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1月31日金曜日

・ソウル地方検察庁は30日、政府系金融機関の韓国産業銀行が、2000年の南北首脳会談の直前に現代商船に融資した4000億ウォンのうち、2235億ウォンが、北韓に送金されたという監査院の調査資料を入手して、本格的な捜査に着手するかどうかを決めることになりました。これについて検察の関係者は30日、「監査院の監査結果では、現代商船が産業銀行から受けた融資の大半が対北韓協力事業に使われたことになっているため、検察の捜査の対象になりえるかどうかを、まず調べる必要がある」と述べました。またこの関係者は、「金大中大統領が、北韓への支援資金については司法審査を適用することが不適切だと表明していることから、対北韓事業に対する法律の適用が可能かどうかについても検討しなければならない」としています。金大中の発言に対して野党ハンナラ党は、「疑惑そのものにふたをしようという発想だ」として非難し、国民に対する大統領自らの謝罪を求めるとともに、旧正月明けに開会する国会でこの問題を取り上げる構えを見せています。この問題は、去年秋、野党ハンナラ党が「南北首脳会談の見返りとして政府は北韓に4000億ウォンを渡した」と暴露し、国民の間に波紋が広がりました。そして、盧武鉉次期大統領陣営が「この疑惑は、金大中政権が解決しなければならない」としているため監査院が監査し、事実関係の一端が明らかになったものです。

・盧武鉉次期大統領は、30日、NHKTVと会見し、「北韓の金正日国防委員長のソウル訪問を期待している。政治的状況が困難であれば、別の場所で会うことも可能で、南北問題について胸襟を開いて真しに対話することを望む」と述べました。また盧武鉉次期大統領は、さきの林東源特使の北韓訪問の際に同行した大統領職引継ぎ委員会の李ジョンソク委員を通じて金正日国防委員長に親書を送ったことを明らかにしました。盧武鉉次期大統領はこの中で、対話のムードを損なわないよう、これ以上、状況を悪化させる追加的措置をとらないよう要請するとともに、「北韓の安全と改革・開放の成功のために必要なのは、核兵器ではなく経済的支援であり、北韓は、核と経済のどちらを選択するかを明確にしなければならない」と主張したということです。その一方で盧武鉉次期大統領は、「国連安保理が北韓に対して制裁を加えたり、北韓に対する武力行使について論議することには同意できない」として、国連による北韓への制裁に強く反対する姿勢を示しました。

・ところで、NHKTVと行った会見で、盧武鉉次期大統領は、日本との関係について、「来月の就任式に小泉首相を招待したい。私自身も機会をみつけて日本を訪れ小泉首相と会談したい」と述べました。また日本の大衆文化の全面開放については、「文化開放による韓日間の文化交流については極めて肯定的な考えを持っている」と述べ、日本の大衆文化の受け入れに前向きな姿勢を示しました。

・IAEA=国際原子力機関の主要理事国は30日、ウィーンで非公式会合を開き、北韓の核問題を国連安保理に付託するかどうかを巡って協議しましたが、結論に至らず、協議を持ち越すことになりました。韓国の外交筋によりますと、IAEAは、理事会議長国のクウェート、アメリカ、中国、ロシア、フランス、イギリス、韓国、日本の8カ国による非公式会合を開き、当初来月3日に行う予定だった北韓の核問題を巡る特別理事会を来月12日に行うことで暫定的に合意したものの、決議内容については、最後まで意見がまとまらなかったため、結局、日程についても12日ではなく「できる限り早く開く」ことにとどめたということです。

・北韓のチェ・ジンス中国大使は、31日、ペキンで記者会見し、「北韓の核問題解決のため米朝間の不可侵条約を結ぶことが重要だ」という姿勢を改めて示しました。チェ大使は、「韓半島での核の危機を解決する唯一の方法は、アメリカ議会で承認された拘束力のある不可侵条約を締結することだ」と述べました。

・北韓外務省のスポークスマンは、30日、ブッシュ大統領が28日行った一般教書演説で「北韓は世界をあざむき、核兵器の開発を続けていた」と述べたことについて「露骨な侵略宣言だ」として非難する声明を出しました。北韓がアメリカ大統領の一般教書演説についてコメントを出したのは初めてです。声明は「われわれを悪らつに中傷する重大な挑発行為であり、北韓の制度を転覆しようとする露骨な侵略宣言だ」としています。

・一昨年2001年に所得が1億ウォンを超えた人が、4万人に上っていることが分かりました。国税庁が30日発表した「国税統計年報」によりますと、去年5月に行った総合所得税の申告の際、所得が1億ウォンを超えると申告した人は、3万9700人で納税対象者167万人中、2.4%を占めました。これは、前の年の2000年と比べて31.9%増えています。所得1億ウォン以上を申告した人の全体所得はおよそ9兆8,300億ウォンで、一人当たりの平均所得は2億4700万ウォンでした。

・北韓の核問題やイラク戦争などの影響で、韓国経済に対する不安が高まり、去年下半期以降、韓国の消費者信頼指数の下落幅が、アジア太平洋地域諸国13カ国中、最も大きいことが分かりました。クレジットカード会社の「マスターズカード」が去年12月の時点でアジア太平洋諸国13カ国の消費者信頼指数を調べた結果、韓国は100点満点で39.2点と、半年前と比べて半分以下に落ちています。消費者信頼指数は、経済や雇用状況、所得、証券市場、暮らしの質などを総合し、経済に対する消費者心理を表したものです。国別では、中国が10.8ポイント上昇して84.4点で、第1位、次いでマレーシア、タイと続いています。韓国は第8位、日本は15点で13カ国中、最下位でした。

・今度の旧正月に、故郷に向かった帰省客は、全国で3,100万人に上るものとみられています。建設交通部は、30日午後から本格的な民族大移動が始まり、期間中、首都圏からは、およそ125万台の車が高速道路で地方に向かったものとみられるとしています。韓国道路公社がまとめたところによりますと、30日午後、ソウルから地方に向かった車は、全部で29万台で、31日中にはさらに30万台ほどがソウルを離れるとしています。また国鉄のソウル駅や高速バスターミナル、金浦空港も故郷への帰省客でごった返しています。ソウル駅では、35本の臨時列車を投入したほか、江南高速バスターミナルでも1000台あまりの予備バスを投入、金浦空港では臨時便300便を運航することになっています。韓国道路公社では、連休明けの2月2日、日曜日にはソウルに帰ってくる車が32万台にのぼり、深刻な混雑が予想されるとしています。一方、空の国際便は、旧正月連休を海外で過ごそうという観光客が多いことから、29日から2月4日にかけて60便の臨時便が、追加運航されます。臨時便は、香港、バンコクなど東南アジアと、中国のペキン、上海、そして日本の福岡に向かう便です。

・2000年のシドニーオリンピックと2002年のプサンアジア競技大会に続き、青森で1日開幕する冬季アジア大会でも、南北選手団の同時入場行進が行われることになりました。大韓オリンピック委員会の李ヨンテク委員長は、31日、青森到着後記者会見し、「1日の開幕式で南北の選手団が同時に入場行進する」と発表しました。南北韓の同時入場行進は、アジアオリンピック評議会の首脳部の提案を受けて、南北双方がこれに同意し、実現する運びとなったものです。

・青森冬季アジア大会は、開会式に先立って30日から女子アイスホッケーのリーグ戦が始まり、韓国は日本に21対0で大敗しました。また90年の第2回札幌大会以来13年ぶりの参加となった北韓は、カザフスタンに2対3で敗れました。女子アイスホッケーは、韓国、日本、北韓、カザフスタン、中国の5チーム総当りのリーグ戦で争われ、韓国は3日に北韓と南北対決を行います。

・31日は旧正月連休で国民の祝日のため取引はありません。前日30日の終値は、日本円100円が、987ウォン06銭で、アメリカドル1ドルは、1170ウォン50銭でした。韓国株式市場も祝日のため取り引きはありません。

・31日ソウルは晴れ、正午の気温は氷点下1度でした。旧正月の1日土曜日は高気圧に覆われ全国的に晴れる見込みです。朝の最低気温は氷点下14度から0度、日中の最高気温は0度から6度という予報です。

1月30日木曜日

・2000年6月の南北首脳会談の前後に、現代商船が政府の意を受けて北韓に4000億ウォンを秘密裏に支援したのではないかとする疑惑がもたれている中、金大中大統領は30日、この疑惑について、今後の南北関係の持続的な発展と国の利益のため、司法審査の対象にしないことが望ましいという見解を示しました。金大中大統領は30日午後、大統領府の青瓦台で、この疑惑を調べていた監査院の監査結果を受けてこのように述べました。金大統領はこの中で「私は南北の対話と協力を通じて、韓半島で戦争を防ぐことを国家の最優先課題として考えてきた。しかし南北が向き合っている特殊な状況の中で、私は数多くの決断をしなければならなかった」と強調しました。金大統領のこのようなコメントは、これまで政府が一貫して否定してきたこの疑惑を肯定することとなり、波紋が予想されます。これについて、イ・チョンナム監査院長は30日記者会見し、4000億ウォンのうち、2235億ウォン、アメリカドルで2億ドルを国家情報院の口座を利用するなどの方法で、北韓に送金した。この内訳は北韓のケソン工業団地など7つの事業のための資金である」と述べました。

・今年のソルナル=旧暦の正月は2月1日ですが、31日からの旧正月連休を前にした30日は、連休を故郷で過ごそうとする人たちの帰省ラッシュで道路や鉄道が混雑しました。ソウル江南の高速バスターミナルをはじめ、ソウル駅や金浦空港は業務を終えたサラリーマンの家族連れで午後からごった返し、増便の窓口には長い列ができました。ソウル周辺では27日に降った雪も溶け厳しい冷え込みもゆるんで、京釜高速道路のソウルゲートでは数多くの車が順調に地方に向かっています。高速道路下り線の混雑は31日午後がピークとみられています。韓国道路公社では、今年は連休が土日を挟んで3日間と、例年より短いことから、連休前の30日だけで27万8,000台あまりが首都圏を抜け出したものとみていますが、全羅道や江原道の一部では積もった雪が凍結しているため、運転に注意が必要です。一方、済州道のハンラ山の山腹では29日までの積雪量が今年最高の1メートル30センチを記録しました。済州道と本土を結ぶカーフェリーや客船は海が荒れているため、30日も5日続きの欠航となっており、済州道に行く人たちは残された空の便に殺到しています。

・日本政府は北韓の核問題を今後、国連の安全保障理事会で扱うように働きかけていく方針だと、日本のNHKが30日報じました。それによりますと、日本政府は北韓の金正日国防委員長が29日、平壌を訪問した林東源大統領特使と会談しなかったのは、北韓が核開発計画の放棄を前提にした対話の拒否を明確にしたものであり、核問題はアメリカとだけ対話するという方針を明確にしたものと受け止めています。日本政府は今後、北韓の核問題を国連安保理で扱うように働きかけていく方針です。

・盧武鉉次期大統領の特使として、与党民主党の鄭大哲最高委員が来月2月2日からアメリカと日本を訪問し、北韓の核問題への対応や来月25日に発足する盧武鉉新政権の考え方などを日米両国に伝えることになりました。政権引き継ぎ委員会は29日、鄭大哲最高委員を来月2日から5日までアメリカに、6日から9日まで日本へ派遣する発表しました。関係者によりますと、鄭最高委員はブッシュ大統領とも会談する予定ですが、盧次期大統領の親書は手渡さないものとみられます。これは今月12日、アメリカ国務省のケリー東アジア太平洋担当次官補が韓国を訪れた際、盧武鉉次期大統領にブッシュ大統領からの親書を渡していないことから、外交慣例上、盧次期大統領の親書も渡さない方が望ましいという判断によるものです。 鄭最高委員はこのアメリカ訪問の後、6日から9日まで、日本を訪問し、小泉首相をはじめ、政府、国会の要人らと会談する予定です。

・日本の小泉首相は来月25日に行われる盧武鉉次期大統領就任式に出席するものとみられます。盧次期大統領側の関係者が29日明らかにしたところによりますと、「小泉首相の就任式への出席は事実上確定し、就任式直後の25日か26日、盧次期大統領と首脳会談を行う。韓国の大統領が大統領就任後初の首脳会談を日本の首相と行うことは異例なことである」と述べました。これに先立って今週初めには盧次期大統領の特使としてアメリカと日本を訪れる 鄭大哲最高委員が高野紀元駐韓日本大使と会い、小泉首相の韓国訪問について協議した模様です。

・近く辞任することを表明した野党=ハンナラ党の徐清源代表は、30日、次期全党大会までの間、党を率いる臨時代表権限代行に、当選4回の朴ヒテ議員を指名しました。朴ヒテ議員は、30日記者会見し、「ハンナラ党は、以前は盧武鉉次期大統領に反対する立場にいたが、新しい政権が誕生すれば、協力すべきことは協力し、反対することは反対する新た与野党関係を築いていきたい」と抱負を語りました。朴代表権限代行は、今年65歳、慶尚南道の南海出身で、ソウル大学法学部を卒業した後、検事となり高検検事長をへて政界入りしハンナラ党の院内総務も務めています。

・サッカーの韓国代表、MF金南一選手がオランダ1部リーグ、フェイエノ−ルトの姉妹クラブのSVCエクセルシオ−ルで5ヶ月間プレーすることになりました。金選手の所属球団の「全南」によりますと、フェイエノ−ルト、エクセルシオ−ルとの交渉の末、金選手を来月1日から7月1日までの5ヶ月間、エクセルシオ−ルにレンタルすることで契約を結んだということです。契約条件は、レンタル料なしの月額3,300万ウォンでフェイエノ−ルトに完全移籍する場合は、移籍料を14億ウォンとし、年俸や契約期間は改めて交渉することになりました。フェイエノ−ルトは金選手のエクセルシオ−ルでの活躍ぶりを見極めた上で、5月1日までに契約するかどうかを金選手の所属チームに知らせることになっています。

・今年3月にアラブ首長国連邦で行われる世界ユース選手権の組み合わせ抽選が30日行われ、韓国はドイツ、アメリカ、パラグアイとともにF組になりました。今回に大会には合せて24の国と地域が出場し、6つの組で予選リーグを行った後、トーナメントで優勝チームを決めることにしています。韓国は3月28日にドイツと対戦し、31日パラグアイと、4月3日はアメリカと対戦します。1983年のメキシコ大会でベスト4進出を果たした韓国は、今回20年ぶりのベスト4進出をかけることにしています。

・海外にゴルフ旅行に出かけた韓国人が去年は、史上最高の10万人にのぼりました。関税庁が29日まとめたところによりますと、去年一年間、税関にゴルフクラブの持ち出しを申告して海外に出かけた人は、9万3000人で、前の年より70%も増えました。これは、一昨年2000年の統計と比べると2倍以上増えています。そしてゴルフクラブを携帯せずに海外でゴルフをする人を合わせますと、実際は、この2倍近く上っているものとみられるとしています。またゴルフ観光客が少ないとされる去年11月から3ヶ月間に、海外にゴルフ旅行に出かけた人も、およそ4万3000人と、一昨年に比べて76%も増えました。このように冬の間、海外へのゴルフ旅行客が急増した原因としては、地理的に近い東南アジアの場合、気候が暖かい上に、費用も安いことが上げられますが、基本的には韓国の経済水準の向上があるものとみられています。

・韓国人女性アーティストBoAの日本でのセカンドアルバム『Valenti』が29日リリースされて、初日1日だけで92万枚が売れ、オリコンチャートアルバム部門第1位となりました。BoAは発売初日だけで92万枚という好調な売れ行きをみせ、最年少外国人アーティストとして、最短期間のミリオンセラー達成も可能ではないかと期待されています。去年3月にリリースされた BoAの日本でのファーストアルバム
『Listen to my Heart』は130万枚の売れ行きを記録しました。現在、日本でアルバムのプロモーション活動中のBoAは、「多くの方々が手伝って下さったおかげで、いい結果が出ました。今後日本で行われる初めての単独ツアーと、韓国で発表する3枚目のアルバムの準備に最善を尽くしたいと思っています」と感想を述べました。

・韓国外換銀行が公示した30日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、987ウォン6銭で、前日に比べて3ウォン97銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,170ウォン50銭で、前日に比べ、90銭のウォン高でした。韓国株式市場の30日の総合株価指数は、591.89ポイントと、前日に比べ、8.51ポイント上昇しました。

・30日のソウルは晴れ、朝の最低気温は氷点下13度と4日連続厳しい冷え込みとなりましたが、午後からは回復に向かい、午後3時の気温はプラス2度4分でした。31日は高気圧の圏内に入り、ソウルなど北部地方は概ね晴れ、そのほかの地域は時々曇りの1日になるでしょう。31日の予想最低気温は、氷点下17度から氷点下2度、最高気温はプラス4度から5度という予報です。

1月29日水曜日

・北韓の核開発問題の打開策を探るために金 大中大統領の特使として北韓を訪れていた大統領府=青瓦台の林東源外交安保統一特別補佐役は、北韓の最高指導者=金 正一国防委員長と会えないまま、29日午後1時前韓国に帰ってきました。林東源特使は金大統領に報告した後、記者会見し、「金大中大統領の親書は朝鮮労働党の金容淳書記を通じて伝えた。これについて金正一国防委員長は“金 大統領の親書は確かに受け取った。金大統領のアドバイスについてはこれから具体的に検討したい”という答えが口頭で伝えられた。北韓の核開発問題について北韓は“我々は核兵器を製造しておらず、その意志もない。核問題はアメリカと北韓との間で対話を通じて解決すべきもので、必要ならばアメリカの検証を受ける用意がある”と述べた」ということです。また南北関係については引き続き交流を継続していくことで意見が一致し、軍事境界線の民間人の通過問題について南北間で軍事面で合意できたことから、鉄道と道路は来月中に連結に向けた1期の工事を完成させ、金剛山の陸路観光は来月初めにも実施することで合意したということです。林東源特使は「今回の北韓訪問は核問題解決の道を開くもので、その過程はたやすいものではなく、時間もかかると思うが忍耐心を持って解決しなければならない」と述べ、一応の成果を強調しました。林東源特使は28日、南北関係を担当する北韓の金容淳書記と2回目の会談を行い、核問題などについて協議しました。林東源特使と金 正一国防委員長との会談が実現できなかったことについて、一部では29日行われたアメリカのブッシュ大統領の一般教書演説の内容を見極めてから判断しようとする北韓側の慎重な態度によるものではないかという分析もありますが、韓国の特使訪問に対しても金正一国防委員長は強硬な姿勢を崩さず、任期切れまで1カ月を切っている金大中大統領の今回の特使訪問は大きな成果は得られませんでした。一方、北韓の核開発問題を国連の安保理に付託するかどうかを決めるIAEA=国際原子力機関の緊急理事会は、韓国の要請で延期されているため、緊急理事会の動きが注目されます。

・金大中大統領は28日の閣議で、27日の軍事実務者協議で南北を結ぶ臨時道路の開通に向けた通行安全保障を北韓当局と合意したことについて「鉄道と道路の連結や開城工業団地の着工が来月中に実現できる可能性が見えてきた」として万全の準備を尽くすよう指示しました。金 大中大統領はこの中で「今回の合意は民族の飛躍の重要な契機だ」とした上で、「将来、韓半島とシベリア鉄道がつながれば韓国と日本との間で海底トンネルも作られる可能性がある」と述べました。

・ロシア駐在の北韓大使は28日、北韓の核開発問題の解決に向けた、いわゆる“5+5協議”について反対すると述べました。北韓大使館はロシアのイタルタス通信を通じて発表した声明で「北韓はいかなる多国間協議にも参加しない。アメリカが提案した5+5協議の構想に反対する」と述べました。5+5協議はアメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスの国連安全保障理事会の常任理事国5カ国に韓国、北韓、EU=ヨーロッパ連合、オーストラリア、日本の韓半島周辺5カ国が参加して北韓の核開発問題について話し合おうとするものです。

・北韓外務省は28日、アメリカに対して、連邦議会の手続きを経た拘束力を持つ不可侵条約を締結するよう重ねて促しました。北韓外務省は、パウエル国務長官のスイスのダボスでの国際経済フォーラムの演説について「責任を回避しようとするうそだ」とした上で、アメリカに対して連邦議会での手続きを踏んだ不可侵条約の締結を重ねて求めました。北韓のこうした動きは、北韓の核開発問題は米朝間の問題であるというこれまでの立場を強調するためと考えられます。

・WHO=世界保健機関は28日の理事会で、WHOの結核局長を務めている韓国人の李鐘郁氏を新しい事務局長に選びました。国連機関のトップに韓国人が選ばれたのは今回が初めてです。選挙には李鐘郁氏の他にベルギーのピオット国連エイズ計画 事務局長、モザンビークのモクンビ首相らも立候補し、第1回投票では決められず、第2回投票をした結果、李鐘郁氏は過半数を超える17票を獲得して事務局長に選ばれました。これで李鐘郁氏は5月の総会で承認を受けて、7月に就任し、5年間事務局長を務めることになります。李鐘郁氏はソウル大学医学部出身の医学博士、83年にWHOに入り、ワクチン局長、特別補佐官などを経て、2000年12月から結核局長を務めており、夫人は日本人です。今回の 李鐘郁氏の当選で国際社会での韓国の貢献度を高める機会となり、WHOを通じた南北交流の活性化などで南北関係にも前向きな効果が期待できると評価されています。

・金 大中大統領は28日、 WHO=世界保健機関の事務局長に選出された李鐘郁氏に祝電を贈りました。金大統領はこの中で「韓国人としては初めて国際機関のトップに立ったことを国民とともにお祝い申し上げます。人類の和合を促進させてください」としています。

・野党=ハンナラ党は去年12月の大統領選挙と今週27日行われた大統領選挙投票用紙の数え直しを巡って内部葛藤が深まり、徐清源代表が近く辞任を表明するものとみられます。ハンナラ党は今年3月に予想されている全党大会までの間は代表代行体制で維持される見通しです。ハンナラ党は大統領選挙で破れた李会昌氏が引退した後、混乱が続いており、今後新しい総裁の座を巡って、故朴正熙大統領の長女の朴槿恵氏ら重鎮議員同士の争いが本格化するものとみられています。

・国会は来月20日と21日、盧武鉉次期大統領が国務総理に指名した高建氏について審査をする聴聞会を行い、25日の大統領就任式が終わった直後の午後の本会議で国務総理の任命同意案の採決を行うことになりました。これは与野党が来月の臨時国会の議事日程について28日協議した結果、日本の最高裁判所長官に当たる新しい大法院長に対する聴聞会を来月13日14日に開くとともに、国務総理の聴聞会の日程にも合意したものです。臨時国会は来月5日に開会して3月6日に閉会します。

・韓国の企業の技術力が日本と対等になる前に中国に追い越されるという調査結果が出てきました。全経連=全国経済人連合会がメーカー245社を対象に調査した「韓・中・日技術競争力比較調査」によりますと、韓国が日本と対等なレベルになるにはあと4.27年が必要ですが、中国が韓国を追い越すには3.76年しかかからず、韓国が日本と対等になる前に中国に追い越されるという見方が多いことが分かりました。業種別には造船・建設産業だけが、これから先5年後にも技術競争力を維持し、報通信・電子産業は激しい競争関係になるものとみています。

・日本の新しい韓国駐在大使となった高野紀元(たかの・としゆき)大使が先週24日ソウルに着任し、今週から本格的な活動を始めました。高野大使は29日外交通商部を訪問し、崔成泓外交通商部長官、金恒経次官と両国関係について意見を交わしました。寺田輝介前大使の後任となった高野大使は67年に外務省入りし、外務省北米局長、シンガポール大使、外務審議官を務めていました。

・韓国外換銀行が公示した29日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、991ウォン03銭で、前日に比べて2ウォン43銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,171ウォン40銭で、前日に比べて90銭のウォン安でした。韓国株式市場の29日の総合株価指数は、583.35ポイントと、前日に比べて17.21ポイント下落し、再び600ポイントの大台を割り込みました。

・29日のソウルは晴れ、午後3時の気温は氷点下8度9分、朝の最低気温は氷点下13度9分と、この冬一番の冷え込みで、風が強いため体に感じる寒さは、氷点下20度ほどと気象庁ではみています。また南部の全羅道と済州道では山間部を中心に大雪が降りました。30日は全国的に曇り、全羅道は最高10センチの雪となる見込みですが、この寒波は31日に平年の気温に戻るものとみられます。30日の予想最低気温は氷点下21度から氷点下6度、日中最高気温は氷点下6度からプラス5度という予報です。

1月28日火曜日

・北韓の核開発問題の打開策を探るために金 大中大統領の特使として北韓を訪れた大統領府=青瓦台の林東源外交安保統一特別補佐役は、北韓の最高指導者=金 正一国防委員長と合わず、29日帰ってきました。林東源特使は28日の夜にも金 正一国防委員長と会談するものと期待されましたが、会談は実現できず、林東源特使は金 大中大統領を親書を朝鮮労働党の金容淳秘書を通じて伝えたものと伝えられています。林東源特使はまた北韓のナンバー2の金永南最高人民会議常任委員長と25分間会談しました。これについて韓国政府の当局者は「林東源特使は金 正一国防委員長との会談はできなかったは、北韓の核開発問題に対する韓国政府の立場は充分伝えられた」としています。林東源特使と金 正一国防委員長との会談が実現できなかったことについて、一部では29日行われたアメリカのブッシュ大統領の一般教書演説の内容を見極めてから判断しようとする北韓側の慎重な態度によるものではないかという分析もあります。

・韓国は28日、大陸からの冷たい高気圧で、ソウルの朝の最低気温が氷点下9度7分まで下がるなど、全国的にこの冬一番の厳しい寒気に見舞われ、気象庁では、全国に今年初の寒波注意報を出しました。気象庁によりますと、この寒波で、韓国南西部では28日午後から大雪が降り、29日にはさらに気温が下がって、ソウルの朝の最低気温が氷点下14度前後、日中の気温も氷点下7度ぐらいまでしか上がらず厳しい冷え込みが続くだろうということです。この寒波は29日をピークに30日午後からは和らぐ見込みです。

・さきの韓国大統領選挙で野党ハンナラ党が起こした盧武鉉氏の当選無効訴訟を受けて、27日、日本の最高裁判所にあたる大法院の命令で全国80ヶ所の開票所で票の数え直しを行った結果、得票集計に過ちが発見されたのはごく少数であることが分かりました。大法院が28日発表したところによりますと、対象となったのは、有効投票数の40%にあたるおよそ1100万票で、ハンナラ党が問題を提起した投票区の地方裁判所で、中央選挙管理委員会とハンナラ党の関係者が立ち会って、得票数や無効票などを数え直した結果、李会昌氏の票は88票増えたのに対し、盧武鉉氏の票は816票減ったということです。また無効票が204票、判定保留票が529票あり、判定保留票のほとんどは、ハンナラ党が問題を提起して判定を保留した盧武鉉氏の票でした。こうした結果を受けて、ハンナラ党は、「謙虚に敗北を認める。国民に心配をかけて申し訳ない」と述べるとともに、当選無効訴訟を取り消す方針を示しました。

・韓国鉄道庁を公社に切り替えるとともに、線路など鉄道設備は国が所有することが決まりました。大統領職引き継ぎ委員会が政府の承認を受けて28日、発表したところによりますと、いまの韓国国鉄を部門別に民営化しようとしていたこれまでの政府案を改め、「政府投資機関管理基本法」などの適用をうける公社体制で運営することになりました。しかし、線路など鉄道設備は、国の重要な社会間接資本であるとして、鉄道施設公団という形で国が管理し、投資も行うことにしています。

・国際市場での需給ひっ迫と、冬の寒波でLNG=液化天然ガスの需要量が急増し、韓国ではLNGの供給不足が懸念されています。産業資源部と韓国ガス公社が27日明らかにしたところによりますと、「LNGの国内備蓄量は、国内使用量の4-5日分にあたる30万トンから40万トンに過ぎず、これは平年の在庫6-7日分よりはるかに少ない」ということです。産業資源部では、「今月に入って発電所と商業用LNGの消費量が去年の同じ時期より10%ほど増え、一方で供給元のインドネシアの生産設備が故障して、LNGの確保が困難な状況になっている」と説明しています。消費量が増えた理由として産業資源部は「価格の安い深夜電力の需要が急増して、発電用のLNG消費量が増加した上、去年末から、日本の原子力発電所が検査のために次々に運転を停め、これをカバーするため日本が国際現物市場でLNGを集中的に買いだめしているため」と話しています。

・盧武鉉次期大統領は、27日、大統領府・青瓦台の国民参加首席秘書官にソウルの女性弁護士の朴珠賢さん(41)を内定しました。国民参加首席秘書官は、過去に例のないポストで、国民の声をできるだけ多く国政に反映させたいとする盧武鉉次期大統領の考えによるものだと、大統領引き継ぎ委員会は説明しています。朴珠賢弁護士は、全羅北道の出身で市民団体に積極的に参加し、奉仕活動を行って北韓だけでなく、若い年齢層の意見を積極的に受け入れ、国政に反映させられる能力と資質が高く評価されました。

・国会は、来月2日から北韓の核問題を巡る国際社会の協力を得るため国会議員や学識経験者による代表団を、アメリカ、ロシアなど5カ国に派遣することになりました。派遣国は、アメリカ、ロシア、中国、日本、それにイギリス・EU・IAEAの合わせて5地域で、このうちロシアへの代表団は、4日間の日程で来月2日に出発し、他は、来月中旬頃、出発する予定です。国会の関係者は、「国会議員による外交を通じて北韓の核問題をめぐる国際社会の支援と協力を確保するとともに、各国の立場や政策を踏まえた上で、韓国の政策樹立に役立てたい」と話しています。

・EU=ヨーロッパ連合が、北韓の核問題の仲介役を担うため北韓に特使団を派遣することになりました。EU加盟15カ国は、27日ベルギーのブリュッセルで外相会議を開き、北韓の核開発計画を巡る国際社会の緊張の高まりを解消するため北韓に特使団を送ることで一致したと発表しました。EU議長国のギリシャのパパンドレウ外相は、会議が終わった後に、記者会見し、「特使団の派遣は、慎重に準備しなければならず、EU加盟国全体と北韓指導部の支持を得ることが前提条件だ」と述べました。派遣日程や特使団の規模など詳しいことは、議長国のギリシャが決めることにしており、パパンドレウ外相はすでに準備体制に入ったと話しています。韓国が林東源・大統領府外交安保統一特別補佐役を特使として平壌に派遣し、アメリカが北韓と対話する用意があると表明しているのに加え、ロシアや中国に続いて、EUまでが北韓に特使を派遣して仲介役に乗り出す意向を示していることから、北韓の核問題の解決に向けた突破口を見出すことができるかどうか注目されます。

・去年7月から物価と賃金の引き上げを柱とする経済改革を進めている北韓は、今、深刻なインフレと物不足に悩まされているとワシントンポストのインターネット版が27日伝えました。それによりますと、北韓のほとんどの自由市場では、コメの価格が過去3ヶ月で50%以上跳ね上がり、地域によっては3倍以上高騰したところもあるということです。また工業地帯の工場では、賃金の引き上げが実施されたにもかかわらず、値上がり分の給料を支給していないところも多いということです。

・日本の第一野党・民主党の菅直人代表と、社民党の土井たか子党首が来月9日、それぞれ韓国を訪問し、翌10日、盧武鉉次期大統領と個別に会談する予定です。民主党の菅直人代表は、さきの小泉首相の靖国神社参拝によってぎくしゃくしている韓日関係の改善をはかるとともに、民主党のイメージをアピールする狙いがあるものとみられています。菅直人代表は、来月行われる盧武鉉新大統領の就任式にも出席する可能性があると伝えられています。

・先週末に発生した大がかりなインターネット接続障害について、韓国のインターネットの利用者の10人中、4人は、「情報通信部」の責任だと考えていることが分かりました。これは、ポータルサイトの「ダウム・コミュニケーション」が27日、ネチズン2万8680人を対象にネットで調査した結果、明らかになったもので、回答者の43.5%は「保安政策の樹立と、危機管理を怠っていた情報通信部の責任だ」と答えています。次いで、データーベースサーバーソフトの「SQLサーバー2000」の開発者、保安対策をとらなかったネットワーク担当者、欠陥のある製品を販売したアメリカのマイクロソフト社をあげています。今度のインターネット接続障害の原因となったウィルスの「スラマー」は、マイクロソフト社のサーバーソフト「SQLサーバー2000」のセキュリティーホールを狙って侵入するもので、マイクロソフト社は、この問題に対応できる修正プログラムを去年7月に公開し、最新の修正ソフトを組み込むよう注意を促していたにもかかわらず、韓国の大手通信会社のKTの電話局は、この修正プログラムを設置していなかったことが大きな原因となったとされています。

・日本の青森で今週末土曜日に開幕する冬季アジア大会に参加する北韓選手団が28日、ペキン経由で成田空港に到着し、夜遅く青森入りします。北韓選手団は、選手29人と役員22人の 合わせて51人です。北韓は、30日、開会式に先立って行われる女子アイスホッケーの開幕戦でカザフスタンと対戦する予定で、来月3日には韓国との南北対決が組まれています。女子アイスホッケーは、韓国、日本、北韓、カザフスタン、中国の5チーム総当りのリーグ戦で争われます。

・韓国外換銀行が公示し28日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、988ウォン60銭で、前日に比べて4ウォン18銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1170ウォン50銭で、前日に比べて1ウォン20銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は600.56ポイントと、前日に比べて7.47ポイント上昇しました。

・28日のソウルは晴れ、午後3時の気温は 氷点下4度 6分でした。29日は、ソウルと南東部は晴れますが、南西部は雪が降る見込みです。29日の朝の予想最低気温は、氷点下22度から氷点下4度、日中の最高気温は氷点下10度からプラス2度という予報です。

1月27日月曜日

・大統領府=青瓦台の林東源外交安保統一特別補佐官は、金大中大統領の特使として北韓の核開発問題の解決を目指して27日、大統領専用機で南北直行空路で北韓入りしました。林東源特使の一行は 青瓦台の任晟準外交安保首席秘書官、次期大統領の関係者ら8人です。林東源特使は北韓訪問に先立っての記者会見で「私の任務は金大中大統領の意向を北韓の指導者に伝え、北韓指導者の意見を聞いて帰ってくることだ。今回の平壌訪問は北韓の核開発問題が平和的に解決できるように対話の糸口を見出すことに意義がある。解決策を模索し、軍事境界線問題も協議するものと思う」と述べました。林東源特使は北韓訪問中、金正一国防委員長と会い金大中大統領の親書を手渡し、北韓の核開発問題や南北関係の懸案について意見を交わすとともに、北韓労働党のキム・ヨンスン秘書や、カン・ソッチュ外務次官、最高人民会議のキム・ヨンナム常任委員長らとも会談するものとみられています。金大中大統領は26日林東源特使と会い、北韓訪問中には北韓の核問題の平和的な解決に向けてアメリカ、日本、中国、ロシア、EU=ヨーロッパ連合など関係各国と外交努力を傾けてきたことを北韓当局者に説明するとともに、金正一国防委員長に目に見える措置を取るよう求めるように指示したものとみられます。

・南北を結ぶ鉄道と道路の連結事業の先決条件となっていた非武装地帯の南北管理区域内で民間人が軍事境界線を越えて通行する問題について、南北当局間の交渉が妥結し、金大中大統領の任期内に連結事業が進められる見通しとなりました。南北の軍事実務会談の首席代表は27日、板門店で会い、京義線と東海線の南北管理区域の臨時道路通行について軍事面で保障する合意書に署名しました。これまで北韓は軍事境界線の通行を巡って「南北双方」という言葉にこだわり、あくまでも国連軍司令部を除いた南北間の管理区域であることを主張してきたこれまでの態度を譲歩し、合意書の中に「双方」という文句を削除して南北が署名しました。これで中断状態だった京義線と東海線の連結事業と、開城工業団地の起工式、そして金剛山の陸路観光の事業が金大中大統領の任期内に進められる土台が作られました。

・金大中大統領は25日夜、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行い、北韓の核開発問題など韓半島情勢について意見を交わしました。金大統領はこの電話会談で林東源特使の北韓訪問計画とソウルで行われた9回目の南北閣僚級会談の結果、そして韓国政府の南北対話による北韓の核問題解決に向けた努力について説明しました。そしてプーチン大統領がロシュコフ外務次官を大統領特使として北韓、中国、韓国などに派遣して北韓問題の解決に努力していることを高く評価し、今後も北韓の核開発問題についての協力を求めました。これに対してプーチン大統領は、林東源特使の北韓訪問など南北対話を通じた韓半島問題の平和的な解決に向けた金大中大統領の努力に支持を表明しました。

・韓国はロシアに提供した経済協力借款のうち一部を減額することを提案しました。財政経済部によりますと、韓国は去年、ロシアから経済協力借款の返済を減らすよう要請を受けて検討した結果、延滞利子率を引き下げることで応じるとロシア側に伝えました。政府は金額についてはっきりさせていませんが、ロシアから本来受け取る金額を6億ドルほど減らすものとみられています。これについて財政経済部では「まだ正式に決まったものでなく、外交ルートを通じてロシア側と調整しているところだ」としています。韓国からロシアへの経済協力借款は、91年に14億7,000万ドルを提供した後、ロシア側の返済が滞って23億2,000万ドルにまで膨らみ、95年7月以降は戦車やヘリコプター、原材料などで一部が現物返済されましたが、未だに利子を含めて21億2,000万ドルが残っています。

・アメリカのパウエル国務長官は26日、スイスのダボスで開かれている世界経済フォーラムで演説し、「アメリカは北韓に対して武力行使する意志はなく、核兵器の開発計画を放棄することについて北韓と交渉する用意がある」と述べました。この演説でパウエル国務長官は、「アメリカは北韓の核開発計画を放棄する義務を実行に移す方法を巡って北韓と対話する用意がある。北韓の核問題は米朝間だけの問題ではない。アメリカは外交ルートを通じて北韓の核開発問題について同盟国家や韓半島周辺国家、国際社会とともに協力している」と述べました。パウエル国務長官はさらに「北韓が核開発計画について国際社会との約束を守っていることを立証すれば、今とは違う米朝関係を作ることを希望している」と強調しました。

・北京駐在の韓国大使館に韓国への亡命を求めて相次いで駆け込んでいた北韓住民28人が27日午前、仁川国際空港から韓国入りしました。この28人は去年10月22日から11月2日までの間、中国の北京駐在韓国大使館に韓国への亡命を求めて相次いで駆け込んだ人たちで、男性9人、女性19人、年齢は3才から44才までです。28人は26日午後、中国を出発し、フィリピンのマニラを経由して、韓国入りしたもので、韓国当局は身元の確認と亡命の動機、健康診断などを行った後、韓国での定着支援施設に収容する方針です。

・先週の土曜日=25日から26日日曜日の未明にかけて、インターネットの接続や電子メールの配信などの障害が韓国をはじめ、全世界で発生しましたが、週明けの27日、その原因となったコンピューターウィルスによる影響はほぼ収まり、銀行や株のインターネットによる取り引きに異常はありませんでした。コンピューターウィルスによるインターネットの接続障害が起きて3日目の週明け27日、通信網は完全復旧されましたが、ウィルス治療を受けていないサーバーがまだ残っており、KTのサーバーにはコンピューターウィルスが送ったとみられる大量の資料が送り込まれているため、KTではサーバー10台を増設して対応しています。しかし心配されていた銀行や証券会社などのインターネットによる取り引きには影響はなく、正常に運営されています。韓国の民間のコンピューターウィルス・ワクチンの研究所や保安会社では26日に情報通信部が発表した保安プログラムのダウンロードなど、非常時の行動要領などをユーザーに知らせ、対応を誘導しました。 韓国でのインターネットの接続障害による被害はまだ集計されていませんが、旧正月を前に、贈り物の特需を期待していたインターネット・ショッピング・モールなどを中心に大きな被害が生じたものとみられています。IT業界によりますと、今回のインターネットの接続障害で韓国全土の超高速インターネット網がマヒ状態になったことで、大手のインターネット・ショッピングモールでは、旧正月を前にした特需が期待されていた土日に大きな被害を受けたとしています。そしてこれらの会社は「今回のウィルスはマイクロソフト社が6ヶ月前から配布していた保安システムを設置しただけで十分予防できるものだった」として、KTなど通信会社や情報通信部などを相手取って損害賠償を起こす構えをみせています。また 韓国の警察庁のサイバーテロ対応センターは、今回のウィルスの感染経路や制作者などを特定するため、KTなど韓国の主なインターネット会社とともにICPO=国際刑事警察機構に捜査を依頼するなど大がかりな捜査を進めています。

・26日午後3時頃、ソウルの南50キロの京畿道華城市に、韓国駐留アメリカ空軍のU−2型偵察機が墜落し、住民3人がけがをしました。事故機のパイロットはパラシュートで脱出しました。駐韓米軍によりますと、事故機のパイロットは墜落直前の無線交信で「エンジンが異常だ」と報告しており、駐韓米軍ではエンジン故障による事故とみて調査しています。事故機は民家の屋根をかすめて近くの山に墜落・爆発し、その破片は半径100メートルに広がり、事故現場近くにいた地元の住民3人が破片などでけがをしましたが、命には別状はないということです。アメリカ空軍のU−2型偵察機が韓国に墜落したのは84年と92年に次いで3回目です。墜落した偵察機は1955年、アメリカのロッキード社が製造したU−2型機のうちの最新型で、パイロット1人が乗って地上24キロから27キロの上空から地上のあらゆる標的を撮影したり、情報を収集でき、韓半島上空から北韓の首都=平壌まで撮影できる機能を持っています。

・今年就職を予定している大学卒業者が最も就職したいと思っている企業は“三星電子”であることが分かりました。インターネットで採用情報をサービスするサイト「ジョブリンク」が大学卒業の求職者8,000人あまりを対象にネットで調査したところによりますと、「最も就職したい企業」は「三星電子」が14%で1位となり、次いで携帯電話会社の「SKテレコム」、半導体メーカーの「三星SDI」の順でした。業種別にみますと、「IT・情報通信」の分野が23%で最も人気が高く、次いで「金融」「流通」の順でした。職場を選ぶ基準としては、「職務内容」を重要視するという答えが高く、次いで「年俸」、「企業の発展可能性」でした。ジョブリンクの関係者は「経済危機以来、世界的に頭角を現している国内の大手企業が安定性と成長性の面で高く評価されているようだ」と話しています。

・韓国のシルム出身で日本の大相撲に進出した金成沢さん、しこ名=春日王は26日に終わった大相撲初場所で10勝5敗の好成績をあげ、初めての敢闘賞を受賞しました。春日王は今年25才、98年の九州場所から土俵に立ち、去年の名古屋場所では新十両、今場所、初入幕しました。韓国出身力士としては十両、幕内ともに第1号で、今後の活躍が期待されます。

・イタリアで行われた冬季ユニバシアード、韓国は大会最終日にショートトラックで金メダル2つと銀メダル1つを獲得し、総合成績5位と善戦しました。韓国は大会最終日の26日、ショートトラック男子リレー5,000メートルと女子リレー3,000メートルで金メダルを、女子3,000メートル個人で銀メダルを獲得し、これで金メダル5、銀メダル3、銅メダル4となり、ロシア、ウクライナ、中国、日本に次いで総合成績5位となりました。選手団は28日、韓国に帰国します。

・韓国外換銀行が公示した27日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、992ウォン78銭で、先週金曜日に比べて2銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,169ウォン30銭で、先週金曜日に比べて2ウォン70銭のウォン高でした。韓国株式市場の27日の総合株価指数は、先週末のインターネットの接続障害に加えてアメリカのイラク攻撃が近づいてきたという不安感などが重なって593.09ポイントと、600ポイントの大台を割り込み、先週金曜日に比べて16.34ポイント下落しました。

・27日のソウルは雪のち曇り、午後3時の気温は氷点下1度6分、積雪は5.3センチでした。28日は全国的に高気圧の圏内に入っておおむね晴れますが、再び厳しい冷え込みとなるでしょう。予想最低気温はソウル氷点下9度など、全国的には氷点下15度から氷点下3度、日中最高気温はソウル氷点下5度など、氷点下9度からプラス4度と、真冬日となるところが多いという予報です。

1月25日土曜日

・韓国政府は、北韓の核問題を国連安保理に付託するかどうかを決めるため、来月3日、オーストリアのウィーンで開催を予定していたIAEA=国際原子力機関の理事会を延期するよう要請したと、国連の関係者が24日明らかにしました。これに先立ってIAEAは、35の理事国が北韓の核問題を協議する緊急理事会を来月3日に開催すると発表していました。IAEAのフライミング報道官は、「まだはっきりした日程についての合意はなされていない」としており、国連の関係者もAFP通信との会見で、「北韓の核問題を外交努力で解決しようとする韓国政府の要請で、理事会の開催は、来月3日以降になるだろう」と述べています。国連安保理への付託については、アメリカが早期の付託を求めているのに対し、韓国が強く反対している上、中国やロシアも対話による外交交渉を重視しています。

・盧武鉉次期大統領は、24日、アメリカのCNNと行った会見で、「北韓の金正日国防委員長と何の条件もなく会う用意がある」と述べ、金正日国防委員長との南北首脳会談を受け入れる意向を明らかにしました。この会見で盧武鉉次期大統領は、「何よりも対話が重要であり、もし拒否されて恥をかくようなことになっても、大統領就任後、金正日国防委員長に何の条件もつけずに、会うことを提案したい」と述べました。また盧武鉉次期大統領は、金正日国防委員長に対するブッシュ大統領の否定的な評価については、「北韓の人権弾圧や住民の苦しい生活は、金正日国防委員長に責任がある。しかし、そうした評価と北韓の核問題の解決策は別問題だとして、悪い人間であっても対話をすることが大事だ」と述べ、核問題解決に向けた対話の重要性を強調しました。一方、盧武鉉次期大統領は、北韓の核問題が国連安保理に付託されても制裁ではなく解決方法を協議することが望ましいとして、国連レベルでの対北韓制裁に反対する姿勢を明らかにしました。

・スイスのダボスで開幕した世界経済フォーラムに、盧武鉉次期大統領の特使として出席している民主党の鄭東泳議員は、24日‘韓半島経済共同体’に向けた画期的な北韓の再建計画を検討していることを明らかにしました。鄭東泳議員は、基調演説で「もし、北韓が核開発計画を放棄するならば北韓は想像以上の補償を受けられる」として、このように述べました。鄭東泳議員のこの発言は、盧武鉉次期大統領が、北韓の核開発放棄を条件に、第2次大戦後のアメリカによるヨーロッパ復興計画のような「北韓版 マーシャルプラン」ともいえるような支援を検討していることを示唆したもので注目されています。鄭議員はまた、「北韓は現実を直視しなければならない。北韓が要求している米朝不可侵条約は幻想にすぎない。アメリカが北韓の体制を保障するとしても、北韓体制が安定するわけではない」と強調しました。

・盧武鉉次期大統領の大統領職引継ぎ委員会が今月10日から行ってきた国防長官を除く18人の長官についての候補推薦受け付が25日締め切られました。この業務を担当していた大統領職引継ぎ委員会の「国民提案センター」が、24日までの受け付けを集計したところ、オンラインでの候補推薦はおよそ3500件、郵便やFaxなどによる推薦はおよそ700件で、合わせて4200件あまりの候補推薦が寄せられました。引継ぎ委員会は、長官の候補推薦を締め切ったことで、5段階にわたる長官人選案に従って、直ちに基礎人事資料の分類作業を行い、来週から本格的な審査に入る予定です。さらに来月中旬、総合的な検証を行った末、盧武鉉次期大統領、高建国務総理との協議を経て各部署の長官を決めることにしています。

・平壌で22日から開かれていた南北の鉄道と道路の連結のための実務者協議が25日終了し、京義線と、東海線の鉄道工事の完成時期については意見の歩み寄りをみることができず、韓国側が強く主張していたソウルと新義州とを結ぶ京義線を、現政権の任期が終わる2月中に開通することはできなくなりました。ただし南北は、京義線と、東海線の鉄道工事を軍事境界線からそれぞれ南と北の方向に進行させ、できるだけ早い時期に連結させることでは双方が一致しました。会談ではこのほか、工事を速やかに行うために関係資材や機材などを海路と陸路で送ることを申し合わせました。会談で、韓国側はまず工事が可能な京義線を2月中に完成させようと提案しましたが、これに対して北韓側は、京義線と、東海線を同時に完成すべきだと主張し、物別れに終わりました。北韓がこのように東海線の連結を急いでいる背景には、南北の鉄道をシベリア横断鉄道に連結させロシア経由で日本とヨーロッパを結ぶロシアの思惑を配慮しているものとみられています。

・アメリカは、来月25日に行われる盧武鉉新大統領の就任式に、ブッシュ大統領の父親のブッシュ元大統領か、パウエル国務長官を祝賀使節として派遣することを決めた模様です。これについてワシントンの外交筋は、23日、「ブッシュ政権は、このほど韓国政府に対して祝賀使節を派遣すると通告した。アメリカは、祝賀使節を派遣することで韓米同盟関係の重要性を再確認する狙いがある」と述べました。これについて韓国政府は、歓迎の意を表明し、できればブッシュ元大統領とパウエル国務長官の二人がともに韓国を訪問することを要請し、これに対してアメリカ政府も前向きに検討していると伝えられています。

・来月、2月24日で任期が終わる金大中大統領は、24日、ソウルの外信記者団と会見し、激動の5年間を振り返りました。この中で金大統領は、5年間積極的に進めて北韓包容政策の成果もなく北韓の核問題が起きている現状について「北韓に対しては幻想を持っておらず、むしろ警戒している。しかし世界平和と国の利益のためには相手が嫌でも対話と交渉をしなければならない」と述べました。また任期中最もやりがいのあったことについて金大統領は、「南北首脳会談で対話の道を開いたことと、外貨危機を克服したことだ」と述べ、反対に心残りなのは「地域感情を打破できなかったことだ」と述べました。また日本との関係については、小泉首相の靖国神社参拝に触れ「過去を清算し、正常な関係で出発させたいと小泉首相に提案したが、解決できず遺憾だ」と述べました。

・去年一年間に海外に輸出された韓国映画は、金額で1500万ドルを超えたことが分かりました。韓国の映画振興委員会が最近発表した「2002年の国別輸出現況」によりますと、2002年に契約した韓国映画の輸出額は、合わせて1501万4000ドルで、1500万ドルを初めて超えました。これは、おととしと比べて33.5%増えています。国別では、日本向けが658万ドルで44%を占め最も多く、次いで、香港、タイ、アメリカ、シンガポール、フランス、ドイツの順となっています。

・仁川広域市は、今年4月から仁川とソウルの間を往復する座席バス6路線を新設し運行することになりました。この路線は、仁川の西区役所と、ソウルの新村とを結ぶ路線、仁川のヨンス区と、ソウルの江南駅、仁川のジェムルポ駅と、ソウルの江南駅とを結ぶ路線などです。仁川広域市は、これらの路線に51台のバスを投入して今年4月から運行を行う計画で、料金は、1200ウォンから1400ウォンの線で決める計画です。

・韓国と日本の観光業界の代表80人が、24日、長崎県佐世保市で観光協力会議を開き、両国を行き来する観光客の拡大に共同で努力することで一致しました。また両国の関係者は、中国の観光業界に対しても協力を呼びかけ、韓国、日本、中国が共同で観光振興計画を樹立することで合意しました。会議に出席したのは、韓国のプサン市など南部の観光業界の代表と、日本側は九州地方の観光業界の代表80人です。プサンで観光会社を経営している高クァンチョルさんは、「1965年に韓国と日本が国交を樹立した当時は、両国を行き来する観光客は年1万人に過ぎなかったが、今では一日に1万人が往来する時代であり、両国民が国内旅行をする気持ちで自由に往来できるようになればと思う」と話しています。

・25日は土曜日のため取引はありません。前日24日の終値は、日本円100円が、992ウォン80銭で、アメリカドル1ドルは、1172ウォンでした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・25日ソウルは晴れ、正午の気温は氷点下1度でした。26日日曜日は天気が次第に下り坂となり、全国的に雪や雨の降るところが多いでしょう。朝の最低気温は氷点下7度からプラス6度、日中の最高気温は1度から11度という予報です。

1月24日金曜日

・大統領府の林東源外交安保特別補佐官が、金大中大統領の特使として27日から平壌を訪問すると、南北が24日午後3時に同時発表しました。朴ソンスク青瓦台スポークスマンによりますと、林東源特使の北韓訪問は、南北双方の合意によって行われるもので核問題をはじめとする南北間の懸案について協議することになるとしています。林特使の北韓訪問には、盧武鉉次期大統領の大統領職引継ぎ委員会の李ジョンソク委員や、イム・ソンジュン大統領外交安保首席秘書官も同行します。林特使と金正日国防委員長との会談は、今のところ決まっていませんが、一行は平壌に2-3日滞在する予定です。北韓への特使派遣は、韓国政府が今月初め北韓側に提案し、最近になって北韓側から同意を得た模様です。林特使一行は、27日午前、西海の直航空路を通って平壌入りする予定です。

・アメリカが北韓の核問題を国連安保理に付託する動きが具体化している中で、ソウルで21日から開かれていた南北閣僚級会談は、24日早朝、北韓の核問題を「平和的に解決するために積極的に協力する」など4項目の合意を盛り込んだ共同声明文を発表して終了しました。それによりますと、△南北は、北韓の核問題を平和的に解決するため積極的に協力する。△2000年の南北共同宣言を引き続き順守し、履行する。△北韓が強く主張している南北協力事業を継続させるため南北経済協力推進委員会を来月11日から14日までソウルで開く。△次回の南北閣僚級会談を4月7日から10日まで平壌で開く。となっています。今度の会談では、韓国側が、北韓の核問題に対する韓国国民と国際社会の憂慮を伝え、北韓に核開発の中止を求めたのに対し、北韓は「核問題はアメリカと協議するものだ」というこれまでの立場を繰り返し、進展が見られませんでした。また韓国側が積極的に乗り出している南北の鉄道と道路の連結や北韓のケソン工業団地の着工、金剛山への陸路の観光など3つの協力事業については、現政権の任期が終わる前に、休戦ラインの軍事境界線の通行問題を解決したいと韓国側が希望しましたが、北韓はこれにも消極的な姿勢を示し、日程を盛り込むことはできませんでした。北韓代表団は、24日午前10時発、アシアナ航空機で、仁川空港からペキン経由で平壌に帰りました。

・アメリカ国務省のバウチャー報道官は、23日、北韓の核問題を国連安保理に付託することを決議するIAEA=国際原子力機関の特別理事会は、延期されていないと述べ、北韓の核問題は、予定通り安保理に付託されると述べました。バウチャー報道官は、この日の定例ブリーフィングで、「北韓の核問題を協議するためのIAEA特別理事会は、当初はっきりした日程が決まっていなかった。したがって延期などもあり得ない。予定通り国連安保理に付託する」としています。IAEAは、当初、早ければ24日に開く予定だった特別理事会を来週末に招集し、北韓の核問題を国連安保理に付託するかどうかを協議すると伝えられていました。

・北韓外務省のオ・ソンチョル局長は、去年10月にアメリカ国務省のケリー特使が平壌を訪問した際、北韓は、一切の核開発計画を認めた事実がないと述べたと、朝鮮総連=在日本朝鮮人総連合会の機関紙「朝鮮新報」が23日報道しました。それによりますと、北韓外務省のオ・ソンチョル局長は「ケリー特使は、北韓に対して、濃縮ウランによる核開発をただちに中止するよう要求した。しかし北韓は、アメリカが主張している濃縮ウランによる核兵器の製造計画を断じて否定した」として、’北韓が核開発計画を認めた’とするケリー特使の発言はでっち上げだと批判しました。さらにオ・ソンチョル局長は、「われわれは当時、ケリー特使に、核開発の証拠を提示するよう要求したが、アメリカは衛星写真の一枚も提示しなかった。これはアメリカが、北韓がジュネーブ合意に違反したというわなをかけるための計画された工作にすぎない」として、アメリカを非難しました。

・来月25日行われる盧武鉉新大統領の就任式は、4万人程度が参加しソウルの国会広場で開くことが決まりました。盧武鉉次期大統領の金漢吉企画特別補佐は、23日、「慣例を尊重して、盛大で派手な就任式にならないようにしたい。就任式の出席者の大半は一般の国民で、一人一人に招待状を送る計画だ」と述べました。さらに金漢吉企画特別補佐は「韓国と友好関係にある国に、特に招待状は送らず、韓国駐在大使がそれぞれの国を代表して就任式に出席することを原則とするが、国際的な争点となっている北韓の核問題と密接な関わりのある日本、中国、アメリカ、ロシアからの要請があれば例外として受け入れを検討する」としています。

・盧武鉉次期大統領は、軽い骨髄盤ヘルニアの症状があり今月30日ソウル市内の病院で簡単な手術を受けることになりました。次期大統領の李ナッヨン・スポークスマンが23日明らかにしたところによりますと、「盧武鉉次期大統領は、大統領就任前に、軽い骨髄盤ヘルニアの治療を受けるため、30日、簡単な手術を受けることにした」としています。病院の話では、手術は30分程度ですむということで、手術の数時間後には、日常生活が可能だとしています。

・政府は23日、公的資金管理委員会を開き、経営破綻した朝興銀行の売却に向けて、政府が保有している朝興銀行の株式80.04%の売却優先交渉先として「新韓金融持ち株会社」を選定し、来週から価格などについての交渉に入ることを最終的に決めました。預金保険公社と新韓金融持ち株会社との交渉が妥結し、新韓金融持ち株会社が朝興銀行を買収した場合、国民銀行に次ぐ総資産136兆ウォンの第2位の銀行が誕生する見通しです。公的資金管理委員会は、新韓金融持ち株社が朝興銀行を買収した後も、朝興銀行の歴史やブランドの価値を考慮して、できれば「朝興」という商号を引き続き使用するよう提案しています。

・韓国への亡命を求めて北韓を脱出し、ペキンの韓国大使館に駆け込んだ北韓住民28人が、26日日曜日、アモイ経由で空路、フィリピンのマニラ空港に到着し、この日のうちに韓国入りする予定だと、フィリピンの外務省が23日明らかにしました。フィリピン外務省によりますと、一行は、28人で、このうち男性は9人、女性19人、年齢は3歳から44歳までだということです。

・2000年6月の南北首脳会談の前後に、現代商船が政府の意を受けて北韓に4000億ウォンを秘密裏に支援したのではないかとする疑惑を捜査しているソウル地方検察庁は、23日、現代商船の鄭夢憲会長に対して出国禁止措置をとりました。検察は、「鄭会長が、告発されたり、容疑が明らかになったわけではないが、今度の事件の中心人物であるという判断から、鄭会長に対して出国禁止措置をとった。早ければ来週中にも鄭会長を検察に呼び事情聴取を行う」と述べました。これに先立って検察は、現代商船に4000億ウォンを貸し出す課程で関与した産業銀行の朴サンベ副総裁と、現代担当の李ガンウチーム長ら関係者に対しても出国禁止措置をとっています。

・韓国の鉄道を代表する特急列車「セマウル号」の名前が今年末に韓国の国旗、太極旗にちなんだ「太極号」に改められることになりました。鉄道庁が24日発表したところによりますと、建設を進めている京釜高速鉄道が今年末に一部区間の運転を始めるのにあたって、列車の愛称を再編成します。特急列車を「太極号」とするのにともなって特急の車両の色も青いものに変えられます。今、走っている特急 「セマウル号」=新しい村号は、故朴ジョンヒ大統領が農村の改革が韓国近代化の出発点だとして名づけ、1974年8月15日から運転を始めましたが、29年でその役割を終えることになりました。急行列車の「ムクンファ号」と、準急にあたる「統一号」の名称はこれまでどおりで、外装は模様替えされる見込みです。

・子供の間に、脳髄膜炎が流行して、すでに3人が死亡しており、保健当局は注意を呼びかけています。国立保健院によりますと、脳髄膜炎は、京畿道、慶尚南道・チンへ市、プサン市で発生し、幼児や13歳の少女ら3人が死亡しています。また京畿道の高陽市イルサンの病院では、生後45日の幼児が20日から脳髄膜炎の症状を出して治療を受けていますが、重体です。このほか全羅北道の中学校と高校の寄宿舎でも2人の脳髄膜炎患者が発生し、寄宿舎の生徒300人あまりが抗生剤の治療を受けました。脳髄膜炎の患者がこのように全国で発生したのは異例のことで、脳髄膜炎は死亡率が高いことから、国立保健院は市や道別に非常管理体制に入りました。韓国では、去年も26人の脳髄膜炎の患者が発生し、このうち2人が死亡しています。

・イタリアのカバロで23日行われた冬季ユニバーシアード大会のショートトラックで韓国が金メダルを獲得し、総合順位3位になりました。韓国はこの日、カバロアイスリンクで行われたショートトラック男子1500メートルで、タンクッ大学1年生のソン・キョンテク(20歳)選手が、2分23秒943で、カナダのアンドレー選手を0.23秒の差でおさえ、金メダルを手にしました。これで韓国は、ロシア、ウクライナに次いで、日本とともに3位タイとなりました。

・韓国外換銀行が公示し24日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、992ウォン80銭で、前日に比べて2ウォン10銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1172ウォンで、前日に比べて4ウォン 30銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は609.43ポイントと、前日に比べて15.75ポイント急落しました。

・24日のソウルは晴れ、午後3時の気温は  1度 5分でした。25日は、高気圧圏内にあり全国的に晴れますが、夜から次第に下り坂となり、日曜日の26日は、全国で雪または雨になる見込みです。25日の朝の予想最低気温は、氷点下12度から氷点下1度、日中の最高気温はプラス2度から9度という予報です。

1月23日木曜日

・IAEA=国際原子力機関が24日にも開くものとみられていた北韓の核問題を国連の安全保障理事会に付託するための緊急理事会を見送ることにしたと、韓国政府高官が23日明らかにしました。それによりますと、IAEAの緊急理事会について、「ロシアが北韓との交渉結果を待ちたいとの立場で、緊急理事会開催には消極的だ」と指摘し、IAEAのエルバラダイ事務局長がイラク査察の結果を報告するため、来週ニューヨークに向かうこともあり、1週間以上見送られるものとみられます。これについて韓国政府も、北韓の核開発中止に向けた南北対話の進展と、ロシアの外交努力を見極めてから安保理への付託に合意するかどうかを決める方針です。これに先立って韓国を訪問しているアメリカのボルトン国務次官は22日、ソウルで記者会見し、IAEAの緊急理事会が今週中にも安保理への付託を決議するだろうという見通しを示しました。会見でボルトン次官は、「安保理付託と制裁問題は別だ。我々の目的は核問題を多国間も問題にすることにある」とし、安保理で直ちに北韓への経済制裁が協議されるものではないとの認識を示すとともに、韓国と日本もこの問題の安保理協議に参加できるという見通しを示しました。

・アメリカ国務省のアーミテージ副長官は北韓の核問題など、アメリカとロシアとの意見の調整のため、22日モスクワを訪問しました。アーミテージ国務副長官は2日間、ロシア政府の高官らと北韓の核問題やイラク問題などに協議する予定で、23日のトゥルブニコフ外務次官との会談の後、共同声明を発表します。今度の会談はロシアのロシュコフ外務次官が北韓問題の特使として北韓を訪問した後に開かれるだけに、北韓の核問題について深く論議されるものとみられています。一方北韓の金正日国防委員長は20日、ロシア大統領の特使として平壌を訪問したロシュコフ外務次官と会談し、核問題の打開に向けロシアが示した包括的提案に強い関心を示したと、ロシアのイタル・タス通信が22日報じました。会談は6時間に及び行われ、ロシュコフ次官によりますと、「会談で示した危機打開の妥協策に北韓側は建設的な態度を示した。しかしこの仕事は1回の接触では終らない。アメリカを含む関係諸国との調整や議論に多くの時間がかかる」と述べ、アメリカとの溝を埋める明確な目途は立たなかったことを示唆しました。

・国連のアナン事務総長の特使として先週14日から北韓を訪問していたモーリス・ストロング氏は22日、北韓の核問題を国連の安全保障理事会に付託することは事態を悪化させる可能性があるという見解を示しました。ストロング氏は22日、カナダのCBC放送でこのように述べ、北韓は国連のどのような制裁も北韓に対する宣戦布告とみなすという考えを明らかにしたと述べ、IAEAは関連規定に基づいて北韓の核問題を安保理に付託する権利を持っているが、果たしてそのような措置が外交的な解決努力にどれほど影響を及ぼすかが問題だ」と指摘しました。ストロング氏は国連のアナン事務総長の特使として今月14日から18日まで北韓を訪問し、北韓への食糧援助は政治問題と切り離して進めるべきだと国際社会の支援を呼びかけました。

・現政権から次期政権への引き継ぎを法律面で支える「大統領引き継ぎ法」が22日の国会で成立したのを受けて、盧武鉉・次期大統領は次期政権の国務総理に高建元首相を正式に指名しました。これによって高建氏は2月中旬に開かれる国会の人事聴聞会で、国務総理としての資質や政策が審査された上、来月25日の新政権発足直後に任命に同意するかどうか採決されます。高建氏は今年65歳、これまでに国務総理を1回、ソウル市長2回など、朴正熙政権時代から行政の要職を歴任しています。

・韓国人の死亡原因の1位はガンであることが分かりました。保健福祉部が23日発表した報告によりますと、一昨年2001年の韓国人の死亡原因の1位はガンで、人口10万人当たり123.5人がガンで死亡しました。次いで脳血管疾患が人口10万人あたり73.8人、心臓疾患34.2人、事故23.8人、肝臓疾患22.3人、糖尿病21人の順でした。

・韓国では旧暦の正月を3連休で祝いますが、今年は2月1日土曜日が旧暦の元日のため1月31日金曜日から2月2日日曜日までの3連休となります。デパートは2日から3日間を休日とし、大型ディスカウントショップは2月1日 1日だけを休みにする予定です。3日間連休となるデパートはロッテデパートと現代デパートで、2日間休みをとるのは新世界、ギャラリア、三星プラザ、LGデパートなどです。またE−Mart、ホームプラス、ロッテマートなど、大型ディスカウントショップは旧正月元日の1日だけの休みとなるということです。一方、日本人観光客にも評判の東大門のファッションタウンは元日1日だけか、店によって2日間の連休になるということです。

・江原道など韓国東部は22日から大雪となり、気象庁は23日午前10時、それまでの大雪注意報を大雪警報に切り替えました。江原道の山間部は30センチの積雪となり、ソウルから春川、雪岳山を経て東海岸を結ぶ国道46号線は険しいミシ嶺区間が通行止めとなり、警察はう回を呼びかけています。またヤンヤン空港も滑走路に雪が積もったため、午前9時から午後1時まで、離着陸ができなくなり、ソウルとの間を結ぶ空の便が一時欠航しました。

・オーストリアで開かれている冬季ユニバシアード、スキージャンプで二冠王となった韓国の高校生カン・チルグ選手は、韓国時間で22日に行われたスキージャンプK−120で銀メダルに止まり、三冠王は果たせませんでした。全羅北道ムジュ群のソルチョン高校3年生のカン・チルグ選手は、スキージャンプのK−90個人と団体戦の2つで優勝しており、今回のK−120個人戦でも金メダルが期待されていました。しかし強風と悪天候でスロベニアのエルネズ選手に3点2及ばない236点8となり銀メダルに止まりました。一方、男子カーリングで韓国は11対3でイギリスを破って予選1位となり、スイスと決勝進出を目指して対戦することになりました。

・韓国外換銀行が公示した23日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、990ウォン74銭で、前日に比べて3ウォン38銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,176ウォン30銭で、前日に比べ、1ウォン8銭のウォン安でした。韓国株式市場の23日の総合株価指数は、625.18ポイントと、前日に比べ、2.69ポイント上昇しました。

・23日のソウルは晴れ、午後3時の気温は3度1分でした。24日は大陸からの冷たい高気圧の圏内に入り、全国的に概ね晴れの1日となるでしょう。24日の韓国全国の予想最低気温は、氷点下13度から氷点下2度、最高気温はプラス1度から7度という予報です。

1月22日水曜日

・北韓の景勝地=金剛山で行われていた南北赤十字会談の実務接触で、南北は来月20日から離散家族の交換訪問を実施することで合意しました。合意によりますと、南北は来月20日から25日までの6日間、金剛山でそれぞれ100人ずつの6回目の交換訪問を実施する。また最大の焦点となっていた離散家族のための常設面会所については、1,000人ほどの面会所と会議室を備えた総合センター」を金剛山に建設することで合意しました。この常設面会所は4月に着工し、ほぼ1年がかりで建設する。このための具体的なことは来月10日から南北双方が協議する。総合センターが完成するまで離散家族の再会事業は引き続き継続していくことにしています。しかし韓国戦争当時行方不明になった人たちの生死確認については合意できず、さらに協議していくことになりました。

・ソウルのホテルで開かれている南北閣僚級会談は、22日午前、全体会議を開き、本格的な議題の調整に入りました。韓国側の首席代表を務めている丁世鉉統一部長官は会談に先立って北韓のキム・リョンソン首席代表に「国際社会が危惧している問題もこの会談で解決できるように努力していきたい」と述べて、北韓の核開発問題についての解決意志を示しました。全体会議の基調演説で韓国側は「北韓が核兵器開発計画を断念する意志をはっきり示すこと、IAEA=国際原子力機関の核凍結措置を元通りにすること、NPT=核拡散防止条約からの脱退宣言を撤回することなどを求めました。これに対して北韓のキム・リョンソン首席代表は「核開発は電力生産のためだ」とこれまでの立場を繰り返し、核兵器を製造する意志はないと強調しました。

・韓国と北韓を結ぶ鉄道と道路の連結を話し合う実務者協議が22日から25日までの4日間、北韓の平壌で開かれ、韓国代表団は22日、中国経由で北韓入りしました。韓国側のチョ・ミョンキュン首席代表は出発前の記者会見で「今回の協議では 鉄道の京義線と東海線の連結、開城工業団地の起工式、金剛山の陸路観光とともに、資材と設備の追加支援についても話し合う予定だ」と述べました。韓国政府は、民間人が軍事境界線を越えて南北を往来する方法を巡って北韓と国連軍司令部とが対立して事業に進展がみられないことから、今回の協議で北韓側の前向きな態度を求めることにしています。

・国連難民高等弁務官室は21日、中国山東省から船に乗って韓国と日本に亡命を図って中国の公安当局に逮捕された北韓住民58人への面会を認めるよう中国当局に求めました。国連難民高等弁務官室のジョン・レッドモンド スポークスマンは中国当局宛てに書簡を送り、「中国公安当局に逮捕された北韓住民58人との面会を認めるとともに、北韓に送還しないように求めた。 難民高等弁務官室は中国当局とともに北韓住民の亡命意志を検討する準備ができている」と述べました。これに対して中国外務省の報道官は「中国は北韓脱出者を支援する外国の団体や個人の行動を認めない。このような行動は中国の法律に反し、社会の安定を阻害するものだ」と強く警告しました。

・北韓住民の脱出を支援した韓国と日本のNGOは21日東京で記者会見し、「この人たちが北韓に送還されると政治収容所に送り込まれる」として国際社会に関心と保護を訴えました。会見には韓国と日本のNGOとともにフランスの国境のない医師団、それに個人活動家が出席しました。この席で国境のない医師団は「中国は去年12月から北韓とともに北韓を脱出した人たちの取り締まりを始め、これまでに3,200人を北韓に送還し、さらに1,300人が国境で身柄を拘束されている」と述べました。また韓国のNGOは「北韓を脱出した人が北韓に送り返されると、6カ月後には北韓当局から許されていたが、最近は裁判の手続きもなく政治収容所に送られている」として国際社会の関心と北韓脱出者に対する保護を求めました。

・盧武鉉次期大統領は22日、「政府組織を見直す必要がある。今後拡大すべき部署、縮小すべき部署、それに担当業務を調整する部署もあると思う」と述べ、就任後に今の政府組織を大幅に見直す考えを示しました。盧武鉉次期大統領は22日、社会・女性・文化部門の関係長官から業務説明を受けた席でこのように述べるとともに「組織改編は大きな枠を作って、その枠に反しない範囲で業務を調整したい。完全な組織改編は来年の総選挙の後にするが、必要ならば全体的に改編することもありうると思う」と述べました。

・韓国では登録された自動車の数が1,400万台を超え、国民3.4人に1台の割合となりました。建設交通部が22日まとめたところによりますと、韓国の自動車登録台数は去年1月の1,300万台から今月20日には1,403万台と、1年間で103万台増え、国民3.4人に1台の割合となりました。車種別にみますと、小型車は5年前に比べて31万台減りましたが、大型車は98年の61万台から今月は143万台と2倍以上に増えました。

・ソウルの名門私立大学の梨花女子大学は、既婚者の入学や在学中の婚姻を禁止していた学則を廃止すると22日 発表しました。この学則は来月の卒業生から適用されるものとみられます。梨花女子大学では、「結婚禁止の学則は大学が設立された19世紀末に、当時多かった早婚の風習で途中で学業を止める女性が多かったために、女性の学習権を保障しようと制定したものだ。今や女性の教育環境や認識も変わってきており、かえって既婚者に対する差別につながる恐れもあることから、見直した」と話しています。梨花女性大学ではこれまで入学資格を「高校卒業、または同等の学力があると認められる未婚の女性」と明記しており、「在学中に結婚する者は除籍する」と規定していたことから、時代遅れだという批判を受けてきました。

・韓国のスポーツ史上初めて、アイスホッケーが日本と統合したリーグで行われることになりました。大韓アイスホッケー協会は、今年10月から日本のアイスホッケーチームとともに冬のリーグを統合して行うことで合意し、韓国の3つのアイスホッケーチームと日本の4つのチームがリーグ戦を行うことになったと21日発表しました。1チーム当たりの試合数は40ゲームで、ホーム&アウェー方式をとって韓国と日本を行き来しながらリーグ戦を行います。韓国と日本が統合リーグを行うことになったのは、両国ともに停滞しているアイスホッケーをよみがえらせようとするためで、チーム当たりの外国人も3人まで増やすことにしています。

・済州道は日本人の海外結婚式と新婚旅行を積極的に誘致する方針を決め、長崎県のハウステンボスで25日から開かれる韓日海峡観光振興会議の席で日本人の海外結婚式の動向を把握し、観光商品を販売することになりました。済州道観光協会によりますと、済州道は日本の主な都市との空の直行便を開設しており、日本人の海外での結婚式の費用は、ハワイの場合平均12万円なのに対して、済州道は5万円と、日本人向けの海外結婚式の商品を販売すると十分に競争力があると判断したものです。済州道観光協会では「日本人向けの海外結婚式を誘致するには、土産品店や免税店、食堂などをさらに充実させる必要がある」と話しています。

・韓国外換銀行が公示した22日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、994ウォン08銭で、前日に比べて1ウォン74銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,174ウォン50銭で、前日に比べて4ウォン80銭のウォン高でした。韓国株式市場の22日の総合株価指数は、622.49ポイントと、前日に比べて10.37ポイント下落しました。

・22日のソウルは曇りのち雪、午後3時の気温は氷点下1度1分、これまでの積雪量は0.7センチでした。23日も全国的に曇り一時雨か雪となり、北西部から次第に晴れるでしょう。予想最低気温は氷点下8度からプラス1度、日中最高気温は氷点下1度から7度という予報です。

1月21日火曜日

・盧武鉉次期大統領は、新政権の国務総理に前ソウル市長の高建氏をあてることを決めました。これについて、盧武鉉氏の側近は、21日、「盧武鉉次期大統領は22日、民主党と、ハンナラ党の指導部を訪問して、高建氏を総理に指名する案を知らせる計画だ」と述べました。高建氏が次の総理になるには、野党ハンナラ党が過半数を占める国会での同意が必要です。国会は、大統領職引継ぎ委員会法を成立させた後、これに基づいて次の国務総理になる高建氏について、人事聴聞会を開き国務総理としての資質や政策を審査し同意するかどうかを採決することになっています。国会の同意が得られれば、来月25日の大統領就任の際、高建国務総理も同時に就任することになる見通しです。高建氏は今年65歳、1975年に37歳の若さで全羅南道知事に任命された後、交通部長官、農水産部長官、内務部長官を経て、任命と民選のソウル市長に二度就任し、国務総理も、金泳三政権で1回つとめるなど、60年代の朴ジョンヒ政権から現政権まで全ての政権で要職について「行政のプロ」とされています。

・南北閣僚級会談が21日からソウルで始まり、4日間の日程で協議します。この会談に出席する北韓側の代表団29人が21日夕方、北京経由で空路ソウル入りし、金ソッス国務総理主催のホテルでの歓迎晩餐会に出席しました。22日からの会談は、韓国側首席代表が 丁セヒョン統一部長官、北韓側は、金リョンソン内閣責任参事で行われ、韓国側は、首席代表が北韓の核問題に対する韓国政府と国際社会の深刻な憂慮を伝え、核開発計画の放棄を真摯に説得する方針です。この他、南北をつなぐ鉄道と道路の連結、ケソン工業団地の建設、金剛山の陸路観光などについて詳しい推進日程を北韓側と協議する計画です。今度の会談では、北韓側が希望すれば盧武鉉次期大統領に会談の用意があることから、会談が実現するかどうかも注目されています。

・一方、20日から金剛山で始まった南北赤十字会談の実務者協議は、21日、1回目の全体会議を開き、離散家族の再会や面会所の設置問題について突っ込んだ話し合いを行いました。会談で、韓国側首席代表の李ビョンウン大韓赤十字社総裁特別補佐官は、前回の協議で双方が合意した旧正月前後の離散家族の再会行事を来月末に行うことと、金剛山ふもとのオンジョンリ村に建設することになっている離散家族の面会所を、来月にも建設推進団を発足させて作業に取り掛かるよう提案したものと伝えられています。また会談で李首席代表は、南北がそれぞれ100人ずつとしている離散家族再会の参加人数を、北韓が同意すれば、面会所の収容規模を増やすことも検討できると述べた模様です。面会所の収容規模について韓国側代表団は、1000人程度と見込んでいるということです。

・北韓の核問題解決のためプーチン大統領の特使として平壌を訪れていたロシアのロシュコフ外務次官は21日、ペキンへ出発する前に平壌空港で記者会見し、20日の金正日国防委員長との会談で「危機から抜け出すための展望を見いだすことができた」と語りました。  ロシュコフ外務次官は、展望についての具体的な内容については触れませんでしたが、「金正日国防委員長は、国際情勢を良く理解している様子だった。アメリカは、北韓に対して、文書で安全を保障することが不可欠だ」とする考えを示しました。ロシュコフ外務次官は、また「北韓情勢は極めて危険なシナリオで展開している」と述べ、ロシアが米朝間の仲介役を果たす方針を改めて強調しました。 ロシュコフ外務次官は、中国で平壌訪問の結果について協議し、22日にモスクワへ帰国する予定です。

・1980年の民主化運動の際、「金大中内乱陰謀事件」に関わったとされて、重刑の有罪判決を言い渡された被告24人のうち、18人が21日、ソウル高等裁判所で無罪判決を受け、法律的に名誉を回復しました。無罪判決を勝ち取ったのは、民主党の李へチャン議員や、詩人の高銀さんら18人です。李へチャン議員ら18人は、1980年に全ドゥファン保安司令官が率いる新軍部が政権を握る過程でお北韓5。18光州事件を、金大中氏が背後で内乱を企てた内乱陰謀事件とみなし、それに加わったとして一審で24人に最高で懲役20年の重刑が言い渡されていました。判決で、ソウル高等裁判所のジョン・ボンジン裁判長は、「全ドゥファン保安司令官らのクーデターは、内乱罪として歴史的な判断が下されており、これに抵抗した被告たちの行為は正当な行為としてみなす。被告たちの名誉回復と過去の誤った歴史を正す意味で無罪を宣告する」としています。この事件ではすでに4人が無罪判決を受けており、残り2人は、個人的な事情で21 日の裁判に出席できなかったため判決が先送りされました。

・政府は21日の閣議で、小中高校の必須科目を10科目とすることを骨子とした「小・中等教育法」の施行令の改正案を決めました。それによりますと、高校の場合、いま12ある必須科目の中から軍事教練と漢文の2科目を外して、倫理、国語、数学、社会、科学、体育、音楽、美術、実業・家庭、外国語の10科目とし、倫理は科目名を道徳と変更することになりました。また中学の場合、いまの12科目から、漢文とコンピューターを選択科目とし、小学校は、これまで通り10科目としますが「自然」を「科学」と科目名を変えることになりました。これらは今年3月から実施されます。

・韓国の名門私立大学の延世大学は、新学期から非常勤講師の講師料を33%引き上げ、一時間4万ウォンにすることになりました。延世大学が21日、発表したところによりますと、3月から始まる2003学年度の1学期から、非常勤講師の講師料を、これまでの一時間3万ウォンから33%引き上げて、4万ウォンとするとともに、今後は、博士号を持つ者に限って新たに契約する方針です。高麗大学や、梨花女子大学も、非常勤講師の講師料を一時間3万2000ウォンに引き上げるほか、去年、一番高かった成均館大学は、講師労組と交渉した上、5月頃に決めることにしています。

・韓国の軽自動車の販売が去年、前の年より30%も減り、韓国の乗用車市場に占める割合が4%台に急落しました。韓国自動車工業協会が21日まとめたところによりまと、去年一年間の軽自動車の販売台数は、5万7000台とおととしより30.4%も減っており、全体の乗用車販売台数に占める割合は4.7%にまで落ち込みました。韓国自動車市場に占める軽自動車の割合は、外貨危機直後の1998年には27.6%と最高に達しましたが、その後、次第に落ち込み、2001年には7.7%に減っていました。これに対して、排気量2000cc以上の大型乗用車は、去年は11万2000台あまりが売れて、おととしより24.5%も増え、市場占有率9.2%になりました。またレジャー用のRV社は52万700台と、27.7%の伸び率を記録し、市場シェアは42.5%にまでアップしています。

・毎年恒例の韓国の伝統の味を披露するイベント「酒と餅フェスティバル」が、3月29日から4月3日まで慶州のボムン観光団地で開かれます。慶州市が21日明らかにしたところによりますと、期間中、会場では韓国の数百種類にのぼる韓国の伝統酒や餅だけでなく、60種類に上る伝統芸能を楽しむことができます。また日本の民俗公演や、韓国の伝統婚礼儀式の再現も予定されています。今年で6回を数えるこの「酒と餅フェスティバル」は、去年、文化観光部から優秀フェスティバルに選定されています。

・今年3月、アラブ首長国連邦で開催される20歳以下のサッカーの世界ユース選手権大会のプレ大会が、韓国時間で21日未明アラブ首長国連邦のアブダビで行われ、韓国は、ヨーロッパの強豪、アイルランドに2対1で逆転勝ちしました。世界ユース選手権へ8回目の出場を決めている韓国は、同じく出場が決まっているアイルランドに、2対1と善戦したことで、20年ぶりに4強進出の夢を膨らませています。韓国は22日、フランスと2回戦を行うことになっています。

・韓国、日本、中国のサッカープロリーグの王者が対決して今年から始まる「A3(エースリー)マツダ・チャンピオンズカップ」は、毎年3か国が持ち回りで開催することが決まりました。まず第1回大会は、来月、東京の国立競技場で開かれ、韓国からは、Kリーグの優勝チーム「城南一和」、日本からは、Jリーグ優勝の「磐田」と、ヤマザキナビスコ・カップ優勝の「鹿島」、そして中国からは「大連実徳」の4チームが参加し、来月16、19、22日の3日間、リーグ戦で優勝を争うことになっています。来年の第2回大会は中国、さ来年の第3回大会は韓国で開催されます。

・韓国外換銀行が公示し21日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、992ウォン34銭で、前日に比べて64銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1179ウォン30銭で、前日に比べて5ウォン 10銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は632.86ポイントと、前日に比べて1.64ポイント下落しました。

・21日のソウルは晴れ、午後3時の気温は 1度 8分でした。22日は、低気圧圏内に入り全国的に雨または雪の降るところが多い見込みです。予想最低気温は、氷点下8度から氷点下1度、日中の最高気温は氷点下2度からプラス7度という予報です。

1月20日月曜日

・韓国と北韓の会談が20日から相次いで始まりました。このうち、南北の赤十字実務接触は、22日までの3日間行われ、北韓の金剛山に設ける予定の離散家族のための常設面会所の規模や離散家族の相互訪問、韓国戦争当時行方不明になった人々の生死確認などについて協議する予定で、韓国側の代表団は20日午前、客船で金剛山に向かいました。21日からは、9回目の南北閣僚級会談が3日間、ソウルで行われ、南北経済協力事業と北韓の核兵器開発問題について話し合われる予定です。また南北は、22日から平壌で、南北を結ぶ京義線と東海線の鉄道と道路についての実務者協議を行い、非武装地帯の通過方法について協議するなど、今週1週間で南北の間で3つの協議が行われます。

・北韓の核兵器開発の解決を図るため、ロシアのプーチン大統領の特使として平壌を訪問しているロシアのロシュコフ外務次官は20日、金 正一国防委員長と会談しました。この席で二人は、核兵器開発問題についてのロシアの提案について協議した模様です。ロシュコフ外務次官はこれに先立って19日、北韓のチョー・チャンドック副総理と会談しました。会談は1時間近く行われ、ロシアの仲裁案について集中的に協議したものとみられています。ロシアの提案は、*韓半島の非核化、*94年の米朝ジュネーブ合意を含めた国際条約の義務を関係各国が順守することと、北韓の安全保障のための会談の再開、*北韓への人道的・経済的な支援の再開です。ロシュコフ外務次官は、会談後「始終前向きな雰囲気の中で行われ、有益な話し合いだった」と評価しました。ロシュコフ外務次官はこれに先立ってカン・ソクチュ外務次官とも会談しましたが、カン外務次官は会談後「北韓の核開発問題は米朝間で解決すべきもので、国際化した場合はさらに複雑になるだけだ」として、米朝直接対話を主張しました。

・盧武鉉次期大統領は、北韓の核兵器問題の平和的な解決に向けて、アメリカと日本の他に中国とロシアにも、与党=民主党の議員を特使として派遣する方針です。ところで、アメリカ国務省のボルトン次官は19日に中国入りし、20日中国当局者と北韓の核兵器による危機解消に向けた解決策を模索した後、21日には韓国を訪問する予定です。ボルトン国務次官は韓国滞在中、外交通商部の李泰植次官補ら外交・国防の関係者と会い、北韓の核兵器開発に対する韓米間の協調策について協議する予定です。ボルトン次官はブッシュ政権の中で北韓に対する政策では強硬論者で、韓国滞在中の活動が注目されます。

・盧武鉉次期大統領は、今の国政の課題を把握するため、閣僚や地方自治体の長らとの懇談会を始めました。初日の20日は財政経済部、金融監督委員会、韓国銀行から今年の経済展望、輸出、為替、投資など最近の経済懸案について説明を受け、通貨政策と不動産市場対策について話し合いました。盧次期大統領はこの席で「経済環境が厳しい中、韓国は成長を続けているものの、旧正月を前にして国民が肌で感じる景気は良くない。国民が安心できるように経済政策を運用してほしい」と要請しました。こうした懇談会は来月6日まで続けられます。

・去年12月の大統領選挙の際に、盧武鉉氏を支援した「ノサモ=盧武鉉を愛する人々の集い」は、会員による投票で組織を存続することを決めました。「ノサモ」には、およそ7万3,000人が加入しており、今回の大統領選挙の際、盧武鉉氏の大統領当選に大きな牽引役を果たしたとされています。しかし、盧武鉉氏の当選後、「権力化する恐れがある」として存続しない方がいいとする声と、「政治改革の牽引車になれる」という二つの意見が出たことから、存続するかどうか、会員による電子投票で決めることになりました。投票は先週16日から18日まで行われた結果、会員から62.5%の賛成で存続を決め、名称を変更するかどうかについては、再び投票にかけることになりました。

・中国を逃げ回っていた北韓住民およそ80人が船で中国からの脱出を図りましたが、中国の公安当局に逮捕された模様です。中国で北韓住民の脱出を支援するNGO=非政府組織によりますと、中国を逃げ回っていた北韓住民80人が先週18日午後、中国山東省のエンタイ港から2隻の船に乗って、韓国と日本に向かおうとしましたが、住民が船に集まってくる過程で中国の公安当局に摘発されました。このうち50人は公安当局に逮捕され、10人は逃げましたが、20人の行方については確認されていないということです。このボートピープル計画には、韓国と日本のNGOと数人の外国人が加わっていたとされており、これらの関係者は21日、東京で記者会見を行う予定です。

・ソウルを取り巻く京畿道の人口が1,000万人を超えました。京畿道庁が20日、行政自治部に報告した去年12月31日現在の住民登録人口は、韓国人992万7,481人、外国人7万3,853人の合わせて1,000万1,334人でした。人口を市別にみますと、道庁所在地の水原市が102万4,000人と、100万人を超えたのをはじめ、城南市が94万6,000人、高陽市が84万人、富川市82万人と、3つの市が100万人に近づいてきました。これに対してソウル市は人口が横ばいを続けていることから、近い将来 京畿道の人口がソウル市の人口を追い越すものと予想されています。

・盧武鉉次期大統領は先週末の18日夕方、大統領に決まってから初めての国民とのTV討論を行いましたが、その視聴率は18%でした。「盧武鉉当選者とともに」というタイトルで2時間、KBS第1TVを通じて放送されたこのTV討論は、新政権の国政運営の姿勢、経済政策、韓米関係、北韓の核問題など当面の課題について、4人のパネリストをはじめ、スタジオに招待された一般の学生ら70人、さらにインターネットなどで質問を受け付け、これに盧次期大統領が答える形で進められました。TV視聴率の調査機関によりますと、このTV討論番組の視聴率は18%で、年齢別では50才台以上での視聴率が高かったということです。

・アメリカドルなど外国紙幣のニセ札が韓国で多く見つかるようになりました。韓国の中央銀行=韓国銀行が19日まとめたところによりますと、去年1年間に韓国で見つかった外貨のニセ札の紙幣は合わせて286枚、金額にして4万ドルで、一昨年に比べて51%も増えました。国別にみますと、アメリカドルが80%で圧倒的に多く、そのほとんどが100ドルの紙幣でした。

・映画「猟奇的な彼女」のメガホンをとった韓国のクァク・ゼヨン監督が、来月、日本の北海道で開かれる夕張国際ファンタスティック映画祭の審査委員として招待されることになりました。クァク・ゼヨン監督は去年「猟奇的な彼女」でこの映画祭でグランプリを受賞しており、新作の「クラシック」は今年の映画祭の特別招待部門に出品されています。夕張国際ファンタスティック映画祭は、来月13日から17日まで5日間開かれ、韓国からは「海賊、ディスコ王になる」がグランプリ2連覇に挑みます。

・韓国外換銀行が公示した20日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、992ウォン98銭で、前日に比べて1ウォン9銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,174ウォン20銭で、前日に比べて70銭のウォン安でした。韓国株式市場の20日の総合株価指数は、634.50ポイントと、前日に比べて1.96ポイント下落しました。

・暦の上で大寒の20日のソウルは晴れ、午後3時の気温は2度7分、朝の最低気温は氷点下2度7分でした。21日は全国的に高気圧の圏内に入っておおむね晴れますが、やや冷え込むでしょう。予想最低気温はソウル氷点下7度など、氷点下15度から氷点下2度、日中最高気温はソウルプラス1度など、氷点下1度からプラス7度という予報です。

1月18日土曜日

・韓国は北韓が核開発計画を全面的に放棄することを前提に、サハリンから韓半島を通って日本の九州までをつなぐガスのパイプラインを民間主導で建設し、北韓に天然ガスを供給する案をアメリカに提案したことが明らかになりました。韓国が計画している北韓への支援策は、* 北韓が核開発を完全に放棄し、将来の核開発に対する監視を受け入れる。* アメリカは、韓国・日本・中国・ロシアと協力して民間主導によるガスのパイプライン建設を支援する。* 94年の米朝ジュネーブ合意に基づく軽水炉建設を中止して、複数の小規模な火力発電所を建設することを骨子としており、北韓に対しては、ガスのパイプラインが完成した後、自国領土の通過料の名目としてガスを提供するというものです。このような韓国の提案に対しては、アメリカも前向きに検討を始めたと伝えられています。

・アメリカ国務省のアーミテージ副長官は、アメリカが北韓を軍事侵攻する意思がないことを文書で表明する案を検討していることを明らかにしたと、日本のNHKが18日伝えました。これはアーミテージ副長官が現地時間の17日ワシントンで行われた日本の記者団との会見で述べたものです。それによりますと、アーミテージ副長官は、「北韓が要求している不可侵条約の締結は、アメリカ議会が強く反対していることから不可能だが、政府の公式声明や書簡などで、アメリカ政府が北韓を軍事侵攻する意思がないことを表明することは可能だ」と述べ、北韓の核問題を外交手段で解決したいとする考えを重ねて強調しました。アーミテージ副長官はまた、北韓へのエネルギー支援と関連し「火力発電所の方が軽水炉より価格の面でも安く建設も容易だ。北韓は、プルトニウムの抽出はもちろん、ウランを利用した核開発計画を全面廃棄しなければならず、このため新たな枠組みの合意が必要だ」と述べました。

・盧武鉉次期大統領は、大統領当選後初めて18日、KBSのTV番組に出演し、新政府の国政運営をはじめ、経済政策、韓米関係、北韓の核問題など当面の課題についての立場を明らかにすることになりました。このTV討論会は、18日午後9時45分から100分間全国に生中継され、4人のパネリストをはじめ、スタジオに招待された一般の学生など70人、さらにインターネットなどで質問を受け付け、これに盧次期大統領が答える形で進めることになっています。特に、「対北韓事業を主導している現代商船が、北韓に4000億ウォンを支援したとする疑惑」や「次期国務総理の人選」「大統領職引継ぎ委員会の活動」などの国民の関心事についても、自らの立場を表明するものとみられ注目されています。盧武鉉次期大統領は、就任前にもう一度、韓国のTV放送に出演することにしており、アメリカCNN、日本のNHKなど海外の主なマスコミとも会見して、新政権の政策方針について説明する計画です。

・今週16日ソウルで行われた盧武鉉次期大統領と川口外相との会談で、盧武鉉氏が、日本政府に北韓への重油提供を要請したという韓国マスコミの報道について、李洛淵次期大統領スポークスマンは18日、「事実無根」だとして報道内容を一蹴しました。李洛淵スポークスマンは、「盧武鉉次期大統領は、川口外相と会談した席で北韓の濃縮ウラン計画が明かになり、北韓に対する重油供給が中断したことを言及したのは確かだが、日本に対して北韓への重油供給を要請した事実はない」と述べました。これに先立って韓国の一部マスコミは18日、「盧武鉉氏が川口外相との会談の席で、北韓への重油供給を要請したのに対し、川口外相は重油の供給はアメリカとの取り決めであり、北韓の核問題が解決されない状態で日本が単独で北韓に重油を提供することはできないと断った」と報道していました。

・ワシントン発 連合ニュースです。アメリカ・ホワイトハウスのフライシャー報道官は18日、韓国駐留アメリカ軍の撤退問題について「ブッシュ政権内部で一度も論議をしたことがない」と述べました。フライシャー報道官は、この日の定例ブリーフィングで、「韓国駐留アメリカ軍の撤退問題を検討したことがあるか」という記者たちの質問に対して、このように説明しました。フライシャー報道官はさらに、「韓国の盧武鉉次期大統領が最近、韓国駐留アメリカ軍本部を訪れ、韓半島の平和と安定のために尽くしている駐留アメリカ軍の努力に感謝の意を表明した。これは、韓国国民の見解を代表するものと受けとめている」として、今後とも同盟国として韓国と緊密な協調体制を維持していく考えを示しました。

・一方、アメリカ国防総省は、現在3万7000人あまりの韓国駐留アメリカ軍の規模を縮小する方向で、韓国内の軍事力を見直す作業を進めていると国防総省の関係者が17日明らかにしました。それによりますと、この計画は「韓国駐留アメリカ軍の完全撤退にはいたらないものの、国防総省ではすでに非公式にこの見直し作業が進められており、非武装地帯に配置された重武装地上軍の規模を減らす代わりに、先端装備や空軍力、戦略的火力支援などの依存度を高める案を検討している」ということです。

・韓国の身体障害者のための学校が増設され、2008年には、障害者のほぼ全員が教育を受けられることになる見込みです。韓国の教育人的資源部が、17日、大統領職引継ぎ委員会に報告した「特殊教育機会拡大案」によりますと、2008年までに障害者のための学校11校を新設し、普通学校の障害者のための学級795クラスを増設するなどして、障害者の教育対象者1万3000人を新たに受け入れる計画です。このため人的資源部では、関係部署と協議の上、1、705億ウォンの必要予算を確保する計画だということです。現在、韓国では、満3歳から17歳までの学齢期の障害者が、9万5,349人に上っていますが、このうち53.7%の5万1,201人だけが障害者のための学校や普通学校の障害者のための学級で授業を受けており、3万156人は普通学校で通常の教育を、残りの1万3,632人は、経済的な事情などで学校教育を受けられないままでいるということです。

・韓国のスパイアクション映画「シュリ」の主人公を演じ、日本でもお馴染みのハン・ソッキュさんの久々の主演作「二重スパイ」が、韓国での封切りに先立って、日本に輸出されることになりました。「二重スパイ」の海外販売を担当している「KMカルチャー」が17日明らかにしたところによりますと、日本のメジャー映画社「ガガ・コミュニケーションズ」と150万ドルで販売契約を調印したということです。「二重スパイ」は、1980年代に韓国に偽装亡命した北韓スパイの生き様を描いた作品で韓国では今月23日全国で公開されます。

・韓国最南端の島、済州島の済州市が、日本の別府市との間で「国際友好協力都市」に調印しました。済州市によりますと、金テファン・済州市長と、井上信幸・別府市長は17日、別府市市役所で調印式を行い、国際友好協力都市の関係を結んだということです。これを機に両都市は今後、観光、経済、文化芸術などの面で相互交流と協力を活発に繰り広げていくことになりました。

・日本のJリーグ清水で活躍中の安貞桓選手の、ヨーロッパビッグリーグへの移籍交渉が先送りされることになりました。安貞桓選手のエージェントによりますと、「日本のマネジメント社のPM側と安貞桓選手をヨーロッパビッグリーグに送ることですでに合意しており、時期的には今年6月が適当だということで一致した。5月末までJリーグ清水に残り、それ以後ヨーロッパチームへの移籍を模索することにした」としています。安貞桓選手は、スペイン1部リーグのアトレチコ・マドリードとの間で、移籍料と年俸合わせて1000万ドルの契約交渉を続けていましたが、球団理事会の反発で交渉が成立しませんでした。

・18日は土曜日のため取引はありません。前日17日の終値は、日本円100円が、994ウォン7銭で、アメリカドル1ドルは、1173ウォン50銭でした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・18日ソウルは曇り、正午の気温は2度 6分でした。19日日曜日も引き続き全国的に雲の多い天気となるでしょう。朝の最低気温は氷点下8度からプラス3度、日中の最高気温は1度から10度という予報です。

1月17日金曜日

・東京発 連合ニュースです。アメリカ政府は、KEDO=韓半島エネルギー開発機構が北韓で建設を進めている軽水炉支援事業を中断する方針を固め、韓国、日本、EU=ヨーロッパ連合など関係国との協議に着手したと日本の東京新聞が、アメリカの外交筋の情報としてワシントン発で報じました。 それによりますと、アメリカのこうした動きは、94年の米朝枠組み合意が事実上、破棄されたことや、今後、北韓にいかなる核施設をもたせることも危険だというアメリカ政権の判断によるものだと、東京新聞は述べています。 しかし、北韓に対する軽水炉建設事業を中止する問題については、韓国や日本などが主に資金を支援していることもあり、アメリカが独断で決めることはできず、関係各国からの強い反対にぶつかることが予想されると、東京新聞は伝えています。

・ところで、アメリカと日本は、北韓が核開発計画を完全に放棄することを前提に、北韓へのエネルギー支援に向けた新たな合意を締結する方向で検討に入った模様です。それによりますと、日米両国は、北韓の核問題解決のため* 韓国、日本、アメリカだけでなく、中国とロシアを交えたKEDOに代わる新たな国際機構を設置する。* 軽水炉を原子炉とする原子力発電所を火力発電所に切り替える。* 北韓への重油提供を再開する、などの支援策をあげています。アメリカと日本は、こうしたことについて、近く韓国をはじめ関係各国と協議する方針です。これとは別にアメリカのパウエル国務長官は、北韓がNPT=核拡散防止条約から脱退したことを受けて、来週開けの20日、ニューヨークで、国連安保理の常任理事国外相らと個別に会談することになりました。 北韓の核問題で、アメリカが、安保理常任理事国の外相クラスと協議を行うのは初めてです。

・アメリカのブッシュ政権は、北韓の核問題をめぐる包括的解決策として、北韓が核開発を放棄する見返りとして北韓の体制の安全を文書で保障することなど4つの原則を、韓国政府に提示していたことが明らかになりました。 これは、韓国の朝鮮日報が政府関係者の言葉として16日伝えたもので、それによりますと、アメリカが提示した包括的解決策とは、* 北韓が濃縮ウランとプルトニウムを利用した核開発を放棄する * 北韓のすべての地域での核活動を監視する * 米朝だけでなく周辺関係国も含めた多国間交渉で問題解決をはかる。* 北韓が主張している米朝不可侵条約の代りに、ブッシュ大統領名義の書簡かもしくは米朝コミュニケなどで北韓の体制の安全を保障する。というものです。

・南北をつなぐ鉄道と道路の建設のための南北実務者協議が来週22日から4日間平壌で開かれます。政府は、17日、南北経済協力推進委員会の韓国側代表のユン・ジンシキ財政経済次官の電話通知文を北韓に送り、来週22日から鉄道と道路の建設のための実務者協議を平壌で開こうという北韓側の提案を受け入れると通告しました。これによって来週は、南北閣僚級会談が21日から24日までソウルで開かれるのをはじめ、南北赤十字会談の実務者協議が20日から22日まで金剛山で、さらに鉄道と道路の建設をめぐる実務者協議が22日から25日まで平壌で、それぞれ開かれることになり、膠着状態に陥っている北韓の核問題の突破口を見出すことができるのではないかという期待がもたれています。

・三星電子は、16日の理事会で、今年の設備投資額を前の年より43%多い6兆ウォン、日本円でおよそ6000億円を投資することを明らかにしました。それによりますと、三星電子は今年、LCD=液晶表示装置半導体など主力半導体に4兆9900億ウォンを投資する計画で、このうち66%の3兆2900億ウォンをD-RAM半導体に投資することにしています。三星電子は、去年の第4四半期中の売上額が10兆ウォンを突破し、去年一年間の総売上が40兆5,115億ウォン、純利益は7兆518億ウォンと、2002年決算が過去最高益となったことから、半導体最大手のアメリカのインテル社を上回る世界最大規模の半導体投資に踏み切ることにしたものです。

・韓国は粗鋼生産量で、世界第5位の鉄鋼生産国となりました。国際鉄鋼協会が17日、暫定集計した去年一年間の各国の粗鋼生産実績によりますと、韓国は去年、前の年より3.5%増の4,540万トンを生産しています。 去年一年間に鉄鋼生産が最も多かったのは中国、次いで、日本、アメリカ、ロシアの順でした。

・韓国の自動車販売が去年、過去最高の313万台を超えました。韓国自動車工業協会が17日明らかにしたところによりますと、韓国の自動車販売は去年一年間に、国内が162万2,337台、輸出150万9,825台と、合わせて313万2,162台を記録し、過去最高だった一昨年2000年をおよそ13万台上回りました。しかし一年前と比べて国内は11.8%増えたのに対し、輸出は0.6%増に留まっています。

・新任駐韓大使の高野紀元(としゆき)氏は、16日東京で行われた韓国特派員団との会見で、「日本は韓国とASEANをFTA=自由貿易協定の優先交渉国として考慮している」と語りました。この会見で、高野大使は、「韓国と日本が域内経済先進国として、FTAの面で早急な成果をあげることが地域経済の発展のために重要だ」としてこのように述べました。高野大使はまた「韓国国内では日本とのFTA締結に不安の声があることも承知している。両国が緊密に協力して相互利益となる方向を探りたい。去年の韓日投資協定締結に次いで、今年は韓日間で社会保障協定の締結に力を注ぎたい」と述べ、経済面での協力強化に意欲を示しました。高野新任大使は、盧武鉉政権発足前日の来月24日ソウルに赴任します。

・香港発 連合ニュースによりますと、台湾政府は、台湾を訪れる韓国人観光客に対して今月25日からビザ無し入国を許可する方針を決めました。台湾の簡又新・外交部長は15日記者会見し、「台湾を訪問する韓国人観光客は、今月25日から、ビザ取得の手続きを取らなくても2週間まで台湾に滞在できる」と明らかにしました。韓国は台湾の観光客に対してビザ無しで15日間滞在できるよう認めていますが、台湾は韓国人のビザ無し入国を許可しておらず、相互主義の原則が適用されていませんでした。これと関連し、韓国の台湾専門家は、「来月、韓国で新政権が発足するのに伴って、両国を往来する航空機の復航交渉再開など関係改善の意向を示唆したものではないか」とみられるとしています。

・新党「国民統合21」の鄭夢準代表が、アメリカのスタンフォード大学・国際問題研究所の客員研究員としてアメリカに長期滞在するため来月初め現地に向かうことになりました。鄭代表の側近が17日明らかにしたところによりますと、鄭代表は、当分の間、アメリカに滞在し、スタンフォード大学・国際問題研究所で、東北アジアの政治・経済・外交・安保についての研究に専念することになるとしています。鄭代表のアメリカ滞在期間は明らかにされていませんが、「国民統合21」の代表職は継続するとしており、アメリカ滞在中も国会などの日程に合わせて一時帰国をする計画だということです。鄭夢準代表は、去年12月の韓国大統領選挙で当選した与党・民主党の盧武鉉氏と、候補一本化に合意し、協調体制を維持していましたが、投票前日になって突如、盧武鉉氏への支持を撤回したことで政治家としての技量を問われていることから、アメリカで長期滞在しながら政治家としての再起を試みようとする狙いがあるのではないかとみられています。

・韓国のネチズン(コンピューター利用者)の半分以上が、今度の旧正月に故郷へ帰省しない計画を立てていることが分かりました。これは、インターネット調査専門サイトの「ポルエーバー」が20歳以上のネチズン8,464人を対象にアンケートした結果、分かったもので、回答者の52.7%が今度の旧正月は故郷に帰省しない計画だと答えているということです。このように旧正月に帰省を計画している人が少ないのは、ソルナルと前後して3連休となっている旧正月連休が、今年は、金・土・日と週末と重なって休みが短いと感じているためとみられています。また「旧正月に最も辛いのは何ですか」という質問に、「経済的負担」をあげた人が56%と最も多く、次いで「交通渋滞」24.2%、「料理の準備」13.2%でした。両親への贈り物としては「現金」55.9%、「商品券」13.3%の順でした。ところで建設交通部では、今度の旧正月に、高速道路を利用して故郷へ向かう車は、去年と比べて7.1%多い1,317万台、また移動人口は1.5%増の3000万人あまりになるものと見込んでいます。

・アメリカ・大リーグで活躍中の金ビョンヒョン投手が年俸325万ドルでアリゾナ・ダイアモンドボックスと再契約を結ぶことが決まりました。アリゾナの関係者は17日、金ビョンヒョン選手のエ−ジェントとの交渉の結果、年俸325万ドルの1年契約に双方が合意したと発表しました。これで金ビョンヒョン投手は、アメリカ大リーグ進出4年目にして年俸300万ドルを突破することになりました。金ビョンヒョン投手は、去年、8勝3敗36セーブ、防御率2.04とチーム最多セーブを記録し、アリゾナ監督の推薦でオールスターとしても選抜されました。

・韓国外換銀行が公示し17日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、994ウォン07銭で、前日に比べて、1ウォン68銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1173ウォン50銭で、前日に比べて50銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は636.46ポイントと、前日に比べて12.23ポイント下落しました。

・17日のソウルは雨、午後3時の気温は 3度 1分でした。18日は、次第に高気圧が広がり、ソウル首都圏と中部の大田は晴れ時々曇り、南部地方は雲の多い一日となる見込みです。予想最低気温は、氷点下6度からプラス4度、日中の最高気温はプラス3度からプラス12度という予報です。

1月16日木曜日

・盧武鉉次期大統領は15日、韓国を訪問している日本の川口外相と会談し、北韓の核問題で韓米日3か国が連携し、対話を通じた平和的解決を目指すことで一致しました。盧次期大統領はまた、小泉首相の靖国神社参拝について、遺憾の意を表明しながらも、「問題があるときには感情的に対応するのも一つの方法だが、問題が難しいほど両者が会って話し合い、問題を解決することが大変重要だ」と指摘しました。これに対し川口外相は「日本は二度と戦争を起こしてはならないと考えている。小泉首相は韓国をはじめ、近隣諸国との関係を大変重視しており、韓国をはじめとする隣国と未来志向の関係を作っていきたい」と述べました。会談ではまた韓日首脳会談について、川口外相が「小泉首相は早い機会に盧次期大統領に会って話し合いたいと思っている」と伝え、盧次期大統領も小泉首相の韓国訪問を要請しました。

・韓国の盧武鉉次期大統領は15日、ソウルの韓米連合軍司令部を訪問して、韓国駐留アメリカ軍兵士を激励し、「在韓米軍は韓半島の平和と安定のため未来も必要だ」と述べました。、盧次期大統領はこの中で「韓国戦争当時、アメリカの若者が血を流したことに多くの国民が感謝している」とし、「韓国の国民は韓米関係がより発展的で合理的な関係になることを望んでいる。しかしこれを要求する国民のデモを反米感情と受け止めることには反対する」と述べました。盧次期大統領また、北韓の核問題を解決するためには確固たる韓米同盟関係を土台とした上で、国際協力を通じて平和的に解決しなければならないと強調しました。

・先にアメリカが北韓との対話に応じる姿勢を示したことについて、北韓は15日、「欺まん劇に過ぎない」と非難しました。これは北韓の朝鮮中央通信が15日、外務省スポークスマンとのインタビューとして伝えたものです。この中でスポークスマンは、アメリカが今月7日ワシントンで開かれた韓米日3か国の対北韓政策調整会合で、北韓との対話に応じることを盛り込んだ共同声明を発表したことを受け、今月9日、ニューヨークのルートを通じて、アメリカ国務省と接触したことを明らかにしましたが、「我々がアメリカから聞いた言葉は、対話再開問題について、「言うことはない」の一言だった」と不満を表明しました。その上で「アメリカは最近我々との対話説を流布させながら、世論を誤った方向に導こうとしているが、これは欺まん劇に過ぎない」と述べ、アメリカを非難しました。さらにスポークスマンは「平等な姿勢で双方の憂慮を同時に解消できる公正な協議を通じて、問題を解決するのが我々の一環した立場だ」と述べ、北韓が強く求めているアメリカとの「不可侵条約」の締結を目指してアメリカにさらなる譲歩を迫る姿勢を示しました。

・これについて、アメリカ国務省のバウチャー報道官は15日、北韓がアメリカの対話姿勢を「欺まん劇」と非難したのは残念だとする考えを示し、国際的な合意に背いた北韓が核開発を断念するのが先決で、不可侵条約に応じない姿勢を重ねて明らかにしました。

・盧武鉉次期大統領は、今月21日から24日までソウルで開かれる南北閣僚級会談で、北韓側が希望すれば、北韓代表団との面談に応じる方針です。これは盧次期大統領側の関係者が16日明らかにしたものです。それによりますと、「盧次期大統領から北韓側に面談を要請する考えはなく、あくまで北韓側が要請してきた場合はそれに応じる方針で、今回の閣僚級会談は金大中政権を中心に進められる」と強調しました。盧次期大統領と北韓代表団の面談が実現するとすれば、23日か24日の可能性が高く、北韓の核問題や今後の南北関係のあり方などについて幅広く意見が交換される見通しです。

・韓国の今年の失業率は年平均で2.9%と、98年の外貨危機以後もっとも低い水準になる見通しです。韓国労働研究院が「2002年の韓国労働市場の動向と2003年の展望」を分析しまとめたところによりますと、今年の経済成長率が5.7%に達した場合、就業者は29万3,000人増え、失業率は去年の3%をさらに割り込んだ2.9%になる見通しです。しかし新しく就職先をみつける若年層の雇用情勢は依然厳しくなるということです。韓国労働研究院のアン・チュヨブ動向分析室長は「季節的な要因で今年第1四半期の失業率は一時的に3.6%以上に高くなることも予想され、とくに若年層の就職難を解消するための対策が必要だ」と強調しています。

・昨年12月の失業率は3.0%で、3か月連続上昇したことが分かりました。統計丁が16日発表した「12月の雇用動向」によりますと、12月の失業者数は前の月の11月に比べ、0.3%増えた66万4,000人で、昨年の9月に2.5%で、この年の最低を記録してから、10月2.6%、11月2.7%と、3か月連続で上昇しました。これは卒業シーズンを迎え、学生たちの就職難で、15才から29才までの年齢層の失業率が前の月より0.8%高く、7.1%になったことによるものと分析されています。

・世界の都市の中でソウルは物価が8番目に高いことが分かりました。これはイギリスの経済誌「エコノミスト」系の調査機関EIUが16日発表した世界の134の都市の生活費調査で分かったものです。この調査は各地で外国人が暮らす場合の生活費を指数化し比較したものですが、それによりますと、ソウルは去年7月の11位から3ランク上昇し、8位にランクインされました。これは最近のウォン高ドル安の影響によるものとみられます。世界で物価がもっとも高い都市は依然として日本の東京と大阪が1・2位となり、3位はノルウェーのオスロ、4位は香港でした。

・先月の大統領選の開票をめぐって、盧武鉉氏に敗れた李会昌氏の野党ハンナラ党が起こした大統領当選無効訴訟と関連し、日本の最高裁判所にあたる韓国大法院は15日、ハンナラ党が証拠調査を求めた80か所の開票所で投票用紙の数え直しを行う決定を下しました。韓国の大統領選で票の数え直しが行われるのは今回が初めてです。先の韓国の大統領選は事実上、与党・民主党の盧武鉉氏と野党・ハンナラ党の李会昌氏の一騎打ちとなり、盧武鉉氏は李会昌氏を57万票の差で引き離し当選しました。投票用紙の数え直しが行われるのは、全国244か所の開票所のうち、ソウル17か所をはじめ、京幾道、釜山、大田、大邱など、80か所の開票所で、投票数では1000万枚程度となります。裁判所では、旧正月の連休が始る今月31日前に、投票用紙の数え直しなど、チェック作業を行う方針です。

・去年8月の南北経済協力推進委員会の合意を受けて、韓国が北韓に実施していたコメ40万トンの食糧支援が15日、すべて終了しました。韓国統一部は15日、去年9月から実施してきた北韓への食糧支援40万トンのうち、最終分を積んだ貨物船が15日に北韓西部の南浦港へ到着、支援がすべて終了したと明らかにしました。統一部の当局者は「今回の支援のうち、20万トンについては、北韓が分配内容を通知してきた」と明らかにしました。

・大韓サッカー協会は15日、代表監督就任を要請していた元ポルトガル代表監督のウンベルト・コエーリョ氏と正式に契約を結んだと発表しました。契約期間は今年3月から来年8月末までの18か月間で、来年7月のアジア・カップ終了後に、2006年のW杯ドイツ大会まで契約を延長するかどうかを決めることにしています。年俸は慣例上明らかにされませんでしたが、100万ドル=日本円でおよそ1億2,000万円近くになるとみられています。コエーリョ氏は14日、ポルトガルのラジオ局とのインタビューで、「韓国代表チームを率いることになって光栄です。4か月をめどに韓国語で意思疎通ができるよう努力したい」と述べました。コエーリョ氏は今年3月29日に予定されているコロンビアとの親善試合に監督として初めて指揮をとることになります。

・韓国外換銀行が公示した16日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、992ウォン39銭で、前日に比べて1ウォン39銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,173ウォンで、前日に比べ、80銭のウォン高でした。韓国株式市場の16日の総合株価指数は、648.69ポイントと、前日に比べ、0.40ポイント上昇しました。

・16日のソウルは晴れ、午後3時の気温は2度8分でした。17日は気圧の谷の影響で、ソウルなど北部地方は曇り時々雪または雨、南部地方も次第に曇り、一時雨または雪が降るところがあるでしょう。17日の予想最低気温は、氷点下4度からプラス4度、最高気温はプラス2度から4度という予報です。

1月15日水曜日

・アメリカのブッシュ大統領は14日、「北韓が核開発計画を断念するなら、エネルギーと食糧を提供する支援計画を再検討する」と述べ、厳しい対決姿勢を緩めようとしない北韓に対して、核開発を断念するよう譲歩を促しました。ブッシュ大統領はこの中で「アメリカは北韓住民の苦痛に関心を持っており、食糧とエネルギー支援に関することも含めて対話することを考慮している。私は関係各国とともに力を合わせて、北韓の核問題を対話を通じて解決することを期待している。また北韓が核開発をしないとする意志をはっきり示す機会になると思う」と述べ、北韓に対して核開発を断念するよう譲歩を促しました。

・アメリカは北韓の核問題を協議するため、国連の安全保障理事会の常任理事国であるイギリスとフランスに対して国務省のボルトン軍備統制国際安保担当次官を特使として派遣したと、アメリカ国務省のバウチャー報道官が14日発表しました。ボルトン次官は、北韓の核問題についてこの程、東南アジア諸国とニュージーランドを訪問しており、今月下旬には韓国をはじめ日本、中国を訪問する予定です。

・ロシアは、北韓の核兵器開発問題を仲裁するため、近く北韓、アメリカ、中国に特使を派遣するとイワノフ外相が14日述べました。イワノフ外相は、日本の石破茂(いしば・しげる)防衛庁長官との会談の後の記者会見で「北韓の核問題は圧力ではなく、政治的な方法で解決しなければならない。近く、ロシュコフ外務次官が北京、平壌、ワシントンを相次いで訪問し、北韓の核問題について調整する予定だ」と述べました。ロシアの特使派遣計画は、今後ロシアが韓半島問題に積極的に介入して仲裁者の役割を担うことで、韓半島情勢に関してイニシアチブを握りたいという強い意志の表現とみられ、特使派遣の結果が注目されます。

・国連のアナン事務総長は「北韓とアメリカから、いいきざしが見え始めた。北韓の核問題が平和的に解決できるものとみている」という考えを示しました。アナン事務総長は14日、国連本部で行った記者会見で「北韓の核問題は平和的に解決できると思っている。アメリカは対話する用意を示しており、北韓は大量破壊兵器の保有といったこれまでの主張から一歩下がったものとみられる。IAEA=国際原子力機関の査察官が近く北韓に現場復帰することを期待する」と述べました。またアナン事務総長の特使が北韓の人道状況を調べるため北韓入りしていることについては「平壌に派遣された特使は、北韓に対する人道的な支援について北韓当局と協議すると思うが、いかなる懸案についても関心を持って対応するだろう」と述べて、北韓の核問題の解決に向けて仲裁する用意があることを示唆しました。

・日本の小泉首相が14日、靖国神社を参拝したことに対して、韓国政府は「いきどおりとともに大きな失望を感じざるをえない」として、これまでより強い調子で抗議しました。外交通商部は14日の声明で「日本政府の最高責任者が過去の日本軍国主義の象徴である靖国神社を参拝したことに、いきどおりとともに大きな失望を感じざるをえない。韓国は平和を祈願すると言いながら、平和を破壊した戦犯を参拝する論理を小泉首相の理解できない。小泉首相が靖国神社を再び訪問し、過去の植民地支配と侵略で近隣諸国に苦痛を与えた戦争犯罪者まで参拝したことに深い遺憾の意を表する」と述べました。声明はさらに「日本の帝国主義の侵略で被害を受けた韓国国民の感情をこれ以上損なわないよう、小泉首相と日本政府の決断を求める」としています。今回の政府声明は、これまで日本の首相の靖国神社参拝と関連して出てきた政府声明の中で最も強い調子のものです。また小泉首相の靖国神社参拝について、韓国外交通商部の金恒経次官は、韓国駐在 臨時代理大使を務める卜部敏直公使を呼び「戦争犯罪人をともに祭っている所に参拝したことが問題だ」と強く抗議しました。

・韓国の崔成泓外交通商長官は15日午後、韓国を訪れている川口外相と、北韓の核問題と小泉首相の靖国神社参拝について会談を行い、北韓の核問題は平和的な解決に向けて緊密に協力していくことで合意しました。両国の外相は会談の中で、北韓がNPT=核拡散防止条約からの脱退を宣言したものの、この問題は平和的・外交的な方法で解決していくという認識を再確認し、緊密に協調していくことになりました。また北韓が核兵器開発計画を断念することが事態解決の出発点になるということでも認識をともにし、北韓に対して前向きな態度を求めました。一方、小泉首相が14日靖国神社を参拝したことについて、崔外相は深い遺憾の意を示すとともに、強く抗議しました。これについて政府当局者は、「韓国政府は戦争犯罪者まで祭られている神社に日本の首相が参拝したことについて非常に遺憾に思っている」と述べましたが、韓国政府は北韓の核問題と小泉首相の靖国神社参拝問題は切り離して対応する方針だということです。川口外相は16日には、盧武鉉次期大統領を表敬訪問することに なっています。

・金大中大統領は15日韓国を訪問している川口外相の表敬訪問を受ける予定を取り消しました。金 大中大統領の川口外相との会談の取り消しは、小泉首相の靖国神社参拝に抗議するために決めたものとみられています。

・盧武鉉次期大統領の特使団は、まず今月26日に日本に向かい、その後29日にアメリカを訪問することになりました。特使団の関係者が15日、明らかにしたところによりますと、民主党の鄭大哲最高委員を特使とする代表団は、今月26日にまず日本に向かって日本の政府関係者と協議を行い、29日と30日にはワシントンを訪問する予定で、北韓の核問題について韓・米・日3カ国の協調の重要性を再確認するとともに、北韓の核問題は平和的な方法で解決すべきだとする盧武鉉次期大統領の意志を伝える日程になっています。代表団はまたアメリカ政府関係者との協議では、去年6月に起きたアメリカ軍装甲車による女子中学生死亡事件で始まった韓国国民の抗議行動は、韓米地位協定の見直しを求めていることを強調する方針だということです。

・韓国政府は、海外在住の韓国人の韓国語教育を専門とする「海外ハングル学校」への今年の支援額を去年より45%多い28億ウォン=日本円にしておよそ2億8,000万円と決めました。海外ハングル学校は海外在住の韓国人2世や3世らに韓国語の学習を支援するとともに、民族の連帯感を教育する施設で、南北アメリカ大陸に1,140カ所、ロシア周辺に500カ所、アジア、ヨーロッパなど世界全体に1923カ所あります。

・去年の夏の台風15号で江原道東海岸では大きな被害を受けましたが、この冬の大雪で水害復旧作業ははかどらず、孤立する村が続出しています。江原道では14日から降り続いた雪で、最高51センチの積雪となり、一部の道路が通行止めとなり、去年夏に水害で大きな被害を受けた村の孤立が続いています。江原道地方気象庁によりますと、今年の冬は例年になく大雪で、去年12月5日から5日間で、最高1メートルを超える積雪で国道46号線が9日間通行止めとなりました。また去年クリスマスをはさむ12月21日から26日まで、61センチの大雪となったのに続いて、今週14日にも51センチの積雪で、国道46号線が2日間も通行止めとなり、一部の村が孤立し、住民は不便を強いられています。江原道では、除雪作業に必要な重機が、去年の夏の水害復旧現場に投入されているため、大雪の除雪作業もはかどらない上、大雪で道路復旧作業も遅れており、水害を受けた住民は、こんどは雪害に悩まされています。

・韓国外換銀行が公示した15日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、993ウォン78銭で、前日に比べて5ウォン78銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,173ウォン80銭で、前日に比べて1ウォン80銭のウォン高でした。韓国株式市場の15日の総合株価指数は、648.29ポイントと、前日に比べて1.76ポイント下落しました。

・15日のソウルは晴れ、午後3時の気温はプラス0度3分でした。16日は全国的に晴れ、午後から次第に曇りとなるでしょう。予想最低気温は、ソウル氷点下8度など、氷点下12度から氷点下2度、日中の最高気温はプラス1度から9度と、15日より冷え込みは和らぐという予報です。

1月14日火曜日

・アメリカのブッシュ大統領の特使として韓国を訪問しているケリー国務次官補は14日「北韓体制を保障することは可能だ」と述べました。ケリー特使は14日ソウルのアメリカ大使館で、韓国国会の統一外交通商委員らと行った懇談会でこのように述べるとともに「北韓に対する体制保障は可能だ。しかし体制保障の具体的な方式については何も決まっていない」と述べました。ケリー特使はまた大統領府=青瓦台で林東源外交安保統一特別補佐官と北韓問題全般について意見を交わしました。この中で、林特別補佐官とケリー特使は、「北韓はNPT=核拡散防止条約からの脱退を宣言し、ミサイルの打ち上げ猶予措置を撤回する考えを示唆しているが、北韓の核問題は平和的・外交的に解決すべきだ」という、これまでの方針を再確認しました。また林特別補佐官は、今月21日から始まる南北閣僚級会談をはじめ各種の南北対話のチャンネルを通じて、北韓に対して核開発を断念するよう働きかけていくと説明しました。

・北韓の朝鮮中央通信は14日、北韓の核問題は北韓とアメリカとの直接交渉を通じて平和的に解決すべきだと主張しました。それによりますと、「アメリカが北韓の核問題を国際社会で取り上げるのは責任を避けようとするものだ。北韓の核問題は問題の当事者間の交渉を通じてのみ、平和的に解決できるものだ」と主張しており、アメリカ政府に対して対話に応じるよう再度促しました。

・アメリカは盧武鉉次期大統領に対して就任まもない今年3月にアメリカを訪問するよう要請してきたことが分かりました。これは盧武鉉次期大統領の特使としてアメリカを訪問することになった民主党の鄭大哲最高委員がKBSラジオ番組に出演して述べたものです。それによりますと、「アメリカ政府は盧武鉉次期大統領に3月にアメリカを訪問するよう要請してきた。近く私が特使としてアメリカに行くと、具体的な協議が行われるものと考えている」と述べました。

・アメリカへの韓国人移民が13日で100周年を迎えたことから、金 大中大統領は現地時間の13日、ハワイで行われた記念式典に映像によるメッセージを送りました。金 大統領はこの中で「在米同胞の皆さんが成し遂げた成長と発展は奇跡のようなものです。あらゆる苦難と逆境の中で、今日のすばらしい在米同胞社会を築き上げた皆さんに、心からの尊敬の念を表します」と述べました。

・ブッシュ大統領は1月13日を「韓国人移民100周年記念日」とすることを宣言しました。ブッシュ大統領は「アメリカは1882年に韓国と友好条約を締結してから強いきずなを保ってきた。これから数ヶ月間は、アメリカ全土に在住している100万人以上の韓国系アメリカ人が初の韓国人移民のアメリカ到着100周年を記念するだろう」と祝いのコメントを出しました。

・中国で麻薬犯罪者として公安当局に逮捕され、服役している韓国人のうち、6人に対して、中国の裁判所は死刑判決を言い渡したことが明らかになりました。韓国の外交通商部によりますと、中国で犯罪者として逮捕され、服役している韓国人は現在100人あまりで、このうち28人は麻薬犯罪者だということです。このうち6人が中国の裁判所から死刑を言い渡され、その中の4人は2年間の死刑執行猶予になりました。死刑判決を言い渡された残りの2人のうち、1人は控訴審を準備しており、残りの1人は控訴審でも死刑が確定したと外交通商部は伝えています。中国の刑法によりますと、死刑が決まった被告に対して、最高人民会議の裁判所による最終批准を経て死刑が執行されますが、批准で死刑執行猶予になった場合、2年間服役し、その間の受刑者の態度や追加犯罪が明らかにならなければ、無期懲役に減刑されるということです。これについて外交通商部では、「一昨年 韓国人男性が中国当局によって死刑を執行されてから、追加の死刑執行を引き止めようと、外交チャンネルを通じて中国政府と協議している」と述べています。

・去年1年間、アメリカに輸入された主な電子製品の市場占有率を調べた結果、携帯電話は韓国製が、ビデオデッキは中国製が、そしてテレビはメキシコ製がそれぞれトップだったことが分かりました。韓国貿易協会によりますと、アメリカの輸入市場で市場占有率トップとなった製品は、携帯電話は韓国が21.4%で1位、次いで日本19.8%、メキシコ17%の順でした。またビデオデッキは中国製が52%で圧倒的な優位を占めており、テレビとエアコンではメキシコ製が1位でした。

・韓国のウィスキーの販売量が去年、前の年に比べて二桁の伸び率となりました。業界によりますと、去年1年間に、韓国人が飲んだウィスキーは500ミリリットルの瓶18本入りの箱で353万8600箱で、一昨年に比べて12%の伸びとなりました。これは国民1人当たり年間1.3本、15才から64才までの人口1人当たりにしますと、ほぼ1人2本の割合となります。ウィスキーの販売量が急増したのとは対照的に、焼酎の販売量は小幅な減少となり、ビールは2%の伸びに止まりました。これについて業界関係者は「景気低迷で大衆の酒である焼酎とビールの消費は冷え込み、ウィスキーの中でも高級ブランドの売れ行きが順調だった。酒の世界にも消費の両極化現象が現れはじめた」と話しています。

・来月1日から青森で開かれる冬季アジア大会に北韓が参加すると青森の大会組織委員会が14日発表しました。それによりますと、北韓のオリンピック委員会は、来月1日から8日まで青森で開かれる冬季アジア大会に、ショートラックやアイスホッケーなどの3つの競技に合わせて51人の選手団を派遣するということです。北韓は最終エントリー提出締め切りの去年末まで何も連絡がなかったため、冬季アジア大会に参加するかどうかに関心が集まっていました。

・ビデオレンタル店で客がよく借りるビデオの上位を、去年は韓国映画が占めました。韓国のビデオレンタル会社が全国590あまりの加盟店を対象に去年のビデオレンタルランキングを集計したところによりますと、1位はやくざの女房を持つ公務員をコミカルに描いた「女房はやくざ」で、以下4位まで韓国映画が占めました。またベスト10の中で韓国映画は6本を占めて、一昨年=2001年より2本増えました。上位100本の映画をジャンル別にみますと、アクション映画が42本で最も多く、次いでコメディー映画、ドラマの順でした。

・韓国の今年のプロ野球のオープン戦は3月15日に始まり、3月末まで、8球団が相手チームの戦力を探ることになりました。韓国のプロ野球チームは、去年のコリアン・シリーズで優勝した三星を初め、ロッテ、LG、起亜、韓火、斗山、SK、現代の8チームで、オープン戦は3月末までに合わせて36試合行われます。入場料は無料で、延長戦やダブルヘッダーはありません。

・東京駐在の趙世衡韓国大使は14日、去年の韓日国民交流年の親善大使として活躍した日本の女優=藤原紀香さんに記念牌を贈りました。藤原さんは韓国の女優=キム・ユンジンさんとともに、親善大使としてサッカーのワールドカップの開会式など各種のイベントに参加し、両国の関係促進に寄与したことが評価されたと、大使館は説明しています。

・韓国のバラード歌手チョ・ソンモさんが日本の代表的なロックバンドX−JAPANのメンバーYoshikiさんと日本で同じステージに立つことになりました。チョ・ソンモさんは、来月1日、東京のNHKホールで開かれるYoshikiさんのコンサートに特別ゲストとして招かれ、チョ・ソンモさん作詞・Yoshikiさん作曲の新曲などを、15分間 熱唱する予定です。Yoshikiさんは、チョ・ソンモさんの最新アルバムの制作に参加しており、このアルバムは来月中に発売される予定です。

・韓国外換銀行が公示した14日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、989ウォン56銭で、前日に比べて2ウォン27銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,175ウォン60銭で、前日に比べて90銭のウォン高でした。韓国株式市場の14日の総合株価指数は、650.05ポイントと、前日に比べて1.99ポイント上昇しました。

・14日のソウルは晴れ、午後3時の気温は0度ちょうどでした。15日は大陸からの強い高気圧の影響でおおむね晴れますが、急に冷え込みます。予想最低気温はソウル氷点下8度など氷点下16度から氷点下2度、日中最高気温はソウル氷点下1度など、氷点下4度からプラス5度という予報です。

1月13日月曜日

・盧武鉉次期大統領は、韓国を訪問中のアメリカのケリー国務次官補と13日、会談し、北韓の核問題に対するアメリカの立場について詳しく説明を聞きました。しかしこの席で盧武鉉次期大統領は、「北韓の核は決して容認できない。この問題は対話で十分解決できるというのが韓国の立場である」と語りました。また盧武鉉氏は「韓米同盟関係は、これまで重要であったように未来にも重要である。アメリカは今後とも韓国の友邦国であることを期待したい。若者たちによるろうそくの抗議集会は、SOFA=韓米地位協定の改正が主な狙いであるが、SOFAの改正は、アメリカ軍の韓国駐留を前提としている。反米は韓国国民の少数の意見である」と説明しました。これに対してケリー国務次官補は、「アメリカは、北韓が核開発プログラムの放棄を表明すれば、多様なテーマで対話する準備が整っている」と述べました。またこの日の会談で盧武鉉氏は、ブッシュ大統領の要請を受け入れ大統領就任後できるだけ早い時期にアメリカを訪問する意向を表明しました。

・盧武鉉次期大統領との初めての会談の後、ケリー国務次官補は記者会見し、「韓米同盟について意見を交換する有意義な機会だった。アメリカは先の韓日米政策調整会合で明らかにしたように、北韓が国際社会の義務を履行する問題について北韓と対話する用意がある。北韓の核問題を解決するのに最善の方法が何かという点について協議を続けていく」と述べ、北韓との対話による事態の打開を求めていく方針を明らかにしました。 ケリー次官補は、「核問題が解決されるならば、アメリカや民間の投資家、さらには関係諸国が北韓に対するエネルギーの支援を検討することもできるだろう」として、北韓が核開発を放棄すれば、関係各国によるエネルギー支援を認める余地のあることをほのめかしました。

・ニューヨーク発 連合ニュースによりますと、北韓国連代表部の韓サンヨル次席大使は、ニューメキシコ州のリチャードソン知事と行った会談で、国連の場でアメリカとの対話再開を要請したと、ニューヨークタイムズが12日伝えました。それによりますと、韓サンヨル国連次席大使は、先週サンタフェの知事公邸でリチャードソン知事と3回にわたって行った会談で「北韓は、核兵器開発の意図がない。アメリカとの対話に前向きである。核開発計画に対するアメリカの懸念を解消したいという3つの点を強調した」ということです。

・来月25日の韓国大統領の就任式に、小泉首相の出席が決まった模様です。盧武鉉次期大統領の側近が13日明らかにしたところによりますと、「小泉首相の大統領就任式への出席が最終的に決まったようだ。これによって盧武鉉大統領の初の首脳会談の相手は、小泉首相になることがほぼ確実だ」としています。

・北韓の核問題について協議するため12日ソウル入りした日韓議員連盟会長の森喜朗前首相は13日、金大中大統領、盧武鉉次期大統領と相次いで会談し、北韓との対話を続けることが重要だという認識で一致し、韓国、日本、アメリカの3か国がこの問題に緊密に対処していくことを再確認しました。会談で金大統領は「北韓はアメリカとの対話を望んでいる。アメリカは北韓が核開発を放棄するよう対話による解決策を見出すのに全力を尽くすべきだ」と強調しました。さらに金大統領は、「北韓に対して主張すべき点は主張しなくてはいけないが、アメリカが一方的に北韓政策を決めるのではなく、関係国が共に政策を調整していくことが大事だ」として、アメリカの一方的な対北韓強硬策に反対の姿勢を示しました。森前首相はこの後、盧武鉉次期大統領とも会談し、北韓の核問題の解決策をはじめ韓日両国の関係進展のための方法について意見を交わしました。

・1903年1月13日、アメリカ船「ギャラック号」に乗り込んだ102人の韓国人がハワイのホノルル第2埠頭に降り立って始まったアメリカへの韓国人移民が13日で100周年を迎えました。これを記念する式典が、現地時間で13日午前、ヒルトンホテル・ハワイアンビレッジで盛大に行われたのをはじめ、さまざまな記念行事が相次いで行われています。これに先立って12日にはハワイ移民100周年の記念造形物の除幕式が、ワイアロハのサトウキビ農場の共同墓地で、韓国政府代表として派遣された韓ミョンスク女性部長官をはじめ、朴クァンヨン国会議長ら200人あまりが出席して行われ、先祖の愛国心と開拓精神に敬意を表しました。

・韓国男子テニス史上初めてATP=世界男子プロテニス協会ツアーで優勝した韓国テニスの看板スター、李ヒョンテク選手の世界ランキングが67位に急上昇しました。李ヒョンテク選手は、11日、オーストラリアのシドニーで行われたアディダス・インターナショナル大会決勝で、世界ランキング4位のスペインのフェレーロ選手に2対1で逆転勝ちし初優勝を飾りました。これによって135ポイントを獲得、先週末まで世界ランキング85位だったのが、一気に67位へと急上昇しました。

・日本のJリーグで活躍し去年暮れに帰国した元サッカー韓国代表MFの盧ジョンユン選手が12日、韓国Kリーグのプサンアイコンズに入団しました。盧選手は、プサンアイコンズとの間で、契約金なしの年俸3億ウォンで2年契約を結びました。盧ジョンユン選手は、韓国選手として初めて93年のJリーグ発足の際、サンフレッチェ広島に入団し、その後、セレッソ大阪、アビスパ福岡などで活躍しました。

・韓国の宝くじ史上最高額の65億7000万ウォン、日本円でおよそ6億6000万円の当選者が出ました。 国民銀行が12日発表したところによりますと、11日に行われた第6回ロット宝くじの抽選で、一等の当選者が現れ、韓国の宝くじ史上最高額の65億7000万ウォンを手にしたということです。ロット宝くじは、1から45の数字の中から6つを選び、抽選結果と同じ数字が出れば、当選金を受け取ることができるというものですが、6つの数字をすべて当てる確率は814万5000分の1とされています。 さらに1等当選者がいない場合、次の週の抽選で1等となった人に、当選金が渡されるため、今回の第6回抽選は、前回の4回と、5回で1等がいなかったため、当選金が大きく膨らみました。

・情報通信部が13日まとめたところによりますと、去年一年間に、韓国で発生したコンピューターハッキングは、前の年より2倍近く増えたのに対し、ウィルス感染は半分近く減っていることが分かりました。それによりますと、去年一年間に発生したコンピューターハッキングは、15,192件と、前の年より85%増えましたが、ウィルス感染は38,677件と40%減っています。ハッキングがこのように急増したのは、去年5月、社会的な問題となった迷惑メールの発送に必要なメールサーバーに対するハッキングが多かったことが原因ではないかと情報通信部ではみています。一方、ウィルス感染が半減したのは、Nimda、CodeRedのような被害の大きいウィルスが発生しなかったのと、ウィルス対策のソフトが普及したからではないかとみられています。

・韓国外換銀行が公示し13日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、987ウォン29銭で、先週金曜日に比べて、1ウォン54銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1176ウォン50銭で、先週金曜日に比べて6ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は648.06ポイントと、先週金曜日に比べて19.07ポイント上昇しました。

・13日のソウルはくもり、午後3時の気温は8度3分でした。14日は、低気圧の影響でソウル首都圏と中部の大田は一時雪または雨が降り、その他の地方は雲の多い一日となる見込みです。予想最低気温は、氷点下7度からプラス4度、日中の最高気温は氷点下1度からプラス8度という予報です。

1月11日土曜日

・北韓が突然、NPT=核拡散防止条約からの脱退を宣言したことについて韓国政府は、10日、外交通商部スポークスマンの声明を発表し、北韓がNPTからの脱退宣言を直ちに撤回し、対話を通じた問題解決に応じるよう求めました。政府は、韓国政府と国際社会が北韓の核問題を外交的に解決しようと全力を尽くしている時点で、北韓がこうした措置をとったことについて深い憂慮と失望を禁じえないとした上で、「北韓のNPT脱退宣言は、韓半島の平和と安定に深刻な脅威であり、国際社会の核非拡散努力に真っ向から背くものだ」と指摘しました。さらに声明は、この問題を主要関係国やIAEA=国際原子力機関とも緊密に協議し、平和的に解決していくため努力するとしています。ところで政府は緊急に召集した10日の国家安全保障会議で、北韓が修正提案した南北閣僚級会談の21日からの開催を受け入れる方針を決めました。

・北韓がNPT=核拡散防止条約からの脱退を宣言したことでアメリカ国務省は11日、声明を発表し「国際的な核拡散防止制度に対する重大な挑戦である」として強く非難し、北韓が核問題関連の最近の一連の措置をすべて撤回するよう強く求めました。その一方で国務省は、「この問題を平和的に解決するというこれまでの政策に変化はない」として関係各国との緊密な協議による外交努力を続けていく方針を改めて示しました。

・北韓の朴吉淵国連大使は、10日ニューヨークの国連本部で記者会見し、国連安全保障理事会が北韓の核問題で、北韓に対する制裁を決定すればこれは北韓に対する’宣戦布告’であるとする見解を示しました。これに先立って国連安全保障理事会の1月の議長国であるフランスのシャブリエル議長は10日、北韓の核問題について協議する安保理理事会が来週中にも召集されると明らかにしました。

・北韓の朴ヒョンボドイツ大使は10日、ベルリンで会見し「アメリカが北韓に対する敵対政策を続けるならば、北韓は宣戦布告を考慮せざるを得ない」と述べました。朴大使は「アメリカは94年のジュネーブ合意を無視し、核問題の平和的解決を台なしにしているので、われわれも対抗措置をとらなければならない」として、このように述べました。NPT脱退宣言について朴大使は、「これを元に戻すことはない」としながらも、北韓が提案している米朝不可侵条約についてアメリカが協議に応じるのであれば、安全保障問題の要求について話し合うことはできるとして、核開発中止をめぐってアメリカと対話する用意があることをほのめかしました。一方、北韓の白南淳外相は、10日、国連安全保障理事会に書簡を送り、NPTからの脱退は、11日から効力が発生するという見解を示しました。これについてIAEA=国際原子力機関は、「脱退には3カ月の通告期間が必要だ」としてこれを認めない方針を明らかにしました。

・国連駐在北韓代表部のハン・サンヨル次席大使とアメリカ・ニューメキシコ州のリチャードソン知事はニューメキシコ州のサンタフェで、10日に続き11日も北韓の核問題の解決を巡って協議を続けています。CNNによりますと、二人は、ニューメキシコ州知事公邸で韓国時間で11日、3回目の会談を行っており、北韓とアメリカとの公式対話の再開に向けた水面下での論議を進めている模様です。リチャードソン知事は、11日未明、2回目の会談が終わった後、記者団に対して「自分は、アメリカ政府を代表する公式な立場ではないが、会談はスムーズに進められている」として満足の意を表明しました。

・モスクワを訪問中の日本の小泉首相は現地時間で10日、プーチン大統領と会談し、北韓がNPTからの脱退を宣言したことについて深い憂慮の念を表明し、北韓がただちに脱退宣言を撤回するよう求めることで一致しました。両首脳は会談の後の記者会見で、「北韓が核開発を断念するよう両国が北韓に働きかけていくことで一致した。韓国や中国、アメリカなどとあらゆる機会を通じて北韓に核開発の放棄を求めていく」と述べました。 

・北韓のNPT脱退宣言で国際社会の憂慮の声が高まっている中でアメリカ国務省のケリー次官補が、ブッシュ大統領の特使として12日,ソウルを訪問します。ケリー次官補は、13日午前中に盧武鉉次期大統領と会談し、北韓の核問題と韓米関係、韓国国内での反米ムードなどに対する盧武鉉氏の見解を聴いた後、北韓の核問題に対するアメリカの立場を説明する方針です。

・北韓の核開発計画が表面化して、アメリカが北韓に対する重油の供給を中断したことで、EU=ヨーロッパ連合の一部の国々は、EU、韓国、日本が代わりに北韓に重油を供給することで、米朝対話の復元を提案したことが明らかになりました。これは盧武鉉次期大統領の側近が10日、記者団に明らかにしたものです。

・携帯電話の世界のトップメーカー、フィンランドの「NOKIA」社が事実上、韓国の携帯電話市場から撤退することになりました。「NOKIA」韓国支社は、韓国市場用のCDMA端末機事業を総括する韓国「NOKIA」の研究開発センターを閉鎖する方針を決めたと発表しました。「NOKIA」のソウル研究開発センターは、99年に設立され、アメリカの「NOKIA」研究開発センターで開発した端末機を韓国市場向きに改良する業務を担当してきましたが、去年10月に発売したCDMA2000モデルを最後に、韓国市場から撤退することになりました。これについて業界では、「NOKIA」が三星電子やLG電子など韓国メーカーに押されて撤退することになったのではないかとみています。

・今月5日、アメリカのワシントンで亡くなった歌手、チョ・ヨンピルさんの夫人、アン・ジンヒョンさんの葬式が11日午前、ソウルの病院で行われました。葬式にはチョ・ヨンピルさんと夫人の妹さんら遺族だけが出席し仏教で執り行われました。夫人の遺骨は、チョさんの先祖の墓がある京畿道ファソン市の墓地に納骨されました。

・11日は土曜日のため取引はありません。前日10日の終値は、日本円100円が、985ウォン75銭で、アメリカドル1ドルは、1182ウォン50銭でした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・11日ソウルは晴れ、正午の気温は 0度 3分でした。12日日曜日も引き続き全国的に晴れ時々曇りの天気となるでしょう。朝の最低気温は氷点下10度から1度、日中の最高気温は4度から10度という予報です。

1月10日金曜日

・北韓は10日、NPT=核拡散防止条約から脱退する方針を明らかにしました。これは、朝鮮中央通信が北韓の政府声明として伝えたものです。それによりますと北韓は「NPTからの脱退と、IAEA=国際原子力機関との協定の拘束状態から完全に脱する。NPTからの脱退は、わが国に対するアメリカの圧力と、それに追従するIAEAの不当な措置に対する当然の自衛的措置だ」としています。その一方で声明は、「NPTからは脱退するが、核兵器を製造する意思はない。現段階でわれわれの核活動は唯一、電力生産をはじめとする平和目的に限られたものだ」と主張しています。これに関連し、北京駐在北韓大使館の政務担当外交官は10日、「北韓は、アメリカが重油の供給を再開するならば、NPTからの脱退を見直すこともできる」と述べたと、北京のAFP通信が伝えました。

・これについて韓国政府は、北韓の核拡散防止条約からの脱退を強く批判する声明を準備しています。韓国政府は国家安全保障会議を緊急に招集し、アメリカが北韓との対話再開の用意を表明した直後に、NPTからの脱退を宣言した背景を分析するとともに、今後の対応を協議することにしています。政府はまた、北韓が核兵器をつくる意思などはなく、今の段階では電力の生産をはじめとする平和目的に限ると述べた点や、アメリカとは別途に検証できる方法を検討すると述べた点に注目し、対策を立てることにしています。

・北韓がNPT脱退宣言をしたことについて、金大中大統領は10日、「外交的努力と南北間の対話で解決するよう最善を尽くさなければならない。北韓のNPT脱退宣言が、韓半島での緊張の高まりや、韓国経済と社会の発展に悪影響を及ぼしてはならない」と語りました。金大統領は、大統領府官邸の青瓦台で韓国の女性指導者たちと昼食をともにしていた席で、北韓のNPT脱退宣言の報告を受け、「韓半島の状況が少し悪化したようだ。しかし韓国政府は、北韓を積極的に説得し、アメリカと北韓が対話を再開する方向に向かっている」として、「アメリカや日本だけでなく、中国、ロシア、EU=ヨーロッパ連合など全世界が北韓の核の保有に反対しているので、忍耐強く北韓を説得し続け平和的に解決しなければならない」と述べ、外交力と対話で問題の解決をはかる必要性を強調しました。

・次期大統領の盧武鉉氏は、北韓の核問題の解決に向けて民主党の鄭大哲最高委員を特使とする5人を近々アメリカに派遣する方針を10日発表しました。民主党の李洛淵・次期大統領スポークスマンによりますと、「特使の鄭大哲最高委員は、次期大統領の諮問グループの中から政治的比重、盧武鉉氏の対北韓政策に対する理解度、アメリカとの人的パイプなどを考慮して、ブッシュ大統領への特使に決定した」と述べました。鄭大哲最高委員はアメリカのミズリー大学で政治学博士号を取得した5回当選の国会議員で盧武鉉次期大統領の選挙対策委員長をつとめ、国会でも統一外交通商委員会と国防委員会で韓米関係に携わってきたアメリカ通です。李洛淵スポークスマンによりますと、「鄭特使のアメリカ訪問については外交ルートを通じてアメリカ側にも通告しており、訪問日程は、ケリー国務次官補の韓国訪問後に決まるだろう」としています。一行はアメリカ訪問中、ブッシュ大統領と会って盧武鉉次期大統領の親書を手渡すことにしています。

・ニューヨークにある国連代表部の北韓外交官が、アメリカのリチャードソン・ニューメキシコ州知事と会談するため現地に向かったことが明らかになりました。アメリカ国務省のバウチャー報道官が、9日発表したところによりますと、「リチャードソン知事は、クリントン政権時代にエネルギー長官を務めた人物で、アメリカが7日の韓日米政策調整会合で北韓との対話再開の意思を表明したことを受けて、北韓がなんらかの回答を伝える可能性があることから、国連代表部の北韓外交官のニューメキシコ州への移動を許可した」としています。

・盧武鉉次期大統領の政権引継ぎ委員会は、国防長官を除いた18人の長官についての候補推薦と各種政策の提案を国民から受け付けることにしており、この業務を担当する「国民提案センター」を10日オープンさせました。「国民提案センター」は、ソウルの政府中央庁舎別館1階にあり、盧武鉉次期大統領は、オープンの式典に出席し「従来の人事システムに加えこの国民提案センターが、人事制度の新しい文化の定着に役立つことを期待したい」と語りました。政権引継ぎ委員会では、一般国民による政策案や閣僚候補の推薦を、この日午前0時からインターネットのホームページや電話、ファックスなどでも受け付けていますが、単に長官になりたいだけの運動だと判断されれば、その人に不利益を与えることにしています。

・韓国の中学生・高校生の85%が塾で勉強をした経験があり、2人のうち一人は、一人で勉強することを不安に感じているほど塾に対する依存度が深刻であることが明らかになりました。これは、韓国教育開発院が、このほど全国の中学生高校生2,658人と父母2,658人、教師1,770人を対象に調査した結果、分かったもので、学校の授業を他の生徒より早く予習するために塾に通ったことのある生徒は、中学生が86.2%、高校生82.7%で、平均84.8%にも上りました。また「塾に通わずに一人で勉強できるか」という質問については、「できない」「不安だ」が53.6%と半分以上にのぼり、このうち「一人では到底勉強できない」という人も8%いました。これについて韓国教育開発院では、「最近の韓国の中学生高校生たちは過度な塾通いで自ら勉強する能力を失った’学習塾依存型’が増えている」と分析しています。

・韓国の名門私立大学、延世大学が、アジアからの留学生の誘致に力を入れることになりました。延世大学大学院は10日、来年から、授業料の全額にあたる奨学金と生活補助金、寄宿舎を提供するという異例の待遇で、フィリピンやインドネシア、中国などアジアの国々から留学生を募集するための準備を始めたことを明らかにしました。延世大学は、今年7月にこれらの国々に関係者を派遣して、入試説明会を開くことにしています。そしてこうした学生を受け入れるため、今年10月に大学キャンパス内に、500人を収容できる地下1階、地上10階建ての寄宿舎を建設する計画です。

・韓国の青少年の10人中9人は、北韓住民と’親友になれる’と考えており、また半分以上の青少年が北韓住民を’結婚相手’としても差し支えがないと判断していることが分かりました。これは、韓国の統一研究院が最近、ソウルと首都圏の6つの大学と、8つの高校の青少年1125人を対象に、北韓、中国、日本、ロシアと北東アジア周辺国の国民に対する意識調査をした結果、明らかになったものです。

・北韓が来月1日から日本の青森で開かれる冬季アジア大会に参加することになりました。北韓オリンピック委員会は9日、電子メールを青森の組織委員会宛に送り「選手団を参加させるために必要な書類をいま準備中で、一両日中に送る」と述べたということです。北韓はアジア大会への参加申し込み締切日の先月31日までに何の連絡もしていなかったことから、組織委員会ではエントリーの申し込みを今月20日まで延長していました。

・韓国外換銀行が公示し10日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、985ウォン75銭で、前日に比べて、5ウォン60銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1182ウォン50銭で、前日に比べて1ウォン80銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は628.36ポイントと、前日に比べて2.04ポイント下落しました。

・10日のソウルは晴れ、午後3時の気温は3度9分でした。11日は、全国的に晴れの予報となっています。予想最低気温は、ソウルで氷点下3度、全国的には氷点下11度からプラス1度、日中の最高気温はプラス3度から9度という予報です。

1月9日木曜日

・KEDO=韓半島エネルギー開発機構のカートマン事務総長は、7日、米朝枠組み合意は北韓の核開発計画で事実上 失効状態となっているが、合意はあくまでも堅持しなければならず、KEDOを通じた重油提供の再開も可能だという見解を示しました。これはカートマン事務総長が7日、日本の毎日新聞のインタビューに答えたもので、カートマン事務総長は、さらにアメリカの政府高官が「北韓は核兵器を持っている」と発言していることについて、「一つか二つの核兵器を作るに十分なプルトニウムは確保しているが、実際に核兵器を保有しているかどうかは誰も知らない」と述べました。またアメリカ政府がKEDOへの資金拠出を中止するとの見方が出ていることに関して、カートマン氏は「アメリカはまだKEDOのメンバーだ」と述べ、北韓への重油提供は凍結されただけで、将来の再開は可能だと強調しました。カートマン氏のこのような発言は、軽水炉事業の継続に否定的なアメリカ政府内の強硬派の主張に反論したものとコメントしています。

・金大中大統領の特使としてアメリカを訪問している任 晟準外交安保主席秘書官は8日、パウエル国務長官をはじめ、ラムズフェルド国防長官、ライス大統領補佐官らと相次いで会談し、韓半島問題について協議しました。この中で、任主席秘書官は、北韓の核開発問題の解決へ向けて「韓国が主導的な役割を果たしたい」という金大中大統領を意向を伝え、アメリカ側もこれに理解と協力を表明しました。また北韓の核問題を解決するためには、両国間の確固たる信頼関係が基盤にならなければならいということを改めて強調するとともに、そのためには南北間の対話が重要な役割を果たしているという認識でも一致しました。一方、アメリカ国務省のバウチャー報道官は8日の記者会見で北韓の核問題を協議するため、ケリー国務次官補が今月12日、ボルトン国務次官が19日に、それぞれ韓国を訪問すると発表しました。

・北韓は9日、今月ソウルで開かれる予定の9回目の南北長官クラス会談の日時を21日から24日まですることを提案してきました。統一部によりますと、長官クラス会談の北韓側の主席代表を務めるキム・リョンソン内閣責任参事は9日午前、韓国の丁世鉉主席代表に宛てた書簡を送り、「9回目の南北長官クラス会談は今月21日から24日まで、ソウルで開催したい」と提案しました。今回の南北長官クラス会談の日程について、韓国側は、今月6日、14日から17日まで、ソウルで開くことを提案しています。

・南北赤十字会談に向けた実務者レベルの協議が今月20日から22日まで、北韓の金剛山で行われます。今回の実務者協議では来月1日の旧正月を前後に離散家族の再開を行うことや金剛山に離散家族面会所を設置すること、また韓国戦争当時、行方不明となった人々の生死の確認問題について協議する予定です。南北はこれまで2回にわたる協議で、面会所の設置や離散家族の再開など大枠では歩み寄りをみましたが、面会所の規模や離散家族再開の定例化問題について意見が食い違い、最終合意には至っていません。

・EU=ヨーロッパ連合は8日、食糧不足が深刻化している北韓に950万ユーロ、日本円でおよそ11億9000万円相当の緊急食糧援助を行うことになりました。EU執行委員会は8日声明を発表し、「北韓ではアメリカと日本からの食糧援助が中断状態の中で、子どもたちの栄養不足が深刻化している。今回の援助は飢えに苦しんでいる人々に救いの手を差し延べる人道主義援助だ」としています。計画ではWFP=世界食糧計画を通じて、3万9,000トンの穀物を買い付け、保育所にいる栄養不足の子供たちや妊産婦らに配給することになっています。

・韓国ではエイズウィルスの感染者が2,000人を超えたことが分かりました。韓国国立保健院が9日発表したところによりますと、去年新たに400人がエイズ感染者と確認され、韓国のエイズ感染者は2,008人となりました。このエイズウィルス感染者のうち、症状が悪化し、エイズ患者になった人は89人で、これまでに421人の感染者が死亡しています。感染ルートが確認された1,608人は、国内で異性との性行為によるケースが44.6%でもっとも多く、同性愛者が29.8%、海外での異性との性行為23%の順でした。

・韓国最大手の鉄鋼メーカー=浦項製鉄は新日本製鉄と一昨年、戦略的な業務提携を結び、資材の共同購買や共同技術研究など、活発な交流を進めていますが、今年から人材面の交流も本格化することになりました。浦項製鉄が9日明らかにしたところによりますと、両社は、組織法規、原料、人事担当の係長級の職員を3カ月間 相互に派遣し、実務的な研修を行うことにしています。浦項製鉄と新日本製鉄は去年、相互の企業文化に対する理解を深めるとともに、優秀な人材の育成のため、交換勤務制度を実施することで合意しました。浦項製鉄の関係者は「人的な交流を進めることで、一層 提携関係を強化し、相互の発展に寄与する土台を築き上げることになる」と話しています。

・去年韓国国内で販売されたRV車は50万台を突破し、乗用車市場のRV車の占有率が40%を超えました。韓国の自動車メーカー5社が9日発表した去年の内需販売実績によりますと、国内市場でRV車の販売台数は合せて50万9,024台で、乗用車全体の販売台数121万3,535台の41.9%を占めました。これは一昨年の38.2%を4%近く上回ったことになります。このようにRV車が人気を集めている理由は、週休2日制の導入などで、レジャー人口が増えているものと分析されており、今年もRV車の人気は続くものとみられます。

・韓国の中学校・高校では、男女別学から共学にする学校がこの6年間に10%程度増え、3分の2までが共学となりました。このうち中学校は、1980年から1995年までは、共学が半数を越える程度でしたが、去年2002年には67%にまで増えました。また高校も、普通高校の場合、男女共学の割合は80年代は30%足らずでしたが、95年は38.1%、去年は半数近くの48.9%に増えました。実業高校も去年には65.9%が男女共学となり、10年前に比べ、17.3%増えました。このように中学高校で男女共学にするケースが増えていることについて、ソウルノクチョン中学校のヤン・ボヒ教諭は、「お互いに異性を意識することなく、友達として自然に接するようになり、教育の側面でも望ましいと思う」と話しています。

・韓国男子テニスのホープ、イ・ヒョンテク選手が7日、シドニーで行われているアディダス・インターナショナル・カップで準決勝進出を決めました。イ・ヒョンテク選手はこの日、準々決勝で世界ランキング3位、ロシアのマラト・サフィン選手と対戦する予定でしたが、サフィン選手が怪我で棄権したため、不戦勝で準決勝進出が決まりました。イ・ヒョンテク選手は10日、準決勝に臨む予定ですが、コンディションもよく、決勝進出が期待されています。イ・ヒョンテク選手は現在世界ランキング85位ですが、今大会で成績によっては一挙に70位以内にランクアップされることが予想されています。

・韓国観光公社は9日、まもなく離任する韓国駐在の寺田輝介前大使を韓国名誉観光大使に委嘱しました。寺田大使は今月18日、帰国する予定ですが、大使の経験をもとに、今後韓国の文化や観光の魅力を日本に紹介する役割を担うことになります。

・韓国外換銀行が公示した9日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、991ウォン35銭で、前日に比べて2ウォン17銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1,180ウォン70銭で、前日に比べ、70銭のウォン安でした。韓国株式市場の9日の総合株価指数は、630.40ポイントと、前日に比べ、21.32ポイントも下落しました。

・9日のソウルは晴れ時々曇り、午後3時の気温は4度3分でした。10日は高気圧の圏内で、全国的に晴れ時々曇りで、朝は霧がかかるところが多いでしょう。予想最低気温は、ソウルで氷点下9度など、氷点下13度からプラス2度、最高気温は3度から10度という予報です。

1月8日水曜日

・ワシントンで行われた韓国・アメリカ・日本の3カ国の対北韓政策調整監督グループ会議では7日、「アメリカは北韓が国際的な義務をどのように履行するかについて対話する用意がある」という表明を発表しました。これは、北韓が核開発計画を放棄しない限り交渉しないとしてきたこれまでの強硬な方針をやや和らげたもので、去年10月に北韓が核開発計画を再開していたことを認めて以来高まっている韓半島情勢の緊張に緩和をもたらすものとして注目されます。この共同声明では「北韓は核兵器を保有する理由はない。またアメリカは北韓に対して武力行使するつもりはないことを表明し、韓国と日本は支持した」としています。また共同声明では「韓米日の3カ国は、北韓の核問題の解決の手段として南北対話と日朝交渉を支持する」としており、韓国政府が北韓に今月14日開催を提案した南北長官クラス会談では、北韓の前向きな反応を求める期待を表明しました。しかしアメリカ政府は、「北韓がIAEA=国際原子力機関の理事会の決議が求める査察官の復帰など原状回復を果たしたとしても、見返りの措置はとらない」ことを明言しています。

・IAEA=国際原子力機関のエルバラダイ事務局長は、7日、アメリカの報道専門チャンネルCNNとのインタビューの中で「IAEAの北韓に対する決議は、期限がないということではない。北韓は数週間内に返事をしなければならず、北韓が国際的な義務を果たさなければ、この問題を国連の安全保障理事会に付託せざるをえない」と述べました。

・国連のアナン事務総長の特別顧問で、北韓の人道状況を調査する特使に任命されたストロング氏は、7日、北京に到着し、「北韓訪問中にできることは何でも協力したい」と述べました。ストロング特使は、中国の北京に到着して「私は北韓の核開発計画について交渉しない」と強調したものの「協力できることは何でもやりたい」と付け加えました。ストロング特使は、中国と北韓での具体的な日程については明らかにしませんでした。

・WFP=国連の世界食糧計画は、7日、食糧不足が深刻になっている北韓では当面、8万トンの支援が必要になるとして世界各国に緊急支援を呼びかけました。WFPのスポークスマンは「これまで確保された北韓への食糧支援分は、3万5,000トンに過ぎず、これでは今年3月までの必要量の3分の1にも満たない。新規支援が行われなければ、北韓の子どもや妊産婦などの栄養不足が一層深刻になる」としてWFPに食糧支援をしている世界各国に緊急支援を呼びかけました。WFPは今年640万人に達する北韓の食糧配給のため2億1,000万ドルの資金支援を要請していました。

・来月25日に就任する盧武鉉次期大統領は、大統領府=青瓦台の秘書室長に与党=民主党の文喜相議員を、政務担当の主席秘書官には同じ民主党の柳寅泰元議員を内定しました。秘書室長に内定した文喜相氏は、58才、ソウル大学の出身で、国会議員2期努めた、民主党のベテラン議員で、今回の大統領選挙では民主党の大統領選挙企画団長として活動しました。文喜相氏は内定後の記者会見で、「野党の協力を得て国政を円満に運営できるように、大統領と与野党の党首会談を定期的に開きたい」という考えを示しました。また政務担当主席秘書官に内定した柳寅泰氏は、54才、ソウル大学卒業後、国会議員を1期努め、民主党の中では改革派といわれています。

・韓国の盧武鉉新大統領の政権発足へ向けて大統領職引継ぎ委員会は10日から25日まで国防長官を除くすべての長官ポストの候補者の推薦を受け付けることになりました。国民から候補者の推薦を受け付ける長官ポストは、財政経済部、法務部、教育人的資源部、統一部、外交通商部、行政自治部など国防部を除いたすべての長官ポストで、国民の推薦を受けた後、各分科会で検討した上、来月中に構成される人事推薦委員会で候補者を絞り込み、国務総理にリストを渡すことになっています。候補者申請は、国民人事提案センターのインターネットのホームページ、電話、FAX、郵便で、今月25日まで受け付ける予定です。なお、大統領職引継ぎ委員会は国民から政策提案も10日から20日まで受け付けることにしています。

・キムチの本場=韓国ではこのところ中国産で値段の安いキムチがファーストフード食品や仕出し弁当の業界に大量に出回るようになり、中には韓国産を装った中国産キムチも売られて、韓国のキムチメーカーは対策に手を焼いています。韓国に輸入されたキムチは、去年11月末現在69万8,000キロあまり、金額にして32万ドルと、一昨年に比べて87%も増えており、輸入キムチの98%は中国産でした。韓国産キムチは1キロ1,500ウォンから2,000ウォンですが、中国産キムチはその半額の800ウォンから900ウォンと安いこともあって、主に工場や会社の食堂、お弁当会社などに大量に流通しています。また一部の輸入業者は中国産キムチを韓国産に見せかけて流通させて摘発されるケースも少なくないということです。韓国のキムチメーカーはおよそ660社で、これらのメーカーから生産されるキムチは年間40万トンですが、中国産の安いキムチに押されて販売量が落ち込んでいる上、日本向けの輸出にも大きな打撃を受けているということで、韓国のキムチ業界は大きな痛手を受けています。

・去年、韓国最南端のリゾート地=済州島を訪れた観光客は450万人に上り、観光収入は1兆5,000億ウォンに上りました。済州島観光協会によりますと、去年 済州島を訪れた観光客は、韓国人が422万6,000人あまり、外国人は29万人あまりの合わせて451万5,000人で、これらの観光客が島で使った経費は1兆5,000億ウォン、日本円でおよそ1,500億円と、前の年2001年に比べて2%増えました。450万人あまりの観光客のうち、家族旅行が最も多く、次いで団体旅行、一人旅、新婚旅行の順で、外国人観光客の国別では日本人が最も多く、次いで中国人でした。

・仁川国際空港が開港するまでのソウルの空の玄関としての役割を果たした金浦空港の敷地内に9つのスクリーンを設けた映画館が24日オープンします。映画館がオープンするのは、かつての国際線用の第1庁舎で、映画館に続いて大型ディスカウント・ショッピング・センターや結婚会館、コンベンション・タウンなども近くオープンする予定です。映画館は24日のオープンに先立って、17日から1週間、人気を集めている韓国映画と外国映画の無料試写会を行います。

・去年のサッカーワールドカップで韓国のMFとして活躍し、日本のJリーグ京都パープルサンガでも活躍したパク・チソン選手は、8日、オランダのプロリーグの「エイントホーベン」と正式に契約しました。契約者の調印式に出席した韓国代表チーム前監督で、エイントホーベンのヒディンク監督は「パク選手と2年半、監督と選手としてつきあってきた。パク選手は攻撃だけでなく、守備にも優れたマルチプレーヤーだ」と述べ、パク選手への期待感を表明しました。パク・チソン選手は、早速チームの一員としてトレーニングに加わり、11日からのトルコでのキャンプから本格的に始動することになっています。

・またサッカーのワールドカップで韓国代表選手として活躍したイ・ヨンピョ選手も、ヒディンク監督の率いるオランダのプロサッカー「エイントホーベン」への移籍が決まりました。イ・ヨンピョ選手が所属している韓国プロサッカーのアンヤンLGは8日「イ・ヨンピョ選手をエイントホーベンに6カ月間レンタルした後、3年間移籍することで、エイントホーベンと最終合意した」と発表しました。契約条件は、6カ月間のレンタル30万ドル、その後の年俸は75万ドル、移籍料は170万ドルです。イ・ヨンピョ選手は9日オランダに向かい、メディカル・テストを受けた後、契約することになっています。この結果、去年のワールドカップの後、海外に進出した韓国の主力選手は、イ・ウルヨン、チャ・ドゥリ、ソン・ゾンクッ、パク・チソンに次いで5人目となりました。

・韓国外換銀行が公示した8日の為替レート、日本の円100円は、989ウォン18銭で、前日に比べて5ウォン22銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,188ウォンで、前日に比べて70銭のウォン高でした。韓国株式市場の8日の総合株価指数は、651.72ポイントと、前日に比べて0.48ポイント下落しました。

・8日のソウルは晴れ、午後3時の気温はプラス0度7分でした。9日は全国的に高気圧の圏内に入って、晴れのち曇りとなるでしょう。予想最低気温はソウル氷点下4度など、氷点下14度から1度、日中最高気温はソウル5度など、0度から8度という予報です。

1月7日火曜日

・IAEA=国際原子力機関は6日、オーストリアのウィーンにあるIAEA本部で北韓の核開発問題への対応策を討議する緊急の理事会を開き、あらゆる核開発計画を即時放棄することを求める決議を全会一致で採択しました。IAEAはこの決議の中で、北韓が核開発再開への動きを強めていることに強い遺憾の意を表明し、*濃縮ウランを利用した核開発の動きに対する解明、*北韓が一方的に封印を撤去した核施設の原状復帰、*IAEAが北韓内のすべての核関連施設に対して検証できるように認めることを求めています。また北韓の核開発問題を国連の安全保障理事会に付託することについては、理事国間に時期尚早の意見が多く、当面見送りとなりました。IAEAの理事会はまた「外交手段を通じて韓半島の非核化を進めるための努力を支持し、北韓の核開発問題の平和的な解決を期待している」とした上で、「北韓はIAEAとの保障措置の義務を果たして、理事会に報告しなければならない」と求めました。

・IAEAの決議について、韓国政府は「IAEAが北韓の核問題は平和的に解決すると明記したことに注目している」と述べ、対話による問題解決の意向を改めて示しました。政府当局者は「今回のIAEAの決議には北韓を強く圧迫するような内容は盛り込まれていない。これは北韓の核問題を外交的な手段で解決できるという認識が理事国の間にあったためではないか」と述べました。

・アメリカ国務省のジョン・ウルフ非拡散担当次官補は「IAEAの決議はアメリカの主張が正確に盛り込まれている。北韓はIAEAの核査察の措置を無力化しようとしているが、北韓は直ちにIAEAの決議に従って、核物質の検証と査察官の現場復帰を受け入れるべきだ」と述べ、IAEAの決議を歓迎するコメントを発表しました。

・日本 外務省の高島肇久(たかしま・はつひさ)報道官は「北韓はIAEAの決議を真摯に受け止め、核開発計画を即時放棄し、検証可能な方法を講じなければならない」と述べ、核施設の再稼動の中止とIAEAの査察官の復帰を要求しました。さらにロシアの外務省も「IAEAの決議は韓半島の非核化努力に対する外交的な支援を含め、今の事態の平和的な解決の必要性を指摘している」として歓迎の意向を表明しました。

・韓国とアメリカは6日行った対北韓政策調整監督グループ会議で、北韓の核開発問題の解決は、北韓がまず核開発を放棄しなければならないとする認識で一致しました。この会議で韓米両国は「今回の事態は、北韓が濃縮ウランを原料とする核兵器開発から始まったもので、問題解決のためには北韓がまずこの計画を撤回すべきだ」ということで意見が一致しました。また韓国政府の関係者は、北韓の核開発問題に対するアメリカ政府の対応について、「韓米両国ともこれ以上、事態を悪化させてはならないことでも一致した」と述べました。韓米日3カ国は現地時間の7日午前 対北韓政策調整監督グループ会議の全体会議を行い、今後の北韓政策の調整を行うことになっています。

・韓国の大統領府の青瓦台の任晟準外交安保主席秘書官は、北韓の核開発問題についてアメリカ・日本との意見を調整するため7日、まずアメリカに向かいました。任晟準外交安保主席秘書官は、9日までホワイト・ハウスのライス安全保障担当補佐官を初め、国務省のアーミテージ副長官、上院のルガー次期外交委員長ら政府と議会の関係者と相次いで会談し、北韓の核開発問題は平和的・外交的な方法で解決を図りたいとする金大中大統領の考えを直接伝える方針です。任晟準主席秘書官は続いて、日本に向かい、韓・米・日3カ国の協調策について論議し、11日帰国する予定です。任晟準主席秘書官の訪米・訪日で北韓問題に対して大筋での合意がみられた場合、韓国政府は今月中旬に予定している南北長官クラス会談などを通じて、北韓を説得する方針です。

・アメリカのブッシュ大統領は 6日 北韓に武力行使する意図はない考えを改めて表明するとともに、北韓の核開発の放棄が米朝対話の前提であることを強調しました。ブッシュ大統領はこの席で「私は去年 韓国を訪問した時から北韓に対して武力行使しないと繰り返してきた。アメリカは北韓と対話する用意があるが、北韓はまずやると言ったことをやらなくてはならない。北韓の核開発問題が対話を通じて解決できると思う」と述べました。

・日本の川口外相は北韓の核開発の動きを阻止するための外交努力の一つとして、今月15日と16日、韓国を訪問する予定です。日本の東京新聞によりますと、川口外相は、金大中大統領、盧武鉉次期大統領、崔成泓外交通商長官らと相次いで会談し、北韓の核開発問題について意見を交わす予定です。来月25日の盧武鉉次期大統領の就任式を前にした川口外相の訪韓は、小泉首相と盧武鉉次期大統領との首脳会談の事前協議の意味あいもあるものとみられています。

・国連のアナン事務総長は、北韓住民の人道状況を調べるため、モーリス・ストロング特別顧問を特使として派遣したと6日発表しました。国連の報道官は、「モーリス・ストロング特使は、6日北京に向かった。ストロング氏は北韓住民の食糧や難民などの人道状況を調査し、北韓の当局者とも協議するが、これ以外のテーマについて論議することもありうる」と述べて、北韓の核開発問題について北韓と協議を行う可能性もあることを示唆しました。ストロング特使は、中国政府の当局者とおよそ1週間にわたって協議した後、北韓入りする予定です。

・韓国政府は、去年10月の南北長官クラス会談の合意を受けて、「9回目の南北長官クラス会談を今月14日からソウルで開催したい」とする日程を北韓に提案しました。韓国の統一部は、長官クラス会談の韓国側の主席代表の丁世鉉統一長官の名義で北韓のキム・リョンソン団長宛てに電話通知文を送り、「今月14日から17日までの4日間、9回目の南北長官クラス会談をソウルで開くこと」を提案しました。韓国政府の関係者は「南北長官クラス会談が行われれば、離散家族の再会事業とともに、北韓人民軍と国連軍司令部との意見の食い違いで膠着状態となっている南北縦断鉄道の連結事業や金剛山の陸路観光、開城工業団地の着工などについて話し合う予定だ。南北長官クラス会談は南北の交流・協力事業について包括的に論議する場だが、北韓の核開発問題が最大の懸案となっているだけに、これについての協議も行われる可能性が高い」と述べました。

・韓国の日本に対する貿易収支が再び悪化し、去年は140億ドルの赤字となって、97年来の最悪を記録しました。韓国貿易協会と産業資源部によりますと、去年の対日輸出は148億ドル、輸入は288億ドルで差し引き140億ドルの赤字となりました。これはこれまで最大の赤字となった96年の156億ドル、95年の155億ドルに次ぐ記録です。このように対日貿易の収支が悪化したのは、半導体など日本からの電子部品と鉄鋼など資材、乗用車やAV機器など消費財の輸入が大幅に増えた一方で、輸出が前年に比べ11%も減少したことによるものです。韓国貿易協会は「日本からの輸入は全体の20%程度占めており、引き続き増加するものとみられる。韓国の貿易収支を黒字基調に戻すためには、日本に対する貿易収支の改善を急がなくてはならない」としています。

・韓国では1世帯について1住宅という住宅普及率が去年100%を超えたことが分かりました。建設交通部によりますと、去年12月現在、ソウル周辺の新都市で65万世帯分の住宅が完成したことから、韓国の住宅普及率は100%を超えました。統計庁が5年ごとに調査する住宅普及率は1960年に84%となったものの、その後の急速な経済成長による都市化と人口増加、核家族化などで85年には70%を下回りました。韓国政府は80年代から住宅200万世帯建設計画を発表し、住宅難の解消に力を入れて、ソウル周辺に一山、盆唐、平村、山本など5つのベッドタウンが作られ始めた90年代に入ってから住宅普及率が回復し、95年には86%、2000年には96%に急上昇しました。建設交通部は今後も毎年50万世帯の建設を進めていく予定で、2012年には住宅普及率が先進国並みの115%に達するものと予想しています。

・先週末から続いている寒波で、各野菜の値段が最高で2倍にも急騰しています。ソウル首都圏では、ねぎやほうれん草、レタスなど野菜の6日の卸し値は、先週末に比べていずれも2倍に急騰し、全羅道では30%から2倍の価格で取り引きされているということです。このように全国的に野菜の値段が急騰しているのは、寒波と大雪によってビニール・ハウスが被害を受けたり、野菜が凍結の被害を受けたりしたためです。

・韓国外換銀行が公示した7日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、994ウォン40銭で、前日に比べて3ウォン50銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1,188ウォン70銭で、前日に比べて1ウォン30銭のウォン高でした。韓国株式市場の7日の総合株価指数は、652.20ポイントと、前日に比べて14.51ポイント下落しました。

・7日のソウルは晴れ、午後3時の気温は氷点下0度8分、朝の最低気温は氷点下10度5分と、この冬の最低となった今月5日の氷点下15度5分に比べますと高くなりましたが、平年比では6度近く低く、真冬日が続いています。8日は全国的に高気圧の圏内に入っておおむね晴れる予定で、予想最低気温は氷点下16度からプラス1度、日中最高気温は氷点下1度からプラス8度と、先週末からの厳しい冷え込みは一段落するという予報です。

1月6日月曜日

・IAEA=国際原子力機関は、韓国時間の6日深夜ウィーンの本部で緊急理事会を開き、北韓の核施設の再稼動問題の対応策を協議します。IAEAは、これまでに北韓の核問題を直ちに国連安保理に付託することは避け、アメリカやイギリスのなど理事国の主要メンバーをはじめ日本など35の理事国からなる理事会名義の核開発の放棄を要求する「対北韓決議案」を採択するものと見られています。IAEAは決議案で、まず北韓が一方的な核凍結解除措置を撤回し、IAEAの監視カメラなどを原状回復するよう強く求める方針です。ところで、アメリカのNBC放送は6日、IAEAは、韓国など周辺各国の要請も強いことから北韓の核問題を今の時点で国連安保理にゆだねることはせずに1か月の猶予期間を与える方針だと伝えています。

・韓国、日本、アメリカの3か国は、現地時間の6日ワシントンで韓米、韓日、日米間の2か国間局長クラス協議に続いて7日には3か国間の政策調整会議を行い北韓の核問題について意見を交わす予定です。会議には、韓国から李テシキ外務次官補、アメリカからケリー国務次官補、日本からは薮中三十二アジア大洋州局長がそれぞれ首席代表として出席します。この席で韓国は北韓が先に核開発計画を放棄すれば、アメリカが北韓の体制と安全を保障する文書を北韓に手渡すという案について日本とアメリカの意向を打診するものとみられています。韓国政府はまた、北韓の核問題解決のためアメリカに対し北韓との対話再開を要請し、北韓の核施設の凍結を前提とした北韓に対する重油の提供を促す案についても協議する予定です。

・またワシントンでの韓日米政策調整会議とは別に、韓国政府は、北韓の核問題について日米と協議するため大統領府青瓦台のイム・ソンジュン外交安保首席秘書官をアメリカと日本に派遣することになりました。イム首席秘書官は、7日から9日までワシントンを訪問し、ホワイトハウスのライス安保補佐官や国務省の高官、議会指導者と会って韓国政府が検討中の「北韓が核開発計画を放棄すれば、アメリカが文書で北韓の体制や安全を保障する」という調停案を打診し、続いて10日から2日間日本を訪れ政府高官と協議する予定です。

・ロシアを訪問している金ハンキョン外務次官は、5日ロシアのロシュコフ外務次官と会談し、北韓の核問題を平和的に解決するため共同で努力することで一致しました。韓国とロシアはまた、対話のためには北韓側の要求にも耳を傾ける必要があることから北韓が主張している「体制の保障」と「米朝不可侵条約の締結」に代わる案を設ける必要性や、北韓の核問題を国連安保理にゆだねることは望ましくないということでも意見が一致しました。

・韓国の次期政権の引継ぎ委員会は、6日、来月就任する盧武鉉新大統領の意向に沿って国務総理を除く20人前後の閣僚をインターネットを通じ国民の推薦を受けつけることになりました。この閣僚の「人事推薦制度」は、盧武鉉次期大統領のホームページや引継ぎ委員会のホームページに「人事提案」コーナーを設け政治家や官僚だけでなく市民団体や一般国民からも推薦を受け付けることにしています。政権引継ぎ委員会では、推薦を受けた人物を小委員会で検討した後、新しく発足する「人事推薦委員会」に送り、政府の中央人事委員会の人事資料とともにデーターベース化する方針です。

・東京の KBSシンチュンボム特派員によりますと、北韓脱出者を支援する日本の非政府組織「RENK=救え! 北韓の民衆、緊急行動ネットワーク」は、「中国に脱出した北韓の住民は、強制的に北韓に送還する」ことを内容とした両国間の秘密文書を入手し公表しました。「国境地帯の安全と社会秩序のための相互協力議定書」というタイトルのこの文書は、中国の公安部と北韓の国家保衛部の代表者が86年8月に調印したもので、有効期間が20年となっています。文書は反革命分子と一般犯罪者が国境を越えた場合は、相互に相手国に通報し、身柄を拘束した場合は必ず相手国に引き渡すよう規定しています。中国はこれまで北韓脱出者を摘発した場合、原則として北韓に強制送還していることから中国と北韓との間で脱出者の取り扱いに関する協定があるのではないかと推測されていましたが、協定文書が公表されたのは初めてです。

・韓国では全国的に氷点下10度を下回る寒波が4日続き、小寒の6日はソウルの朝の気温が氷点下15度近くまで下がりソウルの中心部を東西に流れる漢江が完全に凍結しました。韓国気象庁は6日、「漢江」の結氷を観測する漢江鉄橋の周辺が一面に凍ったことから、漢江全体が凍結したと発表しました。漢江の全面凍結は、去年と比べて3日遅く、平年との比較では一週間早くなっています。韓国ではこのところの寒波で全国で水道の計量器が凍結して破損する被害が続出している他、凍った路面での車の接触事故が相次ぎ、忠清北道では、心臓麻痺で50代の男性が死亡したりと、寒波による被害が相次いでいます。気象庁では、6日午後から気温が次第に上がり、7日はソウルの最低気温が氷点下6度、最高気温は0度と、この日から全国的に平年並みに回復するものとみています。

・残りの任期が1か月あまりとなった金大中大統領は6日、78歳の誕生日を迎えました。大統領府・青瓦台の朴ソンスクスポークスマンによりますと、「金大統領は毎年行っていた青瓦台の首席秘書官らとの朝食誕生日パーティーを今年は行わずに静かに過ごした」ということです。朴スポークスマンは、「金大統領が朝食の誕生日パーティーを行わないのは、当面の課題である北韓の核問題の解決に最善を尽くし、残りの任期を成功的に終えたいという意思の表明だ」としています。

・大韓サッカー協会は5日技術委員会を開き、韓国代表チームを率いる次期監督として、元ポルトガル代表監督のウンベルト・コエーリョ氏を内定しました。サッカー協会は、近く関係者をヨーロッパに派遣し、コエーリョ氏と、年俸やコーチの人選など細かい契約条件について協議し、今月中には最終合意を取り付けることにしています。 大韓サッカー協会は、セネガルのブルーノ・メツ前監督と、元ポルトガル監督のウンベルト・コエーリョ氏の二人を優先に 詰めの交渉を行ってきましたが、最終的にコエーリョ氏を選任する方向で一致しました。コエーリョ氏は52歳、ポルトガル代表選手としてAマッチに64回出場した後、97年からポルトガルの代表監督をつとめ 2000年のヨーロッパ選手権でポルトガルを3位に導いた実力者で、2000年にはモロッコの代表監督を歴任しています。

・今年の韓国のプロ野球のペナントレースは4月5日に開幕します。韓国野球委員会が6日発表したところによりますと今年の韓国のプロ野球は、4月5日開幕し、1チームあたりのカードは133試合で、9月までの6か月間ペナントレースを繰り広げます。開幕試合は、4月5日、全国4つの球場で行われ、テグ球場で三星対ドゥサン、ソウルのジャムシル球場でLG対SK,光州球場でキア対韓火、水原球場で現代対ロッテの試合が行われます。試合時間は、5月5日の月曜日を除いた毎週月曜日は移動日のため試合はなく、平日と、6月から8月までは、午後6時30分、その他の月と、日曜・祝日は、午後2時に試合が始まります。

・韓国に駐在する外国の大使館の公用車のナンバープレートが6日から「紺色の板地に白の数字」に変更されました。これは、現在使用されている黄色の板地に黒の数字で表示される外交官車両のナンバープレートが、営業用の模範タクシーと同じであるため、外交官の車両を模範タクシーと間違えるケースがあったことから外交通商部がこのようにナンバープレートを換えることにしたものです。外交通商部では、ナンバープレートの変更による混乱を避けるため今後1年間は、現在の様式のプレートも使用できるようにしています。

・韓国外換銀行が公示し6日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、997ウォン90銭で、先週金曜日に比べて、1ウォン57銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは、1190ウォンで、先週金曜日に比べて5ウォン40銭のウォン高でした。韓国株式市場の総合株価指数は666.71ポイントと先週金曜日に比べて5.61ポイント上昇しました。

・6日のソウルは晴れ、午後3時の気温は氷点下5度7分でした。7日は、ソウル首都圏と中部の大田は雪、南部の全羅道と慶尚道は晴れの天気となるでしょう。予想最低気温は、氷点下15度から氷点下3度 日中の最高気温は氷点下5度からプラス8度という予報です。

1月4日土曜日

・韓国政府は、北韓が先に核開発計画を断念することを条件に北韓が主張している不可侵条約の締結などの安全保障措置をアメリカが受け入れるとする仲裁案を検討している模様です。政府当局者は3日、「北韓が今度の事態の発端となった濃縮ウラニウムの開発計画を破棄すると表明すれば、米朝間で対話の接点を見出せるのではないか。必ずしも条約という形をとらなくても、北韓の安全を保障する方法はあると思う」と述べました。これと関連し韓国政府部内では、ブッシュ大統領が北韓の安全を保障するという書簡を北韓に送るという案が検討されたということです。政府は来週明けの6日と7日にワシントンで開かれる韓日米局長クラスの対北韓政策調整会議でこうした調停案を提示する予定です。

・北韓のチェ・ジンス中国大使は、3日北京の大使館で記者会見し、北韓の核開発問題の解決のためにアメリカとの対話再開を提案する一方で、北韓はNPT=核拡散防止条約から脱退することもありうると警告しました。またチェ大使はロシアや日本などの周辺国がアメリカとの仲介役を果たすことについては歓迎する意向を表明しながらもアメリカは無条件で北韓との対話に乗り出すべきで、北韓はアメリカと不可侵条約を締結することで安全保障を確保することを期待していると語りました。この一方でチェ大使は「アメリカはNPT=核拡散防止条約を北韓に圧力を行使するのに悪用してきたためわれわれは脱退せざるを得ない」としてNPTから脱退することも辞さない考えを示しました。またプルトニウムの抽出が可能な放射化学研究所の稼動再開についてチェ大使は「黒鉛減速炉の使用済み燃料棒を安全に保管する範囲内で行う計画だ」として、再処理施設の再稼動が核兵器の製造に直ちにはつながらないことを示唆しました。

・このチェ大使の発言についてアメリカ国務省のバウチャー報道官は「北韓の核開発計画の破棄が先行されなければ北韓との交渉に一切応じるつもりはない。北韓が主張している米朝間の不可侵条約の締結は、核問題の解決策には成り得ない。問題は、北韓が検証可能な方法で核濃縮ウラニウムの開発計画を放棄するかどうかである」と述べ、北韓の対話提案を一蹴しました。バウチャー報道官はさらに「ブッシュ大統領とパウエル国務長官が繰り返し明らかにしているようにアメリカは北韓を軍事攻撃する意図はなく、平和的、外交的手段で問題解決をはかりたい」と述べました。

・韓国は、3日に続いて4日もこの冬一番の強い寒波に見舞われ大雪警報が出ている最南端の島、済州島では多いところで25センチの積雪となったのを初め、海上は大シケで、すべての旅客船が運航を中止し、空の便も欠航が相次いでいます。韓国気象庁によりますと、「5日の日曜日は、大陸から高気圧が張り出し南部の全羅南北道と、忠清南道、済州地方は雪が残るものの、その他の地方は天気は回復する見通しだということですが、依然厳しい冷え込みは続き、ソウルの最低気温は氷点下12度まで下がるなど全国的にこの冬一番の寒さとなる」と話しています。気象庁によりますと、この寒波は、週明け6日も朝の最低気温が氷点下10度から18度まで下がり厳しい冷え込みとなりますが、7日午後からは平年並みの気温に回復する見込みです。

・ドイツのダイムラークライスラー、日本の三菱自動車工業、韓国の現代自動車の3社は3日、中型社と小型車に搭載する主力エンジンをアメリカで共同生産する方針を明らかにしました。3社は、すでに去年5月、合弁でエンジンの開発会社をアメリカに設立しており、3月までには工場の建設候補地を決め、2年後の2005年には生産を始める計画です。工場が完成しますと、3社は排気量2000ccクラスのガソリンエンジンを、年間60万個程度 共同生産する計画です。

・北韓の核問題を巡って韓半島情勢が危機状況に陥った94年当時、日本政府は韓半島から大規模の難民が押し寄せることを想定し、超法的な特例措置を発動することを極秘で検討していたことが明かになったと日本の読売新聞が4日伝えました。読売新聞が入手した日本政府の文書によりますと、日本政府は韓半島で非常事態が起きた場合、閣議で特例措置を発動し、難民を暫定的に日本領土内に上陸させる方針だったということです。また日本の法務省は、当時、北韓から少なくとも10万人の難民が押し寄せるものとみて、海上保安庁や警察の対応が困難な武装難民については自衛隊の協力を求めることも検討していたということです。

・太平洋戦争中、日本の企業が韓国と中国人の女性を動員して「企業慰安所」と呼ばれる施設を設けていたことが、旧日本軍の公式文書によって明らかになりました。ソウル大学社会学部の鄭ジンソン教授と、アメリカリバーサイドカリフォルニア大学人種学の張テハン教授は3日ソウルで記者会見し、「日本の旧陸軍省の文書を確認した結果、企業慰安所の実態が明らかになった。日本人従業員1000人当たり、多いところでは40人から50人、少ないところでも2、30人の韓国と中国人女性の慰安婦がいた」と述べました。

・韓国の陸軍を中心とした軍人のサッカーチーム「サンム」が韓国のプロサッカーKリーグに今シーズンから加盟することが決まりました。韓国プロサッカー連盟は、3日理事会を開き南部の光州広域市をフランチャイズとすることを条件に軍隊チーム「サンム」のKリーグ加盟を承認しました。大韓サッカー協会は、「サンム」のKリーグ加盟によって一段と韓国サッカーが発展するとしていますが、「サンム」はプロとアマの選手の混成チームとなることからプロリーグ入りが適当かどうか論議を呼ぶものとみられています。

・4日は土曜日のため取引はありません。前日3日の終値は、日本円100円が、996ウォン33銭で、アメリカドル1ドルは、1195ウォン40銭でした。韓国株式市場も土曜日のため取り引きはありません。

・4日ソウルは晴れ、正午の気温は 氷点下5度6でした。5日日曜日は高気圧の影響で天気は回復に向かう見込みです。朝の最低気温は氷点下21度から氷点下5度、日中の最高気温は氷点下8度からプラス2度という予報です。

1月3日金曜日

・韓国では3日の午前中から断続的に雪が降り続いており、韓国気象庁は、午後1時、この冬初めてソウル首都圏をはじめ京畿道、中部の忠清南道、全羅南北道に大雪注意報を出して注意を呼びかけています。気象庁によりますと、これらの地方には午後2時現在の積雪量が多いところでは3センチとなっており、ソウル首都圏ではさらに3センチから8センチ、中部の忠清南道、全羅南北道では多いところで15センチ程度の積雪が見込まれているということです。気象庁によりますと、この雪は3日夜遅くまで続き、週末の4日は全国的に曇りの多い一日となるという予報です。

・韓国、日本、アメリカは来週明けの6日と7日ワシントンで北韓の核問題をめぐる局長クラスの政策調整会議を開くことになったと、アメリカ国務省のバウチャー報道官が2日発表しました。今回の会議には、韓国から外交通商部の李泰植次官補、日本からは外務省の薮中三十二アジア大洋州局長、アメリカからはケリー国務次官補が出席します。バウチャー報道官は、「今回の会議は、北韓の核問題をめぐる一連の事態に対する3か国間の協調を確認する場となる」としています。アメリカはまたワシントンで開かれる3か国政策調整会議に続いて、ブッシュ大統領の特使としてケリー国務次官補を近く韓国に派遣する一方、盧武鉉次期大統領の外交安保担当者をアメリカに招待するなどして、北韓の核問題についての韓米間の協調体制をより確かなものにしたい考えです。

・北韓の軽水炉建設事業を中断するかどうかについて協議するKEDO=韓半島エネルギー開発機構の理事会が今月下旬に開かれるとニューヨークのKEDO事務局関係者が2日明らかにしました。それによりますと、来週明けにワシントンで開かれる韓日米3か国の局長クラスによる対北韓政策調整会議と、12日頃に予定されているケリー国務次官補の韓国訪問で韓米間の対北韓政策の調整にメドが立つとみられる今月下旬頃KEDOの理事会を開く予定だということです。この理事会で北韓の軽水炉建設事業の中断が決定されますと、北韓の核開発計画を断念させた米朝ジュネーブ合意は事実上効力を失うことになります。

・韓国政府は、年明け早々から北韓の核開発問題を巡って周辺4か国との具体的な協議に着手しており、中国に続いて3日にはロシアへ金恒経外交通商次官を派遣しました。金恒経次官は5日ロシュコフ外務次官と会談し北韓の核開発に対する韓国政府の基本的な立場を説明し、ロシア側の協力をとりつけたい考えです。金恒経次官はこの席で、ロシア政府に対し北韓がまず信頼できる行動を示すよう働きかけることを要請する方針です。

・韓国中央銀行である「韓国銀行」の朴昇総裁は3日記者会見し、北韓の核問題が今年の韓国経済の最大の不確定要因となるという見解を明らかにしました。この中で朴昇総裁は「北韓の核問題で韓半島の和平が脅かされるとすれば、外国人投資の減少や、消費の不振、さらには輸出の減少によって韓国経済は深刻な打撃を受けることになる」としています。この一方で朴昇総裁は、「去年11月以降、消費や建設投資は鈍化したものの設備投資や輸出は好調をみせていることから、経済に急激な打撃がない限り、5%台の潜在成長率を達成できる見通しで、現段階では追加の利下げは予定していない」と述べました。

・韓国株式市場の総合株価指数が、新年に入り2日連続して急騰し一週間ぶりに660ポイント台を回復しました。3日の総合株価指数の終値は前日より25.93ポイント上昇し661.10ポイントと660ポイント台を回復しました。この日韓国株式市場は、アメリカとヨーロッパの株式市場が新年の初取引で急騰したことを受けて外国人投資家による2500億ウォンの大口買いに加え個人の投資家も889億ウォンの買い注文を出しました。

・韓国銀行が3日まとめたところによりますと、韓国の外貨保有高は先月12月末現在、1214億1300万ドルで2000年6月以降最高を記録しました。韓国の外貨保有高は、2000年末には961億ドルに過ぎませんでしたが、おととしは1028億ドル、去年は1214億1300万ドルにまで増えました。これについて韓国銀行は、ユーロや円に対するドルの換算額が大きく増えた上に、保有外貨の運用収益が増加したためだと説明しています。

・アメリカの外交専門雑誌「フォーリンポリシー」が 主要62か国について調べた国際的な指標によりますと、韓国はおととしに比べ3ランク上昇した28位であることがわかりました。「フォーリンポリシー」は、世界人口の85%にあたる62か国を対象に毎年「世界化指数」を調査しており、1位はアイルランド、2位はスイス、3位はスウェーデンでした。韓国はインターネット利用者部門で世界5位、平和維持部門で9位となっていますが、政治部門は33位、経済40位、外国人による投資は50位とまだまだ多くの課題を抱えていることを伺わせる結果となっています。

・韓国の衛星TV放送「アリランTV」が8日から日本のスカイパーフェク2チャンネルのAQステーションを通じて日本に韓国のニュースや文化を紹介する英語放送を始めることになりました。「アリランTV」の番組は、AQステーションの週末午後6時から8時までの2時間「アリランTVアワー」を通じて英語で放送されます。「アリランTV」によりますと、現在日本にはAQステーションで「アリランTV」を視聴できる世帯がおよそ75万世帯ありますが、日本でデジタル放送が本格化する2、3年後には視聴者が2倍以上増えることが期待されているとしています。

・鳥取県の大山で遭難した韓国人留学生が2日、救助隊によって16時間ぶりに救助されました。この人は広島大学の大学院に留学している韓国人の、チャン・ユンジョンさん(27)で、チャンさんは、元日、日帰りの日程で大山に登りましたが9合目付近で吹雪にあい身動きが取れなくなり、携帯電話で救助を求めました。チャンさんは、2日午前7時過ぎ、山頂からおよそ150メートルの地点で警察官らの救助隊によって無事救助されました。

・来月1日青森県で開幕する「冬のアジア大会」に韓国は171人の選手団を派遣します。韓国は今大会に6競技の50種目に出場することになっています。一方、北韓は、エントリー期限の先月31日まで何の連絡もしていないことから参加しない可能性が高くなっていますが、大会組織委員会では、エントリーの受付を今月20日までに延期する方針を明らかにしており、北韓の対応が注目されます。

・韓国外換銀行が公示し3日午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、996ウォン33銭で、前日に比べて、5ウォン35銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1195ウォン40銭で、前日に比べて3ウォン10銭のウォン安でした。韓国株式市場の総合株価指数は661.10ポイントと前日に比べて25.93ポイント急騰しました。

・3日のソウルは雪、午後3時の気温は氷点下0度4分でした。4日は、次第に回復し、全国的に曇りの天気となるでしょう。朝の予想最低気温は、氷点下17度から氷点下3度日中の最高気温は氷点下9度からプラス4度という予報です。

1月2日木曜日

・韓国政府は2日、北韓の核開発問題を巡って、中国と高官レベルの協議を行うなど、この問題の平和的解決に向けた周辺4か国との具体協議に着手しました。まず、外交通商部の李泰植次官補を中国に派遣し、2日北京で中国の王毅外務次官と協議しました。この中で李外交次官補は、北韓の核問題解決に向けた中国政府の積極的な働きかけを要請しました。また今週末頃には、金恒経外交通商次官がモスクワを訪れ、ロシュコフ外務次官と会談して、ロシア側の積極的な努力を求める方針です。さらにアメリカと日本とは来週初めにワシントンで開かれる予定の韓国、アメリカ、日本による対北韓政策調整監督グループ会議で建設中の軽水炉工事の全面的に中断することも含めて協議する予定です。この対北韓政策調整監督グループ会議を前に韓国政府は今週末、国家安全保障会議の常任委員会を開き、韓国政府の方針をまとめる方針です。

・日本の川口外相が今月中旬にも韓国を訪問し、北韓の核兵器開発問題を巡って韓国政府と意見を交換する予定です。日本の毎日新聞は1日、日本政府は北韓の核兵器開発問題について、韓国、アメリカ、中国、ロシアの4か国との協調体制を強化するため、各国との協議に入ることにしており、まず、川口外相は今月中旬にも韓国を訪問し、金大中大統領や 盧武鉉次期大統領らと会談する予定だということです。日本政府はまた、北韓がNPT=核拡散防止条約からの脱退を実行に移すなど、情勢が悪化した場合、中国への外務省高官の派遣も検討しているものと伝えられています。

・IAEA=国際原子力機関は今月6日、ウィーンで理事会を開き、北韓の核兵器開発計画を直ちに中止することを要求する、対北韓特別決議案を採択する模様です。IAEAはこの決議の中で、北韓が徹去した核施設の監視カメラと封印を直ちに元の状態に戻すことや濃縮ウランによる核兵器開発計画の原状を明らかにすることなど、核兵器の安全協定に盛られているすべて措置の遵守を要求するものとみられます。一方IAEAは6日の理事会では、北韓の核問題を国連の安全保障理事会の討議には委ねないとする方針を打ち出すものとみられています。これは2日、韓国政府関係者が明らかにしたもので、この政府関係者は、「北韓の核問題を国連の安保理に持ち込むだけが解決策ではないとし、まずIAEAのレベルで出来る限りの努力を尽くした後、今後の対応策を決めるものになるだろう」ということです。

・アメリカ政府は1日、WFP=世界食糧計画の要請に基づく北韓への食糧支援を今後も継続する方針を明らかにしました。ロイター通信が1日、アメリカ政府の高官の発言として伝えたところによりますと、「食糧を政治的武器に使うことはしない。今後も過去と同じ水準の食糧支援を継続する方針だ」と述べたということです。これに先立ってWFPは先月3日、北韓住民2200万人のうち、とくに食糧不足に苦しむ6404万人にには外国からの食糧支援が欠かせなくなっているとして、各国に支援を要請しました。また90年代に北韓を視察したアメリカ共和党のカーク下院議員は、核問題で日本とEUからの北韓への食糧援助は中止されており、飢えに苦しむ子どもたちにはアメリカ食糧援助が必要だという見解を示しました。

・去年2002年の南北関係は、人や物の交流がもっとも盛んな年だったことが分かりました。統一部が1日発表した南北交流報告によりますと、去年、北韓を訪問した韓国人は金剛山への観光客を除いて、1万2200人あまりで、韓国政府が民間人の北韓訪問を正式に認めた1989年以来年間の交流規模としてもっとも多くなりました。訪問目的では建設中の軽水炉事業の関係者が30.7%でもっとも多く、次いで金剛山以外の観光23.8%、支援活動11.3%、経済活動9.2%、離散家族訪問 5.1%の順でした。また金剛山観光客は98年11月18日に観光事業が始ってから去年11月までに韓国人以外の外国人1791人を含め、50万4085人が訪れました。一方89年以後、去年の11月までに韓国を訪れた北韓住民は合せて2,568人で、このうち40%にあたる1040人が去年に集中しています。これは去年7回目の南北長官クラス会談をきっかけに、南北関係が進展し、南北協議や統一サッカー試合、釜山アジア大会、経済視察団などの韓国訪問が急増したことによるものです。また南北の貿易額は89年から97年までは年平均1億7174万3000ドルでしたが、98年から大幅に伸びて、この5年間年平均3億6490万ドルでした。

・丁世鉉統一長官は2日統一部の仕事始めの挨拶で、「北韓への持続的な支援と経済協力こそ北韓を変化させ、核問題を解決する近道になる」と述べ、南北の経済協力が軍事分野の信頼構築にも貢献しているという考えを明らかにしました。また丁長官は、「盧武鉉次期大統領が就任するまでの50日間が今年の南北関係を左右する重要な時間になるだろう」と述べ、今月に予定されている9回目の南北長官クラス会談の準備に万全を期すよう訓示しました。

・去年2002年の韓国の貿易収支は108億ドルの黒字となりました。産業資源部が1日発表した「2002年の貿易統計」によりますと、輸出は一昨年に比べて、8.2%増の1628億2200万ドル、輸入は一昨年に比べ、7.7%増の1502億2000万ドルで、差引108億200万ドルの黒字となり、外貨危機翌年以来5年連続で黒字を達成しました。これは半導体や自動車、無線通信機器、コンピューターなど、韓国の主要輸出品目の輸出が大幅に増えたのに加え、中国への輸出が一昨年よりおよそ30%増えたことによるものです。地域別では、アメリカが314億ドルでもっとも多く、中国の228億ドル、EU=ヨーロッパ連合207億ドルの順でいずれも黒字でしたが、対日貿易はマイナス7.9%で赤字となりました。産業資源部は今年の貿易収支の見通しについて、アメリカのイラクへの攻撃の可能性や輸入規制の強化、中国との輸出競争の激化などで、楽観は許さないものの、輸出1750億ドル、輸入1670億ドルで、80億ドルの黒字になるものと予測しました。

・アメリカ経済は今年も低迷し、輸入規制は一段と強化される見通しですが、韓国の対米輸出は去年より10%程度の伸びが期待されています。大韓貿易投資振興公社は2日、新年は一部否定的要因があるものの、対米輸出は去年より6%から10%ほど増加し、348億ドルから360億ドルに達することが予想されると発表しました。品目別には自動車が10%以上の伸びが見込まれるのをはじめ、移動通信機器や半導体、家電製品は10%前後、コンピューターと鉄鋼製品は10%をやや下回る程度の増加が予想されるとしています。大韓貿易投資振興公社はその理由として、ワールドカップ開催によって韓国製品に対するイメージが高くなったこと、韓国企業が積極的な海外マーケティングを展開していることなどをあげ、否定的理由としてはアメリカの不景気、鉄鋼など一部製品に対する輸入規制の強化を挙げています。今年も輸出の伸びが予想される自動車は、2001年に半導体を抜いて対米輸出1位になり、2002年にも11月末まで62億9千万ドルを輸出して、2年連続対米輸出1位でした。

・金大中大統領は2日、来月大統領の退任後は市井の人となり、国内の政治問題には一切介入しないと語りました。これは大統領府の朴智元秘書室長が2日明らかにしたもので、「金大統領は退任後、一人の平凡な国民として、また‘前職大統領’として韓国の発展と世界平和のために尽力し、国内の政治には一切介入しないと語っている」と述べました。また金大統領「トンキョドン系」と呼ばれている野党総裁時代からの側近集団は、今後民主党内で派閥を形成する可能性もあるとして、今後は「トンキョドン系」という呼称も使わないよう希望したということです。

・今年のサッカーワールドカップで活躍したMFの朴智星選手が、2年半に及ぶJリーグでの活動を終えて、2日帰国しました。朴選手は、Jリーグ京都サンガの選手としては最後の試合となった元日の天皇杯全日本サッカー選手権大会の決勝戦に出場、同点ゴールを入れ、京都の初優勝に大きく貢献しました。朴選手はオランダ1部リーグのPSVアイントホーフェンに移籍することが決まっており、5日オランダに向け出発します。朴選手は2日仁川国際空港で記者会見し、「Jリーグでの選手生活はサッカー選手としてさらに一段階発展する期間でした。日本での最後の試合となった天皇杯で優勝したことが何よりの想い出です」と日本での選手生活を振り返りました。そしてオランダへの進出については、「私のことをよく知っているヒディンク監督のもとに入ることは大きな幸運です。言葉はもちろんヨーロッパ生活に早く慣れて、ヒディンク監督の期待に沿う立派なプレーをしたい」と述べました。

・韓国外換銀行が公示した2日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1001ウォン68銭で、去年の取引最終日の先月31日に比べて1ウォン85銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1192ウォン30銭で、先月31日に比べ、6ウォンのウォン安でした。韓国株式市場の初取引となった2日の総合株価指数は、635.17ポイントと、去年の取引最終日の先月30日に比べ、7.62ポイント上昇しました。

・2日のソウルは晴れのち曇り、朝の最低気温は氷点下9度2分まで下がり、午後3時の気温も氷点下0度5分と厳しい冷え込みでした。3日は全国的に曇り、ソウルなど北部地域は雪、南部地域は雪または雨が降るところもあるでしょう。3日の予想最低気温は、氷点下11度からプラス4度、最高気温は氷点下6度からプラス8度と、前日より気温がやや上がるという予報です。

1月1日水曜日

金大中大統領の新年のメッセージ

尊敬する国民の皆様。
希望に満ちた2003年の元日です。
国民の皆様によって幸せと希望に満ちた1年になるようお祈りします。世界各国にお住まいの600万人に上る同胞と2200万の北韓の同胞にも新年の挨拶を申し上げます。
振り返ってみますと、去年2002年はめまぐるしい変化の中で韓国の国際的な地位が高まった意義深い1年でした。サッカーのワールドカップでベスト4進出、そして釜山アジア大会で南北が一つになりました。韓国の選挙史上、最も公明な地方選挙と大統領選挙も行われました。世界が羨ましがるほど経済も発展しました。まさに感動の1年でした。これはすべて国民の皆様の努力の賜物です。改めて深く感謝の言葉を申し上げたいと思います。
国民の皆様。今年は国民の投票で選ばれた盧武鉉次期大統領による新たな政権が発足する年です。みんな力を合わせて新政権を支援していかなくてはなりません。現在、膠着状態の北韓の核問題を解決し、韓半島に和平を定着していかなければなりません。また経済と国民の暮しの向上にもさらに力を入れていくべき年です。みんな一丸となって、後世に世界一流の韓国、誇らしい韓国を残しましょう。97年暮れの外貨危機を克服した力とサッカーのワールドカップでのベスト4進出の神話で現れたように、自信をもって前に向かって進んでいきましょう。
私は残りの任期中、さらに国政を安定させて、次の新政権はさらに整った環境の中でスタートをきることができるように、最善を尽くしていきたいと思います。
これまで国民の皆様が送り続けてくださった声援と協力にもう一度感謝します。
国民の皆様のご家庭のご健勝をお祈りいたします。ありがとうございます。

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