2008年ニュース

9月30日火曜日

・アメリカの議会下院が最大7000億ドルの公的資金で金融機関から不良資産を買い取る金融安定化法案を否決したことを受けて、韓国株式市場の総合株価指数は午前中一時1400台を割り込みましたが、午後に入り安定を取り戻しました。韓国株式市場は、30日午前、アメリカの下院が金融安定化法案を否決したこ とから72.39ポイントも急落した1,383.97で取引を開始し、その後も大幅に値を下げるかに見えました。しかし、午後に入り、機関投資家の積極的な買いに支えられ値を戻し、前日より8.30ポイント下がった1,448.06で取引を終えました。一方、ドルに対するウォンの相場は、一時1ドル1230ウォンまでウォン安が進みましたが、結局前日より18ウォン20銭ウォン安の1ドル1,207ウォンで取引を終えました。

・ロシアを訪問中の李明博大統領は、北韓の金正日国防委員長に会う用意があると明らかにしました。李明博大統領は、現地時間の29日に行われたロシアの主なマスコミ関係者との懇談会で、シベリア横断鉄道(TSR)と韓半島縦断鉄道(TKR)の連結について話し合うために金正日国防委員長に会う用意があると述べました。李明博大統領はまた、シベリア横断鉄道と韓半島縦断鉄道の連結は北韓に経済効果をもたらすため、北韓もこのプロジェクトに関心を示すはずなので、ロシアも北韓を説得してほしいと述べ、韓国政府は北韓と真摯に対話する意向を示しました。さらに、韓半島の情勢について李明博大統領は、「韓国は韓半島の平和と安定に向けて北韓と直接接触する準備ができている。北韓の食糧問題がまだ解決されていないので北韓の住民を支援したい」と強調し、「北韓が核を放棄し、国際社会の枠組みに復帰すれば、韓国はこれを積極的に支援する」と述べました。

・去年10月の南北首脳会談で共同宣言が採択されて1周年になるのを記念して、北韓が開城工業団地への訪問を希望している民主党議員ら150人全員に招請状を送ったと、30日統一部が明らかにしました。統一部はすでに議員たちの北韓訪問を許可する方針を明らかにしており、民主党議員らは予定通り10月2日に陸路で開城工業団地を訪問することにしています。民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表をはじめとする民主党議員らは、開城工業団地で操業している企業を視察して労働者を励ました後、当日帰国する予定です。北韓は今年3月、「北韓の核問題が解決されない限り、開城工業団地の拡大は難しい」と述べた当時の金夏中(キム・ハジュン)統一部長官の発言を問題にして、開城工業団地にある南北交流協力協議事務所に常駐していた職員11人を撤収させるなど、強硬な立場をとっており、野党の民主党議員ら150人を招請したのは異例のことと受けとめられています。

・政府は、2012年には経済成長率が7%に達し、租税負担率は20%台にまで下がるという見通しを示しました。企画財政部は30日、李明博政権が発足してから初めて2012年までの5ヵ年国家財政運用計画を発表しました。それによりますと、韓国の実質経済成長率は今年は4.7%になり、来年は4.8%〜5.2%、再来年は5.2%〜5.6%になるなど成長を続け、2012年には実質成長率が6.6%〜7%に達するとしています。また、持続的な減税措置によって、租税負担率は今年の22.2%から徐々に減少し、2012年には20.8%にまで下がるという見通しを示しました。さらに政府の歳入と歳出については、減税措置にもかかわらず経済の活性化と基金収入の増加によって歳入は年平均7.6%増えるものと予想しており、歳出を歳入の増加率より低い年平均6.2%に押さえるよう調整することで、財政の健全性を確保していくとしています。さらに政府は、今後5年間の財政運用の目標として、低所得層の生活安定、成長能力の拡充、環境に配慮して経済の発展を進める緑の成長、実用的な政府の実現の4つをあげています。

・国の来年度の一般会計予算案は209兆2000億ウォンで、今年度より7.2%増えます。企画財政部は30日、李明博政権が発足してから初めての予算案を発表し、目標とする雇用の創出と低所得層の生活安定、未来への投資、効率的な実用政府などの実現をはかるため、来年度の一般会計予算案を今年度より7.2%多い209兆2000億ウォンに編成したことを明らかにしました。このうち、雇用の創出と経済成長を支える能力の拡充を最重要課題と位置づけ、特に研究開発分野に今年度より10.8%多い12兆3000億ウォンを投入することにしました。企画財政部の姜萬洙(カン・マンス)長官は、最近アメリカから始まった金融危機で世界的な経済不安が続いているものの、来年の下半期からは国内外の経済が安定化し、実質経済成長率が5%前後になるという前提に立って予算案を編成したと述べました。

・先月の経常収支は、これまでで最大規模の赤字を記録し、輸出の急激な減少により貿易収支も12年ぶりの大幅な赤字となりました。韓国銀行が30日に発表した国際収支動向によりますと、8月の経常収支は47億1000万ドルの赤字となり、1980年に統計を取り始めて以来、最大の赤字を記録しました。この結果、今年1月から8月までの累積赤字は125億9000万ドルになります。

・中国製の加工食品から有害物質のメラミンが検出された問題を受けて、政府は国産の乳製品や肉類に対してもメラミンの検査を始めました。農林水産食品部は26日、全国の16の市と道に対し、国内で生産され、販売されている乳製品を回収して検査を行い、その結果を報告するよう指示しました。これによって国内で生産され、販売されている牛乳や粉ミルクなどの乳製品に対してもメラミン検査が行われています。この検査が終われば、飼料によって汚染した可能性がある肉類やその加工品についても検査が行われることになっています。農林水産食品部は、いまのところメラミンが検出された国産の乳製品はないが、念のための検査だとし、今週末までに乳製品を対象にした1次検査を完了させることにしています。こうした中、食品医薬品安全庁は、流通を禁止していた中国産食品428品目のうち66品目について安全が確認されたとして流通禁止措置を解除しました。その一方で、食品医薬品安全庁がメラミンは検出されなかったとした菓子からその後、メラミンが検出されるなど、これまでにメラミンが検出された中国産食品類は合わせて6品目に増えました。一方、韓国飼料協会は、全国で生産される飼料について検査を行った結果、京畿道廣州(クァンジュ)市一帯で回収した犬の飼料3品目からメラミンが検出され、現在2次検査を行っていると明らかにしました。これを受けて、これらの飼料を生産した業者は飼料の緊急回収にとりかかったということです。

・北京オリンピックで金メダルを獲得した韓国の野球が国際野球連盟(IBAF)が初めて導入した野球の世界ランキングで4位にランクされました。国際野球連盟(IBAF)が29日に明らかにしたところによりますと、野球の世界ランキングで韓国は23日現在、総合点231.4点で4位となりました。第一回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で優勝した日本が総合点245.5で1位となり、次いでアメリカ、キューバの順となっています。今回の世界ランキングは56の国と地域が対象になっており、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)やオリンピック、世界大学野球選手権などの国際大会の成績を基準にしています。

9月29日月曜日

・ロシアを公式訪問している李明博大統領は29日、メドベージェフ大統領と首脳会談を行い、両国関係を戦略的パートナー関係に格上げするとともに、ロシア極東地域の天然ガスを北韓経由のパイプラインで韓国まで輸送する計画を推進していくことで合意しました。両首脳は会談の後、共同で記者会見し、韓国とロシアの関係が国交を結んで以来18年間に飛躍的に発展したことを評価するとともに、これまでの包括的パートナー関係をさらに発展させて、戦略的パートナー関係に格上げすることで合意したと発表しました。そして、両国の関係発展に向けた実質的な協議の場として外交当局の第1次官による定例協議を開催するなど、両国間の対話を活発にしていくことになりました。さらに両首脳は、2015年までにロシア極東地域の天然ガスを北韓経由のパイプラインを建設して韓国まで輸送する計画を進めていくことで合意し、今後2年間、経済的な妥当性について調査を行ったうえで2010年に本契約を結ぶことにしています。この計画については、北韓でパイプラインの建設がままならない場合には、天然ガスをウラジオストクまで運んで液化ガスにして、船などで韓国に輸送することになりました。また、西カムチャッカの鉱物資源を共同開発する事業に韓国企業が参入することでも合意し、韓国とロシアが国交を結んで20周年となる2010年を韓国では「ロシアの年」、ロシアでは「韓国の年」に定めて文化イベントを開くことになりました。一方、北韓が核施設の無能力化作業を中断していることについて、両国は6カ国協議の共同声明で示された目標を実現するためにともに努力すること、また核兵器や大量破壊兵器の拡散を防ぐため国際舞台などでの協力を強化することになりました。韓国とロシアはそのほかにも韓半島縦断鉄道の建設をはじめ宇宙産業分野では小型衛星発射体の開発にロシアが協力することなど26分野にわたる了解覚え書きを締結しました。

・最近のウォン安傾向が29日はさらに進み、1ドル1188ウォン80銭と、4年9カ月ぶりの最安値となるなど、金融市場の不安が顕著になりました。週明け29日のソウル外国為替市場は、先週末より8ウォン50銭ウォン安の1ドル1169ウォンで取り引きが始まった後、ドルの買い注文が殺到して、さらにウォン安が進み、結局、終値は先週末より28ウォン30銭もウォン安ドル高の1ドル1188ウォン80銭でおおかたの取り引きを終え、2004年1月5日以来、4年9カ月ぶりの最安値となりました。ウォン安が進んでいる背景について、関係者は、▼海外からドル買いの注文が続いていることと、▼アメリカ政府が議会に提出して今週中に成立する見通しの金融安定化法案の効果を疑問視する声があること、▼それに韓国政府が為替市場でのドル不足を解消するため、スワップ取引を通じて100億ドルを市場に供給するとしたため、ソウル外国為替市場へ直接介入する余裕が弱くなったことなどを上げています。このようなウォン安は、この2カ月間だけで180ウォンあまりも進んでおり、原油価格や原材料価格の安定といった経済にとっての好材料も、ウォン安でその効果が相殺されたうえに、国内物価を上昇させるのではないかと憂慮されています。物価の上昇は家計の実質所得の減少につながり、内需が萎縮して、景気が鈍化する可能性もあることから、国際金融市場だけでなく、韓国経済にどこまで悪影響を及ぼすか懸念されています。

・韓国の大手菓子メーカーが中国の工場で製造した菓子からこれまでで最も高い濃度のメラミンが検出され、メーカーが全量回収に乗り出す一方、保健当局はすべての国から輸入した乳製品が含まれた加工食品と、中国産の豆たんぱく質に対してもメラミンが含まれているかどうか、検査を広げました。食品医薬品安全庁は大手製菓メーカーの「ヘテ製菓」が中国の工場で作った菓子から、濃度がこれまで最高の271ppmのメラミンが検出されたと28日、発表しました。これによって、メラミンが検出された製品は3種類の菓子とコーヒー用クリームの合わせて4種類となりました。食品医薬品安全庁は、中国製の乳製品を第3国が輸入して製造した加工食品からもメラミンが検出されていることから、すべての国から輸入した乳製品が含まれた加工食品に対してもメラミンが含まれているかどうか検査を拡大しています。また練り物や冷凍餃子、健康機能食品のたんぱく質として使われている豆のたんぱく質も乳製品と同様に、たんぱく質の成分を高めるためにメラミンが混じっている可能性があると指摘されているため、食品医薬品安全庁は中国から輸入した豆たんぱく質もメラミン検査を行うことにしています。

・政府と与党は29日、メラミンによる食の安全対策として、各部署別に分かれている検査体制を一本化していくことを検討することになりました。

・北韓が核施設の無能力化作業を中断し、再稼動に向けた動きを見せている中、6カ国協議のアメリカ首席代表であるヒル国務次官補は今週中に北韓入りする予定で、膠着状態に陥っている北韓の核問題を解決する突破口を開けるかどうか、注目されています。ヒル次官補は北韓入りする前の30日、韓国を訪れて、北韓の核施設の検証などについて韓国政府と調整した後、来月初めに北韓入りするものとみられています。これについて外交消息筋は、ヒル次官補は北韓に滞在中に、アメリカが渡した核施設を検証する手順の修正案を受け入れるよう求めるとともに、アメリカの大統領選挙期間中にこれ以上核問題を悪化させないように要求するとみられると伝えました。アメリカは、北韓の核施設に対する実際の検証が今はできなくても、検証の原則だけは守るべきだとしています。また重要な焦点となっている原子炉からの試料の採取や過去に核活動が行われたと疑われる軍事施設を含むすべての場所への完全な査察を要求することは譲歩しない方針とみられ、ヒル次官補の北韓入りによって北韓の核問題を解決する糸口をつかめるかどうかは未知数です。

・北韓を脱出して韓国入りすることができた韓国軍捕虜は、この15年間で74人に上っていることが分かりました。野党・自由先進党のパク・ソンヨン議員が27日、統一部から入手した資料によりますと、1994年から現在までの15年間に、北韓を脱出して韓国に帰ってきた韓国軍捕虜は74人でした。年度別では1990年代には年間1人から4人にとどまっていましたが、北韓で食糧難が深刻になった2000年代に入ってから大きく増えています。これについてパク・ソンヨン議員は「韓国戦争で北韓に捕虜になった韓国軍兵士は高齢になっているのに、政府が北韓との交渉などによって捕虜の送還に乗り出していないことは非常に残念だ」と述べました。

・銀行の貸し出し金利が7年ぶりに最高となりました。韓国銀行が29日にまとめた金利の動向によりますと、市中銀行の貸し出し金利は年平均7.31%と、2001年8月以来、7年ぶりで最高の水準となりました。銀行の平均貸し出し金利は今年3月に6.9%でしたが、徐々に上昇して6月には7%を超えていました。また住宅担保ローンの金利は7.16%と、統計を取り始めた2001年以来、初めて7%を超えました。貸し出し金利が上昇しているのは、銀行が貸し出しを縮小していることと、比較的に高い金利となっている大学の学費の貸し出しが多くなっているためと分析されています。

・性犯罪を犯した者の居場所を追跡できる電子タグが、30日に仮釈放される53人に初めて着けられます。法務部が28日に発表したところによりますと、性犯罪者53人が30日に仮釈放されることになり、今月1日から施行された「特定性暴力犯罪者に対する位置追跡電子タグに関する法律」に基づいて、この53人の足首に居場所を追跡できる電子タグを着ける予定だいうことです。法務部では、年末までにさらに仮釈放されたり、執行猶予の判決を受けたりして電子タグをつけられる性犯罪者は200人から300人に上る見込みだとしています。性犯罪者に電子タグを着けさせる制度は、13歳未満の児童に対して性暴力を犯した者や性犯罪を2回以上重ねた者などに対して適用し、最長10年間にわたって24時間、居場所を追跡する制度です。

・韓国から中国・台湾を経て太平洋を横断しアメリカまで延びる海底の光ケーブルを建設する工事が完成しました。韓国の通信大手のKTが29日、発表したところによりますと、今回、工事が完成した区間は韓国南部のコジェから中国、台湾を経てアメリカまでをつなぐ延長1万8000キロで、1秒あたりCD−ROM3700枚を伝送することができ、この容量はこれまでの韓米間の海底ケーブルに比べておよそ70倍にのぼります。この海底光ケーブルは韓国のKTを初め、アメリカ、中国、台湾の通信会社が共同で2006年12月から整備を進めており、来年末には日本まで延長される予定です。

9月26日金曜日

・韓国政府は、最近、為替市場でドル不足現象が生じているため、スワップ取引を通じて100億ドル相当を市場に供給することにしました。スワップ取引は、ウォンとドルのように異なった通貨を取り引きする際、現在のレートでドルを借り、一定期間が過ぎた後にドルで返済する取り引きで、為替変動によるリスクを緩和するとともに、短期的にドル不足を解消する効果が期待できます。企画財政部は、今月末から来月初めにかけて外国為替平衡基金からまず100億ドルを供給することにしていますが、市場が安定するまでさらにドルを供給することも検討しているということです。

・李明博大統領と第1野党民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表が25日、大統領府青瓦台で会談し、経済回復のために協力していくことで合意しましたが、民主党が強く反対している、一定以上の不動産を所有している人から徴収する総合不動産税の改正については意見の隔たりを埋めることができませんでした。この会談で李明博大統領と丁世均代表は、経済を回復させるために協力していくことで合意し、中小企業の資金難やウォン安ドル高による損失を救済するための支援策を作っていくことにしました。また、南北問題は党利党略にとらわれず与野党が協力して対応していくことで原則的に合意し、北韓に対する人道支援を継続していくことにしました。しかし、民主党など、野党が強く反対している総合不動産税の改正については、丁世均代表が反対する立場を表明したのに対して、李明博大統領は総合不動産税の問題点を改善する必要があるとしたものの、意見の隔たりを埋めることはできませんでした。

・李相憙(イ・サンヒ)国防部長官は26日、「北韓は地上戦力の70%以上を休戦ライン付近に前進配置しており、いつでも韓国を奇襲攻撃できる態勢を整えている」と述べました。李相憙長官はこの日、ソウル市内のホテルで開かれた「2008コリアフォーラム」で基調演説してこのように述べ、さらに「北韓は韓国を奇襲攻撃できる態勢を整えているだけでなく、核兵器や化学兵器、ミサイルなど、大量殺傷兵器を持続的に開発しており、韓半島だけでなく北東アジア地域の安定を脅かしている」と指摘しました。李相憙長官は北韓の核問題について、「北韓が核施設の無能力化を中断するなど予測できない行動を取っているため問題の解決が遅れている」とした上で、「6カ国協議の枠組みの中で核問題を解決し、将来は6カ国協議が多国間安全保障協議体に発展するよう努力したい」と述べました。

・北韓が申告した核計画の検証をめぐる交渉は、アメリカが過度な要求をしたため行き詰ったとワシントンポストが報じました。ワシントンポストは26日付けの紙面で、北韓が申告した核計画の内容を検証するためにアメリカが要求した具体的な内容を公開しました。それによりますと、アメリカは、北韓の軍事施設を含む過去に核活動が行われたと疑われるすべての場所について完全な査察を要求しました。そして査察団はすべての施設に自由に立ち入り、写真撮影やビデオ撮影はもちろん、試料を採取することもできるとしています。これについて、ワシントンポストは専門家の言葉を引用して、こうした要求は主権国家ならどの国であれ受け入れることができないもので、どんな軍事施設も自由に偵察できる免許を要求したようなものだと指摘しました。

・中国政府は韓国に輸出された菓子類から有害物質のメラミンが検出されたことを受けて、菓子類を輸出した業者に対して安全性の検査を始めました。韓国では最近、ヘテ製菓が中国から輸入した菓子類からメラミンが検出されて、販売禁止の措置が取られ、製品の回収が進められています。北京の韓国大使館によりますと、中国政府は問題の菓子類を輸出した天津にある業者に対して25日から安全性の検査を始めたということです。韓国大使館の関係者は、問題となった業者だけでなく、メラミンが入った可能性がある加工食品を輸出した他の業者についても安全性の検査を行うよう中国政府に要請したということです。

・韓国政府はDMZ=非武装地帯に生態系を観察できる大規模な平和公園を建設することにしました。環境部と非武装地帯がある江原道は26日、江原道鉄原にある平和展望台で非武装地帯生態系平和ビジョン宣言式を行い、今後4年間に400億ウォンをかけて、非武装地帯に大規模な生態系平和公園を建設すると発表しました。そのため今年中に北韓と共同で非武装地帯で生態系についての調査をスタートさせ、2012年までにユネスコに生物圏保護地域の指定を申請することにしています。非武装地帯に生態系平和公園を建設する計画は、李明博政権が国政課題の一つとして掲げていました。

・景気が停滞し、世界的な金融不安でウォン安の傾向が続いていることもあって、海外旅行をする韓国人が大きく減っています。韓国観光公社が26日明らかにしたところによりますと、8月に韓国を訪れた外国人は58万人あまりで去年の同じ期間とほぼ同じ程度でしたが、外国に出かけた韓国人は116万3000人あまりで、去年の同じ期間に比べて11%以上減りました。韓国人の海外旅行者は今年5月に109万9000人あまりと去年の同じ期間に比べて0.7%減って以来、減少が続き、6月に5.6%、7月には12.5%も減りました。

・プロ野球のポストシーズンが来月8日から始まります。韓国野球委員会が26日発表したところによりますと、10月8日からペナントレースの3位と4位による準プレーオフが始まり、10月16日から準プレーオフの勝者とペナントレース2位によるプレーオフが行われ、10月26日からプレーオフの勝者とペナントレース1位による韓国シリーズが行われます。ペナントレースではSKが優勝を決めている中で、ロッテ、斗山、三星などがポストシーズンへの進出を目指して接戦を展開しています。

9月25日木曜日

・金融市場の不安が続いている中、25日の外国為替市場は、一時、1ドルが1167ウォンと4年ぶりの最安値になるなど金融市場に緊張感が漂いました。25日のソウル外国為替市場は、前日より50銭ウォン高の1ドル1154ウォンで取り引きが始まりましたが、ドルの買い注文が殺到したためウォン安が進み、ウォンは一時1167ウォンにまで下がりました。しかしその後、ドル売りが続き、結局、25日の終値は、前日より3ウォン70銭ウォン安の1ドル1158ウォン20銭となりました。1ドルが1167ウォンになったのは、2004年8月6日以後、4年1か月ぶりのことです。

・北韓が24日、寧辺(ヨンビョン)にある使用済み核燃料の再処理施設の封印を解除し、IAEA=国際原子力機関の査察官の立ち入りを禁止したことについて、外交通商部のムン・テヨンスポークスマンは24日、論評を出し、「韓国政府は、北韓が寧辺の核施設の復旧作業を続けていることについて憂慮している」として、北韓は核施設の無能力化措置を直ちに再開し、核計画の検証手続きに積極的に応じるよう促しました。そのうえで、ムンスポークスマンは、「政府は、状況を注視しながら、6カ国協議の参加国と緊密に対応策を協議している」と述べました。一方、この問題についてホワイトハウスのジョンドロー報道官は、「とても失望するものであり、6カ国協議と国際社会の期待に反するものだ」という声明を発表しました。またこうした動きは、北韓をさらに孤立化させるだけだとして、北韓に対して強く再考を促しました。

・アメリカを訪れている柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は、25日、ワシントンで韓国の特派員と会見し、北韓の最近の動きが6カ国協議に深刻な障害となっているとして深い懸念を示し、現在、関係各国が北韓に対してこれ以上、状況を悪化させないようメッセージを送っていると明らかにしました。北韓の核問題については、去年2月に行われた6カ国協議で、まず第1段階の措置として、寧辺の核施設の稼働を停止し封印することで各国が合意しています。このため、柳明桓長官は、会見の中で、北韓が再処理施設を再稼動すれば、去年2月の合意前、つまり2006年の核実験直後の状態に戻ったことになるので、北韓の意図を冷静に分析し、慎重に対応していく方針を示しました。その一方で、柳明桓長官は、一部に推測されている北韓に特使を送る問題については、「まだコメントできる段階ではない」として言及を避けました。

・李明博大統領は、日本の新しい首相に就任した麻生太郎自民党総裁に24日、祝電を送りました。李明博大統領は、この中で、麻生首相の就任と日本の新内閣の発足を祝うとともに、韓日関係が歴史を直視し未来志向の方向に発展することは、両国だけでなく北東アジアの安定と繁栄のために重要だと強調しました。ところで韓国のメディアは、今度の新しい内閣の重要ポストに韓国通の閣僚が多く起用されたと報道しています。それによりますと、在日韓国人の地方参政権問題に積極的に取り組んできた河村建夫官房長官、中曽根元首相の長男で韓日議員連盟の日本側の副幹事長を務める中曽根弘文外相、さらに、1998年に当時の金大中大統領と、「未来志向の新しいパートナーシップ」を締結した故小渕首相の次女の小渕優子少子化担当相の3人です。

・中国のマカオ沖で遭難信号を送った韓国籍の貨物船が転覆した状態で発見され、乗組員17人全員が行方不明になっています。転覆したのは済州船籍の貨物船「ゼウス号」4000トンで、海洋警察によりますと、24日午前2時前、ゼウス号はマカオの南西57キロの東シナ海で遭難信号を送った後、連絡が途絶えたため、中国当局が捜索に当たったところ、午後4時過ぎに遭難信号が発信された周辺の海域で転覆した状態で発見されたということです。ゼウス号には船長など韓国人8人とミャンマー人やインドネシア人など合わせて17人が乗り組んでいましたが、全員、行方不明になっています。ゼウス号は今月21日、ガラスの原料6200トンを積んでベトナムの港を出航し、28日に馬山(マサン)港に入港する予定でした。当時、海上は台風14号の影響で高波が起きていたということで、中国当局が船舶と航空機を出して行方不明者の捜索に当たっていますが、強風と高波のため難航しているもようです。

・韓国で中国製の粉ミルクが含まれたお菓子2種類から有害な化学物質メラミンが検出され、政府は25日、中国製の乳製品が入った加工食品の輸入を禁止しました。中国ではメラミンが混じった粉ミルクを飲んだ乳児が死亡するなどの事件が発生し、これを受けて各国が中国製の乳製品の輸入を禁止したことから、食品医薬品安全庁は、今月18日から中国製の乳製品を原料として製造されたお菓子類やアイスクリーム類160品目を対象に検査しました。その結果、中国の工場で韓国のお菓子メーカーのブランドとして製造されたお菓子と、香港から輸入されたお菓子の2種類からメラミンが検出されました。韓国で販売されているお菓子類からメラミンが検出されたのはこれが初めてで、食品医薬品安全庁は「この2種類のお菓子を続けて食べれば、中に混じっているメラミンが体に悪い影響を及ぼす恐れがある」としてメーカーに対して全量を緊急に回収して廃棄するよう命じるとともに、中国製の乳製品の安全が確認されるまで、中国製の粉ミルクなどが含まれた加工食品の輸入を禁止しました。食品医薬品安全庁によりますと、今年に入って韓国で市販された輸入菓子のうち20種類あまり、およそ4600トンが中国製の粉ミルクを原料にして製造されたことが確認されました。

・韓国人が観光やビジネスでアメリカを3カ月以内で訪問する場合、ビザなしでの入国を認めるにあたって、韓米間で最後の障害となっていた犯罪予防に関する協定を結ぶための実務者交渉が韓国時間で25日、最終的に妥結し、来年早々にもアメリカへのビザなし渡航が可能になる見通しです。アメリカを訪れている柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は、25日の記者会見で、「アメリカのチャートフ国土安全保障長官と会談し、犯罪予防に関する協定の締結に合意し、これで韓国人がアメリカへビザなし渡航をするためのすべての措置が取られたので、来年早々にもアメリカへのビザなし渡航が可能になる見通しだ」と述べました。犯罪予防に関する協定は、犯罪の疑いがもたれている旅行客に限って、特定犯罪の前科があるかどうかを照会するもので、柳明桓長官は、その他の犯罪内容や個人情報は提供されず、相互主義の原則に基づいて、韓国を訪れるアメリカ人旅行客も同じ審査を受けることになると説明しました。しかし、ビザなし渡航のために、国民の犯罪情報をアメリカに渡すことになると批判する指摘もあり、今後、国民の基本権侵害にあたるかどうかをめぐって論議を呼ぶことも予想されます。

・身代金を狙った海賊による貨物船の拉致事件が頻繁に起きているアフリカ東部ソマリアの海域に、政府が海軍の艦艇を派兵することを検討していることがわかりました。海軍の関係者によりますと、拉致被害地域での国民の保護対策を話し合う関係部署の会議が今週22日、外交通商部が主催して開かれ、この席で、海軍の艦艇を派兵する案が話し合われたということです。ソマリア海域に韓国海軍の艦艇を派兵する場合、外交問題が生じるのに加えて国会の同意が必要なため政府は慎重に検討を進めている模様です。これと関連して、別の軍関係者は、「派兵が決まれば、5500トン規模の駆逐艦を送ることになるだろう」と話しています。ソマリア沖では身代金を狙った貨物船の拉致事件が相次いでおり、韓国の貨物船も、これまでに3回、拉致される被害を受けました。

・姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官は25日、ソウルで開かれたEU=ヨーロッパ連合商工会議所主催の講演会で演説し、「韓国は過去に通貨危機を克服した経験を生かせば、いまの国際金融不安が経済に及ぼすマイナスの影響を最小限に食い止めることができる」とする見解を示しました。姜萬洙長官は、国際金融市場の不安が韓国の金融市場や実物経済に悪い影響を与えかねないとする憂慮について、このように説明し、EUに対して投資の拡大を求めました。そのうえで姜萬洙長官は、高い不動産価格の是正など外国人が定住するための環境を改善するとともに、地域の病院や学校の設立をめぐって外国資本にかけられたさまざまな規制を廃止する方針を示しました。また外国資本が経営権を所有して放送通信産業にも進入できるようにするとともに、コンテンツ産業への規制も緩和していく計画を明らかにしました。

9月24日水曜日

・北韓は、IAEA=国際原子力機関の査察官に対して寧辺(ヨンビョン)にある核施設から撤退するよう要求したと、ロイター通信がIAEAの理事会に出席している複数の外交官の情報として24日、伝えました。それによりますと、北韓は来週中にも、寧辺の核施設に核物質を持ち込む計画をIAEAに通告するとともに、 IAEAの監視要員に対して再処理施設から撤退するよう要求してきたということです。またロイター通信は、プルトニウム生産のための使用済み核燃料の再処理施設に施されていた封印が24日に除去されたと報道しました。

・政府は、北韓が核の無能力化措置を中断し、核施設を復帰する動きを見せていることから、北韓が核計画を申告したことに対する見返り措置として支援することにしていた設備と資材の残りの分については、当初、今月の末から提供としていた方針を改め、北韓の出方を見極めながら支援するかどうかを決めることにしました。政府は当初、北韓に対して過剰に対応して状況が悪化するのを防ぐため、既に合意している設備や資材を予定通り北韓に送る方針を決め、今月25日前後に北韓に自動溶接鋼管1500トンを船で送り、来月中にもさらに1500トンを送る計画でした。

・アメリカのブッシュ大統領は、23日、国連総会で、任期中最後の一般討論演説を行い、国連が北韓に対する制裁を履行するよう促しました。演説の中でブッシュ大統領は、「国連安保理決議第1540号と、北韓やイランに対する制裁を忠実に履行することで核拡散の可能性に強く対処しなければならない」と強調し、テロに対する国際社会のより積極的な対応を強く迫るとともに、イランや北韓の核開発問題などに国際社会が国連の枠組みなどを通じて一致して対処すべきだと訴えました。国連安保理決議第1540号は、核兵器はいうまでもなくミサイルなど大量破壊兵器をテロリストに引き渡す行為を徹底的に取り締まり制裁するという内容が盛り込まれています。

・アメリカの上院は、今月末で効力が無くなる北韓人権法を2012年までにさらに4年間延長する内容の北韓人権法再承認法案を24日、議決しました。北韓人権法は、北韓の住民に人道的支援を提供し、北韓からの脱出者に対してアメリカへの難民申請や亡命を許可することを骨子とするもので、2004年10月に成立しました。そして民間の非営利団体が北韓住民の人権、民主主義、法治主義、市場経済発展を目指す計画を推進するようアメリカ大統領が経済的に支援することを認めています。しかし今回、上院で議決された修正法案は、臨時職となっている北韓の人権問題担当特使の地位を大使級の正規職に格上げする代わりに、脱北者関連業務を縮小し、北韓住民の人権促進に向けた予算も200万ドルと半額に減らす内容になっています。

・国連総会に出席するためニューヨークを訪れている韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、24日、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長と会談し、韓国が国連の平和維持活動など国際社会に対する支援に今後積極的に参加する方針を明らかにしました。この会談で韓昇洙国務総理は、「韓国は大韓民国政府樹立の際、国連から多くの助けを受けているので、これからは韓国が国連に恩返しをする番だ」と述べ、国連の平和維持活動に積極的に参加するとともに、国際援助基金を増額する方針を明らかにしました。これを受けて潘基文事務総長は、感謝の意を表すとともに、李明博政権が低炭素社会づくりの計画を発表するなどして国際社会に模範を示したと高く評価しました。

・政府が一定以上の不動産を所有している人から徴収する総合不動産税の課税基準を大幅に緩和する代わりに、一般国民が納付する財産税を引き上げる計画を発表したことに対して、市民団体などから、富裕層の負担分を庶民に押し付けるものだとして反発する声が高まっています。政府が23日発表した総合不動産税の改正案によりますと、来年から総合不動産税の課税基準が現在の公示価格6億ウォン以上から9億ウォン以上に緩和され、税率も現在の1%〜3%が0.5〜1%に引き下げられます。このためこれまで総合不動産税の課税対象になっていた10世帯のうち6世帯は課税対象から外され、税収が2兆2300億ウォン減ることになります。問題は、その分、地方自治体への交付額が減ることです。韓国では国税である総合不動産税を、地方自治体の税収不足の補填に充てたり、自治体に均衡財源の名目で配分したりしています。政府は長期的には総合不動産税を廃止して、代わりに一般国民が納付する財産税を引き上げる方法で税収の不足分を補う計画ですが、野党各党や市民団体からは、政府は一部の富裕層が負担している税金を庶民に押し付けようとしているという批判の声が高まっています。このため与党ハンナラ党の内部でも課税基準を変更しない総合不動産税の改正案を検討すべきだとする意見が出るなど、改正手続きは難航が避けられない見通しです。

・韓国駐在アメリカ大使館に、初めての女性大使、キャスリン・スティブンス氏が赴任しました。スティブンス氏は今年55歳、2005年から国務省の東アジア太平洋担当副次官補を経て先任顧問として北韓の核問題や韓米関係などを担当し、韓国通として知られています。スティブンス氏は、1975年に平和奉仕団のメンバーとして韓国を訪れ、地方の中学校で英語教師のボランティアー活動を行ったことがあり、80年代半ばにはソウルのアメリカ大使館や釜山総領事館で勤務しました。スティブンス氏は空港で行った会見で、「韓国はこの30年間に見違えるほど変化したが、アメリカの同盟国としては変わりはない。任期中、韓国政府や国民の声に耳を傾け、韓国社会の変化をいち早く把握できるよう努力します」と、流暢な韓国語で抱負を語っていました。スティブンス氏は、来月初めに李明博大統領に信任状を提出する予定です。

・林水産食品部は、申請があったアメリカの韓国向け輸出牛肉の作業場22社のうち、18社について韓国への輸出を承認しました。農林水産食品部は、今月7日から2週間、専門家の点検チーム9人をアメリカに派遣し、生後30カ月未満のアメリカ産牛肉を韓国に輸出するとしたQSAマニュアルに基づいて、韓国への輸出を申請した牛肉業者の作業場22社を調査した結果、18社については輸出を承認しました。しかし3社は衛生管理上の問題で承認を保留し、残り1社は自ら申請を取り下げました。この結果、韓国政府がこれまでに承認したアメリカ牛肉の輸出作業場は48社になりました。

・公共部門の腐敗の度合いを示す腐敗認識指数(CPI)の国際的な調査で、韓国は去年より上昇して、評価の高い方から40位でした。これは、国際透明性機構の韓国本部が23日にソウルで記者会見して発表したもので、それによりますと、今年の調査で、韓国は10点満点の5.6点を取り、調査対象国180カ国のうち上位から40位でした。去年と比べると、点数は0.5点高くなり、順位も3段階上りましたが、OECD加盟国平均の7.11点と比べると依然として大きな隔たりがあります。

9月23日火曜日

・北韓がIAEA=国際原子力機関に寧辺の核施設に施されている封印を解除するように求めました。IAEAのエルバラダイ事務局長は22日、ウィーンにあるIAEAの本部で開幕した定例理事会で、北韓が22日朝、寧辺の核施設を再稼動できるよう、核施設に施されているIAEAによる封印を解除し、監視カメラを撤去するよう電話で要請してきたことを明らかにしました。北韓は、封印が解除されれば、核物質を使用せずに使用済み核燃料の再処理施設を試験的に稼動させたいとしているということです。さらに、エルバラダイ事務局長は、核施設の一部が復旧されているという報告を受けたとしながらも、寧辺の核施設が閉鎖されている状態に変化はないと述べました。IAEAの内部では、封印はすでに解除されているという観測が出ている一方で、北韓が他の国の支援なしに核施設を復旧するには限界があるとする指摘も出ています。IAEAは、北韓が一方的に電話で要請してきたからと言って、核施設の封印の解除が認められるわけではないとし、北韓ができるだけ早くNPT=核拡散防止条約に復帰するよう希望するとしています。

・北韓が寧辺の核施設を再稼動させる動きを見せていることに対し、アメリカ政府は強い懸念を示しています。アメリカ国務省は、北韓がIAEA=国際原子力機関に対して寧辺の核施設に施された封印を解除するよう求めたことを非常に深刻に受け止めているとし、強い懸念を示しました。国務省は北韓の動きに対抗して北韓への重油の提供を中断する可能性については、「まだその段階ではない」として、事態を見守っていくことにしています。また、ホワイトハウスによりますと、ブッシュ大統領と中国の胡錦涛国家主席は22日電話会談を行い、今回の事態に懸念を示すとともに、北韓に対して非核化に向けた6カ国協議の合意事項を順守させるために協力していくことで一致したということです。北韓の今回の動きについては、6カ国協議の参加国である韓国とアメリカ、それに中国の外相がニューヨークで相次いで会談を行い、対応策を話し合いました。韓国外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は、とりあえず北韓に対するエネルギーの支援は継続されるが、北韓が核施設の復旧に本格的に乗り出せば、エネルギーの供給を中断する可能性もあるとしています。韓国、アメリカ、中国の3カ国は、北韓に対して核施設の復旧を思いとどまるよう説得していくことにしていますが、北韓を説得する有効な手立てがないことから、当分の間、事態の悪化は避けられないものと見られます。

・李明博大統領が28日から4日間の日程でロシアを公式訪問し、メドベージェフ大統領と首脳会談を行います。29日に行われる首脳会談では、両国の関係を政治と外交、安全保障などを包括する新しいレベルに格上げすることについて話し合う予定です。また、両首脳は、北韓の核問題の解決と韓半島の平和と安定に向けて協力する方法について話し合い、共同声明を採択する予定です。さらに、エネルギー資源の開発や宇宙産業分野での協力を強化するとともに、短期ビザ発給協定の締結に向けた話し合いも行うことにしています。李明博大統領は、今回のロシア訪問で、周辺4大国のアメリカと日本、中国、ロシアをすべて訪れたことになります。

・急激に拡大している日本に対する貿易赤字を是正するため、政府と貿易関連機関、経済団体、貿易業者などが対策を話し合う「日本市場研究会」が23日発足しました。日本市場研究会は、今年1月から8月までに日本に対する貿易赤字が232億ドルに達するなど、赤字が増え続けているため、韓国と日本の貿易不均衡を改善する対策づくりを目指して発足しました。研究会は、貿易協会が事務局を務め、知識経済部や韓国貿易投資振興公社、輸出保険公社などの対日輸出関連機関や、輸入業協会などの経済団体、対日貿易業者の役員など、20人余りの委員で構成され、4半期ごとに1回、会議を開くことになりました。

・北韓が最近、西の海=西海の上空や中国との国境地域でミグ21戦闘機などを投入した大規模な飛行訓練を実施したことが分かりました。政府の消息筋が23日に明らかにしたところによりますと、北韓は最近西海の上空で大規模な戦闘機飛行訓練を実施したと見られ、大量の燃料を使う飛行訓練の回数が例年より増えているということです。この消息筋はまた、「中国との国境地域でも戦闘機の飛行訓練が実施されたものとみられ、軍当局が北韓軍の動向を注視している」と述べました。

・所有している土地や住宅が一定の額を超えると課税する総合不動産税の課税基準が現在の6億ウォン以上から9億ウォン以上に緩和され、課税対象は38万7000世帯から16万世帯に大幅に減ることになります。企画財政部は23日、こうした内容の総合不動産税の見直し案にハンナラ党と合意したことを明らかにしました。それによりますと、来年から総合不動産税の課税基準が現在の公示価格6億ウォン以上から9億ウォン以上に緩和され、税率も現在の1%〜3%が0.5〜1%に引き下げられます。現在、総合不動産税の課税対象となっているのはおよそ38万世帯ですが、今回の減税措置によって大幅に減少し、16万世帯になります。これにより、これまで総合不動産税の課税対象になっていた10世帯のうち6世帯は課税対象から外されることになり、総合不動産税が課される世帯は全世帯の0.7%、つまり100世帯のうち1世帯にも満たないようになります。また、住宅の価格によって決まる税率も大幅に引き下げられることになり、例えば、公示価格が10億ウォンのマンションにかかる総合不動産税は、これまでの300万ウォンから15万ウォンに、公示価格15億ウォンのマンションなら、850万ウォンから90万ウォンに引き下げられます。政府とハンナラ党はこうした内容の見直し案を今年の通常国会に上程し、来年から施行する方針です。今回の見直し案について、ハンナラ党は、従来の総合不動産税は不動産を長期間保有しているという理由だけで税金を課す不当なもので、今回の見直しは、合理的な税制に変えるものだと評価しています。これに対して、野党の民主党や自由先進党などは、総合不動産税の緩和は一部のお金持ちのための政策で、貧富の格差を拡大させる恐れがあるとして、強く反発しています。

・京畿道の非武装地帯(DMZ)に隣接した坡州(パジュ)市と漣川(ヨンチョン)郡に平和生態公園が造成されます。京畿道は、非武装地帯付近にあって民間人の立ち入りが禁止され、生態系が残っている坡州市の臨津江に浮かぶ島チョピョン島と、漣川郡のテプン展望台の周辺に平和生態公園をつくる方針です。このため、京畿道は、民間投資会社のバタフライランド・アジア(BLA)と1600億ウォン規模の投資誘致に向けた了解覚え書きを締結し、軍当局とも鉄柵の撤去などに関する協約を締結しました。さらに、京畿道は、非武装地帯をユネスコが指定する生物保全地域にしていくことも計画しています。

・韓国製インスタントラーメンの輸出が急増したことが分かりました。農水産物流通公社が23日に明らかにしたところによりますと、今年の1月から7月までの韓国製インスタントラーメンの輸出実績は7700万ドルで、去年の同じ期間に比べ26.5%増えたということです。輸出先をみますと、中国が去年の同じ期間より53.4%多い1748万ドルで、最大の輸出国となり、次いでアメリカ、日本、オーストラリア、ロシアの順となっています。

9月22日月曜日

・政府は環境に配慮した経済の発展をめざす緑の成長と雇用創出を引き出す新たな産業として22の分野を決め、向こう5年間に、民間とあわせて99兆ウォンを投資して88万人の雇用創出をはかることになりました。政府は今後の韓国経済の発展を導く産業を選定するため、産業界と研究分野の専門家ら360人による企画チームを作って、討論会を開いたり、国民から意見を聞いたりして次世代成長産業として22の分野を決めました。政府が新たに決めた22の産業分野は、海洋バイオ燃料、太陽電池、グリーンカー、半導体、次世代無線通信、ロボット、新素材とナノ技術、文化コンテンツ、デザイン、ヘルスケアなどで、これらの産業に対して2013年までの向う5年間に、政府が8兆ウォン、民間が91兆ウォンの合わせて99兆ウォンを投資する計画です。これについて知識経済部の関係者は「次世代成長産業の選定は、前の政権の成長産業と違って、民間企業が主導して決めた。政府は今後、企業のニーズに合わせて規制緩和を図っていきたい」と述べました。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の韓米首席代表が韓国時間で22日、ニューヨークで会合し、アメリカがテロ支援国のリストから解除しないことで北韓が反発し、膠着状態になっている状況がこれ以上悪化するのを防ぐため、北韓を再び交渉のテーブルにつかせるよう、ともに努力していくことになりました。韓国の首席代表のキム・スク韓半島平和交渉本部長とアメリカ首席代表のヒル国務次官補はこの会合で、北韓を交渉のテーブルにつかせるために、核計画の検証に関する「試料の採取」などの用語を北韓が拒否感を持たないものに変更することや一部の検証内容については米朝間以外には非公開にすることについても検討したもようで、その過程で6カ国協議の議長国をつとめる中国の役割が重要だということで認識をともにしたと伝えられています。

・全国の軍事施設保護区域で指定が大幅に解除され・規制が緩和されました。軍事施設保護区域の指定を解除されたのはソウル市・仁川市・京畿道・江原道などの合わせて2億1300万平方メートル、また住宅建設などの規制が緩和されたのは2億4100万平方メートルで、これまででもっとも広い地域です。しかし国防部の決定について、環境団体などは、地方自治体や関係部署との協議や分析も行わなかったのは人気取りの政策だと批判しており、不動産投機と乱開発をもたらしかねないと憂慮しています。

・韓国に輸入された中国産のお菓子やパン類から体に有害な物質が検出されて、廃棄されたり、中国に送り返されたりしたものが、この3年間で合わせて40トンを上回っていることが分かりました。食品医薬品安全庁が国会に提出した資料によりますと、2006年から今年7月末までの3年間で、中国産のお菓子やパン類から検出された発癌物質や使用禁止の化学物質は合わせて18件あり、40.6トンが廃棄または返送されました。現在、中国産のお菓子やパン類の検査は輸入量の20%ほどしか行われていないため、有害な化学物質や発癌物質が含まれた製品が流通している可能性があると指摘されています。このように韓国ではBSE=牛海綿状脳症に対する不安に続いて、中国産の食品の安全性に対する国民の憂慮が高まっていることから、張太平農林水産食品部長官は22日、「食の安全を第一の目標にする」と述べて、獣医科学検疫院、植物検疫院、農産物品質管理院、水産物品質検査院を統合して関連業務を強化していく方針を強調しました。

・与党ハンナラ党は左翼の思想が強いと指摘を受けている中学・高校の歴史教科書の内容を修正する動きをみせており、民主党など野党が反発しています。ハンナラ党は左翼の思想が強いと指摘されている中学・高校の一部の歴史教科書のうち、近代と現代史の記述について来月中に意見をまとめ、来年の新学期から教科書を改める計画を進めている模様です。これについてハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)第6政調委員長は「一部の歴史教科書は去年までの3年間に記述が307件修正されるなど、理念的な偏りが指摘されてきた。歴史教科書では産業化が進む過程で起きた副作用や問題点を強調し過ぎた反面、肯定的な側面は縮小した傾向がある」として、これらを是正する必要があると述べました。しかし野党第1党の民主党はハンナラ党の教科書を修正する動きに対して「親日本、親財閥、親独裁という立場で子供を教育しようとするものだ」と反発しています。

・ソウル市は9月22日を車の運行を自粛する「車のない日(Car Free Day)」に決め、都心の一部で乗用車の通行を全面禁止するとともに、朝のラッシュアワーには地下鉄と市内バスを無料で運行しました。「車のない日」は、車の通行量を減らして大気汚染や交通渋滞を解消するため、バスなどの公共交通機関や緊急車両などを除いて、ドライバーに自家用車の運転を自粛するよう求める世界的なキャンペーンで、ソウル市は2001年から参加しています。ソウル市は今年は車のない日への市民の参加をさらに増やすために、22日は始発から午前9時までのラッシュアワーに、ソウル市内の地下鉄1号線から8号線、国鉄、仁川地下鉄、ソウル市内のバスを無料で運行するとともに、ソウル市が管轄する公共機関の駐車場を閉鎖し、政府や民間企業にも駐車場を閉鎖して公共の交通機関を利用するよう呼びかけました。また政府庁舎がある世宗路から興仁之門(東大門)までの2.8キロは市内バスを除く車の通行を禁止し、清渓川周辺の1.3キロの都心は歩行者天国にして、環境の大切さを知ってもらうために人工の芝生を作って環境写真を展示したり、ストリート公演を行ったりしました。

・韓国のプロ野球、SKワイバンズは21日の試合でKIAタイガーズに勝ち、残り試合の勝敗に関係なく、今年のペナントレースで優勝が決まりました。ペナントレースは来月4日で終了し、準プレーオフとプレーオフ、韓国シリーズに続くポストシーズンは10月6日から始まるものとみられます。

・イギリスのプレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドで活躍している朴智星(パク・チソン)選手が今シーズン初のゴールを決めました。

9月20日土曜日

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議にもとづいて、北韓へのエネルギー支援の方法を協議する韓国と北韓の実務者協議が19日、板門店で行われましたが、北韓は核施設の無能力化作業を中断し施設の復旧を始めたことをこの場で明らかにしました。北韓首席代表のヒョン・ハッボン外務省アメリカ局副局長は、記者団に対して「無能力化作業を進めていた核施設を復旧させる準備を、徹底的に進めており、いまは復旧作業を進めているようなものだ」と強調しました。そして、アメリカが北韓をテロ支援国のリストから解除しないことと、北韓の核施設の検証システム作りを求めていることは、緊張をさらに高めるだけのものだと主張しました。一方、韓国首席代表の外交通商部のファン・ジュングク北核外交企画団長は「各国は行動対行動の原則にのっとって、北韓への経済・エネルギー支援の義務を果たそうとしている。検証に進展がみられ、核の無能力化と経済・エネルギー支援が計画どおりに実行されて、第2段階の非核化措置が終了することを希望する」と述べました。またこの日の協議で北韓の首席代表は、金正日国防委員長の健康状態について「北韓のことを悪く思っている人たちのき弁だ」と述べ健康不安説を強く否定しました。協議の後、韓国政府当局者は「この協議で合意できたものはない。しかし北韓は6カ国協議の枠組みの中で、核問題の協議を続けることに関心を持っているようだった。今回の協議で、北韓は核の無能力化と検証、アメリカのテロ支援国からの解除などを主張したのに対して、韓国は北韓が核の無能力化作業を中断することは北韓にプラスにはならないと説得した」と述べ、北韓が核施設の復旧に向けた動きを本格化させた場合、北韓へのエネルギー支援を中断することもありうることを示唆しました。

・北韓が核施設の無能力化作業を中断し復旧作業に入ったと主張していることについて、アメリカ政府は「再稼動の段階に近づきつつある」と述べました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は19日の会見で、「北韓は、寧辺の核施設をまだ再稼動させてはいないが、その段階に次第に近づきつつある。アメリカ政府は北韓に対して再稼動に至らないよう求めている」と懸念を示しました。マコーマック報道官はさらに、アメリカのライス国務長官が来週の国連総会の際、中国の楊潔?(ヨウ・ケツチ)外相と会い、北韓の核問題を協議する予定になっていると述べました。また6カ国協議の韓米の首席代表であるキム・スク韓半島平和交渉本部長と、アメリカのヒル国務次官補が現地時間で21日、ニューヨークで会う予定で、テロ支援国のリストから解除しないことで反発している北韓を再び交渉のテーブルにつかせるきっかけを作れるかどうか注目されます。

・李明博大統領は19日、与党ハンナラ党の朴熹太(パク・ヒテ)代表と会い、今の通常国会で国民の暮らしや改革の各法案が支障なく成立するよう与党が力を発揮するよう要請しました。これに対して朴熹太代表は、党の命運をかけて努力すると答えました。李明博大統領と朴熹太代表は今後、青瓦台とハンナラ党との間の連絡をスムーズにするとともに、国政の懸案について緊密に連携するために、青瓦台とハンナラ党関係者による会合を隔週で開くことになりました。李明博大統領は来週25日には、野党第1党の民主党の丁世均代表と会うことにしています。

・柳明桓外交通商部長官は19日、外信記者と会見し、近く発足する日本の新しい内閣に「歴史を直視し、未来志向的な韓日関係を築くよう努力してもらいたい」と述べました。韓日両国は今年2月の首脳会談で、いわゆるシャトル外交を再開することで合意し、今年4月には李明博大統領が日本を訪問しましたが、日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本でいう竹島)の領有権を明記したことから、シャトル外交は中断されたままとなっています。柳明桓外交通商部長官はまた「日本の新しい内閣が近く発足することで、韓中日3カ国の首脳会談の開催に向けて協議が行われると思う。また韓日間のシャトル外交も再開できる雰囲気が作られることを期待する」と述べました。

・先月、8月の電気使用量は、内需の不振に気温が低かったことが加わって10年ぶりの減少となりました。韓国電力取引所が20日まとめたところによりますと、1カ月間の電気使用量を1時間単位で計算した平均電力で、8月は4764万キロワットとなり、去年8月の4776万キロワットに比べて0.2%減少しました。8月の電気使用量は、これまで毎年増えてきましたが、前の年に比べて減ったのは、通貨危機の最中の1998年8月の9.4%の減少以来、10年ぶりのことです。この要因について関係者は、今年の8月はぐずついた天気が続いて気温が上がらず、エアコンの使用が減ったことと、省エネ政策や原油高による内需の不振などが重なったためと分析しています。

・韓国の都市銀行は、来年2月1日から朝の営業開始時間を午前9時に繰り上げることになりました。韓国の銀行の営業時間は、午前9時半から午後4時半となっていますが、都市銀行の労使は、このほど行った交渉の結果、営業時間を今より30分ずつ繰り上げて、午前9時から午後4時までとすることで合意し、来年2月1日から実施することで合意しました。韓国では来年2月4日から資本市場統合法が施行されて投資会社でも銀行の業務ができるようになることから、都市銀行は証券会社と競争するために、営業時間を証券会社と合わせる必要があるとして、労使が営業時間の調整を進めていました。

・政府は19日、痴呆症の総合対策を発表し、年々増えている痴呆症患者に本格的に取り組む姿勢を打ち出しました。保健福祉家族部が19日発表した総合対策によりますと、現在、対象年齢の4%にとどまっている痴呆症の早期検診率を、4年後の2012年までに60%にまで引き上げ、医療機関で治療を受ける痴呆症患者の割合も今の34%から2012年には70%に倍増させるとしています。また60歳以上の国民を対象とする健康診断の項目に、痴呆症の検査項目を追加し、痴呆症患者を体系的に治療するために国がデーターベースを作るとともに、国立医療院の中に国立痴呆症センターを新設することになりました。韓国の痴呆症人口は、現在、およそ40万人で、65歳以上の8%を占めています。

・障害のある人たちのスポーツの祭典、北京パラリンピックに出場した韓国選手団105人が19日、韓国に帰ってきました。仁川空港には、数多くの家族や報道陣が代表選手団を出迎え、柳仁村文化体育観光部長官は、帰国した選手105人一人一人の首に花輪をかけ、障害者スポーツへの支援を今後惜しまないと約束しました。空港で解散した選手たちは、来月6日から光州広域市で開かれる国体に出場します。

・1990年代に活躍した往年のオールスターによる韓国と日本のサッカー戦が19日夜、ソウルのワールドカップ競技場で行われ、韓国が1対0で勝ちました。この親善試合は大韓サッカー協会の創立75周年を記念して行われたもので、韓国はホン・ミョンボ選手ら、日本は城 彰二選手らが出場し、前半後半35分ずつで行われました。試合は開始直後から互いに攻め合うプレーとなり、後半20分、韓国のパク・ナムヨル選手が先制ゴールを決め、韓国がこのまま逃げ切って、1対0で勝ちました。

・アメリカ・大リーグのクリーブランド・インディアンズで活躍している韓国人のチュ・シンス選手(26)が、20日の試合で、ホームラン2本を含む3安打を放ち、大リーグに進出した韓国人選手の中で、シーズン最多ヒットの記録を塗り替えました。クリーブランド球場で行われたデトロイト・タイガースとの試合で、3番打者として出場したチュ・シンス選手は、1回に今シーズン12本目となるソロ・ホームランを、また6回には88本目のヒットを放ちました。そして2対5とクリーブランドが3点差をつけられていた8回裏、チュ・シンス選手は同点のスリーランを放ち、結局、6対5となる逆転勝ちに大きく貢献しました。これでチュ・シンス選手は今シーズン87試合目で安打88本となり、チェ・ヒソプ選手が2004年にたてた86本の最多ヒット記録を塗り替えました。

9月19日金曜日

・イギリス系銀行大手のHSBCは19日、韓国外換銀行の買収を取り止めることにしたと発表しました。HSBCは去年9月、韓国外換銀行の大株主であるアメリカ系投資会社のローンスターとの間で、韓国外換銀行の株式51%を買収することで合意していました。両社の合意の期限は今年7月31日まででしたが、韓国の金融監督委員会はローンスターの韓国での業務に法的な問題があるとして両社の合意を承認せず、期限が過ぎていました。HSBCは、「世界の金融市場の現状や韓国外換銀行の資産価値など、すべての関連事項を検討した結果、買収の合意を取り消す権利を行使することにした」と発表しました。HSBCは、韓国の金融当局による承認が遅れている中で、世界的な金融不安が重なって、買収を取り止めたものと見られます。

・イギリス系銀行大手のHSBCが韓国外換銀行の買収を取り止めることにしたことを受けて、韓国の銀行最大手である国民銀行の姜正元(カン・ジョンウォン)頭取は18日、韓国銀行で開かれた金融協議会に出席した後、記者団に対して、韓国外換銀行の買収を検討する作業を始める予定だと述べ、韓国外換銀行の買収に関心を持っていることを明らかにしました。また、ハナ銀行の金正泰(キム・ジョンテ)頭取も、韓国外換銀行の買収に依然として関心があると述べました。国民銀行とハナ銀行がともに韓国外換銀行の買収に関心を示していることから、今後、韓国外換銀行の買収をめぐって韓国の金融機関同士の競争が展開される見通しです。

・韓国銀行はアメリカ発の金融危機が国内の金融市場に及ぼす影響を最小限にとどめるために、3兆5000億ウォンあまりの資金を市場に供給しました。韓国銀行は18日、買い戻し条件付き債権の入札で、満期が来た10兆ウォン相当の債権のうち6兆5000億ウォン相当分だけを再度売却しました。韓国銀行は買い戻し条件付き債権を売却する方法で市場の流動性を調整していますが、満期が来た10兆ウォン相当の債権のうち6兆5000億ウォン相当分だけを再度売却したことで、残る3兆5000億ウォンあまりの資金を市場に供給した効果があります。韓国銀行の関係者は、外国人が国債の先物を売却して、金利が不安定な様相を呈しているので、短期資金のやりとりを円滑にするため資金の供給を決定したとしています。

・韓国株式市場は、アメリカ政府が金融危機を解消するために積極的に動き出したことを受けて、株価が大きく上昇しました。19日の韓国株式市場は、前の日より48.89ポイント上昇した1441.31で取り引きが始まった後、株価が急上昇し、市場を安定させるため取り引きを5分間停止させる措置の「サイドカー」が発動されました。この日は外国人投資家が買いに回り、機関投資家も買い越して、結局、前の日より63.36ポイント上昇した1455.78で取り引きを終えました。一方、為替市場では、アメリカ政府が積極的に動き出したことが好材料となって、ウォン安にストップがかかり、ソウル為替市場では19日、前の日より13ウォン60銭ウォン高の1ドル=1139ウォン70銭で取り引きを終えました。しかし、依然としてドルを買う動きは続いており、専門家は、必ずしもウォン高に転じるとは限らず、流動的な状態が続くものと予想しています。

・イラクに駐留している韓国軍部隊が派兵から4年になる今年の年末までに完全に撤収することになりました。国防部は19日、「イラクに駐留しているザイトゥーン部隊は、アメリカが派兵の延長を要請してきていないので、年末までに完全に撤収する計画に変更はない」と発表しました。ザイトゥーン部隊の撤収に伴って、クウェートでザイトゥーン部隊を支援している韓国空軍のダイマン部隊も年末までに撤収することになります。韓国軍は2004年にアメリカの要請でイラクに派兵され、イラク北部で治安維持活動や医療活動を展開してきました。

・大統領府青瓦台のキム・ソンファン外交安保担当首席秘書官は18日、北韓とのホットライン、緊急用直接回線が事実上稼働していないことを確認しました。キム首席秘書官はこの日、国会運営委員会の全体会議に出席し、青瓦台と国家情報院に設置されている北韓とのホットラインが稼働しているかというハンナラ党議員の質問に対して、「ホットラインを使った南北の高官同士の接触はない」と答えました。南北当局間のホットラインは、2000年の南北首脳会談で当時の金大中大統領と金正日国防委員長が合意して、首脳会談の後に設置されました。キム首席秘書官は、前政権で南北の高官がホットラインを使用していたかどうかは確認できないが、今の政権になってからは南北の高官がホットラインを使って接触することはなく、実務レベルの接触だけが行われていると述べました。

・政府と与党ハンナラ党は19日、住宅を安定的に供給するための対策を発表しました。それによりますと、今後10年間、毎年50万戸の住宅を供給し、そのうち30万戸は首都圏で供給することにしました。そのために都心の老朽化した集合住宅の再建築や再開発を進め、25カ所のニュータウンを指定するほか、住宅建設を促進するために開発を規制しているグリーンベルトも部分的に規制を解除することにしています。政府はこうした住宅供給計画が完了する2018年には、住宅の普及率が107%に達し、マイホームの保有率は先進国並みの65%に達するとしています。

・徴兵制度で空軍を志願する人が今年5月から少なくなっており、国防部と空軍、兵務庁が対策を検討しています。空軍と兵務庁が19日明らかにしたところによりますと、空軍は5月に1170人を募集しましたが、1207人が書類審査を通り、最終的に選抜されたのは954人で、216人が不足していました。また、6月には545人が、7月には408人が不足し、必要な人員を大きく下回りました。空軍に志願する人が少なくなっているのは、陸軍に比べて兵役期間が3カ月ほど長い上、外泊の制限など条件が厳しいためだと見られています。兵務庁は、このままでは空軍の兵力維持に支障が出るとして、空軍の兵役期間を陸軍と同じくすることを検討しているということです。

9月18日木曜日

・韓国株式市場が、世界的なファンドの投資基準になる「FTSE全世界指数」で、先進国に格上げされました。 FTSE全世界指数は、イギリスの金融新聞「ファイナンシャル・タイムズ」とロンドン証券取引所の合弁会社「FTSEインターナショナル」が算出している株価動向の代表指数で、アメリカの「MSCI=モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル」指数とともに世界2代投資指標に挙げられています。FTSEインターナショナルのメイクピース会長は、18日、ソウル証券取引所で記者会見し、「韓国株式市場をこれまでの『準先進国市場』から『先進国市場』に格上げする」と発表しました。これを受けて、韓国のチョン・グァンウ金融委員長は記者会見し、「最近、世界的に金融の硬直化が憂慮されている中、今後、外国人投資家による韓国への安定的な投資が増えるだろう」と期待を表明しました。また証券市場の専門家たちは、「今後、ヨーロッパ系の投資資金およそ40億ドルから50億ドルが韓国に流れ込むなど効果があるものとみられる」と分析しています。韓国株式市場は2004年からFTSE指数の先進国市場への格上げが期待されていました。

・ニューヨーク株式市場が値下がりしたことから金融不安への懸念が収まらず、18日の韓国株式市場は、一時今年の最安値を記録するなど不安定な状態が続いています。17日のニューヨーク株式市場は、アメリカ最大の保険グループ「AIG」が事実上の公的管理におかれることが発表されたにもかかわらず、金融不安が収まっていないという懸念が根強く、今年2番目の値下がりで取り引きを終えました。これを受けて、18日の韓国株式市場は、取り引き開始直後から金融株などに売り注文が殺到し、総合株価指数が一時今年最安値の1372.55を下回って、1370を記録するなど大きく値下がりし、結局、前日より32.84ポイント下がって、1392.42で取り引きを終えました。このような株価の下落は、アメリカの金融当局が、経営が悪化したアメリカ最大の保険グループ「AIG」の救済に踏み切ったものの、経営に行き詰まる金融機関がほかにもあるのではないかという懸念が広がっていることによりものとみられています。一方、18日の為替レートは、ウォンが急落し、1ドルが1153ウォン30銭と前日に比べて37ウォン30銭のウォン安ドル高でした。

・国会は18日、本会議を開き、与野党が対立して審議が長引いていた補正予算案を可決しました。補正予算案をめぐっては、野党民主党が韓国電力と韓国ガス公社の損失を補てんするための補助金を削減するよう求めるなど、与野党の対立が続いていました。しかし与野党は17日、院内代表会談を開き、野党が、韓国電力と韓国ガス公社の損失を補てんするための補助金を受け入れる代わりに、与党は、野党が要求していた、大学生に向けた授業料の融資補助金として2,500億ウォン、お年寄り向け施設の暖房費の支援金として508億ウォンなど、合わせて3,008億ウォンを増額することで歩み寄りました。与野党はまた、今後、韓国電力と韓国ガス公社の損失を国庫では補てんしないことで合意しました。これを受けて、国会は18日、本会議を開き、総額4兆5,685億ウォンの補正予算案を可決しました。

・大企業や新聞社などが放送メディアへ進出する際の規制が大幅に緩和されることになりました。政府は18日、李明博大統領が主宰して開いた、投資の活性化と就職先を拡げるための官民合同の会議で、このような内容を盛り込んだサービス産業の育成案を決めて発表しました。それによりますと、まず、大企業と新聞社が放送メディアへ進出する際の規制を緩和して、現在、衛星放送の株について49%までを所有できるとしている規制をすべてなくすことにしています。また新聞社と通信社、それに外国人と外国の企業がケーブル放送や衛星放送の株を所有できる制限も、これまでの33%から49%に大幅に緩和されます。

・韓国の教育特区といわれている、ソウル市江南地域の小学校で、全国で初めて漢字教育が再開されます。ソウル市江南地域の教育行政を管轄する、ソウル江南教育庁は、17日、「韓国語の70%は漢字が元になっているので、児童の意思疎通をはかる能力をより高めるために漢字教育は欠かせない」として、来月から小学校で漢字教育を再開すると発表しました。漢字教育は、朴正熙政権当時の1970年からハングルを重視する政策が進められたため、小学校では事実上行われず、中学と高校で、それぞれ基礎漢字900字ずつを習得させるようになっていました。漢字教育を再開する江南地域の小学校51校では、特色のある教育の一環として、4年生から、朝の自習時間と国語の授業時間を割いて漢字教育を行い、児童たちが卒業するまでに、900字程度の基礎漢字を覚えるようにする方針です。しかしソウルの江南地域は、韓国で「教育特区1番地」といわれるほど、住民が教育熱心で、教育のあり方に影響を与えてきただけに、教育庁の主導で行われる小学校での漢字教育の再開が今後、どのような波紋を呼ぶか注目されています。

・英語習得などの目的で海外に早期留学する子どもが去年は減少に転じたことがわかりました。統計庁が18日発表した、2007年の国際人口移動統計によりますと、早期留学などのため、去年、韓国を離れて3カ月以上、海外に滞在した、19歳以下の未成年者は、10万300人あまりで、一昨年より400人減りました。このように海外に滞在する未成年者が減ったのは2000年以降初めてです。これについて、統計庁は、「景気低迷が続いている中、教育費の上昇などによって、早期留学による家計の負担が大きくなっているうえ、早期留学の需要も飽和状態に至っているものとみられる」と、分析しています。

・アメリカのニュース専門チャンネル「CNN」が選んだ「アジア最高の映画18本」に、韓国映画の『グエムル〜漢江の怪物』と、『曼陀羅』が選ばれました。CNNがインターネットサイトを通じて18日発表したところによりますと、「2006年に公開された韓国映画『グエムル〜漢江の怪物』は、これまで作られた怪獣映画の中で、最高作だ」と評価され、韓国映画の巨匠、イム・グォンテク監督が1981年に制作した『曼陀羅』については、「人間の個人主義や宗教的な信念と悟りを独特な見方でとらえている」と説明しています。このアジア最高の映画18本には、日本映画は、『シャル・ウィ・ダンス?』や黒澤明監督の『生きる』、木下惠介監督の『楢山節考』の3本が入っています。

9月17日水曜日

・FRB=アメリカ連邦準備制度理事会が17日、経営危機に陥っているアメリカの保険最大手AIGへの救済策を発表したことで、パニック状態に陥っていた韓国の金融市場はとりあえず安定を取り戻しています。リーマン・ブラザーズの経営破綻をきっかけとする金融不安が広がって、韓国では16日、ドルに対するウォンの相場が1ドル1160ウォンと、1997年の通貨危機以来最大の下落を記録しました。しかし17日は、アメリカ政府の金融当局が、保険最大手のAIGに対する救済策を発表したことで、韓国の銀行ディーラーなどがウォン売り・ドル買いを進めた結果、前日より44ウォンウォン高ドル安の1ドル1116ウォンで取り引きを終えました。これは1998年3月以来、10年6カ月ぶりの上げ幅です。また16日に90ポイント以上も暴落し1400ポイント台を割り込んだ韓国株式市場もニューヨーク市場で株価が値上がりした流れを受けて、17日は金融株を中心に買い注文が殺到し、前日より37.51ポイント上昇し1425.26と、1400ポイント台を回復しました。しかし金融専門家は、アメリカからもたらされた金融不安の根本的な原因である住宅景気が回復しない限り、警戒を緩めることはできないとしています。

・経営破たんしたアメリカ証券大手のリーマン・ブラザーズについて、韓国の国策銀行である韓国産業銀行が破綻直前まで買収交渉を進めていたことが明らかになりました。韓国産業銀行の代表であるミン・ユソン行長は、16日、記者団に対して、「産業銀行がリーマン・ブラザーズを買収していれば、このような状況には追い込まれなかったと思う」と述べて、リーマン・ブラザーズの買収計画が事実であったことを認めました。産業銀行によるリーマン・ブラザーズの買収交渉が表面化したのは、産業銀行の行長に、リーマン・ブラザーズソウル支店代表のミン・ユソン氏が就任した今年6月初めからでした。産業銀行は、政府による民営化に備えて、グローバル投資銀行へ躍進することを長期的なビジョンとして、リーマン・ブラザーズを買収する計画を進めていたということです。このため産業銀行は、当初、リーマン・ブラザーズの株50%を買収する計画でしたが、その後、25%の株を60億ドル、およそ6兆ウォンで買収する計画に切り替え、交渉を進めていました。しかしアメリカ政府がリーマン・ブラザーズに対する支援を拒んだため、産業銀行は今月10日になって、リーマン・ブラザーズの買収を諦める決定を出したということです。これはリーマン・ブラザーズが裁判所に破産法の適用を申請する5日前のことでした。

・国民一人当たりの個人負債が第2四半期には1600万ウォンを超え、個人の金融負債の増加率が、金融資産の増加率を上回っていることがわかりました。韓国銀行が17日発表した今年4月から6月までの第2四半期の資金の動向によりますと、個人負債の総額は780兆7000億ウォンで、第1四半期より3%増えました。この結果、国民一人当たりの個人負債は1606万ウォンと、前の四半期より3%、47万ウォン増えました。このように個人負債が増えたのは、第2四半期に住宅担保ローンの貸し出しなどが増えたのが原因ではないかと、韓国銀行ではみています。

・北韓の金正日国防委員長の健康不安説が取り沙汰されている中で、金正日国防委員長の長男の正男氏が、先週半ばに、滞在していた平壌から、活動拠点があるとされる北京に戻ったことが明らかになりました。北韓の情報筋が16日、伝えたところによりますと、正男氏は北京を中心にマカオなどに活動拠点を置いており、故金日成主席や金正日国防委員長の誕生日などに合わせて年に数回、平壌を訪問しているということですが、今回は7月末から長期間、平壌に滞在し、先週11日に高麗航空を利用して平壌から北京に戻ったということです。正男氏が平壌を離れたことで、金正日国防委員長の健康状態が好転したのではないかという観測も出ています。

・携帯電話を使って政治資金を寄付することができるようになりました。中央選挙管理委員会は、17日、「モバイル政治後援システム」を開設し、韓国で初めて携帯電話による政治資金の寄付の受け付けに入りました。このシステムは、携帯電話の無線インターネットを利用し、モバイル電子決済を通じて支持する国会議員や選挙管理委員会に政治資金を寄付するものです。携帯電話の数字「5・3・9」と無線インターネットのキーを押した後、「国会議員後援」または「選挙管理委員会寄託」のメニューに入って、寄付する人の名前と、寄付する金額、住民登録番号を入力すれば、支持する政治家などに政治資金が送られる仕組みです。中央選挙管理委員会は、時間的余裕がなかったり手続きが煩わしかったりして政治資金の寄付ができなかった人にとっては簡単に利用できるシステムだとしており、これを利用して小額の寄付が広がることを期待しているとしています。

・軍隊内部で兵士同士の過酷な暴力などの行為が起きた場合、加害者に対して3年以下の懲役、または700万ウォン以下の罰金を課すことができるようになる見込みです。軍内部では、これまで上官などによる部下の兵士に対する過酷な暴力で大けがをしたり、大きな事件に発展したりするなどの問題がたびたび起きていました。こうしたことを受けて国防部は17日、過酷行為罪などを新設した「軍刑法の改正案」をまとめ立法予告しました。改正案は、▼兵士同士の暴力行為があった場合、加害者に対して3年以下の懲役、または700万ウォン以下の罰金を課す、▼上官を殺害した兵士は無条件で死刑に処すとなっている現在の軍刑法の条項を改正し、無期懲役にするなどとなっています。軍刑法が改正されるのは46年ぶりで、国防部の関係者は、「これによって過酷な行為による不祥事が減るのではないか」と話しています。

・大学の「専任講師制度」が、早ければ来年から廃止される見通しです。教育科学技術部は、大学の専任講師制度を廃止して、専任講師を助教授として認める計画を進めています。韓国の大学では、教授・副教授・助教授のほかに、日本の非常勤講師に当たる時間講師とはまた別の専任講師という制度を設けています。専任講師制度は、1963年に教育公務員法によって規定されました。専任講師は、大学によった任用され、平均2年後に助教授としての昇進審査を受け、4年後に副教授としての昇進審査を受ける仕組みとなっています。教育科学技術部は、専任講師制度の廃止を盛り込んだ教育公務員法の改正案を今国会に上程し、早ければ来年から施行する計画です。

・上場企業に勤務する4年制大学を卒業した新入社員の平均年俸は、2854万ウォンであることがわかりました。年俸情報提供会社の「オープン・サラリー」が、上場企業407社の年俸を分析したところ、4年制大学を卒業した新入社員の平均年俸は、大企業が3259万ウォン、中堅企業は2850万ウォン、中小企業は2524万ウォンでした。業種別では、金融・保険・証券業が3516万ウォンで最も多く、次いで、土木・建設業が3071万ウォン、石油化学業と、機械・鉄鋼・造船業がいずれも2930万ウォン、流通・貿易業が2811万ウォンの順となっています。一方、公共企業は、平均年俸が大企業並みの3146万ウォン、外資系企業は3045万ウォンでした。

・中国の北京で開かれていた障害者のスポーツの祭典、第13回パラリンピックが、17日に閉会式をして12日間の日程を終えます。北京パラリンピックは、148の国と地域からおよそ4000人の選手が参加して、20競技157種目でメダルが争われました。韓国は、金メダル10個、銀メダル8個、銅メダル13個を獲得し、金メダルの数は当初の目標には及びませんでしたが、総合成績では目標の14位以内を達成し、13位となりました。韓国は、前回のアテネ大会では、総合16位でした。総合優勝は、スポーツ強国の中国で、2大会連続でした。次の第14回パラリンピックは、2012年にイギリスのロンドンで開かれます。

9月16日火曜日

・アメリカの証券大手、リーマンブラザーズの破綻を受け、韓国国内の株式市場も暴落し、ウォンの価値が急落するなど、金融市場はパニック状態に陥りました。政府は、リーマンブラザーズ・ソウル支店に対して営業を停止させる措置をとる一方で、金融状況を点検するため緊急会議を開くなど、あわただしい動きを見せています。16日の韓国株式市場は、アメリカ株式市場の暴落の影響を受けて総合株価指数が90.17ポイント急落して今年最安値の1,387.75で取引を終えました。店頭市場のコスダック指数も37.62ポイント下落し、業種を問わずパニック売りが広がりました。このため、両市場では市場の安定のために取り引きを5分間停止させる措置の「サイドカー」が発動されました。外国為替市場でもドルに対するウォンの相場が急落し、前日より50ウォン90銭ウォン安の1ドル1160ウォンで取引を終えました。この日、ウォンは前日より19ウォン90銭ウォン安の1ドル1128.00ウォンで取引が始まりましたが、売り注文が殺到したため結局1ドル1160ウォンまでウォン安が進みました。これは国内外の株式市場が軒並み下落したことの影響によるものと分析されます。企画財政部の金東洙(キム・ドンス)次官や金融委員会の李昌(イ・チャンヨン)副委員長、韓国銀行の李勝一(イ・スンイル)副総裁などは16日、緊急の金融状況点検会議を開き、リーマンブラザーズの破綻が国内の金融市場に与える影響を最小限にとどめるために必要な措置について話し合いました。金東洙次官は、「今回の事態で短期的には金融市場の不安定さが増すだろうが、中長期的には国際金融市場の不安要素が解消され、信用収縮の緩和につながるだろう」との見通しを示しました。政府と韓国銀行は、今後も外国為替市場の過度な変動を抑えるために必要な措置をとっていくとしており、外貨の借り入れについては今後持続的に検討していく方針です。韓国銀行は「今回のショックで当分国内の金融市場の変動性は増すだろうが、アメリカの金融市場の不安がこれ以上悪化しない限り、国内金融市場も次第に安定を取り戻していくだろう」との見方を示しています。

・アメリカの証券大手、リーマンブラザーズが日本の民事再生法に当たる連邦破産法11条の適用を申請したことを受けて、金融委員会はリーマンブラザーズのソウル支店に対し、一部の営業を停止させる措置をとりました。 金融委員会は16日午前緊急会議を開き、リーマンブラザーズ・バンクハウス・ソウル支店とリーマンブラザーズ・インターナショナル証券ソウル支店に対し、預金の取り扱いや債務返済行為などを禁止する営業停止措置を取りました。これにより、リーマンブラザーズ・バンクハウス・ソウル支店は、16日から12月15日まで、預金の販売と支払い、融資、債務の返済、資産の処分などができなくなります。また、リーマンブラザーズ・インターナショナル証券ソウル支店も、同じ期間、本社との取引、海外送金、資産の移転などが禁じられます。

・北韓が来年完成する予定の、北西部の平安北道鉄山郡東倉里のミサイル基地で、ミサイルのエンジン燃焼実験を行ったことが分かりました。韓国政府の北韓情報筋が15日に明らかにしたところによりますと、現在80%ほど工事が進んでいる東倉里の新しいミサイル基地のエンジン燃焼試験場は既に稼動しており、今年の5月か6月に長距離ミサイルと推定されるロケットのエンジン燃焼実験が行われたということです。この消息筋はさらに、アメリカの偵察衛星がとらえた写真を分析した結果、実験が行われたのは長距離ミサイルのロケットエンジンと見られ、北韓は2006年に発射実験で失敗した最大射程6000キロの「テポドン2号」のエンジンの性能を向上させようとしているという見方を示しています。

・政府は、北韓が核施設の無能力化を実施し、核計画を申告したことに対する見返り措置として北韓に支援してきた設備と資材の残りの分を今月の末から来月にかけて提供する方針です。政府関係者が16日に明らかにしたところによりますと、政府は25日前後に北韓に自動溶接鋼管1500トンを船で送り、来月中にもさらに1500トンを送る計画です。北韓は先月、核施設の無能力化作業を中断し、無能力化した核施設の復旧に向けた動きを見せていますが、政府は北韓に対して過剰に対応して状況が悪化するのを防ぐため、既に合意している設備や資材を予定通り北韓に送る方針だということです。北韓への支援の再開は、北韓の核問題をめぐる6カ国協議の参加国が話し合って決めたもので、政府関係者は、「不測の事態が発生して予定が変更になる可能性はあるが、基本的には既に合意している設備や資材を提供するのが政府の方針だ」としています。6カ国協議の話し合いにより、韓国、アメリカ、中国、ロシアの4カ国は北韓の非核化に向けた第2段階の措置である核計画の申告と核施設の無能力化の見返りとして、10月までに北韓に重油95万トン相当のエネルギー支援を行うことで合意していました。

・北京パラリンピック10日目の15日、韓国はアーチェリー男子団体で金メダルを獲得しました。北京市北部のオリンピック公園アーチェリー場で行われた男子団体の決勝戦で韓国は中国を209対206で破り、金メダルを獲得しました。一方、女子団体の決勝戦で韓国は中国に205対177で破れ、銀メダルを手にしました。また、水泳のミン・ビョンオン選手は男子背泳ぎ50メートルで44秒80を記録し、銀メダルを獲得しました。さらに、陸上車椅子800メートルに出場したホン・ソクマン選手は銅メダルを追加しました。一方、男子ウェイトリフティング90キロクラスに出場したパク・ジョンチョル選手は失格になりました。韓国チームはこの失格の判定は誤審ではないかとして国際障害者連盟に提訴することを決めていましたが、パク・ジョンチョル選手は16日、「提訴しても判定は変わらないので、試合の結果を受け入れようと思う」と述べ、提訴しない考えを示しました。韓国は16日午後1時現在で金メダル9個、銀メダル8個、銅メダル13個で、総合成績14位となっています。

・韓国の就業者のうち3人に1人は自営業に就いており、OECD=経済協力開発機構の加盟国の中で自営業者の割合が最も高いことが分かりました。統計庁やILO=国際労働機関が16日明らかにしたところによりますと、2006年現在、韓国の自営業者の数は雇用主を含めて776万7000人で、就業者全体の33.6%を占め、3人に1人の割合となっています。これはOECD加盟国の中で最も高く、この後をギリシアが30.1%、トルコが29.8%と続いています。また、日本の自営業者の割合は10.2%で、韓国に比べかなり低くなっています。これについてLG経済研究院のソン・テジョン研究委員は、「韓国では構造的に自営業を好む傾向がある上、1997年の通貨危機のときに労働市場からはじき出された人々が再就職できず、飲食店などの自営業を始めたことから、自営業の割合が高くなった」と説明しています。

・今年の秋夕の連休は13日から15日までの3日間と短かったため、帰省をあきらめた人が多かったことが分かりました。警察庁のまとめによりますと、連休前日の12日から連休最終日の15日までに首都圏を離れた車は124万台で、去年の144万台より14.5%減少しました。一方、地方にいる親などの家族がソウルを訪れて子どもの家族と秋夕を過ごす、いわゆる逆帰省をした車は119万台で、やはり去年より22.1%減少しています。

・景気が低迷している中で、大手デパートでは秋夕の贈物の売り上げが去年に比べておよそ10%伸びたことが分かりました。このうち大手デパート、ロッテ百貨店が全国の店舗で調べたところ、先月29日から今月13日までに販売した秋夕の贈物の実績は、去年に比べて9%伸びていることが分かりました。特にハムセットの売り上げが去年より43%増加して最も高い伸び率となり、次いでサプリメント34%、カタクチイワシ32%、干し柿・マツタケ15%、伝統茶・コーヒー14%の順となっています。

9月15日月曜日

・北韓の金正日国防委員長の健康悪化が伝えられている中、現在、北韓では軍部と朝鮮労働党の指導部が金委員長から統治を委ねられているという見方が出ています。複数のアメリカ情報関係者によりますと、金正日国防委員長は脳卒中になる前の数ヶ月間も健康状態がよくなく、これまで業務を部下たちに日ごとに任していたということで、現在は、軍部と朝鮮労働党の高官たちが金委員長から直接統治を委ねられているということです。これについて、ワシントンタイムズも、アメリカの複数の情報関係者の話を引用して、現在、北韓政権内のエリートたちが金正日国防委員長の路線を引き継いで統治をうまくこなしており、今のところ、政情不安などの兆候はみられていない」と伝えました。一方、ニューヨークタイムズと、時事週刊誌ニューズウィークは、「アメリカ政府は、金正日国防委員長が死亡した後に備えるための非常対策を持っていない」として、「アメリカとしては、核問題などが解決されていない状態で、北韓の権力継承が行われることがないよう願っている状態だ」と伝えました。

・金正日国防委員長の病状について、日本のメディアは、「脳卒中で倒れ、今も手足に障害が残っている」と、中国筋の情報を引用して伝えました。共同通信が、複数の中国筋の話を引用して伝えたところによりますと、「金正日国防委員長が倒れたのは先月14日で、北韓側が中国に医師の派遣を要請したため、人民解放軍の軍医5人が派遣され、手術が行われた。手術後の経過は良好だが、手足に障害が残っている。脳卒中前に近い状態まで回復するとみられるが、かなりの期間の安静とリハビリが必要だ」ということです。また毎日新聞が中国側関係者の話を引用して伝えたところによりますと、「金正日国防委員長は今年4月ごろから執務中に時折、意識を失うなど深刻な状態になり、党務などの決済事項に対し十分な指示が出せなくなっていた」ということです。毎日新聞は「北韓は核問題をめぐる6カ国協議での対応などで、柔軟性がなくなっているが、これは金委員長の病状も関係している」と分析しています。一方、東京新聞は、中国当局筋の話を引用し、「金正日国防委員長の健康悪化は、アメリカに求めていたテロ支援国の指定解除が見送られたことによるストレスが直接の引き金になった」としています。

・旧暦のお盆、「秋夕」連休の最終日となった15日は、帰省先からソウル首都圏に戻る人たちのUターンラッシュが午後から夜にかけてピークを迎えるものとみられます。韓国道路公社によりますと、連休前日の12日から秋夕当日の14日までに、ソウルを離れた車はおよそ100万台で、このうち、32万5000台あまりは14日にソウルに戻っており、全国の主な高速道路のUターンラッシュは15日午後から始まって、午後5時にピークを迎え、渋滞は16日未明にかけて続くものとみられます。

・韓日・日韓議員連盟の韓国側の新しい会長に、李明博大統領の実の兄で、与党ハンナラ党の李相得(イ・サンドゥク)議員が内定しました。韓日議員連盟の韓国側の会長は、これまで与党の重鎮議員が務めており、李明博政権が発足して、第18代国会が始まった後、日本通としられる李相得議員が有力視されていました。李相得議員は、今年1月、大統領に就任することが決まっていた李明博氏の特使として、日本を訪れ、福田前首相と会談しており、日韓議員連盟の森喜朗会長とも親しいだけに、最近、独島の領有権問題などでぎくしゃくしている韓日関係を打開する突破口を見出せるかどうか注目されています。

・景気の低迷を受けて、20代の若年層で経済活動に参加する人口の割合がこれまででもっとも低くなっていることが明らかになりました。統計庁のまとめによりますと、20代の経済活動への参加率は、先月は63.2%で、去年の同じ期間より0.7ポイント低く、統計をとりはじめた1999年6月以来、もっとも低くなっているということです。経済活動への参加率は、満15歳以上の人口のうち、就職者と失業者の人口が占める割合で、20代の参加率が下がっているのは、就職者と失業者の伸び率より、経済活動をしない人の伸び率が高いことを意味します。実際、20代の経済活動人口は、先月8月は、去年の同じ期間より9万2000人程度減って415万2000人あまりでしたが、非経済活動人口は、2万5000人増えて、242万1000人でした。これは、景気の低迷によって、思うような働き口を見つけることができないだろうとして、資格をとるなど、就職の準備をしている人が急増しているためと、統計庁は分析しています。

・2005年以降、韓国の株式市場の成長したのを受けて、韓国の長者番付に大きな変動が出ていることがわかりました。財閥関連情報を紹介するサイトの「財閥ドット・コム」が15日発表したところによりますと、今年9月11日現在、韓国の長者番付の上位100人の預金額と不動産を除く財産を調べた結果、総額で48兆3,048億ウォンで、2005年末と比べて、58%も増えています。韓国最高のお金持ちは2兆7,338億ウォンを所有している現代・起亜自動車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長で、ここ3年間あまりで、財産を85%も増やし、これまで1位だった三星グループの李健熙前会長を抜きました。次いで三星グループの李健熙(イ・ゴンヒ)前会長、3位は与党ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)議員で、3年間で財産を5倍も増やして2005年の19位から大きく順位を上げました。

・日本の女子プロゴルフ選手権大会で、韓国のシン・ヒョンジュ選手(20)が優勝しました。石川県加賀市の片山津ゴルフクラブで行われた第41回日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯の最終日の14日、韓国のシン・ヒョンジュ選手は、初日からの首位を守り切って、通算5アンダー283で優勝を手にしました。シン・ヒョンジュ選手は今シーズン2度目の優勝で、準優勝は同じく韓国のシン・ジエ選手でした。

・サッカーのフランスリーグに移籍した韓国のストライカー、朴主永(パク・チュヨン)選手が、デビュー戦でゴールを飾るなど活躍して、MVPに選ばれました。今月初め、フランスリーグ・ASモナコに移籍した朴主永選手は、現地時間で13日午後7時行われた、FCロリアンとの試合に初めて出場し、前半26分、先制ゴールを決めた後、後半26分には追加ゴールをアシストし、ASモナコがFCロリアンを2対0で下して、朴主永選手は、チームの勝利を導きました。朴主永選手は、この試合のMVPに選ばれたほか、フランスメディアが選ぶ週間MVP、そして、フランスサッカー専門サイトの「きょうの選手」などに選ばれるなど、華やかなデビューを飾りました。

9月13日土曜日

・旧暦のお盆、秋夕の前日となる13日、マイカーで帰省する人たちの車で高速道路は一部で混雑しました。帰省ラッシュは連休前の12日午後7時にピークを迎えたあといったんやわらぎ、連休が始まった13日の午前中に再びピークに達しました。一方、今年の秋夕は14日の日曜日にあたり、前後1日ずつ合わせて3日間しか休めないことから、地方にいる親などの家族がソウルを訪れて子どもの家族と秋夕を過ごす、いわゆる逆帰省する人が多く、韓国道路公社によりますと、連休前日の12日に、マイカーで地方からソウルに逆帰省した車は28万台で、去年より27%増えているということです。

・旧盆の秋夕の連休の間、海外に出かける人が、去年より大幅に減る見込みです。仁川国際空港の出入国管理事務所によりますと、連休前日の12日から連休翌日の16日までに、海外に出かける人は18万4000人あまりで、去年の秋夕連休の22万人よりおよそ17%減りそうだということです。秋夕連休の間、海外に出かける人の数が減るのは、仁川国際空港がオープンした2001年以来初めてです。今年は秋夕の当日が日曜日で、前後あわせて3連休と期間が短い上、景気の低迷などによって海外旅行に出かける人が減っているものとみられています。

・IMF=国際通貨基金は、韓国は原材料価格の上昇などによって物価上昇の圧力が高まる恐れがあるという見方を示しました。IMFが12日発表した韓国経済の年次報告書によりますと、韓国経済は、去年は5%の経済成長率を遂げたが、今年は国際経済環境の悪化などを受けて、4.1%に下方修正しました。また、IMFは、韓国は輸出の好調が続いているものの原材料価格の上昇などによって、輸入はさらに増えていて、経常収支の見通しは不透明な感があると説明したうえで、韓国政府はこのような物価上昇の圧力に備えて、引き続きインフレに対応する通貨政策をとらなければならないと勧告しています。一方、IMFは、最近、下がり続けていたウォンの価値については、「今のところ、適切な水準だ」としています。

・北韓の金正日国防委員長の健康悪化が伝えられるなか、韓国政府高官が金委員長は現在、闘病中であることは確かだが、自ら歯を磨くことができるぐらいの状態に回復しているという見方を示しました。韓国政府の高官が12日、メディアの取材で明らかにしたところによりますと、金正日国防委員長の症状は、現在、自ら歯を磨くことができるぐらいの状態とみられており、体の麻ひなど、最悪の状態ではないということです。一方、北韓では来月10日、朝鮮労働党の創立63周年を迎えることになっており、その記念式典に金正日国防委員長が姿を見せるかどうかが金委員長の病状や回復の度合いを推し量る材料になりそうだと、専門家は分析しています。

・北京パラリンピック8日目の13日、韓国はアーチェリーの女子個人で、イ・ファスク選手(42)が金メダルを獲得しました。アーチェリー女子個人の決勝戦は13日午前、北京市北部のオリンピック公園アーチェリー場で行われ、イ・ファスク選手は中国人の選手に103対92で勝ち、金メダルを獲得しました。アーチェリー個人戦はこれで終了し、韓国人選手が手にしたメダルはこの金メダルだけでした。

・今年初めて日本脳炎の患者が発生しました。疾病管理本部によりますと、忠清北道清州市に住む47歳の男性が先月22日、高熱とひどい頭痛の症状を訴えて、地元の病院で治療を受けましたが、最近になって意識が遠のくなど症状が悪化し、入院していました。疾病管理本部は、この患者の遺伝子などを検査した結果、日本脳炎に感染していることを確認したと、12日発表しました。疾病管理本部では、今年7月25日に、韓国南部地方で、日本脳炎を媒介する蚊のコガタアカイエカが確認されてから、全国に日本脳炎警報を発令しています。韓国では、去年、あわせて7人が日本脳炎に感染し、1人が死亡しています。

・兵役に就いたままでネット上で大学の講義を受け、単位をとる兵士が増えていることがわかりました。国防部は、大学に入ってから休学して、軍兵役に就く兵士が継続して勉強できるよう関連法を改正し、去年9月の2学期から軍に服務中でも、大学のネットを通じて講義を受け、単位がとれる制度をスタートさせました。国防部が13日明らかにしたところによりますと、今年春からの1学期には207人がネットによる講義を申し込んで、このうち187人が単位を履修し、履修率は90%に上ったということです。またこの制度に参加する大学も増え続け、今年の1学期は9つの大学が114の講義を開設し、9月からの2学期には、25の大学が841の講義を開設しているということです。

・韓国、日本、台湾、中国のプロ野球のアジア最強チームを決める「コナミカップ・アジアシリーズ2008」が、今年は11月13日、日本の東京ドームで開幕します。今年で4回目を迎えるコナミカップで、韓国は11月13日に、日本と初戦で対戦します。

9月12日金曜日

・韓国政府は、金正日国防委員長の健康悪化説が拡がっている中で、北韓に対する政策に慎重を期していくことにしました。統一部のキム・ホニョン報道官は11日の記者会見で、金正日国防委員長の健康悪化説が拡がっているが、より正確な情報を把握するまでは慎重に対応していく必要があるとした上で、共存共栄に向けて南北関係を発展させていくという対北韓政策は一貫して進めていくと述べました。また、李相喜(イ・サンヒ)国防部長官は、北韓内部では異常な兆候は見られないとして、韓国軍の警戒態勢を強化する考えはないことを明らかにしました。

・金正日国防委員長の健康悪化説が拡がり、息子への権力継承に関心が寄せられている中で、金正日国防委員長の3人の息子がともに平壌にとどまっていることが分かりました。金正日国防委員長には長男の金正男(キム・ジョンナム)氏と次男の正哲(ジョンチョル)氏、三男の正雲(ジョンウン)氏の3人の息子がいますが、長男の金正男氏は主に中国やマカオに滞在していました。韓国政府の消息筋によりますと、金正男氏が7月から平壌にとどまるなど、3人の息子がともに長期間平壌にとどまっているのは異例で、金正日国防委員長以後の権力の継承と関係があるのではないかという見方が出ているということです。この消息筋は、北韓の指導部は、金正日国防委員長以後をめぐって、権力闘争が起きれば、北韓が自滅する可能性もあるという認識を持っており、3人の息子のうち1人を表に立てて、労働党や軍部の幹部による集団指導体制を取る可能性もあるとしています。

・国連の潘基文事務総長は11日、ニューヨークの国連本部で記者会見し、北韓の金正日国防委員長の健康悪化説が拡がっていることを受けて、「金正日国防委員長の健康が実際に悪化しているかどうかは確認できない」とした上で、「北韓の内部でどんなことが起きようと、韓半島の非核化に向けた動きに支障が出ないことを希望する」と述べました。潘基文事務総長はまた、北韓が寧辺の核施設の復旧を宣言したことについて、「北韓が逆戻りしていることを深く懸念している。北韓は6カ国協議の合意どおり核施設の無能力化を進めるべきだ」と述べました。

・国会の予算決算特別委員会は12日未明、与党ハンナラ党などが補正予算案を採決して可決させましたが、手続きに問題があり、無効となりました。補正予算案をめぐっては、野党民主党が韓国電力と韓国ガス公社の損失を補てんするための補助金を削減するよう求めるなど、与野党の対立が続いていました。このため与野党は11日深夜まで交渉を続けましたが、結局、歩み寄ることができず、ハンナラ党と自由先進党の議員が中心となって12日未明に政府案の一部を修正した補正予算案を可決させました。しかし、採決に加わった議員26人のうち、代理で出席した1人が国会法で定められた手続きを踏んでいなかったことが分かって、結局、定数を満たしていなかったことから、採決は無効となりました。一方、民主党は、ハンナラ党が第1野党の民主党を排除したまま、予算案を強行採決に持ち込んだとして強く反発しており、今後、国会運営をめぐって与野党の対立が続くものと予想されています。

・政府が外貨建て債権の発行を延期しました。政府はこのほど、10億ドル相当の外貨建て債券を発行するために、ニューヨークで外国の機関投資家と交渉しましたが、外国の機関投資家が示した条件が悪く、発行を延期することにしたということです。アメリカの証券大手リーマン・ブラザーズの経営悪化をめぐるリスクが増大して、金融市場が萎縮している中で、一方では北韓の金正日国防委員長の健康悪化説まで加わり、外国人投資家が予想を上回る加算金利を要求したためです。

・教育科学技術部は市場経済に反する内容を記述しているなどと指摘された教科書の内容を修正することにしました。教科書の内容に問題があると指摘したのは大韓商工会議所などの経済団体で、3月に小中高校で使用されている経済、社会、韓国史、近現代史の教科書60種類あまりを分析した結果、市場経済主義に反した内容を記述したり、事実を誤って記述したりしているものがあるとして、337件の修正を教育科学技術部に求めました。これらの記述を見ますと、「いきすぎた経済活動の自由が階層間の対立を激化させた」、「成長第一主義が黄金万能主義を拡散させた」などとなっています。教育科学技術部は、大韓商工会議所などが提起した問題点を国史編纂委員会に伝え、国史編纂委員会による検討結果が出れば、それを参考にして教科書の内容を修正することにしています。

・北京パラリンピック6日目の11日、韓国は金メダル2個を獲得しました。このうち陸上男子400メートル(車椅子)で、ホン・ソクマン選手が47秒67の世界新記録を出して金メダルを獲得しました。また、射撃ではエアライフル立射10メートル男女共通でイ・ジソク選手が合計704.3で金メダルを獲得しました。イ・ジソク選手は9日に行われたエアライフル伏射10メートル男女共通でも金メダルを獲得しており、2冠王になりました。韓国は12日朝まで、金メダル5個、銀メダル5個、銅メダル8個を獲得し、総合成績9位となっています。

・旧盆の秋夕の連休が13日土曜日から始まるのを前に、12日朝から帰省ラッシュが始まっています。今年の秋夕連休は13日の土曜日から15日の月曜日までの3日間と短いので、前日から休みを取って帰省する人が多いためか、12日の朝から首都圏を中心に高速道路の渋滞が始まりました。韓国道路公社によりますと、ソウルと釜山を結ぶ京釜高速道路はソウルのトールゲートから釜山方向の20キロの区間で渋滞しているほか、首都圏の区間で普段の週末程度の渋滞となっていますが、夜になれば高速道路の全区間が渋滞するものと予想されています。

9月11日木曜日

・北韓が長距離ミサイルを発射するための新しい基地を建設していると、AP通信が報道しました。このミサイル基地はアメリカ本土を射程距離に入れるものとみられると専門家は指摘しています。AP通信がアメリカの民間の衛星写真専門家2人の分析をもとに伝えたところによりますと、少なくとも8年前に北韓の西海岸沿いの小さな村に長距離ミサイルの発射基地が建設され、2005年から稼動し始めたということですが、実際の試験発射は行われていないとしています。この新しい基地には、可動式の発射台やミサイルを支えるための10階建ての建物に相当する高さの塔があるということです。アメリカの専門家は、北韓が射程距離がより長く、正確な大陸間弾道ミサイルの開発にこの基地を活用するものとみられるとして、原子爆弾をアメリカ本土に打ち込むことができるミサイル能力を備えるためとみられると分析しています。一方、アメリカ政府の高官は、アメリカの情報当局は北韓の新しいミサイル基地の存在を数年前から把握しており、基地の完成にはさらに1―2年がかかるが、北韓はアメリカ政府が核の廃棄を求めるための交渉を再開した後も、この基地の建設を進めていたと話しています。

・北韓の金正日国防委員長の健康悪化説について、国家情報院は、金委員長は先月中旬から脳卒中で健康状態が悪化し、現在、外出はできないものの意識はあり、容体は回復に向かっているという見方を示しました。北韓の金正日国防委員長は、9日の建国60周年を記念する行事に姿を見せなかったことから、健康状態の悪化など、何らかの事態が起きている可能性があるという見方が出ています。これについて、韓国の情報機関の国家情報院のキム・ソンホ院長は、10日、国会で報告し、この中で「金正日国防委員長は先月中旬から公式の場に現れていないが、脳卒中で健康状態が悪化し、手術を受けた。現在、外出はできないものの、意識はある状態で、容態は回復に向かっている」として、「北韓の権力に空白はない」という見方を示しました。

・北韓の金正日国防委員長の健康悪化説を受けて、李明博大統領は、10日、大統領府=青瓦台で、安全保障の担当閣僚を緊急に集めて会議を開きました。韓昇洙(ハン・スンス)国務総理をはじめ、国家情報院、統一部、国防部など、安全保障の担当閣僚を集めて行われた会議で、金正日国防委員長は脳卒中の手術を受けた後、回復に向かっており、権力の空白など北韓の体制に異常が起きているような深刻な状況ではないと報告されました。これに対し、李明博大統領は、「どのような状況が起きても混乱が生じることなく対応できるよう万全の体制を整えるよう」指示しました。

・北韓の金正日国防委員長の健康が悪化したと伝えられていることについて、アメリカのメディアは一斉に、北韓の内部で権力争いが行われている可能性があると伝えました。まず、ワシントンポストは、アメリカ政府高官の話を引用して、北韓内部で、金正日国防委員長の健康が悪化している隙間を狙って、権力争いが展開され、無能力化作業を行っていた寧辺の核施設で復旧を始めるなど、強硬な姿勢が現れていると分析しています。またニューヨークタイムズも、北韓の核施設を復旧する措置は、金正日国防委員長の決断によるものか、ほかの勢力が権力の空白を利用して行ったのかは明確ではないとして、権力争いの可能性をほのめかしました。そしてウォールストリートジャーナルも、金正日国防委員長の健康悪化説が北韓の体制や核問題をめぐる交渉について憂慮を抱かせているとして、金委員長の権力継承が整っていない中、政治の麻ひや権力争いの可能性があると伝えています。

・アフリカ東部ソマリア沖のインド洋で韓国人8人が乗った韓国の貨物船が、韓国時間で10日午後4時ごろ、海賊とみられる武装グループに拉致されました。韓国外交通商部が10日確認したところによりますと、拉致された貨物船は、ソウルに本社をおく海運会社所属の2万6000トン級の「ブライト・ルビー号」で、船長ら韓国人8人と、ミャンマー人13人の合わせて21人が乗り組んでおり、先月28日、肥料2万4000トンあまりをつんで、ウクライナのニコラエフ港からスリランカに向かっていました。外交当局者は、「現在、乗組員全員が抑留されている状態だが、安全上問題はないものとみられる」としています。政府は、外交通商部内に非常対策本部を設けて、詳しい拉致の経緯の把握を急いでおり、アメリカ軍やソマリア政府に協力を要請するとともに、乗組員とブライト・ルビー号の解放に向けて武装グループとの交渉にあたることにしています。ソマリア沖では身代金を狙った貨物船の拉致事件が相次いでおり、韓国の貨物船が海賊に拉致されたのは、一昨年と去年に続いて、今回が3回目となります。

・中央銀行にあたる韓国銀行は11日、金融通貨委員会を開き、政策金利を年5.25%に据え置くことを決めました。韓国銀行は先月8月に1年ぶりに政策金利を0.25ポイント引き上げていました。金融通貨委員会は据え置きの理由について、物価の上昇は当分続くものとみられるが、最近、原油価格が下がり気味で、国内景気の動向が不安定であることを考慮した」と説明しています。

・2010年に南アフリカ共和国で開かれるサッカーのワールドカップ、アジア最終予選の初戦で、韓国は北韓と対戦し、1対1で引き分けました。10日夜、中国の上海で行われたアジア最終予選B組の初戦で、韓国は後半19分、北韓にペナルティキックを許して先制点をとられましたが、その後、同点ゴールを決めて、結局1対1で引き分けました。これで韓国は今年、北韓と4回行った試合すべてで引き分けました。しかし韓国は、韓国より弱いとされている北韓と引き分けたことで、ワールドカップの本選に進出するには、今後、FIFAのランキングで韓国より上のイランと、サウジアラビアと戦わなければならず、厳しい情勢になりました。韓国は来月15日、ホームで、アラブ首長国連邦と対戦します。

・儒教思想の影響が強い韓国でも、ここ数年、亡くなった人を火葬する遺族が増え続け、去年は60%近くに上ったことがわかりました。保健福祉家族部がまとめたところによりますと、去年1年間に亡くなった24万4000人あまりについて埋葬の方式を調べた結果、火葬が58.9%で、2年前より2.4%、そして10年前の1997年に比べると、2.5倍以上増えました。

・今年の韓国の紅葉は、例年より3日遅い今月29日頃に、江原道の雪岳山から始まって、来月20日ごろから絶頂期になる見込みです。気象庁が11日発表したところによりますと、今年の紅葉前線は、今月29日頃、江原道の雪岳山を手始めに、来月上旬には中部地方の五台山や雉岳山まで南下し、北漢山や内藏山の紅葉は来月20日頃になるということです。

9月10日水曜日

・北韓は9日、建国60周年を迎え、平壌の金日成広場で、民間兵力の労農赤衛隊による閲兵式を行いましたが、式典に金正日国防委員長は出席しなかったということです。北韓の情報に詳しい消息筋によりますと、午前10時から行われるとみられていた軍事パレードは、正規軍ではなく、民間兵力が参加して、規模を縮小した閲兵式の形で、しかも時間を大幅に遅らせて午後6時頃から始まりました。この式典には健康悪化説が取り沙汰され、参加が注目されていた金正日国防委員長は、結局、姿を見せなかったということです。金正日国防委員長が閲兵式に欠席したのは、1991年12月に朝鮮人民軍最高司令官に就任して以来初めてです。1998年の建国50周年と、2003年の55周年には正規軍による閲兵式が行われ、金正日国防委員長も出席していました。

・北韓の建国60年を記念する行事に金正日国防委員長が姿を見せなかったことについて、政府は、金正日委員長の健康に異常があると判断し、情報の収集と対応策の検討を急いでます。大統領府青瓦台の李東官スポークスマンは10日、記者団に対して、「金正日国防委員長の健康悪化説についてはかなり前から情報を入手し、綿密に点検している」と述べ、韓国政府が金正日国防委員長の健康に異常があることを把握していたことを確認しました。

・国連駐在の北韓代表部が、金正日国防委員長の脳卒中による健康悪化説を否定したと、アメリカのブルームバーグ通信が9日、報じました。それによりますと、名前を明かさない国連駐在北韓代表部の職員が9日、金正日国防委員長が脳卒中を患っているという報道は、「事実ではない」として否定したということです。これに先立ってアメリカ政府の関係者は「金正日国防委員長の健康が悪化したという情報を入手した」と述べ、先月頃、金正日国防委員長が脳卒中を起こした可能性があるとする見解を示していました。また北韓のナンバー2である金永南最高人民会議常任委員長は10日、共同通信に対して、金正日国防委員長は健在であることを示唆する発言をしています。

・李明博大統領は、9日夜、全国に生中継されたテレビ対話番組に出演し、1997年の通貨危機のような経済破綻は決して起きないとする考えを強調しました。李明博大統領就任後初めて9日夜10時から100分間にわたって行われた国民とのテレビ対話番組「大統領との対話―質問があります」では、パネリストや国民からの質問が、経済討論会といえるほど経済分野に集中しました。これに対して李明博大統領は、9月に大量の国債が償還期限を迎え、巨額の資本が国外に流出するのではないかという、いわゆる「9月危機説」は事実ではなく、1997年暮れの通貨危機のような経済破綻は決して起きないとする考えを強調しました。また就任してから6カ月間の感想について李明博大統領は、「急ぎ過ぎたきらいがあり、国民の心情を理解する努力が足りなかった」として、謙虚に反省する姿勢を示しました。さらにアメリカ産牛肉の輸入再開に反対する国民の大規模な抗議集会が3カ月以上も続き、参加者が相次いで拘束されたことについて、李明博大統領は、「法律を守ることが何よりも重要だ」と述べ、今後とも違法行為に対しては、法律に基づいて厳しく取り締まる考えを明らかにしました。また、日本との間で外交摩擦を起こしている独島(日本でいう竹島)の領有権問題については、国際紛争地域にしようとする日本の戦略に巻き込まれないよう冷静に国際社会にアピールし続けていくことが必要だと述べました。テレビ番組「大統領との対話」は、当初の予定より少ない地上波テレビ局とケーブルテレビ局の合わせて5社によって全国に生中継されました。

・9日夜行われた李明博大統領のテレビ対話番組について、与野党は異なった反応を見せています。まず与党ハンナラ党は、「番組は、10年ぶりに政権交代を成し遂げるのに寄与した国民の期待を裏切らないとする大統領の強い意志が反映され、国民と真の意思疎通を始めるきっかけとなった」として高く評価しました。一方、野党民主党は、「大統領は番組で国民の厳しい指摘に一度も同意せず、特に、経済政策の失敗の責任が問われている姜萬洙(カン・マンス)企画財政部長官を評価する見解を示したのは、経済の悪化で不安を感じている国民を無視した行為だ」として強く批判しました。

・9月に大量の国債が償還期限を迎え、巨額の資本が国外に流出するのではないかという、いわゆる「9月危機説」がささやかれている中、今月に入って9日までに、外国人投資家が購入した韓国の債券は、合わせて2兆1000億ウォンに上っていることがわかりました。金融監督院によりますと、今月の外国人投資家による韓国の債券の売買状況は、すでに決済済みの債券が1兆4273億ウォン、単に取り引きが行われた債券が6786億ウォンで、9日までに合わせて2兆1000億ウォンの債券が買い取られました。これによって今月末に満期を迎える外国人保有の債券6兆9000億ウォンのうち3分の1程度は、事実上再投資された計算になると、金融監督院は分析しています。さらに今月に入って最も多い5兆ウォンの国債が10日に満期を迎えますが、このところの市場の状況からみて、大半は再投資されたものと判断され、9月危機説は事実ではなかったことが証明されたと金融専門家らは分析しています。

・韓国は、石油の国内備蓄率が貯蔵可能量の55%と、これまでで最も少なくなっていることがわかりました。国会の知識経済委員会に所属するハンナラ党議員が最近、韓国石油公社から入手した資料によりますと、先月末現在、石油の備蓄量は、過去最低の7575万バレルで、備蓄基地で貯蔵可能な量のおよそ55%に過ぎないことがわかりました。これを一日の使用量に換算しますと、37日間使用できる量で、非常時に備えて60日分の石油を備蓄するよう規定した政府の基準より23日分、少なくなっています。

・国家保安法違反の罪で起訴された北韓の国家安全保衛部所属の女スパイに対する初公判が10日午前、水原地方裁判所で開かれ、女スパイは、起訴事実をすべて認めました。この事件は、脱北者を装って韓国入りした北韓の女のスパイが、軍の幹部などから入手した軍事機密を北韓に送ったとして国家保安法違反の罪で先月27日に起訴されたものです。初公判で女スパイは、検察の起訴事実に「間違いありません」と述べて、罪を認めました。またこの女スパイは、初公判前日の9日、裁判所に思想を変える転向書を提出しましたが、「自分の意思によるものか」という裁判官の質問に、「そうです」と泣きながら答えました。10日の初公判は、弁論を準備する期日が短いという弁護側の主張を裁判所が受け入れ、検察側の証拠申請を受け付けただけで終了しました。次の公判は来月1日に開かれます。

・李明博政権がアメリカ産牛肉の輸入再開に踏み切ったことに反対し、およそ100日間、続けられた国民の抗議集会の参加者が延べ93万人に上っていることが、与党ハンナラ党議員が警察庁から入手した資料で明らかになりました。

・10日は、世界保健機関が定めた「自殺予防の日」です。韓国でも深刻な社会問題となっている自殺について、韓国の青少年の10人のうち6人が「考えたことがある」という調査結果が出ました。韓国青少年相談院が、このほど中学高校生4700人を対象にアンケート調査した結果、回答者の58%、つまり10人のうち6人近くが「自殺を考えたことがある」と答えています。また実際に「自殺を試みたことがある」という生徒も500人を超え、10%を上回っています。

・保健福祉家族部は、化粧品を使用して肌に問題が生じた際に原因の究明を容易にするため、来月18日から化粧品製造メーカーに対して、化粧品に含まれるすべての成分の表示を義務付けることになりました。

9月9日火曜日

・李明博大統領は、9日の閣議で、「一部の公務員が宗教偏向政策と誤解されかねない発言や行動をしたことを大変遺憾に思う」と述べ、公務員による宗教差別があったとして反発している仏教界に遺憾の意を表明しました。この日の閣議は、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理の主宰で行われる予定でしたが、旧盆の秋夕(チュソク)を前に、政府に対する仏教界の反発を早期に解消するために、李明博大統領が出席して遺憾の意を表明しました。そして、閣議では公務員の宗教差別を禁止する条項の新設を柱とする公務員服務規程改正案が緊急案件として上程され、審議した結果、服務規程に「公務員は職務の遂行において宗教差別行為をしてはならない」という条項が明記されました。これによって、今後、公務員による宗教への差別的言動は懲戒の対象となります。

・李明博大統領が9日午前の閣議で仏教界に遺憾の意を表明したこと受けて、汎仏教対策委員会は、9日午後、仏教の総本山であるソウルの曹渓寺で記者会見し、大統領の遺憾表明はこれまでよりは誠意のある対応と評価するとしながらも、地域別の仏教大会は予定通り開催することを明らかにしました。汎仏教対策委員長のウォンハク僧侶は、この記者会見で、大統領の遺憾表明と公務員の服務規程の改正は、これまでに比べ、かなり進展した対応ととらえているが、仏教界が求めてきた警察庁長の罷免や、公務員による宗教差別を根絶する法律上の対応にはなっていないとして、「李明博大統領と政府は、より誠意を持って仏教界の要求を受け入れてほしい」と述べました。

・北韓は9日、政権樹立60周年を迎え、軍事パレードなど記念行事を行うものとみられています。今年は特に政権樹立から60年となる節目の年で、10年前の50周年のときと同じく100万人の市民が参加する集会が開かれる見通しです。朝鮮中央放送によりますと、北韓では、政権樹立記念日の9・9節を迎え、各種イベントや記念集会が相次いで行われており、記念コインも発行されるということです。さらに北韓は、8日に政権樹立60周年を祝う中央報告大会を開いており、この大会で北韓の金英逸(キム・ヨンイル)首相は、今後、経済の建て直しと住民生活の向上に力を入れていく方針を明らかにしました。また、金英逸首相は、南北関係について、「6.15共同宣言と10.4宣言にもとづいて、祖国統一の偉業を必ず成し遂げる」と強調しました。こうした中、金正日国防委員長が9日の軍事パレードに出席するかどうかに関心が集まっています。

・金夏中(キム・ハジュン)統一部長官は、9日、北韓の食糧難と関連して積極的に支援していく方針を明らかにしました。金夏中長官は、9日の午前、統一研究院が主催して開かれた国際学術大会で基調演説し、食糧不足で苦しんでいる北韓の住民を積極的に助けていく方針だと述べました。これは、政府が国連世界食糧計画(WFP)から受けた北韓に対する食糧支援の要請について検討している中での発言だけに、注目されます。

・外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官が今年の秋に予定されている李明博大統領のロシア訪問について調整するため、9日午前ロシアに向けて出発しました。柳明桓長官は、9日から3日間の日程でロシアを訪問し、ラブロフ外相と会談して、李明博大統領のロシア訪問の日程やメドベージェフ大統領との首脳会談での議題などについて話し合う予定です。

・李明博大統領は就任してから200日を迎えるのを前に、9日夜、全国に向けて生中継されるテレビの対話番組に出演し、今後の国政運営について説明します。この番組は9日夜10時から100分間にわたって放送される「大統領との対話〜質問があります」で、KBSをはじめ、MBC、SBS、OBS(京仁テレビ)の地上派テレビと、ケーブルテレビのニュース専門チャンネルYTNとMBN(毎日経済テレビ)の合わせて6チャンネルで同時に生中継されることになっています。番組で李明博大統領は、100人のパネリストからの政治、経済、社会、未来ビジョンなど各分野についての質問に答えます。特に、国民による抗議行動が続いたアメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる問題や、政府の宗教偏向政策に仏教界が反発している問題などについての質問に対しても、遺憾の意を表明し、再発防止を約束するものと見られます。

・北京パラリンピック4日目の9日、韓国は、女子射撃で今大会初の金メダルを獲得しました。金メダルの主人公は、射撃女子50メートルピストル3姿勢に出場したイ・ユンリ選手(34)で、合計676.9点をマークし、2位のやはり韓国のキム・ミヨン選手(41)を5.9点差で押えて優勝しました。イ・ユンリ選手の記録は、障害者部門の世界新記録で、パラリンピック記録です。これに先立って韓国は8日、射撃男子エアライフル10mに出場したイ・ジュヒ選手(36)が銅メダルを獲得しており、韓国は射撃で、金メダル1個、銀メダル2個、銅メダル1個を獲得しています。

・この10年間、がんや自殺による死亡者が増えた反面、交通事故による死亡者は減少したことが分かりました。統計庁が9日発表した「2007年死亡と死亡原因統計」によりますと、去年がんで死亡した人は人口10万人当たり137.5人で、10年前の1997年の112.7人から25人近く増えています。また、去年の自殺による死亡者は人口10万人当たり24.8人で、10年前の13人の2倍近く増えました。一方、交通事故による死亡者は人口10万人当たり15.5人で、10年前の33.3人に比べ半数以下に減少したことが分かりました。

9月8日月曜日

・アメリカ政府が7日、サブプライムローンで経営危機を迎えている2つの政府系住宅金融機関に対して2000億ドル、韓国ウォンでおよそ200兆ウォンの公的資金を投入する緊急支援策を発表したことを受けて、韓国の金融市場が早い速度で安定を取り戻しています。7日の韓国株式市場の総合株価指数は、先週金曜日より70ポイント以上も上昇して、1476.65で取り引きを終えました。これは今年に入って最も大きい上げ幅で、アメリカ政府が緊急支援策を発表して、世界の株式市場で広まっていた株安に歯止めがかかったためで、韓国株式市場も7日の1日だけで外国人の買い注文は700億ウォンに上りました。また為替市場もウォン安に歯止めがかかり、アメリカドルに対するウォンの為替レートは1081ウォン40銭と先週末に比べて36ウォン40銭のウォン高ドル安となりました。また日本の円100円は994ウォン85銭で、先週末に比べて54ウォン4銭ものウォン高となりました。韓国の金融市場では、外国人が保有している債券の満期が今週に集中していることから、外国人投資家がこれらの債券を一挙に現金化して回収し、その結果、韓国経済は金融危機に陥るという「9月危機説」が広がっていましたが、アメリカの金融市場が政府の緊急支援策でひとまず安定し、韓国で満期を迎える債券は相当部分が再投資されるという見通しが強まって、韓国の金融市場は早い速度で安定を取り戻しています。

・政府と与党は北韓に対する食糧支援を来月にも再開する方向で検討を進めているもようです。政府と与党・ハンナラ党は先週4日の会議で、北韓への食糧支援を再開することで意見をまとめ、支援を再開する時期は来月はじめに北韓の今年の作柄を見極めてから判断することになりました。支援方法について、統一部が世界食糧計画(WFP)を通じて行った場合は、手続きや人件費など間接費用に全体の20%ほどがかかるため、直接支援する方が効率的だという意見を示したことから、政府与党は北韓へ直接支援することを念頭に北韓に打診していますが、まだ具体的な返事はないということです。これまで北韓への食糧支援に対して消極的な態度を取ってきた政府が方針を変えたのは、収穫期を控えてますます悪化している北韓の食糧事情に対して各界から支援を求める声が高まっていることを考慮したものです。北韓は年間500万トンの食糧が必要ですが、去年は生産量が400万トンにとどまるなど、毎年100万トンあまりが不足しているということです。

・アメリカのブッシュ政権は、ブッシュ大統領の残りの任期などを考慮して、北韓の核問題については核計画の申告に対する検証の議定書をまとめるところまでに設定したもようです。北韓はアメリカによるテロ支援国の指定が解除されないことに反発して、核施設の無能力化を中断し、一部の施設を復旧させる動きをみせています。これについて6カ国協議でアメリカの首席代表をつとめるヒル国務次官補は、6日、北京で6カ国協議の議長国である中国の武大偉外務次官と会談した後、記者団に対して「われわれの焦点は北韓による核施設の申告について検証するための議定書をまとめることで、それが終われば、北韓をテロ支援国のリストから削除することもありうる」と述べました。さらにヒル次官補は検証の議定書について「北韓の今の核活動に対して検証しようとするものではなく、今後、どのような方法で検証するかについて決めておくものだ」と述べました。これについて韓国政府の当局者は「北韓の核施設に対して検証に取り組むまでには相当な時間が必要だ」という見方を示しました。またほかの関係者は「今の状況からみると、実際の検証は次期政権にゆだねるべきだ」と述べており、ブッシュ政権としては北韓の核計画の申告に対する検証の議定書をまとめるところまでを設定したのではないかと推測されています。

・人口の4分の1に相当する1100万人分もの個人情報が流出した事件で、大手石油会社のコールセンターを担当している子会社の社員ら3人が7日、身柄を拘束されました。この事件は、韓国の大手石油会社「GS Caltex顧客情報」というタイトルで1125万人もの名前や住民登録番号などの個人情報が入ったCD−ROMなどが見つかったもので、事件を捜査している警察庁のサイバーテロ対応センターは7日、GSカルテックスのコールセンターの業務を担当している子会社でシステムとネットワークを担当する28歳の社員と知り合いの会社員ら3人を、情報通信網利用促進と情報保護などに関する法律違反の疑いで拘束しました。警察の調べによりますと、3人は7月から8月にかけて事務室の業務用パソコンからGSカルテックスの顧客1125万人の名前や住民番号、電子メールのアドレスなどを違法にDVDやCD−ROMにコピーして、これらの情報を外部に高額で売るかGSカルテックスを脅迫するために使おうとしたということです。またこの3人は、GSカルテックスの顧客情報がコピーされたことが広く知られた場合、情報価値が高くなると判断して、メディアにソウル市内の路地裏にCD−ROMが捨てられていると連絡したことが明らかになりました。この事件で「GSカルテックス」は謝罪しましたが、個人情報が流出された顧客の中ではずさんな情報管理に対して集団で訴訟を起こす動きが出ています。

・障害のある人たちのスポーツの祭典北京パラリンピック、7日に行われた自転車トラックで韓国のジン・ヨンシク選手(30)が銀メダルを獲得しました。2000年のシドニー大会から3回連続でパラリンピックに出場したジン・ヨンシク選手は7日、自転車トラックの男子個人追抜き3000mの決勝に進出し、世界記録保有者のイギリスのケニー選手に及びませんでしたが、2位となり、初の銀メダルを獲得しました。これに先立って行われた射撃男子エアライフル10mに出場したイ・ジュヒ選手(36)は、8人が進んだ決勝戦で合計664.6で3位となり、初の銅メダルを手にしました。イ・ジュヒ選手は「1992年の事故で足が不自由となった私をずっと励ましてくれた100歳の祖父にメダルをささげたい」と感想を述べました。李明博大統領は銀メダルのジン・ヨンシク選手と銅メダルのイ・ジュヒ選手に祝電を贈り「2人の選手の熱情と闘志は体の不自由な人だけでなく、国民全員に大きな感動と喜びを与えてくれた」と祝いました。

・超高速インターネット回線を利用していつでも映像や音声を視聴できるテレビサービス「IP放送」の事業者に韓国最大手のKTとハナロ・テレコム、LGテレコムの3社が選定されました。放送通信委員会は、先月IP放送事業者の申請を受け付け、先週、事業計画などを審査した結果、8日の会議で申請した4社のうち、インターネット・ポータルサイトのダウムを除くKT、ハナロ・テレコム、LGテレコムの3社を選定しました。韓国のインターネット通信市場は飽和状態で、海外への進出も厳しい状況であるため、IP放送が次の成長産業とみられており、すでにIP放送の「メガTV」を行っているKTの場合、これまでに1兆7000億ウォンをかけて事業の基盤を整備しており、来年末までにチャンネル数を120以上、いつでも視聴できる番組数を4万本以上に増やす計画です。また韓国ではじめてIP放送を開始したハナロ・テレコムはすでに78万人の加入者を確保しており、今後は番組のほかにゲームやカラオケ、ショッピング、テレビを通じた銀行業務などを提供する計画を示すなど、IP放送を行う3社は今後2012年までに合わせて5兆ウォンを投資する計画です。

・今年上半期の家計支出のうち、学習塾や家庭教師などにかかる子供の私教育費は15兆ウォンあまりで、これまでで最高になりました。これは去年の上半期の13兆7000億ウォンに比べておよそ9%増え、5年前に比べると50%増えました。また家計支出の中で教育費が占める割合は6%を超えてやはり最高の伸び率となり、不景気の中でも子供の教育費は増え続けていることを物語っています。

9月6日土曜日

・北韓が寧辺にある核施設を復旧しようとする動きを見せている中、6カ国協議の韓国、アメリカ、日本の首席代表は5日、北京で会合し、北韓の核の無能力化に向けて検証は欠かせないということで認識が一致するとともに、6カ国協議の議長を務める中国に働きかけを要請する方針です。韓米日3カ国の首席代表による会合では、北韓の核施設を無能力化する作業で第2段階を完了するには検証が欠かせないことを再確認し、状況がこれ以上悪化しないように連携を強化していくことになりました。また北韓の核施設の無能力化に中国の役割が重要だとして中国に働きかけを求めることになりました。この席でアメリカのヒル国務次官補は、「北韓の核施設に対する検証は核計画の申告の一部で、検証を伴わない申告は北韓が果たすべき義務の半分に過ぎない」と強調しました。韓米日3カ国の首席代表は、6日、6か国協議の議長を務める中国の武大偉外務次官と会談する予定で、北韓による核施設の復旧を止めさせるなど核問題の打開に向けた協調を本格化させる予定です。

・アメリカ産牛肉の輸入を再開することになった韓米間の交渉に対する国会での国政調査は5日、成果なく終了しました。 国会の牛肉国政調査特別委員会が行った今回の国政調査は、▼盧武鉉前政権で輸入に反対していた方針がいつ、誰によって変更されたのか、▼韓米の牛肉交渉が今年4月の韓米首脳会談の前日に妥結したのは李明博政権がアメリカとのFTA=自由貿易協定など政治・通商関係を考慮して妥結を急いだのかどうかなどを明らかにするために行われました。聴聞会で与野党は、アメリカ産牛肉のBSE=牛海綿状脳症の危険性を指摘する番組を制作した民放MBCの関係者や韓昇洙国務総理など証人の採択をめぐって対立したため国政調査は空転し、38日間の調査期間を53日に延長して5日に再開されました。しかし今月1日の通常国会の開会に当たって、与野党は争点となっていた牛肉の輸入に関する家畜伝染病予防法の改正にすでに合意したうえに、牛肉交渉が妥結した際の経済担当副総理ら中心的な役割をしたとみられる証人16人が出席しなかったため、聴聞会では国政調査の結果を盛り込んだ報告書を採択することができず、代わりに国政調査の経過報告書を採択し、成果なく終了しました。

・人口のおよそ4分の1に当たる1100万人分もの個人情報が流出していたことが明らかになり、警察が詳しい経緯などを調べています。警察庁のサイバーテロ対応センターによりますと、ソウル市内の路地裏に名前や住民登録番号などの個人情報が入ったCD−ROM1枚とDVD1枚が捨てられているのが見つかり、その中には大手石油会社「GS Caltex顧客情報」というタイトルで1125万人もの個人情報が貯蔵されていたということです。この中には金炯?国会議長やオ・チョンス警察庁長、大統領府・青瓦台の関係者、複数の国会議員らの個人情報も含まれていました。このため、警察はGSカルテクスに捜査官を出して調べていますが、これらの情報はGSカルテクスのポイントカードのデータベースとほとんど一致していることがわかり、さらに流出の詳しい経緯などを調べています。韓国では今年2月にも国内最大のネットオークションで1000万人を超える顧客の個人情報が流出したことがあります。

・国家情報院は携帯電話の傍受を合法的に行うため、通信秘密保護法の改正とテロ防止法の制定を推進しており、野党が強く反発しています。国家情報院が進めている方式は、移動通信会社に傍受設備の取り付けを義務付け、すべての携帯電話の通話内容を一定期間保存して、国家情報院が裁判所の令状を受けて通話内容を確認できるようにするものです。国家情報院は裁判所が傍受を許可する条件を明確にすれば、プライバシーの侵害には当たらず、先進国でもこうした情報収集を行っていると説明しています。これについて与党・ハンナラ党は、国家情報院の情報収集力と機能の強化を図っている立場から必要性はあるとしながらも、慎重に進めるよう求めています。しかし野党側は、憲法が保障している個人の通信の秘密を侵害するものだとして、一斉に反発しています。国家情報院が進めている通信秘密保護法の改正とテロ防止法の制定は、第17代国会でも進められましたが、国民の基本権の侵害にあたるという憂慮と批判を受けて廃案になりました。

・北韓の金正日国防委員長が3週間以上も公式の場に姿を現していないうえに、このほど中国の医療関係者5人が北韓入りしたといううわさもあり、金正日国防委員長の健康に異常が生じたのではないかと推測されています。金正日国防委員長は先月14日、軍の部隊を視察したと朝鮮中央通信が報道して以来、公式の場に姿を現していません。これについて政府消息筋は、1週間前に中国の医療関係者5人が北韓入りしてまだ帰国していないという情報があるとして、「この情報を確認しているところだ。医療関係者の北韓入りは金正日国防委員長の治療が目的かもしれないが、金正日国防委員長はこれまで国際関係や南北関係がギクシャクしてくると、3週間程度は姿を現さないこともあった」としています。そのうえで「今月9日は北韓で政権が樹立して60周年の記念日である。金正日国防委員長は政権樹立50周年と55周年の式典には出席して大規模な閲兵式を見守ったので、9日の記念式に出席するかどうかを見守りたい」と説明しました。

・アメリカ女子プロゴルフ協会のLPGAは、登録選手に英語の使用を義務付ける方針を撤回しました。LPGAツアー協会は5日、「登録選手に対して協会が定めた英語の水準を満たさなければ出場を停止するとした方針を撤回し、そのような規定を含めない新たな規則を年末までにまとめる」という声明を発表しました。LPGAは先月、登録選手に英語の使用を義務付ける方針を明らかにし、45人に上る韓国人選手にもその方針を伝えたことから、LPGAの選手や男子のPGA選手だけでなく、ニューヨークタイムズなどアメリカのマスコミから差別政策だという批判を受けました。

・障害のある人たちのスポーツの祭典、北京パラリンピックが6日に開幕するのに先立って5日、北京市内のホテルに韓国選手団の広報施設、コリア・ハウスがオープンしました。今回のパラリンピックには史上最多の148の国と地域からおよそ4000人の選手が参加し、今月17日まで20の競技でメダルを競い合います。韓国は金メダル13個以上を獲得して、総合成績14位以内に入ることを目指しています。コリア・ハウスは、韓国がパラリンピックでは初めて設けたもので、広さがおよそ330平方メートルあり、韓国のメダリストや監督、選手団の公式インタビューが行われるほか、韓国の写真作家チョ・セヒョンさんが撮影した韓国の選手団の力強い姿の写真も展示されます。北京パラリンピックで広報施設を設けたのは韓国、ドイツなど7カ国です。

9月5日金曜日

・韓国政府は、日本が今年の「防衛白書」に独島、日本でいう竹島を日本の領土だと記述したことに対して、強く抗議する論評を発表しました。日本は防衛白書に4年連続で、「固有の領土である北方領土と竹島の領土問題が依然として未解決のまま残っている」と記述しました。これに対して外交通商部のムン・テヨン報道官は5日、「日本政府が防衛白書に独島を自国の領土だと記述したことに強く抗議し、即刻是正するよう求める」という論評を発表しました。ムン報道官はまた、「独島は歴史的にも、地理的にも、国際法上も、韓国の固有の領土であることは明白で、韓国政府は領有権を損なういかなる動きにも断固として対処する」と述べました。外交通商部は5日午後には、韓国駐在日本大使館の公使を呼び、韓国政府の抗議を伝え、また、国防部は日本大使館の駐在武官を呼び、防衛白書に独島を日本の領土だと記述したことについて強く抗議し、是正を要求しました。

・国会は5日開かれた本会議で、任期4年の監査院長に金滉植(キム・ファンシク)氏を、大法院裁判官にヤン・チャンス氏を任命する同意案を可決しました。野党民主党は採決に先立って議員総会を開き、所属議員に対して任命同意案に反対するよう呼びかけていました。採決には在籍議員299人のうち231人が出席し、監査院長に対する任命同意案は賛成174、反対54、無効3で、大法院裁判官に対する任命同意案は賛成175、反対51、危険1、無効4でそれぞれ可決されました。

・外国人投資家が先月に続いて今月に入ってからも韓国の国債などの債権を買い越しており、韓国経済が金融危機に陥るという「9月危機説」は収まる見通しです。金融監督院が4日発表したところによりますと、外国人投資家は先月、1兆5000億ウォン相当の債権を買い越したの続いて、今月1日から3日までに合わせて6168億ウォン相当の債権を買い越しました。韓国では最近、外国人投資家が9月に満期がくる債権を一挙に現金化して回収し、その結果、韓国経済は金融危機に陥るという「9月危機説」が出回っていましたが、9月に入ってからも外国人投資家が韓国の債券を買い越していることから、危機説は早期に収まるものと見られます。

・GDP=国内総生産の伸び率が1年ぶりに4%台に落ち込みました。韓国銀行が5日発表した第2四半期の国内総生産の伸び率は、去年の同じ期間に比べて4.8%の伸びにとどまりました。第1四半期の伸び率5.8%に比べて1ポイント下がり、去年の第2四半期の4.9%以来、1年ぶりに再び4%台になりました。国内総生産の伸び率が落ち込んでいるのは、国内消費の不振が最も大きな原因だと見られています。第2四半期の国内消費の増加率は前の年の同じ期間に比べて1.9%の伸びにとどまり、2005年の第1四半期の増加率1.6%以来、3年3カ月ぶりの低い水準でした。

・北韓が寧辺の核施設の無能力化作業で撤収した機材の一部を再び移動させ、核施設を復旧しようとしていることを受けて、6カ国協議の韓米日中4カ国の首席代表が5日、北京でそれぞれ会談し、今後の対策について協議します。韓国政府は、北韓が保管庫に移された核施設の機材の一部を再び核施設に移動させ、核施設の復旧に向けて動き出したものの、実際に核施設を復旧させるかどうかを見守っていく必要があるとしています。一方、アメリカは、北韓が機材の一部を核施設に移動させただけでは、核施設の復旧作業を始めたとは考えないという立場を示しました。アメリカ国務省のウッド副報道官は5日、記者会見し、現地で無能力化作業を進めている関係者からの報告によると、北韓が機材の一部を核施設に移動させたのは事実だが、核施設を再稼働させるために復旧作業を始めたという兆候はまだないと述べました。韓国の首席代表を務める金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長は5日、アメリカと日本の首席代表とそれぞれ協議を行い、6日には中国の首席代表と会う予定です。

・ソウル市教育庁が、発足直後の李明博政権に抗議するキャンドル集会のきっかけとなったBSE=牛海綿状脳症について授業で取り上げたり、李明博大統領を批判する発言をしたりした教師の名簿を提出するよう学校に指示したことが明らかとなり、波紋が広がっています。これらの指示は、全国教職員労働組合に加入した教師が多くいる地域の学校に出されたということで、反政府色の強い教師を割り出す狙いがあるのではないかという批判の声が出ています。

・景気の低迷が続く中で、ロット宝くじの売れ行きが大幅に増えています。コンビニの全国チェーン「セブンイレブン」が、ロット宝くじを販売している全国の150の店舗を対象に調査した結果、ロット宝くじの売れ行きは2006年には減少に転じて、前の年に比べて22.6%減り、2007年も前の年に比べて12.5%減少しました。しかし、景気の減速が著しくなった今年に入ってからは売れ行きの減少に歯止めがかかり、物価が大きく上昇し始めた6月には2.2%の増加に転じ、7月と8月にはそれぞれ4.7%と8.9%増加しました。こうした傾向が続けば、今年1年間の売り上げも増加に転じる見通しです。このような現象はセブンイレブンのほか、GS25などのほかのコンビにでも現れています。ロット宝くじの売れ行きが増加しているのは、景気が落ち込み、物価が上昇するなどしている中で、多くの庶民が宝くじに希望をかけているためだと見られています。

・全羅南道の光州市で偶数年に開かれている国際美術展、光州ビエンナーレが5日、開幕しました。光州文化芸術会館では5日午前、開幕式が行われ、柳仁村(ユ・インチョン)文化観光部長官や朴光泰(パク・クァンテ)市長など、各界から1800人あまりが出席しました。柳仁村文化観光部長官はいあさつで、「光州ビエンナーレはアジアを代表する現代美術のフェスティバルとして定着した。多くの人たちが光州ビエンナーレを通じて現代美術に触れ、未来へ向けた理想を追求していくことを希望する」と述べました。また、朴光泰市長はあいさつで、「光州ビエンナーレがアジアの現代美術の発展に寄与し、世界各国の現代美術と交流する場になるようにしていきたい」と述べました。今年で7回目を迎えた光州ビエンナーレには、36カ国から127人の芸術家が参加し、11月9日までの66日間、多様な作品やパフォーマンスなどを披露します。9月4日木曜日

・アメリカは、北韓が、アメリカによるテロ支援国の指定が解除されないことに反発して撤収していた寧辺(ヨンビョン)にある核施設の機材の一部を運び出していることを明らかにし、北韓に対し、無能力化作業の再開に応じるよう改めて求めました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は、3日の記者会見で、「北韓が倉庫に保管されていた一部の機材を運び出したと理解している。これは無能力化作業を支援するため北韓に滞在しているアメリカ政府の専門家やIAEA=国際原子力機関の担当者の確認で明らかになった」としたうえで、「ただ、今のところ核施設を復旧する動きは確認されていない」として、核施設の復旧については慎重な見方を示しました。これに関連してライス国務長官は、「これまで6カ国協議のプロセスの中でも紆余曲折があった。北韓が義務を果たすよう期待している。われわれは核の放棄に向けたプロセスを前進させる必要がある」と述べ、北韓に核施設の無能力化の再開と、核開発計画の申告内容の検証に応じるよう、改めて求めました。一方、この問題で、6か国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補は北京に向かい、5日、韓国代表の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長と、6日は議長国の中国と協議することにしています。これに先立って、韓国政府は3日夜遅く、北韓が核施設を復旧させる作業に着手したと発表し、「復旧作業の開始は、6カ国協議による北韓の非核化プロセスに深刻なダメージを与える」として、北韓に無能力化の再開を強く求めました。

・北韓は寧辺(ヨンビョン)の核施設の復旧作業を始めることを、韓国とアメリカ政府に予め通告していたことがわかりました。外交通商部の高官が4日明らかにしたところによりますと、北韓は今月2日、無能力化作業を支援するため北韓に滞在しているアメリカ政府の専門家やIAEA=国際原子力機関の担当者に対し、寧辺の核施設の復旧作業を始めることを口頭で通告しており、韓国政府も同じ内容の連絡を受けているということです。

・脱北者を装って韓国に亡命した女スパイが韓国当局に摘発された事件で、北韓は、3日、 「この事件はでっちあげだ」などと主張して強く反発しました。北韓は、3日、韓国との関係を担当する「祖国平和統一委員会」の談話を発表し、「摘発された女は、北韓国内で犯罪を犯して逃亡した人物で、工作員ではない」と主張したうえで、この女の共犯として逮捕された義理の父についても、「北韓にいた際、職を転々としたすえ、韓国に逃げた」と非難しました。そして「韓国政府が女スパイ事件までねつ造し、北韓を謀略したことをわれわれは絶対見逃さない」と強調しました。北韓がこの事件について反応を示したのはこれが初めてです。

・金融市場の不安が続いている中、4日のソウル外国為替市場は、4日連続のウォン安に歯止めがかかりました。4日のソウル外国為替市場は、前日より19ウォン50銭のウォン高で、1ドル1129ウォンで、取り引きを終えました。市場関係者によりますと、ニューヨークなどの為替市場で、ドルがウォンに対して下がったほか、韓国政府とIMF=国際通貨基金が、韓国の金融市場の危機説を否定したことなどで、ドルの売り注文が進み、市場は徐々に安定に向かっているということです。

・今年第2四半期の韓国の家計負債の総額は660兆ウォンを超えて、これまでで最大になったことが分かりました。4日、韓国銀行が発表した、「2008年第2四半期の家計信用動向」によりますと、4月から6月末までの、金融機関から家計への貸付とクレジットカードなどによる信用販売を含む家計負債の総額は、今年の第1四半期より19兆8000億ウォン多い660兆3,000億ウォンでした。これで1世帯当たりの平均負債額では、3,960万ウォンになります。このうち、金融機関からの貸付は、四半期別の増加率でこれまで最大だった去年第4四半期の20兆ウォンを上回っています。また物価高とクレジットカードの小額決済などが増えて、クレジットカードなどによる信用販売も、去年の同じ期間より18%も増えています。このように家計負債が大きく増え、貸付金利も上昇していることから、今後、家計の利子の負担はますます大きくなるものとみられています。

・西の海=西海で漂流していた北韓の女性2人が韓国軍に救助され、3日、北韓側に引き渡されました。統一部によりますと、2日午後0時20分ごろ、西海の韓国側の最北端にある島、仁川市延坪(ヨンピョン)島の西側およそ3.5マイルの海上で漂流していた北韓住民2人を韓国海軍が見つけて救助し、事情調査をした後、3日午後、北韓側に引き渡したということです。この2人は19歳と23歳の若い女性で、今月1日、北韓の黄海南道西海岸沿いの海で船に乗って水遊びをしていたところ、気象が悪化して船が転覆し、船につかまっておよそ10時間あまり南下していたところ、韓国軍に発見されました。西海では、今月1日にも、漂流していた北韓住民2人が韓国軍に救助され、北韓側に引き渡されています。

・3日夜、ソウルチャムシル球場で行われたプロ野球ペナントレースの斗山ベアーズ対韓火イーグルスの試合は、韓国プロ野球史上もっとも長い試合となり、延長18回でようやく勝負がつきました。この試合、両チームは、0対0のまま17回まで得点できず、日付が4日に変わった後の18回裏、結局、韓火イーグルスが1点を獲得して終了しました。試合時間は5時間51分で、韓国でプロ野球が始まった1982年以来、もっとも長い試合となりました。また同時にこれまでの最長イニングの記録や奪三振の記録も更新しました。

9月3日水曜日

・金融市場の不安が続いている中、3日の外国為替市場は、4日連続のウォン安が進み、一時、1ドルが1160ウォン台になるなど金融市場に緊張感が漂いました。3日のソウル外国為替市場は、前日より2ウォン、ウォン高の1ドルが1132ウォンで取り引きが始まりましたが、買い注文が売り注文を上回ったため、ウォンは一時1159ウォンにまで下げました。その後、政府介入とみられるドル売りで、1140ウォン台にまで戻しましたが、結局、3日の終値は、前日より14ウォン50銭ウォン安の1ドル1148ウォン50銭となりました。専門家の間では、こうしたウォン安ドル高は、9月に満期を迎える国債が19兆ウォンあり、このうち外国人が保有する債券が6兆9000億ウォンあるところから、巨額の資金が国外に流出するのではないかという、いわゆる「9月危機説」の震源地である外国人保有債券の満期日の来週9日頃まで続くものとみています。一方、総合株価指数は、機関投資家の買い越しで3日ぶりに上昇しました。

・IMF=国際通貨基金は、韓国の外貨準備高が十分だと述べたと、イギリスのロイター通信が3日、伝えました。IMF韓国駐在のメラル・カラスル代表は、3日、「韓国の外貨準備高は、外部の衝撃に耐えるのに無理はない」として、1997年暮れの通貨危機とは状況が違うと述べました。メラル・カラスル代表はそのうえで、「今の状況をパニックと受け止める必要はないが、状況を注視する必要はある」と強調しました。韓国の外貨準備高は、このところのウォン安によって、8月末に2432億ドルに下がり、IMFが適正基準としている3200億ドルを下回っています。

・9月3日は、第45回放送の日です。李明博大統領は、2日夜に行われた祝賀パーティーに出席して演説し、「放送は文化を創り出すだけでなく、新しい成長を作り出す経済の中心に立たなければならない」と強調しました。李明博大統領は、また、「放送と通信の融合時代を迎え、いまや放送は新しい役割が求められている」と強調しました。そのうえで李明博大統領は、放送の発展に向けた政府の確固たる意思を表明し、規制や制度を合理的に改善して放送産業の競争力を高めていく方針を打ち出しました。これについて野党民主党は、李明博大統領の発言は、いまの放送法で禁止されている新聞社が放送を兼業できるようにするとともに、財閥によるメディアへの進出を合理化するものだとして強く批判しました。また野党の民主労働党も、政府の放送掌握が具体化しているとして、警戒感を示しました。

・今月21日、日本の神戸で開かれる予定だった韓日中首脳会談が延期されました。日本の外務省は、福田首相の辞任表明など日本の国内政治状況から今月下旬に予定していた3カ国首脳会談の開催は困難だと、2日夜、東京の韓国大使館に連絡してきました。

・1997年に亡命してきた北韓の元労働党書記、黄長Y(ファン・ジャンヨブ)氏が、近く自由に海外を行き来できることになる見込みです。政府関係者が3日発表したところによりますと、李明博政権は、過去10年間、海外訪問が規制されていた?長Y氏に対して自由な外国旅行を許可する方針だということです。これによって黄長Y氏は、一般国民と同じようにマルチパスポートを発給される見通しとなりました。1997年に北韓から韓国に亡命してきた元労働党書記の?長Y氏は、1998年から2003年までの金大中政権時代に数回、アメリカ訪問を試みましたが、政府からパスポートを発給してもらえず、実行できませんでした。当時、政府は、黄長Y氏の安全を理由にアメリカ訪問を許可しませんでしたが、黄長Y氏がアメリカで北韓を批判する発言をして、南北関係に悪い影響を及ぼす事態を憂慮した政府の思惑が背景にあったのではないかとみられています。黄長Y氏は、現在、韓国で暮らす脱北者の団体である北韓民主化委員会の委員長を務めています。

・外交通商部は、反政府集会が激化し、2日に非常事態が宣言されたタイへの旅行警報を、1段階の「旅行留意」から、2段階目の「旅行自制」に上向き修正しました。

・中国の国家観光局は2日、北韓を訪問許可地域とすることを承認し、早ければ北韓との外交関係樹立60周年にあたる来年から中国人は北韓行きの団体旅行ができることになりました。中国は現在、北韓を除く135の国と地域を訪問許可地域として指定しています。

・去年一年間に韓国を訪れた外国人観光客は合わせて645万人で、おととしより4.8%増えました。文化体育観光部が2日まとめた統計によりますと、去年一年間に韓国を訪れた外国人観光客は、おととしより4.8%多い645万人でした。一方、海外に出かけた韓国人は、おととしより14.8%多い1332万人にのぼり、韓国に来る外国人の2倍以上でした。

・国土海洋部は、2003年から工事が中断している漢江と西海をつなぐ京仁運河の建設を再び進める方針を明らかにしました。京仁運河は、北韓と接していて危険な漢江河口を通らずに、ソウルまで中型貨物船が入れるように、仁川港北部とソウルの漢江とを結ぶ幅80メートル、全長18キロの水路を建設するもので、1995年から工事が進められました。しかし経済性についての疑問や環境汚染などの問題が持ち上がり、2003年から工事が中断されています。国土海洋部は、年内に京仁運河の具体的な案をまとめる計画ですが、環境団体をはじめとする反対陣営からは事業を阻止する動きが強まるものとみられ、難航することが予想されます。

・今年の韓国の小学校の児童数が、統計を取り始めた1962年以来で最も少ないことがわかりました。教育科学技術部が3日発表した統計によりますと、今年の小学校の児童は全国で367万人で、統計を取り始めた1962年以来、最も少なく、最も多かった1970年に比べると、64%であることがわかりました。

・57歳となっている6級以下の地方公務員の定年が、来年からは60歳に延長されます。行政安全部が2日発表したところによりますと、現在、5級以上の幹部に限って60歳となっている地方公務員の定年を6級以下にも適用する地方公務員法の改正案が、2日の閣議で決まりました。この改正案は国会の議決を経て来年から段階的に実施される予定です。

・コレイル=韓国鉄道公社は、いまのマグネチックカード式の列車の乗車券を、近く、クレジットカードの領収証のような感熱紙式の新しい乗車券に変える計画を2日、発表しました。新しい乗車券は、領収書としても利用できるうえ、列車の運行情報がさらに詳しく記載されます。また外国人の便宜をはかるため出発駅と到着駅の名前だけでなく、座席の位置も英語で併記される予定です。

9月2日火曜日

・日本の福田首相が辞任する意向を表明したことを受け、韓国政府は「予想できなかった」と驚く一方で、福田首相の辞任が今後の韓日関係や6カ国協議などに与える影響の分析を始めるなど、慌しい動きを見せています。特に、次期首相の候補として有力視されている麻生太郎・自民党幹事長の政治姿勢の分析に力を入れています。外交通商部の当局者は、外相を歴任した麻生幹事長が次期首相になる場合、独島(日本でいう竹島)の領有権をめぐる紛争などでぎくしゃくしている韓日関係に変化のきっかけがもたらされる可能性があると見ています。一方で、保守色の強い麻生幹事長の登場で、日本国内の右翼勢力が勢いをつけ、韓日関係にマイナスの影響を与えかねないと懸念する声もあります。さらに、別の政府関係者は、麻生幹事長は外相を務めた経験から、北韓の核開発問題をめぐる6カ国協議はもちろん、北東アジアの勢力情勢の変化に敏感に反応する可能性があるとしています。ただ、麻生幹事長が次期首相になったとしても、自民党政権には変わりはなく、独島問題に対する日本国内の世論を考えると、独島をめぐる領有権紛争で、日本側の進展した態度を期待するのは難しいという見方も出ています。

・9月に大量の国債が償還期限を迎えることから、巨額の資本が国外に流出するのではないかという、いわゆる「9月危機説」がささやかれている中、先月は韓国の外貨準備高が43億ドル以上減少し、7月と8月の2ヵ月で150億ドルが減りました。韓国銀行は先月末の時点で韓国の外貨準備高は2,432億ドルで、7月末より43億2,000万ドル減少したと明らかにしました。これは105億8,000万ドルと、過去最大の減少となった7月に続いて2番目に大きな減少です。韓国銀行は、このように外貨準備高が大幅に減少した主な原因として、ユーロと円の価値が下落してアメリカドルに換算したときの額が減ったことをあげています。韓国の外貨準備高は7月末で、中国や日本、ロシア、インド、台湾に続き世界で6番目となっています。「9月危機説」については、政府は根拠のない主張だと一蹴しています。

・韓国株式市場の総合株価指数が2日の取引で一時1400ポイントを下回りました。この日、総合株価指数は午後1時55分ごろ、1399.56と、1400ポイントを割り込みましたが、その後少し値を戻し1407.14で取引を終えました。

・国会は2日、監査院長に内定している金滉植(キム・ファンシク)氏に対する人事聴聞会を開き、監査院長としての資質や資格などの検証に入ります。韓国で国会の任命同意案を必要とするポストは国務総理や大法院長など5つで、監査院長はその1つです。3日まで開かれる人事聴聞会では、金滉植氏が監査院長に内定した直後に韓国産業人材公団に対して不当な監査指示を出したのではないかという疑惑や、金氏の長男が大学院生の時に不当な所得控除を受けていたのではないかという疑惑などが検証の焦点になる見通しです。さらに、監査院が先月初めに発表したKBS(韓国放送公社)に対する監査の結果をめぐっても議論が予想されます。

・李明博大統領は、9日に地上波のテレビ局3局が全国に向けて生放送する対話番組に出演し、今後の国政運営などについて説明します。大統領府青瓦台によりますと、李明博大統領は、9日の夜、100分間にわたって生放送されるテレビ番組「大統領との対話、質問があります」に出演し、政治、経済、社会など各分野に関してパネリストの質問に答えます。李明博大統領は、今回のテレビ番組での率直な対話を通じて、今後の国政運営に対する国民の理解を得たいとしています。李明博大統領は就任直後にこうした対話番組に出演することを検討していましたが、アメリカ産牛肉の輸入再開に抗議する国民の集会が相次いだことなどから見送った経緯があります。

・国連が指定する世界で2番目の世界種子貯蔵庫(Global Seed Vault: GSV)が韓国に設置されます。農村振興庁は、 京畿道水原市にある農業遺伝資源センターを世界各国の主な遺伝資源を保存する「国際種子安全保存所」という名前の世界種子貯蔵庫に指定する了解覚書を国連食糧農業機関(FAO)と締結したことを明らかにしました。国連食糧農業機関は、今年6月から種子の保存と食糧難の解消に向け、北極圏のノルウェー領スヴァルバード島に世界各国の主な種子を永久保存する世界種子貯蔵庫を設置し、運営しています。新しく世界種子貯蔵庫に指定された農業遺伝資源センターは、天災などでノルウェーの世界種子貯蔵庫に問題が発生したとき、それに代わる施設として国連からの初の認証を受けました。これによって、韓国は世界で2番目に国際種子貯蔵庫を保有する国になりました。

・非武装地帯の河川で北韓軍兵士と見られる男の遺体が見つかりました。2日午前10時ごろ、江原道春川から北に25キロ離れた華川(ファチョン)郡の非武装地帯(DMZ)の河川で北韓軍兵士と見られる男の遺体が流れてくるのを韓国軍兵士が見つけ、警告放送をしたものの返事がなかったため、5発射撃しました。軍当局は、遺体を引き揚げて確認した結果、北韓軍の軍服を着ていることから、北韓軍兵士の遺体と見ています。男の遺体には銃傷はなく、遺体の状態などからおよそ1週間前に死亡したものと見られるということです。

・韓国のサッカーKリーグFCソウルの朴主永(パク・チュヨン)選手がフランスリーグ・ASモナコと最終契約を結び、公式に入団しました。1日の夜、現地フランスでASモナコと最終の移籍交渉を行った朴主永選手は、契約期間4年、移籍料およそ33億ウォンで契約を締結しました。年俸はおよそ6億5千万ウォンとされています。朴主永選手は契約の後、ただちに入団式を行い、背番号10番を与えられました。これで、朴主永選手は、フランスリーグでプレーする5番目の韓国人選手となります。ASモナコは、1919年に創設され、正規リーグで7回、イングランド・FAカップで5回優勝しており、2003-2004シーズンではチャンピオンズリーグで準優勝を果たした名門チームです。

9月1日月曜日

・アメリカの株価下落や韓国の貿易収支の赤字など内外の影響を受けて株式市場は先週金曜日に比べて60ポイント近くも値下がりし、為替レートも1ドルが1116ウォンとなるなど、金融市場が不安な動きを見せています。週明け1日の韓国株式市場の総合株価指数は1414.43と、先週金曜日に比べて59.81ポイントも下がりました。総合株価指数が1420を下回ったのは去年3月14日以来、およそ1年半ぶりのことです。また為替レートは1ドルが1116ウォンと、先週金曜日に比べて27ウォンものウォン安となりました。日本の円100円も1028ウォン48銭と、今年5月以来再び1000ウォン台を超えました。このように株価が下落し、ウォン安が進んでいる背景については、▼先週末にアメリカの株価が下落したこと、▼8月の韓国の貿易収支が32億ドルの赤字となったこと、▼それにアメリカに大型のハリケーン「グスタフ」が上陸してアメリカ沿岸の石油関連施設が破壊される恐れがあることから国際原油価格が再び上昇に転じるのではないかという不安感が高まっていることなどによるものだとする見方があります。

・政府は低迷している景気のてこ入れ策として向う5年間に26兆ウォンの税金を減免するというこれまでで最大の減税策を発表しました。企画財政部が1日、確定した今年の税制見直し案によりますと、総合所得税、譲渡所得税、所得税、総合不動産税などを引き下げて向う5年間21兆3000億ウォンの税金を減免するとしています。さらに原油高の対策として来年上半期まで一時的に行われる減税5兆ウォンを含めますと、5年後の2012年までにあわせて26兆ウォンの減税を行うことになります。企画財政部は今回の税制見直しで消費の増加率は0.5ポイント、投資は7%高くなり、経済成長率は0.6%上昇して、18万人の雇用創出が期待できると見込んでいます。

・先月8月の貿易収支の赤字は32億ドルと、今年1月以来の最悪となり、今年の赤字の累計が100億ドルを超えました。知識経済部が1日まとめた8月の輸出入統計によりますと、輸出は373億9000万ドル、輸入は406億2000万ドルで、差し引き32億2900万ドルの赤字となりました。これは今年1月の赤字39億3000万ドル以来の規模です。これについて知識経済部では「原油価格の安定はまだ8月の貿易には影響が少なかったので、9月から本格的な影響が出始めると、貿易収支は黒字になると予想される」と分析しています。

・第18代国会の初の通常国会が1日、100日間の会期で始まりました。今回の通常国会では2日と3日に監査院長と日本の最高裁判所にあたる大法院の裁判官の人事聴聞会が行われ、李明博大統領が新たに指名した教育科学技術部、農林水産食品部、保健福祉家族部の3人の長官に対する人事検証も各常任委員会で行われます。また政府部署を対象とする国政監査が来月6日から始まり、今年度の補正予算案と来年度予算案を審議する予定です。およそ3カ月間にわたって空転していた第18代国会は、先月末、院の構成を完了してようやく正常化し、与野党はともに国民生活に関する法律の制定や改正などを最優先課題に掲げています。しかし与党ハンナラ党が企業への投資を活発にするため出資総額制限制度を廃止し、金融と産業を分離する政策を緩和するなどの規制緩和によって経済を立て直す方針を示しているのに対して、第1野党の民主党はハンナラ党の政策は富裕層のための政策だとして反対するとともに、付加税や住宅取引税の引き下げなど国民のための減税を進めるとしており、懸案をめぐって、与野党が再び対立する可能性が出ています。

・李明博大統領は、北韓に対する包容政策について、結果的には思う通りにいかなかったという考えを示しました。李明博大統領は1日、国内外のマスコミ関係者らが参加した討論会に出席し、金大中元政権と盧武鉉前政権が10年間にわたって進めてきた北韓に対する包容政策について、原則的には北韓を開放に導こうとした良い趣旨で始まったものの、その結果は私たちが目指した方向ではなく、思う通りにいかなかったという考えを示しました。

・政府が特定の宗教に偏った政策を進めているとして、李明博政権を糾弾する仏教の法会が週末の31日、全国1万あまりの寺院で行われました。このうち、仏教の曹渓宗の総本山であるソウルの曹渓寺では31日午前9時半から、「憲法破壊宗教差別の李明博政権を糾弾する法会」と名づけた法会が行われ、信者およそ3000人が参加しました。法会では政府が仏教を差別する映像や写真を上映した後、他の宗教との平和や国民の統合を祈願するとともに、大統領の公式謝罪と再発防止に向けた約束、仏教関係者を厳しく取り締まった警察庁長の罷免、公務員の宗教差別を根絶する法律の制定などを要求しました。このような法会は海印寺(ヘインサ)、通度寺(トンドサ)、梵魚寺(ボモサ)など全国1万あまりの寺院で行われ、政府と仏教界の緊張はさらに続く見通しです。

・韓国、中国、日本の3カ国は、原子力発電所など核関連施設で事故や災害が発生した際、迅速に通報しあうホットラインを開設することで合意したと、日本の毎日新聞が1日報道しました。韓中日3カ国のホットラインが開設される背景には今年5月、中国の四川省で起きた大地震で一部の核施設で放射能漏れなどの被害がありましたが、中国当局の把握が遅れたことがあり、原子力発電所による大規模な事故を事前予防するためにも、3カ国が緊密に協力して交流を進めようという狙いがあります。

・韓国の国土面積が埋め立てなどで広がり、初めて10万平方キロを超え、人口は4860万人となりました。

・タイで大規模な反政府デモが起きて、南部の観光地プーケットの空港が閉鎖されたため、足止めされていた韓国人観光客が、1日未明から相次いで帰国しました。

・李明博大統領は韓国の旧盆「秋夕(チュソク)」を前にして、歴代の大統領や恵まれない人々などおよそ5000人にお中元の贈り物をすると31日発表しました。李明博大統領が就任して初めてとなるお中元は、タラの干物、ナツメ、海苔など全国各地の特産物の詰め合わせで、国民の和合と韓国の農産物の消費を奨励する意味合いを込めているということです。