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6月30日土曜日

・韓国とアメリカとのFTA=自由貿易協定の追加交渉が29日、妥結したことについて、盧武鉉大統領は29日、「追加交渉で実益をさらに得ることができた。新たに提起された労働と環境分野は、国際的にみても、韓国が目指すべき条項だった」と述べました。盧武鉉大統領は29日の閣議で韓米FTAの協定文を議決した後、「韓国政府は実益を求めており、アメリカ側から追加交渉の要求があっても韓国にとって損になるようなものならば追加交渉には臨まなかった。交渉では実益を優先して行った」と述べました。一方、韓米FTAの追加交渉が妥結した29日、ソウルでは市民団体、農民団体、労働団体のメンバーら1万4000人が韓米FTAに反対する集会を開きました。

・韓国とアメリカとのFTA=自由貿易協定の署名を目前にして、アメリカ連邦議会下院の民主党指導部が29日、「この合意内容のままでは、韓米FTAを支持できない」と反対の声明を発表し、今後、アメリカでの批准同意まで難航することが予想されます。ペロシー下院議長ら民主党指導部は29日の声明で「本来は韓米FTAによってアメリカの労働者、農民、ビジネス業界の人々に多くのメリットが与えられたはずだ。しかし今の韓米FTAではそのような機会を逃してしまった」として、韓米FTAの必要性と価値は認めるものの、韓米間で妥結した今のFTAの内容は支持できないと強調しました。アメリカの民主党は、韓米FTAに反対してきており、アメリカと韓国は29日までの追加交渉で、アメリカの新しい通商政策に合わせて労働と環境分野などでさらに交渉を続けてきました。しかし、これまで韓米FTAの批准同意に革新的な役割をしてきたペロシー下院議長ら民主党の指導部4人が、韓米FTAに反対する考えを改めて示したことから、30日に韓米FTAが両国政府によって正式に署名されても、民主党が多数を占めるアメリカ連邦議会での批准同意までは難航することが予想されます。

・盧武鉉大統領は30日、IOC=国際オリンピック委員会の総会が開かれる中米のグアテマラに向かい、2014年の冬のオリンピックを、韓国の平昌(ピョンチャン)に招致するための活動を行います。IOCは、2014年冬のオリンピックの開催地をグアテマラでの総会で決める予定で、盧武鉉大統領は7月1日から4日までグアテマラに滞在し、IOC総会で平昌への招請演説を行って各国のIOC委員に働きかけます。2014年冬のオリンピック開催地には、江原道平昌郡の他、オーストリアのザルツブルク、ロシアのソチも名乗りを上げていて3カ所の争いとなっており、先のIOC委員による実地調査では、韓国の平昌とオーストリアのザルツブルクが高く評価されています。

・北韓の核施設の稼動停止に向けて、北韓入りしていたIAEA=国際原子力機関の代表団は30日、経由地の北京に戻り、ハイノネン団長は、稼動停止の時期について、6カ国協議で決めるだろうと述べました。ハイノネン団長は、空港で記者団に対し「次の段階は、6カ国協議の参加国が協議し、技術的な合意に達することだ。IAEAとしてできる役割はない」としたうえで、「われわれは北韓と寧辺の核施設の稼動停止を検証する方式で合意した」と述べました。これについて北韓とIAEA=国際原子力機関は29日、寧辺の核施設の稼動を停止した際の検証と監視の方式に合意したとAP通信が報道しました。北韓を訪問したIAEAのハイノネン実務代表団長は、28日から2日間、寧辺の核施設を視察した後、北韓当局と協議した結果、「核施設の稼動停止の検証・監視方式について基本的に意見が一致した。北韓との協議に満足する」と述べたということです。IAEA関係者によりますと、IAEAの理事会は7月9日に開かれ、北韓への査察団の派遣を承認する運びになっているということです。

・2月の6カ国協議の合意内容を履行するかどうかで見合わせていた韓国から北韓へのコメ支援が30日から再開されました。1回分のコメは北韓へのコメ借款の支援40万トンのうちの3000トンで、全羅北道と忠清南道で生産されたコメ3000トンを積んだベトナム船籍の貨物船が、全羅北道の群山(グンサン)港から北韓西海岸の南浦(ナムポ)港に向けて出航しました。北韓へのコメ借款は10年据え置きの20年分割償還で、今年10月末までに、韓国産と外国産のコメを海路で35万トン、陸路で5万トンそれぞれ北韓に送る予定です。一方、北韓は29日、このほど終了した北韓への肥料30万トンの支援について、感謝の意を伝えてきました。

・カンボジアで起きた旅客機墜落事故で亡くなった韓国人旅行客13人の遺体が30日午前、韓国に帰ってきました。遺体はアルミニウムの棺に収められて大韓航空機で運ばれ、仁川国際空港に到着後、犠牲者の写真を手にした遺族を先頭に棺がゲートから出てきました。遺体の棺は書類手続きのあと、3台の救急車でソウル市内に設けられた葬儀場に運ばれました。今回の墜落事故原因を解明するためのブラックボックスは、事故現場で回収され、来週、旅客機を製造したロシアに運ばれて、解読作業に入りますが、解読には数カ月から数年もかかるということです。

・7月7日からインドネシアで開かれるアジアカップを前にして、29日、済州ワールドカップ競技場で行われた韓国対イラクの親善試合で、韓国は3対0で大勝しました。済州ワールドカップ競技場でのAマッチは2002年のサッカー・ワールドカップ以来、5年ぶりとあって、3万2000人の観客で満員となりました。この試合、韓国はイギリス・プレミアリーグに進出した朴智星(パク・チソン)選手ら主力選手3人がけがで欠場して戦力の空白が心配され、前半、不安な守備を見せながらも攻撃を続けましたが、得点にはつながりませんでした。しかし後半に体力が落ちたイラクを攻め込んで3つのゴールを奪い、3対0で勝ちました。韓国は7月7日からのアジアカップで47年ぶりの優勝を目指しており、11日、インドネシアのジャカルタで中東の強豪、サウジアラビアと対戦します。

・韓国と日本の海の航路を行き来した人が、初めて年間延べ100万人を超えました。日本の九州運輸局が29日まとめたところによりますと、去年の4月から今年3月までの1年間に、韓国の釜山と日本の下関、博多、対馬の間を行き来したフェリーや高速船などの利用客は、延べ107万人にのぼり、前の年度に比べて13%増加して初めて100万人を超えました。このうち韓国人はウォン高と週休二日制の定着などで、前の年度に比べて25%も増えておよそ74万人となり、これまでで一番多くなりました。韓国人が増えたのは、九州の温泉やテーマパーク、ゴルフなどへの観光客と、九州への修学旅行が増えたためと九州運輸局は分析しています。一方、日本人利用客は、およそ30万人と、前の年に比べて7%減少しました。韓国と日本の海の航路を行き来した人が、初めて年間延べ100万人を超えました。日本の九州運輸局が29日まとめたところによりますと、去年の4月から今年3月までの1年間に、韓国の釜山と日本の下関、博多、対馬の間を行き来したフェリーや高速船などの利用客は、延べ107万人にのぼり、前の年度に比べて13%増加して初めて100万人を超えました。このうち韓国人はウォン高と週休二日制の定着などで、前の年度に比べて25%も増えておよそ74万人となり、これまでで一番多くなりました。韓国人が増えたのは、九州の温泉やテーマパーク、ゴルフなどへの観光客と、九州への修学旅行が増えたためと九州運輸局は分析しています。一方、日本人利用客は、およそ30万人と、前の年に比べて7%減少しました。

6月29日金曜日

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の追加交渉が29日最終的に妥結し、30日に予定通りワシントンで協定文への署名が行われることになりました。韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は29日、マスコミの編集・報道局長との懇談会で、韓米FTAの追加交渉が妥結したことを明らかにし、外交通商部の高官は、韓国とアメリカの追加交渉が29日未明に妥結したと正式に発表しました。それによりますと、アメリカは、韓国が要求した、就労ビザの一種である専門職ビザの割当てを増やすことについて協力を約束したほか、韓国の製薬会社がアメリカの製薬会社の医薬品特許期間が終了しないとそのコピー薬の販売許可を申請することができないようになる措置を、協定発効の直後からではなく、発効から18ヶ月後まで猶予することにしました。また、アメリカの要求どおり、労働や環境分野の紛争に対しても、貿易報復が可能な一般の紛争解決手続きを適用することにした上で、国や投資家の間でむやみに訴訟が起きることがないよう、紛争解決手続きを発動させる条件を強化することにしました。政府は29日午後、対外経済長官会議を開き、追加交渉の内容が反映された最終協定文を最終的に検討したあと、閣議で議決し、盧武鉉大統領の決済を受けた上で、予定通り30日に協定文に署名する予定です。協定文への署名は韓国時間の30日夜11時、ワシントンで行われます。

・韓国とアメリカの外相は、先の6カ国協議の合意にもとづいて北韓が核放棄に向けた初期段階の措置の履行に入り次第、形式にこだわらず6カ国協議を再開することで合意しました。アメリカを訪問している宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官は、28日午前アメリカ国務省でライス国務長官と会談して、このように意見が一致したと述べました。宋外交通商部長官はまた、「北韓の核施設の稼働停止を含め核放棄に向けた初期段階の措置が完了しなくても、北韓が核施設の稼働停止措置をとっていることが分かれば、6カ国協議を再開できるだろう」と強調したうえで、「IAEA=国際原子力機関の実務代表団が北韓の核施設の視察を終えた後、核施設の稼働停止の日程が決まるだろう。6カ国協議はその日程に合わせて再開できると思う」と説明しました。

・2カ月連続で赤字だった経常収支が、5月は輸出の好調などで黒字に転じました。韓国銀行が29日に発表した「5月の国際収支動向の速報値」によりますと、5月の経常収支は9億2000万ドルの黒字でした。 今年の経常収支は1月に4億3000万ドルの赤字で、2月に4億ドルの黒字になって黒字に転じたようにみえましたが、3月には再び16億4000万ドルの赤字となり、さらに4月の赤字は通貨危機以来最悪の20億8000万ドルに達しました。 韓国銀行は、輸出の好調で商品収支の黒字幅が拡大した上、前の月に大幅赤字だった所得収支が黒字になったことで、全体の経常収支が黒字に転じたと説明しています。韓国銀行の関係者は、6月も経常収支が黒字になるだろうと予測した上で、今年1年間の経常収支が20億ドルの黒字を達成するという年の初めの見通しは依然有効だとして、楽観的な見方を示しました。

・憲法裁判所が28日海外在住の国民の選挙権を認めていない今の公職選挙法と住民投票法は憲法違反だという判断を示したことについて、海外に住む同胞や市民団体などは、「意義ある決定だ」と歓迎しています。在外同胞財団のイ・クホン理事長は「当然の結果だ」としたうえで、「海外に住む国民だけでなく永住権者にも選挙権が与えられるよう、国会が法の改正に積極的に臨んでほしい」と話しました。これについて外交通商部は、国会での選挙法改正についての論議を見極めながら対応する方針を明らかにしました。外交通商部は海外に住む国民に選挙権が与えられれば、世界各国にある韓国大使館と総領事館などを通じて在外国民の投票に関連した実務を行うことになります。外交通商部の当局者は、「選挙権を与える在外国民の範囲を、短期滞在者だけでなく永住権者にまで広げるのか、また投票は郵便で行うのかあるいはその国民が住む在外公館で直接行うようにするのか、などについての条文がまとまることが先決で、実務的な準備はそのあとだ」と述べました。一方、政界では今回の憲法裁判所の決定を一斉に歓迎する論評を出しましたが、海外に在住している韓国人のうち選挙権を持つ19歳以上の人口が290万人にのぼることから、今回の憲法裁判所の決定が年末の大統領選挙に影響するかどうかに関心を寄せる向きも見られます。

・アメリカ政府が韓国から入国する際にビザを免除することを積極的に検討するという内容の声明を、近く発表するものとみられます。これは、韓国政府の高官が29日、「ブッシュ大統領が近く、韓国と東ヨーロッパの一部の国に対して、ビザ免除制度の適用を積極的に検討するという趣旨の声明を発表するだろう」と明らかにしたもので、ブッシュ大統領は去年9月に行われた韓米首脳会談でも、韓国に対するビザ免除の早期適用に努力する意思を示していました。韓国政府はビザ免除の適用に向けて、電子パスポートの導入を推進しているほか、不法滞在や人身売買、密入国などについてアメリカ当局と共同で対応できるよう司法分野で協力するシステムの構築を進めてきました。

・西海の延坪島(ヨンピョンド)付近で南北海軍による交戦が起きて5年目の29日、交戦で犠牲になった韓国人兵士6人の追悼式が、京畿道平澤(ピョンテク)市にある海軍第2艦隊司令部でしめやかに執り行われました。追悼式には、韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理、金章洙(キム・ジャンス)国防部長官や遺族ら1300人が出席し、故人を悼みました。ファン・ギチョル海軍第2艦隊司令官は追悼の辞で、「貴い犠牲で我々の海を守りぬいた6人の愛国心は、祖国を守るすべての兵士が学ぶべき手本として永遠に受け継がれるだろう」と述べました。この交戦は、2002年6月29日に西海の延坪島(ヨンピョンド)付近で起きたもので、海の軍事境界線を越えてきた北韓の警備艇による先制攻撃で始まり、韓国軍兵士6人が戦死、18人が負傷しています。

・100万ドル(およそ9億2000万ウォン)以上の資産を持つ「百万長者」が、韓国には去年の基準で9万9千人いることが分かりました。アメリカ証券大手のメリルリンチとフランスのコンサルティング会社・キャップジェミニが27日発表した「世界資産調査2006年版」によりますと、韓国の百万長者は前の年より14.1%多い9万9千人でした。伸び率で、韓国は、シンガポールの21.2%をはじめ、インド、インドネシア、ロシア、アラブ首長国連邦に次いで5位となっています。

・世界を代表する韓国人指揮者の鄭明勳(チョン・ミョンフン)さんが組織したオーケストラ、アジア・フィルハーモニー管弦楽団が、去年に続いて今年は仁川、ソウル、日本で公演を行います。アジア・フィルハーモニー管弦楽団は、鄭明勳さんがアジアを代表するオーケストラをつくろうと、韓国、日本、中国を中心に世界の第一線で活躍している音楽家たちを集めて1997年に組織したスペシャル・オーケストラで、日本での公演は8月6日に富山のオーバードホール、8月7日に東京オペラシティ・コンサートホールで行われ、ドヴォルザークの交響曲第6番やブラームスの交響曲第1番などが演奏される予定です。

6月28日木曜日

・海外に住む国民に参政権を認めていない今の公職選挙法は、憲法に違反するという判断が出されました。これは日本に永住権を持っている在日韓国人10人が、「国が在外韓国人を差別している」として出した違憲の訴えについて憲法裁判所が28日、判断を示したものです。それによりますと、公職選挙法は選挙権を行使できる対象を「管轄区域内に住民登録ができている者」としており、また住民投票法は、住民登録ができていない在外国民には参政権を与えないとしているが、いずれも国民の基本権侵害に当たるとしています。憲法裁判所はしかし、「公職選挙法と住民投票法の一部の条項は憲法違反にあたるが、効力をすぐになくしてしまうと、年末の大統領選挙と来年の総選挙を前にして、混乱を引き起こすことが憂慮される」として、来年の暮れ、つまり2008年12月31日を期限に法律を改正することにして、それまでは、現在の条項をそのまま適用するとしています。これについて政府は「海外に移住して、兵役の義務や納税の義務などが免除される海外在住の韓国人に対して参政権を認めるのは、韓国に住む国民と比べて、平等だとはいえず、慎重に検討する必要がある」としてきました。海外に住んでいて、その国の市民権を持っている韓国人は、去年暮れで、663万人にのぼり、そのうち永住権を持っている在外同胞は170万人に達しているとされており、憲法裁判所はこのうちどの範囲で参政権を認めるかについては「立法権者である国会の裁量だ」としています。

・北韓を訪問しているIAEA=国際原子力機関の実務代表団は、28日朝、核施設を視察するため寧辺(ヨョンビョン)に向けて出発しました。IAEAのハイノネン事務次長が率いる代表団は、28日朝、平壌のホテルを出発し、北に90キロあまり離れている寧辺の核施設の視察に向かいました。寧辺には、出力5000キロワットの黒鉛減速型の実験用原子炉や、使用済みの核燃料棒からプルトニウムを抽出する再処理施設などがあり、今年2月の6か国協議ではこうした施設の稼働停止や封印が合意されています。出発に先立って、ハイノネン事務次長は記者団に対し、 「寧辺には査察ではなく視察で訪れる。協議は29日の夜まで続く」と述べ、IAEAとして核施設の状態を直接確認したうえで、稼働停止や封印をどのように監視・検証するか北韓側と調整を進める考えを示しました。IAEAの査察官らが北韓の核施設を訪れるのは、2002年に査察団が退去させられて以来初めてで、今回の視察は28日と29日の2日間行われます。一方、IAEA=国際原子力機関は来月9日に理事会を開き、北韓の核施設の閉鎖に向けた査察団の派遣などについて協議することにしています。

・済州島の3つの地域が27日、ユネスコの世界遺産のうち、世界自然遺産に「済州 火山島と溶岩洞窟」として登録されることになりました。ユネスコの世界遺産委員会はニュージーランドのクライストチャーチで開かれた総会で、韓国が申請していた「済州火山島と溶岩洞窟」を世界自然遺産に登録することを決定しました。今回、世界自然遺産に登録されたのは、済州島の漢拿(ハンラ)山自然保護区域と日出峰、それに溶岩洞窟の3つの地域です。韓国はこれまでにユネスコの世界遺産の文化遺産には慶州の石窟庵と仏国寺など7カ所が、記録遺産としてはハングルを作った原理や音などを解説した訓民正音など4つが、そして無形文化遺産としては江陵(カンルン)端午祭など3つがそれぞれ登録されています。

・アメリカの国防総省は、北韓が27日に弾道ミサイル3発を発射したことを確認しました。国防総省の関係者の話として、アメリカのメディアが伝えたところによりますと、北韓は27日、東海上の北韓の領海に向けて、短距離弾道ミサイル3発を発射したということです。北韓のミサイル発射を受けて、アメリカ政府の国家安全保障会議のスポークスマンは、27日、6カ国協議の再開をめぐる重要な時期に、北韓がミサイルを発射したことを深く憂慮するとともに、 弾道ミサイルの発射を禁止した国連決議にも違反するとして、北韓を強く非難しました。これに先立って、韓国政府の関係者は、「北韓が27日午前11時半ごろ、咸鏡南道の沿岸部から東海に向け、射程約100キロの短距離ミサイル1発を発射した兆候がある。北韓は本格的な夏の軍事訓練を準備している」と指摘した上で、「今回の発射も通常訓練の一環」という見方を示しました。

・カンボジアで韓国人の観光客ら22人を乗せた旅客機が墜落して、全員が死亡した事故で、カンボジア政府による原因の究明が本格化に始まり、事故現場では韓国政府の関係者も立ち合って調査が進められています。カンボジア政府の事故対策本部は、27日、墜落現場で回収したブラックボックスを旅客機の製造国のロシアに送って精密な分析を行い、墜落直前の飛行状況や操縦士と管制塔の交信内容などをもとに、原因の究明を急ぐことにしています。また墜落現場での本格的な原因調査も始まり、韓国の建設交通部から派遣された調査官2人も加わって、調査を進めています。これに先立って、27日、盧武鉉大統領は、カンボジアの旅客機の墜落事故で韓国人13人を含む乗客・乗員全員が死亡したことに対して、深い哀悼の意を表明するとともに、遺族にお見舞いのメッセージを贈りました。

・全国金属労働組合は28日、現代自動車の労組なども加わって、韓米FTAに反対する全国同時の部分ストライキを決行しました。全国金属労働組合は韓米FTAの締結に反対するため25日から27日までの3日間、地域別に部分的にストに入っていましたが、28日はこれまでの部分ストに参加していなかった現代自動車や起亜自動車の労組も参加して、全国同時の部分ストを行いました。これについて、会社側は、「勤労条件の改善とは関係のない政治的な目的のストで、明白な違法行為だ」として、ストライキに参加した組合員には給料を払わないことにするほか、組合指導部に対しては、業務妨害の疑いで警察に訴えることにしています。一方、警察は、全国金属労働組合のチョン・ガブドゥク委員長ら指導部17人に対して逮捕状を請求しています。

・来年の北京オリンピックに向けた野球のアジア予選で、韓国は初戦を、強国の台湾と戦うことになりました。国際野球連盟は27日、11月27日から12月3日まで台湾で開かれる、野球の北京オリンピックアジア地区予選と決勝リーグの組み合わせを発表しました。総当りとなる決勝リーグで1位になれば、オリンピックの出場権を獲得し、2位と3位は来年3月に開かれる地域別の最終予選に回ることになります。

・ソウルにあるテーマパーク、ロッテワールドが、半年間の改修工事を終え、来月1日、新しくオープンします。ロッテワールドでは、去年初めに ジェットコースターに乗っていた男性が安全器具をしていなかったため乗り物から落ちて死亡する事故があり、そのお詫びとして、先着順で無料開放を実施したものの安全対策に万全を期してなかったため、数万人が一斉に入場した際、転倒するなどして35人がけがをする事故がありました。ロッテワールドは、相次ぐ事故に加えて、安全診断で施設に欠陥が見つかり、今年1月から休業して全面的な改修工事を進めていました。ロッテワールドは、650億ウォンをかけて改修工事を終えたと発表し、「今後はより安全で楽しいテーマパークに生まれ変わりたい」としています。

6月27日水曜日

・第二次世界大戦当時、強制的に日本軍の慰安婦として動員され大きな被害を被った女性に対して日本政府が公式に謝罪し、歴史的な責任を認めるよう求める決議案が26日、アメリカ連邦議会の下院外交委員会で圧倒的な賛成多数で可決されました。アメリカ下院の外交委員会は、日系アメリカ人のマイケル・ホンダ議員が提出し、外交委員会のラントス委員長の意見が反映された修正決議案を賛成39、反対2の圧倒的な賛成多数で可決しました。ホンダ議員は決議案が可決された後のインタビューで「この決議案は、7月の第2週に下院の本会議にかけられるものと見られる。外交委員会では、圧倒的多数で可決されたので、本会議でも良い結果が得られるだろう」と自信を示しました。一方、元慰安婦を支援している韓国挺身隊問題対策協議会は27日、ソウルの駐韓日本大使館前で記者会見し、「マイケル・ホンダ議員ら、アメリカ下院外交委員会の議員とアメリカの韓国人社会、そしてアメリカの市民団体に深く感謝し、決議案の可決を歓迎する。これは世界の女性人権運動史に新たな1ページとして記録されるものだ」という談話を発表しました。27日の記者会見には7人の元慰安婦の女性も出席しました。

・韓国人13人を含む乗客乗員合わせて22人が乗ってカンボジアで墜落したカンボジアの旅客機の胴体が27日、発見されましたが、全員死亡したことが確認されました。 カンボジアのカナリッド広報長官は27日、「捜索チームがボコール山の北側に墜落した旅客機の胴体を発見したが、乗客乗員22人は全員が死亡していた」と述べました。 これについて韓国の外交通商部の当局者は「韓国人13人を含む22人全員の遺体が確認された。旅客機の爆発はなかった」と述べました。一方、シアヌークビル空港の管制塔は、25日の旅客機が行方不明になる直前に、旅客機の操縦士に「高度が低すぎる」と警告したのに対して、操縦士は「ここの地形はよく知っている」と答えていたことが確認されており、今回の墜落事故は操縦士のミスで起きた可能性が高いものとみられています。

・北韓入りしているIAEA=国際原子力機関の実務代表団が28日に寧辺の核施設を訪問すると、代表団のハイノネン団長が明らかにしました。ハイノネン団長は27日、「明日、寧辺に行き、29日に平壌に戻る予定だ」と述べ、寧辺には2日間滞在することを示唆しました。またAP通信も北韓当局がIAEAの実務代表団の核施設訪問を許可したと報道しました。26日に北韓入りしたIAEAの実務代表団は30日まで北韓に滞在して北韓のリ・ジェソン原子力総局長ら関係者と核施設の閉鎖と封印などを監視するIAEA査察団の規模や権限、それに活動の範囲について協議を進めています。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の2回目の追加交渉が27日に終了し、韓国政府は28日に追加交渉に関する最終方針を決める予定です。政府関係者によりますと、25日からワシントンで行われていた韓米FTAの2回目の追加交渉が終了し、交渉に出席していた金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表も28日に帰国する予定だということです。政府は金宗フン首席代表が帰国した後、追加交渉の結果を検討し、関係部署での協議を経て、調印式が行われる今月30日以前には追加交渉を終えたいとしています。交渉の状況を見守っていた韓国政府の関係者は「アメリカとの2日間の交渉では労働、環境など7つの分野全般にわたり意見が交わされたが、30日の調印式は予定通りに行うことにした。しかし、それまで韓米両国の交渉団が会う計画はないので、今後は電話を通じて協議をすることになる」としています。 このように政府が30日の調印式までにすべての国内手続きを終えるには残る2日で対外経済長官会議や閣議での審議、そして大統領の決済などを全て終えなければなりません。30日の調印式は、アメリカ時間の30日にアメリカ下院の付属機関で行われる予定で、両国の通商長官が参加し、署名と記者会見が行われます。

・ウリ党を離脱した議員で作られた中道改革統合新党と民主党が27日、正式に統合し、国会での議席が34議席(新党20席、民主党14席)となり、ハンナラ党、ウリ党に次ぐ第3党となりました。 中道改革統合新党と民主党は国会内で両党の議員らが参加して、合同会議を開き、統合を正式に決議し、新党の名前は「中道統合民主党」にすることを決めました。両党はまた統合新党のキム・ハンギル代表と、民主党の朴相千(パク・サンチョン)代表が共同代表を務める体制をとることになりました。統合民主党が正式に旗揚げしたことで、旧与党系のグループはウリ党と統合民主党、そしてウリ党を離党したグループの3つになりました。

・盧武鉉大統領は27日午前、テレビに出演して国民に向けた談話を発表し、国会で国民年金法やロースクール法など重要法案の議決が速やかに行われるように協力を求めました。現在、国会で審議されている法案は230件に上っており、盧武鉉大統領は談話の中で「これらの法案の処理が遅れれば、国民が被害をこうむるので、国会は今の臨時国会で法案を処理するよう最善を尽くして欲しい」と述べました。また今の臨時国会での処理が難しければ7月にも臨時国会を召集して欲しいという意思を明らかにしました。 国民年金法の場合、国会での処理が遅れれば1日に800億ウォンずつの負債が重なり、年間では30兆ウォンにも達するということです。

・韓国、日本、中国は、3カ国が1つの観光地域となるような観光商品を開発し、観光客の誘致に協力していくことになりました。 韓国の金鐘民(キム・ジョンミン)文化観光部長官をはじめとする3カ国の観光担当の閣僚は26日、中国の青島で2回目の韓日中観光担当長官会議を開き、このような内容の「青島宣言」を採択しました。宣言によりますと、韓日中3カ国は来年の北京オリンピックや2011年に大邱で開かれる世界陸上選手権大会などの国際行事の際に、互いに訪問するようにし、さらに3カ国以外からの観光客の誘致にも積極的に協力していくことにしました。また修学旅行などの青少年交流を活発にするための教育観光セミナーの開催も推進することにしました。 さらに3カ国の世界文化遺産を見て回る3カ国周遊型のパッケージツアーを開発する一方、3カ国の公共交通機関で利用できる共通のICカードシステムの開発も検討する方針です。

・韓国の出生率が世界で最も低い水準であることが分かりました。国連人口基金(UNFPA)が27日に発表した「世界人口白書2007」によりますと、1人の女性が生涯に生む子供の平均数を示す出生率は、韓国が1.19人で調査の対象となった155の国と地域の中で、香港、ウクライナ、スロバキアに次いで4番目に低く、世界で最も低い水準でした。 また北韓の出生率も1.94人で南北いずれも、世界平均の出生率2.56人の半分にも満たないことが分かりました。 また韓国の1歳未満の乳幼児の死亡率は1000人当たり3人で、日本、シンガポール、ノルウェー、スウェーデンと並んで世界で最も低くなっています。 一方、韓国人の平均寿命は男性が74.4歳、女性は81.8歳で、北韓の男性61.4歳、女性67.3歳と比べますと、その差が13年から14年にもなることが分かりました。

6月26日火曜日

・北韓が2月の6カ国協議で合意した初期段階の措置を履行しなかったことから、見合わせていた政府の北韓へのコメ支援が今月30日から始まることになりました。李在禎統一部長官は26日行った記者会見で、政府が保留していた北韓へのコメ借款の支援を今月30日から始めると発表しました。第1陣として30日に輸送されるコメは3000トンで、西海岸の全羅北道郡山(グンサン)港から北韓の南浦(ナムポ)港に送る予定です。北韓へのコメ借款は韓国産のコメ15万トンと外国から仕入れた25万トンの合わせて40万トンで、金額にして1億5200万ドルに相当し、北韓はこの借款について10年据え置きの20年分割で償還することになっています。これについて李在禎統一部長官は、「コメ支援は先の南北閣僚級会談で、北韓から要請があったもので、人道的な支援をめぐる国民世論や国際機関の要請などを総合的に検討して決めた。北韓がコメを引き受けてから15日以内に分配の内訳を韓国政府に通報するとともに、韓国は10万トンごとに5カ所を現場調査するなどして、分配の透明性を確保する計画だ」と述べました。これで去年の北韓のミサイル発射と地下核実験などで去年1月から見合わせていた北韓へのコメ借款支援が1年5カ月ぶりに再開されることになりました。

・IAEA=国際原子力機関の実務代表団が26日、北韓の核施設の稼動停止に向けて協議するため、およそ5年ぶりに平壌入りしました。IAEA実務代表団のハイノネン団長は平壌入りに先立って北京国際空港で、「われわれは寧辺の核施設の稼動停止と封印を検証できることを希望しており、北韓も実行に移すと思う。核施設を稼動停止させるのは北韓で、稼動停止までにかかる時間は北韓の態度にかかっている」と述べました。実務代表団は今月30日まで北韓に滞在し、北韓当局と寧辺の核施設の稼動停止の範囲や監視の手続きなどについて協議する予定です。北韓は2002年10月、IAEAの核査察団を追放しましたが、今月16日、マカオの銀行にあった北韓関連資金2500万ドルの送金問題が解決に向かったことを受けて、IAEAに実務代表団の訪問を招請していました。

・韓国人13人を含む乗客と乗員合わせて22人が乗ったカンボジアのチャーター機が25日、カンボジアのシエムレアプ空港を離陸した後、墜落し、全員死亡したとみられると、現地の関係者が発表しました。発表によりますと、墜落したのは今年1月に営業を始めたカンボジアのPMT航空の旧ソ連で製作されたターボプロップ双発の小型輸送機AN−24で、現地時間で25日午前10時頃、カンボジアのアンコールワット近くにあるシエムレアプ空港から、カンボジアとベトナムの国境に近い南部の都市、シアヌークビルに向けて離陸した後、首都プノンペンから東に130キロ離れた山のふもとに墜落したということです。この旅客機には乗客名簿などから韓国人13人を含む乗客乗員22人が搭乗していたということで、全員、死亡したものとみられるということです。このうち、韓国人は、韓国の旅行代理店のツアーで23日にソウルを出発した観光客13人で、政府は25日午後、カンボジア駐在のシン・ヒョンソク韓国大使を事故現場に派遣して、捜索と救助活動に当たっていますが、悪天候のため作業は難航しています。

・建設交通部は26日、カンボジアで墜落事故を起こし、韓国人観光客13人を含む22人が行方不明になったカンボジアのPMT航空に対して、安全性に問題がなかったかどうかについて特別点検を行うことになりました。建設交通部の航空安全本部は、最近、安全に問題がある航空会社のリストを公開して、韓国人が海外旅行をする際の判断材料として提供しており、仁川国際空港に就航しているカンボジアのPMT航空は、インドネシアのガルーダ航空、欠航率が高いカンボジアのロイヤルクメール航空とイラン航空、サハリン航空、ウラジオストック航空とともに航空機の運航に問題がなかったかどうかを点検することになりました。建設交通部によりますと、韓国に就航している43の航空会社のうち、この5年間に死亡事故を起こした航空会社は4社で、そのうちの2社が東南アジアの航空会社だということです。

・韓国とアメリカとのFTA=自由貿易協定の2回目の追加交渉が現地時間で25日からワシントンで始まりました。初日の交渉で韓国側は、労働と環境分野で一般紛争解決の手続きを発動させる条件を縮小することや紛争解決の手続きが乱用されないように補完する対策をまとめるよう求めたと伝えられています。交渉に先立って、金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表は、国会の韓米FTA締結対策特別委員会に出席し、「韓国政府は今回の交渉結果を最終的に確認・検討した上で、最終方針を決める予定だが、それとは別に、30日にワシントンで韓米FTAの署名が行われるように準備している」と述べ、労働や環境など7つの分野について協議する今回の交渉で、アメリカ側の提案を受け入れる可能性も出てきたものとみられています。

・アメリカのワシントンDCで、アメリカ人の判事がランドリーを経営している韓国人夫婦を相手取って、クリーニングを頼んだ自分のズボンを紛失したとして5400万ドル、およそ50億ウォンもの損害賠償を求めていた裁判で、25日、韓国人夫婦が全面勝訴する判決が出されました。この裁判はワシントンDCの行政裁判所のピアソン判事が、おととし、韓国人夫婦が経営しているランドリーにズボンのクリーニングを頼んだところ、韓国人経営者がズボンを紛失したため、ピアソン氏は「韓国人経営者は‘顧客満足’を看板に掲げているのに、消費者保護法に違反した」と主張して、最終的に5400万ドル、およそ50億ウォンもの損害賠償を求めていたものです。これについてワシントンDCの裁判所は25日の判決で「理性的な消費者なら‘顧客満足’が、消費者の不合理な要求まで満足させることではないことが分かるはずだ」として、原告のピアソン氏に対して何の補償も受けることができない上、韓国人夫婦の訴訟費用をも負担するよう命じる判決を言い渡しました。判決の後、ランドリーを経営している韓国人チョン・ジンナムさんは「この2年間悪夢の中で生きてきた。勝訴するかどうかとは関係なく、傷だけが残ったが、ピアソン氏の行為はすでに許した」と述べました。

・韓国初のリニアモーターカーを建設するモデル都市に仁川広域市が選ばれました。韓国建設交通技術評価院は、26日、リニアモーターカーの建設に名乗りを上げていた大邱、仁川、光州、大田の4都市の提案書を検討した結果、財源の調達や投資の効率性など全般にわたって高い評価を受けた仁川広域市が選定されたと発表しました。仁川市に建設されるリニアモーターカーの路線は、仁川国際空港交通センターから仁川龍游(ヨンユ)駅までの6.1キロで、今後4500億ウォンを投入してリニアモーターカーの線路を建設し、2012年にテスト運転を行うことにしています。建設交通部が建設するリニアモーターカーは都市型で、最高時速が110キロ、無人運転のシステムを取り入れる計画です。

6月25日月曜日

・与党系の次期大統領候補として関心が寄せられている孫鶴圭(ソン・ハクキュ)前京畿道知事は、25日、金槿泰(キム・グンテ)ウリ党前議長が提案した与党系大統領候補による会議に出席すると述べ、年末の大統領選挙でハンナラ党に対抗する与党系勢力に加わって、与党系の大統領候補になる意思を正式に明らかにしました。ハンナラ党を離党した孫鶴圭前京畿道知事は、これまで与党系に加わることを見極めていましたが、25日、「個人的な利害に執着せず、大統合の流れに身を任すことにした」と語り、ハンナラ党に対抗する与党系勢力に加わる意思を初めて明らかにしました。ウリ党とウリ党を離党したグループ、中道改革統合新党、民主党などの与党系勢力は統合に向けて動いていますが、各勢力の間の溝を埋められず、大統合は行き詰まっています。今のところ、与党系では最も支持率が高い孫鶴圭前京畿道知事が与党系全体を網羅する会議に出席する意思を表明したことで、今後、与党系勢力の大統合の動きがさらに具体化する可能性が出てきました。一方、ウリ党を離党した議員7人は25日、国会で記者会見し、孫鶴圭前京畿道知事を支持することを表明しました。大統領選挙に向けて与党系勢力では、孫鶴圭前京畿道知事のほか、金槿泰前ウリ党議長、鄭東泳元ウリ党議長、李海チャン元国務総理などによる競争も本格化する見通しです。

・ハンナラ党の李明博前ソウル市長が大統領選挙の公約として掲げている「韓半島大運河計画」と関連して、政府が作成した報告書が偽造されてマスコミに流出したという疑惑を捜査している警察は24日、問題の報告書は水資源公社の幹部が知り合いの結婚情報会社の代表に渡し、この代表が新聞社の記者に手渡していたと発表しました。李明博前ソウル市長の陣営は、政府が李明博前ソウル市長の支持率を落とすために韓半島大運河について歪曲した報告書をまとめ、意図的にマスコミに流したと主張していました。京畿地方警察庁によりますと、報告書の作成を指揮していた水資源公社の幹部の自宅を家宅捜査した結果、37ページの報告書を発見し、入手過程や流出過程を追及したところ、この幹部の知り合いの結婚情報会社の代表がこの問題に関心が強いので、報告書を渡したと供述したということです。また結婚情報会社の代表は、日ごろから付き合いがあった新聞記者が報告書に関心を示したので渡したと供述したということです。京畿地方警察庁は、これで報告書が流出した過程は把握できたとして、今後は動機や背後関係の有無などについて捜査を進めていくことにしています。

・北韓の核施設の稼働停止など初期段階の措置を履行する手順について話し合うIAEA=国際原子力機関の実務代表団の団長を務めるハイノネン事務次長が25日、北韓訪問に先立って経由地の北京に到着しました。ハイノネン事務次長は26日から30日まで北韓にとどまり、初期段階の措置の履行に向けて、国際原子力機関による監視や検証などの手順について北韓の関係者と話し合う予定です。こうした動きを受けて、6カ国協議の韓国首席代表を務める千英宇韓半島平和交渉本部長は27日にアメリカを訪れ、ヒル国務次官補と北韓の初期段階の措置の履行や、その後の核施設の無能力化に至るまでの過程について協議する予定です。これとは別に、大統領府青瓦台の白鍾天(ペク・ジョンチョン)安保室長は27日からロシアと中国を相次いで訪問し、北韓の核問題の早期解決について協議する予定です。白鍾天安保室長は、マカオの銀行に凍結されていた北韓関連資金の問題が解決した後、北韓のアメリカに対する姿勢が肯定的に変わったと指摘し、IAEAの実務代表団の北韓訪問が終わった後、6月末か7月初めにも6カ国協議の首席代表による会合が開かれるだろうと語りました。一方、韓国政府は、初期段階の措置の履行に向けて関係国が本格的に動き出していることを受けて、今週中に北韓に対して重油5万トンを提供する準備を始めることにしています。

・盧武鉉大統領は7月1日から5日まで、グアテマラを訪問します。盧武鉉大統領はベルシェ大統領と首脳会談を行い、両国間の経済協力関係の強化や韓半島情勢などについて意見を交換するなど、実質的な協力関係を拡大していくための方策について話し合う予定です。一方、盧武鉉大統領のグアテマラ訪問中の4日には、現地でIOC総会が開かれ、2014年の冬季オリンピックの開催地が決まることになっているため、大統領は総会に出席して、韓国の平昌に対する支持を呼びかける予定です。2014年の冬季オリンピックの開催地は韓国の平昌、オーストリアのザルツブルク、ロシアのソチが最終候補になって、3都市の間で招致に向けたし烈な競争が展開されています。盧武鉉大統領は総会に出席するほか、IOCと関連した多様な行事にも参加して、平昌をアピールすることにしています。

・2014年の冬季オリンピックの招致を目指す「平昌冬季オリンピック誘致委員会」の先発隊が25日夜、IOC=国際オリンピック委員会の総会が開かれるグアテマラに向けて出発します。先発隊は誘致委員会の実務者と政府支援団の関係者など、12人で、26日にグアテマラに到着し、本隊の到着に備えて、宿泊施設や交通手段などを点検し、最終的な説明会の準備をすることになります。誘致委員会の本隊は29日にグアテマラに到着する予定です。2014年の冬季オリンピックの開催地を決めるIOC総会は、韓国時間で7月4日午前10時に始まり、翌5日の午前3時15分から平昌の最後の説明かが行われ、午前6時半からIOC委員の投票が始まり、結果は午前8時ごろに発表される予定です。

・次世代のエネルギーとして期待されているガスハイドレートが韓国で初めて採取されました。産業資源部は24日、ガスハイドレート開発事業団が19日、鬱?島南方100キロの海底でガスハイドレートを採取したと発表しました。ガスハイドレートは、メタンを中心にして周囲を水分が囲んだ形状になっている物質で、1立方メートルのガスハイドレートは164立方メートルのメタンガスに変わることから、次世代の有効なエネルギーとして注目されています。また、ガスハイドレートは見た目には氷に似ているため、「燃える氷」とも言われています。今回採取されたガスハイドレートは、メタンガスの成分が99%以上の最上の品質で、商業性が高いということです。韓国政府は2005年にガスハイドレート開発事業団を発足させ、開発事業を進めてきました。来年からは韓国石油公社や韓国ガス公社、民間企業なども含む共同事業体を構成し、開発にさらに拍車をかけていく方針です。

・韓国戦争の開始から57年目の25日、各地で記念行事が繰り広げられ、ソウルでは中央記念式が行われました。韓国戦争は1950年6月25日にぼっ発しました。ソウルの奨忠体育館で行われた記念式には韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理をはじめ、政府関係者や参戦した兵士など5000人あまりが出席しました。韓悳洙国務総理はあいさつで、「韓国戦争は多くの教訓を残した。自らを守る力がなければ平和を守ることもできない」と述べ、強力な防衛力が必要との考えを強調しました。一方、韓国戦争中の1951年、韓国政府は、民間人2万人あまりが北韓に拉致された事実を把握し、戦争捕虜を交換する際に民間人も帰還できるような措置をとることをアメリカ側に強く求めていたことが分かりました。これは韓国戦争拉致者家族協議会が明らかにしたもので、アメリカ軍の極東軍司令官を務めたリッジウェイ将軍は1951年12月12日に本国の合同参謀本部に書簡を送り、その中で李承晩大統領が北韓に拉致された民間人、中でも5000人あまりの指導層や知識層の帰還について、戦争捕虜の交換と同じ扱いをするよう強く求めていたということです。しかし、リッジウェイ将軍は、民間人の帰還を戦争捕虜と同じ扱いにするのは適切ではないという立場を示したということです。

6月23日土曜日

・北韓を訪問したアメリカのヒル国務次官補は23日、「北韓の核施設の稼動停止が今後3週間以内に完了する」との見通しを示しました。ヒル次官補は23日午前、ソウルから羽田空港に到着し、記者団に対して、北韓の核放棄に向けた初期段階の措置として6カ国協議で合意された、寧辺の核施設の稼働停止について、「北韓との間で、3週間の期限が設けられた」と述べました。

・IAEA=国際原子力機関は、北韓が6か国協議の先の合意にもとづいて、核施設の稼働停止などの措置を取ることを監視し、検証する手順を話し合うため、実務代表団を今月26日に北韓に派遣することを明らかにしました。IAEAのエルバラダイ事務局長は22日夜、ウィーンのIAEA本部で開かれた記者会見で、6か国協議で合意した北韓による核施設の稼働停止など、初期段階の措置を監視し検証する手順を協議するため、査察部門を統括するハイノネン事務次長を団長とする実務代表団4人が、来週24日にウィーンを出発して26日に北韓を訪問することを明らかにしました。エルバラダイ事務局長は「北韓との間で作業を開始できることを期待する。プロセスは正しい方向に動いていると思う」と述べて、初期段階の措置が円滑に履行されることに期待を示しました。北韓は今月16日に、IAEAに対して代表団の訪問を招請していました。

・北韓の外務省は23日、北韓を訪問したアメリカのヒル国務次官補との協議で、8月初めにマニラで開かれるASEAN=東南アジア諸国連合地域フォーラムの閣僚会議の期間中に6カ国協議の関係国の外相会合を開く意向で合意したと発表しました。これは北韓外務省のスポークスマンが朝鮮中央通信とのインタビューで明らかにしたものです。それによりますと、北韓外務省は、アメリカのヒル国務次官補との協議について、「包括的で生産的だった」と高く評価したうえ、「北韓とアメリカは、来月初めに6カ国協議の首席代表協議を開くために協力するほか、8月初めにフィリピンのマニラで開かれるASEAN=東南アジア諸国連合地域フォーラムの閣僚会議の期間中に6カ国の外相会合を開く意向で合意した」と述べました。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の追加交渉は22日、両国の意見の違いを確認しただけで終わり、FTAの協定文に調印する期限が今月30日に迫っているなか、今後、両国の駆け引きが続くものとみられます。韓米FTAの協定の追加交渉は21日と22日の2日間、ソウルで開かれ、協議の後、アメリカのカトラー代表は記者会見し、「韓米FTAの協定文がアメリカ議会の批准を得るためには、アメリカが提案した修正案を韓国が協定に反映させる必要がある」としたうえで、「2日間に渡ってアメリカの追加の要求内容を十分説明した。両国がそれぞれ検討を進めた後、来週再び交渉を開くことを希望する」と述べました。一方、韓国のキム・ジョンフン代表は、「アメリカ側が提案してきた内容が、韓国にどのような影響を与えるか、また交渉のバランスにどんな影響が出るかを総合的に判断してから、どのような決定を出すかが決まる。」と述べました。

・北韓を脱出して韓国に亡命した脱北者が北韓に残してきた配偶者と離婚して、韓国で再婚することを認める判決が初めて出されました。ソウル家庭裁判所のイ・ホンヨン判事は22日、脱北者13人から出されていた北韓の配偶者との離婚請求を受け入れました。脱北者と北韓に住んでいる配偶者との離婚は、これまで認められていませんでしたが、今年1月に「北韓離脱住民の保護および定着支援に関する法律」が改正され、脱北者が北韓の配偶者に対して離婚を請求すれば、裁判所は北韓にいる配偶者の所在地がわからない場合、関連の書類を裁判所の掲示板や新聞に掲示し、2カ月後に相手に渡されたとみなすことになりました。裁判所は判決文で、「法律が改正された趣旨や原告が北韓から逃れた経緯、また住民が南北を自由に行き来できない今の状態が近い将来に解決される可能性が少ない点などを考えると、婚姻関係の継続は難しいといえる」と説明しました。今回の判決を受け、今年4月末現在で、家庭裁判所に申請された脱北者離婚訴訟429件の処理が加速化するほか、似たような離婚訴訟が相次ぐものとみられます。

・息子のけんか相手のナイトクラブの従業員らにボディーガードも動員して暴力を振るったとして起訴された韓火グループ会長の金升淵(キム・スンヨン)被告に対する求刑公判が、22日行われ、検察は懲役2年を求刑しました。ソウル中央地方裁判所で行われた公判で、検察は、「被告の金升淵会長は、大企業の会長という地位と財力を利用し、私的に報復を加えて、法治主義の根本を無視した。被害者が誰の助けも受けられないまま暴行を受けた苦痛を考慮すると、重刑に相当する。ただし犯行の動機は息子が負傷した事件であり、被害者と示談が成立している点などは酌量した」として懲役2年を求刑しました。金升淵被告は、息子とけんかになったナイトクラブの従業員らにボディーガードも動員して暴力を振るったことが明らかになり、暴力行為など処罰に関する法律違反や業務妨害の罪で先月11日に起訴され、現在、保釈されています。判決公判は、来月2日に開かれます。

・韓国と日本の歴史学者らで作る「韓日歴史共同研究委員会」の2期目の委員会が23日、東京で初会合を開きました。2期目の委員会は、先の韓日外相会談の合意を受けて開かれたもので、23日の会合で両国の歴史学者らは、全体会議のあと、古代史、中世史、近代・現代史、それに教科書の4つの部門にわけて、今後の共同研究のテーマや進め方などについて話し合いました。韓日歴史共同研究委員会は、今後2年程度をめどに報告書の作成を目指します。

・ソウル市内の主な特級ホテルなど22の観光ホテルが宿泊料金を値下げすることを決め、外国人観光客の場合、最高30%の割引になる見通しです。韓国のホテル料金は、中国や日本に比べて高いと指摘されていることを受けて、韓国観光ホテル業協会は、対策を協議した結果、22日、ソウル市内の主な観光ホテル22カ所が自主的に今月30日から宿泊料の公示価格を平均20%値下げすることを決めました。宿泊料の値下げを決めたのは、ソウルロッテホテルや新羅ホテル、ソウルプラザホテルなど五つ星の特級ホテルが17カ所、東ソウル観光ホテル、ハミルトンホテルなど四つ星の1級ホテルが4カ所の合わせて22カ所です。一方、政府は7月1日から来年末までの間に、観光ホテルに泊まる外国人観光客に対して、ホテルの宿泊料の10%にあたる付加価値税を免除することを決めているため、外国人観光客の場合、宿泊料金が最高で30%の割引となります。

6月22日金曜日

・北韓の金桂寛外務次官の招待で北韓を訪れた6カ国協議のアメリカ代表のヒル国務次官補は、22日、平壌からソウル入りし、韓国代表の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長と会談した後、記者会見し、「2月の6カ国協議で合意した核施設の稼動停止などを履行するとした北韓の意志を改めて確認した」と、北韓訪問の成果を発表しました。ヒル次官補はこの中で「6カ国協議は北韓の非核化という本来の目的に戻る時期を迎えた。北韓との間で6カ国協議の首席代表会談を早期に行うことで認識をともにした」と述べました。ヒル次官補はまた北韓訪問の目的について「北韓の金桂寛外務次官の招待に応じて、6カ国協議を持続させるために協議を行った。6カ国の外相会談が行われれば、ライス国務長官が北韓の朴義春外相とも会うことになるだろう」と述べましたが、今回の訪問で自らは金正日国防委員長には会っていないとしました。ヒル次官補はさらに「北韓と高濃縮ウランについて協議したか」という記者団の質問に「北韓側とすべての核開発計画について包括的なリストを作成する必要性について話し合ったが、具体的には触れなかった」と述べました。一方、記者会見に同席した千英宇本部長は、「北韓が非核化する過程で必要な見返りの費用を他の5カ国がそれぞれ分担する原則は作られている。北韓が核施設の稼動停止を履行した際に重油5万トンを提供し、すべての核施設の無能力化が実現できた時までに、さらに95万トンを提供することになっている。5カ国が担当する経済・エネルギー・人道支援が遅れて、6カ国協議の合意内容の実現を妨げてはならない」と強調しました。

・大統領選挙のハンナラ党の有力な候補である李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長の公約の大運河建設計画をめぐって、マスコミに発表された政府の報告書が一部書き換えられていたのではないかという疑惑について、警察が捜査に乗り出すことになりました。これは、中央選挙管理委員会が21日に警察に選挙法違反の疑いで捜査を依頼したもので、これによって「大運河建設計画の報告書」と関連した警察の捜査は李庸燮(イ・ヨンソプ)建設交通部長官が依頼して京畿警察庁が捜査にあたっている報告書の流出に関する捜査と、中央選挙管理委員会が依頼しソウル警察庁が捜査に当たる、選挙法違反の捜査の二本立てで進められることになりました。 しかし選挙法違反の捜査は、まずこの報告書の作成と流出の経緯を把握する必要があるため、京畿警察庁の捜査の進展を待たなければならないということです。

・盧武鉉大統領は22日、済州島で開かれた第4回済州平和フォーラムの開会式に出席し「韓半島の平和定着のために何よりも韓半島の非核化を速やかに実現し、半世紀にわたる停戦体制を平和体制に転換すべきであり、アメリカと北韓、日本と北韓の国交正常化を促進させるべきだ」と述べました。 また「北東アジアにEU=ヨーロッパ連合のような地域統合体が実現すれば、それこそ新たな歴史が始まり、世界の平和と繁栄にも貢献するだろう。その第一歩は韓半島の平和を進展させることだ」と強調しました。

・盧武鉉大統領が大統領選挙のハンナラ党の有力候補を批判するなどした自らの発言が公務員の中立義務を定めた公職選挙法に違反するとした中央選挙管理委員会の決定は不当だとして、現職の大統領としては初めて、21日、憲法裁判所に訴えを起こしたのに対して、各党は批判するなどの論評を出しました。このうち、ハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは、論評で「盧武鉉大統領の提訴は時間稼ぎ、関心稼ぎ、支持率稼ぎの三大稼ぎ作戦に過ぎない」と厳しく批判し、「大統領は政治家ではなく国民全体に対する奉仕者として中立を守るべきだ」としました。また与党系の中道改革統合新党も「盧武鉉大統領の違憲提訴は時期的に非常に不適切で、消耗的な論争だ」と批判しました。民主党も「韓国の憲政史に現職の大統領が憲法機関の決定に不服を唱えたという、最初の事例を残すことになった」としています。一方、ウリ党は大統領の違憲提訴は不適切だとしながらも、これを契機に次の大統領が政治的な発言をした場合に備えて、法律的な問題点が整理されることを望むとしています。これについて中央選挙管理委員会は公式な発表はしていません。

・年末の大統領選挙まで、22日であと180日となり、候補者や有権者に対する選挙法による様々な規制が始まりました。まず今後は、選挙運動ではなくても、選挙に影響を与えると判断される特定の政党や特定の候補者を支持したり、反対したりする行為が禁止されます。そして候補者は公式の選挙運動が始まるまでは、広告を掲示したり、録音・録画のテープを配ったりすることが禁止されます。特に注目されるのは、インターネット上のサイトや、自分のホームページに特定候補を支持する、または反対するという内容の文章を書き込むことが処罰の対象になります。また、携帯電話の文字メッセージも特定の政党や特定の候補者に関する文書は選挙法上で禁止されています。一方、大統領選挙に向けた今後の日程は11月25日と26日に候補者登録が行われ、27日から公式の選挙運動が始まります。そして12月19日に大統領選挙の投票が実施されます。

・韓国と日本の間を行きかう船舶が増えている中、海難事故に備えて韓日合同の捜索・救助訓練が20日、済州島沖で行われました。今回の合同訓練は、韓国側が主管して行われたもので、韓国海軍と日本の海上自衛隊が参加しました。訓練では済州島の東120キロの韓国と日本の中間水域で韓国初の国産駆逐艦である「広開土大王艦(3500トン)」と海上自衛隊の「あさぎり型」護衛艦が海上で火災を起こした船舶に見立てた揚陸艦に接近して消火訓練を行いました。このような合同訓練は1999年から行われていますが、5回目となる今回、初めて両国のヘリコプターが相手国の艦艇に離着陸する救助訓練も行われました。

・世界的な映画スタジオのテーマパークとして知られているアメリカのユニバーサルスタジオ・テーマパークが全羅北道のセマングム干拓地を有力な候補地として注目しています。ユニバーサルスタジオは先月、2012年までに韓国にユニバーサルスタジオのテーマパークを建設すると発表しましたが、その有力な候補地としてセマングム干拓地が挙がっています。ユニバーサルスタジオの韓国支社の幹部は、20日に全羅北道道庁で行政副知事と会い、その後現地を視察しました。ユニバーサル側は、当初はテーマパークを首都圏地域に建設することを検討していましたが、地価が高く、開発制限規制も厳しいことから、新しい候補地を探していました。セマングム干拓地は広大な土地と安い地価に加えて上海や青島など、中国の大都市にも近いことが大きな魅力としてあげられています。

6月21日木曜日

・6カ国協議のアメリカ首席代表を務めるヒル国務次官補が21日午後、初めて平壌を訪れました。ヒル国務次官補は、北韓の金桂寛(キム・ケグァン)外務次官らと会談し、2月の6カ国協議で合意した寧辺の核施設の封鎖を含む「初期段階の措置」の履行や6カ国協議の再開、米朝関係正常化などについて協議する予定です。6カ国協議のアメリカの首席代表が北韓を訪問するのはこれが初めてです。関係筋によりますと、ヒル次官補は、6カ国協議の最終的な目標である、韓半島の非核化を実現し、米朝関係を正常化するまでの過程を最大限短縮するための方策を協議したいとしています。ヒル次官補は22日にソウルを訪れて、北韓訪問の結果を韓国側に説明した後、日本を経て、アメリカに帰国する予定です。

・6か国協議のアメリカ代表、ヒル国務次官補は、北韓が核施設の稼働停止などの措置を取れば、次の6カ国協議は来月初めにも開かれる可能性があるという見方を示しました。これは、ヒル国務次官補が20日、日本の外務省で記者団の質問に答えたものです。この中で、ヒル次官補は、北韓がIAEA=国際原子力機関の実務代表団の訪問を招請するなど、核問題が進展をみせていることを受けて、次の6カ国協議を開催する時期について、「中国が来月初めの開催に向けて複数の案を持っている」と述べて、議長国の中国を中心に調整が進められているという認識を示しました。そのうえで、ヒル次官補は、「私はアメリカの独立記念日にあたる来月4日の直後がいいのではないかと思う」と述べました。一方、韓国の政府当局者は21日、次の6カ国協議に日程について、「関係国の間で、首席代表による会議を、来月初めに北京で開かれる案が検討されている」と述べました。

・北韓が19日に東海に向けて短距離ミサイル1発を発射したとした情報について、実際にはミサイルの発射はなかったことが明らかになりました。政府関係者は21日、「北韓が19日に東海に向けて短距離ミサイル1発を発射したと発表したが、政府の判断に間違いがあった」として、「実際にはミサイルの発射はなかった」と述べました。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の追加交渉が21日、ソウルで始まりました。アメリカは16日、労働や環境の分野をはじめ、医薬品、安全保障、政府調達、港湾の安全、投資の7つの分野で、すでに妥結した内容を一部修正するための再交渉を提案してきました。韓国の金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表とアメリカのカトラー首席代表が出席した初日の交渉で、アメリカ側は韓国側に対して、政府と議会が合意した新しい通商政策をFTAの内容に反映しなければ、議会の批准を得るのが難しいという現状を訴え、修正を求めている内容について具体的に説明したということです。一方、両国間の利益のバランスを損なうことがない範囲内で追加交渉に応じるという立場を取っている韓国は、まずはアメリカ側の説明を聞き、全般的な影響を十分検討した上で、具体的な対応を決めていきたいとしています。今回の追加交渉は22日まで行われことになっていますが、交渉がまとまるまでにはさらに時間がかかるものと予想されます。

・気象庁は21日、「済州島の南側にあった梅雨前線が中部地方まで北上して、全国的に梅雨入りしたとみられる」と発表しました。この梅雨前線の影響で21日は、全国的に曇りや雨のくずついた天気となり、忠清南道以南の地域では、21日夜から22日午前中にかけて、強い風とともに最高80ミリの雨が降る見通しです。気象庁の予報によりますと、7月初めには梅雨前線が一時小康状態を見せるものの梅雨の期間中、集中豪雨の日が多い見込みで、梅雨明けは7月下旬になるということです。

・東京にある韓国文化院の新しい建物の起工式が、21日、新宿区四ツ谷で開かれました。韓国文化院はこれまで港区西麻布にある民団=在日本大韓民国民団の付属建物を借りて運営していました。文化観光部によりますと、新宿区四ツ谷に新しく建てられる韓国文化院の建物は、地上8階地下1階建てで、300席の多目的ホールや図書・映像資料室、語学室などを備え、屋上には韓国式庭園が作られることになっており、完成は2009年夏の予定です。この建物には韓国観光公社や韓国文化コンテンツ振興院も入居して、韓国の文化を日本に総合的に紹介する中心的な役割を果たすことになるものとみられます。

・政府は、北韓を脱出した脱北者が韓国に定着する際、韓国国民として与えられる住民登録番号から脱北者の身分がわかって不利益を被るケースがあるため、脱北者の住民登録番号を変更しました。韓国に亡命した脱北者は、韓国に定着するための教育施設であるハナ院での教育が終わったあと、住民登録番号を与えられますが、個人の生年月日に続く番号7桁のうち、地域コードを表す前の3桁は、共通してハナ院の所在地の番号になっていました。このため、住民登録番号から脱北者であることがわかって、就職活動や中国に入国する際のビザ発給で、不利益を被るケースが多くなっており、政府は、脱北者の住民登録番号のうち、居住地を表す番号はハナ院を退所した後の居住地の番号にすることを決め、21日から適用をはじめました。

・コンビニや大型スーパーマーケットが増えたのに伴って、小規模なスーパーはこの4年間で、10%も減っていることがわかりました。またネットショッピングなど、電子商取り引きの会社はこの4年間で2倍に急増しました。これは統計庁が21日発表した「2005年を基準としたサービス業の構造変化」の報告書によるものです。それによりますと、コンビニは、2001年に4,100カ所あまりでしたが、2005年には1万カ所あまりと、2倍以上に増え、また、大型チェーンのスーパーマーケットも238カ所から316カ所に30%以上増えました。一方、住宅街に多い小規模のスーパーは、2001年に10万7,000カ所あまりありましたが、2005年にはおよそ9万6000カ所と、10%あまり減っています。またネットショッピングの普及で、電子商取り引きの会社は4年間で2倍以上増え、売り上げも90%以上増えました。

6月20日水曜日

・野党で第1党のハンナラ党で、大統領候補を決める党内選挙に立候補した有力候補の李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長が掲げる主な公約である、ソウルから釜山までをつなぐ「韓半島大運河」の建設が妥当かどうかについて、政府が報告書をまとめたと報じられていましたが、この報告書は偽造されたものだではないかという疑惑が持ち上がっています。大運河の建設は妥当ではないという内容の報告書はマスコミが匿名者から情報を入手したとして報じられ、このため世論調査での支持率が伸び悩んでいた李明博前ソウル市長側は、かねてから大運河の妥当性に疑いを持ち、批判してきた大統領府・青瓦台の主導で偽造されたものだと主張しました。これに対して青瓦台は、李明博前ソウル市長側の主張は事実ではないと否定するとともに、政府の大運河建設に関する資料を国会に提出するよう建設交通部に指示しました。これを受けて、建設交通部は、1998年にまとめた大運河の妥当性の調査結果を今年、3つの関係機関とともに改めて検討したものだとして9ページの報告書を19日、国会に提出するとともに、李庸燮建設交通部長官はその前日にマスコミによって明らかになった37ページの報告書と建設交通部が提出した9ページの報告書とは内容が違うと述べていました。ところがこの9ページの報告書は、先にマスコミで公開された37ページの報告書の内容と似ているため、李明博前ソウル市長側は、李庸燮建設交通部長官がうそをついたか、37ページの報告書をもとに急きょ9ページの報告書がまとめられた可能性が高いと改めて主張しています。これに対して、李庸燮建設交通部長官は20日、記者会見を行い、「国会に提出した大運河に関する9ページの報告書は偽造されたものではない」とした上で、「先にマスコミが公開した37ページの報告書について、誰が作成し、どういう経緯で流出したかなど、警察に捜査を依頼した」と述べ、マスコミが公開した37ページの報告書の方が偽造されたものだという認識を示しました。

・宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官とアメリカのライス国務長官は19日、電話で会談し、6カ国協議が再開される前に各国の間で個別の協議を頻繁に行っていくことで一致しました。これは、外交通商部が伝えたもので、それによりますと、宋旻淳外交通商部長官とライス国務長官は、マカオの銀行にあった北韓関連資金の送金問題が解決し、先の6カ国協議の合意を履行する環境がつくられたことを評価したうえで、6カ国協議の参加国による個別の協議を強化することで一致したということです。一方、日本を訪問していた6カ国協議のアメリカ代表、ヒル国務次官補は、6カ国協議が来月初めに再開されるだろうという期待感を示しました。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の議長を務める中国の武大偉外務次官は、8月初めに6か国による外相会合を開くことが可能だろうという考えを示しました。ロシアのインタファクス通信が報じたもので、それによりますと、武大偉外務次官は、8月初めにマニラで予定されているARF=ASEAN地域フォーラムにあわせて、マニラで6か国協議の参加国による外相会合を開く構想を19日明らかにし、「北韓も反対していない」と話したということです。インタファクス通信はまた、匿名の北韓の官僚の言葉を引用して、北韓が7月下旬に核施設を閉鎖すると伝えました。これに関連して、韓国政府の高官は、北韓の核施設の閉鎖が完了した直後の来月下旬に6カ国協議が再開される可能性が高いとしたうえで、6カ国協議の参加国が、先の6カ国協議の合意に関連した各国の措置を評価し、今後の計画を議論する非公式の協議を、来月初めに北京で行うことで一致したと述べました。

・北韓が19日午後3時ごろ、東海に向けて射程距離が100キロメートルぐらいの短距離ミサイル1発を発射したことが確認されました。これについて情報当局の消息筋は、通常の訓練の一環とみられるという見方を示しました。この消息筋はまた、ミサイルの種類は不明としながらも、「先月25日に発射されたものと似通っており、発射場所も同じと推定される」と話しています。

・北韓を脱出した男性2人が、19日、イギリス議会で北韓の人権問題について証言しました。この2人は、アン・ミョンチョルさん(38)とシン・ドンヒョクさん(24)で、イギリスで北韓に関心を持っている議会グループの主催で開かれた議会の会議で、北韓の政治犯収容所の悲惨な実状と北韓を脱出して韓国入りしたいきさつについて証言しました。この中でアン・ミンチョルさんは、「北韓の政治犯の数は正確には分からないが、5ヶ所の収容所におよそ20万人がいるものと推定され、北韓の政権に忠実でないと、本人だけでなく3代にわたって収容所に送られる」と述べました。アン・ミンチョルさんは、北韓の政治犯収容所の元警備員で、党の幹部だった父親が酒に酔って反体制の発言をしたことから祖父母と兄弟が収容所で処刑され、1995年に中国に脱出して韓国入りしました。また、シン・ドンヒョクさんは政治犯収容所で生まれ育ち、収容所を脱出しようとした両親が処刑され、中国を経て韓国にきました。2人のイギリス議会での証言は、イギリスのNGO(非政府組織)・国際基督教連帯が、北韓の政治犯収容所での殺人や強制労働、拷問など人権にかかわる犯罪を告発する報告書を発刊したのに合わせて企画したものです。この報告書で国際基督教連帯は、北韓の政治犯収容所は、38万人から、多ければ100万人が死亡したものと推定しています。

・日本政府は、韓国駐在の大島正太郎大使が退任し、後任に重家俊範(しげいえ・としのり)・沖縄担当大使をあてる人事を内定しました。20日、毎日新聞が報じたもので、日本政府はすでに重家氏の駐在同意(アグレマン)を韓国政府に申請しており、8月中にソウルへ着任させる方針だということです。韓国駐在大使に内定した重家氏は1969年に外務省に入省し、アメリカ駐在の公使や南アフリカ共和国大使などを歴任しました。おととしの8月に着任した大島大使は、韓国人観光客に対する査証(ビザ)免除の措置を去年3月から無期限に延長し、最高90日間のノービザ滞在を事実上恒久化するなど韓日関係の発展に力を尽くしました。

・アメリカの連邦議会の下院外交委員会は、日本の植民地時代の慰安婦問題で日本政府に対して歴史的な責任を認めるとともに、公式の謝罪を求める決議案を今月26日に採決する予定ですが、この決議案を発議した日系アメリカ人のマイケル・ホンダ議員は、「来月中旬に下院の全体会議で表決にかけられる見通しだ」と述べて、外交委員会だけでなく、下院の全体会議での採決に自信を示しました。この決議案は今年1月に民主党のマイケル・ホンダ議員が提出したもので、これまで決議案を支持すると表明した議員は民主・共和両党合わせて140人に上っており、外交委員会のラントス委員長も支持する方針を示していることから、可決される可能性が高いとみられています。これに対し、日本の安倍首相は今年4月末にアメリカを訪問した際、謝罪を表明し、一方で、日本の国会議員らは今月中旬に、アメリカのワシントン・ポストに、「慰安婦の強制性を示す文書はない」という内容の全面広告を出しましたが、この広告でアメリカの例を引き合いに出したことが逆効果になったとされています。ホンダ議員は19日、記者団に対し「外交委員会で可決されれば、来月中旬に下院の全体会議で採決される予定で、ペロシ下院議長も支持を表明している」と述べ、下院全体会議での採決に自信のほどを示しました。

・今年下半期の輸出は鉄鋼や自動車、船舶などは好調が続き、2ケタ台の増加率となることが予想されますが、半導体や石油化学、石油製品は成長が鈍りそうです。産業資源部が20日に開いた輸出産業景気動向点検会議に出席した業界関係者らは、下半期の輸出に対する見通しをこのように示し、特に今年好調だった鉄鋼製品の輸出は、下半期も日本と東南アジアでの需要の増加などもあって、26.7%の高い成長率になると予想しました。このほか船舶の輸出が19.3%、一般機械の輸出が22.7%伸びるものと予想されています。しかし、去年24.6%と高い伸びを見せた半導体の輸出は、DRAMの価格が下がっていることから、今年の輸出は11,4%の伸びにとどまるとみられています。 業界関係者らは、今年上半期の輸出と輸入は去年の同じ期間よりそれぞれ14%伸びると予測する一方で、ウォン高が続いていることが輸出の最大の悪材料だとして、為替の安定に力を尽くしてほしいと政府に要請しました。

6月19日火曜日

・政府は2月の6カ国協議の合意内容の迅速な履行に向けて、北韓が核施設を閉鎖する時点で、重油5万トンを提供する方針を決めたもようです。また北韓へのコメ40万トンの支援も、来週行われるIAEA=国際原子力機関の実務代表団と北韓との協議を見極めたうえで、支援するかどうか決めることにしたもようです。これについては、18日、韓国入りした6カ国協議のアメリカ代表を務めるヒル国務次官補と韓国代表の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長との会談でも、北韓の合意内容の履行にあわせて、経済・エネルギーの支援を行うことで意見をともにしたと伝えられています。ヒル次官補は18日、千英宇韓半島平和交渉本部長との会談の後、「北韓の核施設の無能力化は年内に可能だと思うか」という記者団の質問に対し「技術的に年内に可能だと思う」と答えました。また千英宇本部長は「北韓の核施設の閉鎖にかかる時間は、北韓の政治的な意志にかかっている」と述べました。これについて、韓国政府の関係者は「北韓は核施設の閉鎖時期を遅らせると、その分、重油の支援も遅くなる」と述べ、北韓の核施設の閉鎖時期にあわせて、重油5万トンを提供する方針を決めたことを示唆しました。IAEA=国際原子力機関は、18日、北韓が実務代表団の訪問を招請したことを受けて、来週、代表団を北韓に派遣すると発表しました。

・アメリカのライス国務長官は、18日、北韓がIAEA=国際原子力機関の実務代表団の訪問を招請したことを歓迎するとともに、北韓が2月の6カ国協議の合意内容を実行することを期待すると述べました。ライス国務長官はこの日、ワシントンで、北韓がIAEAの実務代表団を招請したことについて、「まさに実現すべき望ましい措置だ」としたうえで「我々は北韓が2月の6カ国協議に盛り込まれた彼らの義務である合意内容を果たすことを期待する」と強調しました。

・中央選挙管理委員会は18日、全体会議を開き、年末の大統領選挙をめぐる盧武鉉大統領の一連の発言について再び選挙法の選挙中立義務に違反するという判断を示し、盧大統領に法律を守るよう促しました。中央選挙管理委員会は、6時間にわたる全体会議の後、「盧武鉉大統領が今月8日に行った大学での講演と10日の発言、それに13日のハンギョレ新聞とのインタビューで、特定の政党と大統領選挙の予備候補者を批判する一方で、別の政党に対する支持を表明し、与党系勢力の大統領選挙に対する戦略について発言したのは、公職選挙法第9条の公務員の選挙中立義務に違反したと判断される」と発表しました。中央選挙管理委員会はしかし、盧大統領の一連の発言が選挙の事前運動にあたるかどうかについては今後の状況を見極めていくとし、大統領に対して法律の順守を促しました。これは盧武鉉大統領の以前の発言に対して、中央選挙管理委員会が7日に出した「選挙法に違反しているものの、選挙の事前運動には当たらない」とした判断より、一段と厳しい判断になったと受け止められます。これで盧武鉉大統領は在任中に、中央選挙管理委員会から選挙法違反の判断を4度も示されたことになり、盧大統領の任期末の国政運営と大統領選挙に向けた構想などに、かなりの影響を及ぼすことになるものとみられています。

・ハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは論評で「中央選挙管理委員会は大統領の機嫌を伺って自ら独立した憲法機関であることをあきらめた。常習犯や再犯には加重処罰するのが法律の常識であるのに、今回の判断には納得できない」として、今後、盧武鉉大統領の発言が選挙の事前運動に当たるかどうかについて、検察に告発することを検討するとしています。

・大統領府、青瓦台は、今回の中央選挙管理委員会の判断に対して「今後は発言する前に、中央選挙管理委員会にいちいち聞いてみる」とし、不快感を示しました。青瓦台のチョン・ホソン スポークスマンは、「今回の決定は中央選挙管理委員会の権限を拡大・強化したもので、盧武鉉大統領は中央選挙管理委員会の決定を尊重しようとしている」としたうえで、「しかし問題は大統領の発言がどこまで認められて、どこからが問題なのか判断がつかないことだ。大統領の政治的な権利を完全にあきらめるわけにはいかないので、今後は中央選挙管理委員会と衝突しないように、発言する前に中央選挙管理委員会に質問して、答弁してもらうことにする。中央選挙管理委員会は答弁を回避しないと思う」と述べました。

・ウリ党の李海チャン(イ・ヘチャン)元国務総理は19日、年末の大統領選挙に出馬すると宣言しました。李海チャン元国務総理はこの日、国会で記者会見し「私は哲学、信念、国政運営能力と推進力、道徳性ともに検証された人間で、検証された大統領になって盧武鉉政権が成長させた大韓民国をさらに世界の一流国家に発展させたい」と、年末の大統領選挙への抱負を述べました。盧武鉉大統領の最側近として知られている李海チャン元国務総理は、最近の世論調査で、孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前京畿道知事、鄭東泳(チョン・ドンヨン)元ウリ党議長とともに、与党系の有力候補として浮上しています。

・政府はアメリカが提案してきたFTA=自由貿易協定の追加交渉に応じる方針を決めました。政府は19日、政府総合庁舎で行った会議で、アメリカが提案してきたFTAの追加交渉の内容を検討した結果、労働と環境分野を除いた医薬品、政府調達、投資など5つの分野については、これまでの協定文の内容をさらに明確にするものだと判断し、追加交渉の提案を受け入れることになりました。政府はしかしアメリカ側の提案内容と意図をさらに綿密に検討するため、十分な時間をかけて対応する方針で、今週21日に韓国を訪れるアメリカの代表団から詳しい説明を聞いたうえで、追加交渉を進めていくとしています。これに先立ってパリを訪問している韓悳洙国務総理は18日、韓国は今月30日までに韓米FTAに署名する予定だが、その後も合意内容の一部について再交渉することもありうると述べました。

・韓国と日本は18日、ソウルでEEZ=排他的経済水域の境界線確定に向けた8回目の協議を行いましたが、独島(日本でいう竹島)周辺を含む海域での放射能調査の方式をめぐって、平行線をたどりました。協議の中で、韓国側は去年と同じ方式である両国による共同調査を提案したのに対し、日本側は調査計画を相手国に事前に通報する方式を取るよう主張しました。去年の場合、日本が独島を含む韓国側の排他的経済水域内で旧ソビエトが捨てた放射性廃棄物について調査するとして、両国が対立しましたが、その後、両国は共同調査の方式で合意し、去年10月に、IAEA=国際原子力機関の関係者の立会いのもとで、共同調査を実施しました。今回の協議ではまた排他的経済水域の境界線について、韓国側は独島と日本の隠岐諸島の中間線を、日本は独島とウルルン島の中間線というこれまでの主張を出し合って、平行線をたどり、次の協議を早期に日本で開くことだけを決めて終了しました。

・韓国で生産されたコメが初めてアメリカに輸出され、販売が始まりました。アメリカに輸出されたコメは、全羅北道郡山(グンサン)で生産され「渡り鳥渡来地のコメ」と名づけられた無農薬のコメで、1回分として2トンが13日に通関手続きを終えて、15日からロサンゼルスの韓国人マーケットを中心に販売が始まりました。2回分の50トンは今月末にロサンゼルスやシカゴなどで販売される予定で、価格は10キロで35ドル前後と、カリフォルニアで生産される似たような品種のコメに比べて2−3倍高くなっています。輸入会社の関係者は「値段ではアメリカ産のコメに勝てないが、アメリカ産より深みのある味に自信がある。韓国産のコメを求める韓国人や和食の高級レストランなどを中心に需要が伸びると思う」と話しています。

6月18日月曜日

・北韓は16日、マカオの銀行『バンコ・デルタ・アジア』で凍結されていた資金の返還が最終段階に入ったとして、6カ国協議で合意した初期段階の措置を履行するためにIAEA=国際原子力機関の実務代表団を招請したと朝鮮中央通信が報じました。一方、国際原子力機関の報道官も17日、北韓が実務代表団を招請するという書簡をエルバラダイ事務局長あてに送ってきたことを確認しました。韓国政府の関係者によりますと、国際原子力機関の実務代表団は早ければ20日にも平壌入りして、北韓当局と初期段階の措置に含まれる寧辺の核施設の稼働停止と封印に向けた手順などについて協議するということで、実際に核施設が封印されるまでには2〜3週間がかかる見通しだとしています。韓国政府は北韓が国際原子力機関の実務代表団を招請したことを受けて、初期段階の措置の見返りとして提供することになっている重油5万トンを北韓に送るための準備を始めました。関係各国は、初期段階の措置について協議するため、7月初めにも6カ国協議を再開する方向で調整を進めているということです。

・韓国株式市場の総合株価指数(KOSPI)は18日、個人と機関投資家の買い注文が多く、史上初めて1800ポイントの大台に乗せました。週明けの18日の総合株価指数は、1807.06で取り引きを終え、先週金曜日に比べて34.8ポイントも上昇し、初めて1800ポイントの大台に乗せました。これは、先週末発表されたアメリカの消費者物価指数が予想を下回って、金利引き上げの憂慮がなくなったことからニューヨーク株式市場だけでなく、東京や上海などアジアの株式市場でも好材料となりました。また先週末、資本市場統合法案が国会の金融小委員会から財政経済委員会に送られたことから、本会議で成立すれば、大きな収益が見込まれる証券・金融関連の銘柄が10%前後も上昇して、株価の上昇をリードしました。外国人投資家は売りに回りましたが、個人投資家と機関投資家の買い注文が多く、総合株価指数は先月末に1700ポイントを超えてから、わずか11営業日でさらに100ポイントも引き上げました。

・アメリカが、韓国とアメリカのFTA=韓米自由貿易協定の内容を一部修正するための追加交渉を提案してきました。韓国の外交通商部が17日発表したところによりますと、アメリカの通商代表部は16日、韓米FTAの内容を一部変更、削除した修正案を韓国側に提示したということです。アメリカは、先に政府と議会が新しい通商政策に合意したことを受けて、労働や環境など7つの分野に関して追加交渉を求めてきたもので、韓国は、アメリカが提示した修正案を検討し、すでに妥結した内容のバランスを崩さないと判断されれば追加交渉に応じる方針です。

・ウリ党の韓明淑(ハン・ミョンスク)前国務総理が18日、次の大統領選挙に出馬すると表明しました。韓明淑前国務総理はこの日、ソウルのヨイドにある選挙事務所で出馬宣言式を行い、「今こそ力を合わせて前進すべきときだ。母親の心で庶民を抱擁し、温かい国、幸せな韓国を作っていきたい」と語りました。また、「教育の革新と科学技術の発展にすべてをかける」と語り、教育や科学技術の分野に関心を持って取り組んでいく姿勢を示しました。韓明淑前国務総理は、2001年に女性部長官、2003年に環境部長官を務め、2004年に国会入りして、2006年から今年3月まで国務総理を務めました。

・ウリ党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)元議長が18日、国会で記者会見し、ウリ党から離党すると宣言しました。鄭東泳元議長は、「2007年の時代精神は大統合」と題した談話を発表し、「与党系勢力の大統合に向けて呼び水になりたい」とした上で、「今はそれぞれの勢力が部分的な統合を目指して動いているが、いずれ大統合を成し遂げるだろう」と語りました。また、「ウリ党は平和と民主主義、人権保護、政治改革などを目標に結成されたが、こうした目標が思ったように実現できなかった」としてウリ党の失政を認め、「与党系勢力の大統合を実現することで責任を全うしたい」と語りました。先週、金槿泰(キム・グンテ)前ウリ党議長が離党したのに続いて、ウリ党結成の立役者で最大の派閥を率いる鄭元議長が離党したことから、ウリ党から離党した勢力が中心になって進めている与党系勢力を統合する動きが活発になることが予想されます。

・ハンナラ党の次期大統領候補として有力視されている李明博前ソウル市長の陣営は18日、大統領府青瓦台のスポークスマンを名誉毀損でソウル中央地方検察庁に告訴しました。李明博前市長の陣営は、スポークスマンを務めている朴亨凵iパク・ヒョンジュン)議員と陳寿姫(チン・スヒ)議員が共同で提出した訴状で、「青瓦台が意図的に李明博前ソウル市長の各種の疑惑を外部に流し、政治工作をしているにもかかわらず、政治工作の中止を求めた朴亨刹c員と陳寿姫議員を名誉毀損で告訴したのは、それ自体が名誉毀損だ」としています。李明博前市長の陣営はまた、青瓦台を告訴したのは単純な政治攻勢ではなく、大統領の不法な選挙介入を国民の名前で警告する意味があるとしています。大統領府青瓦台は15日、李明博前市長陣営の朴亨刹c員と陳寿姫議員が「青瓦台は国家機関を総動員して政権レベルの政治工作をしている」と主張したのに対し、両議員を名誉毀損でソウル中央地検に告訴していました。

・平壌で開かれていた民族統一大祝典が17日、閉幕しましたが、記念式典で北韓がハンナラ党の議員は貴賓席に入るのを拒んだため、南北の葛藤が表面化し、これといった成果はありませんでした。民族統一大祝典は2000年6月の南北共同宣言から7年になるのを記念して南北の民間団体が中心になって開かれました。大祝典は14日の開会式と前夜祭は予定通り行われましたが、15日に予定されていた記念式典は、北韓側が韓国のハンナラ党の議員が貴賓席に座るのを拒んだため中断しました。北韓側はハンナラ党の議員が貴賓席に入るのを拒んだ理由について説明しませんでしたが、ハンナラ党が北韓に対して厳しい姿勢をとっているためとみられています。結局、南北の関係者が調整した結果、宗教団体や社会団体、政党関係者は貴賓席に入らずに、17日に改めて式典が行われました。しかし、ハンナラ党の議員らは特定の政党を排除したことに反発して出席しませんでした。

・韓国と日本は、エネルギー資源を安定的に確保するために、石油を共同で備蓄する事業を進めていくことを検討することにしました。韓国石油公社と日本石油天然ガス・金属鉱物資源機構は18日、東京都内のホテルで、石油需給安定のための戦略的協力協定を締結しました。この協定にもとづいて、双方は今後、石油の長期備蓄に必要な技術的な分析や共同研究を進めていくことになります。また、石油の需給が不安定になるなどの危機に際しては、相手国が保有している石油を使用できるようにするなどの対応策も検討していくことにしました。

・韓国は7カ月ぶりに鳥インフルエンザの清浄国の地位を回復しました。農林部は18日、家畜防疫協議会と関係機関との会議で、去年11月から今年3月にかけて発生した鳥インフルエンザの撲滅対策が成功したと評価し、韓国が鳥インフルエンザの清浄化が確認されたと発表しました。国際獣疫事務局は、鳥インフルエンザが発生した後、処分などの防疫措置を取り、3カ月以上再発しなければ、清浄国の地位を回復できると規定しています。

6月16日土曜日

・2000年6月の南北首脳会談を記念して15日、北韓の平壌で開かれることになっていた南北共同の記念式典は、北韓に強硬な姿勢をとっているハンナラ党の議員が貴賓席に入るのを北韓が拒否したことから、すべて中止され、韓国の取材陣による韓国への記事や映像の配信もできませんでした。平壌では7年前の2000年に初めて南北首脳会談が開かれたことを記念して、韓国から民間の代表団280人など合わせて730人が参加して南北共同行事が14日から始まり、ちょうど7年前に南北共同宣言が発表された15日には人民文化宮殿で記念式典が開かれる予定でした。しかし北韓は式典の開始直前になって、ハンナラ党のパク・ゲドン議員を壇上の貴賓席に迎えることを拒否しました。これに対して韓国側は、議員の貴賓席入りは事前の実務協議で合意しており、特定の政党を排除する記念式典には出席できないとして、事態打開に向けて協議しましたが、合意できず、結局、15日のすべての行事は中止されました。北韓はまた韓国の共同取材陣が使用する取材車両の提供を中止した上、取材陣が記事や映像を韓国に送ることが7時間にわたってできませんでした。さらに北韓は、14日の晩さん会で韓国側の代表が「2回目の南北首脳会談の開催を希望する」と述べた映像を送信をしないよう求め、この映像の送信を妨害しました。南北は、先月、南北を結ぶ鉄道の試運転を行うなど融和ムードに包まれていましたが、その後、韓国政府が北韓の核問題の解決が遅れている北韓へのコメ支援を留保すると発表したことから、先の南北閣僚級会談が成果なく終了するなどぎくしゃくした関係が続いています。

・平壌で開かれることになっていた南北首脳会談の記念式典にハンナラ党の議員の出席が北韓当局によって拒否され、式典そのものが中止になったことについて、ハンナラ党は16日「今年の大統領選挙でハンナラ党が政権を執るのを阻止しようとする北韓の意図を表したものだ」と強く批判しました。ハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは論評で「北韓はこれまで、韓国で行われる年末の大統領選挙で、自分たちの願う政権を作らせると公言しており、今回はそれを行動で示した。北韓が口先で叫んだ民族協調は真心が欠けた政治的扇動であったことを自ら告発したようなものだ。平壌に招待しておいて、圧力を加えるのは礼儀知らずだ」と厳しく批判しました。

・マカオの銀行にあった北韓関連資金は、アメリカの中央銀行からロシアの中央銀行に送金されたものの、再び技術的な問題が生じたため、ロシアの民間銀行にある北韓の口座には送られていないもようです。ロシアの外交消息筋は15日、「マカオの銀行にあった北韓関連資金が完全には送金されておらず、まだ解決しなければならない技術的な問題が一部残っている」と述べたとロシアのイタル・タス通信が報道しました。この消息筋はまた、この技術的な問題が週明けまで続く可能性を示唆したということです。これについてモンゴルに滞在している6カ国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補は「北韓関連資金はロシアに送られたと思う」と述べており、北韓関連資金がロシアの中央銀行から民間銀行に送られる過程で予想できなかった技術的な問題が生じて、関係者が解決方法を模索しているのではないかとみられています。

・6カ国協議のアメリカ側の首席代表をつとめるヒル国務次官補は16日、6カ国協議は来月開かれるという見通しを示しました。

・年末の大統領選挙に向けてハンナラ党の党内選挙に立候補した有力候補、李明博前ソウル市長をめぐって、与党系から持ち上がっている疑惑に、李明博前ソウル市長のスポークスマンが「青瓦台の指示による政治工作だ」と主張したことについて、大統領府、青瓦台は15日、李明博前ソウル市長のスポークスマン2人を名誉毀損の疑いでソウル中央地方検察庁に告訴しました。これに対して李明博前ソウル市長の側近であるハンナラ党の李在五(イ・ジェオ)最高委員は15日、青瓦台の告訴内容はうそだとして、青瓦台を逆に告訴する構えを見せています。またハンナラ党は、これとは別に、盧武鉉大統領が15日に行ったハンギョレン新聞とのインタビューで「ウリ党からの候補を支持する」とした発言は、選挙法違反に当たるとして、中央選挙管理委員会に告発するとともに、検察にも告発するという強気の姿勢を見せています。一方、ウリ党は、ハンナラ党の有力候補である李明博前ソウル市長と朴槿恵前代表の疑惑を握っているなどとして、ハンナラ党に対する攻勢を強めており、年末の大統領選挙をめぐって、ハンナラ党の李明博前ソウル市長と青瓦台との対立や、ハンナラ党とウリ党の対立が、さらに激しくなる見通しです。

・北韓を小型船で脱出して今月2日、日本の青森県深浦町に漂着した家族4人が16日、大韓航空機で韓国入りしました。この4人は、日本で脱北者とその支援団体を支援することを主な内容とする「北韓人権法」が去年6月に制定されてから、日本政府によって第3国に送られた初めてのケースとなりました。日本の警察と入国管理局などのこれまでの調べによりますと、この家族4人は北韓での経済的に厳しい生活から逃れようと、北韓北部の清津(チョンジン)港から小型船で脱出し、北韓の貨物船「マンギョンボン号」が行き来する新潟港を目指したものの、青森県深浦町に漂着し、韓国行きを希望していました。この4人は今後、韓国の関係当局によって、改めて北韓を脱出した理由などについて調査を受けた後、韓国に定着することになっています。

・北韓に拉致された漁船の乗組員が32年ぶりに北韓を脱出し、15日、中国にある韓国公館に保護されていることが確認されました。北韓から脱出に成功したのはイ・ハンソプさん(59)で、1975年8月、東海でイカ釣り漁船「チョンファン号」に乗って操業中に北韓に拉致されました。「チョンファン号」には33人が乗り組んでいて、これまで2人が北韓を脱出して韓国入りしており、イさんが韓国入りすれば3人目となります。政府当局者によりますと、イ・ハンソプさんの健康状態は比較的に良好だということです。

・資本市場統合法案が2年間にわたる激しい論議の末、15日、国会の財政経済委員会の金融小委員会から委員会に送られました。資本市場統合法案は、現在は証券業、資産運用業、先物と投資諮問業などに分けられている金融業務の制限を無くすことが主な内容となっており、例えば、銀行でしかできない現金引き出しや自動振込み、各種税金の決済、クレジットカード業務などが、個人の顧客に限って証券会社でも取り扱うことができるようになります。このため、大手銀行の間では証券会社とのM&A=合併や買収を模索する動きが早くも現れており、資本市場のビックバンが予想されています。資本市場統合法案は、今月の財政経済委員会で審議されたあと、7月の臨時国会の本会議で成立しますと、2009年1月から施行されます。

6月15日金曜日

・マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアにあった北韓関連資金の送金問題が解決に向かっている中、韓国とアメリカは、6カ国協議を再開する時期について、北韓が核施設の稼働停止などを行った後に開催することで一致した模様です。韓国政府の高官は、15日、「北韓が核施設の稼働停止など、先の6カ国協議の合意にもとづいた初期段階の措置が履行したことが確認できれば、そのときに6カ国協議を再開し作業部会を開くのが常識的な手順だ」とした上で、「6カ国協議がいつ開催されるかより、6カ国協議であれ作業部会であれどういう成果を上げられるかが重要で、そのためには事前の準備が必要だ」と述べ、北韓関連資金の送金問題が解決しても、核施設の稼働停止や封印、それに IAEA=国際原子力機関の査察団の受け入れなどが行われない限り、6カ国協議の再開はないと強調しました。一方、韓国政府が、マカオの銀行にある北韓関連資金の送金問題の解決に向け、これまで北韓側と実務レベルでの協議を重ね、初期段階の措置の履行を北韓に促していたことが、政府高官の話で明らかになりました。こうしたなか、6カ国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補は、15日からモンゴルを訪問した後、中国、韓国、日本を訪問し、6カ国協議の再開などについて論議する予定です。

・ウリ党の鄭大哲(チョン・デチョル)顧問や文喜相(ムン・ヒサン)元議長などウリ党で中心的な役割を果たしていた議員を含む17人は、15日記者会見して、ウリ党から離党することを宣言しました。ウリ党からの集団離党は2月に23人、今月8日に16人が離党したのにつづいて3回目となります。この結果、2004年の総選挙で盧武鉉大統領の与党として過半数の152議席を占めていたウリ党は、73議席に減り、3年間で議席を半数以下に減らしたことになり、解体の道を加速するものと見られています。鄭大哲顧問らはこの日の記者会見で、「我々は分裂と排除ではなく大統合を目指すので、この道のりに多くの人が賛同してほしい」と述べ、与党系勢力の統合を改めて訴えました。

・2000年6月に行われた南北首脳会談で、南北共同宣言が出されて7年になるのを記念する民族統一大祝典が、14日、平壌で始まりました。17日まで開かれる今回の祝典には韓国政府の代表団は参加していませんが、民間の代表団284人のほか、北韓の代表団300人や海外からの150人などが参加しています。祝典初日の14日夕方、平壌の人民文化宮殿で開かれた北韓主催の晩さん会で、あいさつに立った韓国側の民間代表、丁世鉉(チョン・セヒョン)民族和解協力全国民協議会・常任代表議長は、「南北は往来、交流、協力だけを行うのではなく、一日も早く韓半島の平和を構築すべきで、そのためには周辺国ではなく、民族が主体となって平和構築に向けた話し合いを始めるべきだ」と強調しました。北韓代表のアン・キョンホ6.15共同宣言実践委員長は、歓迎の言葉で、「南北共同宣言が開いてくれた民族同士の道は、南北統一への一番の近道で、この道が途切れてしまえば、対決と分裂の暗雲が韓半島に垂れ込めるだろう」と述べました。

・2000年6月の南北首脳会談からちょうど7年になる15日、金大中前大統領は、「盧武鉉大統領が在任中に首脳会談を行わなければ、次の政権でも首脳会談は実現できない」と述べ、盧武鉉大統領は在任中に南北首脳会談を開催すべきだという見解を示しました。金大中前大統領は、アメリカの国営ラジオ放送・アメリカの声との会見でこのように述べ、さらに独立記念日の光復節の8月15日以前に南北首脳会談を開く必要があると、重ねて強調した上で、「盧武鉉大統領が北韓の金正日国防委員長と首脳会談を行えば、南北関係の緊張は大きく緩和され、韓国が北韓に経済的、文化的に進出できる機会が作れると思う」と述べました。

・朝鮮王朝の経典である儀軌と、高麗大蔵経板ならびに諸経板が、ユネスコの世界の記憶(Memory of the World)事業による記録遺産に登録されることが決まりました。南アフリカ共和国の首都・プレトリアで11日から5日間の日程で開かれているユネスコの国際査問委員会で、韓国が去年3月に外交通商部を通じて登録を申し込んだこれら2件の遺産が、いずれも世界の記憶(Memory of the World)事業による記録遺産に登録されることが決まりました。このうち、朝鮮王朝の儀軌は、王室の行事を絵などを交えて記録した経典で、ほかの儒教文化圏では見られない記録物として評価されました。高麗大蔵経は、韓国南部の内陸にある海印寺に保管されている八万大蔵経の正式の名称で、仏教聖典が書かれた木版から刷られた経典またはその版木のことをいい、8万枚を超える版木からなるため、一般には八万大蔵経と呼ばれています。韓国では1997年に朝鮮王朝実録とハングルを解説した木版本である訓民正音解例本が、また2001年には朝鮮時代に国家のすべての機密を扱った国王の“秘書室”と言える承政院(スンジョンウォン)で毎日扱った文書と事件を記録した「承政院日記」が登録され、さらに2004年には世界最初の金属活字本と公認されているフランス国立図書館所蔵の『仏祖直指心経要節』も登録されており、これで、合わせて6件の記録遺産が登録されたことになります。

・大統領の直属機関で、過去の親日行為についての真相究明を行う親日反民族行為真相究明委員会は、15日、1919年から1937年までの調査対象者110人を選定しました。このうち、縁故関係が把握できた31人については、直系家族などに調査対象者となったことが通報され、残りの79人は官報を通じて名前が公開されました。対象者を活動分野で分けますと、独立運動を弾圧するなど親日団体に籍を置いていた場合が36人と最も多く、宗教団体の関係者8人、官僚8人、マスコミ関係者7人、経済界6人などの順でした。親日反民族行為真相究明委員会は、調査する時期を1期、2期、3期に分けて対象者を選んでおり、今回発表された1919年から1937年までは2期にあたります。2期の調査対象者は3月に80人、先月36人がすでに決定しており、今回、決まった110人を加えますと、あわせて226人となります。

・ソウル市は都心を東西南北4つに分け、それぞれが特徴を持った区域にする都心開発計画を発表しました。ソウル市が14日発表した、都心の再開発計画によりますと、市内を東西に流れる川、清渓川を軸にして、都心を東西南北4つの区域に分け、それぞれに歴史、観光、緑地、複合文化の特徴を持たせるよう開発を進めていくということです。呉世勳(オ・セフン)ソウル市長は、「いまや都市は世界市場で流通する商品と同じで、都市の競争力が国の競争力につながっている」とした上で、「ソウルの都心を歴史と自然が調和した新しい都市に作り変えて、3年以内にソウルを世界に通じる商品にしたい」と述べました。

6月14日木曜日

・マカオの銀行にある北韓関連資金の送金手続きが、14日に始まりました。マカオの政府当局者は、14日午後、「バンコ・デルタ・アジアに凍結されていた北韓関連資金2500万ドルのうち2000万ドルがアメリカの銀行に移管された」と述べました。この資金はニューヨークの連邦銀行を経由して、ロシアの中央銀行に移されたあと、北韓の関連口座があるロシア極東商業銀行に送金される見通しです。北韓はこれまでマカオの銀行にある北韓関連資金の送金問題が解決されないと、核施設の稼働停止など6カ国協議で合意した初期段階の措置を履行しないとの立場を示していましたが、送金手続きが始まったことで、2カ月以上こう着状態にあった6カ国協議の合意内容が実行されるかどうか注目されています。一方、関係筋によりますと、アメリカと北韓は、送金問題が決着すれば、直ちに中国で、米朝2国間の協議を開き、核施設の稼動停止や米朝関係正常化について話し合うことにしているということです。

・14日の韓国株式市場の総合株価指数(KOSPI)が前日より50ポイント近くも上昇して、1760ポイントを超え、史上最高値を更新しました。14日の総合株価指数は1769.18と、前日に比べて47.19ポイントも上昇して取り引きを終えました。14日の株式市場が急騰したのは、1.5ポイントの上昇で取り引きを終えたニューヨーク市場の影響を受けたうえ、金融部門の規制改革を盛り込んだ資本市場統合法が国会で成立する見通しが出てきたことから、機関投資家と外国人からの買い注文が増えたためと分析されています。

・6か国協議のアメリカ代表を務めるヒル国務次官補は、マカオの銀行にある北韓関連の資金の送金が、韓国時間の15日までには完了するという見通しを示しました。ヒル国務次官補は、13日、ワシントンで開かれた韓米財界会議の晩さん会で講演し、「マカオの銀行にある口座をめぐって、不愉快な業務を続けてきたが、私が15日にモンゴルの首都ウランバートルに到着した段階で『前進があった』という連絡を受けられると思う」と述べて、マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアにある北韓関連資金の送金が韓国時間の15日までには完了するという見通しを示しました。ヒル国務次官補は、韓国時間の14日午前、モンゴルに向けて出発し、週明けには中国や韓国、日本を訪問する予定です。

・政府は14日、食糧難の北韓に対して、トウモロコシや豆など4万3000トンの食糧をWFP=世界食糧計画を通じて人道的に支援すると発表しました。李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官は14日の定例記者会見で、「WFP=世界食糧計画から北韓の食糧難が今年はさらに深刻になっているとして、韓国政府による食糧の支援を改めて要請してきた」として、トウモロコシや豆など4万3000トンの食糧をWFPを通じて支援すると発表しました。また政府は、北韓が去年10月に行った核実験の後に停止していた水害の被害に対するコメ1万500トンの支援も行うことにしています。これについて、李在禎統一部長官は、「こうした支援は北韓が核放棄に向けた措置を履行する問題と関連するコメ40万トンの支援とは別で、あくまでも人道的な支援である」と説明しています。

・カナダ政府がカナダ産牛肉の輸入再開を要請してきたことを受け、韓国政府は検討を進めることになりました。農林部によりますと、カナダは先に開かれた国際獣疫事務局の総会でアメリカと同じBSEの「準安全国」と認められたことから、カナダの検疫専門家らがこのほど韓国を訪問し、輸入再開を求めてきたということです。韓国は、2003年5月にカナダでBSEの発生が確認されたことから、カナダ産の牛肉や牛肉加工食品など関連したすべての食品の輸入を禁止していますが、農林部はカナダの要請を受けて、今後、輸入再開を検討していく方針です。

・ハンナラ党を離党した孫鶴圭(ソン・ハッキュ)前京畿道知事と、与党系勢力の統合に向けて大統領選挙に出馬しないと宣言し、ウリ党を離党した金槿泰(キム・グンテ)前議長が14日会談し、与党系勢力の統合に向けて努力することで合意しました。孫鶴圭前京畿道知事は、大統領選挙の公認候補を選ぶ党内選挙の進め方を不服として今年3月にハンナラ党を離党した後、与党とハンナラ党のいずれとも距離を置いて、独自の勢力作りを進めてきたことから、今後、与党系勢力の統合に合流する可能性が出てきたものと受け止められています。

・韓国海軍の主力戦力の一つである1800トン級の2隻目の潜水艦「鄭地(チョンジ)艦」が13日午後、蔚山(ウルサン)の現代重工業で進水しました。鄭地艦は長さ65.3メートル、幅6.3メートル、水中の最大スピード20ノットで、40人が乗り組み、対艦・対潜水艦の戦闘能力を持っており、1度に2週間も水中作戦が可能な最新のディーゼル潜水艦で、韓国型イージス艦とともに、今後の韓国海軍の主力戦力になる予定です。

・KBSは13日、経営会議を開き、受信料を現在の月2500ウォンから4000ウォンに引き上げる案を決めました。これに先立って、政府は、先月開いた経済対策調整会議で、テレビのアナログ放送が5年後の2012年にデジタル放送に移行するのに伴って必要となる財源を賄うために、地上波の放送局が、現在禁止されている番組の途中にコマーシャルを流すことと、KBSの受信料引き上げを認めることにしていました。KBSは受信料を現在の2500ウォンから4000ウォンに引き上げた場合、受信料の年間収入がおよそ3000億ウォン増えるため、コマーシャルによる収入を減らす一方、デジタル放送に移行する費用に当てるほか、EBS=教育放送に対する支援を拡大し、難視聴地域の受信環境を改善することにしています。KBSの受信料引き上げ案は、KBS理事会や、放送委員会、それに国会の文化観光委員会の承認を得た上で、9月の臨時国会で審議される見通しです。一方、KBS受信料の引き上げについて、KBSが全国の19歳以上の成人男女1200人を対象に世論調査を行った結果、引き上げに賛成する人が57.2%を占めて、半数を超え、反対は42.8%でした。

・北京オリンピック、サッカー男子のアジア地区最終予選の組み合わせが決まり、韓国は、バーレーン、シリア、ウズベキスタンとB組に入りました。最終予選は、出場12チームが3つのグループに分かれて、ことしの8月から11月にかけて2回戦総当たりで対戦し、各グループの1位3チームが北京オリンピックの出場権を獲得します。韓国は8月22日、韓国で、ウズベキスタンと初対戦します。

6月13日水曜日

・マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアにある北韓関連資金の全額が遅くとも今週末、16日までには北韓に送金されるものと見られます。 韓国政府の関係者は13日「バンコ・デルタ・アジアにある北韓関連資金の全額が今週中に送金される可能性が高い。現在は送金のための最後の準備をしており、送金に問題がない」と述べました。またこの関係者は、北韓関連資金2500万ドルの一部が先週、すでに北韓に送金されたとする日本のマスコミ報道について「まだ引き出されたり、送金されたりした資金はない」と否定しています。 マカオの銀行バンコ・デルタ・アジアにある北韓関連資金は、アメリカの中央銀行からロシアの中央銀行に送られ、その後、さらにロシアの民間銀行である極東商業銀行(Far East Commerial Bank)にある北韓の口座に送金されることになっています。 今週中に送金が完了すれば、IAEA=国際原子力機関の査察団の受け入れや寧辺(ヨンビョン)にある核施設の閉鎖など、6カ国協議合意に基づく初期段階の措置の履行や、次の6カ国協議の開催に向けて弾みがつくものとみられます。またアメリカを訪問中の韓国の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長は12日、特派員らとの懇談会で、「今回の動きの背景には、関連当事国の間に、これ以上放置していてはいけないという確固たる政治的な意志がある」とその背景を説明しました。ただ、北韓がどれだけ速やかに行動するかは、全面的に北韓側にかかっている問題だとし、北韓が関連資金の問題が解決した後、核廃棄など措置を取るのに時間がかかる理由はないが、実際にどれだけ速やかに進められるかは断言できないと述べました。

・マカオの銀行にある北韓関連資金の送金問題にようやく解決の兆しが見える中、アメリカ共和党の下院議員の一部が、今回の送金が合法的に行われているかどうかを調査するよう正式に求めました。アメリカ下院外交委員会のロス・レティネン議員をはじめとする6人の議員は12日、議会傘下の会計監査院に書簡を送り、北韓関連資金の送金問題について、今回の送金にあたって、アメリカ国務省と財務省の動きがマネーロンダリング=資金洗浄と、紙幣偽造に関する法律に違反しているのではないかどうかを調査して欲しいと求めました。

・IMF=国際通貨基金は13日、今年の韓国の経済成長率が4.4%を達成するという見通しを示しました。国際通貨基金アジア太平洋局のジェラルド・シェフ副局長は「韓国の経済は内需が活性化し、輸出がいくつかの産業で好調になっているので今年下半期には穏やかな成長を続け、年間で4.4%の経済成長率を達成できるだろう」と述べました。さらに「韓国は輸出の総額だけでなく、商品の種類や輸出地域の多様化という面でも堅調な姿を見せている」とその背景を説明しました。 国際通貨基金は韓国の経済成長率を当初4.3%と展望しましたが今年4月の地域経済報告書で4.4%に上方修正していました。

・韓国と日本の国税庁は国際的な「租税回避」に積極的に協力していくことで合意しました。「脱税」が課税される条件の全部または一部を隠す行為であるのに対して、「租税回避」は法律に違反していないものの、不当に税負担を軽減する行為です。 国税庁が13日に明らかにしたところによりますと、韓国のチョン・グンピョ国税庁長は日本を訪問し、日本の国税庁の福田進長官と17回目の韓日国税庁長会議を開き、租税回避に対する対応について協議しました。両長官は経済の急速なグローバル化と租税回避が増加しているとして、租税回避とこれを助けている法務法人や会計法人などの、税務代理人に対して積極的に対応していくことで意見が一致しました。またチョン国税庁長が日本に進出している韓国企業に対して積極的な税制上の支援を要請し、福田長官は韓国企業が税務上で問題がないよう格別な関心を払うと約束しました。一方、福田長官は日本の国税庁の最大の懸案である、電子申告率を高めるために韓国側の経験とノウハウを教えて欲しいと求めたということです。

・去年、日本を訪れた外国人の中で一番多かったのは韓国人で、8年連続トップになっていることが分かりました。12日に発表された日本の観光白書によりますと、去年、日本を訪れた外国人は前の年より61万人多い733万人で、初めて700万人を突破しました。中でもアジア地域から訪れた人が全体の71.5%を占めて、これも初めて70%を超えました。国別では韓国が前年よりも21%多い212万人で、8年連続でトップでした。続いて台湾が131万人、アメリカ82万人の順でした。また急速な経済成長にともなって海外旅行客が増えている中国は、前年度に比べて24%多い81万人でした。

・運転免許証にドナー=臓器提供の意思を表わすマークが今年9月からつけ加えられる見通しです。保健福祉部は13日、臓器提供を広めるために、運転免許証にドナーを表示する制度を9月28日から施行することを決め、具体的な方法について警察庁と協議を始めました。 保健福祉部によりますと、免許証を更新したり、新しく発給を受ける人を対象に免許証にドナーの希望を表示できるようにして、その後、順次拡大していく計画です。具体的には免許証の写真の下に臓器や骨髄、人体組織の提供を象徴する「希望の種」のマークが表示されます。これによって、交通事故などで脳死状態になった場合、免許証にドナーを希望するマークがあれば、家族の同意などを得て、臓器の提供と移植が行われることになります。

・韓国人初のメジャーリーガー、朴賛浩(パク・チャンホ)投手が今季から入団していたニューヨーク・メッツを離れてヒューストン・アストロズに入団することが決まりました。 朴賛浩投手の韓国国内のマネージメント会社は、12日、朴賛浩投手がヒューストン・アストロズに急きょ移籍することが決まり、契約を控えていると明らかにしました。 朴賛浩投手は今年2月年間契約300万ドルでニューヨーク・メッツに入団しましたが、オープン戦の不振で、開幕はメッツ傘下のマイナーリーグ・トリプルAのニューオリンズで迎えました。その後、チームの投手不足により4月30日にフロリダ・マーリンズ戦に先発しましたが、4回まで投げて7失点と振るいませんでした。朴投手は1994年に韓国人として初めてアメリカ大リーグに進出し、ロサンゼルス・ドジャース、テキサス・レンジャーズ、サンディエゴ・パドレス、ニューヨーク・メッシュと変わり、今回が5回目の移籍となります。

6月12日火曜日

・ウリ党の金槿泰(キム・グンテ)元議長が12日、与党系勢力の大統合に向けて年末の大統領選挙に出馬せず、ウリ党から離党することを宣言しました。金槿泰元議長はこの日、国会で記者会見し、「今後は大統領候補になるためのすべての努力を中断し、平和改革勢力の大統合に向けてがんばっていきたい。今年の大統領選挙は韓国の今後10年の未来を左右するもので、ウリ党から離党して、与党系勢力の大統合に向けて努力したい」と述べました。金槿泰元議長はさらに盧武鉉大統領に対して、「任期が終わるまでの安定的な国政運営が何よりも重要だ。盧武鉉大統領と志をともにしている方々が未来を準備しており、未来はその方々に任せた方が良い」と述べて、盧大統領が政治への介入をしないよう要請しました。金槿泰元議長はウリ党の議長と保健福祉部長官を務め、鄭東泳元議長とともにウリ党に大きな影響力を持っていた盧武鉉政権の中心人物の一人で、金槿泰元議長の大統領選挙への不出馬とウリ党からの離党は、今後、与党系勢力の統合や大統領選挙に向けた動きに少なくない影響を及ぼすものとみられます。

・アメリカを訪問している6カ国協議の韓国の首席代表を務めている千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長は、現地時間で11日、アメリカ首席代表のヒル国務次官補と協議し、マカオの銀行にある北韓関連資金の問題が解決した後に韓米両国が取るべき措置などについて意見を交わしました。千英宇本部長は、協議の後、記者団に対し「北韓関連資金の問題が解決した後に韓米両国がとる戦略について意見を交わした。北韓の核施設の閉鎖が重要で、それが実現すれば、6カ国協議での合意内容が一つずつ履行されるだろう」という見方を示しました。千英宇本部長は、北韓関連資金の解決を楽観しているかという記者団の質問に「きょうは特別に資金問題については取り上げなかった。しかしすべての当事者がこの問題の早期解決に向けた強い意志を持っているため、前に進むエネルギーがあると思う」と述べて、北韓関連資金問題は解決できるという楽観論を示しました。これに関連してアメリカと北韓は、マカオの銀行にある北韓関連資金の問題が解決して、北韓が寧辺にある核施設の稼動を停止し、IAEA=国際原子力機関の査察を受け入れた場合、モンゴルや中国など第3国で2国間協議を開くことを検討しているもようです。アメリカ国務省は11日、ヒル次官補が国際会議に出席するために今週15日から18日までモンゴルを訪問する予定だと発表しました。この会議には北韓関係者も出席する予定で、15日前に送金問題が解決した場合、モンゴルや中国などで米朝の接触が行われる可能性も出てきました。

・マカオの銀行にある北韓関連資金について、アメリカ政府はアメリカとロシアの中央銀行を経由して送金する方法で調整を進めていると、アメリカのウォール・ストリート・ジャーナルが報道しました。それによりますと、アメリカ政府はロシアの協力を得て、バンコ・デルタ・アジアからアメリカの銀行を経由して、ロシアの中央銀行に送り、さらにロシアの民間銀行である極東商業銀行(Far East Commerial Bank)にある北韓口座に送金する方法で調整を進めています。しかしアメリカ財務省が、国内の金融機関に対して、バンコ・デルタ・アジアとの取り引きを禁止する措置を取っているため、送金を引き受けるアメリカの民間銀行が見つからず、財務省の取り引き禁止の対象にならない中央銀行のニューヨーク連邦準備銀行を経由する方法をとる見通しになったということです。これについてロイター通信は「ロシアは11日と12日が休日であるため、マカオの銀行の北韓関連資金をロシアに送金するのは、早ければ13日以降に可能である」と報じました。

・2000年6月15日に南北首脳会談が行われたことを記念して今週14日から平壌で開かれる予定の民族統一大祝典に韓国の政府代表団は参加せず、政府レベルの南北共同出席は初めて実現しないことになりました。統一部の当局者は11日、「これまでの物理的・現実的な状況を考慮して、韓国政府は共同行事に参加しないことを決めた」と述べました。韓国政府がこのような決定をしたのは、今月1日まで行われた南北閣僚級会談が北韓へのコメ支援をめぐって双方が対立し、成果なく終ったことから、今年の記念行事を主催する北韓が韓国に対して政府代表の参加についての協議を提案してこなかったためで、おととしから始まった南北が共同で行う6.15行事と、解放記念日の8.15行事で南北の代表団が共同で参加しないのはこれが初めてです。しかし民間レベルの南北記念行事は、予定通り平壌で行われます。

・韓国軍の次世代装甲車として開発された次期歩兵戦闘装甲車(NIFV)が試作車の性能テストの結果、戦闘に適しているという合格判定を受けました。国防部は次期歩兵戦闘装甲車について「おととし作られた3台の試作車を対象に2年間にわたって、テストを行った結果、戦闘に適していると判定した」と述べ、近く量産体制に入って早ければ2009年にも実戦配備する見通しとなりました。性能テストで合格した次期装甲車は、国防科学研究所と民間の軍需企業が1999年末から910億ウォンを投じて開発を進めてきたもので、12人乗りで、時速70キロで走る上、水の上を時速6キロで運航できる機動力を備えています。

・韓国の去年の国防費は219億ドルで、世界で11位であることがわかりました。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所が11日発表した「2007年版年鑑」によりますと、去年の世界の軍事支出は一昨年より3.5%増えて1兆2040億ドルに達し、冷戦終結後では過去最高額に達したということです。軍事支出の内訳をみますと、アメリカは5287億ドルで全体の44%を占めており、次いで、イギリス、フランス、中国、日本の順でした。韓国は世界で11位の219億ドルで、全体の2%を占めました。

・ソウル都心を東西に流れる川、清渓川(チョンゲチョン)が清流の川に復元されてから訪れた人は1年8カ月で5000万人を超えたもようです。清渓川を管理しているソウル施設公団の清渓川管理センターは、清渓川の復元から1000万人を突破した2005年11月27日までは清渓川の主な出入り口に職員らを配備して、出入りする人を数え、その後は主な地点で人数を数えた後、川岸の広さに換算して、訪問者数を割り出しています。その結果、2005年10月1日に、清渓川が復元工事の完成後にオープンしてから今年6月10日までのおよそ1年8カ月に合わせて5006万2000人が訪れたということです。

6月11日月曜日

・ハンナラ党の朴槿恵前代表と李明博前ソウル市長が11日、次期大統領選挙の候補を選ぶ党内選挙へ出馬するための候補登録を相次いで済ませ、選挙戦が本格化することになりました。先に登録を済ませた朴槿恵前代表は記者会見で、産業化と民主化を調和させ、新しい韓国を建設すべきだとして、そのために国民の和合を通じて繁栄に向けた新しい時代を開いていきたいと述べました。続いて登録を済ませた李明博前ソウル市長は、党内選挙で次期大統領候補に決まれば、 党内選挙で敗れたほかの候補と力を合わせて、ハンナラ党だけでなく、党の内外の未来志向的な勢力と連携して、必ず政権交代を成し遂げたい述べました。現行の公職者選挙法では、党内選挙に候補として登録すれば、離党して大統領選挙に出馬できないことになっています。有力視されている2人の候補が登録を済ませたことから、ハンナラ党の次期大統領候補は結局はこの2人のうちどちらかに決まる見通しです。ハンナラ党の党内選挙は8月19日に投票を行い、翌20日に結果を発表することになっており、党内選挙へ向けて朴槿恵前代表と李明博前ソウル市長の両陣営の選挙戦は本格化して、熱気を帯びそうです。12月に行われる大統領選挙まで6カ月あまりとなって、世論調査では李明博前ソウル市長と朴槿恵前代表の支持率を合わせますと60%前後で、ハンナラ党の支持率は50%前後となっているため、大統領選挙ではハンナラ党の候補が有力だという見方が強まっていますが、与党系勢力の統合も進んでおり、今後の政界の動きに関心が寄せられています。

・国会の政治統一外交安保委員会は11日、政府に対する質問を行い、盧武鉉大統領の選挙法違反や政府部署の記者室の統廃合について各党が論戦を展開しました。ハンナラ党の高興吉(コ・フンギル)議員と沈在哲(シム・ジェチョル)議院は、盧武鉉大統領が講演での発言をめぐって中央選挙管理委員会から選挙法違反の指摘を受けたにもかかわらず、反省せずに選挙法の違憲性を提起するなど、憲法を無視する態度をとっているとして、国民に対する謝罪を求めました。ウリ党の李光普iイ・グァンチョル)議員は、中央選挙管理委員会の決定は大統領の政治活動を過度に制限するものだと指摘し、大統領の政治活動の範囲を明記するなど、選挙法を整備する必要があると主張しました。これに対して答弁にたった韓悳洙(ハン・ドクス)国務総理は、中央選挙管理委員会の決定を尊重するが、大統領の政治活動の自由については、今後とも論議を続けていく必要があると述べました。一方、盧武鉉大統領が政府や行政機関にある記者クラブを大幅に縮小、統廃合する方針を決めたことについて、ハンナラ党の高興吉議員と沈在哲議院、それに中道改革統合新党の禹濟恒(ウ・ジェヒャン)議員は、言論を統制するための措置だとして撤回を求めたのに対して、ウリ党の李光赴c員は、政府と言論の関係を適切に維持することは、国民の利益につながると主張しました。

・アメリカの次期大統領選に出馬を表明している民主党のヒラリー・クリントン上院議員は9日、韓米FTAの議会での批准に反対する立場を表明しました。ヒラリー議員はこの日、デトロイトで行われたアメリカ最大の労働組合連合体であるAFL-CIO主催の行事に出席し、韓米FTAが批准されれば、アメリカの自動車業界は大きな打撃を受けることになるとして、韓米FTAの批准に反対すると語りました。ヒラリー議員はまた、韓国との関係強化は高く評価するが、両国間のFTAはアメリカの自動車産業の発展を妨げ、貿易収支の赤字を拡大させるとともに、中間層の就業の機会を奪う結果を招くだろうと主張しました。

・北韓の金正日国防委員長の健康がさらに悪化しているという観測が出ています。イギリスの日刊紙「テレグラフ」は10日、金正日国防委員長が休まずに30メートルも歩けないほど健康状態が悪化していると報じました。この新聞は、金正日委員長は30メート以上続けて歩けず、どこかに行く際は途中で座って呼吸を整えなければならない状態で、そのために常に椅子を持った秘書が同行していると伝えました。金正日国防委員長は今年に入って公式の席に23回姿を現しましたが、これは去年の同じ期間の半分程度で、健康悪化説が出回っていました。先月にはドイツ心臓センター出身の医師6人が平壌を訪問しており、金正日国防委員長がこの医療陣の診療を受けたのではないかという観測も出ています。

・バスケットボールの女子アジア選手権は10日、韓国の仁川で決勝戦が行われ、韓国が中国を79−73で破り、優勝しました。韓国は第1クォーターから第4クォーターまで終始リードを守りました。韓国がアジア選手権大会で優勝したのは8年ぶりで、通算12回目です。韓国は先に行われた準決勝では台湾を破り、2008年の北京オリンピックの出場権を確保しており、1996年のアトランタオリンピック以来、4回連続でオリンピック出場を果たすことになりました。

・この夏の電力需要は史上初めて1日に6000万キロワットを超える見通しです。産業資源部は11日、韓国電力など11の電力関係機関と会議を開き、この夏の電力需要対策について話し合いました。その結果、産業資源部と韓国電力は、この夏の電力需要のピークは、7月19日から26日までと、8月6日から17日までになるだろうと予想しました。そして1日の最大電力需要は、去年より4.3%多い6150万キロワットになる見通しです。これに対して電力の供給は去年夏に194万キロワット増えて、1日に6754万キロワットとなり、最大のピークでも600万キロワットの余裕があるので、問題はないということです。

・日本が竹島と呼んでいる韓国の領土、独島に海水を真水に変える新しい淡水化設備が設置されました。重工業大手の斗山重工業は、独島の新しい淡水化設備2基を完成させ、11日、独島住民と独島警備隊に引き渡しました。独島にはこれまでにも淡水化設備がありましたが、老朽化して、淡水化する能力が小さかったことから、斗山重工業が無償で寄贈しました。このうち1基は独島警備隊と灯台の管理人がいる東島に設置され、1日に24トンの海水を淡水化し、70人が使用できます。もう1基は独島の漁民が住んでいる西島に設置され、淡水化能力は1日4トンです。これらの淡水化設備は、インターネットの専用線を利用して、設備が正常に稼働しているかどうかを遠隔操作によってリアルタイムで確認することができます。

・韓国人が一番多くかかっているがんは、胃がんであることが分かりました。国民健康保険公団がまとめた2005年のがん患者の資料によりますと、韓国人が一番多くかかっているがんは、胃がんに次いで、大腸がん、肺がん、肝臓がん、甲状腺がんの順でした。男女別に見ますと、男性は、胃がんが最も多く、次いで肺がん、肝臓がん、大腸がん、前立腺がんの順で、女性は、甲状腺がんが最も多く、次いで乳がん、胃がん、大腸がん、肺がんの順でした。このうち大腸がんは2001年の調査では、男女合わせて4番目でしたが、2005年には2番目になりました。また、女性が一番たくさんかかっている甲状腺がんは、2001年の調査では7位でした。国民健康保険公団は、大腸がんが増えているのは、肉類を多く摂取するなど食生活が変わったためで、女性の甲状腺がんが急増しているのは環境ホルモンの影響ではないかと見ています。

6月9日土曜日

・6月10日は、1987年の軍部独裁政権に立ち向かったいわゆる民主化抗争が行われた日で、今年で20周年を迎え、9日、全国各地で記念行事が繰り広げられました。民主化運動記念事業会は9日午後、ソウル市庁前の広場で、大学生や市民らおよそ2万人が参加し、「民主主義市民祭り」を行いました。また全国各地でも週末にかけて、民主化抗争にちなんだ文化イベントが行われています。一方、政府は、今年初めて、6月10日を国家記念日に指定し、10日午前、ソウルの世宗文化会館で、政府関係者ら3000人が出席して、記念式を開くことにしています。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議のアメリカ首席代表のヒル国務次官補は、マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアにある北韓関連資金の問題解決に向け、ロシアの協力を得られるだろうと述べました。これは、ヒル国務次官補が、アメリカC-スパンテレビとのインタビューで明らかにしたものです。一方で、ヒル国務次官補は、北韓が6カ国協議で合意した核放棄に向けた措置を履行する意向について、「北韓は数十年間堅く守ってきた核開発計画を果たして放棄するかどうか心配だ」と述べ、懐疑的な見方を示しました。

・北韓の当局者は先月25日と今月7日に相次いで行ったミサイル発射について、「通常の軍事演習の一環で、脅威と捕らえるべきではない」と述べました。北韓の民族和解協議会のチョン・ドクキ副会長は、8日、ロイター通信とのインタビューで、このように述べるとともに、「韓国はこのようなミサイル発射について何ら心配する必要はない」と述べました。チョン副会長はまた「北韓は軍事演習を実施する権利を持っており、すべては国防を目的としている」と主張しました。北韓は今月15日までに、西海で軍事演習を行う予定で、追加のミサイル発射の可能性も出ています。

・アメリカのCIA=中央情報局は、北韓の人口が来月7月を基準に2,330万人あまりに達する見通しだと発表しました。CIAがホームページを通じて発表したところによりますと、北韓の人口は2004年に2,269万人、2005年は2,311万人と増え続けているとして、来月には、2,330万人に達する見通しだとしています。平均寿命は、2004年は71.1歳でしたが、2005年は71.4歳、そして去年は71.6歳と伸び続け、今年は71.9歳になる見通しです。一方、CIAは、北韓の去年のGDP=1人当たりの国内総生産は1,800ドルで、前の年より1%増えていると分析しています。

・北韓を脱出したものの中国から北韓に強制送還された脱北者は、2002年の1年間だけで4800人に上っているという統計が出されました。これは中国社会科学院の鄭信哲研究員がまとめた論文によるもので、脱北者について、中国の研究機関が具体的な統計をまとめたのは初めてです。この論文によりますと、「1990年代半ばから北韓は自然災害が相次いだため食糧危機に陥り、脱北者が急増した」とした上で、2003年に、北韓との境にある中国延辺朝鮮族自治州での実態調査で入手した統計によると、延辺で中国公安当局につかまって、北韓に強制送還された脱北者は2002年に4800人に上っているとしています。

・原油価格の高騰にともなってガソリン代の値上がりが続き、8日現在、史上最高値を更新しました。韓国石油公社によりますと、全国980カ所のガソリンスタンドを対象にサンプル調査した結果、無煙の普通ガソリンの販売価格が1リットル平均1,554ウォン4銭で、去年8月の1,548ウォン1銭を上回って、史上最高値を更新しました。

・ソウル市と首都圏の京畿道を往復するバスや地下鉄など公共の交通機関で、乗り換える際、来月から料金が割り引かれることになり、首都圏から都心に通勤するサラリーマンにとって交通費が大幅に節約できることになりました。呉世勲(オ・セフン)ソウル市長と金文洙(キム・ムンス)京畿道知事、そして鉄道会社コレイルの李哲社長は8日、「首都圏公共交通乗り換え割引制度」を施行するための共同合意文を採択しました。それによりますと、ソウル市と隣接する京畿道では、市内と道内を結ぶバスや地下鉄、電車を乗り換える際、料金を交通カードで支払う人に限って、乗車する距離を合計して計算し、基本区間の10キロが900ウォンで、これを超えると5キロごとに100ウォンずつ加算される仕組みになります。これによって、例えば京畿道光明市からソウル市庁までの交通費は、現在はバスと電車を乗り継いで2000ウォンかかりますが、今後は1100ウォンと大幅に安くなります。

・今年で44回目を迎えた韓国のアカデミー賞「大鐘賞」の授賞式が8日夜、ソウルの世宗文化会館で行われ、キム・テヨン監督の「家族の誕生」が最高作品賞やシナリオ賞を受賞しました。映画「家族の誕生」は、血縁と関係がない多様な人間関係の中で結ばれる『家族』の意味を描いた作品で、関係者の間では高い評価を得たものの興行的には不振に終わりました。史上最多の12部門にノミネートされた映画「美女はつらいよ」は、キム・アジュンさんが主演女優賞を獲得したほか、音楽賞、撮影賞の3部門の受賞にとどまりました。また観客動員1,300万人という興行成績を記録した映画「グエムル〜漢江の怪物」は、監督賞と編集賞の2部門を受賞しました。主演男優賞は、映画「ラジオスター」のアン・ソンギさんが獲得しました。一方、今年のカンヌ国際映画祭で主演女優賞を受賞したチョン・ドヨンさんには特別賞が贈られました。

・韓国の高麗青磁の展示会が、8日から東京で始まり、大阪、名古屋など日本の合わせて6カ所で順次開かれます。この展示会は韓国文化院と高麗青磁のメッカ、全羅南道康津(カンジン)郡が主催するもので、官営窯の康津高麗青磁事業所と、16の民間の窯で生産された国宝を再現した作品90点が展示されており、今月8日から東京の韓国文化院で始まりました。展示会はこのあと、名古屋、茨城県笠間、栃木県益子、京都、大阪を回りながら来月13日まで順次開かれます。日本で高麗青磁の本格的な展示会が開かれるのは今回が初めてで、康津郡のファン・ジュホン郡守は、「展示会を通じて高麗青磁が韓国人だけのものではなく、世界の青磁になる確固とした契機になる」と期待を示しています。

6月8日金曜日

・ウリ党の若手議員16人が8日また離党し、ウリ党は事実上解体の道をたどるのではないかとみられます。イム・ジョンソク議員やウ・サンホ議員などウリ党の若手議員16人は、8日午前、国会で記者会見して、ウリ党から離党することを公式に宣言しました。16人は記者会見で、「ウリ党が民主改革勢力の分裂を克服できず、国民の期待に応えることができなかったことを痛切に反省し、今後は統合と希望に向けた新しい道を進んでいく」と述べました。ウリ党から離党を表明した議員の中には、党のスポークスマンを務めた若手議員など、党の中心勢力だったグループが含まれており、今回の集団離党をきっかけに、今後盧武鉉大統領に反発する議員の離党が相次いで、ウリ党は事実上解体の道をたどるのではないかとみられます。ウリ党は盧武鉉大統領の与党として、2004年に行われた総選挙で過半数の152議席を占めましたが、今年2月に議員20人あまりが集団離党したのをはじめ、個別離党もあり、今回の集団離党で、91議席に減りました。この結果、国会の議席数は、ハンナラ党128、ウリ党91、中道統合新党34、民主労働党9、国民中心党5、無所属32となりました。

・盧武鉉大統領は、自らが野党ハンナラ党とハンナラ党の有力な大統領候補を批判する発言をしたことで、中央選挙管理委員会が、選挙法で定めた公務員の中立義務に違反すると判断し、法律の順守を求める決定を出したのに対して、「選挙法第9条の公務員の選挙中立義務は、どこまでが選挙運動で、どこまでが中立なのかあいまいで憲法違反」だと述べ、選挙管理委員会の決定に強い反発を示しました。盧武鉉大統領は8日、全羅北道益山(イクサン)市にある円光(ウォングァン)大学で、政治学博士の名誉学位を授与したあとに行った講演で、大統領の政治的中立に言及し、「公務員法には政治活動で大統領の政治活動は例外にするという条項があり、選挙法では選挙で中立を守れとなっている。そうなると政治では中立でなくてもよく、選挙では中立を守れということになるが、これは話にならない。」と関連条項の問題点を指摘しました。また、大統領選挙のハンナラ党の有力候補である李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長が公約した、ソウルと釜山をむすぶ大運河構想を批判したことについて、「民間資本を誘致して作るというが、だれも投資しないだろう」という意見を言ったまでで、政治的な評価をしたわけではないと説明しました。盧武鉉大統領は、中立の義務に違反したという中央選挙管理委員会の決定の根拠となった選挙法に対して、「世界に類を見ない偽善的な制度」だとして、「政府が選挙法をむやみになおすことはできないが、何らかの方法を探したい」と述べました。

・アメリカが国内向けに加工した骨付きカルビなどの牛肉66トンを誤って韓国に輸出していたため保留されていたアメリカ産牛肉に対する検疫が再開されました。農林部と国立獣医科学検疫院など韓国の検疫当局は8日、アメリカが、保留のきっかけとなった牛肉以外に、国内向けの牛肉が韓国に輸出されていないことを確認したと通報してきたとして、アメリカ産牛肉に対して取っていた検疫証の発給を保留する措置を解除すると述べました。ただ、6月1日以前に船積みされて現在、韓国に向けて輸送中かあるいはまだ輸入の申告が行われていない牛肉については、申告を受けた後、アメリカ側に照会して確認を得た上で検疫証明証を発給する方針です。アメリカ産牛肉については、先月釜山港から輸入したカギル社とタイソン社の牛肉の一部が、韓国に輸出する手続きを踏んでいないアメリカ国内向けの牛肉であることがわかったため、検疫が保留され、韓国当局はカギルとタイソン両社に対して韓国への輸出を中断する措置を取っていました。

・宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官は7日、韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の再交渉について、「アメリカとまずは協議を行いたい」と述べました。宋旻淳長官はこの日国会で行われた統一外交通商委員会の全体会議で、韓米FTAの再交渉の可能性を問われて、このように述べ、「韓米両国が利益のバランスをとって交渉した内容に対して、どちらかが一方的に交渉をやり直そうと主張したとしてもできるわけではないが、我々の利益にかなったものだという判断ができれば、再交渉することはできる」という見解を示しました。

・北韓が7日、西海岸から西海に向けて短距離ミサイル2発を発射したことを、韓国政府が確認しました。韓国政府の当局者は、「北韓が7日の午前と午後、ミサイルをそれぞれ1発ずつ、西海岸から西海に向けて発射した。ミサイルは2発とも北韓の領海に落ちたものとみられる」と述べました。ミサイルの種類についてこの当局者は、北韓が先月25日に東海岸などから発射したものと同じ、射程の短い地対艦ミサイルとみられるとしており、「今回の発射は通常行われる軍事訓練の一環ではないか」と話しています。一方、アメリカ政府は7日、北韓のミサイル発射を公式に確認し、北韓のこのような行動は「非生産的だ」と論評しました。

・韓国銀行は8日、金融通貨委員会を開いて、政策金利であるコール金利の誘導目標を、今のまま年4.5%で据え置くことを決めました。これで、コール金利は去年8月以来10カ月連続で据え置きとなりました。金融通貨委員会は発表文を通じて、「輸出の伸びが大きい上、設備投資と建設投資が増え続けており、民間消費も回復する兆しを見せている」と背景を説明しました。

・韓国の女子プロゴルファー・朴セリ選手(29)が8日、アジアで初めてLPGA=全米女子プロゴルフ協会の名誉の殿堂入りを果たしました。朴セリ選手は8日、アメリカ・メリーランド州で行われたマクドナルドLPGAチャンピオンシップの第1ラウンドを終え、殿堂入りの条件をすべて満たしました。1998年にプロ入りした朴セリ選手は、全米女子オープンで20歳9ヶ月の史上最年少で優勝するなど、去年の全米女子プロゴルフ選手権(マクドナルドLPGAチャンピオンシップ)で優勝するまで23勝を上げ、韓国女子ゴルファーの先駆けとして活躍してきました。朴セリ選手はこの日第1ラウンドを終えた後の記者会見で、「目標はメジャー4大会を制覇しグランドスラムのタイトルを獲得することと、LPGAのプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(今年の選手賞)を受賞することだ」と抱負を語りました。

・アメリカのワシントンにあるスミソニアン自然史博物館に現地時間の7日、韓国展示館(KOREA GALLERY)がオープンしました。韓国展示館は博物館の2階に、およそ100平方メートルの規模で設けられ、「韓国の歴史と生活」を主なテーマにして、「韓国の美しい自然」、「韓国の伝統陶芸」、「韓国の現代美術」など、韓国の過去と現在を網羅した7つのテーマをもとに、6世紀から現在までの遺物など80点や写真など200点が展示されています。過去の遺物としては韓国の歴史をかいまみることができる陶磁器などが、また現代の資料としては、1988年のソウルオリンピックや2002年のワールドカップ大会での応援の様子が写った写真などが紹介されています。このように国単位で独立した展示館がスミソニアン博物館に設けられたのは韓国展示館が初めてです。

6月7日木曜日

・中央選挙管理委員会は7日、盧武鉉大統領が先に行った講演が、選挙法に定めている公務員の中立義務に反する判断し、盧武鉉大統領に対して大統領選挙で中立義務を守るよう要請する決定を出しました。これは盧武鉉大統領が今月2日、大統領支持派を中心に作られたフォーラムで、年末に行われる大統領選挙のハンナラ党の有力候補2人とハンナラ党を厳しく批判し、これに対してハンナラ党が盧武鉉大統領を公職選挙法違反の疑いで、中央選挙管理委員会に告発したのを受けて、中央選挙管理委員会が審査を行ったものです。中央選挙管理委員会は7日午前10時から7時間に及ぶ審査の末、盧武鉉大統領の演説内容について、公職選挙法に定めている公務員の中立義務に反すると判断し、盧武鉉大統領に対して、大統領選挙で中立義務を守るよう要請する決定を出しました。しかしハンナラ党が主張した事前選挙運動には当たらないとしました。また盧武鉉大統領が演説した参加政府評価フォーラムが盧武鉉大統領の私的な組織にあたるかどうかについては、「私的な組織とはみられない」としています。盧大統領が政治的な発言で中央選挙管理委員会の審査を受けたのは2003年12月と2004年3月に次いで3度目で、今回の決定は盧大統領の残る任期およそ7カ月間の国政運営などに影響を及ぼす見通しです。大統領府、青瓦台は「中央選挙管理委員会が納得できない結論を出した場合、憲法裁判所に救済を求めるなど法的な対応を講じる」と強気な姿勢を示しているのに対して、ハンナラ党は、告発状で主張した一部が中央選挙管理委員会によって認められたことから、盧武鉉大統領とハンナラ党のかっ藤はますます深まっていくことが予想されます。盧武鉉大統領は今月2日、ソウル市内で開かれたフォーラムでの講演で、大統領選挙のハンナラ党の有力候補である李明博前ソウル市長の主な公約の一つである韓半島に大運河を建設する計画などを批判し、同じく有力候補の朴槿惠前代表に対しては「独裁者の娘が大統領になれば、海外のメディアで取りざたされるだろう」などと非難していました。

・ハンナラ党は「中央選挙管理委員会の決定に満足できないが、尊重する」という論評を出しました。ハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは、大統領の発言について、「中央選挙管理委員会が大統領の発言を事前選挙運動には当たらないとし、またフォーラムを大統領の私的な組織と認めなかったのは非常に遺憾だが、大統領が公務員の中立義務に違反したとする判断を尊重する。盧大統領は今後、誤解を招くような言動を慎むべきで、今回の決定を免罪符だと誤解せず、深く反省してもらいたい」と述べました。

・財政経済部は7日、4月の景気動向を発表し、景気は回復基調に転換しているとしています。財政経済部によりますと、輸出が好調で、企業の設備投資や民間消費が増え、不振だった産業生産も回復しているということです。また、4月の消費財の販売は、自動車や家電製品など耐久財を中心に前の年に比べて4.9%増加しました。設備投資も機械類への投資が好調で、前の年に比べて4.9%増え、産業生産は6.7%増えました。財政経済部は、各種の指標が景気回復へ向けて動いていることから、今年の経済成長率は当初予定していた4.5%を無難に達成できるものと見ています。しかし、原油価格が上昇している中で、アメリカの景気減退、中国の緊縮措置など、韓国経済にマイナスとなる要因は依然として残っており、財政経済部は、今後とも各種の指標を綿密に検討し、下半期の経済運用の方向を決めたいとしています。

・与党ウリ党の丁世均(チョン・セギュン)議長は、8月15日の光復節に済州島で南北首脳会談を開催するよう提案しました。丁世均議長は7日、国会で行った院内交渉団体の演説の中で、「南北関係の画期的な転換と韓半島の恒久的な平和定着のために韓半島の非核化は必ず実現されなければならない。この問題を解決するためにもっとも効果的な方法は、盧武鉉大統領と金正日国防委員長が会うことだ」と述べました。丁議長はまた、従来の6カ国協議の枠組みを北東アジアの多くの国による安保協力体に発展させるため、主導的な役割を担う『北東アジア平和繁栄協力機構』を設立するよう提案しました。

・4月末に輸入が再開されたアメリカ産牛肉から、現在の輸入衛生条件では認められていない骨付きカルビが見つかったことについて、アメリカ政府は、「輸出会社や検疫機関による単純な作業ミスだった」と釈明したもののアメリカ議会は韓国政府による輸入中断措置を強く非難しています。アメリカ農務部のウィリアムス報道官は6日、アメリカ農業専門誌とのインタビューで、「問題となった牛肉が韓国に輸出された経緯を調べた結果、輸出会社と検疫担当者の単純な作業ミスであることがわかった。今後、このようなことが繰り返される可能性はない」と述べ、韓国に対して輸入再開を求めました。韓国は先月25日に、アメリカから輸入された牛肉から、現在の輸入衛生条件では認められていない骨付きカルビが見つかったことを受けて、アメリカ産牛肉に対する検疫をすべて保留しています。一方、アメリカ議会上院のボーカス財政委員長ら数人の上院議員らは、声明を発表し、アメリカ側の手違いを認めた上で、韓国がアメリカ産牛肉の輸入を中断したことを強く非難し、この問題を韓米FTA=自由貿易協定の批准と連携させていく考えを示しています。

・ILO=国際労働機関が発表した世界の労働時間に関する統計で、韓国は世界で2番目に労働時間が長いことがわかりました。ILOが2004年から2005年の統計を基準に、世界41カ国を対象に調べた結果、韓国は週48時間以上働く労働者の割合が全体の49.5%で、南米のペルーに次いで多いことがわかりました。次いで、エチオピア、マカオ、アルメニアの順でした。先進国では、スイスが19.2%で16番目、アメリカは18.1%で19番目、そして日本は17.7%で20位でした。ILOの関係者は、「韓国は国民所得に比べて長時間労働をする人口の割合が異常に高い。製造業の場合、時間外手当で所得を補てんしようとする傾向が強く、ホワイトカラーの場合は、組織の実情から労働時間を減らせない側面がみられる」と指摘しています。

・比較的安い2億ウォン未満のマンションが減っているのに対して、10億ウォン以上の高価なマンションが急速に増えていることが分かりました。不動産関連情報提供業者の「不動産サブ」が調査したところによりますと、全体のマンションのうち比較的安い2億ウォン未満のマンションが占める割合は、2004年が71%、2005年が70.3%、2006年が67.1%、今年に入ってからは59.8%と、年々減っています。これに対して10億ウォン以上の高価なマンションは、2004年の2万9509戸から今年に入って15万9711戸と、4.7倍も増えました。不動産サブは、高価なマンションが増えているのは、2000年以降住宅価格が継続して上昇しているのに加えて、新規マンションの分譲価格が自由化され、分譲価格が急上昇したことによるものと見ています。

・韓国の女子プロゴルファー朴セリ選手(29)が7日、アジアでは初めて、LPGA=全米女子プロゴルフ協会の名誉の殿堂入りすることが決まりました。LPGAの名誉の殿堂入りは、LPGAツアーで10年間、現役選手として活動して、メジャー大会で優勝するなどしてポイントを獲得しなければなりませんが、朴セリ選手は、ポイントはすでに獲得していて、韓国時間で7日夜からアメリカ・メリーランド州のブルロックゴルフクラブで開催される、今季女子メジャー第2戦・第53回LPGA選手権で第1ラウンドを終えれば、名誉の殿堂入りの条件が揃います。朴セリ選手は1998年にLPGAでデビューして、メジャー大会5勝などこれまで23のツアーで優勝しています。朴セリ選手のLPGAの殿堂入りは、24番目で、最年少そしてアジアでは初めてです。

・サッカー男子の北京オリンピックアジア地区2次予選で、すでに1位で通過を決めている韓国は、6日夜、大田ワールドカップ競技場で行われたアラブ首長国連邦との最終戦で3対1で勝ち、2次予選を終えました。この試合、韓国は、前半32分にイ・グンホ選手が得点し、その3分後にもまたイ・グンホ選手がゴールを決め、前半で2対0とリードしました。後半に入って、アラブ首長国連邦の反撃で1点を許しましたが、35分に再び韓国が1点を加えて、3対1で勝ちました。この結果、韓国は2次予選を5勝1敗で締めくくり、ことし8月から始まる最終予選に弾みをつけました。最終予選では2次予選を勝ち上がった12チームが3つの出場枠を争い、韓国は6大会連続のオリンピック出場を目指します。

・韓国の20代と30代の成人男女が一番尊敬している職業は、CEO=企業の最高経営責任者であることが分かりました。就職関連サイトのサラミンがこのほど全国の20代から30代の男女2095人を対象に尊敬する職業について調査した結果、最も尊敬している職業はCEO=企業の最高経営責任者で、全体の15.7%を占めました。CEOを尊敬する理由としては、専門性があり、社会に及ぼす影響力が大きく、社会的地位や名声が高いことなどとなっています。続いて尊敬する職業は、教師と教授、社会福祉の従事者、消防士、技術者、科学者の順でした。反対に尊敬しない職業の1位は政治家で、全体の34.2%と3分の1を超え、続いて芸能人、聖職者、公務員の順でした。尊敬しない理由としては、道徳性が欠けている、社会に悪い影響を及ぼす、社会に寄与していることがないなどがあげられました。

6月6日水曜日

・6月6日は、韓国戦争などで国を守るために命を捧げた戦死者を追悼する顯忠日、メモリアル・デーで官公庁や多くの企業、学校などはお休みとなり、全国の国立墓地では追悼行事が行われました。このうち、ソウル市の国立顯忠院には盧武鉉大統領や政党の代表、戦没者の遺族らが出席して追悼式が行われました。盧武鉉大統領は追悼式で「こんにち、我々が享受している自由と平和、民主、繁栄は戦没者や民主化運動家の血と汗によるもので、韓国はいまや世界が認める民主国家となった。韓国戦争の際、戦死した13万人の遺骨を発掘する事業が行われており、発掘された遺骨は国立墓地に安置していく」と述べました。

・盧武鉉大統領は5日、京畿道抱川市マンセギョ里で行われている韓国戦争で戦死した人たちの遺骨発掘現場を訪れました。盧武鉉大統領が訪れた抱川市マンセギョ里は、韓国戦争が勃発した1950年6月25日に北韓軍の奇襲に対抗して韓国軍兵士、十数人が戦死したところで、今月4日からの遺骨発掘作業で3人の遺骨が収容されています。韓国軍の最高統帥権者でもある盧武鉉大統領は、発掘された軍靴や鉄兜などを直接手にした後、「遅まきながら戦死者の遺骨発掘を国の永久事業に決めた。国のために命を捧げた方々は、天国で韓国の繁栄を見て、命を犠牲にした代価を受けたと満足していると思う。政府は今後、1人でも多くの遺骨を発掘して、遺族の悲しみを慰めることができるように最善を尽くしたい」と述べました。国防部は去年1月、遺骨発掘を担当する鑑識団を作って遺骨発掘作業を進めており、今年だけで281人の遺骨を収容しました。

・マカオの銀行にある北韓関連資金をめぐって、宋旻淳外交通商部長官とアメリカのライス国務長官は4日と5日、相次いで電話会談を行い、関係国が受け入れられる方法で迅速に解決することで意見をともにしました。ライス国務長官はまた韓国を訪れた中国の楊潔チ(よう・けつち)外相とも電話で会談し、北韓関連資金の送金について協議したことが確認されました。一連の3カ国外相の電話会談では、最近、アメリカが示したマカオの銀行バンコ・デルタ・アジアの経営陣の交代を前提にアメリカがバンコ・デルタ・アジアに対する制裁を解除する方法と、ロシアが提案したロシアの金融機関を通じた送金を検討したものとみられています。ロシアのロシュコフ外務次官は、アメリカが金融制裁の措置を取らないと文書で保障すれば、ロシアの金融機関を通じた送金による問題の解決を検討する用意があるという意思を示しました。

・宋旻淳外交通商部長官は5日、韓国を訪問したロシアのラブロフ外相と会談し、マカオの銀行にある北韓関連資金の送金問題の解決に向けて、関係国は大局的で戦略的な観点から努力する必要があるという認識で一致しました。両外相はまた韓国と北韓を結ぶ南北縦断鉄道とロシアのシベリア横断鉄道を連結する事業を順調に進めるには、北韓の核問題の解決が先決だとして、それに向けて両国が緊密に協力していくことになりました。また両国は来年2008年を「韓国・ロシア宇宙の年」に定め、国交樹立20周年を迎える2010年を「韓国の年、ロシアの年」に定めることなど両国間の文化交流の活性化に向けても協議しました。

・アメリカのブッシュ大統領は5日、北韓に対して世界で最悪の独裁国家の1つで、人権を弾圧している独裁者は許されないと述べました。ブッシュ大統領はサミット・主要国首脳会議が開かれているドイツ入りする前に訪問したチェコのプラハで、17カ国出身の民主化運動家を対象に演説し、この中で、北韓をベラルーシ、ミャンマー、キューバ、スーダン、ジンバブエとともに世界で最悪の独裁国家だと述べました。ブッシュ大統領はまた「北韓の住民は、政権に反対する人が厳しく弾圧される閉鎖された社会に住んでいる上、韓国にいる兄弟・姉妹からも遮断されている。我々は決して抑圧者を容認しないし、抑圧されている人々の自由のために努力する」と述べました。このところ、北韓を刺激するような発言を控えてきたブッシュ大統領が、北韓に対して再び「最悪の独裁国家」と明言したのは、マカオの銀行にある北韓関連資金の送金問題が解決できず、2月の6カ国協議で合意した初期段階の履行が進まない状況への不満を遠まわしに表したものではないかという分析が出ています。

・ウリ党の議員およそ40人が来週にも集団で離党する動きがみられ、ハンナラ党を除く政党間の主導権争いにどのような影響を及ぼすかに関心が集まっています。ウリ党の議長を務めて、大統領選挙の候補とされている金槿泰(キム・グンテ)氏、鄭東泳(チョン・ドンヨン)氏、それに文喜相(ムン・ヒサン)氏と、鄭大哲(チョン・デチョル)常任顧問は最近の相次ぐ会合で「第3勢力」の統合に向けて、集団で離党することで意見をともにしたということです。集団離党には若手議員も多数参加する見通しで、すでにウリ党から離党した千正培議員や、先の中道改革統合新党と民主党との新党結成に参加しなかった無所属議員も参加する意思を示しているもようです。ウリ党からの集団離党は週明けにも決まる予定で、今後、第1党のハンナラ党に対抗する政党はこれまでのウリ党と、ウリ党から離党した中道改革統合新党と民主党による「中道統合民主党」、それにこれから集団離党するグループの3つになる見通しで、年末の大統領選挙に向けた主導権争いはさらに激しくなりそうです。

・BoAや東方神起など有名芸能人が所属している韓国の大手芸能プロダクションの「SMエンターテインメント」を設立したイ・スマン理事は、5日、韓国を訪問したアメリカのハーバード大学経営大学院の学生50人を対象に韓流(Hallyu)について講義をし、「今は第3の韓流時代」であるという考えを披露しました。イ・スマン理事は、講義で韓流についての定義や影響、経済的な効果などについて紹介したうえで、「今は第1、第2の韓流を過ぎて第3の韓流にさしかかっている。韓国のカルチャー・テクノロジーと日本の優れたマーケッティング、それに中国のばく大な資源をあわせた合弁会社を設立しようとしているところだ」と述べて、韓国の「SMエンターテインメント」、日本の音楽企画会社の「Avex」、中国のマネジメント会社の「Chengtian」が提携して中国に合弁会社SMACを設立する計画を示しました。さらに、イ・スマン理事は「大スターは、最も大きな市場から誕生するもので、韓国と日本の技法を利用して中国で世界的な最高のスターを誕生させたい」と述べました。ハーバード大学経営大学院の学生は去年から韓流などを体験するために韓国を訪れており、この席にはBoAやスーパージュニアなども出席し、注目を集めました。

・世界のスーパーカーが一堂に会するスーパーカー・フェスティバルが5日、大邱市のエクスコで始まりました。スーパーカーは出力が500馬力、時速350キロ、価格5億ウォンを超える世界的に限定生産されている自動車のことです。大邱のスーパーカー・フェスティバルには、最高時速408キロで販売価格が35億ウォンという、世界で最もスピードが出せる高価な乗用車として知られているドイツのフォルクスワーゲンのスーパーカーをはじめ、ランボルギーニ、フェラーリ、マクラーレン、マセラッティなど8台と、販売価格2億ウォン以上のセミ・スーパーカー14台など22台が展示されています。訪れた人が直接スーパーカーに乗ってみる体験もできるスーパーカー・フェスティバルは6月10日まで行われます。

6月5日火曜日

・先週2日、盧武鉉大統領が大統領支持派を中心に作られた参加政府評価フォーラムで、年末に行われる大統領選挙のハンナラ党の有力候補2人とハンナラ党を厳しく批判したことに対して、ハンナラ党は5日、盧武鉉大統領をはじめフォーラムの代表と委員長の合わせて3人を公職選挙法違反の疑いで中央選挙管理委員会に告発しました。 ハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンの発表によりますと、ハンナラ党はこの告発状で、「盧武鉉大統領は大統領選挙でハンナラ党の公認候補の勝利を阻止するねらいで、法律で義務付けられている公務員の政治的中立に違反し、選挙に不当な影響力を行使した」としています。ハンナラ党はまたこのフォーラムの李炳浣(イ・ビョンワン)代表と安熙正(アン・ヒジョン)委員長に対しては告発状で「2人が主導して作ったこのフォーラムは、盧武鉉大統領の講演を通じて、ハンナラ党の公認候補の落選に向けた選挙運動を仕向けた上、フォーラムを作ってからもハンナラ党の有力候補に対する非難を続けており、公職選挙法87条で禁じている「私的な組織作り」にあたる」としています。

・アメリカが国内向けに加工した骨付きカルビなどの牛肉66トンが誤って韓国に輸出されていたことが分かり、農林部はアメリカ産牛肉に対する検疫を全面的に保留することにしました。農林部は先月25日に釜山港から輸入されたアメリカ産牛肉から骨のついたカルビ肉がみつかったため、アメリカ側に問い合わせる中で、特に牛肉のバーコードが既存のものと違っていることを重視し、説明を求めていました。農林部が4日、明らかにしたところによりますと、アメリカ側は、「先月25と26日に釜山港から輸入されたカギル社の牛肉15.2トンと、タイソン社の牛肉51.2トンは韓国に輸出する手続きを踏んでいないアメリカ国内向けの牛肉であることが判明した」と回答してきたということです。このため農林部と国立獣医科学検疫院は、問題の牛肉全量をアメリカに返送し、具体的な事実の究明と再発防止策が講じられない限り、同じ食肉加工場の製品の輸出を全面的に禁止することにしました。さらに農林部はこれまでに韓国に輸入されたアメリカ産牛肉227トンのうち、検疫検査に合格し近く販売されることが決まっていた3トンについては販売を控えるとともに、検疫中の152.7トンについても検疫作業を保留し、これらの牛肉が正規の手続きを踏んで輸出されたかどうかについても確認するようアメリカに要請しました。これについてアメリカのジョハンス農務長官は現地時間で4日、単純なミスであることを強調するとともに、今回のミスでアメリカ産牛肉の韓国向け輸出が中断されるとは思わないと述べました。

・2014年の冬のオリンピック誘致に名乗りを上げている3つの都市について、IOC=国際オリンピック委員会の実地調査団がまとめた報告書がIOCのホームページに公開され、平昌がいずれの部門でも最高点(Exellent)を受けました。2014年の冬のオリンピックには韓国の平昌、オーストリアのザルツブルク、そしてロシアのソチの3都市が名乗りを上げており、このほど、IOCの委員による実地調査が行われ、宿泊施設や交通アクセスのほか、財政基盤、安全性など19項目にわたって評価されました。4日、IOCのホームページに公開された報告書によりますと、平昌とザルツブルクは最高(Exellent)と評価されたのに対して、ロシアのソチは良好(very good)の評価にとどまっています。また報告書はアジアで冬のスポーツを拡大し、韓半島の平和促進という目的からみると、平昌が優れているとつけ加えています。2014年冬のオリンピックの開催都市は来月4日、グアテマラで開かれるIOC総会で決まる予定です。

・済州島沖で、貨物船に乗って密入国しようとした中国人88人が済州海洋警察庁に検挙されました。済州海洋警察署によりますと、4日の午前6時20分頃、済州道・遮帰島(チャキ島)の北西90キロの海上を航行していた済州船籍の5000トン級貨物船に中国人の密入国者が乗っているのを確認し、海軍と合同で6時間にわたる追跡の末に拿捕したということです。この貨物船は先月31日の午後、石炭などを積んで中国の天津港を出発し、日本の広島に向かっていたもので、船長を含め乗組員20人のほかに中国人88人が乗っており、中国人は検挙されました。船長は「中国人のブローカーから密航に成功すれば一人あたり150万ウオンを払うといわれた。途中で他の漁船に乗せる計画だった」と話しています。

・息子とけんかになったナイトクラブの従業員らにボディーガードも動員して暴力を振るったとして身柄を拘束された韓火グループの金升淵(キム・スンヨン)会長について、ソウル中央地方検察庁は5日、捜査結果を発表するとともに、金升淵会長らを暴力行為など処罰に関する法律違反などの罪で起訴しました。検察の捜査によりますと、金升淵会長は今年3月8日、次男がナイトクラブの従業員とけんかになり階段から落ちて怪我をしたことを知り、ボディーガードや暴力団員を動員して、次男の喧嘩相手をソウル近郊の清渓山の工事現場に連れて行き、自らも鉄パイプなどで暴力を振るったということです。また金升淵会長は暴力の事実が報道された後、カナダに逃げた暴力団員に1億1000万ウォンを渡したことも確認されたということで、検察は金升淵会長と会長の会社の警護課長らを暴力行為など処罰に関する法律違反や業務妨害の罪で起訴しました。検察はまたこの事件に対する警察の捜査が遅れたことや、事件をうやむやにするようにと、外部からの圧力があったかどうかを調べるために南大門警察署長や李宅淳(イ・テッスン)警察庁長らを参考人として呼んで事情聴取することにしています。

・行政自治部は国の印鑑である、『国璽』を新たに製作する国璽製作団を発足させました。 これは現在使われている国璽に亀裂が見つかったため、行政自治部が新しい国璽を作ることにしたものです。新しい国璽のデザインは公募を通じて選ばれた閔弘奎(ミン・ホンギュ)さんの作品で大韓民国とハングルで書かれ、持ち手の部分は鳳凰の形をしています。閔弘奎(ミン・ホンギュ)さんを団長とする国璽製作団は33人で構成され、このうち国璽そのものの製作には閔弘奎(ミン・ホンギュ)さんら3人があたり、ほかに国璽のケースや、国璽を乗せておく印床など16種類の儀典用品も一緒に製作されることになっており、重要無形文化財に指定されている9人も参加します。また国璽と儀典用品の製作過程はすべて記録され、資料として残されます。

・今年の梅雨は、平年より早く今月17日前後から始まる見通しです。気象庁が発表した1カ月予報によりますと、今年の梅雨は今月17日前後から始まり、梅雨の初期に雨がたくさん降りそうだということです。また今月下旬には気温が高く蒸し暑い日が続き、来月上旬には梅雨が小康状態になる見通しだということです。

6月4日月曜日

・ウリ党から離党した議員らによる中道改革統合新党と民主党が統合して新党「中道統合民主党」を結成することになりました。中道改革統合新党の金ハンギル代表と民主党の朴相千(パク・サンチョン)代表は4日午後、統合宣言式を行い、中道改革統合新党の金ハンギル代表が基本政策合意書を、民主党の朴相千代表が統合宣言文を読み上げ、統合を宣言しました。基本政策合意書は、ITによる情報化の進展と世界化の流れに対応し、保守と革新という枠組みを越えて、中道改革主義を政治的基本理念として、韓国の政治発展に寄与すべく、2大政党体制を追求するとしています。新党の名前は「中道統合民主党」とし、両党は今後、それぞれ6人ずつによる統合準備委員会を設けて、統合に必要な法的手続きなどの準備を進め、今月15日に中央選挙管理委員会に新党結成を申告する予定です。国会での議席は、中道改革統合新党が20議席、民主党が13議席の合わせて33議席となりますが、すでにウリ党から離党した議員の中には新党への合流を表明した議員もいるほか、これからウリ党を離党する議員も出てくる可能性が高く、新党は40議席まで膨れ上がるものと予想されています。これについてウリ党は、ハンナラ党以外の政党による大連合の方針に反する小統合であると批判しており、年末の大統領選挙に向けて、新党の中道改革民主党とウリ党の間で、ハンナラ党に対抗する中道勢力の主導権争いが活発になることが予想されます。

・盧武鉉大統領は2日、ソウル市内で開かれた今の政権に対する評価フォーラムで講演し、大統領選挙のハンナラ党の有力候補である李明博(イ・ミョンパク)前ソウル市長や朴槿惠(パク・クネ)前代表を厳しく非難し、論議を呼んでいます。この中で盧武鉉大統領は、李明博前ソウル市長の主な公約の一つである韓半島に大運河を建設する計画について、民間資本を誘致して大運河を建設するとしているが、まともな人ならこんな計画には投資しないと非難し、経済成長率7%達成という公約も現実性がないと批判しました。また、朴槿惠前代表の主な公約の一つである鉄道とフェリーを利用して韓半島全体を網羅する物流網を構築するという計画については、現実性がないとした上で、独裁者の娘が大統領になれば、海外のメディアでさぞかし取りざたされるだろうと主張しました。こうした盧武鉉大統領の発言について、李明博前ソウル市長の陣営は、経済成長率7%の達成は十分可能だとした上で、自分ができなかったからといって他の人もできないという論理はおかしいと反発し、大統領は言うべきことと言ってはいけないことを区別できずにいると非難しました。また、朴槿惠前代表の陣営は、失政を繰り返した大統領に他の党の有力候補を非難する資格はないとした上で、大統領は残った任期の間、国政に専念すべきだと非難しました。さらにハンナラ党は盧武鉉大統領の発言について、中立を守るべき大統領が特定の党と有力候補を非難するのは明白な選挙法違反だとして、選挙法と国家公務員法違反で大統領を告発する措置を取り、大統領を弾劾することも検討するとしています。

・第268臨時国会が4日に始まり、各党が対立している懸案のうち、盧武鉉大統領が先月の閣議で、方針を決めた記者室の大幅な統廃合に関連した国政広報処の廃止法案やマスコミ関係法改正案がもっとも大きな争点になる見通しです。また、年末の大統領選挙を控えて、政治関係法改正案も争点となることが予想されています。この他にも4月の国会で採決できなかった私立学校法再改正案や国民年金法改正案、ロースクール導入法案なども、ウリ党とハンナラ党が対立しており、国会での対立は避けられない見通しです。

・宋旻淳外交通商部長官は3日、済州島で日本の麻生太郎外相と会談し、歴史共同研究委員会を23日に東京で開くことで合意し、第2期の委員会がスタートすることになりました。歴史共同研究委員会は、韓国と日本の歴史認識の差を克服するために、両国の有識者が話し合う協議体で、2002年から2005年まで第1期の委員会が研究活動をしました。韓日外相会談の合意により、両国は23日に東京で歴史共同研究委員会の全体会議を開き、第2期の歴史共同研究委員会をスタートさせることになります。両外相はまた、17、18の両日に、ソウルで、排他的経済水域の境界を画定するための8回目の局長級協議を開くことでも合意しました。一方、北韓を船で脱出し、青森県で警察に保護されている脱北者の家族4人の今後の処遇について、両外相は人道主義にもとづいて、本人たちの意思を尊重して決定することでも一致しました。

・宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官は3日、済州島で中国の楊潔チ(ヨウ・ケツチ)外相、日本の麻生太郎外相と会談し、黄砂など北東アジアの環境問題や、気候変動に備えるためのクリーンエネルギーの開発、投資の活性化など、9項目で連携を強化していくことで合意しました。3カ国の外相はこのほか、自由貿易協定の締結に向けて民間レベルの研究を進めること、ソウルの金浦空港と上海の虹橋空港、それに東京の羽田空港を結ぶシャトル便を就航させることでも合意しました。また、北韓が核放棄に向けて初期段階の措置をできるだけ早く履行することが重要だという認識で一致し、3カ国の外相会談を定例化するために調整を進めていくことでも合意しました。今回の会談では3カ国間にとって敏感な懸案には触れませんでしたが、今後、3カ国による外相会談がどういった方向で進められていくかに関心が寄せられています。

・アジア30カ国の外相など閣僚級が参加するアジア協力対話が4日、ソウルで始まりました。各国の代表は4日、盧武鉉大統領を表敬訪問し、夜は盧武鉉大統領主催の晩餐会に出席します。5日はソウル市内のホテルで外相会議を開き、午後には共同記者会見を行い、会議の結果を発表する予定です。今回の会議では、情報技術分野の協力事業など、アジア協力対話が進めている19の協力事業についての進展状況を点検し、アジア協力対話の将来の方向を模索するための高官級による研究グループの構成、北韓の核問題やエネルギー問題などについて意見を交換する予定です。

・忠清南道泰安郡のテソムという島の近くの海底で、高麗時代のものと見られる青磁が多数発見されました。国立海洋遺物展示館は4日、先月末にテソム近くの海底で調査を行った結果、高麗青磁20点あまりが海底に埋まっているのを確認したと発表しました。国立海洋遺物展示館によりますと、この海域は潮流が速いところで、青磁は海底の半径20メートルにわたって散らばっていたということです。国立海洋遺物展示館は、付近の海底にさらに多くの青磁が埋まっている可能性もあるとして、来月から本格的な発掘調査を進める予定ですが、この海域を重要文化財保護海域に指定し、一般の船舶の接近を禁止することにしています。

6月2日土曜日

・韓国政府が、政府の各部署にある記者室を大幅に減らして統廃合する方針を発表したのに対して、 IPI=国際新聞編集者協会はこのような方針を撤回するよう求める書簡を盧武鉉大統領宛てに送りました。IPI=国際新聞編集者協会は、プリツ事務局長の名義で、盧武鉉大統領宛てに送った書簡の中で、韓国政府が各部署にある記者室を大幅に減らして統廃合するとした方針を撤回するよう求めるとともに、韓国で政府とマスコミの対立が続く場合、11月に開かれるIPIの理事会でこの問題を取り上げるとしています。一方、盧武鉉大統領は、この問題について、先月31日、AP通信とのインタビューで、「韓国のマスコミと政府のかっ藤と対立は、マスコミの不当な特権を正そうとしている中で生じている最後の問題だ」と述べました。

・金章洙(キム・ジャンス)国防部長官は、「6カ国協議が守るべき原則と目標は、北韓の核兵器や核開発計画をすべて廃棄することだ」と述べました。シンガポールで開かれている第6回アジア安全保障会議に出席している金章洙国防部長官は2日、北韓の核問題についての演説でこのように述べるとともに、「こうした原則や目標から外れて、北韓の核兵器保有を容認するどのような政治的妥協や譲歩があってはならない。6カ国協議の参加国はこのような認識を共にしている」と述べました。シンガポールで開かれている第6回アジア安全保障会議にはアメリカのゲイツ国防長官らアジア太平洋の12の国と地域の国防長官が出席しており、3日に閉幕します。

・先月31日に、南海岸の韓国のEEZ=排他的経済水域内で、韓国の海洋調査船が調査活動を行ったことについて、日本政府が事前通告がなかったとして、韓国政府に抗議しました。外交通商部によりますと、先月31日午後、済州島の南側のおよそ237キロの韓国の排他的経済水域内で、海洋調査を行ったことについて、1日、日本政府が外交ルートを通じて抗議してきたということです。今回韓国の海洋調査船が調査を行った水域は韓国と日本がそれぞれ自国の水域と主張しているEEZ=排他的経済水域がかさなる部分です。韓国と日本は、海洋調査をめぐって、去年4月に、日本の海上保安庁が独島、日本名、竹島付近を含む排他的経済水域の調査のため調査船を出航させる計画を進めたことで、韓国政府が強く抗議するなど問題が発生しているため、政府レベルで話し合いを進めていました。

・韓国人の観光が認められている北韓の金剛山の観光区域のうち、金剛山の絶景といわれる内金剛の観光が今月1日から始まりました。金剛山観光を手がけている現代峨山によりますと、内金剛の観光が始まってから初めてとなる韓国人の観光客150人が1日北韓入りし、2泊3日で、内金剛の大自然や文化遺跡などをめぐる観光をしているということです。内金剛は、歴史的に数多くの文学や美術作品の背景になった所で、また仏教の遺跡も数多く残っており、予約が今月末まですでに売り切れるなど、韓国での関心が高まっています。

・ソウル市は市内にある人気テレビドラマのロケ地をまわる「韓流ドラマテーマバス」を今月5日から運行することになりました。ソウル市によりますと、現在運行しているソウル市内の名所などを周遊する「ソウル・シティーツアーバス」のうち1台を「韓流ドラマ テーマ バス」に指定し、今月5日から3カ月間試験的に運行するということです。まず最初のテーマに選ばれたドラマは、KBSが去年製作した「春のワルツ」で、バスの車体をドラマの写真で飾るほか、バスの車内では随時ドラマを放送し、ロケ地を紹介したパンフレットを配るなどして、韓流ドラマが目当ての観光客を誘致することにしています。

・南海岸の全羅南道の4つの海水浴場で2日、全国のトップを切って、例年より20日も早く海開きをしました。2日海開きをした海水浴場は、海割れ現象で有名な全羅南道・珍島のカゲ海水浴場、曾島のウジョン海水浴場など4つの海水浴場で、今年は夏の訪れが早く、海水の温度が上昇しているため、例年より20日あまりも早い海開きになりました。このほか、全羅南道にある43の海水浴場でも今月9日から16日の間に相次いで海開きをする予定です。

・韓国人の平均寿命は78.5歳ですが、不自由なく生活できる年齢、いわゆる健康寿命は68.6歳であることがわかりました。韓国保健社会研究院がまとめた報告書によりますと、2005年に、全国の成人男女2万5000人あまりを対象に、▼運動能力▼日常生活を営む能力▼仕事や家事を営む能力▼病気による痛みや不便さ▼精神的状態の5つの項目について面接調査を行い、肉体的、心理的に不自由なく生活できる年齢、いわゆる健康寿命を割り出した結果、平均で68.6歳でした。

6月1日金曜日

・ソウルで開かれていた南北閣僚級会談は、最終日の1日、核放棄に向けた措置が履行されていない中でのコメ支援に難色を示す韓国側と、これに強く反発する北韓側との対立が解消されず、共同報道文を取りまとめたものの、次の日程を決めることができないまま、終了しました。南北双方は31日から断続的に行われた協議で、共同報道文を取りまとめ、これまで20回も続けられてきた閣僚級会談を評価したうえで、今後の南北関係をさらに発展させていくことで認識をともにしました。しかし1日に行われた首席代表同士の接触で、北韓へのコメ支援について解決策を模索しましたが、北韓が強くコメ支援を求めたため、意見の食い違いを狭めることができず、南北閣僚級会談は次の閣僚級会談の日程も決められないまま、終了しました。

・一方、北韓通で知られるチャン・ソンミン前議員は、南北閣僚級会談の北韓代表がコメ支援の問題で、北韓内部でかなり追い詰められていると述べました。チャン前議員は連合ニュースとの電話で、中国の消息筋の話を引用して、「北韓は、韓国からコメ支援を受ける約束で南北縦断鉄道の試運転で軍事保障措置を取ったのに、コメ支援が行われないので反発している」と話しました。韓国政府は先月の南北経済協力推進委員会で、北韓に対してコメ40万トンを5月末に支援することで合意しましたが、核放棄に向けた措置が履行されていない中でコメ支援を行うことはできないという立場をとっています。

・盧武鉉大統領は31日、アメリカのAP通信と会見し、南北首脳会談の開催について、「6カ国協議の成果をより進展させ、確固たるものにするために必要だが、適切な時期があるだろう」と述べ、任期中の開催にこだわらないという考えを示しました。盧武鉉大統領はこの日の会見で、「南北首脳会談を開催する時期はいつごろが適当だと思うか」という質問に対して、このように答えたもので、「首脳会談の開催は任意に早めることはできないが、適当と思われる時期が来れば、6カ国協議の進展のためにも遅らせてはならない」と述べました。盧武鉉大統領が南北首脳会談の開催に関連して、このような立場を表明したのは、マカオの銀行にある北韓関連資金の問題で難航している6カ国協議を進展させるために、任期中に首脳会談を行うのではないかという観測が出ていることに対して、くさびを差したものと受け止められます。

・韓国とASEAN=東南アジア諸国連合5カ国との間のFTA=自由貿易協定が、1日、商品分野に限って発効しました。発効したのは、韓国とASEANのうち、ベトナム、ミャンマー、シンガポール、マレーシア、インドネシアの5カ国とのFTAで、フィリピンなど4カ国はそれぞれ国内の手続きが滞っていることから発効が遅れており、タイとは別途にFTAの締結に向けた2国間交渉が行われています。協定の発効にともない、韓国は締結国に対して、商品分野の5224品目のうち、4742の品目について、関税を2010年までに完全に撤廃することになり、このうち70%の品目に対しては発効後ただちに関税が撤廃されました。しかし、コメや牛肉、豚肉、にんにく、パイナップルなど国内の業界が敏感に反応する200の品目は開放の対象にはなっていません。ASEANは韓国の貿易量のおよそ10%を占め、韓国にとって、中国、EU=ヨーロッパ連合、アメリカ、日本に次いで5番目に大きな市場です。

・1日、韓国株式市場の総合株価指数(KOSPI)が前日より15.33ポイント上昇した1716.24ポイントで取り引きを終え、また最高値を更新しました 。前日に史上初めて1700ポイントの大台を超えた総合株価指数は、これで今週毎日最高値を更新したことになります。産業生産とサービス業が堅調で、景気関連指数が上昇するなど景気回復の兆しが顕著になっているほか、最近発表されている経済指標が景気回復への期待感を膨らませていることが、相次ぐ最高値更新の追い風となっているものと証券アナリストらは分析しています。これに関連して、財政経済部のキム・ソクトン次官は、「輸出の増加が続き、消費や投資など内需が徐々に改善している」と述べ、景気が回復局面に入っているという見方を示しています。

・先月、5月の輸出額が月単位で史上最高を記録しました。産業資源部が1日発表した5月の輸出入動向によりますと、5月の輸出額は312億5000万ドルで、去年5月に比べておよそ12%増えています。これで輸出額は16カ月連続で二桁台の伸び率を示したことになります。一方、貿易収支は14億8000万ドルの黒字で、2003年4月以降、50カ月連続で黒字となりました。ウォン高円安など不利な条件のもとで、輸出がこのように好調だったのは、工場など操業日数が増えたことと、主力品目の輸出が大幅に増えたことによるもので、自動車の輸出が去年の同じ期間に比べて20%増えたほか、鉄鋼やLCDパネル、一般機械なども輸出を大幅に伸ばしました。

・京畿道華城市にある東灘新都市の東部に広がる地域が新都市に追加指定されました。建設交通部の李庸燮(イ・ヨンソプ)長官は1日、京畿道華城(ファソン)市の東部にある東灘面(トンタンミョン)英川里(ヨンチョンリ)、清渓里(チョンゲリ)などの一帯2078万平方メートルを新都市に指定し、アパート10万戸など合わせて10万5千戸の住宅を建設する開発計画を発表しました。新しく新都市に指定されたのは、現在開発が進められている東灘新都市の東部にある2078万平方メートルで、東灘新都市と合わせると、およそ3080万平方メートルに14万6千戸の住宅が建設されることになり、これまで開発された首都圏の新都市の中では最大規模となります。

・韓国にある韓国駐留アメリカ軍の基地9カ所、2600万平方メートルが韓国政府に返還されました。政府は1日、「韓国駐留アメリカ軍の基地9カ所に対して、韓米地位協定にもとづいた返還手続きが、先月31日ですべて終了した」と発表しました。返還されたのは、江原道春川市にあるキャンプ・ベージュ、ソウルのキャンプ・グレイ、京畿道議政府のキャンプ・カイルとエッセイオンズ、京畿道坡州市のキャンプ・ゲリーオーウェン、京畿道・華城の梅香里射撃場など9カ所で、面積はあわせて2600万平方メートルです。このうちキャンプ・グレイとカイル、ゲリーオーウェン、梅香里射撃場については、管理権が韓国に委譲されましたが、環境汚染が回復したかどうかについての最終確認はされていません。国防部の関係者は「これまで韓米地位協定の環境分科会で、基地の環境汚染の回復についてアメリカと数回話し合ってきたが、一部で環境汚染の回復が十分ではなかった」と認めたうえで、「アメリカは汚染回復のための作業を行ったとしてるが、韓国政府による確認作業を拒否した」と説明しました。この関係者はまた「返還された基地を処分する前に韓国駐留アメリカ軍の特別会計資金で汚染を回復させたい」としていますが、その費用は公開しませんでした。このため、基地は返還されたものの、環境汚染回復のための費用に、数百億ウォンの税金があてられるものとみられます。

・韓国の登山家、厳弘吉(オム・ホンギル)さん(47)が、海抜8400メートルのヒマラヤの峰、ローツェ・シャールの登頂に成功し、これでヒマラヤの16の峰に登頂する快挙を成し遂げました。厳弘吉さんが率いる「2007韓国ローツェ・シャール遠征隊」は、現地時間の31日午後6時50分ごろ、ローツェ・シャールの登頂に成功しました。これで厳弘吉さんは、ヒマラヤの最高峰エベレストを含む14の峰と、国際的に公式には独立峰として認められていないヤルンカン(8505メートル)と、今回のローツェ・シャールを加えて8000メートル級の16の峰の登頂に成功しました。厳弘吉さんは2001年にもローツェ・シャールの登頂に挑戦しましたが、気象が悪化したため、7600メートルで断念しており、2003年には雪崩で隊員2人が死亡するなど、この7年間で4回挑戦した末、登頂に成功しました。