2007年ニュース

10月31日水曜日

・ウォン高ドル安がさらに進み、31日のソウル外国為替市場の為替レートは一時1ドル900ウォンを割り込みましたが、政府が介入して900ウォン台を維持しました。ソウル外国為替市場は31日、前日の終値の907ウォン台で取り引きを開始しましたが、午後になって1ドル899ウォン60銭と、900ウォンを割り込みました。これは韓国の9月の経常収支が最大の黒字になったと発表されたことと、アメリカの金融政策を決定する最高意思決定機関である連邦公開市場委員会(FOMC)が0.25%の金利引き下げを発表するという観測が広まったためです。ウォンは韓国政府の介入で31日午後3時現在、900ウォン70銭で、前日に比べて6ウォン30銭のウォン高となりました。

・最近の原油価格の上昇に対して、盧武鉉大統領は30日の閣議で、原油価格の上昇が国民の生活に及ぼす影響を分析して対策を立てるよう指示しました。1バレル当たり90ドルを超えている原油価格の上昇で、韓国でのガソリン価格はソウル都心で1リットル1800ウォンを超えており、宅配業者やバス会社など交通・輸送関連業界や自営業者を中心に影響が出ている上、11月からは公共料金のうち都市ガスの料金が3%近く引き上げられます。政府内ではガソリンなどにかけている各種税金の引き下げを検討しなければならないという意見と、今のところ、原油価格の上昇が韓国経済にそれほど大きな衝撃を与えているわけではないので、税金を引き下げる必要はないという意見があり、政府は今後、対策会議で方針を決めることにしています。

・34年前に東京で起きたいわゆる「金大中拉致事件」について、当事者の金大中前大統領は、訪問先の京都で記者会見し、「拉致事件は当時の朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領の直接指示があったことは明らかだ」とした上で韓日両政府の対応を批判しました。この中で金大中前大統領は「韓国と日本の両政府は真相をはっきりさせて、責任を取るべき人には責任を取ってもらわなければならない。韓日両政府が事件を収拾する過程で私の人権を無視したことに抗議する」と述べました。また韓国の国家情報院の委員会が発表した「金大中拉致事件」の報告書について、「拉致の目的が私の殺害であることは明らかなのに、その点をはっきり指摘できなかったのは遺憾だ」と述べました。さらに今後の対応について「私の日本訪問にあたって、警視庁から捜査協力の要請があったが、前回、協力した時に何ら進展がなかったため断った。しかし今後、警察当局が真相を明らかにする意志が本当にあるのなら、韓国、日本を問わずに証言する用意がある」と述べました。

・盧武鉉政権になってから4年半の間に大韓赤十字社を通じて行われた政府と民間の北韓への支援は今年7月末現在、6274億ウォンとなり、金大中前政権の5年間の3680億ウォンに比べて1.7倍に増えました。これは国会の国政監査で、保健福祉委員会所属の大統合民主新党のチャン・ボクシム議員が大韓赤十字社から提出を受けた資料で明らかになったもので、大韓赤十字社を通じた北韓への支援は、12年前の1995年は1億9000万ウォンだったのが、去年はその1000倍の1970億ウォンに急増しました。

・アメリカ政府が支援する重油を載せたタンカーが30日、北韓に到着したと6カ国協議に詳しい消息筋が伝えました。アメリカの重油支援は、北韓が核施設の申告と無能力化を履行するとした6カ国協議の合意に基づいて行われるもので、アメリカが北韓に重油を支援するのは、2002年の北韓の高濃縮ウランの疑惑以来、5年ぶりです。

・西アフリカのソマリア沖で北韓の貨物船が海賊に襲撃されましたが、近くにいたアメリカ海軍の駆逐艦の支援を受けて、海賊を制圧しました。アメリカの報道専門チャンネルCNNなどによりますと、ソマリアの首都モガディシオ沖に停泊していた北韓の貨物船「デホンダン号」は現地時間の30日、ソマリアの海賊から襲撃を受けました。その際、国際海事局(IMB)から連絡を受けたアメリカ海軍は襲撃現場からおよそ50キロの海上にいたアメリカ海軍の駆逐艦を派遣し、駆逐艦は搭載していたヘリコプターで偵察した後、現場に到着しました。海賊がアメリカの駆逐艦の到着で慌てた隙に、北韓の貨物船の乗組員が銃撃して、海賊2人が死亡し、5人が身柄を拘束されました。この過程で北韓の乗組員3人もけがをし、アメリカの駆逐艦に移動して治療を受けたということです。

・最近の少子化や海外への早期留学などの影響で、子どもの数が減り続け、ソウル市内では園児と小中高校生の数が初めて150万人を下回りました。ソウル市教育庁がまとめた統計によりますと、ソウル市内の幼稚園子と小中高校生の数は今年は149万人あまりとなり、初めて150万人を下回りました。年代別の内訳は、幼稚園の園児が8万2000人、小学生66万5000人、中学生37万5000人、一般の高校生28万8000人などとなっています。ソウル市内の園児と小中高校生の数は1989年に243万人でピークに達したあと減り続け、1996年には196万人と200万人を下回り、去年は152万人にまで減少していました。このように児童・生徒数が減っているのは、最近の少子化に加えて、移民や小学生からの早期留学、それに学校での不適応などが増え続けているためです。

・今年に入って、軽自動車の販売台数が小型車を上回りました。韓国自動車工業協議会が車の排気量別の国内販売をまとめたところによりますと、今年1月から9月末までの軽自動車の販売台数はおよそ4万台で、小型車の3万8500台を上回りました。軽自動車の販売台数が小型車を上回ったのは2000年以降はじめてです。韓国で販売されている軽自動車はGM大宇のモデルしかないのに対して、小型車のモデルは現代、起亜、GM大宇の各メーカーから合わせて6車種が販売されています。このように軽自動車の販売が増えているのは、最近の原油価格の上昇に加えて、駐車料金や高速道路の通行料金が割安になるメリットもあるためとみられています。このため業界の関係者は、「現在800cc未満となっている軽自動車の基準が来年から1000cc未満に拡大されて、モデルも2つに増えるため、軽自動車の売れ行きはさらに好調を続けるものと予想される」と見込んでいます。

10月30日火曜日

・1973年8月に東京で起きたいわゆる「金大中(キム・デジュン)拉致事件」が、当時の韓国の国家機関による組織的な犯行であったことが韓国政府の調べで明らかになったのを受けて、政府は30日、柳明桓駐日大使を通じて、日本政府に遺憾の意を伝えました。この事件は、当時の朴正煕大統領の政敵だった民主化運動の指導者、金大中氏が数人の男によって東京のホテルから拉致され、5日後にソウルで解放されたものです。柳明桓駐日大使は30日、日本の高村外相と会って、金大中拉致事件の経緯について説明し、日本政府の主権を侵害したことについて遺憾の意を伝えました。柳明桓大使はさらに、こうした事件は二度と再発してはならず、この事件によって韓日両国の関係が悪化してはならないという考えを強調しました。これを受けて高村外相は、「韓国政府の謝罪表明と理解する」として、未来志向の韓日関係を今後さらに発展させていくことを期待すると述べたということです。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議で北韓の首席代表をつとめる金桂冠(キムゲグァン)外務次官が30日午前、空路、北京入りしました。アメリカの首席代表のヒル国務次官補も、この日の午後、北京を訪れることになっており、両首席代表は早ければ30日夕方にも2国間協議を開く可能性が高いものとみられています。協議では、11月1日に着手することになってい北韓の寧辺(ヨンビョン)にある核施設の無能力化作業や、北韓をテロ支援国のリストから解除する問題、さらに対敵国通商法の適用を取りやめる問題などについて調整が進められるものとみられています。金桂冠次官は北京空港で記者団から質問攻勢を浴びましたが、軽く手を上げて挨拶したあと、待機していた北韓大使館の車で空港を離れました。一方、ヒル次官補は、北京に到着した後、6カ国協議の中国の首席代表、武大偉外務次官と会談し無能力化の手順などについて意見交換した後、韓国と日本を相次いで訪問する予定です。

・アメリカ議会下院は29日の本会議で、中国政府に対して、脱北者の北韓への強制送還を中止するよう求める決議案を満場一致で採択しました。決議案は、中国に対して「難民の地位に関する国連協定」の義務を順守すべきだと指摘し、脱北者を不法入国者とみなして北韓に強制的に送還することを中止すること、脱北者に亡命を要求できる機会を提供すること、国連人権高等弁務官事務所の関係者が脱北者に自由に会えるようにすることなどを求めています。この決議案を提出した共和党のロイス議員は、「数十万人の北韓住民が中国に脱出したが、中国政府はこれらの脱北者を北韓に強制送還している。強制送還された脱北者は収容所に収監され、ひどい場合は死ぬことすらある」と指摘し、中国は国際社会の一員として国連協定を順守すべきだと強調しました。

・南北分断の歴史を作った当事国である韓国、北韓、アメリカ、中国の4カ国は、韓半島の恒久的な平和体制作りに向けた協議を近く始めることになる見込みです。政府関係者は30日、6カ国協議に参加している国の外相らによる会談が年内に開かれた場合、韓国、北韓、アメリカ、中国の4カ国の外相が別途集まって韓半島の平和体制構築のための論議をする案が検討されていることを明らかにしました。こうしたことについて詳しく協議するため宋旻淳外交通商部長官が、来月ワシントンを訪れ、7日にライス国務長官と会談することになっています。

・金大中前大統領は、「最近の日本の急激な右傾化は、韓国人を悲しませている」として、「憲法改正論や歴史教科書の改悪など右傾化の傾向が強くなっている根本的な原因は、何よりも過去の帝国主義時代の歴史に対する教育が足りないからだ」と強調しました。京都の立命館大学の招きで日本を訪問している金大中前大統領は30日、名誉法学博士号を贈られた後、「韓半島の平和と韓日関係」をテーマに講演してこのように述べました。さらに、金大中前大統領は、韓国人は、日本が再び過去に帰れないという歴史認識と改悛の態度を示して初めて、安心して日本を信頼できるとして、日本の右傾化に強い警戒感を示しました。そのうえで金前大統領は、「来年2008年は、第2次世界大戦が終了した1945年以後、初めて韓半島で冷戦の残骸がなくなり、平和が定着する画期的な年になると信じている」と述べました。

・韓国の9月の経常収支は輸出が好調で今年に入ってから最大の黒字となりました。中央銀行の韓国銀行が30日発表した「9月の国際収支動向」によりますと、経常収支は24億2000万ドルの黒字で、8月に比べて18億5000万ドル増えました。経常収支は5月以降5カ月連続の黒字となり、1月から9月までの累計では29億2000万ドルの黒字で、今年全体でも黒字になることが確実と見られています。

・化粧品に使われるすべての原料と成分を表記することが来年から義務付けられることになりました。保健福祉部は、化粧品の製造で使ったすべての原料と成分をハングルで表記することを義務付ける「化粧品の全成分表示義務化」を来年10月から実施する方針を30日、明らかにしました。これまでは、がんを引き起こす恐れがある「タール色素」や皮膚を刺激する「グリコール酸」、「保存剤」など一部の成分に限って表記を義務付けていました。このため化粧品製造メーカーや輸入メーカーがハングルで成分表示をしない場合、来年10月からはその品目について販売停止1年の行政処分を課すことができるようになります。アメリカは1977年から、ヨーロッパは1997年から、そして日本は2001年から化粧品の成分をすべて表示することが義務付けられています。

・アメリカ政府が民間団体と共同で北韓に対する医療分野の支援を行う計画を進めていることが分かりました。アメリカの「自由アジア放送」が30日明らかにしたところによりますと、アメリカ国務省傘下の国際開発庁は、民間の四つの国際救護団体と共同で、11月半ばから北韓に対して医療用の発電機など、数百万ドルに相当する各種の電機設備を支援する計画だということです。こうした支援は6カ国協議で合意した北韓に対する支援とは別に行われるものだということです。

・KBSの部長クラス以上の幹部らによる第2労働組合「公正放送労働組合」が30日、発足しました。KBSの公正放送労働組合は、次長級以下の組合員による労働組合とは別に、独立性と公正性をスローガンに50−60人の幹部らが結成し、2005年に組合設立の申告書を労働部に提出しましたが、受け入れられませんでした。このため、組合は行政訴訟を起こし、一審と二審で勝訴したのに続いて、今年6月、日本の最高裁判所にあたる大法院で最終的に勝訴して組合の設立が認められました。KBSの第2労働組合は30日、KBS本館で発足式を開き、▼社長選任問題の改善 ▼大規模な赤字に対する経営陣の責任追及 ▼チーム制への組織改編で不当になった待遇の改善 ▼公正放送の実現などを訴えました。

・クァク・キョンテク監督の映画「サラン(愛)」が、第27回ハワイ国際映画祭で、監督賞と観客賞の二冠に輝きました。映画制作会社が29日、明らかにしたところによりますと、映画「サラン(愛)」は、18日から27日までハワイで開かれた国際映画祭で、クァク監督が24日に監督賞を受賞、さらに、観客の投票によって選ばれる長編劇映画部門の観客賞も獲得しました。 去年は、この映画祭でボンジュンホ監督の「グェムル(漢江の怪物)」が観客賞を受賞しています。

・プロ野球の韓国シリーズは29日、仁川で行われた第6戦で、SKワイバーンズが優勝を決めました。レギュラーシーズン1位のSKは第6戦で、プレーオフを勝ち抜いてきた斗山を5−2で破り、通算4勝2敗で球団創設以来初めて韓国プロ野球の王座に就きました。優勝したSKは、11月8日から東京ドームで行われるアジアシリーズに韓国代表として出場することになりました。アジアシリーズは韓国、日本、台湾、中国の代表が出場し、SKは大会初日の8日に日本代表と対戦します。

10月29日月曜日

・今月中旬に暴落していた韓国株式市場の総合株価指数(KOSPI)は、先週木曜日から3日連続で上昇し、29日は、史上最高値の2062.92となりました。29日の総合株価指数は、韓国の株式型ファンドへの資金流入と、アメリカの金利の引き下げへの期待感が高まって投資心理が好転し、先週末より34.86ポイント上昇し、史上最高値の2062.92で引けました。また29日のアメリカのドルに対するウォンの為替レートは、1ドル当たり906ウォン70銭で、1997年9月4日に906ウォン30銭を記録して以来、10年1カ月ぶりに910ウォンを割り込みました。

・韓国に投資されていた外国の資本が、2005年と2006年の2年間に85億ドル以上も回収されたことが分かりました。大韓貿易投資振興公社がこのほど国会の産業資源委員会に提出した国政監査資料によりますと、韓国に投資されていた外国資本のうち、2005年に32億9000万ドル、2006年に50億6000万ドル、合わせて85億ドル以上が回収されました。2001年から2004年までの外国人投資資本の回収金額は、年平均11億4000万ドルでした。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の5つの作業部会のうち、韓国が議長国を務める「経済・エネルギー協力の作業部会」が29日から2日間の日程で板門店の韓国側にある「平和の家」で開かれています。北韓は、核施設を年内に無能力化する見返りとして関係国が提供する重油95万トン分のうち、50万トン分については発電所などの改修に必要な機材の支援を要求しており、29日の作業部会では、支援の具体的な内容と方法について協議が進められているということです。

・アメリカは、北韓の核問題が解決し、北韓をテロ支援国リストから解除した場合にも、アメリカが凍結措置をとっている3000万ドルの北韓資産は解除しない方針であることが分かりました。北韓の核問題をめぐる6カ国協議のアメリカ首席代表、ヒル国務次官補は、25日、アメリカ下院の公聴会で、「北韓がテロ支援国から外され、対敵国通商法の適用を受けなくなっても、アメリカが凍結した北韓の資金を返還する計画はない」と述べ、対敵国通商法の適用と、北韓の資産凍結の解除とは別問題だとする見解を示しました。

・大統合民主新党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)候補は28日、ソウル市内の統一教育院で、『家族幸福時代』というスローガンを掲げて選挙対策委員会を発足させ、本格的な選挙運動をスタートしました。鄭東泳候補は、選挙対策委員会の発足を契機に、党内外の勢力の統合を図っていく方針で、今後、外部勢力との調整が進められる見通しです。

・アフリカ東部ソマリア沖のアデン湾で、韓国人2人を含む23人が乗り込んだ日本のケミカルタンカーが海賊に乗っ取られたと、 共同通信が、クアラルンプールにあるIMB=国際海事局の海賊情報センターの情報として29日、明らかにしました。それによりますと、このタンカーには、2人の韓国人以外に、フィリピン人、ミャンマー人の合わせて23人が乗り組んで、日本人は乗っていないということで、タンカーは現在、ソマリア方向に向かっているということです。

・第2次世界大戦中に日本で亡くなった韓半島出身の旧日本軍の軍人や軍属の遺骨100柱が近く韓国の遺族に返還される見通しです。日本の読売新聞が報じたところによりますと、返還される遺骨は、これまで遺族や縁故者が確認出来ず、東京の祐天寺に安置されていた1100柱あまりの遺骨の一部だということです。

・第二次世界大戦中に日本に強制徴用され京都府宇治市ウトロ地区に集団で暮らしている在日韓国人たちが、土地の所有者から強制立ち退きを迫られている問題で、ウトロ町内会の住民でつくる「ウトロ町づくり協議会」は28日、土地を所有している不動産会社「西日本殖産」と土地売買契約を締結しました。共同通信によりますと、契約は協議会側が地区の東半分約1万500平方メートルを5億円で購入するというもので、「ウトロ町づくり協議会」は、韓国政府が出資の意向を示した支援金と、韓国支援団体による募金を購入資金に充てることにしています。

・ソウルの金浦(キムポ)空港と、中国上海の虹橋空港を結ぶシャトル便が28日に開設されました。この航空路線には、韓国の大韓航空とアシアナ航空、中国の東方航空と上海航空の4社が毎日一往復ずつ、合わせて4往復します。このうち、大韓航空とアシアナ航空は、それぞれ午後4時と午後4時15分に金浦を出発して、ちょうど1時間後に上海の虹橋空港に到着し、さらに1時間後には、金浦に向けて出発します。金浦(キムポ)空港と上海の虹橋空港は、いずれも市の中心部から近い場所にありますが、飛行機の発着がいずれも午後のため、日帰り出張に利用するのは事実上、不可能だとする指摘があることから、建設交通部は、運行時間の変更について中国政府と協議することにしています。

・海に囲まれている韓国ですが、水産物の生産量は世界で15番目に過ぎないことが、海洋水産部の資料で明らかになりました。それによりますと、韓国の水産物の生産量は2005年は、前の年より4.7%多い207万5000トンで、世界で占める割合はわずか1.47%でした。水産物の生産量が最も多かったのは中国で、年間およそ5000万トン、35%のシェアを占めています。2位はペルーで6.7%、3位はインドで4.5%、4位はインドネシアで4%、5位はアメリカで3.8%です。

・韓国の家庭が子どもにかける私教育費の負担は、OECD=経済協力開発機構の加盟国平均の4倍に上り、貯蓄率や家計の消費に影響を及ぼしていることが分かりました。韓国銀行の金融経済研究院がまとめた報告書によりますと、2003年の韓国の国内総生産に対する私教育費つまり、学校以外の塾などにかかる費用の支出は2.9%で、OECD加盟国平均の4倍以上と、加盟国で最も高くなりました。

・男の子を好む韓国の伝統的な価値観が年々弱くなってきていることが調査の結果、分かりました。韓国保健社会研究院が、夫のいる44歳以下の女性を対象に1991年から3年置きに調査した結果をみますと、「息子は必ず必要だ」という意見は、1991年は41%に達しましたが、その後、次第に減って去年は10%に過ぎないことが分かりました。反対に、「息子はいなくても良い」という意見は、1991年は28%でしたが、その後、年々少しずつ増えて去年は50%にまで上りました。こうした傾向について保健社会研究院は、男の子を好む韓国社会の伝統的な価値観が、「もはや息子はいなくても良い」に方向転換していることが伺える良い例だと話しています。

10月27日土曜日

・韓国と北韓は、26日、北韓の開城で南北首相会談に向けた予備協議を行い、南北首相会談を来月14日から16日までの3日間、ソウルで開くことで合意しました。韓国の韓徳洙(ハン・ドクス)国務総理と北韓の金英逸(キム・ヨンイル)内閣総理による南北首相会談は、先の南北首脳会談で合意していたもので、南北首相会談が開かれるのは1992年以来15年ぶりです。南北の実務者による26日の予備協議では、▼南北首相会談を来月14日から16日までの3日間、ソウルで開く、▼代表団の規模は7人で、随行員などを合わせて50人ほどとする、▼北韓の代表団は空路、ソウル入りする▼首相会談の期間中に産業資源部と韓国の造船会社の関係者が北韓に建設する造船団地について協議することなどで合意しました。これを受けて韓国側は韓悳洙国務総理を首席代表に、李在禎統一部長官を次席代表として、経済関係の長官を中心に代表団を組織する方針で、北韓と経済協力について積極的に協議を進めるものとみられます。

・34年前、韓国の金大中(キム・デジュン)前大統領が東京で拉致された「金大中事件」について、韓国政府は、来週にも外交ルートを通じて、日本政府に遺憾の意を伝える方針です。柳明桓(リュ・ミョンファン)日本駐在韓国大使は来週初め、日本の高村外相に会い、この事件に対して、遺憾の意を表明することにしています。金大中事件は、韓国の前の大統領、金大中氏が民主化運動の指導者だった34年前の1973年8月に東京のホテルから拉致されたものです。この事件について、国家情報院が設けた真相究明委員会は24日、当時の政府が事件へ関与したことを公式に認める報告書を発表しましたが、日本政府は24日、韓国が日本の主権を侵害したとして、 韓国政府に対し謝罪とともに、再発防止を求めていました。韓国政府の関係者によりますと、「韓国政府は、これまで事件に関わっていないとしていたが、委員会の報告書で主張が覆ることになっので外交ルートを通じて、日本政府に遺憾の意を表明することにした」と説明しています。

・北韓が今後2週間以内にすべての核開発計画を申告するとみられる中、アメリカ国務省は、申告の内容を徹底的に検証する考えを重ねて表明しました。国務省のマコーマック報道官は27日の記者会見で、「アメリカは、北韓が申告する核開発計画を確実に点検し、これをアメリカ政府や関連国が把握している内容と比較する独自の方法を持っている」と述べました。マコーマック報道官はまた、「北韓の申告内容が、アメリカ政府が決めた基準に満たない場合、決して署名しない方針だ」と強調しました

・日本のトヨタ自動車が大衆車の韓国市場への進出を検討していることが明らかになりました。トヨタの渡辺捷昭(かつあき)社長は25日、東京都内で韓国のメディアと記者会見し、「トヨタが韓国に進出する環境は整っていると思う。現在、それに必要な市場調査を進めている」と述べました。渡辺社長は、韓国進出の具体的な時期や輸出車種については明らかにしていませんが、輸入車業界では、トヨタは来年上半期にも大衆車の韓国進出を宣言し、中型自動車「カムリ」など、中型大衆車を中心に販売を展開していくものと予想しています。韓国では最近、輸入車の売れ行きが好調で、トヨタがすでに高級車のレクサスを販売しているほか、別の日本車も韓国市場へ相次いで進出しており、すでに韓国市場で一定のシェアを確保しているホンダに続いて、来年は日産や三菱も、大衆車を中心に販売を始めることにしています。

・政府は、外国語を教えるために韓国に入国する外国人にビザを発給する際、犯罪経歴がないという証明書や健康診断書の提出を義務付るなど審査を強化することになりました。韓国では外国語会話教室で働いている外国人講師が、大麻など麻薬を常用したり、子どもに性的嫌がらせしたりする事件が増え、社会問題になっています。このため、政府は、外国人が講師の資格でビザの発給を申請する場合、犯罪経歴がないという証明書や健康診断書をその国にある韓国の公館に提出させるほか、韓国公館の領事との面接を義務付けるなど、審査を強化することになりました。また学歴を偽ったり、麻薬や性犯罪など前科のある外国人講師の情報を関係部署が共有することにして、このような外国人講師を雇用した雇用主に対しても処罰する方針です。

・盧武鉉大統領は、27日、来年2月に大統領の任期が終わったあとは、故郷の慶尚南道に帰り、地域の自然保護活動に取り組む考えを示しました。盧武鉉大統領は27日、湿原の保存に関する国際条約、ラムサール条約の総会に向けたボランティアー組織が発足したのに合わせて、慶尚南道 道丁を訪れ、「大統領退任後は、慶尚南道を中心に、湿原の生態系の保護活動を繰り広げたい」と述べました。盧大統領はまた、大統領退任後生活することになっている、故郷の慶尚南道金海(キムヘ)市のボンハ村で、農村の生活や共同体の復元にも力を入れる考えを明らかにしました。慶尚南道・昌原(チャンウォン)市と昌寧(チャンニョン)郡では、来年10月28日から11月4日まで、世界環境オリンピックともいわれる、ラムサール条約の総会が開かれます。

・都市ガス料金が、原料として輸入される液化天然ガスの価格の上昇で来月から引き上げられることになりました。韓国ガス公社によりますと、ソウルを基準にした都市ガスの料金は、現在の1立方メートル=615ウォン21銭から、631ウォン37銭に、2.6%引き上げられる見通しです。これは都市ガスが導入されてからもっとも高い水準です。

・サラリーマンの財テクの手段として最近、ファンドが人気を集めていることがわかりました。サラリーマンの年俸情報サイト「オープンサラリー」が928人を対象にした調査によりますと、財テクに投資する費用を100とした場合、貯蓄や直接投資による株式、債券、ファンド、保険、不動産などに投資する割合を聞いたところ、もっとも高いのは「貯蓄」で38.9%を占めました。次いで、保険が21.4%、ファンドが17.3%、そして株式、不動産、債権などの順でした。しかし1年前の調査と比べると、保険はほぼ同じ割合でしたが、貯蓄が5ポイントあまり減ったのに対して、ファンドは5ポイントあまり増えています。これは最近、国内や中国など海外の株式市場の好況が続いてるため、財テクの手段としてファンドへの投資に走るサラリーマンが増えているためとみられています。

10月26日金曜日

・アメリカのヒル国務次官補は、「北韓が今後2週間以内にすべての核開発計画を申告すると予想している」と述べました。北韓の核問題をめぐる6カ国協議でアメリカの首席代表をつとめるヒル国務次官補は、25日、アメリカ議会下院・外交委員会の公聴会で証言し、「われわれは今後2週間以内に北韓がすべての核開発計画を申告すると予想している。申告の対象は、核施設と核物質、それに核開発計画などのすべてで、北韓のりストとアメリカが希望している核関連のリストが正確に一致しなかった場合は、さらに数週間かけて協議を進めていく計画だ」と述べました。ヒル次官補はさらに「申告の核心となるのは兵器を作られるほどのプルトニウムとともに高濃縮ウランだ」と述べて、プルトニウムだけでなく疑惑の対象となっている高濃縮ウランも申告対象に含まれるという考えを重ねて強調しました。ヒル次官補はまた核施設の無能力化について「専門家チームが来月1日に北韓入りし、寧辺の核施設の無能力化に向けて本格的に活動する予定だ。寧辺の核施設は、これまで閉鎖されたことはあったが、無能力化に向けた活動が行われるのはこれが初めてとなる」と強調しました。

・統一部は北韓に支援したコメ40万トンがどのように分配されたのかを確かめるために、27日から2回目の現場視察を実施することになりました。韓国は今年4月下旬に行われた南北経済協力推進委員会で、北韓にコメ40万トンを借款方式で提供し、10万トンを送るたびに分配の現場を視察することで合意していました。韓国はコメ40万トンのうちこれまで27万トンを北韓に送っており、今月16日に、北韓の開城など5つの食糧供給所で初の現場視察を行いました。今回の2回目の視察は、北韓北部の咸鏡道の3カ所と黄海道 海州(ヘジュ)の2カ所の合わせて5カ所で行われる予定で、韓国は来月19日まで40万トンの支援を終えて、さらに2回、現場視察を行う方針です。

・パートや派遣など非正規職労働者を保護する法律が今年7月から施行されましたが、非正規職についている労働者は去年に比べて4.5%増え、正規職労働者の伸び率2.9%をはるかに上回りました。統計庁が26日まとめた統計によりますと、今年8月現在、非正規職労働者は合わせて570万3000人と、1年前に比べて4.5%増えました。一方、正規職労働者は1018万人で、1年前に比べて2.9%の増加にとどまりました。非正規職労働者を勤労パターン別にみますと、日雇いや派遣など雇用の安定性が低い人々の割合が1年前に比べて14%も増えました。また非正規職労働者の1カ月の給料は平均で127万6000ウォンで、正規職の64%にとどまりました。韓国では非正規職労働者を保護するための法律「非正規職保護法」が今年7月から施行されましたが、この法律では、企業は非正規職労働者を2年以内に正規職に採用することが義務づけられたため、専門家の間では企業が2年以内に別の非正規職を採用する傾向が強まって、かえって非正規職労働者が増える恐れがあるという懸念が出ており、今回の統計はそれを裏付ける形となりました。

・国家情報院が設けた過去の事件の真実を究明するための委員会が、34年前に東京で起きた「金大中拉致事件」は少なくとも当時の朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領の黙認があったと発表しましたが、この委員会のアン・ビョンウク委員長は「事実上、朴正熙元大統領の指示だったとしか言いようがない」と述べました。アン・ビョンウク委員長は25日、KBSの第一ラジオの時事番組のインタビューで「当時の状況は朴正熙元大統領の指示なしではそのようなことはできない時代だった」と述べました。アン・ビョンウク委員長はまた朴正熙元大統領の指示だったことを示す証拠がないことについては「物的な証拠は最初からあるはずがない。大統領の一言ですべてを推し量って関係者が対応する時代だった」と述べるとともに、拉致の目的については「中央情報部の目標は金大中氏の除去だった。単純な拉致だったら、ソウルに連れてきて何をどうするかという計画があったはずだ」と述べて、金大中氏の殺害が目的だったという見解を示しました。

・最近の異常気象で、梅雨時に雨が降らなかったり、秋に大雨が降ったりしていることから、気象庁は今後、「梅雨」の表現に代えて「雨季」という用語を使う方向で検討を進めています。気象庁によりますと、今年6月末から7月までの梅雨時の全国の降水量は平均で320ミリでしたが、梅雨が明けた後の8月1カ月間の降水量も321ミリと梅雨時とほどんど変わりませんでした。このようにここ数年間は梅雨時に集中豪雨が降るのではなく、梅雨が明けた後の降水量が多くなっており、気象庁では、梅雨の始まりと終わりを予測して発表する意味がなくなっているという見方を強めています。こうしたことから、気象庁は1カ月あまりの期間を設定して梅雨を表現する代わりに、来年からは大雨が頻繁に降る6月末から9月初めの期間を「雨季」という用語で表現することを積極的に検討しています。気候が変化したためとはいえ、これまで使ってきた「梅雨」の用語が「雨季」に変わる場合、教科書の表現を改めるなど関連制度の見直しも避けられない見通しです。

・22日から始まったプロ野球の韓国シリーズは、レギュラーシーズンで優勝したSKが、プレーオフを勝ち上がってきた斗山に2連敗した後、第3戦でようやく1勝をあげました。SKは、25日、ソウルチャムシル野球場で行われた第3戦で、選抜打者の全員がヒットを記録するなどして斗山に9対1で勝ちました。韓国シリーズは7戦行われ、先に4勝したチームが優勝します。

・映画の街とされているソウルの忠武路で、世界の古き良き時代の映画を対象とする国際映画祭が25日開幕しました。今年初めて開かれた「ソウル忠武路国際映画祭(CHIFFS)」は、今も映画の手本となっている古典映画を上映してその価値を再確認し、20世紀の映画のメッカだった忠武路で映画の歴史を振り返ってみようと、開かれたものです。今回招待された映画は、32の国と地域の合わせて143本で、中には「風とともに去りぬ」、「サウンド・オブ・ミュージック」、チャリー・チャップリンの「シティーライフ」などの有名な古典映画もあり、忠武路周辺の映画館で上映されます。第1回ソウル忠武路国際映画祭は来月2日まで行われます。

10月25日木曜日

・韓国は、日本全域が射程圏内に入る北韓の中距離弾道ミサイル「ノドン」や短距離弾道ミサイル「スカッド」を迎撃できるパトリオットミサイルを2010年に実戦配備する予定です。これは、国会の国防委員会が24日、空軍本部に対して行った国政監査で明らかになったものです。これに関連しハンナラ党のイ・ソング議員は、「パトリオットミサイルのシステムが2010年に実戦配備されると100発を発射できるということだが、北韓のミサイルの数には到底及ばない。アメリカが持っている韓半島での戦時作戦統制権を2012年に韓国軍が引き受けた場合、駐韓アメリカ軍のパトリオットミサイルを購入する計画はあるか」と、質しました。これに対して、空軍のキム・ウンギ参謀総長は、「パトリオットミサイルの購入計画はすでに立っているが、駐韓アメリカ軍のパトリオットミサイルを購入する予定はない」と述べました。防衛産業推進委員会は、パトリオットミサイル48機と発射装備を1兆ウォン規模で、いずれもドイツから買い入れることを先月の会議で決めています。

・韓国銀行によりますと、このところ輸出が好調なうえ民間消費が拡大したことで、第3四半期のGDP=実質国内総生産は、前の四半期より1.4%、去年の同じ時期と比べますと5.2%も高くなっていることが分かりました。こうしたことから韓国銀行は、国内の景気が第2四半期に続いて成長局面を維持していると説明しました。製造業の場合、半導体や電気電子製品を中心に前の四半期より2.8%、サービス業は金融保健業が証券市場の活況で高い成長を維持し1.7%の伸びをみせています。また輸出は、石油や化学製品などが低迷したものの、半導体や産業用機械が好調で、1.5%増加しました。韓国銀行は、石油価格など国際原材料の価格が急騰しているうえ、アメリカの国内景気の鈍化が懸念されることから第4四半期もこうした景気の上昇が期待できるかどうかは分からないとしています。

・韓国が外貨危機に陥った1997年暮れ以後5年間に、韓国企業の収益性が大きく向上したことが分かりました。大韓商工会議所が韓国銀行の「企業経営分析」資料を基にまとめた報告書によりますと、企業の収益性を示す売上高経常利益率は、外貨危機前の6年間は年平均2.1%でしたが、外貨危機後の5年間は5.9%に増えています。報告書は、低金利と借入金の減少で金融費用が縮小し、売上高金融費用負担率が、外貨危機前の年平均5.8%から、1.6%に下がったことが収益性が向上した主な要因ではないかと分析しています。

・北韓の核問題を協議する6カ国協議の関係国による外相会談が、来月中旬に開かれる可能性が出てきました。ソウルの外交筋によりますと、韓国、北韓、日本、アメリカ、中国、ロシアによる6カ国外相会談を来月中旬に北京で開く案が検討されているということです。この消息筋は、外相会談の開催について一部の国は消極的な姿勢を示しているが、北韓が核施設の無能力化に比較的スムーズに合意したことから、次の段階として6カ国の外相会談を開く必要があるという意見が出されたとしています。6カ国の外相会談が開かれれば、北韓が年内に核施設を無能力化するとともにすべての核計画を申告する見返りとして関係国がエネルギーなどを提供する措置だけでなく、核兵器の廃棄と、北東アジアの多国間安全保障協力についても協議されるものとみられます。

・アメリカと北韓は、北韓の寧辺(ヨンビョン)にある核施設を使えなくする無能力化のための技術的な方法について、11項目で合意した模様です。ソウルの外交筋によりますと、今月11日から8日間、平壌を訪れていたアメリカの核専門家チームは、寧辺にある5000キロワットの黒鉛減速炉と、再処理施設の放射化学実験室、それに核燃料棒製造工場の3つの施設を無能力化するため、11項目の技術的な方法で北韓と合意したということです。このうち5000キロワット黒鉛減速炉の場合、冷却塔の中にある耐火煉瓦を取り外し、再処理施設では特定の部品を破棄する案が含まれているということです。こうした合意に基づいてアメリカの技術専門家チームが来月初めに平壌を訪れ、3つの核施設の無能力化に着手する見通しです。

・アメリカは北韓に対して、今後一切テロに関与しないことを北韓の幹部が宣言するよう求めました。米朝問題に詳しい消息筋によりますと、アメリカと北韓は、このほどニューヨークで米朝関係正常化に向けた実務者協議を開き、アメリカは、北韓が年末までに核施設を無能力化すれば、テロ支援国リストから北韓を解除する立場を表明し、こうした宣言を行うよう北韓に要求したということです。ブッシュ政権が北韓をテロ支援国リストから解除するには、解除前の6カ月間は、国際テロ活動を支援した事例があってはならず、さらに今後一切、国際テロへの支援を行わないという宣言を盛り込んだ報告書を、発効希望日の45日前までにアメリカ議会に提出しなければなりません。こうしたことから北韓が年内に核施設を無能力化し、核施設の申告を済ませた時点でアメリカがテロ支援国指定を解除するには、北韓がこうした報告書を来月中旬までアメリカ議会に提出することが求められます。

・アメリカ国務省のライス長官は、6カ国協議が北韓の核拡散について論議する最善の枠組みだとする見解を示しました。ライス国務長官は24日、中東外交政策を扱うアメリカ下院外交委員会の公聴会に出席し、北韓とシリアとの核協力疑惑をめぐる議員の質問に対してこのように述べました。その上でライス長官は、「北韓やシリアだけでなく世界のあらゆる国の核拡散はアメリカにとって深刻な問題であり、アメリカはこれを阻止するための政策を堅持している」と述べました。ライス長官はしかし、北韓がシリアに核を移転したとするアメリカメディアの報道内容については、「コメントできない」として回答を避けました。

・1987年に起きた大韓航空機爆破事件は、 北韓のスパイによって大韓航空機が空中で爆破されたとする最終調査結果を国家情報院の「過去の事件の真実を究明する委員会」が発表したことについて、犠牲者の家族会や市民団体は、「具体的な証拠もないのにあわてて出した結論に過ぎない」として批判する声明を出しました。声明は、「究明委員会は、事件のカギを握っている女性スパイとされるキム・ヒョンヒ氏との面会もせず、はっきりした証拠は何もないのに、北韓が犯した仕業だと結論付けた。これは20年間、真実究明を待って耐えてきた被害者の家族を無視した行為だ」として厳しく批判しています。家族会や市民団体は、この事件について、当時の安全企画部によって企てられた事件、もしくは北韓のテロ計画を事前に知ったうえで、それを利用するため、あえて阻止しなかったなどの疑惑を出して、真相究明を要求しています。この事件は1987年11月、乗客・乗務員115人を乗せてバグダッドからソウルに向かっていた大韓航空ボーイング707型機が北韓のスパイによって空中で爆破され全員が死亡したもので、日本人に偽装した男女2人が逮捕され、このうち男性は劇薬で自殺し女性は韓国当局に逮捕されました。

・韓国人は、引退後に必要な生活費を1世帯平均で6億3000万ウォン程度と見込んでいることがアンケート調査で分かりました。これは、国民銀行の研究所が、ソウルをはじめ全国の大都市に住む2000世帯、25歳以上の男女を対象に個別面接で調べたものです。それによりますと、引退後の一世帯の生活費は平均で6億3000万ウォン程度が必要と答えています。また調査に応じた人たちの家計総資産は、平均で3億4300万ウォン、金融資産は5400万ウォンで、不動産と金融資産は8対2の割合となっています。

・クラブチームのアジアNo.1を決めるサッカーの「アジアチャンピオンズリーグ」で、去年優勝した韓国は、今年は決勝進出を果たせませんでした。24日、日本の埼玉で行われたKリーグチャンピオンの城南一和とJリーグチャンピオンの浦和レッズとの準決勝第2戦は、2対2で引き分けました。先に韓国で行われた1回戦と合計すると4対4の同点となり、延長戦に入りましたが決着がつかず、ペナルティーキック戦にもつれ込んだ結果、5対3で城南が負けました。アジアチャンピオンズリーグは2002年にスタートし、韓国は去年初めて、Kリーグの全北現代が優勝していました。

10月24日水曜日

・1973年8月に東京で起きたいわゆる「金大中(キム・デジュン)拉致事件」について、国家情報院が設けた委員会は24日、当時の朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領の直接指示か少なくとも黙認があったとする判断を出しました。国家情報院が設けた「過去の事件の真実を究明する委員会」は24日、34年前に起きたいわゆる「金大中事件」と1987年に起きた「大韓航空機爆破事件」についての最終調査結果を発表しました。このうち「金大中拉致事件」は1973年8月、当時の朴正熙大統領の最大の政敵だった金大中氏が東京で拉致されたあと、5日後にソウルで解放されたもので、委員会は国家情報院のホームページに公開した報告書で「金大中拉致事件」について、「当時の朴正熙大統領が指示したか少なくとも黙認した可能性があり、事件のあとは中央情報部(KCIA)が組織的な隠ぺいをはかった」としています。そして朴元大統領の指示の有無については「直接の証拠資料は発見できなかったものの、当時の中央情報部のイ・フラク部長が『自分も好きでやっていることではない』と述べたことや、事件直後、朴元大統領が関係者を処罰しなかった点などを総合的に分析して結論を出した」としています。委員会はまた1987年に起きた大韓航空機爆破事件について、当時の安全企画部による操作や事件発生の情報を事前に捕らえていたかどうかの疑惑について、それを裏付ける証拠はなく、事実ではないという判断を示しました。大韓航空機爆破事件は20年前の1987年11月、乗客・乗務員115人を乗せてバグダッドからソウルに向かっていた大韓航空機ボーイング707型機が北韓のスパイによって空中で爆破され、全員が死亡した事件で、日本人に偽装した男女2人が逮捕され、このうち男性は劇薬で自殺し、女性は韓国当局に逮捕されました。これについて委員会は「ソウル・オリンピックを前にしていた当時、安全企画部は、この事件が国の安全保障に重大な脅威になりうる事件だったのにもかかわらず、女性スパイの陳述だけにたより、検証を怠って急いで捜査結果を発表したため、誤りが発生し、それが不必要な疑惑をもたらす原因になった」と指摘しました。そして「女性スパイのキム・ヒョンヒ氏に対する委員会の十数回にわたる面会要請が受け入れられず、キム・ヒョンヒ氏の陳述についての疑惑などは何も解明できなかった」としています。

・国家情報院が設けた委員会が「金大中拉致事件」で、当時の朴正熙大統領の黙認があったとする調査結果を発表したことについて、金大中前大統領側は24日「34年間、真相究明を待ち続けてきた。今後、さらに真相究明を求めていく」としています。金大中前大統領のチェ・ギョンファン広報秘書官は論評で「政府の委員会が真相究明に向けて誠意を持ってそれなりに努力したことを評価する。しかし委員会は今回の調査で、金大中氏の殺害が目的だったと認められる事実を突き止めたにもかかわらず、優柔不断な結論を出したことは遺憾だ」と述べて、この事件は朴正熙元大統領が金大中氏を殺害することが目的だったとする見方を強調しました。そして「はっきりした証拠を持っていたにもかかわらず、捜査をあきらめた日本政府と、この事件を隠ぺいしようとした韓国政府は、両国の国民と世界に対する大きな過ちを犯した」として、両国政府に深い遺憾の意を示しました。

・韓国の国家情報院が設けた委員会が発表した「金大中拉致事件」の調査結果について、日本政府は韓国が日本の主権を侵害したとして謝罪とともに、再発防止を求めました。東京駐在ユ・ミョンファン韓国大使は24日、日本の外務省を訪れて、木村外務次官と会い、韓国政府が発表した「金大中拉致事件」の調査結果について説明しました。これに対して木村次官は「金大中事件で韓国政府が日本の国内で公権力を行使したのは日本の主権の侵害だ」と遺憾の意を表明するとともに、韓国政府の謝罪と再発防止に向けた対策を求めました。

・アメリカ国務省は韓国戦争の休戦協定に代わる平和協定を進めるために主体となる国は、当事国の韓国と北韓に加えてアメリカと中国の4カ国だという認識を示しました。アメリカのネグロポンテ国務副長官は23日、アメリカの企業研究所で行った講演で、韓半島で戦争を終息させることを意味する平和協定に署名する国について「もっともはっきりしているのは当事国である韓国と北韓だが、アメリカと中国も介入したので、この4カ国が韓半島の究極的な平和体制について協議するのが望ましい」という考えを示しました。

・アメリカ連邦議会の下院外交委員会は23日、全体会議を開き、中国政府に対して脱北者を北韓に強制的に送りかえすことを止めることなど脱北者の人権尊重を求める決議案を満場一致で採択しました。決議案によりますと、アメリカ議会は中国政府に対して1951年に締結された難民地位に関する国連の協約に規定されている義務を守るように求めており、具体的には、脱北者を強制的に北韓に送り返すことを中止すること、脱北者を経済的な不法移民として自動的に分類せずに脱北者と国連の高等弁務官室との面談を認めることなどを求めています。

・韓国政府がイラクで復興活動にあたっている韓国軍の派兵期間を来年末までさらに1年延長する方針を明らかにしたことについて、アメリカは感謝の意を示しました。アメリカ国務省のマコーマック報道官は現地時間で23日、記者懇談会で、韓国政府が明らかにした韓国軍のイラクへの派兵期間を延長する方針について「新しい国を建設しようとするイラク人を支援する韓国人に感謝する」と述べました。

・年末の大統領選挙を前に、日本の経団連にあたる全経連=全国経済人連合会は、来年2月に発足する次期政権に求める政策や課題を24日示しました。全経連と傘下の韓国経済研究院は24日、「先進韓国のための選択、富める国、幸せな国民」というタイトルの報告書を発表しました。報告書は次期政権の課題として小さい政府、相互主義に基づいた北韓政策など、今の盧武鉉政権の政策とはかけ離れた内容が多数含まれており、年末の大統領選挙に名乗りを上げている候補たちが公約をつくるにあたって参考にできる政策案として提示されました。報告書によりますと、韓国が2020年に先進国入りするためには60の政策を実践することが必要だとしており、このうちの10大課題としては▼労使の協力と研究開発に向けた投資拡大による成長可能な事業の発掘、▼首都圏の土地や金融部門に対する規制緩和によって企業にやさしい環境を作る、▼市場開放と外国人に対する雇用の拡大、▼高校入試の復活と大学の自主性拡大、▼公務員の人員削減による小さい政府作り、▼地方自治体に破産制度を導入するなど公共機関への競争制度の導入、▼北韓の核問題の解決と韓米同盟に基づいた安定的な外交・安保政策などとなっています。全経連は1992年から大統領選挙の前後に経済を中心とした独自の政策を示しています。

・釜山と福岡を行き来する韓日間の定期高速船が運航中にクジラとみられる大きな物体と衝突する事故がありましたが、けが人はありませんでした。この事故は23日午後2時半頃、乗客と乗務員146人を乗せて日本の博多港を出航した高速船「コビー3号」が釜山に向かう途中、対馬付近の海上でクジラとみられる大きな物体と衝突したものです。この事故によるけが人はありませんでしたが、「コビー3号」はエンジン2つのうち1つが破損したため、スピードを出すことができず、当初の入港時間より4時間遅れて23日午後9時半に釜山港に着きました。

・今年の12月は全般的に雪が少なく、来年1月は東部の江原道の山間部を中心に大雪になる見通しです。気象庁が24日発表した来月から来年1月までの3カ月間の長期予報によりますと、12月までには移動性高気圧と大陸からの高気圧の影響を周期的に受けて乾燥した日が多く、雪は全般に少ないということです。来年1月には大陸の高気圧の影響で気温の変化が激しくなり、東部の江原道の山間部を中心に地形的な影響を受けて、大雪になると予報しています。

10月23日火曜日

・盧武鉉大統領は23日、国民への談話を発表し、イラクで復興活動にあたっている韓国軍を半数に減らす代わりに、派兵期間を来年末までさらに1年延長する方針を明らかにしました。この模様は、23日午後、テレビで全国に生中継されました。談話の中で、盧武鉉大統領は、「あらゆる面を慎重に考え、韓国軍のイラク駐留を来年の年末までとし、段階的に撤収させることに方針を替えた。今年の年末に全員を撤退させるとした政府の約束を守れないことについて、国民の皆さんの理解を得たい」と述べ、謝罪しました。盧大統領が談話を発表した後、金章洙(キム・ジャンス)国防部長官は、イラクの韓国軍兵士を今の半数に減らして駐留をさらに1年延長する内容の「任務終結計画書」を国会の国防委員会に提出しました。現在、イラクには韓国をはじめアメリカ、イギリスなど27カ国からおよそ17万8000人の兵士が駐留しています。国防部の資料によりますと、韓国は、4番目に多い1200人の兵士が復興に当たっていますが、これを半数に減らしますと6番目となります。

・今年の年末に期限切れとなる韓国陸軍ザイトゥン部隊のイラク北部での復興活動をさらに一年延長する案について、保守派で野党第一党ハンナラ党の大統領候補である李明博氏は、賛成する立場を表明しました。ハンナラ党の羅卿?スポークスマンによりますと、李明博候補は23日、党の指導部に対して、政府のイラク派兵延長同意案に賛成するよう要請したということです。李明博候補は、「韓国軍が駐留しているイラク北部のエルビルは、イラクの中では最も安全な地域で、アメリカだけでなくイラク政府も韓国陸軍の駐留を望んでおり、さらにアメリカやイラクとの経済協力は国益のためにも重要だ」として、韓国軍の派兵延長が望ましいとする考えを示しました。一方、改革・革新派の大統合民主新党と、民主労働党は、政府の派兵延長案に反対する姿勢を崩していません。国会での議席数は、大統合民主新党が141議席、民主労働党は9議席で両党を合わせますと150議席ぎりぎりで過半数を確保していますが、国会の本会議で採決が行われた場合、法案の成立は微妙な情勢です。

・1950年に勃発した韓国戦争が休戦状態となっているのを終わらせ、恒久的な平和の枠組みを作るための交渉が、近く関係国によって開かれる見通しですが、この交渉に先立って模擬交渉がソウルで開かれることになりました。外交通商部によりますと、この模擬交渉は、韓国の宋旻淳外交通商部長官と、6カ国協議の韓国首席代表である千英宇・韓半島平和交渉本部長、それに駐韓アメリカ大使、駐韓中国大使が出席し、26日、ソウルのホテルで開かれます。休戦協定は、韓国戦争の停戦のために1953年7月、北韓軍と中国軍、それに国連軍の3者が板門店で調印し、軍事境界線を決めたもので、韓国は調印しませんでした。先の南北首脳会談で、盧武鉉大統領と北韓の金正日国防委員長は、いまの休戦協定を平和協定に替えるための議論を、3カ国もしくは4カ国で開くことで合意しています。

・IMF=国際通貨基金と、WB=世界銀行の年次総会が22日、ワシントンで開かれ、権五奎副総理兼財政経済部長官は基調演説で、両国際金融機関は、北韓の加盟に向けて準備を進める必要があるという見解を示しました。権五奎副総理は、先の6カ国協議と南北首脳会談の結果、北韓が国際社会に組み入れられる可能性が高くなったと述べ、加盟国の支援と協力を求めました。また権五奎副総理は、IMFと世界銀行が正当性を確保し改革という課題を弾力的に進めるためには、新興工業国の持分を大幅に増し各国の地位に見合う持分の調整に取り掛かるべきだと強調しました。

・南北の海軍がそれぞれ持っている潜水艦は、韓国が10隻に過ぎないのに対して、北韓は60隻と6倍に上っていることが分かりました。これは、国会・国防委員会に所属するハンナラ党議員が海軍本部の国政監査を前にマスコミに公開した資料で明らかになったものです。それによりますと、韓国海軍はわずか10隻の潜水艦を保有しているのに対して、北韓は老朽化した小型艦とはいえ、60隻もの潜水艦を保有しており、これについてこのハンナラ党議員は、これで十分な奇襲攻撃が可能であることから、韓国海軍も潜水艦の戦力を強化する必要があると主張しています。ちなみに韓半島周辺4カ国のうち、中国とアメリカはそれぞれ70隻、ロシアは50隻、日本は16隻を保有しているということです。

・アメリカのブッシュ大統領は22日、北韓に対するエネルギー支援などの経費として、2008会計年度予算で1億600万ドルを議会に要求しました。6カ国協議では、北韓が核施設の無能力化など「次の段階の措置」に応じれば、その見返りとして関係国が重油95万トンに相当する経済及びエネルギーを支援することで合意しています。一方、米朝関係正常化に向けたアメリカと北韓の実務レベルの協議が22日、ニューヨークで行われました。協議では、北韓の核施設の無能力化、テロ支援国指定解除問題、米朝間の文化交流などについて話し合いが進められ、各分野について分科会を設置することも検討したと伝えられています。

・三星電子が世界で初めて30ナノ64ギガビットのNAND型フラッシュメモリーを開発しました。30ナノは髪の毛の4000分の1の太さを意味し、64ギガビットは爪ほどの大きさのチップに64億個のメモリーセルが集積されていることを意味します。このメモリーを16個合わせた128ギガバイトのメモリーカードを製作すれば、DVD級の高画質映画60本と、40人のDNA遺伝子情報を保存できるということです。三星電子は、30ナノ64ギガビットのNAND型フラッシュメモリーの開発で、2009年から3年間、200億ドル相当の新しい市場を創出できると期待しています。

・罪を犯した青少年が刑事処罰を免除される年齢が、「満12歳以上から満21歳未満」となっているのを「満10歳以上から満19歳未満」に改正される見通しです。政府は、23日の閣議でこうした内容の少年法改正案を決定しました。この法案が国会で成立しますと、満10歳と11歳の犯罪を犯した少年も、これまでは刑事罰はいうまでもなく保護処分すら受けませんでしたが、今後は保護観察や社会奉仕命令などの保護処分を受けることになります。またこの改正案によりますと、犯罪を犯した少年を一カ月以内の間、少年院に送ることも可能になり、保護処分する際はその保護者に対しても同時に教育を命じることができるようになっています。

・プロ野球の韓国シリーズが22日、仁川の文鶴野球場で開幕しました。レギュラーシーズンで優勝したSKとプレーオフを勝ち上がってきた斗山がぶつかった韓国シリーズ第1戦は、斗山がSKを2−0で破り、先勝しました。斗山は、シーズン最多勝利投手のリオスがマウンドに上がり、SK打線を完封しました。韓国シリーズは7戦行われ、先に4勝したチームが優勝します。斗山が優勝すれば、2001年以来、6年ぶりに韓国シリーズ制覇を成し遂げることになります。韓国シリーズの勝者は、来月8日に東京ドームで開幕する「KONAMI CUP アジアシリーズ2007」に出場します。

・韓国の11月は各家庭で冬の間に食べるキムチを大量に漬ける「キムジャンシーズン」ですが、いまでは主婦の10人に6人以上が「キムチの作り方を知らない」ことがアンケート調査の結果、分かりました。韓国の大手キムチメーカーがインターネットを利用して、今月1日から19日までの20日間、主婦7200人を対象に、「キムチの作り方を知っていますか」と問いかけたところ、「知らない」と答えた人は65%に上りました。年代別では、20代が73%、30代は66%、40代は50%が「キムチの作りかたを知らない」ということです。

・韓国人は、人生の黄金期を、男性は30歳、女性は27歳と考えている人が多いことがアンケート調査で分かりました。オンライン上の就職情報サイトが、このほど20歳以上の男女1228人を対象に「人生の黄金期はいつだと思うか」というアンケート調査をしたところ、男性は30歳、女性は27歳という回答が最も多くなりました。年代別の回答をみますと、20代と30代では男女を平均して20歳から25歳までを人生の黄金期と考えているのに対して、40代や50代では、30歳から35歳までを人生の黄金期と受け止めているということです。また人生の黄金期を楽しむために必要なものについては、「経済的な余裕」と、「たゆまない自己開発」が多数を占めました。

10月22日月曜日

・週明け22日のソウル株式市場は、先週末のニューヨーク株式市場の急落を受けて全面安となり、韓国の株価が大幅に下落し、1900ポイント台に落ち込みました。韓国証券取引所によりますと、22日の総合株価指数は、1903.81と、先週の金曜日より66.29ポイントも暴落しました。22日は取り引き開始直後から、ほぼ全面安の取り引きとなり、総合株価指数は、先週金曜日より68.95ポイント下がった1901.15で取り引きを始め、午前中は一時、1875ポイントまで下がりました。午後に入ってからは少し持ち直し、結局、1900ポイント台を維持して1903.08でひけました。

・今年の年末で期限切れとなる韓国陸軍ザイトゥン部隊のイラク北部での復興活動について、大統合民主新党の指導部は、派兵の延長に反対する立場を決めました。大統合民主新党のスポークスマンによりますと、党は22日の党最高委員会で韓国国民やアメリカの世論、韓国の国益などを総合的に考え、派兵延長に反対する方針を決めたということです。政府は、ザイトゥン部隊を現在の半数の600人程度に減らして、撤退の時期を来年末までにさらに1年延長する内容の派兵延長同意案を、閣議を経て近く国会に提出することにしていますが、民主新党は、近く議員総会を開いて、この派兵延長同意案に反対する党の方針を正式に決定する予定です。

・野党第一党のハンナラ党によりますと、政府が北韓に対して提供した資金は、過去10年間に11億ドルにのぼっているということです。ハンナラ党の政策委員会が21日出した報道資料によりますと、金大中政権と盧武鉉政権がこの10年間に北韓に渡した資金は、2000年の南北首脳会談の際に違法に送金した4億5000万ドル、金剛山観光を運営している現代峨山が観光の代価として渡した4億6000万ドル、それに金剛山観光施設の収益金1億3000万ドルなど合わせて11億ドルに上るということです。

・韓国と北韓は、22日から2日間、北韓の金剛山で、北韓が核を無能力化する見返りとして韓国、日本、中国、アメリカ、ロシアの5カ国が提供するエネルギーの支援方法について協議を行っています。これは、今月末に開かれる予定の6カ国協議の5つの作業部会のうち、韓国が議長国を務める「経済・エネルギー支援作業部会」に先立って韓国と北韓が事前に協議するもので、北韓が希望する発電所の改修や設備の具体的な品目、供給方法などについて話し合っています。

・北韓の核の無能力化に向けた本格的な作業が来月1日から始まる見通しとなりました。北韓の核問題をめぐる6カ国協議のアメリカ代表、ヒル国務次官補は19日、ワシントンで記者会見し、「新たな核の専門家チームが来月1日、北韓に入って実質的な無能力化作業に着手する」と述べるとともに、「北韓との関係正常化について協議する米朝作業部会を数週間以内に開く」という見通しを示しました。ところで、北韓の核の無能力化作業を進めるため来月初めに北韓入りするチームは、アメリカの専門家だけで構成される可能性が高いことが21日、明らかになりました。

・北韓の海軍司令部は21日、韓国の海軍の艦艇が領海を侵犯したとして、こうした行為は南北共同宣言に反する露骨な挑戦で、南北関係を対決局面に追い込む戦略的な試みだと主張しました。北韓の朝鮮中央通信によりますと、北韓の海軍司令部は、南北の首脳が西海平和協力地帯を設置し、共同漁業区域を設置することで合意した今、韓国の軍当局が西海の北方限界線を固守しているのは、愚かな行為だと指摘しました。北方限界線は海上の軍事境界線ですが、北韓はこれを認めていません。

・北韓がシリアの核開発を支援しているのではないかという疑惑が持ち上がっている中で、北韓の最高人民会議のチェ・テボク議長がシリアを訪れ、21日、オタリ首相と会談し、関心を集めています。シリア国営のサナ通信によりますと、会談で、チェ・テボク議長は、シリアとの協力関係や歴史的な友好関係を確認したうえで、イスラエルに占領されているゴラン高原の返還を求めるシリアの立場に強い支持を表明したということです。チェ議長は19日からシリアを訪問していますが、アメリカのメディアは、イスラエルの空軍機が先月6日、シリアの領空に侵入し、シリアの使用していない施設を空爆したことから、北韓がシリアに核を移転したのではないかとする疑惑を提起しています。北韓はこうした疑惑を否定していますが、空爆した施設が何かについてはイスラエルも言及を避けているため、疑惑は解消されないままとなっています。

・今年の対日貿易赤字が9月末の段階ですでに200億ドルを上回っていることが明らかになりました。関税庁と貿易協会によりますと、今年に入って9月末までに、日本に対する貿易赤字は219億6000万ドルで去年の同じ時期に比べて16%増えました。このため今年の対日貿易赤字は、初めて300億ドルを上回る可能性が出てきました。

・韓国の鉄鋼大手ポスコと日本の鉄鋼大手の新日鉄が鉄鋼を生産する過程で出る副産物を再利用するための共同法人を設立します。ポスコは22日、このほど開かれた定期理事会で、日本の新日鉄と鉄鋼を生産する過程で出てくる副産物を再利用するための法人を共同で設立する案件を承認したと発表しました。

・第3国で保護されていた北韓からの脱出者2人が、最近、アメリカに入国し、2004年に北韓人権法が制定されてから第3国で難民の地位を認められ、アメリカに入国した脱北者は、合わせて33人に増えたと、VOA=「アメリカの声」放送が、アメリカ国務省の情報として21日、報じました。

・今月16日から京畿道のソウル空港で開かれていた「ソウルエアショー2007」が21日、閉幕し、一般の観覧客20万人を含む合わせて25万人あまりが訪れました。世界の26カ国から255の航空関連企業が参加した今回のエアショーでは、外国の防衛産業関係者も多く訪れ、10億ドル相当の商談が行われました。ソウルエアショーは2年ごとの開催で、次回のエアショーは2009年に開かれます。

・ソウル市が「世界デザイン首都」に指定されました。国際インダストリアルデザイン団体協議会は20日、アメリカのサンフランシスコで開かれた総会で、ソウルを2010年の「世界デザイン首都」に指定したと発表しました。世界デザイン首都に公式に指定されるのはソウルが初めてです。

10月20日土曜日

・今月初めに平壌で7年ぶりに行われた南北首脳会談で合意した共同宣言について、韓国と北韓が共同で国連総会に支持を要請して提出した決議案が、来週の国連総会本会議に上程されることになりました。国連は現地時間で19日、総会の運営委員会を開いて、南北の国連代表から決議案についての説明を聞いたうえで、総会の追加議題に受け入れることを決めました。これを受けて、来週明けの22日に開かれる国連総会でこの決議案が議題に採択されれば、1週間後に表決にかけることになります。南北が共同で国連に提出したこの決議案は、今月初めに平壌で開かれた南北首脳会談を南北関係の改善と平和の進展に向けた重要な一里塚だと評価し、南北対話のプロセスが北東アジアの平和と安全に貢献できるよう国連加盟国の支持を要請することを主な内容としています。

・盧武鉉大統領は19日、青瓦台で外国人記者らと会見し、韓国戦争の休戦協定に代わる平和協定を締結するには、韓国を侵略してきた北韓の謝罪が前提だとする一部の主張について、「戦争を終息させる際の謝罪や賠償は敗戦国に対して要求するもので、北韓は法的には敗戦国ではない。われわれが謝罪を要求しても現実性のない話だ」と述べました。盧武鉉大統領はさらに「われわれの立場からは、北韓の挑発について責任を問うべきで謝罪を求めるのも妥当だ。しかしそれを相手に強要できるかどうか。現実的に相手の謝罪を和解と協力の前提条件として要求できるのだろうか」と述べました。盧大統領はまた金正日国防委員長と行った先の首脳会談の中で、北韓と日本との関係改善について、「私は福田首相が北韓と関係を改善する意思があり、そのためには拉致問題の解決が前提条件だと伝えた。これに対して金正日国防委員長は日本政府の対話の意思を評価し、日本との関係改善に期待していると述べた。日本も北韓も関係改善の意思はあるものの、拉致問題の基本的な立場に変わりはないという印象を受けた」と述べました。盧武鉉大統領はさらに、北韓との統一とその際の費用について「北韓は崩壊しないし、韓国に吸収統一されることもないだろう。そのため東西ドイツ統一の際のようなばく大な統一費用は発生しないと思う」と強調しました。

・シンガポール発ロイター通信です。アメリカの非軍事海外援助を行う政府組織である国際開発庁が、6カ国協議での合意にもとづいて北韓に支援する燃料をシンガポールで購入したと、現地の貿易関係者が19日、明らかにしました。2月の6カ国協議で北韓が寧辺の核施設の無能力化に着手する見返りに、韓国、アメリカ、中国、ロシアは北韓にエネルギーを支援することで合意し、韓国と中国はそれぞれ重油5万トンを提供しましたが、アメリカが6カ国協議の合意にしたがって北韓に燃料を提供するのは今回が初めてです。これについて現地の貿易関係者は、今回、アメリカは8万トンから10万トンの燃料をシンガポールで購入し、輸送のためにタンカー2隻も確保した。シンガポールが4年前に北韓を貿易禁止国に指定して以来、北韓に向けて燃料が送られるのはこれが初めてとなると述べたということです。

・政府はイラクに派遣している韓国の工兵部隊「ザイトゥン部隊」の派遣期間をさらに1年間延長する方針に固めているとみられ、国会での同意の難航が予想されます。政府は、ザイトゥン部隊の派遣期間を今年末までとなっているのを来年末までさらに1年間延長するとともに、現在の1200人規模の派遣人員を900人から600人程度に減らす方向で検討を進めている模様です。これについて消息筋は「政府は去年末の国会で、今年末までには任務を終了させるとしたが、当時はイラクの治安状態は安定に向かいアメリカ軍の兵力も今年上半期に大幅に減らすことができると予想していた。しかしその予想が外れてしまった」と、派遣延長の背景を説明しています。アメリカは先月の韓米首脳会談の際、ブッシュ大統領が盧武鉉大統領に対してイラク駐留韓国軍が引き続き駐留するよう要請したのに続いて、今月11日、ワシントンで開かれた韓米戦略対話でもさらに要請してきました。韓国政府が派遣延長に傾いているのは、6カ国協議など進展している北韓の核問題でアメリカの協調が欠かせないことと、同盟国との協調関係を強化すべきだとする外交通商部と国防部の主張が背景にあります。しかし派遣延長には国会の同意が必要で、派遣反対の世論も大きいことから、国会で同意を得るまでには激しい反対にぶつかることが予想されます。

・12月19日に投票が行われる第17代大統領選挙で、候補者や政党の名前での世論調査が投票日から60日前となる20日から禁止されました。中央選挙管理委員会によりますと、これは世論調査を口実に政党や候補者の認知度を高めようとする動きを防ぐためのものです。しかし政党や候補者の名前を入れない世論調査や、世論調査機関やマスコミなどが依頼者の名前を明らかにしないで行う世論調査は引き続き認められます。また地方地自体の長が自分の所属する政党の政策などを選挙区民に広報したり、政党が行う会合に出席したり、政党の選挙対策本部を訪れたりすることが同じく20日から禁止されました。

・地方を基盤とする格安料金の航空会社が相次いで設立されている中で、今度は釜山を基盤とする嶺南(ヨンナム)エアが来週、中型旅客機を導入し、来年2月の就航に向けた動きを本格化させています。嶺南エアは去年暮れに会社を設立し、今年6月にパイロットや乗務員ら150人を採用して訓練を行ってきましたが、100人前後乗れるオランダ製双発旅客機のフォッカー100を来週23日に導入することになりました。そして航空事業者の免許を取得して、来年2月に釜山と済州の間に就航させる予定です。さらに来年初めに2機を導入して、金浦−済州、大邱−済州の路線も運航させたいとしています。韓国では、これまで忠清北道の清州(チョンジュ)を基盤とするハンソン航空と、済州島を基盤とする済州航空の2社が、済州島と各地方を結ぶ国内路線に70人前後の旅客機を投入して就航しています。さらに釜山では、釜山市と釜山商工会議所の主導による別の格安料金航空会社、「釜山航空」の設立の動きも本格化しており、格安料金の航空会社が乱立する懸念も出ています。

・韓国のプロ野球の今年の王者を決めるコリアン・シリーズが来週22日から始まります。今年のプロ野球コリアン・シリーズは、ペナントレースの1位だったSKワイバンズと、プレーオフを勝ち抜いてきた2位の斗山ベアーズの対決となり、先に4回勝利したチームが今シーズンの勝者になります。SKワイバンズは2000年の発足後初めてコリアン・シリーズに臨むもので、一方の斗山ベアーズは通算4度目の優勝を目指しています。ペナントレースは8チームで行われましたが、両チームの対戦成績は、斗山ベアーズが10勝8敗でやや優勢です。しかし1点差で明暗を分けた試合が18試合のうち11試合もあり、実力は伯仲しています。注目のコリアン・シリーズは22日夜、仁川の文鶴球場で開幕します。

・韓国は19日午後から冷たい大陸性高気圧の影響を受け、20日午前は急激に気温が下がり、東部の江原道山間部ではこの秋初めての氷が観測されました。江原道の20日の朝の最低気温は、デソン山で氷点下5度、ファアク山で氷点下4度、 大関嶺(デグァンリョン)で氷点下2度となり、渓谷などで初氷が観測されました。大関嶺の初氷は去年より10日早く、平年よりは14日遅いということです。ソウルでも朝の最低気温が3度2分と、平年より6度1分も低くなり、風がやや強いため体感温度は0度前後に下がりました。気象庁によりますと、この冷え込みは21日も続きますが、週明けの22日には平年の気温に戻るということです。

10月19日金曜日

・韓国が世界で初めて開発した無線の携帯インターネット「ワイブロ(WiBro)」技術が、国際電気通信連合(ITU)の定める国際標準に採択されました。国際電気通信連合は18日、ジュネーブで開いた会議で、韓国のワイブロについて、IMT−2000規格に沿った第3世代のデジタル方式の国際標準の一つとして認めました。ワイブロが第3世代の国際標準の1つに選定されたことから、2GHz帯の世界共通の通話周波数で電話番号を変えずに国際ローミングを可能にし、高速でデータを送受信できるなど、これまでの世界の移動通信サービスと対等な競争を行うことができるようになりました。ワイブロは、携帯電話のようにいつでもどこでも移動しながら平均1Mbpsの送信速度の超高速でインターネットを利用できる無線の携帯インターネット・サービスで、ノート型パソコンやPDA、車両用の受信機などにワイブロの端末機を取り付ければ、簡単に利用できます。ワイブロは韓国でKTが去年6月からソウルで商用サービスを始め、今年4月からはソウル市と共同で地下鉄でのサービスを開始したのに続いて、首都圏の大学キャンパスでもできるようにして、いつでもどこでもインターネットができるユビキタス大学の計画を進めています。メーカーでは三星電子がワイブロチップを内蔵した携帯電話やパソコン、ゲーム用端末機などを製造しており、来年4月からアメリカのニューヨーク、ワシントン、ボストンなど東部地域を中心とするワイブロ網作りを進めるなど世界23カ国でワイブロ事業を展開しています。

・韓国とEU=ヨーロッパ連合とのFTA=自由貿易協定を結ぶための4回目の交渉は、商品の開放と自動車の非関税障壁などの争点で進展がみられないまま19日、終了し、年内に妥結するのは事実上難しくなりました。今週15日からソウルで行われていた韓国とEUとのFTA交渉は、これまでの交渉で意見の隔たりが大きかった分野を中心に協議を進めてきました。しかし焦点となっている商品の開放と自動車の非関税障壁、それに韓国の企業が北韓の開城工業団地で製造した製品を韓国産と認めるかどうかについて意見の差を縮めることができませんでした。これについてEU側のベルセロ首席代表は19日、記者団に「今回の交渉は有益だったが、画期的な突破口はなかった。韓国が自動車の非関税衝撃を撤廃しない限り、韓国とEUとのFTAは厳しい」と指摘しました。次の交渉は来月19日からベルギーのブリュッセルで行われます。

・金章洙(キム・ジャンス)国防部長官は、イラクに派遣している韓国軍のザイトゥン部隊の派遣期間が年末で切れることから、さらに延長するかどうかについて、19日、記者団に対して、来週にも公式の方針を示すと述べました。これに先立って金章洙国防部長官は18日、国会での国政監査で、個人的な意見とした上で、「イラクへの韓国軍の派遣は、規模を減らしてでも継続した方が良いと思う。それがアメリカとの同盟関係にプラスになり、イラクで平和と再建の任務を果たすことができる。国防部としては同盟国との関係が最も重要だ」と述べ、アメリカが要請してきた韓国軍のイラクへの派遣延長を前向きに検討していることを示唆していました。韓国はイラク北部のアルビルに1200人の工兵部隊を派遣して、イラクの復興支援に当たっていますが、今年末で派遣期間が終わるため、撤収させる方針を示していました。一方、韓国人人質事件が起きたアフガニスタンに派遣されている医療・工兵部隊について、金章洙国防部長官は「今年12月いっぱいで撤収させる命令が出された」と述べました。しかし金章洙国防部長官は「アフガニスタンに対しては、アメリカが地方再建チームの派遣を要請している。民間スタッフだけで派遣することはできないので、今後、外交通商部と協議していく」と述べました。

・北韓の核施設の無能力化に向けて寧辺(ヨンビョン)の核施設を視察したアメリカの専門家チームの一部が帰国の途中、ソウルに立ち寄り、19日、韓国の当局者と協議を行いました。韓国入りしたのは専門家チームのうち、アメリカ国務省のソン・キム韓国課長らで、他のメンバーは経由地の北京からアメリカに帰国しました。ソン・キム韓国課長らは、韓国との協議で、外交通商部の当局者に対して、今月11日に北韓入りして寧辺の核施設を視察し、北韓当局と無能力化について協議した内容を説明し、これに対して韓国側は今月22日から北韓の金剛山で開かれる6カ国協議のエネルギー作業部会への対応など懸案についてアメリカ側と話し合ったものとみられます。一方、アメリカ国務省のケイシー報道官は、現地時間で18日、北韓入りしていた専門家チームが帰国の途についたとしたうえで、「ソン・キム課長は向こう3週間以内に寧辺の核施設の無能力化に向けた作業を始めることができるという見解を示した」と述べました。

・大統領府、青瓦台の前の秘書官が再開発事業を行う建設業者が税務調査を受けないよう働きかけた見返りに、この業者から現金を受け取った斡旋収賄などの疑いで、検察に逮捕されました。逮捕されたのは大統領府、青瓦台の前の秘書官だったチョン・ユンジェ容疑者(44)です。釜山地方検察庁のこれまでの調べによりますと、チョン・ユンジェ前秘書官は、釜山地域の再開発事業と関連して、工事を行う建設会社が税務調査を受けないように国税庁の関係者に働きかけ、その見返りとして2000万ウォンを受け取った斡旋収賄の疑いのほか、知り合いから自分の住宅費用として2回にわけて合わせて1億ウォンを受け取って政治資金法違反の疑いがもたれています。こうした容疑についてチョン・ユンジェ前秘書官は、いっさい否認しているということです。これについて野党ハンナラ党は、「盧武鉉大統領は側近のチョン・ユンジェ前秘書官は無罪だと主張し、違法行為が明らかになったら、大統領自ら謝罪すると述べたことがある」として、盧武鉉大統領に国民への謝罪を求めました。

・大韓赤十字社の韓完相(ハン・ワンサン)総裁は18日、金剛山に建設中の離散家族のための面会所が来月完成すれば、離散家族の生死の確認がいつでもできるようになるという見解を示しました。韓完相総裁は18日、金剛山の離散家族面会所の工事現場を視察して、関係者から工事の進み具合などについて説明を聞いた後「面会所が11月に完成して南北の担当者が常駐するようになれば、離散家族の生死の確認がいつでもできるようになり、再会できる回数もこれまでより増えると思う」と述べました。韓完相総裁はまた「90歳以上の高齢者でも移動しやすいように、このような人道的な建物を板門店や軍事境界線付近の韓国側の?山(ムンサン)、あるいは北韓の開城(ケソン)でも良いので、北韓と協議して作りたい。先の南北首脳会談の際、北韓の関係者に提案したところ、基本的に賛成する態度を示した」と述べました。

・韓国の貴重な伝統仮面で国宝第121号に指定されているハフェタルのうち、現存していないとされる仮面の1つが日本で発見され、注目を集めています。高麗大学の国語教育学科のチョン・ギョンウク教授は19日、「熊本県の八代市立博物館に保管されている仮面を調べた結果、韓国のハフェタルのうち悪い官吏を象徴する『ビョルチェ』の可能性が高い」と述べました。ハフェタルの仮面はもともと14点ですが、現在まで伝わっているのは貴族を表すヤンバンや下人のチョレンイ、婆、嫁、僧りょなど11点で、残りの3点は記録に残っているだけで、現存していません。これについてチョン・ギョンウク教授は「八代市立博物館が文禄・慶長の役の際、大名だった小西行長の遺品特別展を準備しているうちに古い仮面が見つかり、韓国のものかどうか確認の依頼があった。仮面のしわや鼻の形などからして慶尚道地方の仮面とみられる」と述べました。これを受けて、韓国のハフェタル製作の人間文化財ら関係者6人は来週22日に八代市立博物館を訪れ、確認作業をすることにしています。

10月18日木曜日

・韓国と北韓は、今月初めに平壌で7年ぶりに行った南北首脳会談で合意した共同宣言について、国連総会に支持を要請する決議案を共同で提出しました。決議案は、ニューヨークにある韓国と北韓の国連代表部が、現地時間で17日、国連総会に提出し、今月初めに平壌で開かれた南北首脳会談が、南北関係の改善と平和の進展に向けた重要な一里塚だと強調しています。そして南北はともに、首脳会談で合意した共同宣言を着実に実行に移し、南北対話のプロセスが韓半島だけでなく北東アジアの平和と安全に貢献できるよう国連加盟国の支援を要請するとしています。国連は、北韓のミサイル発射や核実験の強行に対して、安全保障理事会による制裁措置を続けていますが、この決議案が採択されますと、国連内で北韓に対する柔軟な対応を促す声が高まることも予想されます。国連総会は、2000年の金大中前大統領と金正日国防委員長との初めての南北首脳会談の際も、双方が合意した6.15宣言を支持する決議案を採択しており、今回も採択される可能性が高いものとみられています。

・北韓の核施設の無能力化に向けた準備を進めるため寧辺(ヨンビョン)を訪れていたアメリカの専門家チームが、帰国の途中、ソウルに立ち寄ることになりました。政府の消息筋によりますと、アメリカ国務省のソン・キム韓国課長を団長とする11人は、18日夜、仁川空港からソウル入りし、19日、外交通商部で北韓の核問題を担当している課長らと会って、北韓訪問の結果を説明し、北韓の核施設の無能力化に向けた方法について協議する予定です。一行は、18日、平壌を発って北京の空港に到着しましたが、記者団の質問には一切、答えませんでした。アメリカの専門家チームは、今月11日から8日間、北韓に滞在し、6カ国協議の合意に基いて北韓の核施設を無能力化するための手順をつくるため寧辺にある3つの核施設を視察しました。これに続いて、専門家チームの第2陣12人が20日、北京経由で北韓入りする予定です。アメリカの専門家チームが北韓との間で、核施設の無能力化についての手順や方法をまとめ、6カ国協議の首席代表がこれを認めれば、アメリカを中心に構成される専門家チームが直ちに北韓入りして3つの核施設を使えなくする無能力化の作業を実行することになっています。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の5つの作業部会のうち、韓国が議長国を務める北韓への経済・エネルギー支援を協議する作業部会が早ければ来週末にも板門店で開かれる見通しですが、これに先立って、南北は22日と23日に北韓の金剛山で事前の協議を行うことになりました。

・アメリカのブッシュ大統領は、アメリカ国内で問題となっている北韓とシリアの核をめぐる疑惑に関連して、「北韓の核拡散も6カ国協議の申告対象だ」として、北韓が約束を破った場合は、それ相応の代価を支払うことになると警告しました。ブッシュ大統領は、17日、ホワイトハウスで記者会見し、核拡散は核兵器と同じくらい重要な問題だとしてこのように述べました。ブッシュ大統領はまた、北韓の核問題を解決する最善の方法は6カ国協議での協力だが、重要なのは過程ではなく、最終結果だと強調しました。しかしブッシュ大統領は、北韓がシリアの核開発に協力したのではないかという記者の質問に対しては、「これ以上、話すことはない」として、即答を避けました。

・IMF=国際通貨基金は17日、今年の韓国の経済成長率を7月の予想より0.4ポイント高い4.8%と上向きに修正しました。IMFは、最近、韓国の製造業が好調な点に注目しています。その一方で、IMFは、来年は今年より0.2ポイント低い4.6%の成長率にとどまるという見通しを出しました。しかしこれは7月の予想に比べると0.2ポイント高くなっています。

・国会は、17日から来月4日まで19日間の日程で、財政経済、統一外交など14の常任委員会別に36の担当部署と傘下機関に対する国政監査に取り掛かりましたが、ハンナラ党と大統合民主新党が大統領候補の各種疑惑をめぐって互いに攻防を繰り広げています。国政監査は、国会が国政の各分野について詳細に問題点を点検するもので、毎年秋に集中して行われます。このうち政務委員会は17日、国務調整室と総理秘書室に対する国政監査を行う予定でしたが、ハンナラ党の李明博候補が関わっているとされる株価捜索疑惑の関係者を大統合民主新党が国政監査の証人とする採択を抜き打ち的に行ったことにハンナラ党が反発して双方の議員がもみ合いとなって委員会は開かれず、2日目の18日は委員会は開かれたものの作業は進んでいません。

・KBSがこのほど行った世論調査で、12月の大統領選挙に向けた支持率はハンナラ党の李明博候補が依然としてトップを占めていることが分かりました。KBSは、16日と17日の2日間、全国の20歳以上の男女1000人を対象に、「明日が大統領選挙の投票日だとしたら、どの候補に投票しますか」という世論調査を行いました。その結果、回答者の50%がハンナラ党の李明博候補を挙げ、次いで、大統合民主新党の鄭東泳候補が17.2%でした。さらに、「ハンナラ党の李明博候補に対抗するための他の政党の公認候補をひとりに絞り込む一本化をする場合、どの候補が良いか」という質問には、1位が、大統合民主新党の鄭東泳候補で40.6%、次は民主党の李仁済候補で15.8%でした。しかし、誰に一本化された場合でもハンナラ党の李明博候補が圧倒的な支持を得て当選するという意見が多数を占めました。

・韓国国民は、新しい大統領に経済を活性化できる能力を持つ人を求めていることが、KBSのアンケート調査で分かりました。

・北京オリンピックに向けたサッカーのアジア最終予選、韓国とシリアとの試合が17日、シリアで行われ、韓国は0対0で引き分け、3勝1引き分けで勝ち点を10としました。韓国は、来月17日、ウズベキスタンとの試合がありますが、いまのところ、バーレーンが2対0でウズベキスタンを下して勝ち点9となり、10点の韓国はB組で首位を守っています。

・いまから110年前の1895年に日本の浪人が景福宮に侵入し明成皇后を殺害した現場である景福宮の最も奥にある乾C宮(コンチョンクン)が3年間の復元工事を終えて、20日から一般に公開されることになりました。明成皇后殺害事件は、三浦梧楼公使が、赴任直後の1895年10月8日の未明に、日本の浪人を宮中に侵入させて日本の意のままにならない明成皇后を殺害し遺体を焼却させた事件です。

・女子高校生は10年前と比べて平均で身長がわずかに高くなったのに対して、体重は減ったことが分かりました。保健福祉部の疾病管理本部が全国の青少年14万人を対象に調査したところによりますと、満18歳の女子高校生の平均身長は、1998年は160.5センチでしたが、2007年は160.7センチとわずかながら0.2センチ高くなったのに対して、平均体重は54.7キロから54.1キロに減りました。一方、満18歳の男子の平均身長は1998年は172.5センチでしたが、2007年は173.4センチと、0.8センチ高くなり、平均体重も63.8キロから65.8キロと2キロ増えました。

10月17日水曜日

・与党系の民主党は16日、年末の大統領選挙の公認候補として李仁済(イ・インゼ)氏を選出し、与党系の政党の公認候補がすべて出揃いました。年末の大統領選挙に向けて、最大野党のハンナラ党の公認候補である李明博(イ・ミョンパク)前ソウル市長が高い支持率を維持している中で、与党系の政党もそれぞれ公認候補を選出しました。与党系の公認候補に決まったのは、大統合民主新党は鄭東泳(チョン・ドンヨン)元統一部長官、民主労働党は權永吉(クォン・ヨンギル)議員、民主党は李仁済元労働部長官、仮称創造韓国党はムン・グクヒョン氏、国民中心党はシム・デピョン議員で、さらにイ・スソン元国務総理とチャン・ソンミン前議員が無所属で出馬を表明しています。朝鮮日報が16日行った世論調査によりますと、ハンナラ党の李明博前ソウル市長の支持率が55%と半分以上に達しているのに対して、与党系候補では鄭東泳元統一部長官が16%でやや伸びているものの、他の候補は一ケタ台の支持率にとどまっています。このため与党系の政党は大統領選挙で勝利するには、候補の一本化が必要だとしており、労働界を基盤としている民主労働党の權永吉候補を含む一本化の調整が、大統領選挙に大きな影響を及ぼすことになる見通しです。

・南北の和解と経済協力の象徴となっている北韓の開城にある開城工業団地の第1段階の工事が着工からおよそ4年で終わり16日、竣工式が行われました。竣工式には李在禎統一部長官、韓国土地公社のキム・ジェヒョン社長、現代峨山のヒョン・ジョンウン会長ら韓国側から340人と北韓から100人が出席し、韓国土地公社のキム・ジェヒョン社長が「開城工業団地は民族が力をあわせれば何でもできるという可能性を見せてくれた。開城工業団地が南北の和解と共同繁栄をもたらし、ひいては北東アジアの中心都市になることを信じている」とあいさつしました。開城工業団地は3段階に分けて工事が進められており、第1段階の工事は2003年6月に330万平方メートルで始まり、2004年5月にモデル団地を分譲した後、おととしと今年4月の2回の分譲で220社の入居が決っています。現在は45社が生産ラインを稼動し、従業員は今月10日現在で、南北合わせて2万人を超えました。政府と韓国土地公社は今後、北韓との協議を経て第2段階の工事として工場の敷地のほか、観光や商業、オフィスビルなども入居する複合団地として開発する計画です。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議でアメリカの首席代表を務めるヒル国務次官補は、北韓が保有しているプルトニウム50キロを廃棄しなければ、アメリカとの国交正常化や韓半島での平和体制の論議などはできないという見解を示しました。ヒル次官補は16日、ワシントンでの講演で北韓の核施設について「年内に核施設の廃棄を終え、来年からは北韓が自国の核兵器開発計画で抽出したプルトニウム50キロを全部廃棄するという最後の段階に入る計画だ」と強調しました。そしてヒル次官補は廃棄の対象として論議の的になっているウラン濃縮について「北韓は保有しているいかなる核計画も年内には完全に断念すると信じており、そう信じる根拠がある」と述べました。ヒル次官補はまた「北韓が保有しているプルトニウム50キロが今後の6カ国協議の中心議題になるだろう。北韓がプルトニウムの廃棄を最終決定しないうちには、アメリカは北韓との国交正常化はできず、提供する経済支援なども制限され、北韓の国際機関への加盟もできなくなる」と強調しました。ヒル次官補が北韓の核兵器の廃棄内容と手続きについてはっきりと言明したのは初めてで、今後、北韓の核問題について6カ国協議や6カ国の外相会談などの場で北韓とさらに具体的に協議していく考えを示唆したものと受け止められます。

・16回目の南北離散家族の再会が17日から北韓の金剛山で始まりました。南北離散家族の再会は2回に分けて行われ、17日から19日までの3日間は北韓に住む97人が韓国に住んでいて赤十字社が探し当てた親族404人と再会し、続いて20日から22日までの3日間は、韓国に住む94人が北韓の赤十字社が探した親族219人と会います。今回、再会の対象になった人の中には北韓に拉致された韓国人や韓国軍捕虜などいわゆる特殊な離散家族は含まれていません。

・ベトナムの最高指導者ノン・ドク・マイン書記長が南北をほぼ同時に訪問することになり、16日、まず北韓入りして、金正日国防委員長が空港で出迎えました。ベトナムのマイン書記長の北韓訪問は金正日国防委員長の招待によるもので、ベトナム共産党のトップが北韓を訪れたのは1957年以来、50年ぶりのことです。北韓の朝鮮中央通信は、マイン書記長と金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議 常任委員長が16日会談を行ったと報道しましたが、会談の具体的な内容には触れませんでした。マイン書記長は続いて来月14日から16日までの3日間、盧武鉉大統領の招待で韓国を訪問する予定です。

・第二次世界大戦中に日本に強制徴用され京都府宇治市ウトロ地区に集団で暮らしている在日韓国人たちが、土地の所有者から強制立ち退きを迫られている問題で、政府はウトロ地区の在日韓国人を支援するために、来年度の予算案に15億ウォンを計上しました。外交通商部の当局者は17日、「ウトロ地区の在日韓国人のうち生活保護対象者の住宅確保を支援するため来年度予算案に15億ウォンを計上した。予算案が原案通り国会で認められれば、ウトロ地区の土地を購入するか他の場所を探す費用に当てる予定だ」と述べました。ウトロ地区は、第二次世界大戦中の1941年、京都府と国策会社が進めた飛行場建設に強制徴用された韓国人労働者が集まった地域で、現在、65世帯の200人あまりが暮らしていますが、土地所有者から立ち退きを迫られ、2000年に日本の最高裁判所で住民側の敗訴が確定したため、政府から日本政府に対して人道的な配慮を求める一方、韓国で土地買収のための募金が行われていました。土地の所有者とウトロ住民代表との交渉ではウトロ地区の半分ほどをおよそ5億円、韓国ウォンで40億ウォンで買い取ることで合意していますが、政府が計上した15億ウォンと募金額を合わせても5億円には満たない状態です。

・常習的な性犯罪を防ぐために、来年春から実施される予定の性犯罪の常習者を監視する電子タグによる監視装置が16日、一般に公開されました。この装置は性犯罪者の位置を24時間監視するもので、電子タグは腕時計の形をしていますが、人権を考慮して足首につけることになっています。法務部の説明によりますと、性犯罪者が身につけた電子タグから発せされた電波は携帯電話の基地局を経て統合管制センターに送信される仕組みで、そして性犯罪の常習者が携帯用の追跡装置を家などに置いて出かけた際には警報音が管制センターに届けられ、また出入り禁止の区域や電子タグの電波信号が届かないエリアに入った際にも管制センターから担当の保護監察官に通報されることになっています。この電子タグをつけることになるのは、性犯罪の再犯者や13歳未満の子どもに対する性犯罪者で、来年4月から試験的に実施される予定です。

・光州キムチ大祝祭が17日から21日までの5日間の日程で光州市一帯で始まりました。「キムチは文化だ」というテーマで開かれた今回のキムチ大祝祭では、フード・スタイリストによるキムチをテーマに今風にアレンジした料理の発表をはじめ、芸術作家らがキムチの材料で作るアート展、キムチ名人が教えるキムチのつけ方、韓服のファッションショーなど多彩な催し物が続きます。

10月16日火曜日

・盧武鉉大統領は16日、「政府が進めている国防改革が完成する2020年頃には、韓国は先端技術を備えた兵器を独自で開発する能力を持ち、世界で10番目の防衛産業先進国になる」という見解を示しました。盧大統領はこの日、ソウル空港で行われたソウルエアーショーの「韓国航空宇宙と防衛産業展示会」に出席してあいさつし、「政府は、航空宇宙産業や、防衛産業の発展のため今後とも最大限の支援をする計画だ」としてこのように述べました。なかでも防衛産業は、今年に入ってすでに5億ドルの輸出契約が成立し、年末までに10億ドルを超えることが予想されるとして、5年前の輸出総額が1億4000万ドルだったことを考えると、飛躍的な成長を遂げていると評価しました。

・世界各国の最新鋭の航空機が集まって華麗なアクロバット飛行などを行う「ソウルエアーショー2007」が 16日、京畿道城南市のソウル空港で開幕しました。ソウル・エアーショーは、1996年から2年に一度開かれており今回が6回目で、アジア太平洋地域では最大の規模を誇る防衛産業の展示会となりました。エアーショーには世界26カ国から225社が参加し、韓国の航空機39機種の54機のほか、海外の航空機16機種の27機が展示されています。ソウル・エアーショーは、16日から21日まで開かれ、初日から4日間は、各国の軍関係者や専門家向けに公開されたあと、週末の20・21の2日間は、一般に公開されます。

・韓米FTA交渉のカトラーアメリカ首席代表は、韓米FTAがアメリカ連邦議会で批准を得るためには韓国がアメリカ産牛肉に対する市場開放を全面的に行うことが前提条件だと強調しました。カトラー首席代表は16日、ソウルのアメリカ商工会議所で行われたFTAの民間対策委員会の関係者ら150人が出席して行われた昼食会で、「韓国が国際基準に合わせて牛肉の市場を全面開放しなければアメリカ連邦議会の議員らは韓米FTAを支持しないだろう」と述べました。そしてカトラー首席代表は、BSE=牛海綿状脳症を引き起こす可能性のある背骨が韓国に輸入されたことは遺憾だが、これは韓国が決めた輸入衛生条件が国際基準から外れているせいだとして、牛の年齢制限や部位の制限を一切廃止して、すべての牛肉を輸入できるよう輸入衛生条件を見直すことが必要だと、重ねて強調しました。

・野党ハンナラ党が応じないとしていた第17代国会最後の通常国会の国政監査が予定どおり17日から行われることになりました。野党ハンナラ党は、与党の大統合民主新党が11日、国会の政務委員会でハンナラ党の大統領候補である李明博氏が関わっているとされる株価操作疑惑事件の関係者を国政監査の証人とする採択を抜き打ち的に行ったことに反発して国会の審議に応じない姿勢を貫いていました。しかしハンナラ党は国民の意向を受けて野党としての義務を果たす必要があるとして、17日からの国政監査に参加する方針を16日、明らかにしました。これによって国会は、国政監査初日の17日から、司法、政務、財政経済、統一外交通商、国防、行政など14の常任委員会別に国政監査に取り掛かり、来月4日までの19日間、488の政府各部署や傘下機関について国政監査を行います。今回の国政監査では、大統領選挙を2カ月後に控えていることから、与野党が互いの公認候補の資質についての検証をめぐって激しく攻防を繰り広げるものと予想されます。

・12月に行われる大統領選挙の与党大統合民主新党の公認候補に決まった鄭東泳(チョン・ドンヨン)元統一部長官は、15日、盧武鉉大統領と金大中前大統領に電話をかけ、感謝の意を伝えるとともに、大統領選挙で勝利できるよう協力を求めました。これに対して盧武鉉大統領は、大統合民主新党の予備選挙で大統領候補に当選した鄭東泳候補を祝うとともに、1カ月に渡って行われた予備選挙の過程で、傷を受けた他の二人の候補をはじめ党内の関係者らとの和解に努め、党内をうまく収拾するよう強調しました。鄭東泳氏は、2002年の選挙では盧武鉉氏の当選に貢献し、2004年にはウリ党の議長に就任しましたが、次の大統領選挙を前に盧大統領や与党ウリ党の支持が低迷する中でウリ党を離党して新党結成に乗り出し、予備選挙の過程でも盧武鉉大統領を厳しく非難する発言を繰り返したことで、盧武鉉大統領との関係が悪化していました。

・アメリカ民主党の有力な大統領候補であるヒラリー上院議員は、北韓の核問題は対話政策を通じて解決すべきだとする見解勢を明らかにしました。ヒラリー議員は、外交専門誌に文書を寄稿し、「ブッシュ大統領は北韓やイランなどと対話をしなかったことで事態を悪化させた。これは非生産的な戦略で、活発な外交は、アメリカの目的を達成するための前提条件だ」と指摘しました。ヒラリー議員はさらに、北韓を孤立させようとするブッシュ政権の政策に応じて北韓は、核計画を強行し、より多くの核兵器を作ったと主張しました。そのうえで、ヒラリー議員は、「アメリカ政府がようやく北韓との関係を正常化する姿勢をとり始めたことで北韓の核問題にも一定の進展がみられた。6カ国協議が北韓の核施設を無能力化することで合意に達したのには中国の役割が大きかったことを忘れてはならない。アメリカはこうした枠組みのうえで、北東アジアの安全保障体制を構築していなければならない」と主張しました。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の5つの作業部会のうち、北韓の核施設の無能力化にともなう見返りとして、韓国など5カ国が支援を約束したエネルギーについて協議する経済・エネルギー作業部会が、早ければ来週末にも軍事境界線の板門店で開かれる見通しです。

・韓国戦争でアメリカと北韓、それに中国が休戦協定を締結した1953年7月以後、北韓に拉致された被害者の家族に政府が支給することになっている慰労金が、関係部署間の協議の結果、当初の案よりおよそ半分に減額され、最高で2772万ウォンに決まりました。

・北韓の景勝地、金剛山で地面から高さ5メートルほどのところに架かっているつり橋で鉄製のワイヤーロープが外れて橋が傾き、渡っていた韓国人の観光客20人余りが落下して重軽傷を負った事故で、政府は、来月初めにも関係部署が合同で安全点検を行うことにしました。統一部の関係者によりますと、金剛山観光の関係部署による合同点検を毎年12月に行っていましたが、今年は一カ月繰り上げて、来月初めに行うということです。一方、事故で重軽傷を追った観光客は、15日のうちに韓国側の病院に運ばれて治療を受けていますが、このうち6人は重傷だということです。金剛山観光は、現代峨山が9年前から観光ツアーを始め、これまでに150万人を超える観光客が訪れています。

・親が子どもひとりを育て大学を卒業させるまでに必要な養育費は、平均で2億3200万ウォン程度かかるという調査結果が出ました。これは、韓国保健社会研究院が、全国6,787の家庭を対象に去年調べた結果、分かったもので、3年前の2003年に比べて16.8%多くなっています。養育費は、幼稚園から小中高校までの教育費や大学の学費に加えて、塾や家庭教師など学校の授業以外に個人的にかかる教育費を含めたものです。一方、このような子どもの養育費が家庭の支出に占める割合は56%に上っていることが分かりました。

10月15日月曜日

・12月に行われる大統領選挙の大統合民主新党の公認候補に元統一部長官の鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏が決まりました。最大政党の大統合民主新党は15日午後、ソウル市内で党大会を開き、第17代大統領選挙の公認候補として、鄭東泳元統一部長官を指名しました。鄭東泳氏は、全国16の地区を巡回して行った選挙人による投票と、韓国の政党として初めて導入された携帯電話によるモバイル投票、それに世論調査を反映した得票で、合わせて21万6984票を獲得し、2位の孫鶴圭(ソン・ハクキュ)前京畿道知事(59)と、3位の李海チャン元国務総理(55)を押えて大統領候補に選ばれました。鄭東泳候補は、受諾演説で、「大統合民主新党の創立から2カ月間、私たちはあまりにも熾烈な戦いを続け、その過程で傷跡や分裂が生じた。しかし今後は、治癒と統合の道に進み、ひとつにならなければ大統領選挙での勝利はあり得ない」と述べた後、「歴史は、大韓民国が歩んできた30年間の産業化と、20年間の民主化に続く新たな変化、新たな選択を必要としている。私は、国民が求める大変化を作り出すよう最善を尽くす」と抱負を語りました。鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏は今年54歳、全羅北道淳昌生まれで、ソウル大学歴史学科を卒業し、MBC報道局の記者を経て、第15代、16代の国会議員を務め、2004年には与党ウリ党の議長も歴任しました。鄭東泳氏は、今後、民主党の公認候補に決まった李仁済氏ら数人と与党系候補の一本化を目指す予定です。そして世論調査で圧倒的な支持を得ている野党ハンナラ党の公認候補である李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長と、大統領の座をめぐって争うことになります。

・一方、民主党の大統領候補には、李仁済氏(59)が圧倒的な支持を得て確定しました。民主党の公認候補を決める予備選挙には当初5人が立候補しましたが、それまで世論調査で1位を占めていたチョ・スンヒョン候補が選挙が不公正だと批判して今月初めに辞退したため、4人で争われていました。李仁済氏は97年の大統領選挙に、国民新党の若手有力候補として出馬して落選し、2002年の大統領選挙では、民主党内の大統領候補の指名選挙で盧武鉉氏に敗れて、今回が3度目の挑戦となります。

・北韓の景勝地、金剛山の九龍滝とサンパルダムをつなぐ鉄の橋が崩壊し、橋を歩いて渡っていた韓国人観光客20人が重軽傷を負いました。15日午前10時40分頃、江原道高城郡の金剛山の観光に出かけていた韓国人20人あまりが、九龍滝とサンパルダムをつなぐ鉄の橋を渡っている最中に突然橋が崩壊し、観光客20人が7メートル下の崖に落ちました。この事故で6人が大けが、14人がけがをしました。観光客たちの話によりますと、この橋はかなり老朽化していたということです。金剛山観光を運営している韓国の現代峨山は、高城出入国事務所に救急車と医療スタッフを送って事故の対応にあたっています。

・韓国とEU=ヨーロッパ連合のFTA=自由貿易協定の締結に向けた4回目の交渉が15日、5日間の日程でソウルで始まりました。韓国とEUは、これまでの交渉である程度まとまった分野別の統合協定文と商品の開放案をたたき台として論議を続けることにしており、まずは韓米FTAと比べて互いに不利な部門について評価し、品目別に協議を進めています。4回目の交渉で韓国とEUは、妥結に向けて比較的交渉が速く進む環境や労働分野、貿易紛争、それに技術障壁などは差し置いて、商品の開放や非関税措置、サービス、投資、原産地、知的財産権について交渉を行う予定です。

・今年7月にアフガニスタンで武装勢力タリバンに韓国人23人が拉致・抑留され、このうち2人が殺害されて、その後21人が解放された事件で、タリバンは、人質を解放する見返りとして韓国政府から身代金1000万ドルを受け取ったと主張していることが明らかになりました。イギリスの日刊紙「サンデーテレグラフィー」は14日、オンライン版で、3人のタリバン要員の話として、「タリバンは韓国政府から受け取った1000万ドルで兵器を購入し、入隊志願者の訓練を行った」と伝えました。こうした報道について、イギリス駐在の韓国大使館は、「タリバンの宣伝組織によるでっち上げだ」として一蹴しました。

・ところで、政府は、アフガニスタンで起きた韓国人人質事件で、拉致されていた韓国人23人が所属する「センムル」教会側に対して6万2000ドルを返済するよう要求したことが明らかになりました。この問題に詳しい消息筋によりますと、政府は、今月11日、教会側に対して実費精算を要求し、6万2000ドルを返済するよう求めたということです。この金額は、解放された韓国人がカブールやドバイに滞在した際の宿泊費や、韓国に帰国する際の飛行機代、また殺害された男性2人の遺体を韓国に運ぶための費用などで、政府の交渉担当者を現地に派遣するためにかかった費用などは一切、含まれていないということです。

・政府は、来月全国一斉に行われる日本でいうセンター試験の「大学修学能力試験」で、不正行為を取り締まるため徹底的な対策を進めることになりました。このうち、教育人的資源部は、受験日当日は、携帯用の金属探知機を全国の試験場に配って、受験生が携帯電話やMP3などを持ち込んでいないかどうかを廊下で確認し、カンニングなど不正ができないようにするほか、受験生の願書の原本を受験生が合格して進学する大学に送って学生証明証と一致するかどうかを確認することにしています。去年の大学修学能力試験で、不正行為によって試験の成績が無効となった受験生は合わせて57人で、このうち 携帯電話を持っていた生徒が36人で最も多く、選択科目を間違うなどの規定違反が11人、MP3など音楽再生機の所持が7人などとなっています。

・この4年間に退職した政府の高官の再就職は、三星グループが最も多くなっていることが分かりました。国会の行政自治委員会に所属するハンナラ党議員が、2004年からの4年間に、再就職が制限されている政府高官の再就職先について分析したところ、最も多い41人が三星グループに就職しており、次は現代自動車で29人、ウリ金融が22人でした。現行の公職者倫理法では、長官や国会議員、さらに4級以上の公務員は、退職後2年間は、退職3年以内に働いていた部署と関連のある一定規模以上の営利私企業に再就職することを禁じており、処罰規定を設けていますが、実際はほとんど守られていないのが現状だと、ハンナラ党議員は指摘しています。

・「外国滞在中に韓国で戦争が起きた場合、参戦する意思があるか」というアンケート調査で、満19歳の男性のうち「参戦する」と答えた人は63.7%に上りました。この調査は、ハンナラ党の議員が兵務庁の協力を得て、軍に入隊する年齢になった満19歳の男性1009人を対象に行ったもので、外国に滞在中に韓国で戦争が起きた場合、「帰国してすぐに参戦する」と答えた人は14.6%、「出来る限り参戦する」が49.1%で、合わせて63.7%の人が戦争に参加する意思があるとしています。これに対して、「参戦するつもりはない」という人も18.9%いました。

・ソウル市は、観光客1200万人の誘致目標を達成するため外国人専用のカジノをさらに拡充する計画を進めていることを明らかにしました。ソウル市によりますと、カジノの利用者が年々増えているうえ、シンガポールや香港などアジア各国でもカジノを産業として積極的に育成しているということで、ソウル市は、外国人観光客を増やすためにはカジノの拡充は避けられないとしています。しかしカジノを拡充するかどうかについての決定権は、政府が握っているうえ、賭博施設の拡充に否定的な世論をどう説得するかも実現のカギとなる見込みです。

・江原道の雪岳山に14日、平年より9日早く初雪が降りました。江原道の地方気象庁によりますと、雪岳山の最高峰「大清峰」一帯では14日午後3時25分頃、プラス3度5分の気温の中、30分間雪が降ったり止んだりの状態が続きました。しかし、雪は積もる程度ではありませんでした。雪岳山の初雪は、去年は10月23日に7センチが積もりましたが、これに比べると9日早くなっています。

・光州市一帯で8日から開かれていた第88回国体=「全国体育大会」は、京畿道が6年連続の優勝を果たし、14日、閉幕しました。2位はソウル、3位は光州でした。今度の国体では、ソウル京畿高等学校のパク・テファン選手が水泳で5冠王となり、スポーツ記者団による投票で去年に続いて2回目のMVPに選ばれました。全国体育大会は来年は、全羅南道麗水(ヨス)で開かれます。

10月13日土曜日

・アメリカのブッシュ大統領は、韓米FTA=自由貿易協定がアメリカ議会での批准を受けられるよう積極的に努力する意向を明らかにしました。ブッシュ大統領は、韓国時間の12日、マイアミ大学とマイアミ商工会議所が共同で行った行事に出席して演説し、「輸出はアメリカに多くの働き口を提供することを意味する。このため貿易をさらに拡大していなければならない」として、韓国、ペルー、コロンビア、パナマとの間のFTAを批准するよう連邦議会に求めました。ブッシュ大統領はさらに、「韓米FTAはアメリカ経済に100億ドルの付加価値を創出する画期的な自由貿易協定である。また韓米FTAは重要な地域に位置する民主主義友邦国との関係を強化する」と述べ、韓国とのFTAをスタートさせるために議会と緊密に協力する考えがあることを強調しました。

・アメリカ産牛肉の輸入衛生条件をめぐる韓国とアメリカの間の交渉がソウルで行われましたが、双方の意見が対立して結論を出せないまま終了しました。この交渉は、韓国に輸入されたアメリカ産牛肉からBSEを引き起こす恐れがある危険部位の背骨が相次いで検出され韓国当局が検疫を中断させたことからアメリカ側の要求で11日から韓国獣医科学検疫院で行われていたものです。この席でアメリカは、OIE=国際獣疫事務局の基準を挙げて、牛の年齢や部位の制限をなくし、カルビを含むすべての牛肉を韓国が輸入するよう強く迫りました。これに対して韓国は、約束した輸入衛生条件をアメリカが次々と違反したことを指摘し、BSE=牛海綿状脳症を引き起こす可能性が高い特定危険物質や、内臓、テールなどは輸入できないという従来の方針を改めて説明しました。また生後30カ月未満という年齢制限規定も維持する方針を伝えました。このため双方の意見が合わず結論は出ませんでした。これについて農林部のイ・サンギル畜産局長は、双方の認識の隔たりを埋めるにはかなりの時間が必要だと述べ、日本などアメリカ産牛肉の主な輸入国の状況を見極めながら慎重に論議を進めるという考えを示しました。次の交渉の日程や場所はまだ決まっていません。

・アメリカ政府は、アメリカ産牛肉をめぐる韓米間の1回目の交渉が進展なしに終了したことについて深い失望感を示し、韓国政府に対して、OIE=国際獣疫事務局が定めた基準にもとづいてアメリカ産牛肉を輸入するよう強く要請してきました。アメリカ農林省のコナー長官代行は、12日、韓国の連合ニュースに対して、「アメリカ産牛肉の輸入衛生条件についての両国の検疫専門家会議が進展なしに終了したことを非常に残念に思う。韓国はOIEの牛肉貿易ガイドラインを順守すると述べた盧武鉉大統領の約束を守るよう重ねて要求する」と強調しました。

・政府は、EU=ヨーロッパ連合とのFTA=自由貿易協定交渉で、韓国と北韓が共同で運営している北韓の開城工業団地で製造される製品を韓国製として認めるよう改めて強く要請する方針です。韓国首席代表の外交通商部通商交渉本部のキム・ハンスFTA推進団長は12日、KBSのラジオ番組に出演し、15日から19日までソウルで開かれる韓国とEUの間のFTA交渉で、開城工業団地への特恵と、ヨーロッパの環境規制の緩和を要求する方針を明らかにしました。韓国は前回の交渉の際、EUに対して開城工業団地を「域外加工地域」として協定文書に明記し特恵関税を受けられるように求めました。これに対してEUは、「実務者レベルでは回答できない」としていたため、今回の交渉でどのような姿勢を示すかに関心が寄せられています。

・野党ハンナラ党と大統合民主新党が、国政監査の証人採択をめぐって激しく対立し、来年度予算案を審議する第17代国会最後の通常国会が、空転の危機に立たされています。ハンナラ党は、最大政党となった大統合民主新党が11日夜の国会政務委員会で、ハンナラ党の大統領候補である李明博氏が関わっているとされる株価操作疑惑事件の関係者19人を国政監査の証人として抜き打ち的に採択したことに強く反発し、12日、大統合民主新党に対して謝罪を求めるとともに、この証人採択を無効にするまでは国会審議に一切応じないと発表しました。このため來年度予算案の審議や各法案の審議をはじめ、今月17日から来月4日までの期間をかけて行う予定だった国会による国政監査も実現が危うくなりました。これに対し大統合民主新党は、李明博候補が株価操作疑惑に関わっているとされる疑いを晴らすためにも、正々堂々と関係者の証人採択を求めるべきではないかとして、李明博候補の各種疑惑を徹底的に検証する姿勢を打ち出しています。

・三星電子の第3四半期の売り上げ額が、四半期としては最大となりました。韓国を代表する会社、三星電子は、今年第3四半期の売り上げがこれまで最大の6兆6800億ウォンとなりました。また営業利益は2兆660億ウォン、純利益は2兆1900億ウォンでした。これは第2四半期と比べると、売り上げは14%、営業利益は2.2倍、純利益は54%増えています。こうした業績回復にともなって、三星電子は半導体部門への今年の設備投資額を予定より1兆4000億ウォン多い6兆8400億ウォンに増やすことを12日、発表しました。

・韓国と北韓をそれぞれ代表する通信社の社長が初めて平壌で会い、支局の開設などについて協議しました。韓国の連合ニュースのキム・ギソ社長は12日、平壌の人民文化宮殿で、北韓の朝鮮中央通信のキム・ギリョン社長と会い、連合ニュースのキム・ギソ社長は、「いまや南北間のあらゆる分野で交流協力が進展しており、メディアの分野でも本格的な交流が必要だ」と述べ、連合ニュースと、朝鮮中央通信が、平壌とソウルにそれぞれ支局を開設し特派員を常駐させることを提案しました。キム・ギソ社長はまた、北京オリンピックなど国際舞台での取材協力や、記事をはじめ写真や動画像などの交換について具体的な協議を進めることを提案し、朝鮮中央通信のキム・ギリョン社長をソウルに招待したいと述べました。これを受けて朝鮮中央通信のキム・ギリョン社長は、「前向きに検討する」と述べたということです。

・政府は、3日ベトナムに上陸した台風14号で大きな被害を受けたベトナムに対して5万ドルを贈りました。ベトナムは中部と北部を襲った台風14号で、80人あまりが犠牲となり大きな被害が出ました。ベトナム駐在のイム・ホンジェ韓国大使は12日、ベトナム外務省を訪れ、被害復旧のための5万ドルをプービン外務次官に手渡しました。イム・ホンジェ韓国大使は、「韓国とベトナムが国交を結んで今年で15年目となった。韓国はベトナムへの最大投資国になるなど、このところ両国関係がさらに緊密になっている。台風の被害復旧が一日も早く進むことを期待する」と述べました。

・韓国最南端の島、済州島では、主な観光地や公園などでの喫煙が13日から禁止になりました。済州道は、快適な環境を守るため「健康な街づくりに関する条例」を制定し、13日から施行しました。これにもとづいて道内の主な観光地6カ所と公園8カ所を「健康の街」に指定し、屋外でも喫煙を禁止しています。しかし喫煙者が摘発されても処罰したりすることはありません。「健康の街」を条例で指定し、屋外での喫煙を制限したのは済州道が初めてです。

・世界の最新鋭の航空機が展示されアクロバット飛行も行われる「ソウルエアーショー2007」が、16日から6日間の日程で京畿道城南市のソウル空港で開かれます。ソウル・エアーショーは韓国空軍が2年に一度開いているもので、今回で6回目です。今回は世界26カ国から225の航空宇宙・防衛産業メーカーが参加し、陸・海・空軍の先端兵器などを披露します。

・毎年恒例の「世界花火大会」が、13日夜、ソウルヨイドの漢江市民公園で行われます。今回は、韓国、日本、アメリカの3カ国の花火6万発が打ち上げられ、「自然とロックミュージック」をテーマに夜空を彩ります。

10月12日金曜日

・盧武鉉大統領は11日、大統領府、青瓦台で、先の南北首脳会談を取材した記者団と懇談し、海の軍事境界線となっている西海の北方限界線(NLL)について「北方限界線は領土の境界線ではなく、南北が合意したものではないという事実を認めなければならない。領土のラインと呼ぶのは国民に間違った認識を与えることになる」と述べました。盧武鉉大統領はこの中で「韓国の憲法では、北韓もわれわれの領土なのに、その中に線を引いて領土境界線だと主張してはならない。この問題で南北が議論するのは決して有利ではないので、複雑なテーマは後回しにして、北韓との経済協力で新たな関係を作っていきたい」と強調しました。北方限界線(NLL)は韓国戦争の休戦協定が締結された直後の1953年8月、当時の国連軍司令官が南北間の偶発的な武力衝突を予防し、韓国軍と国連軍の艦艇や航空機が越境しないようにするために決めた海の境界線で、これまで事実上の軍事境界線として機能してきました。懇談の中で盧武鉉大統領は北韓については「打倒する対象ではなくパートナーであり、北韓の体制はしっかりしているので、崩壊することもないだろう。東西ドイツの統一のように吸収統一はありえず、北韓という有望な市場に向けた投資があるだけだ」と述べました。

・ハンナラ党は盧武鉉大統領が北方限界線は領土の境界線ではないと発言したことに対して、南北関係の現実を無視した安易な発想だと強く批判しました。ハンナラ党のナ・ギョンウォンスポークスマンは11日、論評で「憲法によると、北韓はわれわれの領土となっているが、実効支配ができていないのが現実だ。盧武鉉大統領の間違った現実認識こそ、国民を間違った方向に導く恐れがある」と主張しました。一方、大統合民主新党は、消耗的な論争を中断し、南北首脳会談の合意を実現するためにハンナラ党の協力を促すとしており、民主労働党も盧武鉉大統領の発言に賛成する方針を示すなど、盧大統領の発言を巡って政界で論議が広がっています。

・先の南北首脳会談の合意内容を実行するための総合対策委員会が12日発足し、1回目の会議が大統領府、青瓦台で盧武鉉大統領も出席して開かれました。盧武鉉大統領はこの席で「南北首脳会談の合意を実行する上で最も重要なのは北韓に対する基本的なロードマップ(行程表)で、全体的な構想と計画をはっきり示して、それに細部の計画を合わせていかなければならない」と述べました。盧大統領はまた「一部は1991年にまとめられた南北基本合意に詳しく出ているが、経済協力については今回、具体的なイメージを描く必要がある」と強調しました。会議には韓悳洙(ハン・ドッス)国務総理をはじめ、権五奎(クォン・オギュ)経済副総理、金萬福(キム・マンボク)国家情報院長や青瓦台の担当室長らが出席しました。政府当局者は、1回目の会議について、「南北首脳会談の合意内容を実行するための今後の措置と方向などについて協議が行われ、まずは各事業に必要な費用を算定し、その資金をどのように確保するかについて集中的に論議された」と述べました。

・アメリカ政府は11日、韓国軍がイラクとアフガニスタンに引き続き駐留するよう韓国政府に公式に要請してきました。アメリカ国務省のバーンズ政務次官は、11日、アメリカを訪問している外交通商部のシム・ユンジョ次官補と会い、韓国政府がイラクとアフガニスタンに韓国軍を派兵していることに感謝の意を示した上で、韓国軍のイラクとアフガニスタンへの派兵を継続するよう要請しました。シム・ユンジョ次官補は会談の後、ワシントン駐在の韓国特派員と行った懇談会で、アメリカ政府の要請について「国民の意思を代弁する国会の決議案を尊重するとともに、国際社会の韓国に対する期待と企業進出など国家的な利益を総合的に検討して決めていく」と述べました。シム次官補はさらに「韓国人人質事件が起きたアフガニスタンにも韓国軍を引き続き駐留させる計画か」という質問に対して「アフガニスタン駐留韓国軍は年末に撤退する方針で、その方針を変えるようないかなる動きもない。総合的に検討するという意味はイラクだけに該当するが、イラク駐留の延長も決まったわけではない」と慎重な姿勢を示しました。

・今月9日、北京の韓国人学校で北韓からの脱出者が駆け込みに失敗した際、現場に駆けつけた韓国大使館の外交官が中国の公安要員に実力で学校の外に出された問題で、韓国政府は中国政府が示した態度に強く抗議する方針を示しました。この問題は、今月9日、北京の韓国人学校に駆け込んだ脱北者4人が、中国の公安要員に連行された際、現場に駆けつけた北京駐在韓国大使館の外交官4人のうち2人が公安要員によって両手を抑えられたまま学校の外に連れ出されたもので、韓国政府は10日、韓国駐在中国大使館の関係者に公式に抗議しました。これに対して中国外務省の劉建超スポークスマンは「中国公安の公務執行を妨害した韓国外交官の行為は自分たちの身分を忘れたものだ。韓国人学校の安全と秩序維持のために出動した公安要員の法の執行を韓国の外交官が妨害したもので、ウィーン条約に違反している」と不快感を示しました。これに対して中国駐在韓国大使館の関係者は12日、「中国の外務省は謝罪をせずに韓国がウィーン条約に違反したとする主張は常識外れだ」と述べて、中国側の行過ぎた取り締りに強く抗議する方針を示しました。

・学歴を偽って大学の助教授などになった女性と、この女性の採用を働きかけるなどした元大統領側近が業務妨害や職務乱用などの疑いで11日夜、逮捕されました。逮捕されたのは元大学助教授の申貞娥(シン・ジョンア)容疑者(35)と、大統領府、青瓦台の政策室長を務めていた卞良均(ビョン・ヤンギュン)容疑者(57)です。この事件は、今年7月、仏教系の東国大学がアメリカのエール大学の博士課程を修了したと、うその学歴で助教授になった申貞娥(シン・ジョンア)容疑者を解任したのが発端で、申容疑者は30代の若さで光州ビエンナーレの芸術監督に選ばれたことなどから「美術界のシンデレラ」と言われていました。ソウル西部地方検察庁が捜査を進めたところ、申貞娥容疑者はおととしから今年まで自分が勤めていた美術館に寄せられた寄付金のうち5億ウォンあまりを横領した疑いと、学歴詐称によって大学やビエンナーレの業務を妨害した疑いなどがもたれています。また卞良均容疑者は企画予算処長官を勤めていたおととしから職権を利用して、東国大学の幹部に特別な関係にあった申貞娥容疑者を採用するよう圧力をかけたほか、大手企業の関係者に申貞娥容疑者が勤めていた美術館に寄付するよう働きかけたなどして、収賄や職権乱用などの疑いが持たれています。ソウル西部地方裁判所は、2人は1年ほど前から仮の名前で開設した携帯電話で連絡を取り合うなど証拠隠滅の恐れがあるとして、逮捕状を出したもので、検察は今後、申貞娥容疑者とともに横領の疑いがもたれている美術館長や大学関係者にも捜査を拡げる方針です。

・夏休みに海外旅行をする人が増えて、今年8月の海外旅行者は月単位で初めて130万人を超えました。韓国観光公社のまとめによりますと、今年8月に海外旅行を楽しんだ韓国人は130万8600人あまりで、去年の8月に比べて13%増え、月単位で最高となりました。中でも20代の旅行者が25万4000人と去年の8月に比べて16%増え、若者の海外旅行が増えていることが分かりました。行き先は中国、日本、東南アジアに集中しています。

・今年で12回目を迎えた釜山国際映画祭が12日、閉幕ましたが、観客は19万8000人と、歴代で最多となりました。釜山国際映画祭の事務局は12日、釜山で記者会見して今年の映画祭を総括しました。それによりますと、今年の映画祭には世界64の国と地域から271本の映画が出品されて、770回の上映が行われ、合わせて19万8603人が訪れたということで、観客はこれまで最も多くなりました。

10月11日木曜日

・アメリカ産牛肉の輸入衛生条件を改正するための韓米交渉が、韓国の国立獣医科学検疫院で11日から始まりました。この交渉は、韓国が生後30カ月未満の骨を除いた肉に限って輸入を認めている現在のアメリカ産牛肉の輸入衛生条件を改正するようアメリカが強く要請してきたため、11日から2日間に渡って行われるものです。今度の交渉には、韓国側からは農林部のイ・サンギル畜産局長を代表とする5人が、アメリカ側からは農林部のラムバート次官補ら8人が出席しています。交渉の中で韓国は、輸入対象に骨つきカルビなど骨を含める代わりに生後30カ月未満の牛肉に限るという姿勢を固守していますが、一方、アメリカは、牛の年齢制限をなくし骨を含む全部位を輸入許可対象にするよう求めていることから、交渉は難航が避けられない状態です。

・韓国銀行は今年の経済成長率は当初の見通しより上向きに修正し、4%台後半になるという見方を示しました。韓国銀行の李成太(イ・ソンテ)総裁は11日の金融通貨委員会の後、記者会見し、「今年の経済成長率は、4.5%から5%の半ば程度になる見通しだ」と述べました。韓国銀行は7月に、今年の経済成長率の見通しを4.5%に修正しましたが、7月から9月の第3四半期の経済成長のスピードが予想より速く、今後の見通しでも、輸出が好調を維持し、消費需要も比較的に良好なため、景気上昇の基調は続くだろうと分析しています。一方、政府は来年の経済成長率の見通しは5%台になるものと見ています。

・韓国の中央銀行、韓国銀行は11日、金融通貨委員会を開き、政策金利であるコール金利の誘導目標を先月と同じ年5%に据え置くことを決めました。韓国銀行がコール金利の据え置きを決めた背景には、▼アメリカの低所得者向けの住宅ローンの焦げ付き問題による影響がまだ残っていること、▼アメリカをはじめとする先進諸国が政策金利を引き下げたり、引き上げ計画を保留したりしていることからウォン高が続いていること、▼それに原油などの原材料価格が上昇していることなどがあげられています。専門家は、▼アメリカのFRB=連邦準備制度理事会によって来年初めまでに金利の追加引き下げの可能性があるうえ、主要国の金利凍結が当分の間続くという見通しから、韓国銀行がコール金利を年内に引き上げる可能性は少ないとみています。

・政府は、来年北韓にコメ50万トンと肥料40万トンを支援し、6カ国協議の合意に基づいて重油15万トンを提供する方針です。国会の統一外交通商委員会に所属するハンナラ党議員が、統一部から10日に入手した資料によりますと、来年度の南北協力基金の事業費は9096億ウォンで、今年より4.5%増えています。事業費の主な内訳をみますと、北韓に対する食糧の借款が今年より10万トン多い50万トンとなり、事業費は26.1%多い2000億ウォン。肥料は、今年より10万トン多い40万トンで、39.9%増の1500億ウォンが計上されています。さらに6カ国協議の合意に基づいて北韓に支援する重油100万トン相当のエネルギーのうち韓国が支援する15万トン分の予算、592億ウォンも新たに計上されました。

・統一部が、使いみちを一切明かさないまま「余裕資金」という名目で去年の3倍にあたる4116億ウォンの南北協力基金を来年度予算に計上するよう国会に要請していたことが10日、確認されました。統一部が提案した余裕資金は、去年の3倍に上り、すでに提出した来年度の南北協力基金の総額1兆3398億ウォンの30%を超えています。統一部は余裕資金を大幅に増やした背景について、「南北首脳会談や6カ国協議の合意内容にそった対策に備えるものだ」と説明していますが、国会の統一外交通商委員会の関係者は、「使いみちを明かさずに無条件で判子を押せというのは国会の予算審議権を侵害する行為だ」として反発しています。国会の統一外交通商委員会は11日、統一部が提出した「2008年の南北協力基金運用計画案」について審議を行っています。

・アメリカ政府は、北韓との外交関係の樹立を進めるため、平壌に「連絡事務所」より格が高い「代表部」の開設を検討していると、ワシントンにある北韓向け放送の「自由アジア放送」が、アメリカ連邦議会の消息筋の情報として11日、明らかにしました。それによりますと、アメリカの政府と議会関係者は、北韓が核廃棄を履行するのに合わせて北韓と外交関係を結ぶ準備を進めており、平壌に「連絡事務所」より格が高い「代表部」を開設する方向で検討しているということです。一方、アメリカと北韓は、今週末にニューヨークで米朝作業部会を開き、北韓の核の無能力化とすべての核計画についての申告を今年の年末までに終え、その見返りとしてアメリカは北韓をテロ支援国リストから外すことについて協議する予定です。会議にはアメリカから、今年8月、国務省の韓国・日本担当副次官補に就任したアルビシュ氏が臨むことになっています。

・国防部は来年から2012年までの5年間で将校を1420人増員する計画です。これは国防部 組織管理チームが10日、発表したもので、増員する将校は、大佐が111人、中佐と少佐がそれぞれ600人、大尉が400人などで、まず来年400人を増員するのを手始めに毎年200人から370人ほどずつ増員します。この結果、韓国軍の将校は今の7万人あまりから2012年には7万2000人に増えることになります。国防部 組織管理チームでは、「おととし後半に国防改革2020をまとめた際には想定していなかった韓半島有事の際の作戦統制権がアメリカ軍から韓国軍に戻ることや作戦能力の強化、それに情報収集と分析能力をさらに高める必要性などから将校の増員が必要となった」と背景を説明しました。増員される将校は今後、戦争模擬練習室や海軍の連合海上作戦本部、空中早期警報統制機やイージス艦、潜水艦などに配置される予定です。

・世界の公共放送の関係者が一堂に会する総会が11日、ソウルで開幕しました。今回の総会は「デジタル革命と公共放送の展望」をテーマに、放送と通信などメディアの区分がつかなくなっている現在、公共放送が迎えている危機と、それを乗り越えるための各公共放送機関の財源確保に向けた努力などについて2日間、討論が行われる予定です。今回のソウル総会には日本のNHKの橋本元一会長、ヨーロッパ放送連盟(EBU)のボリス・ベルガント副会長をはじめ、世界30の公共放送の関係者およそ100人が出席しました。世界公共放送総会は1990年に韓国のKBSと日本のNHK、それにイギリスのBBCなどが中心になって設立され、毎年、大陸別の持ち回りで総会が開かれています。

・ウィーンに本部があるCTBTO=核実験全面禁止条約機構は、去年10月に北韓が行った地下核実験で、ガス状態の放射性物質が、日本の北海道から北アメリカまでの広い範囲で検出されたことを明らかにしました。それによりますと、放射性ガスは、岩盤を通過する性質があり最も確実に地下核実験の実施を証明できる物質で、北韓が地下核実験を実施した翌日の10月10日に核実験場の上空から「キセノン133」が検出され、2日後には気流に乗って北海道の上空を通過したものとみられています。そして10日に核実験場から7500キロ離れたカナダ北西部にあるイエローナイフ観測所が、ごく微量の「キセノン133」を観測しました。専門家は、検出された放射性物質は微々たるものでガス状態であるため健康や環境にはとくに影響はないとしています。

・「スカートの風」でおなじみの拓殖大学教授の呉善花さんが、今月初め、韓国を訪れましたが空港で一時、入国を拒否されていたことが明らかになりました。呉善花さんは、済州島に住んでいた母親の葬儀に出席するため済州空港から入国しようとしましたが、出入国の審査で入国が拒否されたということです。呉善花さんは、日本で韓国を厳しく批判する反韓国的な活動を繰り広げているという理由で、韓国政府によって入国禁止措置の対象に指定されていました。しかしすでに日本に帰化している呉善花さんは、日本の済州総領事館に依頼し、韓国当局と交渉した結果、「人道的配慮」として入国が認められました。呉善花さんは、1983年からの日本留学を契機に韓国を批判する活動を活発に繰り広げ、韓国の有識者やマスコミなどから批判を受けていました。

10月10日水曜日

・今週に入って史上最高値の更新を続けていた韓国株式市場の総合株価指数(KOSPI)は、10日の終値が2040ポイントを超えて2041.12となり、さらに最高値を更新しました。10日の総合株価指数は、前日のニューヨークの株式市場が市場最高値を更新したこと、LGフィリップスLCDの第3四半期の営業実績が予想を上回ったことなどから前日の終値に比べてほぼ20ポイント高い2033.69で取り引きを開始しました。市場は機関投資家と外国人投資家から買い注文が多く、午前10時前には2042を超えるなどして、結局、10日の総合株価指数の終値は前日より26.99ポイント上昇して2041.12と、今週8日から3日連続で史上最高値を更新しました。

・盧武鉉大統領は9日、アメリカのブッシュ大統領と電話で会談し、先の南北首脳会談で北韓の金正日国防委員長の非核化に向けた意志を確認することができたと述べました。この電話会談は9日午後8時40分からおよそ20分間行われ、この中で盧武鉉大統領は、これまで行われた韓米首脳会談での合意を踏まえて、韓国戦争の終戦を宣言するために当事国の首脳会談を行うことで金正日国防委員長と合意したことも説明しました。これについてブッシュ大統領は、「南北首脳会談の結果はこれまで韓米間で行った協議の結果と方向が一致したもので歓迎する」と述べました。

・盧武鉉大統領は9日午後5時にロシアのプーチン大統領に電話をかけて、先の南北首脳会談の結果を説明し、韓半島の平和に向けたロシアの建設的な役割を要請しました。この中で盧武鉉大統領は、「韓半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結など韓国と北韓、それにロシアが協力する事業に新たな動機付けができたと思う」と述べて、南北首脳会談の合意内容の履行や韓半島と北東アジアの平和と安定に向けてロシアが建設的な役割を果たすよう要請しました。これに対してプーチン大統領は「盧武鉉大統領が軍事境界線を歩いて越えたのは未来志向的な一歩だった」と南北首脳会談の成功を祝うとともに、韓国戦争の当事国による首脳会談の合意などの成果は、韓国政府が忍耐を持って北韓に対する和解政策を進めた結果だ」と述べました。

・大統合民主新党は、韓国の政党としては初めて大統領選挙の候補を選ぶため、携帯電話による投票を実施し、1回目の結果を9日発表しました。大統合民主新党の大統領候補を決める選挙には、鄭東泳(チョン・ドンヨン)元統一部長官、孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前京畿道知事、それに李海チャン(イ・ヘチャン)元国務総理の3人が立候補しており、これまで全国の8カ所を巡回しながら行われた予備選挙では鄭東泳候補が首位になっています。今回、行われた携帯電話による投票は、大統合民主新党が一般国民の意思を党内選挙に反映させるため韓国の政党で初めて行ったもので、今月10日までに申請を受け付けた人のうちまず3万人が対象となり、このうち70.6%にあたるおよそ2万1100人が投票に参加しました。その結果、これまでの予備選挙では2位の孫鶴圭候補が7600票あまりで1位となり、2位は鄭東泳候補の7000票でした。予備選挙と携帯電話による投票の累積得票数では依然として鄭東泳候補が首位を守っていますが、投票率は地域での予備選挙が20%前後にとどまっているのに対して、携帯電話による投票は70%を超えており、今後、さらに2回行われる携帯電話による投票が大統合民主新党の候補選びに少なくない影響を及ぼすものと見られます。大統合民主新党の公認候補は来週15日に決まる予定です。

・北韓を脱出した男女7人が中国の北京にある韓国人学校への駆け込みに失敗し、中国の公安当局に連行されました。目撃者らによりますと、9日午後3時頃、北京にある韓国人学校に、北韓を脱出した20代と見られる男女4人が駆け込み、続いて20代の女性3人が駆け込もうとしたところ、警備員によって阻止されました。韓国人学校に駆け込んだ4人は、自分たちは北韓から来ており、韓国に行きたいという意思を示し校内に隠れましたが、出動した中国の公安要員ら30人によって全員身柄を拘束され、連行されました。この際、韓国大使館の領事4人が現場に到着したものの、公安要員によって現場への接近を阻止され、このうちの2人は両手を押さえられた状態で学校の外に出されました。このため外交通商部は10日、中国の公安要員が韓国の外交官に実力を行使したことに対して、韓国駐在中国大使館に抗議しました。

・紙のように薄く夢のディスプレーといわれているAM OLED(アクティブマトリックス式有機発効ダイオード)が韓国の最大手三星SDIによって、世界で初めて量産されました。三星SDIは、天安の工場でAM OLEDの本格的な量産を今年9月から始めたと10日、発表しました。AM OLEDはバックライトによって光を発するLCDとは違って自ら光を発するディスプレーで、色の再現性やコントラストが高いうえに視野が広く、紙のような超薄型で、低電力、しかもLCDに比べ応答スピードが1000倍も速いことから、業界では「夢のディスプレー」といわれています。これまで世界のディスプレー・メーカーはAM OLEDの量産を進めましたが、技術的な問題と莫大な投資費用がネックになって成功しませんでした。三星SDIはおととし11月に4775億ウォンをかけてAM OLEDの量産設備を進め、現在、2インチ型のAM OLEDを月150万個生産しており、来年までには月300万個と2倍に増やす計画です。AM OLEDは日本の京セラが製造した携帯電話や韓国のMP3プレーヤー・メーカーに供給されて高い人気を得ており、業界ではAM OLEDの需要について2011年までに毎年2倍以上に、急成長するという見通しを出しています。

・日本政府は第2次世界大戦中に、日本で死亡した韓国人の遺骨返還問題で、およそ100人の遺骨の身元が確認されたとして、年内にも遺族に返還できると明らかにしました。日本の外務省によりますと、東京都目黒区にある寺、祐天寺に保管されているおよそ1100人の遺骨のうち、およそ100人について、韓国の身元がほぼ確認できたということです。このため日本政府は遺族に最終確認するなどして、韓国政府と遺骨が返還できるよう調整を進めることにしているということです。

・最近、ソウル市内にいのししが現われて、市民が避難する騒ぎが相次いでいます。9日午後1時半頃、ソウル市チュンニャン区マンウ洞の女子高校の裏庭にいのししが現われ、学校の1階のガラスのドアを壊して突進したため、1階の教室で授業を受けていた生徒など150人が2階に避難しました。いのししは消防隊と警察によって3時間後で捕獲されました。また今月7日にはソウル市ソンブク区チョンルン洞にある小学校付近にいのししが10頭も現われて、そのうち1頭だけが捕獲されるなどこのところ、ソウル市内では例年に比べていのししが現われることが多くなっています。これについて大韓猟管理協会の関係者は、「いのししは最近、天敵がないため、数が増えており、縄張りから追い出されたいのししがえさを求めて住宅地にまで下りてきたのではないか」と話しています。

10月9日火曜日

・アメリカ産の輸入牛肉から、BSEを引き起こす恐れがあるため韓国への輸入が禁止されている危険部位の背骨が相次いで検出され、検疫が中断されている問題で、農林部は、アメリカとの間で新しい輸入衛生条件を決めるための交渉を今月11日と12日の2日間、京畿道安養市の国立獣医科学検疫院で行うと、9日明らかにしました。農林部によりますと、生後30カ月未満の骨を取り除いた肉に限って輸入を認めているアメリカ産牛肉の輸入衛生条件を修正するようアメリカ側が強く要求してきたため、交渉に応じることにしたということです。韓国は、BSEを理由に2003年末に中断していたアメリカ産牛肉の輸入を今年4月、およそ3年半ぶりに再開しましたが、両国が決めた輸入衛生条件に合わない肉が見つかったため6月に再び中断し、最近になってまた再開していました。

・北韓の核施設の無能力化の方法や手順について協議するアメリカの核専門家チームは当初の予定より2日遅れて今月11日に北韓を訪問することになりました。ソウルの外交消息筋が8日、伝えたところによりますと、アメリカの核専門家チームは、予定より遅れて11日に北京から北韓の民間機「高麗航空」で平壌入りすることになるということです。アメリカの核専門家チームの北韓訪問は、北韓の非核化に向けた次の段階の措置を盛り込んだ6カ国協議の合意に基づいて行われるもので、年内に無能力化することが決まった寧辺(ヨンビョン)にある5000キロワット黒鉛減速炉と、再処理施設、それに核燃料棒の製造工場の3つの施設について、どのような方法と手順で無能力化するかを北韓の当局者と協議します。そして協議の内容をもとに6カ国協議の首席代表らが無能力化の最終的な方法を決めることになっています。

・金章洙(キム・ジャンス)国防部長官は、9日、国会の国防委員会で、「先週の南北首脳会談では、韓国戦争当時、北韓軍の捕虜となって抑留されている元韓国軍兵士の送還問題について合意できなかったことが残念だ」として、「政府は、国の義務を果たすため韓国軍兵士問題の根本的な解決に向けて最善の努力をする」と強調しました。金章洙国防長官は、盧武鉉大統領が金正日国防委員長との首脳会談で、韓国軍兵士問題の解決を要求し、自らも最後の日の昼食会の席で、北韓のキム・イルチョル人民武力部長に集中的に問題提起したと述べました。そのうえで金章洙国防長官は、来月平壌で開かれる南北国防部長官会談では、南北の首脳が合意した大きな枠内で、軍事的な緊張緩和と南北経済協力を進めるうえで必要な軍事的保障などについて実質的な協議を行うことになると付け加えました。

・集中豪雨と国際的な原材料価格の上昇で、先月9月の生産者物価が急騰しました。韓国銀行が9日に発表した9月の生産者物価動向によりますと、9月の生産者物価指数は前の月より0.7%上昇し、今年4月の1.1%以後、5カ月目で最も高い上昇幅となりました。前の月と比べた生産者物価の上昇率は、今年2月に0.2%を記録して以来、8カ月連続で上昇を続けています。

・第88回「国体」全国体育大会が8日午後、光州市で開幕し、14日まで7日間の日程で、熱戦が繰り広げられています。今回の全国体育大会は、「夢をともに、前進をともに、栄光をともに」をスローガンに、全国16の市や道、さらに海外から合わせて2万4500人あまりの選手役員が参加し、光州市一帯の66の競技場で41の競技に力と技を競い合います。盧武鉉大統領は、光州市のワールドカップ競技場で行われた開幕式に出席し「南北間のスポーツ交流が活発となり北韓の選手団も全国体育大会に参加できる日が一日も早く来ることを期待する」と述べました。また開会式には、IOC=国際オリンピック委員会の役員5人も出席し、選手らを激励していました。

・10月9日は、韓国固有の文字であるハングルの公布を記念する「ハングルの日」です。ハングルは朝鮮王朝時代の1446年に世宗大王が公布した韓国固有の文字で、今年で公布から561回目の記念日を迎えました。ソウルの世宗文化会館では9日午前、韓悳洙(ハン・ドッス)国務総理ら3000人が出席して記念式典が行われました。韓悳洙国務総理は、挨拶の中で、「南北分断によってもたらされた南北での言語の違いは、南と北がともに努力すれば、必ず克服できる」と述べました。そのうえで、韓悳洙国務総理は、先週の南北首脳会談で両首脳は、「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」を通じて、韓民族の歴史や言語、文化、芸術などを後世に残していくため、ともに努力することを約束した。政府は、世界のあらゆる場所でハングルによる情報に接することができるハングルの情報化事業を進める計画だと述べました。ハングルの日は、独立運動を記念する三一節、憲法制定を記念する制憲節、独立を記念する光復節、建国記念日の開天節とともに国の5大祝日のひとつですが、休日にはなっていません。

・ソウル市は、業務能力がないと判断した職員24人を免職にしました。ソウル市は、今年4月から勤務態度がよくなかったり、業務能力が著しく乏しい職員を単純作業の現場に配置転換し、それでも改善の見込みがない場合は免職にする制度を導入していました。対象となったのは9級から局長クラスにあたる3級までの1万6000人で、このうち102人が、タバコのポイ捨て現場の取り締まりや、交通量の調査、施設の安全点検など単純業務にまわされていました。そして半年後の10月になって半数以上の58人は元の仕事に戻ることができましたが、44人は業務態度に改善の見込みがないと判断され、再教育を受ける20人を除いた24人は、退職、解任、職位解除など事実上、免職にすることが決まりました。

・北韓の覚せい剤製造工場3カ所のうち2カ所の稼動が中断され、1カ所はアヘンの製造に切り替えたようだと、日本の東京新聞が9日、伝えました。それによりますと、日本で押収した覚せい剤の成分分析や人工衛星による追跡、関係者の供述などから、北韓が覚せい剤を運び出す港は、北東部の清津(チョンジン)、東部の元山(ウォンサン)、平壌近郊の南浦(ナムポ)であることが確認されました。ところが最近、中国が来年の北京オリンピックを前に覚せい剤の原料となる麻黄(まおう)という植物の取り締まりを強化したことから、2つの工場は稼動を中断し、羅南(ナナム)工場では覚せい剤の代わりに北韓のケシを原料とするアヘンを製造しているということです。これによってヨーロッパやアジアなどアヘンが密輸されているものとみられる国の捜査当局が警戒を強めていると、東京新聞は伝えています。

・仁川空港から海外旅行に出かけた人は、7月末から8月初めの夏の休暇より、旧暦のお盆「秋夕」の連休の方が多かったことがわかりました。仁川国際空港公社によりますと、今年の秋夕連休初日の9月22日に仁川空港の国際線で海外に出かけた人は6万4045人で、これまでに海外に出かける一日の観光客が最も多かった今年8月5日を 2万人近く上回りました。空港公社の関係者によりますと、「海外に出かける一日の出国者数が最も多かったのは、これまでは夏の休暇シーズンの7月末か8月初めだったが、今年は秋夕連休に記録が塗り替えられた。核家族化が進むにつれて、海外で祖先を祭る茶礼をしながら旅行も楽しむという習慣が広がっているためではないか」と話しています。

・読売ジャイアンツの4番打者、李承Y(イ・スンヨプ)選手(31)は、来シーズンもチームに残留する可能性が高くなっています。李承Y選手はこれまで、読売ジャイアンツがセントラルリーグで優勝した後にアメリカのメジャーリーグに進出したいという希望を述べていましたが、読売系列のスポーツ専門誌「スポーツ報知」が9日、伝えたところによりますと、李承Y選手は、8日に東京のジャイアンツ球場で行われた全体練習の後に、「まだ日本でやり遂げていないことがたくさんあります。個人タイトルも取っていませんし、もっとチームに貢献しなくてはなりません」と述べて、来シーズンもチームに残留する意向を示したということです。李承Y選手は、去年、読売ジャイアンツとの間で、年俸30億円の4年契約をした際、「チームが優勝すれば、メジャーリーグへの移籍を含め自らの去就について選択できる」というオプションをつけていました。李承Y選手は、今シーズン、ホームラン30本を達成して3年連続で30ホームラン以上を記録したものの、打率2割7分4厘、打点74で4番打者としては期待に及ばない成績でした。

・きょう9日は、二十四節気のひとつ、朝露をふむと冷たくなる時季といわれる「寒露」 です。この日、ソウルで朝の気温が7度9分まで下がるなど中部地方ではほとんどの所で気温が10度以下に下がったほか、南部地方でも昨日より5度近く下がるなど全国的にこの秋一番の冷え込みとなりました。気象庁は、冷たい大陸高気圧の影響で、今後も朝の気温が徐々に下がって日中の気温との差が大きくなるため健康管理に十分注意するよう呼びかけています。

10月8日月曜日

・盧武鉉大統領は8日、「先週行われた南北首脳会談で、韓半島の非核化をめぐる6カ国協議の合意事項を再確認したことから、北韓の核問題は速いスピードで完全解決に向かうことを確信する」という見解を示しました。盧大統領はこの日、韓悳洙(ハン・ドッス)国務総理が国会で代読した「新年の予算案と、基金運用計画案提出に当っての施政演説」で、今回の南北首脳会談で南北関係が新たな段階に入り、韓半島の平和定着に対する確信を持つことができた。南北の共同繁栄と北東アジア時代に向けた力強い一歩を踏み出すことができたと述べました。盧大統領はさらに「今回、北韓と合意した南北経済協力事業は、韓国企業には投資の機会を、北韓には経済発展の機会を与えることになる」として、「南北間の経済共同体が作られれば、韓半島の平和定着はいうまでもなく南北を軸に北東アジアの大きな市場を結ぶことができる」と強調しました。また来年度予算案について、盧武鉉大統領は、2030年には世界の一流国家に飛躍するという中長期ビジョンを土台に未来に向けた成長力の拡充と、社会投資の拡大に重点を置いて編成したとして、「次の政権に負担を与えることはしないつもりだが、任期が終わるまではやるべきことはやり遂げる」と述べ、野党側の協力を求めました。

・宋旻淳外交通商部長官は、先週、平壌で開かれた南北首脳会談の結果をヨーロッパ4カ国に説明するため7日午後、仁川空港を出発しました。訪問するのは、ドイツ、ポーランド、オランダ、フランスの4カ国で、宋旻淳外交通商部長官は、南北首脳会談の結果を説明し、韓半島の平和体制と平和繁栄計画に対するヨーロッパ各国の支持を要請する方針です。

・アメリカ政府が、北韓に対して大規模な食糧支援を国連機関に委託するのではなく直接行うほか、北韓の電力難に対応して病院で使用できる発電機を提供する計画を進めていることが分かりました。ワシントンの複数の消息筋が7日、明らかにしたところによりますと、アメリカ政府の、北韓への食糧支援はブッシュ大統領の強力な意思を反映したもので、アメリカは大規模な食糧支援のため北韓に事務所を設置する意向を北韓に伝えたということです。このような支援は、6カ国協議の合意による北韓への重油95万トンの支援や社会間接資本の支援などとは別に進められるもので、これが実現しますと、米朝間の関係改善と信頼構築に肯定的な影響を及ぼすのではないかと期待されています。

・去年5月に難民の資格でアメリカ入りを果たした北韓からの脱出者6人のうち一人が近くアメリカ政府から永住権を受けるとみられると、ワシントンに本部がある「自由アジア放送」が7日、報道しました。「自由アジア放送」は、北韓からの脱出者への永住権問題を担当している弁護士の話として、ワシントン近郊に住む北韓住民一人が近くアメリカ政府から永住権を受けることになると伝えています。この脱北者は、近く指紋採取を行うことになっており、過去の業績に異常が発見されなければ移民当局のインタビューを経て、永住権を手にすることになるということです。これが実現しますと、難民の資格でアメリカに入国した脱北者で最初の永住権獲得者となります。

・国会は、257兆3000億ウォンに上る来年度予算案の審議を始めました。予算案の審議をめぐってハンナラ党と、大統合民主新党は8日、来月12日の総合政策質疑を手始めに予算案を部署別に審議したあと、22日の全体会議を経て、来月末の本会議で予算案を処理することで暫定合意しました。予算案に対してハンナラ党が、年末の大統領選挙と来年の総選挙を前にした無謀な膨張予算だとして、前年と比べた増加率7.9%を2ポイント以上縮小するよう主張しているのに対し、大統合民主新党は、少子高齢化に備えた財源の編成などを理由に原案通り可決すべきだとしており、審議の過程で両党の激しい論戦が予想されます。

・南北首脳会談のため延期になっていた韓国軍単独の野外機動訓練「ファラン演習」が8日から始まりました。この演習は当初、今年8月下旬に韓半島有事の際に備えて韓国軍とアメリカ軍が合同で行うコンピューターシミュレーションによる軍事演習と同時に行う予定でしたが、南北首脳会談が当初は、8月下旬に予定されていたことから日程が重なるとして延期になっていました。

・1997年末以後、10年間死刑を執行していない韓国は、今年12月に、「事実上の死刑廃止国」になると、日本の東京新聞が8日、伝えました。「事実上の死刑廃止国」は、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルが分類する基準で、死刑制度が存在するものの執行しない政策と慣例を10年以上維持した国を意味します。韓国で最後に死刑が執行されたのは、金泳三政権末期の1997年12月30日で、この日、23人が処刑されました。しかしそれ以後、金大中政権と盧武鉉政権では死刑を執行していません。

・韓国とアセアンとの間で進められているFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉で、「サービス協定」が事実上、妥結しました。韓国は今月2日から5日まで、ラオスで20回目のアセアン=東南アジア諸国連合とのFTA交渉を開き、サービス協定文書と付属文書についての交渉で妥結して、大半のアセアン諸国と了解案交渉を完了したことから、事実上サービス協定が妥結したと、外交通商部の通商交渉本部が8日、発表しました。

・政府の行政委員会である放送委員会は8日、首都圏をエリアとする報道専門FM事業社にケーブルテレビのニュースチャンネルを運営している「YTN」を選定しました。放送委員会は、報道専門ラジオ放送の必要性が提起されたことを受けて、今年8月にラジオ事業者の公募申請を受け付けたところ、単独で申請したYTNについて、公益性と適正性などについて審査した結果、1000点満点で合格基準の650点を上回る734.74点を獲得したということです。YTNは、情報通信部の電波使用許可が出次第、放送を始め、ソウル首都圏をエリアに来年3月1日に試験放送を行った後、4月1日から本放送を始める計画です。YTNFMの周波数は、94.5MHzです。

・韓国の男性が最も好む結婚相手の女性の職業は、過去10年間続いた「教師」から、「公務員」や「公共企業の職員」に変わっていることがアンケート調査で分かりました。結婚情報会社「デュオ」が、全国の20歳以上の男女1460人を対象に「結婚相手の好ましい職業」について調査した結果、男性の61%は、「公務員」または「公共企業の職員」を挙げました。毎年行われているこの調査で「男性が好む結婚相手の女性の職業」は10年間、「学校の教師」がトップでしたが、今回の調査では2位に下がりました。また女性が好む結婚相手の男性の職業も、同じく「公務員」や「公共企業の職員」が圧倒的な1位を占め、2位は「金融業」でした。

・韓国の主婦2人のうち1人は、「へそくり」を持っているというアンケート調査が出ました。主婦のコミュニティーサイト「MIZ」が、主婦1126人を対象にアンケート調査した結果、回答者の53%が「へそくり」を持っていると答えました。へそくりの金額は、1000万ウォン以上という主婦が22%と最も多く、100万ウォンから199万ウォンが20%、200万ウォンから499万ウォンが18%の順でした。

・今年、日本の女子プロゴルフに進出した韓国のキム・ソヒ選手(24)が、日本ツアーに進出後初シーズンで優勝しました。キム・ソヒは、日本の群馬県赤城CCで行われた「SANKYOレディースオープン」最終日の8日、日本の賞金ランキング1位の上田桃子や高橋美保子とのプレーオフを制し、初優勝を飾りました。

10月6日土曜日

・盧武鉉大統領は5日、日本の福田首相と電話で会談し、平壌で開かれた南北首脳会談の結果を説明して合意内容を履行するため、日本政府の協力を求めました。この電話会談は5日午後、盧武鉉大統領が福田首相に電話をかけておよそ10分間行われました。大統領府 青瓦台の報道官によりますと、この中で、盧大統領は、先の南北首脳会談で、北韓の金正日国防委員長に対し、「韓半島の平和と共同繁栄のために日朝関係の改善など、国際的な環境作りも必要だ」と働きかけたことを伝えたということです。これに対して福田首相は、「南北首脳会談は南北関係の発展と韓半島の緊張緩和、そして北東アジアの平和秩序の構築に寄与する大変有意義な会談になった」として謝意を表明したということです。一方、政府は今回の南北首脳会談の結果を説明するため、外交通商部のシム・ユンジョ次官補を5日、日本に派遣しました。シム次官補は5日、高村外相に会い、南北首脳会談で金正日国防委員長が、日朝関係については、「福田政権の出方を見守りたい」と述べたと説明しました。

・政府は、先の南北首脳会談で、盧武鉉大統領が北韓の金正日国防委員長と合意した宣言内容を早期に実施するため、国務総理が主宰する企画団を発足させることになりました。政府は5日の閣議で、統一部をはじめ、政府の関係部署によって構成されていた、2007南北首脳会談準備企画団を、国務総理が主宰する後続措置推進企画団に改めて直ちに発足させることにしました。また李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官は5日の閣議で、南北関係の発展と平和繁栄のため宣言を今月中に公布する方針を明らかにしました。しかし南北関係発展法に基いて、改正しなければならない法律も多く、政府の企画団が急いで改正案をまとめるとしても、検討に時間がかかり、また国会の批准を得なければならないため、今月中に公布させることは難しいという見方が出ています。

・平壌で開かれた南北首脳会談の成果について、国民の76%が前向きに評価していることがわかりました。KBSが今回の南北首脳会談について、4日から2日間、全国の1000人を対象に電話で世論調査を行った結果、およそ76%の人が「成果があった」と答えました。首脳会談の合意内容のうち、評価する項目については、「離散家族の常時面会の推進」を挙げた人が24.1%でもっとも多く、次いで、「西海に『平和協力特別地帯』を設け、南北の平和水域を設定する」が18.4%、「平和宣言の推進」が16.2%、「ソウルと北韓の白頭山間の直接航空路の開設」が12.2%の順でした。

・(一方)南北首脳会談を受けて、盧武鉉大統領に対する国民の支持率が大きく上昇したことがわかりました。KBSの調査では、今回の南北首脳会談の後、盧武鉉大統領の支持率は53.7%になり、今年8月の調査より18.6ポイント上昇しました。また民放のSBSの調査でも、南北首脳会談後の盧武鉉大統領の支持率は9月の調査より13.2ポイント上昇して43.4%でした。

・原油価格の高騰にともなってガソリン代の値上がりが続き、再び史上最高値を更新する勢いです。韓国石油公社によりますと、全国980カ所のガソリンスタンドを対象にサンプル調査した結果、6日現在、無煙の普通ガソリンの販売価格は1リットル平均1,556ウォン59銭で、史上最高値だった今年7月の1,557ウォン38銭をまもなく上回る勢いです。原油価格は、アメリカ産標準油の価格が先月20日に1バレル=83.32ドルと史上最高値をつけており、このような国際的な原油価格の高騰の影響が韓国にも出始めているものとみられています。

・野党民主党の大統領選挙の候補の1人、チョ・スンヒョン氏が6日、候補を辞退しました。チョ・スンヒョン氏の報道担当者は6日午前、国会で記者会見し、「チョ・スンヒョン氏は、民主党の公認候補を決める選挙が不公正になっていることを見兼ねて、党の指導部に是正を求めたが、指導部に改善する意志と能力がないので、候補を辞任することにした」と述べました。この担当者はまた、「チョ・スンヒョン氏は今後、民主党の党籍を維持しながら国会議員として最善を尽くすが、ほかの候補を支持することはない」と説明しています。年末の大統領選挙に向けて、民主党は現在、党の公認候補を選ぶため地域を巡回しながら予備選挙を行っており、チョ・スンヒョン氏は世論調査では1位でしたが、最初に行われた仁川市の予備選挙ではイ・インジェ氏が1位でした。この結果、民主党の公認候補選びは、イ・インジェ氏、チャン・サン氏、キム・ミンソク氏、シン・ククァン氏の4人の争いとなりました。

・プロ野球球団の現代ユニコーンズのオーナー企業が球団経営から退くことになり、現代ユニコーンズは今後、新しいオーナーに売却されるか、最悪の場合、解散する危機にたたされました。現代ユニコーンズは、1996年、現代グループの旧現代電子(現在のハイニックス半導体)が太平洋ドルピンズを引き継いで立ち上げたチームで、その後、同じ現代グループの現代峨山が経営して、創立3年目の98年から2000年、2003年、2004年の合わせて4回、韓国シリーズを制覇しました。しかし2003年にオーナーだった現代峨山の鄭夢憲(チョン・モンホン)会長が死亡してから深刻な財政難に陥り、大株主のハイニックス半導体が現代グループを離れたあと、現代自動車が支援していましたが、今年から支援が中断し、KBO=韓国野球委員会の保証で、農協から資金を借り入れて運営していました。こうしたことから現代ユニコーンズはこれ以上の運営は難しいと判断し、5日、水原で行った今シーズンの最終試合を最後に、チームを経営しないことになりました。KBOは、現代ユニコーンズの売却を進めることにしていますが、新しいオーナーが見つからなければ、最悪の場合、現代ユニコーンズは解散に追い込まれる可能性もあります。

・韓国人のインターネットの利用率とパソコンの保有率が世界でもっとも高いことがわかりました。アメリカのメディアリサーチ会社、ACニルソンがまとめたところによりますと、韓国人の80%以上の人が一週間に一回以上、インターネットに接続しており、インターネットの利用率が世界でもっとも高くなっています。インターネットの利用率が次いで高いのは、ニュージーランドの(66%)、オーストラリア(65%)、イギリス(60%)、そして香港とアメリカが同じく59%でした。一方、パソコンの保有率でも、韓国は88%でトップで、次いで香港(84%)、台湾(81%)、シンガポールとアメリカ(77%)、イギリス(75%)の順でした。

10月5日金曜日

・盧武鉉大統領は5日、大統領府、青瓦台で閣議を開き、先の南北首脳会談で北韓の金正日国防委員長と合意した宣言内容について、「次の政権でも実現するようロードマップ=行程表をまとめる必要がある」と述べました。盧武鉉大統領はさらに「宣言に盛り込んだ内容を実現させるための費用が実質的にいつまでにどのくらい必要かを南北間で明確にまとめなければならない。南北関係の発展と平和繁栄のため宣言の具体的な内容を各部署が正確に理解して、来月の南北首相会談に備えてほしい」と指示しました。閣議では両首脳が合意した「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に基づいて中・長期的な事業をまとめ、国会で報告した後、実施していくことにしました。

・盧武鉉大統領の北韓訪問に同行したクォン・オギュ副総理兼財政経済部長官は、今回の南北首脳会談で合意した経済協力プロジェクトについて「非常に具体的で実現する可能性が高い」として、財源は民間投資と周辺関係国の協力によって確保する考えを示しました。クォン・オギュ経済副総理は北韓から帰った4日夜、KBS第1TVの9時のニュース番組に出演し「これまで北韓との経済協力事業が進まなかったのは、軍事的な保障が伴わなかったうえに、北韓の核問題など突出した事件があったからだ。しかし6カ国協議で 北韓の核問題が解決の段階に差し掛かっており、来月には南北国防相会談を開いて軍事的な保障をはかっていくことになっている」として、今回の南北首脳会談で合意した経済プロジェクトは実現する可能性が高いという考えを示しました。クォン・オギュ経済副総理は、そのための財源について「造船・観光・特区建設などほとんどは民間企業が興味を示す事業で、政府はこうした事業がスムーズに進むよう道路の建設など社会資本の整備を手がける予定だ」と述べました。さらにクォン・オギュ経済副総理は鉄道で韓国から北韓を通って中国やヨーロッパを結ぶいわゆる「鉄のシルクロード」事業については中国やロシアなど関係国との協力を通じて財源を得ることができると述べました

・盧武鉉大統領と金正日国防委員長が首脳会談で合意した南北経済協力事業を計画どおりに進めると、最大で112億ドル、およそ10兆ウォンの費用がかかるという報告書が現代経済研究院によって発表されました。それによりますと、北韓の黄海道海州を経済特区として開発するのに46億ドル、開城工業地区の第2段階の開発に25億ドル、開城と新義州間の鉄道の改修に15億ドルなど全部で112億ドル、およそ10兆ウォンが必要になるということです。現代経済研究院は、この予算を5年間に分けて投資する場合、年間投資額は、韓国のGDP=国内総生産の0.25%に過ぎず、国内外の開発ファンドや国際支援資金の導入によって国民の負担を減らすことは可能だとしています。

・盧武鉉大統領は4日、北韓の金正日国防委員長との南北首脳会談で、韓国人の拉致被害者の問題については国民の期待に応える成果をあげることができなかったとして謝罪しました。盧武鉉大統領は4日夜、国民に向けた談話を発表し、この中で「北韓の金正日国防委員長との会談で、過去の歴史から自由になるために、離散家族や拉致被害者、国軍捕虜の問題の根本的な解決を提案した。金正日国防委員長もこれに共感を示し、離散家族の再会事業を拡大することで合意したが、拉致被害者問題については合意を見出せず、申し訳ない」と謝罪しました。

・韓国戦争当時、北韓軍の捕虜となって抑留されている元韓国軍兵士の家族協議会や、拉致された韓国の漁民などの拉致者家族の集いなど4団体のメンバーが5日から、大統領府青瓦台の前で、今回の南北首脳会談で拉致被害者の問題が解決されなかったことに抗議して、交替で座り込みを行っています。これらの団体は5日、声明を発表し、「盧武鉉政権は拉致被害者や、韓国軍捕虜の家族が抱いている血を吐くような恨みを徹底的に無視した。自国民の保護という国家の統帥権者に与えられた責任にそっぽを向いた」としたうえで、「うその平和を叫び、国民をだます失敗した首脳会談だった」と批判しました。

・アメリカは4日、南北の首脳が韓半島の恒久的な平和体制の構築に向けて、韓国戦争の当事国4カ国の首脳による会談を進めることで合意したことについて、北韓の非核化が先決条件であるという方針を再確認しました。ホワイト・ハウス国家安保会議のジョンドロー報道官は論評で「韓国戦争を公式に終結させる平和協定の締結と米朝関係の正常化は、北韓が核廃棄の約束を守るかどうかにかかっている」と述べました。

・アメリカ産輸入牛肉から、BSEを引き起こす恐れがあるとして韓国への輸入が禁止されている背骨が再び検出されました。農林部は5日「先月7日に船積みされ28日、釜山港に到着したアメリカ産輸入牛肉18.5トン、618箱のうち1箱(30.3キロ)から長さ10センチほどの背骨が確認された」と発表し、アメリカ産牛肉に対する検疫を中断させました。アメリカ産輸入牛肉からBSEの恐れのある背骨が検出されたのは今年8月以来、2度目です。8月に背骨が検出された際、農林部はアメリカ政府の釈明を聞いた上で27日後に検疫が再開し、その際、BSEを引き起こす恐れのある危険部位が再び検出された場合は検疫を中断し、検疫の再開は韓米間の新たな輸入衛生条件についての交渉の中で進めることで合意していました。

・中央選挙管理委員会はこのほど、大統領府、青瓦台のインターネットのホームページに、ハンナラ党の大統領候補を非難する文が掲載されたことについて、青瓦台に対して公明な選挙に向けて協力するよう要請する文書を送ったことを5日、明らかにしました。青瓦台の秘書室は先月4日、ホームページに、「ハンナラ党の李明博候補が大統領に選出されるのは韓国の災難」だという文を掲載し、これに対して弁護士の団体が中央選挙管理委員会に選挙法に違反するかどうかの判断を求めていました。これについて中央選挙管理委員会は先月20日、問題の文は選挙法に違反しているとは判断しにくいものの、李明博候補に対する表現は政治的な中立を維持すべき大統領府の秘書室が選挙に介入して影響力を行使しようとしていると思われる恐れがあるとして、大統領選挙にかかわる表現には慎重を期すよう文書で要請しました。

・アメリカ政府が北韓の核問題をめぐる6カ国協議を前向きに評価している中で、北韓のテコンドーの選手団が選手としてではなく、民間人として初めてアメリカを訪問しました。IOC=国際オリンピック委員会の北韓側のチャン・ウン委員をはじめ、北韓のテコンドーの選手ら20人は5日、北京経由でアメリカのロサンゼルス空港に到着しました。選手団は国際大会に参加するのではなく、民間人としてアメリカを訪問したもので、アメリカ国務省が敵対政策をとっている北韓の民間人にビザの発給を認めたのは異例のことです。北韓のテコンドー選手団は6日、在米韓国人団体の歓迎行事に出席した後、7日にはCBS放送のスタジオでテコンドーの公演を行う予定です。

・アメリカの代表的なオーケストラのニューヨーク・フィルハーモニー・オーケストラは北韓の招待を受けて、平壌で公演を行う方向で検討を進めており、その準備チームが6日、北韓入りするとワシントンの消息筋が4日明らかにしました。それによりますと、ニューヨーク・フィルハーモニーは今年8月、北韓から平壌公演の招待を受け、アメリカ政府と協議した上で応じるかどうかを決めるとしていました。6日北韓入りする準備チームにはアメリカ国務省の関係者も同行するということで、ニューヨーク・フィルハーモニーのスポークスマンは「平壌での公演が決まれば、東アジアの巡回公演が予定されている来年初めに可能ではないか。来年2月には中国での公演が予定されている」と述べて、中国公演の前後に平壌公演が行われる可能性を示唆しました。

10月4日木曜日

・盧武鉉大統領は、南北首脳会談のため2日から訪れていた平壌での日程を終え、4日夜9時過ぎに再び南北非武装地帯の軍事境界線を通って、韓国に戻りました。盧武鉉大統領は、帰国に先立って、南北経済協力事業が進められている開城工業団地を視察した後、軍事境界線の南7キロの地点にある韓国と北韓との通関や検疫などを担当する「都羅山(ドラサン)出入管理事務所」で行われた帰国歓迎行事に臨みました。この席で盧大統領は、国民に向けた談話を発表し、3日の午前と午後におよそ4時間にわたって行われた金正日国防委員長との会談の成果と今後の実践計画について報告しました。この中でまず、北韓の核問題については、6カ国協議を通じて解決を目指すことで意見が一致し、金正日国防委員長自らが核廃棄についての確固たる意思を表明したことを明らかにしました。そして首脳会談の席に6カ国協議の北韓首席代表、金桂冠(キム・ケグァン)外務次官を呼び入れて、3日発表された6か国協議の合意文書について詳しく説明させたことも明らかにしました。また休戦状態となっている韓国戦争の終結を宣言するための方法についてアメリカが提案した内容を金正日国防委員長に説明し、これに対して金委員長は強い関心を示すとともに、休戦体制を平和体制に切り替えることに同意すると述べたということです。さらに盧大統領は、金正日国防委員長にソウル訪問を要請しましたが、金委員長は、北韓で序列2位の金永南最高人民会議常任委員長が先に韓国を訪問することを提案し、自らの韓国訪問は環境が整うまで先送りすることが望ましいという見解を示したということです。盧武鉉大統領は、訪問前に各界から様々な注文を受け、重い荷物を持って平壌を訪れたが、北韓訪問で期待以上の大きな成果をあげ、荷造りできないほどの手土産を持って帰ることができたとして、国民の声援に感謝の意を表明しました。

・盧武鉉大統領と北韓の金正日国防委員長は、4日、韓国戦争の終結を宣言するため当事国4者による協議を開くなど南北首脳会談で合意した8項目からなる「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名しました。それによりますと、@2000年の第1回南北首脳会談の共同宣言を順守し、宣言が出された6月15日を記念する案を講じる。A南北が議会レベルの対話を推進し、統一を目指した法律や制度を整備する B南北国防長官会談を11月に平壌で開く C1950年に勃発し現在は休戦状態となっている韓国戦争の終結を宣言するため当事国であるアメリカ、北韓、中国、それに韓国を含めた4カ国の首脳による協議を開く D西海(黄海)に「平和協力特別地帯」を設置し、北韓の黄海道海州と韓国側の漢江河口などをつなぐ平和水域を設定し、北韓の船舶がNLL=北方限界線を通って海州港に入港することを認める。南北縦断鉄道「京義線」の貨物便を開通させ、開城工業団地と韓国との間で貨物列車の運行を始める。北韓南西部の南浦などに造船工業団地を建設する E北韓の白頭山観光を実施するためソウルー白頭山間の直接航空路を開設し、2008年の北京オリンピックの際、韓国からの応援団が南北縦断鉄道を利用できるようにする F離散家族の映像による手紙交換と、常時再会を推進する G南北の首脳が随時会って懸案について協議する。南北首相会談を11月にソウルで開くとなっています。

・盧武鉉大統領と北韓の金正日国防委員長は、今後、南北の首脳が随時会って懸案問題について協議することで意見が一致しました。両首脳は、4日午後1時に署名した「南北関係の発展と平和繁栄のための宣言」に盛り込まれているように南北関係発展のため首脳同士が随時会って懸案について協議することにしたということです。これについて大統領府青瓦台は、「南北関係は国と国との関係ではないので会談の定例化という表現は適切ではないという北韓側の意見を尊重し、随時会うという用語でまとまったが、これは事実上、首脳会談の定例化に合意したのに等しい」としています。

・北韓は4日、盧武鉉大統領と金正日国防委員長が首脳会談で合意した「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」を、韓国とほぼ同時に発表しました。朝鮮中央通信など北韓の主なメディアは、4日午後1時21分に、宣言文の全文を一斉に報道しました

・南北首脳が8項目わたる共同宣言文に署名し、発表したことについて、与党は一斉に歓迎の意を示しました。大統合民主新党は、休戦体制を終わらせ、平和体制を構築するため3カ国または4カ国による首脳会談を開くことにしたのは、韓半島の平和定着のための歴史的な出発であり、また西海に共同漁路水域を指定し、西海平和協力特別地帯を設置するなどの南北経済協力事業に合意したことは、南北の平和定着と共同繁栄を同時に達成しようとする画期的な合意だと高く評価しました。また民主党は、南北相互信頼の促進と、韓半島への平和定着に向けた一歩前進だと評価したうえで、来月開かれる予定の南北首相会談で、西海のNLL=北方限界線問題については安全保障に支障が出ないよう慎重に対応することを要請しました。民主労働党は、合意内容が具体的で、南北首相会談や国防長官会談の場所と日程まで決まったことは大きな成果だと評価しました。

・アメリカ政府は、北韓をテロ支援国のリストから解除するため、アメリカ連邦議会との協議を4日から始めると、ヒル国務次官補が3日、明らかにしました。これは、ヒル次官補が、連合ニュースの電話取材に対して述べたもので、4日から始まる連邦議会との協議で、北韓をテロ支援国のリストから解除する手続きをどのようにとるべきかについて政府の計画を説明するとしています。またヒル次官補はこれに関連して、来週中に北韓とも協議を行って、リストからの解除に必要な事柄について細かく調整をはかる予定だと述べました。さらにヒル次官補は、北韓が6カ国協議で定められた核計画の申告を来週にも行う可能性があるという見通しを示しました。 ただし申告は1回では終わらず、何度かに分けて行われる可能性が高いとして、1回目の申告が来週始まる見込みだとしています。

・アメリカのブッシュ大統領は、今年の年末までに北韓の核施設を無能力化するなど核廃棄に向けた 第2段階の措置をまとめた6カ国協議の合意文書が採択されたことを歓迎すると、ホワイトハウスの国家安保委員会のジョンドロー報道官が3日、明らかにしました。

・国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は、北韓の核廃棄に向けた次の段階の措置を盛り込んだ6カ国協議の合意文書が採択されたことを歓迎する声明を3日、発表しました。潘基文事務総長は、この中で、「今回の合意文書は、今年2月の6カ国協議でまとまった合意内容を履行するための重要な措置が盛り込まれており、韓半島の非核化に向けた多国間外交が重要な進展を成し遂げたことを意味する」として、高く評価しました。

・アメリカは、北韓がシリアに移転したとされる核物質の詳細を必ず公開しなければならないという考えを北韓に伝えたと、ニューヨークタイムズが4日、報道しました。それによりますと、3日中国が発表した6カ国協議の合意文書には「北韓のすべての核計画を申告する」という内容が明記されていますが、これに関連しアメリカ政府の高官は、北韓が必ず公開しなければならないもののひとつが、シリアに移転した核物質の詳細であることを北韓側に伝えたということです。

・ロシアは、6カ国協議の合意文書が採択されたことを受けて、来月中に北韓に重油5万トンを支援する計画だと、ロシュコフ外務次官が明らかにしました。6カ国協議のロシア代表であるロシュコフ外務次官は、6カ国協議が開かれていた北京を離れる前に記者団に対して、韓国、中国、アメリカに次いでロシアも約束通り、来月中に重油5万トンを北韓に送る考えを示したと、ロシアのイタルタス通信が4日、報じました。

・国籍を理由に入居を断られた在日韓国人が、家主を相手取って起こした訴訟で、韓国人という理由で入居を拒否したのは違法だとする裁判所の判決が出されました。京都地方裁判所は4日、言い渡した判決で「契約を取り消した理由が、原告の女性の国籍にあることは明らかで、家主には違法行為による損害賠償の責任がある」として、家主に慰謝料110万円を支払うよう命じました。原告の韓国人女性の弁護人は、判決について、「国籍による差別行為を認めた判決であり、これを機に不当な差別がなくなることを期待する」と述べました。この韓国人女性は、2005年1月に不動産仲介会社を通じて入居を申請し、敷金と礼金を払いましたが、入居直前になって外国人という理由で家主から契約を取り消され、訴訟を起こしていました。

・今年の釜山国際映画祭が4日夜、開幕します。今年で12回目を迎えた釜山国際映画祭は、4日から12日までの9日間、釜山にある映画館の34のスクリーンで行われ、64の国と地域から出品された映画271本が上映されます。4日は夜7時から釜山水営湾のヨット競技場で開会式が行われ、チャン・ジュンファン監督と、女優のムン・ソリさんが司会を務め、開幕作品の中国の馮小剛(フォン・シャオガン)監督の「集結号(Assembly)」が上映されます。この映画の入場券は、インターネットによる前売りが始まってわずか17分16秒で売り切れになりました。

10月3日水曜日

・北韓を訪れている盧武鉉大統領は金正日国防委員長と3日午前に続いて午後、2回目の南北首脳会談を行い、首脳会談での合意内容を4日午前中までに宣言の形で発表することになりました。大統領府、青瓦台のチョン・ホソン スポークスマンによりますと、2回目の会談は午後2時45分から4時25分までの1時間40分にわたって行われました。この席で金正日国防委員長は会談をさらに充実したものにするため、4日までとなっている訪問日程を5日朝まで延長するよう提案し、これに対して盧武鉉大統領は「大きなことは私が決めるが、小さいことはスタッフが決めるので、実務陣と協議する」と答えました。そして会談が終わる頃、金正日国防委員長は「十分対話を交わしたので、日程を延長しなくても良いと思う。南に待っている人々がいるので、予定通りにしよう。4日昼には盧武鉉大統領を見送る午餐を用意する」と述べたたということです。また大統領府、青瓦台によりますと、盧武鉉大統領は会談後、南北首脳会談の結果に満足感を示したということです。こうしたことから1回目の南北首脳会談で明らかになった意見の隔たりが2回目の会談では調整されたものとみられており、4日午前の発表内容が注目されます。盧武鉉大統領は3日午後、平壌3.1競技場で行われる北韓の大規模なマスゲーム、「アリアン」を観覧した後、人民文化宮殿で答礼の晩さん会を行う予定です。

・2日平壌を訪れた盧武鉉大統領は、歓迎行事が行われた4.25文化会館前で、7年前の金大中前大統領と同様、北韓の人民軍3軍を閲兵しました。これは北韓が儀式を最上の礼遇で行ったもので、北韓を「深刻な軍事脅威」と規定している韓国軍の統帥権者である大統領に対して軍事的に敵視しないことを示したものと受け止められています。しかし通常、国賓を迎える際には、相手国の国旗を掲げて、国歌を演奏し、その後21発の礼砲を発射するなどの儀式はありませんでした。これについては7年前の初の南北首脳会談と同じく、南北関係の特殊性を考慮したものとみられ、今後、南北首脳会談が定例化された場合、慣例になる可能性が高くなりました。

・盧武鉉大統領の北韓訪問について北韓のメディアは2日から報道しています。北韓のラジオ放送の朝鮮中央放送と平壌放送、それに通信社の朝鮮中央通信は2日午後3時に、盧武鉉大統領の平壌到着を一斉に伝えました。この中で各メディアは南北の首脳の出会いについて「南北関係をさらに深めて、韓半島の平和と民族の共同繁栄、祖国統一の新たな局面を切り開くうえで重大な意義を持っている」と強調しました。3日の朝鮮中央放送と平壌放送は盧武鉉大統領の平壌訪問のほかに、2日夜開かれた金永南最高人民会議常任委員長主催の晩さんや大統領夫人の権良淑女史の日程なども伝えました。また北韓の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は1面全体を使って「盧武鉉大統領平壌到着、偉大なる指導者金正日同士が出迎える」という見出しの記事とともに、両首脳が握手を交わしている写真を載せ、関連記事は3面まで続きました。

・アメリカのホワイト・ハウスは、盧武鉉大統領と金正日国防委員長との南北首脳会談を支持し、北韓の核廃棄に向けて進展がみられることに期待を示しました。ホワイト・ハウスのペリノ報道官は、2日、記者団に対し、南北首脳会談について「アメリカは常に韓国と北韓との対話を支持してきた。今回の会談で出される結果を見守りたい」と述べました。ペリノ報道官は特に「今回の南北首脳会談は韓半島の平和と安全保障に寄与すると思うが、究極的には韓半島の非核化につながる必要がある」と強調しました。

・平壌の共同取材班によりますと、2日の平壌は盧武鉉大統領の訪問を歓迎するため、沿道に数十万人の市民が詰め掛けましたが、その後は比較的落ち着いた雰囲気だということです。また平壌に派遣されている共同取材団と随行員の一部の宿舎になっている平壌の代表的なホテルの高麗ホテルは、南北首脳会談の期間中は、外国人を含め外部からの宿泊を受け付けず、韓国から訪れた関係者のもてなしに徹しているということです。平壌市内は今年8月に起きた平壌市内を流れるデドン川の氾濫で大きな被害を受けた痕跡はありませんが、南北首脳会談の開催を知らせる横断幕やポスターなどは見られないということです。

・北韓の核問題をめぐって先月下旬、北京で開かれていた6カ国協議の合意文が3日採択されました。6カ国協議の議長国である中国は3日午後、参加国の承認を得て、「おととし9月の6カ国協議の共同声明を履行するための2段階目の措置」と名づけた合意文書を発表しました。それによりますと、6カ国は北韓の非核化に向けた2段階目のポイントとなる寧辺にある核施設を使えなくする無能力化を今年12月31日までに終了させることにしています。その作業はアメリカの主導で行われ、アメリカは今後2週間以内に北韓に専門家グループを派遣することになりました。無能力化の対象は寧辺にある5000キロワットの黒鉛減速炉、再処理施設、それに核燃料棒の製造施設の3カ所で「専門家グループが進める措置はすべての参加国が受け入れることができて、科学的つ安全で検証が可能で、国際的な基準に見合ったものでならなければならないという原則に基づいて、6カ国協議の首席代表によって採択される」と明記されています。一方の北韓は年末までにすべての核プログラムを申告するとともに、核関連物質や技術を外国に移転しないことを再び確認しました。米朝関係の正常化については、アメリカと北韓は関係を改善し、全面的な外交関係に向けて協議を進めていくとしています。特にアメリカは北韓をテロ支援国のリストから削除する作業を始めるとともに、北韓を敵対国に規定して貿易を制限している措置を終了させるためのプロセスを進め、北韓の核兵器に向けた措置と並んで、6カ国協議内の米朝関係正常化に向けた作業部会を通じて、北韓に対する公約を果たすとしています。しかし今回の合意文にはテロ支援国からいつまでに削除するかについては明記されませんでした。また参加国は適切な時期に北京で6カ国の外相会談を開くとしています。

・きょう10月3日は、4339年前に檀君(ダングン)が韓半島に初めて国を建てたことを記念する建国記念日の開天節で、3日午前、ソウルの世宗文化会館で記念式典が行われました。この中で韓悳洙(ハン・ドッス)国務総理は「今、平壌で開かれている南北首脳会談は韓半島の平和と南北の共同繁栄という大きな道を切り開く新たな道しるべになる」としたうえで「今回の首脳会談が政治・軍事・経済・文化などあらゆる分野で南北関係を大きく進展させる契機になるよう政府として今後の対応に最善を尽くす」と述べました。

・4500トンの次世代駆逐艦「姜邯贊(ガンガムチャン)艦」が2日から実戦配備されました。高麗時代の有名な将軍、姜邯贊の名前をつけた「姜邯贊艦」は長さ149.5メートル、幅17.4メートル、速度29ノットの200人乗りで、5インチ主砲1門と対艦・対空誘導弾、魚雷が装備されているほか、水中音波探知機と海上作戦用のヘリコプター2機を備えています。これで海軍は3000トン級に続いて4500トン級の駆逐艦5隻を保有することになりました。

10月2日火曜日

・2日から3日間、平壌で開かれる2007南北首脳会談に臨むため大統領府青瓦台を出発した盧武鉉大統領ご夫妻は、2日午前9時過ぎに、非武装地帯の軍事境界線を歩いて越え、北韓入りしました。盧武鉉大統領は、2日午前8時前に青瓦台で国民に対するメッセージを読み上げた後、大統領専用車に乗り込んで青瓦台を出発し、およそ1時間後の午前9時に非武装地帯の韓国側地域に到着しました。盧大統領は、軍事境界線の南30メートルの地点で車から降りて、夫人の権良淑女史とともに平和を願う感想を述べた後、午前9時5分に軍事境界線を越えました。韓国の大統領が歩いて軍事境界線を越えて北韓を訪問するのは史上初めてのことで、この模様は世界に向けてテレビ中継されました。

・盧武鉉大統領は2日午前、南北首脳会談が行われる平壌に出発する前に、大統領府青瓦台で国民に向けたメッセージを発表しました。この中で、盧武鉉大統領は、今回の首脳会談はより落ち着きのある実用的な会談になるだろうと述べました。そして、今回の会談ではいろいろな議題について意見を交換することになるが、何よりも平和定着と経済発展を実現できる具体的で実質的な成果を収めることに力を入れたいと強調しました。

・盧武鉉大統領は、2日正午前に平壌に到着し、公式歓迎行事が行われた平壌市の4.25文化会館で、金正日国防委員長の出迎えを受けました。歓迎式場には、民族衣装をまとった数千人の市民が集まって花を振りながら、盧武鉉大統領の歴史的な北韓訪問を熱烈に歓迎しました。平壌市の4.25文化会館は、北韓が国の重要な行事を執り行う代表的な文化施設です。盧武鉉大統領の歓迎式は、当初は、平壌の祖国統一3大憲章の記念塔で行われる予定でしたが、直前になって4.25文化会館に変更されました。到着にあわせて、盧武鉉大統領は「今こそ南北が力を合わせて平和の新しい歴史を定着させなければならない」とする声明を文書で発表しました。盧武鉉大統領は、午後には北韓序列2位の金永南最高人民会議常任委員長との会談や晩さん会に出席する予定です。

・アメリカ国務省のケイシー副スポークスマンは、2日、記者団に対して、南北首脳会談の開催を支持するとしたうえで、会談で韓半島の非核化が論議されなければならないと強調しました。ケイシー副スポークスマンは、さらに「南北首脳同士の会談が、6カ国協議の基本的な合意内容を変えることはないとみている」として、北韓に対する行き過ぎた経済協力の拡大に憂慮の念を示し、韓半島での非核化が実現して初めて、北韓はアメリカをはじめ世界の国々との関係改善をはかれるという点を重ねて強調しました。

・国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は現地時間で1日午後、北韓の朴吉淵国連大使と会談し、南北首脳会談の成功を願うという意向を伝えました。潘基文事務総長はまた、「歴史的な南北首脳会談が韓半島の安定と平和のための良いきっかけとなって大きな実を結ぶことを期待し、会談が成功するよう国連事務総長としてあらゆる協力を惜しまない」と述べました。これに対して北韓の朴吉淵国連大使も、「今回の会談が南北関係をより一層緊密なものとし、域内の緊張緩和に役立つことを痛切に希望している」として、成功を祈る潘基文事務総長のことばを平壌にしっかり伝えると述べました。

・EU=ヨーロッパ連合やロシアも、平壌で開かれる南北首脳会談を支持する声明を発表しました。

・南北首脳会談の期間中、韓国と北韓の間に光ケーブルによるインターネット通信網が開通し、北韓の決められた場所に限って自由にインターネットを利用できることになりました。韓国最大の通信会社である韓国通信KTは、2005年7月に行われた南北離散家族のテレビ画面による再会のため敷設した光ケーブル通信網を南北首脳会談の期間中に開通させ、韓国側の随行員や取材陣が平壌でもインターネットを利用できるようにしました。

・韓国株式市場の総合株価指数が再び、2000ポイントの大台を超え、史上最高値を記録しました。2日の韓国株式市場の総合株価指数は、前日より51.42ポイント上昇して、2014.09で取り引きを終えました。株価が、2000ポイント台を超えたのは、7月25日に2004.22を記録して以来2度目で、2カ月ぶりです。証券専門家は、7年ぶりに行われる南北首脳会談で投資心理が改善したうえ、前日のニューヨーク株式市場のダウ平均株価が2カ月ぶりに14,000ポイント台を超えて史上最高値となったことから、証券市場に買いが集中したと説明しています。

・北韓の核廃棄に向けた次の段階の措置の手順をまとめた6カ国協議の合意文書の採択は、予定していた2日よりやや遅れる見通しです。政府消息筋によりますと、合意文書を採択するかどうかは、早くても2日夜遅く、もしくは3日に決まる可能性が高いということです。6カ国協議の合意文書の採択は、アメリカが本国政府の承認を得る必要があると主張したことから、各国とも本国に持ち帰って承認を得たうえで、結果を議長国の中国に伝えることになっていましたが、アメリカをはじめとする一部の国はまだ中国に連絡していないということです。これに先立ってアメリカ国務省のケイシー副スポークスマンは1日、ヒル国務次官補がライス国務長官に合意文書の草案を説明して協議することになっているとしたうえで、今週後半の適当な日に、各国の代表が再び北京に集合して、合意文書を手直しするか、もしくは再協議するよう中国に要請する可能性があると述べました。これに関連して韓国政府の関係者は、「そうした話は中国から通告を受けていない」と述べました。

・ところで、6カ国協議の北韓の首席代表、金桂冠外務次官は、2日、「中国がまとめ各国の首席代表が暫定合意した6カ国協議の合意文書の草案には、アメリカによるテロ支援国リストから北韓を外す時期を明記してある」と明らかにしました。金桂冠外務次官はさらに、「日朝関係正常化のため両国の直接交渉が必要だという点で日本と意見の一致をみた」と述べました。

・ハンナラ党の大統領候補に決まった李明博前ソウル市長が今月中旬、アメリカを訪問し、ブッシュ大統領と会談すると発表したことについて、韓国駐在のアメリカ大使館は2日、そうした計画はないと明らかにしました。駐韓アメリカ大使館のマックス・グァグスポークスマンは、連合ニュースに対して、「ホワイトハウスが、李明博候補側からブッシュ大統領との会談の要請を受けたことは確かだが、会談の計画はない。これがアメリカの公式な立場だ」と述べました。ハンナラ党は、先月28日、李明博候補が今月中旬にアメリカを訪れ、ブッシュ大統領と会談することが決まったと発表していました。これについて、大統合民主新党の大統領候補のひとりである鄭東泳元統一部長官は1日、アメリカ政府の中立性が疑われる不適切な行為だとして、アメリカ政府に対して会談の開催を見直すよう要請するとともに、李明博氏に対してもブッシュ大統領との会談を自ら撤回すべきだと、主張していました。

・ドルに対するウォンの為替レートが1日、10年ぶりのウォン高ドル安となったことから、韓国貿易協会は政府に対して対策を講じるよう強く要請しました。貿易協会は2日、報道資料を通じて、いまのウォン高ドル安の勢いにブレーキをかけるには、思い切った規制緩和によって企業の海外投資を活性化しなければならないと強調しました。また短期外債流入の抑制法案を、繰り上げて施行するなど果敢な政策をとる必要があるとしています。貿易協会はこうした政策によってもウォン高ドル安の傾向が続けば、為替レートの安定のため政府は特段の対策を検討しなければならないと強調しました。

・南北を往来した人が去年は68万人あまりで、前の年に比べて大きく減りました。文化観光部がまとめた報告書によりますと、去年一年間に南北を往来した人は、68万8006人で、おととし2005年の82万2173人と比べると、13万人あまり、16.3%減りました。このように南北を往来する人が目だって減ったのは、去年7月に北韓がミサイルを発射したことや、10月に地下核実験を行うなどして北韓をめぐる情勢が不安定になったことが影響したものとみられています。

10月1日月曜日

・盧武鉉大統領と北韓の金正日国防委員長との南北首脳会談が2日から3日間の日程で平壌で行われ、南北の共同繁栄、韓半島平和、和解と統一を論議します。盧大統領は、2日朝8時ごろ、大統領府青瓦台で北韓訪問に際して国民に対するメッセージを発表した後、夫人の権良淑女史とともに大統領専用車でソウルを出発し、午前9時ころ、歩いて板門店の軍事境界線を越えて陸路、平壌入りします。軍事境界線を歩いて越える模様は、世界に向けてテレビで生放送されます。南北首脳会談は、2000年に行われた金大中前大統領と金正日国防委員長との会談以来、7年ぶりです。本会談には、南北ともに5人程度が出席することになっており、韓国側からは、青瓦台の安全保障室長、政策室長、経済担当副総理、統一部長官、国家情報院長らが臨むものとみられています。両首脳は、今回の会談で、南北の共同繁栄、韓半島平和、和解と統一の3つの議題を中心に意見を交わすことにしており、会談の結果を2000年の6.15共同宣言のような形で合意文書を採択する可能性が高い見込みです。盧武鉉大統領は、初日の2日は3大革命展示館を、最終日の4日は西海岸・南浦(ナンポ)にある韓国系資本の平和自動車など産業施設を見たあと、陸路でソウルに戻る途中、南北が共同で運営している開城工業団地を視察する予定です。

・ローマ法王のベネディクト16世は、30日、2日から平壌で開かれる南北首脳会談など最近の南北対話の発展に期待感を表明し、韓半島の平和のためにともに祈りをささげようと呼びかけました。AP通信によりますと、ベネディクト16世は30日、ローマ郊外の休養地で、「南北対話によるさまざまな進展は、韓半島の安定と平和に向けての和解努力がより強化されるという希望を与えている」と述べたということです。

・北韓の核廃棄に向けた次の段階の措置を盛り込んだ6カ国協議の合意文書は、2日に発表されるものとみられています。北京で27日から開かれていた6カ国協議は最終日の30日、アメリカが本国政府の承認を得る必要があると主張したことから、2日間、休会することになり、合意文書の発表は2日にずれ込みました。アメリカ首席代表のヒル国務次官補は30日夜、帰国する前に記者団に対して、「中国が大変すばらしい共同声明案をまとめた。アメリカをはじめ各国は本国政府の最終承認を得るため本国に戻る」と述べました。複数の情報筋によりますと、6カ国の首席代表が暫定合意した合意文書の草案には、北韓の核施設を年内に無力化するための具体的な手順と、アメリカのテロ支援国リストから北韓を外す内容が盛り込まれています。しかしテロ支援国リストから解除する時期については明記されていないということです。こうした内容についてアメリカが本国政府の承認を得られれば、2日の午前中にも議長国の中国が合意文書を発表し、各国はこれについての論評を出すものとみられます。

・ところで、中国がまとめた北韓の核廃棄に向けた次の段階の措置をめぐる合意文書の草案によりますと、北韓の核施設を無能力化させるには45日程度の作業期間が必要だということです。北京の外交消息筋が1日、明らかにしたところによりますと、アメリカが主導し、中国、ロシア、韓国、日本が参加する無能力化のための技術スタッフが今月下旬に北韓を訪れて、無能力化の方法や手順を最終的に決めることにしています。この技術スタッフは無能力化の対象となっている5000キロワット黒鉛減速炉、再処理施設、核燃料棒製造工場の3つの施設について、11月から作業を本格化させる予定だということです。

・ドルに対するウォンの為替レートが6取引日連続上昇し、1日、10年ぶりのウォン高ドル安となりました。ソウル外国為替市場は1日、アメリカドル1ドルが先週の金曜日より1ウォン50銭ウォン高の913ウォン70銭となり、1997年10月2日の913ウォン50銭以来、10年ぶりのウォン高ドル安となりました。関係者の話によりますと、世界的にドルが安くなったことが要因ではないかということです。一方、円に対するウォンの為替レートは、100円あたり793ウォン83銭で取り引きを終えました。

・アメリカと北韓は、平壌にアメリカの貿易代表部を開設することで具体的な協議を進めている模様です。金大中政権時代に与党の国会議員をしていたチャン・ソンミン氏は1日、KBSのラジオ番組に出演して、北韓の情報に詳しい中国の消息筋と、韓国の北韓情報機関の関係者からこうした情報を入手したと語りました。それによりますと、アメリカと北韓は、来年、平壌にアメリカの貿易代表部を開設することにほぼ合意し、現在は、この代表部を守備するアメリカ海兵隊の人数や、海兵隊の武装レベルをどの程度とするかなど、かなり突っ込んだ事項について協議しているということです。チャン前議員は、アメリカが北韓に貿易代表部を設置するということは、北韓を経済交流のパートナーとして認めることを意味するものであり、米朝国交正常化の前段階とみることができるとしています。

・きょう10月1日は59回目の国軍の日にあたり、忠清南道鶏龍台(ゲリョンデ)にある陸・海・空軍3軍の統合基地で盧武鉉大統領が出席して記念式典が行われました。この式典で盧武鉉大統領は演説し、「南北首脳会談では、韓半島での平和の定着を優先議題にしたい。平和についての確信がなくては共同繁栄も、統一の実現も期待できない」と述べました。

・大統合民主新党の大統領候補の一人である鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏は、野党ハンナラ党の大統領候補である李明博(イ・ミョンパク)前ソウル市長が、今月中旬にアメリカを訪問し、ブッシュ大統領と会談することについて、「アメリカ政府の中立性が疑われる不適切な行為だ」として、アメリカ政府に対して会談開催を見直すよう要請しました。

・先月9月の輸出は、旧暦のお盆、秋夕連休のため去年の同じ時期に比べてやや減少しましたが、休みを除いた操業日の一日平均輸出額は、20%増えています。産業資源部によりますと、9月の輸出は295億5000万ドルで、去年9月に比べて0.4%減少しました。輸入も270億6000万ドルで、2.1%減少しました。これは実質、5日間続いた秋夕連休の影響で、工場や港の操業日数が去年9月に比べて4日少なくなったためで、操業日数で見ますと、輸出は20.0%、輸入は18.0%増えたことになります。

・韓国人10人のうち1人が、65歳以上になっていることが分かりました。統計庁によりますと、今年7月1日現在、65歳以上のお年寄りが人口全体に占める割合は9.9%でした。これは去年の同じ時期に比べますと0.4ポイント、10年前と比べますと3.5ポイントも高くなっており、高齢化が速いスピードで進んでいることが浮き彫りとなりました。また15歳から64歳までの人が、65歳以上を扶養する割合は13.8%と、生産可能な人口7.3人が老人1人を養っていることになります。

・テクォンドの韓国代表チームが、来年北京で開かれるオリンピックの出場権を4階級とも確保しました。韓国は1日、イギリスで行われた北京オリンピック世界予選の女子57キロ級決勝で、イム・スジョンが1位となりオリンピック出場権を手に入れました。これで韓国は、男子の68キロ級と80キロ以上級、女子の57キロ級と67キロ級の4つの階級でオリンピック出場権を確保しました。テクォンドのオリンピック戦は、男女4階級ずつの合わせて8階級が行われますが、ひとつの国としては最大男女2階級ずつの4階級まで出場できることになっています。