンタンヌ病院の神経外科部長、フランソワグザビエ・ルー氏は11日付のフィガロ紙で、10月に平壌を訪問したことを認め、「金正日国防委員長は脳卒中を患ったが、手術は行わなかった。病状は回復している」と語りました。また、北韓が公表している金正日国防委員長の最近の写真について、「写真は本物で、金正日国防委員長が依然として北韓を統治しているものと見られる」という見方を示しました。ルー氏が、平壌訪問を認め、金正日国防委員長の健康状態について明かしたのは、今回が初めてです。

・ソウル市は独り暮らしの高齢者のための「安心携帯電話サービス」をスタートさせました。ソウル市はこれまで独り暮らしの低所得層の高齢者を対象に、電話で健康状態をチェックするなど、安否を確認するサービスをしてきましたが、「安心携帯電話サービス」は、画像通話ができる携帯電話を使い、高齢者の顔を見ながら健康状態などをチェックするサービスです。ソウル市は今月中に画像通話ができる携帯電話250個を独り暮らしの高齢者に支給し、来年には2500個を支給する予定です。この携帯電話には緊急時にボタン一つで救急センターにつながる「緊急ボタン」もついています。

・ソウルのヒルトンホテルにあるレストランが、ドイツのレストランガイドブック「ミーレガイド」に掲載されました。「ミーレガイド」はアジア各国のあらゆるジャンルのレストランを紹介しており、このほど、2000を超えるアジアのレストランを審査し、13カ国の320のレストランを選んで紹介しました。このうち韓国では、ソウルにあるヒルトンホテルのチャイニーズレストラン「タイパン」とフレンチレストラン「シーズンス」、イタリアンレストラン「アルフォンテ」、和食レストラン「源氏」が選ばれました。それぞれのレストランは料理の美味しさだけでなく、美しい庭園や親切なサービスが高く評価されました。

12月11日木曜日

・韓国銀行は11日に金融通貨委員会を開き、政策金利を現行の4.00%から1.00ポイント引き下げて3.00%にすることを決めました。韓国銀行は、10月9日に政策金利を5.25%から5.00%に引き下げ、10月28日にはさらに4.25%に引き下げ、先月7日には4.00%まで引き下げるなど、相次いで金利を引き下げています。政策金利3.00%は、韓国銀行が通貨政策の基準を通貨量から政策金利に変更した1999年以降、最も低い水準です。韓国銀行は、今回の利下げについて、最近の金融不安を解消するとともに、景気の急速な悪化を防ぐのが目的だとしています。

・韓国と日本は緊急時に外貨を融通し合う通貨スワップ協定の上減額を2倍以上に引き上げることで事実上合意しました。韓国と日本は、すでに130億ドルの限度内で緊急時に外貨を融通し合う通貨スワップ協定を締結していますが、上限額を300億ドルに引き上げることで原則的に合意し、最終的な調整を進めています。こうした内容は今月13日に福岡で開かれる韓中日3カ国の首脳会談で、正式に合意する見通しで、日本は中国との間で締結している通貨スワップ協定の上限額も引き上げる見通しです。

・アメリカ発の金融危機がアジアにも影響を及ぼしている中で、東アジア地域の経済安定を図るために韓国と中国、日本の3カ国は、中央銀行総裁による会議を定期的に開くことを決めました。韓中日3カ国の中央銀行の総裁は今後、毎年1回ずつ定期的に会議を開き、東アジア地域の経済安定と中央銀行間の協力について話し合うことになります。韓中日3カ国は、先月ワシントンで開かれた金融サミットで財務相会議を開き、3カ国が地域の経済と金融の安定のために協力を強化していくことで合意するなど、連携を強化しています。

・最高裁判所に当たる大法院は、今年4月の国会議員選挙で選挙区から当選した無所属の李茂永(イ・ムヨン)議員と全国区比例代表で当選した創造韓国党の李漢正(イ・ハンジョン)議員に対して、公職選挙法違反などの罪で当選無効に相当する判決を言い渡し、2人は議員職を失いました。このうち、無所属の李茂永議員は選挙運動の中で、対立候補に関する虚偽の事実を公表したとして公職選挙法違反の罪で起訴されて、2審で罰金300万ウォンの判決を受け、大法院がこの判決を確定しました。公職選挙法では、当選者が懲役または100万ウォン以上の罰金を課せられた場合、当選が無効になります。一方、創造韓国党全国区の李漢正議員は、経歴を偽った公職選挙法違反の罪で2審で懲役2年6カ月の刑を言い渡され、大法院で審理が続けられていましたが、これとは別に創造韓国党が、李漢正議員が全国区の比例代表に登録する際に前科を隠すなどしたとして当選無効の確認を求める訴訟を起こし、この日、最高裁判所は創造韓国党の主張を受け入れて、当選無効を確認する判決を言い渡しました。大法院の判決が確定して議員職を失ったのは、第18代国会議員ではこの2人が初めてです。第18代国会議員では34人が公職選挙法違反などで起訴されていますが、このうち12人は1審や2審で当選無効に相当する刑を言い渡されており、今後、議員職を失う人はさらに増える見通しです。

・アメリカ発の金融危機が実体経済に波及する中で、雇用事情が悪化し、先月の就業者の増加数が5年ぶりに最も低い水準となりました。統計庁が10日発表した「11月の雇用動向」によりますと、11月の就業者数は1年前に比べて7万9000人の増加にとどまり、5年ぶりに最も低い水準でした。就業者の増加数は2カ月連続で10万人を下回っています。中でも20代と30代の就業者数は26万5000人あまり減って、若年層の就職難が続いています。

・ソウル市は都心に残っている韓屋と呼ばれる伝統家屋の密集地域を整備するため、伝統家屋を新築または改築する際に最高1億ウォンを補助金として支給することにしました。ソウル市の呉世勲(オ・セフン)市長は10日、伝統家屋が数多く残っている鐘路区桂洞にある北村文化センターで「伝統家屋保存宣言文」を発表し、「ソウル市内の伝統家屋密集地域を美しい住宅地として整備し、伝統文化が香る街を作って行く」と述べました。ソウル市はそのために、今後10年間、3700億ウォンを投じて、都心部に残っている伝統家屋3100棟を含む、合わせて4250棟の伝統家屋について新築または改築する際、1棟に最高1億ウォンを補助金として支給する一方、朝鮮王朝時代の城郭が残っている地域に新しく250棟あまりの伝統家屋を建てることにしています。

・フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルが12日からソウル近郊の高陽市で始まり、韓国のキム・ヨナ選手と日本の浅田真央選手が今シーズン初めて直接対決します。開幕を控えた10日は、出場する選手たちが公式練習を行いました。キム・ヨナ選手は、正確なジャンプを次々と成功させ、記者団に「コンディションもよいので、試合ではベストを尽くしたい」と語りました。一方、浅田真央選手は霧のため飛行機の到着が遅れ、会場には遅れて到着しましたが、ステップや振り付けを重点的にチェックしていました。

・来年の札幌雪祭りに韓国の国宝「崇禮門」、通称「南大門」の雪像が登場することになりました。韓日文化交流会が9日発表したところによりますと、来年の2月5日から11日まで開かれる札幌雪祭りに韓国の国宝第1号の「崇禮門」の雪像を作ることにしたということです。最終日の11日には札幌市民会館で、韓国ドラマ「天国への階段」や「チェオクの剣」のサントラで人気がある歌手のキム・ボムスさん、SGワナビ出身のチェ・ドンハさん、ドラマ「美しい日々」の主題歌を歌ったゼロさんなどによる「韓流バラードフェスティバル」が開かれます。

12月10日水曜日

・通常国会の会期が9日で終わりましたが、与野党が対立して、来年の予算案などを成立させることができず、国民の間から非効率的な結果に終わったと非難する声が出ています。予算案は、憲法で12月2日までに成立させることが定められていますが、およそ283兆8000億ウォンに上る来年の予算案をめぐって、与党ハンナラ党が経済危機を克服するには赤字財政は避けられないとしているのに対して、第1野党の民主党は、赤字財政は経済の体質を根本的に弱くするとして反対し、結局、憲法が定めた期限だけでなく、通常国会の会期内にも成立させることができませんでした。また、予算案のほかに提出されていた2800件あまりの法案のうち、成立したのは173件でした。このため10日から来月8日までの日程で臨時国会が開かれ、予算案などの審議が行われます。ハンナラ党は12日までに予算案と減税法案を一括して成立させる方針ですが、予算案のほか、韓米FTA批准や新聞・放送に関する規制緩和、大企業の系列会社への出資総額制限の廃止など、各種の法案で野党の反発が強く、引き続き与野党の対立は避けられない見通しです。

・政府が進めている4大河川整備計画に対して、野党は李明博大統領が選挙公約に掲げたものの取り止めとなった大運河建設計画を再び進めるための準備作業だとして強く反発しています。政府と与党ハンナラ党は、4大河川の整備計画は大運河建設計画と関係はなく、水質改善や水不足解消のための総合的な整備事業だとしていますが、野党の民主党と自由先進党は、政府が、世論の反対を受けて放棄した韓半島大運河の建設計画を再び推進しようとしているとして反発し、関連予算の削減を求めています。このため9日に開かれた国会の予算決算特別委員会は与野党が対立して、結論を出すことができませんでした。これについて民主党の金裕貞(キム・ユジョン)報道官は9日、論評を発表し、「政府は『4大河川整備事業』という表現を使っているが、これは誰が見ても大運河建設計画を再び進めるための事前準備ということは明らかだ」として、「関連予算を削減するまで来年の予算案には同意できない」としました。

・国際的な学力調査で、韓国の中学生は数学と理科の学力が高い水準にあることが分かりました。この学力調査はオランダに本部がある国際教育到達度評価学会が4年に一度、数学と理科について行っているもので、50の国と地域が対象になった去年の調査結果がこのほど発表されました。それによりますと、韓国の中学2年生は数学の学力が世界で2位で、理科の学力は4位でした。数学の1位は台湾でしたが、韓国との差はわずか1点でした。前回2003年の調査と比べますと、韓国の中学生の成績は、数学が横ばいで、理科は1ランク下がりました。

・北韓の開城工業団地に進出している韓国の企業で働いていた北韓の女性勤労者が、北韓を脱出して第3国にとどまっていることが分かりました。脱北者をサポートしている民間団体の脱北難民人権協議会のキム・ヨンファ会長が10日明らかにしたところによりますと、この女性勤労者は27歳で、9月に北韓を脱出して、第3国にとどまっており、これまで電話を4回かけてきて、韓国に行きたいという意思を伝えたということです。キム・ヨンファ会長によりますと、この女性は、交際していた男性との結婚を北韓当局が許可しなかったため、脱出を決心したということです。キム・ヨンファ会長は、結婚するのに当局の許可が必要なのは明らかに人権侵害だと批判するとともに、韓国の企業は開城工業団地に勤務している労働者に賃金として、1人当たり月平均60ドルを支払っているが、北韓当局はこのうち2ドル程度しか労働者に支給しておらず、事実上、賃金の搾取が行われていると指摘しました。

・ウォン安円高が続き、最近は100円が1600ウォン近くまでウォン相場が下落しているため、韓国を訪れる日本人観光客が大幅に増えています。法務部の仁川国際空港出入国管理事務所が10日発表したところによりますと、11月に仁川国際空港と金浦国際空港、それに釜山の金海国際空港から入国した日本人は22万8000人あまりで、去年の同じ期間よりおよそ15%増えました。韓国を訪れる日本人の70%は羽田空港と結ぶ便がある金浦空港と金海空港を利用して入国し、残りは仁川国際空港から入国しているということです。

・低価格航空会社の済州航空が、日本の関西空港と北九州空港に向けた路線の開設免許を取得しました。済州航空は来年3月20日から仁川国際空港と関西国際空港の間を毎日1往復し、仁川と北九州を結ぶ路線では週3往復運航する予定です。済州航空の関西と北九州路線の運賃は、既存の航空会社の75%程度になる見通しです。

・景気の落ち込みで全体的に消費が減っていますが、米と焼酎の販売はかえって増えています。ソウルのある大型スーパーマーケットの場合、9月以降、米の販売が去年の同じ時期に比べて8.5%増えました。スーパーの関係者は、景気がよくないので、外食を控え、家で食事をする人が多くなったためと見ています。また、酒類の販売にも変化が起きています。去年はワインの販売が30%程度伸びましたが、今年はワインの伸び率が7%程度にとどまり、一方で去年は伸び率がマイナスだった焼酎の販売が、値段が比較的安いことから5%も伸びました。流通業界によりますと、アメリカ発の金融危機が実体経済に影響を及ぼし、消費心理が萎縮しているので、必ず必要なもの、比較的値段が安いものを買い求める、消費者のこうした傾向は当分続くものと見ています。

・Jリーグのガンバ大阪が、Kリーグの全北現代に対して、゙宰榛(チョ・ジェジン)選手の移籍を打診してきたことが分かりました。全北現代の関係者が9日明らかにしたところによりますと、ガンバ大阪が最近、゙宰榛選手の移籍を打診してきたということで、全北現代としては、ガンバ大阪が適切な移籍料を支払い、本人が希望すれば、移籍に応じる方針だということです。

12月9日火曜日

・北京で8日から始まった北韓の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合で、韓国と日本、アメリカは、核計画の検証方法の文書化と北韓へのエネルギー支援を連係させるべきだ」と主張し、北韓がこれに反発するものと見られるため、協議は難航することが予想されます。韓国首席代表の金塾(キム・スク)外交通商部韓半島平和交渉本部長は、初日の会合を終えた後、「北韓の核計画の検証議定書の採択と北韓に対するエネルギー支援が、同時に進められない限り、問題がほんとうに解決したとは言えない」と述べ、検証議定書の採択と北韓へのエネルギー支援を連係させるべきとの考えを示しました。これは、北韓が核施設でのサンプル採取の文書化など、核計画の検証方法に合意しなければ、北韓に対するエネルギー支援が行われないことを示唆しています。これについて、政府関係者は、アメリカと日本もこうした韓国側の意見に同意していると説明しましたが、これに対する北韓側の反応については触れませんでした。6か国協議の参加国は、9日は午前中から検証問題に的を絞って集中的に話し合い、議長国の中国が各国の意見をまとめて検証方法に関する文書の草案を作成し、提示する予定です。

・6か国協議の首席代表会合で、北韓は、非核化に向けた第2段階の措置をめぐる去年10月の合意に基づいて各国が同時に行動する原則を強調したと、在日本朝鮮人総連合会の機関紙「朝鮮新報」が9日、北京発で伝えました。それによりますと、首席代表会合で、北韓の金桂冠(キム・ケグァン)外務次官は、「今回の会合は、北韓の核施設を無能力化する見返りとして残り5か国が北韓にエネルギーを支援するとした去年10月の合意に基づいた各国の履行を最終的に点検する場である」と強調したということです。

・6か国協議の首席代表会合は、重苦しい雰囲気に包まれました。これまでは開幕式が行われ、各国の代表が握手をしたり記念写真を撮ったりしていましたが、今回は一変して、議長を務める中国の武大偉外務次官が簡単な挨拶をしただけで、協議が始まりました。このように開幕式を行わずに協議に入ったのは異例のことで、各国の代表団の表情も暗く、6か国協議の今後の見通しは明るいとは言えない状況です。

・アメリカ政府は、国防総省が毎年発表している年次報告書で初めて北韓を核保有国と明記し、波紋を呼んでいます。アメリカ国防総省傘下の統合戦力軍(USJFCOM)が先月発行した報告書は、アメリカが直面している脅威を地域別に分析し、その中で北韓を核保有国に分類しています。報告書では、太平洋とインド洋地域について「アジア大陸沿岸にはすでに5つの核保有国がある」とし、中国とインド、パキスタン、北韓、ロシアをあげています。さらに報告書では、韓国と日本、台湾を早期に核保有国になり得る能力を備えた国に分類しました。アメリカ政府が報告書で北韓を核保有国と明記したのは今回が初めてで、アメリカ政府は北韓が2006年10月に核実験を実施して以来、これまで一貫して北韓を核保有国と認めないとの立場を示してきました。アメリカが北韓を核保有国と認めれば、アメリカの核政策のほか、外交政策、国防政策、韓半島政策などに大きな変化が起きることは避けられないため、波紋を呼んでいます。これに関連して、外交通商部の文太暎(ムン・テヨン)報道官は、「アメリカ政府に事実確認を求めたところ、アメリカ政府から北韓を核保有国と明記したのは誤りで、すぐに関連の文言を削除するか修正するなど、適切な措置をとると連絡が来た」と述べました。

・アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴで8日、アメリカ海兵隊のF-18戦闘機が住宅地に墜落し、住宅3棟が炎上して中にいた韓国人の家族3人が死亡し、1人が行方不明になりました。連邦航空局(FAA)の発表によりますと、現地時間の8日、訓練飛行を終えたF-18戦闘機が航空基地に帰る途中、基地からおよそ3キロ離れたサンディエゴの住宅地に墜落して爆発し、韓国人のユン・ドンユンさん(37)の住宅など3棟が炎上しました。この事故で、ユン・ドンユンさんの妻のイ・ヨンミさん(36)と、1歳と生後1か月のこども2人の3人が死亡し、1人が行方不明になりました。行方不明になったのは出産したばかりのイ・ヨンミさんの世話をするために韓国から来ていた母親とみられています。墜落した戦闘機を操縦していたパイロットは、墜落前にパラシュートで脱出し、無事でした。事故があった地域は、サンディエゴのコリアタウンから車で10分ほど離れたところで、名門の学校が集まっているため韓国人が最も好む住宅地だということです。

・アメリカのオバマ次期大統領の陣営が韓米FTA=自由貿易協定の本文は修正しないと、韓国側に伝えていたことが分かったと韓国の国民日報が9日報じました。それによりますと、政府・与党の関係者は「韓国の政府高官がオバマ次期大統領陣営の通商政策担当者と接触を続けた結果、韓米FTAの本文をめぐって再交渉するつもりはないという意思を確認した」と述べたということです。ただ、韓国とアメリカの間で貿易不均衡が生じている自動車の問題については、「どのように解決すべきかという具体的な計画はまだない」と述べたということです。政府と与党ハンナラ党は、オバマ次期大統領陣営の意思が確認できたことで、来週中にFTAを補う対策を発表し、臨時国会の会期内にFTA批准同意案と批准に伴う24の法案を可決する方針です。

・金融危機と景気低迷が続く中、今年の国民所得や経常収支などの経済指標が10年前の通貨危機以来、最悪となる見通しです。三星経済研究所は、急激なウォン安などによって、今年の1人当たりの国民所得は1万8300ドルで、去年の2万45ドルから8.7%減少すると予測しています。経常収支も90億ドル前後の赤字を記録すると見られ、通貨危機に見舞われた10年前の1997年に82億9000万ドルの赤字となって以来、11年ぶりに赤字に転じる見通しです。また、消費者物価の上昇率はおよそ4.8%に達するものと見られ、ここ10年で最大の上げ幅を記録する見通しです。一方、IMF=国際通貨基金のロール韓国担当課長は9日、韓国経済は来年の第1四半期に完全に底をつき、半ばから緩やかに回復するとの見通しを示しました。

・李明博大統領が全財産を寄付すると約束してから1年になり、野党から約束を守るよう求める声が高まっています。李明博大統領は、大統領選挙の投票日まで10日を残した去年の12月7日、「私たち夫婦が住む家1軒だけを残して、全財産を社会に寄付する」と発表しました。しかし、1年が過ぎてもまだ寄付に向けた動きは見られず、野党は国民との約束を守るべきだと主張しています。最大野党の民主党は、李明博大統領の全財産を寄付するという発言は、李明博大統領が株価操作事件に関与したのではないかという疑惑が持ち上がっていた時期に国民に信頼感を与えるために行われただけに、寄付をいつ、どのような形でするのかはっきりさせるべきだと主張しています。これを受けて、大統領府青瓦台の関係者は8日記者団に対して、「財産を寄付する約束は守るつもりだが、もう少し待っていただきたい。寄付がより多くの人の力になり、寄付をする文化の定着に貢献できるような方法を探しているところで、近くいい方法を見つけて発表する」と述べました。

・発がん物質のダイオキシンが検出されたアイルランド産の豚肉製品が韓国にも輸入されていたことが分かり、政府が販売中止を指示するなど対策を進めています。農林水産食品部が8日明らかにしたところによりますと、今年輸入されたアイルランド産の豚肉製品は合わせて335トンで、このうち、アイルランド政府が回収の対象とした9月1日以降に生産されたのは、頸骨や内蔵など90トンです。このうちおよそ半分は、ジャガイモと豚の骨肉の鍋料理、カムジャタンなどの材料としてすでに市場に流通し、残りは倉庫に保管されているということです。これを受けて農林水産食品部は8日、アイルランド産の豚肉と加工品に対する検疫を暫定的に中断し、各市と道に対してアイルランド産の豚肉と加工品の販売中止を指示しました。また、検疫院は、すでに検疫を通過した豚肉や加工品の出荷を保留し、流通経路の確認を急いでいます。ダイオキシンは、がんを引き起こし、免疫機能を低下させる発がん物質とされており、今月6日、アイルランド政府は自国の豚肉から安全基準値の最高200倍に達するダイオキシンが検出されたため、全量回収を進めています。

12月8日月曜日

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の首席代表会合が、韓国時間の8日午後4時から北京で再開されます。5ヵ月ぶりに再会された6カ国協議の首席代表会合では、北韓が6月に提出した核計画の申告内容を検証する具体的な方法について合意し、文書化できるかどうかが焦点となっています。また、今回の会合では、北韓の核施設の無能力化作業や無能力化の見返りとして北韓に提供するエネルギー支援のスケジュールのほか、核の放棄を盛り込む「第3段階の措置」に進むための議論を行い、「北東アジアの平和安保体制」についても意見を交わすことになっています。さらに、南北関係についても話し合われるものと見られ、最近、北韓による陸路での軍事境界線の通行制限などで冷え切っている南北関係が転機を迎える可能性についても関心が高まっています。しかし、核計画の検証で焦点となっている「核施設でのサンプル採取」を文書化することについて北韓が拒否しているため、協議は難航が予想されます。

・韓国、日本、中国の3か国は、13日に福岡県太宰府市で開かれる3か国の首脳会談で、国際社会の課題や地域の安定に協力して取り組むことを確認する基本文書のほか、金融危機への対応に関する文書と防災分野での協力に関する声明の3つの文書をまとめる見通しだと8日NHKが報じました。それによりますと、韓国の李明博大統領と日本の麻生首相、中国の温家宝首相は、福岡県太宰府市の九州国立博物館で3か国の首脳会談を行い、世界的な金融危機への対応や北韓の核問題などをめぐって意見を交わし、3か国が国際社会の課題や地域の安定に協力して取り組むことを確認する基本文書を採択するということです。また、アジア経済で中心的な役割を担っている3か国が世界的な金融危機の解決に向けて協力することを表明する文書と、年に1回、3か国の防災担当の閣僚による会議を開くなど、防災分野での協力に関する声明も採択される見通しです。韓日中3か国首脳会談は今回で9回目になりますが、国際会議の機会を利用してではなく、単独に開催されるのは初めてです。今回の首脳会談は、バンコクで開かれる予定だった東アジアサミットが開催国タイの政治混乱で延期になったため、その重要性が増しています。

・8日の韓国株式市場は、機関投資家や外国人投資家による買い注文が広がって、株価が7%以上上昇し、総合株価指数は1105.05となりました。この日の株式市場は、小幅な上昇で取引が始まりましたが、午後になって外国人投資家などの買い注文が膨らみ、上げ幅が拡大しました。総合株価指数は、先週の月曜日から木曜日まで4日連続で下げて70ポイント下落していましたが、金曜日の5日におよそ21ポイント上昇したのに続いて、8日におよそ77ポイント上昇したため、2営業日で100ポイント近く回復しました。一方、ドルに対するウォンの相場も先週の金曜日に続いて上がりました。8日のソウル外国為替市場では、先週の金曜日の終り値より27ウォン以上ウォン高の1ドル1448ウォン30銭で取引を終えました

・世界の主な投資銀行は韓国の来年の経済成長率を平均で1.2%になると見通していることが分かりました。企画財政部と国際金融センターが8日明らかにしたところによりますと、先月末現在、アメリカのゴールドマンサックスやJPモルガン、メリルリンチ、イギリスのスタンダードチャータードなど世界の7つの主な投資銀行が見通した韓国の来年の経済成長率は、平均1.2%だということです。このうち、JPモルガンとメリルリンチが1.5%、スタンダードチャータードが1.4%の見通しを示し、スイスのUBSはマイナス3%という見通しを示しました。主な投資銀行は韓国の来年の経済成長率の見通しを、9月末の平均4.3%から10月末には3.0%に下方修正していましたが、今回さらに下方修正したことになり、ここ2ヵ月で3.1%ポイントも下がりました。こうした中、9日に中央銀行の韓国銀行が来年の経済成長率の見通しを発表することにしており、関心が集まっています。一方、政府も今月末か来年初めにまとめる「2009年経済運用方向」の中で、来年の成長率見通しをこれまでの4%前後から3%に下方修正するものと見られます。

・政府は300余りの公営企業に対し、従業員のリストラ計画を盛り込んだ経営効率化計画を9日までに提出するよう指示しました。知識経済部などが7日に明らかにしたところによりますと、政府は、公営企業が11月に提出した経営効率化計画の内容が不十分だと判断し、9日までにより徹底した従業員のリストラ計画を盛り込んで改めて提出するよう指示したということです。このように政府が徹底したリストラ計画を求めていることから、公営企業の間では大規模な人員削減を懸念する声が高まっています。このうち、韓国電力はすでに2011年までに従業員のおよそ10%に当たる2千人余りを削減することにしており、鉄道施設公団と農村公社も従業員の削減を決めています。このようにして305の公営企業が平均10%ずつ従業員を削減すると、合わせて2万6000人が職場を失うことになり、公営企業の従業員たちは不安を隠せずにいます。

・プロサッカーKリーグのチャンピオンに水原サムスンが4年ぶりに輝きました。車範根(チャ・ボムグン)監督率いる水原は7日、水原ワールドカップ競技場で行われたチャンピオン決定戦の2回戦で、FCソウルと対戦しました。この試合、水原は、前半11分にエドゥ選手が先制のゴールを決めましたが、前半25分にFCソウルのチョン・ジョグク選手のゴールで同点に追いつかれました。しかし、水原は、前半36分にソン・ジョングク選手がゴールを決め、これが決勝点となってFCソウルを2-1で下しました。これによって、3日の1回戦で引き分けていた水原は、1勝1引き分けで、2004年以来4年ぶり、4回目の優勝を飾りました。

・円に対するウォンの相場が100円=1600ウォンに迫るなど、急激な円高ウォン安で日本からの観光客が急増している中、忘年会をするために韓国を訪れる日本人が急激に増えています。忘年会目当ての日本人観光客は、韓国で様々な形の忘年会を行っており、30代未満の若い層は夜から次の日の朝までクラブで楽しんだり、ホテルの部屋でパーティーを開いたりしており、40代以上の中高年層は、飲食店やマッサージの店などで忘年会を楽しんでいるということです。ソウル市の繁華街江南地区のある飲食店の支配人は、「12月末になると日本人の客がもっと増えると思われるので、それに備えて日本語の広告チラシを作ったり、従業員に基礎的な日本語を教えたりする予定です」と話しています。一方、円高ウォン安による買い物目当ての日本人観光客も増えており、韓国文化観光研究院のキム・ドクギ室長は、「今年の日本人観光客を特徴付けるキーワードはV買い物VとV忘年会V」だとしています。

12月6日土曜日

・北韓の核開発問題をめぐる6カ国協議を前に行われたアメリカと北韓の事前協議は、焦点となっていた核施設でのサンプル採取を文書化する問題で合意できず、来週開かれる予定の6カ国協議では、さらに厳しい論議が交わされそうです。北韓の核問題をめぐる6カ国協議のアメリカ代表のヒル国務次官補と、北韓代表の金桂冠外務次官は、5日までの2日間、シンガポールで、核計画の検証方法と、核施設の無能力化の見返りとしての北韓へのエネルギー支援などについて意見を交わしました。会談の後、北韓の金桂冠外務次官は、核施設でのサンプル採取について、「今後、さらに議論しなければならない」と述べました。またアメリカのヒル国務次官補も、「サンプル採取を文書化する方法については、両国の間で意見の隔たりがあった」として、合意に至らなかったことを明らかにし、来週開かれる予定の6カ国協議では、さらに厳しい論議が交わされそうです。一方、 ヒル国務次官補は6日、韓国を訪問して、今回の米朝協議の結果を韓国側の関係者に説明して、来週8日から北京で開かれる予定の6カ国協議に臨む予定です。

・一定以上の不動産を所有している人から徴収する総合不動産税や所得税などを見直す減税法案が、5日、国会の常任委員会で可決され、本会議に送られました。国会の企画財政委員会で、5日、与野党が可決した減税法案は、与野党の間で厳しく対立していた総合不動産税について、与党が課税基準を当初の9億ウォン以上から現在と同じ6億ウォン以上に修正し、現在は1%から3%になっていた税率を、0.5%から2%に引き下げることにしています。また所得税法案は、所得別に、来年から課税基準を2ポイントずつ引き下げることにしていますが、年収8800万ウォン以上の高所得者については、再来年から施行することにしています。さらに相続、贈与税の引き下げは先送りしますが、中小企業の後継者に対しては100億ウォンまでを控除することにしています。今回の減税見直し法案が本会議で可決されれば、いわゆる富裕層に対する減税の幅が、当初の4兆ウォンから1兆6000億ウォンに減る代わり、零細業者のクレジットカードの控除限度を拡大し、一部の育児用品に対する付加価値税の免除などによって、2兆2000億ウォン程度が減税されます。

・ウォン安円高が進み、経済界では、対日貿易赤字はさらに深刻化する恐れがあるという見方が出ています。5日、日本の100円に対するウォンの為替レートは、1598ウォン7銭で、1991年に公示が始まって以来、最安値となりました。ウォンに対する円の為替レートは、1年前の去年11月5日と比べますと、円が2倍以上も跳ね上がったことになります。これによって、円建て貸付をした韓国の中小企業の場合、1年前と比べると、貸し出しの元金も2倍に増え、貸出金利が上昇して、二重苦に攻められています、韓国の6つの都市銀行の円建て貸付の残額は、今年3月末から9カ月続けて増え、11月末現在では、1兆403億円に上っています。一方、円高の影響で、韓国製品の輸出競争力は高くなったものの、世界的な景気の悪化で、輸出拡大の効果は少なく、韓国の場合、日本からの原材料や中間材料の輸入が多いため、むしろ対日貿易赤字はさらに深刻化する恐れもあると、経済界では分析しています。

・北からの強い寒気が流れ込んたため、6日、全国的に厳しい寒波に見舞われ、ソウルなどでは水道管が破裂する被害が出ています。気象庁によりますと、6日朝のソウルの最低気温は、氷点下12度4分とこの冬一番の冷え込みとなり、強い風が吹いたため、いわゆる体感気温は氷点下25度ぐらいまで下がりました。この冷え込みで、ソウルでは、アパートの廊下側にとりつけられている水道管のメーターが凍って破裂する事故が相次ぎ、ソウル市水道事業本部によりますと、5日午後5時から6日正午までにあわせて445件の届出があったということです。一方、西海岸沿いの忠清南道や全羅北道、そして済州島では大雪となり、忠清南道の保寧(ポリョン)市は6日午前6時現在、積雪が21.8センチに達しました。このため、西海岸沿いの地域にある小中学校206校が6日は臨時休校しました。この冷え込みは7日午後から徐々に和らぐ見込みだということです

12月5日金曜日

・北韓に向けて韓国人拉致被害者の送還などを求めるビラを飛ばしていた保守の市民団体が、当分の間、ビラを飛ばすことを中断することにしました。保守系市民団体の自由北韓運動連合と拉致被害者家族の会の代表は5日、ハンナラ党本部で朴?太(パク・ヒテ)代表と会った後、声明を出し、「朴?太代表 から、北韓がビラを問題にして、韓国に対する強硬措置を取り続けているので、自粛してほしいと要請された」とした上で、「自由北韓運動連合と拉致被害者家族の会は北韓にビラを飛ばすことを当分の間、中断し、北韓の出方を見守っていくことにした」と発表しました。朴?太代表は市民団体の代表らと会った席で、「北韓はビラ問題を口実に、南北関係が停滞している責任が韓国にあると主張しいるので、より大きな目標のためにビラを飛ばすことを中断してほしい」と要請したと伝えられています。

・政府は、自動車や造船、石油化学など、最近の景気停滞で打撃を受けている業界に対して、減税するなど、支援策を検討しています。大統領府青瓦台の関係者が4日明らかにしたところによりますと、政府は、世界的な金融危機による実体経済への影響を最小限にとどめるために、自動車や造船、石油化学などの業界関係者と協議を進めて、実質的な支援策を検討しているということです。自動車の場合、特別消費税やディーゼル車に課されている環境税を一時的に廃止することや、ハイブリッドカーの研究開発に対する支援などが検討されているということです。青瓦台の関係者は、来年上半期には経済全般の停滞が予想されるとした上で、消費を増やし、雇用を促進するために、打撃を受けている自動車や造船、石油化学などの業界の動向を重点的に点検していると述べました。また、これらの業界を支援する際は、失業者が増えることを避けるために、社員を削減しないなどの条件をつける方向で検討を進めているとしています。

・大検察庁は4日、証券会社の売却に絡んで不正な金を受け取ったとして、盧武鉉前大統領の実兄、盧健平(ノ・ゴンピョン)容疑者(66)を特定経済犯罪加重処罰法違反のあっせん収賄の疑いで逮捕しました。大検察庁の調べによりますと、盧健平容疑者は、2005年から2006年にかけて、農協中央会の当時の会長に、売却説が持ち上がっていた世宗証券を買収するよう要請し、農協中央会が買収すると、世宗証券の大株主だった会社の代表から口利きの謝礼として、29億ウォンあまりを受け取った疑いが持たれています。盧健平容疑者はソウル拘置所に向かう前、記者団に対して容疑の一部を認め、「国民に申し訳ない」と語りました。一方、検察は、盧健平容疑者が事実上の持ち主だとされている建設会社の脱税などの疑いについても捜査する方針です。

・証券会社の売却をめぐって不正な金を受け取ったとして盧武鉉前大統領の実兄、盧健平(ノ・ゴンピョン)容疑者が逮捕されたことから、実業家の朴淵次(パク・ヨンチャ)氏など、この問題で捜査対象になっている盧武鉉前大統領の側近がさらに逮捕される可能性が出ています。盧武鉉前大統領の後援者として知られている泰光実業の朴淵次会長(63)は、これまでの検察の捜査で、▲未公開情報を利用して、この事件の舞台となった世宗証券の株を売買して不当な利益を得たこと、▲他人名義の口座を通じて株を売買して脱税したこと、▲その過程で700億〜800億ウォンの裏金を作ったことなどの疑いが持たれていて、検察が捜査を進めています。朴淵次会長は容疑を一部認めており、来週中にも逮捕されるのではないかという見方が出ています。

・金正日国防委員長の健康が予想していたよりも悪く、アメリカ政府は金正日国防委員長の死亡や失脚を前提にした対策を立てていると、読売新聞が5日付で報じました。読売新聞は、アメリカの情報消息筋の言葉を引用し、金正日国防委員長は今年8月に脳卒中の発作を起こし、その後、中国やフランスの医療陣の治療を受けて、症状が好転したと見られていたが、実際には回復不能な状態にあるか、または死亡する恐れもあり、北韓内部では、軍部と朝鮮労働党幹部、金正日一族による集団指導体制の構築に向けた動きが活発になっていると報じました。アメリカ政府は、金正日国防委員長が、核問題と関連して正確な判断力を維持しているかについて疑問を持っており、近い将来に金正日国防委員長の失脚もあり得るとして、対策を講じているということです。

・世界的な金融危機に伴ってウォン相場が下落したため、外国人が生活するための物価が、ソウルは世界の都市の中で90位と、大きく下がったことが分かりました。ロンドンにあるコンサルティング会社の「ECAインターナショナル」は4日、先月の為替レートを基準にして、世界370の都市で125の消費財とサービスに関する物価を調査した結果を発表しました。それによりますと、過去の調査で10位以内に入っていたソウルは、今回の調査では90位と大幅に下がり、ウォン相場の下落で外国人は生活費を相当節約できるようになっています。外国人が生活する上で一番物価が高い都市はアフリカ南西部のアンゴラ共和国の首都、ルアンダで、2位から5位まではいずれも日本の都市が占め、東京、横浜、名古屋、神戸の順でした。

・第7回大韓民国映画大賞の授賞式が4日、ソウルの世宗文化会館で行われ、ナ・ホンジン監督の「追撃者」が最優秀作品賞をはじめ7つの部門で受賞しました。「追撃者」は、出張マッサージの女性を対象にした連続殺人事件を描いた映画で、最優秀作品賞の他、男優主演賞、新人監督賞、照明賞、脚本・脚色賞、編集賞も受賞しました。「追撃者」は今年2月に封切られ、観客動員500万人を超えるなど、高い人気を得て、6月に行われた大鐘賞映画祭でも、作品賞や監督賞など、六つの部門で受賞しました。

12月4日木曜日

・韓国人の染色体の遺伝子の位置を示した遺伝子地図が初めて完成しました。カチョン医科大学のキム・ソンジン教授は4日、自分自身の遺伝子情報を解読した遺伝子地図を公開しました。これまでに個人の遺伝子地図が公開されたのはアメリカ人2人、中国人1人で、キム・ソンジン教授が4人目です。この遺伝子地図を見ますと、キム・ソンジン教授の遺伝子はアメリカ人と0.05%、中国人とは0.04%の違いがあり、これまで学界に報告されていない遺伝子の単一塩基も150万個が発見されました。ヒトの遺伝子地図は2003年に初めて公開されましたが、当時、解読に13年かかり、費用は2兆7000億ウォンもかかりました。キム・ソンジン教授は今回、7カ月で遺伝子情報を解読し、かかった費用は2億5000万ウォンでした。専門家によりますと、今後はより少ない費用で、短時間に遺伝子情報を解読できるようになり、早ければ5年以内に誰でも自分の遺伝子情報を解読できて、病気と関連した遺伝子を捜し出して予防したり、それぞれの個人に合った治療法を開発したりすることができるようになるということです。

・6カ国協議のアメリカの首席代表、ヒル米国務次官補と北韓の首席代表、金桂冠外務次官が4日、シンガポールで会談し、核施設のサンプル採取を含めた検証方法を文書化する問題をめぐって意見の調整を進めた模様です。ヒル次官補は会談に先立って、「検証方法の文書化とエネルギー支援、無能力化のスケジュールについて、実際に検証が始まってから双方に誤解がないよう意見を調整する考えだ」と述べましたが、サンプル採取については北韓が反発しており、会談の結果に関心が寄せられています。

・金融危機の影響で、生産と内需、輸出が減少し、雇用状況が悪化するなど、景気後退の徴候が顕著になっています。企画財政部が4日発表した「12月の経済動向」によりますと、「アメリカ発の金融危機が世界各国の実体経済に影響を及ぼしており、韓国も全般的に景気の萎縮が憂慮される」としています。企画財政部は「11月の経済動向」では、内需の不振が景気萎縮につながっていると強調しましたが、「12月の経済動向」では、生産と内需、輸出がともに減少し、経済全般が萎縮する徴候が現れていると指摘しました。実際に10月の鉱工業生産は1年前に比べて2.4%減少し、消費財の販売は3.7%、設備投資は7.7%減少、さらに、新規就業者数は9万7000人にとどまりました。企画財政部は景気萎縮への対応として、流動性の供給で金融市場を安定させ、雇用の維持、実体経済の活性化のための財政支出の拡大などをあげていますが、今のところこれといった効果は出ていません。

・政府は、マンションなどの不動産の売れ行きが不振で、分譲が進まないため、建設会社に融資したノンバンクにも悪影響が出ていることを受けて、建設関連の不良債権を抱えているノンバンクを支援することにしました。地方の中小建設会社の中にはマンションなどの不動産の分譲が進まず、資金難に陥っているところが少なくありません。政府の調べによると、ノンバンクが抱えている建設関連の債権のうち、すでに回収不能になっているか、今後、回収不能になる可能性が高いケースが増えています。ノンバンクの融資の焦げ付きが深刻になれば、金融機関全体にも影響を及ぼすことになるため、政府は資産管理公社を通じてノンバンクが抱えているおよそ1兆3000億ウォンの不良債権を買い取り、金融機関全体の健全化を図ることにしました。政府は2003年にクレジットカード会社の不良債権を解消するために公的資金を投入したことがあります。

・金碩基(キム・ソッキ)ソウル警察庁長は4日、韓国を訪問している日本の米村敏朗警視総監と会談し、振り込め詐欺など、サイバー犯罪の対策について協議しました。日本の警視総監が韓国を訪れたのは2003年以来2回目で、今回は、振り込め詐欺などのサイバー犯罪が急増していること受けて、両国の首都の治安を担当する警察同士がこうした犯罪の捜査で協力していくことで合意しました。そのために、双方の警察が迅速に情報を交換し、捜査で協力できるよう、ホットラインを開設することでも合意しました。

・アメリカのオバマ次期大統領は3日、次期政権の商務長官にニューメキシコ州知事のビル・リチャードソン氏を指名しました。また、通商代表部代表には、ベセラ下院議員が有力視されています。リチャードソン氏は、クリントン政権でエネルギー省長官や国連大使を務めました。また、北韓問題に格別な関心を持っている、韓半島問題に精通している人物だと評価されています。一方、通商代表部代表に有力視されているベセラ下院議員は、日ごろから労働者の権益を重視している姿勢を保っている人物で、韓国や南米各国とのFTA=自由貿易協定を見直すべきだと主張してきました。べセラ議員が通商代表部代表に指名されれば、批准を控えている韓米FTAにも少なくない影響を及ぼすことが予想されます。

・国務総理室傘下の情報化推進委員会と行政安全部は3日、政府中央庁舎で「国家情報化ビジョン宣布式」を行い、李明博政権が進めていく国の情報化ビジョンを発表しました。それによりますと、「創意性と信頼に基づいた知識情報化社会」というビジョンを設定し、2012年までに知識基盤産業と関連した産学研による研究拠点10カ所を設置して、この分野を集中的に育成していく他、インターネットの速度を現在の10倍に上げるなど、情報通信の基盤施設を高度化していくことにしました。また、自動車産業に占める情報技術の割合を現在の20%から50%に増やすなど、既存の産業と情報技術の融合を進め、さらに公共部門の情報化事業を大企業と中小企業に分けて発注することによって、大企業と中小企業のバランスの取れた発展を図っていくとしています。

・ヤフーコリアは4日、今年の人気検索語トップ10を発表しました。それによりますと、1位は急速なウォン相場の下落を受けて「為替レート」でした。2位は自殺した人気女優の「チェ・ジンシル」、3位は「株価」でした。この他、10位以内には、人気絶頂の5人組女性歌手グループ「ワンダーガールス」、「不動産」、「BSE=牛海綿状脳症」、フィギュアスケートの「キム・ヨナ」などが入りました。ヤフーコリアは、今年は世界的な金融危機で、10位以内に経済関連の検索語が4つも入ったとしています。

12月3日水曜日

・韓国とアメリカ、日本の6カ国協議首席代表は3日、東京で会合し、北韓が申告した核計画の検証方法を、核施設でのサンプル採取を含めて、文書化することで合意しました。この会合には、韓国の金塾(キム・スク)外交通商部韓半島平和交渉本部長、アメリカのヒル国務次官補、日本の斎木昭隆外務省アジア大洋州局長が出席し、北京で8日から開かれる6カ国協議の議題である、北韓が申告した核計画検証方法を、核施設のサンプル採取を含めて明確に文書化するため緊密に協力していくことで合意しました。ヒル次官補は会合を終えた後、「次の6カ国協議では難しい問題を扱うことになる」とした上で、「北韓は核計画の検証について具体的な内容を文書化することに同意すべきだ」と述べ、北韓との調整が難航する可能性があることを示唆しました。

・韓国と北韓は韓半島西の西海で偶発的な武力衝突が起きるのを未然に防ぐため、2004年6月に南北海軍の艦艇を結ぶ無線通信網を構築しましたが、この無線通信網は北韓が応答しないため、事実上機能を果たしていないことが分かりました。国防部が3日、国会の南北関係発展特別委員会に提出した報告書によりますと、韓国海軍の艦艇は今年10月に南北の艦艇を結ぶ通信網を使って104回に渡って北韓側の艦艇を呼び出しましたが、北韓側が呼び出しに応じたのは1回だけだったということです。国防部の関係者はこの問題について、「南北海軍の艦艇間の通信回数を具体的に明かすことはできないが、11月も北韓側の艦艇が韓国側の呼び出しに応じたのは一けた台にとどまった」と述べ、南北艦艇間の無線通信網が当初の趣旨に反して、その機能を果たしていないことを認めました。

・保守系市民団体の自由北韓運動連合や拉致被害者家族の会などは3日、前日に続いて軍事境界線に近いソウル北方の京畿道坡州(パジュ)市にある臨津閣(イムジンガク)で、北韓に拉致された韓国人を送還するよう求めるビラを風船を使って北韓に飛ばしました。この日は保守系市民団体の会員50人あまりが集まり、拉致被害者の送還を求めるビラのほか、1ドル札1000枚も一緒に飛ばしました。市民団体の関係者はビラを飛ばした後、記者会見し、「保守系の450あまりの団体が、北韓住民に真実を知らせるビラを飛ばすことを支持している」と述べました。一方、保守系の市民団体は、午後にはソウル市内にある金大中元大統領の記念図書館の前に集まり、金大中元大統領がビラを飛ばすことを批判したことに抗議する予定です。

・雇用状況が悪化しているため、就業者数が6年ぶりに減る見通しです。まず、国家公務員の場合、来年は3200人を新たに採用する計画ですが、今年の4800人より1600人も減りました。地方公務員の採用はさらに厳しく、今年は9300人あまりを新規採用しましたが、来年は4100人と、半数以下に減る見通しです。金融業界も新規採用を大幅に減らす計画で、企業銀行の場合、今年は400人あまりを新しく採用しましたが、来年はその半数程度に減らす方針です。このように雇用状況が悪化しているため、就業者数は2003年以降、6年ぶりに減る見通しです。

・国会の国防委員会は2日、公務員採用試験の際に、軍に服務した人に対して獲得した点数の2.5%の範囲で加算点を与えるようにする兵役法改正案を、賛成7、反対5で可決しました。この制度は、男性は兵役の義務があり、軍に服務している間は試験に備えた勉強が十分できないなど、不利な面があるとして、軍に服務した人に対して公務員採用試験の際に加算点を与えるものです。軍に服務した人に加算点を与える制度は以前にもありましたが、憲法裁判所が1999年に男女平等の原則に反する面があるとして憲法に違反するという判断を示し、廃止されていました。今回、国防委員会で兵役法改正案が可決されたことについて、女性団体などは、憲法裁判所が違憲の判断を示した制度を復活させるのは問題があるとして、強く反発しています。一方、この制度の復活を支持している議員らは、過去に憲法裁判所が違憲の判断を示したのは、加算点が獲得点数の5%と大きく、平等な競争を妨げる可能性があると指摘したもので、今回の改正案では加算点は獲得点数の2.5%以内で、加算点によって合格する人数を全体の20%に制限しているので、問題はないとしています。

・歳末助け合い募金の募金額によって温度が変わる「愛の幸福温度計」がソウルの市庁前広場に設置され、3日、除幕式が行われました。この温度計は社会福祉共同募金会が設置したもので、今年の目標募金額2085億ウォンの1%に当たる20億850万ウォンの募金が集まるたびに温度が1度ずつ上がるようになっています。社会福祉共同募金会は去年も全国で歳末助け合い募金を行って、1780億ウォンを集め、生活保護世帯や福祉施設などの支援に当てました。

・韓流スターのチャン・トンゴンさんが国連世界食糧計画の広報大使に委嘱されました。チャン・トンゴンさんは3日、香港のホテルで、アメリカのクリントン前大統領など、世界各国の著名人400人あまりが出席して開かれた「クリントン・グローバル・イニシアティブ」の閉会式で、世界食糧計画の広報大使に委嘱されました。チャン・トンゴンさんは、アジアで幅広い人気を得ていることや、普段から北韓問題に関心を持っていたことが評価されたということです。世界食糧計画の広報大使には、ブラジル出身で、現在ACミランで活躍しているサッカー選手のカカさんや、アメリカの女優ドリュー・バリモアさんが委嘱されています。

・韓国のインターネット書籍販売大手のYES24によりますと、今年最もたくさん売れた本はロンダ・バーン著の「ザ・シークレット」でした。2位はホアキム・デ ・ポサダ著の「成功する人のシンプルな法則2」、3位は韓国のイ・ジソン著の「夢見る屋根裏部屋」で、いずれも成功のノーハウに関する本でした。1位から3位までがすべて成功関連の本で、去年に続いてこの分野の本がベストセラーの上位を独占しました。一方、YES24は、今年の出版界のキーワードは「アメリカ」だったとしました。上半期にはアメリカ産牛肉の輸入に反対する世論が高まり、BSE=牛海綿状脳症や食べ物の安全と関連した本がたくさん出版され、下半期には、アメリカ発の金融危機と関連して世界経済を分析した本や、アメリカの大統領選挙やオバマ次期大統領に関する本がたくさん出版されたということです。

12月2日火曜日

・アメリカのオバマ次期大統領は、次期政権の外交・安保チームの主な人事を発表し、北韓に対する核拡散防止などを具体的な外交課題として提示しました。オバマ次期大統領は現地時間の1日午前、シカゴで記者会見し、来年1月の政権発足に向けて、国務長官にヒラリー・クリントン上院議員を起用するなど、主な人事を発表しました。特に、ヒラリー・クリントン上院議員に対しては、アメリカの外交政策を一新し、同盟関係を回復するよう指示し、具体的な外交課題として北韓やイランに対する核拡散防止や中東での平和定着、国際機関の強化などを提示しました。これに対して、ヒラリー・クリントン上院議員は、国務長官としてブッシュ政権の単独行動主義的な外交を終わらせる考えを明確に述べました。しかし、オバマ次期大統領が主な人事で自らの理念を実現しやすい側近ではなく、民主党の大統領候補を争ったヒラリー・クリントン上院議員など超党派の人材を起用したことで、新政権の外交政策に急激な変化はないものと見られ、北韓に対する政策もブッシュ政権末期の政策基調をそのまま継続するのではないかと専門家は分析しています。その一方で、ヒラリー・クリントン上院議員は、クリントン政権末期に米朝関係の急激な進展を経験しているだけに、米朝関係で劇的な突破口を見出す可能性もあるという期待感も高まっています。

・「貿易の日」の記念式典が2日にソウルで開かれ、李明博大統領は、祝辞を述べて、来年は輸出目標5000億ドルを達成するため全力を上げていく方針を明らかにしました。「貿易の日」は、64年に韓国が初めて輸出1億ドルを達成した11月30日を「輸出の日」として制定し、その後「貿易の日」と名称が改められました。式典で李明博大統領は、「輸出に必要な貿易金融を確実に供給し、輸出保険と保証も大幅に拡大するなど、様々な支援策を通じて、来年の輸出目標5000億ドル達成を目指していく」と強調しました。また李明博大統領は、「海外市場を拡げるために努力し、特に国土が広く、資源が豊かで、人口の多い南米市場をより積極的に切り拓いていくべきだ」と述べ、南米をはじめ中東やアフリカなどの市場開拓に積極的に乗り出す方針を示しました。

・原油高で貿易損失が膨らんだため、今年第3四半期の実質国民総所得の伸び率が10年前の通貨危機以来最悪となりました。韓国銀行が2日に発表した7月から9月までの第3四半期の国民所得の暫定値によりますと、第3四半期の実質国民総所得は第2四半期より3.7%減少し、通貨危機に見舞われた1998年第1四半期のマイナス9.6%以来、最低となり、去年の同じ期間に比べても3.5%減少しました。このように今年の第3四半期の実質所得が大幅に減少したのは、原油高によって貿易環境が悪化し、実質的な貿易損失が33兆4億ウォンと、四半期としては過去最大に膨らんだためです。実質国民総所得は、生産活動によって発生する所得の実質購買力を示す所得指標で、マイナスならそれだけ購買力が落ち、国民が肌で感じる景況感が悪いことを意味します。

・北韓が開城工業団地に常駐できる韓国側の人員を880人に縮小したのに伴って、残留者のリストから外された韓国側人員のほとんどが2日撤収しました。政府関係者によりますと、残留者のリストから外された人員のほとんどに当たる430人が2日に撤収し、3日までには撤収が完了するということです。一方、常駐する韓国側の人員が100人に減る金剛山観光地区では2日に82人、4日に28人が撤収する予定です。

・政府が自粛を求めている中で2日、民間団体がまた北韓に向けてビラをまき、進歩系の団体ともみ合いになりました。自由北韓運動連合と拉致被害者家族の会など保守系の市民団体の会員は、京畿道坡州(パジュ)市にある臨津閣(イムジンガク)の自由の橋から、北韓に拉致された韓国人を帰すよう求める内容などを盛り込んだ1万枚のビラが入った風船1個を北韓に向けて飛ばしました。市民団体では、この日ビラ10万枚を10個の風船で飛ばす計画でしたが、現場で進歩系団体の会員ともみ合いになったため、1個しか飛ばせませんでした。拉致被害者家族の会代表のチェ・ソンヨンさんは、「ビラまきは北韓に拉致された家族の安否を確認するためのもので、我々は南北関係の断絶を望んでいるわけではない。拉致被害者の問題が解決するまで、ビラまきを止めるつもりはない」としていました。一方、アメリカの自由アジア放送が2日に中国の北韓情報筋の話として報道したところによりますと、北韓当局は、韓国の民間団体がまいたビラを北韓住民が拾ったり読んだりするのを防ぐため、軍人や国家情報機関の情報員を総動員して取締りを強化しているということです。

・恵まれない人たちを支援する歳末助け合いの募金キャンペーン、救世軍社会鍋の募金が1日から始まりました。今年は景気が低迷して、募金が集まりにくいのではないかと見られているため、救世軍は、社会鍋の設置場所を去年より20ヵ所増やして270ヵ所にし、ボランティアで募金を呼びかける人たちも24日までの期間中、休みを一日だけにして体制を強化しています。救世軍社会鍋は今年で80周年を迎え、募金額の目標を去年より1億ウォン多い32億ウォンにして活動を続けています。一方、インターネット・ショッピングモールでは、一個が1万ウォンの毛糸の帽子の編み物セットが4週連続で販売量1位を記録し、話題となっています。このセットは、アフリカで生まれてから1時間以内に、体温が下がってしまう低体温症で死亡する新生児が多いため、帽子に編んで新生児に送るもので、寄付をする商品としては異例の売れ行きだということです。

・景気の低迷で、自家用車の利用を控えて、バスや地下鉄など公共の交通機関を利用する人が大幅に増えていることが分かりました。交通カードを運営している会社、韓国スマートが2日に明らかにしたところによりますと、今年に入ってから10月末までに、交通カードの機能がついたクレジットカードを使ってソウル地域と近郊のバスと地下鉄の料金を決済した件数は15億9200万件で、去年の同じ期間に比べ10%増加したということです。韓国スマートは、上半期は原油高の影響で、下半期は景気低迷の影響で公共の交通機関を利用する人が増えていると分析しています。

・アメリカ系の検索サイト、グーグルコリアは2日、利用者による検索件数が今年最も増えた検索キーワードは「2008北京」と発表しました。グーグルコリアが発表した検索キーワード統計「ザイトガイスト(Zeitgeist:時代精神)」によりますと、今年の検索件数が去年に比べて大幅に増えた、人気検索キーワードの1位は「2008北京」で、次いで「BSE= 牛海綿状脳症」、ブラウザー「クローム」、「李明博」、「オバマ」などの順となっています。去年の人気キーワードの多くがゲームに関連していたのに対し、今年は色々な分野のキーワードが上位に入ったとグーグルコリアは説明しています。

12月1日月曜日

・北韓が南北間の通行と協力事業を制限すると通告してきた措置のうち、開城工業団地に12月1日から残留できる韓国側の人員がこれまでのおよそ半数に過ぎない880人であることが分かりました。政府当局者は1日、北韓が前日の30日夜、開城工業団地管理委員会に対して開城工業団地に残留できる韓国側の人員を韓国企業の関係者800人、管理委員会の関係者27人、韓国土地公社の関係者4人、現代峨山関係者40人、建設会社の関係者9人など、合わせて880人にすると通告してきたことを明らかにしました。開城工業団地では、これまで月曜日から金曜日までの平日には、一日平均およそ1,500人から1,700人が滞在していました。北韓の今回の措置によって、1日には軍事境界線に近い韓国側の都羅山(トラサン)にある南北出入事務所で、残留者のリストから外されたことを知らずに北韓訪問を申請していた開城工業団地の関係者が北韓に入れず、いやおうなしに引き返す姿が多く見られました。一方、統一部は、南北間の通行を制限した北韓の措置によって、1日から京義線の道路で北韓に入れる回数がこれまでの一日12回から3回に、北韓から韓国に戻れる回数はこれまでの7回から3回に減り、一度に通行できる人数も500人から250人に、車両は200台から150台に縮小されたと発表しました。また、東海岸にある東海線の道路は、これまでは一日2回往復できていましたが、これからは毎週火曜日の1往復だけに減らされました。さらに、政府関係者は、北韓が先月30日に送ってきた電話通知文で、開城工業団地と金剛山地区に韓国の新聞や雑誌を持ち込むことを禁止すると通告したことを明らかにしました。

・政府は陸路による南北間の通行を厳しく制限するなど、北韓の韓国に対する一連の強硬措置が1日から実施されたことを受けて、統一部報道官の声明を発表し、強い遺憾の意を表明しました。政府はこの中で「北韓が取った軍事境界線の通行を制限する措置は北韓にある開城工業団地で操業している韓国企業の生産活動を妨げるもので、極めて遺憾である。北韓の措置は開城と金剛山への出入や滞在の合意書など、南北間の合意に違反しており、決して正当化できるものではなく、即刻撤回すべきである」と述べました。また、政府は、「今回の事態と関連して、統一部長官が先月27日、北韓に対して南北の当局者が直接会って話し合うよう提案した。我々は北韓がこれに即刻応じることを改めて求める」としています。このほか、声明では今後も韓国政府は開城工業団地に滞在している韓国企業と国民が安全に生産活動に専念できるよう、最大限努力していくとしています。

・李明博大統領は1日、定例のラジオ演説を行い、青年の失業を減らすために国の内外で就職に向けた総合的計画をつくり、最大限の支援を行うと明らかにしました。この中で、李明博大統領はまず、若者たちが中小企業や公共機関で働きながら就職に向けて準備ができるようにする、「青年インターン制度」を来年から取り入れると述べました。また、李明博大統領は、グローバル時代を迎え、若者たちがより積極的に海外に目を向けるよう、来年から5年間に若者10万人をボランティアやインターン、就業などの目的で海外に送る「グローバル青年リーダー10万人育成計画」を策定したことを紹介しました。このほか、日本、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア、フランスとの間で実施しているワーキングホリデー制度の受け入れ枠を今の3万人から6万人に増やしていくと述べました。

・世界的な金融危機の中で、韓国最大手の自動車メーカー現代自動車が2日から本格的な減産体制に入るなど、国内の自動車業界は相次いで減産に踏み切ります。現代自動車は2日から 蔚山(ウルサン)と峨山(アサン)、全州(チョンジュ)にある7つの工場のうち、蔚山第3工場を除く6つの工場で残業と週末の特別勤務を取り止め、減産に入ります。現代自動車が減産に踏み切るのは40年前に工場の稼動が始まって以来初めてです。また、GM大宇(デウ)も富平(プピョン)第2工場で2日から、残りの工場では今月22日から来年1月初めまで稼動を止めるほか、起亜(キア)自動車、双竜(サンヨン)自動車、ルノー・サムソン自動車も減産に踏み切ります。減産の規模は、現代自動車が1万7000台、GM大宇が3万3000台、起亜自動車が5000台などで、全体の減産規模は1ヵ月でおよそ6万台に上るものと予想されます。

・11月の輸出が去年の同じ月に比べて18.3%減少し、2001年12月以来7年ぶりに最大の減少率となりました。一方、輸入も14.6%減少したため、貿易収支は2億9000万ドルの黒字で、2ヵ月連続の黒字となりました。知識経済部が1日明らかにしたところによりますと、11月の輸出は292億6000万ドル、輸入は289億6000万ドルで、2億9700万ドルの貿易黒字となりました。しかし、1月から11月までの貿易収支は133億4000万ドルの赤字を記録しました。この結果、今年の貿易収支は100億ドル台の赤字になることが避けられない状況で、赤字幅は通貨危機に見舞われた1997年の84億5000万ドルを上回る見通しです。

・韓国と日本の歴史認識について研究する第2期韓日歴史共同研究委員会は、先月29日にソウルで全体会議などを開き、活動期間を半年延長することになりました。去年6月に発足した第2期の委員会は、当初2009年6月に最終研究報告書を提出して活動を終了する予定でしたが、共同研究のテーマである歴史認識で両国間に見解の相違があり、当初の予定より研究が遅れているということです。このため委員会は、来月19日と20日に東京で合同シンポジウムを開催するなど、テーマ別に座談会や批評会、編集会議などを開き、予定を半年延ばして来年12月に最終研究報告書を提出することにしました。両国の歴史学者で構成する韓日歴史共同研究委員会は、2001年の日本の歴史教科書歪曲問題をきっかけに、両国首脳間の合意によって設置されました。

・第21回「世界エイズデー」の1日、ソウルで記念行事が開かれました。ソウル中心部にあるプレスセンターで「ともにリードしていく世界」というテーマで開かれたこの行事は、エイズの予防とともに、エイズに対する偏見と差別で苦しむ感染者への理解と関心を呼びかけるもので、感染者の人生を描いた演劇の公演も行われました。エイズの感染者は毎年増え続け、韓国国内では1985年からこれまでの23年間、およそ5900人がエイズに感染し、このうち男性が90%余りを占めています。