★和名倉山探検記★
![]() | 1999年4月30日(金) 晴れ |
★コース★ 三峰口駅 6:23-秩父湖バス停6:55/7:00 -川又バス停 7:20 川又(7:20)→1173m(8:30)→1762m(10:40) →川又分岐八百平(12:40)→和名倉山頂(13:10/13:50) →山の神(1580m)(15:20)→1330mテレビアンテナ(16:50) →秩父湖バス停(18:10) 秩父湖バス停18:33-三峰口駅19:00 |
![]() | 埼玉の独立峰の最高峰である和名倉山は、標高2036m、 奥秩父の前衛としての位置に、どっしりとした姿を横たえています。 しかし埼玉側からの登山道は、現在深いやぶに包まれています。 そんなわけで、登る人が少なく、秘峰の雰囲気を漂わせています。 そんな和名倉山に、川又から入山してみました。 川又のバス停から荒川におりたところに、吊り橋があります。 和名倉山探検の入口です。 |
![]() | 川又から、標高1200mくらいまでは道がはっきりしています。 この区間は雑木林が多く、 芽吹いたばかりの新緑を楽しみながら登ることができます。 しかし、標高1200m付近からはササが多くなり、 やがて道がササに埋もれるようになってきます。 私も、1400m付近で道を見失い、 ササヤブをかき分けながら登りました。 |
![]() | ササヤブは、標高1600m付近がもっともひどくなっています。 それでも、尾根沿いに登れば、ときおり目印の赤いテープがあるので、 不安になることはありません。 1762mを過ぎるあたりから、道もはっきりしてきて、 再び快適な道が始まります。 このあたりは、30年ほど前に大規模な山火事があったところ。 今では、火事で焼けた大木の株もコケに覆われ、 荒れ地にいち早く根づいたダケカンバの木が立派に育っていました。 |
![]() | 1762mからは、しばらく和名倉山の西斜面を縫うように南へ進みます。 アップダウンが少なく、踏み跡もしっかりしているので、 気持ちの良い道です。 途中、とってもおいしい水の沸く泉や、雪渓、 雁坂峠、甲武信岳方面の展望を楽しむことができます。 また、この和名倉山は人があまり入らないことと、草原が多いことから、 ケモノの楽園となっています。 私も、野ウサギや鹿を目撃しました。 ひょっとしたら、伝説のニホンオオカミも生き残っているのかもしれません。 (写真 1850m付近から残雪の唐松尾山) |
![]() | 西側斜面の道に飽きてきたころ、 足元にリンドウの花が咲いているのを発見しました。 それにしても、リンドウは秋に咲く花だったような。。? そういえば、途中、茶色いかわいいきのこも生えていました。 秋のころは、もっとたくさんリンドウやきのこが生えて 楽しい道となるのでしょう。 |
![]() | しばらく歩くと、奥秩父主稜線からの”まともな道”と合流します。 合流地点からは、植林されて放棄されたようなカラマツの林の斜面を登ります。 そして、山頂へは、東に向かいます。 途中、山火事の跡とみられる、「千代蔵の休ン場」という 荒涼とした草原を抜けます。 その先も、小さな草原(写真)がところどころあって、 焼け残った原生林と相成って、 山上の楽園といった感じです。 |
![]() | 和名倉山の山頂は、うっそうとしたシラビソの原生林の中にあります。 いろんなガイドブックには、山頂がわかりにくいと記述されていますが、 比較的しっかりとした道がついていて、すぐにわかりました。 ここからは展望がないので、休憩する場合は、 手前の草原でとると良いと思います。 私が登った日は、冬型の気圧配置で、 国師・奥千丈岳のほか、残雪の富士山、 南アルプスを見渡すことができました。 |
![]() | さて、今度は山頂から秩父湖に通じる二瀬尾根を下ります。 二瀬への道も、比較的しっかりしています。 標高2000m付近の「北天のタル」といわれる地帯では、 一面のコケに覆われた、美しいコメツガの原生林が広がっています。 人がほとんど入らないこともあって、 原始の姿をとどめている、といった雰囲気です。 |
![]() | 北天のタルを過ぎると、再びちょっとした草原に出くわします。 ここも、休みたい雰囲気の場所です。 テントを持参された方は、 こんな場所に張るのもいいかもしれません。 |
![]() | 木には、サルオガセと呼ばれる地衣(ちい)植物が垂れ下がっていました。 このサルオガセは長さ1mを越えるほどに成長していました。 サルオガセは空気中の水蒸気を吸って生きているので、 空気がきれいな場所にしか生きることができません。 抜けるような青空をバックに、サルオガセが風にたなびいていました。 |
![]() | 二瀬尾根は、標高1600mくらいまでは、普通の登山道です。 ところどころで、後ろの和名倉山頂付近を見渡すことができます。 しかし、標高1600mから1330mのアンテナ付近までは、猛烈なやぶです。 やぶのトンネルを、体をくぐらせながら通ったり、何度もビンタをくらわせるササと 格闘しなければなりません。 しかし、このようなササは、山火事で荒れてしまった山肌を保護し、 水を貯える働きをしています。 それにしても、いつか登山道が整備されれば、 この山はとってもいい山になると思うのですが。。。 (おしまい) |