2008年ニュース

11月29日土曜日

・北韓が開城工業団地の韓国側関係者の人員を12月1日から減らすよう要求してきたことを受けて、28日に続いて29日午後も一部のスタッフが開城から撤収するなど、30日までに終了する予定です。北韓は開城工業団地に残留できる韓国側関係者を合計で1600人から1800人としていますが、まだ一部の入居企業と北韓当局との協議が終わっていないため、最終的に引き揚げる人数ははっきりしていません。28日に開城工業団地から韓国に戻ってきた関係者は、南北経済協力協議事務所の職員を含めて1131人に達し、また金剛山から戻ってきた関係者は22人でした。関係者によりますと、これまで北韓が開城での滞在を許可していたのはおよそ4100人で、北韓は28日までに、このうちの1700人の滞在を認めたということです。開城工業団地の操業には1500人から1700人の韓国人が必要であることから、韓国側スタッフの人手不足など、深刻な事態にはならないものとみられています。しかしこれまで陸路による通行が1日19回行われていたのが、12月1日からは1日6回に減らされるうえ、1回あたりに認められる人数と車両の数も減らされるため、人の往来と物資の輸送に不便を強いられることになる見通しです。

・金大中(キム・デジュン)元大統領が「今の李明博政権は南北関係を意図的に破たんさせようとしている」という見方を示したことについて、金夏中統一部長官は28日、遺憾の意を示しました。金大中元大統領は27日、野党、民主労働党の姜基甲(カン・ギガプ)代表の表敬訪問を受けた席で、「李明博政権が打ち出している北韓政策の非核開放3000は、アメリカのブッシュ大統領が失敗した政策を踏襲したもので、成功できない。オバマ政権になって米朝関係が進展すれば、李明博政権の北韓政策は失敗するだろう」と厳しく批評したと、民主労働党のスポークスマンが27日、明らかにしました。これについて金夏中統一部長官は28日、国会の予算決算特別委員会での議員の質問に対して、「李明博政権は南北関係を破たんに追い詰めようとしたことはなく、対話を通じて関係を発展させようと努力している。金大中元大統領の発言が事実であれば遺憾に思う」と述べました。

・政府はソウルで開かれたユネスコの会議で、フランスと日本に対して韓国の文化財を返還するよう求めました。ソウルでは26日から28日まで文化財返還促進のための政府間委員会(ICPRCP)の30周年を記念する特別会議が非公開で行われました。この席で韓国の文化財庁は、28日、「フランスの国立図書館に所蔵されている朝鮮王朝時代の図書、「外奎章閣」について、フランス自らが解決方法を考えて返還してもらいたい」と求めました。外奎章閣というのは、1866年、フランスの軍艦が江華島を攻撃し部隊が上陸した際、江華島に収蔵していた朝鮮王朝の記録を奪っていったもので、全部で297冊あります。文化財庁はまた日本の宮内庁に保管されている「朝鮮王室儀軌」についても「先に日本の東京大学が朝鮮王朝実録を韓国に返還したことの延長線上で、宮内庁所蔵の朝鮮王室儀軌など72種の韓国の貴重な文化財を早期に返還してもらいたい」と求めました。この「朝鮮王室儀軌」は、15世紀から19世紀にかけての朝鮮王朝の王室の儀式などを絵で記録した膨大な数の絵本で、去年、ユネスコの世界記録遺産に登録されています。

・政府は来年、4つの国際金融関連機関に対して、合わせて251億ウォンを寄付することになりました。企画財政部が29日発表したところによりますと、政府は来年、ヨーロッパ復興開発銀行(EBRD)に技術諮問協力基金、アフリカ開発銀行に韓国・アフリカ協力基金をそれぞれ新設して、66億ウォンずつを拠出する方針を決め、3年後の2011年までに2000万ドル、およそ280億ウォンにまで拡大していく方向で検討を進めていくことになりました。政府はこれらの基金を通じて、資源が豊かな中央アジアやアフリカ諸国との資源外交を強化していくことにしています。政府はまた貧困など世界的な共通課題に対応するために、IMF=国際通貨基金の2つの事業、太平洋の島国を支援する「太平洋諸島技術支援センター」と、「最貧国の対外収支の支援事業」に、それぞれ9億9000万ウォンずつ支援することになりました。政府はさらに世界銀行に途上国支援などの基金として99億ウォンを拠出し、3年後の2011年には、これを3000万ドルにまで拡大する方針です。

・インド西部の商業都市、ムンバイで起きた同時多発テロ事件について、外交通商部は28日、現地の駐在員や留学生など韓国人への被害はないと発表しました。しかしインドに進出している総合商社などの韓国企業は、韓国人社員の安全対策を強化しています。このうち三星電子は、韓国人社員の安全をはかるため、人の多いショッピングセンターや観光地などには行かないように指示を出すとともに、三星物産の支店長がこの事件で6時間抑留されて脱出したこともあって、三星グループは27日からムンバイに滞在している社員全員を当分の間、自宅で勤務するように指示しました。一方、インド南部に工場を進出させているLG電子は、ムンバイから車でおよそ3時間離れていることもあって、直接被害はなく、韓国人社員2人の安全が確認されました。また現代自動車や双龍建設は、テロが発生したムンバイとは距離が離れていますが、不必要な旅行を自粛するよう、社員に指示するなど、各社とも安全と保安を強化しています。

・韓国の研究陣が、月への小型着陸船の開発に成功しました。韓国科学技術院(KAIST)航空宇宙工学科のクォン・セジン教授(49)は月への小型着陸船を開発し、28日、報道陣に公開しました。月への着陸船は月の探査には欠かせない装置ですが、打ち上げロケットの技術とともに、宇宙技術先進国だけが保有している核心技術とされています。今回、公開された月着陸船は重さが25キロ、高さと幅がそれぞれ40センチの小型で、八角形の板に4本の足がついた形をしており、35キロの重さの物を打ち上げることができるロケットエンジンを取り付けています。クォン・セジン教授は「今回開発したものより2倍ほど性能が良いロケットエンジンを、現在、韓国のベンチャー企業と共同で開発しており、これが開発に成功すれば、中国やインドのロケットを利用することで、5年後にはこの月着陸船を打ち上げたい」と抱負を語りました。

・ソウルのロッテ・デパートが、年末セールの景品にマンションを出しました。景品にマンションを出すのは10年ぶりのことです。ソウル市中区にあるロッテ・デパート本店が1等の景品として出したマンションは、陽川(ヤンチョン)区にある広さ107平方メートルの部屋で、時価4億ウォンもします。ロッテ・デパートは、買い物の金額とは関係なく、セールの期間中にデパートを訪れた人は誰でも応募できるようにしています。このためセールが始まった28日は、応募券をもらおうとする人々でごった返す混雑となりました。今年の冬は消費者の心理が強くい縮しているため、デパートではこの景品で客を呼び込もうとしています。

・歳末助け合い募金が12月1日から始まるのを前に29日、ソウルの大学路で記念行事が行われ、国民に歳末助け合いへの協力を訴えました。社会福祉共同募金会は、毎年12月1日から翌年の1月31日までの2カ月間、歳末助け合いの募金キャンペーンを行っています。記念行事には李明博大統領も映像によるメッセージを送り、「不幸な状況にある隣人に希望を与えるキャンペーンです」と、国民に参加を呼びかけました。そして今年の募金目標として、来年、民間の福祉施設が必要とする資金の71%にあたる2085億ウォンと決めました。

11月28日金曜日

・北韓が打ち出した南北の通行を制限する措置のひとつとして、韓国と北韓を往復してきた京義線の貨物列車の運行が28日を最後に中断されました。京義線では28日午前、韓国のムンサン駅から機関車と車掌車の2両編成の列車が北韓のボンドン駅に向かって出発しました。この列車は午後2時半頃に韓国のムンサン駅に戻り、これで京義線の貨物列車の運行は中断されます。京義線の列車の南北運行は、2000年の南北首脳会談で合意され、紆余曲折の末に去年12月から運行が始まりましたが、わずか1年足らずで中断されました。これは、南北関係がこう着状態になっている中で、北韓が12月1日から南北を行き交う列車の運行を中断し、陸路による南北通行を厳しく制限すると通告してきたことによるものです。

・IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は27日、IAEAの検証チームが北韓の寧辺にある核施設で無能力化の検証作業を順調に進めていると述べました。エルバラダイ事務局長はオーストリアのウィーンで開かれた定期理事会で、検証チームは寧辺の核施設での無能力化作業を継続して監視しており、今のところ大きな問題はないと報告しました。北韓は先月8日、寧辺の核施設を再稼働するとして、IAEA関係者の核施設への立ち入りを禁止すると発表しましたが、アメリカが北韓をテロ支援国指定から解除した後、無能力化作業の再開を宣言し、IAEA関係者の核施設への立ち入りを許可していました。

・韓国政府はアフリカのソマリア周辺の海域で海賊による外国船の乗っ取り事件が相次いでいることを受けて検討していた海軍の駆逐艦の派遣を延期することにしました。政府が駆逐艦の派遣を延期することにしたのは、駆逐艦を派遣するには450億ウォン程度の予算が必要なたため財政面での負担が大きく、さらにアメリカのオバマ次期政権によって、イラク駐留軍をアフガニスタンに移動するなどの措置が取られる場合、アメリカが韓国軍の関与を求めくる可能性もあることなどが作用したとした見られます。

・韓国は純債権国から8年3カ月ぶりに純債務国になりました。韓国銀行がまとめた資料によりますと、9月末の時点で韓国の対外債務は合わせて4250億9000万ドルでした。これに対して対外債権は3999億9000万ドルで、債務が債権より250億ドル多く、純債権国から純債務国に転じました。韓国が純債務国になったのは8年3カ月ぶりです。韓国は2006年以降、株を中心に対外投資を進めたのに対して、外国人投資家は韓国で安定的な債権を中心に投資を行い、世界的な金融危機の中で株価が急落して、韓国の対外債権額が減る一方なのに対して、債務額は減らず、純債務国に転じる結果となりました。

・鉱工業生産が1年1カ月ぶりに減少しました。統計庁がまとめた資料によりますと、10月の鉱工業生産は去年の同じ期間に比べて2.4%減少し、前の月の9月に比べても2.3%減少しました。鉱工業生産がマイナスに転じたのは、去年9月以来、1年1カ月ぶりです。品目別に見ますと、半導体が13.6%減って最も大きく減少し、食料品が6.7%、映像・音響・通信装備が5.1%減りました。一方、現在の景気の状況を表す景気一致指数は前の月に比べて0.8ポイント下落して、9カ月連続で下落しており、今後の景気の動向を表す景気先行指数も前の月に比べて0.5ポイント下落して、11カ月連続で下落するなど、景気後退の徴候が顕著になっています。

・アメリカ産牛肉の販売を消費者の不安に配慮して控えてきた大型スーパーマーケットが27日から販売に踏み切りました。この日は一部の市民団体が大型スーパーを訪れて販売再開に抗議しましたが、アメリカ産牛肉の売れ行きは好調でした。3大スーパーのイーマートやホームプラス、ロッテマートではこの日だけで、合わせて30トンあまりのアメリカ産牛肉が売れ、韓国産やオーストラリア産の牛肉の売れ行きを上回りました。アメリカ産牛肉の値段は、ロースが100グラム1300ウォン程度で、韓国産牛肉の5分の1に過ぎず、オーストラリア産牛肉や韓国産の豚肉より安いため、一部の大型スーパーでは豚肉の売れ行きが14%も減りました。

・有名私立大学の高麗大学は27日、来年の授業料を値上げしないと発表しました。高麗大学は、経済難で保護者の負担が増しているとして、来年は授業料を値上げせず、特別基金50億ウォンを運用して奨学金の支給を増やすことにしたということです。高麗大学は通貨危機直後の1998年にも授業料を凍結したことがあります。来年の授業料については、高麗大学の他にも、誠信女子大学、上智大学がすでに値上げしない方針を明らかにしており、値上げをする西江大学、梨花女子大学などは値上げ幅を最小限にとどめることにしています。私立大学は毎年授業料を値上げしているため、学生や保護者の間から非難する声が高まっていましたが、学生らは大学のこうした措置を歓迎しています。

・韓国の裁判所で初めて人の尊厳死を認める判決が出ました。ソウル西部地方裁判所は27日、植物人間の状態になっている75歳の女性の家族が、病院を相手取って無意味な延命治療を止めるよう求めていた訴訟で、家族の要求は受け入れがたいが、患者が前々から無意味な延命治療は受けたくないという意思を重ねて表明していた上に、延命治療を続けても意識を回復する可能性はほとんどないことを考慮し、患者の意思を尊重して、人工呼吸器を取り外すことを認めるという判決を出しました。

11月27日木曜日

・インド西部にある金融の中心地ムンバイで26日夜、武装グループによる同時テロ事件が起きて、少なくとも80人が死亡し、250人が負傷したと見られています。外交通商部によりますと、この事件でムンバイ韓国総領事館の総領事をはじめ26人の韓国人がムンバイ市内のタージ・マハル・ホテルで人質に取られていましたが、韓国時間で27日未明に全員無事に解放されたということです。一行はホテルで開かれた韓国インド実業家会議に出席していましたが、武装グループの攻撃が始まり、人質になっていました。ムンバイでは、ホテルのほか、病院や鉄道の駅、有名レストランなどが同時に武装グループに襲撃されており、外交通商部は対策班を設置して、韓国人の安全を確認する作業を進めていますが、韓国時間で27日朝、帰国する予定だった4人が、予約した飛行機に乗らなかったことが分かり、行方を捜しています。

・タイのバンコク国際空港が反政府団体のデモ隊に占拠され、空港閉鎖という世界でも例のない状態に陥ったため、韓国人観光客1500人あまりが足止めされています。大韓航空は27日にバンコクから仁川国際空港に向かうはずだった4便の運航を取り止めたため、1018人の韓国人が帰国できなくなり、アシアナ航空も運航を停止して393人が帰国できずにいるなど、合わせて1500人あまりが足止めされています。デモ隊はソムチャイ首相が辞任しない限り占拠を続けるとしており、27日には旧バンコク国際空港もデモ隊が占拠して閉鎖に追い込まれ、航空機の運航が再開されるめどは立っていません。

・北韓は、来月1日から南北間の軍事境界線を通じた通行を厳しく制限する措置を取るとしたのに続いて、26日には、北韓の景勝地金剛山観光地区に滞在している韓国側の人員を100人以下に減らすよう通告してきました。統一部が27日明らかにしたところによりますと、金剛山観光事業を担当している北韓の名勝地開発指導総局の関係者が、韓国の企業、現代峨山の関係者に会い、来月1日以降、金剛山地区の韓国側の人員を100人以下に減らし、車両も150台に減らすよう通告したということです。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議が来月8日にも再開される予定ですが、これに先立ってアメリカと北韓の6カ国協議首席代表がシンガポールで会談する見通しです。ワシントンの外交消息筋が明らかにしたところによりますと、アメリカのヒル国務次官補と北韓の金桂冠外務次官が来月4日にシンガポールで会談し、問題となっている核施設でのサンプルの採取について意見を調整するということです。アメリカと北韓は、先月初めにヒル国務次官補が平壌を訪問した際に、核計画の検証について一定の合意に達し、その内容を文書化しましたが、北韓は核施設でのサンプルの採取については文書化することを拒否していました。

・韓国の経常収支は先月、史上最大の黒字を記録しました。韓国銀行が27日発表した10月の国際収支動向によりますと、経常収支は49億1000万ドルの黒字で、統計を取り始めた1980年以降最大の黒字となりました。韓国銀行は、経常収支が大きく改善されたのは、原油などの原材料価格が大きく下落して、商品収支が27億9000万ドルの黒字に転じ、ウォン安の影響で海外旅行が減ったため、サービス収支の赤字が9月の12億4000万ドルから5000万ドルに大きく減少したためだとしています。

・韓国銀行は先月30日、アメリカのFRB=連邦準備制度理事会との間で、合わせて300億ドルの通貨スワップ協定を締結しましたが、来月初めにそのうち40億ドルを国内の銀行に貸し出すことにしました。韓国銀行によりますと、来月2日に国内の銀行を対象に入札を行い、レートや利子などで最も有利な条件を示した銀行に対して、優先的にドルを貸し出すことにしました。貸し出し期間は最長で88日です。韓国銀行は、こうした措置によって国内の銀行の外貨事情が改善され、ウォン相場の安定にもつながるだろうとしています。

・大企業や新聞社が放送局を所有できないようにした規制を緩和する法律の改正が相次いで進められています。放送通信委員会は26日、大企業の放送事業への進出を規制している現在の放送法施行令の改正案を議決しました。現在は資産総額が3兆ウォン未満の企業に限って、地上波の放送局や報道専門のケーブルテレビ局の所有が可能ですが、改正案では、資産総額の上限を10兆ウォンに高くして、大企業がこれらの放送局を所有できるようにしています。これに対して全国言論労働組合や市民団体などは、こうした規制緩和は、放送の商業化を加速化するとともに、大企業の利益だけを優先する、偏った報道を増やすことにつながるとして強く反発しています。

・韓国のプロ野球チーム斗山ベアーズの李恵践(イ・へチョン)投手が27日、日本のヤクルトに入団しました。李恵践投手の契約金と年俸は推定で260万ドル+アルファーで、ヤクルトの歴代外国人選手の中では最高の待遇だとされています。李恵践投手は「重い責任を感じている。期待に沿うよう頑張り、先発で10勝以上の成績を上げたい」と語りました。

11月26日水曜日

・北韓は、北韓南部にある開城で南北が共同開発している開城工業団地を縮小し、代わりに中国と国境を接している平安北道の新義州特区を対外貿易の基地として開放しようとしているようだと、北韓の情報に詳しい中国の消息筋が26日、明らかにしました。それによりますと、北韓は、開城工業団地などに常駐する韓国人を選別して追放する方針を発表した翌日の25日に、金正日国防委員長が新義州市の産業施設を視察したと写真つきで報道しており、これは北韓が新義州特区の開放を示唆するひとつの手順ではないかとみられるということです。

・北韓のテレビが、最近金正日国防委員長が工場を視察したとして写真とともに報道しました。北韓の朝鮮中央テレビは25日、金正日国防委員長が中国との国境地域にある平安北道新義州の工場を視察したと伝え、写真30枚も公開しました、写真には、金正日国防委員長が新義州の石けん工場で、右手で石けんを持ち上げている姿が写っていますが、左手はコートのポケットに入れたままになっています。これについて、東国大学北韓学科のキム・ヨンヒョン教授は、北韓が南北間の交流を遮断する措置を取った直後に、金正日国防委員長が新義州を訪問した写真を公開したのは、韓国政府が北韓に対する政策を見直さなければ、経済面で中国との関係をさらに重視していくというメッセージだと分析しました。

・韓国政府は26日、北韓の開城工業団地にある南北経済協力推進委員会の事務所に残っている韓国側関係者を28日中に撤収させると発表しました。北韓は先に12月1日付で軍事境界線の通行を制限するとともに、南北経済協力推進委員会の事務所も閉鎖すると通告していました。これについて統一部の報道官は記者会見で、南北経済協力推進委員会の事務所に残っている韓国側関係者9人を28日午後に軍事境界線を通って韓国に撤収させることにし、北韓側に通告したと述べました。

・OECD=経済協力開発機構は最近発表した主要国の来年の経済展望に関する報告書で、韓国の経済成長率の見通しを2.7%に下方修正しました。OECDは今年6月に出した報告書では韓国の来年の経済成長率が5%になるという見通しを示していました。一方、今年の経済成長率については、当初の4.3%から4.2%に修正しました。OECDは報告書の中で、韓国は、来年の民間消費が今年より1%程度減り、一方で輸出の増加率は6.4%に落ち込み、国内消費と輸出が同時に落ち込む見込みだと予想しました。

・26日の韓国株式市場は、FRB=アメリカ連邦準備制度理事会の市場活性化策導入などで、金融市場の安定化への期待感が広がって、外国人投資家を中心に広い銘柄で買い注文が殺到し、総合株価指数は3営業日ぶりに1000ポイントを上回りました。26日の総合株価指数は、前日より9.97ポイント上昇した993.07ポイントで取り引きが始められ、その後、一気に急騰し、結局、総合株価指数は前日より46.46ポイント高い1029.78で引けました。また韓国では、ウォンがドルに対して10年ぶりに安値を記録するなど金融危機による深刻な影響を受けていますが、26日は、前日より24ウォン20銭ウォン高ドル安の1ドル1478ウォン10銭と3営業日ぶりに1ドルが1500ウォンを下回りました。

・政府は、北韓を含む最貧困国への支援を行うため世界銀行に新たな基金を作ることを提案する計画です。このため企画財政部は、韓国ウォンで99億ウォンを出資する方針を決めました。この基金は、カンボジアやラオスのような最貧困国や体制を転換する国の経済開発事業の支援に使用されますが、北韓が世界銀行に加入すればその対象になりうると企画財政部は話しています。

・北韓が、北韓に対する融和政策の見直しを進めている李明博政権に反発し、韓国への揺さぶり戦術を強めていることに対して、野党民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は26日、「いまの状況を打開するには李明博大統領の決断が必要だ」と強調しました。丁世均代表は、26日の党最高委員会で、「大統領府青瓦台は‘待つことも戦術だ’としているが、いつまで待つつもりか。李明博政権は、前の金大中政権と盧武鉉政権が10年がかりで築いてきた南北融和ムードを守るため、今からでも北韓に対する姿勢を変えるべきだ」と指摘しました。

・全国にチェーン店がある大型スーパーマーケットのイーマート、ホームプラス、ロッテマートなどが、27日からアメリカ産牛肉を販売することにしました。これらの大型スーパーは、去年10月に輸入したアメリカ産牛肉から骨のかけらが発見されて検疫が中断された後、アメリカ産牛肉の販売を中断し、輸入が再開された後も、アメリカ産牛肉に対する消費者の不安が解消されていないとして、販売を控えていました。アメリカ産牛肉の価格はオーストラリア産牛肉より30%程度安くなる見通しですが、アメリカ産牛肉に対する不安が完全に解消されていないこともあって、消費者の反応が売れ行きにどう影響するか関心が寄せられています。

・今年7月から9月まで3カ月間の、勤労者1人当たりの実質賃金は、月平均にすると240万5000ウォンで、物価の上昇によって去年より減少しました。労働部がこのほどまとめた資料によりますと、この3カ月間の勤労者1人当たりの月平均賃金は267万2000ウォンで、去年の同じ期間に比べて2.6%増えましたが、物価上昇率5.5%を差し引いた実質賃金は240万5000ウォンで、去年の同じ期間より2.7%減りました。実質賃金の上昇率がマイナスに転じたのは、2001年の第3半期以来7年ぶりです。

・韓国では初めて、外国からロイヤリティー、使用料を受け取る新しい品種のバラが開発されました。京畿道農業技術院は25日、『グリーンビューティ』と名付けらた薄緑色のバラを公開しました。このバラは、京畿道農業技術院が5年間に渡って品種改良を続けてようやく完成したもので、他のグリーン系統のバラよりも傷などに強く、切花にした状態での寿命が2週間と長いので、海外への輸出にも有利です。

11月25日火曜日

・北韓は24日、北韓にある開城の観光事業と南北を行き交う貨物列車の運行を中断すると発表しましたが、北韓側がこれとは別に、開城工業団地で操業している韓国企業の企業活動を保障することを明らかにしたと、開城工業団地企業協議会が伝えました。それによりますと、北韓側は24日、開城工業団地で操業している韓国企業の代表を集めて面談し、開城工業団地での企業活動を特例として保障すると述べたということです。しかし、北韓側は、開城に常駐している韓国側の人員のうち撤収させる人数を企業活動に支障が生じない範囲内で決めるとして、開城工業団地に入居している企業の代表に常駐している人員と車両の状況を報告するよう求めており、開城工業団地に常駐する韓国側の人員の撤収は避けられない見通しです。一方、北韓が開城の観光事業と南北間の列車の運行を中断すると韓国側に通告したことについて、アメリカ政府は間接的に懸念を表明しました。

・北韓が来月1日から開城工業団地や金剛山観光事業で北韓に常駐している政府関係機関や企業の関係者を選別して追放すると通告してきたことを受けて、政府は開城工業団地に常駐する韓国側人員の撤収に向けた対策づくりに本格的に着手しました。統一部の金浩年(キム・ホニョン)報道官は25日の定例記者会見で開城工業団地からの人員撤収に関連して来月初めまで統一部の統一政策局長を団長とする実務者による非常状況班を設置すると明らかにしました。また、政府関係者は「北韓に滞在している韓国国民の安全を最優先に考慮して、開城工業団地管理委員会など工業団地支援機関や開城工業団地で操業している韓国企業関係者の撤収対策を講じている」と述べました。開城には1592人の韓国人が滞在しています。

・北韓の核問題の解決に向けた6カ国協議が来月8日に予定されている中、北韓の朝鮮中央通信は、核開発計画の検証方法で焦点となっている核施設のサンプル採取を拒否する姿勢を改めて示し、「核施設の無能力化の見返りとしてのエネルギー支援が6カ国協議進展の鍵になる」と強調しました。朝鮮中央通信はまた、6カ国協議の開催と参加国による経済的支援が遅れているのは北韓がサンプル採取を拒否しているためだとするアメリカなどの一部メディアの指摘に対して「6カ国協議を破綻させようとする極めて不純な行為」だと非難しました。一方、アメリカ国務省のマコーマック報道官は、25日の定例記者会見で、「サンプル採取は先月アメリカ政府が北韓をテロ支援国の指定から解除したときに北韓と合意した内容の一つで、来月8日に開かれる6カ国協議でサンプル採取を文書化できることを期待している」と述べました。しかし、マコーマック報道官は、北韓との合意が文書によるものかについては、「どのような形であれ、合意は合意だ」として、明確な答えを避けました。

・G20金融サミットとAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するためアメリカと南米を歴訪していた李明博大統領は、12日間の日程を終えて25日の午後に帰国します。李明博大統領は、今月14日から16日にアメリカを訪問してワシントンで開かれたG20金融サミットに出席し、主要国の首脳と世界的な金融危機を克服するための国際協調について話し合ったほか、オバマ次期大統領陣営の代表、オルブライト元国務長官と共和党のリーチ元下院議員と会談しました。続いて、李明博大統領は17日から20日まで、ブラジルを公式訪問してルラ大統領と2度目の首脳会談を行い、両国間の貿易や投資を促進する方策などについて話し合った後、20日と21日にはペルーを国賓として訪問し、ガルシア大統領と初めての首脳会談を行い、韓国とペルーのFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を来年上半期に開始することで合意しました。李明博大統領は、さらに、22日から23日までにペルーの首都リマで開かれたAPEC首脳会議に出席し、金融危機を克服するために国際協調が重要だと強調しました。李明博大統領はAPEC首脳会議の期間中、アメリカのブッシュ大統領、日本の麻生首相と韓日米首脳会談を行い、北韓の核問題や金融危機などの問題に対処していくうえで緊密に協力し合うことで合意しました。

・IMF=国際通貨基金が韓国の来年の経済成長率の見通しをこれまでの3.5%から2.0%に下方修正しました。IMFは25日に「アジア太平洋地域の経済見通し報告書」を発表し、この中で、先進国の景気低迷と信用収縮により、アジア各国でも輸出の減少と内需の落ち込みが予想されるとして、韓国をはじめ主な国の来年の経済成長率の見通しを一斉に下方修正しました。このうち韓国の来年の経済成長率については、先月発表した3.5%から2.0%に修正しました。しかし、韓国の今年の経済成長率は4.1%に据え置きました。また、報告書では、日本の経済成長率は今年の0.5%から来年は−0.2%に転じるとみており、中国は先月の見通しより0.8%ポイント低い8.5%に、インドは0.6%ポイント低い6.3%に下方修正しています。さらに、香港とシンガポールは韓国と同じ2.0%で、台湾も2.2%程度の成長にとどまると見ています。IMFは、アジアの景気は来年末から持ち直すものの、そのスピードは緩やかなものになるだろうとの見通しを示しました。

・韓国産業銀行を民営化するための法律の改正案が25日の閣議で議決されました。韓国産業銀行法の改正案は政策金融機関である産業銀行の民営化を容易にするもので、業務の範囲を個人向けの融資や要求払い預金の取り扱いなどに拡大し、予算・決算の事前承認制度を廃止するなど、経営の自立性を与えています。政府は、この日議決された民営化推進法案を今月末か、来月初めに国会に提出する予定です。

・国土海洋部とコレイル=韓国鉄道公社は25日、国内の技術で開発した高速鉄道の新型列車、仮称KTX-Uを鉄道車両生産メーカーの現代(ヒョンデ)ロテムの昌原(チャンウォン)工場で公開しました。2004年4月に開通したKTXはフランスの高速鉄道TGVの技術で設計・導入されたものですが、KTX-Uの開発によって韓国は、日本、フランス、ドイツに続いて世界で4番目に時速300キロ以上で走る高速列車を独自の技術で開発した国となりました。KTX-Uは、流線形で空気の抵抗を最小限にとどめる一方、アルミニューム合金の素材を採用して車体の重量を減らしました。また、乗客の数に合わせて10両から20両までの間で柔軟に編成できるため、エネルギー効率もよくなりました。一方、座席と座席の間隔をこれまでより5センチ広げて、ゆったり座れるようにした上、全ての座席に回転システムを採用して、列車の進行と逆方向の座席をなくしました。KTX-Uは試験運転を経て来年の下半期から湖南線や現在電化工事が行われている全羅線の益山(イクサン)-麗水(ヨス)間、京釜線の東大邱(トンデグ)-釜山(プサン)などで順次運転が始まります。

・韓米FTA=自由貿易協定の批准に反対し、生存権の保障を求める全国農民大会が25日午後ソウルの汝矣島(ヨイド)公園で開かれました。大会には全国から農民1万4000人余りが参加し、農畜産物の価格急落で生活が苦しくなっているとして、政府に農産物価格を補てんするよう求めました。

・ABU=アジア太平洋放送連合の総会が、24日からインドネシアのバリ島で始まり、優れたテレビとラジオの番組に贈られることしの「ABU賞」に、KBSは、テレビ青少年部門とラジオ情報・娯楽部門で2つの番組が最優秀賞に輝きました。

11月24日月曜日

・北韓は24日、北韓にある開城の観光事業と南北を行き交う列車の運行を来月1日から中断すると韓国側に通告してきました。統一部の報道官が24日明らかにしたところによりますと、北韓当局は開城工業団地に駐在しているKOTRA=韓国貿易投資振興公社の代表宛に通知文を送り、来月1日付で開城への観光事業を中断するほか、開城工業団地にある南北経済協力推進委員会の事務室を閉鎖し、さらに、南北縦断鉄道京義線の韓国の?山駅と北韓の開城工業団地に近いボンドン駅の間を往来している列車の運行を中断すると通告してきたということです。北韓はまた、韓国側の開城工業団地管理委員会の委員長宛に別の通知文を送り、管理委員会の職員の半分を今月中に撤収するよう通告してきました。北韓はこうした措置と関連して、開城工業団地に入居している韓国の企業に対しても通知文を送り、一連の措置はすべて韓国側にその責任があるとした上で、入居企業に配慮して経営活動に必要な最小限の人員は残すことにしたと通告したということです。

・ペルーの首都リマで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議は、韓国時間で24日未明、国際的な金融危機に関する特別声明を採択し、閉幕しました。首脳会議には、21の国と地域の首脳が出席し、2日間にわたって、1930年代の大恐慌以来、最大の危機にさらされている現在の金融危機を克服する対策について集中的に議論しました。その結果、「保護貿易主義」が広がれば、経済危機の状況はさらに悪化するとして保護主義の台頭に警戒感を示すとともに、向こう1年間は新たな貿易障壁や輸出支援措置を自粛することで一致しました。

・李明博大統領は23日、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席し、自由貿易を活性化するためAPEC域内の複数の国によるFTA=自由貿易協定を具体的に検討していく必要があると述べました。李明博大統領は本会議での発言で、自由貿易のための論議はWTO=世界貿易機関を中心とした多国間の枠組みの中で進められるのが最も重要だが、2国間または複数国家間のFTAは、WTOの役割を補う重要な役割を果たしたとした上で、韓国とペルー、インドネシアが共同で進めたFTAAP=アジア太平洋自由貿易地帯と関連した研究分析に続く作業として、その経済的影響に関する研究分析を進めていこうと提案しました。

・6カ国協議が来月8日に北京で開かれるとアメリカのライス国務長官が明らかにしました。ライス国務長官は24日、ペルーのリマで開かれていたAPEC=アジア太平洋経済協力会議に出席した後、帰国途中の機内で、6カ国協議を来月8日に開くことで関係国の調整が終わったとした上で、今回の協議では北韓の核計画を検証する方法について話し合うことになるが、北韓が30年かけて核開発を進めてきたことを考えると、具体的な合意に達するにはさらに数回の協議が必要になるだろうと述べました。ワシントンの外交消息筋はこの問題について、これまでアメリカと北韓は数回接触して、ある程度意見が接近しており、今回の協議では6カ国が一堂に会して核計画の検証について具体的な方法を模索することになるだろうと述べました。

・ソウル中央地方裁判所は24日、韓国外換銀行の自己資本比率などを必要以上に低く見積もるなどして、アメリカ系ファンドのローンスターが不当に安い価格で韓国外換銀行を買収できるようにしたとして、背任の罪で起訴されたビョン・ヤンホ前財政経済部金融政策局長に無罪を言い渡しました。ソウル中央地方裁判所は判決で、韓国外換銀行がローンスターに売却される過程で被告が不適切な行為をしたことは否定できないが、売却をめぐる全体の過程で被告が背任行為をする意図があったと見ることはできないとしました。また、韓国外換銀行の自己資本比率を必要以上に低く見積もったとする検察の主張については、ローンスターのために自己資本比率を低く見積もったとは断定できないと指摘しました。今回の判決は、ローンスターが韓国外換銀行を買収する過程で違法行為がなかったことを間接的に示すもので、中断させられていたローンスターによる韓国外換銀行の第3者への売却作業が再び進められるものと見られますが、韓国外換銀行の株価は最近5000ウォン台に落ち込んでおり、この時点で売却作業を進めるのは難しいと見られています。

・南北の軍事境界線に接した最前線にある軍部隊で手りゅう弾が爆発する事故が発生し、兵士5人が重軽傷を負いました。事故が起きたのはソウル北方の江原道鉄原郡にある軍事境界線に接した最前線にある陸軍部隊の兵士用宿所で、23日未明、手りゅう弾1個が爆発して、寝ていた兵士5人が重軽傷を負い、病院に運ばれて手当てを受けています。陸軍は、今のところ北韓側から何者かが侵入した形跡は見つかっておらず、すべての可能性について原因の調査を進めているとしています。

・LPGA=アメリカ女子ゴルフ協会の今シーズンの最終戦「2008ADT選手権」が23日、フロリダ州ウェストパームビーチのトランプインターナショナルGCで最終ラウンドを行い、韓国の申智愛(シン・ジエ)選手が優勝しました。ADT選手権では第3ラウンドまでの成績が上位8位の選手が第4ラウンドに出場し、第4ラウンドの成績だけで優勝が決まります。申智愛選手は最終ラウンドで、2アンダー、70打で優勝し、賞金100万ドルを獲得しました。

・映画「美人図」が封切りから9日で観客が100万人を突破しました。「美人図」は朝鮮王朝時代の画家、シン・ユンボクの「美人図」などの絵を題材にして男女の愛を綴った映画です。配給元のCJエンターテインメントによりますと、今月13日に封切られた「美人図」の観客は22日までに101万人を超えたということです。例年11月は映画のオフシーズンといわれていますが、「美人図」は「ブラインドネス」、「007クォンタム・オブ・ソラス」などの外国映画を抑えてボックスオフィス1位を記録し、停滞している韓国映画に活気を吹き込んでいます。

・この冬は地球温暖化の影響で暖かい冬になりそうです。気象庁が24日に発表したこの冬の長期予報によりますと、12月は気温が平年並みですが、1月と2月の気温は平年よりやや高くなるということです。これは、韓半島の北にあるシベリア寒気団の勢力が平年より弱くなっているのに対して、亜熱帯高気圧の影響が韓半島南部にまで及ぶことが予想されているためです。

11月22日土曜日

・ペルーを国賓として訪問している李明博大統領は22日、ガルシア大統領と初めての首脳会談を行い、韓国とペルーのFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を来年上半期中に始めることで一致しました。両首脳はまた、近く二重課税防止協定を締結し、韓国ドラマの放送を増やすことや両国間に直行の航空路を開設することでも合意しました。ペルーとの間にFTAが締結されますと、隣りのチリとのFTA締結で両国の貿易規模が4倍に膨らんだように、大きな経済効果が期待できるとされています。李明博大統領は、続いて22日からペルーのリマで始まるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に臨み、さらにこの期間中、韓日米3カ国による首脳会議をはじめ、アメリカ、コロンビア、シンガポール、チリの首脳と個別に会談し、国際金融危機での協調策や北韓の核問題、経済協力の拡大について意見を交換する予定です。

・ホワイトハウスは、中断したままになっている北韓の核問題をめぐる6カ国協議を来月初めに開くため、議長国である中国が関係国に会議を招集するよう要請しました。ホワイトハウスのワイルダー国家安全保障会議補佐官は22日、「中国は6カ国協議を招集する必要がある。ペルーで開かれるブッシュ大統領と胡錦濤(こきんとう)国家主席との首脳会談の前に会議日程が決まることを強く希望する」と述べ、「会議の開催時期は、来月初めが望ましい」と、異例の注文を付け加えました。これは、ブッシュ大統領が任期終了前に北韓の核問題、特に核の検証に区切りをつけたいとする意思の表れと受け止められ、関心が寄せられています。

・アメリカのソン・キム6カ国協議担当特使が、来週24日から韓国と日本を相次いで訪問し、北韓の核の検証と6カ国協議首席代表会議の開催について論議する予定だと、アメリカ国務省が発表しました。国務省のマコーマック報道官は、22日の定例会見で、ソン・キム6カ国協議担当特使は、24日に韓国の済州島で開かれる国際軍縮・非拡散会議に出席して、韓国政府関係者に会う予定で、続いて27日からは東京を訪れて日本の政府関係者と協議する予定だと説明しました。マコーマック報道官はまた、「国際軍縮・非拡散会議には北韓の関係者は出席しないと聞いている。したがってソン・キム特使は今回、韓国で北韓の関係者と会ったり、北韓を訪問したりする計画はない」と付け加えました。

・政府は、ヒラリー・クリントン上院議員が、オバマ次期政権の国務長官への就任を受諾する意向を固めたとするアメリカメディアの報道が相次いでいることから、ヒラリー・クリントン氏が起用された場合の準備作業に取り掛かりました。政府は、公式の発表はまだないものの、ヒラリー・クリントン氏が来年1月20日に発足するオバマ政権の国務長官に起用される可能性はかなり高いものと判断しています。なかでも北韓問題について、ヒラリー・クリントン議員は民主党候補選びの選挙運動中に、オバマ次期大統領とはやや異なる見解を示しました。オバマ氏が北韓の金正日国防委員長と「前提条件なしで直接対話をする」という立場を示したのに対して、「天真らんまんな考えだ」と非難し、金正日国防委員長とは直接対話をすべきではないとする姿勢を示しました。また北韓が2006年に行った核実験に対して国連が取った制裁が弱かったとして、より強硬な対応を注文する発言もしています。

・韓国が今年初めて共同提案国となった北韓の人権侵害に懸念を示す国連の決議案が総会の議題に採択され、来月開かれる国連総会で表決されることになりました。国連の人権問題を扱う第3委員会は、22日、韓国が今年初めてEU=ヨーロッパ連合や日本などとともに共同提案国となった北韓人権決議案について、賛成95、反対24、棄権62で可決し、国連総会本会議に送ることになりました。決議案は、北韓が組織的で深刻な人権侵害を直ちに中止するよう訴える内容になっています。しかし、去年の決議に盛り込まれていた過去2回の南北首脳会談で採択された共同宣言への支持は削除され、その代わりに南北対話の重要性を強調する内容が盛り込まれました。これについて北韓のパク・ドッフン国連代表部次席大使は、「北韓の体制と思想を強制的に変えさせようとする政治的な陰謀だ」として強く反発し、拒否する姿勢を示しました。また韓国が今回初めて共同提案国に参加したことについて、「無分別な反民族、反統一的行為だ。韓国は高い代価を払うことになるだろう」と、厳しい態度で批判しました。

・韓国、日本、中国、それにASEAN=東南アジア諸国連合が参加する「東アジア金融安定常設機関」の設置に向けた取り組みが始められる見込みだと、日本経済新聞が21日、報道しました。それによりますと、これらの国々は、東アジア経済の問題点を早期に発見して是正を促す政策をとることで協調し、金融危機の再発を防ぐために日本を中心とした常設機関の設置を検討しているということです。

・世界的な景気後退の影響で、韓国では賃金の受け取りが遅れている労働者が20万人近くにのぼっています。労働部によりますと、賃金の受け取りが遅れている労働者は、今年に入って先月末までに、去年の同じ時期より25%も多い19万2000人あまりに達し、未払い賃金の合計額は7200億ウォンを上回っています。また政府が雇用主に代わって支払った賃金は、去年の同じ時期に比べて200億ウォン以上も増えて1400億ウォンを超えました。このように景気の悪化で、賃金の受け取りが遅れる労働者が急増していることから、事業主の名前を公表する措置を取るなど、政府のより積極的な対応が必要だという声が上がっています。

・日本のJリーグのヴィッセル神戸が、韓国の国家代表選手で水原三星のMF趙源熈(チョ・ウォンヒ)選手(25)の獲得に乗り出す計画が確認されたと、日本のスポーツ報知が21日、伝えました。それによりますと、ヴィッセル神戸は、現役の韓国代表として活躍し今年8月2日の韓日オールスター戦にもフル出場した趙源熈選手に興味を示しているということです。神戸にはすでに韓国人のMF金南一選手(31)が活躍していることから、守備型MFの趙源熈選手を獲得すれば、次のシーズンに上位を狙う神戸にとって、強力な「韓国代表コンビ」が誕生することになります。趙源熈選手は、2002年に蔚山現代に入団した後、2005年に水原三星に移籍し、2006年のドイツワールドカップでも活躍しており、強靱な体力と精神力を生かした対人プレーの強さが武器とされています。

11月21日金曜日

・雇用の不振と物価上昇の影響で、家計の実質所得が足踏み状態になっていることが分かりました。統計庁が21日発表した「第3四半期(7月〜9月)の家計動向」によりますと、期間中の世帯別の月平均所得は346万5000ウォンで、去年の同じ期間に比べて5.5%増えましたが、物価の上昇率などを調整した実質所得増加率は3年ぶりに低い水準の0%にとどまりました。一方、世帯別の月平均消費支出は229万5000ウォンで、去年の同じ期間に比べて3%増えましたが、物価の上昇率を調整した実質消費支出は2.4%減りました。

・韓国の来年の経済成長率がマイナスに転じるだろうという予測が出ました。アメリカの経済金融情報会社のブルームバーグは21日、香港のUBS証券のエコノミストの分析として、韓国の来年の経済成長率は−3%で、1998年の−6.9%以来、初めてマイナスに転じるだろうと報じました。このエコノミストは、韓国では輸出の伸びが停滞する一方で、失業率は高くなり、家計の負債が増大するなどして、経済を圧迫していると指摘しました。韓国の来年の経済成長率については、いずれもアメリカの金融機関のシティグループが当初の予想値4.2%を2.2%に修正し、ゴールドマンサックスが4.3%から3.9%に、メリルリンチが4.0%から1.5%にするなど、当初の予想を下向きに修正しています。また、三星経済研究所など、国内のシンクタンクも、来年の経済成長率を3%台に修正しています。一方、姜万洙(カン・マンス)企画財政部長官は21日、来年の経済成長率の見通しが2%台後半になるだろうと述べ、これまでの4%台から大きく後退させました。

・政府と与党は20日、低所得層に対する暖房費の支援など、庶民の生活を安定させるための予算を予備から支出することを決めました。政府と与党ハンナラ党はこの日、国務総理公館で開かれた政府与党連絡会議で、景気減速の影響を直接受けている低所得層の生活を安定させるための予算を、2008年度予算の予備費7160億ウォンの中から支出することを決めました。このうち、冬場の暖房費の支援が最も急務だとして、まずは生活保護の対象になっている基礎生活保障受給者8万6000人あまりに、暖房費として1人当たり月6万ウォンを支給することにしました。そして、低所得層94万世帯についても、暖房費などを支援することにしました。

・韓国駐留アメリカ軍の防衛費分担をめぐる韓国とアメリカの協議が事実上妥結しました。外交通商部の関係者は21日、ハワイのホノルルで19日から20日まで開かれた防衛費分担をめぐる韓米高官級協議で、双方は大筋の合意に達したと明らかにした上で、今後は外交ルートを通じて細部の項目を詰めることになるだろうと述べ、争点が事実上妥結したことを示唆しました。今回の協議では、韓国側が分担する防衛費の増額率について集中的に論議が行われ、韓国の物価上昇率に見合う2.5%の増額で合意したと伝えられています。また、これまでは2年から3年に1回更新してきた防衛費の分担金に関する協定を、今後は3年から5年に1回更新することにしたほか、分担金を現金ではなく物資などでも提供できるようにし、さらに分担金の一部を韓国駐留アメリカ軍の基地移転の費用にも使えるようにしたということです。韓国は去年、国防予算全体の2.94%に当たる7255億ウォンを分担金としてアメリカ側に提供しました。これは韓国駐留アメリカ軍の年間駐留費用の42%に当たります。

・オバマ次期大統領の政策諮問機関であるアメリカ進歩センターが、オバマ政権発足後に北韓に特使を派遣すべきだと指摘し、関心が寄せられています。アメリカ進歩センターはこのほど、次期大統領の外交政策に関する提案書で、北韓との関係改善は重要な外交懸案の一つで、アメリカは6カ国協議の枠組みの中で核問題の解決を図る一方、北韓との直接対話にも積極的に取り組む必要があると指摘しました。そして、米朝間の高官級による直接対話を行うため、オバマ次期大統領の就任後100日以内に北韓に特使を派遣すべきだとしました。

・大統領府青瓦台は、李明博大統領が来月13日に福岡で開かれる韓中日3カ国の首脳会談に出席すると発表しました。今回の3カ国の首脳会談では、世界的な金融危機への対応や北韓の核問題の解決に向けた協力について意見を交換する予定です。韓中日3カ国首脳会談はこれまで各種の国際会議に合わせて開かれてきましたが、国際会議と別途に開かれるのは今回が初めてです。

・日本の植民地時代に強制徴用され、韓国に戻れないまま死亡した韓国人犠牲者の遺骨59柱が60年ぶりに韓国に戻ってきました。今回韓国に返還されたのは、日本が韓半島を植民地支配していた時期に、日本軍または軍属として強制徴用され、韓国に戻れないまま亡くなった韓国人の遺骨で、返還に先立って20日、東京目黒区の祐天寺で、韓日両国の政府関係者や遺族らが出席して、追悼式が行われました。

・韓国で最も伝統のある映画賞、青龍映画賞授賞式が20日夜、KBSホールで行われ、女子ハンドボール代表チームの活躍を描いた『私たちの生涯最高の瞬間』が最優秀集作品賞を受賞しました。一方、男女の主演賞は、スリラー映画の『追撃者』で熱演したキム・ユンソクと、『妻が結婚した』で演技力が認められたソン・イェジンが受賞しました。

11月20日木曜日

・20日の韓国株式市場の総合株価指数は、アメリカ経済の先行きへの不安から19日のニューヨーク市場で株価が大幅に下落した流れを受けて、およそ3週間ぶりに1000ポイントを割り込みました。20日の韓国株式市場は、19日のニューヨーク市場で平均株価が大幅に下落して8000ドルを割り込んだ流れを受けて、総合株価指数が1000ポイントを割り込んで取り引きが始まり、その後も機関投資家や外国人投資家の売りが殺到して、結局前日より68.13ポイント下がって、948.69で取り引きを終えました。また国内外の株価急落の影響を受けて、ドルに対するウォンの為替レートも、前日より50ウォン50銭のウォン安で、1ドル1,497ウォンで取り引きを終えました。これは1998年3月13日の1ドル1521ウォン以来10年8カ月ぶりのウォン安ドル高となります。

・南米を歴訪している李明博大統領は、19日、ブラジルのルラ大統領と今年7月に続いて2度目の首脳会談を行い、両国はG20財務相会議の共同議長国として、国際金融市場の再編や世界経済の回復のため緊密に協力していくことで合意しました。またこの会談で両首脳は、リオデジャネイロとサンパウロを結ぶ20兆ウォン規模の高速鉄道の建設や、ブラジル海軍の15兆ウォン規模の駆逐艦の建造に韓国の企業が参加する問題や、ブラジル産牛肉の韓国への輸出に双方が前向きに検討することで一致しました。李明博大統領は、ルラ大統領との首脳会談を最後にブラジル訪問を終え、太平洋を囲む21の国と地域の首脳らが出席するAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議が開かれるペルーに向かいました。

・アフリカのソマリア周辺の海域で海賊による外国の船の拉致事件が相次いでいることを受けて、韓国海軍の韓国型駆逐艦が派遣されることになりました。韓国海軍の関係者が明らかにしたところによりますと、「韓国の貨物船などの拉致事件が多く発生している、ソマリア海域のアデン湾に、韓国の駆逐艦6隻を4カ月から6カ月ごとに、交代させながら派遣することにし、最初に、一昨年2月に建造した、KDX-U級の「姜邯贊(カン・ガムチャン)」艦、4,500トン級を派遣する」ということです。姜邯贊艦には、海軍の特殊部隊も乗り組み、海賊に拉致された韓国籍の船舶や乗組員の救助作戦に当たることにしています。ソマリア海域に海軍の駆逐艦を派遣するため、国防部は、関係部署との協議や閣議を経て来月の通常国会に派兵同意案を提案する計画で、国会の同意が得られれば、来年1月にも第1陣が派遣される見通しです。

・北韓に拉致された人の家族などで作っている民間団体が北韓に向けてビラをまいていることが南北の懸案となって、韓国政府がビラまきを規制する方針を明らかにしている中、民間団体は20日またビラ10万枚を風船で飛ばしました。民間団体の「自由北韓運動連合」や北韓に拉致された人の家族の集いは20日午前、京畿道金浦市の山の上から、北韓住民へのメッセージや北韓の金正日国防委員長の健康悪化説などを書いたビラおよそ10万枚を大型の風船10個を使って北韓に向けて飛ばしました。これに先立って、政府は19日、統一部や警察庁など関係部署による対策会議を開き、民間団体の北韓に向けたビラ撒きを、今後、法律の範囲内で積極的に規制する方針を明らかにしています。これについて、民間団体は、「これまで5年間やり続けていたことを、政府がいまさら問題視しているのは、最近、南北関係がこう着した責任を、ビラ撒きのせいにしている」と非難しています。

・韓国人の半数以上が「北韓を、抱き込んで一緒に暮らす相手」と考えていることがわかりました。これは大統領直属の諮問機関「民主平和統一諮問会議」が全国の成人男女1000人あまりを対象に行った、国民の統一についての意識調査で明らかにされたものです。それによりますと、「北韓は韓国にとってどのような対象か?」という問いに対して、半数以上の55.3%が「抱き込んで一緒に暮らす相手」と答えました。次いで、「敵だが一緒に暮らす相手」という答えが28.8%、「対峙する敵」が9.8%、「無関心の対象」4.8%の順でした。また今の政府の対北韓政策については、「ある程度支持する」44.7%、「別に支持しない」40.7%、「まったく支持しない」5.7%、「積極的に支持する」5.1%と、賛否両論がほぼ拮抗しています。

・サッカーの韓国代表は20日、ワールドカップのアジア最終予選の3試合目で、サウジアラビアと対戦し、2対0で快勝しました。サウジアラビアの首都リヤドで行われた、アウェーの試合で、前半は、双方とも得点を奪うことができずに終了しましたが、後半に入って、32分に韓国のイ・グンホ選手が先制のゴールを決め、続いて途中から出場したパク・チュヨン選手が追加点を挙げて、結局、韓国は2対0で快勝しました。韓国代表は、サウジアラビアに対して、1989年にイタリアワールドカップに向けた予選で、2対0で勝って以来、サウジアラビアと6回対戦して、3敗3引き分けと不振を極めていましたが、今回19年ぶりに勝利しました。この結果、韓国は通算成績を2勝1引き分けとして勝ち点を7に伸ばし、Bグループ1位を守りました。ワールドカップのアジア最終予選に向けて、韓国代表チームは、来年2月11日、アウェーでイランと対戦します。

・ソウルで20日朝、平年より2日早く初雪が降りました。気象庁によりますと、ソウルと京畿道北部で、20日朝8時ごろ、この冬初めて雪が観測されました。しかし雪はぱらついた程度で、積雪は0センチでした。ソウルの初雪は去年より1日遅く、平年に比べると2日早くなっています。

11月19日水曜日

・厳しい寒さが続いている韓国では19日朝もほぼ全国で氷点下の冷え込みとなり、済州島の山間部に大雪注意報が出ています。19日朝の最低気温はソウルが氷点下7度2分、江原道の春川市が氷点下9度、南の済州でも氷点下4度6分など、全国的に氷点下の冷え込みとなりました。また、18日夜から大雪注意報が出されていた西海岸の南部と済州島の山間部のうち、西海岸南部は19日の午前中に解除されましたが、済州島の山間部は依然として大雪注意報が出ています。19日午前6時までの積雪は、済州島の漢拿山(ハンラサン)が30センチ、南西部の全羅北道井邑(チョンウプ)が25センチ、全羅北道高敞(コチャン)が17.1センチなどとなっています。気象庁によりますと、この寒さはしばらく続き、21日の金曜日になってようやく平年の気温に戻るということです。

・アメリカのオバマ次期政権は、北韓の核計画を検証可能な形で完全に廃棄するために、積極的な外交政策を展開していく考えを示しました。オバマ氏の政権移行チームは、公式ホームページで公開した国政運営の行動指針「オバマ−バイデン・プラン」で、北韓とイランに対して核開発計画を放棄させるために、インセンティブと圧力を適切に駆使した積極的な外交を展開すると明らかにしました。また、オバマ次期政権はこの計画で、NPT=核拡散防止条約を強化して核拡散を阻止し、NPTに違反する国に対しては制裁を加えるとしています。

・韓国はBSE=牛海綿状脳症の問題で中断していたアメリカ産牛肉の検疫を再開してわずか3か月で、アメリカにとって最大の牛肉輸出国になりました。アメリカ農務省が19日に発表した最新の牛肉輸出統計によりますと、アメリカは9月に韓国に向けて8924万9000ドル分の牛肉を輸出しました。これは同じ月のアメリカ産牛肉輸出額の28%に当たるもので、メキシコ(7791万8000ドル)やカナダ(5893万2000ドル)を上回り、これまでアジアの最大市場だった日本(2970万1000ドル)の3倍に達します。一方、韓国国内の輸入牛肉市場でも、アメリカ産牛肉はすでに検疫ベースでオーストラリア産を抜いてシェア1位となっており、本格的な流通はこれからとなります。

・19日の韓国株式市場の総合株価指数は7営業日連続で下落し、一時1000ポイントを割り込みました。総合株価指数が1000ポイントを割り込んだのは先月30日以来です。

・世界的な金融危機による景気低迷などの影響で、上場企業のおよそ4分の1が第3四半期の決算で赤字になりました。証券先物取引所が19日明らかにしたところによりますと、第3四半期の決算で上場企業570社の営業利益は平均10%、純利益は60%いずれも減少し、黒字から赤字に転じた企業は去年の3倍近い85社に増えました。この結果、第3四半期で赤字決算となった企業は149社で、上場企業の4分の1を超える26%になりました。このように赤字の企業が増えたのは、世界的な金融危機とそれに伴う需要の落ち込み、原材料価格の高騰、急激なウォン安などで保有株や外貨建て債務の評価損がふくらみ、企業の収益が悪化したためと見られています。

・政府は、輸出の伸び悩みで来年の貿易収支は56億ドルの赤字となり、民間消費も低い増加率にとどまるとする見通しを明らかにしました。 政府が19日に明らかにしたところによりますと、企画財政部はすでに国会に提出した来年度予算案を修正する前提となる経済指標の見通しで、来年の輸出は4900億ドル、輸入は4956億ドルで、貿易収支は56億ドルの赤字になると予想しています。これは、先月初めに国会に提出した当初予算案で示した見通しをさらに厳しく修正したものです。貿易収支の見通しは今年も赤字になることが予想されており、韓国の貿易収支は通貨危機に見舞われた1997年以来12年ぶりに2年連続で赤字を記録することになります。政府がこのように来年の貿易収支の展望を厳しくしているのは、アメリカ発の金融危機が実体経済に悪影響を及ぼし、主な先進国市場への輸出が減っているうえ、最大の輸出国である中国への輸出も不安な動きを見せているためと見られます。

・済州大学校は、18日、日本の京都情報大学院と遠隔テレビで結んで講義を始めました。済州大学校によりますと、この日、電算統計学科のパク・ギョンリン教授による「高度情報社会の現状と発展方向」という講義が済州大学校の電算統計学科の学生20人と京都情報大学院の学生およそ50人を対象に、済州島と京都で遠隔テレビによって行われました。1時間にわたって英語で行われたこの講義では、質疑応答もあって双方向のコミュニケーションがとられ、学生たちは満足していたということです。これに先立って6日には京都情報大学院のコ・ホンスン教授が遠隔講義を行っています。済州大学校と京都情報大学院は、今年9月にそれぞれが保有しているインターネットの教育システム、eラーニング施設を使って両大学を結ぶ遠隔テレビの講義システムをつくる協約を締結しており、これによって学生は両大学から複数の学位を取得できるようになりました。日本の大学と共同で遠隔テレビによる講義を始めたのは済州大学校が初めてで、今後このシステムを拡げていくとしています。

・韓国の男性の初婚年齢が30歳を超えました。韓国保健社会研究院は19日、去年の男性の初婚年齢は31.1歳で、初めて30歳を超え、女性も28.1歳に上がったと発表しました。1990年の統計では、男性の初婚年齢は28.6歳、女性は25.5歳でした。韓国保健社会研究院は、学歴の向上や女性の経済活動の増加、就職難などの影響で初婚年齢が上がっていると分析しています。

11月18日火曜日

・ワシントンで開かれたG20金融サミットに出席した後、南米を歴訪している李明博大統領は、17日、ブラジルに到着し、サンパウロで開かれたブラジルの経済人との懇談会に臨み、経済分野で韓国の技術と、ブラジルの資源を連携させる「3大融合協力体制」の構築を提案しました。この中で、李明博大統領は、韓国とブラジルの経済は相互補完性が高く、相乗効果が大きいとして、ブラジルの鉱物資源と韓国のプラント産業、ブラジルの石油と韓国の造船産業、さらにブラジルのバイオ燃料と韓国の自動車・グリーン産業をそれぞれ連携させようと提案しました。李明博大統領はさらに、両国の実質的な融合協力と企業の投資促進のため韓国・ブラジル産業協力委員会の設立を前向きに検討する考えを明らかにしました。

・李明博大統領は、韓国の中央銀行である韓国銀行が政策金利を引き下げたのに伴って、都市銀行の金利を引き下げる措置を取るよう求めました。ブラジルを訪問中の李明博大統領は、18日、インターネットの画像を通じて行った閣議で、「世界各国が競って金利を引き下げ、韓国銀行も政策金利を4%まで引き下げたのに、都市銀行の金利はそのままのようだ。低所得層の家計に負担となる金利を調整する必要がある」として、都市銀行が金利を引き下げる措置を取るよう金融委員会に指示したと、シン・ジェミン文化体育観光部次官が伝えました。

・南米ペルーで22日から開催されるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に合わせて、韓国、日本、アメリカの3カ国首脳会談が開かれる予定だと、大統領府青瓦台が18日、明らかにしました。それによりますと、今回の会談には、韓国の李明博大統領、日本の麻生首相、それにアメリカのブッシュ大統領が出席し、世界的な金融危機への対応や、北韓の核問題をめぐる6カ国協議の再開などについて意見を交すことになるということです。

・18日の韓国外国為替市場は、6日連続のウォン安となり、ウォン相場は韓米スワップ協定が締結される以前の水準まで値下がりしました。18日のウォン相場は、前日より16ウォンウォン安の1425ウォンで取り引きが始まりましたが、午後に入ってさらに値を下げ1ドル1448ウォンとなりました。これでウォンは、この6日間に121ウォン70銭も値を下げ、10年7ヶ月ぶりに最安値を更新した先月28日以来の最安値となりました。これは、金融危機の不安を解消するため先月末にアメリカと、300億ドルを限度とする通貨スワップ協定を締結する前の水準に戻った形です。

・北韓の景勝地・金剛山観光事業が始まって18日でちょうど10周年になります。南北の和解と協力に大きく寄与してきた金剛山観光事業は、今年7月に韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃で死亡した事件の後、中断したままになっており、再開の目途は全く立っていません。金剛山観光事業が始まったのは、1998年11月18日で、最初は、船で訪れる観光から始まり、5年後の2003年からは陸路の観光が行われるようになりました。この間、西海での南北海軍による交戦や北韓の核実験という厳しい局面がありましたが、この10年間に金剛山を訪れた観光客はおよそ200万人に上りました。しかし女性観光客の銃撃死亡事件の後、中断された金剛山観光事業は、いつ再開できるか全く目途が立っておらず、中断による被害額は、観光事業を運営している韓国の企業、現代峨山の営業損失などおよそ1000億ウォン台に上ると見込まれています。これと関連し、統一部のキム・ホニョンスポークスマンは、18日の定例会見で、「政府は南北の当局者が相互理解の上、協議を通して問題解決に努めれば、必ず解決策を見出すことができると思っている」として、中断している金剛山観光事業が一日も早く再開されることを期待すると述べました。

・政府は、金剛山で起きた観光客銃撃事件をきっかけに金剛山地区への韓国人の立ち入りを禁止していますが、金剛山観光事業が始まって10周年となる18日、北韓住民に練炭を支援するため韓国の民間団体が申請した金剛山観光地区の高城(コソン)への立ち入りを初めて許可しました。許可を受けたのは、「暖かい韓半島、愛の練炭分かち合い運動」という民間市民団体のメンバー4人で、一行は、18日朝、練炭5万個を陸路で北韓の高城に運び込みました。

・韓国で最も南にある済州島の漢拿山(ハンラサン)に18日朝、初雪が降りました。海抜1,950mの漢拿山の山頂は18日朝、最低気温が氷点下に下がって、1センチほどの積雪となりました。気象庁によりますと、この初雪は平年に比べて13日遅いということです。また18日夜は済州島の山間部に大雪注意報が出され、さらに2センチから7センチのまとまった雪が降る見込みだとしています。ところで18日は、北からの冷たい大陸高気圧の影響で、南部地方の一部を除くほぼ全国で朝の最低気温が氷点下まで下がりました。このうちソウルは氷点下5度3分、東海岸近くの江原道の大関嶺(テグァンリョン)は氷点下9度4分を記録するなど、韓半島全域が突然の寒波に見舞われました。気象庁は、明日19日はさらに気温が下がり、気温が平年並みに戻るのは金曜日以降になると見ています。

・今年もそろそろ忘年会のシーズンですが、景気後退が続いてるため、韓国の会社員の2人のうち1人は、忘年会の回数や費用を去年の半分に減らそうとしていることが分かりました。

・政府が行った国民健康実態調査の結果、韓国では肥満になる人がこの10年間で大幅に増え、成人では3人のうち1人が肥満であることが分かりました。

11月17日月曜日

・アメリカを訪問した李明博大統領は現地時間で16日、韓国メディアの特派員との懇談会で、米朝関係について「北韓が核開発を断念するのに役立つなら、アメリカのオバマ次期大統領と金正日国防委員長が首脳会談を行うことも良いと思う」という考えを示しました。李明博大統領はこの中で、「オバマ次期大統領は当選後の電話会談で、北韓の核問題の解決に向けて韓国と協力することを確約した。韓米関係は完璧なものになっており、米朝の首脳会談が行われても、韓国を疎外することにはならないと思う」と強調しました。またアメリカの次期政権が韓米FTA=自由貿易協定のうち、自動車分野で追加交渉を要求してくるのではないかという観測について、李大統領は「アメリカにとって自動車はプライドだと認識している。アメリカの自動車産業が発展すれば、韓国の自動車部品会社の輸出が増えるメリットがあり、たとえアメリカ製自動車の韓国への輸入が増えても韓国の自動車を輸出できる余地はある」として、自動車分野が原因で韓米FTAに支障をきたしてはならないという考えを示しました。李明博大統領は続いて来年の韓国の経済成長について、「今のところ3%から4%になると予想している。IMF=国際通貨基金などは私より厳しい予想を示すとみられるが、厳しい経済難が予想される今、野党は非難ばかりしていては何も達成できない」と述べて、経済難を克服するために党派を超えた協力を要請しました。李明博大統領は韓国時間で17日午前、アメリカでの訪問日程を終えて、次の訪問国、ブラジルに向かいました。

・李明博大統領は17日、ラジオで演説し、世界的な金融危機で韓国の経済にも不安が深まっていることについて、与野党と国民みんなが協力するよう呼びかけました。李明博大統領は、金融サミットに出席したアメリカ現地でラジオ演説を収録し、この演説は、17日午前、KBSの第1ラジオとソウル市の交通放送で放送されました。李明博大統領はこの中で「危機を迎えたとき、団結できた国とそうでない国との格差は非常に大きくなる」として「政府はさらに気を引き締めて、国民のよりよい暮らしを優先し、雇用創出を優先し、さらに中小企業の活性化を優先するという原則に基づいて、景気の活性化に向けて全力をあげている」として、与野党や経済界、国民に協力を呼びかけました。

・韓国人のアメリカへのビザ無し渡航が17日から可能になりました。韓国などを対象にしたアメリカのビザ免除プログラムが韓国時間の17日午前0時から開始され、電子パスポートを持って旅行やビジネスを目的に90日以内の期間でアメリカを訪問する韓国人にビザ無し渡航が認められました。ビザ無しでアメリカを訪問するには、このほか次の目的地が明記された飛行機のチケットが必要で、船の場合は、アメリカのビザ免除プログラムに参加している国の船舶を利用しなければならず、出発の72時間前にアメリカの電子旅行許可サイトにアクセスして入国承認を受ける必要があります。しかし承認を受けることができなかったり、1年以上の拘禁刑を受けた人に対してはビザ無し渡航が禁止され、これまで通り、韓国駐在アメリカ大使館で手続きを取らなければなりません。また留学や就労が目的の渡航にもそれに相応したビザが必要です。アメリカへのビザ無し渡航が始まったことで、韓国人のアメリカ行きが便利になり、両国で観光客が増えることが期待される反面、アメリカ人が韓国に入国する際にはインターネットのサイトを通じて許可を受ける必要もないため、相互主義に欠けるという指摘が出ています。

・北韓に拉致された人の家族などで作っている民間団体が北韓に向けて大量のビラを撒いていることについて、統一部はこうしたビラ撒きを規制する法律の検討に入りました。政府当局者は17日、「民間団体が撒いているビラが南北関係によくない影響を与えているという指摘が多く、ビラ撒きを止めさせる方法があるかどうか、関係部署ととともに、法律を検討している」と述べました。政府はこれまでは法律でビラ撒きを規制する方法はないとして、民間団体に自粛を要請していました。しかし金夏中(キム・ハジュン)統一部長官は先週13日に、開城工業団地に入居している企業の代表と会合した際に、「ビラ撒きに対しては積極的に対応する」という方針を伝えていました。これについて政府当局者は「ビラ撒きそのものは取り締まりの対象にならないので、大量のビラを運んでいる水素を入れた大型風船を飛ばすことが法律に触れる行為かどうかなどを検討していく」としていますが、実際にビラ撒きを規制する効果が上がるかどうか疑問視する声も出ています。

・アフリカ東部のソマリア沖で15日、韓国人5人を含む23人が乗り組んだ貨物船がまた海賊とみられる武装グループに拉致されたと外交通商部が16日、明らかにしました。それによりますと、韓国時間で15日午後6時過ぎ、ソマリアのアデン港から東へ96マイルの海上で、日本の船舶会社が所有しているパナマ船籍の貨物船「ケムスター・ビーナス」号(2万トン)が拉致されました。この貨物船には船長をはじめ5人の韓国人と、フィリピン人18人の合わせて23人が乗り組んでいるということです。アフリカ東部のソマリア沖で海賊とみられる武装グループに拉致された貨物船に乗り組んでいた韓国人船員5人は全員、無事が確認されたと外交通商部のムン・テヨン スポークスマンが17日発表しました。ムン・テヨンスポークスマンは17日の会見で、「船長を初め、韓国人船員5人は無事で、拉致した武装グループと接触している」と述べましたが、拉致された船員の安全な解放のため、拉致した団体や要求内容は公開しませんでした。ソマリア沖では海賊とみられる武装グループによる拉致事件が、今年に入って9月までに63件も起きており、今年9月には韓国人の船員8人が拉致されて36日ぶりに解放されました。政府は国民の安全保護と海賊の活動を封じようとする国際社会の協力に参加するため、韓国海軍の艦艇をソマリア沖に派遣する方針をほぼ固めているもようです。

・ブロードバンド回線を利用して、見たい番組をいつでも見られるうえ、多チャンネル放送を行うIPテレビが17日から商用サービスを開始しました。韓国でIPテレビの放送事業者に選定された3社のうち、通信最大手のKTは、KBSなど3社の地上波放送を含む33チャンネルのIP放送を17日から始めました。いつでもみられるビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスは、8万5000本もの番組が提供される上に、テレビを視聴している途中でもインターネットで銀行の業務ができるインターネット・バンキングやオンライン・ショッピングも可能です。KTのIPテレビの利用料金は毎月1万6000ウォンで、3年以上の長期加入をする場合は最大で20%割引されます。またこの他にIPテレビの事業者である「SKブロードバンド」と「LGデイコム」も来月をめどに、MBCなど地上波放送局との交渉を終えて、商用サービスを始める計画です。

11月15日土曜日

・金融サミットに出席するためワシントンを訪れている李明博大統領は、韓国時間で15日、アメリカのオバマ次期政権の側近と会談し、金融危機の克服や北韓に対する政策など、両国の懸案について意見を交わしました。今回の会談は、オバマ次期政権が、金融サミットに出席する各国の首脳に会う一環として要請したもので、李明博大統領は、オバマ次期政権の代表として金融サミットに出席したオルブライト元国務長官と、ジム・リーチ元アメリカ議会下院のアジア太平洋小委員長と非公開でおよそ30分間、両国の懸案について意見を交わしました。会談の後、青瓦台の李東官報道官が明らかにしたところによりますと、会談では、金融危機を克服するための対策について話し合われたほか、李明博大統領は韓国政府の外交政策を説明した上で、韓米FTA=自由貿易協定の批准や北韓に対する政策についてアメリカ側の協力を求めたということです。李明博大統領はこの後、アメリカ民主党系のシンクタンク「ブルッキングス研究所」を訪れて、関係者と会い、この席で、「韓米FTAの締結は単純な経済問題を超えて、両国の同盟関係にも影響する」と述べ、アメリカ議会での早期批准を求めました。また北韓に対する政策で、李明博大統領は、「韓米両国が同じ声を出しながら緊密に協力し、北韓を説得することが大事だ」と指摘しました。一方、韓国時間で16日未明に開かれるG20金融サミットで、李明博大統領は、世界的な金融危機で、保護貿易主義が拡大した場合、新興国はもちろん世界経済がともに落ち込むことが懸念されるとして、貿易と投資に関する新しい障壁を作ってはならないとする、いわゆる「凍結宣言」を提案する予定です。

・金融サミットに出席するためワシントンを訪れている李明博大統領は、15日、潘基文国連事務総長と会談し、北韓の人権や核開発問題について、「アメリカが北韓に対するテロ支援国の指定を解除したので、北韓もそれに相応する責任感を持つ必要がある」と述べました。李明博大統領は、この中で、「北韓の人権侵害に懸念を示す国連決議案に韓国も初めて共同提案国として加わり、今後、北韓の人権問題を見守っていくつもりだ」として、このように述べました。

・姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官は14日、ワシントンで、中国と日本の財務相と会談し、金融危機の中で相互に外貨を融通する通貨スワップの拡大を検討することで合意しました。これは世界的な金融危機が深刻化する中、ウォン売りが加速していることなどから検討されるもので、韓国は先月、中国政府との間で、緊急時に外貨の支援ができるよう通貨スワップを拡大することで原則的に合意しており、今回日本とも公式に合意しました。通貨スワップを拡大する規模など具体的な内容については、今後、それぞれの政府と中央銀行による協議を経て、今月26日に行われる実務者協議で決めることにしています。

・中国で反政府活動を繰り広げて、韓国に入国した中国人について、日本の最高裁判所にあたる大法院は14日、韓国政府が彼らを難民として認めるべきだとする判決を下しました。中国で、共産党の独裁に反対して、反政府運動を繰り広げている団体に所属している中国人2人は、2002年に観光客を装って韓国に入国し、天安門事件に抗議する集会を開くなど、韓国でも中国に対する反政府運動を繰り広げていましたが、中国に送還されると、韓国での運動を理由に弾圧を受けることもあるとして、韓国政府に難民に認定するよう求めていました。これに対して、法務部は、2人は韓国での滞在期間を延ばすために状況を作り出しているとして受け入れなかったため、訴訟になっていました。判決の中で大法院は、「原告は中国政府から迫害を受けている政治団体に所属しており、迫害に対する恐怖心を抱いていることが十分に考えられる」として、韓国政府に2人を難民として認めるよう促しました。政治的な迫害を理由に、大法院が中国人を難民として認めたのは今回が初めてで、人権問題に敏感な反応を見せている中国政府が今後どのような出方をするか注目されます。

・韓国海軍の主力艦の一つとなる7600トン級の2隻目のイージス駆逐艦「栗谷(ユルゴク)李珥(イイ)艦」が14日午後、慶尚南道巨済(コジェ)の大宇海洋造船所で進水しました。栗谷・李珥艦は、全長166メートル、幅21メートル、最大速度30ノットで、300人が乗り組み、対空、対艦・対潜水艦の1000あまりの標的を同時に探知して、そのうち20あまりの標的を同時に攻撃できる最先端の戦闘能力を持っていて、今後、韓国海軍の主力として加わります。韓国は、去年5月に、初めてのイージス駆逐艦「世宗大王艦」が進水して試験運航の後、来月海軍に引き渡される予定で、2隻目のイージス駆逐艦「栗谷・李珥艦」は2010年に海軍に引き渡されることになっています。

・適度に熟成した白菜キムチが老化の防止に効果があるという研究結果が出ました。農林部傘下の農村振興庁が14日発表したところによりますと、白菜キムチのサンプルを組み入れた人体の皮膚細胞と、組み入れない皮膚細胞を使って、人工的に老化を早める状態を作り出した結果、キムチを組み入れた細胞は最大で75%が老化していなかったのに対して、キムチを組み入れなかった細胞では、老化していなかったのは全体の半分にも満たない46%でした。また漬けたてのキムチよりは酸度がPH4.2程度と適度に熟成したキムチの方が老化防止の効果が高いということです。さらに栄養分を分析した結果、ビタミンB1とB2の含有量は、キムチが熟成するにつれて増え、漬けてから3週目で最初の含有量より2倍以上に増えるということです。農村振興庁は、「キムチが健康によい優れた発酵食品であることが改めて立証できた」として、今後は、ストレスの防止や肥満防止の効果についても研究を進めることにしています。

11月14日金曜日

・李明博大統領はG20金融サミットとAPEC首脳会議に出席するため14日、出発しました。李明博大統領はまずワシントンでオバマ次期大統領の参謀らと会い、今後の韓米関係や韓半島情勢について意見を交換した後、G20金融サミットに出席する予定です。李明博大統領は金融サミットで、新しい国際金融システムの必要性を強調し、多国間の協力を促すことにしています。李明博大統領はその後、ブラジルを訪問して、ルラ大統領と首脳会談を行い、両国の経済協力の拡大について話し合う予定です。次いでペルーを訪問、APEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席し、ペルーのガルシア大統領をはじめ各国の首脳と会談することになっています。22日に開かれるAPEC首脳会議では、世界的な金融危機を克服するための方策について各国首脳が意見を交換することになっています。

・李明博大統領は13日、韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定を年内に批准する必要があるという考えを明らかにしました。李明博大統領はこの日、与党ハンナラ党の指導部に会い、現在の経済状況を考えると、韓米FTAが年内に批准されるのが望ましいという考えを伝えました。李明博大統領が与党の指導部にこうした考えを伝えたのは、首都圏の開発を制限している各種の規制を緩和する政策や内閣改造をめぐって与党内で意見が対立しており、韓米FTAの批准についても一部の議員から急ぐ必要はないという声が出ていることを受けて、党の結束を促したものと見られます。

・韓国政府は13日、北韓に対して、軍当局同士を結ぶ通信網の補修に必要な資材などを提供するための南北協議を提案しました。韓国政府は、北韓の通信網が老朽化して、開城工業団地を訪問する韓国側の関係者の手続きに時間がかかっていることを受けて、北韓に対して通信網の補修に必要な資材を提供することにし、ファックスなど一部の資材をすでに提供しましたが、7月に金剛山で韓国人観光客が北韓兵士から銃撃されて死亡する事件が起きてから、資材の提供を中断していました。一方、北韓はこのほど、来月1日から軍事境界線の通行を厳しく制限・遮断すると韓国側に通告し、12日には板門店の赤十字連絡代表部を閉鎖、代表を撤収するなど、北韓に対する融和政策を見直した韓国政府に反発しているだけに、北韓が韓国政府のこうした提案を受け入れるかどうか注目されます。

・韓国と日本は13日午後、福岡市で、外交・防衛当局の局長級による安全保障対話を行い、次の6カ国協議で合意を目指している北韓の核計画の検証問題で、核施設でのサンプルの採取を明記するよう連携を強化していくことで合意しました。これは共同通信が伝えたもので、安全保障対話には、韓国から趙泰永(チョ・テヨン)外交部東北アジア局長が、日本からは斉木昭隆外務省アジア大洋州局長が出席しました。それによりますと、日本側の関係者はこの席で、北韓が12日に声明を発表し、サンプル採取を拒否する姿勢を明らかにしたことについて、「サンプル採取の文書化は必要だ」として北韓を非難し、韓国側の関係者は「声明の内容に一喜一憂する必要はない」と指摘して、根気強く協議を続けていくことが重要だという考えを強調したということです。

・韓国政府は、ドル不足を解消するために金融機関が外国から外貨を借り入れる際に合計1000億ドルを限度に返済を保証することにしましたが、外資系の韓国シティバンクとSC第一銀行を除く16の都市銀行は、140億ドル相当の外貨債務について、政府に保証を要請する見通しです。銀行が政府の保証を得るためには、保証を得て借り入れた外貨は満期が来た外貨債務の返済や市場の流動性供給のためにだけ使用するという了解覚書を締結しなければなりません。

・原油価格の下落でやや安定していた輸入物価が、ウォン安の影響で再び上昇しました。韓国銀行が14日発表した「10月の輸出入物価動向」によりますと、輸入物価は去年の同じ時期に比べて47.1%上昇しました。輸入物価は今年に入って上昇を続け、7月には去年の同じ時期より50.5%も上昇するなど、ピークに達しました。その後、上昇率はやや低くなっていましたが、10月にはウォン相場の下落によって再び上昇に転じました。品目別では、原油と鉱業製品、農産品などの輸入物価は、原材料の国際価格の下落によって上昇率は47.3%で、9月の上昇率59.1%を大きく下回りました。一方、機械製品などの資本財の上昇率は47.4%でしたが、ウォン相場の下落によって去年の同じ時期の上昇率22.7%を大きく上回りました。

・アメリカのシンクタンク「アメリカ進歩センター」はこのほど、オバマ次期政権は北韓や中国との武力衝突に備える必要があると主張しました。アメリカ進歩センターは大統領選挙期間中、オバマ候補の政策立案をサポートしてきましたが、最近、657ページの「第44代大統領のための進歩提案」という政策提案書を発行し、この中で「オバマ次期政権は、北韓、または中国との武力衝突や、中東での武力衝突など、あらゆる非常事態に対応できる体制を整える必要がある」と主張しています。アメリカ進歩センターの所長は、オバマ次期大統領の政権移行チームの共同議長を務めており、このほど発行した提案書に盛り込まれた内容の多くはオバマ次期大統領の公約と一致しています。

・ニュースや娯楽番組など、すべての番組を英語で伝えるラジオ放送が来月1日から始まります。ソウル市が出資しているTBS=交通放送は14日、韓国では初めての英語ラジオ放送「TBSeFM」を12月1日に開局すると発表しました。TBSeFMは、ニュースをはじめ、教養、時事、娯楽番組を、毎日朝6時から翌日の午前2時まで、1日20時間放送することにしています。TBSeFMは、韓国に住んでいる外国人や韓国を訪れる外国人観光客のほか、英語を習っている韓国人も対象にしています。

11月13日木曜日

・北韓の核開発計画の検証方法で焦点となっている核施設での「サンプル採取」について、北韓は、先月の米朝協議でアメリカと合意した内容にも含まれていないとして、今後も認めないという立場を明確に打ち出しました。北韓外務省の報道官は12日夕方、談話を発表し、核施設の無能力化の見返りとなるエネルギー支援が遅れているとして、核施設で使用済み核燃料棒を抜き取る作業のペースを半分に落としていることを明らかにしました。そして「先月平壌で開かれた米朝協議で合意した核計画の検証で対象になるのは寧辺の核施設で、検証方法は、現地訪問と文書の確認、それに技術者との面会に限定されている。これは北韓に対する経済・エネルギー支援が完了した後に実施する」と主張しました。さらに北韓外務省の談話は、「国際基準の適用に固執し、米朝間の合意以外に一文字でも追加しようとすれば、主権侵害になる」として、核施設での「サンプル採取」を断固拒否する姿勢を示しました。

・北韓が核開発計画の検証で核施設のサンプル採取を拒否したことについて、アメリカ国務省のウッド副報道官は、「サンプル採取は米朝間で合意されている」と反論しました。ウッド副報道官は12日の定例記者会見で、このように述べるとともに、「アメリカは北韓の核問題をめぐる6カ国協議の合意に基づいて、先週、北韓に向けて重油5万トンを出荷しており、今月下旬か来月上旬に到着する予定だ」と明らかにし、 「サンプル採取は核計画を検証する重要な部分であるだけに、北韓が約束を守るよう6カ国協議の関係国とできるだけの措置をとっていく」と述べました。

・北韓がサンプル採取を拒否したことについて、韓国の外交通商部は、12日夜、論評を発表し、「失望と遺憾を表明せざるを得ない」として、「韓国政府は、北韓が提出した核計画の申告書の正確性と完全性を確認できる徹底した検証が行われるべきだという立場を改めて確認する」と述べました。また外交通商部は、「検証問題などの懸案が6カ国協議の枠組みの中で進展できるよう、関係国と連携を強めていく」としています。一方、 柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は13日、記者クラブ主催の討論会で、アメリカのオバマ新政権の誕生と、最近の北韓の出方を受けて、韓国政府の対北韓政策が変わるべきではないかとする意見に対して、「韓国はこれまでの政策を守っていくべきだ」と答え、北韓がサンプル採取を拒否したことについては、「北韓の真意を分析する必要はある」と述べました。

・北韓は、国連の委員会に提出された北韓の人権状況を非難する決議案に、韓国が初めて共同提案国として参加したことに反発を強め、南北の軍事境界線にある板門店の赤十字連絡代表部を閉鎖し、ここを経由する直通電話を断絶すると発表しました。これは、12日に朝鮮中央通信が赤十字会中央委員会の声明として伝えたものです。それによりますと、国連の委員会に先月末提出された北韓の人権状況を非難する決議案に、韓国が初めて共同提案国として参加したことについて、「われわれの尊厳と体制に対する挑戦で、南北共同宣言を全面否定するものだ」と非難したうえで、「韓国の保守政権が招いた厳重な事態で、これ以上、機能を遂行できなくなった板門店の赤十字連絡代表部を閉鎖して、北韓の代表を撤収させ、板門店を経由するすべての南北直通電話を断絶する」と宣言しています。北韓はこれに先立って12日に南北軍事境界線の通行を来月から「厳しく制限・遮断する」と、韓国側に通告するなど、韓国の李明博政権に対して反発する姿勢を強めています。

・日本の大学入試センター試験にあたる大学修学能力試験が13日午前8時40分から、全国の996の試験場で一斉に行われ、55万9000人あまりが受験しました。試験科目は、「言語」、「数理」、「英語」、それに文系は歴史や地理、経済などの「社会探求領域」から2科目、また理系は物理や化学、生物などの「自然探求領域」から2科目を選択し、午後5時に終わりますが、この後、第2外国語と漢文を選択した受験生の場合は午後6時5分まで試験が行われます。きょうは試験会場に向かう受験生の交通の便を図るため、官公庁や企業の出勤時間を午前10時に遅らせて、地下鉄やバス、タクシーの運行回数を増やす措置が取られました。毎年修学能力試験の日には気温が氷点下に下がって寒くなるというジンクスがありますが、2000年代に入ってから、大きな冷え込みはなく、今朝のソウルは気温が5度3分で、このジンクスは今年も外れました。今回の試験の成績は来月12月10日、受験生に一斉に通知され、受験生はこれをもとに希望する大学を決めて志願することになっており、大学の定時募集は来年2月末までに行われます。

・国務総理傘下の経済研究機関、韓国開発研究院(KDI)は、来年の経済成長率は、世界的な金融危機に伴う景気の後退で、3.3%の低成長になるという見通しを示しました。韓国開発研究院が12日発表した経済展望報告書によりますと、世界的な金融危機に伴う景気の後退で、輸出に加え、国内での消費が伸び悩んでいることから、今年の経済成長率は去年の5%を0.8ポイント下回る4.2%になると予想しています。さらに、来年は輸出の不調が前半まで続き、後半になっていくぶん持ち直すものの、年間の経済成長率は3.3%にとどまる見通しだとしています。経済成長率が3%台にとどまるのは、2003年以来6年ぶりで、来年の消費者物価の上昇率が3.6%になる見通しであることを考えると、マイナス成長を意味します。

・世界的な金融危機に伴う景気の後退で、政府が出資している公企業や、準政府機関を合わせた公共機関の来年の人件費が一括して据え置かれ、経常経費も大幅に削減されることになりました、企画財政部は、13日、公共機関の運営委員会を開いて、このような内容を盛り込んだ来年の予算編成指針を審議して議決しました。それによりますと、政府が出資している韓国観光公社などの公企業や、KOTRA=大韓貿易振興公社など準政府機関を合わせた101の公共機関の来年の人件費が一括据え置きとなり、経常経費も5%以上削減されることになりました。

・韓国の金浦空港と関西空港を結ぶ航空路線が新しく開設され、来月から定期便が就航することになりました。韓国の国土海洋部が13日発表したところによりますと、金浦−羽田路線に続いて、金浦−関西路線を新しく開設し、来月1日から、大韓航空とアシアナ航空が1日往復1回ずつ運航します。運行時刻は、金浦から午前8時40分と午前9時に出発し、関西からは午前11時半と午前11時55分出発します。料金は、現在、運行されている仁川−関西路線と同じ程度で、52万ウォンから55万ウォンになるものとみられます。

・映画やテレビドラマ、音楽などのデジタルコンテンツの自動販売機が、世界で初めて開発されました。この自動販売機は、韓国電子通信研究院のキム・ソンジャ博士のチームが開発したもので、街角や商店などにおかれた自動販売機に、映画やテレビドラマ、音楽などのデジタルコンテンツを組み込み、利用者がお金を払って、自分の携帯電話やノート型パソコン、MP3プレーヤーなどの端末機につないで、高容量のファイルをわずか10秒以内でダウンロードできる仕組みとなっています。また違法コピーを防ぐための国際標準規格を搭載しています。キム・ソンジャ博士は、「韓国ではマルチメディアの端末機の普及率が世界的に見て上位にあるが、コンテンツの流通経路は、大手移動通信会社が独占しているため、利用者にとっては料金が高くて不便だ。この自動販売機の開発によって、デジタルコンテンツを安い料金で手軽く利用できる道が開かれることを期待している」と話しています。このデジタルコンテンツの自動販売機は来年中に地下鉄の駅周辺など人通りが多い所に設置される予定で、ネット環境が整えられてない海外に輸出されると、韓流文化を広める手段になるものと期待されています。

・13日の韓国株式市場は、アメリカで公的資金を使った金融機関からの不良資産の買い取りが当面見送られる方針が示されたことを受けて、金融危機が収束しないことへの懸念が一段と高まって、取り引き開始直後から、株価は大きく値下がり、株価が一時5%以上も下落したため取り引きを5分間停止するサイドカーが発動されました。結局、総合株価指数は再び1100ポイント台を割り込んで、前日より49.72ポイント下落して、1074.14で取引を終えました。

11月12日水曜日

・北韓軍は来月12月1日から軍事境界線の通行を厳しく制限・遮断すると発表しました。北韓の朝鮮中央通信は12日、南北将官級会談の北韓側代表団のキム・ヨンチョル団長が、韓国軍当局に送った電話による通知文で「12月1日から軍事境界線を通るすべての陸路による通行を厳しく制限、遮断する」方針を伝えたと報道しました。通知文によりますと、北韓軍は「北韓の警告にもかかわらず、韓国政府の北韓に対する対決姿勢は危険なレベルを超えている」として現在の南北関係は全面遮断するかどうかの分かれ道に立たされていると強調しました。通知文を送ったキム・ヨンチョル団長は、先週6日に北韓国防委員会政策室長という肩書きで北韓軍関係者6人と開城工業団地を訪れて、入居している企業関係者に対して開城工業団地から撤収するのにかかる時間などを質問したということです。また北韓は今月2日に開かれた南北軍事実務者協議では、韓国の民間団体が北韓に向けてビラを撒いていることを取り上げて、開城工業団地の事業に悪い影響を及ぼし、開城や金剛山地区で韓国人スタッフの滞在が不可能になりかねないと警告していました。しかし北韓が陸路による通行を全面的な遮断ではなく、厳しく制限・遮断するとしたのは、さしあたり開城工業団地への韓国人の出入りは中断させずに、韓国政府の対応を見極める姿勢をとったものと受け止められます。

・北韓が12月1日から軍事境界線の通行を厳しく制限・遮断すると表明したことについて、政府は12日遺憾の意を表明するとともに、北韓に対して当局間の対話に応じるよう求めました。統一部のキム・ホニョン スポークスマンは12日、論評を出して「北韓が軍事境界線の通行を制限すると発表したことに対して遺憾に思う。北韓が実際にそのような措置をとれば、これまで築いてきた南北関係に良くない影響を与えてしまう。政府はいかなる場合でも南北関係が後退するような行動を取るよりは、対話と協力によってともに繁栄する南北関係を持続発展させていくことを希望する」と強調しました。そして論評の中で「韓国政府は2回にわたる南北首脳会談で発表された共同宣言をはじめ、南北間で行われたすべての合意を尊重しており、中でも北韓が関心を示している共同宣言の実行に向けて具体的に協議する用意がある」として、北韓が南北の対話に応じるよう求めました。

・南北関係が最近ぎくしゃくしている中で、韓国の民間団体が北韓に向けて北韓を非難するビラを撒いていることから、北韓の軍関係者が先週、開城工業団地の工場を撤収する可能性を示唆したのを受けて、開城工業団地に入居している企業経営者が10日、緊急会議を開きました。関係者によりますと、この会議では、民間団体が北韓にビラを撒かないこと、開城工業団地で働く北韓の従業員を安定的に確保すること、有事の際に起きる企業の被害を政府が肩代わりすることなどを政府に要求する方針を決め、13日に金夏中(キム・ハジュン)統一部長官に申し出ることになりました。これと関連し、金夏中統一部長官は、11日、国会の外交通商統一委員会に出席し「開城工業団地は必ず活性化させていく。米朝関係が進展し、北韓の核問題が解決すれば、開城工業団地の道路など周辺施設の工事も行う予定で、その予算も組んでいる」と述べました。

・韓国、中国、日本の3カ国の財務長官が今週末にワシントンで開かれるG20=金融サミットの前日に緊急会合を開き、ウォン安が続いている韓国へのドルの供給枠を拡大することなどを協議するとNHKが報道しました。それによりますと、韓中日3カ国の財務長官は、この会合で日本が手持ちのドルや円をウォンと交換する方式で、韓国に外貨を供給することを重点的に検討するとしています。また日本が韓国に供給するドルの枠は今の130億ドルから引きあげられる予定で、日本と中国が韓国に外貨の供給をさらに拡大することなども検討する方針です。韓国ではアメリカのサブプライムローンで端を発した金融危機で株価が大きく下がり、為替レートの大幅な変動が起きて、1997年暮れの通貨危機以来、およそ10年ぶりのウォン安となり、国内経済にも少なくない影響を及ぼすことが心配されています。

・7年前に東京のJR山手線新大久保駅で、線路に落ちた日本人男性を助けようとして犠牲となった韓国人留学生、故李秀賢(イ・スヒョン)さんの精神をたたえて、文化財団が設立されることになりました。これは韓国と日本の専門家が11日に釜山で開いたフォーラムで明らかにされたものです。このフォーラムには韓国側からキム・スハン元国会議長やオ・ジェヒ元駐日大使らが、日本側からは村山元首相、故朴正熙(パク・ジョンヒ)元大統領が進めた経済開発計画を支援した経済評論家で日韓文化交流基金の竹内宏(たけうち・ひろし)顧問などが出席し、韓国と日本の友好協力関係をどのように発展させていくかをめぐって意見を交換しました。この席で村山元首相は「人を助けるために亡くなった李秀賢さんの行動は、日本の国民に大きな感動を与えた」と述べるとともに、日本の植民地支配を謝罪した村山談話について「日本が韓国を植民地支配して、大きな損害を与えたとした村山談話は他の国々との信頼関係を築くためのものだった。韓日関係は両国だけの問題ではなく、アジアの平和・繁栄につながっているので、互いに理解してともに発展する関係を維持するようにしなければならない」と強調しました。

・韓国の出生率が世界で2番目に低いことが国連の調査で分かりました。国連の人口基金(UNFPA)がまとめた今年の世界人口に関する報告書によりますと、韓国で15歳から49歳までの女性が一生のうちに出産する赤ちゃんの平均の人数は1.2人で、調査対象の150カ国のうち、香港の0.96人に次いで2番目に低くなっています。また平均寿命は女性が82.3歳で、世界で16番目に長く、男性は75.1歳で、29番目に長くなっています。

・世界で最も大きい追跡式の太陽光発電所が12日、完成式を行い、本格的な商業発電を始めました。追跡式の太陽光発電所は全羅南道シンアン郡チド邑の67万平方メートルの敷地に2000億ウォンをかけて建設されたもので、太陽の位置によって太陽光を受けるモジュールの角度が変わる追跡式になっており、発電量が24万キロワットと、世界で最も大きい規模です。太陽光電池のモジュールは13万枚あまりが取り付けられており、この発電所から毎年およそ1万世帯に電気を供給できます。完成式には韓昇洙国務総理や地元住民など600人あまりが出席し、韓昇洙国務総理は「世界各国は代替エネルギーの開発に積極的に乗り出している中で、シンアン郡の太陽光発電所は環境にやさしいエネルギーの開発を目指している韓国の意志を象徴している。政府は今後も代替エネルギーの開発に力を入れていく」と述べました。

・保健福祉家族部は、菓子やインスタントラーメンなど栄養分は少なくカロリーが高い食品のテレビ広告や販売を制限する関連法の改正案をまとめ、来週中に立法予告する予定です。改正案によりますと、1回の摂取量が200キロカロリー以上の菓子類は学校内での販売が制限され、午後5時から9時までのゴールデンタイムのテレビ広告が禁止されます。またインスタントラーメンなどの食べ物も1回の摂取量が500キロカロリーを超える場合は、テレビ広告や販売が制限されます。さらにゴールデンタイムではなくても、アニメや娯楽番組など子供向けの番組では番組の途中に入れる広告が禁止され、子供が間違った食習慣を身につけるような広告も規制することができます。一方、子供の健康に良い食品は「優秀食品」と定めて、特定の表示ができるようになります。このような改正案が実施されますと、子供の嗜好食品の20%以上が広告や販売で制限を受けることになり、食品業界の反発が予想されます。保健福祉家族部は、来週に立法予告した後、業界などの世論を聞いたうえで、最終案をまとめることにしています。

11月11日火曜日

・李明博大統領は、「北韓の核問題の解決に役立つなら、アメリカのオバマ次期大統領と北韓の金正日国防委員長との首脳会談に反対しない」と述べました。李明博大統領は、10日、韓国の朝鮮日報、日本の毎日新聞、イギリスのタイムズが共同が行った会見で、このように語り、「オバマ次期大統領と金正日国防委員長が会うことになれば、韓国が孤立するという見方もあるが、私は全く心配していない」と述べました。さらに李明博大統領は、アメリカで端を発した金融危機が韓国の実体経済に波及していることについて、「IMF=国際通貨基金は、来年、アメリカ、日本、EUなど先進国が戦後初めてマイナス成長に陥るという見通しを示しているが、韓国は、必ずプラス成長になる。国民が力を合わせ、与野党が協力すれば、経済成長率をさらに1%ほどアップさせることも可能だ」と述べました。

・今年8月に脳卒中で倒れたのではないかと推測されている北韓の金正日国防委員長の病状が、先月、再発したようだと、日本のメディアが11日、報道しました。日本の民放TBSテレビは、韓国にいるアメリカ情報関係者の話として、今年8月に脳卒中を起こし平壌の病院で治療を受けている金正日国防委員長が先月下旬、2回目の症状を起こし、左の手足に麻痺が起き、言語障害もあるようだと伝えました。アメリカの情報関係者は、金正日国防委員長の脳卒中がいつ再発したかについては言及しませんでしたが、TBSは、先月下旬にフランスの専門医が平壌を訪れた時期と金正日国防委員長の2回目の症状が出た時期がほぼ一致するとしています。ところで、李明博大統領は、10日に朝鮮日報や毎日新聞など内外のメディアと行った会見で、金正日国防委員長の健康状態は「国政運営に支障を与えない状態だと把握している」と述べました。

・日本とアメリカは、韓半島有事に備えた「共同作戦計画」を全面的に見直していると、日本の読売新聞が伝えました。それによりますと、両国は、韓半島有事にアメリカ軍が使用する民間空港や港湾など30カ所あまりを選定し、生物化学兵器の攻撃にどう対処するかなど、十数項目について検討しているということです。韓半島有事の日米作戦計画を全面的に見直すのは、2006年に続いて2度目で、両国は、北韓の金正日国防委員長の健康悪化説などで韓半島情勢をめぐる不安定な要因が増したとみて、こうした見直し作業を来年秋まで完了させることにしています。

・アメリカのオバマ次期大統領の陣営が、大統領選挙が行われている最中に韓国政府に対して、アメリカの共和党政権との間で締結した韓米FTAのうち自動車部門について追加交渉を行うべきだとする考えを伝えていたことが明らかになりました。韓国の東亜日報が、政府関係者の話として10日、伝えたところによりますと、「韓国政府は、アメリカ大統領選挙の投票前に、オバマキャンプ陣営と数回に渡って接触を行ったが、その都度、オバマ陣営は、韓米FTAの再交渉、とくに自動車部門については追加交渉が必要だとする見解を示した」ということです。選挙運動の期間中、オバマ氏は、「韓国はアメリカに数十万台の自動車を輸出しているのに対して、アメリカの自動車は韓国でわずか5000台未満しか販売されていない」として、韓米FTAは欠陥だらけの協定だと指摘していました。これについて、大統領府青瓦台の李東官スポークスマンは10日、「韓米FTAは、国と国、政府と政府との間で結ばれた協定であり、政権が変わったからと言って計画が変わることはあり得ない」とする見解を示しました。

・国会での批准をめぐって与野党が激しく対立している韓米FTAの批准同意案について、与党ハンナラ党は本会議に送るための手順として、外交通商統一委員会への上程を急ぐことにしています。ハンナラ党は当初、この問題をめぐる公聴会を12日に開いた後、外交通商統一委員会のメンバーがオバマ新政権の関係者らと会うためアメリカに向かう17日に上程する計画でしたが、予定を繰り上げて12日に上程し、できればこの日のうちに可決したいという意向を11日、明らかにしました。これに対して野党民主党は、FTAで被害を受ける農民への対策を講じる特別委員会を国会に設置することが先決だとして、批准同意案の上程を阻止する構えをとっています。しかし政府とハンナラ党は、野党側の強い反対を押し切って、年内に批准同意案を可決する方針で、与野党間の対立が激しさを増すものとみられています。

・アメリカ国務省は、イラク北部で復興活動を行っている韓国陸軍のザイトゥン部隊が、クルド族自治区で卓越した任務を遂行し、イラクの安定に重要な役割を果たしたとする見解を示しました。国務省のロバート・ウッド副報道官は、10日の定例会見で、韓国のザイトゥン部隊が、この4年間にイラクの安定と再建に大きく貢献してきたと高く評価し、深い感謝の意を表明しました。韓国の国防部は、ザイトゥン部隊の撤退を来月20日までに完了させることにしており、今月24日から装備や物資の撤収作業に取り掛かる計画です。

・今年のコメの生産量は気象条件に恵まれたため、去年より10%近く増加し、2004年以来4年ぶりの豊作になる見通しです。統計庁が今年の稲の作柄を全国で調べたところによりますと、コメの生産量は484万3000トンと、去年より43万5000トン、9.9%増える見通しです。これは年間生産量が500万トンを記録した2004年以来の豊作で、統計庁は、稲作面積が去年より減ったにも関わらず、台風の被害を受けなかったため単位面積当たりの生産量が大きく増えたものと分析しています。

・知識経済部は、燃料費の値上がりを理由に、電気料金は今週13日から平均4.5%、都市ガス料金は15日から平均7.3%引き上げる方針を発表しました。このうち、電気料金は、住宅用と小規模な自営業者の一般用、中小企業の産業用、農業用は据え置かれますが、中・大企業が使用する産業用は9.4%、中規模の自営業者が使用する一般用は6.2%引き上げられます。さらに教育用や街路灯用の電気料金は、いずれも4.5%引き上げられます。またガス料金は、家庭用は4.8%、産業用は9.7%引き上げられます。知識経済部は、今回の料金引き上げで消費者物価は0.077ポイント、生産者物価は0.227ポイント上昇するものと予測しています。

・政府が出資している韓国観光公社などの公企業や、韓国ガス安全公社などの準政府機関を合わせた公共機関の負債比率が去年は100%を超え、民間企業の負債比率を上回ったことが分かりました。企画財政部は、公共機関の負債比率は増加の幅がやや高目だが、資産も増え続けているので、経営の成果や負債の返済能力を考慮した場合、憂慮するほどではないとしています。

・韓国では増え続けているゴルフ場の面積が国土の0.3%に及んでいることが、環境市民団体の調べで明らかになりました。市民団体の「緑の連合」と「環境訴訟センター」が11日発刊した「ゴルフ場の特恵・規制緩和政策の問題点と改善策」という報告書によりますと、韓国のゴルフ場は、1989年はわずか48カ所でしたが、2007年末までにおよそ6倍の280カ所に増えており、今年だけでも122カ所が完成または建設中であることが分かりました。このため全国のゴルフ場の面積は、ソウル市の面積のおよそ半分に当たる273平方キロメートルで、国土の0.3%に及んでいます。このようにゴルフ場が急激に増えた背景について、「緑の連合」など環境市民団体は、李明博政権のゴルフ場に対する減税政策や各種開発特別法の制定などが要因だとしています。

11月10日月曜日

・世界的な信用格付け会社、イギリスのフィッチレーティングスは、韓国の国家信用等級の展望を「安定的」から「否定的」に下方修正しました。ただ、韓国の長期外貨建て信用格付け、つまり現在の国家信用等級はこれまで通り「Aプラス」に据え置きました。韓国のほか、マレーシア、メキシコなど6つの国の格付け見通しが下方修正された一方、中国や台湾、タイなどは変動がありませんでした。韓国の国家信用等級の展望が下方修正されたのは、1997年暮れの通貨危機以来2度目です。これに対し、企画財政部の関係者は、フィッチレーティングスは、輸出依存度が高い韓国経済が、世界的な景気低迷の影響を受けやすいと判断したものと見られると説明しています。

・銀行の健全性を表すBIS=国際決済銀行の基準による韓国の都市銀行の自己資本比率が一斉に下落したと、金融業界が9日明らかにしました。金融危機と景気の低迷によって純利益が減ったのに対し、貸し出しや不良債権などの危険資産が増えたためです。金融業界が明らかにしたところによりますと、国民銀行の国際決済銀行(BIS)基準の自己資本比率は9.7%で、2002年以降初めて10%以下に落ち込み、新韓銀行と外換銀行、企業銀行も0.3%から0.9%ポイント下落しました。これを受けて、アメリカのムーディーズは、外換銀行、国民銀行、ウリ銀行、新韓銀行、ハナ銀行の格付けを下方修正しました。各銀行は、いまのところ大きな問題はないとしていますが、今後実体経済がさらに悪化し、特に不動産価格が急落すれば、銀行が融資の回収に乗り出し、それが企業倒産や個人破産を招いて結局金融機関に跳ね返ってくる悪循環が懸念されます。このため、政府は、国策銀行に対する資金の支援を増やすことで、銀行の貸し渋りを防止する一方で、資金繰りの悪化が続く企業に対してはリストラを求めることで倒産を予防する法律の改正を進めるとしています

・5日に公開された金正日国防委員長の写真は偽造された可能性があると、BBCやタイムズなどイギリスのメディアが相次いで報道しました。このうち、BBCは、北韓の朝鮮中央通信が金正日国防委員長が朝鮮人民軍の2つの部隊を訪れたとして5日に公開した写真について、金正日国防委員長の影の伸び方が不自然で、足元の壁に水平に走る黒い線が金正日国防委員長のところだけ途切れていることなどをあげ、偽造された疑いがあると9日報じました。これに先立って、イギリスのタイムズも7日、この写真について同じような根拠をあげ、偽造の疑いがあると報じました。さらにタイムズは8日、金正日国防委員長に代わって金正日国防委員長の妹の夫である朝鮮労働党の張成沢(チャン・ソンテク)行政部長が北韓を統治しているものと見られると報じました。それによりますと、韓国の政府関係者や北韓専門家は、北韓の秘密警察を指揮する62歳の張成沢行政部長が北韓の重要な意思決定を下していることがうかがえる情報を入手したということです。

・国会は10日から国政調査が始まり、与野党の激しい対立が予想されます。特にコメ農家に対する補助金を政府高官や公務員が不正に受け取っていた問題で、与党ハンナラ党は、前の盧武鉉政権の時に起きた事実が前の政権によって隠されたきたと主張し、一方野党民主党は、社会の指導層が倫理意識を欠いているとして集中的に追及する方針です。この問題をめぐっては、18日から始まる担当部署による報告や立ち入り調査、それに26日から3日間開かれる聴聞会でも、与野党の攻防が繰り広げられる見通しです。また、来年度予算案の審議をめぐっても論戦が予想され、政府と与党ハンナラ党が経済危機を克服するためには財政支出と減税を同時に実施すべきだとしているのに対し、民主党などの野党は、減税まで行えば財政が悪化するとして反対しています。

・アメリカの次期大統領に保護貿易主義の傾向が強い民主党のオバマ氏が当選したことについて、国内の産業界は様々な反応を示しています。まず、製薬業界は共和党政権が新薬の特許権を保護する政策を重視したのに対し、民主党の新政権は医療保険を拡大するために値段の安いジェネリック医薬品の市場参入を容易にする政策をとることが予想されるため、オバマ次期大統領を歓迎しています。また、オバマ次期大統領は、これまで数回にわたってIT産業を集中的に育成すると明言してきたため、パソコンや携帯電話などのIT業界もアメリカ市場への進出拡大を期待しています。一方、自動車業界は、オバマ次期大統領が選挙運動の中で韓国製の自動車をめぐって貿易不均衡の是正を主張したことから、新政権の政策に緊張している様子で、現地で生産する戦略などを通じて困難を克服していくとしています。

・環境部は9日、南北の軍事境界線にある非武装地帯(DMZ)全域で初めて生態系や森林、文化財などの総合調査を実施すると発表しました。国防部が協力して行われるこの調査で、これまで南北を結ぶ鉄道、京義線の連結区間など、ごく一部の地域に限って公開されてきたDMZの生態系の全容が、休戦協定が締結されて以来初めて明らかになります。

・日米女子プロゴルフツアーを兼ねたミズノクラシックで申智愛(シン・ジエ)選手が優勝し、LPGAでシーズン2勝目を挙げました。日本で開催されたミズノクラシック最終日の9日、申智愛選手はスコアを5つ伸ばし、通算15アンダーの201で圧勝しました。これで、申智愛選手は、全英女子オープン選手権での優勝に続き、LPGAツアーだけで2勝目を挙げました。これに先立って6日から8日まで中国で行われた女子フィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦で、金妍児(キム・ヨナ)選手が2大会連続で優勝しました。今回の優勝で金妍児選手は、来月韓国で開催されるグランプリファイナルへの出場を決め、女性フィギュア史上2番目となる3連覇を狙います。

・日本の大学入試センター試験にあたる大学修学能力試験が13日全国で一斉に行われるのを前に、10日、試験問題が警察が警備をする中で全国の試験場がある地区に運ばれました。これらの試験問題は試験の前日まで地区の公共施設などに保管され、当日の朝、それぞれの試験場に移されます。今年の大学修学能力試験は13日に、去年より3905人多い58万8839人が志願して、全国78地区、996の試験場で行われます。試験当日は、リスニングとスピーキングのテストが行われる午前8時35分から58分までと午後1時5分から35分までは、試験場周辺の上空での航空機の飛行が全面的に規制されます。また、当日は、受験生の交通の便を図るため、官公庁や企業の出勤時間を遅らせて10時にする措置が取られます。さらに、ソウル市消防災難本部が、救急車や消防車などを使って入院中の受験生や体の不自由な受験生などを試験場まで送る「緊急出動サービス」も実施される予定です。

・景気の低迷が続く中、ソウル市の高級住宅地江南地区で整形医院の廃業が相次いでいます。ソウル市の江南地区には様々な病院がひしめき合っており、かつては江南にある病院は不況を知らないとされてきました。しかし、最近では客足がばったりと途絶え、経営難に陥ったために廃業を余儀なくされる整形医院が続々と出ています。これらの整形医院の多くは銀行から融資を受けて開業しており、景気が低迷し、病院の収益が悪化したことで、銀行から融資を延長してもらえず、返済のため病院を売るケースが多いということです。このように廃業した整形医院は江南地区の整形医院全体の10%にのぼるということです。

11月8日土曜日

・北韓外務省の李根(リ・グン)局長と、アメリカのオバマ新政権で韓半島政策に影響を及ぼすとみられる関係者が、7日、ニューヨークで初めて接触しました。接触の場になったのは、アメリカのシンクタンク、全米外交政策協議会が非公開で開いた韓半島専門家会議で、北韓の李根局長はオバマ陣営の韓半島政策チーム長、フランク・ジャヌージ氏らアメリカの次期政権と議会関係者と会いました。会談はおよそ4時間にわたりアメリカの対外政策や米朝関係正常化など広い範囲にわたって意見を交換したということです。会議の出席者について、主催者の全米外交政策協議会は、キッシンジャー元国務長官のほか、グレッグ元韓国駐在大使などブッシュ政権関係者がいたことは認めましたが、次期政権関係者の名前は明らかにしませんでした。関係者はこの会議について「会議は友好的な雰囲気の中で進められ、ある程度の成功だったと思う。北韓が最も関心を示したのはオバマ新政権がブッシュ政権の政策を引き継ぐかどうかの確認だった」と述べ、北韓がアメリカの政権交替で米朝関係に影響があるかどうかに強い関心を抱いていることをうかがわせました。

・6カ国協議のアメリカ首席代表、ヒル国務次官補は、7日、ニューヨークを訪れた北韓外務省の李根(リ・グン)アメリカ局長と会って、北韓の核計画の検証や核の無能力化などについて協議しました。アメリカは先月11日、ヒル国務次官補の北韓訪問をもとに、北韓との核検証の合意内容を発表しましたが、核のテスト材料をどのように採取するかについて、あいまいな部分が残っていたため、今回の米朝協議が注目されていました。ヒル次官補は7日、ニューヨークでアメリカのソン・キム6カ国協議担当特使とともに北韓外務省の李根アメリカ局長と協議した後、記者団に対して、焦点となっている核施設での試料の採取を含む科学的な検証について、「互いにしっかり理解していることを確認し、双方で実質的な意見の差はない」と強調しました。また李根局長も、検証問題で進展がみられたかどうかを聞く記者団に対して「すべて合意できているので、さらに進展する必要はない」と述べ、オバマ新政権にかける北韓の期待のほどをうかがわせました。

・韓日議員連盟の新しい会長に、李明博大統領の実の兄、与党ハンナラ党の李相得(イ・サンドク)議員が選ばれました。韓日議員連盟は7日、開いた会議で、新しい役員を選出し、李相得議員を会長に選んだほか、副会長兼幹事長には民主党の李洛淵(イ・ナクヨン)議員、幹事長代理にハンナラ党の田麗玉(チョン・ヨオク)議員、顧問に金炯オ(キム・ヒョンオ)国会議長とハンナラ党の朴槿恵(パク・グネ)元代表ら10人を委嘱しました。李洛淵幹事長は「年内に日本を訪れて、金融危機対策など韓日間の懸案について韓日・日韓議員連盟間の意見交換をはかりたい」と述べました。韓日議員連盟は日本の国会議員との交流を積極的に行い、両国間の友好関係の促進を目的とする国会議員の組織で、現在190人が入っており、日本側の日韓議員連盟は森善朗会長をはじめ307人が加入しています。

・李明博大統領は、肺がんで亡くなった日本のジャーナリスト、筑紫哲也さんの自宅に7日、権哲賢駐日大使を派遣して弔意を示しました。筑紫哲也さんは今年4月の李明博大統領の日本訪問の際、肺がんで闘病中だったにもかかわらず、李明博大統領が出演した「日本国民100人との対話」の番組の進行役を果たしました。大統領府青瓦台の関係者は、「日本国民100人との対話は、李明博大統領が出演するとともに、筑紫哲也さんの最後の大きな番組だったので、大統領も哀悼の意を示した」と話しています。

・韓国最大の企業、三星電子が、アメリカの携帯電話端末機市場で初めて占有率1位になりました。アメリカの市場調査会社のストラテジー・アナリティック(Strategy Analytics)が7日まとめたところによりますと、三星電子は、今年の第3四半期にアメリカで1060万台を販売して市場の22.4%を占め、2004年以降、1位を続けてきたアメリカのモトローラを抜いて初めて1位の座につきました。モトローラは21.1%で2位、LG電子は20.5%で3位でした。三星電子は1997年6月からアメリカに向けて携帯電話の輸出を始め、販売台数は、今年7月までに累計で1億5000万台を超えています。

・韓国1位の自動車メーカー、現代自動車は、アメリカ・クライスラー社の4輪駆動車、「ハマー」の買収に関心を持っていると、アメリカの消息筋が8日伝えました。クライスラーはアメリカ最大手のゼネラル・モーターズに吸収合併される方向で交渉が行われてきましたが、ゼネラル・モーターズは7日、資金繰りの悪化で交渉を中断すると発表しました。消息筋によりますと、現代自動車はクライスラーが持つ4輪駆動車の「ハマー」の買収に関心を示していますが、クライスラー株80.1%を保有しているアメリカの投資ファンド、サーベラス・キャピタル・マネージメントは、1部門の買収よりはクライスラー全体の売却を希望しているということです。これについて現代自動車は8日、「現代自動車は海外生産法人の設立と環境にやさしい自動車の開発に集中投資しており、外国の有名ブランドを買収する余力はない」と否定しました。

・江原道の山間部では8日、秋雨が雪となり、午前10時の時点で、雪岳山(ソラクサン)の主な峰の一つ、大清峰(デチョンボン)で3センチの積雪が観測されました。気象庁によりますと、8日は平年に比べて暖かく、江原道の東海(トンヘ)や束草(ソクチョ)などでは20ミリを超える雨が降っているが、山間部では気温が下がって雪になっている」ということです。雪岳山では先月25日、この秋、初雪が観測されましたが、気温が暖かかったため積雪量は0でした。

11月7日金曜日

・李明博大統領は7日朝、アメリカのオバマ次期大統領と電話で会談し、韓米同盟を強化していくことで一致しました。電話会談は10分間に渡って行われ、李明博大統領は、「韓米同盟関係を発展させていくためにともに努力していきたい」と述べた上で、北韓の核問題を解決するために緊密に協力していくことを提案しました。これに対してオバマ次期大統領は、「韓米同盟関係はアジアの平和の基礎だ」と指摘し、「韓米関係は今も緊密だが、さらに関係を強化していきたい」と述べました。そして、「李明博大統領の知恵と経験を借りて、韓国とアメリカがともに直面している金融危機や北韓の核問題を、緊密に協力して解決していきたい」と述べました。オバマ次期大統領はまた、できるだけ早い時期に李明博大統領に会える機会があることを期待するとし、李明博大統領も同意したということです。

・柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は7日、北韓に対する政策でアメリカの次期政権と協力する問題について、「オバマ次期大統領側と対話のチャンネルを確保しているので、政策面で大きな問題はないだろう」と述べました。柳明桓外交通商部長官は内外記者団とのインタビューで、「オバマ候補の当選は予想していたことで、同じ民主党のクリントン政権のときにも韓米両国は北韓の核問題について協議した経験があり、オバマ次期政権とも対話のチャンネルがあるので韓米間の政策面での協力に問題はないだろう」と指摘しました。柳明桓長官はまた、「オバマ次期政権が北韓との対話を積極的に進める可能性もあるが、いずれにしても北韓との対話を進め、協力していくという韓国政府の北韓に対する政策の基調は変わらない」とした上で、「韓米は共同の利益を追求する立場で協力していけばよい」と強調しました。さらに柳明桓長官は6カ国協議と関連して、「11月中に協議を再開する方向で調整が進められているが、12月にずれ込む可能性も排除できない」と述べました。

・アメリカの経済団体がオバマ次期大統領に対して、FTA=自由貿易協定に反対している立場を撤回するよう求めました。アメリカの複数の経済団体はこのほど、オバマ次期大統領に書簡を送り、韓国をはじめコロンビアやパナマとのFTAを速やかに批准する必要があると主張しました。こうした動きは、オバマ氏の当選が決まった直後に、民主党のブラウン上院議員が「FTAの締結は保留すべきだ」と主張したことを受けたものです。アメリカでは自動車業界などFTAによって打撃が予想される一部の業界がFTAの批准に反対していますが、経済界全体としては早期批准を求める声が強まっています。

・中央銀行の韓国銀行は7日、金融通貨委員会を開き、政策金利を0.25%引き下げて、年4.0%にすることを決めました。韓国銀行は先月9日に政策金利を5.25%から5.0%に引き下げ、28日にはさらに0.75%と大幅に引き下げ、政策金利は4.25%となっていました。政策金利はこれで1カ月間で1.25%も引き下げられました。年4.0%の政策金利は2006年2月以来の低い水準です。

・アメリカ国務省のソン・キム6か国協議担当特使と北韓外務省の李根(リ・グン)アメリカ局長は6日、ニューヨークで会談し、核計画の検証手続きなどについて協議しました。李根局長は協議を終えた後、記者団に対して、核計画の検証手続きについて十分な協議を行ったと説明し、アメリカの大統領選挙で民主党のオバマ候補が当選したことについて、「北韓はアメリカのいかなる政権にも対応する準備が整っている」と述べました。ソン・キム特使も今回の協議について、非核化に向けた過程がどの時点まで来ているかを把握し、特に核計画の検証問題について広範な協議を行ったと述べ、協議が順調に進められたことを示唆しました。李根局長をはじめとする北韓の代表団は、全米外交政策協議会が主催する韓半島問題専門家による会議に出席する予定ですが、この会議にはオバマ氏の選挙陣営の韓半島政策担当者も出席することになっており、関心が寄せられています。

・北韓がアメリカの大統領選挙の結果についてまだ公式の論評を出していない中で、7日付朝鮮新報が「韓半島周辺情勢が新たな局面に入った」と報じました。朝鮮新報は在日本朝鮮人総連合会の機関紙で、北韓の立場を代弁しています。朝鮮新報はこの日、「アメリカの大統領選挙で変革を掲げた候補が当選し、韓半島情勢の発展が新たな局面を迎えた」と報じました。また、「オバマ候補が当選したことで、核問題を解決するために6カ国協議の合意を履行するプロセスが再び軌道に乗った」と指摘しました。一方、朝鮮新報は南北関係について、「オバマ次期政権が北韓との対話に積極的に応じれば、北韓のアメリカ重視の政策がさらに進み、韓国との関係は疎かになる可能性がある」と指摘し、これは「李明博政権が北韓との関係を軽視して自ら招いた結果だ」と主張しました。

・フィギュアスケートのグランプリシリーズ第3戦の中国杯で、金妍児(キム・ヨナ)選手は6日に行われた女子ショートプログラム(SP)で首位に立ちました。金妍児選手はジャンプがやや乱れましたが、無難に演技を終え、63.64点を獲得して、1位になりました。金妍児選手は、「緊張したせいかジャンプでややミスをしましたが、フリースタイルでは緊張せずにさらによい成績を出したい」と述べました。金妍児選手は8日、フリースタイルに出場し、今シーズンの連続優勝に挑みます。

・全国の市内バスのうち半数が5年以内に低床バスに入れ替えられる見通しです。国土海洋部は7日、韓国型低床バスの主な仕様と導入時期を定めた「低床バス標準モデル基準」を告示し、2013年までに全国の市内バスの半数程度を低床バスに入れ替えることにしたと発表しました。標準モデルの低床バスは、既存の低床バスより価格が2000万ウォンほど安く、燃費も10〜20%向上しました。前後の扉の幅が850ミリから900ミリに広くなり、車椅子を固定する装置やシートの肘掛けなどの設備が整えられました。国土海洋部は、地方自治体が標準モデルの低床バスを購入する際は、一般バスとの価格の差額を補助金として支給することにしています。

11月6日木曜日

・6日の韓国株式市場は、5日のニューヨーク株式市場で株価が大幅に値下がりしたことなどを受けて大きく下落し、1100ポイント台を割り込むなど、6日営業日ぶりに再び不安な様相を呈しています。6日の韓国株式市場は、5日のニューヨーク株式市場で株価が大幅に値下がりしたことなどを受けて、売り注文が集まり、取り引き開始から17分後には、株価が一時5%以上も下落したため取り引きを5分間停止するサイドカーが発動され、結局、1092.22で取り引きを終えました。株式市場でサイドカーが発動されたのは今年に入ってすでに10回目です。このように株価が値下がりしているのは、アメリカ大統領選挙で当選したオバマ氏の経済政策に一定の期待感はあるものの、5日、アメリカで発表された雇用情勢を示す統計が予想よりも悪かったことから実体経済が悪化するという懸念が強まっていることなどによるものとみられます。一方 、6日の為替相場は、ウォンが急落し、1ドルが1328ウォンと前日に比べて62ウォンのウォン安でした。

・与党ハンナラ党は、韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案を来週、国会に上程する方針を明らかにしました。ハンナラ党の韓米FTA特別対策チームのチョ・ユンソンスポークスマンは6日、記者会見し、FTA批准同意案の国会への上程を延期すべきだとする野党民主党の要求に配慮した上で、12日の公聴会の後、上程すると明らかにしました。ハンナラ党はFTA批准同意案を国会の外交通商委員会に上程した後、17日には、外交通商委員会の幹事団をアメリカに送り、アメリカ議会の関係者らに対して、FTAの早期批准を求めることにしています。これに対して、野党民主党のチョン・セギュン代表は6日、仏教放送のラジオ番組に出演し、「アメリカ議会は韓国の国会で先に批准が行われたかどうかにかかわらず、国益と政治的な立場で決めるものとみられる。韓国の国会が先に批准して相手を圧迫しようとするのは、まるで子どものような発想だ。批准は、さらに対策を立てて慎重に進めるべきだ」と指摘しました。

・アメリカでオバマ新政権が発足することによって、韓米間の通商政策が変化するかどうかについて、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、「根本的なことで変化はないものとみられる」と述べました。韓昇洙国務総理は、6日、国会で行われた経済分野の対政府質問でこのように述べ、さらにアメリカで新政権が誕生した後の韓米FT=自由貿易協定の展望についての質問に対して、「オバマ次期大統領が選挙運動の際、韓米FTAについて、自動車分野でアメリカに不利な点を指摘していたが、基本的には自由貿易を支持しているとみられる」という見解を示しました。

・アメリカ大統領選挙で民主党のオバマ氏が当選したことを受けて、与野党は、それぞれの党内に韓米関係特別委員会を設けました。与党ハンナラ党は6日、党内に鄭夢準(チョン・モンジュン)最高委員を委員長とする韓米関係特別委員会を設け、委員会は、アメリカの情勢を分析しながらオバマ次期大統領との人的ネットワークをつくるほか、必要であれば、関係者のアメリカ訪問も検討することにしています。これに先立って、野党民主党は、5日、党内に李光宰(イ・クァンジェ)議員を委員長とする8人で構成した「韓米関係発展特別委員会」を設け、アメリカの韓半島政策の変化に対応することにしています。

・今年9月の小売販売額が去年の同じ期間と比べて4.6%の増加にとどまるなど、金融不安による影響で、国民の消費心理が大きく萎縮していることがわかりました。統計庁が5日発表したところによりますと、9月の小売販売額は20兆9946億ウォンで、去年の同じ期間より4.6%増加にとどまりました。小売販売額は、7月と8月に二桁の伸び率を示していたものの9月に入って伸び率は一桁に落ちました。このような消費の不振は、旧盆の秋夕連休が今年は例年より早かった上に短く、関連消費が8月と9月に分散されたことや、景気の落ち込みで、各家庭が家計の紐を締めたことによるものとみられると、統計庁は分析しています。商品別にみますと、車両用の燃料、化粧品、石鹸、医薬品など、消耗品の販売は増えたものの、車や家電製品、パソコン、衣類などの消費は減っています。

・姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官は、6日、麻生首相の特使として韓国入りした国際金融・経済専門家と会談し、国際的な金融危機に対応するための両国の協力案について協議しました。韓国を訪れたのは、日本国際通貨研究所の行天豊雄理事長と、野上義二前外務次官です。この席で、姜萬洙長官は、国際的な金融危機を克服するには国際的な協調体制が何よりも重要だとして、15日にワシントンで開催されるG20金融首脳会議と、韓日両国の緊密な協力強化の必要性を強調しました。

・健康悪化説が流れている北韓の金正日国防委員長が、中央芸術団体の公演を見たと、北韓の朝鮮中央通信が6日、報道しました。それによりますと、金正日国防委員長は、朝鮮人民軍の兵士らとともに功勲国家合唱団やマンスデ芸術団など、中央芸術団体の公演を観覧したということです。しかし公演が行われた日付や場所などは明らかにしておらず、写真も公開していません。朝鮮中央通信は5日は、金正日国防委員長が朝鮮中央軍の2つの部隊を訪れたとして、数枚の写真を公開しており、金正日国防委員長の健在ぶりを内外に積極的にアピールする狙いがあるものとみられます。

・最近北韓を訪れた与党の関係者は、帰国後、記者団に対して、健康悪化説が取りざたされている金正日国防委員長は、報告を受けたり指示を出したりすることができる状況のようだと述べました。この与党関係者は、最近、平壌で会った北韓の関係者に対して、金正日国防委員長に脳疾患の治療薬を提供したいという意向を伝えたところ、翌日、金正日国防委員長が治療薬の提供を期待しているという返事があったということです。こうしたことから、この与党関係者は、金正日国防委員長が脳疾患を患っていることはほぼ確実とみられるが、報告を受けたり指示を出したりすることが可能な状況のようだと述べ、金正日国防委員長の健康がさほど深刻ではないとする見解を示しました。

・北韓を脱出した人たちで作る「脱北者団体」による北韓の金正日体制を非難するビラまきが、先の南北軍事実務者協議で問題となった中で、一部の民間団体が5日、風船を使って大量のビラをまき、統一部は遺憾の意を表明するとともに団体に改めて自粛を求めました。

・アメリカカリフォルニア州アーバイン市の市長に、韓国人1世としては初めてカン・ソキ氏(55)が当選しました。アメリカの大統領選挙に合わせた行われた、カリフォルニア州アーバイン市の市長選挙で、民主党の候補として出馬したカン・ソキ氏は得票率で過半数を上回る52%を獲得し、共和党の候補を抑えて当選しました。在米韓国人1世が直接選挙で市長に当選したのは初めてです。カン・ソキ氏は、韓国で生まれて大学卒業後アメリカに渡り、電子流通業界のビジネスに携わりながらアメリカの韓国人社会で積極的に活動し、2004年からアーバイン市の市議会議員として活躍していました。

11月5日水曜日

・アメリカ大統領選挙は、民主党候補のオバマ上院議員(47)が、激戦州のペンシルベニア、オハイオなどを制し、共和党候補のマケイン上院議員(72)を破って、当選を確実にしたと、アメリカのCNN放送が報道しました。それによりますと、オバマ氏は、勝利に必要な選挙人270人を大幅に超す300人以上を獲得し、初当選しました。これでアメリカは、1776年の建国以来初めて黒人の大統領が誕生することになり、オバマ氏は来年1月20日に第44代アメリカ大統領に就任します。

・李明博大統領は、オバマ氏の当選を祝うとともに両国のさらなる関係発展を期待する内容の手紙を5日、オバマ氏に宛てて送りました。これとは別に、大統領府青瓦台の李東官スポークスマンは5日、論評を出し、オバマ氏の当選が韓米両国の関係発展につながるきっかけとなることを期待すると述べました。論評の中で、李東官スポークスマンは、「オバマ氏の当選は、オバマ氏がこれまで訴えてきた変化と希望をアメリカ国民が支持した結果だ」と述べ、 オバマ氏の当選を歓迎する意向を示しました。そのうえで李東官スポークスマンは、「李明博大統領は、就任後一貫して変化と改革を国政運営の重要な柱としてきた。こうした点で両首脳は、共通した哲学を共有している。政府は、オバマ氏が韓米同盟の重要性を強調してきた点に注目している」と述べ、オバマ氏の当選で韓米両国の未来志向的な同盟関係がより一層、高いレベルに発展していくことに強い期待感を示しました。

・第44代アメリカ大統領選挙で、民主党のオバマ候補が当選したことを受けて、韓国の与野党は5日、一斉に歓迎する論評を出しました。このうち、与党ハンナラ党のユン・サンヒョンスポークスマンは、オバマ氏の当選は、変化と希望を願うアメリカ国民の選択であり、アメリカの新しい歴史に向けた転機となると評価しました。一方、野党民主党のチェ・ジェソンスポークスマンは、民主党が8年ぶりに政権を奪回したことを祝い、オバマ氏の当選は、無能な保守の時代が終わり、進歩への変化を予告するものだと評価しました。またオバマ氏当選が意味しているのは、統合と変化、多数のための政治だとして、李明博政権も富裕層のための減税や北韓に対する強硬策を根本的に反省する必要があると強調しました。

・国会の外交通商統一委員会に所属する与野党の議員が、オバマ新政権の関係者と韓米間の懸案について意見を交わすため今月17日にアメリカを訪問します。

・今年9月に赴任したキャスリン・スティブンス駐韓アメリカ大使は、今回のアメリカ大統領選挙をきっかけに韓国とアメリカとの関係は、新たな段階に発展するという見解を示しました。

・外交通商部のイ・へミン自由貿易協定交渉代表は、5日、ブッシュ政権との間で締結した韓米FTAの再交渉はあり得ないとする見解を示しました。イ・へミンFTA交渉代表は、政府庁舎で行った通商交渉本部の定例会見で、アメリカの新政権が自動車部門を理由に再交渉を要求してくる可能性について、「交渉内容の一部が片方に有利になったり不利になったりすることはあり得るが、協定内容の全体をみれば極めてバランスの取れたものになっている。特定分野を理由に再交渉を要求する場合、片方も問題分野について同じく再交渉を要求する可能性も出てくる」として、再交渉の要求には応じられないとする確固とした姿勢を示しました。

・EU=ヨーロッパ連合や日本などが先月30日、国連事務局に提出した北韓の人権決議案に、韓国も共同提案国として初めて参加したことが明らかになりました。外交通商部は、4日、「人権は人類の普遍的な価値として他の問題とは切り離して扱うべきだというのが政府の方針だ」として、EUなどが主導する北韓の人権決議案に韓国政府が初めて共同提案国として参加したことを明らかにしました。北韓の人権侵害に懸念を示す決議案は2003年から国連人権委員会で、2005年からは国連総会でも重ねて採決されてきました。韓国は、北韓が核実験を行った直後の2006年には決議案に賛成を表明していますが、その他の年は、表決をボイコットするか棄権しています。

・健康悪化説が流れている北韓の金正日国防委員長が、朝鮮人民軍の部隊を相次いで視察したと、北韓の朝鮮中央通信が5日、報道しました。それによりますと、金正日国防委員長は、朝鮮人民軍第2200部隊と第534部隊所属の区部隊を訪れ、軍事訓練を視察したということですが、視察した日付や部隊の所在地については明らかにしませんでした。金正日国防委員長の活動に関する報道は、今月2日のサッカーの観戦に続くものです。このため脳疾患を患っているのではないとされている金正日国防委員長が、本格的な活動を再開できるまでに健康が好転したかどうかに関心が寄せられています。

・アメリカ国務省のソン・キム6カ国協議担当特使が、5日からニューヨークを訪問する北韓外務省の李根アメリカ州局長と会う前に、韓国の6カ国協議次席代表であるファン・ジュングッ北核企画団長とワシントンで会談することになりました。外交通商部が5日、発表したところによりますと、ファン・ジュングッ北核企画団長は現地時間で5日、アメリカ国務省のソン・キム特使と会って、アメリカと北韓が合意した北韓の核計画をめぐる検証議定書の採択や、北韓に対する経済援助、次の6カ国協議の開催日程などについて意見を調整する予定だということです。

・真の教育父兄会をはじめ75の市民団体などの1700人は、5日、ソウル市教育委員会が、先月末に、ソウルの2つの中学校に対して、ほとんどの授業を英語で行う国際中学校の設立を認める「特性化中学校指定同意案」を可決したのは、教育の平等権を侵害し憲法違反だとする訴えを憲法裁判所に提出しました。

・政府がケーブルテレビに導入しようとしている総合編成チャンネルと新しい報道チャンネルをめぐる公聴会が4日、ソウルで開かれ、財閥や大手新聞社と、言論改革を目指す市民団体との間で賛否両論の激しい論戦が交わされました。

・明日から出荷されるすべてのアナログテレビの画面に、アナログ方式の地上波放送が2012年末に中止されるという案内文のステッカーが貼られることになりました。放送通信委員会は、地上波放送が今のアナログ方式からデジタル方式に切り替えられる2012年末以降は、アナログテレビでは、番組を視聴できなくなることから、テレビを購入する消費者が被害を被ることがないよう事前に知らせることを関係者に義務付けました。放送通信委員会が最近行った調査によりますと、2012年末にアナログ方式の放送が終了することを知らない国民は68%に上っています。

・韓国で初めて民間機の女性機長が2人も誕生しました。二人は、いずれも操縦士としてのキャリアが11年の大韓航空副機長のシン・スジンさん(39歳)と、ホン・スインさん(36歳)です。二人の女性機長は、今月15日から、日本や東南アジアを往復する大韓航空のボーイング737型機を操縦することになっています。韓国で女性の機長が誕生したのは、韓国に民間航空機が導入されてから60年目にして初めてです。

11月4日火曜日

・4年に一度のアメリカ大統領選挙の投票が4日行われていますが、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、「大統領にどちらの候補が当選しようと、アメリカの北韓に対する政策は、韓国とアメリカの強固な協調体制のもとで取られるだろう」と述べました。韓昇洙国務総理は、4日国会で行われた外交・統一・安保分野の対政府質問で、「民主党のオバマ候補が当選すれば、アメリカの北韓に対する政策に変化が出てくるのではないか」という質問に対し、このように答えました。韓昇洙国務総理はまた、「去年10月の南北首脳会談で採択された共同宣言の合意内容を履行すべきだ」という指摘に対し、「南北首脳会談での合意内容だけでなく、これまで北韓との間で交わした全ての合意内容にもとづいて対話を進め、その中で共生する関係を築いて行きたい」と述べました。一方、外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は、「オバマ候補が当選すれば、北韓の核問題で韓国とアメリカの温度差が大きくなるのではないか」という質問に対し、「オバマ候補も韓米同盟の強化と韓国の北韓政策を積極的に支持しており、北韓の核問題を6カ国協議によって解決する方針に基本的に賛成しているので、政策の上で大きな問題はない」という考えを示しました。

・金融危機が続く中で、韓国の中央銀行である韓国銀行が、中国の中央銀行である人民銀行と、100億ドルから300億ドル規模の通貨スワップ協定を締結する交渉を進めていることが分かりました。政府関係者は4日、韓国銀行は中国と通貨スワップの限度を増やす方向で話し合いを進めており、交渉には時間がかかると思われるが、おそらく実現するだろうという見方を示しました。また別の政府関係者は、現在、中国との間で40億ドルを限度に人民元とウォンを交換できる協定が結ばれているとし、この限度を拡大し、人民元ではなく、ドルと交換する案も検討しているとしています。韓中通貨スワップが締結されれば、韓国が通貨危機に陥ったときに外部から支援を受けることができる金額が最大1000億ドルに達することになります。これに先立って、韓国は、アメリカとの間で先月30日に300億ドルを限度とする通貨スワップ協定を締結しています。

・韓国南東部の慶尚南道昌原(チャンウォン)で開かれていた水鳥などが生息する湿地の保護に関する条約、ラムサール条約の第10回締約国会議は、昌原宣言を採択して4日閉幕しました。今回の会議には世界140カ国の政府やNGO=非政府組織などから2000人余りが参加し、これまでで最大の規模となりました。そして会議では、ラムサール条約の法的地位をはじめ、予算や多様な生物が生息する湿地である水田に関する決議など、32の決議文が採択されました。特に韓国が草案を作成した昌原宣言は、湿地を「天然の水インフラ」と位置づけ、湿地の保護を気候変動への対策や国の政策などに反映させるべきだとしています。今回の会議は環境にやさしい会議のモデルになったと評価されるほど、リサイクルや二酸化炭素の排出削減に向けた会場の設営が至るところで見られたほか、周到な準備と円滑な進行についても高い評価を得ました。次回の第11回会議は、2012年の春にルーマニアで開催されます。

・第一野党、民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、4日朝、KBSラジオで演説し、政府は経済危機を利用し、ごく一握りの富裕層や不動産投機家に有利な政策をとっていると批判しました。そして、政府が決めた首都圏での工場の新設や増設を容易にする首都圏の規制緩和策について「明らかな憲法違反で、国土を分裂させる政策だ」と非難する一方で、複数の住宅保有者に対する譲渡所得税の減税については「これまで不動産投機を鎮めるために莫大な社会的費用を払ってきたのに、ありえない政策だ」と強調しました。丁世均代表はさらに、「与党は富裕層のための減税策を撤回し、付加価値税の30%引き下げや低所得層に対する支援策などを進めるべきだ」と述べたうえで、民主党は今後、中間所得層や低所得層、中小企業の立場を代弁する政党を目指していくと述べました。KBSは、今月から李明博大統領のラジオ演説を隔週で月曜日に放送し、翌火曜日には国会の院内交渉団体の代表によるラジオ演説を編成しています。

・外貨準備高が先月はこれまでで最も減少しました。韓国銀行は4日、先月10月末現在の外貨準備高は、2122億5000万ドルで、前の月より274億2000万ドル減少したと明らかにしました。これは、これまでで最大だった1997年11月の61億ドルをはるかに上回る減少幅です。この結果、3月に18億8000万ドル増加した外貨準備高は、4月に37億6000万ドルの減少に転じてから7ヵ月連続で減少したことになり、今年に入ってから先月までの減少額は500億7000万ドルとなりました。韓国銀行は、先月このように外貨準備高が大幅に減少した原因として、国内の為替市場の不安を緩和するためにスワップ取引を通じて中央銀行である韓国銀行から資金を受け取ることができる銀行の数を増やすなどして外貨の流動性を供給したことを上げています。しかし、経常収支が黒字に転換することが見込まれているうえ、外貨準備高から供給した外貨が銀行の短期債務の返済に使われているため、外貨準備高の状況に問題はないとしています。韓国の外貨準備高は9月末現在で中国、日本、ロシア、インド、台湾に続いて世界で6番目を維持しています。

・北韓が2日に公開した金正日国防委員長の写真について、今月初めに平壤付近の療養施設で撮ったものだとする分析が出ています。韓国政府の北韓情報筋によりますと、金正日国防委員長は、今月初めにサッカー場があるこの療養施設に選手たちを呼び、サッカーの試合を観戦したということです。写真は金正日国防委員長が笑顔で写っていることから、健康状態に大きな異常はないと見られています。ただ、金正日国防委員長は左手の親指を上着のポケットに掛けていたり、膝に乗せたりしていることから、右脳に問題がある可能性があるという分析も出ています。しかし、正しい姿勢で立っているうえ、右手を使っており、言語や認知をつかさどり統治能力に関わる左脳には問題がないものと見られます。これについて政府は、具体的な発言を避けるなど、慎重な姿勢を示していますが、撮影の時期や場所が特定されたことや、写真の背景に写っている木々の形などから、写真は合成されたものではないと判断していると伝えられています。

・旧日本軍のための元従軍慰安婦問題などをテーマとした「戦争と女性人権博物館」をソウル市の旧西大門(ソデムン)刑務所の跡地である独立公園につくる計画をめぐって賛否両論が巻き起こっています。「戦争と女性人権博物館」は、従軍慰安婦と女性に対する暴力の問題をテーマにした世界初の女性人権博物館で、旧西大門刑務所の跡地である独立公園に、地下1階、地上3階の規模で造られる計画で、来年3月に工事が始まる予定です。しかし、独立運動家やその遺族でつくっている独立有功者団体は、博物館の建設そのものには賛成するものの、独立闘争の聖地と言える独立公園につくるのは独立公園の趣旨を損うものだとして反対し、必要なら反対集会も行うとしています。これに対し、従軍慰安婦の問題を追及している韓国挺身隊問題対策協議会などは、日本による植民地支配に関連した施設が集まっているため、日本人観光客が多く訪れる独立公園に造ることで効果を最大に上げることができると主張しており、両者の意見は鋭く対立しています。

・国民に広く情報を伝える放送施設を敵の攻撃から守るための統合防護訓練が4日夜、KBSなどがあるソウルの汝矣島(ヨイド)一帯で行われます。この訓練は「2008護国訓練」の一環として、陸軍精鋭部隊の首都防衛司令部を中心に警察や民間団体などから合わせて1500人が参加します。そして、敵の特殊部隊がKBSなどの放送通信施設に侵入して汝矣島一帯の電気と通信が途絶し、毒物で汚染される恐れがあるという想定で各分野で初期対応などの訓練を行います。首都防衛司令部は、「放送通信施設が攻撃を受けて麻痺すると、社会的混乱が起こり、市民生活に多大な影響を与えるため、初期対応を的確に進めることが重要だ。この訓練で、迅速な対応体制を確認できるだろう」と話しています。統合防護訓練は、陸・海・空での合同作戦を遂行する能力を強化するために行われるもので、先月の10月30日から今月の8日まで首都圏と慶尚北道の浦項(ポハン)、西海で順次行われています。

11月3日月曜日

・政府は3日、姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官など6つの経済関係部署の長官が合同で記者会見して、総額14兆4000億ウォンに上る景気浮揚策を発表しました。それによりますと、政府は雇用創出と内需拡大に向けて10兆4000億ウォン、公営企業への投資に1兆ウォン、税制支援に3兆ウォンなど合わせて14兆4000億ウォンを投入するとしており、このため来年度の予算は原案に比べて歳出が10兆ウォン増えることになりました。主な歳出をみますと、地方の公共建設などに4兆6000億ウォン、中小企業と自営業者、農漁民への支援に3兆4000億ウォン、低所得層に対する福祉の支援拡大に1兆ウォン、若年層の失業対策に3000億ウォン、地方の財政支援の拡大に1兆1000億ウォンなどとなっており、このうち60%を来年上半期に前倒しして実施することにしています。また不動産をめぐる景気の活性化に向けて首都圏の広い地域で住宅建設などの規制を緩和するとともに、企業への投資を拡大するため首都圏にある工場の新設と増設を認めるなど規制緩和を進めていくことになりました。姜萬洙企画財政部長官は景気浮揚策を発表した後、「今回の対策がスムーズに行われれば、来年の経済成長を1ポイント向上させる効果が期待され、20万人の雇用創出も見込まれる」と述べました。

・李明博大統領は3日午前、2度目のラジオ演説を行い、大企業と中小企業がともに生きることが韓国経済の足腰が強くなると述べ、中小企業に対する支援を拡大する方針を強調しました。李明博大統領はこの中で、経済指標より肌で感じる景気がさらに悪く感じられるのは、中小企業が厳しい状況に置かれているためだという考えを示したうえで、「中小企業の発展に向けては大企業の協力が欠かせないが、政府も中小企業に対して資金の支援と税金の減免だけでなく、財政支出による支援をさらに拡大する」と強調しました。李明博大統領はまた市場でのドル不足による不安はほとんどなくなったとして、今後は輸出の不振に備えて内需を拡大する政策を取っていく必要があると指摘しました。一方、KBSは李明博大統領のラジオ演説を隔週で月曜日の午前に放送し、翌火曜日には国会の院内交渉団体の代表によるラジオ演説を編成する方針を決めました。4日には第1野党、民主党の丁世均代表のラジオ演説を放送する予定です。

・先月10月の貿易収支が5カ月ぶりに黒字になりました。知識経済部が3日まとめたところによりますと、10月の輸出は378億9000万ドル、輸入は366億7000万ドルで差し引き12億2000万ドルの黒字となりました。今年の貿易収支は、原油や原材料の価格上昇が大きく影響したため赤字が続き、10月の黒字は今年5月に次いで2度目で、これで今年の貿易収支の累積赤字は134億5000万ドルに減るとともに、不安定な為替市場の安定にもプラスになるものとみられます。主な品目の輸出をみますと、船舶は安定した受注による好調が続いて去年の同じ期間に比べて2倍以上となり、鉄鋼や携帯電話の端末機なども二桁の伸び率となりましたが、アメリカやヨーロッパ市場の景気低迷で、クリスマスの特需が見込めないことが予想されているため、半導体、家電、パソコン、自動車の輸出は軒並み減少に転じました。政府は今年の残り2カ月の貿易収支は黒字を維持するとみていますが、中国やヨーロッパ向けの輸出がマイナスになるなど、世界的な景気低迷によって輸出は伸び悩んでおり、来年の輸出の展望は明るくないものとみられます。

・日本の田母神航空幕僚長が、第二次世界大戦当事、日本の侵略行為を否定し、日本が韓国を植民地支配したことを正当化する論文を発表したことについて、外交通商部は、1日午後、「歴史の真実をごまかすもので決してあり得ないことだ」として、非難する声明を出しました。外交通商部の文太暎(ムン・テヨン)スポークスマンは、声明の中で、「過去の過ちを謙虚に反省し、歴史の教訓にすることが国際善隣友好関係の根幹であり、こうした歴史の歪曲が繰り返されてはならないことを重ねて強調する」と指摘しました。この問題については、日本政府が韓国政府に対して、論文はあくまで田母神氏の個人的見解であり韓日関係に悪影響を与えないことを望む姿勢を伝えていたということです。

・第18代国会で政府に対する質問が3日から5日間の日程で始まり、4つの分野で論戦が交わされています。今回の対政府質問は政治、経済、外交・安保、社会・文化の4つの分野にわたって行われ、最大の懸案である金融危機をはじめとする争点について与野党が責任を追及して攻防を繰り広げるものとみられます。与党、ハンナラ党は、コメ農家に対する補助金を政府高官や公務員が不正に受け取っていた問題に重点をおいて、盧武鉉前政権の責任を問いただすほか、韓米FTA=自由貿易協定の批准や金融と産業政策の分離、ネット上での悪質な書き込みを処罰する法律を制定することなどの必要性を強調するものとみられます。一方、第1野党の民主党は、経済政策の失敗を招いたとして姜萬洙企画財政部長官を更迭させることや、政府が放送の独立性を損なったという民主主義の後退、南北関係の悪化などに焦点を当てることにしています。自由先進党は、李明博政権が進めている実用外交・資源外交を批判し、首都圏での規制緩和の問題点を指摘して地方と均衡の取れた発展の重要性を強調する計画です。

・政府と与党、ハンナラ党は韓国とアメリカが合意したFTA=自由貿易協定の国会での批准を進めるために担当チームを設けました。担当チームはハンナラ党のファン・ジナ第2政調委員長をはじめ、ハンナラ党の議員と農林水産食品部、文化体育観光部、企画財政部などの高官で構成され、今の通常国会の会期内に韓米FTAが批准されるよう、広報活動を強化するとともに、韓米FTAによって被害が予想される産業に対する補完策をまとめることになっています。政府とハンナラ党は来週10日に外交通商統一委員会に批准同意案を上程することにしており、韓米FTAが批准されれば、議員外交団を設けてアメリカを訪問する方針です。これについてハンナラ党のファン・ジナ第2政調委員長は「韓米FTAの批准に慎重な意見もあるが、韓国が先に批准すれば、アメリカが再交渉を要求することを抑止できる」と述べました。これに対して民主党は、「韓米FTAの国会での批准によってアメリカ議会での批准を促すことができるという政府・与党の主張は根拠のないもので、農業をはじめ被害が憂慮される産業に対する具体的な対策をまとめるのが先決だ。ハンナラ党が韓米FTAの批准同意案を国会で無理に成立させようとすれば、厳しく阻止する」としており、国会での審議は難航が予想されます。

・健康に異常があると伝えられている北韓の金正日国防委員長が、北韓軍のサッカーの試合を観戦したと、朝鮮中央通信が2日、写真とともに報道しました。それによりますと、金正日国防委員長は5年ごとに開かれる人民体育大会のサッカー試合を観戦したということで、金正日国防委員長が試合を見ている様子や試合の写真を公開しましたが、具体的な日時や場所は明らかにしませんでした。写真によりますと、金正日国防委員長は朝鮮労働党の幹部らとともに会話をしながら試合をみている様子が映っています。朝鮮中央通信は金国防委員長について「朝鮮労働党の総書記で、国防委員長で、朝鮮人民軍の最高司令官」だと表現し、先月4日の報道と比べますと、朝鮮人民軍の最高司令官という呼称が追加されており、金正日国防委員長が依然として北韓軍を統率していることを強調しています。

・カナダ産牛肉の輸入再開をめぐる韓国とカナダの交渉が3日、ソウルで始まりました。カナダ産牛肉は2003年5月にカナダでBSE=牛海綿状脳症が発生したため、韓国への輸入が中断されています。今回の交渉で、カナダは去年5月に国際獣疫事務局によってアメリカとともにBSEの準安全国に認定されたことから、韓国に対して年齢と部位に制限を設けずに輸入再開を要求する可能性が高いものとみられます。これに対して韓国は、カナダでは2003年から今年8月までにBSEが14件も発生したことなどをあげて、アメリカと同じく「生後30カ月未満」という条件つきでカナダ産牛肉の輸入再開を提案する方針です。

・ソウルでは今年は大気中の微細なチリの濃度が去年に比べて10%以上減って、汚染が改善されたことが分かりました。ソウル市が3日まとめたところによりますと、今年1月から9月末までの間、大気中の微細なチリの平均濃度は1立方メートルあたり54マイクログラムで、去年の同じ期間に比べて11.5%減少しました。またチリの濃度が1立方メートルあたり100マイクログラムを超えた日数は、おととしは28日あり、去年は38日に増えましたが、今年は17日と、半数以下に減りました。大気中のチリの濃度が改善されたことについてソウル市は、市内バス6000台以上を天然ガス車両に換えた上、ハイブリッドカーを800台あまり普及させたこと、さらにバス13万台には煤煙を減らす装置を取り付けてきたことをあげています。

11月1日土曜日

・韓国、日本、中国の3カ国首脳会談が、12月14日に福岡市で開かれることになったと、読売新聞が日本の政府関係者の話として、1日、伝えました。それによりますと、韓国、日本、中国の3カ国首脳による会談が、国際会議の際ではなく独立した形で開かれるのはこれが初めてです。会談では、北韓の核問題をはじめ、世界的な金融危機について意見が交わされる見通しだということです。韓日中3カ国の首脳会談は、今年6月に東京で開かれた3カ国の外相会談で、今年9月に日本で開催することで合意していましたが、7月に日本政府が学習指導要領の解説書に独島の領有権を明記したことに韓国政府が強く反発して開催が危ぶまれていた矢先に福田前首相の退陣表明で開催が延期されていました。

・青瓦台の鄭正佶(チョン・ジョンギル)大統領室長が、韓日間に海底トンネルを掘る妥当性調査を行う意向を示しました。国会の議事運営委員会が31日、大統領室に対して行った国政監査で、「韓日海底トンネル事業の妥当性を検討する用意があるか」という与党ハンナラ党議員の質問に対して、鄭正佶大統領室長は「ある」と答えました。ハンナラ党の金ジョンクォン議員は、国政監査で、「韓日海底トンネルを推進しようとする意思は韓国より日本の方がはるかに強い」としたうえで、韓国も前向きに検討する必要があると主張しました。韓日海底トンネルについては、2003年に当事の盧武鉉大統領が、就任後初めて小泉首相と行った首脳会談で前向きな見解を示し、小泉首相も、検討に値すると答えていました。この問題については、国境を越えた超広域の経済圏づくりを進めている釜山市と福岡市の間で現在、活発な議論が交わされています。

・アメリカ国務省のソン・キム6カ国協議担当特使が、来週ニューヨークを訪問する北韓外務省の李根アメリカ州局長と会う予定で、北韓の核問題をめぐる6カ国協議の再開に弾みがつくかどうか関心が寄せられています。アメリカ国務省のマコーマック報道官は1日、北韓の李根アメリカ州局長は、金桂冠(キム・ケグァン)外務次官の代理としてニューヨークを訪れるため、アメリカ側はソン・キム6カ国協議担当特使が協議に応じることになると述べました。李根アメリカ州局長を代表とする北韓の訪問団は、全米外交政策協議会の招待で7日頃、ニューヨーク入りした後、学術会議などに出席する予定です。李根アメリカ州局長は、2004年頃からほぼ毎年ニューヨークを訪問してアメリカ政府の高官らと非公式対話を行ってきましたが、今回の訪問は、アメリカ大統領選挙の直後に行われることから高い関心が寄せられています。

・韓国駐在のマーティン・ユードン・イギリス大使が、来週初めに平壌を訪問することになりました。これについて韓国政府消息筋は、「イギリスは、平壌に大使館を開設して大使も常駐しており、必要な場合は、ソウルの大使館との間で業務内容を相談している。今回もそうしたレベルのものだ」と話しています。しかし金正日国防委員長の健康悪化説が流れている中でのソウル駐在のイギリス大使の平壌訪問は、あらゆる面で関心が寄せられています。これについて外交筋は、「イギリス大使は北京経由で平壌入りすることになるだろう。平壌滞在中、北韓の動向をより具体的に把握できるチャンスがあると思う」と述べ、強い関心を示しています。

・来年以降に適用される韓国駐留アメリカ軍の防衛費分担金をめぐる韓米間の交渉に進展がみられています。韓国政府関係者は31日、「交渉は折り返し点を過ぎた」として、防衛費の分担金を現金の代わりに現物で支給することで原則的に合意したことをほのめかしました。韓国は、韓国駐留アメリカ軍の人件費と軍事施設建設費の90%を現金でアメリカ側に渡していますが、このうち軍事施設建設費は現金ではなく現物をアメリカ側に渡し、使用目的を明確にするという韓国側の主張が反映された形となりました。その一方で、政府関係者は、「アメリカが防衛費を透明に執行するならば、どこに使うかについては追及できない」として、韓国が負担する防衛費分担金をアメリカ軍基地の移転費用に当てることを容認することを示唆しました。 一方、アメリカ軍の駐留費用の総額と韓国側の負担率をめぐる交渉が残されています。アメリカ側は駐留費用の総額は50億ドルに上るとして、このうち人件費を除く30億ドルを韓国側が負担するよう要求していますが、韓国側は、アメリカ側の一方的な算定には同意できないとする立場をとっています。このため来年以降の韓国駐留アメリカ軍の防衛費分担金をめぐる交渉が完全妥結するまでには、さらに議論が交わされるものとみられています。

・スイスの投資銀行のUBSが、韓国の来年の国内総生産の成長率の展望を2.9%から1.1%に下方修正しました。UBSは、来年も国際的に深刻な景気後退が続き、韓国の内需も大きく低迷することが予想されるとして、韓国の来年のGDP成長率を、当初の予測よりはるかに低い1.1%に下方修正しました。また韓国の中央銀行、韓国銀行は最近、政策金利を0.75ポイント引き下げて4.25%としましたが、これについてUBSは、向こう1年半以内に2.5%までに引き下げることになるという見通しを示しました。

・与党ハンナラ党第6政調委員長の羅卿?(ナ・キョンウォン)議員は、31日、サイバー侮辱罪の新設を主な内容とする、情報通信網利用促進と情報保護に関する法律の改正案を国会に提案しました。現行の刑法では、インターネット上で相手に侮辱感を与えた場合、1年以下の懲役や禁錮、または200万ウォン以下の罰金に処することができるようになっていますが、ハンナラ党が提案した改正案は、これより処罰を強化し、2年以下の懲役や禁錮、または1000万ウォン以下の罰金を課すことができるようにしています。羅卿?議員は、インターネット上で、違法な情報や個人の権利を侵害する情報による弊害が日増しに深刻化しており、対策が急がれると、改正案の背景を説明しています。しかし野党や市民団体などは、国民の表現の自由を制限する時代錯誤な発想だとして強く反発しており、国会審議が難航することが予想されます

・韓国の放送各社の去年一年間の売り上げは、新聞社全体の5.8倍であることが分かりました。韓国言論財団が31日に発表した「2008韓国新聞放送年鑑」によりますと、去年一年間の売り上げは、新聞各社が合わせて3兆3000億ウォンだったのに対して、放送各社は合わせて19兆4000億ウォンと、新聞の5.8倍に達していました。新聞では、朝鮮日報(4031億ウォン)、中央日報(3420億ウォン)、東亜日報(2803億ウォン)の大手3社の売り上が、1兆254億ウォンで、新聞社全体の売上額の30.9%を占めました。またテレビの地上波3社の売り上げ額は、合わせて2兆7137億ウォンで、放送局全体の売上額の14%を占めました。放送局別では、KBSが1兆3007億ウォンで最も多く、MBCが7777億ウォン、SBSが6353億ウォンの順でした。

・今年の韓国プロ野球の頂点を決めるコリアンシリーズで、ペナントレース1位のSKワイバーンズが、2位の斗山ベアーズを下し、2年連続のチャンピオンに輝きました。SKが王手をかけたコリアンシリーズ第5戦は、31日夜、ソウルのジャムシル球場で行われました。SKが2対0でリードして迎えた9回裏、斗山がワンアウト満塁の一打逆転の場面に持ち込みましたが、斗山のキム・ヒョンス選手が打った球を、SKのチェ・ビョンヨン投手が見事キャッチしてホームに投球してダブルプレーとし、斗山を無得点のまま押さえ込みました。今年のコリアンシリーズは、第1戦は斗山が勝ちましたが、その後はSKが勝ち続け、結局、SKが4勝1敗で2年連続、コリアンシリーズのチャンピオンに輝きました。北京オリンピックで韓国に金メダルをもたらせたキム・キョンムン監督率いる、ペナントレース2位の斗山は、2年連続でコリアンシリーズの準優勝にとどまりました。また今年のMVPは、第3戦と第4戦で決定打を放ったのに続いて、第5戦でも大活躍したSKの21歳、チェ・ジョンイ選手に贈られました。SKは、来月13日に東京ドームで開幕するアジアの王者を決める「コナミカップ、アジアシリーズ」に2年連続で出場し、史上初のアジアチャンピオンに挑みます。