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2月28日金曜日

・大邱市の地下鉄放火火災事件で、焼けた車両の中からの遺体収容作業をしていた警察庁の科学捜査研究所は27日、作業をひとまず終え、死者は196人となったと発表しました。科学捜査研究所によりますと、あとから反対側ホームに入ってきた1080号電車から142人の遺体が見つかったということで、今後数か月かけて身元を割り出すためのDNA鑑定を続けることにしています。また大邱地方警察庁は、犠牲者の92%を出した1080号電車の運転士と総合指令室による無線と有線の通話内容を記録した録音テープから自分たちの責任を問われるような部分を削って警察に提出した疑いで、大邱地下鉄公社の監査部安全防災責任者ら3人を、逮捕する方針を決めました。警察はまた、放火された1079号電車の運転士と、総合指令室の責任者、中央路駅の駅員の3人についても、業務上過失致死傷などの疑いで逮捕状を再申請しました。このうち、総合指令室の責任者は、職員に対する安全教育をおろそかにしていた疑い、1079号電車の運転士は、火災が発生した際は、まず指令室に報告するという規則をやぶって、火を消そうと運転席を離れた疑い、また中央路駅の駅員は、中央路駅の監視カメラTV画面のモニターをせずに、付近の倉庫で収益金を数えたいたため火災の報告が遅れ、乗客の被害が膨らんだ疑いがもたれています。ところで、高建国務総理は、27日夜、行政自治部の金斗官(キム・ドゥグァン)長官とともに、大邱市の対策本部を訪れて、遺族代表と話し合い、「次官クラスを団長とする政府の支援対策本部をできるだけ早く大邱に設置して事件の収拾に努める。遺族との信頼構築に最善をつくしたい」と述べました。

・盧武鉉大統領は、27日の組閣の際、任命できなかった副総理兼教育部長官と、国家情報院長、警察庁長、国税庁長の人事を週明けの次官クラスの任命とともに行うことになりました。教育担当副総理について、盧武鉉大統領は、「開かれた教育」を実践して、教育界に新しい改革の風を巻き起こした慶尚南道の私立中学校、「セッビョル中学校」の校長をあてる方針でしたが、最終段階で問題が提起され、高建国務総理が推せんした京畿道水原市の亜州大学の呉明総長に変えていました。ところが、呉明総長に対しては、教育関連の市民団体などから強い反発が起きていたため、呉明総長が辞退し、人選は振り出しに戻っていると伝えられています。

・IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、北韓は停止させていた寧辺の原子炉を再稼動させたもののまだ使用済みの核燃料棒の再処理は行ってはいないと述べました。エルバラダイ事務局長は、28日、アメリカの週刊誌「ニューズウィーク」と会見し、「北韓の寧辺の核施設で活発な動きが確認されたのは事実だが、大量のプルトニウムを抽出するための使用済みの核燃料棒の再処理を始めたという結論には至っていない」と述べました。またエルバラダイ事務局長は、「IAEA査察要員の現場調査なしで、人工衛星の撮影など空中査察によって北韓で核の再処理が始まったかどうかを確認する方法があるか」という質問に、「まったく分からない。それが可能かどうか疑わしい」として、アメリカの発表に疑問を投げかけました。

・ワシントン発 連合ニュースです。アメリカのブッシュ大統領と、ロシアのプーチン大統領は、28日、電話会談を行い、北韓の核兵器保有を防ぐという基本原則を再確認しました。ホワイトハウスのフライシャー報道官によりますと、両国首脳は、韓半島の非核化のため相互協力することで意見が一致した。ブッシュ大統領は、北韓の核問題は、多国間協議による外交手段で解決できると信じており、このためプーチン大統領とも協議した」ということです。

・北韓が24日東海に向けて試験発射したミサイルは、当初伝えられていた1950年型の地対艦ミサイルではなく、新型の長距離巡航ミサイルだと、ワシントンタイムズが27日、アメリカ政府筋の言葉として報道しました。それによりますと、このミサイルは、「中国製のHY-2シルクワームミサイルを、長距離用に改造した変形であり、アメリカ国防総省は、これをAG-1と呼んでいる」としています。北韓は、1997年5月に、北韓北東部の陸軍基地で、初めてこのミサイルを試験発射したことがあると、ワシントンタイムズは伝えています。また日本のマスコミは、北韓は、1月初め、北東部のテポドン発射基地で、ロケットエンジンの噴射実験を行った。この際、発射台の周辺には、上空から見られないように屋根をかぶせたと伝えています。

・日本の植民地時代に日本に強制連行された朝鮮人41万人の名簿が朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会系の団体の手によってまとめられ、28日、韓国の国会議員の有志で作る「民族の精気を掲げる国会議員の集まり」の会長、金ヒソン議員が、これを公開しました。この名簿は、総連系の団体が永年かけて作りあげたもので、終戦直後の1945年に朝鮮人徴用者とその家族7500人を乗せて韓国に帰る途中、舞鶴湾で沈没して5000人が死亡した浮島号事件の死者と、原爆犠牲者の名前、旧日本軍のための従軍慰安婦184人、「学徒兵」として連れて行かれた朝鮮人2399人、「農耕隊」という名前で徴用された人の名前などが載せられています。「民族の精気を掲げる国会議員の集まり」の金ヒソン会長は、これで強制連行者に対する真相究明が新たな転機を迎えることになったとして、名簿に記された被害者や遺族を探し出して、被害補償を行えるよう支援するとともに、「韓日の歴史記録館を建立するための法案」を国会に提出することにしています。

・北韓脱出者3人のうち2人は、北韓にいる間、一度以上は、密かに韓国のラジオ放送を聴いた経験があることが明らかになりました。これは、中国に住む朝鮮族や北韓向けのラジオ放送を行っているKBS社会教育放送が、今月19日から2日間、KBS放送文化研究所に依頼して北韓脱出者103人を対象に電話で調査した結果、分かったものです。それによりますと、調査に応じた103人のうち、66.7%の69人が「北韓でKBSの社会教育放送を聴いたことがある」と答えていました。このうち39%の人は、「ほぼ毎日放送を聴いていた」ということです。聴衆時間帯は、深夜の午前0時ごろが24%と最も多く、放送を聴く場所としては「自宅」と答えた人が74%でした。また「ためになる情報」のトップは、「韓国の経済ニュース」で、次いで「北韓関連情報」「国際ニュース」「音楽」「演劇」の順でした。

・韓国では今年、春の花の開花時期が平年より4-5日早くなる見込みです。気象庁は、28日、「春の花の開花時期の決め手となる2月の全国の平均気温が今年は平年より1度3分高く、ケナリやチンダルレの開花時期は、平年より4-5日早くなる見込みだ」としています。ソウルでは、ケナリの黄色い花が咲き始めるのは、3月下旬となりますが、開花が極端に早かった去年と比べると、4日ほど遅くなるということです。

・韓国外換銀行が公示し28日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1011ウォン29銭で、前日に比べて1 ウォン48銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1191ウォン20銭で、前日に比べて5ウォン10銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は575.43ポイントと、前日より7.03ポイント下落しました。

・28日のソウルは晴れ時々曇り、午後3時の気温は プラス10度ちょうどでした。1日は、低気圧の影響で全国的に曇り、雨または雪が降った後、午後から次第に晴れる見込みです。朝の予想最低気温は、0度からプラス6度、日中の最高気温は7度から12度という予報です。

2月27日木曜日

・盧武鉉大統領は27日、高建国務総理を正式に任命したのに続いて,高建国務総理の推せんを受けて、19人の閣僚を任命し、午後2時、閣僚名簿を発表しました。それによりますと、経済担当副総理兼財政経済部長官に、金振杓前国務調整室長(54歳)、統一部長官に、丁世鉉前長官を留任、外交通商部長官にはソウル大学外交学科教授の尹永ェ氏(52歳)、国防部長官に、゙永吉元合同参謀本部議長(63歳)などとなっています。また文化観光部長官には、映画監督の李滄東氏を起用しました。しかし、教育担当の副総理は人選がまとまらず、追って発表するとしています。閣僚は40代・50代が主流となり、女性閣僚が4人含まれるなど、改革に焦点を合せながらも、経済、統一などの主要ポストには評価の定まった人材を起用したのが特徴です。また現職の国会議員は2人しかおらず、閣僚や公務員出身が7人、大学教授3人、専門家4人、弁護士、郡守経験者、社会運動家がそれぞれ1人となっています。出身大学は、ソウル大学が11人と最も多くを占めていますが、高校出身者もひとり含まれ、国防部長官には士官学校出身ではない一般大学出身の陸軍大将が任命されたのも異例のことです。

・国務総理に任命された高建氏は、27日、「国民を安心させるような安定の中で改革を進めたい」と就任の言葉を述べました。国会が26日の本会議で、高建氏の国務総理任命に同意したことを受けて、盧武鉉大統領は27日高建氏を正式に国務総理に任命しました。これによって、高建国務総理は組閣を完了させるとともに、記者会見し、「国民が必要とし、国民を安心させる安定の中で改革を進める役割を果たしたい」と述べ、改革と安定を組み合わせた調和のとれた、バランスのある国政運営を目指す考えを示しました。高建国務総理はまた「公職者は改革の対象ではなく、改革の主体になるべきだ」とも強調しました。

・盧武鉉新政権の閣僚について、野党ハンナラ党のパク・チョンヒスポークスマンは論評を出し、「女性を多数起用したことは評価すべきだが、能力がまだ検証されていない人物を多数起用し、実験的人事には憂慮を禁じない」と述べました。また、外交通商部長官にユン・ヨングァンソウル大学教授を起用したことについて、「大統領職引き継ぎ委員会で外交方針を検討していた時、韓国とアメリカとの関係で慎重ではないな発言をし、問題になったことを指摘するとともに、映画監督のイ・チャンドン氏が文化観光部長官に起用されたことについても、「マスコミを果たしてうまくまとめることができるのか」と、憂慮の念を示しました。

・北韓が停止させていた寧辺の原子炉を再稼動させたと、アメリカ政府高官が26日述べました。北韓の軍事動向に詳しいアメリカ高官2人によりますと、北韓は25日から26日にかけて、寧辺の黒鉛減速型5,000キロワット原子炉の運転を再開したことが確認されたということです。この原子炉は、核兵器開発に直結する使用済み核燃料 再処理施設の稼動とは異なるものの、原爆の材料となるプルトニウムを抽出することができるため、この高官は「アメリカを圧迫し、核開発計画を引き続き進めていこうとする北韓の意図を明確に示すことだ」と憂慮の念を示しました。

・韓国政府も27日、北韓が寧辺の5,000キロワット原子炉の運転を再開したという情報を入手し、確認を急いでいます。政府関係者は、「核兵器用のプルトニウムを抽出するには、使用済み核燃料を再処理しなければならないため、少なくとも1年から1年半かかるものと予想される。アメリカと日本などの関係国と国際機関と協議した上で、冷静に対応していきたい」と述べました。

・大邱市で起きた地下鉄放火火災事件による経済的な損失は、7,000億ウォン=日本円にして700億円にのぼるという分析結果が出ました。現代グループの現代経済研究院は27日、「突然の事故で失われた人の命と遺族の精神的な打撃は数えられないもので、被害規模を計算すること自体が無意味だとは思うが、安全に鈍感な社会に注意を呼び起こす意味で経済的損失を図ってみた」と前置きした上で、大邱地下鉄惨事の経済的な損失を発表しました。それによりますと、死者を150人、けが人を146人に仮定した上で、補償金が死者1人4億ウォン、けが人2億ウォンという計算で、総額892億ウォン、電車や駅構内の設備の復旧、地下鉄の営業損失など施設の破損による被害額が460億ウォン、大邱市の景気低迷による被害は最大で5,700億ウォンの合わせて7,052億ウォンにのぼると推定しました。研究院はしかし「目に見える損失よりは、国家イメージの墜落、海外からの受注への悪影響、国民の自信喪失など目に見えない損失がさらに深刻である」と強調しています。

・インターネットを使った電子商取引が去年は6兆5千億ウォンを超え、アジアでは一番多いことが分かりました。ビザコリアとマーケティング調査会社のACニールセンがアジア12か国の電子商取引を調査した結果、去年の韓国の電子商取引は、6兆5千億ウォンあまりで、前の年の3倍近くに増えました。また去年は、韓国のインターネットユーザー860万人のうち、73%がオンラインショッピングを利用したことが分かり、利用者でも中国、台湾を上回って、アジアで一番多いことが分かりました。しかし、こうした電子商取引市場の大幅な成長にもかかわらず、利用者の36%はオンライン上でのクレジットカードによる決済に対して不安を感じていることが分かり、今後、これに対する対策が求められています。

・韓国の50代と60代は、20代と30代の若い人の「礼儀知らず」を、一方、20代と30代は、50代と60代の「変化を嫌う」ことを、最も気に入ってないことが、KBSの調査で分かりました。KBS放送文化研究所は今月17日、全国の50代と60代、20代と30代、それぞれ510人ずつを対象に、電話による世論調査を行いました。その結果、互いの世代について最も気に入らないことは、50代と60代は、20代と30代の礼儀知らずの点をあげた人が最も多く、「自己中心だ」26.9%、「考え方が浅い」24.3%などをあげていました。これに対して20代と30代は、50代と60代の年配者について、「変化を嫌う」35.5%、「格式を重視する」25.6%、「考え方が古臭い」22.1%の順でした。 こうしたギャップを克服する方法について、全体の62%は「相手をありのままに受け入れる」、28.6%は「対話を通じて相手を説得する」ことを挙げ、「対話」よりは、まず「受け入れる」を重視していることが分かりました。しかし実際に意見の衝突が起きた場合の解決方法では、全体の70%が、「互いの主張を少しずつ受け入れる」と答え、次いで「ある程度主張するが最後はあきらめる」19.4%の順でした。

・韓国外換銀行が公示した27日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,012ウォン77銭で、前日に比べて2ウォン4銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,329ウォンで、前日に比べて、2ウォン4銭のウォン高でした。韓国株式市場の27日の総合株価指数は、582.46ポイントと、前日に比べ、7.80ポイント下落しました。

・27日のソウルは晴れ、午後3時の気温は11度2分でした。28日は全国的に概ね晴れのち曇り、南部の全羅南道と済州島では午後から雨になるところが多いでしょう。 28日の予想最低気温は、氷点下4度からプラス5度、最高気温は6度から15度という予想です。

2月26日水曜日

・国会は、盧武鉉新政権の発足にともなう新しい国務総理に高建氏を任命することに同意する一方、前の金大中政権が2000年に北韓に5億5,000万ドルを送ることを認めたとされる問題を特別検事制で捜査することを可決しました。与野党は、これら2つの議案を巡って、大統領就任式が行われた25日から対立を続けていましたが、国会で多数を占める野党=ハンナラ党は、まず26日夕方、与党=民主党の議員全員が欠席した中で、特別検事制法案の表決を強行し、賛成多数で可決しました。これで盧武鉉大統領が拒否権を行使しない限り、2000年6月15日の南北首脳会談の直前に現代グループが北韓に送った資金など、5億5,000万ドルなどに対して特別検事制による捜査が行われることになります。ハンナラ党は、特別検事制が可決されたことから、26日夜に入って高建国務総理同意案についての表決に応じ、民主党議員も加わって表決した結果、賛成163、反対81で高建国務総理の任命に同意しました。これを受けて、盧武鉉大統領は新閣僚の名簿を発表することにしています。

・大邱市で起きた地下鉄放火火災事件で、捜査本部は地下鉄公社の監査部の職員が無線交信の録音テープのうち一部を意図的に削除したとして、監査部長ら関係者を追求しており、大邱市は大邱地下鉄公社の社長を解任しました。大邱地方警察庁によりますと、大邱地下鉄公社は事件当日の交信記録のうち、午前9時57分からの5分間を削除して翌日、警察に提出しました。この部分には「車両はそのままにして、他の場所に逃げろ」や「マスターキーを抜いて車の電源を止めろ」と運行指令室が運転士に命令する声が収録されており、乗客の避難については全く指示していないことから、警察では地下鉄公社が組織的に証拠を隠そうとしたものとみて関係者を追求しています。こうしたことから、大邱市は25日、地下鉄公社の社長を責任をとらせて解任しました。ところで、遺族の要望に基づいて警察で焼けた車両内部を片づけたゴミ袋を再鑑識したところ、中から遺骨の一部と衣類、住民登録証など30点あまりの遺品が見つかり、警察の現場調査がずさんだったことが明らかになりました。ところで、事故のあった2本の電車12両で遺体の収容作業を行なっている国立科学捜査研究所は25日、遺族や行方不明者の家族への説明会で、「遺体の収容は90%終わり、後から反対側のホームに入ってきた電車から128体の遺体が収容された」と発表しました。また26日にはさらに5人の遺体が収容され、身元が分からない遺体を含めて死者の数は197人となりました。一方、地下鉄放火火災事件の犠牲者への弔問は海外にまで広がり、26日には日本の広島市の使節団が合同焼香所を訪問して、犠牲者の冥福を祈りました。広島市の熊田一雄(くまた・かずお)国際交流担当課長は「広島と大邱は97年5月に姉妹提携しており、大きな悲しみを禁じ得ない。大邱市民の皆さんが早く立ち直ることを期待します」と述べました。合同焼香所を訪れた弔問客は25日現在、4万5,000人ほどで、寄せられた義援金は213億8,000万ウォン=日本円にして21億3,000万円に上っています。

・盧武鉉大統領は26日、大統領に就任して初めての朝を青瓦台で迎え、午前中、首席秘書官・補佐官会議に出席しました。この席で盧武鉉大統領は大邱地下鉄惨事について「遺族の要求に速やかに対応できるように政府レベルでの対策を検討しなければならない。何よりも補償が充分行われるように万全を期してほしい」と指示しました。しかし盧武鉉大統領は、国務総理に指名した高建氏の国会での承認が、北韓への送金事件に対する特別検事制を導入する法案を優先したいとするハンナラ党の抵抗で、26日になってもできない状態が続いていることから、組閣もできず、これを待つの1日となりました。

・盧武鉉大統領は26日大統領就任の使節団として訪韓したEU=ヨーロッパ連合の議長国のギリシャのヤニチス外相と会談し、「韓国が北東アジア経済の中心国家になる構想を具体化させるため、ヨーロッパの経験を学びたい」と述べました。これに対してヤニチス外相は「北韓の核開発問題に仲裁の役割は厳しいかも知れないが、平和的な解決に寄与したい」として「北韓への人道支援が継続されるべきだ。EUも北韓への食糧支援を再開したい」と述べました。

・パウエル国務長官は25日、「盧武鉉大統領は北韓の核開発問題についてアメリカの多国間による協議を支持している」と述べました。パウエル国務長官は盧武鉉大統領の就任式からの帰途、アラスカで会見し「盧武鉉大統領は、北韓の核開発問題に対するアメリカの多国間による協議に“同意する”と述べた。中国も充分考える時間があるので、アメリカの方針に支持を表明すると思う」と述べました。パウエル国務長官は多国間協議について具体的には触れませんでしたが、国連の安全保障理事会の常任理事国5カ国に韓国、北韓、日本、EU=ヨーロッパ連合、オーストラリアの5カ国が参加する5+5の形になる可能性を示唆しました。またパウエル国務長官は、「北韓は核関連施設をまだ再稼動させていない」と述べたと自由アジア放送が26日報道しました。

・北韓は26日、盧武鉉大統領の就任式を論評なしで報道しました。北韓の朝鮮中央通信によりますと、「韓国で25日、大統領就任式が行われた。去年12月の大統領選挙の結果によって、金大中大統領が退任し、民主党の盧武鉉当選者が新しい大統領に公式に就任した」と短く報道しました。

・国立のソウル大学は26日、卒業式を行い、3321人が卒業しましたが、16の学部のうち10の学部の首席が女性でした。中でも法学部、医学部など女性の数が少ない学部でも、女性が首席となりました。

・日本で上映中の韓国映画「猟奇的な彼女」のメガホンをとったクァク・ゼヨン監督の新作映画「クラシック」が日本に50万ドルで輸出することが決まりました。この映画の広報を担当している韓国の企画会社は、日本の「レントラック」社との間で50万ドルで輸出契約を結んだと発表しました。「クラシック」は、香港やタイにも輸出が決まり、全体の輸出額は76万ドルとなりました。

・韓国のプロサッカー、Kリーグの今シーズンのペナントレースが決まりました。今年のKリーグは来月23日にスタートして、11月6日まで行われ、去年の優勝チームの城南一和をはじめとする10チームに、新しく作られた大邱FCと商武が加わって12チームが参加し、1チーム44試合ずつ、合わせて264試合が行われることになりました。

・韓国外換銀行が公示した26日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,011ウォン23銭で、前日に比べて3ウォン41銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,188ウォン50銭で、前日に比べて3ウォン70銭のウォン高でした。韓国株式市場の26日の総合株価指数は、590.26ポイントと、前日に比べて1.99ポイント下落しました。

・26日のソウルは曇り、午後3時の気温は6度9分でした。気象庁が発表した春の季節予報によりますと、中国からの黄砂は3月は少な目、4月は活発に発生するものとみられます。27日は高気圧の影響で全国的におおむね晴れ、午後はところによって曇りとなるでしょう。27日の予想最低気温は氷点下4度からプラス4度、日中の最高気温は5度から12度という予報です。

2月25日火曜日

・韓国の第16代大統領に盧武鉉氏が25日、正式に就任しました。盧武鉉大統領は、25日午前、鐘路区ミョンリュン洞の自宅を近所の人に見送られて出発し、夫人の権良淑さんとともに国立墓地を訪れた後、午前11時からの就任式典に臨みました。式典にはインターネットなどで申し込んだ一般の国民2万人を含む4万5000人が出席し、盧武鉉大統領は、右手をあげて就任の宣誓をしたあと、27分間にわたる就任演説を行いました。この中で、盧武鉉大統領は、まず大邱地下鉄惨事の犠牲者に哀悼の意を表するとともに、韓半島に平和を定着させて韓国を北東アジアの中心国家に北東アジアを繁栄の共同体とするため、「平和繁栄政策」をとる。これらを推進するための原則として対話、信頼、国民参加と超党派的協力などをあげました。就任式典の後、盧武鉉大統領は、大統領府・青瓦台に入って新任の大統領府首席秘書官らに任命状を手渡し、高建国務総理指名者の国会での任命同意要請書にサインをして公式業務を始めました。

・盧武鉉大統領は、25日、青瓦台に入って初めての首脳会談として、まず日本の小泉首相と会談し、北韓の核問題や過去の歴史問題、韓日海底トンネルの推進など両国の共同関心事について50分間にわたって協議しました。盧武鉉大統領は、この席で「韓国と日本の間に海底トンネルをつくるべきだという意見が以前からあった。北韓問題が解決されれば、海底トンネルの着工は、経済人の間で再び提起されるだろう」と語り、「日本、韓国、ロシアを通り、ヨーロッパまで列車を運行することができれば、経済的な面だけでなく、韓日関係は今以上に近くて近い関係になり意味があるのではないか」と強調しました。これに対して小泉首相は、検討に値すると答えました。北韓の核問題について、盧武鉉大統領は、「韓国、日本、アメリカの3か国による協調が極めて重要だ。北韓問題は、南北だけでなく東北アジア全体の問題だ」として、日本の積極的な役割に期待感を示すとともに、過去の歴史問題については、「この問題で両国関係が後ずさりをしてはならない。韓国と日本は未来に進むべきだ。小泉首相と、私は、いろいろな点で似た者同士であり、東北アジアの歴史を変えていくため互いに全力をつくしましょう」と求めました。これに対して小泉首相は、「盧武鉉大統領の平和繁栄政策が成功するよう祈る。北韓に対して、孤立せずに国際社会に参加すれば、得るものが多いという点を説得していきたい」と述べました。小泉首相はまた大邱地下鉄火災に対して哀悼の意を表するとともに、盧武鉉大統領に早い時期に日本を訪問するよう要請し、盧武鉉大統領もできるだけ早く日本を訪れることを約束しました。

・盧武鉉大統領は、この後、アメリカのパウエル国務長官と会談し、「韓米間にかっとうがあるという話は理解し難い。韓国民はアメリカに対して良いイメージを持っており、私もその一人だ。ささやかな意見の差は両国間の対話で十分解決できる」と強調しました。盧武鉉大統領は、また「状況が変われば、韓国駐留アメリカ軍の問題も変わるのは当然でそれが合理的だ。しかし国民は、韓国の安全保障に影響があるのではないかと心配しているのも事実だ」と述べました。また盧武鉉大統領は、パウエル国務長官から一日も早くアメリカを訪問するようにというブッシュ大統領のメッセージを受け取り、感謝の意を伝えるとともに、できるだけ早くアメリカ訪問を実現させたいという意欲を示しました。ところで、パウエル国務長官は、会談の後、ソウルのホテルで記者会見し、「アメリカは、確固たる韓米同盟関係を希望しており、アメリカ軍が今後さらに歓迎されるよう、友邦国と協力していく。北韓の核問題の解決のため韓国政府と緊密に協議していく」と述べました。パウエル長官はまた、北韓に対して今年、食糧4万トンを支援するほか、さらに6万トンを送る計画があることを明らかにしました。

・韓国のちょうちょうの本場、全羅南道ハムピョン郡で、盧武鉉新大統領の就任を祝って、就任前日の24日、温室でふ化させた6種類のちょう1825羽を空に放ちました。1825羽としたのは、大統領の任期5年を日数で数えたもので、韓国民誰もが親近感を覚える平和と安定のシンボルの代表的な昆虫という意味合いから放たれました。

・北韓は24日、東海岸沿で地対艦ミサイルとみられる小型ミサイル1発を試験発射しました。韓国国防部の関係者によりますと、24日午後、北韓東北部のハムキョン南道の東北部海岸でミサイル一発が、南東方向に発射され、60キロ離れた東海の海上に落ちたことが確認されました。国防部は、このミサイルが垂直に発射されずに、低い高度で直線飛行した点から地対艦ミサイルと推測されるとして、正確なミサイルの種類や北韓の意図についてはまだ確認されていないとしています。北韓が保有している地対艦ミサイルは、1970年に製造された長さ7メートル、重さ0.3トン、射程距離100キロのものとみられています。

・北韓は、24日の地対艦ミサイル発射について日本側に事前通告していたことが明らかになりました。これは日本の共同通信が25日報道したもので、それによりますと、日本の海上保安庁は、北韓から「この海域は危険だ」とするミサイル発射関連の事前通告を受けていたということです。ところで、複数の日本の政府関係者によりますと、北韓は早ければ26日にもミサイルを再発射する可能性があるという情報を入手しているということです。またこの情報筋は、北韓が24日に発射したミサイルは、中国製のもので、24日の午前に1回、発射に失敗し、午後、2度目の発射を行ったということです。

・マレーシアのクアラルンプールで開かれている非同盟運動首脳会議に出席している北韓最高人民会議の金永南常任委員長は、25日、「現段階では、核兵器を開発する意思はない」と主張しました。金委員長は、116か国の代表団の前で演説し、「北韓がNPT=核拡散防止条約から脱退したのは、アメリカの無謀な抑圧政策で国益が脅かされているからだ」と述べました。ところで、会議に同行した北韓のある外交官は、北韓が東海に向けてミサイルを発射したという報道について「ミサイルを持っていない国がありますか」と反問し、それ以上の反応は示さなかったということです。

・アメリカの信用格付け会社「ムーディーズ」が先ごろ、韓国の信用等級の展望を2段階下げたにもかかわらず、アメリカのもうひとつの信用格付け会社「スタンダード・アンド・プア-ズ」社は、韓国の国家信用等級を、現在の「Aマイナス」に維持する方針を25日明らかにしました。それによりますと、スタンダード・アンド・プア-ズ社は、「北韓の核問題で、韓国の信用等級が上昇する可能性は極めて少ないが、政府や民間のファンダメンタルが改善したため、現在の信用状態を維持する」と発表しました。スタンダード・アンド・プア-ズ社は、去年7月に、韓国の信用等級を「Aマイナス」に、信用等級の展望を、「安定的」と、それぞれ上向き修正していました。

・北韓の金剛山で行われていた南北の離散家族再会は、25日午前、韓国側リストの99人の家族が北韓に住む肉親250人と最後の再会を行って終了しました。

・韓国外換銀行が公示した25日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,014ウォン64銭で、前日に比べて7ウォン46銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,192ウォン20銭で、前日に比べて80銭のウォン高でした。韓国株式市場の25日の総合株価指数は、592.25ポイントと、前日に比べて24.04ポイント下落し、600ポイントの大台を割り込みました。

・25日のソウルは曇りのち晴れ、午後3時の気温は6度6分でした。26日は北側を通る弱い気圧の谷の影響を受けて中部地方は曇りのち晴れ、南部地方は曇りとなるでしょう。26日の予想最低気温は氷点下2度からプラス5度、日中の最高気温は5度から11度という予報です。

2月24日月曜日

・金大中大統領が5年間の任期を終えて退任しました。金大中大統領は任期最後の日の24日、ソウルの国立墓地を参拝した後、テレビで国民にあいさつし、5年間、激励してくれた国民の皆さんに深く感謝します。北韓に対する抱擁政策は、韓半島の緊張緩和に大いに寄与した。韓国と北韓が平和的に交流・協力して互いに安心して暮して行ける時こそ、平和統一に向かう道となる。北韓は核開発を放棄しなければならないが、そのプロセスは対話を通じて平和的に解決しなければならない」と述べ、最後に盧武鉉次期大統領を支持するよう訴えました。金大中大統領は閣僚と昼食をした後、中国の銭キシン副首相と会談した後、夕方、大統領府=青瓦台からソウル麻浦区トンギョ洞に新築した自宅に移りました。金大中大統領は25日午前0時で任期を終え、この瞬間から韓国の大統領は盧武鉉新大統領となります。

・25日の大統領就任式を控えた24日、日本、アメリカ、中国、ロシアの韓半島周辺4カ国の首脳や高官が相次いで韓国入りしています。まず、日本の小泉首相は24日午後、専用機でソウル南方のソウル空港に着き、韓国入りし、25日の就任式典に出席します。その後、小泉首相は外国首脳としては初めて盧武鉉大統領と首脳会談を行い、韓日関係や北韓の核開発問題など両国間の懸案について意見を交換します。日本の首相が韓国の大統領就任式に出席するのは88年以来15年ぶり、4回目です。小泉首相は首脳会談の席で、国連安保理に付託された北韓の核開発問題の平和的な解決と、盧武鉉次期大統領が継続を表明した北韓への抱擁政策に対する支持を表明するとみられています。

・アメリカのパウエル国務長官、中国の銭キシン副首相、ロシアのロシュコフ外務次官、ミロノフ上院議長らも24日午後、相次いで韓国入りしました。このうちパウエル国務長官は、25日の就任式の後、盧武鉉新大統領を表敬訪問し、北韓の核開発や食糧支援などについて協議するものとみられています。

・盧武鉉次期大統領は、北韓はすでに変化を進めており、犯罪者扱いしてはいけないという考えを示しました。盧武鉉次期大統領はアメリカのニューズウィーク最新号に掲載された会見で「北韓の政権の安全保障と正常な待遇、経済支援など北韓の希望を提供すれば、北韓は核開発を断念すると思う。韓国駐留アメリカ軍については、ほとんどの韓国民と同様、私も韓半島に駐留することを希望するが、アメリカが撤退を決めれば、韓国が希望しても撤退するものと理解している。私はアメリカの価値を高く評価するが、多くのアジア諸国やヨーロッパの指導者が指摘しているように、アメリカは外国に対して自国の価値感を押しつけようとしている。アメリカが求めている新しい秩序は主に正義だが、一方主義の性格も帯びている」としてアメリカに対する批判的な見解を述べました。

・韓国、中国、日本を歴訪しているアメリカのパウエル国務長官は23日、北京に向かう前に東京で記者会見し、北韓の核開発問題について「時間がない」として「北韓問題について時間を最大限活用するが、その時間がアメリカに対抗する兵器製造に使われることは容認できない」と述べました。パウエル国務長官のこのような発言は、北韓が数カ月後には核兵器6つほど保有できるのではないかという見方を意識したものとみられます。

・与党、民主党を率いてきた韓和甲代表が23日、党代表を辞任しました。韓和甲代表は会見で「党の代表としての責任と任期をまっとうできず辞任することは申し訳ない。しかし新しくスタートする歴史の主役に党の発展に寄与できる機会を作ろうと思う」と述べました。民主党は、27日に臨時の指導部を選びますが、今のところ、先に盧武鉉氏の特使としてアメリカと日本を訪問した鄭大哲議員が臨時代表をつとめるものとみられています。

・大邱の地下鉄放火火災事件を捜査している大邱地方警察庁は、24日、反対ホームに入ってきた電車の運転士や中央司令室など地下鉄公社の職員7人を業務上過失致死の疑いで逮捕しました。逮捕されたのは、放火された電車とは反対ホームに入ってきた電車の運転士と、中央司令室の職員3人、機械設備室の職員3人の合わせて7人です。さらに病院で手当てを受けている地下鉄に火をつけた56才の男を放火殺人で、放火された列車の運転士と、中央路駅員1人も業務上過失致死傷の疑いで、けがが回復し次第、逮捕する方針です。放火された2本の電車12両で遺体の収容に当たっている慶北大学 法医学チームの関係者は、「比較的遺体の多い反対ホームに入ってきた電車の5両目で作業を行なっているが、予想を上回る遺体が収容されたとして、今回の地下鉄放火火災による犠牲者は200人を上回るものと推定しています。この関係者は「5両目1両だけで60体から70体の遺体が収容される可能性が高いので、反対ホームの電車だけで少なくとも140体から170体の遺体が収容されるものと考えられる」と話しており、死者の数は、200人を超えるものとみられています。事故対策本部には行方不明になっているという届け出が344人もあり、国立科学捜査研究所は、行方不明者の家族183人から血液を採取して、遺体の身元割り出し作業を進めています。

・21日から始まる予定だった東海岸近くの軍事境界線をバスで越える陸路による金剛山観光が、2日遅れで23日から始まりました。21日は北韓が道路状況がよくないとして、迎えのバスを送ってこなかったため、初日の陸路観光がお流れになりましたが、23日は午後3時半、北韓からのバスが到着したため、集まっていた204人の観光客はこれに乗り込んで、1時間あまりで北韓のコソン港に到着し、陸路による2泊3日の金剛山観光がようやくスタートしました。

・韓国外換銀行が公示した24日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,007ウォン18銭で、先週金曜日に比べて2ウォン7銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,193ウォンで、先週金曜日に比べて1ウォン70銭のウォン高でした。韓国株式市場の24日の総合株価指数は、616.29ポイントと、先週金曜日に比べて12.69ポイント上昇しました。

・24日のソウルは晴れ時々曇り、午後3時の気温は6度7分でした。第16代大統領就任式が行われる25日は全国的におおむね晴れ、午後からやや雲がかかってくるでしょう。25日の予想最低気温はソウル0度など氷点下5度からプラス3度、日中の最高気温はソウル8度など6度から13度という予報です。

3月22日土曜日

・大邱地下鉄放火火災事件を捜査している大邱地方警察庁は、ガソリンで地下鉄車両に放火した56才の男と、2本の電車の運転士、総合司令室の職員と中央路駅の駅員の合わせて6人を逮捕して取り調べることになりました。このうち犯人の56才の男は、火傷をおって病院で手当てを受けていますが、取り調べができるほど回復したため、放火致死の疑いで逮捕します。また運転士ら地下鉄の関係者5人は、業務上過失致死の疑いで、逮捕状を申請する方針です。警察はまた地下鉄公社の経営陣ら幹部職員や、大邱市役所の担当部署についても監査や監督を怠っていた疑いがあるとして責任を追求する方針です。

・韓国の地下鉄車両6,300両の内装が燃えにくいものに取り替えられることになりました。大邱地下鉄火災が起きたことから、政府は21日、関係部署による対策会議を開いて協議した結果、▼2000年3月に作った基準以前に製造した車両全部について天上、壁、床、座席などの内装を燃えにくい材質のものに取り替える▼基準をさらに強化する▼排煙施設を強化する▼地下鉄関係者の危機管理能力を高めることなどを決めました。内装取り替えの対象になるのは、ソウル、釜山、大邱、仁川の4つの都市の地下鉄と、首都圏の国鉄の合わせて6,300両にのぼるため、全部の取り替えが終わるまでには、かなりの日数がかかる見込みです。

・地下鉄火災で行方不明になっている大学生の両親が代わりに涙の卒業証書を受け取りました。この大学生は大邱大学芸術学部の絵画科のチョン・ナムジンさん(23)で、21日行われた卒業式には父親のチョン・デスルさんが代わりに出席し、最初に壇上に上がって涙ながらに卒業証書を受け取りました。また今回の惨事で母親を亡くした母子家庭の幼い3人兄弟に、支援の申し出が相次いでいます。この兄弟は、大邱市近くの永川市に住む8才、6才、4才の3人兄弟で、1年前に父親が心臓まひで亡くなった後、母親のパク・ジョンスンさん(32)の稼ぎで暮していましたが、母親のパクさんが調理師の資格をとるため料理学校に向かう途中、地下鉄火災事件で亡くなりました。この3人兄弟について、忠清南道の奨学財団が大学卒業まで奨学金を贈ると発表した他、3人兄弟を支援したいという問い合わせの電話が相次いでいます。

・アメリカは北韓に対する食糧支援を近く再開する方針です。パウエル国務長官は韓国、日本、中国の3カ国の歴訪を前にして、20日会見し「3カ国歴訪中に、北韓への食糧支援の再開を正式に発表できると思う」と述べました。アメリカの北韓への食糧支援は国連の世界食糧計画を通じた支援の再開を意味します。パウエル国務長官は会見で「アメリカは北韓への食糧支援について近く発表する予定で、今後1年間の支援を検討するため世界食糧計画の要求に耳を傾けるだろう。北韓にとって食糧支援は切実な問題で、アメリカは食糧を政治的な兵器として使わない」と述べました。

・安倍晋三官房副長官は北韓に対する食糧支援計画はないことを明らかにしました。安倍官房副長官は、国連のアナン事務総長の特使としてこのほど北韓を訪問したストロング氏と会談した席で「日本は北韓に対して支援を行なう状況ではない。北韓を脱出した住民の話を聞くと、支援された物資は必要な住民に配分されていないことが分かった」として北韓への食糧支援を行なわない考えを示しました。

・盧武鉉次期大統領は北韓の招待があれば、北韓を訪問する用意があると大統領府=青瓦台の秘書室長に内定している文喜相議員が述べました。文議員は21日、日本経済新聞との会見で「金 正日国防委員長の韓国訪問を期待しているが、北韓の招待があれば、盧武鉉次期大統領が北韓を訪問する用意もある」と述べました。さらに文議員は「盧武鉉次期大統領は今年5月ごろアメリカを訪問する予定だ。盧武鉉次期大統領は一部でいわれているような反米主義者ではない。南北が統一した後にもアメリカ軍が韓国に駐留することを希望している」とも述べました。

・東海岸近くの軍事境界線を越える陸路による一般向けの金剛山観光が21日に予定されていましたが、北韓が専用バスを送って来なかったため、陸路による観光は初日はつまづいた形となりました。陸路による観光は日没の前に、軍事境界線を越えて移動しなければなりませんが、北韓は臨時道路の状態がよくないとして、午後になっても観光客を乗せるバスを韓国側に送ってきませんでした。このため一般向けの陸路による金剛山観光は流れ、金剛山観光を主催している現代アサンは、集まっていた観光客380人に旅行料金に加えて1人10万ウォンの違約金を払い戻しました。

・北韓側の離散家族99人と金剛山で再会した韓国側の肉親460人あまりは、22日、最後の再会を行い、軍事境界線をバスで通って陸路で韓国に帰ってきました。23日は韓国側のリストの100人の家族が、同じく陸路で金剛山に向かい、25日までの3日間、北韓に住んでいる肉親250人と再会します。

・韓国電力の子会社=韓国水力原子力(株)が全羅南道霊光郡に6年前から建設していた霊光原子力発電所の5号機と6号機が完成し、22日から営業運転に入りました。5号基と6号基は、いずれも出力100万キロワットの加圧水型軽水炉です。これで韓国の原子力発電基は合わせて18基、出力1,610万キロワットとなり、全国の発電能力に占める割合も30%となりました。

・22日は土曜日のため為替と株式の取り引きはありません。21日の日本の円100円は、1,009ウォン25銭で、アメリカドル1ドルは1,194ウォン70銭でした。韓国株式市場の21日の総合株価指数は、603.60ポイントでした。

・22日のソウルは雨、午後3時の気温は4度8分、昨日からの雨量は30ミリでした。江原道では21日夜から雪となり、一部の道路ではチェーンをまかない乗用車などに対して通行規制をしています。23日は全国的に雨、午後になって西から雨がやんでくるでしょう。23日の予想最低気温は氷点下2度からプラス6度、日中の最高気温はプラス3度から12度という予報です。

2月21日金曜日

・大邱の地下鉄放火事件で、被害者の92%以上が乗っていたとされる放火された電車の反対側のホームに入ってきた1080列車の運転士が、現場から避難する際に、マスターコントロールキーで電車のドアを閉めたことが明らかとなり、波紋が広がっています。警察が21日発表したところによりますと、この事件で、亡くなったり、けがをした人の92.3%が、あとから反対側ホームに入ってきた1080列車の乗客で、最初に火災がおきた1079列車の死者は全体の7.7%に過ぎないことが分かりました。またこの運転士は、事件が発生した中央路駅に停車した後、自動的に開いたドアを煙を避けるためすぐ閉め、その後、電車を出発させようと地下鉄公社の指令室と交信しましたが、事態が悪化したため現場から避難する際に、マスターコントロールキーを抜いて電車のドアをすべて閉めたことが明らかになりました。地下鉄のマスターコントロールキーは、自動車の鍵と同様、始動をかけたり、ドアの開閉を行うなど電車の運転には欠かせないものです。警察の調べに対して1080列車の運転士は、「マスターコントロールキーを抜くとドアが閉まることは知っていたが、乗客が全員避難したと勘違いしてキーを抜いた」と話しています。しかし警察では「電車から降りる際に、キーをポケットに入れる日ごろの習慣から、無意識にキーを抜いたのではないか」とみて調べを進めています。また警察は、この運転士が、気温が低かったにもかかわらず、避難直後にキーの入ったジャンバーを同僚を通じて事務所に預けた点から、事件の真相を隠ぺいしようとした疑いについても調べることにしています。またこの運転士が、指令室との交信が途絶えた後、車内アナウンスをするまでの5分間、ひとりでホームのある地下3階から地下2階まで逃げ、再び電車に戻ってきた経緯についても調べることにしています。この事件による死者は133人、けが人は146人にのぼっています。

・北韓赤十字会の張ジェオン委員長は、20日、テグの地下鉄火災の犠牲者と遺族に哀悼の意を表す電話通知文を、大韓赤十字社のソ・ヨンフン総裁宛てに送ってきました。張ジェオン委員長はこの中で、「多くの犠牲者が出たことについて、同じ民族として深い哀悼の意を伝えたい。一日も早く、遺族と被害者の皆様が深い悲しみから立ち直り、平和な暮らしができるよう期待しています」と述べています。韓国で発生した事件や事故で北韓が哀悼の意を伝えてきたのは異例のことです。

・北韓のミグ19戦闘機1機が20日午前、西海の南北軍事境界線である北方限界線を越えて韓国側に侵入してきたことについて、韓国の李俊国防部長官は21日、再発防止を求める抗議声明を発表しました。李俊長官は、この中で、北韓の戦闘機が誤って北方限界線を越えたはずはないとして「二度とこのような挑発行為があってはならない」と厳重に抗議しました。

・盧武鉉次期大統領は20日、アメリカのシンクタンクのヘリテ−ジ財団などがソウルで開いたセミナーで講演し、「韓国民は、戦争や北韓の崩壊のどちらも望んでいない。北韓も改革と開放以外に道がないことを悟るべきだ」と述べました。盧武鉉次期大統領はまた、「北韓の核問題については、対話と外交手段による平和的な解決策を模索する」として、包容政策を維持していく考えを改めて示しました。しかし、現代峨山による北韓への送金が非難の対象となっていることから、南北協力事業については、野党側の協力を得て最大限透明性を維持して行うと強調しました。さらに韓米関係について盧武鉉次期大統領は、「今後さらに成熟した水平関係を築いていかなければならない」とした上で、「韓国民は、韓国戦争で韓国を守ってくれたアメリカに対して、感謝の気持ちを忘れていない。国民の大多数は、韓半島の平和と安定のために韓国駐留アメリカ軍の駐留を必要と考えている」と述べました。

・中国北京の日本人学校に駆け込んだ北韓住民4人について、日本は前例がないとして受け入れに難色を示し、韓国政府との間で韓国行きを調整していましたが、この4人は、韓国ではなくあくまで日本行きを強く希望していると、北京消息筋の情報として日本の東京新聞が21日報道しました。それによりますと、4人は、「韓国に亡命した場合、北韓に残っている親戚が北韓当局の迫害を受けることになる」として依然として日本行きを強く要請しているということです。このため日本政府は、4人に対して、さらに韓国行きを説得する方針ですが、行き先が決まるまでには当分時間がかかるものとみられるとしています。

・日本の財務省は、韓国との間で税関協定を締結するため調整を行っていると、日本経済新聞が21日伝えました。税関協定は、テロの資金源となる可能性の高い国際麻薬取り引きなどの監視を強化し、両国の貿易を支援するためのものです。それによりますと、韓国と日本は、税関協定を含むFTA=自由貿易協定の締結を検討していますが、関税の引き下げなどを巡ってFTA調整にはかなりの時間がかかるとみて、まず税関協定の締結を急ぐことにしたものです。

・4日後に退任を控えた金大中大統領は、21日から大統領府・青瓦台がe-mail で発行しているニュースレターの購読会員21万人などに対して、退任のあいさつを添付したe-mailを送ることになりました。このメールには、「国民の政府」の5年間の主な成果をまとめた写真と、金大統領の動画像による退任の挨拶が盛り込まれています。この中で金大統領は、「国民の政府は、国民の底力と声援に力づけられ韓国が21世紀の一流国家として跳躍する国運隆盛の基盤を築いたと自負しています。これから私たち夫婦は、一市民として、民族と国民の平和と発展を祈りながら暮らしていく計画です」とあいさつしています。

・韓国民の3分の2以上は、北韓の核問題で、アメリカが北韓に軍事制裁はすべきでないと考えていることが明らかになりました。これは、KBSが、盧武鉉新政権の発足を前に20日、全国の20歳以上の男女1000人を対象に電話調査をした結果、分かったものです。それによりますと、アメリカは「軍事制裁ではなく、経済的な制裁を行うべきだ」とする意見が35%、「軍事制裁、経済的制裁のいずれも反対だ」と答えた人は、30.7%でこれらを合わせますと66%近くの人が軍事制裁に反対していることが分かりました。これに対して「場合によっては軍事制裁もやむを得ない」と答えた人は、24%でした。

・日本の文部科学省は、朝鮮学校や民団系の韓国学校の卒業生に対してこれまで通り、大学への入学資格を認めない方針を検討中だと、日本の各メディアが21日報道しました。日本政府は、インターナショナルスクールなど外国人学校については、これまで正規学校として認めていなかったため、卒業生たちは大学入学資格検定に合格しないと入学資格を得られません。このため文部科学省は、入学資格について再検討を進めていましたが、アメリカやイギリスの民間評価機関の認証を受けているインターナショナルスクールに限って大学入学の資格を与える方針で、その他はこれまで通り、資格を認めない方針だということです。日本には各種学校と分類される外国人学校は全国に120校あり、このうち、インターナショナルスクール20校、朝鮮学校90校、残りの10校は、韓国学校と中華学校となっています。

・韓国外換銀行が公示し21日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1009ウォン25銭で、前日に比べて3 ウォン62銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1194ウォン70銭で、前日に比べて2ウォン60銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は603.60ポイントと、前日より1.91ポイント下落しました。

・21日のソウルは曇り、午後3時の気温はプラス6度2分でした。22日は、低気圧の影響で全国的に雨または雪が降るところが多い見込みです。朝の予想最低気温は、氷点下1度からプラス8度、日中の最高気温は4度から13度という予報です。

2月20日木曜日

・大邱地下鉄放火事件を捜査している大邱地方警察庁は地下鉄の運転士と総合司令室関係者が乗客の避難誘導の判断を誤ったため、大きな惨事になったとみて、これらの関係者を過失と職務遺棄の疑いで、捜査を始めました。これまでの調べによりますと、地下鉄公社の司令室と、放火された電車の反対側の線路に進入した電車の運転士との無線交信の内容が記録されたテープを分析した結果、運転士は、火災が起きた中央路駅の一つ手前の大邱駅を出発した際に、司令室から「中央路駅で火災が起きたので、注意運転をするように」と指示を受けましたが、停車するような指示は受けていなかったことが明らかになりました。また事件当時、ドアが再び閉まった経緯について調べた結果、停電になれば、ドアが自動的に閉まるようになっているものの、停電の後、再び一部の電気が供給されたことが分かりました。このため警察では、火事が起きていたことが分かっていたにもかかわらず、中央路駅に向かっていた電車に運転停止措置をとらなかったことと、再び電気が供給されたのに、ドアを開けなかった点に重点をおいて、捜査を進めることにしています。

・盧武鉉次期大統領は20日、多数の犠牲者を出した大邱の地下鉄放火事件の現場を訪れ、「被害者の補償や被害の復旧に政府として必要な全ての措置を取る」と述べました。このあと盧武鉉次期大統領は、大邱市民会館に設けられた合同焼香所で焼香し、続いてヨンナム大学病院を訪れてけが人たちを励ましました。こうした中で、今度の火災で乗客を避難させる途中に、煙にまかれて殉職した地下鉄公社職員の張デソンさん(34)ら7人の葬儀が、市内の病院の葬儀場で行われました。この事件による死者は125人、けが人は146人にのぼっていますが、対策本部は、焼けた電車の中にある72人の遺体と、身元が分からない10人の遺体について20日から身元確認のためのDNA鑑定の作業を始めました。しかし行方不明になっているという届け出は、350件を上回っていることから、身元の確認はかなりの時間がかかるものとみられています。ところで事件が発生した中央路駅が完全に復旧するのは、6月末頃になる見込みです。大邱地下鉄公社は、専門家による点検をした結果、地下3階にあるホームまでの駅構造物は、崩壊の危険性はないことが分かりましたが、4時間にわたって6両連結の電車2本が高温で燃え続けたことから塗装をやりかえるなどの作業が必要だとしています。

・金大中大統領は今月24日の退任セレモニーを 大邱地下鉄放火事件のために中止するよう指示しました。大統領官邸の青瓦台の関係者は19日、「金大中大統領は今度の大邱地下鉄放火事件で命を失った方々の家族をはじめ、全国民が深い悲しみに包まれている中で、退任セレモニーを簡素化することが望ましく、予定されていたいくつの行事を取り消すよう指示した」と発表しました。これで21日予定されていた金碩洙国務総理主催の晩餐会と24日に予定されていた国軍議杖隊のパレードは中止されることになりました。しかし24日には国立墓地を参拝するとともに、最後の閣議を開いて、閣僚と昼食会をすることは予定通り行うということです。

・国会は新政権の国務総理に指名された高建氏に対する人事聴聞会を20日から2日間の日程で開き、高建氏の適格性を審議しています。聴聞会で、ハンナラ党の議員らは、高建氏と次男の兵役が免除された経緯を質しました。これに対して高建氏は「若いとき、兵務庁からの徴兵令状を待ちつづけたが、どういわけか令状は来ず、ずっと国に対して借りを感じていた。また、次男は大学の研究で電磁波を浴びすぎて健康を害したため、対象から外された」と説明しました。聴聞会ではこのほか、高建氏が全斗煥政権から去年ソウル市長を辞めるまで、ずっと国務総理などの要職を重ねてきた経緯などを質しており、新政権発足直後の25日の国会本会議で同意される見込みです。

・今度で6回目となる南北離散家族再会が20日から6日間の日程で北韓の金剛山で始まりました。まず北韓側のリストにある北韓の離散家族99人と再会する韓国側の肉親465人が20日午前、東海岸沿いの臨時道路で軍事境界線を越えて金剛山に向かい、午後4時から、全体での1回目の再会をしました。韓国から向かった訪問団の最高齢者97歳のチャン・スチョンさんは、韓国戦争当時、中学生で北韓に行ったまま連絡が途絶えてしまった娘で70歳になるヤン・ヨンエさんと半世紀ぶりの再会を果たしました。訪問団は21日、家族同士で個別に再会し、北韓の家族とともにサーカスの公演を見るなど3回の再会の後、22日、同じく陸路で韓国に帰ってくる予定です。また23日からは、韓国側リストの離散家族100人が北韓の肉親に会いに金剛山に向かうことになっています。

・北韓の開城工業団地の着工に向けた韓国側の下見調査が21日、京義線臨時道路を通って行われます。これによって南北が分断されてから50年あまり途絶えていた南北間の道路は、今月5日、金剛山に行く東海岸の道路が開通したのに続いて、西海岸でも連結されることになります。韓国統一部によりますと、21日、この道路を通って北韓の開城市に向かうのは、韓国土地公社と、現代峨山、それに政府関係者のあわせて37人で日帰りで開城を訪問して工業団地予定地の下見調査を行う予定です。

・国連安全保障理事会は19日、IAEA=国際原子力機関が北韓の核問題を安保理に付託したのを受けて、初めての協議を非公開で行い、当面は専門家レベルで報告内容を検討することになりました。安保理のプロイガー議長は協議の後、記者会見し、「問題が複雑なため、国連駐在代表部の各理事国の核専門家らが状況と法的問題を検討する必要があるという見解で合意した」と述べました。この専門家レベルの協議の日程などは未定で、これは安保理が北韓問題について、当面は関係国の交渉などの成り行きを見守る姿勢を示したものとみられています。

・韓国軍合同参謀本部によりますと、北韓のミグ19型戦闘機1機が20日午前10時3分頃、韓国西部の黄海上空を南下し、海上の南北軍事境界線の、北方限界線を越えて韓国側に侵入しました。ミグ戦闘機は2分後には北韓側に引き返したということで、国防部は戦闘機6機を発進させました。北韓の戦闘機が韓国に侵入したのは、83年以来のことで、国防部は北韓の意図を分析した上で、北韓側に強く抗議する方針です。

・韓国駐留アメリカ軍の再配置と削減問題をめぐって、韓国とアメリカの軍当局は今年4月から本格的な協議にとりかかります。韓国の李俊国防部長官は19日、国会国防委員会で報告し、「去年の韓米定例安保協議会で合意したことを受け、初めての協議を4月から始め、四半期ごとに行う予定だ」と述べました。李長官はこの協議について、「韓国駐留アメリカ軍を海軍と空軍で再編成し、韓半島で戦争が起きた場にさらに兵力を支援する。またソウルを東西に流れる漢江の北側にいる陸具の一部を漢江の南側に再配置する」というのがアメリカ側の方針だ」と説明しました。

・韓国大学教育協議会は20日、全国の大学199校の来年2004年度の新入生選抜計画を集計して発表しました。それによりますと、2004年度の新入生の募集定員は39万5,703人で、2003年度より1万1,677人増えましたが、大学進学希望者を対象に行われる修学能力試験の受験者は大きく変わらないものと見られるため、競争率は2002年度の1.23倍よりやや低い1.20倍になるものと予想されます。また2004年度の入試では、優秀な新入生を確保するために、修学能力試験の成績とは関係なく、高校の成績で新入生を選抜する随時募集が大きく増えて、定員の38.8%を占め、また実業高校の卒業生を定員外に入学させる特別選抜も拡大されます。

・韓国外換銀行が公示した20日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1005ウォン63銭で、前日に比べて88銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1197ウォン30銭で、前日に比べて70銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は605.51ポイントと、前日より4.68ポイント上昇しました。

・20日のソウルは晴れ、午後3時の気温は プラス8度2分でした。21日は、高気圧に覆われ全国的に晴れる見込みです。朝の予想最低気温は、氷点下6度からプラス4度、日中の最高気温は8度から14度という予報です。

2月19日水曜日

・大邱地下鉄の放火事件を捜査している大邱中部警察署は、放火した容疑者と電車の運転士らから事件の経緯と被害が拡大した原因について集中的に捜査を行なっています。警察の調べによりますと、容疑者の56才の男性は、医療ミスで身体障害者になったと身の上を悲観し、18日朝、ガソリンスタンドで7,000ウォンでガソリンを買って牛乳びん2本に詰め、8つ手前の駅で地下鉄に乗り込み、中央路駅に到着する直前に、車内に放火したと供述したということです。また警察の調べによりますと、犠牲者が多かった反対方向からきた電車は、中央路駅に到着する前、司令室から駅で事故が起きているから運転に注意するようにという指示を受けましたが、火災が起きていることは知りませんでした。そして駅に到着して開いたドアから煙が入ってきたためドアを閉めて停車を続け、10分後に司令室からの避難指示を受けて再びドアを開けたと話しています。これに対してこの電車の乗客は「中央路駅に到着した時にはすでに有毒ガスが立ち込めていた。ドアは開いたが 数秒後に“出発します”という案内放送があってドアが閉まったが、停まったままだった。さらに数分後にドアが開かれて“降りてください”という案内放送があった」と証言しています。警察では2本の電車のほとんどのドアが閉まっていたことを重視して、火災発生後に反対線路に別の電車が入ってきた経緯と、総合司令室からの指示、そして乗客の安全に向けた対応がどのように行われたかを中心に調べを進めています。事故対策本部によりますと、19日午後3時現在の死者は53人、けが人は146人に上っています。しかし焼けた電車の中には少なくとも72人の遺体があることや、家族から行方不明の届けがあった人が165人に上っていることから、今後、死者の数は増えるものとみられています。大邱地下鉄公社は、19日朝から事故のあった中央駅と影響のあった周辺の6つの駅を挟んだ東西24の駅で、地下鉄の折り返し運転を始めました。

・ところで、携帯電話会社によりますと、事故現場の大邱地下鉄の中央路駅で最終的に位置発信の電波が途絶えた携帯電話は110基あまりあることが分かりました。携帯電話会社は携帯電話の加入者の位置を半径300メートルの中で確認できる仕組みを持っており、大邱市消防本部が集計した行方不明者162人とかなり関連があるものと関係者は話しています。

・金 大中大統領は多くの犠牲者を出した大邱地下鉄の中央駅周辺を特別災害地域に指定することになりました。金 大中大統領は18日、大邱地下鉄の惨事について報告を受けた席で事故地域を災害管理法にもとづく特別災害地域に指定する方向で検討するよう指示しました。特別災害地域に指定されますと、応急対策と復旧に必要な行政、財政、金融、税制上の特別な支援が行なわれ、該当する地方自治体の被害補償金額の一部を国が肩代わりします。これまで特別災害地域に指定されたのは、95年6月のソウルの三豊デパート崩壊事故と、99年4月の江原道の山火事の2回で、国からそれぞれ700億ウォン前後の支援が行われました。

・ソウルの地下鉄を運行しているソウル地下鉄公社と都市鉄道公社は、大邱地下鉄放火事件を真似する事件が起きる可能性に備えて、駅の警戒を強化しています。2つの公社は18日から、ソウル市内の280の地下鉄駅の構内に警察官を配置して警戒を強めていますが、このうち都市鉄道公社には19日早朝、地下鉄を爆破するという脅迫の電話があり、警察はその容疑者をまもなく逮捕しました。このため、2つの公社は駅や車内の放送でガソリンなど危険物を所持している不審者をみつけたら、係員に知らせるよう乗客に呼びかけるとともに、車両に備え付けている消火器の使い方、火災が起きた際の避難要領などの案内放送を行なっています。また京畿道水原市では18日夜、ナイトクラブに放火しようとした男性が逮捕されました。

・大統領職引き継ぎ委員会は、大邱地下鉄火災の惨事があったことから、来週25日の国会広場で行なわれる大統領就任式を初めの計画より縮小して行なうことになりました。大統領職引き継ぎ委員会の関係者は19日「就任式の中に大邱地下鉄火災事件の犠牲者への黙とうを追加し、晴れやかなイベントは縮小して厳かに行なうことで検討している」と述べました。

・この大邱地下鉄火災事件について、各国首脳から哀悼のメッセージが相次いでいます。日本の小泉首相は18日午後、金 大中大統領に地下鉄の惨事で亡くなられた犠牲者に対する哀悼のメッセージを送ったと日本の外務省が発表しました。またアメリカのブッシュ大統領は18日、ホワイト・ハウスのフライシャー報道官を通じて哀悼のメッセージを伝えました。中国の江澤民国家主席も金 大中大統領にメッセージを送り、韓国の国民と事件の遺族らに謹んで哀悼の意を表明しました。ロシアのプーチン大統領も哀悼のメッセージを送り「多くの罪のない人命が犠牲になり、遺憾であります。遺族の皆様とその悲しみをともにし、事故が早く収拾することを祈ります」と述べました。

・中国の北京にある日本人学校に18日午後、北韓を脱出した住民4人が駆け込みをはかり、日本への亡命を求めており、日本政府は韓国行きも含めて検討しているものとみられます。日本で北韓脱出者を支援する団体「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」によりますと、駆け込みをはかった4人は北韓のハムキョン南道出身の周美英さん(43)と長女と長男、そして黄海道出身の男性の金哲さん(20)の4人で、いずれも97年に北韓を脱出し、中国でRENKの支援を受けてきたということです。北京で日本の公館に北韓脱出者が駆け込みに成功したのはこれが初めてで、日本大使館員が4人の身柄を領事部に移し、事情聴取を行なっていますが、日本政府は4人について韓国行きを含めた第3国への出国も検討しているということです。

・北韓は、アメリカが北韓に対する制裁を加えれば、韓国戦争の休戦協定の義務履行を放棄することもあり得ると、18日、朝鮮中央通信を通じて発表しました。北韓の人民軍板門店代表部の談話として発表したところによりますと、北韓は、「休戦協定第15項によると、アメリカは北韓に対していかなる封鎖もできないと定められている」として、「北韓に対する制裁を加えてくれば、韓国戦争の休戦協定の義務履行を放棄し、断固とした措置をとらざるをえない」と主張しました。これに対してホワイト・ハウスは18日「北韓の休戦協定の義務放棄の脅しは予測可能なものの一つだ」と一蹴し、アメリカは北韓の脅しに屈しないと述べました。ホワイト・ハウスのフライシャー報道官は「北韓はこれまでも関係国の神経を逆なでするような表現で脅しをかけて利益を受けたことがある。そのような方法はアメリカには効き目がない。今後も中国、ロシア、韓国、日本とともに外交的なアプローチを続けていく方針だ」と述べました。

・北韓は今月初め、ドイツから神経ガスの製造に必要な毒物を大量に持ち込んだと、アメリカのワシントン・タイムズ・インターネット版がアメリカ情報当局者の話として18日報道しました。それによりますと、去年12月にイエメン沖でスカッド・ミサイル15基を積んでイエメンに向かう途中の北韓の貨物船が、スペインとアメリカの海軍の臨検を受けましたが、その貨物船はイエメンにミサイルを陸揚げした後、ドイツに移動し、神経ガスなどを作るのにも使われる数トンもの量のシアン化ナトリウムを積んで今月初めに北韓西海岸の南浦港に着いたということです。

・盧武鉉次期大統領の大統領職引き継ぎ委員会は、17日、韓国のインターネット新聞の記者に対しても、大統領府・青瓦台の記者室を開放する方針を明らかにしました。それによりますと、これまで韓国の新聞社、通信社、放送局に割り当ててきた記者室の中の各社別のブースをなくす代わりに、すべてのメディアの記者団が出切りできる部屋を設けるとともに、1日2回行なっている定例ブリーフィングも、ホームページの動画やケーブルテレビの国政広報チャンネルを通じて生中継することにしています。こうした変化は、盧武鉉次期大統領の改革によるものですが、大手の新聞社の多くが盧武鉉氏にやや批判的なのに対し、インターネット新聞の多くが盧武鉉氏に好意的だという点が影響しているという見方もあります。

・6回目の南北離散家族再会が20日から25日までの6日間北韓の金剛山で行われます。今回の離散家族再会事業は、東海岸に設けられた臨時道路で軍事境界線を移動する 陸路による訪問で、北韓側のリストにある離散家族100人と再会する韓国側の肉親500人が金剛山に向かうため、19日束草のコンドミニアムに集合しました。500人は20日午後に団体での再会、21日には家族ごとの再会など3回の再会を果たす予定で、23日から今度は韓国側リストの離散家族100人が金剛山に向かいます。

・韓国と日本の俳優による映画「ラン・ツー・ユ」が日本に100万ドルで輸出されることになりました。日本でこの映画のビデオ版権を獲得した日本のマキ・プロダクションが、このほど開かれた夕張映画祭でこの映画を試写して、日本の劇場での配給権を100万ドルで韓国の映画製作会社と契約しました。この映画は、日本の新宿でクラブ歌手活動中、不法滞在者として摘発されて追放された主人公がソウルに戻って歌手の夢を実現するというあらすじで、韓国の俳優兼歌手のティ・ジョンアンさんと日本の高橋カズヤさんらが出演しており、韓国では来月14日に封切りされます。

・韓国伝統の闘牛も金をかけて楽しむことができるようになります。農林部は去年8月に国会で成立した韓国伝統の闘牛による法律の施行令と規則をまとめ、27日から施行すると発表しました。政府は、慶尚北道清道郡や慶尚南道晋州市などで祭りとして有名な韓国伝統の闘牛を健全なレジャースポーツと観光商品として開発するという趣旨で、地方自治体が農林部長官の許可を受けて常設の闘牛場を開設し、馬券のような牛券を発売できるとしています。全体の発売金額のうち72%は優勝した牛を当てた人たちに賞金として配分し、残りは運営費や地方自治体レジャー税、地方教育税、漁村特別税に使われます。しかし過度な投機を防ぐため、1試合当たりの掛け金は1人10万ウォン未満に制限する方針です。

・韓国外換銀行が公示した19日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,006ウォン51銭で、前日に比べて61銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,198ウォンで、前日に比べて3ウォン50銭のウォン高でした。韓国株式市場の19日の総合株価指数は、600.83ポイントと、前日に比べて2.62ポイント下落しました。

・19日のソウルはくもり、午後3時の気温は3度4分でした。20日は高気圧の圏内に入っておおむね晴れますが、東海岸と南部地方は一時くもりになる見込みです。19日の予想最低気温は氷点下8度からプラス1度、日中の最高気温は4度から9度という予報です。

2月18日火曜日

・大邱地下鉄の放火火災事件を捜査している大邱中部警察署は、放火した容疑者と電車の運転士らから事件の経緯と被害が拡大した原因について集中的に捜査を行なっています。警察の調べによりますと、容疑者とみられる56才の男性は、医療ミスで身体障害者になったと身の上を悲観し、18日朝、ガソリンスタンドで7,000ウォン相当のガソリンを買って8つ前の駅で地下鉄に乗り込み、中央路駅に到着した直前に放火したと供述したということです。また警察の調べによりますと、犠牲者が多かった反対方向からきた電車は、中央路駅に到着する前、司令室から駅で事故が起きているから運転に注意するようにという指示を受けましたが、火災が起きていることは知りませんでした。そして事故現場の駅に到着した後は開いたドアから煙が入ってきたためドアを閉め、10分後に司令室からの避難指示を受けて再びドアを開けたと話しています。これについてこの電車の乗客は「事故現場に到着した時にはすでに有毒ガスが立ち込めていた。ドアが開かれた後 数秒後にまもなく“出発します”という案内放送があってドアが閉まったが停まったままだった。さらに数分後にドアが開かれて“降りてください”という案内放送があった」と証言しています。警察では2本の電車のほとんどのドアが閉まっていることを重視して、火災発生後に反対線路に別の電車が入ってきた経緯と、総合司令室からの指示、そして乗客の安全に向けた対応がどのように行われたかを中心に調べることにしています。大邱地下鉄火災事故対策本部によりますと、19日午前11時現在、死者は125人、けが人146人で、ほかに身元の分からない遺体が数十体あります。

・韓米連合軍司令部は、毎年定例の韓米合同軍事演習「フォール・イーグル」(Foal Eagle) を来月4日から4月2日まで行うことにし、この期間中に「戦時増援演習」(RSOI)も、並行して実施する計画を17日明らかにしました。韓米合同軍事演習「フォール・イーグル」(Foal Eagle)は、韓半島での戦争を抑止するための機動訓練を中心とした合同演習で1961年からほぼ毎年実施しており、一方の「戦時増援演習」(RSOI)は、有事の際の指揮や命令系統を点検する演習として1994年から始まったものです。韓米連合軍司令部は、それぞれ別々に行っていたふたつの演習を2002年から統合して行うようになり、北韓に対しても事前に演習日程を通報していますが、今年は、北韓の核問題で緊張が高まっているだけに北韓の強い反発が予想されています。

・アメリカ政府は、北韓が核兵器開発問題でさらなる強硬姿勢に出た場合に備えて、北韓に対する制裁措置を検討し始めたと、ニューヨークタイムズのインターネット版が17日伝えました。それによりますと、アメリカ政府が検討している北韓への制裁措置は、北韓の資金源であるミサイルなど兵器の輸出を不可能にしたり、朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会による北韓への送金を封鎖することなどがあげられています。しかし、日本から北韓への送金停止について日本の福田官房長官は、17日、「今の法律制度では送金を停止することは不可能だ」と述べています。

・盧武鉉次期大統領は、17日、新政権の大統領府・青瓦台の秘書官37人のうち、31人を内定し発表しました。31人は、全員新人で、大統領職引き継ぎ委員会のメンバーが13人含まれていて、現政権の海外メディア担当秘書官と、制度改善担当秘書官の2人が留任となった他は、現職の公務員は一人も含まれていないのが特長です。また50歳代はわずか5人で、40歳台が23人と中心を占め、30歳台も3人いるなど若い人が多く、大学生当時 反政府運動をした人も含まれています。反面、女性は、わずか4人で、出身地域別には、現政権の支持基盤である全羅道が11人と最も多く、慶尚道は7人などとなっています。このように新政権の大統領府・青瓦台の秘書官に、現職の公務員が完全に排除されたことは、盧武鉉次期大統領が公務員に対して強い不信感を抱いていることの表れだという見方も出ています。

・韓国の財閥第3位の「SKグループ」の株価操作と脱税事件でソウル地方検察庁は、SKグループの創業者の孫であるSK株式会社会長のチェ・テウォン氏ら 幹部17人に出国禁止措置をとり、捜査を進めています。これまでの捜査によりますと、SKグループは、系列会社のSK証券株の株価を操作したり、ウォーカーヒルホテルの株を高く買い入れて相続税を節約したりした疑いがもたれています。SKグループは、グループ会長で専門経営者のソン・キルスン会長氏がこのほど、韓国の財界の司令塔ともいえる全経連=全国経済人連合会の会長に就任しており、公正取り引き委員会の告発の前に検察が捜査に乗り出したことは異例なだけに注目されています。

・2010年に開かれる冬のオリンピック開催地の候補地として名乗りをあげている江原道ピョンチャンの準備状況を把握するため4日間にわたって現地を訪れていたIOC=国際オリンピック委員会の視察団は、17日記者会見し、「おおむね満足だ」とする見解を示しました。IOC視察団のハイバーグ団長は、「IOCが最も重要だと考えているのは、現地住民の支持度であり、その点でピョンチャンの住民たちは、オリンピック誘致に対する熱望を強く抱いていた」と語りました。ハイバーグ団長は、また「道路や競技場間の距離など補完しなければならない点はあるが、オリンピック開催までに時間的余裕はたっぷりあるので特に問題にはならない」という見解を示しました。視察団は、来月別の候補地のカナダ・バンクーバーと、オーストリアのザルツブルクを視察し、今年5月2日に報告書をまとめる計画です。2010年の冬のオリンピック開催地は、7月2日、チェコのプラハで開かれるIOC総会で決まります。

・ロト宝くじを販売している国民銀行が18日明らかにしたところによりますと、先月1月中にロト宝くじで作られた公益基金は、165億ウォンに達しました。これは、1月のロト宝くじの販売額551億ウォンから、当選金50%と、発行費用20%を除いた残りの30%です。165億ウォンは、この宝くじを主催している10の機関に配分されますが、配分金額は、建設交通部が46億ウォンと最も多く、次いで、科学技術部、文化観光部、国家保勲処、中小企業庁、山林庁、行政自治部、労働部、済州道、保健福祉部の順となっています。ロト宝くじは、2月になって爆発的な人気となったことから2月の配分額は、1月の数倍に達する見込みです。

・韓国の就職情報サイトが200ヵ所あまりの企業を対象に今年の賃金引き上げ率の展望を調査した結果、平均7.1%であることが分かりました。このうち大手企業は平均6.2%、中小企業はこれより高い7.6%の賃金の引き上げが見込まれているということです。また今度の調査の結果、大学卒業者の初年度の年俸は平均2,217万ウォンで、入社10年目の社員は3、919万ウォン、20年目は、平均5、788万ウォンでした。

・韓日間の領土紛争地域である独島、日本でいう竹島に韓国の郵便番号がつけられました。情報通信部の郵政事業本部は17日、今年1月1日、独島に「799-805」番の郵便番号をつけ、今年発行される全国郵便番号簿に掲載したと発表しました。独島に郵便番号が与えられたのは、独島有人化運動本部が去年、独島の警備隊に慰問品を送ろうとした際、郵便番号がなかったことから、慶尚北道の逓信庁に郵便番号の付与を要請し、1年目に実現したものです。

・韓国男子テニスのエース、李ヒョンテク選手が、アメリカ カリフォルニア州のサンホゼで行われたプロテニス選手協会ATPツアーのシーベルオープン大会 男子ダブルス決勝で優勝し、韓国人選手として初めてダブルスを制覇しました。男子シングルスで世界ランキング66位の李ヒョンテク選手は、この大会、ベラルーシのボルチコフ選手とペアを組み、決勝戦で、アメリカのゴールドスタイン、ケンドリック組を、2対1で破って優勝しました。韓国人選手がATPツアーの男子ダブルスで優勝したのは、李選手が初めてです。

・韓国外換銀行が公示した18日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,007ウォン12銭で、前日に比べて5ウォン96銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,201ウォン50銭で、前日に比べて6ウォン20銭のウォン高でした。韓国株式市場の18日の総合株価指数は、603.45ポイントと、前日に比べて1.58ポイント上昇しました。

・18日のソウルは晴れ、午後3時の気温は6度6分でした。19日は気圧の谷の影響を受けて中部地方と慶尚道は曇り、東海岸は雨または雪となり、西の方から次第に晴れとなるでしょう。19日の予想最低気温は氷点下6度からプラス5度、日中の最高気温は4度から12度という予報です。

2月17日月曜日

・金剛山観光を行なっている現代アサンの鄭夢憲会長が16日、「北韓への送金は2億ドルではなく5億ドルで、2000年の南北首脳会談の実現に一定の役割を果たしたことは間違いない」と述べたことは、各方面に大きな波紋を呼んでいます。現代アサンの鄭会長は、16日、軍事境界線をバスで通る金剛山テスト観光を終えた後、江原道コソン郡で記者会見し、「2000年に対北韓経済協力事業の見返りとして現代が北韓に送金したのは2億ドルではなく5億ドルだった。これが2000年6月の南北首脳会談の実現に一定の役割を果たしたことは間違いないと思う」と述べました。そして「国内法で反国家団体としている北韓への経済協力事業を実行するには、政府当局の深い理解と協力が必要だった」と述べ、5億ドルの送金に政府が深く介入していたことを示唆しました。さらに鄭会長は、北韓が南北首脳会談の必要性に共感したため、2000年3月8日、金 大中大統領の側近の当時の朴チウォン文化観光部長官と、北韓アジア太平洋平和委員会のソン・ホキョン副委員長との会合を、現代が仲介した」と説明しました。

・こうした現代アサンの鄭夢憲会長の発言について、野党ハンナラ党は言い訳に過ぎないとして特別検事による徹底した捜査を求めています。ハンナラ党の朴鐘熙スポークスマンは16日「北韓と密室取り引きを行なった当事者に真実を求めることはむなしいことを改めて確認させられた」として「特別検事による徹底した捜査で政経ゆ着の実態を明らかにし、法律違反者は地位を問わず、厳しく処罰しなければならない」として現代の関係者、朴チウォン大統領府秘書室長や林東源特別補佐役らの出国禁止措置を求めました。

・一方、与党=民主党はこの発言は現代の送金に対する疑惑を解明するのに十分な内容だったという論評を出しました。民主党のキム・ゼドゥ副スポークスマンは「金 大中大統領の国民に向けた釈明会見と、現代の弁明で北韓への送金に対する疑惑は充分解明できたと思う。この問題で分裂した国論を結集して、北韓問題やイラク情勢などで厳しくなった経済環境などを克服する知恵を集めなければならない」と述べ、この問題を特別検事の捜査対象とする法案の成立には反対する方針です。

・金 大中大統領は17日「アメリカは北韓に対して軍事行動を起こすとは思わない」と述べ、北韓の核開発問題は対話によって解決しなければならないと強調しました。金 大統領は文化、観光の団体関係者200人を青瓦台に招待した席でこのように述べるとともに「北韓が核兵器を保有すると、韓国や日本も核に対する立場が変わってくる」として、いかなる場合でも北韓の核兵器保有には反対する考えを示しました。金 大中大統領はまた「北韓は体制の安全保障を願っており、アメリカは北韓の核開発の断念が先決だとしている。米朝対話は必ず実現させなければならない」と強調しました。

・アメリカは北韓の核開発問題について、北韓との2国間協議を行なう考えはなく、関係各国を交えた多国間協議で対話を進めていく考えを改めて示しました。これはホワイト・ハウスのライス国家安保担当補佐官が16日、アメリカのフォックスTVとの会見で述べたもので、それによりますと、「北韓が核開発問題を米朝間の協議で取り上げようとしているのは知っている。しかし中国、ロシア、日本も大きな利害関係がからんでいる。私たちは北韓の核開発問題が悪化するのを防ぐ機会を持っており、外交的なアプローチを通じて、そして利害関係がからんでいる周辺各国の強力な行動でこの機会を得ることができると思う」と述べ、アメリカは今後も北韓との2国間協議には応じず、中国、ロシア、日本などとの多国間協議で解決を進めていく考えを示しました。

・盧武鉉次期大統領の特使としてロシアを訪問して帰国した民主党のチョ・スンヒョン議員は16日「北韓の核開発問題は複雑ではあるが、平和的に解決される可能性が高い」と述べました。チョ議員は「IAEA=国際原子力機関が北韓の核開発問題を国連の安全保障理事会に付託したことは必要なことだった。北韓の核問題は南北とアメリカだけの問題でなく、北東アジアと世界の安全保障を脅かすものだ。ロシアは北韓の核問題の平和的な解決に重要な役割を果たしている」と述べました。

・国会は17日の本会議で、日本の最高裁判所長官に当たる大法院長に指名された高鉉哲氏に対する任命同意案を賛成215、反対19、無効1の賛成多数で成立させました。

・ロンドン発連合ニュースです。北韓は寧辺の原子力発電所より規模の大きい原子力発電機4基を建設する計画をたてているとイギリスの日刊紙「デイリーテレグラフ」が16日の日曜版で報道しました。これはデイリーテレグラフが平壌で北韓のキム・ゼロク エネルギー局長と行なったインタビューで明らかになったもので、キム局長は「北韓は電力不足で多くの地域で暖房と照明ができないため、緊急措置として、合計で20万キロワットの新しい原発を計画している。これらは寧辺の原子炉に比べて40倍の電力を供給できる」と述べました。キム局長は「北韓は現在の設備では核兵器を生産しておらず、新しく建設する原発も兵器開発に利用することはない」と話したということです。

・北韓は金 正日国防委員長の後継者として次男の金正哲氏(22)を内定し、これを正式に確定するため、まず金正哲氏の母親を偶像化する作業を始めたと日本の毎日新聞が16日、報道しました。この記事は韓国の月刊誌「月刊朝鮮」を引用したもので、金 正日国防委員長は、長男の金正男氏(31)については2001年に日本に不法入国して強制退去させられた行動などから候補から外したということです。次男の正哲氏の後継者としての内定は、去年8月の北韓の出版物でも確認されており、金正哲氏の母親の高英姫氏を「尊敬するオモニムは、敬愛する最高司令官(金国防委員長)に忠実な忠臣中の忠臣」と表現しており、この「尊敬するオモニム」という表現は北韓では最大級の敬称で、偶像化する場合に使われています。このため金正哲氏を後継者として正式に決める前にまず母親の偶像化を進めているものとみられるということです。しかし金正哲氏に正式に決まるまでには、さらに軍部の説得や反対勢力の排除などが必要だとみられます。

・日本の植民地地代に日本に強制徴用されて死亡した韓国人69人のリストと遺骨が札幌で見つかったことが分かりました。朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会のチェ・ホンチョル札幌支部委員長が連合ニュースにeメールで送ってきたところによりますと、札幌にある浄土真宗=西本願寺派の札幌別院で、このほど101人の名前がつづられたリストと遺骨が発見され、このうち韓国人は北韓の11人を含めて69人でいずれも本籍が書いてあり、残りの32人のうち中国人とみられる名前が5人、日本人とみられる名前は6人含まれているということです。チェ委員長は遺骨は「遺骨はすでに合祀されているため個別の判定が難しく、リストにある101人の遺骨かどうかも判断しにくい」としています。このリストと遺骨は、強制連行されて労働をさせられた人たちの遺骨がこの寺にあるといううわさをもとに、関係者が調査を行なった結果、去年12月6日に見つけたもので、民団=在日本大韓民国民団と朝鮮総連、日本の市民団体などはこのほどこの寺で慰霊祭を行ったということです。

・政府は、去年のサッカー・ワールドカップで韓国のベスト4進出に大きく貢献したオランダ人のヒディンク前監督など、韓国に大いに貢献した外国人に永住権を与える方針です。法務部は17日、韓国に特別に貢献した外国人のうち、法務部長官が認定した者には永住資格を与える内容を柱とする出入国管理法の施行令の改正案を立法予告しました。これによって閣議などの関連手続きを経て改正案が決まれば、ヒディンク前監督など、韓国に特別に貢献した外国人は、永住権の資格取得に必要な韓国の滞在期間=5年から12年に満たなくても、本人が申請すれば永住権を得ることが可能となります。

・韓国の大統領府、青瓦台の新しいインターネット・アドレスが決まりました。この新しいインターネットホームページは、来週24日深夜からスタートし、盧武鉉次期大統領の「参加の政府」の活動や政策決定の過程などを国民に説明し、国民から政策などについて提案してもらうなどの内容になるということです。新しい青瓦台のインターネットホームページのアドレスは、www.president.go.krです。

・韓国、日本、中国のサッカーの最強クラブを決める初の大会の「サッカーA3マツダチャンピオンズカップ」が16日から日本で始まり、韓国Kリーグの王者、城南一和はJリーグの王者、ジュビロ磐田に2対0で勝ち、好いスタートを切りました。東京の国立競技場で行われたKリーグとJリーグのチャンピオン同士の対決、城南は前半25分のフリーキックを、MF申台竜が直接決めて先制した後、後半にはFWの金大儀がミドルシュートを突き刺し、磐田を突き放しました。また開催国の推薦を受けて出場した鹿島アントラーズは、中国Cリーグの王者、大連実徳に3対1で勝ちました。韓国の城南は19日に中国と、22日には鹿島と対戦します。

・韓国外換銀行が公示した17日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1,001ウォン16銭で、先週金曜日に比べて3ウォン7銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,207ウォン70銭で、先週金曜日に比べて6ウォンのウォン安でした。韓国株式市場の17日の総合株価指数は、601.87ポイントと、先週金曜日に比べて26.63ポイントも上昇し、ほぼ2週間ぶりに600ポイントの大台を回復しました。

・17日のソウルは晴れ、午後3時の気温は9度5分でした。18日は気圧の谷の影響を受けて、中部地方は曇りのち晴れ、南部地方は曇りとなるでしょう。朝の予想最低気温は氷点下3度からプラス4度、日中の最高気温はプラス6度から14度という予報で、気象庁によりますと今週1週間は概ね春を思わせる暖かい毎日になるということです。

2月15日土曜日

・韓国にとって初めてとなる南米チリとの間のFTA=自由貿易協定が15日、ソウルで調印され、韓国・チリ間の貿易が飛躍的に発展する見込みとなりました。調印式は、青瓦台で行われ、協定文書に韓国のチェ・ソンホン外交通商長官と、チリのクリスティアン・バロス外務長官が署名しました。韓国チリ自由貿易協定は、両国の国会で批准し批准書を交換した30日後から正式に発効します。協定が発効しますと、韓国は、金属の電気銅1品目を除いた工業製品全品目に対する関税を即時撤廃し、農産物の場合、一年目に配合飼料など224品目の関税を撤廃します。一方、チリは、自動車、携帯電話機、コンピューター、機械類などチリへの輸出品目の66%にあたる2300品目に対する関税を即時撤廃します。韓国とチリの自由貿易協定は、99年9月に両国首脳の合意によって協議が始まり、去年10月24日に対象品目や方法についての協議がまとまりましたが、金融市場の開放は4年後に協議を行うことになっています。

・金大中大統領は、15日、韓国を訪れているチリのラゴス大統領と会談し、韓国とチリのFTA=自由貿易協定が両国の国会で早急に批准されるよう両国政府が共同で努力することを約束しました。金大統領は、この席で、「両国のFTA締結で、貿易と投資、情報通信、科学技術などあらゆる分野での協力が強化されることを希望する」と語りました。また金大統領は、チリ政府が韓国人観光客に対して今年3月から30日間のビザなし入国を許可したことを評価し、去年10月のメキシコでの首脳会談で合意したビザ免除協定の締結に向けて努力するよう要請しました。

・アメリカのパウエル国務長官が、22日から日本、中国、韓国の順に訪問する方向で調整に入ったと、日本の時事通信が14日報道しました。それによりますと、パウエル国務長官は、25日に行われる盧武鉉次期大統領の就任式に出席した後、盧武鉉大統領と北韓の核問題などについて会談します。これに先立って行われる日本と中国への訪問では、北韓の核問題やイラク問題について緊密に協議する計画だということです。パウエル国務長官は、去年11月に韓・中・日3か国を訪問する予定でしたが、イラク情勢が悪化したため訪問を延期していました。

・アメリカのラムズフェルド国防長官は、13日、韓国駐留アメリカ軍の再配置と削減の可能性について、盧武鉉次期大統領のアメリカ訪問の際、本格的な論議を行う方針を示したとワシントンポストが14日報道しました。それによりますと、ラムズフェルド国防長官は、韓国の首都ソウルの北部や非武装地帯の付近に駐留しているアメリカ軍を、首都圏から南の後方に再配置する案について前向きに検討しており、3万7000人のアメリカ軍兵力を削減する可能性があることもほのめかしたということです。これについてロサンゼルスタイムズは14日、ラムズフェルド国防長官のこうした発言は、韓国内での反米感情や、アメリカ軍基地が北韓に対して露出していて攻撃を受ける危険性にさらされていることを憂慮したものだと伝えました。

・アメリカ人の10人中7人は、戦争をしなくても北韓の核問題を解決できると考えていることが分かりました。これは、アメリカのCBS放送と、ニューヨークタイムズが今月10日から12日まで20歳以上のアメリカ人747人を対象にアンケート調査した結果分かったもので、回答者の67%つまり10人中7人は、北韓の核兵器開発の脅威は「抑止できる」と答えており、12%だけが北韓に対する軍事行動が求められるとしています。またイラク情勢については、全体の76%が戦争が起きる可能性があると考えているのに対し、北韓との戦争はわずか11%の人が可能性があると答えていました。

・モスクワ発 KBS特派員の報道によりますと、盧武鉉次期大統領は、ロシアのプーチン大統領と今年10月に首脳会談を行う方向で調整に入りました。盧武鉉次期大統領の特使としてモスクワを訪れている民主党のチョ・スンヒョン議員は、15日、モスクワの韓国大使館で記者会見し、今年10月にバンコクで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議で韓国ロシア首脳会談を行うことで、クレムリンと合意したと明らかにしました。ロシアは、盧武鉉新大統領の就任式に、ミロノフ上院議長を団長とする祝賀使節団を派遣する計画です。

・金大中政権から次の盧武鉉政権への移行を円滑に行うための第16代大統領職引き継ぎ委員会が来週21日で、活動を終了することになりました。大統領職引き継ぎ委員会のチョン・スンキュンスポークスマンは、14日「大統領職引き継ぎ委員会の活動は事実上終了段階に入っており、21日の全体会議で最終報告書をまとめ、午後4時の批評会を最後に活動を終了する」と述べました。第16代大統領職引き継ぎ委員会は、大統領選挙直後の去年12月27日に設置され、12の国政課題について政府各部署から業務報告を受けて検討し、次期政権の青写真をつくる一方、新政権の人事を準備してきました。

・環境部と環境団体がいっしょに作っている「軽油乗用車環境委員会」は、再来年、2005年から軽油を使うディーゼルエンジンの乗用車を一部導入し、翌2006年からは全面的に許可することに合意しました。それによりますと、3年後の2006年1月からは、乗用車の排気ガスの基準をヨーロッパのレベルに緩和して、軽油を使う乗用車の販売を認めるというものです。また環境にやさしい軽油エンジンの技術開発のため、一年前の2005年から軽油乗用車のテスト販売を許可することにしています。

・韓国では、この春、大学を卒業する若者の就職率が、わずか36.7%であることが分かりました。これは、韓国リクルート社が、今月卒業する予定の大学生2900人を対象に調べた結果、分かったもので、回答者の36.7%にあたる1070人だけが就職が決まっていました。このうち男性は39.4%、女性は31.9%と、男性の就職率が女性よりやや高く4年制大学の就職率が2年制の短期大学より少し高くなっています。就職先としては、中小企業が37.6%と最も多く、大手企業は19.5%に過ぎませんでした。業種別には情報技術と通信業界が36%、サービス業18.1%、電気電子13%の順でした。

・ソウル市は、低所得層の市民のための食品売り場「フード・マーケット」を今月末にオープンさせることになりました。「フード・マーケット」は、どんな品物でも100ウォン、日本円にして10円前後で買える格安のマーケットで、ソウル市が発行している低所得層市民証明証を持った人に限って利用できます。低所得層市民証明証は、生計費が4人家族で1ヵ月102万ウォン以下の世帯に与えられるものです。ソウル市は、この「フード・マーケット」をソウル北部のトボン区チャン洞にオープンさせることにしており、販売する食品を確保するため大手食品メーカー2社と現在 協議を進めています。

・15日は、土曜日のため取引はありません。前日14日の終値は、日本円100円が、998ウォン09銭で、アメリカドル1ドルは、1201ウォン70銭でした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・15日ソウルは晴れ時々くもり、正午の気温は5度2分でした。16日、日曜日は高気圧に覆われ全国的に晴れる見込みです。朝の最低気温は氷点下4度からプラス4度、日中の最高気温はプラス7度から12度という予報です。

2月14日金曜日

・韓半島東部の軍事境界線を通って北韓の金剛山に向かう臨時道路の開通式が14日午前、 関係者600人が出席して江原道コソン郡で行われました。韓国と北韓は、東部と西部で鉄道と道路の連結工事を進めていますが、開通第1号となったこの臨時道路は、コソン統一展望台から軍事境界線までの6.7キロ、幅5メートルの未舗装道路です。開通式の後、現代商船が招待した政府関係者や、国会議員ら500人がバス20台でこの道路を通り、3日間の金剛山テスト観光に向かいました。一般の人を対象としたこの道路を通る金剛山陸路観光は、来週21日にスタートし、週に4-5回の割合で行われることになっています。陸路による金剛山観光はこれまでの客船での金剛山観光と比べて北韓のチャンジョン港までの所要時間がおよそ40分と大幅に短縮されて観光料金も安くなるため赤字経営が続いていた金剛山観光事業の活性化が期待されています。

・ところで、今月20日から金剛山で行われる6回目の南北離散家族再会の際、韓国側の家族は、この道路を通って北韓の金剛山に向かうことが決まりました。大韓赤十字社は、来週20日に金剛山に向かう韓国側の離散家族訪問団500人あまりが陸路を通って北韓入りできるように要請した韓国側の提案に対して北韓の赤十字会からこれを受け入れるという電話通知文を14日に受け取ったと発表しました。

・北韓は、射程距離1万キロ、弾道重量数百キロのアメリカ本土に到達できる第3段階のテポドンミサイル2号のエンジンの点火実験を準備中だとアメリカの消息筋が12日明らかにしました。それによりますと、先月初め、北韓北東部の海岸沿いにあるミサイル試験場で人や車の活発な動きがキャッチされましたが、この時は、エンジンの実験は行われなかったということです。アメリカの偵察衛星によって監視されていることを承知している北韓がこうした行動をとっているのは、ミサイル開発に対する北韓の意思が強いことをアメリカ当局に示すためのものではないかと、アメリカ消息筋はみています。

・金大中大統領は、2000年6月の南北首脳会談直前に現代商船が政府の意を受けて北韓に巨額の資金を送ったとされる問題で、14日、国民に向けて説明しました。金大中大統領は、テレビカメラの前で談話を読み上げた後、林東源・統一外交安保特別補佐役とともに記者団の質問に答えました。この中で金大中大統領は、「現代が北韓に送金した資金は、鉄道、電力、通信、観光、ケソン工業団地など、現代が北韓で進めている7つの事業を独占する見返りとして送ったものであり、政府は、これが国の利益に大きく役立つと判断し、法律的に問題があることを承知の上でこれを承認した」と述べ、政府が送金に関与したことを認めました。金大統領は、「国内法で反国家団体と規定される北韓との和解を追求するには、法律の枠の外で非公開で推進しなければならない場合がある。包容政策に対しては批判の声もあるが、韓半島での緊張緩和や外国人による投資誘致など肯定的な成果をあげたのも事実だ」として、「せっかく手に入れた南北間の緊張緩和と国益発展の機会を損なわないよう協力してほしい」と訴え、真相をすべて明らかにすることは南北関係に悪影響を与えるという従来の立場を繰り返しました。

・また当時 国家情報院長として会談の事前調整をしていた林東源・統一外交安保特別補佐役は、「現代商船からの要請で2億ドルを北韓に送金する際、国家情報院がドルへの両替の便宜を提供した」と明らかにしました。しかし、「国家情報院名義の口座を提供した事実はない。2000年6月9日に2億ドルが北韓に送金されたのは事実だが、その後さらに3億ドルが追加送金されたことは聞いていない。しかしこれらの金は、あくまで北韓と現代との取り引きであり、南北首脳会談とはまったく関係ない」と述べ、国家情報院が一定の役割を果たしたことは認めたものの、詳細については明らかにしませんでした。

・金大中大統領が国民に釈明したことについて野党ハンナラ党は、「疑問が膨らむばかりだ」として、真相究明のための特別検事制の導入を改めて主張しました。朴ヒテ代表代行は、14日、記者団に対して「れっきとした犯罪事件である対北韓送金疑惑について、大統領が反省して国民に謝罪する姿勢とは程遠いものだった」と述べ、大統領自らの釈明と特別検事による真相究明は別問題だとするこれまでの姿勢を重ねて強調しました。ハンナラ党はまた、「金大統領は談話の中で、政府系銀行の韓国産業銀行を通じて北韓に送る資金を調達する過程で、政府による不法な貸し出し圧力があったかどうかなどについては一切触れていない」と批判し国民に対する謝罪と受け取ることはできないとしています。

・東京発 KBS特派員の報道によりますと、盧武鉉次期大統領と日本の小泉首相との韓日首脳会談が、今月25日、ソウルで行われる予定だと、NHKTVが14日報道しました。それによりますと、小泉首相は、24日、ソウルを訪れ、翌25日大統領就任式に出席した後、午後に首脳会談を行うことになると伝えています。

・ワシントン発 KBS特派員の報道です。盧武鉉次期大統領は、アメリカ政府が早い時期にアメリカを訪れるよう要請してきたことから、早ければ今年5月にアメリカを訪問する可能性が出てきました。これは、ケリー国務次官補が、韓国国会の代表団としてアメリカを訪問している与野党議員に対して述べたもので、ケリー国務次官補はこの席で、「対北韓政策をめぐる韓米間の調整のため盧武鉉次期大統領が早い時期にアメリカを訪問してほしい」と提案しました。ケリー次官補はまた、「時代の経過とともに韓国駐留アメリカ軍が遂行している任務については調整と変更が必要だ。しかしそれが韓国駐留アメリカ軍の撤退につながることはあり得ない」という考えを示しました。

・盧武鉉次期大統領の特使としてロシアを訪問中の民主党のチョ・スンヨン議員は、盧武鉉次期大統領がロシア訪問を計画していることを明らかにしたと、イタル・タス通信が13日伝えました。それによりますと、チョ特使は、「韓国は、北韓の核問題と関連し、韓半島の平和と安定のためロシアが尽くしてきた努力を高く評価している。盧武鉉次期大統領は、韓国とロシアがあらゆる分野の関係を強化し、発展させることを望んでいる。これが盧武鉉次期大統領が、就任前に特使団をロシアに派遣した理由だ」と述べたということです。チョ特使は、盧武鉉次期大統領の具体的な訪問の日程については明らかにしませんでした。

・南北をつなぐ京義線鉄道の工事や、ケソン工業団地の建設について協議するため、4日間にわたってソウルで開かれていた南北経済協力推進委員会の実務者協議は、これといった成果がないまま14日終了しました。南北実務者協議は、14日未明まで徹夜で行われましたが、韓国側がまず西海岸の「京義線」の連結を早く実現させたいと主張したのに対して、北韓側は、東海岸の「東海線」の延長と連結の工事を同時に進めなければならないとする 従来の姿勢を崩さなかったため、協議は物別れに終わりました。このため金大中政権が終わる前の今月中に、京義線とケソン工業団地の起工式を行うことは不可能となりました。次の実務者協議は4月に平壌で開かれます。

・韓国駐留アメリカ軍の第2師団軍事裁判所は、13日、アメリカ軍配属の韓国人兵士に性暴力した疑いで起訴されたアメリカ人兵長に、懲役30年の判決を言い渡しました。この事件は、去年の3月、京畿道・議政府市のアメリカ軍キャンプのトイレで、韓国人兵士がアメリカ軍兵士3人によって性暴力を受けたものです。家族が加害者の処罰を求めたため、特殊暴行などの罪で、この兵長の軍事裁判が行われ、7人の陪審員団全員が、有罪としたため、法廷は兵長に懲役30年の実刑を言い渡しました。今回の事件は、公務遂行中に発生したものではないため、韓国政府が裁判権を持っていますが、被害者の家族の要請で裁判権をアメリカ軍に渡し、アメリカに戻っていた兵長は、裁判のため最近韓国に送還されていました。韓国駐留アメリカ軍は、他の2人の容疑者についても捜査するとしています。

・韓国プロサッカーKリーグでフリーエイジェントとなった水原三星の高ジョンス選手が、日本のJリーグの京都パープルサンガへ入団することが決まりました。高ジョンス選手の代理人は、13日、京都パープルサンガの関係者との間で、契約金1億ウォン、年俸9億5000万ウォンの、1年契約を結ぶことで合意しました。高ジョンス選手は、近く京都パープルサンガと正式契約を結ぶ予定です。

・韓国外換銀行が公示し14日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、998ウォン09銭で、前日に比べて5ウォン44銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1201ウォン70銭で、前日に比べて20銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は575.24ポイントと、前日より0.43ポイント下落しました。

・14日のソウルは晴れ、午後3時の気温は プラス7度でした。15日は、中部地方は高気圧に覆われ晴れ時々曇り、南部は弱い低気圧が近づくためところによっては雨が降るところがあるでしょう。朝の予想最低気温は、氷点下5度からプラス3度、日中の最高気温は7度から13度という予報です。

2月13日木曜日

・IAEA=国際原子力機関は韓国時間で12日夜、緊急理事会を開き、北韓の核開発問題を国連の安全保障理事会に付託する決議を圧倒的な多数で採択しました。IAEAの緊急理事会で採択された決議は、35理事国のうち中国を含む31カ国が賛成し、ロシアとキューバが棄権、パナマなどは欠席しましたが、反対はありませんでした。IAEAのエルバラダイ事務局長は記者会見し、「北韓の核問題を安保理に付託したが、安保理が直ちに北韓を制裁することには反対する」と述べ、北韓が国際的な義務を順守する場合、北韓が憂慮してきた安全保障と経済問題を解決する方向で国際社会は努力するだろう」と述べました。
一方、IAEAの付託を受けた国連安保理は12日、非公式な意見交換を行った結果、アメリカなどの要請もあって、イラク問題の審議を優先させることになりました。

・これについて韓国政府は13日、声明を発表し、「北韓がIAEAの査察を拒否し、NPT=核拡散防止条約から脱退を宣言している状況は、IAEA憲章にもとづいた当然の措置だと評価する。安保理は国際平和と安全維持という責任を持って、状況の悪化を防止し、問題解決に向け、外交努力を傾ける方向で北韓問題を扱うよう期待する」としています。
一方、アメリカのホワイトハウスのフライシャー報道官は12日の記者会見で、「中国を含む国際社会が北韓の核兵器開発を容認しないことを明確に示した」と述べ、決議の採択を歓迎する意向を示しました。フライシャー報道官はまた、安保理で北韓への経済制裁も検討する可能性があることを示唆しました。一方、アメリカのパウエル国務長官は、12日、下院国際関係委員会に出席し、北韓が核開発を断念するよう中国に対して働きかけるよう重ねて促していると述べました。パウエル長官はこの中で、北韓はエネルギーや経済活動の80%を中国に頼っていることから、中国こそ北韓にもっとも効果的に影響力を行使できる立場にあると指摘しました。
また日本政府も13日声明を発表し、「IAEAの決定を支持するが、北韓への経済制裁は慎重を期すべきだ。また安保理でこの問題を論議する際は、韓国と日本の考えが必ず反映されなければならない」とし、安保理常任理事国5カ国に韓国と日本を加えた5+2協議体の実現を求めました。
またロシアも12日声明を発表し、「IAEAの表決で、ロシアは棄権した。現時点で安保理に付託するのは時期尚早だ」と述べました。

・一方北韓の平壌発AFP連合によりますと、北韓外務省の高官は13日、「北韓は全世界にあるアメリカの目標物を攻撃できる」と警告しました。北韓外務省の高官はAFP通信とのインタビューで、「北韓は自衛措置を必要とする場合、全世界にあるアメリカ軍の施設への攻撃も可能だ。また韓半島で戦争が起きると、周辺国家も戦争に巻き込まれることは避けられない」と強調しました。

・中国を訪問している盧武鉉次期大統領の特使団は13日、中国の江沢民国家主席と会談しました。この席で、イ・ヘチャン特使は、盧次期大統領の北韓政策などについて説明し、これに対し江沢民主席は、「北韓の核問題は対話を通じて解決しなければならない」盧武鉉次期政権が対北韓抱擁政策の基調を維持することに支持を表明しました。江沢民主席はまた、盧次期大統領が大統領就任後早い時期に中国を訪問するよう要請しました。

・アメリカのパウエル国務長官は12日開かれたアメリカ下院の国際委員会で、韓国内で反米感情が高まっていることに関連して、韓国内で韓国駐留アメリカ軍の撤退検討を求める声が出ていることに対して発言し、「盧武鉉次期大統領はアメリカ軍の韓国駐留を強く支持しており、2週間後の大統領就任式の際、アメリカ軍の駐留維持を希望する韓国人と韓国政府の考えを改めて表明するだろう」と述べました。パウエル長官はまた、「韓国は南北が統一しても、アメリカ軍が韓半島に駐留することを望んでいる」と述べました。

・2000年の南北首脳会談の直前に韓国の現代グループが多額の資金を北韓へ送金したことに政府が関わったという疑惑と関連し、金大中大統領は12日、「私は北韓に対する抱擁政策を進める上で、苦痛は覚悟していた」と述べました。金大中大統領は12日、民族和解協力汎国民協議会の代表らを大統領官邸の青瓦大に招いた席でこのように述べるとともに「私は2週間後には退任する。政治、経済、社会、南北関係において、今の政権が国の利益と韓半島の平和統一の基礎を作るのに、少なからず寄与したと考えている。北韓に対する抱擁政策の結果については、歴史が公正に評価するだろう」と述べました。
一方青瓦台では、北韓への送金問題について、金大中大統領が直接弁明することを求める野党の要求に対し、大統領が国会で証言することを含めて対策を検討していると伝えられています。

・韓国のサッカーオリンピック国家代表チームは12日、オランダのアムステルダムで、オランダのオリンピック代表チームと親善試合を行い、1対0で勝ちました。この試合、韓国は前半、強豪オランダのスピーディーな圧迫攻撃に対応できず、守勢にまわり、苦戦しましたが、後半、ワールドカップスターのイ・チョンスが加わって、雰囲気を一新し、後半19分、ソン・スンジュンが守備をかわして単独ドリブル、ゴールキーパーと1対1でのシュートが決まり、先制点を挙げました。その後も韓国は何回か決定的なチャンスはあったものの、得点にはつながらず、1対0で試合が終りました。来年アテネオリンピックに出場するこの代表チームは今年初め、キム・ホゴン監督が指揮をとるようになってから、これで4回の国際親善試合を行い、3勝1敗となりました。オリンピック代表チームは14日、ワールドカップで韓国の指揮をとったヒディンク監督率いるオランダのプロサッカー「アイントホーヘン」の23歳以下チームと親善試合を行い、16日帰国する予定です。

・IOC=国際オリンピック委員会は、4日から17日まで、2010年の冬季オリンピック開催候補地として名乗りをあげている韓国江原道の平昌の現地調査を行います。IOCのハイバーグ調査評価委員長ら20人の調査団は14日から17日まで、平昌のドラゴンバリーリゾートに滞在して現地の地理的な条件や競技施設などの開催条件を点検し、17日午後、記者会見を行う予定です。平昌誘致委員会は、韓国が世界で唯一の分断国家であることから平和のオリンピックをアピールするとともに、競技施設や交通インフラが整っていることを強調して、2010年の冬季オリンピックを誘致したいとしています。また 盧武鉉次期大統領も17日、IOCの調査団と会い、政府レベルの支援を積極的に強調する予定です。

・韓国では毎年旧暦の1月15日の小正月に山火事が多いため、全国の消防署はこの小正月前夜の14日から非常勤務体制に入ります。小正月の前夜は、その年の豊作を祈願して、「ジュブルノリ」という伝統的な遊びをします。この「ジュブルノリ」は、空缶に穴を開け、その穴に長い針金を通し、空缶の中に木や松かさを入れて火をつけて、ぐるぐる回すもので、その後、田畑に火をつけます。これはねずみを捕るとともに、乾いた草を燃やすことによって、害虫を殺そうというものですが、この火がもとで、山火事になることが多く、山火事の30%を占めています。このため全国の消防署は14日夜から非常勤務体制に入り、警戒を強めることにしています。

・韓国の20代の未婚女性の標準的な体格は、身長162センチ、バスト82センチ、ウェスト66センチ、ヒップ90センチだということが分かりました。産業資源部技術標準院が去年、ソウルと京畿道、全羅南道に住んでいる20代の未婚女性450人を対象に調査した結果、1986年に行った「国民体格調査」の結果と比べると、身長は6.6センチ伸び、バストは大きな変化がなく、ウェストはやや細くなり、ヒップはやや大きくなっています。下半身だけ見ますと、81.7センチで、86年に比べて7.8センチ伸び、身長に占める下半身の割合も47.6%から50.4%に高まりました。技術標準院によりますと、全体的に身長が伸び、中でも足の長さが長くなっている傾向が続いていると言うことです。
産業資源部は今後、全国的に体格測定を続け、年齢別の標準体格を決めていく計画です。

・韓国外換銀行が公示した13日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、992ウォン65銭で、前日に比べて4ウォン2銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,201ウォン90銭で、前日に比べ、2ウォン3銭のウォン高でした。韓国株式市場の13日の総合株価指数は、 575.67ポイントと、前日に比べ、7.62ポイント下落しました。

・13日のソウルは晴れ、午後3時の気温は5 度5 分でした。14日も全国的に概ね晴れる見込みで、南部の全羅道や済州島は夜、曇りがちでしょう。14日の予想最低気温は、氷点下10度からプラス1度、最高気温はプラス4度から10度という予報です。

2月12日水曜日

・IAEA=国際原子力機関は韓国時間で12日夜オーストリアのウィーンにある本部で緊急理事会を開き、北韓の核開発問題を国連の安全保障理事会に付託する決議を圧倒的な多数で採択しました。IAEAの緊急理事会で採択された決議は、35の加盟国のうち中国を含む31カ国が賛成し、ロシアとキューバが棄権、パナマなどは欠席し、全会一致での採択は実現しませんでした。決議では、北韓の核兵器開発に向けた一連の動きに深い懸念を表明し、北韓が保障措置の核査察の受け入れを履行していないと宣言しました。そして「北韓の核開発問題の平和的な解決を望み、問題解決に向けた外交努力を支持することを強調する」として、国連の安保理に付託したことが直ちに制裁措置に直結するものではないことを強調しました。決議の後、韓国のチェ・ヨンジンウィーン大使は「韓国は決議を支持する」とした上で、「しかし、これまでの多くの外交的な努力にもかかわらず、このような決議が出されるようになったことは遺憾である。北韓の核開発問題が外交的な努力の終わりを意味するものではなく、安保理で外交的な解決をさらに促進する方向で進められることを期待する」と強調しました。一方、国連の安保理は北韓の核開発問題についての初の会議を来週中に行い、IAEAのエルバラダイ事務局長から報告を受けて、具体的な対応策に取り掛かる見通しで、これに対する北韓の反発が予想されます。国連の安保理では北韓の核開発問題について国連レベルの制裁も含めて協議できますが、まずは北韓に対してNPT=核拡散防止条約への復帰などを求めるとともに、韓国など関連諸国との多様な交渉が行われるものとみられます。

・ワシントン発連合ニュースです。アメリカのパウエル国務長官は11日北韓の核開発問題と関連して、核兵器使用の選択肢もあり得ることを示唆しました。パウエル国務長官は上院予算委員会の聴聞会に出席し、北韓の核開発問題に対するアメリカの政策を説明する席で「アメリカは核兵器を含めた軍事力をいつでも利用できる能力と選択肢を持っている。北韓はアメリカがパワーのある国であらゆる選択肢を持っていることを知っておくべきだ」と述べました。アメリカ政府の高官が北韓の核開発問題について核兵器の選択の可能性について触れたのはこれが初めてです。

・ロシアは北韓の核開発問題の解決に向けて、近く、北韓とアメリカとの直接対話を仲裁する計画だとロシアのロシュコフ外務次官が11日述べました。ロシュコフ外務次官は「先月、特使として北韓を訪問した際、北韓当局はアメリカとの直接対話の意志を示した。その後、アメリカも北韓との対話意志を表明した。ロシアはその後なぜ米朝間の対話が実現できずに、危機が続いているのか、理由を明らかにする必要がある」として米朝間の直接対話に向けて仲裁する意向を示しました。ロシアが構想中の仲裁案は、北韓に対して体制の安全を保障し、経済支援を提供する代わりに核開発計画を断念させるというこれまでの内容に沿うものになるとみられています。北韓は核開発問題について米朝間の直接対話での解決を求めていますが、アメリカは韓国などを含めた多国間の交渉にこだわっており、解決の糸口が見出せない状況です。

・韓国駐在のハバードアメリカ大使は11日「韓国を防衛するためのアメリカの決意とそのためのアメリカ軍の持続的な韓国駐留は変わらない」として今後も韓国にアメリカ軍が駐留する考えを示しました。ハバード大使はソウルの外交安保研究院で行われたセミナーで「去年6月に発生した女子中学生の死亡事件は韓国国民にアメリカ軍の駐留の必要性について疑問を投げかけたが、これが国民多数の意見を代弁しているとは思えない。韓国とアメリカの国防長官は、今後の韓米同盟関係について共同研究することで合意した。韓国はまもなく21世紀初の大統領を迎えるが、これを機会に韓米関係を真のパートナー関係とする必要がある」と述べました。

・97年1月に不渡りを出して倒産した韓宝鉄鋼が6年1カ月の漂流の末、韓国のAKキャピタルを中心としたコンソシアムに売却されました。韓宝鉄鋼の代表債権者の韓国資産管理公社は12日、AKキャピタルコンソシアムとの間で売却の本契約を結びました。契約条件は、AKキャピタルは去年3月に出した保証金1,000万ドルも含めて3億7,700万ドルで、韓宝鉄鋼を買収し、従業員の雇用も保障します。AKキャピタルの代表は「国際的な鉄鋼の専門経営者で経営陣を構成したい」と述べ、今後、韓宝鉄鋼を国際的な競争力を備えた鉄鋼メーカーに成長させていく考えを示しました。韓宝鉄鋼は97年1月に6兆1,900億ウォンの負債をかかえて、不渡りを出しました。政府と再建団は2000年にはアメリカのネイバス・コンソシアムと売却の本契約まで結びましたが、契約が破棄され、売却は振り出しに戻りました。そして一昨年1月の公開入札で、韓国のAKキャピタルが中心となるコンソシアムが売却先に選ばれ、去年3月に売却の了解覚え書きを締結していました。その間、韓宝鉄鋼は一昨年以降の不動産景気と建築ブームで去年は史上最大の実績を上げました。これで法定管理だった韓宝鉄鋼は不渡りから6年1カ月で正常な企業として生まれ変わることになりました。

・政府はアメリカの信用格付け会社のムーディーズが韓国の国としての信用度の展望を2つ下方修正したことに対して、現在のマクロ経済政策の基調はそのまま維持する方針を示しました。財政経済部の関係者は11日「ムーディーズの信用度の下方修正は北韓の核開発問題という経済面以外の側面から出てきたものであるため、今の経済政策の基調を変える理由はない」と述べました。この関係者はしかし「ムーディーズが韓国の国家信用度の展望を下方修正した背景となった北韓の核開発問題は、韓国政府として解決策をまとめることが難しい状況であり、これは韓国の国内経済にプラスにはならない」として、イラク情勢による国際原油価格の動きと韓国の金融市場の状況などを総合的に検討し、1月の産業活動の動向などを分析して今後の景気対策をまとめていく考えを示しました。

・南北経済協力推進委員会の4回目の会議が12日からソウルで始まりました。この会議は現政権では最後となるだけに、韓国側はこれまでに合意されていながら実現が遅れている北韓の開城工業団地の起工式などについて、早期実施の確約をとりたい考えです。12日の全体会議で韓国側の首席代表のユン・ジンシク財政経済部次官は、「南北の経済協力推進のためにも、北韓の核開発問題を解決しなければならない」として、核開発問題の早期解決を求めました。これに対して北韓は、「北韓の立場はすでに発表された通りだ」とし、それ以上のコメントは控えました。

・南北はまた13日から3日間、北韓の金剛山で離散家族のための常設面会所を建設するための具体的な協議に入ります。南北は常設面会所を1000人を収容できる規模とすることで合意していますが、韓国は延べ7,500平方メートルを提案しているのに対して、北韓はその10倍に当たる7万2,000平方メートルを超える大規模な建物にすることを主張しており、難航が予想されます。また来週20日から6日間、金剛山で行われる予定の6回目の南北離散家族の再会に参加する韓国側の親族が陸路で北韓入りすることについても再び話し合うものとみられます。

・盧武鉉次期大統領の特使団が12日中国とロシアに向けて出発しました。中国への特使団は14日までの3日間、ロシアへの特使団は16日までの5日間の予定で、両国の政府や議会の指導者と会い、盧武鉉次期大統領の国政運営の方向や外交政策などを説明し、北韓の核開発問題の解決に向けた韓中・韓ロ間の関係促進などについて意見を交わす予定です。

・FTA=自由貿易協定の締結を進めている韓国と日本は、非関税障壁問題について取り扱う専門機関を設けることで合意しました。外交通商部は12日「最近行われたFTAの産官学共同研究会の会議で、韓国と日本は非関税障壁の改善が何よりも重要だということで認識をともにし、この問題を取り扱う機関を設けることで合意した」と述べました。韓国と日本はこの専門機関で、両国間の非関税障壁の現状と問題点をチェックし、具体的な改善案をまとめる計画で、時期とメンバーについては近く協議することにしています。

・先週7日に封切りされたコミカルな韓国映画「同い年の家庭教師」が封切り5日間で全国の観客動員数100万人を突破し、タイ記録となりました。配給会社のCJエンターテイメントによりますと、先週7日、全国の195のスクリーンで封切りされたこの映画は、11日までに全国の観客動員数が108万人となり、2001年に封切りされた「女房はやくざ」とタイ記録となりました。「同い年の家庭教師」は、高校留年を重ねた男子の大学受験生の家庭教師に同じ年の女子大生が来ることから起きるハプニングと愛をコミカルに描いたものです。

・韓国外換銀行が公示した12日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、996ウォン85銭で、前日に比べて2ウォンのウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,204ウォン20銭で、昨日の終値に比べて5ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の12日の総合株価指数は、583.29ポイントと、前日に比べて7.31ポイント上昇しました。

・12日のソウルは晴れ、午後3時の氷点下1度1分でした。13日は全国的に高気圧の圏内に入っておおむね晴れますが、西海岸と全羅道は一時雪または雨となるでしょう。予想最低気温は氷点下12度から氷点下1度、日中の最高気温はプラス1度から9度という予報です。

2月11日火曜日

・盧武鉉次期大統領の大統領職引き継ぎ委員会は、10日、新政権のスローガンを「参加の政府」と定めるとともに、国政の3大目標として、「国民とともにする民主主義」、「ともに生きるバランスの取れた発展社会」、「平和と繁栄の東北アジア時代」を掲げることを明らかにしました。これは、民主主義を勝ち取ろうとした時代、制度的に確立させてきた時代を経て、いまや国民参加と透明性、公平さの向上を追求し民主主義を成熟させていく時代だという盧武鉉次期大統領の考えを反映したものとみられています。

・盧武鉉次期大統領とアメリカ政府は、今年が韓米同盟50周年となることから両国の関係発展と、北韓の核問題を専門的に取り扱う官民合同特別委員会を設置することで合意したと、盧武鉉次期大統領の特使団としてアメリカを訪問した大統領職引き継ぎ委員会のユン・ヨンクァン統一外交安保分科委員会幹事が10日明らかにしました。ユン・ヨンクァン幹事によりますと、「チェイニー副大統領と会談した席で、北韓の核問題を両国政府が根本的に協議する協議機関を設置することで合意した。メンバーや発足の時期を決める準備段階では、韓国の大統領職引き継ぎ委員会とアメリカの国家安全保障会議が緊密に協議し、アメリカの国務省がこれに参加することも検討されている」ということです。北韓政策の協議機関としては、韓日米3か国の局長クラスによる政策調整会合がありますが、ユン・ヨンクァン幹事は、「北韓問題に限らずさらに積極的で緊密な2国間チャンネルを設けることにしたものだ」と話しています。

・盧武鉉次期大統領は、10日、韓国を訪れている日本の自民党の山崎幹事長ら与党3党の幹事長と、民主党の菅直人代表、社民党の土井たか子党首と相次いで会談しました。盧武鉉次期大統領は、この席で、北韓の核問題と関連して対話による平和的な解決を改めて強調しました。まず与党3党幹事長との会談で、盧武鉉次期大統領は、「日朝国交正常化交渉を進め、北韓が話し合いのテーブルにつくよう日本が一定の役割を果たしてほしい」と述べ、日本が北韓との交渉を続けるよう求めました。また社民党の土井たか子党首との会談で盧武鉉次期大統領は、「北韓のいまの体制を保障し、経済支援を続ければ、北韓が大量破壊兵器を放棄する可能性がある」として忍耐心をもって北韓との対話を継続することを求めました。

・盧武鉉次期大統領は、日本の与野党幹部との会談で、韓日関係について言及し、「過去も大事だが、さらに重要なのは未来志向的な関係を築くことだ」と述べました。盧武鉉次期大統領は、民主党の菅直人代表との会談で、小泉首相の靖国神社参拝について深い遺憾の意を表明し、その上で「だからといって首脳会談を中止したり、韓日間の交流を中断するようなことがあってはならない」と述べました。社民党の土井たか子党首との会談でも「一国の指導者が戦犯が祭られている神社を参拝することは望ましくないのではないか。しかし私自身がこの問題について感情的に対処することは、両国の国民の間にかっとうと対立をもたらすことになり兼ねないため、粘り強く対話と交流を続けることが望ましいと考えている」として靖国問題で両国関係が悪化することがないようにという配慮を示しました。

・金大中大統領は、11日、韓国を訪問しているEU=ヨーロッパ連合のソラーナ事務総長と会談し、この5年間、EUが韓半島の平和と安定に寄与し、韓国の外貨危機の解決のためにも協力してくれたことに感謝の意を伝えるとともに、EU代表団が北韓を訪問して対話を行うことは、北韓の核問題解決に大きな役割を果たすことになるという考えを示しました。これに対してソラーナ事務総長は、今後とも韓半島の平和のために協力を惜しまないことを約束しました。金大中大統領は、これに先立って行われた閣議に出席せず、金ソッス国務総理が代わって閣議を主宰しました。金大統領が閣議に出席しなかった理由は分かっていませんが、極めて異例の事です。

・盧武鉉次期大統領は、10日、新設される大統領府・青瓦台の広報首席秘書官にMBC=文化放送の李海星・北京特派員を、スポークスマンにKBSの視聴者参加番組の女性の運営委員、宋敬ヒ氏を内定しました。新設される大統領府・青瓦台の広報首席秘書官は、広報企画、国政広報、世論調査、行事と演説などの業務を総括し、スポークスマンは、国内外の広報と報道支援業務を担当することになります。広報首席秘書官に内定した李海星氏は、今年50歳、プサン出身で、ソウル大学経営学部を卒業した後、MBCに入社し、政治部記者、経済部長を経て一昨年7月から北京特派員として活躍しており、MBC労働組合の幹部をつとめたことのある「所信がはっきりした人物」という評価を受けています。スポークスマンに内定した宋敬ヒ氏は、今年42歳、梨花女子大学新聞放送学部を卒業したKBSのアナウンサー出身で、韓国放送振興院の責任研究員、放送委員会の編成政策研究委員を務めました。

・盧武鉉次期大統領は、また青瓦台に新たに外信担当のスポークスマンを置くことにし、副スポークスマン兼 外信担当スポークスマンとして、SBS報道局の李ジヒョン文化科学部記者を内定しました。盧武鉉次期大統領は、国際的懸案となっている北韓の核問題に対する外国報道機関の関心が高まっていることから、これにうまく対処するため外信担当スポークスマンを新設したとしています。

・アメリカの信用格付け会社「ムーディーズ」は、11日、韓国の国家信用等級の展望を2段階下に修正したと、財政経済部が明らかにしました。それによりますと、ムーディーズは、韓国の国家信用等級の展望を「A3ポジティブ」から「A3ネガティブ」に2段階下げました。その理由としてムーディーズの関係者は、北韓の核問題をめぐる最近の一連の動きと、それに対する国際社会の対応を考慮して、韓国の国家信用等級展望を下方修正すると述べたということです。ムーディーズは、とくに北韓が最近IAEAの視察要員を追放したことや、核拡散防止条約から脱退したことなど、核問題をめぐる一連の動きがこれまでになく過激な様相を帯びていると指摘しています。しかしその一方でムーディーズは、盧武鉉新政権が現在の安保環境の悪化に効果的に対応するならば、経済面での評価を期待できるという見解を示しました。

・一方、アメリカの信用格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズと、イギリスのフィッチIBCは、いずれも、韓国の国家信用等級を当面、現行のまま維持する考えであることを明らかにしました。スタンダード・アンド・プアーズは、11日、韓国に対する現在の安定的な長期信用等級は「適切だ」と述べ、ムーディーズの下方修正に影響されない意向を示唆しました。またフィッチIBCも、この日、韓国の信用等級を当面「A」を維持すると発表し、盧武鉉政権が発足した後の4月か5月頃に調査団を派遣して信用等級を再評価すると述べました。

・イラク情勢などで国際的な原油価格が急騰していることを受けて、政府は、11日から全国の政府部署や公共機関を対象に、車のナンバープレートの末尾の数字に当たる日に運転を制限する乗用車10部制を始めました。また来週18日からは、ガソリンスタンドや百貨店などの外部の照明についても昼間はつけないよう指導することになりました。そして原油価格の高騰が続く場合、バーなどの風俗営業店のネオンサインの照明を抑制したり、ゴルフ場やスキー場、映画館、サウナなどの営業時間を短縮させる方針です。このような石油節約策は、ソウル市が一日早く10日から始めています。

・国立ソウル大学の今年の合格者の1次登録が10 日締め切られ、全体の登録率は去年に続いて2年連続、低調気味であることが分かりました。ソウル大学が11日発表したところによりますと、1次登録の結果、合格者3023人中、86.9%の2,628人が登録を行いました。これは、これまでで最低だった去年の登録率の86.6%よりは0.3%ほど高くなっていますが、2000年の91.5%や、2001年の92.5%と比べると5ポイントほど低い結果となりました。このように全体の登録率が低調をみせているのは、法学部や経営学部、人文・社会学部は、99%近い登録率となったのに対し、農業学部、看護学部、生命科学学部、薬学部などが40%から70%台の低い登録率となったのが原因と見られており、ソウル大学では「他の私立大学の人気学科に同時合格した受験生が大挙、登録せずに私立に入ったためで追加登録で学生数を補う」と話しています。

・銀行やクレジットカード会社が発行する交通カードなどプリペードカードの電子貨幣が、去年末に350万枚を超えました。韓国中央銀行の「韓国銀行」が11日発表したところによりますと、去年末の時点で発行されている電子貨幣は、350万2000枚で、調査を始めた去年3月と比べて75%も増えたことが明らかになりました。このように電子貨幣が急増したのは、電子貨幣が、地下鉄やバス、タクシーなどの交通カードとして利用されるだけでなく、食堂や、コンビ二、インターネットショッピングモールなど1万ウォン以下の小額の取り引きに多く利用されているからではないかとみられています。

・韓国外換銀行が公示し11日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、998ウォン85銭で、前日に比べて7ウォン98銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1321ウォン50銭で、前日に比べて128ウォン90銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は575.98ポイントと、前日より1.27ポイント下落しました。

・11日のソウルは晴れ、午後3時の気温は 2度2分でした。12日は、大陸からの冷たい高気圧で全国的に雲が多く、厳しい寒さが訪れる見込みです。朝の予想最低気温は、氷点下15度から氷点下3度、日中の最高気温は氷点下4度から5度という予報です。

2月10日日曜日

・盧武鉉次期大統領は今月25日の就任に先立って、20日に2回目の国民とのTV討論を行います。今回の国民とのTV討論は、20日夜9時55分から1時間40分、MBCで生放送され、北韓に送った2億ドルなどの疑惑や核開発問題などの南北関係、国務総理など新政権の人事、財閥改革や労使関係などの経済懸案、首都機能の地方への移転の4つの部門に分けて進められます。

・北韓は先週5日、電力生産のため寧辺の核施設を再稼動させたと発表しましたが、アメリカはまだ核施設を再稼動させていないとみていると、アメリカのNBC放送が報じました。NBC放送は先週水曜日に撮影した北韓の寧辺の核施設の衛星写真をみせて、施設には人影が見えないとして北韓が主張している核施設はまだ再稼動していないと説明し、これはCIA=アメリカ中央情報局も同じ結論を出していると報道しました。

・アメリカのラムズフェルド国防長官は8日、北韓は今年5月には6個から8個の核兵器を製造できるプルトニウムを入手できるとする見方を示しました。ラムズフェルド国防長官は、ミュンヘンで開かれている高官安保会議での演説で「北韓がほのめかしているように再処理施設を稼動させれば、6個から8個の核兵器を製造できるプルトニウムを保有することは確実だ」と述べるとともに、北韓の核開発問題に対処するため、監視組織など新たな枠組みの必要性に言及し、危機を封じ込める必要があると強調しました。これについて韓国駐留アメリカ軍は、北韓がすでに1個から2個の核兵器を保有している可能性があるとみていることが分かりました。駐韓米軍司令部は内部教育用として毎年出している「Fact book」で、このように述べるとともに、北韓は弾道ミサイルの開発を進めているとも分析しています。

・ソウル市はイラク情勢などで国際的な原油価格が急騰していることを受けて、乗用車の運転規制など省エネ政策を始めました。ソウル市の主な省エネ政策は、*乗用車はナンバープレートの末尾の数字に当たる日には運転を制限する*建物のエレベーターは3階までの運行は禁止し、4階からは1階おきにとめる、*電力使用量の多いデパートやゴルフ練習場などは深夜0時以降のネオンサインと外部の照明の使用を抑制する。*映画館は深夜上映を自粛し、24時間営業しているサウナは1日20時間以内に制限する、などです。ソウル市はこのような政策を10日からはじめ、政府のエネルギー使用総合対策が決まる17日からは罰則をともなった強制施行にする計画です。

・8日、土曜日に抽選が行われた第10回ロト645宝くじは、売り上げ金総額が2,500億ウォンに達する史上最高の過熱ぶりとなり、1等を当てた人も13人に上ったため、1等賞金は64億ウォンあまりとなり、前回の1等賞金にわずかに及びませんでした。今回の第10回ロトは3週間分の1等賞金が繰り越されたため、巨額の1等賞金を当てようと猛烈な人気となり、売り上げ総額は2,500億ウォン以上、1等賞金は835億ウォンにまで膨れ上がりました。このためこれまで事前録画放送だったくじのテレビ抽選番組は、8日は生放送に変わり、8日の視聴率は25.4%の高い視聴率となりました。抽選の結果、数字6つを全部当てた1等当選者は13人も出て、835億ウォンを13人で割ったため、1人当たりの賞金は64億3,000万ウォンとなりました。地域別にはソウルが3人、京畿道6人と、ロトくじの60%以上が販売された首都圏で9人が出ました。 ロトくじを販売している国民銀行では「国民の注目を集めた1等の当選者が13人も出たことに加えて、次回からは繰り越しが2回に制限されて、これほどの賞金が出る可能性が低いことから、全国的な熱風は収まるのではないか」とみています。

・今月21日から始められる予定の北韓の金剛山陸路観光の料金は、18万ウォンから35万ウォンと決まりました。金剛山観光を主催している現代アサンによりますと、料金は宿舎と日程によって、最低18万ウォンから最高35万ウォン、日本円にして1万8,000円から3万5,000円ほどで、日本人も参加することができます。現代アサンは陸路観光開始を記念して21日から1カ月間は、1週間前までに予約すれば、16万ウォンから30万ウォンの割安価格で販売するとしています。現代アサンでは「船による移動に比べて時間も短く、費用も安いことから利用客が多いものと予想される。船による観光は今後、船の中に多様な遊びを設けて高級化していきたい」と期待感を示しています。

・来週20日から6日間行われる 韓国と北韓の離散家族の再会事業を前にして、韓国の大韓赤十字社は北韓が生死を確認した136人の中から100人を選びました。100人のうち、最高齢者はソウル在住の93才のハム・ジョンホさんで北韓に住んでいる80才の妻と息子・娘と再会する予定です。ところで、大韓赤十字社は、この離散家族の再会の際、金剛山まで陸路で移動したいという希望を示していましたが、北韓は10日「陸路による移動は難しい」という返事を送ってきました。大韓赤十字社は、7日北韓当局に「来週21日から一般向けの陸路による金剛山観光が始まることから、ほとんどが高齢者である離散家族に便宜をはかり、その前日に陸路で金剛山を訪問したい」と提案していました。これに対して北韓は10日「陸路訪問の環境が整っていない」として陸路による金剛山訪問は難しいという返事を送ってきました。これによって今月20日に北韓の離散家族100人と再会する韓国側の親戚500人と、23日北韓に住む家族と再会する韓国側の離散家族100人は江原道の束草港から船便で金剛山を訪れる見通しです。

・去年の1年間、韓国を訪れた外国人観光客の数は史上最高となりましたが、旅行会社を通じた旅行客は減ったことが分かりました。文化観光部によりますと、去年1年間に韓国を訪れた外国人観光客は534万7,000人と、一昨年に比べてほぼ4%増えました。しかし韓国一般旅行業協会が 旅行会社上位30社を対象に調べたところによりますと、去年1年間に誘致した外国人旅行客数は合わせて186万7,000人で一昨年に比べて2.2%減少し、旅行会社の収益は0.2%の伸びに止まりました。これは旅行会社を経ずに、1人で切符を買って旅行経費を節約する観光客が増えたことを物語るもので、旅行業界では、「今年はイラク情勢など不安な国際情勢に加えて、韓国での国際的なイベントも少ないことから、今年はさらに減るのではないか」と憂慮しています。

・軽自動車の売り上げは政府の税金優遇措置にもかかわらず、落ち込んでいることが分かりました。韓国自動車工業協会によりますと、先月の軽自動車の販売台数は3,500台あまりで、全体の乗用車の販売台数の3.6%に過ぎませんでした。乗用車市場での軽自動車のシェアは経済危機直後の98年には27.6%にまで高くなりましたが、99年は14.2%、2000年8.8%、去年は4.7%と次第に減り続けています。これについて業界関係者は「韓国では排気量800CC以下の軽自動車に対して税金面で優遇措置をとっているものの、軽自動車は安全性に欠けているという認識と、高級車を好むことから販売量が減り続いている。さらに幅広い優遇措置を講じなければならない」と話しています。

・釜山にあるヨンサン大学は12日、日本の福岡市のRKB毎日放送と産学協力の協定を結ぶことになりました。韓国の大学と海外の放送局との産学協力はこれが初めてで、この協定でヨンサン大学は衛星放送とインターネット放送を活用して、日本のRKB毎日放送に釜山のニュースや話題などを提供し、RKB毎日放送はヨンサン大学の在学生を対象にした日本での教育課程を設け、映画制作や放送メディア制作技術教育などを支援することになっています。ヨンサン大学は91年に大学設置認可を受けた、主にデジタル関連学科や外国語・ホテル観光学科などを設けている大学です。

・去年のサッカーワールドカップで大活躍した、韓国サッカーの看板スター=黄ソンホン選手(34)が9日、引退を発表しました。黄ソンホン選手は、記者会見で「今シーズンを終えてからユニフォームを脱ぐつもりだったが、アキレスけんや大たい部に炎症を起こして、ファンの期待に沿うことが難しくなった。選手生活は終わるが、指導者になって、ワールドカップ代表チームの監督にもなって、去年のワールドカップのような韓国の善戦で優勝まで果たしてみたい」と抱負を語り、所属している全南ドラドンズに残りの契約期間分の給与6,000万ウォンを返納しました。これについて全南ドラゴンズは黄選手をコーチとして養成したいと提案するとともに、黄選手から返納された6,000万ウォンは「黄ソンホン奨学会」を設けて、全羅南道のユースサッカーの発展のために運営する方針を示しました。 黄ソンホン選手は88年の対日本戦から韓国代表選手となり、Aマッチに103回出場して50ゴールを記録し、日本のJリーグでもセレッソ大阪と柏レイソルに在籍し、セレッソ大阪に在籍中の99年には24ゴールを入れて得点王に輝きました。 また去年のサッカーワールドカップの際では対ポーランド戦で韓国のワールドカップ史上初めてのゴールをいれるなど、韓国を代表するFWとして活躍しました。

・青森で行われた冬季アジア大会で 銀メダルと銅メダルを獲得した韓国の選手がドーピングテストで陽性反応が出たことについて、OCA=アジアオリンピック評議会はメダルははく奪しないで、警告することを決めました。アジアオリンピック評議会は9日「ペク・ウンビ選手はスピードスケート3000メートルの試合の後のドーピングテストでは禁止されている薬物が検出されなかったが、その後の1500メートルの試合後に陽性反応が出たことについて、故意ではなく、不注意に薬を服用したものと判断し、警告をすることを決めた」と述べました。ペク・ウンビ選手は、青森冬季アジア大会の女子スピードスケート3000メートルで銀メダルを、翌日の1500メートルで銅メダルをそれぞれ取りましたが、その後のドーピングテストで禁止されている薬物が検出されて、調査を受けていました。ペク・ウンビ選手は当時「歯痛と喉の痛みを和らげるために鎮痛剤と消化剤を服用した」と述べていました。

・韓国外換銀行が公示した10日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、989ウォン87銭で、先週金曜日に比べて4ウォン32銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,192ウォン60銭で、先週金曜日に比べて12ウォン60銭のウォン安でした。韓国株式市場の10日の総合株価指数は、577.25ポイントと、先週金曜日に比べて0.23ポイント下落しました。

・10日のソウルは晴れ時々曇り、午後3時の気温は10度ちょうどでした。11日は全国的に曇り一時雨か雪になり、西の方から次第に晴れるでしょう。予想最低気温はソウル氷点下2度など、氷点下7度からプラス4度、日中最高気温はソウル2度など、氷点下1度からプラス8度という予報です。

2月8日土曜日

・小泉首相は、盧武鉉次期大統領の特使として日本を訪れている鄭大哲民主党最高委員と7日会談し、今月25日に行われる新しい大統領の就任式に出席する意向を示しました。小泉首相は、鄭特使が盧武鉉次期大統領からの大統領就任式招待のメッセージを伝えたのに対し、「お会いできるのを楽しみにしています」と述べ出席の意向を表明しました。鄭特使はまた、北韓の核問題を平和的に解決するためには、韓日間の協調が重要だという点を強調し、これに対して小泉首相も「韓国政府の対北韓包容政策を今後とも支持していく」と述べるとともに、韓日米3カ国による連携が基本だとする考えを明らかにしました。

・鄭大哲民主党最高委員は、7日、自民党の山崎幹事長とも会談し、靖国神社参拝問題と関連して「日本政府が検討している戦没者のための追悼施設を設ける問題をぜひとも実現させ、アジア諸国の指導者も参拝できるようにしてほしい」と要請し、「そうした施設ができれば盧武鉉次期大統領も参拝する考えがある」と述べました。これに対して山崎幹事長は、「現在、新しい追悼施設の新設に向けて準備中だ」と答えたということです。

・韓国と日本の排他的経済水域での操業条件を協議する漁業共同委員会が7日、東京で行われ、韓国が長崎県の五島列島西側海域でたちうおを獲る’はえ縄漁船’の操業を4月30日までは行わないという条件で、今後3年間は、去年と同様の入漁条件を維持することで両国が合意しました。両国は、去年12月に、排他的経済水域で操業する漁船の数と漁獲量については合意していましたが、今回、操業水域が確定したことで5か月にわたる韓日排他的経済水域での相互入漁交渉が完全に妥結しました。韓国の’はえ縄漁船’の操業については、去年12月に、今年の漁獲割当量を一年前より685トン少ない5185トンとすることで合意していました。

・日本の与野党の政治家が8日から相次いで韓国を訪問し、盧武鉉次期大統領と会談します。訪韓するのは、自民党の山崎幹事長、公明党の冬柴幹事長、保守新党の二階幹事長、民主党の菅直人代表、社民党の土井たか子党首で、小泉首相の靖国神社参拝でぎくしゃくしている韓日関係を修復し、北韓の核問題の解決に向けた協調をさらに緊密なものにする狙いがあるものと伝えられています。

・アメリカのブッシュ大統領は、7日、記者団に対して北韓の核問題について言及し、「あらゆる選択肢がある」と述べ、軍事的な対応を排除しない姿勢を初めて示しました。ブッシュ大統領は、またその一方で、「もちろんすべての可能性はテーブルの上にある。しかし私はこの問題を外交的に解決できると考えている」とも述べました。ブッシュ大統領は、また7日、中国の江澤民国家主席と電話会談を行い、「北韓の核問題については、韓半島の非核化のため、中国も問題解決に共同責任があることを強調した」と述べました。

・史上最多の29の国と地域からおよそ1000人が参加して8日間の熱戦を繰り広げた第5回青森冬季アジア大会は、8日午後閉会式を行い、幕を閉じました。今大会で韓国は、金メダル10、銀メダル8、銅メダル10を獲得し、前の大会に続いて総合2位を守りました。閉会式は、開会式とは異なり、選手たちは国別ではなく、各国が入り交じった状態で入場行進を行いました。次の冬季アジア大会は、4年後の2007年冬に中国東北部の長春で行われます。

・青森冬季アジア大会に出場している南北の選手団長は7日、現地で会談し、フィギュアスケートの南北合同公演など活発なスポーツ交流についての合意文書を交換しました。 それによりますと、今年4月に北韓のフィギュアスケート選手20人を韓国に招待して南北の合同公演を行う他、バイアスロンやショートトラックなどの種目でも技術面で相互交流を行うことで一致しました。また北韓は来年2月に開かれる白頭山でのスポーツ大会に、韓国選手団を招待すると約束しました。両国の選手団は、こうした合意文書をそれぞれ国家オリンピック委員会に報告し、詳しい推進計画は、今後さらに協議していくことになりました。

・日本の植民地支配時代の1910年、韓国全土で起きた「3・1独立万歳運動」を記念する南北共同の「3・1節」統一行事をソウルで開くための実務者協議が週明けの8日から3日間、中国の北京で行われます。韓国側の準備委員会によりますと、この実務者協議では、平和と統一のための「3・1民族大会」の開催や北韓の関係者が韓国の宗教行事に参加したり南北学術討論会の開催などについて意見を交わす予定です。

・北韓の朝鮮中央通信が7日伝えたところによりますと、今月16日に61回目の誕生日を迎える金正日国防委員長の生誕慶祝委員会が世界40か国に結成された模様です。それによりますと、この慶祝委員会は、先月6日レバノンでまず結成され、その後、パキスタン、シリア、オーストリア、ペルーなどに相次いで作られているということで、北韓寄りの団体が中心となって各種集会や講演会、写真展示会、映画鑑賞会、芸術公演などの行事を行うことになっているということです。

・1から45の数字の中から6個を当てる韓国の「ロット宝くじ」は、今回も抽選分の賞金が巨額になりそうだという憶測から猛烈な人気となり、7日は、一日の販売額が、500億ウォンを上回りました。国民銀行のロット宝くじ事業チームによりますと、今週一週間のロット宝くじ販売額はすでに1800億ウォンを超え、8日の販売分までを含めますと、史上最高の2000億ウォンを超える見込みだということです。こうした現象は、先週までに3週連続で1等当選者が出なかったため賞金が繰り越され、8日の抽選では一等は700億ウォン、日本円にしておよそ70億円を超える賞金が出ることが予想されているためとみられています。ロット宝くじの今週分の抽選は、8日夜8時45分にSBSTVを通じて1分30秒間、全国に生中継されます。

・史上最多の29の国と地域からおよそ1000人が参加して8日間の熱戦を繰り広げた第5回青森冬季アジア大会は、8日午後閉会式を行い、幕を閉じました。今大会で韓国は、金メダル10、銀メダル8、銅メダル10を獲得し、前の大会に続いて総合2位を守りました。閉会式は、開会式とは異なり、選手たちは国別ではなく、各国が入り交じった状態で入場行進を行いました。次の冬季アジア大会は、4年後の2007年冬に中国東北部の長春で行われます。

・8日は、土曜日のため取引はありません。前日7日の終値は、日本円100円が、985ウォン55銭で、アメリカドル1ドルは、1180ウォンでした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・8日ソウルは雨、正午の気温は4度9分でした。9日、日曜日は高気圧に覆われ全国的に晴れる見込みです。朝の最低気温は氷点下4度からプラス6度、日中の最高気温はプラス6度から11度という予報です。

2月7日金曜日

・青森で行われていた冬季アジア大会で韓国は、金メダル10、銀メダル8、銅メダル10を獲得し、日本に次いで総合2位となりました。大会最終日の7日、韓国は、金メダルラッシュとなり、ショートトラックの男子1000メートルでアン・ヒョンス選手が、3000メートルではソン・ソッウ選手がそれぞれ金メダルを獲得しました。また女子3000メートルリレーと、男子5000メートルリレーでも金メダルを手にしました。また韓国は今大会初めて正式種目となったカーリングに男女そろって日本との決勝戦に臨み、男子は日本を6対4で破って金メダル、女子は日本に6対7で惜しくも負けて銀メダルにとどまりました。これで韓国は、当初の目標通り総合2位を達成しました。韓国は4年前江原道ヨンビョンで開かれた冬季アジア大会でも2位でした。大会はあす閉会式が行われますが、次の冬季アジア大会は4年後の2007年冬に中国東北部の長春で行われます。

・現代商船が北韓に送金した2億ドルは、現代商船の公式会計ラインではなく「秘密ライン」を通じて送金されたことが、監査院の監査の結果、明らかとなり、送金した資金の性格や金額に対する疑惑が膨らんでいます。またこの2億ドルは、金大中大統領が南北首脳会談のため平壌を訪れる一日前の2000年6月12日、国家情報院が外換銀行を通じて香港にある「中国銀行」の北韓口座に送り、ここからまたマカオにある北韓貿易会社の総支配人名義の口座に入金されたことが明らかになりました。これと関連して、野党ハンナラ党の朴ヒテ代表代行は、「問題となっている2億ドル以外にも、イギリスにある もと現代電子の半導体工場の売却代金1億5000万ドルが北韓に送金されたことを裏付ける強力な資料を持っている」と主張しました。2000年6月の南北首脳会談は、北韓が直前の6月10日の夜になって突然、「12日から予定の南北首脳会談の日程を一日ずらして13日から行う」と一方的に延期した経緯がありましたが、これについてハンナラ党は、北韓が口座への入金が確認できなかったため延期したのではないかと憶測しています。

・2000年の南北首脳会談の直前に政府が北韓に2億ドルを送金したとされる問題で、盧武鉉次期大統領の青瓦台秘書室長に内定している文喜相氏は、6日、「国会で非公開による調査を行えば、政府関係者も負担なく証言できるのではないか」と述べ、国会での非公開による真相究明を強く求めました。これについては青瓦台の高官も「関係者が国会の常任委員会に出席して非公開で証言する案もひとつの方法だ」と述べたということです。しかし、野党ハンナラ党の朴ヒテ代表代行は、6日、国会での代表演説で「この事件は、現行法に十項目以上も違反する犯罪的な方法が使われたので、特別検事制でなければ到底真相を究明することはできない」として特別検事制による究明を強く要求しました。

・アメリカのウォールストリートジャーナルは5日付の社説で、「ノーベル委員会は、当時、南北首脳会談という歴史的な会談を高く評価し、金大中大統領にノーベル平和賞を授与した。北韓がカネ目当てに首脳会談に応じたことがはっきりした以上、金大中大統領はこの賞を受ける資格がない」と指摘しました。この新聞はまた、「金大統領の特使として北韓を訪れた林東源統一安保補佐役が金正日国防委員長に会えなかったのは、林特使が慣例となっているカネを持っていかなったからだ」と伝えました。こうした報道について韓国政府は、「事実関係についての調査や追加取材などを一切行っていない報道だ」として強く批判し、ウォールストリートジャーナルの本社のあるニューヨーク総領事館と、アジア版発行地である香港の韓国総領事館を通じて抗議文書を送りました。

・北韓の景勝地、金剛山の陸路によるテスト観光が来週14日から3日間行われ、一般向けの陸路観光も今月21日から実現することになりました。金剛山観光を主催している現代峨山や旅行業界の代表80人は、5日と6日の2日間、東海岸に新設された道路をバスで通って軍事境界線を通過し、金剛山観光の下見をしてきました。6日帰国した現代峨山の鄭夢憲理事会会長は、「14日から行われるテスト観光には、政界、財界、学界の関係者300人が参加することになるだろう。これに続いて一般向けの陸路観光は今月21日から実施する予定だ。1泊2日のコースと、2泊3日のコースを設け、観光客が観光コースや食堂のメニューを自由に選べるようにしたい」と述べました。陸路による観光料金は、まだ決まってはいませんが、1泊2日の場合、一人当たり25万ウォン程度と、船による観光と比べはるかに安い上、海路の場合、片道4時間かかるのに対し陸路では1時間で行けることからこれによって赤字経営が続いていた金剛山観光が活性化するものとみられています。

・北韓外務省の李ピョンカップ副局長がイギリスのBBC放送と行った会見で、「アメリカが韓半島周辺に空母や爆撃機、兵力を増強するならば、北韓がアメリカ軍部隊に先制攻撃することもあり得る」という考えを示しました。それによりますと、李局長は、「北韓は、アメリカのこうした動きは北韓に対して侵略攻撃を企てたものと判断しており、絶対に座視しない」と述べたということです。これに対してホワイトハウスのフライシャー報道官は、6日、「アメリカはあらゆる不測の事態に対処する強固な計画を準備している」と述べた上で、「こうした脅迫は、北韓を害するだけだ」として北韓側の自粛を求めました。

・盧武鉉次期大統領の特使としてアメリカを訪問していた民主党の鄭大哲最高委員ら一行は、6日日本に到着し、福田官房長官と会ってアメリカ訪問の結果を説明するとともに、韓日関係の持続的な発展を希望する意向を伝えました。会談で、鄭特使は、「北韓の核開発疑惑は、韓国、日本、アメリカが協調して早期解決をはかることが重要だ」と述べ、これに対して福田官房長官も「手放ししにして事態を悪化させてはならない」と応じ、3カ国の連携で早期解決をはかる必要性で双方が一致しました。鄭特使は、7日午後には、小泉首相、川口外相とも会って北韓の核問題や両国の友好協力の促進について協議する予定です。

・盧武鉉次期大統領は、7日、このほど成立した大統領職引継ぎ委員会法にもとづいて、次期国務総理に指名した高建氏の人事聴聞会の実施を要請する文書を、国会に提出しました。これによって国会は、人事聴聞会のための特別委員会を設置し、20日と21日の両日、高建氏が国務総理としてふさわしい人物かどうかを審査する人事聴聞会を開くことにしています。そして国会での任命同意案は、盧武鉉新大統領が就任する25日に本会議を開いて表決を行うことにしています。

・全経連=全国経済人連合会は、7日定期総会を開き、任期2年の新しい会長に財閥4位のSKグループの専門経営者、孫ギルスン会長を選びました。孫会長は、就任のあいさつで「韓国を東北アジアの中心国家にするため、国力を、日本と同じ水準に引き上げることが重要だ。韓国の国民所得を2007年までに今の2倍の2万ドルに引き上げるためには、政府と経済界の協力が何よりも大事だ」と述べ、新政権の経済政策に積極的に協力していく方針を明らかにしました。全経連の会長には、オーナー会長が就任するのが慣例となっていますが、次期政権が「財閥改革」を掲げているため、候補に挙がった人物が次々と固辞し、人事が難航し、オーナーではない専門経営者が就任しました。

・モスクワ発 連合ニュースによりますと、北韓は、ロシア極東と韓国との間を結ぶロシアの民間航空機に、北韓の管制空域の飛行を許可したと、イタルタス通信が6日報道しました。極東では、ロシアの航空2社がウラジオストックとソウル、プサン間に定期便を運航しています。今回、北韓東側の東海の上空を飛ぶことを許されたことによってウラジオストック・ソウル間の飛行時間は、従来の1時間50分から、1時間20分に、またハバロフスク・ソウル間は、2時間50分から2時間20分にそれぞれ30分短縮されることになりました。しかし、同じ路線を運航している大韓航空機については、北韓の東海管制空域の通過が適用されないため、これまで通り迂回飛行をしなければならず、時間と燃料のロスが大きいことが指摘されています。

・金大中大統領の次男、金ホンオブ被告に対する脱税事件などの控訴審の判決が7日ソウル高等裁判所で行われ、一審に続いての実刑判決が言い渡されました。この事件は、金ホンオブ被告が、企業家などから口利きの見返りとして25億ウォン、日本円にしておよそ2億4000万円の金品を受け取り、贈与税を脱税していたもので、一審で懲役3年6ヶ月を言い渡されていました。2審の判決は、懲役2年、罰金4億ウォン、追徴金2億6000万ウォンで、裁判長は判決文で「大統領の息子という特殊な身分を利用して、私的な利益を満たしたことは、国民に大きな失望感を与えた。こうした事件の再発防止のため厳重な審判が避けられない」と述べました。しかし「犯行自体は他の共犯が主導し、ホンオブ被告は収賄金額がいくらなのかについても正確に把握していなかった。また深く反省していることを酌量して刑を減じた」としています。

・ソウルの地下鉄と市内バスの料金が来月から100ウォンずつ引き上げられる見通しです。ソウル市は7日、地下鉄とバスの料金調整案をまとめ今月中にソウル市議会と、物価対策市民委員会の審議を経て来月から実施する計画を明らかにしました。この案によりますと、地下鉄は、1区間の基本料金がこれまでの600ウォンから700ウォンに、2区間は700ウォンから800ウォンに引き上げられます。また一般の市内バスは、現金の場合、これまでの600ウォンから700ウォンになります。ソウルの交通料金の引き上げは、地下鉄は2000年9月、市内バスは2000年7月以来のことです。

・韓国外換銀行が公示した7日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、985ウォン55銭で、前日に比べて5ウォン37銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1180ウォンで、前日に比べて2ウォン80銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は577.48ポイントと、前日より12.02ポイント下落しました。

・7日のソウルは曇り、午後3時の気温は 5度9分と穏やかな一日でした。8日は、南海上に低気圧が近づいて全国的に雲が多くなり雨の降るところが多い見込みです。降水確率は全国的に30%から80%となっています。朝の予想最低気温は、氷点下2度からプラス7度、日中の最高気温はプラス4度から12度という予報です。

2月6日木曜日

・青森で行われている冬季アジア大会、6日目の6日、スキージャンプノーマルヒル90メートル級の団体戦で、韓国は日本を破って優勝しました。6日、青森の大鰐温泉スキー場で行われたジャンプ団体戦で、韓国はキム・ヒョンギ、チェ・フンチョル、チェ・ヨンジク、ガン・チルグ選手が出場し、安定したジャンプを揃えて、総合で952点を獲得、金メダルを手にしました。日本は2位、3位はカザフスタンでした。韓国のスキージャンプは今回のアジア大会が初出場でしたが、個人戦の銅メダルに次いで、団体戦でも金メダルを獲得するなど、大きな成果を挙げ、冬季の新しい期待種目として注目されています。一方、韓国は6日、得意種目のショートトラックでも金メダル2つを獲得しました。まず女子1500メートルで、韓国はソウルセファ高校のチェ・ウンギョン選手が優勝したのをはじめ、1位から3位まで総なめしました。続いて行われた男子1500メートル決勝戦で、アン・ヒョンス選手が1位でゴールイン、金メダルを手にしました。

・北韓外務省スポークスマンは5日、核施設の稼動を再開したことを示唆しました。北韓の朝鮮中央通信が伝えたところによりますと、「北韓政府は電力生産のための核施設の運転を再開し、その運営を正常化しているが、あくまでの平和目的に限られている」としています。稼動再開を示唆した施設は明らかではありませんが、寧辺にある実験用原子炉の可能性が高いものとみられています。これについて韓国政府の関係者は6日、確認を急いでいるとし、「我々が把握しているのは、最近北韓が5MW原子炉に核燃料棒を移動させていることまでで、IAEAの査察官全員が北韓から追放されたため、その後どんなことが進められているかは分からない。北韓はすでに電力生産のための核施設の再稼動に向けた準備を始めていると表明しているので、この話は新しいことではない」と述べました。

・日本政府は北韓がミサイル発射実験を再開する可能性が高まっていると判断して、北韓が実際にミサイル実験した場合を想定し、送金停止の措置など、北韓に対する経済制裁を視野に入れた対応策の本格検討に取り掛かった模様です。日本の産経新聞が6日が報じたところによりますと、現在、検討させれている経済措置は、*外国為替関連の法律の改正を通じて、北韓への不法な送金の取り締りの強化、*新潟と北韓の元山の間を往来する万景峰号の入港規制、*日朝間の民間チャーター機の就航や総連系日本人の北韓訪問の制限などです。日本政府はこれとともに、日本海へのイージス艦配備による警戒監視体制を強化する一方、中国、ロシアなど関係国の外交圧力を通じて、自制の働きかけを進めていく方針です。

・EU=ヨーロッパ連合は、北韓の核開発問題で事態打開の糸口を探るために今月11日から予定していた閣僚級代表団の北韓への派遣を延期することになりました。EUの日本駐在代表部の関係者は5日、このように発表しましたが、延期された理由については明らかにしていません。

・国連のアナン事務総長は3日、「北韓への人道的な援助は途絶やしてはならない」という声明を発表しました。この声明はこのほど北韓入りしていたストロング特使の報告に基づくもので、「食糧や医薬品などの援助は途絶やしてはならない」と強調しています。外交筋によりますと、今月半ばにも北韓の核問題が国連安全保障理事会に付託される可能性があることから、アナン事務総長は「非難や制裁だけに集中せずに、人道的援助も重要だということ」を指摘するために声明を発表したということです。

・南北経済協力推進委員会の4回目の会議が11日から14日まで、ソウルで開かれます。今回の会議では、鉄道の京義線と道路の連結工事や開城工業団地の建設など、すでに南北が合意している事柄を重点的に点検することになっています。

・金大中大統領は5日、現代商船が2000年の南北首脳会談の直前に2億ドル、韓国ウォンで2235億ウォンを北韓に送金していた問題について、「韓半島の平和と未来のために、すべてを公開することは、国益にも南北関係にも助けにならない」と再び意見を述べました。金大統領は5日、青瓦台で開いた統一外交安保関係閣僚会議で、このように述べるとともに「北韓に投資して経済活動を行うことで、北韓を変化させることが大事だ。現代商船の北韓進出によって、ほかの韓国企業も北韓で事業を展開できるようになった」と評価しました。そして「東ドイツの例を見ても、共産圏との取り引きは公開の場で扱えないことが多い。現実的に北韓は現行法では反国家団体で、北韓と交流すること事体が違法行為であるので、この問題を現行法に基づいて判断することは適切でない」と強調しました。これについて 盧武鉉次期大統領は「真相を究明しなければならないが、外交的な波紋と国益を考慮し、真相究明の方法と範囲などは国会が判断すべきだ」と述べました。

・一方、この問題については、現代商船が監査院に提出した資料で、「現代商船と北韓との事業協定」の締結が送金してから2か月後に行われたことが明らかになりました。それによりますと、現代商船と北韓が、開城工業団地など7つの対北韓協力事業で協定が締結されたのは2000年8月21日で、送金は南北首脳会談が行われた2000年6月15日の直前に行われたものとみられ、首脳会談の見返りとした資金の可能性も排除できなくなりました。これについて現代商船は「北韓と事業の協定を締結するには時間がかかる。送金は協定締結のための資金だ」とする立場で、北韓専門家も北韓の特殊性を考慮するときに、純粋な経済資金の可能性もあると指摘しています。

・韓国とアメリカは5日、ソウルで合同委員会を開き、韓国駐留アメリカ軍に対する飲酒運転の取り締りと処罰の強化など、韓米地位協定の運用見直しに合意しました。これは去年6月、アメリカ軍の装甲車に韓国の女子中学生2人がひかれ、死亡した事故など、韓国駐留アメリカ軍による事故が相次いで、韓国国民の対米感情が悪化してきたことを受けての措置です。合同委員会は韓国外交通商部シム・ユンジョ北米局長と駐韓アメリカ軍のランス・スミス副司令官が首席代表として出席して開かれ、アメリカ軍が韓国当局の法にもとづく執行活動に協調しなかったり、妨害したりした場合、韓国側がとる法的措置を全面的に尊重するという立場を明らかにし、犯罪が起きた際に韓国側の初動捜査への参加にアメリカ側が「協力する」ことを盛り込みました。合同委員会では刑事裁判権のほか、*米軍施設内で労使問題が起きた場合、韓国人労働者が中央労働委員会の調整を求めることが認められる。*米軍基地による環境汚染問題と関連し、両国の共同調査のための手続きを決め、今月中にまずソウル龍山など2か所に対する調査に取りかかることになりました。

・アメリカを訪問していた盧武鉉次期大統領の特使団は6日、東京入りし、7日に小泉首相と会談する予定です。代表団は7日、小泉首相との会談で、北韓の核問題や盧武鉉新政権誕生後の韓日両国の協力について話し合う予定です。

・日本相撲協会は5日、今年6月14日と15日の2日間、ソウルチャムシルの体育館でソウル場所を開くと発表しました。大相撲の興行が韓国で行われるのはこれが初めて、日本相撲協会の北の湖理事長は、「ソウルでの興行を通じて両国の文化交流と相互理解に寄与したい」と語りました。大相撲には初場所で敢闘賞を受けた前頭の春日王ら2人の韓国人がいます。

・韓国外換銀行が公示した6日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、980ウォン18銭で、前日に比べて1ウォン43銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,177ウォン20銭で、前日に比べ、2ウォン9銭のウォン安でした。韓国株式市場の6日の総合株価指数は、589.50ポイントと、前日に比べ、11.18ポイント下落しました。

・6日のソウルは晴れ、午後3時の気温は3度8分でした。7日も全国的に概ね晴れの中、夜になって南西から雲が多くなるでしょう。7日の予想最低気温は、氷点下8度からプラス3度、最高気温はプラス6度から12度という予報です。

2月5日水曜日

・第236臨時国会が5日から30日間の会期で開会しました。今回の臨時国会は金大中政権最後の国会で、現代商船が北韓に送金した2,235億ウォン=2億ドルの疑惑に対して野党=ハンナラ党が国会に提出した特別検事制の法案や盧武鉉次期大統領が国務総理に指名した高建氏に対する聴聞会が最大の争点になるものとみられます。国会は5日午前、金碩洙国務総理が国政報告し「南北協力事業を今後進めていく上で一層透明な運営をはかり、国民の共感を広げていきたい」と述べました。国会は10日から12日まで、分野ごとの対政府質問を行い、14日には日本の最高裁判所長官に当たる大法官に指名された高鉉哲氏に対する人事聴聞会を、20日と21日には次の国務総理に指名された高建氏に対する聴聞会を行う予定です。

・アメリカのパウエル国務長官は4日、「北韓の核開発問題を解決するため、多国間協議の枠組みの中で北韓と直接対話する用意がある」と述べました。これはワシントンを訪問している盧武鉉次期大統領の特使団との会談で述べたもので、特使団の鄭大哲団長は記者会見で「特使団はアメリカが積極的に北韓と対話する必要性を力説した。これに対してパウエル国務長官は多国間協議の枠組みの中で北韓と直接協議する用意があると述べた」ということです。鄭特使はさらに「アメリカはこれまで北韓が核兵器の開発を断念しない限り、対話しない方針だったが、そのような強い立場がやや和らいだ感じを受けた」と説明しました。

・アメリカのアーミテージ国務副長官は4日、連邦議会の上院外交委員会で行われた北韓の核に関連した公聴会に出席し「アメリカは北韓と直接対話する用意はある」と述べました。アーミテージ国務副長官は、北韓が直ちに対応を変えない限り、次のIAEA=国際原子力機関の理事会で、北韓の核開発問題を国連安全保障理事会に付託することが決まる可能性が大きいと指摘しました。アーミテージ国務副長官はさらに北韓に対して武力行使する意図がないことを強調した後、北韓への要求として、米朝枠組み合意の対象である核関連施設の即時凍結、ウラン濃縮プログラムの廃棄、IAEAに協力すること、NPT=核拡散防止条約の取り決めを順守することを挙げました。これに先立ってルガー上院外交委員長は「アメリカ当局者は北韓の核開発計画の終息に向けて北韓と対話しなければならない」として北韓との対話の必要性を強調しました。

・アメリカを訪問している盧武鉉次期大統領の特使団は4日、ホワイト・ハウスでチェイニー副大統領に盧次期大統領の親書を手渡しました。これは面談が予定されていたブッシュ大統領がヒューストンで行われたスペースシャトルコロンビアの7人の宇宙飛行士の追悼式に出席したためで、鄭大哲特使はチェイニー副大統領に盧次期大統領の親書を手渡すとともに、コロンビアの空中分解事故に対して見舞いのことばを述べました。これに対してチェイニー副大統領は、新政権の発足にお祝いの言葉を述べるとともに、今後も新政権への支援を惜しまないと述べました。

・北韓はアメリカが多国間協議の枠組みの中で北韓と直接対話する用意を示したことについて5日「責任逃れ」だと非難するとともに、多国間協議には参加しないことを明らかにしました。北韓の朝鮮中央通信によりますと「我々は韓半島での核開発問題の解決は米朝間の直接対話以外に考えたことがないし、そのような会談には参加しない」として「韓半島に核開発問題を引き起こしたのはアメリカである。アメリカは核開発問題で責任逃れをし、我々に対する国際的な圧力を加えようとしている」と非難しました。

・北韓の景勝地=金剛山を陸路で観光するための下見が、5日から2日間の日程で始まりました。下見には、金剛山観光を主催している現代アサンの鄭夢憲理事会会長ら現代アサン、韓国政府、それに旅行会社の関係者ら80人が参加し、5日、バス10台に乗って東海岸の江原道コソン郡にある統一展望台から軍事境界線を越えて金剛山までの40キロを走り、午後4時前 北韓の金剛山観光出入国事務所に到着しました。現代アサンは今回の下見の結果を踏まえて、今月14日に1泊2日の日程で各界の有識者ら400人を招待してテスト観光を行う計画です。陸路による観光が本格化しますと、現在、束草港から船で4時間以上かかる移動時間が40分程度と大きく減ることになり、観光客が増えることが期待されています。

・政府は今年の政府米の買い上げ価格を、去年に比べて2%引き下げ、それによる農家所得の減少分は補てんする方針を決めました。政府が買い上げ価格の引き下げを決めたのは、1948年に政府米制度を導入して以来初めてのことです。農林部は4日「糧穀流通委員会の勧告をもとに、企画予算処、財政経済部との協議を経て、政府米の買い上げ価格の引き下げを決めた。それによる農民の損失は政府が補てんする方針で、近く臨時国会で同意を求める」と述べました。政府案による買い上げ価格はコメ40キロの1等級が5万9,230ウォンで、買い上げ量は76万7,000トンとしています。政府が買い上げ価格の引き下げを決めたのは、WTO=世界貿易機関との取り決めで、来年2004年からアメリカなどの安いコメを輸入しなければならないことから、海外のコメとの価格差を縮めるとともに、最近のコメあまりを解消させ、韓国のコメの競争力を強化しようとしているためです。これに対して農民は韓国の農業を危うくするものだとして強く反発し、野党=ハンナラ党も反対の立場を示していることから、国会での決着の方向が注目されます。

・ソウル地方検察庁は、現代電子の株価操作事件で、李イッチ元現代証券会長と鄭夢準議員を5日召喚し、取り調べました。現代電子の株価操作事件は、現代重工業と現代商船が98年5月から6カ月間に、2,100億ウォン=日本円にして200億円を投入して当時1株当たり1万5,000ウォンだった現代電子の株価を3万2,000ウォンにまで吊り上げたもので、99年の検察の捜査では李イッチ元現代証券会長の主導で行われたものだと結論づけました。しかしその後、市民団体と野党=民主労働党から鄭夢準議員も関与したという告発を受けて、検察は再び捜査を進めており、検察側は鄭議員について株価操作に関与したかどうかとともに、去年の大統領選挙の際、与党=民主党との統一候補のためのテレビ討論会での鄭夢準議員の発言の中で李イッチ氏の名誉を損ねたとして李イッチ氏が鄭議員を名誉毀損で告発したことについても同時に調べることにしています。鄭議員はこの事件に関連して「すでに5年前に終わった事件だと思っている。詳しいことは検察で話したい」と述べました。

・韓国の音楽CD制作会社25社と外国音盤の韓国配給会社5社は、インターネットで無料で音楽サービスを行っている韓国の2つのサイトを、著作権法違反で5日検察庁に告訴しました。 告訴状によりますと、「2つのサイトは音盤会社の了解を得ずに、無料で韓国の大衆歌謡をインターネットユーザーに提供しており、これによって財産上の被害を受けた」としています。音盤制作会社は、これらのサイトに損害賠償を求めるのではなく、韓国での音盤産業の正常化を目的としているため、今後有料化への切り替えなどを含めて協議を進めていく計画だとしています。これに対して2つの無料音楽サービスサイトは、音盤会社が要求する利用料が高すぎて受け入れ難いと、反発しています。

・今月25日に行われる第16代大統領就任式の実行準備委員会は大統領就任式への参加を希望している国民から受け付けを行っていますが、その受付期間を9日まで延長することになりました。準備委員会によりますと、先月29日からインターネットのホームページと電話などを通じて行った一般国民を対象にした大統領就任式参加の受け付けは、4日現在、2万5,000人あまりだということです。しかし、旧正月の連休などを考慮して申し込む期間が短かったという指摘があることから、受け付け期間を今月9日まで延長することになりました。準備委員会は受け付けた希望者をコンピューターで抽選し、個別に知らせることにしています。準備委員会によりますと、申込みの理由について「デートコースとしてよさそうだから」や「歴史的な現場を目の当たりにしたい」「家族の良い思い出を作りたい」などと素朴な希望が募られているということです。

・1等の当選金額が500億ウォンを超えるものとみられる今回のロト宝くじに対する国民の人気が異常な過熱をみせ、4日の販売金額が史上最高となりました。ロト宝くじを販売している国民銀行によりますと、ロトくじの販売金額は4日、1日だけで全国で278億9,000万ウォン=日本円にしておよそ28億円となり、史上最高となりました。このようにロトくじの販売が過熱しているのは、史上最高の当選金がかかっていることに対する期待感によるもので、このまま行けば1等の当選金は500億ウォンから600億ウォンの間になるものとみられています。

・青森で行われている冬季アジア大会、5日目の5日、韓国は李キュヒョク選手がスピードスケート男子1,000メートルで金メダルをとり、2冠王に輝きました。八戸市で行われたスピードスケート男子1,000メートルで、李キュヒョク選手は1分13秒96でゴールインし、2位の清水ひろやす選手を0.05秒という僅差で押さえて、金メダルを手にし、3日の1,500メートルでの金メダルに続いての2冠王となりました。ところで女子アイスホッケーのリーグ戦、韓国対カザフスタンの試合で、韓国は審判団の判定に抗議して試合を放棄しました。これで韓国は5日までに金メダル2、銀メダル3、銅メダル5となりました。

・韓国外換銀行が公示した5日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、981ウォン61銭で、前日に比べて1ウォン31銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,174ウォン30銭で、前日に比べて5ウォン30銭のウォン高でした。韓国株式市場の5日の総合株価指数は、600.72ポイントと、前日に比べて3.06ポイント下落しました。

・5日のソウルは晴れ、午後3時の気温は3度1分でした。6日は全国的に高気圧の圏内に入って、おおむね晴れの一日になりそうです。予想最低気温は氷点下12度から0度、日中最高気温はプラス3度から10度という予報です。

2月4日火曜日

・政府が2000年の南北首脳会談の見返りとして北韓に大金を送金したとされる問題は、国会で事実関係への究明が行われる可能性が出てきました。ソウル地方検察庁は、3日、事件と関連した一切の捜査を留保する方針を発表しました。これを受けて野党ハンナラ党は、4日、特別検事制度の導入を目指す法案を国会に提出し、民主党もこれを受け入れる可能性をほのめかすなど、与野党が、事実上、国会での解決策に向けた折衝に取り掛かることになりました。与党・民主党と野党・ハンナラ党は、5日、臨時国会の開会直後に総務会談を開き、現代商船が政府の意を受けて北韓に2億ドルを送金した問題について本格的な折衝に入ることになりました。しかし民主党は、野党が要求している特別検事制の導入についてはいまのところ党としての明確な立場を決めておらず、大統領府の青瓦台が、国会での国政報告や常任委員会での証言を通じて、さらに詳しく真相を公開しなければならないと主張しており、青瓦台の出方が注目されます。

・ソウル地方検察庁は、4日、検察が捜査を留保した「現代商船による対北韓送金疑惑」で、海外への出国が禁止されている現代峨山の鄭夢憲理事会会長と金ユンキュ社長の出国禁止措置を一時解除することを決めました。これは韓国と北韓の間で東海岸の道路を通っての金剛山観光が合意され、5日からバス3台で下見が始まるのと、検察が送金疑惑の捜査を留保したことによるものです。検察はまた、今度の疑惑と関連して出国禁止措置を受けている17人中、産業銀行の前総裁など14人についても段階的に出国禁止を解除する方針です。

・また大韓赤十字社は、南北が合意した離散家族のための常設面会所と会議室を備えた総合センターの建設について協議する建設推進団の初の協議を、今月13日から15日まで金剛山で開くことを4日、北韓に提案しました。大韓赤十字社は、実務協議の北韓側団長宛てにこのような電話通知文を送り、「韓国側の建設推進団の規模は、推進団メンバー10人と、支援スタッフ数人から構成される」と伝えました。今度の協議では、面会所の具体的な概要について話し合うことにしています。

・先月、北韓の金剛山で行われた南北赤十字会談の実務者協議で、6回目の離散家族の再会を今月20日から金剛山で行うことにしたことを受けて、北韓が提出した韓国に住む家族の名簿200人のうち、3日までに134人についての生死や住所が確認されました。大韓赤十字社は、9日までに200人全員についての生死や住所の確認結果をまとめた報告書を北韓の赤十字会と交換した後、10日には、離散家族再会に参加する100人を絞り込む計画です。

・アメリカのラムズフェルド国防長官は、3日 盧武鉉次期大統領の特使としてアメリカを訪れている代表団と会談した席で、「韓米同盟関係の均衡を再調整する必要性に同意する」と述べました。ラムズフェルド国防長官は、この日、民主党の鄭大哲最高委員を団長とする6人の特使団と会って、「韓米同盟50周年を迎え、両国の同盟関係の均衡を再調整する必要性を強調した盧武鉉次期大統領の要望に対して、'再調整の必要性に同意し、この問題について韓国と緊密に協議する用意がある’と述べた」ということです。盧武鉉次期大統領は、特使団を通じて、ラムズフェルド国防長官に対して「韓国駐留アメリカ軍の役割に感謝している。今後は、同盟国としてアメリカに一方的に要求ばかりせず、均衡の取れた同盟国になるよう努力するつもりだ」と述べた模様です。

・アメリカ陸軍は、今年の3月から5月までの間に韓国での勤務が終了する2900人あまりについて滞在延長を検討していると、韓国駐留アメリカ第8軍の司令部が3日明らかにしました。それによりますと、韓国駐留アメリカ第8軍の司令部は、アメリカ陸軍に対して、任期を終える将兵2900人について、6ヶ月間、人事異動の中止命令を出すよう要請し、承認を待っているところだと発表しました。それによりますと、「任期を終えた将兵が予定通り韓国から離れた場合、イラク戦のため韓国に向けて新しい兵力を補うことが困難となり、韓国駐留アメリカ軍の戦力にすき間が生じることもあり得る」としています。

・アメリカ国防総省は、韓国駐留アメリカ軍を支援するため「B-52」「B-1」の長距離爆撃機24機に対して、太平洋西部地域への移動準備を命じたと、国防総省の高官が3日明らかにしました。この高官によりますと、長距離爆撃機「B-52」と「B-1」それぞれ12機がすでに移動準備に取り掛かっており、この作業のため2000人の空軍兵士が動員されたということです。

・IAEA=国際原子力機関の理事会の議長国をつとめるクウェート政府代表のナベ−ラ・アラムラ氏は、3日、北韓の核問題を国連安保理に付託するかどうかを協議する緊急理事会を、12日に開くことを決めたと明らかにしました。これについてIAEAのエルバラダイ事務局長は、「北韓はIAEAによる核査察を拒否しIAEAとの約束に違反した」と報告する決議の採択が議題となる見通しで、これが採択されれば北韓の核開発問題は国連安保理に付託されることになるだろうとしています。

・日本の河野元外相が、5日と6日の両日、金大中大統領と会談するため韓国を訪問します。河野元外相は、金大統領と会って、就任5年間の労をねぎらうとともに、北韓問題などについて意見を先月交わすことにしています。金大統領は、小泉首相が、電撃的に靖国神社を参拝したことで、予定していた川口外相との会談をキャンセルした経緯があるためその後に会う日本の政治家としては河野元外相が初めてとなります。

・放射性廃棄物を管理する施設の候補地4か所が決まりました。政府は4日、原子力委員会を開き、放射性廃棄物の管理施設の建設候補地として、東海岸沿いの慶尚北道・ヨンドッ郡・ナムジョン面とさらに北寄りの慶尚北道・ウルチン郡・クンナム面、西海岸に近い全羅北道・コチャン郡・ヘリ面と、ここから30キロほど離れた全羅南道・ヨンクァン郡・ホンノン邑の4か所です。政府は、これらの候補地について今後1年間、地質調査や地域住民との協議を経て、来年3月頃、放射性廃棄物管理施設の建設を最終的に決める方針です。

・韓国のTV番組の輸出が輸入を初めて上回りました。文化観光部が3日発表したところによりますと、去年の放送番組の輸出は、おととしより52.7%多い2,881万3000ドル、輸入は、22.8%減の2,511万1000ドルでした。番組一本の平均輸出価格も一年前の2001年は、890ドルでしたが、去年は1089ドルと高くなっており、ジャンル別には、ドラマが、1,640万ドルと全体輸出額の76.8%を占め、続いて、アニメーション8.9%、娯楽番組5.5%、ドキュメンタリー1.8%、音楽1.1%の順でした。国別には、台湾が1位、次いで中国、日本、香港、シンガポール、インドネシア、アメリカ、ベトナムでした。一方、輸入は、映画が全体の69.4%と圧倒的に多く、国別にはアメリカ、イギリス、日本、フランス、香港の映画が多く入っています。

・ソウル市内の水道水が飲み水として差し支えないという総合判定の結果が出ました。ソウル市の水道水水質評価委員会は4日、最近3つの浄水場で採水した水道水の水質を検査した結果、すべてが飲み水の水質基準に適合していたと発表しました。今度の検査は、ソウル市の3か所の浄水場の原水と、浄水、配給課程の水道水、水タンクの水など全部で12種類の水について韓国科学技術院と、韓国環境水道研究所が55の項目について調べた結果によるものです。ソウルでは水道水の水を沸かして飲んだり、ボトルで市販されている水を買って飲むのが一般的ですが、そのまま飲んでも大丈夫だという今度の発表は市民を安心させるものとみられています。

・青森で行われている冬季アジア大会4日目の4日、韓国は、スキーのスノーボード男子回転で世宗大学のチ・ミョンコン選手が銀メダルを、またジャンプ個人戦では、韓国体育大学のチェ・フンチョル選手が銅メダルを獲得しました。これで韓国は、4日までに金メダル1、銀メダル3、銅メダル5となりました。

・韓国外換銀行が公示し4日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、980ウォン30銭で、前日に比べて2ウォン32銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1179ウォン60銭で、前日に比べて9ウォン60銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は3.37ポイントアップの、603.78ポイントと、3日連続の上昇となりました。

・立春の4日ソウルは曇り、午後3時の気温は 3度2分と穏やかな一日でした。5日は、ソウルと中部は晴れますが、南部は一時雨または雪が降る見込みです。朝の予想最低気温は、氷点下10度から0度、日中の最高気温は0度からプラス7度という予報です。

2月3日月曜日

・盧武鉉次期大統領の特使団がアメリカと日本を訪問するため、2日韓国を出発しました。特使団は、与党=民主党の鄭大哲最高委員を団長とする6人で、5日までのワシント滞在中、盧武鉉次期大統領の親書をブッシュ大統領に手渡す予定です。盧武鉉次期大統領はこの親書の中で、伝統的な韓米同盟関係を強調し、北韓の核開発は認めないことや北韓の核開発問題は対話を通じて解決をはかること、そして北韓の核開発問題について韓国の主導的な役割が果たせることなどを盛り込んでいるものと伝えられています。特使団は、またパウエル国務長官、ラムズフェルド国防長官をはじめホワイト・ハウスや連邦議会の関係者とも会談し、北韓の核開発問題について意見を交わす予定です。今回の特使団のアメリカ訪問は、ブッシュ大統領が先月28日に行った一般教書演説で北韓を無法政権と規定し、北韓に対して核兵器開発を断念することを求めていることから、特使団の訪問結果が注目されます。特使団はアメリカに続いて6日からは日本を訪問し、7日には小泉首相らと会談して北韓の核開発問題と両国間の協調などについて協議することになっています。

・現代商船が北韓に2,235億ウォン=米ドルで2億ドルを送金したことについて、盧武鉉次期大統領は3日「真相は明らかにすべきだが、外交的な影響と国益を考慮してその手続きや範囲などは国会で判断した方が望ましい」と述べました。盧武鉉次期大統領のスポークスマンによりますと、盧次期大統領は3日、青瓦台秘書室長に予定されている文喜相議員や大統領職引き継ぎ委員会の関係者と行った会議で、「現代商船が北韓に送った2億ドルの捜査については与野党の合意で行われた方が望ましい」として、このように述べたということです。これに先立って、文喜相議員は2日この問題について「金大中大統領の間接的な是認で真実はある程度明らかになったと思う。検察が乗り出す線は越えており、与野党の合意の元で政治的に判断する問題ではないか」と述べて、刑事責任を問うことに対しては慎重な姿勢を示しました。

・これについて野党=ハンナラ党は「この問題について国民は強い疑惑を抱いている」として、金大中大統領の謝罪と検察の捜査を求めました。ハンナラ党は検察が捜査に乗り出さない場合は、特別検事制の法案を国会で成立させるとともに、国会での国政調査も進める方針で、今後与野党間の攻防が予想されます。

・これについて北韓のアジア太平洋平和委員会は北韓を訪問した民放のSBSの取材陣に対して「現代商船からの2億ドルは合法的な取り引きで、疑惑はありえない。現代と北韓との経済協力事業は98年に始まっており、この2億ドルを2000年の南北首脳会談の見返りと主張するのは不穏な謀略だ」と述べ、一部で出回っている南北首脳会談との関連性を否認しました。

・アメリカのスペースシャトル・コロンビアが空中分解し、宇宙飛行士7人が犠牲になったことについて、金 大中大統領は2日、ブッシュ大統領に「宇宙飛行士の犠牲は宇宙へのたゆまない挑戦のもう一つの礎になると信じています」というお見舞いの電報を送りました。また盧武鉉次期大統領もブッシュ大統領に電文を送り「宇宙飛行士7人の挑戦は人類の未来を作っていこうとする我々の夢と勇気を表したもので、彼らの犠牲は宇宙への前進の土台になると確信します」と述べました。

・北韓の景勝地=金剛山の陸路による観光のための下見が今週5日から2日間行われる見通しです。金剛山観光を手がけている現代アサンは、北韓の朝鮮アジア太平洋平和委員会などとともに今週5日から2日間、陸路観光のための下見を行うと発表しました。下見にはバス3台に韓国政府、現代アサンの関係者、観光会社の関係者ら100人が参加し、東海岸の道路を通って韓国から北韓入りします。その結果を踏まえて今月14日に陸路によるテスト観光を行う予定です。現代アサンは金剛山観光を円滑に進めるためとして、北韓への送金問題で出国が禁止されている鄭夢憲理事会会長と金ユンキュ社長の出国を認めるよう検察に要請することにしています。

・アメリカが行っている国際放送のVOA=Voice of Americaの韓国語放送は、最近の北韓の核開発問題や、国際問題になってきている北韓からの脱出者問題に対する感心が高まっていることから、先月27日から放送時間を2倍に拡大しました。この結果、VOAの韓国語放送は、韓国時間で毎日午前6時からはそれまでの30分が1時間に、夜9時からそれまでの1時間が2時間に拡大されて放送されています。

・青森で行われている冬季アジア大会で韓国は初の金メダルを獲得しました。八戸市で行われたスピードスケート男子1500メートルで韓国の李キュヒョク選手は、1分54秒65で金メダルを手にしました。また2日はスピードスケート女子3,000メートルでペク・ウンビ選手が個人で初のメダルの銀メダルをとったのに続いて、3日もペク・ウンビ選手がスピードスケート女子1,500メートルで銅メダルをとりました。

・韓国のサッカー代表チームの監督となったポルトガルのウムベルト・コエーリョ氏が3日午前、韓国入りしました。仁川国際空港でコエーリョ新監督は「アンニョンハセヨ」と韓国語であいさつして暖かい歓迎に感謝の意を表した後、「韓国サッカーの発展に向けて全力で頑張ります。世界のサッカーはスピードが重要視されている。そのような技術的な面に備えていきたい」と述べました。コエーリョ監督は先月15日、大韓サッカー協会と1年6カ月間の契約をしており、4日には初の公式記者会見を行い、京畿道パジュ市にあるトレーニングセンターも訪れる予定です。

・去年暮れから販売が始まったロット宝くじは今回も1等の当選者が出なかったため、3週間分となった当選金は次の日曜日の抽選に持ち越され、およそ400億ウォンになるものとみられます。ロット宝くじは1から45までの数字の中から6つを選び、公開抽選で6つの数字を全部当てた人が一等になるもので、これまでの3週間1等の当選者が出なかったことから、258億ウォンあまりが次回の抽選に持ち越されることになりました。ロット宝くじを販売している国民銀行では、持ち越された当選金に今週分の宝くじの販売額による当選金を合わせるとおよそ400億ウォンになるものとみています。このようにロット宝くじの人気が急騰しているのは、これまでの宝くじの最高当選金のほぼ7倍という巨額の当選金になること、政府が今後は1等当選金の持ち越し回数を2週分までとするなど制限を設ける方針を示していること、さらに旧正月の贈り物として人気が高かったことなどによるものと分析されています。

・韓国プロ野球のホームラン王、三星ライオンズの李スンヨプ選手が今シーズン6億3000万ウォンの年俸で三星と再契約を結びました。韓国のプロ野球ではフリーエージェントの資格を得たパク・キョンワン選手がSKとの間で3年間で19億ウォンで契約し、年平均にしますと6億3,333万ウォンで最高ですが、FA資格のない状態での1年間の契約では李スンヨプ選手が最高となります。去年のプロ野球MVPとなった李スンヨプ選手は、去年のコリアンシリーズでの三星の優勝に決定的な役割を果たしたことが球団側に認められ、今シーズン最高の待遇を取り付けていました。

・韓国外換銀行が公示した3日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、977ウォン98銭で、先週木曜日に比べて9ウォン8銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,177ウォンで、先週木曜日に比べて6ウォン50銭のウォン安でした。韓国株式市場の3日の総合株価指数は、600.40ポイントと、先週木曜日に比べて8.54ポイント上昇、再び600ポイントの大台を回復しました。

・3日のソウルは晴れ、午後3時の気温は3度7分でした。暦の上で立春の4日は地形的な影響で江原道や東海岸、済州道では雪または雨、その他の地域はおおむね晴れになる予報です。予想最低気温は氷点下11度からプラス1度、日中最高気温は0度から8度ということです。

2月1日土曜日

・北韓は寧辺の核施設の貯蔵庫から、使用済みの核燃料棒を運び出しているとみられると、アメリカニューヨーク・タイムズが31日伝えました。これはアメリカ政府の当局者の話を引用したもので、アメリカの偵察衛星の写真では貯蔵庫に多数のトラックが出入りしていて積み荷を正確に判別できないものの、貯蔵庫にある、核燃料棒を別の場所に隠すか、また核兵器に転用可能なプルトニウムを製造する再処理施設に搬入するための移動と、専門家は判定していると伝えています。またほかの動きも総合した結果、北韓は3月末にもプルトニウムの製造を開始できそうだと結論したということです。北韓は去年の末、使用済み核燃料棒貯蔵庫にIAEA=国際原子力機関が貼っていた封印を撤去しましたが、8000本に上るこの燃料棒を再処理すれば、原爆5個か6個分のプルトニウムが取り出せるものとみられています。

・北韓が使用済みの核燃料棒を運び出しているのではないかと報じられた問題について、アメリカ政府は31日、「核燃料棒の再処理に向けたいかなる措置も国際社会を脅かす新たな挑発行為になる」と厳しく批判しました。ホワイトハウスのフライシャー報道官は31日、記者会見でこのように述べるとともに、「平和的解決を目指している国際社会から北韓はさらに孤立することになる」と警告しました。

・一方この問題で、IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は31日、「事実なら北朝鮮は6か月以内にプルトニウムをかなりの量抽出できる」と述べ、強い懸念を示すとともに、北韓問題を早期に国連安保理に付託するように勧告する意向を明らかにしました。エルバラダイ事務局長は31日、ウィーンで記者会見し、「私は理事会に対して、北韓がわれわれの要請を受け入れようとしないとする報告を提出した」と表明し、この問題を安保理理事会へ付託することを承認するよう、IAEAの執行委員会に要請したということです。IAEAは、この問題を協議する緊急理事会を今月12日ウィーンで開くことを暫定決定ています。

・北韓はIAEAのこの緊急理事会に出席しない方針を明らかにしました。ロシアのイタル・タス通信によりますと、ロシア駐在の朴義春北韓大使は31日モスクワで記者会見し、「われわれはIAEAがアメリカの利益のため動いていると判断し、IAEAの緊急理事会に北韓代表団を送らないことにした。アメリカは表では対話を通じた平和的解決を主張しながらも裏ではほかのことを考えている。 アメリカが軍事攻撃に乗り出す場合、北韓はそれに相応する措置をとる」と強調しました。

・アメリカ太平洋軍司令部は、韓半島情勢がやや緊張しているとして、韓国駐留アメリカ軍を、空軍を中心に2000人増員するよう国防総省に要請したと、アメリカCBS放送が31日伝えました。この要請について、ラムズフェルド国防長官はまだ承認していないが前向きに検討していると報じています。CBS放送によりますと、横須賀を母港とする空母「キティホーク」が近くペルシア湾岸方面に出動するのにともなって、穴埋めの意味で空母「カールビンソン」を極東に派遣することが検討されているということです。この兵力の増強要請はブッシュ政権がこれ以上、北韓の核問題を外交的な方法だけに頼らないとする姿勢を示すものとみられています。

・北韓の高官が来月ロシアを訪問し、金正日国防委員長の親書をプーチン大統領に手渡すものとみられています。複数の外交消息筋が31日伝えたところによりますと、今月中旬、北韓の平譲市人民委員会のリャン・マンギル委員長がモスクワを訪問し、さきのロシアの提案の対する金正日国防委員長の親書をプーチン大統領に手渡す可能性が高いということです。ロシアのロシュコフ外務次官は先月 日、プーチン大統領の特使として北韓を訪問し、体制の保障や経済支援を見返りに核開発を放棄することを金正日国防委員長に提案し、金委員長はこれに肯定的な反応を見せたと伝えられています。

・きょう2月1日は旧暦の正月=ソルナルです。韓国は全国的に晴れわたったよい天気に恵まれ、各家庭では家族や親戚が集まって、朝早く先祖への祭祀を行い、お墓参りをした後、家族団らんの1日を過ごしました。ソウル中心部では商店街もほとんど店を閉め、閑散とした様子でした。 鐘路など、映画館が集中している地区や、ロッテワールドなどの遊園地は若い人や家族連れで混雑していました。また景福宮や徳寿宮などの王宮では、韓国伝統のソルナル遊びを楽しむ人々で賑わっていました。今年の旧正月連休は31日から2日までの3日間と例年より短いため、高速道路では1日午後からUターンラッシュが始まりました。韓国道路公社によりますと、高速道路を利用して、故郷から戻ってくる車は1日だけで27万台に上り、2日午前中にピークを迎えると予想しています。一方、ソウル市は故郷からソウルに帰ってくる人たちの便宜を図るため、1日と2日の2日間は、ソウル市内を走る地下鉄と路線バスを深夜2時まで延長して運転することにしました。

・アジア37億人の冬のスポーツ祭典、第5回冬季アジア大会が1日、日本の青森で開幕し、8日間の競技が始まりました。開会式には先のシドニーオリンピックと釜山アジア大会に続いて韓国と北韓の選手団が合同の入場行進を行い、スタジアムの観客から熱い拍手が送られました。韓半島が描かれた「統一旗」を掲げて入場した南北選手団の旗手は、韓国のバイアスロンの女子選手キム・ジャヨンさんと、北韓の男性の選手団役員カン・ヒョンスさんでした。今回の青森冬季アジア大会は、史上最大の28の国と地域から1,200人あまりが参加し、韓国は開催国の日本に次ぐ総合2位を目標にしています。一方北韓は冬のアジア大会には13年ぶりの参加で、56人の選手団を派遣しています。

・韓国人の海外への移民が、ここ2年間減っていることが分かりました。外交通商部が31日発表したところによりますと、去年1年間に韓国から海外へ移住した韓国人は合わせて1万1,178人で、前の年、2001年に比べて3.5%減っており、2年前の2000年と比べると、36.9%も減っています。移住した国別ではカナダが5,923人でもっとも多く、アメリカ4,167人、ニュージーランド755人、オーストラリア330人の順でした。一方去年1年間に海外に移住していた韓国人が再び韓国へ永久帰国した、いわゆる逆移住者は前の年より15%増えて、4,257人でした。このように海外移住が減っていることについて、外交通商部の関係者は、「海外移住する人は96年以降年平均1万2,000人から1万5,000人程度だったが、最近、カナダやニュージーランドなどの移民条件が厳しくなったこと、また韓国経済が持続的に向上していることによるものだ」と分析し、海外移民の減少傾向は当分続くという見通しを示しました。

・韓国では1日、旧正月連休で国民の祝日となっており、為替と株式の取り引きはありません。連休前の30日の終値は、日本の円100円が987ウォン06銭で、アメリカドル1ドルは、1170ウォン50銭でした。韓国株式市場も祝日のため、取り引きはありません。

・1日のソウルは晴れ、午後2時の気温はプラス3度9分でした。旧正月連休最後の日の2日も、全国的に高気圧の圏内に入り、おおむね晴れの予報です。2日の朝の最低気温は氷点下12度からプラス1度、最高気温はプラス1度から6度という予報です。

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