9月30日月曜日

・釜山アジア大会2日目の30日、韓国は女子のフェンシングと柔道で金メダルを獲得し幸先良いスタートを切りました。まず、フェンシングの女子サーブル個人決勝は韓国同士の決勝戦となり、李シンミ選手が先輩の李キュヨン選手を15対8で破り、大会初の金メダルを獲得しました。また女子柔道78キロ級のチョ・スヒ選手は、日本の松崎選手を技ありで破り、金メダルに輝きました。女子78キロ超級では、チェ・スクイ選手、男子100キロ級のチャン・ソンホ選手、さらにフェンシングの女子フルーレでイム・ミギョン選手がそれぞれ銀メダルを獲得しました。また銅メダルは女子フルーレのソ・ミチョン選手、男子柔道100キロ超級のカン・ビョンジン選手、自転車、女子個人ロードタイムトライアル24.2キロのの李ウンジュ選手となっています。一方、韓国は球技種目でも好調で、男子バスケットボールでは、日本を79対62で破ってベスト8に進出しました。男子ホッケーでも日本に4対0で完勝し、1勝しました。男子ハンドボールもモンゴルに勝ち、1勝を飾りました。大会2日目の30日現在韓国のメダルは金2、銀5、銅3となっています。

・北韓の朝鮮中央テレビは、29日の夜行われた釜山アジア大会の開会式を現地からの中継放送で伝えました。北韓の放送局が韓国から画面を直接送出し放送したのは今回が始めてです。また朝鮮中央テレビの中継チームは28日行われた北韓と香港のサッカー予選を録画し、釜山放送センターから平壌に送出しました。北韓の中央テレビと中央通信の関係者は釜山国際放送センターにブースを設けて活発な取材活動を行っています。

・ワシントン発連合ニュースによりますと、来月3日、アメリカの大統領特使として北韓を訪問するケリー東アジア太平洋担当次官補は、北韓の金正日国防委員長に宛てたブッシュ大統領の親書は携えないことになりました。アメリカ国務省のバウチャー報道官は、ケリー特使の北韓訪問にあたって ブッシュ大統領は特別メッセージを託すかという記者側からの質問に対し、ケリー特使の目的は北韓との懸案を論議するためのものだと述べ、大統領のメッセージは携えないことを示唆しました。

・北韓の新義州特別行政区の初代長官に就任した楊斌氏は、29日、中国瀋陽で韓国人記者団と会見し、今月30日から行うとしていた外国人のビザ免除措置は、国境を接する中国側との調整が終わっていないことから当面延期することを明らかにしました。楊斌長官はまた、特別行政区の立法院の委員15人のうち1人か2人は韓国人を任命し、残りは現地住民と外国人投資家の中から選ぶと述べました。また韓国の企業家と駐在員が新義州で企業活動をすれば、北韓の離散家族と一緒に仕事ができるよう北韓当局と合意していると述べました。楊長官は10月中旬から新義州の住民50万人をほかの地域に移し、20万人を新義州に移住させるとして、10年以内に新都市建設が終われば、常住人口150万人に流動人口100万人の都市になるだろうと述べました。ところで、新義州を取材しようした韓国人記者のビザ発行が、韓国人は外国人でないという理由で拒否されました。

・IMF=国際通貨基金は来年9月アラブ首長国連邦のドバイで開かれる年次総会に北韓を招待する見通しです。これはIMFのケーラー専務理事がワシントンを訪れている田允チョル副総理兼財政経済長官と会談した際、明らかにしたものです。またケーラー専務理事は、北韓のIMF加盟問題について、「北韓がIMF加盟の意志表示をし、加盟国の同意を得なくてはならない。IMFとしてはそれを支援する準備ができている」と述べました。

・韓露フォーラムのため韓国を訪れているロシアのロシュコフ外務次官は30日記者会見し、シベリア横断鉄道と韓半島縦断鉄道の連結事業のために南北韓とロシアの長官級会談を早急に開く必要があると述べました。ロシュコフ次官は、「シベリア横断鉄道と韓半島縦断鉄道が一本に連結されれば、莫大な経済的、政治的効果をもたらす。現在重要なのはお互い情報を共有し事業推進を模索することだ」と述べました。また鉄道の連結事業で韓国側が負担する分担金を、ロシアが韓国に償還する経済借款と相殺することも可能だと提案しました。

・南北韓とアメリカ、日本、中国、ロシアが参加する13回目の東北アジア協力対話会議が、来月2日から4日までモスクワで開かれます。今度の会議には、北韓が4人の代表団を派遣することになっており、注目されます。今度の会議は日本とロシアが韓半島問題を協議する関係6か国による協議体の設立を呼びかけている中で開かれるもので、小泉首相の北韓訪問以降の韓半島情勢や最近の北韓の経済改革措置、韓半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結事業などについて話し合われるものと見られます。この会議は、南北韓と周辺4か国の政府当局者と民間人が個人の資格で参加する非政府間安保対話で、韓国政府が進めている東北アジア多国間安保対話機関構想に準じるものです。

・韓半島と東北アジアの懸案を論議する韓国・ロシアフォーラムが30日から2日間の日程でソウルで始まりました。韓国国際交流財団とロシアの外交アカデミーが共同主催するこのフォーラムで両国は、国際情勢の変化と東北アジア情勢、韓半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道の連結事業について論議する予定です。韓国・ロシアフォーラムは97年の両国外相の合意に基づいて、99年から毎年交互に韓国とロシアで開かれています。

・中国の傳全有総参謀長が30日韓国を公式訪問しました。傳総参謀長は、来月4日まで韓国に滞在し、李ジュン国防長官を表敬訪問するほか、李合同参謀本部議長と会談し、韓半島と東北アジアの安全保障について意見を交わします。傳総参謀長は、訪問期間中、空軍第15飛行団や陸軍30師団、海軍2艦隊司令部を訪れ、国内産業体なども視察する予定です。

・南北韓が初めて北韓で共同主催する建国記念日=開天節行事に参加する韓国側代表団が、1日北韓の航空便で北韓を訪れます。開天節民族共同行事準備委員会は30日の記者会見で、韓国側の代表団130人あまりが1日午前、仁川国際空港から、北韓の高麗航空便で西海の直接航路で北韓を訪問することになったとあきらかにしました。韓国側代表団は5日間滞在し、北韓の開天節記念行事に出席するほか、学術討論会などに参加することになっています。

・アメリカのメジャーリーグ、アリゾナバックスの金ビョンヒョン投手が30日今シーズン最終試合となったコロラド ロッキース戦にリリーフとして登板し、セーブポイントをあげました。金ビョンヒョン投手は、8勝3敗36セーブで今シーズンを終わり、メジャーリーグデビュー以来最高の成績を収めました。ナショナルリーグ、西部地区で1位となったアリゾナバックスは、来月2日、ナショナルリーグ中部地区1位のセイントルイス カーディナルスとプレーオフを行います。

・韓国外換銀行が公示した 30日午後3時現在の為替レート、日本円100円は1011ウォン52銭で先週末に比べて11ウォン11銭のウォン安でした。 またアメリカドル1ドルは、1229ウォンで先週末に比べて3ウォンのウォン安でした。30日の韓国株式市場の総合株価指数は 646.42ポイントと先週末に比べ17.30ポイント大幅下げとなりました。

・30日のソウルは、晴れのち曇り、午後3時の気温は23度2分でした。1日は全国的におおむね晴れのち曇りの予報で最低気温は 10度から18度、最高気温は22度から27度となっています。アジア大会が開かれている釜山地方も晴れのち曇り、気温は16度から26度の予報です。

9月28日土曜日

・アジアのスポーツの祭典=第14回アジア大会が29日、韓国南部の港町、釜山で開幕し、暮れなずむメインスタジアムで華やかに開会式が行われました。1986年のソウル大会以来16年ぶりに韓国で開かれた、37億アジア人のスポーツの祭典=釜山アジア大会、北韓が韓国で行なわれる総合競技大会に初めて参加し、戦乱を乗り越えたアフガニスタンが8年ぶりに、また21世紀初の独立国となった東ティモールも含め、OCA=アジアオリンピック協議会の加盟44の国と地域から、およそ9900人の選手が参加し、史上最大の大会となりました。入場行進は日本のあいうえお順に当るハングルの文字順に従って、まずネパールが最初に入場し、 日本は28番目、主催国の韓国は北韓とともに合わせて600人の選手・役員が韓半島を形どった「韓半島旗」を先頭に最後43番目に入場しました。紺色のジャケットに白のパンツ・スカートの南北合同選手団は、アリランの行進曲とともに、全員が手に手をとって高く掲げて行進し、満員のスタンドから一斉に大きな拍手が送られました。この後 金大中大統領が「アジアの友好と平和を願い、ここに釜山アジア大会の開会を宣言します」と開会宣言を述べました。また韓国と北韓で採火された南北の火は先のサッカーワールドカップのキャプテンだったホン・ミョンボ選手らによって運ばれた後、最後の聖火リレー走者、84年ロサンゼルス・オリンピック男子柔道金メダリストの韓国の河亨柱さんと96年アトランタ・オリンピックの女子柔道の金メダリスト北韓のケー・スンヒ選手によって聖火台に点火されました。釜山アジア大会は来月14日まで38競技420種目にわたって熱戦が続くことになっています。主催国の韓国は37競技に1007人の選手が出場し、中国に次いで総合2位を目標にしており、18競技に322人の選手を派遣している北韓は総合4位を目指しています。

・釜山アジア大会に参加する北韓選手団の応援団280人が28日午前、船で釜山港に到着しました。北韓の客船「万景峰92号」で釜山港の国際ターミナルに到着した一行は、吹奏楽団や芸術団などで、チマジョゴリと呼ばれる鮮やかな民族服をまとった女性芸術団が注目を集めました。釜山多大浦(ダデポ)国際ターミナルには、アン・サンヨン釜山市長をはじめ、釜山市民とサポーターたちが韓半島を形どった「韓半島旗」を振りながら暖かく出迎えました。また北韓応援団の船の入港に先立って、釜山市民による北韓サポーターたちは韓国海洋警察の協調を得て、小型漁船49隻に乗り、釜山の沖合いの海上で歓迎行事を繰り広げるとともに、近くのアパートには韓半島旗を一斉に掲揚し、北韓応援団の釜山訪問を歓迎しました。北韓応援団は「万景峰92号」をホテルにして来月15日まで釜山に滞在する予定で、北韓が出場する競技を応援することになっています。

・アメリカ国務省のバウチャー報道官は27日の記者会見で、ブッシュ大統領の特使として北韓に派遣されるアメリカ政府代表団の構成や日程を明らかにしました。それによりますと、ケリー国務次官補が率いる代表団は、国家安全保障会議、国務省、国防総省、統合参謀本部から、合せて9人となる予定で、一行は10月2日東京、3日ソウルで事前協議をした後、平壌入りし、5日まで、北韓側と本格的な対話を行います。訪問団は米朝高官協議の後、5日ソウル、6日東京で、今度の協議の内容を説明し、対北韓政策の検討を行う予定です。一方、アメリカ政府代表団はアメリカ軍の特別機で北韓を訪問することになり、報道陣の同行取材は認められていません。

・北韓の新義州特別行政区の初代長官に任命された楊斌氏が27日、中国の新陽で記者会見し、今月30日から特別行政区を開放して、韓国を含め、すべての外国人に対し、ビザ入国審査を免除することを明らかにしました。これによって外国人はパスポートがあれば中国側の丹東から新義州に入国することができるようになります。また楊長官は、新義州特区の経済振興策について「世界でもっとも投資を優遇する地区」を目指す考えを示し、具体的には「証券取引所を新設し、中国の中小ベンチャー企業が上場して資金を集めやすいよう配慮するとともに、韓国と日本が最大の投資国になるだろう。来月7日に韓国を訪問し、韓国の企業家に投資を呼びかける」と述べました。この新義州特別行政区でのビザ免除について、韓国統一部は27日、「北韓側からは新義州特区の出入国の管理規定についての通報はない。韓国人が新義州を訪問するためにはこれまで通り、韓国政府から事前承認を得なければならない」としています。

・韓国政府は釜山アジア大会に参加する北韓選手団と応援団の滞在費など必需経費として、20億ウォン(日本円でおよそ2億円)を支援することになりました。韓国政府当局者によりますとこの支援は、政府の南北交流・協力基金から充てられる。来週中に南北交流協力推進協議会を開き、正式に決めることになる」と話しています。

・日本の最高検察庁にあたる大検察庁は、29日開幕する釜山アジア大会では北韓の国旗を競技場などの一部で使用することを決めていますが、それ以外の場所で掲げたり、インターネット上で掲示するのは違法行為にあたるとして、27日改めて喚起しました。大検察によりますと「北韓の国旗の使用は釜山アジア大会組織委員会、アジア大会本部、プレスセンター、選手村、参加国代表の会議場の5か所だけで認められている。このほかの場所での掲揚やインターネットの掲示板に添付ファイルの形でファイルを載せたり、電子メールを使って流布する好意も認めない。仮にインターネットのウェブサイトの管理者や掲示者が北韓の国旗の削除を拒否した場合、処罰対象となる」としています。韓国では国歌保安法によって北韓の国旗を掲揚したり、国歌を演奏したりすることは禁止されており、今回の釜山アジア大会では初めての例外として国旗の掲揚と国歌の演奏が認められています。

・EU=ヨーロッパ連合は韓国造船業界のダンピング問題で、韓国政府と交渉を進めてきましたが、協議は27日物別れに終り、WTO=世界貿易機関に提訴することを決めました。EU執行委員会は27日、声明を発表し、「EUはこの問題を今月30日開かれるEUの担当相会議に報告し、WTOに提訴することを正式に決める方針だ」と述べました。EUは韓国の造船業界が政府の補助金を得て、原価を下回る金額で船舶を輸出していると主張し、ヨーロッパの船舶業界にも補助金を支給することを提案していました。これに対して、韓国の造船業界では韓国が世界市場の優位を占めているのは、効率的な韓国鉄鋼産業が基盤になって、ドルに対するウォン安が続いているためだと主張しています。韓国は去年、世界船舶市場の32%を占めました。

・韓国の小・中・高校では来年から外国人教員を正式に採用する見通しです。日本の文部科学省にあたる教育人的資源部は現在大学だけ採用を認めている外国人教員を小・中・高校でも認める法律の改正を、早ければ来年新学期から実施する方針を明らかにしました。この小・中・高校での外国人教員の採用は、実業系や芸術系高校から始め、IT分野、アニメーション、デザイン、演劇、映画など芸術分野と自動車、料理、観光など産業関連分野の専門家を採用することになっています。現在、韓国の小・中・高校では外国語の講師として全国でおよそ180人あまりを採用していますが、この法律の改正が行われますと、外国語の外国人教員の採用が増えるものと予想されます。一方政府は韓国の国立大学の外国人教授の採用枠を来年さらに拡大することにし、来年度の予算案に教授100人分の人件費など、およそ64億ウォン(日本円で6億4千万円)を計上しています。

・28日は土曜日のため、取引はありません。韓国外換銀行が公示した前日27日の終値は、日本の円100円は、1001ウォン79銭、アメリカドル1ドルは1228ウォンでした。韓国株式市場も土曜日のため、取引はありませんでした。27日の総合株価指数は、663.71ポイントでした。

・28日のソウルは晴れ、午後3時の気温は26度でした。29日は高気圧の圏内から遠ざかり、アジア大会が開幕する釜山をはじめ、全国的に曇り時々雨、午後からは回復に向かうでしょう。29日の予想最低気温は12度から18度、最高気温は19度から27度という予報です。

9月27日金曜日

・ワシントン発連合ニュースによりますと、アメリカのブッシュ大統領は、国務省のジェームス・ケリー東アジア太平洋次官補を大統領特使として来月3日から北韓に派遣することを公式に明らかにし、ブッシュ政権の発足以来中断状態となっている米朝の高官協議が再開されることになりました。これはホワイトハウスのフライシャー報道官が声明を通じて明らかにしたもので、フライシャー報道官は「ケリー次官補は 韓国と日本との緊密な協調に立ってアメリカの政策を説明し、アメリカと国際社会の懸案となっている幅広い問題について進展を求める」と述べました。ケリー次官補には、アメリカ国務省のフリチャード対北韓交渉担当大使やストロウ韓国課長らホワイトハウスと国務省、国防総省から20人あまりが随行することになっており、北韓の核兵器開発疑惑に対するIAEA=国際原子力機関の査察の受け入れやミサイル輸出問題について協議する見通しです。

・大統領府青瓦台の朴報道官はこのケリー特使の北韓訪問について 「今後米朝間の懸案が対話を通じて解決の糸口を見出すことを期待する。この対話が韓半島の平和と安定、ひいては東北アジアの平和と安定にも寄与するだろう」と述べました。

・来月3日北韓を訪れることになっているケリー特使はその前後に東京とソウルに立ちより、両国政府と協議します。韓国政府関係者によりますと、ケリー次官補は来月2日韓国を訪れ韓国政府と事前協議を行い、5日には北韓訪問の結果を報告することになっています。ケリー特使に対して韓国政府は米朝関係の早期の回復を望む韓国政府の意向を重ねて伝えることにしています。

・一方、中国外務省の章啓月副報道局長は26日の定例記者会見で、ケリー特使の北韓訪問を歓迎し、中国は関係各国が北韓との関係を改善し、韓半島情勢の緊張緩和の流れがさらに進むよう希望すると述べました。

・東京発連合ニュースによりますと、来月26日からメキシコで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議を機会に韓米日3か国の首脳会談が開かれる見通しです。それによりますと、3か国首脳は会談で、先の日朝首脳会談による平壌宣言をめぐって対北韓政策を調整するものと見られます。

・釜山アジア大会に出場する北韓選手団の第2陣、153人が27日北韓の高麗航空のチャーター便で釜山近郊の金海空港に到着しました。北韓選手団は明るい表情でバスに乗り込み選手村に向かいました。北韓選手団の中には、シドニーオリンピック女子重量挙げ、58キロの銀メダリスト 李ソンヒ選手、レスリング銅メダリスト、カン・ヨンキュン選手ら有力なメダル候補も含まれています。一方、アジア大会に初めてオブザーバーとして参加する新生独立国の東チモールの選手団30人も釜山に到着し、これで参加44の国と地域の選手全員が選手村入りしました。

・釜山アジア大会に出場する韓国、日本、中国の3か国の選手団は27日、それぞれ入村式を行い、フェアープレーを誓いました。日本選手団は午前10時、100人あまりの選手が参加して選手村の国旗広場で入村式を行いました。木掛照二選手団長は、「金メダル65個を確保して2位の座を目指したい。水泳と柔道に期待している」と述べました。一方の中国選手団も体操とダイビングを主力種目にあげて優勝を目指すとしています。韓国選手団も27日午後入村式を行い、金メダル80個確保を目指すとしています。

・29日開幕する釜山アジア大会の開会式で韓国と北韓の選手団のうち、南北それぞれ300人、合わせて600人が同時に入場行進することになりました。この南北選手団の入場行進では、韓半島を形どった韓半島旗を持つ旗手が先導しますが、選手には韓国側はハンドボールのファンボゾンイル選手、北韓側は女子サッカーのゴールキーパー、李ゾンヒ選手が決まりました。

・釜山アジア大会の聖火が27日大会開催地の釜山に到着しました。今月5日北韓の白頭山と韓国のハンラ山で採火され、板門店で一つに合わされた聖火は、韓国全土4000キロあまりをリレーされ最終リレー地の済州島から飛行機で釜山に運ばれました。聖火は釜山市庁前で1夜を点し、29日、釜山アシアード競技場の聖火台に点火されます。

・モスクワのKBSチョゼイク記者によりますと、韓国がロシアに提供した経済協力借款に対してロシアはこれまで兵器など現物で一部を償還していましたが、今後は現金で決済することになりました。韓国の鄭泰郁ロシア大使は、「ロシアはこれまで兵器の提供によって3億7千万ドル相当を償還したが、今後は現金で償還することに合意した。来月の韓露経済借款の償還の実務協議で償還条件など細部事項についてきめることになった」と述べました。

・先月8月の韓国の貿易収支は経常ベースでは黒字になる一方、旅行収支は前月に続いて史上最大の赤字となりました。韓国銀行によりますと、先月の旅行収支は海外旅行と研修などの急増で前月7月より5千万ドル増えた4億6千万ドルに上りました。一方、貿易収支は、輸出の好調で、前月より1億2千万ドル増えた10億1千万ドルになりました。これにより、経常収支は前月7月の1千万ドルの赤字から1億5千万ドルの黒字に転換しました。韓国銀行は今年の経常収支は50億ドルあまりの黒字になると予測しています。

・韓国外換銀行が公示した27日午後3時 現在の為替レート、日本円100円は1000ウォン41銭で前日に比べて2ウォン85銭のウォン安でした。 またアメリカドル1ドルは、1226ウォンで前日に比べて1ウォン50銭のウォン高でした。27日の韓国株式市場の総合株価指数は663.71ポイントと前日に比べて1.31ポイント上昇しました。

・27日のソウルは晴れ、午後3時の気温は24度4分でした。28日は全国的に曇り一時雨、予想最低気温は12度から18度、最高気温は19度から26度の予報です。

9月26日木曜日

・アメリカのブッシュ大統領が25日夜、韓国の金 大中大統領と電話で会談し、「早い時期に北韓に特使を派遣する」ことを伝えました。大統領府の青瓦台の 任晟準外交安保担当首席秘書官によりますと、この電話会談でブッシュ大統領は早い時期に北韓に特使を派遣する意向を明らかにした上で、先週17日の日朝首脳会談による平壌宣言の内容や韓半島情勢について金 大統領と意見を交換しました。また両首脳は最近の南北・日朝対話の進展を評価し、北韓の大量破壊兵器を含めた安全保障問題に具体的な進展がみられるという評価で一致しました。先週17日の小泉首相の北韓訪問後、韓・米首脳が直接協議したのは始めてです。一方、国務省のバウチャー報道官は25日、「アメリカのプリチャード韓半島和平担当特使と、北韓の朴吉淵国連大使がニューヨークで2回会談した」と述べました。アメリカ国務省の筋はこのブッシュ大統領の意向を受けて、ケリー次官補を特使として来月前半にも平壌へ派遣する方針を明らかにしました。ケリー次官補の北韓訪問が実現しますと、去年1月のブッシュ政権発足以来途絶えている本格的な米朝対話が再開されることになります。

・釜山アジア大会まで後3日。アジア大会の3強といわれる韓国、日本、中国の選手団が26日一斉に釜山に到着し、選手村に入りました。まずソウルのテルン選手村で合宿を重ねた韓国選手団は第2陣として353人が列車で釜山入りしました。また今大会も金メダル1位を目指す中国は25日の第1陣に続いて、26日は本隊の300人が到着し、日本選手団も996人のうち第1陣300人あまりが釜山入りしました。アジア大会の各国選手団は26日には モルジブ、イラン、アラブ首長国連邦、イエメン、パキスタン、ラオス、カタール、ブルネイ、カンボジア、そしてタジキスタンの10カ国が 選手村に入り、これで全体の21%にあたる2,100人あまりが入村式を終えました。

・経営破綻した韓国のハイニックス半導体は超薄膜液晶表示装置の事業部門を中国に売却することを決めました。ハイニックスは26日、中国の東方電子との間で 超薄膜液晶表示装置を売却する覚え書きを締結しました。売却金額は3億8,000万ドルで、来月25日に本契約を結び、11月末までに事業の譲渡を終える計画です。ハイニックスは 周辺事業の一つだったこの超薄膜液晶表示装置の売却によって経営再建の進展が見込まれるとして、今後は半導体部門への投資を強化したいとしています。

・IMF=国際通貨基金は今年の韓国の経済成長率の見通しを6.3%に、来年度は5.9%にそれぞれ上方して修正しました。IMFが25日発表した今年下半期の世界経済についての報告書によりますと、韓国は今年6.3%、来年は5.9%のプラス成長となるとしています。これはIMFが今年4月に示した5.0%と5.5%をいずれも上方修正したもので、中国に次ぐ高い成長率となっており、韓国・台湾・シンガポール、香港とASEAN諸国のうち、韓国の景気回復が最も堅調だとしています。一方、アメリカ経済に関連し、今年の経済成長率はこれまでの2.3%から2.2%に、来年は3.4%から2.6%にそれぞれ下方修正し、アメリカの景気回復は遅れるという見通しを示しました。

・韓国人の死亡原因ではガンが24%、つまり4人に1人の割合で、次いで脳血管障害、心臓血管障害となっています。韓国統計庁が26日発表した去年の死亡原因についての調査によりますと、去年1年間に死亡した韓国人は24万3,000人で、このうち24%にあたる5万9,000人がガンでした。韓国ではガンが死亡原因の1位となったのはおととしです。また死亡率を男女別にみますと、すべての年齢で男性が女性より高くなっていますが、40才台の場合、男性の死亡率は女性より3倍も高くなっており、死亡原因はガンと肝臓疾患が多くなっています。また人口10万人当りの死亡者数は91年の105人から去年は122人、そして今年は123.5人と増え続けており、統計庁では死亡原因の4分の1を占めるガンに対する政府レベルの対策を求めています。

・今年に入って北韓の景勝地=金剛山の観光客が増加に転じ、7月と8月の1カ月単位の収支は黒字になったことが分かりました。これは韓国国会 民主党の沈載権議員が、26日、韓国観光公社の資料をもとに明らかにしたもので、金剛山観光客は今年7月1万1,200人、8月は1万2,100人といずれも1万人を超え、この2カ月間は、金剛山観光事業を手がけている現代アサンは黒字になったということです。沈議員はまた「7月と8月に観光客が急増したのは、夏休みを利用した学校別の団体旅行が増えたためで、10月と11月にも客船の予約率が満杯となっており、黒字は続くものとみられる」ということです。これについて現代アサン側も「政府が観光料金の一部を南北協力基金から支援し、観光客も増えて、7月と8月はそれぞれ60億ウォンの収入が得られ、北韓への観光代金や現地での運営費用を上回る収入となった。年内に陸路による観光が実現すれば、年間100万人以上の観光客が見込まれ、かなりの収益が保障されると思う」と、沈載権議員の発言を肯定しています。

・韓国の家庭では住宅ローンや個人向け消費ローンの借り入れが増え、1世帯当たりの借金が3,000万ウォン=日本円で300万円に達することが分かりました。韓国の中央銀行=韓国銀行が25日まとめたところによりますと、今年6月末現在、韓国の1世帯当たりの負債は平均2,720万ウォン=270万円で、今年新たに380万ウォン、16%借り入れが増えました。家計の金融負債は去年の春以降増え続けており、このままですと、今年暮れには1世帯当たりの負債額が3,000万ウォンを超えるものと韓国銀行はみています。韓国では個人ローンは消費を促して内需拡大にもつながり、景気回復にプラスになるとされていますが、最近の償還能力を超える家計負債は深刻だという見方が多く、担保となっている不動産のバブルともいえる価格が下落しますと、金融機関の経営を圧迫して、消費抑制と日本のような長期景気低迷につながるという指摘が出ています。

・韓国空軍に初の戦闘機の女性パイロットが一挙に3人誕生しました。この3人は韓国空軍の戦闘機のパイロットを養成する空軍飛行教育過程を終了したパク・チヨン中尉(24)、パク・ジウォン中尉(24)、ピョン・ボラ中尉(23)です。3人は空軍士官学校を卒業した後、戦闘機のパイロットの訓練を受け、まずF−5戦闘機の過程を終了して領空防護の任務に着くことになります。パク・ジウォン中尉は「世の中を私がリードする覚悟で、最優秀パイロットのトップガンを目指していきます」と抱負を語りました。

・韓国の首都=ソウル市の治安を守るソウル市警察庁の女性警官の募集に57倍の応募者がありました。ソウル市警察庁は今年採用する女性警官を募集していましたが、採用予定人員20人に対し1,140人が応募し、57倍の競争率となりました。これは98年の経済危機以来の最も高い競争率で、志願者の学歴も大学卒業以上が85%と、高い学歴の志願者が目立っています。これについてソウル市警察庁は「新卒者の就職難の中で、確実な身分保障と最近の女性警察の活動領域の拡大などで、女性警官という職業に魅力を感じる人が多くなり、志願者の急増につながったのではないか」と分析しています。

・韓国で今年初めての日本脳炎の患者が発生しました。国立保健院は26日、慶尚南道チンジュ市に住む11才の男の子が日本脳炎に感染していることが確認されたと発表しました。韓国では日本脳炎の患者はここ数年毎年1人の発生に止まっており、国立保健院では、今年も心配するような集団発生には至らないものとみています。

・韓国外換銀行が公示した26日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、997ウォン56銭で、前日に比べて82銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1227ウォン50銭で、前日に比べて4ウォンのウォン安でした。韓国株式市場の26日の総合株価指数は、662.40ポイントと、前日に比べて4.44ポイントの小幅な上昇に止まりました。

・26日のソウルは晴れ、午後3時の気温は25度4分でした。27日は北西からの気圧の谷の接近で中部地方は午後から曇り、南部地方は釜山や大邱が一時雨になるという予報です。予想最低気温は12度から17度、日中最高気温は21度から27度と、朝と昼の気温の差は10度前後となるでしょう。

9月25日水曜日

・金大中大統領は25日、ASEM=アジアヨーロッパ首脳会議を終えて帰国し、韓半島と東北アジアの平和、安定を維持するためには南北関係や日朝関係、米朝関係の対話が進展しなければならず、中断状態の米朝対話の再開へ向けてブッシュ大統領と十分に協議していきたいと述べました。また金大統領は、今 韓半島は南北間の平和と和解協力、ひいては“一つの韓半島”の実現のための重大な局面を迎えているとして、このような変化に積極的に対応しなければならないと述べました。さらに金大統領は北韓がこの機会に大量破壊兵器の開発を中断し、改革と国際協力の道に出れば、東北アジアの平和と南北関係の画期的な発展につながるだろうと述べました。また今度のASEM首脳会議について金大統領は、鉄のシルクロードとデジタルシルクロードが実現すれば、韓国は東アジアの物流と情報流通の中心的な役割を果たすことになるだろうと述べました。

・パリ発連合ニュースによりますと、フランスの新聞「フィガロ」は24日閉会したASEM=アジアヨーロッパ首脳会議では南北韓の和解へ向けた動きを高く評価しました。フィガロはこの中で、コペンハーゲンで開かれたASEM首脳会議では北韓が注目を集め、EU=ヨーロッパ連合とアジア10か国の首脳が北韓の経済改革への取り組みや最近の対話路線を高く評価したと伝えました。また小泉首相の北韓訪問が韓半島の統一の気運をたかめ、核やミサイル問題についても国際的な取り決めの中で解決しなければならないということで意見が一致したと伝えています。

・ロシアは韓半島の安全保障問題を協議するいわゆる六者会談が先の日朝首脳会談でも取り上げられたことで六者会談の実現可能性が出てきたことを歓迎するとロシア外務省のヤコベンコスポークスマンが24日明らかにしました。ヤコベンコスポークスマンはこの六者会談を通じて、平和と安全問題などとともに東北アジアの経済協力についても論議されるべきだと述べました。

・ワシントン発のイタルタス連合ニュースによりますと、アメリカのパウエル国務長官は24日、この六者会談にアメリカは参加する意志のないことを明らかにしました。またパウエル国務長官はアメリカは韓半島の安保状況と関連した協議を進める準備はできていると述べました。

・韓国の先月8月の輸出は、139億9100万ドル、輸入は128億6900万ドルで貿易収支の差し引きは11億2200万ドルの黒字となりました。8月の輸出を品目別に見ますと、半導体が63.6%で1位、コンピューターが30.4%で2位、無線通信機が29.3%となっています。

・釜山アジア大会の体操競技に出場する北韓の選手が24日韓国の選手と合同の練習をしました。この日、両国の選手と役員は練習のまえに握手を交わし、練習用具も一緒に使用するなど終始和気あいあいといった雰囲気の中で練習メニューと取り組んでいました。これに先たち北韓選手団の選手村入村式が24日朝早く行われ、北韓の国旗と国歌が初めて選手村に鳴り響きました。

・釜山アジア大会期間中、輸送業務を支援する軍の輸送部隊が25日から活動を始めました。軍の輸送部隊はそれぞれの部隊から選抜された210人と109台の車輌で構成され、大会参加者の案内や競技場などからの選手団の輸送にあたることになっています。

・日本と韓国が共催したサッカーワールドカップで大量の入場券が売れ残った問題で、FIFA=国際サッカー連盟は自らの責任を認め遺憾の意を示しました。 日本の朝日新聞によりますと、ワールドカップ日本組織委員会の遠藤安彦 事務総長は、FIFAはスイスのチュリヒで開かれた理事会でワールドカップの入場券販売を代行したバイロム社の手違いで大量の空席が発生したことを認め、韓国と日本にそれぞれ100万スイスフラン、日本円で8千万円あまりを補償することになったことを明らかにしました。

・東京発共同連合ニュースによりますと、国際電気通信連合の総会に出席するためモロッコを訪問している韓国、日本、中国の情報通信担当相は、韓国、日本、中国の3か国語の自動翻訳が可能なインターネット技術を共同で開発することで合意しました。それによりますと、3か国は共同で、自動翻訳技術を開発することによって、インターネット上で言語の障壁を取り除き、情報の交換を自由に進めるとしています。またこの合意では、現在3か国が使用している第3世代の携帯電話に一定の技術標準を設け、携帯電話によるインターネット通信技術の開発に協力するとしています。3か国の担当相はまた、情報通信技術の標準化と東南アジア諸国との協力を促進するため、「アジアフォーラム」を発足させるととともに、3か国の担当相会議を定期的に開くことでも合意しました。

・今年になって中国に脱出した北韓の住民が次々と韓国に入国しているため韓国政府はこれらの人たちを収容する施設を拡張することになりました。ハナ院と呼ばれるこの施設の分院として ソウル近郊のブンダンに新しい施設が完成し、来月にオープンします。このブンダン分院には、まず30人の女性脱出者が入居し、韓国社会へ適応するための教育を受けることになっています。統一部では北韓からの脱出者に対する職業教育のため、生活指導科を新設するとともに職員を増員するなど、大々的な職制改編を行いました。

・韓国や日本などアジア各国の障害者団体が参加する‘2002世界障害者エキスポ’が24日釜山展示コンベンションセンターで始まりました。このエキスポは、“障害のない社会の実現を”という趣旨で開かれるもので、障害者のための最先端の器具などが展示されています。このエキスポは中国のケ小平元主席の息子で中国障害者協会のケ撲方会長や各国の障害者団体の役員が参加し、障害者の地位向上のための多彩な行事が催されます。

・ワシントン発連合ニュースによりますと、アメリカ議会の下院は24日、韓国人のアメリカ移民100周年を記念する決議案を満場一致で採択しました。アメリカ下院が上院についで韓国人移民100周年記念決議案を可決したことで、来年1月13日に行われる移民100周年を祝う記念式にはブッシュ大統領も出席し、お祝いのメッセージを送ることになりそうです。

・韓国のプロ野球、三星の李ズンヨプ選手が24日水原で行われた現代との試合で43号ホームランを打ち、ホームラン王争いのトップに立ちました。ホームラン王争いでは、SKの外国人選手 のペルナンデス選手がで 41号、現代のシム・チョンス選手は40号で李選手を追う展開となっています。韓国プロ野球は24日現在で三星が1位を走っており、半ゲーム差でキアが後を追っています。

・韓国外換銀行が公示した25日午後3時 現在の為替レート、日本円100円は996ウォン74銭で前日に比べて6ウォン15銭のウォン安でした。 またアメリカドル1ドルは、1223ウォン50銭で、前日に比べて3ウォン50銭のウォン高でした。25日の韓国株式市場はアメリカ市場の4年ぶりの安値の影響で、14.32ポイント下げとなり、総合株価指数は657.96ポイントと今年の最安値となりました。

・25日のソウルは晴れ、午後3時の気温は26度1分でした。26日はソウルを含む北部と中部地方は晴れ、済州島を含む南部地方は曇り一時雨となるでしょう。予想最低気温は9度から17度、最高気温は21度から27度の予報です。

9月24日火曜日

・「韓半島平和宣言」などを採択したASEM=アジア・ヨロッパ首脳会議が24日、閉幕しました。今度の会議で韓国の金大中大統領は23日 演説し、「韓半島は今画期的な変化の転機を迎えており、南北縦断鉄道と道路の連結で、アジアとヨーロッパをつなぐ鉄のシルクロードを実現することになる」と述べ、加盟国の関心と協力を求めました。この後開かれた1回目の全体会合では、北韓の金正日国防委員長の韓国訪問と米朝対話の進展を促す「韓半島平和宣言」が採択されました。また経済協力について論議する2回目の全体会合で、 金大統領は、一昨年ソウル会議で合意した「ヨーロッパとアジアをつなぐ超高速通信網事業」を拡大・発展すべきだと強調するとともに、97年の外貨危機以後進めている韓国の経済改革の足取りを説明し、域内経済の発展のためには、開放経済を定着させ、構造調整を持続的に進めていかなければならないと述べました。金大統領はASEM首脳会議の後、EU議長国、デンマークのラスムセン首相やブルーディー執行委員長と会談し、対話を通じた韓半島問題の解決と北韓への投資拡大を内容とする「韓国・EU共同宣言」を採択して、今回の外交日程をすべて終えました。

・経済改革を進めている北韓が経済特区に指定した中国国境の新義州の特別行政区の初代長官に、中国系オランダ人で、財閥「欧亜グループ」の会長、楊斌氏が任命されることになりました。これは香港にある北韓総領事館が23日、明らかにしたものです。楊氏は中国系のオランダ人で、花の生産と流通企業の「欧亜グループ」のオーナーとして、2年前から新義州特区の開発計画に深くかかわってきたということです。北韓は23日、CNNやBBCなど、世界主要のメディア関係者を平壌に招待し、新義州特別行政区について説明しました。楊氏はこの説明の場で記者会見し、「新義州特区を香港と似た市場経済で活性化したい。特区は独自の司法権、行政権を持っており、北韓当局からいかなる干渉も受けない。外国人投資家の懸念をなくすため、ヨーロッパ式の司法制度を導入し、法務長官にはヨーロッパ人を任命したい」と述べました。

・韓国と北韓の休戦ラインを通る南北縦断鉄道の連結工事を安全に行うための軍事当局者間のホットラインが24日開通しました。南北は京義線の非武装地帯の工事区間で地雷を取り除く作業を進めている南北の軍部隊の現場事務所に、直通電話とファックスをそれぞれ1台ずつ設置し、24日午後、テスト通話を行いました。南北は今月15日行われた5回目の南北軍事実務会談で、非武装地帯の軍事的な衝突を防ぎ、工事日程などを事前に伝えるための南北軍事当局間のホットラインを設置することで合意していました。

・ロシアのイタル・タス通信によりますと、ロシア鉄道省のパデエフ長官は23日、韓国と北韓を結ぶ韓半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道との連結事業を進めるため、韓国、北韓、ロシアによる3か国の鉄道長官会談の開催を提案しました。これはパデエフ長官がロシア駐在の鄭泰翼韓国大使と懇談した際明らかにしたもので、パデエフ長官はこの3か国経済長官会談はロシア極東のウラジオストクで開き、この事業を進める財源を確保するための「国際的なコンソシアム」を提案したいとしています。

・今月13日、韓国への亡命を求めて、北京のドイツ人学校に駆け込んだ北韓住民2人が、韓国入りしたことが分かりました。政府関係者が23日明らかにしたところによりますと、中国当局が21日、この2人の出国を認めたことで、2人は第三国を経由して22日午前、韓国入りしたということです。

・韓国政府は「体細胞の核を移植するクローン胚の研究」を全面的に禁止する「生命倫理および安全に関する法案」を近く国会に提出することになりました。この法案は大統領の諮問機関「生命倫理委員会」の答申を受けてまとめられたもので、人クローンをつくる目的で胚や子宮への着床、妊娠、生産などの一連の行為が禁止され、違反した場合は刑罰が課せられることになります。これについて関係の学者一部は、「難病の治療や代替療法の開発など、医学への応用研究が滞ることになる」として、批判的な声も上がっています。

・IHO=国際水路機構は、韓国と日本の間で問題となっている「日本海」の表記を当面継続することを決めましたが、韓国政府は23日、外交通商部の担当者をIHOの事務局のあるモナコへ派遣し、この措置の撤回を求めることになりました。韓国政府はIHOに対し、「日本海」の表記を巡って、加盟国の投票が行われている中で投票を中断させることは外交慣行に違反するとして強く抗議するとともに、日本海の記載を削除することの是非について投票を進行させることを求める方針です。一方、IHOは加盟国の意見を聞いた上、来年初めに再び、IHOとしての最終草案をまとめるという考えを韓国政府に伝えてきました。

・韓国で未成年を対象に性的な虐待や買春を行った性犯罪者671人の氏名などが24日公表されました。韓国の青少年保護委員会が24日公表した名簿によりますと、671人の氏名や生年月日、職業、住所、それに犯罪事実が記載されており、この名簿は政府中央庁舎や全国16の市・道の掲示板やインターネットのホームページで公開されています。この一覧表の中には16才の未成年者に金品を渡して、性関係を強要した初めての女性犯罪者が含まれています。

・23日行われたドイツ連邦議会の総選挙で、シュレーダー首相が率いる社会民主党SPDと緑の党による連立政権が維持されることが決まりました。金大中大統領は24日、シュレーダー首相に祝電を送り、この中で、「今後とも韓国とドイツとの友好・協力関係が進展することを期待する」と述べました。

・今年4月から6月までの海外旅行した韓国人の多くは、クレジットカードで買物をし、海外での決済額は6億ドル近くに上り、これまでの最高となりました。韓国の中央銀行、韓国銀行が23日発表した「クレジットカードの海外使用実績」によりますと、今年第2四半期の海外でのクレジットカード使用額は5億7,600万ドルで、去年の同じ期間より26%の伸びとなりました。また韓国人が1回の海外旅行で使った金額は1人平均529ドルで、去年の同じ期間と比べて9.7%の増加となります。一方、海外からの観光客が韓国で使ったクレジットカードの使用額は1人当たり226ドルで、韓国人の海外でのクレジットカードの使用額のおよそ43%に過ぎませんでした。これについて、韓国銀行の関係者によりますと、「今年第2四半期の韓国人1人当たりの海外旅行の経費はクレジットカードと現金を合せて1262ドルで、今年第1四半期より28%も増えるなど、韓国人の旅行客は海外での買物の多くをカードで決済する人が増えている」と話しています。

・韓国外換銀行が公示した24日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、990ウォン59銭で、前日に比べて1ウォン16銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1227ウォンで、前日に比べ、5ウォンのウォン安でした。韓国株式市場の24日の総合株価指数は、672.28ポイントと、前日に比べ、7.15ポイント下落しました。

・24日のソウルは晴れ、午後3時の気温は26度1分でした。25日も高気圧の圏内で、全国的に概ね晴れる中、南部地方は午後、雲の多い日となりそうです。25日の予想最低気温は、9度から18度、最高気温は24度から27度という予報です。

9月23日月曜日

・デンマークのコペンハーゲンで開かれたASEM=アジアヨーロッパ首脳会議は23日、アメリカと北韓との対話再開を求めることを主な内容とした「韓半島平和宣言のためのASEMコペンハーゲン政治宣言」を採択しました。この「韓半島平和宣言」では韓半島の和平と安定のためには北韓が国際社会の一員として参加することが重要であり、アメリカと北韓が速やかに対話を再開するよう求めています。加盟国の首脳はまた ASEMの加盟国が経済改革や技術、人道的分野などすべての分野で北韓と両者、多者レベルの交流と協力を促進することを勧めました。これとともに、韓半島エネルギー開発機構に対する支持を再確認し、94年のジュネーブ合意の実践を強調し、核やミサイル関連の問題を含む懸案が対話を通じて解決されることを希望すると述べました。

・ASEM=アジアヨーロッパ首脳会議に出席するためデンマークのコペンハーゲンを訪れている金大中大統領は、23日 、ASEMの開会式で演説し、韓半島を南北に結ぶ縦断鉄道の連結工事の着工を契機に、アジアとヨーロッパを結ぶ 鉄道のシルクロードの実現にむけて関係各国の協力を求めました。金大統領はこの中でアジアとヨーロッパを鉄道で連結する鉄道のシルクロードが実現すれば、関係国の経済に及ぼす波及効果も大きいと強調しました。金大統領はこれに先たち韓国と日本、中国、東南アジア諸国連合7か国の首脳が参加する “アジア首脳会議”で、韓半島の平和と南北関係の発展、そして釜山アジア大会の成功にむけた協力を求めました。金大統領はまた“韓半島の平和のための政治宣言”の採択のため協力してくれた各国の首脳に感謝の意を表明しました。

・今月29日開幕する釜山アジア大会の選手村の開村式が23日行われました。選手村の国旗の広場で行われた開村式には、金ソンゼ文化観光部長官と鄭スンテク釜山アジア大会組織委員長ら1千人が出席し、北韓の国旗を含む44の参加国の国旗掲揚式が行われました。選手村は20棟の高層アパートで1万4千人が宿泊できます。また3千人が同時に食事ができる選手食堂が24時間運営され、病院や薬局、銀行、眼鏡制作所、ショッピングセンターなどの便宜施設も備えられています。選手村には10月17日まで44か国の9、900人あまりの選手と役員が滞在する予定です。選手村ではまた大会期間中韓国の伝統と文化を知らせ、選手達を慰める多彩な文化行事が催されます。

・釜山アジア大会に参加する北韓選手団311人のうち第1陣の159人が23日、高麗航空機で釜山近くの金海空港に到着しました。北韓選手団は韓半島分断以降韓国で開かれる国際大会に初めて参加するだけにやや緊張した面持ちでタラップを降り、報道陣のインタビューに応じた後選手村に向かいました。23日到着した第1陣野選手団には有望種目の男子サッカーやバスケットボール、それに卓球の金メダル候補の選手もいます。北韓選手団の第2陣152人は27日到着する予定です。また北韓の選手を応援するブラスバンドなどの応援団355人は、28日船で釜山港に到着する予定です。

・北韓は今月12日特別行政区域に指定した中国国境の都市、新義州を立法、行政、司法の自治権を持つ香港式の行政区として運営するための「新義州特別行政区基本法」を採択したと北韓官営中央通信が21日伝えました。特別行政区基本法によりますと、北韓の中央政府は外交業務を除いては、新義州の自治に一切介入することは認められず、パスポートも別途で発給できるようになります。

・IHO=国際水路機関が、韓国と日本の間で問題となっている「日本海」の表記について当面は加盟国による投票を見合わせるという方針を決めたことについて、韓国政府は加盟国の投票の手続きが進行いている事項について国際機構が投票を中断させることは外交の慣行上有り得ないことだとして、強く抗議する方針です。IHOは、今年8月海洋の境界に対する名称を投票に回しながら、加盟国同士で妥協するまで現在に日本海の単独表記を空欄にするとしていました。

・韓国一のノッポビルとして日本でも良く知られているソウルの63ビルが財閥系のハンファグループに売却されることが最終的に決まりました。63ビルはソウルの新都心ヨイドの漢江沿いに12年前に建設された地上60階、高さ249mの韓国一のビルとして知られていますが、5年前の外貨危機でビルのオーナー大韓生命が経営破綻したため、3年前に債権団の手に渡り、売却先を探していました。その結果23日韓国系企業ハンファグループとの売却交渉がまとまり、63ビルは 8236億ウォン、日本円でおよそ823億円で売却されることが決まりました。また ハンファグループは63ビルとともに、大韓生命が事実上の経営権を持っている新東亜火災も買収することになり、ハンファグループは新たに生命保険と損害保険にも進出することになりました。

・アメリカで活躍している韓国のプロゴルファー崔京周選手が、タンパベイクラシックで17アンダーをマークし優勝しました。崔京周選手は、今年5月 米プロゴルフツア-、コンパック・クラシックで韓国人として初めて 優勝してからわずか4ヵ月で2度の栄冠を手にしました。

・17歳以下の選手によるアジア青少年サッカー大会で韓国は16年ぶりに優勝しました。アラブ首長国連邦のアブダビで開かれたアジアユースサッカーの決勝戦で韓国はイエメンと対戦し、1対1のペナルティキック戦の末、5対3で勝ちました。韓国の優勝は86年大会以来16年ぶりです。韓国は優勝カップとともに、フェアープレー勝を受賞し、ゴールキーパーのチャ・ギソク選手が最優秀選手に選ばれました。

・韓国外換銀行が公示した 23日午後3時 現在の為替レート、日本円100円は989ウォン43銭で先週末に比べて4ウォン33銭のウォン高でした。 またアメリカドル1ドルは、1222ウォンで先週末に比べて11ウォン60銭のウォン安でした。23日の韓国株式市場の総合株価指数は 679.43ポイントと700の大台を割り、先週末に比べ24.69ポイントの大幅下げとなりました。

・23日のソウルは晴れ、午後3時の気温は24度9分でした。24日は全国がおおむね晴れ、予想最低気温は 7度から17度、最高気温は24度から27度の予報です。

9月21日土曜日

・21日は韓国最大の年中行事の一つ旧暦のお盆、秋夕です。秋夕を迎え人々は誠意を込めて作った料理で祖先への祭祀を行った後、お墓参りや親戚の家へ挨拶に出かけました。ソウルのマンウリなど首都圏の私立墓地5か所には21日午前10万人あまりが墓参りに出かけ、周辺の国道は車で渋滞しました。ソウル市内の大部分の商店街はシャッターを下ろし、車の通行も少なく閑散としましたが、映画館や遊園地などは秋夕の連休を楽しむ人々で賑わいました。

・金大中大統領は22日からデンマークのコペンハーゲンで開かれるASEM=アジアヨーロッパ首脳会議で、北韓の開放を誘導するためASEM加盟国が北韓に進出するよう求める方針だと述べました。金大統領は21日経由地のオランダに向かう飛行機の中で、記者団と懇談し、このように述べるとともに、南北縦断鉄道と道路の連結工事の着工を契機に、アジアとヨーロッパを結ぶ鉄のシルクロードの実現に向けて関係各国の協力を求める計画だと述べました。金大統領は21日、オランダでヒディンク前韓国サッカー代表チーム監督と昼食を共にした後22日はコペンハーゲンで、日本の小泉首相と首脳会談を行い、小泉首相から日朝首脳会談について直接説明を聞いた上で、韓国と日本が対北韓政策でどのような協調態勢を進めるか協議することになっています。

・ウィーン発連合ニュースによりますと、IAEA=国際原子力機関は20日の総会で、北韓に対して94年ジュネーブ合意に基づいた核施設に対する特別査察を受け入れるよう求める内容の決議案を採択しました。IAEAは北韓の金正日国防委員長が先の日朝首脳会談の際に、小泉首相に、IAEAの核査察をうけいれる意向を示したことに対して、北韓の意志を確認しているとしています。

・韓国国会の金泰植副議長など北韓を訪問している国会代表団6人は20日北韓最高人民会議の金永南常任委員長と会談し、南北国会の交流などについて話し合いました。この席で金泰植副議長は、南北国会会談の再開のための準備委員会の構成を提案し、金永南常任委員長はこれに対して共感を示し、引き続き論議することになりました。金泰植副議長はまたこの席で、今月29日から始まる釜山アジア大会に北韓の国会議員の参観を提案した模様です。韓国国会代表団は、22日帰国する予定です。

・韓国を代表するKBS交響楽団と北韓朝鮮国立交響楽団の合同演奏会が21日平壌のボンファ芸術劇場で行われました。演奏会は3部に分けて進行され、第1部は朝鮮国立交響楽団が金ホユンさんの指揮で韓国民謡の「バクヨンの滝」とピアノ協奏曲「白頭山の吹雪」などを演奏し、第2部はKBS交響楽団の朴ウンソンさんの指揮で韓国歌曲の「恋しさ」などを演奏しました。続く第3部は南北交響楽団の協演で、南北が一つとなる感動の舞台となりました。

・韓国の離散家族再会申請者11万8千人のうち、先月末まで、13.4%の1万5千人が再会を果たせずに死亡したことがわかりました。これは、国会の国政監査で明らかになったもので、それによりますと、離散家族再会申請を出したあと死亡した人は80才以上が半分を超える9千28人で、70代は33%、5263人、60代は1404人、60才未満は241人でした。

・韓国の国立公園や古宮のうち最も観光客が良く訪れる所は、ソウルの景福宮と北韓山、国立民俗博物館であることがわかりました。文化観光部によりますと、今年上半期に景福宮を訪れた外国人と韓国人の観光客は合わせて167万8千人あまりで1位を占め、北韓山を訪れた観光客は162万8千人あまりで2位、国立民俗博物館は123万3千人で3位でした。

・ソウル市場は20日から秋夕連休のため取り引きはありません。19日の終値は、日本円100円は993ウォン76銭、アメリカドル1ドルは 1209ウォン40銭でした。韓国株式市場も秋夕連休で取り引きはありません。19日の総合株価指数は704.12ポイントでした。

・21日は晴れ時々曇り、午後1時の気温は23度8分でした。22日は弱い気圧の谷の影響で全国的に曇り、一時雨となるでしょう。予想最低気温は10度から18度、最高気温は18度から25度の予報です。

9月20日金曜日

・旧正月と並ぶ韓国最大の年中行事の旧暦のお盆=秋夕を21日控え、20日から3連休に入りました。前日から始った帰省ラッシュは、20日午前はピークとなり、韓国高速道路公社と建設交通部によりますと、19日、およそ33万8,000台の車がソウルを抜け出したのに続いて、20日はさらに32万台がソウルを離れるものと見られています。一方、最近では韓国各地からソウルを訪れるいわゆる逆Uターンの車も増え、こうした車は連休前ソウルに入ってきたものとみられています。ところで秋夕連休初日の20日、いつもは1日中混雑が続くソウル都心はがら空き状態で、遊園地や映画館などには休日を楽しむ人々で賑わいました。またソウル中心部にある王宮や、山にも大勢のソウル市民が訪れ、初秋のたたずまいを静かに楽しんでました。

・金大中大統領は今月22日から24日までデンマークのコペンハーゲンで開かれるASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会議に出席するため、20日ソウルを出発しました。金大統領は出発に先立って記者会見し、「今度のASEM首脳会議で、最近の南北関係の進展状況を説明し、釜山アジア大会を安全に成功させるため、関係国の積極的な協力を求める方針だ。またASEMは韓半島の状況をふまえた宣言を採択する予定で、こうした国際社会の支持と協力は南北関係の進展にも大きく寄与するだろう」と述べました。金大統領は23日のASEMの開幕演説で、南北縦断鉄道と道路の連結工事の着工を契機に、アジアとヨーロッパを結ぶ鉄のシルクロードの実現に向けて関係各国の協力を求める計画です。また金大統領は現地で、日本の小泉首相と首脳会談を行い、小泉首相から日朝首脳会談について直接説明を聞いた上で、韓国と日本が対北韓政策でどのような協調態勢を進めるか協力することになっています。金大統領は24日には、ヨーロッパ連合の議長国のデンマークのラスムセン首相や、ブローディーEU執行委員長とも会談し、南北関係など韓半島情勢と韓国とEUとの実質的な協力関係について論議することになっています。

・今年6月に西海岸で起きた南北海軍の警備艇の銃撃戦で、重傷を負って治療を受けていた韓国軍の兵士が20日午前、亡くなりました。亡くなったのは、韓国海軍所属のパク・ドンヒョク上等兵で、パク上等兵は6月の銃撃戦で通信業務中に被弾し、軍の病院で、治療を受けていました。この南北警備艇による銃撃戦では韓国側は5人が死亡しています。

・北韓の朝鮮中央通信は19日、北韓の最高人民会議常任委員会が中国国境の都市、新義州を「特別行政区」に指定したと伝えました。この特別行政区の指定は、北韓が今年7月から本格化した経済改革の一環として受け止められており、新義州を経済特区にも指定した可能性が高いものとみられています。金正一国防委員長は去年、中国訪問を終えた後、中国の上海をモデルにして、新義州と開城を経済特区に開発することを検討するよう支持していました。新義州は、南北双方で18日、復旧工事のための着工式が行われた京義線の終点で、中国から列車で北韓に入る際の重要なルートとなっており、周辺地域も工業用水と電力も豊富ということで、これまで特区指定の可能性が指摘されていまいた。

・今月13日、韓国への亡命を求めて、北京のドイツ人学校に駆け込んだ北韓住民2人について、中国外務省は19日、出国を認めることになりました。中国外務省によりますと、この2人は10代と20代のいずれも男性で、2人の身柄はドイツ人学校からドイツ大使館に移されて、保護されており、近く第3国経由で韓国入りする予定です。なおこの2人とともに、ドイツ人学校へ駆け込もうとして中国公安当局に逮捕された3人は現在、中国当局の取り調べを受けています。

・19日、韓国鉄道庁のソン・ハクレ庁長とモンゴル鉄道庁のラシ長官が調印した鉄道協定は、将来 韓半島縦断鉄道が完成した場合、これをモンゴル横断鉄道と連結し、さらにシベリア鉄道とも結ぶことを目指しています。韓半島を南北に結ぶ京義線の復旧工事は18日南北で同時に着工しており、将来 モンゴルの鉄道と連結した場合、ヨーロッパへの鉄道ルートが拓かれることになります。

・先の日朝首脳会談で、北韓側が示した日本人の拉致被害者11人のうち8人までが死亡したと伝えられ、この事件で対北韓感情が悪化していることについて、韓国政府はこの問題が日朝関係と韓半島情勢に影響を及ぼす恐れがあるとして憂慮の念を示しています。韓国政府関係者によりますと、「日朝首脳会談で、日本人拉致問題について、金正日国防委員長が直接、謝罪し、再発防止を約束したものの、拉致された日本人の多くが亡くなったことについては、日本の国民は大きなショックを受けている。こうした状況が続くと、来月再開されることになっている日朝国交正常化交渉にも悪い影響が予想され、交渉日程もずれるのではないか」と述べました。韓国政府はこの問題に対する日本の世論の動向を見守りながら、日朝国交正常化が円滑に進むよう側面から支援するとともに、ミサイルや核開発問題など、韓国と日本の安全保障に関する協議を緊密に行いたい考えです。一方、この日本人拉致問題の結果判明で、韓国でも北韓に拉致されたとみられる家族らが 韓国政府に拉致の実態などについて解明するよう求めています。これについて、韓国統一部は19日、「韓国戦争後、南北分断という特殊な状況におかれている南北と、日本人の拉致問題とは大きな違いはあるが、先の4回目の南北赤十字会談で、韓国人の拉致問題については人道主義に基づいて協議し、解決することで合意しており、離散家族の再会でも、小数だが、家族の再会が行われている。このような懸案が解決に向かうとすれば、南北関係は大きく前進するものと期待している」韓国統一部の関係者はこのように話しています。

・今月29日開幕する釜山アジア大会の北韓の選手団第1陣、159人が23日、チャーター機で直接釜山に到着します。北韓が18日、板門店の南北連絡官を通じて伝えてきたところによりますと、23日韓国入りする選手団は、朝鮮オリンピック委員会のチョ・サンナム書記長をはじめ、男子サッカー、バスケットボール、柔道、卓球など、7つの競技に出場する選手と役員159人で、北韓のチャーター機で、東海岸沿いの直航路を利用し、釜山近郊の金海空港に到着することになっています。これに続く、北韓選手団の第2陣152人は同じく東海岸の直航路を利用して、27日韓国入りする予定です。北韓は当初18競技318人の選手団を派遣すると伝えられていますが、今回の連絡では7人少ない311人となっています。また北韓の応援団355人は28日、船で韓国入りする予定です。

・20日秋夕の休日で、取引はありません。韓国外換銀行が公示した前日19日の終値は、日本の円100円は、993ウォン76銭、アメリカドル1ドルは1209ウォン40銭でした。韓国株式市場も20日は秋夕の休日のため、取引はありませんでした。19日の総合株価指数は、704.12ポイントでした。

・20日のソウルは晴れのち曇り、午後3時の気温は24度4分でした。21日は北西からの気圧の谷を影響で、全国的に次第に雲が厚くなり、ソウルなど北部地方は午後、生憎の雨となりそうです。21日の予想最低気温は、11度から18度、最高気温は18度から24度という予報です。

9月19日木曜日

・南北を結ぶ鉄道=京義線と東海線の着工式が18日行なわれたのを受けて、韓国軍と北韓の人民軍は19日から同時に非武装地帯での地雷を取り除く作業を始めました。韓国の陸軍は19日午前9時から、京義線は京畿道パジュ市のドラ山駅付近で、東海線は江原道の統一展望台前の非武装地帯でそれぞれ地雷を取り除く作業に着手しました。陸軍当局によりますと、韓国側が担当する地雷の除去作業は、京義線関係が22万5,800u、東海線関係では2万5,800uに及び、この地域に埋設された合わせて2,000発を10月末までに取り除く計画です。19日から始まった地雷の除去作業は報道陣にも公開され、内外の記者50人あまりが取材しました。一方、北韓側も先の軍事実務会談の合意に基づいて地雷除去作業に着手したということです。

・韓国と北韓を結ぶ鉄道=京義線と東海線の着工式が18日南北で行なわれたことに、ロシアと中国が歓迎の意を表しました。まず、ロシアのプーチン大統領は、18日、金大中大統領と北韓の金正日国防委員長に親書を送り、「南北縦断鉄道事業は、南北対話と平和はもちろん、アジア太平洋地域の安全保障にも大きく寄与するものだ」と高く評価した上で、「韓半島からヨーロッパに向う鉄のシルクロードを築くためには、韓国・北韓、それにロシアとの3カ国間の協力が重要だ」として、南北縦断鉄道とロシアのシベリア鉄道との連結に努力する意向を強調しました。また中国外務省の孔泉スポークスマンは18日「南北縦断鉄道の連結によって、中国とも鉄道で結ばれることになる」と述べ、中国での経済効果などを含めて強い期待感を示しました。またイギリスの外務省も18日歓迎のコメントを出し、非武装地帯での地雷の除去作業を整備面から支援する意向を示しました。

・韓国では旧正月と並ぶ最大の年中行事、旧暦のお盆=秋夕を迎え20日から連休となります。この秋夕では、国民の半数2,300万人が故郷へ帰り、お墓参りの行事を行いますが、今年は、連休期間が短い上、先の台風15号で大きな被害を受けた鉄道と道路の復旧が終わっていないため、例年にないUターンラッシュとなりそうです。韓国道路公社は、今年の秋夕の3連休の間、高速道路を利用してソウルから地方に帰省する車両は270万台あまり、19日は30万台あまりが故郷に向うものとみており、一部の区間ではすでに渋滞が始まっています。一方、台風15号で寸断状態となったソウルと釜山間を結ぶ鉄道=京釜線は仮復旧が進み、14日から全線で平常のダイヤに戻ったため、秋夕の帰省客の足には、大きな影響はないものと鉄道庁ではみています。また台風で最も深刻な被害を受けた江原道では幹線道路の多くは復旧しましたが、鉄道は東海からカンルン間の復旧は秋夕には間に合わず、ソウルから江原道への帰省客に影響が出そうです。

・旧正月と並ぶ韓国最大の年中行事 旧暦のお盆=秋夕を前に、金大中大統領は19日ラジオを通じて国民にメッセージを贈りました。金大統領はこの中で、「今年は台風15号や長雨で大きな被害を受けました。政府は、4兆ウォンあまりの補正予算で被災地の災害復旧を急ぐことにしており、全国民から1,000億ウォンの義援金も寄せられています。気落ちせず、頑張ってください。私は20日からASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会議に出席するため、デンマークを訪問します。 国民の皆様にとって、楽しい秋夕になりますように」金大中大統領は秋夕を迎えてラジオでこのように挨拶しました。

・韓国の金大中大統領は今月22日から24日までデンマークのコペンハーゲンで開かれるASEM=アジア・ヨーロッパ首脳会議に出席するため、20日ソウルから出発します。金大統領は23日のASEMの開幕演説で、南北縦断鉄道と道路の連結工事の着工を契機に、アジアとヨーロッパを結ぶ鉄のシルクロードの実現に向けて関係各国の協力を求める計画です。金大統領はASEM首脳会議に先立って、日本の小泉首相と首脳会談を行い、小泉首相から日朝首脳会談について直接説明を聞いた上で、今後 韓国と日本が対北韓政策でどのような協調態勢を進めるか協議することになっています。

・金大中大統領が指名した金碩洙首相代理の任命同意案に対する国会の人事聴聞会が来月10月1日と2日行なわれることになりました。金大統領は先に女性を含め2人の首相代理を指名しましたが、国会の人事聴聞会で不動産の投機疑惑などが問題となり、2人の首相候補はいずれも国会の同意が得られず、首相不在という政治空白が2カ月間も続いています。

・先の日朝首脳会談で北韓が拉致した13人の生死を明らかにしましたが、韓国でも北韓に拉致されたとみられる家族らが 韓国政府に拉致の実態などについて解明するよう求めています。韓国戦争前後、北韓に連行された家族による団体と、南北分断後に北韓に拉致された被害家族の団体は19日、統一部を訪れ、次の南北会談からは拉致問題を交渉議題に取り上げるように求めました。拉致家族協議会の崔ウヨン会長は「100万人ともいわれている拉致された被害家族がいる。南北会談の最優先課題としてこの問題を取り上げてほしい」と話しています。これに対して統一部の洪在亨人道支援局長は「南北関係が和解・協力時代に変われば、この問題について協議できると思う」と答えました。大韓赤十字社によりますと、韓国戦争当時、北韓に連行された人は7,000人あまりで、このうち330人の生存が確認されており、その後北韓に拉致された人も486人に上っています。

・韓国を代表するKBS交響楽団が20日北韓の平壌で初めて公演し、翌21日の秋夕には北韓の国立交響楽団と合同演奏会を行います。KBS交響楽団の平壌公演はおととしの北韓の国立交響楽団のソウル公演の答礼で、20日の単独公演に続いて、21日には北韓の国立交響楽団とともに、韓国の民謡「アリラン」、オペラ「春香伝」の中の「恋しい気持ち」などを演奏します。21日の公演はテレビで南北同時に中継放送される予定です。

・韓国の済州島と北韓の白頭山で同時に採火され一つとなった釜山アジア大会の聖火は、ソウル・春川・大田・安東での聖火リレーを経て18日韓国東海岸のポハンに到着し、ポハンのホミ岬に保管されている“新千年 永久の火”と一つになりました。この“新千年 永久の火”は、韓国西海岸で採火された20世紀最後の火と、21世紀の太陽が最初に上る南太平洋のフィージー島で採火された火、それに独島と、韓国で日の出が最も早いポハンのホミ岬で採火した4つの火を合わせたものです。聖火はこの後、蔚山、慶州、大邱、光州、木浦、麗水など全国をリレーして、19日にOCA=アジアオリンピック評議会加盟43カ国で 採火された聖火とさらに一つになって、アジア大会の聖火台に点火されます。

・韓国外換銀行が公示した19日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、994ウォン26銭で、前日に比べて3ウォン24銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1211ウォン50銭で、前日に比べて3ウォンのウォン高でした。韓国株式市場の19日の総合株価指数は、704.12ポイントと、前日に比べて0.25ポイント上昇しました。

・19日のソウルは晴れ、午後3時の気温は26度6分でした。秋夕3連休が始まる20日は全国的に雲の多い一日、朝方は濃い霧のかかるところも多いでしょう。予想最低気温は9度から18度、日中最高気温は24度から26度という予報です。

9月18日水曜日

・南北をつなぐ京義線と東海線の鉄道と道路を連結する復旧工事の着工式が18日午前11時 南北で同時に行われました。このうち韓国側では、京義線の最北端ドラサン駅近くの京畿道パジュ市と、東海線の江原道 コソン郡の統一展望台でそれぞれ行われました。着工式には金碩水首相代理を始め外国外交官ら1千人あまりが出席し、金首相代理が「京義線と東海線をつなぐ工事は民族の新しい出発を意味する歴史的な事業であり、民族の大動脈をつなぎ南北の本格的な交流と協力を進める基盤を作るものだ」と挨拶しました。この日は南北軍事境界線に張られている鉄条網の一部が取り除かれ南と北から歩いてきた少年少女が花を渡して抱き合い、南北の和合を演出しました。ついで実物模型の「統一列車」がすでに工事が終わった韓国側の線路で南北境界線の鉄条網まで走り、一日も早く北韓まで行ける日を願いました。北韓も京義線の復旧工事は開城駅で、東海線は金剛山のオンチョンリ駅で着工式を行いました。金大中大統領はこの日はテレビで着工式を見守り、「南北の間の鉄条網が取り除かれる場面を見て、南北間の緊張緩和と平和への第1歩が始まったことを期待する」と述べました。一方、ロシアのプーチン大統領、フィリピンのアロヨ大統領、旧ソビエトのゴルバチョフ元大統領は18日、金大中大統領に祝賀メッセーシを送り、南北の鉄道と道路の復旧工事の着工を祝いました。このうち プーチン大統領は、「南北の鉄道の連結は南北和解と統一にを促進するだろうとして、ロシアは韓半島縦断鉄道とシベリア横断鉄道を通じて韓半島とヨーロッパを結ぶ輸送路を作るため最善を尽くす 」と述べました。

・韓国の金大中大統領は18日、ホットラインを通じて日本の小泉首相と会談し、小泉首相から、日朝首脳会談について報告を受けました。この中で、小泉首相は日朝首脳会談に対する金大中大統領の支援に感謝の意を表明するとともに、金正日国防委員長に対して韓半島の平和のためには、金大中大統領が進めている南北対話と包容政策が重要であり、南北共同宣言の実行が重要であることを強調したと述べました。これに対して金大中大統領は「小泉首相の決断で金正日国防委員長と会談し、日朝間の懸案の解決に向けた合意を得たことを高く評価し、日朝平壌宣言が韓半島の和平定着に好ましい影響を与えるだろう」と応じました。両首脳はまた南北関係と日朝関係、米朝関係における歩調が重要だということで意見が一致し、今後さらに、韓米日間の協力を強化して行くことになりました。

・韓国政府は18日、前日行われた日朝首脳会談について外交通商部の声明を発表し、「日朝首脳会談では過去の植民地支配に対する補償の問題を含め、国交正常化交渉の再開に合意したことを歓迎する。また北韓がミサイル発射実験を引き続き凍結し、双方が韓半島の核問題の包括的解決のために国際条約を遵守するとしたことを評価し、合意事項が誠実に実践されることを期待する」と述べました。韓国政府はまた、南北関係の発展と日朝国交交渉が進展し、韓半島と東北アジアの平和に寄与することを期待すると述べました。

・16日から北韓の金剛山で北韓の肉親や親戚253人と再会を果たした韓国側の離散家族98人は、3日間の短い再会を終えて18日午後東海岸のソクチョ港に戻りました。このうち52年ぶりに北韓に住んでいる妻と娘2人に再会した金ビョングさん(80)は、「大勢の人の前で固くだきあい、必ず生きてまた会おう」と何度も妻子に呼びかけ半世紀に渡るつのる思いを打ち明けました。今月13日から2回にわたって行われた再会であわせて900人の離散家族が再会を果たしました。

・安全性に問題があるとされている北韓の金剛山ダムの共同調査のための南北実務者協議が 今月16日から18日まで金剛山で行われましたが、調査をどのように進めるかを巡って南北の主張が対立し、改めて来月2回目の協議を行うことになりました。 また北韓は韓国側が金剛山ダムの安全性問題を指摘したのは北韓の名誉を損なうものだとして補償措置を求めました。

・今月29日開幕する釜山アジア大会にオブザーバーとして参加する東チモールは32人の選手団を派遣することが決まりました。今年5月インドネシアから分離独立した東チモールはOCA=アジアオリンピック評議会の加盟国ではありませんが、韓国組織委員会とOCAの招待で選手団を派遣することになりました。東チモールは9つの競技に15人の選手がエントリーしています。

・釜山アジア大会に出場する外国選手団としては最初にインドネシア選手団が17日選手村に入りました。インドネシア選手団は、選手16人、役員10人の26人です。23日に正式オープンする釜山アジア大会選手村に外国選手団が入ったのは初めてです。

・日本の最高検察庁にあたる韓国の大検察庁は17日、釜山アジア大会では韓国人の観客と市民が北韓の国旗を使って応援することは許されないという見解を明らかにしました。また大検察庁は韓半島の地図を形取った「韓半島旗」や韓国の国旗太極旗を使用し、北韓選手団や応援団も競技場の外では北韓の旗を使用できないとしています。

・韓国の今年の紅葉は今月24日江原道の国立公園、雪岳山から始まり、来月14日に見頃になるものと見られます。韓国気象庁は江原道山間地方の紅葉は例年より1、2日早く、金剛山は23日から、雪岳山は24日から、オデ山は26日から始まるだろうと予報しました。しかし、中部以南の紅葉は例年より、1、3日遅く、ソウル北韓山では来月中旬ころから紅葉が始まるとみられます。

・韓国外換銀行が公示した 18日午後3時現在の為替レート、日本円100円は991ウォン2銭で前日に比べて3ウォン93銭のウォン高でした。 またアメリカドル1ドルは、1214ウォン50銭で前日に比べて7ウォン20銭のウォン高でした。18日の韓国株式市場の総合株価指数は 703.87ポイントと前日に比べて22.93ポイントの大幅下げとなりました。

・18日のソウルは晴れのち曇り、午後3時の気温は26度8分でした。19日は全国的に晴れでソウル以北の京畿北部と江原道北部ではにわか雨が予想されます。予想最低気温は 10度から17度、最高気温は23度から27度の予報です。

9月17日火曜日

・日本の小泉首相が17日、日本の首相として初めて北韓を訪れ、金正日国防委員長と首脳会談を行い、両国間の国交正常化交渉を再開することで合意しました。小泉首相は17日午前・午後2回にわたる首脳会談を行った後、平壌で記者会見し、国交正常化交渉を10月中に再会することで合意したと述べました。小泉首相はまた、金正日国防委員長が、来年まで凍結することを約束しているミサイルの発射実験を無期限とする。核兵器の開発疑惑については、これまでの国際的な合意を順守することを約束したと述べました。

・今回の小泉首相の北韓訪問について韓国側に説明するため、外務省の高野紀元・外務審議官が18日、韓国を訪問します

・KBSなど韓国のテレビ各局は朝のニュースからトップ扱いで小泉首相の北韓訪問を伝えています。ニュース専門局のYTNテレビは午前9時から小泉首相の平壌到着の様子を中継で速報しました。また新聞も、「きょう日朝首脳会談の焦点は日本人の拉致問題と植民地支配に対する保障問題」と伝えています。今回は東京駐在の韓国人記者3人も小泉首相に同行して平壌に入っており、韓国のマスコミは異例の報道体制を整えています。

・金大中大統領は17日、日朝首脳会談と関連して「韓半島に真の和平を構築するため、南北関係だけでなく、日朝・米朝関係も改善されなくてはならない。日朝首脳会談がうまく行けば、韓半島にも良い影響を及ぼし、日本と北韓が経済面で協力することになれば、韓国にもプラスになるだろう」と述べました。また18日に予定されている南北をつなぐ鉄道工事の着工式に関連しては、「韓国から新義州など北韓各地に列車が走るようになり、陸路によって韓国の自動車が北韓に入ることになれば、経済・文化・スポーツなどあらゆる協力が行なわれ、離散家族の再会にも画期的な進展が見込まれる」と期待感を示しました。

・韓国と北韓を結ぶ鉄道と道路復旧工事をめぐる南北の実務者協議は17日、韓国江原道コソンと北韓のソンヒョンリを結ぶ金剛山道路を年内に開通させることなど、7項目に上る合意書を締結しました。それによりますと、まず韓半島を東西に結ぶ東海線鉄道は、北韓のオンジョンリと韓国のジョジン間の27.5キロ区間を単線で連結する。鉄道に平衡する道路は、韓国のコソンと北韓のソンヒョンリ区間を2車線とし、このうち、休戦ラインを挟む1.5キロは金剛山観光に利用できるよう、年内に開通させることになっています。また京儀線と東海線とも非武装地帯には駅を設けず、最北端駅と最南端駅を結ぶ区間はディーゼル機関車を運転することにしました。また今回の協議で最後まで難航した北韓に対する大型建設機械や資材の提供問題については、韓国側の技術スタッフが北韓の工事現場に立ち入りすることを認めることで決着しました。この結果、韓国と北韓は鉄道と道路の連結のための着工式を予定通り18日、それぞれ行うことにしています。

・この南北の鉄道と道路の復旧工事にあたって、非武装地帯での安全を確保するための南北軍事保障合意書が17日発効しました。南北は17日、板門店で南北軍事実務会談を開き、先に合意した南北軍事当局者間のホットラインの設置などの内容を盛り込んだ合意書に南北の国防長官が調印し、直ちに発効の手続きをとりました。この合意書では、南北軍事当局者間のホットラインは今月24日に開通させる、非武装地帯での地雷除去作業は19日から行うことなどを取り決めています。

・16日から北韓の金剛山で行なわれている韓国側の離散家族と北韓側の肉親との再会、2日目の17日は、家族水入らずの昼食会や金剛山観光などをして半世紀ぶりの対面を喜び合いました。韓国側の訪問団で、最高齢者のチョン・ジェウォンさん(94才)は、北韓にいる息子と半世紀ぶりの再会を果たしたのをはじめ、植民地解放後日本に渡り再び北韓に帰国したソン・ジンファンさん(89才)は韓国にいる娘と再会を果たしました。ところで、今回の離散家族の韓国側訪問団のうち、91才のカン・ギウォンさんは、再会初日の16日、北韓に住んでいる息子と娘3人と感激の対面をしましたが、興奮のあまり体調を崩し、同行している医師の勧めもあって、17日、予定を繰り上げ帰国しました。

・大韓サッカー協会の会長で、有力な国会議員でもある鄭夢準氏が17日、今年12月に行われる韓国の大統領選挙に立候補することを表明しました。鄭夢準氏はこの日、国会議員会館で記者会見し、「党利党略と地域感情を排除し、国民の意思を積極的に反映する未来志向の政治を実現するために、現在の高費用抵効率の政治体制を果敢に変革していきたい」と語り、大統領選挙に立候補する意思を明らかにしました。鄭夢準氏は、朴正熙元大統領の長女で未来連合代表の朴勤恵議員や野党自民連の金鐘泌総裁らの支持も取り付けたいとしており、来月中旬には選挙母体となる新党を結成する計画です。12月の大統領選には、与党民主党の盧武鉉氏、野党第一党ハンナラ党の李會昌前総裁、李漢東前首相、さらに民主労働党の権永吉氏が立候補を表明しています。

・アラブ首長国連邦のアブダビで行なわれているアジアユースサッカー大会で、韓国は17日の準々決勝でインドを3対1で破り、ベスト4進出を決めました。この大会、韓国は86年に優勝、98年には4位と、ベスト4以上の進出は今回で3回目となります。韓国は来年の世界ユース選手権への出場をかけ、ウズベキスタンとアラブ首長国連邦との勝者と対戦することになっています。

・今月29日から開幕する釜山アジア大会の選手村が17日、内外の報道陣に公開されました。選手村には、選手団の宿所と医療施設、宗教センター、文化センターなどの主要施設と、郵便局、銀行、ゲームセンター、プール、ディスコなどの便宜施設が完備されています。選手村は23日にオープンし、この日から各国の選手団が入村することになっています。

・韓国外換銀行が公示した17日午後3時現在の為替レート、日本円100円は994ウォン95銭で前日に比べ、3ウォン49銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは、1221ウォン70銭で前日に比べ、3ウォン60銭のウォン安でした。17日の韓国株式市場の総合株価指数は 726.80ポイントとイラクの査察受諾の影響をうけて、前日に比べて22ポイントの大幅上昇となりました。

・17日のソウルは久しぶりに朝から初秋の青空が広がりました。午後3時の気温は26度1分でした。18日は全国的におおむね晴れ、予想最低気温は9度から17度、最高気温は 22度から26度の予報です。

9月16日月曜日

・南北をつなぐ鉄道の京義線と東海線の復旧工事の着工式を前に行われた非武装地帯での安全を確保するための南北軍事実務会談は15日、偶発的な 衝突を防ぐために軍事当局者間にホットラインを設置することなどで合意し、軍事保障措置の合意書を取り交わすことになりました。それによりますと、 非武装地帯内の南北の管理区域は、京義線区間は250メートル、東海線区間は100メートルにして、この区間につめ所を1か所設ける。また工事の安全のために地雷と爆発物の除去作業と工事の歩調を合わせていくことになりました。南北は特に、工事の安全を保障するため24日高位軍事当局者間のホットラインを設置することで合意しました。 南北はこの合意を軍事保障書にまとめ、17日両国の国防長官が調印することになっています。

・韓国側の離散家族99人が北韓に住む肉親や親戚253人と再会するため、16日東海岸のソクチョ港から金剛山に向かいました。離散家族は1回目の再会と同じく、団体での再会と個別再会、参観再会などを果たした後、18日金剛山を後にします。一方、これにさきたって、13日から3日間金剛山で、北韓の離散家族と再会を果たした韓国の離散家族455人は、15日夕方韓国東海岸のソクチョ港に帰りました。

・安全性が問題となっている北韓の金剛山ダム=イムナムダムの共同調査に向けた南北間の実務会議が、16日から3日間北韓の金剛山で始まりました。実務会議では金剛山ダムの共同調査調査団の構成や調査の時期、方法などについて具体的に協議する予定です。韓国政府は今度の調査で、金剛山ダムの亀裂がどこまで進んでいるのかや崩壊した場合、下流域の韓国にどのような影響があるのかなどについて調べることにしています。また2011年から韓国側に年間6億2千万トンの水が不足することに対する北韓との協力方法を模索したいとしています。

・17日行われる小泉首相と北韓の金正日国防委員長との首脳会談を前に、大統領府青瓦台の朴ソンスク報道官は、「両首脳が直接顔を合わすことに意義がある。今回の会談は両国の国交正常化交渉への出発点であり、韓半島と東北アジア情勢にも好ましい影響を与えることを期待する」と述べました。朴報道官はまた、韓国と日本の外交当局は日朝首脳会談を前に実務的な協議は続けていることを明らかにしました。日本の小泉首相は17日、午前と午後2回の首脳会談を通じて、日本人拉致問題や戦後の保障問題、そして北韓のミサイル開発などの懸案について包括的に話し合うものと見られています。

・金正日国防委員長は日本の共同通信とのインタビューで日本との国交正常化に強い意欲を示し、「小泉首相の北韓訪問はこのための重要な機会になるだろう。両国関係が改善されれば、日本を訪問する」と述べました。

・ニューヨーク発連合ニュースによりますと、ニューヨークを訪れている韓国の崔成泓外交通商長官は15日、日本の川口外相と会談し、日朝首脳会談など対北韓政策について意見を交わしました。両外相はこの会談で、日米韓で緊密に連携しながら、北韓の前向きな対応を引き出すことが大事だとのことで認識が一致しました。川口外相は日朝首脳会談について「米国、韓国ともよく調整して臨みたい」としたうえで、小泉首相の北韓訪問については首脳会談が終わり次第速やかに韓国側に説明したい」と述べました。崔外相は「日朝関係に意味のある進展があることを期待する」と述べました。

・国連本部発AP連合ニュースによりますと、韓国や日本など18か国の外相は15日国連本部で、 CTBT=包括的核実験禁止条約の早期の発効を促進するための外相会合を開き 、核実験の停止や核実験を検証するための体制を整備することなどを盛り込んだ共同声明を採択しました。 CTBT=包括的核実験禁止条約 が発効するためには核兵器を保有している44か国の批准が必要とされていますが、これまで31か国だけが批准しただけで、アメリカや中国などは批准していません。

・韓国国防部は16日の国政監査の席で、アメリカがイラクへ軍事的な進攻に踏み切った場合はこれを支持することも有り得るという方針を明らかにしました。国防部はこの中で、韓国は国際社会のテロ根絶に参加し、韓米の同盟関係を強化するため、アメリカの反テロ政策を積極支援しているとして、このように明らかにしました。これと関連して国防部は、現在キルギスに派遣している陸軍の医療支援団を近くアフガニスタンのカーブルへ移動させるため、アメリカ側と協議中だとしています。

・韓国国会は16日から政府機関などに対する国政監査に入りました。初日の16日は、財政経済、国防、政務など13の常任委員会別に27の政府機関に対する国政監査が行われました。

・韓国国会の金泰植国会副議長を団長とする国会議員6人が16日から北韓を訪れます。金泰植国会副議長 ら第1陣は16日、西海の直航路で北韓を方問し、18日には、国会文化観光委員会所属の議員3人が中国瀋陽経由で北韓を訪問する予定です。訪問団はKBS交響楽団の平壌演奏会を観覧するとともに、北韓指導者と会って、中断状態となっている南北国会会談の再開などについて意見を交わす予定です。 韓国の国会代表団が北韓を公式訪問するのは分断以降初めてです。

・韓国を代表する交響楽団のKBS交響楽団が 旧暦のお盆の秋夕に、北韓の平壌で公演することになり、16日 チャーター機で直接平壌に到着しました。一行はKBS交響楽団の166人の団員や放送スタッフなど196人です。KBS交響楽団は、今月20日平壌ボンファ芸術劇場で公演するのを手始めに秋夕の21日には北韓の朝鮮国立交響楽団と合同演奏会を行います。この合同公演の模様は、KBSと朝鮮中央テレビを通じて、史上初めて韓半島全域で生で中継放送される予定です。

・今月29日開幕する釜山アジア大会の韓国選手団の結団式が16日ソウルセジョン文化会館で行われました。16年ぶりに韓国で開かれる今度の釜山アジア大会に韓国は38競技のうちカバディを除く37競技に1008人の選手団がエントリーし、総合成績で2位を目標にしています。またこの日、北韓の国旗が釜山総合展示場ベックスコにオープンしたメインミディアセンターにほかの参加国の国旗とともに掲揚されました。韓国では国内法によって北韓の国旗の掲揚は禁止されていますが、アジア大会という国際スポーツ大会で初めて例外措置として掲揚が認められました。

・2002釜山ビエンナーレが、世界40か国、230人の作家が参加して15日から始まりました。釜山ビエンナーレは「文化から文化へ」をテーマに 136点の作品が展示され、“現代美術展”、“彫刻プロジェクト”、“海の美術際”など3つの部門に別れて、これから2か月間盛大に繰り広げられます。

・韓国外換銀行が公示した 16日午後3時現在の為替レート、日本円100円は998ウォン44銭で先週末に比べて7ウォン25銭のウォン高でした。 またアメリカドル1ドルは、1218ウォン10銭で先週末に比べて15ウォン30銭のウォン安でした。16日の韓国株式市場の総合株価指数は 704.38ポイントと先週末に比べ13.79ポイントの大幅下げとなりました。

・16日のソウルは曇り、午後3時の気温は22度3分でした。17日はソウルを含む中部地方は曇り、済州島など南部地方は一時雨となるでしょう。予想最低気温は11度から17度、最高気温は22度から25度の予報です。

9月14日土曜日

・北韓の金剛山で半世紀ぶりに北韓の肉親と再会を果たした韓国の離散家族455人は2日目の14日は午前中家族ごとに半世紀ぶりの“水入らず”の団欒を楽しみ、昼食をともにしました。韓国側の離散家族は、15日最後の面会を行い、北韓の肉親と別れを惜しみながら金剛山を後にします。今回の離散家族の再会では16日から韓国側の離散家族99人が金剛山を訪れ、北韓側の肉親や親戚と再会することになっています。

・南北をつなぐ京義線と東海線の復旧工事の着工式が今月18日南北同時に行われるのを前に、非武装地帯の地雷を撤去するなど工事の安全を保障するための南北軍事実務会談が14日板門店で開かれました。 会談には韓国側から国防部軍備統制次長の金京徳準将が、北韓側からは柳英哲人民武力部副局長が首席代表として出席しました。南北はこの会談で去年2月に妥結した京義線工事に伴う軍事保障合意書41項目を再確認するとともに、東海線についてもこれにそった合意を確認し、鉄道の連結工事が始まる18日以前に非武装地帯での地雷の撤去や新たな通信網の設置などを盛り込んだ軍事保障合意書を取り交わす予定です。

・韓国と北韓を結ぶ鉄道、京義線と東海線の復旧工事にあたって鉄道の連結地点や工事装備の支援などを話し合う実務者レベルの南北協議が14日北韓の金剛山で本格的に始まりました。 この実務者会議は、15日鉄道と道路連結のための合意書と建設機械など装備支援のための借款協定を結ぶものと見られます。

・北韓を脱出した住民5人が韓国への亡命を求めて13日午後、北京のドイツ人学校の塀を乗り越えて駆け込もうとし、2人は学校の中に入りましたが、3人は中国公安当局に逮捕されました。この5人はいずれも男性で、学校内に入ったのは10代と20代の男性だということです。北京郊外にあるドイツ人学校では今月4日にも北韓脱出者15人が韓国への亡命を求めて駆け込み、この15人は韓国大使館に駆け込んでいた21人とともに12日韓国に入国しました。

・ニューヨーク発連合ニュースによりますと国連総会に出席している韓国の崔成泓外交通商長官は、14日韓国人記者団との懇談会で、アメリカのブッシュ大統領の国連総会での演説はイラクのフセイン政権の問題の解決にあたっては、国連を尊重する意志を表明したものであり、国際社会も前向きに評価しており、韓国政府も同じ立場だと述べました。崔成泓長官はアメリカがイラクに軍事進攻した場合の韓国政府の対応については、「今の段階では何も言えない」と慎重な構えを見せました。崔成泓長官は、これにさきたってアメリカのパウエル国務長官と会談し、最近の南北関係の進展について評価するとともに、今後も対北政策を進めるにあたって緊密に協力していくことで意見が一致しました。崔成泓長官はニューヨーク訪問中にアメリカのパウエル国防長官との会談に続いて日本の川口外相、ロシアのイワノフ外相ら15人あまりの外国高官と会談し、南北問題などについて意見を交わす予定です。

・韓国と日本、中国の3か国はブルネイで開かれるASEAN=東南アジア諸国連合の閣僚会議を前に13日 経済通商担当相会議を開き、今後知的財産権の保護と電子商取引の不正防止に協力していくことで一致しました。この会議では韓国と日本が中国に対して、鉄鋼製品に対する中国政府の一時的なセーフガード=緊急輸入制限措置に憂慮を示しました。3か国の経済通商担当相会議は、去年11月韓日中首脳会談で提案されてから今回が初めてです。

・韓国政府は先月の台風15号による被害を受けた地域全域を「特別災害地」に指定し、住宅の復旧や農作物の被害に対する補償を急ぐことになりました。「特別災害地」に指定されたのは、全国16の広域市や道の232の市・郡・区で、8月の長雨によって被害を受けた慶尚南道金海市やハムアン郡、ハプチョン郡も追加して特別災害地の適用を受けました。特別災害地に指定された地域に対しては、一般地域の支援金に比べ5倍の支援金が交付され、住宅や農作物の被害には復旧経費が補助されます。また死亡あるいは行方不明になった人には2000万ウォン、怪我をした人には最高1000万ウォンが、また住宅の被害には最高500万ウォンの特別見舞金が支給されます。

・台風15号による集中豪雨で流失した国鉄京釜線のカムチョン鉄橋が復旧し、京釜線は13日午後から平常のダイヤで運転されています。

・14日のソウル市場は土曜日のため取り引きがなく、前日13日の為替レートは日本円100円は1005ウォン69銭、アメリカドル1ドルは 1202ウォン80銭でした。14日のソウル市場は土曜日のため取り引きがなく前日13日の総合株価指数は718.17ポイントでした。

・14日は曇り、正午の気温は23度2分でした。15日は全国的に曇り、南部の済州島と全羅南道では一時雨となるでしょう。予想最低気温は12度から19度、最高気温は23度から26度の予報です。

9月13日金曜日

・韓国と北韓に生き別れとなった南北離散家族の再会が13日から北韓の金剛山で始まりました。5回目となる今回の再会では、13日から15日まで韓国に住む家族が北韓側の離散家族100人と再会し、16日から18日までは、韓国の離散家族100人が、北韓に住む家族と会うことになっています。韓国に住む家族455人は13日ソクチョ港からソルボン号で北韓の金剛山に向かい、北韓の離散家族とほぼ半世紀ぶりという感激の再会を果たしました。

・南北をつなぐ鉄道の京義線と東海線の復旧工事を進めるにあたって休戦ラインをはさむ非武装地帯の地雷を撤去する事などを協議する南北軍事会談が14日板門店で開かれることになりました。南北はこの会談で去年2月に妥結した京義線工事に伴う軍事保障合意書41項目を再確認するとともに、東海線についてもこれにそった合意を確認することになっています。会談には韓国側から国防部軍備統制次長の金京徳準将が、北韓側からは柳英哲人民武力部副局長が首席代表として出席します。南北双方は、鉄道の連結工事が始まる18日以前に非武装地帯での地雷の撤去や通信網の設置などを盛り込んだ軍事保障合意書を取り交わす予定です。

・京義線と東海線の連結事業のための実務協議会が13日から3日間の日程で北韓の金剛山で始まりました。今度の実務協議で、南北双方は鉄道工事のため北韓が求めた資材と各種建設装備などを韓国が借款の形で支援することに意見がまとまるものと見られています。また今回の会議では、京義線と東海線の鉄道と道路の正確な連結地点やレールの幅、信号の運営体系など列車の運転に備えた技術的な問題などについても協議するものと見られています。

・先の南北経済協力推進委員会の合意により韓国が北韓に支援する肥料10万トンのうちの1万トンが船積みされ、13日東海岸のウルサン港から北韓の南浦港に向かいました。今度の肥料支援は延べ12回にわたって、来月中旬まで行われます。これに先立ち韓国政府は7日、南北交流推進委員会で北韓に支援する米30万トンの借款分として1千676億ウォン、無償で支援する肥料の経費330億ウォンを南北協力基金から支出することを承認しました。

・南北のテコンドー交流の歴史的な第1歩を踏み出す、韓国側のテコンドー師範団が14日の北韓訪問を前に結団式を行いました。大韓テコンドー協会のクチョンソ団長は、「平壌公演を成功させこれまで別々の道を歩んできた南北のテコンドーを統一する礎を作りたい」と挨拶しました。韓国側の訪問団50人は14日仁川国際空港からチャーター機で直接平壌に向かう予定です。

・韓国の去年の貿易黒字は、OECD=経済協力開発機構の加盟国のうち、8位であることがわかりました。韓国貿易協会によりますと、去年の韓国の貿易黒字は、93億ドルで、29か国のOECD加盟国の中では8位でした。黒字の1位は790億ドルのドイツ2位は345億ドルの日本、3位は328億ドルのアイルランドでした。黒字を出した国は10か国で、4、328億ドルの赤字を出したアメリカを含む19か国は貿易の赤字をお記録しています。

・韓国環境部は13日から行政自治部や国防部、それに地方自治体に呼びかけて公務員や軍人なども含めて 54万人が参加する国土大清潔運動を繰り広げています。環境部によりますと、先の長雨や台風で大きな被害を受けた地域の跡片づけや旧暦のお盆、秋夕とアジア大会を前に河川敷きや道路周辺の清掃を実施することにしています。この運動には全国の6600の企業と3、616の学校、軍も部隊などが参加しています。

・釜山アジア大会組織委員会は12日、男子サッカーの組み合わせを発表しました。それによりますと、韓国は27日釜山グドクサッカー競技場で、モルジブと対戦することになりました。日本は28日同じくグドク競技場で、パレスチナと、北韓は28日香港と対戦します。さらに中国は27日トゥルクメニスタンと対戦することになりました。

・アメリカのメジャーリーグ テキサス・レインジャーズの朴賛浩投手が13日の対しあとるマリナズ戦で勝利投手となり、先月のヤンキーズ戦から5連勝、今シーズン9勝目をあげました。この試合朴賛浩投手は5回ワンアウトまで3点を許しましたが、チームの打線の救護もあって7対3で勝利投手となりました。朴賛浩投手は残り2試合で1勝すれば、6年連続10勝、二桁をマークすることになります。

・今年2002年は韓国訪問の年で韓国では海外旅行客に誘致を進めていますが、韓国訪問の年推進委員会と韓国観光公社が先日南アフリカ共和国のヨハネスブルクで開かれた環境開発サミットの関係者やマスコミなど70か国620人を対象に行ったアンケート調査で、韓国が“最も行きたいアジアの国”に選ばれました。韓国についでは 日本、中国、香港、シンガポールの順でした。またこのアンケートに応じた半数の人は、韓国のイメージとしてワールドカップをあげ、78%がワールドカップ以降韓国に対するイメージが向上したと答えました。

・韓国外換銀行が公示した13日午後3時現在の為替レートは日本円100円は1005ウォン69銭で前日に比べて6ウォン69銭のウォン安でした。またアメリカドル1ドルは、1202ウォン80銭で前日に比べて1ウォンのウォン安でした。13日の韓国株式市場の総合株価指数は 718.17ポイントと前日に比べて21.05ポイントの大幅下げとなりました。

・13日のソウルは晴れのち曇り、午後3時の気温は22度9分でした。14日は全国的におおむね晴れ、予想最低気温は 11度から19度、最高気温は23度から28度の予報です。

9月12日木曜日

・北韓の金剛山観光事業の経営再建を協議するため、金剛山で行なわれている南北当局間会談は12日、年内にも陸路による観光を行うことで原則的に一致したものの、金剛山観光事業を行っている現代アサンが北韓に滞納している観光料の支払いを韓国政府が保証するよう北韓が求め、最終調整が難航している模様です。韓国と北韓は会談最終日の12日の全体会議で、今年11月末に東海線の臨時道路が完成し次第、陸路による金剛山観光を行うことと、北韓が金剛山を経済特別区域に指定して、外国資本の誘致と移動を自由化することで原則的に合意した模様です。しかし北韓は金剛山観光を経営している現代アサンが北韓と契約を行った際に約束した9億4,000万ドルのうち、5億6,000万ドルを滞納していると主張し、2005年の2月までに確実に支払うよう韓国政府の保証を求めているということです。これについて韓国政府は、南北の和解を象徴する事業とはいえ、民間企業の事業に政府が直接介入することはできないと難色を示しており、会談は最終調整で難航している模様です。

・先月、中国の北京にあるドイツ人学校に韓国への亡命を求めて駆け込んだ北韓住民15人と、数回にわたって韓国大使館に駆け込んだ21人の合わせて36人が12日、第3国を経由して韓国入りしました。韓国大使館に駆け込んでいた21人は11日夜、中国からフィリピンのマニラを経て、12日午前5時過ぎ、仁川国際空港に到着しました。また北京のドイツ人学校に駆け込んでいた15人は、11日中国からシンガポールに向かい、12日未明に大韓航空を利用して韓国入りしました。このように30人を超える北韓脱出者が一度に入国したのはこれが初めてです。

・韓国戦争で韓国と北韓と生き別れとなった南北の離散家族の再会事業が13日から18日まで北韓の金剛山で行なわれます。5回目となる今回は、まず13日から北韓の離散家族100人と会う韓国側の肉親458人が東海岸の草束港から客船で金剛山に向かい、2泊3日間の日程で、合わせて6回、半世紀ぶりの再会を果たします。16日からは韓国側の離散家族99人が金剛山に行き、北韓に住んでいる肉親と再会します。

・今年12月に行なわれる韓国の大統領選挙に出馬することが確実視されている、大韓サッカー協会の会長で国会議員でもある鄭夢準氏が、来月10月に新党を結成することを明らかにしました。これは鄭夢準氏が11日、韓国の連合ニュースとのインタビューで明らかにしたもので、鄭氏は「大統領選挙まであまり時間が残っていない。来月中旬には新党を旗揚げするため、与野党の議員とも接触している」と述べ、韓国の国会で院内交渉団体となる20人以上の議員による新党を目指していることを示唆しました。韓国与党=民主党や最大野党=ハンナラ党はすでにそれぞれの大統領候補による選挙体制に入っており、鄭夢準氏が新党結成の方針を明らかにしたことで、韓国の政党の再編成の動きが一気に活発化することが予想されます。

・アメリカでの同時多発テロ事件からちょうど1年の11日、韓国のアメリカ大使館でも関係者300人が出席し、テロの犠牲者を悼む追悼式が行なわれました。この席で韓国外交通商部の金恒経長官代理は、「テロは自由と平和・民主主義を愛する世界人類を脅かす最悪の犯罪だ。韓国政府は今後ともテロ根絶に立ち向かうアメリカを支援してゆきたい」と述べました。ところで、仁川国際空港は11日から空港内外の警備を強化しています。空港警察隊は、アメリカ便の旅行客に対しては靴の中まで調べるなど、普段の2倍以上の時間をかけて検査を徹底しています。また韓国では今月29日に開幕する釜山アジア大会に備えて、釜山の金海空港や釜山港でも出入国の検査体制を強めています。

・韓国の先月8月の失業率が2.9%となり、4カ月連続2%台という安定した水準で推移しています。統計庁が12日発表した「8月の雇用動向」によりますと、先月の失業者は65万8,000人、失業率は2.9%で7月に比べ0.2ポイント上昇しました。韓国の失業率は98年の外貨危機以後、3%以上の水準が続いていましたが、今年5月に初めて2%台となり、4カ月連続2%台の安定した水準となっています。

・98年の外貨危機で相次いで経営破綻した金融機関に韓国政府が投入した公的資金の回収はいまだに31%、50兆ウォンに止まっていることが分かりました。財政経済部が12日まとめた“2002年公的資金の管理白書”によりますと、今年6月末現在、韓国政府が投入した公的t資金は156兆6,800億ウォン=日本円で15兆6,500億円で、このうち回収したのは31.8%に当る49兆8,200億ウォンでした。

・ソウルを初め、釜山、大邱、仁川、光州の5つの都市の地下鉄は毎年合わせて1兆ウォンの赤字決算で、経営の改善を迫られていることが分かりました。これは国会に提出された国政監査報告によるものです。それによりますと、ソウルなど5つの都市の地下鉄は去年1年間の赤字が1兆294億ウォン=1,000億円で、これまでの累積赤字の総額は3兆8,955億ウォン=3,900億円に上るということです。

・日本の大学センター試験に当る韓国の大学修学能力試験が今年は11月6日、全国で一斉に行なわれますが、志願者は67万5,000人あまりと、これまでの最低となりました。大学修学能力試験を担当する「韓国教育課程評価院」が11日で締め切ったところによりますと、来年度の志願者は、在学生の現役が48万2,000人、浪人が17万9,000人、それに検定試験合格者など3万人の合わせて67万5,000人あまりです。これは去年に比べて6万3,000人少なく、大学センター試験制度が始まって、最低の志願者となりました。この結果、来年度の4年生大学の平均競争率は1.36倍と、今年度よりやや低くなるものとみられます。

・今月29日に釜山で開幕するアジア大会を盛り上げようと、釜山市は参加国を応援するサポーターを国別に募集していますが、参加44カ国のうち、北韓の応援を希望する人が最も多いことが分かりました。釜山市はOCA=アジアオリンピック評議会の加盟の43カ国と今大会にオブザーバーとして参加する東ティモールの、合わせて44カ国のサポーターを募集した結果、北韓応援を希望する人は予想された500人の3倍に当る1,500人で、主催国韓国の500人、中国と日本それぞれ600人を大きく上回りました。

・韓国外換銀行が公示した12日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、999ウォンで、前日に比べて4ウォン75銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1201ウォン80銭で、前日に比べて1ウォン30銭のウォン高でした。韓国株式市場の12日の総合株価指数は、739.22ポイントと、前日に比べて14.51ポイント上昇しました。

・12日のソウルは雨のち曇り、午後3時の気温は19度2分でした。13日は江原道や慶尚南道・慶尚北道は曇りのち雨で、全般にぐずづいた天気になるという予報です。予想最低気温は15度から20度、日中最高気温は25度から28度の見込みです。

9月11日水曜日

・先月、中国の北京にあるドイツ人学校に韓国への亡命を求めて駆け込んだ北韓住民15人と、数回にわたって韓国大使館に駆け込んだ21人の合わせて36人が12日、第3国を経由して韓国入りしました。韓国大使館に駆け込んでいた21人は11日夜、中国からフィリピンのマニラを経て、12日午前5時過ぎ、仁川国際空港に到着しました。また北京のドイツ人学校に駆け込んでいた15人は、11日中国からシンガポールに向かい、12日未明に大韓航空を利用して韓国入りしました。

・韓国の金大中大統領は今月22日からデンマークのコペンハーゲンで開かれる ASEM=アジアヨーロッパ首脳会議に出席するため今月20日ソウルを出発します。金大統領はこの会議で韓国政府の対北韓政策に対する加盟国の支持を再確認するとともに、韓半島和平のための政治宣言を採択するよう働きかけることにしています。金大統領はこの機会に日本の小泉首相やEU=ヨーロッパ連合の議長国のデンマークのラムセン首相、EUのフロディー執行委員長とそれぞれ会談する予定です。また金大統領は前回の議長国として、ASEM会議の開幕演説を行い、南北韓の鉄道と道路の連結工事が始まることを説明し、アジアとヨーロッパを結ぶ鉄のシルクロードの実現にむけて加盟国の協力を求める予定です。金大統領は、またASEM全体会議で、ユーラシアの超高速通信網の構築とASEM奨学事業にも参加を促すことになりました。金大統領はこれに先たち、経由地のオランダで韓国観光代表、100人と懇談会を開くとともにヒディンク前韓国チームの監督と昼食会を開くことにしています。

・北韓の金剛山観光事業の経営再建を協議するため金剛山で行われている南北当局間会談は、11日全体会議と実務協議を行い、金剛山の観光特別地区の指定や新たに陸路による観光ルートを設ける問題について意見を交換しました。この日の協議で韓国側は 金剛山の観光特別地区の中で韓国企業と個人の投資と活動の自由の保障を求めました。また、南北をつなぐ東海線の臨時道路が完成する今年12月以前にも金剛山の陸路による観光を実施することを提案しました。これに対して北韓も、原則的に賛成の意向を示しました。北韓はまた陸路による観光ルートとともに、現在行われてい客船による観光も並行して行うよう求めた模様です。双方は12日実務協議を行い、合意事項を発表する予定です。

・アメリカ国務省の外交消息筋は10日、「北韓に派遣する予定の特使はケリー次官補であり、アーミテージ国務省副長官が北韓を訪問すること計画はない」と述べました。また別の外交消息筋は、最近ニューヨークで行われた米朝間の実務協議は、北韓側の担当者の交代に伴うものだったと説明しました。

・韓国の金大中大統領はアメリカニューヨークの同時多発テロ事件から1年の10日、ブッシュ大統領にメッセージを送り、犠牲者の遺族とアメリカ国民に深い哀悼の意を伝えました。金大統領はこの中で、テロ根絶へむけて国際社会とともに献身しているブッシュ大統領のリーダーシップをたたえるとともに、かつてないテロ事件から立ち上がったアメリカ国民に敬意を表すると述べました。また韓国政府はアメリカの同盟国として テロ防止に参加しており、今後もアメリカとともにテロの根絶へむけて努力することを明らかにしました。

・韓国の崔成泓外交通商長官はニューヨークで開かれる国連総会に出席するため11日ソウルを出発しました。崔成泓長官は、国連総会で、テロと世界化問題などに対する韓国政府の立場を明らかにするとともに、韓半島情勢と北韓政策について説明する予定です。崔成泓長官はまたニューヨークでアメリカ、日本、ロシアの外相と会談し、最近の韓半島情勢の進展状況と小泉首相の北韓訪問に対する韓国政府の立場を説明し、協力を求めることにしています。

・南北は11日午前板門店の連絡官接触で13日から15日まで金剛山で開かれる南北鉄道連結事業の当局者会談に出席する代表団の名簿を交換しました。韓国側は、趙明均統一部交流協力局長がまた北韓側は朴チョンソン鉄道省局長がそれぞれ首席代表をつとめることになっています。

・韓国と北韓のテコンドー交流としては初めてまず韓国のテコンドー師範団が14日から北韓を訪れ、模範演技を行うことになりました。大韓テコンドー協会によりますと、韓国側の訪問団はテコンドーの選手35人を含む、協会役員や取材陣など50人で今月14日から17日まで北韓を訪れ、模範演技などを公開することになっています。一方、北韓側は、来月下旬ごろ訪問団を韓国に派遣することになっているということです。

・FTA自由貿易協定の締結交渉を進めている韓国とチリは、11日からスイス ジュネーブで、局長級の実務協議を始めました。今回の協議に、韓国は外交通商部の李聖周通商局長が、またチリは外務部のレボイエド市場接近局長が首席代表として出席し、先月サンチアゴで行われた5回目の交渉で提示された果実類や畜産物、農産物などに対する関税の撤廃問題や関税割り当て制度などについて、突っ込んだ話しあいを行う予定です。

・先月の韓国の総合商社の輸出実績が大幅に増えています。このうち三星物産は今年3月から輸出の取り扱い量が去年の実績を上回るようになり、 先月は19億4千万ドルと7月のほぼ1.5倍となりました。LG商社は先月の輸出が11億5千万ドルで、去年に比べ18%増えました。デウ・インターナショナルも先月の輸出が2億9千万ドルで、去年より40%増えました。業界では当分はこのような趨勢が続くと見ています。

・海を隔てている韓国と日本の研究機関が協力しようという韓日海峡圏研究機関の協議会総会が11日釜山市で両国の11の研究機関が参加して開かれました。総会はウルサン発展研究院の新規加入を承認し、釜山発展研究院の金ハクロ院長を次期会長に選び、12日のセミナーで双方の環境協力について討論します。この韓日海峡圏研究機関の協議会は、94年9月両国の共同関心事と協力について情報交換と共同研究するため発足したもので、韓国の五つの地域の発展研究院と国際東アジア研究センター、日本の九州の6つの研究機関が参加してます。

・韓国外換銀行が公示した11日午後3時現在の為替レート日本円100円は1003ウォン75銭で前日に比べて6ウォン87銭のウォン高でした。またアメリカドル1ドルは、1203ウォン30銭で前日に比べて4ウォンのウォン安でした。11日の韓国株式市場の総合株価指数は 724.71ポイントと前日に比べて11.41ポイント大幅に上昇しました。

・11日のソウルは晴れ、午後3時の気温は29度2分でした。12日は全国的に晴れ、ところによってにわか雨となるでしょう。予想最低気温は 14度から21度、最高気温は23度から29度の予報です。

9月10日火曜日

・韓国の金大中大統領は10日、新しい首相代理に 金碩洙前中央選挙管理委員長を指名しました。金碩洙氏は、69才、最高裁判所の判事も努めた裁判官の出身で、中央選挙管理委員長を経て、政府の公職者倫理委員会の委員長を務めています。金大中大統領はこの2カ月間に指名した2人の首相代理がいずれも国会の人事聴聞会で土地投機や資産運用などの個人的なスキャンダルで国会の同意が得られず、首相不在で2カ月にわたる政治の空白が続いています。

・北韓の金剛山観光事業の経営再建を協議する南北当局者会談が10日から3日間の日程で北韓の金剛山で始まりました。今回の会談では、金剛山を観光特別区域に指定することや、海上ルートに加え 新たに陸路によるルートの開発、観光客の出入国審査を簡素化することなどが議題になるものとみられます。金剛山観光事業を巡る南北当局者会談は去年10月、初めて開かれましたが、北韓側が陸路による観光については軍事上の問題を理由に難色を示し、話し合いは物別れに終わっています。

・先の南北経済協力推進委員会の合意で韓国が北韓に支援する40万トンの米のうち、第1陣の5000トンの船積みが9日、全羅南道木浦港で始りました。韓国の貨物船タイガースター号での船積み作業は18日までに終り、タイガースター号は19日、北韓の西海岸の南浦港に向かう予定です。今回北韓に送られる40万トンの支援は今後5か月間、7回に分けて、北韓の各地方へ送られることになっています。

・韓国政府は台風災害史上最悪となった台風15号による被害を復旧するために、4兆1千億ウォンの補正予算案を今開かれている国会に提出することにしました。韓国政府によりますと、台風15号の被害はおよそ5兆5千億ウォンに上り、これを復旧するためには7兆7千億ウォン程度が必要としています。このうち4兆1千億ウォンを補正予算に計上し、復旧工事を急ぐことにしたもので、国会は近く政府が提案した通り補正予算案を承認する見通しです。

・アメリカニューヨークの同時多発テロ事件から丁度1年、アメリカが新たにイラクへのフセイン政権の交代を求めて軍事的な圧力を加える動きに出ていますが、韓国人の多くはアメリカのこうした対外政策について不信を抱いていることが分かりました。これは韓国の世論調査機関が今年7月から8月までに、韓国をはじめ世界36か国の2万8,000人を対象に同時に行った「テロに対する世界の人々の認識調査」で分かったものです。それによりますと、韓国人の55%が「アメリカの対外政策は自国に悪影響を及ぼす」と回答、全体の43%に比べ、韓国人のアメリカの対外政策に対する不信感の強いことを伺わせています。また「国際的なテロ事件を防ぐための効果的な方法は何か?」という問いに対して、全体の54%が「軍事力の動員」と答えましたが、韓国人は33%で、軍事的な圧力が必ずしもテロの防止につながらないと考えていることがわかりました。

・今年6月、韓国西海岸の黄海で起きた南北海軍による銃撃戦で中断されていた西海岸ヨンピョン島沖合いでのワタリガニ漁が10日から再開されました。韓国の海洋水産部は西海岸でのワタリガニ漁の再開にあたって北韓との海の境界線となっているNLL=北方限界線付近でのトラブルを避けるため、漁船による自主的な海上パトロールを行うとともに、漁に使うさし網には、肉眼で識別できる標識を掲げるように指示しています。

・ドイツで開かれているバレーボールの女子世界選手権大会で、韓国は強豪=中国を押さえ、8年ぶりにベスト8進出を決めました。韓国時間で9日行なわれた2次リーグ最終日、B組の韓国はすでにベスト8入りを決めている中国に3対0で快勝し、B組1位でベスト8進出を決めました。韓国の女子バレーボールのベスト8進出は、94年以来8年ぶりで、韓国は11日に行なわれる準々決勝でイタリアと対戦することになりました。

・儒教思想の影響が強い韓国で、これまで遺体の埋葬は「土葬」が一般的でしたが、最近では火葬する遺族が増え、去年は40%近くになっていることが分かりました。これは韓国の保健福祉部が去年1年間になくなった24万2,730人について埋葬の方式を調べたもので、このうち9万3,493人、38.5%の遺族は火葬を選択したことが分かりました。これは10年前の1991年の17.8%と比べて2倍以上に、またおととしの33.7%を5%上回っています。韓国では朝鮮王朝時代の儒教思想によって遺体は長い間 土葬をされてきました。しかし土葬の場合は広い面積の墓が必要で、特に都市では墓地不足が深刻な上、最近では土葬に比べ比較的簡単な埋葬となる火葬を選ぶ遺族が増えており、保健福祉部では、今後火葬の埋葬が多くなるものとみています。

・韓国外換銀行が公示した10日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1010ウォン62銭で、前日に比べて1ウォン43銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1199ウォン10銭で、前日に比べ、1ウォン7銭のウォン安でした。韓国株式市場の10日の総合株価指数は、712.95ポイントと、前日に比べ、15.06ポイント上昇しました。

・10日のソウルは晴れ、午後3時の気温は29度4分でした。11日もは高気圧の圏内で、全国的に概ね晴れ時々曇り、南部地方では朝、濃い霧になるところもあるでしょう。11日の予想最低気温は、15度から20度、最高気温は26度から29度という予報です。

9月9日月曜日

・韓国政府は先の南北赤十字会談で、南北離散家族の常設面会所を金剛山に設けることで合意に達したのをうけて、関係の政府機関が具体策の検討に入りました。まず統一部は韓国戦争当時行方がわからなくなった人たちの生死の確認問題については、国防部と大韓赤十字関係者と協議して対策を講じることになりました。また金剛山に新たな離散家族面会所を設置し、南北が共同運営する問題については建設予定地の地質調査と設計などをどのように進めるか関係機関で協議を始めることにしています。

・先の南北経済協力推進委員会の合意をうけて、南北の西と東をつなぐ京義線と東海線の復旧工事の韓国側の着工式が18日、京義線のトラサン駅と江原道の統一展望台でそれぞれ行われることになりました。今度の工事は全区間の設計が終わってから着工する形ではなく、設計が終わった区間から先に着工する形で進め、工期を短縮する方式で行われます。また非武装地帯内の地雷除去と路盤工事は軍が担当することにし、建設業者は線路の敷設と設備工事を担当します。南北は先月末の経済協力推進委員会で京義線の鉄道は、今年末、道路は来年春までに完成し、東海線は第1段階として、チョジンから北韓のオンジョンリまでの27キロ、道路はソンヒョンリから江原道のコソンまでの14.2キロを1年内に完工することで合意しています。

・金剛山観光事業を活性化するための南北当間会談が、10日から3日間 金剛山で行われます。韓国側からは、統一部の趙明均交流協力局長を団長に、文化観光部と建設交通部の課長クラスが参加することになっています。韓国代表団は今度の会談で、金剛山観光特別地区の指定と陸路観光の実施にともなう出入国の手続きなどについて協議することにしています。韓国代表団20人は10日午前東海のソクチョ港からソルボン号で北韓に向かう予定です。

・北韓は南北テコンドー交流の一つとして、韓国の師範団が9月14日から17日まで北韓を訪問し、公演を行うよう提案しました。9日、大韓テコンドー協会が明らかにしたところによると、北韓の朝鮮テコンドー委員会は8日、板門店を通じて韓国のテコンドー師範団の平壌公演の日程と訪問経路、宿舎、経費などに関する意見を文書で伝えてきました。この中で北韓は、韓国師範団が14日から17日まで北朝鮮を訪問し、平壌の「テコンドーの殿堂」で1、2回公演を行い、チュチェ思想塔、朝鮮歴史博物館、東明王陵、 萬景台学生少年宮殿などを見学する日程を提案しました。また訪問の経路は、ソウルから中国・北京を経由して平壌入りするルートを、師範団の宿舎としては高麗ホテルを挙げています。 大韓テコンドー協会は、政府と協議して近く北韓側へ回答する予定です。

・日本の小泉首相は、今月17日北韓の金正日国防委員長と首脳会談を行う際にアメリカのブッシュ大統領の親書を携える予定だと日本のマスコミが8日報じました。それによりますと、親書は米朝の対話再開のために北韓の一層の努力を求める内容になるものとみられます。日本の報道によりますと、ブッシュ大統領緒は12日に予定されている米日首脳会談の時に小泉首相に親書を託す予定です。

・韓国企業が今年下半期に予定している新規の雇用は、景気の回復を受けて去年に比べ30%以上増える見通しです。就職関連企業の調査によりますと、今年下半期の雇用規模は、大企業の1万4千人など合わせて4万人あまりで、去年の下半期を30%以上 上回るということです。企業別では、大手企業のLGとロッテが3千人ともっとも多く、次が三星と新世界デパートの2500人、SKが700人、現代自動車500人などとなっています。業種別では週休2日制の実施と内需の活性化を期待する大手デパートなど流通業者が積極的な姿勢を示しているのが目立っています。

・韓国の映画「オアシス」を演出した李瘡東監督がベネチア国際映画祭で特別監督賞をまた主演の女優ムン・ソリさんが 新人俳優賞のマルチェロ・マストロヤンニ賞を受賞しました。「オアシス」は監督賞とマルチェロ・マストロヤンニ賞などの本賞以外に、国際批評家協会賞、カトリック批評家賞、若い批評家賞も受賞しました。「オアシス」は重い脳性麻痺の女性と犯罪歴のある若者の愛をテーマにした映画で、韓国では先月15日封切られ、全国で70万人が観覧しました。 ベネチア映画祭の主催者は 「重い脳性麻痺の女性と犯罪歴のある若者の出会いという重いテーマを緻密な演出によって完成度の高い作品に仕上げた李監督の力量を評価した」と説明しています。

・釜山アジア大会に参加する各国選手団は9日までにエントリーが終了し、OCAアジアオリンピック評議会加盟の43か国と地域が参加することが決まりました。またOCAは今年5月に独立した東チモールに参加を呼びかけ、来月釜山で開くOCA総会で加盟を承認することになりました。最終エントリーによりますと、出場選手の総数は9,887人と歴代アジア大会史上、最大規模です。また各国の選手団の規模では韓国が37競技、1千8人ともっとも多く、次いで日本の988人、中国の946人などで、逆に参加選手の少ない国は26人のシリアと37人のアフガニスタンとなっています。

・釜山アジア大会を世界に伝える放送と取材の拠点となるメイン・メディアセンターが今月16日オープンすることになりました。メディアセンターは国際展示場BEXCOに設けられ、大会の模様を世界に発信する国際センターと44か国の取材陣の拠点となるメインプレスセンターの二つの役割を果たす予定です。このメディアセンターには7000人あまりの取材陣が利用する予定です。組織委員会ではまた各競技場や大会本部のホテル、選手村、取材陣の宿舎などにはメディアセンターとは別にプレスセンターを設け、大会の情報を提供することになっています。

・アメリカのメジャーリーグ、テキサスレンジャーズで活躍している韓国の朴賛浩投手が8日、フロリダ州で行われた テンパペイとの試合で勝利投手となり、今シーズン8勝目を挙げました。朴選手は、この日の試合 最終回ワンアウトまでテンパペイ打線を2点に抑え勝利投手となり、先月24日のヤンキーズ戦以来4連勝をかざりました。

・韓国外換銀行が公示した 9日午後3時現在の為替レート、日本円100円は1009ウォン19銭で先週に比べて1ウォン21銭のウォン高でした。またアメリカドル1ドルは、1197ウォン40銭で先週に比べて2ウォン10銭のウォン安でした。9日の韓国株式市場の総合株価指数は 697.89ポイントと先週に比べ10.84ポイント急落し、先月12日以来1ヵ月ぶりに700の大台を割りました。

・9日のソウルは晴れのち曇り、午後3時の気温は26度9分でした。10日は全国的におおむね晴れ、予想最低気温は 14度から20度、最高気温は25度から29度の予報です。

9月7日土曜日

・12年ぶりの韓国と北韓のナショナルチームによるサッカー親善試合が7日午後7時からソウルワールドカップ競技場で6万の観衆が見守る中で行われました。 この試合南北は前半と後半、終始張り詰めた試合展開を見せましたが、結局ゴールにはならず、0対0の引き分けに終わりました。北韓はチョン・ヨンチョル選手と金・ヨンジュン選手などを中心にスピードと強い体力で脅威的な攻撃をくりひろげましたが、韓国ゴールキーパーの李雲在選手の好防衛でゴールになりませんでした。この日、南北親善試合が行われたソウルワールド競技場は統一祖国などを連呼し、韓半島の旗を振って応援する観衆の熱気に包まれました。スタンドを埋め尽くした6万の観衆は 両―チームともファインプレーに対しては、韓半島の旗を振りながら熱烈に応援を送りました。試合の後 南北選手団はアリランの歌が流れる中、大型の韓半島の旗をもってグラウンドを回り、南北の友情を確かめました。

・北韓の金剛山で行なわれている南北赤十字会談は7日、全体会議を開き、「離散家族の面会所の設置」や、「生死や住所確認の対象拡大」など、離散家族の再会事業の拡大に向けて協議しています。今回の会談には、南北ともに初めて赤十字の総裁が団長として出席しており、先の長官クラス会談で合意した5回目の離散家族の再会の日程については、今月13日からそれぞれ3日間行うことで最終的な調整を行っています。また韓国側は、年内にそれぞれ金剛山と京義線周辺の2カ所に面会所を設置し、毎月2回以上離散家族の再会を行う再会事業の定期化を提案したものとみられます

・今月17日の日朝首脳会談を前に6日からソウルで開かれた韓国・日本・アメリカの3カ国の次官補級による対北韓政策調整会議は、7日、小泉首相の北韓訪問が韓半島の平和や南北対話の進展に好ましい影響を与えるという期待感で一致しました。また今回の会議では、最近の北韓の対外政策を分析した上で、北韓へのアメリカ特使派遣、それに南北関係の進展などについて突っ込んだ話し合いが行なわれたものとみられます。

・金大中大統領は6日、外国人記者団と懇談し、今月17日に行われる日朝首脳会談では韓半島を取り巻く情勢の打開ヘ向けて一つの突破口が開かれるだろうと強い期待感を表明しました。この中で金大統領は南北関係が順調に進展する上では韓半島周辺国と北韓の関係が改善されなければならないとして、アメリカや日本、ヨーロッパ連合の協力が重要だと述べました。また紆余曲折をめぐりながらも、南北が京義線と東海線の連結工事に合意し、韓半島の平和にむけて大きな一歩を踏み出す契機を迎えたとして、人と物の往来が増えるなど南北関係において画期的な発展が見られるだろうと述べました。

・韓国のハンラ山と北韓の白頭山で5日採火された釜山アジア大会の聖火が7日午前10時、南北の軍事境界線のイムジン閣 統一丘で一つになりました。白頭山で採火された聖火は北韓住民の歓迎を受けて金剛山に到着し、その後聖火は南北非武装地帯に近い韓国の臨津閣統一の丘に運ばれました。統一の丘では南北の聖火を一つにする式典が行われ、北韓で採火された聖火を持った 組織委員会の鄭スンテク委員長は彦星に、韓国で採火された聖火を持った 済州島のマラ分校2年の金ジヘさんは織り姫に扮してそれぞれかささぎの橋をわたってきて一つに合火されました。南北が一つになった聖火は 韓半島の平和の象徴としてこれから23日間、7500人近い走者によって韓国全土、およそ 4,300キロをリレーされ、今月29日開会式が行われる釜山アジア大会のメインスタジアムで聖火台に点火されることになっています。

・北韓は今月29日に釜山で開幕するアジア大会に参加する選手団の名簿を送ってきました。北韓の朝鮮オリンピック委員会が7日板門店を通じて釜山アジア大会の組織委員会に送ってきたところによりますと、北韓は18競技に選手184人、役員や報道陣ら134人の総勢318人が参加します。北韓の選手団は23日と27日にチャーター機で韓国入りし、芸術団などで構成された応援団355人は28日、北韓の客船を利用して釜山に着く予定です。

・台風15号による韓国の被害は調査が進むに連れて拡大し、韓国政府の中央災害対策本部が7日午前8時現在でまとめた所によりますと、5兆500億ウォンに上っています。このうち、河川の氾濫による被害は5860ヵ所の1兆5580億ウォン、養殖場など水産施設の被害、1兆9307億ウォン、道路や橋の損壊1562か所、7615億ウォンなどであわせて5兆516億ウォンで 、99年の台風7号の被害1兆ウォンの5倍に上り、台風の被害としては最悪となっています。また人命被害は死亡122人、行方不明89人で、211人となりました。

・7日は土曜日のため取り引きはありませんでした。前日6日の為替レートは日本円100円は1010ウォン81銭、アメリカドル1ドルは 1196ウォン80銭でした。韓国株式市場も取り引きはなく、前日6日の総合株価指数は708.73ポイントでした。

・7日のソウルは晴れ、午後1時の気温は26度7分でした。8日は全国的に晴れ、予想最低気温は16度から21度、最高気温は25度から30度の予報です。

9月6日金曜日

・韓国中央通災害対策本部が6日午前6時現在でまとめたところによりますと、台風15号による被害は4兆2千億ウォンを超え、これまでで最も被害が深刻だった99年の台風7号の被害額およそ1兆ウォンの4倍に上っています。台風15号による被害がもっとも大きいのは、河川の氾濫による浸水で道路や橋なども1430ヵ所が流失しました。

・台風15号により大きな被害をうけた韓国の被災地の通信施設は6日までに90%が復旧しました。このうち携帯電話の中継局は96%が復旧しました。

・第4回南北赤十字会談が6日から北韓の金剛山で始まりました。韓国側首席代表の大韓赤十字社の徐英勲総裁は、「今回は、南北赤十字の責任者が直接会談する機会であり、これまでの再会事業を一歩進めて南北の離散家族が定期的に再会できるような面会所の設置など離散家族問題の根本的な解決にむけて協議したい」と述べました。韓国側の代表団5人と随行員17人取材記者10人の32人は、6日江原道のヤンヤンから雪峰号で北韓入りしました。

・日朝首脳会談と南北関係の進展に伴う対北韓政策について話しあう 韓米日3か国 の対北韓政策調整会議が6日から2日間の日程でソウルで始まりました。今度の会議で韓国政府は 日朝国交正常化交渉の進展に期待感を表明するとともに、アメリカの北韓への特使派遣の必要性を強調するものと見られています。韓国外交通商部の李泰植次官補は6日日本外務省の田中均アジア局長と会談し、日朝首脳会談にむけた両国間の意見調整を図りました。今度の会議は韓日両国会議に続いて7日韓米会議、米日会議、韓米日3か国会議の順で行われることになっています。

・韓米日の対北韓政策調整会議に出席するため韓国を訪れたアメリカ国務省のケリー東アジア太平洋担当次官補は6日、丁世鉉統一長官と 崔成泓外交通商長官と相次いで会談し、対北韓政策について意見を交わしました。この席で両長官は、先月の南北長官級会談や経済協力推進委員会などでの南北関係の進展について説明し、アメリカの北韓との対話再開の必要性を強調しました。これに対してケリー次官補は今度の韓米日会議を通じて南北関係と日朝関係の進展状況を分析した上で、自らの北韓訪問を含む 具体的な計画を決めるだろうという考えを伝えたものと見られます。

・アメリカ国務省のアーミテージ副長官は、「アメリカが北韓に特使を派遣するかどうかは小泉首相が今月17日北韓を訪問し、金正日国防委員長と会談するのを待って判断したい」と述 べました。これはアーミテージ副長官が記者団の質問に答えたもので、アーミテージ副長官は「ケリー国務次官補を特使として派遣する用意はあるが、小泉首相の北韓訪問で金正日国防委員長が大量破壊兵器問題にどのような見解を示すか、それによって最終的な判断をしたい」アーミテージ副長官はこのように述べ、ケリー特使の派遣は小泉首相の北韓訪問後に結論を出す方針を明らかにしました。

・北京発連合ニュースによりますと、中国外交部は先月26日中国外交部の前でデモし、外交部の建物へ進入しようとした北韓脱出者7人を、集会とデモに関する中国国内法に違反したとして裁判を行うことを明らかにしました。中国外交部のスポークスマンは5日「北韓脱出者の行為は、明らかに中国国内法の違反であり、このような行為を認めることはできない」と述べました。北韓脱出者7人は裁判によって北韓への強制送還は免れるものの、短期間の懲役刑を受けるものとみられます。

・東京で開かれる韓日議員連盟総会に出席する韓国の国会議員38人が6日仁川国際空港から出発しました。韓国側会長の金鐘泌自民連総裁は、空港で記者会見し、「日朝首脳会談に向けて小泉首相とも韓半島状勢について情報を交換することになっている」と語りました。

・今月10日に開かれる南北金剛山観光事業会談を前に、現代アサンの鄭夢憲 理事会議長が6日、民間レベルでの協力を具体的に進めるため北韓に向かいました。鄭議長は北韓訪問中、金剛山観光特別地域の指定や開城工業団地造成について話しあうことにしています。

・韓国の有力な輸出品、自動車や半導体製品などを専門に扱うインターネットショッピングモールが初めて海外で開設されることになりました。韓国貿易投資振興公社は今月24日からハンガリーの現地貿易館を中心に、韓国商品専門インターネットショッピングモールをオープンすると明らかにしました。このショッピングモールは、韓国貿易投資振興公社が今年4月から進めてきたもので、中東ヨーロッパのオンラインショッピングモールを通じて韓国商品の販売網を広げることを目標としています。韓国貿易投資振興公社は今後ヨーロッパ駐在30の韓国貿易館のネットワークを通じて、EU=ヨーロッパ連合の市場にショッピングモールを拡大する考えです。現在このショッピングモールには、三星電子、LG電子、テウ自動車など国内メーカー19社に現地のメーカー11社の合わせて30社が参加しています。

・今月末に開幕する釜山アジア大会の開会式では韓国と北韓の選手団が同時に入場行進することが決まっていますが、南北のユニーホームも同じデザインとすることになりました。南北統一のユニーホームは、ジャケットが濃紺で、アイボリ色の男子はズボン、女子はスカートです。また男女ともジャケットの下にはアイボリ色のワイシャツを着用し、12色のネクタイと黒のベルトを絞めることになっています。大韓オリンピック委員会は9日選手団の服を公開する予定です。

・南北の親善サッカー大会で5日ソウルを訪れた北韓代表チームは6日午前、京畿道パジュにあるトレーニングセンターを見て回りました。北韓代表チームはこのあと親善試合が行われるソウル サンアムワールドカップ競技場で軽い練習をし、7日の本番に備えました。

・サッカーのワールドカップでベスト4入りを実現した韓国ナショナルチームのヒディンク前監督が大韓サッカー協会の技術顧問となることが正式に決まりました。韓国を訪れているヒディンク前監督は6日技術顧問に関する契約にサインし、韓国のサッカー発展のために力を注ぐと述べました。契約期間は2004年6月までの2年間です。

・韓国外換銀行が公示した 6日午後3時現在のウォンの為替レート、日本円100円は1010ウォン40銭で前日に比べて2ウォン16銭のウォン高でした。またアメリカドル1ドルは、1195ウォン30銭で前日に比べて2ウォン50銭のウォン安でした。6日の韓国株式市場の総合株価指数は 708.73ポイントと前日に比べて12.25ポイントと大幅下落しました。

・6日のソウルは晴れ、午後3時の気温は25度5分でした。7日は北からの高気圧の張り出しで全国的に晴れ、朝方は霧のかかる所が多いでしょう。 予想最低気温は 16度から22度、最高気温は23度から31度の予報です。

9月5日木曜日

・今週7日、ソウルのワールドカップ競技場で行なわれる初の南北代表チームによる親善サッカー試合に出場する北韓の選手団が5日平壌から直接仁川空港に到着しました。北韓の選手団は選手21人とサッカー協会の関係者や報道陣など総勢49人です。一行は、6日は京畿道のパジュにあるサッカートレーニングセンターで調整練習を行い、7日午後7時から韓国代表チームと親善試合を行います。

・今月末、韓国の釜山で開幕するアジア大会の聖火が韓国のハンラ山と北韓の白頭山で同時に採火されました。アジア大会の聖火が北韓で採火されたのは、今回が初めてで、北韓の最高峰の白頭山では韓国の関係者も参加して採火式が行なわれました。 採火された聖火は安全ランプに移された後、航空機や車で6日北韓の金剛山まで運ばれ、釜山アジア大会の組織委員会に手渡されます。また韓国の最高峰=済州島のハンラ山で採火された聖火も済州島を一周した後、金浦空港から南北非武装地帯近くの臨津閣に送られ、7日、板門店で北韓で採火された聖火と一つに合わされる予定です。南北の親善を象徴する聖火は韓国全土を24日間かけて、4,294.5キロをリレーされます。釜山アジア大会の聖火は大会史上、初めて参加国のうちアフガニスタンを除いた42カ国の加盟国でも 採火されることになっており、5日は前回の開催国=タイでも採火されました。各国で 採火された聖火は大会開幕5日前の24日までに韓国に到着し、開幕日の29日に南北の聖火と一つになります。

・韓国政府はこれまで火災や爆発といった人為的な災害に限って適用してきた「自然災害対策法」を改正し、先の台風15号で大きな被害を受けた地域を近く特別災害地に指定することになりました。今回 特別災害地に指定されるのは、先月の大雨による被災地の慶尚南道の金海、ハップチョン、ハムアンと、台風15号による被害が大きかった江原道のカンルンなどです。特別災害地に指定されますと、災害復旧費用と特別見舞金の一部を中央政府から支援され、租税面での免除や減免といった優遇措置がとられます。

・台風の被害としては最悪となった今度の15号の被災地では地方自治体や軍、警察、それに99年に災害地の住民も加わっての復旧作業が全国規模で進められており、被災者に対する義援金も4日午後6時現在、235億7,400万ウォン=23億6,000万円に上っています。先月の長雨と台風15号による被害が大きい慶尚南道と江原道の被災者に飲み水とコメが不足しているというニュースが伝えられたことから、ペットボトル入りのミネラルウォーターとコメ、コップラーメンなどの救援物資が政界・産業界・市民団体などから被災地に送られました。また99年と96年の大雨で被害を受けたソウル市と京畿道では、当時、江原道の住民から大きな支援を受けたとして、3日から救援物資と医療陣を派遣しています。 また陸海空軍は4日、全国453カ所で6万7,000人が復旧作業に当っており、家電業界では被災地の住民を対象に浸水した家電の無償修理を行っています。

・韓国国防部は、4日、先週末の台風15号により、韓国空軍の戦闘機「F−5」16機が浸水の被害を受けたのをはじめ、地雷84発を流失したと発表しました。このため軍当局は浸水した戦闘機の整備と地雷の捜索作業を進めています。韓国国防部では、この被害の詳しい情報は軍の機密上、発表できないとしていますが、第1線に配備されている戦闘機が水に浸って飛行できないという異常事態となっていることが明らかになりました。

・日本の小泉首相の北韓訪問を控えて、韓国・日本・アメリカの3カ国は6日から、ソウルで対北韓政策を協議する次官補級の調整会議を開くことになりました。今回の会議では最近の南北関係の進展と今月17日の日朝首脳会談を受けてアメリカがどのような対北韓政策を打ち出すかが焦点になるものとみられています。特に、日朝首脳会談については、アメリカ側は歓迎の意向を表明しているものの、北韓の大量破壊兵器問題を巡っては、日本側と必ずしも十分な調整が図られていないという観測もあり、アメリカ側の出方が注目されています。

・北京の韓国大使館にこれまで数回にわたって駆け込んだ北韓住民21人が韓国への出国を希望していますが、今週6日、第3国のフィリピンに到着し、その後ソウルに向うものとみられます。フィリピン政府の関係者が4日明らかにしたところによりますと、この21人は当初4日夜中国を出発してフィリピンに到着する予定でしたが、韓国政府の事情で日程をずらしたということです。21人は男性9人、女性12人で、生後5カ月の乳児から62才までの幅広い年齢層の住民だということです。

・今月3日、北京にあるドイツ人学校に駆け込んだ北韓住民16人も近く韓国への出国が決まる見通しです。ドイツの消息筋が明らかにしたところによりますと、ドイツ大使館はこの北韓住民16人の駆け込み事件で8日までは休校とし、中国と16人の取り扱いについて協議を行っています。ドイツ大使館の関係者は「中国外務省は望ましい解決を希望しており、この16人が韓国に行くものと楽観している」と述べました。

・韓国の国際空港だったソウルの金浦空港の用地の一部=20万uが総合レジャー施設として開発されます。金浦空港は去年 国際線が仁川空港に移転した後、国内専用空港になり、およそ20万uという広い用地が遊休地となっています。そこで韓国航空公社では、ここにホテルや商店街、エンターテインメント施設、スポーツ施設、展示施設などを誘致し、テーマパーク型の総合的なレジャー施設を設けることになりました。韓国航空公社はこの総合レジャー施設の工事の入札を年末までに行う予定で、韓国の大手建設会社を初め、アメリカのレジャーランドも関心を示しているということです。金浦空港では国内ターミナルには、現在 大型ディスカウントショッピングセンターや9つのスクリーンを備えた映画館を整備する工事も行われており、こうした施設はこの年末から営業を始めることになっています。

・毎月一定の料金を払えば、国内であれば、何回でも電話がかけられる定額通話料金制度が今月10日から韓国で実施されます。この定額通話料金制度を導入するのは、韓国最大手のKT=韓国通信で、それぞれの家庭の1年平均の月額料金に一定額の割り増し料金を加算するもので、例えば、月平均の電話料金が1カ月1万ウォンまでの家庭では1,000ウォン、2万ウォンまでの家庭では1,500ウォンをそれぞれ加算した料金となります。またデイコムやハナロ通信、オンセ通信も月額料金制度の導入を検討しており、携帯電話の普及で需要が減っている有線電話の料金制度の見直しに拍車がかかるものとみられます。

・韓国外換銀行が公示した5日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1012ウォン56銭で、前日に比べて6ウォン71銭のウォン高でした。アメリカドル1ドルは1192ウォン80銭で、前日に比べて2ウォン50銭のウォン高でした。韓国株式市場の5日の総合株価指数は、720.98ポイントと、前日に比べて2.07ポイント下落しました。

・5日のソウルは雨のち曇り、午後3時の気温は25度ちょうどでした。6日は気圧の谷の影響を受けて、全国的に曇りところによって雨になるでしょう。予想最低気温は16度から23度、日中最高気温は22度から31度となるでしょう。

9月4日水曜日

・台風15号の直撃を受けた韓国の被害は2兆1309億ウォン、日本円で2100億円に上り、韓国の台風による被害としては史上最悪となりました。 韓国政府の中央災害対策本部が4日午前8時現在でまとめたところによりますと、台風15号による被害は 、河川の氾濫などが4500か所、8500億ウォン、田畑の冠水4万5千ヘクタールで8200億ウォン、道路や橋梁の決壊1100か所の2300億ウォン、建物の崩壊6400棟の780億ウォン、船舶645隻と水産施設20万1、770か所261億ウォンなど、合わせて史上最大の2兆ウォンを超える被害となりました。またKBSの集計によりますと、これまで全国で山崩れや増水した川にながされるなどで134人が死亡し、78人が行方不明になっています。台風15号による被害は今後調査が進むにつれてさらに増えるものとみられます。

・韓国駐在の寺田輝介大使は3日、韓国赤十字社の徐英勲総裁をたずね台風15号で大きな被害を受けた地域の住民に対する緊急支援としてテントと簡易浄水機など、1,670万円相当を贈りました。

・韓国と北韓は、南北離散家族の再会事業で再会を希望している肉親の生死と住所の確認作業を終え、それぞれの名簿を交換しました。大韓赤十字社は北韓側の120人が生死確認を要請した500人を含む700人あまりの韓国側に住んでいる家族や親戚の生死と住所を確認し、北韓側につたえました。また韓国の離散家族200人が北韓に生死確認を求めていた家族のうち、109人が健在であることが確認されました。このうち、両親は3人、夫婦12人、子供26人、兄弟や姉妹が51人などとなっています。南北はこの結果に基づいて、それぞれ100人ずつ、再会者の名簿を作成し、5日交換することにしています。

・北韓脱出者16人が3日、北京のドイツ大人学校と大使館職員の宿舎がある団地へ駆け込み、韓国への亡命を要請しました。この16人の多くは20才代から30才代の男女で、団地を囲む2メートルの塀を乗り越えて敷地の中へ入りました。この事件の後中国公安警察は数百人を動員して団地の周辺を取り囲みましたが、北韓脱出者が駆け込んだ施設は、大使館の付属施設となっているため、警察官の進入は見合わせたということです。ドイツのマスコミは、ドイツ政府は人道的な立場でこの問題が解決されるよう中国政府と協議しているとして、北韓脱出者らは前例に照らして、第3国を経て、韓国に行くだろうと伝えています。

・中国を訪れている韓国の野党ハンナラ党の大統領候補 李會昌氏は3日江澤民国家主席と会談し、韓半島の和平や両国の経済協力について意見を交わしました。この席で 李會昌氏は韓半島に平和が定着すれば、韓国も北韓に対する経済協力ができるとして、南北韓と4か国が参加する東北アジア平和協議体の構成を提案しました。また北韓脱出者問題について、人道主義にもとづいた処遇をするよう要請しました。これに対して江澤民主席は最近北韓には変化がおきている。韓半島の平和定着のためにこころよく支援すると述べました。

・韓国と日本の超党派の国会議員で作っている「韓日議員連盟総会」が今月6日から2日間東京で開かれます。今度の総会には韓国側から野党ハンナラ党の19人、与党民主党から16人、自民連4人、無所属1人の合わせて40人が出席します。韓国側代表団の団長で自民連の総裁の金鐘泌氏は、「日朝首脳会談など韓半島情勢が急展開している中で開かれる総会だけに両国の議員は最善を尽くさなければならない」と述べました。「韓日議員連盟総会」は合同総会に続いて外交安保委員会など5つの分野別に韓日両国の協力について話し合う予定です。

・韓国政府は来年7月から週休2日制を実施するための関連法を6日国会に提出することになりました。政府がまとめた週休2日制法案では、法定労働時間を現在の週44時間から40時間とし、従業人1000人以上の大手企業については、来年7月から、500人以上の中小企業では再来年7月1日から適用するなど授業員の規模によって2007年までの5年間をかけて段階的に実施することにしています。 労働部の関係者は「来年7月から公共機関と金融保険業界、大企業をスタートに段階的に週休2日制を実施する方針に変りはないが、財界と労働界の立場が鋭く対立している中小企業の実施時期などはまだ結論を得ていない」としています。

・フィナンシャルタイムズのドイツ語版は海外の投資家が現在もっとも注目しているのは韓国の株式市場だと伝えました。これは、フィナンシャルタイムズが、ロイター通信のファンドマネージャーを対象におこなったアンケート調査を引用したもので、70%の人が今後12ヶ月間もっとも有望な投資国として韓国を選びました。アンケート調査に参加したファンドマネージャーは「韓国経済は鈍化しているものの、強力な内需市場をもっており、投資も増えている」と指摘したと伝えました。

・今月末開幕する釜山アジア大会の聖火は大会史上初めて、参加国のうちアフガニスタンを除いた42か国の加盟国でも採火されることになりました。釜山アジア大会組織委員会は、韓国のハンラ山と北韓の白頭山で5日聖火が採火され、7日に板門店で合火、一つに合わされます。また大会史上初めてそれぞれの参加国でも採火行事が行われ、大会5日前までに韓国に送られ、29日の開会式で一つされ聖火台に点火されることになります。

・韓国テコンドー協会は3日、南北のテコンドーの選手の交流の日程などを協議する実務会談を今月8日までに開くよう文書で北韓の朝鮮テコンドー委員会に提案しました。韓国テコンドー協会はこの書簡の中で、南北のテコンドー交流のための具体的な日程や派遣選手を決めたいとして、実務会談の開催が難しい場合は、文書のやり取りで折衝したいと提案しています。

・韓国外換銀行が公示した4日午後3時現在の為替レート、日本円100円は1019ウォン27銭で前日に比べて2ウォン28銭のウォン安でした。またアメリカドル1ドルは、1195ウォン30銭で前日に比べて4ウォン70銭のウォン高でした。4日の韓国株式市場の総合株価指数は 723.05ポイントと前日に比べて17.54ポイントと大幅下落しました。

・4日のソウルは晴れ、午後3時の気温は30度丁度でした。5日は中部はくもり時々雨、南部地方はくもり、ところによって雨となるでしょう。予想最低気温は 19度から23度、最高気温は24度から31度の予報です。

9月3日火曜日

・韓国を直撃した台風15号による被害は調査が進むにつれて一段と深刻になり、3日午後3時現在、136人が死亡、75人が行方不明となっています。韓国政府の 中央災害対策本部は、3日午前、死亡113人、行方不明71人と発表していますが、KBSが独自に集計したところによりますと、死者と行方不明者は合わせて211人に上っています。このうち、人命被害が最も大きいのは江原道で、裏山が崩れて建物が全壊し6人が死亡するなどで合わせて128人が死亡・または行方不明となっています。また政府の中央災害対策本部のまとめによりますと、全国で住宅1万8,000世帯余りが浸水し、670棟が全壊・または半壊しました。先月の大雨で大きな被害を受けた慶尚北道のキムチョンなど道路と通信の断絶でまだ被害状況が把握されていないところもあり、今後、被害額がさらに膨らむものとみられます。建設交通部や鉄道庁によりますと、現在単線で運行している京釜線やヨンドン線、そして江原道のチョンソン線などはいずれも完全復旧まで6カ月から1年ほどかかる見通しで、今月の秋夕の連休以前に鉄道のダイヤが正常に戻るのは事実上不可能となりました。

・台風15号による被害が最も大きかった江原道では韓国軍の兵士6,000人を初め、1万8,000人あまりが出動して大掛かりな復旧作業に取り掛かりました。また被災者26万人にミネラルウォーター、毛布、炊事道具などを緊急支援するとともに、水による伝染病を防ぐため腸チフス予防接種を行い、水が引いた地域では防疫消毒を行いました。カンルン市の場合、市内のほとんどが浸水した上、3日も水道の断水や停電が続いています。韓国政府は台風の被害が深刻な地域を特別災害地に指定して、積極的な支援に乗り出す方針です。またさしあたりの復旧作業が終わるのを待って、大きな被害の出た鉄道、道路、通信関係の施設など防災上の中心的な役割を果たす国家基幹網について再点検し、根本的な安全対策をまとめる方針です。

・台風15号による暴風の被害は、北韓の南東部でも深刻で、4日から北韓の金剛山で行なわれる予定の南北の赤十字会談は、2日後の6日からに延期されました。台風による被害について、北韓側は今のところ明らかにしていませんが、金剛山観光事業を行っている韓国の現代アサンの現地事務所などによりますと、金剛山では橋の流出や道路の崖崩れなどが相次ぎ、現代アサンの社員住宅も浸水や停電の被害を受けているということです。このため韓国政府は離散家族が再会する金剛山旅館などの被害について調査を進めています。

・北韓を脱出した住民12人が2日、北京のエクアドル大使館へ駆け込もうとしましたが、このうちの8人は中国公安警察に逮捕され、残りの4人は逃走しました。エクアドル大使館へ進入しようとしたのは、男女それぞれ6人の合わせて12人で、このうち2人は塀を乗り越えて大使館の敷地まで入りましたが、大使館の建物に入る直前、公安警察に逮捕されたということです。中国の公安当局は今年の春以来、北韓脱出者が北京の外国公館に駆け込む事件が相次いでいるため、警戒態勢を強めるとともに、北韓脱出者に対する監視活動を厳しくしているということです。

・今週7日、ソウルで行なわれる韓国と北韓のサッカー親善試合に出場する韓国側の出場選手23人が決まり、2日から調整練習に入りました。韓国のパク・ハンソ監督は「先のワールドカップ代表選手もいるので、連携プレーなどの組み立てはそれほど難しくない。親善試合とはいえ、全力で戦い是非勝ちたい」と闘志を見せていました。

・南北親善サッカー大会に出場する北韓側の選手21人の名簿が韓国の北韓サッカー協会に送られてきました。北韓の選手団は5日午後、仁川空港に到着した後、調整練習をして7日の親善試合に臨むことになっています。

・今週7日ソウルのワールドカップ競技場で初めて行なわれる南北のサッカー親善試合では、ワールドカップの時のような大規模によるソウル市役所前での街角応援は行なわれないことになりました。ソウル市は、南北の親善試合は午後がキックオフで、大勢の観衆が詰め掛けると、激しい交通渋滞が予想されるとして、市役所前で街角応援を予定している市民団体などに許可しない方針を伝えました。

・先のサッカーワールドカップで韓国のFWとして活躍した安貞桓選手が日本のJリーグへの移籍を検討しています。安貞桓選手のエージェントをしている韓国のインプレーヤー社の関係者が2日記者会見をして明らかにしたところによりますと、「安選手は、日本の「プロフェッショナル・マネージメント」とスポンサー契約を結び、現在、安選手の所有権で紛争中のイタリアのペルージャと釜山アイコンズに一定額を支払ってもらうことで合意した。ペルージャと釜山に対する精算が終われば、安選手はひとまずJリーグのチームに4カ月間レンタル選手としてプレーした後、年明けに再びヨーロッパ進出を目指す」ということです。

・アメリカニューヨークの同時多発テロ事件から今月11日で1年を迎えますが、韓国とアメリカ各地を結ぶ航空便の予約率は前後の日に比べ10%少なくなっています。韓国の航空業界によりますと、大韓航空とアシアナ航空のニューヨークやロサンゼルスなどアメリカ各地を結ぶ路線の予約率は、このところ、80%前後となっていますが、同時多発テロ事件からちょうど1年となる今月11日は、70%前後となっています。これについて韓国の航空業界は、「11日はニューヨークを初め各地でテロの犠牲者を痛む行事が行われることや、テロの再発を恐れて予約を控えたのではないか」とみています。

・アメリカのプロ野球、テキサス・レーンジャーのパク・チャンホ投手が3日、対アストロス戦で勝利投手となり、今シーズン7勝目をあげました。この日、パク・チャンホ投手は先発登板、6イニングと3分の2を投げ、ホームラン1本を許したものの、7三振を奪う好投をみせました。パク・チャンホ投手は今シーズンの残り試合で5回程度の登板が予定されており、6シーズン連続の二桁の勝利も期待されます。

・韓国外換銀行が公示した3日、午後3時現在の為替レート、日本の円100円は、1016ウォン99銭で、前日に比べて2ウォン66銭のウォン安でした。アメリカドル1ドルは1200ウォンちょうどで、前日に比べて3ウォン30銭のウォン高でした。韓国株式市場の3日の総合株価指数は、740.59ポイントと、前日に比べて11.39ポイント下落しました。

・3日のソウルは晴れ、午後3時の気温は30度2分でした。4日は高気圧の圏内に入り、全国的に曇り時々晴れ、予想最低気温は18度から23度、日中最高気温は25度から32度と、全国的に30度前後の汗ばむ暑さとなりそうです。

9月2日月曜日

・台風15号の直撃を受けた韓国では山崩れで住宅が土砂に埋まるなどしてこれまでに120人が死亡し、74人が行方不明になるなど、台風の被害としては1959年以来の大きな被害となっています。今後調査が進むにつれて死者や行方不明者はさらに増えることも予想されています。台風15号は強い勢力を保ったまま31日午後韓国全羅南道コフン地方に上陸し、南から北へ縦断する形で1日午後北東部の江原道ソクチョ市から日本海へ抜けました。済州島では瞬間最大風速56.7メートルを記録した台風15号は、韓国のほぼ全域で20メートルから30メートルの暴雨と強い雨で、特に台風の進路の北東部にあたる江原道カンルン市では897ミリという観測史上最高の雨量を記録しました。この暴風と雨で各地で山崩れや河川の氾濫などが相次ぎ、KBSのまとめによりますと2日午後3時現在、死亡120人、74人が行方不明となっています。住宅の倒産や床上床下浸水などの被害も2万5千世帯およそ7万人に上っています。また韓国の交通の動脈、ソウルと釜山を結ぶ国鉄 京釜線など8つの路線では線路が流されるなどして京釜線ではとりあえず単線で運転されています。さらに道路も京釜高速道路を始め11の路線で山崩れや土砂崩れのため一部の区間が不通となるなど、大きな被害が出ています。 韓国では今月21日最大の年中行事、旧暦のお盆、秋夕を迎えますが、鉄道と道路の全面復旧には相当の日数がかかるものと見られ、秋夕連休中の帰省客や物資の輸送にも影響がおよぶことが心配されています。韓国政府は台風15号による被害復旧のため被災者に対する税制や金融支援を積極的に行うことになりました。また被災者に対する医療診断と防疫、防災を実施することになりました。政府はこのため追加の予算を編成することを検討することにしています。一方、台風被害復旧のため韓国陸軍が大規模な支援に出ており、全国的に3万3千人の兵士が重装備250台を動員しての復旧作業を繰り広げています。ところで、釜山では、台風15号による強い風でアジア大会のメインスタジアムなど4つの競技場が被害を受けたことがわかりました。釜山アジア大会の組織委員会は2日、メインスタジアムのドームの一部が損傷を受け、ホッケー競技場やハンドボール競技場、バスケット競技場などもスタンドの上の屋根が吹き飛ばされる被害を受けました。また競技場周辺の緑地帯も植木が倒されるなどして、大会への影響が心配されています。

・韓国と北韓はさきの経済協力推進委員会で南北をつなぐ鉄道 京義線と東海線の工事を今月18日に着工することで合意しましたが、韓国政府はできるだけ早く南北軍事実務会談を行い、着工1週間前の11日には南北の軍事保障合意書を交換したいとしています。国防部の黄スポークスマンは「南北はすでに今年2月の段階で非武装地帯での京義線工事を行うための競技で大筋で合意に達しており、、軍事実務会談の前提となる国連司令部と北韓軍の協議が今週中に板門店で開かれる」と述べました。京義線と東海線の連結工事のためには、韓国駐留国連軍司令部と北韓軍との間で東海線非武装地帯の開放に合意するとともに、安全を保障する軍事保障書に署名しなければなりません。

・韓国の通常国会が2日開会しました。今度の通常国会は12月に大統領選挙が行われるため 通常は100日の会期を30日短縮し、11月8日頃 来年度の予算案を議決して閉会する予定です。国会の日程によりますと、今月16日から来月5日まで国政監査が行われ、来月7日から3日間は公的資金使用に対する聴聞会が行われます。今度の国会は大統領選挙を前にして、与党民主党と野党ハンナラ党が相手の党の大統領候補に対する各種疑惑の暴露や権力型不正に対して激しい攻防が繰り広げられものと見られ、難航が予想されます。

・日本の小泉首相が北韓を訪問し、金正日国防委員長と首脳会談を行うことについて、韓国の 丁・セヒョン統一長官は「北韓の経済改革を成功させるためには外国からの資本を導入しなければならず、北韓は日本との協議を続けることになるだろう」と述べました。これは1日KBSテレ番組に出演して述べたもので、丁統一長官はまた、釜山アジア大会にあわせて金正日国防委員長が訪問するとの一部の報道については「 金正日国防委員長の韓国訪問については特別な進展はない」と否定的な見解をしめしました。

・韓国政府は先の南北経済協力推進委員会での合意により北韓に支援する肥料10万トンを今月15日から送る計画です。韓国政府の当局者は「秋の収穫期を前に肥料の需要が高まるため急いで送りたい。輸送は12回から13回にわけて来月中旬まで行われる」と述べました。また北韓に借款の形で支援することになった米40万トンについては「まず5千トンを第1陣として19日木浦港から発送したい」と述べました。政府は今後5か月間にわたって、40万トンの米を北韓に送る計画ということです。

・モスクワ発共同連合ニュースによりますと、北韓は韓半島縦断鉄道の連結工事に先たち、DMZ=非武装地帯に埋設されている地雷を除去するためロシアの協力を要請しているとロシア政府消息筋が明らかにしました。非武装地帯の北韓側地域に埋設されている地雷の大部分は旧ソビエト製のもので、北韓は技術的な情報や地雷専門家の派遣などを求めているということです。

・韓国外換銀行が公示した2日午後3時現在の為替レート、日本円100円は1014ウォン33銭で先週に比べて1ウォン16銭のウォン高でした。またアメリカドル1ドルは、1203ウォン30銭で先週に比べて3ウォン50銭のウォン安でした。2日の韓国株式市場の総合株価指数は 751.98ポイントと先週に比べて15.58ポイントと大幅に上昇しました。

・2日のソウルは曇り、午後3時の気温は28度2分でした。3日は全国的に曇り一時雨、予想最低気温は 18度から22度、最高気温は27度から31度の予報です。

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