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3月31日土曜日

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の大詰めの交渉は、期限が韓国時間で31日午前7時までとされていましたが、さらに2日間延長して交渉を継続することになりました。韓国の金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表は31日午前、「両国は3月26日から1週間、妥結に向けて高官級協議を開くなど、31日午前1時をめどに交渉してきたが、まとまらなかった。しかし両国ともに追加の協議が必要であるという認識から、アメリカ側が本国政府と連邦議会の協力を得て、交渉期限を48時間延長し、韓国時間で4月2日午前1時まで交渉を続けることになった」と発表しました。アメリカ政府は連邦議会から与えられた貿易権限による交渉期限が6月末までとなっており、その90日前の4月1日までに韓米FTAを締結する意思を示さなければなりません。しかし4月1日が日曜日のため、連邦議会の業務日から逆算した韓国時間の31日午前7時を期限に交渉を続けましたが、争点について意見の歩み寄りがみられませんでした。このため両国はアメリカ時間で4月1日の正午、韓国時間では4月2日午前1時までかけて、ぎりぎりの交渉を続けることになりました。1年余りにわたって進められてきた韓米FTA交渉で、両国は争点のうち医薬品、通信、金融、投資、反ダンピングなどについてはほぼ合意した模様ですが、両国とも国益や国内の反対世論を背景にして、アメリカ産牛肉と自動車をめぐっては歩み寄りがみられず、交渉時間を伸ばすギリギリの選択でも妥結できるかどうかはきわめて流動的となっています。

・大統領府青瓦台は31日、首席秘書官会議で韓米FTA交渉の進み具合をチェックするとともに、今後の対策について協議しました。青瓦台の尹勝容(ユン・スンヨン)広報担当首席秘書官は、「部署間の利害関係についての意見調整は終わり、1日午後の会議で最終的な対策を協議する」と述べましたが、青瓦台の会議内容や韓米FTA交渉など詳しい内容については一切触れませんでした。盧武鉉大統領は、中東3カ国歴訪から帰国した30日夜も徹夜で韓米FTA交渉について随時報告を受けたということで、交渉がさらに2日間行われることから、大統領が1日に発表する予定だった国民への談話も順延となりました。

・韓米FTA交渉期限がさらに2日延長されたことについて、政界は賛否が分かれており、国会でのFTA批准に反対する動きもみられます。最大野党のハンナラ党の羅卿緩(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは論評を出して「韓米両国が期限を延長したのは、この交渉を妥結させたい意思の表れだと思う。最後まで国益という観点で妥結を目指してもらいたい」と述べました。ウリ党の丁世均(チョン・セギュン)議長は31日の党内の緊急会議で「99%より、残りの1%をどのように満たすかが、交渉の成敗を決めるので、最善を尽くしてもらいたい」と韓米FTA交渉の妥結に期待感を示しました。一方、民主党は論評を出し、「交渉期限が延長されたのは、妥結のための時間稼ぎとみられ残念だ。政府は韓米FTA交渉を次の政権にゆだねるべきだという国民の声に耳を傾けなければならない」と述べました。また韓米FTAに強く反対する民主労働党は「アメリカに対して譲歩しかない屈辱的な交渉にこだわる大統領は理解できない。また認めることもできない」と批判しました。

・韓米FTA締結に反対する市民団体のメンバーら5000人は30日夜、ソウル都心で大規模なろうそく集会を相次いで開きました。韓米FTA阻止汎国民運動本部は、30日夜8時半からソウル市庁前広場におよそ5000人が集まってろうそくを灯してFTA反対の集会を開きました。メンバーの一部は集会の後、青瓦台に向かい、それを阻止しようとする機動隊とにらみ合いとなりました。

・韓国とシンガポールとのFTA=自由貿易協定が発効して1年たちましたが、このFTAで両国間の貿易額が10%増えたことがわかりました。シンガポールのリイシャン通商産業相は30日、韓国・シンガポールFTA発効1周年を記念してシンガポールで開かれた式典で演説し、「FTAが発効した去年3月からの1年間に両国の貿易額はアメリカドルにしておよそ200億ドルに達し、前の年に比べて10%の伸びとなった」と述べました。リ通商産業相はこの中で「シンガポールと韓国の両国は北東アジアの商品とサービスの貿易をさらに増やすために、これまで以上の投資をすることが期待される」と述べました。またシンガポール政府の集計によりますと、去年1年間、シンガポールを訪問した韓国人は延べ45万4000人にのぼり、一方、韓国を訪れたシンガポール人は7万人でした。

・政府は30日、独島(日本でいう竹島)を日本の領土だと記述した日本の高校の歴史教科書の検定を認めた日本の文部科学省の決定を容認できないとして検定の撤回を求めました。外交通商部はこれについて声明を出し「日本政府が2007年度の高校の教科書検定で、韓国固有の領土である独島を日本の領土のように記述した教科書を認めたことは容認できない。日本の教科書の一部が依然として間違った歴史認識をもとにしていることを深く憂慮する」としています。さらに「隣国との間に未来志向的な関係を築き、北東アジアでの協力に寄与するには、未来を担う世代が過去の歴史に対して冷静に反省し、その上で正しい歴史観を持つように教育することが何よりも重要であることを日本政府は認識しなければならない」と強調しました。これについて韓国政府の当局者は「独島だけでなく、慰安婦についての記述も、これまでのところ、16カ所に問題が生じる表現を使っている。また日本の首相の靖国神社参拝は公的なものではなく、個人参拝で憲法違反ではないという意味として受け取れる記述もみられる」と述べました。

・韓国の釜山港と日本の福岡市博多港を結ぶ韓国籍の快速船「コビー」が就航5年目で、乗客が累計100万人を超えました。快速船を運航している未来高速は、30日午後1時前、快速船のコビーの100万人目の乗客となった釜山市のシン・ジウォンさん(22歳)に記念品と無料乗船券を贈りました。ジェットフォイルによる釜山−博多間の未来高速の航路は、2002年2月に就航して3時間足らずで両国を結んでいます。

・日本のプロ野球、読売ジャイアンツで活躍している李承Y(イ・スンヨプ)選手が30日、横浜スタジアムでの横浜ベイスターズとの開幕戦で今期1号ホームランを放ち、今年のホームラン目標45本に向けて順調なスタートを切りました。李承Y選手は1対2でリードされていた4回に先頭打者に立ってソロホームランを放ち、去年の東京ドームでの開幕戦に続く2年連続の開幕戦ホームランを記録しました。

3月30日金曜日

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の大詰めの交渉は、期限が韓国時間で31日午前7時までとされていましたが、さらに2日間延長して交渉を継続することになりました。韓国の金宗?(キム・ジョンフン)首席代表は31日午前、「両国は3月26日から1週間、妥結に向けて高官級協議を開くなど、31日午前1時をめどに交渉してきたが、まとまらなかった。しかし両国ともに追加の協議が必要であるという認識から、アメリカ側が本国政府と連邦議会の協力を得て、交渉期限を48時間延長し、韓国時間で4月2日午前1時まで交渉を続けることになった」と発表しました。アメリカ政府は連邦議会から与えられた貿易権限による交渉期限が6月末までとなっており、その90日前の4月1日までに韓米FTAを締結する意思を示さなければなりません。しかし4月1日が日曜日のため、連邦議会の業務日から逆算した韓国時間の31日午前7時を期限に交渉を続けましたが、争点について意見の歩み寄りがみられませんでした。このため両国はアメリカ時間で4月1日の正午、韓国時間では4月2日午前1時までかけて、ぎりぎりの交渉を続けることになりました。1年余りにわたって進められてきた韓米FTA交渉で、両国は争点のうち医薬品、通信、金融、投資、反ダンピングなどについてはほぼ合意した模様ですが、両国とも国益や国内の反対世論を背景にして、アメリカ産牛肉と自動車をめぐっては歩み寄りがみられず、交渉時間を伸ばすギリギリの選択でも妥結できるかどうかはきわめて流動的となっています

・盧武鉉大統領は29日、訪問中のカタールでアメリカのブッシュ大統領と電話で会談し、大詰めの段階を迎えている韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉が、両国にバランスよく利益をもたらし、共同の利益を増進させるべきだという政治的な意志を確認し、それぞれの交渉代表団に最大限の柔軟性を持って交渉するよう指示することになりました。盧武鉉大統領とブッシュ大統領の電話会談はおよそ20分間行われ、FTAの最大の争点となっている自動車、農業、繊維などで、双方がこうした方針で交渉を行うことで意見が一致したと、大統領府、青瓦台の尹勝容(ユン・スンヨン)報道担当首席秘書官が伝えました。この電話での会談はアメリカの提案によるもので、この日、ブッシュ大統領が盧大統領が滞在しているカタール・ドーハのホテルに電話をかけてきたということです。盧大統領は中東歴訪を終えて30日午前帰国し、空港から青瓦台に向かって、韓米FTA交渉について報告を受け、FTAの妥結に向け最終的な準備に入る予定です。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の交渉期限を1日後にひかえ、国会議員48人が、30日、国会で韓米FTAの締結に反対する会議を開きました。ハンナラ党、ウリ党、民主労働党などの国会議員48人は、この会議で、韓米FTAは国の利益と国民生活をむしばむとして、締結に反対する意思をあらためて明らかにしました。議員らはまた、韓米FTA交渉の過程と妥結内容に関する聴聞会を国会で開くとともに、国政調査を実施するなど、国会でできるすべての対応をとることを決議しました。一方、この日は、韓米FTAの締結に反対する集会が全国各地で開かれました。

・政府高官のうち、およそ78%の人が、前の年より資産を増やしていることが分かりました。政府公職者倫理委員会が30日公開した、行政府高官の公職者625人の資産申告によりますと、去年の12月31日現在、前の年より資産が増えた公職者は合わせて487人、およそ78%で、このうち1億ウォン以上増えた人は152人、およそ24%でした。資産が前の年より減った公職者は138人、22%でした。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の資産は長男の留学などで、前年に比べて866万1千ウォンが少ない8億2千66万9千ウォンで、2003年に就任してからおよそ4年間で3億4千724万ウォンが増えたことになります。閣僚で資産がもっとも多かったのは、金雨植(キム・ウシク)副総理兼科学技術部長官で、41億5千91万ウォンを申告しました。政府高官の資産登録・公開制度は、公職者による不当な富の蓄積や不正を防ぐため1993年に取り入れられたもので、この制度によって、年に1度、行政府、国会、最高裁判所など国家機関の公務員と第2級以上の政府公職者などの資産公開が義務付けられています。

・ソウルの龍山駅の西側に、世界で3番目に高い超高層ランドマークビルが建設されることになりました。ソウル市は28日、龍山区漢江路にある龍山国際業務地区の44万2千平方メートルに、高さ620メートルの超高層ビルを建てることを認めたと発表しました。ソウル市がこれまでに決めていたこの地区の建物は、高さが350メートルまでに制限されていましたが、今回、超高層ランドマークビルの建設を計画している鉄道公社と龍山区の要請を受け入れ、規制を大幅に緩和した形となりました。620メートルという高さは、140階建てから155階までに相当し、現在、アラブ首長国連邦のドバイで建設中の高さ830メートルのブルジュ・ドバイと、モスクワに建てられる649メートルのタワー・オブ・ロシアに次いで3番目となります。しかし、ソウル市は建築にあたっては、用地のうちおよそ16万平方メートルは開発の対象から外し、将来ほかの業務施設や交通対策に利用するとともに、一帯の交通渋滞を改善する費用を、土地を所有している韓国鉄道公社が負担するという条件を付けているため、鉄道公社が反発しており、今後さらに協議することになります。

・韓国で登録されているマラソン選手が、北韓で行われる大会に初めて参加することが決まりました。国民体育振興公団マラソンチームの黄永祚(ファン・ヨンジョ)監督が29日、明らかにしたもので、韓国の選手2人が、来月8日に平壌で開催される「第20回万景台(マンギョンデ)国際マラソン大会」に出場することになりました。韓国人選手の出場については、万景台マラソン大会の組織委員会が統一部を通じて招待状を送り、これを受けて黄監督が今月初めに北韓を訪問し、出場申請を済ませたということです。この大会でフルマラソンに出場するのは、ジェ・インモ選手と、キル・ギョンソン選手の2人で、来月5日に中国の北京経由で平壌入りする予定です。

・国民の48%、およそふたりにひとりが、「自分は低所得層」と認識しており、42%は中間階層、7%は貧困層だと考えていることが分かりました。これは韓国の有力紙、東亜日報が、27日、創刊87周年を記念して、全国の成人男女1500人を対象に行った意識調査の結果で分かったものです。さらに、家庭の経済状況については、5年前に比べて「暮らし向きが悪くなった」という回答が36%で、「よくなった」という回答の16.5%を大きく上回りました。一方、政治理念についての質問には、「保守」という回答が36.8%でもっとも多く、「保守でも進歩でもない」が28.4%、「進歩」が27.7%で、「保守でも進歩でもない」が2004年12月の同じ調査に比べて大幅に減っており、年末の大統領選挙に向けて、保守か進歩に分かれる傾向が次第に鮮明になっています。

・韓国映画の巨匠、林権澤(イム・グォンテク)監督の100本目の作品「千年鶴」の公開に先立ち、映画関係者らによる林監督の100本目制作を記念する行事がソウル市内の映画館で開かれました。29日夜、ソウル市内の複合映画館で開かれた記念行事には、韓国の映画界で活躍している監督や俳優など300人が集まり、林監督の業績を称えるとともに、100本目の映画の成功を祈りました。林監督は1987年に「風の丘を越えて〜西便制(ソピョンジェ)」で、上海国際映画祭の監督賞、2002年に「酔画仙」でカンヌ国際映画祭の監督賞を受賞するなど海外でも高い評価を受けています。100本目の映画「千年鶴」は来月12日に全国で公開される予定です。

・ソウル市は、来月6日から10日までの5日間、桜の名所・汝矣島(ヨイド)一帯で「2007 漢江 汝矣島 春の花祭り」を開催することになりました。この期間中は、汝矣島一帯に植えられているソメイヨシノ1600本をはじめ、ツツジ、レンギョウなど13種、8万7千本あまりで、花が満開になるものとみられています。また、期間中、世界の民俗踊りの公演や花火大会なども行われ、祭りを盛り上げることになっています。

3月29日木曜日

・ソウルで行われている韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けた高官級会談はアメリカ産牛肉の輸入再開や自動車問題などをめぐって、依然として意見の歩み寄りができず、交渉期限となっている31日午前7時までの妥結は不透明な情勢となっています。高官級会談4日目の28日、アメリカは、牛肉に続いて、アメリカ産豚肉に対しても輸入関税を5年以内に撤廃するよう求めてきました。これについて、韓国農林部のミン・ドンソク農業通商政策官は、28日午後、「両国がこれまでの立場から一歩も進展できず、極めて難しい状況が続いている。しかし交渉は妥結するためにするもので、時限が迫っているだけに努力すれば、接点を見出すことができるだろう」と述べました。また自動車、繊維部門についても、両国は折衝を試みているもののまだ結論を見出していない模様です。

・韓米FTA=自由貿易協定に締結に向けて、両国首脳が最終的に決断する時期が迫っている中で、中東3カ国を歴訪している盧武鉉大統領は、「まだ楽観も悲観もできない」としたうえ、「最終の決断は大統領である自らが下す」と述べました。カタールを訪問している盧武鉉大統領は28日、ドーハ市内のホテルで開かれた韓国人同胞懇談会で、韓米FTA交渉について「収支が合わなければ取り引きは成立しない。政府の各部署ごとに利害関係が少しずつ違うため、意見のとりまとめを経済担当副総理に委ねているが、アメリカとFTA協定を締結するかどうか、最終の決断は大統領である私が下すのが望ましいと思う」と述べました。

・一方アメリカのブッシュ大統領は、韓米FTA協定に向けた交渉で、大きな懸案となっているアメリカ産牛肉について、28日、全米肉牛生産者協会の大会で演説し、「韓国と日本にアメリカ産牛肉の市場を完全に開放するよう求めていく方針で、これは政権の重要な外交問題だ」と強調しました。

・盧武鉉大統領の側近の安熙正(アン・ヒジョン)氏が、大統領府、青瓦台の指示を受けて 去年10月、中国の北京で北韓の要人と会ったことが確認され、波紋を呼んでいます。安熙正氏は盧武鉉大統領が民主党から大統領選挙に立候補した際に盧武鉉候補の参謀役をつとめた側近中の側近で、去年9月に、北韓当局が安熙正氏との面談を希望しているという情報を入手し、知り合いの元国家安全保障会議の担当者を先に北京に派遣して、北韓の要人と接触しました。これについて青瓦台の李鎬哲(イ・ホチョル)国家情報状況室長は、マスコミとのインタビューで「北韓が去年秋に、核実験を行った後、韓国の週刊誌記者から‘北韓が6カ国協議への復帰や韓半島非核化の意思を持っており、韓国の特使派遣を希望している’という内容の報告を受けた。これを盧武鉉大統領に報告したところ、大統領は信頼性があるか、北韓の思惑は何かを確認するよう指示し、それを受けて、安熙正氏とウリ党の李華泳(イ・ファヨン)議員を北京に送り、去年10月20日、北韓の民族経済協力連合会のリ・ホナム参事官と会った」と述べました。李鎬哲室長はさらに「当時は北韓が核実験を行った直後で、南北首脳会談を取り上げる状況ではなく、北韓のリ・ホナム参事官の要望もコメや肥料の支援にとどめた。その後、安熙正氏と李華泳議員と会って、李海チャン元国務総理が北韓への特使にふさわしいという結論を出した 」と述べ、今月行われた李海チャン元国務総理の北韓訪問はすでに去年10月から青瓦台レベルで論議されていたことを示唆しました。

・これについてハンナラ党、民主党、民主労働党とウリ党から離党した議員は一斉に南北首脳会談に向けて政府や青瓦台がこれまでに進めた内容を公開するよう要求しました。最大野党、ハンナラ党の羅卿?(ナ・ギョンウォン)スポークスマンは「韓半島非核化に役立つ南北首脳会談なら賛成するが、年末の大統領選挙に勝つためのイベントのような南北首脳会談は容認できない。青瓦台はこれまで推進した内容を公開すべきだ」と批判しました。また民主党は盧武鉉大統領の謝罪を要求しました。

・北韓を訪問していたWFP=世界食糧計画のバンバリーアジア担当局長は、「北韓が100万トンの食糧が不足している」として、WFPに食糧の援助を要請してきたことを明らかにしました。WFPのバンバリーアジア担当局長ら関係者は22日から27日まで、北韓を訪問し、各地で援助物資の配給状況などを視察してきました。バンバリー局長は28日、北京で記者会見し、「北韓の人口のうち3分の1から半分が食糧難に苦しんでいる。北韓が100万トンの食糧が不足しているとして、WFPに食糧の援助を要請してきた」と述べ、このような北韓当局の姿勢について「大きな変化だ」と指摘しました。北韓は2005年に「食糧事情が改善した」としてWFPに短期食糧援助の打ち切りを求めたため、海外からの食糧支援が大きく減少し、さらに去年夏の水害で作物の収穫量が落ち込み、深刻な食糧危機を招いています。

・靖国神社への戦犯の合祀は、日本政府が靖国神社に働きかける形で進められたことが明らかになったことについて、外交通商部は29日、日本政府の責任ある措置を求めました。外交通商部は論評で「靖国神社への戦犯の合祀に日本政府が直接介入した事実が日本の資料を通じて明らかになった。韓国政府は日本がこれ以上、真実をわい曲せずに、正しい歴史認識のもとで責任ある措置を取ることを求める」としています。日本のマスコミは、日本の国立国会図書館が公表した資料で、靖国神社への戦犯の合祀は、靖国神社と当時の厚生省の間で協議行われ、A級戦犯の名簿も厚生省から靖国神社に送られたと報道しました。

・国務総理に内定した韓悳洙(ハン・ドクス)前経済担当副総理に対する国会の人事聴聞会が29日開かれ、韓悳洙氏が韓米FTA協定の政府の締結支援委員長を務めていたことなどから、韓米FTA協定について見解を問う質問が集中しました。これについて、韓悳洙氏は、「今回の交渉にコメの開放を含めると、交渉は決裂する。韓国政府はコメを追加の開放品目として絶対に含めない方針だ」と強調しました。国会は30日も韓悳洙氏に対する人事聴聞会を行い、来月2日に、任命同意案の表決を行う予定です。

・このほど新しく任命された柳明桓日本駐在韓国大使が、最近の韓日関係について、「夫婦関係のように、けんかをする時はしても、一方では関係を強化していかなければならない」と述べました。柳明桓大使は28日、東京に赴任して初めて、韓国メディアの特派員と会見し、「両国間には歴史問題など、懸案が山積みされている。しかし日本は韓国にとって、経済、安保などで、切っても切れない友邦国だ。日本との関係改善と強化が駐日大使の任務」だとして、「夫婦関係のように、けんかをする時はしても、お皿が割れない方法を見つけていきたい」と強調しました。

・旧日本軍の慰安婦問題の解決を訴える決議案がアメリカ議会に続いて、カナダ議会の下院でも審議が進められることになりました。カナダの新民党所属のマスターン議員が提出したこの決議案は、27日、カナダ議会下院の国際・外国開発委員会傘下の人権小委員会の表決で、賛成4反対3で可決され、今後、常任委員会の審議に入ることになりました。決議案は、日本の首相と国会に対して、▼旧日本軍によって性の奴隷として扱われた女性たちに公式に謝罪する決議案を国会で成立させること、また▼元慰安婦の女性たちに賠償することを求めています。さらに日本の首相と国会が謝罪と賠償を行うよう、カナダ政府に対しても協力を求めています。

・サッカーの男子22歳以下の韓国代表は、28日夜、京畿道安山市にあるワースタジアムで行われた北京オリンピックのアジア地区2次予選の3試合目でウズベキスタンに2対0で勝ちました。これで韓国は2次予選のグループリーグの4チームのうち、3連勝して全勝を守り、グループリーグ4チームの首位に立ちました。韓国は、4月18日に再びウズベキスタンと今度は相手の本拠地で対戦し、この試合に勝てばグループの2位以内が確定し、最終予選への進出が決まります。

3月28日水曜日

・北韓の金正日国防委員長はアメリカとの信頼構築と関係正常化のため、ブッシュ大統領の親書を強く希望していると韓米の複数の関係者が述べました。金正日国防委員長のこのような意志は金桂ェ(キム・ゲグァン)外務次官が今月初めに米朝関係正常化に向けた作業部会に出席するためアメリカを訪問した際、ヒル国務次官補らアメリカの当局者に直接示し、ブッシュ大統領にも伝わったものとみられるということです。金桂ェ外務次官はまた、2000年に当時のオルブライト国務長官が平壌を電撃的に訪問して国交正常化に向けた交渉が本格化したように、今後はライス国務長官がブッシュ大統領の特使として北韓を訪問するように要請したと伝えられています。しかしアメリカは金桂ェ外務次官のこのような要請に対して、特使の派遣は双方が十分な論議を経て決める問題だと慎重な反応を示しているということです。

・マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアに凍結されている北韓関連の資金について解決のめどが見えてきたとアメリカ国務省のケイシー副スポークスマンが27日、述べました。アメリカのグレーザー財務次官補代理は今月25日から北京入りし、中国の外務省や金融当局などと、凍結されている北韓関連資金の解除について協議を重ねており、27日には武大偉外務次官と会議したことが確認されたことから、協議は詰めの段階に入ったのではないかとみられています。グレーザー次官補代理は、北韓関連資金の凍結解除にかかわる中国の銀行に不利益がないようにすると強調していますが、中国の銀行は依然として不安感をぬぐいきれずにいるということで、マカオの銀行の資金が北韓の口座に振り込まれる過程を非公開にすることも積極的に検討しているもようです。

・去年の北韓の核実験以来、中断したままとなっている北韓の水害に対する支援が28日から再開されました。統一部の当局者は、去年の夏、水害に見舞われた北韓に送る支援品のうち、毛布7万枚を28日、仁川港と北韓の南浦港を行き来する定期貨物船で輸送すると発表しました。今回、支援が再開されるのは、去年8月に支援することが決まっていたもののうち、北韓の核実験直後から輸送が保留されていたもので、毛布のほかにコメ1万500トン、セメント7万400トン、トラック50台、鉄筋1800トンなどです。一方、政府は北韓に来月にも稲作用のビニールや製薬工場への原材料、山林緑化関係など合わせて33億ウォン相当の支援を行う方針です。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けた高官級会談3日目の28日、両国の代表団は農業、繊維、金融の分科会で高官による協議を行いました。農業の分科会で韓国のミン・ドンソク農林部次官補は「農産物への関税撤廃とアメリカ産牛肉の輸入再開が争点で、今のところ、これといった進展はない。コメは交渉対象にならないので、アメリカが再びコメの輸入を取り上げた場合、交渉そのものが決裂することもありうる」と厳しく述べました。一方、韓国の金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長は28日の関係長官会議に出席し、これまでのFTA交渉の中間結果を報告し、アメリカのカトラー首席代表もアメリカ大使館で本国から電話による訓令を受けました。こうした情勢について韓国側の関係者は、アメリカが28日まで柔軟な姿勢を示さなければ、交渉期限となっている31日午前7時までの妥結は厳しいと述べ、28日が交渉の山場になるという考えを示しました。

・中国の温家宝首相が盧武鉉大統領の招待で来月10日と11日の2日間、韓国を公式訪問すると大統領府、青瓦台が27日発表しました。

・ウリ党の丁世均(チョン・セギュン)議長は28日、「民主党が来月3日に全党大会を終えた後、民主党との統合について真剣に協議できることを希望する」と述べました。丁世均議長はこの日、光州で「民主党の全党大会が終わらないうちには、どんなアクションも無駄で何にもできないが、民主党と統合して6月には良い成果を出したい」と強調しました。ウリ党は支持率が低迷して、所属国会議員が相次いで離党し、盧武鉉大統領も離党しており、丁世均議長の発言は同じ全羅道を基盤としている民主党との統合で年末の大統領選で巻き返しをはかるねらいがあるものとみられています。

・アメリカ中央情報局(CIA)のヘイデン局長が今月26日から28日までの3日間、極秘で韓国を訪問したことが確認されました。連合ニュースが報道したところによりますと、情報当局の消息筋は27日、「アメリカ中央情報局のヘイデン局長は東南アジアを歴訪しており、26日から韓国入りして、金万副(キム・マンボク)国家情報院長、金章洙国防部長官、合同参謀本部のキム・ウンギ情報本部長らと会談したということです。ヘイデン局長は、韓国の国家情報院長と国防部長官との会談で、去年の北韓の核実験以降の核施設の稼動状況や北韓軍の動向などについて情報を交換し、両国間の緊密な情報交換の必要性について意見を交わしたものとみられています。

・2011年の世界陸上選手権大会が大邱(テグ)で開かれることになりました。国際陸上競技連盟は韓国時間で27日午後、アフリカのケニアで開かれた理事会で、2011年の第13回世界陸上選手権大会を大邱で開催することを決定しました。ディアク会長の発表によりますと、この日の非公開の理事会には25人の理事が出席して開催地を決める投票を行った結果、立候補した3都市のうち韓国の大邱がロシアのモスクワとオーストラリアのブリスベンを押さえて開催地に決定しました。しかし、各都市の得票数は公開されませんでした。これで韓国は世界の3大スポーツ・イベントと呼ばれている夏のオリンピック、サッカーのワールドカップ、そして世界陸上選手権大会のすべてを誘致することになりました。大邱は人口が245万人の韓国では3番目に大きい都市で、2003年の夏季ユニバーシアード大会を誘致したことがあります。キム・ボムイル大邱市長は6万6000人を収容できるメイン・スタジアムの大邱ワールドカップ競技場や選手団と取材陣など6000人を収容できる選手村を中心とする施設が高く評価されたと思うと述べました。世界陸上選手権大会は、211の国と地域から3500人あまりの選手と各国の取材陣3000人が参加して2年ごとに開かれる、単一のスポーツ競技としてはサッカーのワールドカップに次ぐ大規模な大会で、2007年の大会は大阪で、2009年の大会はドイツのベルリンで開かれることになっています。

・韓国の高速鉄道KTXが来月1日で開通から3周年を迎えます。KTXは開通した初年度の2004年には1日平均7万2000人が利用しましたが、去年は10万人に達し、今年は旧正月の連休だった2月18日に1日の利用客としては最も多い15万8000人を記録し、利用客数は来月中旬には延べ1億人を超えるものと予想されます。路線別ではソウルと釜山を結ぶ京釜線がこの3年間で8159万人だったのに対し、ソウル−木浦間の湖南線は1663万人と路線間の差が大きくなっています。鉄道公社は今年7月からKTXの中で最新の映画が見られる「KTX映画館」を設けて、さらに客足を増やすことにしています。

・今年の秋と冬のファッションを先取りするソウル・コレクションが28日、ソウル貿易展示場で開幕しました。今年て14回目となるソウル・コレクションには韓国のデザイナー48人が参加し、紳士服は今月28・29の両日、婦人服のファッションショーは30日から来月5日まで開かれ、フランス、ドイツ、イギリスなどヨーロッパ6カ国と中東の8カ国の流通関係者も出席します。ソウル・コレクションは来月5日までの9日間開かれます。

3月27日火曜日

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けた高官級による大詰めの交渉2日目の27日、両国は前日と同様、双方の代表2人づつが出席して交渉を続けています。この2対2方式の交渉には韓国側から金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長と金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表が、アメリカ側からは通商代表部のバティア次席代表とカトラー首席代表が出席しています。これと平行して最大の争点となっている農業分野の高官級交渉も始まりました。この席でアメリカ側はコメ市場の開放を要求してくるものと見られ、その場合交渉全体が暗礁に乗り上げるものと見られます。韓国のミン・ドンソク農林部次官補は「米市場の開放は両国にとってプラスにならないのでアメリカがこの問題を持ち出さないことを願っている」としています。またアメリカ産牛肉の検疫問題に関しては「韓米FTAの正式議題ではないが長官級会談で扱われるだろう」と話しています。 一方、自動車分野については金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表が「自動車の関税を早い時期になくすという要求が受け入れられなければ、韓国もアメリカが関心を持っている要求を聞き入れるわけにはいかない」と述べており、自動車分野の関税がなくならなければ交渉自体を決裂させるとしていたこれまでの発言に比べて消極的な姿勢を見せており、今後の交渉が注目されます。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けた高官級による大詰めの交渉が行われている中、市民団体に続いて政界でも反対の動きが活発になっています。 ウリ党の 金槿泰(キム・グウォンテ)前議長は27日から 韓米FTA交渉の中断を求め、国会本館で断食闘争を始めました。金前議長は「国益を無視したまま一方的に進めている政府の交渉態度を黙って見ているわけにはいかない。 交渉を即刻中断し、年末の大統領選挙のあとにできる次の政権で論議すべきだ。」と主張しています。 これに先立ち、ウリ党を離党したグループの1人 千正培(チョン・ジョンベ)議員も26日から国会の玄関前で FTA交渉の中断を求めて無期限の断食闘争を行っています。 また民主労働党の議員はすでに 韓米FTA交渉の中断を求めて断食闘争を20日にわたり続けています。

・映像を通じた南北離散家族の再会が27日、13カ月ぶりに全国9つの地域の13の会場で一斉に始まりました。今回の離散家族の再会は韓国ではソウルの大韓赤十字社本社と、仁川、大邱、釜山、大田、水原、光州、春川、済州のいずれも大韓赤十字社の支社で行われ、29日までの3日間に南北それぞれ60家族、865人が1日に20家族づつテレビの映像を通じて再会します。 離散家族の再会に先立ち、大韓赤十字社の 韓完相(ハン・ワンサン)総裁は北韓の朝鮮赤十字会の張在彦(チャン・ジェオン)委員長と映像を通じて会談を行い、「高齢の離散家族は1日に10人づつ亡くなっている。現在のように1年に2、3回、200人から300人が会うのでは離散家族の苦痛を解消することは出来ない」と述べ、再会する家族の数を増やすよう提案しました。また 李在驕iイ・ジェジョン)統一部長官もソウルの会場を視察した後、「平壌に映像再会センターを、そして金剛山に離散家族面会所ができれば、離散家族の対面が定例的に行われるように努力する」と述べました。 離散家族は午前8時から午後6時まで、南北双方に設けられた会場に家族単位で入り2時間づつ、映像を通じて遠く離れた家族と対面します。離散家族の大部分が高齢なこともあり、およそ50年ぶりの対面にお互いの顔を確認するのに時間がかかり、中には健康がすぐれないため言葉が続かず2時間があっという間に過ぎていく人も見られました。

・去年7月の北韓によるミサイル発射以降、中断していた北韓への肥料の支援が再開され27日最初の貨物船が北韓に向けて出航しました。統一部は複合肥料6500トンを載せた貨物船が大韓赤十字社の4人の要員と共に、27日韓国南部の全羅南道の麗水港から北韓西海岸の南浦港に向けて出航したと発表しました。 また2回目の船積み分の複合肥料6000トンも30日に麗水港から出航します。統一部は船舶の手配などの準備が出来次第、輸送スケジュールを確定し、合わせて30万トンの肥料を出来るだけ早い時期に支援したいとしています。

・中東3カ国を歴訪中の盧武鉉大統領は韓国時間の27日、二番目の訪問国のクウェートを国賓として訪れ、サバーハ首長と首脳会談を行い、幅広い分野で 未来志向的なパートナー関係を築いていくことで合意しました。両首脳は1979年に国交を樹立して以来、両国の関係が順調に発展してきているという評価で一致し、特にサバーハ首長は韓国が1990年の湾岸戦争の時に派兵してクウェートの自由回復に寄与したことに感謝の意を表明しました。 また両国は共同声明を発表し、幅広い分野で未来志向的な関係を築き、特に韓国がクウェートのエネルギー資源の主な輸入国であることから、安定したエネルギー供給などの長期的な枠組みつくりで緊密に協力していくことになりました。

・ソウル大学獣医学部の 李柄千(イ・ビョンチョン)教授を中心とするチームは世界で初めてオオカミのクローン2頭を誕生させることに成功したと発表しました。 李教授のチームはオオカミの体細胞を、核を除去した犬の卵子に注入してクローン受精卵を作り、これを代理母(だいりはは)の役割を果たす犬の子宮に着床させる方法で2005年10月に灰色オオカミのクローン2頭を誕生させたということです。この2頭はいずれも雌で順調に成長しており、体重も20キロになっています。灰色オオカミはソウル大公園にいる10頭を除くと、この20年間に野生で発見されたという報告はなく、環境部は絶滅危機野生動物1級に指定しています。今回のクローンオオカミはソウル大公園の灰色オオカミの耳から採取した体細胞を使用したもので、ソウル大公園の特別展示館で一般公開される予定です。クローンオオカミの誕生も世界で初めてです。今回の研究論文は動物クローン分野の学術誌に掲載されます

・韓国の去年の輸出額はウォン高や競争国の激しい追い上げにもかかわらず、 世界で11位と、前の年より1ランクあがったことが分かりました。  韓国貿易協会が発表した主要国の輸出入統計によりますと、韓国は去年3255億ドルを輸出し、世界で11位となりました。1990年には11位まで上っていた韓国は、2000年代に入り12〜13位になっていました。輸出額が最も多かったのはドイツの1兆1123億ドルで、次いでアメリカ(1兆373億ドル)、中国(9693億ドル)、日本(6474億ドル)の順になっています。一方、韓国の去年の輸入額は3094億ドルで、順位は前年と同じ13位でした。

・去年は旧暦で立春が2回まわってくるというおめでたい「双春節」の影響で 結婚したカップルがこの10年で最も多かったことがわかりました。 統計庁が27日に発表した「2006年婚姻統計結果」によりますと、去年結婚したカップルは33万2800組で、前の年に比べて1万6400組も増え、この10年間で最も多くなりました。また去年結婚した、初婚の男性の平均年齢は30.9歳、女性は27.8歳で晩婚化の傾向が進んでいます。結婚した人を年齢別に見ますと、特に女性で10代後半の人が前の年に比べて32%も増加しました。これについて統計庁では「去年は韓国の男性とベトナムの10代の女性との結婚が82%も急増したため、10代の女性の結婚が多くなった」と説明しています。また農村地域の男性は10人のうち、4人は外国人女性と結婚していました。

3月26日月曜日

・韓米FTA=自由貿易協定の締結に向けた高官級による大詰めの交渉が26日、ソウル市内で始まりました。交渉には韓国から金鉉宗(キム・ヒョンジョン)通商交渉本部長が、アメリカから通商代表部のバティア次席代表がそれぞれの交渉団の首席代表として出席しました。今回の交渉では残された争点を一括妥結させることを目指していますが、まだ対立している部分が多い農産物、自動車、繊維、放送、金融などの分野で、双方が利益のバランスを考慮しながら要求をやり取りしていくことになる見通しです。一方、最後まで妥結できない部分については、適切な時期に追って交渉することにして、合意した部分だけで交渉を妥結させる方法なども検討されているということです。韓米FTA交渉は、アメリカ議会がブッシュ政権に対して通商協定に関する交渉権限を与えた貿易促進権限の期限を考慮すると、今月末までに妥結させなければなりませんが、まだ平行線をたどっている部分が多いだけに、最悪の場合は交渉が決裂する可能性も排除できな状況で、今月末までに交渉を妥結させられるかどうかに関心が寄せられています。

・韓米FTA=自由貿易協定阻止国民運動本部は26日、高官級による大詰めの交渉が行われているソウル市内のホテルの前で記者会見し、韓国政府が高官級の交渉でメリットのない自由貿易協定を無理に締結しようとしていると非難しました。自由貿易協定阻止国民運動本部は、農業と医薬品、自動車、牛肉、放送など、多様な分野でアメリカの要求が強まっているが、韓国政府は交渉期限に追われ、密室で無理な妥結をしようとしていると指摘しました。自由貿易協定阻止国民運動本部は26日午後3時から、光化門やソウル市庁前広場など、中心部で反対集会を開き、午後7時からは光化門の世宗文化会館前でろうそく集会も開く予定です。自由貿易協定阻止国民運動本部は明日27日にも世宗文化会館前で交渉中止を求める集会を開き、28日にはソウル市庁前広場でろうそく集会を開く予定です。自由貿易協定阻止国民運動本部は日曜日の25日にはソウル市の中心部で1万5000人あまりが参加した反対集会を開き、市内の一部の地域で深刻な交通渋滞が起きました。

・韓国の歴史教科書研究会と日本の歴史教育研究会は26日、ソウル歴史博物館の講堂で、両国の学界の関係者が初めて共同で執筆した「韓日歴史共通教材」の出版記念学術シンポジウムを開きました。今月1日に韓国と日本で同時に出版された「韓日歴史共通教材」は、両国の歴史研究会に所属する教授ら36人が10年間にわたる共同作業の末に書き上げたものです。「韓国と日本は歴史認識を共有できるのか」と題した今回のシンポジウムで、教育人的資源部のク・ナンヒ教育研究官は、韓国、日本、中国の3カ国を中心とする東アジア地域の歴史をひとつの科目として教える「東アジア史」の新設を主張しました。また、日本の東京学芸大学の坂井俊樹教授は、日本の歴史教科書の問題は単に植民地支配への反省が欠けているのではなく、日本史の枠をどのように構成するかという原則的な問題だと述べ、日本は韓国人の精神史を理解する必要があると主張しました。

・盧武鉉大統領は26日、サウジアラビアの国会にあたる諮問評議会で「21世紀の韓国と中東諸国の協力」と題して演説し、今年中にGCC=湾岸協力会議との間でFTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉を始めたいと述べました。GCC=湾岸協力会議は、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビアの中東6カ国が結成した共同体で、韓国は加盟国から原油の72%、天然ガスの47%を輸入しており、湾岸協力会議はエネルギーの安定的確保の面で重要な国々です。大統領府、青瓦台は、盧武鉉大統領の諮問評議会での発言は、急成長を遂げているこれらの国の市場に日本や中国が積極的に進出しているため、韓国としてもこれらの市場で競争力を確保するためには自由貿易協定の締結が欠かせないという認識を示したものだと説明しました。

・映像を通じた南北離散家族の再会が27日から行われます。今回の再会事業は、今月初めに行われた南北閣僚級会談で合意したものです。大韓赤十字社が26日発表したところによりますと、27日から29日まで、南北のそれぞれ60人が、韓国と北韓にいる家族と再会します。再会場所は韓国の場合、映像による再会が可能な施設が設置されているソウルの大韓赤十字社本社と、仁川、大邱、釜山、大田、水原、光州、春川、済州のいずれも大韓赤十字社支社で行われます。今回の再会に参加する韓国側の最高齢者は102歳のチェ・ビョンオクさんで、北韓側の最高齢者は82歳のキム・ジョンナムさんです。韓国側の参加者は全員90歳以上の高齢者で、北韓側の参加者は70代が56人、80代が4人となっています。映像を通じた離散家族の再会は、おととし8月に始まり、これまで279家族が再会しています。

・情報通信部はインターネット上のわいせつな動画像や写真を遮断するための特段の措置をとっていくことになりました。情報通信部は、最近、インターネット上にわいせつな動画像や写真が無断で掲載され、未成年者も制限なく見ることができるため、問題が起きていることを受けて、海外のこうしたサイトを遮断するための技術的な方法を導入する他、わいせつな動画像や写真を掲載した者や、掲載されたサイトの運営者の両方を処罰するなどの措置を取ることになりました。

・オーストラリアのメルボルンで開かれている水泳の世界選手権大会は25日、男子400メートル自由形の決勝が行われ、韓国のパク・テファンが3分44秒30で金メダルを獲得しました。パク・テファンは去年8月に自ら出したアジア新記録の3分45秒72を1秒42短縮しました。パク・テファンは350メートルまで5位にとどまり、メダル獲得の可能性は低いと見られましたが、最後のターンをした後、一気にピッチを上げ、1位でゴールインしました。世界選手権大会の男子自由形でアジア人が優勝したのはこれが初めてです。一方、サウジアラビアを訪問中の盧武鉉大統領は、パク・テファンに「卓越した技量で金メダルを獲得したことを全国民とともにお祝いする」と、祝電を送りました。

・東京で開かれたフィギュアスケートの世界選手権女子シングルで、銅メダルを獲得したキム・ヨナ選手(16)が世界ランキング1位になりました。この大会に初出場のキム・ヨナは23日のショートプログラムで国際大会としては過去最高の得点をマークして首位に立ち、24日のフリーでは3回転ジャンプで転倒するなどのミスがあったものの、3位となり銅メダルを取りました。韓国人選手がフィギュアスケートの世界選手権でメダルを獲得したのは、キム・ヨナが初めてです。キム・ヨナは国際スケート連盟が25日発表した今シーズンの世界ランキング、フィギュアスケートの女子シングルで、日本の浅田真央とともに2300点のタイで、共同1位となりました。

3月24日土曜日

・盧武鉉大統領はサウジアラビア、クウェート、カタールの中東3カ国を歴訪するため、夫人の権良淑女史とともに24日午前、特別機でソウル空港を出発しました。盧武鉉大統領は韓国時間で25日、まず、サウジアラビアを訪れ、アボドラ国王と首脳会談をして、エネルギーや建設など両国間の協力について話し合う予定です。盧武鉉大統領は続いてクウェートを国賓として訪問し、サバーハ王子と首脳会談を行い、クウェートが進めている大規模な石油プラントに韓国企業が参加する問題などについて意見を交わします。盧武鉉大統領は最後に、カタールを訪れ、ハマド首長との首脳会談で、経済分野での協力について意見を交換し、30日に帰国する予定です。盧武鉉大統領の今回の中東3カ国歴訪は、アラブ圏の中心的な国々との協力を深めるためで、韓国の大統領がサウジアラビアを訪問するのは1980年以後、27年ぶりで、クウェートとカタールはいずれも国交を結んでから初めてです。

・アメリカは、マカオの銀行に凍結されている北韓関連の資金について、中国とマカオの金融当局に対して北韓への返還を支援するため、財務省のグレーザー次官補代理を24日に北京に派遣すると発表しました。アメリカ財務省によりますと、グレーザー次官補代理が率いる専門家チームは25日北京に入り、マカオの銀行で凍結されている北韓関連の資金2500万ドルを北韓に返還するため、中国とマカオの金融当局を支援するということです。グレーザー次官補代理は、声明で「外交上の問題は解決している。残りは実行の問題だ」と強調したうえで、「マカオと中国は、国内法や国際的な取り決めの中で資金の返還を行うと主張しており、アメリカ財務省は専門知識の提供を通じて支援したい」と述べました。

・サイパン島の海岸で23日午後、韓国人留学生のグループが高波にさらわれ、4人が死亡しました。外交通商部によりますと、 現地時間の23日午後1時ごろ、韓国人留学生のグループがサイパン島の南東部にある「禁断の島」という地域の海岸沿いを歩いていたところ、高波にさらわれ、このうち3人は救助されましたが、4人が死亡しました。

・韓日外相会談が31日から韓国の済州島で開かれることになりました。外交通商部が23日、明らかにしたところによりますと、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官と麻生外相が今月31日と4月1日の両日、済州島で外相会談を開き、両国関係や北韓の核問題、両国間の懸案について話し合うことになりました。

・北韓に支援することになった肥料30万のうち最初に送る肥料の船積み作業が24日、全羅南道麗水(ヨス)港で始まりました。肥料の船積みを始めたのは、ベトナム船籍のLONG BIEN号6800トンで、24日から複合肥料6,500トンの船積み作業を始め、27日に北韓西海岸の南浦港に向かう予定です。これに先立って、政府は、22日、李在驕iイ・ジェジョン)統一部長官の主催で南北交流協力推進協議会を開き、去年7月の北韓によるミサイル発射以降、中断していた北韓への支援を再開すると発表しました。それによりますと、北韓の要求通り肥料30万トンを提供するほか、マラリアやはしかの防疫対策として、WTO=世界保健機関を通じて243万ドルを支援するなど、合わせて7件の北韓に対する支援を決めました。

・政府は、パスポートの偽造を防ぐため、顔写真や指紋などの情報を認識させたチップを盛り込んだ電子パスポートを来年7月から全面的に実施することにし、関連した法律の改正案を発表しました。それによりますと、政府は6月の国会で、電子パスポート法を成立させて、来年7月から全面的に実施することにしています。パスポートの発給を申し込む人の顔写真や指紋は発給する機関が直接とるようになるため、今後、旅行会社などを通じた代行の手続きは廃止されます。しかし個人を認識する情報の指紋をパスポートに盛り込むことについて、市民団体などに反対の声が多く、電子パスポートが政府の計画どおり指紋などを認識させた形で実施されるかどうか不透明です。

・東京で開かれているフィギュアスケートの世界選手権は23日、女子シングル前半のショートプログラムが行われ、韓国のキム・ヨナ選手が、国際大会で過去最高の得点をマークして首位に立ちました。キム・ヨナ選手は、腰のヘルニアと尾骨の痛みを訴えていましたが、23日のショートプログラムでほぼノーミスの演技を見せ、71.95点を出して、ライバルとされている日本の安藤美姫と、浅田真央を引き離して首位に立ちました。この得点は2003年のスケートカナダで、アメリカのサーシャ・コーヘンが出した71.12点を上回る女子で最高の記録です。キム・ヨナ選手は試合後、「期待以上の点数でうれしい。フリーでもミスをしないようベストを尽くしたい」と話していました。

3月23日金曜日

・休会した6カ国協議に関連して、宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官が23日、「来週中にはマカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアに凍結されている北韓関連資金の送金問題を解決し、先の6カ国協議での合意を履行できるよう協議する」と述べました。宋外交通商部長官は23日、放送記者クラブの討論会で、6カ国協議の結果についてこのように話し、「6カ国協議で合意したとおり、60日以内に初期段階の措置の履行を完全に実行するようにする」と述べました。宋長官はさらに、「北韓関連資金の送金問題の解決が遅れているのは技術的な、手続き上の問題であって、政策に影響があったり、構造的な欠陥があるものではない」と述べました。また、北韓の核施設の不能化が年内に可能かという記者団の質問を受け、「不能化は技術的に何ヶ月かかるというよりは意思の問題」だとして、「経済やエネルギー支援、テロ支援国家の解除などの裏づけがあれば、不能化への期間は短縮できるだろう」と答えました。

・予告なしにイラクを訪問していた国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が22日、バグダッドの首相官邸で行われたマリキ首相との共同記者会見中に建物の近くにロケット砲弾が着弾した事件について、国連の岡部万里江・次席報道官は、「ロケット砲弾は、会見場から100メートルほど離れた所に着弾したが、潘事務総長と関係者は無視し、数分後に記者会見は再開された」として、「この攻撃が潘事務総長を狙ったものかどうかは不明だ」と述べました。この事件については、イラクの復興と開発や人道支援などを行っている国連イラク支援ミッションが、現在調査に当たっているということです。国連事務総長のイラク訪問は、2005年11月のアナン前事務総長以来で、潘事務総長がイラク入りするのは今年1月の就任以来初めてです。潘事務総長はこの日の会見で、イラク国民と政府に対する国連の支援を改めて強調しました。潘事務総長は、22日からエジプトやイスラエル、ヨルダンなど中東各国を歴訪し、28日と29日にはサウジアラビアで開かれるアラブ連盟首脳会議に参加する予定でしたが、イラクへの訪問は公表されていませんでした。潘事務総長は中東歴訪の日程を予定通りにこなしており、23日にはエジプトに向けて出発する予定です。

・大学入試で、大学が独自に実施する入学試験などが禁止されている国の政策をめぐって、教育人的資源部と大学が鋭く対立しています。韓国では大学入試にあたって、受験する生徒の学習に対する過度の負担や教育費を軽減するためとして、大学が独自に実施する入学試験と、高校をランク付けして入試に反映する制度、それに学校に寄付をした人の親族を入試で優遇する制度の3つが法律で禁止されています。これに対して、ソウル大学の長期開発計画委員会が21日、これらを禁止する教育人的資源部の政策を強く非難したのに続いて、22日には私立大学の学長が集まる韓国私立大学学長協議会が、教育人的資源部の政策は大学の競争力をむしばむとして、政策の廃止を政府に求めることになりました。このような大学側の動きに対して、教育人的資源部は22日、緊急記者会見を開き、「大学入試をめぐって、独自の入学試験などの3つを禁止する政策は、憲法と教育基本法で定める、均等に教育を受ける権利を保障するものだ」として、引き続き維持していく方針を明らかにしました。また教育人的資源部は、この政策に違反する大学に対しては、法律が許す限りのあらゆる制裁を行うとして、厳しく対応する意思を明らかにしました。大学入試は現在、日本のセンター試験にあたる修学能力試験と高校の内申書、それに大学ごとに実施する小論文で合格者が決まる仕組みで、大学入試の政策をめぐる論議は今後も続きそうです。

・国家生命倫理審議委員会は23日、ソウル市内で行われた会議で、体細胞から培養するES細胞の研究を制限的に認めることを、表決の末、賛成多数で議決しました。国家生命倫理審議委員会は、これまでES細胞の研究を制限的に認めるか、一定期間禁止するかをめぐって、生命倫理界と科学界の委員の間で激しい議論が交わされ、歩み寄れなかったため、今回表決で決めることになりました。しかし、かねてからこの研究に反対してきた生命倫理界の民間委員7人全員が表決に参加せず、反対の意思を明確にしました。そのため、国家生命倫理審議委員会は、決定を書面にする作業をひとまず保留にし、あらためて、生命倫理界と科学界とが話し合える状況を作りたいとしています。ES細胞の研究を制限的に認めるというのは、研究に使う卵子を、体外受精の際に、受精できずに廃棄される卵子か、手術などで摘出された卵巣から採取した卵子を使うというものです。国家生命倫理審議委員会傘下のES細胞専門委員会と保健福祉部は、2005年、ソウル大学の黄禹錫(ファン・ウソク)元教授が、クローン胚からES細胞の培養に成功した成果を掲載した論文がねつ造されたものだったことが発覚して以来、ES細胞の研究について経済的な妥当性や、倫理問題などについて見直す作業を行ってきました。

・北韓が鴨緑江(アムノクカン)河口にある島、威化島(ウィファド)と緋緞島(ビダンド)を自由貿易地帯にする計画を進めていることが分かりました。南北経済協力に関連した消息筋は23日、「北韓は新義州(シンウィジュ)経済特区の開発がうまく進んでいないことから、新たに威化島と緋緞島を自由貿易地帯に開発するためのプロジェクトを進めている」として、「合弁や開発投資など多様な形で韓国企業の関係者を対象に投資の誘致に乗り出している」と伝えました。北韓は、緋緞島には農水産物の加工や水産物の漁場などを、威化島には農水産物流通センターや観光レジャー施設などの誘致を計画しているということです。

・韓国で初めての民間鉄道として、仁川空港とソウルを結ぶ空港鉄道の一部が、23日開通しました。
開通式は23日午前10時から、仁川国際空港で、李庸燮(イ・ヨンソプ)建設交通部長官や安相洙(アン・サンス)仁川市長など500人が出席して行われました。李建設交通部長官はあいさつで、「政府は仁川空港を北東アジアのハブ空港に成長させるため、空港施設の拡張を進めており、空港鉄道は仁川空港を世界一の空港にするための基盤になるだろう」と述べました。今度開通したのは全路線の半分にあたる、仁川空港からソウルの金浦空港 までの40.3キロで、金浦空港からソウル駅までの残り40.3キロは、2010年に開通する予定です。開通した仁川空港から金浦空港までの区間には駅が6つあり、ケヤン駅で仁川地下鉄1号線に、また金浦空港駅でソウル地下鉄5号線に乗り換えて、ソウル市内まで鉄道で行くことができます。仁川空港から金浦空港までの時間は、直通列車で28分、各駅停車の一般列車で33分で、料金は、一般列車が区間別に900ウォンから3100ウォン、直通列車は7900ウォンです。

3月22日木曜日

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議は、当初の予定を延長して、22日に4日目に入りましたが、北韓がマカオの銀行に凍結されている資金の返還問題で、協議に応じていないため、いったん休会するものとみられます。当初21日までの3日間の予定で行われていた6カ国協議は、マカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアに凍結されている北韓関連資金の返還が遅れているため、北韓が実質協議を拒んで、議長国の中国は各国の意見を聞いた上、23日まで続けることにしていました。しかし22日は午前中に予定されていた首席代表による会合も開かれませんでした。中国の唐家せん国務委員は22日午後、「いつ返還処理が終わるかわからず、協議は休会するかもしれない」との見通しを示しました。一方、バンコ・デルタ・アジアに凍結されていた北韓の資金は、北京の中国銀行にある北韓の口座に移されることになっていますが、中国銀行側は、受け入れを拒否していることから、北韓と中国が説得を続けている模様です。

・北韓は、国会にあたる最高人民会議の第11期第5回会議を来月11日に開くと、朝鮮中央通信が、22日、伝えました。今度の会議は、北韓の核問題をめぐる6カ国協議の合意に基づいて、核放棄に向けた初期段階の措置を締めくくる時期に開かれるもので、核問題に関連する発表があるかどうか注目されています。 北韓はこの会議で、2006年度の予算決算と、2007年度の予算案を議決し、主な年間事業を決めることにしています。

・ワシントンで行われていた韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けての高官級会談が21日終了し、双方は争点となっている分野については、来週の長官級会談で一括妥結を目指すことになりました。韓国のイ・ヘミン韓米FTA企画団長は、交渉終了後の21日午後、記者会見し、「3日間の協議を通じて一部進展した分野もあったが、依然として互いの主張が歩み寄っていない分野もある。これは双方が来週開かれる通商長官級会談を意識して、消極的だったためとみられる。しかしソウルで開かれる長官級会談で、柔軟性を持って臨めば妥結できるだろう」と述べました。アメリカのカトラー首席代表も、記者会見で、「今回の交渉で、知的財産権などの分野で双方の意見が大きく歩み寄った。来週の長官級会談で、妥結できるだろう」と述べました。

・来週26日からソウルで開かれる韓米FTA交渉の長官級会談で、アメリカはコメ市場の開放を公式の議題に含める考えを示しました。ソウルで開かれていた農業分野の詰めの交渉も22日に終わり、コメと牛肉、オレンジなどについては、来週の長官級会談に持ち越されました。協議に参加していたミン・ドンソク農林部次官補は22日記者会見し、「大きな争点となっていたコメ市場の開放について、アメリカが長官級会談の議題に再び入れる意思を表明したが、コメは交渉の対象から外すということが韓国政府の確固たる方針で、アメリカがコメ問題を持ち出すと、FTA交渉全体に影響を与えかねない」として、憂慮の念を示しました。

・このほど新しく任命された柳明桓日本駐在韓国大使が、東京に赴任するのを前に21日、ソウルで日本の記者団と会見し、「両国で突出した感情の爆発が起きないよう状況を管理すべきで、安定した関係を築くためには緊密な対話が重要だ」と述べました。柳明桓大使は、会見の中で、両国間の歴史問題を念頭に、「国と国との関係は人間関係と同じで、互いに理解しようとする努力が必要だ。放置すれば、状況に振り回される」と指摘し、「安定した関係を築くためには、政府同士だけではなく、青少年交流など民間の『対話チャンネル』の拡大が重要だ」と述べました。

・日本で、インフルエンザの治療薬「タミフル」を服用した人の中で、建物から飛び降りるなど異常な行動をとって死亡する事件が相次いでいるため、食品医薬品安全庁が対応に乗り出しました。食品医薬品安全庁は22日、タミフルの製造・輸入会社に対して、タミフルについての情報を即時報告するよう求めたほか、医療関係者に注意を呼びかけました。しかし日本で実施している10代の患者には原則としてタミフルを使わないようにする措置は、今後、状況を見極めてから決めることにしています。韓国では、インフルエンザの治療薬「タミフル」を2001年11月から輸入しており、これまでに副作用は1件報告されています。

・ソウル市が勤務態度が怠慢で、職務能力が著しく劣る職員を単純作業の部署に配置転換し、改善の見込みがない場合は免職にすることを決めましたが、韓国銀行も勤務成績がよくない職員にボーナスを減らすなど不利益を与えるシステムを導入することを決めました。中央銀行の韓国銀行の場合、勤務成績がよくないからといって免職処分にすることはありませんが、勤務成績の評価で5回連続して下位の5%に含まれた職員はボーナスを5%削減し、その後の勤務成績でも下位の5%に含まれれば、その都度ボーナスを3分の1ずつ削減する方針を決めました。公企業のうち産業銀行や輸出入銀行などは、監査院が去年行った監査で経営が放漫だという指摘を受け、経営革新という名目で役員の賃金を凍結する一方、昇進者の枠を減らすなどの方法で対応してきました。しかし、韓国銀行はこうした方法では実質的な経営革新の効果は期待ないとして、勤務成績がよくない職員にボーナスを減らすなどして、退社を誘導する方法を取り入れました。

・首都圏の電車とソウル市内のバスの運賃が来月から100ウォン値上げされ、基本運賃が900ウォンになります。建設交通部は21日、2004年7月以降、凍結されていた首都圏の電車の運賃を来月1日から平均14.5%引き上げると発表しました。それによりますと、ソウル市や仁川市の国鉄と地下鉄の基本運賃はこれまでの900ウォンから1000ウォンとなり、基本運賃が適用される距離はいまの12キロから10キロに短縮され、追加運賃もこれまでの6キロ当たり100ウォンから、5キロあたり100ウォンに調整されます。一方、ソウル市内を走る幹線と支線バスの運賃も現在の900ウォンから1000ウォンに値上げされます。しかし、いずれも交通カードを使った場合は、100ウォン値引きされます。

・ソウル市内の一部タクシーで、交通カードやクレジットカードを使ってタクシー代を支払うことができるようになります。ソウル市が22日発表したところによりますと、地下鉄やバスの運賃とともに、タクシー代も交通カードやクレジットカードで支払うことができるようにするため、23日からソウル市内の一部のタクシーで試験的に実施することになりました。ソウル市は、今年の上半期中に、5000台のタクシーにクレジットカードを決済するシステムを無料で、取り付け、2009年には市内にあるタクシー7万2500台のうち、5万台以上で、カードによる決済ができるようにする方針です。

・韓国最大の桜祭りとして知られる「鎮海(チンヘ)軍港祭」が23日から始まります。今年は異常高温現象が続いたため、桜の開花が例年より早くなると予想されていたことから、それに合わせて鎮海軍港祭も急きょ日程を例年より1週間繰り上げて行うことにしましたが、3月に入って急に寒くなり、結局、開幕前日の22日に、桜はつぼみが膨らんでいる状態で、祭りの始めの頃は、珍しく桜のない軍港祭となりそうです。しかし今年は、韓国陸・海・空軍の軍楽隊のほか、アメリカなど海外4カ国の軍楽隊、そして民間団体など18チームによる「国際軍楽・義杖隊フェスティバル」が初めて行われ、祭りの期間も例年より1週間長く来月17日まで繰り広げられます。

3月21日水曜日

・北韓の核問題をめぐって北京で開かれている6カ国協議は、北韓がマカオの銀行に凍結されている2500万ドルがまだ返還されていないとして出席を拒否しているため、日程を延長して22日も継続する見通しです。マカオの銀行に凍結されている北韓関連の資金は凍結を解除され、北京の中国銀行にある北韓の口座に移されることになっています。しかし口座が50にも上っていることや、そのうちの相当数が死亡した人と平壌に召喚された人の名義になっていること、それにマカオの銀行から中国銀行に大金のドルを送金する場合、アメリカなど第3国を経由しなければならないことなどから、送金には時間がかかっているものとみられています。これについて韓国の首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長は、21日、アメリカの首席代表のヒル国務次官補と会った後、「関係各国は北韓に資金を返還し、協議が再開されるのを希望している。しかし、そう簡単にできない事情があることを初めて知った」と述べました。さらに千本部長は「21日夜でも首席代表の協議を行い、今後の日程を決める予定だが、休会は難しいと思う。北韓への送金は時間の問題で解決できないものではない。米朝など関係国いずれも休会は主張していない」と述べ、22日も6カ国協議が継続される見通しを示唆しました。

・このほど、北韓を訪問した李海チャン(イ・ヘチャン)元国務総理は21日、国会で開かれたウリ党の政策討論会で「北韓の核の放棄に向けた措置が具体化した時点で、韓半島の当事国である韓国と北韓、それに韓国戦争に参戦したアメリカと中国の4カ国の首脳が一堂に会して北東アジアと韓半島の平和体制について話し合うことも考慮すべきではないか」という考えを示しました。李海チャン元国務総理はまた「今月、北韓を訪問した際、北韓当局者から‘盧武鉉大統領が韓半島で戦争が起きるのに反対する考えを再三、明言したことに信頼感を持つようになった’と聞いた。政府の一貫した方針が北韓に信頼を与え、交渉のテーブルにつかせている」と評価しました。

・韓米FTA=自由貿易協定の締結に向けた大詰めの交渉が行われていますが、アメリカ連邦議会の下院歳出委員会の貿易小委員会で20日、アメリカ政府と業界の関係者が出席して韓米FTAについての聴聞会が初めて開かれました。この聴聞会は韓米両国の大詰めの交渉を迎えて、アメリカ議会がアメリカ政府に圧力をかけるために開いたものとみられ、韓国側はFTA交渉に悪影響を及ぼすことを憂慮して出席を控え、アメリカ側の関係者だけが出席しました。アメリカ貿易代表部のバティア副代表はこの席で「韓米間でFTAが締結されれば、アメリカは170億ドルから最大430億ドルの利益が見込まれるうえ、アジアで競争力を強化できるとともに、世界で最も早い速度で成長し、力強い経済体制の国とパートナー関係を結ぶことになり、他のアジア諸国とFTAを締結する際のモデルになる」と述べました。これについて自動車産業が盛んなミシガン州出身で貿易小委員会のレビン委員長は「8回にわたる交渉でほとんど合意しているが、交渉妥結の障害は自動車に対する韓国の非関税貿易障壁だ。韓国市場が自動車などアメリカ製品を完全に開放するようにしなければならない」と強調しました。この日の聴聞会ではFTAで争点になっている業界の証人らから、FTA交渉が満足できない内容で妥結した場合、議会は批准を拒否するよう求める意見が出た一方で、アメリカの利益を考えると韓米FTAは早期に締結されるべきだとする意見もありました。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けてアメリカのワシントンで行われている高官級会議に出席している韓国の金宗?(キム・ジョンフン)首席代表は20日、「互いに切り札も出し切っており、最後に本物のギブアンドテイクを残している」と述べました。金宗?首席代表は20日、記者団に対しこのように述べ、さらに「しかし繊維と農業はゆずれない。来週、ソウルで開かれる長官級会談で取り扱う争点は10を超えない予定で、30日には韓米FTA交渉が完全に妥結できると思う」という考えを示しました。またアメリカが全面開放を強く求めている自動車分野が原因で交渉が流れる可能性については「ここまできているので、もったいない。ただ超えるべき山場は残っている」と述べて、交渉決裂の可能性はほとんどないという見方を示しました。

・ソウルの龍山などにある韓国駐留アメリカ軍基地を京畿道(キョンギド)平澤(ピョンテク)に移転する計画におよそ10兆ウォンがかかり、このうち韓国は半分を超える5兆5905億ウォンを負担することになりました。国防部の韓国駐留アメリカ軍基地移転事業団は20日、基地移転についての総合計画を発表しました。それによりますと、ソウルの龍山基地のほか韓国にある10のアメリカ軍基地を京畿道平澤に移転統合する計画で、330万平方メートルの敷地に統合本部やアメリカ軍司令部、宿舎、病院などの施設を建設し、アメリカ軍兵士1万7030人とその家族、アメリカの公務員、韓国人職員ら4万4400人を収容することにしています。総事業費はおよそ10兆ウォン、1兆2500億円で、このうち韓国側は半分あまりの5兆5905億ウォン、およそ7000億円を負担するとしています。韓国政府は負担する費用を移転によって返還される基地の跡地をソウル市などの地方自治体に売却して調達したいとしていますが、地方自治体は無償返還を求めており、政府は国債の発行や政府の投資機関の参加などを検討しているもようです。

・原油価格の急騰とウォン高などで貿易環境が悪化し、去年の所得増加率が経済成長率を大きく下回りました。韓国銀行がまとめた去年の経済成長率などの暫定値によりますと、韓国のGDP=国内総生産の成長率は5%だったの対し、国民総所得(GNI)は2.3%の増加率でGDPの半分にもなりませんでした。これは韓国経済の規模が大きくなっている反面、国民の実際の所得はそれほど増えていないことを示すもので、韓国は1995年から11年連続で所得増加率が経済成長率を下回っています。

・日本の麻生外相が今月31日、韓国を訪問することになりました。麻生外相は今月31日から2日間、韓国の済州島を訪れ、宋旻淳外交通商部長官と会談し、北韓の核放棄に向けた初期段階の措置を誠実に履行させるために、韓日両国が緊密に連携して取り組むことを確認するとともに、北韓との間で拉致問題について進展がなければ、北韓への支援はできないとする日本政府の方針について理解を求めてくるもようです。

・韓国の成人男女の半数以上が結婚は必ずするものではなく、選択の一つだと思っていることが分かりました。韓国ギャラップが先月20日から16日間、全国の19歳以上の男女1500人あまりを対象にアンケート調査したところによりますと、「必ず結婚する必要はない」という答えが54%で、半数を超えました。これは2年前の同じ調査の回答より16ポイントも高くなり、このうち女性が65%で、男性の42%より23ポイントも高くなっています。また年齢別では20代(57%)より、30代(65%)と40代(62%)の方が「結婚は選択の一つだ」と答える人が多くなっています。

・韓国の映画「グエムル〜漢江の怪物」が「アジアフィルムアワード」で最優秀作品賞など4部門を受賞しました。「グエムル」は20日、香港で初めて行われた「アジアフィルムアワード」で最優秀作品賞、主演男優賞、撮影賞、特殊効果賞の4部門を受賞しました。映画「グエムル」は、ソウルの漢江に劇薬によって現れた怪物にさらわれた娘を救出するための家族の奮闘ぶりを描いたもので、中国では今月8日に公開されてから2週連続で興行成績1位を占めています。

3月20日火曜日

・北韓の核問題を話し合う6回目の6カ国協議では2日目の20日参加国は 寧辺の核施設の閉鎖など核放棄に向けた初期段階の措置についての具体的な内容と次の段階である核施設の不能化について論議しました。外交消息筋によりますと、この席で北韓の金桂冠外務次官は核施設の閉鎖措置をとった後、IAEA国際原子力機関に復帰するという意志を明らかにしました。その時期は今月末か来月初めになりそうだということです。一方、韓国の千英宇韓半島平和交渉本部長も20日、北韓が核施設の不能化を数ヶ月以内に履行するという意志を明らかにしたと述べました。また韓国とアメリカなどは、北韓が核施設を閉鎖したあと、次の段階で核施設の申告と不能化を迅速に履行するために「重油予置制度」を提案したということです。これは北韓が重油貯蔵能力がないため、北韓の所有を認めた重油を北韓が信頼する施設に貯蔵しておくというものです。一方、韓国の国家情報院の関係者は「現在、北韓の 寧辺5000キロワットの原子炉が稼動している」と指摘しました。

・ハンナラ党からの離党を宣言した孫鶴圭(ソン・ハクキュ)前京畿道知事は20日、ハンナラ党に正式に離党届けを提出しました。これについて盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領は20日の閣議で、「大統領選挙の候補者を選ぶ党内の選挙で不利だからといって離党するのは原則を破壊するもので、そのような人物は進歩であれ、保守であれ政治家として資格がない」と名指しはさけたものの、孫前知事を強く批判しました。またハンナラ党は離党宣言から一夜明けた20日、 強い口調で孫前知事を非難し党のスポークスマンは「情況が不利だからといって離党することこそ、古臭い政治の典型であり孫前知事の離党は決して国民の支持を得ることはできないだろう」と論評しました。孫前知事は保守色の強いハンナラ党にとっては、党内の均衡を保つためには必要な人物でした。それだけにハンナラ党は 孫前知事の離党により党の理念が保守一色になると有権者から見られるのではないかと心配しています。世論調査の支持率で、現在トップを走っているハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長と朴槿恵(パク・グンヘ)前代表はともに保守 の傾向が強く改革イメージがある孫前知事の存在が貴重だっただけに、孫前知事の離党はハンナラ党としては大きな衝撃でした。ハンナラ党を離党した孫前知事は、今後、ウリ党を離党した改革勢力や市民団体となんらかの形で協力を模索するのではないかと伝えられており、政界は再編の動きがさらに活発になるものと見られています。

・アメリカのワシントンで19日から始まった 韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けた高官級会談で両国は焦点となっている自動車や金融などの分野を集中的に協議しました。初日の交渉では両国は他の国とFTAを締結した場合、その国に提供する開放の特典を両国にも同じように提供することで原則的に合意しました。これは例えば、韓国が韓米 FTA交渉で開放しなかった分野を今後、中国やEU=ヨーロッパ連合などとFTAを締結する際に開放することになった場合、その特典をアメリカにも認めるというものです。しかし自動車や金融、知的所有権など焦点となっている分野では集中的に協議しましたがまだ合意にいたっていません。一方、韓国が関心をもっている繊維市場の開放については韓国時間の20日の夜からワシントンの貿易代表部で別途の高官級の協議を始めます。韓米両国は今回の交渉でできるだけ意見の歩み寄りに努め、来週ソウルで開かれる通商長官会談で一括して妥結する方針です。

・全経連=全国経済人連合会は20日に臨時総会を開き、次期会長に暁星グループの趙錫来(チョ・ソクレ)会長を選出しました。全経連は19日の会長団懇談会で趙錫来会長を次期会長に推薦していました。 趙会長は先週末から日本を訪れていたため、19日の会議には出席できませんでしたが、20日の臨時総会の後、記者会見し、「当面の課題である韓国経済の国際化に向けてルールと制度を国際化しなければならない。それによって経済の先進化も図れるだろう。より創意、創造的な経営ができるよう雇用の創出と企業環境の改善に努力したい」と述べました。全経連は、1997年の通貨危機以来社会的な影響力が衰え、さらに最近では財界の重鎮が会長に付くのをさける傾向がありました。いわゆる4大財閥のトップではない、他の財閥グループのトップが会長に就任することに対して、全経連内部に反発もあり、先月27日に行われた総会では今回と同じ趙会長が推薦されたにもかかわらず一部の反対で、選出には到らず、 全経連46年の歴史で初めて総会で会長を選出できませんでした。それだけに 趙会長のこの後の舵取りが注目されます。

・OECD=経済開発協力機構が「韓国の大学入試のシステムは規制が多く改革する必要がある」と指摘しました。OECDは去年の3月から5月まで視察団を韓国に派遣し、 市場開放や高等教育など5つの分野について、その規制改革の実態を調査しました。その結果、19日に発表した報告書で「 OECD加盟国30カ国平均の60%に過ぎないサービス分野の水準と生産性を向上させるために市場競争とレベルの高い人材育成が必要だ」と指摘しました。特に教育部門では、教育部による大学入試の3大規制政策と、入学定員に関する規制を批判しています。3大規制政策とは大学が独自に行う入学試験、大学に寄付をするなど貢献をした人の親族の入学を認める制度、 高校のランク付けを禁じる制度です。韓国の大学入試は日本のセンター試験にあたる修学能力試験の成績と、内申書の成績、それに大学ごとの面接、論文で行われており、大学が独自で実施する試験は禁止されています。OECD は報告書の中で「これは学生の選抜権など、大学の本質的権利を制限するものだ」と指摘し、さらに、国公立大学を政府から独立させ、法人化することも提案しました。一方、市場開放について OECD は「 政府高官レベルは市場開放に対する強い意志を抱いているが、政策目標が一般国民の間には共有されていない」などと指摘しました。

・60歳以上の男性が一日にテレビを見る時間がこの1年間で1時間38分も減少しました。視聴率調査機関のTNSメディアコリアによりますと、60歳以上の高齢者がテレビを見る時間が減少しており、特に男性は去年の2月に一日平均7時間28分でしたが、今年2月には5時間50分と1時間38分減少しました。また女性の場合は去年2月が6時間48分、今年2月が6時間44分で4分ほど減っただけでした。メディアコリアはこのような結果について、60歳以上の男性で仕事に就く人が増加したためではないかと分析しています。実際に統計庁の雇用動向によりますと、60歳以上の男性の就業人口は去年2月には127万6千人でしたが、今年2月には 137万7千人と、10万人以上増加しています。

・北韓の17歳以下のサッカー代表チームが20日から韓国の済州島でトレーニングに入りました。20日の午前に仁川空港に到着した北韓の代表チームは、そのまま済州島に向かいました。仁川空港に着いた選手たちは濃い紺色の背広に赤いネクタイ姿で、つめかけた報道陣に緊張した表情でした。また済州空港では地元の人たちが韓半島が描かれた統一旗を振って代表チームを歓迎しました。韓国の社団法人南北体育交流協会のキム・ギョンソン運営委員長によりますと北韓の U-17代表チームは21日から9日間、済州島ワールドカップ競技場などでトレーニングを行い、30日に韓国の代表チームと親善試合を行います。北韓の代表チームは去年のアジア選手権大会で準優勝した実力のあるチームで、今年の8月に韓国で開かれるFIFA U-17ワールドカップに備えて 済州島でトレーニングをすることにしました。

・高句麗の建国をテーマに50%を超える視聴率を誇ったMBCの人気ドラマ『朱蒙(チュモン)』の俳優とスタッフが、北韓を訪問しています。『朱蒙』に出演した俳優らは17日から4泊5日の日程で北韓を訪問しており、19日午後には平壌にある映画の撮影所、朝鮮芸術映画撮影所を訪れました。そして1950年代の街角を再現したセットや日本や中国の町並み、プロレスラー力道山の家のセットなどを興味深げに見て回りました。ドラマで主役の朱蒙を演じた、ソン・イルグクさんは「南と北が合作で映画やドラマを制作できればよいと思います」と感想を話していました。しかしこの日は北韓の俳優らによる撮影はなく、南北の俳優同士の対面は実現しませんでした。このテレビドラマ『朱蒙』は日本の衛星放送BSフジで来月25日から放送される予定です。

3月19日月曜日

・北韓の核問題を話し合う6回目の6カ国協議が19日から北京で始まりました。協議は現地時間の午前10時から首席代表による全体会議が始まり、議長国を務める中国の武大偉外務次官は、「協議は『行動対行動』の新しい段階に入った」とした上で、「初期段階の措置を予定通りに履行するために関係各国が柔軟で実質的な態度で協議に臨むことを希望する」と述べました。19日の協議では、2月の6カ国協議での合意にもとづいて設置された五つの作業部会についての報告が行われ、その内容を土台にして、核施設の稼働停止や封印など、初期段階の措置を履行するための具体的な方法について話し合いが進められる予定です。これについて関係各国は、北韓が寧辺の核施設の稼働を停止すれば、すぐに核施設の不能化措置に着手するよう北韓に求めることも検討しているということです。6カ国協議の消息筋によりますと、韓国とアメリカ、日本は、先週末に開かれた韓半島非核化の作業部会でこのような内容について協議を行い、19日の6カ国協議では北韓との間で集中的に協議している模様です。一方、韓国の千英宇韓半島平和交渉本部長は基調演説で、初期段階の措置の履行が終了すれば、6カ国の外相による会談を開くべきだと主張し、今回の協議でその具体的な日程を決めることを提案しました。また、6カ国による外相会談が開かれた後、現在の韓半島の停戦協定を恒久的な平和体制に転換するための話し合いをスタートさせるべきだと述べました。北韓の金桂冠外務次官は基調演説で、マカオの銀行「バンコデルタアジア」の資金が全額凍結解除されれば寧辺の核施設の稼働を全面的に停止する用意があると述べました。

・アメリカはマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」に凍結されている北韓関連口座について、全額の凍結を解除する方針を発表しました。アメリカ国務省のヒル次官補と財務省のグレーザー次官補代理は19日午前、北京で記者会見し、バンコ・デルタ・アジアに凍結されている北韓関連の資金について、アメリカ政府の基本的方針に関する声明を発表しました。この声明で、アメリカは凍結資金およそ2500万ドルの処分をマカオ当局に委ねたとして、凍結資金はマカオの法律に沿ってマカオ当局と北韓による調整を経て、北京の中国銀行にある北韓の朝鮮貿易銀行の口座に送られることになるだろうとしました。北韓はこの資金を住民の生活を向上させるなど人道的目的に使用することを約束したということです。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けて、高官級による交渉がソウルとワシントンで19日から始まりました。韓国の金宗?(キム・ジョンフン)首席代表とアメリカのカトラー首席代表は19日、ワシントンで、詰めの交渉を始めました。この交渉では自動車分野の税制改編、開城工業団地で生産された製品を韓国産として認めるかどうか、新薬の最低価格の認定など、争点となっている問題について協議を進めます。双方は首席代表による交渉で出来る限り溝を埋め、それでも対立を解消できない部分は今月26日からソウルで開かれる通商長官級会談で妥結を目指すことにしています。また、首席代表による交渉とは別に、同じくワシントンで、次官級による繊維分野の詰めの交渉も同時に進められています。一方、ソウルでは19日から、農林部の閔東石(ミン・ドンソク)次官補とアメリカ通商代表部のクラウダー農業担当首席交渉官が、牛肉をはじめとする農業分野の詰めの交渉を始めました。韓米FTA交渉は3月末の妥結を目指して高官級による交渉が大詰めで、その結果に関心が寄せられています。

・中国の温家宝首相が4月10日から2日間の日程で韓国を訪問することになりました。温家宝首相は10日には『韓中交流の年』の開幕レセプションに出席し、11日には盧武鉉大統領と会談して今後の6カ国協議での対応や、韓半島の平和体制構築などについて意見を交換する予定です。温首相は韓国訪問を終えた後、日本を訪問し、安倍首相と会談して、6カ国協議での協力などについて話し合う予定です。温首相が韓国と日本を相次いで訪問するのは、中国の北東アジア重視政策をアピールする目的があるものと見られています。

・ハンナラ党の次期大統領候補の1人、孫鶴圭(ソン・ハクギュ)前京畿道知事が19日、ソウル市内で記者会見し、ハンナラ党から離党することを宣言しました。孫鶴圭前京畿道知事は、最近の世論調査で6%台の支持率を得ていました。孫鶴圭前知事は国会議員、保健福祉部長官、京畿道知事を歴任しており、同じハンナラ党の李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長や朴槿恵(バク・グンヘ)前代表に比べますと支持率は劣りますが、所属政党と関係なく広範な支持を得ているとみられています。孫鶴圭前知事は、ハンナラ党の大統領候補を選出するための党内選挙の方法を決める過程で、有力候補とされる李明博前ソウル市長や朴槿恵前代表を中心に論議が進められ、公正さに欠けているとして、不満を表明していました。孫鶴圭前知事は、記者会見で古びた守旧勢力と無能な左派勢力の政治構図を打破し、新しい大韓民国のための新しい道を作るために離党を決心したと語りました。また、過去に逆戻りする政権交代は意味がないとして、新しい時代を切り開く政治勢力が必要だと強調しました。孫鶴圭前知事の側近は、孫鶴圭前知事は中道改革の第3の政治勢力を糾合して新党を結成する意向を持っていると伝えました。

・フランスは韓国に対して、ヘリコプターや潜水艦を共同で開発し、第3国に販売することを提案しました。フランスのアリヨマリ国防相は17日、ソウル市内のホテルで記者会見し、16日の韓国の金章洙(キム・ジャンス)国防部長官との会談で、防衛産業での協力拡大について意見を交換したと語りました。アリヨマリ国防相は防衛産業の協力について、ヘリコプターや潜水艦を共同開発することを挙げ、潜水艦の場合、レーダーや通信システムの分野で協力が可能だと指摘しました。アリヨマリ国防相は、第1段階として両国が相互に技術移転を行い、第2段階として共同開発に取り掛かり、開発が終わった後に韓国とフランスのいずれが生産するかを決め、第3国への販売は別途の協定を締結することになるだろうと語りました。アリヨマリ国防相は、両国がヘリコプターや潜水艦を共同で開発することになれば、自然と軍事分野での広範な協力が可能になるだろうと語りました。

・18日に開かれたソウル国際マラソン大会で韓国のイ・ボンジュ選手が優勝しました。ソウルの中心部、光化門から蚕室までの42.195キロの区間で開かれたこの大会で、イ・ボンジュ選手は35キロまで先頭グループで走っていました。その後、ケニヤのキルイ選手に差をつけられましたが、40キロ地点でキルイ選手を追い抜き、2時間8分4秒の記録で、1位でテープを切りました。また、イギリスのサッカー、プレミアリーグで活躍しているマンチェスターユナイテッドのパク・チソン選手は韓国時間の17日夜、ボルトンワンダラーズとの試合で、前半は14分に先制ゴール入れ、前半25分にも追加ゴールを入れるなど、1試合2ゴールと善戦しました。マンチェスターユナイテッドはこの日、パク・チソン選手の活躍で4対1で勝利しました。パク・チソンは今シーズン、4得点を記録しています。一方、サッカーの16歳以下アジア女子選手権は17日、クアラルンプールで3位決定戦が行われ、韓国は中国を破って3位を決めました。韓国は前半、中国に先制ゴールを許し、0−1とリードされましたが、後半14分に同点ゴールを入れ、試合はPK戦に持ち込まれました。そして、韓国は4−2でPK戦を制し、この大会3位となりました。一方、同じ日に行われた決勝では北韓と日本が対戦し、北韓が3−0で日本に快勝して優勝しました。FIFA=国際サッカー連盟が主管する大会で北韓が優勝したのはこれが初めてです。

3月17日土曜日

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の作業部会のひとつ、「韓半島非核化についての作業部会」が17日から北京の釣魚台で始まり、2月の6カ国協議で合意した北韓の核放棄のロードマップ=行程表を協議しました。この作業部会では各国が2月の6カ国協議で明記された北韓の核放棄に向けた初期段階である核施設の閉鎖・封印とIAEA=国際原子力機関の査察団の北韓入りなどの細部日程について協議し、次のステップである核施設を不能なものにすることについても協議しました。また初期段階の措置が履行されたあと、北韓の核施設を閉鎖する見返りとして各国が合わせて重油95万トン相当の支援を行うことについて、北韓の非核化とどのように連携していくかについて協議したものと伝えられています。さらに先の6カ国協議で来月14日まで北韓が行うことで合意した寧辺の核施設の閉鎖・封印、それに北韓が保有していると疑われている高濃縮ウラン計画についても、この作業部会で取り上げられた模様です。作業部会に先立って、韓国側の首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長は「作業部会ではIAEAとの関係など原則的なものから高濃縮ウラン計画までを協議する予定だ」と述べました。またヒル次官補は16日記者団に対して「北韓の高濃縮ウラン疑惑が解明されなければならない。アメリカは1−2週間以内に証拠を示す」と述べています。

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の北韓首席代表である金桂ェ(キム・ゲグァン)外務次官は17日、「アメリカがマカオの銀行に凍結されている北韓口座の凍結を全面解除しなければ、われわれは寧辺(ヨンビョン)にある核施設の操業停止はしない」と述べました。金桂ェ外務次官は17日午前、6カ国協議などに出席するため北京入りし、記者団に対し「まだアメリカによる金融制裁が解除されたとは聞いていない」と述べ、「マカオにある北韓口座の制裁解除の進み具合を見計らって、部分的に核施設の停止をするのか」という記者団の質問に、「一部解除では核施設の操業停止はしない」と厳しい口調で述べました。さらにIAEA=国際原子力機関の査察団の北韓入りについて、金桂ェ外務次官は「正確な表現が必要だ。査察団ではなく検証と監視のためにIAEAの要員を受け入れるものであり、核施設を停止しなければ受け入れる理由がない」と述べました。またアメリカが存在を主張している高濃縮ウラン計画については「われわれは高濃縮ウラン疑惑を解明するため、アメリカに協力する用意がある。証拠を示せば、それに答える」と述べました。

・宋旻淳外交通商部長官とアメリカのライス国務長官は、北京で開かれている6カ国協議の作業部会について電話で意見を交換し、韓米両国が韓半島の非核化に向けて一層緊密な協調関係を維持していくことで合意しました。宋旻淳外交通商部長官とライス国務長官は、韓国時間で16日午後9時ごろからおよそ20分間、電話による会談を行いました。外交通商部によりますと、この電話会談で、2月の6カ国協議によって設けられた作業部会が開かれて北韓の核放棄の初期段階についての協議が行われることを評価するとともに、この作業部会での話し合いをもとに、非核化の措置がさらに進められるよう、韓米両国が緊密な協調体制を維持していくことになりました。

・韓国とアメリカとのFTA=自由貿易協定の交渉が大詰めを迎えていますが、アメリカのカトラー首席代表は16日、ワシントンのナショナル・プレスセンターで記者会見し、「われわれは遠い道を歩んできており、前にはまだ進むべき道が残っている。しかし今月末までに完全合意に達すると信じている」と述べ、韓米FTAの締結に強い意欲を示しました。カトラー代表は知的財産権、自動車、農業などの争点をめぐって双方の意見のへだたりがあることを認めながらも、「これまでの交渉でこれらの争点について意見の歩み寄りを図っている。まだ突破口を見出していないものの、交渉の輪郭が次第に明確になってきている」と述べました。これについてアメリカの通商関係者は、韓米間の争点のうち、アメリカは自動車分野に最大の関心を持っており、アメリカ産牛肉のさらなる市場開放はFTAとは別問題だが、アメリカ議会の世論を考えると、先に牛肉問題が解決しない限り、議会での批准は厳しいという見方を示しました。

・日本を訪れているウリ党の柳基洪(ユ・ギホン)議員は、日本政府が旧日本軍の慰安婦問題で野党議員からの質問に対して「政府が集めた資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述は見当たらなかった」とする答弁書を16日の閣議でまとめたことについて、旧日本軍慰安婦という反人道的な犯罪を認め、被害者に公式に謝罪するよう強く求めました。

・大韓赤十字社の韓完相(ハン・ワンサン)総裁は16日、北韓への肥料支援について、今月27日から輸送を始めると語りました。韓完相総裁は記者会見で「統一部との間で了解覚書を結び、肥料の買い付けから船積み、輸送まで、すべて大韓赤十字社に一任された」と述べました。政府は北韓への肥料支援について、関係部署との協議を経て、北韓が先の南北閣僚級会談に続いて赤十字社を通じても公式に要請してきた30万トン全量を北韓に送る方針です。

・北韓は今月14日、オーストリアのウィーンで開かれた国連麻薬委員会で、3つの麻薬関連国際条約に加入する意思を示した模様です。国連加盟国のうち唯一、麻薬関連条約に加入していない北韓は先月、内部的にこのような方針を決めたということで、アメリカとの関係正常化の可能性が見えてきたことから、国際社会の一員になるための方策の一つではないかとみられています。

・韓半島の平和と和解をテーマに12日から韓国で開かれていた国際ジャーナリスト連盟の特別総会が17日、閉幕しました。国際ジャーナリスト連盟のホワイト事務局長は13日、ソウルで会見し、「今回の特別総会は韓半島の和平を確立するのに良い機会になると思う。韓半島の和平は韓国だけでなく世界の希望であり、南北のマスコミは対話を通じて南北統一に寄与することを期待する」と語りました。総会に出席した70カ国のマスコミ関係者130人は、14・15の両日、休戦ラインを越えて北韓の景勝地、金剛山を訪れ、ここで韓半島の平和と和解のための決議を採択したあと、16日には南北経済協力の象徴となっている開城工業団地を訪問し、6カ国協議が開城工業団地に及ぼす影響や外国企業の投資誘致計画などを取材しました。

・梅の産地としても有名な全羅南道の光陽(グァンヤン)市で、春の訪れを告げる梅祭りが17日から始まりました。今年で11回目となる光陽梅祭りは「月光に輝く梅の花、ソムジン川に沿って愛を」をテーマに、ソムジン川沿いの梅の並木道での音楽祭、梅の押し花作り、梅の写真撮影大会、ソムジン川での紙舟流しなどのイベントが行われ、「西便制〜風の丘を越えて〜」で有名なイム・グォンテク監督の100本目の映画「千年鶴」のセットとしても使われた場所には夜のスポットライトを設けて今年の祭りの目玉にしています。光陽市は特産品の梅を広く知ってもらおうと、1997年から毎年、梅祭りを開いており、10万人の観光客が訪れる全羅南道の祭りのひとつに定着しています。

3月16日金曜日

・先の6カ国協議での合意で設けられた5つの作業部会のうち、「北東アジアの平和と安全」について話し合う作業部会が16日、北京のロシア大使館で開かれ、6カ国の代表は北東アジアで平和体制を構築する必要性に認識をともにしたもようです。政府当局者によりますと、この作業部会で韓国は、北東アジアの関係国同士で信頼を構築するために、域内諸国が参加する海上救助訓練を実施することなどを提案しました。また北韓は「米朝、日朝関係を正常化して、国際社会の責任ある一員になりたい」という趣旨の発言をしたということです。この作業部会で各国の代表団は、6カ国がかかわっている各種の安保条約や協定文、合意文、憲章などを比較検討して、安全保障をめぐる共通点を探っていくことになりました。

・北韓の核問題をめぐる6か国協議の合意によって開かれた経済・エネルギー協力に関する作業部会で、中国が、核廃棄に向けた初期段階の措置が終わった直後に、重油を提供する意思を示したということです。これは6カ国協議の首席代表を務める韓国の千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和外交本部長が明らかにしたもので、それによりますと、北韓が核施設の稼働停止やIAEA=国際原子力機関の査察を受け入れるなどの見返りとして、韓国が重油5万トンを支援した後、次の段階で中国が北韓に重油を提供することを検討しているということです。しかし、提供する重油の量や時期については明らかにされていません。また、アメリカがNGO=非政府組織を通じて、北韓の病院に小型発電機を提供することを検討しており、ロシアが北韓の発電所の改修を提案するなど、各国の北韓に対する支援の大枠が明らかになっています。しかし、日本は、拉致問題で具体的進展がない限りエネルギー支援に参加できない立場を重ねて表明しました。一方、北韓側は重油の貯蔵能力に限界があるので月に5万トンずつ分けて支援してほしいという意思を明らかにした上で重油以外の支援にも関心を示しましたが、具体的な要求は出さなかったということです。

・6カ国協議でアメリカの首席代表を務めるヒル国務次官補は16日、「北韓はマカオの銀行、バンコ・デルタ・アジアに凍結された北韓資金の解除に対する確信を欲しているようで、われわれは解決されるという確信を彼らに与えることができる」と述べました。 ヒル次官補はこの日、韓国首席代表の千英宇(チョン・ヨンウ)朝鮮半島平和交渉本部長と日本の須田明夫北朝鮮核問題担当大使とともに、北京市内でIAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長に会って、北韓を訪問した結果について説明を受けました。ヒル次官補はこのあと報道陣に対し、バンコ・デルタ・アジアに凍結された北韓資金の解除についてこのように述べ、北韓と今後話し合っていく考えを示しました。 また、ヒル次官補は、エルバラダイ事務局長は、北韓と初期に履行する核施設の閉鎖・封印の手続きと、その次の段階について話をしたが、北韓との間で、高濃縮ウランの問題については話し合っていないようだと述べました。 一方、千英宇本部長は、「IAEAが北韓入りしてまずすべきことは、核施設の閉鎖・封印の状態を検証することだが、エルバラダイ事務局長は、検証する手続きにはなんら問題はないと話していた」と伝えました。

・韓国と北韓の赤十字社は、中断していた離散家族の再会を5月9日から14日までの6日間、北韓の金剛山で行うことで合意しました。これを受けて南北は、再会希望者の生死を確認するための作業を来月2日から行い、27日には、再会する家族の名簿を交換し合う予定です。2000年の南北首脳会談を受けて始まった離散家族の再会は、去年7月に北韓がミサイルを発射したことで、韓国側がコメと肥料の支援を中断した後、北韓側が一方的に中止を通告していましたが、今月2日に開かれた南北閣僚級会談で、再会事業を再び行うことで合意していました。これより先の3月27日から29日には、南北間の映像を通じた再会を実施することがすでに決まっていますが、離散家族が直接対面して再会するのは、去年6月以来11ヶ月ぶり、15回目になります。

・国連総会は15日、軍縮局を事務総長直轄の部局とし、PKO=平和維持活動局を分割するという潘基文事務総長の組織改革案を支持する決議案を全会一致で採択しました。潘基文事務総長は就任後、国連組織の効率化と改革を重点的に進めており、この決議案の採択を受け、潘事務総長の国連改革にいっそう弾みがつくものとみられます。 潘事務総長が提案した組織改革案は、軍縮局を事務総長直轄の部局とし、平和維持軍を支援する機能をPKO局から分離し、現場支援局として新たに発足させるというものです。国連の平和維持軍はこの10年で5倍に増えていますが、これを支援する機能が追いつかず、効率的な運営ができなかったという判断が提案の背景にあります。PKO局の分割については「指揮系統に混乱が生じるのではないか」との懸念が要員派遣国から出ていたことに配慮し、指揮系統の統一性を確保するため、潘事務総長に必要な措置をとるよう要請することが盛り込まれました。今年1月に就任した潘事務総長が提案した国連改革案が承認され、実現するのは今回が初めてで、その迅速な承認は、潘事務総長のリーダーシップに対する国連加盟国の強い信頼と支持の表れだと評価されています。

・与党ウリ党の金槿泰(キム・グンテ)前議長は、韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に反対する立場を明らかにした上で、協定の締結と批准については次の政権でさらに議論すべきだ述べました。金前議長は16日、記者との懇談会でこのように述べ、さらに、「韓米FTAに対する国民の意見が分かれている上、国民と国会は、交渉の争点がどのように扱われているかをきちんと把握できていない。政府が国民を脅している」などと述べ、韓米FTAに断固反対する意思を示しました。一方、ハンナラ党、ウリ党、民主党、民主労働党など与野党の国会議員38人は16日国会で記者会見を開き、韓米FTAの交渉は、韓国が主導権を失って、アメリカの言うがままに進められているとして、政府に交渉の中断を求めました。このように政界から強い反対の声が次々に上がっていることから、国会の批准が必要な韓米FTAの締結は難航することが予想されます。

・加入電話や携帯電話、超高速インターネットなどに、他の通信サービスを結合させた商品の発売が、7月から、全面的に認められることになりました。盧俊亨(ノ・ジュンヒョン)情報通信部長官は15日、通信政策の基本的な方向を盛り込んだ「通信規制のロードマップ」を発表しました。 このロードマップ=行程表は、それぞれ業界を支配する立場にあるKTとSKテレコムが、自社の主力サービスに他の通信サービスを結合させたパッケージ商品を販売することを認めることを柱としています。韓国第2のインターネットプロバイダーのハナロ通信は、自社の加入電話と超高速インターネットサービス、IP放送=ブロードバンド回線でVОDをテレビで見れるサービスを組み合わせたパッケージ商品をすでに販売していますが、業界最大手のKTとSKテレコムは市場を寡占する可能性があるため、こうした商品の販売は許可されていませんでした。このようなパッケージ商品が販売されれば、有線・無線の通信業者の間で競争が激しくなり、消費者にとっては料金値下げなどのメリットが期待されます。

・韓国で販売されている輸入牛肉の値段が、世界で最も高いという調査結果が出ました。市民団体の「消費者市民の集い」が15日発表したところによりますと、韓国で販売されている外国産の輸入牛肉は、ロース1キロ当り5万4千ウォンで、29の調査対象国のうちもっとも高かったということです。輸入牛肉の値段が韓国に次いで高かったのはロシアで、次いでアラブ首長国連邦、ベトナム、日本などの順でした。韓国の輸入牛肉は現在、国内の牛肉消費量の53.2%を占めており、そのうちの76%がオーストラリア産です。市民団体の関係者は、「韓国は牛肉の輸入先が多くない上、外国産牛肉に適用される関税が高いため、値段が高くなっている」と分析しています。

3月15日木曜日

・北韓の核問題をめぐる6カ国協議の合意で設置が決まった作業部会のうち、経済・エネルギーなど3つの作業部会が15日から北京で始まりました。まず、15日は「経済・エネルギー協力」についての作業部会が北京の韓国大使館で始まり、韓国は、北韓が核放棄に向けた初期段階の措置として合意から60日以内に寧辺の核施設を閉鎖すれば、その見返りとして提供することになっている、重油5万トンをIAEA=国際原子力機関の査察官の北韓訪問に合わせて、3隻の船舶で、まとめて輸送する考えを示しました。また北韓がIAEA査察団の入国を早期に認め、核施設の封印作業にも直接参加できるよう、北韓側に求めています。一方、6カ国協議のアメリカ代表をつとめるヒル国務次官補は、14日、北京市内で記者会見し、北韓に対する経済支援について、「アメリカとしては、人道支援に関心を持っている」として、病院で使うための発電機の提供を検討していることを明らかにしました。北京では、16日に「北東アジアの安全保障」、そして17日には「韓半島の非核化」についての作業部会が開かれることになっています。

・アメリカ財務省は、北韓の口座が凍結されているマカオの銀行「バンコ・デルタ・アジア」に対する調査結果を発表し、「北韓口座の扱いはマカオの金融当局に委ねる」として、口座の凍結解除を事実上認めました。この中で、財務省のレビー次官は、「マカオの銀行バンコ・デルタ・アジアは北韓の違法行為を黙認してきた」として、アメリカの金融機関に対してこの銀行との取り引きを禁止する措置を30日後に取ることを明らかにしました。一方で、レビー次官は、焦点となっている北韓関連の口座の扱いについて、「今週中にマカオの金融当局に調査内容を伝える。口座の扱いはマカオ当局が判断することだ」として、マカオ当局の判断に委ねる考えを示しました。アメリカ財務省は、これまで行ってきたバンコ・デルタ・アジアに対する調査が終えたことを正式に発表したもので、マカオ当局が今後、北韓口座にある2500万ドルの預金の引き出しを認めるものとみられています。

・北韓はアメリカとの国交正常化の前の段階として、両国間に連絡事務所を開設するよう要請していることがわかりました。6カ国協議の作業部会のうち、「経済・エネルギー協力」についての作業部会の北韓代表をつとめるキム・チャンジュ国連代表部公使は、13日、国際韓民族財団のイ・チャンジュ常任議長との電話で、マカオの銀行のバンコ・デルタ・アジアの問題が解決すれば、今月19日に開かれる6カ国協議の後、アメリカのヒル国務次官補とライス国務長官の北韓訪問が実現するだろう」と述べたということです。キム公使はまた、「最近のアメリカ側の一連の動きから、アメリカの外交当局者の北韓訪問が、南北首脳会談より優先する」と強調したうえ、「アメリカとの国交正常化に向けての手続きが複雑なため、まずは両国間に連絡事務所を開設するよう、アメリカ側に要請している」と述べました。

・北韓を訪れていたIAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、14日夜、北京で記者会見し、北韓側が、先の6カ国協議での合意を全面的に履行し、IAEAの査察を受け入れる用意があることを確認したとして、「今回の訪問は非常に有益だった」と述べました。エルバラダイ事務局長の北韓訪問は、先の6カ国協議での合意にもとづいて北韓が招待したもので、13日から2日間にわたって、核施設の凍結や最終的な検証方法などについて協議しました。エルバラダイ事務局長は、14日北京入りして記者会見し、「北韓側は、マカオの銀行に対するアメリカの金融制裁が解除されれば、寧辺の核施設の稼動停止と閉鎖、それにIAEAの査察官を受け入れる用意があると表明した」と述べ、北韓が核放棄に向けた措置に踏み切るかどうかはアメリカによる金融制裁の解除次第だと主張したことを明らかにしました。

・20代と30代の既婚サラリーマンのうち、夫婦共働きの人が半数を超えていることがわかりました。オンラインリクルート会社がこのほど、20代と30代の既婚サラリーマン400人あまりを対象に調べた結果、共働きが半数以上の60.4%を占めました。共働きの理由については、「家庭の経済力を向上させるために」という答えが73.3%でもっとも高く、次いで「自分を生かすため」、「社会的な流れ」の順でした。一方、共働きのもっとも大きなネックについては、「育児問題」が41%を占め、次いで「子どもの教育」が15%でした。

・韓国の私立大学の授業料が日本より高いことが分かりました。漢陽大学のイ・ヨン教授がまとめた報告書によりますと、韓国の私立大学の1学期の平均授業料はおよそ7000ドルで、日本の平均5800ドルを大きく上回っています。一方、国公立大学の場合は、韓国はおよそ3600ドルで、日本の3700ドルをやや下回っています。また、韓国の大学の1990年から2005年までの授業料の上昇率を見ますと、国公立大学は年平均7.3%、私立大学は年平均9.2%ずつ上昇しました。同じ期間の年平均物価上昇率は4.8%で、国公立大学も、私立大学も、物価上昇率を大きく上回る水準で授業料が上昇しています。

・サッカーの22歳以下の代表チームによる北京オリンピックアジア地区2次予選の2試合目、韓国とアラブ首長国連邦の試合が、14日、アラブ首長国連邦のアブダビで行われ、韓国は3対1で勝ちました。試合は、前半、韓国が守備と攻撃でともに主導権をにぎって、21分と35分にゴールを決め、2対0とリードして後半に入りました。後半は、アラブ首長国連邦の積極的な攻めで、4分に1点を返されましたが、34分にハン・ドンウォンが1点を追加し、結局3対1で韓国が勝ちました。韓国は、これで2次予選の6試合中2試合を終えて通算2勝となりました。

・ソウルの中心街にあって、アマチュア野球のメッカとされてきた東大門野球場が11月に撤去されることになりました。東大門野球場は1959年に建設され、これまで主に高校野球や社会人野球などアマチュア野球に使われて、韓国の野球の歴史とともに歩んできた由緒深い野球場です。しかし、交通の混雑が激しい都心にあって、施設も老朽化していることから撤去が検討されていました。ソウル市は、東大門野球場を撤去した後、同じ場所に市民が自然に親しめる公園を作る計画です。また、東大門野球場に代わって、国際大会を開催できる野球場を含む7つの野球場を新しく建設することにしています。ソウル市の関係者は、より多くの人たちが都心の混雑を避けて野球を楽しめるようにしたいとしています。

3月14日水曜日

・盧武鉉大統領は14日、「韓国と日本が真の隣国になるには、解決すべき問題が多い。何よりも歴史的な真実を尊重し、実践に移すことが重要だ」と述べました。盧武鉉大統領はこの日、東京で開かれた第43回韓日・日韓協力委員会の合同総会に送ったメッセージでこのように述べるとともに、「その上で、両国がより一層高いレベルのパートナー関係に発展していかなければならない」という考えを強調しました。また盧武鉉大統領はメッセージで「2月の6カ国協議での合意は北韓の核問題だけでなく、北東アジアでの協力と統合の秩序作りのきっかけになると思う。今後、韓日両国が緊密な協力を通じて6カ国協議の成功に大いに寄与していくと信じている。そのような観点から、両国の指導者が一堂に会した今回の総会で、北東アジア情勢や韓日協力について論議し、良い成果が生まれることを期待する」と述べました。

・韓国と北韓は南北を縦断する2つの鉄道の試験運行について14日から協議を始めました。この協議は北韓の開城工業団地の南北経済協力協議事務所で開かれた経済協力推進委員会で行われているもので、韓国側から統一部のコ・ギョンビン南北経済協力本部長ら2人が、北韓側から 民族経済協力委員会のバン・ガンス局長らが代表として出席しています。この協議は15日まで行われ、鉄道の試験運行に向けて、南北の軍当局による軍事的な保障について集中的に論議する予定です。南北縦断鉄道はソウルと北韓の新義州を結ぶ京義線と東海岸を走る東海線の2つで、去年5月に予定されていた試験運行が軍事面での保障措置がまとまらなかったことから見送られた前例があり、統一部の関係者は「楽観はできないが、試験運行に向けて具体的な日程を決めたい」と述べました。

・国連開発計画(UNDP)は、北韓が国連開発計画からの支援金を他の用途に使ったとして北韓での事業中断を決めたことから、平壌に勤務している外国人職員9人のうち7人を撤収させる方針を決めました。また北韓への支援事業の中断によって、国連開発計画の韓国人職員22人も今月15日で契約が終了するということです。これについて北韓外務省のスポークスマンは13日、「国連開発計画の支援は受けても受けなくてもかまわないが、政治化されて不純な目的を求める支援は受け入れられない」と非難しました。国連開発計画の北韓への支援についてはアメリカの一部のマスコミが国連関係者の話として「北韓は国連開発計画の支援金1億5000万ドルを政権維持のためにまるで銀行のATMのように使った」と報道していました。

・アメリカ財務省は、北韓がマネーローンダリング=資金洗浄で使ったという疑いがもたれているマカオの金融機関、バンコ・デルタ・アジアに対する制裁として、アメリカの銀行との金融取り引きを禁じる方針を決めたもようです。アメリカ財務省の関係者は現地時間で13日、韓国のマスコミとのインタビューで、これまで18カ月間に及ぶ調査結果を近く発表する予定だと述べ、バンコ・デルタ・アジアについては「マネーローンダリング憂慮対象機関」から「マネーローンダリング対象機関」に正式に指定して、アメリカの銀行との金融取り引きを禁じるとともに、バンコ・デルタ・アジアの関係役員を起訴することも検討する方針を示しました。アメリカ財務省がこのような措置をとった場合、バンコ・デルタ・アジアは外貨取り引きの機能が停止され、破産する可能性もあるため、マカオ当局が清算のために売却などの手続きに入ることも予想されます。アメリカ財務省のミラーワイズ・スポークスマンは、バンコ・デルタ・アジアに凍結されている北韓の口座については「その担当はマカオ当局だ」と述べて、凍結解除の具体的な措置はマカオ当局に任せたことを示唆しました。

・宋旻淳外交通商部長官は14日、外交通商部で行った会見で、韓米FTA=自由貿易協定の締結に向けた交渉について「経済的な論理に従って、国益や実利的な利益を確保する観点から高いレベルのFTAを結ぶことができるように努力したい」という見解を示しました。宋旻淳長官はこの中で「農産物と自動車など主な争点については追加の協議が必要だが、残りの部分はほとんど意見の歩み寄りがみられている。来週から始まる高官級の会議に備えて、政府は経済的な利益を中心に対応を検討している」と述べました。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の交渉が大詰めを迎えていますが、アメリカ連邦議会の下院歳出委員会が来週20日、韓米FTAについての聴聞会を開くと発表しました。アメリカの議会で韓米FTAに関する聴聞会が開かれるのは今回が初めてです。今回の聴聞会では韓米両国間で意見の隔たりが大きい韓国の自動車市場の開放、コメや牛肉などアメリカ農産物の韓国市場への輸入拡大、医薬品、知的財産権などが焦点になるものとみられており、韓米FTA交渉が妥結に向けて最終段階を目前にしているだけに、アメリカ政府や業界からの要求が相次いで出されることが予想されます。

・北韓の核問題をめぐる先の6カ国協議の後、米朝関係や南北関係で和解ムードが漂っていることから、これまで北韓に対して強硬路線をとってきたハンナラ党が、北韓に対する政策の基調を改める方針を示して、注目されています。ハンナラ党の金炯オ(キム・ヒョンオ)院内代表は13日、所属議員へのメッセージで「12日の議員総会で、急変する南北関係に効率よく対応しなければならないという指摘があった」として「党は今後の北韓との関係について多角的に検討していく」と述べました。これについてハンナラ党の広報部は「ハンナラ党は北韓に対する政策で原則を守りながらも、国会議員による平壌や金剛山訪問など多様な北韓関連の活動を奨励する方向に調整していく方針だ」と説明しました。去年、北韓のミサイル発射や地下核実験の後、北韓に対してさらに強硬路線をとり続けてきたハンナラ党が北韓に対する政策の基調に変化を見せているのは、米朝関係正常化など韓半島の平和体制をめぐる論議が本格化している中で、強硬路線にこだわる姿勢を示せば、年末の大統領選挙によくない影響を及ぼす心配があるためだという分析も出ています。

・政府は日本が要請した韓国の排他的経済水域内での水温や潮流など漁場環境調査を認めない方針を示しました。海洋水産部は13日「日本が今年1月、韓国のEEZ=排他的経済水域での水温や潮流など漁場環境調査を承認するよう要請してきた。しかし韓日漁業協定に基づいた規則には研究操業についての規定はあるが、漁場環境調査については規定がなく、事実上の海洋科学調査にあたると判断する」として漁場環境調査を認めない方針を示しました。韓国と日本は、海洋科学調査をめぐって、去年の4月と7月に独島(日本でいう竹島)周辺で衝突寸前にまで事態が悪化したことがあり、去年10月に両国による共同調査を実施してひとまず対立を避けた経緯があります。

・韓国の女子フェンシング、フルーレの国家代表選手、ナム・ヒョンヒ選手が、韓国人選手としては初めて世界ランキング1位になりました。国際フェンシング連盟が13日発表した女子フルーレの世界ランキングによりますと、ナム・ヒョンヒ選手は254点で、これまで1位だったロシア選手を抜いて1位になりました。国際フェンシング連盟は、国際大会での成績によって選手のランキングを決めており、ナム・ヒョンヒ選手はおととし、ソウル市庁に所属を移してから、国際大会への出場を増やし、相次いでメダルをとっていることが評価されたものとみられています。

3月13日火曜日

・盧武鉉大統領は韓米FTA=自由貿易協定を締結する交渉について、「徹底的に経済面での利益を追求して、メリットがあれば締結し、メリットがなければ締結しない」と述べました。盧武鉉大統領は13日の閣議で、「徹底的に経済面での利益を追求しながら交渉に臨むべきだ」と強調したうえで、「当初目指していた交渉妥結期限内に妥結すればいいが、そのために無理に交渉を進めることはない」として、交渉期限にとらわれる必要はないという見解を示しました。また、「高い水準の満足が得られる合意に達すればいいが、それが駄目な場合、中間水準以下の満足が得られる合意でもメリットがあるのならかまわない」と述べました。国内で反対世論があることについては、FTAを締結し、国会の承認を得る課程で少なくない政治的負担になるだろうが、こうしたことにこだわらないとして、徹底的に経済的利益を追求する方向で交渉を進めていくよう関係閣僚に指示しました。

・韓米FTAに反対している自由貿易協定阻止国民運動本部所属の活動家20人あまりは12日、韓米自由貿易協定交渉は一方的に与えるばかりの屈辱的な交渉で、このまま交渉が妥結すれば経済の主権をアメリカに渡す緊迫した結果を招くことになと断食を始めました。

・2月の6カ国協議で設置することが決まった5つの作業部会のうち、「経済及びエネルギー支援」について話し合う作業部会が15日に北京で開かれることになりました。外交通商部は13日、「経済及びエネルギー支援」について話し合う作業部会が北京の韓国大使館で15日から始まることになったと発表しました。「経済及びエネルギー支援」に関する作業部会は韓国が議長国になっており、韓国からは千英宇韓半島平和交渉本部長が、北韓からはキム・ミョンギル国連代表部次席大使が首席代表として出席します。作業部会では北韓の核放棄に向けた初期段階の措置の見返りとして提供する重油5万トン相当の支援などについて協議する予定です。

・政府は13日、20人の公館長人事を行い、このうち日本駐在韓国大使に柳明桓(ユ・ミョンファン)前外交通商部第1次官を、ロシア駐在韓国大使に李揆亨(イ・ギュヒョン)前外交通商部第2次官をそれぞれ任命しました。柳明桓駐日大使は1973年に外交部で勤務をはじめ、北米局長、駐米公使などを勤めています。

・ウリ党から離党した議員らが結成した「民生政治の集い」は、7月までに統合新党を結成する方針を発表しました。「民生政治の集い」の崔載千(チェ・ジェチョン)議員は12日、光州市内で開かれた討論会で、統合新党結成に向けたロードマップ=行程表を提示しました。それによりますと、第1段階としてビジョンと政策を同じくする人たちを糾合して6月10日までに改革勢力による統合新党結成準備委員会を構成し、第2段階として未来志向的な平和改革勢力の大連帯を構築して、7月15日までに統合新党を結成するとしています。そして、第3段階として9月15日までに大統領候補を選出するための党内選挙を実施するとしています。崔載千議員は、ウリ党は統合新党結成のための具体的方法を提示できず、民主党や同じくウリ党から離党した議員で結成された「統合新党の集い」による中道改革勢力の統合もこれといった進展がないと指摘し、ウリ党と民主党、統合新党の集いは既得権を放棄し、平和改革勢力の大連帯に加わるべきだと主張しました。

・野党ハンナラ党は大統領候補を選出する党内選挙の時期と方法をめぐって、派閥間の対立が表面化しています。ハンナラ党の党内選挙準備機構である「2007国民勝利委員会」は9日、7月に党員20万人を対象に党内選挙を行う案と9月に党員23万人を対象に党内選挙を行う案の二つの案を、党の最高意思決定機関である最高委員会に提出しました。これについて次期大統領候補として有力視されている李明博(イ・ミョンバク)前ソウル市長と朴槿恵(パク・グンヘ)前代表は、ともに「党の決定に従う」としていますが、支持率がやや勝っている李明博前ソウル市長側は7月に、支持率がやや劣っている朴槿恵前代表側は9月に行う案をより歓迎していると伝えられています。一方、支持率では劣るものの、党内選挙への立候補を表明している元喜龍(ウォン・ヒリョン)議員と孫鶴圭(ソン・ハクキュ)前京畿道知事は、党内選挙の準備が有力候補を中心に進められているとして反発しています。このうち元喜龍議員は、党内選挙についての論議が2人の有力候補だけを念頭に置いて進められており、排他的で傲慢極まりないと非難しました。ハンナラ党の最高委員会は党内選挙準備機構の活動期限を18日まで延長して、さらに論議を続けることにしていますが、大統領候補を選ぶための党内選挙をめぐる各陣営の微妙な対立は当分続きそうです。

・金大中前大統領は13日、ソウル市内のホテルで開かれた国際ジャーナリスト連盟特別総会で講演し、「機会があれば北韓をもう一度訪問して、南北間の問題について意見を交換したいと考えている」と述べました。そして、もし北韓を訪問した場合に金正日国防委員長と話し合う議題について、アジア発展の方向、21世紀に韓民族が進んでいくべき道、南北にとってともに利益になる統一は何かなどについて話し合いたいと述べました。金大中前大統領はまた、「6カ国協議を成功させるためにも、また南北関係を改善していくためにも、南北首脳会談が必要だ」と指摘し、近いうちに南北首脳会談を開く必要があるという見解を示しました。6カ国協議と米朝関係正常化については、「最近のアメリカの態度を見るかぎり6カ国協議や米朝関係正常化へ向けた動きを妨げる要素はなく、北韓の態度も肯定的だ」としたうえで、「韓国はこうした動きが望ましい方向へ進んでいくよう積極的に支援しなければならない」と述べました。

・韓半島の平和と和解を訴える国際ジャーナリスト連盟の特別総会が12日、ソウルで始まりました。国際ジャーナリスト連盟は、ジャーナリストの国際組織で、3年に1回総会を開いていますが、特別総会を開くのは今回が初めてです。今回の特別総会には世界各国から130人あまりのジャーナリストが参加しました。14日には各国の代表団が北韓の金剛山を訪問し、15日に金剛山で「韓半島の平和に関する特別決議文」を採択する予定です。また、16日には開城工業団地も訪問する予定です。

・韓国で1300万人あまりが観覧し、観客動員最多記録を更新した映画「グエムル-漢江の怪物」がアメリカでも好評です。「グエムル」は9日からニューヨーク、カリフォルニア州、テキサス州などの71の映画館で公開されました。映画配給会社のマグノリア・ピクチャーズが明らかにしたところによりますと、9日から11日までの3日間の興行収益は32万ドルを超え、全米興行順位で20位以内に入ったということです。USAトゥデー、ワシントンポスト、ニューヨークタイムスなどアメリカのメディアも「グエムル」を高く評価しています。USAトゥデーは、古典的なスリラーの要素にコメディと家族愛を盛り込み、社会的風刺まで加えた映画だと激賞しました。一方、「グエムル」は中国でも人気を得ています。「グエムル」は中国で8日から250あまりの映画館で公開されましたが、初日に3万8000人あまりの観客を動員し、中国の週間ボックスオフィス1位になる可能性が高いと見られています。

3月12日月曜日

・ソウルで開かれている8回目の韓米FTA=自由貿易協定の締結交渉は最終日の12日、金融分野の分科会で争点だった国策金融機関について、韓国側の主張通り、FTAの対象から外すことで合意し、韓国の国策銀行の産業銀行と企業銀行は韓米FTAの対象から外されることになりました。金融分野の分科会ではそのほかに金融情報の海外への移転など一部で合意し、一時セーフガード(緊急輸入制限)や郵便局で取り扱う保険などについて合意を図っています。韓米両国はこれに先立って11日には通関分野でも合意に達しました。外交通商部によりますと、双方は通関分野で、輸出入貨物の通関手続きの簡素化、原産地の現地検証、税関での協力などを盛り込んだ協定文に合意しました、外交通商部は通関分野の合意で、輸出入にともなう物流費用の節減や韓国の輸出品の迅速な通関などの効果が期待できるとしています。また、環境、衛生検疫、技術標準などの分野はすでに大筋の合意に達しており、細部の調整を経て、12日中にも合意に達するものと見られています。一方、韓国の金宗フン(キム・ジョンフン)首席代表は記者会見で、「自動車と農業分野が最後の争点として残っており、首席代表または通商交渉本部長のような高官級の協議が2回以上必要だろう」と語り、依然として双方が対立している分野についてはほかの分野の合意内容を見極めたうえで高官級による協議で妥協点を見出す努力が続けられるという見通しを示しました。韓米両国は今月20日頃にワシントンで高官級の協議を開くことを検討していると伝えられています。

・先の6カ国協議で設置することが決まった5つの作業部会のうち、すでに1回目の協議を終えた米朝と日朝間の関係正常化に向けた作業部会を除く3つの作業部会が、今月15日から17日の間に北京で始まる見通しです。外交消息筋によりますと、韓国が議長国を務める「エネルギー・経済支援」の作業部会は15日から、ロシアが議長国を務める「北東アジアの安全保障」の作業部会は16日から、中国が議長国を務める「韓半島の非核化」の作業部会は17日から北京でスタートする方向で関係各国が最終的な検討を進めているということです。先の6カ国協議では、北韓がIAEAの査察を受け入れればまず重油5万トンを提供することで合意しましたが、韓国は「エネルギー・経済支援」の作業部会で、北韓に対して初期段階の措置を履行するよう求めるとともに、経済支援の具体的内容や時期について協議を進めていくことにしています。作業部会の開催に先立って、国際原子力機関のエルバラダイ事務局長が13日から平壌を訪問し、エネルギー支援の前提となる核施設の凍結や査察などについて協議することになっており、その結果に関心が寄せられています。

・IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は12日、北韓訪問のために経由した北京で、「6カ国協議の合意にしたがって北韓がIAEAの査察団を受け入れることを希望する」と語りました。エルバラダイ事務局長は記者団に対して、北韓がIAEAの査察を受け入れ、IAEAの完全な加盟国に復帰することを期待していると語りました。エルバラダイ事務局長の北韓訪問は、先の6カ国協議での合意にもとづいて北韓が招待したもので、13日から2日間にわたって、核施設の凍結や最終的な検証方法などについて協議する予定です。

・李海チャン(イ・ヘチャン)前国務総理とともに北韓を訪問したウリ党の李華泳(イ・ファヨン)議員は12日、帰国に先立って韓国の連合ニュースと電話で会見し、我々は政府代表として北韓を訪問したのではないので、南北首脳会談について具体的に話し合ったわけではないが、6カ国協議の作業部会の進展を見極めながら南北首脳会談について検討していくのがいいだろうという意見を北韓に伝え、北韓も共感を示したと語りました。李華泳議員は、「アメリカと北韓による作業部会が順調に進めば、現在の停戦協定を平和協定に変えることについても話し合いが進められることが予想される」と指摘したうえで、「そうなれば南北首脳会談の話も自然と出てくるだろう」という見解を示しました。

・野党ハンナラ党が単独で召集した臨時国会が初日から空転しています。国会第1党のハンナラ党は12日から1カ月の会期で臨時国会を召集しましたが、与党ウリ党だけでなく、統合新党の集い、民主党、民主労働党などの野党もともに国会への出席を拒否し、議事日程すら決められない状態です。ハンナラ党は2月の臨時国会で成立させられなかった私立学校法再改正案や住宅法改正案などを審議するよう呼びかけていますが、ほかの党は、ハンナラ党が私立学校法再改正案をほかの法案と連携させて国会を政略的に利用しているとして反発しています。ウリ党は、私立学校法再改正案でハンナラ党が主張を通すためにほかの法案の成立まで遅らせるなどしているのは独裁的な行為で、臨時国会の召集には応じられないとしています。民主労働党と民主党も、法案の審議には反対しないが、ハンナラ党のやり方に問題があるとして、今のところ消極的に対応しています。このように各党がハンナラ党に反発していることから、3月の臨時国会は当分「開店休業」の状態が続く見通しです。

・民主労働党の魯会燦(ノ・フェチャン)議員は11日、ソウル市内で開かれた党大会に先立って記者会見し、大統領選挙の候補者を選出する党内選挙へ出馬する方針を発表しました。魯会燦議員は、「民主労働党が中心になって進歩勢力を統合し、大韓民国を変えて行きたい」と述べ、公約として脱税や不動産投機による収益の没収、貧困層に対する医療費と教育費の無料化など支援拡大、住宅価格の安定、公共・教育・福祉分野での雇用創出などを掲げました。民主労働党は、これまで2回に渡って大統領選挙に出馬したことがある権永吉(クォン・ヨンギル)議員と、シム・サンジョン議員も事実上大統領選挙への出馬を表明しており、大統領候補を選出するための党内選挙は三つ巴の戦いになる見通しです。

・12日から東京で始まる韓国と日本の外務次官による戦略対話で、韓国は安倍首相の慰安婦についての発言について憂慮の念を伝えることにしています。韓国の趙重杓(チョ・ジュンピョ)外交通商部第1次官と日本の谷内正太郎外務事務次官が出席する今回の戦略対話では、北韓の核問題や排他的経済水域など韓日間の懸案について話し合うことになっています。外交消息筋によりますと、韓国政府は、安倍首相が慰安婦を強制動員した証拠がないという趣旨の発言をしたことについて、安倍首相は慰安婦を動員する課程で日本政府と日本軍が関与した事実を認めた1993年の河野談話を継承するとしながら、一方ではその責任を回避するような発言をしているとして、今回の戦略対話で韓国政府のこうした考えを日本側に伝える予定だということです。

・イタリアのミラノで開かれたスピードスケートのショートトラックの世界選手権大会で韓国の選手が男女ともに個人総合1位になりました。大会最終日となった11日、韓国は6種目で金メダルを獲得しました。2日目まで金メダルを取れなかった男子は、最終日にアン・ヒョンス選手が1000メートルに次いで5000メートルリレーでも優勝し、史上初めて5大会連続個人総合1位になりました。男子3000メートルではソン・キョンテク選手が金メダルを獲得しました。女子は、チン・ソンユ選手が1000メートルと3000メートル、3000メートルリレーで優勝し、3大会連続女子個人総合1位になりました。韓国は今大会、金メダル7個、銀メダルと銅メダルそれぞれ4個を獲得しました。

3月10日土曜日

・北韓訪問を終えて、北京入りした李海チャン(イ・へチャン)元国務総理は10日、記者団に対して、「北韓では南北首脳会談の開催は、論議の対象にならなかった」と述べました。李海チャン元国務総理は、今月7日から4日間にわたって北韓を訪問し、ナンバー2の金永南(キム・ヨンナム)・最高人民会議常任委員長らと会談しました。李海?元国務総理は、北韓訪問を終えて、10日午前、北京入りし、空港で記者団に対して、「金永南最高人民会議常任委員長との会談では、先の6カ国協議での合意内容にもとづいて、核放棄の措置を履行し、北東アジアの平和体制を構築するよう求めた。これに対して、金永南委員長ら北韓側も真摯で前向きに取り組む姿勢を見せた」と述べました。しかし「会談で、南北首脳会談の開催について話し合ったか」という記者団の質問に対して、李海チャン元国務総理は、「金正日国防委員長との会談はなく、南北首脳会談の開催については、論議の対象にならなかった」と強調しました。李海?元国務総理は11日までに、中国に滞在しながら唐家セン国務委員ら中国の高官と会い、韓半島問題について意見を交わす予定です。

・北韓の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官は10日、マカオのバンコ・デルタ・アジアに凍結されている北韓の口座について、「アメリカが凍結をすべて解除することを約束した」と述べました。米朝国交正常化の作業部会を終え、中国経由で帰国の途についた金桂冠次官は、10日、北京の空港で、記者団に対して、このように述べるとともに、「アメリカがこの約束を守らなければそれに相応する北韓側の措置も部分的にならざるを得ない」と強調しました。金桂冠外務次官はまた、「アメリカによるテロ支援国家の指定解除や制裁解除など、北韓とアメリカとの間の懸案を両国の戦略的な理解に合わせて解決し、米朝関係を正常化させることで、アメリカ側と合意している。しかしその内容については、まだ外交上の問題が残っている」として、慎重な姿勢を示しました。金桂冠外務長官は8日9日の2日間、北京で中国の武大偉外務次官らと会談しており、前回の6カ国協議で決まった韓半島の非核化を論議する作業部会について、「今月17日北京で開かれるだろう」と述べました。

・ソウルで行われている韓米FTA=自由貿易協定の締結に向けた8回目の交渉3日目の10日は、政府調達の分科会でも持ち上がっていたすべての争点で合意に達しました。

・韓国、中国、日本の3カ国は、鳥インフルエンザの対策を進めるため、協力体制を強めることになりました。日本のメディアが10日伝えたところによりますと、3カ国は、鳥インフルエンザは渡り鳥が感染原因になる可能性が高く、各国が独自で対応することが難しいため、周辺国との協力体制が必要であるとして、鳥インフルエンザの感染が確認された場合、より迅速に対応できるよう3カ国の保健長官会議を新設することで合意し、来月7日から2日間、ソウルで初めての会議を開くことになりました。長官会議では、3カ国の「鳥インフルエンザ共同対応に関する覚書」を締結することにしており、この覚書には、検疫や診断、治療についての協力体制づくりや、ワクチンの共同開発などが含まれるものとみられます。

・アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した今年の「世界の長者番付」で、韓国で、10億ドル以上の資産を持つ人は10人いることがわかりました。それによりますと、去年、初めて上位100位以内に入った三星グループの李健熙会長が今年から家族の資産と分離されて、29億ドルで314位に下がりました。一方、李健熙会長の息子の三星電子の李在鎔常務は17億ドルで初めて世界の長者番付に名前が入りました。さらに韓国人では、現代・起亜自動車の鄭夢九会長、株式会社新世界の李明熙会長などを含む合わせて10人が、10億ドル以上の資産を持っていることがわかりました。一方、国別で、10億ドル以上の資産を持つ人は、インドが去年の23人から36人に増え、初めて日本を抜いてアジアでもっとも多くなっています。

・アメリカのソルトレークシティーで行われているスピードスケートの世界距離別選手権大会男子500メートルで、韓国のイ・カンソク選手が世界新記録をマークして優勝しました。アメリカユタ州のソルトレークシティーで行われている世界距離別選手権大会2日目の9日、2レースの合計タイムで争われた男子500メートルで、韓国のイ・カンソク選手が、2回目に世界記録を0秒05更新する34秒25をマークし、合計で、日本の及川佑選手を抜いて金メダルを獲得しました。

・イタリアのミラノで行われているスピードスケート・ショートトラックの世界選手権大会で、9日、韓国はショートトラック女子1500メートル決勝で、金銀銅を総なめしました。この試合、先月のアジア大会とワールドカップ1500メートルで優勝した、チョン・ウンジュが、2分22秒303で1位になったほか、2位はジン・ソンユ、3位はビョン・チョンサで、金銀銅メダルを韓国人選手が総なめしました。

・韓国人の携帯電話の加入者が4000万人を超えているなか、年齢別で、60歳以上のおよそ半数が携帯電話を使っていることがわかりました。韓国インターネット振興院が発表した「2006年下半期の情報化実態調査」によりますと、韓国人の携帯電話の利用率は平均76.6%でした。年齢別では、20代が97.6%でもっとも多く、30代と40代もいずれも90%を超えていました。そして6歳から19歳までが43.3%で、60歳以上は49.9%でほぼ半数が携帯電話を使っていることがわかりました。韓国人の携帯電話の加入者数が4000万人を超えているなか、20歳未満と60歳以上の年齢層で、携帯電話の加入者はまだ伸びる可能性があると、関係者は分析しています。

・9日は土曜日のため為替の取引はありません。

3月9日金曜日

・女性として初めて国務総理をつとめた韓明淑(ハン・ミョンスク)氏が辞職してウリ党の国会議員に復帰したのを受けて、盧武鉉大統領は9日、新しい国務総理に韓悳洙(ハン・ドクス)前経済担当副総理を指名しました。また大統領府、青瓦台の秘書室長には文在寅(ムン・ジェイン)前青瓦台民政担当主席秘書官を内定しました。これについて青瓦台の朴南春(バク・ナムチュン)人事担当首席秘書官は「国務総理に指名された韓悳洙氏は、政府の経済関係部署の要職を歴任して、国政運営について豊かな経験を持っており、盧武鉉大統領の任期最後の国政運営を安定的に進めて行くものと期待される」と述べました。国務総理に指名された韓悳洙氏は今年58歳、盧武鉉政権では産業研究院長、国務調整室長、経済担当副総理などの要職を経て、今は大統領直属の韓米FTA=自由貿易協定の締結支援委員会の委員長と大統領の韓米FTA特別補佐官を兼任するなど経済通とされています。一方、新しく青瓦台の秘書室長に内定した文在寅氏は今年54歳、盧武鉉大統領が就任してから青瓦台の民政担当主席秘書官、市民社会主席秘書官などを経て、現在は大統領の政務特別補佐官を勤める大統領の側近です。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定の締結に向けてソウルで開かれている8回目の交渉で、双方は競争分野の分科会で持ち上がっていたすべての争点で合意に達し、19の分科会のうち初めての完全合意となりました。交渉初日の8日夜、韓国のキム・ジョンフン首席代表は記者会見で、「競争分野でアメリカと合意し、特に韓国が同意命令制を取り入れることで合意した」と述べました。また、アメリカが協定文に盛り込むことを求めた「大企業集団も競争法の適用を受ける」という、財閥に関連した文言は削除することで合意したということです。これで、競争分野はすべての争点で完全合意に達したことになり、19の分科会のなかでは初めての妥結となります。同意命令制とは、公正取引法に違反した企業や事業者が、公正取引委員会と違反行為を改めることで合意すれば、制裁を受けずに済む制度で、すでにアメリカ、EU=ヨーロッパ連合、日本などで広く活用されています。韓国では去年発表した企業環境の改善の総合対策にこの制度を盛り込もうとして法務部の反発に合い、導入を留保していました。併せてこの日、金融分野での高官同士の交渉も行われましたが、これといった成果がないまま終わりました。9日にはさらに農業、自動車、医薬品、政府調達、商品、通信、知的財産権など合わせて13の分科会の交渉が行われました。

・韓国とアメリカのFTA締結に向けた8回目の交渉が始まった8日、ソウル市内で政界や市民団体の関係者ら870人が集会を開き、交渉の中断を求める決議文を採択するなど、全国で反対集会が開かれていますが、警察庁は、交渉の期間中に行われるすべての集会を違法と見なし、厳しく対処する方針を明らかにしました。警察庁は、FTA協議の期間中に行うすべての集会の開催を認めず、3万人の警官を動員して会場周辺を警備するなど、暴力デモに厳しく対処する方針を打ち出しました。これに対して、韓米FTAに反対する市民団体が、「すべての集会を一律に認めないのは基本権の侵害だ」として、警察庁長を国家人権委員会に訴えました。

・北韓の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官が8日、「テロ支援国家の指定解除について、アメリカとすでに合意している」と述べたと、韓国の中央日報が伝えました。中央日報によりますと、米朝国交正常化の作業部会を終え帰国の途についた金桂冠次官は、飛行機を乗り換えるために降り立った日本の成田空港で、記者団に対して、「アメリカによるテロ支援国家の指定を解除することで、すでにアメリカと合意しているが、具体的には言えない」と話したということです。また金次官は、寧辺の核施設の封印について「アメリカの北韓に対する金融制裁解除を見極めながら、核施設の稼動中止を決める」と述べました。これについて、日本のNHKは、「核施設の稼働中止はアメリカの金融制裁が前提条件で、できるだけ多くの口座の凍結が解除されるようアメリカに圧力をかけようとする思惑がある」と報道しました。

・北韓を訪問している李海チャン(イ・へチャン)元国務総理が8日、北韓のナンバー2の金永南(キム・ヨンナム)・最高人民会議常任委員長と会談しました。朝鮮中央通信は8日、「金永南常任委員長が、東アジア平和委員会の李海チャン委員長を団長とする韓国の与党・ウリ党の代表団に会い、同胞愛あふれる雰囲気の中、会談した」と伝えました。しかし、朝鮮中央通信は会談の具体的な内容や、李海チャン元国務総理の他の日程などには触れませんでした。

・EU=ヨーロッパ連合は、核開発計画の放棄が盛り込まれた先の6カ国協議での合意を北韓が履行すれば、北韓との関係改善を進めると、EU議長国のドイツが8日明らかにしました。ドイツ外務省はこの日声明を発表し、「EU外交団が6日から8日まで北韓を訪問し、北韓の当局者と具体的かつ率直に対話した」と述べ、北韓が先の6カ国協議での合意を全面的に履行するという強い意志を示したと伝えました。

・政府が大統領の任期を1期4年として連続2期まで認めるなどとした憲法改正の試案を発表したことに対し、与党ウリ党の丁世均(チョン・セギュン)議長は9日、憲法改正について話し合う政党代表者会談を開くことをハンナラ党などに提案しました。丁議長は、「国民は憲法改正を支持しており、党もその必要性に共感しているため、憲法改正をいつ、どのような形で行うかを国会で話し合うのは当然だ」として、「国会での意見調整を行うための政党代表者会談の開催を公式に提案した」と述べました。一方、野党・ハンナラ党の金炯?(キム・ヒョンオ)院内代表は、「盧武鉉大統領は憲法改正に反対する国民と政党の意見を聞き、憲法改正案の発議を取り消すべきだ」と主張しました。金院内代表は、「盧大統領が憲法改正の発議を押し通すなら、次の臨時国会は民生問題と憲法改正が対決する場となる」として、「憲法改正問題は次の政権のもと、国会で扱うべきだ」と述べました。

・去年11月29日に済州島で開幕した第1回韓流エキスポが、8日、閉幕しました。韓流エキスポの閉幕式は8日午後、済州国際コンベンションセンターで行われ、100日間におよぶ日程を終えました。韓流エキスポ組織委員会は、今回のエキスポに来場した観客は延べ8万1千662人で、このうち日本や台湾など海外からの観光客がおよそ55%、4万5千270人に達するなど、期待以上の成果があったと評価しました。次の第2回韓流エキスポは 「Forever Hallyu Expo in Japan」をキャッチフレーズに、日本の東京ドームで、7月24日から8月23日までの1ヶ月間開かれる予定です。

・大韓サッカー協会の鄭夢準(チョン・モンジュン)会長が、FIFA=国際サッカー連盟の副会長に再任されました。AFC=アジアサッカー連盟は9日、FIFAのアジア地域から選ぶ副会長の候補者を受け付けたところ、鄭夢準副会長だけが立候補したため、選挙を行わず、鄭副会長の2011年5月までの再任が決まりました。1994年にFIFAの副会長となった鄭夢準氏は、これで17年間在任することになります。

3月8日木曜日

・政府は8日、大統領の任期を、現在の5年1期から、1期4年で連続2期8年までを認め、合わせて大統領と国会議員の任期を一致させることを主な内容とした憲法改正案の試案を発表しました。それによりますと、大統領の任期は、1期4年にして連続2期8年までとする一方、現在はずれが生じている大統領と国会議員の任期を一致させるため、選挙の時期と方式について3つの方法を提案しています。まず1案は、▼今年12月の大統領選挙と来年2008年の総選挙を当初の予定通りに実施し、2012年2月に大統領選挙と総選挙を同時に実施することで、大統領の任期を2012年3月31日から、国会議員の任期を2012年2月28日からとする。2案は、▼2012年1月に大統領選挙を、1カ月後に総選挙を実施し、任期は1案と同じにする。そして3案は▼現職議員の任期を3カ月短縮し2008年2月に同時選挙を行い、大統領と国会議員の任期を2月25日からとする、となっています。政府の憲法改正推進支援団長のイム・サンム国務調整室長は、「1案と2案は、国務総理と閣僚の人事聴聞が、新たに構成された国会でできるメリットがあり、3案は、憲法改正後に実施する最初の大統領選と総選挙が同時に行われ、短期間に選挙が集中することによる弊害は妨げるが、現職議員の任期を短縮することになる」と説明しています。この案はまた、憲法改正は公布日から施行されることを明確に規定していますが、現在の大統領には適用されず、現職大統領の任期を2008年2月24日までとする付則を加えています。政府は今後、この試案について、各政党との協議を経て、説明会を開くほか、15日から学会や市民団体などが参加する公聴会を開き、各界の意見をとりまとめ、改正案を作成することにしています。そして今月末にも閣議を経て国会に正式に発議する見通しです。

・盧武鉉大統領は8日午後、青瓦台で、特別に記者会見し、「武鉉大統領は、この中で、「大統領と国会議員の任期を一致させる絶好のチャンスなので憲法改正は行われなければならない」としてこのように述べるとともに、「各政党は憲法改正を次期政権で進めると合意したり、公約にしたりする場合も、その中に次期大統領の任期を1年短縮することを必ず含めるべきだ」と強調しました。

・北韓が人道支援として肥料30万トンの提供を要請してきました。統一部は7日、北韓の赤十字会が韓国の大韓赤十字社にファックスを送り、肥料30万トンの人道支援を要請してきたと明らかにしました。これを受けて、政府は、国会に報告した後、3月下旬から4月初めに肥料の輸送を開始し、3カ月間で終えることにしていますが、この支援にはおよそ1000億ウォンがかかるものとみられています。南北は先週平壌で開かれた南北閣僚級会談で、韓国が北韓に肥料とコメを支援することを原則合意しています。

・韓国に駐留するアメリカ軍のベル司令官は7日、韓国軍の兵力と兵士の服務期間を減らすことにした韓国政府の国防改革案に憂慮の念を示しました。ベル司令官は7日、アメリカ議会下院の軍事委員会で証言し、「韓国軍は現在の370万人あまりの兵力を2020年までに200万人に減らす予定だが、北韓軍が似たような措置を取らない限り、韓国軍が一方的に兵力を減らすことは慎重に考慮すべきだ」と指摘しました。ベル司令官はまた、北韓の核問題をめぐる6か国協議の合意に期待しているとする一方で、「金正日政権にはこれまでにも国際社会をほんろうし続けた経緯がある。長期的に何を意図しているのか注意し続けている」と述べ、警戒感を示しました。そして、6か国協議の交渉によって、北韓に一時的ではなく、ウラン濃縮も含めた核開発全体をやめさせることができなければ、「北韓が新たな核実験を行うおそれがある」と指摘しました。

・韓国とアメリカのFTA=自由貿易協定を結ぶための8回目の本交渉が8日から5日間の日程で、ソウルで始まりました。韓米両国は8日午前、全体会議を開いた後、商品、繊維など10の分科会を開きました。韓国はこの中で、アメリカ側に自動車や繊維製品に対する関税を早期に撤廃するよう強く求めました。一番の争点となっている農業分野では、緊急輸入制限措置など、保護措置について両国の間で合意した場合、コメなど一部の品目を除くほとんどの農産物に対して、関税をなくすことで論議が進められています。一方、今回の交渉では、分科会とは別に、両国の首席代表同士が、争点となっている農業、繊維、金融分野について調整することにしています。

・骨を除いたアメリカ産牛肉の輸入が今月末から再開される見通しです。アメリカ産牛肉から骨のかけらが見つかったため、事実上、輸入が禁止されている問題などを話し合う韓米高官級会議が、今週5日から2日間、ワシンドンで行われました。この会議で、韓国は、輸入牛肉の全量についてX線を通して骨が混じっているかどうかをチェックし、そのうち骨のかけらが発見された箱について返送または廃棄することを提案したのに対して、アメリカは、韓国が輸入牛肉の全量を対象に検査することは依然として不満を表し、骨つき牛肉も輸入の対象にすべきだと主張したということです。韓国側の代表として参加していた農林部のミン・ドンソク次官補は、7日の記者会見で、「韓国側の部分返送の提案で、骨のかけらのため、牛肉の輸入自体ができないことはもうない。韓国側としては扉を大きく開けている状態だ。早ければ今月中にも輸入が再開される見通しだ」と述べました。

・韓国銀行は8日、金融通貨委員会を開き、政策金利である翌日物コールレートの誘導目標を4.50%に据え置くことを決めました。金融通貨委員会は、「民間消費がやや伸び悩んでいるが、輸出は好調で、設備投資や建設投資も着実に改善されており、一方では流動性も安定している」と金利を据え置くことにした理由を説明しました。政策金利は去年8月に0.25%引き上げられた後、7カ月連続で据え置かれることになりました。

・忠清南道天安(チョンアン)市のアヒル農場で高病原性の鳥インフルエンザの発生が確認されました。農林部によりますと、忠清南道天安(チョンアン)市のアヒル農場について、国立獣医科学検疫院が精密検査を行った結果、高病原性の鳥インフルエンザであることが8日、最終的に確認されました。これは、京畿道安城(アンソン)市の養鶏場で高病原性の鳥インフルエンザの発生が確認されてからおよそ1カ月ぶりで、去年の秋以降、韓国での鳥インフルエンザの発生は今回で7例目となります。忠清南道の防疫当局では、鳥インフルエンザが発生した農場で飼育していたアヒル1万3000羽と、この農場の半径3キロ以内の家きん類5万5000羽を処分することにしています。天安市では、今年1月にも鳥インフルエンザが発生していました。

・北韓の平壌周辺で、牛と豚の口てい疫の感染が確認されました。農林部によりますと、北韓が7日、OIE=国際獣疫局に、平壌付近の農場で牛460頭あまりと、豚2600頭あまりが口てい疫に感染していることを届け出たということです。これを受けて、韓国の防疫当局は、対策作りに乗り出し、北韓との国境周辺や、開城工業団地と金剛山観光客に対する防疫を強化することにしています。

3月7日水曜日

・先の6カ国協議に基づいてニューヨークで行われたアメリカと北韓の関係正常化に向けた作業部会で、双方は今の停戦協定に代わる韓半島の平和体制を構築するための協議を行うことで合意しました。アメリカの首席代表を務めるヒル国務次官補は、作業部会の後、コリア・ソサイアティーの討論会で作業部会の協議内容を説明しました。この中でヒル次官補は「2005年9月の6カ国協議で出した共同声明で、“関連当事国は適切な別のフォーラムで韓半島の永久的な和平体制について協議する”と明記されており、アメリカは北韓との関係正常化だけでなく、北東アジアの安全保障を含む韓半島の平和体制作りを期待している。そのため韓半島の停戦協定に代わる平和体制を講じるための協議を始めたい」と述べるとともに、そのためには北韓の核放棄が前提であるという考えを強調しました。そして今回の作業部会についてヒル次官補は「北韓と非常に有益な会談を行った。今回の会談を通じて双方は初期段階の措置を60日以内に履行できると楽観的に見ている。高濃縮ウランについては完璧な解明が必要で、アメリカの専門家も参加して協議することで合意した」と述べました。一方、北韓の主席代表の金桂ェ(キム・ゲグァン)外務次官は会談後、記者団に向けて「会談の雰囲気はよく、建設的で真しだった」と満足感を示しました。米朝は次の作業部会を、今月19日の6カ国協議の前に北京で開くことで合意したということです。

・韓国を訪問したアメリカのネグロポンテ国務副長官は6日、記者会見し、北韓が高濃縮ウラン(HEU)の計画を持っていることは疑う余地がないという見解を示しました。ネグロポンテ副長官はこの中で、北韓の高濃縮ウラン計画の情報について、「アメリカは2002年に入手した情報がまだ有効だと思うか」という記者団の質問に対して、このように答えるとともに「北韓が核関連施設を申告する際に、その部分も盛り込むことを期待する」と強調しました。ネグロポンテ副長官はまたアメリカ政府関係者の北韓訪問の計画について「現在は具体的な計画はない」と前置きしながらも「今後数週間にかけて、6カ国協議の作業部会などさまざまな会議が開かれる可能性があることを考えると、作業部会のメンバーが平壌入りしても驚くことではない」と述べて、6カ国協議のアメリカの首席代表のヒル国務次官補が6カ国協議や作業部会の進展しだいでは北韓を訪問する可能性があることを示唆しました。

・盧武鉉大統領の政務特別補佐官で、ウリ党の東北アジア平和委員長の李海チャン(イ・ヘチャン)前国務総理は7日、中国経由で北韓を訪問するに当たって仁川空港で記者会見し「今は南北首脳会談を協議する時期ではない」と述べました。李海チャン前国務総理はこの中で「6カ国協議で北韓の核問題についての初期段階の履行状況がはっきりみえてきたので、この後の履行計画が決まらなければならない。今回の北韓訪問では冷戦体制後の北東アジア情勢が急速に変わっているので、北韓当局と全般的に意見を交換する予定で、南北首脳会談がテーマではない」と述べ、一部の報道やハンナラ党が主張している南北首脳会談の地ならし用のための訪問ではないかという推測を否定しました。また北韓訪問中に、金正日国防委員長と会う予定については「マスコミの推測報道で、その予定はなく、面談を要請する計画もない」としたうえで、盧武鉉大統領のメッセージを伝える計画もないと述べました。李海チャン前国務総理は、ウリ党の鄭義溶(チョン・イヨン)議員、李華泳(イ・ファヨン)議員らととともに中国瀋陽経由で平壌入りし、10日まで4日間滞在する予定です。

・ロシアのラブロフ外相は、先月の6カ国協議での合意で決まった北韓への支援以外に、追加の援助を行う用意があるという考えを示しました。ラブロフ外相は6日、モスクワを訪問した宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商部長官と会談した後の共同記者会見で、「ロシアは先の6カ国協議での合意に基づいて北韓を支援するが、これ以外でも北韓との両国間レベルで電力やエネルギーなど追加の支援ができる。まずは北韓のロシアに対する債務問題を早期に解決すれば、追加支援を効果的に検討できるだろう。今月中に北韓との経済関連会議を開いて、電力やエネルギー支援について話し合う予定だ」と述べました。

・EU=ヨーロッパ連合が6日、3年ぶりに代表団を北韓に派遣したと議長国のドイツが発表しました。EUの代表団は議長国のドイツ、EUの執行委員会、EUの理事会の事務局、それに次の議長国のポルトガルの代表で構成され、8日まで北韓に滞在して、北韓の当局者と会談を行う予定だということです。EUと北韓は2000年の南北首脳会談を契機に外交関係を結びましたが、北韓の核問題が出たうえ、EUが北韓の人権問題に関心を示してから関係が冷え込んでおり、今回の訪問がEUと北韓との関係正常化につながるかどうか注目されます。

・韓国で初めての女性総理となった韓明淑(ハン・ミョンスク)国務総理が7日、およそ10カ月間の在任を終えて正式に辞職し、ウリ党に再び入党して、今後は国会議員として活動することになりました。韓明淑議員は7日、政府中央庁舎で行われた離任式で「在任中、意思の疎通と和合、対話と妥協を目指して渾身の力を出してきた。やり遂げられなかった韓米FTA交渉や司法改革などの重要な懸案が成功することを期待する」と述べました。国務総理が退任したことから、次の国務総理が決まるまで、権五奎(クォン・オギュ)経済担当副総理が総理の職務を代行することになっています。

・盧武鉉大統領は8日午後、大統領府の青瓦台で、大統領の任期を今の1期5年から1期4年で2期まで認める憲法改正について特別談話を発表する予定です。盧武鉉大統領はこの中で、大統領の任期を改める必要性を重ねて強調するとともに、記者会見も行う計画です。

・アメリカのポールソン財務長官が6日、韓国を訪れました。ポールソン財務長官の韓国訪問は、日本と中国など東アジア歴訪の一環で、円高など国際金融問題の懸案を話し合うためとされています。しかし大詰めの段階に差しかかっている韓米FTA=自由貿易協定の本交渉が今週8日からソウルで開かれることから、ポールソン財務長官の韓国訪問は韓米FTA交渉についてのアメリカ政府の意思を韓国政府に伝えることが主な目的ではないかと観測されています。

・生徒と教師が時間的・空間的な制約を受けずに、生徒の能力に合わせて勉強ができるデジタル教科書が本格的に開発され、来年から学校で順次、普及されることになりました。

・ソウルが世界で11番目に生活費が高くつく都市であるという調査結果が出ました。イギリスの経済専門調査機関のエコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)が6日まとめた資料によりますと、アメリカのニューヨークの生活費を100として世界132の主な都市の生活費を調べた結果、ソウルは115で、去年の13位から2つあがって今年は11位になりました。アジアでは日本の東京と大阪に次いで3番目に高くなりました。生活費が最も高い都市はノルウェーのオスロ(132)です。、2位はフランスのパリ(130)、3位はデンマークのコペンハーゲンで、東京は5位、大阪は6位でした。

3月6日火曜日

・先の6カ国協議で設置することが決まったアメリカと北韓の国交正常化に向けた1回目の作業部会が現地時間で5日午後、ニューヨークで始まりました。アメリカと北韓が公式に直接協議するのは2002年10月以来4年5カ月ぶりです。作業部会には米朝双方から6カ国協議の首席代表であるヒル国務次官補と金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官が出席し、2日間の日程で、今後の作業部会で扱う議題や日程、北韓の「テロ支援国」指定解除問題などについて話し合います。アメリカと北韓は、1948年の北韓の建国以来、敵対関係が続いています。作業部会が始まったことから、両国が核問題をいかに解決し、長年の敵対関係をどのように修復していくかに関心が寄せられています。北韓の首席代表を務める金桂寛外務次官は作業部会に先立って「うまく行くものと見ている」と語り、アメリカとの直接対話に期待感を示しました。先の6カ国協議では、北韓の核放棄に向けた措置や米朝、日朝の国交正常化、対北韓エネルギー支援などを五つの作業部会で協議することで合意しましたが、米朝国交正常化に向けた作業部会を手始めに、日朝国交正常化に向けた作業部会が7日にハノイで始まることになっており、残る三つの作業部会も今月中旬までに開かれることになっています。

・国連開発計画は5日、北韓に対する開発支援事業を全面中止したことと関連して、北韓が国連開発計画理事会で1月に決定した条件を受け入れれば支援事業を再開する用意があるという立場を示しました。国連開発計画の報道官はこの日、北韓が国連開発計画の条件を受け入れなかったことから支援事業を今月1日をもって全面中止したが、もし北韓が条件を受け入れれば支援事業の再開を検討する用意があると語りました。国連開発計画は北韓に対する支援事業で、事業を進めるに当たって外貨が使い道のチェックを受けないまま北韓当局に渡り、北韓の政権維持のために流用されていた可能性があるという疑惑が表面化したため、新規事業を停止するとともに、北韓に対して現地事務所での北韓政府関係者の雇用廃止や外貨での賃金支払いを停止することなど、支援事業の透明性を高めるための措置を求めていました。

・李在禎(イ・ジェジョン)統一部長官は5日、与党開かれたウリ党に離党届を出しました。李長官はこの日、国会の統一外交通商委員会に出席し、「これまで超党的な立場に立って長官として役割を果たしてきたし、今後もそうするつもりだ」と語りました。李在禎長官は2002年の大統領選挙で盧武鉉候補の選挙対策委員会遊説本部長を務めた側近で、去年末に統一部長官に就任しました。一方、朴弘綬(パク・ホンス)農林部長官も6日、ウリ党に離党届を出しました。朴弘綬長官は2004年4月にウリ党の比例代表制議員として国会入りし、2005年から農林部長官を務めています。閣僚の離党が相次いでいるのは、盧武鉉大統領が離党したことを受けて、与党内で閣僚も離党して国政に専念すべきだという声が出ていたためです。李在禎長官と朴弘綬長官が離党したことから、閣僚でウリ党の党籍を維持しているのは柳時敏保健福祉部長官と李相洙労働部長間の2人だけとなりました。

・李海チャン前国務総理が7日から10日まで北韓を訪問します。李海チャン前国務総理の北韓訪問は北韓の民族和解協議会の招待によるもので、北韓の金永南最高人民会議常任委員長らに会って、南北間の広範な懸案について意見を交換する予定です。一方、李海チャン前国務総理の北韓訪問が南北首脳会談の開催と関係があるのではないかという推測が出ていますが、大統領府青瓦台の関係者は、李海チャン前国務総理は大統領の特使としてではなく、ウリ党の東北アジア平和委員長の資格で北韓を訪問するものだとして、推測を否定しました。また、李在禎統一部長官は6日、ラジオ番組に出演し、李海チャン前国務総理は政府の代表として北韓を訪問するのではないので、首脳会談の開催とは関係がないと語りました。

・韓国と日本両政府は5日、東京で第7回EEZ=排他的経済水域の境界画定交渉を行いましたが、具体的な合意には至りませんでした。韓国は日本が竹島と呼んでいる独島(竹島)と隠岐諸島の中間線を境界にすべきだと主張したのに対して、日本は韓国の鬱陵島と独島(竹島)の中間線を境界とすべきだと主張して、双方は平行線をたどりました。今回の交渉では独島(竹島)周辺海域での海洋調査問題についても話し合いましたが、海洋調査に先立って事前通報する制度を創ることを提案している日本に対して、韓国は独島(竹島)は韓国固有の領土だとして、日本の提案を受け入れなかったと伝えられています。

・韓国とアメリカの軍当局がロケット誘導弾を共同開発することになりました。韓国国防科学研究所とアメリカ海軍航空武器研究所は6日、70ミリのロケット誘導弾を共同開発する了解覚書を締結しました。このロケット誘導弾は、ヘリコプターに搭載して地上の目標物を攻撃する既存のロケット弾に、赤外線映像探索機と誘導操縦装置を取り付けたもので、5キロ離れたところを高速で移動する目標物を自動的に識別し、命中します。双方は特に誘導装置や目標探索機の分野で共同開発に取り組むことになります。開発には300億ウォン程度がかかる見通しですが、このロケット誘導弾は開発後は韓国海軍に配置されることになります。

・ソウルモーターショーが来月5日、京畿道高陽市の総合展示場、KINTEXで始まります。今回のモーターショーには韓国の自動車関連メーカー120社、外国の自動車関連メーカー66社が参加し、韓国産自動車107台と外国産自動車143台が展示されます。ソウルモーターショー組織委員会によりますと、今回のモーターショーにはコンセプトカーだけで12台が展示され、環境にやさしい自動車も7台が展示されます。今回のモーターショーは来月15日までの11日間開かれ、内外の100万人あまりが訪れるものと組織委員会では見ています。

・今年は桜の開花時期が去年より8日ほど早くなる見通しです。気象庁が6日発表したところによりますと、今年2月の全国の平均気温は平年より2度から4.8度高く、3月半ばから4月上旬までの平均気温も平年の気温を上回るものとみられ、桜の開花は去年より8日ほど、平年より11日ほど早くなるということです。地域別に見ますと、済州島の西帰浦市で今月18日頃に初めて開花し、南部地方は今月19日から24日、中部地方は今月25日から4月5日頃に開花する見通しです。桜の名所として有名な慶尚南道鎮海市は今月24日から、ソウルのヨイドは今月27日から桜が咲き始めるものとみられます。

3月5日月曜日

・韓国外交通商部の通商交渉本部が4日明らかにしたところによりますと、韓米両国はFTA=自由貿易協定の交渉でコメを関税撤廃の例外品目にすることで原則的に合意しました。通商交渉本部によりますと、先月末にワシントンで開かれた韓米通商長官会議で、両国はコメを例外品目にすることで原則的に合意し、5日と6日にワシントンで開かれる農業分野の高官級会議ではこうした原則にもとづいて協議を進めていくことにしました。外交通商部の関係者は、韓米通商長官会議では韓国が要求しているコメの例外品目認定と、アメリカが要求しているアメリカ沿岸の乗客と貨物の輸送はアメリカ国籍の船舶に制限することの二つの争点が、FTA交渉を決裂させる可能性のある要因だという点で意見が一致し、相互の要求を受け入れる方向で協議を進めていくことで合意したということです。韓国内ではコメを例外品目として認定することは歓迎していますが、代わりに他の農産物で何らかの譲歩をしたのではないかという観測が出ています。アメリカはコメの例外品目認定の代わりに牛肉市場の全面開放を要求していると伝えられています。一方、5日と6日にはFTA農業交渉とアメリカ産牛肉の輸入再開問題を協議する高官級会議が開かれます。韓国はこの会議で骨のかけらが発見された箱だけの返送または廃棄を提案する方針ですが、アメリカはこれに反対しており、交渉の成り行きに関心が寄せられています。

・韓国政府は、アメリカの議員15人が韓米FTA=自由貿易協定の交渉と関連してブッシュ大統領に送った書簡について、遺憾とする立場を表明しました。アメリカの議員15人は最近、ブッシュ大統領に対してFTAの自動車と関連した交渉についての書簡を送り、自動車に関する韓国側の関税は即時撤廃し、アメリカ側は乗用車に賦課する2.5%の関税を15年間にわたって段階的に撤廃することなどを求めました。また、韓国へのアメリカ産自動車の輸出増加分だけ、韓国産自動車に対して無関税の恩恵を与えるべきだとも主張しました。これについて韓国外務省の関係者は4日、アメリカ議員のこうした主張は保護主義的な認識を根拠にした非合理的なもので、韓米FTA交渉が最終段階に来ている現時点で交渉に否定的影響を与える可能性がある書簡を大統領に送ったのはきわめて遺憾だと指摘するとともに、もしアメリカ側がこうした主張を受け入れ、今後の交渉に反映させるようなことがあれば、これまでの交渉全体が座礁する可能性も排除できないと、強く非難しました。

・6カ国協議で韓国の首席代表を務める千英宇(チョン・ヨンウ)韓半島平和交渉本部長は、先の6カ国協議での合意に関して、北韓は初期段階の措置を履行する意志があると述べました。千英宇本部長は現地時間で3日、ワシントンで北韓の金桂冠(キム・ゲグァン)外務次官と会談し、6カ国協議で合意した初期段階の措置の履行などについて意見を交換したと伝えられています。千英宇本部長は会談後の記者会見で、「北韓は先の6カ国協議での合意した寧辺の核施設の不能化など初期段階の措置を履行する意志があり、疑う余地はない」と語りました。一方、今月1日からワシントンを訪問している金桂冠外務次官は、アメリカの関係者と会い、韓半島が戦場になることは決して望んでいないと語りました。外交消息筋によりますと、金桂冠外務次官はこの席で、米朝関係が改善されれば、ブッシュ大統領の大きな業績になるだろうと語り、アメリカとの関係改善に強い意欲を示したということです。金桂冠外務次官は5日からアメリカの首席代表、ヒル国務次官補と米朝関係正常化のための作業部会を開き、米朝連絡事務所の設置や外相の相互訪問、北韓のテロ支援国からの指定解除、経済制裁解除などについて話し合う予定です。

・アメリカ国務省のネグロポンテ副長官が5日、就任後始めて韓国を訪れました。ネグロポンテ副長官は対北韓政策調整官の有力な候補とされています。韓国政府の関係者は、ネグロポンテ副長官の韓国訪問は、就任挨拶を兼ねて北東アジアの3カ国を訪問するもので、特別な意味はないとしていますが、関係各国が北韓の核問題と関連して活発に動き始めていることもあって、訪問の目的に関心が寄せられています。

・韓日両国間のEEZ=排他的経済水域を画定するための会談が5日、東京で始まりました。韓国外交通商部の関係者は、日本が竹島と呼び領有権を主張している独島と隠岐諸島の中間線を境界にする方向で交渉を進めていく方針だと語りました。一方の日本は鬱陵島と独島(竹島)の中間線を境界とする方針を維持しています。このように双方の主張は依然として隔たりがあり、今回の会談では境界の画定よりは、独島(竹島)周辺海域で双方が海洋調査を行うことなどが主な議題になるものと見られています。排他的経済水域を画定するための会談は去年9月に開かれて以来、6カ月ぶり再開されました。

・金正日国防委員長が北韓駐在中国大使館を訪問しました。朝鮮中央通信が報じたところによりますと、金正日国防委員長は4日、中国大使館を訪問し、中国の劉曉明大使と歓談しました。この日の訪問は中国大使館の招待で実現したもので、劉曉明大使はこの席で金正日国防委員長に胡錦濤国家主席の親書を伝えたということですが、具体的な内容は明らかになっていません。金正日国防委員長が中国大使館を訪問したのは、去年10月の核実験実施以来、少なからず疎遠になっていた両国関係を改善するとともに、6カ国協議での中国の努力に謝意を表明する意味があるとみられます。

・ビリヤードの伝説的人物といわれる故イ・サンチョンさんが、アメリカビリヤード協会の名誉の殿堂にその名を残すことになりました。アメリカのビリヤード協会はこのほど、1990年から2001年まで連続12年間、アメリカビリヤード選手権大会を制覇した韓国人のイ・サンチョンさんの名誉の殿堂入りを決定し、5月15日にラスベガスのリビエラホテルで記念式を行うことにしました。イ・サンチョンさんは大学時代からビリヤードを始め、1978年から1987年まで韓国のビリヤード選手権大会を制覇し、その後、アメリカに渡って、アメリカの選手権大会を12年間制覇しました。イ・サンチョンさんは2002年には釜山アジア大会に韓国代表として出場、2004年から大韓ビリヤード連盟の会長に就任しましたが、就任後間もなく50歳で胃がんのため亡くなりました。アメリカのビリヤード協会は毎年、イ・サンチョンさんを追悼する大会を開催することにしています。

・気象庁によりますと5日朝は冷たい高気圧の影響で、韓半島東部の江原道大関嶺で氷点下4.3度まで気温が下がったのをはじめ、全羅南道で氷点下2.2度、ソウルで氷点下1度など各地で氷点下に下がりました。また、4日から5日にかけて全国的に雨とともに、強い風が吹いて西海岸を中心に船の欠航が相次ぎ、一部の空の便も運休しました。こうした中、4日午後、済州島のソギポ沖で鉄鋼タグボートが強風と高波のため座礁して、バンカー重油5万リットルが海に流れ出し、済州海洋警察署はオイルフェンスを張って汚染防止作業をしました。また4日夜には釜山で停泊中の船舶が強風で岩礁に乗り上げて座礁しました。気象庁によりますと、5日午後遅くから冷たい大陸性高気圧が北西から移動してくるため雲が出て、西海岸と中部山間地方で3センチから5センチの雪が降るということです。

3月3日土曜日

・平壌での南北閣僚級会談を終えて2日夕方、韓国に帰ってきた李在禎統一部長官は、北韓がコメ40万トンと肥料30万トンの支援を韓国側に要請してきたことを明らかにし、北韓への支援を前向きに検討する考えを示しました。李在禎統一部長官は2日夕方、ソウルの南北会談本部での記者会見で、北韓からコメと肥料の支援要請があったことを明らかにし、「南北代表団の間で、これくらいの支援なら可能ではないかという共感ができた」と述べました。そして北韓への支援は、2月の6カ国協議での合意内容の履行と関係あるかという記者団の質問に対して、李在禎長官は「6カ国協議と南北対話の進み具合、国民世論を考えて食料支援という人道支援を行っていく。その原則にもとづいて、南北の経済協力推進委員会で具体的に協議することになると思う」と述べ、事実上、北韓の核放棄の履行と食料支援を連携していることを示唆しました。李長官はまた今回の閣僚級会談で、南北将官級会談を提案しなかったことについて「多くの懸案のうち、実現可能な部分に重点を置いて、会談を進めた」と答えました。北韓へのコメや肥料支援については、今回の南北閣僚級会談で発表された合意文の中には明記されていませんが、統一部長官が前向きに検討する考えを示したことから、裏での合意があったのではないかという推測が出ています。

・今回の南北閣僚級会談の結果に北韓は満足感を示しています。朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の機関紙、朝鮮新報は、北韓代表団のクォン・ホウン団長が2日の南北閣僚級会談の閉幕直前の会議で、「言葉と感情が通じ合う同じ民族同士で懸案を真しに協議していけば、解決できない問題はないことを示したのが今回の会談の大事な成果だ」と発言したと3日報道しました。また朝鮮中央通信は2日夜、会談が終わったことを報道するとともに「南北双方は今回の会談で南北関係をさらに発展させようとする意志を内外に示し、一連の合意に至った」と評価しました。

・アメリカを訪問している宋旻淳外交通商部長官は韓国時間で3日午前、アメリカのライス国務長官と会談し、2月の6カ国協議で合意した北韓の核放棄に向けた初期段階について協議しました。ライス国務長官はこの中で、「北韓の核放棄の履行は始まったばかりで、周辺国の役割が重要だ」と強調し、これに対して宋旻淳長官は「北韓はすべての核開発計画を放棄すると明記されているので、核は必ず廃棄されなければならない。その約束を実現させるためにも、韓米両国の協力は欠かせない」と述べました。宋長官は会談後の記者会見で、「韓米外相会談では北韓の核問題のほか、北韓へのエネルギー支援と米朝関係の正常化、韓半島の和平体制、北韓をテロ支援国から解除することなどについて意見を交わした」と述べたうえで、ライス国務長官やヒル国務次官補の北韓訪問の可能性について「米朝が関係正常化を希望すれば、それは多様な可能性を念頭においているものであり、そのレベルで相互訪問の可能性はあると思う」と述べました。

・宋旻淳外交通商部長官は、2日、安倍首相が第2次世界大戦中の旧日本軍の従軍慰安婦問題で「強制性を裏付ける証拠がなかったことは事実だ」と述べたことについて、「第2次世界大戦中、韓国人女性らが日本軍の性の奴隷として強制されたことを疑う人は、真実をしっかり直視しなければならない」と批判しました。宋旻淳長官はワシントンで講演した後、安倍首相の発言についての論評を求められ、「安倍首相の発言は韓日両国間の健全で未来志向的な関係構築にプラスにならない。私たちがどこに住んでいようが、国籍に関係なく、真実と人類の普遍的な価値をしっかりと見据えていかなければならない」と強調しました。安倍首相の従軍慰安婦発言については、韓国の政界からも批判の声が相次いでおり、小泉前首相の靖国神社参拝などで悪化した韓日関係の回復に、安倍首相の発言が再び新たな対立の要因となる可能性も出てきました。

・中国で北韓脱出者を支援している宗教団体の関係者は2日、東南アジアに滞在している脱北者80人あまりがアメリカ入りできると思うと述べました。ドゥリハナ宣教会のチョン・ギウォン牧師は韓国のマスコミとのインタビューで、「脱北者およそ80人がアメリカに亡命することで詰めの協議が進められており、今年上半期中にアメリカ入りすると思う。それより先に脱北者12人が亡命を要請するために、アメリカ入りした。アメリカはさらに脱北者を受け入れる方針を示している。アメリカへの亡命は韓国への亡命より手続きに時間がかかるが、現在、東南アジアや中国に滞在していてアメリカ行きを希望している脱北者は増えている」と述べました。チョン牧師はさらに「ドゥリハナ宣教会で保護している脱北者だけで500人にのぼっており、ほとんどは韓国行きを希望しているが、アメリカ行きの希望者が次第に増えている。それは単なる資金の支援より、自立できる環境作りに努力しているアメリカの政策のせいだということを韓国政府は知っておく必要がある」と指摘しました。

・公正取引委員会のクォン・オスン委員長は2日、民放のラジオ番組に出演し、「中学・高校の制服メーカーが不公正な取り引きを行った疑いがあり調査している」と述べました。公正取引委員会は、制服メーカーが価格を水増しして高い利益をあげているのではないかとする消費者の不満が高まっていることから、先月から調査をしており、教育人的資源部も親の経済的な負担を軽減するために、中学・高校の新入生は5月までは私服を着ることを認めていました。公正取引委員会のクォン・オスン委員長はインタビューで「制服メーカーは、制服を安く購入しようとする親たちの共同購買を妨害するとともに、在庫を新製品とだまして販売し、青少年を対象とするコマーシャルも誤解を招く恐れがある」と述べて、今後、どの法律に違反するかを検討し、さらに調査を進める方針を示しました。韓国の新学期は3月2日に始まりましたが、ソウル市教育庁によりますと、入学式ですでに制服を着ていた新入生は市内の287の高校のうち85%、中学校では360校のうち64%に達しており教育当局の勧告が学校ではあまり受け入れられていないことを示しました。

・ソウル市は4月末から勤務態度がよくなかったり、業務能力が著しく落ちた市職員を単純作業の現場に配置転換し、それでも改善の見込みがない場合は免職することを決めました。ソウル市の発表によりますと、ソウル市役所の職員のうち、勤務態度がよくなかったり、業務能力が著しく落ちている職員は、6カ月間、タバコのポイ捨て現場の取り締まり、交通量調査、施設の安全点検などの単純業務にまわし、6カ月後になっても業務態度の改善の見込みがないと判断された場合は、免職する方針です。対象となる職員は、下は9級から局長クラスにあたる3級までの1万6000人です。この制度はすでに蔚山市が今年1月から実施しており、今後、ソウル市の麻浦区、九老区などの基礎自治体でも行う方針です。

・韓国のプロサッカー、Kリーグが3日、開幕しました。3日の開幕戦は、京畿道城南市の城南総合運動場で去年の優勝チーム、城南一和とアジアサッカー連盟カップの優勝チーム全南ドラゴンズとの間で行われました。今年のKリーグは10月10日までの9カ月間、14チームが1チームあたり26試合ずつ、合わせて182試合が行われます。また去年まで3年間続けた前期・後期リーグを廃止して、1シーズン制を復活させるとともに、これまでの上位4チームによるプレーオフをさらに2チームを追加して6チームで行うことになりました。今年のKリーグは「攻撃的サッカー、面白いサッカー」をめざしているうえ、フランスなどで活躍した安貞桓(アン・ジョンファン)選手やコ・ジョンス選手がKリーグに復帰し、再びサッカーファンを喜ばせることになるかどうか、期待がかけられています。

3月2日金曜日

・先月27日から平壌で開かれていた南北閣僚級会談は最終日の2日、韓国と北韓が5月初めに離散家族の再会を実現し、南北縦断鉄道の試験運行を今年上半期中に実施することなどで合意し、終了しました。南北の合意によりますと、▼3月27日から29日に画像による離散家族の再会を実施し、5月初めに金剛山での離散家族の再会を実現する一方、▼建設が中断されている金剛山の離散家族の常設面会所の工事を早期に再開する▼南北赤十字会談を4月10日から12日まで開き、北韓に拉致された韓国人や韓国戦争で捕虜となった韓国軍兵士の問題を協議することになりました。さらに、▼南北の経済協力推進委員会を4月18日から21日まで平壌で開く▼南北縦断鉄道の試験運行を今年上半期中に実施する▼開城工業団地の建設を促進するなども盛り込まれ、▼次の閣僚級会談を5月29日から6月1日までの4日間、ソウルで開催することになりました。しかし、この合意の中には南北の最大の争点となっていた韓国によるコメと肥料支援は含まれていません。

・6カ国協議での合意にもとづいて、北韓が核放棄に向けた初期段階の措置に応じた場合に行うことになっているエネルギー支援に、アメリカが参加する意思を表明しました。これは、アメリカが北韓に対する政策を修正し、積極的な関係改善に乗り出す意志を明確にしたものと受け取られています。外交通商部の高官は1日、「アメリカ政府は当初の方針を変え、北韓の核放棄に向けた初期段階の措置に対して、エネルギー支援を行うことにした」と述べました。先に行われた6カ国協議では、北韓が60日以内に核施設の凍結と、IAEA=国際原子力機関の視察を受け入れる見返りとして、北韓に重油5万トンを提供することが合意文書に盛り込まれており、この5万トンを韓国が負担することになっていました。この高官は、「韓国が提供する5万トンをアメリカが分担することになるのか、5万トンの枠外でアメリカが追加支援を行うかについて、アメリカ政府は柔軟に検討している」として、「韓国政府と緊密に話し合っている」と述べました。

・6カ国協議の北韓の首席代表、金桂寛(キム・ゲグァン)外務次官が、ニューヨークで開かれる米朝関係正常化の作業部会に出席するため、現地時間の1日、アメリカのサンフランシスコに到着しました。金桂寛次官のアメリカ訪問は2000年9月以来で、国連行事以外での北韓高官の訪問としては、2000年10月に当時のクリントン大統領と会談した趙明録(チョー・ミョンロク)・国防委員会第1副委員長以来となります。 金次官はサンフランシスコで非政府組織(NGO)との会合などに出席したあと2日にニューヨーク入りし、5日から米朝関係正常化の作業部会に出席する予定です。また、5日にはアメリカの首席代表のヒル国務次官補との夕食会が予定されています。 作業部会は2月の6カ国協議で設立が決まり、今回が初会合となります。

・次世代戦車が韓国独自の技術で開発されました。防衛事業庁傘下の国防科学研究所は2日、慶尚南道の昌原演習場で、 盧武鉉大統領や軍関係者などが見守る中、次世代戦車の試作車両3台の出庫式を行いました。中心となって開発を進めた国防科学研究所のキム・イクファン博士は、「国産化率90%以上を目標に、韓国で開発する必要のない部品一部を除いたすべてのシステムを、韓国の企業と協力して開発に成功した」と述べました。この次世代戦車は深さが4.1メートルの水の中でも動き、水から出た瞬間、戦闘方式に切り替わることができます。また、弾薬を自動で装てんでき、空中のヘリコプターを撃墜できる電子知能弾も備わっています。この次世代戦車は、来年末まで陸軍で試験・評価を行い、2年間の量産準備期間を経て、2011年には実戦配備される予定で、軍と国防科学研究所は、この次世代戦車の海外への輸出も検討しています。

・韓国とシンガポールの間で締結されたFTA(自由貿易協定)が発効してから、韓国のシンガポールに対する貿易黒字が大幅に増えていることが分かりました。財政経済部によりますと、韓国とシンガポールのFTAが発効した去年3月から10ヶ月間の、シンガポールに対する貿易収支の黒字は31億5900万ドルで、FTAを締結する前の10ヶ月間に比べて56.2%増えました。こうした経済交流の拡大に伴って両国を行きかう訪問客の数も急増し、去年の韓国からシンガポールへの入国者は45万4000人で、2005年に比べて24.8%増えています。また、シンガポールから韓国への入国者も同じ期間で9.6%増加しました。財政経済部の関係者は、経済交流の統計から見て、韓国とシンガポールのFTAは両国の貿易拡大と投資の増進に貢献していると見られるとした上で、FTAによる関税撤廃や非関税障壁の緩和、投資環境の改善などを通してシンガポールと戦略的に提携していけば、韓国経済のシステムを先進化し、競争力を高めていくことに有効だろうと述べました。

・27日にアフガニスタンで起きた自爆テロで犠牲になった韓国軍兵士、ユン・ジャンホ下士の遺体が、2日午前7時すぎ、京畿道城南市内にある軍用飛行場のソウル空港に到着しました。軍楽隊の演奏がしめやかに響く雨の中、韓国国旗の太極旗に包まれた棺は、焼香所が設けられている国軍首都病院に運ばれ安置されました。政府はユン・ジャンホ下士に勲章を授与し、死を悼みました。軍は、5日に特殊戦司令部隊葬を行う予定です。

・今年は韓国に外国産の車が輸入されてちょうど20年目となり、この20年で、輸入自動車の韓国市場でのシェアは4%を超えました。韓国輸入自動車協会が、自動車の輸入20周年を記念してまとめた資料によりますと、1987年1月、大型車と小型車合わせて10台から始まった自動車の輸入が、9年後の1996年に1万台を超え、去年は4万530台を売り上げるまでに成長したということです。輸入車のシェアも、輸入が始まった1987年はわずか0.004%にとどまっていましたが、去年は4.15%にまで増えています。韓国に輸入される自動車のブランド数も増え、87年当時は4社が5つのブランドを販売していましたが、いまでは13社が21のブランドを販売しています。輸入自動車協会は、「輸入の初期は、外車はぜいたく品で外貨の浪費だという考え方が根強かったうえ、50%の関税がかけられていたため販売に苦戦したが、いまでは、輸入車メーカーの積極的な販売戦略で、シェアが地道に上昇している」と述べました。

・ミュージカル「明成皇后(ミョンソンファンフ)」が1日、観客100万人を突破しました。製作会社のエーコムによりますと、ソウルの芸術の殿堂で公演されている「明成皇后」が1日午後3時の公演で、観客が累積100万人を超えたということです。2002年にノンバーバル・パフォーマンスの「NANTA」が観客100万人を超えましたが、創作ミュージカルで100万人を超えたのは「明成皇后」が初めてです。1995年、 明成皇后の死去100年を迎えて初演となったミュージカル「明成皇后」は、小説家李文烈さんの「狐狩り」が原作で、演出家のユン・ホジンさんは、「原作がしっかりしているうえ、公演のたびにシーンを追加したり、手直ししたりした」と人気の秘訣を語りました。制作費12億ウォンをかけてつくられた「明成皇后」は、これまでの12年間で800回近く公演され、およそ600億ウォンの興行収入を得ました。韓国の創作ミュージカルでは初めて、1997年にニューヨークのブロードウェイで、2002年にイギリスのウエストエンドで公演を行っており、来年は日本と中国での公演も検討されています。

3月1日木曜日

・盧武鉉大統領は、3・1独立運動の記念式典で、「日本は歴史的な真実を尊重する態度とそれを実行に移す努力が必要で、歴史教科書や日本軍慰安婦、靖国神社参拝の問題は、誠意さえあれば、いくらでも解決できる」と述べました。盧武鉉大統領は、1日、ソウルの世宗文化会館で行われた88回目を迎えた3.1独立運動記念日の式典で、「間違った歴史を美化したり正当化するのではなく、良心と国際社会で認められている普遍的価値感にもとづいて行動してほしい」と述べました。盧武鉉大統領はまた、先日アメリカの議会下院で行われた公聴会で旧日本軍慰安婦の女性たちが証言したことを取り上げ、「公聴会では人間として想像を絶する苦難と迫害を受けたおばあさんたちの生々しい証言があった。過去、日本が犯した蛮行を国際社会が許さないということを再確認できた」と強調しました。そして、独島、日本でいう竹島の領有権問題について、「日本の一部の自治体が、日露戦争当時に武力で島を奪った日を記念している」として、過去の過ちを否定する発言や誤った歴史教育が続いていると批判しました。そのうえで、「韓国は日本と仲のいい隣国になることを願っており、すでに両国は経済、文化など、密接な関係となっている。これからはともに北東アジアの平和と反映に寄与していかなければならない。歴史教科書や日本軍慰安婦、靖国神社参拝の問題は、誠意さえあれば、いくらでも解決できる」と述べました。

・3月1日は、「三一節」、今から88年前の1919年、日本の植民地支配に、国の旗、太極旗を振って、「独立万歳」を叫び命を失った多くの人々の自主独立精神を称える3.1独立運動の記念日で、国民の祝日です。ソウルの世宗文化会館では第88回の記念式典が午前10時から、盧武鉉大統領をはじめ関係者3000人が出席して開かれました。式典では、国のため命をささげた殉国烈士の子孫5人に盧武鉉大統領から建国勲章が贈られました。また各地で多彩な行事が、繰り広げら、忠清南道天安市の独立記念館では、1000人あまりが集まって3.1節記念式典が行われ、ソウル鐘路区の普信閣では正午に、独立運動家の遺族ら12人が出席して、普信閣の鐘を打つ行事が行われました。また鐘路区仁寺洞では、およそ300人の市民が国の旗「太極旗」をかかげて、3.1独立宣言書を朗読しました。一方、ソウルにある植民地時代の西大門刑務所は無料で開放され、独立万歳運動の再現などが行われました。

・北韓の平壌で開かれている南北閣僚級会談は3日目の1日、首席代表などの接触を通じて、調整が続けられていますが、北韓へのコメと肥料の支援を再開する時期などをめぐって難航している模様です。28日開かれた全体会議で、北韓側は、北韓へのコメと肥料の支援について話し合う南北経済協力推進委員会を今回の閣僚級会談のあと、今月中に再開するよう提案し、韓国側は難色を示しています。韓国政府としては、北韓の核問題をめぐる6カ国協議の合意内容を受けて、北韓が核廃棄に向けた具体的な段階を踏むまでは、北韓への人道的な支援を留保する立場を示していました。一方、韓国は北韓に対し、▼離散家族再会事業の早期再開や▼南北鉄道は、今年上半期に試験運航を実施し、年内に開通させること、▼韓国の大統領選挙に向けて、北韓が特定の政党や人物を非難しないことなどを強く求めています。南北閣僚級会談は最終日の2日午前、共同報道文を発表することにしています。

・韓国と日本のEEZ=排他的経済水域の境界画定のための7回目の交渉が、今月5日、東京でおよそ半年ぶりに開かれることになりました。外交通商部によりますと、今回の交渉で、韓国側は境界画定の基準を独島、日本でいう竹島にするというこれまでの立場を改めて日本側に主張し、韓国側の水域を最大限確保することにしています。東海(日本海)の独島(竹島)周辺海域を含む排他的経済水域の境界線をめぐる韓日の政府間交渉は、去年6月およそ6年ぶりに開かれましたが、韓国側が独島(竹島)の領有権を強く主張したのに対して、日本側は領有権と切り離して議論するよう求めて双方の意見が歩み寄らず、9月にソウルで開かれた交渉でも合意に至らず終了しました。排他的経済水域の境界線が決まっていないため、独島(竹島)周辺海域での海洋調査をめぐっても両国の対立が続きましたが、去年10月の日本側の放射能調査は両国が共同で行っています。

・全国どこでも相手の顔を画像で見ながら通話できる携帯電話のサービスが、1日から始まりました。韓国移動通信業界2位のKTFが1日からスターさせたこのサービスは、携帯電話で家庭用のADSL並みである最大100Mbps程度の無線インターネットができるほか、大容量のデータ通信や画面に映し出される相手を見ながら通話もできるもので、全国的なサービスは世界で初めてです。サービス初日の1日は、東海(日本海)の独島(竹島)と、ソウルの王宮、景福宮を結んだ画像通話が試みられ、互いの画面に周りの風景がきれいに映し出されました。一方、移動通信業界1位のSKテレコムも今月末からこのサービスを始めることにしています。

・サッカーの22歳以下の代表チームによる北京オリンピックアジア地区2次予選の初戦、韓国とイエメンの試合が、28日夜、水原(スウォン)のワールドカップ競技場で行われ、韓国は1対0で辛勝しました。この試合、韓国は前半、積極的に攻撃をしかけたもののゴールにはつながらず、0対0のまま後半に入りました。後半では、さらに徹底的な攻撃でイエメンに攻め込み、19分、パク・チュヨンのアシストで、ヤン・ドンヒョンがゴールを決め、1対0で勝ちました。しかし試合を通じて、韓国は依然シュートの決定力に欠けていた上、主力選手のパク・チュヨンが試合終了間際にレッドカードを受けて退場となり、次の試合に出場できなくなりました。韓国は今月14日、アラブ首長国連邦と、アウェーで対戦します。

・韓国で観測される酸性雨の主な汚染成分は、中国で発生したものであることがわかりました。国立環境科学院によりますと、一昨年の2005年から5回にわたって、航空機で観測した結果、大気の汚染によって降る酸性雨の主な成分となる硫黄の51%から94%が、中国で発生し韓国に移動してきたものということです。このほか、酸性雨ではないものの、大気を汚染して移動しながら地面に落ちる硫黄成分のうち、7%から19%は中国からのものだということです。また韓半島の海上の大気も、二酸化硫黄の平均濃度が、中国からの影響を大きく受け、日本近海や太平洋地域より最高10倍も高いことが明らかになりました。

・去年の司法試験の最終合格者のうち、女性が38%を占め、女性の合格者が過去最高でした。司法研修院が、今年の司法研修生の教育が2日から始まるのにあわせて発表したところにによりますと、司法試験の最終合格者の971人のうち、女性は365人で、全体のおよそ38%を占めました。

・宝くじ市場の規模が年々縮小していることがわかりました。韓国租税研究院によりますと、一昨年2005年の宝くじの発行額は、4兆2000億ウォンあまりと、前の年より9.5%減り、販売額は2兆8,400億ウォンあまりで、前の年より17.8%減りました。これは、2004年8月からロト宝くじの一口の販売価格が2000ウォンから1000ウォンに値下がりし、1等当選者の賞金が少なくなったため人々の関心が低下したことによるものと、関係者は分析しています。