2008年ニュース

7月26日土曜日

・アジア太平洋地域の安全保障問題を協議するARF=ASEAN地域フォーラムの閣僚会議の議長声明に盛り込まれる予定だった金剛山事件の解決を求める内容が韓国政府の要請で最終的には削除されました。シンガポールで開かれたARFの閣僚会議の後、議長声明には、当初、北韓の金剛山で韓国人観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件について、参加国の閣僚が深い関心を示し、速やかに事件の解決を求める内容が盛り込まれるとともに、去年10月の南北首脳会談の際に採択された南北首脳宣言にもとづいて、南北が対話を発展させていくことを期待するという北韓側が求めた内容も盛り込まれる予定でした。しかし最終的な議長声明では、この2つの内容はいずれも削除されました。これについて外交通商部のイ・ヨンジュン次官補は、「ARF閣僚会議の後、発表された議長声明に北韓側の記述が事実と違っているため不適切だとして削除を要請したところ、議長国のシンガポール政府が南北のバランスを取るとして同時に削除した」と述べました。この際、シンガポール政府は、韓国側の要請を受け入れながらも、発表された議長声明の修正は前例がないと韓国政府に抗議したということです

・ARFの議長声明から金剛山銃撃死亡事件の解決を求める内容が削除されたことについて、野党はいっせいに強く批判しました。民主党のキム・ヒョン副スポークスマンは25日、論評を出し、「北韓が要求した表現を削除させるために、金剛山事件の真相解明と再発防止の努力をあきらめなければならない屈辱外交となった。今回の決定が青瓦台の指示によるものかどうか、はっきりさせるべきだ」と強調しました。また自由先進党のパク・ソンヨン・スポークスマンも、「ビジョンも戦略もない李明博政権の外交力の限界がもたらした惨事だ」と酷評し、責任者の辞任を求めました。

・イギリスの大手金融グループ、HSBCが韓国外換銀行を買収するために韓国政府に提出していた承認申請書について、政府は来週から審査を始める方針を示しました。韓国外換銀行は1998年の通貨危機で経営が行き詰まり、アメリカ系ファンドのローンスターに売却された後、去年12月、ローンスターとHSBCとの間で、外換銀行の売却交渉が進められていました。しかしローンスターは、外換銀行の株価操作やBIS=自己資本比率を偽って不当に安い価格で外換銀行を買収したとして訴えられていることから、政府はローンスターの訴訟の結論が出るまでは、外換銀行の売却交渉は認められないとしていました。これについて政府は25日、国際的な契約を韓国政府が妨害するように見えてはならないとして、近く売却の審査を開始すると発表して、これまでの方針を変えました。審査をこのまま放置した場合、行政訴訟をかけられる可能性があるうえ、ローンスターとHSBCが多様なルートで政府に働きかけてきたということで、政府の金融委員会は来週から売却審査を始めるものの、今年秋に出されるとみられる1審判決の結果を見極めて、売却を承認するかどうか、最終的に決めるとしています。そして法人としてのローンスターが有罪判決を受けなければ、HSBCへの売却を承認する方針で、市民団体は政府が事実上、売却承認の方向に向けて審査を始めるのではないかとみています。

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本名竹島)の領有権を明記したことに抗議して一時帰国していた日本駐在の権哲賢大使は、来週、日本に帰任するものとみられます。ソウル新聞が26日、政府関係者の話として報道したところによりますと、権哲賢大使は来週、柳明桓外交通商部長官の抗議書簡を持って日本に帰任する予定で、権大使の帰任は韓国政府が対応を緩和させるのではなく、中・長期に対応するためだいうことです。権哲賢大使は帰任した後、日本の政界や学会の韓国寄りの有識者らと会って、日本の中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島の領有権を明記することの不当性を指摘し、韓国政府の対応を説明するとともに、日本政府の是正がなければ、さらなる外交摩擦は避けられないことを強調する予定だということです。しかし公式謝罪など日本政府の目に見える措置がない中で、権哲賢大使が帰任することは望ましくないという世論も少なくないため、今後の成り行きが注目されます。

・李明博大統領は26日、初めての夏の休暇に入りました。李明博大統領は休暇に先立って、24日、中央災害安全対策本部などを訪れ、連日の大雨による被害について、「大雨で人命を救助することも重要だが、事前の対策がさらに重要だ」と述べ、特別予算を使って浸水地域をなくすなどの対策作りを指示しました。そして休暇シーズンを迎えた公務員に宛てて「公務員の力は国の力だ」という内容の激励の書簡を送りました。青瓦台によりますと、李明博大統領は家族とともに、韓国軍の休養施設に滞在して、5日間の休息をとるとともに、今後の国政運営について構想をまとめるということです。

・アメリカ産牛肉の新しい輸入衛生基準が告示されて1ヶ月たちましたが、韓国内の倉庫に保管されていたアメリカ産牛肉の80%以上が検疫をパスしたことが分かりました。国立獣医科学検疫院によりますと、先月26日に検疫が再開されてから、輸入業者からアメリカ産牛肉4311トンの検疫が申請され、大部分にあたる4300トンが検疫をパスしたということです。この数量は去年10月に脊髄の骨が発見されて検疫が中断されてから韓国の倉庫に保管されていたアメリカ産の骨なし牛肉5300トンの81%にあたり、このうち1300トンはすでに市中に流通していることが確認されましたが、残りのおよそ3000トンはまだ輸入業者の倉庫に保管されているということです。国立獣医科学検疫院の関係者は、冷凍した輸入牛肉の流通期限が1年となっているため、検疫をパスした牛肉は今年10月以前にすべて流通過程に入れられると話しています。一方、アメリカ産牛肉の輸入再開で、韓国牛の現地価格はこの3カ月間で25%も下落しているうえ、飼料価格の上昇で危機を迎えている韓国の畜産農家は、25日、政府中央庁舎で「韓国牛はBSEに安全だ」と強調する大規模なイベントを開きました。このイベントには韓昇洙国務総理も出席して、韓国牛の焼肉を試食し、韓国の牛肉の消費を呼びかけました。韓国の畜産農家は今後、牛肉の生産者まで追跡できるシステムと韓国牛販売店の認証制の導入など、流通システムの改善をはかり、安いアメリカ産牛肉と競争するとしています。

・非常に発達した梅雨前線が中部地方に停滞して大雨が降り続いているため、京畿道、江原道、慶尚道で、これまでに7人が死亡、4人が行方不明となっています。23日午後から降り続いている雨は、26日午前5時までの間に、京畿道東豆川(ドンドゥチョン)市で351.5ミリに達したのをはじめ、江原道のフェンソンで321ミリ、鉄原(チョルウォン)で283ミリ、京畿道ムン山(ムンサン)で269.5ミリ、そしてソウルは183ミリなどに達しています。この大雨で25日正午ごろ、慶尚北道奉化(ボンファ)郡で土砂崩れが起きて2人が死亡するなど慶尚北道だけで死者・行方不明8人が出て、全国で合わせて7人が死亡し、4人が行方不明になりました。また慶尚南道 陜川(ハプチョン)では、25日午後2時頃、竜巻のような突風が巻き起こり、ビニールハウス500棟が全壊・半壊し、牛舎5棟とコメの保管倉庫4棟が被害を受けました。さらに全羅南道の務安(ムアン)空港は、落雷で滑走路に直径20センチほどの穴が2つもあいて4時間にわたって、飛行機の離着陸ができなくなったのをはじめ、全羅南道羅州(ナジュ)市と光州市では、落雷で1200世帯が停電しました。今回の大雨で全国で460世帯が浸水しておよそ700人の被災者が発生し、農耕地500ヘクタールが水に浸かりました。気象庁では、雨は27日、日曜日にかけて、所によってさらに60ミリほど降るとして、長雨で地盤がゆるくなっているため、土砂崩れや家畜の建物の崩壊などに注意するよう呼びかけています。

・忠清南道泰安半島沖合いの西海で、海底に埋まっていた高麗青磁が大量に引き上げられました。木浦近郊の国立海洋遺物展示館は、26日、泰安半島沖合いの海底から高麗青磁515点を引き揚げたと発表しました。この付近では、去年の夏も海底から大量の高麗青磁が発見されており、今回は漁船の網に青磁のかけらが入っていたのがきっかけで引き上げ作業が行われていました。引き上げられた高麗青磁は、12世紀後半から13世紀前半のものとみられる皿や杯などいろいろな器だということです。国立海洋遺物展示館では、泰安の沖合いは昔から潮流が早く船の沈没が多い所で、最近、周辺の地形に変化が起きて海底に沈んでいた高麗青磁が露出するようになったのではないかと説明しています。

7月25日金曜日

・今年4月から6月にかけての第2四半期のGDP=国内総生産が、その前の第1四半期に比べて0.8%の低い伸びにとどまり、去年の同じ時期に比べた場合、4.8%の低い伸び率となりました。韓国銀行は第2四半期のGDPの伸び率を、第1四半期に比べて1.0%、去年同期に比べて5.0%程度になると、今月初めに予想していましたが、いずれも予想を0.2ポイントずつ下回りました。韓国銀行は、輸出は依然として好調だが、原材料の輸入コストの上昇やインフレ圧力などが負担となって内需も低迷しているため、伸び率が鈍化したと分析しています。

・アメリカと北韓は、核計画申告の具体的な検証計画についての協議を来週、始める予定だということです。6カ国協議の消息筋によりますと、アメリカはテロ支援国指定解除が発効する来月11日以前に具体的な検証計画を決めて検証作業をスタートさせる必要があるとしており、そのためには来週にも検証計画についての実務レベルの協議を始めなければならないとしています。アメリカは今月10日から北京で開かれた6カ国協議の首席代表会合で、検証計画の草案を北韓に伝えていますが、北韓はこの草案についてまだ具体的に対応していません。アメリカは具体的な検証計画が決まれば、今月末か来月初めに中国で6カ国協議の関係国が会合して、この計画を最終的に決める方針です。

・アメリカのライス国務長官は、北韓のテロ支援国指定解除の発効が当初の予定の来月11日までには実現しない可能性を示唆しました。ライス長官は、ARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラムが開かれていたシンガポールで24日、記者団に対し、北韓の核計画申告の見返りとなるテロ支援国指定解除の問題で、「解除に踏み切るかどうかは、核申告の検証方法で北韓と合意できるかが判断材料となる」と述べ、当初、核申告から45日以内に解除するとしていた来月11日の期限を守れない可能性があることを示唆しました。ブッシュ大統領は、先月26日、北韓が核計画の申告書を中国に提出したことを受けて、その見返りとして、北韓に対するテロ支援国家の指定を45日後に解除することを議会に通知するとともに、敵国通商法の適用についても除外する方針を明らかにしていました。

・アジア太平洋地域の安全保障問題を協議するARF=ASEAN地域フォーラムの閣僚会議が24日、シンガポールで開かれ、議長声明を採択しました。議長声明には、北韓の金剛山で韓国人観光客が北韓兵士の銃撃を受けて死亡した事件について、参加国の閣僚が深い関心を示し、速やかに事件の解決を求める内容が盛り込まれました。韓国はASEAN地域フォーラムで、金剛山での事件を調査するための韓国の調査団を北韓が受け入れるべきだとして、各国に協力を呼びかけたため、韓国のこうした要求が議長声明に反映されたものです。一方、議長声明には、去年10月の南北首脳会談の際に採択された南北首脳宣言にもとづいて、南北が対話を発展させていくことを期待するという内容も盛り込まれました。李明博大統領が就任してから、韓国政府は南北首脳宣言の内容を再検討する必要があるという立場を示しており、北韓はASEAN地域フォーラムで、李明博政権が南北間の合意を無視して南北関係を脅かしていると非難しました。韓国政府関係者は、議長声明に韓国と北韓の主張がともに盛り込まれたのは、バランスを取るための配慮だとしていますが、北韓の主張まで議長声明に盛り込まれたことについてやや当惑しています。

・北韓の金剛山で韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃で死亡した事件を調査している政府合同調査団は25日、中間調査結果を発表しました。政府合同調査団は、観光客が泊まっていたホテルの監視カメラの録画内容や目撃者の証言などを土台に調査を進めましたが、死亡した女性は立ち入りが制限されている区域に200メートルほど入った場所で銃撃を受けたものとみられるということです。北韓側は、死亡した女性が立ち入り制限区域に300メートルほど入った地点で銃撃を受けたとしていました。また、他の観光客が午前5時16分に撮った写真に、死亡した女性が倒れていて、その周辺に北韓軍兵士が立っているため、女性は午前5時16分以前に銃撃を受けたと発表しました。一方、これまで複数の目撃者が午前5時20分頃に2発の銃声を聞いたと証言しましたが、北韓側はこの部分について、午前4時50分頃に警告射撃を含めて4発を射撃したと主張しています。調査団は、事件当日、銃声を聞いた人は10人を超えるものの、銃声を何時に聞いたのか、何発聞いたのかについてははっきり確認できていないとしています。調査団は、直接現場を検証していないため、銃撃を受けた時刻や場所、何人の北韓軍兵士が銃撃に加わっていたのかなど、具体的な内容はまだ判断できないとしています。

・大統領の記録物を保管している国家記録院は、23日、大統領記録物を無断で持ち出した盧武鉉前大統領の秘書官ら10人を、「大統領記録物管理法」に違反したとして、ソウル中央地方検察庁に告発しました。この事件は、盧武鉉前大統領が、今年2月下旬の退任の際、持ち出した大統領府青瓦台のオンライン業務管理システムに蓄積されていた国政運営上の記録を、今の大統領府が返還を要求したため、返還期限日の今月18日に、盧武鉉前大統領側が国家記録院に返還したものです。しかし国家記録院は、返還の手続きに問題があるとして「返還」でなく、臨時の保管だと主張しており、盧武鉉前大統領側が無断で記録を持ち出し、3カ月以上も返還要求に応じなかったことは、去年4月に制定された「大統領記録物管理法」に違反していることから告発したとしています。

・京畿道龍仁市の「コシウォン」と呼ばれる一部屋の狭い貸し部屋で火事があり、7人が死亡、10人がけがをしました。25日午前1時過ぎ、龍仁市キムリャンジャン洞で、10階建てビルの9階全体を貸しきって60室の貸し部屋をもうけていた階から火が出て燃え広がりました。ここには合わせて40人が住んでおり、このうち7人が死亡、10人が煙を吸うなどでけがをしました。消防と警察は、離れた二つの部屋で同時に火事が発生したことから、放火の可能性もあるとして火事の原因を調査しています。

・韓国の中部地方は23日午後から大雨が降り続き、これまでに2人が死亡、2人が行方不明になり、8人がけがをしました。23日午後から25日朝にかけての各地の雨量は、ソウルで135ミリ、京畿道東豆川(トンドゥチョン)市で279ミリ、江原道鉄原(チョロン)郡で256ミリなど、中部地方を中心に大雨となりました。政府の中央災害対策本部によりますと、この雨で、24日午後6時40分頃、江原道楊口郡の陸軍部隊でがけ崩れが発生して、兵士2人が土砂に埋もれて死亡し、京畿道儀旺(ウィワン)市でも、がけ崩れが発生して7人がけがをしました。また京畿道高陽(コヤン)市で87世帯、全羅北道益山(イクサン)市で40世帯、京畿道軍浦(クンポ)市で38世帯など、合わせて317世帯が床下浸水し、京畿道だけで98ヘクタールの農地が水に浸かりました。

・メキシコ北部のレイノーサ市で、今月14日発生した韓国人を含む5人が警察官を名乗る男らに拉致され、その後解放された事件は、密入国の専門組織が韓国人ブローカーを通じて中国国籍の朝鮮族の男女3人をアメリカに密入国させようとして起きたことが明らかになりました。この事件は、今月14日、アメリカのテキサス州と国境を接したメキシコ北部のレイノーサ市で、女性1人を含む韓国人5人が何者かに拉致されたもので、犯人側が人質を通じて韓国にいる家族に身代金を要求する電話をしてきたため韓国政府が21日に事件の発生を確認し、メキシコ大使館の領事を現地に派遣して人質解放に当たっていました。しかしその後、単なる拉致事件ではなく、密入国絡みの事件であることが判明しました。メキシコでは警察に捜査権がなく、今度の事件も初期段階から連邦検察庁レイノーサ支庁が捜査に当たっています。連邦検察庁レイノーサ支庁は、現地の警察官が韓国人と中国国籍の朝鮮族同胞を抑留して金品を要求した後、拉致専門組織に引き渡したものとみて、この警察官の身元確認と密入国あっせん組織の行方を追っています。

・来月8日に行われる北京オリンピックの開幕式で、韓国選手団の先頭にたって行進する旗手に、男子柔道の?成皓(チャン・ソンホ)選手(30)が選ばれました。大韓オリンピック委員会は、25日、韓国選手団の旗手に男子柔道100キロ級の?成皓選手を、また男子の主将にはマラソンの?鳳柱(イ・ボンジュ)選手(38)、女子の主将にはハンドボールの?成玉(オ・ソンオク)選手(36)をそれぞれ選びました。旗手に選ばれた柔道の?成皓選手は、100キロ級の看板スターで、2004年アテネ大会では銀メダル、2006年のドーハアジア大会では金メダルを獲得しており、今回の北京オリンピックでも有力なメダル候補とされています。韓国は今度の北京オリンピックに389人の選手団を送る予定で、金メダル10個を獲得して総合10位を目指しています。

・打撃の不振で2軍で調整を続けていた巨人の李承Y(イ・スンヨプ)選手が、25日、1軍に復帰しました。李承Y選手は打撃の不振で4月14日から2軍で調整を続けていましたが、2軍の5試合でホームランを3本打つなど、コンディションを回復したため、3カ月半ぶりに1軍に復帰することになりました。一方、李承Y選手は1軍への復帰と関係なく、韓国代表チームの一員として北京オリンピックに出場する見通しです。巨人はすでに李承Y選手のオリンピック出場を許可しています。李承Y選手は、今シーズンは打撃が不振でチームに大きく貢献できずにいることから、北京オリンピック出場をためらっていましたが、韓国民の期待もあって結局は出場することにしたということです。

7月24日木曜日

・アメリカ大統領選挙で民主党の候補者指名を確実にしているオバマ上院議員は、アメリカと北韓の対話が断絶している間に、北韓は核兵器を8個も開発したとして、核兵器拡散防止のために、対話を通じた外交が必要だという見解を述べました。オバマ上院議員は23日、アメリカのCBS放送とのインタビューで、北韓の核開発問題について、「アメリカと北韓が対話を中断している間に北韓は核兵器8個を開発し、対話を再開してから計画の廃棄に向けて話が進められている」として、「われわれが対話を通じた外交政策を繰り広げるからこそ、相手もそれに反応する」と強調し、北韓に対して、対話を通じた外交政策に重点をおく考えを明らかにしました。一方、オバマ議員が北韓が8個の核兵器を持っているとした発言に注目が集まっていますが、オバマ議員は根拠については明らかにしていません。

・シンガポールで開かれた北韓の核問題をめぐる6カ国協議の外相による非公式会合の席で、アメリカのライス国務長官と北韓のパク・ウィチュン外相が初めての会話を交わしました。アメリカと北韓の外相が直接話をしたのは4年ぶりで、アメリカのライス国務長官としては、北韓の外相に会ったのは初めてでした。アメリカのライス国務長官は23日、非公式の6カ国外相会合の際、北韓のパク・ウィチュン外相の席に歩み寄って、数分間、会話を交わしました。この中でライス長官は、北韓が申告した核開発計画の検証をするために、アメリカが提案した手続きを北韓が受け入れるよう改めて求めたもようです。これに対して、北韓のパク・ウィチュン外相は、「各国が義務を履行していくのに従って、われわれも義務を履行していく」として、核開発計画の申告の検証を受けるとしても、各国のエネルギー支援が確実に行われることが前提だという立場を強調したということです。6カ国外相会合の後、ライス国務長官は、「検証日程について具体的に話し合われなかったが、雰囲気はよかった」と述べました。一方、北韓外務省のリ・ドンイル報道官は24日、今回の米朝外相接触について、「非常に有意義だった」と評価しました。

・ASEAN=東南アジア諸国連合の国々と、アメリカ、日本、中国、ロシア、それに韓国、北韓など27カ国が参加するARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラムの本会議が24日、シンガポールで開幕しました。今回の地域フォーラムでは、ミャンマーの民主化や、北韓の核開発など、地域情勢について話し合われますが、韓国政府は、北韓での金剛山観光客銃撃事件の真相究明のために国際社会の協力を求める方針です。外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は、23日行われた6カ国協議の非公式外相会合の席で、北韓のパク・ウィチュン外相に対して、金剛山事件についての韓国政府の立場を説明したほか、アメリカや中国との個別外相会談でも、この事件の真相究明のための協力を求めました。

・政府は独島、日本でいう竹島の領有権問題を取り扱う対策チームを発足させることになりました。政府は24日、国家政策調整会議を開き、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理の下に、外交通商部、国土海洋部、国防部、それに警察庁と海洋警察庁が参加して、独島問題に対応する、政府合同の対策チームを設けることを決めました。政府はまた、来年、独島に総合海洋科学基地を建設するほか、独島に漁業者が臨時に滞在できる宿舎と漁船が入れる防波堤を建設することにしています。また北東アジア歴史財団の傘下に独島研究所を新たに設けて、独島についての研究、調査を強化することになりました。さらに首都圏にも独島博物館を建てて、独島についての国民の理解を高めることにしています。

・韓国人の平均寿命が初めてOECD=経済協力開発機構の加盟国平均を上回りました。保健福祉家族部が発表した、今年の「OECD健康データ」によりますと、一昨年2006年の時点で、韓国人の平均寿命は79.1歳となり、OECD加盟国平均の78.9歳を上回りました。韓国人の平均寿命は、2001年は76.4歳、その後、1年間で平均0.5歳ずつ高くなっており、この勢いだと今年2008年の平均寿命は80歳を超えることが期待されています。

・メキシコ北部のレイノーサ市で、今月14日、警察官を名乗る男らに拉致され、その後解放された5人のうち、3人は中国国籍の朝鮮族であることが確認されました。メキシコの捜査当局は女性1人を含む3人が朝鮮族であることを確認し、残り2人の韓国人は、密入国あっ旋のブローカーである可能性が高いとみて、取り調べを進めています。メキシコ現地の消息筋によりますと、今回の事件は韓国人の密入国ブローカー2人が朝鮮族3人から金を受け取って、メキシコの密入国あっ旋組織を通じて、アメリカに入国させようとしたところ、あっ旋費用をめぐってトラブルになったのではないかとみられています。

・ソウルの東大門が緑の広場で囲まれ、市民が歩いて行けるようになりました。ソウル市は、東大門と東大門ホテルの間にある往復4車線の道路を閉鎖して、ここに芝生の広場を設け、今年10月には市民に完全開放することにしています。

・李明博大統領が北京オリンピックに出場する韓国選手団を激励しました。李明博大統領は24日、ソウル郊外のテヌンにある国家代表選手村を訪れ、選手団を激励しました。そして「選手たちが最善を尽くす姿を見て、国民も慰められるだろう。韓国も今やスポーツ分野で、先進国入りしているので、選手たちがスポーツマンシップを発揮して、世界の模範になる姿を見せることが重要だ」と強調しました。

・李明博大統領が今週末26日から5日間の夏休みに入ります。

7月23日水曜日

・韓国、北韓、それにアメリカ、日本、中国、ロシアの外相は、23日午後、東南アジア諸国連合の地域フォーラムが開かれているシンガポールでおよそ1時間にわたって初めての6カ国外相会合を開き、北韓の核施設の無能力化など非核化に向けた第2段階の措置を終了させるための6項目について合意しました。それによりますと、▼6カ国の外相は、6カ国協議が北韓の核廃棄に一定の業績を残したことに同意し ▼これまでの合意にもとづいて各国がそれぞれの義務を順守することを再確認した▼6カ国協議の枠組みが北韓の核問題の解決と北東アジアの平和と和解という目的を成し遂げるのに重要な受け皿となるという点で認識が一致したという内容が盛り込まれています。このほか、適切な時期に6カ国外相の公式会合を開くことでも一致しました。しかし今回の非公式外相会合では、当初期待されていた核計画申告の具体的な検証方法については、論議できなかったもようです。また柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は23日、北韓のパク・ウィチュン外相と現地のホテルで会って南北の懸案について簡単に意見を交わしたと、韓国の政府関係者が明らかにしました。政府関係者によりますと、柳明桓長官とパク・ウィチュン外相は、「双方の懸案について話し合った。これらは6カ国協議にも影響を及ぼすということで認識を共有した」と説明しました。しかし政府関係者は北韓側の反応については一切言及しませんでした。

・柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官と、日本の高村外相が23日、東南アジア諸国連合の地域フォーラム外相会議が開かれているシンガポールで、短時間、会話を交わしたと日本の複数のマスコミが23日報道しました。このうち朝日新聞は、両外相が独島(日本でいう竹島)問題をめぐって意見を交換しており、高村外相は日本のマスコミに対して、「極めて意味のある意見交換をした」と述べましたが、内容は明らかにしなかったということです。また東京新聞も、「日本が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島を日本の領土と明記したことをめぐる打開策を協議した。しかし韓国側は韓日外相の接触はなかったとして否定している」と報道しました。

・メキシコ北部のレイノーサ市で、今月14日、女性1人を含む韓国人5人が警察官を名乗る男らに拉致されていた事件で、韓国人人質5人全員が23日、無事解放されました。政府関係者によりますと、拉致された韓国人5人は韓国時間で23日午前9時、全員無事解放され、現地の警察が身柄を保護しました。5人は、今月14日、アメリカのテキサス州と国境を接したメキシコ北部のレイノーサ市で、警察官を名乗る男らに拉致されていたもので、犯人側が人質を通じて韓国にいる家族に身代金を要求する電話をしてきたため、韓国政府は拉致一週間後の21日午前に事件の発生を確認しました。政府は、直ちに現地の大使館に非常対策班を設け、事件が発生したレイノーサ市に領事を派遣するなどしてメキシコ政府や地元警察と協力体制をとり人質解放に全力を挙げていました。メキシコ警察が解放された5人について捜査した結果、このうち一人が中国人であることが確認されました。このため5人は拉致されたのではなく、観光ビザでメキシコに入国した後、アメリカに密入国しようしたとしたところ、何らかの事情で拉致に巻き込まれたのではないかという説が流れています。この場合、5人は出入国違反などの容疑でメキシコ当局に拘束される可能性もあります。

・外交通商部の柳明桓(ユ・ミョンファン)長官は、22日、シンガポールで開かれた27カ国の外相が一堂に会するARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラム外相会議で、北韓の金剛山で起きた韓国人女性観光客の銃撃死亡事件を取り上げました。柳明桓長官は、この中で、金剛山銃撃死亡事件の概要を説明し、真相解明のため北韓の協力が必要だとする点を強調しました。この問題は、6カ国協議の韓米首席代表会談でも取り上げられました。これに対してヒル次官補は、50代の女性観光客を銃撃するということは理解できないと述べ、北韓が真相解明のための調査に協力し韓国との対話に応じるべきだとする見解を示したということです。一方、東南アジア諸国連合の地域フォーラムに出席するためシンガポールを訪れている北韓のパク・ウィチュン外相は、金剛山銃撃死亡事件について一切コメントをせず、韓国側が提案した南北外相会談についても否定的な態度を取っているということです。

・北韓の景勝地、金剛山で50代の韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件を調査している政府の合同調査団は、近く中間結果を発表する予定です。統一部のキム・ホニョンスポークスマンは、23日、合同調査団は早ければ24日、遅くとも今週中に調査結果を中間発表すると述べました。政府の合同調査団は、統一部、警察庁、国立科学捜査研究所など6つの政府機関の関係者8人で構成され、中間発表では、死亡した女性観光客の解剖結果や、目撃者の証言、金剛山観光ホテルのロビーに設置してあった監視カメラのテープを分析した結果について説明するものとみられています。この事件で北韓は、事件後北韓入りした韓国の現代峨山の社長に対して、「観光客と分かっていれば銃撃することはなかった」として、日の出前の暗い時間に銃撃が行われたと主張していますが、この主張が偽りであることを裏付ける目撃者証言が相次いでいます。

・大統領府青瓦台は今回の金剛山観光客銃撃事件で国の危機管理システムの問題点が浮かび上がったことを受けて現在の危機情報状況チーム拡大改変し国家危機状況センターを設置することを決めました。

・与党ハンナラ党の朴ヒ太(パク・ヒテ)代表は23日、金剛山観光客銃撃事件など李明博政権発足後、硬直している南北関係を打開するため、北韓に特使を送ることを李明博大統領に建議する方針であることが分かりました。ハンナラ党の車明進(チャ・ミョンジン)スポークスマンは23日、国会で記者団に対して、「いまの南北関係を融和ムードに変え、金剛山観光客銃撃事件に対する北韓の謝罪と今後の措置についての協力を引き出すために、党の政治家を北韓に特使として派遣するよう朴ヒ太代表が大統領に建議する予定だ」と述べ、朴槿恵氏を特使として推薦する計画であることを明らかにしました。

・北韓は、アメリカからの食糧援助などで最悪の状況は避けられたと、国連世界食糧計画のアジア担当者が述べました。世界食糧計画アジア担当のパン博士は、23日、アメリカの自由アジア放送との会見で、「北韓の食糧はアメリカなど外国からの援助で最悪の状況は避けられた。少なくとも秋の収穫時期までは飢えで死亡する住民はいないだろう」と述べたということです。

・4月の総選挙で選ばれた新しい国会議員による第18代国会は、国会法の規定を40日以上も過ぎた今月10日、ようやく開会しましたが、常任委員会の構成をめぐって与野党の対立が続き、新しく任命された長官の人事聴聞会や国民生活に関連する法案の審議もできない状態となっています。与野党は今月末までに院の構成を終えることでは合意していますが、常任委員長の配分の基準となる議席数について、与党ハンナラ党は総選挙後に復党した親朴連帯の議員らを含む172議席とすべきだと主張しているのに対して、野党民主党は、ハンナラ党の議席数は総選挙で当選した153議席とすべきだとして対立しています。このため17から18になると予想される常任委員会のうち、ハンナラ党は12の委員長を、民主党は司法委員長を含む6つから7つを要求しています。また法案審議の関門となる司法委員長を与野党どちらが受け持つかや、新設された行政機関で、メディア再編のカギを握る放送通信委員会を、どの常任委員会が担当するかでも与野党がもめています。このように常任委員会の構成が遅れているため、国会は現在、アメリカ産輸入牛肉の問題や各種の懸案を特別委員会で取り扱っています。

・世界的な景気の低迷で、韓国人が海外で不動産を購入する動きがい縮し、今年4月から6月までの第2四半期中は、一年前のほぼ半分に減っていることが分かりました。企画財政部によりますと、第2四半期中に韓国人が海外で取得した不動産は合わせて499件、金額にしておよそ1億8000万ドルで、一年前の同じ時期に比べて、件数、金額ともにほぼ半減しました。

・政府の放送通信委員会は22日、インターネットが引き起こす問題を抑えるため、「インターネット情報保護総合対策」をまとめ、秋の通常国会に法案を提出することを発表しました。主な内容をみますと、▼インターネット掲示板への書き込みによって名誉を傷つけられた被害者の要請があれば、ポータル会社はこの書き込みを直ちに削除すること ▼これまで一日のアクセス件数が30万件以上の大きなポータルサイトに限っていた「本人確認制度」を拡大し、早ければ年末から、ほとんどのインターネットサイトで本人の確認がない限り、書き込みができなくすることが盛り込まれています。しかしポータルサイトの事業者が名誉棄損とみなす基準があいまいなため、表現の自由を侵すおそれがあるという指摘も出ています。また市民団体も、アメリカ産牛肉の輸入再開に国民が反発して2カ月におよぶキャンドル集会が続くなど、インターネットを通じた政府への抗議が相次いでいることが背景にあるとして、強く非難しています。

・来月8日に開幕する北京オリンピックで、韓国の応援団は、サッカー韓国代表チームの公式応援団「レッドデビルス」の赤いTシャツが着用できることになりました。北京オリンピックの組織委員会は、当初の方針を変え、各国の応援団、少数民族、家族、恋人同士の場合に限って同じカラーやデザインの服の着用を許可することにしました。北京オリンピック組織委員会は、今月14日、同じデザインやカラーの服を着用した観衆は競技場に入場できないという内容の「競技観覧規則」を発表したところ、各国から厳しい抗議を受けていました。

7月22日火曜日

・27カ国の外相が一堂に会するARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラムが22日、3日間の日程でシンガポールで開幕しました。北韓の核問題が主な懸案として議論されると予想される中で、韓国と日本の外相会談は、「独島(日本名:竹島)」の領有権をめぐって対立していることから実現しないものとみられます。今回のフォーラムでは、ミャンマーのサイクロンによる被害からの復興や、北韓の核問題など、地域の安全保障問題が話し合われます。また明日23日には北韓の核問題をめぐる6か国協議の非公式外相会合が開かれる予定で、北韓の非核化に向けた方策が話し合われますが、北韓とアメリカの外相は北韓が申告した核開発計画の検証方法や北韓への見返り措置について意見を交わす予定で結果が注目されています。これに先立って、6カ国協議の韓国とアメリカの首席代表であるキム・スク外交通商部韓半島平和交渉本部長とヒル国務次官補が午前11時から会談し、北韓の核開発計画の検証や北東アジア平和安保フォーラムの発足などについて話し合いました。一方、李明博政権の発足以来、北韓の核問題をめぐって強調されてきた韓国とアメリカ、それに日本3カ国による協力は今回の会合では扱われないものとみられます。現在、韓国と日本の関係は、日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島の領有権を明記したことで悪化しており、それを反映してか、両国の外相による別途の外相会談は今回は行われないもようです。政府は今回のフォーラムで、金剛山で起きた北韓軍兵士による韓国人観光客射殺事件についても触れる方針ですが、公式の議題になるかどうかは不透明です。

・シンガポールを訪れている6カ国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補は22日、アメリカがすでに北韓に核開発計画の検証方法を示し、北韓から回答を待っている段階だと述べました。今月10日に北京で9ヵ月ぶりに再開した6カ国協議では、北韓が申告した核開発計画を検証するための原則や、北韓に対するエネルギー支援のスケジュールなどは合意しましたが、検証の具体的な手順などは決まっていませんでした。一方、ホワイトハウスのペリノ報道官は22日の定例会見で、北韓が検証可能な方法で核兵器の開発計画を完全に放棄するまで、北韓は依然として「悪の枢軸」の一員であるという考えを改めて示しました。

・今年発生した鳥インフルエンザのウィルスは、ほ乳動物にも感染する種類であることが分かりました。農林水産食品部と保健福祉家族部によりますと、今年4月に韓国で発生した鳥インフルエンザのウィルスをアメリカの疾病管理センターに送って調べてもらったところ、イタチやネズミなどのほ乳動物への感染が確認されたということです。これについて疾病管理センターは「実験は動物を対象に行われたのであって、人間への感染までは考慮していない」として、人体への感染の可能性を断定しませんでした。韓国で4月から3ヵ月間にわたって発生した鳥インフルエンザのウィルスはベトナムで報告された類型と同じ南方系で、このウィルスは人間に感染した事例はまだありません。

・鳥インフルエンザを予防するため、政府はアイガモや鶏の鳥インフルエンザ検査を強化することになりました。政府が22日、まとめた対策によりますと、ほぼ毎年繰り返される鳥インフルエンザ発生によるばく大な経済的損失を防ぐため、病原体の潜伏期間が長く鳥インフルエンザが拡散する上で重要な媒介の役割を果たすとみられているアイガモについて、全国およそ2400の飼育場を対象に、年4回の感染調査をします。韓国では今年4月1日に全羅北道で鳥インフルエンザが発生してから5月12日までのおよそ1カ月半の間に、11の大都市と道の、合わせて33カ所で鳥インフルエンザが発生し、鶏やアイガモなどの家きん類846万羽を処分し、補償金2600億ウォンが投じられていますこのため政府はこうした検査とともに、防疫体制の強化や早期警報システムも整備することにしています。

・豚肉の先物取引市場が21日、スタートしました。豚肉先物市場は、6ヵ月後までの豚肉の価格を予想し売買するデリバティブ市場で、アメリカ、ドイツに次いで世界で3番目、韓国で初めての農産物関連の先物市場です。証券先物取引所によりますと、韓国の豚肉の生産高は年間3兆6000億ウォンと、コメに次いで2番目の規模ですが、豚肉は保管が難しく、季節や病気などの要因で価格変動が激しいため、価格の暴落などのリスクを管理し、養豚農家の収入安定をはかるための手段として豚肉先物市場が取り入れられたということです。

・来年から適用される最低賃金額は、1時間4000ウォン、一日は8時間として3万2000ウォンと決まりました。これは今年の1時間3770ウォンに比べて6.1%引き上げられており、労働者のおよそ13%にあたる208万人が対象になるものとみられています。

・ソウルの東大門野球場を取り壊して公園を作る工事現場から、朝鮮王朝時代の軍隊の訓練所で使っていた瓦を敷き詰めた小道がみつかりました。東大門野球場は、日本統治時代の1926年、それまで朝鮮王朝時代の軍隊の訓練所を取り壊して総合運動場としたもので、ソウル市は去年から野球場などを取り払って、未来型公園の「東大門デザインプラザ」を作る工事を進めています。この工事にともなって発掘調査を進めていたところ、幅1メートル、長さ26メートルの小道がこのほど見つかりました。この小道には訓練所の建物に使われていたとみられる瓦が、花の形などのように組まれて敷き詰められています。このためソウル市はこの小道を新しい公園の中に保存する方向で検討しています。

・韓国で最も多く翻訳されている日本の作家は、三浦綾子であることが分かりました。このほどソミョン出版が発行した「日本文学翻訳60年の現況と分析」によりますと、三浦綾子の作品は1960年代からの日本文学ブームをリードし、代表作の『氷点』をはじめ146もの作品が韓国語で翻訳出版されています。2番目に多いのは、110作品が翻訳出版された村上春樹、3番目が67作品の村上龍でした。このほか梶山季之、森村誠一、芥川龍之介、富島健夫、松本清張、大江健三郎、川端康成がトップ10入りしています。韓国では1959年までは翻訳出版された日本作品は7つに過ぎませんでしたが、1965年の韓日国交正常化をきっかけに日本の小説が本格的に翻訳されはじめ、1980年まで推理小説や歴史小説などさまざまな小説が紹介されました。そして1990年代に入ってからは、村上春樹や村上龍など新世代作家の作品が人気を集めはじめ、この時から日本文学を専門とする翻訳家も増えたということです。

7月21日月曜日

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本名竹島)の領有権を明記したことに対して、金炯オ(キム・ヒョンオ)国会議長は21日、最多選議員のチョ・スンヒョン議員を中心とする国会議員団を日本に派遣する方針を示しました。金炯オ国会議長は21日午前、独島の領有権問題に抗議するために一時帰国している権哲賢駐日大使と会い、この席で、日本政府が取った措置が不当であることを知ってもらうために韓国の国会議員団を日本に派遣する方向で調整していると述べました。

・政府と与党ハンナラ党は20日、日本と領有権紛争が起きている独島を守るために、独島に村を作るなど有人島化する対策を進めるとともに、金剛山で起きた観光客の銃撃事件については韓米同盟関係を強化して、北韓での情報収集策を立て直すことになりました。政府と与党ハンナラ党、それに大統領府青瓦台は20日、党政連絡会議を開き、独島について▼独島に総合海洋基地を作る▼独島に民間人が定住できる村を作り、体験場を設ける▼首都圏に独島博物館を建設するなどの計画を進め、独島を民間人も住む有人島にする方向で対策を進めていくことになりました。またハンナラ党は独島の警備を強化するために、今、独島を警備している警察の代わりに海兵隊を派遣するよう政府に申し入れ、政府は独島の警備に与える影響や効果などを検討して、慎重に対応する方針を示しました。一方、金剛山で起きた女性観光客の銃撃死事件については、政府の初期対応がおろそかになったのは、北韓情報を収集する政府の情報網がこの10年間に崩壊したのが大きな要因であるとして、今後、韓米同盟関係を強化して韓米間のスムーズな情報交流を通じて北韓情報をさらに収集するとともに、これまで現代峨山など民間に頼っていた情報収集も政府主導に切り替えることになりました。また政府は金剛山観光客の安全研修を担当し、北韓に対しては観光客への武器の使用を禁止する「出入・滞在に関する合意書」作りを進めていくことになりました。

・今月11日、金剛山で起きた女性観光客の銃撃死事件は、17歳の北韓軍の女性兵士によるものだという情報が入り、政府が事実確認を急いでいます。消息筋によりますと、このほど北韓入りした人たちが北韓の関係者から、銃撃したのは17歳の女性兵士だったという話を聞き、現在、確認を急いでいるということです。しかし17歳の女性兵士が一人で見張りをする可能性は低いのではないかとも考えられています。これについて統一部のキム・ホニョン報道官は「このような情報は政府の合同調査団には入っていない。真相の把握が重要なので、関係者と会って協力を求めていきたい」と述べました。

・ASEAN=東南アジア諸国連合の外相会議が21日、シンガポールで開幕しました。今回は、ASEAN加盟10カ国の外相会議のほかに韓日中3カ国が加わったASEANプラス3の外相会議、北韓やアメリカも加わった6カ国会議の非公式外相会合、さらにARF=ASEAN地域フォーラム閣僚会議が4日間に次々に開かれるため、25カ国の外相が出席します。そしてミャンマーのサイクロンによる被害の復興対策と民主化、食料と原油価格の急騰によるエネルギー対策、ASEAN憲章の批准、それにFTA=自由貿易協定の締結などについて論議する予定です。またアメリカのライス国務長官も出席するASEAN地域安保フォーラムでは、北韓の核問題を取り上げる予定で、金剛山で起きた観光客銃撃死事件についても取り扱われるものとみられています。またアメリカのライス国務長官と北韓の朴義春(パク・ウィチュン)外相との初めての会談も行われる予定です。

・アメリカ農務省は、細菌に汚染された牛肉にイオン化放射線を当てて殺菌した後に、韓国に輸出できるように認める新しい検疫基準を公表したと、ハンギョレ新聞が20日、報道しました。ハンギョレ新聞によりますと、アメリカ農務省の食品安全検査庁が20日、公開した輸出検疫の証明書によりますと、韓国向け輸出の牛肉について8つの事項を並べており、そのうち6項目目に“イオン化放射線と紫外線処理はアメリカの法規に従う」と明示しています。しかし政府が告示したアメリカ産牛肉の衛生条件の18条には「牛肉と牛肉製品の残留物質と病原性微生物は、韓国政府が規定している許容基準を守らなければならない。牛肉と牛肉製品は韓国の法規に従ってイオン化放射線、紫外線などで処理できる」となっています。また輸出検疫の証明書の書式と内容は韓米両国の協議で決めることになっています。おととしのアメリカ産牛肉の輸入衛生条件では、韓国向けに輸出される牛肉に対して、イオン化放射線と紫外線処理の使用を禁止しましたが、今年4月の韓米牛肉交渉ではこれを緩和して、韓国の法規に従うという前提のもとで認められています。イオン化放射線は、放射線を当てて殺菌するもので、アメリカではサルモネラ菌などに汚染された牛肉の殺菌過程で使われています。これについて国立獣医科学検疫院のウィ・ソンファン検疫検査課長は「韓国の法規に反してイオン化放射線処理されたものは韓国に輸入される際の検疫過程で不合格にさせる」と話しています。

・来年2009年以降の韓国駐留アメリカ軍の防衛費の分担をめぐる韓国とアメリカとの協議が21日、ワシントンで始まりました。これは現在の防衛費分担金の取り決めが今年末で終了するため、来年以降の韓国駐留アメリカ軍の防衛費の分担を改めて協議するもので、アメリカは現在42%となっている韓国側の分担を50%に引き上げるよう求めています。これに対して韓国政府は、韓国側の分担方式を今の現金中心から現物中心に切り替えるよう提案しており、両国がどの線で折り合うのか協議の結果が注目されます。去年、韓国は韓国駐留アメリカ軍の防衛費として国防予算のおよそ3%に当たる7255億ウォンを分担しています。

・李明博大統領は21日に開かれた国家均衡委員会の会議に出席して、「地方と首都圏がともに生きるように開発を進めていきたい」と述べ、盧武鉉前政権がたてた地方発展計画を原則的に継続していく考えを示しました。李明博大統領はこの席で「新政権の地方政策は、地域の特色に合わせて発展させていくもので、首都圏での規制緩和が地方の経済発展にマイナスにならないようにする。地域発展の世界的な流れは広域化である。韓国も小さな行政区域のレベルから脱して、広域的な発展戦略を検討しなければならない。地方みずから発展案をまとめて提出し、妥当性があれば中央政府が積極的に支援していく」と述べました。これを受けて、国家均衡委員会と企画財政部、国土海洋部、知識経済部、行政安全部は、中央行政部署が移転する忠清南道の行政複合都市に早期に先端企業、研究所、大学が移転できるよう、誘致活動を本格化することになりました。また西海岸の大規模な干拓地、セマングムを北東アジアのドバイに育成するとして、開発期間を10年繰り上げて2020年までに完成させる方向で関連法を見直すことになりました。そしてソウルと広域経済圏の交流に向けて、第2西海岸高速道路やソウルと行政複合都市との高速道路など首都圏と全国を結ぶ高速道路の整備をさらに進めていくことになりました。

・台風7号は北韓北部を通って21日午前3時に温帯低気圧に変わりましたが、この影響で韓国では中部地方を中心に局地的な大雨とともに強い風が吹き、5人が死亡、1人が行方不明になるなど、被害が相次ぎました。20日午後3時ころ、忠清北道ジンチョン郡で40代の男性が急に増えた小川の水に巻き込まれて死亡したのをはじめ、京畿道楊州(ヤンジュ)市の遊園地で遊んでいた55歳の男性も水に巻き込まれて死亡するなど、全国で5人が死亡し、1人が行方不明になりました。また京畿道楊平(ヤンピョン)郡の川では、行楽客42人が急流で孤立し2時間後に救助されました。京畿道金浦市と仁川広域市では、強風で送電塔や電柱が倒れ停電しました。また京畿道水原市と安養市では、住宅40棟が床上・床下浸水しました。この大雨と強い風で、全国48の航路で108隻のフェリーが欠航し、空の便もダイヤが乱れましたが、21日午前から正常なダイヤに戻りました。気象庁は、今年はこれから10あまりの台風が発生し、このうち2つくらいは韓国に影響を及ぼす恐れがあるという見方をとっています。

・韓国の映画「良いやつ・悪いやつ・変なやつ」が公開4日で観客動員数215万人となり、歴代3位の好成績を記録しました。キム・ジウン監督がメガホンを取った映画、「良いやつ・悪いやつ・変なやつ」は、1930年代の旧満州にあった正体不明の地図をめぐって3人の男性が展開する追撃戦をスペクタクルに描いたもので、先のカンヌ国際映画祭のノンコンペティション部門に招待され好評を得ていました。配給会社によりますと、映画「良いやつ・悪いやつ・変なやつ」は先週17日に全国700のスクリーンで封切りになり、20日までの4日間で、観客動員数215万人となりました。これは封切り4日間で263万人を動員した「グエムル(漢江の怪物)」、220万人の「D−War」に次ぐもので、今年では最高の記録となっており、今後、観客1000万人を集める映画になるかどうか、期待されています。

7月19日土曜日

・日本政府が独島の領有権を主張したことに韓国が反発して、両国の地方自治体同士の交流事業が次々と中断されている中で、韓日EPA=経済連携協定の交渉再開のための協議も事実上、無期延期されることになりました。政府は、今の状況ではEPA交渉はもちろん、交渉再開に向けた協議も困難だとみて、実務者協議の日程を当分の間、決めないことにしました。韓国と日本は、2005年末に締結する予定で2003年12月にEPAの交渉を始めましたが、農産物市場の開放拡大をめぐって両国の意見の隔たりが大きく、2004年11月以来、交渉が中断していました。しかし両国の政権が変わり、4月に日本で行われた韓日首脳会談で福田首相が交渉再開を求めたため、実務者協議の日程を調整していました。

・アメリカのライス国務長官が、来週シンガポールで開かれる6カ国外相会合で北韓の外相と会う予定だと、アメリカ国務省が発表しました。単独会談ではありませんが、ライス国務長官と北韓外相の初めての出会いとなるため注目を集めています。国務省のマコーマック報道官は、18日の定例会見で、ライス国務長官がシンガポールで開かれるARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラム2日目の23日に、北韓の核問題をめぐる6カ国協議参加国の非公式外相会合に出席し、この場で北韓のパク・ウィチュン外相と会うことになると明らかにしました。6カ国の外相会合は2003年に6カ国協議が発足して以来初めて開かれるもので、アメリカと北韓の外相が会うのは、2004年以後4年ぶりです。

・北韓の景勝地、金剛山で観光客の韓国人女性が北韓軍兵士による銃撃で死亡した事件で、銃撃時刻は「日の出前だ」とする北韓側の主張が偽りであることを裏付ける目撃者の証言が相次いでいます。事件当日、現場で写真撮影をしていた大学生の証言によりますと、銃声が聞こえたのは、5時16分にデジタルカメラで3枚目の写真を撮った後だったということです。また銃声は北韓が主張する4発ではなく、2発だけだったとしています。これは、5時15分から20分の間に2発の銃声を聞いたという別の女性観光客の証言と一致しており、日の出前の4時55分だったとする北韓側の主張とは明らかに違っています。北韓は、事件後北韓入りした観光会社の現代峨山の社長に対して、「観光客と分かっていれば銃撃することはなかった」として、日の出前の暗い時間に銃撃が行われたと主張しましたが、韓国が要請している南北共同の現場調査には応じない姿勢を貫いています。

・金剛山で発生した韓国人女性観光客に対する北韓軍兵士の銃撃事件で、政府が18日の国家安全保障会議で、韓国人の安全が保障されない限り、北韓の開城への観光も全面的に再検討する方針を示したことで、現代峨山の対北韓観光事業は最大の危機に直面しています。政府は、今度の銃撃事件で現代峨山の北韓観光事業を点検するとともに現代峨山に落ち度がなかったかどうかを追求する調査を関係部署が合同で行うことにし、19日から調査を始めました。現代峨山は、今度の銃撃事件で当初、被害者の死因を病死と報告したり、事件発生から数時間が過ぎた後で関係当局に報告するなどしていました。現代峨山は北韓観光事業が売り上げの45%を占めており、政府による調査の結果次第では、ソウルから北西方面に78キロ離れた高麗時代の首都、北韓の開城への観光も中止されて、大きな打撃を余儀なくされる可能性が出てきました。

・盧武鉉前大統領が、今年2月の退任の際、大統領府青瓦台のオンライン業務管理システムに蓄積されていた国政運営上の記録を原本ごと持ち出したため、今の大統領府が返還を要求していた問題で、返還期限を数分過ぎた19日未明、盧武鉉前大統領の関係者がこれらの記録を国家記録院に持ち込み返還しました。しかし国家記録院は、返還の手続きに問題があるとして「返還」でなく、臨時の保管だと主張し、国政記録の返還をめぐる新旧首脳の争いは、まだ当分続くものとみられています。盧武鉉前大統領側が国家記録院に返還した記録は、ハードディスク14枚と、コピーディスク14枚の合わせて28枚です。国家記録院は、これらを回収するため返還期限の18日に盧武鉉前大統領の故郷の慶尚南道金海市ボンファ地区に出向きました。そして車で移動中にデータが壊れるおそれがあるとして、さらにもう一式コピーをとるよう求めましたが、盧武鉉前大統領側はコピーをとるには丸2日かかり、返還期限に間に合わないとして反対したため交渉が決裂し国家記録院の関係者は手ぶらで引き揚げました。しかし盧武鉉前大統領側が18日深夜に京畿道城南市にある国家記録院を訪れ、記録を返還したものです。

・韓国株式市場での外国人投資家による売り越しが相次ぎ、外国人投資家の持ち株時価総額が全体の30%以下に落ち込むことが予想されています。証券先物取引所が19日、発表したところによりますと、外国人投資家は先月9日から30営業日連続で売り越し、この期間に8兆3000億ウォンの株式を売ったということです。これによって、外国人投資家が所有する有価証券時価総額の割合は、今週17日の時点で30.3%にまで下がり、統計を取り始めた2001年以後、最も低くなりました。外国人投資家の時価総額の割合は、92年12月の証券市場開放以来、徐々に増えて2003年10月下旬に40%を超え、2004年4月には最高の44.11%に達していました。

・甲状腺がんの手術件数がこの12年間に10倍以上急増しています。ソウル松坡区にあるソウル峨山病院の内分泌内科のソン・ヨンギ教授のチームによりますと、1995年から2006年までの12年間に甲状腺がんで手術を受けた患者4646人を分析した結果、1995年は91件でしたが、2006年は960件と、12年間で10.5倍に増えていることがわかりました。男女別では、女性が男性の3.7倍で、中でも40代が32.6%と最も多いことが分かりました。こうした傾向についてソン・ヨンギ教授は、「実際に甲状腺がんの患者が増えたというより、健康診断での超音波検査が一般化して早期に発見するケースが増えたからだ」と説明しています。

・京畿道は、障害者やお年寄りのため2014年までに市内バスの40%を床が低い低床バスに段階的に切り替える計画です。現在、京畿道の15の市や郡で運行されている低床バスは205台ですが、今年中にさらに125台、来年は200台、再来年2010年には350台を増やしていくことにしています。さらに2011年から2014年までに新しく2320台の低床バスを導入して、全部で3200台の低床バスを取り入れることにしており、京畿道の市内バスの40%を低床バスに変えていく計画です。

・韓流スターのクォン・サンウさん(32)が、女優のソン・テヨンさん(28)と9月に結婚することが決まりました。クォン・サンウさんは18日午後、ソウルのホテルで記者会見し、9月28日に、女優のソン・テヨンさんと結婚すると発表しました。二人は映画やドラマに一緒に出演したことはありませんが、テレビの娯楽番組に出演したソン・テヨンさんにクォン・サンウさんが好感を抱き、今年初めから結婚を前提に交際を続けてきたということです。

・台風7号が北上しているのにともなって、大雨警報や注意報が韓国各地に出されています。大雨警報は19日午前9時、忠清北道清州と忠清南道の内陸地方に、また大雨注意報がソウル首都圏に出されました。ソウルと首都圏や韓半島の内陸部では、20日にかけて最大で150ミリの雨が、韓半島南部や済州島では最高80ミリの雨が降る見込みです。

7月18日金曜日

・李明博大統領は18日、就任後初めての国家安全保障会議を開き、北韓の金剛山での観光客銃撃事件と日本の文部科学省が中学校社会科の新しい学習指導要領の解説書に独島の領有権を主張する内容を盛り込んだことについての対応策を話し合いました。李明博大統領は関係閣僚に対して、金剛山の観光客銃撃事件は真相を糾明することも重要だが、再発防止策を作ることがさらに大事だと述べ、北韓が観光客の安全を保障し再発防止策を講じないかぎり金剛山観光を再開せず、場合によって開城への観光も中断することを検討するよう指示しました。また日本が独島の領有権を主張していることについては、より中長期的な観点から戦略的な対応策を講じていく必要がある述べ、9月半ばに予定されている韓中日3カ国の外相会談や10月に予定されている福田康夫首相の韓国訪問を延期することも検討していくことにしました。

・韓国は22日からシンガポールで開かれるアセアン地域フォーラムで、北韓の金剛山で発生した韓国人観光客銃撃事件を議題として取り上げる計画です。政府関係者によりますと、アセアン地域フォーラムはアジア太平洋地域の政治と安全保障を対象とする対話の場なので、全体会議で金剛山での韓国人銃撃事件を議題に取りあげることができるとしています。アセアン地域フォーラムには27の国と地域が参加しますが、かなりの国がこの問題に関心を寄せているということです。韓国政府はこの問題を全体会議で討議し、北韓に対して南北当局による事件の共同原因調査や再発防止策を求める内容を議長声明に盛り込むことを目指しています。

・北韓の核開発問題をめぐる6カ国協議の外相会合の日程が決まりました。ソウルの外交筋が18日、KBSに明らかにしたところによりますと、アセアン=東南アジア諸国連合の地域フォーラムが来週22日から24日までシンガポールで開かれますが、2日目の23日に6カ国協議の外相会合が非公式で開かれることになったということです。この会合では、北韓の核施設の無能力化など核廃棄に向けた第2段階措置の点検をはじめ、北韓が提出した核計画申告書に対する検証の手続き、北東アジアの平和体制について論議が行われるものとみられています。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する抗議集会が17日夜、ソウルの清渓川広場で開かれましたが、集会を終えた後、デモ行進する参加者とこれを阻止する警察が衝突し、10人がけがをしました。集会には1万人あまりが参加し、夜10時ごろ集会を終えて、そのうち2000人あまりがデモ行進を始めました。警察は機動隊バスで進路を遮断して水や消火剤を噴射し、デモ隊を解散させました。警察が高圧水の噴射でデモ隊を鎮圧したのは先月29日以来のことです。この過程でデモ隊の10人あまりがけがを負い、6人が連行されました。一方、アメリカ産牛肉輸入再開に反対する抗議集会での人権問題を調査するため4日から韓国を訪れている国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルのムイコ調査員は18日、ソウルのプレスセンターで記者会見し、「集会は全般的に平和的に進められたが、警察が群集に向かって進撃したり、デモ隊の一部が機動隊バスを壊したりするなどの暴力が発生した。警察のデモ隊に対する放水の乱用は、武力の過度な行使にあたる」と批判しました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する抗議集会には、これまでに延べ77万人が参加したことが分かりました。警察庁の調べによりますと、抗議集会は5月2日にソウルで初めて開かれてから、全国で合計1700回あまり開かれ、参加した人数は延べ77万人を超えたということです。警察は抗議集会に対して、延べ47万人の警察官を動員し、このうち38万人がソウルの都心に配置されました。ところで、抗議集会で鉄パイプを振り回すなど過激な行動をした人に対して、初めて実刑が言い渡されました。ソウル中央地方裁判所は18日、先月8日にソウル中心部の世宗路で開かれた抗議集会で、鉄パイプで警察官の手首をたたき、全治2週間のけがを負わせた罪で起訴された44歳の男性に懲役1年6カ月と罰金20万ウォンを言い渡しました。

・国会は18日、本会議を開き、野党議員がアメリカ産牛肉輸入再開抗議集会に対する警察の鎮圧は過剰だとして警察庁長の罷免と内閣総辞職を求めました。統合民主党の趙培淑(チョ・ベスク)議員は、抗議集会に参加した国会議員を含む数千人の市民に警察が暴力を振るい過剰な鎮圧行動をとったとして、これを指示した警察庁長の罷免と内閣総辞職を求めました。これに対して韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、集会に参加した市民や警察官がけがをしたことは遺憾だが、当初、平和的だった抗議集会が時間が経つにつれて暴力的に変質したと述べ、警察庁長の責任を問うべき問題ではないと答えるとともに、牛肉輸入再開をめぐる交渉については、当初不十分だった部分を追加交渉を通じて補ったので、さらに再交渉する必要はないと答えました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開問題で一時10%台にまで落ち込んでいた李明博大統領に対する支持率は、今月に入って20%台に回復しましたが、日本政府が独島(日本でいう竹島)の領有権を主張したことや北韓の景勝地、金剛山で韓国人女性観光客が北韓軍兵士の銃撃を受けて死亡した事件で、再び10%台に下がりました。CBS放送が世論調査会社に依頼して今月15日と16日の両日、全国19歳以上の男女700人を対象にアンケート調査したところ、李明博大統領に対する支持率は17.8%と大きく下がり、アメリカ産牛肉問題で国民による抗議集会が絶頂に達していた6月初めの支持率16.9%に近づきました。

・韓国最大の財閥、三星グループをめぐる不正資金事件で、ソウル中央地方裁判所が16日、李健熙(イ・ゴンヒ)前会長に対して、脱税について懲役3年、執行猶予5年、罰金1100億ウォンの有罪判決を言い渡しましたが、背任について無罪を言い渡したことに対して、特別検事がこれを不服として控訴し、市民団体も強く反発しています。市民団体の経済改革連帯と参与連帯などは、李健熙前会長がグループの経営権を長男の李在鎔(イ・ジェヨン)三星電子専務に継承させるために、三星グループの事実上の持ち株会社である三星エバーランドの転換社債を、時価よりはるかに安い価格で発行して李在鎔専務に譲渡していた事実が明白になっているにもかかわらず、無罪を言い渡したことは法治主義に反すると批判しています。一方、この事件を捜査し起訴した特別検事チームは17日、この判決は事実関係を正確に把握していないとして控訴しました。特別検事法は、特別検事や被告弁護人が控訴した場合、2カ月以内に2審判決を言い渡すよう規定しており、ソウル高等裁判所の審理に関心が寄せられています。

・韓国固有の領土である独島の防御訓練「東方訓練」が毎年縮小され、今年5月に予定されていた訓練は燃料費を節約するという理由で取り消されたことが分かりました。文化日報が報じたところによりますと、今年5月の東方訓練は燃料費を節約するために取り消され、近くほかの訓練と合わせて機動訓練を実施する予定だということです。一方、日本は2005年に発行された防衛白書に独島問題を具体的に記述し、独島を含む東海で海上自衛隊の警戒と訓練を強化してきました。

・北京オリンピックの開会式と閉会式での南北合同入場行進は、困難な情勢となりました。IOC=国際オリンピック委員会は、来月行われる北京オリンピックの開会式と閉会式で、韓国と北韓が合同で入場するよう双方のオリンピック委員会に要請していましたが、統一部によりますと、この問題について協議するため先月末に韓国が北韓に送った電話通知文の受け取りを北韓が拒否したということです。こうした中で先週、金剛山で観光に行っていた韓国人女性が銃撃を受けて死亡する事件が発生したため、南北合同入場行進は協議すらできない状況になっています。

7月17日木曜日

・政府は、今月22日からシンガポールで開かれるARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラムに合わせて、韓日外相会談を開こうという日本側の提案を断ったことが明らかになりました。政府当局者によりますと、「日本がARFの期間中、韓日外相会談を開こうと提案してきたが、日本が独島の領有権を主張している中、両国の外相が会っても内容のある結果を引き出すことは難しいと判断し、韓国側の考えを日本政府に伝えた」としています。

・ハンナラ党の李惠栫iイ・へフン)女性議員ら与野党の議員33人が、17日、日本が独島(日本で言う竹島)の領有権を主張していることに対して、韓国の実質的領有権を明記した「独島領有権宣布特別法案」を発議しました。「独島領有権宣布特別法案」は、独島に対する大韓民国の実質的領有権を宣布し、独島を基点に周辺12海里までの水域を「独島領海」、24海里までを「独島接続水域」として規定するとともに、200海里を排他的経済水域と明記しています。韓国には現在、独島を大韓国民の領土と明記した法律がありません。李惠梛c員は、法案を発議した理由について、国際司法裁判所は領土紛争を審判する際、歴史的事実や実効的な支配だけでなく、国内法での地位も重要な判断基準にしているので、法律が制定されれば独島の実質的な領有権を確保できると説明しました。

・日本の中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島、日本でいう竹島に関する記述が初めて盛り込まれたのを受けて、全国の地方自治体では姉妹提携を結んでいる日本の地方自治体との交流行事などを相次いで取り消しており、民間レベルの交流にも影響が出始めています。このうち、江原道春川市議会が、山口県防府市など、姉妹提携を結んでいるすべての地方自治体との交流を無期限に中断すると発表したほか、仁川市は19日に予定していた北九州市との姉妹提携20周年記念行事を取りやめることにしています。また慶尚南道のキム・テホ知事ら関係者は岡山県と交流協力の協定を結ぶため、14日から日本を訪問していましたが、独島問題で、すべての予定を取り消して、15日、帰国しました。このほか、夏の間、両国で行われる祭りでの交流計画も相次いで中止されています。

・韓国の小中学校や高校で「独島」に関する特別授業を2学期から行うことになりました。全国16の市と道の教育官が参加した協議会と、教員団体の韓国教員団体総連合会と全国教職員労働組合は、16日、日本が独島の領有権を主張していることに対抗して、夏休み明けの2学期から独島に関する「契機授業」を行うことを決め、独島についての教育を強化することになりました。契機授業とは、社会的な問題や関心事を契機に学校で行う特別授業です。教員団体では夏休みの間、授業に使う資料をまとめることにしています。

・北韓の景勝地金剛山で、韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士に銃撃を受けて死亡した事件で、北韓側が金剛山観光事業を運営している現代峨山のユンマンジュン社長に伝えた事件の状況は、韓国人目撃者の証言といくつかの点で食い違いがあり、政府は銃撃実験をして確認することにしています。まず北韓側が伝えたとしてユンマンジュン社長が記者会見で明らかにしたところでは、被害者の女性がホテルを出たのは、当初発表されていた11日午前4時半より13分早い午前4時18分で、移動距離も当初の発表より1キロほど短いということです。また、当初の発表では被害者の女性は3.3キロの砂浜を20分で移動したことになり疑問が持たれていましたが、訂正した発表では「2.4キロを40分前後で移動した」計算になり、つじつまは合うことになります。しかし依然として疑問が残るのは銃撃の回数と時間帯です。北韓側は、銃撃は4時55分から5時の間だとしていますが、現場近くにした韓国人の複数の目撃者は銃声が聞こえたのは5時20分頃だったと証言しています。また北韓は警告射撃を1発行った後、ねらい定める照準射撃を3回行ったと主張していますが、目撃者らの証言では銃声は2発だったとしている点です。しかし北韓は、真相究明のための南北共同による現場調査には一向に応じない姿勢を貫いており、このため韓国政府は、これまでに確認された内容を中心に銃撃実験を行うことにしています。また金剛山観光地区にある2つのホテルに設置してあった監視カメラを入手し、事件当日、5時ちょうどにホテルを出た後、20分後位に海岸沿いで銃声と悲鳴を聞いたとする韓国人目撃者が、ホテルを出た時間が5時に間違いないかを確認することにしています。

・北韓の核開発問題をめぐる6カ国協議のアメリカ代表のヒル国務次官補は、16日、シンガポールで非公式の6カ国協議外相会合を開く方向で議長国の中国と調整していることを明らかにしました。ヒル国務次官補が16日、アメリカ議会上院の外交委員会の聴聞会に出席した後、記者団に対して、シンガポールで非公式の6カ国協議外相会合を開く方向で議長国の中国と調整していると述べ、東南アジア諸国連合の地域フォーラムが開かれる24日前後を軸に日程を検討しているということです。シンガポールでは今月22日から24日まで、ARF=東南アジア諸国連合の地域フォーラムが開かれる予定で、北韓からパク・ウィチュン外相ら、6カ国協議の関係国の外相全員が出席することになっています。

・7月17日は、1948年に韓国の憲法が公布された日を記念する「制憲節」で、今年は60周年と節目の年です。その記念式典が、17日午前、国会議事堂で、国会議長、国務総理、大法院長ら関係者をはじめ、各界から1万1600人が集まって行われました。あいさつに立った金炯オ(キム・ヒョンオ)国会議長は、「1987年に改正された今の憲法は、大統領の独裁を防ぎ、国民による直接選挙を勝ち取った民主主義の正当性を持っているが、当時の状況に合わせた政治的妥協の産物という限界もある」と指摘し、「未来を見据えて開かれた姿勢で今の憲法を見直す時期が来た」として、国民の理解を得て早い時期に国会議長の諮問機関として仮称「憲法研究諮問委員会」を設置する計画を明らかにしました。金炯?議長はまた、南北関係についても触れ、1990年以来中断している南北国会会談に向け準備のための接触を再開するよう、北韓側に求める方針を明らかにしました。

・国際的な信用格付け会社、ピッチは、韓国の国家信用格付けを「A+」、見通しは「安定的」と、これまで通りに維持すると発表しました。ピッチは、「最近、韓国ではアメリカ産牛肉の輸入再開などをめぐって、政治情勢が不安定で、新政府の改革政策を多少鈍化させる恐れもあるが、信用格付けに与える影響は少ない。北韓との対峙関係にあるためのリスクや、統一費用などを考慮しても、財政が堅調なため韓国の信用格付けをこれまでどおりの「A+」に維持する」としています。

・北京オリンピックに備えて、サッカーの韓国代表チームは16日、中米の強豪、グアテマラと強化試合を行い、2対1で勝ちました。韓国代表チームは、この試合を最後に北京オリンピックに向けて出場選手を最終的に確定し、選手は今月21日に召集される予定です。

7月16日水曜日

・李明博大統領は16日の閣議で、日本が独島の領有権を主張している問題や、北韓の景勝地金剛山で韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃で死亡した事件は、超党派で国家的に対応しなければならないと強調しました。そのうえで李明博大統領は、韓国の政党がこれらの問題を政略的に利用することは国論を分裂させ、日本や北韓の意図に巻き込まれる結果になるとして警戒感を示しました。李明博大統領は、日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本で言う竹島)の領有権を明記したことについて、「韓国国民が怒りを感じることは当然のことだ」としたうえで、日本が長期的、戦略的に独島を紛争地域にしようとする狙いで着々と進めていることを念頭におき、臨機応変ではなく長期的な見識を持って対策を取らなければならないと指摘しました。そのうえで李明博大統領は、ドイツやフランス、ポーランドを例にあげ、中国や日本と共同で歴史教科書を作ることが最終目標だとして、北東アジアの現代史の統一した基準が必要だとする見解を示しました。

・北韓の金剛山で韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃で死亡した事件で、政府は、16日、この女性の解剖結果を発表し、北韓軍の兵士が遠距離から銃撃したが、正確な距離の推定は困難だとしました。国立科学捜査研究所のソ・ジュンソク法医学部長によりますと、解剖の結果、背中とお尻の2カ所に銃創、銃に撃たれた傷があり、臓器の損傷などからみて「遠距離射撃」を受けたことが判ったということです。しかし、ソ・ジュンソク法医学部長は、現場調査ができない状況では正確な距離は推定できないとしています。そして「北韓軍兵士2人が銃撃を加えたのではないか」という記者の質問に対しては、「確認できない」と述べました。さらにソ・ジュンソク法医学部長は、死因について、貫通した銃創で臓器が損傷を受けたため、出血多量で死亡したものと判断されるとしています。

・北韓の景勝地金剛山で、韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃で死亡した事件で、北韓は、この女性に対して、警告射撃を1発撃った後、ねらい定める照準射撃を3回行ったと主張したことが明らかになりました。これは、北韓入りしていた金剛山観光事業を運営している韓国の企業、現代峨山のユン・マンジュン社長が、16日ソウルで記者会見して明らかにしたものです。そのうえで北韓は、ユン・マンジュン社長に対して、「韓国人の女性は、北韓軍の兵士が3回停止を命じたのに従わず宿舎のホテルに向かって走り出し、警告射撃を行っても立ち止まらなかったため3回照準射撃を行った」と主張したということです。事件直後に、北韓は現代峨山に対して、「警告射撃を行った後、1発の実弾を発砲した」と述べていました。 

・北韓の景勝地金剛山で韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃で死亡した事件の真相を究明するため政府は、国際社会に対して協力を要請した模様です。外交消息筋が16日、伝えたところによりますと、政府は、北韓と共同で真相の調査を行うため友好国に協力を要請したものとみられるということですが、具体的にどの国かは公表しませんでした。

・国会は16日、本会議を開き、国連の平和維持軍として中東のレバノンに派遣されている韓国軍「東明部隊」の活動をさらに1年間延長する派遣延長同意案を可決しました。これで陸軍歩兵部隊を中心に工兵・通信・医務・輸送・整備など359人で構成されている国連平和維持軍「東明部隊」は、来年7月末までにレバノン南部のティル市で任務を続けることになりました。国会はまた第18代国会前期の副議長として、いずれも4回当選の与党ハンナラ党の李允盛(イ・ユンソン)議員と、野党統合民主党の文喜相(ムン・ヒサン)議員を選びました。

・政府は、16日の閣議で、財閥を規制する代表的な政策である出資総額制限制度を廃止するとともに、持ち株会社の負債比率の規制を無くすことなどを盛り込んだ公正取引法改正案を議決しました。出資総額制限制度は、財閥が系列企業の株式の持ち合いを通じて、少ない株式で全体の企業を支配するなど、財閥特有の企業支配構造の弊害をなくすために取り入れられましたが、企業の投資を妨げている上、外国資本による敵対的買収合併に対する防御が難しくなっているなどの理由で財界から廃止を求める声が出ていました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる国会の国政調査特別委員会は、16日、2日目の会議を開き、当初、来月4日と6日に予定していた聴聞会を1日と4日に繰り上げて開くことを決めました。国政調査特別委員会の崔炳国(チェ・ビョンクッ)委員長は、聴聞会の日程が、アメリカのブッシュ大統領の韓国訪問と重なって外交通商部長官や通商交渉本部長の出席が困難なので聴聞会を1日と4日に繰り上げて開くことにしたと発表しました。

・背任と脱税の罪で起訴された三星グループの前の会長、李健煕(イ・ゴンヒ)被告に対する一審の判決公判が16日開かれ、ソウル中央地方裁判所は、脱税罪のみを有罪とし、懲役3年執行猶予5年、罰金1100億ウォンの判決を言い渡しました。しかし、ソウル中央地方裁判所は、李健煕(イ・ゴンヒ)前会長が経営権を息子のイ・ジェヨン専務に継承させる過程で、三星グループの系列会社エバーランドの転換社債を不当に安い価格で発行し、会社に巨額の損害を与えたとする2件の背任疑惑については、1件を無罪とし、1件は公訴時効が成立しているとして罪に問えないとしました。

・先月6月の輸入原材料価格が1年前より2倍近くも高騰し、統計を取り始めた1980年以来、最も高い上昇率となりました。

・韓国で最大手の移動通信会社SKテレコムが、アメリカで3番目に大きい移動通信会社、スプリント・ネクステルを近く買収するものとみられると、アメリカの経済ニュース専門チャンネル「CNBC」が16日伝えました。

・世界の100大銀行に、韓国からは国民銀行など5行が入りました。

・中国は、国内に滞在している北韓の住民に対して北京オリンピックの開催期間中に中国を離れるよう要請したことが明らかになりました。

・サッカーJリーグのジェフユナイテッド千葉が、FCソウルの韓国代表FW朴主永(パク・チュヨン、23)選手の獲得に乗り出したと、スポーツニッポンが15日、報道しました。これに対してFCソウルや朴主永選手は、「日本に移籍する可能性は全くない」として報道内容を否定しました。

7月15日火曜日

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本名竹島)の領有権を明記したことを受けて、国土海洋部は、独島に行政事務所を設置する一方、生活物資の輸送を増やすなど、実効的な支配を強化する対策を発表しました。それによりますと、独島に来年までに行政事務所を設置し、独島を訪れる観光客や漁師、それに警備隊などの支援業務にあたる公務員を常駐させることにしました。また、来年から160トン級の独島管理船を運航して独島周辺の海域を探査・管理するとともに、独島で生活している住民のために各種の生活物資の輸送を増やすことにしています。一方政府は、日本駐在の権哲賢(クォン・チョルヒョン)大使を15日夜、一時帰国させることにしました。権哲賢大使は日本の外務省を訪れて抗議の意思を伝えた後帰国する予定で、いつ日本に戻るかは決まっていません。大使の一時帰国は事実上の召喚で、駐日韓国大使が帰国するのは今回で4回目となります。一方、キム・ヒョンオ国会議長は15日、国会で与党ハンナラ党のホン・ジュンピョ院内代表と最大野党統合民主党のウォン・ヘヨン院内代表と会い、日本政府が独島の領有権を学習指導要領の解説書に明記したことと関連して、特別対策委員会を設置することで合意しました。

・日本政府が学習指導要領の解説書に独島の領有権を明記すると発表した14日から、韓国では政府や国会、市民団体などによる抗議活動が展開されています。14日夜には、市民およそ150人がソウル・鐘路区にある日本大使館前で抗議集会を開き、独島領有権の明記を撤回するよう求めました。集まった市民は、「独島はわが国の領土」「独島死守」などと叫びながら独島領有権の明記を強行した日本政府を糾弾し、一部の市民は大使館に向けて生卵を投げ、警備にあたった機動隊員ともみあいになりました。また、韓国教員団体総連合会や、韓国進歩連帯、独島守護隊などの市民団体も15日、日本大使館前で記者会見し、「日本の独島領有権明記は領土の略奪行為であり歴史の歪曲だ」として日本政府を強く批判し、独島の領有権を諦め、韓国の排他的経済水域を認めるよう求めました。ソウルでは今後も様々な団体による抗議集会が予定されており、日本政府が独島の領有権を明記した波紋はますます広がるものとみられます。

・こうした事態を受けて、警察は日本関連の施設に対する警備を強化しました。まず、ソウル・鐘路区にある日本大使館の警備は従来の機動隊1小隊30人から3中隊の100人に要員を増やし、必要な場合は近くの光化門に配置されている2つの中隊も非常動員することにしました。また、ソウル市内にある日本大使公邸の警備は従来の2人から4人に増やし、これまではパトロールをして警備していた日本大使館の公報文化院にも1小隊を配置しました。さらに警察は、釜山にある日本総領事館でも警備要員を4人から8人に増やし、釜山と済州島にある総領事公邸やソウルの日本商工会議所のパトロールを強化しました。

・独島を訪れる観光客は一日平均300人に上っていることが分かりました。国土海洋部によりますと、今年上半期に独島を訪れた観光客は5万4800人で、去年の同じ期間に比べて3.7%増え、一日当たり平均で300人を数えます。2005年に4万人弱だった独島の観光客は、2006年には7万6000人と2倍近くに増え、去年は10万人を超えました。これは、政府が独島を訪問する人に対して2005年から許可制を届け出制に変えて、一日当たりの訪問者数を400人から1800人に増やしたためで、特に2005年に島根県が「竹島の日」を制定するなど独島に対する領有権の主張を強化してから大幅に増加しました。

・北韓の金剛山で韓国人観光客が北韓の兵士による銃撃を受けて死亡した事件で、北韓は2発の銃撃の前に威嚇射撃をして警告したと主張していますが、目撃者など近くにいた3人は、いずれも銃声は2発聞こえただけだとしており、北韓軍が過剰に対応したのではないかという疑惑が高まっています。目撃者などの証言によりますと、日の出時刻の午前5時12分以降、1発目の銃声がした後女性の悲鳴が聞こえ、続いて10秒後に2発目の銃声がしたということで、2発の銃声だけを聞いたとしています。しかし、北韓側は威嚇射撃をしたにもかかわらず、女性が立ち止まらなかったため銃撃したと主張し、さらに銃撃した時刻は日の出前の4時50分だったとしており、いずれも目撃者などの証言と食い違っています。女性観光客が死亡した経緯については、現在、国立科学捜査研究所で遺体の解剖が行われており、解剖の結果によって正確な死亡原因が確認されるかどうか注目されています。一方、死亡した女性観光客の告別式が15日午前、ソウルにある病院で遺族などが集まってしめやかに執り行われました。

・北韓の金剛山で2005年から建設が進められていた南北離散家族の常設面会所が12日完成しましたが、南北関係が悪化しているため利用される目途はたっていません。常設面会所は、南北が2003年に離散家族の常時再会の実現に向けて金剛山に建設することで合意し、地下1階・地上12階建てで、200余りの客室を備えたビルとして完成しました。政府は当初、8月末に南北の当局者が参加して完成式を行い、この施設を離散家族の面会所として使うほか、面会行事がない時は金剛山を訪れる観光客の宿泊施設として運営する計画でした。しかし、先週金剛山で韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃を受けて死亡する事件が発生し、金剛山観光事業が中止されたため、完成式はもちろん、面会所がいつから利用されるかの目途も立っていません。

・文化体育観光部は15日、8月の北京オリンピックに出場する代表選手の士気を高めるため、メダルを獲得した選手に支給する賞金を大幅に引き上げることにしました。政府が支給する賞金は、金・銀・銅メダルを獲得した選手に、いずれも前回アテネオリンピックの2倍になっています。これを受けて北京オリンピックに向けて準備を進めている大韓オリンピック委員会は、政府の賞金を基に各団体からの激励金を加えて、金メダリストには5万ドル、銀メダリストには2万5000ドル、銅メダリストには1万5000ドルの賞金を支給し、金メダリストが出た種目の監督やコーチには政府賞金4万ドルにさらに4万ドルを上乗せして8万ドルを支給することにしています。

・原油価格の高騰を受けて政府が発表した公共機関を対象とした車の運行制限が15日から施行されました。この運行制限は、公共機関の業務用乗用車や公務員の自家用車が対象で、ナンバープレートの奇数と偶数の2組に分けて、それぞれの車が1日おきでしか運行できなくなっています。施行初日の15日は、政府庁舎やソウル市役所など主な公共機関では違反して走る車はほとんどなく、ハン・スンス国務総理やユ・インチョン文化体育観光部長官などをはじめ公務員の多くが徒歩や、地下鉄、バスなど公共交通機関を利用して出勤したため、公共機関の駐車場は普段の半分程度しか駐車されていませんでした。中にはうっかり忘れたり、ナンバープレートの偶数と奇数を勘違いしたりして車で出勤した公務員もいましたが、初日にしては大きな混乱はありませんでした。

7月14日月曜日

・日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本名竹島)の領有権を明記すると発表したことに対して、政府は14日、抗議声明を出すとともに、駐日韓国大使を本国へ召喚するなど断固として対応する方針を示しました。李明博大統領は14日、日本政府が独島の領有権を明記するという報告を受けた席で、歴史を直視し、未来志向的な韓日関係を築いていくと両国の首脳が合意したことに触れ、深い失望と遺憾の意を示したうえで、「独島は歴史問題だけでなく領土主権にかかわるので、紛争の対象にはならない」と述べて、断固とした態度で厳重に対応するよう指示したと、青瓦台の李東官(イ・ドングァン)報道官が述べました。 李東官報道官はまた「日本は首相が代わるたびに韓国との未来志向的な関係作りを確認するが、独島問題を繰り返し取り上げている。日本政府に断固として対応せざるをえない」として、今月16日頃、日本駐在の権哲賢(クォン・チョルヒョン)大使を召還する方針を示しました。また柳明桓外交通商部長官は14日午後、韓国駐在の重家俊範日本大使を外交通商部に呼んで、強く抗議しました。また政府は外交通商部長官名の抗議声明を発表するとともに、9月に日本で開かれる予定の韓中日首脳会談には、事態を見極めながら対応するとしており、3カ国の首脳会談が実現しない可能性も出てきました。

・与野党の指導部は、日本政府が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島の領有権を明記すると発表したことに対して、14日午後、相次いで独島を訪れ、日本政府を糾弾しました。与党・ハンナラ党の鄭夢準(チョン・モンジュン)最高委員、朴順子(パク・スンジャ)最高委員ら7人は14日午後、独島を訪れ、独島は歴史的、地理的に韓国の領土で、韓国の主権が実際に行使されているとして、日本政府は韓国の独島領有権を損なう試みを直ちに中止するよう求める内容の決議文を発表しました。また野党・統合民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表ら指導部は独島を守る市民団体の関係者とともに独島入りし、日本政府は韓国に対する挑発をやめ、李明博政権はあらゆる方法を使って、独島を守るべきだと強調しました。

・北韓の景勝地、金剛山で韓国の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃を受けて死亡した事件で北韓が共同調査を拒否したことについて、政府は13日、北韓に対して責任ある措置をとるよう重ねて求めました。政府はこの中で、「死亡した女性は当日の午前4時半にホテルを出ていることが、ホテルの監視カメラで確認されている。北韓の説明だとホテルを出てから死亡するまでの時間は20分だが、50代の女性がスカートをはいて3.3キロに及ぶ砂浜をわずか20分で移動したことになり、納得できない」として、こうした疑惑を解明するために、南北当局による共同調査が必要なので、北韓側に共同調査に応じるよう強く促しました。政府はまた2004年1月に南北が結んだ金剛山の出入りと滞在に関する合意書の内容を示し、北韓側の行きすぎた対応があったのではないかと指摘しました。南北が結んだ合意書によりますと、第10条に「北韓は韓国人の身体・住居・個人財産の不可侵権を保障する。韓国人が金剛山で法律に違反した場合、北韓は行為を中止させた後、調査し、対象者の違反内容を韓国側に通報し、違反の度合いに応じて警告や罰金、あるいは韓国側に追放する」としており、「厳重な違反行為に対しては南北の合意で処理する」ことになっています。政府は統一部や関係機関の専門家による合同調査団を設けて真相究明に乗り出す方針です。

・韓国の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃を受けて死亡した金剛山の事故現場の写真が13日、金剛山の観光事業を行っている現代峨山によって公開され、事故現場の海岸沿いには立入禁止の柵がないことが確認されました。宿舎のホテルから北韓の軍事警戒用の見張り場所まではおよそ2.3キロ離れており、ホテルからの散歩道は海岸から陸地に向かっておよそ100メートル入ったところに設けられています。現代峨山は13日未明に銃撃事件が発生したとされる同じ時間帯に撮影した事故現場の写真4枚を公開しました。それによりますと、北韓の軍事警戒地域が始まる地点には鉄条網の柵が設けられ、「立ち入り禁止」と書かれた警告板がありますが、この柵は散歩道から70メートルほどまでしかなく、その先の海岸までのおよそ30メートルは砂が1メートル前後の高さで盛られて柵の代わりになっており、海岸沿いを歩いていると、警告板も見えにくくなっているため、軍事警戒地域に入ったかどうか見分けることは難しくなっています。このため、現代峨山では、死亡した女性は散歩道ではなく、海辺沿いを歩いていて、軍事警戒地域だと分からずに入ってしまったのではないかと推定しています。

・金剛山で韓国人の女性観光客が北韓軍の兵士による銃撃を受けて死亡した現場付近に北韓軍当局のものとみられる監視カメラが取り付けられていたことが14日確認されました。現代峨山が公開した金剛山の海水浴場付近の写真を拡大したところ、死亡した女性観光客が超えていったとされる柵の付近に監視カメラが映っており、これについて現代峨山は、柵の外側に監視カメラ1台が設置され、カメラは海辺に向かっていることを確認しました。女性観光客が死亡した経緯をめぐっては北韓側の主張と、韓国人男性が2発の銃声と女性の悲鳴を聞いたとする証言しかなく、この監視カメラが実際に稼動していた場合、女性観光客の死亡時刻や状況が記録されている可能性があるもようです。

・今年5月に金剛山を訪れた韓国人の男性が早朝にジョギングをしている途中、北韓軍の兵士に30分間抑留されていたことが明らかになりました。この男性は忠清北道 道庁職員の51歳の男性で、公務員の研修で今年5月19日に金剛山を訪れ、翌20日の朝5時過ぎに、普段の習慣であるジョギングをするため1人でホテルを出ました。そして20分後の5時半ごろ、北韓軍の兵士2人が「止まれ」とホイッスルを吹きながら近づいてきて、この男性は見張り用の施設に連れて行かれて30分ほど抑留されましたが、その後、別の兵士から「この辺には近寄らないように」と言われて、解放されたということです。この男性は「北韓側の案内員から柵の内側は安全だと言われたのでジョギングをしたが、あとになって観光特区でも午前6時までは通行禁止になっていることが分かった。現代峨山も北韓の案内員も通行禁止については説明してくれなかった」と話しています。

・李明博大統領が先週11日、国会での演説で、北韓に対して南北の対話を再開するよう提案したことについて、北韓は13日、朝鮮労働党の機関紙「労働新聞」の論評で「李明博大統領の提案は一考の価値もない」と拒否する立場を明らかにし、南北関係は長期間にわたってこう着状態になる見通しです。李明博大統領は今月11日、国会で開院演説を行い、南北の対話を北韓に呼びかけました。これに対して北韓は論評の中で「新しい内容はまったくなく、一考の価値もない。李明博大統領は2回にわたる南北首脳会談の宣言を継承するかどうかの立場をはっきりさせるべきだ」と主張しました。これについて、大統領府、青瓦台は「李明博大統領は金剛山で観光客が銃撃を受けて死亡する事件の中でも北韓に対話を提案した。北韓はまだ準備ができていないようで、遺憾だ」と述べました。しかし南北間では、金剛山で起きた銃撃死亡事件について共同調査を行うための南北対話もできていないうえに、北韓は6カ国協議の進展などから南北対話を急ぐ必要を感じていないとみられるため、当分の間、南北関係はこう着状態が続くのではないかと憂慮する声が出ています。

・国会は14日からアメリカ産牛肉の輸入を再開することになった韓米間の交渉に対する国政調査を始めました。今回の国政調査は38日間行われ、韓米間で最初に進められた技術協議から最近の追加交渉までのすべてについて、交渉担当部署の農林水産食品部と外交通商部に加えて、大統領府、青瓦台も調査対象となります。今回の国政調査の焦点は▼盧武鉉政権担当の2007年初めまではアメリカ産牛肉の輸入に反対していた政府が、30カ月以上の牛肉の輸入を認めることに変更したのはいつで誰が決めたのか、▼牛肉交渉が今年4月の韓米首脳会談の前日に妥結したのは、李明博政権が首脳会談やFTA=自由貿易協定などアメリカとの政治・通商関係を考慮して交渉を急いだためか、▼それにアメリカでBSEが発生しても国際獣疫事務局がアメリカのBSE危険度を下げない限り、韓国がアメリカ産牛肉の輸入を中断できないなどの合意内容が妥当かどうかなどです。これについて統合民主党など野党は政府関係者や青瓦台の柳佑益(チュ・ウイク)大統領室長なども呼んで、韓米首脳会談の直前に交渉が妥結した経緯などを集中的に追及するとしています。一方の与党、ハンナラ党は政府の間違いは正すものの、行過ぎた政治攻勢やBSE=牛海綿状脳症の危険性などに対する偏った主張には積極的に対応するとしており、国政調査はさっそく、与野党の証人の採択をめぐって難航するものとみられます。

・主なデパートが行った夏のバーゲンセールで売り上げが去年のバーゲンセールに比べて二ケタ台の伸び率となりました。デパート最大手のロッテ百貨店は、先月27日から今月13日までバーゲンセールを行った結果、売り上げは、去年に比べて12.3%伸びました。商品別では海外のブランド品が44%で最も高い伸びとなり、カジュアル衣類も43.8%の伸びをみせました。そのほか、ギャラリア百貨店もバーゲンセールの売り上げが去年より14%、新世界百貨店は11.6%とそれぞれ二ケタの伸び率となりました。デパート業界によりますと、不景気の中でも売り上げが去年より大幅に伸びたのは、高所得層をターゲットにした海外ブランド品の売り上げが伸びた上、空梅雨と猛暑の訪れで、レジャー用品の需要がこれまでより伸びたためと分析しています。

7月12日土曜日

・金剛山で韓国人の女性観光客が北韓側の銃撃を受けて死亡した事件で、政府は北韓に対し、真相究明のため韓国政府の当局者が現地入りし、北韓側と合同調査するよう求める方針です。政府は11日、今回の事件の対応を協議するため、統一部を中心とした対策会議を開いたのに続いて、12日は統一部、外交通商部、国防部、国家情報院の局長級らによる緊急会議を開き、こうした方針を決めました。しかし北韓は今年3月末から韓国政府当局者が南北軍事境界線を通過することを認めておらず、今回の事件についても政府当局間のルートで公式な通報をしていないため、北韓がどのような出方をするかが、今後の南北関係にも影響を与えるものとみられています。

・(一方)政府が金剛山観光を当分の間、中止することを決めたことを受けて、現在、金剛山観光のため北韓に滞在している韓国人の観光客は13日までに全員が韓国に戻ることになっています。金剛山など北韓の観光事業を進めている「現代アサン」によりますと、12日現在、金剛山観光のため北韓に滞在している韓国人観光客は合わせて1,362人で、このうち36人が12日の午前中に旅行を取りやめて韓国に戻るなど12日中に1012人が韓国に戻ってきました。しかし予定通り観光スケジュールをこなしたいという意向を示した350人は13日に韓国に帰ってくることになっています。ところで、現代アサンは、11日午前、金剛山で韓国人の女性観光客が北韓側の銃撃を受けて死亡したことがわかっていた後の11日午後も韓国人観光客370人を予定通り金剛山に送ったことが明らかになり、こうした対応に批判が出ています。

・李明博大統領は11日、国会の開院式で演説し、北韓に対して対話の再開を促しましたが、それに先立って、金剛山で韓国人の女性観光客が北韓側の銃撃を受けて死亡した事件について報告を受けていたことが明らかになり、波紋を呼んでいます。李明博大統領は11日午後、国会の開院式で演説し、「南北当局による全面的な対話が再開されるべきだ。北韓と真しに対話する用意がある」と述べました。李明博大統領の演説の直後、金剛山で韓国人の女性観光客が北韓側の銃撃を受けて死亡した事件が報道されましたが、大統領はすでに事件について報告を受けていたため、演説内容は適切ではなかったと指摘する声が出ています。野党統合民主党のチェ・ジェソン報道官は、「突発的で重大な事件が発生したので、大統領はその前後を考慮して、慎重に話すべきだった」と批判しました 。これについて大統領府=青瓦台の関係者は、「大統領の国会での演説内容と事件は別個の問題だ」とした上で、「大統領は国会に向かう直前に事件の報告を受けたが、事件の真相が把握されていない状況なので、演説の内容を変えるのは適切ではないと判断した」と述べました。

・北京で開かれていた北韓の核問題をめぐる6カ国協議は、北韓の核施設の無能力化とその見返りとなる北韓に対するエネルギー支援を今年10月までに完了することなどを盛り込んだ合意文書を発表し、12日閉幕しました。6カ国協議の議長国中国が発表した合意文書によりますと、北韓による核開発計画の申告内容を検証する方法について、▼北韓の核施設への立ち入り、▼核技術者に対する聞き取り調査、▼関連資料の追加提出という3つの原則で合意し、さらに必要な場合はIAEA=国際原子力機関が助言・協力する形で関与することにしています。また北韓の核施設の無能力化と北韓に対するエネルギー支援を今年10月までにすべて完了するとしています。しかしエネルギー支援をめぐって、日本が拉致問題で進展がないことを理由に支援に加わらない方針を表明していることから、合意文書には「日本は適切な時期に支援に参加する」という文言を盛り込んでいます。このほか、北東アジアの安全保障体制について話し合うため、近く北京で6カ国の外相会談を開くことにしています。

・日本が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本名竹島)について日本の領有権を主張する記述を検討していることに反発し、韓国の国会は11日、日本側に記述をしないよう求める決議案を採択しました。決議案は与野党の院内代表ら260人が共同で提出したもので、11日の本会議で賛成多数で採択されました。決議では、「独島は大韓民国固有の領土である。日本が学習指導要領の解説書に領有権を記述しようとする行為は、韓国の主権を侵害する挑発行為で、韓日間の未来志向的な友好関係を損なうことになる」と非難し、日本に対して、解説書に独島に関する記述を入れないよう求めています。

・ソウル市内のガソリンスタンドで販売しているガソリンの平均価格が1リットル2000ウォンを超えました。韓国石油公社がまとめたソウル市内のガソリン・スタンドで販売しているガソリンの平均価格は、11日現在、1リットル2009ウォンで、先週に比べて26ウォンも上昇し、史上最高値となりました。

・韓国の格安航空会社としては初めて、済州航空が11日、国際線に就航しました。済州航空は、11日、日本人観光客180人を乗せて、広島と済州を結ぶ路線にチャーター機を就航させました。このあと済州航空は、今月18日と20日には北九州と仁川の路線で、そして26日と28日には、高知と仁川を結ぶ路線でチャーター機を就航させることにしています。さらに済州航空は年内に済州と仁川を起点に日本の九州各地や、札幌などを結ぶ28往復のチャーター便を運航するほか、定期便の就航も目指しています。

7月11日金曜日

・北韓にある金剛山観光地区の海水浴場近くで11日午前4時30分ごろ、韓国人の女性観光客(53)が胸と足に銃撃を受けて死亡しました。この女性は11日未明、1人で散歩しているうちに北韓の軍事施設の中に迷い込み、北韓の兵士によって銃撃を受けたということです。女性の遺体は11日午後1時ごろ、南北出入国事務所を経て韓国側に戻り、束草市内の病院に安置されました。

・李明博大統領は11日午後、国会の開院式で演説し、「南北当局による全面的な対話が再開されるべきだ」と述べ、北韓に対して対話の再開を促しました。この中で李明博大統領は、「韓国の対北韓政策は、北韓の非核化を最優先の課題として取り組みながら、南北双方にとって利益になる共生・共栄の道を拓くことだ」とした上で、「過去に南北間で合意した南北基本合意書や非核化共同宣言、6・15南北共同宣言、10・4南北首脳宣言をいかに実行していくかについて北韓と真しに対話する用意がある」と述べました。また、「南北間で人道的な協力を進めていくことを提案する」として、「韓国戦争当時の韓国軍捕虜や離散家族が南北を自由に往来し、ふるさとを訪問できるようにすることは、南北にとってともに重要な倫理的責務だ」と指摘し、「これからは宣言にとどまらず実践に移すことが重要だ」と強調しました。李明博大統領が金大中政権当時の6・15南北共同宣言や、盧武鉉政権当時の10・4南北首脳宣言を含む過去の南北間の合意に言及し、南北間の対話を促したのは、こう着状態に陥っている南北関係を改善する狙いがあるものと見られます。

・最大野党統合民主党の議員の半数にあたる40人あまりは、李明博大統領が国民を抑圧する政策を進めているとして抗議し、男性議員は赤いネクタイを、女性議員は赤いスカーフを着用して国会の開院式に臨みました。統合民主党の議員らはまた党の方針に従って李明博大統領の開院式での演説に一度も拍手をしませんでした。民主党は、開院式が始まる前に議員総会を開き、アメリカ産牛肉の輸入再開に反対するキャンドル集会の参加者に対して過去の軍事独裁政権のような行き過ぎた鎮圧を指示した警察庁長の更迭と拘束者の解放、 経済危機の混乱を収拾できなかった企画財政部長官の更迭、さらに放送通信委員長が権力の手先になっているとして解任を要求する声明を採択しました。

・北京で行われている6カ国協議の首席代表会合は、2日目の11日、北韓による核計画の申告内容を検証する方法について協議を続けました。10日の協議では、首席代表会合の議題を、検証と監視のシステム、経済・エネルギー支援、6カ国協議の外相会合の日程、核廃棄に向けた第3段階の進め方の四つにすることで合意し、11日には、検証と監視のシステムについて、核施設への立ち入り、関連文書の追加提出、核技術者への聴取の三つの原則を作るための協議を進めており、議長国の中国は合意内容を文書にまとめて発表することにしています。協議の結果、検証と監視の原則が決まれば、実務レベルの調整が始まり、同時に2番目の議題である「経済・エネルギー支援」についての協議が始まる見通しです。

・ハンナラ党の朴槿恵(パク・クネ)元党代表に近い無所属の議員が11日、ハンナラ党に復党するのに続いて、親朴連帯の議員も今月15日から段階的に復党することになりました。4月の総選挙でハンナラ党の公認を外されたため、離党して無所属で立候補して当選した議員は親朴無所属連帯という集まりを作っていました。親朴無所属連帯の議員は11日、国会で記者会見し、復党を受け入れることにしたハンナラ党指導部の決断に感謝すると述べ、12人の議員が11日中に各選挙区のハンナラ党事務所に復党届けを出すことにしました。一方、総選挙で同じようにハンナラ党の公認を外されて離党し、新しい政党の親朴連帯を結成して立候補し、当選した議員13人は、今月15日に選挙区の議員が復党し、比例代表の議員は、選挙法違反で起訴されている徐C源(ソ・チョンウォン)代表の1審判決が出た後に復党することにしています。

・政府は11日、関係閣僚会議を開き、食品の安全性を確保するための総合対策を発表しました。それによりますと、政府が食品の安全を認証するHACCP=安全食品製造業者認証制度の対象を2012年まで段階的に拡大して、食品製造業者全体の95%がこの認証を取得するようにしました。また、重金属など有害物質の基準をEU並みに強化することにしたほか、常習的に食品関連法に違反した業者は3年以上の懲役に科するなど、刑を重くし、安全性に問題がある食品を販売して得た利益に対しては、その5倍までを没収することにしました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に抗議する集会がソウル中心部で連日続いていますが、警察は10日、10日ぶりに集会を強制的に解散させ、6人を逮捕しました。この日の集会には「健康権の実現を目指す保健医療団体連合」などの市民団体の会員ら350人あまりが参加し、夜7時からソウル中心部の鐘路で「アメリカ産牛肉の輸入検疫条件をめぐる再交渉を求める記者会見」を開いた後、8時半から中心部一帯をデモ行進しました。参加者が地下鉄2号線のウルチロイプク駅に到着したところ、警察は解散を促しましたが、参加者が応じなかったため、9時40分に強制的に解散させました。この過程で参加者のうち6人が逮捕され、3人がけがをして病院に運ばれました。

・韓国で最大の財閥である三星グループの前の会長、李健煕(イ・ゴンヒ)被告が背任と脱税の罪で起訴された事件で、検察は10日、李健煕前会長に懲役7年、罰金3500億ウォンを求刑しました。また、同じく背任と脱税の罪で起訴された李鶴洙(イ・ハクス)前副会長と金仁宙(キム・インジュ)前戦略企画室長にはそれぞれ懲役5年を求刑しました。この事件を捜査してきた趙俊雄(チョ・ジュンウン)特別検事は、背任と脱税で得た金額が大きいので、重い刑を求刑したと述べました。

・ソウル市は来年から温室効果ガスの削減に取り組む市民に対して税金を減免することにしました。ソウル市は10日、「気候変動対応条例案」を制定することを予告し、それによりますと、新しく建物を建てるか、建物を改修する際に、ソウル市の環境基準に従ったり、温室効果ガスの排出を減らす設備を取り付けたりする場合、税金を減免することにしています。

・ソウルの地下鉄1号線から4号線までを運営しているソウルメトロは10日、地下鉄3号線に来年から新型車両を導入すると発表しました。新型車両は、車両と車両をつなぐ通路のドアがガラス張りで、ボタンを押すだけで簡単に開閉できるようになっています。また、車内に二酸化炭素を感知するセンサーがあって、自動的に換気するシステムになっているほか、画面が四つの液晶モニターで乗客に各種の情報を伝えるとともに、車内放送の音質も高めました。ソウルメトロは来年から2年間に渡って段階的に新型車両340台を今の車両と入れ替える計画です。

7月10日木曜日

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の首席代表会合が10日午後、北京で始まりました。北韓が先月行った核開発計画の申告の内容をどのように検証していくかについて具体的に合意できるかが焦点になります。6か国協議は去年9月以来のことで、先月、北韓が核開発計画の申告を行い、アメリカが北韓へのテロ支援国家指定解除の手続きに入ったことを受けて行われたものです。今回の会合の見通しについて、韓国代表のキム・スク韓半島平和交渉本部長は、9日、「協議が実を実らせるか、実ってない実を待つことになるかはさらに見極めなければならない」と述べ慎重な考えを示しました。北韓による核計画の申告について、アメリカは北韓の完全な核放棄を目指すためにも申告内容を検証していくことが不可欠だとして、北韓が核施設への立ち入り調査を認めるよう求めています。これに対して、北韓は、核施設の無能力化や核計画の申告の見返りとして各国が行うことになっているエネルギー支援を急ぐよう求める姿勢を強めており、合意文書が採択されるかどうかは不透明とみられています。

・空転したままになっていた第18代国会が10日ようやく開かれ、新しい議長に、ハンナラ党の金炯オ(キム・ヒョンオ)議員が選ばれました。午前10時に開かれた国会の本会議で、まず議長の選出が行われ、在籍議員299人のうち、283人が参加した投票で、過半数を超える263票を得た与党ハンナラ党の金炯オ議員が新しい国会議長に選ばれました。金炯オ議長は、今年60歳、当選5回のハンナラ党の重鎮で、東亜日報の記者から盧泰愚(ノ・テウ)政権の時、大統領府=青瓦台の政務秘書官を務めたほか、李明博政権が発足する前の大統領職引継ぎ委員会の副委員長を務めました。今年4月の総選挙で当選した議員による第18代国会は、野党がアメリカ産牛肉の輸入再開に反発して登院を拒否したため、1ヶ月以上も空転が続いていましたが、これでようやく正常化しました。国会は11日午後2時から開院式をして、李明博大統領が演説を行うことになっています。

・与野党は、アメリカ産牛肉の輸入再開問題について、国会で国政調査を行うことで合意しました。与党ハンナラ党と野党民主党の院内首席副代表は、9日、アメリカ産牛肉の輸入再開に向けた韓国とアメリカ政府の交渉について、大統領府=青瓦台や、外交通商部、それに農水産食品部を対象に国政調査を行うことで合意しました。国政調査の期間は、今月14日から来月20日までの38日間で、この間、聴聞会を開き、期間内に報告書を採択できない場合は、期間を延長することにしています。与野党はこのため、与党ハンナラ党から9人、最大野党の民主党から6人、そのほかの野党から3人の合わせて18人で特別委員会を構成することにしています。民主党は、今度の国政調査で、▼政府が、韓米首脳会談に合わせて、アメリカ産牛肉の輸入再開に向けた交渉を急いで妥結させたのではないか、また▼交渉が妥結するよう裏で働きかけた人物がいないかどうかの疑惑について徹底的に追求するとしています。

・与党、ハンナラ党は、先の国会議員総選挙で、朴槿恵元代表の側近を中心にハンナラ党の公認をはずされたため離党して立候補し当選した議員全員の復党を無条件で受け入れることを決めました。ハンナラ党は10日、最高委員会議を開き、第18代国会議員総選挙でハンナラ党の公認候補を外されたため、離党した後、新たな政党「親朴連体」を結成したり、無所属から立候補したりして当選した議員の復党問題を協議した結果、無条件で議員の復党を認めることを決めました。会議の後、ハンナラ党の朴ヒ太(パク・ヒテ)代表は記者会見し、「今後、ハンナラ党は党内で派閥の話は出ないで一つの声を出す政党になってほしい」と述べました。この結果、ハンナラ党は、選挙法違反の罪で検察に起訴されている3人の議員の復党も認めることになりますが、3人は復党しても、党の規定によって倫理委員会で審査されることは避けられないものとみられます。最高委員会儀の決定を受けて、朴槿恵元代表は歓迎の意を表明し、今後、党の和合に向けて協力する考えを明らかにしました。ハンナラ党は、親朴連体の議員13人をはじめ、朴槿恵元代表の側近の無所属議員が復党した場合、今の153議席から180議席まで膨らんで巨大与党が誕生することになります。

・政府はこれまで借款方式で行っていた北韓へのコメの支援を、来年から無償で行う方針を決めました。統一部は、9日、北韓を支援する南北協力基金の来年度の予算案を明らかにしました。それによりますと、北韓に対する人道支援として、コメ40万トン、肥料30万トンを支援するために9,400億ウォン、日本円でおよそ1000億円を支出することにしました。これは今年計画されている支援と比べて量で10万トンずつ減っていますが、最近の穀物や肥料の価格暴騰を受けて、金額では2.7倍も増えています。このうちコメの支援については、これまで北韓が受け取って10年が過ぎてから年1%の利子を付けて返済する借款方式を改め、来年から無償の支援に切り替える方針を決めました。これについて、統一部の関係者は、「人道支援の趣旨に合わせるための措置だ」と説明しています。政府は北韓に対する人道支援は、北韓の核開発問題と切り離して行うことにしていますが、北韓が李明博政権への反発の強め、先月、トウモロコシ5万トンを支援するという韓国側の提案を断ったため、今年に入って支援することになっているコメと肥料の予算はまだ執行されていません。

・アメリカ政府は、9日、生後30カ月未満のアメリカ産牛肉を韓国に輸出するとしたQSAマニュアルに基づいて、韓国向けに輸出する牛肉の作業場29社のリストを発表しました。アメリカ農務省が9日、インターネットのホームページを通じて発表した告示によりますと、食肉加工業者の「タイソン・フレッシュ・ミーツ」など29社のと畜、加工、包装の作業場に対して、10日から韓国向けの輸出を承認するとしています。これによって今後、韓国に輸入される生後30カ月未満のアメリカ産牛肉は、1ヶ月後から韓国に供給されるものとみられます。しかし今回アメリカ政府の承認を受けた作業場の中には、アメリカ国内向けに食肉処理されたひき肉から、病原性大腸菌「0157」に感染した兆候がみられ、自主回収した会社も含まれて、波紋を呼びそうです。

・夏休みに国内旅行に出かける旅行客は去年より減る見通しです。国土海洋部と韓国交通研究院が全国の4000世帯を対象に今年の夏休みに国内旅行をする計画があるかどうかを聞いたところ、回答者の34.5%が「計画がある」と答えましたが、去年の同じ調査より4.9ポイント減っていることがわかりました。また国内旅行の計画がないと答えた人では、その理由として、「経済的な負担」をあげた人が33.3%でもっとも多く、最近の原油高などの影響によるものとみられています。一方、旅行する地域は、回答者の27%が「東海岸」を挙げて、もっとも人気が高くなっており、次いで、南部地方の内陸、江原道と忠清道の内陸、南海岸、西海岸、済州島の順でした。 旅行の日程は、来月3日から9日までの間という答えが35.3%でもっとも多く、次に今月27日から来月2日までの間が32.6%で、来月初めが国内旅行のピークになる見通しです。

・本格的な夏休みシーズンに先立って、李明博大統領が大統領府=青瓦台の職員に対し、海外旅行の自粛を呼びかけたことが明らかになりました。李明博大統領は先週、青瓦台の首席秘書官会議で、「原油価格の高騰で経済状況が悪化している中で、青瓦台の職員だけでもなるべく海外旅行を自粛して、旅行するなら国内を旅行して、地域経済の発展に役立ってほしい」と述べたということです。このような大統領の発言について、青瓦台では、「あくまでも青瓦台の職員に対して率先して海外旅行を自粛しようというもので、強制するものではない」と説明していますが、最近、 韓昇洙(ハン・スンス)国務総理ら政府高官が公務員に対して、相次いで国内旅行を勧める発言をしており、公務員の間に少なからず影響を与えるものとみられます。

7月9日水曜日

・猛暑注意報が東海岸に続いて、9日はソウル首都圏をはじめ全国に出されました。韓国ではこのところ空梅雨で、日中の気温が30度を上回り湿度が90%という蒸し暑い日が続いていますが、気象庁は、9日朝5時に、ソウルと京畿道地域に新たに猛暑注意報を出し、さらに忠清南道など内陸地方や南部地方には、猛暑警報を出しました。気象庁は今年から厳しい暑さが予想される地域に猛暑注意報や猛暑警報を出すことになり、日中の最高気温が2日連続で33度を超え、湿度も高く多くの人がストレスを感じると予想される場合に猛暑注意報を、さらに日中の最高気温が2日連続で35度を超える場合は猛暑警報を出すことにしています。気象庁は、こうした猛暑は明日10日まで続き、11日金曜日には全国的に雨が降って、厳しい暑さはやや治まるものと予測しています。

・北海道洞爺湖サミットの拡大首脳会議に出席するため日本を訪れている李明博大統領は9日午前、地球温暖化対策を協議する主要経済国会議で演説し、開発途上国による温室効果ガスの削減実績に商業的なインセンティブ(報酬)を与えれば、市場原理によって投資が拡大し経済性も改善できると語りました。そして韓国は新エネルギーや再生エネルギーに対する投資を増やすなどして、2020年までに温室効果ガスの削減に向けた中期目標を設定し、来年中に発表する計画だと明らかにしました。そのうえで李明博大統領は、韓国は気候変動対策で先進国と開発途上国の橋渡し役を務めていきたいとして、韓国が向こう5年間に2億ドルを拠出して「東アジア気候パートナーシップ」という組織の発足を目指す考えを示しました。

・李明博大統領と、福田首相が、北海道洞爺湖サミットの会場で、独島、日本で言う竹島の問題について意見を交換したと、NHKが報道しました。今回のサミットの期間中に韓日首脳会談は予定されていませんが、NHKの報道によりますと、両首脳はサミットの会場で短時間立ち話を交わし、この中で李明博大統領が、日本の中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島を日本固有の領土と記述しないよう求めたものとみられるということです。これに対して福田首相は、日本側の考え方を説明し、独島が日本の領土であるという立場をあらためて伝えたものとみられると、NHKは伝えました。

・北海道洞爺湖サミットの拡大首脳会議に出席するため日本を訪れている李明博大統領は9日、アメリカのブッシュ大統領と2回目の韓米首脳会談を行い、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる追加交渉の合意内容を誠実に履行してアメリカ産牛肉に対する韓国人の信頼が回復するよう緊密に協力することで一致しました。また両首脳は、北韓の完全な非核化が実現するよう6カ国協議の枠組みで韓国とアメリカがより一層協力を強め、北韓の核廃棄を目指す第3段階の交渉を粘り強く進めることで合意しました。

・北海道洞爺湖サミットは、最終日の9日、主要8カ国と、韓国、中国、インドなど新興工業国16カ国の首脳らが出席して開かれた「主要経済国会議」の首脳会合で、2050年に世界の温室効果ガスの排出量を半減させるという目標に沿って話し合いましたが、具体的な数値を決める合意には至らず閉会しました。

・北海道洞爺湖サミットに出席している主要8カ国の首脳は8日、政治討議を行った後、首脳宣言を発表し、北韓に対してすべての核兵器を放棄し、核申告書についての検証作業に協力するよう促しました。

・北韓は、ウラン濃縮と核技術のシリアへの移転疑惑に関するアメリカの憂慮を「認識している」という内容の了解覚書を今年4月にアメリカに提出したと、アメリカの自由アジア放送がワシントンの外交筋の情報として、9日、伝えました。それによりますと、北韓は先月、核計画の申告書を6カ国協議の議長国である中国に提出しましたが、これより先の4月8日にシンガポールで行われた米朝協議での合意を受けて、その一週間後の14日に2枚の用紙からなる非公開了解覚書をアメリカ側に渡したということです。

・アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐって与野党が対立し、40日以上も空転が続いていた国会が、10日から開かれることになりました。韓国では、4月の総選挙で選ばれた国会議員による初めての臨時国会が先月5日から1カ月の会期で開かれる予定でしたが、野党各党が、アメリカ産牛肉の輸入再開に反発してアメリカとの再交渉を要求し登院を拒否したため開院式すら開くことができず、国会は空転状態が続いていました。しかし与党ハンナラ党と最大野党統合民主党の院内代表が協議を続けた結果、10日に臨時国会の本会議を開いて国会議長を選び、開院式は11日午後2時に行うことで8日、最終的に合意しました。そして最大の争点となっているアメリカ産牛肉の輸入問題については、国内法で危険部位の輸入を禁止するため法律の改正を進める特別委員会を設置することで合意しました。野党は、アメリカとの再交渉ができないなら、アメリカでBSE=牛海面状脳症が発生した場合、韓国政府がただちに輸入を中断することを骨子とする「家畜伝染病予防法」の改正案を成立させ、韓国の国内法によって危険部位の輸入を禁止すべきだとしています。

・政府は、最近の原油高に対応するため国際原油価格が1バレル170ドルを超えた場合に行うことにしていた第2段階の省エネに向けた非常対策を繰り上げて1バレル150ドルを超えた時点から実施することを決めました。第2段階の非常対策は、▼公共機関だけでなく企業など民間の乗用車もナンバープレートの奇数と偶数の2組に分けて、それぞれの車が1日おきでしか運行できないように制限すること ▼ゴルフ場や飲食店の夜間の営業時間を短縮すること ▼テレビの放送時間を短縮することなど、民間で実施する省エネ対策を盛り込んでいます。

・盧武鉉前大統領が在任中の国政運営に関する記録を持ち出したとする問題で、大統領府青瓦台は返還を求め、盧武鉉前大統領との攻防が強まっています。青瓦台は、盧武鉉前大統領が退任前の今年1月18日に、青瓦台の電算システムと同じ形式の「e支援システム」を利用して、青瓦台内部の記録を原本ごと持ち出して、ふるさとのボンファ村に移したと主張しています。そしてこのシステムを通じて北韓の核と関連した文書など204万件におよぶ記録が原本ごと持ち出され、大統領府青瓦台が前政権から引き継いだ記録はわずか1万6000件に過ぎないとしています。このため青瓦台は盧武鉉前大統領に対して数回にわたって記録を返還するよう求めましたが断れたということです。これに対して盧武鉉前大統領側は、「事前に了解を得てコピーを保管しているのに過ぎない」としており、在任中の記録を閲覧する権利を保障するなら即刻返還するという立場を示しています。現行の法令では、大統領の記録は「大統領記録館」に保管することになっており、個人が保管することは認められていません。青瓦台は、盧武鉉前大統領側が記録の返還を拒否し続ける場合、検察に告発することも検討するという強硬な姿勢を示しており、双方の対立は今後ますます深まることが予想されます。

・政府は、第4世代の移動通信システムの技術開発のため向こう3年間に合わせて600億ウォンを支援することになりました。

・8月8日に開幕する北京オリンピックまであと30日となりました。韓国の選手団は、9日午後、ソウルの泰陵(テルン)選手村でメディアにユニフォームなどを披露するイベントを開き、オリンピックでの善戦を誓いました。北京オリンピックは「ひとつの世界、ひとつの夢」をスローガンにして来月8日から17日間にわたって開かれ、全部で28の競技に世界205の国と地域からおよそ1万人が参加して技を競います。韓国は今度の大会で金メダル10個を獲得し総合順位10位を目指しています。

・アメリカの女子プロゴルフツアーで活躍している韓国の李宣和(イ・ソンファ)選手(22)が世界ランキングで8位になり、トップ10入りを果たしました。

・アメリカに留学している外国人のうち韓国人が3年連続でトップを占めました。2位はインド、3位は中国、4位は日本の順でした。

7月8日火曜日

・李明博大統領は、日本で開かれている北海道洞爺湖サミットの拡大首脳会議に出席するため、8日から2日間の日程で日本に訪れています。今回の拡大首脳会議は地球温暖化対策が主なテーマですが、李明博大統領は9日に予定されているアメリカのブッシュ大統領との韓米首脳会談で、アメリカ産牛肉の輸入再開や、北韓の核問題をめぐってこのところぎくしゃくしている両国関係についてどのような話し合いをするか注目を集めています。李明博大統領は9日の拡大首脳会議では、2020年までに韓国が削減する温室効果ガスの目標量を来年中に確定する計画を明らかにする予定です。また、温室効果ガスの削減に向けた発展途上国に対する支援や、地球温暖化に対応する国際機構の設立を提案する計画です。

・北海道洞爺湖サミットの拡大首脳会議に出席するため日本を訪れている李明博大統領は、8日、インド、ブラジル、メキシコの首脳と個別に会談しました。李明博大統領は、まずインドのシン首相と初めての首脳会談を行い、両国の間で現在、協議が進められている「包括的経済パートナー関係」の樹立が早期に妥結するよう努力することで一致するとともに、韓国企業がインドで進めている製鉄所建設のプロジェクトに対してインド政府の支援を要請しました。続いて李明博大統領は、ブラジルのルラ大統領と会談し、エネルギー資源の分野で進出を希望している韓国企業に対するブラジル政府の関心と支援を呼びかけました。この後、李明博大統領は、メキシコのカルデロン大統領との会談に臨み、夜は北海道知事が主催する歓迎レセプションに出席します。

・牛肉を使った料理に原産地の表示を義務付ける制度が、飲食店や給食施設など牛肉を扱う全ての施設に対して、8日から施行されました。牛肉の原産地表示が義務付けられたのは、これまでの精肉店などに加えて、新たに食堂やバイキングレストランなどの飲食店をはじめ、ファーストフード店や学校、病院などの給食施設を含む全国で64万ヵ所あまりです。また対象となる料理は、焼肉やスープ、蒸し料理のほか、冷麺のだし汁など牛肉を使った全ての料理で、原産地はもちろん韓国産の牛肉を使った場合は牛の種類もメニューに表示することが必要です政府は、この制度の普及を徹底させるため、年末までを特別取締り期間として6000人の取締まり員を出して全国で取締まりを行うことにしていますが、来年からはわずか657人の取締まり員が64万ヵ所を常時取り締まることになり、この内500人は法的な権限を持たない民間人を当てるため、効果がどれだけ上がるか疑問だとする声が高まっています。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議が9ヵ月ぶりに今月10日北京で再開されることになりました。6カ国協議で韓国の首席代表をつとめているキム・スク韓半島平和交渉本部長が8日、6カ国協議の首席代表会合に出席するため北京に向けて出発する前に明らかにしたものです。キム・スク本部長は「北韓が究極的に核を放棄する重要なきっかけを設けられるよう各国と協議したい」と強調し、「首席代表会合と併せて、非核化や経済・エネルギー協力作業部会も開かれる予定なので、限られた時間ではあるが最大限の効果を上げて目標を達成したい」と述べました。

・韓国証券市場の総合株価指数が、8日、今年の最安値を更新しました。8日の韓国証券市場は、外国人投資家が22営業日連続で売り越したため、総合株価指数は、前日より46.25ポイント急落し、今年最安値の1533.47で引けました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する連日の抗議集会を主催している市民団体のBSE国民対策会議は8日記者会見して、今後は週末や休日に抗議集会を主催し、平日は各団体の自主的な開催に任せる方針を明らかにしました。BSE国民対策会議はまた、アメリカ産牛肉の市場での流通を阻止するため、不買運動にも乗り出す方針で、具体的な方法は今後議論を重ねて決めたいとしています。

・一人で暮らしている高齢者はおよそ93万人で、500万人いるとされる高齢者全体の20%近くを占めていることが分かりました。保健福祉家族部によりますと、今年一人暮らしをしている高齢者は去年より5万人多い93万人で、この流れからいきますと、2年後の2010年には100万人を超えるものとみられます。

・日本の読売ジャイアンツで活躍しているイ・スンヨプ選手と、アメリカのクリーブランド・インディアンスで活躍しているチュ・シンス選手が、北京オリンピックの韓国野球代表チームの予備選手に選ばれました。二人は、韓国野球委員会と大韓野球協会技術委員会が発表した韓国代表チームの予備選手33人の中に選ばれ、今月15日に代表チームのキム・キョンムン監督が決める24人の最終メンバーに入るかどうかを待つことになります。しかし、現在、読売ジャイアンツで2軍のイ・スンヨプ選手は、1軍にもどる可能性があり、また、チュ・シンス選手も大リーグでの活躍が期待されてチームを離れられない事情があり、代表チームは韓国国内で活躍している選手によって構成される可能性もあります。

7月7日月曜日

・李明博大統領は最近のアメリカ産牛肉の輸入再開に反発する国民世論の高まりや経済危機による政局の混乱を収拾するため、7日、農林水産食品部の長官など閣僚3人を入れ替える人事を行いました。大統領府、青瓦台の李東官(イ・ドングァン)スポークスマンが発表したところによりますと、新しい教育科学技術部長官に大統領直属機関の安秉萬(アン・ビョンマン)未来企画委員長、農林水産食品部長官に張太平(チャン・テピョン)前国家清廉委員会事務署長、保健福祉家族部長官にハンナラ党の全在姫(チョン・ジェヒ)議員をそれぞれ内定しました。また空席となっている監査院長に金滉植(キム・ファンシク)大法官を内定し、大統領特別補佐官にハンナラ党の金徳龍(キム・ドクリョン)前議員を任命しました。李明博大統領は今回の閣僚を入れ替える人事によって、アメリカ産牛肉の輸入再開への反発と経済危機などで悪化している世論をしずめて、経済の立て直しに向けた体制を作りたいとしています。しかし野党は経済危機の責任を問うため、経済関係閣僚の大幅な更迭を要求していたことから、今回の人事で混乱している政局を収拾できるかどうか、注目されます。

・李明博大統領は6日、日本が中学校の新しい学習指導要領の解説書に独島(日本名竹島)について日本の領有権を主張する記述を検討していることと関連し、「日本の政治家が無理な掲載はしないと信じている」と述べました。李明博大統領は北海道洞爺湖サミットに出席するのに先立って、6日、大統領府、青瓦台で日本の共同通信と行った会見で、日本の新しい学習指導要領の解説書が今月14日に公表される予定であることから、このように述べて、日本の福田首相など指導者に政治的な決断を求めました。李大統領はまた韓日関係について、未来志向の重要性を強調したうえで、韓日両国の学者で構成された第2期韓日歴史共同研究委員会の活動に触れ「韓日共同の歴史教科書を作ることができれば非常に役立つと思う」と述べました。

・第一野党・統合民主党の新しい代表に丁世均(チョン・セギュン)議員が選出されました。統合民主党は6日、ソウル・オリンピック公園の競技場で全党大会を開き、党の代表と5人の最高委員を選出しました。党の代表選挙は丁世均議員、秋美愛(チュ・ミエ)議員、鄭大哲(チョン・デチョル)前議員による三つ巴で行われ、丁世均議員が全代議員の過半数に当たる57.6%の支持を得て、党の代表に選ばれました。丁世均議員は今年57歳、1995年に財閥の1つ、双竜グループから国会入りして以来、国会議員に4回連続当選し、盧武鉉前政権では閣僚や党の要職を務めて危機管理能力が評価されました。統合民主党の全党大会では続いて最高委員の選挙が行われ、代議員1万2000人が1人で2票を投票した結果、民主化運動出身のソン・ヨンギル議員、金大中元大統領側近のキム・ミンソク元議員、検事出身のパク・ジュソン議員、盧武鉉前大統領側近のアン・ヒジョン氏、盧武鉉前政権で経済副総理をつとめたキム・ジンピョ議員の5人が最高委員に選ばれました。統合民主党の新しい指導部は、アメリカ産牛肉の輸入再開を決めた政府に反発して第18代国会の登院を拒否している姿勢を今後どうするかや、議席の過半数を占めている巨大与党ハンナラ党をどうけん制していくかの課題を抱えており、党内では派閥同士の葛藤を収拾することも課題となっています。

・政府は最近の原油高に対応するために立てた車の運行制限などの非常対策を、来週15日から繰り上げて実施することになりました。政府は6日、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理が主宰する関係閣僚会議を開き、先に国際原油価格が1バレル150ドルを超えた場合に実施することにしていた政府部署や地方自治体などの公共機関で10%の省エネを行うなどの非常対策を来週15日から繰り上げて実施することを決めました。また企業など民間の省エネ対策も経済を萎縮させない範囲で進めることになりました。それによりますと、来週15日から国会と裁判所を除く819のすべての公共機関で、乗用車をナンバープレートの偶数と奇数の2組に分けて、それぞれの車が1日おきでしか運行できないように制限します。このような乗用車の運行制限は1988年のソウル・オリンピックの際、交通渋滞を防ぐために実施されたことはありますが、原油高の対策として実施されるのはこれが初めてです。また官公庁の車の運行を30%削減するとともに、1万5300台あまりある官公庁の車の半数を2012年までに軽自動車やハイブリッドカーに取り替えていくことになりました。さらに公共機関の建物にあるエレベーターの使用制限を強化し、夜11時以降は街燈の点灯も半分に減らすとしています。政府は原油高に対する非常対策を繰り上げて実施したあとも、原油価格の動向や経済状況を総合的に見極めながら、さらに追加対策をとるかどうかを検討する方針です。

・政府と韓国銀行は7日、最近の為替市場について協議し、為替市場の行きすぎた不均衡を是正するため保有している外貨を使って市場に介入する方針を決めました。企画財政部のチェ・ジョング国際金融局長は7日の会見で、最近のウォン安とウォン高が繰り返されている現象について、行過ぎた為替の変動に対して政府が保有している外貨を使って介入したことを明らかにし、「韓国のドルの保有高は世界で5−6番目に多く、為替市場も安定させるには十分だ。今後も必要であれば、為替市場に政府が介入し、物価安定につなげたい」と述べました。最近の為替市場は外国人投資家が3週間続けて株を売ったため、ドルの需要が増えて、政府が市場に介入しない日はウォン安となり、政府が介入すればウォン高となる傾向が繰り返されていました。

・連日行われているアメリカ産牛肉の輸入再開に反対する抗議集会は週末の5日夜もソウル市庁前広場で大勢の市民らが参加して大規模に行われました。5日の抗議集会にはカトリックとプロテスタントのキリスト教会、仏教、円仏教と、韓国で代表的な宗教団体と野党4党の議員、市民団体などが参加して、警察の推計で5万人、主催側の発表で50万人が集り、集会の後、参加者が都心をデモ行進し、抗議行動は6日午前2時半まで続きました。警察は万一の事態に備えて機動隊員など2万人を出動させて警戒にあたりましたが、参加者との衝突はなく、集会とデモ行進はお祭りのような雰囲気の中で平和的に行われました。

・国連の潘基文事務総長は事務総長に就任してから初めての韓国訪問を終えて7日、北海道洞爺湖サミットに出席するため、日本に向かいました。潘基文事務総長は先週3日に、就任後初めて韓国を公式訪問し、李明博大統領と会談して国際社会で韓国がさらに貢献するよう要請しました。また大学で講演して学生たちに‘世界市民’としての夢と理想を抱くよう呼びかけたほか、生まれ故郷の忠清北道陰城(ウムソン)郡を訪問して、墓参りをし、住民たちから暖かい歓迎を受けました。パン事務総長は、北海道洞爺湖サミットでは一部の会合に出席して、温室効果ガスの排出量の規制にアメリカが参加するよう呼びかけるなど、主な参加国の指導者に対して地球温暖化対策や食糧危機の問題にいっそう取り組みを強めるよう呼びかけることにしています。

・韓国のムン山(ムンサン)と北韓の鳳東(ボンドン)を結ぶ縦断鉄道が7日から今週いっぱい運転を中止することになりました。統一部は7日「北韓が故金日成主席の追悼期間を今月7日から9日までの3日間設けて、7日から11日までの鉄道の運転を休むよう要請してきた。このため南北は今週いっぱい運転を取りやめ、来週14日から再開することにした」と述べました。韓国と北韓は去年12月11日から南北縦断鉄道の京義線を開通させ、韓国のムン山と北韓の開城工業団地近くの鳳東の間に貨物列車を平日に1日1往復させてきましたが、今回のように列車の運転を1週間も休むのは初めてです。

7月5日土曜日

・北韓が核計画の申告書を提出し、6カ国協議が来週にも北京で再開される見通しになっている中、申告内容の検証や経済支援をめぐってアメリカと北韓が論戦を繰り広げています。アメリカのライス国務長官は、韓国時間で5日、アメリカのテレビに出演し、北韓の核問題が核施設の無能力化から、核兵器の廃棄に向かっており、北韓がプルトニウムの生産を放棄したのは重要な進展だと評価したうえで、北韓が生産したプルトニウムの量をまず検証して核兵器の開発計画を本当に断念したかどうかを判断すると述べて、徹底した検証が欠かせないことを強調しました。これに関連して、パキスタンの核関連の科学者は、2000年に北韓にウラン濃縮の施設が導入され、この過程でパキスタン軍が関与したものとみられると明らかにしました。こうした中で北韓は外務省スポークスマンの談話を発表し、核計画を断念するには見返りの支援が先に提供されてこそ、次の段階の議論ができると主張しました。北韓はこの中で「われわれは寧辺の核施設の無能力化を80%以上進め、核開発の申告書を提出して、冷却塔も爆破した。しかし6カ国協議の参加国による経済支援は40%しか履行されていない」と不満をあらわにし、来週にも再開される見通しになった6カ国協議で核放棄に向けた論議をさらに進めたいとする関係国の動きをけん制しました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対して1カ月以上も続いているいわゆるろうそく集会で、警察など権力による人権侵害が行われたかどうかを調査するため、人権擁護団体の国際アムネスティーの調査官が4日、韓国入りし、ソウル都心で開かれたろうそく集会を視察しました。ソウルを訪れたのは、国際アムネスティーで東アジア地域を担当しているノルマ・カン・ムイコ調査官で、ムイコ調査官は、4日夕方からソウル市庁前広場で仏教界が主催して開かれた法事を兼ねたろうそく集会をおよそ1時間半に渡って視察しました。そしてムイコ調査官は、宗教界の関係者と面談した後、「韓国のろうそく集会は偉大なピープル・パワーだ。非常に平和的でよく組織されており、このような場面を見たのは初めてだ」と感想を述べました。ムイコ調査官は2週間滞在して、警察による行きすぎた鎮圧や人権侵害があったかどうかについて、被害者、目撃者、政府関係者と面談するなどして幅広く調査する予定です。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対してソウルの都心で連日行われているいわゆるろうそく集会は、週末の5日、韓国の4大宗教団体と野党4党も参加して、大規模に行われる予定です。ソウル市庁前広場で行われているろうそく集会は今週に入ってカトリック教会とキリスト教会、それに仏教などの宗教団体が交代で参加したこともあって、平穏に行われました。これを受けて週末の5日に開かれる集会にはカトリック教会、キリスト教会、仏教、円仏教の4大宗教団体と、第一野党の統合民主党、民主労働党、創造韓国党、進歩新党の野党4党も参加して大規模に行われることになっており、ここ数日、宗教団体の参加によって続いた平和的な集会が維持されるかどうか、注目されます。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する集会が連日開かれている中で、アメリカ産牛肉を販売している店では連日完売しているということです。アメリカ産牛肉は、今のところ、輸入会社の直営店数カ所で販売されており、ある直営店では今月1日から3日間に売れた牛肉が12トンに上って完売になるほど人気を集めているということで今後アメリカ産牛肉の販売店はさらに増える見通しです。一方、世論調査の専門機関が全国の成人男女700人を対象にアメリカ産牛肉について聞いたところ、「食べてみたい」という人が44%だったのに対して、「食べない」という人は半数を超える53%でした。しかし2カ月前の同じ調査に比べると、「食べてみたい」人は16ポイント高くなっているのに対して、「食べない」人は17ポイント減っており、アメリカ産牛肉に対する国民の意識が変化しているということです。

・原油高が続いて韓国が主に輸入しているドバイ油が4日、1バレル当たり140ドルを超えたため、政府は今後、車の運行を制限するなどの非常対策を検討しています。政府は国際原油価格が第3次オイルショックが予想される150ドルに迫ってきているとして、段階別に非常対策を進める方針です。それによりますと、国際原油価格が1バレル150ドルを超えると、第1段階として官庁など公共部門の車をナンバープレートの偶数と奇数に分けてそれぞれの車が1日おきでしか運行できないよう制限する方針です。そして原油価格が170ドルを超えると、第2段階として車の運行制限を民間部門にも拡げるほか、街燈や屋外の照明を制限し、冷房・暖房を調節することにしています。

・ソウル市内のガソリンスタンドで販売しているガソリン価格は一部ですでに2000ウォンを超えていますが、4日の平均価格は1983ウォンと史上最高になりました。また全国9700カ所のガソリン・スタンドでのガソリンの平均価格は1リットル1911ウォン5銭と、やはり史上最高となりました。

・韓国を訪れている国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、5日午前、マスコミ各社の報道局長や編集局長と懇談し、韓国はすでに国際社会で重要や位置を占めているとして、国際社会にさらに貢献すべきだと強調しました。潘基文事務総長はこの中で「韓国は 国際社会で誰も否定できないほど重要な位置を占めており、韓国人はいまやグローバル・シティズンという名にふさわしい行動を見せる時だ。分かち合いは余裕がある時よりない時に行う方が美しい。公的資金の支援やPKO=国連平和維持活動への参加は利益になるという考え方ではなく、国際社会に貢献するという考え方で行ってもらいたい」と述べました。

・東海岸に5日、今年初めて猛暑注意報が出されました。東海岸では4日夜は最低気温が25度を上回る熱帯夜となり、5日の日中は、最高気温が29度から33度になることが予想されています。気象庁は今年から厳しい暑さが予想される地域に猛暑注意報や猛暑警報を出すことになり、日中の最高気温が2日連続33度を超え、湿度も高く多くの人がストレスを感じると予想される場合に猛暑注意報を出し、さらに日中の最高気温が2日連続で35度を超える場合は猛暑警報を出すことにしています。今年初めて猛暑注意報が出されたのは江原道の6つの市と郡、それに慶尚北道の2つの郡です。気象庁は、東海岸を南北に走る太白山脈を越えて温かい風が流れ込み、フェーン現象が起きたためとみており、この地域の住民は、なるべく屋外での活動を控え、水分をたくさん摂るなどして、熱射病にかからないよう注意を呼びかけています。

7月4日金曜日

・韓国を訪問している国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は4日午後、大統領府青瓦台を訪れ、李明博大統領と会談しました。李明博大統領はこの席で、北韓の核問題の解決に向けた韓国政府の対応や南北関係の現状について説明し、韓半島の平和と安定のために国連の協力を要請しました。これに対して潘基文事務総長は出来る限りの協力と支援を約束しました。一方、潘基文事務総長は、韓国は世界で10位以内の経済大国に成長したと指摘した上で、韓国政府による開発援助の拡大をはじめ、気候変動や食糧危機などの国際的な懸案に、韓国政府がより大きな役割を果たしてほしいと要請しました。李明博大統領はこれに対して、国連と協力して各種の国際的な懸案を解決するために貢献していきたいと述べました。

・国会議長に内定しているハンナラ党の金炯オ(キム・ヒョンオ)議員は4日、連合ニュースとのインタビューで、第18代国会の前半で大統領の任期を変更するため憲法を改正すべきだという見解を表明しました。この中で?炯?議員は、「去年、各党の院内代表が第18代国会で大統領の任期を変更するため憲法を改正するという内容の文書に署名した」とした上で、「憲法改正は国民との約束なので守らなければならない」と述べました。各党は去年、大統領の任期を現在の5年1期から4年2期にするため憲法を改正することで合意していました。金炯オ議員は、物価の上昇など経済問題が山積している中で、国会ですぐに憲法改正のため作業を始めるには無理があるので、まずは国会議長のもとに憲法改正に向けた諮問機関を設置して研究を進め、その後、国会に憲法改正特別委員会を設置すべきだと述べました。

・与党ハンナラ党は臨時国会最終日の4日に野党が登院しない場合は、単独でも国会議長を選出する方針を明らかにしていましたが、議員総会を開いて対応を協議した結果、党単独では国会議長の選出を行わないことを決めました。国会議長内定者の?炯?(キム・ヒョンオ)議員も、単独での選出は望ましくないという立場を示しました。結局、第18代国会になってから初めての臨時国会は、アメリカ産牛肉の輸入を再開した政府の対応に野党が反発して登院を拒否したまま、院の構成はもちろん開院すらできないまま会期を終えました。ハンナラ党は今月7日から来月6日まで1カ月間の日程で、臨時国会を召集することにし、自由先進党と親朴連帯の同意を得て、3党共同で臨時国会の召集要求書を提出しており、国会議長の選出は次の臨時国会に持ち越されることになりました。

・北韓は先月26日に提出した核計画の申告書で、核兵器の製造に使用したプルトニウムの量を26キロだとしていることが分かりました。6カ国協議の消息筋によりますと、北韓は申告書の中で、寧辺の核施設で生成したプルトニウムの量は38.5キロで、このうち7.5キロは使用済み核燃料棒の中に残っており、核兵器の製造などのために抽出したプルトニウムは31キロだとしているということです。抽出したプルトニウム31キロのうち26キロは核兵器の製造に使ったほか、2キロあまりは2006年10月の核実験で使用し、残りの2キロあまりは使わないまま廃物にしたということです。中国は来週にも6カ国協議の首席代表会合を開く方向で関係国と日程を調整していますが、6カ国協議が再開されれば、北韓の申告内容を検証するための具体的な方法について論議が本格化する見通しです。

・アメリカは、北韓が核施設を無能力化する費用として1950万ドルを支援することが分かりました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は4日の記者会見で、北韓の核施設を無能力化するために1950万ドルを支援することにしており、このうち一部はすでに支給したと明らかにしました。この中には寧辺にあった原子炉の冷却塔を爆破した費用250万ドルも含まれているということです。マコーマック報道官は、第3段階の措置にあたる北韓の核放棄を進めるにはさらに資金が必要で、議会の承認を得なければならない語りました。一方、アメリカ議会の報告書は、北韓の核施設を無能力化するために、来年から2012年までに合わせて5億7500万ドルが必要になるとしています。北韓の核施設を無能力化するためにアメリカが北韓に支援金を出すことについてはアメリカ国内で反発する声も出ており、アメリカ議会の対応が注目されます。

・アメリカは来年半ばまで、北韓に対して毎月5万トンの食糧を支援することにしていることが分かりました。アメリカは先月から北韓に対する食糧の支援を再開しましたが、アメリカ政府の対外援助の窓口である国際開発庁の関係者によりますと、北韓に対して毎月5万トン、来年半ばまで合わせて50万トンの食糧を支援することにしており、そのうち40万トンはトウモロコシで、残り10万トンは食用油や豆を支援するということです。支援する金額は運送費なども含めて3億ドルから3億5000万ドル相当に上るということです。

・統一部は3日に開いた南北交流協力推進協議会で、民間団体が北韓に対して行う人道的な南北協力事業に、南北協力基金から43億ウォンを支給することを決めました。南北協力基金が支給される主な事業を見ますと、北韓の結核撲滅事業に10億ウォン、医療や教育支援事業に10億8500万ウォン、製薬工場の建設事業に10億ウォン、山林の緑化事業に12億5000万ウォンなどとなっています。

・東海岸の主な海水浴場が4日、いっせいに海開きをしました。東海岸ではこのところ連日30度を上回る夏日が続いており、このうち江原道江陵市では4日、今年初めて朝の最低気温が25度を上回る熱帯夜になりました。こうした中で、東海岸にあるおよそ100カ所の海水浴場のうち江陵市のキョンポデ海水浴場をはじめマンサン海水浴場 、チュアム海水浴場などが例年より一週間ほど早く4日、海開きをしました。東海岸の海水浴場は、例年より10日長く来月下旬までのおよそ1カ月半の間、営業を行う予定で、去年、西海岸で起きた原油流失事故の影響で、この夏は、例年の1.5倍にあたる3000万人以上の海水浴客が訪れるものと地元では予想しています。

・景気の停滞でソウル中心部にある光化門一帯の飲食店の売り上げが落ちていることを受けて、行政安全部は4日を「外食の日」と定め、光化門にある政府中央庁舎などの庁内食堂を営業しませんでした。行政安全部によりますと、4日は庁内食堂が休業したため、5000人あまりの公務員が光化門一帯の飲食店で昼食を済ませたということです。行政安全部は、光化門一帯の飲食店を支援する意味で、毎月1回ずつ「外食の日」を定め、庁内食堂を休業することにしています。

7月3日木曜日

・与党ハンナラ党の新しい代表に朴ヒ太(パク・ヒテ)前国会副議長が選ばれました。ハンナラは3日、ソウルオリンピック公園体操競技場で全党大会を開き、代議員が1人で2票を投票する代議員選挙の結果と世論調査の結果を、それぞれ7対3の割合で反映させる方式で、党代表など任期2年の指導部を選出しました。その結果、6人の候補のうち、前の国会副議長の朴ヒ太候補(70)が最も多い得票の6,129票、得票率で29.7%の支持率を獲得し、任期2年の新しい代表に選ばれました。また最高委員には、鄭夢準(チョン・モンジュン)最高委員(5,287票、25.6%)、許泰烈(ホ・テヨル)議員(3,284票、15.9%)、孔星鎭(コン・ソンジン)議員(2,589票、12.5%)の3人と、それに「指導部のうち1人は必ず女性を当てる」という党の規定から得票数に関係なく、唯一の女性候補の朴順子(パク・スンジャ)議員が選ばれました。ハンナラ党の新しい代表に選ばれた朴ヒ太氏は、去年暮れの大統領選挙に向けて党の公認候補を決める党内選挙で、李明博陣営の共同選挙対策委員長を務めたほか、大統領の兄の李相得(イ・サンドゥク)議員をはじめ党内の李明博大統領寄りの重鎮の厚い支持を受けていました。今回の代表選挙は、李明博大統領に近い議員と、朴槿恵(パク・クネ)元代表に近い議員、それにどちら寄りでもない中間派から2人ずつが立候補し、李明博大統領に近い朴ヒ太氏が代表に、また孔星鎭氏が最高委員に選ばれたことから李明博大統領に近い勢力が党を完全に掌握した形となり、今後、政府と与党の協力関係が一層強まるものとみられます。ハンナラ党の新しい指導部は任期が始まる4日に初めての最高委員会を開くことにしています。

・最大野党の統合民主党は、新しい代表を選ぶ全党大会を今月6日に開きますが、有力候補の丁世均(チョン・セギュン)議員に対抗するため、秋美愛(チュ・ミエ)議員と、鄭大哲(チョン・デチョル)常任顧問が候補を一本化することで合意しました。秋美愛候補と、鄭大哲候補の選挙対策委員会によりますと、両候補は、3日午前、党代表選挙に向けて、党の刷新と既得権を打破するため、候補を一本化する必要があるとして、全党大会の1次投票で、得票数が多い候補に一本化することで合意しました。統合民主党は、去年の大統領選挙で敗れ、ハンナラ党が最大与党になったことを受けて、今年2月、盧武鉉前大統領寄りのウリ党と、金大中元大統領寄りの民主党が統合して作られた政党で、有力とされる丁世均候補はウリ党出身で、秋美愛候補と鄭大哲候補は民主党出身です。

・アメリカのブッシュ大統領は、北韓の核問題をめぐって、北韓が核開発計画の申告内容の検証にどこまで協力的な姿勢を示すかを見極めることが重要だと強調し、「まだ懐疑的だ」という見方を示しました。ブッシュ大統領は、北海道洞爺湖サミットへの出席を前に、2日、ホワイトハウスで日本のメディアと会見しました。この中で、ブッシュ大統領は、北韓が核開発計画の申告を行い、冷却塔の爆破に踏み切ったことを歓迎したうえで、「北韓について自分はまだ懐疑的だ。『証明して見せろ』というのがわれわれの立場だ」と述べて、北韓が申告内容の検証にどこまで協力的な姿勢を示すかを見極めていくことが重要だという考えを示しました。そして「テロ支援国家の指定を解除する手続きが終わる45日間に北韓が約束を守っていないという結論に達すれば、深刻な結果を免れないというメッセージを送ることになる」と述べて、テロ支援国家の指定が実際に解除される来月11日までの間に北韓が非協力的な場合は、指定解除の撤回もありうると警告しました。

・潘基文国連事務総長が、3日、就任後初めて韓国を訪問しました。潘基文国連事務総長の韓国訪問は、来週、日本で開かれる北海道洞爺湖サミットへの出席に合わせて行われたもので、中国と日本を相次いで訪問したあと、3日午後、特別機でソウル空港に到着しました。空港では韓昇洙(ハン・スンス)国務総理が出迎え、国連総長も就任した後初めてで1年7ヶ月ぶりとなる帰国を祝いました。潘基文事務総長は、4日、李明博大統領と会談するほか、政界や財界の関係者、さらに大学生などとも会って国連の活動に対する協力と支援を求めることにしています。潘基文事務総長は5日間の韓国訪問を終えた後、7日から始まる北海道洞爺湖サミットに出席して、世界的な気候変動や食糧危機に対する国際社会の取り組みについて協議し、来週12日にニューヨークに戻る予定です。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対するソウル都心での抗議集会は、参加者と警察による衝突を避けるため、カトリック教会の司祭団が主催して、3日目にあたる2日夜も、平穏に開かれました。これまでのBSE国民対策会議に代わって司祭団が主催したミサを兼ねたキャンドル集会は2日で終了し、3日はキリスト教の団体が礼拝を兼ねて、4日は仏教の団体が法要を兼ねてキャンドル集会を主催することになっています。しかし5日には、韓国の2大労働組織のひとつ、民主労総=全国民主労働組合総連盟の組合員およそ10万人が参加する大規模な集会がBSE国民対策会議の主催でソウル市庁前広場で開かれることになっている上、キャンドル集会に反対する外国人留学生や脱北者らおよそ1000人が、その付近で「アンチキャンドル集会」を計画しており、参加者の間で衝突が起きるなど混乱が生じるのではないかと心配する声が上がっています。

・経済5団体は、国民生活の安定に向けた対策をまとめ、大企業の新規採用の枠を今年は当初の計画より10%増やすことにしました。全経連=全国経済人連合会、大韓商工会議所、韓国貿易協会、中小企業共同組合中央会、それに韓国経営者総協会の経済5団体は、3日、記者会見し、「大企業が今年の新規採用の枠を当初の計画より10%以上増やすほか、中小企業では、各企業が予定していた採用数より1人以上多く採用するキャンペーンを繰り広げる」と発表しました。大企業の場合、今年の新規採用の目標を去年より18%多い7万7,500人を見込んでいましたが、さらに7,700人を追加して採用することになります。このうち、30大企業は今年発表した新規採用計画のおよそ半数をすでに採用しています。経済5団体は、企業の投資や雇用状況を定期的に点検する一方、大企業と中小企業が共同で主催する採用説明会を全国を回りながら開くことにしています。

・韓国で初めての2階建て列車が2011年にお目見えすることになりました。KORAIL=韓国鉄道公社が2日発表したところによりますと、2011年4月から、ソウルと春川を結ぶ「京春線」に、8両編成のうち2両が2階建ての列車を導入することにしたということです。2階建て車両の高さは普通の車両より0.44メートル高い4.19メートルで、制限されている高さの4.75メートルより低く、運行に問題はないということです。韓国鉄道公社は、観光客の利用が多い「京春線」に導入したあと、反応がよければ、ソウルと仁川を結ぶ「京仁線」などほかの路線にも拡大していくことにしています。

・日本に新しい韓国学校が2010年にも開設される見通しです。これは権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日韓国大使が、2日、日本駐在の韓国特派員との懇談会で明らかにしたものです。それによりますと、現在、日本にある韓国学校は東京新宿区の東京韓国学校だけで、ここ数年、入学を待っている人が150人に上るなど、韓国学校への入学希望が増えているため、東京韓国学校を増築するとともに、2010年を目標に新しい韓国学校を設立することになり、候補地を検討しているということです。東京韓国学校の増築については、先月、関係者による委員会を構成し、資金集めをしているところで、費用の半分は韓国政府が支援することにしています。

7月2日水曜日

・アメリカのブッシュ大統領が、北京オリンピック開幕前の来月5日から2日間、韓国を公式訪問します。これについてホワイトハウスは、韓国時間で2日早朝に外交慣例を破ってブッシュ大統領の韓国訪問日程を一方的に発表し、大統領府青瓦台は、「まだ最終的に決まっていない」とする報道資料を出しましたが、その後、アメリカが遺憾の意を表明してきたたため青瓦台はこれを受け入れることにしたと、青瓦台の関係者が明らかにしました。ブッシュ大統領は当初、今月7日から日本で開かれる北海道洞爺湖サミットに出席した後、韓国を訪問する予定でしたが、アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する韓国国民の抗議集会が激化しているため訪問を見送ったいきさつがあります。

・アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐって国民の抗議集会が相次いでいる中、韓国の2大労働組織のひとつで60万人の組合員を擁する民主労総=全国民主労働組合総連盟が2日の昼と夜に2時間ずつ支部別にストライキを行います。このうち現代・起亜自動車の部品下請けメーカーが中心となっている全国金属労働組合の組合員15万人は、2日の昼と夜にそれぞれ2時間ずつストライキを行う他、午後6時からはソウル市庁前広場で決議大会を開催します。民主労総はまた4日と5日は10万人の組合員が参加する大規模な抗議集会を開く計画です。これについて労働部は、金属労組が投票でストライキを決めたとしても、目的が賃金の引き上げや勤労条件の改善とはかけ離れたストライキは違法であるとして、厳しく取り締まる方針を示しました。

・肉類輸入業者でつくっている韓国輸入肉協会が、去年の10月以来8カ月ぶりに検疫を終えたアメリカ産牛肉の販売を始めました。韓国輸入肉協会のパク・チャンギュ臨時会長によりますと、アメリカ産牛肉の販売を促進するため今月15日から30日までの期限付きで30%割引して販売する計画で、これに先立ってソウル市にある協会直営の輸入精肉店で1日、200キロ程度を陳列し試験販売をしたところ、「反応は良かった」ということです。販売価格は、100グラム650ウォンから2300ウォンと、韓牛のおよそ3分の1程度です。しかしこうした販売促進活動にも関わらず、アメリカ産牛肉の安全性に対する韓国国民の不安は依然として鎮まる気配はありません。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に抗議するいわゆる「キャンドル集会」がソウルで2カ月以上続いている中で、ロンドンに本部がある人権擁護団体、国際アムネスティーが、韓国に調査官を派遣することになりました。国際アムネスティーが定期調査とは別に特定の問題について調査するため韓国に調査官を派遣するのは今回が初めてです。アムネスティーの韓国支部によりますと、調査対象となっているのは、▼集会の参加者に対して警察が行き過ぎた鎮圧をしたかどうか▼デモの鎮圧ができないとして陸軍へ服務の変更を申請した機動隊員に対する懲戒処分の経緯 ▼キャンドル集会に批判的な記事を書く新聞社の広告主に対して不買運動を行った国民を法務部や警察が厳重に取り締まる方針を示したことが表現の自由を侵害していないかどうかなどについてです。国際アムネスティーは、先月にも、キャンドル集会に対する韓国政府の対応を憂慮する声明を2回発表し、カーン事務局長が李明博大統領に宛てて書簡を送っています。

・5月初めから続いている「キャンドル集会」をインターネットで中継したことを不満として保守団体のメンバー5人が、革新政党「進歩新党」の本部に乱入し暴力を振るった疑いで警察に連行されました。ソウル市永登浦警察署によりますと、1日夜、韓国戦争のときに軍事的任務を帯びて北韓に派遣された人やその遺族でつくっている「大韓民国特殊任務遂行者会」の事務総長ら5人が進歩新党本部の事務室に押しかけ、党員らに暴力を振るったということです。警察はこのうち事務総長ら2人に対して「暴力行為などの処罰に関する法律違反」で裁判所に逮捕状を請求しました。これについて進歩新党は2日記者会見し、「特殊任務遂行者が事務総長の主導で深夜に党本部で騒ぎを起こしたことはあり得ないテロ行為だ」として、暴力の背後を徹底的に究明しなければならないと強調しました。この団体は、李明博政権に批判的な一部マスコミに対しても「行動で示す」とする内容の記者会見を行ったことがあり、警察は警戒を強めています。

・政府は当初6%と見込んでいた今年の経済成長率の目標を、4%台後半に下方修正する方針を正式に発表しました。政府は2日に発表した下半期の経済運用計画の中で、原油や原材料価格の急騰で内外の経済環境が急激に悪化したとして、今年の経済成長率の目標を当初の6%から4%台後半に下方修正し、物価上昇率の予測も3.3%から4.5%に引き上げました。

・IOC=国際オリンピック委員会は、来月行われる北京オリンピックの開会式と閉会式で韓国と北韓が共同で入場するよう、双方のオリンピック委員会に要請したことが明らかになりました。政府高官によりますと、「最近、IOCのロゲ会長が北京オリンピックでの共同入場を要請してきた。北韓のオリンピック委員会にもこの旨を伝えたようだ。私たちは共同入場できればいいと考えている」と述べて、韓国としても近く北韓に共同入場を提案する考えを明らかにしました。韓国と北韓による共同入場は、オリンピックでは2000年のシドニー大会と、2004年のアテネ大会の2回、それに2006年のドーハアジア大会で行われています。

・6カ国協議のアメリカ首席代表、ヒル国務次官補は、北韓が核計画の申告書を提出したことについて、申告内容を徹底的に検証することが急務であり、北韓からプルトニウムを確保して外部に持ち出すことが究極的な目標だとする見解を示しました。

・6カ国協議の合意に基づいて北韓が核計画の申告書を中国に提出し、アメリカが北韓に対する制裁を一部解除するなど、米朝関係に一定の進展が見られていますが、今後、米朝間で貿易関係が樹立され正常化した場合、北韓の貿易額は今の19倍にも膨らむ効果が期待できるという報告書が出されました。

・韓国の新聞大手、朝鮮日報、東亜日報、中央日報の3社は、ポータルサイト「Daum」へのニュースの配信を中断することにし、波紋が広がっています。「Daum」によりますと、これら3社が最近、「Daum」に対して個別にニュースの配信を中断する意向を伝えてきたということですが、中断する理由や時期については明らかにされていません。「Daum」は、最近、韓国で相次いでいるアメリカ産牛肉の輸入再開に反対する国民の抗議集会を現場からインターネットで中継するサイトを設けており、市民たちが抗議集会に批判的な記事を掲載している朝鮮日報、東亜日報、中央日報の広告主に対して不買運動を展開する書き込みを行うなど圧力をかけていました。

7月1日火曜日

・アメリカ産牛肉の新しい輸入衛生検疫条件が告示されたことを受けて、去年10月から韓国国内の倉庫に保管されていたアメリカ産牛肉の一部が検疫を通過し、市場に流通を始めました。獣医科学検疫院によりますと、今回検疫を通ったアメリカ産牛肉は、去年10月に骨のかけらが見つかって検疫が中断する前に輸入されていた86トンで、すでに全体の検査は終了した状態になっていたため、今回は簡単な品質検査などを行って検疫を済ませたということです。こうして検疫を通ったアメリカ産牛肉のうち0.5トンは、市場に流通を始めましたが、民主労総=全国民主労働組合総連盟や市民団体が、アメリカ産牛肉の出荷を阻止するため釜山など13ヵ所にある保管倉庫の出入り口を封鎖しており、他の牛肉の出荷がいつになるかは不透明な状況です。韓国国内の倉庫では、現在、270トンのアメリカ産牛肉が検疫を待っているということです。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する抗議集会で、集会の参加者と警察との衝突が激しさを増している中で、昨日はカトリック教会の司祭団によるミサを兼ねた集会が開かれ、警察と衝突することもなく、平穏に終わりました。カトリック教会の「正義実現司祭団」が昨日ソウル市庁広場で開いた集会では、アメリカ産牛肉の輸入をめぐる再交渉と輸入衛生検疫条件の告示の撤回を求めるミサが行われた後、参加者が大統領府・青瓦台とは逆方向の南大門市場に向けてデモ行進をし、夜10時ごろ解散しました。カトリック教会の司祭団が集会やデモなどの行動に出たのは2005年以来のことです。警察の推計でおよそ8000人が参加したこの集会では、司祭団が参加者に対して平和的な集会にするよう強調し、警察もデモ行進を認めたため、連日みられていた暴力的な衝突などは起きませんでした。ところで、ソウル市庁広場に隣接する光化門一帯の商店経営者などおよそ50人は、1日の午前中に、抗議集会の自制を促すキャーンペーン活動を行い、2ヵ月間も続いている抗議集会のため、商売がままならず、生存権が脅かされていると訴えました。

・北韓への食糧支援を再開したアメリカから、最初の貨物船が北韓に到着し、荷役作業が始まっていますが、北韓は、韓国による食糧支援は、政府だけでなく民間団体からも拒否する方針です。統一部は、先月、板門店にある赤十字社を通じて、5万トンのトウモロコシを支援する用意があると北韓側に伝えていましたが、先週になって、北韓の実務当局者が「支援は受けない」と返答してきたということです。統一部は、トウモロコシの引渡しの場所や時期、方法などは北韓に委ねるとして食糧支援に積極的な姿勢をみせましたが、北韓は、韓国側の態度には誠意が感じられないとして、政府だけでなく民間団体からの支援も受け入れるつもりはないという立場をみせています。北韓は、「通美封南」すなわちアメリカとの関係改善には積極的に乗り出しながらも、北韓への融和政策の見直しを掲げる韓国の李明博政権に対しては強硬な態度を取り続けており、食糧支援の拒否もそうした方針の一環だとみられます。統一部は、とりあえず北韓の反応を見守りながら、WFP=世界食糧計画が北韓で行っている食糧調査の結果を踏まえ、今後支援していくかどうかを決めることにしています。

・政府は1日、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理が主宰する閣議で、韓米FTA=自由貿易協定の法案を改めて審議し、議決しました。第17代国会の終了に伴って韓米FTAの関連法案は自動的に廃案になったため、必ず閣議で改めて審査する必要がありますが、韓米FTA法案そのものは、韓国とアメリカが署名をした条約なので、閣議での審査はいりません。しかし、政府が韓米FTA法案を改めて審査し議決したのは、韓米FTAの批准に反対する野党側との衝突を避けるため、敢えて手続きをとったものとみられます。閣議で議決された韓米FTA法案は、大統領の裁可を経て国会に提出される予定です。

・アメリカのブッシュ大統領は30日、北韓の核を廃棄する作業にアメリカ政府の予算を支援できる内容を骨子とする法案に署名しました。これによって北韓は、2006年10月に核実験を行ったにも関わらず、核実験国に対して資金援助を制限する「グレン修正条項」の適用対象から向こう5年間除外され、アメリカ政府の財政援助を受けながら核廃棄作業を行うことができるようになりました。

・国際原油価格の高騰などで、先月6月の消費者物価の上昇率は5.5%と、およそ10年ぶりに最高の上げ幅となりました。統計庁が1日発表した先月の消費者物価動向によりますと、先月の消費者物価は去年6月に比べて5.5%上昇し、1998年11月以来、9年7カ月ぶりの上げ幅となりました。消費者物価は今年に入って1月から3月までは3%台の上昇でしたが4月は4.1%、5月は4.9%と5%台に迫っていました。このうち食料品など日常生活でよく購入する152品目を価格で表わす生活物価指数は7%も急騰し、2001年5月以後、最高の上げ幅となりました。

・韓国銀行が1日まとめた今年下半期の経済成長率は、当初予想していた4.4%から3.9%に下方修正され、下半期の消費者物価の上昇率も、原材料価格の高騰や為替などの影響を受けて、5.2%になるものとみられます。また、今年の経常収支の赤字は、当初予想していた30億ドルを大きく上回る90億ドルに膨らむと予想され、さらに今年の就業者数の増加幅は、内需の不振などで中小企業の採算性が悪化したため、去年に比べて0.8%増加した19万人に止まるものとみられています。韓国銀行は、今年下半期の韓国経済は、輸出が高い増加率をみせ5%台の成長率になるものとみられるが、内需の不振により国内の景気は鈍化すると予想しています。

・認知症や脳卒中などにかかった高齢者などの介護を国が支援する「老人長期療養保険サービス」が今月1日から施行されました。日本の「介護保険」に当たるこの保険サービスは、満65歳以上か、65歳未満でも老人性の病気にかかった人が対象で、等級審査によって、寝たきり状態の1級から、車椅子などの補助器具が必要な2級、他人の助けがないと身動きができない3級までに判定します。そして、1級と2級の人は介護施設で、3級の人は自宅で介護サービスを受けることができ、本人の負担は利用料金の20%です。保険サービスの財源は、新設された老人長期療養保険料と、国や自治体それに本人の負担金でまかない、今月から従来の健康保険料の4.05%に当たる老人長期療養保険料が一緒に請求されます。

・勤続年数が2年以上の契約社員を正社員として採用することを義務付けた非正規職保護法が施行されて1年になり、契約社員の数は減ったものの、雇用そのものは依然として不安定な状態が続いています。「非正規職保護法」は、1997年の通貨危機以来急増した契約社員の権利を保護するため制定され、去年7月から施行されているもので、企業に対して、▼勤続年数が2年以上の契約社員を事実上の正社員として採用する「期間制勤労者使用期間制限」と▼非正規職への差別をなくす「差別是正制度」が主な内容です。このうち、「期間制勤労者使用期間制限」では、労働部の調べで、公共機関や金融、流通業界などで契約社員およそ10万人が雇用が保障される無期契約職として採用されたことが分かりました。この結果、契約社員の人数は今年3月の時点でおそよ563万人と、去年に比べて13万人が減り、勤労者全体に占める割合も35.2%と前の年より1.5ポイント減少しました。しかし、その一方で、企業が2年以内に別の非正規職を採用する傾向も依然として強いため、正社員や無期契約職になれない契約社員に対する雇用の不安定は続いています。また「非正規職保護法」のもうひとつの柱である「差別是正制度」の対象が、これまでの勤労者が300人以上の事業所から100人以上の事業所に拡大されます。差別是正制度が導入されますと、雇用期間が1年未満となっている期間制勤労者や、勤労時間が週36時間未満の短時間勤労者、派遣勤労者が同じ事業所で同じ仕事をする正規職と差別された場合、労働委員会に是正を求めることができるようになります。