2007年ニュース

12月31日月曜日

今年の10大ニュース

・12月19日に行われた大統領選挙で、経済重視、実用主義重視の政策をアピールしたハンナラ党の李明博氏が当選し、10年ぶりに進歩陣営から保守勢力への政権交代が実現しました。李明博氏については、蓄財をめぐって各種の疑惑が持ち上がっていましたが、有権者は経済に明るく、実行力がある李明博氏を選び、得票率は48.7%と、2位以下に大差をつけて当選しました。一方、投票率は63%で、1987年に直接選挙制度が取り入れられて以来、最低でした。

・盧武鉉大統領が10月はじめに平壌を訪れ、北韓の金正日国防委員長と会談しました。盧武鉉大統領は韓国の首脳としては初めて南北を隔てる軍事境界線を歩いて越えました。7年ぶりの南北首脳会談が終わった後、両首脳は、西海=西の海に平和協力特別地帯を設定すること、韓国戦争の終結を宣言するため韓半島で関連当事国の会議を開くこと、南北縦断鉄道の京義線の?山と開城の間で貨物列車を運行することなどを盛り込んだ共同宣言「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」を発表しました。しかし、先の大統領選挙で保守系の李明博氏が当選し、今後、南北間の合意がどういった形で実現されていくのかに関心が寄せられています。

・10月に北京で開かれた北韓の核問題をめぐる6カ国協議で、北韓の核施設の無能力化とすべての核計画の申告を年内に行うことを盛り込んだ共同文書を採択しました。その後、アメリカの専門家チームが寧辺の核施設の無能力化作業を進めるなど、一定の進展がありましたが、すべての核計画の申告については、申告の具体的な対象をめぐって米朝間で交渉が難航し、さらに時間がかかる見通しです。

・農民団体を中心に反対の声も多かった韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定交渉が4月に妥結しました。韓国は工業製品を中心にアメリカへの輸出が増えるものと見られていますが、農業や医薬品、サービス分野は少なくない打撃を受けることが予想されています。しかし、両国ともに国会での批准の見通しは立っていません。

・12月18日に輸出3571億ドル、輸入3455億ドルを達成し、年間貿易額が7000億ドルを超えました。これで韓国の貿易規模は世界で11番目となりました。

・韓国は今年、スポーツの国際大会や国際博覧会を相次いで誘致しました。韓国の大邱が2011年の世界陸上選手権大会の開催地に決まり、2014年のアジア大会が韓国の仁川で、2012年の国際博覧会が韓国の麗水で開催されることが決まりました。

・韓国中部西海岸の忠清南道泰安郡沖で12月7日、大型タンカーとクレーンを積んだ荷船が衝突、タンカーから1万トン以上の原油が流出する韓国史上最悪の事故が起きました。流出した原油は風と潮の流れに乗って沿岸にまで漂着、養殖場が大きな被害を受け、海岸は油まみれになりました。海岸では今も警察や軍隊、ボランティアが原油を除去する作業を続けていますが、環境被害が心配されています。

・キリスト教の牧師をはじめとするボランティアグループの韓国人23人が7月23日、イラクで武装勢力のタリバンに拉致されました。韓国政府は人質解放に向けて交渉に乗り出しましたが、タリバンは人質解放の条件として、イラクの刑務所に収監された同僚の釈放やイラクに駐留している韓国軍の撤収を求め、交渉は難航しました。42日ぶりに人質は解放されましたが、23人のうち男性2人はすでに殺害された後でした。

・スポーツ界では彗星のように現れた2人の若手選手が注目を浴びました。女子フィギュアスケートのキム・ヨナ選手(17)は2007世界選手権大会で韓国選手としては初めて銅メダルを獲得、グランプリ・ファイナルでは1位になり、2連覇を成し遂げました。男子水泳のパク・テファン選手(18)は、3月の世界水泳選手権大会で、自由形400メートルで金メダル、8月の世界競泳2007インジャパンでも、自由形400メートルで金メダル獲得しました。

・科学技術部は11月、宇宙開発細部実践計画を発表しました。それによりますと、2020年には月軌道に衛星を乗せ、2025年には月に着陸船を送ることにしています。来年4月には韓国初の宇宙飛行士がロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗って国際宇宙ステーションに向かいます。

12月29日土曜日

・来年2月に韓国の新しい大統領に就任する李明博(イ・ミョンバク)氏が28日、大統領選挙で当選してから初めて盧武鉉大統領と会談し、政権の引継ぎなどで協力することを確認しました。李明博氏は28日夜、大統領府=青瓦台を訪れ、盧武鉉大統領と食事をともにしながら2時間あまり会談しました。青瓦台の発表によりますと、会談は終始、和気あいあいとした雰囲気で行われ、李明博氏は、盧武鉉政権がアメリカとのFTA=自由貿易協定を締結したことを高く評価し、FTAの国会での早期批准に向けて協力することで一致したということです。また国民の関心の高い教育、不動産価格の高騰などの内政問題についても意見を交換し、政権の引き継ぎが円滑に進むよう協力していくことを確認しました。この会談で北韓の核開発問題を含む外交問題については言及しなかったということです。

・与野党間の対立で成立が遅れていた来年度予算案が、28日夜、ようやく可決成立しました。国会は、28日、今年最後の本会議を開き、一般会計と特別会計を合わせて256兆1700億ウォンにのぼる1月1日からの来年度予算案を可決しました。これは当初、政府が提示した原案より1兆1400億ウォンあまり減額されたものの今年の予算より7.5%増えています。本会議に先立ち予算決算特別委員会は、来年度予算案の政府原案から南北協力基金の拠出金、社会福祉予算、教育予算などを減額する一方、社会間接資本や中小企業支援の予算は増額して議決しました。

・国会は28日の本会議で、イラクに駐留している韓国軍の派兵期間を来年末までさらに1年間延長する派兵延長同意案を賛成多数で可決しました。イラクへの派兵延長同意案については、ハンナラ党と民主党、国民中心党が賛成を決めたのに対して、第1党の大統合民主新党と民主労働党が反対する方針を示し、反対が過半数を超える構図となっていました。しかし27日の国防委員会で、大統合民主新党所属の議員が派兵延長同意案に賛成したのに続いて、28日の本会議でも大統合民主新党の一部議員が賛成に回り、同意案は在籍議員256人のうち賛成146、反対106、棄権6の賛成多数で可決されました。これによって派兵期間が今年末となっていたイラク駐留の韓国軍は、年内に600人が撤収し、残る650人は来年末に引き揚げることになりました。

・第二次世界大戦中に日本に強制徴用され京都府宇治市ウトロ地区に集団で暮らしている在日韓国人たちが、土地の所有者から強制立ち退きを迫られている問題で、韓国政府が土地買収などの費用として30億ウォンを援助することになりました。これは、28日、国会で可決成立した来年度予算に盛り込まれており、政府が海外同胞の生活支援として不動産の購入資金を援助するのは初めてです。

・韓国と日本の次官級による戦略対話が来年1月初めにソウルで開かれることになりました。韓国政府の当局者は28日、5回目の韓日次官級戦略対話を来月初めに開くことで、日本側と日程を調整していると明らかにしました。今度の戦略対話には、韓国から外交通商部の趙重杓(チョ・ジュンピョ)第1次官が、日本から外務省の谷内正太郎外務次官が出席して、2国間の関係改善策や北韓の問題を中心に意見を交換するものとみられます。韓日次官級戦略対話が開かれるのは、今年3月以来10カ月ぶりとなります。

・外交通商部は28日、パキスタンでブット元首相が暗殺され、情勢が不安定になっているため、パキスタンへの渡航を控えるよう国民に勧告しました。外交通商部は28日声明を発表し、「ブット元首相が27日暗殺されたことを受け、ブット氏の葬儀前後に暴力行為が続く恐れがある」と懸念を表明し、パキスタンへの不要不急の渡航を見合わせるよう国民に勧告しました。

・29日、韓国はソウルなどを中心に冬には珍しく黄砂に覆われて、注意報が出されました。気象庁によりますと、29日、中国大陸の東北部や内モンゴルで発生した濃い黄砂が北西の季節風に乗って韓半島を覆いました。このため気象庁は29日午前、西海岸沿いやソウル、京畿道など中部地方に黄砂注意報を出しました。韓国で12月に黄砂が発生したのは2001年以来7年ぶりです。

・「テレビを一人で見る」という人が年々増えて、3人に1人以上の割合になっていることがわかりました。これは韓国放送広告公社が全国の13歳から64歳までの男女6000人あまりを対象に調べた「消費者形態調査」でわかったものです。それによりますと、「テレビを1人で見る」と答えた人は、2000年には18.9%でしたが、2004年には29.1%、そして今年は35.6%に上昇し、3人に1人以上になり、韓国でも1人で行動する傾向が強くなってきていることがわかりました。好きなテレビ番組として、「ドラマ」を挙げた人は全体の39.1%を占めて相変わらず最も高く、次いで報道番組が28.6%、バラエティー番組16.6%などの順でした。一方、新聞について聞いたところ、1週間に1回以上新聞を読んでいる人は、全体の48.5%と、この統計をとり始めた1999年以来、初めて50%を割りました。ところで、この調査で、企業や商品の広告モデルとして最も好きな芸能人を挙げてもらったところ、時代劇「宮廷女官 チャングムの誓い」でお馴染みの女優、イ・ヨンエさんが3年連続トップを記録しました。2位は、女優のキム・テヒさん、3位は俳優のチャン・ドンゴンさんでした。

12月28日金曜日

・新しい大統領に決まった李明博(イ・ミョンパク)氏は28日、日本の経団連に当たる全経連=全国経済人連合会で主な企業グループの会長らと懇談し、新しい政権は企業が投資しやすい政権にするという考えを示しました。李明博氏が招待して行われたこの懇談会には、三星グループの李健熙(イ・コンヒ)会長をはじめ、現代起亜自動車グループ、SKグループ、LGグループの会長ら21人が出席しました。懇談会の冒頭、全経連のチョ・ソクレ会長は李明博氏に対して、規制緩和を通じて韓国企業が外国企業と対等に競争できるようにすること、違法なストライキに対して厳しく対処することなどを要請しました。これに対して李明博氏は「私も企業を経営した経験があるが、企業は収支が合わないところに投資はできない。雇用の創出は企業の投資によって増やすことができるので、政府は企業の投資を活性化させる雰囲気を作ることが何より重要だ」と述べて、来年2月に発足する新政権は企業が投資しやすい「ビジネス・フレンドリー」の政権にする考えを強調しました。また李明博氏は企業の労使関係について「これまでの労使紛争で企業が受けた被害が少なくないうえ、労使紛争が外国から韓国に対する投資を躊躇させる大きな要因にもなった。新政権は順法精神を基本とする新たな労使文化ともいえる関係を作っていくので、企業も協力してもらいたい」と要請しました。

・来年2月に発足する李明博政権の準備に当たる大統領職引き継ぎ委員会は27日、幹事団による会議で、政策として経済問題を中心に八つの重点課題を掲げました。それによりますと、次期政権が進める政策として、民生経済の回復、外国資本の誘致や国内投資の活性化、公共部門の改革、教育部門の改革、住宅価格の安定、不正腐敗の一掃、若年層の失業対策など、高齢者対策の八つの分野を重点課題にあげています。大統領職引き継ぎ委員会はまず、公共部門の改革の一環として来年1月半ばまでに政府組織をスリム化する案を作り、1月末には閣僚の人選を終えることにしています。

・西海を「平和の海」にしようという南北首脳会談の合意を受けて、どのように履行するかを話し合う、平和協力特別地帯推進委員会の1回目の会議が、28日から北韓の開城で始まりました。 29日までの2日間の日程で開かれるこの会議では、▼北韓の海州(ヘジュ)に経済特区を建設する▼海州港の開発と利用▼漢江河口の共同利用▼西海に共同漁業区域を設定するなど、平和協力特別地帯の設置について話し合われます。NLL=北方境界線をめぐる対立が続く西海を「平和の海」にしようという西海平和協力特別地帯については、10月に行われた南北首脳会談で合意された後、先月の首相会談で推進委員会を作って話し合いを進めることになっていました。推進委員会の委員長は、韓国側は大統領府=青瓦台の白鍾天(ペク・ジョンチョン)統一外交安保政策室長、北韓側は朴松男(パク・ソンナム)国土環境保護相と、閣僚級が務めています。

・韓国と北韓は、今月25日から28日まで釜山で、経済協力推進委員会に設置された、造船と海運協力分科会の1回目の会議を開き、北韓の西海岸の南浦(ナムポ)と東海岸の安邊(アンビョン)に建設することになっている造船協力団地に対する投資を促すため、環境の改善策などについて話し合いましたが、合意には至りませんでした。

・パキスタンのブット元首相が暗殺されたことについて、政府はテロ行為は許せないとする声明を出しました。声明の中で政府は「テロ行為はどんなものでも許されないことで、糾弾する。ブット元首相の暗殺事件に衝撃を禁じえず、犠牲となった方々とその遺族に心から哀悼の意を表する。パキスタンが平和的な方法で早く安定を取り戻すことを期待する」としています。

・11月の経常収支が17億5000万ドルの黒字となりました。韓国銀行が28日に発表した11月の国際収支の動向によりますと、11月の経常収支は17億5000万ドルの黒字で、前の月に比べて7億1000万ドル減少しています。これで、今年に入ってから11月までの経常収支の黒字は累計で70億2000万ドルとなり、通貨危機直後の1998年から今年まで10年間連続で黒字になるのは確実となりました。

・最近、経済成長が著しい中国やインドなどの株式市場が、来年は下降曲線を描くことが予想されるものの、新政権が発足する韓国は上昇する可能性が高いとアメリカのウォールストリートジャーナルが27日報じました。それによりますと、新興経済圏の中国やインドの株式市場は5年連続で好況が続いたものの、この基調が来年も続くことは期待できず、多くの開発途上国では国内でのインフレーションがひびくとしています。一方、韓国については、政権が企業寄りのハンナラ党に交代し、次期大統領に決まった李明博(イ・ミョンパク)氏は韓国の経済成長率を7%に回復させるという公約を掲げているとして、株式市場が低迷するよりは上昇する可能性が高いという予想を出しています。

・京畿道と仁川の2400万人を対象とする地上波の民間放送OBS・京仁TVが28日開局しました。OBSは仁川と金浦、富川など京畿道の2400万人、880万世帯を視聴エリアに、28日午前11時からアナログTVでは21番、デジタルTVでは36番のチャンネルで放送を始めました。京畿道にはiTVが地域の民放としてテレビとラジオの放送を行っていましたが、2004年に公共性が足りないことや大株主の経営改善努力が足りないことを理由に3年ごとに放送の再許可を審査する政府の放送委員会から再許可を得られず、首都圏での地域民放による放送は中断していました。OBSはそのiTVの関係者が中心になって再び首都圏を対象にはじめた民間放送局で、来年2月にはケーブルテレビを通じてソウルも視聴エリアにする計画を示しています。

・救世軍は、歳末助け合いの社会鍋募金キャンペーンを大晦日の今月31日まで清渓川などソウル市内で続けると28日発表しました。今年の社会鍋募金キャンペーンは初めて目標額を満たせなかったため、24日夜に締め切る予定を1日延ばしていました。これについて救世軍は「25日までの募金額は31億200万ウォンで、今年の目標額31億ウォンを達成した」としていますが、「西海岸で起きた原油流出事故による被害地域への支援に当てるため、募金活動を大晦日までソウル市内で続ける」と述べました。

・今年のソウルの平均の最低気温が、気象庁が観測を始めた1908年以来もっとも高かったことがわかりました。気象庁がまとめたところによりますと、今年1月1日から12月25日までのソウルの最低気温は平均9度9分で、平年より1度7分高く、1908年以来最も高かった1998年と同じ気温を記録しました。全国的にも最低気温は、統計を取り始めて以来2番目の高さで、韓半島全体で最低気温の上昇幅が大きくなっています。これは地球温暖化の影響と分析されており、このような気候の変化は、産業や農業、生態系など、韓国の社会や経済、国民の暮らしに影響するものと見られます。

12月27日木曜日

・北韓は、6カ国協議で合意した関係国による経済的支援が遅れていることを理由に、寧辺(ヨンビョン)にある核施設の無能力化作業の速度を落とす意向を示しました。韓国と北韓、中国は25日から平壌で3カ国による実務者協議を開き、北韓が核施設を無能力化する見返りとして関係国が支援することになっている重油50万トンに相当する設備や資材の提供について協議していました。この協議に臨んでいた北韓外務省のヒョン・ハクポン副局長は26日、会議の後、記者団に対して、「6カ国協議の参加国による経済的な補償措置が遅れているため、行動対行動の原則に従ってやむを得ず無能力化作業の速度を調整することにした」と述べ、無能力化作業を遅らせる考えを明らかにしました。北韓の核問題をめぐる6カ国協議は、10月の協議で、北韓が核施設を無能力化する見返りとして、日本を除いた4カ国が北韓に重油45万トンと50万トン相当の設備や資材を提供することで合意し、設備や資材の1次分を韓国と中国が支援することにしていました。

・北韓は、核兵器の原料となるプルトニウムを30キロほど製造したことをアメリカに説明したと、東京新聞が27日、北京発で報道しました。それによりますと、6カ国協議の北韓首席代表の金桂冠外務次官が、今月初めに平壌を訪れたアメリカ首席代表のヒル国務次官補に、核兵器の原料となるプルトニウムのこれまでの製造量について、30キロ程度だと数値を示して説明したということです。アメリカは、北韓が50キロ以上のプルトニウムを製造していると推定していますが、北韓が示した製造量はそれよりはるかに少ない量です。核兵器一個を製造するには、4キロから6キロのプルトニウムが必要とされていることから、北韓は少なくとも5個以上の核兵器を製造できる能力を持っていることになります。

・盧武鉉大統領が、次期大統領の李明博氏と大統領選挙の後初めて28日、大統領府・青瓦台で晩餐をともにしながら会談すると、青瓦台のチョン・ホソンスポークスマンが明らかにしました。会談では、特に議題を決めずに盧武鉉政権から李明博政への引継ぎを含む国政全般についてざっくばらんに意見を交わすことにしているということです。会談には、双方の秘書室長とスポークスマンが同席します。これに先立って、李明博氏は株価操作事件と自らの関連性を捜査するための特別検事法が盧武鉉大統領が拒否権を行使しないまま、26日の閣議で議決されたことについて、李明博氏は、「特別検事による捜査に協力してできるだけ早く結論が出るようにし、国政が混乱したり国民が不安を感じたりしないようにしなければならない」と、側近に語ったということです。

・次期大統領の李明博(イ・ミョンパク)氏をめぐる株価操作疑惑を捜査するための特別検事法が26日、閣議で決まったのを受けて、大法院長は、盧武鉉大統領に推薦する特別検事の候補選びに着手しました。この疑惑は、韓国の投資顧問会社の元代表が、株価を操作して投資家に損失を与えたうえ、預かっていた資金およそ500億ウォン、日本円で46億円を横領した疑いで起訴された事件に李明博氏が深く関っていたのではないかというもので、検察は今月5日、李明博氏に対して嫌疑はないとして不起訴処分しました。これに対して大統合民主新党を中心とする各政党が不満を表し、李明博氏の疑惑を解明するには特別検事による捜査が避けられないとして国会で特別検事を導入する法案を可決しました。特別検事による捜査の争点は、▼李明博氏が、この事件で起訴されたキム・キョンジュン被告と投資顧問会社の共同経営者であったか ▼李明博氏が兄や義弟が代表を務める別の投資顧問会社とどう関り、またソウル市江南区にある土地の所有者ではないかという疑惑 ▼さらにキム・キョンジュン被告の刑を軽くするよう検察と裏取引をしたかどうかの疑惑などです。特別検事の捜査期間は最大で40日と限られているため、捜査チームは、これまでで最も多い100人を超えるメンバーで作られることになりました。

・今回の大統領選挙で野党ハンナラ党に大差で敗れた旧与党系の大統合民主新党の当選1回の若手議員19人で作る党刷新委員会は、選挙の敗因を分析するとともに、来年4月の総選挙に向けて、党指導部の全面入れ替えを要求するなど今後の党のあり方について協議を続けています。会議で、党刷新委員会の委員長は、「来年4月の総選挙では、今の議席数の半数におよぶ60人から70人程度の議員を入れ替えなければならない。そうしてこそ初めて国民から信頼と支持を得られる」と述べ、党の体質を変えるため盧武鉉政権で国務総理を務めた李海チャン議員や、韓明淑議員、鄭東泳元議長ら指導部の辞任を要求しました。さらに一部の若手議員は、党を解散させて、来年の総選挙に無所属で出馬することも検討する構えを示しており、大統合民主新党は、党分裂の危機に立たされています。

・来年は新政権がスタートしますが、経済関係の機関や団体は原油高や世界的な金融不安などで、来年の経済成長率は低めの上昇にとどまるものと予測しています。金融監督院が出した来年の経済成長率の見通しは4.8%で、当初予測した5.1%を下方修正しています。

・韓国で史上最悪となった原油流出事故で被害を受けた忠清南道泰安郡など六つの地域では現在、水産物の漁獲や出荷は行われていないため、これらの地域で流通している水産物は別の海で取れたもので、安全であることが確認されました。

・韓国の三星電子は27日、日本のシャープがLCD=液晶ディスプレイ関連の特許を侵害したため、アメリカのデラウェア州の連邦裁判所に逆提訴し、アメリカの国際貿易委員会にもこの問題を調査するよう提訴したと発表しました。

・韓国はアメリカ製の武器を1999年から2006年までの8年間に、5番目に多く購入していることが分かりました。アメリカ議会調査局が26日、発表した「1999年から2006年までのアメリカの武器販売報告書」によりますと、この期間中に韓国は、合わせて56億ドル相当のアメリカ製武器を購入し、世界で5番目の輸入国となっています。最も多く購入した国は133億ドルのサウジアラビアで、次は台湾99億ドル、エジプト96億ドル、イスラエル85億ドルの順となっており、日本は37億ドルで7番目でした。

・アメリカ政府が、北韓を脱出したいわゆる脱北者のために作成した定着案内書によりますと、アメリカに亡命した脱北者は1年後には永住権を、5年後には市民権を取得することができます。案内書には脱北者がアメリカに定着するために必要な、住居や就職、医療サービス、教育などに関する多様な情報がハングルで書かれています。関心を引くのは脱北者の権利と義務についてで、亡命から1年後に永住権を取得することができ、海外旅行や、希望すれば軍に入隊することもできるようになります。5年後には市民権を取得することができ、この時点から投票権が与えられるほか、公職に就くこともできるようになります。

・救世軍による募金が今年初めて目標額に満たず、期間が一日延長されましたが、名前を明かさない巨額の募金が今年も全州で報告され、全州広域市では2000年から8年間に、いわゆる「名前を明かさない天使」による募金は、合わせて5400万ウォンに上りました。

・通信最大手のKTがプロ野球の球団を設立することになりました。韓国野球委員会は27日、財政難で売却が検討されてきた現代ユニコーンズを解散し、KTが新しい球団を設立する形でリーグに加わることになったと発表しました。現代ユニコーンズは1996年に設立されましたが、財政難が続き、売却が進められたものの、買い手が見つかりませんでした。KTはすでに球団設立の準備に取り掛かっており、来年1月半ばに正式に新しい球団を立ち上げることにしています。現代のホームグラウンドは首都圏の水原でしたが、KTのホームグラウンドはソウルになる見通しです。

12月26日水曜日

・政府は26日の閣議で、次の大統領に決まったハンナラ党の李明博(イ・ミョンパク)氏をめぐる株価操作疑惑を特別検事が捜査する法律を議決しました。この法律は、投資顧問会社BBKが株価操作をした際に李明博氏が関与したかどうかを明らかにするために特別検事を任命するもので、ハンナラ党はこの法律に対して盧武鉉大統領が拒否権を行使するよう求めていますが、大統領府、青瓦台は取りやめる理由はないとしてきました。このため特別検事法は、盧武鉉大統領の裁可を受けて官報に掲載されれば、効力が発生します。そして盧武鉉大統領が大法院長が推薦した特別検事の候補2人のうち1人を任命すれば、特別検事は10日間の準備期間を経て、最長で40日間、株価操作疑惑について捜査することになり、特別検事による捜査は李明博氏が新しい大統領に就任する来年2月25日以前に終了する見通しです。一方、国会議員を2期つとめた弁護士のチャン・ソクファ氏は26日、李明博氏をめぐる特別検事法は憲法に違反するとして、憲法裁判所に違憲かどうかの判断と、この法律の効力停止を求める仮処分を申請しました。

・韓国の新しい大統領に決まった李明博(イ・ミョンパク)氏は、26日、大統領職引継ぎ委員会の委員長に任命した李慶淑(イ・キョンスク)淑明女子大学総長と初めて会談し、大統領職引継ぎ委員会の活動について「大きな課題は国民の暮らしと教育問題だ」という考えを示しました。李明博氏はさらに「国民の期待は非常に大きいが、すべてが一度に達成できるものではない。国民に少し辛抱してもらって、一つずつやっていきたい」と述べました。李明博氏はまた「私は明日から企業関係者と会って投資を中心に話し合いたい。政権交代が決まったので、韓国への投資に何がネックであるかを確認し、そのネックを解消して投資を活性化させ、雇用の創出につなげたい」と強調しました。

・土地や建物、地下資源など、金融資産を除く韓国の資産、いわゆる国富がこの10年間、倍増したことが分かりました。統計庁が26日まとめた国富統計によりますと、去年末現在、韓国の国富の規模は6035兆ウォン、日本円でおよそ755兆円で、10年前に比べて1.9倍になりました。このうち土地資産が3053兆ウォンと全体の半分を超える50.6%で、住宅を含む建物と機械装備など有形固定資産が40.4%でした。また土地の場合、2002年以降、公示価格の上昇で97年に比べて倍増し、面積が国土の0.6%に過ぎないソウルの土地資産が全体の32%を占めています。

・韓国で死刑が執行されないで10年目を迎える今月30日に、事実上の死刑廃止国になる記念行事が国会議事堂の前で行われます。国際アムネスティーは、死刑制度を認めている国のうち、死刑の執行が10年以上行われていない国を「事実上の死刑廃止国」に分類しています。韓国では1997年12月30日に死刑が執行されてから、金大中政権と盧武鉉政権の10年間、死刑が執行されていません。死刑制度については1988年に死刑制度は憲法に違反するという訴えが出され、1995年に憲法裁判所が合憲という判断を出したものの、死刑制度の存続について論議する必要があるとしていました。そして2004年には与野党議員175人の発議で死刑制度廃止特別法案が国会に提出されたうえに、国家人権委員会もおととし、死刑制度の廃止を政府に公式に勧告するなど、死刑制度の廃止に向けた動きが強まっています。現在、死刑の宣告を受けて収監されている死刑囚は64人おり、国際アムネスティー韓国支部や宗教団体などが主催する30日の記念行事では64人の死刑囚を象徴する64羽の鳩を空に飛ばすことにしています。

・化学薬品を積んだ運搬船「イースタンブライト号」(1300トン)が25日の早朝、全羅南道麗水市の沖合で沈没し、乗組員15人のうち1人が救助されましたが、残る14人は行方不明になっています。この運搬船は午前4時20分ごろに非常事態を知らせる信号を発信した後、連絡が途絶えました。海洋警察と海軍は現場付近に艦艇やヘリコプターを出して、捜索活動を進め、午前9時ごろ、ミャンマー人の乗組員1人を救助しましたが、船長を含む韓国人の乗組員12人とミャンマー人の乗組員2人の合わせて14人の行方が分かっていません。救出された乗組員によりますと、眠っているときに船体が大きく揺れ、甲板に出て見るとすでに船体が40度近く傾いた状態で、船はおよそ10分後に沈没したということです。海洋警察によりますと、船が沈没した海域は波が高く、捜索活動が難しい状況だと言うことです。この運搬船には、硝酸2000トンあまりを積んでいたころから、海洋警察が沈没した海域の付近についても調べていますが、硝酸が流出した形跡は見つかっていません。

・野草からインフルエンザの薬ができるようになる見通しです。韓国生命工学研究院のクォン・ドゥハン博士の研究チームは、韓半島に自生するドクダミなどの野草からインフルエンザのウイルスの増殖を抑制するフラボノイド物質を分離することに成功しました。フラボノイド物質はすべての疾病の原因となる体内の酸化を抑制することで注目されていますが、このほど分離に成功した物質は、多様なインフルエンザのウイルスに効果があり、SARSや鳥インフルエンザのような新しい形のウイルスによる疾病の治療にも活用できるものと期待されています。研究チームはこの物質についての特許を出願し、製薬会社と新薬の開発に取り掛かりました。

・結婚した後、マイホームを手にするまでかかる期間は、平均9.4年で、去年に比べて1年以上長くなり、マイホームの夢はさらに遠くなっていることが分かりました。韓国の最大手銀行の国民銀行の研究所が全国19の都市に住む20歳以上の国民2000人を対象に調べたところによりますと、結婚してからマイホームを購入するまでにかかった期間は平均9.4年で、去年の8.2年に比べて1.2年長くなりました。また住宅購入価格はこの3年間の平均で2億3599万ウォン、日本円にしておよそ3000万円で、住宅を購入した人の60%は銀行など金融機関からのローンを受けています。金融機関からのローンは平均8400万ウォンで、毎月の返済額は所得の15%にあたる55万ウォンでした。

・ 高速道路での無人料金徴収システムの「ハイパス」、日本ではETCによる通行料の割引期間が来年末までに1年延長されることになりました。ハイパスは、特定の端末機を取り付けた車が高速道路を走行する際、料金所で停車せずに時速30キロ以下で走行しながら料金所に設置した読み取り機で料金が自動的に算定され、利用者が指定した銀行口座から引き落とされるシステムで、人がいる料金所に比べてほぼ4倍の効率が確認されており、料金所付近の停滞が緩和されるなどのメリットもあります。建設交通部は、この「ハイパス」を2000年にソウルの外郭循環道路で試験的に実施した後、今月20日から全国すべての高速道路の料金所で実施するとともに、ハイパスの利用を広げるため料金の5%を割引しています。現在、ハイパスを利用している車は、高速道路を利用する車の15%にあたるおよそ52万台で、建設交通部はハイパスの割引期間を来年末までにさらに1年延長して、ハイパスの普及をはかることにしています。

・この年末年始を海外で過ごそうとする旅行客が増えて、東南アジアなど短距離路線の航空券がほとんど完売状態となっています。韓国の大手旅行代理店の「ハナ・ツアー」のまとめによりますと、今年の12月に海外旅行を予約した人は12万人と、去年の12月に比べて27%増えています。海外旅行客の行き先は、東南アジアが5万1300人で、去年より17%増えて最も多く、次いで中国が2万5700人と70%増え、日本は2万2200人と35%増加しています。海外旅行を予約した人のほとんどは休養地であるタイのプーケット島やフィリピンのセブ島、中国の海南島、日本の九州や北海道を訪れる家族連れで、未婚の人や友人同士は香港、シンガポール、大阪、北京、上海を好むということです。大韓航空によりますと、今月25日から来年1月2日までの各路線の予約率は、仁川−シンガポールが98%で、仁川−バンコクが97%、仁川−香港96%、仁川−大阪82%などで、年末年始の東南アジアと中国、日本行きのチケットは、事実上、購入ができなくなっているということです。

12月25日火曜日

・盧武鉉政権から李明博政権への引き継ぎ作業を行う大統領職引継ぎ委員会の委員長にソウルの淑明女子大学の李慶淑(イ・キョンスク)総長(64)が決まりました。李慶淑総長は、1981年から4年間、第11代国会議員や、南北赤十字会談の諮問委員などを務め、1994年からは、淑明女子大学の教授による直接選挙で任期4年の総長に4回連続で選ばれています。大統領職引継ぎ委員会の委員長に女性が選ばれたのは、李慶淑総長が初めてです。また副委員長には、4回当選の金炯オ(キム・ヒョンオ、60歳)ハンナラ党議員に決まりました。新しい政権が向こう5年間進める国政運営の基礎を作る大統領職引継ぎ委員会は、委員長と、副委員長の下に分科会が、企画をはじめ、政務、経済1、経済2、外交・安保・統一、社会・文化・福祉・教育、司法・行政の7つ設置され、さらに国家競争力強化特別委員会を合わせて7分科会・1特別委員会となります。これらの業務の担当者は、盧武鉉政権のときより少ない200人以下になるということです。また大統領職引継ぎ委員会のスポークスマンには、東亜日報の東京特派員を経て、論説委員を務めた李東官(イ・ドンクァン、50歳)氏が、李明博氏個人のスポークスマンには、判事出身で第17代国会議員の朱豪英(チュ・ホヨン、48歳)氏が決まりました。

・次期大統領の李明博(イ・ミョンバク)氏は、24日、ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)代表と会談し、来年2月に新政権が発足した後も、党と大統領府・青瓦台が緊密に協力していくことが重要だということで認識が一致しました。李明博氏と、姜在渉代表との会談は、大統領選挙の後、初めて開かれたもので、大統領職引継ぎ委員会と李明博氏が臨時の執務室として使うことにしている青瓦台付近の金融監督研修院で行われました。この席で李明博氏は、党と大統領府・青瓦台の関係について、「ハンナラ党の党規則に沿って双方の関係を作っていくことが望ましいと思う」として、青瓦台と党の役割を分離することを定めた党の憲章や規則を改正する考えがないことを明らかにしました。

・北韓が核施設を無能力化する見返りとして6カ国協議の関係国が重油50万トン相当の設備や資材を支援するための協議が、25日から3日間、平壌で、韓国と北韓、中国の実務者によって行われています。3カ国の協議は、平壌で初めて開かれたもので、韓国に続いて中国が1次分として提供することにしている設備や資材の内容や時期について論議しています。6か国協議は今年10月の合意で、北韓が年末までに寧辺(ヨンビョン)にある3つの核施設を使えなくする無能力化と、すべての核計画の申告を行う見返りとして、北韓を除く5カ国が、重油45万トンと、50万トン相当のエネルギー関連設備や資材を提供することになっています。これに基づいて韓国はすでに今月16日、鉄鋼材5010トンを北韓に送っています。

・北韓を脱出し中国で身柄を保護されていた2人が、最近北京駐在の国連難民高等弁務官事務所を通じて初めてアメリカに亡命したことが24日、確認されました。中国政府はこれまで脱北者を難民として認めず国連機関との接触を妨害してきましたが、今回の場合は、中国が初めて脱北者を難民と認めたことになり、注目されています。国連の関係者が24日、明らかにしたところによりますと、北京駐在の国連難民高等弁務官事務所が身柄を保護していた脱北者のうち、20代の男性と30代の女性が先週、北京を発って23日アメリカに到着しました。この2人には北京のアメリカ大使館の職員が同行したということです。これについて外交専門家は、来年8月に開催される北京オリンピックを前に、中国政府が、脱北者の人権問題に対する国際社会の批判的な世論を意識したのではないかとみています。このため、すでにアメリカ大使館や中国公安当局との面談を終え北京の国連難民高等弁務官事務所でアメリカ行きを待っている脱北者12人も、早ければ年内に全員が、アメリカに亡命するものとみられています。

・韓国の企業などによる共同事業体がイラクで進めている油田開発事業に関連して、イラクからの原油の輸入が中断する恐れが出ています。産業資源部と韓国石油公社が24日、明らかにしたところによりますと、イラク政府は最近、自国の中央政府の許可を得ずに韓国の石油公社やSKエネルギーなどによるコンソーシアム=共同事業体がクルド地域で進めている油田開発事業を継続する場合、原油の輸出を中断するという立場を伝えてきたということです。問題となったのは、クルド地域のバジアン陸上探査鉱区で、韓国側は、先月10日、クルド自治政府との間で、この鉱区での生産物の分配契約を締結しており、来年1月に現地事務所を開設して、2010年までに物理探査とボーリングを行う計画で準備を進めています。この探査鉱区には、およそ5億バレルの原油が埋蔵されていると予想されています。韓国がイラクから輸入した原油は、今年に入って10月末までに合わせて3712万バレルで、海外からの輸入原油量の5.2%を占めて、6番目の輸入国となっています。こうしたことから産業資源部や石油公社などは、24日から対策会議を開いて対応を協議しています。

・ソウルは、25日、晴れの穏やかなクリスマスの日を迎えました。韓国ではクリスマスは国民の祝日で、信者は教会を訪れたり、家族と一緒に休日を楽しんだりしています。カトリックの総本山、ソウル中心部にある明洞聖堂では24日深夜に1000人あまりの信者が集まってクリスマスのミサが行われました。チョン・ジンソク枢機卿は、「反目と妬み、葛藤と紛争が止んで、愛と平和、慈悲と許しが世界中に満ち溢れることを心から祈ります」と述べて、聖なる愛の精神を持つことを祈るメッセージを伝えました。

・救世軍による歳末助け合いの社会鍋募金キャンペーンが目標額を達成できず、韓国で社会鍋の募金が始まった1928年以来初めて期間を一日延長することになりました。救世軍は、今年の募金目標額を去年より1億ウォン多い31億ウォンと決め、全国各地に400あまりの社会鍋を設けて12月1日から募金活動を繰り広げてきました。当初は、クリスマスイブの24日に募金を締め切る式典を行う計画でしたが、23日までの募金額が目標額31億ウォンにやや満たない30億8000万ウォンに止まったため、期間を募金を25日まで一日延長することにしました。救世軍による社会鍋の募金が目標額を満たせなかったのは、韓国で救世軍の募金が始まった1928年以来、初めてのことです。

・大学入試のための日本でいう予備校に当たる学院の売り上げが、この5年間て2倍以上に増えたことが分かりました。統計庁が25日まとめた報告書によりますと、大学入試のための学院の数は、この5年間で84%増加し、学院の売り上げはおよそ2.3倍に増えました。これは、今の大学入試制度が、高校での内申の成績より、日本のセンター試験に当たる「修学能力試験」を重視しているためで、修学能力試験では学校の授業内容を越える総合的な思考力が求められるため、学院で学ぶことが必要となっているからです。

・韓国のサラリーマンは、新年の目標として「自己開発」を最も多く挙げていることが分かりました。就職ポータルサイトの「インクルート」が世論調査会社に依頼して会社員2015人に「新年の目標は何か」についてアンケート調査したところ、「自己開発」という回答が24.4%で最も多く、次は、「昇進と昇給」が20.8%、「財テク」が18.5%でした。

・来年の1月と2月は全国的に平年より気温が高く、西海岸地方と東部の江原道山間部では地形的な影響で大雪が降ることがある見込みです。気象庁が24日発表した来年1月と2月の長期予報によりますと、この期間は寒気を伴った大陸からの高気圧が勢力を広げられないため全国的に平年より気温が高くなり厳しい寒さは訪れないだろうということです。

12月24日月曜日

・次期大統領の李明博氏は、有事の際の戦時作戦統制権を2014年にアメリカ軍から韓国軍に返還する問題について、アメリカとさらに交渉を続けていく方針を表明しました。李明博氏の側近は24日、「2012年まで韓半島の非核化が実現されなければ、戦時作戦統制権の返還も先送りされるしかない。アメリカによる戦時作戦統制権の返還には核のない韓半島という条件が満たされる必要がある」と述べました。また、「重要な軍事分野の情報を依然アメリカに依存している状況の下で、戦時作戦統制権が返還される場合、韓国軍独自の作戦遂行能力に支障が出ることが心配される」として、「いろいろな条件を十分考慮して、その時期を再検討する必要がある」と述べました。李明博次期大統領は就任後すぐにこの問題でアメリカと交渉を始めるのではなく、北韓の核問題や韓半島周辺情勢の変化を十分考慮し、2010年以降に交渉を始める方針だということです。

・次期大統領に当選した李明博氏は24日、クリスマスに因んで国民に向けた談話を発表し、「国民には希望を、社会には平和を、国には誇りをもたらすようにしたい」と述べました。李明博氏は、「クリスマスは、低いところに指す愛と救援の光で、絶望に陥った人々に真の愛を伝える日だ」とした上で、「国民の願いに沿って和合の道に進むつもりだ。互いに愛し合える社会、国民が希望する前向きな変化を作り上げたい」と述べ、クリスマスを祝いました。

・ブッシュ大統領が20日李明博氏と行った電話会談で、就任後早い時期にアメリカを訪問するよう招待したことを受けて、アメリカ政府は、会談場所を「キャンプデービッド」にする案を検討していることが分かりました。連合ニュースが、ワシントンの消息筋の言葉を引用して23日、伝えたところによりますと、アメリカ政府は、韓国国内の政治日程と、ブッシュ大統領の日本や中国訪問の日程を考慮した場合、李明博氏のアメリカ訪問は、来年の3月頃になるものと予想しているということです。またブッシュ大統領が、来年7月に日本で開かれるG8サミット=主要先進国首脳会談や8月に開催される北京オリンピックに出席する際に、韓国を訪問することも検討しているということです。また次期大統領に当選した李明博氏との初めての首脳会談は、50年以上続いた韓国との同盟関係に配慮して、ホワイトハウスではなく、アメリカ大統領の別荘であるキャンプデービッドで開催する案が国防総省や国務省の関係者から出されたということです。

・6カ国協議の北韓の首席代表を務める金桂冠外務次官が、核計画を申告する対象に濃縮ウランは含めないという考えを示し、関心が寄せられています。東京新聞が報じたところによりますと、金桂冠外務次官は、今月17日に平壌を訪問した中国の武大偉外務次官に対して、核計画の申告を年内に行う用意はあるが、濃縮ウランの核開発疑惑については適切な時期が来れば説明すると語ったということです。アメリカは北韓に対して高濃縮ウランも含めてすべての核計画についての申告を求めていますが、北韓は申告の対象を核兵器の原料に転用できるプルトニウムに限定する考えを示しており、すべての核計画の年内申告は不透明な状況です。

・国連難民高等弁務官事務所によりますと、北韓を脱出した住民と名乗って、イギリス政府に難民申請を行ったケースが今年一年間で245人に達しました。自由アジア放送が24日、伝えたところによりますと、イギリスに亡命を申請した北韓の国籍を持った人は、1月に20人、2月に5人、3月に10人、4月は30人と増え続け、8月には50人に達したということです。国連難民高等弁務官事務所ジュネーブ本部のジェニファー・パゴニス報道官は、「この統計は、亡命を申請した人が自分を北韓出身だと名乗ったケースを総合したもので、全員が本当の北韓からの脱出者かどうかについては、イギリス政府が慎重に見極めることになる」としています。

・韓国証券市場の今年の株価上昇率が、世界で8番目であることが分かりました。証券先物取引所がまとめた「今年の世界証券市場の動向」によりますと、総合株価指数は去年より26.58%上昇し、調査対象国43カ国の44の取り引き所のうち、8位でした。また店頭市場のコスダック指数は、去年より15.6%上昇し、16番目でした。今年、株価上昇率で1位になったのは88.51%上昇した中国で、次は47.21%のインドネシア、3位は38.99%のインド、4位は38.77%のブラジル、5位は37.66%のトルコでした。

・韓国と日本の音楽著作権協会が、音楽コンテンツの使用にともなう手続き代行契約を締結し、互いの国の音楽を利用しやすい環境が整うことになりました。NHKが報じたところによりますと、韓国音楽著作権協会と日本音楽著作権協会はこのほど、相互の音楽コンテンツを使用するための手続きを代行する契約を締結しました。これで、来年1月からは両国の音楽著作権協会を通じて、韓国の音楽19万曲と日本の音楽110万曲を簡単に使用することができるようになります。こうした契約が締結されたのは、日本での韓流ブームや韓国での日本文化開放によって、両国の放送やカラオケなどでそれぞれの国の音楽の使用が増えているためです。

・韓国に乗り入れている中国など外国の航空会社は来年、韓国人客室乗務員をこれまでで最大規模の700人あまりを採用する予定です。業界の関係者によりますと、アラブ首長国連邦のエミレーツ航空は韓国人の客室乗務員を今年100人採用したのに次いで、来年は150人あまりを採用する予定で、カタールのカタール航空は今年80人を採用し、来年は100人あまりに増やす予定です。また、今年150人を採用した中国の東方航空は、来年は180人あまりを採用することにしています。このように外国の航空会社が韓国人客室乗務員の採用を増やしているのは、韓国人乗務員の能力が優れている上、最近、航空業界で需要が急増しているためだということです。

・韓国は青年の雇用率が、OECD=経済協力開発機構の加盟国の平均を大きく下回っていることが分かりました。OECDが24日発表した「韓国の青年の雇用に関する報告書」によりますと、韓国の青年の雇用率は去年は27%で、OECD加盟国平均の43%を16ポイント下回っています。一方、韓国の青年の失業率は10%と、OECD平均の14.7%よりは低いものの、韓国で通貨危機が起きた1997年暮れ以前の6%ないし8%に、比べると高くなっています。また15歳から24歳までの、就職せず職探しもしないいわゆる「ニート族」の割合は、韓国の場合、OECD加盟国の平均に近い反面、15歳から29歳までの「ニート族」の割合は17%と、OECD加盟国の平均を上回っています。このように韓国で15歳から29歳までの「ニート族」の割合が高いのは、兵役の義務があるため、職に就く青年の年齢が高くなっているうえ、大学に進学したり、大学を卒業した後も就職しない青年が増えているためだと、この報告書は分析しています

・大学の教員を対象にした新聞、教授新聞が今年を象徴する四字熟語に「自欺欺人」を選びました。教授新聞は、全国の大学教授や学会の代表ら340人を対象に今年を象徴する四字熟語を募集していました。「自欺欺人」というのは、中国の儒学者、朱子の語録に登場する自分を偽り、他人をも騙すという意味の熟語です。これは、自分自身も信じない言葉や行動で他人まで騙し、道徳不感症となっている今年の韓国の世相を風刺しています。

・韓国の女子サッカー代表チームは、FIFA=国際サッカー連盟のランキングが25位で、今年を締めくくることになりました。FIFA=国際サッカー連盟が23日発表した12月のランキングによりますと、韓国の女子サッカー代表は1,710点で、3か月前と順位の変動はありません。1位は、女子ワールドカップで優勝したドイツが占め、アメリカが2位、そしてスウェーデンがブラジルを抑えて3位になりました。アジアでは6位の北韓がトップで、日本、オーストラリア、中国が11位から13位までを占めました。女子サッカーのランキングは、3カ月に一度、年に4回発表されます。

12月22日土曜日

・次期大統領に決まった李明博氏は、主な公約である、ソウルから釜山までをつなぐ「韓半島大運河」の建設を実現するため、関連特別法案を来年の国会に上程することになりました。ハンナラ党内の韓半島大運河委員会が21日発表したところによりますと、水道法や河川法、環境関連法などの関連法では、50トン以上の船舶が河川を運航することができない上、河川の管轄管理権は地方自治体にあるため、現在の法律のもとでは韓半島大運河の建設は難しく、特別法案を上程することにしたということです。李明博氏は、民間資本などを導入して1年間の準備期間を経て、韓半島大運河をさ来年2009年2月に着工し、3年後の2012年に完成させることにしています。このため、これから設置する大統領職引継ぎ委員会に、韓半島運河特別チームを作り、大統領就任後に担当する組織を大統領府直属または建設交通部に所属させて設けるものとみられます。

・12月19日の大統領選挙で当選した李明博氏は21日、朴明在(パク・ミョンジェ)行政自治部長官から、政府の大統領職引継ぎのための準備について報告を受けました。
李明博氏はこの席で、次期大統領としての権限、大統領職引き継ぎ委員会の構成や予算などについて説明を聞きました。
李明博氏は朴明在長官に対して、大統領職引き継ぎ委員会はできるだけ実務に明るい人で構成されるのが望ましいとした上で、政権の引継ぎ作業が円滑に進められるよう協力を要請しました。
李明博氏は、大統領職引き継ぎ委員会の委員長に、経済に明るく、官僚の経験がある人を考えており、遅くとも26日までに人選を発表する予定だということです。
李明博氏は来年2月に就任するまで、政府の各部署の政策や主な懸案などを把握するとともに、任期中に進めていく各種の政策の優先順位などについても検討することにしています。

・日本の福田首相は、来年7月に日本の北海道で開かれるG8サミット=主要先進国首脳会議に、韓国の次期大統領に当選した李明博(イ・ミョンバク)氏を招待することを検討していると、読売新聞が21日、伝えました。それによりますと、福田首相は21日、首相官邸で表敬訪問した韓日・日韓協力委員会の韓国側の関係者から、来年7月に開催される北海道洞爺湖サミットに、韓国の大統領を招待してほしいという要望を受け、前向きに検討する意向を示したということです。福田首相は、ヨーロッパで開かれたサミットの際にも、アフリカの首脳が招待された例があるとして、アジアの国の首脳を招待する問題について関係国と協議すると述べたということです。これについて読売新聞は、福田首相が来年2月に就任する李明博氏をサミットに招待することで、韓国と日本の首脳同士のシャトル外交を軌道に乗せ両国の関係強化を図ろうとする狙いがあると分析しています。

・北韓が最近、核開発の疑惑をはらすためアメリカに提供したアルミチューブからウラン濃縮の跡が検出されたと、ワシントンの外交消息筋が21日、明らかにしました。北韓は、アメリカが2002年以降、疑惑を訴え続けてきたウラン濃縮について解明するため、核施設の無能力化作業を監視するため北韓に滞在しているアメリカの専門家チームにアルミチューブを渡しました。このチューブをアメリカの科学者が精密検査した結果、濃縮ウランの痕跡が検出されたということです。北韓は、ロシアからアルミチューブを大量に購入したことは事実だが、一般的な用途に使うためで、核開発のためではないとして、アメリカ側にアルミチューブのサンプルを渡したということです。しかしこのアルミチューブから濃縮ウランの跡が検出されたことで、北韓がウラン濃縮計画を進めていたとする疑惑は、さらに膨らむことが予想されます。アメリカ政府は、ブッシュ政権が発足したあと2002年から北韓のウラン濃縮疑惑を問題視してきましたが、北韓は一貫して否定していました。

・韓国と北韓は20日と21日の両日、北韓の開城にある経済協力協議会事務所で開いた会議で、「開城工業団地活性化のための合意書」を採択し、南北縦断鉄道に通勤列車を運行することになりました。統一部の関係者によりますと、この会議では南北間の通行、通信、通関に関する問題を改善することを協議して7項目で合意し、このうち南北縦断鉄道の京義線に開城工業団地で働く労働者のための通勤列車を初めて運行することになりました。この通勤列車は、韓国の?山駅から北韓の板門駅の間を往復して、韓国から開城工業団地に行く人だけでなく、開城工業団地で働いている北韓の労働者も利用できるようにして、具体的な運行開始の時期や方法についてはさらに協議していくことにしています。また、出入国審査では、来年上半期中に電子認識システムを取り入れることになり、そうなれば手続きにかかる時間が人の場合は1人あたり30秒から5秒に、車の場合は1台あたり1分から10秒に短縮されるということです。

・日本政府が、太平洋戦争中に旧日本軍に徴兵された韓半島出身者などについての情報を韓国政府に提供したことが分かりました。NHKが報じたところによりますと、韓国政府が太平洋戦争中に旧日本軍に徴兵された韓半島出身者に対する補償を進める過程で、事実関係を確認できる資料が不足し、補償が円滑に進んでいないことを受けて、日本政府が旧日本軍に徴兵された韓半島出身者に関する情報11万件あまりを韓国政府に提供したということです。ただ、日本の企業や炭鉱などに強制徴用された人の身元に関する情報は、日本政府も正確に把握できていない状況で、日本政府はこれらの人に関する情報の収集を続けているということです。韓国政府は、太平洋戦争中に旧日本軍に徴兵されたり、日本の企業に強制徴用された人に対して、当時支払われなかった賃金を支給するなどの補償を進めています。

・日本の人気テレビアニメーションの劇場版「エヴァンゲリオン新劇場版:序」が来年1月24日、海外では初めて韓国で公開されます。エヴァンゲリオンシリーズは韓国でも若者を中心に人気が高く、10月に開かれた釜山国際映画祭のクロージング作品に選ばれていました。

12月21日金曜日

・次期大統領に決まった李明博氏は21日午前、日本の福田首相と電話で会談し、韓日関係をさらに強化していくことで一致しました。福田首相は21日午前10時過ぎに李明博氏に電話をかけて、新しい大統領に決まったことに祝意を述べたうえで、「新しい大統領の指導のもと、韓国がさらに発展することを期待するとともに、韓日関係を強化し、北東アジアの安定、さらには国際社会の発展に向けて緊密に協力していきたい」と述べました。そして李明博氏の日本訪問を要請し、両国の若手国会議員の交流を活発にすることを提案しました。これに対して李明博氏は、「日本が北韓の核問題をめぐる6カ国協議に参加していることを高く評価する。韓国は今後とも韓半島の非核化に向けて最善を尽くすつもりで、そのためには韓国、日本、アメリカの3カ国の連携と協力が重要だ」と強調しました。李明博氏はまた福田首相に、韓日首脳の出会いは、形式的な会合より、懸案があるたびに話し合う外交関係にすることを提案しました。

・大統領選挙で当選したハンナラ党の李明博氏は20日、アメリカのブッシュ大統領と電話で会談しました。この中でブッシュ大統領は、李明博氏の当選を祝うとともに、北韓の核問題の解決に向けて両国の協力が重要だとしてうえで、北韓に対して、6カ国協議の合意を履行すれば、よりよい未来が開けることを示していく必要があると述べました。これに対して李明博氏は、今後とも両国の関係をさらに強化していくべきだとしたうえで、北韓の核放棄に向けて両国が連携して対応していくべきだと強調し、北韓の非核化と北東アジアの平和定着に向けて協力していきたいと述べました。一方、ハンナラ党の羅卿?(ナ・キョンウォン)報道官によりますと、ブッシュ大統領は、李明博氏が大統領に就任した後、できるだけ早い時期にアメリカを訪問するよう招待したということです。

・次期大統領に当選したハンナラ党の李明博氏は21日、盧武鉉大統領からの当選祝いとして訪れた大統領府青瓦台の文在寅(ムンジェイン)秘書室長と会い、「前任の大統領が尊重される伝統を作る必要がある。受け継ぐものは受け継ぎながら、新しく始める伝統を作りたい」という考えを示しました。李明博氏はこの席で盧武鉉政権の業績として、「それまで続いてきた権威主義を実際に行動で打破し、金のかからない政治を定着させたことを高く評価する。それによって、私は得るものが多かった」と述べました。李明博氏はまた政権引継ぎについて「今の政権と次の政権で国政を連携させる必要があり、早い時期に大統領と会合して話し合いたい」と述べました。

・財閥の三星グループの秘密資金疑惑を捜査する特別検事に、検事出身の趙俊雄(チョ・ジュンウン)弁護士が任命されました。 大統領府・青瓦台は、大韓弁護士協会が17日に特別検事の候補として推薦した3人のうち、弁護士で法務法人「セグヮン」の代表、趙俊雄氏を特別検事に任命し、20日午後任命状を授与しました。趙俊雄氏は1940年生まれで、1973年にソウル地方検察庁の検事となった後、他の地方検察庁での勤務を経て仁川地方検察庁の検事長を務め、現在は法務法人の代表弁護士として勤務しています。三星グループの秘密資金疑惑ではロビー活動の対象となった検事が40人あまりに上るとされているため、検事出身者が特別検事になると公正な捜査が行われない可能性があるとして、強い反対の声が上っています。

・三星グループの秘密資金疑惑を捜査してきた検察の特別捜査監察本部は、三星証券に対する家宅捜索などで押収したリストにある1000あまりの口座のうち、他人名義の口座の可能性が高いとみられる300〜400の口座について追跡作業を行っています。これらの口座で入金や出金された金額は1千億ウォンから2千億ウォンにのぼるものと推定されています。これまで、疑惑を暴露したキム・ヨンチョル弁護士名義の口座7つが他人名義であることが分かっています。検察の特別捜査監察本部は特別検事の任命を受けて20日に解散しており、検察はこのような捜査の結果を、特別検事に引き継ぐことにしています。

・来年1月からの来年度予算案が大統領選挙などをめぐる与野党の対立でまだ国会で可決されてないため、大統合民主新党とハンナラ党は、来週の27日と28日に本会議で予算案などを可決・成立させる方向で合意しました。両党は20日の協議で、24日から司法委員会や財政経済委員会などを開いて審議をし、遅くとも28日までには本会議で来年度予算案など急を要する100を超える案件を可決・成立させることで合意しました。ハンナラ党は来年度の予算案のほかにも韓国軍のイラクへの派兵延長同意案や韓米FTA=自由貿易協定の批准同意案の成立も目指す方針ですが、大統合民主新党はイラクへの派兵延長同意案と韓米FTA批准同意案には難色を示しており、本会議で両党の対立が再燃する可能性もあります。

・イギリスの大手金融グループのHSBCが韓国外換(ウェファン)銀行を買収するための承認申請書を、金融監督委員会に提出しました。金融監督委員会の洪永万(ホン・ヨンマン)広報管理官は20日、「HSBCが外換銀行の買収に向けて、外換銀行の株式の51%を取得することを承認するよう公式に要請してきた」と明らかにしました。銀行法では銀行の株式を10%以上取得する場合、金融監督委員会の承認が必要になります。洪管理官は、「金融監督委員会は、現在進められている外換銀行の売却をめぐる裁判の進み具合を見ながら承認の審査を行う」と述べ、裁判所の判決が出る前に承認することはないという立場を示しました。

・韓国政府がロシアに行って償還が滞っている経済協力借款について、先端の軍事技術で受け取ることになり、今後具体的な協議を続けていくことになりました。防衛事業庁はこのほどロシアと軍事技術協力について了解覚書を交わし、経済協力借款の償還方法として、ロシアが韓国軍に必要な軍事技術を提供することになったと21日、発表しました。ロシアに経済協力借款として提供して償還が滞っている金額はおよそ13億ドル、韓国ウォンでおよそ1兆1700億ウォンです。政府はその償還方法としてロシア側に11の軍事技術の提供を提案し、そのうち、潜水艦で使う充電用燃料電池など5つの先端技術の提供を受けることで合意し、その後、長距離レーダーと航空機エンジンについて協議しているということです。

・郵政事業本部は、今月31日まで全国の九つの郵便局で「愛のサンタクロース郵便局」を運営することにしました。これは歳末助け合いキャンペーンの一つで、郵便局の職員はサンタクロースの服装で勤務し、支援を必要とする470人に米やパソコンなどをプレゼントすることにしています。

12月20日木曜日

・第17代大統領選挙の投票が19日に行われ、即日開票の結果、最大野党、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンパク)候補(66)が半数に近い得票で当選し、10年ぶりに政権交代が実現することになりました。中央選挙管理委員会が最終的にまとめた、各候補の得票率によりますと、ハンナラ党の李明博候補は48.7%と半数近い得票となり、有力な対立候補だった与党系の大統合民主新党の鄭東泳候補の26.1%に22.6ポイントもの差をつけて、世論調査で支持率1位を守り続けた李明博候補が第17代大統領に当選しました。2位の鄭東泳候補との得票の差は520万票あまりで、これは1987年に国民の直接投票による大統領選挙の制度が復活して以来、最も多い票差となりました。3位は無所属の李會昌候補で得票率は15.1%で、そのほかの候補の得票率は一ケタ台にとどまりました。これでハンナラ党は1997年の大統領選挙で当時の李會昌候補が金大中候補に敗れて以来、10年ぶりに政権交代に成功し、来年2月に発足する韓国の新しい政権は進歩陣営から保守陣営に替わることになりました。今回の選挙では、李明博候補をめぐる株価操作疑惑を捜査する特別検事導入法案が投票日の2日前に国会で可決され、李明博候補の支持率にどのような影響を及ぼすかに関心が寄せられていましたが、有権者は経済の建て直しを主な公約に掲げた李明博候補を選ぶ結果となりました。韓国の大統領に経済界出身者が就任するのは初めてで、来年で建国60周年の節目を迎える韓国は経済の発展を中心とする実用主義の時代を目指すことになります。一方、大統領選挙で惨敗した大統合民主新党など進歩陣営は、新しいリーダーシップが求められるのに加えて、来年4月の総選挙を控えて離合集散が加速化する見通しです。

・中央選挙管理委員会によりますと、今回の大統領選挙の確定投票率は63%で、前回2002年の大統領選挙を7.8ポイント下回り史上最低となりました。

・韓国の新しい大統領に決まった李明博氏は、20日、ソウルプレスセンターで記者会見し、近くスタートする大統領職引継ぎ委員会のメンバーに、政治家はなるべく含めない考えを示ました。李明博氏は、大統領職引継ぎ委員会が発足した後、産業別の経済人と直接会って、投資の活性化に向けた新政権の方向を示し、企業家が投資しやすい環境を作る方針を強調しました。このため近くスタートする大統領職引継ぎ委員会は、形式的なものより実質的に引き継ぎ業務が可能なメンバーで構成するとし、政治家はなるべく含めない方針を明らかにしました。また李明博氏は、北韓に対する政策について、「北韓の核問題が円満に解決される前の段階からでも北韓に対する人道的な支援を行うが、その一方で、北韓を健康な社会にするため必要な批判は行うつもりだ」と述べ、盧武鉉政権と異なる実用主義の外交を進めていく考えを示しました。

・盧武鉉大統領は、20日午前9時ごろ大統領に当選した李明博氏に電話をかけ、当選を祝いました。電話会談はおよそ5分間行われ、この中で盧大統領は、政権の引継ぎがスムーズに行われ、新しい政権が発足するために積極的に協力する意向を示しました。これに対して李明博氏は、「盧武鉉大統領が任期を終えるまで十分な国政運営ができるよう全力を尽くす」と述べました。そのうえで李明博氏は、選挙運動中の発言で大統領を傷つけたことについては理解を求めました。

・第17代の韓国大統領に当選した李明博氏に20日、中央選挙管理委員会から当選証書が交付され、これを受けて韓国政府は、李明博氏に対して警護や儀典など大統領並みに待遇することを決めました。これによって大統領警護室は、大統領室警護法に基づいて20日未明、早速、警護室の要員30人あまりを派遣し李明博氏の警護を始めました。李明博氏は20日朝、警護を受けながら自宅から車で、出勤する車をストップさせながら国立墓地に向かい、党幹部や支持者ら200人あまりとともに墓地に花を捧げて黙祷しました。李明博氏は、午後は、韓国駐在のアメリカ大使や、日本大使と相次いで会談し、韓米関係や韓日関係についての今後の構想を伝えることにしています。

・福田首相は20日、李明博氏と今後緊密な協力関係を維持していきたいと述べました。福田首相は20日首相官邸で李明博氏が韓国の大統領に当選したことを心から祝いたいとして、これを機に韓国がより一層発展することを願うと述べました。福田首相はまた、韓日の友好協力関係の発展は地域や国際社会の安定と繁栄のためにも重要であり、李明博氏と緊密に協力していきたいと強調しました。福田首相は、来年2月の大統領就任式に出席し、両国の首脳会談を早期に行う方向で日程を調整していると伝えられています。

・大統領選挙で李明博氏が当選したのに合わせて、アメリカのブッシュ大統領は、北韓の核問題や韓米FTA=自由貿易協定問題など両国の懸案を速やかに協議する必要があるとして、実務者による代表団を来年1月はじめ韓国に派遣する計画であることが20日明らかになりました。ワシントンの外交消息筋によりますと、アメリカの国務省や国防総省それに商務省の幹部級の実務者で構成する代表団は、来年1月はじめに韓国を訪問して次の政権を担う李明博氏の側近らと協議する予定だということです。アメリカ政府が韓国の政権交代直後に代表団を派遣するのは異例で、同じ保守系の李明博氏が大統領に当選したことで両国間の協力関係がさらに強化されることへの強い期待感の現われと見られます。一方ワシントンの関係者によりますと、ブッシュ大統領やライス国務長官は来年2月25日の大統領就任式への出席は外国訪問などで難しいため、ブッシュ大統領の父親のジョージ・ブッシュ元大統領を派遣する計画だということです。先の盧武鉉大統領の就任式には当時のパウウェル国務長官が国会議員10人で構成する代表団を率いて出席しました。

・大統領選挙に大統合民主新党から立候補して落選した鄭東泳氏は20日、党の中央選挙対策委員会に出席し「国民の選択をありのまま受け止めると共に、これからも国民のために奉仕したい」と述べました。鄭東泳氏はこの中で「選挙では負けたが支持してくれた有権者の意思が色あせないようこれからも正しい道を行きたい」と今後の抱負を述べると共に、我々が求める価値を国民から認めてもらえるよう一つにならなければならないと強調しました。

・ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)代表は、任期末を迎えた盧武鉉大統領に対して、国民和合のため、次の大統領に当選したハンナラ党の李明博氏をめぐる株価操作疑惑を捜査するため国会で成立した特別検事法について拒否権を行使するよう要請しました。姜在渉代表は、20日、KBSのラジオ番組に出演し、「大統領に当選した人を、特別検事法によって聴聞会のような形で尋問するようなことは国論を分裂させる行為だと思う」として、このように述べました。

・これに対して、大統領府・青瓦台は、「李明博氏の疑惑を捜査するための特別検事法は、李明博氏自身が当選する前に受け入れる意向を示しており、国民の疑惑を晴らすため法務部や検察も受け入れたことであり、今になって盧武鉉大統領が拒否権を行使する理由は何もない」として、ハンナラ党の姜在渉(カン・ジェソプ)代表の要請を拒否する意向を示しました。

・「参与連帯」など1000あまりの市民団体で作る「うその選挙と民主政治の危機を克服するための全国市民社会団体非常対策委員会」は、20日、ソウルで記者会見し、大統領選挙で当選した李明博氏をめぐる株価操作疑惑は、大統領に就任する前に徹底的に解明されなければならないと強調しました。 会見で非常対策委員会は、「李明博氏は過半数に近い票を獲得して次の大統領に当選したが、選挙の結果が、株価操作疑惑の免罪符となってはならない」として、「就任式が行われる来年2月25日までに疑惑が解消されなければ、大統領就任後も正常な国政運営はできなくなるだろう」と警告しました。

・李明博氏が大統領選挙で当選した12月19日は、李明博氏の66回目の誕生日で、37回目の結婚記念日でもあり、李明博氏個人にとっては最高に喜ばしい日でした。1941年12月19日に大阪で生まれた李明博氏は、1970年12月19日に、キム・ユンオクさんと結婚式を挙げましたが、当時、現代建設の取締役だった李明博氏は、「誕生日と結婚記念日が同じ日であれば絶対に忘れることはない」という理由で、自分の誕生日である12月19日に結婚式を挙げたということです。韓国では誕生日の朝食に、わかめスープを食べる風習がありますが、わかめは滑りやすいという理由で試験日などには食べない慣わしがあり、66歳の誕生日である大統領選挙投票日の19日朝は、わかめスープの替わりに大根のスープが食卓に載ったということです。

12月19日水曜日

・第17代大統領選挙の投票が19日行われ、即日開票で李明博(イ・ミョンパク)候補(66)の当選が決まりました。今回の大統領選挙は、10年ぶりに政権交代を狙う最大野党ハンナラ党の李明博候補が支持率で終始優位に立っていましたが、投票日2日前に李明博候補をめぐる株価操作疑惑を捜査する特別検事導入法案が国会で可決され、李明博候補への支持率にどのような影響を及ぼすかに関心が寄せられていました。しかしKBSなどマスコミ各社が行った出口調査で、李明博候補はいずれも過半数前後の得票率を得て、当選が有力と報じられたのに続いて、開票率が77%となった午後11時前現在、李明博候補は全羅道を除くすべての地域で得票率が1位をマークして47.7%の得票率で、与党系の大統合民主新党の鄭東泳候補の得票率27%や、無所属の李会昌候補の15.3%に大きな差をつけて当選が決まりました。またそのほかの候補は一桁台の得票率にとどまっています。

・ハンナラ党の李明博候補は第17代大統領選挙の開票で当選が確実と報じられた19日夜、ハンナラ党本部で「経済の立て直しと国民の和合に向けて最善を尽くす」と述べました。自宅からハンナラ党本部に到着した李明博候補は、支持者やハンナラ党関係者からの大きな拍手で迎えられ、笑顔で熱い握手を交わしました。このあと、李明博候補は演説で、「国民のみなさま、まことにありがとうございます。私は国民のために低い目線で尽くし、危機に直面している韓国の経済を必ず立て直します。また分裂した社会を1つにし、国民の統合に向けて努力します。私とともに今回の選挙で最善を尽くした鄭東泳候補、李會昌候補を初めとする候補者の皆さんのアドバイスを受けて、国民のために一所懸命に働きます」李明博候補は大統領選挙での勝利を受けて、このように述べました。

・第17代大統領選挙で当選が確実となったたハンナラ党の李明博氏は日本植民地時代の1941年、大阪で生まれ、「貧しさと母親は私の師匠だった」と回想するほど貧しい幼年時代を過ごしました。その後、1965年に現代建設に入社し、平社員から12年後には社長になって、この間、従業員が98人の中小企業だった現代建設を、イラクやマレーシア、シベリアなど海外の大型建設工事を受注するなどして従業員が16万8000人の大企業に成長させました。1992年、当時の新韓国党から全国区の国会議員として政界入りし、2期つとめたあと、2002年に3度目の挑戦でソウル市長に当選しました。そして2006年までの4年間、ソウル市の都市改造に取り組み、ソウル都心を流れる川、清渓川の復元工事をはじめ、公共交通体制の見直し、ソウルの森の造成などの大型プロジェクトを大勢の市民の反対を押し切っていずれも成功させ、その頃から「ブルドーザー」というニックネームが広がりました。李明博氏は、第17代大統領選挙への出馬を宣言をした後、今年8月のハンナラ党の公認候補を決める党内選挙で強力なライバルの朴槿恵前代表に僅差で勝利した後、李明博氏が関与したのではないかという株価操作疑惑が持ち上がったにも関わらず、大統領選挙では40%前後の高い支持率を維持して独走を続けてきました。

・第17代大統領選挙の投票率は暫定で62.9%となり、歴代大統領選挙では最も低い投票率となりました。中央選挙管理委員会が暫定集計した今回の大統領選挙の投票率は、有権者3765万3518人のうち、2368万3684人が投票して、62.9%となり、前回、5年前の70.8%より7.9ポイントも低く、歴代の大統領選挙で最低になりました。中央選挙管理委員会は午後6時半から全国249の開票所で開票に取りかかり、最終的な投票率は開票がすべて終了した後に発表されることになっています。投票率が大きく下がった原因について、専門家は、ハンナラ党の李明博候補が早くから高い支持率を維持して優勢と伝えられたため、有権者の選挙に対する関心が低くなったこと、選挙戦が政策論争より株価操作疑惑など相手候補に対する誹謗中傷に流れて政治への関心をさらに下げたことなどを上げています。

・第17代大統領選挙の投票が終わり、KBSなど放送各社が行った出口調査でハンナラ党の李明博(イ・ミョンパク)氏が過半数を超える得票率になると報道されたことから、ハンナラ党は早くも祝賀ムードに包まれています。ソウル市ヨイドの国会議事堂に近いハンナラ党の選挙対策本部のビルには「国民のみなさま、ありがとうございます。経済を立て直します」という当選御礼の横断幕が掲げられ、李明博氏の支持者数百人が集まりました。ハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは、出口調査の結果が発表された後、「他の候補者による誹謗中傷にもかかわらず、李明博候補を信じて支持してくださった国民に感謝する」と述べました。

・中央選挙管理委員会は今回の大統領選挙で選挙法に違反した行為は610件で、前回、5年前の大統領選挙に比べて52%も減ったと発表しました。中でも公式の選挙運動期間だった先月27日から投票日前日の今月18日までの22日間に摘発された違反は258件と、5年前より74%も減少しました。違反行為の内訳は、▼不法な印刷物などを作って配ったことが101件で最も多く、▼次いで有権者への金品や食事の提供が24件、▼公務員による選挙への違法な介入、相手候補に対する誹謗などです。また企業関係者との癒着などで ばく大な違法政治資金を受け取るなどの慣行がみられなくなり、地域間の感情を煽るような選挙運動もなくなったということです。しかし中央選挙管理委員会は相手候補の誹謗中傷などいわゆるネガティブな選挙運動は根絶できず、さらに相対的に候補者の公約をもとにした政策論争が足りなかったとして、制度の見直しに向けた報告書をまとめて、国会に提出することにしています。

・仁川市にある投票所で、民主党の李仁済(イ・インジェ)候補が辞退したという間違った内容の案内文が選挙管理委員会によって一時、貼られるミスがあり、警察が捜査に乗り出しました。仁川南部警察署によりますと、仁川広域市南区にある第4投票所で、投票が始まった午前6時から、「民主党の李仁済候補が一身上の理由で候補を辞退した」という内容の案内文が貼られ、およそ1時間後に有権者が指摘して案内文ははがされました。これについて仁川市の選挙管理委員会は、李壽成(イ・スソン)氏と沈大平(シムデピョン)氏が候補を辞退したことを投票所にファックスで送る際に、李仁済氏もリストに加えてしまうミスがあったと釈明しました。違った案内文が貼られていた間に100人あまりが投票したということです。これに対して、民主党の李仁済氏は、間違った案内文は80あまりの投票所に貼られていたと主張するとともに、中央選挙管理委員会の真相解明と正式な謝罪を求めました。

・今回の選挙で大統領に当選した人は、来年2月25日に正式に就任するまでの2カ月間、 2003年2月に制定された「大統領職引継ぎについての法律」によって大統領に準じる地位を保障され、政権の引継ぎに取り掛かることになります。また2005年に改正された大統領職引継ぎ法によって、大統領に当選した人は、次の政権の国務総理を含む閣僚を指名することが可能になり、国会議長に対して国務総理や閣僚の国会での人事聴聞会を要請できるようになっています。

・今回の大統領選挙について、イギリスの進歩系新聞「ガーディアン」は、韓国の有権者は北韓に対する包容政策より経済の建て直しに関心を持っていると、19日報道しました。それによりますと、世代間や理念の葛藤が強かった5年前の大統領選挙とは違って、今回の大統領選挙では保守勢力が強くなり、有権者は北韓の住民について考える前に自分たちの生活に配慮してくれる人の登場を願ったとしています。

・アメリカ国務省は、韓国の大統領選挙でどの候補が当選しても、北韓の核問題に関する政策には大きな変化がないだろうという見方を示しました。国務省のケーシー副報道官は19日の記者会見で、「韓国は伝統的な同盟国で緊密な関係を維持してきた」とした上で、「韓国はアメリカとともに6カ国協議で重要な役割を果たしてきた。北韓の核問題について、どの候補がどのような政策を考えているのか具体的には分からないが、誰が当選しても両国の協力関係には変化がないだろう」と語りました。

・国連総会は、18日、ニューヨークの国連本部で、日本やEUが提出していた北韓の人権状況を非難する決議案を賛成101、反対22、棄権59の賛成多数で採択しました。国連総会で北韓の人権決議案が採択されたのはおととし、去年に続いて3度目です。中国とロシアは反対、韓国は棄権しました。韓国は、去年、北韓が地下核実験を行ったため国連総会に上程された北韓の人権決議案に初めて賛成を表明しましたが、それまでは一貫して棄権していました。今回、採択された北韓人権決議案は、日本などの拉致被害者を即時国させることや、拉致問題を透明性のある方法で解決するよう強く促しています。

・今月17日から北韓を訪問している中国の武大偉外務次官は、「北韓の核施設の無能力化作業が順調に進んでいる」という見方を示しました。中国の人民日報が19日報じたところによりますと、武大偉外務次官は寧辺の核施設の無能力化作業を視察した後、「北韓とアメリカの技術者が熱心に作業しており、作業は順調に進んでいる」と語りました。武大偉外務次官はその上で、「関係各国はそれぞれの義務を誠実に果たす必要がある」と述べました。6カ国協議の関係各国は、北韓が核施設を無能力化する見返りとして、北韓に対する経済支援やアメリカの北韓に対する敵対政策の転換を約束しています。

・北韓が、開城城跡地や高麗王宮の宮殿の基壇跡である満月台など、開城市内にある10の遺跡を世界文化遺産に登録するための申請書をユネスコに提出したことが分かりました。朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」が19日報じたところによりますと、北韓が申請した遺跡は、開城城跡地や満月台のほか、開城南大門、王建王陵、仏教寺院の観音寺など、高麗時代の遺跡です。北韓当局は、これらの遺跡を世界文化遺産に登録するため、今年初めからこれらの遺跡の歴史的価値や保存状態についての資料をまとめる作業を続けてきたということです。開城は古くから高麗の都として栄えたところで、市内には高麗時代の遺跡が多く残っています。また、市内には南北経済協力の一環として開城工業団地が建設され、韓国企業が進出しています。

・韓国と日本の漁船が互いに相手国のEEZ=排他的経済水域で漁獲できる来年の割当量は今年より500トン少ない6万トンに決まりました。これは先週東京で開かれた第10回韓日漁業共同委員会で決まったもので、来年、相手国の排他的経済水域で操業できる漁船はそれぞれ1000隻で今年より25隻減り、漁獲割当量は6万トンで今年より500トン減りました。魚の種類別の割当量は、サバ類2万3385トン、スルメイカ8750トン、サンマ7000トン、マアジ3500トン、タチウオ2080トンなどです。一方、今月4日から7日まで行われた韓国と中国の漁業共同委員会では、来年、中国の排他的経済水域で操業できる韓国の漁船は1600隻、漁獲割当量は6万8000トンに決まり、韓国の排他的経済水域で操業できる中国の漁船は1859隻、漁獲割当量は7万1000トンになりました。

・西海岸の忠清南道テアン郡の沖で今月7日に起きた大型タンカーとクレーン船の衝突事故でタンカーから流れ出た原油は、1万2000トンであることが最終的に確認されました。

・盧武鉉大統領が今年中に、任期中最後となる特別赦免を行うことを検討していることが分かりました。大統領府青瓦台は、今のところ年内に特別赦免を行う計画はないとしていますが、消息筋によりますと、大統領選挙への影響を考慮して、特別赦免を行うかどうかは公表していないものの、内部で検討が進められているということで、大統領選挙が終わった後に、特別赦免について具体的な内容が明らかになる見通しです。

12月18日火曜日

・任期5年の第17代大統領を選ぶ投票が、19日午前6時から午後6時まで全国1万3000あまりの投票所で行われ、不在者投票を行った81万人を除く3600万人あまりの有権者が支持する候補に一票を投じることになります。今回の大統領選挙は、今から10年前の1997年に50年ぶりに政権交代を成し遂げた改革進歩勢力が3期目の政権を握ることができるか、もしくは保守勢力が10年ぶりに政権を取り戻すことができるかに関心が寄せられています。さらに、来年4月に行われる統一総選挙にも大きな影響を及ぼすものとみられ、大統領選挙の結果次第では政界再編や政治家の世代交代もありうると観測されています。今回の大統領選挙には、大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンパク)候補、無所属の李会昌(イ・フェチャン)候補ら12人が届出をしましたが、2人が辞退して結局、10人の争いになりました。投票所は、18日に全国の1万3000か所あまりに設置され、投票用紙は19日未明に投票所に送られます。有権者数は3765万3518人で、前回の大統領選挙の時より266万1989人多くなっています。KBSなど放送3社は、投票が終了する午後6時に、出口調査の結果を一斉に発表することにしており、午後7時からは中央選挙管理委員会がインターネットのホームページを通じて開票の集計結果をリアルタイムで伝える予定です。

・任期5年の新しい大統領を選ぶ投票が、19日午前6時から午後6時まで全国1万3000あまりの投票所で行われ、夜9時頃には当選者が判明する見通しです。中央選挙管理委員会は、今回の大統領選挙の開票作業にはおよそ4時間半が見込まれるとしています。これは、前回の大統領選挙の投票率70.8%と、その前の大統領選挙の投票率80.7%の平均をとった75%を今回の投票率と想定して算出したものです。このため開票が半分程度進む午後9時頃には、当選者が判明するのではないかと、中央選挙管理委員会ではみています。前回の大統領選挙では、手作業ではなく、初めて「投票用紙の分類機」を導入したため、わずか3時間50分で開票作業が終了し、夜10時過ぎには当選者が事実上決まりました。そして夜10時30分に盧武鉉大統領が国民に向けてテレビで記者会見を行いました。今月12日に行った世論調査の結果、必ず投票するという有権者は67%だったことから、実際の投票率は前回5年前の大統領選挙の投票率の70.8%をやや下回るのではないかと中央選挙管理委員会はみています。

・大統領選挙の投票日を19日に控えて、中央選挙管理委員会は18日までに全国の1万3000カ所あまりの投票所の準備を完了します。中央選挙管理委員会の高鉉哲委員長は18日、国民に向けた談話を発表し、「国の指導者として誰が一番ふさわしいかを冷静に考えて、棄権することなく投票してほしい」と呼びかけました。

・大統領選挙の選挙運動が最終日となった18日、各候補は主にソウルで遊説を行いました。大統合民主新党の鄭東泳候補は、ソウル市内の農水産物市場から最終日の遊説をスタートし、ソウル市内を回りました。ハンナラ党の李明博候補は市場や繁華街で遊説し、無所属の李会昌候補は、ソウル全域を回って支持を訴えめした。

・19日の大統領選挙の投票日を目前に、大統合民主新党の鄭東泳候補と、民主党の李仁濟候補との候補一本化が進まない中で、民主党の李相烈議員が17日、民主党を離党し、大統合民主新党の鄭東泳候補を支持する意向を表明しました。

・これで民主党は、国会の議席数が7議席から6議席となりました。また金大中前大統領の長男で、去年民主党を離党した金弘一議員も、17日、鄭東泳候補への支持を表明しました。民主党の李仁濟候補は、鄭東泳候補との一本化を要請する党内の強い要望を押し切って最後まで単独で争う意思を貫いており、党内から反発の声が出ています。

・6カ国協議の合意に基づいて北韓の寧辺(ヨンビョン)で進められている3つの核施設の無能力化作業のうち、中心となる5000キロワットの実験用黒鉛減速炉から核燃料棒を抜き取る作業が、先週から始まったことが明らかになりました。日本の共同通信が17日、北京発で伝えたところによりますと、実験用黒鉛減速炉から核燃料棒を抜き取って、近くの水槽に移動させる作業が先週後半から始まり、作業が完了するまではおよそ100日かかるものとみられるということです。共同通信はまた、原子炉からの核燃料棒抜き取りが始まったことで、無能力化作業がようやく本格化することになったと報じています。一方、別の消息筋は、6カ国協議の中国首席代表の武大偉外務次官が、18日から3日間の日程で平壌を訪れたと伝えています。

・北韓が、来年初めて人口住宅総調査を実施する計画だと、中国の通信社「中国新聞」が17日、明らかにしました。それによりますと、北韓は来年実施する人口住宅総調査を前に国連から資金援助を受けて最近、国家研究機関の研究員5人を香港科学技術大学に派遣し、1年間教育を受けるようにしたということです。北韓は、国連人口基金の協力で、1994年1月3日から15日まで全国を対象に人口調査を実施し、1993年の時点の人口を2121万人と発表したことがありますが、独自に人口調査を実施するのは今回が初めてです。

・外国人による株の売却が、韓国証券市場が開放された1992年以後、最高となりました。金融監督院によりますと、今年に入って11月末までに有価証券市場で外国人投資家による株の売却は27兆7000億ウォンとなり、過去最高を記録しました。また外国人投資家が今年一年間に買い入れた上場債券は、史上最高の27兆700億ウォンに上りました。これによって外国人投資家の上場債券保有額は30兆4732億ウォンとなり、初めて30兆ウォンを超えました。

・韓国はイスラエルの無人偵察機1機を購入することにしたことが分かりました。イスラエルの航空電子機器メーカーのエルビット・システム社が18日、明らかにしたところによりますと、韓国が購入することにした無人偵察機は「スカイロックU」で、航続距離が60キロ以上で、天候に関係なく、また、昼夜を問わずに偵察任務を遂行することができます。スカイロックUの正確な価格は公表されていませんが、1機当たり数百万ドルに上ると推定されています。

・ソウル市は長い間市民に親しまれてきた東大門運動場の撤去作業を、反対の声がある中で18日から始めました。東大門運動場は野球場とサッカー競技場があり、ソウル市はまず来年2月までに野球場の撤去を終える計画です。一方、サッカー競技場では、蚤の市ができて商売をする人がいるため、こうした人をほかの場所に移転させた後、2月以降に撤去作業を始めることにしています。ソウル市は東大門運動場を撤去した跡に、ソウル市を象徴する公園やショッピングモールを建てる計画ですが、東大門運動場は1926年に造られた韓国で初めての近代的な体育施設で、その歴史性を考慮して撤去すべきではないという声も出ています。このためソウル市は、サッカー競技場の照明二つと聖火台を保存することにしました。一方、プロ野球選手協会はこの日、声明を発表し、東大門運動の撤去作業を中止するよう求めました。

・ソウルの3つの小学校が18日、終業式を行い、1カ月あまりの長い冬休みに入りました。このほかほとんどの小学校も、今週中に冬休みに入ることになっています。またソウルの中学校と高校は今月28日か29日に冬休みに入り、来年2月10日頃まで学校が休みになります。

・韓国は、FIFA=国際サッカー連盟でのランキングが2カ月連続42位で今年を締めくくることになりました。FIFA=国際サッカー連盟が18日発表した12月のランキングによりますと、韓国は663点で11月と順位の変動はありません。アジアでは、先月よりワンランクずつ下がった34位の日本と、41位のイランに次ぐ3番目です。FIFAランキングの1位は、1523点のアルゼンチンで、2位以下は、ブラジル、イタリア、スペイン、ドイツの順となっています。北韓は、2ランク上がって115位でした。

12月17日月曜日

・国会は、17日、本会議を開き、大統領選挙に立候補しているハンナラ党の李明博候補をめぐる株価操作事件の疑惑について捜査するための特別検事法案を可決しました。法案は、ハンナラ党の議員がボイコットする中で採決が行われ、大統合民主新党、民主労働党、民主党、無所属議員160人が出席し、満場一致で可決成立しました。法案の名称は、「ハンナラ党の大統領候補、李明博の株価操作など犯罪容疑の真相究明のための特別検事任命についての法案」となっています。捜査の対象は、▼BBK株価操作疑惑など証券取引法違反の容疑 ▼公金横領など特別犯罪加重処罰法の違反の容疑 ▼李明博氏の実の兄と義弟の名義となっている投資顧問会社「DASS」の株96%にあたる時価930億ウォン相当の財産申告漏れによる公職者倫理法と、公職選挙法違反の容疑 ▼検察の被疑者に対する脅迫や、歪曲捜査疑惑などです。また特別検事は大法院長が推薦し、5人の特別検事補と40人以内の特別捜査官を置くようになっています。捜査期間は、10日間の延長期間を合わせて最大で40日間捜査できるようにしています。これによって次の新しい大統領が就任する来年2月25日までに特別検事による捜査結果が発表される見通しとなりました。

・法務部は、盧武鉉大統領からハンナラ党の大統領候補である李明博氏の関与が取り沙汰されている株価操作事件について捜査のやり直しを検討するよう指示されていましたが、この事件は、特別検事による捜査が予想されるため、検察の再捜査に向けた指揮権の発動は、しない方針を17日、明らかにしました。

・大統合民主新党は16日、ハンナラ党の李明博候補が2000年に行った講演で、株価操作事件の中心だった「投資会社のBBKを私が設立した」と明言する場面が撮影された映像を公開しました。李明博候補は映像の中で、「2000年1月に私がBBKを設立し、すでに収益をあげている」と語っています。李明博候補はこれまで、BBKとは関係がないと主張してきました。また、検察は先にこの事件の捜査結果を発表して、李明博候補がBBKを事実上所有していたという証拠はないとして、李明博候補と事件との関わりを否定していました。

・三星グループの秘密資金疑惑を捜査する特別検事の候補として、大韓弁護士協会は17日、検察の元幹部3人を盧武鉉大統領に推薦しました。しかし3人の中には、「民主社会を目指す弁護士の集いや「カトリック教正義実現司祭団」が強く希望していた元ソウル地方弁護士会会長の朴在承(パク・ジェスン)氏は、含まれていません。三星グループの疑惑を暴露した三星グループの元役員のキム・ヨンチョル弁護士は、三星が検察の幹部らにも定期的に賄賂を渡していたと述べていることから、市民団体は、検察の元幹部を特別検事の候補として推薦した大韓弁護士協会に反発するとともに、大韓弁護士協会に対して3人の推薦を直ちに撤回し、公正な人物を推薦すべきだと訴えています。

・ITU=国際電気通信連合はこのほど、韓国の地上波マルチメディア放送のT-DMBを国際標準に採択しました。T-DMBは、世界で初めて韓国で商業化に成功した移動端末機向けのデジタル放送のシステムです。T-DMBは、韓国では2007年6月から全国でサービスをしているほか、ヨーロッパやアジアなど11カ国がこの方式を採択して試験放送をしているほど、その技術力が高く評価されています。

・西海岸の忠清南道泰安郡沖で起きた原油流出事故で、タールの塊が事故海域から120キロ離れた全羅北道郡山沖までたどり着くなど、被害が拡大していることを受けて、政府はその有害性についての調査を始めることにし、専門家による会議が開かれました。海洋水産部は17日午後、産業資源部と海洋研究院、国立水産科学院など専門家を集め、タールのかたまりの有害性について調査する会議を開いています。海洋水産部よりますと、会議では、タールの塊ができる原因やタールが生態系に及ぼす有害性、今後のタールの有害性に関する研究の方向などについて協議するということです。

・フィギュアスケートのグランプリファイナルで、キム・ヨナ選手(17)が去年に続いて2連覇を成し遂げました。キム・ヨナ選手は、15日、イタリアのトリノで行われた女子シングルフリーで、132.21点を獲得し、これに先立って行われたショートプログラムとの合計を196.83とし、去年に続いて金メダルを獲得しました。 キム・ヨナ選手は、2回目のジャンプで転ぶミスをしましたが、残りの演技を完璧にこなして、ライバルの日本の浅田真央選手をおよそ5点差で抑えて優勝しました。去年、シニア舞台にデビューしたばかりのキム・ヨナ選手は、2年連続でグランプリファイナルを制覇し、堂々と世界トップの座につきました。

・全国にインフルエンザ注意報が出されました。保健福祉部の疾病管理本部は、全国の病院や医院でインフルエンザの疑いが持たれる患者が、11月中旬から増え始め、12月2日から8日までの一週間に1000人のうち3.34人と、流行とする基準の3人を上回ったことから、17日、全国にインフルエンザ流行注意報を出しました。

・韓国の製造業の上場企業10社のうち4社は赤字であることが分かりました。韓国銀行が上場企業のうち製造業の1540社を対象に調査した結果、赤字の企業は第2四半期は34.1%、第3四半期は37.4%に上り、2003年に韓国銀行が統計を取り始めて以来、最大となりました。

・韓国の民間シンクタンク「三星経済研究所」の調査によりますと、今年、韓国で最も人気を集めた商品はUCC(=User Created Contents、自分で作ったコンテンツ)という結果が出ました。三星経済研究所は、今年話題を集めた68の商品を対象に、インターネットの会員1万人あまりと各界の専門家に「今年の10大ヒット商品」を選んでもらいました。その結果、1位は▼UCCで、以下 ▼チャイナ・ファンド ▼フィギアスケートのキム・ヨナ選手(17)と、水泳のワールドカップで金メダルを獲得したパク・テファン選手 ▼高句麗の流れを受け継ぎ、渤海を建国した大祚栄の一代記を描いたKBSドラマ 「大祚栄(デジョヨン)」 ▼CMA=総合資産管理口座 ▼MBC放送局のバラエティー番組「無限挑戦」 ▼とうもろこしのひげ茶 ▼新人女性5人グループ「ワンダーガールズ」 ▼BBクリーム(ブラミッシュ バーム)▼それにワインが選ばれました。

・日本の大学に在学している韓国人留学生は、今年5月末の時点で1万7200人にのぼり、去年の同じ時期に比べて8.1%増えたことがわかりました。独立行政法人の「日本学生支援機構」が16日、発表したところによりますと、日本の大学で学んでいる外国人留学生は11万8400人にのぼっており、このうち韓国人留学生は14.6%を占め、中国に次いで2番目に多くなっています。

12月15日土曜日

・来週19日に投票が行われる大統領選挙を前に、KBSが行った最後の候補者支持率調査で、ハンナラ党の李明博候補の独走がさらに顕著になり、2位や3位との差が開きました。KBSは全国の成人男女1000人をランダムに決めて、大統領候補の支持率を継続して調査してきました。そして来週の大統領選挙を前に行った最後の世論調査で、これまで首位を走っている李明博候補はさらに支持率を上げて45.9%で1位となり、大統合民主新党の鄭東泳候補は20.6%、3位は無所属の李會昌候補14.1%の順でした。これは今月6日と7日の調査に比べて、李明博候補と鄭東泳候補が上昇し、李會昌候補は下がっています。そして「大統領選挙に投票する意思をもっている」という回答は77%で、その回答者を対象にした候補の支持率調査では、李明博候補は50.1%と、過半数を超えました。

・ハンナラ党と大統合民主新党の与野党議員が14日午後、国会で激しくもみ合い、大統領選挙の投票を前に与野党の対立が激しくなっています。これは支持率で首位を走っているハンナラ党の李明博候補がかかわったのではないかという疑惑がある株価操作事件について、今月5日、検察が「李明博候補は関与していなかった」と発表したことに与党の大統合民主新党が反発し、株価操作事件の疑惑を改めて捜査するための特別検事法を成立させることと、株価操作事件を捜査した検事らを弾劾訴追することを求める法案を国会に提出し、14日の本会議で採決を目指したことが発端となりました。これに対して野党のハンナラ党は採決を防ぐために13日から本会議場を占拠していて、14日に採決を目指す与党議員と本会議場で乱闘となりけが人3人が出ましたが、採決は14日には行われませんでした。2つの法案のうち特別検事を任命する法案については、林采正(イム・チェジョン)国会議長が来週17日に職権で本会議に上程する方針を示しましたが、株価操作事件を捜査した検事の弾劾訴追を求める法案は15日には上程されませんでした。このもみあいで、大統合民主新党の国会議員はハンナラ党が占拠していた国会議長席を奪い取り、週明けの17日まで国会議長席を占拠するとしています。大統領選挙は、与党の候補では野党の李明博候補の支持率を追い抜くことが厳しくなったという判断から、与党は来年春の総選挙を視野に入れて李明博候補の疑惑追及作戦を展開しているのではないかという見方も出ています。

・韓国は温室ガスの削減が2013年から義務付けられることになりました。地球の温暖化対策を話し合うためインドネシアのバリ島で開かれていた国連の会議、COP13に出席した韓国の代表団は14日、韓国も温室ガスの削減が2013年から義務付けられたことを明らかにしました。COP13では、地球温暖化などに対応するために先進国だけでなく、開発途上国も温室ガスの削減に向けた努力に加わることに合意しました。これについて韓国代表団のチェ・ジェチョル外交通商部国際経済局長は「温室ガスの削減に向けた具体的な方法などは決まっていないが、例外が適用されることは考えられないだけに、韓国の産業の被害を最小限にするため、政府と産業界が力を合わせて向こう5年間に徹底した対応策をまとめなければならなくなった」と述べました。

・第17代大統領選挙の不在者投票の投票率は、前回とほぼ同じ93.7%でした。およそ81万人が対象となる不在者投票は今月13日と14日の2日間に行われ、投票率は93.7%と、5年前とほぼ同じでした。今回の大統領選挙では初めて投票所が設けられた独島(日本名竹島)で95人、北韓の開城工業団地で311人、同じく北韓の金剛山で212人が投票し、海岸に流れ着いた原油の処理作業が行われている忠清南道泰安郡の現場でも1800人あまりが投票を行いました。

・アメリカのブッシュ大統領は14日、北韓に対してすべての核計画と核物質、核兵器をもれなく申告することを重ねて求めました。ブッシュ大統領は北韓の金正日国防委員長宛てに送った親書についての記者団の質問に「アメリカは6カ国協議を通じて北韓にはっきりと目指すものを示した。北韓は核計画はもちろん、核兵器の製造に使われる可能性のある核物質とすべての核活動を申告することが重要だ」と強調しました。ブッシュ大統領はさらに「われわれは北韓に進むべき道を示した。アメリカとほかの4カ国は金正日国防委員長の前に道があることで意見が一致した」とも述べて、北韓が核問題を解決すれば、米朝関係改善などの措置を取る考えを示唆しました。これに先立って北韓はブッシュ大統領が送った親書について、「われわれは義務を果たすので、アメリカも約束を守ることを期待する」という口頭のメッセージをアメリカに伝えたと、ワシントンの外交消息筋が14日明らかにしました。

・政府と公務員労働組合は14日、現在57歳となっている6級以下の公務員の定年を延長することで合意しました。政府と公務員労働組合は、公務員の定年は6級以下は57歳、5級以上は60歳となっていて、バランスが合わないうえに、高齢化社会に備えるためにも定年を延長する必要があるとして、6級以下の公務員の定年を今後の協議で具体的に決めることで合意し、事実上、60歳に延長することになりました。公務員の定年は1998年の通貨危機の際に構造調整で1年短縮されていました。公務員の定年延長については、全経連=全国経済人連合会と大韓商工会議所がほとんど55歳となっている民間企業の定年とギャップがあり、青年の失業の改善にはならず、高賃金の負担が生じて、経済の活力にマイナスになるとして憂慮を示してきました。今回の政府と公務員労働組合との合意は、国会での関連法の改正が必要ですが、来年2月に発足する新政権の政策によって変更される可能性もあり、論議を呼ぶことが予想されます。

・韓国西海岸で起きた大量の原油流出事故について、日本政府は14日、専門家6人と原油を吸い取る資材を韓国に支援すると発表しました。高村外相は、日本の国際緊急援助隊の専門家6人を15日、韓国に派遣し、西海岸での原油の除去作業の支援に当てるとともに、油を吸い取る資材3000万円相当も支援すると述べました。また国連の人道問題調整事務所のスポークスマンは、14日、国連とEU=ヨーロッパ連合は韓国政府の支援要請を受けて、専門家4人ずつを韓国に派遣し原油の除去作業を支援すると発表しました。これに先立ってアメリカからも4人の専門家がすでに韓国入りしており、中国やシンガポールも防災資材を支援するなど、原油流出事故に対する国際社会からの支援が相次いでいます。

・世界で初めてクローンの犬の誕生を成功させたソウル大学獣医学部が、麻薬探知犬のクローンを作ることに成功しました。関税庁はソウル大学獣医学部とともにクローンの麻薬探知犬開発を進めてきましたが、麻薬探知犬のクローン7頭が先月誕生し、このうち2匹は麻薬探知の訓練を始めたことを14日、明らかにしました。犬の品種は盲導犬としてもよく活用されているラブラドール・レトリーバーで、カナダ産の麻薬探知犬から体細胞を取り出し、代理母の卵子にその体細胞を移植してクローンの犬を作ることに成功したということです。麻薬探知犬は空港や港などで100頭あまりが活動中ですが、旅行客と輸入の増加で不足状態になっています。特に2000年9月にアメリカで起きた同時多発テロ事件の後、麻薬探知犬の主な供給源のアメリカが自国での需要を理由に輸出を制限したため、関税庁は優秀な麻薬犬を安定的に確保するため、今年6月にソウル大学と共同で麻薬探知犬のクローン化に乗り出していました。

12月14日金曜日

・西海岸の忠清南道泰安郡沖で起きたタンカーの衝突事故から8日目の14日、原油が流れ出た西海岸の海水浴場の沿岸、およそ10キロにわたっていわゆるオイル・ボール(Oil ball)が確認され、原油による2次汚染が心配されています。海洋警察によりますと、忠清南道テアン郡の海岸で直系2センチから3センチほどの油のかたまり「オイル・ボール」が発見され、漁民やボランティアが除去作業に当たっているということです。オイル・ボールは流出した原油の揮発成分が無くなって重くなった油がボールのように固まって海水に沈んで、魚介類に深刻な被害を与えるとともに、プランクトンを汚染させるもので、環境の専門家たちはオイル・ボールの発生を最も憂慮していました。事故対策本部は14日も、海洋警察などの艦艇240隻あまりと航空機13機を動員して、流れ出した原油の除去作業を進めていますが、泰安郡沖は北西の風が強く吹き、波は2メートルから4メートルと高くなっており、原油がほかの地域の沿岸まで漂着する可能性も高くなっています。

・来週の19日に投票が行われる大統領選挙を前に主なマスコミ各社が行った最後の世論調査の結果、ハンナラ党の李明博候補が独走し、大統合民主新党の鄭東泳候補と無所属の李會昌候補が大差をつけられながらも追っている構図に変化がないことが分かりました。世論調査の公表は、選挙法で投票日6日前から禁止されていることから、東亜日報、ハンギョレ新聞、京郷新聞、韓国日報など有力な中央日刊紙は、13日以前に行った世論調査の結果を13日と14日に発表しました。それによりますと、ハンナラ党の李明博候補は株価操作事件に関わりがなかったとした検察の捜査結果が発表された後、支持率が右肩上がりで40%前後を維持して、依然独走しており、大統合民主新党の鄭東泳候補と無所属の李會昌候補にほぼ2倍の差をつけています。

・大統領選挙の有権者数は3765万3518人で確定しました。中央選挙管理委員会は13日、第17代大統領選挙の有権者数を3765万3518人と最終的に確定し、このうち19日に投票する有権者は、不在者投票の対象者の81万人あまりを除いた3684万3016人と発表しました。これは、5年前の大統領選挙の際の有権者数に比べて266万2000人ほど増え、去年の統一地方選挙の時よりは58万9000人増えました。年齢別では30代が最も多く、地域別ではソウル市と京畿道・仁川市の首都圏の有権者が全体の49%を占めています。

・大統領選挙に立候補していた李壽成(イ・スソン)氏が13日立候補をとりやめました。今回の大統領選挙で立候補の辞退を表明したのは李壽成氏が2人目で、これで大統領候補は10人となりました。

・アフガニスタンに派遣されていた韓国軍の工兵部隊と医療部隊の兵士195人全員が14日無事帰国し、韓国軍はアフガニスタンから完全に撤収しました。アフガニスタンに駐留していた韓国軍兵士195人は14日午前、大韓航空のチャーター機でソウル空港に着いて家族と再会し、午後には解団式を行いました。帰国した兵士たちは今後、健康診断を受けた後、25日間の休暇を過ごし、アフガニスタンに派遣される前に所属していた部隊に戻ることになります。政府は2002年2月にまず医療部隊のドンイ部隊を、翌年2月には工兵部隊のダサン部隊をアフガニスタンに派遣し、隊員を6カ月単位で交代させながら、これまでに延べ2131人の兵士を派遣していました。このうち、医療部隊は派遣されていた5年10カ月の間に、アフガニスタンの地元住民およそ25万9500人を診療し、工兵部隊は飛行場の滑走路や道路の拡張など400件あまりの工事を行いました。

・韓国と北韓の経済協力事業を軍事面で保障することを話し合う南北将官級軍事会談は、最終日の14日、焦点となっていた共同漁業区域の設定に合意できずに終了し、この問題は次回の会談に持ち越されました。板門店の韓国側の「平和の家」で開かれていた南北将官級会談は、初日の12日に南北の通行、通信、通関について軍事保障を認めることで合意したあと、13日から西の海、西海に共同漁業区域を設定する問題について協議を進めてきました。共同漁業区域について、韓国が海の軍事境界線を中心に南北にそれぞれ同じ広さで共同漁業区域を設けるよう提案したのに対して、北韓は軍事境界線からさらに南を平和水域にして、そのうち4カ所を共同漁業区域にするよう求めていました。南北は最終日の14日の会談で、双方の意見をもとに調整作業に入りましたが、意見の隔たりを解消できないまま、今回の会談は終了しました。

・今年行われた南北首脳会談や南北首相会談で合意した内容の実行について、来年発足する新しい政権でも合意を守るべきだとする意見と見直すべきだという意見が相半ばしていることが世論調査で分かりました。この調査は大統領の諮問機関、民主平和統一諮問会議が先月30日から今月2日まで全国の19歳以上の国民1015人を対象に行ったものです。それによりますと、「次の政権でも南北間の合意を守るべきだ」という回答が44.6%だったのに対して、「政権が変われば合意内容を見直すべきだ」または「与野党が変わらなくても合意内容を見直すべきだ」を合わせると44.2%になり、双方の意見はほぼ伯仲しています。

・ヨーロッパ議会は、第2次世界大戦当時の旧日本軍の従軍慰安婦問題に対して、日本政府に公式の謝罪を求める決議案を採択しました。ヨーロッパ議会は13日、フランスのストラスブールで開いた本会議で、出席した議員57人のうち54人の賛成多数でこの決議案を採択しました。決議案は、第2次大戦当時旧日本軍が20万人以上のアジア人女性を従軍慰安婦として強制動員したことに対し日本政府に公式の謝罪を求め、日本が歴史的責任を受け入れるよう促しています。国際社会で従軍慰安婦問題に関する決議案が採択されたのは、アメリカ下院をはじめ、オランダ下院、カナダ下院に次いで4回目です。

・北韓がレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラなどの国際テロ組織に武器を供給していた可能性を指摘したCRS=アメリカ議会調査局の報告書に関連して、アメリカ国務省は、北韓が1987年以降いかなるテロ行為にも関与していないという、国務省の国際テロ報告書の内容を支持すると述べました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は14日、北韓に対するテロ支援国指定の解除をめぐる検討作業が行われているところだとしてこのように述べました。北韓が1987年以降はテロ活動を支援しなかったというアメリカ国務省の主張に対し、フランスや韓国、日本のメディアが、北韓はレバノンやスリランカのテロ組織の活動を支援してきたと報道したと、CRSは指摘していました。

・ソウル中心部の世宗路に、歴史や文化などをテーマに、韓国を象徴する広場として「光化門広場」が作られます。ソウル市は13日、「都心再創造事業」の一環として進めている「光化門造成事業」の具体的な計画を発表しました。それによりますと、広場は光化門から清渓川広場まで740メートルの道路の中央部に幅34メートルで造成することになっています。広場は六つの区域に分けて、歴史や文化のほか、ITの最先端技術をテーマに韓国を象徴するものを垣間見ることができるようにする計画です。光化門広場は、すでに工事が進んでいる光化門とともに2009年6月に完成します。

12月13日木曜日

・板門店の韓国側の「平和の家」で12日から3日間の日程で開かれている南北将官級会談で、南北は通行、通信、通関に関する軍事保障合意書を採択することで合意しました。これによって、今後は北韓の開城工業団地と金剛山観光地区でもインターネットや有線無線の電話を使用できるようになります。また、通関の問題については、品物を選別して検査するなど、手続きを簡素化することにしました。鉄道や道路の通行については、毎日午前7時から午後10時まで常時通行を保障し、日曜日などの休日は双方が協議して通行を保障することで一致しました。

・今月7日に忠清南道泰安郡の沖合いで大型タンカーから大量の原油が流出した事故で、政府は現場の海域に高波や暴風が予想される13日が原油の回収など防除作業の山場になるとみて、原油が南海岸に拡がらないように全力を上げています。政府は12日、 韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理を委員長とする中央災害管理委員会を開き、今回の原油流出事故を国家的災害と位置づけて、この委員会が防除活動を総括することにしました。そして具体的には、原油が南海岸の浅水(チョンス)湾や安眠(アンミョン)島などに拡がるのを防ぐため、合わせて220隻の防除用船舶を配置すると共にヘリコプターや軽飛行機を追加して投入することにしました。さらに、15億ウォンをかけて油を吸いとる吸着マットを追加生産すると共に、日本や中国からも吸着マットを購入することにしました。

・韓国の歴代の大統領選挙では済州島で支持率が1位になった候補者が大統領に当選していたことがわかりました。これは韓国行政学会が13日、西南大学のカン・ヨンギ教授が学会で発表した報告書として明らかにしたものです。報告書によりますと、韓国で1945年以降16回にわたって行われた大統領選挙のうち、国民による直接選挙が行われた9回の選挙を分析したところ、済州島で支持率が1位になった候補者は、2代と3代の李承晩大統領、5代から7代までの朴正熙大統領、13代の盧泰愚大統領、14代の金泳三大統領、15代の金大中大統領、16代の盧武鉉大統領の6人がいて、いずれも大統領に当選しています。これについてカン・ヨンギ教授は、済州島や済州島と同じ傾向の忠清北道の有権者は、他の地域に比べて政治的な理念が中立に近いため、当選の的中率が高いのではないかと分析しました。

・大統領選挙の不在者投票が13日、14日の2日間行われます。不在者投票は、投票日に仕事の都合などで決められた投票所で投票できない人が、あらかじめ選挙管理委員会に届け出ることになっており、不在者投票の対象者は全国の市郡区の事務所に設けられた506カ所の投票所のどこでも投票することができ、また、郵便などによる不在者投票も可能です。不在者投票の対象者は81万500人あまりで、有権者全体の2.2%にあたります。今回の不在者投票の対象者には、北韓の開城工業団地や金剛山観光地区で勤務している1100人あまりも含まれています。

・アメリカ議会が北韓の核解体費用として最大500万ドルの支出を承認する法案を可決しました。上院との協議を経て下院が13日に可決した2008年度の国防授権法案には、北韓の核解体費用として最大500万ドルまで予算を増額するという内容が盛り込まれています。この予算はブッシュ政権が北韓に対する支援金として議会に要請した1億600万ドルとは別枠で、来年度に核の解体が行われるという想定のもとで成立した予算ということで注目を集めています。

・アメリカのライス国務長官は12日、最近アメリカと北韓の関係が改善の兆しをみせてはいるが、アメリカが北韓と幅広い関係改善を行うのはまだ早いと述べました。ライス国務長官はAP通信とのインタビューでこのように述べ、アメリカ政府は北韓が全ての核開発計画を諦めるまでは北韓と幅広い関係改善を進める考えはなく、北韓は依然としてイランと同様に重大な核拡散の恐れのある国だと指摘しました。ライス国務長官はまた、ブッシュ大統領が金正日国防委員長に親書を送ったことや、来年2月26日に予定されているニューヨーク・フィルの平壌(ピョンヤン)公演について、北韓の核開発問題を解決するための「積極的な外交」の一環で、北韓に対するアメリカ政府の政策基調が緩んだことを意味するものではないとしています。

・日本政府が、韓国人に対して最長90日間のビザなし渡航を認める措置を取ってから、日本での韓国人の不法滞在者が減少していることが明らかになりました。外交通商部によりますと、日本を訪れる韓国人のうち不法滞在者の割合は、2004年3月から2005年2月までの間は0.25%でしたが、日本が90日間の短期ビザを期限付きで免除した2005年3月以降去年2月までの間は0.21%とやや減少しました。また韓国と日本が互いに、90日間ビザなし渡航を恒久化し始めた去年3月以降今年2月までの間には日本での韓国人の不法滞在者は0.11%に減り、さらに今年3月から7月までの5ヶ月間は0.07%に減少しました。外交通商部は、「日本への入国ビザが免除されると韓国人の不法滞在者は増えるのではないかと憂慮されていたのとは裏腹に、むしろ不法滞在者の割合は減っていることが確認された」としています。

・国内の航空会社では初めて、大韓航空が航空機の利用距離に応じて特典が受けられるマイレージサービスの使用期限を5年以内にすることになり、利用者が反発しています。大韓航空は、特典を利用するマイレージサービスの使用が連休など特定の時期に特定の路線に集中しているため、平均化した使用を促す必要があるとして、来年7月から積み立てられるマイレージは、5年以内に使用するよう期限を設けたとしています。しかし、利用者の間からは、マイレージサービスをいつ使うかは使う側の自由で、航空会社が経営上の必要から一方的に決定するのは納得できないと、反発する声が出ています。

・OECD=経済協力開発機構に加盟している30カ国の女性の勤務時間について調べたところ、韓国の女性の勤務時間が最も長いことが明らかになりました。また韓国は、男女間の賃金の格差が加盟国平均の2倍を超えるなど女性の雇用条件がかなり劣悪であることが分かりました。OECD=経済協力開発機構が12日発表した報告書によりますと、2005年の時点で、週40時間以上働く女性の割合が韓国は77%と加盟30カ国のうち最も高くなっています。また大卒以上の女性の雇用率が、義務教育だけを受けた女性の雇用率より低いのは、OECD加盟国のうち唯一韓国だけでした。これは、高等教育を受けた女性の働き口が少ないことを意味します。このためOECDの報告書は、「韓国は、出産を理由に女性を正規職から外す慣行を是正しなければならない」と指摘しています。

・韓国一の料理人をめざす天才料理人の挫折と成功を描いた映画「食客」の観客が300万人を超えました。映画「食客」の制作配給会社であるイェダン・エンターテイメントによりますと、今年公開された韓国映画の中で観客が300万人を超えたのは、1991年に起きた小学生の誘拐殺害事件を映画化した「あいつの声」と、コメディアン出身のシム・ヒョンレ監督が制作して話題を呼んだ「ディー・ウォー」、そして1980年の光州民主化運動を素材にした「華麗なる休暇」の3作で、「食客」は4作目だということです。映画「食客」は漫画家ホ・ヨンマン氏の同名漫画を映画化したもので、先月1日に公開されました。

12月12日水曜日

・韓国と北韓の経済協力事業を軍事面で保障することを話し合う南北将官級軍事会談が12日から14日まで3日間の日程で板門店の韓国側の「平和の家」で始まりました。午前10時から始まった会談で韓国側のイ・ホンギ首席代表は、「韓国の?山(ムンサン)駅と北韓の板門(パンムン)駅との間で貨物列車が開通して、物流費用を半分に減らすことができた。南北の経済協力がさらに活性化すれば、鉄道はユーラシア大陸までつながると思う」と述べて、12日に南北の通行、通信、通関について妥結し、13日からは西海に共同漁業区域を設定する問題について協議するよう提案しました。今回の南北将官級軍事会談で、南北間の通行や通信、通関のための軍事的な保障は南北双方が必要性を認めているうえに、草案を交換していることから、妥結する可能性が高いとみられます。しかし西海での共同漁業区域の設定は、北韓が認めていない海の軍事境界線と絡んでいるため協議は難航することが予想されます。

・今月19日に投票が行われる大統領選挙に向けて、中央選挙管理委員会が主催する主な候補による2回目のテレビ討論会が11日夜、行われました。今回の討論会では、社会、教育、文化、女性の4つの分野がテーマになり、論戦が交わされましたが、ハンナラ党の李明博候補の過去の問題をめぐって、ほかの候補が集中して攻撃する場面が見られました。

・盧武鉉大統領は11日、原油の流出事故で大きな被害を受けた西海岸の被災地を訪れ、早期復旧を指示しました。盧武鉉大統領は11日の閣議で、原油による汚染地域を特別災害地域に指定した後、被災地に出向き、テアン海洋警察署で現状について報告を受けた席で「事故発生後、3日で原油を全量回収できる防災能力があると聞いていたが、今回の事故による被害は深刻で、これでは国民が納得できない。過剰な防災といわれることがあっても、外国から必要な資材を購入するなど、あらゆる方法を使って、これ以上、汚染が広がらないようにしてほしい」と厳しく指示しました。盧大統領はこの後、原油で汚染されたマンリポ海水浴場に行き、原油の除去作業を行っている地元住民や兵士、ボランティアを激励しました。盧大統領は2000年8月から7カ月間、海洋水産部長官をつとめたことがあり、対策についての厳しい指示は海洋水産部と関係機関との間で、防災作業の歩調が合わないことへのもどかしさを表したものとみられます。

・韓流スターのペ・ヨンジュンさんが、原油流出事故の防災作業に必要な装備を買い入れる費用として3億ウォンあまりを寄付する意向を示しました。ペ・ヨンジュンさんの所属事務所は12日「ペ・ヨンジュンは原油の流出事故の現場で必要な防塵服、マスク、手袋、シャベルなどを購入する費用として、テアン郡庁に3億2000万ウォン、日本円でおよそ3850万円を贈る予定だ」と発表しました。ペ・ヨンジュンさんはこのほど歴史ドラマの撮影を終えて、撮影中に受けたけがを治療するため病院に入院した後、足にギブスをして退院しており、原油流出事故についてのニュースなどで現場の厳しさをみて、防災作業に当たっているボランティアを支援するため必要な資材を贈りたいと述べたということです。

・今年1年間に、韓国を訪れた中国人観光客が100万人を超える見通しです。韓国観光公社によりますと、中国からの観光客は今年に入ってから11月末までに97万2000人あまりとなり、このまま推移しますと、今月13日頃、100万人を超えるものとみられるということです。このため、韓国観光公社は13日、北京を出発して大邱空港に到着する中国人観光客を対象に100万人突破の記念行事を行う計画です。1992年の国交正常化の後、韓国を訪れる中国人観光客は93年には10万人に過ぎませんでしたが、去年は89万5000人に急増しています。これについて韓国観光公社は「韓国と中国は地理的に近く、韓流ブームが続いているため、中国人の所得が増えてこともあって、韓国を訪問する中国人が増えており、来年は120万人を目標にしたい」と話しています。

・文化観光部はこのほど、歌謡曲や映画について、盗作かどうかを判断するガイドラインを作りました。今年の上半期に人気を集めた歌手アイビーのミュージックビデオは、日本のゲームソフトの登場人物の服装や画面の背景と構成まで似ていて、日本のゲームソフト会社が訴えを起し、ソウル中央地方裁判所は、このミュージックビデオが盗作だという判断を下して、罰金を課した例があるなど、歌謡曲や映画をめぐる盗作かどうかの論争が相次いでいます。このガイドラインによりますと、例えば音楽は、一部のメロディーだけでなく、クライマックスの部分が似ている場合や曲全体の流れが似ている場合に盗作と考えることができるとしています。映画は、台詞や登場人物だけでなく、ストーリーの展開、全体的な雰囲気など、多様な要素を総合的に判断する必要があるとしています。また、人々が聞いたり見たりして、似ていると感じることも、重要な判断基準のひとつだとしています。文化観光部は、盗作は創作物の質の低下を招き、文化産業に対する投資を萎縮させるとして、盗作を防止するための措置の一環として、ガイドラインを作りました。

・韓国人は、今年、韓国を輝かせたスポーツスターは、フィギュアスケートのキム・ヨナ選手と水泳のパク・テファン選手の2人と思っていることが分かりました。これは韓国ギャラップが今月9日、全国の成人男女およそ1000人を対象に電話で行った調査で、「今年、韓国を輝かせたスポーツスター2人」を上げてもらったところ、国際スケート連盟のフィギュアのシニアグランプリで相次いでグランプリを手にした「キム・ヨナ選手」が52%で最も多く、次いで「水泳のワールドカップで金メダルを獲得した「パク・テファン選手」が45%と、ハイティーンの選手2人が1位と2位を占めました。3位はプレミアリーグ、マンチェスター・ユナイテッドの朴智星選手、4位は日本のプロ野球巨人の李承Y選手でした。

・歳末助け合いの募金キャンペーンが始まり、恒例の「愛の温度塔」が建てられました。社会福祉共同募金会は2000年から全国の主な市役所の前に、「愛の温度塔」と呼ぶ体温計の形をした巨大な募金塔を建てて、目標としている募金額の1%が集まるたびに体温計の目盛りを1度ずつあげて、目標額を達成すると、「愛の温度塔」が100度を示すことになっています。社会福祉共同募金会は、今年12月1日から来年1月末まで2カ月間のキャンペーン期間中に1786億ウォンを募金する計画で、現代・起亜自動車から100億ウォン、SKグループから100億ウォン、錦湖アシアナグループから30億ウォンなど企業からの寄付で、12日の温度塔は21度8分を指しています。

12月11日火曜日

・韓国と北韓を行きかう貨物列車が11日、56年ぶりに定期運行を始めました。貨物列車が運行を始めたのは、南北を縦断する幹線鉄道、京義線の韓国のムンサン駅と北韓の開城工業団地に近い鳳東(ボンドン)駅の間で、およそ20キロです。京義線で列車が定期的に運行されるのは、1951年6月にソウルと開城の間で運行されたのを最後に、南北分断で途絶えて以来、およそ56年ぶりです。この日は開城工業団地に進出している韓国企業の工場で使用する資材を載せた貨物列車が午前6時20分にムンサン駅を出発し、午前8時40分に鳳東駅に到着しました。列車は鳳東駅で資材を下ろした後、開城工業団地の韓国企業の工場で生産された衣類や運動靴などを載せてムンサン駅に戻ります。北韓側の鳳東駅では午前11時、韓国の李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官や北韓の権虎雄(クォン・ホウン)内閣参事らが出席して、開通記念式典が行われました。貨物列車の運行は10月の南北首脳会談で合意したもので、毎週月曜日から金曜日まで、午前9時に韓国のムンサン駅を出発して北韓の鳳東駅に向かい、午後2時に鳳東駅を出発してムンサン駅に戻ります。

・政府は7日に忠清南道泰安郡の沖合いで大型タンカーから大量の原油が流出した事故で、被害が拡がっている泰安郡、瑞山市、保寧市、舒川郡、洪城郡の六つの市と郡を特別災害地域に指定しました。特別災害地域に指定されますと、被害の復旧にかかる費用を国庫から支援します。また、該当する地域の住民は、国税の納付期限が9カ月延期されるなど、税金の減免措置を受けることができ、健康保険料や国民年金保険料の減免も受けることができます。政府は忠清南道に対して、とりあえず災害などの特別な事情があるときに支給する特別交付税10億ウォンを支給し、追って予定外の支出に対応するための予備費から59億ウォンを支援することにしました。

・西海岸の忠清南道テアン郡の沖で起きた大型タンカーとクレーン船の衝突事故でタンカーから流れ出た原油1万トンあまりは、テアン半島に沿って南北に70キロの帯状に広がっていますが、事故から5日経った11日には広がり方は小康状態となっています。海洋警察の防災対策本部によりますと、大型タンカーから流れ出た原油は事故海域から南へ50キロ、北に20キロの南北に長い帯の状態で広がりましたが、北西風が弱まった11日にはそれ以上の広がりはみせていません。しかしすでに、この原油による被害は深刻になっており、忠清南道の集計によりますと、海岸線167キロに沿う形で並んでいるカキやあわびの養殖場など2562ヘクタール、6つの海水浴場にある砂浜220ヘクタールなどが油で汚染されました。海洋警察は警備艇などの船舶220隻と航空機5機、兵士や警察ら1万3000人が海上と海岸で原油を回収する作業にあたっているとしていますが、これまでに海上と海岸で回収した原油は流出した1万トンあまりのうち700トンに止まっています。

・アメリカのオーケストラのニューヨーク・フィルが来年2月26日に初めて平壌で公演することになりました。ニューヨーク・フィルの平壌公演は、北韓の非核化のプロセスと並行して進められている米朝関係改善の一環として実現したもので、アメリカのオーケストラが北韓で公演するのは初めてです。平壌を訪れるのはニューヨーク・フィルの演奏者をはじめ、取材陣などを含めて250人あまりになる見込みです。アメリカのニューヨークタイムスは、米朝間の初めての文化交流が、北韓が国際社会に復帰する一つの契機になるだろうと報じました。ニューヨーク・フィルは平壌公演でアメリカの国歌も演奏する予定です。

・アメリカのライス国務長官は10日、非核化が実現すれば、米朝関係正常化も可能になると語りました。ライス長官はこの日、ワシントン市内で講演し、まだ解決しなければならない問題が残っているが、北韓との交渉は比較的順調に進んでおり、北韓が検証可能な方法で非核化を実現すれば、米朝関係正常化も可能になるとして、北韓は今、孤立から抜け出せる道のりに立っていると語りました。また、ウラン濃縮計画や核拡散活動などを含む「完全かつ正確な申告」が次の段階への出発点であり、韓半島の非核化の始まりだと強調しました。ライス長官は、こうした問題が解決すれば、韓半島の分断と対立を克服するための平和体制の構築、さらには北東アジアの安定も実現できるとして、期待感を示しました。

・来年4月9日に行われる総選挙に立候補を予定している人たちが一定の条件の下で選挙運動ができる候補者予備登録が始まりました。中央選挙管理委員会は、選挙法に基づいて総選挙の投票日の120日前に当たる11日から候補者予備登録の受け付けを始めました。予備登録を希望する候補者は、該当する地域の選挙管理委員会に登録申請書と選挙事務所の場所や電話番号、顔写真などを提出することになります。公務員の場合は、選挙法で選挙での中立義務が課されているため、辞職した証明書を添付しなければなりません。候補者予備登録をすれば、選挙事務所を設置して、3人以内の選挙関連事務員を置いて、電子メールや文字メッセージ、音声メッセージなどを送る方法で選挙運動をすることができます。また、1億5000万ウォンまで選挙資金を募金することもできます。候補者登録、つまり立候補の受け付けは来年の3月16日と17日に行われますが、中央選挙管理委員会は、来年の総選挙に向けた本格的な選挙運動がすでに始まったとして、大統領選挙と並行して不正な選挙運動を取り締まっていくことにしています。

・東海(日本海)を1カ月近く漂流していた北韓の漁船の乗組員5人が10日午後、韓国の海軍と海洋警察に救助されました。この漁船は1トンほどの木造船で、乗組員によりますと、先月13日に北韓の咸鏡南道の港を出港しましたが、翌日になってエンジンが故障して、27日間も漂流していたということです。乗組員5人は東海に面した海軍部隊で治療を受けていますが、1カ月近く漂流していたことから、寒さと飢えのため健康状態はさほどよくないということです。乗組員は北韓に戻りたいという意思を表明しており、海軍は治療が終わり次第、乗組員を北韓に帰すことにしています。

・韓国人の平均寿命は、男性が75.7歳、女性は82.4歳で、OECD=経済協力開発機構の加盟国のうち2番目に速いスピードで伸びていることが分かりました。また死亡の原因は男性はがん、女性は循環器の疾患が最も多くなっています。統計庁がこのほどまとめたところによりますと、去年、生まれた韓国人が何歳まで生きるかという寿命の平均は、男性が75.7歳、女性は82.4歳で、10年前と比べると、男性は0.1年短く、女性は1年長くなっています。また死亡の原因を10年前と比べると、がんや自殺、肺炎、糖尿病などは増えているのに対して、肝臓疾患や脳血管疾患、交通事故などは減っています。

・韓国の女性の筋力を年代別に測定した結果、腕は、40代が、20代、30代よりも強く、足の筋力も30代と40代が強いことが明らかになりました。産業資源部の技術標準院が、全国の20歳以上の女性350人を対象に腕や腰の筋力を測定した結果、腕の筋力は、40代が平均250ニュートンで最も強く、30代が240ニュートン、20代が225ニュートン、50代は220ニュートンでした。また足の筋力は、30代が255ニュートンで最も強く、40代が250ニュートンで2番目に強いことが分かりました。これに対して20代は235ニュートンと、50代の240ニュートンより弱くなっています。このように30代と40代の女性の腕や足の筋力が他の年代に比べて強いのは、日頃から家事と育児などで筋力が強化されたためではないかと、技術評価院は分析しています。

12月10日月曜日

・韓国西海岸の忠清南道泰安沖で7日、停泊していた香港船籍のタンカーにクレーンを乗せた荷船が衝突した事故で、流出した原油が養殖場に達するなど、被害が拡がっています。海洋警察は10日、事故が起きた海域を空から撮影した結果、およそ40キロにわたって油の帯ができていると発表しました。原油はすでに潮流に乗って沿岸に漂着して、2100ヘクタールのかきなどの養殖場で被害が出始めており、海岸国立公園の泰安一帯の汚染が深刻になっています。海洋警察は養殖場が密集している沿岸にオイルフェンスを二重に設置するなど、対策に努めていますが、被害はさらに大きくなるものと予想されています。油の流出によって破壊された生態系は、復元されるまで少なくとも数年、長い場合は10年以上かかることもあり、深刻な環境汚染が憂慮されています。

・原油の流出事故で被害が拡がっている忠清南道泰安郡を訪問した朴明在行政自治部長官は、被害が大きい泰安郡など四つの地域を「特別災害地域」に指定する方針だと語りました。朴明在行政自治部長官は10日、泰安郡の災害対策状況室を訪れ、被害状況などについて説明を聞きました。朴明在長官はこの席で、被害を最小限に食い止め、効率的な復旧を図るために、これらの地域を特別災害地域に指定する必要があるとして、必要な手続きを踏み、早ければ11日にも正式に特別災害地域に指定する方針だと語りました。また、復旧のために国庫から予備費59億ウォンを忠清南道に支援し、足りない場合は特別交付税の一部を割り当てることも考えていると語りました。

・非武装地帯に近い韓国のムンサン駅と北韓の開城工業団地に近い鳳東(ボンドン)駅の間で、11日から貨物列車が運行されますが、これに先立って、韓国側のもっとも北にある都羅山駅の出入管理事務所で10日、都羅山物流センターの竣工式が行われました。都羅山物流センターは、32万8000平方メートルの敷地に、倉庫や通関、検疫、鉄道の整備などに必要な22棟の建物があり、年間160万トンの貨物を処理できます。都羅山物流センターの完成によって、都羅山出入管理事務所が取り扱う貨物量が増えるだけでなく、1日の通行可能人数も1万2000人から2万3000人に増えます。

・新年の予算案を審議する第270臨時国会が、10日から30日間の会期で召集されましたが初日から空転が続いています。今度の臨時国会は、大統合民主新党の国会議員142人の要求で召集されましたが、ハンナラ党の反対で、議事日程は決まっていません。大統合民主新党は、19日の大統領選挙の投票日までに257兆3000億ウォンの来年度予算案を成立させたいとしているのに対して、ハンナラ党は予算案は大統領選挙が終わった後、今月28日頃に審議すべきだと主張し、大統合民主新党の要求に応じない姿勢を貫いています。大統合民主新党はまた今度の臨時国会で、株価操作事件の「BBK事件」とハンナラ党の李明博候補との関連性は全くないとした検察に対する弾劾訴追案を発議し、国会の国政調査権を発動する構えを示しています。これについてハンナラ党は、検察を押さえつける政治攻勢だとして、大統領選挙が終わるまでは議事日程に合意しない姿勢をとっており、このため臨時国会は当分の間、空転状態が続く見通しです。

・盧武鉉大統領は、先週4日の閣議で議決された三星グループの秘密資金疑惑を究明するための「特別検事任命同意についての法律」を10日、官報で公布しました。捜査期間は延長期間30日と15日の2回を合わせて最大で105日間となっています。特別検事法は官報で公布されると同時に効力が発するため、早ければ来週中にも大韓弁護士協会が推薦する弁護士3人の特別検事候補のうち一人が特別検事に任命される見通しです。

・アメリカのブッシュ大統領が、先週、北韓を訪問したヒル国務次官補を通じて、金正日国防委員長に宛てた初めての親書を送った後、ブッシュ大統領は金正日国防委員長からの回答を待っており、韓国政府がそのための役割を果たすことを期待していると、ワシントンの消息筋が10日、明らかにしました。それによりますと、ブッシュ大統領は、親書を送る際に韓国政府が積極的に協力したように、回答を受け取る際にも韓国政府が大きな役割を果たすことを期待しているということです。

・外国人投資家は先月、アメリカのサブプライムローンの焦げ付きが発端となった世界的な金融市場の不安を懸念して、アジアの主な株式市場で株を売り、中でも韓国の株式市場での売り越し規模が最も大きいことが分かりました。韓国証券先物取引所がこのほど、アジアの7カ国の株式市場を対象に、11月の株価と外国人投資家の売買動向を調査した結果、外国人投資家は、インドネシアを除くすべての国で売り越しました。韓国では76億ドルを売り越し、最も売り越し額が多く、次いで台湾、日本、タイ、インドの順でした。韓国の場合、外国人投資家は6カ月連続で売り越しており、今年に入ってから合わせて264億ドルを売り越しました。1月から11月までの累積で外国人が売り越しているのはアジアの国では韓国だけです。

・原油高とウォン高にもかかわらず、来年の韓国の輸出は4000億ドルを超える見通しです。韓国貿易投資振興公社は、韓国の製品を輸入している外国の企業1400社を対象に調査した結果、中東とアジアの好景気で、産業設備用や機械類、デジタル家電への需要が高まることが予想され、これらの製品を韓国から輸入しようと考えている企業が多く、全体の輸出は今年より12.5%多い4173億ドルに達するという見通しを出しました。

・韓国証券取引所は、28日に今年最後の取り引きを行います。このため12月決算法人の配当落日は27日となり、12月決算法人の配当を希望する投資家は、26日水曜日までに株を買わなければならなりません。また大統領選挙の投票日の19日は証券取引は、臨時休場となります。韓国の株式市場は新年2日に再開されます。

・ソウル市内であればどこからでもタクシーを5分以内で呼び寄せることができる「ブランドコールタクシー」という新しい方式のタクシーが、10日から営業を始めました。従来からのコールタクシーは、乗客がタクシーのコールセンターに電話をかけると、コールセンターの放送を聞いて先にボタンを押したタクシーが乗客との距離に関係なく配車される仕組みですが、「ブランドコールタクシー」は、GPS=全地球測位システムを利用して乗客と最も近い距離にあるタクシーを強制的に配車する仕組みで、ソウル市のどこにいても5分以内でタクシーを利用できます。また料金はクレジットカードで支払うことができ、タクシーについている番号を携帯電話で送信すると、自分が乗ったタクシーの位置が把握できるメリットもあります。「ブランドコールタクシー」は、3つの会社が15540台を使って10日から営業を始めましたが、ソウル市はこの「ブランドコールタクシー」を2010年には、タクシー全体の56%にあたる4万台に増やすことにしています。

・韓国では、親の所得が低いほど、子どもが親を訪ねる回数が減るという統計が発表されました。ソウルにあるスンシル大学校情報社会学部の教授チームが、このほど発表した研究論文によりますと、子どもと同居していない60歳以上の親の所得や、教育水準、年齢などが、子どもと会う回数にどのように影響しているかについて調べたところ、これらの条件のうち、唯一「所得」が親と子が会う頻度と関係があることが分かりました。つまり親の所得が1%高くなるにつれて、週に一度、子どもと会う可能性が2倍高くなっているということです。しかしこれは韓国に限って現れる現象で、OECD=経済協力開発機構のほとんどの加盟国ではこういった現象はみられなかったということです。

12月8日土曜日

・今月19日に投票が行われる大統領選挙で、主な候補6人による初のテレビ討論会の後、KBSが6日と7日の2日間に行った世論調査で、ハンナラ党の李明博候補は支持率がやや上がって依然として独走状態で首位を走っています。それによりますと、各候補の支持率はハンナラ党の李明博候補が41.7%でテレビ討論の前より4.4ポイント上昇して依然として首位となっており、次いで無所属の李會昌候補は16.4%と4.1ポイント下落し、李明博候補との差が25ポイント以上に開きました。続いて大統合民主新党の鄭東泳候補が15.4%と誤差の範囲内で3位となりました。支持する政党はハンナラ党が47.7%、大統合民主新党13.3%、民主労働党7.3%、創造韓国党3.3%、民主党2.3%の順でした。今月19日の投票日に投票しますかという問いに対しては「必ず投票する」が73.9%、「なるべく投票する」が16.4%でした。

・大統合民主新党の鄭東泳候補と創造韓国党の文国現候補の一本化に向けた協議は失敗に終わったもようです。文国現候補の陣営は7日の会議で、鄭東泳候補との一本化を進めるにあたって、どちらの候補が適任かを決めるテレビ討論会をしないうちに世論調査の支持率だけで結論を出すことは意味がないと判断しました。また文国現候補は8日午前、大統領選挙で最後まで戦いたいと述べました。これに対して大統合民主新党の鄭東泳候補側は、一本化に向けた期限としている来週10日までさらに協議を続けたいとしています。2人の候補による一本化の動きは、今月4日、文国現候補が提案して始まり、どちらの候補に一本化するかはテレビ討論会を通じて決める予定でしたが、中央選挙管理委員会が2人だけのテレビ討論会は違法であるという判断を示しており、両党の候補一本化に向けた交渉は事実上、失敗したものと受け止められます。

・韓国の西海沖に停泊していた大型タンカーにクレーンを載せた荷船が衝突して、タンカーの原油1万500トンが海に流れ出し、韓国では史上最悪の海洋汚染事故になる見通しです。この事故は7日午前7時すぎ、韓国中部の忠清南道テアン郡の海岸から北西およそ10キロの沖合いに停泊していた香港船籍の大型タンカー「ハベイ・スピリット」14万6000トンに、近くを航行していたクレーンを載せた荷船1万1800トンが衝突したもので、この事故で大型タンカーのオイル・タンクに3つの穴が開いて、1万500トンの原油が海に流れ出しました。海洋警察の調べによりますと、この事故は海上クレーンを載せた荷船を2隻の船で曳航中に、高波でワイヤー1本が外れて荷船が海に流され、停泊していた大型タンカーに衝突したということです。今回の事故で流れ出た原油は、これまで韓国で最悪の海洋汚染事故となっている1995年7月にタンカーが座礁して原油5000トンが流出した事故に比べて2倍以上の規模で、政府は事故のあった海域にオイルフェンスを張るなどの措置をとっています。

・大統合民主新党とハンナラ党は7日、来年度予算案の審議について幹事長が協議しましたが、意見の調整ができず、来年度予算案が通常国会の会期内に成立することは事実上できない見通しです。この協議で大統合民主新党が安定的な国政運営と国民の負担を最小限にするために、予算案を早期に成立させるよう主張したのに対して、ハンナラ党は予算案の審議を十分に行うには大統領選挙が終わった後の28日に処理すべきだという方針を崩しませんでした。両党は通常国会の会期が終わった後に臨時国会を召集して、予算案の審議を続けることにしています。

・アメリカ南西部のテキサス州ヒューストンにあるヒューストン美術館に韓国室がオープンしました。韓国の国立中央博物館によりますと、ヒューストン美術館の韓国室は韓国国際交流財団の支援で開設したもので、210uの広さに新羅時代の金冠や帯などの国宝をはじめ、土器や陶磁器などの文化財37点が2年間展示される予定です。

・国際的な原油価格の上昇で、韓国でのガソリンスタンドでのガソリンの販売価格がさらに上昇しました。韓国石油公社が全国の1100のガソリンスタンドを対象に販売価格を調べた結果、ガソリン1リットル当たりの販売価格は全国平均で1634.4ウォンとなり、これまで最高だった先週の1622.4ウォンより12ウォンほど高くなりました。ガソリン価格は今年10月下旬の1555ウォンから7週連続して上昇し、最高価格を更新しています。

・韓国のプロ野球、三星ライオンズのイム・チャンヨン投手(31)が日本のプロ野球、ヤクルト・スワローズに入団し、来年から日本のプロ野球のマウンドに立つことになりました。イム・チャンヨン投手は7日、東京のヤクルト球団の事務室で、来年から3年間でおよそ300万ドルの契約を結び、背番号12番のユニフォーム姿を披露しました。イム・チャンヨン投手は来年1月に日本に渡って、2月から春のキャンプに参加する予定です。

12月7日金曜日

・このほど北韓を訪問した6カ国協議のアメリカ代表を務めるヒル国務次官補が、金正日国防委員長にブッシュ大統領の親書を伝えていたことが分かりました。北京に滞在しているヒル次官補は6日、記者団に対して、ブッシュ大統領が金正日国防委員長だけでなく、6カ国協議の関係国すべての首脳に親書を送ったと語りました。ヒル次官補は親書について、核計画を完全に申告するよう強調する内容だと語りました。AP通信は6日、親書の内容について、核問題を解決するためにはすべての核計画の正確な申告が欠かせない条件だという点を強調し、北韓がすべての核計画を申告すれば、アメリカは北韓との関係正常化を進める用意があるとしていると報じました。かつて北韓を「悪の枢軸」と非難していたブッシュ大統領が金正日国防委員長に親書を送ったのは初めてで、場合によっては米朝関係が大きく進展する可能性もあると見られています。

・今月19日に投票が行われる大統領選挙に向けて、中央選挙管理委員会が主催する主な候補による1回目のテレビ討論会が6日夜、行われました。討論会を全国に生放送する会場のKBSの前には、討論会が始まる2時間前から出席する候補6人の支持者2000人あまりが集まり、プラカードを掲げ、それぞれの候補に声援を送りました。討論会では、政治、統一問題、外交、安全保障の4つの分野がテーマになり、論戦が交わされましたが、李明博候補が関わったのではないかという疑惑が持ち上がっている株価操作事件の「BBK事件」についてもし烈な攻防が展開され、これまで世論調査の支持率で1位を維持している李明博候補に対してほかの候補が集中して攻撃する場面が見られました。

・アフガニスタンに派遣されている韓国軍の医療と工兵部隊の195人が今月14日、全員、撤収することになりました。韓国の合同参謀本部は7日、アフガニスタンに派遣されている医療部隊と建設工兵部隊に駐留している兵士195人が14日、全員撤収し、チャーター機でソウル空港に到着する予定だと発表しました。合同参謀本部は撤収に先立って、韓国軍関係者5人を8日、アフガニスタンに派遣して、国際安全保障支援軍や連合合同軍司令部などと撤収計画を協議することにしています。政府はアメリカで起きた同時多発テロの後、アメリカの大々的なテロ掃討作戦に協力して、アフガニスタンの首都カブールから北50キロにあるバーグランに2002年9月に医療部隊を、翌2003年2月には建設工兵部隊をそれぞれ派遣して、地元住民を対象に医療支援と平和再建に向けた任務にあたっていました。しかしその後、韓国国内で派兵に対する批判的な世論が高まり、政府はアフガニスタン駐留の韓国軍を年内に撤収する方針を決めていましたが、今年7月にアフガニスタンでボランティア活動をしていた韓国人のグループ23人が韓国軍の撤収を要求する反政府武装勢力タリバンに拉致される事件が起き、このうち2人が殺害されましたが、残る21は9月までに韓国に帰っていました。一方、政府は来年はじめに民間主導のアフガニスタン地方再建チームとして20人から30人ほどを派遣する方針です。

・先の南北首脳会談で合意した南北共同宣言に盛り込まれた経済協力分野について話し合う初めての南北経済協力共同委員会は6日、分野別に4つの分科会を今月中に開くことなど14項目からなる合意文書を採択し、3日間の日程を終えました。ソウルで開かれていた南北経済協力委員会で、南北の代表団は、先の南北首相会談で設置が決まっていた分科のうち、造船・海運をはじめ、開城工業団地、農水産、保健・医療の4つの分科会を今月中に開くことで合意しました。さらに、共同委員会では、経済協力制度と資源開発協力の2つの分科会を新設することでも合意し、経済協力制度の分科会を来年4月初めに開城で開くことにしました。経済協力分科会は、経済協力事業を行ううえで必要な通行や通信、通関などについて協議する一方、輸出や投資拡大をめぐる協力策を話し合うことにしています。

・政府は、北韓が核施設の無能力化など核計画を断念する見返りとして北韓に提供するエネルギー設備と資材を購入するため、45億ウォンを支出することになりました。政府は6日の会議で、北韓に対する支援事業として南北協力基金から合わせて390億ウォンを支出することを決めました。このうち、6カ国協議の中で、北韓が要請してきたエネルギー設備と資材の購入に、鉄鋼類5000トンと重油用のボイラーなどに45億ウォンを支出することにしています。6カ国協議の参加国のうち、韓国、アメリカ、中国、ロシアの4カ国は、北韓の核問題をめぐる6カ国協議での合意を受けて、北韓が核施設の無能力化と核計画を申告する見返りとして重油95万トン相当の支援をすることで合意し、このうち45万トンは重油で、残りの50万トンは発電所の改修・補修と関連した設備で支援することになっています。これについて政府当局者は「北韓に設備を提供するのは4カ国のうち韓国が初めてで、年内に実施される予定だ」と述べました。政府はまた冬場に悪化が心配される北韓の食糧事情を考慮して、トウモロコシ5万トン、金額にして180億ウォンを今月から支援することも決めました。

・韓国銀行は7日、金融通貨委員会を開き、政策金利であるコール金利の誘導目標を4カ月連続で年5%に据え置くことを決めました。金融通貨委員会は会議のあと「景気が上昇基調を続けているものと判断されるものの、国際的な原油価格の上昇と国際金融市場の不安が続くため、景気の流れが不確実で、消費者物価は上昇気味だ」と、コール金利を据え置いた背景を説明しました。

・大韓サッカー協会は7日会議を開き、空席となっているサッカー代表チーム監督に、韓国のプロサッカーKリーグ、全南ドラゴンズのホ・ジョンム監督を選び、7年ぶりに韓国人の監督がサッカーの国家代表選手を率いることになりました。大韓サッカー協会は空席となっている代表チームの監督に、フランスサッカー連盟のウリエー理事を招きいれる予定でしたが、ウリエー理事が家族の反対などを理由に断ったため、ワールドカップまで2カ月ほどしか残っていない今の時点で、外国人監督の就任は事実上困難になったことから国内で活躍している韓国人の監督を選びました。国家代表チームの新しい監督に選ばれたホ・ジョンム監督は1974年から86年までの13年間、国家代表選手として活躍した後、1989年から指導者の道を歩み始め、オリンピック代表チームの監督を経て、おととしからK−リーグの全南ドラゴンズの監督となり、全南ドラゴンズを2年連続優勝に導いています。

12月6日木曜日

・北韓訪問を終えて北京入りした6カ国協議のアメリカ代表、ヒル国務次官補は5日、記者団に対して、北韓が核計画の申告を年内に行うことについて、合意に達しなかったと語りました。ヒル次官補は、核計画の申告は完全かつ正確でなければならないとしたうえで、具体的な申告の対象について北韓側と相違点があったことを認めました。アメリカと北韓が核計画の具体的な申告の対象について合意できなかったことから、北韓による核計画の申告が年内に実現するのは難しくなり、次の6カ国協議の開催も来年初めに持ち越される可能性が高くなりました。一方、朝鮮総連の機関紙は、北韓が約束した義務を誠実に履行しているにもかかわらず、アメリカはテロ支援国の指定解除などの措置を取らずにいると報じました。北韓は、核問題の解決はあくまで現在ある核計画を放棄することであると主張しており、これに対してアメリカはウラン濃縮による核開発の疑惑やすでに生産されたプルトニウムも申告の対象だとする立場をとっていることから、米朝間の意見の歩み寄りは困難な情勢です。

・株価操作事件のいわゆる「BBK事件」について捜査していた検察が、ハンナラ党の大統領候補、李明博氏の容疑はないとする捜査結果を発表したことで、大統合民主新党は、李明博氏をめぐる数々の疑惑を究明するための特別検事導入法案を5日、国会に提出しました。大統合民主新党は、9日までとなっている通常国会の会期が終わった後も10日に臨時国会を召集し、なんとしても本会議での可決を成立させたいとしています。法案に盛り込まれた捜査の対象は、▼投資顧問会社「BBK」の株価操作疑惑、▼李明博氏の所有とみられる土地の売却代金と、投資会社「DASS」の持ち株の申告漏れ、▼キム・キョンジュン被告に対する検察の脅迫の有無、▼歪曲捜査と捜査結果を縮小して発表したかどうかの疑惑などとなっています。李明博氏の疑惑をめぐる特別検事導入法案については、民主労働党や創造韓国党は積極的に賛成していますが、ハンナラ党が強く反発しており、国会での審議は衝突が避けられない見通しです。

・中央選挙管理委員会が主催するテレビ合同討論会が6日夜行われ、大統合民主新党の鄭東泳候補とハンナラ党の李明博候補、無所属の李会昌候補、民主労働党の権永吉候補、民主党の李仁濟候補、創造韓国党の文国現候補の6人が出席します。今回は3回行われる討論会の1回目で、政治、統一問題、外交、安全保障の四つの分野で各候補が意見を交わします。また、討論会では、ハンナラ党を除く政党が、李明博候補と株価操作事件の「BBK事件」とは関係がないとした検察の捜査結果を強く非難していることもあって、この問題について李明博候補とほかの候補との間でし烈な論争が展開されるものと予想されています。討論会は夜8時から10時までの2時間行われ、KBSとMBCが生中継します。この合同討論会に出席できない候補者については、13日の夜、別のテレビ合同討論会が行われます。

・一人当たりの国民所得が今年は2万ドルを超えるという見通しが、民間のシンクタンク、LG経済研究院から出されました。LG経済研究院は6日、今年の経済成長率を4.8%と見込んで、年平均の為替レートを1ドル931ウォンと想定した場合、今年の一人当たりの国民所得は2万60ドルになるものと推定されると発表しました。LG経済研究院は、ウォン高ドル安で国民所得が増えた効果もあるが、国民所得に最も影響を及ぼすのは、年4%から5%に至る経済成長だとして、この勢いで行くと来年は一人当たりの国民所得が2万1000ドルに達すると予想しています。

・学校や青少年を対象にした研修施設のほとんどで、炭酸飲料の販売を禁止する措置が守られていることが調査の結果分かりました。国家青少年委員会と教育人的資源部は今年9月、学校や青少年研修施設など、青少年が利用する施設で、健康に害を及ぼす恐れがある炭酸飲料の販売を禁止する措置を取りました。国家青少年委員会は最近、こうした措置が守られているかどうかを調査し、6日、その結果を発表しましたが、調査の対象となった3061カ所の学校や施設のうち99.6%で炭酸飲料を販売していなかったということです。

・政府は、韓国で6カ月以上、語学研修を受けている外国人に対して、来年からアルバイトで収入を得ることを認める方針です。政府は6日、長官級の規制改革会議を開き、韓国に滞在する外国人が100万人を超えたことを踏まえて、韓国に住む外国人の不便を解消するため、24項目の制度を改善し、来年から施行することを決めました。新たに改善されるのは、▼韓国に住む外国人に対して、住所に関係なく、全国すべての出入国管理事務所で手続きができるようにすること ▼韓国で6カ月以上、語学研修を受けている外国人に対してアルバイトを認めること ▼中国の中学高校の修学旅行生を引率する教員への面談を省略して確認手続きを簡素化すること、などです。政府はまた、韓国に居住していることが確認できれば、外国人の児童・生徒も韓国の小学校や中学校に入学できるよう、来年の2月末までに小中等教育法の施行令を改正する計画です。

・韓国人が10人のうち7人は、消費生活の面で自分は中産階級に属していると考えていることが、アンケート調査の結果、わかりました。これは、1987年に消費者保護法によって国が設立した韓国消費者院が、全国の20歳以上の男女2000人を対象に調査したものです。それによりますと、「自分の消費水準は中産階級に属する」と答えた人の割合は71%で、5年前の調査と比べると10ポイント近く減っています。また1年前と比べて「消費生活が悪化した」と答えた人は34.5%、「改善した」と答えた人は8.4%で、悪化したという回答が4倍に上っています。「最も負担となっているのは何か」という質問に対しては、「交通費」という回答が39%でトップ、続いて「教育費」が33.4%、「食生活費」が33.4%でした。5年前の調査では、「教育費」の負担がトップでしたが、今年は原油高の急騰でマイカーのガソリン代など交通費に対する負担を感じる国民が多くなっています。

・ソウルに住んでいる勤労者が105平方メートルのマンションを購入するためには収入のすべてを貯金しても10年以上かかることが分かりました。不動産関連情報を提供している不動産バンクが統計庁のソウル市内の不動産価格などの資料をもとに調査したところ、ソウルに住んでいる勤労者が105平方メートルと面積がやや広いマンションを購入するためには、一切支出をせずに収入をすべて貯蓄しても10年9カ月がかかります。2003年初めの調査では、同じ広さのマンションを購入するのに8年4カ月がかかっていました。

・冬の間、ソウル市民の憩いの場となっているソウル市庁前のスケートリンクが平年より10日ほど早く6日にオープンしました。ソウル市が運営するこのスケートリンクは、ソウル市庁前の芝生広場の一角で冬の間、開設されるもので、これまでは広場の東端に設けていたリンク場を今年は中央に移動させました。スケートリンクは広さが縦30メートル、横50メートルの楕円形で、毎朝10時にオープンし、月曜日から木曜日までは夜10時まで、金曜日から週末にかけては夜11時まで利用できます。入場料は1時間1000ウォンで、来年2月10日まで利用できます。このスケートリンクは、2004年にオープンして以来3年間で合わせて51万人が利用するなどソウル市民の冬の憩いの場として人気を集めています。

12月5日水曜日

・ハンナラ党の大統領候補である李明博候補が関与したのではないかという疑惑が持ち上がっている株価操作事件、いわゆる「BBK事件」について、検察は5日、李明博候補はこの事件と関わりがないという捜査結果を発表しました。検察はこの日、この事件のキム・ギョンジュン容疑者を証券取引法違反と横領、私文書偽造と行使で起訴し、これまでの捜査結果を発表しました。検察は、株価操作の中心になった投資諮問会社のBBKや、BBKに投資していた投資会社のダスを李明博候補が実質的に所有していたという具体的な証拠はなく、不当な株価操作に関わっていたという証拠もないとして、李明博候補とこの事件との関連性を否定しました。検察は、BBKの実質的な所有者が李明博候補だったという証拠だとしてキム・ギョンジュン容疑者が提出した裏契約書は、大検察庁の文書鑑定室が鑑定した結果、偽造されたものだったとし、関連銀行口座を追跡調査した結果、李明博候補の資金が不当な株価操作のために提供された証拠も見つからなかったとしました。

・検察が5日、ハンナラ党の李明博候補が株価操作事件いわゆる「BBK事件」と関わりがないという捜査結果を発表したことを受けて、ハンナラ党を除く政党は一斉に検察を非難しました。大統合民主新党は検察の捜査結果発表後に議員総会を開き、検察の捜査結果は受け入れられないとして、5日に予定されていた鄭東泳候補の遊説を取り消し、検察を糾弾する集会を開くことを決めました。民主労働党も、検察は李明博候補に免罪符を与えるために捜査したとして、検察を強く非難し、5日、全国の検察庁の前で、党員が集まって検察を糾弾する集会を開くことにしました。民主党は、検察がこの事件の容疑者に対して、求刑を低くする条件で李明博候補との関連性を否定するよう提案したという疑惑もあるとして、疑惑についての真相究明を求めました。

・KBSは大統領選挙について同じ有権者を対象に続けて世論調査を行っていますが、4日に行った4回目の調査で、依然として李明博候補の支持率が1位でした。世論調査の結果を見ますと、支持率の1位はハンナラ党の李明博候補で42.1%、2位は大統合民主新党の鄭東泳候補で18.9%、3位は無所属の李会昌候補で18.2%でした。先月の調査と比較しますと、鄭東泳候補と李会昌候補の順位がわずかの差で逆転しました。

・韓国とアメリカは、北韓で進められている核施設の無能力化や核計画の申告が完全に終わった場合、韓半島での終戦宣言に向けて韓国と北韓、それに韓国戦争の参戦国のアメリカと中国の4カ国の首脳会談を開催することで意見をともにしたと大統領府、青瓦台が4日明らかにしました。北韓の核問題について協議するために、ワシントンを訪問している青瓦台の白鍾天(ペク・ジョンチョン)統一外交安保政策室長は現地時間で3日、アメリカのライス国務長官やホワイト・ハウスのハドリー国家安全保障担当補佐官と相次いで会談し、韓米関係と北韓の核問題、それに米朝間の関係正常化などについて協議したということです。これについて青瓦台のパク・ソンウォン安保戦略担当秘書官は韓国のマスコミとのインタビューで「北韓の核施設の無能力化と核計画の完全な申告が行われれば、4カ国首脳会談を進めることもありうるということでライス国務長官と意見をともにした。北韓の核計画の完全な申告が実現すれば、互いに信頼が形成され、米朝の関係改善などに弾みがつくと思う」と述べました。

・先の南北首脳会談での合意を受けて4日からソウルで開かれている副総理級の南北経済協力共同委員会は、5日、初日の全体会議で双方が示した提案を中心に本格的な協議を進めています。韓国側の首席代表をつとめる権五奎(クォン・オギュ)副総理は4日の全体会議で、世界経済の変化と韓国の経済開発の経験を紹介したうえで、北韓が比較的に優位な分野を活かした輸出産業を育成する必要性に触れ、それを支援するため韓国と協議するよう提案しました。権五奎副総理はまた、▼北韓に道路や港湾などを建設して共同で利用する必要性や、▼北韓の開城と平壌間の高速道路を利用した物資の輸送などを提案し、▼これらの懸案を協議するために分科会を設けることと、▼経済に対する南北の相互理解を深めるために経済視察団を交換するなど経済界の交流拡大を提案しました。これに対して北韓の首席代表の全承勳(チョン・スンフン)内閣副総理は、分科会の構成と分科会ごとに開催時期と場所などを決めることと、経済協力事業を推進するための現地調査の時期などを決めることなどを提案しました。南北は5日の会議でこれからの議題について本格的な協議を行い、午後は起亜自動車の工場を視察し、6日には合意文を発表する予定です。

・金剛山観光など南北交流事業を進めている韓国の企業、現代峨山は5日、北韓の開城への観光事業を始めました。この日開城に向かったのは観光客250人と取材陣、関係者などを合わせ360人あまりです。観光客は午前中は開城市内のバギョン滝や観音寺を見て回り、午後には史跡や博物館を観覧し、開城工業団地を見学して午後5時半に韓国に戻る予定です。観光客の中で最高齢者は開城がふるさとのキム・ユンギョン(88歳)さんで、現代峨山は出発前に開城観光開始を祝う記念品を贈呈しました。開城観光は月曜日を除く週6回行われますが、日帰りで三つのコースがあります。現代峨山によりますと、12月の予約はすでに85%が終わった状態です。

・この夏に北韓で起きた水害の復旧を支援するため、韓国から中古の乗用車やトラックなど420台が5日から3日間にわけて陸路で北韓に輸送されます。北韓への支援を中心に活動している民間団体の「南北平和財団」と救護団体の「ワールド・ビジョン」、それに大宇自動車は、この夏、北韓で起きた水害の復旧を支援するために、中古の乗用車や大型トラックなど420台を、仁川から陸路で軍事境界線を越えて北韓の開城まで輸送することにしています。提供される中古車のうち、トラックは山間地方の復旧活動にあてられ、ワゴン車や乗用車は山間部など奥地の学校や保健所などに送られる予定です。今回の自動車の支援は北韓との民間交流としては最も多い台数です。

・韓国の高校1年生の学力は全般に優秀で、特に文章を理解する能力は世界一であるという調査結果が出ました。この調査は、OECD=経済協力開発機構が3年おきにOECDの加盟国を含む世界57カ国の15歳の子どもたちおよそ40万人を対象にテストを行っているもので、韓国では154校の高校1年生5000人が受けました。その結果、韓国の高校1年生は文章を理解する能力は556点と、57カ国のうち1位となり、2000年の6位、2003年の2位から上昇していることが分かりました。また数学は547点で4位となり、2000年の2位、2003年の3位に続いて、世界で最上位の圏内を維持しています。しかし科学・理科は522点で11位と、3年前の調査の4位から大幅に下がり、今後、理科教育のあり方を改める必要があるという指摘が出されています。

・韓国の南にある観光の島、済州島を訪れた外国人観光客が年間で初めて50万人を超える見通しです。済州特別自治道によりますと、今年に入ってから今月3日までに、済州島を訪れた外国人観光客は合わせて49万7300人あまりとなり、去年の同じ期間に比べて16%増えました。済州島を訪れる外国人観光客は1日平均1500人であることから、この5日で50万人を超えることが予想されるということです。済州島を訪れた外国人観光客は、▼済州と海外との直行航空路線が拡充されて外国から行きやすくなったこと、▼中国の経済成長による所得増加で中国人観光客が増えていること、▼それに韓日中を結ぶクルーズが運航されているうえ、▼アジアを中心とした韓流ブームなどで、外国人観光客が年々増えていると分析されています。済州島を訪れた外国人観光客を国別にみますと、中国、香港、台湾、シンガポールなどいわゆる中国圏からの観光客が27万人で、日本人観光客は17万人と、アジアからの観光客が圧倒的に多くなっています。

12月4日火曜日

・先の南北首脳会談で合意した南北共同宣言に盛り込まれた経済協力分野について話し合う初めての南北経済協力共同委員会が4日から3日間の日程でソウルで始まりました。 副総理クラスが委員長を務めるこの委員会は、これまで次官クラスが担当していた経済協力推進委員会を格上げしたものです。全承勳(チョン・スンフン)内閣副総理を団長とする北韓の代表団は、西海上空の直行航空路を通って午前11時すぎ金浦空港に到着したあと、財政経済部長官で副総理の権五奎(クォン・オギュ)団長が率いる韓国側の代表団と初めての全体会議に臨みました。会談に先立って、権五奎副総理は北韓代表団を宿舎のホテルに出迎え、「南北の経済担当の副総理同士の会談は初めてだ」と述べ、会談の意義を強調しました。これに対して北韓の全承勳副総理は、「良き道連れなら遠い道も近く感じ、力と知恵を合わせれば神様の意をくつがえすこともできると言われている。南北の経済協力の活性化に向かう船の櫓を一緒にこいでいきたい」と答えました。南北経済協力共同委員会では、北韓の開城工業団地の活性化に向けた通信、通行、通関問題の解決や、造船協力団地の建設、鉄道と道路の改修・補修など、さきの首脳会談と首相会談で合意した主な経済協力事業を具体化する作業が進められます。

・6カ国協議のアメリカ代表のヒル国務次官補が北韓を訪問する一方で、韓国の白鍾天(ペク・ジョンチョン)統一外交安保政策室長がワシントンを訪問してアメリカ政府の関係者と会談するなど、北韓の核施設の無能力化や核計画の申告をめぐって、韓国とアメリカ、北韓の動きが活発になっています。ヒル次官補は3日、寧辺の原子炉など3つの核施設の無能力化作業を視察し、4日には北韓の金桂冠(キム・ケグァン)外務次官と核施設の無能力化や核計画の申告について話し合う予定です。ヒル次官補は、「無能力化の作業は順調に進められている。できるだけ早くすべての核計画についての申告が実現することを希望する」と述べました。一方、韓国の白鍾天統一外交安保室長は4日、ライス国務長官やハドリー国家安全保障担当大統領補佐官と相次いで会談し、北韓の核施設の無能力化や核計画の申告、韓米同盟などについて意見を交換しました。白鍾天統一外交安保室長はこれらの会談で、韓国戦争の終戦宣言に向けた関係4カ国の首脳宣言についても、韓国側の立場を説明したということです。

・創造韓国党の文国現(ムン・グッヒョン)候補は4日、大統合民主新党の鄭東泳候補に対して大統領候補の一本化に向けた公開討論会を今月16日までに開くよう提案しました。文国現候補は4日午後国会で記者会見し、「鄭東泳候補と自分が同時に出馬したことによって腐敗した過去の勢力の政権掌握を阻止できなければ、大きな歴史の誤りになるとして、一対一の公開討論会を通じてどちらが最適の大統領候補かを国民に検証してもらおう」と述べました。さらに、文国現候補は、与党側がこれまで国民の苦しみから顔をそむけ離合集散と政争だけを繰り返してきたと厳しく批判し、大統合民主新党と鄭東泳候補に反省と謝罪を促しました。これに対して鄭東泳候補側は文国現候補の提案に歓迎の意を示しながらも、民主平和未来勢力を支持する国民が結集する時間が必要だとして、候補一本化の時期を最終世論調査の公表期限である今月12日以前に早めるべきだとしています。

・来年度の予算案の処理が、予算案の内容などをめぐる大統合民主新党とハンナラ党の対立で、12月2日の法定期限を持ち越しました。国会の予算決算特別委員会は4日午前、小委員会を開き来年度の予算案を処理する問題について協議する予定でしたが、ハンナラ党側が出席を拒んだため、会議を午後に再開することにしました。ハンナラ党側は新年度の予算案は赤字編成になっているので、今、行われている大統領選挙の当選者の意思を反映した予算案にすべきだとして、年末に臨時国会を開いて韓国軍のイラク派兵延長問題と合わせて処理するよう主張し、予算案の早期処理を目指す大統合民主新党と対立しています。

・韓国の半導体大手のハイニックス半導体が来年初めから世界で初めて40ナノ級のナンド・フラッシュ・メモリの量産を始めます。これはハイニックスが4日、明らかにしたもので、それによりますと、来年1月から3月の第1四半期までに48ナノのナンド・フラッシュ・メモリの生産量を月平均1万5000個から2万個までに拡大していく計画です。ハイニックスの関係者によりますと、ナンド・フラッシュ・メモリは、携帯電話にMP3プレーヤー機能を搭載した「ミュージックフォン」や、ハードディスクに取って代わるSSDと呼ばれるドライブなど使い道が一層多様化しており、ハイニックスは来年から業界で初めて48ナノの生産工程を取り入れる計画だということです。

・今年第3四半期に韓国人が海外で支出した金額が過去最大となりました。韓国銀行は4日、今年7月から9月までの第3四半期の海外での支出額は、4兆7543億ウォンで、過去最大を記録した第1四半期の4兆6308億ウォンを上回り、海外支出の家計の支出全体に占める割合も初めて5%を超えたと発表しました。海外支出額が増加した理由について、韓国銀行は、ウォン高を背景に夏休みを中心に海外旅行者が大幅に増えたことをはじめ、留学や研修の費用、さらに海外での医療費の支出などが増えたためと説明しました。

・来年2月に発足する新政権から使うことになる新しい国の印章、国璽(こくじ)が公開されました。国璽は、外交文書など、重要文書に、国の表象として押す印章です。慶尚南道山清の製作施設で行われた公開では、鋳型を割ると中から黄金色の新しい国璽が姿を現しました。国璽には大韓民国の4文字が鮮明に刻まれています。新しい国璽の製作には、金属工芸、書道、鋳型など、多様な分野の有名な職人が携わったということです。国璽は使い続けると擦り減ってしまうため、その度に新しい国璽を作っています。これまで使用してきた国璽は1999年に作られましたが、内部に微細なひびが発見されたということで、今回の国璽は韓国政府樹立後、4番目の国璽です。

・2010年に南アフリカで開かれるサッカーワールドカップに向けた3次予選のスケジュールが決まりました。FIFA=国際サッカー連盟が4日、大韓サッカー協会に通告してきたところによりますと、韓国は、北韓、ヨルダン、中央アジアのトルクメニスタンと3組に属し、3次予選の2回戦を3月26日に北韓とアウエーで戦うことが決まりました。これに先立って2月6日に、トルクメニスタンとソウルで3次予選の開幕試合を行います。また6月2日はヨルダンとホームで、7日はアウエーで試合を行います。続いて14日はトルクメニスタンとアウエーで試合を、そして6月22日に北韓とホームで最終戦を行います。サッカーの南北対決は、1993年10月にカタールで開かれたアメリカワールドカップ最終予選以来15年ぶりです。アジア3次予選は、合わせて20チームが、4チームずつ5組に分かれてホームアンドアウエー方式で争い、各組の上位2位までが最終予選に進むことになっています。

12月3日月曜日

・韓国の大統領選挙の投票日まであと16日を残す中で、保守系の候補一本化が初めて実現しました。国民中心党の沈大平(シム・デピョン)候補は3日、大統領候補を辞退するとともに、無所属で立候補している李会昌(イ・フェチャン)候補を支持すると宣言しました。李会昌、沈大平両氏は、3日、国民中心党本部で共同記者会見し、李会昌氏に候補を一本化し、保守陣営の大統合を進めることで合意したと発表しました。両氏は、「無責任で無能な左派理想主義勢力も、腐敗し不道徳な過去至上主義勢力も、国をリードする責任を果たせない」として、「大韓国民を建国し、産業化、民主化を成し遂げた清潔で国政経験豊かな勢力が必ず政権を交替してみせる」と述べました。ところで、李会昌候補は、来年4月の総選挙も国民中心党と連帯して取り組む方針を明らかにし、本格的な保守連合を政治勢力化するため政党を立ち上げることも考慮していると述べました。

・盧武鉉政権で初代法務長官を務めた女性の康錦実弁護士が、大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補への支持を表明しました。康錦実元法務長官は、3日、大統合民主新党の党本部で記者会見し、「改革勢力の正統性を持った鄭東泳候補が今は最善だ」として鄭東泳候補への支持を表明するとともに、今後、共同選挙対策委員長として支援の遊説を行う計画を明らかにしました。康元長官はまた、今回の大統領選挙を「残酷な選挙」と位置づけ、国民の心の中に盧武鉉政権に対する怒りがこびついて離れない状態だが、国民の世論を動かすため全力を尽くすと述べました。

・また前回2002年の大統領選挙で盧武鉉候補への支持を投票日前夜に撤回して国民から批判を受けた無所属の鄭夢準議員が、3日、ハンナラ党本部で、記者会見し、今回の大統領選挙では支持率でトップを維持しているハンナラ党の李明博候補を支持すると宣言しました。

・検察は、ハンナラ党の大統領候補である李明博氏が関与したとされる疑惑が持ち上がっている株価操作事件、いわゆる「BBK事件」について、近く捜査結果を発表する見通しです。検察は、この事件のキム・キョンジュン容疑者の身柄の拘束期限が切れる5日に、キム容疑者を起訴することにしており、その際に捜査の結果を発表する方針です。検察はこれまで参考人調べや銀行口座の追跡調査などを多角的に進め、事件の実態をかなり解明したと伝えられています。検察による捜査結果の発表が迫っている中で、大統合民主新党は3日、検察の捜査結果が十分でない場合、民主労働党や民主党と連携して臨時国会を召集し、特別検事導入法案を提出する方針を明らかにしました。ハンナラ党はこれに対して、大統合民主新党が特別検事導入法案を提出する方針を表明したのは、検察に対する不当な圧迫だとして、もし特別検事導入法案が提出される場合は断固として阻止すると主張しました。

・6カ国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補が3日、平壌入りしました。ヒル次官補は5日まで平壌にとどまり、北韓の6カ国協議首席代表を務める金桂冠(キム・ケグァン)外務次官らと会談し、核施設の無能力化や核計画の申告について協議する予定です。ヒル次官補はまた、無能力化に向けた作業が進められている寧辺の5000キロワット黒鉛減速炉や再処理施設なども直接見て回る予定です。

・10月の6カ国協議の合意にもとづいて年末までに完了させることになっていた北韓の核施設を無能力化する作業は、一部技術的な問題があるため来年2月末までにずれ込むことになったと、アメリカの高官が2日、明らかにしました。名前を明かさないこの高官は、「全部で10段階11の措置から進められる無能力化の作業のうち、廃燃料棒を抜き取る際の2つの措置は、安全上の問題があり、年内に終えることは困難で、このことについて、6カ国協議のすべての関係国から了解を得た」と述べました。

・白鍾天(ペク・ジョンチョン)統一外交安保政策室長が、3日から4日間の日程でアメリカを訪問します。白鍾天統一外交安保政策室長は、ハドリー国家安全保障担当大統領補佐官らアメリカ政府の高官と会い、韓米同盟や北韓の核施設の無能力化、6カ国協議の見通し、韓半島の平和体制構築など、幅広い分野について意見を交換する予定です。さらに白鍾天室長は、韓国戦争の終戦宣言に向けた4カ国首脳宣言についても協議する予定です。このほどソウルを訪れた北韓の金養建(キム・ヤンゴン)朝鮮労働党統一戦線部長が、北韓が核を廃棄する前でも4カ国首脳宣言は可能だとする韓国の立場に共感を示したことから、白鍾天室長は北韓のこうした立場をアメリカに伝え、アメリカの対応を促すものと見られます。

・日本国民は、韓日関係が改善された反面、アメリカとの関係は悪化したと認識していることが、日本の内閣府が行った世論調査で明らかになりました。この調査は、日本の国民3000人を対象に行ったもので、「韓日関係が良好だ」と答えた人はほぼ半数の49.9%で、去年の調査と比べて15.5ポイント高くなりました。反対に「韓日関係は良くない」と答えた人は45.1%でした。韓日関係に対する日本国民の認識が、「良好だ」が「よくない」を上回ったのは3年ぶりです。一方、日本とアメリカとの関係については、「良好だ」と考えている日本国民は76.4%で、去年の調査より6.4ポイント減少し、「よくない」は8.8ポイント増えて20.4%でした。日米関係が悪化したという日本国民の認識が20%を超えたのは初めてのことです。

・先月11月の輸出高が一カ月としては初めて350億ドルを超え、原油価格の高騰で、輸入高も340億ドルに迫り、11月は、輸出・輸入ともにこれまでの最高を更新しました。

・原油高が続いている中で練炭を利用する人たちが増え、斜陽になっている石炭産業を復活させるべきだという声が出ています。農村では、ビニールハウスの温度を適正に保つために、練炭を使えば燃料費を石油に比べて20%以上軽減できるため、練炭を使う農家が増えています。また、低所得層を中心に暖房用に石油より安い練炭を使う人たちが増えています。こうした傾向を反映して暖房用の練炭の需要はここ2年間で70%程度増え、練炭工場はフル稼働していますが、需要に追いつけないのが現状です。韓国では1993年の石炭産業合理化政策以後、廃鉱になった炭鉱が数多くあり、炭鉱地域では、練炭の需要が増えているだけに、1990年代に採炭を中止した廃鉱を再び稼働させるべきだという声も出ています。

・北京オリンピックの出場権をかけた野球のアジア選手権で、韓国は、日本に3対4で逆転負けして1勝1敗となり、北京オリンピックへの出場が危うくなりました。

12月1日土曜日

・盧武鉉大統領は、 韓国を訪れていた北韓の朝鮮労働党の金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長に対して、「米朝関係を改善するため北韓が積極的に臨んでほしい」と述べました。韓国を訪れていた金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長が先月30日、盧武鉉大統領を表敬訪問した席で、盧武鉉大統領はこのように述べました。また、盧大統領は、この席で、先に金正日国防委員長と採択した、南北共同宣言の履行状況について、「双方が誠意を持って実践している」と述べたうえで、「金養建部長の韓国訪問も北韓側がその意志を象徴的に示したものだ」と評価しました。これに対して、金養建部長は、「韓国側が難しい状況の中で、共同宣言の履行に向けて、誠意を持って努力していることは十分承知している。このような南北の平和繁栄に向けた流れは決して止まってはならない」と強調しました。 盧武鉉大統領と 金養建統一戦線部長との面会は50分ほど行われ、金正日国防委員長から盧武鉉大統領に宛てたあいさつは口頭で伝えられましたが、親書や特別なメッセージはありませんでした。金養建統一戦線部長は1日は、社会・文化・宗教など各界の代表らとの懇談会に出席した後、午後、陸路で平壌に帰りました。

・先月28日から北韓の金剛山で開かれていた南北赤十字会談は当初の予定より時間を延長し、1日未明、南北離散家族の再会を年間400人に拡大することなどで合意し、終了しました。南北の合意によりますと、▼南北離散家族の再会を年間400人に拡大し、▼テレビ画像による離散家族の再会も四半期ごとに40組ずつ、年間160組にする。また▼すでにテレビ画像による再会を果たした家族のうち100組を選び、南北首脳会談が開かれた6月15日を記念して金剛山で直接再会できるようにする。さらに▼南北の離散家族のうち20組ずつが、離れ離れになった家族に贈る画像メッセージを交換し、すでに再会を果たした南北のそれぞれ30組も画像メッセージを交換できるようにする、としています。しかしこれまでも8月15日の光復節や旧暦のお盆、秋夕などに年間200人から300人の離散家族が再会しており、当初予定していた大幅な拡大にはなりませんでした。

・来月19日に投票が行われる大統領選挙に立候補している、ハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)氏と国民中心党の沈大平(シム・デピョン)氏が候補の一本化に向けて協議していることが明らかになりました。李明博氏の側近によりますと、「李明博氏と沈大平氏が先週、候補の一本化に向けて話し合い、大筋で合意している。来週中に発表するものとみられる」ということです。国民中心党の沈大平氏は、忠清道を支持基盤としており、最近、保守系の連合を掲げて、無所属の李會昌(イ・フェチャン)氏や、ハンナラ党の朴謹恵前代表、そして高建(コ・ゴン)前国務総理による、4者連合を提案していました。ハンナラ党の朴謹恵前代表が李明博氏を支援する遊説を始めたのに続いて、沈大平氏が李明博氏の支援に回るため立候補を取り止めれば、大統領選挙に少なくない影響を及ぼすものとみられます。

・アメリカの名門大学への進学率が高い高校の上位40校に、韓国の高校2校が含まれていることがわかりました。アメリカの日刊紙、ウォールストリートジャーナルによりますと、アメリカの高校生が大学に進学する際に受験する共通テスト「SAT」の点数が高い大学、つまり最難関といわれるハーバード大学やプリンストン大学、MIT=マサチューセッツ工科大学など8校の2007年度の新入生の出身高校を分析したところ、韓国ソウルの大元(デウォン)外国語高校が進学率14%で13位に、江原道にある民族史観学校が進学率11%で25位に入りました。大元外国語高校や民族仕官学校はいずれもアメリカの大学をめざす進学クラスを設けており、毎年100人程度がアメリカの大学に進学しています。ウォールストリートジャーナルによりますと、アメリカの名門大学への進学率は、ニューヨーク州やマサチューセッツ州などアメリカ東部とカリフォルニア州の私立高校が上位10位までを占めており、上位40校に入っているアメリカ以外の高校は、韓国の2校だけだということです。

・韓国を代表する最高の料理に「ピビンパ」が選ばれました。農林部と文化観光部は先月30日、外国人に対するアンケート調査や、海外の韓国料理店でもっとも売れたメニューなどを調べて「韓国料理ベスト12」を選びました。そのうち、もっとも人気の高い韓国料理には、いろいろな野菜とナムルなどをご飯と一緒に唐辛子味噌で混ぜて食べる、「ピビンパ」が選ばれました。次いで、サムゲタン、牛肉のカルビ、韓国風海苔巻きのキンパ、ふわふわ豆腐の鍋料理、スンドゥブ・チゲの順でした。このほか、とくに日本人に好まれている海産物のチヂミや、欧米で人気の春雨料理ジャブチェ、冷麺のほか、カボチャのお粥、白菜キムチ、プルコギ、カボチャのお餅が選ばれました。

・12月に入って歳末助け合いの募金キャンペーンの一つ、救世軍社会鍋の募金が始まりました。救世軍は、1日午前、ソウル市庁前で、呉世勲ソウル市長ら関係者が集まって募金活動を開始する式典を行いました。救世軍は、全国各地に400あまりの社会鍋を設けて、クリスマスイブの24日まで募金活動を続けます。また今年は大手携帯電話会社のSKテレコムと提携して、携帯電話による募金も行い、SKテレコムの利用者は無線インターネットに接続して、1回当たり1000ウォンから1万ウォンまでを寄付することができるようになっています。救世軍では社会鍋の募金目標額は去年より1億ウォン多い31億ウォンとしています。