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4月30日水曜日

・27日から平壌で開かれていた韓国と北韓との第10回南北閣僚級会談は、30日未明、北韓の核問題について「南北が対話を通じて平和的に解決するため今後とも引き続き協力していく」ことなど、6項目にわたる合意声明を発表し、終了しました。今度の南北閣僚級会談は盧武鉉政権発足後、初めての閣僚級会談であるため、韓国は北韓の核問題について、これまで以上に具体的で踏み込んだ表現を合意文書に盛り込むよう北韓側に迫りましたが、大きな進展はみられませんでした。今度の会談では、▼今年の6・15南北共同宣言3周年を記念して民族統一祝典を開く▼またこの前後に金剛山で離散家族の再会を行うとともに、離散家族面会所の建設を急ぐ▼8月に大邱で開かれるユニバーシアード大会に、北韓の選手団と応援団が参加する問題を協議する▼鉄道と道路の連結やケソン工業団地の着工、金剛山観光などの南北協力事業を成功裏に行うため、南北経済協力推進委員会を来月19日から22日まで平壌で開く▼次回の閣僚級会談を7月9日から12日までソウルで開くことに合意しました。また北韓の金リョンソン団長はコメと肥料の支援を公式に要請してきました。これに対して、韓国の丁世鉉首席代表は「肥料は田植えの時期に合わせて支援したい。コメは人道レベルで支援できるが、最近の情勢がよくないことから、今後状況を見極めたい。北韓もこれ以上状況が悪化しないように努力してほしい」と答えました。

・盧武鉉大統領は北韓の核開発問題の解決に向けた米朝間の交渉が始まったとして、北韓が引き続き対話に応じるよう韓国政府も外交努力を続けるべきだという考えを示しました。盧武鉉大統領は南北閣僚級会談に首席代表として臨んだ丁世鉉統一部長官から報告を受けた席でこのように述べるとともに「北韓に対する人道支援は行うべきだが、相互尊重のもと、原則と信頼を守って韓国国民の気持ちを損ねることがないようにしてほしい」と指示しました。丁世鉉統一部長官は、これに先立って北韓から帰国した後の記者会見で「韓国は3者協議への韓国の参加を提案したが、これについて北韓は拒否しなかった」と述べました。

・アメリカのブッシュ大統領は29日夜 盧武鉉大統領に電話をかけ、先の北京での3者協議と今後の方針について会談しました。電話会談は29日夜8時半過ぎ、10分間ほど行われ、この結果、北京で行われた3者協議は有益で、北韓の核開発問題は北韓の提案を綿密に検討した上で、対話を通じて解決していくことで合意しました。また両国の首脳は、引き続き北韓に対して核兵器開発の断念を求めるとともに、来月に予定されている韓米首脳会談の場で北韓問題の平和的な解決のための具体的な方法を協議していくことになりました。またブッシュ大統領は「先の北京での会談は韓国が参加すればさらに有益な会談になると思った。今後とも韓国が参加できるように外交的な努力を続けていく」と述べました。これについて盧武鉉大統領は感謝の意を示した上で、「対話の形式より会談の成果が重要だ」と述べ、アメリカへの信頼を表しました。韓米首脳の電話会談は、盧大統領就任以来3回目です。

・韓国で初めてのSARS推定患者が29日確認されましたが、この患者と同じ飛行機で入国した乗客のほとんどは、追跡調査の結果、異常は見られないということです。国立保健院は30日、初のSARS患者とみられる40才代の男性と同じ飛行機で北京から仁川国際空港に着いた90人のうち外国人も含めて78人に電話による調査を行った結果、異常な症状はなかったということです。このうち韓国人54人は、同じ会社のサラリーマンの団体で、現在 休養施設に泊まっていることが確認され、国立保健院は潜伏期が終わる5月9日までこの施設に隔離することを決めました。SARSと推定される40才代の男性については5月2日の会議で、SARSなのか、細菌性肺炎なのかの最終判断をすることにしています。韓国でSARSの疑いがある人は29日現在、14人で、このうち7人は高熱とせきのため、隔離病院で治療を受けています。

・中国の朝鮮族53人が海から慶尚南道金海市に密入国し、このうち42人の行方が分からなくなっています。慶尚南道地方警察庁によりますと、今月27日、韓国南海岸沖の公海上で他の船から韓国の貨物船に乗り移って金海市に密入国した53人を発見して、このうち11人の身柄を拘束しましたが、42人は逃走したということです。密入国者らはSARSの危険地域の中国 山東省から船に乗り込んでいるため、身柄を拘束した11人の緊急診断を行いましたが、SARSの疑いのある人はいませんでした。しかし残りの42人は慶尚南道からすでにソウルなど首都圏に入ったものとみられています。

・政府は中国でのSARSの被害がさらに広がっていることから、中国政府のSARS対策を支援するため、30日、現金で10万ドルを緊急支援しました。支援金は30日、中国駐在の金ハジュン韓国大使を通じて、中国政府に伝えられました。

・イラクの戦後復旧の支援を担う韓国の工兵大隊と医療部隊の本隊の第1陣326人が30日未明、ソウル空港からチャーター機でイラクに向かいました。第1陣は工兵236人と医療90人で構成されており、イラク南部の都市・ナーシリヤのアメリカ軍基地に本拠地をおいて任務を果たすことになります。工兵大隊の残りの327人は5月14日にイラクに向かいます。

・日本のプロサッカーJリーグのジェフユナイテッド市原で活躍中の崔龍洙選手が2試合連続ハットトリックを決めました。崔龍洙選手は29日、ホームで行われた京都パープルサンガとの試合で3ゴールを入れ、ジェフユナイテッド市原が5対1で大勝しました。崔龍洙選手は26日に行われた横浜F・マリノス戦でもハットトリックを決め、今シーズン合計8得点で得点ランキング・トップに立ちました。ハットトリックは選手1人で3得点を獲得することで、崔龍洙選手の日本でのハットトリックはこれで3回目です。

・韓国外換銀行が公示した30日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,017ウォン09銭で、前日に比べて5ウォン99銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,214ウォン20銭で、前日に比べて2ウォン90銭のウォン安でした。韓国株式市場の30日の総合株価指数は、SARSの影響にもかかわらず、アメリカ市場の上昇に支えられて一時600ポイントを回復しましたが、終値は599.35ポイントと、前日に比べて1.99ポイント上昇に止まり、600ポイントの回復にはなりませんでした。

・30日のソウルは晴れ、午後3時の気温は18度3分でした。メーデーの1日は全国的におおむね晴れの1日になるでしょう。1日の全国の予想最低気温は5度から11度、日中の最高気温は20度から25度と暖かくなりそうです。

4月29日火曜日

・韓国で初めてのSARS患者が発生しました。保健当局は28日に北京から帰国した40代の男性が、SARS患者であることが確認されたと29日発表しました。保健当局によりますと、この男性は北京に長期滞在していた人で、仁川空港に到着した際、高熱とせきの症状をみせたため、隔離状態で精密検査をしたところ、肺炎の症状が確認され、SARSの推定患者に分類したということです。韓国でWHO=世界保健機関の基準に該当するSARSの患者が確認されたのは初めてです。保健院では、この男性とともに飛行機に乗っていた乗客のリストを入手し、近くの病院で検査を受けるよう措置をとっています。

・北京駐在の韓国大使館は、SARSの拡散が今後1-2週間以内に見通しがつくものとみて、韓国人同胞の全面撤退は、さらに様子をみた上で決めることになりました。韓国大使館は、中国衛生省と、WHO=世界保健機関の対応を分析した結果、こうした結論を出したとして、すでに休校措置がとられた大学の学生や北京インターナショナルスクールの小中学生、それにお年寄りは、できるだけ早く帰国するよう勧めているということです。また、大使館領事部が行っている韓国行きビザ申請発給業務については、旅行会社を通じて代理申請するようにし、来客との接触をなるべく控えているということです。一方、SARSの拡大によって、韓国人が経営する北京市内の食堂では、近く全面休業することが検討されているということです。

・SARSを防ぐため、仁川港の国際旅客ターミナルに、軍の医療チームが投入されました。派遣されたのは、医務司令部所属病院と、海軍海洋医療院の軍医官4人、看護将校4人、医務兵7人の合わせて15人で、29日から、仁川港の第1、第2国際旅客ターミナルで、検疫所の職員とともに、韓国と中国を結ぶ国際フェリーの乗客や、貨物船の船員を対象に体温の測定などSARSの防疫活動を行うことになりました。

・先週北京で行われた北韓の核をめぐるアメリカ、北韓、中国の3者協議で、北韓は、「アメリカが北韓に対する敵対政策を止めれば、核開発を放棄するだけでなく、核施設に対する査察やミサイルの輸出を断念する」 と提案したことが明らかになりました。これは、アメリカ国務省のバウチャー報道官と、中国政府の北韓担当責任者が、28日、それぞれ述べたもので、それによりますと、北韓は、3者協議で、アメリカが北韓に対する敵対政策を止め、現政権の体制を保障する見返りとして、▼核開発を放棄する▼核施設の査察を受け入れる▼弾道ミサイルの発射実験を凍結する▼ミサイルの輸出を断念する▼核問題解決のための協議に今後とも応じると提案したということです。北韓は、さらに、核開発を放棄する代わりにアメリカに対して、94年の米朝枠組み合意にもとづいた重油供給の再開と、経済制裁の解除を同時に要求した模様です。北韓のこうした大胆な提案については、今後、関係国が緊密に協議して対応するものとみられていますが、パウエル国務長官は、3者協議が極めて有益だったと述べたと、バウチャー報道官が伝えました。

・尹永ェ(ユン・ヨングァン)外交通商部長官は、29日、国会の南北関係発展支援特別委員会に出席し、北韓が北京での3者協議でアメリカに伝えたとする「大胆な提案」について詳しく報告しました。尹長官は、「アメリカは、北韓の提案について、今後、韓国や日本と緊密に協議し慎重に対応する方針で、次回の協議の開催についても、韓国や日本との協議結果を土台に決める計画だ。アメリカは、中国の積極的な役割を期待している」と述べました。尹長官はまた、北韓の李グン首席代表が、ケリー国務次官補と個人的に会った席で北韓の核の保有を認めたことについて、「事実であれば、韓半島非核化宣言だけでなく、各種国際規範に違反した行為であり、対話を通じた平和的解決を目指す必要がある」と述べました。これと関連し、アメリカのCNNテレビは28日、複数の政府当局者の言葉として、北京での3者協議で、北韓は核爆弾1個を保有していることをアメリカ側に通告したと報道しました。

・北韓はまた、北京での3者協議で、核計画を廃棄する見返りとして、アメリカ、日本との国交正常化の即刻実現なども要求したと、日本経済新聞がアメリカ情報筋の言葉として29日ワシントン発で報道しました。日本経済新聞は、北韓が日朝国交正常化を取り上げたのは、日本人拉致問題や核問題の解決などを国交正常化の前提条件としてかかげている日本から経済支援を得ようとする姿勢の現われではないかと伝えています。

・平壌で開かれた韓国と北韓の第10回南北閣僚級会談が、30日未明、北韓の核問題について「南北が対話を通じて平和的に解決するため今後とも引き続き協力していく」ことなど、6項目にわたる合意声明を発表し、終了しました。盧武鉉政権発足後、初の閣僚級会談で、韓国は、北韓の核問題について、これまで以上に具体的で踏み込んだ表現を合意文書に盛り込むよう北韓側に迫りましたが、前回の会談と比べて大きな進展はみられませんでした。その他、今度の会談では、▼6月15日を前後して金剛山で離散家族の再会を行うとともに、離散家族の面会所の設置を急ぐ▼今年の6.15南北共同宣言3周年を記念して民族統一祝典を開く▼8月に大邱で開かれるユニバーシアード大会に、北韓の選手団と応援団が参加する問題を協議する▼鉄道と道路の連結やケソン工業団地の着工、金剛山観光などの協力事業を成功的に行うため、南北経済協力推進委員会を来月19日から22日まで平壌で開く▼次回の閣僚級会談を7月9日から12日までソウルで開くことなど全部で6項目に合意しました。

・今月24日に首都圏3つの選挙区で行われた補欠選挙の結果、民主党が大敗したことを受けて、親盧武鉉派といわれる党内の若手改革派議員22人が29日、集会を開き、与野党の改革勢力を結集する改革新党をつくることで合意しました。集会の決議文によりますと、「現在、党内で進められている改革作業はもはや無意味であり、国民統合に意を同じくする与野党のあらゆる勢力が参加できる新党を創設すべきだ」としており、このため、最高委員を含む指導部全員が辞任しなければならないとしています。改革派議員たちは、党内に新党推進委員会を来月中旬までに発足させ、7月中に、与野党の改革派議員が結集する新党を発足させることにしています。これについて与党の保守派議員は、「旧主流派を清算しようとたくらんだものだ」として強く反発しており、新党の動きが本格化するにつれて保守派と改革派のかっ藤が激しくなり、民主党が分裂することも予想されています。

・韓国の大企業上位100社の去年の平均年俸は、役員の場合、2億8、400万ウォンあまりで、社員は3,780万ウォンあまりであることが分かりました。これは、去年金融監督院に提出された大企業100社の報告書を調べた結果、分かったものです。それによりますと、役員の平均年俸が最も高い企業は「三星電子」で、52億1,400万ウォン、社員の平均年俸が最も高い企業は、「SK株式会社」で、5,814万ウォンでした。また去年の大企業の役員と社員の年俸の差は、7.6倍で、役員の平均年俸が韓国最高の三星電子は、社員との年俸の差が、100倍にもなっています。

・このところ、不調が続いているアメリカ大リーグ、テキサスレンジャーズの朴賛浩投手が、先発メンバーから外されました。テキサスレンジャーズは、腰の負傷を理由に朴投手を15日間の負傷者リストに登録し、当分の間、マウンドに出さない方針を29日発表しました。これによって朴賛浩投手は、

・去年8月、日本の読売ジャイアンツを退団し、韓国に帰国していた趙成民投手が、29日、KBO=韓国野球委員会に来年度の新人ドラフトの申請書を提出しました。

・韓国外換銀行が公示した29日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1011ウォン10銭で、前日に比べて9ウォン87銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1211ウォン30銭で、前日に比べて5ウォン70銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は、ニューヨーク市場の急騰に影響され、597.36ポイントと前日より28.34ポイント急騰しました。

・29日のソウルは雨、午後3 時の気温は12度5分でした。30日は、高気圧圏内に入り、全国的に晴れ時々曇りの予報となっています。全国の朝の予想最低気温は、6度から13度、日中の最高気温は14度から21度の予想です。

4月28日月曜日

・韓国、アメリカ、日本の3カ国は、北韓が北京での3者協議で出した核開発問題の解決のための一括解決案について、早いうちに対応策をまとめる方針です。3カ国はこのため、盧武鉉大統領のアメリカ訪問前の来月初めにソウルで3カ国の政策調整監督グループ会議を開く日程について協議している模様です。これについて政府当局者は「アメリカのケリー国務次官補がワシントンに帰ったので、アメリカでも本格的な検討が行われていると思う。アメリカ側の検討が終わった後、3カ国協議を進めたい」と述べました。これと関連し、大統領府 青瓦台の羅鐘一国家安全保障担当補佐官は、29日から来月3日までアメリカを訪れ、盧武鉉大統領の訪米と北韓の核開発問題の平和的な解決などについてパウエル国務長官らと協議することになっています。

・盧武鉉大統領は「来月15日に予定されているアメリカのブッシュ大統領との会談の際、北韓の核開発問題の平和的な解決に向けて、両国が共同で協力していくことについて突っ込んだ話し合いをしたい」という考えを示しました。盧武鉉大統領は28日、ソウル市内で行われたイラクに派遣される兵士への歓送式典に出席し「国際社会の関心が北韓の核問題に集まっている中、北韓の核開発問題の平和的な解決に向けた初の対話が始まった。私は戦争だけは防ぐべきだとする確固とした意志を持って関係各国に働きかけを続けてきており、大統領としていかなる場合でも大韓民国の平和と国民の安全を守っていく」と強調しました。また盧武鉉大統領はイラクについて「イラク国民は戦争で大きな苦しみを強いられており、今も暖かい支援が必要だ。韓国政府は1,000万ドル規模の人道支援を決めており、復旧と再建に必要な無償援助も計画している。イラク戦争の名分については世界的な論議を呼んでおり、韓国としても派兵決定まで大きな陣痛があったが、最終的な評価は今後の戦後復旧にかかっている」と述べました。

・北韓の平壌で開かれている南北閣僚級会談2日目の28日は、北韓の核開発問題についての明確な立場を要求する韓国側と南北交流の継続を主張する北韓側との意見がかみ合わず、難航しています。28日は午前中、平壌の高麗ホテルで2回目の全体会議が開かれ、この席で韓国側は北京で行われた3者協議の場で韓国を除いたことと、北韓の「核兵器保有の発言」について公式の釈明を求めるとともに、それが事実とすれは韓半島非核化宣言に反すると強調しました。これに対して北韓側は27日の全体会議で示した▼官民合同の統一大祝典の定例化、▼相互ひぼうの中止、▼双方の民間船の領海通過、▼北韓の東海漁場の一部を韓国漁民と共同利用など、主に経済協力と社会文化交流についての協議を主張しました。しかし韓国側は、今回の会談のカギは北韓の核開発問題で、共同報道文に北韓の核問題についての前向きな内容が盛り込まれない限り、合意は厳しいという立場を示したものとみられます。これについて、韓国側の関係者は「核問題について北韓がどれほど柔軟な姿勢を見せることができるかが、今回の会談の正否の決め手になると思う」という見通しを示しました。

・新型肺炎のSARSが流行している中国などから韓国人が今週、大挙帰国することが予想されることから、来月2日からSARSの疑いのある人には「法定第1群伝染病」を適用して強制隔離措置をとることになりました。政府は28日午後、SARS関連緊急関係長官会議を開き、会議の後、高建国務総理が国民に向けて政府の対策を説明し国民の協力を呼びかけました。会議では検疫法の施行規則を見直し、SARSをコレラなど法定第1群伝染病と同じ検疫ができるようにし、来月2日から適用することを決めました。これが施行されますと、SARSの疑いのある人は、政府が10日間、感染したことがはっきりした人は完全に治るまで強制的に隔離することできます。高建総理はまた「仁川空港の検疫所に移動式SARS検疫施設と応急診療所を設けるとともに、SARS患者を隔離治療できる病院を追加する」と述べました。政府はまた29日の閣議で予備費から60億ウォンを出してSARS対策に緊急投入することを決めました。

・北京を旅行して26日韓国に入国した日本人男性が高熱とせきの症状がみられ、空港で体温を測定した後、病院に運ばれ精密検査をしています。これで韓国でSARSと疑われている人は28日現在、13人となりました。仁川国際空港の検疫所は中国から帰国する韓国人学生が増えていることから、27日、機械の前を通るだけで体温測定ができる自動体温測定器を設置し、解熱剤を服用した後に入国する旅行者は服用したことを検疫官に届け出るよう呼びかけています。

・韓国の李トゥヨン監督がメガホンをとった映画「アリラン」が来月23日、韓国と北韓で初めて同時封切りされる見通しとなりました。映画「アリラン」の制作会社によりますと、中国駐在の北韓大使館の李ファンイク領事からこのほど「映画の南北同時封切りを南のマスコミに公開しても良い」という北韓当局からの伝言があったということです。「アリラン」の制作会社は北韓のアジア太平洋平和委員会を通じて南北同時封切りを進めており、中国の上海で合意書に調印する予定でしたが、新型肺炎のSARSで中国入りできませんでした。映画「アリラン」は故ナ・ウンギュ監督の韓国初の映画「アリラン」を新しく作ったもので、日本の植民地時代を背景に日本警察の拷問で精神異常になった韓国人青年の人生を描いており、去年10月、北韓ですでに試写会を行いました。

・アメリカの女子プロゴルフツアーで、韓国の朴セリ選手がプレーオフで逆転優勝し、今シーズン2勝目をあげました。アメリカ・ジョージア州・ストックブリッジで行われたLPGAチックフィルAチャリティチャンピオンシップ、28日の最終ラウンドで朴セリ選手は、合計16アンダーで、オーストラリアのシェイニーワー選手と1位で並び、プレーオフに入りました。朴セリ選手は、このプレーオフでパーセーブに成功して、逆転優勝し、今シーズン2勝目、98年のアメリカプロゴルフデビュー以来 個人通算20勝目、名誉殿堂入りへの点数を1点あげて、必要な27ポイントに近づきました。朴セリ選手はこの優勝で賞金20万2,500ドルを手にし、今シーズンの女子賞金ランキング1位にあがりました。

・中国の女性は韓国のファッション製品を4番目に好んでいるという調査結果が出ました。三星ファッション研究所が中国人女性868人、韓国人女性700人を対象に「中国と韓国のファッション消費形態」について調べたところによりますと、中国人女性はファッション製品についての好みは1位が中国25%、2位がイタリア22%、3位がフランス21%で、韓国は12%で4位でした。また年齢が低くなればなるほど韓国製品を好む傾向が高くなっています。中国人消費者の韓国のファッション製品に対する評価は10点満点で、「流行性に飛んでいる」が7.2で最も高く、ついで「創造性」6.6、「信頼性」5.9の順でした。

・韓国の男性10人に8人は正常体重の女性を肥満とみていることが分かりました。仁済大学医学部 ソウル白病院 家庭医学科の李ソンヒ教授チームが去年ソウル市内のサラリーマン男性150人あまり、女性100人あまりを対象に肥満についての意識調査を行ったところによりますと、正常な体型と体重の女性について「肥満だ」と答える割合が男性は82%、女性は49%でした。この調査は、やせ具合を9段階に分けた人の体の絵をみせて、肥満と思う体型を選んでもらうもので、女性の体の絵に対して男性の82%、女性の49%が正常体重の絵も肥満だと認識しています。また男性の体の絵に対して男性の47%、女性の29%が正常体重の絵も肥満だと答えました。

・韓国で人気の宝くじ、ロトの先週の1等当選者はこれまで最も多い23人となりました。ロトくじを販売している国民銀行によりますと、26日の抽選の結果、数字6つをすべて当てた人は23人に上りました。このため1等当選金180億ウォンを23人で分けることになり、1人当たりとしてはこれまでで最も少ない8億ウォン弱となりました。これまでで一番1等当選者が多かった時は13人でした。また当選金の最低は13億ウォンあまりでした。

・韓国外換銀行が公示した28日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,020ウォン97銭で、先週金曜日に比べて5ウォン28銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,227ウォンで、先週金曜日に比べて8ウォン30銭のウォン高でした。韓国株式市場の28日の総合株価指数は、569.02ポイントと、先週金曜日に比べて2.39ポイント上昇しました。

・28日のソウルは晴れ、午後3時の気温は24度4分でした。29日は全国的に曇りのち雷をともなう雨となるでしょう。29日の全国の予想最低気温は11度から16度、日中の最高気温は15度から18度という予報です。

4月26日土曜日

・北韓が核兵器を保有していることが北京での3者協議で明らかにされたことで、韓国政府は26日、国家安全保障会議を開き、今後、多国間協議を通じて「韓半島の非核化原則」の実現に向けて努力することになりました。政府は26日の国家安全保障会議で、アメリカのケリー国務次官補から説明を受けた北京での3者協議の内容をもとに、北韓の狙いなどを分析し、今後の対応を協議しました。会議に出席した関係者は「北韓が核兵器を保有していると認めたことから、韓国とアメリカはその前提で今後の対応策をまとめていかなければならない。北韓の核兵器について、核爆発実験はなくても1−2基ほど保有しているという観測があったが、その可能性が高くなった」と述べました。また他の関係者は、3者協議で北韓がアメリカに新たな提案を行ったとすることについて「北韓がアメリカに新しい提案を示すほど、時間的な余裕はなかった」としており、北韓が示した提案に新しいものはなかったという考えを示しました。韓国政府は27日から北韓の平壌で予定されている南北閣僚級会談を通じて、核兵器保有に対する憂慮を解消させるよう北韓側に要求する方針です。

・中国は北京での3者協議で北韓の核兵器開発計画に反対する方針を示し、大きな役割を果たしたとアメリカの消息筋が25日述べました。3者協議に詳しいアメリカの消息筋は「中国は韓半島非核化についての方針をはっきり示した。中国が米朝の代表の前で、92年の韓半島非核化協定について取り上げたことはアメリカとしても驚くものだった」と述べました。一方、中国の李肇星外相は、会談が事実上成果なしに終わった後、「良いスタートを切った。会談が続くよう外交ルートを通じて接触を維持していくことで合意した」と述べました。

・IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、北韓の核兵器保有の主張について、「公式に報告を受けたことがない」と述べました。エルバラダイ事務局長は25日の声明で「北韓が実際に核兵器を保有しているのならば、核兵器の拡散を防ごうとする国際的な努力に逆行するものだ」と懸念を示し、北韓のNPT=核拡散防止条約への復帰を求めました。

・スイスのカルミーレイ外相が、来月中旬、韓国を訪問した後、板門店を通って北韓を訪問することになりました。スイスは94年の北韓の核開発問題の解決に向けた米朝ジュネーブ協議などを側面から支援したことがあり、今回の南北同時訪問が注目されます。

・盧武鉉大統領は、国会での人事聴聞会で不適切だとされた高ヨング氏を国家情報院長に25日任命しましたが、これをめぐって大統領と野党 ハンナラ党とのかっ藤が深まっています。盧武鉉大統領は25日高ヨング氏に任命状を手渡した席で「国会は内定者を検証することが認められているが、内定者の任命についてうんぬんするのは、大統領権限に対する越権である」として、国会に強い不満を示し、やはり国会で不適切だとされた国家情報院基礎調査室長も予定どおり起用する可能性を示唆しました。これについて野党 ハンナラ党は25日午後緊急会議を開き、来月 臨時国会を召集して、国家情報院長の解任勧告決議案と人事聴聞会法の改正案の提出を検討することを決めました。ハンナラ党の 朴熹太代表代行は「盧武鉉大統領は国会を尊重するといいながら、国会の意志を無視した。制度に従って検証したことについて干渉だと受け止めることはごう慢に近い」と述べ、青瓦台とハンナラ党とのかっ藤が深まっています。

・金振杓経済担当副総理は25日の国会で「今年第1四半期の経済成長率は3.9%と暫定集計された」と報告するとともに、景気浮揚策としての補正予算の編成は「第1四半期の経済状況の分析がまとまる5月中旬に判断したい」と述べました。そして補正予算を編成しても、消費を促進するための短期対策は経済の不安定化をもたらす恐れがあるため、北東アジアの物流基地のための事業など社会間接資本のうち景気安定にプラスになるものに使いたい」と述べました。

・韓国、日本、中国とASEAN=東南アジア諸国連合の10カ国は、今後、出国者全員に対して体温と呼吸器の検査を行い、急性肺炎SARSにかかった疑いがある場合は出国を禁止することになりました。保健福祉部は25日、韓国、日本、中国、ASEAN加盟国がマレーシアのクアラルンプールで会議を行い、このように合意したと発表しました。これについて国立保健院の関係者は「韓国はSARS患者が発生していないため、韓国から離れる出国者は検診を受ける義務はない」と話しています。

・韓国とアメリカは25日、韓国駐留アメリカ軍兵士が個人で所有している車両の車籍を韓国の地方自治体に移すことで合意しました。両国は25日、SOFA=韓米地位協定の特別対策会議を開いた結果、対象となる車両は、来年末までに韓国人と同じナンバープレートに変えることになりました。アメリカ軍兵士の個人用車両がアメリカ軍の車籍を離れることから、今後、保険未加入車や罰金未納車などに対する行政的な制裁が可能になります。この日の会議で両国はまた韓国の交通法に違反したアメリカ軍兵士の車両に対して、韓国人と同じ罰金を課すとともに、差し押さえなどの処罰を適用することでも合意しました。

・西海岸アサン湾にある京畿道の平澤港と日本の長崎港を結ぶ週1回の客船航路が27日開設されることになりました。就航するのは、マレーシア・スタークルーズ社の客船、カプリコーン号2万8388トンで、27日午後7時、平澤港から長崎に向けて初出港します。カプリコーン号は、700人を乗せることができ、毎週日曜日夕方に平澤を出港して5泊6日で長崎と鹿児島を観光します。料金は39万9,000ウォンから54万9,000ウォンとなっています。

・韓国の大学で留学中の外国人学生の10人に4人は知り合いの話を聞いて、韓国の大学を選んだという調査結果がまとまりました。ソウルのハンヤン大学 教育学科ノ・ジョンヒ教授のチームは、最近、日本、中国、インド、インドネシア、マレーシア、ベトナムから韓国に留学中の学生450人を対象にアンケート調査を行ったところによりますと、韓国に留学を決めた理由は「知り合いから話を聞いた」という回答が40%で最も多く、次いで「韓国の文化が好きだから」28%、「交換学生プログラムに参加したため」25%の順でした。また回答者の44%は「留学が終わると帰国する」と答え、「数年間は韓国に滞在したい」という答えは36%、永久滞在を希望する割合は4%でした。

・韓国時間で26日行われたアメリカ女子プロバスケットボールの2003年新人ドラフト会議で、韓国のチョン・ソンミン選手がシアトル・ストームから指名されました。韓国選手がアメリカの女子プロバスケットボールに進出するのは今回が初めてで、アジアの選手としては中国、日本に次いで3人目となります。チョン・ソンミン選手は、今年29才、韓国のプロバスケットボール球団 新世界のセンターで、2000年のシドニーオリンピックと2002年の世界選手権大会で、韓国のベスト4進出に大きな役割を果たしました。

・26日は土曜日のため取り引きはありません。前日、25日の日本の円100円は、1,026ウォン25銭で、アメリカドル1ドルは1,235ウォン30銭でした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・26日のソウルは晴れ、正午の気温は17度5分でした。27日は全国的に晴れのち曇り、中部地方と東海岸は一時雨のところもあるでしょう。27日の全国の予想最低気温は6度から12度、日中の最高気温は18度から23度という予報です。

4月25日金曜日

・北京で行われていた北韓の核問題を協議するためのアメリカ、北韓、中国の3者協議が25日終わり、声明や次回の日程などの発表はありませんでした。協議3日目の25日朝、会場の釣魚台迎賓館には、北韓、アメリカの順に入り、中国−北韓、中国−アメリカの2国間協議に続いて、短時間ながら3者協議も行われた模様です。しかし、協議終了に際しての声明の発表もなく、次の日程も決まりませんでした。また、韓国や日本を協議に参加させることも決まりませんでした。しかし、今度の協議で北韓は、核を保有していることを協議の正式の場ではなく、晩さん会の席上で明らかにしており、北韓が核の保有を明らかにしたことが、アメリカの姿勢を硬化させたものとみられています。一方、北韓の外務省スポークスマンは、25日、北京での3者協議でアメリカに対し新しい大胆な解決策を提示したと明らかにしました。朝鮮中央通信記者の質問に答える形で、このスポークスマンは、「今度の協議で核問題の当事者同士が、双方の憂慮を同時に解決できる新しい大胆な解決策を提示した」と述べ、大胆な解決策が何かについては、明らかにしませんでしたが、アメリカの今後の対応を見守る必要があると述べました。

・北韓が核兵器を保有していることを初めて認めたことについて、アメリカのブッシュ大統領は、24日TV番組で、「北韓は過去の脅迫ゲームに回帰した」と述べました。また国務省のバウチャー報道官は24日のブリーフィングで、「アメリカは、北韓が少なくとも1個以上の核兵器を保有しているという情報をもっていたので、大して驚く話ではない」として、落ち着いた反応を示しています。これについて韓国政府は、北韓が実際に核兵器を保有しているかどうかについての確認は今のところ不可能だとしています。

・自民連の金鐘泌総裁が、来月初め、5日間の日程で北韓を訪れ金正日国防委員長と会う予定です。金総裁は、金正日国防委員長との会談で、北韓に抑留されている韓国戦争当時の国軍捕虜や、北韓に拉致された韓国漁民の早期解放などについて協議するものとみられています。これとともに、拉致された日本人の問題や日朝国交正常化の際の賠償金問題についての日本側の立場を伝え、調整を行うものとみられています。金総裁の北韓訪問には、民主党とハンナラ党の議員らも同行することになっています。自民連の関係者によりますと、今週初めに行われた金鐘泌総裁の日本訪問も、今度の北韓訪問の準備のためだったということです。

・政権発足2か月目に入った盧武鉉政権に対する国民の評価を占う国会議員の補欠選挙が24日、首都圏の3つの選挙区で行われ、野党ハンナラ党が2議席、改革党が1議席を獲得しました。今度の選挙で民主党は、党内の改革派が支援した改革党候補が当選したのに留まり、民主党単独の議席は確保できませんでした。これで国会の議席数は、定員273のうち、ハンナラ党が過半数を越える153、民主党が101、自民連11、改革党2、無所属2、国民統合21、1、民国党1、国民連合1、無所属2、欠員1となりました。今度の補欠選挙は、投票率が25.3%と、補欠選挙としては最低となりました。

・盧武鉉大統領は25日、高ヨング国家情報院長に任命状を手渡し、所信をもって任務を果たしてほしいと語りました。高ヨング氏の任命については、国会で行われた人事聴聞会の後、過半数を占める野党ハンナラ党が、かたよった国家観を持っているとして強く反対していますが、盧武鉉大統領は、「国会も大統領の法的な権限を尊重しなければならない。国会は国会として、また大統領は大統領としての役割がある」と述べ、野党側に理解を求めました。高ヨング氏国家情報院長は、「人事聴聞会で出たさまざまな意見は、忠告として重く受け止め、全力をあげて役目を果たしたい」と述べました。

・中国からの帰国者が増えるにつれて、韓国でもSARSに感染した疑いのある人が10人に増えました。国立保健院によりますと、24日にSARSに感染した疑いがあると届出があった4人のうち、2人が高熱と呼吸器の異常を訴えていることから、この2人を隔離し、病院で治療を行っているということです。この2人は、北京と上海から帰国した20代の男女で、レントゲン検査の結果、肺炎の症状はないということですが、感染の可能性が高いことから、隔離治療を受けているということです。これとは別に、大邱市にある啓明大学の学生寮では、25日までに280人の発熱患者が発生し、保健当局が原因を調べています。大邱の保健当局では、単なる風邪ではないかとみていますが、短時間にこれだけの人数が集団で発熱したケースは珍しく慎重に対応することにしています。

・北韓は25日、SARSの拡散を防ぐため客船による金剛山観光を当面中止するよう要請してきました。統一部によりますと、北韓は、金剛山観光をしている勧告の会社、現代峨山に手紙を送ってきて、「SARSのためやむなく、南北の往来を自制しなければならない」として当面、金剛山観光を中止するよう求めてきたということです。 このため26日、東海岸の束草港から出発する予定だったソルボン号は、運航が中止されることになりました。

・盧武鉉大統領は、25日、KBSの新しい社長にKBS理事会が推薦した鄭淵珠氏を任命しました。鄭社長は、今年57歳、慶尚北道慶州出身で、東亜日報記者を経てハンキョレ新聞のワシントン特派員と論説主幹をしていました。

・ソウル地方検察庁は、全ドゥファン元大統領に対する追徴金を徴収するためソウル西大門区にある100平方メートルあまりの自宅別棟と、家財道具など6億ウォンの財産を差し押え、裁判所に競売の申請を出しました。全ドゥファン元大統領は、金泳三政権時代の97年4月、光州事件などの責任を問われるとともに、自分の政権の時に、大企業から献金を受けた2005億ウォンを追徴金として国に返還することを命じる判決を受けました。しかし、これまでに徴収できたのは、銀行預金など314億ウォンに過ぎないため、今回さらに差し押えしたものです。

・交通事故で下半身まひとなったダンス系の男性デュオ「クローン」の1人、カンウォンレさん(33)が、損害賠償金として保険会社から21億ウォンを支払われることになりました。カンさんは、人気絶頂の2001年11月、バイクで走っている途中に交通違反のユーターンをした乗用車にはねられ、下半身まひとなりました。このためカンさんは、保険会社を相手取って83億ウォンの損害賠償請求訴訟を起こしていましたが、ソウル地方裁判所は、24日、ダンス歌手の定年を35歳とみなし、保険会社に対して、21億ウォンの賠償金を支払うよう言い渡しました。これは、韓国の裁判所が決定した交通事故の賠償金としては最高額となっています。

・韓国外換銀行が公示した25日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1026ウォン25銭で、前日に比べて11ウォン49銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1235ウォン30銭で、前日に比べて18ウォン30銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は、北韓の核兵器保有の発言が不安材料となり、前日より21.72ポイントも急落して566.63ポイントとなりました。

・25日のソウルは雨、午後3時の気温は13度1分でした。26日は、次第に回復し、全国的に曇り空となるでしょう。全国の朝の予想最低気温は、7度から11度、日中の最高気温は17度から22度の予想です。

4月24日木曜日

・北韓の核開発問題の解決を目指す北京でのアメリカ、北韓、中国の3カ国による協議は、2日目の24日、初日の協議で確認した3カ国の意見をもとに、さらに突っ込んだ駆け引きが行われた模様です。詳しい会談内容などは明らかにされていませんが、外交消息筋によりますと、アメリカは、北韓に対して検証可能な方法で核を放棄することを求めていますが、北韓はまず不可侵条約を締結し、体制の保障をしてから、核開発計画についてのアメリカの憂慮を解消する用意があるという立場を表明し、両国が激しい駆け引きを続けているとみられます。一方、韓国の大統領府関係者は24日、今度の3者協議は3カ国がそれぞれの意見と立場を表明する席で、それに基づく実質的な交渉に入るまでには、かなりの時間がかかるという見解を示しました。

・今回の3者協議について、アメリカホワイトハウスのフライシャー報道官は24日の記者会見で、「ブッシュ大統領は今回の協議が韓半島の安定に大きく寄与することを希望している。今回の協議で、北韓が核開発を完全に放棄することを目標にしている」と述べました。また国務省のバウチャー報道官は24日、「今回の協議では新しい進展はなく、3国の代表がそれぞれの国の意見を示す場にとどまっている」と述べました。

・北韓の朝鮮中央通信は24日の配信で、23日から北京でアメリカとの3者協議が始まったことにを伝えるとともに、「韓半島問題はアメリカの北韓に対する敵対視政策の産物であるだけに、問題解決のためのもっとも根本的な条件は敵対関係の解消だ」と主張しました。また米朝対話や相互間系で、緊張がゆるんだり、高まったりが繰り返されて、根本的な問題は解決されない原因も敵対関係が解消されていないことによるものだと強調しました。

・WHO=世界保健機関が23日、新型肺炎SARSの感染が広がった中国の北京と北京の西側にある山西省、カナダのトロントへの渡航を延期するよう求める勧告を出しましたが、SARSがもっともひどい中国に滞在していた韓国人留学生が次々と帰国している中で、23日北京から帰国した3人がSARSの疑いのある症状がみられたことから、韓国の保健当局は3人を、自宅隔離し、検査を進めています。このように、SARSが韓国に上陸する可能性が高くなっていることから、韓国政府は23日、緊急対策会議を開き、現在、北京と広東省からの入国者にだけ行っていた空港での体温測定検査対象を香港、シンガポール、ベトナムからの入国者も拡大することにしました。またSARS感染が疑われる人が入国した場合、仁川国際空港内の施設に隔離して、疫学検査を進めるほか、危険地域の外国人の韓国への入国ビザの発給をなるべく抑制することを決めました。

・韓国政府は近くトウモロコシ10万トンを北韓に送ることになりました。統一部の関係者によりますと、トウモロコシの購入と輸送を韓国政府が担当し、北韓内陸での輸送と貯蔵などはWFP=世界食糧計画が担当することになるということです。しかし、中国産のトウモロコシを購入する場合、新型肺炎SARSの影響で、状況を見極める必要があり、支援時期が多少遅れる可能性もあるということです。統一部はこのほか、WTO=世界保健機関を通じて、北韓にマラリアの治療薬と医療器材を今月30日に送る予定です。

・盧武鉉大統領は23日、日本経団連の奥田碩(ひろし)会長ら、韓日経済協力会の日本側代表団と会い、この席で、「6月に予定されている韓日首脳会談の際、両国の国民が互いに政治的なきずなを強める方法を話し合いたい」と述べました。盧大統領はこの中で「日本と韓国は地理的にも近く、特別な関係を持っている。両国関係はいいときも悪いときもあったが、これからはいい関係だけあってほしい」と述べました。盧大統領はまた、韓国政府の経済政策について説明し、「韓半島が分断され、軍事的な競争が続く状況の中では、韓国、日本、中国のそれぞれの国が頑張ってもヨーロッパのように、平和と繁栄を築くことができない。北東アジアの平和と繁栄のためには、指導者同士の外交的な決断も重要だが、国民の意識がもっと重要だ」という見解を示しました。盧大統領はさらに両国間の貿易の拡大と投資誘致のための日本の財界の協力を求めました。

・政府の公職者倫理委員会は24日、盧武鉉大統領をはじめ、新政権の閣僚クラスの財産を公開しました。それによりますと、盧武鉉大統領は、本人と夫人の権良淑女史、長男名義の財産まで合わせて、2億552万ウォンで、ほとんど財産を持っていないことが分かりました。また、長年にわたって要職を務めた高建国務総理は35億6,478万ウォンで、閣僚で一番財産が多かったのは、三星電子社長から転身したチン・テジェ情報通信部長官で99億5,828億ウォン、もっとも少なかったのは、弁護士をしていたカン・クムシル法務部長官で、借金が9億3,459万ウォンもありました。また、平均は13億1,300万ウォンで、前の金大中政権発足当時の閣僚17人の平均15億9,900万ウォンより2億8千万ウォン少ないことが分かりました。公職倫理委員会では閣僚の申告内容について3か月間調査し、申告に間違いがある場合は補完命令や警告、懲戒などの措置をとることにしています。

・KBSの新しい社長に、鄭淵珠 (チョン・ヨンジュ)前ハンキョレ新聞論説主幹が内定しました。KBSの理事会はKBSの新しい社長に、市民団体などから推薦された60人を対象に検討を進めた結果、23日、鄭淵珠氏を推薦することを決めました。鄭淵珠氏は今年57歳、慶尚北道出身で、東亜日報、ハンキョレ新聞の記者として、アメリカ特派員と、論説主幹をつとめていました。KBSの社長は法律にもとづいて理事会の推薦を受けて、大統領が任命することになっています。KBSの社長には今年2月、ソ・ドング氏が任命されましたが、与党民主党のマスコミ政策顧問を担当していたことから、KBSの政治的な中立性が保てなくなるとして労働組合や野党、市民団体などから退陣の要求が相次ぎ、辞任したいきさつがあります。

・WTO=世界貿易機関が22日発表した去年の世界貿易統計によりますと、韓国は輸出が前の年より8%増えて1,625億ドルとなり、世界12位でした。世界最大の輸出国は6,935億ドルのアメリカで、次いでドイツ、日本、フランス、中国の順でした。このうち、アジアだけをみますと、韓国は日本、中国、香港より、輸出額が少ないものの、台湾とシンガポールを大幅に上回っています。一方、輸入は、前の年より8%を増えて、1,521億ドルとなり、世界の第14位でした。

・韓国企業は従業員の新規採用を毎年秋に行いますが、この秋、新規採用の計画がある企業は41%に過ぎないことが分かりました。韓国経営者総協会が従業員100人以上の企業1300社を対象に、今年秋の新規採用計画を調査した結果、新規採用する計画があると回答した企業は、全体の41.1%で、去年の58.3%より大幅に減っていることが分かりました。そして、今年、新規採用はいっさいしないと答えた企業は19.4%、まだ採用計画を決めていない企業が39.5%でした。規採用の規模をみますと、去年より増やすと答えた企業は全体の7.5%と、去年の40.2%より大幅に減って、98年以降、もっとも低い数値となりました。新規採用の減少の理由として、政治・経済の不確実性を挙げた企業が22%でもっとも多く、人件費の圧迫 20%、事業の構造調整の施行 15%などでした。

・FIFA=国際サッカー連盟が24日発表した、今月のFIFAランキングで、韓国は先月より2ランク下がって、21位になりました。これは先月29日行われた、対コロンビア戦で引き分け、今月16日の日本との親善試合では1対0で敗れるなど、Aマッチでランキングポイントを稼げなかったことによるものとみられます。今月のランキングでは相変わらずブラジルが1位で、スペインが2位、次いでフランスで、日本は先月と同じく25位でした。

・ソウルの西隣、 京畿道高陽市の「高陽世界花の博覧会」が24日から一山ニュータウンの湖水公園で始まりました。3回目となるこの花博の今年のテーマは「花と人間の歓喜」。世界38か国から241社が参加し、花や園芸用品などを展示しています。24、25の2日間は関係者の商談が行われ、26日土曜日から一般公開されて来月8日まで大勢の人で賑わいます。

・韓国外換銀行が公示した24日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1014ウォン76銭で前日に比べて、14銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1217ウォンで、前日に比べて、2ウォン4銭のウォン高でした。韓国株式市場の24日の総合株価指数は、588.35ポイントで、前日より9.74ポイント下落しました。

・24日のソウルは晴れのち曇り、午後3時の気温は19度5分でした。25日は全国的に雨で、済州島の山間部など、一部の地域では、最高100ミリ以上の大雨になるところもあるでしょう。25日の全国の予想最低気温は9度から11度、最高気温は12度から16度の見込みです。

4月23日水曜日

・北韓の核開発問題の解決に向けたアメリカ、北韓、中国による3者協議が23日午前9時30分から北京 釣魚台 迎賓館で始まりました。3者協議にはアメリカからケリー国務次官補、北韓から李根 外務省米州副局長、中国から傅瑩外務省アジア局長が首席代表として出席し、25日までの3日間、協議します。これに先立って中国はアメリカ代表団との朝食を兼ねた2国間協議を、また前日22日夜には北韓代表団と晩さんをともにしながら協議の議題や日程などについて意見交換をし、開催国として米朝双方との調整を行ったものとみられますが、いずれも会談の内容は明らかにされていません。この協議でアメリカは、北韓に対して検証可能な方法での北韓の核開発計画の放棄と韓国・日本の参加を求めるものとみられます。これに対して北韓は、アメリカの北韓に対する敵視政策を止めることと、体制の存続を保障することを求めるものとみられます。また仲介役を担っている中国は、韓半島の非核化の維持と北韓の安全保障を求めるものとみられています。これについて北京の外交消息筋は、アメリカ側が北韓の核開発計画の放棄を前提に、連邦議会の批准の手続きを踏まない文書として北韓体制の保障を提案する可能性が高いという見通しを示しました。韓国は外交通商部の李ジョンクァン北米第1課長を北京に派遣し、アメリカから協議内容の説明を受けながら、行方を見守ることになっています。

・盧武鉉大統領は23日、北京での3者協議について「多国間協議であれ、2国間協議であれ、会談の形式より、問題解決の模索が重要だ」と述べて、実質的な成果が重要だという認識を示しました。盧武鉉大統領はこの日の青瓦台での会議で「韓国政府の会談参加は名分より実質的な結果を中心に判断しなければならない。今後、北韓の核開発問題の解決に向けて多国間協議に発展すると思うが、今は話し合いの成功がさらに重要である」と述べました。

・ホワイト・ハウスのフライシャー報道官は22日「アメリカは北京での協議を通じて、早いうちに韓国と日本が参加できるように推進する」と述べました。フライシャー報道官はまた「韓国、日本などが協議に加わり、緊密な強調体制を維持することは、すべての関係各国が北韓の核兵器の廃棄に参加することになる」と強調しました。

・盧武鉉大統領と金大中前大統領は22日夕方、大統領府=青瓦台で晩さんをともにし、北韓の核開発問題を初め、現代グループが行った北韓への巨額の送金など国政懸案について1時間半にわたって意見を交換しました。青瓦台の 宋敬熙報道官によりますと、この晩さんでは主に金前大統領が意見を述べて、盧大統領は真しに聞いていたということで、金前大統領は北韓の核開発問題について「平和的に解決すべきで、いかなる場合でも韓半島での戦争は防がなければならない。7,000万民族の生死にかかわっている問題だけに、韓国が主導的な役割を担うべきだ」と述べました。また現代グループが行った北韓への巨額の送金問題について、金前大統領は「司法の対象になるものではないという所信に変わりはない」と強調したということです。

・゙永吉国防部長官は22日、国会 国防委員会で、韓国の主な敵=主敵について「依然として主敵は北韓である」と述べました。これはハンナラ党議員の質問に答えたもので、南北和解政策をとっている今も、韓国の軍事面での敵は北韓であるという考えを示しました。

・盧武鉉政権発足後、初めての国政選挙となるソウルと首都圏の3つの選挙区での補欠選挙の投票が、24日午前6時から始まります。3つの選挙区は、ソウルの陽川区乙、京畿道 議政府市、京畿道 高陽市 徳陽区甲で、いずれも与党・民主党が占めていましたが、選挙違反で議員が失格になったり、大統領府入りして議員を辞職したりしたため、補欠選挙となりました。投票は24日午前6時から午後6時まで行われ、電子開票機による開票で早ければ24日中にも開票作業が終わり、当落が判明するものとみられています。

・国会 情報委員会は22日、国家情報院長に内定した高ヨング氏に対する人事聴聞会を行いましたが、過半数を占める野党 ハンナラ党は23日「適切な人物ではない」として反対する方針を示しました。ハンナラ党の朴鐘熙スポークスマンは23日の会見で、「高ヨング氏とその下の基礎調査室長になる予定のソ・ドンマン氏の2人は適切な人物ではないという結論を出した。高氏は前に北韓のスパイを平和主義者だと述べた前歴があり、ソ氏は去年の西海での北韓との銃撃戦について偶発的な事件だとするかたよった国家観を持っている」と述べました。国家情報院長は大統領によって任命され、国会の同意は必要ではありませんが、情報委員会の報告書は国民を代表する国会の意見となることから、盧武鉉大統領の今後の対応が注目されます。

・イラクの戦後復旧作業などを支援する韓国軍の先遣隊20人が23日、イラク南部のナーシリヤに到着し、本格的な活動に入りました。韓国軍はナーシリヤ近くのアメリカ軍基地に配置され、工兵大隊は都市の基幹施設の再建と土木・建築工事を担当します。まずはアメリカ軍とともに、破壊されたイラク軍宿舎を子ども病院に改造する作業と、ユーフラテス川の橋の建設作業を担当するものとみられます。また医療部隊は地元の住民と捕虜に対する人道支援と、アメリカ軍兵士の診療活動を行う予定です。第2陣の300人は来週30日に韓国を出発します。

・世界的な信用格付け会社のムーディースとスタンダード&プアーズ社は、北韓の核開発問題など韓半島の安全保障情勢が変化することを考慮して、必要な時に随時韓国にやってきて点検する体制をとることになりました。このためムーディースは今年6月に韓国に来るほか、スタンダード&プアーズは今月末に調査担当者が韓国入りします。信用格付け会社はこれまで1年に1−2回、政府や関係機関を訪れ協議してから信用等級や展望を発表してきましたが、これからは韓半島の安全保障と経済問題を最優先課題として考慮する意向を示したことから、韓国の信用格付けは北韓の核開発問題に大きく左右される見通しです。

・政府は今月29日に国家保安法違反や反政府デモなどの違反者1,400人あまりを特別恩赦する予定です。政府関係者は「最近、法務部で対象となる1,418人のリストを決めた。29日の閣議を経て実施する予定だ」と述べました。今回の恩赦の対象は国家保安法、集会と示威に関する法律、労働関連法律の違反で服役していたり、罰金刑や執行猶予判決を受けた人たちで、選挙違反者などは今回の恩赦対象から外されています。

・クレジットカードの個人信用不良者の数が300万人近くと、これまでの最高に増えました。銀行連合会によりますと、先月末現在の信用不良者数は295万6,000人あまりと、2月より11万8,000人増えました。個人信用不良者は、クレジットカードの決済金額を3カ月過ぎても払えない時に登録されるため、先月の信用不良者の急増は、去年12月から支払い能力がなくなっていることを意味します。またこうした信用不良者の1人あたりの信用不良登録件数は3.96件で、信用不良者は平均4つほどの延滞債務をかかえています。

・中国での新型肺炎SARSの拡大で、韓国の航空会社は今月末までと予定していた中国への一部路線の運休期間を来月中旬までさらに延長することになりました。大韓航空で現在運休になっているのは、仁川から武漢、昆明、山東省の済南、海南島の三亜、それにアモイ、釜山−香港、清州−上海、光州−上海、釜山−済南、済州−北京の合わせて10路線で、運休は来月中旬まで延長されます。またアシアナ航空は仁川−重慶、 仁川−済南、仁川−桂林、大邱−上海の4路線が運休となります。

・韓国外換銀行が公示した23日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,014ウォン90銭で、前日に比べて4ウォン30銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,219ウォン40銭で、前日に比べて40銭のウォン高でした。韓国株式市場の23日の総合株価指数は、598.09ポイントと、前日に比べて5.23ポイント下落、再び600ポイントの大台を割り込みました。

・23日のソウルは雨のち晴れ、午後3時の気温は14度1分、降水量は13ミリでした。24日は全国的に雲が多い中、済州道は一時雨となるでしょう。24日の全国の予想最低気温は7度から12度、日中の最高気温は16度から20度という予報です。

4月22日火曜日

・北韓の核問題の解決をはかるためアメリカ、中国、北韓による3者協議が予定どおり23日から25日まで北京で開かれることが最終的に決まりました。これでアメリカと北韓は、去年10月、北韓が使用済み核燃料棒の再処理を進めていることを発表し韓半島に緊張が高まって以来、中国の仲介による初めての対話を行うことになります。この3者協議には、アメリカから、ケリー国務次官補、北韓から、外務省の李クンアメリカ州副局長、中国からは、傳宝アジア局長を団長とする代表団がそれぞれ出席します。アメリカは、検証可能な形で北韓の核やミサイルなど大量破壊兵器の全面撤廃を要請し、北韓がこれに応じれば、北韓への大胆な支援に着手するという原則で交渉を進める方針です。これに対して北韓は、外務省の李クンアメリカ州副局長を団長とする代表団を現地に派遣し、核兵器をはじめとする大量破壊兵器の保有はあくまで北韓の自衛権確保のためであると主張し、その上で、体制の保障と、経済的支援を取り付けたいとしていることから、協議は難航するものとみられています。ところで、政府は、3者協議の進行状況を把握するため、外交通商部の李ジョンクァン北米第1課長を23日現地に送り、毎日アメリカ側から会談の結果を詳しく聞くとともに、必要な場合、アメリカや中国と協議を行う方針です。またケリー国務次官補は、協議終了後、韓国と日本を訪れ交渉の結果を報告することになっています。

・一方、北韓は、外務省の代表団とは別に、趙明禄国防委員会第1副委員長を団長とする軍事代表団を21日、北京に派遣し、3者協議を前に、軍事問題について中国と事前調整を行っています。趙副委員長一行の北京訪問は、中国側の要請によるもので、23日まで北京に滞在し、アメリカとの協議に先立って、核問題についての北韓側の立場を十分説明し、ホスト国としての中国に協力を求めるものとみられています。趙明禄国防委員会第1副委員長は、2000年秋に、金正日国防委員長の特使としてアメリカを訪問し、米朝間の関係改善のため当時のクリントン大統領と会談したことがあります。

・ワシントン発連合ニュースによりますと、北韓は、この3者協議の初期段階に、韓国と日本が参加することについて反対だとする意向を21日重ねて表明しました。国連駐在の北韓代表部関係者は、「23日から北京で始まる3者協議は、本質的に米朝間の2国間協議にしなければならない。核問題についての北韓の立場は、アメリカとの直接対話をすることだ。中国は北韓のこうした立場をよく知っている」と強調しました。

・北韓の核兵器開発の中心人物キョン・ウォンハ博士ら20人が西側諸国に亡命した問題で、これを最初に報道したオーストラリアの地域週刊誌「ウィークエンド・オーストラリアン」のチュローブ記者は、21日、KBSラジオ番組に電話で出演し、キョン博士ら3人は、現在、アメリカにおり、このうち2人は、西側諸国に北韓の核兵器開発能力と情報を提供したと述べました。チュローブ記者はまた、「キョン博士の亡命作戦には、全部で11カ国が関与しスペインが重要な役割を果たした。中国政府が直接介入したかどうかは分からないが、20人の亡命は、中国領土内で行われた」と語りました。北韓は、去年の末から中国東北3省で大々的な北韓脱出者の追跡作業を行っていますが、これが、キョン博士一行の集団亡命と関係があるのではないかと、韓国の北韓脱出者支援団体ではみています。

・北韓の核兵器開発の中心人物といわれるキョン・ウォンハ博士は、韓国戦争当時、北から韓国側に避難し、1956年から9年間、江原道春川市にある いま国立江原大学になっている当時の国立農業大学で専任講師として一般数学や統計学、自然科学を教えていたことが分かりました。キョン博士は、1965年にブラジル・サンパウロの大学に留学しましたが、翌66年、留学先から辞表が送られてきたということで、この時期に北韓に残っていた母親に会うために北韓入りし、核兵器開発にたずさわるようになったのではないかとみられています。

・韓国駐在のハバードアメリカ大使は、22日、MBCラジオのインタビューで、「北韓の核科学者が南太平洋の島国、ナウル共和国の協力を受けてアメリカに亡命したというオーストラリアの地域週刊誌「ウィークエンド・オーストラリアン」の報道は、事実ではない」と語りました。これについて、アメリカ大使館側は、「ハバード大使の発言は、ウィークエンド・オーストラリアンの報道内容が正確ではないという意味だ」と説明しましたが、具体的に報道のどの部分が事実と違うかについてはコメントしませんでした。大使館側は特に「北韓の核開発の中心人物といわれるキョン博士の亡命については、アメリカの法律によって亡命そのものを確認することができない」としています。これに先立ってアメリカ国務省のバウチャー報道官も、「北韓を離れた可能性のある北韓住民の問題については言及できない」と述べていました。

・財閥トップの三星グループが、来月、5月から週休二日制を実施することになりました。従業員12万人をかかえている三星グループの構造調整本部は22日、「労働生産性を高めるため、三星グループ35社は、一足先に5月から、年次休暇と、月次休暇を利用して週休二日制を始めることにした。系列会社ごとに徐々に週休二日制を広げていく計画だ」と発表しました。三星グループが週休二日制を導入することにしたのは、盧武鉉政権の労働政策と足並みをそろえるためのもので、春闘を控えている他の企業にも大きな影響を及ぼすものとみられています。

・日本相撲協会は、6月14日と15日の2日間、ソウルで開く予定だった大相撲のソウル場所を延期する方針を21日、発表しました。北の湖理事長は21日、「SARSがアジア各国に広がっているため延期は避けられない。今は力士の健康管理が最優先だ」と延期の理由を説明しました。延期後の日程は未定です。大相撲のソウル巡業は初めてで、最近、力をつけてきている幕内の春日王らの活躍が期待されていました。

・最近、アメリカ・サンフランシスコから帰国した40代の男性が、肺炎にかかっていることが判明し、保健当局が精密検査を行っていることが22日明らかになりました。国立保健院によりますと、サンフランシスコから帰国した40代の男性が高熱とせきがひどいことからSARSに感染した疑いがあるという届出があり、レントゲン撮影をしたところ、肺炎になっていることが判明し、隔離状態にしてさらに精密検査を進めているということです。韓国でSARSに感染した疑いが持たれた人は7人いましたが、このうち5人は、すでに退院して自宅隔離になっており、2人が、まだ入院中です。これとは別に感染の可能性があると申し出た人が、このアメリカ帰りの人も含めて4人おり、現在、検査を進めています。

・北韓は、SARS=重症急性呼吸器症候群の感染を憂慮し、韓国の民間団体の北韓訪問を延期するよう要請してきました。このため22日に北京経由で北韓に入国するはずだった韓国の民間団体「韓民族助け合い運動」や韓国大学生宣教会の「北韓に乳牛を送る運動本部」の北韓訪問が中止されることになりました。これらの団体は、ロシアを経由して北韓入りするルートを探していますが、ビザの発給が難しく手続きが複雑なため北韓訪問は当分延期する方針です。一方、北韓の朝鮮中央通信は、SARSの予防のために国境地帯の駅や空港、港に医療チームを派遣して、検疫を強化しており、感染の疑いのある外国人の入国を拒否したり、隔離治療させたりしていると報道しました。

・EU=ヨーロッパ連合が、最近、北韓に対して肥料6万トンあまりを贈ったことが21日、明らかになりました。朝鮮中央通信は、EUから送られてきた肥料が到着した正確な日は明らかにしませんでしたが、「去年に続いて今年もEUからヨウ素肥料が送られてきた。EUによる肥料の支援は、北韓の農業生産を増やすのに大きく寄与するだろう」と述べています。

・大韓赤十字社は、16人の医療チームを今月30日、ヨルダンのアンマンを経てイラクのバグダッドに派遣することになりました。大韓赤十字社は、この16人の医療チームをバグダッドで1か月間、活動させたうえ、こうしたチームを常設化するかどうかを検討するとしています。国際赤十字連盟は、医師、薬剤師、看護師、通信要員など11人規模の保健診療団の派遣を各国に要請しています。

・盧武鉉大統領がアメリカ向けに韓国の観光を宣伝するテレビ・コマーシャルに出演しました。このコマーシャルは、文化観光部と韓国観光公社が共同で制作するもので、盧武鉉大統領は、22日、青瓦台の庭園で5秒間のカット3こまに出演し、「聞こえますか」「見えますか」「韓国を感じてみてください」「とても素敵です」という英語のセリフをしゃべりました。現職の大統領が観光コマーシャルに出演するのは、金大中前大統領に次いで2度目で、金前大統領の観光コマーシャルは、ベルリンで行われた国際観光博覧会で観光広告部門の銅賞に輝きました。盧武鉉大統領が出演する30秒の観光コマーシャルは、盧大統領の5月中旬のアメリカ訪問の前後12日間に、アメリカのCNNで現地時間で午後6時から11時までの間に毎日10回ずつ全部で120回放送される予定です。

・盧武鉉大統領は、来月1日、MBCTVの番組に出演し、国政運営全般について国民と直接対話を行うことになりました。盧武鉉大統領は、当選一ヵ月後、就任前の今年1月18日、KBSTVの「国民との対話」に出演し、2月20日にはMBCTVの「「100分討論会」に出演する予定でしたが、大邱地下鉄放火火災事件のため延期になっていました。盧武鉉大統領は、来月1日の討論会で、外交安保や政治、経済、文化、社会などパネリストからのあらゆる質問に答えることになっています。

・忠清北道清原郡にある大統領の別荘「青南台」の一般公開が22日から始まりました。この別荘の公開は、盧武鉉大統領の選挙公約だったもので、所有権を受け取った忠清北道が、インターネットで観覧希望者を募り、22日はこのうち、800人が訪れました。午前10時、先着の40人に道からの花束が贈られ、清原郡も、コメを記念品に贈って公開を祝いました。訪れた人たちは、本館の中や湖に面した180ヘクタールもある広い庭園などを2時間かけて見てまわりました。忠清北道は、今後、毎日800人を入場させますが、夏の間だけは、大統領に使ってもらうことにしています。

・韓国外換銀行が公示した22日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1010ウォン60銭で、前日に比べて5ウォン1銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1219ウォン 80銭で、前日に比べて16ウォン30銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は、603.32ポイントと、前日より17.51ポイント下落しました。

・22日のソウルはくもり時々雨、午後3時の気温は14度4分でした。23日も引き続き、低気圧の影響で、全国的に雨が降る見込みです。全国の朝の予想最低気温は、7度から11度、日中の最高気温は12度から18度の予想です。

4月21日月曜日

・政府は先週北韓が提案してきた閣僚級会談を受け入れ、10回目の閣僚級会談が今月27日から29日までの3日間、平壌で開かれることになりました。政府は21日、北韓側の提案を受け入れるという内容の電話通知文を北韓に送りました。今回の閣僚級会談は、盧武鉉政権発足後初めて開かれる南北高官会談で、北韓の核開発問題を巡るアメリカ、北韓、中国の3者協議の直後に開かれる点で注目されます。これについて統一部関係者は「閣僚級会談では、対話を通じた北韓の核開発問題の解決を求めるとともに、盧武鉉新政権の北韓に対する平和繁栄政策について説明し、コメや肥料の北韓への人道支援について協議するものとみられる」と話しています。南北閣僚級会談ははじめ今月7日から平壌で開かれる予定でしたが、北韓がイラク戦に伴う韓国政府の対応措置を理由に延期していました。

・アメリカのブッシュ大統領は21日、北韓の核開発問題について「韓国とアメリカ、日本、中国ともに北韓に対して核兵器開発を断念させるよう説得できる良い機会を迎えている」と述べて、23日に予定されている3者協議に楽観的な見方を示しました。ブッシュ大統領は21日、テキサス州にある軍基地で「4カ国ともに協力して北韓が核兵器を開発しようとする狙いを断念させるよう説得する上で良い機会を迎えたと思う」と述べました。このようなブッシュ大統領の発言は、23日から北京で予定されている北韓の核開発問題に対するアメリカ、北韓、中国の3者協議にアメリカの出席が流動的な中で、楽観的な見解を示したものとして受け止められます。アメリカのUSA TODAYの報道によりますと、3者協議のアメリカ代表となるケリー国務次官補は、21日ワシントンを発って北京に向かったということです。

・盧武鉉大統領は22日夕方、金大中前大統領夫妻を大統領府 青瓦台に招いて晩さんをともにします。青瓦台は金大中前大統領夫妻が健康検診のため、国軍病院に入院した際、盧大統領が見舞えなかったことから、退院後の晩さんとなったと説明しました。盧武鉉大統領就任後初めてとなるこの晩さんで、盧大統領は来月のアメリカ訪問を控えて北韓の核開発問題や、北韓への巨額の資金に対する特別検事による捜査など国政懸案について金前大統領のアドバイスを求めるものとみられます。

・新しくアメリカ駐在大使に任命された韓昇洲大使が20日ワシントンに到着しました。韓昇洲大使は、まず来月11日から17日までの7日間と予定されている盧武鉉大統領の訪米日程について具体的な準備に取り掛かるとともに、北韓の核開発問題を巡る韓米間の調整などにも取り組みます。

・2000年の南北首脳会談の直前に現代グループが当時の金大中政権の意を受けて北韓に5億ドルを送金したとされる問題で、朝鮮日報の月刊誌「月刊朝鮮」は、5月号で、現代商船がこれとは別に南北首脳会談の前後に3億ドルを送金したと伝えました。また、「中央日報」も、韓国が北韓に送金した金額はこれで合わせて8億ドルにのぼると報道しました。このうち、「月刊朝鮮」は、現代峨山の鄭夢憲会長の親戚から入手した情報として「当時、現代グループは、5億ドルではなく、8億ドルを送金した。これは、現代関連会社のヨーロッパ法人を通じて送金したものとみられる」と伝えました。一方「中央日報」は、現代グループの関係者の情報として、「現代商船が2000年6月にアメリカ現地法人を通じて極秘に3億ドルを北韓に送金した。現代峨山の鄭夢憲会長の指示で、ロサンゼルスからマカオなどにある北韓の秘密口座に直接送金された」と報じています。この問題については現在、大統領が任命した特別検事が捜査を進めており、捜査に影響を与えるものとみられています。

・野党 自民連の金鍾泌総裁は、日本を訪問して、21日、小泉首相と会談しました。この席で小泉首相は「盧武鉉大統領が6月に日本を訪問されることを楽しみにしています」と盧大統領の6月上旬の来日を歓迎する意向を伝え、北韓問題では韓日両国が協力して対応する方針を確認しました。

・新型肺炎のSARSと疑われる人が1人増え、合わせて7人となりました。国立保健院は今月2回中国を訪問していた40代の男性が発熱とせきなどの症状を見せているため、19日から隔離して調査していると20日発表しました。国立保健院の関係者は「断言はできないが、この患者はSARSではなく、結核患者にみられるバクテリア性肺炎の可能性が高い」と話しています。一方、防疫当局は中国の大学の休校などで韓国人留学生が大挙帰国する可能性が高いことから、19日から中国の北京と広州発の旅客機の乗客全員に対して体温検査を始めました。また国立保健院は、中国、香港、ベトナム、シンガポール、カナダのトロントなどSARSの危険地域との学生交流プログラムを延期するよう教育人的資源部に要請するともに、SARS危険地域から入国した人々から献血を受けないことも検討しています。

・北韓の大陸間長距離弾道ミサイル・デポドンの施設で去年、爆発事故があり、北韓は少なくとも1年以上、ミサイル打ち上げ実験が難しいという見方が出ました。韓国国防部と合同参謀本部の関係者が21日明らかにしたところによりますと、去年11月初め、北韓 咸鏡北道にあるデポドン・ミサイル試験場のエンジン燃焼試験場で大規模な爆発事故が起きた可能性が高いということです。これはアメリカの軍事衛星の写真を分析した結果分かったもので、当時の爆発で金属の破片と残がいが半径数百メートルにわたって散らばり、ミサイル打ち上げ施設も壊れ、北韓が施設を元どおりにするには1年以上かかるものと分析されます。また日本の防衛庁も衛星写真などを通じて北韓のミサイル実験場の爆発を事前に知っていましたが、日本の偵察衛星打ち上げのために、北韓のミサイル危機説を流していた可能性もあるということです。韓国国防部はこれについて「確認も否定もできない」としています。

・オーストラリアの沿岸警備当局は20日、オーストラリア東部の沖合で、大量のヘロインを持ち込んだとみられる北韓の貨物船をだ捕したと発表しました。オーストラリアの軍と警察による特殊部隊は、オーストラリア東部の沖合で北韓船籍の貨物船「ボンス号」4000トンを発見し、停止を命じましたが、ボンス号はそのまま航行を続けたため、ヘリコプターで船の甲板に乗り込み強制捜索を行ったということです。オーストラリアの軍と警察は先週、ビクトリア州で2,400万ドル相当のヘロイン50キロを密輸した東南アジア人4人を逮捕した後、このヘロインを運搬したとみられるボンス号を4日間監視してきたということです。

・シドニー発AFP連合ニュースです。北韓の核科学者と軍の高官ら20人ほどが、南太平洋の島国、ナウル共和国の協力を受けて、アメリカなどに亡命したとオーストラリアのマスコミが19日報道しました。オーストラリアの地域週刊誌「ウィークエンド・オーストラリアン」によりますと、この亡命は去年10月から始まっており、アメリカなど11カ国が彼らを中国から安全な場所に移して保護することで合意したと報じました。亡命者の中には北韓の核開発の中心人物キョン・ウォンハ博士も含まれており、キョン博士はアメリカの情報当局に、北韓の寧辺の原子炉など北韓の核開発の能力などに対する情報を提供したということです。この亡命作戦にはアメリカ、ナウル共和国、ニュージーランド、タイ、フィリピン、スペインなども加わっているということです。これについてイギリスの日刊紙「ザ・タイムズ」はアメリカが北韓の亡命者問題についてナウル共和国と協議したことをアメリカ消息筋から確認したと19日報道しました。この報道について韓国政府は19日、事実を確認中だと述べました。

・国会は22日、国家情報院長に内定している高ヨング氏に対する人事聴聞会を行います。国家情報院長に対する聴聞会は、94年に国家情報院が作られて以来、初めてのことで、与野党の議員は高ヨング氏の業務能力、国家情報院の改革、北韓の核開発問題を巡る3者協議を始めとする今後の北韓政策などについて集中検証する予定です。

・今年1月から3カ月間の韓国の造船業界の受注量は史上最高の123隻となり、日本の造船業界の受注量をはるかに上回りました。業界によりますと、韓国の今年1月から3月末までの造船受注量は123隻、403万2,000トンで史上最高となり、同じ期間の日本の84隻285万トンを大幅に上回りました。今年に入って韓国の造船受注量が増えたのは、去年11月、スペイン沖の大西洋でタンカーの油流出事故以来、二重構造のタンカーが求められるようになったためで、韓国は超大型タンカーと大型コンテナ船の受注が増えました。またイラク戦が終結しますと、世界の造船市場はタンカーとコンテナ船を中心に当分の間好調が続くものとみられています。

・韓国のサラリーマンも来月1日から、3日から5日間のミニ・ゴールデンウィークを楽しむものとみられます。財界によりますと、韓国トップの三星グループは金融系列会社を除いて、1日のメーデーから5日の子どもの日までの5連休とすることを決めました。またLGグループもおおむね5日間、休みとなり、SKと現代自動車は2日の金曜日は正常勤務して3日から5日までの3日間の休みをとることになりました。業界関係者は「5月はじめに休日が集中したため、最長5日間の連休とする会社が出てきた。今後週休2日制が本格的に導入されれば、サラリーマンの連休が増えるとみられることから、休日の余暇の楽しみ方がさらに開発される必要がある」と話しています。

・IT=情報通信の急速な発達にもかかわらず、ダイレクトメールの急増で郵便物が増え続け、去年の国民1人平均の郵便物は118通と、前の年より10通増えていたことが分かりました。情報通信部が21日、国会に提出した資料によりますと、郵便物量は99年に38億通あまりだったのが、2000年には44億通、去年は55億3,000万通あまりと増え、国民1人平均118通の勘定となりました。

・デジタル衛星放送のスカイライフは22日から高画質のHDTVの試験放送を始めると20日発表しました。これまで40万画素級のSDTVのデジタル放送をサービスしているスカイライフは、今年下半期中に始めるHDTVの本放送に合わせて、200万画素級のHDTVの試験放送を始め、HDTVの本放送の際には双方向サービスも始めたいとしています。

・アメリカのメジャーリーグ、アリゾナ・ダイヤモンドバックスで活躍中の韓国人選手 金ビョンヒョン投手は20日、今シーズン初めて先発登板し、初めての勝利を手にしました。20日、セイントルイスで行われたカージナルス戦で、去年までリリーフ投手だった金ビョンヒョン投手は、初めて先発登板、三振は1つしか奪えませんでしたが、7イニングを5安打3失点で抑え、ダイヤモンドバックスが4対3で勝ち、1勝をあげました。またシカゴ・カブスの1塁手、崔ヒソプ選手は、20日行われたパイレーツとの遠征試合で、先取点を上げて、5試合連続の打点となりました。

・熊本空港カントリークラブで行われた女子ゴルフの再春館レディースオープンで、韓国の李知姫選手が、1アンダーで周り、合計でイーブンパーで優勝し、賞金1,080万円を獲得しました。李知姫選手は前週のプロミスレディース大会でも優勝しており、これで2週連続優勝を果たしました。98年にプロ入りした李知姫選手は今年24才、日本ツアーは3勝目です。

・韓国外換銀行が公示した21日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,004ウォン59銭で、先週金曜日に比べて17銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,203ウォン50銭で、先週金曜日と変わりありませんでした。韓国株式市場の21日の総合株価指数は、620.83ポイントと、先週金曜日に比べて3.94ポイント下落しました。

・21日のソウルは晴れ、午後3時の気温は18度7分でした。22日は全国的に晴れのち曇り、全国の予想最低気温は3度から9度、日中の最高気温は17度から22度という予報です。

4月19日土曜日

・北韓の外務省スポークスマンは、18日談話を発表し、「先月初めにアメリカをはじめ関係各国に通報したとおり、ヨンビョンにある5000キロワットの実験用原子炉から取り出して保管している8000本あまりの使用済み核燃料棒の再処理作業が最終段階にきており、順調に進められている」と述べたと、朝鮮中央通信が伝えました。外務省スポークスマンはまた、「韓半島の核問題を解決するための米朝協議が近く北京で始まる。中国もこれに参加はするが、本質的な話し合いは、米朝間で論議されることになるだろう」として、これまでの主張どおり今度の協議をアメリカとの2国間協議にしたいとする見解を強くにじませました。

・韓国、日本、アメリカは、18日夜 ワシントンで北韓の核問題をめぐる局長級協議を行った結果、北韓が使用済み核燃料棒の再処理作業が最終段階に入ったと発表したにもかかわらず、来週23日から予定されている北京でのアメリカ、中国、北韓による3者協議は予定どおり進めることでほぼ合意した模様です。この協議に出席した韓国の李スヒョク外務次官補によりますと、「アメリカは、朝鮮中央通信が作成した英文の文書を読んで、北韓が再処理を始めたと判断したが、その後、ハングルの原文をアメリカの翻訳家が英文に翻訳して読み直してみたところ、北韓はまだ再処理を始めていないという結論を出した」ということです。李次官補はまた、「23日から25日まで北京で行うことになっている3者協議について 韓国と日本は、予定通り開くべきだとする立場を伝え、アメリカは、中国と協議した後で最終的に決めるとしているが、中国が反対する理由はないと思う」として、来週北京で開かれる3者協議は予定どおり開かれる可能性が高いことをうかがわせました。

・韓国政府は、北韓が主張している核燃料棒の再処理は事実ではないという見方を強めています。特に、北韓が先月初めアメリカなど関係各国に知らせたとする声明について政府関係者は、「韓国は、アメリカから何の連絡をもらっていない」として、少なくとも現段階で再処理施設が稼動している可能性はないとする見解を示しました。政府関係者は、これまでの確認作業の結果、「北韓が核燃料棒の再処理に着手したのではなく、準備段階に入ったものと把握される」としています。そして、再処理作業が最終段階に入ったという今回の北韓の突然の発表について、韓国政府は、アメリカのラムズフェルド国防長官が17日、「北韓に見返りを与えるつもりはない」と話したことに反発し、北京でのアメリカとの交渉で有利な立場にたとうとするいつもの瀬戸際外交と分析しています。

・この問題について、民主党の金ジェドゥ副スポークスマンは、19日、論評を出し、「北韓が核の再処理作業が最終段階にきているという声明を出したことは、来週、北京で開かれる核問題の3者協議で有利な局面を作り出すための瀬戸際外交とみられる」として、いったん3者協議を行うことにした以上、誠実に対話に臨むべきだと強く主張しました。一方、ハンナラ党の朴ジョンヒスポークスマンは、「北韓の声明発表は、北京での3者協議を前にした作戦に過ぎない」として、「北韓に一方的に与える与党の包容政策が、結局は北韓に悪いくせをつけさせているたことが判明した。北韓が韓国を対話の相手として尊重する姿勢をみせない限り、いかなる支援もしてはならない」と強調しました。

・北韓は19日、10回目の南北閣僚級会談を27日から29日までの3日間、平壌で開くよう提案してきました。統一部によりますと、北韓は南北閣僚級会談の韓国側首席代表の丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官宛てに、北韓の金ソンリョン団長名の電話通知文を送ってきて、このように提案しました。これについて統一部は、文化観光部、財政経済部など関係部署と協議したうえ、早い時期に北韓側に受け入れの回答を送る予定です。韓国と北韓は今月7日から平壌で閣僚級会談を開く予定でしたが、北韓側の事情で延期になっていました。

・4月19日は、1960年に李承晩政権の長期独裁政治に反対する学生たちの闘争が絶頂に達した4.19革命から43年目の日です。これを記念する式典が、19日、高建国務総理や カンジェシキ4.19革命負傷者会長ら関係者多数が出席して、ソウル道峰区の4.19国立墓地で行われました。高建総理は、「4.19革命は、韓国の民主主義の歴史に残る民主化運動の金字塔である。参加の政府は、4.19革命の精神を引き継ぎ、国民が主人公の国にし、国民とともに民主主義の時代を切り開いていく」と語りました。

・一方、盧武鉉大統領は、別個に4.19国立墓地を参拝し、「民主主義の最も基礎的なルーツは、不正と妥協しない抵抗精神であり、4.19革命は、国民に抵抗権があることを訴えたものだと解釈している。4.19革命は、韓国史の中で、民主社会のルーツになっていることを忘れない」と述べました。そして、「犠牲者の尊い精神が損なわれることのないよう、遺族の皆さんを政府としても支援したい」と述べました。

・4.19革命の43周年にあたって与野党も論評を出しました。与党民主党は、「今われわれが手に入れた自由と民主主義は、4.19革命で尊い犠牲となった方々の大きな勇気と犠牲によって達成されたものであることを決して忘れてはならない」と述べ、「民主党が、政治改革をリードしているのは、4月革命の精神を正しく継承するためのものだ。今後とも犠牲者の精神を引き継ぎ、この国に民主主義が根を下ろせるよう努力する」と述べました。一方、野党ハンナラ党は、「反独裁と民主化のため命をささげた殉国烈士の崇高な愛国精神を称えたい。しかし、先月の3.1独立運動の記念行事が、イデオロギー別に開かれたのに続いて、この4.19革命の記念行事も、保守陣営と進歩派が主催する行事が別々に開かれていることは、まるで1945年の植民地支配からの解放直後のように、国民の間にかっ藤と反目が著しく悪化する事態を招きかねない」として、盧武鉉大統領は、国民和合と国力結集のためより一層努力しなければならないと強調しました。

・盧武鉉大統領は、18日、政府職員10万人と、自分の支援団体の「盧武鉉を愛する人々の集い」のメンバーら合わせて30万人に最近の所信を述べるE-mailを送りました。盧武鉉大統領は、「政府が進めている改革は、憂慮されているように対立的で過激なものではない。私は、大統領に与えられた正当な権限と揺れることがない原則で公正な改革を進める」と述べました。盧大統領はまた、「北韓問題も実を結んでおり、経済も再跳躍の準備を整えている。国民の皆さんの心の中に、正義と信頼がある限り、私は勇気をもって行動する希望になりたい」と述べています。

・大邱地下鉄放火火災事件で、犠牲者の遺族で作る犠牲者対策委員会と、大邱市は、18日午後から徹夜で会議を行い、来週24日に犠牲者の合同葬を行うことを決めました。当初、遺族らは、遺骨の身元確認が終わるまでは、葬儀はできないと主張してきましたが、18日の会議で、とりあえず、合同葬を行うことで大邱市と合意し、具体的な葬儀の手続きは、改めて協議することになりました。また犠牲者対策委員会と、大邱市は、犠牲者の追悼公園を3年2か月以内に建設することについても合意し、場所などの選定作業を始めることになりました。この事件では、市の事故対策本部に申告された行方不明者が一時612人にも上っていましたが、その後死亡が確認されたり、別の場所にいたことが確認された人を除外しても、未確認の行方不明者が200人を超えており、遺骨のDNA鑑定もほとんど暗礁に乗り上げた状態になっています。

・19日は、土曜日のため取引はありません。前日18日の終値は、日本円100円が、1004ウォン76銭でアメリカドル1ドルは、1203ウォン 50銭でした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・19日ソウルは曇り、正午の気温は 11度7分でした。20日日曜日は、全国的に雲が多く、南部は午前中雨の降るところがある見込みです。全国の朝の最低気温は5度から13度、日中の最高気温は11度から21度という予報です。

4月18日金曜日

・来週北京で行われる北韓の核問題をめぐる3者協議で、アメリカ、中国、北韓の3カ国が、韓国政府に北韓への経済支援を要請してきた場合、韓国は、当事者として協議に参加しない限り、経済支援はできないとする政府の方針を固めたことが18日明らかになりました。民主党の鄭大哲代表は、18日、党本部で行われた役員会議で、「韓国の北韓支援は、多国間協議に韓国が当事者として参加して初めて考慮できる」と述べました。これに先立って尹永ェ(ユン・ヨングァン)外交通商部長官も、16日、「韓国が参加していない場で論議された事について韓国政府が負担を負うことはできない。実際に北韓への経済支援を行うことができる国々を論議の過程で外し、支援だけを要請するのは論理的に合わない」と述べ、多国間協議に参加することが、北韓に対する支援の前提条件となるという考えを示しました。

・アメリカのラムズフェルド国防長官は17日、北京での3者協議を前に国防総省で行われた将校との対話集会で、北韓の核開発計画を防ぐために、北韓に見返りを与えるつもりはないと述べました。ラムズフェルド国防長官は、「北韓を満足させるために何を与え、何を支払えばいいのか、想像もつかない。われわれは、米朝枠組み合意でそれを試みたが、北韓は、アメリカとの合意を一方的に破った」と指摘し、北韓に見返りを与える代わりに核開発放棄を求める政策はもはや取らないという方針を示しました。

・大韓赤十字社は17日、北韓の朝鮮赤十字会から肥料とコメの支援を要請する電話通知文が送られてきたことを明らかにしました。この中で、朝鮮赤十字会の張在彦委員長は、「北と南は、ひとつの民族として同胞愛のもと、互いに協力を続けてきた。こうした関係が継続すれば、南北関係の進展に寄与することになるだろう。当面の課題としては、人道主義の精神にもとづき、韓国がコメと肥料を提供することを期待する」と述べています。張委員長はこの中で、支援の量や時期については、ふれていないということです。これに先立って統一部関係者は、今週15日、「北韓が要請してくれば、今年も肥料の支援を検討するというのが、政府の方針だ」と述べました。政府は、北韓に対して、去年コメ40万トンと、肥料30万トンを支援しています。また農林水産部は、先月、韓国の余ったコメを今後3年間、一年に43万トンずつ北韓に支援する計画を盧武鉉大統領に報告しています。

・盧武鉉大統領は、17日、大田の北東にある大統領の別荘「青南台」を訪れ、野党ハンナラ党の朴ヒテ代表代行、民主党の鄭大哲代表、自民連の金鐘泌総裁と夕食をともにして、北韓への送金疑惑を捜査する特別検事の捜査期間を最長で120日間とすることで合意しました。青瓦台のソンキョンヒスポークスマンによりますと、3党の代表は、特別検事の捜査は、▼期間を最長120日までとする▼送金疑惑にかかわった北韓関係者の名前と口座名は公開しない▼捜査秘密を漏らした捜査官を処罰する条項を盛り込むという3項目に合意しました。しかし、捜査の名称から「南北首脳会談」を外すことについては、ハンナラ党の強い反対で意見がまとまりませんでした。

・北韓への送金問題を捜査しているソンドゥファン特別検事は、北韓の金剛山観光をはじめ、北韓との経済協力事業を行っている現代商船と現代建設の10あまりの銀行口座を押収し、どういうルートで北韓に資金が送られたかを追跡捜査しています。検察と、金融監督院の職員からなる特別検事の口座追跡専門チームは、まず、これらの口座の入出金の流れを把握することにしています。また、産業銀行と、現代商船の主な取引銀行である外換銀行に対しても会計資料を提出するよう要請し、現代商船に対する資金支援の内訳を調査することになりました。特別検事チームは、また来週初めから現代商船の関係者ら主要人物についても捜査することにしています。

・新型肺炎のSARSに感染している疑いのある人がさらに2人いることが分かり、SARSの疑いが持たれている韓国人は合わせて6人となりました。国立保健院によりますと、17日、北京から帰国した20代の女性と、広東省から帰国した30代の男性が、38度以上の高熱と、せきなどの症状を訴えたため、現在、隔離して治療をしているということです。このため国立保健院は、この女性と同じ飛行機に乗っていた乗員・乗客265人全員を対象に電話で変わった症状がないかどうか調べています。また30代の男性は、3-4日前から熱が下がらないと、機内で乗務員に申し出たため、空港で、乗客111人全員を対象に体温のチェックをしました。 SARSに感染した疑いがもたれている人は、肺炎の症状がない別の20代の女性も含めてこれで6人となりました。

・大統領の別荘「青南台」が、来週22日から一般公開されることになり、18日、盧武鉉大統領も出席して「青南台」の所有権を忠清北道に委譲する記念式典が行われました。「青南台」は、全ドゥファン大統領時代の1983年、大田の北東にできた人造湖、大田湖のほとりに作られ、その後、歴代大統領の夏の休暇の別荘として利用されてきましたが、盧武鉉大統領が選挙公約として、民間に開放することを約束していました。

・京畿道は、イラク難民を支援するため医療支援団100人を3回に分けて現地に派遣することになり、とりあえず、20人を21日、隣国ヨルダンのアンマンに向けて出発させることになりました。20人は、医師、看護師、事務職員、ボランティアで構成され、来月14日までヨルダンでイラク難民を対象に医療活動を行う予定です。京畿道は、医療支援団の活動地域を、ヨルダンからイラクの主要都市に次第に拡大していく方針です。

・韓国と日本の音楽教育文化交流親善音楽会が18日、光州市の5.18民主化運動記念文化館で開かれました。この音楽会は、96年から光州教育大学音楽教育学科出身の教師と、日本のアジア音楽教育研究会のメンバーが中心となって開いているもので、今回で6回目です。一方、光州市と鹿児島の美術展示会が、今月21日から27日まで光州市立美術館で開かれます。この交流展示会は、両国の作家が毎年、韓国と日本を訪問しながらお互いの美術のすばらしさを確認しあう文化交流事業で、今年で13回目となります。今回は、鹿児島から87人と、光州から123人の作品が展示されます。

・アメリカ大リーグ、シカゴ・カブスで活躍している崔ヒソプ一塁手(24)が、18日、4本目のホームランを放ちました。シカゴで行われたシンシナティ・レッズとの試合で 崔ヒソプ選手は、4対0でリードしていた3回裏、今シーズン4本目のホームランとなる豪快な場外ソロホームランを放ち、シンシナティ・レッズに16対3で勝ちました。これで崔ヒソプ選手は、3試合連続ホームランの記録となりました。

・一方、ニューヨーク・メッツで活躍している徐ジェウン投手(26)が、18日、メジャーリーグで初勝利を挙げました。徐投手は、ピッツバーグでのパイレーツ戦に先発登板し、7イニングを5安打無失点で押さえ、チームが7対2で勝ったため、初の勝利投手となりました。今シーズン3回目の出場となった徐投手は、これで1勝1敗、防御率3.12となりました。

・韓国外換銀行が公示した18日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1004ウォン76銭で、前日に比べて11ウォン86銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1203ウォン 50銭で、前日に比べて6ウォン50銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は、624.77ポイントと、前日より12.05ポイント上昇しました。

・18日のソウルは雨、午後3時の気温は16度7分でした。19日も引き続き、低気圧の影響で、全国的に午前中は雨のところが多く、午後から次第にあがる見込みです。全国の朝の予想最低気温は、12度から15度、日中の最高気温は14度から21度の予想です。

4月17日木曜日

・北韓の核問題をめぐる多国間協議が、アメリカと北韓、それに中国の3か国だけとなり、韓国が加われなかったことについて、 盧武鉉大統領17日、「協議の形や体面よりは結果が大事だ」と述べ、実質的な成果を強調しました。盧武鉉大統領は17日の大統領首席秘書官会議でこのように述べるとともに、「もともとこの協議は、米朝2国による構図だったのに、アメリカ側の主張で、韓国を含めた多国間枠組みを受け入れた。したがって今の段階で、韓国が参加するかしないかが大きな問題にならないし、それにこだわると、むしろ協議を駄目にする可能性もある」と指摘しました。

・一方尹永ェ外交通商部長官は16日、「この3者協議が始れば、韓国を参加させることについて本格的な話し合いが行われる」として、北韓の核問題の解決のための具体的で実質的な協議は韓国が加わってからになるという見方を示しました。尹長官は、3者協議に至った背景について、「北韓の反対で、韓国は参加できなくなった。しかしアメリカと中国は、3か国でいったん協議をスタートさせて、その後に、韓国を参加できるようにすると約束してきた。韓国政府としては、韓国が参加しない場所で話し合われたことについては、一切責任をとらないが、この問題をめぐって、韓国が主導的な立場に立つべきだという考えは今も変わっていない」と述べました。

・アメリカ国務省のリーカー副スポークスマンは16日、記者会見し、来週、北京で開かれる予定のアメリカ、北韓、中国による3者協議は、本格的な多国間協議前の予備協議だと述べ、韓国と日本がこの協議に参加できるよう働きかけると強調しました。リーカースポークスマンはこの中で、韓国と日本がこの協議に早い時期に参加できるよう、引き続き努力することが、優先的な課題だと述べるとともに、事前の3者協議では、どういうふうに北韓の核開発計画を放棄させるかについて、集中的に話し合うと述べました。一方、3者協議を前に、韓国、日本、アメリカの3カ国は18日、ワシントンで、北韓の核問題についての局長級協議を行うことになりました。この席で韓国は2回目の協議以降の早い時期に韓国が参加できるよう強く求める方針です。

・ジュネーブにある国連人権委員会は16日、北韓の人権状況を非難し、改善を求める決議を賛成多数で採択しました。国連人権委員会はEU=ヨーロッパ連合が提出した決議案を上程し、賛成28、反対10、棄権10で採択しました。韓国は北韓の核問題や南北関係などを考慮して、投票に参加しませんでした。決議は、北韓の人権侵害が「組織的かつ広範で深刻な状況だ」と明記して、服役囚に対する拷問や強制労働などが行われていると指摘するとともに北韓に対し、拷問防止協約など国際協約を批准することや北韓を脱出しようとしてつかまった人に対し、制裁したり、反逆罪で処罰したりしないよう求めました。また食糧配分の透明性を確保するために、人道的な支援を行っている国際団体が北韓内で活動することを保証するよう求めるとともに、国連人権高等弁務官にも、人権改善を目指して北韓政府と対話を開始し、改善に向け協力するよう求めました。さらに日本人などの拉致問題についても、早急かつ全面的な解決を求めました。国連人権委員会で北韓の非難決議が取り上げられたのは今回が初めてです。

・盧武鉉大統領は6月に、就任後初めて日本を訪問する計画であることが分かりました。日本のマスコミが17日伝えたところによりますと、盧武鉉大統領の日本訪問は6月9日から3日間で固まりつつあるということで、その後、7月3日から11日ごろまで、中国とロシアを相次いで訪問するものとみられています。盧大統領の周辺国訪問は、北韓の核問題をめぐる協議が今月23日に北京で始ることを受け、対北韓政策で関係国との連携を深めたい考えとみられると、日本のマスコミは報じています。

・北韓は核弾頭の搭載も可能な中距離弾道ミサイル「ノドン」を約200基保有していると、日本のNHKが17日、韓国駐留アメリカ軍の話を引用して、伝えました。「ノドン」は、射程距離1300キロで、これまでは最大で100基程度とみられていましたが、その2倍もあることが分かったものです。

・イラク戦が事実上終ったことを受けて、韓国と中東を結ぶ航空路線が再開されることになりました。大韓航空は17日、仁川−ドバイ−カイロ路線の仁川−ドバイ区間の運航を今月25日から再開し、カイロまでの全面再開は近く決める予定だと発表しました。また中東上空を通っている、仁川−ローマ路線は今月27日から、週2往復の運航を再開し、縮小運航されている仁川−チューリヒ路線も6月1日から週2回を、週3回に正常化させることにしています。今度の再開措置は、イラクの復興事業に参加する韓国企業を支援するためのものだと、大韓航空は説明しています。

・WHO=世界保健機関が16日、新型肺炎のSARSの原因は、コロナウィルスの新種と判定しましたが、韓国では現在、感染が疑われている患者は3人いることが分かりました。韓国国立保健院によりますと、SARSに感染しているのではないかと申告があった14人の中で、症状がWHOの臨床定義に合った11人を対象に、ドイツから輸入した試薬で検査を行った結果、3人が陽性反応を示したということです。しかしこの試薬はまだ信頼性が完全ではないとして、正確な判断は見送られることになりました。この3人は現在、隔離された病院で治療を受けており、2週間ぐらいあとに感染しているかどうか最終的に確認される見込みです。

・韓国の空の玄関、仁川国際空港の利用客数が、新型肺炎SARSの影響で、開港以来もっとも減っていることが分かりました。仁川国際空港が16日発表したところによりますと、国際線の一日の利用客数は今月8日は、2万9,549人となり、開港以来初めて2万人台に落ち込みました。仁川国際空港は一昨年、2001年3月に開港し、アメリカでの同時多発テロ事件直後の10月1日、利用客数が3万5,580人で、史上最低を記録しましたが、今回はこれをも下回りました。一方これまでの最高は去年8月3日の8万3000人でした。

・この冬、韓国のスキー場のメッカ、江原道のスキー場を訪れた国内外の観光客が前の年より15%ほど増えたことが分かりました。江原道が16日発表したところによりますと、スキー場がオープンした去年の11月から今年3月末までの間、江原道内の6つのスキー場を訪れた観光客の数は合せて566万9000人あまりで、前のシーズンより、15%増えました。このうち、韓国人は16%増え、外国人は32万3千人で、9%増えました。外国からのスキー観光客の場合、香港が10万4000人で、もっとも多く、台湾、シンガポール、マレーシア、中国の順で、日本からも9000人が訪れました。江原道では、「去年は東南アジアで、韓国のテレビドラマが人気を集めるなど、韓国ブーム、いわゆる「韓流」の影響で、台湾とマレーシアからの観光客が大幅に増えた」と分析しています。

・16日夜、ソウルのワールドカップスタジアムで行われた、サッカーの韓国対日本の国家代表チームの親善試合の韓国でのテレビの視聴率は、去年のワールドカップ大会の時とほぼ同じで、試合に対する韓国人の関心の高さを伺わせました。この試合、韓国ではKBS第1テレビとSBSの2つのチャンネルで同時中継され、視聴率はKBSが21.9%、SBSが13%で、合せて34.9%でした。視聴率を調査した、TNSメディアコリアは、去年のW杯の時、韓国チームの7試合はテレビキー局3局すべてが生中継して、平均59.9%を記録したが、今回の韓日戦はキー局のうちMBCは中継しなかったため、MBCを除くと、ワールドカップ並みの人気だった」と分析しています。

・韓国外換銀行が公示した17日午後3時の為替レート、日本の円100円は、1016ウォン12銭で、前日に比べて5ウォン31銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1210ウォンで、前日に比べ、6ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の17日の総合株価指数は、612.72ポイントで、前日に比べて、8.62ポイント下落しました。

・17日は全国的に25度前後にまで気温が上がり、初夏を思わせる1日でした。ソウルは晴れ時々曇り、午後3時の気温は23度2分でした。18日は全国的に次第に雲に覆われ、午後雨になるところもあるでしょう。18日の全国の予想最低気温は、9度から16度、最高気温は18度から24度と予想されています。

4月16日水曜日

・北韓の核開発問題を協議する多国間協議は、まず北韓、アメリカに中国が加わる3カ国協議で来週23日水曜日に北京で行われることになりました。アメリカの外交消息筋によりますと、協議では北韓の核開発問題で多国間協議を要求するアメリカと、米朝直接対話を主張する北韓との間で折衝が行われる見通しで、アメリカ側の代表はケリー国務次官補になるものとみられています。北韓は多国間協議の受け入れを示唆した後、アメリカとの接触で韓国が参加しない3カ国協議を強く要求していると伝えられており、これについて韓国政府は「まず話し合いを始めるのは重要だ」と容認する方針を示したということです。このため政府はまず北韓、アメリカ、中国の3カ国協議の形として多国間協議をスタートさせた後、適切な時点で韓国が加わる方向で努力していく方針です。

・アメリカのパウエル国務長官は15日、「北韓との対話の見通しに全般的な改善が見られた」と述べました。パウエル国務長官は、ワシントンの外信記者クラブで「アメリカと北韓との会談が近く行われるか」という質問について「先週末の北韓の声明でも分かるように、北韓との対話の見通しに全般的な改善が見られた。対話の場所は対話を始めることより重要ではないことを北韓が示唆しており、アメリカは外交ルートを通じて適切な措置をとっている」と述べました。またホワイトハウスのフライシャー報道官は15日、北韓の核開発問題についてて「関係国との多国間協議の方式で大きな進展があった」と確認しました。

・ジュネーブにある国連人権委員会は韓国時間で16日午後、本会議を行い、EU=ヨーロッパ連合が提出した北韓の人権弾圧についての決議案の採択を巡る採決を行いますが、韓国政府はこの採決には参加しない方針です。尹永ェ外交通商部長官は15日、「北韓の人権弾圧を糾弾する内容の決議案は、今の核開発問題とからめて慎重に検討しなければならない。この決議案に賛成票を投じるのは望ましくないため、採決に参加しないことを考えている」と述べ、53カ国が参加する採決に参加しない方針を示しました。国連人権委員会で北韓の決議案が採択されますと、北韓の人権状況は人権委員会の持続的な監督を受けることになります。またEUがこの決議案を提出したことから、北韓とEUとの関係がぎくしゃくする可能性も出てきました。

・朴寛用国会議長は、訪問先のニューヨークで15日、現地特派員との記者会見で「決議案に参加しないとする政府の決定は無責任なものだ」と指摘しました。朴寛用国会議長はこの中で「北韓住民と指導者は分けて対応すべきだ。北韓当局に対する見方に関係なく、食糧難に苦しむ住民への食糧支援を行ってきたように、これまで食糧不足より苦しい苦痛を強いられた北韓住民の人権問題も考えていかなければならない」と強調し、「政府として決議案に賛成するのが困難ならば、会議に出席してそのような趣旨を堂々と示すべきだ」と述べました。

・イラクに派遣される韓国の工兵大隊と医療部隊は南部のナーシリヤ郊外に配置されるものとみられます。国防部関係者は15日「ナーシリヤ郊外の飛行場周辺にアメリカ軍の軍需支援基地が作られる予定で、この基地内に韓国部隊を配置することでアメリカ側と協議している」と述べました。イラクの南部のナーシリヤは激しい戦闘が行われた場所です。国防部は工兵と医療による先遣隊20人を17日、アメリカの前線司令部のあるクウェートに派遣し、本隊は30日と来月14日の2回に分けて送り込む予定です。

・韓国と日本のサッカーの国家代表による国際親善試合が16日夜、ソウルワールドカップスタジアムで行われ、日本が1対0で勝ちました。夜7時から始まったサッカー韓日戦は、2年4カ月ぶりの対戦のうえ、去年のワールドカップ共催で韓国は4位、日本は16強という余韻が残っているだけに会場は6万人を超える観衆で超満員となり、両国のサポーターズ「レッド・デビル」と「ウルトラニッポン」の応援合戦となりました。試合は前半、後半とも韓国の圧倒的な攻めが続き、後半には先のコロンビア戦で期待を集めたMF崔成国選手も投入して攻撃の手綱を緩めませんでしたが、ゴールに至らず、逆に押されていた日本は、試合終了間際に永井選手が決勝ゴールを決め、日本が1対0で韓国を破りました。スタジアムには盧武鉉大統領夫妻も訪れ、試合前に壇上に上がって、「両国ともにフェアープレーをしてほしい」と激励しました。またKリーグで活躍中のハ・ソッチュ選手(35)は、この韓日戦を最後に国家代表から引退しました。ハ・ソッチュ選手はAマッチ70回以上も出場したことから、試合開始前に大韓サッカー協会の鄭夢準会長から功労牌が手渡されました。

・盧武鉉大統領は15日、韓国を訪問したアメリカのブッシュ大統領の父親ジョージブッシュ元大統領と晩さんをともにし、イラク戦への韓国軍派遣、北韓の核開発問題、韓米間の友好促進など両国間の懸案について意見を交換しました。この席で盧大統領は、北韓の核開発問題について「北韓が核兵器を保有してはならず、北韓の核兵器開発問題は対話を通じて解決することが韓国政府の一貫した方針である」と説明し、「北韓に対してこのような原則を持って臨めば、北韓も対話の場に出てくると確信している」と述べました。これについてブッシュ元大統領は、「アメリカがイラクへの攻撃を開始した際には友邦の支援が乏しく、世論の批判が厳しくて苦しかったが、韓国政府の工兵大隊の派遣決定は大きな力となった。盧武鉉大統領としても大変難しい決定だったことをブッシュ現大統領は知っている」と述べて、イラクへの工兵大隊の派遣に感謝の意を改めて示しました。ブッシュ元大統領はまた「アメリカは北韓との戦争も、北韓の核保有も望んでいない。周辺諸国も同じ考えである」として「5月の盧武鉉大統領のアメリカ訪問の際にブッシュ大統領との対話で順調に進むと思う」と述べました。

・アメリカは韓国のハイニックス半導体会社製のDラム半導体に57%という高い関税をかける予備判定を出しましたが、韓国政府の提案を受け入れてワシントンで協議を始めたことが分かりました。しかしアメリカは韓国製Dラム半導体についての調査はこの交渉と関係なく進めていくとしており、今月21日には、アメリカの調査団が韓国を訪れてハイニックス半導体や債権銀行団などに対して調査を行う予定です。

・韓国株式市場の総合株価指数が15日、2月24日以来、53日ぶりに600ポイントを回復したのに続き、16日には620ポイントを超えました。16日の総合株価指数は、アメリカのインテルやマイクロソフトなどの実績が予想を上回っていることや、北韓問題の解決への期待感などから株価が5日連続上がり、16日の総合株価指数は623.19と、前日に比べて18.20ポイント上昇しました。

・現代商船が北韓に巨額の資金を送金したとされる事件について捜査する宋斗煥特別検事は、17日からの本格的な捜査に先立って、16日、ソウル江南区のビルに事務所を開設しました。宋特別検事はこれまでの20日間の準備期間中、特別検事補と派遣検事合わせて3人、特別捜査官16人、派遣公務員15人らによる捜査体制を作り上げました。宋斗煥特別検事は特別検事法にもとづいて、17日から最長120日間の日程で、本格的な捜査を始める予定で、特別検事法に明記されている捜査対象は2000年6月の南北首脳会談前後に北韓に送られた2億ドル、2000年5月に当時の現代証券会長の主導で系列会社別に募金した5億5,000万ドルの北韓への送金、そして7月から10月の間の現代電子のイギリス工場の売却代金1億5,000万ドルの北韓への送金の合わせて9億ドルです。この事件については、すでに林東源前青瓦台外交安全保障統一特別補佐役ら関係者24人に対して出国禁止令が出されており、特別検事チームの関係者は「一部の人々に対しては出張捜査も可能だ」と述べたことから、金大中前大統領が自宅で捜査を受けることになるかどうかに関心が集まっています。

・韓国と中国は15日、ソウルで領事局長会議を行い、韓国政府は偽装結婚を防ぐための両国間の国際結婚の手続きを大幅に簡素化させる方針を説明し、中国側の協力を要請しました。これについて中国側は積極的に協力すると回答しました。韓国側はまた中国での北韓脱出者や中国の刑務所に服役している韓国人についての取り計らいを要請しました。

・保健福祉部は16日、体の不自由な人々が放送を楽しめるように、障害者向けの放送を大幅に拡大するよう文化観光部に勧告し、文化観光部は近く放送法の施行令を見直すことになりました。現在、地上波放送の場合、20%ほどの番組で字幕放送を行っており、手話放送も行われていますが、施行令が見直されれば、字幕放送や手話放送の時間が大幅に増やされるものとみられます。

・アメリカの大リーグ、シカゴ・カブスで活躍している崔ヒソプ選手(24)は16日、2本目のホームランを放ちました。シカゴで行われたシンシナティ・レッズとの試合で 崔ヒソプ選手は、6回裏、今シーズン2号の豪快な場外ソロホームランを放ちました。崔ヒソプ選手はこの試合、2安打1打点3得点の猛活躍で、カブスは11対1でレッズを打ち負かしました。

・韓国外換銀行が公示した16日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,010ウォン81銭で、前日に比べて1ウォン67銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,216ウォンで、前日に比べて1ウォン50銭のウォン高でした。韓国株式市場の16日の総合株価指数は、623.19ポイントと、前日に比べて18.20ポイント上昇しました。

・16日のソウルは晴れ、午後3時の気温は23度ちょうどでした。慶尚北道浦項市は最高気温が26度4分まで上がるなど、南部地方は夏日となりました。17日も全国的に晴れ、午後遅くから雲がかかってくるでしょう。17日の全国の予想最低気温は7度から16度、日中の最高気温は21度から27度と、夏日となる所もあるという予報です。

4月15日火曜日

・盧武鉉大統領は、15日、就任50日目にあたっての夕刊紙との会見で、「北韓の金正日国防委員長との南北首脳会談は、北韓の核問題が解決した後に推進する計画だ」と述べました。盧武鉉大統領は、「いまは北韓の核問題を解決することが何よりも重要で、この問題の中心的な当事者は、北韓とアメリカであり、南北首脳会談で解決できる問題ではない。核問題が解決されれば、南北交流協力や軍事的対立関係を解消するためやらなければならないことが沢山あるはずだ」と語りました。そして盧武鉉大統領は「北韓は、究極的には核を放棄するだろう。われわれは、アメリカをはじめとする周辺国とともに、北韓の安全を保障し、経済支援を通じて、北韓を国際社会の一員として参加できるよう環境を整えていくことが大事だ。ただし、韓国は北韓と水面下での取り引きをしたりはしない」と強調しました。

・北韓が、先週土曜日、核問題をめぐる多国間協議を受け入れる意向を示唆したことで、アメリカと北韓は、早くも外交ルートを通じて多国間協議に向けた本格的な協議に着手したことが15日、明らかになりました。双方は、とりあえず、水面下で互いの核問題解決策に対する真意を把握し、多国間協議についても協議を進めていることから、早ければ今週中にも、北韓の核問題をめぐる多国間協議を開催するかどうかが決まる見通しです。この米朝間の外交交渉は、ニューヨークで行われている模様ですが、これとは別にアメリカと北韓は、北京など複数のルートを通じて多角的に交渉を行っていると伝えられています。これに先立って韓国政府の高官は14日、「今は明らかにできないが、北韓が多国間協議を受け入れる用意があることを示唆したこと以外にさらに一歩前進した内容がある」として、北韓にかなりの姿勢の変化があることを示唆しました。

・韓国、日本、アメリカは、14日、北韓の核開発問題を協議する局長クラスの会合を今月中にソウルで開く方針を固めました。政府関係者によりますと、韓日米の局長クラスの対北韓政策調整会合は、北韓が先週末に、外務省スポークスマンの談話で、核問題についての多国間協議に柔軟な姿勢を示したことによるもので、会合では、北韓に対し、▼ウラン濃縮計画を放棄すること、▼NPT=核拡散防止条約からの脱退宣言を撤回すること、▼IAEA=国際原子力機関による核査察をさらに強化することなどの基本原則を確認するものとみられています。また多国間協議を実現させるため、中国との連携を強化することや北韓が対話のテーブルにつくよう環境を整えることについても協議する方針です。

・丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官は、14日、国会の統一外交通商委員会に出席し、「政府は、北韓からの要請があれば、今年も田植えが始まる前に、北韓に対して20万トンの肥料を支援する用意がある」と述べました。これについて統一部の関係者は、15日、政府は、今月7日から平壌で行う予定だった南北閣僚級会談が予定どおり開催されていれば、北韓に肥料の支援を提案する計画だったことを明らかにしました。この関係者によりますと、北韓は、肥料が、同じ量の食糧より3倍の食糧増産効果があることから肥料の支援を歓迎しているということです。政府は、99年春に、20万トンの肥料を支援して以来、2000年には春と秋に合わせて30万トン、2001年春に20万トン、去年は春と秋にあわせて30万トンの肥料を北韓に支援してきました。

・国連のアナン事務総長は14日、北韓の核問題が解決されれば、国連は、北韓に対して人道的支援だけでなく、長期的な経済再建のための支援を行うよう積極的に努力すると語りました。アナン事務総長は、ニューヨークの国連本部で韓国の朴クァンヨン国会議長と会談した席でこのように述べ「北韓の核問題を平和的に解決するには、アメリカと北韓がともに納得する解決策をつくらなければならない」と強調しました。これに対して朴国会議長は、「北韓の核問題解決のためにはアナン事務総長の役割が重要であり、期待が大きい」として、積極的な支援を要請しました。また朴国会議長は、「韓国は、国連分担金が加盟国全体で10番目に多いので国連事務局の職員に韓国人がもっとなることが必要だ」とする見解を示し、これに対してアナン事務総長は、韓国人に雇用のチャンスを多く与えることを約束しました。

・政府は、イラク戦の終結にともなうイラク復興事業支援のために1000万ドルの人道的支援と、無償援助を行う方針を決めました。外交通商部は、15日の閣議でイラク復興のための政府の総合支援計画を報告しました。それによりますと、▼91年に閉鎖したイラクの韓国大使館の業務を再開させ、ヨルダンに駐在中のイラク業務担当職員を早急にイラクに復帰させる▼イラク駐在韓国大使を早期に任命する▼イラク復興のための無償援助の規模は、国際社会の動向を見極めながら、関係部署間の協議を通じて決める▼復興事業は、医療、保健、教育、職業訓練所の設立などを検討する、などとなっています。政府は、前回のアフガニスタン戦の際は、1200万ドルの人道的支援と、4500万ドルの無償援助を行う方針を決めていることから、イラクの場合もこのレベルになるものとみられています。

・「韓国銀行」は、15日、今年第一四半期のGDP=国内総生産の成長率が、当初の予想より低い3%台に下がったと推定されると発表しました。韓国銀行は当初、第一四半期のGDP=国内総生産の成長率を4%前後と見込んでいましたが、去年の第4四半期の6.8%と比べると半分にも満たない結果となりました。これについて韓国銀行は、「輸出は依然として好調をみせているものの、消費や設備投資のい縮で産業活動が鈍化している。今後、国際原油価格が安定し、消費や投資心理が改善され下半期からは回復局面に向かうものとみられることから、年平均では4.1%の成長を達成できるのではないか」と話しています。

・ヒトゲノム=人間の遺伝情報が、アメリカや日本など6カ国が参加した共同研究で完全に解読され、体質や病気にかかわる人間の遺伝子はおよそ3万2000個あることが分かりましたが、この国際プロジェクトに参加できなかった韓国のヒトゲノムの研究は、アメリカを100%とした場合、70%から80%のレベルではないかと科学技術部ではみています。韓国は、2000年初めに、科学技術部に「人の遺伝体機能研究事業団」を発足させ、遺伝子の研究を始めました。そしてこの3年間に、およそ2万個の遺伝子を独自に発見し、アメリカの国立がん研究所が発見した1万個の遺伝子と交換する成果をあげました。また、遺伝子の詳しい機能を超高速で解明するDNAチップの技術を利用して、胃がんや肝臓がんの患者のがん組織と正常な組織を比較区別する方法で、がん組織に現れる遺伝子1000種類を発見することにも成功しました。しかし、韓国の遺伝子研究事業を活性化させるためには、生物情報学関連技術の進展や専門家の育成、研究成果を商業化する努力、さらに国際共同プロジェクトへの積極的な参加などが課題であるといわれています。

・韓国人として初めての日本の防衛大学校を卒業した空軍将校が誕生しました。この人は、李テギュさん(23)で、李さんは、99年4月に空軍士官学校に入学したあと、2000年4月に日本の防衛大学校2年生に編入し、3年間日本での教育を受けました。韓国と日本は、1999年の国防相会談で、韓国の陸海空軍の士官学校生と、日本の防衛大学校生を交換留学させることで合意しており、李さんは、この制度で初めての卒業生となり、韓国に帰って空軍少尉に任官しました。李さんは、この3年間、上位5%以内の優秀な成績を維持し、校長賞を贈られたこともあるということです。李さんは、戦闘機のパイロットになるため訓練を今年9月末まで受ける予定で、「日本で習った知識と経験、それに日本語を生かして韓国空軍の発展に寄与したい」と抱負を語っています。この交換留学では、韓国からすでに陸海空軍の合わせて6人が日本に、日本からも1人が韓国の空軍士官学校に来ています。

・宮崎駿監督のアニメーション「もののけ姫」が今月25日から、韓国の映画館でも上映されることになりました。これまで日本のアニメの題名は、英語や韓国語に変えられていましたが、今度は日本語の「もののけ姫」のままで、韓国語の字幕スーパーつきで公開されます。2001年8月に公開された同じ宮崎駿監督の「となりのトトロ」は、小泉首相の靖国神社参拝と時期が重なり、抗議の世論が盛り上がったためわずか一週間で上映が打ち切られました。しかし、去年公開された「千と千尋の神隠し」は、200万人もの観客動員を記録しており、宮崎駿監督の作品は、韓国では幅広い人気を集めているため今回の観客動員が注目されます。

・韓国のサラリーマンの76%が、職場のストレスで病気になったことがあるという調査結果が出ました。インターネットの就職情報サイトが、全国のサラリーマン2000人を対象に調査した結果、回答者の89%が、「職場でストレスを受けている」と答えました。ストレスの原因については、32%が「過度な業務と残業」と答えており、「上司や同僚とのかっ藤」「期待におよばない給料」「自分の適性に合わない業務」の順でした。また回答者の76%は、「ストレスが原因で病気をしたことがある」と答えており、そのうちの37%の人は「実際に病院に行って治療を受けたことがある」としています。ストレスのよる症状としては「不安、ゆううつ症、不眠症」が36%と最も多く、神経性消化不良や、頭痛、記憶力減退、高血圧などもありました。またストレス解消法としては、暴飲、暴食が最も多く、次いで睡眠、運動、読書などがあげられていました。

・韓国外換銀行が公示した15日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1012ウォン48銭で、前日に比べて2ウォン21銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1217ウォン 50銭で、前日に比べて5ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は、604.99ポイントと、前日より10.59ポイント上昇し、2月25日以後、ほぼ50日ぶりに600ポイント台を回復しました。

・15日のソウルは晴れ、午後3時の気温は19度8分でした。16日も引き続き、高気圧に覆われ、全国的に晴れの一日となりそうです。全国の朝の予想最低気温は、5度から14度、日中の最高気温は19度から25度の予想です。

4月14日月曜日

・北韓は先週12日、アメリカが北韓に対する敵対政策を放棄するならば、形式にこだわらずに米朝対話に臨む意志があることを明らかにしました。北韓外務省の報道官は先週12日、朝鮮中央通信社の記者の質問に答える形で「もしアメリカが核開発問題の解決のため、北韓に対する政策を転換する用意があるなら、我々は対話の形式にはこだわらない」と述べて、アメリカが提案した多国間枠組み協議を受け入れる可能性を示唆しました。北韓のこのような姿勢は、これまで米朝直接対話にこだわってきた北韓の態度変化をうかがわせるものです。北韓はさらにこの中で「われわれが米朝直接対話を主張するのは、アメリカの北韓に対する敵対政策を放棄する意志があるかどうかを確認するためである。われわれはNPT=核拡散防止条約の加盟国ではないので、核開発を国際的に問題にされる根拠もなく、またこれを国際的な問題にしてしまっては解決できない。9日の国連の安全保障理事会の結果は核開発問題は米朝間の問題であることを明白に示した」と強調しました。

・アメリカのブッシュ大統領は13日、ホワイト・ハウスで行った記者会見で「韓半島問題が進展をみせはじめている。アメリカは北韓の核開発問題を取り扱う最も良い方法は多国間枠組みでの協議であることを示しており、まもなく実現する見通しだ」と述べました。ブッシュ大統領はまた「核兵器のない韓半島になることを期待している。このような目標は韓国、中国、日本とも共有している」と述べました。

・韓国政府は北韓が多国間の枠組みの中での核開発問題の解決を受け入れる意志を示したことと、アメリカのブッシュ大統領が北韓の反応を前向きに受けとめていることから、早い時期に多国間枠組み協議が実現できるように努力していく方針です。尹永ェ外交通商部長官は14日、韓国駐在のハバードアメリカ大使を招いて、先週北京で行った中国外相との会談内容を説明するとともに、多国間協議の早期実現を希望する韓国政府の方針を伝えました。政府はまた先週の韓中外相会談の結果を受けて、北韓に対する中国の働きかけを改めて要請することも検討しています。

・政府はイラクの再建・復旧事業に積極的に参加するため、アメリカ軍のイラク再建人道支援局に政府関係者を派遣する方針です。イラク再建人道支援局は、アメリカが構想しているイラク再建の3つの段階のうち、第1段階にあたる、軍政期間中にイラクを事実上統治する機関で、イラクに臨時政権が発足する前まで、物資の支援や医療・電気・水道など社会間接資本の復旧などを担当します。政府当局者は「現在、駐米大使館の職員がイラク再建人道支援局との連絡を取り合っている。今後、韓国政府がイラクに対する財政的な支援を行うようになれば、イラク再建人道支援局に政府関係者を派遣する必要がある」と述べました。政府は15日の閣議でイラク戦の終結にともなう人道支援と戦後復旧事業への参加計画を部署別にまとめることにしています。

・先週10日、中国から帰国した20代の女性がSARS=重症急性呼吸器症候群に似たような症状を見せたことから、保健当局はこの女性を病院に隔離して調査しましたが、コンピューター断層撮影の結果では、SARSではないことが分かりました。この女性はおよそ2カ月間、中国に滞在して先週帰国し、その後SARSに似た症状があったため保健当局で隔離して精密調査を行いました。隔離されている病院の関係者は「SARS患者は放射線撮影で肺炎の症状が出てくるが、この女性から肺炎の症状はみられない」として、SARSではないという見方を示しました。

・韓国の国家債務が130兆ウォンを超えました。財政経済部によりますと、去年暮れの時点で、韓国の国家債務は133兆6,000億ウォンで、一昨年末に比べて11兆5,000ウォン増えました。国家債務は99年末には98兆6,000億ウォンでしたが、2000年末に110兆ウォンを超え、増え続けています。このように増えてはいても、韓国の国家債務はGDP=国内総生産の22.4%と、OECD=経済協力開発機構の加盟国の平均73%に比べるとかなり低いものです。財政経済部の関係者は「国家債務は97年暮れの外貨危機以降の構造調整の過程で大幅に増えたが、最近は伸び率が安定してきている」と話しています。

・金大中前大統領夫妻は総合検診を受けるため13日ソウルの国軍病院に入院しました。金前大統領夫妻の入院について秘書官は「金前大統領は大統領退任後も来客との面談など忙しい日程のため検診を受ける機会がなかった。健康には異常はなく、今の健康状態をチェックするための入院である」と述べました。金前大統領は3日間病院に入院して、朴正熙政権時代のテロで受けた足の関節が良くないことから、関節の精密診断を受ける予定です。

・去年、株式投資をした人は400万人近くになりました。韓国証券取引所によりますと、去年の韓国での株式投資人口は397万4,000万人で、前の年に比べて2%ほど増えました。これは総人口の8.3%に当たります。投資者の平均年齢は45才、平均保有銘柄は2.7銘柄、地域別にはソウルと京畿道の首都圏が全体の大部分の87%を占めています。株式投資人口は、99年が418万人あまりで、この時が最高でしたが、再び回復傾向を見せています。

・ロト宝くじで韓国の宝くじ史上最高金額の407億ウォンの当選者が出ました。去年暮れから人気を集めているロト宝くじで、先週の土曜日12日の抽選の結果、数字6つ全部を当てた人は1人でした。これに前の週に1等当選者が出なくて繰り越された分と合わせた1等当選金は407億ウォン=日本円でおよそ40億円に上り、史上最高となりました。これまでの最高は先月の170億ウォンでした。

・日本人は日本に住んでいる外国人の人権問題に積極的な関心を持っていないことが分かりました。日本の内閣府が全国の成人男女2,000人あまりを対象に調査した「人権擁護についての世論調査」によりますと、「在日外国人の人権を日本人同様にしなければならない」という回答は54%と、1958年にこの調査を始めて以来の最低水準に止まりました。また「外国人が日本人と同じ権利を持てないのは仕方のないことだ」という回答者はほぼ22%でした。内閣府と法務省はこのような結果について「外国人による犯罪が急増していることによるものだ」と分析していますが、日本のマスコミは「日本人の人権感覚が問題視される恐れがある」と指摘しています。

・韓国の去年1年間のインターネットの動きをまとめたインターネット白書が情報通信部と韓国電算院によってまとめられました。それによりますと、▼去年10月にADSL超高速インターネットの加入者が全世帯の70%にあたる1000万人を超えるとともに、▼無線や携帯電話を使ったインターネットが本格化し、▼そうしたことが背景となって、暮れの大統領選挙ではインターネットを利用した選挙運動が大きな役割を果たしたとしています。またインターネットを利用した商品や株式の取り引き、インターネットバンキングが著しく増えたことも上げています。

・去年1年間に、韓国人は平均17キログラムもの豚肉を食べたことが分かりました。農林部が14日まとめたところによりますと、去年1年間に、韓国人1人平均 豚肉を17キロ、牛肉8.5キロ、鶏肉は8キロ食べ、豚肉を最も好んでいることが分かりました。また豚肉の中でも焼き肉用として人気の高い三枚肉は、国内での生産量が需要に追いつかないため、消費量の30%にあたる5万トンあまりを輸入しています。

・韓国のプロバスケットボールは原州(ウォンジュ)TGが設立以来初のチャンピオンとなりました。韓国のプロバスケットボールは去年10月26日からシーズンが始まって去年の優勝チームの東洋オリオンズを始め10チームが争い、先月からは上位6チームによるプレーオフが行われていました。そして 原州TGエクサスと大邱東洋オリオンズとのチャンピオン決定戦で、13日、TGが4勝目を上げて、設立以来 初のチャンピオンとなりました。一方、記者団の投票で決まるMVP選手には優勝チームTGのジャクソン選手に決まりました。

・16日水曜日、ソウルで行われる韓日サッカー親善試合に臨む日本側の代表選手団19人が14日午後韓国入りし、早速試合会場横の補助競技場で軽い練習をしました。仁川空港に到着した日本代表チームのジーコ監督はやや緊張した面持ちでインタビューの要請を断り、選手団の半数以上は急性肺炎についての憂慮でマスクを着用していました。韓日戦はソウルワールドカップ競技場で16日午後7時にキックオフです。

・韓国外換銀行が公示した14日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,014ウォン69銭で、先週金曜日に比べて10ウォン61銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,222ウォン50銭で、先週金曜日に比べて5ウォン50銭のウォン高でした。韓国株式市場の14日の総合株価指数は、594.40ポイントと、先週金曜日に比べて11.43ポイント上昇しました。

・14日のソウルは晴れ、午後3時の気温は19度ちょうどでした。15日は全国的に晴れ、朝濃い霧に包まれるところもあるでしょう。15日の全国の予想最低気温は5度から11度、日中の最高気温は19度から24度という予報です。

4月12日土曜日

・盧武鉉大統領は、12日、北米、ヨーロッパ、アジア太平洋の民間国際団体の「3者委員会」ソウル総会の参加者を青瓦台に招待し懇談しました。この席で、盧武鉉大統領は、「北韓の核開発は、断固として容認できないが、この問題は必ず平和的な手段で解決されなければならず 来月、ブッシュ大統領と会って真剣に協議する」と述べるとともに、「北韓は、核開発が決して利益にならないことを悟り、対話に応じるべきだ」と強調しました。盧武鉉大統領は、また、「もし韓半島で戦争が起これば、その被害は、韓半島だけでなく、東北アジア全体、ひいては世界の平和と、安定を脅かすことになる。北韓が国際社会の責任のある一員として対話の場に出れば、韓国や国際社会は、北韓への支援を惜しまない」と強調しました。懇談会には、アメリカのトーマス・ポリー前下院議長、ウィリアム・ペリー前国防長官、ピーター・サダランド ゴールドマンサックス会長、日本の小林陽太郎富士ゼロックス会長が出席しました。

・北韓は、最近行った日本との非公式外交折衝で、これまでかたくなに拒否していた核問題の多国間協議に対して柔軟な姿勢を見せ始めていることが明らかになりました。日本の政府関係者によりますと、北韓が姿勢の変化を見せ始めたのは、先月初め、日本の政府関係者と電話による非公式協議を行った際、アメリカは米朝2国間協議のための形式的な多国間協議には否定的だが、関係国が集まれば、その枠内で自然と米朝間の対話が進むはずだと説得したところ、北韓は、「指導部で検討してみる」と応じたということです。これと合わせて、北韓の韓成烈国連次席大使は、11日、アメリカのマサチューセッツ州ケンブリッジで行われたシンポジウムで演説し、北韓の核問題をめぐる多国間協議は、「不可能を可能にしなければならない」として、多国間協議に対する前向きな姿勢を示しました。北韓の高官が公式の場で多国間協議に積極的な姿勢を示したのはこれが初めてです。

・EU=ヨーロッパ連合は、10日、ジュネーブで開かれている国連人権委員会に、北韓の人権状況を非難する決議案を提出しました。決議案は、北韓が行っている拷問や、宗教弾圧など組織的な人権侵害について指摘しており、このほか、北韓による日本人拉致問題についても触れ明確で透明な解決を求めています。国連人権委員会は、16日の本会議でEUが提出したこの決議案を審議する予定です。国連の人権委員会で北韓の決議案が扱われるのは初めてのことです。

・国防部は、バグダッドの陥落にともなって国会の承認を得た工兵大隊と医療部隊のイラクへの派遣を早めることになり、派遣部隊を3つに分け、まず17日に先遣隊として参謀将校20人をクウェートに派遣する方針を決めました。続いて、医療部隊100人と、工兵大隊200人の第一部隊を今月30日頃、装備を備えた本隊の第二部隊は、来月14日頃、イラクに向けて送り出す方針です。国防部は、これらの日程は、アメリカ軍との協議でさらに調整される可能性があるとしており、派遣先はまだ決まっていませんが、イラク戦初期に激しい戦闘があって復興を急ぐイラク南部になる可能性が高いとしています。

・アメリカは、イラク戦に反対し続けていたフランス、ドイツ、ロシアに対して、イラクへの債権を放棄するよう要求し、波紋が予想されています。アメリカのウォルフォウィッツ国防副長官は10日、上院軍事委員会で証言し、「フセイン大統領はフランス、ドイツ、ロシアから借金をして、それを兵器の購入に使い果たした。イラク新政権が、こうした負債に悩まされないよう、債権の一部または全部を免除すべきだ」と主張しました。アメリカのこうした要求は、関係国から強い反発を呼ぶものとみられており、韓国の企業6社のイラクに対する建設工事などの売掛金12億6840万ドルの回収にも影響をおよぼすことが懸念されています。

・アメリカ国民の67%は、イラク戦争後、北韓をねらった軍事攻撃に反対していることが分かりました。これは、アメリカの新聞USAトゥデーと、CNN放送、ギャラップが共同で行った世論調査の結果、明らかになったもので、「北韓がテロ国家に大量破壊兵器を提供しているとされる問題で、アメリカは、北韓と戦争を行うべきだと思うか」という質問に、67%の人が反対し、賛成は28%でした。

・野党ハンナラ党は、李滄東(イ・チャンドン)文化観光部長官の解任案を来週中に国会に提出することになりました。ハンナラ党の李キュテク総務は12日、「李滄東(イ・チャンドン)文化観光部長官は、大手新聞3社を政権に批判的だとして圧力をかけているほか、国会委員会での態度も無礼だ。このため14日にハンナラ党の最高委員会議で辞任または解任を要求し、これを受け入れなければ国会に解任案を提出する」と述べました。李滄東(イ・チャンドン)文化観光部長官は、もと映画監督です。

・国立保健院は、SARS=重症急性呼吸器症候群の感染者が韓国で発生した場合、拡散防止対策として、病院などへの隔離に応じない感染者や接触者については、警察官によって強制的に隔離させる方針を、12日明らかにしました。国立保健院は、保健福祉関係長官会議でこうした計画を発表するとともに、警察庁に対してSARSの感染者が出た場合、感染者や接触者を強制的に隔離するよう要請しました。しかし、韓国の現行の伝染病予防法には、感染の疑いがある人を、保健当局が強制的に隔離させる法的根拠がないため、人権侵害とならないか懸念されています。

・ソウルの地下鉄の車両のシートが来年中に全部ステンレスに切り替えられます。ソウル地下鉄公社と、都市鉄道公社は、テグ地下鉄惨事の後に、自主的に行った安全点検の結果をもとに安全対策をまとめ12日発表しました。それによりますと、3500両の電車全部のシートをすべて燃えないステンレスに取り替えるとともに、社内の広告物も火災が起きた際に有毒ガスが発生しない材質にする、停電になっても、自動的に非常灯がつく無停電電源装置を各駅に設置します。そして建設交通部の指針がまとまり次第、電車の内装と断熱材、床を不燃材に取り替える方針です。ソウル市は、こうした地下鉄安全対策のために、7,858億ウォンを投入する計画です。

・12日は、土曜日のため取引はありません。前日11日の終値は、日本円100円が、1025ウォン30銭でアメリカドル1ドルは、1228ウォンでした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・12日ソウルは曇り、正午の気温は 11度8分でした。13日日曜日は高気圧に覆われ全国的に晴れの空模様となるでしょう。全国の朝の最低気温は6度から11度、日中の最高気温は16度から22度という予報です。

4月11日金曜日

・北京を訪問中の尹永ェ外交通商部長官は、10日、中国の李肇星(りちょうせい)外相と初めて会談し、北韓の核問題を多国間協議の中で解決することが望ましいということで意見の歩み寄りをみました。尹長官は、「北韓の核問題を平和的に解決するには、まず何よりも北韓を対話をテーブルに引き出すことが重要で、そのためには多国間協議の枠内で論議するのが望ましい」と語りました。これに対して李肇星外相は、「形式にこだわらずに、実質的な対話の場をつくることが重要だ」として、一定の理解を示したということです。これについて韓国統一部の幹部は10日、「一貫して米朝2国間協議を支持してきた中国が多国間協議を平行して行うことに理解を示したことは、多国間協議を拒否し続けていた北韓の姿勢に何らかの変化があることを示唆するものではないか」として期待感を示しました。

・゙永吉(チョ・ヨンギル)国防部長官は、韓国を訪れているロシアのイワノフ国防相と10日、会談し、北韓の核問題を平和的に解決するため両国が緊密に連携をとることで一致しました。会談で゙永吉国防部長官は、ロシアが北韓に特使を派遣するなどして積極的な役割を果たしていることに感謝の意を伝えました。これに対して、イワノフ国防相は、「ロシアは、アメリカや中国とともに北韓の体制維持を保障する用意がある。アメリカが北韓への不可侵宣言を行うことで、北韓の核問題を平和的に解決するのも良い方法だと思う」と述べ、多国間協議が実現した場合、アメリカに不可侵宣言を促す用意があることを示唆しました。

・全経連=全国経済人連合会は、10日、会議を開き、イラクの復興に韓国企業が共同で参加する計画を積極的に検討していくことを決めました。全経連は、イラク戦終了後に予想されるイラクの社会基盤施設の復旧や油田開発、家電、自動車、建設資材、医薬品などの物資供給に韓国企業が積極的に参加するため、KOTRA=大韓貿易振興公社、海外建設協会、大韓石油協会などと今後協議を行うことにしています。

・盧武鉉大統領は、周辺国である日本、中国、ロシアの韓国大使を留任させる方針だと、大統領府・青瓦台の高官が11日明らかにしました。それによりますと、盧武鉉大統領は、当初アメリカ大使を含む4人の大使を全員新しく任命する方針でしたが、イラク戦争の早期終結や、これによる北韓の核問題の浮上、南北関係など、業務の連続性を考慮して留任させる方針を固めたということです。一方、政府は、金泳三政権当時、外務部長官をつとめた高麗大学教授の韓昇洲氏を10日、駐米大使に正式に任命しました。韓大使は、盧武鉉大統領のアメリカ訪問などの準備のため近くワシントンに赴任する予定です。

・丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官は、11日、国会の南北関係特別委員会に出席し、「盧武鉉大統領が8月15日の光復節のあいさつを通じて平和繁栄政策についての総合計画を発表するために準備中だ」と語りました。丁長官は、「このため統一部は、開かれた統一フォーラムや専門家による研究集会など北韓政策に対する多角的な国民の意見を幅広く受け付けている」と述べました。丁長官は、また北韓への巨額の送金疑惑について言及し、「北韓は、先月のアジア太平洋委員会の情報誌で、現代グループとの経済協力は、単純な経済事業ではなく、南北関係の特殊性を反映したものであり捜査対象にはなり得ないと主張している」として、特別検事が北韓関連の部分を捜査することについては、北韓内部でもかなりの憂慮があるようだと述べました。

・韓国海軍の次の主力艦となるステルス駆逐艦「文武大王艦」4500トンが蔚山市の現代重工業造船所で11日進水し、盧武鉉大統領も進水式に出席しました。7世紀の統一新羅時代の名君の名をつけたこの「文武大王艦」は、現在の主力駆逐艦である広開土大王艦クラスより、1000トン大きく、長さ150メートル、幅17.4メートル、深さ7.3メートルで、最大29ノット(時速54キロ)のスピードを出すことができ、1万200キロの航続距離を持っています。そして、対空や対艦のミサイルを甲板の下から垂直に発射できるとともに、ミサイル防御用兵器、潜水艦攻撃用の魚雷、海上作戦用ヘリコプター1機を搭載し、300人が乗り組みます。「文武大王艦」は、今後、艤装を進め、試験航海をした後、来年夏、海軍に引き渡されます。

・韓国と日本の航空会談が、9日、10日の2日間、ソウルで開かれ、仁川と熊本の間に新たな路線を開設することが決まりました。これとともに、仁川と、東京、大阪、札幌、福岡とを結ぶ便も客席の数を増やすことになりました。建設交通部が11日発表したところによりますと、仁川と熊本の間に新しい路線を開設し、片道週510席の規模で運航することが合意され、今後この枠の中で航空会社や便数、開設時期を決めることになりました。また仁川−東京線をさらに週700席、仁川−大阪線を週400席、仁川−札幌線を70席、釜山−福岡線を80席と、あわせて1200席を増やし、いずれも韓国側が運航することで合意しました。しかし、仁川と日本の地方空港との間に大型機を投入するための座席数の拡大については、日本側の反対で改めて協議することになりました。

・大田の北東にある大統領の別荘「青南台」が、22日から一般に公開されます。この別荘は、大田と清州の間、忠清北道清原郡文義面の大田湖に面した180万5000平方メートルの広い敷地に、地下1階地上2階の建物や、ゴルフ場などの施設があり、83年、全斗ファン元大統領時代に作られ、歴代大統領が休養と思索のために使っていましたが、盧武鉉大統領は選挙公約で一般への公開をうたっていました。この「青南台」をみるには、予約が必要で、忠清北道のトホームページ(www.cbtour.net)に申し込み、先着順に一日800人を受け付けます。午前10時から午後6時までで、毎週月曜日は、休館です。

・高麗大学は、キャンパスのへいを全部なくして、代わりに木を植え、住民が自由にキャンパス内に出入りできるようにすることになりました。このため高麗大学の本部キャンパスがある城北区は、大学のへい2.2キロを撤去して、ここに花壇を作ったり、柿の木など1000本の木を植えるための予算20億ウォンをソウル市に要請しました。ソウル市は、この計画を支援する方針で、西大門区にある延世大学など5つの大学に対しても、キャンパスのへいをなくすよう勧めることにしています。

・イタリアのトラパニで11日行われた世界青少年フェンシング大会で、韓国の東国大学のオ・ウンソク選手(20)が、サブールの種目では韓国で初めての銀メダルを獲得しました。オ・ウンソク選手は、これまで国際大会に一度も出場した経験がなく、世界ランキングにも入っていませんが、この大会では、世界ランキングトップクラスのヨーロッパの強豪を連破し、決勝に進みました。決勝戦では、世界ランキング7位のロシアのヤキメンコ選手に惜しくも10対15で敗れ2位となりました。

・韓国外換銀行が公示した11日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1025ウォン30銭で、前日に比べて7ウォン80銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1228ウォンで、前日に比べて11ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は、582.97ポイントと、前日より5.24ポイント上昇しました。

・11日のソウルは雨、午後3時の気温は9度3分でした。12日は、弱い気圧の谷の影響で、全国的に雲の多い一日となりそうです。全国の朝の予想最低気温は、6度から11度、日中の最高気温は16度から22度となっています。

4月10日木曜日

・バグダッドの陥落にともなって韓国軍の工兵大隊と医療部隊のイラクへの派遣時期を早めることになり、先遣隊は来週17日ごろにクウェートに派遣される模様です。韓国国防部の関係者によりますと、できれば来週17日にまず、参謀ら20人の先遣隊をアメリカ中央軍前線司令部があるクウェートに送り込む予定だということです。国防部ではこれに続いて、150人規模の第2陣を今月末に出発させますが、本隊500人は予定通り5月下旬に派遣する方針です。派遣先については、アメリカ側と協議中です。

・国連の安全保障理事会は10日、北韓の核開発問題について初めての本格的な協議を行いましたが、アメリカが求めた北韓非難の議長声明については、中国が賛成しなかったことから見送りとなりました。韓国時間で10日、ニューヨークで開かれた安保理の非公式協議で、アメリカが非難声明の必要性を訴えたのに対し、中国は、米朝間の交渉による解決を図るべきだという立場から、強く反対し、各国は北韓がNPT=核拡散防止条約からの脱退に強い懸念を表明したものの、北韓を非難する安保理議長声明をまとめることができず、話し合いは事実上決裂となりました。安保理議長国のメキシコのアキラシンセール国連大使は協議終了後、記者会見し、「安保理としては今後の北韓の出方を見守ることにした。それ以外はコメントすることがない」と述べるに止まり、当面は安保理での論議よりは、中国の北韓への説得や多国間協議の枠組みづくりなどを見守る情勢です。

・一方、北韓は10日、「韓半島の核問題を国連安保理で扱うこと自体が直ちに戦争の兆しを意味する」と非難しました。北韓の平壌放送は10日の対談番組で「国連の安全保障理事会にかつてイラク問題が上程され、論議したことを、アメリカはイラク攻撃の口実に悪用し、イラクがアメリカが要求する核査察に応じたのにもかかわらず戦争が起きた。アメリカとの間で不可侵条約を結んだとしても、戦争を防ぐことはできないことをみせている」と強く非難しました。

・アメリカ国務省のケリー東アジア太平洋担当次官補は10日、「北韓の核問題はイラク問題は違う」と述べ、この問題は依然として外交的かつ平和的方法で解決する方針を明らかにしました。ケリー次官補は10日、ワシントン駐在の韓国特派員向けの記者会見で、イラク戦争がアメリカの北韓核問題の解決に及ぼす影響について、このように述べるとともに、「北韓が多国間協議の方がより多くのチャンスになることを理解するまでには時間がかかるかも知れないが、まだ希望は残っている」と述べました。

・国会の司法委員会は、2000年6月の南北首脳会談直前に現代グループが政府の意を受けて北韓に巨額の資金を送った事件を捜査するための特別検事制法の改正について、現代グループが送金したとみられる北韓が外国に持つ口座と、これにかかわった北韓関係者についても捜査はするものの、捜査結果については一切公開しないことで合意しました。これは、ハンナラ党の李キュテク総務が10日、党役員会議に報告したもので、これについてハンナラ党内部では、口座と関係者の名前を公開すべきだとする強い要求がありましたが、朴ヒテ代表代行の指示で特別検事の判断に任せることにしたということです。しかし、与野党は、特別検事の捜査期間を120日間から100日間に短縮することや、処罰条項を挿入する問題は、さらに協議を重ね、慎重に判断することになりました。

・韓国人が感じる幸せの平均は100点満点にすると66点くらいであることが分かりました。また北韓を警戒すべき対象とみている人が最近増え始めていることが分かりました。ソウル大学社会発展研究所は、今年1月、済州島を除く全国の20歳以上の男女1,200人を対象に、「韓国社会の国民意識と価値観」について調査しました。その結果、「もっとも幸せな人生を100点満点に想定した場合、自分の幸せ指数は何点くらいなると思いますか」という問いに、平均で66.5点で、外貨危機前の97年の調査より3.7ポイント上昇しました。また5年後の幸せ指数について、今の平均数値より10点以上高くなると予想し、韓国人は未来に対して、楽観的な価値観を持っていることが分かりました。そして幸せな暮らしのためにもっとも大事なことについては、健康を挙げている人がもっとも多く、次に経済的な豊かさ、配偶者との愛、宗教、職場の安定、子どもの成功の順でした。一方、「北韓は韓国にとってどういう対象なのか」については、全体の46%が協力対象と答えたものの、警戒の対象と答えた人が31%で、96年の調査と比べて5倍以上も増えていました。また「北韓が核開発を放棄しない場合、支援を続けるべきか」という問いについては、半数以上の61%の人が否定的だと答え、大半の人が北韓への支援について、慎重な態度をみせていることが分かりました。

・新型肺炎SARSの感染を予防するため、仁川国際空港では職員全員がマスクをつけて勤務することになりました。仁川国際空港の税関では出入国の乗客に不安感を与えるとして、マスクをつけないようにしていましたが、外国の空港ではマスクをつけている例が多いことが分かったため、10日からマスクを着用しました。しかし、仁川国際空港では、税関がマスクをつけるのは、中国、香港、シンガポール、台湾、カナダなど、SARSによる死者が発生している国と地域からの便についてだけにします。仁川国際空港ではすでに今月3日から、旅客機とターミナルを結ぶボーディングブリッジの操作員をはじめ、清掃担当者やカート整理係など、入国者と直接接触する職員は、マスクをつけて勤務しています。また、免税店の従業員にもマスク着用を勧告しています。

・韓国のサラリーマンは、円満な職場生活のためには、業務能力以外に「マナー」を最も重要だと考えていることが分かりました。これは、韓国の採用情報会社がサラリーマン1400人を対象に調査したもので、それによりますと、「円満な職場生活のために業務能力以外に必要なものは何だと思いますか」とい質問に、「同僚同士のマナー」と答えた人が37.8%と最も多く、次いで「会社の雰囲気に見合う処世術」、「ユーモアのある話術」、「幅広い人脈」、「上司の好き嫌いを把握する能力」、「好感の持てる印象」、「報告書の作成能力」の順でした。この他、「個人的な財力」や「親切な電話の応対」「コンピューターの管理能力」という答えも目立ちました。

・来週水曜日16日、ソウルで行われるサッカーの韓国対日本の試合に出場する韓国代表チームのメンバーが決まりました。それによりますと今回は日本と同じように日程の関係でヨーロッパで活躍している韓国人選手の招集はなく、国内のクラブと日本のJリーグで活動している22人が選ばれました。FWは、日本のJリーグで活躍しているアン・ジョンファン、チェ・ヨンスら4人、MFは、去年W杯で活躍したユ・サンチョル、イ・チョンスら8人、DFは、去年W杯で鼻の骨が折れたあとも、マスクをつけて出場していたキム・テヨンら8人です。また、GKには、W杯でお馴染みのイ・ウンジェら2人が選ばれました。韓国チームのコエーリョ監督は、「今回は私が求めるシステムに合う選手を中心に、新旧選手の調和を図った。ヨーロッパにいる選手を招集できなかったが、戦力にはまったく問題ない。韓国チームの圧迫守備とスピーディーな試合運びで、必ず勝ってみせる」と自信のほどを述べました。韓国代表は14日に招集され、16日の試合に臨みます。

・韓国外換銀行が公示した10日午後3時の為替レート、日本の円100円は、1033ウォン10銭で、前日に比べて12ウォン34銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1239ウォンで、前日に比べ、15ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の10日の総合株価指数は、577.73ポイントで、前日に比べて、8.26ポイント上昇しました。

・10日のソウルは晴れ、午後3時の気温は17度4分でした。11日は全国的に曇り、または雨になる所も多いでしょう。11日の全国の予想最低気温は、5度から11度、最高気温は14度から19度と予想されています。

4月9日水曜日

・イラクの首都、バグダッドが陥落しました。バグダッドでは韓国時間で、9日午後9時半ごろから、市の中心部にアメリカ軍の戦車がぞくぞくと集まり始め、市民の歓迎を受けました。散発的にあったイラク軍の抵抗もなくなり、アメリカ・イギリス合同軍は、開戦21日目で事実上勝利しました。カタールにあるアメリカ中央軍前線司令部は、韓国時間で9日夜8時、記者会見し「もはやフセイン政権は、首都バグダッドを支配していない」と述べ、バグダッドが陥落したという見方を示しました。アメリカ・イギリス合同軍は、バグダッドの北200キロにあるフセイン大統領の出身地、テイクリートに向けてさらに進撃を続けています。バグダッドでは、前日まで報道陣の前に姿を見せていた情報相ら要人の影も見えず、軍人や警官の姿はまったく見られなくなりました。またイラク国営テレビも沈黙を守っています。こうした中で市の中心部に集まった市民たちは、そびえ立っていた大きなフセイン大統領の銅像の首にロープをかけてクレーン車で引き倒し、人々は倒れた銅像の上に上がって歓声を挙げました。市内では、無政府状態となっているため、政権の施設や商店からの略奪が行われており、市民はアメリカ軍に向かって「グッド、グッド、ブッシュ」と叫びながら拍手を贈るなど、歓喜を声を上げているということです。

・韓国の盧武鉉大統領とアメリカのブッシュ大統領は来月14日ワシントンで首脳会談を行い、北韓の核開発問題など懸案について話し合うことになりました。盧武鉉大統領は大統領に就任後、初の外国訪問として、来月11日から17日までの7日間、アメリカを訪問することになり、ワシントン、ニューヨーク、サンフランシスコの順にまわって、アメリカ政府・議会の関係者や経済界、韓国人同胞らと会い、新政権の経済、安全保障政策を説明し、協力を求める計画です。今度の首脳会談では北韓の核問題とともに、韓国駐留アメリカ軍の今後のあり方を含めた韓米同盟関係や両国間の経済協力についても協議されます。

・韓国駐留アメリカ軍の再配置と縮小は当面、留保される見通しとなりました。韓国とアメリカは、韓国駐留アメリカ軍の今後の役割と任務を再調整するため8日、9日の2日間、ソウルで「韓米同盟政策構想協議会」を開いて協議しましたが、9日、韓半島の安定のために韓国軍の役割を増大させ、韓国駐留アメリカ軍は北東アジア全体の安定に寄与する方向で、将来の韓米同盟関係を変えていくことを内容とする共同報道文を発表しました。アメリカ側は「韓国駐留アメリカ軍の後方配置について、今回は具体的な話し合いはなかった。再配置についての韓国国民の憂慮を理解する」と述べて、アメリカ軍の再配置は韓国の要求どおりに北韓の核開発問題と連携して論議していく可能性が出てきました。韓米両国はまたソウルの龍山にあるアメリカ軍司令部は早期に移転することで合意し、具体的な内容は今後の協議で詰めていくことになりました。韓米両国は来月アメリカで2回目の協議を行います。

・10日は、北韓がNPT=核拡散防止条約からの脱退を宣言して3カ月目となり、脱退が正式に決まることになります。NPTの規定では、条約当事国がNPTから脱退するには3カ月前に国連の安全保障理事会などに通報することで、脱退できることになっています。一方、国連 安全保障理事会の常任理事国5カ国は8日、北韓の核開発問題について非公式会議を開き、北韓の一連の核開発の動きに対して非難する声明を採択するかどうかを協議しましたが、中国の反対などで非難声明の採択を求めないことになりました。これについて 国連駐在の王英凡中国大使は7日、会議の後の記者会見で「中国は国連安保理が北韓問題について建設的に対応することを希望する」と述べました。北韓は核開発問題で、安全保障理事会が北韓に対する制裁決議を行うと、戦争とみなすと強い姿勢をとっています。

・北韓の核開発問題を解決するため、アメリカが提案している多国間の枠組みを北韓が受け入れる可能性があるのではないかという期待感が出始めています。政府は先月、ロシア・中国・アメリカに関係者を送り、北韓問題を協議しました。また尹永ェ外交通商部長官は今週10日から3日間中国を訪問し、北韓問題について中国側の働きかけを要請する計画です。これに先立って尹永ェ外交通商部長官はKBSTVに出演し、北韓問題について「慎重ではあるが、北韓が対話に乗り出すのではないかと楽観している」と述べました。またアメリカ国務省のケリー次官補は先月末「北韓がこれまでの主張を一部緩和している」と楽観的な展望を示しました。さらに先月31日、北韓の国連代表部の次席大使とアメリカのプリチャード大使がニューヨークで接触した際、北韓はアメリカの提案をその場で拒否しなかったと報道されている上、中国やロシアがアメリカの多国間の枠組みを一部受け入れる姿勢を示したことも、北韓の態度が変わる可能性をうかがわせています。

・盧武鉉大統領は8日、文化観光部の業務報告を受けた席で、「金剛山観光は将来大きなメリットが期待される。統一部の事業と思わないで、韓国観光公社などとも積極的に検討してほしい」と述べました。金剛山観光は現在東海岸から船で行く観光が週2回行われていますが、新しく始まった陸路による観光は2月末に3回行われただけで、北韓が鉄道工事を理由に中止し、今年8月以降にならないと再開できない見通しです。また金剛山観光を経営している現代アサンの経営難を解消するため、政府が支援した900億ウォンは、現在56億ウォンしか残っていません。さらに学生やお年寄りなどを対象とした観光費用の政府の一部肩代わりも今年の分は国会の承認を得てないため中断されています。

・今年1月、中国山東省の煙台から漁船で日本や韓国に密航しようとした北韓脱出者50人あまりが中国の公安当局に拘束され、このうち30人が北韓に強制送還されたと東京新聞が9日報道しました。また北韓脱出者を支援した韓国のNGO=非政府組織のメンバーら3人は、中国の検察によって起訴されました。これらの北韓脱出者は今年1月18日、およそ80人が2隻の船で韓国と日本に密航しようとしましたが、このうち50人あまりが拘束されていました。

・97年の大統領選挙の際、国税庁の幹部が企業から当時の与党 ハンナラ党の選挙資金を集めた事件は事実であることが確認されたものの、時効が成立していると8日、ソウル地方検察庁が発表しました。それによりますと、当時 国税庁次長だった李ソッヒ氏は97年10月から12月の大統領選挙直前まで、ハンナラ党の関係者と選挙資金集めについてホテルで協議し、ハンナラ党に選挙資金を寄付していない大手企業のリストを受け取って、その企業に寄付金を出すよう求めるなどして、ハンナラ党の選挙資金として総額166億3,000万ウォンを集めました。検察側はしかし「これらの事件はすでに時効が成立しているため、これ以上捜査を進めない」と述べ、寄付に応じた企業のリストも公開しませんでした。これで事件発表以来、アメリカで逃亡生活を送っていた李ソッヒ元次長は先月、韓国に連れ戻されただけで、責任は問われないことになりました。

・国連は、中国に駐在している国連職員がSARS=重症急性呼吸器症候群に感染した場合、韓国で治療が可能かどうかを韓国政府に打診してきていたことが分かりました。保健福祉部によりますと、フィンランド出身のILO=国際労働機関の職員が中国でこの病気に感染して死亡した後、国連の関係者が韓国政府に、中国で感染した国連職員を韓国に運んで治療できるかどうかの可能性を打診してきたということです。これに対して韓国政府は、公式要請でもなく、中国から患者が運ばれることは危険だと判断して、断ったということです。

・韓国は「国家」という社会的な価値を優先していた20年前に比べて、最近の大学生は「幸せ」など個人的な価値を重要視しているという調査結果が出ました。ソウルの成均館大学心理学科のハン・ドクウン教授らは1982年から去年まで10年おきに大学の新入生7,000人を対象に意識調査を行った結果、去年も1位は「家庭の安ねい」をあげる学生が一番多く、「家庭の安ねい」はこの20年間、1位か2位を守ってきました。この反面、82年は2位だった「国家の安全」は20年経った去年は17位になりました。その代わり「楽しい生活」「豊かな生活」など個人の幸福追求は軒並み順位が上がり、20年前に比べて社会的な安定より個人の幸せを重要視している結果となりました。

・発砲スチロールなどで作ったカップめんの容器が今年から段階的に紙などに変わります。環境部はカップめんの容器の廃棄量を生産段階から減らすため、メーカーに対して、生産量の20%を紙やパルプなどに変えるよう指導していくことを決めました。新しいカップめんの容器を2005年には30%、2007年には35%以上に増やしていく方針です。韓国では年間およそ9億2,000万個のカップめんが製造されています。

・韓国外換銀行が公示した9日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,045ウォン44銭で、前日に比べて3ウォン91銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,254ウォンで、前日に比べて50銭のウォン高でした。韓国株式市場の9日の総合株価指数は、569.47ポイントと、前日に比べて17.85ポイント下落しました。

・9日のソウルは曇りのち晴れ、午後3時の気温は10度5分でした。東部の江原道の山間部は9日未明から雪となり、最高で25センチの積雪となりました。10日は全国的に晴れのち曇り、全国の予想最低気温は1度から8度、日中の最高気温は16度から20度という予報です。

4月8日火曜日

・韓国駐留アメリカ軍の今後の役割と任務を再調整するための「韓米同盟政策構想協議会」の初めての会議が8日から2 日間の日程で、ソウルの韓国国防部で始まりました。会議には、韓国国防部からチャ・ヨング政策室長、アメリカ国防総省からリチャード・ロリス東アジア太平洋担当副次官補がそれぞれ首席代表として出席しました。アメリカ軍側は、ソウル龍山区にあるアメリカ軍司令部と休戦ライン近くに駐留しているアメリカ陸軍部隊を、漢江より南の後方地帯に移転させるとともに、歩兵1個旅団を削減する計画を韓国側に通告しました。これに対して韓国側は、アメリカ軍部隊の後方配置と兵力削減は、北韓の核問題が解決した後に本格的に論議を始めたいと述べました。韓国とアメリカは、このほか、移転費用の負担や、戦争が起きた時の作戦統帥権を韓国側に委譲する問題などを協議し、今後2年間、1−2か月に一度、定期的に政策協議会を開くことにしています。

・国会は8日、対政府質問の2日目に入り、新政権の統一・外交・安保政策について与野党議員5人が質問しました。 これに対して高建国務総理は南北問題について、「今月4日に行われた盧武鉉大統領とブッシュ大統領との電話会談で、ブッシュ大統領は、北韓の核問題解決のために韓国とアメリカが緊密に協力することを約束し、外交手段で問題解決に臨む方針を明らかにした」と述べました。また高建総理は、2000年の南北首脳会談の合意事項は有効であり、核問題を平和的に解決するものと信じているが、今のところは、進展はないとも述べました。また丁世鉉(チョン・セヒョン)統一部長官は、北韓の核問題解決のためには、北韓とアメリカとの実質的な対話がかぎとなるという前提のもとで、多国間協議についても関心を示すよう、中国とロシアを通じて北韓に働きかける努力を進めていると語りました。

・盧武鉉政権発足後、初めての国政選挙となるソウルと首都圏の3つの選挙区での補欠選挙の選挙戦が、8日、始まりました。3つの選挙区は、いずれも与党・民主党が占めていましたが、選挙違反で議員が失格になったり、大統領府入りして議員を辞職したりしたため、補欠選挙となりました。このうち、ソウルの陽川区乙と、京畿道・議政府市では、与党・民主党と、野党・ハンナラ党の候補が、また京畿道・高陽市・徳陽区甲では、野党・ハンナラ党と、改革党の候補がそれぞれ立候補しました。投票は、今月24日に行われます。

・韓国の保健当局は、SARS=重症急性呼吸器症候群の韓国への上陸が迫っているものとみて、これに感染したかどうかを確認する診断試薬500人分を緊急に確保したと、8日発表しました。この診断試薬は、「コロナウィルス」がSARSの原因とみられることから、ドイツから入手した「コロナウィルス」の診断試薬です。国立保健院は、この診断試薬を使えば、5日から一週間で感染したかどうか確認できるとしています。

・SARSが世界に広がっていることで、ソウル近郊のアメリカ系の京畿道城南市にあるソウル国際学校が7日から休校に入りました。この学校には外国人の小中高校生800人あまりが在学していますが、学校では「先月28日から今月6日までの春休みの間に、かなりの在学生が海外旅行に出かけていたため、7日の新学期開始を12日に延期して様子をみる」と話しています。

・SARSの流入を防ぐため、15日からソウルで開かれる予定だった国際会議が初めてキャンセルとなりました。キャンセルとなったのは、財政経済部傘下の世界経済研究院が主催する「21世紀委員会のシンポジウム」で、アメリカの政界や財界、マスコミ関係者20人あまりが出席することになっていましたが、SARSを恐れて欠席を通告してきたため無期延期となりました。

・北韓の朝鮮中央テレビは、7日夕方の報道番組で、重症急性呼吸器症候群の症状を紹介し、特別な治療法がないとして、住民に注意を呼びかけました。朝鮮中央テレビは、「重症急性呼吸器症候群が発病した国は22カ国2,400人に至っている、エイズより恐ろしい肺炎だ」と紹介しました。

・盧武鉉大統領は、7日、ソウルプレスセンターで行われた「新聞の日」のレセプションに出席してあいさつし、「政府が、権力を振って言論改革を行うのは適切ではない。言論機関改革は、言論機関自らと市民にゆだねることが望ましい」と語りました。盧武鉉大統領はこの中で、「言論が、権力の誕生を左右することは望ましくない。言論機関と権力との関係は、けん制と均衡をとることだ」と述べました。また盧武鉉大統領は、「言論の自由は無制限の自由を意味するのではない。本当の意味での言論の自由は、記者に対して報道の自由を保障することではないか」と述べました。盧武鉉大統領は、2日、国会で行った施政方針演説で、「金大中前政権は、発行部数の70%を占める大新聞社3社に強く批判され、自分もその影響を受けた」と述べて、新聞3社の姿勢に批判的見解を示していました。

・景気低迷の中でも躍進を続けていたインターネットのショッピングモールが景気低迷のあおりを受け始めています。統計庁によりますと、サイバーショッピングモールの2月の売り上げ額は5,638億ウォンで、1月に比べて4%ほど減り、8カ月ぶりに減少に転じました。品目別には飲み物や健康食品が15%と減少幅が最も大きく、次いで生活用品、自動車用品、旅行商品が10%ほど減っています。一方、インターネット・ショッピングモールの事業者数は3,082と1月より3%増えました。これについて統計庁は「デパートなどに比べてこれまで景気の影響を受けてこなかったショッピングモールの売り上げが減ったことは、消費者心理がかなり い縮したことを意味する」と説明しています。

・釜山港と北九州市の小倉港の間に今月23日から新しい客船航路が開設されます。釜山−小倉航路に就航するのは、韓国のムソンフェリーの快速船「ドルフィン・ウルサン号」790トンで、乗客417人を乗せて、3時間で走ります。当分の間、水曜日と金曜日の週2回、運航します。現在釜山からは、下関、福岡、大阪、広島、対馬の旅客船航路があるためこれで6つ目となります。このほか、ウルサンと小倉の間にも航路があり、これで韓国と日本の間の客船航路は、あわせて7つの航路、12隻となります。

・韓国外換銀行が公示した8日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,049ウォン35銭で、前日に比べて8ウォン59銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,254ウォン50銭で、前日に比べて1ウォン90銭のウォン高でした。韓国株式市場の8日の総合株価指数は、587.32ポイントと、前日に比べて1.42ポイント上昇しました。

・8日のソウルは晴れ、午後3時の気温は13度7分でした。9日は江原道山間部や東海岸は曇りところによって雨、その他の地域は晴れところによって曇りとなるでしょう。9日の全国の予想最低気温は1度から8度、日中の最高気温は12度から18度という予報です。

4月7日月曜日

・アメリカ・イギリス合同軍は、イラクの首都、バグダッドを包囲するとともに、 南部から戦車と装甲車で中心部への進撃を進めています。アメリカのフォックステレビは、韓国時間で7日午後2時すぎ、中心部にある主な大統領宮殿に、星条旗を持ったアメリカ兵が入り込むところを実況中継しました。またイラク情報省もアメリカ軍が占拠し内部を捜索したと伝えられています。イラク軍の抵抗は散発的であるところから、アメリカ・イギリス軍のバグダッド全域の制圧は近いものとみられています。

・イラク戦を取材している韓国の民放のソウル放送=SBSの記者ら5人がイラクのバスラで取材中に、イラク軍に抑留され脱出したことが分かりました。ソウル放送によりますと、社会部のチョウ・ゾン記者ら5人は韓国時間で5日午後1時頃、バスラで取材中にイラク軍に抑留されました。取材団はイラク軍から4時間にわたってバスラまできた経緯などについて取り調べを受け、カメラ2台を押収され、イラク法務省職員の監視を受けて、ホテルで一夜を過ごしました。取材団はイギリス軍の攻勢が強まり、監視していた法務省職員が一時 席を外したすきの韓国時間で6日夜10時ごろ、ホテル従業員の助けを借りて脱出したということです。チョウ・ゾン記者は「バスラはすでにイギリス軍に制圧されたと思って、市内に入ったが、まだイラク軍の統制下にあった。イラク軍は親切に対応してくれた」と話しており、5人にけがはなかったということです。

・新政権が発足して初めての南北当局間の高官による会談となるはずだった第10回南北閣僚級会談の開催が流れました。南北閣僚級会談は7日から10日まで北韓の平壌で開かれる予定でしたが、韓国側は2日、板門店の連絡官を通じて実務接触を提案しましたが、北韓から何の返事もなく、7日からの閣僚級会談は実現しませんでした。しかし、北韓最高人民会議常任委員会のヤン・ヒョンソプ副委員長は5日、韓国に対して対話と協力の雰囲気を作らなければならないと主張したことから、韓国政府は今の時点で南北当局間の会談の開催は厳しいとする意向を間接的に示したものと受け止めています。これに対して韓国政府は7日、丁世鉉統一部長官名で北韓に電話通知文を送って遺憾の意を表明するとともに、対話の再開を求めました。統一部当局者は「アメリカのイラク攻撃など、韓半島を取り巻く国際情勢が流動的であるため、北韓は情勢を見極めようとしているのではないか」と話しています。

・尹永ェ外交通商部長官は6日「北韓、アメリカ、韓国と周辺各国の外交的な努力が実を結べば、国連を通じた北韓への対応を遅らせることもできると思う」と述べ、国連の場で北韓問題を取り扱うことについて慎重な姿勢を示しました。尹永ェ外交通商部長官は6日、KBSテレビの時事番組に出演し、「韓国政府は国連の安全保障理事会という公式ルートを通じて北韓問題を取り扱うより、周辺各国の外交努力が成功できれば、あえて国連という枠組みを通じなくても問題を解決できるのではないか」と述べました。

・国会は7日から対政府質問に入り、与野党議員は新政権の改革やマスコミ政策、イラクへの派遣と北韓問題について質問しました。このうち、北韓問題について、与党 民主党の議員は「イラクに韓国軍を派遣する見返りとして韓国政府はアメリカから韓半島での戦争防止の約束を取り付けたのか」や「北韓の核開発問題を解決するための韓半島平和開発基金を創設してはどうか」などを質しました。これに対して、高建国務総理は「イラクへの工兵大隊・医療部隊の派遣時期は今年末までとしているが、延長も可能だと考えている」と答えました。またマスコミ政策について、与野党の議員は政府の一部日刊紙への対立意識と地上波放送の独占・か占状態への是正方針などを質しました。また盧武鉉大統領の側近2人が99年に倒産した、総合金融会社から2億ウォンと5,000万ウォンを受け取っていたとされている疑惑について与野党議員は徹底した捜査を求めました。8日は統一・外交分野、9日は経済分野、10日は社会・文化分野別の対政府質問が行われます。

・2000年の南北首脳会談の直前に北韓の金剛山観光を経営している現代が北韓に巨額の資金を送金した疑惑について捜査する特別検事制度の改正に向けて与野党は7日、院内総務の会談を行いました。両党は改正点について▼北韓の関係者の名前と北韓の銀行口座を非公開にすること、▼捜査期間を最長100日間に短縮すること、▼法案の名称から‘南北首脳会談’という単語を削除することなどについてはほぼ合意しました。しかし北韓に送金したルートの捜査や被疑事実の公表と処罰の明文化についての協議は、難航するものとみられています。

・北韓住民3人が東海(日本海)を小船に乗って韓国に亡命してきました。6日未明、江原道 江陵市ジュムンジン港から2マイルの東海(日本海)で、3人が乗った幅1.7m、長さ5mの小船が漂流しているのを操業中の韓国漁船が発見し、3人は海洋警察に保護されました。この3人は北韓の咸鏡南道に住む46才の男性と、20才の息子、それに男性の40才になる弟で、亡命の意思を示しました。3人は今月2日午後、北韓の港を出港し、機関の故障で漂流しているうちに、5日、韓国の領海に入ったということで、船の中には豚肉少しと燃料、リュックサック、塩などがありました。東海(日本海)から亡命してきたのは、87年以来のことです。軍のレーダーにこの船が写らなかったことについて、軍当局は「レーダー網は行き届いているが、今回のような小さな木の船は波に隠れたりするため、レーダーで捕捉することは難しい」と話しています。

・日本の2002年度の輸入車の販売台数が2年ぶりに増加に転じましたが、その中でも韓国製自動車の販売は70%以上増えたことが分かりました。日本工業新聞が伝えた日本自動車輸入組合の調査結果によりますと、2002年度の日本での輸入車の新規登録台数は27万9,300台あまりで、前の年度に比べて3.5%増えました。このうち、韓国製自動車の新規登録台数はおよそ3,000台で前年度の1,700台に比べて72%増となりました。このうち現代自動車が2,000台あまりと3分の2を占めました。

・アメリカのプロ野球メジャーリーグ、シカゴ・カブスで活躍している韓国人 崔ヒソプ1塁手(24)は、5日、3ランホームランを放ち、順調なスタートを切りました。去年9月、韓国人打者としては初めてメジャーリーグに進出した崔ヒソプ選手は、シンシナティ・レッズとのアウェー戦で出場し、3対8でカブスが負けていた5回表に3ランホームランを放ち、レッズとの差を縮めました。勢いに乗ったカブスは9対9の同点にまで追いつきましたが、8回に1点を許し、9対10で惜敗しました。一方、期待が集められていた投手陣は敗戦が続いています。去年までリリーフ投手として活躍したアリゾナ・ダイヤモンドバックスの金ビョンヒョン投手(24)は5日、ロッキーズとの試合に今シーズン初めて先発登板し、5イニングの間に三振3つを奪い、2失点で好投しましたが、打線に支えられず、敗戦投手となりました。また今シーズン開幕試合で最悪の投球となったテキサス・レンジャーズの朴チャンホ投手も7日、マリナーズとの試合に先発登板しましたが、制球力が乱れて4失点し、2敗目となりました。

・韓国外換銀行が公示した7日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,040ウォン76銭で、先週金曜日に比べて7ウォン92銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,256ウォン40銭で、先週金曜日に比べて1ウォン60銭のウォン高でした。韓国株式市場の7日の総合株価指数は、イラク戦の終結が近づいてきたのではないかという期待感と、アメリカのナスダック先物の急騰による投資心理で、585.90ポイントと、先週金曜日に比べて27.89ポイントも上昇しました。

・7日のソウルは晴れ、午後3時の気温は16度ちょうどでした。8日は全国的に曇りのち雨、午後南西の方から次第に晴れてくるでしょう。8日の全国の予想最低気温は6度から11度、日中の最高気温は14度から18度という予報です。

4月5日土曜日

・アメリカのブッシュ大統領は4日夜、盧武鉉大統領に電話をかけてきて、韓国国会がイラクに韓国軍の工兵大隊と医療部隊を派遣する案に同意したことについて、感謝の意を表明しました。電話による韓米首脳会談は、およそ20分間行われ、青瓦台の宋敬熙スポークスマンによりますと、ブッシュ大統領は韓国国会がイラクへの韓国軍の派遣に同意したことについて、改めて感謝の意を表明するとともに、北韓の核問題についても、外交的な努力で解決することが可能とみられるとし、できるだけ早く盧武鉉大統領がアメリカを訪問するよう要請しました。

・アメリカのプリチャード韓半島和平協議担当特使と北韓の韓成烈国連代表部次席大使が先月31日、ニューヨークで会談したと、日本のマスコミが5日報じました。今回の接触は、去年10月、アメリカのケリー国務次官補が平壌を訪問して、北韓の濃縮ウラン計画を確認して以来、初めての高官接触となります。この会談でアメリカ側は、北韓が使用済み核燃料の再処理や弾道ミサイルの発射実験などについて自制を促した上で、核問題の解決に向けた多国間協議に応じるよう求めたということです。アメリカが要求した多国間協議は、米朝に韓国、日本、中国、ロシアが加わる「6カ国協議」だったと、日本経済新聞は伝えており、これに対し北韓は直ちに拒否する姿勢は示さなかった模様です。これに先立って、韓国の尹永ェ外交通商部長官は先月28日から2日間、アメリカを訪問して、パウエル国務長官と会談し、多国間協議の枠組みを作った上で北韓が求める米朝2国間協議を始める内容の北韓問題「ロードマップ」を提案しています。

・韓国駐留アメリカ軍の再配置について、韓国とアメリカによる本格的な協議が来週8日と9日開かれる予定ですが、アメリカ国防総省の関係者はこの協議に先立って、韓国国防部に、休戦ライン近くに駐留するアメリカ軍部隊を後方に再配置したいという意向を伝えたきたことが明らかになりました。国防部の関係者によりますと、アメリカ国防総省のローリス副次官補が最近、韓国国防部のチャ・ヨング政策室長に対して、これまで非公式に伝えられていたアメリカ政府の考えを正式に伝えてきたということです。しかし、再配置の時期について、ローリス副次官補は「今年下半期に移転することを希望すると述べたことはない」と述べ、また韓国国防部の関係者は「時間的にも物理的にも不可能だ」と述べました。しかし、ソウル龍山区にあるアメリカ軍指令部を漢江より南に移転させることについて、ローリス福次官補は、「できるだけ早く移転したい」と述べたということです。これに対し、韓国国防部は北韓の核問題が解決した後にするよう、アメリカ側に要請しました。

・韓国は子どもの出生率が世界最低レベルになっているため、出産奨励政策を進めることになりました。保健福祉部の金花中長官は4日、 盧武鉉大統領への業務報告の中でこうした方針を明らかにしました。それによりますと、韓国の出生率は1960年代は6.0という高さを誇っていましたが、その後次第に下がり、一昨年2001年には、1.3と世界最低レベルに出生率が下がりました。このため、老後の年金や防衛などに深刻な問題が生じることから、出産手当と出産があれば、税金を軽減することや児童養育補助手当て、教育費の軽減などの方策を講じることになりました。これによって、2010年には出生率を1.37に引き上げたいとしています。

・東京港区にある韓国大使館の「韓国文化院」が東京新宿区に移転新築されることになりました。文化観光部は4日、韓国文化院の移転新築のため、日本の国土交通省が保有していた土地、2214平方メートルを買い入れ、2007年完成を目途に、来年から本格的な新築工事に入ることにしたと発表しました。駐日韓国文化院の移転新築には合わせて720億ウォンが投入される予定で、建物は述べ7260平方メートル、展示室や映画館、公演会場、図書館などの施設を設けることになります。

・韓国のプロ野球のペナントレースが5日開幕し、ソウル、大邱、光州、水原で、 去年優勝の三星ライオンズなど8チームが4試合を行いました。韓国のプロ野球は最近、入場客が減っているため、去年までは夜10時半以後は、新しいインニングに入らないことにしていたのを、今年からは時間にかかわらず、12インニングまで行います。また、これまでは勝率で順位を決めていたのを、勝ち試合数で決めることになり、秋までに、それぞれのチームが133試合を繰り広げます。

・韓国の桜は3月30日に南部の鎮海で満開になったのを手始めに、桜前線が北上し、5日にはソウルでも満開となりました。1400本のソメイヨシノが並ぶヨイドでは、初夏を感じさせる陽気に誘われて、家族連れが次々に繰り込んで、ようやく訪れた春を満喫していました。5日はまた、国民の祝日の「植樹の日」です。休戦ラインに近い京畿道のトラサン駅の側にある平和公園では、盧武鉉大統領らが2000本の植樹を行い、韓国の国の花のムグンファなどを植えました。また6日が、先祖の墓参りをする日であるため、各地の墓地は一足早く供養の食べ物を手にした家族連れでにぎわいました。一方、古都、慶州では、恒例の桜マラソン大会が開かれ、日本人ら外国人1000人を含む1万2000人が参加して、ボモン観光団地の中の満開の桜並木の間を走りました。

・5日は植樹の日で、取り引きはありません。韓国外換銀行が公示した4日の終値は、日本の円100円は、1048ウォン68銭、アメリカドル1ドルは1258ウォンでした。韓国株式市場も5日は休日のため、取り引きはありませんでした。4日の総合株価指数は、558.01ポイントでした。

・5日のソウルは晴れ。午後1時の気温は16度7分でした。6日もは全国的に高気圧の圏内に入り、晴れますが、夜、北西側から次第に曇ってくるでしょう。6日の予想最低気温は、2度から9度、最高気温は19度から21度と予想されます。

4月4日金曜日

・中国の北京から仁川空港を経由して台北に向かった台湾人1人が、台湾に帰国後、新型の重い急性肺炎とされる「重症急性呼吸器症候群」に感染していたことが確認され、国立保健院は、この台湾人と同じ大韓航空機で韓国に入国した乗客全員の調査に乗り出しました。国立保健院が4日発表したところによりますと、この台湾人は、先月28日午後4時頃、北京発の大韓航空852便で仁川空港に到着し、2時間ほど空港内の通過旅客区域で過ごした後、午後6時頃、タイ航空のTG635便で台湾に向かったということです。このため国立保健院では、この台湾人とともに韓国入りした乗客188人と連絡を取り、変わった症状があるかどうか確認を急いでいます。

・重症急性呼吸器症候群の感染者が相次ぎ、航空機の利用客が急激に減っているため、韓国の航空会社は中国、香港路線の運航回数を減らしたり、中止しています。このうち、大韓航空は、週8往復運行している仁川−北京路線を1往復減らして来週18日まで週7往復にするとともに、仁川−武漢、仁川−昆明、済州−北京、清州−上海路線については、当面運航を中止することになりました。またアシアナ航空も、仁川から、重慶、西安、桂林に向かう便の運行を今月末まで中止することになりました。この他、プサンから中国や香港、東南アジアに向かう便を合わせますと、重症急性呼吸器症候群で運航が中止になったのは、合わせて122便となりました。

・国会の各党代表演説2日目の4日、与党、民主党の鄭大哲(チョン・デチョル)代表は、困難な経済状況に対応できるよう「与野党政策協議会」を随時開催するとともに、政府は、追加予算の編成や短期的な赤字財政も検討する必要があると指摘し、さらに国民統合の政治を実現させるため、いまの小選挙区制を中・大選挙区制に変えるなど多角的な検討を進めることを提案しました。また鄭大哲代表は、「北韓の核問題解決のめどが立つまでは、韓米地位協定の改正要求や、韓国駐留アメリカ軍の削減を含む再配置についての論議は、自粛しなければならない」と主張し、韓米同盟関係を強化するため、政府レベルでの常設機関をつくることを政府に提案しました。鄭代表は、またハンナラ党が打ち出した南北国会代表団会談を受け入れる方針を明らかにし、さらに南北首脳会談や南北高官会議の開催についても検討する必要があると述べました。これについてハンナラ党は、「国政に対する哲学やビジョンがない内容で失望した」とする論評を発表しました。

・イラク戦争に派遣することになった韓国軍工兵大隊と、医療部隊のニックネームが決まりました。ニックネームは、工兵大隊は「徐ヒ」(ソヒ)、医療部隊は「李済馬」(イ・ジェマ)です。このうち、工兵大隊の「徐ヒ」(ソヒ)は、高麗時代、中国との国境紛争で卓越な外交能力を発揮した徐ヒ将軍の名前です。また「李済馬」(イ・ジェマ)は、朝鮮時代の有名な漢方医学者です。

・今年2月12日以降、公式の場に現れなかったため憶測を生んでいた北韓の金正日国防委員長が、3日、平壌の朝鮮人民軍のキム・ヒョンジク軍医学校を視察したと、朝鮮中央通信が伝えました。金正日国防委員長は、2月12日に平壌のロシア大使館での宴会を最後に50日あまりも消息が途絶えていました。

・北韓が1日、西海=黄海に向けて地対艦ミサイル1発を発射したという情報をめぐって韓国は事実を否定し、日本とアメリカの国防総省は発射の事実があったと、見解が分かれている問題で、韓国の丁世ヒョン統一部長官は3日、「韓国とアメリカがともにミサイル発射はなかったことを確認した。韓国とアメリカは、情報を十分に共有している」と述べました。これについては、韓国国防部の趙永吉(チョ・ヨンギル)長官も、「北韓がミサイルを発射したとされる地域は、ロケット砲の射撃場であり、ミサイルを発射できる場所ではない」と、アメリカによるミサイル発射情報を打ち消す発言をしました。

・朴クァンヨン国会議長は、南米チリとアメリカを訪れて、北韓の核問題や韓米同盟関係の強化について協議するため、4日、最初の訪問国、チリに向けて出発しました。朴国会議長は、チリで開かれるIPU=列国議会同盟の総会に出席した後、アメリカを訪れ、チェイニ−副大統領や、国連のアナン事務総長と会談し、北韓の核問題をはじめ、韓米同盟関係強化、イラク戦争での協力問題について協議する予定です。

・ロサンゼルス発 連合ニュースによりますと、アメリカは、3万7000人の韓国駐留アメリカ軍の再配置を早ければ2004年会計年度が始まる今年10月に着手し、ソウル龍山区にあるアメリカ軍指令部を漢江より南に移転させるとともに、休戦ライン近くに駐留するアメリカ軍部隊を後方に再配置することを希望しているとロサンゼルスタイムズが2日、ソウル発で報じました。これについて、アメリカのある政府高官は、「アメリカは、できるだけ早くこの作業に着手する計画だが、盧武鉉大統領は、北韓の核問題がある程度解決されるまでは、変化を望んでいないと伝えてきた」と語りました。

・アメリカのジョージ・ブッシュ元大統領が全経連=全国経済人連合会の招待で、来週14日、韓国を訪問します。ブッシュ元大統領は、16日までの3日間、韓国の経済5団体の代表をはじめ財界の有力者と会う予定です。全経連の関係者は、「ブッシュ元大統領の韓国訪問は、韓米友好協力関係促進の一環として行われるもので、北韓の核問題で揺れている韓米同盟関係を一層確かなものにする意味がある」としており、ブッシュ元大統領は、韓国滞在中、盧武鉉大統領とも会談する予定になっているということです。

・韓国の輸出主力品目が、今年も最高で50%近い伸びをみせ、韓国の輸出をリードしていることが分かりました。韓国貿易協会が4日明らかにしたところによりますと、去年輸出のトップになった「半導体」は、今年は3月末までに40億9000万ドルを輸出し、おととしに比べて10.24%増加し、無線通信機器をわずかの差で抑えてトップを守りました。2位の携帯電話を含む無線通信機器は、40億6000万ドルの輸出高を記録し、一年前より48.2%もの伸び率をみせました。3位は、自動車で、22.42%増の39億3000万ドル、4位は、コンピューター、5位が、船舶でした。

・去年、韓国人が海外で使ったクレジットカードの使用額が、外国人観光客が韓国で使ったクレジットカードより10億ドル上回りました。韓国銀行が4日明らかにしたところによりますと、去年、海外に出かけた韓国人は、おととしより17%多い延べ712万人にのぼり、海外で使ったクレジットカードは、24億5000万ドルで、おととしより28.3%も増えました。

・来週16日、ソウルのサッカーワールドカップ競技場で行われる韓日戦の入場券4万5000枚が、3日、販売開始5時間で全席売り切れとなりました。

・韓国外換銀行が公示した4日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1049ウォン17銭で、前日に比べて7ウォン66銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1259ウォンで、前日に比べて4ウォン22銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は、558.01ポイントと、前日より12.77ポイント上昇しました。

・4日のソウルは晴れ、午後3時の気温は18度9分でした。5日も引き続き高気圧に覆われ、全国的に晴れますが、朝のうち濃い霧がかかるところもあるでしょう。全国の朝の予想最低気温は、1度から8度、日中の最高気温は15度から21度となっています。

4月3日木曜日

・イラクへ韓国軍の工兵大隊と医療部隊を派遣することが2日、国会で同意されましたが、国防部は韓国軍の派遣先はクウェートを希望していることを、3日、明らかにしました。国防部は来週7日、将校3人を、カタールにあるアメリカ中央軍の司令部に送り込み、このような韓国側の意向を伝えることにしていますが、具体的な派遣先は、アメリカとの協議で決まることになります。そして指揮部を含めた150人規模の先遣隊を今月末に現地に送り込み、本隊は5月中旬に派遣する方針です。このため、来週中に派遣部隊の編成を終え、さらに1週間から3週間、国際法や交戦規則、現地の文化慣習などの研修と訓練を行う予定です。

・尹永ェ外交通商部長官は3日、2日イラクへ韓国軍の工兵大隊と医療部隊を派遣することを国会が同意したことを受けて、韓米同盟関係は今回の韓国軍の派遣によってさらに強化されるとともに、北韓の核問題の解決に大きく寄与するだろうと述べました。尹長官は3日、与党民主党の北韓核問題特別委員会に出席して、外交懸案について報告し、「国軍派遣の決定は、韓半島で戦争が起きる可能性に対する外国投資家たちの不安の解消にも寄与するものとみられる」と述べました。またアメリカ訪問の成果について 尹長官は、「北韓とイラクは状況や条件が違うため、北韓の核問題は外交的な方法を通じて、平和的に解決していくというアメリカ側の明確な意思を再確認した。アメリカはイラク戦争後、アメリカが北韓を武力攻撃するのではないかという推測を強く否定した」と強調しました。

・国会は2日、イラクへ韓国軍の工兵大隊と医療部隊を派遣することについての同意案を賛成多数で可決しましたが、反対票68票と、棄権9票の半分は与党民主党の議員であることが分かり、民主党は事実上2つに分かれたことが明らかになりました。民主党は在籍議員101人のうち、96人が派遣同意案の自由投票に参加し、賛成49人、反対43人、棄権4人でした。民主党の鄭大哲代表をはじめ、指導部の多数が賛成票を投じ、反対票を投じた43人は改革派の若手議員がほとんどを占めましたが、盧武鉉政権発足前の盧武鉉支持派と不支持派など、派閥とは関係がないことが分かりました。しかし与党なのに政府の方針に反対する議員が多いことで、こうした問題での党運営の難しさが浮き彫りになりました。

・市民団体の「参与連帯」と「民主社会のための弁護士の集い」は3日、国会のイラクへの派遣決議は憲法に違反しているとして憲法裁判所に国会決議の効力停止仮処分申請を出しました。これらの市民団体は、「国会の派遣決議は国際平和の維持と侵略戦争を否定している憲法の精神に違反しているだけでなく、憲法が認めている包括的な基本権の一つである『侵略戦争に参加しない自由』を侵したとして、明白な憲法違反だ」と主張しました。一方、民主労働党所属の弁護士10人も派遣決議は違憲だとして3日、憲法裁判所に提訴しました。このほか環境連合などの市民団体も、イラク戦に反対する「平和宣言」を発表するなど、反戦運動と派遣反対運動が続いています。

・政府は3日、イラクに1千万ドル規模の人道的支援を送ることを決めました。今回の支援は国際社会の人道的な支援の努力に参加するレベルで行われるもので、世界食糧計画と世界保健機関、さらに韓国国内のNGOなどを通じて、近いうちに行われる予定だと、外交通商部のイム・ホンジェ国際経済局長は説明しています。現在、イラクへ人道的支援を行っている国はアメリカ、イギリス、日本、ヨーロッパ連合など合せて14カ国です。韓国政府は一昨年の対テロ攻撃に伴うアフガニスタンの難民と周辺国への援助として、1,200万ドルを拠出しており、アフガニスタンの復興事業にも4,500万ドルを支援しています。

・国会は3日から各党の代表演説に入り、第一党の野党、ハンナラ党のハ・スンボン最高委員は、国会に北韓の核問題特別委員会を設置すること、イラク戦の長期化に備えた経済非常対策会議を発足させることを提案しました。ハ・スンボン最高委員はこの中で、「イラク戦への韓国軍の工兵大隊と医療部隊の派遣が同意されたため、今後はできるだけ早く反戦運動を収拾して、北韓の核問題の平和的解決に向けて、すべての知恵と力を集めなければならない。このため韓半島平和のための特別委員会を設置することを提案する」と述べました。ハ最高委員はまた、「この特別委員会を通じて、南北の国会代表者会議を北韓側に提案し、南北の国会議員が北韓の核問題の解決と韓半島に平和を定着させるための方法を話し合うこと」を提案しました。

・アメリカを訪問しているオーストラリアのダウナー外相は2日、北韓の核問題について、「北韓はごく小数で限られた多国間枠組み協議なら受け入れる可能性が高い」という見解を示しました。ダウナー外相は、ブッシュ大統領、チェイニー副大統領らと会談して、この問題を協議したとし、「アメリカは北韓が求めている安全保障の条件を満足させるために、不可侵条約ではなく、新しい北東アジアの安保の枠組みを模索しているものとみられる。また、中国も北韓に対して、アメリカが提案している多国間枠組み協議を受け入れるように、北韓に相当な圧力を加えている」と述べました。しかし、ダウナー外相は「北韓は安保理の常任理事国5カ国に、韓国、北韓、日本、オーストラリア、ヨーロッパ連合が参加する、いわゆる5+5の協議を拒否している。北韓はごく小数の国が参加する対話の場には応じるだろうという根拠を持っている」と述べました。オーストラリアは一昨年7月に北韓と正式に国交を回復し、今年1月には北韓に対してNPT=核拡散防止条約に復帰するよう説得する代表団を平壌に派遣しました。

・イラク戦争による原油価格の急騰で軽自動車の販売が伸びています。現代、起亜、GM大宇、ルノー三星、サンヨン の韓国の自動車メーカー5社の先月3月の国内販売量は9万9,195台で、前の月に比べ、6.7%増えました。このうち軽自動車の販売台数は4,808台で、前の月より29.6%も増えました。また、軽自動車が占めるシェアは4.8%となり、前の月の4%と比べて0.8ポイント高くなりました。軽自動車は現在、排気量800cc未満となっていますが、政府は軽自動車の普及を図るため、2005年からは1000cc未満に大きくすることにしています。

・韓国外換銀行が公示した3日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1056ウォン83銭で、前日に比べて2ウォン3銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,254ウォン84銭で、前日に比べ、1ウォン4銭のウォン安でした。韓国株式市場の3日の総合株価指数は、545.24ポイントと、前日に比べ、2.32ポイント上昇しました。

・3日のソウルは晴れのち曇り、午後3時の気温は18度5分でした。4日は気圧の谷の影響を受けて、午前中までは、全国的に曇り空が予想されますが、午後からは次第に晴れるでしょう。4日の全国の予想最低気温は、4度から10度、最高気温は13度から19度と予想されます。

4月2日水曜日

・イラクへ韓国軍の工兵大隊と医療部隊を派遣することについて、国会が同意しました。国会は2日午後3時過ぎから本会議を開き、政府が提出した派遣同意案について議員の自由投票で採決しました。その結果、出席議員256人のうち賛成179、反対68、棄権9の賛成多数で派遣に同意しました。イラクへの工兵大隊と医療部隊の派遣同意案については、反対の世論が強いため、先月25日以来、採決が3回も延期され、2日の盧武鉉大統領の施政方針演説を聞いてからとしていた与野党議員30人は、医療部隊だけを派遣する修正案を提出しましたが、反対多数で否決されました。しかし工兵を含めた派遣については先月25日の段階で、反対議員の数が10人程度とされていたのが、2日には反対と棄権を合わせて77と議員定数の3分の1近くにも膨れ上がったことは、この問題の困難さを改めて証明する結果となりました。

・国会での派遣同意案が可決したことについて、大統領府青瓦台の宋敬熙報道官は「派遣同意案を党派を超えて可決したことに深く感謝する。これは韓半島での戦争は防ぎたいとする盧武鉉大統領の苦心の選択を理解し、支持してくれた結果だと思う。国会の決定は韓米同盟関係をさらに強固なものにし、分裂している国論が一つにまとまる契機になることを期待する」と歓迎のコメントを出しました。

・野党ハンナラ党は論評を出し、「派遣同意案に賛成した議員も反対した議員も国益と良心にもとづいた苦心の末の決断である。政府与党は派遣同意案によって深まった分裂と反目を収拾するために努力しなければならない」と述べるとともに「国会議員の正当な投票行為が落選運動などにつながらないようにするとともに、これからは北韓の核開発と経済危機などの懸案を克服するため、力を合わせていかなければならない」と強調しました。

・国防部は工兵大隊と医療部隊を早ければ、今月下旬にも先遣隊から現地に送り込む予定です。国防部は、政府の国家安全保障会議でイラクへの支援方針が決まった先月20日、すでに派遣部隊の構成指針を陸軍に指示しました。陸軍はこれを受けて、工兵大隊は600人程度、医療部隊は100人規模で編成する計画を立てていますが、医療部隊には海軍と空軍からも応援を求めることが検討されています。国防部は、これら工兵・医療部隊の具体的な派遣先については、アメリカと協議してイラクや周辺諸国のうち比較的に危険性が低いところに配置させたいとしています。

・盧武鉉大統領は大統領自身による初めての国会での施政方針演説を2日、国会本会議場で行い、イラクへの韓国軍の派遣同意案の国会での成立を求めました。盧武鉉大統領はこの中で、「韓米関係をかっとうさせるより、これまでの友好関係と同盟を尊重し、アメリカが厳しい状況に立っている時に支援することが、北韓の核開発問題の平和的な解決にも役立つと思った。大儀名分を重視してきた私が派遣を決定したのは、国民の安全を守り、韓国で戦争を防ぐという責任があるからだ。議員のみなさんの選択に韓国の運命がかかっており、国民の代表として所信を持って国民の運命を決めていただきたい」と、工兵大隊と医療部隊の派遣同意案の成立を求めました。また盧大統領は韓米関係について「私は対等な韓米関係を強調してきたが、これは国民の安定が確保された上で可能なものだ。対等な韓米関係のため国民の生存を脅かす決定を下すとなれば、無謀なことだ。そのため、先に北韓の核開発問題を解決し、その後に、韓米地位協定の見直しを進める方針を決めた」と述べて、北韓の核開発問題の平和的な解決の重要性を強調しました。盧武鉉大統領はまた国政全般についての改革構想を示しました。この中で政治改革について盧大統領は、来年の総選挙から特定の政党が特定地域で3分の2以上の議席を確保できなくするよう選挙法の改正を求め、「このような制度のもとで、特定政党が国会で過半数以上の議席を確保すれば、その政党に内閣を作る権限を委ねる」と述べました。さらに経済政策については「国内外で経済が厳しい状況だが、一時的な効果を狙うための短期浮揚策は使わない」と述べ、また集団訴訟制や社外取締役制度を行えるようにする、不当な内部取り引きの是正、住宅や土地価格の安定を強調しました。

・大統領府 青瓦台の羅鐘一国家安全保障補佐官は、ロシアに続いて2日、北京入りしました。羅補佐官は中国の外交当局者らと会い、北韓の核開発問題の平和的な解決に向けて中国の働きかけを要請する方針です。中国は北韓に対する制裁に反対の方針を示し、公式的には米朝間の直接対話を支持していますが、最近はアメリカが主張している多国間の枠組み協議にも柔軟な姿勢を見せています。

・アメリカ国防総省は1日、北韓が韓国時間の1日午前、西側の海=西海=黄海に向けて地対艦ミサイル1発を発射したことを確認しました。アメリカ国防総省は「このミサイルは射程距離60キロ程度で、アメリカや日本の脅威にはならない」と述べました。このミサイル発射をめぐっては、日本政府が1日「午前10時過ぎに平安南道から射程距離60キロの地対艦ミサイルを発射した」と発表しましたが、韓国国防部は「韓米軍情報当局の確認の結果、北韓のミサイル発射はなかった」と発表して対応が分かれていました。

・アメリカ商務省は1日、韓国製のDラム半導体の補助金調査の予備判定で、韓国のハイニックス半導体の製品に関税57.37%もの高い関税を課すことを決めました。この関税は輸出国の政府が支給した補助金を相殺するために、商品の輸入国が輸入品に課する特別関税です。これは、アメリカのDラムメーカーのマイクロン・テクノロジー社が去年11月、ハイニックス半導体に対する債権銀行団の支援は韓国政府の補助金に当たるとアメリカ商務省に提訴し、商務省がこの主張をほとんど受け入れたことによるものです。最終判定は7月に予定されていますが、相殺関税率が予備判定のとおりに決まりますと、ハイニックス半導体のアメリカ向け輸出価格は大きく跳ねあがることになり、大きな打撃を受けるものとみられます。一方、三星電子のDラム半導体の関税について、アメリカ商務省はわずか0.16%とするとしています。ハイニックス半導体は「事実と違っており、アメリカの法律にも反する」と反発しています。

・北韓は東海線の鉄道工事を理由に陸路による金剛山観光は今年8月まではできないとしていることが分かりました。統一部関係者は2日「北韓は先月27日、現代アサンの関係者に東海線の鉄道工事が8月まで続くとしており、今 中断されている休戦ラインをバスで越える陸路による金剛山観光は、それ以降に再開される見通しだ。しかし現代アサンは、北韓の鉄道工事が終わる前に陸路観光の再開を希望する意向を北韓に伝えた」と述べました。

・KBS社長に就任したばかりのソ・ドング氏が2日午前、大統領府 青瓦台に辞表を出しました。ソ・ドング氏はKBS理事会の推薦を受けて、先月25日、KBS社長に任命されましたが、与党民主党のマスコミ政策顧問を担当していたことから、KBSの政治的な中立性が保てなくなるとして労働組合や野党、市民団体などから退陣の要求が相次いでいました。

・韓国外換銀行が公示した2日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,059ウォン13銭で、前日に比べて1ウォン68銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,253ウォン80銭で、前日に比べて2ウォン20銭のウォン高でした。韓国株式市場の2日の総合株価指数は、542.92ポイントと、前日に比べて4.36ポイント上昇しました。

・2日のソウルは晴れ、午後3時の気温は20度4分でした。3日は全国的に晴れ、中部地方はやや曇りとなるでしょう。3日の全国の予想最低気温は4度から10度、日中の最高気温は13度から20度と、5月並みの陽気は3日も続くという予報です。

4月1日火曜日

・北韓が1日午前、西海に向けて地対艦ミサイルを発射したと、日本の扇千景国土交通大臣が述べましたが、韓国国防部は「北韓はミサイルを発射していない」とこれを否定しています。国防部関係者は、「日本の防衛庁でも北韓が午前10時15分頃、北韓北西部の沿岸から地対艦ミサイルの発射実験を行ったとする情報を入手して確認を急いでいるが、北韓は、弾道ミサイルを発射してしない。北韓は、毎月初めと最後の日にこの地域で大砲を試験発射しているが、1日はそれすらもしていない」と強調しました。これに先立って、日本の扇千景国土交通大臣は、衆議院国土交通委員会で「北韓は、午前10時15分頃、地対艦ミサイル1発を発射した。発射実験を行った場所は、前回と反対側の黄海側で、射程距離は約60キロとみられる」と述べました。

・ロシアを訪問中の大統領府青瓦台の羅鐘一(ナ・ジョンイル) 国家安全保障補佐官は、31日、ロシュコフ外務次官と会談し、北韓が核計画を放棄するならば、北韓に電力を支援する用意があることを明らかにするとともに、現在、韓国、中国、ロシアが共同で進めているイルクツークから中国を経て韓国に到達するガスパイプラインの建設事業を北韓を経由させる案を提示しました。これに対してロシュコフ外務次官は、北韓の核問題解決は、韓半島の安定に極めて重要であり、北韓を刺激しない平和的な方法で問題解決をはかる必要があるという認識を示しました。羅補佐官のこのような提案は、2月の盧武鉉大統領の就任式にロシアの使節団として韓国を訪れたガスプロム社の社長が青瓦台を表敬訪問した後から積極的に論議されているだけに注目されています。

・盧武鉉大統領は、このほど中国を訪れた民主党の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員を通じて、中国の新政権に、北韓の核問題の平和的解決に向けた協力を求めるメッセージを伝えたことが分かりました。盧武鉉大統領のメッセージは、現在、政府が検討を進めている北韓の核問題の平和的解決策について、中国新政権の意向を探り、前向きな協力を求める内容が盛り込まれているものとみられています。さらに今、ロシアを訪れている青瓦台の羅鐘一(ナ・ジョンイル) 国家安保補佐官も中国を訪れて政府高官と会談する予定です。

・韓国と日本の国会議員32人は、31日、東京で討論会を行い、北韓の核問題を平和的に解決することを求める共同声明を発表しました。声明は、▼北韓は、韓半島非核化共同宣言を順守しなければならない ▼北韓の核問題は、平和的な外交手段で解決さけなければならない ▼危機克服と平和定着のため多国間による協力体制を構築する ▼両国の国会議員は、東北アジアの安定と平和定着のため力を結集する。の4項目です。討論会で日本の鳩山前民主党代表は、「北韓の核問題が国連安保理に上程されたが、全く進展がない。北韓の核に対する全面的な査察を行うためには安保理の決議が必要だ」と主張しました。これに対して韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン) 民主党議員は、「北韓は、安保理による制裁が決った場合、これを宣戦布告と取るとしており、北韓の核問題を安保理で扱うのは、限界があるのではないか」という見解を示しました。

・今月7日に平壌で予定されている新政権発足後初めての南北閣僚級会談の開催が危ぶまれています。政府関係者によりますと、「北韓は、南北閣僚級会談についてまだ何の連絡もしてこない。北韓は、3月31日に行う予定だった南北鉄道の連結工事を何の連絡もなく一方的に無期延期させた他、その前は、経済協力や海運協力の2つの実務者協議も延期させた。北韓のこうした対話拒否の動きは、イラク戦争と、韓国とアメリカが定期的に行っている3月の定例軍事演習などで、安全保障を脅かされたと感じているからではないか」としています。しかし、この関係者は、「北韓は最近、民族間の協調を重要視している点からみて、南北当局間の対話拒否は、そう長続きはしないだろう」として、日程が遅れることはあっても、会談そのものがなくなることはないという見解を示しました。

・アメリカのブッシュ大統領は、北韓が去年8月、弾道ミサイル技術をパキスタンに輸出したことで、北韓への新たな貿易制裁を加える方針を固めたと、アメリカのウォールストリートジャーナルが31日伝えました。それによりますと、北韓は、パキスタンの核関連研究所に4基から6基の中距離弾道ミサイルを輸出し、このミサイルは、パキスタン空軍の輸送機でイスラマバードに運ばれたということです。アメリカは、アメリカの法律にもとづいて北韓への貿易制裁を数日後に発表するとしていますが、アメリカはすでに北韓に対して制裁措置をとっており、新たな制裁は、単なる象徴的な意味に過ぎないという見方が支配的です。

・アメリカ国務省は31日、世界の人権報告書を発表し、北韓を、中国、イスラエル、パレスチナ、ミャンマーなどとともに人権が無視されている劣悪な国に指定しました。報告書によりますと、北韓では、裁判なしの死刑や行方不明事件が続出しており、多くの国民が政治犯として拘禁されているということです。報告書はまた、北韓の女性や青少年が国境を越えて中国に身売りされている実態に憂慮を示し、「北韓住民は、政府を平和的に変える権利を持っておらず、北韓指導部は、国際人権規範のほとんど、特に個人の人権を、国と党の目標を破壊するものととらえている」と指摘しました。また北韓は、革命に反対する広範囲な犯罪を死刑の対象とする過酷な刑法を適用しており、死刑に処せられる犯罪としては、亡命、亡命未遂、国の政策に対する非難、海外放送の聴取などがあるとしています。

・イラク戦争で「人間の盾」となっていた韓国人男性でNGO活動家のペ・サンヒョンさん(27)が、3日、帰国することになりました。ペ・サンヒョンさんは、戦争反対を叫んでイラク入りし、バグダッドで人間の盾として活動していましたが、戦争の惨状を証言しようとヨルダンに向かう途中、乗っていた車が倒れてろ骨を折るけがをし、ヨルダンのアンマンで休んでいました。このためペ・サンヒョンさんが所属する慶尚南道馬山市の市民団体「開かれた社会希望連帯」は、1日、ペさんと協議した結果、けがの状態からペさんを帰国させることを決めました。ペさんは、飛行機の席が取れ次第、ヨルダンから帰国する予定です。

・ソウルの大気汚染がOECD加盟30カ国中、最もひどいことが分かりました。環境部が31日明らかにしたところによりますと、ソウルの大気の汚染物質の中で、各種呼吸器疾患の原因となる粉じんは、2001年末で1立方メートルあたり、71ミクロンで、OECD加盟30カ国中、最悪でした。また慢性気管支炎や肺炎などを誘発する二酸化窒素の濃度は、0.037ppmでスロバキアに続いて下から2位でした。

・ソウルのアパートの階数が、平均で15.5階と15階を上回り、アパート建設が本格化した1970年代末に比べて、6.5階高くなりました。不動産情報会社「スピードバンク」がまとめたところによりますと、1979年12月末の時点で、ソウルのアパートの階数は、平均で9階でしたが、89年12月末には平均10.8階と、10年間で1.8階高くなっていました。そして高層アパートが登場した90年代以降、アパートの階数が次第に高くなって今では平均15.5階と、70年代末と比べて6.5階高くなりました。業界関係者は、「アパートに対する人々の選り好みが高くなる一方、住宅敷地は限定されているため高層アパートの再建築が進んでいる。アパートへの高層化は今後ますます進むだろう」と話しています。

・韓国外換銀行が公示した1日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1060ウォン81銭で、前日に比べて8ウォン66銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1256ウォンで、前日に比べて3ウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は、538.56ポイントと、前日より2.86ポイント上昇しました。

・1日のソウルは晴れ、午後3時の気温は21度6分でした。2日も引き続き高気圧に覆われ、全国的に晴れの空模様となるでしょう。全国の朝の予想最低気温は、5度から11度、日中の最高気温は14度から23度となっています。

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