2008年ニュース

4月25日金曜日

・アメリカの中央情報局(CIA)は24日、議会の上下両院で行った報告で、北韓がシリアの核施設に対して支援していたと初めて明らかにしました。CIAの関係者は、去年イスラエルがシリアの原子炉とみられる施設を空爆した時期に、北韓が秘密裏にシリアの核施設に対して支援を行っていたと確信すると述べました。また、ホワイトハウスはこの問題について、北韓がシリアに核関連の支援を行ったのは、北韓による核拡散の危険性を示すもので、アメリカはそれを憂慮しており、北韓のこうした危険性を6カ国協議の枠組みの中で厳格に検証できるシステムを作る必要があるという声明を発表しました。一方、アメリカ議会では、北韓による核拡散を憂慮する声が強まっており、今後の米朝間の協議で何らかの合意がなされても、議会がその合意を承認するかどうかは流動的になりました。北韓はこれまで核計画の申告をめぐる協議で、シリアへの核協力を否定してきたため、今回のアメリカ政府の発表は、今後、北韓の核問題をめぐる6カ国協議や米朝間の協議に影響を及ぼすものとみられます。

・北韓を訪問していたアメリカ国務省のソン・キム韓国課長が24日、板門店を通って韓国に戻りました。ソン・キム課長は22日から24日まで平壌を訪問し、北韓による核計画の申告や検証の方法について協議したと伝えられており、北韓外務省の報道官は、今回の協議が建設的で、一定の進展があったという論評を発表しました。アメリカと北韓は具体的な協議の内容については公表していませんが、北韓がプルトニウムの量などを正確に申告する見返りとして、アメリカが北韓のテロ支援国指定の解除に向けた作業を始めるなどとする合意がなされたものとみられます。韓国政府の関係者は、北韓の申告内容を検証するには、書類を検討するだけでも数週間から数カ月がかかり、現場の検証までするには少なくとも1年はかかるという見方を示しており、この問題をめぐって米朝間の駆け引きは今後とも続くものとみられます。

・第17代国会の最後の臨時国会が25日開会しました。会期は来月23日まで1カ月間で、臨時国会では韓米FTA=自由貿易協定の批准やアメリカ産牛肉の輸入制限の緩和などが焦点となる見通しです。与党ハンナラ党は今の国会で韓米FTAの批准案を可決させる方針ですが、野党は、アメリカ産牛肉の輸入制限が大幅に緩和された問題で、聴聞会を開いて与党の責任を追及するなど、この問題を韓米FTAの批准と連携させる方針で、与野党の対立が予想されます。一方、与党ハンナラ党と最大野党の統合民主党の院内副代表が24日国会で、第18代国会の常任委員会の設置など、院の構成について1回目の協議を行いました。25日には新しく変わった政府組織の構成に沿って、常任委員会の構成を調整する予定で、今回の臨時国会で第18代国会の院の構成を終えることを目指しています。

・与党ハンナラ党の朴槿恵(パク・クネ)前代表は25日、国会で記者会見し、条件付きで7月に予定されている党代表を選ぶ選挙に出馬しない意向を表明しました。この中で朴槿恵前代表は、先の総選挙でハンナラ党の推薦を受けられず、離党して「親朴連帯」という政党を結成したり、無所属で出馬したりして当選した朴槿恵前代表に近い議員らの復党が認められれば、党代表を選ぶ選挙に出馬しないとしました。朴槿恵前代表はまた、これらの議員の復党問題は、党代表の意思で決めるべきではなく、最高委員会で正式な手続きを経て決めるべきだと指摘しました。朴槿恵前代表は、検察が親朴連帯の比例代表議員1人に対して、学歴を偽り、違法な党費を納付したなどの疑いで捜査を始めたことについて、親朴連帯を圧迫するための行き過ぎた措置だとして、この問題はほかの議員らの復党とは別問題だと強調しました。これに関連してハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)党代表は25日朝、ラジオ番組に出演して、党代表の任期は7月まであるとした上で、党大会が開かれる7月までは朴槿恵前代表に近い議員らの復党を認めることはできないという方針を改めて確認しました。

・北韓労働党の機関紙「労働新聞」は、北韓の人民軍創設76周年を迎えた25日付に掲載した論説で、「敵が攻撃してくる場合、人民軍が断固とした打撃を加える」としました。論説はまた、「アメリカ帝国主義は国際舞台で公然と侵略行為と戦争犯罪を犯しており、韓国の執権勢力は時代錯誤的な対決の道を選択した」とした上で、「人民軍はどんな侵略策動でも打ちのめせるよう、現代戦に合った訓練によって完璧な戦闘態勢を備えなければならない」としました。一方、北韓のキム・イルチョル人民武力部長は25日、人民軍創設76周年記念式典に出席し、「韓国政府当局者の親米事大主義、反北韓対決行為を注視しており、敵の先制攻撃に対応できる万全の準備を整えている」とした上で、「韓国政府の好戦的な保守勢力が南北共同宣言の全ての合意を覆そうとしている」と非難しました。

・ソウル中心部にある国宝第一号の崇禮門(南大門)の楼閣が放火によって全焼した事件で、ソウル中央地方裁判所は25日、放火の罪で起訴されていた男に懲役10年の実刑判決を言い渡しました。この事件は、旧正月連休中の今年2月10日の夜、国宝第一号の崇禮門の楼閣が全焼し、70歳の男が放火の罪に問われていたもので、ソウル中央地方裁判所は、25日の判決公判で、「国宝を全焼させ国民に想像を絶する精神的苦痛を与えただけでなく、国家と国民の威信を傷つけた罪は重い」として、懲役10年の実刑判決を言い渡しました。これに先立って検察は、この男が2006年に別の文化財に火をつけ執行猶予期間中に再び事件を起こしたことは重刑に値するとして、懲役12年を求刑していました。

・今年の第1四半期のGDP=国内総生産の伸び率、つまり経済成長率は前の四半期に比べて半分に満たない低い水準にとどまりました。韓国銀行のまとめによりますと、第1四半期のGDP=国内総生産の伸び率は0.7%と、前の四半期の1.6%の半分にも満たないほどで、2004年の第4四半期以来、3年3カ月ぶりに最も低くなりました。また、輸入物価の上昇を反映したGDI=実質国内所得は前の四半期に比べて2.2%減少してマイナスとなり、2000年第4四半期のマイナス2.4%以来、7年3カ月ぶりの不振となりました。産業別に見ますと、製造業は半導体やITなどが成長を続けたものの運輸などが不振で0.5%の成長にとどまり、建設業は需要が減少してゼロ成長となりました。サービス業は金融と保険がマイナス1.4%と不振で、全体では0.5%の成長にとどまりました。一方、設備投資は前の四半期に比べて0.1%、建設投資は1%減少しました。韓国銀行は、第1四半期の成長率の鈍化は憂慮するほどではなく、第2四半期の成長率によって今年全体の成長率の動きが決定されるだろうとしています。

・三星電子とソニーは25日、両社の合弁会社「S-LCD」の韓国内の工場に、第8世代液晶パネルの製造ラインを新設することにしたと発表しました。三星電子よりますと、両社はそのために合わせて1兆7957億ウォン、およそ2000億円を投資するということです。新しい製造ラインは来年4月から6月の間に本格的に稼働させる計画で、50インチ以上のテレビ用液晶パネルを月6万枚生産し、三星電子とソニーに半分ずつ供給します。ソニーは第10世代以降の液晶パネルについてはシャープと提携して投資を進めることにしたため、第8世代の三星電子との共同投資について決定を先延ばししてきましたが、世界市場で液晶テレビの需要が増えていることを受けて、三星電子との第8世代の共同投資に踏み切りました。

・インターネット上で各種のサイトに加入する際、これまでは住民登録番号を入力しなければなりませんでしたが、これからはサイトを運営する事業者に住民登録番号を入力せずに加入できるシステムの導入が義務付けられ、個人情報保護義務に違反した場合の制裁が強化されます。放送通信委員会は、最近インターネット上のサイトを運営する事業者によって、住民登録番号や住所など、個人情報の流出が相次いでいることを受けて、1日の利用者が10万人を超えるサイトに対して、住民登録番号を入力せずに加入できる「アイピン」と呼ばれるシステムの導入を義務付けることにしました。そして、利用者の同意を得ずに個人の情報を収集し、第3者に提供した事業者に対しては、最高5年以下の懲役または5000万ウォン以下の罰金とし、個人情報保護義務に違反した事業者に対しては売り上げの1%までの課徴金を課すことにしました。放送通信委員会はすでにこうした内容を盛り込んだ「情報通信網利用促進及び情報保護法」の改正案を国会に提出しており、今の臨時国会の会期中に採決に持ち込みたい考えです。

4月24日木曜日

・李明博大統領は、24日、大統領就任後初めて、与野党の指導部と会合し、韓米FTA=自由貿易協定の国会での批准やアメリカ産牛肉の輸入受け入れなどについて話し合いましたが、こうした懸案をめぐる野党との協議は平行線のまま終わりました。この会合は、李明博大統領が、先のアメリカと日本訪問の結果を説明するため、大統領府=青瓦台で開かれたもので、李明博大統領はアメリカとのFTAの批准同意案を、25日から開かれる臨時国会で成立させることや、アメリカ産牛肉の輸入をほぼ全面的に受け入れることについて、野党側に理解を求めました。これに対して、最大野党の統合民主党の孫鶴圭(ソン・ハッキュ)代表は、「アメリカ産牛肉の輸入交渉は、しっかりした対策を立てない状態で行われたため、韓国内の畜産業者に大きな打撃を与えることになった。韓米FTAの批准を急ぎたいなら被害を受ける農家などに対して積極的な対策を講じてほしい」と要請しました。さらに李明博大統領は、アメリカ産牛肉の輸入再開のための韓米交渉について、「国際獣疫事務局が定めているアメリカの条件が整ったため行ったもので、手抜きの交渉ではなかった。これは前の政権が進めていた交渉の延長戦として見てほしい。国内の畜産業者のための対策は積極的に行う方針だ」と述べ、韓米首脳会談を前に、韓米FTAのアメリカでの早期批准を求める代価としてアメリカ産牛肉の輸入をほぼ全面的に受け入れたとする主張を否定しました。野党3党の院内代表は、25日から始まる臨時国会で、政府がアメリカ産牛肉の輸入をほぼ全面的に受け入れることにした韓米牛肉交渉の真相を究明する聴聞会を開くことを決めています。

・新しく任命された権哲賢(クォン・チョルヒョン)駐日大使が、ソウルで記者会見し、日本との経済協力を軸に、両国の未来志向の関係作りを進めたいという考えを示しました。在外公館長会議に出席するためソウルに滞在している権哲賢大使は23日、記者会見し、「日本に対する貿易赤字の幅が減るなど、経済協力ではっきりした成果が出るようになれば、韓国人の過去の傷も少しずつ癒えていくのではないか」と述べ、 日本との経済協力を軸に、両国の未来志向の関係作りを進めたいという考えを示しました。そして、独島=日本でいう竹島の領有権や靖国神社参拝、歴史教科書のわい曲などの問題について、「それを表に出すよりは国益に合うことは何なのか考えなければならない」とする一方、「屈辱的な姿勢で臨むことはない」と述べました。権大使はまた、北韓の核開発問題で、日本が拉致問題と連携させて解決を目指す姿勢を示していることについて、「拉致問題は人道的に解決しなければならないが、核問題とは切り離して考えてほしい」と述べました。

・韓国がアメリカから兵器を輸入する際、NATO=北大西洋条約機構の諸国や日本などと同じように地位を格上げして、安く迅速に購入できるようにする法案が今月30日、アメリカ下院に上程される予定です。アメリカ議会下院外交委員会のパレオマベガ議員は、24日、韓米同盟の聴聞会に出席してこのように述べました。この法案は、共和党のエドロイス下院議員が提案した韓米軍事協力強化法案で、アメリカ製兵器を外国へ販売する際、韓国について、地位を格上げしてNATOや日本、オーストラリア、ニュージーランドと同等にする内容となっています。一方、アメリカのライス国務長官は、アメリカ製兵器の外国への販売にあたって、韓国の地位を格上げする法案を議会が速やかに成立させるよう求める書簡を、先週18日に下院の外交委員会宛てに送ったことを明らかしました。ライス長官は、この中で、兵器の取り引きで韓国の地位を格上げすることは、韓米同盟のシンボルになり、韓国軍の作戦能力を高めることにつながると説明しています。これに先立って、このほどワシントンで行われた韓米首脳会談で、ブッシュ大統領もこの問題について、積極的に努力すると話していました。この法案は今月30日、アメリカ議会の下院に上程される予定で、早ければ今年上半期中にも成立することが期待されています。

・北韓は、李明博大統領の対北韓政策を理由に、韓国と北韓の労働者による恒例のメーデーの行事、南北労働者統一大会を取り止める意向を表明しました。今年は北韓の平壌で行われる予定だった南北労働者統一大会に向けて、南北の関係者は今月10日、北韓の金剛山で協議を行いましたが、北韓側から「李明博大統領は北韓の人権や核開発問題に対して、われわれの自尊心を傷つける発言をしている」として、大会を取り止める意向を表明してきたと、韓国側の代表団が24日明らかにしました。南北労働者統一大会は、2000年の南北首脳会談での合意によって翌年の2001年から毎年行われており、去年は韓国の慶尚南道昌原市で行われました。

・北京オリンピックの聖火リレーが27日、ソウルで行われますが、チベット問題をめぐり中国政府に抗議する人たちによる妨害活動に備えて、聖火ランナーの警護にマラソン大会でフルコースを完走した経験のある警察官およそ100人が伴走者として配置されることになりました。ソウル地方警察庁が22日明らかにしたところによりますと、身長が170センチ以上で、マラソンの経験が豊かな警察官のうち100人を選んで、3つのチームに分け、聖火ランナーの警護に当たるということです。北京オリンピックの聖火リレーは、27日午後2時頃、ソウルオリンピック公園を出発して、夕方8時頃にソウル市庁前の広場に到着する予定ですが、混乱が生じることを心配して、詳しいコースは公表されていません。一方、北韓の人権について活動している「キリスト教社会責任」などNGOの団体は、24日、チベット問題をめぐる中国政府の対応に抗議し、自転車およそ100台を動員して、聖火リレーを妨害するデモを行うと発表しました。

・ソウル地方警察庁は、大手通信会社のハナロ・テレコムが、顧客およそ600万人分の個人情報をテレマーケティング業者へ違法に提供した疑いで、前職と現職の役員ら22人を在宅のまま立件しました。ソウル地方警察庁のサイバー犯罪捜査隊によりますと、ハナロテレコムのパク・ピョンム前代表取締役ら22人は、2006年1月から去年末にかけて、顧客およそ600万人の個人情報8500万件あまりを、テレマーケティング業者1000社に組織的に流していた疑いがもたれています。またハナロテレコムは、個人情報を違法に使用し、銀行とクレジットカードの募集に関する業務契約を交わしたほか、インターネットの利用を解約した顧客の情報も利用し続けていたことも、警察の捜査で明らかになりました。 さらに警察は、別の大手通信業者も顧客の情報をカード会社や保険会社などに提供した疑いがあるとして、捜査を拡大しています。

・政府は、民間のビルなどにも冷房と暖房の温度の設定を義務付けることなどを法律で定める省エネ対策を発表しました。政府は24日、韓昇洙国務総理が主宰する、国家エネルギー節約推進委員会を開き、原油高に備えるための省エネ対策をまとめました。それによりますと、これまで公共機関だけに義務付けていた夏の冷房は26度以上、冬の暖房は20度以下に設定することを、2009年までに大型の公共施設や教育施設に広げ、2010年までにはビルなど大型の民間業務用施設にも適用して、違反した場合は、罰金を科すことにしています。しかしマンションなど住宅施設については、それぞれの家庭に室内の温度をチェックできる温度測定器を普及させて、自主的に温度を管理するガイドラインをつくることにしています。政府はまた、現在、電気やガス料金がほかの国々に比べて、割安であることから今後、料金体系を見直すことを含めて、省エネを進めていく方針です。

・国際的な原油価格の上昇で、ガソリンの販売価格がさらに上昇し、1リットル当たりの平均小売価格が初めて1700ウォン台を超えました。

・韓国人が考える「もっとも成功した人」に、李明博大統領が選ばれました。これはKBSラジオの時事専門チャンネルの第1ラジオが、人生で成功することについて国民がどう考えているかを、全国の満20歳から59歳までの成人男女およそ500人にアンケート調査したものです。それによりますと、「韓国でもっとも成功した人を一人選ぶとしたら」という問いに対しては、李明博大統領と答えた人が全体の13.9%を占めて1位でした。次いで、三星グループの李健熙会長が11.1%で2位、現代グループの故鄭周永名誉会長が8.7%で3位、そして盧武鉉前大統領、サッカーのパク・チソン選手などの順でした。一方、韓国の社会で、成功の基準は何だと思うか?という問いに対しては、「社会的な名声」と答えた人が全体の37.3%を占め、次いで、「富つまりお金」、「社会的地位の向上」などの順でした。そして韓国で平凡な人が成功するためにもっとも必要なものは?という問いには、「能力」、「お金」、「努力と忍耐」の順でした。

4月23日水曜日

・韓国、日本、中国3カ国の首脳による定期会談の初会合が9月に日本で開催される見通しだと、日本の毎日新聞が日本政府関係者の情報として、23日伝えました。それによりますと、21日に東京で行われた李明博大統領と福田首相との韓日首脳会談で、去年11月に3カ国の首脳が合意した持ち回りの定期首脳会談を今年中に日本で開催することで両首脳が合意し、来月初めに日本を訪れる中国の胡錦涛国家主席と福田首相との会談で正式に合意されれば、3カ国の実務者レベルで準備に取り掛かる予定だということです。1回目の会談では、北韓の核問題や、環境問題、3カ国の投資協定締結問題など幅広いテーマについて話し合われる見通しです。

・李明博大統領は、「私が大統領になった以上、もはや韓国に私のライバルはいない。いるとすればそれは外国の首脳だ」と述べ、与党内の派閥争いに強く警告するメッセージを出しました。李明博大統領は22日、大統領府青瓦台で行われた与党ハンナラ党の国会議員当選者との晩餐会で、このように発言しました。李明博大統領のこうした発言は、大統領に就任してから2カ月近くが経ち、総選挙が終わって10日以上過ぎたにも関らず、ハンナラ党の内部では、依然として大統領支持派と、朴槿恵元代表支持派に派閥が分かれているうえ、総選挙で党の公認候補から外され、離党してミニ政党「親朴連帯」を結成して当選したり無所属で当選したりした朴槿恵支持派議員の復党問題が懸案となっていることから、党内の和合を求めるとともに、朴槿恵派の勢力拡大を阻む狙いがあるものと見られています。この日の晩餐会にはハンナラ党の国会議員148人が出席しましたが、朴槿恵元代表を含む側近5人は出席しませんでした。

・アメリカ政府は、韓米FTAのアメリカ連邦議会での批准を9月末までに行うことを目標に、議会に対する説得を続けていることを明らかにしました。アメリカ通商代表部のスーザン・C・シュワブ代表は、22日に行った韓国特派員との会見で、「韓国がアメリカ産牛肉の輸入を全面的に受け入れる方針を決めたことから、韓米FTAの批准に向けて政治的・心理的な障壁が解消された」として、連邦議会での批准に楽観的な見解を示しました。そのうえでシュワブ代表は、「9月末以前に韓米FTAが批准されるよう全力を尽くす」と述べました。

・大統領府青瓦台は、アメリカの要請を受けてアフガニスタンの警察官を教育するために韓国の警察官の派遣を検討していることが明らかになりました。アメリカは、李明博大統領が就任する前の今年1月、特使としてアメリカを訪問したハンナラ党の鄭夢準議員に対して、アフガニスタンの再建を支援する地域復興事業への参加と、関連装備や物資の負担、さらにアフガニスタンの警察官を教育するため韓国の警察官を派遣するよう求めていました。このため青瓦台は、李明博大統領がアメリカを訪問した結果を受けて、警察官のアフガニスタンへの派遣について本格的に検討を始めました。これについて政府は、警察官の派遣は、あくまで現地の警察官を教育するためであり、追加の派兵ではないと強調しています。しかし、現地入りする韓国警察官の警護をどうするかについてははっきりしておらず、韓国が警護を受け持つことになれば、事実上、小規模の派兵を余儀なくされるものと見られ、論議を呼ぶことが予想されます。

・最大野党統合民主党と、自由先進党、民主労働党の野党3党は23日、国会で院内代表会議を開き、李明博大統領とブッシュ大統領との初めての韓米首脳会談を前に、政府がアメリカ産牛肉の輸入をほぼ全面的に受け入れることにした韓米牛肉交渉の真相を究明する聴聞会を25日から始まる臨時国会で開くことで合意しました。野党3党は会談の後、共同で記者会見し、聴聞会では、真相究明はもちろん、アメリカ産牛肉の安全性をどう検証するかや畜産農家に対する対策、さらにアメリカとの合意を全面無効にすることなどを含めて徹底的に協議する方針を明らかにしました。また野党3党は、聴聞会で真相が糾明されなければ、国会による国政調査を推進する構えを示しました。韓国は、アメリカでBSE=牛の海綿状脳症が発生したため2003年12月以降、アメリカ産牛肉の輸入を全面的に禁止し、その後の交渉で、骨や内臓などを除いた生後30か月未満の牛の肉に限って輸入を認めましたが、骨のかけらなどが相次いで見つかったため、去年10月から再び輸入を禁止していました。しかし李明博大統領のアメリカ訪問を前にソウルで行われた協議の結果、骨付きの牛肉も認めるなど韓国の牛肉市場をほぼ全面的に開放することで双方が合意し、野党をはじめ市民団体や農民から強い反発の声があがっています。

・去年の大統領選挙に続いて今月行われた国会議員総選挙でも惨敗して議席数を大幅に減らした最大野党統合民主党は、新しい党代表を選ぶ全党大会を7月6日に、ソウルのオリンピック体操競技場で開くことを決めました。

・北韓は、アメリカと「戦略的パートナー関係」を結ぶことを希望しており、そうなった場合、アメリカ軍の韓国駐留に反対しないという立場を明らかにしたと、ワシントンにある北韓向け放送の自由アジア放送が22日、伝えました。これは、最近北韓を訪問したアメリカの元政府関係者や学者に対して北韓の軍関係者が述べたものです。訪問団に加わったアメリカの学者は、北韓が希望するアメリカとの戦略的パートナー関係とは、韓国駐留アメリカ軍の駐留目標や、韓米軍事同盟が北韓を狙ったものでなければ、北韓はアメリカ軍の韓国駐留に反対しないという意味で、北韓は、アメリカが北韓を攻撃しないという安全保障の約束をより確固とした形で取り付けたいというシグナルを送っているようだと、分析しています。

・アメリカ国務省は、テロに関する年次報告書を来週中に発表する予定で、この中で、北韓は依然としてテロ支援国として明記されるということです。国務省のケーシー副報道官によりますと、来週発表されるテロに関する年次報告書は、去年2007年の出来事を参考にしたものであり、このため北韓は依然としてテロ支援国に含まれるということです。しかしケーシー副報道官は、今年の年次報告書と、アメリカが北韓をテロ支援国のリストから解除することは全く別問題だと強調し、近く北韓をテロ支援国のリストから解除する動きがアメリカ政府内にあることをほのめかしました。

・各国駐在の大使らが出席する在外公館長会議が23日から6日間の日程でソウルで始まりました。会議では、「経済の建て直し」と「資源・エネルギーの確保」を目指す新政権の外交政策の目標と在外公館の役割について集中的に議論することになっています。柳明桓外交通商部長官は、開会式の冒頭であいさつし、「名分や理念より、国益中心の創造的実用外交を目指していかなければならない」として、在外公館が確固とした安全保障や経済の建て直しに寄与し、世界から信頼される外交を繰り広げなければならないと強調しました。

・韓国は去年、名目国内総生産が世界で13番目でした。国内総生産には名目国内総生産(名目GDP)と実質国内総生産(実質GDP)があり、このうち名目GDPは、その年の経済活動の水準を市場価格で評価したものです。また実質GDPは、名目GDPから物価変動の影響を除いたものです。つまり、GDPが名目で増加しても同時に物価が上昇していれば経済活動が高まったとは必ずしもいえません。政府のシンクタンクであるKDI=韓国開発研究院が、IMF=国際通貨基金が世界経済の展望についてまとめた資料を分析した結果、去年、韓国の名目国内総生産は9570億ドルで181カ国のうち13番目でした。名目国内総生産の1位はアメリカ、2位は日本、3位はドイツ、4位は中国、5位はイギリスとなっています。

・ソウル中心部の世宗路に、歴史や文化などをテーマにした韓国を象徴する「光化門広場」を造成する工事が23日から本格的に始まりました。ソウル市は当初、今年2月初めに着工する計画でしたが、ソウル警察庁が、抗議集会などの場として悪用される可能性があるとして、交通規制の審議で難色を示し、着工が遅れていました。 この工事は、2009年6月までに光化門から清渓川広場まで740メートルの道路の中央部に幅34メートルの広場を造成するものです。

4月22日火曜日

・李明博(イ・ミョンバク)大統領は、7日間にわたるアメリカと日本訪問を終えて21日午後11時過ぎに帰国しました。 李明博大統領はまずアメリカを訪問して、ブッシュ大統領と就任後初めての韓米首脳会談を行い、これまでぎくしゃくしていた韓米同盟を速やかに修復し、「伝統的友好関係」を「戦略的同盟関係」に発展させることで合意しました。また、韓米FTA=自由貿易協定を両国の議会が年内に批准するよう働きかけるとともに、北韓の核問題については平和的・外交的な解決を目指し、6カ国協議など国際社会と緊密に協力しながら核廃棄の実現に最善を尽くすことを確認しました。李明博大統領は20日からは日本を訪れ、福田康夫首相と韓日首脳会談を行い、実用主義の精神に基づき、過去の歴史より未来のビジョンを重視する「韓日新時代」を開くことで一致しました。また、両首脳が互いに訪問しあうシャトル外交を復活させ、さらにEPA=経済連携協定の締結に向けて実務会議を開くとともに、部品・素材産業の交流を進めるなど、両国の実質的な経済協力を大幅に拡大することで合意しました。

・韓国最大の財閥、三星グループの李健熙会長は22日、秘密資金事件などで在宅起訴された責任をとって、経営から退くことを明らかにしました。22日、ソウルで記者会見した李健熙会長は、辞任の理由について、三星グループの秘密資金疑惑などを捜査していた特別検事チームが、李健熙会長はじめグループの幹部10人を、背任や脱税などの罪で在宅起訴したことから、法的・道徳的な責任を負うためだと説明しました。特別検事は今月17日に、この事件の捜査結果を発表し、李健熙会長らグループの関係者が、合わせて4兆5000億ウォンに上る裏金を作っておよそ1000の偽名口座を使って管理していたほか、系列会社の株を売買して得た差益に対する譲渡所得税およそ1100億ウォンを脱税していたと明らかにしました。これを受けて三星グループは22日に発表した経営刷新案の中で、李健熙会長が三星電子の代表取締役会長や文化財団理事長など、三星関連の全ての役職を辞任するとともに、息子の李在鎔(イ・ジェヨン)三星電子専務も顧客総括責任者の座を退くと発表しました。また、4兆5000億ウォンに上る偽名口座の財産は、脱税分などをすべて納付した上で、残りを有益な方向で使用する方針を明らかにしました。これで、1987年に会長に就任した李健熙会長は、およそ20年ぶりに経営の一線から退くことになりました。

・北韓がこれまで抽出したプルトニウムの総量など、核計画の申告をめぐって北韓と協議するため、アメリカの実務者グループが22日北韓入りしました。アメリカ国務省のソン・キム韓国課長が率いるアメリカの実務者グループは21日に韓国入りした後、22日、板門店から陸路で平壌(ピョンヤン)を訪問し、2日間にわたって、北韓が抽出したプルトニウムの総量や核弾頭の数、核施設のリストなど、6カ国協議の議長国の中国に提出する核計画の申告書に盛り込む内容を北韓と協議する予定です。アメリカの実務者グループは、24日には再び韓国に戻り、韓国政府に協議の結果を説明する予定です。

・高病原性鳥インフルエンザが発生した全羅北道淳昌(スンチャン)一帯の養鶏場で感染した鶏やカモ類の処分作業にあたっていた兵士1人が、高熱など鳥インフルエンザに似た症状をみせたため、隔離病棟で治療を受けています。韓国では、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザが、今月に入って南西部の全羅道の農場で発生して以来、各地に拡がり、ソウルから南におよそ60キロの京畿道平澤(ピョンテック)市の農場でも鳥インフルエンザが確認されています。軍当局によりますと、今月18日から二日間にわたって淳昌一帯で鶏やカモ類の処分作業にあたっていた22歳の陸軍特殊部隊の兵士1人が、作業を終えて部隊に戻った20日から高熱や咳など鳥インフルエンザに似た症状をみせたため、国軍首都病院の隔離病棟で検査や治療を受けているということです。この兵士が感染したかどうかは、血液検査やウィルスの培養検査の結果が出る3週間後に最終的に分かるということですが、軍当局は淳昌一帯で処分作業にあたった兵士200人について、発熱などの症状が出ていないかどうか確認作業を進める一方で、22日に行う全羅北道・金堤での処分作業を最後に作業を切り上げる予定でしたが、さらに続けるかどうかしばらく様子を見守ることにしたということです。これまで全羅道一帯で行われた鶏などの処分作業には延べ1756人の兵士が動員されました。

・今月9日に投票が行われた総選挙で比例代表から当選した野党、創造韓国党のイ・ハンジョン議員(57歳)が21日、水原地方検察庁に逮捕されました。また、検察は最大野党の統合民主党や親朴連帯から比例代表で当選した2人に対しても、近く逮捕するかどうかを決める見通しで、野党の間で緊張が高まっています。水原地方検察によりますと、イ・ハンジョン議員は総選挙に立候補する際、嘘の学歴や経歴を選挙管理委員会に申告し、詐欺罪や恐喝罪など4件ある前科を申告しなかった疑いが持たれています。また、統合民主党のチョン・クッキョ議員は400億ウォンの差益を狙った株価操作の疑いで、親朴連帯のキム・イルユン議員は、選挙運動員に活動費として不正に4000万ウォンを提供した疑いで逮捕状が出ており、さらに親朴連帯のヤン・ジョンレ議員は、候補者に決まった見返りとして不正な特別党費を払った疑いで出頭を求められています。

・法務部は22日、韓国に投資する外国人や外国の国籍を持っている韓国出身者が韓国の永住権を得やすくする内容などを盛り込んだ出入国管理法施行令と施行規則改正案を発表しました。 改正案によりますと、国籍に関係なく、50万ドル以上を投資して韓国の国民5人以上を雇用した人は、直ちに永住権が取得できるようになります。これまでは200万ドル以上を投資し韓国人5人以上を雇用した人は直ちに、また50万以上200万ドル未満を投資し3年以上韓国に滞在した人に、永住権を与えていました。

・今年2月に大統領府青瓦台にある国家安全保障会議のコンピュータシステムがウィルスに感染し、資料の一部が流出していたことが分かりました。青瓦台が22日に明らかにしたところによりますと、青瓦台が新政権発足後にコンピュータシステムの保安点検を行った結果、今年2月に国家安全保障会議のコンピュータシステムが、職員の不注意でウォーム・ウィルスと呼ばれるコンピュータ・ウィルスに感染し、業務の引継ぎマニュアルや職員が個人的に保管していた資料などの一般的な資料が流出したということです。しかし、青瓦台はコンピュータのサーバーは不正に浸入されてはおらず、国家の機密情報など流出はないと述べています。青瓦台はまた、今月19日にも青瓦台のネットワークに不正に侵入しようとする試みがあったが、独自のファイヤー・ウォールが作動したため被害はなかったと説明しました。

・韓国では5月1日の「勤労者の日」から土日を挟んだ5日の「子供の日」まで飛び石連休が続きますが、この期間中、海外旅行をする人たちで、主な国際線は満席に近い予約状況になっています。韓国の2大航空会社が22日に明らかにしたところによりますと、大韓航空で、今月30日から来月3日までの予約率が、ヨーロッパ路線が93%から98%、仁川―中国路線が79%から93%に上るなど、ほぼ満席の状態となっています。また、アシアナ航空も、アメリカや東南アジア、オーストラリアに向かう路線はほぼ満席で、日本や中国路線も90%以上の予約率となっています。大韓航空の関係者によりますと、連休中は独身女性やサラリーマンを中心に海外旅行をする人が増えており、アメリカ路線の場合は、アメリカに留学している子供に会いに行く親が多いため予約率が高くなっているということです。

4月21日月曜日

・日本を訪れている李明博大統領は21日午前、福田首相と首脳会談を行い、両国がさらに成熟したパートナーとして新たな協力関係を築いていくことを確認しました。両首脳はまず中断したままとなっている韓国と日本とのEPA=経済連携協定を進めていくため、今年6月に実務者協議を行うことで合意し、李明博大統領は日本企業の韓国への投資を拡大するために、韓国に部品・素材専用の工業団地をつくることを検討する意向を示しました。さらに韓日間のいわゆるシャトル外交を活性化させるために、今年下半期に福田首相が韓国を訪問し、李明博大統領は今年7月、日本で開かれるG8先進8カ国首脳会議に出席することになりました。そして両首脳は韓日間のワーキングホリデーの対象者を来年は今の倍にあたる7200人、5年後の2012年には1万人にそれぞれ増やし、向こう3年間で、大学生1500人が交流する青少年交流事業を支援していくことになりました。さらに両国の首脳は、過去の歴史問題をともに解決していくために努力し、そのために2期目の韓日歴史共同研究を政府レベルで引き続き支援していくことで合意しました。これについて李明博大統領は「過去の歴史問題で未来関係が制約を受けてはならないことを日本も十分理解していると思う。時々、政治家などから出るふさわしくない発言にいちいち反応する必要はないと思う」と述べました。また北韓の核問題や拉致問題について李明博大統領は、北韓との国交正常化に向けた交渉を進めるとした日本政府の方針を支持し、これに対して福田首相は、北韓の核問題を6カ国協議を通じて解決するという韓国政府の原則に支持を表明しました。

・日本を訪問している李明博大統領は21日、福田首相との韓日首脳会談を終えた後、日本の天皇皇后と会い、韓国を訪問するよう要請しました。李明博大統領は夫人のキム・ユンオク女史とともに皇居で天皇皇后と会い、韓日両国が歴史の真実を忘れず、未来志向的で成熟したパートナー関係を築いていきたいと述べたと、大統領府、青瓦台の関係者が伝えました。これに対して日本の天皇は両国の国民が歴史の真実と互いの立場を理解しようと努力してこそ相互信頼と理解が深まると思うと答えたということです。また青瓦台の関係者は、李明博大統領がこの席で天皇の韓国訪問を要請したことを明らかにしました。

・李明博大統領は続いて日本の民放TBSで行われた日本の国民と対話するタウンミーティングの番組に出演し、望ましい韓日関係や若者同士の相互理解と交流の重要性などを力説しました。この番組は日本の高校生やサラリーマン、体の不自由な人など日本の各界各層から100人が出演して80分間に渡って行われ、番組ではコンピューターとブルドーザーを合わせて「コムドーザー」という李明博大統領のニックネームの由来や李明博大統領の幼い頃の夢といった軽いテーマから、韓日間の歴史認識問題や北韓による拉致問題が解決する可能性、南北首脳会談まで幅広い質問が相次ぎました。これに対して李明博大統領は南北統一については「10年以内に実現するのは厳しく、統一より南北が親しくなって、北韓の住民が良い暮らしができるような関係を作っていきたい。統一は私たちが予測できないいつか訪れると思う」と述べました。李明博大統領はこの後、福田首相が主催する晩さんに出席し、21日夜、韓国に帰国し、1週間に渡ったアメリカと日本訪問の日程を終えることになっています。

・李明博大統領は20日午後、在日韓国人の歓迎レセプションに出席して「日本に謝罪を要求しない」と述べました。李明博大統領はこの席で「日本が心から謝罪をするのが真の謝罪で、言われて謝罪するのは謝罪ではない。過去の歴史で傷ついたこともあるが、それだけでは未来を準備できない」と述べて、李明博政権が掲げた実用主義の基調に合わせて新たな韓日関係を作っていく意志を示しました。またかねてから在日韓国人の間で懸案となっている地方参政権問題について「在日韓国人の中にはやむを得ず、日本に渡ってきた人もいて、厳しい環境の中で生き抜いてきた」と評価し、「韓国では外国人が永住権を得たら、3年以内に選挙ができるように法律を改正した。日本も参考にすべきだ」として地方参政権を認めるのが妥当だという考えを示しました。

・李明博大統領は21日午前、「北韓は核を保持するより、核計画を断念する方がサバイバルゲームでプラスになると金正日国防委員長に働きかけていかなければならない」と述べました。李明博大統領は訪問先の東京で随行記者団との懇談してこのように述べるとともに「北韓の核問題は6カ国協議を通じて解決することでアメリカ、日本と合意し、中国にもそのように伝える方針だ」と述べました。また李明博大統領のアメリカ訪問中にアメリカ産牛肉の輸入をめぐる韓米間の交渉が妥結したことについて「いずれ解決しなければならない問題で、時期的に偶然一致したものだ。韓国が一方的に譲歩したという見方は政治的な論理だと思う」と述べたうえで「韓国人は世界で最も高い牛肉を食べている。これからは一般市民が手ごろな値段で質の良い牛肉を食べることになる」と交渉の背景を説明しました。

・アメリカ産牛肉の全面輸入が決まり、韓国の畜産業者の被害が心配されているため、政府は21日、韓国牛の飼育奨励金を支援するとともに、飲食店で牛肉の原産地表示を義務付けるなどの対策を発表しました。政府与党連絡会議で決まった韓国の畜産業者を支援する対策は、▼韓国牛の品質管理のため「韓国牛認証制度」を実施し、品質向上に向けて飼育している韓国牛1頭あたり最大20万ウォンの奨励金を畜産農家に支援すること、▼また人と動物の共通伝染病ブルセラに感染した牛を処分した場合、これまで牛の販売価格の60%を支給した補償基準を今年7月から80%に高めることなどとなっています。▼さらに面積が300平方メートル以上の飲食店に使用する牛肉の原産地の表示を義務付けることになりました。ところで、農協の畜産物価格情報によりますと、アメリカ産牛肉の輸入をめぐる韓米間の交渉が妥結した先週18日に肉牛の販売価格は、前日より8%も下がっており、早くもアメリカ産牛肉の輸入による影響が心配されています。

・韓国のリニアモーターカーが21日、大田市にある国立中央科学館で本格的な運転を始めました。リニアモーターカーの開発は、1989年から国の研究開発事業として進めらており、2012年末から、仁川国際空港と竜遊駅の間6.1キロの業運転を目指しています。今回、運転を始めたのは大田市の中央科学館とエキスポ科学公園を結ぶ1キロの区間で、2005年から100億ウォンをかけて、レールや橋脚、駅舎などを設けました。リニアモーターカーは毎日午前10時半から午後4時まで16回往復運行し、本格的な運転を記念して9月末まで、中央科学館の入場者を対象に1回に40人ずつ体験乗車してもらうことにしています。

・20代の人口のうち、女性の雇用率が初めて男性を上回りました。統計庁が20日まとめた今年1月から3月までの雇用統計によりますと、20代女性の雇用率は59.3%となり、20代男性の雇用率59.2%を0.1ポイント上まわりました。20代の男女の雇用率が四半期ベースで逆転したのは今回がはじめてで、月別では3月に20代女性の雇用率は59.4%だったのに対して、20代男性は58.2%と、1.2ポイントも高くなっています。20代女性の雇用率が増加しているのは、結婚を遅らせ、社会で活動する生活を選ぶ女性が増えていることが背景にはあると分析されていますが、その後、結婚した場合、出産や育児などで勤め先を辞めなければならない場合が多いことから、女性の社会進出が実質的な経済成長につながるようにするには公共の保育施設の充実など社会的インフラを整える必要があると指摘されています。

・今年8月に開かれる北京オリンピックのサッカー男子の組み合わせが決まり、韓国はイタリア、カメルーン、ホンジュラスと同じD組に入り、準々決勝への進出に向けて厳しい戦いになることが予想されます。北京で20日夜行われた予選リーグの抽選の結果、韓国は8月7日の開幕戦でアフリカの強豪カメルーンと戦い、FIFA=国際サッカー連盟のランキング3位のイタリアとは10日に、そして中南米のホンジュラスとは13日に対戦します。予選リーグでは、出場する16チームが4つのグループに分かれて総当たりで対戦し、各グループの上位2チームが準々決勝に進みます。韓国は2004年のアテネ・オリンピックでは準々決勝に進みましたが、今回は同じ組に入ったカメルーンとイタリアは歴代のワールドカップで良い成績を収めた強豪で、ホンジュラスも韓国よりFIFAランキングは12段階高いため、北京オリンピックで準々決勝への進出に向けて厳しい戦いを強いられることになりました。

4月19日土曜日(20日日曜日朝のニュース)

・李明博大統領と、ブッシュ大統領は、韓国時間で19日夜、ワシントン郊外のキャンプデービットで初めての首脳会談を行い、韓米関係を安全保障に限定せず、共通の価値観にもとづく幅広い分野に拡大する戦略的同盟関係に格上げすることで合意しました。また両国の政府が締結した韓米FTA=自由貿易協定の国会での批准を急ぐことでも一致しました。会談で両首脳は、21世紀の新たな国際情勢の変化にうまく対応するため、これまでの友好関係に替わる戦略的同盟関係を構築することで一致しました。このため李明博大統領は、今年7月に北海道洞爺湖サミットに出席するため日本を訪れるブッシュ大統領に韓国訪問を要請し、ブッシュ大統領がこれを受け入れたことから、7月の会談では、韓米同盟の未来ビジョンを具体化する案が集中的に論議される見通しです。戦略的同盟関係とは、韓米関係を現在の軍事分野だけでなく、政治・経済・外交・文化など全般的な分野に広げることを意味します。両首脳はまた、韓半島や北東アジアの平和と繁栄のため韓国駐留アメリカ軍は現在の規模を維持することが重要だという点で認識が一致し、今年の年末までに3500人をさらに削減する計画を白紙化しました。また両首脳は、北韓による核開発計画の完全な申告が遅れていることに懸念を示し、北韓の核保有を認めないこと、6カ国協議を通じて北韓の核の早期廃棄に向けて最大限努力することを申し合わせました。さらに、年内に韓国をアメリカへのビザ免除対象国とすることや、韓米青少年交流ネットワーク構築を積極的に推進することになり、今年中に在米韓国人2世400人と、アメリカ人100人を英語講師として採用する「英語奉仕奨学制度」を実施することになりました。会談の後、行われた共同記者会見で、李明博大統領は、「韓米同盟を自由民主主義、人権、市場経済の価値と信頼を基盤とし、世界の平和に寄与する戦略的同盟に発展させることで意見が一致した。こうした理解と共感をベースに韓米同盟に対する未来ビジョンを具体化させることにした」と述べ、盧武鉉政権で悪化した韓米関係を修復する関係強化に強い意欲を示しました。李明博大統領は、15日からのアメリカ訪問を終え日本に向けて出発しました。

・これに先立って李明博大統領は18日、ワシントンで、ライス国務長官や、ゲーツ国防長官らアメリカ政府要人と相次いで会談しました。このうちライス国務長官との会談では、北韓の核問題や人権問題について協議し、韓国とアメリカが協力関係を維持しつつ、6か国協議を通じて北韓に核を放棄するよう積極的に働きかける方針を再確認しました。またライス国務長官は、核計画の申告について、「プルトニウムについての申告を完全かつ正確にしなければ、進展はない」と述べ、ライス国務長官が先に述べたテロ支援国家の指定解除は、プルトニウムの正確な申告にかかっていることをほのめかしました。続いて、ゲーツ国防長官との会談で、李明博大統領は、韓米同盟関係が軍事協力の範囲を超えてさらに発展することを希望すると述べ、ゲーツ国防長官も全面的に同意するという考えを示しました。

・韓国とアメリカは、韓国をアメリカへのビザ免除対象国とするための了解覚書を締結し、早ければ今年の年末にもアメリカへのビザなし渡航が可能になる見込みです。柳明桓外交通商部長官と、アメリカ国土安全保障省のマイケル長官は、現地時間で18日、ワシントンの国土安全保障省で、アメリカが韓国をビザ免除対象国とすることと、補完措置の強化についての了解覚書に署名しました。これによって韓国の国民は早ければ今年の12月から、観光目的などで90日以内にアメリカを訪問する場合、ビザがなくても入国することができるようになる見込みです。これを受けて韓国政府は、これまで外交官や公務員に発給してきた電子パスポートを、今年8月から一般の国民にも発給する方針です。またアメリカも、アメリカへのビザなし入国が可能かどうかをインターネットで確認できる電子旅行許可システムを9月末までに構築する計画です。アメリカのビザ免除対象国は、現在、27カ国です。

・アメリカ政府は18日、韓国がアメリカ産牛肉の輸入を再開することを歓迎するとともに、棚上げ状態となっている韓米FTA=自由貿易協定のアメリカ連邦議会での批准に向けて努力する考えを示しました。韓国はアメリカでBSE=牛の海綿状脳症が発生したことから2003年12月以降、アメリカ産牛肉の輸入を全面的に禁止していました。しかしその後の交渉で、骨や内臓などを除いた生後30か月未満の牛の肉に限って輸入を認めましたが、骨のかけらなどが相次いで見つかったため、去年10月から再び輸入を禁止していました。しかしソウルで5日間にわたって行われた協議の結果、骨付きの牛肉も認めるなど韓国の牛肉市場をほぼ全面的に開放することで双方が合意しました。これについてアメリカ通商代表部のスーザン・C・シュワブ 代表は、18日、声明を出し、「アメリカ産牛肉の輸入全面開放によってアメリカ連邦議会が、韓米FTAの批准同意案を可決するための重要な障害物が取り除かれた」として、アメリカ政府は、韓米FTAの早期批准に向けて、アメリカ議会をはじめ農業、製造業、サービス業界と積極的に努力する姿勢を明らかにしました。

・アメリカを訪問中の李明博大統領は、現地時間で18日、ワシントンでの韓半島専門家との懇談会で、「北韓の金正日国防委員長は、対話をする必要がある相手だ」とする考えを示しました。懇談会には、オルブライト元国務長官をはじめ、アーミテージ前国務副長官ら11人の韓国専門家が出席しました。この中で李明博大統領は、「韓国と北韓は今から実質的な対話を始めなければならない。北韓もこれまでのような戦略的な接近ではなく、南北が互いに役に立つような方向で真しな態度で臨まなければならない」と強調しました。李明博大統領は、訪米に先立って今月8日、青瓦台でのアメリカCNN放送との会見で、「北韓の金正日国防委員長が対話の決断をしてくれれば、いつでも直接会って話をしたい」と述べたほか、18日のワシントンポストとの会見では、南北が互いの首都に連絡事務所を設置して、南北の高官がいつでも意見を交換できるようにすることを北韓に提案する考えを示しており、金正日国防委員長との対話を重ねて求めています。

・ロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗って国際宇宙ステーションにドッキングし、10日間、科学実験を行っていた韓国人初の宇宙飛行士、女性のイ・ソヨンさん(29)が、韓国時間で19日午後、地球に戻ってきました。イ・ソヨンさんは、到着後、カザフスタンのコスタナイ空港で行われた記者会見で、「宇宙で眺めた韓半島はひとつでした。宇宙での貴重な体験や科学実験の結果をより多くの方々と共有できるように努力します」と、元気な笑顔で語っていました。イ・ソヨンさんら宇宙飛行士3人を乗せたロシアの宇宙船「ソユーズ」は、予定どおり19日午後5時30分頃、地球に戻ってきましたが、当初、予定されていた着陸時点から西におよそ478キロ離れたカザフスタン北部のオルスク地域に着陸したことから、ロシアのモスクワミッション管制センターは、着陸21分後にソユーズの着陸を公式発表しました。イ・ソヨンさんら3人の宇宙飛行士は、モスクワ郊外のガガーリン宇宙センターにある病院で一週間近く体調を整えることになっており、イ・ソヨンさんは28日頃、韓国に帰国する予定です。これでイ・ソヨンさんは、世界で475人目、女性としては49人目の宇宙飛行士となり、韓国は世界で36番目に宇宙飛行士を誕生させた国になりました。

・アメリカ国務省のソン・キム韓国課長が、国務省の北韓関連部署の高官らとともに、22日から数日間、平壌を訪れ、核開発計画の申告や検証方法をめぐって、北韓側と協議することになりました。今回の協議では、懸案となっている北韓の核開発計画の申告について意見が交わされる予定で、今月8日、シンガポールで開かれた6カ国協議のアメリカと北韓の首席代表による合意内容について実務者レベルで調整するものとみられています。

・韓国、日本、アメリカの3カ国は、北韓の核問題を協議するための局長級協議を来月初めに開く方向で調整に入ったと、毎日新聞が19日、伝えました。これと関連し、拉致問題を担当する福田首相の中山補佐官が、来週後半にも韓国を訪問し、日本人拉致の真相究明につながる情報収集で韓国側の協力を要請する計画だと、NHKが19日、伝えました。

・4月19日は、1960年に李承晩政権の独裁に反対する学生たちの抗議デモで多くの犠牲者を出した4.19革命から48年目にあたります。これを記念する式典が、19日、関係者およそ2000人が出席して、ソウル道峰区の4.19国立墓地で行われました。式典に出席した韓昇洙(ハン・スンス)国務総理は、あいさつに立ち「4.19革命は韓国の民主主義発展の新たな里程標となった。韓国の歴史で初めて国民が勝利した民主革命だった」と述べ、李明博政権は、4.19精神を引き継ぎ、大韓民国を成熟した民主主義の国に発展させていくと語りました。

・今月25日から始まる臨時国会の議事日程が決まりました。韓国の国会は、来月30日から今回の総選挙で選ばれた議員による新しい第18代国会の任期に入るため、まだ任期が残っているとはいえ、これまでの議員による臨時国会を開いて法案を可決することは好ましくないという意見が野党側から出ていました。しかし韓米FTAの批准を急ぎたいとする李明博大統領の要請があったことなどから、与野党が協議して第17代国会として最後の臨時国会を今月25日から一カ月間の会期で開くことを今月15日に合意していました。これを受けて、ハンナラ党と統合民主党は18日、院内代表会談を開き、来月6日と7日に代表演説を行った後、8日と9日は政府に対する質問を行うことで合意しました。そして国民生活と密接な法案を審議するため28日から分野別の常任委員会を開き、来月16日と22日、23日の3日間、本会議を開いて法案を表決することにしました。今回の臨時国会では、ガソリン税の引き下げ法案や、食品安全基本法案などが可決される予定ですが、韓米FTA批准同意案や、財閥の出資総額制限制度の廃止など各種規制の緩和をめぐる法案をめぐって与野党が激しく対立することが予想されています。

4月18日金曜日

・今月11日から行われてきたアメリカ産牛肉の輸入をめぐる韓国とアメリカの交渉が妥結し、アメリカが求めていたように、牛の年齢や部位の制限を大幅に緩和して、ほぼ全ての牛肉が輸入されることになりました。交渉が妥結した18日、農林水産食品部のミン・ドンソク農業通商政策官が合意文を発表しました。それによりますと、第1段階として、早ければ来月から、これまで30ヵ月未満の牛肉だけに制限されていたアメリカ産牛肉の輸入が、骨付きカルビなど骨のついた牛肉にまで拡大されます。そして、第2段階として、30ヵ月未満に制限されていた牛の年齢も、今後アメリカがBSE=牛海綿状脳症につながる恐れがある動物性飼料の使用を、国際獣疫事務局(OIE)の基準に沿って厳しく規制した時点で解除することにしました。今回輸入が認められた牛肉の部位は、国際獣疫事務局の基準に基づいて30ヵ月以上の牛の場合は脳や脊髄など7つの特定危険部位(SRM)を除いた部位で、30ヵ月未満の牛は扁桃と小腸を除いた全ての部位となります。韓国へ牛肉を輸出するアメリカの作業場については、去年背骨が混じった牛肉を輸出した4ヵ所は承認が取り消され、32の作業場が輸入衛生条件が発効した時点で輸出を再開することになりました。また、今後アメリカでBSEが発生した場合、アメリカはすぐに疫学調査を行い、その結果を韓国に伝えて協議するとともに、調査の結果、国際獣疫事務局が指定するBSEの統制国の地位に反する内容であれば、韓国は輸入を全面的に中断することができます。しかし、今回の合意に対して、農畜産の関連団体は「国民の健康をないがしろにして、韓米首脳会談だけを意識したものだ」と強く反発しています。

・アメリカを訪問している李明博大統領は17日、ワシントン・ポストのドナルド・グレアム会長とのインタビューで、ソウルと平壌に連絡事務所を設置して、南北の高官がいつでも意見を交換できるようにすることを北韓に提案する考えを明らかにしました。この中で、李明博大統領は、北韓は韓国の新しい政権との対応でまだはっきりした方向を決めかねているようだとした上で、新しい関係を設定するためにも、連絡事務所を設置していつでも南北間で意見を交換できるシステムを作る必要があると強調しました。青瓦台の李東官(イ・ドンクァン)報道官は、大統領のこうした発言は、北韓とより実質的な対話を進めていく用意があることを示したものだと説明しました。しかし北韓がこの提案を受け入れるかどうかは不透明です。また、李明博大統領は、北韓との経済協力について、本格的な経済協力は北韓の非核化と連携して進められるべきだが、食糧の支援などは人道的な問題として別に扱われるべきだと述べ、北韓との経済協力は慎重な姿勢を保ちながらも、人道面での協力は続けていく考えを示しました。

・アメリカを訪問している李明博(イ・ミョンバク)大統領は17日、チェイニー副大統領と会談し、北韓の核問題の平和的解決に向けて両国が緊密な協力関係を維持していくことで一致しました。李明博大統領はまた、韓米FTAが早期に発効するよう両国議会の説得に最善を尽くすとともに、韓米間でビザを免除する作業を速めるなど、両国の関係を発展させるための制度的な枠組みを改善するよう提案しました。これに対してチェイニー副大統領は「韓米間の交流拡大こそ韓米同盟をより強化する方法だ」として共感を示す一方、韓国軍のイラクへの派兵やアフガニスタン復興事業への参加に感謝の気持ちを表しました。李明博大統領はさらに、ペロシ下院議長などアメリカ議会の指導者とも会談し、韓米同盟の強化や韓米FTAの早期批准について協力を求めました。

・李明博大統領のアメリカ訪問に合わせて、アメリカ議会下院に韓国人に対して専門職ビザ(H−1B)の発給を容易にする法案が提出されました。この法案は、アメリカとFTAを締結し一定の専門職ビザの発給枠を与えられているオーストラリアやシンガポールと同等の待遇を保障するものです。現在、韓米両国間の貿易規模は2006年を基準にして820億ドルで、これは年間に専門職ビザ1万5000件の発給を受けているオーストラリアの3倍に上ります。また、年間1万人の韓国人が専門職ビザを取得してアメリカで活動しているため、韓国を専門職ビザのプログラムに含めたほうが経済的にも政治的にも妥当だという判断から法案が提出されたということです。この法案が成立すれば、現在アメリカに居住している10万人の韓国人留学生が卒業後、アメリカに就職できる機会も拡大するものと期待されます。

・アメリカのライス国務長官は17日、北韓が申告する核計画の内容を検証するには時間がかかるので、検証が終わらない段階でも北韓に対する制裁措置の一部を解除することができると述べました。ライス国務長官は記者会見で、北韓の核問題をめぐる現状について「これまで6カ国協議である程度は進展したが、疑いが残る部分もまだある」とした上で、「核計画の申告は非常に複雑な問題なので検証には時間がかかる。北韓が実質的に義務を果たすなら、北韓に対する制裁措置の一部を解除することもできる」と述べ、検証作業が終わらない段階でも北韓が求めているテロ支援国の指定を解除する可能性を示しました。

・政府と与党ハンナラ党は、日本の政府与党連絡会議に当たる初めての党政協議会を18日に開き、追加予算の編成など景気浮揚策について話し合いましたが、合意には至りませんでした。党政協議会には、政府側から韓昇洙(ハン・スンス)国務総理や各部署の長官、ハンナラ党から姜在渉(カン・ジェソプ)代表が出席し、政府が内需を活性化させるため追加予算を編成し財政支出を拡大する方針を打ち出しました。これに対してハンナラ党は、人為的な景気浮揚策は物価の上昇や国の債務の増加につながるとして反対し、減税などの政策を提案しました。これについて韓昇洙国務総理は、政府が提案したのは景気浮揚策というよりは、景気中立的な政策だが、意見の隔たりが大きいので、今後ハンナラ党と話し合いを緊密にして解決策を見出したいと述べました。会議では韓米FTAの問題についても話し合われ、国会で批准同意案を早期に可決させるため努力するとともに、FTAによって被害を受ける農漁村に対する補償制度を設けることにしました。

・インターネット上で競売するサイトを運営している会社「オークション」のコンピュータが、今年2月外部から不正に侵入され、1000万人を超える会員の個人情報が流出していたことが分かりました。警察が17日に明らかにしたところによりますと、この事件で住民登録番号などの個人情報が流出した会員は、これまでに1081万人に上るということです。これは「オークション」の会員全体(1800万人)の60%を占め、これまで国内で起きた個人情報の流出被害としては最大規模になります。「オークション」は、流出した個人情報の90%以上は、名前やID、住民登録番号など一般の個人情報で、一部の取引や払い戻しの情報が含まれたデータベースも被害を受けたものの、今のところ2次被害の届け出はなく、パスワードやクレジットカード情報など金融情報は流出しなかったと説明しています。しかし、一部の弁護士らによる集団訴訟が始まっており、裁判所が「オークション」の責任を認めた場合、損害賠償額は膨大になるとみられます。

・韓国人初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんは18日、滞在している国際宇宙ステーションから韓国の青少年らと2回目の無線交信をしました。無線交信の会場となった大田市の国立中央科学館には、青少年15人のほか、学校関係者や地域住民などおよそ700人が集まりました。イ・ソヨンさんは、19日午後、カザフスタンの草原地帯に帰還して、ロシアのガガーリン宇宙センターにある病院で健康診断を受けた後、今月末に帰国する予定です。

・去年12月に西海岸の忠清南道泰安(テアン)郡沖で、大型タンカーとクレーン船が衝突して大量の原油が流れ出た事故で、被害を受けた西海岸一帯では海水浴場のおよそ半数が今年のシーズンに使用できないものとみられます。国土海洋部が、原油による汚染の被害を受けた28の海水浴場を調査したところ、3月の時点でおよそ半数の13ヵ所で汚染濃度が基準値を上回りました。汚染濃度の測定は5月まで行われ、その結果に基づいて海水浴場をオープンするかどうかが決まりまる見通しです

・ソウルの中心部を流れる漢江の橋に、展望台やカフェができる見通しです。ソウル市は漢江にかかる橋のうち7つの橋に、川沿いの景色を一望できる展望台と、お茶や簡単な食事ができるカフェを年末までに作ることにしました。展望台には河川敷の市民公園からエレベーターで行くことができ、橋の上で車を降りて行くこともできるようにします。ソウル市の関係者は、漢江沿いの市民公園は年間で延べ6000万人の市民が利用しており、こうした市民により快適な憩いの場所を提供するために展望台とカフェを作ることにしたと話しています。

4月17日木曜日

・三星グループの秘密資金疑惑などを捜査していた特別検事チームは17日、李健熙会長(66)を、背任や脱税など3つの罪で在宅起訴するなど、グループの関係者10人を在宅起訴しました。この事件は、三星グループが裏金を作り、政界や官界の関係者にロビー活動をしていたとして、三星グループの元常務が去年末に告発して表面化しました。このため国会で疑惑を捜査するため特別検事を導入する法律が成立し、大統領が任命した弁護士による特別検事の捜査チームが、今年1月10日から捜査を行ってきました。特別検事チームが、17日記者会見して発表した最終の捜査結果によりますと、まず、▼経営権を長男に継承する際に違法な行為があったとされる疑惑では、李健熙会長をはじめグループの幹部4人に対して、特定経済犯罪加重処罰法の背任罪を、▼偽名口座などを利用した不正蓄財の疑惑については、同じ4人に脱税罪を適用しました。しかし、▼政官界の関係者に対するロビー活動の疑惑については、証拠を発見できなかったとして、捜査を打ち切りました。特別検事によりますと、李健熙会長ら三星グループの幹部4人は、合わせて4兆5000億ウォンの裏金を作って1199の偽名口座を使って管理していたほか、系列会社の株を売買して得た差益5643億ウォンに対する譲渡所得税1128億ウォンを脱税していたということです。李健熙会長には、保有する株の変動状況を証券監督当局に報告していなかった証券取引法違反の罪も追加されました。特別検事チームは、三星グループが違法な方法で経営権を長男に継承し、企業会計が透明でないなど構造的に多くの問題を抱えているとして、問題となった部分は正し、企業の先進化に向けて努力するよう促しました。特別検事チームの捜査結果の発表を受けて、三星グループ側は、来週中に記者会見を行って、グループ刷新案を発表するとしています。

・アメリカを訪問している李明博大統領は、ニューヨークでの日程を終え、韓国時間で17日未明、特別機でワシントンに到着しました。李明博大統領は19日夜、大統領の別荘であるワシントン郊外のキャンプデービットで、就任後初めてブッシュ大統領と韓米首脳会談を行います。李明博大統領は、ニューヨークでの2日間のほとんどを韓国への投資を誘致するために充てました。まず、アメリカの企業家400人あまりを対象に「アジアの関門、グローバルコリア」というテーマで投資説明会を開き、「私は、株式会社大韓民国のCEO=最高経営責任者です。この私を信じて韓国に積極的に投資をしてください」と自ら英語で、要請しました。この中で、李明博大統領は、外国人が投資し易い環境を作るため、グローバルスタンダードに合わせて各種の規制を緩和することを約束しました。また大韓民国は、アメリカとのFTA=自由貿易協定の締結を手始めに、EU、中国、日本とのFTAを順次締結し、世界で最も開放的で企業に優しい環境を整えた国になるだろうと強調しました。韓国は、この投資説明会を通じて、11億8000万ドルの投資覚書を締結する成果をあげました。

・北韓による核計画の申告内容を詳しく検証するためのグループが、6カ国協議の作業部会の中に設けられると、アメリカ国務省が16日、明らかにしました。国務省のマコーマック報道官は、定例会見で、北韓の核計画の申告内容をどう検証するかという質問に対して、6カ国協議の作業部会のひとつ「韓半島非核化実務グループ」の中に、検証グループを設置して調査と検証を行う計画を明らかにしました。しかし先週、シンガポールで開かれたアメリカと北韓との会談でも、北韓は、焦点となっている3つの疑惑のうち、核物質であるプルトニウムの保有量のリストだけを提出し、ウラン濃縮やシリアへの核技術の移転については間接的に認めるのにとどまったものとみられることから、検証グループによる活動の対象は、プルトニウムの保有量にとどまる可能性が高い見込みです。

・京畿道平澤市で発生した鳥インフルエンザは毒性の強い高病原性と確認されました。今月3日に南西部の全羅北道金堤市の農場で今年に入って初めて確認された鳥インフルエンザは、ほかの地域へ広がり、15日には京畿道平澤市でも発生したため、防疫当局が検査した結果、高病原性であることが確認されました。政府は鳥インフルエンザが広がっていることを受けて、全羅南道と全羅北道に出していた警戒警報を全国に拡大しました。

・政府は、鳥インフルエンザは、発生から2-3週間が感染の拡がりを防ぐ最も重要な時期であることから、感染の疑いがあるアヒルや鶏を素早く処分するため、17日朝から兵士200人を現場に送り込みました。また政府は17日、鳥インフルエンザの対策会議を開き、高病原性鳥インフルエンザが最初に発生した全羅北道金堤市など被害を受けた農家に対して、生計安定資金として17億ウォンを追加で援助するとともに、損失については、所得税や法人税などを控除する方針を決めました。さらに政府は、被害地域を特別災害区域に指定する問題についても検討しましたが、国民の不安を高め消費が萎縮する恐れがあるとして、特別災害区域の指定はせず、これに準じる支援策を進めることにしました。

・北韓が最近、中国政府に対して食糧15万トンの支援を要請したと、外交消息筋が17日、明らかにしました。この消息筋はまた、北韓は最近、アメリカに対しても50万トンの食糧支援計画を早期に実行できないか打診していると伝えています。これに関連して、国連の世界食糧計画は、北韓は今年、166万トンの食糧が不足するものとみられ過去7年間で最悪の食糧危機に直面するという見通しを示しました。

・北韓は17日付けの労働新聞で、今月9日に投票が行われた韓国の国会議員総選挙について初めて論評しました。労働新聞は、個人による論評の中で、「韓国の国会が李明博政権の下女となって民族共同の利益や国民の民意にそっぽを向いた場合、民族による糾弾は避けられないだろう」と主張しました。労働新聞の論評はまた、ハンナラ党が過半数の議席を獲得したことについて、「李明博政権が、選挙結果を北韓への対決政策を合理化することに悪用することは愚かな行為だ」と、非難しました。そのうえでこの論評は、今回の総選挙の投票率はこれまでの国政選挙で最も低く民意を反映したものではないとして、今回の総選挙を低く評価しました。

・サッカー選手はこれからは心臓の検査を受けなければなりません。大韓サッカー協会は世界で初めて、来年からサッカー選手を対象に心臓の検査を義務付けることにしました。大韓サッカー協会の関係者は、心臓検査の義務付けは、試合中または練習中に選手が急死する事故が相次いでいることを受けて、選手を保護するための措置だと話しています。国際サッカー連盟には207カ国が加盟していますが、こうした措置を取ったのは韓国が初めてです。

・気象庁は、今年の夏の暑さは平年並みで、降水量は平年よりやや少な目になるという長期予報を発表しました。これは、最近行われた世界気象機構東アジア地域の長期予報専門家会議で明かになったもので、韓国の場合、今年の夏の気温は平年並みで、梅雨は平年よりやや早い6月中旬頃に始まることが予想され、降水量は、平年よりやや少な目になるということです。

4月16日水曜日

・就任後、初めての外国訪問としてアメリカを訪れた李明博大統領は、現地時間で15日、最初の訪問先ニューヨークで、今後の韓米同盟関係について3つの原則を示しました。李明博大統領はアメリカで代表的な韓米友好促進のための非営利団体、コリア・ソサエティーが主催した晩さん会に出席し、「韓米同盟はここ数年間、悪化が憂慮される傾向にあったが、これは韓米関係が長期的な同盟という観点でなく、理念と政治論理によって歪曲されたためだ。「21世紀の新たな国際環境の中で、韓国とアメリカは韓半島とアジアの平和、繁栄に寄与できる新たな戦略的なプランを立てなければならない」として、価値の同盟、信頼の同盟、平和構築の同盟の3原則を提案しました。そして李明博大統領は、「韓国とアメリカは自由民主主義と市場経済の価値を共有しており、同盟はこのような価値とビジョンを共有してこそさらに力を発揮する。そのような共感を持って韓米両国は軍事、政治外交、経済、社会、文化など包括的な分野でお互いの利益を拡大して、信頼と同盟関係を築いていかなければならない」と強調しました。

・アメリカを訪問している李明博大統領は、現地時間で15日、ニューヨーク在住の韓国人同胞との懇談会に出席しました。李明博大統領はこの席で北韓がこのところ韓国に対して威圧的な発言をしていることについて、「北韓が威圧的な発言をしたからといって、北韓をことさら支援し、交渉に応じることはない。今の北韓の発言が軍事的な脅威だとは思っていない」と述べました。李明博大統領はまた韓米FTA=自由貿易協定が合意から1年が経っても両国の国会で批准されていないことについて「アメリカの議会がFTAを批准すれば、韓国も批准する準備はできている。FTAを年内に結ぶことになれば、韓米関係は包括的な同盟関係をさらに発展させて、両国にとってプラスになると思う」と強調しました。

・アメリカ産牛肉の輸入をどこまで認めるかを巡ってソウルで行われている韓国とアメリカの協議は、輸入を認める牛の年齢制限などで難航しています。アメリカ産牛肉の輸入条件をめぐる韓米間の協議は先週11日から始まり、韓国側はミン・ドンソク農業通商政策官ら7人が、アメリカ側はエレン農務省次官補ら9人が出席しています。交渉で韓国側は現在30カ月未満の牛の肉だけとなっている輸入条件を、30カ月未満の牛でカルビなど骨付きの牛肉まで拡大することを提案したのに対して、アメリカ側は国際獣疫事務局の基準に従って牛肉の輸入に制限を設けてはならないという主張を繰り返しました。また韓国側が食用の牛にBSE=牛海綿状脳症との関係が疑われている動物性飼料の使用を禁止するよう求めたのに対して、アメリカ側は動物性飼料の使用禁止にはばく大な費用がかかるため、アメリカの畜産業界が強く反対しているとして難色を示しました。さらに牛の頭などBSEを引き起こす恐れの高い部位について、韓国は輸入できないとしているのに対して、アメリカは制限を設けてはならないと主張して、事実上の全面開放を要求しました。しかし今週末には韓米首脳会談が予定されているうえ、妥結を前提に協議を始めたため、週末までには合意する可能性が高いという観測が支配的です。

・大部分の経済研究所や金融機関が今年の経済成長率を3〜4%程度と予想していたにも関わらず、政府は6%という目標を維持してきましたが、このほど目標達成は難しいという立場を示しました。企画財政部の姜萬洙(カン・マンス)長官は15日、「世界経済が予想より悪化しており、今年の経済成長率の目標6%の達成は現実的に難しいと考えている」と述べました。しかし、経済回復に向けた努力は続けるとして、2兆5000億ウォンの予算を節約して、雇用の創出など経済回復に必要な分野に回し、景気浮揚策の一環として、早ければ来月から法人税の減税を実施するとともに、所得税や相続税、不動産関連の税金なども減らしていく考えを示しました。

・高病原性鳥インフルエンザが南西部の全羅道の農場で発生したのに続いて、ソウルから南およそ60キロの京畿道平澤市の農場でも鳥インフルエンザが確認されたことから、政府は15日、これまで全羅道に出していた国家危機警報で2番目に高い「警戒」を、全国に拡げました。京畿道平澤市の農場で確認された鳥インフルエンザは高病原性の可能性が高いとみられますが、16日午前中までに、鳥インフルエンザについて追加の届け出はありませんでした。

・韓国人初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんは、国際宇宙ステーションで滞在6日目を迎え、計画している18の科学実験のうち2つを終了し、残りの実験も順調に進めています。イ・ソヨンさんは16日、モスクワの宇宙センターを通じて記者会見し、これまで任務を順調に行っていると述べました。イ・ソヨンさんは宇宙での表面張力の実験やショウジョウバエの老化現象、発芽した麦の生長、それにイ・ソヨンさん自身の心臓の活動が宇宙で変化する様子の観測など、主に子どもたちの授業に使われる科学実験を行っており、科学者を夢見る子どもたちのために映像資料として、国際宇宙ステーションの内部をカメラで撮影しています。

・農村に住む韓国人男性と外国人女性との結婚が減っているのに対して、離婚歴のある韓国人男性と外国人女性との結婚は増えていることが分かりました。韓国保健社会研究院が国際結婚についてまとめた報告書によりますと、おととし2006年の1年間に、国際結婚した韓国人男性3万人あまりのうち、農林漁業に従事している男性は3500人あまりで12%にとどまりました。その一方で、外国人女性と再婚した韓国人男性は2005年の40%から1年後のおととしには35%とやや減りましたが、妻と死別したのではなく離婚して再婚する人の割合が高くなっているということです。また外国人女性との国際結婚で韓国人男性の年齢は年々高くなり、外国人女性の年齢は低くなっていることも確認されました。

・放送されたテレビ番組を全ていつでも見ることができ、保存または伝送できる技術が開発されました。ドットテレビと呼ばれるこの技術は、KBSと三星電子など家電メーカによるコンソーシアムが開発したもので、このほどラスベガスで開かれた放送装備博覧会で好評を博しました。これまでは見逃した番組はインターネットで見ることができましたが、ドットテレビはインターネットもパソコンも必要なく、リモコンを操作するだけで番組のリストが画面に現れ、その中から見たい番組を選ぶことができます。この技術は今年の下半期に試験サービスを開始し、来年には商業ベースのサービスをスタートする予定です。

・全国に14ある国立博物館と美術館の常設展示館が、来月から年末にかけて無料で開放されることになりました。文化体育観光部は15日、「国立博物館などの無料公開は李明博大統領の公約で、国民が文化施設を利用しやすくするためだ」と無料で開放する背景を説明しました。無料で開放されるのは、ソウルの国立中央博物館をはじめ、慶州、光州、全州、扶余、大邱などの国立博物館と国立現代美術館などで、館内の秩序維持と統計管理のために入り口で無料チケットをもらって入場することになります。

4月15日火曜日

・李明博大統領が15日から1週間の日程でアメリカと日本を訪問します。李明博大統領は15日午後、ソウル空港を出発して、まずニューヨークの証券取引所を訪れ、投資説明会を開きます。次いで韓国の大統領としては初めてアメリカ大統領の別荘であるキャンプデービッドでブッシュ大統領と韓米首脳会談を行う予定です。首脳会談では北韓の核問題や韓米FTAの批准、韓米同盟関係の強化、ビザ免除の適用などについて意見を交換することになっています。一方、アメリカは韓国に対して牛肉市場の全面開放や在韓アメリカ軍の駐留に伴う韓国側の分担金の増額、韓国軍のアフガニスタンへの派兵などで、協力を求めてくる見通しで、首脳会談の結果に関心が寄せられています。李明博大統領はアメリカ訪問を終えた後、20日から日本を訪問し、21日に福田康夫首相と韓日首脳会談を行います。首脳会談では、北韓の核問題や両国首脳が相互に訪問し合うシャトル外交の再開、さらに工業製品の部品を製造する分野での協力など、経済問題について意見を交換する予定です。

・韓国とアメリカは、2004年に合意した韓国駐留アメリカ軍の削減計画を中止し、現在の2万8500人の規模を維持することでほぼ意見がまとまり、19日行われる韓米首脳会談で最終的に決まる見通しだということです。韓国とアメリカは、2004年当時、3万7500人だった韓国駐留アメリカ軍の兵士を今年2008年末までに2万5000人に減らすことで合意し、おととし2006年まで段階的に9000人を削減しており、今年の年末までさらに3500人を削減する計画でした。ところが、韓国の政府消息筋によりますと、核やミサイルなど北韓による軍事的脅威に対して、韓国駐留アメリカ軍を削減すると韓米の連合防衛力が弱まるのではないかという懸念が高まり、削減計画を急遽中止することになったのではないかとしています。

・与党ハンナラ党と最大野党統合民主党は、臨時国会を今月25日から一カ月間の会期で開くことで合意しました。臨時国会については、李明博大統領が13日に行った記者会見で5月に召集するよう要請し、これに対して野党は一斉に否定的な反応を示していました。こうした中で両党の院内代表は15日、国会で会談し、今月25日から一カ月間の会期で臨時国会を開き、国民の暮らしと密接した法案を最優先に処理することで一致しました。

・柳明桓外交通商部長官は、14日、内外の記者団に対して行った会見で、アメリカが行っているアフガニスタンの早期安定と再建に向けた軍人や警察官の訓練に韓国政府の参加を要請してきたとして、韓国がどの水準で、どんな役割ができるかを検討していると語りました。しかしその一方で柳明桓外交通商部長官は、アメリカ政府からの派兵要請はなかったとしています。

・高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された南西部の全羅道以外に、ソウルに近い京畿道平沢市の農場でも鶏が大量に死んでいるのがみつかり、14日に届出を受けて当局が調査に乗り出しました。農林水産食品部によりますと、京畿道で鳥インフルエンザに感染した疑いがあるという届け出があったのは初めてです。京畿道平沢市にあるこの農場では2万6000羽の鶏が、またこの農場の半径10キロ以内には41の農場があり合わせて113万8000羽の鶏とあひるが飼育されています。このため京畿道は、この農場を中心とする半径3キロ以内で消毒をすませたうえで、3週間以内の家畜や人、車の移動について詳しく調べています。

・政府は、6カ国協議の首席代表を務める外交通商部の韓半島平和交渉本部長に金塾(キム・スク)元済州島国際諮問大使を任命しました。金塾(キム・スク)氏は今年55歳。駐米韓国大使館の一等書記官を経て、北米局長を務めるなど主に対米業務を担当してきました。とくに北米局長時代には、防衛費の韓米分担交渉で韓国側の分担額を最小限に削減する成果をあげるなど思い切った交渉力が高く評価され、北韓の核問題をめぐる交渉での活躍が期待されています。

・李明博大統領は、アメリカ訪問に先立って15日午前、内定していた権哲賢駐日韓国大使に任命状を手渡しました。この席で李明博大統領は、「工業製品の部品素材産業など日本が競争力を持っている分野で互いに協力し合えるよう全力を尽くしてほしい」と述べ、対日貿易赤字の改善や、歴史問題を乗り越え成熟した韓日関係作りに努めるよう要請したと、青瓦台のスポークスマンが伝えました。これに対して、権哲賢大使は、「国内政治を背景にした発言で、韓日関係が悪化することがないようにしなければならない」と述べたということです。権哲賢大使は、16日に東京の韓国大使館に赴任します。

・4月9日に投票が行われた第18代国会議員総選挙で当選した議員のおよそ30%は、李明博大統領が進めている韓半島大運河の建設に反対していることが分かりました。大運河建設に反対する市民団体「運河白紙化国民運動」が、第18代国会議員総選挙の当選者299人に、韓半島大運河建設の賛否を問う質問書を送った結果、全体の30%にあたる91人が反対の意向を示しました。政党別では、最大野党の統合民主党の議員が66人で最も多く、与党ハンナラ党の中にも反対する議員が1人いました。

・火災で焼け落ちた崇禮門(南大門)にかかっていた壊れた扁額の復元作業が15日から始まりました。

・韓国石油公社は全国のガソリンスタンドが販売しているガソリンの小売価格を15日からインターネット上で公開しています。

・政府は消化剤など一部の医薬品をスーパーマーケットなどで販売できるようにすることを検討しており、薬剤師会などが反発しています。

・盧武鉉前大統領が退任した後生活している故郷の慶尚南道金海市進永邑(チニョンウプ)烽下(ポンハ)マウルには、盧武鉉前大統領に一目会おうと、連日、全国から大勢の人が訪れています。こうした人たちを盧武鉉前大統領は毎日笑顔で出迎えていますが、来週から、毎週月曜日の応対はお休みにすることになりました。側近によりますと、盧武鉉前大統領は今年2月25日に退任した後、一日数千人に上る訪問客を毎日10回以上、出迎えて応対していたため、ほとんど休む間がなかったということです。このため来週21日からは、毎週月曜日の応対は休むことにしたということです。

4月14日月曜日

・李明博大統領は就任後初めての外国訪問として、15日からアメリカを、20日から日本を訪問します。李明博大統領はまずニューヨークを訪問し、証券取引所で投資説明会を行うほか、ワシントンでは議会の指導者らに会う計画です。また、18日と19日の両日は大統領別荘のキャンプデービッドでブッシュ大統領と韓米首脳会談を行う予定です。李明博大統領は次いで20日からは日本を訪問して、福田康夫首相と韓日首脳会談を行い、北韓の核問題や経済協力の強化について話し合う予定です。また、李明博大統領は日本の経済団体の関係者らと会うほか、「日本国民との対話」というテレビ番組にも出演することになっています。

・李明博大統領は、アメリカと日本への訪問に先立って13日、就任後初めて記者会見し、国民の暮らしと関連した法案を可決させるため5月に臨時国会を召集するよう要請しました。会見の中で、李明博大統領は、今回の総選挙で与党ハンナラ党に過半数の議席をもたらした国民の意向を尊重し経済の建て直しに全力を尽くすとして、このため5月に臨時国会を召集するよう要請しました。また北韓との関係について、李明博大統領は、「南北関係は、いまや過去10年間の枠を整備する調整期間に入った」と述べ、6カ国協議を通じて北韓が核を放棄するよう協力していく考えを示しました。そのうえで、李明博大統領は、北韓の「通米封南」戦術、つまり北韓がアメリカと直接対話をし韓国を排除する戦術は、決して成功しないと強調しました。さらに、15日から始まるアメリカと日本への訪問について李明博大統領は、「新政権が追求する実用外交の第一歩になるだろう。伝統的な友好国との関係をより確かなものにし、北東アジアの平和と繁栄についてざっくばらんに意見交換をするつもりだ。アメリカと日本の訪問が終わった後は、中国、ロシアも訪問する計画だ」と述べました。

・統合民主党など野党各党は13日、李明博大統領が5月に臨時国会を召集するよう要請したことについて、一斉に否定的な反応を示しました。統合民主党の孫鶴圭(ソン・ハクキュ)代表は、「李明博大統領が和解を強調する一方で、第一野党である統合民主党と協議もせず、記者会見で5月に臨時国会の召集したことは、あり得ないことだ」として否定的な立場を示しました。同じく統合民主党のチェ・ジェソンスポークスマンは、「李明博大統領が言葉で国会を動かそうとしているのは、過去の権威主義時代と同じ行為である。大統領が与党と国会を軽くみている証拠だ」として強く批判しました。また自由先進党は、「重大な法案を任期末の国会で無責任に処理することはできない」としており、民主労働党は、「李明博大統領が述べた国民の暮らしに関連した法案とは、財閥のための法案だ」として、5月の臨時国会は絶対に同意できないとしており、野党各党は、すべての法案の審議は、5月30日からの第18代国会にゆだねることが望ましいとする見解を強調しました。

・問題になっている比例代表から当選した議員は、ハンナラ党が1人、統合民主党が2人、親朴連帯が1人、創造韓国党が1人です。このうち、統合民主党は比例代表当選者のほとんどから一人当たり200万ウォンから1億ウォンの特別党費を受け取ったことが明らかになっています。選挙法47条2項は、政党が公認候補を決める際に、金品を受け取ることを禁止しており、違反した場合は5年以下の懲役か、1000万ウォン以下の罰金を課すことになっています。さらに、統合民主党から比例代表の6番で当選したチョン・クッキョ議員は、投票日の2日後に、株価操作疑惑で警察の捜査を受けています。またハンナラ党から比例代表の7番で当選したキム・ソナム氏は、李明博大統領と同じ大学の高麗大学経営大学院の同窓会長という肩書や、去年の大統領選挙で李明博氏の当選に大きく寄与したことが背景にあるとされています。

・高病原性鳥インフルエンザが、全羅北道に続いて全羅南道でも発生するなど、当局の防疫活動に関らず、鳥インフルエンザが韓半島南西部の全域に広がる様相を見せています。農林水産食品部は、14日までに高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された全羅北道金堤(キムジェ)市や全羅北道井邑(ジョンウブ)市、全羅南道霊岩(ヨンアム)郡の他に、高病原性かどうかまだ確認されていない鳥インフルエンザの発生が確認された地域が合わせて15地域に上っていると明らかにしました。このほか、16の地域で精密検査が行われおり、さらに当局に届け出た農場は32に上っています。このため防疫当局は、鳥インフルエンザが発生した全羅道全域に対する国家危機警報の段階をこれまでの「注意」から、「警戒」に一段階上げるとともに、高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された農場から半径10キロ以内にあるすべての農場のあひるを処分しました。

・韓国の財閥、三星グループの各種の疑惑を捜査している特別検事チームはこのほど、三星グループによる政官界に対するロビー疑惑についての捜査を終了し、秘密資金を蓄積した疑惑や経営権を継承する際の違法行為についての捜査もほぼ終了したと発表しました。特別検事チームは三星グループによる政官界に対するロビー疑惑について、役員など10人あまりに出頭を求めて捜査した結果、証拠が不十分だとして、起訴しない方針を固めたということです。

・旧日本軍のための元従軍慰安婦問題を扱っている韓国挺身隊問題対策協議会は、14日、ソウルで記者会見し、李明博大統領が就任後初めて日本を訪問することによって、過去の歴史問題を必ず解決するよう要請しました。

・統領府青瓦台は、青瓦台の前を観光名所にするため、これまで警護上の問題で停車することを禁じていた市内路線バスの運行を来月1日から許可することにしました。青瓦台前に停車するバスは、緑色の「8000番」バスで、南大門を出発し、ソウル市庁、世宗文化会館、景福宮の西門を経て、再び南大門に戻る循環バスです。

・韓国は男性が女性よりやや多いのに対して、北韓は女性が男性より多いことが統計庁の調べで明らかになりました。それによりますと、おととし2006年の時点で韓国の人口は4829万7000人、このうち男性が2426万8000人に対して、女性は2402万9000人と、男性が女性よりおよそ24万人多くなっています。一方、北韓は、人口が2307万9000人で、このうち男性は1136万4000人、女性は1171万5000人で、女性が男性より35万人多いことが分かりました。こうしたことから南北の人口を合わせますと、男性が3563万2000人、女性が3574万4000人となり、南北が統一した場合、男女の均衡が取れることになると統計庁ではみています。

・海外から輸入されたお菓子類のうち、チョコレートは減った反面、ビスケット類は増えたことが分かりました。関税庁が14日、発表したところによりますと、今年1月から3月までのお菓子類の輸入は9020万3000ドルで去年の同じ時期より12.8%増え、一方、輸出は4957万6000ドルで30.5%増えました。

・連続殺人事件の犯人と、その犯人を追う元警察官の手に汗握る追撃戦シーンを描いたスリラー映画「追撃者」の観客が500万人を超えました。

4月9日水曜日(10日のニュース)

・9日行われた第18代国会議員総選挙で、与党ハンナラ党は過半数をかろうじて上回る153議席を確保しましたが、当初の目標には大きく及ばない結果となりました。このため公認候補の推薦をめぐって党の指導部に対する責任追及と、公認を得られなかったため、党を離れ親朴連帯を結成したり無所属で立候補したりした朴槿恵元代表寄りの議員の復党問題が懸案として浮上する見通しです。今回の総選挙で各党が獲得した議席は、与党ハンナラ党は首都圏で圧勝するなどして選挙区で131議席、比例代表22議席の合わせて過半数の150議席をわずかに超える153議席となり、統合民主党は81議席、自由先進党18議席、親朴連帯14議席、民主労働党5議席、創造韓国党3議席、無所属25議席となりました。前回4年前の第17代国会議員総選挙では、当時与党だった統合民主党の前身の「ウリ党」は152議席と過半数をかろうじて超えましたが、野党側のけん制で与党としての役割を十分に果たせなかった前例があるだけに、今回の与党ハンナラ党も、李明博大統領の選挙公約である「韓半島大運河」の建設など主な国政の課題を進めるにあたって不安定な議席となりました。このため公認候補から外され党を離れて親朴連帯を結成したり無所属で立候補したりした朴槿恵元代表寄りの議員の復党問題が早速、議論されるものとみられています。また今回の総選挙では、李明博大統領の側近がこぞって落選しており、李明博大統領の党内での掌握力にかげりが出ることになった反面、朴槿恵元代表の影響力が相対的に大きくなる見通しです。今回の総選挙の投票率は46.1%で、前回4年前の総選挙を14.5ポイントも下回ったほか、全国単位の国政選挙の中でも最も低い投票率となりました。

・ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)代表は10日、総選挙の結果について「経済の建て直しと国民統合を願って偉大な選択をした国民の勝利」だと述べ、有権者に感謝を表しました。そのうえで姜在渉代表は、「国民の期待を裏切らずに謙虚な姿勢で最善を尽くす」と約束しました。姜在渉代表はまた、党内では和合を、青瓦台や政府とは緊密な関係を維持し、野党とは対話と妥協で先進政治文化を作り上げるために全力を尽くすと語りました。

・今回の総選挙の結果、与党ハンナラ党と、党を離れ親朴連帯や無所属で当選した朴槿恵派、それに去年の大統領選挙の際、ハンナラ党を離党して新しく党を結成した李会昌元総裁の自由先進党など保守陣営が躍進し、国会の勢力はこれまでの進歩から保守に移ることになりました。第1野党の統合民主党は、目標にしていた憲法改正を阻止できる100議席に大きく及ばない81議席にとどまったことから、党指導部の責任を追及する動きが出るものと予想されます。同じく進歩勢力の民主労働党は、進歩新党に党が分裂したこともあって、前回の半数の議席にとどまり、進歩新党もノ・フェチャン、シム・サンジョン共同代表がともに落選して1議席も得られませんでした。このほか、今回の総選挙では与野党の実力者が相次いで落選しました。このうち第1野党統合民主党の孫鶴圭代表と、鄭東泳元統一部長官が、いずれもハンナラ党のパク・チン議員と鄭夢準議員に敗れ、金槿泰元ウリ党議長も落選しました。一方、李明博大統領の側近中の側近であるハンナラ党の李ジェオ議員や李バンホ事務総長も敗北しました。

・今回の総選挙では、当選者のうち現職議員が前回4年前の総選挙と比べて多くなったのに対して、新人は大幅に減りました。また女性は前回に続いて多数当選し、選挙区の14人と、比例代表の27人を合わせますと、これまでで最も多い41人となり、全体の13.7%を占めています。

・第18代国会議員を年齢別にみますと、前回と同じく50代が最も多い121人で49.6%を占めています。次は40代が75人で30.7%、また60代は40人で16.4%、70代は6人で2.5%、30代は4人で1.6%でした。前回と同様、50代が最も多くなっていますが、40代の当選者は前回の102人に対して今回は75人と大きく減りました。これは、前回の総選挙で当選者の多くを占めた盧武鉉大統領を支持するいわゆる386世代(30代で、80年代に大学に通い、1960年代生まれの人を意味する)が、今回は次々と落選したためと見られています。出身の大学別では、ソウル大学出身が79人で最も多く、高麗大学20人、延世大学15人、またアメリカへの留学経験者が30人を超えています。

・第18代国会議員を選ぶ総選挙の暫定投票率が50%を割って歴代最低になった理由について、専門家の間では、国民の政治への無関心がさらに広がった上に、政治家に対する不信が深まったためだと指摘しています。また今回の総選挙では有権者が関心を持ちそうな政策をめぐる与野党の対決や政治的な争点がなかったため、必ず投票しようという理由が薄くなったと説明しています。このうちサンミョン大学のキム・ヒョンジュン教授は「今回の総選挙で、有権者はどの候補を何のために選ばなければならないのかが明確にできなかった。かつてのいわゆる3金政治に象徴される大物が支配する政治の風潮はなくなったものの、各政党はそれに代わる政策をアピールできず、政党に対する有権者の関心が非常に低くなってしまった」と指摘しました。

・今回の総選挙では2002年の大統領選挙と前回の第17代総選挙で威力を発揮したインターネットによる選挙関連の動きは、ほとんど目立ちませんでした。これまでの選挙でインターネット上で世論をリードしてきた各種のポータルサイトや動画像の配信サイトなどは、今回の総選挙の運動期間中、総選挙と関連した目立った動きはあまり見られませんでした。また話題や論議を呼びそうな自作の動画像が出回ることもなく、インターネット・ユーザーの自発的な討論への参加なども見られませんでした。このようにインターネット上で選挙関連の動きが目立たなかった原因について、インターネット業界では、▼選挙法で世論に対する規制が厳しくなった上、▼大統領選挙が終わって4カ月足らずで総選挙が行われたため、関心が高くなかったこと、▼それに与野党の争点がはっきりしなかったことなどを上げています。

・経済界は第18代国会が今回の総選挙で現れた国民の期待に応えて、経済発展にまい進するよう求めました。全経連=全国経済人連合会は9日声明を出し「第18代国会は李明博政権が進めている経済立て直しと企業に優しい環境作りに向けた政策が早期に立法化できるように、党派を超えて協力してほしい」と求めました。大韓商工会議所も声明を出し、最近の国際的な原油と原材料価格の上昇で経済環境が厳しくなっているとして、「新しい議員によって構成される国会は与野党間の対立や政争をやめて、国民の生活安定と経済の活性化に向けて最善を尽くしてもらいたい」と要請しました。

4月8日火曜日

・韓国人初の宇宙飛行士、イ・ソヨンさん(29)が乗ったロシアの宇宙船「ソユーズ」が、ほぼ予定どおり8日午後8時16分39秒にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられ、打ち上げは成功しました。ソユーズは、およそ10分後に地上240キロ上空の軌道に進入し、2日間、地球を34回回転した後、10日夜10時頃、350キロ上空の国際宇宙ステーションにドッキングする予定です。イ・ソヨンさんは、宇宙ステーションでショウジョウバエの無重力実験など18項目の科学実験を行うなどの任務を果たし、19日に地球に帰還します。イ・ソヨンさんは、宇宙に滞在する10日間、一般宇宙食以外に韓国が開発したキムチや唐辛子味噌、ラーメンなど10種類の韓国宇宙食を食べることになっています。また無重力状態の宇宙ステーションでは、壁にベルトで固定した寝袋で睡眠をとります。イ・ソヨンさんは、自国の貨幣を備える伝統に従って、1万ウォン札と5000ウォン札、1000ウォン札を韓国伝統模様の財布に収め宇宙ステーションに備えることにしています。これで韓国は世界で36番目に宇宙飛行士を誕生させた国になり、イ・ソヨンさんは、世界で475人目、女性としては49人目の宇宙飛行士となりました。

・李明博大統領は、韓国人として初めての宇宙飛行士が誕生したことを契機に、韓国が宇宙強国になる夢を実現しようと国民に呼びかけました。李明博大統領は、8日夜、ソウル市庁前広場で行われた祝賀行事に出席してあいさつし、「きょうは宇宙先進国に向かう夢の出発、ドリームスタートの日である。宇宙飛行士の誕生は韓国民皆の喜びであり、未来を担う世代に大きな希望になる」としてこのように語りました。そのうえで李明博大統領は、今年12月には全羅南道のナロ宇宙センターから韓国が開発した科学技術衛星2号が打ち上げられ、2020年には月に探査船を送ることになるとして、世界に負けない創造力で宇宙時代を切り拓いて行こうと呼びかけました。

・ところで、韓国人で初めての宇宙飛行士として宇宙船ソユーズに乗る女性のイ・ソヨンさん(29)は、出発に先立って7日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地のホテルでAPやAFP通信など各国の記者団およそ100人の前で会見し、宇宙飛行に対する強い自信と期待感をアピールしました。会見の中でイ・ソヨンさんは、「宇宙飛行士の日である4月12日には、同乗する宇宙飛行士とともに韓国の食事を食べながら、皆さんに歌を歌ってあげるつもりです。曲名はまだ公開できません」と述べ、宇宙飛行に対する期待感を示しました。イ・ソヨンさんはまた、「女性として不便なことはないか」という記者団の質問には、「宇宙では女というより一人の専門宇宙飛行士として任務を果たすつもりです」と述べて、自信の程をうかがわせました。

・イ・ソヨンさんは、宇宙ステーションで18項目の科学実験を行う予定です。まずは、重力による身体の変化を調べる実験で、様々な角度から顔写真を撮り、地上での写真と比べるというものです。また病気と遺伝子の研究に広く使われるショウジョウバエを宇宙に運び、突然変異のショウジョウバエと、一般のショウジョウバエが無重力の環境でそれぞれどのような反応を見せるかを観察します。さらに中国本土の黄砂と韓国の黄砂を比較測定する他、宇宙での雷を観察するなど様々な実験を行います。イ・ソヨンさんが宇宙で行う実験の様子はすべて映像で記録され、青少年のための宇宙科学教材として利用されることになっています。

・第18代国会議員299人を選ぶ総選挙の投票が9日午前6時から午後6時まで、全国1万3246の投票所で一斉に行われます。選挙戦最終日の8日は、与野党ともに激戦地のソウルや仁川、忠清道などに遊説隊を繰り出し、懸命に支持を訴えました。またハンナラ党を除く各党の代表はそれぞれ記者会見を行い、50%を上回るとされる浮動票の獲得を目指しました。このうち統合民主党の孫鶴圭(ソン・ハクキュ)代表は、「低所得層の暮らしの改善にそっぽを向き財閥寄りの政策を一貫して推進している李明博政権に対して有権者は厳しく評価しなければならない」として支持を訴えました。今回の総選挙の有権者は、3779万6035人で、前回4年前より、219万9000人あまり多くなっています。今回の総選挙は、李明博政権が発足してわずか2カ月足らずで行われ、国政安定論を打ち出し憲法改正が可能な200議席の確保を目指していた与党ハンナラ党が過半数の議席を確保できるか、去年暮れの大統領選挙で惨敗した野党統合民主党が憲法改正を阻止できる100議席を確保できるかが焦点となっており、新政権の政策運営に対する国民の評価がどう出るかに関心が集まっています。しかし今回の総選挙では、これといった政策をめぐる争点がなかったことから投票率は、過去最低の50%台はじめから40%台後半になるものとみられており、20-30代の有権者が減って、40-60代以上の有権者が増えたことが選挙にどう影響するかも注目されています。

・中央選挙管理委員会の高鉉哲(コ・ヒョンチョル)委員長は8日、有権者に投票を呼びかける談話を発表しました。高鉉哲委員長はこの中で、「今回の総選挙の投票率が過去最低になるのではないかという心配の声が多く聞かれます。韓国の政治を正し国が発展することを願うならば、必ず投票に参加して国民の真のパワーを見せてください」と呼びかけました。

・期限切れとなっている北韓の核計画の申告について話し合う6カ国協議のアメリカと北韓の代表による会談が8日、シンガポールのアメリカ大使館で始まりました。会談で、アメリカのヒル国務次官補と、北韓の金桂冠外務次官は、焦点となっている北韓のウラン濃縮とシリアへの核技術の提供疑惑をどのように申告内容に盛り込むかについて集中的に協議しています。ヒル次官補は、会談に臨む前に記者団に対して、「北韓と核計画の申告をはじめ様々な問題について協議するつもりだ。もはや時間的余裕がないことも北韓側に伝える方針だ」と述べ、決着を急ぎたいとする意向を示しました。その一方で、ヒル次官補は、「きょうの会談は、合意に達するためのものではない。この数ヶ月間議論してきた問題を整理するためのものだ」として、会談後に合意文書が発表されない可能性が高いことを示唆しました。ヒル次官補は、8日夜遅くシンガポールから北京に向かい、9日は、韓国、日本、中国、ロシアなど6カ国協議の参加国の首席代表に会談の結果を説明する予定です。

・全羅北道の金堤市に次いで井邑市でも高病原性の鳥インフルエンザが発生したのを受けて、関係当局は防疫作業の対象地域を拡げて対策に当たっています。農林水産食品部は、鳥インフルエンザが発生した2つの農場を中心に半径500メートル以内の地域で鶏とアヒルを、また、半径3キロ以内の地域ではアヒルを処分しました。処分の対象となった鶏とアヒルは合わせて77万羽を超えました。高病原性の鳥インフルエンザは潜伏期間から判断して、今週末になればさらに拡大するかどうかが分かる見通しです。

・行政安全部は、全羅北道金堤(キムジェ)市と井邑(ジョンウブ)市で発生した高病原性鳥インフルエンザが、隣接した地域に広がるのを防ぐため特別交付税として10億ウォンを緊急支援しました。

・疾病管理本部は、鳥インフルエンザが世界的に流行することになった際に、初期段階で防疫対策などにあたる国家機関の要員に接種する10万人分の予防ワクチンを備蓄することにしました。

4月7日月曜日

・総選挙の投票日を間近に控えた先週末、各党は50%を超えると見られている浮動票を獲得するために全力を傾けました。野党統合民主党の康錦實(カン・クムシル)最高委員は6日、「ハンナラ党が間違った方向へ進まないよう正さなければならない」と述べ、ハンナラ党の独走をけん制するために統合民主党への支持を訴えました。統合民主党は首都圏のハンナラ党と競合する選挙区を中心に遊説を展開していく計画です。与党のハンナラ党も首都圏で集中的に遊説を繰り広げました。姜在渉(カン・ジェソプ)代表は、「安定的な国政運営によってエネルギッシュな変化と改革が可能になる。そのためにはハンナラ党が過半数の議席を確保することが不可欠だ」として、支持を訴えました。一方、これまでほかの候補を支持する演説に応じていなかったハンナラ党の朴槿惠(パク・クネ)元代表は6日、大田市中区で立候補した側近の姜昌熙(カン・チャンヒ)候補の選挙区に入って演説しましたが、これ以上支持する演説を行う計画はないということです。

・韓国初の宇宙飛行士イ・ソヨンさんが搭乗するロシアの宇宙船「ソユーズ」が、予定どおり8日夜、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられます。「ソユーズ」は、打ち上げ48時間前の6日夜、発射台に設置され7日は燃料の注入作業が行われました。イ・ソヨンさんを乗せた宇宙船「ソユーズ」は、韓国時間で8日午後8時16分27秒に打ち上げられ、10日夜10時、宇宙ステーションとドッキングします。イ・ソヨンさんは、18日まで宇宙ステーションに滞在し、18の科学実験を行った後、19日午後に国際宇宙ステーションを出発して、カザフスタンに帰還し、28日頃、帰国する予定です。イ・ソヨンさんが無事、任務を終えますと、韓国は世界で36番目に宇宙飛行士を誕生させた国になり、イ・ソヨンさんは世界で49人目、アジアでは日本に次ぐ2人目の女性宇宙飛行士となります。

・北韓は、8日にシンガポールで開かれる6カ国協議の米朝首席代表の会談で、アメリカが疑惑を持ち出しているウラン濃縮と核拡散疑惑を非公開で申告するものとみられています。ワシントンの外交筋によりますと、アメリカのヒル国務次官補と、北韓の金桂冠外務次官は、8日、シンガポールで行われる会談で、去年末に期限切れとなっている北韓の核計画の申告について、北韓によるウラン濃縮と核拡散疑惑をめぐる内容を6カ国協議の参加国には公開し、一般には非公開とする形で文書をまとめることになる見通しだということです。焦点となる非公開の申告は、アメリカが北韓のウラン濃縮やシリアへの核拡散について理解を示し、北韓はこれを否定しない形式になる見通しです。これについて別の消息筋は、シンガポールでの米朝会談は、北韓が先に提案してきただけに結果が注目されると、期待感を示しました。

・北韓がシリアの核施設建設に関わっていたという情報が今月中にもアメリカ議会で公開される見通しで、関心が寄せられています。イスラエルの新聞ハーレツの電子版は6日付けで、去年9月にイスラエルがシリアを空爆したことについて、アメリカの高官が今月中にも議会の公聴会で詳しい情報を公開する見通しだと報じました。イスラエルが空爆したのはシリアの核施設で、この核施設の建設に北韓が関わったという説があります。もしシリアの核施設に北韓が関連していることが明らかになれば、核問題をめぐる米朝間の交渉にも影響を及ぼすものと見られています。

・全羅北道井邑(ジョンウブ)市のアヒルを飼っている農場で発生した鳥インフルエンザは高病原性と確認されました。農林部によりますと、3日に届け出があった全羅北道井邑(ジョンウブ)市の農場について、国立獣医科学検疫院が精密検査を行った結果、人に感染する恐れのある高病原性の鳥インフルエンザであることが7日、最終的に確認されました。今年に入って、韓国での高病原性鳥インフルエンザの発生は今回で2例目です。この農場は、先に高病原性鳥インフルエンザの感染が確認された金堤市の養鶏場から27キロ離れた所にあり、先月31日から今月4日にかけて、高病原性鳥インフルエンザに感染したおよそ6500羽のアヒルが死にました。農林水産食品部は、これらのアヒルはすでに廃棄処分しましたが、この農場で飼育されているアヒル15万8000羽をすべて廃棄処分するかどうかについて検討しています。

・企画財政部は、韓国政府が去年、発展途上国などに支援したODA=政府開発援助の額が6億7200万ドルと、前の年より48%増えたと発表しました。また去年のODAの額が国民総所得に占める割合は、0.07%で、前の年より0.02ポイント高くなりました。韓国のODAは、OECD=経済協力開発機構の加盟国の中では19番目に多くなっています。去年のODAの額が増えたのは、世界銀行国際開発協議会への財源の補充や、政府出資機関で発展途上国を支援している韓国国際協力団による無償援助が増えたためと、企画財政部は説明しています。

・ソウルは、6日日曜日に日中の気温が22度6分まで上がって4月下旬並みの陽気となり、桜が平年より5日早く開花しました。気象庁によりますと、観測標準木に指定されているソウル鐘路区ソンウォル洞にある気象観測所内の桜が6日、開花したということです。気象庁は、桜が一本以上の木で3輪以上の花が完全に咲いた日を開花日としています。ところで、ソウル市永登浦区は、ヨイドの国会議事堂裏や大方駅に通じるユンジュン路など7キロの桜並木での桜祭りを、当初の予定を繰り上げて11日金曜日から15日火曜日までの5日間に行うことにしており、この期間中、漢江河川敷の特設舞台や、国会議事堂北門にあるステージで音楽会やダンス競演大会などが繰り広げられます。

・1300年あまり前に滅亡した高句麗の王族の子孫が日本に移住して定着した日高市で、韓日の市民による交流会が開かれました。韓国の京畿道九里市の市民は6日、姉妹都市の提携を結んでいる埼玉県日高市の高麗神社を訪れ、日高市の市民と500人あまりで、「韓日友情フェスタ2008」の一環として開かれた「ふれあいピースウォーキング」に参加しました。日高市は高句麗王族が日本に渡って定着したところで、今も高句麗に関連した地名などがたくさん残っています。この交流会には高句麗が建国される歴史をつづった韓国の時代劇「大祚榮」の主人公のチェ・スジョンさんも参加しました。九里市のパク・ヨンスン市長は、「今回の交流を通じて日本の人たちに高句麗の歴史を広く知ってほしい」と語りました。

・国連は、今月28日に北韓の首都、平壌市を通過する北京オリンピックの聖火リレーに国連の職員を走者として参加させない方針を決めたと、イギリスのサンデータイムズが7日、報道しました。それによりますと、北韓の平壌市内で今月28日に史上初めてオリンピックの聖火リレーが行われますが、国連は、これが北韓政府の宣伝に悪用される可能性があるとして懸念を示し、国連職員の聖火リレーへの参加をボイコットすることにしたということです。これについてサンデータイムズは、国連が平壌での聖火リレーをボイコットするのは、北韓政権に対する非難であると同時に、IOC=国際オリンピック委員会を困惑させる行為でもあると報じています。

・ソウル市は、市内で北京オリンピックの聖火リレーが行われる今月27日に、市庁前広場で歓迎行事を行う計画です。ソウル市によりますと、聖火リレーが松坡区のオリンピック公園から市庁前広場までの24キロ区間で行われた後、午後6時からソウル市庁前の「ソウル広場」で、ソウル市と大韓オリンピック委員会の関係者およそ80人が出席して北京オリンピックの成功を祈って聖火を歓迎する行事を開く計画だということです。聖火は、27日夜に特別機で平壌に移動します。