・「利用のシナリオ」を描いていない
利用のシナリオというのは、たとえば福祉センターまでの送迎として使う、午前中に近くのスーパーまで買い物をする、
通院に利用する、などです。スーパーへの買い物を例にとると、自宅近くのバス停から乗換えなしでスーパーの目の前まで行けて、
1時間くらい買い物をして、そこからまたバスで自宅に帰ることができれば、循環バスが利用できます。
利用されていないバスの場合、1日に実質2〜4本しかなく、午前中に買い物に行くことができないパターンが多いようです。
利用者を増やすためには、住民の多様な行動シナリオを想定し、それらを重合わせ、ダイヤを組みことが必要です。
・路線にメリハリがない
税金で運営されることが多い循環バスは、「公平性」の観点から、市町村内をくまなく巡らざるを得ないケースがあります。
そのため、運行本数が1日2〜4本となってしまうことがあります。
それより、交通空白地帯(駅や路線バス停から離れている地域)であって、かつ住宅団地などが多い地域などを重点的に
路線を設定するほうがいいと思います。
例えば、住宅団地があるのに交通が不便な地区の例として、久喜市北地区、幸手市の香日向地区などが挙げられます
(いずれも、循環バスしかなく、しかも1日6本程度のみです)。
・駅やバスターミナルなどとの接続が不便
路線バスに配慮して、駅のそばを通りながら、駅に乗入れていない循環バスを多く見かけます(例えば岩槻市内循環バスなど)。
また、路線バスと同じ場所にバス停があるのに、バス停の名前がちがう、というケースもあります。
対象が地元の人というのもあるのですが、バス乗り場がわかりにくいケースが多く見受けられます。
さらに、駅に乗り入れておらず、利用するには路線バスから乗り継ぐ必要がある循環バスの場合でも、
ダイヤ面や乗換えの待合所などの施設の面などで、路線バスとの乗継ぎがほとんど考慮されていません。
唯一の例外は、小鹿野町役場のバス待合場です。
(小鹿野町営バス、両神村営バスなどのターミナルとなっていて、快適な待合所と観光案内施設があります)。
改善策としては、例えば菖蒲町巡回バスの場合、各コースの行帰りの双方に、
菖蒲町のバス交通の要衝である菖蒲仲橋バス停を経由させる、または他市町と連携し、町内の既存のバス路線が
カバーしていない地域を拾いながら、既存のバス路線ではアクセスできない北本駅、鴻巣駅、加須駅、羽貫駅などに
路線を伸ばす、などが考えられます。