2008年ニュース

8月30日土曜日

・来月日本で開かれることになっている韓国、中国、日本の3カ国による首脳会談の開催について、大統領府・青瓦台は30日、「首脳会談に李明博大統領が出席するかどうかはまだ何も決まっていない」というコメントを出しました。韓中日首脳会談は今年6月の韓中日外相会談で合意しましたが、日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本でいう竹島)の領有権を明記したことから、李明博大統領が出席するかどうかが不透明になっています。これについて共同通信は李明博大統領が韓中日首脳会談に出席する方針をかため、日程と開催地の調整に入ったと報道しました。共同通信によりますと、李明博大統領は日曜日の日帰り訪問を検討しており、日本政府が開催日を9月21日にするよう提案したため、この日に決まる可能性が高く、開催地に神戸市などが上がっているとしています。一方、東京新聞は、韓中日首脳会談の開催について韓国がまだ沈黙しており、日本政府は困惑していると報道しています。これについて、大統領府・青瓦台は30日、「首脳会談に李明博大統領が出席するかどうかはまだ何も決まっていない」というコメントを出しました。

・脱北者を装って韓国に亡命しした女スパイが韓国軍の幹部に接近して得た軍事機密を北韓に送って起訴される事件がありましたが、韓国軍の内部で活動しているスパイ容疑者は50人あまりいる模様です。これは韓国の日刊紙「東亜日報」が、28日行われた韓国軍の緊急対策会議で報告された保安当局の情報として報道したものです。それによりますと、さらに軍当局は軍の関係者で北韓寄りの思想を持っている人物が170人あまりいて、軍の機密を流出したとみられる容疑者は50人いると把握しており、スパイの特定に向けて100件あまりを調べているということです。これについて軍の消息筋は「これまでの10年間、韓国の政権が北韓に対する包容政策を続けてきたために、北韓に対する監視活動がゆるくなって、北韓が韓国軍を対象とするスパイ活動が活発になった。軍当局は関係機関と協力してスパイ容疑者の特定を急いでいる」と述べました。

・韓国とEU=ヨーロッパ連合はFTA=自由貿易協定の締結に向けて最大の争点である自動車の関税撤廃と技術標準をめぐって、3日間交渉しましたが、合意できず、双方は今後、争点を一括妥結する方式で解決を目指すことになりました。韓国とEUとの交渉はソウルで27日から29日まで行われ、韓国は外交通商部のイ・ヘミン首席代表が、EUからはガルシア首席代表が交渉に当たってきました。今回の交渉で、韓国は、アメリカとのFTAでアメリカが3年以内に自動車の関税をすべて撤廃することにしたので、EUも同じ水準にするよう要請しましたが、EU側は、EUの自動車関税はアメリカより高くなっているとして受け入れられないと答えました。また自動車の技術標準については、EUはヨーロッパでの安全基準などをコストを抑えるためそのまま認めるよう要求しましたが、韓国は認められないと難色を示しました。双方は3日間の交渉でも自動車をめぐる争点で合意できなかったことから、これを一括して妥結する課題に組み入れることになり、政府内部の検討と分科会などを経て10月に関係閣僚や首席代表による会談を開いて一括妥結を目指す計画です。

・先月7月の経常収支は1カ月ぶりに再び赤字に転じ、資本収支は11年ぶりに最悪の赤字幅となりました。韓国銀行が29日にまとめた7月の国際収支の動向によりますと、7月は夏休みを利用した海外旅行や留学・研修が増えてサービス収支が悪化したため、経常収支は24億5000万ドルの赤字となりました。経常収支は、去年12月から今年5月までの6カ月間赤字が続いた後、6月には18億ドルの黒字となりましたが、7月に再び赤字に転じたもので、これで今年1月から7月までの経常収支の累計は78億ドルの赤字となりました。政府は原油価格が安定に向かっているので、経常収支は来月から黒字になって、今年1年間の累積の赤字は100億ドルになると予想しています。また資本収支は、国際金融市場の不安から外国人投資家が株や債権を96億ドルも売りに回ったため、57億7000万ドルの赤字となり、通貨危機に見舞われた1997年12月以来、最悪となりました。

・刑法が時代の変化に合わせて55年ぶりに全面改正される見通しです。民放のSBSが29日報道したところによりますと、法務部は1953年に制定された刑法を、時代に合わない条項を一部削除するなど、全面改正する作業に乗り出したということです。一部削除される条項は、結婚すると騙して性行為を強制する第304条の婚姻詐欺姦淫罪で、幼児を遺棄する第275条の幼児遺棄罪は法律が作られた韓国戦争当時の状況が反映されて量刑が軽すぎると指摘されています。また身体を拘束する刑のうち、禁固刑や30日未満の拘留刑をなくして、懲役刑に一本化し、死刑制度は存続する方針のもようです。そして日常生活で使われなくなった漢字の法律用語を含めてすべての条項をやさしいハングルに改める予定です。

・障害のある人たちのスポーツの祭典「北京パラリンピック」に参加する韓国の選手団が29日、ソウルオリンピック公園で結団式を行いました。9月6日に始まる北京パラリンピックに、韓国はアーチェリーや射撃、テニスなど13の競技に選手78人と役員54人の合わせて132人が参加し、金メダル13個などを獲得して総合成績で14位に入ることを目指しています。結団式で、李明博大統領は文化体育観光部の申載旻(シン・ジェミン)次官が代読したメッセージで「北京オリンピックに参加した体の不自由な外国人選手2人を思い出します。障害にくじけずオリンピックに出場した精神は、障害も国家の壁も乗り越えました。韓国の選手のみなさんもこれまで流した汗が実ることを祈ります」と激励しました。また韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、体の不自由な選手がメダルをとった際の年金を、健常者のメダリストと同じ金額に引きあげるなどして、支援をさらに強化する考えを示しました。選手団は9月1日に北京に向かいます。

・伝染病のブルセラ症に感染した牛が、大邱市の農家で見つかりました。大邱市は2つの農家で飼育している牛47頭を検査した結果、いずれもブルセラ症に感染していることを確認したため、29日に緊急処分し、農家の関係者についてもブルセラに感染していないかどうかを調べています。ブルセラ症は牛、豚、ヤギなどの家畜だけでなく、人にまで感染する伝染病で世界全域に広がっており、人に感染すると発熱、悪寒、関節痛、肺炎などを引き起し、女性が妊娠できなくなることから生物兵器として使われることが心配されています。大邱市でブルセラ症が発生したのは今月に入って2度目です。

・今年の旧盆「秋夕(チュソク)」は例年より早い9月14日で、デパートや大型スーパーマーケットなど流通業界は本格的な秋夕の商戦に入りました。デパートや大型スーパーは今月下旬から秋夕の贈り物用の特設売り場を設け、冷蔵・冷凍食品を無料で配送するサービスや商品の割引、イベントなどに工夫を凝らして、顧客を呼び込んでいます。デパート業界が今月11日から28日までに行った贈り物セットの前売り販売では、去年に比べて20%から40%ほど伸びて、5万ウォンから10万ウォンのワインの売れ行きが目立っているということです。一方、大型スーパーでは、景気低迷の影響で高級品より手ごろな値段の贈り物がよく売れると見込んでおり、2万ウォン以下のハムのセットや日用品セットの陳列を増やして売り上げを伸ばす戦略をとっています。

・済州島で海女を養成するために今年開設された「ハンスプル海女学校」で29日、卒業式が行われ、1期生の32人が卒業しました。この海女学校は年々、減少している済州島の海女の養成に向けて、済州市翰林邑の住民自治委員会が今年5月に開設したもので、1期生として34人が入学し、現在活躍している海女を先生にしてもぐり方や呼吸法などについて16週間にわたって理論と実習を受けてきました。卒業した32人はほとんどが30代や40代の女性ですが、中には韓国人の男性と国際結婚したフィリピンの女性もいて、「さらに1年間練習して立派な海女になりたい」と希望を語っていました。また男性の卒業生も3人いて、このうち自営業をしているチェ・チュンホ(52)さんは、「海人になりたくて、毎週、ソウルから飛行機で通学した。無事に卒業できたので、第2の人生は海辺に定着したい」と語りました。

8月29日金曜日

・脱北者を装って韓国に亡命し、韓国軍の幹部に接近して得た軍事機密を北韓に送っていた女スパイは、二重スパイとして活動していたことが分かりました。起訴状によりますと、この女スパイは2001年に韓国に亡命してスパイ活動をしていましたが、2003年に韓国の情報当局の関係者から北韓の軍事機密に関する情報を提供するよう求められ、北韓の軍事機密を提供したということです。また、2004年には韓国の情報当局の別の関係者から北韓の軍事機密の収集を要求され、数回にわたって北韓の軍事機密を提供したということです。そのため韓国の情報当局はこのスパイが韓国のために働いていると判断していましたが、このスパイが提供した北韓の軍事機密はさほど重要なものではなく、北韓当局の承諾を受けて韓国側に提供したもので、表面的には二重スパイでしたが、結果的には北韓のスパイだったということです。

・来週から始まる通常国会で与野党の政策をめぐる対立は避けられない見通しです。与党ハンナラ党は今回の通常国会を「経済重視の国会」と位置づけ、過去10年間に成立した反企業的または反市場的な法律を改正する方針を固めています。ハンナラ党は、今年4月の総選挙でハンナラ党が議席の過半数を確保できたのは、有権者がそれだけ経済を重視していたためだとして、経済を回復するために市場経済の原則にもとづいて企業が経営しやすい環境を整えていく方向で、各種の法律を整備していきたいとしています。ハンナラ党はそのために、韓米FTAの批准を最重要課題として取り組み、公営企業の統廃合や民営化、税制改革や各種の規制緩和、物価対策にも力を入れていくとしています。一方、第1野党の民主党は、ハンナラ党は庶民のためではなく、大企業や一部の高所得者のために法律を改正しようとしていると批判し、他の野党と連帯して、民主主義と人権を守り、国民の生活を重視するという原則にもとづいて通常国会に取り組んでいきたいとしています。民主党はそのために、地方行政組織の改編や高齢者のための福祉、低所得者や中産層のための税制改編に取り組んでいきたいとしています。このように与野党は多くの分野で政策の方向が異なっているため、通常国会での対立は避けられない見通しです。

・在韓アメリカ軍の駐留に伴う来年の防衛費の分担をめぐる韓国とアメリカの交渉が28日と29日の2日間、ソウルで開かれましたが、分担率などで双方の隔たりが大きく、交渉は妥結しませんでした。交渉の中でアメリカは、防衛費の分担率を長期的には現在の42%から、NATOや日本と同じ水準の50%に引き上げるべきだとして、来年は今年より少なくとも6.6%、最大で14.5%の増額を要求したのに対して、韓国は去年の物価上昇率に相当する2.5%の増額を主張しました。また、アメリカは分担金を全額現金で支払うよう求めましたが、韓国は部分的に労働力や物品で支払うとして、さらに、アメリカは在韓アメリカ軍の基地をソウル南方の京畿道平澤市に移転する費用を分担金でまかなうことを希望しましたが、韓国は、基地の移転はアメリカの希望に沿って行われるものなので、アメリカが負担すべきだとして、アメリカの要求を受け入れませんでした。

・韓国は近く、外国に資金を貸す側の債権国から、借りる側の債務国に転じる見通しです。韓国銀行が28日に発表した「国際投資対照表」によりますと、6月末の時点で、韓国の対外債権は合わせて4224億ドルで、3月に比べて44億ドル減りました。一方、6月末の対外債務は4197億ドルで、3月に比べて59億ドル増えました。結局、対外債権から対外債務を差し引いた純債権は27億ドルに止まりました。純債権は2005年末の時点で1200億ドルを超えていましたが、その後、徐々に減り、このままでいきますと第3四半期には債権国から債務国に転じる可能性が高くなりました。

・LPGA=アメリカ女子プロゴルフ協会が、英会話の能力が基準に達しない外国人選手を出場停止にすることを決めたことに対して、各界で反発や批判する動きが拡がっています。アジア人の権益保護団体のアジア系アメリカ人正義センターは、LPGAの後援企業に対して、LPGAの今回の決定が撤回されるまで、LPGAに対する後援を中止するよう強く求めました。この団体は、LPGAの今回の決定は、アメリカの人権法が禁じている出身国による差別に当たるとして強く批判するとともに、今回の決定は外国人選手の中でも韓国人選手をターゲットしているふしがあると指摘しました。LPGAの後援企業に対して後援を中止するよう求める書簡には、カリフォルニア州議会議員をはじめとする複数の人物と団体が署名しているということです。また、ニューヨークタイムス紙はLPGAの決定について、屈辱的で自虐的な行為だとした上で、国際社会の批判を免れないだろうと報じました。

・巨人の李承Y(イ・スンヨプ)選手が1軍に復帰しました。李承Y選手は28日の横浜戦に6番、一塁手として出場しましたが、3打数でヒットはありませんでした。しかし、5回にはデッドボールで出塁して、今シーズン初めての盗塁に成功し、後続打者のヒットでホームを踏みました。李承Y選手は試合前の練習では30本がサクを越えるなど好調さを見せており、このまま1軍に定着できるかどうかに関心が寄せられています。

・一般市民が記者として記事を投稿できる市民参加型のインターネット新聞サイトであるオーマイニュースの日本語版が大幅に改編されることになりました。オーマイニュースは2000年2月に設立され、2006年8月から日本語版のサイトを運営してきましたが、創刊2周年を迎えて、ニュースの掲載をやめ、生活と密着した各種の情報だけを提供していくことにし、サイトの名前もオーマイニュースからオーマイライフに改めることにしました。オーマイライフは今後、各種の商品や就職に関する情報など、生活と密着した情報を掲載していくことにしています。

・大阪にある韓国総領事館の傘下にあった神戸出張所が7年ぶりに再び神戸総領事館に格上げされました。韓国政府は2001年に在外公館の整備方針に基づいて、神戸総領事館を駐大阪韓国総領事館傘下の出張所として運営してきましたが、兵庫、岡山、鳥取、香川、徳島の在日本大韓民国中央民団が反発し、これまで数回に渡って再び総領事館に格上げすることを求める要望書を韓国政府に提出していました。韓国政府は、在日韓国人のこうした要望と、これらの地域の在日韓国人の人数や業務量などを検討した結果、神戸出張所を総領事館に格上げすることを決め、先月27日に日本の外務省の同意を得て、8月4日から総領事館に格上げしました。

8月28日木曜日

・脱北者を装って韓国入りした北韓の女のスパイが、軍の幹部などから入手した軍事機密を北韓に送り国家保安法違反の罪で起訴された事件で、李相喜(イ・サンヒ)国防長官が、国民に向けて謝罪しました。この事件は、北韓から逃れたいわゆる脱北者を装って韓国に潜伏していた、北韓の34才の女の工作員が、軍の将校らに近づき、韓国軍の情報を北韓に報告していたとして、27日、国家保安法違反の罪で起訴されたものです。国防部のウォン・テジェ報道官によりますと、李相喜国防長官は27日、軍の幹部会議の席で、今回のスパイ事件に軍の幹部がかかわり、国民に心配をかけたことに遺憾の意を表明するとともに、「北韓の韓国に対する敵対戦略には変わりがなく、軍の幹部にスパイの主な工作対象になりうることを改めて認識させるよう」指示したということです。また軍当局は、今回の事件に関連し、部隊の施設や記録物などの保安状態を改めて点検するほか、脱北者の管理対策や入国審査を強化することにしています。

・国防部は年末に発刊する国防白書に、北韓軍が、実際の脅威だと表現する内容を含むことを検討している模様です。国防部が28日発表したところによりますと、国防白書の中で、北韓をどのように表現するかについて、「北韓の実体とそれに対応する韓国軍の態勢には変わりがない」として今年の国防白書では、「北韓軍が実際の脅威の対象であることを明確に表現する」としています。しかし南北が激しく対立していた頃に使っていた、「主な敵」、「主敵」という表現は使わないものとみられます。韓国軍は、1994年に板門店で開かれた南北会談で、北韓の代表が「戦争が起こるとソウルは火の海になる」と脅迫したことがきっかけとなって、1995年の国防白書から北韓を「主敵」と表現していましたが、金大中政権が発足して北韓に対する包容政策が取られてから、2005年から「主敵」という表現は使われていません。しかし北韓の景勝地金剛山で、韓国人の観光客が北韓軍兵士によって射殺される事件が起きたほか、このほど脱北者を装った北韓の女スパイが摘発される事件があったため、国防白書に「主敵」という表現を盛り込むべきだとする声が、与党の国会議員など保守派から出ています。

・フィリピンで韓国人観光客を乗せた車が建物に突っ込む事故があり、乗っていた10人全員が死亡しました。フィリピンの現地時間で27日正午頃、首都マニラから北におよそ300キロ離れたパンガシナン州の道路で、韓国人を乗せたミニバンがセンターラインを越えて道路沿いの建物に激しく突っ込みました。この事故で、ミニバンに乗っていた韓国人の旅行客8人と、フィリピン在住の韓国人2人の合わせて10人全員が死亡しました。事故に遭った旅行客はソウルにあるキリスト教会の牧師3人を含む家族の5人と、慶尚南道鎮海(チンヘ)市のキリスト教会の牧師夫婦と子供の3人、それに案内をしていたフィリピン在住の韓国人男性2人の合わせて10人です。フィリピンの警察によりますと、現場付近はカーブが多く、事故当時は激しい雨が降っていたということで、ミニバンがスピードを出しすぎてハンド操作を誤ったものではないかと見られています。フィリピン駐在の韓国大使館は現場に職員を派遣して、詳しい事故原因の把握に乗り出しています。

・政府は2030年までに原子力発電所10基を建設するなど、国家エネルギー基本計画を発表しました。国家エネルギー基本計画は、政府が5年ごとに、向こう20年間のエネルギー計画を打ち出すものです。国家エネルギー委員会は、27日、大統領府=青瓦台で、李明博大統領が主催して会議を開き、2008年から2030年までの国家エネルギー基本計画を審議して決定しました。それによりますと、2030年までに、140万キロワット級の原子力発電所10基を新たに建設し、韓国の発電量のうち、原子力発電の占める割合を今の36%から59%までに高めることにしています。また風力や太陽光、バイオ発電など代替エネルギーの普及率を今の2.4%から5倍近く増やして、11%までにし、石炭や石油などの普及率を61%に減らすことにしています。政府はこの基本計画を進めるため、政府民間からの投資に合わせて100兆ウォン、研究開発に11兆5000億ウォンを投入する予定です。

・放送と通信産業全体を網羅する法律が制定されることになりました。大統領直属機関の放送通信委員会は28日、放送と通信が融合する時代に積極的に対応するため、現在は放送法や電気通信基本法、情報化促進基本法などに分かれている法律を統合して、仮称「放送通信発展に関する基本法案」をつくり、立法予告などの手続きを進めることを決めました。この統合法案には、放送と通信を、有線、無線、光回線などの方式によって、放送通信のコンテンツを送受信する一連の活動と手段であると定義し、今後、新しく参入する放送通信技術やサービスを組み込めるようにしています。放送通信委員会はまず、年内に「放送通信発展に関する基本法」を制定して、放送通信の発展のために必要な政策を決めて、来年までに、サービスや競争、利用者保護に関する規制などを盛り込んだ「放送通信事業法」を制定することにしています。

・イギリスのプロサッカー・リーグのプレミアリーグで活躍していた李栄杓(イ・ヨンピョ)選手が、ドイツのブンデスリーガのボルシア・ドルトムントに移籍しました。李栄杓選手のエージェントによりますと、李栄杓選手は1年契約で、ドイツのブンデスリーガのボルシア・ドルトムントに移籍し、27日、メディカルテストを受けてから、トレーニングに参加しているということです。背番号は3番で、移籍料など具体的な契約条件は明らかにされていません。李栄杓選手は、2002年と2006年のワールドカップに韓国代表として出場しており、2003年から2年間オランダのPSVエイントホーベンで活躍した後、2005年8月イギリスのプレミアリーグのトットナム・ホットスバーに移籍し、93試合に出場しました。

・KBO=韓国野球委員会は、韓国が北京オリンピックの野球で、史上初めて金メダルを獲得したことを記念して、決勝戦が行われた8月23日を「野球の日」に制定しました。これはKBOが28日の理事会で決めたもので、KBOは、毎年8月23日、野球ファンを対象にするイベントを開くことにしています。また来月2日には、「野球の日」制定記念の初めてのイベントとして、全国4つのプロ野球の球場を無料で開放することになりました。

8月27日水曜日

・脱北者を装って韓国入りした北韓の女性スパイが、摘発されました。国家情報院、水原地方検察庁などの合同捜査本部は27日、脱北者に見せかけて韓国入りし、韓国の軍の幹部などから入手した軍事機密を北韓に送った国家保安法違反の容疑で、北韓の女性スパイ(34)を逮捕したと発表しました。合同捜査本部はまた、この女性スパイに脱北者のリストなど軍事機密を渡していた韓国陸軍の20代の大尉と、情報を北韓に送った60代の別の男性スパイも逮捕しました。この女性スパイは、北韓の序列2位の金永男最高人民会議常任委員長の遠い親戚で、1998年、脱北者を装って中国に渡り、2001年10月、今度は朝鮮族を装って韓国人男性と結婚し韓国入りしました。しかし韓国入りした後も、脱北者の身分で北韓との貿易を続け、韓国軍の将校7人と交際を続けている点を怪しいとみた警察が3年間、捜査を続けた結果、北韓のスパイであることを突き止めました。

・全国の仏教信者およそ10万人が参加する法会が27日、ソウルの中心部で行われました。仏教界では、キリスト教徒の李明博大統領が、「宗教的な偏向政策」を進めているとして反発が強まっており、法会を前にした26日には、柳仁村文化体育観光部長官が緊急会見を行って、宗教に対する差別行為をした国家公務員を懲戒する方針を発表しましたが、法会は予定どおり行われました。この問題は、先月29日に仏教の総本山であるソウルの曹渓寺の前で、曹渓宗の最高位の僧である智冠総務院長の車が警察官から度の過ぎた検問を受けたことに信徒らが反発したことが発端となりました。曹渓宗のお寺には、アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する抗議集会を主催した市民団体の幹部らが警察の指名手配から逃れて避難生活をしていました。信徒らは、智冠総務院長が警察の要求に応じて窓から顔を出したにも関わらず、さらにトランクを開けて調べるなど無礼な行為をしたとして警察庁長の辞任を求めるとともに、宗教的偏向政策を続けている李明博大統領に対して謝罪と再発防止の約束を要求しています。

・北韓の外務省が26日、「核施設の無能力化作業を中断した」と発表したことについて、アメリカ国務省は、6カ国協議の合意に違反しており、北韓が核の検証に応じない限り、テロ支援国の指定を解除することはないとする強硬な姿勢を打ち出しました。北韓は26日、外務省の声明を発表し、北韓が6月26日に核計画の申告書を提出したにも関わらず、アメリカが行動対行動の原則に基づいて北韓に対するテロ支援国の指定を解除していないのは6カ国協議の合意に違反しているとして、核施設の無能力化の作業を中断したことを明らかにしました。これについてアメリカ国務省のロバート・ウッド副報道官は26日、「北韓こそが合意違反であり、テロ支援国の指定解除は北韓が核の検証義務を履行することが前提だ」とする強硬な姿勢を示しました。

・北韓の外務省が26日、「核施設の無能力化作業を中断した」と発表したことについて、韓国政府は、北韓に対するエネルギー支援を中断するなどの過剰な対応はしない方針です。北韓は、アメリカがテロ支援国指定解除の条件として打ち出している核計画の検証については、「9.19共同声明に基づいて行われる韓半島非核化の最終段階で6カ国協議の参加国すべてが同時に受けなければならない義務だ」と主張しています。つまり、北韓に対する検証は、韓国を含む周辺国にアメリカの核兵器がないことを同時に確認すべきだとしています。こうしたことから政府は、北韓が核施設の無能力化作業を中断したのは遺憾だとしながらも、北韓に対するエネルギー支援を中断するなどの過剰な対応はしない方針を明らかにしました。

・ウォン安ドル高が進み、1ドルが1090ウォン台を上回ったため、政府が27日市場介入し、5日連続のウォン安に歯止めが掛かりました。ドルに対するウォンの相場は4日連続で下がり、26日は、1ドル=1089ウォン40銭と、2004年11月以来、3年9カ月ぶりのウォン安となりました。そして27日朝には、さらにウォン安ドル高が進んで、1ドル1091ウォンで取り引きが始まりました。このため企画財政部のチェ・ジョングッ国際金融局長は、 最近のウォンの急落に対する深い憂慮を示し、これ以上、市場不安が続く場合は、必要な措置を取ると述べ、口先介入したのに続いて、韓国銀行を通じてドルを売る市場介入をしました。その結果、27日のドルに対するウォンの為替レートは、前日より5ウォン30銭ウォン高ドル安の1ドル1084ウォン10銭で取り引きを終え、5日連続のウォン安に歯止めが掛かりました。

・与党ハンナラ党は、海外に住む韓国人が国内の選挙に投票できるようにするため関連法の改正を進める計画を明らかにしました。ハンナラ党のチャン・ユンソク第一政調委員長は、26日に開かれた院内対策会議で、「海外に住む韓国人の参政権を制限するのは憲法に違反しているとする判決が去年、憲法裁判所で出されている」として、海外に住む韓国人が韓国で行われる選挙に投票できるよう、関連法を今度の通常国会で改正する計画を明らかにしました。海外に住む韓国人に参政権を与える問題については、前の盧武鉉政権の第17代国会でも与野党が議論を重ねましたが、政党同士の利害が対立し、結局、実現しませんでした。海外に住む韓国人は永住権者を含めて300万人に上っています。

・日本植民地時代に建設されたソウル市庁舎本館の撤去をめぐって、ソウル市と文化財委員会が激しく対立しています。ソウル市は、82年間使われてきたソウル市庁舎の本館を建て直すため26日から解体作業を始めました。このため文化財委員会は26日緊急会議を開いて、ソウル市が進めている市庁舎本館の解体と復元工事は市庁舎本館の原型を損なう可能性が高いとして、登録文化財であるソウル市庁舎本館を国の史跡として仮指定し、工事ができなくする措置を取りました。これに対してソウル市は、市庁舎本館の安全性を調査した結果、危険という判定が出たため、文化財委員会の要求どおり原型保存と国の史跡仮指定の決定は受け入れられないとして反発しています。そしてソウル市は、本館の工事は中断するものの新庁舎の工事は続ける方針を27日改めて打ち出しました。しかし特定の建物を国の史跡に指定した場合、半径100メートル以内での建築行為を中断するよう義務付けている文化財保護法の規定に違反することになり、文化財当局のさらなる反発が予想されます。ソウル市庁舎本館は、ルネサンス様式の4階建てで日本植民地時代の1926年に京城府庁舎として建てられました。ソウル市は、今の市庁舎の近くに2011年までに新庁舎を建設する計画で、ソウル市庁舎本館は今後、改装して図書館などとして活用することにしていました。

・性犯罪者の足首に居場所を追跡できる電子タグをつける制度が来月1日から施行されます。この制度は、常習的な性犯罪者の足首に電子タグを外れないように取り付けて、居場所を24時間監視することによって再犯を防ぐ狙いがあり、韓国では去年4月に公布されていました。対象となるのは、13歳未満の児童に対して性暴力を犯した者や性犯罪を2回以上重ねた者などとなっています。

・LPGA=アメリカ女子プロゴルフツアー協会は、登録選手全員に対して英語の使用を義務付ける方針を明らかにしました。それによりますと、LPGAは、登録選手が英語をどの程度話すことができるかを評価して、これに合格できなければ2年間、ツアーへの参加を停止させるとしています。現在、LPGAには韓国人選手45人が登録しており、中には英語を自由自在に話せない選手もいるため、今回の措置で韓国人選手の活躍に影響が出るのではないかと懸念する声があがっています。

8月26日火曜日

・ドルに対するウォンの価値が4日連続で急落し、26日は1ドル=1089ウォン40銭となりました。26日のソウル外国為替市場は、前日の25日より2ウォン10銭ウォン安の1ドル1081ウォンで取引が始まり、相次ぐドル買いの影響で、前日より10ウォン50銭もウォン安の1ドル=1089ウォン40銭で取引を終えました。これは、2004年11月16日の1089ウォン70銭以来、3年9カ月ぶりのウォン安です。ウォンは、外国為替当局が市場に介入したため、一時1070ウォン台にまで上がりましたが、介入の規模が大きくないとの観測が出て、ドル買いの動きが続きました。

・今月に入って、アメリカドルに対するウォンの下落の幅が、主な通貨の中で最も大きいレベルであることが分かりました。韓国銀行とソウル外国為替仲介によりますと、今月に入ってアメリカドルに対する19カ国の為替レートを分析した結果、ウォンの下落率は6.59%で、オーストラリア・ドル(8.54%)、イギリスのポンド(6.99%)に続き3番目に大きいことが分かりました。これは、ウォンの価値の下落の幅が他の国の通貨に比べ相対的に高いことを意味し、実際に、今年に入ってアメリカドルに対するウォンの為替レートは去年より15.3%上昇し、1997年の通貨危機以来最も高い上昇率をみせました。

・およそ3カ月間にわたり空転してきた第18代国会は26日、常任委員長の選出など院構成を完了し、ようやく正常化しました。与野党はこの日午後に本会議を開き、任期2年の常任委員長18人を選出して院の構成を完了しました。また、これに先立って21日に家畜法改正案特別委員会で与野党が合意していたアメリカ産牛肉の取り扱いに関する家畜伝染予防法の改正案を可決しました。国会は26日の本会議を最後に8月の臨時国会を終了し、来月1日からは通常国会を開いて、補正予算案や国民生活に関する各種の法案などを処理する計画です。 しかし、検察が公職選挙法違反の疑いで今週末に国会に提出するとみられる創造韓国党の文国現(ムン・グッキョン)代表に対する逮捕同意案や、政権が言論を掌握しようとしている疑惑などをめぐって、会期の初めから与野党による激しい攻防が予想されます。

・与党ハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)院内代表は、来月から始まる通常国会では、過去10年間の「左派政権」が進めてきた反企業的で反市場的な左よりの政策を正していく方針を明らかにしました。洪準杓院内代表はさらに、通常国会では大統領令や長官令でも間違ったものは正し、国を正常化する基盤作りに努めたいと強調しました。

・李明博大統領は25日にソウルで行われた韓中首脳会談で、中国の胡錦濤国家主席に対し、「北韓から中国に脱出した脱北者が本人の意思に反して強制的に北韓に送り返されることがないよう、中国側が積極的に協力してほしい」と求めました。また李明博大統領は、中国が原子力発電所40基を建設する事業を進めていることに関連し、「韓国は40年余りの間、中断することなく原子力発電所を建設してきたので、機材や運用の面で世界最高の技術を持っている」とアピールし、原子力発電所の建設に韓国企業がより多く参加できるよう協力を求めました。

・李明博大統領は26日、KBSの新しい社長にKBSビジネスの李炳淳(イ・ビョンスン、59)社長を任命しました。李炳淳社長は 鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)前社長の後任として任期の残り1年4ヵ月を務めますが、社長交代をめぐって生じたKBS内部の亀裂を収拾し、事業の赤字構造を解消できるかどうかに注目が集まっています。一方、民主党や民主労働党、創造韓国党の野党3党は26日、政府による放送言論弾圧や放送局への人事介入などを調査するための国政調査要求書を国会に提出しました。

・政府は26日、韓国空港公社が運営する国内空港の一部を民営化し、機能が重複する公営企業を統廃合することなどを盛り込んだ第2次公営企業改革案を発表しました。それによりますと、韓国空港公社が独占的に運営している14の国内空港の一部について、経営権を民間に売却することにし、どの空港を民営化するかなど具体的な対象は公開討論会を行って決めることにしました。また、韓国産業技術評価院や韓国産業技術財団など6つに分かれている研究開発支援機関を3つに統廃合するとともに、勤労福祉公団や韓国産災医療院など機能が重複する29の公営企業を13の企業に統廃合します。これで、政府が今月はじめに発表した第1次改革案と合わせると、79の公営企業に対する改革案が確定したことになります。政府は、来月中に20あまりの公営企業を対象に第3次改革案を発表する計画です。

・アメリカ国務省は25日、6カ国協議担当のソン・キム特使が22日にニューヨークで北韓の核問題の交渉パートナーに会い「具体的で実質的な」協議を行ったと明らかにしました。アメリカ国務省のロバート・ウッド報道官は、今回の協議は北韓が申告した核計画に対する検証問題がテーマで、とても具体的で実質的な協議だったと述べました。また、アメリカはこの問題をめぐり北韓と定期的に協議を続けており、今後も協議を重ねていく予定だとしました。ただ、北韓側の交渉パートナーがだれで、協議で具体的な進展があったかどうかについては言及を避けました。

・オリンピック期間中に中断されていた2008年プロ野球のシーズンが26日から再開されます。先月31日にシーズン前半最後の試合を行った8つの球団は、ほぼ1ヵ月の間休みを返上して練習に励んできました。韓国シリーズに出場する球団を決めるポストシーズンに向けて各球団の激しい戦いが予想される中、韓国野球委員会=KBOは、北京オリンピックで韓国の野球代表チームが史上初の金メダルを獲得したため、プロ野球の人気も高まるだろうと期待しています。

8月25日月曜日

・中国の胡錦涛国家主席は北京オリンピックが閉幕した翌日の25日午後、韓国を国賓として訪問して李明博大統領と韓中首脳会談を行い、両国の協力と交流をさらに強化していくことで一致しました。李明博大統領と胡錦涛国家主席の会談は大統領府・青瓦台でおよそ1時間20分にわたって行われ、その後、両首脳は共同声明を発表しました。それによりますと、両国は、北韓の核問題について6カ国協議の枠組みの中で解決を図り、北韓の核計画放棄に向けた措置の履行を促進させるために努力していくことになりました。また政治・外交分野では高官同士の相互訪問を活性化させることになり、そのために両国の外交担当の高官による戦略協議を年内に開くことで合意しました。経済分野では2010年までに両国間の貿易規模を2000億ドルにまで拡大するとともに、韓中FTA=自由貿易協定の締結に向けて前向きに検討し、金融機関が相互の市場に進出することについても協力していくことになりました。文化の分野では上海で博覧会で開かれる2010年を「中国訪問の年」に、韓国の麗水博覧会が開かれる2012年を「韓国訪問の年」にそれぞれ定めるとともに、青少年交流もさらに拡大することになりました。また韓中両国は北東アジアだけでなく、国連など国際舞台での協力を強化し、人権問題や気候変動の枠組条約など世界的な問題でも協力していくことになりました。胡錦涛国家主席はこの後、晩さん会に臨み、26日には韓中両国の青少年代表に会うほか、金炯オ国会議長と会談した後、上海・麗水博覧会の交流促進に向けたセミナーなどに出席して次の訪問国、タジキスタンに向かいます。

・北京オリンピックで金メダル13個など31個のメダルを獲得し、歴代最高の成績を上げた韓国の代表選手団が25日帰国し、ソウル都心で歓迎パレードが行われます。大韓体育会は25日午後、選手団が帰国してメダリストの記者会見と解団式を行った後、選手団350人全員が参加してソウル都心の光化門からソウル市庁前広場までを歩いてパレードし、国民の歓迎を受ける行事に出席すると発表しました。

・KBS理事会は解任された鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)社長の後任としてKBSビジネスの李炳淳(イ・ビョンスン)社長を推薦することを決めました。KBSの社長候補には5人が上げられていましたが、このうち1人が辞退したため、KBS理事会は25日午後、ソウルのKBS本社で残る4人に対して面接を行った結果、李炳淳氏を李明博大統領に推薦しました。李炳淳氏は今年59歳、ソウル大学を卒業して1977年にKBSに入社し、経済部長などを務めたあと、2005年から全国各地にある14のKBS放送局の施設管理を担当する系列会社である「KBSビジネス」の社長をしています。KBSの出身者が理事会から社長に推薦されるのは初めてのことで、これを受けて李明博大統領は25日中にも李炳淳氏をKBS社長に任命する見通しです。しかしKBSの理事11人のうち4人は、KBSの社長推薦をめぐって大統領府・青瓦台が介入した疑惑があるため、公募しなおすよう求めたものの、受け入れられなかったため、KBS理事会の独立が損なわれたと反発して理事会を退席しました。

・経済の立て直しに向けた国民の高い期待を受けて就任した李明博大統領がきょう25日で、就任から6カ月を迎えました。李明博大統領は就任式の演説で、経済の立て直しを優先すると表明しました。しかしその後は、原油価格の上昇やアメリカのサブプライム問題から広まった国際的な金融不安によって物価の上昇が止まらず、消費者物価の上昇率は先月6%近くにまで上がるなど、1990年代後半の通貨危機の頃を思わせるような景気の低迷が続いています。さらにアメリカ産牛肉の輸入再開を決めた政府に対する国民の世論が悪化し、李明博政権の政策は行き詰まりました。このため政府は先月、今年の経済成長率の目標を6%から4.7%に、新規雇用者も35万人から20万人に下方修正しました。政府は、最近になって原油価格が安定を取り戻していることから、公営企業の改革や不動産取り引きの活性化対策などを発表して経済の建て直しを図ろうとしています。

・アメリカ産牛肉の輸入再開などで急落していた李明博大統領の支持率が再び上昇し、一部の調査で30%を超えていることが分かりました。中央日刊紙の朝鮮日報が世論調査機関に依頼して、今月23日に全国の成人男女およそ1000人を対象に行った世論調査によりますと、李明博大統領について「うまくやっている」という回答は24%で、中でも今後の国政運営について「今度さらにうまくやっていくと思う」という楽観論を示した回答者は62%に達しました。またソウル新聞が同じ日に行った調査でも、李明博大統領の支持率は31%となり、大統領府・青瓦台がみずから調べた世論調査では支持率が34%となりました。

・このところウォンの下落が進み、25日は1ドル=1078ウォン90銭と、この1カ月で70ウォンあまりのウォン安ドル高となりました。25日のソウル外国為替市場は先週に続いてさらにウォン安ドル高が進み、先週22日に比べて16ウォン40銭ウォン安の1ドル1078ウォン90銭でおおかたの取り引きを終えました。これは終り値としては先月28日の1006ウォンに比べますと72ウォン90銭のウォン安で、2004年11月17日の1081ウォン40銭以来、3年9カ月ぶりのウォン安です。また日本の円に対する為替レートは100円=979ウォン75銭で、先週22日に比べて3ウォン46銭のウォン安となりました。市場関係者は、域外からのドル買いでウォン安が進んでいるとしており、これまで市場介入で批判を受けた当局が、一定の外貨保有高を維持する必要もあるためさらに市場介入をするのは難しいという観測もあって、ドル買いになっていると分析しています。ウォン安ドル高は対外的にはアメリカの金融市場の不安が、また国内的には経常収支が赤字になるかどうかによってさらに進む可能性があるとみられています。

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本でいう竹島)の領有権を明記したことから韓日関係の冷え込みが続いている中で、福田首相が李明博大統領にメッセージを伝えました。これは韓国を訪問している二階経済産業相が24日京畿道で行われた二階派の研修会で、「福田首相が韓国政府にあてたメッセージを持参し、前日、外交通商部の柳明桓長官に伝えた」と述べたと、共同通信が報道しました。福田首相はメッセージの中で、最近の独島問題と関連し、両国間の立場の差は立場の差にしておいて、大局的な見地から双方が冷静に対応して未来に向かって協力していきたいという内容とともに、両国関係を今年4月の韓日首脳会談で確認した成熟したパートナー関係へ拡大して韓日新時代を切り開いていくことが重要だと強調しているということです。これについて外交通商部の関係者は「独島問題で両国関係が悪化してから福田首相がメッセージを伝えてきたのは初めてだ」としたうえで、「韓国に向けた和解のジェスチャーだと思われる」と前向きに評価しました。

・ソウル市は市内の交通渋滞を緩和するとともに、省エネ効果をあげるため、デパートなど大型ビルに対して、駐車場に出入りする車両を20%以上削減するよう義務付ける条例を設ける方針を明らかにし、業界は強く反発しています。ソウル市が発表した「駐車場の設置と管理条例の改正案」によりますと、市内にあるロッテ・デパート、新世界デパート、COEXなどの大型ビルや施設69カ所を対象に駐車場の料金を引き上げたり、駐車スペースを縮小したりする方法で、駐車場に入る車両を1日平均で20%以上減らす計画を作って、ソウル市に提出するよう義務付けています。そして計画を立てなかったり、駐車場に出入りする車両を20%以上減らすことができなかったりした場合は、ソウル市が車両の使用制限制度を強制的に導入させ、最高1000万ウォンの科料にするとしています。これについてソウル市の関係者は「都心の交通渋滞を緩和するための規制で、来月までに市民などの意見を聞いたうえで市議会の審議を経て施行する予定だ」と述べました。しかしこのようなソウル市の方針に対してはデパート業界を中心に強い反発が出ており、実際に施行されるかどうかに関心が集まっています。

・最近、朝夕の最低気温が20度を下回る日々もあり、東海岸沿いにある100あまりの海水浴場のほとんどが閉鎖しました。江原道の東海岸にある100あまりの海水浴場のうち、24日までに閉鎖したのは96カ所で、キョンポ、ソッチョなど残り4カ所も今月末で閉鎖する予定です。この夏、江原道の東海岸を訪れた海水浴客などは延べ3000万人に上り、去年より6%ほど多くなっています。

8月23日土曜日

・北京オリンピック・野球の決勝で、韓国はキューバを3対2で下し、念願の金メダルを獲得しました。野球の決勝戦は23日夜、北京の五か松野球場で行われました。韓国は1回表にイ・スンヨプがツーランホームランを放って2対0とリードしましたが、1回裏キューバに1点を許しました。そして7回に両チームとも1点を追加したあと、9回裏、審判の相次ぐ不可解な判定があったものの、救援投手のチョン・デヒョンがダブルプレーを決め、3対2でキューバを下して、オリンピックの頂点に達しました。今回、韓国は予選以来9連勝を遂げ、オリンピックの野球で取った初のメダルが金メダルとなりました。

・これに先立って、テコンドー男子80キロ以上級で、チャ・ドンミン選手が前回アテネオリンピックの銀メダリスト、ギリシャのアレクサンドロス・ニコライディス選手を5対4で破って、金メダルを獲得しました。これで、 韓国は出場した4クラスすべてを席巻し、歴代最高の成績となりました。一方、審判の判断で惜しくも決勝進出を逃した女子ハンドボールは、3位決定戦で、ハンガリーを33対28で下し、銅メダルを獲得しました。これで韓国は23日夜現在、金メダル13個、銀メダル10個、銅メダル8個で、総合順位6位となりました。韓国は1988年のソウルオリンピックで金メダル12個で総合順位4位を、続いて92年のバルセロナ・オリンピックでも金メダル12個を獲得しました。しかし96年のアトランタ大会は7個、シドニー大会8個、そして前回のアテネオリンピックでは9個でしたが、今回の北京オリンピックでは歴代最大の13個をとるという記録を成し遂げました。閉会日の24日、韓国は、男子マラソンで、今回オリンピック4回目の出場となるイ・ボンジュ選手の活躍が期待されています。

・アメリカと北韓が22日、ニューヨークで会談したことが明らかとなり、北韓の核申告の検証方法をめぐってこう着状態に陥っている中、突破口を見出すためではないかと注目されています。アメリカ国務省の関係者によりますと、6カ国協議担当のアメリカのソン・キム特使は22日、ニューヨークで北韓当局者と会談したということです。会談では、北韓が提出した核申告書の検証方法を協議したものとみられますが、北韓当局者の名前は明らかにされていません。アメリカは北韓をテロ支援国家からはずす条件として、核関連施設への立ち入りなど国際基準に合った包括的な検証体制の確立が必要だとして、正式解除を先送りしています。これに対して北韓は、核申告書の提出によって義務は果たしたと主張し、テロ支援国家の指定を直ちに解くようよう要求しています。

・WFP=世界食糧計画は、韓国に対して北韓への食糧援助のために2000万ドル以上の拠出を改めて求めてきました。WFP平壌事務所のマージュリー代表は23日、アメリカの自由アジア放送とのインタビューで、「韓国からの支援がない場合、北韓への食糧援助の全体規模が大幅に縮小する」と述べ、韓国政府が2000万ドル以上を拠出するよう要請しました。マージュリー代表はまた、北韓の食糧事情について、「WFPが担当している北韓の8つの地域では、飢え死にする人が出るほどではないものの、一部では『人道主義的非常事態』という状態に向かっている」と説明しました。WFPはこれに先立つ20日、韓国の統一部に宛ててファックスを送り、北韓に穀物と生活用品を緊急援助するために韓国政府が6000万ドルを支援するよう正式に要請してきており、韓国政府は検討を進めています。

・韓国製自動車の東ヨーロッパへの輸出が急増しています。韓国自動車工業協会によりますと、今年1月から7月末までの韓国製自動車の輸出は去年の同じ期間より9.3%減って、162万1,000台あまりでした。地域別では北米への輸出が依然、もっとも多くを占めて、全体の28.7%にあたる46万6,600台でした。2位は東ヨーロッパ向けが、それまで2位だった西ヨーロッパ向けを上回り、去年より20.8%も増えて29万3,100台にのぼりました。次いで、西ヨーロッパ、中東、中南米、アフリカ、アジアの順でした。業界では、原油高でうるおっているロシアでの需要が大きく増えたうえ、韓国の自動車メーカーの東ヨーロッパでの販売網が拡充したことなどが背景にあるとみています。なかでも現代自動車は、先月、ロシアで2万800台を販売して、アメリカのフォード、日本のトヨタを抜き、輸入車市場の1位になっています。

・日本の三菱自動車も、来月から韓国市場に進出することになりました。韓国には、すでに日本からトヨタ、ホンダ、日産の3社が進出していますが、三菱自動車は、来月22日、大衆乗用車の「ランサーエボリューションX」と「アウトランダー」の発表会をソウルで行い、ソウルと首都圏に3ヵ所、それに釜山と大田の、合わせて5カ所に販売網を設けて、販売に乗り出すことになりました。韓国では最近、日本車が人気を呼んでおり、去年販売された輸入車のうち日本車は33%を占めましたが、今年は50%に達するものとみられています

8月22日金曜日

・北京オリンピック15日目の22日、韓国は、テコンドー女子67キロ級で金メダル1個、ボクシングウエルター級で銅メダル1個を獲得しました。まず北京科学技術大学体育館で行われたテコンドー女子67キロ級決勝で、ファン・キョンソン選手がカナダのカリン・セルジェリー選手に2対1で勝ち今大会のテコンドーで3つ目の金メダルを獲得しました。ファン・キョンソン選手は、前回2004年アテネオリンピックに韓国で初めての高校生の代表選手として出場して銅メダルを獲得しており、これで2大会連続でメダル獲得に成功したことになります。同じくアテネオリンピック銅メダリストのボクシングウエルター級のキム・ジョンジュ選手が、2大会連続で銅メダルを手にしました。キム・ジョンジュ選手は、ウエルター級準決勝でカザフスタンのバヒト・サルセクバエエフ選手に10対6で負け、決勝進出はなりませんでした。これに先立って行われた野球準決勝で、韓国は日本を6対2で逆転勝ちして8戦全勝となり、決勝進出を決めました。韓国は23日、アメリカとキューバによる準決勝の勝者と決勝戦を争います。一方、卓球男子シングルスのオ・サンウン選手は、中国の馬琳選手に4対0で負け、準決勝進出はなりませんでした。これで韓国は22日夜の時点で、金メダル11、銀メダル10、銅メダル7でオーストラリアに次ぐ総合成績7位を維持しており、今大会の目標にしていた金メダル10個以上、総合順位10位以内の達成は有望となりました。

・北京オリンピック・ハンドボール女子の準決勝が21日夜、北京オリンピックセンターで行われ、韓国はノルウェーに28―29で惜しくも敗れました。韓国は、試合終了4秒前に同点ゴールを入れて延長戦に持ち込んだとみられましたが、試合終了のブザーが鳴った瞬間にノルウェーにゴールを入れられ、わずか1点差で敗れました。韓国は、ノルウェーの選手が審判が笛を鳴らす前にセンターラインを越えた上に、最後のゴールは試合終了を告げるブザーが鳴った後に入ったとして、ゴールを認めた審判の判定に抗議しましたが、審判は韓国の主張を受け入れませんでした。国際ハンドボール連盟の懲戒委員会は、試合終了後、審判の判定は事実に根拠しているという見解を発表して韓国の抗議を退けたため、韓国は国際ハンドボール連盟に正式に異議申し立てを行いました。異議申し立てをした場合、国際ハンドボール連盟は、陪審員団による審査を経て、最終的な結論を出すことになります。韓国は北京オリンピックの前のアジア予選でも、審判の不可解な判定で再試合をした末にオリンピック出場権を確保しましたが、オリンピックでもまた審判の不可解な判定で決勝進出を果たせませんでした。

・総合株価指数が1500ポイントを下回りました。ソウルの韓国株式市場は22日、取り引き開始からすぐに1500ポイントを下回り、総合株価指数は前日より15.68ポイント下落して、1496.91で取り引きを終えました。総合株価指数が終値で1500ポイントを下回ったのは、去年4月10日以来、1年4カ月ぶりのことです。

・物価が上昇する一方で、所得の伸びは停滞し、家計の支出が減っていることが分かりました。統計庁が22日発表した「家計収支動向」によりますと、第2四半期の1世帯あたりの月平均所得は325万ウォンで、去年の同じ期間に比べて5.1%増え、一方、支出は219万ウォンで4.6%増えました。物価の上昇率を考慮した実質的な所得の増加は0.3%にとどまり、所得が伸び悩んでいる中で物価は上昇したため、実質的な支出は0.2%減少し、それぞれの家計は支出を減らしていることが分かりました。

・北韓は核問題をめぐるアメリカとの交渉で、軽水炉の提供を確約することを望んでいると、アメリカの自由アジア放送が22日、報じました。自由アジア放送はアメリカの外交消息筋の話として、北韓は基本的には核計画の検証に応じる姿勢だが、アメリカが軽水炉の提供を確約していないことに不満を持っていると伝えました。この消息筋は、北韓はアメリカと接触するたびに軽水炉の提供について言及しているが、こうした北韓の要求に対して、ブッシュ政権は軽水炉の提供を具体的に確約することは政治的に負担となることから、この問題について言及していないと述べました。しかし、北韓はアメリカが北韓に対する敵対視政策を放棄する証拠として、軽水炉の提供を要求し続けているということです。

・日本政府は21日、WTO、世界貿易機関の是正勧告を受けて、韓国の半導体大手ハイニックスのDRAM半導体に対して賦課してきた相殺関税の税率を、今の27.2%から9.1%に引き下げることを決めました。日本は、ハイニックスが韓国政府から事実上の補助金を受けて、不当に安い値段で日本に輸出しているとして、2006年1月から通常の関税に加えて相殺関税を賦課してきました。これに対して韓国は、日本政府の措置はWTOの規定に違反しているとしてWTOに提訴し、WTOは去年11月に韓国の主張を認めて日本政府に是正を勧告していました。韓国は相殺関税自体を撤廃するよう日本に要求しています。

・気象庁は来年から梅雨に関する予報を発表しないことになりました。気象庁は22日、「ここ数年、梅雨前線が形成される以前や消滅した後も、雨が降ることが多く、梅雨入りや梅雨明けの予報を発表することは意味がなくなったため、梅雨に関する予報を出さないことにした」と発表しました。

8月21日木曜日

・WFP=世界食糧計画が韓国政府に対して、北韓への食糧援助のため、6000万ドルを支援するよう要請してきました。統一部が21日明らかにしたところによりますと、WFPは20日午後、ソウル事務所を通じて統一部宛てに、ファックスを送り、北韓に穀物と生活用品を緊急援助するため、韓国政府に対して6000万ドルを支援するよう要請してきたということです。WFPによりますと、北韓の食糧事情は1990年代以来最悪の状況で、最近の豪雨によって、農耕地の被害も深刻だということです。これについて、統一部のキム・ホニョン報道官は定例記者会見で、「WFPの要請を公式に受け付けており、今後、関連部署と協議して検討する予定だ。北韓への食糧支援をめぐる国民世論を把握するために、必要によっては、世論調査を実施する」と述べました。韓国政府は北韓への食糧援助について、▼人道的レベルによる支援は、核開発問題など政治問題と連携せず、迅速に行う。▼北韓が韓国政府に対して直接支援を要請してきた場合に検討する。▼自然災害などで北韓の食糧事情が極めて深刻と確認された場合、国民世論を考慮し、食糧支援を検討するという原則を立てていますが、北韓は今の政権が発足してから韓国による食糧支援を拒否し続けています。

・スペインの首都マドリードの空港で、乗客乗員170人あまりを乗せた国内線の旅客機が離陸直後に滑走路脇に突っ込んで機体が大破し、153人が死亡した事故で、韓国人の被害者はいないということです。外交通商部の当局者によりますと、「事故が発生してからマドリードにある韓国大使館などを通じて確認した結果、乗客に韓国人とみられる人はいない」ということです。

・韓国・日本・中国の3カ国の首脳会談が、来月21日、神戸で開かれるものとみられると、日本のメディアが伝えたことについて、大統領府=青瓦台は21日、韓国の李明博大統領の出席はまだ決まっていないと明らかにしました。青瓦台の高官が21日、韓国の記者団に明らかにしたところによりますと、「韓日中の3カ国首脳会談について、日本政府が希望の日程を示して打診してきたが、韓国政府は李明博大統領が出席するかどうかの方針をまだ決めておらず、来週、ソウルで開かれる予定の韓中首脳会談でも、これについて話し合う予定はない」としています。韓日中首脳会談は、今年6月に東京で開かれた3カ国の外相会談で、今年9月に日本で開催することで合意していましたが、7月になって、日本政府が学習指導要領の解説書に独島の領有権を明記したことに韓国政府が強く反発し、開催が危ぶまれています。

・検察は、20日、今年4月の総選挙で、政党の公認候補にした見返りとして巨額の資金を受け取ったとして公職選挙法違反の疑いで、野党創造韓国党の文国現代表に対する逮捕状を裁判所に請求しました。水原地方検察によりますと、文国現代表は、先の18代国会議員総選挙で比例代表から当選したイ・ハンジョン議員を創造韓国党の比例代表の公認候補にした見返りとして、現金6億ウォンを受け取った公職選挙法違反の疑いが持たれています。これに先立って、イ・ハンジョン議員は、 総選挙に立候補する際、嘘の学歴や経歴を選挙管理委員会に申告した上、詐欺罪や恐喝罪など4件ある前科を申告しなかった疑いですでに逮捕されています。これに対して、創造韓国党は、検察が、正当な特別党費について、人事の請託を受けた見返り金として捜査するのは憲法違反だとして、憲法裁判所に訴えを起こすことにしています。現職の国会議員は不逮捕特権を持っており、逮捕状が執行されるには、国会本会議の表決が必要です。国会で現職の国会議員の逮捕同意案が可決されたのはこれまで8回ありますが、14代国会以来13年間はすべて否決されています。

・北京オリンピック14日目の21日、韓国の国技の「テコンドー」が始まり、韓国は9個目の金メダル獲得が期待されています。テコンドー女子57キロ級に出場しているイム・スジョン選手は、2回戦で台湾の蘇麗文選手を1対0で下し、準々決勝に進出しました。またテコンドー男子68キロ級のソン・テジン選手も、オランダのデニス・ベッカース選手と対戦して、4対3で逆転勝ちし、準々決勝に進みました。しかし卓球のシングルスでは韓国勢は不振が続き、オリンピック2連覇が期待されていた男子のユ・スンミン選手、また女子のキム・ギョンア選手、パク・ミヨン選手はいずれも準々決勝への進出はなりませんでした。一方、女子ハンドボールは21日夜、北欧の強豪ノルウェーと決勝進出をかけて戦います。韓国はこれまで金メダル8つ、銀メダル10、銅メダル6つで、総合順位7位となっています。

・2010年に南アフリカ共和国で開かれるサッカーのワールドカップアジア最終予選1回戦、韓国対北韓の試合が、当初予定されていた北韓の平壌ではなく、中国の上海で行われることになりました。南北は今年の3月、ワールドカップアジア3次予選の最終戦も予定されていた平壌ではなく、上海で行っていました。

・政府は科学技術の振興をはかって、理工系の人材を育成するため、小中高校生の英才教育に対する支援を拡大することにしました。政府は、先月、インドのムンバイで開かれた、国際科学オリンピアードで、韓国の中学高校生からなる選手団が金メダル3つ、銀メダル3つ、銅メダル1つを獲得して、過去最高の総合2位になったことを受けて、20日、科学英才教育に対する支援を拡大する方針を発表しました。それによりますと、小中・高校生の1%以上が英才教育を受けることができるよう政府レベルで支援を拡大し、科学分野の英才のために、研究中心の大学を育成する方針を進めるということです。李明博大統領は20日、国際科学オリンピアードに出場した韓国選手団を大統領府=青瓦台に招待し、昼食をともにした席で、「韓国はエネルギー資源に乏しい国だが、優秀な科学者がいれば、資源の多い国より豊かになれると思う。科学者が優遇される社会こそ先進一流国家になれる」と強調しました。

・ここ5年間増え続けていた観光収支の赤字が、今年上半期にやや改善されたことがわかりました。韓国観光公社によりますと、今年1月から6月までの上半期に、観光収入は、去年の同じ期間より37.7%増えて37億8000万ドルになったのに対して、観光支出は去年より4%減って、73億4000万ドルとなり、差し引き35億6000万ドルの赤字でした。しかしここ数年、韓国人の海外旅行の急増などで観光収支の赤字幅が増え続けていた中、今年の上半期は2004年以来初めて赤字の幅が減少しました。韓国観光公社は、「今年は原油高と、ウォン安の影響で、韓国人の海外旅行が減って、観光収支も改善に向かっている」と説明しています。

・政府は、首都圏で住宅の供給を増やすため新都市2カ所を新たに指定しました。政府が21日発表したところによりますと、すでに新都市に指定されている、仁川広域市西区のコムダン新都市の予定地1123万平方メートルをさらに広げて、1817万平方メートルに増やすほか、京畿道南西部の鳥山(オサン)市・セギョ地区も当初の開発予定地280万平方メートルから3倍近く広げて、およそ800万平方メートルの敷地に、新都市を建設することにしています。コムダン新都市は、仁川国際空港と金浦空港のほぼ中間にあり、住宅9万2000世帯分、総人口23万人を、ソウル市の南部に広がる鳥山・セギョ新都市は、住宅3万7000世帯分、総人口10万人を収容することになります。李明博政権が発足してから、新都市を指定するのはこれが初めてです。

8月20日水曜日

・北京オリンピック13日目の20日、韓国は野球でオランダにコールド勝ちして7戦全勝の快挙を成し遂げました。韓国の野球代表チームは、オランダとの1次リーグ最後の試合を10対0の8回コールドで圧勝しました。この結果、韓国は7戦全勝でリーグトップとなり、22日に4位のチームと決勝進出をかけて戦うことになりました。韓国の野球は2000年のシドニーオリンピックで銅メダルを獲得して以来、8年ぶりにメダル獲得を目指しています。またハンドボール男子代表チームは20日夜、北京国家体育館でスペインと準決勝進出をかけて対戦します。ハンドボール女子はこれより先に準決勝進出が決まっています。韓国は、19日に、体操男子種目別平行棒でユ・ウォンチョル選手(24)が、銀メダルを追加し、19日までに、金メダル8、銀メダル10、銅メダル6で総合成績7位を守っています。明日21日は、国民の期待種目であるテコンドーの女子57キロ級と、男子68キロ級で金メダル獲得を目指します。

・アメリカが近く北韓をテロ支援国の指定から解除するという観測が出ている中で、6カ国協議の韓国首席代表の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長は、20日、アメリカがテロ支援国指定解除の条件としている北韓の核計画申告書の検証手順について北韓と忍耐強く話し合う必要があると述べ、検証手順の合意にはさらに時間がかかるという見通しを示しました。そのうえで金塾本部長は、「中国の建設的な役割が求められる」として、北京オリンピックの閉幕後に中国が米朝交渉の進展になんらかの役割を果たすことを示唆しました。これと関連し、韓国の政府高官は、検証手順を決めるのに期限はないが、10月末までには、核施設の無能力化への見返りとして北韓へのエネルギー支援を完了しなれけばならないとして、10月末の期限を念頭に置いていることを明らかにしました。

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本で言う竹島)の領有権を明記したことから開催が危ぶまれていた韓国・日本・中国の3カ国首脳会談が、来月21日に神戸で開かれるものとみられると、日本のNHKが政府筋の情報として20日、報道しました。それによりますと、日本政府は、韓日中首脳会談の開催について、権哲賢駐日大使と現在、調整を行っており、韓国から正式な回答を得次第、日程を確定する予定だということです。これについて大統領府青瓦台は20日、韓日中首脳会談の場所や日程はいうまでもなく、李明博大統領が出席するかどうかもまだ決まっていないと話しています。

・韓国放送公社KBSの鄭淵珠前社長(61)の背任容疑を捜査しているソウル中央地方検察庁は、20日、鄭淵珠前社長を特定経済犯罪加重処罰法の背任の罪で在宅起訴しました。検察は、鄭淵珠前社長が、国税庁を相手取って勝訴することが確実視されていた税金訴訟を取り下げ、KBSに1892億ウォンの損害を与えたとしています。検察は、鄭淵珠前社長が再任していた2004年にKBSが637億ウォンの赤字を出し、続いて2005年にも赤字が予想されたため退任を迫る圧力から逃れ任期を延長するために慌てて訴訟を取り下げたとしています。これについて、鄭淵珠前社長の弁護人側は、当時、国税庁との消耗的な紛争を早期に終結するため不当に賦課された税金の一部を裁判所の調停で返してもらったものでこれはKBSの経営委員会で決めたことだと主張しました。

・政府は、首都圏で住宅の供給を増やすため首都圏の2カ所に新都市を建設する方針です。大統領府青瓦台と、国土海洋部、企画財政部の関係者が明らかにしたところによりますと、政府は21日に、新都市2カ所を指定し、発表する計画だということです。李明博政権が発足してから、新都市を指定するのはこれが初めてです。

・韓国の出産率がやや増加し、世界最低レベルを免れました。アメリカの人口統計研究機関である「人口照会局」がこのほどまとめた今年の世界人口統計報告書によりますと、韓国の女性1 人が産む子どもの平均を表す出産率は、2005年は1.08人と史上最低でしたが、その後持ち直して、去年は1.26人に増え、現在は1.3人となっています。これによって2年連続で台湾とともに出産率で世界最低になっていた韓国は最低レベルからは脱することができました。しかし一人っ子政策をとっている中国の事実上の出産率が1.6人で、世界の平均出産率が2.6人であるのと比べると、韓国の出産率1.3人は、日本やドイツなどと共に世界最低出産国の6位以内に入っています。

・韓国の農村人口が25年間で3分の1に減ったことがわかりました。統計庁が、全国で農林漁業に携わっている世帯の人口を調査した結果、1980年はおよそ1000万人だった農村人口は、2005年には343万人と、およそ3分の1に減り、人口全体に占める割合も28.9%から7.3%に減少しました。この勢いでいきますと、農村人口は2020年には人口全体の4.7%にあたる234万人に減るものと統計庁ではみています。

・韓国のお酒の輸出が活気を帯びています。農水産物流通公社が20日、発表したところによりますと、韓国のお酒の今年上半期の輸出総額は1億799万ドルで、去年の同じ時期に比べて23.6%増えました。種類別では、「ビール」が2193万ドルで43.6%増えたほか、どぶろくの「マッカリ」は188万ドルで41.3%増えています。輸出先では、日本が6192万ドルで最も多く、次いで、香港、アメリカの順となっています。

・韓国のビールの消費量が過去40年間で45倍に増えました。国税庁が20日発表したところによりますと、ビールの年間出荷量は、1966年は4万3600キロリットルでしたが、去年2007年は198万2700キロリットルと、ほぼ40年間で45.5倍に増えています。

・市民団体の「エネルギー市民連帯」の呼びかけで、20日の夜9時から5分間、全国いっせいに電灯が消されることになりました。これはエネルギー市民連帯の呼びかけに韓国電力が応じたものです。第5回エネルギーの日にあたる20日は、一日で電力使用量が最も多い午後2時から3時までの1時間、国土海洋部など政府公共機関のエアコンを消すキャンペーンが繰り広げられます。またソウル市は、20日夜9時から5分間、朝鮮王朝時代の宮殿など市内の建物をライトアップしている明かりを消して、観光客や市民に省エネ意識を高めてもらうことにしています。

8月19日火曜日

・与野党は、牛肉の輸入相手国でBSE=牛海綿状脳症が発生した場合、発生した日から5年間、生後30カ月以上の牛肉の輸入を禁止するという内容の家畜伝染予防法の改正案と院の構成に合意しました。これで第18代国会は、任期が始まってから82日目にしてようやく常任委員会の割り振りなど院の構成に着手できることになりました。ハンナラ党と民主党、それに先進と創造の集いは、第18代国会の正常化に向けて最大のネックとなっていた家畜伝染予防法の改正案について交渉を続けた結果、▼牛肉の輸入相手国でBSE=牛海綿状脳症が発生した場合、発生した日から5年間、生後30カ月以上の牛肉の輸入を禁止するものの、与党の強い主張でアメリカ産牛肉の輸入衛生条件は例外とすること、▼30カ月以上の牛肉を輸入したり、牛肉輸入禁止国から輸入を再開する場合には国会の審議を受けることで合意しました。また▼日本や台湾など周辺国とアメリカが韓国より厳しい牛肉の輸入衛生条件を結んだ場合、アメリカと再交渉を行うよう国会が積極的な役割を果たすことで一致しました。こうしたことを受けて与野党は、院の構成手続きに着手し、現在19ある常任委員会を18に減らすとともに、常任委員長の割り振りを与党ハンナラ党が11、野党民主党が6、先進と創造の集いが1とし、26日の本会議で常任委員長の選出と家畜法改正案を可決することで一致しました。国会は、今年4月の総選挙で選ばれた新しい第18代国会議員による初めての臨時国会を、規定を40日も過ぎた先月10日に開会しましたが、アメリカ産牛肉の取り扱いに関する家畜伝染予防法の改正をめぐって与野党が対立し、第18代国会は院の構成すらできずにいました。

・北京オリンピック12日目の19日、韓国は体操男子種目別平行棒でユ・ウォンチョル選手(24)が、銀メダルを獲得しました。しかし2004年のアテネ大会で審判の誤りで金メダルを逃し、悲願の金メダルの獲得が期待されていたヤン・テヨン選手(28)は、好成績をあげることはできませんでした。ユ・ウォンチョル選手は、19日、北京の国家体育館で行われた平行棒決勝で16.250を取り、16.450の中国の李小鵬選手に次いで2位となりました。また2000年のシドニーオリンピックで銅メダルを獲得して以来、8年ぶりにメダル獲得を目指している野球は、キューバに7対4で勝ち6戦全勝でリーグトップとなり、20日のオランダ戦に関係なく、22日に、4位のチームと決勝進出をかけて戦います。韓国の野球が国際大会でキューバを破ったのは、1999年に行われた第14回大陸間カップ大会以来、9年ぶりです。また女子ハンドボールは、中国に31対23で圧勝し準決勝に進出しました。韓国は21日、ヨーロッパの強豪、ノルウェーと決勝進出をかけて戦います。韓国は大会12日目の19日までに、金メダル8、銀メダル10、銅メダル6で、メダル獲得ランキング7位を守っています。

・アメリカが早ければ今月25日に北韓をテロ支援国家の指定から解除するという観測がアメリカと日本で出ていると、アメリカの自由アジア放送(RFA)がワシントンの北韓専門家の話として19日に報じました。自由アジア放送は今月25日までにテロ支援国指定解除の手続きが行われないと、北韓がこれまでにアメリカと合意した内容を全て白紙に戻す可能性があるという専門家の話を伝えています。これに対し、アメリカ国務省のロバート・ウッド副報道官は、18日の記者会見で、「まったくの初耳だ。我々は依然として核計画の検証体制に対する北韓からの回答を待っている」と話しているということです。しかし、アメリカの外交専門家らは、北韓の核問題はもはやアメリカ議会や政府の関心の対象ではない上、アメリカの大統領選挙でも大きなテーマにはなっていないとして、北韓をテロ支援国家の指定から解除したとしても驚くことではないとの反応を示しているということです。

・政府と与党ハンナラ党は、インターネット・ポータルサイトが提供するニュースを言論とみなして責任を強化するため、新聞法など関連法を今の国会で改正する方針です。政府とハンナラ党が進めている関連法の改正案では、ポータルサイトを新聞法で規定する「インターネット新聞」に含め、ポータルサイトが提供するニュースの記事で被害を被った場合、言論仲裁委員会に仲裁の申請を行ったり、裁判所に訴えたりできるようにします。これは、ポータルサイトがニュースの選別や配置、タイトルの編集などによって事実上言論機関の機能を果たしているとして、それに見合った責任も負うべきだという判断からです。しかし、民主党など野党は「今回の改正案は政府に批判的な世論を統制するためのものだ」として強く反発しています。

・チリ産の輸入豚肉から基準値を超えるダイオキシンが再び検出され、輸入検疫が全面的に中断されました。農林水産食品部は18日、先月輸入したチリ産冷凍豚肉11トン(2件)から脂肪1グラム当たり6.2〜8.3ピコグラムのダイオキシンが検出されたと明らかにしました。これは国内で認められている残留基準の2ピコグラムを大きく上回る量です。チリ産豚肉の輸入検疫で基準値を超えるダイオキシンが検出されたのは、7月3日と10日に次いで3回目です。このため、農林水産食品部は、再発防止策が設けられるまでチリ産の豚肉に対する輸入検疫を中断することにしました。農水産物流通公社の統計によりますと、国内の輸入豚肉市場でチリ産はアメリカ産に次いで2番目のシェアを占めています。

・韓国国内でも日本や香港の株式をその日のうちに売買するデイ・トレードが来月からできるようになります。証券預託決済院は18日、国際決済の経験が豊かな韓国シティ銀行と外貨証券のデイトレード決済に向けた約定書を締結し、9月初めから国内の投資家を対象にサービスを提供すると明らかにしました。これまでは、日本や香港の株式は購入してから3日経たなければ売却できませんでしたが、このサービスにより当日売買が可能になります。

8月18日月曜日

・中国の胡錦涛国家主席が今月25日と26日に韓国を国賓として訪問し、25日に李明博大統領と首脳会談を行うと両国の政府が18日発表しました。李明博大統領と胡錦涛国家主席は、今回の会談で両国間の戦略的なパートナー関係を強化するために分野別の協力をさらに拡大することになり、そのために省エネ分野で協力する了解覚え書きや中国の砂漠化の防止に向けた了解覚え書き、先端技術で協力する了解覚え書きなどに署名する予定です。両国の首脳はまた相互訪問の機会を検討するとともに、国連や気候変動枠組み条約など国際舞台での協力についても意見を交わす予定です。これについて大統領府、青瓦台の李東官スポークスマンは「北京オリンピックが閉幕した翌日に胡錦涛国家主席が韓国訪問するのは、さらに緊密になった両国関係を象徴するものだ」と述べました。これで両首脳の会合は今年5月の李明博大統領の中国訪問以後3度目で、胡錦涛国家主席の韓国訪問は2度目となります。

・北京オリンピック11日目の18日、韓国は卓球の男子団体でオーストリアを破って銅メダルを獲得しました。卓球の男子団体の3位決定戦で、韓国は敗者復活戦で日本を破って上がってきたオーストリアに3対1で勝って、前日の女子団体に続いて銅メダルを獲得しました。野球では4戦全勝で勝ち進んだ韓国は、手ごわい相手の台湾に打撃戦の末、9対8で勝って5戦全勝となり、準決勝への進出を決めました。男子ハンドボールは18日、ロシアと対戦して敗れましたが、3勝2敗で勝ち点6を確保し、準々決勝への進出を決めました。女子ホッケーは、予選最後の試合で南アフリカ共和国を5対2で破って、初白星を飾りました。韓国は大会11日目の18日を終わって、金メダル8つ、銀メダル9つ、銅メダル6つを獲得し、総合成績は6位となりました。

・韓半島の安全保障と韓米連合の防御体制を確認するためのコンピューターによる韓国軍とアメリカ軍の合同軍事演習が18日から4日間の日程で始まりました。韓米合同軍事演習は1975年からアメリカ軍主導で行われてきましたが、韓半島有事の際の作戦指揮権が2012年に韓国軍に返還されるのに備えて、今年から韓国軍が主導して「ウルチ・フリーダムガーディアン」という名称で始まりました。今回の合同演習には韓国軍5万6000人と韓国駐留アメリカ軍1万人あまりが参加して、コンピューターのシミュレーションを利用して危機管理に備えた演習を行い、中央政府と地方自治体なども韓米合同演習と連携した総合演習を実施します。この演習と関連して韓米連合指令部は先月10日、国連司令部の軍事停戦委員会を通じて北韓に演習日程を伝えました。これについて合同参謀本部の関係者は「今回の演習は外部の侵略から韓国を防御する作戦能力を高めるための定例的な演習だ。韓国軍が初めて主導することになったが、演習の規模は例年と変らない」と述べました。

・李明博大統領は18日、韓国軍とアメリカ軍の合同軍事演習「ウルチ・フリーダムガーディアン」に合わせて大統領府、青瓦台で行われた閣議で北韓が韓国社会を理念的に分裂させて、国力の結集を妨害する試みは続くと予想されるので、その対応策を講じる必要があると述べました。

・李明博大統領は世界的なポータルサイトの「ヤフー」と会見し、今の経済不況について、「来年末には経済が回復するチャンスがくると思われるので、国民には1年ほど辛抱してもらいたい」と述べました。そして李明博大統領は南北関係について「北韓に対するすべての政策は柔軟で融通がきくように進めていきたい。今の南北関係はやや硬直しているが、北韓には誠意を持って当たっているので南北関係は近く回復すると期待している。また韓国と北韓は体制が大きく違うため統一にはかなりの時間がかかると思うが、ドイツのようにいきなり実現するかも分からないので、いつも準備しておかなければならない」と強調しました。さらにアメリカとのFTA=自由貿易協定の批准については、「ブッシュ政権は連邦議会での批准に向けて最善を尽くすと思う。またアメリカの民主党と共和党の大統領候補も、選挙が終われば韓米FTAの議会での批准を積極的に進めると思う」と期待を示し、アメリカ産牛肉の輸入をめぐる韓国での激しい抗議行動については「国政を運営するうえで多くのことを考えさせられた。今後の参考になると思う」と述べました。

・北韓は先週14日、金剛山観光事業を手がけている現代峨山に対して、今月20日までに金剛山観光地区内のスタッフを200人未満に減らすよう要求してきたと統一部が18日明らかにしました。これは先月、金剛山で50代の韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件について、真相の解明を求める韓国に北韓が反発したもので、統一部のキム・ホニョンスポークスマンは18日「現代峨山は金剛山にスタッフ199人を残留させ、残りは20日までに引きあげる予定だ」と述べました。金剛山には18日午前8時現在、現代峨山の職員25人を含め韓国人114人と外国人422人の合わせて536人が滞在しており、現代峨山は20日までに337人を撤収させ、施設管理に必要な199人だけを残留させる計画です。北韓が金剛山に滞在するスタッフの人数まで明記して縮小を要求したのはこれが初めてです。

・今年春に全国的に発生した高病原性鳥インフルエンザはその後の3カ月間、再発せず、韓国は再び鳥インフルエンザの心配のない「清浄国」の地位を回復しました。農林水産食品部は、国際獣疫事務局(OIE)の規約に従って今月15日で再び鳥インフルエンザの心配のない国の条件を満たしたと17日発表しました。国際獣疫事務局の規約によりますと、鳥インフルエンザが発生した後、防疫措置をとってから3カ月以上再発せず、その兆候が見えなければ、清浄国の地位を回復することができます。韓国の場合、最後に発生した慶尚北道キョンサンと慶尚南道ヤンサンでの防疫作業が終了した5月15日から3カ月が経ち、その後の精密検査の結果も陰性と出ています。このため、農林水産食品部は国際獣疫事務局に清浄国になったことを通報しており、韓国産の鶏肉の輸入を禁止した日本などに輸入再開を要請することにしています。

・韓国にも輸出しているアメリカネブラスカ州の牛肉作業場で生産された牛肉がO-157に感染したことが確認されリコールの措置を受けたことから、防疫当局はネブラスカ州の牛肉作業場から韓国に輸入される牛肉を全量検査することを決めました。O−157の感染が確認されたのは、韓国に牛肉を輸出している作業場のひとつで、アメリカのネブラスカ州にあるネブラスカビーフ社で生産された牛肉製品です。このうちリコールの措置を受けた牛肉製品は、今年6月17日と24日、先月8日に生産されたもので、ネブラスカビーフ社は今年6月と7月にもリコールの措置を受けていました。このため国立獣医科学検疫院はネブラスカビーフ社から輸入される牛肉製品の全量に対してO−0157など大腸菌検査を実施する方針を18日明らかにしました。国立獣医科学検疫院は「アメリカで汚染の原因がはっきり解明されていないので、アメリカ側が十分な対策を講じるまで、ネブラスカビーフ社の牛肉製品は全量検査し、大腸菌が検出されたものはすべて送り返す」としています。

・最近の原油高でヨーロッパ路線などを減便している航空業界が韓国と日本との路線は相次いで増便しています。関連業界によりますと、日本航空は今年10月から成田−ソウル路線をこれまでより5往復増便して週26往復に、大阪-ソウル路線は7往復増便して週21往復にします。また赤字営業のためアメリカやヨーロッパ路線の減便を発表した大韓航空は、来月からソウル−福岡路線を3往復増やして週7往復に、10月からは釜山−福岡路線を2倍に増やして週14往復にすることになりました。これに先立って全日本空輸ANAと戦略的提携を結んだアシアナ航空は今年6月から日本の国内線で共同運航を拡大しています。また先月北九州−仁川路線でチャーター機を就航させた済州航空は、今月、清州−札幌路線でチャーター機10便を運航しており、年末までに日本各地を結ぶチャーター機を運航した後、収益性を検討して定期便を開設する予定です。業界関係者は「日本路線は供給が足りないうえに、最近、中国路線で割安航空会社の競争が厳しくなったため、航空会社が韓国と日本を結ぶ路線で増便している」と説明しています。

8月16日土曜日

・北京オリンピック9日目の16日、韓国はウエイトリフティング女子の75キロを超えるクラスでチャン・ミラン選手が金メダルを追加して、総合順位4位を守っています。チャン・ミラン選手は16日、北京航空宇宙大学体育館で行われた女子75キロ級を超えるクラスに出場し、まず、スナッチで、これまでの世界記録より1キロ重い140キロを持ち上げて世界新記録を達成し、続いてジャークでも記録を2回塗り替えて最高186キロを持ち上げ、合計326キロの世界新記録で金メダルを獲得しました。チャン・ミラン選手は、2004年アテネオリンピックでは惜しくも銀メダルにとどまりました。その後、2005年から世界選手権3連覇を果たしていましたが、世界新記録は樹立できず、今回の北京オリンピックでは金メダル獲得とともに世界新記録への挑戦が期待されていました。韓国は、ウエイトリフティングで先に男子77キロ級のサ・ジェヒョク選手が、金メダルを獲得しており、今回チャン・ミラン選手が2個目の金メダルをもたらしました。またバドミントンでは、ミックスダブルスの準決勝で、韓国のイ・ヨンデ/イ・ヒョジョン組が世界ランキング3位で韓国より7ランクも上のインドネシアのフランディ・リンペレ/ビタ・マリッサ組を2対1で破り、決勝進出を果たしました。これに先立って行われたバドミントンの男子ダブルス3位決定戦では、韓国のイ・ジェジン/ファン・ジマン組は、デンマークのラース・ポースケ / ヨナス・ラスムセン組に2対1で逆転勝ちし、銅メダルを獲得しました。一方、野球は、16日夜、1次リーグの4試合目で、宿命のライバル同士の韓国日本戦が行われ、韓国は6回裏、日本に2点を先制されていたものの、7回表、同点に追いつき、その後さらに3点を追加して結局、5対3で勝ちました。野球の1次リーグは8チーム総当たりで行われ、上位4チームが準決勝に進むことになりますが、これで韓国は3連勝を飾り、17日中国戦と、18日台湾戦、19日キューバ戦、20日オランダ戦を控えているものの準決勝進出に一歩近づくことになりました。そして卓球女子団体は、16日3位決定トーナメント2回戦が行われ、韓国はアメリカに3対0で勝って銅メダル獲得まであと1勝としました。韓国は17日、銅メダルをかけて日本と3位決定戦に臨みます。さらにハンドボール男子予選リーグは、16日、韓国がアフリカの強豪エジプトを下して3連勝を果たし、準々決勝に進出しました。これで韓国は大会9日目の16日を終わって、金メダル7つ、銀メダル9つ、銅メダル4つを獲得し、総合成績4位を守っています。17日は、バドミントンミックスダブルス、卓球の女子団体で、メダル獲得が期待されています。

・韓国とアメリカは、北韓が申告した核開発計画の検証は、国際的な基準によって行われるべきで、例外は認めないことを改めて確認しました。北韓の核問題をめぐっては、申告内容の検証手順に依然として合意がみられていないことから、アメリカは北韓のテロ支援国指定の解除を先送りしています。このような状況を受けて、韓国の6か国協議の代表を務める外交通商部の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長は、15日、ニューヨークでアメリカ代表のヒル国務次官補と話し合いました。この会談の後、ヒル国務次官補は、「核開発計画の申告の検証方法は、国際的な基準によって行われるべきで、北韓に例外は認めない。したがって北韓は今後、多くの時間を必要としており、われわれはそれを待つ必要がある」と述べ、 申告内容の検証手順をめぐるこう着状態が当分続く見通しであることを示唆しました。一方、金塾本部長は、19日、東京を訪問して、6カ国協議の日本側代表の斎木アジア大洋州局長と会談する予定で、会談では、さきに瀋陽で行われた日本と北韓との実務者協議の内容についても説明を受けることにしています。

・韓国の日本に対する貿易収支の赤字が、今年は7月末までで合計200億ドルを超え、過去最大だった去年を上回る規模となる見通しです。知識経済部が16日にまとめたところによりますと、今年1月から先月7月末までの日本との間の貿易赤字は201億3,600万ドルに達しました。これは去年の同じ期間に比べて29億5000万ドルあまり増えています。韓国から日本への輸出は172億9,100万ドルでしたが、日本からの輸入は374億2,700万ドルもあり、輸出は輸入の半分にも満たない46.2%に過ぎませんでした。このうちサービス収支の赤字は、日本に旅行する人が増えている影響で、28億2000万ドルと、去年の同じ期間より53.1%も増えています。また日本製の生活用品など消費財の輸入も急増しています。このような流れからいきますと、今年1年間の対日赤字は過去最大だった去年の299億ドルを上回って、300億ドルを超えるのではないかという見方が出ています。

・妊娠後期にだけ胎児の性別を診断して妊婦に知らせることを認める医療法の改正案が16日、国会に提案されました。韓国では、男の子を好んで出産する風潮が拡がって、胎児が女の子と分かった場合は出産を避ける傾向があり、男女の比率が偏ってしまうなどの弊害が起きたため、出産する前に胎児の性別を診断して妊婦に知らせることを禁じる条項が医療法につけられました。しかし、このような条項について憲法裁判所は、国民の知る権利と医師の医療活動の自由を制限しているとして、憲法違反だとするという判断をこのほど下しました。これを受けて、ハンナラ党のイ・チュヨン議員ら与野党議員14人は、16日、今の医療法を改正して、妊娠して28週過ぎた妊婦に対して、医師が診察や検査を通じて、胎児の性別を知らせることができるようにする改正案を国会に提出しました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に抗議する市民の「キャンドル集会」は、韓国が日本の植民地支配から解放されたことを記念する国民の祝日、「光復節」の15日も、ソウル中心部で100回目となる集会が開かれ、157人が警察に連行されました。集会は警察の推定で4000人が参加し、アメリカ産牛肉の輸入反対や政府によるマスコミ弾圧の阻止、李明博政権の退陣などを呼びかけました。これに対して、警察は色がついた水を放水する一方、機動隊に加えて、初めて私服警官も投入して強制的に鎮圧し、未成年者7人を含む157人を連行し、未成年者とけが人を除いた147人を17の警察署に分散留置して取り調べています。

8月15日金曜日

・きょう8月15日は韓国が日本の植民地支配から解放されたことを記念する国民の祝日、「光復節」で、韓国に政府が樹立されて60周年になります。政府主催の記念式がソウルの王宮、慶福宮で行われ、李明博大統領をはじめ政府関係者や国民などおよそ4万人が出席しました。伝統衣装のハンボク姿で出席した李明博大統領はこの席で「韓国は解放後の63年間、数々の試練と紆余曲折があったが、たゆまなく前進してきた」と述べて、政府が樹立されてからの60年間を成功の歴史、発展の歴史、奇跡の歴史だと評価しました。李明博大統領はその根拠として経済の発展と人権・民主主義の定着、ソウル・オリンピックの成功、韓国人の国連事務総長の誕生などをあげました。李明博大統領はさらに「われわれが近代の歴史で国を失ったのは自ら守る力がなかったためで、自ら強い国を作り上げてこそ、韓国の領土を不当に自分のものだと主張する外国もなくなる。日本も歴史を直視して不幸な過去を現在にぶり返すような愚を繰り返してはならない」と述べて、日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本でいう竹島)の領有権を明記したことに対して警告しました。また大統領直属機関の「国家ブランド委員会」を新たに設けるとともに、ODA=政府開発援助を増額し、国連の平和維持軍活動にも積極的に参加すると述べました。さらに李明博大統領は北韓との関係については「金剛山で韓国人観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡する事件が起きたのは非常に遺憾だが、北韓が再び対話と経済協力の場に出てくることを期待する。また6カ国協議などでの進展に見合った北韓との経済協力計画を進めて、韓半島の経済共同体を実現していきたい」と述べました。

・大韓民国の政府が樹立されてから60年間にGDP=国内総生産は746倍、1人あたりの国民所得は300倍に増えたことが分かりました。統計庁のまとめによりますと、政府の樹立後に初めてGDPの統計を取り始めた1953年の韓国のGDPは13億ドルで、その後は毎年平均6.8%ずつ成長して去年は9699億ドルと、746倍に増えました。また同じ期間中の国民1人あたりの国民所得は67ドルから2万45ドルと299倍になりました。貿易の規模は1948年のわずか2億3000万ドルから去年は7238億ドルと、3167倍にふくらみました。

・韓国人の多くは政府樹立後60年間の代表的な業績として経済発展を、業績の多い大統領として故朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領をあげました。KBSが政府樹立60周年を記念して今月12日に全国の19歳以上の成人男女1000人に電話で世論調査を行ったところによりますと、政府樹立後60年間の代表的な業績として「経済発展」を挙げた人が49%で最も多く、次いで「民主化運動」8%、「韓国人の国連事務総長の誕生」7%の順でした。また最も多くの業績を残した大統領を聞いたところ、「故朴正熙大統領」が73%と圧倒的に多く、次いで「金大中元大統領」12%、「盧武鉉前大統領」4%となりました。60年間の歴史でもっとも影響力が大きかった事件としては「韓国戦争の勃発」が50%で半数を占め、次いで「1990年代後半の通貨危機」11%、「光州民主化運動」10%、「1988年のソウル・オリンピック」7%でした。李明博大統領の国政運営について「よくやっていると思う」は31%で、「よくやっていると思わない」が59%となりました。

・アメリカ産牛肉の取り扱いに関する家畜伝染予防法の改正をめぐって与野党の合意ができず、そのため第18代国会の正常化に向けた院の構成をめぐる与野党の交渉もまとまりませんでした。与野党は今週中に常任委員長の配分など、院の構成を終えて、国会本会議で国会法の改正案を成立させることで合意していました。しかし与野党の院内代表団は、家畜伝染病予防法の改正をめぐって、BSE=牛海綿状脳症が発生した国からはBSEが発生してから5年間に渡って、生後30カ月以上の牛肉の輸入を禁止するよう求める民主党と、法律の改正は受け入れるものの、告示された輸入衛生条件は従来の規定に従うという附則を盛り込むよう主張するハンナラ党との間で意見の歩み寄りがみられず、交渉は決裂しました。ハンナラ党は民主党を除いてでも週明けに本会議を開いて国会法の改正案を成立させるとしていますが、与野党の対立はさらに続く見通しです。

・済州島から南西150キロにある島、イオ島について中国が自国の領土だと主張しており、胡錦涛国家主席が今月末に韓国を訪問するのを前に韓中両国の外交問題となる可能性が出てきました。イオ島は済州島の南西150キロの海にある暗礁の島で、1984年に韓国によってその存在が確認されて、海洋水産部は2003年にイオ島に海底の地形や潮流を観測するための科学基地を完成させています。中国海洋局の公式資料を掲載したウェブサイトは、去年暮れにイオ島を中国の領土だと主張する文章を掲載しましたが、今月13日にソウルで行われた韓中外相会談を前に、この文章は削除されていました。しかし14日には削除された文章が再び掲載されたうえに、「イオ島は韓中両国の経済水域内にある」とした2006年の両国による合意文は削除されました。これについて韓国政府は中国政府に是正を強く求めることにしており、イオ島をめぐる論議は今月末の胡錦涛国家主席の韓国訪問を前に、韓中間の外交問題になる可能性も出てきました。

・北京オリンピック8日目の15日、韓国はバドミントン女子ダブルスとアーチェリー男子個人で銀メダルを追加しました。このうちバドミントン女子ダブルスで決勝に進出した韓国のイ・ヒョジョン/イ・ギョンウォン組は、中国の于洋/杜セイ組と対戦しましたが、イ・ギョンウォン選手が左足首のけがで本調子を発揮できず、セットスコア0対2で敗れ、銀メダルを手にしました。これに先立って行われたアーチェリー男子個人でも、韓国は銀メダルを獲得しました。世界ランキング3位のパク・ギョンモ選手は、決勝でウクライナのビクトール・ルーバン選手と対戦し、5回連続で10点を射るなど安定したプレーを続けましたが、結局112対113のわずか1点差で敗れ、銀メダルを手にしました。パク・ギョンモ選手はこの試合を最後に引退すると発表しました。これで韓国はアーチェリーの団体戦では男女ともに金メダルを獲得しましたが、個人戦ではいずれも決勝で1点差で敗れました。これで韓国は大会8日目の15日までに、金メダル6つ、銀メダル9つ、銅メダル3つを獲得し、総合成績で4位となりました。16日はウエイトリフティング女子の75キロを超えるクラスでチャン・ミラン選手が金メダルとともに世界新記録の更新を目指し、また野球では日本と対戦します。

・北京オリンピックの射撃男子50mピストルで銀メダルと銅メダルをとった北韓の選手がドーピングテストで陽性反応が出て、メダルをはく奪されました。IOC=国際オリンピック委員会が15日発表したところによりますと、先週9日に行われた射撃の男子エアピストルで銅メダル、12日に行われた男子50mピストルで銀メダルを獲得した北韓のキム・ジョンス選手は、ドーピング検査で陽性反応が出たため、メダルをはく奪されました。キム・ジョンス選手のサンプルから検出されたのは心臓の負担を減らして血圧を下げ、興奮や緊張を和らげるベタブロッカー(beta-blocker)で、オリンピックでは使用が禁止されている薬物です。今大会でメダルがはく奪されたのはこれが初めてのことです。

8月14日木曜日

・独島(日本でいう竹島)の領有権問題を専門的に取り扱う「独島研究所」が14日、ソウルに開設されました。 独島研究所は、政府の教育科学技術部傘下の東北アジア歴史財団がソウル市西大門区に設けたもので、国内の独島関連の研究機関を総括し、教育科学技術部や外交通商部、国土海洋部など関連機関と連携して、独島の領有権問題に対応する戦略を提示していくことになります。所長には、国際法の専門家でインハ大学のキム・ヒョンス教授(51)が任命されました。キム・ヒョンス所長は、「これまでは日本が独島の領有権を主張していることに対する戦略的な対応が足りなかったので、研究所の開設で、対応の方法を改めて検討し、体系的で長期的な戦略を策定していきたい」と抱負を語りました。

・一方、李明博大統領は、「独島を含めた領土主権に関して、大統領として冷静かつ断固とした姿勢で対処していきたい」と述べました。李明博大統領は、14日、独島研究所の開所式に出席した国内外の関係者20人を大統領府=青瓦台に招いた席で、「独島は歴史的にも国際法に基づいても明確に韓国の領土で、領土を守ることは憲法が大統領に与えた責務である」として、このように述べました。李明博大統領は、また、「独島問題は戦略的で長期的な観点で緻密に対応する必要があり、国際社会に対して積極的にアピールすることも重要だ。そのような役割を独島研究所が担ってほしい」と呼びかけました。

・北京オリンピック7日目の14日、韓国はアーチェリーの女子個人で、パク・ソンヒョン選手(25)が銀メダルを、ユン・オキ選手(23)が銅メダルを、そして柔道女子78キロ級でチョン・ギョンミ選手(23)が銅メダルを追加し、総合順位3位をまもっています。アーチェリーの女子個人は14日午後、北京市北部のオリンピック公園アーチェリー場で行われ、韓国勢3人はいずれも準々決勝まで進んだものの、チュ・ヒョンジョン選手が中国の張娟娟選手に5点差で敗れ、準決勝進出になりませんでした。準決勝進出を果たしたユン・オキ選手もやはり中国の張娟娟選手に115対109で破れましたが、3位決定戦で北韓のクォン・ウンシル選手に109対106で勝ち、銅メダルを獲得しました。そして決勝戦では、前回アテネ・オリンピックの金メダリスト韓国のパク・ソンヒョン選手が中国の張娟娟選手と対戦し、109対110の1点差で惜しくも破れましたが、銀メダルを獲得しました。これで韓国の女子アーチェリーは、団体で6大会連続優勝を達成したものの、個人では期待された7連覇はなりませんでした。また柔道女子78キロ級で、去年世界選手権3位のチョン・ギョンミ選手は、3位決定戦で一本勝ちし、銅メダルを獲得しました。韓国が柔道女子でメダルを獲得したのは、2000年のシドニーオリンピック以来8年ぶりです。一方、卓球の男子団体予選リーグ、C組の韓国は台湾に3対1で逆転勝ちし、準決勝に進出しました。卓球の女子団体予選リーグ、D組の韓国はオーストラリアを3対0で下し、2連勝を果たしました。ハンドボール男子予選リーグB組の韓国は3回戦で、アイスランドを22対21で下しました。韓国はこれで2勝1敗となり、アイスランドとドイツとともに勝ち点4となりましたが、得失差で3位になっています。韓国は16日にエジプトと、18日にロシアと対戦します。初戦で強豪アメリカに逆転サヨナラ勝ちした野球の代表チームは、14日、中国と対戦しましたが、雨で試合が2度も中止し、結局改めて試合日程を組んで戦うことになりました。ところで、メダルが期待されていたレスリング男子と体操男子の個人、それに柔道男子いずれもメダル獲得はなりませんでした。これで韓国は大会7日目の14日までに、金メダル6つ、銀メダル7つ、銅メダル3つを獲得し、総合成績で3位を守っています。韓国は15日は、アーチェリーの男子個人と、フェンシングの男子エペ団体などでなどでメダル獲得を目指します。

・12日午前、韓国の砂利運搬船と、北韓の漁船が東海の北韓側海域で衝突した事故で、北韓当局は13日、韓国側に電話通知文を送り、今回の事故は韓国船の不注意が原因だが、偶発的に起きたことを考慮し、砂利運搬船と乗組員全員を韓国に送り返すことを明らかにしました。北韓が13日、韓国側に送ってきた電話通知文によりますと、「今回の事故は、韓国の砂利運搬船の船長が乗組員全員が寝ている間に一人で操船していたところ、北韓の漁船を見落して衝突したもので、この事故で、北韓の漁民2人が死亡、漁船も沈没したが、夜中に発生した偶発的な事故だったことを考慮し、韓国の砂利運搬船と乗組員全員を送り返す同胞愛の措置をとった」としています。この結果、韓国の砂利運搬船は13日午後、北韓のチャンジョン港を出発し、14日午後、韓国に帰ってくる予定です。これを受けて、統一部は14日記者会見し、「現在、南北関係が硬直している中、北韓の手早い措置がとられたことを前向きに評価する」としています。

・北韓の核開発問題をめぐる6カ国協議の韓国とアメリカの首席代表が15日、ニューヨークで、アメリカが先送りした北韓のテロ支援国指定を解除する問題や核開発計画の検証などについて協議します。これは6カ国協議の韓国首席代表をつとめる金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長が14日、記者会見して明らかにしたもので、金塾本部長は15日にニューヨークで、アメリカ代表のヒル国務次官補と会談した後、19日には東京入りし、日本代表の斉木アジア大洋州局長と会談する予定だということです。

・韓国の金浦空港と、日本の羽田空港を結ぶ航空路線がさ来年2010年から大幅に増便されることになりました。国土海洋部が15日発表したところによりますと、去年の7月、韓国と日本は航空自由化で合意したものの滑走路が不足しているため、増便はできずにいましたが、羽田空港の拡張工事が終わる2010年10月からは、金浦空港と羽田空港を結ぶ国際航空便が、現在の週28往復から、週42往復に大きく増えることになりました。韓国と日本の航空会社合わせて4社による金浦−羽田路線は、2003年11月末に 開設されたあと、利用客は年平均で36.7%伸びて、搭乗率は80%に達し、大幅な増便が求められていました。

・原油高の影響で、ガソリンより燃料代が安いLPガス自動車の販売が急増しています。国土海洋部に登録された燃料別の自動車の現状をみますと、今年7月末現在、LPガス自動車の登録台数は228万9061台で、去年12月末に比べて、およそ10万2000台あまり増えています。これは登録された車全体のおよそ13.3%を占めており、10年前の4.7%に比べて3倍以上に増えています。LPガス自動車は、今年5月にガソリンと軽油の価格が急騰したことを受けて人気が出始め、来年はLPガスのハイブリッド車やLPガス軽自動車の販売も予定されていることからLPガス自動車の販売はさらに増え続けるものとみられます。

・働き口がみつからず、経済活動をしていない人のうち、大学卒業者と20代の若者が占める割合が急増していることがわかりました。統計庁によりますと、専門大学、日本でいう短大や大学卒業以上の人のうち、経済活動をしていない非経済活動人口は、先月は、去年の同じ月より8.1%増えて、257万6000人あまりでした。これは非経済活動人口全体の伸び率の2%を4倍以上上回っています。また20代の非経済活動人口も去年の同じ月より2.8%増え、やはり非経済活動人口全体の平均伸び率を上回りました。一方、先月7月の新規就労者は15万3000人にとどまり、5カ月連続で政府が目標としていた20万人を下回ったことがわかりました。

8月13日水曜日

・北京オリンピック6日目の13日、韓国はウエイトリフティング男子77キロ級のサ・ジェヒョク選手(23)が、金メダル1個を追加し、総合成績3位を維持しています。サ・ジェヒョク選手は、13日、北京航空宇宙大学体育館で行われた男子77キロ級で、スナッチが163キロ、ジャークが203キロを持ち上げて合計366キロで金メダルを獲得しました。韓国がウエイトリフティングで金メダルを獲得したのは、1992年のバルセロナ大会以来16年ぶりです。また当初はメダルに届くとは見られていなかったバドミントン女子ダブルスのイ・ヒョジョン/イ・ギョンウォン組が決勝に進んで、銀メダル以上を確保するなど13日も韓国選手団の活躍が目立ちました。イ・ヒョジョン/イ・ギョンウォン組は13日、北京工業大学体育館で行われたバドミントン女子ダブルス準決勝で、日本の末綱聡子/前田美順組を2対0で破って堂々と決勝に進み、15日に中国の于洋/杜セイ組と金メダルを掛けて戦います。バドミントンの女子ダブルスがオリンピックで決勝に進出したのは1996年のアトランタ大会以来12年ぶりです。一方、1敗1引き分けで勝ち点1のサッカー男子は、勝ち点なしのホンジュラスと、D組1次リーグ最後の試合を1対0で勝ち、勝ち点を4としました。しかし、同じD組のイタリアとカメルーンが0対0で引き分け、イタリアが勝ち点を7、カメルーンが5としたため上位2チームが進むベスト8への進出はなりませんでした。また野球の代表チームは、1次リーグ初戦を2000年のシドニーオリンピックで優勝したアメリカに8対7で逆転勝ちし白星スタートを切りました。オリンピックの野球は、8チームがリーグ戦を行って、1次リーグの上位4チームが準決勝に進出します。これで韓国は大会6日目の13日までに、金メダル6つ、銀メダル6つ、銅メダル1つを獲得し、総合成績で3位を守っています。韓国は14日は、アーチェリーの女子個人と、体操男子個人総合などでメダル獲得を目指します。

・北京オリンピックフェンシングの女子フルーレ個人で銀メダルを獲得した韓国のナム・ヒョンヒ選手(27)が、世界ランキングで2段階上がって2位になりました。国際フェンシング連盟は13日、オリンピックの成績を合わせた最新の世界ランキングを発表しました。それによりますと、1位は、北京オリンピック金メダリストのイタリアのマリア・ヴァレンティーナ・ヴェッザリ選手で、ナム・ヒョンヒ選手は2位になりました。ナム・ヒョンヒ選手は去年、 女子フルーレ個人で韓国の選手として初めて世界ランキングトップの座を獲得しましたが、今年行われた各種の国際大会の成績が振るわず4位まで下がっていました。一方、フェンシングの男子エペ個人で準々決勝まで進んだチョン・チンソン選手(24)も世界ランキング2位となり、韓国のエペでは過去最高の順位を記録しました。

・政府は、韓国土地信託や韓国建設管理公社など政府出資の公営企業を民営化する計画を11日、発表しましたが、公営企業を民営化する場合に、一人当たりの株の所有限度を設定するとともに、一般国民や公営企業の労働者も民営化に参加できることになりました。政府は、13日、公営企業の民営化説明会を開き、浦項製鉄や韓国たばこ人参公社を民営化した場合と同様に、一人当たりの株の所有限度を設定する計画を明らかにしました。 また売却委員会を設けて手続きを透明に公開するとともに、一般国民や公営企業で働く労働者も民営化に参加できるようにする計画です。一人当たりの株の所有限度は外国人投資家にも同じように適用されます。

・中国の楊潔チ外相が、柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官の招きで13日から2日間の日程で韓国を公式訪問しています。楊潔チ外相は13日午前、仁川空港からソウル入りし、午後は李明博大統領を表敬訪問した後、柳明桓長官と会談する予定です。会談で両外相は、両国の戦略的協力パートナー関係をさらに発展させる方法や北韓の核問題を平和的に解決することなどについて幅広く意見を交わす予定です。

・生産者が品物やサービスを卸売りする際の物価を指数化した生産者物価が大幅に上昇し、今年4月から6月までの第2四半期の上昇率は、OECD=経済協力開発機構加盟国の中で最も高い水準であることがわかりました。OECDがこのほどまとめた資料によりますと、韓国の生産者物価は、去年の同じ時期より12.6%も上昇し、加盟30カ国のうち統計がまとまった26カ国の中ではトルコに次いで2番目に高くなっています。生産者物価が大幅に上昇したのは、原油を含む原材料の国際価格が上昇しているためで、今後、消費者物価がさらに上昇する可能性が大きくなっています。

・日本から輸入した消費財の増加率が6年ぶりに最も高くなりました。韓国貿易協会が13日まとめたところによりますと、今年上半期の日本製消費財の輸入高は20億3000万ドルで、去年の同じ時期より16.1%増え増加率は2002年以来6年ぶりに最も高くなりました。

・最大野党民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表は、8月15日の独立63年と、政府樹立60年を記念して政府が経済人を中心とした大規模な特別赦免を行うことについて、極めて間違った赦免だとして強く批判し、大統領の赦免権を制限していく方針を明らかにしました。丁世均代表は13日、党本部で行われた拡大役員会議で、「今回の特別赦免には、白いご飯に石が混じったといえるほどの不適切な人物が含まれている」としてこのように述べました。そのうえで丁世均代表は、「赦免は必要な人にやり直しのチャンスを与えるために憲法が大統領に与えた権限であるにも関わらず、むやみやたらと乱用されることがあり、今回がその代表的な例だ」と強調しました。

・グルジアからの分離独立を求める南オセチヤ自治州の州都ツヒンバリにグルジア軍が進攻し、この自治州で平和維持活動を行っているロシア軍との戦闘でおよそ2000人が死亡したとする説が流れている中で、グルジアに滞在している韓国人は、全員安全であることが確認されました。ウクライナ駐在の韓国大使館は13日、グルジアの首都トビリシと、国境付近に住む韓国人企業家やボランティアの合わせて11人の安全を確認したと発表しました。またロシア寄りのアブハジア自治共和国で平和維持軍の活動をしている韓国軍兵士7人にも異常はないとしています。

8月12日火曜日

・北京オリンピック射撃の男子50メートルピストル決勝で、韓国のチン・ジョンオ選手(28)が金メダルを獲得しました。チン・ジョンオ選手は12日北京射撃場で行われた男子50メートルピストル決勝で合計660.4点を記録して、660.2点の北韓のキム・ジョンス選手を抑え金メダルを獲得しました。チン・ジョンオ選手は、9日の男子エアピストル決勝で銀メダルを獲得しており、これで2つ目のメダル獲得となりました。

・北京オリンピック競泳の男子200メートル自由形決勝で、マリンボーイと呼ばれているパク・テファン選手(19)が、1分44秒85のアジア新記録をマークして銀メダルを獲得しました。パク・テファン選手は、12日北京の国家水泳センターで行われた男子200メートル自由形決勝に臨み、前日の準決勝で出した1分45秒99のアジア新記録をさらに1秒14短縮する1分44秒85の好成績を出しましたが、惜しくも金メダルには届きませんでした。これで、パク・テファン選手は、10日に行われた400メートル自由形の金メダルに続き2つ目のメダルを獲得しました。1位は1分42秒96の世界新記録を出したアメリカのマイケル・フェルプス選手でした。パク・テファン選手は、2006年のドーハ・アジア大会をはじめ、2007年にスウェーデンで行われたワールドカップ水泳や北京オリンピックの前哨戦といえる世界競泳2007のシドニー大会、ストックホルム大会、ベルリン大会でもそれぞれ、200メートル、400メートル、1500メートルで優勝し、3冠王を達成しています。パク・テファン選手は、この後15日に行われる男子1500メートル自由形予選にも出場し3つ目のメダルに挑戦します。

・韓国の砂利運搬船と、北韓の漁船が東海の北韓側海域で衝突する事故があり、北韓の漁船員2人が行方不明になっています。12日午前2時半頃、北韓側海域のチャンジョン港から東北5マイルの海域で、北韓から砂利を積んで韓国に戻る途中だった韓国の砂利運搬船「トンイ1号」658トンが、北韓の小型漁船と衝突しました。この事故で北韓の漁船が沈没し、乗っていた4人のうち2人が行方不明になりました。統一部によりますと、韓国の砂利運搬船は事故直後、北韓の漁船員2人を救助した後、チャンジョン港に戻り、現在、北韓当局から調査を受けているということです。事故が北韓側海域で発生したため韓国海軍の艦艇3隻と、海洋警察庁の警備艇2隻が万一の場合に備えて海の軍事境界線であるNLL=北方限界線の南の海上で待機しています。統一部のキム・ホニョンスポークスマンによりますと、2004年に締結した南北海運合意書は、海上で衝突事故があった場合、南北は互いに即刻通告することを義務付けていますが、北韓からの連絡はまだないということです。北韓からの砂利の搬入は、南北交易で最も大きな規模を占めており、ほとんどが西海から韓国側に搬入されますが、去年11月からは東海でも搬入が行われています。

・政府の公共企業先進化推進委員会は11日、41の公共企業に対して統廃合や民営化などを進める公共企業改革案を発表しました。それによりますと、機能が重複するとして統廃合の必要性が指摘されていた韓国住宅公社と韓国土地公社を統合して民間と競争させる方向で機能を調整し、具体的な内容は公開討論会を行って決めることにしました。また、韓国土地信託や韓国資産信託、韓国文化振興が運営しているゴルフ場、慶尚北道観光開発公社、韓国建設管理公社の5つの公共企業は民営化することが確定し、韓国産業銀行や企業銀行、大宇造船海洋、双龍建設など公的資金が投入されている14の企業も民営化や売却が決まりました。一方、韓国観光公社や韓国石油公社など12の公共企業に対しては、機能を調整することになり、観光公社は免税店やゴルフ場など中心ではない事業を売却し、石油公社も備蓄事業管理や支援組織など中心ではない組織の人員削減を行います。政府は、さらに319の公共企業に対しても年内に経営の効率化に向けた改革案をまとめる方針ですが、専門家からは、政府が打ち出した改革案は対象となる企業数など当初の期待に大きく満たず、労働界や利害団体からの強い反発も予想されるため、形ばかりの改革に止まるのではないかという指摘も出ています。

・法務部は、8月15日の光復63年と、大韓民国建国60年を記念して特別赦免を行うことにし、12日に34万人の名簿を発表しました。今回、赦免の対象となったのは、▼経済界では、現代自動車グループの鄭夢九会長、SKグループの孫吉丞(ソン・キルスン)元会長、韓火グループの金升淵会長ら財閥のトップ14人と、中小企業の経営者60人の合わせて74人、▼政治家では、金大中政権で大統領秘書室長を務めた韓光玉(ハン・グァンオク)元民主党最高委員ら12人と、政府高官10人、第17代総選挙以前の選挙違反者1902人、▼言論界では、朝鮮日報の方相勳前社長、東亜日報の金炳健前社長ら5人、さらに▼停職や減俸など懲戒処分を受けた公務員32万人を一挙に赦免することにしました。これについて、全国39の人権団体は12日、大統領府青瓦台付近で記者会見し、李明博大統領とハンナラ党は、不正行為を犯した財閥トップや政治家、言論機関の社長らに対して赦免権を乱用しているとして強く批判し、「まずは政治的に偏向した判決と捜査権の乱用によって収監された良心的な受刑者500人を先に赦免すべきだ」と強調しました。

・ハンナラ党の元国会議員で現在は常任顧問をしている柳漢烈(ユ・ハンヨル)氏が、国防部への納品の口利きとしてコンピュータ会社から数億ウォンの賄賂を受け取った特定経済犯罪加重処罰法の斡旋収賄の疑いで11日、逮捕されました。柳漢烈常任顧問は、今年2月、地方にあるコンピュータ会社から国防部にコンピュータ関連の装備を納品できるよう協力して欲しいと頼まれ2億3000万ウォンを受け取った疑いが持たれています。検察は、柳漢烈常任顧問が、国防部や政治家を対象にロビー活動を行ったかどうかを調べることにしており、まずは疑惑が持たれている大統領府・青瓦台の孟亨奎(メン・ヒョンギュ)政務首席秘書官とハンナラ党の孔星鎭(コン・ソンジン)最高委員に近く出頭を求め取り調べを行う方針です。検察はさらに、柳漢烈常任顧問のほかにも業者から金を受けとった政治家がいないかどうか調べることにしています。

・先月11日に、北韓の景勝地、金剛山で50代の韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件を調査している政府の合同調査団は、被害者は目撃者らの証言どおり午前5時15分頃、銃撃を受けたものと推定されるとする調査結果を発表しました。合同調査団のファン・ブギ団長は12日、記者会見し、これまでの調査の結果、被害者の女性は、午前5時6分頃、海水浴場の境界のフェンスを通過した後、5時15分頃、北韓軍から銃撃を受けたものと推定され、これまでの北韓の主張はつじつまが合わないとしています。またソウル地方警察庁のチョ・マンキ捜査部長は、金剛山観光を運営している韓国の現代峨山に対する調査を行った結果、観光客の安全管理がおろそかだったことが判明したが、このことと銃撃事件との関わりはさらに調査を進める必要があるとしています。

8月11日月曜日

・与野党は11日、第18代国会の正常化に向けて最大のネックとなっていた院の構成をめぐる交渉を13日までに終了することで合意しました。与党 ハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)院内代表、野党 民主党の元恵栄(ウォン・ヘヨン)院内代表、それに自由先進党と創造韓国党の共同交渉団体である「先進と創造の集い」のクォン・ソンテク院内代表は11日、国会議長室で会談し、13日午前までに常任委員長の配分などを終えて、14日の国会本会議でこのような内容を盛り込んだ国会法改正案を成立させ、19日には常任委員長を選出することで合意しました。4月の総選挙で選ばれた議員による第18代国会は院の構成をめぐる与野党の交渉が先月末にようやく妥結しましたが、李明博大統領が先月入れ替えた長官3人に対する人事聴聞会を期限切れだとして拒否したために決裂し、与野党の対立が長引いていました。

・アメリカのホワイト・ハウスは11日にも発効するとみられていた北韓に対するテロ支援国の指定解除に向けた手続きを先送りする方針を明らかにしました。ホワイト・ハウスのデニス・ワイルダー国家安全保障会議補佐官は、「北韓が期限となっている11日までに核計画の申告内容に対する検証計画を提出するとは期待していないので、北韓がすぐにテロ支援国のリストから解除されることはない」と述べました。ワイルダー補佐官はまたテロ支援国の指定解除は北韓の核計画に対する強力な検証体制がまとまってこそ可能であると強調したうえで、今のところ、北韓が出した回答は満足できるものではないと述べました。これについてワシントンの外交消息筋は、アメリカと北韓は、核計画の申告内容に対する検証をめぐって交渉を続けているものの、互いの立場を確認するのにとどまっており、まだ本格的な交渉は始まっていないと説明しました。アメリカのブッシュ大統領は、北韓の核計画の申告内容に対する検証体制を作ることを前提条件に、今年6月、北韓をテロ支援国の指定から解除する意向をアメリカ連邦議会に通告し、早ければ今月11日にもテロ支援国の指定解除に向けた手続きが始まるのではないかとみられていました。

・北韓の景勝地、金剛山で先月、韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件をめぐって、真相究明を求める韓国政府に反発した北韓が金剛山観光地区から撤収を求めていた韓国側のスタッフが11日、韓国に戻りました。北韓が撤収を求めていたのは韓国観光公社の職員と金剛山に建設中の南北離散家族面会所の関係者など合わせて11人で、統一部などによりますと、10日に3人が韓国に戻ったのに続いて、11日午前までに残り8人も戻りました。これで金剛山に残っている韓国人は、金剛山観光事業を進めてきた現代峨山の職員37人など合わせて140人となりました。金剛山観光が中断されて11日で1カ月となり、現代峨山は観光事業の70%を占めている金剛山観光が中断したため売り上げが大きく落ち込んで、この1カ月間の損失がおよそ400億ウォンと見込まれていることから、今後、さらに経営戦略の検討が迫られることになりそうです。

・李明博大統領は11日、KBSの理事会が解任の議決をした鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)社長を解任しました。大統領府、青瓦台の李東官スポークスマンは、11日の会見で「李明博大統領はKBS理事会の議決を受けて鄭淵珠社長に対する解任案に署名した。これを契機にKBSが心機一転して国民の放送として新たに生まれ変わることを期待する」と述べました。盧武鉉政権の時に任命された鄭淵珠社長は、李明博政権が発足した後、赤字経営などを理由に保守系勢力から辞任するよう求められ、KBS理事会はKBSに対する特別監査を行った監査院の要求を受けて、先週、鄭社長の解任を議決していました。KBS理事会は今週13日にも会議を開いて、次期社長の人選について協議する予定です。しかし大統領がKBSの社長を解任する権限を持っているかどうかについて法的な解釈がはっきりしていない上、野党側は鄭社長を解任した場合は李明博大統領に対する弾劾訴追を検討すると反発しており、KBS社長の解任をめぐる争いは当分、続くものとみられます。

・4年7カ月ぶりに輸入が再開されたアメリカ産の骨付き牛肉が11日、一般消費者向けの販売が始まりました。肉類の輸入会社の「ネルフ」はソウル、釜山、京畿道、など全国7カ所で骨付き牛肉1.47トンを一般消費者に向けて販売を始めました。価格は骨付きカルビが100グラム1800ウォン、その他は1500ウォンから1700ウォンと、豚の三枚肉よりも安くなっています。またその他の輸入会社は10日、新しい輸入衛生検疫条件にもとづいて骨付きカルビを含むアメリカ産牛肉100トンを船便で輸入しており、検疫が終われば今週中にも卸売市場やオンラインショッピングモールなどで販売するとしており、来月中旬の旧盆を控えてアメリカ産牛肉が大量に流通する見通しです。

・李明博大統領は11日、韓国を訪れているオーストラリアのケビン・ラッド首相と首脳会談を行い、両国間のFTA=自由貿易協定の締結に向けた政府間の予備協議を始めることで合意しました。両首脳は、この日の会談で、韓国とオーストラリアとの間で自由貿易協定が締結されれば、経済成長率の上昇や両国間の貿易拡大などにプラス効果が期待されるとした両国の民間機関が共同で行った研究結果に歓迎の意を表し、近く政府間の予備協議を始めることで意見が一致しました。

・原油高などの影響で今年に入って軽自動車の登録台数が去年に比べて16%増えました。国土海洋部が10日まとめたところによりますと、7月末現在、自動車の登録台数は1673万5700台あまりで、去年暮れに比べて30万7500台増えました。このうち、排気量1000cc未満の軽自動車は91万3000台で、去年の同じ時期に比べて16%増えました。これは原油高の影響で燃費のよい軽自動車の人気が高まったことに加えて軽自動車の基準がこれまでの排気量800ccから今年1月に1000ccに拡大されたためで、中でも800cc以上で1000cc未満の軽自動車の登録が13万2700台と急増しています。

8月9日土曜日

・北京オリンピックの男子柔道60キロ級で、韓国馬事会のチェ・ミンホ選手(27)が、今大会初の金メダルを獲得しました。チェ・ミンホ選手は9日、北京科学技術大学体育館で行われた決勝戦で、今年のヨーロッパ選手権チャンピオンのオーストリアのルートヴィヒ・ペイシャー選手を得意技の背負い投げで一本勝ちし、韓国初の金メダリストとなりました。李明博大統領は今大会初の金メダルをとったチェ・ミンホ選手にお祝いのメッセージを送りました。これに先立って行われた準決勝でチェ・ミンホ選手は、去年の世界選手権大会で優勝したオランダのルーベン・ハウケス選手を開始わずか24秒で、つり込み足で一本勝ちし、決勝に進んでいました。また男子エアピストル決勝で、韓国のチン・ジョンオ選手(28)が、前回アテネ大会に続き2大会連続で2位になり、韓国に初のメダルをもたらしました。しかし今大会メダル第一号の有力候補とされていた女子エアライフルのキム・チャンミ選手とキム・ヨウル選手の2人は、予選で脱落するというハプニングとなりました。また女子のウエイトリフティング48キロ級で、イム・ジョンファ選手は自身の韓国記録を5キロ上回る196キロを上げ、3位タイとなりましたが、体重の比較で惜しくも4位にとどまりました。これで大会2日目の9日、韓国は、柔道で金メダル1つ、射撃で銀メダル1つを獲得し、総合順位2位と好調なスタートを切りました。大会3日目の明日10日は、水泳の男子400メートル自由形で国民的人気を誇るパク・テファン選手と、射撃女子エアピストルで金メダルを狙います。

・李明博大統領は、9日午前、北京の人民大会堂で胡錦涛国家主席と今年5月以来2度目の首脳会談を行い、両国関係が戦略的協力パートナー関係に格上げされたことを評価し、胡錦涛国家主席が今月末にソウルを訪問した際、その具体策を協議することで一致したと、大統領府青瓦台が明らかにしました。また北韓の核問題で両首脳は、先月北京で行われた6カ国協議の首席代表会談の結果を評価し、6カ国協議の進展のため緊密に協力することで合意しました。また李明博大統領は、先月11日に北韓の金剛山で起きた韓国人女性観光客銃撃事件の概要と韓国政府の立場を説明し、これに対して胡錦涛国家主席は、南北間の対話を通じて事件が円満に解決されることを期待すると述べたということです。

・李明博大統領は9日、ウズベキスタンのカリモフ大統領と就任後2度目の首脳会談を行い、ウズベキスタンの未探査有望鉱区とされるアルマリック鉱山を両国が共同で開発することで合意しました。両首脳はまた、現在、開発の初期段階にあるウズベキスタンのスルギルガス田や油田の開発など両国のエネルギー開発協力事業に拍車をかけることで意見が一致しました。

・ハンナラ党は、常任委員会の割り振りに同意しない野党民主党を除いた部分的な院の構成を行うため、国会法の改正案を週明けに提出する計画です。国会は、今年4月の総選挙で選ばれた新しい第18代国会議員による初めての臨時国会を、規定を40日も過ぎた先月10日に開会しましたが、与野党の対立で、今月5日までの会期中に常任委員会など院の構成を決めることができませんでした。こうしたことからハンナラ党の洪準杓(ホン・ジュンピョ)院内代表は、8日、議員総会を開き、ハンナラ党議員181人の名前で、新しい政府組織にもとづく常任委員会の改編案を盛り込んだ国会法改正案をまとめました。洪準杓院内代表は、野党民主党が国民の暮らしに密接した法案の審議にすら応じる姿勢をみせずに特別委員会による政争に明け暮れていると強く批判するとともに、来週中に臨時国会を召集して、この国会法改正案を可決し、ハンナラ党に配分されることで合意されている12の常任委員会の委員長を選出し、民主党を除いた院の構成の3分の2を作る計画を明らかにしました。

・北韓は9日、金剛山観光地区に滞在している不必要な韓国人の追放措置を10日から実施するとして、韓国観光公社と金剛山面会所にいる韓国政府関係者全員を追放することを明らかにしました。金剛山観光地区にいる北韓軍スポークスマンは、今月3日に特別談話を発表し、金剛山で起きた韓国人女性観光客銃撃事件の真相を究明するため韓国が要求してきた現場調査には応じられないとするとともに、金剛山観光地区に滞在している不必要な韓国人全員を追放する措置を取ると述べていました。こうした中で朝鮮中央通信など北韓のメディアは9日、北韓の東海地区軍事実務責任者が特別談話の措置を実行するという内容の通知文をこのほど韓国軍部に送ったといっせいに報道しました。通知文はまた、政府当局者以外の韓国人の追放は、今後段階的に実施するとしています。これについて韓国の統一部は、現在、金剛山には政府関係者はひとりも滞在していないとしています。

・統一部は8日、去年2月の6カ国協議の合意にもとづいて北韓に支援することになっているエネルギー設備資材の一部を、北韓に送ったことを明らかにしました。6カ国協議の参加各国は、去年2月に、北韓の寧辺(ヨンビョン)にある核施設を使えなくする無能力化作業の見返りとして、重油100万トンに相当する経済・エネルギーの支援を行うことで合意していました。これで韓国は、韓国の支援分の重油20万トンのうち、12万4000トンに相当する物資を支援したことになります。

・北韓の男性一人が、漢江河口を泳いで韓国側に入ってきました。政府筋によりますと、8日午後9時頃、25歳前後の北韓の男性1人が京畿道金浦市付近の漢江河口を泳いで韓国側に渡ってきました。男性は政府の合同調査団による事情調査を受けています。政府筋は、この男性が韓国への亡命を希望しているかどうかはまだ確認されていないとしています。

・原油価格の高騰で自転車の価格が急騰し、乗用車の価格は下落していることがわかりました。統計庁のまとめによりますと、先月7月の自転車の価格は、一年前に比べて27%も上昇しました。自転車価格の上昇率は今年1月は8.5%でしたが、3月は18.5%、5月は29.7%と最高の上げ幅を記録しており、6月も26.2%の上昇率をみせていました。一方、乗用車の価格は、軽自動車が去年の同じ時期に比べて5.1%下落したほか、中型乗用車は横ばい、小型乗用車は0.5%、大型乗用車は0.7%上昇しました。さらに6月の自動車販売は総額で1兆8000億ウォンで、去年の同じ時期に比べて5.2%も減りました。

8月8日金曜日

・4年に一度の夏のオリンピックの開会式が、現地時間で8日午後8時から中国北京の国家スタジアム、通称鳥の巣で行われ、韓国選手団は176番目に入場行進しました。1988年のソウルオリンピック以来アジアで20年ぶり3回目となる北京オリンピックには、ブルネイの不参加で当初の予定より少ない204の国と地域から1万500人の選手と役員が参加し、「一つの世界、一つの夢」をスローガンに、24日までの17日間、28競技302種目で熱戦を繰り広げます。開会式は、100人あまりの各国の首脳を含むおよそ9万人の観客が見守る中で行われ、カウントダウンのあと現地時間で午後8時から、映画監督の張芸謀氏が総監督を務める中国の5000年の歴史を「絵巻」の形で表現する壮大なアトラクションが繰り広げられました。つづいて、オリンピック発祥の地ギリシャを先頭に各国の選手団がおよそ2時間半かけて入場行進しました。韓国と北韓の選手団は2000年シドニーオリンピックと前回2004年のアテネオリンピックの開会式では合同で入場しましたが、今大会は南北関係が冷えこんでいることもあって別々に入場しました。韓国選手団は、旗手で男子柔道のチャン成皓(チャン・ソンホ)選手を先頭に176番目に白のブレザーに黒のスカートとスラックスのユニホーム姿でにこやかに手を振りながら入場し、スタンドから大きな拍手が送られました。一方、北韓は180番目に入場行進をしました。つづいて、IOCのロゲ会長があいさつをしたあと、胡錦涛国家主席が開会を宣言し、最後に世界各地でリレーされてきた聖火が、84年のロサンゼルス大会で3冠王に輝いた「体操王子」李寧さん(45)によって聖火台にともされフィナーレを飾りました。韓国は今大会の28競技のうち25の競技に合わせて267人の選手を送っており、金メダル10個以上を獲得して2大会連続で総合10位以内に入ることを目指しています。韓国は、現地時間で9日午前10時半に行われる女子エアライフルのキム・チャンミ選手と、キム・ヨウル選手がメダル第一号の有力候補とされています。

・オリンピックの開会式に出席するため北京を訪問している李明博大統領は8日、胡錦濤国家首席が主催する昼食会に出席し、北韓のナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長と同じテーブルについたことが分かりました。青瓦台の関係者は、2人の間に距離があったので直接対話を交わしたかどうかは分からないとしています。

・9日には胡錦濤国家首席と首脳会談を行い、5月の首脳会談で合意した「戦略的パートナー関係」を具体化していく方法や、今月末に予定されている胡錦濤国家首席の韓国訪問などについて意見を交換する予定です。李明博大統領はまた、8日から9日にかけて、トルクメニスタン、アルジェリア、ウズベキスタン、カザフスタンの首脳とも会談し、エネルギー資源を確保するための協力について話し合う予定です。

・韓国が実効支配している東シナ海の離於島について、中国が自国の領土に編入するための作業を進めていることが分かりました。中国の国家海洋局は最近、公式ウェブサイトで、離於島を中国名の蘇岩礁と表記し、自国の領土だと記述していることが明らかになりました。離於島を中国の領土に編入しようとする動きは政府レベルだけでなく、民間レベルでも進められており、中国の蘇岩礁保護連盟という団体は今年1月にウェブサイトを開設し、各種の資料を掲載して、中国の領土だと主張しています。韓国政府はこうした動きを受けて、中国政府に対して是正を求めることにしました。

・KBSの理事会は8日午前、監査院が要求した鄭淵珠(チョン・ヨンジュ)社長に対する解任要求を議決しました。鄭淵珠社長は盧武鉉政権の時に任命され、李明博政権が発足した後、保守系勢力から辞任を求める圧力が強まっていましたが、任期が残っているとして辞任を拒否していました。政府の監査院はこのほどKBSに対して特別監査を行い、巨額の赤字を出すなどした放漫な経営や人事権の乱用などを理由に、KBS理事会に鄭社長を解任するよう要求していました。この日の理事会には、理事11人のうち10人が出席しましたが、このうち野党系の理事4人は、監査院がKBSの理事会に社長の解任を要求する権限はないので、この問題を協議する必要はないとして席を立ち、残った保守系の理事6人が監査院の解任要求を議決しました。鄭淵珠社長側は、監査院はKBSの理事会に社長の解任を要求する権限がないとして、解任要求処分の無効確認請求訴訟と効力執行停止の申し立てをソウル行政裁判所に提出しています。また、現行法では大統領がKBSの社長を任命することになっていますが、解任する権限については具体的に明文化されておらず、今後の動きに関心が寄せられています。

・KBSの理事会が、監査院が要求した鄭淵珠社長に対する解任要求を議決したことを受けて、与野党はそれぞれ異なった反応を見せています。与党ハンナラ党は、理事会が解任要求を議決したのは、鄭淵珠社長の放漫な経営や人事権の乱用などの責任を問う当然の措置だとしています。一方、第1野党の民主党の丁世均代表は8日開かれた代表委員会議で、大統領は理事会の推薦を受けてKBSの社長を任命することができるが、解任する権限はなく、検察と監査院、KBS理事会は法的な根拠がないことをしていると非難しました。

・韓国の企業が初めて商業的な目的でクローン犬の作製に成功したことが分かりました。アメリカのニュース専門放送局であるMSNBCは8日、アメリカ人の女性が2年前に死んだ飼い犬の皮膚の一部を韓国の生命工学企業に送ってクローン犬の作製を依頼して、この企業がソウル大学の研究チームと共同でクローン犬の作製に取り掛かった結果、先月28日に5匹のクローン犬を作製したと報じました。この企業の関係者は、「今後は麻薬や爆発物探知の捜索犬の注文が増えるだろう」と語りました。

・日本の小学校にあたる初等学校と中学、高校の学校別の学力評価の結果や進学率、就職率などが2010年から公開されることになりました。教育科学技術部がこのほど発表したところによりますと、それぞれの学校は児童生徒を対象に教育科学技術部が主管して毎年行っている学力評価試験の結果を、2010年から「普通学力以上」、「基礎学力」、「基礎学力以下」の3段階に分け、それぞれの段階に属する児童生徒の比率を学校のホームページに公開することが義務付けられます。また、教師の経歴や年齢、進学率、校内暴力の発生と処理の現状など、学校に関する一般的な情報については今年12月から公開しなければなりません。さらに、大学の場合は、就職率と進学率、教授の現状や研究実績を公開しなければなりません。教育科学技術部は親の知る権利と学校選択権を保障し、競争を通じて教育の質を高めたいとしていますが、一方では競争の過熱を招くことになる上、学力を高めることだけに力を入れ、数値では表しにくい人間としての教育が疎かになる可能性があると憂慮する声も出ています。

8月7日木曜日

・中央銀行にあたる韓国銀行は7日、金融通貨委員会を開き、政策金利を0.25ポイント引き上げ、5.25%とすることを決めました。政策金利が引き上げられたのは、去年8月以来1年ぶりで、2001年2月以来の高い水準となります。韓国銀行の李成太(イ・ソンテ)総裁は、記者会見し、「物価高によって、インフレ圧力が強まることが憂慮される。韓国銀行は先月、今年下半期の消費者物価の見通しを5.2%としていたが、今の状況ではそれを上回る可能性もある」として、「今後の通貨政策は、国際金融市場や原油価格の動向、そして実質経済などを総合的に考慮して運営する」と説明しました。

・李明博大統領は野党が反対する中、国会での人事聴聞会を経ずに、新しい閣僚3人の任命を強行しました。今回の閣僚の入れ替え人事は、最近のアメリカ産牛肉の輸入再開に反発する国民世論の高まりや経済危機による政局の混乱を収拾するためのもので、李明博大統領は、6日、内定していた安秉萬(アン・ビョンマン)教育科学技術部長官、張太平(チャン・テピョン)農林水産食品部長官、全在姫(チョン・ジェヒ)保健福祉家族部長官に任命状を手渡し、正式に任命しました。3人の閣僚の任命をめぐっては、李明博大統領が国会に対して同意を求めていましたが、野党は特別委員会を作って、人事聴聞会を行うよう主張し、同意していませんでした。大統領府=青瓦台は、「大統領の指名から20日以内に人事聴聞会を行わなければ大統領が単独で閣僚を任命できるようになっている法律に基づいて、任命手続きを進めた」と説明しています。これに対して、最大野党の民主党は、「野党に対する宣戦布告だ」と強く反発し、今後、院の構成や国会のすべての議事日程に同意しないほか、任命された3人の閣僚に対する職務停止仮処分の申請を裁判所に出す構えをみせており、 国会の空転はさらに続くものとみられます。

・李明博大統領は北京オリンピックの開会式に出席するため、8日から2日間、中国を訪問します。李明博大統領は8日午前、ソウルから北京入りし、胡錦涛国家首席が主催する歓迎昼食会に出席したあと、トルクメニスタンとアルジェリアの首脳と相次いで会談し、エネルギー資源を確保するための協力などについて話し合う予定です。そして韓国時間で夜9時から始まる北京オリンピックの開会式に出席します。李明博大統領は9日には、胡錦涛国家首席やカザフスタンの首脳と会談したあと、午後、帰国することにしています。大統領府=青瓦台によりますと、韓国の大統領が海外で開かれるオリンピックの開会式に出席するのは今回が初めてで、李明博大統領は資源外交とともにスポーツ外交にも力を入れることにしているということです。

め北京オリンピックの開会式に先立って始まったサッカーの試合は、女子に続いて7日から男子が始まり、韓国は、7日夜、初戦でアフリカの強豪カメルーンと対戦します。韓国の代表チームは、今月3日、1次リーグの初戦が行われる秦皇島市(しんこうとうし)に入り、調整を続けてきました。対戦相手のカメルーンは、攻撃力が優れており、韓国は持ち味の守備を生かしながらスピードを利用して相手の隙を狙った攻撃に出るのがねらいです。韓国は1次リーグで、カメルーンのほか、イタリア、中央アメリカのホンジュラスと対戦することになっており、初戦は韓国時間の7日午後9時から行われます。

・北京オリンピックで、韓国人が一番観たい試合はサッカーと水泳であることがわかりました。韓国ギャラップが今月4日、全国の成人男女500人あまりを対象に、「北京オリンピックでもし2つの試合を直接観戦できるチャンスがあったら何を見たいか」という問いでアンケート調査した結果、半数以上の53.1%が「サッカー」を、48.3%が「水泳」と答えました。次いで、「野球」、「アーチェリー」、「体操」、「陸上」、「ハンドボール」の順でした。男女別では、男性の64.5%は「サッカー」を挙げ、女性の52.1%は「水泳」を挙げています。

・アメリカの市民権を得て、アメリカに帰化した韓国人がこの10年間で17万4000人に上っていることがわかりました。アメリカ国土安全保障省がまとめた統計によりますと、去年1年間にアメリカの市民権を得てアメリカ国籍を取得した韓国人は1万7,600人あまりでした。これはアメリカに帰化した外国人66万400人あまりの2.7%を占めて、国別ではメキシコ、インド、フィリピン、中国、ベトナム、ドミニカに次いで7番目になります。10年前の1998年以後、アメリカに帰化した韓国人は、合わせて17万4,400人あまりで、2000年に1年間で2万3700人あまりでピークに達してから2003年は1万5000人あまりに減っていましたが、その後再び増えているということです。

・北韓とロシアが両国の国境の全面的な再確定作業に着手したことが明らかになりました。ロシアの外務省がこのほど、インターネットのホームページで明らかにしたところによりますと、去年の末、ロシアと北韓の国境に関する新しい条約案をつくるため、両国が実務者協議を開くことで合意したということです。これに先立って両国は、2000年から2003年にかけて、国境地帯を流れる豆満江の周辺を点検した結果、この10年あまりの間に豆満江の水路が洪水によって大きく変わっており、1990年に設置していた国境を示す標識もほとんどなくなっていたことがわかりました。北韓とロシアが国境の再確定を進めるのは旧ソ連時代の1990年以来です。

・コメと唐辛子の栽培面積が年々減っていることがわかりました。統計庁が7日発表したところによりますと、韓国で稲を栽培している田んぼの面積は先月現在で合わせて93万5,762ヘクタールで、去年より1.5%減っています。栽培面積が史上最大だった1987年の126万2000ヘクタールに比べると、20年間で、25%も減っています。コメの栽培面積は2000年代に入って年々減り続けており、これは、コメ離れやコメの輸入による価格の下落などで稲作の収益性が落ちていることが最大の原因だと、統計庁は説明しています。一方、唐辛子の栽培面積も唐辛子やキムチの輸入が増えたため、1年間で11%あまり減っています。

8月6日水曜日

・李明博大統領は、韓国を訪問したブッシュ大統領と6日、大統領府青瓦台で首脳会談を行い、北韓との関係を正常化するには北韓の人権状況が改善されなければならないという認識で一致しました。会談は午前10時前からおよそ1時間行われ、この後、両首脳は、共同声明を発表し、北韓の人権状況の改善のため緊密な協力と政策の調整を行うことで合意したことを明らかにしました。特に声明の中でブッシュ大統領は、北韓の景勝地・金剛山で起きた韓国人女性観光客銃撃事件に遺憾の意を表し、速やかな事件の解決と再発防止のため、北韓が南北当局間の対話に応じるよう要請しました。韓米の首脳が共同声明で、北韓の人権問題に言及したのはこれが初めてだと、大統領府青瓦台は説明しました。しかし、ブッシュ大統領の韓国訪問で計画されていた韓米戦略同盟の未来ビジョンについての宣言は、アメリカの次の政権との間で調整が図られることになりました。

・今回の韓米首脳会談で両首脳は、アフガニスタンへの韓国軍の派遣問題は論議しなかった模様です。李明博大統領は6日、ブッシュ大統領との韓米首脳会談の後、共同で行った記者会見で、この問題に対する記者団の質問に対して、「論議されなかった」と答えており、一方、ブッシュ大統領も、「会談の中で私は、韓国がアフガニスタンに対して寄与した非軍事面での支援に対して李明博大統領に感謝の言葉を伝えた」と述べ、軍の派遣問題については論議しなかったことを明らかにしました。これに先立ってアメリカ国家安全保障会議のワイルド専任補佐官は、5日、韓国に向かう専用機の中で、「われわれは韓国人がアフガニスタンで重要な役割を果たすことを希望している」と述べ、ブッシュ大統領が韓国軍の派遣を要請する可能性を示唆していました。

・アメリカのブッシュ大統領の韓国訪問に反対する大規模なキャンドル集会が、5日午後7時から6日朝にかけてソウルの中心部で行われ、警察は色がついた水を放水するなどして強制的に鎮圧し、女性12人を含む167人を連行しました。この集会には警察の推定で2700人が参加しましたが、167人が連行されたのは、5月初めにアメリカ産牛肉の輸入再開に反対する抗議集会が始まって以来、2番目に多い人数です。

・北京オリンピックの開会式に出席するため中国を訪れる李明博大統領は、8日、胡錦涛国家主席が主催する昼食会で北韓の序列2位の金永男最高人民会議常任委員長と会合するのではないかと見られていましたが、実現は困難な情勢となりました。北京の外交筋が6日伝えたところによりますと、当初、李明博大統領と北韓の金永男最高人民会議常任委員長は、この昼食会で同じテーブルに着くことになっていましたが、座席の配置が急遽、変更されたということです。李明博大統領は、金永男最高人民会議常任委員長と同席すれば、金剛山で起きた観光客銃撃事件など南北の懸案について意見を交すことにしていたため、膠着状態に陥っている南北関係の改善に向けた突破口を見出すことができるかどうか、関心が寄せられていました。一方、北京オリンピック組織委員会は、8日の開会式の入場行進の順序を変更して韓国は177番目、北韓は182番目に入場することになり、南北の選手団が相次いで入場行進する場面は見られなくなりました。

・北京オリンピックに出場する韓国選手団は5日、選手村で入村式を行い、金メダル10個以上を獲得して総合成績で10位以内に入ることを誓い合いました。

・去年暮れの大統領選挙の直前に結成された李会昌(イ・フェチャン)元ハンナラ党総裁が率いる保守系政党の自由先進党と、文国現代表が率いる中道左派政党の創造韓国党は、6日、今の国会で共同の院内交渉団体を作ることで最終的に合意しました。両党は、先の総選挙で自由先進党が18議席、創造韓国党は3議席を獲得しましたが、院内交渉団体を構成するには20人以上の議員が必要なため、ともに単独では院内交渉団体として登録することはできませんでした。このため両党は、独自の政党活動をしながら共同で院内交渉団体を作ることで最終的に合意しました。交渉団体の名称は「先進と創造の集い」とし、交渉団体の代表は、両党が毎年交互に一人を国会に代表として登録することで合意し、今年は先進党の代表の名前で6日、国会に登録の手続きを行いました。これについて与党ハンナラ党と、野党民主労働党は、理念が違う二つの政党が手を握ったのは、政略的な離合集散に過ぎないとして厳しく批判していますが、野党民主党は国民が評価するだろうとして慎重な反応を示しました。ハンナラ党と民主党に続いて第3の院内交渉団体となった「先進と創造の集い」は、今後、国会でキャンスティングボードを握ることになる見込みです。

・第18代国会議員の任期が始まってから2カ月が過ぎましたが、常任委員会など院の構成をめぐる与野党の交渉が進展しないまま空転していた7月の臨時国会は5日、終了しました。このため与党ハンナラ党は8月に臨時国会を召集する要求書を国会に提出しましたが、最大野党民主党は、院の構成を決める交渉が決裂する原因をつくった青瓦台の謝罪がない限り、応じられないとする姿勢を崩していません。院の構成については、与野党が交渉期限としていた7月31日に劇的に妥結しましたが、李明博大統領が要請した新任の長官3人の人事聴聞会を特別委員会を作って行うとした与野党の合意内容を大統領府青瓦台が拒否し、すべては白紙に戻った形となりました。このため民主党は、青瓦台が3人の長官の任命を強行すれば、院の構成はいうまでもなく国会の議事日程にも合意できないとする強硬な姿勢をとっています。こうしたことから金炯オ(キム・ヒョンオ)国会議長は5日、政府樹立60年に当たる8月15日までに解決策が出されなければ重大な決心をせざるを得ないとする書簡を国会議員299人全員に送りました。

・去年の韓国とアメリカの間の貿易規模は784億ドルで、韓国はアメリカにとって5番目の貿易相手国になったと、アメリカの国際貿易委員会がこのほどまとめた定例報告書で明らかにしました。ちなみに韓国にとってアメリカは中国に次ぐ2番目の貿易相手国です。

・携帯電話の端末機の輸出が10カ月連続で二ケタ台の増加率をみせています。知識経済部がまとめた、先月7月のIT=情報技術産業の輸出入動向によりますと、携帯電話の端末機の輸出額は29億5000万ドルで去年の同じ時期より22%増加しました。

8月5日火曜日

・アメリカのブッシュ大統領は5日から韓国、タイ、中国のアジア3カ国を歴訪するためワシントンを出発し、5日夕方ソウルに到着します。ブッシュ大統領の今回のアジア3カ国歴訪は在任中最後の訪問となります。ブッシュ大統領は5日夕方韓国に到着して、6日午前李明博大統領と大統領府・青瓦台で韓米首脳会談を行うことになっており、会談では、北韓の核問題やテロ支援国の指定解除、 戦時作戦統制権の委譲や防衛費の分担など韓国駐留アメリカ軍をめぐる問題や、イラクとアフガニスタンへの韓国軍の派兵問題、さらに韓米FTAの国会での早期批准など両国の懸案が話し合われる予定です。さらに、ブッシュ大統領は李明博大統領に対して、国内の強い反対世論にもかかわらずアメリカ産牛肉の輸入を再開したことについて謝意を示し、最近アメリカ政府の地名委員会が独島(日本でいう竹島)の表記を変更し、それを元に戻すまでの経緯やアメリカ政府の立場についても説明するものとみられます。ブッシュ大統領は6日午後、ソウル市龍山にある米軍基地を訪れた後、タイに向かいます。そして、7日夜に中国を訪問し、8日に行われる北京オリンピックの開会式に出席する予定です。

・アメリカのブッシュ大統領が5日夕方、韓国を訪問するのに合わせて大統領府・青瓦台や警察が最大規模の非常警備体制に入りました。ブッシュ大統領の韓国訪問は、李明博大統領が就任してから初めてで、通算では3回目になります。ソウルでは5日にブッシュ大統領の韓国訪問を歓迎する保守系団体の集会と、反対する進歩系団体の集会が予定されており、警察は双方が衝突する恐れもあるとみています。大統領府・青瓦台は、ブッシュ大統領の韓国訪問に向けて、先月、専門の警護隊をつくって実践訓練を行うとともに、先週先遣隊が韓国入りしたアメリカの秘密警護隊と共同の警護体制をとっています。また、警察も5日、ソウル市内の警察官を可能な限り動員する最大規模の非常警備体制に入り、ブッシュ大統領の警護に7000人、デモの警備などに1万6000人の合わせて2万3000人を動員しています。警察は、今回のブッシュ大統領の韓国訪問は世界が注目しているだけに、不法な集会やテロなど外交的に礼を欠くような事態が発生しないよう、市民に協力を訴えています。

・政府は5日、北韓の軍当局が3日に発表した北韓の景勝地・金剛山で起きた韓国人の女性観光客銃撃事件に関する特別談話に対して、「北韓が、金剛山観光地区と軍事統制区域で起きるささいな敵対行為に対しても強い軍事的措置を取るとしたのは南北合意書に反する」と改めて強調しました。統一部のキム・ホニョンスポークスマンは5日、「南北間の出入及び滞留に関する合意書第10条2項では、南北双方が指定する別途の厳重な違反行為に対して南北が合意して処理すると規定している」と述べ、「北韓がささいな違反行為に対して一方的に強い軍事的措置をとるとしたのは合意書の条項に反する」と指摘しました。キム・ホニョンスポークスマンさらに、「金剛山観光地区から現代アサンと農協の職員合わせて2人が4日に撤収したが、これは北韓の要求に応じたものではない」と明らかにしました。5日午前8時現在で北韓に滞在している韓国人は、金剛山観光地区に269人、開城に1161人、平壌に13人、その他地域に34人など合わせて1477人です。

・北韓が申告した核開発計画に対する検証の手順が、アメリカがテロ支援国の指定解除の発効日としていた8月11日までに決まる可能性は低いという観測が出ました。複数の外交筋は5日、「北韓は、すでに示されていた核開発計画を検証する手順の草案に対して、これまで何ら反応を見せていない」として、こうした状況では8月11日以前に検証の手順を確定するのは難しいという見方を示しました。アメリカ国務省のソン・キム6か国協議担当特使は、先週、北京で北韓外務省のリ・グンアメリカ局長と北韓が6月に申告した核開発計画を検証する手順について協議しましたが、具体的な進展はありませんでした。アメリカ政府は、テロ支援国の指定解除の発効は検証の手順に合意することが前提だとしていますが、北韓とアメリカの間には、検証の対象やサンプルの採取、核施設の抜き打ち訪問などをめぐってかなり意見の隔たりがあり、短時間で合意することは難しいものとみられています。しかし、アメリカ安全保障会議のデニス・ワイルドアジア・太平洋担当先任補佐官は4日、8月11日までに検証の手順が確定しなかった場合もテロ支援国の指定解除が無効になるのではないとする見解を示しました。

・AP通信は現地時間の4日、北韓がこれまで寧辺にある核施設で44キロのプルトニウムを生産したことが分かったと、アメリカの高官の発言を引用して報じました。それによりますと、核の専門家らは北韓が10個の核爆弾を作れるプルトニウムを生産しているとみており、最近北韓が提供した資料によるとこれまで44キロのプルトニウムを生産したということです。北韓は6月に中国に提出した申告書で、 寧辺の核施設で生産したプルトニウムの量は38.5キロで、核兵器の製造に使用したプルトニウムの量は26キロだと申告していました。

・北京オリンピックの男子サッカー1次リーグの韓国とカメルーンの最初の試合が7日、中国の秦皇島で行われますが、開会式の前日に行われるだけに、中国の公安当局は双方の応援団同士の衝突などに備えて万全を期しています。北京の韓国大使館によりますと、7日午後8時45分から行われる韓国とカメルーンの試合は、2万3000席分のチケットが販売され、韓国からは公式サポーターズの「レッド・デビル」をはじめおよそ3000人の応援団が訪れるものとみられます。中国の公安当局は、今月1日に、応援団の安全確保や事故防止対策などについて韓国大使館と協議し、公安要員が韓国の応援団が乗る専用バスに競技場まで乗り込むとともに、韓国の応援団専用の入場ゲートを設けて、競技場にスムーズに入れるよう便宜を図ることにしました。しかし、公安当局は韓国応援団のユニフォームの着用は認めましたが、太鼓など応援道具の持ち込みは認めない方針だということです。公安当局は応援団同士の衝突など万一の事態に備えて、7000人の私服の公安要員を観覧席に配置するなどして、万全を期すことにしています。

・超高速インターネットとともに、映画などがいつでも見れる「インターネット・マルチメディア放送(IPテレビ)」事業に進出することができる企業が、これまでの資産総額3兆ウォン未満の企業から10兆ウォン未満の企業に緩和されます。政府は5日大統領府・青瓦台で閣議を開き、このような内容の「インターネット・マルチメディア放送事業法施行令案」を議決しました。施行令案では、大企業に対して禁止していたIPテレビの番組の総合編成や報道専門部門の兼業、株の所有などを、資産総額10兆ウォン未満の企業やその系列会社に対して認めることにしています。これによって、資産総額10兆ウォン未満の企業は、政府にIPテレビ事業の許可申請を行うことができ、通信大手のKTやハナロテレコムなどこれまでIPテレビ事業を希望していた多くの企業が申請するものとみられます。

8月4日月曜日

・アメリカのブッシュ大統領が5日夜遅く、韓国を訪問します。ブッシュ大統領の韓国訪問はこれが3回目で、5日夜遅くソウル入りし、6日午前中に李明博大統領と3回目の首脳会談を行います。そして共同記者会見をした後、韓国駐留アメリカ軍司令部を訪問して、次の訪問国、タイに向かう予定です。ホワイトハウスは、先週行った定例会見で、今回の韓米首脳会談の議題について、イラクやアフガニスタンの平和定着に向けた韓国の支援について話し合うとしており、今年の年末が期限となっているイラク駐留韓国陸軍部隊の派兵延長や、アフガニスタンに韓国の軍や警察を派遣する問題が論議される可能性を示唆しました。しかし、大統領府青瓦台は、李明博大統領はこれらの地域への復興再建に向けた支援を行う意思を表明するものとみられるが、派兵問題は議題にしないとして、これを否定しました。

・ところで、ブッシュ大統領の韓国訪問を歓迎する団体と反対する団体が、5日ソウル中心部で同時に集会を開くことになっています。こうしたことから、警察はブッシュ大統領が韓国を訪れる5日午前9時から、ブッシュ大統領が韓国を離れる6日午後まで、動員できる警察官全員を待機させる非常勤務体制を取って警戒を強めることにしています。

・李明博大統領は、今週8日に訪問先の北京で、北韓でナンバー2の金永男最高人民会議常任委員長と会合を行うものとみられています。李明博大統領は、北京オリンピックの開会式に出席するため8日と9日の2日間、北京を訪問し、8日、中国の胡錦涛国家主席が主催する昼食会で北韓の金永男最高人民会議常任委員長と会合を行う見通しです。李明博大統領が北韓の高官と会うのは就任後初めてで、大統領府青瓦台は、この会合で金剛山で起きた観光客銃撃事件など南北の懸案について意見を交換するため準備を進めていることを明らかにし、膠着状態に陥っている南北関係の改善に向けた突破口を見出すことができるかどうか、関心が寄せられています。

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本で言う竹島)の領有権を明記したことに抗議して先月15日から事実上の召喚にあたる一時帰国をしていた権哲賢駐日大使が、5日に帰任します。外交通商部のムン・テヨンスポークスマンは4日、定例会見で、「権哲賢駐日大使は、今度の事態をめぐって本国との協議に臨むなど予定されていた任務をすべてまっとうし5日に東京の韓国大使館に帰任することになった」と説明しました。1965年に日本と国交が結ばれてから、駐日韓国大使が歴史問題などで本国に召還されたのは4回目で、権哲賢駐日大使の事実上の召還は、これまでで期間が最も長くなりました。

・北韓の軍当局は3日、北韓の景勝地・金剛山で起きた韓国人女性観光客銃撃事件に関する特別談話を発表し、真相究明を求める韓国に対して「われわれと対決しようとしている」などと主張し、この地区にいる不必要な韓国人を追放するとともに、この地区でのささいな敵対行為に対しても強い軍事的措置を取る方針を明らかにしました。朝鮮中央テレビによりますと、北韓は、朝鮮人民軍の金剛山地区軍部隊報道官が発表した談話で、事件と関連した各種の疑惑を否定するとともに、死亡した女性観光客の遺体を事件現場で韓国側の関係者に引き渡したことで十分であり、真相を究明するための現地調査には応じない意向を改めて強調しました。ただ北韓は、金剛山観光や開城観光そのものを中止するとは言及しておらず、北韓としても破局は望まない姿勢をほのめかしましたが、膠着状態が続いている南北関係は当分の間、回復が困難な情勢です。

・これについて政府は3日、「北韓が真相究明のための調査に応じないまま納得できない措置を取るとしていることは遺憾だ」とする統一部スポークスマンの論評を出しました。この中で政府は、「金剛山で起きた観光客銃撃事件は、南北関係だけでなく、国際的な慣例から見ても決してあり得ないことだ」としたうえで、「金剛山観光地区にいる不必要な韓国人を追放するとした北韓軍当局の談話は、金剛山観光をめぐる南北合意書に違反した行為で北韓は追放する権利がない」と強く批判しました。

・韓国海軍が保有する2隻目のイージス艦が、朝鮮王朝時代の儒教の大学者の名前をとって「栗谷・李珥(イイ)」と命名されました。韓国海軍によりますと、今年11月に進水する予定の2隻目のイージス艦の名前を、朝鮮王朝時代の儒教の大学者で、当時、日本からの侵略に備え兵力を増強すべきだと主張した「栗谷・李珥」とすることになりました。栗谷・李珥艦は、去年進水した韓国海軍初のイージス艦「世宗大王艦」と同じく7,600トン級で、SPY-1レーダーで500キロ離れた場所にいる地上目標物を攻撃できるミサイルを搭載するなど、攻撃能力が優れています。

・世界で2番目に高いパキスタンと中国の国境にあるヒマラヤの高峰K2で、今月1日、韓国の遠征隊員3人が遭難し、救助活動が行われましたが、現地の捜索隊は4日、3人全員が死亡したとみられるという最終結論を出しました。

・女子ゴルフの今シーズンメジャー最終戦、LPGAの全英女子オープン選手権で、韓国の申智愛(シン・チエ)選手が初優勝しました。申智愛(シン・ジエ)選手は、3日、イギリス南部のサニングデール・ゴルフクラブで行われた最終ラウンドで、スコアを6つ伸ばし、通算18アンダーで前日首位の不動裕理選手を抑えて優勝しました。アメリカの女子プロゴルフのLPGAに所属していない韓国人選手がメジャー大会で優勝したのは申智愛選手が初めてです。

・8月に入って初めての日曜日の3日、夏休みのピークを迎えて全国の海水浴場は大勢の人出でにぎわいました。この日、釜山では、海雲台(ヘウンデ)海水浴場に90万人あまりが訪れたほか、広岸里(クァンアンリ)やソンジョンなど5つの海水浴場におよそ290万人あまりが訪れ海水浴を楽しみました。また東海岸では、江陵の鏡浦台(キョンポデ)海水浴場に80万人あまりが訪れるなど、江原道の主な海水浴場はおよそ150万人の人出でにぎわいました。

8月2日土曜日

・韓国駐在のアメリカ大使に、国務省の東アジア太平洋担当先任顧問のキャスリン・スティブンス氏の任命が決まり、初めて女性の駐韓アメリカ大使が誕生することになりました。ブッシュ大統領は今年1月、9月に任期が終わるバーシュバウ韓国駐在アメリカ大使の後任に、国務省の東アジア太平洋担当先任顧問のキャスリン・スティブンス氏を指名していましたが、アメリカ連邦議会で一部の議員がブッシュ政権の対北韓政策を理由に任命案の承認に反対していました。しかし国務省が、今後、北韓の人権問題に積極的に取り組む意向を表明したことから、1日、議会でスティブンス氏に対する任命同意案が満場一致で可決されました。スティブンス氏は今年55歳、1975年に平和奉仕団のメンバーとして、韓国の忠清南道で英語教師のボランティアー活動を行い、1978年に外交官試験に合格しました。そしてこれまで韓国駐在アメリカ大使館や釜山の領事館で勤務した後、2005年6月から国務省東アジア太平洋担当副次官補を経て先任顧問として北韓の核問題や韓米関係などを担当した韓国通として知られていま

・最近の独島(日本名:竹島)の領有権をめぐる問題で、与党ハンナラ党内で、1998年に韓国と日本の間で結ばれた「新韓日漁業協定」を再検討するよう主張する声が高まっています。与党ハンナラ党の朴ヒ太(パク・ヒテ)代表は、1日、新韓日漁業協定と独島問題についての討論会に出席し、「新韓日漁業協定は当時、金大中大統領の日本訪問を前に、日本政府の主導で急いで行われたものだ」として、「協定が間違っていることを国民も痛感しており、この時点で修正変更する方法を探るべきだ」と強調しました。これについて、政府は「漁業協定を廃棄または改正する場合、代わりにどのような方法があるかを検討すべきだ」として、慎重な立場を示しています。1998年に締結され、翌99年から発効した韓国と日本との間の新しい韓日漁業協定は、独島を中間水域としたため、国内では独島の領有権問題が再び、外交摩擦になっていると指摘の声が出ましたが、金大中政権と盧武鉉政権は、 「漁業協定と独島問題は関係ない」と主張して、協定の廃棄に反対する立場を貫いていました。

・北京オリンピックに出場する北韓の代表選手団の本隊が2日、空路で北京入りしました。北韓の朝鮮オリンピック委員会のキム・ジャンサン団長が率いる選手団の本隊30人あまりは2日午前、北京に到着しました。北韓の選手団は、射撃の選手ら第1陣がすでに北京入りしており、選手村での入村式は4日に行われる予定です。北韓は今回の大会に、卓球や柔道、重量上げ、女子サッカーなど12の競技にこれまででもっとも多い63人の選手を派遣することにしており、メダル10個以上を獲得することを目指しています。2日には北韓の選手団とともに、北韓のIOC=国際オリンピック委員会のチャン・ウン委員も北京入りしており、北京オリンピックの開会式で南北選手団の合同入場行進について韓国側と再び話し合いが行われるかどうか注目されています。

・韓国の民放SBSが、北京オリンピックの開会式のリハーサルを中国当局の許可を得ずに放送した問題で、北京オリンピックの放送を主管する機関のBOBは、SBSに対して、8日の開会式の取材撮影を禁止しました。BOBは、さらに5日に行われる開会式の公式リハーサルについてもSBSの取材撮影を禁止しています。SBSは、先月29日に行われた北京オリンピックの開会式のリハーサルの場面を中国当局の許可を得ずに独自に撮影して放送し、北京オリンピック組織委員会からオリンピック報道の慣例を守るよう要求されるなど、波紋を呼んでいました。

・李明博大統領の親戚が、今年4月に行われた総選挙で、立候補を予定していた男性に与党の公認を与えると持ちかけて多額の金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕されました。逮捕されたのは、李明博大統領の夫人のいとこの女、キム・オクヒ容疑者(74)です。検察によりますと、キム容疑者は、今年4月の総選挙を前に与党ハンナラ党で公認候補選びが行われた際、立候補を予定していたソウルバス事業組合の理事長の男性に、「党の公認を取らせてやる」と持ちかけ、30億ウォンあまりをだまし取ったとして、詐欺などの疑いが持たれています。しかしこの男性は結局、党の公認を受けられなかったということです。検察は、キム容疑者が党内の公認候補選びに実際にどの程度かかわっていたかなどについて、さらに捜査を進めることにしています。李明博大統領の親戚が逮捕されたのはこれが初めてで、大統領府=青瓦台は、「遺憾だ」としたうえで、「親戚であっても厳しく処罰されなければならない」というコメントを出しました。しかし、野党各党は、「単純な詐欺事件としては受け止められない」として、ハンナラ党内での公認候補選びに不正があったかどうかを調べるため特別検事による捜査を行うよう主張しており、事件は政治問題化する動きを見せています。

・来年から小中学校や高校の教科書でインターネット上のマナーなどについて教える内容が強化されることになりました。教育科学技術部によりますと、来年の新学期の3月から適用される教育課程の改正案に基づいて、小学校2年生の教科書のうち、日常生活のマナーについて教える所で、「ネット上で正しくきれいな言葉を使おう」という内容を新たに盛り込むことになりました。ネット上のマナーについての教育はこれまで小学4年生以上で行われていました。このほか、中学や高校の教科書でもネット上のマナーや個人情報の保護、知的財産権などについての教育を強化し、授業時間も増やすことになります。

・早くも今年初めての稲刈りが2日ソウル近郊の京畿道ヨジュ郡ウマン里で行われました。稲刈りは、4月28日に田植えをした、ホン・ギワンア氏の水田で行われ、2,500平方メートルあまりの水田から1,000キロの稲が収穫されました。ヨジュ郡は一昨年の12月、全国で初めて「コメ産業特区」に指定されています。

8月1日金曜日

・アメリカ国務省は、政府機関の地名委員会が独島の表記を変更する過程で間違いがあったことを事実上認めました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は1日の記者会見で、地名委員会のデータベースに多くの間違いが発見されたとして、独島の領有権に関する表記を原状回復したのもそのためだと述べました。アメリカ国務省は先月末まで、地名委員会が独島の表記を韓国領から主権未指定に変更したのは、領有権問題で中立の立場を取るというアメリカ政府の長年の政策を反映したものだとして、地名委員会の決定を支持していました。一方、アメリカ政府の地名委員会は独島の名称を19世紀にこの島を発見したフランスの船の名前にちなんで「リアンクル・ロックス」と表記していますが、韓国政府は、韓国の名称である独島と表記するようアメリカ政府の関係者に働きかけていくことにしています。

・政府と与党ハンナラ党は、独島が韓国の領土であることを国際社会に広く知らせるための対策を進めていくことにしました。政府と与党ハンナラ党は先月31日、国会で政府与党連絡会議を開き、独島の英語の表記をDokdoに統一することを決め、独島を19世紀にこの島を発見したフランス船の名前にちなんでリアンクル・ロックスと表記している国に対して、韓国の名称である独島に改めるよう働きかけていくことにしました。また、独島の領有権にかかわる対策について中長期的な政策を進めていくために、政府と民間組織を包括する対策機構を設けることにしました。

・ブッシュ大統領は先月31日、北韓が核兵器を放棄すれば、北韓との関係改善に積極的に取り組む考えを示しました。今月5日から韓国を訪問する予定のブッシュ大統領はこの日、KBSの特派員と会見し、「北韓が核兵器を放棄するよう希望している。北韓の指導者が核兵器を放棄することを決定すれば、アメリカをはじめ6カ国協議の関係国とこれまでとは違った関係を持つことになるだろう」と述べ、北韓が核兵器を放棄すれば、積極的に関係改善に取り組む用意があることを示唆しました。また、北韓のテロ支援国指定解除については、「核計画の申告内容に対する満足できる検証システムが確立されることが前提だ」とした上で、「検証の対象はプルトニウムと関連した核計画だけでなく、高濃縮ウランや核技術の移転問題も含まれるべきだ」と述べました。ブッシュ大統領は、平壌に連絡事務所を設置する計画があるかという記者の質問に、「まだ計画はない」とした上で、「この時点で重要なのは6カ国協議の枠組みの中での関係だ」と述べ、北韓との関係は6カ国協議を優先する考えを示しました。

・第18代国会で常任委員会など院の構成をめぐる与野党の交渉が31日、妥結寸前で決裂しました。これは李明博大統領が先月入れ替えた長官3人に対する人事聴聞会を常任委員会ではなく特別委員会で実施するとした国会の意見に対して大統領府青瓦台が、すでに期限切れだとして拒否したためです。4月の総選挙で選ばれた新しい国会議員による第18代国会は、国会法の規定を40日以上も過ぎた先月10日にようやく開会しましたが、常任委員会など院の構成をめぐって与野党の対立が続いていました。 こうした中、与野党は、交渉期限としていた7月31日に常任委員会の構成に劇的に妥結しました。その内容は、▼現在19ある常任委員会をひとつ減らして18とし、常任委員長のポストを与党ハンナラ党に12、第1野党の民主党に6つを割り当てる。▼争点となっていた法案審議の関門となる司法委員長は民主党が、新設された行政機関でメディア再編のカギを握る放送通信委員会を担当する文化観光委員長をハンナラ党が受け持つというものです。しかし、李明博大統領が要請した新任の長官3人の人事聴聞会を特別委員会を作って8日に行うとした与野党の合意内容を大統領府青瓦台が拒否し、すべては白紙に戻りました。

・北韓の景勝地、金剛山で50代の韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件を調査している政府の合同調査団は、模擬実験を行った結果、この女性は100メートル以内の距離から狙われて照準されたものと推定されると発表しました。国立科学捜査研究所のキム・ドンファン銃器研究室長は、1日、政府庁舎で記者会見し、この事件の真相を究明するため、先月27日28日の両日、東海の海岸沿いで専門家が立ち会って行った模擬実験の結果を発表しました。それによりますと、射程距離を変えて繰り返し実験を行い、この女性の遺体に残っている銃撃の傷跡と照らし合わせたところ、女性は100メートル以内の距離から照準射撃を受けたことが判りました。さらに、停止命令に従わずに逃走したため銃撃したとする北韓側の説明とは違って、女性はゆっくり歩いていたか停止状態で銃撃されたものとみられるということです。

・出産する前に胎児の性別を診断して妊婦に知らせることを禁じた医療法の条項が憲法に違反するという判断が出ました。医療法のこうした条項は、一時期、男の子を好んで出産する風潮が拡がって、胎児が女の子と分かった場合は出産を避ける傾向があり、男女の比率が偏ってしまうなどの弊害が起きたためにつくられました。憲法裁判所は31日、この条項が国民の知る権利と医師の医療活動の自由を制限しているとして、憲法違反という判断を下しました。憲法裁判所は、この条項を制定した趣旨には妥当性が認められるが、今では男の子を好んで出産して男女の比率が偏るなどの傾向は減り、妊娠後期には性別が分かったとしても人工妊娠中絶をすることは事実上不可能なので、妊娠の全期間にわたって性別を診断して妊婦に知らせることを禁じたこの条項は憲法違反だとしました。ただ、憲法裁判所の判断は、妊娠後期だけ性別を妊婦に知らせることを制限しないという趣旨で、妊娠初期には今後も性別を診断して妊婦に知らせることは制限される見通しです。

・原油高の影響で消費者物価の上昇率が6%台に近づきました。統計庁が1日発表した「消費者物価動向」によりますと、7月の消費者物価は1年前に比べて5.9%上昇しました。これは1998年11月の6.8%以来、ほぼ10年ぶりの高い水準です。また、食料品など、日常生活に欠かせない品目について調べた生活物価は、1年前に比べて7.1%も上昇し、2001年5月以来、7年ぶりの高い水準となりました。

・保健福祉部は1日、元ソウル大学教授の黄禹錫(ファン・ウソク)博士による人間の体細胞を利用したクローン研究を承認しないことにしたと発表しました。黄禹錫博士は、体細胞を利用したクローン研究の一人者でしたが、2005年に研究結果をねつ造して科学誌に掲載したことが表面化し、翌2006年には人間の体細胞を利用した研究の承認が取り消され、ソウル大学の教授職をはく奪された上に、研究結果のねつ造と卵子の不法取引、研究費の横領などで起訴され、裁判が進められています。黄禹錫博士はその後も人間の体細胞を利用した研究に意欲を示していましたが、保健福祉部は、黄禹錫博士が「生命倫理及び安全に関する法律」に違反した疑いで起訴され、裁判が進められているため、研究者としての資格に問題があるとして、研究計画を承認しなかったと説明しました。

・北京オリンピックに出場する韓国の代表選手団の第1陣が1日午前、北京に向けて出発しました。大韓オリンピック委員会の李衍澤(イ・ヨンテク)委員長と選手団の金正幸(キム・ジョンヘン)団長が率いる第1陣の56人は北京に到着した後、すぐに選手村に入りますが、公式の入村式は5日に行われる予定です。北京オリンピックに出場する韓国の選手団は合わせて389人ですが、北京までの距離が近いことから、出場する競技の日程などに合わせて順次出発することになっています。

・北京オリンピック組織委員会はこのほど、KBSの国際放送「KBSワールド」を北京オリンピックの公式海外チャンネルに選定しました。これによって、全世界の選手が宿泊する選手村や競技場、プレスセンターなどにあるテレビで、KBSワールドの番組を見ることができるようになりました。北京オリンピックの公式海外チャンネルにはKBSワールドのほか、日本のNHK、イギリスのBBC、アメリカのCNNなどが選ばれています。