2008年ニュース

5月31日土曜日

・進展しているように見えていた北韓の核廃棄に向けたアメリカと北韓との交渉が足踏み状態に入ったもようです。6カ国協議のアメリカ首席代表ヒル国務次官補は、今週、中国とロシアを相次いで訪問し、各国の首席代表とそれぞれ会談しました。しかし当初は今月中に北韓が議長国の中国に出すと期待されていた核計画の申告書は、さらに遅れる可能性が高くなりました。また一部では、最終段階の核兵器の廃棄をめぐって、アメリカと北韓との間に根本的な認識の差が現われたという指摘も出ています。2001年から2003年までブッシュ政権の対北韓交渉の代表を務めたジャック・プリチャード韓米経済研究所長は、このほどワシントンで開かれた討論会で、北韓は核廃棄の対象について「寧辺(ヨンビョン)にあるプルトニウムの施設に限られ、すでに抽出した核物質や製造された核兵器は含まれない」という見解を明らかにしたと述べ、波紋を呼んでいます。プリチャード韓米経済研究所長は、4月に平壌を訪問した際、金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官からこうした説明を受けたということです。これについてアメリカ国家情報局の北韓担当官は、「すべての核計画について検証可能な方法で廃棄する」と従来の姿勢を改めて強調し、国務省のケイシー副報道官も、「多くの人が、自身が交渉に深く関わっているかのように装っている」としてプリチャード所長を強く非難しました。しかし、今月中に行われる予定だった北韓の核計画の申告が遅れるなど詰めの段階に来ていた北韓の核問題をめぐる米朝間の交渉が足踏み状態になっていることは事実のようです。

・政府がアメリカ産牛肉の輸入再開に向けて、新たな検疫基準を告示したことで、野党3党は30日、新しい検疫基準の効力停止を求める仮処分の申請と無効を確認する行政訴訟を起こすなど、強硬な手段をとっていますが、30日夜も市民による大規模な抗議集会がソウルをはじめ全国30カ所あまりで開かれました。ソウル市庁前広場には1万人が集まって告示の撤回を求めるとともに、牛肉交渉のやり直しを要求し31日未明にかけて中心部を行進しました。この際、30歳代の男性が警察の車に足を挟まれるなど、2人がけがをして病院に運ばれました。また警察官ともみ合いになってパトカーの上に上った40歳代の男性が警察に連行されました。アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する、こうした抗議集会はこれで1週間におよんでいますが、31日は土曜日とあって、ソウル支庁前広場には最大で10万人が集まるものとみられています。

・4月9日の総選挙で選ばれた第18代国会議員が、30日から任期に入りましたが、検察は、選挙法違反などで合わせて12人を起訴しました。このうち、ハンナラ党の公認を受けられずに離党してミニ政党を結成して当選した朴槿恵元ハンナラ党代表に近い「親朴連帯」は、代表を含む3人が、比例代表の公認を受ける見返りとして巨額の資金をやりとりした罪で起訴されました。これに対して「親朴連帯」は、これらの資金は特別党費であり、これを刑事処罰することは政治的弾圧だとして強く反発しています。検察によりますと、選挙法違反の疑いで30日までに摘発された新しい国会議員は合わせて91人に達しており、検察はさらに十数人を起訴する方針だということです。

・北韓が30日午前、西海で短距離ミサイル3発を発射したことがわかりました。韓国政府の消息筋が31日、明らかにしたところによりますと、北韓は30日午前、平安南道ズンサン沖の西海で、艦対艦の短距離ミサイルを3発発射しましたが、一部は目標時点に到達できなかったものとみられるということです。政府は、今回発射されたミサイルは、3月28日に発射されたものと同じ射程距離46キロの旧ソビエト製の艦対艦ミサイル、スティックスと推定しており、ミサイルの性能確認をかねた通常の単純な訓練とみられると分析しています。しかし一部では、北韓が韓国政府に圧力をかけようと一種の警告メッセージを送ったのではないかとする見方もあります。

・北韓は、李明博大統領の就任100日になるのを前に30日、労働新聞の論評を通じて、「李明博政権が進める実用主義では、いつまで経っても南北関係はうまくいかない」と主張しました。論評はさらに、「李明博政権は最近極度に窮地に追い込まれている。これは反民族的な実用主義がもたらした必然的な結果だ」と述べました。また労働新聞は、李明博大統領が打ち出している、北韓が核を放棄すれば北韓住民一人当たりの所得を3000ドルにするという「非核・開放・3000」構想は、思想と理念、体制の対決をあおるもので、李明博大統領の「実用主義」は、南北関係を2000年の南北共同宣言前に逆戻りさせようとする対決論だとして強く批判しました。

・来月3日に離任する韓国駐留アメリカ軍のベル司令官が、韓国駐留アメリカ軍のアパッチヘリコプター大隊をイラクやアフガニスタンなど海外に派遣する可能性を示唆して関心を集めています。ベル司令官は30日、国防担当記者団との離任にあたっての懇談会で、「アメリカ軍はイラクやアフガニスタンで行われている戦闘で勝利するための軍事力の展開を保障しなければならない」と強調し、この問題については、今後、韓国とアメリカの軍事指導者が協議して決めることになると述べました。アパッチヘリコプターの大隊は、北韓の戦車部隊を制圧するために欠かせない戦力とされています。さらにベル司令官は駐留アメリカ軍の防衛費分担について、アメリカ軍基地で働いている韓国人従業員の賃金や、軍事施設の建設費の半額を韓国が分担するよう求めました。

・地方自治体の首長と議会議員の再選挙と補欠選挙が、6月4日、全国52の選挙区で行われ、李明博政権100日間の評価につながるものとして注目されます。この選挙は、去年11月20日から今年5月5日までの間に、首長や議員が死亡したり当選無効になったりした全国52の選挙区で行われますが、国会議員や広域自治体の長の再補欠選挙はありません。今回の再選挙・補欠選挙は、李明博大統領の就任100日目となる6月3日の翌日に行われ、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐって国民の反発が強まっていることから、李明博政権100日間の国民の判断の変化を示すことにもつながり注目されます。このように2日からの週は、3日が李明博大統領就任100日目、4日がこの再補欠選挙、そして5日は第18代国会の開院式と、政治の週となります。

・李明博政権の誕生で発足した放送、通信、インターネットなどの政策を総括する行政機関の放送通信委員会は、放送事業者に対する再許可の審査を強化する方針を打ち出しました。放送通信委員会は30日、全体会議を開き、これまでは許可条件を履行しない場合は減点していた審査基準を改め、禁止事項に違反した場合は再許可を拒否することを骨子とした新たな基本計画を議決しました。放送通信委員会は、今年再許可を申請する放送事業者に対しては十分な審査を行ったうえ、10月頃、再許可するかどうかを決めることにしています。

・また放送通信委員会は、早ければ年内にスタートする予定の首都圏などでの英語によるFMラジオ放送に広告を許可することを決めました。

・ヨン様ことペ・ヨンジュン主演で好評を博したテレビドラマ「太王四神記」が、宝塚歌劇団によって日本で公演されることになりました。宝塚歌劇団は、来年2009年の劇団創設95周年を記念する第一作として「太王四神記」を舞台に乗せることにしたと30日、発表しました。宝塚歌劇団は、去年の夏から韓国側と交渉を続けて、了解を得たということです「太王四神記」は、高句麗時代に中国東北部にまで領土を広げた広開土大王の生涯をドラマ化したもので、「ベルサイユのばら」で有名な漫画家、池田理代子さんによって漫画化されています。

5月29日木曜日

・アメリカ産牛肉の輸入再開に対する国民の強い反対でのびのびになっていた政府による新たな輸入衛生検疫条件が告示されました。新たな輸入衛生検疫条件によりますと、牛の年齢制限なしにBSE=牛海綿状脳症の危険部位であるSRMを除くすべての部位を輸入できることになり、30カ月未満の牛の肉に限って認めていたこれまでの輸入条件に比べて大きく後退しました。ただ新たな輸入衛生検疫条件の本文には、アメリカでBSEが発生した場合でもOIE=国際獣疫事務局がアメリカに対して指定したBSE危険統制国の地位を取り下げない限り、韓国政府は輸入中断措置が取れないようになっていますが、韓国国民の強い反発を受けて政府がアメリカと追加協議した結果、附則の中にGATTなどの国際法を援用して韓国政府が輸入中断の措置をとることができることが盛り込まれました。さらにBSEの危険部位とされるSRMの範囲を、アメリカ国内向けの牛肉と同じレベルにするよう修正し、アメリカの規定に基づいてSRMが除去されていない製品が混じっている場合、アメリカに送り返すなど必要な措置を取ることができます。政府は、李明博大統領とブッシュ大統領との初めての韓米首脳会談が行われた前日の先月18日にアメリカ産牛肉をほぼ全面開放することでアメリカ政府と合意しましたが、これに反対する国民の抗議集会が相次いだため、告示を遅らせたうえ、両国の通商代表が追加協議をして、輸入衛生検疫条件の一部を補い告示に踏み切りました。しかし野党や市民団体は、まったく意味がないとしてさらに反発を強めています。アメリカ産牛肉の新たな輸入衛生検疫条件は、2−3日後に官報で立法予告されて効力が発生することになり、去年10月以降中断されていたアメリカ産牛肉の検疫が再開されると、来月にも本格的な流通が始まるものとみられます。

・政府はアメリカ産牛肉の輸入衛生検疫条件の告示に合わせて、検疫を強化するための対策を打ち出しました。それによりますと、アメリカ駐在の韓国大使館や領事館に韓国の検疫専門家を派遣して、アメリカ国内にある牛肉の輸出作業場の衛生管理を点検させるほか、韓国国内での検疫も強化し、現在は全体の1%になっている現物検査の対象を3%に増やす一方、新たに輸入が承認された作業場から初めて輸入される牛肉は精密検査を行うことにしています。また韓国人の食習慣から需要が多い牛タンや内臓などについては、すべて解凍して組織検査を行います。

・政府が30日、アメリカ産牛肉の輸入再開に向けた新たな衛生検疫条件を告示したことを受けて、与党ハンナラ党が「適切な時期に発表した」と歓迎の意を表明したのに対して、野党は一斉に「国民に向けた宣戦布告だ」として強く反発しています。

・全国民主労総=全国民主労働組合総連盟は29日、政府がアメリカ産牛肉の新たな輸入衛生検疫条件を告示したことに反発し、政府を糾弾する闘争を展開することを宣言しました。

・国賓として中国を訪問している李明博大統領は、30日帰国に先立って、大地震が起きた四川省を訪問する予定です。これは李明博大統領が27日に行われた胡錦涛国家主席との韓中首脳会談の席で、特別に要請して行われることになったもので、李大統領は地震の災害現場を訪れ、中国の国民に対して、災害を克服するため韓国政府が積極的に手助けする意向を伝えるものとみられます。外国の国家元首が四川省の災害現場を訪れるのは李明博大統領が初めてとなります。一方、韓国軍は、中国人民解放軍の要請を受けて、テントや毛布など、3億8000万ウォン相当の救援物資を29日、四川省に送りました。

・第17代国会議員の4年の在任期間が29日で終わりました。2004年4月に行われた第17代国会議員の総選挙は、当時、野党の民主党とハンナラ党が歩調を合わせて、盧武鉉大統領の弾劾訴追案を発議した中で行われ、野党の攻勢に反発する世論が高まり、その影響で、与党ウリ党が単独過半数の第1党に躍進し、16年ぶりに巨大与党が誕生しました。また革新派の民主労働党が国会に初めて議席を得て、第3党に躍進しました。しかし国家保安法の廃止や行政首都の移転などをめぐって、与野党の攻防がいつになく激しく続きました。そして去年12月に行われた大統領選挙を前に候補者だった李明博大統領の株価操作疑惑で、また李明博大統領就任後は、アメリカ産牛肉の輸入再開問題や韓米FTAの批准などをめぐって与野党が対立したまま第17代国会議員は在任期間を終えました。

・一方、この4年間、第17代国会に提出された法案は、6000件あまりで、このうち1341件が可決されました。これを前の第16代国会と比べますと、提出件数では3倍近く多く、歴代最高を記録しましたが、可決された件数は3%近く増えたものの過去2番目に低くなっています。ところで大統領選挙で進歩から保守へと10年ぶりに政権交代が行われたあと4月15日に投票の第18代国会議員の総選挙で当選した議員は30日から4年の任期に入り、国会は、来月5日に開院式をする予定です。

・韓の核問題をめぐる6カ国協議のアメリカと北韓の代表は、北京で2日間にわたって北韓による核計画の申告について協議しましたが、さらに議論が必要だとして、今後、技術的な問題を話し合う専門家会合を開くことになりました。6カ国協議のアメリカ代表のヒル国務次官補と、北韓代表の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官は、27・28日の2日間、北京で北韓の核計画の申告について最終的な調整を行うため協議しました。ヒル次官補は、協議を終えて28日夜、記者団に対し、「前向きな議論ができ、事態は着実に進展している」と述べて、一定の前進があったという認識を示しました。しかし「事態解決のための日程表を設けることはできなかった」として、「今後2・3週間のうち、核計画の申告に向けて技術的な問題を話し合う、専門家の会合を開くことになる」と述べて、核計画の申告に向けてさらに詰めの協議が必要であるという考えを示しました。一方、日本人の拉致問題について、ヒル次官補は、「北韓に前向きな措置をとるよう促したところ、北韓も共感を示した。この問題については、進展を期待する」と述べました。ヒル国務次官補は29日に、モスクワを訪問し、6カ国協議のロシア代表や、ロシアを訪れている、キム・スク韓国代表と、今回の米朝協議内容を説明することにしています。

・ホノルルを出発して、韓国の仁川国際空港に向かっていた大韓航空機のトイレの中で、乗客の29才の日本人女性が首をつっているのが発見され、着陸後に病院に運ばれましたが、死亡しました。大韓航空によりますと、28日午後、仁川空港への着陸を前に、この日本人女性がトイレの中で自分のスカーフで首をつっているのが発見され、着陸後に病院に搬送するる途中死亡したということです。この女性は28日午後、ホノルルから仁川空港に到着したあと、福岡行きの航空便に乗り換える予定だったということで、警察は詳しい死因などを調べています。

・京畿道高陽市一帯で作られている大型観光施設「韓流ウッド」のうち、メイン施設となるテーマパークの起工式が、29日行われました。韓流ウッドは、京畿道が高陽市チャンハン洞一帯のおよそ100万平方メートルの敷地に、2兆8000億ウォンを投資して建設している複合文化観光団地で、今回起工式が行われたのは、そのうちの30万平方メートルに作られる「韓流テーマパーク」です。起工式には、キム・ムンス京畿道知事をはじめ、韓流テーマパークの広報大使に選ばれた中国の人気俳優ジャッキー・チェンさんや、人気女優のチェ・ジウさん、映画監督のイム・グォンテクさんら関係者2000人が出席しました。韓流テーマパークは、韓国の人気映画やドラマなどをテーマにした「韓流スタジオ」をはじめ、遊園地、ショッピングモールなどが造られ、2012年にオープンする予定です。

5月28日水曜日

・中国を国賓として訪問している李明博大統領は2日目の28日、経済界の関係者らと会って両国の経済協力拡大の必要性を強調しました。李明博大統領は、両国の企業家が主催した昼食会で演説し、韓国と中国の協力関係を、これまでの量的な協力の段階から高度な質的協力の段階に転換しなければならないと強調しました。李明博大統領はまた両国のFTAの締結は、十分な協議を経て互いの利益にみあうよう検討を進め、両国の関係発展に新たな転機となるようにしたいとする見解を示しました。李明博大統領は、午後は、温家寶(おんかほう)首相や、中華人民共和国人民政治協商会議全国委員会の賈慶林(かけいりん)主席らと相次いで会談し、経済通商分野での具体的な協力案をさぐる予定です。

・外交通商部の李恵民(イ・ヘミン)FTA=自由貿易協定交渉代表は、韓中FTAは、農業や水産業に及ぼす影響が大きいことから、十分な保護対策を検討したうえで進める計画を明らかにしました。李恵民代表は28日、外交通商部で行った定例会見で、27日の韓中首脳会談で両国が積極的に検討を進めると発表した韓中FTAについてこのように語りました。

・中国外務省の秦剛報道官は27日、「韓米軍事同盟は過ぎた歴史の遺物だ」として、時代が変わり北東アジア各国の状況にも多くの変化が生じているので、冷戦時代の軍事同盟では北東アジアの安全保障問題を解決することは困難だとする考えを示しました。これは秦剛報道官が、李明博大統領の中国訪問初日に行った定例会見で、李明博政権が韓米軍事同盟を強化することが北東アジア情勢にどのような影響を及ぼすと思うかという記者団の質問に対して述べたものです。これについて中国の韓国大使館は、いまのところ論評していません。

・27日に行われた韓中首脳会談で、李明博大統領と胡錦涛国家主席は、「受刑者移送条約」に調印し、中国で罪を犯し刑務所に収監されている韓国人の受刑者が希望した場合、残っている刑期を韓国に戻って服役することが可能になりました。受刑者移送条約は、韓国で罪を犯し実刑が確定した外国人受刑者がこの条約の締結国の国民である場合、受刑者が希望すれば本国に移送したうえで服役することが可能になるもので、逆の場合も適用されます。このため中国の裁判所で有罪の判決を受け現地の刑務所に収監されている韓国人受刑者が韓国への移送を希望する場合、両国の関係当局が一定の審査をしたうえで承認することになっています。移送の対象となるのは、残りの刑が1年以上で両国でともに適用される犯罪を犯した被告に限られます。5月初めの時点で、中国の刑務所に収監されている韓国人は193人で、韓国の刑務所に収監されている中国人は633人です。

・アメリカ産牛肉の輸入が早ければ来月にも再開される見通しとなるなか、輸入再開に抗議するとともに警察に連行された市民の釈放を要求する集会が4日目を迎え、28日未明には、さらに113人が警察に連行されました。政府は先に李明博大統領とブッシュ大統領との初めての首脳会談が行われた前日にアメリカ産牛肉をほぼ全面開放することでアメリカ政府と合意し、近く輸入再開に向けた最終的な手続きとして農林水産食品部長官が新たな輸入衛生条件を告示することになっています。これに対してアメリカ産牛肉の輸入再開は安全に問題があるなどとして先週の土曜日から4日連続で中学高校生や主婦、サラリーマンたち数千人がソウル中心部に集まって抗議集会を繰り広げ、これを阻止する警察官と衝突する事態が相次いでいます。このため政府は27日に公安対策の会議を開き、一般の参加者も現場で逮捕する方針を固め、28日未明にはこれまでで最高の113人が警察に連行されました。これは3日間に連行された人を合わせた98人を上回っており、中には中学高校生も含まれていることから論議を呼んでいます。

・林采正(イム・チェジョン)国会議長は、29日までとなっている第17代国会の会期中に韓米FTAの批准同意案を表決するためハンナラ党が国会議長の職権による上程を強く求めていることについて、在籍議員の過半数の署名が得られれば検討できるという姿勢を示しました。韓米FTAは、盧武鉉前政権がアメリカ政府との間で締結しましたが、アメリカが、連邦議会で批准する条件として韓国にアメリカ産牛肉の輸入再開を迫り、李明博政権が無理に受け入れたとして国民の不安が高まっているため野党3党は牛肉問題を棚上げにしたままではFTAの批准同意案は審議できないとして明日29日が会期末になった臨時国会での審議に一切応じていません。

・李明博大統領は今年の秋頃、就任後初めてモスクワを訪れ、ロシアのメドヴェージェフ大統領と首脳会談を行う見通しです。これは現地を訪れている外交通商部のクォン・ジョンラク第1次官が、ロシア外務省の第1次官と協議した結果、秋頃をめどに首脳会談の開催に向けて調整を進めることにしたものです。

・アメリカ政府は、今年で5年目となるPSI=大量破壊兵器の拡散防止構想に韓国が正式に参加するよう期待していると、アメリカ国務省の高官が27日、明らかにしました。アメリカは、PSIの発足当時から韓国に対してPSIへ参加するよう要請し続けていますが、盧武鉉前政権は北韓との関係に配慮して参加しませんでした。PSIは、ブッシュ大統領が大量破壊兵器の拡散に対処するため2003年5月に提案し、イギリス、日本、オーストラリア、フランス、ドイツなどをはじめ90カ国あまりが参加しています。一方、アメリカは PSIの発足5周年を記念する行事を28と29の両日、ワシントンで行いますが2日目はPSIに参加していない国に対する説明会を行う予定で、これに韓国政府の関係者も出席することから今後の展開に関心が寄せられています。

・国際原油価格の急騰で韓国経済が大きな打撃を受けていることから政府は28日、対策会議を開き、低所得者層の負担を軽減するため「エネルギーバウチャーシステム」の導入を検討することにしています。「エネルギーバウチャーシステム」は、電気代やガス料金、ガソリン代などを決済した後、領収書を地方自治体の役所に提出すれば政府が精算して一部が戻ってくるシステムです。 政府は来週行われる政府与党連絡会議でこうしたことについて全般的な具体策を決める方針です

5月27日火曜日

・就任後初めて中国を国賓として訪問している李明博大統領は27日、胡錦涛国家主席と韓中首脳会談を行い、両国関係をこれまでの「全面的パートナー関係」から最上級の「戦略的パートナー関係」に格上げすることで合意しました。李明博大統領は現地時間で27日午後2時に北京空港に到着し、 人民大会堂で行われた歓迎式典に臨んだ後、胡錦涛国家主席と首脳会談を行いました。首脳会談の後、両首脳は共同で記者会見し、この席で李明博大統領は「四川省で起きた大地震の犠牲者に、韓国政府と国民を代表して深い哀悼の意を表するとともに中国政府と国民が一致団結して、早期に復旧できると確信している。また今年8月の北京オリンピックは世界の人々がひとつになるイベントとして成功すると思う」と期待を表明しました。李大統領はまた「今回の首脳会談では両国関係をこれまでの全面的パートナー関係から最上級の戦略的パートナー関係に格上げすることで合意した。韓国と中国は外交・安全保障、経済、社会、文化などの分野で関係を強化することで意見をともにし、外交当局同士が戦略対話を常設して深めていくことになった。またこれまでの産官学の共同研究結果をもとに韓中FTA=自由貿易協定の締結に向けて前向きに検討することになり、移動通信や金融、原子力事業などを積極的に推進し、政府レベルの青少年交流をさらに拡大することでも合意した」と述べました。そして李明博大統領は北韓の核問題をめぐる6カ国協議を通じて韓半島の非核化を実現することで意見をともにしたことを強調し、中国が6カ国協議の議長国として前向きな役割を果たしていると高く評価しました。韓国と中国は1992年8月に国交を結んで以来、各分野で関係発展を目指してきましたが、今回の「戦略的パートナー関係」は、中国政府が外国と交わす5段階の友好関係の中で最上級のものです。これに先立って胡錦涛国家主席は、李明博大統領をオリンピックの開幕式に招請したことを明らかにしたうえで、「李明博大統領は私に韓国訪問を招請し、快く受け入れた」と述べて、年内に韓国を訪問したいという意向を示しました。

・アメリカの牛肉輸出業者の作業場などで衛生状態などを調査した政府の特別調査団が「問題はなかった」という結論を出し、これによって輸入衛生条件の告示は来週にも行われる見通しになりました。特別調査団のメンバー9人は今月12日にアメリカに向かい、アリゾナ、ネブラスカ、テキサス、ワシントンなどにある牛肉の作業場や加工施設31カ所を訪ね、月齢30カ月以上の牛が区別・処理されているか、BSE=牛海綿状脳症を引き起こす恐れのある危険部位は除去されているか、作業員の衛生状態は適切に管理されているかなどを点検し、26日、帰国しました。そして調査団の団長を務めた国立獣医科学検疫院のソン・チャンジュン畜産物検査部長は26日、空港で記者団に対して「アメリカが交通の便宜をはかってくれたので、短い間に最善を尽くして点検した結果、問題と思われるところはなかった」と述べました。調査団が農林水産食品部に調査結果を報告しますと、新しい輸入衛生条件を告示するための手続きは事実上終わります。しかし28日頃とされていた農林水産食品部長官による告示依頼は、韓国の畜産農家の保護対策が最終的に決まっていないため、2−3日先送りされる見通しで、告示依頼から官報に告示されるまで4日ほどかかることから、新たな輸入衛生条件が告示されて発効するのは来週になる見通しです。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する国民の集会は26日にもソウル都心で開かれ、参加した人たちが夜遅く道路を占拠したため、警察は解散命令を出し、応じなかった29人を連行しました。政府がアメリカ産牛肉の輸入再開を決めたことに対して、安全性に問題があるとして先週24日から始まった反対集会は26日も夕方から開かれ、集会に参加した人たちはろうそくを片手に夜11時頃から明洞や宗路周辺の道路を占拠しました。このため警察は27日午前1時に解散命令を出し、応じない人たちともみ合うなどした後、29人を連行しました。この結果、24日から3日間連続で開かれた集会の参加者のうち、連行された人は96人になりました。これについて検察、警察、労働部は27日、公安対策の会議を開き、集会の参加者による違法で暴力的な行動に対しては厳重に対応する方針を決めました。

・政府は政府部署の530の委員会のうち、実績が上がらなかったり、機能が重複したりしている委員会など、半分以上を廃止することになりました。政府は27日の閣議で、現在、運営されている530の諮問委員会のうち、半分を超える273の委員会を廃止することを主な内容とする整備計画を議決しました。これについて行政安全部は、無分別に作られた委員会もあって、行政面での無駄遣いが指摘されている上、政策失敗の責任を委員会に転嫁するといった問題も起きているため、委員会を大幅に減らすことになったと説明しました。廃止される委員会は、▼これまで3年間、会議が一度も開かれなかった物価安定委員会など運営の実績が極めて低いものや、長い間構成されなかった60あまりの委員会、▼中央地名委員会と海洋地名委員会のようにその機能や性格が重複している50あまりの委員会、▼単純に諮問だけのために作られた90あまりの委員会は廃止された後、政策諮問委員会に統合され、▼時代の変化などで必要性が感じられなくなった40あまりの委員会なども廃止されることになりました。

・政府は27日の閣議で、国連の平和維持軍として中東のレバノンに派遣されている韓国軍「東明部隊」の活動をさらに1年間延長することを決めました。「東明部隊」は陸軍歩兵部隊を中心に工兵・通信・医務・輸送・整備など359人で構成されており、去年7月から活動しています。政府は27日の閣議で国連加盟国として国連の国際平和維持に向けた活動に積極的に参加し、レバノンの安定と中東諸国の平和に寄与すべきだとして、「東明部隊」の派遣期間を今年8月から来年7月末まで1年間延長することを決め、近く国会に派遣延長同意案を提出することになりました。

・第18代国会の第一野党、統合民主党の院内代表に元京畿道富川市長の元恵栄(ウォン・ヘヨン)議員が選出されました。第18代国会の統合民主党の院内代表を選ぶ選挙には3人が立候補し、27日午前、国会で党内の議員による投票が行われました。その結果、1次投票で過半数を得た候補がいなかったため、最多得票の元恵栄議員と2位の李康来(イ・ガンレ)議員との間で決戦投票が行われ、元恵栄議員が過半数の49票を獲得して、任期1年の院内代表に選ばれました。元恵栄議員は今年56歳、食品会社の代表取締役を経て、富川市長を2期つとめたあと、第17代国会から国会議員をつとめています。元恵栄議員は選出された後のあいさつで、「与党ハンナラ党と交渉するためには野党同士の団結が必要だ。統合民主党を政策を打ち出す政党に作り上げ、2年後の地方選挙と5年後の大統領選挙で再び国民の支持を受けられる土台を作っていきたい」と抱負を述べました。

・6カ国協議のアメリカ代表のヒル国務次官補は27日、 北京で北韓の金桂冠外務次官と北韓による核計画の申告などについて協議を行いました。ヒル次官補は26日北京への出発に先立って、アメリカで記者団に対して、北京での米朝協議では、遅れている北韓による核開発計画の申告について重点的に協議する予定で、その見返りとしてテロ支援国の指定解除などについても意見を交わす考えだと述べました。これについて韓国政府の消息筋は北京での米朝協議が終わったあと、来週には北韓が6カ国協議の議長国の中国に核開発計画の申告書を提出する可能性が高いと述べました。

・韓国漁船が済州島の南の公海上で中国漁船と衝突した後、中国の漁船員に捕獲した魚や現金などを奪われる事件が起きました。農林水産食品部によりますと、26日午前0時過ぎ、済州島から南の公海上で、航行中の韓国の太刀魚漁船セグァン号(29トン)と中国漁船が衝突しました。その後、中国側の漁船員およそ20人がセグァン号に乗り込み、セグァン号が捕獲した冷凍の太刀魚5200キロをはじめ、韓国の漁船員の現金と携帯電話まで奪い取って立ち去ったということです。韓国政府は26日、外交ルートを通じて、中国の農業部に逃走した中国漁船の手配を求めるとともに、韓国海洋警察の捜査で事実関係が確認されれば、中国側に被害補償を請求するとしています。

5月26日月曜日

・与党ハンナラ党が、韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案を表決するために国会議長に26日から4日間の日程で召集するよう求めていた臨時国会は、野党が拒否し初日から空転状態となっています。ハンナラ党は、野党がアメリカ産牛肉の輸入交渉の責任を問うとして国会に提出したチョン・ウンチョン農林水産食品部長官に対する解任決議案が否決されたことを受けて、アメリカ産牛肉の輸入問題と韓米FTAを結びつけるには無理があり、また、アメリカ大統領選挙の民主党の有力候補、オバマ上院議員が、韓米FTAには自動車関連条項など欠陥が多いとして反対を表明したのは、それだけ韓米FTAが韓国に有利だという証だとして、臨時国会で韓米FTAの批准同意案を処理するよう求めました。しかし、統合民主党など野党側は、韓米FTAの批准同意案を処理するための臨時国会には応じないという立場を曲げておらず、オバマ上院議員の反対でアメリカ議会で批准同意案の処理が不透明になっているだけに、韓国の国会もより戦略的で慎重に臨む必要があると主張し、臨時国会を拒否する姿勢をくずしていません。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する大規模な抗議集会が、ソウルの都心で24日と25日に相次いで開かれ、デモの参加者が警察官と衝突するなどして、合わせて68人が連行されました。アメリカ産牛肉の輸入再開に対して、安全性に問題があるとしてソウル都心の広場で連日のように開かれている抗議集会は、25日も数万人が参加して深夜まで続き、このあと、延世大学や梨花女子大学など大学が集まる新村一帯では、集会に参加した一部の市民がデモをして、車の通行を妨害したり、警察官と衝突したため、強制解散させられ、31人が警察に連行されました。連行された市民の中には、大学生や主婦、サラリーマンに加えて、高校生も含まれており、前日と合わせると68人が連行されたことになります。今回の集会では、アメリカ産牛肉の輸入に反対する声だけでなく、「李明博弾劾」や「独裁打倒」など政府の政策全般を批判する声も高まり、集会のテーマが多様化しています。また、当初はロウソクを灯して比較的平穏に行われていた集会は、回を重ねるにつれて一部の参加者が道路を不法占拠したり、警察官と衝突したりして、過激になっており、アメリカ産牛肉の輸入再開に対する抗議集会が本来の目的から外れてきたと懸念する声も上がっています。

・アメリカの牛肉輸出業者の作業場の衛生状態などを調査するためにアメリカに派遣されていた政府の特別調査団が26日午後帰国しました。特別調査団は、今月12日にアメリカに向かい、韓国に牛肉を輸出する31の業者の作業場や加工施設などで衛生状態や検疫の実態などを調査しました。政府は、特別調査団の最終報告を受けて、あさって28日以降にもアメリカ産牛肉の輸入再開に向けた新しい輸入衛生条件を告示する見通しです。新しい輸入衛生条件が告示されれば、去年10月に背骨が発見されて輸入が中断されたため国内に保管されているアメリカ産牛肉およそ5000トンに対する検疫も再開され、来月はじめには市場に流通することになりますが、告示の延期やアメリカとの再交渉を求める世論が高まっている中で、政府が輸入再開に踏み切るかどうか、注目が集まっています。

・北韓が近く核計画の申告書を中国に提出すると見られる中、政府は核施設の無能力化作業に対する見返りとして、89億ウォン相当の設備資材を北韓に提供することにしました。統一部によりますと、今回提供する設備資材は電気の伝導率が高く電線などに用いられる「電気銅」で、1000トンを提供するということです。韓国とアメリカ、中国、ロシアの4カ国は、これまで6カ国協議の合意に基づいて、北韓が非核化に向けた2段階目の措置である核計画の申告と核施設の無能力化を行った場合、その見返りとして北韓に重油95万トン相当のエネルギー資材を提供することにしており、韓国はこれまで鉄鋼材など重油5万トン相当を提供しています。

・李明博(イ・ミョンバク)大統領は就任後初めて、27日から4日間の日程で国賓として中国を訪問し、胡錦涛国家主席と韓中首脳会談を行います。訪問初日の27日に予定されている首脳会談では、両国の関係を従来の全面的パートナーシップ関係から戦略的互恵関係へ格上げさせるなど、協力拡大に向けて多角的に話し合う予定です。また、李明博大統領は、韓国政府の対北韓政策について説明し理解を求めるとともに、北韓の核問題の解決に向けて共同で努力する必要性を強調するものとみられます。 韓中FTA=自由貿易協定については、中長期的な観点でFTAの締結を検討することで道筋をつけるものと分析されています。 一方、四川省で発生した大地震に対して、李明博大統領は慰めの言葉を伝えることにしています。

・大規模な災害に備えて災害管理システムを点検し、避難訓練などを行う大規模な今年の災害対応安全訓練が、26日から4日間の日程で全国で実施されます。2005年に始まったこの訓練は、台風や地震、津波など深刻な自然災害が発生した場合に備えて、中央省庁や自治体、公共機関など370の災害を管理する機関が参加し、全国で行われています。 消防防災庁によりますと、今年の訓練では夏場に大規模な台風や洪水の被害、地震や津波、文化財の火災、海洋汚染などに備えた訓練が行われるということです。特に、2日目の27日には、午後2時から20分間、災害危険警報が鳴らされ、道路で市民車両の通行が制限されます。また、中央庁舎や、全国の小・中・高等学校では地震や火災に備えた避難訓練も行われます。

・李明博政権の長官や次官級公務員の子息の兵役免除率は11.2%と、前政権に比べ1.7ポイント高いことが分かりました。兵務庁は、26日の官報で、現政権の長官・次官級公務員114人と、その子息107人の兵役状況を公開しました。それによりますと、長官・次官級公務員の子息の内、まだ徴兵検査を受けていない9人を除く98人のうち、およそ88%に当たる87人が兵役の義務を終えたか終える予定で、11.2%に当たる11人が兵役を免除されました。このうち、国土海洋部のチョン・ジョンファン長官や、金融委員会のチョン・クァンウ委員長、食品医薬品安全庁のユン・ヨピョ庁長は親子共に兵役の免除を受けています。

・亡くなった人の遺骨を花や芝生の下に埋葬する「自然葬」が26日から法律で認められるようになりました。韓国では、儒教思想の影響で埋葬は土葬が一般的でしたが、2006年を境に火葬が土葬を上回るようになり、政府も墓地の敷地不足を解消するために、これまで認めていた火葬した遺骨を樹木の下に埋める「樹木葬」に加えて、花や芝生の下に埋める「自然葬」も認めて普及を図ることにしていました。今回の墓地の造成に関する法律の改正で、個人は自然葬の墓地として100平方メートル以内を造成することができ、宗教法人も許可を得て自然葬のために土地を造成することができるようになりました。京畿道・水原市にある初めての自然葬のモデル団地が、来月にはオープンする予定で、政府は自然葬のモデル団地を来年は10の自治体に広げる計画です。

5月24日土曜日

・第17代国会の最後とされていた臨時国会の会期が23日で終了しましたが、第17代国会の任期は29日までとなっていることから、ハンナラ党は、韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案を表決するため週明けの26日から4日間、臨時国会を召集し、FTAの批准同意案を林采正(イム・チェジョン)国会議長が職権で上程するよう強く要請しました。臨時国会は、在籍議員4分の1以上の同意が得られれば開会が可能になりますが、議事日程を組むためには統合民主党の協力が欠かせません。しかし統合民主党は、アメリカ産牛肉の輸入再開問題について進展がみられない限り、韓米FTAの批准はありえないとしていることから、このまま臨時国会が召集されても空転状態となることは避けられない見通しです。

・アメリカ大統領選挙の民主党の有力候補、オバマ上院議員は、韓国とアメリカの政府が締結したFTA=自由貿易協定は欠陥が多いとして、ブッシュ大統領に対して、批准案を連邦議会に提出しないよう要請しました。オバマ氏は、こうした内容の書簡を23日、ブッシュ大統領に送り、韓米FTAの批准同意案を議会に提出した場合、議会との間で不必要な対決を余儀なくされるだろうと述べました。オバマ氏はなかでも自動車関連条項を指摘し、韓米FTAは、韓国の輸出業者にはアメリカ市場への無制限な接近を許可している反面、アメリカの業者に対しては韓国への互恵的な接近を封鎖しているとして強く反対しました。

・民主労総=全国民主労働組合総連盟は、24日午後、ソウルヨイド公園で大規模な集会を開き、李明博政権に対して闘争を繰り広げる方針を宣言しました。政府は公共企業の民営化を進めており、公共企業の職員の3分の1を削減する方針をこのほど発表しました。このため民主労総は、「公共部門の市場化・私有化阻止に向けた総力決議大会」を開くことになり、教員、国家公務員、地方公務員、鉄道、病院の職員などおよそ3万人を動員することにしています。これとは別に、土地公社や道路公社など10の公共企業の労働組合が所属する公共機関労働組合協議会も、24日午後、ソウル中心部に4000人あまりが集まって集会を開き、政府が進めている公共企業の民営化に断じて反対する姿勢を示しました。

・北韓が早ければ来週にも核計画の申告書を中国に提出する可能性があると、AFP通信がアジアの外交官の情報として24日、伝えました。それによりますと、6カ国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補が、来週、中国とロシアを相次いで訪問する予定で、この前後に北韓が核計画の申告書を提出する可能性が高いということです。

・アメリカと北韓は、北韓の核の廃棄に向けた最初の措置として、寧辺(ヨンビョン)にある核施設の冷却塔を近く再開される6カ国協議の直前に爆破することで合意しましたが、爆破のセレモニーは、北韓が自ら行うのではなく、アメリカが選ぶアメリカの技術者によって行われ、この瞬間をCNN放送などアメリカのメディアが現地から報道する計画であることが明らかになったと、韓国の朝鮮日報が23日付けの新聞で伝えました。

・北韓は、アメリカとの間の安全保障体制を確立しようと、「米朝防衛条約」の締結を希望していることがわかりました。これは今年初めに北韓を訪問したアメリカ・ニューメキシコ州知事首席顧問のトニー・ナムグン氏が24日、自由アジア放送とのインタビューで明らかにしたものです。ナムグン氏によりますと、北韓は「アメリカとの間で確かな安全保障条約を結ぶことを希望しているが、その条約というのが不可侵条約を意味するのか、それともアメリカが決して北韓を攻撃しないことを公式の文書にしたいという意味なのか、あるいは韓米相互防衛条約のような総合的な同盟を意味するのかは明確に表明しなかった」ということです。

・潘基文国連事務総長は、ミャンマーのサイクロンの被災者のために国際社会が求めていた援助要員の受け入れを軍事政権に認めさせたことを明かにしました。潘基文総長は、23日、ミャンマーの首都ネピドーで、軍事政権トップのタン・シュエ国家平和発展評議会議長とおよそ2時間、会談した結果、国籍を問わず海外からの援助要員を受け入れることにタン・シュエ議長が同意したと明らかにしました。

・政府は、李明博大統領の就任100日となる6月3日前後に特別赦免を行う案を検討していることが24日、明らかになりました。ハンナラ党の関係者が連合ニュースに対して述べたところによりますと、「赦免の対象は、生計型犯罪者を中心とした一般刑事犯、道路交通法上の罰点や運転免許関連の行政処分を受けた人、さらに模範囚などが含まれ、その規模は最大で数百万人に上ることが予想される」としています。しかし財閥の元会長や政治家らは、世論を意識して最初から対象に含めていないということです。

・李明博大統領の選挙公約であるソウルと釜山を運河で結ぶ「韓半島大運河計画」の経済性調査を行っている研究員が、政府が検討している、?東江、漢江、栄山江、錦江の4つの大きな川の整備計画は、実態は大運河事業だと主張し波紋が広がっています。「韓半島大運河計画」は、市民団体や専門家から強い反対の声が上がっているため、政府は十分な調査と世論を反映したうえで民間レベルで実行に移すと宣言しましたが、国土海洋部傘下の韓国建設技術研究院のキム・イテ博士は、23日、ポータルサイトの掲示板に4つの川の整備計画は、実態は大運河事業だという主張を書き込みました。このため、これを読んだ人たちから数千件に上る批判の書き込みがありましたが、キム博士の文書はその後、掲示板から削除されました。キム・イテ博士は、この中で、「どんなに研究を続けても、大運河に反対する論理を覆すことができる代案は見つからない。専門家ならば運河の建設がどれほど大きな災害をもたらすかは明確に予測できる」と主張しました。

・歌手やタレントなど1万3000人あまりの芸能人が所属している韓国放送映画公演芸術人労働組合は、MBCに対して、週明けの26日からすべての番組への出演をボイコットする方針を宣言し、MBCの番組制作に影響が出ることが予想されます。芸術人労働組合は、22日に代議員会議と役員会議を開いて協議した結果、26日からはMBCの番組に一切出演しない方針を決め、23日、ソウル地方労働委員会に争議の届け出をしました。ボイコットの対象はドラマだけでなく、MBCの番組すべてだとしています。この問題は、MBCと芸術人労働組合が行った出演料の引き上げ交渉が決裂し、MBCがソウル地方労働委員会が出した調整案を拒否したことによるものです。出演料の引き上げ幅について、組合側はタレント8%、歌手17%を要求し、これに対してMBCはタレント6%、歌手15%を提案して、互いが一歩も譲らなかったため、ソウル地方労働委員会は結局、組合側の要求どおりの調整案を提示していました。

・Jリーグのジェフユナイテッド市原・千葉が、FCソウルのFW,パク・チュヨン選手(23)の獲得を検討していると、日本のスポーツニッポンが関係者の情報として24日伝えました。それによりますと、千葉はパク・チュヨン選手の獲得のため現在、移籍料などの調査をしているということです。パク・チュヨンは、2004年10月にマレーシアのクアラルンプールで開かれたサッカーのアジアユース選手権大会で得点王とMVPに輝き、2005年2月Kリーグ「FCソウル」に入団しており、翌2006年には、ドイツワールドカップへの出場を経験しています。

5月21日水曜日

・アメリカと北韓は、北韓の核問題を解決する「核の廃棄」に向けた最初の措置として、北韓が寧辺(ヨンビョン)にある核施設の冷却塔を来月にも再開される6カ国協議の直前に爆破・解体することで合意したことが確認されました。また北韓が今月末に提出するとみられる核計画の申告書に盛り込まれる内容は、先に平壌を訪れたアメリカ国務省のソン・キム韓国課長を通じてすでに口頭でアメリカに伝えられたことが明らかになりました。これは、ワシントンで18,19の両日開かれた6カ国協議の韓国・日本・アメリカ3カ国の首席代表会談の後、金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長が記者団に対して述べたものです。金塾韓半島平和交渉本部長はさらに、アメリカが3週間以内に申告内容について分析を行い肯定的に判断すれば、北韓は今月末頃に6カ国協議の議長国である中国に核計画の申告書を提出することになるだろうと説明しました。

・韓国とアメリカは、アメリカで新たにBSE=牛海綿状脳症が発生し韓国人の健康に害を及ぼすと判断される場合、韓国がアメリカ産牛肉の輸入を中断できるとした両国の通商長官名義の文書を交換しましたが、これは、アメリカでBSEが発生した場合、ただちに輸入を中断できるのではなく、BSEの発生によって韓国人の健康が脅かされるという判断が下された場合に輸入を中断する意味だと、キム・ジョンフン通商交渉本部長が明らかにしました。さらにキム・ジョンフン通商交渉本部長は、韓国人の健康に害があることを科学的に証明する義務が韓国政府にあると説明しました。こうしたことからアメリカで新たにBSE=牛海綿状脳症が発生して韓国政府がアメリカ産牛肉の輸入をただちに中断した場合、韓米間の貿易摩擦に発展する可能性が高いことが明らかになりました。このため統合民主党など野党各党の議員ら16人は20日、大統領府青瓦台前で座り込みを行い、早ければ今週末に行われる予定の農林水産食品部長官による新しい輸入衛生検疫基準の告示を阻止するとともに、政府が早くアメリカとの再交渉に踏み切るよう重ねて要求しました。

・野党3党は、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる韓米交渉の責任者であるチョン・ウンチョン農林水産食品部長官の解任決議案を21日、国会に提出しました。最大野党の統合民主党、自由先進党、民主労働党は、国民の健康を守る権利と検疫の主権をアメリカに譲った間違った交渉の責任を問うためチョン・ウンチョン農林水産食品部長官の解任決議案を予定どおり提出すると述べました。これを受けて国会は3日以内に本会議を開いて、決議案の表決を行うことになります。

・李明博大統領は20日、新しく就任したロシアのメドヴェージェフ大統領と電話で会談し、北韓の核問題をはじめ東シベリア開発への参加など両国の関係発展について幅広く意見を交換し、今後とも緊密な協力関係を維持して行くことを約束しました。大統領府青瓦台によりますと、この電話会談は韓国側の要請で午後6時半からおよそ15分間行われました。この中で李明博大統領は、メドヴェージェフ大統領の韓国訪問を要請し、メドヴェージェフ大統領もできるだけ早い時期に李明博大統領がロシアを訪問するよう期待すると述べました。両首脳は、7月に日本で開かれる洞爺湖サミットで会う予定です。

・日本の文部科学省が中学校社会科の新学習指導要領の解説書に、独島(日本名竹島)を日本の領土として新たに明記する方針だと日本のマスコミが報道したことについて、権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日韓国大使は19日、高村外相に会って強い遺憾の意を示したのに続いて、20日は河野衆議院議長に対して、新学習指導要領の解説書に独島問題を含めないよう協力を要請しました。この中で権哲賢大使は、独島は韓国固有の領土で韓国政府としては譲歩できない問題だと強調し、河野衆議院議長の格別な関心と協力を要請しました。これに対して河野議長は、このような問題で、先の李明博大統領の訪日による韓日首脳会談で築かれた両国の友好協力ムードが損なわれてはならないとする見解を示したということです。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の議長国をいまの中国からアメリカに変えることに、北韓が肯定的な反応を示したと、アメリカの自由アジア放送が最近北韓を訪れた韓半島専門家の情報として19日、伝えました。それによりますと、核問題の解決に向けて今後北韓の人権問題が本格的に浮上することが予想されることから6カ国協議の議長国を中国に変わってアメリカが受け持つ案が、最近北韓入りしたアメリカの韓半島専門家によって北韓に伝えられ、北韓もこれに肯定的な反応を示し、中国も否定的ではないと、この専門家が述べたということです。しかし自由アジア放送は、北韓を訪れたアメリカの韓半島専門家が誰なのかや、北韓の意向を打診したのはアメリカ政府の要請によるものかどうかについては明らかにしませんでした。

・中国で起きた大地震で学校の校舎7000棟が崩壊したことから韓国でも小中高校の校舎の安全性について懸念する声が高まっています。教育科学技術部が21日に発表したところによりますと、去年の8月1日現在、地上3階建て以上で1000平方メートルを超える校舎1万7734棟のうち、耐震設計が施されているのはわずか13.7%に過ぎません。86.3%にあたる1万5305棟の校舎は、耐震設計がされていないためもしもの事態が発生した場合、大きな被害を被ることが憂慮されています。今年3月に制定された「地震災害対策法」では、既存の施設物についても耐震補強が義務付けられており、教育科学技術部は、法の施行令が設けられ次第、学校の校舎の耐震補強計画を立てることにしています。

・韓国は、温室効果ガスの排出量が多い20カ国のうち、1990年と比べた2000年現在の増加率が最も高いことが確認されたとロイター通信が20日伝えました。これは、24日から神戸で開かれる温室効果ガスの主要排出国環境長官会議を前に、ロイター通信が国連気候変動枠組み条約の資料などを分析した結果、明らかになったものです。それによりますと、韓国は2000年には5億2000万トンの温室効果ガスを排出し、10年前の1990年と比べて79%も増加しており、増加率では主な排出国20カ国のうち最も高くなっています。2000年に、温室効果ガスの排出量が最も多い国はアメリカで69億2000万トン、次いで中国が49億3000万トンを排出しています。韓国は排出量ではイタリアに次いで11番目でした。

・韓国人の平均寿命は78.5歳で、世界193カ国のうち23番目の長寿国となっています。WHO=世界保健機関が21日発表した「世界保健統計」によりますと、2006年の韓国人の平均寿命は78.5歳で、前の年と同じく、男性は75歳、女性は82歳でした。平均寿命は、その年に生まれた人が今後何年生存できるかを示す平均年数を意味します。北韓住民の平均寿命は前の年より0.5歳短かい66歳で、男性は64歳、女性は68歳でした。世界でもっとも長生きする国は日本で、平均寿命は82.5歳で、男性は79歳、女性は86歳でした。日本に次ぐ長寿国は、オーストラリア、モナコ、スイスが同じく81.5歳となっています。一方、平均寿命が最も短い国はアフリカ西部のシエラレオンで40歳でした。

・北京オリンピックの野球1次リーグの日程が20日、国際野球連盟から発表され、韓国は8月13日の初戦で2000年のシドニーオリンピックで優勝したアメリカと対戦することが決まりました。それによりますと、韓国は、韓国時間で8月13日午後7時にアメリカと対戦し、続いて14日午後0時30分に中国と、15日午後7時にカナダと、16日午後7時に日本と対戦することになっています。このあとさらに、台湾、キューバー、オランダと相次いで試合を行います。オリンピックの野球は、8チームがリーグ戦を行って、1次リーグの上位4チームが準決勝に進出する仕組みになっています。

5月19日月曜日

・韓国とアメリカが合意したアメリカ産牛肉の輸入再開の条件をめぐって、先週末もソウル都心で抗議集会が開かれるなど国民の世論が悪化していることから、政府はアメリカでBSE=牛海綿状脳症が発生した場合、韓国が検疫を行うことを明文化することでアメリカと合意した模様で、20日に記者会見して発表することになりました。外交通商部でアメリカとの交渉に当たっている通商交渉本部は、19日、韓国とアメリカが牛肉の輸入再開について追加協議を行ったとして、その内容を20日発表すると明らかにしました。追加協議の具体的な内容は今のところ明らかにされていませんが、アメリカでBSEが発生した場合、韓国が検疫を行うことを協定文書に明文化することで合意したもようです。これについて政府と与野党は18日夜会合し、政府はこの席で韓米間の追加協議の内容を与野党に説明し、今週末に会期が終わる第17代国会で韓米FTA=自由貿易協定を批准するよう重ねて求めました。

・アメリカでは牛肉に対する深刻なリコール=回収命令が今月だけで4回も出されました。アメリカ農務省の食品安全検査局( FSIS)は、シカゴの食肉会社が販売した牛肉15品目に対して、O157に感染した恐れがあるとして16日、1レベルのリコール命令を出したことが分かりました。1レベルのリコールは、致命的な食中毒を引き起こす可能性があって、ヒトの健康を脅かす恐れが高い場合に出されるもので、今回の食肉会社の牛肉はアメリカの11の州で販売されていますが、リコールの対象となった牛肉の量は把握されていません。アメリカの食品安全検査局はこれを含めて、今月だけでO157やリステリア菌の感染が憂慮される牛肉に対して1レベルのリコール命令を4回も出しており、アメリカでも牛肉の安全性をめぐる論議が続いています。

・日本の文部科学省が中学校社会科の新学習指導要領の解説書に、東海に浮かぶ島独島(日本名竹島)について、日本の領土として新たに明記する方針だと日本のマスコミが報道したことに関連し、柳明桓外交通商部長官は19日午前、韓国駐在の重家俊範日本大使を外交通商部に呼んで、強い遺憾の意を伝えました。柳明桓外交通商部長官は、非公開で行われた面談で、日本のマスコミの報道内容が事実であれば、韓国固有の領土である独島に対する領有権を侵害しようとする不当な行為で、未来に向かって進もうとする両国の努力に逆行するものだとして、直ちに是正すべきだと強調しました。柳明桓外交通商部長官はまた、李明博大統領がこの報道の真相を確認し、真実であれば厳しく対応するよう指示したことを重家大使に伝え、今後の日本政府の対応に注目していくと述べました。これに対して重家大使は、日本のマスコミで報道されたような方針は決まったものではないとして、韓国政府の立場を日本政府に報告すると答えました。日本のマスコミは18日、文部科学省が中学校社会科の新学習指導要領の解説書に独島を日本の領土だと新たに明記する方針を固めたと報じ、民間の出版社は解説書に沿って教科書を製作しているため、今後の日本の教科書作りに影響を与えることが予想されるとしています。

・太平洋沿岸の10カ国の海軍が参加する軍事演習、環太平洋合同演習(RIMPAC)が来月29日から7月31日まで、太平洋のハワイ付近で行われることになりました。この合同演習には韓国をはじめ、アメリカ、イギリス、日本など10カ国が参加することになっており、韓国海軍は、韓国型駆逐艦「文武大王艦」など水上艦2隻と潜水艦の「イスンシン艦」、それに海上哨戒機P−3Cなどを派遣します。韓国海軍は2006年に続いて韓国、アメリカ、シンガポールの3カ国の艦艇で組織する水上戦闘団の指揮をとる予定で、韓国型駆逐艦「文武大王艦」は無人航空機を、「イスンシン艦」は駆逐艦をそれぞれ標的にして射撃演習を行うことになっています。環太平洋合同演習は、太平洋沿岸の諸国が海上輸送の安全を確保し、局地的な海上紛争やテロに共同で対応するために、アメリカ海軍を中心に1年おきに行われる世界最大規模の海軍の合同演習で、韓国は1990年から参加しています。

・1960年代から70年代にかけて北韓に拉致された韓国人の漁民31人が1985年に北韓で撮った集合写真が公開されました。この写真は拉致家族の集いの代表、チェ・ソンヨンさんが入手して公開したもので、北韓に拉致された漁民31人が1985年の夏、北韓東海岸の元山(ウォンサン)で集団教育を受けながら、ナジンの戦跡地を訪れた際に撮影されたということです。チェ・ソンヨンさんは北韓を脱出した漁民や拉致された漁民の家族に会って、写真に写っている人を特定する作業を進めた結果、31人のうち22人の身元が確認されたとしており、この中には韓国政府がまとめた拉致被害者のリストには含まれていない人もいるということです。政府はこれまで北韓に拉致された人はおよそ480人いるとしており、このうち7人が北韓を脱出して韓国に戻っています。

・国連の潘基文事務総長は、サイクロンによって大きな被害を受けたミャンマーを今週21日に訪問すると国連のミッシェル報道官が18日発表しました。それによりますと、潘基文事務総長は21日から3日間、ミャンマーを訪問し、最も大きな被害を受けたイラワジデルタ地帯を視察し、軍事政権の関係者と会う予定です。潘基文事務総長のミャンマー訪問は、ミャンマーの軍事政権が被災地の住民に対する外国からの救護活動や支援に消極的で、国際社会の圧力にもかかわらず救護活動が十分に行き届いていないなどの問題をみずから解決する必要があると判断したためです。

・韓国の主な都市の生活費が世界で最高水準であるという調査結果が出ました。これはスイスの国際経営開発院(IMD)が19日まとめたもので、アメリカのニューヨーク市の生活費を基準の100として、世界の主な大都市の商品、サービス、住居費などを指数化して国別の生活費を表したもので、指数が100を超えるほど物価が高いことを意味します。それによりますと、韓国の生活費は122.4と、調査対象の55の国と地域で最も高く、平均の86.3に比べますと、40%も高くなっています。

・韓国の女性登山家コ・ミヨンさん(41)が17日、ヒマラヤ山脈で4番目に高い峰、ローツェの登頂に成功しました。スポーンサーなどによりますと、先月末、韓国登山隊とともにヒマラヤに向かったコ・ミヨンさんは、北京オリンピックの聖火リレーや気象の悪化などで登山が中止になったりしましたが、現地時間で17日午前、海抜8516メートルでヒマラヤで4番目に高いローツェの登頂に成功したということです。コ・ミヨンさんはこれで最高峰のエベレストをはじめ8000メートル級の5つの峰の登頂に成功しており、7月には2番目に高い峰、K2への登頂に挑む計画です。

・日本の女子プロゴルフツアーの「ヴァーナルレディース」で韓国のイム・ウナ選手(25)がツアー初優勝をしました。福岡県の福岡センチュリーゴルフクラブで行われたこの大会、初日から首位に立ったイム・ウナ選手は通算7アンダー209で、日本の福嶋晃子選手を1打差で抑えて、日本のツアーで初優勝を果たしました。「ヴァーナルレディース」では2006年と2007年にも韓国人選手がそれぞれ優勝しています。

5月15日木曜日

・アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる韓米交渉で、BSE=牛海綿状脳症が発生する恐れがあって、食用禁止となっている特定危険部位についても、韓国政府が輸入を認めたと、国会で野党議員が主張し、波紋が広がっています。これは野党統合民主党のチェ・ソン議員が14日、国会の韓米FTA聴聞会で明らかにしたものです。この中で、チェ・ソン議員は、「アメリカ農務省は、BSEの恐れがある特定危険部位として、脊髄や、脊柱、脳、眼球、へんとうなどを指定しているが、今回の韓米牛肉交渉で、韓国政府は、韓国人が好んで食べている牛のテールスープ用やTボーンステーキなどに使う脊柱などの部位に対しても輸入を認めた」と主張しました。チェ・ソン議員の主張が事実であれば、政府に対してアメリカとの再交渉を求める野党の要求は一層強まるものとみられます。

・アメリカ政府は、北韓の核問題をめぐる6か国協議の韓国・アメリカ・日本の代表が今月18日と19日にワシントンで会談することを明らかにしました。アメリカ国務省のケーシー副報道官は、14日の記者会見で、6か国協議の韓国代表を務める外交通商部の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長と、日本代表の斎木外務相アジア大洋州局長がそれぞれワシントンを訪れ、今月18日と19日にアメリカのヒル国務次官補と会談する予定だと述べました。このうち19日には韓米日3か国の代表が一堂に会して、北韓が核施設の稼働記録を提出したことを受けて、今後の対応や6カ国協議の再開日程などについて意見を交わすものとみられます。今度の3カ国代表による会談をめぐっては、2003年以来中断されていた北韓問題を話し合う韓米日3国調整グループの会合が復活するのではないかという見方も出ています。

・北韓の金正日国防委員長が自ら深刻な食糧難を認める発言をし、注目されています。北韓の朝鮮中央通信が14日伝えたところによりますと、金正日国防委員長は最近、咸鏡(ハムキョン)北道の農場を訪れた際、「今人民の食糧問題を解決することより重要なことはない」と強調したということです。北韓が食糧不足から、1990年代後半の飢饉以来の深刻な食糧危機に向かっているという指摘があるうえ、アメリカ政府が北韓に対する50万トンの食糧援助に同意した中で、金正日国防委員長がこのように発言したことは注目されています。

・柳明桓(ユ・ミョンファン)外交通商部長官は、北韓に対する食糧支援問題で、「機会があれば、北韓と直接話し合う考えだ」と述べました。柳明桓外交通商部長官は、15日、政府の国際機構進出計画についての説明会の後、記者団が、「北韓の食糧支援問題で、政府が先に北韓に協議を提案する計画があるか」と質問したのに対して、「統一部が多角的に努力していると思う。北韓で飢饉状態が発生してはいけないので、人道的レベルで状況を綿密にみている」と述べました。北韓は、李明博政権が発足した後、政権に強く反発し、韓国に対して食糧支援の要請をしていません。

・ソウル市は、都心にある百貨店周辺の交通混雑を防ぐため、百貨店にマイカーで買い物にくる市民から、混雑通行料を徴収することになりました。ソウル市が14日明らかにしたところによりますと、都心部の交通混雑や大気汚染を緩和するために市内の百貨店など主な建物69カ所を、交通混雑特別管理施設に指定し、このうち、江南のCOEXモールや明洞のロッテ百貨店本店、新世界百貨店本店など10カ所にマイカーで出入りする市民から混雑通行料として4000ウォンを徴収することにしました。ソウル市はこのための関連条例を改正し、今年の8月から10月まではとりあえず、市民にマイカーで買い物に訪れないよう自粛を呼びかける方針ですが、改善されなければ、来年から本格的にこの制度を実施することにしています。ソウル市では、週末やデパートでセールが行われる期間中に、大型百貨店周辺で交通の渋滞や混雑が特にひどく、対策が求められていました。しかしこれに対しては、市民やデパート側の反発が強く、今後、本格的な実施をめぐって波紋が広がるものとみられます。

・韓国東部にある江原道の教育庁は、独島(日本名竹島)の領有権問題で中断していた日本の鳥取県の教育委員会との交流を再開することになりました。江原道教育庁は1995年に鳥取県教育委員会と姉妹提携を結んで教師や生徒の相互訪問や、スポーツと美術のイベントなどを通じて交流してきましたが、2005年に、鳥取県が独島(竹島)は日本の領土だと主張したことから、交流は中断していました。しかしこのほど鳥取県教育委員会が江原道教育庁に対して交流の再開を要請し、江原道はこれを受け入れることにしました。

・世界的なビジネススクール、スイスのIMDが発表した国際競争力の報告書で、韓国は去年より2ランク下がって31位でした。スイス・ローザンヌに本部をおく、IMD=国際経営開発研究所は、世界55の国と地域を対象にした2008年版の国際競争力報告書を15日付で発表しました。それによりますと、韓国は、輸出が好調なことや新政権の企業寄りの政策などが評価され、経済性部門や企業の効率性は改善されましたが、エネルギー資源の確保など、インフラの構築や政府部門の効率性では低い評価にとどまり、総合順位は31位と、去年より2ランク下がりました。首位はこれまでと同じくアメリカで、次いでシンガポール、香港、スイス、ルクセンブルクの順でした。アジアでは、台湾が13位、中国が17位、日本が22位、タイ27位、インド29位でした。

・一方、韓国の大学など高等教育の履修率は世界最高のレベルですが、教育の質では極めて低い評価を受けていることがわかりました。教育科学技術部がIMDの2008年版の国際競争力報告書から教育部門を分析したところによりますと、大学教育の質的水準を評価する部門で、韓国は55の国と地域のうち、53位でした。しかし大学卒業者の割合である高等教育の履修率は4位で、大学卒業者は多いものの、教育の質は社会が求める水準を大きく下回っていることが伺えます。

・大手スーパーマーケット「ホームプラス」が、業界1位のEマートの系列会社「ホームエヴァー」を買収することになり、大手スーパーの市場は、Eマートとホームプラスの2大勢力が中心になりました。今回ホームプラスに買収された「ホームエヴァー」は、フランス系大手スーパーのカルフールが、一昨年、Eマートなどを経営している「Eランド開発」に買収されて名前を変えていました。ホームプラスとEランド開発は、14日、ソウルのホテルで記者会見し、ホームプラスがホームエヴァーの負債を含めて持ち株のすべてを1兆9500ウォンで買収し、ホームエヴァーの韓国にある36の店舗すべてと従業員を100%引き継ぐ契約を結んだことを明らかにしました。ホームプラスはホームエヴァーの買収によって、合わせて102店舗を持つことになりました。この結果、韓国の大手スーパー市場は、2位のホームプラスが3位のロッテマートを大きく引き離して、1位のEマートとともに2大勢力になりました。

5月14日水曜日

・農林水産食品部長官が、当初、15日に行うことにしていたアメリカ産牛肉の新しい輸入衛生検疫基準を公に通知する告示が、先送りされることになりました。政府は、アメリカ産牛肉の輸入衛生検疫基準の告示について、13日に官報で立法予告し、14日に行政手続を経て15日に告示する計画でした。しかし、大統領府青瓦台によりますと、13日までに市民団体から出された異議の申し立てが300件を上回ったことから、これを検討するのに時間が必要なため、農林水産食品部と協議した結果、告示を先送りすることにしたということです。アメリカ食品医薬品局による動物性飼料の使用を制限する対策について、韓国政府が解釈を誤っていたことが明らかとなり、告示内容を修正すべきだとする世論が高まっています。韓国の専門家らは、「交渉を妥結する際、前提条件に誤解があったならば、告示内容は間違った認識と前提の下で作られたものなので、そのまま告示することは違法だ」と指摘し、政府がこれを受け入れた形となりました。

・統合民主党をはじめ、自由先進党、民主労働党の野党3党は、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる韓米交渉は無効だとする訴訟とともに、新しい輸入衛生検疫基準の告示の効力を停止する仮処分の申請を14日、行政裁判所に提出しました。これは、野党3党のそれぞれの院内代表と政策委員会議長ら6人が協議した結果、決めたもので、この席では明日15日に、国会で農林海洋水産委員会を招集し、アメリカとの再交渉を求める決議案を提出することでも一致しました。野党3党はこのほか、交渉に臨んだ関係部署の長官に対する解任決議案を今の臨時国会の会期中に提出することになり、対象者と提出の時期を調整することで合意しました。今回の交渉については、農林水産食品部より交渉を急いだ外交通商部に責任があるという指摘が出ています。

・政府が、アメリカ産牛肉に対する新しい輸入衛生検疫基準についての告示を延期しましたが、これとは別にアメリカとの再交渉を要求する世論が高まっています。「民主社会のための弁護士会」は、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる韓米交渉について国政調査を求める請願書を14日、国会に提出しました。「民主社会のための弁護士会」はこの中で、争点となっていたBSE=牛海綿状脳症に感染した疑いのある牛を飼料として使わないという措置が、韓国政府の説明と異なり、事実でないことが明らかになった以上、国政調査によって真相を究明しなければならないと強調するなど、全部で18項目について調査が必要だとしています。

・アメリカの食肉加工業界は、アメリカ通商代表部のシュワブ代表が、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理の談話を受け入れるとしたのは、韓国がアメリカ産牛肉の輸入を任意で中断できるという意味ではないと主張し、論議を呼んでいます。

・アメリカ国務省は、北韓が先週平壌入りした国務省のソン・キム韓国課長に提出したプルトニウムの生産計画に関する大量の資料について肯定的に評価し、来週初めにも6カ国協議の再開に向けた論議を始める方針を明らかにしました。ソン・キム韓国課長は帰国後の13日に国務省で会見し、「北韓は核計画の検証に全面的に協力することを約束した」と述べ、6カ国協議のアメリカ首席代表であるヒル国務次官補が、早ければ来週初めから、6カ国協議の再開に向けて関係国の代表と論議することを明らかにしました。韓国代表の金塾韓半島平和交渉本部長も13日に北京入りし、6カ国協議の再開などをめぐって中国側と協議しています。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の再開時期について、外交通商部の文太暎(ムン・テヨン)スポークスマンは14日、来月初め頃になるのではないかという見解を示しました。文太暎スポークスマンは、北韓が数日以内に中国に核開発計画の申告書を提出し、6カ国協議の関係国がこれを閲覧する時間を考慮すると、6カ国協議が再開されるのは早くても来月初めになるとみられるとしています。文太暎スポークスマンはまた、「6カ国協議の韓日米3カ国の首席代表が来週初めにワシントンで会合する準備が進められている。北京を訪れている韓国首席代表の金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長もワシントンでの会合を準備するため日程を繰り上げて15日に帰国する予定だ」と述べ、6カ国協議の再開が近づいていることを強調しました。

・済州島を除く韓国のほぼ全域で先月から発生している高病原性鳥インフルエンザは、気温の高低に関係なく一年中ウィルスが発生するいわゆる「南方型」に分類される「ベトナム型」と非常に似ていることが、KBSの取材で明らかになりました。それによりますと、今年韓国に入ってきた鳥インフルエンザウィルスは、2003年と2006年に確認されたものとは異なり、ベトナムで報告されたウィルスと遺伝子が非常に似ているということです。このため農林水産食品部は、ウィルスの遺伝子検査を続ける一方で、人への感染の可能性や毒性を解明するためアメリカの疾病管理センターに分析を依頼するとともに、16日に疫学調査委員会を開いて対策を講じることにしています。今、韓国で流行している鳥インフルエンザのウィルスが南方型と確認された場合、ただちに病原菌を根絶しなければ、1年中、ウィルスが発生する可能性が高いことから、政府は防疫システムの全面的な修正を迫られることになります。

・政府は、中国で起きた大地震の被害復旧のため毛布やテントなどおよそ100万ドル相当の緊急援助を行うことになりました。

・自動車の年間生産台数が今年は、史上初めて600万台を超える見通しです。ソウルの自動車登録台数は、先月末に296万台となっていますがこのうち輸入車は11万1700台で、輸入車のシェアが国内で初めて4%に達しました。

・長い間ソウル市民に親しまれてきた東大門運動場の野球場の撤去作業が先月終わったのに続いて、隣合わせにあるサッカー競技場も14日から撤去作業が始まり、東大門運動場は82年の歴史に幕を下ろすことになりました。東大門運動場は、1926年に日本が天皇の結婚を祝うためソウルの城郭を壊して、東大門の隣に「京城運動場」という名前で建設した韓国初の近代体育施設です。当時は、今のサッカー場だけが作られましたが、以後、1934年にテニス場、1936年に水泳場、1959年に野球場がオープンしました。ソウル市は、東大門運動場を撤去した跡に、ソウル市を象徴する公園やショッピングモールを建てる計画です。

5月13日火曜日

・中国南西部の四川省で12日に大地震が発生し、死者が1万人に上ると伝えられていますが、韓国政府は現地にいる韓国人などの被害状況を把握するために全力を挙げています。外交通商部は、大地震が発生した直後の12日午後に、四川省の成都にある韓国総領事館と北京の韓国大使館に非常対策室を設置すると共に、地震が発生した地域に領事を派遣し、現地の留学生会と協力して韓国人の被害状況を調べていますが、今のところ犠牲になった人は確認されていないということです。大地震が発生した四川省には、三星電子やLG電子など50社の韓国企業が進出し、およそ1000人の韓国人が住んでいますが、通信手段が途絶えているため正確な被害状況は確認できないということです。一方、李明博大統領は13日、胡錦濤国家主席にお見舞いのメッセージを伝えると共に、救助隊の派遣など復旧に向けた政府レベルの支援体制を整えて、中国政府から要請があった場合はただちに支援を開始することにしました。

・李明博大統領は、就任後初めて、今月27日から4日間の日程で中国を国賓として訪問し、胡錦濤国家主席と韓中首脳会談を行います。大統領府青瓦台によりますと、首脳会談では、両首脳が互いに訪問しあう「シャトル外交」を始めるとともに、経済分野での実質的な協力の拡大、北韓の核問題など対北韓政策をめぐる協力の強化などについて話し合うということです。

・アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐって韓国で国民の批判が高まっている中、アメリカ通商代表部は13日、アメリカ産牛肉の輸入では国民の健康を最優先に考えるとした韓国政府の立場を全面的に支持する声明を発表しました。この声明は、韓国とアメリカが、アメリカでBSE=牛海綿状脳症が発生した場合でも、韓国がすぐに輸入中断の措置をとらないことで合意しているため、国民から批判の声が高まっている状況を受けて発表されたものです。この中でアメリカ通商代表部は特に、GATT=関税および貿易に関する一般協定について触れ、韓国は国民の健康を守るために輸入や貿易の中断など必要な措置をとる権利があるとしています。これに対して最大野党の統合民主党は、アメリカ通商代表部の声明は何ら意味のないもので、アメリカ政府が本当に韓国の立場を受け入れるなら、アメリカ産牛肉の輸入再開について再交渉をすべきだと主張しました。

・国会で韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の成果や対策について意見を聴く聴聞会が13日から2日間の日程で始まりましたが、ここでもアメリカ産牛肉の輸入を再開する交渉をめぐる与野党の激しい攻防が展開されています。統合民主党など野党は、韓米FTAは、アメリカ産牛肉の輸入再開を先決条件に妥結したとして、アメリカ産牛肉からBSE=牛海綿状脳症の危険性が完全になくなるまで韓米FTAの批准は遅らせるべきだと主張しました。これに対して、与党ハンナラ党は、アメリカ産牛肉の輸入交渉は?武鉉政権のときから始まってもので、韓米FTAの批准とアメリカ産牛肉の検疫問題は別々の問題だとして、FTAの聴聞会を牛肉輸入の聴聞会に変えてはならないと強調しました。

・ソウルで2件目となる松坡区で発生した鳥インフルエンザも、毒性が強い高病原性であることが確認されました。これで、今年に入って確認された高病原性の鳥インフルエンザは、先月始めに初めて発生して以来、これまでで最も多い40件を数え、済州島を除く全国に高病原性鳥インフルエンザが拡がったことになります。鳥インフルエンザのウィルスは低い気温でしか生存できないため、被害は冬に発生するのが一般的でしたが、今年は気温が高くなった5月に入っても鳥インフルエンザが確認されているため、韓国でもインドネシアやベトナムのように一年中鳥インフルエンザが発生する、いわゆる「土着化」の段階に入ったのではないか懸念する声があがっています。

・石油や天然ガスなどエネルギー資源の確保を目指す「資源外交」を進めるため、中央アジアなどを歴訪している韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、最初の訪問国であるウズベキスタンで、ガス田の共同開発や、ウランの長期輸入などに関する基本合意書を締結しました。韓昇洙国務総理は12日、ミルジヨーエフ首相と会談し、ウズベキスタンで最大の油田地帯であるアムダリヤのガス田を共同開発することにしました。このガス田には、韓国が1年間使用する天然ガスの3倍に上る6300万トンの天然ガスが埋蔵されていると推定されています。また、2010年から2016年までの7年間にわたって、ウズベキスタンで生産されるウラン2600トンを韓国へ輸入することにしました。これは韓国で毎年使用するウランの9%にあたる量です。

・北韓が近く6カ国協議の議長国である中国に核計画の申告書を提出するとみられる中、韓国とアメリカが、北韓に対する人道的な食糧支援について協議しました。韓国とアメリカの政府当局者は12日ワシントンで協議し、アメリカが最大50万トンの食糧を北韓に支援する用意があることを改めて確認しました。一方、韓国政府は、北韓に対する人道的な食糧支援は北韓から直接要請があったときだけ行うことにしているため、もし北韓に食糧を支援することになれば、国際機関などを通じた間接的な支援になるものとみられます。

・日本の小学校にあたる初等学校の児童数が、少子化を反映して最も多かった1980年に比べておよそ3分の2に減少しました。統計庁によりますと、初等学校に通う満6歳から11歳までの児童数は、2008年は364万人で、1980年の550万人に比べて33%減り、およそ3分の2になりました。また、中学生と高校生、それに大学生も減少し、初等学校から大学までの学齢人口は1980年の1440万人から1022万人と29%減少しました。韓国では少子化現象が続いており、1人の女性が生涯に産む平均の子供の数、合計特殊出生率は1.26人で、ここ2年間は上昇に転じたものの世界最低レベルの出生率となっています。

5月12日月曜日

・5月12日は釈迦誕生日で、韓国では国民の祝日です。李明博大統領は、ソウル中心部にある曹渓寺(チョゲサ)で行われた釈迦の誕生を祝う法要にメッセージを寄せ、「お釈迦様の大衆の意に逆らってはならないという不相違の教えを肝に銘じ、常に国民の意見に耳を傾けていく」と誓いました。柳仁村文化体育長官が代読したメッセージの中で李明博大統領はさらに、「違いを乗り越えて和合を成し遂げる円融無碍の思想は今の時代を生きるわれわれが胸に刻み込むべき統合の精神だ」としました。そのうえで李明博大統領は、「これからの5年間は、韓国の運命を左右する重要な時期なので、古い考えや過去にとらわれず、国民皆が新しい時代の要求と環境に見合うよう、率先して変化を実践していかなければならない」と強調しました。

・ソウルで2件目の鳥インフルエンザが確認されました。ソウルでは、今月初めに広津区役所の自然学習場で観賞用として飼っていたキジが高病原性鳥インフルエンザに感染していたことが初めて確認されました。これに続いて農林水産食品部は、この時の発生源とされる京畿道城南市の在来市場にさらに近い松坡区にある宅地開発地域のビニールハウスで飼っていた鶏とアヒルおよそ8000羽のうち、アヒル2羽が鳥インフルエンザに感染したことを確認しました。このためソウル市は、11日夜、25区の担当者を集めて緊急会議を開き、対策を検討した結果、ソウル市内の家禽類1万8000羽のうち、観賞用の3000羽を除く残り1万5000羽を予防のためすべて処分しました。ソウル市はまた市内で鶏やアヒルを飼育することを一切禁止し、食用の鶏肉やアヒルは完全に加工したものに限って持ち込みを許可することにしました。ソウルで2件目となる松坡区の鳥インフルエンザが高病原性かどうかは、一両日中に判明する見通しです。

・アメリカでBSE=牛海綿状脳症に感染した牛が発見されて以来、中断していたアメリカ産牛肉の輸入手続きを再開するため、政府の調査団が12日、アメリカに向けて出発しました。一行は、国立獣医科学検疫院の検疫官9人で、牛肉の作業場31カ所を回り、BSEを引き起こす特定危険部位を除去する作業をしっかり行っているかどうかなどを点検することにしています。一方、アメリカ産牛肉の新しい輸入衛生検疫基準が15日に告示されるのを前に、韓国の輸入業者が、次々と現地入りして牛肉の輸入契約を結んでおり、新たな基準に基づいて輸入されるアメリカ産牛肉は遅くとも来月中旬には韓国に入ってくるものとみられています。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に対する国民の批判が高まっていますが、韓国国民の78%は、アメリカ産牛肉の安全性に問題があると考えていることが、KBSの世論調査で分かりました。また韓米牛肉交渉の結果についても、80%以上の国民が「問題がある」と指摘しています。さらに今回の交渉について、李明博大統領は国民に対して謝罪しなければならないという回答も62%に上りました。

・朴槿恵元ハンナラ党代表は、先の総選挙で党の公認を受けられず離党しミニ政党を作るなどして当選した朴槿恵議員に近い国会議員らの復党問題を、今月末までに決着させるよう党に強く要請しました。朴槿恵元代表は、10日に行なった李明博大統領との会談では、この問題に進展がなかったと判断し、党に対して最終通告をしたものとみられます。そのうえで朴槿恵元代表は、離党した議員全員の復党が受け入れられない場合は「復党問題は二度と口にしない」と述べ、国会で新たな交渉団体を結成する構えを強く滲ませました。これに対して大統領府青瓦台は、「復党問題は党が決める問題だ」としてコメントを控えており、姜在渉代表などハンナラ党の指導部が今後、どのような対応を見せるかが注目されます。

・李明博大統領が急いでいる韓米FTA=自由貿易協定の今の国会での批准は、アメリカ産牛肉の輸入の再開をめぐる与野党の攻防が激しくなっているため、困難な情勢となりました。政府と与党ハンナラ党は日曜日の11日、政府与党連絡会議を開き、韓米FTAの批准を今の臨時国会でなんとしても処理しなければならないという立場を再確認しました。これに対して統合民主党など野党は、「牛肉の輸入をめぐるアメリカとの再交渉を棚上げにしたままでは、韓米FTAの批准は議論にも値しない」という姿勢を崩しておらず、今月29日で会期が切れる第17代国会での韓米FTAの批准は困難な情勢となりました。統合民主党は、国会で韓米FTAの聴聞会が始まる13日に、アメリカ産牛肉の新しい輸入衛生検疫基準が発効する手続きとなる農林水産部長官の告示を予定の15日から延期させ、アメリカとの再交渉を求めるキャンペーンを国会前で開くことにしています。

・北韓が近く6カ国協議の議長国である中国に提出するとみられる核計画の申告書には、北韓がこれまで生産したプルトニウムの量だけでなくプルトニウムの使い道の内訳も含まれるものとみられています。北韓は、最近相次いで北韓を訪れたアメリカ国務省のソン・キム韓国課長に対して、30キロほどのプルトニウムを抽出したことを明らかにし、これをどこにどう使用したかについても概略的に説明したと、複数の外交筋が明らかにしました。それによりますと、北韓は、30キロのプルトニウムの一部を核兵器の開発と2006年10月に行った核実験に使用し、一部はプルトニウムの状態で保管していると説明したということです。核兵器の専門家らは、通常、核兵器1個を作るのに6キロから8キロのプルトニウムが必要なので、北韓が核兵器の開発に使ったプルトニウムの量を申告すれば、核兵器をいくつ製造したかが明らかになるとしています。

・韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、11日から中央アジアのウズベキスタン、カザフスタン、トルクメニスタン、そしてカスピ海沿岸のアゼルバイジャンのあわせて4か国を相次いで訪問し、資源獲得に向けた積極的な外交を繰り広げることになりました。

・韓国とEUのFTA=自由貿易協定締結に向けた7回目の交渉が12日から4日間の日程で、ベルギーのブリュッセルで始まりました。今回の交渉は、李明博政権に代わって初めて開かれ、韓国側の首席代表も李恵民FTA交渉代表に交代しました。今回の交渉では、製品の原産地をどう規定するかが最大の争点となる見通しで、この他、非関税障壁、サービス市場の開放、知的財産権などについて、それぞれの分科会で協議が進められます。

・国際出版協会の総会が12日、ソウルの韓国国際展示場COEXで開幕し、あいさつに立った李明博大統領は、先進国入りを目標にしている韓国は今後、グローバル知識文化強国を目指して力強く前進すると語りました。李明博大統領はまた、出版政策をこれまでの規制重視から振興と育成重視に切りかえ、優秀な図書の出版を支援するとともに、図書の流通構造を改善していくと述べました。28回を数える今回の総会は、「本の道、共存の道」をテーマに、世界60カ国から700人あまりの出版業界関係者が出席し、本を通じて貧富の格差や宗教間の葛藤を乗り越える方法について意見を交わすとともに、出版や表現の自由、さらに著作権保護について24の分科会で活発な討論が行われる予定です。

・国務総理傘下の経済研究機関、韓国開発研究院(KDI)は、今年の経済成長率の見通しを当初の5%から4.8%に下方修正しました。それによりますと、国際原油価格の急騰や、ウォン高ドル安が進んでいるため、韓国ではこのところ物価が上昇して、先月の生産者物価指数は9.7%に達し、1998年11月以来最も高い上昇率となりました。このため内需がますます鈍るものとみられますが、一方で輸出が好調を維持するため、経済成長は全般的には緩やかになるだろうとして、今年の経済成長率を当初の5%から4.8%へと小幅に下方修正しました。 韓国開発研究院はまた、物価の安定を経済政策の最優先課題とし、財政の執行は補正予算を編成するよりは、減税に力を入れるべきだと指摘しました。

5月10日土曜日

・李明博大統領が大統領に就任後初めて、ハンナラ党の朴槿恵(パク・クネ)元代表と会談し、先の総選挙で党の公認を受けられずに離党した、朴槿恵元代表に近い国会議員の復党問題など、政局の懸案について話し合いました。今回の会談は、李明博大統領の要請で実現したもので、10日、大統領府=青瓦台で昼食をかねておよそ2時間行われました。非公式で行われたこの会談で、朴槿恵元代表は、先の総選挙でハンナラ党の公認を受けられなかったため離党した、朴槿恵元代表に近い国会議員の復党を認めるよう要請したものとみられます。ハンナラ党は先月9日に投票が行われた総選挙で、朴槿恵元代表に近い議員を公認せず、李明博大統領に近い議員を大量に公認しましたが、公認されずに離党した朴槿恵元代表に近い候補が次々と当選し、結局、党内外を合わせて69人に膨れあがりました。この事態を受けて、朴槿恵元代表は、7月の党代表選挙に自らは立候補しないことを条件に、こうした議員を早期に一括復党させるよう迫っています。こうした中で、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐって国民の批判が強まり、政権に対する支持率が急落していることから、李明博大統領が、朴槿恵元代表と会談することによって、党の分裂を避け、政権基盤固めを狙ったものとみられます。会談の後、大統領府=青瓦台は、記者団に対して、「李明博大統領と朴槿恵元代表は、ハンナラ党の中に派閥はないという点で一致し、現在懸案になっているアメリカ産牛肉の輸入再開問題を中心に話し合った。きょうは2人が会談したことに意義があり、議員の復党問題など詳しい内容はいずれ朴槿恵元代表が整理したうえで明らかにすると思う」と述べました。

・平壌を訪問していたアメリカ国務省の代表団が、北韓がアメリカに提出したプルトニウムの生産計画に関する大量の文書を持って、10日、韓国入りしました。アメリカ国務省のソン・キム韓国課長ら代表団5人は、10日午前、さきに北韓がアメリカに提出したプルトニウムの生産計画に関する大量の文書を入れたダンボール箱7つを自ら下げて、板門店の軍事境界線を歩いて越え、韓国に入りました。北韓が提出した文書は、およそ1万8000ページあまりとみられており、1990年と2003年、2005年の3回にわたって行った、寧辺の原子炉の稼働記録や抽出したプルトニウムの量などが盛り込まれているものと見られています。これについて、韓国政府当局者は、「北韓がこうした文書を出したのは初めてだ」と評価する考えを示しました。アメリカの代表団は10日、韓国駐在アメリカ大使館の関係者や韓国の6カ国協議代表らに訪問の結果を説明し、11日ワシントンに向かう予定です。

・北韓が早ければ来週にも核開発の関連記録を中国に提出するなど、核計画の申告を行うという見方が出ています。アメリカのワシントンタイムズが、アメリカ高官の話を引用して伝えたところによりますと、北韓は、早ければ来週にも核計画の申告を行い、それに合わせて6カ国協議も再開される可能性があるということです。

・食糧不足が懸念されている北韓に対する食糧の支援問題を話し合う韓国とアメリカの協議が、来週アメリカで行われます。政府当局者が9日明らかにしたところによりますと、北韓へ食糧を支援するため、今週北韓を訪問したアメリカ代表団から説明を聞く韓国外交通商部の担当局長が、13日、アメリカを訪問するということです。アメリカ代表団は今月5日から8日まで北韓を訪れ、緊急の食糧支援をするため、北韓に送られる食糧がもっとも必要とする人々へきちんと届くようにする方法などについて北韓側と協議しました。北韓の朝鮮中央通信は、8日、アメリカと食糧支援をめぐる交渉を行ったことを明らかにし、「よい話し合いができた」と一定の評価をしています。これについてアメリカのメディアは、アメリカ政府が北韓に50万トン規模の食糧支援を検討しており、懸案となっている核計画の申告を促すねらいがある」などと伝えています。

・毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザが全国的に拡がっていることを受けて、李明博大統領は、10日、大統領府=青瓦台で、関係部署による長官会議を開きました。李明博大統領は、この席で、「鳥インフルエンザの感染がソウル都心部まで拡大し、国民の間で人に感染するのではないかという不安が高まっている」として、抗菌剤を十分確保するよう指示しました。そのうえで李明博大統領は、今回の鳥インフルエンザの感染経路や原因などを徹底的に調査するとともに、人への感染を予防する対策や鶏肉の消費低迷対策を講じるよう求めました。これに先立って、政府と与党ハンナラ党は、鳥インフルエンザに対する防疫対策として、今後、鶏やアヒルの流通ルートを明らかにすることが必要だと判断し、食堂や小売業者が、鶏やアヒルを食肉用に自分で殺すことができなくするほか、流通業者の車両を登録する制度を作ることにしました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開を決めた政府に対する批判が広がるなか、政府当局者が、「韓米牛肉交渉は、前の政権が進めてきたもので、その後片付けをした」と発言したことに対して、盧武鉉前大統領が強い不満を表しました。盧武鉉前大統領は3日、大統領を退任した後生活している故郷の慶尚南道金海市の烽下(ポンハ)マウルを訪れた支持者らと会った席で、「アメリカ産牛肉の輸入再開はあくまでも今の政府が決めたことで、それによる責任も今の政府にある」としたうで、「私が大統領に在任中もアメリカとの牛肉交渉で、アメリカからの輸入そのものを断わることはできないと思っていたが、動物性飼料について、当時の農林部の反対が強かった。アメリカ産牛肉の安全性問題が解決できていないうえ、国家の自尊心を失いたくなかったため、牛肉市場を開放しなかった」と述べました。盧武鉉前大統領のこのような発言が事実であれば、農林部が前の政権で自ら打ち出した牛肉市場の開放条件をなぜ覆したのか、その背景が注目されています。

・韓国軍は、兵士の献立に使う牛肉をすべて韓国産にすることになりました。国防部によりますと、現在、兵士1人当たりの牛肉の消費量は1日に35グラムで、このうち、20グラムはオーストラリアやニュージーランド産で、15グラムは韓国産牛肉を当てていますが、今年8月からすべて韓国産にするということです。これは、アメリカ産牛肉の輸入再開で影響を受ける韓国の畜産業者を保護するための措置であると、国防部の関係者は説明しています。

5月8日木曜日

・アメリカ産牛肉の輸入再開を決めた政府に対する批判が高まっている中、韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、8日、国民に向けた談話を発表し、「アメリカでBSE=牛海綿状脳症が発生し、韓国国民の健康を脅かすことになれば、直ちに輸入を中断するなどして、アメリカに輸入協定の改正を求める」と述べました。韓昇洙国務総理は、談話の中で、「政府は何よりも国民の健康を最優先に守ることに努力する」と強調したうえで、「アメリカでBSEが発生して、国民の健康を脅かすことになれば直ちに輸入中断の措置をとり、輸入した牛肉すべてに対して調査するほか、アメリカにも調査団を派遣する。そしてアメリカとほかの国々との牛肉をめぐる交渉を見守りながらアメリカ側に協定を改めるよう求める」としています。韓国務総理はまた、「アメリカ産牛肉はアメリカ人だけではなく、世界96カ国の人が食べていて、ここ10年間に生まれたアメリカ産の牛に、BSEが発生したことはない。輸入再開に反対している主張のほとんどは国際基準に反していて、科学的に証明されていない。事実をわい曲し、世論を分裂させることに国力を費やしてはならない」と述べました。一方、韓昇洙国務総理は、8日、国会での質問に答えて「アメリカ産牛肉の輸入再開でアメリカと今の段階で再交渉するために調整をする考えはない」と述べました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に関連して、政府が、アメリカでBSEが発生した場合、直ちに輸入を中断して、アメリカ側に輸入協定の改正を求めるとしていることに対して、大統合民主党の金孝錫(キム・ヒョソク)院内代表は8日、国会で開かれた院内対策会議で、「政府の輸入中断発言は、国際慣例に反するもので、アメリカとの間で通商摩擦が起きる恐れもある」と述べました。一方、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる国会の聴聞会でも、政府の輸入中断発言に対して、野党が厳しく追及しました。この中で、統合民主党の議員たちは、「韓米牛肉交渉では、アメリカでBSEが発生しても、韓国がこれを理由に直ちに牛肉の輸入を中断できないことで合意しているとして、政府の発言は合意に違反する」と述べました。これに対して、外交通商部の金宗?(キム・ジョンフン)通商交渉本部長は、国民の健康を守るためには、自ら措置をとることができるとするWTO=世界貿易機関とGATT(ガット)=関税貿易一般協定の規定にもとづいて輸入中断措置をとることができると反論しました。

・大統合民主党と自由先進党、民主労働党の野党3党は8日、国会で院内代表会談を開き、韓米牛肉交渉の疑惑を解明するため国政調査を行うことで合意しました。野党3党は、また牛肉の輸入再開をめぐるアメリカとの再交渉を促す決議案と、チョン・ウンチョン農林水産食品部長官の解任要求案を、いまの臨時国会で成立させることにしました。そしてアメリカ産牛肉の輸入を骨付き肉も含めて、再開し、生後30カ月以上の牛についても段階的に輸入を認めるとする衛生条件の告示が今月15日に予定されていることから、政府に対して告示日を延期するよう求めることにしました。

・韓国銀行は、8日の金融政策委員会で、政策金利であるコール金利の誘導目標を年5%に据え置くことを決めました。コール金利は去年8月以来9カ月連続で据え置きとなりました。金融政策委員会は、「原油高の影響などで、消費者物価の上昇率が高く、住宅価格も一部の地域で高い上昇率となっているため、コール金利を据え置いた」と説明しています。また韓国銀行のイ・ソンテ総裁は、記者会見で、「今年の経済成長率は当初の4.7%からさらに下方修正して4.5%以下になる見通しである」と述べました。こうしたことからコール金利の誘導目標は今後も据え置かれるのではないかとする見方が金融関係者から出ています。

・政府は、大型のサイクロンで多数の犠牲者を出したミャンマーに200万ドル相当の救援物資を追加支援することになりました。政府は、ミャンマーでサイクロンによる被害が拡大していることから、ミャンマーに滞在している韓国人を支援するため、今月6日、1万ドル相当の救援物資を送ったのに続いて、テントや医薬品、水質を浄化する薬品など、200万ドル相当の救援物資を追加支援することにしました。ミャンマーには現在、850人あまりの韓国人が滞在していますが、今回のサイクロンによる人命の被害はありませんでした。ミャンマー駐在の韓国大使館は、現地では、通信網も大きな被害を受けていることから、韓国人に無線機を配布するなどして、連絡ができるようにしています。

・高病原性の鳥インフルエンザがソウル市広津区役所の自然学習場で発生したため、頭痛や高熱など鳥インフルエンザに似た症状を訴える市民が相次いでいますが、ほとんどは風邪をひいているだけとわかり、保健当局は、国民に対して、鳥インフルエンザに対する必要以上の不安にかられないよう呼びかけています。疾病管理本部は、人が鳥インフルエンザに感染するのは、感染した鳥に直接触るなど接触した場合で、感染すると、まず、のどや気管支など気道全体に症状が表れ、たんが出るなどしますが、ソウルで鳥インフルエンザに似た症状を訴えた人は鳥に直接触ってないうえ、上気道だけに症状が出ていることがわかり、一般の風邪をひいただけで、鳥インフルエンザに感染したのではないと説明しています。しかし保健当局は、鳥インフルエンザが確認された広津区役所の自然学習場をはじめ、教育施設などが運営している鳥の飼育場は当分閉鎖して、防疫を強化するほか、鳥インフルエンザに関する情報を知らせる冊子を制作して市民などに配布することにしています。一方、政府と与党ハンナラ党は、鳥インフルエンザがソウル市まで広がったことを重く見て、9日に政府与党連絡会議を開いて、今後の対策を決めることにしています。

・高病原性の鳥インフルエンザが発生した養鶏場で、鶏の処分作業にあたって、鳥インフルエンザに感染した疑いがもたれていた兵士1人は、鳥インフルエンザに感染したのではではなく、ウィルス性肺炎だったことが、保健当局によって確認されました。

・国内での養子縁組が増えて、去年初めて、海外への養子縁組を上回りました。保健福祉部によりますと、去年2007年、国内の養子縁組は1,388人で、養子縁組全体の52.3%を占めていて、韓国から海外への養子に行った子どもの1,264人、全体の47.7%を上回りました。

・独立運動家の徐載弼(ソ・ジェピル)博士の銅像がアメリカのワシントンDCに建てられました。徐載弼博士の銅像は、ワシントン市内にある韓国総領事館の前に建てられ、6日、李泰植(イ・テシク)韓国大使や、在米韓国人ら100人が出席して完成式が行われました。ワシントンDCには、これまでインドのガンジーら外国の偉人150人の銅像が建てられていますが、韓国人の銅像が建てられたのは初めてです。徐載弼博士は、1890年に韓国人として初めてアメリカの市民権を得て、植民地時代には独立新聞を発行するなどした独立運動家で、在米韓国人などが銅像の建立計画を進めていたのに対して、ワシントンDCは、徐載弼博士が韓米関係の発展に大きく寄与したとして、銅像の建立を認めました。

5月7日水曜日

・ソウル市広津区役所で観賞用の家禽類から高病原性の鳥インフルエンザのウィルスが確認された後、7日午前までに市民など25人が頭痛と高熱など鳥インフルエンザの症状を訴えて届出ました。広津区役所によりますと、6日午後から保健所の窓口で鳥インフルエンザに感染した疑いがある症状の人から申告を受け付けた結果、7日午前10時までに市民など25人から届出があり、当局が検査に乗り出しました。高病原性鳥インフルエンザが発生した広津区役所は、ソウル子ども大公園に隣接しており、区役所の家禽類が処分される前の5日の子どもの日を含む連休には家族連れなどおよそ50万人がソウル子ども大公園を訪れ、この間鳥類とともに写真撮影をするイベントも繰り広げられたということです。

・ソウル市で発生した鳥インフルエンザも毒性が強い高病原性であることが6日、確認されました。農林水産食品部は、ソウル市広津区役所が自然学習場で観賞用として飼っていた鶏やアヒル、きじ、七面鳥など57羽のうち、4羽が先月28日から相次いで死んだことから国立獣医科学検疫院が調査した結果、人に感染する恐れがある毒性の強い高病原性の鳥インフルエンザであることが確認されたと発表しました。このため防疫当局は、残り53羽の家禽類をすべて処分するとともに、隣接しているため、鳥インフルエンザの発生源と推定される京畿道城南市の在来市場に対する防疫を強化し、他の公共機関の家禽類の飼育場についても消毒を徹底的に行っています。韓国では済州島を除いたほぼ全国に鳥インフルエンザが拡がり、感染が確認された60カ所のうち34カ所が高病原性と確認されています。

・李明博大統領は、アメリカ産牛肉の輸入再開で国民の健康を脅かすことがあれば直ちに輸入を中止する考えを明らかにしました。李明博大統領は7日、全羅北道の道庁で業務報告を受けた席で、政府は国民の健康と生命を脅かすことには断じて対処する覚悟だとしてこのように語りました。そのうえで李明博大統領は、アメリカ産牛肉の輸入再開問題については、これ以上国民が心配しなくても済むように政府が積極的に対策を講じるとともに、畜産農家に対する支援も積極的に行うと約束しました。

・アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる聴聞会が7日、国会の農林海洋水産委員会で開かれ、政府の参考人に対して交渉過程に問題があったかどうかや、BSE=牛海綿状脳症の危険性、畜産農家に対する対策、さらにアメリカとの再交渉の必要性について論戦が交わされています。この中で、ハンナラ党は、今回の交渉はごく一部を除いてはほとんどが前政権で妥結した内容を引き継いだもので、国民が批判している内容は李明博政権の責任ではないとする主張を再度強調しました。また聴聞会に証人として出席したチョン・ウンチャン農林水産食品部長官は、「アメリカでBSE=牛海綿状脳症が発生した場合は、即刻輸入を中断する」と述べ、前日の6日に政府が行った2回目の記者会見とは、かけ離れた主張をしました。政府は6日の緊急記者会見で、韓米牛肉交渉は国民の健康と安全を最優先に国際的・科学的な基準に基づいて行われたもので、アメリカとの再交渉は不可能だとする見解を示していました。李明博大統領に続いてチョン・ウンチャン長官がアメリカ産牛肉の輸入中止もあり得ると発言したのは、先月18日に妥結した韓米交渉を覆すもので論議を呼ぶものとみられています。合意文書では、アメリカでBSEが発生した場合でも韓国政府が即刻輸入中断措置をとることはできないようになっています。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に対する韓国国民の反発が高まっている中で、アメリカ通商代表部のスーザン・C・シュワブ代表は7日、韓米牛肉交渉の合意内容を一部再交渉したり、協定文を改正したりすることはないとする見解を明らかにしました。

・農林水産食品部が5日公表した韓米牛肉交渉の合意内容は、予想以上に韓国に不利な内容となっています。まず、▼第4条では、アメリカでBSE=牛海綿状脳症が発生した場合でも、これを理由に韓国政府が直ちに牛肉の輸入中断措置を取ることはできません。OIE=国際獣疫事務局がアメリカに対して指定した「BSEの危険統制国」の地位を取り下げない限り、輸入中断措置が取れないようになっているためです。▼また脳や脊髄など特定危険部位が発見された場合に韓国政府が取れる措置も大きく後退しました。第23条によりますと、輸入牛肉から特定危険部位が発見された場合でも、アメリカの食品安全検査庁が調査を行っている間は、韓国がアメリカ産牛肉の輸入検疫検査を中断できないようになっています。これまでは、特定危険部位が見つかるなど輸入衛生条件への違反がひとつでも出れば、韓国が直ちに輸入中断措置を取り、アメリカの作業場に対する承認を取り消すことができたのに比べると基準が大きく後退しました。▼さらに、「屠畜する前に100日以上アメリカで飼育されていた牛」と定義した第10条も問題です。BSEがすでに何度も発生したカナダの牛もアメリカで100日間、飼育さえすればアメリカ産として輸入できることになっているからです。このほか、▼輸出検疫証に牛の年齢表示を義務づけるという項目が入っていないことも、今回の韓米牛肉交渉に対する国民の不信を煽っています。

・李明博大統領の支持率が20%台後半に落ち込み、与党ハンナラ党が、党のイメージダウンにつながることを懸念していると、日刊紙、中央日報が7日、報じました。それによりますと、ハンナラ党のシンクタンクである「ヨイド研究所」が5日、国民を対象に調査した結果、李明博大統領の国政運営に対する支持率は20%台後半にまで落ち込み、先月末の調査と比べて、わずか一週間で10ポイントも下がっています。これは現職大統領の支持率としては過去最低で、盧武鉉前大統領の場合、任期5年間の最低支持率は20%台半ばでした。

・先の総選挙でハンナラ党の公認を受けられなかったため離党してミニ政党「親朴連帯」を結成して当選した国会議員らは、ハンナラ党の新しい党代表が選出される今月22日まで、ハンナラ党が復党を認めなければ、国会で新たな交渉団体を結成する準備を進めることで一致しました。先の総選挙でハンナラ党を離党しミニ政党「親朴連帯」を結成して当選したり、無所属で出馬して当選したりした朴槿恵元代表に近い議員らが、復党する問題をめぐっては、李明博大統領に近い議員の間から反対する声があり、姜在渉(カン・ジェソプ)党代表も自分の任期中は絶対に認めない方針を明らかにしています。こうしたことから「親朴連帯」の当選議員14人のうち12人は6日、ソウルで会合し、最大の目標はハンナラ党へ復党することなので、新しい党代表が選出されるまでは静かに見守ることで一致したと発表しました。ハンナラ党内の議員を含め親朴連帯や無所属で当選した朴槿恵元代表に近い議員、さらに李会昌(イ・フェチャン)元ハンナラ党総裁が率いる自由先進党の議員18人を合わせますと、仮にこの保守勢力が国会で新たな交渉団体を結成することになった場合、ハンナラ党は過半数議席を割るうえ、最大野党統合民主党と肩を並べる新たな野党が誕生することになります。

・アメリカ国務省のソン・キム韓国課長が、8日、平壌入りし、核計画の申告について北韓側と協議する予定だと、アメリカ国務省が7日、明らかにしました。それによりますと、ソン・キム課長は7日ワシントンを発って8日、ソウル経由で日帰りで平壌を訪れ、核計画の申告について北韓側と協議するということです。

・韓国では5月8日が「父母の日」ですが、大韓航空の客室乗務員は、親孝行旅行ができる世界で最もすばらしい観光地として「札幌」をあげていることが分かりました。大韓航空は、先月4月の一カ月間、客室乗務員2917人を対象に「親孝行をするのに最も適した観光地はどこか」についてアンケート調査しました。その結果、16.2%にあたる455人が札幌と答えており、次は、バンコクで425人、ハワイ366人の順でした。札幌を一番にあげた理由としては、美しい景観と合わせて温泉を楽しむことができるうえ、時差がないこととなっています。

5月6日火曜日

・アメリカ産牛肉の全面輸入をめぐって与野党の攻防が激しくなっている中、前の政権の農林部が去年「韓国人がBSE=牛海綿状脳症に感染しやすい遺伝子を持っている」という内容の資料をまとめていたことが分かりました。この資料は去年9月に当時の農林部がアメリカと牛肉の輸入をめぐる交渉で活用するためにまとめたもので、野党民主労働党のカン・キカプ議員が5日公開しました。この資料によりますと、「韓国人はBSEに感染しやすい遺伝的特性をもっており、30ヵ月未満の牛でもBSE物質が多く含まれている背骨や脳などの特定危険部位は必ず取り除かなければならない」と強調しています。

・高病原性の鳥インフルエンザが発生から1カ月で全国に拡大している中、ソウルでも鳥インフルエンザが確認されました。ソウル市によりますと、先月28日ソウル市広津区役所の自然学習場で死んだキジ2羽を精密検査したところ、高病原性の鳥インフルエンザであることが確認されました。ソウル市はこれを受けて、同じ自然学習場で飼育されていた鶏や、ソウル市が管轄する動物園の子供大公園や果川公園の鳥類も処分したということです。ソウル市はまた、死んだキジ2羽を販売した業者を探す出す一方で、農林水産食品部と協力して鳥インフルエンザがこれ以上広がらないようにする対策を講じるとしています。先月はじめ、全羅北道金堤市の農場で今年に入って初めて発生した鳥インフルエンザは、わずか1カ月で全国に拡大し、これまで高病原性の鳥インフルエンザが確認された22カ所で、鶏やカモなど合わせて635万羽あまりが処分されました。

・韓国の日本に対する貿易収支の赤字が、今年に入って4月までに100億ドルを超え、この流れからいきますと、過去最大を記録した去年の規模を上回る見通しとなりました。知識経済部が6日に明らかにしたところによりますと、今年1月から先月20日までの日本に対する貿易赤字は102億8900万ドルで、去年の同じ期間に比べ10億ドル以上増えました。韓国政府は、先月の李明博大統領の日本訪問に合わせて、韓国に部品・素材専用の工業団地をつくる方針を示すなど、増え続ける日本に対する貿易赤字を改善するため、様々な対策を講じていますが、これといった効果は現れていません。このため、これから交渉を再開することになっている日本とのEPA=経済連携協定が締結されれば、日本製品の輸入がさらに増えるとみられる中で、日本に対する貿易赤字の増加は、韓日EPAに向けた交渉にも否定的な影響を与えるものとみられます。

・WTO=世界貿易機関は5日、韓国のハイニックス半導体のDラム半導体にかけていた日本政府の相殺関税は不当だと改めて確認し、相殺関税を9月1日までに廃止すべきだとする決定を出しました。この問題は、韓国政府が2006年3月に日本がハイニックス半導体のDラム半導体にかけている相殺関税は不当だとしてWTOに提訴し、勝訴の判定を受けたあと、日本と改善に向けた交渉を続けてきましたが決裂したため、今年3月、WTOに仲裁を求めたのに対して、WTOが相殺関税の廃止期限を決めたものです。日本は、2001年と2002年に行われたハイニックスの債務再調整をめぐって、韓国政府が不当に補助金を支給したと主張し、2006年から27.2%の相殺関税をかけましたが、WTOからこれはWTOのルールに反するという判定を受けていました。

・アメリカのホワイトハウスの高官を含む代表団が、北韓と食糧支援について話し合うため平壌を訪れていることが分かりました。ワシントンの外交消息筋によりますと、ホワイトハウスのマイケル・メーガン国家安全保障会議局長をはじめ3人のアメリカ代表団は5日に平壌入りし、北韓に最大50万トンの食糧を支援する問題や、特に、支援する食糧が住民にきちんと配分されるかどうかを確認する作業について集中的に協議するということです。北韓にとってアメリカによる食糧支援は大きな助けになるとみられる一方で、北韓の食糧支援に人権問題や核問題と連携して対応しようとする韓国政府とアメリカの足並みがそろわないのではないかという声もあがっています。

・政府は6日の閣議で、児童を対象にした性犯罪に対する罰則を大幅に強化した「性暴力犯罪処罰法」の改正案を議決しました。13歳未満の児童に対する性犯罪の罰則は、これまでは懲役5年以上でしたが、改正案では、13歳未満の児童を対象に性犯罪を犯し、殺害した場合は死刑または無期懲役に、傷害を加えた場合は無期懲役または7年以上の懲役に加重されます。

・24歳以下の夫婦の離婚率が平均の10倍に上ることが分かりました。統計庁がまとめたものによりますと、去年15歳から24歳までの男性既婚者の離婚率は1000人当たり48.3人、女性既婚者は50.8人と、平均の5.2人の10倍近く高くなっています。統計庁では、最近晩婚化や結婚をしない人が増える傾向にある一方で、非常に若い年齢で結婚をしては直ぐ離婚するカップルも増えているために、若年カップルの離婚率が高くなっていると分析しています。

5月5日月曜日

・きょう5月5日は「こどもの日」で、国民の祝日です。今年のこどもの日は先週の土曜日から3連休となったため、国立公園など自然の中で過ごす家族連れが目立つ一方で、ハイ・ソウル・フェスティバルが開かれているソウルなど全国各地で子どもの日にちなんだ多彩な行事が繰り広げられました。保健福祉家族部は5日、京畿道高陽市の総合展示場KINTEXで第86回こどもの日の記念行事を行い、李明博大統領が映像によるお祝いのメッセージを送りました。李明博大統領はこの中で「最近、子どもたちを苦しめる大人がいて、はずかしく思います。有害なインターネットサイトや各種犯罪から子どもを守り、子どもにとって幸せな社会を作っていくように頑張ります」とあいさつしました。ソウル市のお祭りハイ・ソウル・フェスティバル2日目の5日は、南山公園や清渓川、市内の王宮では子どものための各種のイベントが続き、また広津区の子ども大公園では軍楽隊がパレードを行い、トラやライオンの赤ちゃんが登場して子どもたちが一緒に記念写真をとって、人気を集めていました。

・アメリカ産牛肉を全面輸入することになった韓国で、輸入に反対する大規模な集会が開かれるなど安全性をめぐる論議が高まっていることについて、アメリカ政府は4日、緊急の記者会見を行い、アメリカ産牛肉は安全だと強調しました。アメリカのリチャード・レイモンド農務次官は日曜日の4日、緊急の記者会見を開き、アメリカ産牛肉の安全性について、1997年から導入された動物性飼料の使用禁止措置を来月からさらに強化するうえ、BSE=牛海綿状脳症に対する監視体制も一段と強化していると説明しました。またアメリカで20代の女性がBSEに感染したのではないかという報道についても、最終的な疫学調査が出ていないが、BSEではないとみられるという見解を示しました。アメリカ政府がアメリカ産牛肉の安全性をめぐる緊急の記者会見を行ったのは、韓国各地でこの週末、アメリカ産牛肉の輸入に反対する集会が相次いで開かれたためで、日本や台湾など、これから牛肉の貿易交渉を控えているアジア諸国にも影響を及ぼす恐れがあると憂慮したためではないかとみられます。

・韓国への輸入が全面開放されたアメリカ産牛肉は今月15日から検疫が再開され、流通する見通しです。また骨付きの牛肉は来月中旬から流通するものとみられます。農水産食品部などによりますと、先月18日の韓米間の交渉で妥結したアメリカ産牛肉の輸入衛生条件は、今月15日に確定して告示される予定で、これに合わせて15日から検疫が再開されます。このうち、まず去年、骨のかけらが発見されたため保管されたままとなっているアメリカ産牛肉5300トンに対する検疫が再開される予定で、一方、韓国とアメリカの合意によって新たに輸入が認められた30カ月未満の骨付き牛肉は来月中旬から流通する見通しですが、アメリカ産牛肉に対する国民の世論が悪化していることから、当分の間は大型スーパーなどでの販売は難しいものとみられます。

・韓国と日本、中国、それにASEAN=東南アジア諸国連合は、アジアで通貨危機が再発した場合に備えて、緊急に資金を支援するため、800億ドルの資金を作ることで合意しました。これはスペインで4日開かれた韓国、日本、中国とASEANの財務長官会議で合意したもので、去年の会議で1997年暮れのような通貨危機の再発を防ぐため、各国が保有している外貨を出し合って資金を作ることで合意していました。今年の会議では各国が融通し合う資金を800億ドルにするとともに、韓国、日本、中国が80%にあたる640億ドルを、残り20%の160億ドルをASEAN10カ国が負担することが決まりました。これについて財政企画部は、「これまでアジア諸国が一時的に資金が急速に流出するといった通貨危機に見舞われた場合、それを防ぐことができず、ヘッジファンドなどの攻撃を受けることがあったが、アジア諸国が共同で資金を作ることができれば、通貨危機を防ぐことができる」と述べました。

・去年の南北首脳会談で、今月から進めることで合意した南北を直接結ぶ航空路を利用する北韓の白頭山観光は、北韓の航空安全施設が老朽化するなど整っていないため、年内の実現は事実上、不可能であることが分かりました。文化体育観光部が5日、国会の統一外交通商委員会所属のジン・ヨン議員に提出した資料によりますと、2回目の南北首脳会談の直後の去年11月下旬から12月初めにかけて官民合同で行われた白頭山観光の現地調査の結果、白頭山の飛行場には航空機の運航に必要な管制施設や空港施設、気象観測施設などが故障するか老朽化するかしており、航空安全施設は設備からやり直してテスト運用するまでに2年が必要だとする報告書をまとめていたことが分かりました。また2005年12月に行った現地調査をもとに韓国観光公社がまとめた報告書でも、白頭山の飛行場の滑走路をそのまま利用するのは事実上厳しいと判断しており、盧武鉉政権がこのような事実を知っていたのに、白頭山観光を無理に推し進めようとしたのではないかという主張が持ち上がっています。

・ソウル市の代表的なお祭り「ハイ・ソウル・フェスティバル」が4日開幕しました。今年のハイ・ソウル・フェスティバルのテーマは「宮」で、開幕イベントとして宗廟からソウル市庁前広場までの2.3キロの区間をあいにく小雨がぱらつく天気の中、数万人の市民が自分で作った仮面をかぶって、パレードしました。続いて、ソウル市庁前広場ではレーザー光線など光を使った「5月の宮」という舞台ショーをはじめ、歌手やブレークダンスの公演、それに東西の音楽によるダンスパーティーが続きました。ハイ・ソウル・フェスティバルは今月11日まで開かれます。

・アメリカの男子プロゴルフ(PGA)で、プロ入り2年目の韓国系アメリカ人アンソニー・キム選手(23)がツアー初優勝しました。ノースカロライナ州シャーロットのクウェイルホロー・クラブで行われたワコビア選手権、最終ラウンドの4日、アンソニー・キム選手は通算16アンダー、272で初優勝し、チェ・ギョンジュ選手に続いて、アメリカプロゴルフで優勝した2人目の韓国人となりました。

5月3日土曜日

・政府がアメリカ産牛肉の輸入再開を決めたことに抗議する大規模な集会がおよそ1万人が参加して2日夜、ソウル中心部で開かれました。韓国は、李明博大統領の初めてのアメリカ訪問を前に、BSE=牛海綿状脳症の恐れがあるため輸入禁止措置を取っていたアメリカ産牛肉についてアメリカ側と交渉した結果、牛の年齢制限をなくし、骨や内臓などの禁止品目をすべて解除し、牛肉市場をほぼ全面開放することで合意しました。アメリカは、両国が締結した韓米FTA=自由貿易協定のアメリカ連邦議会での批准の前提条件として、すべてのアメリカ産牛肉の輸入再開を強く求めていました。こうしたことを受けて、韓国ではインターネット上に李明博大統領の弾劾を訴える署名簿が作られるなど、政府や李明博大統領を批判する声が高まっています。警察は当初2日の集会に1000人程度の市民が参加するものと予想していましたが、会社帰りの若いサラリーマンや中高年の市民が続々と集まり、集会参加者は1万人あまりに増えました。警察は警察官3500人を警戒に当たらせましたが集会参加者との間の衝突はありませんでした。この問題については、韓米FTAを阻止する国民運動本部などの市民団体が3日と4日に、ソウル中心部で相次いで集会を開き、アメリカ産牛肉の輸入再開をめぐる韓米交渉を無効にすることや、李明博大統領の国民への謝罪を要求することにしています。

・アメリカ産牛肉の輸入再開に反対する世論が高まっている中で、李明博政権が急いでいる今月の国会での韓米FTAの批准は難航する見通しとなりました。韓米FTAの批准については、李明博大統領が今月29日で任期が切れる今の第17代国会での批准を強く要請したため与野党が合意して急きょ、任期末に臨時国会を開くことになりました。これについて与党ハンナラ党は無記名による表決を主張していますが、最大野党の統合民主党は難色を示しています。このため李明博大統領は2日、ハンナラ党の姜在渉代表と会談し、第17代国会でなんとしても与野党が力を合わせて批准するよう重ねて要請しました。また論議を呼んでいるアメリカ産牛肉の輸入再開については、「政治的論理に発展させ社会不安を加重させてはならない」と強調しました。政府与党は、FTAの批准が先月の総選挙で選ばれた新しい第18代国会にゆだねられた場合、常任委員会の与野党の割り振りや各党の大会などの政治的争点にまみれて手続きに長い期間がかかり批准が遅れることを懸念しているもようです。

・李明博大統領の国政運営に対する支持率が30%台に落ち込みました。世論調査会社が先月29日と30日の2日間、全国に住む20歳以上の男女700人を対象に電話で調査した結果、李明博大統領の国政運営について、「よくやっている」と答えた人は35.1%と、就任後最も低い結果となりました。先月25日の調査では「よくやっている」という回答が47.2%だったことから、わずか4、5日で12ポイントも下がったことになります。反対に「よくやっていない」と答えた人は半数を超える55.1%にのぼり、就任後初めて、否定的な評価が肯定的な評価を上回りました。これは、最近、不動産投機などの疑惑で辞任した青瓦台のパク・ミソク首席秘書官以外にも数人の青瓦台の首席秘書官らが財産の形成過程に問題があるという指摘があることや、アメリカ産牛肉の輸入再開による世論が悪化していることが影響したものとみられています。

・韓国政府は、WHO=世界保健機関が進めている北韓のマラリア患者の治療や予防に118万ドルを支援する方針を決めました。北韓では、マラリアの患者が年々減少してはいるものの、去年末の時点で7000人余りいるとされています。政府は、2日、南北交流協力推進協議会を開き、北韓に対してマラリアを防ぐなど3件の支援を決めました。李明博政権が発足してから、政府が北韓に支援するのは、これが初めてです。

・北韓は、アメリカ国務省のテロ支援国リストから削除されれば、24時間以内に寧辺(ヨンビョン)にある原子炉の冷却塔を爆破することでアメリカと同意したと、ワシントンポストが外交官の情報として2日、明らかにしました。それによりますと、北韓は、先週平壌を訪れたアメリカ国務省のソン・キム韓国課長に対して、テロ支援国リストから削除されるならば、即刻こうした行動をとると述べたということです。寧辺にある原子炉の冷却塔を北韓が自ら爆破することは、北韓が核開発の意志を放棄するという象徴性を持つことから、世界を驚かすパフォーマンスになるというアメリカの要請を受けて北韓が同意したということです。

・韓国と日本のEEZ=排他的経済水域の境界を定めるための9回目の交渉が、2日、東京で開かれましたが、合意には至りませんでした。この問題については、韓国が独島をEEZの韓国側基点とし、日本の隠岐島(おきのしま)との中間に境界線を引くよう主張しているのに対して、日本は韓国の鬱陵島(ウルルンド)との中間を境界とするよう主張していることから、結局、平行線のまま双方で歩み寄ることはできませんでした。会議には、韓国側から外交通商部のイム・ハンテク条約局長らが、日本側からは外務省の小松一郎国際法局長らが出席しました。次の会議は、今年下半期にソウルで開かれます。

・アフガニスタンの武装勢力タリバンは、韓国政府がアフガニスタンに警察官を派遣した場合、首都カブールにある韓国の民間施設を攻撃すると警告したことが明らかになりました。首都カブールの消息筋が2日伝えたところによりますと、自らをタリバンのスポークスマンの「アマディー」と名乗る男が電話をかけてきて、韓国がアフガニスタンに警察官や軍隊を派遣した場合、タリバンはこれに見合う対応をとると述べたということです。またこの男は、韓国がアフガニスタンに再び宣教師を送りこんだりすれば、去年のような解放交渉は二度と行わないと主張したということです。韓国の外交通商部は、電話をかけてきた男の身元の確認を急ぐとともに脅迫内容の真偽を慎重に検討しています。

・先月4月の物価上昇率は4.1%となり、3年8カ月ぶりの高い上昇率となりました。このため政府は2日関係閣僚会議を開き、100あまりの生活必需品の輸入価格を公開し、販売価格が異常に高い品目については厳しく取り締まる方針を明らかにしました。たとえば、コーヒー専門店のスターバックスの「カフェラテ」は韓国では3800ウォンで、日本の2800ウォンやアメリカの2400ウォンに比べて1000ウォン以上高くなっています。公正取引委員会は、このように海外との販売価格の差がいちじるしい品目について徹底的な調査を行い、今月はコーヒーと化粧品、来月は自動車の販売価格についての調査結果を発表する計画です。

・英語によるFMラジオ放送が年内に首都圏などで開局される見通しです。李明博政権の誕生で発足した、放送、通信、インターネットなどの政策を総括する行政機関の放送通信委員会は2日、衛星・ケーブルテレビ放送の「アリラン」が最南端の島、済州島で2003年から行っている英語放送のような英語によるラジオ放送を全国で実施する基本計画を決め、今年8月に試験放送を行った後、11月から本放送を行うことを決めました。

・ソウル市が主催する春の市民の祭り、「ハイソウルフェスティバル」が、今年は「宮」をテーマに4日から始まり、11日までの8日間、ソウルの5つの王宮をはじめ市庁前のソウル広場や清渓川などでさまざまなイベントが繰り広げられます。