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●循環バス活性化策● 2002.5.9

最近県内では、循環バスやコミュニティバスを運行する市町村が増えています。
しかし、すべての市町村で十分に利用されているかというと、
すこし疑問に感じることもあります。

ここでは、成功している例、失敗?している例をあげて、
利用者を増やし、使いやすい循環バスとするための条件を考えてみました。

★成功している例★
 【上尾市】
  上尾駅を起点に運行しており、本数も比較的多い。
  路線バスが不便な地区を中心に運行している。座席が埋まることも多い。
  運賃も100円均一で、バスもバリアフリー対応、低公害型車両である)
 【行田市】
  市内の観光施設、駅、公共施設をうまくカバーしている。
  市の観光パンフレットなどでも、積極的に利用を呼びかけている
 【鳩山町】
  ニュータウン地区と、町の中心を結んでいる。
  特に需要の多いニュータウンの路線は本数も多い。町民の足として定着している。

★失敗?している例★
 【日高市】
  本数が非常に少なく利用しにくい。また循環する方向により運賃が変わるなど、わかりにくい。
 【菖蒲町】
  本数が少ない。また、路線バスなどとの接続が悪い。

★循環バス活性化のための処方せん★
 循環バスで利用されていないケースに共通している点があります。

「利用のシナリオ」を描いていない
 利用のシナリオというのは、たとえば福祉センターまでの送迎として使う、午前中に近くのスーパーまで買い物をする、
通院に利用する、などです。スーパーへの買い物を例にとると、自宅近くのバス停から乗換えなしでスーパーの目の前まで行けて、
1時間くらい買い物をして、そこからまたバスで自宅に帰ることができれば、循環バスが利用できます。
 利用されていないバスの場合、1日に実質2〜4本しかなく、午前中に買い物に行くことができないパターンが多いようです。
利用者を増やすためには、住民の多様な行動シナリオを想定し、それらを重合わせ、ダイヤを組みことが必要です。

路線にメリハリがない
  税金で運営されることが多い循環バスは、「公平性」の観点から、市町村内をくまなく巡らざるを得ないケースがあります。
そのため、運行本数が1日2〜4本となってしまうことがあります。
それより、交通空白地帯(駅や路線バス停から離れている地域)であって、かつ住宅団地などが多い地域などを重点的に
路線を設定するほうがいいと思います。
 例えば、住宅団地があるのに交通が不便な地区の例として、久喜市北地区、幸手市の香日向地区などが挙げられます
(いずれも、循環バスしかなく、しかも1日6本程度のみです)。

駅やバスターミナルなどとの接続が不便
 路線バスに配慮して、駅のそばを通りながら、駅に乗入れていない循環バスを多く見かけます(例えば岩槻市内循環バスなど)。
 また、路線バスと同じ場所にバス停があるのに、バス停の名前がちがう、というケースもあります。
 対象が地元の人というのもあるのですが、バス乗り場がわかりにくいケースが多く見受けられます。
 さらに、駅に乗り入れておらず、利用するには路線バスから乗り継ぐ必要がある循環バスの場合でも、
ダイヤ面や乗換えの待合所などの施設の面などで、路線バスとの乗継ぎがほとんど考慮されていません。
唯一の例外は、小鹿野町役場のバス待合場です。
(小鹿野町営バス、両神村営バスなどのターミナルとなっていて、快適な待合所と観光案内施設があります)。
 改善策としては、例えば菖蒲町巡回バスの場合、各コースの行帰りの双方に、
菖蒲町のバス交通の要衝である菖蒲仲橋バス停を経由させる、または他市町と連携し、町内の既存のバス路線が
カバーしていない地域を拾いながら、既存のバス路線ではアクセスできない北本駅、鴻巣駅、加須駅、羽貫駅などに
路線を伸ばす、などが考えられます。


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